委 員 井 上 ひさ子 委 員 坂 本 恭 子
委 員 小 倉 菜穂子 委 員 松 浦 忠
委 員 金子 やすゆき
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開 議 午後1時
○芦原進 委員長 ただいまから、第二部
決算特別委員会を開会いたします。
報告事項でありますが、福士委員からは遅参する旨、また、川田委員からは細川委員と交代する旨、それぞれ届け出がございました。
それでは、議事に入ります。
最初に、議案第6号 平成22年度札幌市
水道事業会計決算認定の件について質疑を行います。
◆阿知良寛美 委員 私からは、
石狩西部広域水道企業団への参画についてと
水道メーターの検針業務の民間委託について、2点お伺いいたします。
初めに、
石狩西部広域水道企業団への参画についてお伺いいたします。
札幌市が企業団へ参画する必要性については、これまでもたびたび議会でも取り上げ、議論をされてきたところでございます。当別ダム及び
石狩西部広域水道整備計画は、札幌市、小樽市、石狩市、当別町の3市1町に安定的な水道用水の供給を行うことを目的として、昭和45年にダム建設の予備調査を開始して以来、議論を重ね、3回の整備事業の再評価を得ております。平成20年10月には
ダム本体工事、平成21年8月には
石狩西部関連の第1期
浄水処理施設工事に着手し、そのほかの関連工事も順調に進めば平成24年度末には第1期工事が完了する予定とお伺いしております。そして、平成25年度からは、本市を除く小樽市、石狩市、当別町の2市1町への用水の供給が開始されるところであります。
そこで、1点目の質問でありますが、札幌市の受水時期については、現計画では平成37年度となっておりますけれども、このことに変わりはないのか、また、札幌市の未受水期間が約12年間発生するわけでありますが、この経緯についてお伺いいたします。
次に、未受水期間の負担金についてであります。
平成21年の
決算特別委員会では、札幌市が受水しない期間においても、企業団では建設費の
企業債借り入れ分の償還が始まり、多くの運営経費が生じるためにこれらの経費を受水するほかの団体のみで負担することは非常に困難であることから、札幌市も参画団体の一員として応分の負担をするという考え方が示されたところであります。その際、具体的な負担額を含め、企業団や他の構成団体と協議を進めているとの答弁がございました。
そこで、2点目の質問でありますが、現在の協議状況と負担予定額はどのようになっているのか、また、未受水期間の負担金の効果についてお伺いいたします。
◎酒井 給水部長 ご質問の1点目の札幌市の受水期間とその経緯につきまして、私からお答えいたします。
まず、
石狩西部広域水道企業団からの受水時期につきましては、平成19年度に企業団が実施いたしました事業再評価におきまして平成37年度とされておりまして、この計画に変更はございません。
続きまして、未受水期間が発生した経緯についてでございますけれども、当別ダムを水源とする
石狩西部広域水道企業団の事業は、札幌市の成長が著しく、水不足が逼迫していた昭和50年代に計画されたもので、当初の計画では、札幌市の受水期間につきましては、できるだけ早い時期に希望している石狩市、当別町、小樽市とほぼ同時期を予定しておりました。しかしながら、その後、
経済社会情勢の変化とともに、水需要の動向も鈍化傾向となりまして、平成11年度、16年度、19年度と3度の事業再評価による見直しの結果、札幌市の受水が必要となる時期は、企業団が供給開始をいたします平成25年度からおくれまして37年度に変更となったことから、未受水期間が発生したものでございます。
◎森 総務部長 引き続きまして、2点目の未受水期間における札幌市の負担についての現在の協議状況と負担額並びに負担することによる効果について、私からお答えさせていただきます。
企業団では、平成25年度の
用水供給開始後からこれまで建設財源として借り入れをしてきました企業債の元利償還を行うこととなりますが、当初の札幌未受水期間12年間は、最大受水者でございます札幌市からの料金収入がないことから、そのままでは非常に厳しい財政状況が見込まれております。この元利償還のもととなる企業債は、もともと札幌市が参画することを前提とした規模の施設建設のための財源として借り入れたものでございまして、また、企業団事業に参画し、その運営を安定化させることが、将来の水源を確保するとともに、水源の分散化による札幌市
水道システムの安定化につながることを考慮いたしまして、元利償還金の一部相当額を負担し、企業団運営を安定化させる方向で企業団及び他構成団体との協議を進めているところでございます。
札幌市の負担額の考え方といたしましては、他の構成団体は受水費として元利償還金を水量に応じて負担することとなりますが、札幌市は未受水期間であるため、受水費を支出することができないことから、そのままでは、将来、受水開始後に札幌市が水量に応じて負担することとなる相当額を、前もって未受水期間に負担金として支出するものでございます。具体的な金額は確定しておりませんが、現在の計画値で算定いたしました場合、この負担額は12年間で元利償還金が125億円になりますけれども、このうち総額約50億円程度の負担金になると予想しております。
なお、札幌市がこの負担を行うことによる効果についてでございますが、この負担により企業団経営の安定化が図られるとともに、札幌市が将来受水する際の費用負担の平準化を図ることができるものと考えております。
◆阿知良寛美 委員 50億円ということで大変大きなお金でありますけれども、わかりやすく言うと、今は地デジになっておりますが、共同でそういった設備をした場合に自分は見ないからお金を出さないみたいな形になると、これは話が通らないわけです。そういう意味では、50億円という大変大きな負担になりますけれども、将来にわたって考えると必要かなというふうには思います。
ところで、近年、世界的に異常気象で、タイでも大変な洪水が発生し、日本企業も相当被害を受けているとニュースで放映されておりますが、3月11日に発生した
東日本大震災では多くの水道が被害を受けたということで、非常に危機管理の重要性を再認識したところであります。私も、東北の被災地には2回行ってまいりましたが、やはり水道施設なども相当の被害を受けているわけであります。
また、札幌市では、これまでも災害に強い
水道システムの構築を進めているところでありますが、水道水源の98%が豊平川に一極集中している状況は変わりません。今後、大規模な地震などの自然災害や豊平川における重大な事故等に対応できるように、非常事態に備えるために企業団事業を有効に活用すべきと考えるわけであります。
そこで、質問でありますが、水源の分散化の具体的な効果についてお伺いいたします。
また、
危機管理対応を考えた場合、平成37年度よりも早く受水した方がよいと考えますが、このことについてどのようにお考えか、あわせてお伺いいたします。
◎酒井 給水部長 まず、水源分散化の効果についてお答えいたします。
委員のご指摘のとおり、
東日本大震災では多くの水道で被害が発生したことから、安全・安定給水を図るために
水道システムを多重化することの重要性が再認識されたところでございます。
札幌市といたしましては、当別ダムを水源とする
石狩西部広域水道企業団の事業に参画することは、将来必要となる水源の確保だけではなく、水源の分散化が可能なこと、また、西区、手稲区の拠点となっております西部配水池への送水ルートの二重化、浄水場など既存施設の大規模な改修にも有効に活用できることから、水道の安定性をより一層高めるものと考えております。また、小樽市、石狩市、当別町と水道施設が接続されることによりまして、事故災害時には他都市への相互融通を可能とするなど、将来的な広域的連携が図られまして、
石狩西部地域にとっても重要な施策と考えております。
次に、受水時期の前倒しについてお答えいたします。
委員のご意見のとおり、事故、災害時などの危機管理の観点からは、より早く、2期工事に着手した方が望ましいと考えておりますけれども、
一括交付金化の動向など、国庫補助に係る財源の確保や各構成団体の出資金の前倒しなど、財政的な課題等もありますことから、今後引き続き検討してまいりたい、このように考えております。
◆阿知良寛美 委員 札幌市では、豊平川の
水質改善事業が計画されております。その意味では、災害に強い施設に今後とも力を注いでいただければなと思います。
2点目は、
水道メーターの検針業務の民間委託についてお伺いいたします。
札幌市の検針業務は、昭和56年から徐々に
財団法人札幌市
水道サービス協会への委託を進めて、対象区域の拡大を図りながら、平成16年には、10区とも、市内全域の委託化を完了しております。
検針業務そのものは、水道事業の経営の根幹をなす料金の調定という大変重要な業務であります。また、
サービス協会以外の民間委託については、札幌市が大都市かつ積雪寒冷地ということで、こういった検針業務の受託可能な事業者の選定が困難な状況ということもありまして、水道局としては慎重に検討を進めてきたとお伺いしております。
しかしながら、全国的に検針業務における民間事業者の進出が著しくなってきております。また、札幌市の
包括外部監査人からも、
検針業務委託にかかわる契約方法の変更について指摘を受けたことから、局では、平成21年8月から試行的な取り組みとして検針業務を民間事業者に委託し、来年7月末をもって3年間の契約が終了すると聞いております。
そこで、質問でありますが、民間委託の試行から2年が経過した現在、どのような検証結果となっているのか、また、その評価についてお伺いいたします。
さらに、その評価を踏まえて、平成24年度の委託についてどのように考えているのか、あわせてお伺いいたします。
◎高橋
営業担当部長 水道メーター検針業務の民間委託についてお答えいたします。
委員ご指摘のとおり、近年、検針業務への民間事業者の参入が著しくなり、これらの事業者が業務経験、実績を積む中で、
政令指定都市の多くが
大手民間事業者へ委託している状況となっております。こうした背景の中で、平成18年度の札幌市
包括外部監査において
包括外部監査人の指摘もあり、試行的な取り組みとして、平成21年8月から3年間の予定で
公募型プロポーザル方式により
北ガスサービス株式会社を選定し、豊平区1区分、約9万7,000件の検針業務を委託し、
業務履行状況の検証を進めてきたところであります。
ご質問の1点目の民間委託の検証結果でございますが、検証項目としましては、業務体制、業務内容、研修計画、個人情報保護の4項目についてそれぞれ検証しております。特に、1年間で延べ60万件にも及ぶ検針業務につきましては、委託初年度において、メーターの読み違いや車などの障害物による
検針困難件数の増加があり、民間事業者からの問い合わせや相談件数も1,000件程度になるなど、委託先及び我々水道局の双方で業務量が増加する状況となりました。しかしながら、2年目の検証時には、所管料金課の指導のもと、検針員の技術力、対応力が向上し、業務知識の習得が図られた結果、障害件数、
相談件数ともに大幅に減少し、改善が確認されたところでございます。また、当初懸念しておりました雪解け後の煩雑な水量の確定業務につきましても、検針員が現地に何度も足を運んで対応しており、業務経験、実績を蓄積することで技術力、対応力の向上が図られるものと考えております。
以上のことから、検針業務は、
サービス協会以外の民間事業者においてもある程度の経験を積むことで業務の遂行が可能であると判断したところであります。
次に、来年、平成24年8月からの検針業務についてでございますが、今回の検証結果を踏まえ、現行の豊平区に清田区を加えた2区と、西区と手稲区の2区をそれぞれ1単位として、この二つの地域でそれぞれ民間事業者を
公募型プロポーザル方式により選定し、委託したいと考えております。
なお、委託期間は3年間とし、事務所等につきましても、既存の局庁舎を有効活用させることによって委託費用等の低減化を図ってまいりたいと考えています。
◆阿知良寛美 委員
北ガスサービス株式会社に1年間で60万件の検針業務を委託したということですね。北ガスと違って、水道のメーターはほとんどが地下式ですから、鉄ぶたをはぐって、中ぶたをはぐって、中には水没しているものもありますから、経験が相当必要だろうと思います。そういう面では、初年度は双方の業務量がふえたと。ただし、経験を積んだ2年目以降は改善があったという回答でありました。さらには、今後、4区を二つの民間事業者に委託する計画があるという答弁でありました。
先ほどの検証報告の中でも、今お話ししたとおり、初年度は経験不足から業務量がふえたと。ただ、来年の委託拡大については、さらに
北ガスサービスがとるとは限りませんから、最初に戻るわけです。そして、豊平区だけではなくて、さらに3区を追加するということでありますから、業務量がまたふえるのではないかと予想されます。そういう面では、読み違いなどから通常よりも非常に多いとか少ないとか、そんな市民への負担も多少ふえるのではないかと思います。
また、民間事業者の委託拡大というのは、こういった経済状況ですから、地場の雇用について、私のところにも、また委員の方々にも相当の相談があるだろうというふうに思いますが、雇用機会の拡大につながることは確かだと思います。しかし、現在は
サービス協会に委託されているわけで、私のところにも、そこで働く方々から、特に母子家庭で
サービス協会の検針業務をやっている方はそれで生計を立てておりますけれども、これがどんどん進むことによって仕事がなくなることが心配だといった声も聞かれるところでございます。
そこで、再質問の1点目でありますが、来年8月から4区に民間委託を拡大するということでありますけれども、一挙に4倍になるかもしれないということで、市民生活に支障を生じさせない範囲としてなぜ4区としたのか、委託初年度の業務負担の増大に対してはどのように対応しようとしているのか、お伺いいたします。
2点目として、民間委託の拡大により影響を受ける
サービス協会職員の雇用について、最終的には事業主である
サービス協会の問題ではありますが、民間委託の拡大を進めてきた水道局としてはどのように考えているのか、お伺いいたします。
