そこで、以上の認識のもとに伺ってまいります。
1、先般、平成11年度
普通交付税及び
地方特例交付金の交付額が決定しましたが、当市の
普通交付税の増は
法人関係税の
落ち込みが要因と思われるが、この
落ち込み見込み額を示していただきたい。
2、不確定ではありますが、国が
地方交付税を約29%減額するとなりますと、当市は40億円余の歳入が減少することとなり、コンピュータならぬ財政2000年問題が発生すると考えます。これに対する所見を求めます。
3、
土地開発公社等の運営であります。今、全国各地の
地方自治体において、
土地開発公社などが工場を誘致するため、買収、造成した
工業用地が完売されず、そのツケが
自治体財政に重くのしかかっていることが指摘されております。
そこで、当市の最近の
土地開発公社の実績と今後の運営について伺うとともに、
新産事業団に委託の
北インター工業団地の分譲状況並びに収支、さらには金利はどのようになっているのか、あわせて明示願います。
4、
新幹線開業に伴う連絡通路並びに
在来線駅舎橋上化のための
財政負担であります。
JRとの事前折衝では、JRは都市側の理由で建てかえるのだから、基本的には都市側が負担すべきだと厳しい姿勢を示していると伺っております。市としては、駅西地区の
区画整理事業の実施があり、
駅舎改築はきつい負担であると言っているわけでありますが、前例を見る限り、高額負担は避けられそうもないのであります。そこで、
駅舎改築等に要する概算額はどの程度か。
承るに、米沢市では
市民運動として不足分のカンパを募り、建設したようでありますが、この概要についても把握していればお知らせ願いたい。
次に、最重点、
重点事業の
意思決定についてであります。
本市は、これまでの第1次から第4次
総合計画基本構想に基づき、各般にわたる施策を推進する一方、激動する社会諸情勢や市民の要望にこたえるため、国、県主体の事業についてもその実現を強く求め、多くの問題を解決してきたことを評価するものであります。しかし、中里市政になって感ずることは、
重点事業がいつの間にか雲散霧消し、また議会に十分な説明がないまま
新規事業が取り上げられるなど、その事業の
意思決定にいささか疑問を持つものであります。その例を申し上げますと、
ふるさと創生事業がどこで協議され、取り下げあるいは凍結状態になったのか。また、
県立総合運動公園事業についてもしかりであります。
そこで、最重点、
重点事業の
意思決定はどこで、どのような手順で行われているのか、所見を求めます。
次に、
地方分権の推進についてであります。
財政逼迫から
効率的行財政基盤の確立を促すねらいもあり、成立した
地方分権法は、地方に合併という
歴史的課題を突きつけたものとなっています。自治省は、
地方分権法が成立するや否や、都道府県に対し、
市町村合併の組み合わせを盛り込んだ要綱を来年度中に作成するよう通知するとともに、
財政支援策などを打ち出しております。そして、自治体も合併には総論では賛成が多いかと思いますが、しかし、いざ合併となると机上プランどおり進むまい、このように思われてなりません。
さて、今多くの町村は、富める都市が貧しい村、町を吸収するのが合併なら、ただの締めつけであり、満足度は金や形でないと声を大にしており、私はこのことに耳を傾けなければならないと考えるのであります。また、特例市、中核市が先にありきでなく、それが自然体の中で形成されていくものでなければならないと考えます。本来、合併はシミュレーションなど押しつけで行われるべきものでなく、そこに住む人々の信頼と理解により結ばれるものでなければならないのであります。そして、自治体においては、首長自身が本気でコールしない限り合併は進まないことを肝に銘ずべきと考えます。
そこで、伺います。
1、県から青写真が示されたとき、市長自身どのようなアクションを起こすお考えか。
2、合併機運を醸成するため、庁内に(仮称)
地方分権推進室的な部署を創設し、官民挙げてこれに取り組む考えはないか。特に、合併に向け、近隣町村の税率、施設、
行政サービス、民度など、この部署で研究することを提言します。これに対する所見を求めます。
次に、
介護保険制度についてであります。
多くの課題を残したままの状態で、いよいよ来月から
介護保険利用のための
申請受け付けや要介護認定が行われようとしています。しかし、各市町村が財政難、加えて
