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平成22年第261回定例会(第6号)  本文 開催日: 2010-03-09
平成22年第261回定例会(第6号) 名簿 開催日: 2010-03-09

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  1. 青森県議会 2010-03-09
    平成22年第261回定例会(第6号)  本文 開催日: 2010-03-09


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(田中順造) ただいまより会議を開きます。    ──────────────────────       ◎ 新  任  者  紹  介    ────────────────────── 2 ◯議長(田中順造) 日程に先立ち、新任者の紹介をいたします。加福善貞公安委員。 3 ◯公安委員(加福善貞) ただいま御紹介を賜りました加福善貞と申します。よろしくお願い申し上げます。  昨年の十二月二十七日付をもちまして青森県公安委員会委員を拝命いたしました。浅学非才の身ではございますけれども、職務に精励してまいりますので、諸先生方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。  簡単ではございますけれども、ごあいさつとさせていただきます。今後ともよろしくお願い申し上げます。 4 ◯議長(田中順造) 日程に入ります。    ──────────────────────       ◎ 一 般 質 問 継 続    ────────────────────── 5 ◯議長(田中順造) 一般質問を継続いたします。  二十九番越前陽悦議員の登壇を許可いたします。―越前議員。 6 ◯二十九番(越前陽悦) おはようございます。私は自民党会派の越前陽悦でございます。  第二百六十一回定例会において、質問通告に従い順次質問させていただきますので、知事初め、関係部長、教育長並びに警察本部長の明快なる御答弁を賜りますようお願いを申し上げ、質問に入らせていただきます。  最初に、十二月の東北新幹線全線開業対策についての質問であります。  県民待望の東北新幹線がいよいよ九カ月後の本年十二月に全線開業を迎えます。建設工事も順調に進んでおり、ひとえにJR東日本、鉄道・運輸機構、青森県など関係機関の並々ならぬ御尽力、御努力のたまものと深甚なる謝意を表する次第であり、いよいよ開業が間近に迫ってきたことが実感できるようになり、県民も、私も、皆さんもそうでありますが、開業への期待に胸を膨らませているところであります。  私は、常日ごろより、新幹線の開業効果を最大限に生かすことにより、我が県の観光振興だけでなく、産業振興、地域振興に資すると確信するものであります。開業元年となる平成二十二年度は、何と申しましても、観光客の増大、交流人口の拡大に向けての取り組みを推進することにより、本県の観光振興並びに産業振興、地域振興につなげていくことが最重要課題であると考えているところであります。  県におかれましては、今年度から東北新幹線全線開業に係るプレキャンペーンに取り組まれ、さきに開催されました「とことん青森2010in原宿表参道」は、県民の予想をはるかに超える大きな反響があり、首都圏に強いインパクトを与えたものと確信するものであります。
     さらに、いよいよ平成二十二年度は、オープニングキャンペーンとしての東京ジャックなどの展開。平成二十三年度には、JR六社の協力のもとに実施する青森デスティネーションキャンペーンを中心としたメーンキャンペーンを展開する予定であり、今後の具体的な取り組みに対し大いに期待をしているところであります。  また、東北新幹線全線開業に合わせて、JR東日本におかれましては、JR津軽線及び大湊線に全国初のハイブリッドシステムを搭載した新型リゾート列車の導入を決定してくださっており、まことにありがたく、深甚なる謝意を表するとともに、本県としては、これを十分に活用し、新幹線の開業効果を最大限獲得していく必要があります。  このような中で、県におかれましては、平成二十二年度当初予算において東北新幹線開業元年を戦略キーワードの一つに掲げ、県の総力を結集した観光対策の推進や、あらゆる分野における開業効果の全県的、重層的、継続的な波及のための事業に七十億円余りを計上し、東北新幹線全線開業対策に取り組むことが発表されたところであります。  平成二十二年度、県におきましては、大型観光キャンペーン青森デスティネーションキャンペーン上海万国博覧会等に係る事業を中心とした誘客宣伝活動事業、縄文遺跡群や県立美術館等に係る事業を中心とした文化・芸術拠点形成事業観光コンテンツの高度化や、冬のあおもりツーリズムに係る事業を中心とした観光コンテンツ育成強化事業など、さまざまな事業に取り組むとされておりますが、私は、東北新幹線全線開業の効果獲得を確実なものとするためには、観光客の方々に、本県の自然や文化、温泉、食などを十分に楽しんでもらえるための仕組み、いわゆる観光コンテンツの育成強化が極めて重要であると考えているところであります。  また、開業時期が十二月であることを踏まえ、冬季における誘客を促進し、受け入れ態勢を整えていくことが重要な課題であり、平成二十三年四月二十三日から七月二十二日までの三カ月の期間において予定されているデスティネーションキャンペーンにおいて大きな成果が上げられるよう、デスティネーションキャンペーンの実施に向けた準備を着実に進めていくことが重要であると考えるのであります。  そこで、次の四点についてお伺いいたします。  第一点は、東北新幹線全線開業効果の獲得に向けた取り組みとして、楽しめる仕組みづくり、いわゆる観光コンテンツの育成強化が重要であると考えますが、県の具体的な取り組みについて最初にお伺いいたします。  第二点は、本年十二月の県民待望の開業を踏まえ、冬季における誘客促進及び受け入れ態勢の整備について、県では具体的にどのように取り組んでいくのかについてお伺いいたします。  第三点は、平成二十三年四月二十三日から七月二十二日までの三カ月の期間において予定されている青森デスティネーションキャンペーンに向けて、県では具体的にどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  第四点は、東北新幹線全線開業に合わせて、JR津軽線及びJR大湊線に導入される全国初のハイブリッドシステムを搭載した新型リゾート列車の活用について、県ではどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次は、本県の雇用対策についての質問であります。  長引く不況、低迷する経済状況の中で雇用問題は重要な問題であります。平成二十二年三月、新規学校卒業予定者の求人状況は、雇用情勢の悪化の影響で、労働局発表の新規高卒者の一月末の内定率が過去三年間で最低の七三・六%と、昨年度を七・四ポイント下回っており、九百九十二人が未内定者であり、大学、専門学校をも含め、非常に厳しい状況となっております。このままでは多くの未就職者が発生することが懸念されておるところであります。県内就職ができないことは、本県の地域経済にとって大きな問題であり、学卒未就職者対策や高校在学中からの就職支援に取り組むことが重要であります。  そこで、次の四点についてお伺いいたします。  第一点は、高校卒、専門学校卒、大学卒の雇用対策のこれまでの実施状況と、平成二十二年度事業として取り組むことになっている学卒未就職者、高校生就職支援対策の概要について最初にお伺いいたします。  第二点は、若年者、中高年齢者、障害者の雇用対策についてお伺いいたします。  本県の一月の有効求人倍率は〇・三〇倍と前月より〇・〇二ポイント上回ったものの、依然として厳しい状況が続いております。また、総務省の労働力調査における平成二十一年平均の全国四十五歳以上の中高年齢者の完全失業率は百二十五万人と前年より二十七万人増加したほか、平成二十一年六月一日現在の障害者の雇用状況は、本県の民間企業における障害者の実雇用率は一・六五%と、法定雇用率一・八%には達していないなど、若年者に限らず、中高年齢者や障害者の雇用も一段と厳しい状況となっております。  このため、県としても、今まで以上に、若年者を初め、中高年齢者や障害者等の雇用支援を積極的に行っていく必要があると考えます。  そこで、若年者、中高年齢者、障害者の雇用対策のこれまでの実施状況と、平成二十二年度事業として取り組むこととなっている中高年齢者、障害者等就職支援対策の概要についてお伺いいたします。  第三点は、県内の特別支援学校高等部卒業生の就職支援対策についての質問であります。  障害のある人もない人もともに生きる社会の実現を図ることが重要課題の一つであります。私は、常日ごろより、障害のある子供たちが一人でも多く社会参加ができ、自立ができる社会の実現のため、これまで長年にわたり関係者の方々とともに連携をとり合いながら、諸問題の改善、制度の確立に向けて努力を重ねてきたところであります。  しかしながら、先ほどから申し上げておりますとおり、産業構造の変化や経済状況の悪化などにより、近年の雇用情勢は非常に厳しいものとなっており、県内企業の求人数は低迷しているところであります。とりわけ、弱い立場にある障害のある方々の雇用促進や雇用率達成については長年の課題となってきたところであります。  そこで、県内特別支援学校高等部卒業生の就職支援対策のこれまでの成果と今後の取り組みについてお伺いするものであります。  第四点は、ふるさと雇用再生特別対策事業及び緊急雇用創出対策事業についてお伺いいたします。  県は、ふるさと雇用再生特別対策事業及び緊急雇用創出対策事業を今年度から実施し、雇用機会の創出に取り組まれておりますが、本事業は、厳しい雇用情勢が続いている中、県内の雇用の維持、安定に非常に重要な役割を果たしているものと私は考えております。  また、国においては、重点分野雇用創造事業を創設するなど事業の拡充をしたところであり、県においては、平成二十二年度において新制度の積極的な活用をするなど、基金事業により六千人の雇用機会の創出を図ることが提案されております。  そこで、ふるさと雇用再生特別対策事業及び緊急雇用創出対策事業のこれまでの実施状況と平成二十二年度事業の具体的な内容についてお伺いするものであります。  次は、中小企業の金融円滑化対策についての質問でございます。  県内の経済情勢が依然として厳しい中、個人企業、中小企業の方々は大変な御苦労をされながら事業の経営に努力をされているのであります。  県におかれましては、平成二十二年度当初予算に特別保証融資制度貸付金として二百二十六億三千二百万円を計上しております。そして、それを金融機関に預託し、預託を受けた金融機関が定められた融資条件により、信用保証協会の保証を付して中小企業へ融資を行う特別保証融資制度を融資枠四百億円で実施するとしております。  その中で、中小企業者が経営力向上に向けた取り組みを行っている場合に利率を優遇する措置を来年度より新たに講ずることとされているところであります。私としては、より多くの企業がこれらの制度を活用して事業活動が円滑に推進されるよう期待するものであります。  そこで、第一点目として、県の特別保証融資制度において、中小企業者が経営力向上に向けた取り組みを行っている場合に利率を優遇する措置を講ずることとしておりますが、その目的と具体的な内容についてお伺いいたします。  第二点目として、中小企業者の経営力向上に向けた取り組みを支援するため、県として今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、電源立地地域対策交付金についての質問であります。  六ヶ所再処理工場を中心とした原子燃料サイクル施設を初め、下北半島には、東北電力株式会社東通原子力発電所電源開発株式会社大間原子力発電所が既に稼働並びに着工しており、さらには、私の住む地元むつ市が進めている使用済み燃料中間貯蔵施設が計画されているなど、県内にはさまざまな原子力関連施設が立地されることとなっております。  東北電力の東通原子力発電所一号機については、今年一月七日に三回目の検査を終了し、約三カ月ぶりに営業運転が再開されましたが、定期検査時に作業員が受けた被曝線量が世界の沸騰水型軽水炉で最も低い発電所として、国際機関である職業被ばく情報システム委員会から表彰されましたことは、地元選出議員として大変喜ばしい限りであります。引き続き安全第一義として営業運転をしていただきたいと考えております。  また、大間原子力発電所につきましては、昨年十月三十日、岩盤検査が終了したところでありますが、その際、私は、地元選出議員として現地に出向き、林本部長の案内で炉心地点の調査を行うとともに、工事が安全に進むよう関係者の方々を激励して帰ってまいりました。今後とも工事が安全第一義として進められるよう念願するものであります。  使用済み燃料中間貯蔵施設については、昨年十二月二十二日、国の原子力安全・保安院では、事業を的確に遂行する経理的な基礎、技術的能力があり、使用済み燃料による災害防止上支障がないとする一次審査結果をまとめ、原子力委員会と原子力安全委員会に諮問したところであります。  施設の着工時期については、当初の平成二十一年四月から平成二十二年七月に、操業開始時期については、平成二十二年十二月から平成二十四年七月にそれぞれ延期されたものの、いよいよ本年七月に着工されることになっており、私は当然のごとく、安全第一義として進められるべきと考えております。  そこで、次の三点についてお伺いいたします。  第一点は、原子燃料サイクル施設を初め、東北電力株式会社東通原子力発電所電源開発株式会社大間原子力発電所及びむつ市に予定されている使用済み燃料中間貯蔵施設関係で、これまで交付されている電源立地地域対策交付金の県分並びに立地市町村及び周辺市町村分の実績についてお伺いいたします。  第二点は、今後建設を予定している東京電力の東通原子力発電所についての質問でありますが、平成十八年九月二十九日に一号機の原子炉設置許可申請が行われ、引き続き国においては一次審査が行われているところであると承知しております。施設の着工時期については、当初の平成二十一年十一月から平成二十二年十二月に、操業開始時期についても、平成二十七年十二月から平成二十九年三月にそれぞれ延期されたものの、いよいよ本年十二月に着工されることになっていると伺っております。また、MOX燃料加工施設についても、本年五月に着工、平成二十七年六月に操業が開始されることになっておるところであります。  そこでお伺いいたします。  東京電力株式会社東通原子力発電所電源開発株式会社大間原子力発電所MOX燃料加工施設及び使用済み燃料中間貯蔵施設の操業に伴い、どのぐらいの交付金が見込まれているのかお伺いいたします。  第三点は、昨年の政府の行政刷新会議が実施した電源立地地域対策交付金に対する事業仕分けにおいて、交付金の使い道を緩和すべきとの意見が示されましたが、それについて国から県に対してどのような指示が示されているのか、この点について県の御所見をお伺いするものであります。  次は、原子力関連産業の振興についての質問であります。  上北郡六ヶ所村の再処理工場、ウラン濃縮工場を中心とした原子燃料サイクル施設を初め、下北半島には、先ほど申し上げましたように、さまざまな原子力関連の施設が立地または計画されております。これらの施設の立地に至る過程においては、これまで県を初め、地元市町村、地元住民の並々ならぬ御苦労と御努力があったところであります。  本県は原子力県であり、下北半島は原子力半島と言われ、本県以上に我が国のエネルギー政策や電気事業者に協力している県は、ほかにはないものと私は考えております。  昨今の景気低迷による雇用不安が憂慮される中において、これらの原子力施設の建設や稼働に伴って、原子力関連企業の立地を進めることにより、高卒、大卒等、特に県内工業高校卒業生の雇用の創出や原子力産業への参入意欲のある地元企業の技術力の向上につながるものと私は確信するものであります。  県においては、先般、兵庫県尼崎市の原子力関連機器メーカーが六ヶ所村に立地するなど、原子力関連企業の誘致に努力されていることに対し敬意を表するものでありますが、今後一層努力するとともに、電気事業者の責務としても当然進めるべきものであると私は考えるものであります。  そこでお尋ねいたします。  本県の原子力産業のすそ野を拡大し、地域産業の振興による雇用の拡大を図るためには、私は、原子力関連企業の誘致について積極的に取り組むべきと考えますが、県の取り組み状況と今後の取り組みについてお伺いするものであります。  次は、主要幹線道路の整備促進についての質問であります。  県内における地域間交流及び社会・経済活動の活性化を図り、安全・安心な自動車交通を確保するためには、主要幹線道路ネットワークの整備は不可欠であります。  本県においては、人口二十万人以上の都市である青森市と八戸市がいまだに高規格幹線道路で結ばれていない状況であり、上北横断道路の早期整備促進が県政の重要課題となっております。  また、下北半島地域における高速交通体系の整備は、半島地域の一体的発展の大命題であり、高度医療施設のある青森市及び八戸市への時間短縮を図る下北半島縦貫道路の整備促進は、私ども半島地域に暮らす全住民の悲願であります。  しかしながら、昨年十二月に公表されました平成二十二年度の政府予算案では、道路整備予算の大幅な削減が示されました。私としては、このことが本県の主要幹線道路ネットワーク整備のおくれにつながり、ひいては都市圏とのさらなる格差拡大を引き起こすのではないかと危惧するところであります。  そこで、次の二点についてお尋ねいたします。  第一点は、上北横断道路の整備状況と今後の見通しについてお伺いいたします。  第二点は、むつ南バイパスを初めとする下北半島縦貫道路の整備状況と今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  次は、国道二七九号の国直轄管理区間への指定についての質問であります。  下北半島地域には、我が国のエネルギー関連施設が数多く立地しており、国道二七九号は、国のエネルギー政策上、非常に重要な幹線道路となっております。このことから、国道二七九号の国直轄管理区間への指定について、地元下北総合開発期成同盟会からは、毎年重点要望事項として県に対し要望してきているところであり、私としても再三にわたりこのことについて強く訴えてきたところであります。  そこで、国道二七九号の国直轄管理区間への指定について、今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次は、むつ下北地域の道路及び河川の整備についての質問であります。  第一点は、国道二七九号風間浦村易国間地区における落石対策の災害防除事業については、北通り地域の幹線道路であることから早期完成が強く望まれております。  そこで、事業整備状況と今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  第二点は、むつ市大畑地区における二枚橋バイパスの工事が着々と進められておりますが、整備状況と今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  次は、国道三三八号についてであります。  国道三三八号は、国道二七九号と一体となって半島循環道路を形成する下北地域において非常に重要な役割を担う路線であります。国道三三八号は、これまで大湊バイパス、むつバイパス、宇曽利バイパスが整備、供用されております。現在は大湊二期バイパスと白糠バイパスの整備が進められており、一層の整備促進が強く望まれております。  そこで、第三点は、大湊二期バイパス三・七キロの未着工区間における進捗状況と今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  第四点は、難所工事が進み、いよいよトンネル工事に入る白糠バイパスの整備状況と今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  第五点は、平成二十一年十月十二日に発生した落石により現在通行どめとなっているむつ市脇野沢蛸田地区の県道九艘泊脇野沢線について、通行どめ解除に向けた災害防除事業の整備状況と今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  第六点は、県道むつ尻屋崎線についてであります。  尻屋崎線は、東通村、寒立馬で有名な尻屋地区に連絡する唯一の生活道路であり、観光道路でもあります。岩屋地区における狭隘道路の解消は地域住民の願いであり、安全確保のためには道路整備が不可欠であります。  そこで、岩屋バイパスの整備状況と今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  第七点は、二級河川脇野沢川についての質問であります。  脇野沢川は、河道が狭小で現況流下能力が低く、また、脇野沢市街地において急激に屈曲しているため、昭和から平成にかけてたびたび浸水被害が発生しており、治水安全度の向上が求められてまいりました。  そこで、現在実施している脇野沢川総合流域防災事業の整備状況と今後の具体的な取り組みについてお伺いするものであります。  次は、県内における社会福祉施設、介護保険施設、医療施設の耐震化やスプリンクラー設備の整備についての質問であります。  昨年三月、群馬県内の老人施設において、建物火災により逃げおくれた入所者十名が亡くなるという痛ましい事故が発生したことは、まだ記憶に新しいところであります。  平成十九年六月に消防法が一部改正され、火災発生時に自力で避難することが困難な人が多く、入所する小規模社会福祉施設においても、施設の実態に応じた消防用設備等を設置することが義務づけられましたが、特に社会福祉施設や医療施設においては、火災や地震発生時に利用者の安全を確保することが何よりも重要な課題であると考えるのであります。  また、むつ総合病院のメンタルヘルス科病棟の耐震化整備に対しては、昨年十一月開会の第二百六十回定例会において可決されました青森県医療施設耐震化臨時特例基金を活用して補助されるとのことでありました。  私は、平成十九年六月開会の第二百五十回定例会において、老朽化したむつ総合病院のメンタルヘルス科病棟の療養環境の改善のため、病院設置者の負担軽減に向け、県としても国に対し強く働きかけるよう求めてきたところであります。  今般の基金の活用は老朽化した病棟の耐震化のための事業とのことでありますが、私が従来から求めてまいりました療養環境の整備についても大きく改善されるものと大いに期待しているところであります。  県は、平成二十二年度当初予算において、社会福祉施設等耐震化等特別対策事業費補助介護基盤緊急整備等特別対策事業費及び医療施設耐震化特別対策事業費補助など、総額で三十五億六千万円余の予算を計上し、これらの施設が行う耐震化整備及びスプリンクラー設備及び整備について支援を行うこととしております。  そこで、次の二点についてお尋ねいたします。  第一点は、平成二十二年度に実施する社会福祉施設等における耐震化整備等の事業内容についてお伺いいたします。  第二点は、むつ総合病院のメンタルヘルス科病棟の整備の内容についてお伺いするものであります。  次は、県内自治体病院における医師不足対策についての質問であります。  昨今、自治体病院における医師不足の問題は、本県のみならず、全国的に深刻な状況となっております。  本県では、産婦人科、小児科、麻酔科などの医師不足が深刻であると言われておりますが、日常の診療の中心となる内科医や外科医も不足しており、医師不足の解消は県政の最重要課題となっているのであります。  私が住むむつ市に所在するむつ総合病院においては、県の御指導を賜りながら病院経営の健全化に努めるとともに、臨床研修病院として多くの臨床研修医を採用しているほか、県外からの医師招聘に積極的に取り組むなど、病院長を先頭に病院が一丸となって鋭意努力をされているところであります。  しかしながら、そのむつ総合病院において、昨年十一月に脳神経外科の常勤医師が退職したため、同診療科の常勤医師が不在となる事態となっております。また、県立中央病院においても呼吸器内科の常勤医師が本年度末で退職するため、同診療科の診療が縮小される事態となっているとのことであります。このような医師不足の事態は県内自治体病院に共通する問題であり、医師確保対策が急務となっている状況であります。  県では、これまでも、良医を育むグランドデザインに基づき、全国に先駆けて、さまざまな医師確保のために積極的かつ総合的な取り組みを実施してきておりますことは、私としても十分認識しており、高く評価をしておりますが、医師確保に向けたさらなる取り組みが必要と考えるところであります。  そこで、次の二点についてお尋ねいたします。  第一点は、県内自治体病院における主な診療科として、内科、外科、産婦人科、小児科、麻酔科及び脳神経外科の医師不足の状況についてお尋ねいたします。  第二点は、本県における医師不足解消に向けた現在の取り組み状況と、今後どのように取り組んでいくのかお伺いするものであります。  最後に、自動車運転免許証の即日交付についての質問であります。  皆様御案内のとおり、昨年十月四日に弘前自動車運転免許試験場が開業を始めたところであり、津軽一円住民の利便性は数段向上されたものと思われ、先般の新聞記事によりますと、開業から三カ月で更新者が一気に四倍も増加したとのことであります。  開会日に、知事からの提案理由説明の中に、むつ警察署における運転免許の即日交付も含めた庁舎設計委託費として四千四百七十六万円が盛り込まれているとのことであります。弘前試験場が整備されたことにより、県内では下北地域のみが即日交付できないこととなるわけでありまして、ぜひとも工事が順調に進み、むつ警察署での運転免許の即日交付を実現していただきたいと私は強く強く考えるものであります。  そこで、次の二点についてお尋ねいたします。