3点目といたしましては、来年から3年間の民間委託が実施されるということでありまして、平成27年7月に契約期間の満了となりますが、来年の4区以降の民間委託について、現時点で水道局ではどのように考えているのか、お伺いいたします。
◎高橋
営業担当部長 まず、1点目の委託拡大に伴う業務負担増への対応についてであります。
委員ご指摘のとおり、委託初年度においては、料金課への相談件数を含め、業務量の増加が懸念されますが、来年度に4区を委託した場合の直接の対応課は、西・手稲区が北部料金課、そして豊平・清田区が南部料金課ということで、それぞれ2課に業務負担が分散されます。また、受け持つ検針件数も1地区当たり約14万5,000件でありまして、現在の民間委託をしている豊平区の約1.5倍程度の規模であること、さらには、札幌市を初めとする大都市での十分な検針実績を有する経験者を
プロポーザルの参加要件とすることなどによりまして、委託初年度の業務負担増への対応は十分に可能であると考えております。
次に、2点目の
サービス協会職員の雇用についてでございます。
まずは、
サービス協会と十分な協議を進めながら、可能な範囲で
サービス協会内部での活用をお願いするとともに、雇用の継続性の確保、促進を図るという観点から、
プロポーザルで民間事業者を選定する際には、
職員採用計画の一環として地元採用や雇用の継続についても提案を求め、選定委員会における評価、選定の際の加点要素とするなど、
民間委託拡大が地域貢献にもつながるよう取り組んでまいりたいと考えております。
次に、3点目の今後の民間委託の方向性についてでございます。
委員の最初のお話にもございましたが、検針業務は水道事業にとって大変重要な業務であり、新たな民間事業者に検針業務をお任せする場合にあっては、
サービス協会同様の業務履行の安定性確保を前提として委託化を進めていく必要があるというふうに考えております。現在は、
サービス協会に加え、民間事業者1社が検針業務を担っている状況にあり、今後の民間委託に当たっては、検針業務のリスク分散、異常時対応の観点から、急激な委託拡大ではなく、段階的に民間委託の拡大を図っていく考えであります。したがいまして、今後の民間委託の方向につきましては、平成24年8月から民間事業者に委託する二つの地区の
業務履行状況を見きわめ、特段の問題がなければ、平成27年8月以降につきましても、段階的に民間事業者への委託地区の更新、または拡大を検討してまいりたいと考えております。
◆阿知良寛美 委員 検針業務の民間委託の拡大というのは、民間事業者にとっては参入機会がふえるわけですから非常に好ましいと思いますし、また、競争原理が働きますので経営面でもプラスになるだろうと思いますから、決して反対するものではございません。ただ、先ほども話しましたけれども、今のところ、協会のほか、
北ガスサービス1社だけでありまして、そういったところが評価された現状を踏まえると、やはり急激な移行はいかがかなと、このように思います。
また、雇用問題も発生する懸念がございます。先日、第一部
決算特別委員会で公契約のことを質問させていただきましたが、例えば警備業務とか清掃業務なども考えているという説明でありました。しかし、そういったところは、ほかに行ったとしても、安い金でとると職員として勤めている人たちの給料をさらに下げることになります。同じ制服を着て同じ人かもしれないけれども、給料だけ下げられる例が非常に多いです。これは、環境局で出している雑がみの選別とかプラスチックの選別も同じであります。そういう面では、雇用の観点からも段階的に進めていただきたい、このことを要望しておきます。
また、水道局では、市内における水道の円滑な普及及び合理的な維持管理を行うために
サービス協会に随意契約で委託しております。協会の事業の内訳を見ますと、90%強が水道局からの受託業務であります。しかし、先ほどお話ししたとおり、従来、
サービス協会が行ってきた委託事業の検針業務などは、民間事業者などの参入の可能性が非常に広がってきています。また一方で、出資団体に対する市の財政的・人的関与の不透明さ、委託業務の高コストなど、課題も指摘されているところであります。
この
財団法人札幌市
水道サービス協会では、明年の4月1日から
一般財団法人へ移行するということでありますが、このことは、
公益財団法人にある事業活動の制約がなくなるわけで、より自由な事業活動が可能となってくるわけであります。その意味では、先ほど質問しましたが、平成25年から供給が開始される
石狩西部広域水道企業団へ参画している2市1町との広域連携についても局としては視野に入れながら今後検討すべきだということを要望して、質問を終わります。
◆坂本恭子 委員 私は、配水管の耐震化について、順次、質問いたします。
まず、水道管路の耐震性についてですけれども、今も災害に強い水道供給というお話もございました。
東日本大震災を経験して、ライフラインである水道というものが、市民生活の営みはもちろんのこと、医療活動や人命救助の上でも欠かすことのできない本当に大切なものであることは共通の実感だというふうに思います。1995年の阪神・淡路大震災を契機に、水道管路や配水池などの耐震化を進めてきておりますけれども、水道管路の耐震化率は、2010年度末で17.8%という数字になっております。本市の水道管路の総延長は5,900キロメートルと膨大でありますが、2009年度の16.8%から、1年間でわずか1%しか耐震化率が引き上がっておらず、距離にしてみますと13キロしか耐震化が進んでおりません。耐震化は一刻も早く進めていくべきだと思うのですけれども、今の進捗状況をどういうふうにお考えになっているのか、伺いたいと思います。
それから、5,900キロの水道管路、正確には5,904キロですが、この水道管のうち約9割、約5,200キロが
ダクタイル鋳鉄管でございます。この
ダクタイル鋳鉄管約5,200キロの内訳は、耐震管が973キロで、非耐震管が4,224キロです。耐震管の布設がどうして進んでいかないのかと思うのですけれども、耐震化率についての考え方、これから先の耐震性ということで管路の材質、配置などについての評価を伺いたいと思います。
◎小田
配水担当部長 まず、第1点目の配水管の耐震化率の進捗状況でございます。
配水管の耐震化につきましては、現在、配水管網の中で特に重要な役割を持つ配水幹線及び高区配水施設への流入管、また、医療機関などの災害時に重要となる施設への配水管について主に進めてございます。そして、これまで耐震管を要する地域につきましては、配水幹線などの重要管路につきましては地域全域といたしまして、また、枝線につきましては
軟弱地盤地域である函館本線以北とその周辺及び豊平区と清田区の沢の埋立地など、全給水区域の約70%でございましたけれども、平成23年度からは、第3次地震被害想定に基づく管の抜け出しについて再検討したところ、枝線についても地域のほぼ全域で耐震化工事を行うことにしたところでございます。
耐震化工事につきましては、先ほど申しました配水幹線や重要管路を中心に行っていき、さらには、外面腐食管の更新、あるいは幹線の改修、
ブロック管網の整備などに合わせて行うことで、効果的で有効的な耐震化を進めることでこのような耐震化率の進捗状況となってございます。先ほど委員ご指摘のとおり、年間約1.何%ということでございますが、全長5,900キロメートルに対しましては年間約60キロぐらいの整備状況でございます。
次に、2点目の耐震性の観点から見た管材質と配水管の配置状況の評価についてお答えしたいと思います。
委員ご指摘のとおり、管路延長の約9割に当たります約5,200キロメートルは、管の材質として非常に強固な
ダクタイル鋳鉄管でございます。これまでの被害状況を見ましても、大地震でも管自体が折損する心配はほとんどないものと考えております。この管の材質は耐震化率という指標では表現されませんが、札幌市の水道管路の大半は、管自体の耐震性が高いものと考えております。しかしながら、管自体が強くても、地盤の揺れにより継ぎ手部分が抜け出し、漏水や断水を引き起こすリスクがあることから、より地震に強い水道を目指し、耐震管に布設がえする耐震化事業を計画的に進めているところでございます。
また、市街地の配水管につきましては、網の目のように配置された管路が互いに接続する管網を形成するように整備してきており、ある管路が破損しても別な管路が補うことにより、広範囲な断水になりにくく、事故、災害に強い形状となっております。
◆坂本恭子 委員 枝線などの耐震化工事については、これから順次行っていくということでありました。特段、重要管路などについては早急な耐震化が求められているというふうにも思いますので、最後にお話がありましたが、より地震に強い、断水をしない水道を目指すという観点で頑張っていくということでありました。住宅や事業所などへの給水ということでの耐震化の促進ということは、これからもよりスピード感を持って取り組んでいただきたいと思っています。
ダクタイル鋳鉄管については非耐震のものが多いという指摘をしましたが、
ダクタイル鋳鉄管自体が強いものだから大丈夫だというようなお話もありました。しかし、やはり、私たちは、耐震化率という数字の中でいろいろと計画などを見ていきますし、どの程度の進捗なのかという確認もするわけですから、耐震継ぎ手のところだけではなくて、もっと全体的なところで耐震化率を上げていくように、そもそもの定義の問題もあろうかとは思いますが、力を入れていただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。
それから、もう1点は、医療機関への給水の問題です。
配水管の耐震化ということでは、私どもは、医療機関の給水ルートの耐震化の問題を繰り返し取り上げてまいりました。2010年度には、災害時基幹病院12カ所への給水ルートの耐震化が完了しております。2011年度からは、救急告示医療機関、災害時の地域拠点病院に指定されている病院と理解していいのかと思いますが、この救急告示医療機関、それから、透析を行う透析医療機関への耐震化を進めていくというふうにしておりましたが、その具体的な計画についてお示しいただきたいと思います。
また、2010年度までの基幹病院への給水ルートの耐震化では、南区と清田区での医療機関が対象となっておりません。これも議会で取り上げてまいりましたけれども、そのことについては、今後、全市的なバランスを考えて、この二つの区を最優先に整備をしていきたい旨の答弁がございましたので、今、この点についてどのように対応しているのか、伺いたいと思います。
◎小田
配水担当部長 まず、1点目の平成23年度から実施しております医療機関への供給ルート耐震化の具体的計画についてお答えいたします。
平成23年度から26年度の期間では、災害時基幹病院1カ所、救急告示医療機関16カ所へ供給するルートについて耐震化を実施することとしており、このうち7カ所の救急告示医療機関につきましては、透析医療も兼ね備えた医療機関となっております。また、耐震化するルートにはできるだけ透析医療機関が含まれるよう設定し、26年度までに9カ所の透析医療機関についても耐震化を図る予定でございます。
次に、2点目の南区、清田区の医療機関への供給ルートの耐震化についてお答えいたします。
今回の計画におきましては、南区については災害時基幹病院1カ所と透析医療を兼ね備えた救急告示医療機関1カ所、清田区につきましては救急告示医療機関1カ所と透析医療機関1カ所を整備の対象としております。
なお、平成23年度は、南区の災害時基幹病院と清田区の医療機関を含む7カ所の医療機関への供給ルートの耐震化に着手しております。また、救急告示医療機関につきましては、全部で58カ所と市内に広く分布していることから、全市的なバランスや応急医療の実効性などを勘案して16カ所を選定しております。
◆坂本恭子 委員 医療機関への配水供給ルートの耐震化というのは本当に大切な事業だというふうに思います。人命、医療行為、生命、健康を守る上でも大変重要な事業でございますから、第2次新まちづくり計画に引き続いて、第3次新まちづくり計画にも位置づけられておりますけれども、これからもペースをさらに上げてぜひ取り組んでいっていただきたいと思います。とりわけ、透析なども行える救急告示病院については、58カ所あるうち16カ所の整備ですから、ここについてはすぐにでも計画を持って手をつけていただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。
それから、医療機関と同様に優先度を高く設定して耐震化に取り組むべきものとして、私ども共産党としても、水管橋の耐震化についても繰り返し取り上げてまいりました。川を渡る水道橋と言うとわかりやすいのでしょうか。2009年の
決算特別委員会でも水管橋の耐震化の問題を取り上げまして、このときには、計画を4年前倒して2012年度までに重要度の高い32の橋の耐震化を行うということでありましたけれども、この重要度の高い32の橋の耐震化はどのような進捗状況になっているのか、お示しいただきたいと思います。
また、地域防災計画で、想定地震が震度6強から7に変更になっております。そういう意味では、今後の水管橋の耐震化の方針、あるいは、基本的な考え方も変わってきているのかなというふうに思いますので、この点についても改めてお聞かせいただきたいと思います。
◎小田
配水担当部長 まず、1点目の水管橋の耐震化にかかわる現在の進捗状況についてお答えいたします。
耐震診断において耐震化が必要と評価された重要度の高い口径400ミリメートル以上の幹線などの水管橋32橋につきましては、平成16年度より優先度の高いものから順次対策を進めてきており、22年度末までに18橋の耐震補強が完成するとともに、配水区域の再編により2橋を廃止しております。また、24年度までには、6橋の耐震補強と4橋のかけかえを完了し、残る2橋につきましては、幹線の耐震化工事などに合わせて26年度までにかけかえを行う予定でございます。
次に、2点目の今後の水管橋の耐震化の方針や考え方についてお答えいたします。
これまでに耐震化を実施した水管橋につきましては、震度6強の地震に対応するべく整備したものであり、一定の耐震性を有しているものと判断しております。しかしながら、委員ご指摘のとおり、地域防災計画の想定地震が震度7に見直されたことから、耐震化済みのものを含めて、重要度の高い水管橋につきましては、耐震性評価やさらなる耐震補強の必要性、優先順位のあり方などについて、
