札幌市議会 2020-09-30
令和 2年第 3回定例会−09月30日-03号
議案第7号 令和元年度札幌市
下水道事業会計剰余金処分及び決算認定の件
議案第8号 令和2年度札幌市
一般会計補正予算(第6号)
議案第9号 令和2年度札幌市
国民健康保険会計補正予算(第3号)
議案第10号 令和2年度札幌市
病院事業会計補正予算(第4号)
議案第11号 札幌市税条例の一部を改正する条例案
議案第12号 札幌市
控除対象特定非営利活動法人の指定の基準、手続等に関する条例及
び札幌市
控除対象特定非
営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例
案
議案第13号 札幌市
国民健康保険条例等の一部を改正する条例案
議案第14号 札幌市
道路占用料条例及び札幌市
法定外道路条例の一部を改正する条例案
議案第15号 札幌市
土地区画整理事業施行規程の一部を改正する条例案
議案第16号 札幌市
建築基準法施行条例の一部を改正する条例案
議案第21号 財産の取得の件(
教育用コンピュータ・システム(児童生徒用))
議案第22号 財産の処分の件議決変更の件(工業団地用地)
議案第23号 損害賠償及び和解に関する件
議案第24号 市道の認定及び変更の件
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〇出席議員(68人)
議 長 五十嵐 徳 美
副 議 長 桑 原 透
議 員 小須田ともひろ
議 員 藤 田 稔 人
議 員 小 田 昌 博
議 員 三 神 英 彦
議 員 恩 村 健太郎
議 員 水 上 美 華
議 員 田 島 央 一
議 員 あおい ひろみ
議 員 たけのうち有美
議 員 うるしはら直子
議 員 くまがい 誠一
議 員 森 山 由美子
議 員 千 葉 なおこ
議 員 佐 藤 綾
議 員 村 山 拓 司
議 員 村 松 叶 啓
議 員 松 井 隆 文
議 員 中 川 賢 一
議 員 成 田 祐 樹
議 員 かんの 太 一
議 員 岩 崎 道 郎
議 員 松 原 淳 二
議 員 竹 内 孝 代
議 員 わたなべ 泰行
議 員 長 屋 いずみ
議 員 佐々木 明 美
議 員 吉 岡 弘 子
議 員 田 中 啓 介
議 員 川田 ただひさ
議 員 阿部 ひであき
議 員 伴 良 隆
議 員 小 竹 ともこ
議 員 北 村 光一郎
議 員 中 村 たけし
議 員 林 清 治
議 員 前 川 隆 史
議 員 小 口 智 久
議 員 好 井 七 海
議 員 丸 山 秀 樹
議 員 池 田 由 美
議 員 太 田 秀 子
議 員 村 上 ひとし
議 員 飯 島 弘 之
議 員 こじま ゆ み
議 員 佐々木 みつこ
議 員 よこやま 峰子
議 員 細 川 正 人
議 員 村 上 ゆうこ
議 員 山 口 かずさ
議 員 しのだ 江里子
議 員
峯 廻 紀 昌
議 員 福 田 浩太郎
議 員 國 安 政 典
議 員 小 形 香 織
議 員 石 川 さわ子
議 員 長 内 直 也
議 員 山 田 一 仁
議 員 こんどう 和雄
議 員 高 橋 克 朋
議 員 勝 木 勇 人
議 員 鈴 木 健 雄
議 員 三 上 洋 右
議 員 武 市 憲 一
議 員 ふじわら 広昭
議 員 大 嶋 薫
議 員 小 野 正 美
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〇欠席議員(0人)
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〇説明員
市 長 秋 元 克 広
副 市 長 町 田 隆 敏
副 市 長 吉 岡 亨
副 市 長 石 川 敏 也
危機管理対策室長 荻 田 葉 一
総 務 局 長 平 木 浩 昭
まちづくり政策局長 小 西 正 雄
財 政 局 長 福 西 竜 也
市民文化局長 川 上 佳津仁
保健福祉局長 佐々木 美香子
経済観光局長 村 山 英 彦
環 境 局 長 佐 藤 博
建 設 局 長 小 林 安 樹
教育委員会教育長 長谷川 雅 英
選挙管理委員会委員 猪 熊 輝 夫
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〇
事務局出席職員
事 務 局 長 泉 善 行
事 務 局 次 長 奥 村 俊 文
総 務 課 長 庄 中 将 人
議 事 課 長 川 村 満
議 事 係 長 佐 藤 善 宣
書 記 高 橋 陽 平
書 記 吉 田 亮 太
書 記 酒 井 彰 悠
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開 議 午後1時
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○議長(五十嵐徳美) ただいまから、本日の会議を開きます。
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○議長(五十嵐徳美) 本日は、67人の議員が登庁しておりますが、
新型コロナウイルス感染防止対策のため、議場への出席議員を調整して行います。
ただいまの出席議員数は、35人です。
その他の登庁議員は、控室にて視聴しております。
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○議長(五十嵐徳美) 本日の
会議録署名議員としてかんの太一議員、
石川さわ子議員を指名します。
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○議長(五十嵐徳美) ここで、事務局長に諸般の報告をさせます。
◎事務局長(泉善行) 報告いたします。
勝木勇人議員は、所用のため、本日の会議を遅参する旨、届出がございました。
市長から、田中啓介議員の文書質問に対する答弁書が提出されましたので、昨日、その写しを各議員控室に配付いたしました。
本日の議事日程、質問順序表は、お手元に配付いたしております。
以上でございます。
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○議長(五十嵐徳美) これより、議事に入ります。
日程第1、議案第1号から第16号まで、第21号から第24号までの20件を一括議題とします。
昨日に引き続き、代表質問を行います。
通告がありますので、順次、発言を許します。
小口智久議員。
(
小口智久議員登壇・拍手)
◆
小口智久議員 私は、ただいまから、
公明党議員会を代表して、本定例市議会に上程されました令和元年度決算、令和2年度補正予算、その他諸議案並びに市政の諸課題について、順次、質問をいたします。
質問に先立ちまして、このたびの
新型コロナウイルス感染症により、これまでにお亡くなりになられた方に謹んで哀悼の意を表しますとともに、遺族の皆様に心よりお悔やみを申し上げます。また、今なお入院されている皆様に対しまして、心からお見舞いを申し上げます。
そして、医療従事者の方々をはじめ、日々、この感染症との闘いにご尽力をいただいている全ての皆様に、改めて深く感謝を申し上げます。
一日も早い
新型コロナウイルス感染症の収束に向け、我が会派も邁進してまいります。
それでは、まず、市長の政治姿勢について、大きく5点質問いたします。
初めに、令和元年度決算と今後の財政運営について伺います。
令和元年度決算は、
一般会計予算の骨格予算として、1兆193億円を計上し、その後、市長選を経て編成された肉づけ予算34億円を追加、さらに、
道路等災害復旧費や経済対策等に関連した国の補正予算等の活用により、最終的には1兆650億円となりました。これに対し、歳入決算額は1兆28億円、歳出決算額は9,923億円となり、形式収支から翌年度への繰越財源を差し引いた実質収支は69億円で、このうち35億円が財政調整基金に積み立てられ、一般会計純剰余金として令和2年度へ繰り越すこととしております。
また、市税決算額は3,389億円と、前年度から131億円の増加となり、堅調な伸びとなりました。これら市税収入の増については、景気の動向や国の経済政策もありますが、札幌市が取り組んでいる観光や産業振興、再開発支援など、
アクションプランに掲げた事業に着実に取り組んできた効果も含まれていると考えます。
市債残高については、全会計で、令和元年度末残高が1兆6,572億円と、前年度から148億円減となり、16年連続で減少となっております。一方、一般会計の市債残高は1兆843億円で、前年度から115億円の増となっているところです。その要因は、
臨時財政対策債が172億円増加したことによるものであり、建設債は57億円減少し、3年連続の減少となっております。
我が会派は、かねてより、市民の命と生活を守るため、社会インフラをはじめとした防災、減災の強化を訴えており、経済の活性化にもつながるものとして、今後も国と連携を図りながら財源をしっかり確保していく必要があると考えます。必要な公共投資に的確に対応していくためには、財政バランスを重視しながら、めり張りの利いた運営を行う必要があります。
そこで、質問ですが、令和元年度決算において、公共投資と財政の健全性という観点からどのように評価をしているのか、伺います。
続いて、今後の財政運営について質問をいたします。
このたびの
新型コロナウイルス感染症の経済への影響は甚大であり、インバウンドの急減に加え、大規模イベントの中止、不要不急の外出控えによる消費の落ち込みが著しく、日々、深刻さを増しております。市内の飲食店やホテル業界は、経営継続への不安を抱える事業者が増えており、また、仕事や収入が大幅に減少している旅行業などの関連職種は、活躍の場の拡大や支援の充実などが急務となっております。このほかにも様々な業種に影響が出ていることを考えますと、きめ細やかな対応や支援が必要とされ、個々に応じた柔軟さが求められております。今後も、十分な財政的な措置が行えるよう、基金の活用を図りながら、行財政改革の推進と収入の確保に努める必要があると考えます。
そこで、質問ですが、
新型コロナウイルス感染症に係る財政需要に対応して、今後どのような財政運営をしていくのか、伺います。
続いて、
北海道胆振東部地震の被災地区の対応に関する2年目の総括と今後の取組について伺います。
まずは、被災地区の対応に関する総括と今後の取組についてです。
平成30年9月の
北海道胆振東部地震から、今月で2年が経過しました。震災当日、東区では最大震度6弱を観測しましたが、私の自宅前である東15丁目・屯田通においては、断続的に路面の沈下や陥没が発生するなど、大きな被害が生じました。
しかしながら、震災から日を空けず、東区
災害防止協力会をはじめとした地元建設業の皆様の協力の下、約4.3キロメートルにわたる全区間をわずか10日余りで仮復旧するなど、極めて速やかに応急的な復旧がなされました。また、昨年度中にはおおむねの対策を終えるなど、大規模な被害にもかかわらず、施工業者間で緊密に連携・調整したことにより、重要な幹線道路は復旧し、市民生活への影響は最小限にとどめられたものと評価するところです。
さらに、宅地や道路に大きな被害が発生した清田区里塚地区については、昨年度中に地盤改良工事を終えるなど順調に対策工事が進み、損壊した戸建て住宅106棟の世帯主のうち、約9割の方が現地で住宅再建の意向を示していると伺っており、地域の
コミュニティーの再生が確実に進んでいると認識するところです。
これほど順調に災害復旧が進んだポイントの一つは、スピード感ある対応です。発災後、わずか3か月で住民に対策工法を示し、合意形成を経て半年後には対策工事に着手したことは、全国的にも異例とも言える速さで、私の
建設コンサルタント時代の経験からいってもこれほど早い対応は聞いたことがありません。被災者を思いながら、職員や建設関係者が不眠不休で対応していったことは想像に難くなく、果敢に厳しい現状に立ち向かった苦労と使命感を思うと胸が熱くなります。
さらに、もう一つのポイントは、前例のない施工技術の活用と緻密な施工管理です。これは、住宅の真下の地盤に特殊な薬液を注入するという工法で、地盤改良工法としては全国で初めて適用されました。これにより、住宅再建と対策工事を同時に進め、復旧の取組を迅速かつ確実に行い、市民に寄り添った対応をすることができました。
また、美しが丘地区などでは、住民説明会を重ねており、里塚地区と同種の
支笏火山灰質土により盛土された造成地の液状化に起因する被害に対し、今年度には再発防止の工事に着手できるとのことです。
発災以来、我が会派は、被災地をくまなく歩き、被災者の方々の切実な声を受け止め、復旧・復興施策の推進に全力を挙げてまいりました。被災する以前より、災害に強く、より豊かなまちづくりを目指す創造的復興を一貫して求めており、改めて、これまでの取組について評価するところです。
その一方で、いまだに借り住まいで生活を続けられている方もおり、地震からの復旧は、地域住民が住宅再建を終え、元の生活に戻られて初めて完了するものと考えます。
そこで、質問ですが、
北海道胆振東部地震の発生から2年を迎え、被害が発生した地区の対応に関する総括と今後の取組について伺います。
続いて、他自治体への情報発信と市の職員間での継承について伺います。
このたびの一連の取組を進めるに当たり、熊本市をはじめ、全国の自治体の過去の被災経験が参考になったものと聞いております。近年、全国的に災害が頻発し、激甚化する中で、今回の札幌市の迅速な対応は全国的にもモデルケースと言え、地震からの復旧を通じて得た知見やノウハウを全国に向けてフィードバックしていくことが重要と考えます。また、市の職員間においても情報を共有、継承することで、職員の技術力、災害時の対応力の向上が図られ、市民が安心して暮らせるまちの実現につながるものと考えます。
そこで、質問ですが、今回得た教訓や知見を、全国の自治体などに向け、どのように情報発信し、共有していくのか、伺います。
また、それらの知見を市の職員間でどのように継承していくのかを併せて伺います。
続いて、
新型コロナウイルスと
インフルエンザ同時流行の備えについて伺います。
初めに、これまでの取組で明らかになった課題とその検証について伺います。
これまで、我が会派は、5回にわたり、秋元市長に対して、
新型コロナウイルスに関する緊急要望を行い、
感染拡大防止対策と経済の立て直し、さらには、文化芸術振興の推進など、必要とする支援策を具体的に提言してまいりました。
札幌市においては、今年2月の第1波、そして4月初旬からの第2波と、二つの感染拡大の波に襲われました。特に第2波は、医療機関や高齢者施設などで集団感染が発生し、患者が急増、一時は受入れ病床が逼迫するなど、大変緊迫した局面を迎えましたが、その後、市内の医療機関の協力などもあり、5月中旬には最大350床の病床と930室の宿泊療養施設を確保することで事態を乗り切ったところです。
緊急事態措置として実施された外出自粛や休業要請は、感染拡大の防止対策として効果があった一方、地域経済に及ぼした影響は甚大なものとなりました。また、市内小・中・高等学校の一斉休校の実施により、子どもたちの学習の遅れも懸念され、市民生活の至るところに大きな傷痕を残しております。この第2波で実施した対策により、感染状況が落ち着いている今、この時期、改善すべきは改善し、第3波への備えを進めることが必要不可欠と考えます。
そこで、質問ですが、札幌市として、これまでの取組を振り返り、どのような課題を認識しているのか、また、その検証をどのように進めているのかを伺います。
続いて、これらの検証を今後どのように生かしていくのかについて伺います。
新型コロナウイルス感染症の収束がいまだ見えない中、これまでの検証を踏まえた今後の取組をより一層推し進めていかなければならないと考えます。特に、これからの季節に懸念される
インフルエンザと
新型コロナウイルスの同時流行を想定した対策は最重要と考えます。医療体制に関しては、需要の増大が予想される検査の実施体制をどのように強化するか、また、発熱者の発生をできるだけ抑えるには、
インフルエンザワクチンの接種機会の確保をどのように進めるかなど、対応しなければならないことは多く、課題は山積しております。
さらに、国においては、
感染拡大防止と経済活動の維持、回復を両立させる鍵となる
新型コロナウイルスのワクチンの開発や幅広い確保に向けて、その取組が加速しております。本市においても、有効性や安全性を大前提としたワクチンの導入に向け、その動向を注視する体制を準備していくことも必要です。
