札幌市議会 2020-10-01
令和 2年第 3回定例会−10月01日-04号
議案第7号 令和元年度札幌市
下水道事業会計剰余金処分及び決算認定の件
議案第8号 令和2年度札幌市
一般会計補正予算(第6号)
議案第9号 令和2年度札幌市
国民健康保険会計補正予算(第3号)
議案第10号 令和2年度札幌市
病院事業会計補正予算(第4号)
議案第11号 札幌市税条例の一部を改正する条例案
議案第12号 札幌市
控除対象特定非
営利活動法人の指定の基準、手続等に関する条例及
び札幌市
控除対象特定非
営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例
案
議案第13号 札幌市
国民健康保険条例等の一部を改正する条例案
議案第14号 札幌市
道路占用料条例及び札幌市
法定外道路条例の一部を改正する条例案
議案第15号 札幌市
土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例案
議案第16号 札幌市
建築基準法施行条例の一部を改正する条例案
議案第21号 財産の取得の件(
教育用コンピュータ・システム(
児童生徒用))
議案第22号 財産の処分の
件議決変更の件(
工業団地用地)
議案第23号 損害賠償及び和解に関する件
議案第24号 市道の認定及び変更の件
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〇出席議員(68人)
議 長 五十嵐 徳 美
副 議 長 桑 原 透
議 員 小須田ともひろ
議 員 藤 田 稔 人
議 員 小 田 昌 博
議 員 三 神 英 彦
議 員 恩 村 健太郎
議 員 水 上 美 華
議 員 田 島 央 一
議 員 あおい ひろみ
議 員 たけのうち有美
議 員 うるしはら直子
議 員 くまがい 誠一
議 員 森 山 由美子
議 員 千 葉 なおこ
議 員 佐 藤 綾
議 員 村 山 拓 司
議 員 村 松 叶 啓
議 員 松 井 隆 文
議 員 中 川 賢 一
議 員 成 田 祐 樹
議 員 かんの 太 一
議 員 岩 崎 道 郎
議 員 松 原 淳 二
議 員 竹 内 孝 代
議 員 わたなべ 泰行
議 員 長 屋 いずみ
議 員 佐々木 明 美
議 員 吉 岡 弘 子
議 員 田 中 啓 介
議 員 川田 ただひさ
議 員 阿部 ひであき
議 員 伴 良 隆
議 員 小 竹 ともこ
議 員 北 村 光一郎
議 員 中 村 たけし
議 員 林 清 治
議 員 前 川 隆 史
議 員 小 口 智 久
議 員 好 井 七 海
議 員 丸 山 秀 樹
議 員 池 田 由 美
議 員 太 田 秀 子
議 員 村 上 ひとし
議 員 飯 島 弘 之
議 員 こじま ゆ み
議 員 佐々木 みつこ
議 員 よこやま 峰子
議 員 細 川 正 人
議 員 村 上 ゆうこ
議 員 山 口 かずさ
議 員 しのだ 江里子
議 員 峯 廻 紀 昌
議 員 福 田 浩太郎
議 員 國 安 政 典
議 員 小 形 香 織
議 員 石 川 さわ子
議 員 長 内 直 也
議 員 山 田 一 仁
議 員 こんどう 和雄
議 員 高 橋 克 朋
議 員 勝 木 勇 人
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 三 上 洋 右
議 員 武 市 憲 一
議 員 ふじわら 広昭
議 員 大 嶋 薫
議 員 小 野 正 美
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〇欠席議員(0人)
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〇説明員
市 長 秋 元 克 広
副 市 長 町 田 隆 敏
副 市 長 吉 岡 亨
副 市 長 石 川 敏 也
危機管理対策室長 荻 田 葉 一
総 務 局 長 平 木 浩 昭
まちづくり政策局長 小 西 正 雄
財 政 局 長 福 西 竜 也
市民文化局長 川 上 佳津仁
保健福祉局長 佐々木 美香子
経済観光局長 村 山 英 彦
環 境 局 長 佐 藤 博
建 設 局 長 小 林 安 樹
教育委員会教育長 長谷川 雅 英
選挙管理委員会委員 畑 瀬 幸 二
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〇
事務局出席職員
事 務 局 長 泉 善 行
事 務 局 次 長 奥 村 俊 文
総 務 課 長 庄 中 将 人
議 事 課 長 川 村 満
議 事 係 長 佐 藤 善 宣
書 記 高 橋 陽 平
書 記 吉 田 亮 太
書 記 酒 井 彰 悠
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開 議 午後1時
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○議長(
五十嵐徳美) ただいまから、本日の会議を開きます。
――
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○議長(
五十嵐徳美) 本日は、67人の議員が登庁しておりますが、
新型コロナウイルス感染防止対策のため、議場への出席議員を調整して行います。
ただいまの
出席議員数は、35人です。
その他の登庁議員は、控室にて視聴しております。
――
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○議長(
五十嵐徳美) 本日の
会議録署名議員としてよ
こやま峰子議員、
佐々木明美議員を指名します。
――
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○議長(
五十嵐徳美) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(泉善行) 報告いたします。
勝木勇人議員は、所用のため、本日の会議を遅参する旨、届出がございました。
本日の議事日程、
質問順序表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
――
――――――――――――――――――
○議長(
五十嵐徳美) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第1号から第16号まで、第21号から第24号までの20件を一括議題とします。
昨日に引き続き、代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
小田昌博議員。
(
小田昌博議員登壇・拍手)
◆
小田昌博議員 私は、
自由民主党議員会を代表し、一昨日の松井議員の代表質問に引き続き、本定例会に上程されております諸議案並びに市政の諸課題につきまして、順次、質問させていただきます。
最初に、
都市づくりの方向性について伺います。
まず、
丘珠空港についてであります。
札幌市は、平成28年度より、北海道とともに、
丘珠空港の利活用について検討してきたところであり、また、先般、
地域経済発展のために活動している
北海道経済連合会から、市長宛てに、未来の世代につなぐ
丘珠空港の将来像の実現に向けた提言書が提出されたところであります。
この提言書においては、コロナ禍にて深刻なダメージを受けている
北海道経済の中にあって、感染収束後の
持続的発展を遂げるためにも、来道者の玄関口として大きな役割を空港が担うべきとして、
丘珠空港における滑走路長2,000メートル以上の延伸や
空港ターミナルエリアの新設などを提言しております。また、昨年度から今年度当初にかけ、
札幌丘珠空港利活用検討委員会において作成された報告書が公表され、滑走路の延長、
空港ターミナルエリアの機能充実の検討が提案されたところであり、経済界のみならず、市民、
空港周辺地域住民や有識者など、多くの方々から空の移動が格段に身近になるものと期待が寄せられています。
我が会派は、かねてより、
丘珠空港が、札幌市のみならず、北海道の
経済活性化や観光振興に大きく寄与するものであるとともに、市内から距離のある新千歳空港の
リスク分散の意味からも重要であると主張してきました。現在のコロナ禍の状況下においても、これまで進めてきた
丘珠空港の
利活用拡大に向けた動きを止めてはならず、
プライベートジェットの利用拡大をはじめ、
医療活動面では、札幌の
高度専門医療機関での治療を要する道内各地の患者が冬期間も利用できるジェット機の通年運航可能な滑走路を確保すべきであり、さらには、我が会派として国へ要望を続けております
防災拠点空港としての役割も重要と考えます。
こうしたことから、札幌市は、
北海道経済連合会からの提言書と
札幌丘珠空港利活用検討委員会からの報告書を重く受け止め、
丘珠空港のより一層の利活用と機能向上に向け、力強く前進すべきと考えます。
そこで、質問ですが、市長は、
丘珠空港の将来あるべき姿や役割をどのように認識しているのか、また、滑走路の延長についてどのように考えているのか、伺います。
次に、東区の強みを生かした本市の将来構想について伺います。
ただいま申し上げましたように、
丘珠空港が持っているポテンシャルは極めて大きなものがあり、さらに、東区が有する他の様々な財産をいかに効果的に活用、連動させ、札幌市全体の将来の発展につなげていくべきかを真剣に議論することは極めて有効であり、また、そういう時期に来ていると考えます。そこで、あえて、東区住民として、東区の未来を市民と共有し、今後の
まちづくりに前向きな推進を図るためにも、私なりの構想を少し語っていきたいと思います。
東区においては、
都市計画マスタープランにおいて
地域交流拠点として位置づけられている
地下鉄東豊線栄町駅周辺と
丘珠空港との関係や、さらに、
高次機能交流拠点として位置づけられているさとらんどや
モエレ沼公園と連動した地域の
にぎわい創出をイメージしていくことが有効ではないかと考えます。
特に、今後、
丘珠空港の役割が増すのであれば、それを土台とした
活性化議論を展開し、市民の利便性の向上と魅力ある
地域づくりを推進することが重要と考えることから、一つ目の構想として、空港を中心とした新たな
交通システムの導入を考えます。
地域交流拠点であります
地下鉄南北線麻生駅から
東豊線栄町駅、つどーむ、
丘珠空港、さとらんど、
モエレ沼公園を結ぶモノレールなど、新交通の導入による利便性のにぎわいの創出は、空港への
アクセス性の向上だけにとどまらず、周辺地域の活性化の起爆剤になり得るものと考えます。
二つ目は、昨年、3定の
決算特別委員会でも質問いたしました、
航空機産業の促進を含めた空港周辺における産業の育成であります。空港の利用が拡大することにより、地域において、各種産業の利便性が著しく向上し、新たな投資を誘引し、企業の立地や雇用が促進される可能性が大きくなるものと考えます。
三つ目は、にぎわいの創出としても期待されるさとらんど及び
モエレ沼公園の活用であります。これまでも、市民の憩いの場として年間150万人程度の方々が利用されておりますが、郊外にあるため、自家用車での利用が多く、先ほど述べた新
交通システムを導入することで利便性が飛躍的に向上し、さとらんどにおいては農産物等の販路拡大が期待され、現在のさとらんど
センター等を活用した道の駅構想なども有望ではないかと思われ、また、現在、北海道・北東北の
縄文遺跡群の
世界遺産登録が進められているさなかであり、さとらんど内の遺跡公園を活用した学習や観光の戦略も考えられます。また、
モエレ沼公園については、周辺の
スポーツ施設、特に
硬式野球場の整備について、高校野球の聖地として、また
野外コンサート等も行える施設とすることにより、利用者や雇用の拡大につながるものと考えます。
以上、私なりの東区の地域の財産を活用した本市の将来構想について長々と語りましたが、区民のための
まちづくりについて、市が主体的に
まちづくりのイメージを持って市民のニーズを的確に把握し、理想的な
まちづくりはどのようなものであるか検討し、一歩ずつ住民が望む
まちづくりに近づけることが、市、さらには市長の使命でもあると考えますが、今回述べました東区の強みを生かした本市の将来構想に対し、市長はどのような認識をお持ちになるか、伺います。
次に、
新型コロナの影響を踏まえた都市計画の見直しについて伺います。
今般の
新型コロナ危機においては、いわゆる密を避ける生活様式が求められ、これまでの働き方や住環境などについて様々な議論が行われるようになりました。こうした状況を踏まえて、
国土交通省は、
新型コロナ危機を踏まえた新しい
まちづくりの方向性の検討に着手しており、今後、都市の在り方にどのような変化が起き、
まちづくりはどうあるべきか、幅広い観点からの検討を始めたと聞いております。
また、
新型コロナウイルスの影響に対応する具体の緊急措置として、道路占有の許可基準が緩和され、本市においても、狸小路で屋外空間を使った
テラス営業が実施されるなど、密を避け、
感染拡大防止と経済活動の両立を図る新しい取組も進められております。さらに、一例を挙げますと、ワーク・ライフ・バランス、地域の活性化、働き方改革といった課題をまとめて解消する動きとして、大都市圏から地方への期間限定の移住やワーケーションなどの行動も見られます。
我が会派は、さきの第2回定例会において、
新型コロナの影響に伴う札幌市の姿勢について質問し、明らかになってきている様々な課題や今後の社会変化を十分に踏まえ、
次期まちづくり戦略ビジョンにおいては持続可能な
まちづくりの在り方を検討していくとの答弁をいただきました。
これまでの
まちづくりにおいては、暮らしやすい都市環境の向上を目指して、コンパクトな
まちづくりを進めてきたところでありますが、今後は、これに加えて、都市の過密の回避や新しい生活様式への対応など、健康や生活を重視したゆとりある
まちづくりが求められるようになると考えます。
そこで、質問ですが、市民がこれからも安心して生活し、
社会経済活動を営むことができる持続可能な都市の実現のため、現在進めている
都市づくりが手戻りとならないよう、事業の継続性にも配慮しつつ、関連する都市計画について必要な見直しに着手すべきと考えますがいかがか、見解を伺います。
次に、
まちづくりとしての
バスネットワーク確保についてです。
市民にとって身近な交通手段であるバスは、ふだんの暮らしや地域の
まちづくりを支える基盤として必要不可欠なサービスですが、人口減少や
運転者不足、そして
バス事業者の赤字運営など、
バスネットワークを取り巻く環境はますます厳しくなっています。その上、
新型コロナウイルスの感染拡大による
バス利用者の激減で、
民間バス事業者の経営は急速に悪化しており、さらに、今後の新生活様式における移動の変化も重なれば、各バス路線はいつ廃止されてもおかしくない状況にあります。
本市としても、
バスネットワークの
安定的維持に向け、赤字路線に対し
補助金交付を行い、また、コロナ禍への対応として、7月には、
バス事業者に対し、
緊急支援金を交付したところであり、まずは、コロナ禍でさらに疲弊している
