札幌市議会 2021-07-01
令和 3年第 2回定例会−07月01日-02号
令和 3年第 2回定例会−07月01日-02号令和 3年第 2回定例会
令和3年 第2回定例会
札 幌 市 議 会 会 議 録 ( 第 2 号 )
令和3年(2021年)7月1日(木曜日)
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〇議事日程(第2号)
開議日時 7月1日 午後1時
第1 議案第1号から第6号まで(6件市長提出)
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〇本日の会議に付した事件
日程第1 議案第1号 札幌市税条例等の一部を改正する条例案
議案第2号 札幌市
証明等手数料条例の一部を改正する条例案
議案第3号 札幌市保護施設等の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条
例案
議案第4号 札幌市介護保険条例の一部を改正する条例案
議案第5号 札幌市
建築基準法施行条例等の一部を改正する条例案
議案第6号 財産の処分の件議決変更の件(工業団地用地)
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〇出席議員(68人)
議 長 細 川 正 人
副 議 長 峯 廻 紀 昌
議 員 小須田ともひろ
議 員 藤 田 稔 人
議 員 小 田 昌 博
議 員 三 神 英 彦
議 員 恩 村 健太郎
議 員 水 上 美 華
議 員 田 島 央 一
議 員 あおい ひろみ
議 員 たけのうち有美
議 員 うるしはら直子
議 員 くまがい 誠一
議 員 森 山 由美子
議 員 千 葉 なおこ
議 員 佐 藤 綾
議 員 村 山 拓 司
議 員 村 松 叶 啓
議 員 松 井 隆 文
議 員 中 川 賢 一
議 員 成 田 祐 樹
議 員 かんの 太 一
議 員 岩 崎 道 郎
議 員 松 原 淳 二
議 員 竹 内 孝 代
議 員 わたなべ 泰行
議 員 長 屋 いずみ
議 員 佐々木 明 美
議 員 吉 岡 弘 子
議 員 田 中 啓 介
議 員 川田 ただひさ
議 員 阿部 ひであき
議 員 伴 良 隆
議 員 小 竹 ともこ
議 員 北 村 光一郎
議 員 中 村 たけし
議 員 林 清 治
議 員 前 川 隆 史
議 員 小 口 智 久
議 員 好 井 七 海
議 員 丸 山 秀 樹
議 員 池 田 由 美
議 員 太 田 秀 子
議 員 村 上 ひとし
議 員 飯 島 弘 之
議 員 こじま ゆ み
議 員 佐々木 みつこ
議 員 よこやま 峰子
議 員 村 上 ゆうこ
議 員 山 口 かずさ
議 員 しのだ 江里子
議 員 桑 原 透
議 員 福 田 浩太郎
議 員 國 安 政 典
議 員 小 形 香 織
議 員 石 川 さわ子
議 員 長 内 直 也
議 員 五十嵐 徳 美
議 員 山 田 一 仁
議 員 こんどう 和雄
議 員 高 橋 克 朋
議 員 勝 木 勇 人
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 三 上 洋 右
議 員 武 市 憲 一
議 員 ふじわら 広昭
議 員 大 嶋 薫
議 員 小 野 正 美
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〇欠席議員(0人)
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〇説明員
市 長 秋 元 克 広
副 市 長 町 田 隆 敏
副 市 長 吉 岡 亨
副 市 長 石 川 敏 也
総 務 局 長 平 木 浩 昭
まちづくり政策局長 小 角 武 嗣
財 政 局 長 福 西 竜 也
市民文化局長 本 間 芳 明
危機管理対策室長 荻 田 葉 一
保健福祉局長 佐々木 美香子
経済観光局長 田 中 俊 成
子ども未来局長 山 根 直 樹
教育委員会教育長 檜 田 英 樹
選挙管理委員会委員 佐々木 肇
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〇
事務局出席職員
事 務 局 長 諏 佐 寿 彦
事 務 局 次 長 奥 村 俊 文
総 務 課 長 沼 田 征 延
議 事 課 長 川 村 満
議 事 係 長 佐 藤 善 宣
書 記 酒 井 彰 悠
書 記 高 橋 陽 平
書 記 伊 藤 友 介
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開 議 午後1時
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○議長(細川正人) ただいまから、本日の会議を開きます。
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○議長(細川正人) 本日は、68人の議員が登庁しておりますが、
新型コロナウイルス感染防止対策のため、議場への出席議員を調整して行います。
ただいまの出席議員数は、36人です。
その他の議員は、控室にて視聴しております。
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○議長(細川正人) 本日の
会議録署名議員として
北村光一郎議員、田島央一議員を指名します。
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○議長(細川正人) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(諏佐寿彦) 報告いたします。
本日の議事日程、質問順序表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
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○議長(細川正人) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第1号から第6号までの6件を一括議題とします。
ただいまから、代表質問に入ります。
通告がありますので、順次、発言を許します。
藤田稔人議員。
(
藤田稔人議員登壇・拍手)
◆
藤田稔人議員 私は、ただいまから、
自由民主党議員会を代表し、今定例会に上程されております各種諸議案並びに市政の諸課題について、順次、質問いたします。
質問に入ります前に、
新型コロナウイルスの感染によりお亡くなりになられた方々、ご遺族の皆様に謹んで哀悼の意を表するとともに、今なお苦しまれている方々に心よりお見舞い申し上げます。
今後も、我が会派は、感染症の終息と
社会経済活動の正常化に向け、全力で取り組んでいく所存であります。
それでは、質問に移ります。
最初に、市長の政治姿勢について伺います。
まずは、
新型コロナ感染症対策と医療保健施策の充実についてであります。
初めに、
新型コロナウイルスワクチン接種の状況について、2点伺います。
新型コロナウイルスのワクチンの接種については、接種順位が国から示されており、まずは医療従事者への接種、次に高齢者への接種、そして、基礎疾患のある方、その他一般の方への接種が開始され、札幌市においても、医療従事者の接種に続き、5月24日から高齢者への接種が本格的に始まりました。
そこで、質問ですが、これまでの札幌市の
ワクチン接種状況について伺います。
次に、今後の
ワクチン接種スケジュールについて伺います。
札幌市においては、高齢者への接種に続いて、慢性の心臓病や腎臓病などをお持ちの方、いわゆる基礎疾患を有する16歳以上の方を対象に、6月17日から接種券送付に必要な登録の受付を開始し、昨日、6月30日に接種券を送付したところであり、早い方は7月初旬から接種が可能になると伺っております。札幌経済の一日も早い回復を進めていく上では、今後の企業活動を支える現役世代、特に働き盛りである50代以下の方の
ワクチン接種を早期に開始する必要があります。
そこで、質問ですが、今後、64歳以下の方への
接種スケジュールをどのように考えているのか、また、12歳以上へ接種を拡大する動きもある中、菅首相が目指す11月までに必要な市民が接種できる見込みについて伺います。
次に、職域接種の推進について伺います。
札幌市が主体的に取り組む
ワクチン接種のほか、意欲ある事業者等による職域単位での早期の接種を可能とする職域接種という手法が示されたところです。大企業や団体で1,000人以上の規模での接種を想定した制度ですが、中小事業者のグループなども対象となり、規模の大きい市内事業者や大学などが実施するほか、すすきの観光協会でも、7月上旬の実施に向け、準備を進めていると聞いております。
一方、
中小企業者グループなどの場合、接種のための環境が整っていないことから、実施に当たっての負担が大きく、たとえ意欲があっても尻込みしてしまうことが懸念されます。
6月16日、我が会派は、
ワクチン接種を加速するためには、本市として職域接種に支援すべきとの要望を提出しており、このうち、費用面の支援については、国において、加算措置の延長や、
中小企業者グループが実施する際の負担に着目した補助制度が設けられ、一定の配慮が示されたところですが、事業者の負担は、費用面だけではなく、医療関係者の確保や
会場設置ノウハウなど、丁寧に側面支援していくことが求められます。
改めて、職域接種を速やかに進めていくために、意欲がある
中小企業者グループなどに対し、医師の確保や体制整備の支援など、でき得る支援に幅広く取り組むべきと考えますがいかがか、お考えをお伺いします。
次に、経済対策の効果の受け止めと今後の経済対策について伺います。
感染症の拡大は、世界規模で長期にわたり、人々の命や健康を脅かしてきたと同時に、世界経済にも大きな傷痕を残してしまいました。そのような中、一刻も早く感染症を収束させるため、北海道が飲食店等に対して営業時間の短縮等を要請し、協力していただいた事業者に支援金を支給しています。一方で、それ以外の業種の事業者にも人流抑制の影響があるにもかかわらず、支援策が飲食店等に偏っているのではないかという声も聞こえております。
4月に創設された
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の
事業者支援分は、都道府県に直接交付されることから、札幌市で積極的な支援策の展開が困難であることは理解しております。
札幌市議会としては、第5回臨時会において、
新型コロナウイルス感染症対策に関する指定都市の権限強化等を求める意見書を、全議員の総意の下、可決し、
新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の
事業者支援分については、指定都市にも直接交付することなどを国に要望いたしました。
しかし、本市の現状として活用できる財源に限りがあることを踏まえ、今後はこれまで以上に効果的な経済施策を講じていくことが求められます。このことから、これまでのコロナ禍において実施してきた経済支援策について、その効果を検証し、その上で、今後の経済支援策を進めていくことが必要だと考えます。
そこで、質問ですが、これまでの本市におけるコロナ禍の経済対策の効果について、市長の受け止めを伺います。
また、今後のコロナ禍における経済対策についての考え方を伺います。
次に、離職等を余儀なくされた方への支援について伺います。
感染症の拡大は雇用にも影響しており、解雇や雇い止めを余儀なくされた労働者は北海道で3,800人を超えると報告されているほか、求職者が増加する中、求人が十分に回復しておらず、札幌圏の有効求人倍率は、令和2年1月から前年同月比で16か月連続で下回っており、令和3年4月では0.82倍となっております。さらに、今般の
緊急事態宣言下での休業要請等により、市内の飲食業や宿泊業等で働く非正規雇用者の雇用や収入への影響が強く懸念されております。
一方で、札幌圏の職業別の有効求人倍率を見ると、一般事務員や軽作業員では0.3倍を下回っているのに対し、ホームヘルパーや建設作業員等では2.0倍を大きく上回るなど、コロナ禍においても雇用のミスマッチが続いており、人手不足の職種を雇用の受皿として積極的に活用すべきであります。
札幌市では、昨年度からさっぽろ給付金付き再就職支援事業を実施し、感染症の影響により離職等を余儀なくされた方への支援を行い、非正規雇用者であった56名を含む487名が受講し、5割を超える254名が再就職したとのことです。こうした事業は、離職者が生活に困窮することなく、速やかに再就職するために有効であることから、今後も継続し、人手不足職種へのキャリア転換の促進や就職後の定着に向けた支援を行うことが重要であると考えます。
そこで、質問ですが、札幌市では、コロナの影響により離職等を余儀なくされた方に対し、どのような支援を行っていくのか、伺います。
次に、感染症対策における北海道との連携について伺います。
札幌市内の
新規感染者数は、3月10日にアルファ株が初めて確認されて以降、増加傾向に転じ、3月24日には、週合計の人口10万人
当たり新規感染者数が15.7人となり、北海道が定める警戒ステージ4相当の水準に至り、さらに、4月19日には、週合計の人口10万人
当たり新規感染者数が25.2人となって、北海道の警戒ステージ5の目安を上回る状況となりました。そして、5月2日には、1日の
新規感染者数が246人を数える事態に至ったことから、北海道と
まん延防止等重点措置の要請に向けた協議を行い、5月5日、国に対して正式に要請、5月16日から北海道に
緊急事態宣言が発令されました。
こうした国への要請に向けた北海道との協議については、人口10万人
当たり新規感染者数が15人を超えた3月末から進めていたものと聞いておりますが、ここまでの経緯を振り返ると、4月19日、人口10万人
当たり新規感染者数が25人を超えた段階で国に対して
緊急事態宣言を要請すべきであったと考えます。
5月13日には、過去最多となる499人の感染者が確認されたものの、5月下旬から
新規感染者数は減少傾向に転じておりましたが、5月28日には、入院待機を余儀なくされる方が100人以上となるなど医療提供体制が逼迫した状況を受け、6月20日まで
緊急事態宣言が延長され、そして、6月21日から、感染者数をさらに一段階抑え込み、再拡大を防ぐため、北海道を含む9都道府県に対し、7月11日までの
まん延防止等重点措置の適用を国が決定されております。
一方、全国的に見ると、アルファ株を上回る約1.8倍の感染力があると言われているデルタ株の感染拡大が懸念されており、再び感染の急拡大が起きることが危惧されておりますし、先日、この札幌でもデルタ株が確認されました。こうした状況を踏まえると、3月から4月にかけての感染急拡大時における国への要請が遅れた反省を踏まえ、北海道との協議の進め方が非常に重要だと考えます。
そこで、質問ですが、今後の感染再拡大に備え、北海道とどのように協議を進めていくお考えか、伺います。
次に、感染症対策に係る市長の権限と財源の移譲について伺います。
現在の特措法上、
新型コロナウイルス感染症対策に係る権限は都道府県知事にあり、札幌市のこれまでの対策についても、北海道知事と協議しながら進められてきたところであります。都道府県の中でも、人口や経済規模の割合が大きい
政令指定都市は、医療への逼迫度や経済に与える影響も大きく、
政令指定都市への対策をほかの市町村と一律かつ同列には考えられません。
しかし、
地方創生臨時交付金の令和3年度分については、
事業者支援分として、全国総額5,000億円のうち3,000億円は都道府県に交付され、
政令指定都市には交付されておらず、また、医療機関などにおける
感染拡大防止などの支援のための
緊急包括支援交付金は、そもそも実施主体が都道府県であり、
政令指定都市は都道府県からの間接的な補助となっております。
先ほど述べたとおり、札幌市議会は、
新型コロナウイルス感染症対策に関する指定都市の権限強化等を求める意見書を国に提出したところですが、知事が持つ権限の一部を
政令指定都市の市長に移譲し、それに応じた財政措置を行うことで、市長は、地域の実情に応じて柔軟かつ機動的な対応が可能となると考えます。
そこで、質問ですが、感染症対策に係る市長の権限と財源の移譲についてどのように考えているのか、お伺いいたします。
2点目は、東京2020大会について伺います。
まず、札幌開催における安全・安心の確保についてであります。
いよいよ東京2020
オリンピック競技大会の開幕が迫ってまいりました。サッカーは、7月21日から5日間で男女合わせて10試合が予定され、
なでしこジャパンもこの札幌で熱戦を繰り広げることが期待されております。そして、8月5日、6日には競歩競技、7日、8日には
オリンピックの花形とも言えるマラソン競技が美しい札幌のまち並みを背景に行われます。
オリンピックは、世界最大の
国際総合スポーツ大会であるだけではなく、海外から数多くの大会関係者や観戦客が訪れて、開催国の国民と交流を深める平和の祭典であります。コロナ禍において残念ながら
オリンピックならではの交流を楽しむことはかないませんが、日常が閉塞感に包まれている今だからこそ、スポーツが持つ根源的な価値や魅力を再確認できる貴重な機会になるものと期待するところであります。
スポーツには、元来、人々に勇気や感動を喚起し、子どもたちに夢や希望を与える力があり、
オリンピックは、そのスポーツの力が最大限に発揮される舞台です。アスリートが躍動する姿を世界中に届け、その感動を分かち合い、多くの苦難を乗り越えてきたこの大会をよい形で終わらせるためにも、最重要課題である感染症対策が万全に行われる必要があります。
そこで、質問ですが、札幌開催における安全・安心をどのように確保していくお考えか、お伺いいたします。
次に、東京2020大会における安全・安心の取組の将来的な活用についてです。