そこで、質問ですが、これらの体制強化について、どのような取組を行っていくのか、市の現在の考え方について伺います。
続いて、デジタル社会の推進について伺います。
初めに、
デジタル技術を活用した
コミュニティづくりにおける
デジタルディバイドの是正について伺います。
新型コロナウイルス感染症の拡大で顕在化した様々な課題を克服し、よりよい未来に移行するための重要な要素の一つに、
デジタルトランスフォーメーションと呼ばれる
デジタル技術の浸透が挙げられます。例えば、テレワークや遠隔診療、遠隔教育などをはじめとする
リモートサービスは、
新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに一気に活用が進みました。この動きは、市民の意識に変化をもたらすことになり、働き方改革や
生活様式そのものを見直すことにつながっております。我が会派では、このような変化が
地域コミュニティーの在り方などをよりよい方向に変えていくものと期待しております。
ある町内会では、高齢化している役員が、地域の若者に教わりながら、ZoomやLINEなどの通信アプリを用いて
オンライン会議を開催しているそうです。前向きに取り組む姿勢は大変すばらしく、
デジタル技術の利便性に触れ、関心が高まり、より高度な活用につながることが期待されます。例えば、人と人とをつなぐ
デジタル技術は、高齢の方や障がいがある方の見守り、孤立の防止、災害時の安否確認、避難誘導など、皆で支え合う
地域コミュニティーの実現に大いに活用される可能性があります。全ての人がこの
デジタル技術の流れに乗り、誰一人取り残されないよう、最低限度のICTを活用できる環境を保障するデジタル・ミニマムの基本理念が最も重要と考えます。
札幌市の
アンケート調査では、
インターネットを利用しない市民の割合は減っているものの、まだ2割の方が利用しておらず、60歳以上の方がそのほとんどを占めているとのことです。
我が会派では、
新型コロナウイルスの感染拡大前からこの問題に着目し、昨年の第3回定例会の
決算特別委員会や本年1月の総務委員会などにおいて、
デジタルディバイド是正の重要性を訴えてまいりました。
そこで、質問ですが、
デジタル技術の活用により、人と人がつながり、支え合う
地域コミュニティーを実現するため、
デジタルディバイドを是正する観点から、
インターネット等を利用しないとする市民の割合を減らしていく方策について、どのように考えているのかを伺います。
続いて、行政における
デジタルディバイドへの配慮について伺います。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、市民が窓口に来庁せずに必要な手続を可能とする
オンライン申請などのニーズがより一層高まっており、先ほど申し上げた
デジタルトランスフォーメーションの動きは、行政分野においても進められていくものと考えます。
人口減少社会のさらなる進展等に伴い、行政における職員の確保が困難になることも予想され、市民サービスの維持・向上の観点からも行政のデジタル化は避けられません。一方で、令和元年12月に改正された国が定める
デジタル・ガバメント実行計画の中で、行政のデジタル化の目的は、あくまでも国民の利便性向上等に資することであり、デジタル化を進めた結果、なじみのない方々の利便性が低下してしまうということは本旨ではなく、
デジタルディバイド対策に取り組むことが重要との考えが示されております。
そこで、質問ですが、今後、行政のデジタル化を進めていくに当たって、デジタルに不慣れな市民に対する配慮についてどのように考えているのかを伺います。
続いて、ウィズ・
アフターコロナにおける企業誘致、デジタル人材の育成について伺います。
全国的なコロナ禍による都道府県別の累計患者数は、全人口の5割が住んでいます三大都市圏で実に全体の75%以上を占めており、人口の過密地域による感染リスクの高さが浮き彫りとなりました。国では、これまで、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保し、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために、まち・ひと・しごと創生本部を平成26年に設置し、地方創生に係る施策を総合的かつ計画的に実行してきたところです。
当初の計画期間となる5年間が経過しましたが、目標に反して東京への転入が増え続け、平成30年には13.6万人の転入超過となり、東京への一極集中はより顕著となっております。
しかし、この大都市圏への人口一極集中の状況は、コロナ禍により、図らずも大きな転機を迎えるものとなりました。今や、企業の経営上、リスク分散によるBCP対策、3密回避のための生活面の重視や、
デジタル技術を活用したテレワークの実践が急務となり、東京ほど過密ではないまでも、一定のインフラが整備されている、まさに札幌市のような地方都市への関心は高まっており、大都市圏の企業、人材を誘致するチャンスであると考えます。
また、ウィズ・
アフターコロナでは、
デジタル技術に支えられた新しい日常が展望される中、企業の積極的なデジタル化、オンライン化がさらに推進され、企業誘致にとっては、
デジタル技術を支える人材の集積があるという条件はこれまで以上に重視されるものとなります。
本年1月の通常国会に提出されたものづくり基盤技術の振興施策、いわゆるものづくり白書において、デジタル人材の育成に向けた地方自治体のユニークな取組として、札幌市のSAPPORO AI LABでのAI人材育成や、企業、大学との連携により、小・中・高・大学生の各段階に応じたデジタル人材を育成するみらいIT人材育成事業が取り上げられておりました。
今後、
新型コロナウイルス対策への予算配分が最優先とされる中、ウィズ・
アフターコロナにあっても、札幌市の未来、将来を見据えていかなければなりません。これまで、企業誘致や人材育成など様々な取組を進めてきたことをしっかりと継続、発展させ、地域に企業と人材を呼び込む大きなチャンスにしてほしいと考えます。
そこで、質問ですが、ウィズ・
アフターコロナにおけるこれからの企業誘致、デジタル人材の育成についてどのように考えるのかを伺います。
次に、経済、雇用、文化芸術の支援について、3点質問をいたします。
初めに、観光客が安心して訪れることができる環境づくりについて伺います。
我が会派では、かねてより、コロナ禍による市民の観光需要創出の重要性を主張してきたところでありますが、この夏に実施された宿泊割引や観光施設無料化といった施策は、市民ニーズに合致し、経済の域内循環やシビックプライドの醸成につながるなど、その効果を高く評価しております。
また、国のGo To トラベルキャンペーンの対象に10月から東京都発着の旅行が追加されるなど、今後は、道外からも観光客を呼ぶフェーズに移行していくことになると思われます。こうして国内の誘客競争が激化する中、多くの観光客に訪れてもらうためには札幌ならではの誘客対策が必要となります。
その取組を検討する上で、コロナ禍の影響を受けて観光客のニーズが変化していることも十分に考慮しなければなりません。例えば、今年6月に日本交通公社と政策投資銀行が実施したインバウンドの意向調査では、
新型コロナウイルス収束後の訪日旅行に期待したいこととして、衛生面における配慮、清潔さ、消毒などのウイルス対策全般の継続を最も重視するといった結果が出ております。既に、海外では国単位で感染防止対策のガイドラインを策定し、認定制度が創設されたところもあると聞いております。
そこで、質問ですが、観光客が旅行地における感染防止対策に関心を寄せる傾向が強まっている中、観光客が安心して訪れることができる環境づくりについて、市長の認識を伺います。
次に、
新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた雇用対策についてです。
まずは、雇用情勢と今後の求職者支援についてです。
新型コロナウイルス感染症の拡大によって経済が停滞し、今年4月から6月期のGDPでは、年率換算で28.1%減と、戦後最悪のマイナス成長になったという内閣府の発表がありました。経済の足元を支える雇用情勢についてもさらなる悪化が懸念されており、令和2年7月の札幌圏の有効求人倍率は0.84倍と前年度の数値を大きく割り込み、あわせて、事業主の都合による離職者が増加しております。特に、札幌市の経済を担う宿泊業や飲食業などを中心に雇用情勢が悪化し、立場の弱い非正規労働者の解雇や雇い止めの動きが加速されていくことが懸念されております。
加えて、札幌市では、労働者全体に占める非正規の割合が約40%を占め、全国と比較しても高いことから、感染症拡大の影響を受けやすい労働者が多いことを危惧しております。安定した雇用は事業者の健全な経営で成り立つものであり、労働者は安定した収入によって消費支出を増加させていくことから、経済の好循環を築いていくためにも、事業者と労働者双方の視点に立った一体的な経済対策を展開していくことが重要です。
このような中、感染症拡大の影響で、離職等を余儀なくされた求職者に対し、給付つきの就職支援、さっぽろ雇用セーフティ事業が我が会派の提言により実施されておりますが、今後の雇用情勢の悪化に備えて、さらなる就職支援の取組を実施すべきと考えます。
そこで、質問ですが、札幌市は、現下の雇用をめぐる情勢についてどのように認識しているのか、また、今後どのように求職者への就職支援を実施していくのかを伺います。
続いて、学生への地元就職支援について伺います。
大学生の就職活動は3月から6月が最も活発となりますが、感染症拡大の影響により、企業説明会が相次いで中止となるなど、選考活動を一旦停止する企業もありました。また、内定の取消しや自宅待機といった事例のほか、来春以降の採用を控えるなど、特に現在の大学3年生は就職活動に大きな影響が出ると見込まれております。高校生も、例年と異なる就職環境にあるため、採用選考日程が1か月先送りとなり、就職活動に不安を抱く生徒がいるものと推察いたします。
過去に経済情勢の悪化により就職氷河期という時代があり、厳しい雇用環境の中で希望する就職がかなわず、不本意ながら不安定な仕事に就く方々がいたことが課題となっておりました。コロナ禍の今、一番大事なことは、積極的に札幌市が就職支援を実施していくことと考えます。
感染症拡大の影響による生活様式の一変で、密を避けた生活を望む人が増えており、7月の総務省の人口移動報告では、東京都から他の道府県への転出は2,522人超過しております。感染予防対策を兼ねた多様な働き方としてテレワーク等が促進されておりますが、これらの流れは、若者の地元定着や人材還流の追い風となります。学生への地元就職支援は、中長期的な視点から、労働力人口や札幌経済の維持につながっていくものであり、離職者への支援と併せて力を入れていくべきと考えます。
そこで、質問ですが、今後、学生の地元就職に対してどのような支援を行っていくのか、伺います。
続いて、文化芸術への支援について伺います。
本市では、
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、長期にわたる不要不急の外出自粛や休業要請が求められ、これにより、多くの文化芸術関係者の活躍の場や、市民が文化芸術に触れる機会が失われました。6月以降に文化施設は再開しましたが、東京の文化施設において、来場者も含めた集団感染が発生したとの報道があり、劇場等に向かう市民の足取りが重くなっていると感じられております。このため、文化施設の再開後も、文化芸術活動を取り巻く状況は依然として厳しいものがあると認識しております。
そこで、我が会派では、8月3日に、
新型コロナウイルス感染症に伴う文化芸術活動の支援に関する要望書を市に提出したところで、文化芸術活動の再開、振興に向けて課題を的確に把握する必要があり、そのためには、多様な表現分野の関係者と行政による政策形成のための議論の場となるネットワーク組織を設置すること等を求めております。
また、文化技術活動に関する相談窓口として、札幌芸術文化交流センター、SCARTSの周知徹底を図り、
新型コロナウイルス感染症拡大防止のために客席の数を大幅に減らすなど対策を実施する施設管理者の経営が悪化しないよう、文化芸術施設の使用に係る支援等も要望しております。
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中で、人々が生き生きと暮らし、生活に潤いや豊かさをもたらすために不可欠である文化芸術の灯を絶やさず、感染症拡大防止の徹底と文化芸術活動の再開、振興を力強く後押しする支援が必要です。
そこで、質問ですが、文化芸術に携わる方々の置かれている現状についての認識と今後の支援について、本市の考えを伺います。
次に、安心な暮らしについて、3点質問いたします。
初めに、大気汚染防止法の改正に伴うアスベスト飛散防止対策の強化について伺います。
これまで、我が会派は、札幌市に対し、アスベストの危険性や健康被害等に関する国の動向に敏感に対応するよう、代表質問などを通じ、求めてきました。アスベストは、安価で、多様な機能を有し、長年、社会に広く利用されてきたという背景がある中で、対策には粘り強い継続的な取組が必要であります。
アスベストの規制は、大気汚染防止法によりこれまでも段階的に強化されてきておりますが、今年の1月に、国の機関である中央環境審議会から、石綿含有成形板などのいわゆるレベル3建材を規制対象に追加するとの答申がありました。これを踏まえて、国は、環境の日と定める6月5日に改正大気汚染防止法を公布し、一部を除き、来年4月から順次施行される運びとなりました。
今回の法改正のポイントは、主に4点から成ります。まず、1点目として、アスベスト含有建材が使われた建築物や工作物の解体等工事について、これまで対象ではなかったレベル3建材も含めて全ての建材を規制の対象とすることです。2点目は、解体等工事の前にアスベスト使用の有無の調査を有資格者が行う方法等を明確化し、調査結果は都道府県などへの報告を新たに義務づけ、適切に実施されること、3点目は、法に違反し、隔離等をせず、吹きつけアスベスト等の建材の除去作業を行うといった行為に対し、作業基準を遵守させるために直接罰を創設すること、4点目は、アスベスト含有建材の除去作業についての記録を保存するとともに、発注者への報告を義務づけ、アスベストの取り残しを防止することであります。いずれの内容も、市民の安全・安心を守るため、非常に意義のある改正であると認識しております。
しかしながら、法律が幾ら整備されても、行政職員が実際の工事現場を直接確認し、また、事業者に法改正について普及啓発を進めなければ、その実効性を欠いてしまう結果になるのではないかと危惧しております。
これまでも、札幌市は、条例により独自の作業基準を定めるなど、他の自治体に先駆けた取組を行うとともに、吹きつけアスベストや煙突用断熱材などレベル1、2のアスベスト含有建材の除去作業ついては、原則として、全ての除去現場への立入調査を行い、適切な飛散防止対策の監視・指導を徹底していると承知しております。
今回の法改正により規制対象となるアスベスト関連の工事件数は、現在の5倍から20倍に増加するとのことですが、札幌市には、アスベスト飛散防止対策に一層注力するよう期待するところです。
そこで、質問ですが、法改正に対応するため、札幌市の監視体制を充実させる必要があると思いますが、札幌市の認識と、飛散防止対策の強化に向けた取組についてお伺いいたします。
続いて、コロナ禍における脱炭素社会に向けた取組について伺います。
我が会派は、これまで、喫緊の課題である気候変動対策に向けて、SDGsの推進、具体的には水素エネルギーの普及などを取り上げ、札幌市が積極的に脱炭素社会を実現するように求めてまいりました。
今年の第1回定例会の代表質問では、地球温暖化に伴う気候変動対策について質問したところ、市長からは、2050年には、温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指すゼロカーボンシティ宣言が行われ、脱炭素社会の実現に向けて積極的に取り組んでいく姿勢が表明されました。
先日、国連のグテーレス事務総長は、日本の企業や都市が積極的に脱炭素社会に取り組んでいることに対して、非常に興味深いと評価され、政府もCO2排出の実質ゼロを宣言した自治体を応援していくと述べております。暖房エネルギー消費量が大きい積雪寒冷地での札幌市がゼロカーボンシティを実現すれば、他の都市にもその可能性は大きく広がっていくと考えられ、我が会派としても大いに評価をしているところです。