介護保険関連の業務に組み込まれることの多い保健婦や
理学療法士、
歯科衛生士など、
保健分野の専門職を十分配置しないまま
介護保険業務を進めるとするならば、現在これら専門職が行っている
保健事業は、運営事態が難しくなる可能性のあることを危惧するのであります。
御案内のように、
介護サービスは、みずから申請し、要介護認定され、初めて利用できるものであり、
老人保健法のように潜在的な利用者を見出す役割や要介護状態になる前の予防に対する役割がないということを私はしかと認識する必要がある、このように考えるのであります。
そこで、伺います。
1、
介護保険制度実施に向けた対応は十分整っているのか。また、
介護保険は
利用者本位で、しかも
サービスの量、質の確保が不可欠であると考えますが、現行制度でそれができるとお考えか。なお、
地区説明会での意見、要望についてもあわせて御答弁願います。
2、
老人保健法の理念に記されているように、本来望むべきは、
介護保険を利用しないで済む
健康づくりができることであると考えます。そのためにも、行政の責任は
介護保険事業と相まって、
老人保健法の事業が円滑に維持されるような人員配置を考慮すべきと考えます。これに対する所見を求めます。
また、あわせて、八戸市
社会福祉事業団に委託している
ホームヘルプサービス事業は、
介護保険事業発足により何らかの影響がないのか。加えて、現在の
ホームヘルプサービス事業の実績、概要をお示し願います。
最後に、
市民病院事業であります。
市民病院事業の第1点は、
院内感染予防策についてであります。
最近、治療のため入院したはずの患者が、セラチアや
バンコマイシン耐性腸球菌等で死亡するケースがふえております。しかも、原因となる細菌の中には、消毒剤を使っても死滅せず、既存の薬では治療に手間取る厄介な種類が目立っていることであります。この要因は、
抗生物質の不適切な使用と乱用が菌の性質及び耐性菌を変化させたことにあり、したがって、
抗生物質の使用量を半減するくらいの医師の意識改革が必要と指摘しており、今やこの問題は国としても看過できない事態になっていると思うのであります。
そこで、伺います。
1、
市民病院において、
院内感染防止のためにどのような取り組みをしているのか。考えられることとしては、
感染委員会の設置、
感染情報リポートの作成、
病室入り口に即
乾式消毒液の設置、さらには感染症の最新情報を盛り込んだ週報を発行するなどの啓発運動を展開することなどが考えられますが、これに対する所見を求めるとともに、
病院会計は赤字であるがゆえに、この種のことには金をかけない傾向がないか、これは事務当局からでも答弁願います。
第2点は、
結核予防についてであります。
結核が再び猛威を振るい始めております。
世界保健機構によりますと、96年の世界の
新規登録患者は約380万人で、そのほとんどが
発展途上国であります。このようなことから、
世界保健機構は、93年、
世界結核緊急事態を宣言しています。そして、日本でも注意を喚起するとともに、新
年度予算にその対策費として500億円の
概算要求をしております。
そこで、伺います。
1、かつて私は、
結核予防について院長に所見を求めたところ、結核は過去の病気と答弁されましたが、今でもその考えに変わりはないのか。
2、結核は病院での感染例も多く報告されています。そこで、病院で感染するという悲劇をなくすために、院内予防のガイドラインの策定、普及、結核患者の再発防止の徹底、情報収集、分析など、可能なものからの
予防対策をとる考えはないか。
第3点は、
市民病院事業決算であります。
平成10年度決算において、旧病院の解体、除却費が計上されたためとはいえ、単年度赤字33億円、累積66億円は膨大な額であります。そのような中で、
事業収益は11%増加したものの、事業費では医療機器の
減価償却費などがあったため、決算上は大きな赤字になったことなどを考慮すると、
通常ベースにすると頑張ったのかなとも思われます。
そこで、この決算について市長の所見を求め、壇上からの質問を終わります。
〔24番
山内正孝君降壇〕(拍手)
○議長(小笠原要七 君)市長
◎市長(
中里信男 君)
山内議員にお答えを申し上げます。
まず、
地方交付税の動向と
行財政運営についての内容でありましたが、冒頭に八戸市