今大会は、感染症の世界的な蔓延によって、大会史上、初めての延期となり、再出発に当たって、組織委員会は、使用会場の調整や観客の入場制限など、困難な調整を余儀なくされました。
また、感染症対策については、外国人観光客の受入れを断念したほか、大会に参加する選手やメディアなど関係者ごとに、入国前から出国に至るまでの検査の実施や行動の制約といったルールが示され、8割超の選手に
ワクチン接種が進められるなど、世界各国の協力も得て安全・安心の大会の開催に向けた準備が進められております。
コロナ禍という逆境の中、このように安全・安心な大会の実現に向けてあらゆる知恵を絞り、努力してきた成果は、今後の人類における持続可能な
オリンピック・
パラリンピック、ひいてはスポーツの発展のために、全世界で共有されていく貴重な財産になると考えております。
そこで、質問ですが、
冬季オリンピック・
パラリンピック招致を含め、スポーツを通じたまちづくりを推進する札幌市にとって、東京2020大会における安全・安心への取組が今後どのように生かされるとお考えか、伺います。
3点目は、
新型コロナウイルスを踏まえた財政運営について伺います。
初めに、令和3年度予算のその後の対応についてであります。
令和3年度予算は、秋元市政2期目の折り返しとなる予算として、感染症対策や経済対策など喫緊の課題に迅速に対応することや、
ウィズコロナ時代を見据えたまちづくりを着実に進めるための予算としました。
感染症への対応については、これまでの医療提供体制の強化や
感染症拡大防止のほか、感染症対策を講じながら市内消費や観光需要の回復のための取組を進め、今定例会に提出された補正予算を含めた対策規模の累計は5,479億円となっており、これまでの積極的な財政出動には一定の評価をしております。
現段階では、
感染拡大防止に全力で取り組みながら、感染収束後の経済活動の回復にも優先的に取り組んでいく必要があり、その対応には機動性が求められます。また、限りある財源を有効に活用していくためには、既に予算計上されている事業についても、その時々の状況により、緊急性を伴わない事業については減額補正を含めた柔軟な対応も必要と考えます。
そこで、質問ですが、令和3年度予算のその後の対応についてどのような姿勢で臨むのか、基本的な考え方を伺います。
次に、自主財源の確保について伺います。
令和3年度予算の市税収入は、前年度から4.6%、156億円減の3,210億円と、感染症の拡大に伴う個人収入の減少や企業業績の悪化を見込んでおります。これまでの長期間に及ぶ外出自粛や時短要請による影響で、市民生活や企業活動は制約され、社会経済全体がダメージを受け、回復するまでにはかなりの時間がかかると思われ、中長期的な財政見通しにも影響を及ぼすと考えます。
地方交付税の振替である
臨時財政対策債は、令和3年度予算では650億円と前年度から200億円の増となっており、
臨時財政対策債の元利償還金の全額に対して
地方交付税措置があるとはいえ、財政運営の持続可能性という観点からは懸念されます。札幌市は、財政基盤が脆弱であり、残念ながら、地方交付税に頼る財政構造から脱却できておりません。国に依存するだけではなく、我が会派が主張し続けている自主財源の確保が必要と考えます。
そこで、質問ですが、中長期的に持続可能な財政運営を行っていくため、自主財源の確保が重要と考えますが、今後どのように取り組むのか、お伺いいたします。
4点目は、北海道と札幌市の関係について伺います。
まず、北海道における札幌市の果たすべき役割についてであります。
先ほど述べたとおり、このたびの感染症対策において、札幌市は北海道との関係に苦慮しているのではないかと考えております。特措法において、知事には認められている権限が
指定都市市長には認められず、
緊急事態宣言の発令等、迅速かつ的確な対応ができなかった局面があったのは否定できません。実際の行政運営の中で、指定都市と道府県との役割分担等の問題が大切な局面で浮き彫りとなりました。
指定都市制度は、昭和31年に創設され、生まれながらに妥協の産物と言われており、都道府県と行政機能が重複し、住民サービスが非効率となる、いわゆる二重行政なども指摘されております。
指定都市市長会においては、道府県の権限を指定都市に移譲し、道府県からは独立した自治体となり、行政を一元化する制度、いわゆる特別自治市の法制化を目指す動きなどがあります。
札幌市は、北海道のわずか1.34%の面積に北海道の約4割の人口が集中し、
社会経済活動の中心として道内総生産額の約4割を占めているという、都道府県と県庁所在地の関係としては特殊なほど過度に集中が進んでいる実態にあり、当然ながら、道内市町村に与える影響は極めて大きく、その影響力にふさわしい全道を見据えた市政運営を心がける責任があると考えますし、周辺自治体から本市へ寄せる期待も大きいものと推察されます。
そこで、質問ですが、市長は、これらを踏まえ、札幌市が
政令指定都市として果たすべき役割をどう考え、また、北海道全体のためにどのような役割を果たしていくべきとお考えなのか、伺います。
次に、連携中枢都市としての札幌市について伺います。
本市では、平成31年、近隣11市町村とさっぽろ連携中枢都市圏を形成して以降、圏域における経済成長の牽引や高次都市機能の集積強化、生活関連機能サービスの向上に資するような様々な連携した取組を行っております。圏域人口は、全国最大規模の約260万人を有し、道内人口の約半分に匹敵し、その中枢都市である本市は、これまで以上に北海道における役割が増していると言えます。
連携中枢都市宣言においては、圏域全体の将来像を描き、圏域全体の経済を牽引し、圏域の住民全体の暮らしを支えるという役割を積極的に担っていく連携中枢都市となると述べており、まさに、そのような使命感を表明したものと考えております。
このような中枢都市としての責任を果たすべく、本市は、初年度から圏域の中心となって連携事業の企画立案や実施などに当たり、また、2年目となる昨年度も、圏域内の地域公共交通や自治体行政のスマート化に関する取組など、ビジョンに掲載していない取組についても掲載事業として位置づけ、さらなる推進を図っていけるよう、本市が役割を果たしていると聞いております。
このように、複数の振興局にまたがるさっぽろ連携中枢都市圏としての取組が発展、深化すればするほど、広域自治体である北海道との関係を踏まえながらも、本市が中枢都市として自覚と責任を持って圏域行政の推進を図っていくという姿勢がより重要となってくるものと考えます。
そこで、質問ですが、連携中枢都市としての本市の果たすべき役割をどのように考え、今後、圏域の中枢都市としての使命感を持ってどのように取り組んでいくのか、改めて市長のお考えを伺います。
5点目は、デジタル改革の推進について伺います。
最初に、デジタルトランスフォーメーション推進のロードマップについてであります。
本年5月、デジタル改革関連法が成立し、今後、デジタル庁の設置やマイナンバーカードの利活用などが進められていくことになります。インターネットやスマートフォンの普及、さらには、AIをはじめとする先端技術が進展したことにより、民間企業の業務効率化やサービスアップの面でデジタル技術の活用が進んでおり、行政サービスにおいてもこのことが強く求められております。
札幌市では、1980年代から産学官が連携してIT産業の集積や大学における最先端技術の研究を推進してきたほか、平成29年には札幌市ICT活用戦略を策定し、オープンデータの活用やスマートシティに向けた実証など、他地域に先んじてデジタル技術の活用を推進してきた歴史があります。
そして、既存の業務やそれに伴う様々なシステムが存在する中、組織運営や業務プロセスを抜本的に変革していくデジタルトランスフォーメーションを推進していくことは、一朝一夕に実現できるものではありません。
そこで、質問ですが、デジタルトランスフォーメーションの推進に当たっては、まず、行政自らが起点となって具体的なロードマップを持って取り組んでいくことが重要だと考えますが、市長のお考えを伺います。
次に、マイナンバーカードの活用に対する認識について伺います。
マイナンバーカードは、2016年から交付が開始され、5年が経過しました。その交付率を見てみると、全国平均では既に30%に達していますが、札幌市では、6月1日時点で28.7%とやや低い状況にあります。本市においても、マイナンバーカードの普及促進のため、区役所窓口の休日開庁や出張申請受付を実施しており、来月からは、申請、交付、更新などを総合的にサポートするマイナンバーカードセンターを都心部に設置する予定と聞いており、普及促進のための取組に期待しております。
マイナンバーカードが広く市民に行き渡るようにするためには、こうした普及促進の取組も大事である一方、コンビニにおいて、住民票や印鑑証明など各種証明書の発行が可能となり、また、オンラインによる確定申告の手続ができることなど、メリットを分かりやすく示していくことも重要であります。
また、国においては、健康保険証としての活用や運転免許証との一体化など、今後、さらなる利便性の向上に努めております。
そこで、質問ですが、マイナンバーカードの活用促進の意義について、改めて認識を伺います。
また、今後、国が展開する新たな利活用策を見据えて、不安を感じる市民への対応を含め、市としてどのように対応していくお考えか、伺います。
次に、データを活用した行政運営について伺います。
デジタル技術の活用、さらには、デジタルトランスフォーメーションを進めるに当たり、基盤となるのはデータの活用であります。札幌市は、オープンデータの推進に取り組んでおり、官民含め、データ活用の必要性、重要性を認識しておりますが、市の行政運営においてはデータの活用が思うように進んでいないと感じております。
現在、市では、行政改革の取組において、あらゆる事務について業務量調査を行い、業務フローの作成を進めているとのことでありますが、ここでも、作業時間や対応件数など基幹となる根拠やデータを丁寧に把握していくことが必要です。その結果、仕事の見直しはもとより、予算編成や機構編成にも反映され、将来的なスマート自治体へ向けた検討も進むことにつながると考えます。
これらのことから、データを重視した政策形成や行政運営が極めて重要と考えますが、市長は、行政におけるデータ活用の在り方について、どのような認識を持ち、取り組んでいくのか、お考えをお伺いいたします。
6点目は、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンの策定について伺います。
本年3月に、次期まちづくり戦略ビジョンに関する策定方針が市から示され、ビジョン編については本年度中の策定、戦略編については来年度の策定を目指し、戦略ビジョン審議会での議論が4月から始まっています。
策定方針で示されている市の課題認識の出発点は、ここ数年のうちに本市も人口減少に転じ、20年後の2040年には、人口約183万人のうち約4割が高齢者であるという人口構造の変化への対応です。しかし、将来推計人口をそのまま受け入れるのではなく、生産年齢人口の減少を緩和、克服していく姿勢が必要であり、特に若年層の道外への転出超過が続いていることは、大きな課題と認識しております。
実際に、若年層が本市で暮らしていくためには、まちへの漠然としたよいイメージだけでは決め手にはならず、生活ができ、自己実現ができる仕事が必要です。それには、市内産業の基盤がしっかりとしており、また、国内外からも投資したくなるような魅力あるまちでなければなりません。従来の行政運営では、人材や投資に関する地域間競争で埋没するおそれがあり、札幌のまちの強みを生かした戦略の打ち出しを求めたいところです。さらに、感染症による経済への打撃やテレワークの普及等、
社会経済活動に大きな変化が見られる中、ポストコロナの社会をしっかりと見据えた戦略を検討すべきであります。
このように、人口に関する課題の克服に加え、感染症の世界的な流行に対応していくという時代の転換期に当たり、ポストコロナを見極めることが現時点で難しいのであれば、時間の許す限り、慎重に今後の動向を見ていく姿勢も必要なのかもしれません。
そこで、質問ですが、次期の戦略ビジョンでは、産業力の強化が重要課題と考えておりますが、ポストコロナをどのように捉え、札幌市の強みからどのような戦略を掲げることが必要と考えるか、現時点での認識を伺います。
また、次期の戦略ビジョンにおいては、ポストコロナをしっかりと見定めることも必要かと考えておりますが、現在の策定方針で示したスケジュール等の再検討が必要となってくるのか、認識を伺います。
次に、新たな都市づくりについてであります。
1点目として、大通地区のまちづくりについて伺います。
平成28年に策定した第2次都心まちづくり計画において、地区ごとの特性を踏まえたまちづくりの方向性を提示するとともに、その地区に望ましい公共貢献を踏まえた開発に対して容積緩和等を実施するといった手法により、適切な開発を誘導し、都心全体をコーディネートしてきたと認識しております。
このうち、JR札幌駅周辺では、北5西1・西2地区や北4西3地区の再開発計画の検討が着実に進んでおり、2030年までには、ホテル、オフィス、商業施設、バスターミナルなどの様々な機能が複合化した一大拠点が完成します。また、赤れんがテラスで知られる札幌三井JPビルディングや大同生命札幌ビル・miredoなどが竣工し、新たなにぎわいを創出しているほか、今後も複数のビルの建て替えが予定されております。さらに、薄野では、ススキノラフィラの跡地における複合施設の開発計画が進んでおり、まちづくりの起爆剤になることが期待されております。
一方、大通公園以南の札幌を代表する商業地である大通地区では、南2西3地区において、再開発事業が進んでいるものの、ほかにはリニューアルに向けた動きが顕在化しておらず、強い懸念を感じております。
平成15年のJRタワー開業以降、都心のにぎわいの中心が大通地区から札幌駅周辺へとシフトし続けており、このまま都心のにぎわいや活力が札幌駅周辺に偏重し、大通地区が廃れていくことは、大通地区の関係者はもとより、市民の皆様も決して望んでおりません。
そこで、質問ですが、都心全体のまちづくりを進めていくという観点から、大通地区再生の必要性をどのように認識しているのか、また、今後どのように大通地区のまちづくりを進めていくお考えか、伺います。
2点目に、世界に誇れる環境首都の実現に向けた取組について伺います。
今年3月、札幌市は、今後の気候変動対策に向けて、札幌市気候変動対策行動計画を策定し、2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロを目指し、2030年までに2016年比で排出量を55%削減する目標を掲げて取組を進めるとしたことは評価します。
我が会派が指摘しているように、本市が標榜する世界に誇れる環境首都の名にふさわしい姿勢を、具体的な取組を通じて見せていただきたいと思います。
その点では、先般の報道で、本市が電力供給会社を設立し、市の清掃工場で発電した電気を供給する事業を開始する準備を進めているとのことであり、今後の展開と将来の発展を大いに期待しております。また、温室効果ガスの排出を大幅に削減するために最も効果があるのは、省エネ対策であり、例えば、住宅や建築物のZEH・ZEB化、そのために有効な外断熱を積極的に促していくべきであると考えます。
本市自体が大きなクリーン電源を抱えることは困難かもしれませんが、行動計画にも記されているように、北海道は、太陽光や風力など再生可能エネルギーのポテンシャルが非常に高く、近隣では石狩市で大規模な洋上風力発電の開発計画が相次いでいます。本市は、このような道内他地域の再生可能エネルギー関連事業に対して、より積極的な姿勢で関わり、地域経済の牽引役を果たしていくことが求められます。いずれにしましても、市長は、強いリーダーシップを持って、脱炭素化の流れを次の成長のチャンスとしていけるよう、グリーントランスフォーメーションに取り組んでいただきたいと思います。
そこで、質問ですが、脱炭素化をめぐる国内外の目まぐるしい動きを踏まえ、環境首都を目指す札幌市としてのお考えと意気込みのほどを伺います。
あわせて、気候変動行動計画に掲げる再生可能エネルギーの導入目標の達成に向けて、札幌市は、道内の再生可能エネルギーのポテンシャルを生かすための広域的な連携について、具体的にどのように取り組んでいくのか、伺います。
次に、経済振興施策について伺います。
まず、地域商業の活性化についてであります。
地域に密着している商店街は、高齢者をはじめとする地域住民の身近な消費活動を支える基盤であるとともに、まちの美化活動やにぎわいづくりなど、地域のまちづくり活動の担い手としても重要な役割を果たしております。
しかしながら、感染症の拡大に伴う飲食店の営業時間の短縮や市民の外出自粛等により、商店街加盟店の経営環境は非常に厳しい状況が続いており、商店街の持続的な発展を損なわないためにも早急な支援策を講じることが必要です。
このような中、昨年度、市内70商店街を対象として、感染対策に資する消耗品、備品等の購入や商店街の感染対策をPRする取組に対する支援を行い、地域住民が商店街で安心して買物ができる環境づくりを行ってきました。あわせて、コロナ禍における地域の消費喚起を図るため、飲食店グループによる販売促進活動に対する補助事業を実施し、私の地元である南郷7丁目駅周辺の飲食店等が連携し、共通のプレミアム付商品券を販売するなど、新たな連携体により地域商業を盛り上げる取組が創出されたところです。
感染症の影響は長期間にわたっており、商店街をはじめとする地域の商業者においては、商店街の枠を超えた取組や、感染防止対策と両立した形での消費喚起策の取組が不可欠であることから、オンラインやデジタルの活用など新しい生活様式への対応も必要です。
そこで、質問ですが、地域商業の現状をどのように認識し、その活性化に向けてどのような方向性を持って取り組むのか、伺います。
次に、札幌の発展に向けた産業及び人材の育成についてであります。