また、水素エネルギーについては、災害に強く、環境に優しいまちづくりの観点からモデル街区の整備を検討していくと聞いており、水素エネルギーのサプライチェーンモデルとなるよう期待をしております。
現在、
新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会情勢や経済状況が大きく変化しておりますが、一方で、地球温暖化は刻一刻と進行しており、この危機的な状況はもはや先送りが許されず、今こそ取り組まなくてはならない人類の課題と言えます。
札幌市では、2月14日に
新型コロナウイルスの感染者が確認されて以降、ソ−シャルディスタンスの確保とウイルス対策に向けた行動変容が求められ、中でも、室内における感染症対策として十分な換気を行うことが特に大切であると考えます。これから、暖房が欠かせない季節となりますが、室温を下げずに効率よく換気を行うには、高断熱・高気密な建築物に熱交換効率の高い換気設備を設置することで、暖房エネルギーを節減しながら働き手の健康と快適な室内環境を守り、業務の生産性も高めることができます。従来から、札幌市においては、冬の暖房エネルギー対策として、建物の気密性や断熱性能を高めていく取組を進めてきました。この技術を生かした高断熱・高気密な建築物に高効率な換気設備を導入することで、エネルギー消費量を大幅に削減したゼロ・エネルギー・ビル、いわゆるZEBを目指すことができ、このZEBの普及を進めることで気候変動対策の推進と
新型コロナウイルス対策の両立を図ることができます。
札幌市においては、今もZEBの普及を進めているとのことでありますが、市自らがZEBを導入し、ウィズコロナ、
アフターコロナへの有効性を民間にも広めていくべきではないかと考えます。
そこで、質問ですが、ゼロカーボンシティを目指す札幌市において、気候変動対策の推進とウィズコロナ、
アフターコロナの課題を同時に解決していくため、高効率換気設備の導入をはじめとする様々な技術を活用したZEBを率先して市有施設に導入すべきと考えますが、市の考えを伺います。
続いて、道路インフラへの影響に配慮した冬道の安全確保について伺います。
多雪寒冷な大都市である札幌市は、冬期間の安全・安心な市民生活や社会経済活動を支えるため、除排雪のみならず、凍結路面対策についても環境の変化に着実に対応する力を注いできました。
平成4年にはスパイクタイヤからスタッドレスタイヤへの転換が一気に進みましたが、その一方で、つるつる路面が社会問題となり、それを契機に凍結防止剤の散布が始まりました。本格的に散布し始めた当時は、環境に優しく、さびを生じさせにくい有機系の凍結防止剤CMA、カルシウム・マグネシウム・アセテートが使用されておりましたが、つるつる路面を可能な限り早く解消するため、速効性のある塩化物系の凍結防止剤へと切り替わっていきました。
他の積雪寒冷地でも、価格や性能の面から塩化ナトリウム単体の凍結防止剤が使用されるようになりましたが、一方で、塩化物により金属の腐食が進行するため、道路の附属物や地下埋設物などの道路インフラに悪影響を与えることが懸念されております。
近年、全国的にも道路インフラなどの維持管理が課題とされており、国や札幌市をはじめとした各自治体で、橋梁などの主要な構造物の維持管理を行うに当たり、これまでの事後保全から予防保全型の維持管理への移行による長寿命化が進められております。
札幌市としては、つるつる路面対策はもちろんのこと、道路インフラへの配慮が重要と考え、融氷性能やさびの発生を抑える防錆性能の基準を設けた性能規定を平成18年度から導入し、これによって防錆剤を入れた塩化ナトリウムの凍結防止剤が主流となり、道路インフラなど、腐食への影響は一定程度抑えられていると考えられます。
しかしながら、近年の気候変動による少雪や寒暖差の影響で凍結防止剤の散布量は増加しており、さらに、道路のひび割れによる地下埋設物への影響などが懸念されております。腐食や損傷によるインフラの修繕には多額の予算がかかり、さらには、整備にも長い期間を要するため、予防保全型の取組が一層重要となります。
そうした観点から、近年、凍結防止剤についての様々な研究が進んでおり、インフラをより長く維持できるように、凍結防止剤の防錆性能の向上、さらに、スタッドレスタイヤの性能の向上も踏まえた適切な散布方法の再検討なども必要ではないかと考えます。
そこで、質問ですが、凍結路面対策について、凍結防止剤の防錆性能の向上を図るとともに、散布の対象路線や頻度を見直すなど、道路インフラへの影響に配慮した冬道の安全確保に向けて取り組むべきと考えますが、市の見解を伺います。
次に、市民の命と尊厳を守る体制について伺います。
初めに、命を守るがん対策について伺います。
医学が進歩した現代でも、日本の3人に1人はがんで死亡すると推計されており、40年近くにわたり、我が国の死亡原因の1位を占めております。この9月は、60年の歴史を刻むがん制圧月間です。がんは、早期発見・早期治療による死亡率の低下が期待されることから、全国の自治体で胃がん、大腸がん、肺がん、子宮がん、乳がんの対策型検診が実施されております。しかしながら、受診率を見ると、令和元年の国民生活基盤調査では改善状況が見られるものの、国が掲げる目標に達していないのが現状です。
さらに、追い打ちをかけたのは、コロナ禍によるがん検診の受診率の低下です。密を避けたことにより、がん検診のみならず、持病をお持ちの方が本来かかるべきである医療機関の受診を控え、悪化させてしまったという事例もあります。実際に、北海道知事が、2月28日に緊急事態宣言を行ってから国が解除する5月25日までの間、各区の保健センターや地域の会館等で行う集団がん検診が一時的に中止されました。さらに、医療機関においても、従事者の感染リスクを避けるためにがん検診を休止していたところもあったと聞いております。
日本対がん協会によりますと、
新型コロナウイルス拡大の影響で、検診を受ける人は例年より3割以上減ると見込まれているとのことです。がんを早期発見できずに以後の治療が困難になることは、生命に関わる重大な問題であり、抗がん剤等による治療が長期にわたった場合は、患者のQOL、クオリティー・オブ・ライフ、生活の質の低下につながる問題でもあります。札幌市による集団検診は既に再開されておりますが、コロナ禍にあって、いまだに感染を恐れて受診を控えている人も多くいると考えます。
新型コロナウイルス感染拡大は、そのままがんの早期発見・早期治療の機会を奪うことにつながっており、今後、検診の受診者数が持ち直しに向かっても、これまでの影響を免れないのではないでしょうか。ウィズコロナと言われる今、改めてがん検診の重要性を訴え、多くの市民ががん検診を受診するように働きかけ、がんによる死亡率の減少に努めていくことが、市民の健康増進やQOLの向上につながるものと考えます。
そこで、質問ですが、本市における
新型コロナウイルスの感染拡大によるがん検診への影響について、また、今後、がん検診の受診率の向上にどのように取り組んでいくのか、伺います。
続いて、市民の尊厳を守る終活支援について伺います。
引き取り手のない遺骨は、全国的に増加傾向にあります。札幌市においても、2006年度の54件から、昨年度は318件と大幅に増加しております。この引き取り手のない遺骨のほとんどは、身寄りがない、あるいは親族と疎遠となっているなどの様々な理由から引き取られていない状況にあります。子どもや身寄りのない夫婦の夫が先立ち、後に妻も亡くなった場合、遺骨をどこに納めてよいか分からないという問題や、預金を使って火葬し、無縁納骨堂に納めてほしいとの遺書が残されているにもかかわらず、事前に手続されていないため、市が火葬、納骨を執り行い、本人の望んだ宗教儀式で供養できなかったという事例もありました。このように、本市区役所の遺骨に関する事務は増加の一途をたどっておりますが、本人の意向に沿った葬祭、埋葬は、高齢期の方の安心に欠かせないものであることを十分認識し、対応を考えるべきであります。
横須賀市では、終活支援事業として、2015年から、自治体が何もしなければ、死後、引き取り手のない遺骨になる市民の思いを聞き、尊厳を守るという理念の下、民業圧迫に留意しつつ、市と協力葬祭事業者が連携し、所得、資産の制限や、頼れる親族がいない高齢の市民といった条件を定め、該当者には低額で火葬から納骨まで行うというエンディングプラン・サポート事業を実施しております。この事業の開始後、所得制限により対象とならなかった方々からも、頼れる親族がいない、自分が倒れた後が心配との相談が数多く寄せられ、健在のうちに意思を伝えていただく登録事業の重要性に気づいたそうです。
さらに、引き取り手のない遺骨が急増した背景には、親族の名前と住所から電話番号を調べ、遺骨を引き取っていただいていたものの、携帯電話の普及により困難となっていることが挙げられます。横須賀市では、こうした状況を受け、2018年から終活支援の第2弾として、わたしの終活登録事業を実施しております。この登録事業は、本人の希望と同意に基づいて、元気なうちに終活に関する情報を市に登録しておき、万一のときは、病院、警察、消防、福祉事務所の4者と、あと、本人が指定した者からの問い合わせに対して市が代わって回答するものです。亡くなった方の緊急連絡先が分からない場合、警察や病院は、費用の問題もあり、市役所に問い合わせをすることがほとんどですが、その際、本人に代わって意思を伝えるハブ機能を市役所が持つことで、本人が契約した互助会とは別の互助会に葬祭業務が任されるというミスマッチの解消につながることを狙いとしております。
そこで、質問ですが、身元が分かっているにもかかわらず、引き取られ手のいない遺骨が増えている状況について、どのように認識しているのか、また、安心して人生の最終章を送るため、エンディングプラン・サポートや終活登録などの終活支援事業を始めるべきだと考えますがいかがか、伺います。
続いて、新しい見守りの体制について伺います。
札幌市の刑法犯認知件数が年間で約1万1,000件、1日当たり30件の犯罪が発生しております。また、犯罪には至らないものの、子どもや女性への声かけ、つきまといなどの行為が多発している状況です。犯罪のない明るい社会の実現は市民共通の願いであり、市内の各地域でも、各種団体を中心に、日々、熱心な見守り活動などが行われております。
しかしながら、2018年に国が策定した登下校防犯プランでは、既存の防犯ボランティアが高齢化し、担い手が不足している、地域の目が減少した結果、見守りの空白地帯が生じているという課題が挙げられております。こうした課題の解決策として、我が会派は、その要請を訴え続け、防犯カメラ設置支援制度が創設されるなど、犯罪の抑止や事件の早期解決、日々の防犯活動の負担軽減にも寄与しております。
防犯カメラの設置に関する市民の意識は、ここ数年で大きく変化し、最近の意識調査では、約97%の市民が設置に賛成という結果もあり、その有用性は大きく認められております。最近では、新たな見守りの手法の一つとして、車両に設置されるドライブレコーダーを活用する自治体も出てきております。このドラレコは、近年、悪質なあおり運転や事故の証拠映像としての活用を契機として、その設置が急速に進んでいるところです。
このドラレコによる見守りの取組について、我が会派は、調査研究を進め、先日もこの取組を進める企業を訪問、視察し、ドラレコによる見守りの有用性と犯罪抑止力としての可能性を大いに確信してきたところです。また、この取組を先進的に行っている兵庫県尼崎市にも話を伺い、新たな見守りの形としてドライブレコーダー見守り協力者を募集し、その趣旨に賛同する市民がオリジナルデザインのステッカーを車につけ、動く防犯カメラとして市内約900台の車両がこの取組に参加し、市民に安心感を与えております。さらに、市の公用車もこの取組に加わり、自治体として犯罪は許さないというメッセージの発信につなげております。犯罪のない明るい社会の実現には、こうしたドラレコによる見守りなどの取組を行うなど、多様な担い手による地域の見守りの目をより確保していくことが必要と考えます。
そこで、質問ですが、本市のこれまでの地域の見守り活動に当たっての課題、そして、それを踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。
最後に、教育課題について、2点お伺いたします。
初めに、安全・安心な登下校の取組について伺います。
新型コロナウイルス感染症に影響を受けた短い夏休みも終わり、子どもたちが元気に登校している姿が見られるようになりました。
道警は、市内の不審者情報を「ほくとくん防犯メール」として配信しておりますが、多くの保護者が登録、活用する中、令和元年度には1,060件もの通知がありました。そのうち、犯罪発生、防犯対策情報は846件、子どもの被害情報は211件にも上り、登下校中の子どもの安全に大変不安を感じるという保護者の声を、私自身、数多く聞いております。
日々、警察や各地域の見守りの活動も行われており、多くの大人の目で子どもたちを見守ることが犯罪を事前に防止する大きな力になっているのは周知のことと思います。しかしながら、地域の取組は多種多様であり、さらなる取組を行っていくことには限界があるとも考えます。
平成30年に文部科学省が示した通知によれば、通学路の緊急合同点検等の徹底、登下校における安全確保対策の強化を柱に、家庭、地域、警察等の関係機関と連携し、学校や地域の実情に応じた安全確保対策について確実に取り組むこととしております。私は、この中に示された父兄から評価の高いICタグを活用した対策を、ぜひ、全校で登下校の安全確保の推進のために実施すべきと考えているところです。
こうした登下校管理システムを導入している小学校は、本市においては、8月現在で198校のうち約6割に取り入れられております。しかしながら、この登下校管理システムは、平成25年に、市立小学校の校長会で説明があったものの、導入状況にはばらつきがあり、私の地元である東区の保護者からは、他の区にいたときはこのサービスを受けられていたのに、転校先の学校では同じサービスが受けられないのは残念等の声をいただいております。保護者が安心して子どもを学校に通わせるためには、こうしたシステムのさらなる導入が必要と考えるところです。このICタグを活用した登下校管理については、積極的に各学校に周知すべきであり、安全・安心な登下校の実現に向けて様々な取組を重ねていく必要があると考えます。
そこで、質問ですが、こうした状況を踏まえ、学校における安全・安心な登下校について、今後どのように取り組んでいくのかを伺います。
続いて、学びの質の充実について伺います。
新型コロナウイルス感染症は、現在においても終息には至っておらず、長期化することが想定されるところです。
現在、学校では、この春に行った全市一斉の臨時休業によって生じた学習の遅れを解消すべく、学校での学習活動を重点化しております。さらに、家庭学習や外部人材による放課後の学習支援を組み合わせるなど、効果を高めるように工夫しており、夏休み期間にも授業日を設け、今年中には学習ペースを通常の状況に戻せる見込みと聞いております。また、運動会や修学旅行などの学校行事についても、感染症対策の徹底を図ることはもとより、子どもたちの心情面や教育的意義を踏まえ、内容や実施方法を見直し、今できることを工夫して取り組んでいると伺っております。学校は、様々な苦労を抱えながらも、子どもたちの豊かな学びを実現するために、教職員が知恵を絞り、保護者や地域の方々からの協力を得て努力を重ねる日々が続いております。
こうした状況の中、国においては、今後の感染症の拡大により、学校が臨時休業になったとしても、学びを止めないためのツールとして、全ての児童生徒に1人1台のタブレットを整備するGIGAスクール構想の実現を、当初予定よりも加速させ、札幌市においても今年度中に1人1台のタブレットを整備する予定です。
ウィズコロナの新しい生活様式の実行と、1人1台のタブレットの活用という大きな変化の中で、学校教育は転換期を迎えております。我が会派としては、このたびの
新型コロナウイルスの影響による大きな変化を前向きにチャンスと捉え、今までとは違う発想で乗り越えていく姿勢が必要と考えます。個々に応じたきめ細やかな指導や、集団での学び合いなど、学校ならではの学びの質の充実に向けた取組を進めることが重要であると考えます。