民間バス事業者をしっかりと支え、
バスネットワークに大きな穴が空かないようにしなければなりません。
しかし、
バス運転者不足など厳しい現状を踏まえますと、事業者への金銭的な支援だけではなく、これまでにない新たな考え方や取組が必要であり、
バスネットワークを確実に維持できる仕組みを構築すべきであります。
バスネットワークに関する課題は、人口減少や高齢化など、様々な
社会的要因が地域ごとに絡み合って発生しますから、交通問題という面だけでは抜本的な解決策を見いだすことは極めて困難であります。したがって、交通分野だけでなく、福祉や教育、
行政サービスなど、誰もが安心して暮らすためには、地域ごとにどのような機能を必要としているのかという地域の
まちづくりとして取組を進めるべきであり、そのためには、庁内組織の様々な部門が持続可能な生活圏という大目標を同じくし、大きく広い視点で組織横断的に取り組まなければなりません。
そこで、質問ですが、
バスネットワークを取り巻く環境の厳しさが増す中、
バスネットワークを確保し、暮らしやすさを充足するためには、広く
まちづくりの観点で取り組むべきですが、いかがお考えか、また、
バスネットワークを確保するための具体的な取組について、併せて市長に伺います。
次に、地域の生活に即した
まちづくりについて伺います。
まず、
区役所機能の強化についてであります。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、従前からの
ライフスタイルが、新しい生活様式に見詰め直す機会となり、その実践が
感染拡大防止につながるものとなってきております。行政においても、
テレワークやZoomの利用など
リモートワークが推奨されることとなり、満員電車に乗って都心部に通勤する方も減少するなど、今後、市民の日常生活も大きくさま変わりするものと思われます。
このような状況は、我が国における東京一極集中の是正と多極分散型の国土構造の構築と同様に、北海道内における札幌一極集中の是正、札幌市内における都心部一極集中の是正など、長年にわたる都市課題に積極的に取り組むことが必要な時期が到来したものと言えます。
本市における都心部一極集中の是正、すなわち、10の行政区の機能を強化し、住民の利便性を向上させることが重要であり、そのためには、住民に身近な行政区の在り方を検討し、必要な対策を講じるとともに、17か所の
地域交流拠点の
まちづくりをより一層推進し、職住近接の
ライフスタイルを追求することも重要な課題であると考えます。
そこで、質問ですが、住民に身近な意思決定を可能にするため、今後、各区役所においてどのように取り組み、それを政策として実現していくのか、また、そのために各区役所の権限をどのように強化し、
都市内分権を推進するのかをお伺いいたします。
次に、人口減少、
少子高齢化に伴う
空き家対策について伺います。
人口減少、
少子高齢化、生産年齢の減少に伴う経済規模の縮小が予想される社会情勢の変化を受け、目指すべき都市空間を示す全市的な指針として、平成28年に第2次札幌市
都市計画マスタープランと
立地適正化計画を策定し、持続可能な
まちづくりに向けて取組が進められております。
将来人口については、今後、中央区への一極集中が予想され、地下鉄駅周辺などの利便性の高いところであっても人口減少が進む地域があり、将来的な都市機能の低下が懸念され、また、開発時期の古い郊外地域などは、人口減少が加速し、建物の老朽化率も高い状況にあります。
このような課題を捉え、地下鉄駅周辺においては、建物用途の多様性を高め、また、
郊外住宅地においては、老朽化した住宅等が建て替えしやすくなるよう、地域の特性に合わせて
用途地域等の
土地利用計画の見直しを行い、建物の建て替えを下支えする取組を行っていることは承知しておりますが、その効果は中長期的な視点で見定めていく必要があります。
もしこのまま対策が後手に回っていくと、地域によってはさらなる人口減少を招き、人の住まなくなった住宅が地域の住環境に悪影響を及ぼすものと不安視されるものであり、札幌市は
空家等対策計画を策定し、対策に取り組んできたところではありますが、そもそも抜本的な都市計画の見直しを図り、大胆な対策を講じることが必要ではないかと考えます。
そこで、質問ですが、今後、空き家が大幅に増加する可能性がある中で、市長は
空き家対策をどう展開していこうと考えているのか、伺います。
次に、文化芸術、スポーツの今後の在り方について伺います。
まずは、
文化芸術施策と事業についてです。
このたびの
コロナ発生を契機に、本市は市内の文化芸術やスポーツについて活動制限や縮減、中止を余儀なくされるなど、難しい実情でありましたが、8月の1か月間、観光施設を無料開放したことにより、市民から市内の魅力に気づかされたという声もあるなど、市民の市民による自前の観光資源の再発掘、再発見は大変重要であると改めて確信しているところであります。
同様に、市民による市民のための文化芸術、つまり、市民により近い
文化芸術施策や事業とは何なのか、立ち止まって精査し、事業の組替えやつくり直し、または廃止するなど、事業内容を検討する時期を迎えているのではないかと考えます。
同時に、例えば、地域に埋もれた手つかずの
歴史的文化財など、これまで手薄になっていた重要な分野や案件に対して不要となったお金を少しでも充てていくなど、今こそ光を当て、力を入れ直すべきです。
本定例会では、
文化芸術関係予算について、事業の中止や縮小に伴い、約5億円の減額補正とともに、
指定管理費の追加や
芸術活動再開支援など、いわゆる
コロナ対策等で約4億2,000万円の増額補正となっています。これらを相殺すれば当初予算額とさほど差異のないものの、市民による市民のための
文化芸術活動に資する経費に絞り込み、真に必要な施策と事業に組み替え、改変する努力を行うべきであり、改めて、本当に必要不可欠な
文化芸術施策は何なのか、また、その事業を展開するにしても、その中身を精査するにはいい機会とも言えます。
そこで、質問ですが、施策や事業を精査、改変して市民の近くにあるべき文化芸術の充足をどのように図るのか、また、文化財等の地域、ふるさとのものに焦点を当てた
文化芸術分野に今後もっと注力をしていくべきと考えますがいかがか、お伺いいたします。
続いて、コロナ禍における
市民スポーツの充足と支援策についてです。
新型コロナウイルス感染拡大によって、健康維持のための運動から競技スポーツに至るまで、市民がスポーツに取り組む機会やスポーツを観戦する機会が幅広く失われてきました。我が会派にも、競技団体の方々から、通常の競技運営に加え、コロナ対策を行うことへの負担増や、新しい取組を行うことへの不安の声が寄せられている状況であります。
こうした中において、本市の基本理念、スポーツ元気都市さっぽろの目標に掲げる、市民が地域でする、みる、支えるといった様々な形で安心してスポーツに関われるように、感染症対策を講じながら施策や事業を充足し、継続していかなければなりません。そのためには、これまでの施策、事業をより市民に近いものとなるよう見直しながら、地域の市民がスポーツに関われるような機会を創出し、安全の段階を踏みながら工夫し、拡充していくなど、市民が少しでも体を動かせるスポーツに触れ、心身ともに健康で元気でいられるように、本市は着実にスポーツ振興に取り組むべきと考えます。
そこで、質問ですが、こうしたコロナ禍においても、市民がスポーツに親しむために本市はどのように取り組むべきとお考えか、また、市民のスポーツ活動を具体的にどう支援していくのかをお伺いいたします。
次に、福祉・教育施策の充実について伺います。
まず、コロナ禍における高齢者の生きがい活動への支援についてお伺いいたします。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、地域を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いており、老人クラブや各区に1か所ある老人福祉センターなどにおける高齢者の生きがい活動は、多くの方にご協力をいただき、感染防止の取組を強化しながら行われてはおりますが、新たな課題も生じているのが実態であります。
一例を申し上げますと、市内の老人クラブが活動を実施するに当たっては、各団体で実施できる感染対策を踏まえ、慎重に判断するよう札幌市からの通知もあり、市内のある老人クラブでは、近隣の公園で各会員が距離を取りながら散策する健康づくりの活動を始めたと聞いております。その一方で、これまで多くの会員が楽しみとしていた屋内での月例会や誕生会などのイベントを自粛している老人クラブがあり、今後も活動の停滞が続くことになれば会員の減少にもつながるものと懸念されるなど、活動再開と感染リスクのはざまで大変苦心されております。また、老人福祉センターでは、感染対策が可能となった活動から順次再開し、現在は入浴や教養講座、サークル活動などを実施していますが、飛沫感染や接触感染のリスクの高い一部の活動は再開できず、今後の再開を心待ちにしている方も多いと聞いております。
高齢者の孤立防止やフレイル予防、認知機能の低下を防ぐ意味でも、高齢者の生きがい活動への支援はこれまで大きな役割を果たしてきており、コロナ禍にあっても適切な支援が求められるものと考えます。
そこで、質問ですが、コロナ禍における高齢者の生きがい活動への支援について、どのようにお考えか、伺います。
次に、障がい者施策について、2点お伺いいたします。
1点目は、障がい者の就労支援についてです。
障がいのある方々が社会を構成する一員として地域の中で生き生きと自立した生活を送っていけるよう、持てる能力や感性などを発揮し、人との関わりの中で充実した暮らしを築いていくことが望まれる中、彼らに適切な就労の機会を提供することは大変重要であり、障がいの種類や程度などによって日常生活や職業生活における困難も様々であると想定されることから、国の障がい者雇用施策等を踏まえつつ、市や関係機関が連携し、適切なサポートに当たることが不可欠です。
また、ある一定の部分に障がいがあったとしても、別の面で高い才能やスキル、感性などをそれぞれお持ちであって、例えば、人とのコミュニケーションが苦手な一方でITやデザイン等のスキルが高かったり、視覚に難があるがゆえに研ぎ澄まされた耳や感覚をお持ちだったりということがあって、一人一人と向き合いながら、得意なこと、不得意なことなどについて理解を深め、能力を伸ばしていくというような考え方や仕組みが求められるものと考えます。
障がいのある方の就労は、ハローワークのみどりの窓口や学校の進路指導などを通じて実現されている一方、すぐには一般就労が難しい方などに対しては、就労移行支援などのほか、就労継続支援を利用した福祉的就労が重要な役割を果たしており、近年、市内の事業所数や利用者数も伸びていると聞いております。今後も、障がいや個々人の特性などを踏まえたきめ細かい支援や対応がより一層効果的に展開され、就労環境が充実していくことが求められます。
そこで、質問ですが、札幌市における福祉的就労の現状について、また、今後の取組について伺います。
2点目は、
新型コロナウイルス発生後の就労移行支援や就労継続支援事業所への支援について伺います。
新型コロナウイルスの感染が広がる中、障がい者の福祉を担う事業所も当然ながら感染拡大のリスクにさらされ、感染防止対策をそれぞれ独自に講じながらサービスを提供することを迫られています。この間、感染防止に係るマスク、消毒液の購入、ディスタンスの確保などといった感染対策に係るコスト負担は膨らんでいるでしょうし、事業者から伺ったところでは、通所を控える利用者に対して訪問や電話などでフォローアップしているなど、通常と異なる対応によって業務量が増加したり混乱が生じたりしているおそれもあります。
そんな中でも、コロナの不安や恐怖と日々闘い、精神的にも経営的にも極めて深刻な状況下においても、支援を必要とする方々のために営業を継続し、強い使命感を持って業務に当たってきていただいている多くの事業所に心から敬意を表したいと思います。
こうした事業所の声に耳を傾け、抱えている課題や苦労に寄り添いながら必要な支援を講じていくことが、この先、重要と考えますが、政府の支援は、感染防止対策に係る経費への若干の支援が講じられただけであり、先行きに不安を持っている事業者は少なくないのではないでしょうか。
そこで、質問ですが、
新型コロナウイルス感染拡大による事業所の現状と、それらを踏まえた支援について伺います。
続いて、障がいを持つ方の才能や可能性をできる限り生かしていくという観点から、障がいのある子どもの教育について伺います。
近年、障がいのある、なしにかかわらず、自らの可能性を伸ばすことにつながる教育の機会があらゆる子どもたちに保障されることが大変重要であるとの考えが広がり、国においては、障がいのある子どもについて、障がいのない子どもとともに学ぶインクルーシブ教育システムの構築の理念の下で、自立や社会参加に向けた主体的な取組を支援するという観点に立ち、特別支援教育に係る取組を推進しております。
これまで、札幌市においても、特別支援学級や通級指導教室などの拡充を進めるとともに、通常の学級には学びのサポーターを配置するなど、障がいのある子どもの多様な学びの環境の整備を進めてきました。
確かに、表面的には障がいのある子どもの教育の機会確保は確実に進みつつあるものの、発達障がいなど子どもの障がいが多様化する中、一人一人の教育的ニーズを十分に把握し、それぞれのよさや可能性を最大限に伸ばす教育や支援がまだ十分に行き届いていないのではないかと感ずるところがあります。
北欧のフィンランドでは、才能ある子どもの個性や能力を伸長するという観点から、教育的ニーズに応じた特別な教育を展開しており、また、アメリカにおいても、才能の可能性を最大限伸ばすことを目的として、個別の教育プログラムなどに基づいた多様な教育機会が提供されていると聞いております。我が国においても、従前の画一的な枠組みを超えて、これまで以上に個々の子どもの個性や能力を伸長することが求められており、発達障がいなど子どもの障がいが多様化する中、札幌市の特別支援教育の質の向上を図っていく必要があると考えます。
そこで、質問ですが、発達障がいなど障がいのある子どもたちに対する教育の考え方が深まっている中で、札幌市としては、今後どのように取組を進めていくつもりか、伺います。
次に、子育て環境の整備拡充について伺います。
1点目は、児童相談体制強化プランの策定状況と改定の主な視点についてであります。
児童虐待に関しては、全国的にもその通告件数は増加が続いており、札幌市においても、昨年度1年間で2,100件の児童虐待通告があり、前年度の1,497件と比べ、約4割もの増になっており、極めて憂慮すべき状態であると言わざるを得ません。
国は、児童虐待防止対策体制総合強化プランの策定、児童虐待防止法等の改正などにより、児童虐待対策をさらに進めることを求めてきており、本市においても、児童相談体制の強化について、第2児童相談所の整備や各区役所の強化など、必要な対策に、漏れなく着実に、そして迅速に取り組むため、現在、第3次プラン策定に向けた検討を行っておりますが、早期に児童相談体制強化プランを改定し、方向性を出し、計画的に進めていくことが求められております。