1点目は、eスポーツ、XR分野に関する産業振興策について伺います。
コロナ禍においても業績を伸ばしている産業分野の一つに、ゲーム産業と、それに密接に関連したeスポーツ市場があります。eスポーツは、世界各国で盛り上がりを見せており、国内でも100億円規模の産業にまで拡大するとの報告もあるなど、ウィズコロナ、ポストコロナ時代においても拡大が見込まれます。
あわせて、日本では家庭用ゲーム機を中心に普及しておりますが、世界的にはPCゲームが主流であり、VRやARなど、XRと呼ばれる新技術を積極的に取り込んだコンテンツへのニーズが高まっていることから、これら周辺産業も併せて今後ますます成長が見込まれる分野です。札幌市には、技術力の高いゲーム・CG関係企業が集積し、関連技術を学ぶことができる大学や専門学校も充実しており、eスポーツやXR分野の支援を強化することで、関連産業への波及や新たな雇用の創出など、様々な経済効果を生み出すことができると考えます。
加えて、eスポーツは、経済効果のほかに、社会的にも注目されております。例えば、スポーツチームの戦術研究や障がいのある方のリハビリテーションの現場での活用、高齢者のコミュニケーションツールとして老人クラブで導入することなど、教育や医療、介護、コミュニティ活動を補完、活性化することが可能なため、まちづくりの観点でも、その推進に取り組んでいくべきと考えます。
そこで、質問ですが、今後のさらなる成長が期待され、経済や地域活性化など様々な効果が期待されるeスポーツ、XR分野に対して、札幌市として、今後どのような産業振興施策を実施していくのか、伺います。
2点目に、IT人材の育成について伺います。
コロナ禍により深刻な影響を受けている企業の皆様は、苦境を乗り切るため、様々な経営努力を続けており、企業経営におけるデジタル化の推進もその一つです。9月から施行されるデジタル社会形成基本法において、デジタル社会の形成が我が国が直面する課題を解決する上で極めて重要であること、そして、デジタル社会の発展を担う専門的知識・技術を有する創造的な人材を育成するために必要な措置が講じられるべきと規定されました。
これまで、札幌市では、IT人材の育成に関し、令和元年に、北海道大学とニトリホールディングスとともに、「みらいIT人財」の育成に関する連携協定を締結し、産学官の連携により、小学校から大学、大学院に至るまで、教育段階に応じた切れ目のない取組を進めてきたところです。さらに、本年3月には、北海道を加えた4者で連携協定を締結し、今後は、4者の総合連携と協力を基盤として、これまでの取組を強化、拡充し、全道へ取組を広げていくことで、地域産業や企業のデジタル化を牽引し、ひいては、地域経済の活性化に寄与する人材を育成していくことが期待されます。
そこで、質問ですが、IT人材の育成に関する本市の中核的な施策であるみらいIT人材育成事業について、今後どのように取組を進めていくのか、伺います。
次に、バイオベンチャー育成支援事業について、2点伺います。
1点目は、投資ファンドを創設することによる効果についてであります。
札幌は、他の大都市と比べ、冷涼で湿度が低く、研究室の温度・湿度管理がしやすいことからバイオ分野の研究に適していると言われ、さらに、北海道の魅力ある豊かな自然素材、北海道大学や札幌医科大学をはじめとする医療分野における先端的研究の集積といった強みがあります。
札幌商工会議所では、さっぽろ成長戦略2015において、医療を軸とした新しい産業集積を目指すMedical Cluster City Sapporo構想を提唱し、がんゲノムや再生医療など札幌が有する最先端の医療技術に関する情報を発信するなど、企業の医療分野への参入や産学連携を促進しております。
現在、全国的に感染症の拡大が続く中、これに対応するワクチンや抗体医薬品の開発などで、国内外の大学をはじめとした研究機関の研究開発にこれまで以上に大きな期待が寄せられており、札幌においても、まさに今、健康・医療・バイオ分野の優れた研究開発の事業化を加速させるべく積極的な取組が必要と考えております。
こうした中、今年度、新規事業として計上されたバイオベンチャー育成支援事業では、健康・医療・バイオ分野のベンチャー企業を主な投資対象とする官民連携の地域ファンドを創設するとのことです。
そこで、質問ですが、このような投資ファンドを創設することによる効果について、どのように考えているのか、伺います。
2点目は、理系人材の道外転出防止に対する投資ファンドの役割についてであります。
札幌近郊には、理系学部を有する大学等が多数ありますが、理系学生の半数以上が、卒業後、就職のために道外に転出しているという状況です。こうした学生の道外転出の要因として、市内に受皿となる就職口が少ないことが挙げられます。この理系人材の道外転出を食い止めることが、来る人口減少社会においても札幌が魅力ある都市であり続けるための課題であると考えます。
そこで、質問ですが、今回のファンドは、理系人材の道外転出を防止するに当たり、どのような役割を果たすと考えているのか、伺います。
次に、子育て環境の充実と支援についてであります。
最初に、子どもを産み育てやすい環境づくりについて伺います。
総務省が発表した子どもの人口推計によると、2021年4月1日現在、15歳未満の子どもの数は、前年に比べ、19万人少ない1,493万人で、1982年から40年連続減少し、比較可能な1950年以降、最少を更新し、全国的な少子化の加速に歯止めがかからない状況です。
少子化による人口の減少は、地域経済や社会の活力低下につながる問題であることから、我が会派は、札幌市における人口減少対策に関して指摘してきました。市長からは、テレワークの推進による多様なライフスタイルに応じた働き方の支援や、不妊治療費の助成拡充などを行うと答弁があり、このような取組をしっかり進めていただきたいと思います。
しかし、これらの取組だけでは十分とは言えず、現時点においては、子どもを産み育てるという考えを持っていない人や、自身の将来をこれから考える低年齢層などに対しても、人口減少対策に資する取組が必要であります。
そこで、質問ですが、人口減少の緩和に向け、子どもを産み育てたいと考えている人以外にも、子どもを産み育てることに興味・関心を持ってもらうにはどのような取組が必要と考えるのか、伺います。
次に、子育て支援について伺います。
札幌市は、新型コロナの感染状況に鑑み、一部業務の縮小や市有施設の休館等を行っており、子育て世帯にとって重要な子育てサロンなども一時休止しております。これにより、子育て世帯にとっては、育児相談や他世帯との交流の場が制限されることとなり、不安や閉塞感を抱え込む世帯が増加することが懸念されます。
実際、昨年も地域の団体やNPOが運営する子育てサロンは、本市からの協力要請により一時休止しましたが、再開後には多くの子育て世帯が利用し、このとき、運営する団体には、休止中は相談する場がなく、心が限界だった、ほかの子と我が子の成長状況を比較できずに不安だったという声が寄せられたと聞いております。
多くの子育て世帯が不安や不便を感じていることが改めて確認されたところであり、感染症の影響が長期化している現状においては、今まで以上に子育て世帯に対する心のケアの充実が求められており、既存の相談や交流の機会が制限されてしまっても支援の網の目からこぼれてしまわないよう、これを代替もしくは補完するような重層的な支援に取り組む必要があります。
そこで、質問ですが、コロナ禍での子育て支援の重要性についてどのように認識し、また、コロナ禍のみならず、ポストコロナも見据えて、今後どのように取組を進めていこうと考えているのか、伺います。
次に、教育環境等の推進、充実について伺います。
最初に、部活動改革についてであります。
部活動は、学習指導要領に学校教育の一環として位置づけられており、その重要性は誰もが認めるところであるものの、少子化に伴う各学校規模の縮小の影響により、学校によっては部活動の運営体制の維持が難しくなってきております。
札幌市においては、複数校による合同チームの結成や、隣接する他校の運動部活動に参加できる仕組みを整えるとともに、令和元年には、札幌市立学校に係る部活動の方針を策定したほか、昨年度は部活動指導員を大幅に増員するなど、改革を進めてきました。しかし、学校には、年々増加している不登校児童生徒への支援、感染症対策、新たなICT環境を踏まえた授業改善など、今後、取り組むべき教育課題が山積しており、教職員はますます多忙な状況となっております。
そのような中、昨年9月、文部科学省から、学校の働き方改革を踏まえた部活動改革のさらなる推進について方向性が示され、本市においても、部活動改革を進めるに当たっては、これまで熱意を持って部活動を指導してきた教職員の思いも受け止めつつ、学校の負担軽減につなげていくという視点は重要です。
檜田教育長は、中学校教員として部活動指導の経験をお持ちだと聞いております。そこで、質問ですが、部活動改革に向けた教育長の決意と今後の施策の方向性について伺います。
2点目として、今後の札幌市の学校教育について伺います。
この1年、感染症の流行により、これまで日常的に行われてきた子ども同士の学び合いや校外学習などを通した家庭や地域とのつながりが難しくなるなど、学校教育の様相は大きく変化しました。そのような中、各学校においては、これまでの常識にとらわれない学習や生活の在り方が求められ、ソーシャルディスタンスの確保や手洗いなど感染症対策を徹底して教育活動を推進するとともに、学習課題の配信、学習や運動を促す動画配信、きめ細かな健康観察等、様々な取組を展開してきました。
また、我が会派としても、これまでGIGAスクール構想について取り上げてきており、本市においては、1人1台端末の整備や学校における活用ガイドラインの策定などにより、教育活動の充実に資する取組を進めてきました。これらの取組は、今後の学校教育において大変重要であることから、引き続きしっかりと進めていただくとともに、感染症が終息した後においても、今の取組を前提として、ポストコロナの学校教育が一層進むことが望ましいと考えます。
教育委員会には、感染症終息後の未来を見据えつつ、現在の学校教育における感染症対策を徹底しながら、今年度の学校教育を進めてもらいたいところであります。
そこで、質問ですが、檜田教育長は、引き続き徹底が求められる今年度の学校における感染症対策をどのように進めるのか、伺います。
また、これまでのコロナ禍の経験を生かし、ポストコロナを見据えた今後の札幌市の学校教育をどのような考えの下で進めていくのか、伺います。
次に、地域の生活に即したまちづくりと福祉施策の検討についてであります。
コロナ禍での社会参加を通じた高齢者支援について伺います。
あと4年で団塊の世代が全て75歳以上の後期高齢者となり、2040年には、その子ども世代が全て65歳以上の高齢者となることから、本市の高齢化率は4割に迫ることが見込まれています。平均寿命の延伸や運動能力の向上など、高齢者を取り巻く状況が変化しており、地域社会の担い手が減る中で、多くの高齢者には、引き続き、健康を保ちながら、地域社会を支える一員として積極的に社会参加していくことが求められております。今後の高齢化などの状況を見据え、介護が必要となる高齢者を減らし、要介護状態の重度化を防止するためにも、高齢者自身の生きがいにつながる社会参加へとつなげていくためのきっかけづくりが必要であると考えます。
そこで、質問ですが、高齢者が幾つになっても健康を保って暮らし続けるための社会参加の取組をどのように進めていくのか、伺います。
次に、自転車施策の推進についてであります。
まず、自転車ネットワークの形成について伺います。
札幌市では、サイクリングロードが整備されており、自転車による健康づくりや観光利用のサイクリングなど、様々な目的で多くの市民に利用されております。サイクリングロードには、豊平川沿いを東区の福移から南区の滝野すずらん丘陵公園まで、都市景観を楽しみながら利用できる約35キロメートルのルートや、白石区のコンベンションセンターから北広島駅まで至る約20キロメートルのルートがあり、これを利用すると令和5年に開業予定の北海道ボールパークに自転車で行くことができるなど、自転車で広範囲を移動することが可能です。また、札幌の都心部では、昨年度から矢羽根型路面標示による自転車通行空間を本格的に整備し、今年度までに計画の約5割が完了予定であり、自転車の安全な利用環境の拡大に期待しています。
こうした自転車ネットワークの拡大により、自転車を趣味とする人以外にも、日常の通勤や通学などの様々な場面でより多くの自転車利用が見込まれることに加え、利用環境が整うことで自転車の安全利用に対する意識がさらに高まるものと考えます。
このような中、本市は、自転車政策を総合的かつ一体的に展開することを目的として、札幌市自転車活用推進計画の策定に向けた検討を進めており、本年の第1回定例会の予算特別委員会において、この計画に自転車通行空間の整備推進を盛り込むと答弁をいただいておりますが、それに加えて、自転車ネットワークの拡大の考え方についてもこの計画にしっかりと盛り込むべきと考えます。
そこで、質問ですが、札幌市自転車活用推進計画の検討では、自転車ネットワークの形成についてどのように考えているのか、伺います。
次に、自転車の安全の推進について、自転車保険の加入促進及び自転車配達員の事故防止に向けた取組について伺います。
感染症の拡大は、市民のライフスタイルに大きな変化を及ぼし、混雑を避けるため、通勤・通学や買物等に公共交通機関の利用を控え、自転車を利用する傾向が強まっております。自転車の安全利用に向けて、交通事故の防止に努めるのはもちろんのこと、万が一への備えとして、全ての自転車利用者に自転車損害賠償保険へ加入してもらいたいと考えておりますが、その重要性はあまり認識されていない現状です。
一方、感染症の影響もあり、フードデリバリーサービスが急速に普及しており、市内でも大きなリュックをしょった自転車配達員が数多く見られるようになりました。そのような中、配達員が危険な運転を行い、歩行者と衝突しそうになった等の声が警察に寄せられており、社会問題に発展する可能性があるのではないかと懸念しております。悲惨な事故が発生することのないよう、フードデリバリーの事業者や配達員に対しても交通安全の働きかけを行っていく必要があります。
そこで、質問ですが、自転車保険の加入促進についてどのように認識し、今後どのような取組を行っていくのか、伺います。
また、自転車配達員の事故防止に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
最後に、札幌市の防災対応について、2点伺います。
1点目は、札幌市民の防災意識の醸成、向上についてであります。
今年は、平成23年の東日本大震災から10年、平成28年の熊本地震から5年が経過し、道内においては、平成30年の北海道胆振東部地震から3年という年でもあります。東日本大震災から10年が経過し、震災後に生まれた子どもたちなど震災を知らない世代が増えつつある現状からも、防災意識を醸成していくことが重要であります。現状、感染症対策が最重要課題であるのは認識しておりますが、同様に防災も重要な課題であると考えます。
そこで、質問ですが、札幌市としてどのように市民の防災意識の醸成、向上を図っていくのか、伺います。
2点目は、大規模停電対策についてであります。
北海道胆振東部地震により、北海道のほぼ全域、約295万戸で停電状態となるブラックアウトが発生し、市民生活に大きな影響を与えたことは記憶に新しいことです。札幌市では、市内全部の基幹避難所に可搬式発電機を配備したほか、北一条地下駐車場に非常用発電設備が建設されるなどの対策が進められております。また、次世代自動車からの電力供給などの停電対策に資する新技術について調査し、技術を持つ民間企業と協力協定を締結したと聞いております。
北海道では、冬期間の暖房機器は欠かすことができず、万が一、冬季に長期間の大規模停電が発生した場合には、市民の生命に重大な影響を及ぼすことが懸念されます。
そこで、質問ですが、札幌市では、今後、さらなる停電対策の強化に向けて具体的にどのように取り組んでいくのか、伺います。
以上で、私の質問の全てを終了させていただきます。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)
○議長(細川正人) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で大きく7項目、ご質問をいただきました。私からは、1項目めの私の政治姿勢についての6点にお答えをさせていただきます。その余のご質問に関しましては、3人の副市長から、それから教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
私の政治姿勢についての1項目め、
新型コロナ感染症対策と医療保健施策の充実についてお答えをいたします。
まず、
新型コロナウイルスワクチン接種の状況についてであります。
医療従事者や高齢者など、1回目の接種を終えた方々は、6月30日現在で合計約41万5,000人であり、2回目の接種まで終えた方々は約20万人であります。現状では、札幌市民の23%が1回以上の接種をしているところであります。
次に、
新型コロナウイルスワクチンの
接種スケジュールについてでありますが、まずは基礎疾患を有する方への接種をはじめ、その後、クラスターリスクの低減や社会的機能の維持などの観点から選定をした保育士や教職員など、約15万人への接種を優先して進めるべく準備を進めているところであります。64歳以下のその他の方々につきましても、7月13日から接種券を送付し、予約の空き状況に応じて、順次、機動的に予約可能な市民の範囲を広げていくことで、接種の加速化を図ってまいりたいと考えております。
また、現在、札幌市医師会のご協力の下、個別医療機関での接種拡大に取り組んでいるほか、7月17日には、新たにつどーむを集団接種会場に加えるなど、接種能力の向上にも努めているところであります。こうした取組によりまして、11月末までには全市民の約80%が接種できる接種能力を確保しており、希望する市民が接種できる見込みであります。