そこで、質問ですが、感染症対策による様々な制約がある中、教育委員会として、子どもの学びの現状についてどのような課題があると認識しているのか、伺います。
また、加速するGIGAスクール構想を踏まえ、今後どのように学びの質の充実に取り組んでいくのか、伺います。
以上で、私の質問の全てを終わります。ご清聴、誠にありがとうございました。(拍手)
○議長(五十嵐徳美) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で大きく5項目のご質問をいただきました。私からは、大きな1項目めの私の政治姿勢について、この点についてお答えをさせていただきます。その余のご質問につきましては、担当の副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
私の政治姿勢についてのまず1項目め、令和元年度決算と今後の財政運営についてお答えをいたします。
1点目の令和元年度決算についてでありますが、令和元年度決算の建設事業費は、公共施設等の耐震化、インフラの更新などの都市の強靱化や
北海道胆振東部地震の復旧、復興など1,004億円となり、4年連続で1,000億円以上を確保したところであります。また、市税収入の増などにより、実質収支は69億円の黒字となったほか、一般会計市債残高は、財政措置のない市債の発行抑制を図ったことによって、
アクションプラン2019で見込んだ額を下回る水準にとどめることができました。このように、まちづくりに必要な投資は積極的に進めつつ、将来世代に過度な負担を残さない、バランスのとれた財政運営を行うことができているものと認識をしております。
次に、2点目の今後の財政運営についてでありますが、
新型コロナウイルス感染症の影響の長期化が見込まれる中、感染症拡大の防止や新しい日常への転換など、新たな行政需要に対しまして、今後もちゅうちょなく財政出動し、機動的に対応していく考えであります。
その財源確保につきましては、財政調整基金の残高を一定程度確保しつつ、必要に応じて積極的な基金活用を行ってまいりたいと考えているところであります。
また、全ての経費について効率化を徹底するとともに、社会経済情勢に応じた事務事業の見直しを行うなど、選択と集中によるめり張りの利いた財政運営に努めてまいります。
次に、私の政治姿勢についての2項目め、
北海道胆振東部地震から2年の総括と今後の取組についてお答えをいたします。
1点目の被災地区の対応に関する総括と今後の取組についてでありますが、被害が甚大でありました里塚地区と東15丁目・屯田通の対策工事につきましては、国の支援の下、住民の皆様や関係企業、札幌市が協力をし、三位一体となって進めてきたことによって、2年という短い期間でおおむね終えることができたところであります。また、美しが丘地区などにつきましても、地域のご理解をいただき、今年度より、地震被害の再発防止に向け、地下水位を下げる対策などに順次着手するところであります。
今後につきましては、引き続き対策工事をしっかりと進めていくとともに、地域の皆様に寄り添った丁寧な対応に努め、一日も早く被災前の生活を取り戻せるよう、しっかりとサポートしてまいりたいと考えております。
2点目の他自治体への情報発信と市の職員間での継承ということでありますが、里塚地区の被害につきましては、全国にも例のないものでありましたが、その対策や対応を検討する過程において、国の研究機関や、関係する研究実績の多い大学、さらには、全国の被災経験のある自治体などからいただいた助言が大変参考になったところであります。
このため、札幌市としても、今回得た技術的な知見や現地事務所を活用した対応などについて、既に全国会議や関係する学会などを通じて一部発表しているところでありますが、今後も広く情報発信をしてまいりたいと考えております。また、市職員間におきましても、研修会などを通じて、今回の経験を継承し、職員の技術や対応力の向上に生かしていく考えであります。
次に、政治姿勢の3項目めの
新型コロナウイルスと
インフルエンザ同時流行の備えについてお答えをいたします。
1点目のこれまでの取組で明らかになった課題とその検証ということでありますが、4月以降の第2波では、まず、PCR検査につなぐ相談・検査体制の整備や病床の確保など、感染者対応について急激な感染拡大局面において十分に対応できなかったところがありました。また、
感染拡大防止策として実施をいたしました外出自粛や休業要請によって、市内事業者の売上げが落ち込み、社会経済活動に大きな影響が生じたことなどの課題があったものと認識をしております。
今後は、第2波で得た経験を踏まえ、医療提供体制の強化などを進めるとともに、市民生活や社会経済への影響を最小限にとどめるべく、より効果的な取組を進めることで第3波に備えてまいりたいと考えております。
これらの中間的な検証につきましては、現在、最終的な調整を行っている段階でありまして、北海道の中間検証の結果や、先日の市議会調査特別委員会でのご議論も踏まえ、早急に取りまとめてご報告したいと考えております。
2点目の今後の体制強化に向けた取組についてであります。
札幌市では、これまで、
新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、帰国者・接触者外来医療機関やPCR検査センターの設置などにより、随時、必要な体制を構築してきたところであります。今後予測される
新型コロナウイルス感染症と
インフルエンザの同時流行により、発熱患者が大幅に増加することが懸念されるため、民間検査機関の協力を得て検査能力を拡充するほか、診療と合わせて検査を行える医療機関を増やすことで、さらなる検査体制の強化を図る考えであります。
また、高齢者を対象とする
インフルエンザワクチン接種の助成につきまして、各種広報媒体を活用し、周知することなどによって接種の促進を図っていきたいと考えております。
このように、医療体制や検査体制の強化、ワクチン接種の促進など、包括的に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、政治姿勢の4項目めのデジタル社会の推進についてお答えをいたします。
今後、様々な
デジタル技術が加速度的に社会に浸透していくことが予想される中、市民がスマートフォンやパソコンなどにふだんからなれ親しんでいただく環境づくりが重要だと考えております。一例として、昨年度実施をいたしましたスマートフォンの利用を参加条件とした健康ポイント事業では、参加者のおよそ2割が60代以上の方でありましたが、操作方法を丁寧にご説明させていただいた結果、円滑に事業の実施ができたところであります。
また、行政のデジタル化に当たりましては、
オンライン申請の拡大のみならず、デジタルに不慣れな市民に配慮し、電話によるサポートや郵送による申請ということも併せて検討しているところであります。
今後も、このような
デジタル技術に触れるきっかけづくりや、手厚い支援、多様な手法の組み合わせにより、
デジタルディバイドへの対応を図ってまいりたいと考えております。
次に、政治姿勢の5項目めのウィズコロナ、
アフターコロナにおける企業誘致、デジタル人材の育成についてお答えをいたします。
コロナ禍の影響を受け、リモートワーク促進やリスク分散の観点から、オフィスの立地や働き方に関する企業の考え方に変化が現れてきております。こうした状況は、札幌市にとりましても、企業進出への関心を高めてもらう契機であるとも認識をしております。
これまで、本社機能移転に対する補助制度を設け、通勤時間の短さや都市と自然の調和といった優位性を打ち出しながら積極的な誘致活動を展開してまいりましたが、これらに加え、昨年度からは、みらいIT人材育成事業を立ち上げ、企業、大学との連携による寄附講座の開設や、児童生徒を対象としたプログラミングの学習機会を提供して、人材育成にも力を入れているところであります。
企業の地方進出におきましては、人材の集積ということが特に重視されておりますことから、こうした事業の内容の充実や参加者の増加を図るなど、より多くの若者に技術習得の機会を設け、デジタル人材を育成することによって今後も企業誘致を積極的に進めてまいりたいと考えております。
私からは、以上です。
○議長(五十嵐徳美) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな4項目めの市民の命と尊厳を守る体制について、3点のご質問にお答え申し上げます。
まず、1点目は、命を守るがん対策についてのご質問でございますが、がん検診の受診者数については、昨年同時期との比較で全てのがん検診で大幅な減少が見られ、特に5月の大腸がん検診の落ち込みが最も大きく、昨年比で2割にも満たない受診状況となっていたところでございます。しかし、5月25日の緊急事態宣言解除後は、受診者数の改善傾向が見られ、大腸がん検診の受診者も7月には昨年比で約9割にまで回復するなど、受診控えはかなり減少してきていると認識するところでございます。
今後も、がんの早期発見・早期治療のため、SNSの活用や、メディアと連携し、さらなる受診率の向上に向けて、様々な機会を通じた普及啓発を強化してまいります。
次に、2点目の市民の尊厳を守る終活支援についてのご質問でございますが、引き取り手がなく、合同納骨塚に納められる遺骨の数は、単身高齢者の増加や親族間の関係の希薄化などから増えてきているものでございます。そしてまた、いわゆる終活につきましては、近年、社会の関心の高まりに伴って、民間事業者等が様々なサービスを提供するようになってきているところでございます。
札幌市といたしましては、民生委員や福祉のまち推進センター等と連携しながら、高齢者の孤立の防止や緊急連絡先の把握等に取り組んできており、引き続き、こうした地域の活動への支援により、市民の安心につなげてまいりたいと考えるところでございます。
次に、3点目の新しい見守りの体制についてのご質問でございますが、札幌市では、これまで地域の団体や事業者等を中心に防犯活動に取り組んできたところでございますが、防犯活動の担い手不足は、札幌市が行った調査結果からも明らかとなっているところでございまして、見守りの裾野の拡大は安全に安心して暮らせるまちの実現に向けて重要な課題であると認識するところでございます。
そのため、本年5月に策定いたしました第3次札幌市犯罪のない安全で安心なまちづくり等基本計画におきまして、個々人が散歩や買物など日常の活動を行う中で、気軽に地域を見守る、ながら防犯を重点的に推進することとしたところでございます。
今後、ドライブレコーダーを活用した見守りを含め、ながら防犯の様々な手法について、その課題や効果などを調査研究してまいりたいと考えているところでございます。
私からは、以上でございます。
○議長(五十嵐徳美) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、3項目めの安心な暮らしについてお答えをいたします。
まず、大気汚染防止法の改正に伴うアスベスト飛散防止対策の強化についてであります。
今回の大気汚染防止法の改正は、石綿含有成形板などのレベル3建材を新たに規制対象とするなど、大幅な規制強化が行われるものであり、職員による立入調査の拡大や講習会の開催などによる普及啓発が極めて重要であると認識するところです。
このため、規制対象となる工事件数の増加に対応すべく、アスベスト飛散を防止するための監視・指導体制を整備、強化してまいります。
次に、コロナ禍における脱炭素社会に向けた取組についてであります。
2050年に温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す脱炭素社会を実現するためには、オフィスビル等におけるエネルギー消費を大幅に削減することができるゼロ・エネルギー・ビル、いわゆるZEBに取り組むことは重要な対策の一つと考えるところであります。加えて、ZEBで使われている技術の中には、暖房エネルギーを削減しながら換気をすることができる高効率換気設備などのように、気候変動だけではなく、感染症予防にも効果が高いものがあると認識しております。
今後は、市有施設における高効率な設備の導入や、高断熱化、再生可能エネルギーの導入など、様々な技術の活用によるZEB化の検討を進めていくことで気候変動対策と感染症予防の両立を図ってまいりたい、このように考えているところでございます。
次に、道路インフラへの影響に配慮した冬道の安全確保についてであります。
凍結路面対策につきましては、道路インフラへの影響に配慮して取り組むことが重要であると認識しております。
そのため、凍結防止剤の防錆性能については、雨水と同程度の結果が得られるようにその仕様を定めており、さらなる性能向上に関しましては、その必要性や経済性などを総合的に判断していく必要があるものと考えるところであります。
また、散布の対象路線や頻度につきましては、現在、主なバス路線や幹線道路を対象として、昼夜の温度差により早朝の路面凍結が予想される場合などに散布を行っているところでございます。
今後も、道路インフラへの影響に配慮しながら、気象状況などに応じた適切な路面管理に努めてまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(五十嵐徳美) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) 私からは、大きな2項目めの経済・雇用、文化芸術の支援についてご答弁を申し上げます。
まず、1点目の観光客が安心して訪れることができる環境づくりについてであります。
ウィズコロナの時代におきましては、観光客の感染防止対策に対する意識が高まりますことから、安全で安心できる旅行先として選ばれるまちを目指すことが重要となってまいります。
これまで、札幌市では、多くの観光客が訪れる薄野地区や定山渓地区が独自に行う感染防止の取組に対し、いち早く支援を行ったほか、市内全域の宿泊施設の感染防止対策も進めてきたところであります。今後も、観光事業者等と連携を図りながら、感染防止対策をしっかりと進めるとともに、取組内容を広く発信することによりまして、観光都市としての安全・安心ブランドの構築に努めてまいります。
2点目の
新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた雇用対策についてであります。
まず、雇用情勢と今後の求職者支援についてでありますが、札幌市の雇用情勢につきましては、有効求人倍率が7か月連続で前年同月を下回っておりまして、さらに、今後、解雇等の雇用調整による離職者の増加も懸念される状況にあるものと認識をいたしております。
このため、新型コロナ特別就業専門相談窓口における個別支援や、さっぽろ雇用セーフティ事業の拡充のほか、早期の再就職を目指す方がその場で採用面接を受けられる合同企業説明会でありますワークフェスさっぽろの開催など、求職者に寄り添った切れ目のない支援を継続してまいります。
次に、学生への地元就職支援についてであります。
コロナ禍により、売手市場でありました昨年から一変をし、大規模な採用を控える企業が増えていることに加え、密な生活を避けるため、地元就職への意識が高まっており、このことは、地元札幌への就職を積極的に支援する契機になるものと認識をしているところでございます。
そこで、学生の地元企業への就職を促進するため、今年度から新たに奨学金の返還支援やインターンシップなどの取組を実施いたしますほか、道外の学生につきましては、UIターン就職センターにおきましてオンラインで相談や就職説明会等を実施するなど、支援の充実を図っているところであります。
さらに、今後も、学生に対しまして様々な地元企業の魅力のPRに取り組みますほか、若者の就職志望が高いIT関連企業や、正社員登用が多く見込まれます企業を積極的に誘致いたしまして、雇用の受皿を増やすことで若者の地元就職をより一層支援してまいります。
続きまして、3点目の文化芸術への支援についてであります。
緊急事態宣言を受けて施設が閉鎖されたことを受け、文化芸術活動に携わる方々の活動の機会が著しく減少いたしましたことから、これまでも、その活動を支援するため、例えば、無観客での公演を実施し、その様子を映像配信する費用の補助等を行ってきたところでございます。
6月以降、文化施設は徐々に再開いたしまして、9月19日以降は入場者数の制限が一部緩和されましたものの、
新型コロナウイルスの収束が見通せない中、依然として文化芸術団体等が積極的に公演活動等を行いにくい状況が続いているものと認識をいたしております。