東日本大震災の被災状況や耐震化にかかわる新たな知見などの情報も収集しながら、再度、検討を進める予定でございます。また、これまで耐震診断を実施していない合計200から350ミリメートルまでの準幹線の水管橋128橋についても、幹線の水管橋に次ぐ重要な施設と位置づけ、耐震診断や耐震補強などの実施に向けた検討を進めていく予定でございます。
◆坂本恭子 委員 一番最初にお話がありました地中の配水管は網の目のように張りめぐらされていて、1カ所が断絶したら次のところにバイパスしていくように補完し合う役割を持たせていて、給水については、大体、問題なく進んでいくのではないかというお話がありました。水管橋といいますのは、まさに川を渡っていく水道管の橋ですから、物理的な視点で言いますと、地上部に露出された管路となるわけです。地中に埋設されている配水管に比べて地震の影響をもろに受けていくということですから、32のうち、2010年までには18橋が終わり、これから6橋の補強と、4橋がかけかえされていくということでありましたが、これは早く対応していただきたいというふうに思います。
それから、口径200から350ミリメートルの128橋についても、これから、順次、評価のし直し、優先順位の見直しなどもしていくということでありました。しかし、近年、全国各地で起こっている地震では、水管橋の破損という被害が大変多く見受けられております。そういう意味で、代替機能が少ないということでは多くの住民にきちんとした給水ができなくなりますので、水管橋の耐震化、また耐震診断についても早急にやっていくように、一日でも早く計画を具体化して着手するように、このことを求めて、終わりたいと思います。
◆小倉菜穂子 委員 私は、豊平川水道水源水質保全事業についてと財政基盤の強化についての2点を簡潔に質問させていただきますが、一つずつ伺わせていただきます。
初めに、豊平川水道水源水質保全事業について伺います。
本市は、水道水源が豊平川に約98%と一極集中しているため、水道水源の水質保全や水道原水の確保のため、また、災害時の水源確保、水源保全を図る目的で、豊平川水道水源水質保全事業、いわゆるバイパス事業を計画されております。2005年度より国庫補助事業として着手し、3年間にわたって事業の施行区域における環境調査や土質調査、また測量調査などを行っております。
そこでまず、1点伺います。
2007年第1回定例会予算特別委員会においてバイパス事業に取り組むことが決まってから、大分、時間が経過しております。現在の進捗状況、そして、今後の事業実施予定について伺いたいと思います。
2点目として、バイパス事業が施行される地域は、国有林、国立公園内に位置し、これまでの間に行われました調査でも、オジロワシやヒグマなど希少な生き物の生息が観測された場所です。現在、環境局においては、生物多様性さっぽろ戦略を策定中です。既に同戦略を策定済みの兵庫県においては、生物多様性に配慮した公共事業や、NPOなどの自然再生活動を推進するための河川、道路、港湾、森林、農用地、ため池を対象とした、生物多様性配慮指針を2010年に策定しております。このように、今後は公共事業など自然改変を少しでも伴う活動の中で、生物のつながりを意識した広域的視点や、事業実施前、実施中、そして維持管理下における生態系への配慮が大変強く求められております。
そこで、質問ですが、本事業に関しては、既に2006年に環境影響調査を実施済みとお聞きしております。しかし、2008年6月に生物多様性基本法が制定されていることからも、その観点から当時に調査していただいた専門家の方などに、再度、環境への影響について確認する必要があるのではないかというふうに思いますが、いかがか、この2点についてお伺いいたします。
◎酒井 給水部長 1点目の現在の進捗状況と今後の事業の予定についてお答えします。
まず、現在の進捗状況でございますけれども、現在、各関係機関、北海道開発局、あるいは、石狩森林管理署、北海道地方環境事務所などと工事着手に必要な許認可申請書類の提出に向けた協議を行いつつ、施設設計を行っているところでございます。また、豊平川の水を使用している北海道電力と事業の実施に向けた協議、検討を継続して行っているところであります。さらに、事業用地取得に向けまして用地の測量を進めている状況にあります。
続きまして、今後の事業予定でございますけれども、許認可申請の許可がおり次第、平成24年度から準備工事に着手したいというふうに考えております。
続きまして、生物多様性のご質問でございますけれども、この事業につきましては、委員ご指摘のとおり、平成18年度までに環境影響評価法に準じまして調査を実施して、その結果について学識経験者の意見を伺っております。生物多様性の保全につきましては、本市の生物多様性保全の基本計画を現在策定中と伺っておりますので、その動向を踏まえて対応してまいりたい、このように考えております。
◆小倉菜穂子 委員 進捗状況等については、今、各種書類の提出の準備ということでした。そして、平成24年から準備工事に入るという話を伺いました。工事は来年となります。そして、工事に関しては、この間、お話を伺ってきたときに、前例がほとんどない工法であって、専門的な技術を要するというお話も聞いております。ぜひ、札幌や北海道内の事業者の方々がお仕事の面でもかかわれることが重要だというふうに思いますので、その点についてもあわせてご検討いただきたいと思います。
また、環境に関してですけれども、私としては、改めて確認ということで結構かと思いますので、こちらについては確認していただきたいと思います。これはとても大事なことだと思いますので、そのことを求めておきます。
そして、本市は、2005年から昨年にかけて、地元の定山渓まちづくり協議会や連合町内会、定山渓観光協会に対して当事業の説明会を実施し、また、出前講座にも出かけるなど、事業の周知を図ってこられたというふうにお聞きしております。大切な税金で大切な水を守る事業であり、事業の対象はすべての市民であることから、ぜひ多くの機会をつくって市民へ情報発信し、皆さんのご意見を伺っていただきたいと強く思います。
そこで、質問ですけれども、バイパス事業は、市民の水源の確保、水質の安全を守り、大変規模が大きい事業にもかかわらず、第3次新まちづくり計画案には掲載されておりません。札幌市水道事業5年計画、そして水道局実施プランにおいても市民への情報公開、広報を掲げておりますので、そうした意味からも、第3次新まちづくり計画に盛り込むべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、今後どのように市民へ情報公開を進めていくおつもりか、あわせて伺います。
◎酒井 給水部長 まず、第3次新まちづくり計画に盛り込むべきということでございますけれども、平成23年度から26年度までを計画期間とするこの計画は、事業ごとに成果指標を設定するという成果を重視したものになってございます。このバイパス事業につきましては、この計画期間内は工事が継続中ということで事業が完了せず、具体的な成果指標が設定できないことから、今回の新まちづくり計画には取り上げないことといたしまして、水道局といたしましては、本計画の重点課題の一つである市民とともに災害に備えるまちづくりに沿った事業といたしまして、水道施設耐震化事業に関連する地震対策関連の三つの事業を提出したところでございます。
一方、本バイパス事業につきましては、水道事業5年計画とか水道局実施プランのみならず、先ほど委員からもご指摘がありましたとおり、出前講座やパネル展などさまざまな手法により情報提供を行っているところでございますけれども、情報発信はやはり重要な観点であると考えておりますので、今後とも市民との情報共有に向けた取り組みに努めてまいりたい、このように考えております。
◆小倉菜穂子 委員 第3次新まちづくり計画に盛り込まないのは、進捗状況、成果指標を重視することが適さないのだというお話だったというふうに思いますけれども、本来であれば、大きな税金を投じる事業でありますので、私はそうしたことにこだわるのではなく盛り込んでいくものではないかと思っています。これからも情報提供をしていくのだという話もありましたが、新まちづくり計画に盛り込めない事業ということであれば、市民がよくわからないうちに、なかなか情報を得られないうちに工事が進んでしまうといったことがないように、なおさら事業の目的や進捗状況などの情報発信にしっかり努めていただきたいということを申し上げます。
次に、財政基盤の強化について伺います。
都市化とともに拡大した施設を維持し、将来へ負担を先送りしない財政基盤づくりは、喫緊の課題であります。市民生活と都市活動に欠かすことのできないライフラインとして、安全で良質な水を安定して供給することを使命として、2010年度から2014年度を計画期間とする札幌市水道事業5年計画を策定し、取り組んでいるところです。そうした財政基盤づくりには、企業債の残高を計画的に減らすことはもとより、収入の大部分を占めております給水収益の将来を見通した事業運営が強く求められております。
そこで、質問ですが、最近5年間の給水収益の推移と今後の給水収益の見通しについて伺います。
また、水道事業5年計画の初年度として2010年度決算をどのように受けとめておられるのか、その点についてもあわせて伺います。
◎森 総務部長 まず初めに、給水収益の推移と今後の見通しについてお答えさせていただきます。
給水収益につきましては、家事用におきましては、給水人口の伸びに伴いまして水需要が増加いたしまして増収基調にあるものの、家事以外用の部分におきましては、水需要に影響を与える景気が長らく低迷していることに加えまして、水道料金負担の軽減によるコスト削減を主な目的といたしまして地下水専用水道への切りかえが大口使用者を中心に拡大しておりますことから、減収が続いております。この結果、本市の給水収益全体では、平成9年度の料金改定以降、減収基調にございまして、平成22年度決算では、平成9年度決算と比較いたしまして、消費税の要素を除きますと24億8,100万円、6.1%の減収となってございます。
今後の見通しにつきましては、依然として景気の先行きが不透明でございまして、また地下水利用の動きがさらに広がることも想定されますことから、給水収益の動向については引き続き注視してまいりたいと考えております。
次に、5年計画の1年目として平成22年度決算をどのように受けとめているかということについてでございます。
平成22年度決算につきましては、収益の多くを占める給水収益は、給水人口の増に加えて、昨年の猛暑、夏季の天候を要因にいたしまして、主に家事用において水需要が増加したことにより404億円の収益となってございます。21年度決算と比較いたしますと、2億7,800万円、率にして0.7%の増となり、札幌市水道事業5年計画で見込んでおりました403億円の給水収益を確保することができております。
一方、経費につきましては、工事等の設計、契約差金や業務内容の見直しによります経費の削減によりまして、平成22年度決算においては5年計画で見込んだ支出額を約25億円下回ってございます。この結果、5年計画に比べまして企業債の借入額を抑制することが可能となるとともに、計画を上回る利益と資金残高を計上することができております。また、その資金残高の一部につきましては、将来の施設等の更新に係る負担増に備えた積み立てを開始しようとしているところでございます。
こうしたことから、平成22年度決算につきましては、5年計画の1年目として一定の目標を達成できたものと認識しているところでございます。
◆小倉菜穂子 委員 1年目としては、大体、計画を達成できたというお話がありました。また、給水収益については、昨年は猛暑であったということが要因かと思います、0.7%増ですか、そういったお話もありました。そういった事情もありますが、徐々に給水収益というのは減少傾向にあるのだということです。2010年度決算では純利益も出ていますので、現在はほぼ計画どおりだというところに落ちつくのだというふうに思っております。しかし、企業債の償還を計画的に行っているということはわかりますけれども、依然として残高が1,332億円余りと企業債への依存度が大変高く、自己資本比率も50%を超えているといった形で、持ち直してきているとは言いましてもそのような数字です。
財政状況の硬直化が進んでいる中で、今後も、先ほど来お話がありました、耐震補強の工事であるとか老朽化した管の補修であるとか、また、環境負荷低減としての配水池水力発電の工事なども予定されております。加えて、バイパス事業は、2013年から本格化して、総事業費は約187億円、そして、その3分の2は札幌市ということでありますから、125億円を負担することになります。さらに、先ほどお話があったように、2013年にはいよいよ石狩への分水が終了して、その後は、当別ダムに関する未受水期間の負担として約50億円、2025年からは受水費の支払いなど多額の負担増は今から考えても明らかだというふうに思います。
その一方、現在、人口減少を目前にした状況だと思いますけれども、この5年間の給水量はなかなかふえない中、家事用に占める基本水量内使用者の割合は、2010年度は42.5%と徐々に増加しております。また、2009年度の水道モニターアンケートによると、節水している人は66.5%に上っているということです。また、さまざまな飲料水が販売されており、売れ行きは好調というふうに聞いております。さらに、現在わかっているだけでも約60の企業や病院、またホテルなどが地下水を利用しており、この数は近年増加しているということです。給水収益増につながる材料がますます少なくなっており、今後、財源は一層の厳しさを増すものというふうに考えます。
そこで、最後の質問ですけれども、水道局では、財政基盤の強化に向け、これまで具体的にどのようなことに取り組み、どのような効果があったのか、また、今後どのような取り組みを行おうとしているのか、その点についてお伺いします。
◎森 総務部長 財政基盤の強化に向けた取り組みということでございます。
水道局におきましては、給水収益が景気低迷等の影響から減少傾向にある中、先ほど申し上げたような状況の中で、クレジットカード収納を平成22年度より導入するなど、お客様へのサービスの向上と収益の確保に努めてきております。