社会福祉協議会の不祥事について全然報告がない、どういうことだと、こういうお話がありましたが、
社会福祉協議会は、御承知のようにれっきとした団体でありまして、
当事者能力を持っているわけです。市からいたしますと、委託団体でございます。そういうことで、
社会福祉協議会みずからがその姿勢を正そうとしておるのでございまして、冒頭から市の立場で
社会福祉協議会不祥事に介入していくということは、これは不適切なものだ、こういう判断をしておりまして、要望等があります時点で検討していかなければならない、このように思っております。
それから、市街地の活性化につきましてでありますが、この今の再
開発組合、17億円の要望に対して15億円でなきゃできない、こういうことを市長が言っている、こういうことでございますが、内容はそういうことじゃございません。15億円というのは、第三セクターをつくる場合、公団と市と半分半分、フィフティー・フィフティー、15億円の要請を受けておるところでございます。そのほかに、17億5000万円の
補助事業の補助の要請があるのであります。そういうことを考えますと、トータルでは32億5000万円という数字になるわけです。その場合に、この15億円の出資金につきましては、起債はきくのでありますが、
交付税算入がみなされません。したがいまして、生のこの
一般財源を使わなきゃならない。今の私ども八戸市の財政をもってしては32億5000万円の再
開発組合に対しての要請におこたえするということは財政上困難である、こういう判断をいたしたところであります。
それで、市長は最近消極的じゃないか、当初よりも財政が苦しくなっているんじゃないか、こういうことでありますが、昨日も答弁申し上げておりますが、今のこの社会経済の変化、これに対しまして、私は
右肩上がりで税の収入があるなら別でありますが、昨年来、年々下がってきているわけです。そういう中において、変化への対応をしていかなければならない。それには身の丈を見て、それに対応する、こういう学者の方々の話もあります。そういうことで、みずからの足元を見失うことのないようにして、財政の健全化を図りつつ、市政の
積極財政を組んでいかなきゃならない、これが私の
基本的考え方でありまして、決して当初のときよりも消極的になった、こういうことじゃありませんが、財政の厳しい情勢の中にあっても積極的に取り組んでいきたい、こう思っておるところであります。
当市の平成11年度
普通交付税の増は、
法人関係税の
落ち込みが要因と思われるが、この
落ち込みの額を示せ、こういうことでありました。
普通交付税は、各
地方公共団体が標準的な行政水準を確保するために必要な
一般財源を示す
基準財政需要額が標準的な
地方税収入の一定割合──これは市町村は75%であります──により算定された
基準財政収入額を超える
地方団体に対し、その超える額、
財源不足額でありますが、それを交付するものであります。
このようにして算定した平成11年度
普通交付税額は、去る7月23日に決定され、当市におきましても148億8112万7000円の
交付決定を受けたところであります。前年度に比較しまして、17億9948万6000円、13.8%の増となるものであります。
普通交付税の増額要因としては、
基準財政需要額において
高齢者保健費目の制度改正、
地域活力創出プラン、
ソフト事業分の創設及び
下水道事業債等償還額の増額などにより、約9億1670万円、2.4%の増、
基準財政収入額は景気低迷により、
市町村民税の法人税割、
地方消費税交付金の減収などにより、約8億7920万円、3.4%の減となったことによるものであります。
基準財政収入額における減額の主なる要因であります
市町村民税法人税割は、約13億7810万円の算定で、前年度に比較して約4億1170万円、23%の
落ち込みであります。
当市には、新幹線に対応した
まちづくり、
八戸駅舎を初め
周辺整備等の行政課題が山積しておりますことから、低迷しております景気の浮揚のための
経済対策などにより、一刻も早く我が国の経済が立ち直っていくことを期待しておるところであります。
次に、
地方交付税の2000
年度予算の
概算要求どおり、約29%減額するとした場合に、当市は40億円余の歳入が減少することとなるが、これに対する所見はどうかという内容でした。
国の平成12年度
一般会計予算の