そこで、コロナ禍にありましても文化芸術の灯を絶やさないため、今後、公共施設及び民間施設のうち、一定の要件を満たす施設の会場費の一部を補助することで、文化芸術活動の再開を支援してまいりたいと考えているところであります。
私からは、以上であります。
○議長(五十嵐徳美) 長谷川教育長。
◎教育長(長谷川雅英) 私から、5項目めの教育課題についてお答えをいたします。
まず、1点目の安全・安心な登下校の取組についてでございますが、これまでも、各学校では、通学路の安全点検やスクールガードによる見守り活動、防犯パトロールなど、警察や地域と連携し、地域ぐるみで安全・安心な登下校に取り組んできたところでございます。このほか、子どもが自ら危険を予測し、身を守ることができるよう、関係機関と連携した安全教室の開催や地域の安全マップの作成など、防犯教育を推進しております。
今後は、これらの取組に加えまして、メールによる不審者情報の迅速な発信や、ICタグを活用した登下校管理といった情報機器による防犯対策等につきましても各学校に周知するなど、地域や学校の実情に応じた効果的な取組がさらに進められるように努めてまいりたいと考えております。
次に、2点目の学びの質の充実についてでございますが、現在、学校では、3密を避けながら教育活動を行っており、これまで大切にしてきた子ども同士の活発な議論や実験、制作など協働的な学びを従来どおりに行うことが難しい状況にあります。
一方で、1人1台のタブレットを整備することにより、子ども同士が画面を通して意見を交わしたり、協力してレポートやプレゼンテーション資料の編集を行ったりするなど、これまでとは異なった協働的な学びが可能となります。さらに、教師がクラスの子ども全員の学習状況を手元のタブレットで即時に把握し、適切なアドバイスを行うなど、子ども一人一人に応じたきめ細かな指導を行うことができるようになります。
教育委員会といたしましては、今回のGIGAスクール構想を機に、タブレット等を効果的に活用した新たな学びの在り方について、モデル校による研究開発を行い、各学校に普及啓発を図るなどして、より一層、学びの質の充実に努めてまいります。
私からは、以上でございます。
○議長(五十嵐徳美) ここで、およそ30分間休憩します。
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休 憩 午後2時20分
再 開 午後2時50分
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○副議長(桑原透) これより、会議を再開します。
代表質問を続行します。
田中啓介議員。
(田中啓介議員登壇・拍手)
◆田中啓介議員 私は、日本共産党を代表して、市政の重要問題について、順次、質問をいたします。
初めに、市長の政治姿勢についてです。
質問の第1は、菅首相の政治姿勢に対する見解についてです。
安倍首相の辞任表明に伴う自民党総裁選挙の結果、菅 義偉官房長官が新総裁となり、菅内閣が発足しました。菅首相は、安倍政権の継承を前面に打ち出していますが、その7年8か月は、継承に値するどころか、負の遺産にあふれているというのが実態です。その内容は、歴代政権が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使を容認する閣議決定と安保法制、いわゆる戦争法の強行、社会保障の削減や非正規雇用の拡大、トランプ政権言いなりのアメリカ製兵器の爆買い、森友、加計、桜を見る会に公文書の改ざんなど、憲法に背き、貧困と格差を拡大し、政治への信頼を失墜させるものでした。このような政治の継承など、到底、許されるものではありません。
また、菅首相が目指すべき社会像を自助、共助、公助と述べたことに批判が高まっていますが、これこそ、自己責任を押しつけ、医療、介護、年金など社会保障を削減してきた安倍政権のスローガンでした。コロナ危機の下、苦しんでいる国民に対し、さらに自助で頑張れと突き放すのではなく、社会保障の拡充はもちろん、窮地にある国民の暮らしと中小事業者への支援、医療体制の抜本的強化など、公助、すなわち国や地方自治体の役割こそ求められていると考えますがいかがか、市長の見解を伺います。
また、自助や自己責任を国民に迫るのは、政治の在り方として問題だと考えますが、いかがですか。
菅首相が、消費税について、将来的なことを考えたら引き上げざるを得ないと述べたことにも批判が広がりました。この発言は、昨年10月の消費税10%増税による打撃と、コロナ危機という未曽有の事態にある国民の窮状に全く思いが及んでいないことの表れだと考えますがいかがか、伺います。
質問の第2は、核のごみ受入れ問題についてです。
寿都町の片岡町長が、原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみの最終処分場選定に向けた文献調査への応募を検討している問題が波紋を広げ、周辺町村や漁協などから反対の声が上がっています。
秋元市長は、定例記者会見で、核のごみの道内持込みを受け入れ難いとする道の条例があり、自治体が遵守する責任があると述べましたが、自らの賛否については明言しませんでした。
高レベル放射性廃棄物は、使用済み核燃料を再処理して残った廃液をガラスに混ぜて固体化したものですが、その表面の放射線量は20秒で致死量に達するレベルだと言われています。しかも、少なくとも10万年は管理が必要とされ、誰かが安全への責任を負うことなど、そもそもできる代物ではありません。
道都札幌の市長として、また、197万人の市民の生活と安全に責任を負う市長として、核のごみは受け入れられないとはっきりと表明すべきだと考えますがいかがですか、また、根本的な解決は原発ゼロの日本に進む以外にないと考えますが、市長の認識を伺います。
質問の第3は、SDGsの本市計画についてです。
2015年9月の国連サミットで採択されたSDGsは、開発途上国を対象としたMDGsを引き継いで生まれ、誰一人取り残さないを基本理念として、地球規模の環境問題や貧困問題もその原因は足元にあるので、広い視野を持ちつつ、地域課題の解決に取り組むべきであるという考え方にあります。
貧困と社会の問題を解決するための取組は、同時に進めることが不可欠であるという国際的な基準であり、その基準の一番最初に貧困をなくすことが掲げられ、次いで、飢餓をゼロに、人々に健康と福祉をと続きます。つまり、環境問題を解決する上で、貧困をなくすことは最優先の課題に位置づけられているのです。本市にとっても、まさに貧困問題は喫緊の課題であり、対策が急がれます。
2017年、札幌市子ども・若者生活実態調査の結果を見ると、中学生、高校生の子に受診を我慢させた、2歳の子どもがいる家庭で冬に暖房が使えなかった、希望する保育施設がないため困っているなど、貧困状態が命に関わる実態が見られました。
これらに関連した本市の施策は、子ども医療費助成は、来年度からようやく小学6年生まで、保育所の待機児童数は、本年4月時点で1,869人、毎年1,000人を超えているなど、まだ不十分です。こうした問題を直ちに解決するなど、子どもの貧困打開を最優先に取り組むことが、SDGsの実現にとって不可欠だと考えますがいかがか、伺います。
20歳と24歳の若者の雇用形態は、パートやアルバイト、派遣労働が正規雇用を上回ります。第2期未来創生プラン策定期に行った調査では、25歳から39歳の若者の結婚への障害は生活を維持していくための資金です。また、夫婦が持つつもりの子どもの数を持てない理由として収入が不安定なことを挙げています。この調査の結果、本市で暮らす子どもや若者が長い年月にわたって苦しい生活を強いられていると見ることができます。
本市は、札幌市まちづくり戦略ビジョン・
アクションプラン2019などで、SDGsの視点を踏まえながら取組を進めるとしています。憲法が生きる持続可能な社会へ変えるためには、
アクションプランの中で貧困をなくすための具体的な目標を明らかにすべきと思いますが、お考えを伺います。
質問の第4は、2030年に焦点を当てたまちづくりの見直しについてです。
我が党は、第1回定例議会で、2020年度予算案について、都心部の開発に偏重したまちづくりは極めてバランスに欠けると指摘しました。コロナ禍により、世界的に経済が低迷、本市でも財政出動の増大と税収減少が予測されることから、今後のまちづくりの見直しが必要です。
1点目は、2030年冬季オリンピック招致についてです。
現在、本市は、冬季オリンピック招致を推進しています。招致活動に28億円を想定、オリンピック費用は圧縮されて3,500億円と試算されていますが、過去の開催都市の例からも、さらに費用は増大する可能性があります。
オリンピックのたびに、開催国の財政負担がかさんできたことが、各国の招致に向けた姿勢を消極的にする結果となりました。新聞が行っているここ3年間のオリンピック招致についての世論調査では、賛成と反対がほぼ拮抗しています。反対する人の理由は、ほかにもっと大事な施策がある、招致活動や施設の整備、維持にお金がかかるが多くを占めています。財政負担に市民が不安を抱いている表れではないでしょうか。
招致に当たっては、なお一層の費用削減と市民の理解と納得が前提となることから、この秋に行われる予定だった2030年冬季オリパラ招致への市民の賛否を問う調査について、中止せず、早い段階で市民の賛否を問うべきと考えますが、市長のお考えを伺います。
2点目は、北海道新幹線延伸についてです。
北陸新幹線と九州新幹線では、当初より2割前後も建設費が増大し、自治体も追加負担を迫られています。北海道新幹線も同様の増額となれば、総額約2兆円の規模ともなる公共工事が財源の裏づけがないままに進められる異常事態です。
現在でも、札幌市域内の負担は2,100億円、本市は350億円の重い負担、さらに、駅舎の費用や駅周辺の開発費用等の負担、施設維持等の費用がかかります。また、重金属等を含む要対策土の受入れ候補地では、近隣住民の反対が大きく、市民の理解なくしてはその先に進めることができないと第1回定例市議会で市長が答弁されていますが、手稲区山口では、住民説明会を開いたものの、反対には耳を貸さず、事前調査ありきで進められ、住民から調査の中止や除外を求める陳情が上がっています。
さらに、新幹線の札幌−東京間の所要時間は5時間1分と、航空機のほうが時間、運賃ともに優位である上、ほとんどがトンネル構造で、北海道の雄大な景色という利点が生かされず、札幌延伸で利用者数が大きく増えるとの予測は根拠薄弱と言わざるを得ません。
新函館北斗駅開業から4年で予測を大きく上回る341億円の赤字であり、コロナウイルスの影響により、今年4月から6月期の3か月では、昨年同時期より14億円増え、34億6,600万円の大幅赤字です。新幹線の赤字が経営を悪化させ、在来線が切り捨てられる事態となっています。
2018年6月から7月の北海道新聞の世論調査では、札幌延伸について、効果が期待できる、札幌から先に伸ばすべきが合わせて37%であるのに対して、利用は限られる、地方路線切捨てにつながりかねない、恩恵が限られ、関心がないなど否定的な意見が61%です。
整備新幹線を国家的事業として推進した国が責任を持って問題を検証し、工事については一時的に中断し、道民の議論と結果をその後の計画に反映させるものとし、中止、凍結も選択肢とするよう国に求めるべきと考えますがいかがか、伺います。
3点目は、都心アクセス道路についてです。
昨年末に結成された都心アクセス道路に反対する市民の会が、8月28日、1万2,435筆の署名を秋元市長に提出しました。本市は、アクセス道路の建設に向け、都市計画の変更を行うための住民説明会を北区、東区、中央区で8回行いました。合計258名の住民が参加するなど、関心が高まっています。
説明会では、北海道開発局が作成した豊平川氾濫シミュレーションで、氾濫水が都心アクセス道路に押し寄せる問題が各会場で住民から出され、堤防の決壊が想定される72時間雨量406ミリ程度の豪雨はいつ起こってもおかしくない等の意見が出されました。想定される雨量には、排水ポンプを設置し、対応するとの行政側の説明に対し、水だけでなく、土砂や石が流れ込んできた場合、どうやってポンプで排水できるのかとの質問も出されましたが、事業化に合わせて具体的な検討を深めると答えるのみでした。また、1,000億円もの税金を投入するのに周辺住民だけの説明会はおかしい、地下整備案に決定してから説明するというのは納得できないとの意見も出されましたが、住民の疑問や不安は払拭されないまま、建設計画が進められようとしています。
我が党は、創成川通に都心アクセス道路を建設することはやめるよう繰り返し求めてきました。コロナ禍での第2回定例会で、市長は、市内経済の活性化を図るものだとして必要との認識を示しましたが、経済が活性化する前に倒産に追い込まれる中小企業が生ずるような事態です。コロナウイルスと最前線で闘っている医療機関や介護事業所なども経営危機にさらされています。
コロナは、今なお収束せず、次の感染の波に備える必要があります。しかも、新たなウイルス感染を専門家は指摘しているのです。このような時代に、今、1,000億円を超える地下構造の道路建設に市民の理解と納得を得られると思っておられるのか、伺います。
4点目は、今後のまちづくりについてです。
2019年度の一般会計決算額は、歳入1兆28億976万円、歳出9,922億7,178万3,000円で、歳入から歳出を引いた形式収支は105億3,797万7,000円、翌年度への繰越財源36億8,004万円を引いた実質収支は68億5,793万7,000円の黒字でした。
一方、市債の発行残高は、前年度比1.1%増の1兆842億7,100万円で、全会計では1兆6,571億9,200万円に上り、自ら賄える財源の割合を示す財政力指数は、政令指定都市の中でも最低ランクとなっています。
本市では、北海道新幹線の延伸を見据え、北5西1・西2地区のJR札幌駅周辺の再開発と巨大ビル建設計画、中島公園のMICEや南2西3、北8西1地区の再開発とめじろ押しです。既に、本市の一般会計建設債の発行残高は右肩上がりに増え続けており、今後、これらの開発事業に巨額の市税が投入され続けていけば、福祉や暮らしの予算に一層しわ寄せされることは明らかです。
市長は、国際観光都市を目指し、都心をリニューアルして、海外から観光客を呼び込み、富裕層向けホテルの誘致を進めると言います。しかし、
新型コロナウイルスのパンデミックによる社会経済情勢の変化によって、インバウンドは大きく落ち込み、パンデミック以前に多く見られた外国人観光客が大型の観光バスで回るという形から、今後は、感染対策をしながら、国内・道内旅行へ少人数で温泉やその土地の食べ物、文化やまち並みをゆっくりと楽しむ観光の形が主流となっていくと考えられます。
ウィズコロナの時代に向けて、今後のまちづくりの在り方について再検討が求められていると考えますが、いかがですか。
本市が推進しているインバウンド依存、都心一極集中のまちづくりではなく、地元の商店街の振興と生活利便施設が郊外に行き渡るまちづくりが求められていると考えますがいかがか、伺います。
質問の第5は、ジェンダー平等についてです。
1点目は、2020年ジェンダー・ギャップ指数の評価についてです。
世界経済フォーラムが2019年12月、ジェンダー・ギャップ指数を発表しました。今回調査対象となった153か国中、日本は121位と過去最低を更新、しかも、先進国G7では最下位で、最も男女格差が大きいことになります。
この指数は、健康、教育、経済、政治の四つの分野のデータから作成されています。日本の結果を分野別に見ると、健康は40位、教育は91位、経済では115位、政治は144位という結果です。問題なのは、同じ教育を受けた男女が社会に出たときに同じように活躍できているかということであり、特に管理職やリーダーの女性の占める割合は僅か15%で131位、所得は男性の半分で108位という結果であり、そのことが経済や政治の分野での低評価につながっています。
市長は、2020年ジェンダー・ギャップ指数の報告書をどのように受け止めておられるのか、認識を伺います。
2点目は、第4次男女共同参画さっぽろプランについてです。
第4次男女共同参画さっぽろプランの基本目標にある男女共同参画の視点を反映させるための環境づくり、男女の多様な働き方の推進において、本市は、女性の労働力率を分析し、出産、育児期に当たる年代に一旦低下し、育児が落ち着いた時期に再び上昇するM字カーブは緩和されていますが、解消には至っていないこと、女性の正規雇用者割合は全国と比べて低く、賃金も低位な状況と、現状と課題を明らかにしています。