今年3月には、外部の専門家による昨年発生した2歳女児死亡事案の検証報告にて多くの提言と札幌市への課題が指摘されたところであり、今回、プランの改定を行い、児童虐待対策を進めるに当たっては、この検証報告での提言に対応し、決して同じことを繰り返さないことが何よりも重要であると考えます。
そこで、質問ですが、今後の指針となる第3次児童相談体制強化プランの改定に向けた検討状況と策定スケジュールを伺います。
また、その改定に向けた主な視点をどのように考えているのか、伺います。
2点目は、子育て世代への情報発信について伺います。
子育てへの負担や不安を抱えている方や、頼れる人がいないという方が潜在している現状にあっては、児童相談体制の強化のみならず、多様な方法による子育て情報の発信を通じて、子育て世代を孤立させることなく、虐待リスクを回避できるよう努めていかなければなりません。
本市が本年3月に策定した第4次さっぽろ子ども未来プランにおいては、さっぽろ子育て情報サイトやアプリのコンテンツ機能の充実を図り、積極的な情報発信を行うこととしていますが、新しい生活様式の実践に取り組んでいる現状においては、従前にも増してその重要性は高まっていると考えます。
先般、第2回臨時議会において、
新型コロナウイルス感染症対策で子育てアプリの改修に補正予算を組んで緊急的に対応したところではありますが、今また感染状況が変化してきた中、改めて、子育て世代のニーズを把握して、今後に向けたさらなる利便性の向上などに努める必要があるものと考えます。
そこで、質問ですが、さっぽろ子育てアプリ等のインターネット環境を活用した子育て情報発信について、現状をどのように認識しているのか、また、今後どのような取組を進めていくのか、伺います。
最後に、防災、雪対策について伺います。
まず、地震被害想定の検証と見直しについてであります。
北海道においては、平成以降、北海道南西沖地震、北海道東方沖地震、
十勝沖地震など大きな地震が発生しており、最近も北海道東部で地震が頻発しております。さらに、国は、日本海溝、千島海溝周辺を震源とする巨大地震の想定を公表しており、地震規模がマグニチュード9クラス、北海道沿岸に20メートルを超える津波が押し寄せるなど、大規模地震の発生が懸念されております。
一方、札幌市の地域防災計画を見ますと、札幌市に被害をもたらす震源として、海溝型の地震のほか、市内周辺や市内直下の活断層を震源とする最大震度7の地震が想定されており、今後も、最新の知見と照らし、地域防災計画において地震被害想定に基づく減災対策を継続的に進めるため、北海道胆振東部地震を契機として、地震被害想定の検証や見直しに着手していると伺っております。
今後は、札幌市地震被害想定検討委員会から専門的見地からの助言や意見をいただき、令和3年度末までに地域防災計画の見直しを行うとのことであり、我が会派としても、地震被害想定の進捗など、その動向を注視しているところであります。
そこで、質問ですが、現在のコロナ禍にあって、業務の遅延も心配されるところでありますが、地震被害想定の検証や見直しについて、現在の進捗状況と今後の見通しはどのようになっているのか、伺います。
さらに、地震被害想定の検証や見直しにおいては、北海道胆振東部地震や東日本大震災をはじめ、熊本地震などの全国各地で発生した大規模地震での検証結果や、最新の地震に関する研究成果と新たな知見を反映することが、真に防災力の強化につながるものと考えます。特に、北海道に大きな被害をもたらすと懸念される日本海溝、千島海溝周辺を震源とする巨大地震が札幌に与える影響も心配されることから、地震被害想定の検証において、多くの研究成果に基づく検証が行われ、今後の見直しに向けた方向性などが議論されてきたものと考えます。
そこで、質問ですが、これまでの地震被害想定の検証において、どのような知見が見いだされ、どのように見直しを進めていくつもりか、伺います。
次に、雪対策の将来について伺います。
近年、除排雪に関わる事業費は青天井で上昇し、市の大きな財政負担となる一方、町内会など地域の共助の仕組みは、
少子高齢化や
ライフスタイルの変化などによって疲弊し、人的にも費用的にも現在の制度を維持するのは極めて困難な状況を迎えつつあることは、市長も十分に認識のことと思います。また、主に除排雪事業を担ってきた建設事業者を取り巻く事業環境も、公共事業に対する社会の受け止め方の変化などに伴い、激変したこともあって、経営は悪化し、担い手不足、特に若年層の建設産業離れなどが深刻化し、それに伴い、当然、除排雪事業の将来に暗雲が立ち込めております。
こういった中、市では、今後の厳しい社会環境の変化を見据え、さらに、
新型コロナによりウィズコロナの新しい生活様式へと大きく時代が変わっていくであろうことなどに鑑みますと、さらにもっと新しい発想や視点を大胆に模索して、除排雪の持続性を確保していく姿勢が求められると考えます。
パートナーシップ排雪は、一昨年から実証実験に着手し、現在の制度の持続的な運用の道を探っており、その試みには一定の評価をするものの、これを言葉選ばずストレートに言えば、現状より厳しい道路状況に市民に耐えていただくことで制度の延命を図るということでもあり、手放しで歓迎できるものではありません。
財源が不足するのであれば、国に対する交付税措置の拡大に向けた働きかけをより一層強めることはもちろん、新たな財源を積極かつ予断を持たずに模索し、困難を乗り越えて実現しようという大胆で前向きな姿勢が求められるものであり、例えば、昨年3定の我が会派の中川議員の代表質問において、現在検討されている観光目的税の使途として、冬の観光地としてのレベルアップを目的に除排雪を行えるような財源検討も有効ではないかと考えますし、パートナーシップの地域負担額を何らかの年金積立てや基金のような投資運用をしていくこともアイデアとしては考えられます。
一方、除排雪を取り巻く、唯一、明るい話題と言えるのが、ICTやAIなどのイノベーションであり、この点について、我が会派は積極的に取り組んでいくようこれまでも強く主張してきており、本市でもGPSを活用した日報の電子化や、除雪機械の1人乗り化などを進めてはいますが、まだまだ十分とは受け取れない状況であります。
乗用車やトラクターなど様々な分野で自動運転の技術が目覚ましく進歩していることや、北海道開発局が立ち上げたプラットフォーム、i−Snowでも除雪機械の自動化の実証実験が進められていることなどを踏まえると、都市除雪にもこれらの技術が活用できるよう共同して取り組み、イノベーションの果実を一刻も早く除排雪の現場にどんどん取り込んでいけるよう、もっともっと積極的に動くべきであります。
そういう意味では、除排雪事業の担い手は、今や、建設産業に限らず、ICT事業者や流通事業者、エネルギー事業者など様々な分野に関わることで、多様な可能性やアイデアが創出され得るものと期待されており、かねてより我が会派で主張してきたように、雪対策は、単に建設局の事業にとどまらず、産業政策や
まちづくり政策と連動した一体的な課題として全庁横断的に取り組むべきと考えます。
今後の厳しい環境の変化を見据えた本市の除排雪を考えたとき、これまでの手法を見直すような取組では、数年間は何とか対応できたとしても、いずれ、近い将来、行き詰まることは容易に予想され、このようにもっと大胆な発想の転換をしながら、あらゆる手段に活路を求めていく姿勢が不可欠であります。
そこで、質問ですが、将来にわたり持続可能な除排雪を行い、安全、快適な市民生活の維持やにぎわいと発展を実現していくためには、単にこれまでの手法に工夫を加えるのみならず、それらにとらわれない新たな発想や視点も取り入れて活路を見いだしていくべきと考えますが、市長の危機感と今後の取組に向けた考え方を伺います。
以上で、私の質問の全てを終了いたします。ありがとうございました。(拍手)
○議長(
五十嵐徳美) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で6項目にわたりご質問をいただきました。私からは、大きな1項目めの
都市づくりの方向性について、2項目めの地域の生活に即した
まちづくりについてお答えをさせていただきます。その余のご質問に対しましては、担当の副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
まず、1項目めの
都市づくりの方向性についてお答えをいたします。
まず、1点目の
丘珠空港についてであります。
丘珠空港の利活用につきましては、これまで、市民や有識者で構成をされた検討委員会などで議論を重ねていただき、空港機能の充実や滑走路の延長等による利活用策について提案をいただいたところであります。また、オープンハウス型の市民説明会や市民1万人アンケートなどを通して、市民の方々からも同様に、より利便性の高い空港にしてほしいという多くの意見をいただいたところであります。
札幌市といたしましても、こうした利活用の推進を求める声を踏まえ、
丘珠空港の潜在能力を最大限に発揮するためにも、通年利用が可能となる滑走路の延長は必要かつ重要であると考えているところであります。
道内航空ネットワークの拠点であるとともに、道外各地とを結ぶ
丘珠空港は、ビジネスや観光利用をはじめ、防災や地域医療を支えるといった役割を担う空港であり、その期待される役割をより一層果たすことが求められていると認識をしております。今後、その役割の実現に向け、空港周辺の地域住民との意見交換を行うとともに、国や北海道など関係機関としっかりと協議をしてまいりたいと考えております。
次に、2点目の東区の強みを生かした本市の将来構想についてであります。
モエレ沼公園をはじめ、東区の様々な財産を生かして地域の魅力と活力を創造し続けていくことは、札幌市全体の観光や経済の活性化にも資する重要なことと認識をしております。
今後も、市民や議会と議論を深めながら、各地域が持つ強みを生かした
まちづくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、3点目の
新型コロナの影響を踏まえた都市計画の見直しについてであります。
新型コロナウイルスの影響によって、
テレワークの普及や密集の回避など働き方や
ライフスタイルの変化が生じており、今後の
まちづくりに一定程度の影響を与えるものと考えております。
このような中、国においては、この8月に、様々な分野の有識者の意見を基に、都市の持つ集積のメリットは生かしつつ、三つの密の回避、
感染拡大防止と
社会経済活動の両立を図る新しい
まちづくりの方向性について、その論点整理を公表したところであります。
今後も、国の動向も注視しつつ、札幌市におきましても、
新型コロナウイルスが
まちづくりにどのような影響を与えるのか見極め、それを踏まえた今後の
まちづくりについて検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、4点目の
まちづくりとしてのバス交通ネットワークの確保についてであります。
市民の移動手段として、札幌市における交通体系の一翼を担っているバス交通ネットワークは、
まちづくりを進めていく上で、その根幹の一つと認識をしております。
このため、昨今、より顕著な課題となっておりますバス運転者の不足などに加え、コロナ禍による市民の行動の変化に伴う経営環境の悪化に対応した、持続可能な
バスネットワークの在り方について検討を進めているところであります。
今後とも、各交通事業者と密接な連携を図りながら、他都市における取組事例なども踏まえ、バスのサービス水準低下の抑制や、地域特性に応じた有効な交通手段の確保に鋭意取り組んでまいります。
次に、2項目めの地域の生活に即した
まちづくりについてお答えをいたします。
まず、1点目の
区役所機能の強化についてであります。
行政区は、市民生活を支える基本的な単位であり、地域住民のニーズに沿った各区の
まちづくりの重要性は変わらないものと認識をしております。
このことは、中期実施計画であるアクションプランにおきまして、区の地域性や特色を生かした事業を個別に計画化しているほか、未来へつなぐ笑顔の
まちづくり活動推進事業において、身近な地域の
まちづくり活動の支援を行っているところであります。
また、区の予算要望システムによって区の意向を踏まえた事業を展開しているところでもあり、今後も、区民協議会や
まちづくり協議会などにおいて地域の課題について議論を重ねた上で、これらの仕組みなどを積極的に活用しつつ、区と本庁部門がしっかりと連携をしながら、区の独自性や個性を尊重した
まちづくりを進めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の人口減少、
少子高齢化に伴う
空き家対策についてであります。
空き家の増加が懸念される
郊外住宅地の
まちづくりにつきましては、
都市計画マスタープランに基づき、それぞれの地域特性を踏まえた
土地利用計画制度の運用や、地域コミュニティーの維持など、持続可能な居住環境の形成に資する取組を進めているところであります。
現在、第2次札幌市
空家等対策計画の策定を進めておりまして、外部有識者からは、新規空き家の発生を抑えるとともに、既存空き家の流通や活用の促進に一層注力していくべきとの意見もいただいているところであります。今後、当該計画にはこのような観点を盛り込み、
都市計画マスタープランなどとの整合を図りながら、総合的な
空き家対策に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは、以上です。
○議長(
五十嵐徳美) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな4項目めの福祉・教育施策の充実について、3点のご質問をいただいておりますが、その1点目と2点目について、そして、大きな5項目めの子育て環境の整備拡充のご質問についてお答え申し上げます。
まず、福祉・教育施策の充実についてのうちの1点目、コロナ禍における高齢者の生きがい活動への支援についてのご質問でございますが、多くの高齢者が地域との関わりを持って暮らしていけるよう、コロナ禍にありましても様々な生きがい活動を支援することが必要であると認識するところでございます。
札幌市では、老人クラブ等に対して、活動に当たっての新しい生活様式を踏まえた具体的な対策例や留意点の周知に取り組んできているところでございます。今後とも、老人クラブ等が活動を行う中での課題や悩みを丁寧にお聞きし、活動を支援してまいりたいと考えるところでございます。
2点目の障がい者施策について、まず、福祉的就労の現状と今後の取組についてでございますが、札幌市では、9月1日現在、障害福祉サービスにおける就労移行支援など、福祉的就労の事業所数は約600か所あり、約1万名の方々が利用されております。このうち、一般就労につながった方は、平成28年度の444名から平成30年度では585名まで伸びているところでございます。また、福祉的就労では、印刷や清掃、食品製造、雑貨作りなど様々な仕事を通じ、一般就労に向けた訓練等を行っており、日々の通所自体が障がいの特性や程度に応じた生きがいづくりにもつながる社会参加の場となっているものと認識するところでございます。