     第一点は、弘前自動車運転免許試験場開業に伴う県内の運転免許更新者の利用状況についてお伺いいたします。  第二点は、弘前自動車運転免許試験場利用者の反響等についてどのように受けとめておられるのかお伺いするものであります。  以上、壇上からの質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 7 ◯議長(田中順造) 知事。 8 ◯知事(三村申吾) おはようございます。越前議員の気迫に負けないように答弁したいと思います。  東北新幹線全線開業効果の獲得に向けた観光コンテンツの育成強化であります。  私は、県下全域にあります自然、景観、産業、文化、郷土料理等のいわゆる観光コンテンツ、この育成、強化により、地域の新たな魅力の創出を図り、青森県ならではの時間の過ごし方を観光客の皆様方に提案することが、いわゆる滞在型の観光や青森ファンの獲得に結びつくものと考えております。  このため、平成二十二年度は、県や市町村等がこれまで発掘、育成を続けてきました温泉、郷土料理を初めとして、今話題のB級グルメなど、魅力ある観光コンテンツに絞り込み、本県観光に精通した専門家から、具体的な旅行商品造成に向けてのプログラム開発やプロモーション展開を指導いただくこととしております。  また、地域振興の新たなスキームとして注目されております着地型観光を推進するため、セミナーの開催や研究会の立ち上げを行うほか、その数では国内でも有数の温泉銭湯など、全国に通用する有力な観光コンテンツをいわゆるキラーコンテンツとして情報発信に努めるほか、新たな観光コンテンツの創出に取り組む団体への支援などを強化することとしております。  私は、東北新幹線全線開業の効果を最大限に獲得するため、地域資源を生かした本県の観光力の底上げに取り組み、本県の観光振興及び地域経済の活性化を図っていきます。  主要幹線道路の整備促進についてであります。  本県が目指す安全・安心で快適な社会を実現するためには、地域間の交流と連携を支え、高度医療施設へのアクセス向上や防災機能の強化を図る主要幹線道路ネットワークの整備が必要であると認識しております。  本県の主要幹線道路ネットワークの骨格となります高規格幹線道路の整備率は、平成二十年度末現在で六一%と、全国平均及び東北平均の六八%に比べ、いまだ低い状況となっております。その中でも、八戸市から青森市間については、人口二十万人以上の都市が結ばれていない区間であり、その整備が本県の最重要課題となっております。  これらの課題を解消するためには、国直轄事業であります上北横断道路、八戸・久慈自動車道、津軽自動車道の一層の整備促進を図りますとともに、県管理であります国道二七九号につきましても、下北半島縦貫道路の整備促進、さらには国の支援を求めていく必要があります。  しかしながら、平成二十二年度の政府予算案では道路整備予算が大幅に削減されましたことから、主要幹線道路の整備におくれが出ることが懸念されるところであります。  県といたしましては、引き続き本県の実情を訴え、主要幹線道路の整備促進につきまして、地方の声を国に対して届けていきたいと考えております。  医師不足解消に向けた現在、そして今後の取り組みであります。  私は、知事就任以来、青森県の医療を将来にわたって持続可能にしていくことが大きな課題と認識し、U・Iターン医師確保にみずからが努力するのみならず、医師不足の構造的要因を解消するため、各種施策に取り組んできました。  その施策は多岐にわたっておるわけですが、早急に取り組むべきことは、減少傾向を示していた本県出身の医学部進学者を増加させること、また、全国競争となった臨床研修に対応することであると考えたところであります。  まず、本県出身の医学部進学者の増加を図るために、中・高校生に医師の魅力を紹介するガイダンスや医療施設見学会の実施に取り組んでおります。教育委員会におきましては、これに呼応して学力を高めるための部局を超えた取り組みを進めてきました。また、弘前大学においても大規模な地域枠を設定して、本県出身の入学者増に県とともに取り組んでいます。  その結果、本年度の医学部合格者は、全体で八十二名、弘前大学で四十五名(後刻「四十二名」に訂正)と、平成十六年度に比べほぼ倍増となり、この三月六日の弘前大学の合格発表では四十六名とさらに増加しております。  また、臨床研修に対する施策としては、肝心なことは研修医に対する充実した指導環境でありますことから、青森県臨床研修対策協議会による指導医養成講習会の開催や米国クリーブランドクリニックとの連携等に取り組んできました。  さらに、弘前大学医学部の新入生及び四年生、五年生に対し、私自身が大学のほうに出向きまして、青森県が目指しております保健、医療、福祉の姿を示し、ともに青森県を輝くものにしていこうと呼びかけているところでもございます。  このようなことから、本年度の臨床研修医採用者は六十二名となり、過去最高となった昨年度に引き続き六十名を超えている状況であります。  中長期的施策とは別に、あおもり地域医療・医師支援機構を設置しまして、U・Iターンを積極的に働きかけてきた結果、県外から招聘した医師が平成十五年度以降二十三名を超えております。  今後は、これらの施策を一層進めていきますとともに、臨床研修修了後の後期研修医の確保や、ますます増加いたします女性医師の方々が安心して私どもの青森県で働くことができる環境の整備等に市町村とともに重点的に取り組んでいきます。  私からは以上です。 9 ◯議長(田中順造) 知事。 10 ◯知事(三村申吾) 失礼しました。  弘前大学の合格者数で若干変動がございましたので。四十二名と訂正させていただきます。いわゆる学士入学分をうっかり加えましたものですから、そちらも加えますといい数字が出ているんですが、とりあえず現状では四十二名ということで御報告申し上げます。 11 ◯議長(田中順造) 健康福祉部長。 12 ◯健康福祉部長(一瀬 篤) 初めに、社会福祉施設等における耐震化整備等の事業の内容についてお答えいたします。  消防法施行令の改正によりまして、小規模な社会福祉施設等においても平成二十三年度末までにスプリンクラー設備を整備する必要が生じました。  また、社会的弱者が多く利用する施設の耐震化を図り、利用者の安心・安全を確保することも急務であることから、国からの交付金等を財源として県に設置する基金を活用し、社会福祉施設や老人福祉関係施設、医療施設等の耐震化整備及びスプリンクラー設備整備を進めるものです。  整備の内容としましては、障害者及び障害児施設や児童福祉施設など社会福祉施設等に係る耐震化整備が二件、約三億三千三百万円、スプリンクラー設備整備が十八件、約三億六千八百万円、特別養護老人ホーム等の老人福祉関係施設に係るスプリンクラー設備整備が五十五件、約十二億九千百万円、医療施設に係る耐震化整備がむつ総合病院の一件、約二億六千百万円となっております。  そのむつ総合病院のメンタルヘルス科病棟整備の内容についてでございますが、むつ総合病院では、竣工以来四十六年を経過し、老朽化が著しく、患者のプライバシー保護等療養環境の改善が必要になっていたメンタルヘルス科病棟について、平成二十二、二十三年度の二カ年での整備を計画し、事業費約十三億五千万円については起債による対応を予定していました。  このような中、県では、国が経済危機対策の一環として医療施設耐震化臨時特例交付金を創設したことから、これを活用してむつ総合病院への支援を行うこととし、約四億五千万円を補助するための基金を第二百六十回定例会において設置したところです。平成二十二年度には、整備の進捗状況に応じ二億六千百万円余を補助することとし、関係する予算案を本定例会において御審議いただいているところです。  また、整備内容につきましては、むつ総合病院の計画では、老朽化したメンタルヘルス科病棟の建てかえによって耐震基準を充足することに加え、これまで最大では七人部屋であった病室を、個室、二人部屋または四人部屋とし、一床当たり面積も十六・一平方メートルから五十八・一平方メートルとすることとしており、療養環境の大きな改善が図られるものと期待しております。  最後に、県内自治体病院における医師不足の状況についてです。  本県の地域医療の根幹を支えている自治体病院における医師不足の状況は、青森県国民健康保険団体連合会の調査によりますと、平成二十一年五月時点で、病院運営に必要な医師数として二百三人の不足となっています。  圏域別に見ますと、青森圏域が三十人、津軽圏域が十九人、八戸圏域が三十五人、西北五圏域が二十七人、上十三圏域が四十人、下北圏域が五十二人の不足となっています。  また、主な診療科別に見ますと、内科が必要医師数百七十九人に対し常勤医師数が百三十四人で四十五人の不足、外科が必要医師数百四人に対し常勤医師数が八十四人で二十人の不足、産婦人科が必要医師数三十三人に対し常勤医師数が二十三人で十人の不足、小児科が必要医師数四十二人に対し常勤医師数が二十八人で十四人の不足、麻酔科が必要医師数二十四人に対し常勤医師数が七人で十七人の不足、脳神経外科が必要医師数二十三人に対し常勤医師数が十二人で十一人の不足となっています。 13 ◯議長(田中順造) 商工労働部長。 14 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 御質問九点にお答えいたします。  最初に、本年十二月の東北新幹線全線開業を踏まえ、冬季における誘客促進及び受け入れ態勢の整備についてでございます。  東北新幹線全線開業が本年十二月の冬季の開業となることから、いかにこの時期に観光客を呼び込むかが重要であると認識しております。  このため、県では、今年度から本県の冬のイメージアップとさらなる知名度向上を図るため、JR東日本と連携して、首都圏を中心とした県外向けの広告、宣伝を強力に展開するとともに、受け入れ態勢の強化に向けて、市町村や民間団体が行う県外からの誘客に重点を置いた冬季観光イベント等の取り組みを支援しているところでございます。  具体的には、東北新幹線全線開業プレキャンペーンの一環として、「どんなフユ?ワンダフユ!青森。」をキャッチコピーに、JR東日本管内の主要駅への大型ポスターの掲出や、中央線と京浜東北線の車内でのスポットCMの放映、全国ネットのテレビ番組での紹介などにより、温泉や食、雪まつりなど、青森ならではの冬の魅力を強力に情報発信するとともに、小嵐山・黒石温泉郷雪まつりなど、各地域の冬季イベントの取り組みについて支援しているところでございます。  県としては、冬季の開業に向けまして、引き続きJR東日本や市町村、観光関係団体等との連携を強化し、より効果的な冬季観光の誘客対策に取り組んでまいります。  次に、平成二十三年四月二十三日から予定されている青森デスティネーションキャンペーンへの取り組みについてでございます。  青森デスティネーションキャンペーンについては、推進母体として社団法人青森県観光連盟内に青森デスティネーションキャンペーン推進委員会を設置し、「行くたび、あたらしい。青森」のキャッチフレーズのもと、官民一体となった取り組みを強力に推進しているところです。  本年五月には、青森市において全国の旅行エージェント等を集め、全国宣伝販売促進会議を開催し、地域ごとの観光プレゼンテーションや、商談会、レセプションを行うほか、県内を幾つかのコースに分け、旅行エージェント等にキャンペーン本番に向けた旅行商品造成のための視察をしていただくことなど、県内各地域において磨き上げられた観光コンテンツを初めとする本県の魅力を大いにアピールすることとしております。  また、キャンペーンの開始までに県内各地域の観光コンテンツのさらなる磨き上げを図るとともに、本県の魅力を満載した各種ガイドブックなどの広報宣伝資料の作成や、観光キャラバンなどの誘客宣伝対策を積極的に展開し、キャンペーンの盛り上げを図ってまいります。  県では、キャンペーンの成功に向けまして、JR東日本や関係者と一丸となってこれらの取り組みを加速してまいります。  次に、JR津軽線及び大湊線に導入される全国初のハイブリッドシステムを搭載した新型リゾート列車の活用への取り組みについてです。  県では、東北新幹線全線開業に合わせて導入される新型リゾート列車に係る受け入れ態勢等を検討するため、関係する庁内各課、地域県民局、沿線市町村及び交通事業者等を加えました二十六団体で構成する津軽・下北半島周遊リゾート列車活用推進準備会を発足させ、鋭意検討を進めてきております。  これまで、沿線市町村における観光コンテンツやおもてなし等の観光メニューの検討を行ったほか、県内を運行している「リゾートしらかみ」や県外のリゾート列車に乗車、体験するとともに、地元の受け入れ態勢の取り組みについて調査を行いました。また、県内の観光事業者、交通事業者等が一堂に会し、新型リゾート列車の活用方策についての議論を深めるためのフォーラムを開催したところです。  県としては、引き続き新型リゾート列車の運行等に関する情報収集に努めながら、沿線市町村や交通事業者等による受け入れ態勢の整備促進を図り、新型リゾート列車を活用した津軽半島と下北半島を結ぶ周遊型観光や滞在型観光の推進を図ってまいります。  次に、雇用対策のこれまでの実施状況と平成二十二年度に取り組むこととしている学卒未就職者、高校生就職支援対策についてでございます。  県では、これまで高校生の県内就職の促進を図るため、知事、青森労働局長、教育長の三者により、二度にわたって経済団体等に対して求人活動の早期取り組みの要請を行うとともに、早期求人確保ローラー作戦により、県職員が県内企業を直接訪問し同様の要請を行ったほか、求人拡大の要請や学校現場に就職指導支援員の配置等を行ってまいりました。  また、専門学校生や大学生等に対する就職支援としては、ジョブカフェあおもりによる各種セミナーに加え、青森県雇用対策協議会と共催で、青森、弘前、八戸の県内三市並びに東京都及び仙台市において就職ガイダンス等を実施してきたところでございます。  また、本年一月には、県の特別保証融資制度において雇用創出特別支援枠を創設するなど、年度内に一人でも多くの方に就職していただくための取り組みを行ってきているところです。  しかしながら、それでもなお多くの未就職者の発生が懸念されることから、平成二十二年度は、学卒未就職者対策として、職業訓練や、働きながら資格を取るための事業等を実施し、約四百九十人規模の支援を行うこととしております。  また、在学中の高校生に対しても資格取得の支援等を行うこととしており、これらの対策を合わせて約三億六千万円の事業を実施する予定でございます。  次に、若年者、中高年齢者、障害者の雇用対策のこれまでの実施状況と平成二十二年度に取り組む対策についてでございます。  県では、若年者、中高年齢者、障害者の就職や失業者の早期再就職が円滑に進むよう、雇用のセーフティーネットの充実に取り組んできております。  今年度、若年者の雇用対策については、ジョブカフェあおもりにおいて、各種研修、セミナーなど一貫した就職支援を実施しており、本年一月末現在の利用者は約三万四千人となっております。  中高年齢者雇用対策については、ビルクリーニング分野の短期講座を初め、教育訓練の受講費用の助成、職業訓練期間中の生活資金の融資等を実施しております。  さらに、障害者雇用対策については、障害者の雇用先や実施受け入れ先を開拓するとともに、障害者雇用優良事業所を県のホームページで紹介する事業などを実施してきております。  平成二十二年度については、ジョブカフェあおもりにおける若年者の就職支援や障害者の雇用先開拓等の事業を引き続き実施するとともに、中高年齢者の介護福祉分野での雇用促進を図るための介護補助業務に係る短期講座の開催や雇用奨励金を創設することとしており、これらの対策に約一億五千万円の事業を実施する予定でございます。  次に、ふるさと雇用再生特別対策事業及び緊急雇用創出対策事業のこれまでの実施状況と二十二年度の事業内容についてです。  ふるさと雇用再生特別対策事業は七十三億八千万円の基金規模で、平成二十一年度は、これまでに県事業五十五事業、市町村事業八十七事業の合計百四十二事業を実施しています。これらの取り組みによる新規雇用者数は、一月十五日現在で約五百四十人となっております。  一方、緊急雇用創出対策事業については七十七億円の基金規模で、平成二十一年度は、これまでに県事業九十七事業、市町村事業三百三事業の合計四百事業を実施してございます。これらの取り組みによる新規雇用者数は、一月十五日現在で約三千六百人となっています。  二十二年度については、ふるさと雇用再生特別対策事業として、県事業六十九事業、十六億一千七百万円、市町村事業への補助金十三億円を計上し、緊急雇用創出対策事業として、県事業百八事業、三十三億七百万円と市町村事業への補助金二十一億六千五百万円を計上し、両事業合わせて約六千人の雇用の創出を図ることとしております。  なお、平成二十二年度は、新たに創設された重点分野雇用創造事業等も活用し、今後成長が見込まれる介護、福祉、観光等の重点分野や地域に必要な人材育成を積極的に行うなど、引き続き基金事業を活用した雇用・就業機会の創出に努めてまいります。  次に、特別保証融資制度について、中小企業者が経営力向上に向けた取り組みを行っている場合の優遇措置の目的と内容についてです。  県では、県内中小企業金融の円滑化を図るため、地域密着型金融、いわゆるリレーションシップバンキングを推進しているところでございます。  去る二月八日には、リレーションシップバンキングの効率的な推進方策を提示することを目的としたリレバン・レポート'09を公表いたしました。アンケート調査によると、試算表を作成していない企業は三二・三%、資金繰り表を作成していない企業は六六・九%にも達することがわかりました。  また、試算表や資金繰り表を通じて自社の経営状況を的確に把握し、金融機関に対して積極的に情報発信している中小企業者ほど、金融機関から融資や条件変更を謝絶される割合が低い傾向にあることも確認されたところでございます。  この結果を受けまして、県では、今後、中小企業者による自社の経営状況の把握を支援していくこととし、平成二十二年度の特別保証融資制度のうち、経営安定化サポート資金と事業活動応援資金において、四半期ごとに試算表及び資金繰り表を金融機関に提出し続けることを条件に融資利率を〇・二%割り引く経営力向上割引を創設することといたしました。  県としては、この経営力向上割引の創設により、自社の経営状況把握の取り組みが促進され、金融機関との情報共有が活発になることを期待しております。  次に、中小企業者の経営力向上に向けて支援するための取り組みについてでございます。  リレバン・レポート'09では、試算表などを作成していない理由も公表しており、試算表については、必要性を感じないが五五・二%、作成方法がわからないが三六・一%、また、資金繰り表については、必要性を感じないが六二・四%、作成方法がわからないが三〇・八%となっております。  県では、この結果を受けまして、なぜ試算表や資金繰り表などを作成し、金融機関に積極的に情報提供することが重要であるかなど、経営者の意識啓発を目的とした小冊子「円滑な資金調達のためのQ&A」や、実際の試算表や資金繰り表などの作成を体験するための表計算ソフトのファイルを県のホームページ上で公開しています。  県としては、今後、これらのツールを活用しながら、商工会、商工会議所と連携して、自社の経営状況把握の取り組みを支援してまいりたいと考えてございます。  おしまいに、原子力関連企業の誘致の状況と今後の取り組みについてです。  原子力関連企業の誘致については、本県における原子力関連施設の稼働や新規着工に伴う部品、機材等に新たな需要が見込まれること、世界的に原子力発電所の新設計画の動きが拡大していることなども踏まえ、関連企業や関係機関を訪問し、誘致折衝や情報収集などを行ってきております。  関係機関等からは、防護服等の保安用品や検査・計測機器関係の部品、機材など、新たな需要の増加が見込まれる分野をターゲットとして企業誘致の取り組みを進めるべきであること、事業者はもとより、メーカー等とも共同して、地元企業の技術力の向上や人材育成に取り組み、地元企業の受注能力の向上を図ることにより企業誘致につなげる必要があることなどの御意見をいただいたところでございます。  県では、これらを踏まえまして企業誘致に取り組んでおり、昨年度は、原子力関連機器の部品メーカー等四社が六ヶ所村に立地し、今年度においては、議員からも御紹介がありました兵庫県尼崎市に本社のある原子力関連機器の製造メーカーの立地が決定するなど、原子力関連企業の立地に係る新たな動きも出てきております。  県では、このような動きをチャンスととらえ、今後とも電気事業者等と連携しながら、本県での需要の増加が見込まれる分野を中心とした企業誘致に取り組み、原子力関連企業の集積に努めてまいります。 15 ◯議長(田中順造) 県土整備部長。 16 ◯県土整備部長(山下 勝) まず、主要幹線道路の整備促進に関する御質問にお答えいたします。  初めに、上北横断道路の整備状況と今後の見通しについてでございます。  上北横断道路約二十六キロメートルのうち、六戸町から東北町間約七・七キロメートルにつきましては、平成十七年度に一般国道四十五号上北道路として事業着手され、これまでに用地取得及び改良工事などが進められております。平成二十二年度は、引き続き用地取得、改良工事及び橋梁工事が促進され、平成二十四年度の完成供用が目標とされております。  また、東北町から七戸町間約七・八キロメートルにつきましては、昨年度、上北天間林道路として新規事業採択され、調査、設計が進められております。平成二十二年度は、新たに用地取得に着手される予定となっております。  しかしながら、残る国道四号までの区間である仮称天間林道路につきましては、平成二十二年度の政府予算案において、原則として新規事業は行わないとされたことから事業化が見送られております。  県といたしましては、引き続き道路予算の確保及び既着工工区の着実な整備推進と、仮称天間林道路の早期事業化について、国に対して強く働きかけてまいります。  次に、下北半島縦貫道路の整備状況と今後の取り組みでございます。  下北半島縦貫道路は、下北半島地域の振興や本県の主要幹線道路ネットワーク形成にとって極めて重要で、これまでも重点的に整備を進め、野辺地バイパス、有戸バイパス合わせて十三・二キロメートルを供用するとともに、現在、むつ南バイパス、有戸北バイパス及び吹越バイパスの三工区二十一・三キロメートルの整備を進めております。
     むつ南バイパス九・二キロメートルにつきましては、平成十八年度より用地取得を進めておりますが、一部の区間で用地取得が難航しており、平成二十二年一月末時点での取得率は面積ベースで約七九%となっております。今年度は仮称新田名部川橋の下部工を完了するとともに、用地取得及び改良工事を進めており、平成二十二年度は用地取得と改良工事の促進を図ることとしております。  有戸北バイパス六・三キロメートルにつきましては、昨年度までに用地取得が完了し、今年度は、埋蔵文化財発掘調査、改良工事及びのり面工事などを進めるとともに、野辺地北インターチェンジで接続する県道の土工事に着手しております。平成二十二年度は、県道つけかえ工事の完了と改良工事の促進を図り、平成二十年代中ごろの完成を目指しております。  吹越バイパス五・八キロメートルにつきましては、昨年度に新規事業採択となり、今年度は、地形測量、道路設計、用地測量などを進めております。平成二十二年度は、新たに用地取得及び改良工事に着手することとしております。  平成二十二年度の政府予算案では道路整備予算が大幅な削減となりましたが、下北半島縦貫道路につきましては、できる限り予算の確保に努め、整備促進を図ってまいります。  また、むつ市から横浜町間の未着手工区につきましては、今後、概略の検討を進めることとしており、全線の着実な整備促進に努めてまいります。  次に、国道二百七十九号の直轄管理区間への指定についてでございます。  下北半島地域は、原子力施設などが立地する我が国、そして国際的なエネルギー政策において非常に重要な地域であります。  国道二百七十九号は、こうしたエネルギー拠点を通過し、国道四号と一体となって本州の大動脈を形成するとともに、地域の自立的発展を図る上でも非常に重要な路線であります。  このため、県では、本路線の整備促進を図るため、国直轄区間への指定について、これまでも重点施策として位置づけ、国に対して訴えてきたところであります。  しかしながら、国においては、地域主権を政策の柱に据え、国の権限を大胆に地方に移譲することとしていることから、国直轄管理区間の新たな指定については一層困難になることも考えられますが、引き続き本路線の重要性を訴え、国の関与の必要性について地域の声を届けてまいりたいと考えております。  次に、むつ下北地域の道路及び河川の整備状況と今後の具体的な取り組みについてお答えいたします。  まず、国道二百七十九号易国間地区における災害防除事業でございます。  国道二百七十九号風間浦村易国間地区の災害防除事業につきましては、延長二・七キロメートル区間を落石対策区間として平成十七年度から実施しております。危険岩塊の除去工事は平成二十年度までに完了しておりまして、同年度からはのり面対策工事に着手しております。今年度は急崖部ののり面対策工事を実施しており、今年度末の進捗率は約七五%と見込まれております。引き続き、急崖部の落石対策工の平成二十三年度完了を目指して整備促進に努めてまいります。  次に、二枚橋バイパスについてでございます。  国道二百七十九号むつ市大畑町地区の二枚橋バイパス延長四・一キロメートルにつきましては、これまで延長約一・五キロメートルを供用したところであります。今年度は、埋蔵文化財発掘調査、用地取得並びに仮称二号橋橋台、仮称三号橋橋脚の工事及び道路改良工事を進めてきております。来年度は、用地取得、埋蔵文化財発掘調査及び仮称三号橋橋台工事を予定しております。  今後とも地元の皆様の御協力を得ながら事業促進に努めてまいります。  次に、大湊二期バイパスについてでございます。  国道三百三十八号のむつ市桜木町から大湊浜町区間延長約四・九キロメートルについては、これまで宇曽利バイパス約一・二キロメートルを平成二十年三月に完成、供用したところであります。  大湊二期バイパス延長約三・七キロメートルにつきましては、昨年度、国の補助事業として採択され、測量設計を進めてきたところでございます。今年度は大湊浜町側の用地測量を実施しており、今月末に用地取得のための地元説明会を予定しております。来年度は桜木町側の用地測量及び大湊浜町側の用地取得に着手する予定としておりまして、地元の皆様の御協力を得ながら早期に工事に着手できるよう努めてまいります。  次に、白糠バイパスについてでございます。  国道三百三十八号白糠バイパス延長約六・五キロメートルにつきましては、一期工区延長約三・八キロメートルの整備を進めてきており、これまでに延長約〇・七キロメートルを供用したところでございます。今年度は、改良工事及び用地取得を促進するほか、平成二十三年度までの三カ年工事により、仮称泊・白糠トンネルの工事に着手したところでございます。  また、未着工区間であります二期工区延長約二・七キロメートルにつきましては、用地測量に着手しております。来年度はトンネル工事を進めるとともに、二期工区の用地取得に着手する予定としております。  引き続き一期工区の工事促進を図るとともに、二期工区について早期に工事着手できるよう地元の皆様の御協力を得ながら用地取得に努めてまいります。  次に、県道九艘泊脇野沢線の災害防除事業についてでございます。  県道九艘泊脇野沢線、むつ市脇野沢蛸田地区で発生した落石による通行どめは、昨年十月十二日の落石発生日より継続しておりまして、迂回路につきましては、地元蛸田漁港及び漁港管理者の御理解、御協力のもと、漁港内道路を通行させていただいている状況にございます。  落石対策工事は、現地の詳細調査を行った結果、亀裂の認められる岩盤など、危険箇所の除去を今年度中に完了することとしております。  引き続き平成二十二年四月からのり面保護工事に着手し、七月末を目途に工事の完了を図り、通行どめの解除を行う予定としております。  次に、岩屋バイパスについてでございます。  県道むつ尻屋崎線東通村岩屋地区における岩屋バイパス延長約四・〇キロメートルにつきましては、これまでに用地取得を完了し、一部道路改良工事に着手するとともに、仮称岩屋一号橋から三号橋までの三橋の整備が完了しております。  今年度は、道路改良工事のほか、のり面工事を実施しているところでございまして、来年度も引き続きこれらの工事を進め、整備促進に努めてまいります。  最後に、脇野沢川総合流域防災事業の整備状況と今後の取り組みでございます。  脇野沢川総合流域防災事業は、旧脇野沢村市街地の浸水被害防止を目的に、河口から一千七百メートルの区間について、平成三年度から二十七年度までの計画で事業を実施しております。これまで主に市街地を迂回する捷水路区間六百二十メートルの整備を進めておりますが、今年度は県道九艘泊脇野沢線の橋梁上部工のほか、渡向橋上流の護岸工や河道掘削などの工事を実施しており、今年度末における進捗率は事業費ベースで約七二%となる見込みでございます。  平成二十二年度は、捷水路上流端の樋門工や護岸工などを実施する予定としております。  今後とも地元関係者の方々や関係機関の御理解、御協力を得ながら事業の促進に努めてまいります。  以上でございます。 17 ◯議長(田中順造) エネルギー総合対策局長。 18 ◯エネルギー総合対策局長(佐々木郁夫) 御質問三点にお答えします。  まず、原子燃料サイクル施設関係を初めとして、これまで交付されている電源立地地域対策交付金の実績についてです。  原子燃料サイクル施設関係では、昭和六十三年度から平成二十年度までで約一千三百二十八億円、うち県分が約二百二十七億円、立地・周辺市町村分が約千百一億円、東北電力東通原子力発電所一号機関係では、平成四年度から二十年度までで約百七十五億円、うち県分が約十六億円、立地・周辺市町村分が約百五十九億円、大間原子力発電所関係では、平成四年度から二十年度までで約百五十八億円、うち県分が約十五億円、立地・周辺市町村分が約百四十三億円、使用済み燃料中間貯蔵施設関係では、平成十三年度から二十年度までで約二十七億円で、全額が立地・周辺市町村への配分となっています。  次に、今後の東京電力東通原子力発電所等の操業に伴い見込まれる交付金についてです。  今後見込まれる電源立地地域対策交付金のうち、電源立地促進対策交付金相当部分については、東京電力東通原子力発電所一号機分として約百二十億円、大間原子力発電所関係として約四十五億円、MOX燃料加工施設分として約九十億円、使用済み燃料中間貯蔵施設分として約二十七億円が交付されることになっています。  そのほか、原子力発電施設等周辺地域交付金相当部分、原子力発電施設等立地地域長期発展対策交付金相当部分の交付が見込まれますが、現時点ではデータが不透明であり、交付見込み額の算定は難しいものであります。  最後に、政府の事業仕分けにおいて示された交付金の使い道緩和について国からどのような指示が示されているかについてです。  電源立地地域対策交付金に対する事業仕分けで、交付金の使途の自由化を検討するとの結論が示されましたが、現時点においては、国からの指示は特にないところです。  国におきましては、この事業仕分けの結論を受けて電源立地地域の意見を十分に聞くことが重要であるとの観点から、各地で当該交付金についての意見交換会を開催するなどの動きがあり、県としては引き続き国の動向を注視してまいりたいと考えています。  以上です。 19 ◯議長(田中順造) 教育長。 20 ◯教育長(田村充治) 県内特別支援学校高等部卒業生の就職支援対策のこれまでの成果と今後の取り組みについての御質問にお答えいたします。  県教育委員会では、平成十八年度から二年間、特別支援学校就職力アップ推進事業を、平成二十年度から二年間、高等部生徒の社会参加支援事業を実施し、インターンシップ協力事業所の拡大を図るとともに、就職指導や就職後のフォローアップに関する教員の指導力の向上を図ってまいりました。  それぞれの事業においては、就職力アップ推進員やフォローアップ支援員が県内六地区に一名ずつ配置され、特別支援学校の教員と協力しながら保護者との相談会や就職先への巡回訪問等を実施し、社会参加に向けた進路指導の充実を図ってまいりました。  その結果、昨今の厳しい雇用情勢の中にあって、本年一月三十一日現在、昨年度より七名多い三十八名の就職内定を得ております。また、就職後三年経過した者の職場定着率は、フォローアップ等の事業を行っていなかった平成十八年三月は五四・五%であったのに対し、平成二十一年三月は八一・六%と大きく向上しております。  