また、男性は仕事、女性は家庭、男性は主要な業務、女性は補助的業務などの固定的性別役割分担意識が根強く、女性が結婚、出産により離職する場合が多く、一度離職してしまうと再就職等をすることは容易ではないと述べ、雇用環境の整備の不十分さ、人材の登用、育成に長い時間がかかることも課題として記されています。
本市の取り組むワーク・ライフ・バランスや女性の活躍の推進に向けて積極的に取り組む企業を認証する認証制度や、推進アドバイザーの派遣などの事業が女性の労働力の引上げにつながっていると考えますが、雇用の継続においては課題が多く残されています。働き続け、経験を積むことは、女性一人一人が重要な場面に参画し、意見を述べる力となり、あらゆる分野での女性活躍につながると考えます。そのために、本市としてどのような施策が求められているのか、市長のお考えを伺います。
また、本市が率先して実践に取り組み、民間企業をリードしていく役割があると考えますがいかがか、伺います。
次は、雇用についてです。
新型コロナウイルスの感染拡大の下で、4月から6月期の国内総生産は年率換算で実質マイナス28.1%と、戦後最悪の落ち込みとなりました。その要因の一つが、働く人の所得が激減し、個人消費が減ったことです。
質問の第1は、本市の雇用形態の特徴とコロナ禍による影響についてです。
2019年の非正規雇用比率は約4割と、30年前に比べ、2倍以上に増え、女性の割合はさらに高く約6割に上ります。さらに、正規、非正規の賃金格差は最大1か月19.2万円と、格差是正は進んでいません。
本市の産業構造は、サービス業、卸売、小売業などの割合が高く、第3次産業が中心の産業構造です。第3次産業は、他産業と比べ、非正規雇用の割合が高い傾向にあることから、本市の非正規雇用率は全国平均より高く、雇用者報酬が低いのが特徴です。
厚生労働省の発表では、8月末時点でコロナ関連による解雇は、見込みも含め、累計5万人を超え、そのうち非正規雇用者は4割以上を占めています。しかも、飲食業や宿泊業など第3次産業での失業者数が多くを占めています。
本市の雇用者実態は、生活保障が不安定な非正規雇用者の割合が高いという特徴が、とりわけコロナ禍で深刻なものにしていると思いますが、市長の認識を伺います。
また、経済が厳しくなると、真っ先に影響を受ける非正規雇用者の解雇や雇い止めなどを最大限回避する対策が求められると思いますがいかがか、伺います。
質問の第2は、雇用を守る制度の実態と雇用支援策についてです。
総務省が5月末に発表した4月の労働力調査では、完全失業率は前年比0.1%増にとどまりました。一方で、休業者数は、前年同月の177万人から過去最多となる597万人と3倍以上も増加しました。これは、全就業者の10%が休業していることになります。
この休業している労働者の半分以上は、非正規雇用労働者です。国の休業補償や雇用を守るための支援制度として、雇用調整助成金や小学校休業等対応助成金制度などがあります。しかし、
新型コロナウイルスの影響で休業した、例えばスポーツジムのインストラクターや飲食店などの従業員はそれぞれ自宅待機となりましたが、いまだ休業手当を受けられていない方も少なくありません。
これらの制度は、雇用者への直接支援ではなく、原則、事業者が申請すること、さらに、助成金を受けるためには、事業者が従業員に対し、休業手当をまず支給していることが前提になっています。資本の少ない中小・小規模事業者が9割以上を占める本市では、コロナ禍で売上げが大幅に落ち込んだ中、助成を受ける前の段階では従業員に休業手当を支給することは困難です。
一方、労働者個人が申請する休業支援金・給付金は、4月から6月分は9月末を締切りとしていますが、9月10日時点で予算額5,400億円に対して約1.8%しか支給されていません。国の雇用支援制度によって本市で働く人の雇用が守られていると言えないと思いますがいかがか、市長の認識を伺います。
国に対し、雇用支援制度の改善を求め、雇用者の生活を保障する直接的な雇用支援策が必要だと思いますがいかがか、伺います。
次は、医療と介護についてです。
コロナ危機によって、日本の医療、介護などのサービス供給体制の脆弱さが浮き彫りとなりました。特に、感染症対策の抜本的強化と医療供給体制の立て直しは、一刻の猶予もならない喫緊の課題です。本市の課題を鮮明にし、次の感染の波に備える対策が急がれます。
質問の第1は、医療供給体制についてです。
国は、国立感染症研究所の研究者の人数と予算を大幅に削減するなど、長年にわたり感染症対策を軽視してきたこと、全国で感染症を治療する医療機関の施設整備と専門家の育成に重大な遅れを生じさせました。また、度重なる診療報酬の削減と徹底した医療の効率化路線は、ベッドを常に満床かつ高速回転で運用しなければ収益が上がらないなど、医療機関に本来必要なゆとりまで奪い取り、感染症の拡大や災害発生時など緊急時に必要な医療供給体制に重大な支障を来しました。
1点目は、感染症病床と専用病床についてです。
感染症が拡大した際、医療崩壊を防ぐ上で、感染症病床の果たす機能と役割は重要ですが、国は、一貫して指定医療機関や感染症病床の削減を進めてきました。
新型コロナウイルス感染症は、指定感染症のため、原則として感染症指定医療機関の感染症病床で治療します。しかし、感染が拡大する下、病床削減を進めてきた厚労省は、緊急、やむを得ない場合には、感染症対策が施された専用病床など指定された感染症病床以外での入院治療を可能とする方向性を打ち出しました。これは、感染症病床が不足したことに対する緊急の対応です。
本市は、介護老人保健施設茨戸アカシアハイツでの集団感染が発生した際に、病院側で感染者を受け入れる余裕がないことを判断根拠として、施設内に入居者を留め置いたとしています。感染症病床がかなり逼迫していた状況だと思いますが、入居者を留め置く判断をした時点での市内感染症病床と専用病床の稼働率はそれぞれどの程度であったのか、伺います。
また、今後は、介護サービスの必要な高齢者、妊産婦など、患者特性に応じた医療の提供をできる感染症病床等の充実を図ることが必要であると考えますが、どのように対処されるのか、伺います。
さらに、病床を機能させるためには、看護師確保による人的体制の充実が病床を運用する上で不可欠な要素だと考えますが、どのような対策を講じているのか、伺います。
2点目は、ICUベッド数についてです。
感染症の爆発的な感染拡大、いわゆるオーバーシュートした場合、重症者に対応できるICUなど、集中治療体制の充実度が重要となります。
一般社団法人日本集中治療医学会によると、3月末時点での感染者における致死率では、イタリアが11.7%と高かった一方で、ドイツの致死率は1.1%と低かった主な要因を、ICUのベッド数が、ドイツでは人口10万人当たり29床から30床であるのに対し、イタリアは12床程度と少なかったことを挙げています。その上で、日本は、イタリアよりも高齢化が進んでいるにもかかわらず、医療崩壊が起こったとされるイタリアの半分以下、5床程度のICUベッド数では、死者数から見たオーバーシュートは非常に早く訪れると、日本の集中治療体制の脆弱さに警鐘を鳴らしました。
5月1日の臨時市長記者会見では、市内医療機関で重症者に対応できるICUベッド数は32床ですが、コロナ感染症の重症者は16人おり、このほかに大きなけがや緊急の病気でICUが使われる場合があることから、32床という数字もかなり限界に近づいており、日増しに医療体制が逼迫している状況にあるという認識を示しました。
当時、本市における人口10万人当たりのコロナに対応するICUベッド数は2床未満です。今後、コロナ感染拡大と季節性
インフルエンザの同時流行を考慮した場合、ICUベッド数は極めて不十分であると考えますが、認識を伺います。
また、1日当たりの重症者のピークは何人を想定しているのか、伺います。
3点目は、専門性の構築についてです。
医療機関では、ICUなど集中治療を行う設備を有しながらも、人的体制の不備でフル稼働が困難な場合があると言われています。集中治療は専門性が高い分野のため、医師や看護師などの育成と経験の蓄積が課題です。
本市は、集中治療体制の充実に向け、専門性を構築する上での役割を発揮すべきだと考えますが、認識を伺います。
質問の第2は、地域医療の現状と支援についてです。
全健康保険加入者の6割を扱う社会保険診療報酬支払基金の診療報酬請求件数によると、緊急事態宣言が出された4月の受診患者数は、前年比で2割減少しました。病院より診療所での落ち込みが大きく、耳鼻科と小児科で4割、眼科で3割もの受診患者数が減少しています。これは、コロナ感染者の対応をしていない医療機関も含め、厳しい患者減の状況を示すものです。要因として、患者は外出の自粛で受診を控えたこと、医療機関は、急を要しない手術や検査の休止、予約外来の制限と縮小を行ったこと等が挙げられます。
1点目は、受診抑制の影響についてです。
コロナ感染拡大の下で、市民の医療機関への受診控え、検査の延期、服薬の中断などによる病状の悪化が懸念されますが、どのように認識されているのか、伺います。
前年度の4月と5月を比較した生活保護世帯の受診状況と、国民健康保険加入世帯の1人当たりの医療費など、保険給付状況を明らかにしてください。
さらに、受診抑制による病状悪化を防ぐためには、医師会とも連携し、安心して受診できる仕組みづくりと、市民に対しても必要な受診の周知を呼びかけるべきですが、どのように対処されるお考えなのか、伺います。
2点目は、医療機関の連携体制を維持する上での考え方と支援についてです。
市内の医療機関は、感染症の対応のみならず、あらゆる疾患に対して日常的な医療を提供し、市民の健康と命を守るとりでとして日々奮闘しています。その要となるのが医療機関同士の連携です。しかし、設備の改修と各種の感染防止対策による費用の増加と、患者減による大幅な医業収益の減収により、ほとんどの医療機関は経営危機に陥っています。多くの医療機関が経営的に立ち行かなくなれば、連携自体が成り立ちません。また、院内感染を恐れ、季節性
インフルエンザ感染拡大など、発熱を訴える患者の受入れを拒否せざるを得ない状況が各医療機関に広がった場合にも、本来必要な連携が取れなくなります。
医療機関の深刻な経営危機と患者受入れの課題は、医療機関個別の問題とせず、地域医療全体を守る本市の課題として捉えることが何よりも重要だと考えますが、本市の認識を伺います。
また、パンデミックに耐え得る連携体制の維持と強化には、医療機関への検査、治療機器、感染防止設備への補助など、本市独自の財政支援が不可欠だと考えますがいかがか、伺います。
質問の第3は、介護現場への支援についてです。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響による減収で、市内介護事業所等の倒産、廃業が危惧されています。とりわけ、食事、入浴、機能訓練などの通所系サービスを提供する介護事業所等での減収幅が大きく、深刻です。
厚生労働省は、6月、経営的打撃が大きい通所系サービスと短期入所系サービスを対象に、救済措置として、本来の介護報酬より2段階上となる報酬区分の算定を認めるなどの特例措置を講じました。算定する上での条件は、ケアマネジャーとの連携と利用者の同意です。しかし、利用者から同意が得られても、国の特例措置を利用した場合、2段階上の報酬区分の算定は新たな利用者負担に直結します。また、介護サービスの支給限度額を超えないように、本来利用可能なサービス回数を減らさなければならないケースもあります。
このように、介護現場では、特例措置を活用する際の疑問と混乱を解決してほしいという要望がありますが、どのように受け止め、認識されているのか、伺います。
そもそも、介護現場には、実際に提供もしていないサービスに利用者負担をさせていいのかというためらいがあるのです。
窮地に立つ介護事業所等を支えるためには、新たな利用者負担をなくし、介護現場がためらいなく制度を活用できるよう、国の臨時交付金を活用し、増額する利用者負担分への本市独自の補助金制度を創設することが必要であると考えますがいかがか、認識を伺います。
質問の第4は、PCR検査と季節性
インフルエンザワクチンの接種についてです。
国は、PCR検査の強化が必要だと言いながら、全国での検査体制の強化は進みませんでした。その背景には、国民に自粛と感染防止を呼びかけるだけで、検査によって感染状況を把握し、ウイルスの拡散を封じ込めるという科学的戦略が不十分であったことがあります。
本議会で、市長は、今後の感染拡大に備え、PCR検査と抗原検査を、11月から、1日当たり、現在の約7倍となる3,900件とする補正予算案を提出しました。
この間、我が会派は、5度にわたる市長への緊急要請において、PCR検査等の拡大を強く要望してきました。感染拡大の波に備える検査の大幅な拡大は大賛成であります。今後は、検査の拡大にふさわしい要員の確保と検査を受けやすい体制づくりが肝要となりますが、どのように取り組むお考えなのか、伺います。
また、今秋から冬にかけて、
新型コロナウイルス感染症とともに、季節性
インフルエンザの同時流行が懸念されています。どちらも初期症状が酷似しており、病院での判断も難しいと言われており、感染者を出さないための事前の対策が重要です。
新型コロナウイルス感染症と季節性
インフルエンザの同時流行による医療崩壊を防ぐためにも、医療、介護、保育など人と接することが避けられない仕事に従事する市民への
インフルエンザワクチン接種費用を助成すべきだと考えますがいかがか、伺います。
次は、学校の環境改善についてです。
質問の第1は、学校の新しい生活様式を踏まえた衛生環境整備についてです。
8月27日、新型コロナによる感染防止の具体的な取組や少人数学級の様子をテーマに、市内の小学校を会派で視察させていただきました。体育や音楽の授業や校外学習などで身体的な距離を取る工夫のほか、児童に分かりやすいイラストや具体例などを用いて、マスク着用や手洗いの大切さの保健指導を行っていること、教室への網戸の設置、水道蛇口のレバー式への取替えなどの取組についてお聞きしてまいりました。市内の全小・中学校では、学校における
新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアルを踏まえたこうした取組が行われています。換気について、マニュアルでは、可能な限り常時、困難な場合は小まめに30分に1回以上、数分間程度、窓を全開する、2方向を同時に開けて行うと書かれています。網戸のない窓を開けることは、虫の侵入などからためらう場合も少なくありません。また、手洗い後にウイルスが手につくことを防ぐため、肘や手の甲で締めることのできるレバー式蛇口は感染防止に有効です。
こうした感染防止のための器具等は、市内全ての小・中学校に設置すべきだと考えますがいかがか、伺います。
質問の第2は、少人数学級についてです。
1点目は、国の少人数学級の検討についてです。
7月2日、全国知事会、全国市長会、全国町村会が、国に対し、公立小・中学校の普通教室の平均面積は64平米であり、現在の40人学級では感染症予防のために児童生徒間の十分な距離を確保することが困難であることから、その対応が学校現場において大きな課題となっています、こうした状況、実情を踏まえて、今後予想される感染症の再拡大時に当たっても必要な教育活動を継続して子どもたちの学びを保障するためには、少人数学級により児童生徒間の十分な距離を保つことができるよう、教員の確保がぜひとも必要であるという緊急提言を手渡しました。
9月8日には、教育再生実行会議の初等中等教育ワーキング・グループの初会合で、小・中学校の少人数学級の実現を目指すことが合意され、本体会議有識者の佃 和夫氏が、少人数学級化が喫緊の課題、日本の40人学級は多過ぎて、不登校の児童生徒などにとっても人数が壁になっている、少なくとも早期に30人以下、できれば20人を目指していきたいというのが平均的な意見だったとの議事の様子を語ったことが報道されました。
また、萩生田文部科学大臣が、18日、再任に当たって取り組むべき課題に、
新型コロナウイルスに続く新しい感染症に向けた対策として少人数学級の導入を挙げました。
こうした国の少人数学級検討の動きについて、本市の見解をお聞かせください。
2点目は、本市の少人数学級の拡充についてです。
本市では、現在、小学2年生までと中学1年生において35人学級を実施しています。少人数学級の実現は、行き届いた教育環境の充実という面から、これまでも学校現場や保護者からの期待が大きく、また、秋元市長の選挙公約です。長谷川教育長も、少人数学級の拡充を検討する方針を明らかにしております。