札幌市といたしましても、引き続き、事業所への実地指導や従事者向けの研修等を通じて個別支援の充実に取り組むとともに、就業・生活相談支援や障がい者雇用フォーラムなど、他の就労支援施策との連携も図りながら、障がいのある方の就労を促進してまいりたいと考えるところでございます。
次に、
新型コロナウイルス発生後の事業所の現状とそれを踏まえた支援についてでございますが、就労支援事業所は、
新型コロナウイルス発生後も営業を継続しており、利用者数に大きな変化はないものの、物販等による収入は、経済活動の低迷等の影響を受け、一部減少している事業所もございます。こうした状況の中、マスクなどの衛生用品に加えて、在宅での就労支援のためのパソコンの購入費用を補助するなど、事業所への支援を行ってきているところでございます。
今後とも、事業者支援の機会を活用するなどして、就労支援事業所の事業継続のための課題やニーズを把握し、サービス提供を継続していただけるよう支援に努めてまいりたいと考えます。
次に、大きな5項目めの子育て環境の整備拡充についての質問でございますが、まず、1点目の児童相談体制強化プランの策定状況と改定の主な視点についてでございますが、札幌市児童相談体制強化プランは、児童相談所の機能強化をはじめ、関係機関との連携体制の構築や地域支援の充実、社会的養護体制の強化などの方向性と具体的取組を定めた基本方針でございます。
現在、子ども・子育て会議の児童福祉部会において、改正児童福祉法等の理念や国の新たな方針、検証報告での提言に基づく取組を盛り込む視点で、改定に向け、審議を重ねていただいているところでございます。児童相談所が区役所を支援する機能の拡充、そして、第2児童相談所の整備を含めた体制強化、里親包括支援の取組などを新たに重点的な項目として加えた上で、今年度内の策定を目指してまいります。
次に、子育て世代への情報発信についてでございますが、インターネット環境を利用した子育て情報の発信については、スマートフォンが普及している現状において、特に若い世代への情報を届けるためには極めて効果的な手法の一つであると認識するところでございます。
このため、
新型コロナウイルスの感染予防のため、外出を見合わせる子育て世代に向け、アプリを活用した子育て情報動画や、子どもの成長に合わせて定期的に届く育児アドバイスの配信などに取り組んできたところでございます。また、本年7月には、アプリ利用者を対象にアンケート調査を実施し、利便性の向上に向けた検討を進めているところでございます。
今後も、子育て世代のニーズを的確に把握し、子育て世代が必要な情報を入手し、自分に合ったサービスを利用できるよう、情報発信のさらなる強化に努めてまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(
五十嵐徳美) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、6項目めの防災、雪対策についてお答えをいたします。
最初に、地震被害想定の検証や見直しについてであります。
現行の地震被害想定を策定してから10年が経過していることなどを踏まえ、現在、見直しを進めております札幌市地震被害想定検討委員会では、市内に影響を与える地震動予測の検証や、人的及び物的被害等の根拠となる被害想定について取りまとめを行っているところでございます。
地震動予測につきましては、近年、国の調査研究により、直下型の伏在活断層などに関する最新の知見が得られたところであり、これに基づき、改めて市内における地震動予測などの見直し作業を行ったところでありますが、現行の想定とは大きな差が生じないことが確認されたところでございます。
また、地震動予測に基づく被害想定につきましては、札幌市地震被害想定検討委員会の議論におきまして、津波等による周辺自治体の被災が札幌にどのような影響をもたらすのか、災害時における外国人観光客対策の視点も重要であるなど、新たな意見も出されたところでございます。
現在、これらの新たな知見や委員会での議論などを踏まえながら地震被害想定の検証と見直しを鋭意進めており、当初の予定どおり、令和3年度内には終了する見込みでございます。
次に、雪対策の将来についてであります。
10か年の長期計画として策定した札幌市冬のみちづくりプラン2018の検討におきましては、
少子高齢化による除雪従事者の減少や増大する事業費、多様な市民ニーズへの対応など、様々な懸案事項が改めて浮き彫りになったところでございます。
このため、ICTを活用した新技術を導入するなど効率化や省力化に取り組んでいるところでありますが、将来にわたる安定的な除排雪体制をいかに構築していくかということが札幌市の重要な課題の一つと認識するところです。今後は、AIやICTのさらなる活用のほか、他分野との連携など、幅広い視点から安定的な体制構築について検討してまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(
五十嵐徳美) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) 私からは、大きな3項目めの文化芸術、スポーツの今後の在り方についてご答弁を申し上げます。
まず、1点目の
文化芸術施策と事業についてであります。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、今年度の補正予算では、
文化芸術活動の担い手であります市民などへの支援策や、歴史的建造物を含む文化芸術施設の無料化を講じるなど、市民が文化芸術に触れる機会の確保に努めているところであります。また、現在、本年2月に策定をいたしました札幌市文化財保存活用地域計画に基づきまして、市民ワークショップにより、地域の歴史を伝える文化財の掘り起こしを行っているところであります。
今後とも、地域にある身近な文化財に焦点を当て、市民との協働による文化財の保存、活用を進めるなど、市民とともに文化芸術の振興に取り組んでまいります。
2点目のコロナ禍における
市民スポーツの充足と支援策についてであります。
コロナ禍におきましても、市民の健康や活力を増進していくためには、感染拡大の防止に取り組みながらスポーツに親しむ機会を確保していくことが重要であります。そこで、制約がある中でも、市民の皆様にスポーツを楽しんでいただけるよう、各区の体育館等の段階的な利用の再開をはじめ、自宅や公園などで気軽に体を動かすことを促すスポーツ動画の配信でありましたり、バーチャルマラソンの開催などに取り組んできたところであります。
今後も、札幌市スポーツ協会と連携を深めながら、体育施設における安全対策の徹底はもちろんのこと、競技団体が行います
感染拡大防止の取組を支援しながら様々な大会の開催を後押しするなど、多くの市民が安心してスポーツを楽しめる機会の創出に努めてまいります。
私からは、以上であります。
○議長(
五十嵐徳美) 長谷川教育長。
◎教育長(長谷川雅英) 私から、4項目めの福祉・教育施策の充実についての3点目、障がいのある子どもの教育についてお答えをいたします。
札幌市におきましては、就学前から学校、就労へと一貫して支援をするためのツールでありますサポートファイルさっぽろを用いながら、本人の課題はもとより、長所や目標にも着目し、支援に係る情報を丁寧に引き継ぐ取組を進めてきたところでございます。各学校におきましては、こうした情報を基に、子ども自身が特性や適性を生かしながら課題の改善に取り組むことができるよう、一人一人の教育的ニーズに応じた指導や支援の充実に努めております。
先般、国の中央教育審議会におきまして、発達障がいなどの子どもの中には特定分野に極めて優れた才能を持つ子どもの存在が指摘され、これまで以上に多様性を尊重することが重要であるとされたところでございます。今後は、こうした国の動向を踏まえまして、障がいのある子どもの個別、多様な教育的ニーズへの対応をさらに進めるため、ICTの効果的な活用や大学など関係機関との連携を図るなど、子どもが自らの可能性を最大限伸ばすことができる教育を推進してまいります。
私からは、以上でございます。
(
小田昌博議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
五十嵐徳美) 小田議員。
◆
小田昌博議員 ご答弁いただき、ありがとうございました。
再質問につきましては、主に東区の強みを生かした本市の将来構想について、1点だけお伺いします。
東区における地域財産を活用した一例を何点か挙げて、本市の将来像に結びつけていただきたいという考えで質問させていただきましたが、このことは、各区においても、将来の
まちづくりにおいても極めて大きな視点として考えるべきものだと思います。今回、区役所の機能強化についても質問させていただき、区と本庁部局がしっかりと連携しながら、区の独自性や個性を尊重した
まちづくりを進めたいとの答弁をいただきました。
また、本市の将来構想への答弁ではあまり踏み込んだものではなかったとの印象でありますが、地域の魅力と活力を創造することは観光や経済の活性化に資するもので、各地域が持つ強みを生かした
まちづくりを進めたいとの認識でございました。
区における各種の強みや地域財産について、実情を再検討し、有効に活用する方策も今後重要になることからも、区ごとの将来の
まちづくりについて、市民のニーズの確認はもとより、区役所が
まちづくりに積極的に関わり、
まちづくりの方向性をアピールするなど、新たな
区役所機能の在り方も必要になるのではないかと考えます。
時代は刻々と変化しまして、特に今回のコロナ禍における市民生活の変化においては、今後の都市の発展にも大きく影響を及ぼすものであり、その一例として、観光の在り方についても、団体旅行による見る観光から個人旅行による体験観光への急速な変化も予想されており、現在の感染症の収束動向や社会経済動向の変化を見極めつつ、現在の子どもたちが将来も住み続けたいと思えるような
まちづくりを検討すべきであり、そのためには、
区役所機能における権限の強化と地域の活性化が両輪となって推進が図られるべきと考えます。
そこで、再質問になります。
これまでの
まちづくりを否定するものではありませんが、各区における新たな地域財産を生かした
都市づくりの視点や、生活様式等の急激な変化により市民の価値観も大きく変化する時代を迎えている今日、区役所の在り方も含めた将来の
まちづくりの方策について、どのような方向性をお持ちなのか、改めてお伺いいたします。
○議長(
五十嵐徳美) 秋元市長。
◎市長(秋元克広) 各区の
まちづくりに関しましては、これまでも、駅周辺、区役所周辺、こういった地域を
地域交流拠点という形で位置づけまして、生活利便機能の充実を図ってきたわけであります。一方で、観光でありますとか、こういった国内外から人や投資を呼び込むという視点では、地域の財産でもある
高次機能交流拠点、東区で言えば
モエレ沼公園であったり、さとらんどというようなもの、こういったものを観光面においても活用してきたところであります。
今後とも、先ほどもご答弁申し上げましたように、それぞれの地域の住民の皆さんの声を受け止めながら、こういった地域資源をうまく活用して全市の活性化につなげていくものと、地域に密着した生活圏というものの双方を組み立てていきながら、バランスの取れた
まちづくりを進めていく必要があるのではないかというふうに考えております。
その上で、やはり、区役所の機能として、民間の動きであるとか地域の皆さんの声をしっかり拾い上げて、全市的な計画の中に取り込んでいくと。今回も、アクションプラン、こういった中に区の考え方ということを独自の計画として盛り込んできているわけであります。今後とも、各区の取組をしっかりと重視しながら市全体の計画づくりにもつなげていきたい、このように考えているところであります。
○議長(
五十嵐徳美) ここで、およそ20分間休憩します。
――
――――――――――――――――――
休 憩 午後2時8分
再 開 午後2時30分
――
――――――――――――――――――
○議長(
五十嵐徳美) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
あおいひろみ議員。
(あおいひろみ議員登壇・拍手)
◆あおいひろみ議員 私は、一昨日の岩崎道郎議員の代表質問に引き続き、民主市民連合議員会を代表して、秋元克広市長が今議会に上程された諸議案並びに諸課題について、順次、質問をいたします。
初めに、障がい者施策について、2点伺います。
1点目は、障がい福祉施策に関する部門別計画となるさっぽろ障がい者プラン2018を構成する三つの計画のうち、計画期間の終了に伴い、見直しを行う障がい福祉計画と障がい児福祉計画に盛り込むべき取組についてです。
さっぽろ障がい者プラン2018において、「障がいのある人もない人も、その命の尊厳が当然に保障され、市民誰もが互いに人格と個性を尊重し支え合う『共生社会の実現』」が基本理念として位置づけられています。障がい者プランは、障がいのある人の自立や社会参加のための支援等の基本的な施策を定めた障がい者計画と、障害福祉サービス等の提供体制の確保に関し、サービスごとの必要な量の見込みなどを定める障がい福祉計画及び障がい児福祉計画の2段構成となっていますが、二つの福祉計画に関しては、今年度で計画期間を終えることとなります。
本年5月、国から、障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針が示され、札幌市においても、札幌市障がい者施策推進審議会で次期福祉計画の検討が進められていると伺っています。
札幌市が昨年度に実施した札幌市障がい福祉施策に関わる障がい児者実態等調査によると、共生社会の実現のために必要な施策として、回答があった18歳以上の当事者のうち、3分の1以上が障害福祉サービスの充実を挙げています。こうしたことからも、障害福祉サービス提供体制の確保、充実は、日常生活で介護などの支援を必要としている方にとって生活基盤を確立する上で欠かせないサービスだということを改めて認識するところです。
また、障がいのある人やパーキンソン病などの難病患者の方からお話を伺うと、日々の生活で感じる困り事や支援をしてほしいことは多種多様であり、人工呼吸器の管理やたんの吸引など医療的ケアへの対応を必要とする方々もおります。居宅における介護や通所による日中活動支援、障がい児の療育、相談支援など様々なメニューがありますが、その支援サービスの提供に当たっては、一人一人の障がいの特性や程度などに応じた専門的かつ気持ちに寄り添った支援が求められています。
次期福祉計画については、こうした札幌市に暮らす障がいのある人や難病患者などの実情をしっかりと踏まえながら策定すべきであり、今後、札幌市が様々な障がい福祉施策を推進するに当たっては、次期福祉計画に盛り込まれる計画目標を達成していくことを通じて共生社会を実現していくことが重要です。
そこで、質問ですが、札幌市における障害福祉サービス等の提供体制に関わる現状と課題について、どのように認識し、その課題解決に向けて、次期福祉計画に盛り込むべき取組について市の考えを伺います。