一方で、業務委託の推進や工事費の縮減などの業務の効率化による経費の削減、企業債の借り入れの抑制によります支払い利息の減少等、効率的な事業運営に努めてきているところでございます。その結果といたしまして、水道事業会計におきましては、利益を計上いたしまして企業債残高も減少してくるなど、財政状況は改善してきているところでございます。
今後につきましては、委員ご指摘のとおり、厳しい経営環境が見込まれておりますが、未利用地の売却や庁舎空きスペースの貸し出しといった資産の有効活用など、営業外収益も含めた収入の確保に努めるとともに、引き続き効率的な事業運営や企業債残高の縮減に取り組むことで、5年計画の達成に向け、財政基盤の強化を引き続き図ってまいりたいと考えております。
◆小倉菜穂子 委員 未利用地の売却などにも力を入れていくといったお話でした。それから、先ほども業務の民間委託というお話もありました。そして、この間にもたくさんの人員削減も実施されてきています。事業の効率化ということは何度もお話がありましたし、今後の大事なテーマだと思いますけれども、すべての市民の生命や生活にかかわる事業ですから、ぜひ慎重に取り組んでいただきたいというふうに思います。
また、今後、これまで蓄積してきた水道事業にかかわるノウハウをぜひ有効に活用できるシステムとか人材の育成は欠かせないというふうに考えますので、財政基盤の強化を図りつつ、そうした点についても力を傾けていただくことを強く求めまして、私の質問を終わります。
◆松浦忠 委員 まず、水道事業会計決算書の28ページから35ページにかけて、全部で105件の企業債の明細書がそれぞれ出ております。この中で、28、29ページにかけて、金利が5%を超えているものが10件あります。これらについて、貸す側の事情もいろいろあるでしょうけれども、今の金利水準で借りかえを図って利子の負担軽減を図るべきではないかというふうに思うのですけれども、こういうふうにして残っているというのはいかがな理由で残っているのか、まず1点、これをお尋ねします。
また、34ページから35ページにかけての企業債の中で、平成21年に8件出しております。この8件の金利を見たら、一番高いのは財務省と地方公共団体金融機構の1.9%、一番安いのは北洋銀行の0.964%です。多少の期間の違いがあったにしても、そういう金利の設定になっております。そして、22年を見ますと5件の起債を起こしております。金利1.44%が3件で、2%というのが2件あります。発行日は平成22年2月25日が3件、3月30日が2件と。この3月30日のものが2%です。引き受け団体が地方公共団体金融機構、これが2%です。市場公募は1.44%です。どうして市場公募の1.44%を使うことができなかったのか、なぜ地方公共団体金融機構のものを使わなければならなかったのか、この点についてお尋ねいたします。
2点目は、空き建物の活用についてでありますけれども、私の記憶では、札幌市の各企業会計、あるいは一般会計も含めた中で、現業職を全廃という歴史的な合理化を実施したのは、水道局が、当時、石原弘之管理者のもとで行ったものが最初ではないかというふうに私の記憶にあります。そういう中で、水道局は、その後、例えば小川管理者のときにもかなり思い切ったことをやりました。そういうことで、私は、一般会計、企業会計を含めた中で水道局は非常によくやっているというふうに思っております。
例えば、白石の営業所は、ことし、業務の統廃合で豊平に来ました。その後は、以前からも入っておりましたけれども、
サービス協会が使っております。そこで、一つ例示をすると、白石の営業所の床面積が幾らあって、
水道サービス協会の人員が幾らいて、札幌市の職員と同じように考えて基準面積でいったら幾らの面積があれば
サービス協会がそこで営業していけるのか。あそこは、たしか3階建ての建物で2階、3階が事務所になっているはずですが、以前は3階に
サービス協会がいたけれども、今は2階におりています。そうすると、3階があいていますが、それはどうしているのか。こういうことについて、基準面積と空き床についてお尋ねいたします。そして、活用をどうするのか。
さらに、私は以前にも水道局か下水道河川部かで指摘したのですが、宿舎がありますね。これは、企業会計の事業費の中で建てた職員宿舎であります。この空き宿舎が解消されているかどうか。もし解消されていなくて空き宿舎があるとすれば、どの場所に何戸あって、今後はどういうふうに活用を図っていこうとしているか、お答えいただきたいと思います。
3点目に、設備更新の関係であります。
設備の中でも、管路などはお金の関係で古くなってもなかなか更新が進まないということもありますけれども、地上部分、わかりやすく言えば、ポンプやモーター、電気のケーブルや配電盤など、いろいろな地上部分の設備があります。こういう設備について、過去の使用実績などに基づいてまだ延長して使えるということで合理的な延長をして使ってきたものがあれば、何をどのように延長して使っているか、そして、それによって費用がどのぐらい節減されたかというところまでわかれば、それもあわせてお答えいただきたいと思います。
4点目に、豊平川の水源改良ということで、豊平川の定山渓の温泉付近で地下から砒素が流出してくるので、それを白川浄水場に取り込まないようにするということで、先ほども答弁がありましたけれども、来年度からかかるということです。
そこで、先般、こばやし峠トンネルが契約になりました。このトンネルは、契約して、委員会の質疑で明らかになったのですが、トンネルを掘ったときに出てくるずりという岩石とか土砂の中に重金属や砒素などを含む有害物質が含まれていると。こういうことで、じゃ、その処理はどうするのかと聞いたら、発注はしたけれども、処理方法はこれからだと、こういう考えられないような仕事の仕方をしていたということが明らかになりました。
そこで、当然、ボーリングをした段階で掘るところの物質は分析できるわけですから、私は、それらについて事前にきちっと処理方法も――これは産業廃棄物にはなっていませんけれども、水道局として、人間の体の健康を守ると。水は最も大事なものでありまして、そういうことで多額の金をかけて工事をするわけですから、そういうことについて、工事発注前にきちんと処理方法を定めて発注をすべきだと私は思いますけれども、そういうことを含めた調査が既に行われているかどうか、この4点についてお尋ねします。
◎高橋
営業担当部長 私から、ご質問の2点目の旧白石料金センターのことについてお答えいたします。
旧白石料金センターにつきましては、昭和48年に建築しましたので、もう既に40年近くたっております。土地は約800坪、2,674平米ですが、建物は3階建てで各階は約500平米となっており、延べ1,576平米でございます。1階が500平米ですが、機械室等が大部分でありまして、現在、一部を貸している状況でございます。2階については、7月19日の機構再編によりまして、それまで3階におりました
サービス協会が、委員お話のとおり、今おりてきて、そこで検針の業務をやっております。したがいまして、もともと協会が入っていた3階は空きスペースとなってございます。
それから、2点目の1人当たりの事務室の面積ですが、現在、
サービス協会の職員36名が2階におります。事務室の面積は図面で単純に見た場合には269平米ですので、割り返しますと1人当たり7.5平米でございます。ちなみに、水道局の本局と呼んでおりますが、我々の3階、4階の事務室の平均が約7.8平方メートルでございます。
また、今後の活用についてでございますが、先ほど阿知良委員の質問の中でもお答えしましたけれども、来年8月から民間委託を二つの地区で4区に拡大していきたいというふうに思っておりますので、その際の事務室として局庁舎を有効活用させようというふうに考えておりまして、今、その事務室の一つとしての活用を考えてございます。
◎佐渡 浄水担当部長 私からは、3点目にご質問のありました設備更新についてお答えしたいと思います。
設備更新の考え方でございますが、水道は重要なライフラインでございまして、浄水場などの水道施設が機器の故障などにより機能を停止することは、極力、避けなければならないという考えでおります。このため、機器が故障してから修理、更新をする事後保全ではなく、故障する前に整備、更新していく予防保全という考え方に基づいて設備更新を行ってございます。設備機器については、常に稼働しているということで駆動部などの劣化が生じやすく、土木・建築構造物に比べて寿命が短く、一定年数を経過すると製造が中止されているものですから交換部品の入手が困難になることもございます。
ご質問の更新周期でございますが、水道局におきましては、地方公営企業法にございます法定耐用年数をベースとして、そのほかに日本水道協会やメーカーの推奨基準などを考慮し、また、実際に我々が使っている本市での故障履歴や使用実績を考慮して、おおむね法定耐用年数よりも長く更新の基本周期を策定してございます。また、この周期についても、随時見直しを行っているところでございます。具体的な事例ということでございましたが、例えば、受変電設備は法定耐用年数が20年のところ、私どもは25年から30年、自家発電設備も法定耐用年数が15年のところを25年とか、そういう使い方をしてございます。昨年度の工事などにおきましても、30年という経歴を持ったものを更新しているということでございます。
具体的な費用効果でございますが、残念ながら手持ちがございませんので、失礼したいと思います。
◎森 総務部長 1点目の借りかえについてのご質問でございます。
企業債の繰り上げ償還につきましては、国の臨時の特例措置が平成19年から平成21年まで設けられまして、これに基づきまして一たんの繰り上げ償還を行っております。当時の基準といたしましては、6%以上のものが対象になりましたので、金利6%以上の政府債と公庫債、計228億円余りを繰り上げ償還したところでございます。その後、繰り上げ償還の措置が平成22年から24年まで3年間延長されておりますが、これは利率が5%以上という基準ではございますけれども、さらに基準がございまして、資本比が99円以上、将来負担比率が238.0以上のいずれかの条件を満たさなければいけないことになっておりまして、札幌市については、いずれも基準を満たさず、制度延長後の企業債繰り上げ償還の適用はないものとなっております。
それから、なぜ金融機構からの借り入れなのかということでございますが、市場公募の場合は、期間が10年という返済期間になりますが、これに対しまして金融機構は28年ということでございます。水道施設は耐用年数が長いものが多いということがございまして、基本的には、負担の平準化を図るという企業債の趣旨から考えて金融機構のものを多く使っている現状でございます。
もう1点は、職員住宅についてでございますが、現在、水道局に職員住宅はございません。
◎酒井 給水部長 4点目の水道水質保全事業のトンネル部における重金属についてでございます。
既に土質調査を行っておりまして、トンネル部分から重金属が出るということは想定されております。このため、今年度から、処分方法あるいは処分する場所について、要するに重金属を置く場所について検討に着手することにしております。
◆松浦忠 委員 最初の企業債ですけれども、6%以上というのは、貸す側というか、国側のそういう一つの決めであって、今や、金利は大体1%を基準にしてその上下が何ぼと、こういう状況にあると思うのですよ。それから、今の経済状況を見ていったら、どうしたって、お金が足りなくなって金利が上がっていくというような状況を考え得ることはできないと思うのですね。したがって、そういうことからいったら、10年で借りかえるなら借りかえて、3回借りかえてそのときはどうかということがあっていいと私は思うのですよ。したがって、きちっと金利の安いものを借りると。
私が推測するのは、やっぱりこの団体は公共の団体であります。そうすると、公共の団体ですから、おい、おまえ、借りてくれと、こんな感じの関係にあるのじゃないかと。地方自治体とそういう団体との関係からいったら、そういう関係だと思うのですよ。したがって、私は、そこはきちっと一線を画して、より金利の安いものできちっと借り入れていくということだと思うのです。それから、金利の高いものについては、きちっと現状に沿って下げてもらうということを働きかけていくべきだと思うのです。
そこで、水道の事業者でつくる企業会計のいろいろな会議がありますね、団体会議が。そういう中で、6%をさらに5%、あるいは4%になるか、もっと下まで下げて償還させてくれという働きかけをどのようにしているのか、そのことについて再質問いたします。
次に、合理化によって建物があいてくる。そこで、その活用ということですけれども、本庁舎などを含めた一般会計の面積の基準は、水道局は、率直に言って、本局も含めていろいろ合理化を進めておりますから、行ってみると、建物を建てた当時から見たら非常にゆったりとした事務室の使い方だと私は見ています。そういうことからしたら、水道局の基準ではなくて、いわゆる一般会計の庁舎の1人当たりの面積基準は一体幾らになっているのか、それと比較してどうなのかということをお聞きしたいのです。その点についてちょっと示していただきたいと思います。
次に、設備更新の延命でありますけれども、例えば、先ほど自家発電などについては10年ものを25年ぐらいなどと、事例を挙げて答弁がありました。変電所もありました。例えば、自家発電などについて言うと、一つは発電機の絶縁が低下していなければ、軸のベアリングが減らない限りは半永久的に使えるものなのです。半永久的に使えるのです。もう一つは、エンジンについても、オイル交換をして、保守点検を兼ねての切りかえで、月に1回、何時間か運転するということを繰り返していけば、金属が腐食して使えなくなるということはちょっと想定できない。相当長くもたせることができるのです。だから、大体10年と決めていること自体が、いつ決めた基準なのかなと。
そういうことからしたら、一つは、予防保全の基準は、一体、いつ、だれが、何に基づいて決めたものなのか。例えば、国の法令にありますよと。それでは、国の法令は、いつ、そういう基準が決まって、それは、本当に現場の実態と、実際に使っている全国の水道局の実態と合っているのか、合っていないのか。例えば、電線のケーブルでいったら、日本国じゅう、いろいろなところでケーブルを使っています。そうしたら、その使っているケーブルの使用実態と合っているのかどうか。こういうようなことは、それぞれの企業管理でありますから、企業の責任において収支をやるわけですから、そういうことを調べた上でどこまで使えるかということをきちんと判断していく、私はそれが本来の企業会計法に基づく企業の運営だと思うのですよ。