また、視察した小学校では、24人の学級ではランドセルが教室内にありましたが、38人の学級では、身体的距離を確保するために机が教室の全面を使って配置されており、その結果、廊下にブルーシートを敷いてランドセルを置いている状況でした。コロナ禍において社会を挙げて社会的距離を取る努力をしている中で、学校だけを例外にすることがあってはならないと考えます。
また、高学年になるほど子どもの体は大きくなり、教室内では身体的距離を保つのがより困難であることから、学年を限定することなく、全学年を対象に実施すべきと考えますがいかがか、伺います。
次に、貧困実態についてです。
質問の第1は、生活困窮者への支援についてです。
本市では、
新型コロナウイルスの影響で、生活相談がかつてないほど増加しています。札幌市生活就労支援センターステップは、月平均220人前後の相談件数から、緊急事態宣言後、4月は1,590人、5月は2,058人と増え続け、7月までの4か月間の平均は1,262人と、前年度に比べ、5倍から6倍にもなっています。年齢は20代から50代の現役世代が84%を占めており、その相談内容は、家賃やローンの支払いが圧倒的に多く、次いで収入や生活費となっています。毎月の収入があれば何とか暮らしていたものの、コロナによる休業や失業の影響による突然の収入減で、途端に暮らせなくなった現状が現れています。
6月15日の参議院
決算特別委員会で、安倍首相は、我が党議員の質問に、生活保護制度について、文化的な生活を送る権利があるのでためらわず申請してほしいと答えました。この答弁を受け、厚労省は、リーフレットの生活保護のページに、「生活保護の申請は国民の権利です」と文言を加え、積極的に生活保護を活用するよう呼びかけています。
本市では、総合支援資金などの貸付けを利用する市民が急増しています。今後、貸付期間が終了した後の生活の見通しが立たない場合、生活保護の申請が増加することが予想されます。
市長は、困窮する市民に向けて、生活保護の申請はためらわないでほしいと明確に発信していただきたいと思いますがいかがか、伺います。
また、2018年10月から段階的に減額してきた生活保護費は、さらに、今年10月から、食費や光熱費など生活扶助の支給額について、予定どおり減額を実施するとしています。生活扶助基準は、最低生活水準で国民生活の土台となるものです。厚労省は、国民の医療、年金など47もの施策に影響することを明らかにしています。コロナ禍で生活困窮する人が増えているのに、なぜ、今、減額するのかと批判の声が上がっています。
10月からの生活保護減額は中止すべきと思いますが、市長の見解を伺います。
質問の第2は、子どもの貧困についてです。
国は、児童扶養手当を受けている世帯を対象に、1世帯5万円のひとり親世帯臨時特別給付金を実施しました。本市の基本給付となる令和2年6月分の手当を受けている支給対象者数は、1万7,677世帯でした。そのうち、
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて収入が減少したと申出があった方には追加で1世帯5万円が給付され、9月1日時点で7,619世帯から申請がありました。また、所得制限により児童扶養手当の対象から外れていた世帯も支援の対象としたところ、277世帯から申請がありました。
7月に、シングルマザー支援に取り組むシングルマザー調査プロジェクトチームが行った
新型コロナウイルスの影響によるシングルマザーの就労・生活調査の結果によると、アンケートに答えた母子家庭1,800人のうち、18.2%が食事回数を減らし、14.8%が1回の食事量を減らしていることが分かりました。
ひとり親家庭では、母親がダブルワーク、トリプルワークで家計を支えていることは珍しくありません。そこにコロナ禍が直撃し、失業や休業を余儀なくされ、収入が落ち込み、困難が生じています。これらは子どもの貧困に直結しており、事態は極めて深刻です。
本市は、子どもの貧困対策計画の改定時期に合わせ、子どもの貧困実態調査をするとしておりますが、改定時期を待つことなく、コロナ禍で深刻化する子どもの貧困実態を緊急的に調査する必要があると考えますがいかがか、伺います。
また、収束が見えない中で、ひとり親給付金事業や学生支援給付などは、繰り返し給付するよう国に求めるべきと思いますがいかがか、伺います。
最後に、環境都市についてです。
新型コロナウイルスは、人間社会の空前の発展、グローバル化により生態系を大きく変化させ、地球環境を破壊し、自然界と人類との接点が広がり、接近したことにより、人に感染するようになったと言われています。新型コロナの問題が収束したとしても、新たな感染症が次々と生じる可能性が高いと専門家は指摘しており、長期的な視点からパンデミックが起こりにくい経済社会が求められており、温暖化を食い止め、環境保護の施策を加速させなければなりません。
質問の第1は、グリーンリカバリーについてです。
国際エネルギー機関、IEAは、
新型コロナウイルスによるロックダウンなど、経済活動が停滞したことにより、2020年の世界のエネルギー起源CO2排出量は、2019年比マイナス8%と大幅に縮小する見込みと公表しました。しかし、これは一時的なものであり、2021年には経済活動が復興し、CO2が増える可能性が高いことから、グリーンリカバリーを提言しました。
グリーンリカバリーは、コロナウイルス感染前と同様の社会や経済の回復ではなく、環境負荷軽減を強め、パリ協定とSDGsに合致した脱炭素で災害や感染症に強靱な社会経済に回復しようとする考え方であり、EUを先頭に、先進国が積極的に取り組んでいます。日本でも、環境省がCO2排出のリバウンドを繰り返すことがあってはならないと力説し、グリーンリカバリーへの意見交換が始まっています。
本市では、現在、事業の継続と雇用の維持など、経済活動を回復、支援する取組が進められているところですが、市民生活、経済活動を回復させる上でグリーンリカバリーという考え方を持つことは重要であると思いますが、どうお考えか、伺います。
質問の第2は、本市の温暖化対策についてです。
1点目は、温暖化対策推進計画のCO2削減目標についてです。
本市は、2022年度までに熱利用エネルギーを2010年度比15%削減し、電力で原子力発電分の50%を省エネ、再生可能エネルギー、分散電源に転換することを通じて、2030年に1990年比25%のCO2を削減する中期目標を持っています。
東京大学先端科学技術研究センターの中村 尚教授は、この100年間に世界全体の平均海面水温は0.55度C以上上昇した、日本周辺の海域は1.14度Cの上昇で、世界の2倍の速さで温暖化が進行していると述べています。日本近海の水温が高くなったことにより、積乱雲が発達しやすくなっていることが、7月の九州から山形の広範囲に長期にわたる集中豪雨をもたらしたと考えられています。静岡県浜松市や埼玉県熊谷市で41.1度Cという異常な高温をもたらしたことなど、繰り返される異常気象と地球温暖化とは深く関連しています。
本市は、2011年に温暖化対策推進ビジョンを策定し、福島第一原発事故による国のエネルギー政策等の変化を受けて、2015年に温暖化対策推進計画に改定していますが、新型ウイルスが人に感染をもたらす要因や、こうした深刻な温暖化の進行を見るならば、その対策を一層強化させる必要があると考えます。
そのため、本市のCO2削減のための計画を変更し、目標値の引上げや達成する時期を早めることを検討すべきと考えますが、ご見解を伺います。
2点目は、再生可能エネルギーへの転換についてです。
今年8月に、本市のエネルギービジョンと温暖化対策推進計画進行管理報告書の速報値が出されました。2018年度のエネルギー消費量は12万64テラジュールで、前年度より3.8%減少し、温室効果ガスの排出量は1,155万トンCO2で、前年度より4.8%の減少となっていますが、2030年に701万トンCO2に削減するには、これまで以上に取組を強化する必要があります。
エネルギービジョンでは、原発による発電の50%を省エネ、再生可能エネルギー等に転換するとしており、とりわけCO2を排出しない再生可能エネルギーへの転換は急がれる課題です。対前年比では0.8億キロワットアワー増えていますが、目標に対し、あと10億キロワットアワーの転換が必要です。
エネルギー計画の中期目標の2022年まで2年を切りましたが、再生可能エネルギーへの転換をどのように取り組んで達成されようとお考えか、伺います。
3点目は、グリーンリカバリーで行う住宅の高断熱化推進についてです。
本市は、積雪寒冷地であることと、第3次産業中心の産業構造であることから、全国と比較して家庭部門、業務部門、運輸部門のCO2排出量の割合が高いのが特徴です。とりわけ家庭部門が36%を占めていることから、本市は、できるだけ暖房を利用しない住宅整備を推進しています。現在、住宅エコリフォーム、札幌版次世代住宅、市営住宅をモデルとした集合住宅の高断熱化の検証などに取り組まれていますが、さらに推進すべきと考えます。
2016年の札幌市分譲マンション管理実態調査報告書によると、今後、老朽化問題や、建て替え問題等に直面する可能性のある築25年を経過した分譲マンションは7万戸を超え、今後も増加すると見込まれています。アパートなどの集合住宅も含め、大規模修繕を高断熱で行うことは温暖化対策として有効です。
修繕は地元の建設業者が行うことが多く、建設業は多くの業種が関わることから、地域経済循環にも有効です。温暖化対策として、分譲マンション等集合住宅が行う大規模修繕の際に、高断熱・外断熱改修を新たに行う場合、グリーンリカバリーの考えで修繕を行う事業者や管理組合などへの補助や支援事業を新たに設けるなどの検討を始めるべきと考えますがいかがか、伺います。
以上で、私の質問の全てを終わります。ご清聴、ありがとうございました。
○副議長(桑原透) 答弁を求めます。
秋元市長。
◎市長(秋元克広) 全体で大きく6項目のご質問をいただきました。私からは、大きな1項目めの私の政治姿勢について、5点ご質問いただきましたので、これについてお答えをさせていただきます。その余のご質問につきましては、担当の副市長、教育長からお答えをさせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
まず、私の政治姿勢についての1項目め、菅首相の政治姿勢に対する見解についてお答えを申し上げます。
国や地方自治体の役割につきましては、市民一人一人が自らの能力を発揮しながら、自分らしく活動でき、互いに協力し合うために必要な支援を行うとともに、それでもなお困難を抱える人々をしっかりと支えていくことが重要であると考えております。特に、現在の
新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況下におきましては、こうした役割が大切と認識をしており、引き続き、国に対して必要な要請を行いながら、市としてもしっかりと取り組んでまいる考えであります。
また、消費税の今後の在り方につきましては、国政の場で様々な視点で十分に議論が行われることが必要だと考えております。
次に、政治姿勢の2項目めの核のごみ受入れ問題についてお答えをいたします。
北海道が、平成12年、2000年に定めた条例では、「私たちは、健康で文化的な生活を営むため、現在と将来の世代が共有する限りある環境を、将来に引き継ぐ責務を有しており、こうした状況の下では、特定放射性廃棄物の持込みは慎重に対処すべきであり、受け入れ難いことを宣言する。」と明記されているところでありまして、この北海道の条例について、札幌市をはじめ、道内の自治体は、これを遵守する立場にあるものと認識をしております。
また、札幌市は、原発に依存しない社会の実現を目指して、省エネや再生可能エネルギーの導入に積極的に取り組んでいるところであります。
次に、政治姿勢の3項目めのSDGsの本市計画についてお答えをいたします。
持続可能な社会の実現に向けましては、社会、経済、環境の三つの側面から課題を一体的に解決していくSDGsの理念や目標に沿ったまちづくりを行うことが重要だと認識をしております。
こうした視点を踏まえて策定をいたしました
アクションプラン2019におきまして、貧困対策を含めた子どもを健やかに育てるまちづくりを重点プロジェクトの一つと位置づけているところであります。また、子どもを産み育てやすい環境だと思う人の割合を成果指標の一つに設定をし、SDGsのゴールである貧困をなくそうと関連づけて、子どもの貧困対策に着実に取り組む中で、持続可能なまちづくりを進めていく考えであります。
次に、政治姿勢についての4項目めの2030年に焦点を当てたまちづくりの見直しについてお答えをいたします。
1点目の2030年冬季オリンピック・パラリンピック招致についてでありますが、IOC、国際オリンピック委員会は、過大な開催経費や大会施設の後利用への懸念を受けて、既存施設の最大限の活用など、今後の大会の在り方について、従来から検討を進めているところでありまして、札幌市としても、こうした考えに沿って開催概要計画の見直しを行ってきているところであります。加えて、東京2020大会の開催に向けましても、感染症対策や簡素化などの新たな検討が行われており、これらの状況を踏まえながら、IOCとも引き続き協議を進め、計画のさらなる見直しを行う考えであります。
市民意向調査を行うに当たりましては、今後、こうした見直しを前提とした上で、計画の内容や開催経費などを改めて市民にお示しをし、丁寧に説明をしながら進めていきたいと考えているところであります。
現在、IOCは、今後の大会のモデルともなる東京2020大会の成功を最優先事項としておりまして、札幌市としても、大会の成功に向け、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
2点目の北海道新幹線延伸についてであります。
北海道新幹線は、首都圏や東北・北関東圏との新たな文化経済交流を促進し、道内経済の活性化に大きく寄与することが期待されるものでありまして、札幌まで延伸されてこそ、その効果が最大限に発揮されるものと考えております。
札幌市といたしましては、引き続き、国や北海道、鉄道・運輸機構などと連携をしつつ、着実に事業を進めてまいりたいと考えております。
3点目の都心アクセス道路についてでありますが、都心アクセス道路は、札幌都心部と北海道全域がつながる広域的な交流・連携機能の確保により、物流、観光、医療の面で効果が期待されるものであります。
これまで、ワークショップやオープンハウス、市民説明会などを通じて市民意見の把握や情報共有に努めてきたところでありまして、引き続き、国等の関係機関と連携をし、市民の理解を得ながら取り組んでまいりたいと考えております。
4点目の今後のまちづくりについてでありますが、札幌市では、都心や郊外などのそれぞれの地域特性に合わせたまちづくりを進めているところでありますが、今後のまちづくりにおいて、
新型コロナウイルスの影響というものは一定程度あるものと認識をしております。
ウィズコロナ、
アフターコロナの時代にあっても、市民が安心して暮らしていけるように、その影響も踏まえながら、引き続き、地域特性に合わせた持続可能なまちづくりに取り組んでいく考えであります。
次に、政治姿勢の5項目めのジェンダー平等についてお答えをいたします。
1点目の2020年ジェンダー・ギャップ指数の評価についてでありますが、ジェンダー・ギャップ指数の順位が下位に低迷していることにつきましては、我が国において男女間の格差解消が進んでいないものと真摯に受け止めているところであります。
2点目の女性活躍推進に向けた施策についてでありますが、あらゆる分野で女性が活躍するためには、それぞれの希望に応じた働き方が可能となる環境の整備が求められていると認識をしております。
札幌市では、これまでもワーク・ライフ・バランスの促進や保育サービスの拡充など、男女がともに働きやすい環境づくりに取り組んできたところであります。また、市職員を対象とした札幌市子育て・女性職員応援プランを策定し、これは、全ての職員が仕事と家庭を両立し、活躍できるよう支援をするとともに、女性の管理職登用の拡充等を図っているところであります。
今後も、札幌市として率先して女性活躍推進に取り組んでまいりたいと考えております。
私からは、以上です。