2点目は、在宅重度障がい者への障害福祉サービスの継続についてです。
札幌市は、昨年度から、人工呼吸器等を使用する在宅の障がい者への非常用電源装置の購入費用の助成や、重度障がい者の長時間在宅介護の拡大など、重度障がい者の福祉施策を大きく充実させており、当事者からも喜びの声が届いています。
その一方、今年7月に、全身の筋肉が動かなくなっていく神経難病の筋萎縮性側索硬化症、ALS患者に対する嘱託殺人事件を契機に、難病患者の療養環境の在り方や尊厳死などについて大きく報道されたところです。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、重度の障がいのある方々は大変不安な日々を過ごしています。ALS患者で人工呼吸器を装着している重度障がい者など、基礎疾患を持つ方は感染すると重症化になりやすいと言われており、重度障がい者は日常的に
新型コロナウイルス感染症の脅威にさらされております。当事者からは、身体介助を行う衛生用品を今後も継続して入手できるか、感染者や濃厚接触者となった場合に適切な医療や支援を迅速に受けられるだろうかという不安の声も寄せられています。こうした重度障がい者の不安が現実のものとならないよう、さらなる感染拡大の波が来る前に、日常的な感染予防策を含む支援の在り方をしっかりと検討する必要があると考えます。
重度障がい者自らが感染した場合は入院することになりますが、濃厚接触者となった場合は在宅生活も想定されます。その生活維持のためにも、日頃から介護サービスを提供している障害福祉サービス事業所の福祉的な側面支援は大変重要です。
そこで、質問ですが、
新型コロナウイルス感染症に関して、在宅の重度障がい者に必要なサービスの継続についてどのように取り組んでいくのか、伺います。
次に、コロナ禍における観光振興の在り方について、2点伺います。
1点目は、札幌の文化財の保存、活用についてです。
新型コロナウイルスの感染拡大による外出や移動の自粛は、札幌の観光産業に大きな打撃を与えました。観光産業は札幌の基幹産業であり、観光都市としての魅力を維持するため、観光事業者や観光資源への支援は重要であると考えます。
緊急事態宣言を境に、都道府県をまたぐ他都市との交流は敬遠されるようになりましたが、最近は、自宅から車で1時間ほどの近場を旅行するマイクロツーリズムという概念が出てきています。札幌市では、これまで、誘客に向けた対策として、サッポロ夏割や定山渓どこでもクーポン、観光施設無料化などの施策を展開しています。この中でも、観光施設無料化の利用者は約8割の方が札幌市民で、数十年ぶりに豊平館や羊ヶ丘展望台を訪れ、札幌の文化財の良さを再確認できたと言う方も多く、市民、観光事業者にとって評価が高い事業だったと感じます。
札幌市の文化財保存活用地域計画の基本方針には、文化財の価値や魅力を掘り起こし、広めることが掲げられています。今回の観光施設無料化において、多くの市民が観光施設を訪れたことは、基本方針を実現するものであり、こうした取組を契機に市民が文化財に触れる施策をさらに進めるべきです。
また、観光資源として文化財を活用する上で重要なのは、文化財を良好に保存することが挙げられます。例えば、2018年に北海道遺産に選定された札幌軟石は、札幌の開拓の歴史を語り継ぐために大切にしていかなくてはならないものの一つです。現在、札幌軟石を使用した建物は数えるほどしか残っていません。また、当時と同じ方法で建物を建てることができないため、現存する石の建物は北海道の歴史を伝える大切な宝物となっています。
南区には、札幌軟石で造られた歴史的建造物である旧石山郵便局を、クラウドファンディングの手法で、ぽすとかんとして再生し、観光スポットになっている事例があります。取り壊されると二度と建てることができないこうした建物を守っていくため、石山のぽすとかんの事例を大いに参考にすべきであり、また、コロナ禍の中、マイクロツーリズム振興などの観点から、文化財を失ってはならない重要な観光資源として捉え直すことが必要であると考えます。
そこで、質問ですが、現存する文化財を今後どのように保存、活用していくのか、伺います。
2点目は、ワーケーションに対する考え方についてです。
開湯から150年以上の歴史がある札幌の奥座敷定山渓温泉も、
新型コロナウイルスの影響で経済的に大きな影響を受けました。老舗旅館では、代々から続く旅館を自分の代で閉めるわけにはいかないと、資金繰りに奔走して乗り越えているのが現状です。インバウンドの需要の停滞は数年続くことを想定し、コロナ禍における観光客のニーズの変化への対応が今後の観光振興の重要なテーマとなります。
そこで注目されているのが、観光地や温泉街で休暇を取りながら
テレワークするワーケーションです。国は、観光以上・定住未満の関係人口を創出する取組を2018年度から行っており、その一環として、北海道においても、2019年度に総務省から委託を受けた北海道型ワーケーション導入検討・実証事業を道と複数の自治体が共同して実施したところです。さらに、今年7月には、国の観光戦略実行推進会議において、日常化した
テレワークやソーシャルディスタンスの確保といったコロナ禍による社会変化を踏まえ、ワーケーションをはじめとした新しい旅行スタイルの普及に取り組むこととされたところです。
札幌市は、夏の涼しさや、中心部から30分で温泉がある、他都市にはない魅力的なワーケーション候補地であり、新たな観光ニーズの取組を検討すべきと考えます。
そこで、質問ですが、コロナ禍の中で見られる新たな観光ニーズとして注目されるワーケーションについての考えを伺います。
次に、地域の
まちづくりについて、2点伺います。
1点目は、
新型コロナウイルス感染症の影響を受けている
まちづくり団体への支援についてです。
197万人の人口を有する札幌市においては、地域にある環境を解決するため、様々な
まちづくり団体が活動しています。札幌市が運営するさっぽろ
まちづくり活動情報サポートサイトによると、今年3月末における登録活動団体は2,713団体に上り、それぞれの団体が創意工夫を行い、時には団体同士が連携しながら
まちづくりを進めています。
本市においても、2008年度にさぽーとほっと基金を設立し、市民や企業の皆様から寄附金を募り、
まちづくり活動を支える資金源としても活用しています。このことは、市民、企業、行政の総力である市民力を集結し、札幌市のまちをさらに住みよいまちに変える取組と考えます。
さぽーとほっと基金の昨年度の寄附額は、過去2番目に多い1億2,600万円余りであり、また、助成を受けた団体数は過去最高の153団体となっております。この数字は全国トップレベルであり、札幌市内の
まちづくり団体の環境整備は着実に進んでいます。昨年度の助成先としては町内会やNPO法人など多岐に及び、活動内容も、子ども食堂、フードバンク、健康づくり、胆振東部地震被災者支援など、行政だけでは困難な課題に対し、きめ細やかな取組を行っています。
しかし、こうした団体も、
新型コロナウイルスの感染拡大により大きな影響を受けています。特に、人と接することが中心である町内会やNPO法人の活動が困難になっており、いわゆる3密を避ける上で
まちづくり団体の活動は停滞しているとの声も聞いています。
NPO法人北海道NPOサポートセンターなどで構成される団体が5月に行った
まちづくり団体に対するアンケートでは、90%以上の団体が活動に影響が生じていると回答し、70%以上の団体が組織運営や経営に影響が生じていると回答しています。また、同団体は9月7日に2回目の調査報告をしており、その中では、シングルマザーをサポートする団体は、
新型コロナウイルスの感染拡大により母子からの相談が増加するなど、資金繰りや人材確保に課題を抱えていることがうかがえます。
札幌市は、
新型コロナウイルス感染症対策のため、NPO法人北海道NPOサポートセンターや北海道NPOファンドなどとの共同で
新型コロナウイルス感染症対策活動団体支援協議会を5月に立ち上げるとともに、感染症対策や支援事業を行う団体への助成事業を公募したところです。6月に、この助成事業に対して57団体が応募し、支援協議会の審査の結果、29団体に対して総額3,000万円の助成が行われました。
今回の助成事業については、さぽーとほっと基金を原資として実施されていますが、支援協議会を設置するなど、これまでのさぽーとほっと基金による助成事業とは、多少、方法が異なっています。
そこで、質問ですが、
まちづくり団体との共同で支援協議会を設置し、かつ助成を行うに至った札幌市の考えや狙いとともに、実施した成果を現時点でどのように評価しているのか、伺います。
2点目は、
まちづくり団体との連携についてです。
まちづくり団体の中には、制度のはざまにいる人たちの支援に取り組んでいる団体も多く存在しています。
まちづくり団体は、地域の課題を解決する代弁者としての役割の側面もあり、市は、今後も
まちづくりを支えるパートナーとして
まちづくり団体と連携を図っていくことが重要です。具体的には、各種公的支援の情報を届けることや申請のサポート体制を整えるなど、
まちづくりに関する活動をしっかりと維持できる方策を講じることが必要と考えます。
そこで、質問ですが、
新型コロナウイルスの感染拡大という今の状況を一つの契機として、生活困窮者などをはじめ、支援を必要としている人たちの声を拾い上げていくためには、これまで以上に札幌市と
まちづくり団体が緊密に連携していくことが必要と考えますがいかがか、伺います。
次に、市有施設における再生可能エネルギーの利用拡大について伺います。
新型コロナウイルスの感染拡大により、
社会経済活動が停滞し、エネルギー需要の減少に伴って、気候変動を引き起こすとされる二酸化炭素排出量が世界的に大幅に減っています。国際エネルギー機関、IEAによると、2020年の世界の二酸化炭素排出量は前年比で8%減少するとの分析が示されており、これは2009年のリーマンショック時の約6倍に当たる大幅減となります。
しかしながら、コロナ禍のような
社会経済活動の状態が今後10年間続くと予想するのは現実的ではなく、リーマンショック後の翌年、2010年には、景気回復に伴って二酸化炭素排出量が大幅に増えた例もあり、感染収束後の反動も懸念される状況下にあって、市民生活や企業活動に大きなストレスを与えることなく大胆な排出量削減策を実行し、あわせて、それが新たなイノベーションに寄与することが求められています。
こうした中、
新型コロナウイルスの影響に伴う景気対策として、気候変動対策や再生可能エネルギー導入拡大の視点を取り入れたグリーンリカバリー、緑の復興と呼ばれる動きが欧州を中心に広がっています。一方、日本に目を転じると、パリ協定に基づき、世界的に脱炭素への動きが加速する中にあって、欧州諸国からは、二酸化炭素の削減について具体策を示さない日本の姿勢に対し、批判や削減目標の上積みを求める声が相次いでいましたが、今年7月、経済産業省が二酸化炭素排出量の多い非効率型の石炭火力発電所の約9割を2030年までに段階的に休廃止する方針を示すと同時に、再生可能エネルギーの普及促進に向けた包括的政策を策定することを表明しました。
我が会派は、これまで、脱炭素社会に向け、実効性のある再生可能エネルギー施策の必要性を指摘し、市有施設への太陽光発電の導入や、地域への再生可能エネルギーの導入拡大などを求めてきました。今年2月には、秋元市長が、2050年の温室効果ガス排出量を実質ゼロにするゼロカーボンシティを目指すことを宣言しましたが、その高い目標を追求していく上で、再生可能エネルギーの利用拡大が大きな鍵を握ることは明らかです。
国や自治体における再生可能エネルギー利用の動向に目を向けると、公共施設の電力契約入札制度において、環境配慮契約法に基づき、価格に加え、入札に参加する各電力小売業者の再生可能エネルギー導入状況や、二酸化炭素排出係数などの環境面の条件も含め、評価する仕組みが広がりを見せています。
東京都は、昨年8月から、都庁第一庁舎で使用する電力を再生可能エネルギー100%に切り替えました。横浜市は、2050年までに、市役所全体で消費する全ての電力を再生可能エネルギーに転換する方針を表明し、新しい市庁舎や各区庁舎も再生可能エネルギーに100%切り替えるとしています。環境省は、本年6月、「気候変動時代に公的機関ができること〜『再エネ100%』への挑戦〜」と題した実践ガイドを取りまとめ、2030年までに同省が使用する電力を全て再生可能エネルギーで賄う目標を示しました。さらに、他省庁や全国の自治体にも、公共施設の使用電力を再生可能エネルギー100%に転換する取組を促しており、札幌市においても積極的な施策を展開する時期に来ていると考えます。
そこで、質問ですが、環境首都・札幌を表明している札幌市としても、ゼロカーボンシティの実現に向けて、市有施設の再生可能エネルギーの利用拡大により力を注ぐべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、受動喫煙対策と禁煙の支援について、2点伺います。
1点目は、受動喫煙対策についてです。
本年2月28日、札幌市は、さっぽろ受動喫煙防止宣言を行いました。4月には、国の改正健康増進法が全面施行されることを受け、受動喫煙をなくし、子どもや患者等に配慮する環境を整えていくこの宣言は、健康なまちを目指す札幌市として大きく前進したと評価します。
しかし、この宣言が行われた2月28日は、北海道に
新型コロナウイルスの第1波が猛威を振るっていた時期と重なったことなどから、さっぽろ受動喫煙防止宣言の存在は薄らいだままのスタートとなりました。
新型コロナウイルス感染拡大防止として3密を避けることが必須となりましたが、喫煙所においては密となることが多く、市内の喫煙所は相次いで閉鎖となりました。さらに、4月以降の改正健康増進法の施行により、学校や病院、行政機関等の施設だけではなく、一般のオフィス等も、原則、室内禁煙となり、喫煙者からは喫煙できる場所を確保してほしいという声も寄せられています。
札幌市では、ポイ捨て等防止条例により、市内中心部では喫煙禁止区域を定めていますが、歩きたばこやポイ捨てが増えていることも指摘されています。区域内での指導件数が増加している現状を見ると、喫煙者がしっかりとマナーを守る対策も視野に入れながら、受動喫煙防止対策を進めるべきと考えます。
そこで、質問ですが、受動喫煙防止宣言の市民周知と受動喫煙対策の推進について、今後の取組と方向性を伺います。
2点目は、禁煙の支援についてです。
喫煙は、たばこの煙を主とする有害物質を長期に吸引、暴露することで、生活習慣病である慢性閉塞性肺疾患などを引き起こし、喫煙者の健康を著しく害します。加えて、
新型コロナウイルス感染症の重症化のリスクの要因と考えられることから、禁煙への支援を推進すべきと考えます。
札幌市においては、禁煙外来治療費助成事業を行い、本年からは、子育て世代だけでなくても申請ができるよう事業の拡大を図ってきたところですが、2019年に厚生労働省が実施した国民生活基礎調査では、全国平均喫煙率18.3%に対し、本市は20.8%と高くなっています。今後は、同事業の拡大や市民周知の徹底など、禁煙をする方への支援を充実させ、市民の健康を守るべきと考えます。