概算要求は、去る8月31日をもって締め切られ、歳出総額83兆5400億円、2.1%増と発表されたところであります。自治省におきましても、平成12
年度予算の
概算要求を行ったところでありますが、
地方交付税の
一般会計要求額、いわゆる
入り口ベースでは13.4%増の14兆6105億円となっております。しかし、恒久的な減税にかかわる
地方交付税減収分の新規借入などを加え、
資金運用部への
借入金等利払いを差し引いた後の
地方公共団体への配分額、いわゆる
出口ベースでは、28.9%減の14兆8285億円と7年連続の
マイナス要求となっております。仮に28.9%減のままであれば、議員御意見のように、平成11年度
普通交付税額に比較して約40億円の減額が見込まれ、
財政運営への影響は極めて大きいと言わざるを得ないものであります。
しかしながら、
概算要求時における
出口ベースの交付税は、
地方財政対策を講じない
機械的計算による仮置きの数値として計算されておるのであります。平成11年度においては、
概算要求時の
出口ベースの交付税は10.6%減の15兆6635億円でありました。しかしながら、恒久的な減税に伴う財政の減収への対応、それ以外に見込まれる巨額の
財源不足への対応という
地方財政対策を講じたことにより、19.1%増の20兆8642億円となりました。このようなことから、今後、国の予算編成の動向を踏まえ、
地方公共団体が当面する
重要政策課題に十分対応できるよう、
地方財政対策が講じられ、
地方財政の運営に支障が生じないように財源の確保が図られるものと期待をしております。
次に、最近の
土地開発公社の実績と今後の運営についての内容でした。
八戸市
土地開発公社は、
公共用地、
公用地等の取得、管理及び処分等を行うことにより、地域の秩序ある整備と
市民福祉の増進に寄与することを目的として、それまであった
財団法人八戸市
開発公社、これは昭和45年12月設立でありますが、それを公有地の拡大の推進に関する法律に基づいて組織変更し、昭和49年4月に設立したものであります。
当市公社のこれまでの
事業実績は、事業数47件、面積212.3ヘクタール、金額約233億5000万円であります。そのうち主な事業としては、昭和57年度から59年度の3カ年にわたる八戸新都市開発整備事業──これは八戸ニュータウン事業でありますが──の用地の面積約155万5000平方メートル、金額約147億9000万円や昭和61年度の類家南団地公営住宅建設事業用地の面積約4万2000平方メートル、金額10億6000万円があります。最近の事業としては、平成4年度に根城公民館駐車場用地を取得しておりまして、その後、平成10年度におきましては、八戸南部氏庭園整備事業用地を公社が取得し、平成11年、12年の2カ年で市が買い上げを予定しております。
昨今、新聞、マスコミ等におきまして、公社が抱える未処分地の金利による
地方自治体の財政圧迫問題が取りざたされておりますが、当市公社におきましては、長期間の未処分地、いわゆる塩漬け土地はなく、健全に運営されておるところであります。
公社を利用して事業用地を先行取得するメリットとしては、地価の値上がり前に機動的に
公共用地を取得できることや、開発前の大規模な用地を取得しやすいことなどであります。デメリットとしましては、市が公社から事業用地を買い取る際に、公社の事務費及び金利が上乗せされることから、直接取引する場合より用地取得費が割高となることなどであります。今後、
公共用地の取得に当たって公社を活用するかどうかは、その事業内容や景気の動向、社会情勢の動きを考慮の上に慎重に検討してまいりたいと考えております。
次に、八戸
北インター工業団地の収支状況の内容を示せということでありました。
八戸北インター
工業用地は、平成2年から青森県新産業都市建設事業団に委託し、開発、造成を進め、企業誘致を推進してきたところであります。現在までの分譲状況は、分譲用地約97ヘクタールのうち約49.4ヘクタールを19社に分譲済みで、分譲率は50.6%となっております。
収支状況は、10年度までの造成費、金利等を含めた事業投資額は約142億7900万円となっております。主な内容は、用地買収費74億9200万円、造成費等49億2500万円、金利18億6200万円であります。これに対しまして、分譲収入は107億2800万円で、現在先行投資に伴う35億5100万円の債務が残っております。なお、現在の利率は1.875%の短期最優遇金利で、平成8年度から利用させてもらっております。