また、接種能力に見合ったワクチン供給が行われることが重要でありますので、供給量の確保について、国に要請をしてまいりたいと考えております。
次に、職域接種の推進についてでありますが、意欲ある事業者が職域接種に積極的に取り組んでいただくことは、接種全体のスピードアップにもつながりますことから、今後の感染拡大の波を抑制する効果が期待できるものと考えております。
事業者への支援といたしまして、事業者が資金面で不安なく取り組めるよう、市の制度融資に職域接種に関するメニューを創設したところであります。このほか、接種会場の運営ノウハウや事務手続に関する支援など、ソフト面の支援も実施していく考えであります。
職域接種は、原則として事業者が主体となって実施するものでありますが、中小事業者団体などにつきましては、大企業に比較して準備等の負担が大きいものと認識しており、このため、事業者団体などが必要な医療従事者を十分に確保できない場合などにおいて、札幌市医師会などとも情報共有しながら、これらの支援にも努めてまいりたいと考えております。
なお、既に申請済みの事業者のほか、現在、停止をされている新規受付が解消された場合にも、事業者の主体的な取組がより円滑に進むよう、市として必要な支援にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
次に、経済対策の効果の受け止めと今後の経済対策についてであります。
市内企業の倒産件数は、例年と比較いたしましても増加しておらず、有効求人倍率は悪化しつつも、ある程度の水準を維持しておりますことから、これまで実施をしてきた融資制度の拡充や、事業者向けワンストップ相談窓口等の経済対策について、一定の効果があったものと認識をしております。
しかしながら、長期化するコロナ禍において、事業の継続や雇用の維持、需要喚起に資する施策を推進していくことが不可欠でありますので、今後とも、機動的な経済対策に取り組むとともに、臨時交付金の市への直接交付など、必要な財源の確保について積極的に要望を行ってまいりたいと考えております。
次に、離職等を余儀なくされた方への支援についてでありますが、離職者等の早期再就職を実現するに当たり、人手不足職種へのキャリア転換は有効でありますことから、さっぽろ給付金付き再就職支援事業では、人手不足職種に就職した際の準備金の対象職種を大幅に拡充したところであります。
今後も、職場定着に向けた支援を積極的に行うなど、感染症の影響を受けた求職者の方々に寄り添ったきめ細やかな支援に取り組んでまいります。
次に、感染症対策における北海道との連携についてであります。
これまでも、事務レベルでの協議、連携を図りながら、知事とは、直接、電話や会議を行うなど緊密に協議を重ねてきたところであります。しかしながら、第4波においては、想定を上回るスピードで感染が拡大したことから、市中への感染が急速に広がり、様々な対策、取組を行ったものの、医療提供体制が危機的状況になったところであります。
今後におきましては、全国的にデルタ株の感染も拡大をしておりますことから、北海道と感染状況等を共有しながら、いち早く感染拡大の予兆を捉え、効果的な対策について協議をし、実行してまいりたいと考えております。
次に、6点目の感染症対策に係る市長の権限と財源の移譲についてということであります。
新型インフルエンザ等対策特別措置法上、感染症に係る権限の多くが都道府県知事にありますけれども、これが希望する
指定都市市長に対して権限と財源が移譲されれば、より地域の実情に応じた機動的な対策を講じることができるものと認識をしております。
このため、
指定都市市長会の緊急要望などを通じ、国に対して権限と財源の移譲について要望してきたところであり、今後も、札幌市の重点要望など、機会を捉えて要望を続けてまいりたい、このように考えているところであります。
次に、2項目めの東京2020大会についてお答えをいたします。
まず、札幌開催における安全・安心の確保についてであります。
国内外から来札する大会関係者から感染が広がることがないよう、組織委員会に対し、海外関係者の行動管理の徹底や国内運営スタッフへの
ワクチン接種等を求めるとともに、大会時の検査・療養体制の構築に当たりましては、札幌市の
新型コロナウイルス対応体制に影響を与えることがないよう要請をしているところであります。
また、大会開催に伴う人流抑制の観点から、パブリックビューイングの中止を決定したところでありますが、公道で行われるマラソン、競歩につきまして、沿道での観戦を自粛していただくことが望ましいものと考えているところであります。
さらに、今後の感染状況によりましては、5者協議で決定をされた観客数の上限の考え方にかかわらず、無観客を含めたより厳格な観客の制限についても検討すべきではないかと考えており、引き続き、国、組織委員会に対し、具体的な大会の感染対策を示し、市民の不安を払拭していただくよう求めてまいりたいと考えております。
次に、東京2020大会における安全・安心の取組の将来的な活用についてであります。
東京2020大会は、世界的な感染症の流行で史上初の延期となり、安全・安心が最優先課題とされた
オリンピックとして、スポーツの歴史の中で象徴的な大会となるものと認識をしております。今大会において取り組まれた感染対策は、評価、検証され、今後の各種スポーツ大会を通じてさらなる工夫や改善が積み重ねられていくものと考えております。
札幌市といたしましても、東京2020大会を経て深められた知見を、今後、開催するスポーツ大会の運営に反映させ、スポーツを通じたまちづくりを推進してまいりたいと考えております。
次に、3項目めの
新型コロナウイルスを踏まえた財政運営についてお答えをいたします。
まず、令和3年度予算のその後の対応についてであります。
新型コロナウイルス感染症の影響は、今後も継続することが見込まれますことから、引き続き、
感染拡大防止にしっかりと資源を投入していく必要があるものと認識をしております。
その上で、今後の
社会経済活動の回復に向けた取組についても、感染状況やワクチンの接種状況を見極めながら、時期を逸することなく機動的に対策を講じていく必要があるものと考えております。一方で、これらの財政需要に対応するための
地方創生臨時交付金の令和3年度配分額が現時点では見通せない状況にありますことから、国に対してさらなる財政措置の拡充を求めているところであります。
今後とも、コロナ禍での機動的な財政運営を行うため、事業の実施時期の見直しや事業費の節減などに取り組むことにより、減額補正を含めた予算の組替えなどについても検討してまいりたいと考えております。
次に、自主財源の確保についてであります。
今後、少子高齢化や人口減少社会といった局面を迎えて、社会保障費の増加や老朽化した都市基盤の更新などの行政需要に対応しながら持続可能な財政運営を行っていくためには、自主財源を維持・拡大し、財政基盤を強化していくということが重要であると認識をしております。
このため、引き続き、積極的な企業誘致やスタートアップ支援、都心部における再開発事業をはじめとする民間投資の誘発による経済活性化など、税源涵養に資するまちづくりを推進することで財政基盤の強化を図ってまいりたいと考えております。
次に、4項目めの北海道と札幌市の関係についてお答えをいたします。
1点目の北海道における札幌市の果たすべき役割についてでありますが、まずは、
政令指定都市の権限を活用しながら、人口減少、少子高齢化などの課題にしっかりと対応し、安心して暮らし続けられる持続可能なまちづくりを進めていくことが重要であると認識をしております。
その上で、北海道の発展なくして札幌の発展はないとの考えの下、札幌の持つ様々な機能を活用して、北海道の魅力をさらに高めていくことが札幌市の果たすべき役割と認識をしているところであります。
2点目の連携中枢都市としての札幌市についてでありますけれども、昨今の社会情勢の急激な変化の中で、市町村の枠組みを超えた対応ということが必要な課題も増加をすることが見込まれ、一つの生活圏、経済圏であります札幌圏における連携した取組をさらに推進するということが重要だろうと考えております。そのために、圏域内のニーズや課題を共有し、その対応に資する連携した取組を中心となって進めるなど、圏域全体の発展に向けて貢献していくことが札幌市の果たすべき重要な役割であると考えております。
今後は、このような役割はもとより、圏域外市町村への波及効果も意識をしながら、圏域自体が北海道全体の活性化に寄与できるものとなるよう、引き続き積極的に取り組んでまいります。
次に、5項目めのデジタル改革の推進についてお答えをいたします。
まず、デジタルトランスフォーメーション推進のロードマップについてであります。
デジタルトランスフォーメーションは、デジタル技術の進展に合わせて働き方、暮らし方などを見直していく社会変革の動きであり、市民生活に身近なところから着実に進めていくことが重要と認識をしております。
このため、まずは、行政窓口におけるデジタル活用の遅れに向き合い、オンライン申請や証明書交付機設置の拡充により、申請書の記入や来庁の手間を解消し、市民の利便性の向上に努めてまいります。同時に、自治体システム標準化への対応や、地域社会のデジタルトランスフォーメーション推進に関する方針を年内に取りまとめ、これに基づき、計画的に取り組んでまいります。
次に、2点目のマイナンバーカードの活用に対する認識と今後の利活用への対応についてであります。
マイナンバーカードの活用を促進する意義は、オンライン上で官民の様々な手続が一元化されたり、個々人に応じたサービスのお知らせが取得できたりするなど、デジタル社会の形成を加速化させることにあると認識をしております。
今後の展開につきましては、利用方法を市民に紹介する講習会の開催や、広報媒体を通じたセキュリティーに関する情報発信により、市民の不安の解消に努め、カードの活用促進を図ってまいりたいと考えております。
3点目のデータを活用した行政運営についてであります。
根拠のあるデータを的確に把握し、活用することは、政策効果を上げ、市民に信頼される市役所を実現するために必要な視点と認識をしております。
このため、今年度、ICTを活用したデータ収集や適切な指標設定等の事例調査のほか、データを有効に活用できる職員の育成を図ることとしており、これらを通じてデータを重視した行政運営の仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、6項目めの第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンの策定についてお答えをいたします。
産業力の強化に向けましては、人口構造の変化などに対応し、国内外から消費や投資を呼び込み、安定した雇用を創出するとともに、ポストコロナの観点から、有事の際でも安定的な経済活動が行われる社会を目指すことが重要であると考えております。
このため、コロナ禍を契機とした社会変化に対応した足腰の強い産業構造の実現に向け、今回、影響を受けた食や観光などの集客交流産業の回復や強化はもとより、札幌の強みでありますICTや健康・医療関連産業の振興などに取り組むことを検討してまいります。
また、戦略ビジョンの策定に当たりましては、近年の社会経済情勢に加え、今般の感染拡大によって生じる社会変化をしっかりと踏まえることが必要と認識をしております。
現在、依然としてコロナ禍にあり、戦略ビジョン審議会の開催にも影響が出始めていることなどから、策定スケジュールの見直しも視野に入れながら検討を進めてまいりたいと考えております。
私からは、以上です。
○議長(細川正人) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな6項目めの地域の生活に即したまちづくりと福祉施策の検討、7項目めの札幌市の防災対応についての二つの項目についてお答え申し上げます。
まず、6項目めの地域の生活に即したまちづくりと福祉施策の検討についての1点目、コロナ禍での社会参加を通じた高齢者支援についてのご質問でございますが、高齢者がそれぞれの関心や心身の状況に応じて趣味やボランティア等の活動に参加することは、高齢者自身の生きがいにつながることが多く、それが結果的に介護予防や健康維持につながるものと認識するところでございます。
また、要支援や要介護の方であっても、様々な活動に参加することで重篤化が防止できたり、また、生活に張りが出るということもあるということでございますので、そうした高齢者の社会参加を促す取組を推進していくことが必要であると認識するところでございます。
そのため、この3月に策定しました高齢者支援計画2021におきまして、高齢者が活躍できる地域づくりを個別施策として盛り込んだところであり、
新型コロナウイルスの感染状況やワクチンの接種状況等に鑑みながら、活動機会の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
次に、大きな6項目め、地域の生活に即したまちづくりと福祉施策の検討についてのご質問の2点目の自転車施策の推進についてでございますが、まず、自転車ネットワークの形成についてのご質問でございますが、札幌市自転車活用推進計画では、現在、都心部で進めている矢羽根型路面標示につきまして、地域交流拠点や自転車ネットワークの途切れた区間に拡大することなどを検討しているところでございます。
これにより、自転車ネットワークを拡充し、既存のサイクリングロードの活用を一層進めるとともに、自転車や歩行者にとっても安全で快適な道路環境の提供を目指す考えでございます。
次に、自転車の安全利用の推進についてのご質問でございますが、自転車損害賠償保険への加入は、被害者の救済など事故を起こしてしまった場合への備えとして大変重要と認識しており、今後も、保険会社と連携し、幅広い年齢層に向けて周知してまいりたいと考えております。
また、自転車配達員の事故防止につきましては、昨年から北海道警察と共催で自転車安全講習などを行っており、今後も交通ルールとマナーの浸透が図られるよう取組を進めてまいりたいと考えております。
次に、大きな7項目めの札幌市の防災対応についてのご質問でございますが、そのうち、1点目の札幌市民の防災意識の醸成、向上についてでございますが、地域の防災力強化に当たりましては、平時から地域が一体となって防災活動に取り組むよう支援することが重要と認識しており、これまでも地域と連携した防災訓練の実施や地区防災計画の作成支援といった防災対策に取り組んできたところでございます。
今後も、防災に関する地域の皆さんの意向を調査し、自主防災活動の推進につながる防災ハンドブックの全面改定に取り組むなど、市民の防災意識の醸成、向上が図られるような対策や支援を進めてまいります。
次に、大規模停電対策についてのご質問でございますが、北海道電力では、石狩湾新港発電所の運転開始や、北海道と本州をつなぐ北本連系線の増強などに取り組んでおり、全道規模の停電が発生する可能性は低下しているものと認識するところでございますが、そのような中でありましても、札幌市内における大規模停電への備えは必要でございまして、現在、災害時における電力設備等の復旧作業や道路の早期開通、障害物除去等について、北海道電力と相互協力に関する基本協定の締結に向けた調整を鋭意進めているところでございます。
今後は、これらの内容などを地域防災計画の事故災害対策編の中に反映させ、札幌市における大規模停電対策に取り組んでまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(細川正人) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、2項目めの新たな都市づくりについて、4項目めの子育て環境の充実と支援についての2項目についてお答えをいたします。
最初に、2項目めの新たな都市づくりについてであります。
1点目の大通地区のまちづくりについてでありますが、大通地区は、古くから商業地として札幌の発展を支えてきた地区であり、都心の均衡ある発展のためには、その再生は極めて重要と認識しております。
そのため、第2次都心まちづくり計画におきましては、地区再生の必要性を位置づけ、まちづくり会社を中心とした再生への議論を積極的に支援してきたところでございます。その成果といたしまして、令和元年には、大通から南2条通までの駅前通沿いの地権者がまちづくりガイドラインを策定し、現在、これを基に建て替え誘導する地区計画の検討も進められているところでございます。
今後も、こうした動きを地区内で連鎖的に展開させることで、官民連携による大通地区の再生に取り組んでまいります。
2点目の世界に誇れる環境首都の実現に向けた取組についてであります。
まず、環境首都の実現に向けた考えと意気込みについてでありますが、国際社会における喫緊の課題であります気候変動問題への対応のため、脱炭素化を進めることは、札幌市が環境首都の実現を目指す上でも極めて重要な政策課題の一つであると認識しております。
今後は、2050年のゼロカーボンシティーの実現に向けて、新たな手法の活用可能性も探りつつ、あらゆる有効な施策を幅広く講じていくこととしており、市民や事業者の皆様をはじめ、他の自治体などとも連携しながら全力で取り組んでまいります。
次に、再生可能エネルギーの導入目標の達成に向けた広域的な連携についてであります。
札幌市では、再生可能エネルギーを2030年には50%まで増やすという目標を定めておりますことから、この目標の達成に向け、市域を越えて道内の他の地域とも連携を図りながら様々な取組を進めていくこととしております。