そこで、質問ですが、禁煙外来治療費助成事業の今後の取組と、喫煙率低下への取組を強化すべきと考えますがいかがか、伺います。
最後に、雪対策について、2点伺います。
1点目は、
新型コロナウイルス禍における除排雪体制についてです。
除排雪事業に携わる建設業は、社会資本整備はもとより、災害時には率先して地域の安全を守るなど、私たちの生活と密接な関係があります。現在、
新型コロナウイルスが全国的に猛威を振るっていますが、建設業が関わる公共工事等は、緊急時においても国民の最低限度の生活を維持するために必要な事業として位置づけられており、安定的な事業の継続が望まれるところです。
国は、2020年8月25日に、建設業における
新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインを改定しました。このガイドラインは、建設現場等の実態に応じた
新型コロナウイルス感染予防対策を行う際の基本的事項について参考として整理したものであり、様々な類型がある建設業においては、その都度、柔軟に対応することが求められます。
新型コロナウイルス禍において、建設業が担う除排雪が円滑に行われなければ市民生活に大きな影響が及ぶことが想定されるため、除排雪事業者の感染症に対する予防策を万全なものにするとともに、万が一、感染が拡大した場合の対応も想定しておかなければならないと考えます。
そこで、質問ですが、今年度の除排雪シーズンに向け、従事者の感染防止にどのように取り組むのか、伺います。
また、従事者の感染拡大といった不測の事態が発生した場合の対応について検討を進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
2点目は、除雪事業者の経営安定化についてです。
札幌市の降雪量は、1981年から2010年までの30年間の平均値で581センチとなっていますが、昨シーズンの累計降雪量は427センチであり、前年の2018年シーズンの累計降雪量334センチを上回っているものの、1月の降雪量は、札幌管区気象台の観測開始以降4番目に少なく、1月末までは記録的な少雪となりました。このため、除雪の出動回数などが極端に少なく、除雪事業者からは不安の声が上がったため、札幌市が業界団体の要望や議会の提言を聞き、迅速な対応に努めたことは評価します。
除雪事業者は、重機のリース、人員の確保などが常に必要であり、少雪だからといって固定費を削ることができないため、これまで、我が会派としても、社会情勢などに鑑み、単価の見直しや、夏場の工事の受注機会の改善につながる政策入札など、経営安定化に資する取組を求めてきました。
今後も、気候変動の影響を受け、異常気象が続くことが危惧されますが、昨冬のように極端な少雪、または大雪が降った場合、除雪事業者の経営安定化のため、柔軟な対応が必要であると考えます。
そこで、質問ですが、除雪業者の経営安定化に向け、気候変動の影響も考慮し、どのように施策を進めていくのか、伺います。
これで、質問の全てを終わります。ご清聴いただき、ありがとうございました。(拍手)
○議長(
五十嵐徳美) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で大きく6項目のご質問をいただきました。私からは、1項目めの障がい者施策について、2項目めのコロナ禍における観光振興の在り方についてお答えをさせていただきます。その余のご質問につきましては、担当の副市長からそれぞれお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
まず、1項目めの障がい者施策についてお答えをいたします。
まず、1点目の次期福祉計画に盛り込むべき取組についてであります。
障害福祉サービス等に係る提供体制の現状でありますけれども、事業所数は増加傾向にあり、身近な地域でサービスを利用できる環境が整えられてきていると考えております。一方、それぞれの支援の質に関しては、なお充実の余地があるとの声が一部の利用者等から寄せられており、今後より一層質の向上を図っていくということが課題になってくるものと認識をしております。
次期福祉計画の策定に当たりましては、サービス量の確保とともに、障害福祉サービス等の質の向上に向けた取組の強化が重要になると考えており、引き続き、障がい当事者の方や有識者の意見を踏まえながら検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の在宅重度障がい者への障害福祉サービスの継続についてであります。
在宅の重度障がい者が利用する障害福祉サービス事業所に対しましては、これまで、衛生用品の提供に加え、適切な感染予防策を講じるための情報提供を行ってきているところであります。また、仮に重度障がい者本人が濃厚接触者となった場合でも、利用事業所に防護具や追加の人件費といったかかり増し経費を補助するということで、サービス提供を継続できるよう支援することとしております。
今後とも、事業所に対して分かりやすい情報提供を行うとともに、様々な場面で連携を密に取りながら、在宅の重度障がい者への支援が途切れることのないようにしてまいりたいと考えております。
次に、2項目めのコロナ禍における観光振興の在り方についてお答えをいたします。
まず、1点目の札幌の文化財の保存、活用についてであります。
文化財の保存、活用につきましては、今年2月に国の認定を受けました札幌市文化財保存活用地域計画に基づき、市民ワークショップによる文化財の掘り起こしなど、各種の事業に取り組んでいるところであります。様々な文化財を歴史的背景などの観点から結びつけ、ストーリー性を持たせて発信する取組や、モデルツアーなども予定をしており、これらの施策はマイクロツーリズムの振興にも寄与するものと認識をしております。
文化財につきましては、良好な保存はもとより、時代の変化に合わせて、観光や地域の
まちづくりの資源として積極的に活用してまいりたいと考えております。
次に、ワーケーションに対する考え方についてであります。
余暇を楽しみつつ仕事を行うワーケーションは、滞在期間の長期化や観光需要の平準化といった札幌の観光が抱える課題の改善につながる可能性を持つ新しい旅行スタイルであると認識をしております。
ワーケーションの推進に当たりましては、利用者のニーズを的確に把握した上で、長期滞在を想定した休暇を楽しめる場づくりや、快適に働ける環境の整備などを進める必要があるものと考えております。今後は、先進的に取り組んでいる自治体の事例も参考にしながら、都市と自然の魅力を兼ね備えた札幌をワーケーションに活用していただけるように検討を進めてまいります。
私からは、以上であります。
○議長(
五十嵐徳美) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、5項目めの受動喫煙対策と禁煙の支援についてのご質問にお答え申し上げます。
1点目の受動喫煙対策についてでございますが、さっぽろ受動喫煙防止宣言では、宣言に基づく私たちの取組として、市民、事業者、行政などのそれぞれの役割を示し、受動喫煙防止のための具体的行動につなげていくことを目指しているところでございます。
宣言の周知については、来る12月にパネル展示イベントを予定しているほか、広報さっぽろでの特集記事や宣言ロゴマークを新たに作成するなど、市民の皆様への啓発に取り組んでいるところでございます。
今後、改正健康増進法による飲食店などの施設での受動喫煙対策の徹底を図るとともに、多くの市民に宣言についてご理解を深めていただき、受動喫煙のない爽やかなまち札幌を実現してまいります。
2点目の禁煙の支援についてでございますが、さっぽろ受動喫煙防止宣言の重点方針の一つとして禁煙支援を挙げており、受動喫煙防止の推進のためには、喫煙する人に対する禁煙支援も極めて重要と考えているところでございます。
禁煙外来治療費助成事業につきましては、令和2年度より20歳以上の全ての市民に対象を拡大した結果、申込み期限を待たずに定員を上回る申込みがあったところでございまして、今後も、治療の有効性や事業の周知を行い、喫煙率のさらなる低下に取り組んでまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(
五十嵐徳美) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、4項目めの市有施設における再生可能エネルギーの利用拡大について、6項目めの雪対策についてお答えをいたします。
最初に、4項目めの市有施設における再生可能エネルギーの利用拡大についてであります。
脱炭素社会の構築に向け、政府においては、今年7月に再生可能エネルギーの主力電源化を早期に実現すべく、再エネ型経済社会の創造に向けた議論が開始されたところでございます。
札幌市が2050年に目指すゼロカーボンシティを実現するためには、こうした国の方向性を踏まえ、地域における再生可能エネルギー利用の大幅な拡大に向け、さらなる対策を市民、事業者と一体となって講じていくことが必要になってまいります。そのため、札幌市自らが市有施設において再生可能エネルギーの利用拡大を積極的に進めていく、そういった姿勢を示すことが重要でありますことから、現在、改定に向けて作業中の札幌市温暖化対策推進計画の中で具体的な取組について検討を行ってまいります。
次に、6項目めの雪対策について、最初に、
新型コロナウイルス禍における除排雪体制についてであります。
まず、従事者の感染防止対策についてでありますが、これまでも、除排雪作業を担う事業者に対しては、除雪事業協会を通じて国のガイドラインや新北海道スタイルなどの周知徹底を図ってきたところでございます。今後は、これに加えて、除雪センターでの勤務や、2名乗車の機械による作業など除雪事業特有の対応についても、市内23地区の企業体と協議を進めながら万全の対策に取り組んでまいります。
次に、従事者の感染拡大といった不測の事態への対応についてであります。
札幌市としても、
社会経済活動や市民生活に大きな影響を及ぼさないよう、あらかじめ対策を検討しておく必要があると認識しております。
このため、各企業体と協議を行い、作業の優先順位や応援体制など感染状況に応じた除雪体制を定め、感染拡大時においても事業継続のための速やかな対応が図れるよう検討を進めてまいります。
次に、除雪事業者の経営安定化についてであります。
これまでも、除雪事業協会と意見交換を綿密に行いながら、事業者の経営安定化に資する様々な取組を進めてきたところであり、昨シーズンにつきましても、1月末までは極端な少雪であったことから、除排雪作業の固定的な経費に配慮し、最低支払い額を引き上げる緊急支援策を実施したところでございます。今後も、気象状況などに応じた臨機な対応に努めてまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(
五十嵐徳美) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) 私からは、大きな3項目めの地域の
まちづくりについてご答弁を申し上げます。
1点目の支援協議会の設置及び
新型コロナウイルスに対応した助成制度に対する考え方等についてであります。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、例えば子どもたちの学習や交流機会の減少など市民生活に大きな影響が生じておりますが、こうした状況を少しでも改善しようと、多くの
まちづくり団体の皆様ができることから取組を進めていただいているところであります。
しかし一方で、対面活動の縮小などに伴い、
まちづくり団体の活動自粛に大きな制約が生じ、取組の効果が十分に行き届いていない状況にあるものと認識をいたしております。
そこで、
まちづくり団体のニーズを的確に把握し、時期を逸することなく支援していくため、札幌市では、NPO等への支援を目的とする団体などに呼びかけ、5月に札幌市
新型コロナウイルス感染症対策活動団体支援協議会を設立したところであります。支援協議会が支援案件の拾い上げや審査などを一元的に行うことで、スピード感のある助成を実現させたところであり、助成団体からは、コロナ禍の中、迅速かつきめ細やかな支援は大変ありがたかったといった声など、一定の評価をいただいているところであります。
2点目の
まちづくり団体との連携の必要性についてであります。
様々な制度の隙間で生じている切実な課題に対して、
まちづくり団体がそれぞれの強みを生かした取組を迅速に行うことによりまして、支援を必要とする人たちの声に応えていただいているものと認識をいたしております。
今後は、このたび設置いたしました支援協議会の枠組みをはじめ、機動性や柔軟性に優れる
まちづくり団体との様々な連携の在り方を模索しながら、協働に基づく
まちづくりをさらに進めてまいります。
私からは、以上であります。
○議長(
五十嵐徳美) ここで、およそ20分間休憩します。
――
――――――――――――――――――
休 憩 午後3時12分
再 開 午後3時33分
――
――――――――――――――――――
○議長(
五十嵐徳美) これより、会議を再開します。
石川さわ子議員。
(石川さわ子議員登壇)
◆石川さわ子議員 私は、市民ネットワーク北海道を代表し、今定例会に提案されました諸議案並びに市政の諸課題について質問をいたします。
初めに、市長の政治姿勢についてです。
1点目は、2021年度の予算編成についてです。
札幌市において、超高齢化の進展や人口減少の到来を迎え、地域課題が複雑多様化していく中、市民に寄り添った
まちづくりを進めていくことが重要であり、そのためには、限られた財源を有効に用い、持続可能できめ細やかな取組が求められています。
市民ネットワークは、この間、予算編成への市民参加などを通し、長期的な財政見通しなど、財政状況の分かりやすい情報公開を求めてきました。これについて、札幌市においては、予算編成方針や予算要求の概要、その査定結果といった予算の編成過程における情報公開に努めてきたと一定の評価をしています。
札幌市2020年度一般会計の当初予算は、1兆295億円と過去最大ですが、
新型コロナウイルス感染対策として、今定例会では465億円の補正予算が提案されており、今年度の補正予算としては合わせて3,294億円が積まれることになります。こうした感染対策や地域経済の活性化に向けた財政需要が増える一方、市税収入の減少が見込まれることから、今後、財政事情が一層悪化するのではないかと懸念しています。今、多くの市民は、
新型コロナウイルス感染対策による新しい生活様式に戸惑い、感染の不安を抱えながら生活しており、福祉予算が削られるのではないかと危惧する声も聞いています。
このような中、医療はもちろん、子育てや介護、雇用など、市民生活を守るため、市民サービスを低下させないことが強く求められています。将来にわたって健全な財政運営を堅持しながら、感染症対策や市民生活を支える取組を実現するための予算編成とするためには、市民の視点での費用対効果などの検証を行うとともに、市民への分かりやすい情報公開、情報共有が不可欠と考えます。