そこで、基準なるものは、一体、いつ、どこが、何を定めて、札幌市の水道局は何を準用しているのか。例えば、今、例示された変電所と自家発電の二つについてお答えをいただきたいと思います。
◎森 総務部長 繰り上げ償還に係ります特例措置の延長につきましては、指定都市の会議あるいは日本水道協会を通じまして要望しているところでございます。
また、一般会計の本庁舎の1人当たりの面積は平均5平方メートル程度と聞いております。
◎佐渡 浄水担当部長 設備更新の関係でございますが、予防保全の基準というお話でございましたけれども、これは、設備を更新していく上で、故障して壊れてから直すか、故障する前に直すかというのは一般的に考えられている概念でございまして、そういう考え方自体がどこで決まっているということではないというふうに理解しております。そこで、先ほども申し上げましたが、私どもの施設は、電気施設など、特に自家発電については停電になったらそのときにかからなければならない、そのときに故障したということでは市民に多大な迷惑をかけるということでございますので、今言ったような予防保全的な考え方でやっているところでございます。
私どもの周期でございますが、もちろん法定耐用年数以上に使うという考えを持ってございます。しかし、先ほども申しましたように、私どもが実際に使っていて故障したとか、自家発電ですと、委員のお話もありましたが、実際には周辺機器の部品がもうないとか、代替品にしてもつくり直すにはちょっと時間がかかるというお話もございますので、予防保全という考え方で事前補修、事前更新という考え方をとってございます。
◆松浦忠 委員 企業債の関係ですが、指定都市で要望しているというのは、要望書を紙に書いて出すのはだれでも出すんですよ。問題は、どういう話をどことしているのか、そして、相手はどこで何を答えているのか、それをきちっとしないと。市民は皆さんに託しているのですよ。皆さんは、金を貸している公共団体だとか財務省だとか、そういうところとしっかりと話を、一体、財務省のどこが窓口で、あるいは厚生労働省の水道課が窓口なのか、どこを窓口にして、どういう話をだれとだれがしているのか。その事実関係があれば、あるいは、だれかに託してしてもらったというのなら、それはそれでいいです。その事実関係をきちんと答弁してください。それが大事なのです。そういうことです。
次に、合理化を一生懸命やっているのは私は高く評価するのですが、床の関係です。一般会計の方はこの本庁舎も含めて5平方メートルですね。本局が7.8平方メートル、白石が7.5平方メートルといったら5割増しなのですよ。そうしたら、やっぱり本庁舎並みで見直すと。活用の仕方はいろいろとあると私は思うのです。例えば、経済局なんかは、就業支援やいろいろなことで幾つかの小部屋を貸して、テーブルを置いて、小さな区域で10個なら10個、そして、1人、電話番がついてというような支援活動などもやっています。民間でなくても、庁舎内の経済局だとかほかの部局も含めて、もうちょっとやっている事業を調べて、そういうところに活用してもらえないかなど、いろいろなことを考えて、私は使いようがあると思うのです。そういうことをぜひやってほしいと思うのです。
それは広い方がいいですよ。私は水道局に行っていつも思うのです。いや、広くてゆったりしていていいなと思うのです。そのことは作業環境としては非常にいいと思うのだけれども、しかし一方で、本庁に来たら、みんなは決められた中で一生懸命やっておられる。この辺は、余り差がない方がいいと思うのですよ。したがって、ぜひそれをやっていただきたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。この点についてお尋ねします。
次に、設備の関係ですけれども、今の答弁は、どっちかというとPL法、いわゆる製造物責任法で、例えば、物をつくったら、物によっては10年間の部品供給義務だと、その範囲の話だと私は思うのです。しかし、家庭で使っている品物と違って、やはり高額なものでありますし、物によってはきちっと――部品の図面はメーカーが保管していますから、長く使うようだったら、場合によってはメーカーから図面をもらって、それらをつくっていた部品メーカーなどに図面をもとにと言えば、札幌市内にもつくる会社はたくさんあると思います。そういうようなことも含めて、きちっとする。
それからもう一つは、停電時の自家発電でいったら、月に1回だとか、年に何回だとか、当然、試運転をして、切りかえて、実際にちゃんと役立っていくかと負荷をかけてやっているはずなのですよ。そういうことをきちっとやっていけばどういうことになるかというと、ある日突然、それが壊れるなんていうことは、機械ですから新車だって壊れることもありますけれども、それは確率が非常に少ない。そういう面での確率は、10時間しか使っていなければ、1,000時間使ったものとの確率は、年数がたってもそう変わらぬと思うのです。
ですから、そういうような統計的な資料をきちっと持った上でそういう答弁をされるのなら、私もそうですかと納得する。しかし、私はこう思うという思い込みの発言では、そこで多額の費用を使っていくわけですから、そうですかというわけにはいかぬのですよ。したがって、その点について、今後、きちっと統計的に物を調べて、保守管理をして、やっぱりその中で更新していくことをすべきだと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
最後に、豊平川の水源ですけれども、これは、発注のときには、きちっとそういう処理方法も決まった中で発注していくという方向で今やっているということですから、その方向でぜひひとつ進めていただきたいということを求めておきます。
企業債の関係と設備の関係の2点についてお答えいただきます。
◎北野 水道事業管理者 国への繰り上げ償還、借りかえに係る財政制度要望については、私も参りましたので、私から答弁させていただきます。
まず、要望の形態としては2種類ございまして、いわゆる議会でご審議をいただいている青本、大都市の税財政制度にかかわる要望につきましては、指定都市といたしまして市長、それから、指定都市議長会という形でのご要望を、関係省庁ですから、財務省を初め、総務省、青本の要望事項にかかわる関係省庁にそれぞれ割り当てというか、担当を決めて要望している実態にございます。
もう一つは、私が直接要望に参りましたのは、大都市の水道事業管理者会議、いわゆる青本のベースになっている原局会議と言われるものでございますけれども、そちらでも、大都市の水道事業体で共通の課題については要望書を別途つくってございます。その中には、金利負担の軽減という意味では、今の繰り上げ償還の制度とか借りかえの適用条件をもう少し緩和していただければ、それぞれの水道事業体の経営にとってプラスになるという形での要望、それは、大都市の事業管理者がこぞって総務省、厚労省に参りました。
ただ、言っているだけではだめではないかというご指摘もあって、そのときにわかりましたというお返事はいただけませんでしたけれども、こういった改正要望については、今後とも粘り強く続けてまいりたいというふうに考えております。
◎佐渡 浄水担当部長 設備更新についてでございますが、私どもも、従前から、実際の点検のときに、委員おっしゃるとおり、年1回の点検とか実負荷運転などをやってございますけれども、そのときの点検結果とか、そういうものも十分に反映しながら周期を随時見直していきたいというふうに考えてございます。
◆松浦忠 委員 設備の関係については、また後で、別途いろいろ資料をいただいて検討したいと思います。
そこで、床面積の関係ですが、もうちょっと活用と、1人当たりの面積を本庁並みにして、本局庁舎も含めて活用方法を考えた方がよろしいのではないかと思うのですけれども、これについては、考えていこうという考えがあるか、今はゆったりしているからいいねということで、そうさせてほしいというのか、どちらですか。
◎森 総務部長 今お話のございましたオフィススペースにつきましては、ことし7月に機構改革を実施し、見直しをしたばかりではございますけれども、今後の人員の動向を見ながら庁舎の有効な活用の方策について検討してまいりたいと考えます。
◆松浦忠 委員 私は、なぜこういうことを言うかといったら、本当に、水道局は一生懸命に合理化もしたし、効率も上げているから、ご褒美としてそのぐらいはいいかなとも思うんです。しかしですよ、水道局の職員はおよそ900人、(発言する者あり)いやいや、全部で900人ぐらいですよ。(発言する者あり)600人かい。そうすると、あとの1万3,400人が、何だ、水道局だけいいな、おれもそれなりにやっているんだよなと。みんな、やっていると思っているのですよ。したがって、職員間で不公平感が起きるから、私は、やっぱりこういうことも考慮していくことが大事だと思うのですよ。そういう意味で、ぜひひとつ進めていただくことを求めて、終わります。
◆伴良隆 委員 理事者の皆さん方が肩の力を抜いたところで、私から、防災対策の質問をさせていただきます。
先ほど阿知良委員や坂本委員からもいい質問がありましたけれども、私からも申し上げます。
先日、
東日本大震災への救助・救援活動についての展示紹介が市役所1階で行われていました。被災地に派遣された1,000名を超える市職員のうち、実に155名もの水道局の職員の方々がご苦労されて、いち早く仙台市などの応急復旧活動に従事されたとのことでございました。札幌市の後方支援活動をかいま見てとても心強く思いましたけれども、一方で、札幌市で大きな災害が起きたときはと考えると不安がよぎるところがございました。
被害に遭ったのはもちろん仙台市だけではございませんけれども、相互応援関係にある政令市として、仙台市の被害状況については一定の情報も関知されていることだと思います。仙台市の被害状況や復旧の総括ができていない中で、それについての本市水道局としての解釈は現時点では難しいものがあるとは思いますけれども、あえて確認させていただきたいと思います。そして、本委員会を通じて災害対応の情報や課題を共有できたら、この委員会の時間も大変有意義かなというふうに思っているところでございます。
そこでまず、伺いますが、
東日本大震災において、仙台市ではどのような水道被害があり、仙台市はそれにどう対応したのか、わかる限りでご説明いただきたいと思います。
◎酒井 給水部長
東日本大震災における仙台市の水道施設の被害、復旧体制、復旧時期についてお答えします。
まず、被害の状況でございますが、浄水場では水処理に影響を与えるような大きな損傷はなく、配水池等においては池本体にひび割れ等の被害を受けましたけれども、配水系統の変更で対処したと伺っております。管路につきましては、基幹配水管の破損が59カ所、給水管を含めた漏水が全体で約1,100件あったと伺っております。この被災による影響といたしましては、本市の応援隊が現地入りした3月13日に、最大で断水戸数約23万戸、断水率は50%に及んだというふうに聞いております。
次に、復旧の体制でございますけれども、仙台市は、まず、18大都市水道局による相互応援協定に基づきまして、応援のまとめ役である応援幹事都市の私ども札幌市と東京都に応援を要請しております。このほか、全国の水道事業で構成する日本水道協会の各地方支部や地元の管工事業協同組合の支援により、給水タンク車は1日最大で75台、発災から約3週間で延べ1,000台、2,800名で応急給水を行っております。管路の復旧につきましても、管工事業協同組合の応援等によりまして、1日最大33班で漏水の調査、修理を行いまして、発災から約3週間後の3月末までに復旧を終えた、このように伺っております。
◆伴良隆 委員 予想もしない大きな被害だったということだと思います。仙台市では、水道事業体とか、あるいは関係団体との協力体制があって、初めて災害時の応急給水がなし遂げられ、応急給水に大きく貢献したということだというふうに思います。全国的な支援があった上で、復旧をほぼ終えるまでに実に20日間かかっています。この事実をかんがみますと、本市も長期の復旧活動を覚悟しなければなりません。実際、第3次地震被害想定では、水道管路被害が大幅に増大し、冬季では断水率67%、復旧に1カ月半かかるとの予想が出ております。よって、一水道事業体だけでの災害対策には限界があり、新たな応急体制構築には、他都市からの応援も前提にしていかなければならないという事実がございます。
水道局では、札幌水道長期構想を平成16年に策定しています。そのときに、もう既に、危機管理に向けた施設整備ということで、各施設、管路の耐震化と復旧機能の充実、応急給水拠点施設の充実を目標に掲げると同時に、応急給水施設を利用した市民との合同訓練を実施するとともに、他都市の水道事業体との相互応援体制の整備を進めていくことも同じく目標に掲げられています。一方で、地域防災計画の見直しに伴って、当時の災害対応策への再検証と見直しが図られている最中であります。
もともと札幌市は内陸型の都市でありまして、三方を山に囲まれて、そしてまた、大量輸送というものは小樽か苫小牧に海路で入って、陸路で札幌に入る経路が基本でございます。現在は、空路として確かに千歳もありますし、丘珠もございますけれども、大量輸送を考えると、あくまでも陸路を基本にすべきでありまして、他都市からの初動援助は道内外を問わず難しいのが現状でありましょう。まして、厳冬期ともなれば、近隣市町村ならまだしも、遠隔都市からの即効性と連続性のある大規模な救援が行われる可能性は低く見積もられるべきではないか、このように思っております。
そこで、2点伺います。
札幌市が第3次地震被害想定のような地震や同程度の被害が見込まれるような災害が起きたときに、どのような応急体制を整えているのでしょうか。
また、
東日本大震災被災地への支援活動を通じて得られた貴重な教訓をどのように水道局として生かしていきたいのか、これを教えていただきたいと思います。
◎酒井 給水部長 まず、大規模な災害等が起きた場合の体制でございます。