具体的には、住宅や事務所等への太陽光発電設備の導入を促進する新たな取組の一つとして、本年5月より、北海道やさっぽろ連携中枢都市圏の市町村と協力して、太陽光パネルの共同購入事業を開始したところでございます。加えて、市外の再生可能エネルギー電力を水素に替えて市内で活用する仕組みづくりを進めますとともに、道内の再生可能エネルギー電力を都心部へ供給する事業につきましても、国の最新の動向なども踏まえながら、鋭意、検討を進めてまいります。
次に、4項目めの子育て環境の充実と支援についてであります。
最初に、子どもを産み育てやすい環境づくりについてでありますが、第2期さっぽろ未来創生プランでは、人口減少を緩和するために、雇用の創出や魅力的な都市づくり、安心して子どもを産み育てることができる環境づくりに継続的に取り組むことで、市民が明るい未来を描く好循環の実現を目指しているところでございます。このような将来に対する安心感の醸成が一人一人の人生設計における様々な選択を可能とし、また、そのことが札幌への定着や結婚、出産、育児の希望にもつながっていくものと考えるところでございます。
今後も、企業や大学など多様な主体と連携しながら、この方向性に沿った取組を進め、幅広い世代に対して効果的に周知・啓発することで、子どもを産み育てやすい環境づくりを進めてまいります。
次に、子育て支援についてであります。
コロナ禍の中で、子育て世帯を孤立させずにしっかりと寄り添うためには、オンラインの活用や個別のアウトリーチなど、多様な手法による支援の重要性が一層増していると考えるところでございます。
そのため、昨年度から、新たに、子どもの成長に合わせて専門家による育児アドバイスをメール配信する取組や、オンラインによる子育てサロンなどを実施しているところでございます。さらに、今年度は、地域において子育て支援を行う団体と連携し、育児の不安や悩みを抱えている世帯に対して、地域のボランティアが家庭訪問する取組の試行実施を予定しているところでございます。
今後も、子育て世帯が孤立することなく、安心して子どもを産み育てられるよう、コロナ禍のみならず、新たな社会環境の変化や子育て世帯のニーズを的確に捉え、さらなる支援の充実に取り組んでまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(細川正人) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) 私からは、大きな3項目めの経済振興施策についてご答弁を申し上げます。
まず最初に、地域商業の活性化についてであります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の長期化により、飲食や理美容など地域に密着した中小の商業者は、経営上、大きな影響を受けているものと認識をいたしております。
今後も、感染防止対策に取り組む商店街や商業者グループへの販売促進支援など、幅広い支援を通して地域商業の活性化に結びつけてまいりたいと考えております。
次に、札幌の発展に向けた産業及び人材の育成についてであります。
1点目のeスポーツ、XR分野に関する産業振興策についてであります。
札幌市では、これまで、関係団体等と連携し、eスポーツやXR分野の普及を図るためのセミナーや展示会などによる販路拡大支援に取り組んできたところでございます。
今後は、引き続きその魅力を発信するとともに、市内企業によるオリジナルコンテンツ開発や様々な分野とのマッチングを支援してまいります。 2点目のIT人材の育成についてでありますが、今般のコロナ禍でも非接触型のサービスの創出など、デジタル技術が生活や経済を前に進める大きな力となっており、これを担う人材育成の取組をさらに強力に進めていく必要があるものと認識をいたしております。
そこで、今年度は、みらいIT人材育成事業の予算を倍増いたしまして、大学生や若手エンジニアを新たに対象とすることで、未来の産業界を牽引する人材の育成を加速させてまいります。
続きまして、バイオベンチャー育成支援事業についてであります。
1点目の投資ファンドを創設することによる効果についてであります。
健康・医療・バイオ分野のベンチャー企業は、事業化までに長い時間を要しますことから、さらに成長を促進するためには、資金面における新たな支援が必要と認識をいたしております。
そこで、使途に制約が少なく、財務上の負担にならない投資による支援を行い、活躍が期待できます大学発のベンチャー企業等を大きく育てることで、バイオ関連産業の集積を図ってまいりたいと考えております。
2点目の理系人材の道外転出防止に対する投資ファンドの役割についてであります。
ファンドの投資対象につきましては、健康、医療、バイオに関連いたします食やITなどの幅広い分野といたしますことから、これらの分野に従事する人材の受皿確保に貢献できるものと考えております。
今回のファンドの創設を契機として、札幌で学んだ理系人材の受皿を拡充することはもとより、国内外の優秀な人材を札幌に呼び込んでまいりたい、このようにも考えております。
私からは、以上であります。
○議長(細川正人) 檜田教育長。
◎教育長(檜田英樹) 私からは、5項目めの教育環境等の推進、充実についてお答えをいたします。
まず、部活動改革についてでございます。
部活動は、豊かな人間性を育む機会となるなど、教育意義の高いものと認識しておりますが、一方で、教員の負担となっている側面もあることから、さらなる改革が必要と考えているところでございます。
まずは、休日の部活動の指導と運営を民間事業者に委託するモデル事業を実施するなど、専門的な指導による活動の充実を図りつつ、教員の負担軽減にも努めてまいります。今後は、これまでの取組や部活動に関わる様々な方の意見等を踏まえ、子どもたちの夢、そして希望に寄り添い、質の高い活動機会を保障できるよう取り組んでまいります。
次に、今後の札幌市の学校教育についてでございますが、1点目の今年度の学校における感染症対策についてでございます。
教育委員会としては、保健所と連携し、陽性者あるいは濃厚接触者を速やかに特定するなど、初期対応を迅速かつ丁寧に行うことで、
感染拡大防止につなげているところでございます。また、学びを止めないということを念頭に置き、学校行事をはじめ、多様な体験を通した学び合いなど、学校ならではの教育活動を最大限推進するために、日常的な感染症対策を引き続き徹底してまいります。
次に、2点目の今後の札幌市の学校教育の推進についてでございますが、各学校においては、対面指導を基本としつつ、オンライン教育を適宜取り入れ、協働的な学びと個別、最適な学びの一体的な充実を図り、子ども一人一人のよさや可能性を引き出していく所存でございます。
教育委員会といたしましては、今後も、子どもが社会の変化に柔軟に対応しながら、自ら将来に向かってたくましく歩み続けることができるよう、自立した札幌人の育成に向けて全力を尽くしてまいります。
以上でございます。
(
藤田稔人議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(細川正人)
藤田稔人議員。
◆
藤田稔人議員 ご答弁、ありがとうございました。
今回は、感染症対策と、その際に露呈された札幌市の権限と財源の問題について、数多く質問させていただきました。
感染症対策について、市長に権限がないということは、我々議員にとっても、議会の場で議論することがなかなか難しいということであります。先般、
新型コロナウイルス感染症に関する指定都市の権限強化等を求める意見書を採択したように、今後も、市長と我々議会が足並みをそろえて、国に対して権限と財源のさらなる拡充を要望しなければならないと認識しております。
また、権限と財源がないから対応できないというのは、市民目線で言うと、到底納得できないことでもあります。市長は人口200万人の民意を背負っているわけですから、この感染症対策において、市長は、市民に伝わりやすいメッセージを丁寧に発し、強力なリーダーシップを発揮していただくよう強く求めます。
それでは、再質問させていただきます。
自主財源の確保について、企業誘致やスタートアップ支援を推進し、都心部の再開発事業による民間投資の誘発による経済活性化など、税源涵養に資するまちづくりに取り組むとの答弁でございました。
昨年の決算特別委員会において、私から同様の質問をした際には、ただいまご答弁にあった内容のほかに、財産の戦略的な活用を進めていく必要があり、行政目的での利用が見込まれない土地については、個別の案件ごとに売却や貸付けなど最適な活用方法を検討するとの内容も盛り込まれておりました。
そこで、質問ですが、市有財産の戦略的な活用についてどのように検討しているのか、その進捗状況について、具体的にお伺いいたします。
○議長(細川正人) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 自主財源の確保についての再質問をいただきました。
ご質問にありましたように、市有財産の活用ということにつきましては、アクションプランに位置づけをして積極的に取り組んでいるところでございます。
今のご質問の中にもございましたように、行政目的での利用が見込まれない土地については、個別の案件ごとに売却、貸付けなど最適な活用方法を検討しているところでございます。令和2年度の予算では、この財産収入の効果額を18億円と見込んでいるところであります。今、決算については精査中ということではございますけれども、実績ではこの額を20億円以上上回る見通しでございます。令和3年度予算におきましても、効果額20億円を見込んでいるところでございますけれども、令和2年度の決算の中では、当初見込んだ18億円を20億円以上上回る状況であろうかということでございます。
今後とも、将来的な土地利用、土地活用について検討しながら、それを有効に活用していき、また、固定資産税などにもつながってまいりますので、自主財源の確保という点でも重要な点というふうに考えてございまして、有効に活用してまいりたいと考えております。
以上であります。
○議長(細川正人) ここで、およそ30分間休憩します。
――
――――――――――――――――――
休 憩 午後2時41分
再 開 午後3時10分
――
――――――――――――――――――
○副議長(峯廻紀昌) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
あおいひろみ議員。
(あおいひろみ議員登壇・拍手)
◆あおいひろみ議員 私は、民主市民連合を代表し、今定例会に上程されました諸議案並びに諸課題について、順次、質問いたします。
質問に先立ちまして、
新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。
さらに、今もなお感染症対策との闘いの最前線でご尽力をいただいている医療従事者をはじめとする全ての皆様に深く感謝を申し上げます。
また、本年6月23日、北区において、2歳の松原莉蒼ちゃんが亡くなられる事案が発生しました。幼い命が失われる大変痛ましい事案の発生であり、残念でなりません。心から哀悼の意を表します。
先日の秋元市長の記者会見で述べられていたように、今回の事案をしっかりと検証していただきたいと思います。
それでは、質問に入ります。
初めに、市政運営方針について、2点伺います。
1点目は、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン策定についてです。
本市は、まちづくりの計画体系において、札幌市まちづくり戦略ビジョンを最上位計画として位置づけ、この基本方針に沿って、中期実施計画であるまちづくり戦略ビジョン・アクションプランや各分野の個別計画を策定し、中長期的な視点を持った総合的で戦略的なまちづくりを進めてきました。
現在、次期のまちづくり戦略ビジョン策定に向けては、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン策定方針を示し、本格的な検討に着手したところです。
我が会派も、まちづくり戦略ビジョンは大変重要な計画と認識しており、昨今の環境変化を踏まえた上で、市制100周年という節目に市民に新たなビジョンを示すことは、評価するところです。
既に、本年4月より、学識経験者やまちづくり活動に取り組んでいる実践者、公募委員で構成する審議会を発足し、市長の諮問を受けて、まちづくり戦略ビジョンに関する議論を始めていると聞いています。
現在のまちづくり戦略ビジョン策定に当たって、審議会は21名の委員で構成されていましたが、今回は4名増の25名で構成されています。これまで同様、福祉や教育、経済、都市空間などのまちづくりの各分野に加え、新たに健康やICTなどの専門分野に知見を有する委員も含まれているものと承知しています。
今後のまちづくりに当たっては、超高齢社会が進展し、生産年齢人口が減少する中、ICTの利活用は、本市が抱える課題解決に欠くことのできない重要な要素であり、日々進化する技術を想定した検討が必要です。
加えて、北海道胆振東部地震などの災害の教訓や、現下の
新型コロナウイルス感染症などの感染症対策などについても、次期計画に反映させることが必要であり、本市が抱える課題認識についても、審議会に共有し、検討を促すことも重要と考えます。
また、まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2019においては、SDGsの理念や目標に沿って持続可能なまちづくりを進めていくため、重点プロジェクトや各施策についてSDGsとの関連を示し、策定してきました。次期のまちづくり戦略ビジョンにおいても、SDGsの視点を踏まえ、策定作業を進めていくことが重要と考えます。
そこで、質問ですが、第2次札幌市まちづくり戦略ビジョンの策定に向けて、審議会にどのような議論を求めるのか、また、SDGsと次期戦略ビジョンはどのような相関になるのか、併せて考えを伺います。
2点目は、アクションプラン2019の進捗についてです。
次の新たな100年に向けたまちづくりについては、次期のまちづくり戦略ビジョンにおいて検討されるところですが、現下の行政課題解決には、2019年12月に策定されたアクションプラン2019に基づいて、引き続き、各種事業が着実に進められていく必要があります。
アクションプラン2019の計画期間は2022年度までの4年間であり、ちょうど折り返しを迎えたところでありますが、策定時には想定し得なかった
新型コロナウイルス感染症の影響が拡大、長期化し、当初の計画目標が達成できるのか、危惧するところです。
そのような中、コロナ禍においても、目指す方向性は大きく変わらないものとし、事業で想定していたターゲットや事業手法を適宜見直すことで、政策目標の実現に向けて懸命に取組を進めているものと認識しています。
2021年度予算においても、
新型コロナウイルス感染症の影響により、インバウンドをはじめ、大きな落ち込みが見られる観光分野で、ワーケーションの推進や、大規模な国際会議等でのハイブリッド会議開催支援など、新たなターゲットや手法を取り入れるなどの見直しを行っております。残り2年間の計画期間においても、
新型コロナウイルス感染症の影響を見極めつつ、刻々と変化する社会経済情勢に対応し、柔軟に計画を推進していくことが重要です。
しかし、各事業で想定していたターゲットや事業手法の見直しが、当初想定していた各数値目標等にどのように影響するのかも、都度、見極める必要があると考えます。
そこで、質問ですが、アクションプランの折り返しを迎え、計画の進捗に対する評価と今後の推進についての考えを伺います。
次に、財政運営について、2点伺います。
1点目は、財政調整基金の残高に対する認識についてです。
2021年度当初予算は、
新型コロナウイルス感染症を踏まえ、新たな日常推進枠として、1定補正予算分と合わせて総額1,174億円を計上し、感染症の脅威から市民を守り、新たな日常への転換を進めていく取組に重点的に資源を配分する予算となりました。
その後、国の緊急支援策を活用し、低所得の子育て世帯に対する特別給付金や、4月27日からの市内全域の飲食店等に対しての時短営業、さらには、5月16日からの緊急事態措置の適用に伴う休業要請等に応じる飲食店などへの協力支援金の支給など、追加で5度の補正予算を計上してきました。
また、今定例会では、
新型コロナウイルス感染症への対策として、医療提供体制の強化や
感染拡大防止、事業の継続と雇用の維持、市民の生活を支えるための支援として161億円の補正予算を6月21日に可決しています。
本市のこれまでの
新型コロナウイルス感染症への即時即応の対応には、一定の評価をしております。当初予算とこれまでの補正予算を含め、一般財源としては、財政調整基金を92億円取り崩すこととしており、この結果、補正後の財政調整基金の2021年度末残高は64億円を見込んでいます。
我が会派は、第3次産業が中心の産業構造や非正規雇用、ひとり親家庭の比率が全国的に見ても高い本市の特性を踏まえた大胆な支援を行う必要があり、国の財政支援を待たずに財政調整基金をちゅうちょなく活用するべきと求めてきました。2019年12月に策定したアクションプラン2019では、財政規律の堅持を図る目標として、財政調整基金の2022年度末残高を少なくとも100億円以上の水準を維持するとしています。しかし、現下の状況は、まさに災害レベルと言っても過言ではなく、コロナ禍にあっては、100億円を下回ったとしても、必要に応じて財政調整基金を活用して対策を行うべきと考えます。
そこで、質問ですが、財政調整基金の残高に対する認識を伺います。
2点目は、今後の財政運営についてです。
新型コロナウイルス感染症の影響により、観光需要の大幅な減少や個人消費の落ち込みなど、本市の経済環境は、なお予断を許さない状況にあります。
また、感染拡大の長期化による雇用環境の悪化が懸念されるなど、今後、市税収入の減少が危惧される一方で、社会保障費のさらなる増加も懸念されます。
アクションプラン2019においては、計画期間中の収支見通しである中期財政フレームが示されており、財源の裏づけも含めた計画事業となっています。この中期財政フレームは、毎年度、予算編成時に更新しながらその進捗管理を行っていくことになりますが、