そこで、質問ですが、2021年度予算に向けて、市長はどのような姿勢で予算編成を行うのか、伺います。
2点目は、市政への市民参加のさらなる充実についてです。
一つ目は、ポストコロナにおける市民参加、情報共有についてです。
2007年に施行された札幌市自治基本条例は、市民参加と情報共有を基本に、市民が主役の
まちづくりを進めることを理念とした
まちづくりの最高規範です。私は、2019年1定の代表質問で、札幌市における市民参加の取組の実効性についてただし、答弁としては、電子メールや手紙などによる市民からの直接の声をはじめ、市議会や各種団体、審議会などの様々な場面を通じて提案や要望が寄せられており、これらを市の政策につなげ、総じて全ての事業は可能な限り何らかの市民要望に基づくものと認識しているとのことでした。
市民ワークショップやパブリックコメント、審議会など、条例に基づき、実施していることは評価をしています。
しかし、
新型コロナウイルスの感染拡大により、社会の在り方が変わる中、3密を避ける新しい生活様式においては、集まって対話することや行事に参加することなどを自粛せざるを得ない状況です。新たな会議形式としてのオンラインでのコミュニケーションについては、移動しなくても自宅等で参加できる便利さがある一方、誰もが気軽に参加できるとは限りません。
このように市民自治のライフラインとも言うべき市民参加、情報共有の在り方の変化により、市民参加の意欲の減退など、これまで培ってきた市民自治が後退するのではないかと懸念しています。感染拡大により、産業や雇用が大きな影響を受け、様々な不安が募る中、今まで以上に市民の意見を把握し、市政に反映していくことが重要になっていると考えます。
そこで、ポストコロナにおいて、市民の声を市政に反映するため、市民参加、情報共有にどのように取り組んでいくのか、伺います。
二つ目に、
まちづくりセンターの利活用に向けた取組についてです。
まちづくりセンターは、2004年に、それまでの連絡所から名称を変更し、従来の窓口業務等に
まちづくりの拠点としての機能を加え、開設されました。例えば、住民主体の地域の
まちづくり活動の事例は、2020年5月の集計で1,384件と、10年前の約2倍に増加しており、
まちづくりセンターの効果と言えるのではないでしょうか。
しかし、札幌市が2019年12月に行った市民自治についての市民インターネットアンケート調査では、
まちづくりセンターについて、名称も仕事の内容も全く知らなかったと答えた人が37.5%、名称は知っていたが、仕事の内容は知らなかった人は39%と、合わせると8割近い人が
まちづくりセンターがどのような仕事をするところか知らず、また、利用したことがない人が83.1%という残念な結果でした。しかも、これは2016年のアンケート結果とほぼ同じです。
コロナ禍にあって地域全体に閉塞感が漂う中、
まちづくりセンターが地域の中で相談などに対応する身近な行政窓口として認知され、また、地域の中のコーディネーター役として力を発揮することができるよう、改めて取り組むべきです。自治基本条例の前文にあるように、大都市でありながら、一人一人の思いや声が調和の中で生かされる市民自治を市民が実感できるよう、
まちづくりセンターの利活用の促進に今こそ力を入れるべきと考えます。
そこで、市長は、
まちづくりセンターの認知度が低いことをどのように認識しているのか、また、市民による利活用の拡充に向けた今後の取組について伺います。
市長の政治姿勢についての3点目は、2030年冬季オリンピック・パラリンピックについてです。
私は、本年第1回定例会の文書質問で、2030年冬季五輪・パラリンピックの開催については、事業費用などの情報を市民と共有した上で、早期に可否を含めて市民意見を広く求めるべきことをただし、市長の考えを伺いました。答弁としては、IOCも住民の支持率について非常に関心を持っていることから、年内には市民意向を把握したいと考えており、その調査の具体的な時期、規模及び手法については、IOCとの対話などを踏まえながら今後検討してまいりたいとのことでした。
しかし、この9月、札幌市における今後の招致活動の考え方、方向性が明らかになり、市民意向調査については、2021年度以降に延期するとのことです。この間、オリンピック・パラリンピック招致に向けた進め方は、2014年に市民アンケートを実施したのみであり、市民が意見を言う機会をないがしろにしていると言わざるを得ません。新たに
新型コロナウイルス感染拡大の懸念などにより市民意識も変化しており、早期に市民アンケートを行うべきと考えます。
そこで、質問ですが、市民意向の把握を年内から2021年度以降に延期する理由について伺います。
また、2030年冬季オリンピック・パラリンピックの招致については、市民の意見により決定することを示しつつ、早期に可否を含めて市民意見を広く求めるべきと考えますがいかがか、改めて伺います。
4点目は、北海道内における核のごみの最終処分場選定への文献調査応募検討についてです。
報道によると、寿都町は、高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみの最終処分場選定に向けた文献調査への応募について10月8日にも判断したいとし、神恵内村においても、商工会からの文献調査への応募検討を求める請願が、あした、2日にも採択される可能性があるとのことです。
鈴木知事は、寿都町の応募については、概要調査に移行する場合、反対意見を表明すると発言しています。しかし、特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律は、地震、火山列島の日本で深さ300メートルの地層処分が可能か否かの判断基準もなく、安全なものとみなして埋めてしまうというずさんな法律であると、専門家が指摘しています。法的には、文献調査に応募すれば、概要調査、精密調査へと進み、最終的には最終処分施設建設地に選定される可能性が高くなるとのことから、北海道の食の安心・安全、豊かな自然環境を守るため、文献調査への応募は行うべきではないと考えます。
北海道は、核の持込みを受け入れ難いとする北海道における特定放射性廃棄物に関する条例を2000年に制定しており、秋元市長は、文献調査への応募検討については、自治体は道の条例を遵守する責務があると発言しています。
そこで、質問ですが、寿都町及び神恵内村における核のごみの最終処分場選定への文献調査応募検討については、道民の3分の1以上の197万人が暮らす札幌市の首長として、市民・道民の生命と財産を守るため、反対の意思表明をするべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、共生社会の実現に向けた取組についてです。
1点目は、アイヌ民族に対する市民理解の促進についてです。
2019年5月に施行されたアイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律では、アイヌの人々が民族として誇りを持って生活することができ、その誇りが尊重される共生社会の実現に向けてアイヌ施策を総合的に推進していくことが求められています。
札幌市では、2010年に策定した札幌市アイヌ施策推進計画に基づき、アイヌ民族の誇りが尊重されるまちの実現を目指し、市民理解の促進、伝統文化の保存、継承、振興、生活関連施策などに取り組んでいます。アイヌ文化発信の拠点である南区小金湯にある札幌市アイヌ文化交流センター、サッポロピリカコタンのさらなる活用を期待するところです。
しかし、2020年6月から7月にかけて札幌市が実施した市民意識調査の中で札幌市のアイヌ施策について聞いており、アイヌ民族について知っていると答えた人の割合が89.1%と高い一方、アイヌ文化交流センターについて知っている人の割合は36.6%と低く、驚きました。
アイヌ文化交流センターは、アイヌ民族の生活や歴史・文化を見て、触れて、体験することをテーマに、民具や衣服などの展示物にも手で触れ、アイヌ民族の伝統的な暮らしや文化を身近に感じることができる貴重な施設です。先住アイヌ民族の尊厳の尊重や文化に対する市民理解をより深めるためにも、センターの存在を改めてアピールし、より活用されるよう取り組むべきです。
そこで、札幌市アイヌ文化交流センターの認知度をどのように向上していくのか、伺います。
また、一度センターを訪れた方も何度も足を運びたくなるようなさらに魅力ある施設とすることで、アイヌ文化に対する市民理解がより一層深まると期待します。アイヌ文化交流センターは、2003年のオープンから17年が経過しており、施設の老朽化が目立ってきています。より多くの方々がアイヌ文化に触れ、知ることができるよう、展示物の計画的な更新を行うなど、施設としての魅力アップを図ることも必要と考えます。
そこで、札幌市アイヌ文化交流センターの魅力をさらに高めるべきと考えますが、どのように取り組むのか、伺います。
2点目は、人権に関する基本的な条例の制定についてです。
2020年7月、北海道白老町に民族共生象徴空間、愛称ウポポイがオープンしました。先住民族アイヌの尊厳の尊重、文化の振興、発展などの拠点として、歴史や文化への国民理解を促す役割も期待されています。
しかし、ウポポイとそこで働くアイヌ民族の職員に対するインターネット上での心ない誹謗中傷が相次いでいることが新聞報道等により明らかになっています。偽アイヌ、捏造のアイヌ文化などの表記は、差別を助長するものであり、看過するべきではありません。全ての自治体が差別は許さないという認識を強く示すとともに、あらゆる差別の撤廃に向けて取り組むべきと考えます。
札幌市においては、ヘイトスピーチはあってはならないものという認識の下、ポスターやパンフレット等による人権意識の醸成、啓発に取り組んでいます。札幌市においては、在日の方に対するヘイトスピーチ等が大通公園や公共施設などで行われていることからも、民族や人種、性別などが異なる多様な人たちが安心して札幌で暮らすことができる共生社会の実現を目指した取組をさらに進めることが喫緊の課題と考えます。
そこで、質問ですが、市民の安心と尊厳を守り、あらゆる差別を撤廃し、共生社会の実現を目指すとともに、札幌市として、差別は許さないという姿勢を示すため、人権に関する基本的な条例を策定するべきと考えますが、改めて、市長の認識を伺います。
以上で、私の全ての質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。(拍手)
○議長(
五十嵐徳美) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 大きく2項目のご質問をいただきました。私からは、1項目めの私の政治姿勢についての4点にお答えをさせていただきます。2項目めの共生社会の実現に向けた取組につきましては、担当の石川副市長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
私の政治姿勢についてのまず1点目、来年度の予算編成についてお答えをいたします。
新型コロナウイルス感染症の影響により、本市を取り巻く経済・財政環境は厳しくなるということが見込まれ、市民生活への影響も危惧されるところであります。そのため、令和3年度の予算編成においては、市民生活を最優先で守るということと、感染症拡大防止、そして、これと両立し得る
社会経済活動の回復に向けた取組にもしっかりと対応してまいりたいと考えております。
さらに、予算や財政運営に関する札幌市の考え方につきましては、予算要求時点の状況など、引き続き様々な場面を通じて広く市民に情報提供をしていく、このことに努め、市民の皆様との情報共有を図ってまいりたい、このように考えております。
次に、政治姿勢の2点目の市政への市民参加のさらなる充実についてお答えをいたします。
まず、1点目のポストコロナにおける市民参加、情報共有についてでありますけれども、いまだ
新型コロナウイルス感染の収束が見通せない中、多くの人が集まる場への参加などに、今も不安を感じ、ためらいのある市民が多いものと認識をしております。
そうした状況を踏まえ、市民ワークショップなどの開催に当たりましては、十分な感染防止対策を講じることをしっかりと周知し、安心して参加していただける環境を整えることで、市民参加の動きを停滞させることのないよう努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の
まちづくりセンターの利活用に向けた取組についてであります。
まちづくりセンターの認知度が低いというアンケート結果、このことは真摯に受け止めて、今後、当センターのさらなる利活用について市民周知を図っていく必要があるものと認識をしております。
区のホームページあるいは広報誌などを通じて、
まちづくりセンターの役割や地域活動との関わりということをさらに分かりやすく周知、PRすることや、
まちづくりセンターが市民にとって身近で頼りになる存在となるよう取り組んでまいりたいと考えております。
さらには、日頃から
まちづくり活動に携わっている地域の団体との関係を深めていくという目的のために、こうした団体などを対象に、
まちづくりセンターの存在や活動内容などがどのように受け止められているのかということも調査を行うなど、センターの今後の利活用を図る方策の検討を進めていきたい、このように考えております。
次に、政治姿勢の3点目の2030年冬季オリンピック・パラリンピックについてお答えをいたします。
招致の表明をして以来、市民意見につきましては、広報誌や出前講座などによる市民への情報提供とともに、広く意見をお伺いしており、昨年度は大規模市民ワークショップなどを開催するなど、数多くの意見をいただいたところであります。
一方、IOC、国際オリンピック委員会においては、既存施設の最大限の活用や一層の経費縮減などを含む改革の方針を示しているところでありまして、札幌市では、これらを踏まえ、IOCと協議を進めながら、開催概要計画の見直しを行ってきているところであります。
加えて、東京2020大会の開催に向けて、新たに感染症対策や簡素化ということが検討されており、IOCはそれらの見直しの内容が将来の大会のモデルになるものと考えて、現在、その取組を進めているところであります。
したがいまして、今後の市民意向調査につきましては、引き続きIOCとの協議を行いながら、計画をさらに見直した上で進めてまいりたいと考えております。
次に、4点目の北海道内における核のごみの最終処分場選定への文献調査応募検討についてということでございます。
昨日の代表質問でもお答えをしたところでありますけれども、平成12年、2000年に北海道が定めた条例、北海道における特定放射性廃棄物に関する条例におきましては、特定放射性廃棄物の持込みは慎重に対処すべきであり、受け入れ難いことを宣言するということが明記をされております。札幌市をはじめ、道内の自治体はこの条例を遵守する立場にあるものと認識をしております。
私からは、以上であります。
○議長(