災害が発生した場合は、まず、復旧活動の核となる災害対策本部を本局に立ち上げまして、市内3カ所の水道センターを拠点とした応急給水、あるいは管路の応急復旧体制、浄水場等を拠点とした施設の運転や応急復旧体制を整えます。被害状況や影響度を判断した上で、応援が必要な場合は、協定を締結しております札幌市
水道サービス協会や札幌市管工事業協同組合に要請するとともに、水道局OBについてもボランティアとして応援していただく体制となっております。初期活動におきましては、委員もご指摘がありましたとおり、札幌市は海を隔てている環境にありますことから、道内都市の協力が重要でありますので、日本水道協会を通じて応援していただく体制となっております。
また、道外都市からの応援ですけれども、18大都市水道局の相互応援協定に基づきまして応援幹事都市となっている仙台市が被害の把握や連絡調整の窓口となりまして、必要に応じ、他の大都市の協力が得られる体制を整えております。このほか、遠方の水道事業体からも協力が得られるよう、日本水道協会を通じまして協力体制を整備しているところでございます。
なお、今回の大震災では、日本水道協会が北海道から九州まで全国の地方支部を被害の大きい東北3県に割り振りまして約550の事業体が被災地の支援に当たっている実績を踏まえまして、本市が被災した場合にも相応の応援が期待できる、このように考えております。
次に、今回の教訓をどのように生かすかということでございますけれども、支援活動に携わった職員の意見は、私どもが被災者の側に置かれた際の貴重な教訓となると考えております。現在、これらを整理するため、応援に参加した職員のみならず、後方支援等にかかわった職員全員にアンケート調査を実施しておりまして、アンケートで示された課題の対応策について取りまとめを行っているところでございます。教訓の例といたしましては、全国から来る多数の応援水道事業体等に対しまして応急活動のマネジメントをいかに的確に行っていくか、その重要性に気づかされたことが挙げられております。今後は、合同訓練の覚書を結んでおります仙台市と、直接、意見交換等を行い、被災都市の視点も含めた教訓として整理する予定であります。
本市といたしましては、このようにして得られた教訓を研修や訓練を通して職員の技術向上に役立てるとともに、地震災害マニュアルの再整備に反映し、より充実した応急体制の整備に生かしてまいりたい、このように考えております。
◆伴良隆 委員 給水部長からお話がありましたが、日々、大変お忙しい中でこういった経験を生かしていこうという意気込みを感じることができるわけであります。実際に、私は、今月の5日に行われた災害・雪対策調査特別委員会にて、災害時における札幌市の応急給水体制について質問いたしました。私はあえて災害の枠で水道局の皆様方に質問いたしましたのは、給水活動が災害対策の中でも人命救助活動に次ぐ大切な業務だからです。その中で、私は、応急給水体制が比較的手薄になっている市の主要避難所への応急給水設備の必要性とその対応の緊急性を問いただしました。給水部長は、配水施設、管路耐震化とともに、さまざまな応急給水施設や移動給水を利用する上、緊急貯水槽や応急給水栓の新設をする、このようにお答えになりました。
私がそこで心配なのは、今までの事業整備に気を使い、災害のリスクよりも防災計画の見直しに伴う新たな整備そのもののリスクをおそれているのではないかということであります。加えて、緊急援助や復旧活動があたかも計画されたとおりに行われるという皮算用で札幌市の危機管理対策が成り立っているのではないかという不安がよぎるのです。さらに、本市は、企業や市民が備蓄している水などの物資も当てにしている、このように危機管理対策室の見解がございましたけれども、地域の備蓄現状を余りにも過大評価した楽観論にすぎません。地域防災計画の見直しが図られ、今までの災害対策では万全ではないということが明らかになった今、勇気を持ってその弱点を洗い出さなければいけないと思います。他都市の被災からの教訓をしっかりと生かし、今までのハード面をどう改善し、活用していくのか、あるいは、市民とどのように連携し、ソフト面からの応急体制をいかに活用していくのか、水道事業の災害対応をより確実に実施するためにも、今、立ちどまって考えてみることが大切なのではないでしょうか。
そこで、最後に伺いますが、地域防災計画の見直し、
東日本大震災を踏まえて、今までの応急体制を素直に見詰め直したとき、今後の課題は、正直、何であると考えていらっしゃいますか、熱意あるお気持ちをお聞かせください。
◎酒井 給水部長 今後の応急体制における課題についてお答えいたします。
先ほど委員からご指摘がありましたが、私どもといたしましても、新たな地域防災計画における水道施設の被害想定は大きな見直しが必要であると認識しております。このため、昨年度、これに対応した施設の耐震化と応急体制の基本的な考え方を地震対策基本計画として整理したところでございますが、その対応は緒についたばかりであり、今後、事業の計画、対策の具体化を進めていくことになります。
また、今回の仙台市では、断水が長期間に及んだため、飲料水に加え、生活用水の要求が高まり、給水車や拠点給水での応急給水ではとても間に合わない状況になったとのことです。こうした災害の状況を想定いたしますと、各家庭等における飲料水の備蓄、給水拠点から各戸までの水の運搬、災害時要援護者への支援など、これらは市民の協力に頼らざるを得ないことから、応急給水の情報を共有し、市民と行政が協働する体制を築いていくことが大きな課題と考えております。
このため、地道なことではございますけれども、引き続きホームページやパンフレット等を活用して災害対策にかかわる積極的な情報提供に努めるほか、日ごろから市民と水道事業者のコミュニケーションの機会をふやし、意見や要望を具体的な業務に反映し、市民の理解と信頼のもと、市民と協働する応急体制の確立に取り組んでまいりたい、このように考えております。
◆伴良隆 委員 大変静かな熱い気持ちを聞いたわけであります。当たり前のことでありますが、水道局のご使命というのは、市民により安全に、いかに市民負担を少なくして水を届けるかということでございます。札幌市の日々の質の高い給水は、皆様の努力の結晶と言えると思います。ところが、たった一回の災害の初動体制の停滞によって、すべての水道事業への市民の評価はひっくり返ることになります。万が一のために仕事をしていたら確かに切りがないわけでありますが、それでも天災が多いカントリーリスクを背負った日本に私たちが住んでいる限り、そのリスク管理は通常事業とセットでなければいけません。だからこそ、例えば、応急給水体制の不確実地域への対策を急ぐべきである、このように私はずっと言い続けますし、そしてまた、仙台市の教訓を我が身のことのように検証し、吸収し、事業に生かしていくことがまさに市役所の皆さんの役割である、私はこのように思うところであります。
そのためにも、今、給水部長からお話がございましたけれども、地域の声を聞くこと、あるいは、地域に皆さん方のご努力というもの、水道局の声をしっかりと発信すること、これは、ホームページとか冊子だけではなくて、実際に地域を歩いてください。しかるべき方々がいますので、そういった方々としっかりと対話をして、住民の理解と協力を得ていただきたい。皆さん方のそういったご努力が水道の応急体制をより確実なものにしていく近道である、僣越ながら、私からこのように助言いたしまして、質問を終えたいと思います。
◆植松ひろこ 委員 私からは、水道事業におけるエネルギーの節減と停電時の対応についてお伺いします。
ことしは、3月に
東日本大震災が発生し、9月には台風による降雨災害が発生するなど、自然災害の脅威を再認識する一年となっております。このような大きな災害が起きると、電気・水道・ガスなどのライフラインも被害を受け、市民生活に大きな影響を及ぼします。特に、
東日本大震災で発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響により、定期点検等で、稼働停止していた全国の原子力発電所の再開のめどが立っておらず、また、中部電力浜岡原子力発電所の停止などにより、発電量が減少し、電力需要に対応できなくなる事態が予想されました。
この電力不足に対応するため、政府は、東京電力管内及び東北電力管内の大口需要家に対し、電気使用の削減を義務づけるとともに、計画停電を実施するなど社会生活に多大な影響を及ぼしました。こういったことは、改めてライフラインの重要性を認識し、自然エネルギーの活用や消費エネルギー自体を少なくするシステムの採用などの対策がこれまで以上に重要であると痛感しているところです。
既に、札幌市水道局では、省エネルギー対策として、1984年、昭和59年から藻岩浄水場に水力発電設備を導入しており、2007年、平成19年には、より発電効果の高い設備に改修しております。さらに、昨年度には配水センターに太陽光発電設備を新設したと聞いております。水道局の環境報告書によりますと、2009年、平成21年度における水道局の電力使用量は3,066万キロワットアワーであり、年々減少傾向にあることがわかります。また、藻岩浄水場水力発電所の平成21年度の実績は、発電電力量が297万キロワットアワーであり、そのうち消費した電力量が185万キロワットアワー、売却した電力量が112万キロワットアワーであったと報告されています。
そこで、質問ですが、直近の2010年、平成22年度において、水道局の電力使用量はどう推移したのか、自然エネルギーの導入による電力の節減効果についてお聞かせ願います。
◎佐渡 浄水担当部長 まず、平成22年度における水道局の電力使用量の推移についてお答えいたします。
平成22年度の電力使用量は3,015万キロワットアワーであり、前年と比べ約2%の減少となっております。また、自然エネルギーの導入効果でございますが、藻岩浄水場の水力発電設備は、委員がおっしゃるとおり、昭和59年に導入し、平成19年にリニューアルしております。現在は、水力発電による電力を藻岩浄水場及び同じ敷地内にある水質管理センター、水道記念館で使用しております。年間の発電電力量は、平成22年度決算値で315万キロワットアワーであり、このうち204万キロワットアワーを場内の施設で消費し、場内で使用する電力の約96%、水道局全体でいきますと、電力使用量の約7%を賄っております。消費できなかった余剰電力111万キロワットアワーについては北海道電力に売却しており、その経済効果は平成22年度決算値で約1,250万円となっております。また、太陽光発電設備については、ことしの2月から稼働しております。発電した電力はすべて配水センターの庁舎で消費しており、稼働開始から9月末現在まで約8,800キロワットアワーを発電し、配水センター庁舎で使用している電力量の約5%を賄っております。
なお、水力発電及び太陽光発電による電力量については、水道記念館においても表示しており、市民の皆様にもPRしているところでございます。
◆植松ひろこ 委員 水道局での電力使用状況や自然エネルギーを有効に活用していること、特に、水力発電については非常に大きな効果があるということは理解いたしました。環境報告書では、全国の水道事業の電力使用量は、国内電力使用量の0.86%を占めているのに対し、札幌市水道局の電力使用量は、札幌市全体の電力使用量の0.33%となっています。また、配水量1立方メートル当たりの電力使用量では、13大都市平均が0.3キロワットアワーなのに対し、札幌市は0.16キロワットアワーであり、ほかの都市に比べ、札幌市は少ない電力で水道事業を進められていることがわかります。これは、札幌市が扇状地である地形特性を生かし、浄水場や配水池などを川の上流や急流地に建設し、水の持つ位置エネルギーを利用した自然流下により配水することでエネルギー使用量を低減しているとあります。
そこで、お伺いいたしますが、そのような効率的なシステムが構築されている中で、近年においても行っているエネルギーの節減の仕組みなどがございましたらお聞かせ願います。
◎佐渡 浄水担当部長 エネルギーの節減の取り組みについてお答えいたします。
委員のおっしゃるとおり、札幌市は、給水区域の4分の3を自然流化で配水していることにより、他都市と比較してエネルギー使用料が少なくなっております。これは、創設当初からむだのないシステムづくりを目指してきたことによるものでございます。
しかし、札幌市におきましても、一部の地域ではポンプを使用して水を配っているところがございます。近年の取り組みといたしましては、これらの地域へ水を送るためのエネルギーがより小さくなるように施設の配置や水を送る系統を変更することで電力使用量の抑制を図っております。例えば、西岡、福住地区に配水している羊ケ丘配水池は、以前は澄川ポンプ場から水を送っておりましたが、高低差が大きく、能力の大きなポンプが設置されておりました。そこで、澄川ポンプ場の更新時期を迎えるに当たり、より高低差の小さい西岡高台配水池の敷地内にポンプ場を新設することにより、今までより小さなポンプで水を送ることができるようになりました。この変更により、羊ケ丘配水池の送水に必要な電力量は約3割削減することができました。
こうした大規模な施設整備による取り組みに加え、例えば、ポンプ施設を更新する際には、ポンプの使用や台数を見直すことで消費電力の低減が図れないか検討するなど、さまざまな形でエネルギーの削減を進めております。
◆植松ひろこ 委員 現在もエネルギー削減に向けてさまざまな取り組みをされているということで、今後もこのような環境に配慮した取り組みを積極的に進めていただければと思います。
今回の震災による被害は、私たちの想像をはるかに超える甚大なものでした。水道も例外ではなく、地震により多くの水道管が破損したことに加え、発電所の停止や送電網の破壊によって発生した停電の影響もありました。特に、仙台市では、地震発生後、数日間にわたって停電が続き、その間の水道水の供給に大変な苦労をされたと聞いております。
そこで、質問ですが、札幌市の水道局においては、停電に対しどのような対策をとっているのか、特に今回の震災のような長時間にわたる停電への対応についてお伺いいたします。
◎佐渡 浄水担当部長 水道局の停電への対応についてということでお答えいたします。