新型コロナウイルス感染症の影響が今後の中期財政フレームにも影響を及ぼすのではないかと危惧しています。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により影響を受けている市民や事業者への支援は、国や北海道とも連携を図りながら進めることになりますが、よりきめ細やかな対応については本市がしっかりと取り組むことが重要です。また、アクションプラン2019に盛り込んだ計画を確実に実施していくことも重要であり、市長には非常に難しいかじ取りが求められています。
そこで、質問ですが、今後の財政運営についてどのように取り組んでいくのか、伺います。
次に、
新型コロナウイルスの
ワクチン接種について伺います。
本市においては、5月24日から75歳以上の
ワクチン接種が開始され、感染を抑えるための具体的な取組が進められています。世界各国でも
ワクチン接種が進み、先行接種が進んでいるイスラエルやアメリカなどでは、感染拡大前の生活を取り戻しつつある地域もあります。
そのような中、札幌においても、まず、何よりも市民の感染者を減少させること、医療体制の負荷を低減すること、さらには、経済活動の再開に向けても
ワクチン接種への期待は大変大きいと考えます。
しかし、
ワクチン接種に当たっては、各自治体に配分されるワクチン数が直前まで不明であるという状況や、国がワクチンの配送に関する情報のやり取りを行うために構築したシステム、V−SYSは、配送業務を主としているため、予約部分や接種記録までを含めた包括的なシステムではありませんでした。こうしたことにより、多くの自治体においては予約制を取らざるを得なくなりました。また、供給量が不明確なため、予約が直前となる状況になったことから、受け身の予約体制となり、混乱が生じるなど、課題があったと認識しています。
インターネットによる予約については、システムが簡素で分かりやすいとおおむね好評でしたが、電話予約については、報道にもあったとおり、電話がつながらない状況も発生するなど、市民から苦情がありました。また、職域接種の受付が早期に終了するなど、この
ワクチン接種については、国が自治体を混乱させている様子が日々見てとれる状況です。約197万人という人口を有する札幌市において、滞りなく市民にワクチンを接種する体制を構築することは大変な作業と認識しています。
本市は、特別定額給付金支給の際、
政令指定都市20市の中でも最も早く給付を終えることができましたが、
ワクチン接種は、給付金と異なり、地方自治体が単独で実施できることではありません。国や道、医師会などの各団体や様々な関係機関と緊密に連携しながら調整を行い、
ワクチン接種を円滑に行っていく組織体制をつくる仕組みを構築しなければなりません。
そこで、質問ですが、
ワクチン接種を円滑に進める上でどのように組織体制を構築しているのか、伺います。
また、迅速な
ワクチン接種が求められている状況において、市における
ワクチン接種体制についても、より一層の強化が求められると考えます。今後、集団接種会場が設置された場合や、対象医療機関が増えた場合、それに応じて1日に可能な接種人数も増えると思いますが、接種を開始した初期の段階では、接種に慣れていないことから、トラブルへの対応などを懸念し、多くの予約を受け付けないということも聞いています。接種については、各会場や医療機関でも、一定程度経験を積むことによって徐々にスピードが上がっていくことが想定されますが、それによって優先接種や一般の方の接種時期も変わる可能性があると考えます。
そこで、質問ですが、集団接種会場などが順調に設置、運営された場合の今後の接種能力と、予約や接種状況に応じた接種の前倒しについて、どのように考えているのか、それぞれ伺います。
次に、都心部のまちづくりにおけるエネルギー政策について伺います。
環境首都・札幌を標榜する本市は、現在、世界的潮流となっている企業や行政のRE100の取組、環境に配慮したESG投資の促進などの動きを捉え、より積極的に再生可能エネルギー等の導入を進めていくことが必要です。加えて、北海道胆振東部地震によるブラックアウトの経験を踏まえ、より安心・安全なエネルギーの利活用を都心部のまちづくりと連動して進めていくことが都市の強靱化に寄与する重要な取組と考えます。
本市は、都心の低炭素で持続可能なまちづくりのビジョンと、その実現に向けた戦略、都心エネルギーマスタープランを2018年3月に策定し、持続可能なまちづくりを官民連携で取組を進めています。同プランは、低炭素、強靱、快適、健康を基本方針とし、その基本方針を具体化する中期実施計画、都心エネルギーアクションプランでは、官民連携の具体的なプロジェクトの一つとして、冷水・温水導管ネットワークの幹線整備とコジェネの導入による低炭素で強靱な熱利用が掲げられています。
都心における熱供給事業は、古くは、1950年代に石炭のばい煙による都心部の大気汚染を解消するために、1972年に開催された札幌
オリンピックを契機として始まりました。近年は、世界的な環境意識の高まりなどを受け、熱供給事業の役割はさらに大きくなっています。
これまで、本市においては、札幌駅北口側のエリアを札幌エネルギー供給公社、南口側のエリアを北海道熱供給公社の二つの出資団体が、それぞれ冷温水や高温水等を利用した熱供給事業を展開してきました。今後も、両社の技術的な提携及び効率的な経営が都心全体の低炭素化、強靱化に大きく寄与することが期待されます。
直近の動きとしては、都市エネルギーマスタープランの先駆的事業として、創世1.1.1区(さんく)の象徴的な建物であるさっぽろ創世スクエアにエネルギーセンターが設置され、エネルギー供給を開始したことが記憶に新しいところです。また、札幌駅前の北5西1・西2地区で、2019年10月に策定された再開発基本構想において、エネルギーセンターの整備などを含めた低炭素で強靱なまちづくりを先導する拠点として整備することが掲げられているほか、高級ホテルや高機能オフィス、都市間バス、路線バスのターミナルの整備などが予定されています。今後も、都心部において民間事業者と連携した様々な再開発が進められていくことになりますが、利便性の向上に加え、環境に優しく、かつ都市の強靱化につながるエネルギー利用の拡充が求められていると考えます。
そこで、質問ですが、民間の都市再開発事業と連携し、これからの都心での低炭素で強靱な熱利用について、どのように展開していくのか、伺います。
次に、大規模災害の発生に備えた対応について伺います。
2021年5月20日の災害対策基本法改正により、市町村が発令する避難情報が変更となり、警戒レベル4に当たる避難勧告が廃止され、避難指示に一本化されました。この避難勧告の廃止を受け、現在の洪水ハザードマップの情報面の改訂を今年の秋ごろまでに実施すると聞いております。洪水ハザードマップの情報面には、市民の生命、財産に関わる重要な内容が記載されているため、この改訂については早急に対応するべきであり、改訂後は速やかに市民周知が必要と考えます。
我が会派では、さきの第1回定例市議会予算特別委員会において、水防法に基づき策定が義務化された要配慮者利用施設の避難確保計画について、主に学校関連施設における進捗状況等について質問いたしました。本市からは、その進捗がおおむね9割を超え、現在も引き続き作業中との答弁があったところですが、学校以外の施設を含む全ての施設における計画の策定と、いざというときに実践につながる訓練をさらに強化する必要があると考えます。
このような中、近年、全国各地で水災害が激甚化、頻発化していることを受け、国交省は、令和8年8月、気候変動の影響に伴う降雨量や洪水発生頻度を試算し、温暖化により気温が2度上昇した場合、21世紀末に全国平均で降雨量が1.1倍、また、洪水発生頻度が2倍になることを公表しました。
また、本年4月に提示された「気候変動を踏まえた治水計画のあり方」提言の改訂版では、気温が4度上昇した場合には、北海道では降雨量が1.4倍になることや、こうした降雨量の増大等に対応するため、ハード整備の充実、加速化だけではなく、国、自治体、企業、住民などのあらゆる関係者の協働で流域治水に取り組むための法的枠組みの必要性が示され、本年4月28日には、流域治水関連法案が参議院本会議で採決され、可決、成立いたしました。同法案により、関連法の一つである水防法には、要配慮者利用施設における避難確保計画の策定や訓練に対して、市町村が助言、勧告できる旨の条項が新たに規定されました。
そこで、質問ですが、流域治水関連法の施行により、これまで以上に要配慮者利用施設の利用者の円滑かつ迅速な避難の確保を図っていく必要があると考えますが、今後、札幌市として具体的にどのような検討を行っていくのか、伺います。
次に、札幌市出資団体の在り方に関する基本方針に基づく行動計画について伺います。
国は、2014年に、第三セクター等の経営健全化などに関する指針で、公共性と企業性を併せ持つ第三セクター等については、従来の団体統廃合を主体とした抜本的改革の集中的な推進は一区切りとし、今後は、第三セクターの効率化、経営健全化と地域活性化に資する有意義な活用の両立に取り組まれるよう留意されたいと地方自治体に求めました。
これを受けて、本市では、当時、本市が出資する全85の出資団体のうち、30の指定団体を対象として、2016年3月に札幌市出資団体の在り方に関する基本方針を策定し、2016年度から2020年度までの5年間を集中取組期間とした上で、各指定団体への市の関与の在り方や今後の事業内容についての具体的な行動計画を定めてきました。
行動計画最終期間である昨年度までの間、基本方針において、未達成の取組として、組織の在り方等を検討するとされた4団体については、外部有識者から成る行政評価委員会での審議等を経て、それぞれ出資継続の判断が妥当とされるなど、一定の整理がされたと聞いています。また、本市の関与のうち、出資比率の見直しの検討については、ほぼ計画どおり4団体で引下げが実施され、出資比率が25%以下の団体数は行動計画策定時の6団体から10団体に増加となっているなど、経営健全化と自立性が高められたものと一定の評価をしております
公共団体と民間団体及び民間企業との共同出資等によって設立されたこれら出資団体は、民間の知恵とノウハウを活用しながら、地域において公益的事業を進める重要な役割を担っていると認識しております。
そのようなことから、集中取組期間並びに行動計画期間が終了した本年度以降についても、札幌市出資団体の在り方に関する基本方針に基づき、新たな行動計画を策定の上、引き続き、各指定団体の自立性を高めつつ、本市の出資や人的関与の在り方などの取組を管理することが必要と考えます。
また、現在の
新型コロナウイルス感染症が及ぼす影響についても、昨年来の情勢を見極める必要があります。事業の特性上、影響が少なかった団体や、ICTなどを活用して影響を少なくとどめられた団体がある一方、観光関連の団体や貸し館施設を有する団体などは、経営を揺るがす影響が出ているところもあるのではないかと懸念しています。新たな行動計画を策定するに当たっては、各指定団体における
新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえつつ、実効性ある行動計画とすべきと考えます。
そこで、質問ですが、出資団体における
新型コロナウイルス感染症が与える影響をどのように認識し、本年度からの行動計画は、どのような方針の下、策定するのか、伺います。
次に、困難を抱える方々への支援について、3点伺います。
1点目は、子どもの貧困対策に関わる子どもの生活実態調査についてです。
本市では、2016年度に子どもの生活実態調査を実施し、その結果、明らかになった課題に対応するため、2018年度からの5年間を計画期間とする子どもの貧困対策計画を策定しました。計画が策定されてから3年が経過しましたが、この間、国の動きとしては、2019年に子どもの貧困対策の推進に関する法律の改正等があり、また、子どもの貧困については、数多くの報道や研究で取り上げられ、社会問題としてクローズアップされるようになりました。
我が会派では、以前から、子どもの健やかな成長のみならず、地域社会の活力にも関わる課題であるとの認識から、子どもや家庭の実態に即したきめ細かい支援が必要であると、関連施策について質疑、提言をしてきたところです。
本市においては、計画に基づいて、2018年から、一部の地域で始めた子どもコーディネーターの対象地域を全区に広げるなど施策の強化を図ってきたところですが、1年以上に及ぶ
新型コロナウイルス感染症の長期化や拡大によって、人との接触機会が減少し、潜在的に困難を抱える子ども、家庭の発見が遅れることや、生活実態の把握が困難になるなど、様々な面に影響が出てくることも危惧されます。
厚生労働省から2018年に公表された子どもの貧困率は13.5%と、依然として子どもの約7人に1人が貧困状態という厳しい状況が示されました。生まれ育った家庭の経済状況や環境によって子どもの現在や将来が左右されないよう、より一層手厚い取組が必要と考えます。また、個々の現状に即した緊急的な対策を行っていくことはもとより、子どもの貧困という多面的で複合的な問題についても、中期的にどのように取り組むのかという視点を欠かすことはできません。
今年度は、次期計画の策定に向けて子どもの生活実態調査を実施するとのことですが、実効性のある計画につなげるためには適切な調査方法の設定が不可欠であり、まずは、子育て世帯の生活や意識の変化を的確に把握し、分析することが求められます。
そこで、質問ですが、本年度予定されている実態調査はどのように実施するのか、伺います。
2点目は、次期子どもの貧困対策計画策定の進め方について伺います。
現在の子どもの貧困対策計画は、有識者会議である子ども・子育て会議の児童福祉部会において多くの議論が交わされ、困難を抱える子どもや世帯をより効果的な支援につなげることを趣旨として策定されました。次期子どもの貧困対策計画の策定については、本年4月に開催された同じ部会で議論を進める方針が確認されたと聞いておりますが、子どもと関わりが深い専門家の意見を聞くことや子どもの生活実態調査は、実効性のある計画を策定する上で大変重要なものと認識しています。
一方、
新型コロナウイルス感染症の影響をはじめ、子どもの環境がより複雑化してきている昨今の状況を踏まえ、現在の子どもの貧困対策計画を進めてきた中で認識した課題や本市の考え方もしっかりと示し、有識者会議の中で幅広く議論していくことが重要であると考えます。
そこで、質問ですが、今後の計画策定作業の進め方についてどのように考えているのか、伺います。
3点目は、困難を抱える若者への支援についてです。
困難を抱える若者の背景には、家庭の経済的困窮だけではなく、生活の中で他者とのつながりを喪失していたり、虐待、DV、学習のつまずきを取り戻せないなど、様々な要因が複雑に絡み合い、個別の支援では解決が困難になっています。
このような課題に対して、複合的に困難を抱える若者や、年齢や事象によって支援の枠組みから外れてしまう、いわゆる制度のはざまにいる若者たちに対して切れ目ない支援を行うことが重要と考えられます。そのためには、若者たちの背景や多様に複雑化する課題に目を向け、潜在化している問題を見落とさないアプローチが必要であり、これに増した政策の充実が急がれます。
本市においては、困難を抱える若者の支援として、若者の自立に関する個別相談や自立支援プログラム、高校中退者に対する学習支援をはじめ、ひきこもり相談窓口での相談対応、家庭訪問等を行っています。
こうした多岐にわたる困難を支援していくためには、制度の構築、運用、連携のみならず、子ども、若者の居場所をつくることが必要ですが、本市においては、新しい支援の形として、公益財団法人さっぽろ青少年女性活動協会が、市内のゲストハウスなどで子どもや若者の居場所づくりを行う、「いとこんち」を開設しました。この6月で1年を迎え、孤食や不登校の子ども、児童養護施設を退所した若者、若いシングルマザーなどが親戚の家のような関わり方で若者に寄り添う取組の支援が広がっており、専門知識や経験を持つ職員が困難に寄り添い、必要な支援を見極め、既存の社会資源の隙間を埋める役割を果たしています。このような取組を生かしつつ、困難を抱える若者を支援する重層的なネットワークづくりが必要と考えます。
そこで、質問ですが、今後、本市は困難を抱える若者に対してどのように支援していくのか、伺います。
次に、介護人材の確保について、2点伺います。
最初に、コロナ禍においての介護分野の人材確保についてです。
介護職員の採用状況は、本年2月と2020年2月を比較した場合、ハローワーク札幌圏内においてはやや改善傾向にあります。その一方で、新型コロナ感染症の影響から、求人応募が少ない状況が続いています。ハローワーク札幌圏が公表した2021年4月の常用者の有効求人倍率は、全職業平均で0.83倍と1倍を下回っているのに対し、介護分野は2.76倍と高く、深刻な人手不足の状況が続いています。高齢化のさらなる進展が予想される中、持続可能な医療・介護保険制度等の運営とサービス提供体制等の構築、その担い手である介護人材の安定的な確保は、喫緊の課題となっています。
本市においては、介護職への志望者を増やすための啓発や、今後も増加が見込まれる外国人介護人材が市内の介護現場において円滑に就労、定着できるよう、受入れ環境の整備や支援を推進する必要があると考えます。
そこで、質問ですが、コロナ禍にあって必要とされる介護人材を確保するためには、実効性のある施策に取り組んでいく必要があると考えますが、札幌市の認識を伺います。
2点目は、将来的な介護人材の確保と定着に向けた施策についてです。
札幌市が市内の事業者を対象に行った介護保険サービス提供事業者調査によると、介護サービスの事業所の運営に関して、約半数の事業者が人材の育成が難しいと回答しています。加えて、介護報酬が実態にそぐわない、職員の仕事への意欲を維持するのが難しい、職員が定着しにくいと回答した事業者がいずれも約3割程度となっており、人材の育成や定着についても課題があります。