五十嵐徳美) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) 私からは、大きな2項目めの共生社会の実現に向けた取組についてご答弁を申し上げます。
1点目は、アイヌ民族に対する市民理解の促進についてであります。
まず、アイヌ文化交流センターの認知度についてでありますが、近年、アイヌ文化への関心の高まりから来館者は年々増えておりまして、令和元年度は過去最高の来館者数を記録したところであります。
しかしながら、今回初めて実施いたしました市民意識調査では、施設の認知度が低い結果となっており、これを向上させることは重要な課題であると認識をいたしております。
今後は、多様な媒体を活用しながら、効果的な広報活動を行いますほか、
新型コロナウイルスの影響で中止をいたしましたアイヌ文化交流センターとウポポイをめぐるバスツアーを、次年度以降、新たに実施するなど、施設の認知度向上に努めてまいります。
次に、アイヌ文化交流センターの魅力アップについてであります。
昨年度からアイヌ政策推進交付金を活用しながら展示物の計画的な更新などに着手したところであります。加えまして、今後は来館者が気軽に刺しゅうや木彫りを体験できる場を設けるなど、魅力ある施設づくりに取り組んでいく予定であります。こうした取組によりまして、施設の認知度と魅力を高め、一人でも多くの市民の皆様にアイヌ民族に対する理解を深めていただけるよう取り組んでまいります。
2点目の人権に関する基本的な条例の制定についてであります。
人権は、日本国憲法において、侵すことができない国民の権利として位置づけられており、障がいの有無や性別、人種などを理由とした不当な差別やヘイトスピーチは、決して許されるものではないと認識をいたしております。
地域の実情に合わせて条例を制定している都市もございますけれども、共生社会の実現を目指す上で、まずは、市民一人一人がお互いを尊重し合う人権意識を高めることが何よりも大切であると認識をいたしております。
札幌市といたしましては、今後とも、性的マイノリティーや女性など様々な人権課題に対応する取組の中で、人権の尊重や多様性を認め合うことの大切さについて、より一層の周知啓発に努めてまいります。
私からは、以上であります。
(石川さわ子議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
五十嵐徳美) 石川議員。
◆石川さわ子議員 ご答弁、ありがとうございました。
質問の中から、2項目について再質問をさせていただきたいと思います。
質問に先立ちまして、短く要望したいと思いますが、核ごみの最終処分場選定に向けた文献調査についてのご答弁は、道の条例を遵守する立場にあるという趣旨でありまして、これまで市長が発言されている内容を超えるものではなかったというふうに思います。
しかし、この問題は、文献調査への応募に反対する要望に全国から署名が寄せられておりますことからも、異なる自治体として人ごとと捉えるべきではないというふうに考えます。私は、197万人の市民が暮らす札幌市の首長として、最終処分場の不安から市民の安心・安全を守ることを重く捉え、反対の意思表示をすることを、再度、強く求めておきたいというふうに思います。
それでは、再質問に入らせていただきます。
1点目は、
まちづくりセンターの利活用に向けた取組についてであります。
まちづくりセンターの認知度についてのアンケート調査が低かったということは、真摯に受け止めておられるということでありました。それに対応しまして、利活用に向けては、ホームページの活用ですとか活動団体とのさらなる意見交換などが行われていくのかなというような答弁がありましたけれども、そうしたことはこれまでもされてきたことだというふうに捉えております。
まちセンにおきましては、本当に地域の中で活動している方たちもいらっしゃるということは分かっておりますけれども、例えば、先日、まちセンの部屋で小さな茶話会がありましたけれども、連絡所からまちセンに変わった場所でありますけれども、何十年もそこに暮らしている方が、まちセンに変わったということですとか、そこに所長がおられるということもご存じありませんでした。
2004年に
まちづくりセンターとなって16年が経過をしておりまして、2013年度からは、高齢化に対応するため、センターの所長が区の福祉活動支援の担当課長も兼務をされております。現在、コロナ禍にありまして、地域で不安を抱えて暮らしている住民にとっても、何でも相談できる場所であり、住民が身の回りの課題を自分たちの責任で解決しようとしたときの仕組みの一つでもあると思います。
まちづくりセンターの小冊子には、市民の皆さんの声を市政につなぐ市役所の最前線であるというふうにも記されているところなんです。
ですから、私は、認知度が低いということを本当に重く捉えて、これまでの取組を一つ一つ改めていかなくてはならないのではないかと感じております。改めて、この認知度が低かったということを重く受け止め、市民周知にどのように努めていかれるのか、伺います。
それから、二つ目の質問でありますが、アイヌ民族に対する市民理解の促進についてです。
今、答弁にもございましたように、
新型コロナウイルス感染拡大防止のために、ウポポイやアイヌ文化交流センターを周遊するバスツアーが中止になるなど、今年度は様々な事業が中止になったことは大変残念なことでありました。答弁では、アイヌ政策推進交付金を活用し、アイヌ文化交流センターを計画的に更新していくということでありました。刺しゅうや木彫りを体験できる場も設けていくということを聞いております。
アイヌ民族の方々の話では、現在のセンターのたたずまいは、アイヌ民族の方が来館してもなかなか歓迎されていないように感じるという意見も伺っております。生活そのものが文化であるアイヌ民族にとって、例えば、植物を栽培するにしても一つ一つに意味や歴史的意義があるというふうに伺っています。アイヌ文化交流センターは、アイヌ民族にとってはもちろん、私たちにとっても魅力ある施設とするべきと考えます。
そこで、伺いたいんですが、アイヌ文化交流センターの施設更新に当たりましては、アイヌ民族の方々とじっくりと話合いをし、意見を反映しながら進めるべきと考えますがいかがか、伺います。
○議長(
五十嵐徳美) 秋元市長。
◎市長(秋元克広) 私から、
まちづくりセンターの認知度の低さということについてお答えをさせていただきます。
先ほどもご答弁申し上げましたように、多くの方に知っていただき、
まちづくりセンターを活用していただきたいというふうに考えております。
いろいろな市役所への相談事、困り事といったときに、一義的に、地域に市の出先の機関があって、そこに職員がいるということであります。そこにいろいろなご相談をいただけるという状況になっていくことが理想だと思いますけれども、そもそも存在自体が知られていない、知らないという方が多いという状況でありますので、先ほどもご答弁申し上げましたように、
まちづくりセンターの機能や役割、これまでの取組、こういったことにつきましてもさらなる周知を図っていきたい、このように考えております。
○議長(
五十嵐徳美) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) アイヌ文化交流センターの施設の更新に当たりまして、アイヌ民族の方々とじっくり話し合って意見を反映しながら進めるべきというご質問でございました。
これまでも、文化交流センターの展示物でありましたり、施設の更新に当たりましては、札幌アイヌ協会をはじめ、様々な方々との意見交換を行いながら進めてきているところでございます。
また、今年度は、新たにアイヌ民族の学生が参加しております札幌大学ウレシパクラブの皆さんとの意見交換を実施するなど、今後のアイヌ文化継承の担い手として期待されております若い世代の方々の意見聴取にも努めているところでございます。今後とも、幅広くアイヌ民族の方々からご意見を伺いながら、必要な施策を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
(石川さわ子議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
五十嵐徳美) 石川議員。
◆石川さわ子議員 再々質問を行いたいと思います。
アイヌ協会や、また若いウレシパクラブの皆さんなどと意見交換をしながら進めておられるということを伺いました。そうしたことをさらに進めていただきたいと思います。
今日の新聞にもアイヌ民族の詩人である宇梶静江さんの記事が掲載をされておりましたけれども、今月の24日に第14回後藤新平賞を受賞した宇梶静江さんの若い仲間へのメッセージを伺う会がありました。同胞に対する、特に若いアイヌの皆さんに、自然への畏敬に満ちたアイヌの精神性を持ってつながろうという呼びかけは、和人である私たちにも民族の尊厳を感じさせるものでありました。また、アイヌ民族同士がつながることが必要であるというメッセージでありまして、私たちも共に生きることの必然性が伝わってまいりました。こうした呼びかけは、アイヌ民族の尊厳をどのように尊重すればよいかについて示唆を与えるものだったと感じています。
この間、先住民族の権利に関する国際連合宣言や、衆議院、参議院によるアイヌ民族を先住民族とすることを求める決議を受けて、いわゆるアイヌ新法が施行され、アイヌ民族の尊厳が尊重される社会を実現するため、様々な取組を行うことが広く知らしめられたのが2019年5月のことでありました。
このように、少しずつアイヌ施策が進められておりますが、自分の出自がアイヌであることに戸惑っている若い方がいるというふうにも聞いておりますし、また、アイヌ自らも変わろうとしているということであります。アイヌ民族の中では、自分たちの伝統に価値があるということを若い人たちに知ってほしいという声があり、そうした文化継承の場が求められております。これまでの札幌市の文化継承の取組においては、若い人材の育成が課題だと思います。
そこで、伺いたいんですが、アイヌ文化交流センターを、アイヌ民族同士、とりわけ若いアイヌのための民族文化の育成、継承の場として利用するなど、アイヌの伝統文化の保存、継承、振興をさらに図るべきと考えますがいかがか、伺います。
○議長(
五十嵐徳美) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) アイヌのための民族文化の育成、継承の場として文化交流センターを活用すべしということでございました。
伝統文化の保存、継承、振興におきましては、後継者の育成は大きな課題であると考えております。伝統文化に関する知識、経験を継承していくためにも、アイヌ民族による世代間交流を促進する必要があると考えておりますし、後継者として期待される若い世代の意見もお伺いしながら、文化交流センターの活用も含めて、今後、その取組を検討してまいりたいと思います。
以上でございます。
○議長(
五十嵐徳美) 以上で、代表質問は全て終了しました。
(飯島弘之議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
五十嵐徳美) 飯島弘之議員。
◆飯島弘之議員 特別委員会設置及び委員会付託の動議を提出いたします。
ただいま議題とされております議案20件のうち、令和元年度決算に関わる議案については、委員33人から成る第一部
決算特別委員会及び委員34人から成る第二部
決算特別委員会を設置し、お手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に、また、その他の議案については、同表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
五十嵐徳美) ただいまの飯島議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。
動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
五十嵐徳美) 異議なしと認めます。
したがって、ただいま議題とされております議案20件のうち、令和元年度決算に関わる議案については、委員33人から成る第一部
決算特別委員会及び委員34人から成る第二部
決算特別委員会を設置し、お手元に配付の議案付託表のとおり両特別委員会に、また、その他の議案については、同表のとおり関係の常任委員会にそれぞれ付託されました。
――
――――――――――――――――――
○議長(
五十嵐徳美) ここで、日程に追加して、ただいま設置されました第一部・第二部
決算特別委員会の委員の選任を議題とします。
本件につきましては、お手元に配付の委員名簿のとおり指名することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
五十嵐徳美) 異議なしと認めます。
したがって、委員名簿のとおりそれぞれ選任されました。
なお、両特別委員会における発言のための委員交代は、先例によりまして、両特別委員長の許可を得た上で行っていただくこととします。
――
――――――――――――――――――
○議長(
五十嵐徳美) さらに、日程に追加して、第一部・第二部
決算特別委員会の委員長の選任を議題とします。
(飯島弘之議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○議長(
五十嵐徳美) 飯島弘之議員。
◆飯島弘之議員 第一部・第二部
決算特別委員会の委員長の選任につきまして、指名推選の動議を提出いたします。
第一部決算特別委員長に小形香織議員を、第二部決算特別委員長に林 清治議員をそれぞれ選任することを求める動議であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
五十嵐徳美) ただいまの飯島議会運営委員長の動議に対し、所定の賛成者がありますので、本動議を直ちに問題とし、採決を行います。
動議のとおり決定することにご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
五十嵐徳美) 異議なしと認めます。
したがって、第一部決算特別委員長に小形香織議員が、第二部決算特別委員長に林 清治議員がそれぞれ選任されました。
――
――――――――――――――――――
○議長(
五十嵐徳美) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日10月2日から10月6日までは委員会審査等のため休会とし、10月7日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○議長(
五十嵐徳美) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
――
――――――――――――――――――
○議長(
五十嵐徳美) 本日は、これで散会します。
――
――――――――――――――――――
散 会 午後4時12分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 五 十 嵐 徳 美
署名議員 よこやま 峰 子
署名議員 佐 々 木 明 美...