まず、本市の基幹浄水場である白川浄水場、藻岩浄水場、送水・配水施設の総合管理を行っている配水センターにつきましては、北海道電力の二つの系統から受電が可能となっており、送電系統に起因する停電に対する安全性は高くなっております。また、浄水場やポンプ場の主要施設には非常用発電設備を設置しており、その運転に必要な燃料については平均して約17時間分を備蓄しております。
平成16年の台風18号の際には、強風の影響により多くの送電系統で大きな被害を受け、市内各所で長時間にわたる停電が発生しました。水道局の西野浄水場においても送電線断線により浄水場が停電になりましたが、非常用発電設備を7時間にわたって稼働することにより、浄水処理を停止することなく対応できたところでございます。
しかしながら、今回の震災で仙台市の浄水場では平均70時間、最長で98時間に及ぶ停電が発生しており、委員のご指摘の数日間にわたる停電に対しましては、燃料補給が滞った場合には現在の備蓄量では対応できない状況でございます。したがいまして、燃料の優先供給契約や燃料タンクの容量の見直しなどについて検討を進めているところでございます。
◆植松ひろこ 委員 今回の
東日本大震災のような災害は、また、いつ、どこで起こるのかわかりません。ただいまの答弁にもございましたが、長期にわたる停電時の対応については大きな課題でありますので、早急に検討を進めていただきたいと思います。
福島第一原子力発電所の事故を受け、電力はどのようなときでも十分な量が安定して供給されるとは限らないという現実を私たちは目の当たりにしています。水道局としても、ライフラインを維持するため、ほかに依存しない自前のエネルギーとして、今後も自然エネルギーを積極的に導入するよう、ぜひご検討いただきたいと思います。
また、今後、高度成長期に整備した施設が更新の時期を迎え、施設・設備の大規模な改修の機会が多くなると思いますので、その機会を活用し、エネルギーの節減をさらに意識した再構築、再整備を検討していただくことを求めまして、私からの質問を終わります。
◆伊与部年男 委員 私から、財政問題について、数十点になるかもしれませんが、質問いたします。
水道局は、ご案内のとおり、昭和12年のうし年生まれです。委員長も副委員長もうし年生まれですが、12年でなくて、24年生まれです。そんなことで、忘れることのできない昭和12年にできた水道局でございます。
まず、冒頭、どこから質問するかなと思って今考えていました。水道局は、まさに、74年間、60年間では20回値上げしたが、その後、14年間に一回も値上げしていない。すなわち、平成9年から今日まで、14年間、一銭も料金を改定していない、値上げしていない。これは、大変な皆さんの努力、議会の努力だと思いますよ、はっきり言って。一言つけ加えておきたい。
その中でも特徴的なのは、水道局の会計決算書の51ページの決算総括表、これを見ると、商業簿記、工業簿記、銀行簿記もありますけれども、少し簿記をかじった人は、これを見ると財政状況が大体わかります。しかし、わからないところが二つある。
一つは、この決算総括表に資産維持費という名目はどこにも出ていない。資産維持費は、今、40億円あると言っている。そして、資産維持費は、平成9年の料金改定、14年前ですね。14年前から単年度5億円の資産維持費を料金原価に入れているわけですよ。そうすると計算が合わないですね。14年間のうちに40億円しか資産維持費がたまっていないということはないのであって、8年で40億円だから、あとの年数の資産維持費はどこに行ったのだ。総括表には資産維持費なんていう名前で一銭も出ていませんよ、はっきり言って。ことしの決算で言うと、純利益が46億円です。これは損益計算書を見ればわかるわけですけれども、資産維持費なんて全然出ていない。もう一つは、貸借対照表を見ると資金残高が63億円あるのです。片や、純利益が46億円、片や、63億円の資金残がある。極めて健全な財政状況で進められている、そういう状況にあるのですよ。これは、ほかの企業会計から見たら、大変すばらしい会計を行っているなという印象を持ちます、率直に言って。
そこで、わかりやすく質問しますけれども、まず、資産維持費の現在高と、それから、今使っている推移をわかりやすく答弁願いたいのと同時に、資金残の63億円、これについてもあわせて答弁してください。
委員長、これは、順次わかりやすく質問していきますから。
◎森 総務部長 資産維持費についてのご質問でございますが、資産維持費は、平成9年度から料金原価に算入いたしまして、平成22年度におきましては、資産維持費相当額として13億8,700万円を一たん利益に計上した上で建設改良積立金として利益処分いたしまして、建設改良のための財源として活用しております。このように長期的に資産維持費を活用いたしまして、企業債依存体質の改善や建設改良の財源として使っていくことによりまして、その部分が資金残高の方に蓄積されまして、目標としておりました40億円は、その部分の資金残の中に含まれている状況になってございます。
◆伊与部年男 委員 質問はわかりやすくしているのだけれども、わかりづらい答弁で、今、何を答弁したか、わかりませんよ。わかっている人がいたら、答弁をしてもらいたい。
委員長、わかりますか、今の答弁。私はわからない、はっきり言って。
資産維持費というのは、この総括表に載っていないけれども、総括表のどこに入っているのですかということをまずわかりやすく答弁してくれなかったら、資産維持費という名前は、言葉自身、字面自身、出てこないんだから。隠し財産みたいな、埋蔵金みたいな金を、はっきり透明性を発揮して、平成9年から今日までの資産維持費の内容、実態、そして、今はどういうふうに備蓄されているのか。資金残の中に入っているなんて、とんでもない話ですよ。資金残は資金残でしょう、これは。46億円の今回の純利益の中に入っているのですか。入っていないでしょう。入っていますか。入っているのだったら、どこにどういうふうに入っているか、きちっと答弁してくださいよ。
◎福澤 財務課長 ただいま委員からご質問のありました件につきましてご説明いたします。
資産維持費につきましては、平成9年度から料金の原価に算入することが認められておりまして、先ほど答弁いたしましたとおり、単年度14億円を水道料金の収益の中の計算として入れております。したがいまして、資産維持費という名称自体はこの総括表には出てこないのですけれども、そこの部分につきましては、利益としまして一たん出したものを資本的支出の不足を埋めるための財源として、毎年度、予定処分をかけさせていただいて使わせていただいているものです。
それから、先ほど申しました残高の部分につきましては、資産維持費のうち5億円については、経営安定化のための資金として40億円をめどにためるようにという議会からのお話をいただきまして、平成9年度から8年間で40億円をためてきております。その部分につきましては、利益としてたまってきているものですので、資金残の中を構成する一部となっています。したがいまして、名称としては資産維持費というものはないのですけれども、今の資金残を構成している一部というふうにご理解いただきたいと思います。
◆伊与部年男 委員 わかりました。
それでは、先に進みます。
今回、修繕引当金というものをことしから75億円確保したと出てきました。そのほかに退職給与引当金も75億円です。合計150億円の引当金を計上しております。
そこで、窪田監査委員に質問したいのですけれども、監査委員報告によりますと、この修繕引当金は見直すべきだという指摘をしております。同時に、もう一つは、修繕引当金については算定方法を変えるべきだ、こういう監査報告が出ております。これを指摘して、水道局からどういう回答があったのか、これをひとつ明らかにしていただきたいと思います。
◆窪田 監査委員 ただいまのご質問について答弁申し上げますが、委員の指摘された箇所は、札幌市の監査報告書の27ページに出てまいりますけれども、これは指摘事項というわけではございませんで、意見としてこうした方がベターではないかという指摘をしているわけでございます。ですから、当局から直接それについての回答をいただくことにはなっておりません。
内容は、委員がお述べになったとおり、もう少し合理的な算定方法に改めるかどうか検討をいただいたらいかがでしょうかと、こういう監査委員の意見を付記したということでございます。
◆伊与部年男 委員 そこで、水道局にお尋ねしますけれども、今、窪田監査委員が答弁したように意見として出したと。これを受けとめて、水道局はどういうふうな見直しをしようとしているのか、明らかにしていただきたいと思います。
◎森 総務部長 修繕引当基準額については、ご指摘のあったような経緯がございまして、今回の監査委員の報告意見の中で述べられております。その中で指摘された事項につきましては、今後の予算編成等におきまして、今回の監査意見を踏まえまして引当金の設定目標額について検討していきたいと考えております。具体的には、現状では修繕対象固定資産の前年度末の帳簿原価の2%、わかりづらい表現で恐縮でございますが、こうなっておりますけれども、決算において基準額が89億円でございます。この基準額が過大あるいは過少にならないように、適宜、見直しを行っていきたいと考えてございます。
◆伊与部年男 委員 退職給与引当金の件についてはどうなっているのでしょうか。退職給与引当金に75億円を積んでいるのですよ、ことし。例えば、職員部に尋ねましたら、退職金は1人平均して大体2,500万円だと。水道局の去年1年間の退職者は62名ですよ。そうすると、約15億円で済む。75億円を積んでいるのですけれども、これは、一体どういうふうな基準で75億円の退職給与引当金を積んでいるのか。これから引当金をどうするのか。
それから、今、森部長が答弁しましたけれども、89億円の修繕引当金は基準があるのですか。基準なんてないのでしょう。適当と言ったら怒られるかもしれないけれども、89億円の修繕引当金の基準をどこに定めて、どういうふうに計算してそういうふうになったのか。89億円ですから、そのうち75億円は引当金でたまったと。あとの14億円は今後どうなるのか。それも含めて明らかにしていただきたいと思います。
◎森 総務部長 修繕引当金の基準額でございますけれども、先ほど大変わかりづらい表現でお話しせざるを得なかったのですが、お示ししましたように、基準額が幾らを基準とするかということについては、目標として毎年度の修繕対象固定資産の前年度末の帳簿原価の2%という計算になります。これで平成22年度決算で計算しますと約89億円という基準額が設定されるわけですけれども、実際に引当金の残高というのは、平成22年度決算では約75億円になっておりまして、まだその基準額には満たない状況になっております。
ただ、この額総体といたしまして、たびたびご指摘がありますように、これから大量の施設の更新期を迎えてまいります。札幌市の水道施設は、昭和40年代を中心に大規模な建設が行われてまいりましたので、耐用年数がだんだん近づいてくる中で一気に大量の更新需要が出てきます。そういった資金需要に対応するためには、計画的な対応が必要であるという中でこのような引き当てを行ってきた経過がございます。
しかし、75億円という残高がございますので、平成22年度の段階で将来的な修繕費の増加にも対応できる額となってきたと考えておりますので、今後は、定期監査でご指摘のあった内容を踏まえまして算定方法を検討していきたいと考えているところでございます。
それから、もう1点の退職給与引当金についてでございますが、水道局では、平成16年度から退職給与引当金の計上を開始しておりまして、引当残高は約75億円となってございます。水道局の退職給与引当金は、現在、期末要支給額を基準としておりまして、水道局の職員全員が退職することを前提にした場合は幾ら必要になるかということを基準として設定してございます。
確かに、委員ご指摘のとおり、水道局の職員全員が退職するという事態は想定しにくいところではございますけれども、平成26年度から施行される予定でございます新しい地方公営企業会計基準におきましては、退職給与引当金の計上が義務化され、その基準額は期末要支給額による、札幌市の水道局が今行っているような考え方によるということとされる見込みとなってきております。
水道局では、この新しい会計基準に沿いまして、期末要支給額を基準とした退職給与引当金の運用を今後も続けていきたいと考えておりますが、先ほど申し上げましたように、今後、施設の大量更新を迎える厳しい経営環境の中で、財政上、柔軟に対応する必要が出てくることも考えられますので、その際には議会とも十分にご相談させていただきながら考えてまいりたいと思います。
◆伊与部年男 委員 引当金の件については、議論すればさまざまな見方、考え方がございますから、今、どういうものが正しいかというものは答弁できないと思います。そのほかに、水道局は減価償却費を120億円ぐらい積んでいるのですね。見ていますね。減価償却費だって、当年度分の損益勘定留保資金としてほかに使っていますね。これはどこに使っているかといったら、施設の整備その他に使っているわけですよ、120億円、内部留保資金として。金があるじゃないですか。それなのに修繕引当金を積んでいる。さらにですよ、さらにつけ加えていいますと、施設の更新積立金をことしから20億円積み立てている。がっぱり金があるのに、また積立金を20億円も積み立てている。これはどういうことなんですか、この積立金、20億円は。ことしから、何年間積み立てるの、何に使うために。施設の老朽化だとかなんとかと答弁するでしょう、もう決まっているのだから。しかし、優先順位を決めて、徐々に、費用の中に減価償却費も入っているし、修繕費も入っているし、さまざまなことが入っているわけだから、あえて施設更新積立金、それから修繕引当金、さらに退職給与引当金、こういうものをどんどんどんどん名目的につくって帳じりを合わせるという水道局の企業会計のあり方はいかがかというふうに私は思いますよ。
同時に、だらだらやっていたら時間も大変だけれども、まだまだあるよ。これからやっていったら1時間ぐらいかかる。腹が減ってきたからやめろという声は出ないけれども、そういうふうな目つきが私の方に向かってきているからこの辺でやめますが、いずれにしても、積立金の20億円の件については、いま一度、答弁願いたいと思います。
◎森 総務部長 今までいろいろご指摘のありましたように、いろいろな積み立てを行っている背景には、高度経済成長期や