今後は、就労のみならず、将来の生活を想定した学習を計画的に行い、生徒のさらなる進路実現を図るため、平成二十二年度から特別支援学校キャリア教育充実事業を実施することとし、本定例会に所要の経費を計上し、御審議いただいているところです。  県教育委員会といたしましては、今後も生徒一人一人の進路実現に向け、特別支援学校の進路指導の充実を支援してまいります。 21 ◯議長(田中順造) 警察本部長。 22 ◯警察本部長(石川威一郎) 最初に、弘前自動車運転免許試験場の開業に伴う県内の運転免許更新者の利用状況についてお答えいたします。  弘前試験場開業後の昨年十月から十二月末までの三カ月間における更新者の状況ですが、この間、弘前試験場では一万一千七百七十人の方が更新手続を行いました。  また、同じ期間に、青森免許センターでは一万六千二百八十八人、八戸警察署では一万二千九百六十四人の方が更新手続を行っておられます。  この期間における弘前試験場の更新者数を前年同時期と比較しますと、弘前警察署での更新者数が三千百十六人であったのに対し、八千六百五十四人のプラスとなっており、開業後三カ月間では、対前年比較で約三・八倍の利用者数となりました。弘前試験場の開業により、各試験場での更新者数の比率は、おおむね青森が四割、八戸が三割、弘前が三割となっております。  このうち、日曜窓口は、従来青森免許センターのみで開設しておりましたが、昨年十月からは、弘前試験場及び八戸警察署においても開設しております。  これらの日曜窓口開設後の利用者数は、日曜日一日当たりで見ますと一千四十六人となっており、前年同時期の五百八人に対し五百三十八人増加し、約二倍となりました。  弘前試験場における日曜日一日当たりの利用者数は三百八十五人です。反面、青森免許センターの利用者数は減少していることから、この分が弘前試験場に回った形となっております。  以上の数字からも読み取れますとおり、弘前試験場の移転開業により、津軽地域一帯にお住まいの県民の利便性は大幅に向上したものと考えております。  なお、運転免許証の即日交付は、免許証の更新手続を一日で済ませることができることから、県民の利便性を向上させる上で重要なものでありますが、青森、八戸、弘前及び下北地域にお住まいの方が即日交付を受けている状況を見ますと、青森地域の方が七九・五%、八戸地域の方が七二・七%、弘前地域の方が八九・一%、下北地域の方が二四・二%でありまして、下北地域が極端に低い状況にあります。  このため、むつ警察署の開業にあわせて、むつ警察署において即日交付を開始し、下北地域にお住まいの県民の利便性を向上させることができるよう、引き続き適切に対応してまいる所存であります。  次に、弘前自動車運転免許試験場御利用の皆様の反響等についてお答えいたします。  警察本部では、弘前試験場利用者の感想を把握し、今後の運転免許窓口サービスの向上に資することを目的に、昨年十二月に弘前試験場利用者に対するアンケート調査を実施いたしました。  アンケート調査の結果は、弘前試験場に来場した方のうち御協力をいただいた四百六人の方の回答をもとにしております。  アンケート調査結果の要点を申し上げますと、まず、弘前試験場を利用された理由については、近いから、即日交付をしているから、日曜窓口を開設しているからの順で回答者が多くなっておりました。  また、免許証の即日交付についての感想としては、四百六人中三百九十一人、九六・三%の方が便利になったと回答しておられます。  便利になった理由としては、一回で用事が済むからが五四・七%、青森市まで行かなくてもよいからが四二・二%でありました。  弘前試験場を移転、新築したことについての感想をお伺いしますと、もっと早く移転新築すべきであったが五五・九%、県民サービスのための税金のよい使い方だと思うが四〇・四%であり、これらを合わせると九六・三%の方が好感をお持ちになったことが確認できました。  このほか、施設の利便性や職員の応接状況などについても調査いたしましたが、総じて良好であるとの御意見をちょうだいしております。  警察本部では、利用者の御意見、御要望を踏まえながら、今後もサービスの向上と円滑な業務の推進に努めてまいります。 23 ◯議長(田中順造) 越前議員。 24 ◯二十九番(越前陽悦) ただいま知事を初め、各部長、教育長、それから警察本部長から、大変懇切丁寧な具体的、かつ明快なる御答弁をいただき、心から感謝と御礼を申し上げます。  なお、答弁をいただきましたけれども、多少この機会に再度質問と要望を申し上げておきたいというふうに思っておるところであります。  そこで、第一点は、間近に控えた東北新幹線全線開業対策についてでございますが、いよいよ本年十二月の全線開業に向けまして、先ほど申しましたように、着々と今取り組まれておるわけであります。この新幹線が開業いたしますと最高速度三百二十キロというふうな速度で運行されるわけでありますが、何と申しましても、ここまで来ますともうあと九カ月でありますから、一番列車の発車が非常に待ち遠しいなというふうに私は思っておりますし、県民の皆様方もそのように思っていることと考えているところであります。  そしてまた、二〇一二年度末には、新型の新幹線車両E5系は新青森―東京間において三時間五分で運行されるというふうなことで、スピードアップが図られることになっておるわけでありまして、まさにこれまた利便性が高まっていくわけであります。  そこで、東北新幹線開業後における課題としては、本県にお越しをいただいたお客様にいかに滞在していただくか。また、いかに県内を周遊していただくかということについて具体的な対応策を講じることによって、観光振興が、また青森県の経済振興につながるものというふうに私は考えておるわけでありまして、この点について、県におかれましては、具体的にはどのように取り組んでいこうとしているのか、この点について再度お尋ねしておきたいと思います。  そして、新幹線関連の要望でありますが、東北新幹線全線開業対策におきましては、通年型観光から滞在型観光にいかにつなげていくかということは、県にとりましても最大の課題であるというふうに考えております。あらゆる分野におきまして、「結集!!青森力」を発揮され、東北新幹線全線開業の効果を最大限獲得できるように、具体的、かつ、より積極的に取り組んでいただきたいということに対して強く御要望を申し上げておきます。  次に、本県の雇用対策の取り組みについてでありますが、保証融資対策の拡充並びに雇用対策については意を用いて取り組んでいただきますように強く御要望申し上げておきたいと思います。  そこで、第一点、再質問でありますが、障害者の法定雇用率の達成についてであります。  私は、平成元年から平成十一年六月までの期間、青森県特殊教育諸学校PTA連合会会長として、また、それ以降は特P連の顧問ということで、障害を有する子供たちの健やかな成長のために、県教育委員会並びに学校、PTA、関係者の方々と連携をとり合いながら今日まで努力を続けてまいりました。  この間、県教育委員会におかれましては、高等部未設置校への高等部の設置とそれに伴う校舎の増築、高等部の在宅訪問学級の設置、高等部の重複学級の設置及び給食の実施など、東北六県の中では模範的な取り組みを展開してきたところでありまして、県教育委員会並びに県関係者のこれまでの御尽力と御努力に対しまして、改めて深甚なる謝意を表するところであります。  一方で、青森労働局が発表いたしましたデータによりますと、県教育委員会の障害者の雇用率は一・四六%でありまして、法定雇用率二・〇%に達していないということであります。  これにつきましてはさまざまな理由があると考えられますが、私としては、特別支援学校高等部卒業生の就職支援を積極的に行ってまいりました県教育委員会におきましては、障害者の雇用をより積極的に取り組んでいただきたいと考えております。  そこで、県教育委員会の障害者の法定雇用率達成に向けた今後の取り組みについて再度お伺いしておきます。  次は、原子力関連産業の振興について再度の質問をいたします。  原子力関連企業の具体的な誘致活動におきましては、電気事業連合会や原子力関連産業に対しましても、これまで以上に積極的に働きかけを行い、新たな企業の立地を促進させ、地域の雇用拡大に努力すべきと考えておりますが、再度、原子力関連企業の誘致に対する県の今後の取り組みについてどのように取り組んでいこうとしているか。先ほども答弁いただきましたが、改めてこの点については、私は関連企業を誘致すべきという強い願いを持っておりますことから、再度の質問をさせていただきたいと思います。  次は、社会福祉施設等の耐震化整備並びにスプリンクラー設備整備について、施設の種類別及び地域別の整備見込みについてはどのようになっているか再度お伺いいたします。  次に、医療施設の耐震化整備については、むつ総合病院メンタルヘルス科病棟の建てかえに対して総額約四億五千万円の補助を行うとの御答弁をいただきました。一方で、特例基金積立金をさらに四億円ほど増額すると聞いております。この基金の増額の目的についてお伺いいたします。  そこで、この点について御要望を申し上げておきたいと思います。  経済危機対策に関する国の平成二十一年度第一次補正予算によりますと、厳しい財政環境の中にあって、懸案となっていたむつ総合病院の耐震化整備を初め、社会福祉施設等の安全・安心を確保するための対策が大きく前進したことは高く評価できるものであります。  スプリンクラー整備については、平成二十三年度末までの設置が義務づけられておりまして、それまでに整備を進めなければならないところであります。  一方、耐震化に係る整備につきましては、今後も施設利用者の安全確保を最優先に考えて必要な整備が円滑に行われるよう、平成二十四年度以降におきましても同様の支援措置が継続されることを、県としても国に対し強く働きかけをしていただきたいと強く御要望申し上げる次第であります。  次は、県内自治体病院における医師不足対策について要望を申し上げます。  県の医師確保の取り組み、その成果については高く評価をいたしてございます。  そこで、二点について御要望を申し上げます。  第一点は、臨床研修医採用者につきましては、定員枠百二十九名にまだ余裕があるとのことでございますので、さらに増加するよう努めていただきたいことを強く御要望申し上げます。  また、第二点として、女性医師が今後ますます増加することから、出産、育児をしながらでも働きやすい環境の整備にさらに努めるよう、あわせて強く御要望申し上げておきたいと思います。
     次は、中小企業の金融円滑化対策について要望を申し上げます。  これまで御答弁いただきましたが、県におきましては中小企業金融の円滑化に積極的に取り組んでいただいており、敬意を表するところであります。資金を必要とする個人企業、中小企業の方々が一社でも多く借りることができるように、この厳しい経営環境を乗り切れるような特段の配慮をしていくべきというふうに考えております。  先ほど来も御答弁いただきまして心強く思っておりますが、さらに、そういうことでこの経営環境を乗り切れるような特段の配慮を、御要望を重ねて強く申し上げておきたいと思います。  次は、道路行政についてであります。  道路については、各事業が、大変厳しい中でありますが、どうかひとつ一層の御尽力と御努力をお願い申し上げます。  最後に、むつ警察署の庁舎設計委託費については、運転免許の即日交付を行うことが前提と受けとめております。先ほど警察本部長の御答弁にもありましたように、弘前自動車運転免許試験場が開業し、日曜日も即日交付できるとのことであり、津軽地区住民の皆さんの利便性が数段向上したものというふうに私は理解しております。  むつ警察署の業務につきましても、今後、詳細について検討していくことになると思われますが、どうか日曜日の即日交付ができますように特段の御配慮をしていただきますよう、強く強く御要望を申し上げて、私からの再質問と要望を申し上げ、質問を終わらせていただきます。  以上です。 25 ◯議長(田中順造) 健康福祉部長。 26 ◯健康福祉部長(一瀬 篤) 初めに、社会福祉施設等の耐震化整備、スプリンクラー設備整備について、施設の種類別及び地域別の整備見込みについてお答えいたします。  まだ計画段階の数字となりますが、障害児及び障害者施設の耐震化整備につきましては、三八地域で一件、約二億五千三百万円。西北地域で一件、約七千九百万円。障害児及び障害者施設のスプリンクラー設備整備については、東青地域で四件、約一億円、中南地域で二件、約四千七百万円、三八地域で四件、約八千三百万円、西北地域で一件、約二千七百万円、上北地域で三件、約八千百万円、下北地域で二件、約二千百万円。  児童福祉施設のスプリンクラー設備整備については、中南地域で一件、約四百万円、上北地域で一件、約五百万円。  特別養護老人ホーム等の老人福祉関係施設のスプリンクラー設備整備については、東青地域で十件、約二億八百万円、中南地域で十三件、約二億千三百万円、三八地域で十一件、約二億七千九百万円、西北地域で五件、約一億七千九百万円、上北地域で十二件、約三億千九百万円、下北地域で四件、約九千三百万円となっております。  次に、青森県医療施設耐震化臨時特例基金を増額する目的についてでございます。  今回の増額につきましては、国が公共事業等の追加に伴う地方負担の軽減を図るため創設しました地域活性化・公共投資臨時交付金が、今般、市町村分を含めて都道府県に一括交付されることとなりましたため、むつ総合病院メンタルヘルス科病棟の整備に対して下北医療センターを構成する市町村が負担を行う場合、関係市町村に対して補助できるようにするものです。  なお、この交付金につきましては、最大限約四億円の負担軽減が図られるものですが、その対象が起債を除く地方負担分の一定割合であり、市町村としての負担も生じますことから、今後、関係市町村の対応を踏まえて必要な予算措置を行いたいと考えております。 27 ◯議長(田中順造) 商工労働部長。 28 ◯商工労働部長(櫻庭洋一) 再質問二点にお答え申し上げます。  最初に、観光への取り組みということで、本県にお越しいただいたお客様にいかに滞在していただき、県内を周遊していただくための取り組みについてでございます。  本県を訪れる観光客の方々にできるだけ長く滞在し、周遊していただく滞在・周遊型観光の推進は、観光消費額の拡大や本県経済への波及効果の拡大を図る上で極めて重要というふうに認識してございます。  このため、県では、十和田湖や白神山地、県内の各地の祭りなど、認知度の高い観光資源と、各地の歴史、津軽三味線などの伝統芸能や郷土料理など、地域ならではの観光コンテンツを組み合わせることによりまして、より広域的な周遊型観光に取り組むほか、朝市や夕日、夜景等の宿泊しなければ体験できない観光コンテンツを取り入れまして、観光客のさらなる滞在や周遊を促進することとしております。  県としては、東北新幹線全線開業効果の最大限の獲得に向けまして、関係団体等と連携を図りながら一層の推進に努めてまいります。  次に、原子力関連企業の誘致への今後の取り組みについての再質問でございます。  原子力関連企業の誘致につきましては、既に本県に立地し、これまでメンテナンス業務を中心に行ってきた企業に製造部門を設けるよう要請するなどの取り組みを行ってきておるところでございます。  今後とも、原子燃料サイクル施設の事業者である日本原燃株式会社を初め、電気事業連合会、各電力会社、原子力プラントメーカーなどに対しまして幅広く働きかけを行うとともに、取引企業や関連企業の新たな事業展開に係る情報収集等に努めまして、さらなる原子力関連企業の誘致につなげてまいりたいというふうに考えてございます。 29 ◯議長(田中順造) 教育長。 30 ◯教育長(田村充治) 障害者の法定雇用率達成に向けての今後の取り組みについての再質問にお答えいたします。  県教育委員会では、これまでも障害者の法定雇用率の達成に向けましてさまざまな取り組みを行ってまいりましたが、特に平成十八年度実施の教員採用試験から身体障害者特別選考を実施しております。また、教員以外につきましては、県人事委員会による身体障害者を対象とした青森県職員採用選考試験において、昨年度から教育事務の採用枠を設け、採用に努めております。  しかしながら、障害のある方の教員採用試験受験者数自体が少なく、教員が職員の大多数を占めることから、県教育委員会における障害者法定雇用率の達成については難しい現状にあります。  県教育委員会といたしましては、今後も教員採用身体障害者特別選考及び県職員採用選考試験における教育事務枠により教職員の採用を行っていくとともに、引き続き大学等への働きかけなどを通して広く採用試験受験者の確保に努め、障害者雇用の促進に引き続き努力してまいります。 31 ◯議長(田中順造) 午さんのため、暫時休憩いたします。 午後零時三分休憩    ────────────────────── 午後一時十分再開 32 ◯副議長(清水悦郎) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  二十四番山内正孝議員の登壇を許可いたします。―山内議員。 33 ◯二十四番(山内正孝) 会派民主党の一員として、通告に従い一般質問をいたします。  質問の第一は、知事の政治姿勢であります。  昨年八月三十日、総選挙が行われ、政権交代が実現いたしました。政権交代後初の参議院選挙がことしの夏に行われます。選挙の焦点は、民主単独で過半数に届くのか、連立与党で過半数を確保できるのか、あるいは、自民党が巻き返し、前政権当時のように再び衆参ねじれ状態となるのか、注目度の高い選挙であります。公示まで約三カ月となった今、本県選挙区の状況は、四人が名乗りを上げております。  さきの質問での小桧山議員の言葉を拝借しますと、落下傘とバックギアに例えておられましたが、言い得て妙と感心した一人であります。そしてまた、余計な心配をしているところであります。落下傘は、うまく風に乗れば目的に到達できますが、強い逆風が吹けば人身事故にもなりかねません。一方、バックギアは、ギアチェンジをしないままスピードを上げると、これまた重大事故になりかねません。私もこの選挙に意思表示をした一人でありましたが、予選を突破できませんでした。  さて、今回の参議院選挙は、政権交代後初の国政選挙であり、今後の日本の政治を大きく左右する選挙であります。  そこで、知事二期目の任期後半にある今、知事はこの参議院選挙にどのようなスタンスで臨むのか。あわせて、ことし行われる弘前、五所川原、黒石の各市長選を初め、県内各首長選挙及び各市町議員選挙への対応についても伺います。  次に、地域主権改革であります。  鳩山政権は、地域主権の確立を重要な政治課題と位置づけ、地域主権戦略会議を設置し、その後、六十三項目、百二十一条項の義務づけ、枠づけの見直しを閣議決定いたしました。十二月であります。さらに、国と地方が対等の立場で対話ができるように、全国知事会など地方六団体が求めていた国と地方の協議の場を法制化する法案が閣議決定されました。地方主権改革は、明治以来の中央集権体質から脱却して地域主権を確立することであり、この国のあり方を根本から転換する大改革であります。  三村知事は、今定例会初日の知事説明要旨の中で、私はかねてから、国から地方への分権の流れに伴い、地方の自立が求められる中、地方の財政基盤の強化が不可欠であり、強固な財政基盤こそが地域経済の活性化と安定した住民福祉の実現に欠かせないとの認識のもと、財源の裏づけを伴った地方分権改革を強く求めてきたところでありますと述べられました。  地域主権改革が進行しつつある中で、知事は地域主権改革の動きをどのようにとらえているのか。  政治姿勢の第三は、ふるさと知事ネットワークであります。  総務大臣が自立と分散のための原口プランを打ち出しました。そのプランと今回の九県の知事による「自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワーク」は、まさしく民主党の政策と一致するものであり、大いに期待をしたいと思います。  民間においては、既に食の分野でB級グルメが全国展開され、地方が注目されつつあります。このネットワークを田舎の知事会議と評する人もおりますが、ぜひとも成果を上げていただきたいと思います。  そこで、「自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワーク」の設立目的と今後の取り組みについて伺います。  次に、スケート国体開催及び屋内スケート場建設への対応について三点伺います。  第一点、昨年に引き続き、本県で冬季国体スケート・アイスホッケー競技会が来年二月開催されることが決定いたしました。大会の運営については、これまでの経過からも何ら心配はないと思うのでありますが、問題は老朽化した長根リンクであります。ことしも、先月、気温上昇により長根リンクの氷が解け出し、水が表面を覆った状態となりました。リンク関係者によると、ここまで解けてしまうと製氷も難しいとのことであります。  さて、知事は、来年のスケート国体の開催費負担金を東北新幹線開業観光振興対策事業費として予算計上し、東北新幹線の全線開業記念と位置づけましたが、長根スケートリンクで開催することに問題はないのか。  スケートの第二点、今回、緊急避難的に開催を受けた本県として、開催が特定の地域に偏らないように、また、開催地が十分な準備期間を経て開催できるよう早期に輪番制の確立を強く求めるべきと考えますが、日本体育協会が検討している冬季国体開催地の輪番制について、今後の見通しを伺いたい。  スケートの第三点は、県立屋内スケート場建設多角的検討事業であります。  知事は、これまで、屋内スケート場建設について希望の灯は消さないと言い続けて六年が経過しました。希望の灯は細々とかすかにともり、今にも消えそうな状態であるように見受けられるのであります。  私は先ほど輪番制について質問いたしましたが、輪番制が確立したら、次回以降の本県開催に間に合うように屋内スケート場を建設すべきと考えます。ついては、県立屋内スケート場建設多角的検討事業の概要と屋内スケート場の建設見通しについて伺います。  次に、過疎対策の現状と今後の取り組みであります。  著しい人口減少で地域の生産機能が低下し、生活環境の整備がおくれた過疎地域を国が支援する過疎地域自立促進特別措置法は、一九七〇年から十年間の時限立法として制定され、これまで三回更新されてまいりました。この四十年間で八十兆円以上の税金が投入されてきたにもかかわらず、過疎の状況は一向に改善されず、むしろ深刻になるばかりで、この法律が十分機能したとは言えないのであります。  このようなことから、総務大臣は、昨年十二月、地方六団体との意見交換で、ことし三月末で期限切れとなる過疎法を数年延長し、その間に過疎地域への支援を強化する抜本改正に向けた議論を進めると明言いたしました。  過疎地域の支援充実は、民主党政権が掲げる地域主権、地域格差の是正にも通じるものであります。野党は十年間の延長を主張したようでありますが、これまでのハード事業にソフト事業を加え、過疎地域の指定要件を見直し、六年間の延長で与野党が合意しました。その結果、改正過疎法は今通常国会で成立し、四月一日施行される見通しであります。  今回の過疎自治体指定要件の見直しにより、県内では新たに、平内、野辺地、大間、三戸の四町が追加指定され、四十市町村中四分の三に迫る二十八市町村となるのであります。  そこで、これまでの過疎対策と過疎地域の現状について伺うとともに、今後どのような過疎対策が必要と考えているのか示していただきたい。  次に、新公益法人制度に係る取り組みであります。  民法法人制度が廃止され、法人の公益活動を奨励、支援するとの理念のもとで、第三者による公益認定を基本とする新公益法人制度が平成二十年十二月一日に発足しました。平成二十五年十一月三十日までの移行期間内に、公益か一般か、あるいは合併か解散か、いずれかを選択しなければなりません。それぞれの特例法人で移行に向けた検討がなされているところでありますが、全国的に動きが鈍いように見受けられるのであります。  そこで以下二点について伺います。  第一点、新制度に基づく公益認定等の申請とその結果について、全国及び本県の状況を伺いたい。  第二点、従来の公益法人が円滑に申請手続を行うことができるよう、今後、県はどのような取り組みをすることとしているのか伺いたい。  次に、日本航空の経営再建に伴う青森空港などへの影響であります。  日本航空が二兆三千二百億円の負債を抱え、去る一月十九日に会社更生法の適用を申請し、不採算路線の廃止などを検討しています。どのような路線が廃止対象となるのか、また、本県の路線に影響があるのか、不確定であります。  そのような状況下、ことし十二月に新幹線が新青森駅まで開業され、全県を挙げて新幹線開業ムード一色になっております。新幹線開業後、航空利用者が減少していきますと、日本航空が経営再建を進めていることもあり、本県の航空路線のうち廃止、減便になる路線が出てくることも考えられます。  本県の航空ネットワークが縮小されれば、利用者の利便性が損なわれ、また、県が管理する青森空港においては、管理運営に係る収支にも影響しかねないことから、航空ネットワーク維持・充実対策が求められております。  そこで、以下三点について伺います。  第一点、日本航空の経営再建が本県の航空路線に及ぼす影響をどのように考えているのか。  第二点、日本航空の経営再建が青森空港の管理運営に及ぼす影響とその対策について伺います。  第三点、国内線の利用促進に向けた今後の取り組みについて伺います。  次に、命を大切にする取り組みの推進であります。  我が国の自殺者数は十二年連続三万人以上であり、世界八位の自殺国であります。国は二〇〇〇年に、二十一世紀における国民健康づくり運動を策定し、自殺対策に力を入れてまいりました。  この健康21では、二〇一〇年までに自殺者数を二万二千人以下とする目標を立てていますが、目標年まであと一年しかありません。自殺対策白書によると、減少の兆しは見えず、学生、生徒という若い世代が増加していると指摘しております。本県においても、二〇〇九年の自殺者数は前年より三十人増加し、五百四十三人と三年連続の増加であります。国、県、市町村を挙げて取り組んでいるにもかかわらず、この結果であります。  自殺の原因は、健康問題や経済問題などさまざまでありますが、私には、これまでの対策は対症療法的な対策が主であり、原因療法、根本療法がおろそかになっているように思われてなりません。  自殺直前の心理は、心のもろさにあると言われております。つらさに耐える心のしなやかさや、耐えることの習慣を多感な幼少期に身につけることが必要であります。  そのためには、学校、親、地域社会が連携して、幼少期にスポーツや武道あるいは学校飼育動物などを通じて忍耐力や努力する習慣を身につけさせる、また、命の大切さを学ぶ機会を提供し、継続体験をさせる。このことが自殺予防対策の第一歩であり、原因療法となるのではないでしょうか。  以上の見地から、以下三点について伺います。  一点目、本県の自殺の現状とこれまでの自殺対策への取り組み状況について伺いたい。  二点目、命を大切にする心をはぐくむためには、県民一体となって推進していく必要があると考えますが、県の認識について伺います。  三点目、命を大切にする心をはぐくむ教育をきめ細かくさらに推進していく必要があると考えますが、小・中学校における取り組み状況について伺いたい。  次に、県史編さん事業であります。  人に履歴があるように、自治体に歴史があります。県や市町村がどのような変遷をたどり今日があるのか。その歴史を知ることがそこに住む人にとって大変意義のあることであり、次の世代に史実を伝えていくこともまた重要なことであります。過去を知り、未来を考えるため、つまり古きをたずね新しきを知る、温故知新であります。  私は、市議会議員時代に八戸市史編さんにかかわったことがあります。そのとき思ったことは、まず第一に、資料収集であります。時がたてばたつほど資料が散逸することが多く、できる限り短期間に収集することが望ましいこと。  第二に、聞き取りであります。地域の事情に詳しい高齢者からの聞き取り、これも急がなければなりません。  第三に、編さん期間であります。余りに長期間でありますと、編さんに係る人が高齢化してしまいます。  第四に、自治体の財政が厳しくなると、他の事業より予算削減の対象になりやすいことなどなどであります。  ちなみに、新編八戸市史刊行計画は、平成十年度から平成二十四年度までの十五年間で全十六巻であります。  そこで伺います。  県史についても編さん事業が進められておりますが、事業の進捗状況と今後の計画について伺います。  次に、本県レッドデータブックの見直しであります。  ことしは国連が定めた国際生物多様性年であります。長い時間をかけて進化してきた地球の生態系の機能を保つには、豊かな生物多様性が重要でありますが、人間活動の影響で、さまざまな形で喪失が進んでいることが懸念されています。そのため、一九九二年、国際協力で多様性保全と適切な利用を進めるための生物多様性条約が採択されました。  国際生物多様性年のことし、生物多様性が人類の幸福にとっていかに重要であるかについて市民や政治家が理解の増進を図ることを目指し、十月に名古屋市で生物多様性条約の第十回締約国会議COP10が開催されます。この会議では、生物多様性の損失を明確に減らすことを目指した二〇一〇年目標の最終評価が行われますが、目標は達成できそうにありません。  このような状況下、日本など各国政府や環境保護団体が加盟する国際保護連合は、二〇〇九年度版の絶滅のおそれのある生物をまとめたレッドリストを公表しました。