その中で、介護報酬が実態にそぐわないという切実な声に対しては、国に対して介護報酬の改善を強く求めていくことが必要です。また、人手不足に伴い、業務に忙殺される介護事業者の中には、業務効率化に関する情報を自ら収集する時間がない状況もあります。その結果、労働環境の悪化から、介護サービス自体の低下につながるといった悪循環に発展するケースも想定され、事業者の最低限の介護サービスを保つ取組が必要です。
既に、札幌市内でも、研修会や勉強会などを重ね、介護人材の育成に力を入れる事業者や、業務の役割分担を進めることで職員1人当たりの負担を軽減するなど、職員の仕事に対するモチベーションを維持する取組により、人材が定着している事業者もあります。近い将来、介護人材に関わる課題について、札幌市として、これまで以上に積極的に関わっていかなければならず、介護人材定着支援の施策展開が求められます。
今後、札幌市の介護サービス利用者数は、2021年度の7万4,014人から2025年度には8万3,279人と、約1万人増加すると見込まれています。介護需要がますます高くなっていく中で、処遇の改善、社会的地位向上対策等を通じて介護業務のイメージアップを図ることも必要です。また、業務の効率化や多様な働き方の推進、そして、職員の育成を支援していくことが、結果として安定的な介護人材の確保と職場への定着につながると考えます。
そこで、質問ですが、将来のさらなる介護需要の増加に向けて、介護を取り巻く環境をどのように認識し、今後、検討を進めていくのか、伺います。
次に、ヤングケアラーへの支援に向けた今後の取組について伺います。
全国的に進む少子高齢化や核家族化などにより、介護や看病、療育が必要な家庭や、近親者を無償でサポートするケアラーの負担やストレスは増大する傾向にあります。とりわけ、本来、大人が担う家事や家族の世話などを日常的に行っている子どものヤングケアラーは、過重なケア負担により心身の健康や学校生活、進学、就職活動等に大きな影響を及ぼし、ケアストレスや孤独、孤立などに直面しています。成長や学業の途上にあるヤングケアラーに支援の手を差し伸べることは、喫緊の課題と言えます。
各自治体におけるケアラー支援については、埼玉県が2020年3月にケアラー支援条例を制定し、同年7月から9月にかけて実施した独自の調査を基に、日本ケアラー連盟とも連携しながら支援計画の策定に向けて取り組んでいると聞いています。さらに、道内でも、栗山町において、今年の3月にケアラー支援条例が制定され、具体的な取組が進み始めたところです。
我が会派では、かねてからケアラーとヤングケアラーに対する支援策について提言してきました。これを受けて、本市は、各支援機関の連携強化や、介護者を地域で支える意識醸成などに取り組むことや、ヤングケアラーについては、関係部局が連携し、ワーキンググループを設置し、困難を抱える子どもたちへの適切な支援に向けた検討を行っています。さらに、ヤングケアラーの実態に関する本市独自の調査については、厚生労働省の実態調査の内容や手法、その結果も踏まえ、検討を進めると聞いています。
こうした中、厚生労働省は、昨年12月から今年1月にかけて、全国の市町村に向けてヤングケアラーに関する調査を実施し、その結果として、中学生では約17人に1人、高校生では約24人に1人が世話をしている家族がいることを公表しました。
また、本年3月には、厚生労働省と文部科学省がヤングケアラーへの支援のための連携プロジェクトチームを立ち上げました。このプロジェクトチームは、支援を必要とするヤングケアラーを早期に発見し、支援につなげるため、各地方公共団体の福祉部局、介護部局、医療部局及び教育部局がより連携をした取組を推進するための方策を検討するもので、今年5月17日に今後の支援策をまとめた報告書が公表されました。報告書によると、ヤングケアラーに関する福祉や教育機関の関係者などへの研修の推進や、ケアラーからの悩み相談を実施する地方自治体の事業支援等を検討することや、他機関連携による支援のモデル事業を実施することなどが示されるなど、国の取組が急速に進められています。
本市においては、子どもの最善の利益を実現するための子どもの権利条例を制定していますが、ヤングケアラーの問題は、子どもの権利擁護の観点からも喫緊の課題であり、本市でも速やかに支援に取り組むべきと考えます。
そこで、質問ですが、札幌市は、国から発表されたヤングケアラーの調査結果と、支援策をまとめた報告書について、どのように認識しているのか、伺います。
また、ヤングケアラーを支援していくために、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
次に、性的マイノリティーに関する取組について伺います。
2021年6月16日までを会期とする第204回通常国会が先日閉会しました。今国会では、超党派の議員で議論し、与野党で合意していたはずのLGBT理解増進法案の提出が見送られました。その法案議論の過程では、自民党内からLGBTは種の保存に反するといった差別的な発言があり、いまだに性的マイノリティーの方々が直面する差別や偏見などの課題解決に取り組む姿勢が見えない政治の在り方に、国民から厳しい目が向けられています。
世界的に見ると、性的マイノリティーの方々に対する人権保護は、差別を禁止する条項を備える雇用や就学、行政手続などで当事者が不利益を被らない法整備が着々と進められ、現在では80を超える国が法律を制定しています。また、先日、イギリス・コーンウォールで開催されたG7、先進7か国首脳会議における共同の首脳宣言において、全ての個人の性と生殖に関する健康と権利を促進し、保護すること、性的指向及び性自認を含む多様性への支援において果たす重要かつ変革的な役割を認識することを確認しており、性的マイノリティーの人権保護はもはや世界的な公約であると言えます。法の下の平等を日本国憲法で標榜する我が国においては、今こそ、国による法整備及び地方自治体における実態に即した支援促進が必要であると考えます。
本市は、
政令指定都市の中で、いち早くパートナーシップ宣誓制度を4年前に導入しました。あわせて、LGBTに関する企業への取組を推進することを目的として、LGBTフレンドリー指標制度を同時期に導入しました。この二つの制度により、市民に自分自身の身近に性的マイノリティーが存在することを認識してもらう認知度の向上、また、行政手続上の柔軟な対応は一定程度実現し、性的マイノリティー当事者の方々にも好意的に受け止めていただいていると認識しています。
現在、道内各地においても、パートナーシップ制度の導入を検討する動きが出るなど、国内、道内で性的マイノリティーへの対応が進む中、互いの個性や多様性を認め合い、誰もが生きがいと誇りを持つことができるまちの実現を目指す本市においては、性的マイノリティーの方々が安心して暮らすことのできる環境を整えるための取組をさらに進めることが肝要です。
そこで、質問ですが、性的マイノリティーに関する取組について、どのように進めていくのか、伺います。
次に、札幌の観光施策について、2点伺います。
1点目は、新たな観光施策についてです。
新型コロナウイルスの影響による観光客の減少は長期化し、札幌の基幹産業の一つである観光業への打撃は拡大しており、回復の兆しが見えない状況が続いております。現状では、観光客を誘客することは困難な状況であると認識しておりますが、感染状況が落ち着いた時期には誘客の取組を始める必要があり、海外からの観光客の入国に関しての見通しが立たない中では、まず当面の間は国内観光客の取り込みが重要であると考えます。また、コロナ禍においても、感染症に留意しつつ、より安心で快適な旅をしたいという旅行者のニーズの変化を捉え、その変化に対応したサービスの提供が求められるところであります。
我が会派では、昨年の第3回定例会において、コロナ禍における観光振興の在り方として、新たな観光ニーズとしてのワーケーションについての市の考えを伺ったところ、余暇を楽しみつつ仕事を行うワーケーションは、滞在期間の長期化や観光需要の平準化といった効果を生み出す可能性を持っており、利用者のニーズ把握や快適に働ける環境の整備を進めるなど、検討を進めていくとの答弁がありました。
昨年に比べるとワーケーションという言葉を耳にする機会も増えてきており、雑誌等でも目にすることが多くなりました。また、観光庁においては、ワーケーションに加え、出張に休暇を付随し、出張先で余暇を楽しむ、ビジネスとレジャーを組み合わせたブレジャーを推進する動きもあります。ワーケーションやブレジャーは、観光の繁忙期に人の動きを集中させることなく観光客の分散化にもつながるため、本市としても、新たな旅のスタイル、普及促進に向けた取組を強化すべきと考えます。
今後、
ワクチン接種が進むなど全国的に
新型コロナウイルス感染症が落ち着き、道内外から誘客を推進できるタイミングにおいては、出遅れることのないようしっかりと準備を進めていただきたいと考えます。
そこで、質問ですが、ワーケーションやブレジャー等の新たな観光需要への認識と、今後どのように取組を進めていくのか、お伺いします。
2点目は、定山渓地区への支援について伺います。
札幌の奥座敷と呼ばれる定山渓は、緑豊かな渓谷を有する北海道を代表する温泉地であります。札幌中心部から約1時間で温泉が楽しめることに加え、近隣の豊滝、白川には
フルーツパーク、乗馬、登山、スキー場があり、定山渓エリアは気軽に旅が楽しめるコンテンツが豊富にあります。
定山渓温泉の2015年から2019年の年間宿泊者数の平均は約120万人と、外国人観光客の利用も上昇傾向にありました。しかし、2020年2月以降は、
新型コロナウイルス感染症の影響により、インバウンドの消滅や外出自粛による国内宿泊客の減少が1年以上にわたり続いており、2020年度の定山渓の宿泊客は定山渓観光協会の調査によれば40万人程度となり、宿泊業者などの観光関連事業者に甚大な影響を与えています。
宿泊事業者の中には、規模が大きくなればなるほど維持費がかさみ、休館を余儀なくされた施設もあります。休館が長引けば、再開時にかかるメンテナンス料金は莫大な料金がかかり、廃業をする旅館もありました。出口が見えないコロナ禍において、定山渓の事業者は追い詰められている状況が続いております。温泉街の感染対策は、いち早く定山渓安心宣言を打ち出し、感染者が出ていない状況でしたが、国のGo To トラベルからの除外、道の振興施策からも札幌市は除外されたことから、関係者からは、感染対策をしっかりとしてお客様をお迎えしようとしていたのに残念だと落胆の声が寄せられています。
本市の施策により、夏の定山渓の自然を生かし、散策路の中をイルミネーションやプロジェクションで演出するネイチャールミナリエや、冬には数百個の氷でつくった雪灯路など、札幌市民が定山渓に足を運ぶ様々なイベントが実施されており、飲食店等では集客につながると喜びの声も聞いております。また、気軽に温泉気分を味わえる足湯や湯の滝、公衆トイレの改修など、観光客へのおもてなしも徐々に整い、札幌市民が気持ちよく利用できるまちとして認識されてきていると感じます。また、新しく出店したベーカリーやジェラート店は、週末になるとにぎやかな光景が見られ、新しい飲食店が出店する場としても大いに期待するところです。
一方、定山渓を訪れる観光客は、自家用車の利用が多く、日帰り客用の駐車場の分かりにくさによる路上駐車や渋滞の発生、施設の老朽化が景観を損ねるといった状況も見受けられます。
このような中、今年度、観光庁が募集した既存観光拠点の再生、高付加価値化に関する補助事業において、札幌市が定山渓観光協会の協力の下に作成した定山渓地区を対象とする計画が採択され、現在、各宿泊事業者が補助申請を行うべく準備が進められているとのことです。この国の補助制度には、老朽化施設の解体や宿泊施設の高付加価値化など、今まで手がつけにくかった事業へ着手できる内容となっており、定山渓地区が大きく変わることが可能になると期待しております。
さらに、経済産業省の事業再構築補助金を活用して、アドベンチャーツーリズムの拠点整備など、コロナ禍においても家族でキャンプやワーケーションを楽しめるエリアとして申請を行う予定の宿泊事業者もあり、新たな魅力づくりにチャレンジする動きも出てきています。定山渓温泉の経営陣も世代交代が進んでおり、若い勢いでこれらの事業に着手する今こそ、札幌市も、そのスピードに乗り、積極的に支援すべきと考えます。定山渓観光協会では、
新型コロナウイルスワクチンの職域接種も予定しており、8月末には完了する見通しであることや、今までの感染症対策の徹底ぶりを考慮し、クーポン事業の開始や再開は早期に実施すべきと考えます。
そこで、質問ですが、国の補助制度の状況に鑑み、今後どのように定山渓地区を支援していくのか、伺います。
最後に、教員を取り巻く課題の解決に向けた取組についてです。
教員を取り巻く環境は、グローバル化、情報化、少子高齢化など社会構造の変化に伴い、学校現場を取り巻く環境も大きく変化しており、GIGAスクール構想、インクルーシブ教育など、時代の変化に合わせて教員に求められる能力も多岐にわたり、新たに学ぶことが増えています。
2019年1月に発表した文部科学省の調査によると、小学校教員の約3割、中学校教員の約6割が月に80時間以上の時間外労働をしているというデータがあります。学習指導要領の改訂などに伴い、既存の業務の見直しが行われず、新たな業務が増えていく環境下において、
新型コロナウイルス感染症が拡大したことで学校現場には大きな影響が出ています。
全国におけるいじめ、不登校、暴力行為、小・中学生の自殺者数が2020年度は例年と比較して増加傾向にありますが、コロナ禍において変化を余儀なくされた日常生活におけるストレスなどにより、子どもたちが強く不安を感じていることがこういった数字にも表れているのではないかと推測されます。子どもが大きな不安を抱えるときには、一人一人のサインに気づき、不安に寄り添った対応が求められます。
しかし、教員は、コロナ以前から長時間労働であり、加えて、コロナ禍における行事の見直し等、例年にない学校対応を迫られており、教員がきめ細かく子どもと向き合い、寄り添って時間を確保することができない状況が懸念されます。
かねてより、我が会派は、教員の負担軽減や長時間労働対策について議会で提言をしてきました。
本市教育委員会は、札幌市立学校における働き方改革に向けた指針を策定し、指針を踏まえ、市教育委員会内にワーキンググループを設置したほか、スクールロイヤーの配置、夏季休校日の設定、転送電話の設置など、教員の職場環境の向上に取り組んできているところです。
しかし、2020年度の時間外勤務は、依然として月約40時間であり、長時間労働の解消に向けて教職員の働き方改革、業務改善を進めていくことが急務と考えます。長時間労働は、目の前にいる子どもたちと向き合う時間を確保できないことに加え、学校現場が厳しい環境下にある職業というイメージが広まり、学生が教員を敬遠する動きも見られ、教員の確保という観点からも大きな問題となっています。実際に、全国の2021年度採用の選考検査の総受験者数、合格倍率ともに減少傾向にあります。
札幌市教育委員会においては、様々な取組が功を奏し、昨年度の全体の受験倍率が3.7倍と、文部科学省が発表した倍率以上の数値を維持しているものの、年々、受験倍率は低下しており、こうした課題に対して適切に対応しなければ教員の質の低下につながりかねません。教員を取り巻く環境は、地域部活動への移行や義務教育学校の設置など、これからも多くの変化が想定されることから、市教育委員会においては、柔軟かつ迅速な対応が必要と考えます。
そこで、質問ですが、教員を取り巻く様々な課題に対してどのように取り組むのか、教育長の考えを伺います。
以上で、私の質問を全て終わります。ご清聴いただき、ありがとうございました。(拍手)
○副議長(峯廻紀昌) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で12項目、ご質問をいただきました。私からは、1項目めの市政運営方針について、2項目めの財政運営について、3項目めの
新型コロナウイルスの
ワクチン接種についてお答えをさせていただきます。その余のご質問に関連いたしましては、担当の副市長、そして教育長からお答えをさせていただきます。
まず、1項目めの市政運営方針についてお答えをいたします。
まず、(仮称)第2次札幌市まちづくり戦略ビジョン策定についてであります。
今後のまちづくりにつきましては、少子高齢化と人口減少に対応しつつ、誰もが健康で活躍し続ける社会をつくっていくことや、自然災害の発生や感染症拡大を踏まえ、ICT等の活用によって、
社会経済活動の利便性や継続性を向上させていくことが重要だと認識をしております。
これらの課題認識から、審議会には健康やICT、防災などの有識者にもご参画をいただいており、札幌の次なる100年の土台となる10年のまちづくりの方向性を示唆する答申をいただきたいと考えているところであります。
また、次期の戦略ビジョンは、持続可能な社会の実現に向け、多岐にわたる分野で調和ある発展が必要でありますことから、その策定方針において、幅広い課題を掲げるSDGsの視点を反映することとしたところでもあります。このため、SDGsの理念やゴールを踏まえた目標設定や、社会、経済、環境の3側面の連動による総合的な課題解決に向けた分野横断的な検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、アクションプラン2019の進捗についてであります。
計画全体といたしましては、政策目標の実現に向けた取組を着実に推進しているところでありますが、感染症の拡大に伴い、一部の計画事業については見直しを余儀なくされており、各種イベントなど、特に産業・活力分野においては計画事業の進捗に影響が生じているところであります。