青森県新産業都市建設事業団の試算によりますと、今後の八戸北インター
工業用地への事業投資額は、造成費を含め約29億6000万円が見込まれております。未分譲地約48ヘクタールの分譲収入約107億6000万円を見込むとすれば、投資総額約172億3900万円に対し、分譲収入約214億8800万円となり、約42億円程度の剰余金が出ることになります。これは分譲先が決定してから造成をするオーダーメード方式により、投資効率、負担軽減を図っておることによるものであります。このことから、厳しい企業誘致の中でありますが、収支状況は無理のない運営となっていると認識をしております。
しかしながら、昨今の景気の状況は回復基調にあると言われておりますが、依然として不透明感が漂っておりまして、国内産業の経済動向は厳しい環境にありますことから、今後、地元企業はもとより、首都圏等の企業に対しても、陸海空の交通アクセスの利便性等の立地環境の優位性をPRし、誘致活動に努めてまいりたいと考えております。
次に、
新幹線開業に伴う東西自由通路建設及び
在来線駅舎橋上化に要する概算額について、また、山形新幹線の米沢
駅舎改築の概要を聞きたい、こういう内容でありました。
畑中議員にもお答えしましたとおり、在来線
駅舎改築及び東西自由通路につきましては、現在、基本設計を実施しておるところでありますが、平成10年度に行った八戸駅周辺整備基本計画調査による概算工事費は、駅舎橋上化に約15億円、東西自由通路の建設に約10億円、これらに伴う支障物移転に約13億円、総事業費約38億円と算出されております。
東西自由通路建設につきましては、建設省の
補助事業であります道路交通環境改善促進事業に採択され、その事業費の2分の1が国により補助されますことから、市の実質的負担は約5億円と見込まれますが、在来線
駅舎改築については、基本設計完了後にJRと負担割合の協議に入ることとなっております。
次に、米沢
駅舎改築の概要についてでありますが、米沢駅は平成4年7月1日の山形
新幹線開業に合わせて改築されたものであります。旧米沢高等工業学校をモチーフとした鉄骨2階建て、延べ床面積約1500平方メートルの合築駅舎であり、駅施設のほかに観光案内センターや物産展示室等の市の施設が配置されております。議員御指摘のとおり、改築に当たっては民間からの寄附金5億円が財源に充てられております。
駅舎改築の財源内訳は、駅施設改築費約7億円のうち、JRが2億円、民間の寄附金が5億円、観光案内センター等の都市施設建設費約8億円は市が負担をしております。現在、市は厳しい財政状況にありますが、市民の長年の悲願でありました新幹線を迎え入れ、そのメリットを最大限に享受するためにも、
駅舎改築等の事業は必要不可欠と考えておりまして、県の支援や民間の協力も視野に入れながら、財源の確保に努めてまいりたいと考えております。
次に、最重点、
重点事業についての
意思決定であります。
ふるさと村創生事業及び県立総合運動公園建設について、どのような理由で
重点事業から取り下げあるいは凍結したのか伺いたい。さらに、最重点、
重点事業の
意思決定はどのような手順で行われているのかという内容でありました。
ふるさと村創生事業については、新
市民病院、清掃工場などの市民生活に直結した大規模事業の実施及び三陸はるか沖地震の復旧事業等、特別な
財政負担が必要となったこと、加えて景気の低迷等の影響によりまして、市の財政状況が一段と厳しさを増したことなどにより先送りしてきたことから、平成7年度
重点事業から要望を見送ったものであります。
特に、これにつきましては、当初、私が市長就任で引き継ぎのときは25億円が想定されておりました。その後、いろいろな意見がありまして、それを総合してやりましたら、125億円から150億円かかる、こういうことがわかったわけであります。それにしては、その財政的な面で大変に厳しい、将来において余裕の時期を見てということで検討に入り、
重点事業から要望を見送った経緯であります。