     それによりますと、絶滅危惧種は昨年より三百六十三種増加し、一万七千二百九十一種となり、評価の対象となった動植物四万七千六百七十七種の約三六%を占めたのであります。また、新たに六種の絶滅が確認され、絶滅種は八百七十五種となりました。  絶滅危惧種の増加がとまらないのは、森林伐採やダム建設による生息地の破壊、過剰捕獲、人間が持ち込んだ外来種による生態系の攪乱などが原因として挙げられるのであります。  そこで、以下二点について伺います。  一、本県のレッドデータブックの見直しの進捗状況はどのようになっているのか。  二、今回の見直しを踏まえ、県は希少野生生物対策にどのように取り組んでいくのか。  次に、鳥獣被害の状況と対策であります。  農水省が公表した二〇〇八年度の野生鳥獣類による被害額は前年度より十四億円多く、二年ぶりに増加し、百九十九億円であります。内訳は、獣類―けものであります。百四十七億二千万円、鳥類は五十一億六千五百万円であります。  地域によって害獣は異なりますが、シカ、イノシシ、猿、クマ、そして外来種のアライグマ、ヌートリアなどであります。害鳥は主としてカラスであります。  鳥獣害対策には、ハンターの確保や、鳥獣の生態を詳しく知り、効果の高い複合的な防除方法を組み立てられるプロの人材の育成、そして集落ぐるみでの取り組みなどが考えられると思います。  そこで、以下三点について伺います。  一、県内の鳥獣被害の状況と対策はどのようになっているのか。  二、県内におけるニホンジカの生息状況について伺います。  三、鳥獣との共生に向け、県は今後どのように取り組んでいくのか。  次に、BSE全頭検査への県の対応であります。  一九八六年にイギリスで初めて発見されたBSEは、日本を含め二十五カ国で発生し、これまで十九万頭を超える牛に確認されています。  現在、世界的にBSEの発生は減少傾向にあります。イギリスでは、一九九二年の約三万七千頭をピークに年間発生頭数は減少し、二〇〇九年は六月までに六頭と激減しています。  我が国では、二〇〇一年初発生から年間発生頭数は増加傾向にありましたが、二〇〇六年をピークに減少し、二〇〇九年は一頭の発生報告があるのみであります。このことは、牛、羊など反すう動物への肉骨粉の給餌を禁止したことによるものであります。  本県においても、牛海綿状脳症対策特別措置法に基づき、屠畜場において検査が実施されていますが、既に国においては、科学的知見や肉骨粉給餌の禁止等により全頭検査の必要はないという見解であります。私も、これまでの経過を見ると、二十カ月齢以下のBSE検査は必要ないものと考えます。  以上の見地から、以下二点について伺います。  一、県は、平成二十二年度もBSE全頭検査を実施するのか。  二、国は科学的根拠からBSE検査対象を二十一カ月齢以上としているが、県はどのような考え方から全頭検査を継続しているのか伺いたい。  次に、獣医師確保に向けた県の取り組みであります。  私は、これまで、県の掲げる攻めの農林水産業を推進するためには、不足している産業動物獣医師や公務員獣医師の確保のため、大学や生産現場との連携、交流や処遇の改善が必要であることを述べてまいりました。  これを受けて、県では、フルタイムでの再任用や初任給における処遇の改善、採用年齢の引き上げなど、積極的に確保対策を実施してこられました。これまでの取り組みを評価し、感謝を申し上げたいと思います。  そして、新年度は、青森県基本計画未来への挑戦の五つの戦略キーワードの中で、あおもり「食」産業において獣医師確保を明記しました。大いに期待をしたいと思います。  そこで、以下三点について伺います。  一、最近三カ年の獣医師の採用状況について伺いたい。  二、今年度、上北地域県民局が実施した獣医師確保対策の成果を伺います。  三、新年度に取り組むこととしているあおもり食産業を守る獣医師確保緊急対策事業の内容と目指す成果について伺いたい。  次に、畜産振興への取り組みであります。  国際的な家畜飼料の高騰や食料自給率の向上、遊休農地、耕作放棄地の活用などなどの対策として、飼料用稲や飼料用米の生産拡大が畜産業の盛んな道府県で進んでいます。  このようなことから、国においても、新年度から飼料米対策を充実させたのであります。作付がふえた場合、保管場所や受け入れる飼料メーカーの確保が必要であります。  以上のような現状を踏まえ、以下二点伺います。  一、飼料用稲の生産拡大について県ではどのように取り組んでいくのか。  二、飼料用稲の生産拡大について、県では生産者と実需者とを結ぶための流通体制をどのように構築していくのか。  最後の質問は、耕作放棄地対策であります。  全国的に耕作放棄地が増加傾向で推移しています。農業、畜産の振興のみならず、環境の面からも耕作放棄地解消対策は重要な課題であります。  そこで、以下二点について伺います。  一、県内の耕作放棄地の状況はどのようになっているのか。  二、耕作放棄地の再生、利用に向けて今後どのように取り組んでいくのか。  以上でこの場からの質問を終わります。 34 ◯副議長(清水悦郎) 知事。 35 ◯知事(三村申吾) 山内正孝議員にお答えいたします。  まず、今年度の各種選挙につきましてのスタンスであります。  参議院選挙につきましては、国政、県政というそれぞれの立場で、経済・雇用対策を初め、当面の課題や新しい時代への認識がいかにあるかという観点から対処したいと考えております。  また、市町村長及び市議会・町議会議員選挙等につきましては、その地域地域の住民の皆様方が御判断し、その地域をともに元気にしていく方を選択することであるというふうに認識をする次第でございます。  続きまして、ふるさと知事ネットワークについてでありますが、「自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワーク」は、我が国の経済社会の再生のため、地方みずからが知恵を出し合いながら新しい政策を生み出し、実行していくことを目的として、本県、山形、福井、山梨、長野、奈良、島根、高知及び熊本の九県の知事が参加し、去る一月二十一日に設立されました。確かに田舎の知事ではありますけれども、それぞれしっかりとした思いがございます。  このふるさと知事ネットワークでは、人や情報の新しいネットワークづくりによる新しい連携の形の創出、各県の得意分野、地方の知恵やノウハウを生かした共同研究や実践研究を通じての政策の質の向上、新しい地方の生活モデルを実現するための新しい政策の政府等への共同提案、こういった三つのことを中心に活動することとしております。  当面は、各県の担当者レベルの会合や、各県知事と学識経験者等が意見交換を行う分野別の政策会合を通じて政策を検討していく、そういう予定、段取りになっています。  続きまして、命を大切にする心をはぐくむために県民と一体となって推進する必要があるがということについてであります。  私は、次代を担う子供たちが、命を大切にし、他人への思いやりを持ってたくましく健やかに成長することは、県民すべての願いであり、そのための環境づくりは、私たち大人の世代に課せられた責務であるとも認識します。このため、平成十六年度に命を大切にする心を育む県民運動推進会議を設置し、「ひとつのいのち。みんなのだいじないのち。」をキャッチフレーズとして、命を大切にする心を育む県民運動を県民一体となって進めてきました。  具体的には、推進会議の会員の皆様に、幼児や小学生を対象とした絵本の読み聞かせや動物との触れ合い体験などを通して、大人と子供が、あるいは子供同士が命の大切さを考え、伝え合う活動に取り組んでいただいているほか、県におきましても、県内の中学生や高校生が命の大切さを同世代に伝える同世代応援メッセージ大会、あるいは自然体験や物づくり体験事業などを実施して、県内の各地域で命を大切にする心をはぐくむ活動の輪の広がりが定着するよう取り組みを進めているところでございます。  今後とも、未来の青森県づくりを担う人財であります子供たちが豊かな心をはぐくみ、健やかに成長するよう、県民総ぐるみでこの運動を進めたいと考えております。  続きまして、あおもり食産業を守る獣医師確保緊急対策事業の内容と目指す成果でありますが、私は知事就任以来、機会あるごとに青森県の食産業を支える畜産の生産現場や流通拠点に足を運んできましたが、それぞれの現場の最前線で、獣医師の方々が、例えばこの高病原性鳥インフルエンザやBSEなどの家畜防疫や、消費者に安全な食肉を届けるための衛生検査など、県民の安全で安心な生活を支える重要な業務を担ってきた姿を目の当たりにしてきた次第であります。  そして、その場に立ったとき、いつも思いますのは、健康な家畜であってほしい、また、消費者にとって安全なものであってほしいという願いであり、これを下支えしております獣医師の方々の姿、そして活躍の場面というものを忘れてはならないと思っているところであります。  しかし、昨今の全国的な産業動物獣医師の不足傾向と同様に、本県においても新たな獣医師職員の確保が喫緊の課題となっております。  このため、来年度から獣医系大学生への修学資金の給付、インターンシップや現地研修等の人事交流、安全な研修環境の対策等を実施いたしますとともに、中長期的な確保対策を盛り込みました県獣医師職員確保プランを策定することとし、本議会に所要の予算を計上し、御審議をいただいているところであります。  これらの取り組みによりまして、全国の獣医系大学生に注目される我々青森県独自の魅力ある職場づくりを進め、畜産の生産や流通現場で食産業を支える本県の獣医師職員の安定確保を図り、本県畜産業の発展と青森の食産業の充実強化を目指す思いでございます。  私からは以上です。 36 ◯副議長(清水悦郎) 総務部長。 37 ◯総務部長(田辺康彦) まず、これまでの過疎対策と過疎地域の現状についてでございますが、これまでの過疎対策については、昭和四十五年に過疎地域対策緊急措置法が制定されて以来、三次にわたる特別措置法により、過疎地域の自立促進、活性化等を目的とした各種施策が展開され、本県におきましても県及び市町村の過疎計画に基づき、産業の振興や生活環境の整備など、過疎対策事業を実施してまいりました。  しかしながら、全国的にも依然として過疎地域の人口減少が進んでいる中で、本県の過疎地域は、道路、下水道等の生活環境の整備が全国水準より低位にあるなど、いまだ厳しい状況にあることに加えまして、医師の不足の問題ですとか、耕作放棄地の増加、コミュニティーの形成が困難などといった新たな課題も生じてきております。  これらを踏まえ、今後どのような過疎対策が必要かという点でございますが、本県過疎地域の厳しい状況を踏まえまして、県としては、平成二十年一月に青森県過疎対策研究会を設置いたしまして、新たな過疎対策のあり方等について検討してまいりました。この中で、今後の過疎対策については、産業の振興、交通通信体系の整備、医療の確保、教育の振興及び集落機能の維持とともに、これらに係る都市、周辺市町村及び民間企業等との広域的な機能連携を図ることなど、従来の社会基盤の整備に加えまして、新たな課題を克服するためのソフト支援などを含め、関係府省が連携した総合的な過疎対策が必要であるとの提言をしたところでございます。  また、今般、現行の過疎地域自立促進特別措置法は、期限を六年延長した上で、過疎対策事業債の対象に、認定こども園、図書館あるいは自然エネルギーを利用するための施設を追加するとともに、従来の公共事業に加えまして、地域医療や交通手段の確保に資する事業、集落の維持や活性化に資する事業そのほかのソフト事業にも拡大するほか、先ほど議員から御紹介いただきましたが、従来の過疎地域二十市町村に加えまして、今回、平内、野辺地、大間、三戸が新たに過疎地域に指定されるなど、青森県の過疎対策研究会の提言と軸を同じくする方向で改正される見込みであります。  次に、新公益法人制度に係る取り組みについて、全国及び本県の状況でございますが、平成二十年十二月一日から始まりました新公益法人制度に基づく全国の申請とその結果の状況でございますが、本年二月末現在で、全国で二万四千三百十七法人あった従来の公益法人のうち、公益社団法人や公益財団法人への移行認定の申請が四百三十三件、うち認定されたものが百十一件、不認定とされたものが一件。  また、一般社団法人や一般財団法人への移行認可の申請が百十二件、うち認可されたものが二十六件となっております。  また、本県につきましては、従来の公益法人三百四十六法人のうち、公益社団法人や公益財団法人への移行認定の申請が六件、うち認定したものがゼロ件、また、一般社団法人や一般財団法人への移行認可の申請が三件、うち認可したものが一件となっておりまして、進捗状況といたしましては、おおむね他県と同様となっております。  いまだ申請件数が少ないのは、申請の期限が二十五年の十一月末まででありますので、各法人におかれては、ほかの法人の行き先の様子を見ましたり、メリット、デメリットを今慎重に検討されているのが要因だと思います。  また、本県を初め、全国的に認定が進んでおりませんのは、初めての制度でございますので、書類の不備等のやりとりに時間を要していたり、公益法人の場合、全国に類似の団体があるというケースが多いので、審査をする場合にはほかの都道府県や国との整合性というのをとる必要がございます。そういう状況でございまして、まだ全国で認定件数の実績が少ないと、初期の段階ではより慎重な判断が求められる、こういうことが要因として挙げられます。  次に、このような点を踏まえて今後どのように県は取り組むのかということでございますが、県では、新制度施行前までに説明会を数回開催するなど、新制度の内容や申請手続の周知を図ってまいりました。  また、今年度は、特に個別の相談会を定期的に開催しまして、それぞれの個々の状況を踏まえた支援を行うとともに、多く寄せられている質問等をもとにした質疑応答集を作成、公表したほか、法人が今後の見通しを立てて申請手続に取り組むことができるよう、新制度のポイントや作業手順例に関する説明会を開催したところです。  県といたしましては、今後とも、これまでの取り組みを踏まえながら、それぞれの法人の状況に応じた支援に努めていくこととしております。  また、来年度以降法人の動きも本格化するということが予想されますので、県の審査体制についても充実強化することを検討しているところでございます。  最後に、最近三カ年の獣医師の採用状況でございますが、最近三カ年の獣医師の採用状況につきましては、平成十九年度は募集人員四名全員が確保できましたが、平成二十年度は、募集人員六名に対して四名、平成二十一年度は募集人員八名に対して三名となっており、不足が生じておりました。  このため、本年度の採用試験におきましては、先ほど議員御紹介いただきましたが、採用年齢を三十五歳以下から四十九歳以下へ引き上げるなどの対策を講じましたところ、相応の応募者が確保できました。募集人員八名に対して、平成二十二年度退職者の前倒し分二名を上乗せした十名を確保できる見込みとなっております。 38 ◯副議長(清水悦郎) 企画政策部長。 39 ◯企画政策部長(奥川洋一) 御質問四点にお答えいたします。  初めに、地域主権改革の動きについてであります。  政府が主要政策の一つに掲げる地域主権改革については、地域主権改革推進一括法案と国と地方の協議の場に関する法律案の地域主権改革関連二法案が三月五日に閣議決定されたところです。  このうち地域主権改革推進一括法案は、自治事務のうち法令による義務づけ、枠づけをし、条例で自主的に定める余地を認めていないもののうち、公営住宅の整備・収入基準、道路の構造の技術的基準等を地方自治体の条例に委任することとするなど、関係する四十一法律を一括改正するものです。  県では、これまで、国による地方への義務づけ、枠づけや関与については廃止、縮小し、地方の自由度を高めるべきであると訴えてきたところであり、今回の法案については、国と地方の協議の場の設置も含めて、地方側の要望が一定程度反映されたものと考えています。  今後、政府において、義務づけ、枠づけの更なる見直しや基礎自治体への権限移譲、国の出先機関の見直しや補助金の一括交付金化などの地域主権改革が進められるものと思いますが、県としては、これらの取り組みに当たっては、財源の裏づけを伴った改革として進められるよう、全国知事会などの場を通じて地方、現場の声を国に届けていきたいと考えています。  次に、屋内スケート場建設多角的検討事業の概要等についてであります。  平成二十二年度は、県立屋内スケート場建設多角的検討事業として二百十万円を計上し、今議会で御審議いただいているところです。  事業内容としては、帯広市に昨年開設された屋内スケート場、明治北海道十勝オーバル等の先進施設の利用状況や運営状況等の調査や、屋内スケート場の機能、規模、国庫補助制度等の活用などについての勉強会の開催、交流人口拡大や利活用方策についての検討等を八戸市とともに行っていくこととしています。  現在、県、八戸市ともに徹底した行財政改革を進めているところですが、互いに厳しい財政状況にあり、また、地方交付税等の先行きも不透明であるので、これらにも十分留意しつつ、屋内スケート場の建設についての多角的検討を鋭意行っていきます。  次に、日本航空の経営再建が本県の航空路線に及ぼす影響についてであります。  日本航空の経営再建につきましては、本年一月十九日に東京地方裁判所が会社更生手続の開始を決定し、今後、六月末までに管財人から更生計画案が提出され、八月末までに裁判所による更生計画の認可がなされる見込みであると聞いています。  現時点では、更生計画案の策定作業中でもあり、航空路線の廃止、減便等についての情報は得られていないところです。  県としては、今後も引き続き、国、企業再生支援機構、日本航空等の動向を注視しながら情報収集に努めてまいります。  次に、国内線の利用促進に向けた取り組みについてであります。  国内線の利用促進を図るためには、需要を喚起していくとともに、増便等により利便性を高めることが重要であると考えています。  このため、需要の喚起に向けて、県、地元市町村、経済団体等で構成される青森空港振興会議及び三沢空港振興会と連携しながら、旅行商品の造成支援や空港における青森県の観光、物産をPRするプロモーション活動、空港の活性化に向けたフォーラムの開催等を行っているところです。  また、九州地方や中国・四国地方から羽田空港を乗り継いで来県する乗り継ぎ需要の掘り起こしや、片道新幹線、片道航空機を利用したいわゆる立体観光旅行商品の造成支援にも取り組んでいます。来年度は、これに加えて日本航空と連携したPRを行うなど、一層の利用促進に努めてまいります。  また、利便性向上に向けては、今後も青森―東京線の増便及び利用しやすい運賃やダイヤの設定等について、航空会社に対して働きかけてまいります。 40 ◯副議長(清水悦郎) 環境生活部長。 41 ◯環境生活部長(名古屋 淳) 御質問五点にお答えいたします。  まず、県史編さん事業の進捗状況についてであります。  県史編さん事業は、本県の歴史的発展過程を明らかにし、郷土に対する県民の理解と愛着を深めるとともに、貴重な歴史的資料を県民共有の財産として永く後世に伝えることを目的に、平成八年度に事業を開始し、現在、平成三十年度までに全三十六巻を刊行する計画に基づきまして作業を進めております。  全三十六巻のうち、これまで考古、古代、中世、近世、近現代の資料編十六巻、民俗編二巻、自然編二巻、別編一巻合わせて二十一巻を刊行しております。
     今後は、資料編について九巻、民俗編一巻、文化財編二巻、通史編三巻の合わせて十五巻の刊行を予定していますが、これらの県史に係る資料調査も順調に進んでいるところでございます。引き続き着実に県史編さんを進めてまいります。  次に、本県レッドデータブックの見直しについてでございます。  県では、広く県民に本県の希少野生生物への理解を深めていただき、希少野生生物の保護、保全を図る上での基礎資料として活用してもらうために、平成十二年に青森県レッドデータブックを作成いたしました。  このデータブックは、各市町村を初め、教育機関や図書館などに配布し、普及啓発などに活用されてきたところでございますが、発行から約十年が経過し、環境の変化によって希少種のランクなどについて見直しの必要が生じてまいりました。  こうしたことから、県では、レッドデータブックの改訂を行うこととし、平成二十年度から県内の学識経験者による検討会を設置して検討作業を進めてきたところでございます。年度末を目途に選定種二十八種の増加などを内容とする改訂版を発行する予定でございます。  次に、希少野生生物対策にどのように取り組むのかについてでございます。  野生生物は生態系の重要な構成要素であり、人々の暮らしに豊かな恩恵をもたらす欠かすことのできないものであることから、生存を脅かす要因をできる限り取り除き、絶滅のおそれのある種の保全等を通じて多様性を確保していく必要があります。  今回の見直しにおいて希少野生生物の選定種が増加していますが、その要因として、動物につきましては生息水域の環境悪化や湿原、草原の減少、土地の改変などが、また、植物については、それらに加えて山野草の乱獲や登山者の踏圧などが指摘されています。  このため、県としては、レッドデータブックの改訂版を活用いたしまして、希少野生生物の保護、保全について改めて広く普及啓発することとしております。また、森林や緑地、河川や湖沼などの環境保全対策のほか、外来生物の効果的な防除対策が図られるよう庁内関係部局と連携するとともに、国や市町村などとも協力しながら適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、鳥獣被害の状況に関して、ニホンジカの生息状況についてでございます。  本県では、およそ百年前にニホンジカの生息状況が途絶え、本州に生息するニホンジカの北限はこれまで岩手県南部の五葉山付近とされてきましたが、近年では岩手県北部にまで生息域が拡大しているとの情報があります。また、本県でも、近年、県南地域と下北地域でニホンジカを目撃したとの情報が寄せられ、一昨年と昨年には八戸市でニホンジカの死亡個体が発見されたほか、昨年の八月にはむつ市で雄ジカ一頭を保護したところでございます。  このようなことから、県としては、ニホンジカの生息状況を把握する必要があると考え、昨年、北里大学とともにニホンジカの目撃情報について、市町村や森林組合などを対象にアンケート調査を実施したところでございます。  その結果、平成十七年以降に岩手県との県境付近から下北半島までにかけての太平洋側で十九件の目撃事例があったものの、目撃されたニホンジカはすべて雄のみで、雌や小ジカの目撃例はなかったことから、県内においてニホンジカの繁殖、定着を伺わせるような情報はないと考えております。  県としては、ニホンジカの繁殖により、生態系や農林業への大きな影響も懸念されることから、引き続き関連情報の収集に努め、適切に対応していきます。  次に、鳥獣との共生に向け、今後どのように取り組んでいくのかについてでございます。  本県に生息する野生鳥獣には、希少性が高く保護、繁殖を図るべき種、生息数が多く狩猟対象となっている種及び野生化した外来種などがあり、これらの中には、絶滅のおそれのある種から生活環境や農林水産業及び生態系に深刻な被害を及ぼす種まであり、多種多様となっております。  県は、鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律に基づき鳥獣保護事業計画を策定し、鳥獣保護区などの指定や有害鳥獣捕獲の許可基準を定めて野生鳥獣の適正な保護管理対策を実施しているところです。  また、下北半島に生息する北限のニホンザルにつきましては、学術的に貴重な種でありながら、現在は、生息数の増加などにより地元住民とのあつれきが生じていることから、同事業計画に基づく特定鳥獣保護管理計画を策定し、科学的な調査、検討を加えながら、個体数調整などの保護管理に取り組んでいるところでございます。  県としては、今後も野生鳥獣の保護管理対策につきまして、引き続き県内各市町村や庁内関係部局とも密接な連携を図り、野生鳥獣との共生に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 42 ◯副議長(清水悦郎) 健康福祉部長。 43 ◯健康福祉部長(一瀬 篤) 初めに、自殺対策についてお答えいたします。  本県の自殺死亡率は、平成十五年をピークに平成十八年まで減少していましたが、平成十九年から再び増加に転じ、平成二十年の人口動態統計では人口十万人当たり三十四・一で、全国順位はワースト二位となっています。  県では、平成十三年度から市町村等と連携を図りながら、心の健康問題に対する県民への正しい知識や理解の普及啓発及び相談支援体制の充実に取り組み、さらに平成十七年度以降は、毎年度、県の重点事業として各種事業に取り組むとともに、県内関係団体・機関で構成する青森県自殺対策連絡協議会での検討、意見等を踏まえて総合的な自殺対策を推進してきたところです。  これまでの主な事業としましては、自殺者の多い市町村や取り組みが進んでいない市町村への支援を行う自殺対策普及啓発事業、職域等でメンタルヘルス研修や出前健康講座などを行うメンタルヘルス地域・職域連携推進事業などを行ってきたところです。  今年度は、住民の身近な地域において自殺予防のネットワークが形成されるよう、ボランティアや民間団体等を対象としました自殺対策のための地域力支援事業のほか、国の交付金により造成した自殺対策緊急強化基金を活用するなど、さまざまな自殺対策事業を実施しているところでございます。  次に、BSE全頭検査についてです。  国は、食品安全委員会の答申を受け、平成十七年八月からBSE検査の対象を二十一カ月齢以上の牛とし、平成二十年八月から二十カ月齢以下については、BSE検査キットに係る国庫補助を打ち切りました。  しかし、県では、関係部局間で協議、調整した結果、平成二十年八月以降もBSE全頭検査を継続する必要があると判断し、全頭検査を実施してきたところでございます。平成二十二年度のBSEスクリーニング検査につきましては全頭検査を実施することとし、所要の予算案を本定例会において御審議いただいているところでございます。 44 ◯副議長(清水悦郎) 農林水産部長。 45 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 御質問七点にお答えいたします。  最初に、鳥獣害被害の状況と対策のうち、農林水産部所管分についてです。  本県の鳥獣による農作物被害の状況は、平成二十年度が被害面積約四百三十五ヘクタールで、被害額は約一億三千八百万円に上っており、その内訳は、猿によるリンゴや野菜などの被害が約四千二百万円、カラスによるリンゴやメロンなどの被害が約三千四百万円、クマによるトウモロコシやリンゴなどの被害が約二千三百万円などとなっており、クマやカラスなどの被害が増加傾向にあります。  このため、県では、三月十七日にカラスなどの生態に詳しい専門家を招いて、最新の鳥害防止対策の研修を行うほか、モンキードッグの活用や市町村の広域連携で効果を上げている下北の取り組みについても情報を共有し、被害防止対策の徹底を図ることとしています。  また、市町村に対して、引き続き鳥獣被害防止特別措置法に基づく被害防止計画の作成や国の事業の活用を働きかけるほか、来年度は、現地研修会などを開催して、モンキードッグや防護さくなどの被害防止技術の普及を図ることとしており、本議会に所要の予算を計上し、御審議いただいているところです。  次に、BSEの全頭検査の継続に係る県の考え方についてです。  本県では、二十カ月齢以下のBSE検査に係る補助を国が終了した後も全頭検査を実施しています。  二十カ月齢以下の牛のBSE検査を中止することについては、消費者サイドにおいては、安全性への不安を完全に払拭するに至っていないと考えられること、生産者サイドにおいても、他県も同様の対応をしている中にあって、自県産の牛肉が国内流通上において不利となるなどの懸念を抱いていることから全頭検査を継続しているところです。  なお、本県で昨年九月にまとめた県政モニターアンケートによりますと、約八割がBSEに不安を感じているとの回答があったことから、今後、県としては、国内ではBSE対策が徹底されていることや、二十カ月齢以下の牛にBSEが発生していないことなどを情報提供するとともに、消費者との意見交換会などを行って不安の解消に努めてまいります。  次に、上北地域県民局が実施した獣医師確保対策の成果についてです。  上北地域県民局が今年度に行った獣医師の確保対策は、本県における産業動物の獣医師を確保することを目的に、北里大学の獣医学生を対象として、開業している獣医師と連携した臨床実習や家畜保健衛生所における業務体験などに加え、畜産農家での現地研修や意見交換を実施したものです。  参加学生には、実務を体験することにより獣医師の魅力や役割について理解を深めていただいたところであり、獣医師の就職先として新たな発見につながったという意見を多く聞くことができました。  今回の取り組みにより、小動物の臨床獣医師を志望する学生が多い現状にあって、獣医師が活躍できる職場への視野を広げることができたことは大きな成果であり、継続的に取り組むことにより、地元大学から県内の産業動物の獣医療関係の職場を志望する学生がふえるものと期待しています。  