このような中、感染拡大の防止や事業の継続に最優先に取り組むとともに、新たな日常への転換を図るため、テレワークの推進や、小・中学校への1人1台端末の導入など、デジタル化の促進にも注力をし、社会経済情勢の変化に柔軟に対応してきたものと考えております。
今後も、計画事業の進捗を検証するとともに、感染症による市民生活や市内経済への影響も踏まえ、計画事業の見直しや新たな事業の実施により、複雑多様化する地域課題や市民ニーズに的確に対応し、政策目標の実現を目指してまいりたいと考えております。
次に、2項目めの財政運営についてお答えをいたします。
1点目の財政調整基金の残高に対する認識についてであります。
令和3年度当初予算とこれまでの補正予算において、財政調整基金から計92億円を取り崩すこととした結果、令和3年度末の残高は、現時点で64億円となる見込みであります。
現在、令和2年度決算を精査中でありますが、
新型コロナウイルス感染症の影響により一部事業の規模が縮小したことなどから、一定程度の決算剰余金が生じる見込みであります。このため、法令で定められている決算剰余金の積立てを勘案しますと、財政調整基金の残高はある程度回復する見込みであり、今後も、不測の事態に対応するため、適切な水準を維持してまいりたいと考えております。
次に、今後の財政運営についてでありますが、現下の感染状況を踏まえますと、引き続き、
感染拡大防止と市民生活及び市内経済の維持、回復を最優先に機動的に対策を実施していく必要があり、今後も、財政調整基金のさらなる活用を含め、ちゅうちょなく財政出動を行っていく考えであります。
加えて、アクションプラン2019で計画化された事業につきましては、社会経済情勢の変化に柔軟に対応しつつ、所期の目的を確実に達成できるよう取り組んでまいります。
これらに必要な財源を確保するため、事業の実施時期の見直しや経費の精査、節減に取り組むとともに、国に対しましても、
地方創生臨時交付金の増額など、さらなる財政措置の拡充を要望してまいりたいと考えております。
次に、3項目めの
新型コロナウイルスの
ワクチン接種についてお答えをいたします。
まず、
ワクチン接種を円滑に進めるための組織体制の構築についてであります。
今年の1月1日付で7名の職員で構成する
ワクチン接種の担当部署を立ち上げ、以降、高齢者接種の7月末完了に向け、適宜、職員の増員を図ってきたところであります。6月には、基礎疾患を有する方々への接種の枠組みや集団接種会場の拡大などを検討するため、さらに職員を増員し、現在、35名体制となっております。また、日常的に生じる医療機関との連絡や調整を図るため、庁内から20名程度の応援職員を動員するとともに、他部局においても、ワクチンロスゼロセンターの開設や高齢者施設の接種調整などを担い、まさに全庁一丸となって接種事業を推進しているところであります。
今後の接種能力と接種の前倒しについてでありますが、札幌市では、これまで三つの集団接種会場を設置し、週3万回の接種能力を確保したところであります。さらに、接種の加速化を図るために、7月17日から、つどーむに4か所目の集団接種会場を設置し、最大で週2万回の接種能力の追加を見込んでおります。
また、札幌市医師会の協力の下、個別医療機関での接種拡大にも取り組み、週8万回の接種能力を確保したところであります。8月末までには全市民の5割が接種できる接種能力の確保を目指すとともに、着実にワクチン供給が行われるよう、国に要請をしてまいりたいと考えております。
次に、予約や接種状況に応じた接種の前倒しについてでありますが、今後、
感染拡大防止を図っていくためには、高齢者はもとより、16歳以上64歳以下の方への接種を早めていく必要があるものと考えております。
そこで、今後は、予約の空き状況などに応じて、順次、予約受付を開始することとし、まずは、予約に必要な接種券を16歳以上64歳以下の市民の皆様に、7月13日から一斉に送付することとしております。これによりまして、ご自身が予約可能となったタイミングですぐに予約システムにアクセスしていただくことが可能になりますことから、接種の効率化や加速化につながるものと考えているところであります。
私からは、以上です。
○副議長(峯廻紀昌) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな5項目めの大規模災害の発生に備えた対応について、6項目めの札幌市出資団体の在り方に関する基本方針に基づく行動計画について、7項目めの困難を抱える方々への支援について、8項目めの介護人材の確保について、そして、9項目めのヤングケアラーへの支援に向けた今後の取組についての5項目についてお答え申し上げます。
まず、5項目めの大規模災害の発生に備えた対応についてでございますが、近年、激甚化、頻発化する災害に備え、要配慮者利用施設における円滑かつ迅速な避難体制を確保するためには、施設管理者等による避難確保計画の策定や訓練の実施を支援することが重要と認識するところでございます。
避難確保計画の策定につきましては、令和2年度末で札幌市における要配慮者利用施設約2,400施設のうち、約6割で策定済みでございまして、残り4割に対し、計画の作成要領を提供するなど、年度内の計画策定と訓練の実施を働きかけているところでございます。また、今年4月に水防法を含む流域治水関連法が改正されたことにより、施設管理者等は、計画策定に加え、計画に基づき行われる訓練の実施状況を市町村長へ報告することが義務化されたところでございます。
今後は、常に避難確保計画の策定や更新、訓練の実施状況などを把握し、助言、勧告を行えるよう、先ほど要配慮者利用施設数を2,400と申し上げましたが、こうした多数の施設の管理者等と効率的かつ持続的に情報を共有できる体制づくりを進めてまいりたいと考えるところでございます。
次に、6項目めの札幌市出資団体の在り方に関する基本方針に基づく行動計画についてでございますが、
新型コロナウイルス感染症の影響については、一部の出資団体において、貸し館収入の減少による経営状況の悪化など、大きな影響が出てきているところでございます。出資団体は、市の施策を補完、代行する目的で札幌市が主体的に設立した団体でございますことから、引き続き、まちづくりのパートナーとしての重要な役割を担っていただくことが肝要でございます。
このため、次期行動計画につきましては、感染症の影響による社会経済情勢の変化や各団体の決算状況を踏まえるとともに、団体の自立性を高めつつ、市の施策との連携を進め、団体を有効に活用するという方針の下、年内に次期行動計画を策定することといたしたいと考えているところでございます。
次に、7項目めの困難を抱える方々への支援についてのうちの1点目、子どもの生活実態調査についてでございますが、10月に実施予定のアンケート調査では、子どもと保護者を合わせて1万人以上に対し、前回調査した就業や家計、子どもの学習や居場所などに加えまして、
新型コロナウイルス感染症の影響など、子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた調査項目を想定しているところでございます。また、支援団体や困難を抱える子どもへのヒアリングを併せて実施することにより、アンケート調査だけで捉え切れない生活実態を把握していきたいと考えております。
次に、2点目の次期子どもの貧困対策計画策定の進め方についてでございますが、現在の計画による取組を通じまして、困難を抱える子どもや家庭について、社会的孤立や貧困の見えにくさ、困難の複雑化や長期化傾向について課題として再認識しているところでございまして、今後、これらの課題を踏まえ、実態調査の対象や項目の検討を行い、子どもの貧困の実態をしっかりと把握した上で、有識者会議のご意見も伺いながら計画の策定作業を進めてまいりたいと考えております。
3点目の困難を抱える若者への支援についての質問でございますが、困難を抱える若者にとっては、家庭や学校とは異なる対人関係の中で、社会性や豊かな人間性を育んだり、困難に直面したときに安心して支援を受けることができる居場所が重要であると認識するところでございます。
札幌市では、こうした居場所の一つである若者支援施設において、若者同士の仲間づくり、また、進路や人間関係など様々な悩みを持つ若者に歩み寄りながら、社会的自立に向けて支援しているところでございます。
また、「いとこんち」、いとこの家という意味での「いとこんち」でございますが、この事業は、家庭生活などに困難を抱える若者が家庭的な雰囲気の中で過ごすことができるとともに、専門的な支援につなぐことができる居場所として大切な役割を果たしていると認識するところでございます。
今後も、若者の抱える様々な困難な状況に応じて居場所の利用を進めるとともに、地域における関係機関や団体との連携をより一層広めながら、若者の思い、悩みに寄り添った支援に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、8項目めの介護人材の確保についてのご質問でございますが、介護人材の確保につきましては、良質な介護サービスを安定的に提供していく上で重要な課題であり、コロナ禍であっても継続して取り組む必要があると強く認識するところでございます。
札幌市では、介護職のイメージアップ啓発、人材確保支援、人材定着支援の三つの視点での取組を実施しているところでございまして、本年度は、中学生、高校生向けの啓発冊子の作成、配付に加え、オンラインを活用した採用力向上セミナー、就職説明会、職場環境改善研修等の実施を予定しているところでございます。
また、コロナ禍で離職等を余儀なくされた求職者に対しては、昨年度より実施しているさっぽろ給付金付き再就職支援事業において、介護職へのキャリア転換を積極的に支援しているところでございます。
今後も、外部環境の変化に適切に対応しながら、介護人材不足の解消につなげてまいりたいと考えております。
次に、2点目の将来的な介護人材の確保と定着に向けた施策についてでございますが、札幌市では、既に生産年齢人口は減少に転じているため、将来の介護人材不足に対しては、人材の確保の取組に並行して、介護現場の負担軽減のため、業務効率化の取組が必要であると認識するところでございます。
このため、介護現場におけるAI、ICT化の支援に加えて、介護職員等の業務を洗い出し、専門性に応じた役割分担を目的に、介護助手といった職種の雇用を進め、また、地域の高齢者など多様な人材の参入を促す等、業務効率化を進める事業者に対しての支援を検討しております。具体的には、事業者向けに研修の実施や、札幌市ホームページにおいて導入に向けたノウハウや好事例の情報を掲載するほか、介護助手等の多様な働き方を紹介するPR動画を作成する予定でございます。
今後は、こういった取組の効果を評価し、改善を図りながら継続的に実施することで介護人材の確保につなげてまいりたいと考えるところでございます。
最後に、9項目めのヤングケアラーへの支援に向けた今後の取組についてのご質問でございますが、国が行った実態調査では、子ども本人にヤングケアラーという自覚がない者が多く、子どもらしい生活が送れないばかりか、誰にも相談できず、自分一人で抱えているという状況がうかがえるところでございます。子どもたちが自分らしく伸び伸びと育っていくためには、行政や学校をはじめとした関係機関・団体等が連携してヤングケアラーを早期発見し、適切な支援につなげていくことが重要と改めて認識するところでございます。
ヤングケアラーに関する情報共有や実態把握につきましては、札幌市におきましても、昨年8月から保健福祉局、子ども未来局、教育委員会などの関係部局が連絡を図っており、国の実態調査結果を受けて、本年秋の実態調査の実施に向けて具体的な検討を行っているところでございます。
国のプロジェクトチームの報告書では、ヤングケアラーの支援に向けて、早期発見・把握、支援策の推進、社会的認知度の向上の三つを施策の柱としておりまして、札幌市におきましても、実態調査結果と本市の実情を踏まえた対策を早急に検討し、支援に取り組んでまいりたいと考えるところでございます。
私からは、以上でございます。
○副議長(峯廻紀昌) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、4項目めの都心部のまちづくりにおけるエネルギー政策についてお答えをいたします。
都心部における熱供給事業は、これまでも、民間都市再開発事業の機会を捉え、熱導管ネットワークの拡充や、コジェネを導入した災害に強いエネルギーセンターの整備などの取組を進めてきたところでございます。加えて、再開発などの計画段階におきまして新たな事前協議制度を令和4年度までに構築することとしており、容積率の緩和制度も活用しながら、地域熱供給への接続利用やエネルギーセンターの整備を一層推進していく考えでございます。
このような取組を熱供給事業者と協働で進めることによりまして、都心におけるまちづくりと連携した低炭素で強靱な熱利用を展開してまいります。
私からは、以上でございます。
○副議長(峯廻紀昌) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) 私からは、大きな10項目めの性的マイノリティーに関する取組について、11項目めの札幌の観光施策についてご答弁を申し上げます。
まず、10項目めの性的マイノリティーに関する取組についてであります。
性的マイノリティーの方々が安心して暮らせるまちになるためには、広く社会全体の理解を深めていくことが大変重要と認識をいたしております。
札幌市では、平成29年度のパートナーシップ宣誓制度の導入を契機として、当事者の方を招いて経験を語ってもらう市民向けのセミナーや出前講座の開催など、市民の理解促進に向けた啓発を行ってきたところでございます。今後は、これまでの取組に加えまして、経済団体等との連携を図り、当事者やその支援者の活動に企業等の参画を促すことで理解をさらに広めていくなど、性的マイノリティーの方々の生きづらさの解消に向けて積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。
続きまして、11項目めの札幌の観光施策についてであります。
まず、1点目の新たな観光施策についてでありますけれども、札幌は、高い都市機能を備えながら、豊かな自然が近接し、四季を通じたアクティビティーや食、観光資源に恵まれておりますことから、ワーケーションやブレジャーの目的地として高い可能性を持つものと認識をいたしております。
そこで、昨年度、先進的な自治体の取組や企業の動向等を調査するとともに、市内宿泊施設のワーケーション環境の改善を進める設備整備等への支援を進めてきたところであります。今後は、札幌におけるワーケーション等の魅力や充実した環境を広く発信するとともに、観光振興のみならず、企業や人材の誘致に生かしている自治体の例も参考にしながら首都圏の企業に働きかけるなど、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、2点目の定山渓地区への支援についてであります。
定山渓は、札幌の重要な観光地でありまして、市民はもとより、国内外からこれまで多くのお客様をお迎えしてまいりましたけれども、現在は
新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けているものと認識をいたしております。
これまでも、市独自の宿泊促進キャンペーンのほかに、定山渓観光協会が実施する宿泊促進や
感染拡大防止の取組への支援を行いながら、老朽化した観光関連施設の整備など地域課題への対応について、地域と意見交換を重ねながら丁寧に進めてきたところでございます。
今後も、地域の事業継続に資する支援を十分に行いつつ、感染状況を注視しながら、集客促進策を機動的に進めるとともに、さらに、景観改善や富裕層対応など温泉地の魅力を高める施設整備について、国の事業の活用も図りながら進めてまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○副議長(峯廻紀昌) 檜田教育長。
◎教育長(檜田英樹) 私からは、大きな12項目めの教員を取り巻く課題の解決に向けた取組についてお答えをさせていただきます。
教育委員会といたしましては、近年の社会状況の変化に加えまして、
新型コロナウイルス感染症の対応に伴い、教員の負担が増していることは課題であるというふうに認識しておりまして、教員を目指す人材の確保等にも影響を及ぼすおそれがあるというふうに捉えているところでございます。
そのため、教員の負担軽減につながる好事例の共有でありますとか、ICTを活用した校務の効率化など働き方改革を進めているほか、大学と連携して学生にも早い段階から教職の魅力を伝える取組なども始めたところでございます。
今後も、様々な変化に、業務の見直しを図るきっかけというふうに捉えまして、教育委員会、学校が一体となって課題の解決に取り組み、教員がゆとりを持って子どもたちと向き合える環境づくりに努めてまいります。
以上でございます。
○副議長(峯廻紀昌) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日7月2日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(峯廻紀昌) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
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○副議長(峯廻紀昌) 本日は、これで散会します。
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散 会 午後4時31分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 細 川 正 人
副 議 長 峯 廻 紀 昌
署名議員 北 村 光 一 郎
署名議員 田 島 央 一...