次に、県立総合運動公園の建設につきましては、本年の6月定例議会におきまして、山田議員に答弁いたしましたが、知事との会談の結果、各地域の特性を生かした施設建設は考えるが、総合運動公園としての施設を建設する考えはないとの意思確認ができたことから、当地域の特性を生かした県立屋内スケート場の建設を条件として、県立総合運動公園の建設は平成12年度要望から一時凍結したものであります。
意思決定の手順であります。当市におきましては、21世紀初頭に向けまして、さらなる飛躍を期するため、平成9年度に「人・産業・文化のフロンティア都市:八戸」を将来の都市像とする第4次八戸市総合計画を策定し、その実現のため諸施策の推進に努めておるところであります。しかしながら、近年の経済情勢、市の財政事情等から、事業の内容、緊急性、財政効果等を総合的な見地で判断し、3役を初め各部長等で構成する庁議において、最重点及び
重点事業を決定し、国及び県に対して要望しているものであります。
県から青写真が示されたとき、市長はどのようなアクションを起こすと考えているか。これは
地方分権、
市町村合併についてであります。
青森県におきましては、今年7月に青森県
市町村合併研究会が設置されたところでありますが、今後議論を重ねた上で、来年5月には県に対して報告書を提出する予定であると聞いております。この報告書の中には、県内の各地域における
市町村合併のパターンが示される予定でありまして、当八戸地域につきましても、さまざまなデータに基づき、合併の1つのパターンとしてのエリアが示されるものと予想をしております。
なお、県では報告を受けた後、合併推進のための要綱の作成のため検討委員会を設置し、来年10月ごろに要綱を制定する予定と聞いております。
第4次八戸市総合計画では、
地方分権の受け皿として
市町村合併を推進し、将来的に中核市を目指すこととしておるところでありまして、県から合併パターンが示され次第、関係市町村に対して協議会等の設置の働きかけをし、合併についての意見交換を行っていきたいと考えております。
なお、ここに議員は合併を押しつけてはならないとのことでしたが、もうこれは合併は押しつける気はさらさらありませんで、前から申し上げておりますように、相手の立場を尊重しながら、相手の理解を深めながらということを大前提にして進めておるところであります。
合併機運を醸成するため、庁内に(仮称)
地方分権推進室的な部署を創設する考えはないか、こういうことでありました。
民間におきましては、本年6月に八戸商工会議所青年部と八戸青年会議所を中心として、南部地域合併研究会が発足したところであります。これに対しまして、庁内には
市町村合併を専門に担当する部署は現在のところ設置していないのでありますが、地域振興課におきまして、広域行政や地域連携の一環として、
市町村合併に関する民間団体の活動に対する支援事務や調査研究などを行っているという状況であります。また、近く関係課による庁内連絡会議を設置することとしておりまして、実際に合併が成立した場合も想定しながら調査研究を行いたいと考えております。
しかしながら、隣接町村からおおむね20%を超える通勤、通学者があるという現状におきまして、有権者の50分の1以上の署名を要件とする住民発議は、いつ成立してもおかしくない状況にあると認識をしております。このことから、
地方分権推進室などの専門的な部署の設置については、住民の合併機運の盛り上がりなど状況を見据えながら対応してまいりたいと考えております。
次に、
介護保険制度の取り組みと老人
保健事業とのかかわり等についてであります。
介護保険実施に向けた対応は十分整っているか、また、
サービスの量、質の確保が現行制度でできるのか、なお、
地区説明会での意見、要望はどのようなものがあったか、こういう内容であります。
平成12年度から始まる
介護保険制度を円滑に実施するため、現在準備に当たっておるところでありますが、介護が必要かどうか、どれくらいの介護が必要かを判定する準備要介護認定の
申請受け付けが10月から始まるため、その準備として1次判定のための訪問調査に携わる介護支援専門員等の研修が県の主催で行われるなど、各業務の準備に追われておるところであります。
また、市が行った1次判定の調査結果については、介護認定審査会において最終的に判定され、決定するものでありますが、介護認定審査会の事務については、八戸地域広域圏の13市町村の審査案件を共同処理することで協議が整い、事務局を平成11年4月に八戸地域広域市町村圏事務組合の中に発足をさせまして、6月には介護認定審査会設置条例を制定し、保健・医療・福祉の関係者で介護認定審査の合議体を編成するなどして、10月からの要介護認定審査開始に向けて準備が整ったところであります。