次に、飼料用稲の生産拡大についてです。  県では、稲ホールクロップサイレージや飼料用米として利用する飼料用稲について、飼料自給率の向上や調整水田などの有効活用を図る観点から、大幅な生産拡大に努めることとしています。  このため、県で育成した飼料用稲の品種であるうしゆたかやみなゆたかについて、今年度、県南地域の実証圃において栽培試験を実施したところ、良好な成績が得られたことから、生産者への普及拡大を図っていくこととしています。  また、生産や収穫作業を請け負うコントラクター組織の育成のほか、津軽地域の稲ホールクロップサイレージを県南の畜産地帯で利用する広域流通の取り組みなどを加速させることにより、畜産農家への安定的供給を図ることとしています。  次に、飼料用米の流通体制の構築についてです。  飼料用米の作付については、十アール当たり八万円の助成金が措置されていることから、生産現場における関心は高まっており、この意欲を生かすためにも生産から販売までの流通体制の確立が重要であると考えています。  本県における飼料用米については、県の調べでは、養鶏事業者などから一万トン以上の需要があることから、実需者に安定的に供給できる体制の構築を急ぐ必要があります。  このため、県では、養鶏事業者や飼料メーカーにおける取引条件、農協における受け入れ体制や保管場所などの調整を行っているほか、稲作農家と実需者である養鶏事業者などへの供給に向けた効率的な流通体制の確立について支援することとし、本議会に所要の予算を計上し、御審議いただいているところです。  次に、県内の耕作放棄地の状況についてです。  市町村、農業委員会が行った調査では、昨年十一月末現在で農用地区域内の耕作放棄地面積は四千九百十ヘクタールとなっています。このうち、草刈りや抜根、整地などで耕作が可能とみられる農地は一千四百六十ヘクタール、道路や水路などの改修、補修など簡易な基盤整備で耕作が可能とみられる農地は二千四百三十ヘクタール、森林、原野化して復旧が難しい耕作放棄地は一千二十ヘクタールとなっています。  最後に、耕作放棄地の再生利用に向けた取り組みについてです。  県では、平成二十三年度までに一千五百ヘクタールの耕作放棄地の解消を目指し、二月にはすべての耕作放棄地の所有者に対し、みずから耕作を再開するのか、他の農業者へのあっせんを希望するのかを農業委員会に連絡するようチラシを配布したところであり、あっせんを希望する場合には、受け手となる農業者とのマッチング活動に移行していくこととしています。  また、耕作放棄地の再生利用に当たっては、国の支援事業の活用を働きかけ農業者の負担軽減を図るとともに、取り組み事例をPRしながら他の地域への波及を図っていくこととしています。  なお、山林に隣接し、既に林木が生えて復旧が難しい耕作放棄地については、市町村に対して、農業振興地域整備計画の見直しに際し、農用地区域から除外して森林としての活用も指導していきます。 46 ◯副議長(清水悦郎) 県土整備部長。 47 ◯県土整備部長(山下 勝) 日本航空の経営再建が青森空港の管理運営に及ぼす影響とその対応についてお答えいたします。  日本航空の経営再建に伴う減便等についての情報は得られていませんが、仮に青森空港において減便などが行われた場合には収支の悪化が見込まれます。しかしながら、そのような状況下におきましても、これまでと同様に、安全性、確実性などの空港の機能を維持していくことが重要であると考えております。  県といたしましては、青森空港の支出の約半分を除雪関連経費が占めていることから、除雪車両の大型化などにより除雪の効率化を進めるとともに、除雪関連経費に対する国による支援を要請するなど、一層の収支改善を図りながら、今後も空港の適切な運営管理に努めてまいります。 48 ◯副議長(清水悦郎) 教育長。 49 ◯教育長(田村充治) 御質問三点にお答えいたします。  初めに、来年のスケート国体を長根スケートリンクで開催することは大丈夫なのかについてであります。  来年の第六十六回国民体育大会冬季大会スケート・アイスホッケー競技会につきましては、日本体育協会、文部科学省などからの開催要請や地元関係者からの要望を受け、八戸市、三沢市、南部町及び競技団体の意見を伺いながら開催の可否について検討し、去る二月二十二日に知事が大会の受け入れを表明したところであります。  長根スケートリンクでのスピードスケート競技の開催についてですが、同施設は、日本体育協会が定める国民体育大会開催基準要項の施設基準を満たした施設であり、設置者である八戸市からは、来年の国体の開催は可能であると伺っております。  今後は、開催自治体や競技団体との緊密な連携のもとに、大会の準備、運営に万全を期してまいりたいと考えております。  次に、日本体育協会が検討している冬季国体開催地の輪番制についての今後の見通しについてであります。  国民体育大会冬季大会は、開催可能な地域が限られ、一部の都道府県に開催が集中していることに加え、多額の経費負担を強いられていることから、近年、開催地選定が極めて難航している状況にあり、本県では、以前から日本体育協会等に対し、経費負担の見直しや開催地決定方法の改善を求めてきました。  また、全国知事会においても、国及び日本体育協会がより一層大会運営の簡素・効率化に向けた改革を継続的に推進するとともに、開催にかかわる経費を応分に負担するよう要望しています。  これらのことから、日本体育協会では、補助金の増額や冬季大会の開・閉会式を秋の本大会に一本化するなど、開催地の負担軽減を図っており、また、開催地の決定方法については、開催可能な施設を持つ都道県の輪番制を導入する方向性を打ち出し、現在、関係都道県と調整を図っているところです。  日本体育協会では、この輪番制を年内には確定したいとのことであり、県教育委員会としては、この制度が早期に実現されるよう注視してまいりたいと考えております。  次に、命を大切にする心をはぐくむ教育の小・中学校における取り組み状況についてであります。  子供たちが他人を思いやる心や命を大切にする心、美しいものや自然に感動する心など、豊かな心を持つことは極めて大切なことであります。しかし、近年、いじめにかかわる問題や子供による凶悪な事件など子供がかかわる事件が発生している中、命をかけがえのないものとして尊重する精神と態度の育成がより一層求められています。  このような心の教育を充実するために、小・中学校においては、異年齢集団や異世代の人々との交流体験や職場体験活動、ボランティア活動、動物飼育活動、自然体験活動などの豊かな体験を通して子供たちの道徳性の育成に努めております。  先ほどの議員のお話の中にもございました動物飼育活動においては、実際に動物と触れ合ったり、観察や飼育を通して生き物の成長を喜んだり親しみながら世話をしたりする経験を通して、命のとうとさを実感させ、命を大切にする心をはぐくんでいるところであります。  県教育委員会といたしましては、関係機関等との連携を図りながら、さまざまな教育活動や命を大切にする心を育む県民運動を通して、今後とも子供たちの命を大切にする心をはぐくんでいく取り組みを進めてまいります。 50 ◯副議長(清水悦郎) 警察本部長。 51 ◯警察本部長(石川威一郎) 県内のクマによる昨年の被害状況とその対策、警察本部所管分についてお答えいたします。  県警察が把握している昨年のクマの目撃、食害、人的被害の総数については百八十六件となっており、前年に比べて七十二件の増加であります。  このうち、クマによる人的被害は、五月二日、深浦町の白神ライン山中で、クマの駆除のために入山した六十五歳の男性がクマに襲われ死亡した事案が一件。九月二十七日、むつ市内の山林でキノコとりのため入山した七十三歳男性が顔面、胸部などをけがした事案などの負傷事案四件、合わせて五件が発生しており、前年に比べて三件増加しております。また、目撃状況等については、目撃が百二十九件と前年比五十六件増加、食害が五十二件と前年比十三件増加となっております。  次に、県警察による被害防止対策についてお答えいたします。  警察にクマの被害や目撃情報が寄せられた場合には、直ちに付近をパトロールし、パトカーのマイクによる注意の呼びかけをし、新聞、テレビなど報道機関に対しても情報提供して皆さんに周知を図っております。  平素は、クマによる被害に遭わないためのチラシ、パンフレット、交番、駐在所のミニ広報紙や交番速報の作成や配布、入山場所付近への看板の設置などを行っておりますほか、山間部を管轄する一部の警察署におきましては、必要なときに活用できるクマよけ鈴やクマ撃退スプレーを備え被害防止に努めているところであり、今後もクマによる被害防止対策を積極的に推進してまいります。  なお、昨年中は、猿による人的被害については把握しておりません。 52 ◯副議長(清水悦郎) 山内議員。 53 ◯二十四番(山内正孝) 多岐にわたる御答弁ありがとうございました。  まず、知事に、政治姿勢であります。  先般、おいらせ町の町長選挙が行われました。津波で延びた全国的に注目された選挙であります。当時は百石町でありますけれども、知事も元そこの町長であったと。  新聞の一面を見ましたら、何と知事の写真入りの為書きがばんと当選者のところに張ってありまして、地元二紙一面に、一つはカラーだったと思いますが、意外な思いをしながら拝見いたしました。  知事の先ほどの御答弁で、県民の判断によるものというふうなお話がございました。知事も当然県民の一人ではありますけれども、かなり影響力の大きい県民の一人でありますから、どうぞ行動には慎重に対応していただくように御要望を申し上げます。  それでは、再質問に入らせていただきます。  まず、スケート国体関係でありますけれども、なぜ予算計上を東北新幹線全線開業観光振興対策事業費というところで計上したのか。国体の目的を見ましたら、スポーツの振興とか、そういうスポーツが目的のことが述べられてありました。現に八戸市が負担する場合は、文化、スポーツ振興のところの予算で対応するというふうに私は伺ってございます。昨年と同じ八戸市、南部町、三沢市での開催ということであれば、私は、新幹線開業というよりも並行在来線開業記念というふうな意味合いではないのかなと。そのほうがしっくりくるのではないかというふうに思うわけであります。  先ほど出させていただいて大変失礼申し上げました、小桧山議員は三沢でありますけれども、三沢にしてみれば、何か当てつけ、こじつけのような気がしないでもないと。というのは、三沢には新幹線は行きません。それから、駅はありません。南部町もございません。在来線はあるわけであります。前回の開催のときは当然もう八戸まで開業していましたから、そういう意味では何とか―七戸や青森市で開催するのであれば、そういう言い方も、また予算計上も理解はできますけれども、既に開業している八戸とか、新幹線駅のない南部町、三沢市で開催するというのは、予算の面からもいかがなものかなという気がするんですが、その辺について御所見があればお答えいただきたい。  それから、輪番制でありますけれども、今考えられているのは十道県というふうに伺ってございますけれども、屋内スケート場を有するのは何道県あるのか、これをお答えいただきたい。  それから、冬季国体は、八戸が第一回のスケート、そして十二回目になるんですか、そういうことであります。今回のように三年間に二回開催した例というのは今までにあるのかどうか、これもお答えいただきたい。  スケートの話をしますと、長根リンク―後ろに座っておられる中村寿文議員は往年の名選手だった―だったようでありますというのは、私は直接見ていないものですから、千五百メートルの国体選手で、本人のお話でありますけれども、三位に入賞したことがあると。当然、長根リンクでも練習をしたというお話であります。県の代表として、北海道の国体で三位に。千五百メートルというのは大変難しい距離だというお話でした。五百メートルとも違えば、三千とか一万とも違う。スピードもスタミナも必要なという見方と、中途半端というところがあると思いますけれども、いずれにしても、大変なところで三位。往年の名選手でありますけれども、今はもうスケートは引退して山登りに専念しているようであります。  そういう長い歴史を持った長根でありますから、老朽化が本当に進んでおります。(発言する者あり)長根リンクが。長根リンクが進んでおります。フロンガスを使っているという、環境に逆行しているようなところもございますので、その辺についても、できたら輪番制の次が来るときには、つくっているんだという見通し、決意を知事にどうしても―細々と燃やすにしても、ひとつその辺についてお答えいただきたいというふうに思います。  そしてまた、今回の開催がなぜ決まらなかったのか。というのは、その次の年の開催は岐阜県と愛知県がもう既に決定していたんですね。そうしていてなぜその前の―順序からいけばおかしいなと思うわけでありますから、その辺がどうなってこのような経緯になったのか、その辺をお答えいただきたいと思います。  それから、命の教育であります。
     最近本当に、児童虐待とか、ドメスティック・バイオンレス、あるいは親子の殺傷事件、それにプラス若年の自殺を見ますと、一体人間がどういうふうになったんだろうと。動物にかかわることが多いものですからつい比較してしまうんですが、動物は無駄な殺生はしません。もちろん自殺も聞いたことがありません。そして、子育てをきっちりとやる。それを見ますと、人間がいつから動物以下になったのかなという気持ちでならないわけであります。  社会全体で子供を育てていくということは共通認識だと思います。以前は、カブスカウトとかボーイスカウト、ガールスカウト、海洋少年団、いろんなそういうのに参加しながら社会体験をし、子供が成長してきた。それが最近は、そういうのがだんだん薄れてきて、さっきのレッドデータブックじゃないですけれども、希少価値になってきているというこの現状をどのように思っておられるのか、これもお答えいただきたいと思います。  それから、BSE。私も、当初二十年で厚生労働省がそれを廃止する、助成金をやめたと言ったときは、まだちょっと早いんじゃないのかなと思って質問もいたしました。これはなぜかというと、先ほどの御答弁にあるように、消費者とか生産者に不安があるといけないということが大きな理由であります。それと、まだ科学的知見がそこまで明確になっていなかったこともございます。しかし、今では獣医領域ではもう必要ないとはっきり―これは日本獣医師会の会長から聞いても、動医研の方から聞いても、大学教授から聞いても、現実に出ていない。ピッシングもやめている。こういう状況の中でいつまで続けるのかと。  ですから、私は、厚生労働省がやめた時点で、もう少し消費者、生産者にそういうことを啓蒙していくべきではなかったのかと。きょうの一瀬部長の答弁を聞いていると、厚生労働省にいたときはやめろで、こっちに来ればやれと、立場が違えば違うものだなというふうな気がいたしたわけであります。  いずれにしても、もう科学的にはっきりしているやつは、消費者なり生産者に理解をいただく努力をして、青森県の誇れる牛がいっぱいいるわけですから、むしろこれからは外国へどんどん出してやるように―山形も始めました。それから、宮城、九州の宮崎も、香港とかマカオとかシンガポールにどんどん輸出体制を整えてやっています。知事御承知のとおり、第一花国を例とする黒毛和種、そして、今度試食会をやる有機牛の日本短角種。誇れる牛だと思うので、ぜひともそちらのほうに建設的に進めるようにお願いをしたいと思うんですが、このことについてもひとつお答えいただきたいと思います。  以上であります。 54 ◯副議長(清水悦郎) 知事。 55 ◯知事(三村申吾) 山内正孝議員の再質問にお答えします。  私からは、スケートリンク関係でございますが、八戸市ともども多角的検討事業を行うということで、希望の灯は決して小さくなっておりませんということを申し述べたいと思います。(「大きくなっていないのか」と呼ぶ者あり)ちょっと、十倍大きくなっています。 56 ◯副議長(清水悦郎) 蝦名副知事。 57 ◯副知事(蝦名 武) 国体の予算をなぜ商工労働部観光局の予算につけたのかでございます。  これは昨年実施したばかりであって、知事から、そのときも、日体協及び文科省に対しまして、輪番制をきちっとやってほしいということを強く申し入れたわけであります。しかしながら、今回、この輪番制が確立する前にまた申し入れがあったということでありました。  そこで、知事からは、輪番制はどうなっているのかということについて問いただしたわけでありますけれども、しかしながら、八戸市、三戸郡の県会議員あるいは市会議員から知事に陳情がございまして、氷都八戸市に対する大変な誇り、自信というんですか、そういうものを強く示されました。スケート国体、アイスホッケー国体をここで一回やめるということがいかに大きいかということについて切々と訴えられたのでございます。  したがいまして、これを開会するに、輪番制が確立されることを知事から強く望んでいることもございまして、今回はその理由づけを考えたところ、東北新幹線開業がいいということで、これはスケートあるいはアイスホッケーで来られる方々が、八戸市ばかりじゃなくて、新しい新幹線に乗って県内全域を周遊して滞在型観光をしてほしいという強い望みでもございますので、よろしくお願いしたいと思います。 58 ◯副議長(清水悦郎) 農林水産部長。 59 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 再質問にお答えいたします。  BSEの全頭検査についてでございます。  この問題につきましては、科学的な知見と消費者の食の安心に対する意識、そしてまた、生産者の他県と同じような対応をしていただきたいという意見、こういった部分を相互に埋め合わせていく努力が必要であるというふうに考えております。  また、牛肉の輸出の関係についても御意見がありましたが、国内外での流通経路や相手国のマーケティングの調査を行うなど、輸出の可能性の調査、研究から始める必要があるというふうに考えています。 60 ◯副議長(清水悦郎) 環境生活部長。 61 ◯環境生活部長(名古屋 淳) 命を大切にする心をはぐくむ上での体験活動とか社会活動が大事ではないかということについての御質問にお答えいたします。  県としてもそういう活動が非常に大事であるということで、実体験活動といたしましてさまざまやっておりますが、十和田市の馬事公苑の駒っこランドで、「ふれあってみよう! いのちと命」に四十人参加していただいたとか、あるいは、カワヨグリーン牧場で親子で楽しむ牧場生活体験活動とか、さまざまな動物との触れ合いを通じて子供たちが命の大切さを学ぶ活動には、NPO等と連携しながら取り組んでおります。 62 ◯副議長(清水悦郎) 教育長。 63 ◯教育長(田村充治) 再質問三点にお答えいたします。  まず、屋内で実施できるスケート場を有している道県は幾つあるのかというのは、二道県でございます。北海道、長野の二つでございます。  それから、冬季国体で三年間に二回の例はあるのかというお話がございました。一回ございます。第十五回昭和三十五年の長野、第十六回昭和三十六年の長野というふうに一回ございます。  それから、開催がなぜ決まらなかったのか。これについては把握しておりません。 64 ◯副議長(清水悦郎) 十四番丸井裕議員の登壇を許可いたします。―丸井議員。 65 ◯十四番(丸井 裕) 自由民主党の丸井裕でございます。  通告に従い、一般質問をいたします。  前回、私がこの場で質問をさせていただいたのは、衆議院議員総選挙が終わり、民主党を中心とする鳩山政権が発足した直後でありました。そのときは、新政権発足に伴う県政への影響を中心にお尋ねいたしましたが、政権発足から六カ月がたち、政策の中身や決定の手法などについて明確になりつつある今、あのときの憂いは決して杞憂ではなかった、単なる邪推ではなかったとの確信を抱いております。  恐らく、他の議員各位も同様の強い問題意識や御懸念をお持ちになっておられるようで、これまでのご質問の内容と重なる箇所もあろうかと思いますが、どうかご容赦いただきたいと思います。  御案内の方も多いかと思いますが、論語に「寡きを患えずして均しからざるを患う」という記述があります。これは富の不平等をなくすことが政治にとって何よりも重要であると理解されており、孔子は、不平等をなくせば国はおのずと豊かになると考えました。もちろん過度な平等、すなわち結果平等は、個々人あるいは地域のやる気を喪失させるものではありますが、不平等の助長、すなわち格差の拡大は、国家全体の発展を著しく阻害するものであります。戦後、我が国が奇跡的な発展を遂げましたのは、まさに均衡ある国土の発展が成功したからにほかなりません。  しかし、顧みれば、昨年の衆議院議員総選挙で、長年与党にあった自由民主党が歴史的な敗北を喫しましたのは、競争主義に大きくかじを切り、都市と地方、そして富裕層と中間・低所得者層との格差を拡大させたことが大きな一因であったと思われます。裏を返せば、民主党にはそうした格差を是正することが期待されたわけでありますが、この六カ月を振り返ってみましても、現政権はそのような国民の期待にこたえていないと言わざるを得ません。  当初、鳩山内閣は七〇%以上の高い支持率から出発しましたが、今日では四〇%を下回り、マスコミによっては支持率と不支持率が逆転しているところもあります。政治と金をめぐる不透明、不可解な問題が影響していることもありますが、格差の是正という厳粛な使命にこたえていないことも少なからず影響しているのではないかと思っております。  内閣府が、去る二月十五日に発表しました昨年十―十二月期のGDPの一次速報値では、前期比一・一%増、年換算四・六%増で、昨年の四―六月期から三・四半期連続のプラス成長となっています。これは、麻生政権が打ち出した景気対策、とりわけ公共事業の前倒しが多少の効果を上げた結果であると言えるわけですが、しかし、それでもなお、この青森県において経済成長を実感している人は皆無に等しいのが現状であります。  去る三月二日に日本銀行青森支店が発表しました青森県内金融経済概況では、県内の景気について、厳しい状況にあると総括し、六カ月連続で判断を据え置いています。国民所得そのものが前年度に比べ七・一%も減少しており、国全体としても厳しい経済情勢ではありますが、景気や雇用をめぐる都市と地方の格差は全く縮まっていないと思わざるを得ませんし、大変残念ながら、今後、鳩山政権がこの格差を縮めてくれると期待している人もいないと言わざるを得ません。  現在、国会においては平成二十二年度予算案を審議していますが、その予算案の中身を見てみますと、地方交付税は、配分ベースで今年度に比べ約一・一兆円増の十六・九兆円になっているなど、多少は地方への配慮は見られます。  しかし、その一方、地方経済を支える大きな柱である公共事業関係費は、コンクリートから人へとの意味不明なスローガンのもと、本年度当初予算に比べ一八・三%も少ない五兆七千七百三十一億円まで減らされ、その中の道路予算に至っては二五・一%減の一兆二千四百六十四億円になっております。民主党は公約、すなわちマニフェストの中で、公共事業費を四年間で一兆三千億円減らすとしておりますが、一年間でそれをやられては、地方経済はますます疲弊し、取り返しのつかない状態に陥ってしまいます。  私は、このような国の予算では、地域間格差は到底縮まらない、地方の疲弊に歯どめはかからないと思っております。道路や橋梁を次から次に建設することは最善だとは思っておりませんし、厳しい財政状況にかんがみますと、そのような時代ではないということもよく理解しております。  しかし、例えば高度経済成長期に整備された道路や橋梁、港湾、下水道などは、間もなく建設後五十年前後を経過しており、社会資本のすさまじい老朽化が深刻になっております。耐震改修を必要としている公の建物も多くあります。これらは、いわば人の命、人の生活を守るためのコンクリートであるわけでありますし、こうした公共事業は、地域経済の活性化をももたらすという一石二鳥の効果を有していると考えますが、現政権にはそのような発想が欠落していると思えてなりません。  また、個々の予算につきましても、首をかしげたくなるものが多いですし、地方の側の人間として、冗談ではないと叫びたくなるものも少なくありません。地方のため、あるいは国民のためというよりも、来る参議院議員通常選挙のためのばらまきになっていると思えるものも少なくありません。  このような国の予算案をごらんになり、新年度の予算編成に当たり、三村知事におかれても相当の御苦労をなされたものと推察するものであります。  お隣の岩手県では、厳しい経済と雇用情勢を踏まえられ、来年度の予算額を前年度より六・一%も増加する積極予算を編成したとのことであります。特筆すべきは、国の公共事業予算が大幅に減っている中で、何の根拠と自信を持ってか、普通建設事業全体に係る予算を、前年と同水準を確保したそうであります。岩手県知事も、やはり景気対策にはコンクリートが有効、必要とお考えなのではないでしょうか。または特別な手当てがおありになるのでしょうか。  そこで、平成二十二年度当初予算に関連いたしまして、幾つかの点について知事のお考えをお尋ねしたいと思います。  まず初めに、新政権のコンクリートから人へという理念に立った国の新年度予算案に対する評価と県の対応についてお伺いいたします。  自民党政権でも、建設投資額は毎年減らしてまいりました。現に、国の建設投資額はここ十年間で三割程度も落ち込んでおり、県も四割近く減らしています。当然のことながら、このあおりを受け、県内の建設企業数もピーク時から減少している状況にあり、これと同時に、本県にとって貴重な雇用の場が失われてきているものと認識しています。  県では、基本計画未来への挑戦で県民所得一・五倍を目指して取り組まれることとしていますが、新政権のマニフェストどおり、今後も公共事業予算が削減され続けるとすれば、その理想もむなしい現実へと変わってしまうのではないかと危惧するものであります。  とはいえ、現に、来年度の公共事業予算の大幅削減は確実な状況にあり、県としても、県内経済や雇用、県民生活の安定のためにも、これらの影響を最小限にとどめるための工夫や対策を講じていく必要があるものと考えるところであります。  そこで、お尋ねいたしますが、このように公共事業予算が減少する中で、県経済に最大限配慮した事業の執行が必要と考えますが、県土整備部における対応を伺うものであります。また、基本計画で目指す一人当たりの県民所得の向上の実現に向け、来年度どのように取り組むのか、見解を伺うものであります。  次に、本県の農林水産業の振興にかかわる点についてお尋ねいたします。  まず、国の予算が大幅に削減された土地改良事業費についてであります。  今般の国の予算案では、農家の戸別所得補償の予算を確保するため、いわば鶴の一声、天の声によって土地改良事業費が半減されてしまいました。申し上げるまでもなく、土地改良事業は、かんがい用水や圃場整備、農村生活環境整備などを行うものであり、農業県の本県などにとり、農業の足腰を強くするため、さらには競争力を強化するため、まだまだ必要な事業であります。また、当然のことながら、これによって地域経済も刺激されてきました。  しかし、表向きは戸別所得補償を実施するため、そして、恐らく実際は、全国土地改良事業団体連合会が長年自民党を支持してきたため、この事業費が何の根拠を示されることもなく、また、地域の農家の方々の声を聞くこともなく半減されました。私の記憶している範囲では、土地改良事業費の半減は、民主党のマニフェストには明記されていなかったと思います。  そこで、二点についてお尋ねいたします。  まず一点目は、国の事業費削減は、土地改良区へどのような影響があると考えているのか。  また、二点目として、県は、平成二十二年度予算をどのような考え方で編成したのかお伺いするものであります。  次に、飼料用稲の生産振興と利用拡大についてお伺いいたします。  我々の主食であります米については、食生活の変化や少子化の影響により消費量が年々減少していることから、需要に見合った量を計画的に生産し、米価の安定を図り、稲作農家の経営を安定させていくことが重要であります。国民、県民からも安全・安心な農産物の自給力の強化が強く望まれているところであります。  とりわけ、農地として国内、県内に最も豊富に点在する水田を有効に活用し、自給力を高め、本県の畜産振興、さらには、我が国の喫緊の課題である食料自給率の向上にもつながる稲ホールクロップサイレージや飼料用米などの飼料用稲の生産振興を図る必要があると考えています。  そこで質問ですが、一点目は、食料自給率向上と米の需給調整を進める上で、県は、飼料用稲の生産振興にどのように取り組んでいくのか。  二点目は、飼料用稲の利用拡大に向けて県はどのように取り組んでいくのかについてお伺いします。  次に、内水面漁業の振興についてお伺いします。  本県は三方を海に囲まれ、豊かな漁場に恵まれていますが、海に栄養を運ぶ重要な役割を担っている川は、豊かな漁業資源を有しており、春には渓流魚のヤマメ、イワナ釣りが解禁し、ウグイやシロウオ漁も行われ、夏から秋にはアユ、秋から冬にかけてはサケが遡上するなど、古来より地域の人たちに親しまれてきたところです。  また、県内外からも釣り人が集まるようになり、川の資源は地域振興の資源としても重要であると認識しています。そのような川の恩恵を受けている漁業協同組合では、稚魚を放流したり川をきれいにするための取り組みにより川の魚を守ってきていますが、零細経営のところが多く、十分な取り組みとは言えない現状にあります。  