○副議長(桑原透) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 私からは、大きな3項目めの医療と介護について、そして、5項目めの貧困実態についてのご質問にお答え申し上げます。
3項目めの医療と介護についてのうちの1点目、医療提供体制についてのご質問でございます。
まず、感染症病床と専用病床についてでございますが、茨戸アカシアハイツの集団感染発生時には、日常生活における介護の必要度を考慮の上、施設療養か、入院かを医師が判断していたものでございます。その当時における札幌市内の受入れ可能病床数は、感染症病床とその他の病床を合わせ267床でありまして、いずれもほぼ満床の状態でありました。その後、様々な患者特性に応じた受入れ体制が重要であるという認識の下、関係医療機関との協議によって受入れ病床を確保してきたところでございます。
看護師につきましても、北海道と連携し、確保に努めるとともに、札幌市としても、離職中の看護師の復職支援を行う等の取組を行っているところでございます。
次に、ICUなど集中治療を行う体制についてでございますが、ピーク時の重症者数を50名程度と想定し、
新型コロナウイルス感染症重症患者は、治療機器や医療スタッフを整えた病床において対応することとして、最大で、ICUを含め、52床を確保しており、不足は生じないものと認識しているところでございます。
集中治療を担う体制の充実に向けて、引き続き、国や北海道と連携して努めてまいります。
次に、2点目の地域医療の現状と支援についてのご質問でございます。
まず、そのうち、受診抑制の影響についてのご質問でございますが、生活保護の令和2年4月の医療扶助を受けた方の割合は、対前年同月比マイナス0.9%、5月はマイナス1.7%となっております。国民健康保険の4月の1人当たり医療費は、対前年同月比マイナス7.1%、5月はマイナス12.9%でございますが、6月以降はほぼ前年並みとなっているところでございます。
市民の健康を維持していくためには、病状に応じて適切な受診行動へとつなげることが重要と認識しており、その周知をするとともに、医療機関で感染防止対策の取組を進めてまいりたいと考えております。
次に、医療機関の連携体制を維持する上での考え方と支援についてのご質問でございますが、札幌市は、さっぽろ医療計画2018に基づき、市民の安心を支えるため、地域医療提供体制を整備してきたところでございます。感染拡大時におきましても、市民が安心して住み慣れた地域で医療を受けることができるよう、その体制を維持することが重要と認識するものでございます。
今後も、国や北海道と連携し、医療機関に対し、財政面も含めた様々な支援を行ってまいりたいと考えるものでございます。
次に、3点目の介護現場への支援についてのご質問でございますが、報酬区分の特例措置は、介護サービス事業者における
新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応を適切に評価する観点から臨時的に導入されたものでございます。この特例措置により新たな利用者負担増となることは認識しておりますが、これは、全国的に共通した取扱いでございます。一方で、算定要件が複雑であるなど、利用者、事業者双方にとって分かりにくいものとなっていることから、より分かりやすい仕組みづくりについて、国に働きかけてまいります。
なお、
新型コロナウイルス感染症対策に係る人件費や衛生用品購入費等のかかり増し経費に対しては、北海道と札幌市が事業所に補助金を交付しているものでございます。
次に、4点目のPCR検査と季節性
インフルエンザワクチンの接種についてのご質問でございますが、まず、検査拡大に向けた要員の確保と体制づくりについてでございますが、札幌市では、これまで、
新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、相談窓口の開設やPCR検査センターの設置など、必要な方がより確実に検査につながるよう、検査体制を強化してきたところでございます。また、検査能力の拡大のため、医療機関や民間検査機関の協力も得ながら、体制の整備に努めているところであり、引き続き、各機関への協力を求めているところでございます。
今後は、これから懸念される
新型コロナウイルス感染症と
インフルエンザの同時流行にも対応できるよう、さらなる相談体制の強化や唾液による検査の拡充など、より検査を受けやすい体制づくりを構築してまいります。
次に、医療従事者等への
インフルエンザワクチン接種費用の助成についてのご質問でございますが、
インフルエンザワクチンにつきましては、重症化リスクのある高齢者を対象とした定期接種を除き、任意で接種するものでありますことから、職業に着目した助成を行っていないところでございます。
新型コロナウイルスと季節性
インフルエンザの同時流行に対しましては、医療体制や検査体制の強化に加え、ワクチン接種の勧奨など、包括的に取り組むことにより備えてまいりたいと考えるものでございます。
次の大きな5項目めの貧困実態についてのご質問でございますが、そのうち1点目の生活困窮者への支援についてでございます。
まず、生活保護の申請についてのご質問でございますが、生活保護は、国が生活に困っている方に最低限度の生活を保障する制度であり、国民の誰もが申請することができるものでございます。札幌市では、ホームページで国民の誰もが申請することができると周知しており、区保護課の相談窓口においても、そのように相談者に対して案内しているところでございます。今後も、生活に困っている方が申請をためらうことのないよう周知を図ってまいります。
2点目の10月からの生活保護費の減額についてのご質問でございますが、生活保護の決定に係る事務は法定受託事務とされているところであり、生活保護基準やその適用時期は、国がその責任において定めるものであります。
なお、生活保護基準は、福祉や教育など様々な市の施策の基準として用いていますが、札幌市としては、改定前の基準を適用することなどにより、市民生活に、極力、影響を与えることのないよう対応していきたいと考えております。
次に、2点目の子どもの貧困についてのご質問でございますが、子どもに関する各種相談の状況や、ひとり親世帯臨時特別給付金の申請状況などから、
新型コロナウイルス感染症が困難を抱える子どもや家庭の生活に大きな影響を及ぼしていると認識するところでございます。
令和3年度には、札幌市子どもの貧困対策計画の改定に向けて本格的な実態調査を実施する予定でございますが、それに先立ち、困難な状況にある子育て世代の生活における
新型コロナウイルス感染症の影響について、さらなる状況把握を行うことを検討しているところでございます。引き続き、子育て世代を取り巻く状況を踏まえ、必要な支援を検討していくとともに、その財政措置についても、適宜、国に対して要望を行ってまいりたいと考えております。
私からは、以上でございます。
○副議長(桑原透) 吉岡副市長。
◎副市長(吉岡亨) 私からは、6項目めの環境都市についてお答えをいたします。
1点目のグリーンリカバリーについてであります。
市民生活や経済活動を回復させていく際に、同時に温室効果ガスも削減していくグリーンリカバリーの考え方は、重要な考え方と認識しており、例えば、温室効果ガスや光熱費の削減、さらには、建設業の振興にもつながるゼロ・エネルギー建築物、いわゆるZEH、ZEBの普及促進など、経済対策と気候変動対策の両立を目指す取組を進めてまいります。
2点目の札幌市の温暖化対策についてであります。
まず、温暖化対策推進計画のCO2削減目標についてでありますが、現在、改定作業を進めている温暖化対策推進計画では、2030年に向けて現行計画よりも高い削減目標を掲げ、取組を進めていく予定としております。
次に、再生可能エネルギーへの転換についてであります。
札幌市エネルギービジョンでは、2010年度における原子力発電相当分電力の50%を省エネ、再エネ、分散電源にエネルギー転換することを目指しており、再エネ導入の促進に引き続き取り組むとともに、さらなる省エネと分散電源の普及を進めることによりまして目標の達成を目指してまいります。
次に、グリーンリカバリーで行う住宅の高断熱化推進についてであります。
温暖化対策推進の観点から、集合住宅の改修の際に高断熱化に取り組むことは有効と認識しており、現在行っている市営住宅をモデルとした高断熱化の検証結果や民間の実施事例などを踏まえ、今後の施策の方向性について検討してまいります。
私からは、以上でございます。
○副議長(桑原透) 石川副市長。
◎副市長(石川敏也) 私からは、大きな2項目めの雇用についてご答弁を申し上げます。
まず、1点目の本市の雇用形態の特徴とコロナ禍による影響についてであります。
平成29年就業構造基本調査によりますと、札幌市の非正規雇用者の割合は39.9%と、全国に比べ1.7ポイント高くなっておりまして、不安定な雇用形態にある非正規雇用者の方々は、コロナ禍による経済活動の縮小により、厳しい状況に置かれているものと認識をいたしております。
そのため、札幌市では、事業者向けワンストップ相談窓口を設置いたしまして雇用調整助成金等の申請支援を行っておりますほか、コロナ禍による解雇等の不安を抱えた労働者のため、労働相談窓口を増設するなど、雇用が維持されるよう力を入れてきたところでございます。
2点目の雇用を守る制度の実態と雇用支援策についてであります。
現在の札幌圏の有効求人倍率は0.84倍と、1倍は割っておりますものの、直近3か月の減少は0.02ポイントにとどまっておりまして、国の雇用調整助成金等の効果により労働者の雇用は一定程度維持されているものと認識をいたしております。
しかし、令和2年7月の新規求職者のうち、事業主都合の離職者が2割を超えるなど雇用情勢への影響が見られますことから、今後も、労働者の雇用が維持されますよう、休業支援金・給付金に係る申請支援を行いますほか、指定都市市長会などを通じまして、雇用調整助成金の制度の拡充等を引き続き国に対して要望してまいりたいと考えております。
私からは、以上であります。
○副議長(桑原透) 長谷川教育長。
◎教育長(長谷川雅英) 私から、4項目めの学校の環境改善についてお答えをいたします。
まず、学校の新しい生活様式を踏まえた衛生環境整備についてでございます。
教育委員会では、これまで、感染症対策等に必要な予算を配分しており、各学校におきまして、その規模や立地条件に応じた対策に取り組んでいるところでございます。具体的には、網戸やレバー式の水道蛇口のほか、サーキュレーターやアクリル板の導入など様々な取組を行っており、今後も、こうした事例を情報共有するなど、各学校における感染症対策がより効果的に進められるよう支援をしてまいりたいと考えております。
次に、2項目めの少人数学級についての1点目、国の少人数学級の検討についてでございますが、少人数学級につきましては、感染症対策はもとより、児童生徒に対しましてきめ細かな指導を行う上でも有効であると考えており、今後の国の動向に期待をしているところでございます。
2点目の札幌市の少人数学級の拡充についてでございますが、これまでもお答えをしておりますとおり、小学校3・4年生における少人数学級の実施について、引き続き検討を進めてまいります。
私からは、以上でございます。
(田中啓介議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(桑原透) 田中議員。
◆田中啓介議員 私からは、再質問として、3の医療と介護の(4)のPCR検査と
インフルエンザワクチンのことについて再質問をさせていただきます。
再質問に入る前に、1点、学校の少人数学級の導入について、長谷川教育長は、答弁で、これまでも回答しているとおり、3年生から4年生の拡大を検討していく旨の答弁だったというふうに思いますが、今、このコロナ対応として、本市は、6月の初めから2週間にわたって、児童生徒を半分に分けて登校する分散登校というものを行いました。こういう対応が今まさに急がれるということで、これまでどおりの検討ということではなくて、コロナ禍の対応として全学年への少人数学級の実現を検討していただきたいと、まず、申し述べておきます。
それでは、再質問に入りますが、答弁の中で、この間、PCR検査等については、体制の強化をしてきて、また、民間の医療機関にも協力を求め、今後も相談窓口の体制強化を行っていくというような答弁だったというふうに思いますが、今回、札幌市は、補正予算の中で、今後目指す1日当たり3,900件の検査ができるようにするということ、これは、検体の採取、あとは、検査機器、検査する人、それぞれの体制強化と合わせて、市民からの問い合わせに対応する帰国者・接触者相談センターの人員の体制強化も11月までに行うということだというふうに思いますが、現在の約7倍にふさわしい検査人員、あるいは相談窓口の人員を強化されるということなのか、そこを具体的に伺います。
○副議長(桑原透) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) PCR検査体制について再質問をいただきましたので、お答え申し上げます。
1日当たりの検査可能目標数を3,900件としているところでございますが、これは、新たにこれから設置をしていこうとしている市内の発熱外来、この発熱外来は、病院とか診療所、クリニック等で発熱外来を引き受けていただくようなことをこれから調整していくわけですが、その発熱外来のその場で、直接、検体が採取され、円滑に検査に結びつけていくものという形を考えているところでございます。
季節性
インフルエンザなどにより発熱者数の増加が懸念されるところでございますが、こうした方法も含めまして、検査が必要な方が漏れなく検査できるような体制づくりに努めてまいります。
以上でございます。
(田中啓介議員「議長」と呼び、発言の許可を求む)
○副議長(桑原透) 田中議員。
◆田中啓介議員 発熱外来で、直接、検体を採取するという答弁だというふうに思いますが、再々質問で、検査を希望しても実際に受けられない、また、相談の電話をかけてもなかなかつながらないということが年度初めとか結構ありましたし、今なお、市民でも、本当に電話をかけても、実際には、いや、これは必要ないのではないか、検査は必要ないというふうに言われた、でも、実際には、その後も何日にもわたって高熱が続いている、ずっと不安な中、生活していたという市民も実際にはいました。
今回、相談あるいは検査の体制というのが強化され、1日3,900件の検査ができるようになるということは本当に大賛成ですし、ぜひ、これは市民に広く周知することが必要だというふうに思いますけれども、どのように周知を図られるお考えなのか、伺います。
○副議長(桑原透) 町田副市長。
◎副市長(町田隆敏) 発熱外来の在り方について、どういうふうに市民の皆さんにその仕組みをご理解いただくかというのはこれからの問題でございますが、基本的には、今、市民の皆様、かかりつけ医がいろいろあると思いますが、そういったところにかかる場合にも、発熱がある場合には、あらかじめ電話をして相談をしていく。その待合室でその発熱者が待って、密になるというようなことは避けなければいけませんので、かかる場合にも、一般医療機関、かかりつけ医に対しても電話でまずは相談するということがきっと基本になるということを、広く市民の皆様にもお話をしていかなければいけないと思います。
それから、一般的な形での♯7119で受けている電話相談センターでございますが、これの拡充というのが非常に大きなことになってくると思いますので、それはしっかり努めてまいりたいと考えているところでございます。
以上です。
○副議長(桑原透) お諮りします。
本日の会議はこれで終了し、明日10月1日午後1時に再開したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○副議長(桑原透) 異議なしと認めます。
したがって、そのように決定しました。
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○副議長(桑原透) 本日は、これで散会します。
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散 会 午後4時18分
上記会議の記録に相違ないことを証するためここに署名する。
議 長 五 十 嵐 徳 美
副 議 長 桑 原 透
署名議員 か ん の 太 一
署名議員 石 川 さ わ 子...