政令指定都市への移行などを初めとしまして、先ほども申しましたけれども、本市の発展に伴い急激な整備拡張を行ってきた札幌市のまちづくりの特徴があると思います。このようなことで、水道事業は、今後、維持管理の時代へ移行する局面を迎えております。そうしますと、初期投資と同じように急激な資金投資を行わなければいけないことになるのかということになりますが、そうしますと安定した財政運営が難しくなってくるという状況がございます。そういうことを防ぐために、世代間の負担の公平も考えつつ、一つは積立金を用意して自己資金による更新を進めていくことが一方で必要であるとともに、やはり一定の額、過大になりますと財政構造を圧迫し、硬直化させますので、その点は留意する必要がありますが、企業債を活用して世代間の公平な負担の平準化を図る、そういう両方の考え方をとりながら、全体的な持続可能な維持管理の時代に即応した財務体質に変えていくことが必要ではないかと考えております。
そのために、今回、大規模な更新が必要となっておりまして、特に、札幌市のかなりの部分、90%以上の浄水を行っております白川浄水場の更新が平成30年代に出てきます。この更新につきましては、少なくとも520億円程度の金額が必要となり、非常に大きな更新費用がかかるということがございます。したがいまして、今回の施設の更新の積み立ては、この更新に対応するために平成22年度決算から計上を始め、520億円に対応するために積み立てていきたいという内容でございます。水道施設更新積み立ての目標額につきましては、この520億円の更新事業費の半分程度の積立金を確保することを目指しておりまして、残りの半分につきましては、事業の先送りなどによって確保する財源のほかに、一部、企業債の借り入れなどにより対応していきたいと考えております。
そこで、当面は、5年計画の期間でございます平成26年度までに100億円の水道施設更新積立金の確保を目標としております。このことと事業の先送り等をすることによって、資金がタイトになりますので施設の修繕がなかなか厳しくなるということも出てまいりますので、修繕の引当金を活用しながらバランスのよい維持管理の時代に即応した財務体質をつくりたい、そういう考え方でございます。
◆伊与部年男 委員 もっとわかりやすく答弁していただきたい、本当に。
その520億円の白川の浄水場の更新だとかなんとかと言っていますけれども、一遍に520億円をどんと組んで、白川浄水場を全部新しくするわけじゃないんでしょう。そんなことをしたら、札幌市では水を飲めなくなってしまいます。順次やっていくんだ、順次。そうすると、例えば、ことしみたく46億円の純利益がある。資金残だって、63億円ある。順次やっていけば――積立金は必要かもしれない。今、520億円と言ったら、520億円が本当に必要なのかと、今すぐね。すぐというか、5年か10年後に。そういう答弁はだめですよ。やっぱり優先順位を決めて、白川浄水場だって大きい1、2、3の浄水場があるわけですから。それを端的にきちっとわかりやすく、ここには幾らの金がかかる、ここには幾らの金がかかると、そういう計画書をきちんと出して、示して財源を裏づけしていく。そういう方針を明らかにしなかったら、今、森部長がべらべらべらべら、牛のよだれみたいな答弁をしたってだめだ、はっきり言って。
さらにつけ加えて言いますと、水道局に一般会計から幾ら出ているか。水道局に一般会計から事業会計の繰出金、2,300万円は消火栓の新設65基とか、定山渓ダムの建設分等に4億4,500万円が入っています。それから、水道事業会計の出資金ですが、当別ダムに10億円です。基幹施設耐震化分が1億8,600万円です。これを含めますと、大体17億円を一般会計から水道局に持ち出し、繰り出ししている。多少、国からの交付金というか、補助金もあると思いますけれども、少なくとも半分以下は一般会計から持ち出している。片や、じゃぶじゃぶ金が余っているのに、片や、一般会計からまた引っ張っていく。こういうことはやめた方がいいんじゃないかと私は思うのですけれども、いかがですか。
◎森 総務部長 一般会計からの繰り入れにつきましては、定山渓ダムに係ります元利償還金や子ども手当等に充てる一般会計の補助金、それから、
石狩西部広域水道企業団への出資金や平岸配水池の耐震化工事に係る経費に充てる一般会計出資金、それから、消火栓の設置等に充てる負担金というものがございます。これらは、いずれも総務省の通知に基づきまして繰り入れを基準内としてそれぞれの制度の裏づけがあって行っております。一部、地方交付税等によって措置が行われるという裏づけがついているものもございますので、これを繰り入れないことになりますと、札幌市全体として交付税措置が受けられないということも出てまいりますので、全体として札幌市総体としては有利な運用になっているというふうに考えているところでございます。
◆伊与部年男 委員 何か苦しい答弁で、聞いている方が何かむずむずします。
最後に、私は今まで段々の話をしてきましたけれども、ずばり言って、金に余裕がありますね。引当金が150億円もある、修繕引当金、退職給与引当金、さらに今年度の46億円の純利益もある、資産残高が63億円もある、さまざまなお金があるわけですよ。今話したように、ことしから20億円の積み立てもする。これを全部合わせたら、計算したら、200数十億円という現金で水道局は使える金がある。
なのにですよ、ことし25億円、去年20億円、合計45億円の借金、企業債を組んでいるのですよ。一般家庭で言うと、奥さんががっぱりへそくりしているのに、それをわからないで、おやじが銀行に走っていって金を借りるのと同じだ、これ。そういう状況なんですよ。だから、これはね、企業債の45億円、今、企業債は全部で1,330億円でしょう。これに加えて、毎年こんな金があるのに何で借金しなければならないのだと。(「そこだ」と呼ぶ者あり)そこだ、本当に。これをはっきり答弁していただきたいと思います。
◎森 総務部長 企業債の借り入れについてでございます。
先ほども少し触れさせていただきましたけれども、水道の施設というものは、長期間、安定的に使用する性質のものでございまして、その負担を世代間で公平に負担していくという側面もございます。そういう意味合い、機能を考えますと、企業債についても一定の借り入れを行うことは必要であろうと考えているところでございます。
ただ、札幌市の水道事業に先行します他都市の水道事業の借り入れ状況を参考にしながら、過大にならないように考えておりまして、他都市の借入額の状況を見ますと、おおむね建設改良費の約3割が目安になってございますので、このあたりを目安として借り入れを行っているところでございます。
ただ、委員のご指摘のとおり、健全経営の維持のためには、企業債残高の縮減も一方で必要であるということもございますし、そういう財務体質の改善ということから考えましても、借り入れの抑制は必要でございますので、借り入れを抑制しながら残高の縮減を図るとともに、一方で、施設の大量更新に当たり、できるだけ計画的な積み立て等も行いながら、企業債に過度に依存することのないような財源の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
◆伊与部年男 委員 一般市民が聞いたら、これは怒りますよ。金があるのに何で借金をしなきゃならないのだと。借金したら金利を払わなければならない。45億円の金利を調べたら、30年間で借りていますから、1億2,000万円も金利を払わなきゃならない。金があるのに借金して金利を払うと。それを、今、部長がいみじくも平準化するというか、孫子の代まで平準化して引き延ばすと。むしろ、親が子ども、孫に負担を与えないようにする、軽減するというのが、今の口ぐせの状態でないですか、国の連中が言っているのは。子ども、孫が逆に今の親たちを恨むような、そういう状況をつくってはいけないと思いますよ。
札幌市は健全な水道の財政状況があります。例えば、安いと言っている。江別と比べたら、札幌市の水は安いと言っている。江別の人は何でこんなに高いのだろうと。札幌から水を買っているからです。そんなことを言う人も、中にはいるのです。だから、本当に安い札幌市の水を、190万人の99.9%の給水人口で、100%近い給水を果たしているわけですから、そして、今、私が段々に話してきたようにお金があるわけですよ。なのに、金を借りて、さらに金利を払わなきゃならないのか。これは、だれに聞かせたって納得のいくような状況ではないと私は思いますよ。
管理者、さっきからうなずいているけれども、どうですか。
◎北野 水道事業管理者 水道事業会計にかなり資金がたまっているというご指摘ですが、冒頭に伊与部委員からもお話がございましたように、札幌市の水道料金改定は、平成5年の段階で資金ベースから損益ベースへの変更を議会でもお認めいただきまして、それによりまして累積欠損金の解消を果たすことができました。さらには、平成9年度から料金原価に資産維持費を算入することについても議会のご承認をいただきまして、その資産維持費を活用することによりまして、先ほどもわかりづらいというようなお話がございましたけれども、建設改良費の予定処分という形で、資産維持費という表記はありませんが、利益処分の中で資産維持費相当額をお示しし、それによって建設改良の財源に充てておりますから、その分、企業債の借り入れを抑制することができて、企業債の金利軽減につながっているということでは、資産維持費は本当にありがたい限りで今日に至っているということであります。
次に、水道事業における私ども水道局の使命は、皆さんもよくご存じで、改めて言うまでもないのですが、安全で良質な水を安定的に供給することであります。そして、水道事業というのは、水源を起点にしまして、浄水場、配水池、配水管等の施設系の事業でありますことから、その施設の整備あるいは更新、維持管理については適切に行う必要があるというのが最も大事なことだと思っております。そういうことがきちんとできないと、まさに水をとめてしまうということですから、そこのところは私どもが一番肝に銘じなければいけません。
そのときに、施設の整備、更新については、先ほど伊与部委員もおっしゃいましたけれども、単年度という短いスパンの整備ではございませんので、かなり長期にわたっての整備が必要ということであれば、水道事業の経営というのは、やはり長期的な視点に立った上で事業経営を行っていかなければいけないということが非常に大事だというふうに考えております。そのためには、今、余裕があるうちに将来に向けていろいろな形で積んでおこうということが一つの考えでございます。
その中で、修繕については、その年々の予算の修繕費がなかなか賄えない場合について、修繕がおくれると、かえって施設の延命といいますか、更新時期の平準化にうまく活用できないということもございますので、一定の程度で積み立てをしておりますけれども、それが実際の決算の修繕費に比べてちょっと多いのではないかということが監査からのご指摘ですから、今それを踏まえて検討を進めているところでございます。
それから、施設の更新積立金につきましては、今回、地方公営企業法に基づく特定目的の利益処分という形で積み立てさせていただくということですから、一般的な建設改良の財源ではなくて、将来の施設更新に充てる財源として、これはほかに流用するときにはまた議会のご承認が要りますので、そういう形ではっきりと明示しておきたいということで新たにお願いするものでございます。
そして、施設更新で水をとめないために一番重要だと考えているのが白川浄水場の更新でございます。これは、平成30年代から更新に着手をしなければ施設がなかなか維持できないということがあって、そういう更新を、どういう順番で、あるいは施設規模も含めて、その計画を今まさに練っているところでございますので、これは、その計画がまとまるといいますか、途中経過も含めて、その都度、議会にもご報告させていただきたいというふうに考えてございます。
○芦原進 委員長 以上で、水道事業会計の質疑を終了いたします。
ここで、およそ20分間、委員会を休憩いたします。
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休 憩 午後3時49分
再 開 午後4時9分
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○小須田悟士 副委員長 委員会を再開いたします。
次に、議案第4号 平成22年度札幌市軌道事業会計決算認定の件及び議案第5号 平成22年度札幌市高速電車事業会計決算認定の件について、一括して質疑を行います。
◆坂本恭子 委員 私は、地下鉄の浸水対策について質問いたします。
この間も、災害にかかわって、災害に強いまちづくり、あるいは、防災、減災というようなテーマでそれぞれの部局でも質疑がありました。私は、地下鉄の浸水対策について質問したいと思いますけれども、近年の異常気象による集中豪雨あるいはゲリラ豪雨が多発している中で、本市でも、都心部などでの豪雨の対策ということに大変多くの市民の皆さんが不安を持っていらっしゃると思います。一たん地上に落ちてきた雨、水というものは、下へ下へと流れていきます。それが地上部から地下、地下鉄へという流れに変わっていくというのが大都市の特性だというふうに思いますけれども、この地上から地下鉄に流れ込む水は、最終的には地下鉄駅構内にもこれが流れ込んでいく、それからホーム、また、さらにホームの下、軌道の部分というようなところにも雨水が流れ込んでいく可能性があります。洪水ハザードマップに基づいた豊平川が決壊したときのシミュレーションがDVD等でも出回っておりますが、そこでも、都心部に限って、地下鉄駅構内に水が流れ込んでいく、瞬時に大変な状況になるというようなものが映し出されております。例えば、高圧線が水没すれば電気系統がやられますから、電車が全く動けない状態になるということも想定できるわけです。乗客がいれば、あるいは、ホームに乗降客がいればというようなことも、時間帯によっては大変大きな混乱が起きる懸念があります。
大変大きな事態が起こり得るということが容易に想定される、思い浮かぶわけですけれども、札幌市の地下鉄駅構内への浸水被害はどのように想定しているのか、浸水に対応するためのどのような施設整備がされているのか、体制を講じているのか、この点について伺いたいと思います。