私の地元、奥入瀬川では、川に遡上したサケのつかみどりや釣りなど観光にも活用していますが、このように水産資源を地域の活性化に活用することが重要であり、そのためには、漁協の取り組みを支援し、今後とも川の資源を確保していくことが必要であると考えます。  そこで質問ですが、河川漁業資源の維持増大を図るため、どのように取り組んでいくのかお伺いします。  次に、本県の道路サービスの向上についてであります。  まず、みちのく有料道路の料金徴収期間の延長に関連いたしましてお尋ねいたします。  昭和五十五年の供用開始以来、青森―七戸間、県都と県南地域を物流、観光、交流等の分野で結ぶ数少ない大動脈として利用されているみちのく有料道路の役割は大きなものがあると考えます。今般、みちのく有料道路については、本年十一月に料金徴収期間満了を迎えることとなったにもかかわらず、料金徴収期間の延長を図るとされたことは、冬場常に通る私にとっても残念なことであります。  そこで、次の三点についてお伺いします。  まず、みちのく有料道路の債務の状況について。  次に、料金徴収期間の延長については、できるだけ短くするべきだと考えますが、十九年間の延長とした根拠について。  最後に、料金徴収期間の延長に当たっては、利用者サービスの向上を図るとのことですが、その具体的な内容についてお伺いいたします。  次に、防雪さくの設置についてお伺いいたします。  本県の冬の観光を語るときに、観光客のレンタカーや観光バス旅行における地吹雪の問題があります。地吹雪による視界障害は安全な自動車走行を阻害し、時には重大な事故を招くおそれがあります。特に県外から訪れた観光客は、ふなれなため立ち往生することさえあると聞いております。  県では地吹雪対策として防雪さくを設置しており、私も、防雪さくの設置は地吹雪対策として非常に有効な手法であると考えておりますが、見通しがきかなくなることから、せっかく訪れた観光客のために、眺望がすぐれた箇所においては景観に配慮した防雪さくの設置が今後できることを期待しているところです。また、防雪さくは、一部の交差点において、見通しを阻害することにより交通事故の原因となるおそれもあり、特に信号機のない交差点部においては見通しの確保が必要であると考えます。  そこで、道路の交通安全対策として防雪さく設置の考え方についてお伺いいたします。  次に、国際観光の振興についてであります。  本年十二月には、いよいよ東北新幹線が全線開業します。新幹線開業は、もちろん首都圏を中心とした国内から観光客を誘致する最大のチャンスであり、県当局においては、来年度総額七十億円に上る開業対策事業を計画されております。  一方、日本全土の観光客の動向を見ますと、国内が人口減少社会に入ったことから国内観光客は伸び悩んでおり、国においては、海外からの観光客をふやそうと、二〇一〇年までに訪日外国人旅行者数を一千万人に拡大することを目標とするビジット・ジャパン・キャンペーン、さらに来年度からは、将来的に三千万人まで拡大することを目標とする訪日外国人三千万人プログラムを掲げております。  このような中、本県においても、この世界有数の高速鉄道である新幹線開業を武器に、海外からの観光客誘致に積極的に取り組んでいく必要があると考えます。  知事は就任以来、青森―ソウル線の利用促進を初め、国際観光の振興に積極的に取り組まれており、その効果もあって、県内においても、韓国や台湾、中国などからの観光客もふえてきているようであります。今後は、韓国についても、青森―ソウル線だけでなく、新幹線を活用した誘致対策にも取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。  そこで、本年十二月の東北新幹線全線開業を踏まえて、県は海外からの誘客にどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。  次に、十和田湖境界決定により増額配分となる地方交付税の活用についてお伺いいたします。  私は、十和田湖は、本年十二月の東北新幹線全線開業を見据えた県全体の観光振興を考える上でも、その中心となる地域と考えるところであります。  しかしながら、十和田湖は、近年、湖水透明度の低下などの自然環境の悪化や観光客の減少、また、これに伴う空き店舗の出現によって景観が阻害されるなど、十和田湖地域の魅力を低減させる状況となっており、このことがさらに観光客の減少を招くという悪循環に陥りつつあることに加え、昨今の景気低迷により十和田湖観光の衰退に一層の拍車がかかっている状況にあります。  このような危機的な状況を早急に改善し、東北新幹線全線開業効果を最大限享受するためには、十和田湖の魅力回復、向上に官民挙げて取り組むことが強く求められているのであります。  十和田湖地域につきましては、明治以来の懸案であった境界問題が確定したことに伴い、地方交付税が増額配分となることから、昨年の第二百五十七回定例県議会においても、その活用による十和田湖地域の魅力回復への取り組みについてお伺いしたところであり、これに対し、今後十年間、十和田湖の環境保全及び景観対策等の推進に向け、十和田市、小坂町、秋田県及び本県の四者による取り組みを実施することとし、平成二十一年度については、環境保全の推進のための取り組みとして、十和田湖の水質改善や十和田湖周辺地域における環境への負荷を軽減するための取り組みを、景観対策の推進のための取り組みとして、十和田湖畔地区を魅力ある観光地とするための良好な景観形成に向けた取り組みや景観に配慮した道路整備等に係る取り組みを行っていくほか、十和田湖の観光振興の推進のための取り組みを行っていくとの答弁をいただいたところであります。  私は、この四者の連携による事業の展開は、魅力ある十和田湖地域を形成していく上でも非常に大事な視点であるととらえています。  そこで、平成二十二年度の取り組みに向けて、四者においてどのような協議がなされたのか、また、その結果どのような事業を行うこととしたのかお伺いいたします。  次は、子供たちに、郷土への愛着と誇り、社会で自立する力や広い視野、たくましさを身につけさせるとともに、青森県の未来を切り開いていく人財を育成していくためには、確かな学力の向上が必要であると考えております。  このような中、国においては、平成十九年度に全国学力・学習状況調査を実に四十三年ぶりに復活させ、全国の小学六年生、中学三年生に全員調査を実施しました。  国では、三年間の調査の結果、全国及び各地域別等の信頼性の高いデータが蓄積されたこと及び教育に関する検証改善サイクルの構築も着実に進んでいることを理由に、調査方式を大幅に見直しして実施することを決めております。つまり、全員実施の悉皆調査から抽出調査への変更及び抽出対象外の学校に対する希望利用方式の導入であります。新聞報道によると、全国では抽出外校の六割が希望しているとのことです。  そこで、県教育委員会にお尋ねしますが、全国学力・学習状況調査について、次年度から大幅に調査方式が見直されることとなりましたが、本県の抽出調査の状況と希望利用の状況についてお伺いいたします。  次に、県立三本木高校における中高一貫教育についてであります。  県立三本木高等学校附属中学校については、公立学校としては県内初めてとなる併設型中高一貫校として今年度で三年目を迎えるところであります。それぞれの進路希望や目標の達成に向け、生徒、教職員が一丸となって教育活動に取り組んでいると伺っております。  一方、学校施設の使用に当たっては、中学校と高校が施設を共有することから、施設の有効活用を図りながら教育活動に取り組んでおりますが、技術の授業について、教室が狭いことから、作業をする上で大きな危険を伴っております。また、部活動についても、練習を十分に行うことが難しいという声が聞こえてきております。  このようなことから、将来ある子供たちが勉学も運動も一生懸命に取り組むことができるよう、県立三本木高等学校附属中学校の施設面の充実について、私もこの場からお願いさせていただきましたし、十和田市及びPTAも陳情してまいりました。  そこで、設置後三年となる県立三本木高校附属中学校における教育活動の取り組み状況及び成果について、また、同校の教育環境の充実に向けた今後の取り組みについてお伺いいたします。
     最後に、今般の津波と避難の問題についてであります。  日本時間の二月二十七日、南米チリ沿岸でマグニチュード八を超える大地震がありました。この時点では、私も、また随分大きな地震が起きたものだというくらいの気持ちでニュースを聞いたのですが、その昔、そのチリで起きた地震による津波で大きな被害が出たのではなかったかと思い当りました。  調べてみますと、今からちょうど五十年前の昭和三十五年五月二十二日、日本時間の二十三日にチリ沖で発生したマグニチュード九・五、これは史上最大規模の地震だったそうですが、この地震によって引き起こされた津波が、地球の反対側から丸一日かけて日本にも到達し、最大波高は六メートル、この津波により全国で百四十二名、本県でも三名の方が犠牲となったのであります。  二月二十八日朝には、本県沿岸にも津波警報、それも大津波警報が出されました。本県への到達予想時間は午後一時半ごろとされ、時間的余裕はありましたが、テレビ、ラジオ等で繰り返し、繰り返し警告、避難勧告等の情報を放送していました。  午後二時ころから続々と第一波到達の報告があり、根室・花咲港では潮位がみるみる上昇し、岸壁が海水に洗われ、お隣、岩手県の久慈では漁船が岸壁に乗り上げんばかりになったかと思うと、またすうっと下がっていく、あるいは千葉では川を逆流していく、そんな衝撃的な映像が流れ続けました。まさに大自然の脅威、津波の威力をまざまざと見せつけられた思いでありました。  幸い、本県を含め、今回の津波による人的被害はありませんでしたが、翌日の新聞は、どの紙面も、避難率が低い、つまり避難者が少なかったことを伝えておりました。今回の津波は遠く離れた地で起きた地震によるものであり、到達するまでに時間があったのでまだよかったものの、これが近海で起きた地震による津波であったらどうなったのか、大きな被害になってしまうのではないのか。ここはやはり今回の津波の避難の実態を解明し、新たな対策につなげていくべきではないかと思うわけであります。  そこで、今回の津波警報等の発表に当たり、避難勧告、避難指示の対象となった住民数に比べ、避難所に避難した住民の数が少ないと思うが、県の見解と今後の対応についてお尋ねいたしまして、私の壇上からの質問を終わります。 66 ◯副議長(清水悦郎) 知事。 67 ◯知事(三村申吾) 丸井議員にお答えします。  まず、一人当たり県民所得の向上についての二十二年度の取り組みであります。  地域経済を活性化させ、一人当たりの県民所得の向上につなげていくためには、国内外から外貨を獲得し、獲得した外貨を地域内で循環させる仕組みを強化することが重要であると考えております。  このため、平成二十二年度は、この視点を強く意識しながら、雇用の創出・拡大、新幹線全線開業元年、そして、あおもり「食」産業を戦略キーワードに取り上げ、重点的に取り組むこととしております。特に雇用の創出拡大では、青森の強みを生かした産業の技術開発や事業化促進、産業人材の育成とともに、新たなビジネスチャンスにつなげるための環境・エネルギー産業の振興への取り組みを、新幹線全線開業元年では、「東京ジャック」を初めとした観光キャンペーンの展開による誘客促進に向けた取り組みを、そして、あおもり「食」産業では、本県の豊富な農林水産資源を生かした食品製造業の連携強化や技術力の向上への取り組みなどを積極的に進め、外貨獲得と域内循環の拡大を図っていきたいと考えております。  飼料用稲の生産、振興への取り組みであります。  私は、青森県が我が国の食料自給率の向上に寄与し、食料供給県としての役割を果たしていくためには、農地を余すところなく利用していくことが肝要であると考えます。特に、有効に活用されていない調整水田などに、飼料用米や稲ホールクロップサイレージといった飼料用の稲を作付していくことは、米の需給調整を着実に進めつつ、農家の生産意欲や所得の向上、さらには飼料自給力の向上による畜産振興という観点からも重要であると考えるわけです。  中でも、飼料用米につきましては、とりわけ鶏がもみのまま好んで食べることもあり、養鶏業が盛んで、しかも、東日本最大級の飼料コンビナートを有する本県にとって輸入トウモロコシの代替として大きな需要が見込まれ、今後、この地の利を生かし、全国に誇る多収技術を持つ稲作農家と結びつけていくことによって取り組みが大きく伸びるものと期待しています。  このため、県では、現在、養鶏事業者や飼料メーカーにおける取引条件、農協における受け入れ体制や保管場所などの調整を行っているところであり、今後、飼料用米等を大規模に生産し、大量に消費する取り組みが県内全域に広がるよう、稲作農家から養鶏事業者までの生産・流通体制の確立に向けた取り組みを支援することなどによりまして飼料用稲の飛躍的な生産拡大を目指していきます。  海外誘客についての取り組みであります。  私は、知事就任以来、本県への観光客を増加させ、観光産業の競争力強化を図っていくためには、国際観光の振興が重要であると考えました。それゆえに外国人観光客誘致に積極的に取り組んできたところであります。昨年も、私みずから韓国及び台湾を訪問し、現地の旅行会社やマスコミに本県の魅力を強くアピールしてきたところであります。  ことしの十二月の東北新幹線全線開業は、単に首都圏との移動時間の短縮のみならず、来年の春には新型高速新幹線E5系が走行しまして、しかも世界一のスピードで、なおかつ世界一流のグレードを誇る、仮称でありますが、スーパーグリーン車が導入されるわけでございます。このことによって、外国人観光客に旅行するための大きな動機をまた与えることができると考えております。  このため、我々の重点市場と位置づけております韓国、台湾、香港につきましては、これまでの知名度向上や旅行商品造成促進の取り組みに加え、JR東日本と連携し、現地のメディアというものを活用しながら、東京や仙台等から新幹線を使った旅行を積極的にPRしていきます。  また、中国につきましては、本年五月から上海市で開催されます世界最大規模の万国博覧会において、県内商工団体や金融機関、報道機関等とともに、青森ねぶた祭や津軽三味線等のステージイベントを七月に実施し、青森県と東北新幹線の全線開業を強力にアピールし、中国からの誘客をも図ることとしております。  県としては、今後も、国の施策にも呼応しながら、東北新幹線全線開業の効果を活用し、外国人観光客の誘致に積極的に取り組んでいく所存です。  チリ中部沿岸を震源とする地震による津波の避難状況についてであります。  去る二月二十七日にチリ沖で発生したマグニチュード八・六の大地震によりまして、二月二十八日午前九時三十三分、本県太平洋沿岸の大津波の津波警報など、県内沿岸全域に津波警報、注意報が発表されました。  海岸沿いの町に生まれた私にとりまして、また町長もしておりました私にとりまして、津波の恐ろしさというものは身にしみるところであります。特に、今からちょうど五十年前の昭和三十五年に発生しましたチリ地震津波の恐ろしいありさまは、地域の古老―老人たちなどから繰り返し聞かされておりました。  今回の津波も、その同じチリ沖で発生した大地震によるものでありまして、大きな被害が生じることも想定されたことから、私も警戒発表後、直ちに登庁しまして、状況確認とともに、発表と同時に設置した津波災害警戒対策本部の一回目の会合では、警戒態勢に万全を期すこと、被害が発生した場合には適切に対応すること等を各部局に指示し、また、県民の皆様方には、沿岸部に絶対に近づかないなど、冷静に行動してほしいと呼びかけたところであります。町長時代の経験から、見に行くとか、絶対避難しないとか、そういう経験もありましたものですから、特にこれは強く呼びかけるように指示をしました。  その後、三月一日に津波注意報が解除され、津波災害警戒対策本部を廃止した段階で避難の状況について報告を受けましたが、高台など避難所以外の場所に避難した方の数は把握しがたいとはいえ、避難所に避難した方の数には大変―自分の町でもあれだけ訓練等をやったのにと思うところがございました。  幸いにして、今回の津波では人的被害はありませんでしたが、今回の事例において、住民への周知など行政としての対応はどうであったのか、また、住民の方々の行動はどうであったのかという点について、市町村とも協力しながら、分析検証し、今後の対応を検討していくことが、津波だけではなく、さまざまな災害から県民の生命、財産を守る上でぜひ必要であると考え、直ちに私から直接その旨を担当部局に指示したところでございます。  私からは以上です。 68 ◯副議長(清水悦郎) 総務部長。 69 ◯総務部長(田辺康彦) まず、平成二十二年度当初予算編成の考え方についてでございます。  新年度予算編成においては、引き続き県税収入等の厳しい状況が見込まれる中、行財政改革大綱に基づく財政健全化努力の徹底を図るとともに、臨時財政対策債を含む実質的な地方交付税が充実されましたことにより、基金取り崩し額を対前年度から約半減となる三十八億円にまで圧縮するなど、収支均衡に向けた取り組みを着実に進めているところです。  また、歳出面では、喫緊の課題である雇用の創出に資する事業や、東北新幹線全線開業に関する事業などに積極的な対応を図ったほか、公共事業費を初めとする普通建設事業費の予算計上に当たりましては、国の公共事業関係予算が大幅に削減される中、国からの交付金を活用するなど財源面で工夫を凝らし、可能な限りその縮減幅の縮小に努めたところであります。  また、その際に臨時財政対策債が大幅にふえた状況も踏まえまして、通常の県債の発行抑制に努めまして、臨時財政対策債を含む県債発行総額を前年度の当初発行総額以下に抑制しているところでもあります。  今後、経済、雇用や県民生活の安心の施策に持続的に対応できる財政構造の確立のため、財政規律を堅持しながら、歳入歳出両面においてバランスのとれた改革に取り組んでいくとともに、税収の回復に期待しつつ、引き続き地方財政の充実を国に訴えていく必要があるものと認識しております。  次に、十和田湖境界決定により増額配分となる地方交付税の活用について、議員から昨年の御答弁を御紹介いただきましたが、基本的にはそのとおりでございまして、十和田湖の境界が決定したことにより増額配分となる地方交付税―これは六千七百万円ありますが、これは、本県、秋田県、十和田市及び小坂町の四者による了解事項といたしまして、二十一年度から十年間、十和田湖の環境保全や景観対策、観光振興のための事業に充当することとしております。  この事業選定に当たりましては、より効果的に取り組んでいく観点から、四者が共同または連携して実施する事業に重点的に充当することを基本として、事業担当部局と調整の上、最終的には四者による協議によって事業を選定することとしております。  その結果、平成二十二年度の本県の主な充当事業といたしましては、十和田湖の水質改善や河川の環境調査、これは継続でございます。二点目として、十和田湖冬物語に対する補助、これも継続でございます。さらには、奥入瀬渓流の歩道公衆トイレの改築事業、これは新規でございますけれども、トイレの改築事業など、十和田湖周辺地域の環境保全、景観対策及び観光振興に資する事業に取り組むことにしております。 70 ◯副議長(清水悦郎) 行政改革・危機管理監。 71 ◯行政改革・危機管理監(阿部耕造) 今回の津波警報等による避難状況についての御質問にお答えいたします。  大津波の津波警報等の発表を受けまして、県内十一市町村では、津波到達予想時刻の約一時間前までに、約二万六千世帯、約六万六千人を対象に、避難指示または避難勧告を発令し、避難対象地区の住民に防災無線や広報車等を活用して周知したほか、県防災ヘリ等を活用し、上空からの広報を行い、早目の避難を呼びかけたところでございます。  各避難所におけるピーク時の避難者数を合計すると、最大で三千十四人が避難所に避難しましたが、避難勧告や避難指示の対象となった住民数に比べると数が少ないのではないかとの御指摘につきましては、各市町村の状況を検証することが必要であると考えており、また、このことは、先ほどの知事答弁にありましたけれども、知事からも強く指示されているところでございます。  今後、具体的な検証方法等を市町村と調整しますが、想定されます検証内容としては、市町村にあっては、避難勧告等の発令時刻、対象地区、伝達方法が適切であったのか、また、住民の方々にあっては、避難指示や避難勧告を覚知していたのかどうか、覚知してからどのような行動をしたのかなどを考えております。  この検証結果を踏まえて、必要となる対策を検討し、市町村とともに、津波から迅速かつ安全に避難できる体制づくりに取り組んでまいります。 72 ◯副議長(清水悦郎) 農林水産部長。 73 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 御質問四点にお答えいたします。  最初に、国の農業農村整備事業費の大幅な削減の土地改良区への影響についてです。  土地改良区は、これまで国から助成を受けて農業水利施設等の整備や管理等を行っています。国の事業費削減に伴い、これらの助成金が減少することも予想されることから、施設等の補修、更新を行う事業の実施のおくれ、土地改良区が組合員から徴収する維持管理費の増加などが懸念されます。  また、効率的な水田農業への転換を図るための圃場整備の新規採択が難しくなることも予想されます。  次に、平成二十二年度予算の編成の考え方についてです。  国の農業農村整備事業費の大幅な削減の本県への影響を軽減するため、県では、国に対し、全国有数の食料供給県である本県の役割のほか、安全・安心な農林水産物の生産に必要な水循環システムの保全、環境公共の重要性等を訴え、優先的な予算配分を強力に働きかけており、平成二十二年度予算については、農業水利施設の保全管理や水田の汎用化などの生産基盤整備への重点化、集落道や排水処理施設などの農村環境の整備とため池等の防災対策における優先度の明確化、新規要望地区の採択に向けた必要予算の確保、環境公共を推進するための新技術の実践などの視点から編成したところでございます。  次に、飼料用稲の利用拡大に向けた取り組みについてです。  飼料用稲は、家畜の栄養生理学の観点から、牛への給与は稲ホールクロップサイレージ、豚や鶏には飼料用米での給与が適していることから、それぞれの形態による利用拡大の取り組みが効果的であると考えています。  このため、稲ホールクロップサイレージについては、稲作の主産地である津軽地域との広域流通を促進し、酪農、肉用牛の主産地である上北地域のTMRセンターなどでの利用拡大を進めていくこととしています。  また、飼料用米については、鶏に対しては、もみでの給与が有効で低コスト利用が可能なことや、豚に対しては、増体量や飼料要求率が良好で枝肉の上物割合が高いとの給与成績が得られていることから、八戸飼料コンビナートが持つ飼料の貯蔵や製造機能を最大限に活用できる本県の優位性を生かしてこれらの利用拡大を図ってまいります。  最後に、内水面漁業の振興についてです。  本県の河川は、アユ、ヤマメ、イワナなどが重要な資源となっており、毎年多くの釣り愛好者が集まり、地域の風物詩になっています。内水面漁業協同組合では、毎年、種苗の放流や産卵床造成による増殖、漁場環境保全のための河川清掃を実施し、資源の維持に努めている状況にあります。  県では、特に需要が多いアユをふやすため、青森県内水面漁業協同組合連合会の会員漁協が実施するアユの種苗放流に助成するとともに、今年度から、健康な種苗を安定的に確保するための生産技術開発に取り組んでいるところです。  また、地域住民に対して淡水魚やその生息環境の保全への関心を高めるとともに、内水面漁業協同組合の役割を知っていただくため、関係団体と連携して毎年愛魚週間を開催しているところであり、今後とも、これらの取り組みを通じて各地域における河川漁業資源の維持、確保に努めていきます。 74 ◯副議長(清水悦郎) 県土整備部長。 75 ◯県土整備部長(山下 勝) まず、公共事業予算が減少する中での県経済に配慮した事業執行についてお答えいたします。  平成二十二年度の政府予算案では、公共事業関係費がこれまでにない大幅な減少となっておりますことから、雇用や地域経済への影響は少なくないものと考えています。このため、平成二十二年度当初予算の編成に当たり、県土整備部といたしましては、雇用や地域経済への影響に配慮し、公共事業費の大幅な減少を抑えるため、国からの交付金を活用して、可能な限り県単公共事業を増額とすることとし、これに必要な予算を計上し、御審議いただいているところでございます。  事業の執行に当たりましては、ゼロ県債、ゼロ国債を活用するなど、早期発注に努めるほか、可能な限り分離分割発注することにより県内企業の受注機会の拡大に努めてまいります。  次に、みちのく有料道路についてでございます。  まず、債務の状況でございます。  みちのく有料道路は、昭和五十五年十一月に供用開始しましたが、いわゆるバブル崩壊後の景気後退や、国道四号の改良に伴う交通のシフトなどが影響し、利用交通量、料金収入ともに事業計画を下回る状況が続いております。  その結果、計画どおりに債務を償還することができず、平成二十年度決算の段階で、市中銀行からの借入金約八十億円、県からの無利子借入金約十六億円及び県出資金約四十八億円の合計約百四十四億円の債務が残っており、平成二十二年十一月の料金徴収期間満了の時点でも、約百三十億円の債務が残る見込みとなっております。  次に、十九年の延長とした根拠についてでございます。  県では、料金徴収期間満了の時点で、多額の債務が残る見込みとなったことから、青森県有料道路経営改革推進会議を設置し、県民の皆様の御意見も伺いながら検討を進めてまいりました。  その結果、道路ネットワークの早期構築に向けた財政的視点や受益者負担の原則の観点から、県民の税金ではなく、料金徴収期間を延長することにより利用者の御負担で債務償還を進めることとしたものでございます。  料金徴収期間の検討に当たりましては、国の最新の交通量調査をもとに、将来の交通量を推計し、収支予測を行った結果、十九年間の期間延長を行うことにより、全債務が償還可能と見込まれたところでございます。  利用者サービスの向上の具体的な内容についてでございます。  青森県有料道路経営改革推進会議からの有料道路経営改革に関する提言では、十九年間の料金徴収期間延長に当たり、サービス向上を図ることを求めており、県といたしましても、より多くの方々に有料道路を利用していただけるよう、利用者サービスの向上が必要と考えております。  提言の内容といたしましては、冬期間の交通安全性向上のための地吹雪対策や除雪回数、凍結防止剤散布回数の増加、走行速度向上のための追い越し車線の整備、その他の利便性向上のための照明灯や標示板の設置などとなっておりますが、今後、国の交付金の活用などについて十分に検証しつつ、可能なものから順次実施していくべきものと考えております。  最後に、防雪さく設置の考え方についてでございます。  防雪さくは、冬期間の地吹雪による視界障害の低減など、安全な道路交通を確保するために設置しております。しかしながら、眺望の妨げとなったり、あるいは交差点部における見通しが悪くなるなどの課題もございます。  このことから、交差点部における交通安全対策としては、除雪及び凍結防止剤散布をあわせて実施しているほか、市町村や公安委員会などとの関係機関とともに行っている交通診断を通じまして、措置可能なものから改善を図ってきているところでございます。 76 ◯副議長(清水悦郎) 教育長。 77 ◯教育長(田村充治) 御質問三点にお答えいたします。  初めに、全国学力・学習状況調査の調査方式の見直しによる本県の抽出調査及び希望利用の状況についてであります。  平成十九年度から始まった全国学力・学習状況調査は、全国の公立小・中学校のすべてが参加する悉皆調査として過去三年間実施されてきました。来年度の調査については、今までの悉皆調査から抽出調査に切りかえて実施するとともに、抽出対象外となっても、学校の設置者である市町村が希望すれば、無償で国から同一の問題の提供を受け、調査を利用することができる希望利用方式も取り入れております。  本県の抽出調査校及び希望利用校の状況ですが、まず、県立中学校を除く公立小・中学校についてであります。  抽出調査校は、公立小学校が九十校で県全体の約二六%、公立中学校が八十五校で県全体の約五一%となっております。また、希望利用校は、公立小学校が八十三校で県全体の約二四%、公立中学校が二十五校で県全体の約一五%となっております。抽出調査校と希望利用校を合わせると、公立小学校で県全体のおよそ二校に一校が、公立中学校で県全体のおよそ三校に二校が調査に参加することとなります。  次に、県立学校の状況についてですが、三本木高等学校附属中学校及び特別支援学校において六校が調査対象となっており、このうち抽出調査校が二校、希望利用校が四校となっております。  次に、設置後三年となる県立三本木高等学校附属中学校における教育活動の取り組み状況及び成果についてであります。  現在、県立三本木高等学校附属中学校では、中学校と高等学校の教員によるチームティーチングなどを通して、基礎基本を身につけるための学習に励むとともに、科学的な見方、考え方をはぐくむため、数学や理科において大学から講師を招き、発展的な学習活動を行うなど、中高一貫教育のメリットを生かした教育活動に意欲的に取り組んでおります。  また、白神山地での自然体験学習、森林環境学習、英語合宿及び海外修学旅行など、豊かな人間性をはぐくむための教育にも積極的に取り組んでおります。  今春、附属中学校を卒業する第一期生は、全員が三本木高等学校への進学を予定しており、中高一貫教育校の六年間を見通した計画的、継続的な指導を引き続き受けることとなっております。  教育活動の成果については、全国学力・学習状況調査等の結果から、学習の達成状況が良好であることが示されており、さらに部活動では、ハンドボール部の全国大会出場、文化活動では、JICA中学生エッセイコンテスト最優秀賞受賞を初め、各種コンクールでの入賞など、すばらしい成績をおさめております。  県教育委員会といたしましては、附属中学校における中高一貫教育の充実発展に向けて今後とも支援してまいります。  次に、県立三本木高等学校附属中学校の教育環境の充実に向けた今後の取り組みについてであります。  県立三本木高等学校附属中学校の開校に当たり、普通教室、職員室などについては、既存施設を転用、改修することにより整備したところであります。また、中学校と高等学校が緊密に連携し、きめ細かな教育課程の編成を行うことにより、体育館や特別教室などを共有しながら特色ある教育活動を展開してまいりました。  しかしながら、学習指導要領が改訂され、平成二十四年度から新しい教育課程による授業が全面実施されることから、現在の施設設備で対応できるかどうか、昨年度(後刻「今年度」に訂正)、現地調査並びに学校側からの意見聴取を行ったところであります。  その結果、教育環境のさらなる改善、充実を図るため、技術室及び体育館について新たに整備する必要があるとの判断に至ったことから、平成二十一年度二月補正予算に所要の経費を計上し、御審議いただいているところであります。  なお、これらの施設は、平成二十三年三月の完成を目指して、設計、工事を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 78 ◯議長(田中順造) 丸井裕議員。 79 ◯十四番(丸井 裕) 御答弁ありがとうございました。  新政権の新年度予算の評価に関しては、知事から御答弁いただければよかったかなという思いがございます。まあ、結構でございます。  一点の再質問と要望を何点かさせていただきたいと思います。
     第一の要望でございますけれども、まず、県境確定による交付税の活用についてでございます。  今、御答弁がございました水質の改善、そして水質の調査。景観対策とすればトイレの改築というお話がございました。しかし、この水質の調査改善というのは、県境が確定するずっと前からやられていることでございます。また、景観に対するトイレの改築。これは国定公園内ですから、昔からつくるときには景観に配慮したものでなきゃできない、ずっと行われてきているところでございます。  結局、新しくせっかく予算が来たんですけれども、使っているのは県が従前からやっている予算をそのまま使い回ししているというだけではないのかなという思いが私はするんです。  十和田湖とすれば、本年十二月の東北新幹線全線開業を、十和田湖観光振興の千載一遇のチャンスと思っております。せっかく来た絶好機を、今この絶好機を十和田湖は空振りするわけにはいかないんです。であれば、もっと秋田県、小坂町、そして青森県がリーダシップをとって、十和田市も巻き込んで、もっともっと十和田湖の観光発展のために御尽力いただきたいと私は思っております。  環境省や林野庁が何と言うか私はわかりませんけれども、例えば、十和田湖本来の持つ大自然の神秘性とともに、人工的な仕掛け、例えば十和田湖に夜行くと非常に暗いです。あそこをどこかライトアップして、休屋の対岸にもライトアップするとか、また、新しい方法として、イルミネーションの回廊、そんなものをひとつ考えていただきたい。  また、もう一つ、十和田湖周辺には巨樹巨木、国内にある有数の巨樹巨木というのがたくさんあります。ところが、落枝事故の影響もあって、その巨樹巨木を宣伝するとか道案内するということができないでいるんです。ここら辺をもう少し何とかやる方法論というのはいっぱいあると思います。ちょっと林野庁さんと御検討いただいて、これを観光の目玉とするようにお願い申し上げたいと思います。  何よりも一番お金をもらっているのは青森県でございます。市町村が主体となってやれとおっしゃいますけれども、やはり一番お金を持っている青森県がリーダシップをとって、市町村を巻き込んで、秋田県も巻き込んで事業をやってもらわないといけないんだと私は思います。六千七百万、十年掛ければ六億七千万来るはずだったんです。一年間過ぎましたからもう六億しかございません。ことし一年間過ぎると、また六千万、七千万近く減っていくわけですから、あるうちにもっともっと有効活用できるように頭をひねっていただきたい。また協議を重ねていただきたいということを私は強くお願い申し上げたいと思います。  次は、三本木附属中学校でございます。  教育長、どうもありがとうございました。やっと念願の校舎並びに体育館ができるようでございます。今の中学三年生―卒業していませんからまだ三年生ですね。非常に優秀な子供たちでございます。これからも、体育館ができれば、スポーツとか、そして勉学も、もっともっと取り組んで頑張ってくれるものだと私は思っております。六年間で育てるということでございますから、あと後半三年間、何とかうまく育てていっていただいて、青森県の宝となれるような人財にしていただくことをお願い申し上げたいと思います。  次は、再質問でございますが、全国学力・学習状況調査に関する再質問でございます。  先ほどの答弁の中で、本県では、全体として小学校のおよそ半分、そして中学校ではおよそ三分の二の学校が参加する予定ということでございます。  新聞を見ていましたら、他県では、どういうわけか成績のいい県ほど参加率が高いようでございます。このような実施方法の変更による全国学力・学習状況調査の成果がどのようなものであるか、これは今後の調査結果などから引き続き国において検証がなされると思います。また、参加率の低い県では、それにかわる調査があるからとの意見もございました。  本県においても、全国学力・学習状況調査が実施される以前の平成十五年度から独自の学習状況調査事業を悉皆調査として実施し、今年度で七年目になると聞いております。来年度も引き続き実施する予定であると伺っております。  そこで再質でございますが、全国学力・学習状況調査が悉皆方式から抽出方式となった今、本県独自の学習状況調査で本県児童生徒の学力傾向について把握できると考えておられるかどうかお伺いいたします。  最後に、津波避難関連の要望でございます。  今回の津波災害では、幸いにも人的被害はなかったとのことでございます。しかし、今後課題がいろいろ浮き彫りにされたのではないかと思います。そこで、県と市町村が協力して、市町村の避難勧告等が適切に住民へ伝わっていたのか、また、住民のほうはどのような避難行動をとったかなどは速やかに検証していただきたいと思います。  本日の新聞等報道においても、避難の問題が取り上げられており、静岡大学の牛山准教授のコメントとしては、住民の津波に関する知識は地震や台風に比べて乏しく、正しい知識を普及させる必要があると述べておられますが、私も同感であります。検証とあわせて、正しい知識の普及にも、これまで以上に意を用いていただきたいと思います。  今回のこのような津波被害はもちろん、地震などの大規模災害時には、時間的なことから行政ができることには限りがあると考えます。災害から身を守るためには、住民の方々が正しい知識を持ち、みずから助け合うことが非常に大切だと思います。  報道によりますと、今回、八戸市の白銀地区の自主防災組織では、みずから地域住民に避難を呼びかけたり、避難所での炊き出しなどを実施したと紹介しておりました。自主防災組織を設立した翌日にもかかわらず、津波の来襲に備えて、みずからの命はみずから守る、自分たちの地域は自分たちで守る活動を実践されたことに大変感銘を受けました。県内の自主防災組織率は全国に比べて低いわけですが、ぜひ白銀地区のように、自主防災組織を県内に普及させ、組織率の向上に努めていただきたい。そして、白銀地区のように動ける組織に育て上げていただきたい。このことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 80 ◯副議長(清水悦郎) 教育長。 81 ◯教育長(田村充治) 再質問にお答えする前に、先ほど三本木附属中学校の教育環境の充実に向けた今後の取り組みの中で、現地調査等につきまして、昨年度というふうに御答弁申し上げましたが、今年度の間違いでございますので、訂正しておわび申し上げます。  それでは、再質問にお答えいたします。  本県の学習状況調査は、御承知のとおり、小学校五年生、中学校二年生の児童生徒を対象に、そして、国の全国学力・学習状況調査は小学校六年生、中学校三年生の児童生徒を対象に実施しております。県の学習状況調査につきましては、国の調査の国語、算数、数学に加えて、社会、理科、英語を含めた調査を行っているため、基礎的、基本的な学習内容の定着状況を総合的に把握できると考えております。  また、国の調査につきましては、文部科学省が実施主体であります市町村教育委員会の協力を得て実施するものでありますが、本県の児童生徒の学力の状況及び教育施策の成果と課題につきましては、全国的な状況との関係において把握することができると考えております。  県教育委員会といたしましては、今後とも、児童生徒一人一人の学習改善や学習意欲の向上など、確かな学力の向上を目指して、各市町村教育委員会及び学校と連携して取り組んでまいりたいと考えております。 82 ◯副議長(清水悦郎) 三十分間休憩いたします。 午後三時四十三分休憩    ────────────────────── 午後四時二十分再開 83 ◯議長(田中順造) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  十七番熊谷雄一議員の登壇を許可いたします。―熊谷議員。 84 ◯十七番(熊谷雄一) 自由民主党の熊谷雄一でございます。  通告に従い、順次質問をしてまいります。  初めに、地方分権に対する認識と対応についてお伺いいたします。  先週、本格的な地方分権の確立に向けて地域主権改革推進一括法案並びに国と地方の協議の場に関する法案が閣議決定されました。鳩山政権は、地方分権にかわる概念として地域主権という表現を使っておりますが、憲法に規定する国家主権、国民主権との整合性の観点からか、地域主権そのものの法律上の定義づけは見送られております。  既に現政権の言う地域主権改革の実現に向けた戦略会議は設置され、工程表案とともに、規制関連、予算関連、法制関連について、それぞれの基本的な考え方は示されております。また、昨年末、平成二十二年度予算案において、公共事業関係経費全体が削減される中、地方分権の確立に向けた取り組みの一つとして、地方公共団体が行う社会資本整備について、これまでの個別補助金を組みかえ、地方にとって自由度が高く、使い勝手のよい新たな交付金として社会資本整備総合交付金が創設されております。  本格的な地方分権を目指す上で、地方が自由に使える財源の確保並びに基盤となる地方にとって真に必要な社会資本整備を計画的かつ効率的に進めていくための十分な財源が確保されなければなりません。国においては、地方にとっての社会基盤整備の意義、必要性の認識のもと、本県のように社会基盤整備がおくれている地域に配慮した制度を構築することが求められるものであります。  このような中、国の動向を受け、三村知事を初め九県の知事による新たな政策集団として、「自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワーク」が設立されました。三村知事は設立後に、志を同じくする知事が力を合わせて地方の実力を高める先進政策を実行し、新しい制度、システムを国に対して提案するという趣旨のコメントを発表しております。三村知事がこのネットワークに参画することは意義のあることであり、期待をするものであります。  また、このネットワークの呼びかけ人は、ふるさと納税の提唱者とも言われ、地域におけるつながりの再生を目指すことを語った「『ふるさと』の発想―地方の力を活かす」の著者でもあります西川一誠福井県知事とのことであります。西川知事は、著書の中で、地方分権について、現在の中央集権国家を改革し、地方分権を進めることは不可欠だとしても、それが地方活性化の万能薬であるとの意識からはそろそろ脱却すべきときではないだろうか、分権改革はよい行政を行うための手段であって目的ではないと述べております。  国と地方の役割分担を明確化する地方分権改革は、とりもなおさず、真の地方活性化を目指すためのものであり、新たな地方間格差を生み出さないように留意した上で分権改革の進展を見据えた本県独自の未来戦略の策定と確実な実行、さらに、そのためにも、行財政改革、議会改革にも努め、地方自治を担っていくという自覚と覚悟が求められると考えます。  そこで、三点御質問いたします。  第一点目として、国が地方分権の確立に向けた新たな取り組みとして創設した社会資本整備総合交付金に対する県の認識と今後の対応についてお伺いいたします。  第二点目として、「自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワーク」において、知事はどのようなことを国に提案していこうと考えているのかお伺いいたします。  第三点目として、地方分権改革が進展すれば、これまで以上に地方はみずからの判断と責任において行政を運営することになりますが、このことに対する知事の認識についてお伺いいたします。  環境・エネルギー産業の振興策について御質問いたします。  昨年末公表された国の新成長戦略の具体的な内容と工程表はいまだ策定されておりませんが、本県においては、先んじて自主自立を目指し、独自の成長戦略を描き、実行していかなければなりません。  アメリカのオバマ政権が掲げた再生可能エネルギーへの投資政策、いわゆるグリーンニューディール政策が注目を浴びておりますが、本県においても、再生可能エネルギーの利活用による産業振興が成長戦略の大きな柱の一つであります。これまでも、電気自動車及びプラグインハイブリッド、風力発電、太陽エネルギー等の再生可能エネルギーの利活用に向けた事業を展開させてきております。  また、最近では、東京都及び千代田区との再生可能エネルギー地域間連携に関する協定の締結、欧米で積極的な導入が進められておりますスマートグリッドのむつ小川原開発地区における導入を見据えた検討など、新たな取り組みも実施されてきており、本県のグリーンイノベーションによる成長が期待されるところであります。  そこで、本県独自の再生可能エネルギーの利活用による成長戦略を描き、産業振興に取り組んでいくべきだと思いますが、県の考え方と取り組みについてお伺いいたします。  また、環境・エネルギー産業をさらに振興させ、本県の成長産業としていくためには、この分野における教育、人材育成が不可欠であります。県の基本計画未来への挑戦では、青森の未来をつくる人材の育成や、社会が求める人材を育成するための教育の推進を掲げておりますが、環境・エネルギー分野の産業振興、低炭素社会の実現に向けて、子供たちに関心を持たせ、考える力を養う教育等による人材育成をさらに推し進めるべきだと考えます。  そこで、環境・エネルギー分野の教育に、今後どのように取り組んでいくのかについてお伺いいたします。  次に、原子力分野における人づくり、産業づくりについてであります。  世界的に、地球温暖化防止に対する関心が高まり、温室効果ガスの排出削減が大きな課題となる中、有効な地球温暖化防止対策の一つとして原子力発電の推進が見直されているところであります。特に、我が国は、エネルギーの安全保障の観点から、今後とも、原子力発電、原子燃料サイクル、さらには核融合エネルギーが将来のエネルギー源として期待をされるところであります。  このような中、我が国が原子力に関する長年の研究と技術の蓄積を生かし、国際的にも貢献できる原子力分野の人材育成を推進すること、そして、青森県が核融合を含む原子力エネルギー分野の可能性を人材育成や研究開発に生かしていくことが本県の地域振興や産業振興にもつながる重要なポイントになるものと考えます。  来月、六ヶ所村に竣工する国際核融合エネルギー研究センターは、ITER計画と並行して取り組まれている幅広いアプローチ活動の一環ですが、これを契機として、大学や研究機関等との連携、人材交流による総合的な教育研究体制が構築されていくことが重要であり、そのためにも、県が平成二十年に策定した原子力人材育成・研究開発推進構想が掲げる教育研究拠点の実現が期待されていると思います。  そこで、青森県原子力人材育成・研究開発推進構想の進捗状況と今後の展開についてお伺いいたします。  情報通信技術を活用した地域振興策について御質問いたします。  急速に進展する情報通信技術は、世界規模で、人、物、金、情報を結びつけております。ITを活用した産業高付加価値化はもとより、県民の生活の利便性や東北新幹線全線開業を見据えた観光産業振興、さらには、少子高齢化社会における地域の安全・安心の確保等において重要な役割を果たすものであります。  国においては、情報通信技術水準やインフラ整備の面では世界最高レベルに達しているが、その利活用は先進諸外国におくれをとっているという現状を踏まえ、情報通信技術を使いこなせる人材の育成や、利活用による国民生活の向上、国際競争力を目指しております。  翻って、我が県においては依然としてブロードバンドサービスの恩恵を享受できないエリアが存在するなど、引き続き情報通信基盤の整備が不可欠であります。また、利活用状況においては、総務省公表、平成二十一年九月現在の都道府県別のブロードサービスに係る世帯普及率によりますと、その全国平均五九・二%に対し、本県は三八・〇%、全国第四十五位、東北六県中最下位と低迷しております。  利活用に向けた人材育成については、高校生から大学生をターゲットに既に取り組んでいるようでありますが、情報通信技術の利活用と人材の育成は本県にとって喫緊の課題となっております。  そこで、県内の情報通信基盤の整備状況について、また、ユビキタスネット社会を支える人材の育成に向けた今後の取り組みについて、さらに、情報通信技術を活用した地域活性化にどのように取り組んでいくのかについてお伺いいたします。  本県の水産業のあるべき姿と施策について御質問いたします。  未来への挑戦を推進していくため、平成二十二年度戦略キーワードの一つとして、あおもり「食」産業が掲げられております。食品製造業の強化、総合販売戦略の推進等により、本県が有する食の可能性を最大限に活用して、産業振興に取り組んでいくことになっております。  食産業の充実強化にしても、六次産業化にしても、あるいは販売を重視する攻めの農林水産業にいたしましても、その最も基本となるのが生産、いわゆる第一次産業であり、水産業であれば漁業生産であります。  振り返りますと、平成十三年、水産物の安定供給の確保と水産業の健全な発展を基本理念とした国の水産基本法が制定されました。しかしながら、この平成十三年当時における本県の海面漁業の漁獲数量並びに漁獲金額が約三十六万六千トン、五百八十七億円なのに対し、平成二十一年は、約二十九万トン、五百十二億円と、数量で約七万七千トン、金額で約七十五億円減少しております。  平成二十一年度版水産白書では、「新たな取組で守る水産物安定供給」という特集の中で、国内水産物の安定供給に影響を与えた要因と構造について分析いたしております。  漁業経営を取り巻く環境の変化として、資源水準の低迷、燃油価格、漁業用生産資材価格の高騰、漁業そのものの生産構造の脆弱化、水産物の価格形成、流通取引における変化等が掲げられております。そして、今後、我が国周辺の多様な海域特性に応じた適切な資源管理の実施と抜本的な漁業経営の改善が必要となっており、生物学的にも、経済的にも、持続可能な漁業、水産業を模索しなければならないとしております。  あおもり「食」産業の充実を目指す本県においても、水産物の安定供給の確保という水産基本法の理念に照らして、改めて本県水産業のあり方について考える必要があるのではないでしょうか。  そこで、県では、漁業経営を取り巻く環境の変化を踏まえ、今後の本県水産業のあるべき姿についてどのように考えているかお伺いいたします。  また、本県の水産物の安定供給を考えるとき、漁業経営を取り巻く環境の変化を踏まえ、それぞれの漁業特性に応じた施策を考えなければなりません。その際、沿岸漁業、沖合漁業それぞれの共存共栄を図っていく必要があります。  沿岸漁業の振興のためには、資源管理体制と漁業金融の確立が重要でありますが、これを補完するのが漁業共済であり、その充実が沿岸漁業経営の安定、向上につながるものと思われます。  遠洋・沖合漁業につきましては、漁船の老朽化が進む中、代船取得並びに一昨年からの燃油価格高騰に対する対策も重要であります。  そこで、漁業共済の充実と利用促進に向け、県では今後どのように取り組むのかについてお伺いいたします。また、遠洋・沖合漁業の代船取得及び燃油高騰対策に対する県の考え方についてお伺いいたします。  大型クラゲ対策について御質問いたします。  本県の漁業経営における喫緊の課題の一つが大型クラゲ対策であります。これまで漁業者から、操業見合わせや漁獲物の鮮度低下による秋サケ定置網漁の漁獲激減、過酷な駆除作業と駆除費用の増大等の悲痛な声を何度も伺ってまいりました。また、県からも、発生状況と被害状況について報告を受けてきておりますが、恐らく最終的に過去最高の発生と被害状況になっているものと思われます。  抜本的解決に向けて、専門家による研究体制の強化、とりわけ、日本、中国、韓国の連携強化並びに大型化する前の早期駆除、さらには、発生した際の対策を早急に講じなければなりません。国においては、中国沿岸での共同調査を中国に提案、韓国にも参加を非公式に打診しているようではありますが、現在のところ、中国からの積極的な姿勢は見えない状況であります。  早期駆除への対応と日中韓の共同調査については今後とも国に対して強く要請していく必要がありますが、現状では、残念ながら、来年度以降の大量出現を想定せざるを得ないものとなっており、二年連続の被害により経営破綻する漁業者が続出することが危惧されます。  そこで、第一点として、大型クラゲの今年度の出現状況と被害の特徴について、今年度の総括としてお伺いいたします。  第二点として、来年度以降、本県周辺海域での大量出現を防ぐために、また、大量出現があった場合の被害軽減策について県はどのように取り組んでいくのかについてお伺いいたします。  養豚、養鶏の振興策について御質問いたします。  この問題につきましては、これまでも本会議場で議論させていただいております。本県の養豚、養鶏の現状に対する認識や振興に対する考え方について県の見解を伺ってまいりました。  県からは、本県畜産の基幹部門であること、地域経済への貢献度が高い産業であること、今後とも発展が期待できる等の見解をお示しいただいております。  このことを裏づけるように、先般公表された平成二十年の本県の農業産出額を見ますと、畜産産出額は、農業生産額二千八百二十八億円の約二九%を占める八百十三億円で、全体のトップとなっており、主要農産物の産出額では、豚、ブロイラー、鶏卵が上位を占め、この三品目の合計で六百三十八億円と、畜産産出額の七八%を占める状況にあり、養豚・養鶏産業は本県の基幹産業として今後もその成長が見込まれております。  一方で、経営者は、配合飼料価格の高どまりや肉豚価格、鶏卵の価格低迷など、厳しい経営環境の中で、畜産物の価格安定制度への加入や家畜伝染病の発生防止対策、家畜排せつ物の堆肥化施設や汚水浄化施設の整備などに取り組んできております。このような取り組みのほかに、今後は、飼料費の低減対策として飼料用米の生産対策や流通対策が必要になると考えております。  そこで、養豚、養鶏の振興を図るためには飼料費の低減が必要と考えますが、県ではどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  このような中、第二百五十九回定例会において、本県の畜産業に対する環境アセス基準への対応が畜産振興の大きな障害となっていると関係者から指摘されていることをお伝えいたすとともに、今後の養豚、養鶏の振興策を考えたときに、畜産課、環境政策課を初め、庁内における横断的かつ前向きな取り組みを行う必要性があることを指摘させていただきました。  昨年十二月、岩手県の養豚施設を県の関係部局の職員の方々と見学させていただきましたが、施設内における環境への配慮を感じるとともに、環境影響評価、いわゆる環境アセスメントの対象となる畜産施設の規模要件について、岩手県においては排水量が基準となっているのに対し、本県では飼養頭羽数となっている現状について、改めて認識をいたしたところです。  そこで、本県及び隣県の環境影響評価の対象となる畜産施設の規模要件はどのようになっているのかお伺いいたします。  また、県では、昨年十二月と本年二月、環境影響評価の見直しに関し、畜産事業者や畜産関係団体と意見交換会を行ったと聞いておりますが、畜産事業者からは環境影響評価の規模要件見直しについてどのような意見や要望が出されているのかお伺いいたします。  さらに、産業振興の観点から環境影響評価における畜産施設の規模要件の見直しが必要と考えますが、県の見解をお伺いいたします。  「子ども」総合支援について二点御質問いたします。  初めに、本県の次世代育成支援対策についてお伺いいたします。  平成二十二年度戦略キーワードの一つとして「子ども」総合支援が掲げられております。これは、昨年公表された県による政策の自己点検報告書アウトルックレポートを踏まえ、青森県総合計画審議会から出された提言書を受けたものであると思います。  提言書の中で記されているように、本県における少子化問題は、合計特殊出生率が全国を下回る状況となり、深刻化の度合いが強まるとともに、凶悪な家庭内犯罪が発生するなど、子供たちの成長を支える家庭や地域に陰りが見えてきており、総力を挙げて子供に焦点を当てた施策を展開する必要に迫られております。  「子ども」総合支援の施策を推進していく上で基本となるのがわくわくあおもり子育てプランであり、先日、後期五カ年計画の策定がされたところであります。プランの後期計画を拝見いたしましたが、新たな見直し項目として、合計特殊出生率について目標指標の設定がなされております。出生率の向上に向けては、これまでもさまざまな取り組みを行ってきておりますが、思うように少子化に歯どめがかからないのが現実であります。  そこで、わくわく子育てプラン後期計画において合計特殊出生率の増加を目標として掲げておりますが、本県の合計特殊出生率を上昇させるために、県は新たにどのような取り組みをしていくのかお伺いいたします。  また、プランに掲げられている事業の所管課が複数にまたがっております。それだけ子育て支援策は複雑多岐にわたるということだと思いますが、効果的に事業を展開させていくためには、各課の密接な連携体制が重要であり、できるだけ体制を一元化に近い形にしていくことが望ましいと考えます。  そこで、わくわく子育てプランを柱に、総合的な子供支援策を実施していくためには、全庁が中長期的な視点を持ちながら一丸となって取り組む必要があると考えますが、県では、各部局がどのように連携し、切れ目のない次世代育成支援体制を構築していくのか、知事の見解をお伺いいたします。
     最後に、幼児教育の充実について御質問いたします。  わくわくあおもり子育てプランに示されております各論の中には、幼児教育の充実に関する四つの施策目標と幼児教育振興プログラムの作成を初めとする具体的な事業と目標値が明記されております。  幼児教育に関しましては、教育基本法、学校教育法においてもその重要性が認識されております。また、文部科学省で策定した幼児教育アクションプログラムについては、地方公共団体でも同様にアクションプログラムの策定が期待されているところであります。  幼児教育の重要性はもとより、幼稚園教育要領改訂、保育所保育指針改正という環境の変化を踏まえ、「子ども」総合支援を掲げた本県においても策定すべきときではないかと考えます。  そこで、国の幼児教育振興アクションプログラムに基づく政策プログラムを本県においても策定すべきだと考えますが、教育委員会の見解をお伺いして、壇上からの質問を終わります。 85 ◯議長(田中順造) 知事。 86 ◯知事(三村申吾) 熊谷議員にお答えします。  まず、ふるさと知事ネットワークでどのようなことを提案していくかであります。  「自立と分散で日本を変えるふるさと知事ネットワーク」は、我が国の経済社会の再生のため、地方みずからが知恵を出し合いながら新しい政策を生み出し、実行していくことが必要だという福井県の西川知事の呼びかけに賛同した、取り巻く環境や立場が似た地方の志を同じくする九県の知事が参加しております。  このふるさと知事ネットワークでは、参加県それぞれの得意分野について学び合うなど、恒常的に政策を検討していくこととしておりますが、新しい地方の生活モデルを実現するための政策について、政府等へ共同提案する活動にも取り組むこととしております。  具体的な提案内容については、今後、参加県で検討していくこととなるわけでありますが、例えば人口減少が進むふるさとに人財を返す仕組み、あるいは地方に産業基盤を移転する仕組みや、新しい地域医療・福祉制度など、地方の自立と地方への分散を推進するための新たな政策をふるさと知事ネットワークとして取りまとめ、積極的に国等に提案していきたいと、私としては考えております。  地方分権改革の進展によって、今後、地方自治体、地方がみずからの判断と責任において行政運営をすることについての思いであります。  私は、地方分権改革の進展に当たり、本県が将来にわたり自主自立の地域運営を進めるためには、それを支える安定した行財政基盤が不可欠であると考え、県行政全般にわたる大改革を断行し、健全な県財政と効率性、柔軟性を重視した行政組織づくりを徹底して進めてきました。  また、このような行財政改革努力を土台として、本県基本計画に基づき施策の選択と重点化に努め、人財―人の財(たから)の育成、攻めの農林水産業やあおもり型産業、あおもりツーリズムの充実強化、保健・医療・福祉包括ケアシステムや医師確保対策の推進など、本県が新たな歩みを始めるためのシステムづくりを着実に進め、青森県発展の基盤固めを行ってきました。  このような取り組みをさらに積み重ね、地域、地方が元気になってこそ、この日本の国が元気になる、そのための地方分権改革であるとの思いのもと、青森県の明るい未来に向け、みずからの地域はみずからつくり上げるというチャレンジ精神を大事にしながら、県民のための行政、常にこのことを念頭に置き、自主自立の青森県づくりに取り組んでいく思いであります。  本県独自の再生可能エネルギー等の利活用による成長戦略であります。  エネルギーの安定供給や地球温暖化対策が世界的な課題となっております今、資源に恵まれない我が国が、経済的活力を維持、向上させていくためには、再生可能エネルギー利活用やエネルギー高度利用によるCO2排出量削減を進めつつ、エネルギー分野の技術開発などを通じまして付加価値の高い産業を創造していくことが重要と考えています。  このような中、県では、持続可能な社会の先駆けを目指しまして、エネルギー分野の高いポテンシャルを県全域の地域振興につなげていくことが重要であるとの認識のもと、青森県エネルギー産業振興戦略を平成十八年に策定したところであります。  今後は、国の温暖化対策の強化など、昨今の環境・エネルギー施策をめぐる状況変化に対応していくため、戦略の進捗状況や関連動向の状況を調査するなどしまして、今後の戦略推進に向けての目標値あるいは重点的に取り組むべき事項を、改めて私としては明確にしていきたいと考えるところです。  そして、このような取り組みを通じ、多彩なエネルギーの利活用を一層促進し、エネルギーにかかわる新たな産業クラスターの形成につなげていきたいと考えているのであります。  本県水産業のあるべき姿についてであります。  本県の水産業は、約八百キロメートルに及ぶ長い海岸線やそれぞれに特色のある漁場に囲まれる有利な条件を背景に、古くから発達してきた漁業に加え、全国屈指の漁業生産量を生かした加工流通業が形成されており、県経済や地域社会において大きな位置を占めていると認識をします。  私は、本県水産業が引き続き全国に安全・安心でおいしい水産物を提供する責務を果たし、また、県経済に大きく寄与していくためには、生産にとどまらず、加工、流通、販売の分野まで踏み込み、各段階における生産活動を結びつけた六次産業化を推進することが重要であると考えています。そのためには、生鮮品としての流通が中心となります沿岸漁業と、大量に必要な加工原料の供給源となっております遠洋・沖合漁業が両立し、それぞれの役割を十分に果たしていくべきと考えております。  本県水産業の振興は、つくり育てる漁業や資源管理型漁業による水産資源の維持、保全、HACCP(ハサップ)対応市場の整備やトレーサビリティーシステムの構築による食の安全・安心の推進、八戸前置きサバや青森天然ヒラメ、下北のキアンコウなど、地域の特色を生かしたブランドづくりなどに関係者一丸となって取り組み、持続可能で活力ある水産業を構築していくことが重要であると考えております。  子供支援策におきまして、各部局の連携と切れ目ない次世代育成支援体制の構築についての考えであります。  次世代育成支援対策は、児童福祉、母子保健、商工労働、教育、住宅、防犯等の各分野にまたがるものであります。したがって、各部局が連携して総合的に施策を推進していくことが重要と考えます。  そこで、今年度は、青森県基本計画未来への挑戦に基づく基本方針、いわゆる戦略キーワードの一つに「子ども」総合支援を掲げ、各部局が、子供たちを産み、守り、そして成長させることについて緊密に連携し、切れ目ない肉厚の支援体制を構築するよう指示し、さまざまな事業が体系的に実施されるよう、予算編成において取り組んだところです。  また、本年二月に策定しました青森県次世代育成支援行動計画「わくわくあおもり子育てプラン」(後期計画)におきましても、庁内の推進体制を見直し、情報交換や調整を行うこれまでの青森県次世代育成支援対策庁内連絡会議にかえまして、新たに青森県次世代育成支援対策庁内推進会議を設置し、部局横断的に関係事業の進捗状況を点検、評価し、毎年度の予算編成や事業の効率的な実施につなげていくこととしております。  私は、仕事と生活の調和、いわゆるワークライフバランスの実現により、子育て家庭が心身ともにゆったりと子育てをし、子育ての楽しみを見出すことができる社会、そして、次代を担う子供たちが健やかに生まれ、育つことを地域全体で総合的に支援する社会をつくるために、今後とも庁内の各部局が連携した総合的な施策推進の体制をしっかりと図っていきます。  私からは以上です。 87 ◯議長(田中順造) 企画政策部長。 88 ◯企画政策部長(奥川洋一) 情報通信技術を活用した地域振興について、三点お答えいたします。  初めに、情報通信基盤の整備状況についてであります。  携帯電話やブロードバンドなどの情報通信基盤は、ユビキタスネット社会の基盤であり、県民生活の利便性の向上や地域間格差解消のためにも、県民一人一人が情報通信サービスの恩恵を享受できるよう、県内の情報通信基盤の整備を推進していく必要があると考えています。  県内においては、これまで順調にその整備が進んできており、ほとんどの地域において、携帯電話やブロードバンドなどのサービスが受けられる状況にあるものの、山間部などの条件不利地域を中心に、依然としてこれらのサービスを利用できない地域が存在しています。  このため、県では、今年度、国の平成二十一年度補正予算を活用し、市町村が行う携帯電話の鉄塔や無線設備等の基地局施設の整備に対して補助を行う携帯電話等エリア整備事業を実施しています。これによって県内四町村の十二地区で携帯電話を利用できない地域が解消される見込みです。  また、ブロードバンドについては、県内十九市町村において、国の支援事業である地域情報通信基盤整備推進交付金を活用し、光ファイバー網などの整備を進めており、これによって長年の懸案となっていた県内のブロードバンドサービスが全く利用できない地域、いわゆるブロードバンド・ゼロ地域の解消が達成される見込みとなっています。  次に、ユビキタスネット社会を支える人材の育成についてであります。  県では、これまでユビキタスネットワーク技術を活用したさまざまな実験やシステムの導入などに取り組むとともに、ユビキタスネット社会を支える人材の育成に取り組んできました。  次代を担う小学生から中学生の子供たちに、ユビキタスネットワーク技術に関する理解と関心を持ってもらうことを目的として、「ユビキタス出前授業~ユビキタス? 君なら何する??~」を平成十六年度から開催しています。  また、今年度からは、ユビキタスネット社会を担う人材の育成を目的としてあおもりユビキタス系養成事業を実施しています。この事業では、高校生、大学生がグループを組み、県内情報関連企業のサポートを得て、情報通信技術の活用による地域課題等の解決策について調査研究を進めてきました。先日行われた成果報告会では、情報通信技術を駆使した多くのすばらしい提案がなされたところです。  一方、県民の情報リテラシー向上のため、高齢者や障害者等を含めた地域住民を対象に、ブロードバンドやIT機器等の利活用をきめ細かくサポートするIT利活用サポート事業を県内三地域で実施しており、来年度はさらに多くの市町村に広げていきたいと考えています。  県では、今後もこういった取り組みを発展させ、ユビキタスネット社会を支える人材の育成に取り組んでいきます。  次に、情報通信技術を活用した地域活性化についてであります。  情報通信基盤の整備に伴い、県内においても、いつでもどこでもだれでもがネットワークにつながる環境が整うことから、今後は、情報通信技術をいかに活用していくかが問われています。  県内市町村では、これまでも、国の地域ICT利活用モデル構築事業等により情報通信技術を活用した地域振興等を図ってきましたが、こういった取り組みをさらに促進するため、県では、今年度、五自治体において、住民の利便性の向上や地域活性化に資するアプリケーション開発や普及啓発などを行うブロードバンド活用地域活性化モデル事業を実施してきました。  また、東北新幹線全線開業に向けて、県内の観光施設や店舗等の情報を収集、発信するユビキタスモデルシステム展開・整備活用事業を、今年度、東青地区から実施しており、来年度以降、順次全県に拡大していくこととしています。  さらに、大画面で効果的に情報提供を行うデジタルサイネージを、青森市の観光交流情報施設に設置し、これを起点として、行きたい店舗等へナビゲーションを行うユビキタス場所情報モデルシステム展開事業を実施し、青森県を訪れる観光客等が知りたい情報を取得し、目的地まで移動できる環境を整備しています。  県では、引き続き情報通信技術を有効活用した地域経済の活性化や県民の安全・安心の確保などに積極的に取り組んでいきます。 89 ◯議長(田中順造) 環境生活部長。 90 ◯環境生活部長(名古屋 淳) まず、環境・エネルギー教育に今後どう取り組むのかについてでございます。  県では、平成十八年度から職員が小学校を訪問し、低学年を対象にした環境教育の出前講座を実施してきました。今年度からは、この出前講座を専門的なノウハウを有するNPO法人へ業務委託して行うこととし、専任の環境教育専門員を活用して、小学校全学年への拡大、児童館などでの実施など、環境出前講座の内容の充実に努めてまいりました。  今後は、出前講座のさらなる浸透を図っていくとともに、地域での環境教育の担い手となるボランティアを掘り起こし、出前講座での補助や研修会への参加などを通じまして、一定の技能を習得した方を環境教育サポーターとして育成することとしております。  県としては、子供を中心とした県民が必要に応じて継続的に環境教育を受けられるよう、環境NPOや地域の環境教育サポーターの活用も図りながら環境・エネルギー教育の実施体制の充実に努めてまいります。  次に、養豚・養鶏業の環境影響評価の対象となる畜産施設の規模要件についてでございます。  環境影響評価制度は、環境に影響を及ぼすおそれがある事業について、事業者に対し、あらかじめ事業の実施が環境に及ぼす影響について調査、予測、評価を行い、環境保全対策を検討することを義務づけることによって、その事業に係る環境の保全について適正な配慮がなされることを確保することを目的としてございます。  環境影響評価の対象事業の規模要件は各県によって異なりますが、畜産施設の新設または増設に関し、環境影響評価の手続を必ず実施しなければならない規模要件について、本県は、牛は飼育頭数千五百頭以上、豚は飼育頭数一万頭以上、鶏は飼育羽数三十万羽以上としております。  一方、岩手県及び秋田県は、牛または豚に係る畜産施設を対象とし、その規模要件は、施設からの汚水を処理した後の一日当たりの平均排水量で千立方メートル以上としております。なお、秋田県は国立公園等の特に環境の保全に配慮すべき地域に関しては別に区分し、規模要件を一日当たりの平均排水量で五百立方メートル以上と定めているところでございます。  次に、環境影響評価における畜産施設の規模要件見直しについてでございます。  環境影響評価の規模要件につきましては、対象事業それぞれの特性を考慮に入れ、環境保全を図る観点から定めておりますが、施設における排水や悪臭の改善状況を踏まえて、畜産事業者から見直しについての意見や要望があったことから、県では、規模要件見直しの検討に入ったところでございます。  見直しに当たりましては、畜産施設における公害防止のための最新技術の導入事例などを確認するとともに、事業に係る環境の保全について事業者によって適正な配慮がなされることを確保するという環境影響評価制度の趣旨を踏まえまして、規模要件の見直しを検討していく必要があると考えております。 91 ◯議長(田中順造) 健康福祉部長。 92 ◯健康福祉部長(一瀬 篤) 出生率を上昇させるための取り組みについてお答えいたします。  昨年度実施した子どもと子育てに関する調査では、理想の子供の数二・六人に対して予定の子供の数二・三人と、子育て家庭の理想と現実に乖離が見られています。予定の子供の数が少ない理由としましては、子育て費用や教育費用の負担、仕事と子育ての両立体制が十分でないこと、子育ての心理的・肉体的負担が重いことなどが挙げられています。  一方で、行政に最も期待する政策としましては、周産期医療等の充実が最も多く求められております。  県では、今後、地域医療再生計画において、周産期医療体制の充実を図る予定としておりますが、出生率の低下は社会におけるさまざまなシステムや人々の価値観と深くかかわっております。この事態を克服するためには不断の努力の積み重ねが不可欠で、長い時間を要します。  このため、次世代育成支援行動計画「わくわくあおもり子育てプラン」(後期計画)におきましては、新たに社会的養護体制の充実に関する取り組みの推進や、仕事と生活の調査の実現の視点を明確にして、全庁的体制のもと取り組んでまいります。 93 ◯議長(田中順造) 農林水産部長。 94 ◯農林水産部長(有馬喜代史) 御質問六点にお答えいたします。  最初に、漁業共済の充実と利用促進に向けた取り組みについてです。  漁業共済は、不漁や自然災害のみならず、市場価格の低迷による収入の減少といった損失について補償することが特徴となっています。県では、全国の漁業共済団体で進めている普及推進運動「ステップ・アップぎょさい」に参画し、関係団体と協力して、漁業者への共済加入を働きかけるとともに、大型クラゲの大量発生を踏まえ、改めて漁業共済の重要性をアピールするなど、普及拡大に取り組んでいるところです。  今後は、このような取り組みを継続しながら、特に未加入者の多い分野、具体的に申し上げますと、イカ釣り漁業や小型漁船漁業等の漁獲共済、漁業施設共済等について加入促進を指導するほか、漁業共済が持つ収入安定機能の拡充に向けた制度の改善等についても、関係団体と協議の上、国に対して提案してまいります。  次に、遠洋・沖合漁業の代船取得及び燃油高騰対策についてです。  本県のイカ釣り漁業や沖合底引き網漁業などに携わる漁船の多くは老朽化が著しく進んでおり、操業の安全性や収益性を高めるためにも、代船の建造を進めることが急務となっています。  このため、本県においては、国が平成十九年度に創設したもうかる漁業創設支援事業を活用し、既に全国初の改革型巻き網漁船を建造して収益性改善に一定の成果を上げているところです。  この事業の計画推進主体である八戸地域プロジェクト協議会では、新たに巻き網漁業と小型底引き網漁業について改革型漁船の建造計画の検討が行われており、県もこのプロジェクトに参画し、資源管理への積極的な取り組み等も盛り込んだ計画内容となるよう、指導していきます。  また、国では、近年の燃油価格の高騰による漁業の経営環境への影響を緩和するため、燃油の価格が一定基準以上に上昇した場合に補てん金を交付する漁業経営セーフティーネット構築事業を来年度から実施することとしていることから、県としては、当該事業の積極的な活用について関係者を指導していきたいと考えています。  次に、大型クラゲ対策についてです。  今年度の出現状況と被害の特徴についてです。  大型クラゲは、昨年八月下旬に本県沿岸の一部海域で初めて出現が確認された後、九月上旬には全県に拡大し、地域や時期による変動は大きかったものの、九月中旬から年末までは定置網一カ統当たり一千個以上の入網が続き、出現量は近年で最大規模となりました。  過去の状況と比較しますと、本格的に出現した時期が一カ月程度早かったことに加え、特に太平洋側に早い時期から多くの個体が出現したことが特徴として挙げられます。  また、定置網等における今年度の被害としては、漁獲作業の遅延や漁具の破損、漁獲物の鮮度低下などに加え、漁業被害を軽減するための長期にわたる休漁や網口の開放を余儀なくされ、特に太平洋地域で秋サケの水揚げが大幅に減少したことなどが挙げられます。  次に、大量出現の防止と被害を軽減するための取り組みについてです。  県では、これまで大型クラゲの出現状況を取りまとめた大型クラゲ情報や被害軽減のための漁具改良の事例集を発行してきたほか、漁業者が行う洋上駆除について指導してきました。  また、青森県漁業協同組合連合会が、県内の企業と連携し、今年度開発した大型クラゲを粉砕しながら網から排出する大型クラゲクラッシャーポンプは、駆除作業が効率化できることから、国の有害生物漁業被害防止総合対策事業の助成により機器の導入が円滑に進むよう、関係者と連携して取り組んでいるところです。  今後とも、出現情報の収集、伝達の迅速化を図るとともに、入網を減らすことのできる漁具改良について、県内外の情報を収集し、漁業者に普及するほか、さらに日中韓三カ国の連携による技術的対策の早期実施、日本海西部での大型化する前の駆除、本県沿岸での駆除活動に対する支援の強化等につきましては、引き続き国に要望していきます。  次に、養豚、養鶏の振興策についてでございます。特に飼料費の低減についてお答えいたします。  輸入トウモロコシを主体とする配合飼料価格は、依然として高どまりの状態が続いており、養豚や養鶏の経営に大きな影響を与えていることから、地域の飼料資源を活用して飼料費を低減させる取り組みが有効であると考えています。  このため、地方独立行政法人青森県産業技術センター畜産研究所では、養豚用としてナガイモとリンゴジュースかすをまぜ合わせた液状飼料やホタテの加工残渣の飼料化に取り組み、子豚や肥育豚の発育が配合飼料と変わらないことを明らかにしました。  また、鶏用の飼料として有望な飼料用米については、来年度、みなゆたかの乾田直播などによる低コストでの多収栽培技術の確立や、もみを青森シャモロックに給与した付加価値の高い鶏肉の生産技術の実用化に取り組むこととしており、本議会に所要の予算を計上し、御審議いただいているところです。  最後に、環境影響評価の規模要件見直しに関して、どのような意見や要望が出されていたのかについてです。  県では、規模要件の見直しに係る畜産事業者との意見交換会をこれまで三回にわたって開催してきたところです。その際、地域住民と公害防止協定を締結し、環境問題が発生しないように努めるので、規模要件を見直してほしい。養豚で一万五千頭以上、養鶏で五十万羽以上の飼養規模で、スケールメリットを生かして最新技術による家畜排せつ物処理施設の導入が可能となること、岩手県や秋田県の規模要件は農場からの排水が一日当たり千立方メートル以上となっているので、本県も同様の要件としてほしいなどの意見が出されていました。 95 ◯議長(田中順造) 県土整備部長。 96 ◯県土整備部長(山下 勝) 社会資本整備総合交付金に対する認識と対応についてお答えいたします。  社会資本整備総合交付金は、これまでの個別補助金を原則廃止し、道路事業や治水事業などの基幹事業と、これに関連する社会資本整備事業や基幹事業の効果を一層高めるための効果促進事業を一体的に支援する新たな交付金制度でございます。  具体的には、国土交通省が所管する社会資本整備に関する事業全般を、道路事業と港湾事業が含まれる活力創出基盤整備、あるいは水の安全・安心基盤整備など、大きく四分野に分類した上で、それぞれの分野ごとの事業の範囲内では地方が国費を自由に充当することを可能とする、地方にとっては自由度の高い制度と聞いております。  現在、国において交付金制度の要綱等について策定作業中でありますが、全国知事会では、地方にとって自由度が高く、使い勝手のよい制度設計と運用が図られること、あるいは交付率のかさ上げ制度が維持されること、また、年度当初からの事業執行に支障がないよう要綱等が早期に策定されること。これらは県の認識と同じでありますが、これらについて国と協議を行っているところであります。  引き続き、全国知事会を通じて意見を届けるとともに、社会資本整備がおくれている本県に対して、重点的な配分がなされるよう、国に対して働きかけてまいります。 97 ◯議長(田中順造) エネルギー総合対策局長。 98 ◯エネルギー総合対策局長(佐々木郁夫) 原子力人材育成・研究開発推進構想の進捗状況等についてお答えします。
     本県は、原子燃料サイクル施設を初め、原子力発電所、国際核融合エネルギー研究センターが立地するなど、我が国のエネルギー政策の根幹を担っており、原子力エネルギー分野で大きなポテンシャルを有しています。  このようなポテンシャルを最大限生かしながら、仕事づくり、産業振興につなげていくことはもちろんのこと、将来を見据え、人材育成や研究開発に取り組んでいくことが極めて重要であることから、県では、平成二十年二月、青森県原子力人材育成・研究開発推進構想を策定し、六ヶ所村を中心とした地域で、国内及び県内の大学、研究機関の連携、連合による原子力の人材育成や研究開発の推進に取り組むための拠点となります、仮称でありますが、原子力人材育成・研究開発センターの開設に向け取り組みを進めてきたところです。  これまで、構想を具体化するための整備方針等の整理を行うとともに、今年度はセンターの基本的機能、設置、運営手法等について、国内の原子力に関連する大学を初めとする関係者と検討、協議を進めてまいりました。  このような中、東北大においては、平成二十年度の六ヶ所村における大学院教育の開始に続いて、今年度中には新たな研究部門を開設し、研究開発、教育、産業化支援に取り組むこととしているなど、センター開設に先行する動きも始まっております。  来年度、県としましては、具体的に進出する東北大学との連携を踏まえながら、センターの基本的機能のあり方や運営手法等について、引き続き関係者で検討を進め、構想の実現に向けて取り組んでいきます。 99 ◯議長(田中順造) 教育長。 100 ◯教育長(田村充治) 国の幼児教育振興アクションプログラムに基づいた本県の政策プログラムの策定についてお答えいたします。  国の幼児教育振興アクションプログラムは、幼稚園、保育所及び認定こども園を含めた幼児教育全体の質の向上を目的とした国及び地方公共団体に関する施策を示した総合的な行動計画であります。  このプログラムでは、各都道府県及び各市町村においても独自の政策プログラムを策定することが望まれておりますが、その策定に当たっては、県や市町村が施策を実施するための課題が多いことから、慎重に検討してきたところであります。  この間、幼稚園教育要領などの改訂を受け、県教育委員会では、就学前教育と小学校教育の円滑な接続の基盤づくりを喫緊の課題ととらえ、幼・保・小連携推進事業を平成二十年度及び二十一年度の重点事業として取り組んでまいりました。  平成二十二年度は、その成果を広く県内に普及していくとともに、引き続き、幼稚園教員、保育所職員及び小学校教員がともに参加し、相互理解を深めるための研修会の開催など、本県幼児教育の充実に取り組むこととしております。  県教育委員会といたしましては、国の幼児教育振興アクションプログラムの実施期間が平成二十二年度までとなっていることから、平成二十三年度以降に向けた国の動向を注視しながら、本県における政策プログラムの策定について、関係各課と連携しながら具体的に検討してまいりたいと考えております。 101 ◯議長(田中順造) 熊谷議員。 102 ◯十七番(熊谷雄一) まず、最後に御答弁いただきました教育長、長い間お疲れさまでございました。そしてまた、御答弁をいただきましてありがとうございました。  御答弁の最後にあったとおりに、関係各課との連携、これは恐らく知事部局も含めてだと思いますが、十分に図りながらプログラム策定に向けて検討していただきたいというふうに思います。  そしてまた、関係各課あるいは部局間の連携ということは、「子ども」総合支援すべてに言えて、また、そういう御答弁をいただきましたので、そのとおり取り組んでいただきたいというふうに思います。  また、部局間の連携ということになりますと、例えば環境・エネルギー産業なんかでも言えるのではないかというふうに思います。  もともと環境問題を産業振興につなげていくという考え方ですから当然だと思いますが、ひとつ新しい取り組みとして、連携を図りながら、レアメタルのリサイクル事業をちょっと研究していただけないかというふうに思います。  これは今、環境省と経済産業省が連携してモデル事業をやっております。知事も御存じだと思いますが、秋田県のほうでもそういう取り組みをやっております。二十二年度中にこのモデル事業の報告が出されるように聞いておりますが、技術的には非常にハードルが高いものかもしれませんが、しかし、県内において産学官それぞれに非常な関心を持っている方がいらっしゃいますので、部局間の連携、そして産学官の連携を図りながら、ぜひこのレアメタルリサイクル事業の研究を進めていただきたいと、これは御要望を申し上げます。  そして、もう一つ、連携の話でございますが、養豚、養鶏でございます。  前々回の定例会で、農林水産部そして環境生活部連携のもとに振興に取り組んでほしいと申し上げましたら、早速取り組んでいただきました。ありがとうございます。私の質問というよりは、またいろんな事情があって取り組まれたものというふうにわかっております。知事のお力だというふうに思いますが、当然、この養豚、養鶏につきましても、六次産業化というのが進むわけであります。  六次産業は、一足す二足す三なのか、一掛ける二掛ける三なのか、両方説があるみたいですけれども、いずれにしても六次産業。そして、この養豚、養鶏に関しましては、先ほども御答弁がありましたが、飼料コンビナート、飼料からの供給といういわゆるプラスアルファ、掛けるアルファがあって、ここまで見ますと二千億から二千五百億産業とも言われている一大産業でありまして、環境政策の後退があってはならないものでありますが、しかし、できる限り産業振興に向けて、養豚、養鶏についての評価の見直しというものを、規模要件の見直しというものに取り組んでいただきたいというふうに思います。  最後、水産行政の中のまず大型クラゲでございます。  当初、一月の日中の外相会談の中で、この大型クラゲの問題が取り上げられるというふうに私は聞いておりましたけれども、結果的には、会談の中では取り上げられなかったようで、今、事務的に日中で協議をしているようでございます。どうか、これこそ政治主導で行われるように、早期駆除とともに、国のほうに強く働きかけをしていただきたいというふうに思います。  それと、漁業共済であります。この漁業共済について、県独自の取り組み、そして国への働きかけと分けて御答弁をいただいたというふうに思います。  先日、本県の漁業団体が、赤松農水大臣に対しまして、この漁業共済の充実によって漁業の所得補償につなげてほしいというような話をされたということであります。  また、民主党の中にもそういうふうな考え方をされる方も今出てきているようでございますが、漁業団体がそういう働きかけをしていることは当然いいと思いますが、ただ、民主党の政策集を見ますと、この漁業補償につきましては、まずは漁船別に漁獲可能量というのを割り当て―個別ITQと呼んでおりますが―なおかつ資源管理計画という制度をしっかりとつくった上で費用と収入の差額を補てんするという制度になっております。  したがいまして、県行政の中においては、漁業共済と漁業所得補償の問題は今の段階では分けて考えておいていただいて、漁業共済の充実は漁業共済の充実で働きかけをする、そして、漁業補償制度のことに関しましては、水産県、そして水産知事でありますから、青森県の漁業の特性を踏まえた漁業補償制度について、国に対して、むしろ積極的に提案をしていく、それぐらいの働きかけをしていただきたい。そのことを要望して終わります。 103 ◯議長(田中順造) これをもって一般質問を終わります。    ──────────────────────       ◎ 本 会 議 休 会 提 議    ────────────────────── 104 ◯議長(田中順造) 本職から提議があります。  お諮りいたします。議案熟考のため、明十日は休会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 105 ◯議長(田中順造) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  以上をもって本日の議事は終了いたしました。  三月十一日は午前十時三十分から本会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。 午後五時二十八分散会 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...