次に、
介護保険の事務処理システムは、資格記録管理システム、保険料納付記録管理システム、受給者管理システム、給付実績管理システムの4つで構成されております。平成10年度におきましては、資格記録管理、保険料納付記録管理、受給者記録管理の3つのシステムに関し、メーカーのパッケージソフトを八戸市の事務処理に沿った仕様に改造するため、各種帳票等の検討作業を行ってまいりました。平成11年度は、給付実績管理システムの分析、検討、設計を実施し、各システムのプログラム作成、システムテストなどを行っております。
資格記録管理システムと受給者管理システムにつきましては、10月からの準備要介護認定申請の受け付け開始に合わせた立ち上げを行うこととなっております。また、保険料納付記録管理システムにつきましては、来年1月から一部の運用が開始されることから、本年中に完成する予定であります。
介護保険事業計画は、平成12年2月までに策定することとなっており、昨年の7月に
介護保険事業計画等策定委員会を、10月には庁内に検討委員会及び幹事会をそれぞれ組織し、検討に入ったところであります。昨年度は策定委員会を7月と2月に、今年度は5月と7月に開催し、去る7月には介護給付等対象
サービスの種類ごとの量の見込み等について審議していただいたところでありまして、今後は
介護保険事業計画の原案作成に向けて、
介護保険事業計画に盛り込む事項について審議していただく予定となっております。
制度周知のための広報活動としては、平成10年度において各種団体からの依頼による制度説明会を25回実施しており、参加者は約1640名となっております。今年度は6月から7月にかけて、地区ごとに市民に対する説明会を実施し、各種団体からの依頼による説明会と合わせて、現在まで63回実施しており、参加者は約2400人となっております。そのほか、広報紙への特集記事の掲載、制度解説パンフレットの配布等を行い、制度の周知を図りながら、市民の皆様の理解と協力を求めているところであります。
現在、福祉
サービスを提供するに当たっては、市町村自身が事業を実施するか、または市町村が社会福祉法人等に委託をしておるが、
介護保険制度では株式会社やボランティア団体、農協や生協などが
サービスを提供することも可能となり、
介護サービスにおける民間活力の活用を期待しておるところであります。
次に、青森県においては、8月2日からホームヘルプ
サービスなどの指定居宅
サービス事業者の指定申請の受け付けを開始しておりますが、当初は介護報酬の仮単価が示されていないこともあり、申請する事業者の出足が鈍く、少ないと聞いていたところであります。しかし、介護報酬の仮単価が8月23日に示され、この仮単価が現行の福祉
サービスにおいて得られている収入などより高目に設定されていたことから、これを契機に民間事業者の参入が加速するものと予想されております。当市といたしましても、どの程度民間事業者が参入するのか注目しているところであり、
介護サービスの量や質が十分確保されるよう期待しているところであります。
さらに、
介護保険制度地区説明会でそのアンケートの回答から特に多かった意見、要望は、1つには、保険料に関することでは、保険料負担が高過ぎるので、低所得者の減免を考えてほしい。また、1号保険者と2号保険者に差をつけないでほしい。
介護保険の
サービスを受けない人の保険料を掛け捨てにしないでほしい。さらに、制度に関することでは、保険料は引かれても、1割負担できない人にも
サービスを提供してほしい。要介護認定を公平に行ってほしい。その他、今後の八戸市のスケジュールを教えてほしい。介護認定審査会では1件当たり4分で判定するということだが、短過ぎるので延ばしてほしい。詳細が決定してから再度説明会を実施してほしい等がありました。
これらの意見、要望につきましては、今後も
介護保険事業計画策定委員会に報告し、
サービスの必要量の算定や保険料の算定の審議の参考としてまいりたいと考えております。
さらに、
介護保険制度がスタートしても
介護保険を利用しないで済むように、
老人保健法の理念に基づき、老人
保健事業の強化に努めるべきと考えるが、市長の考えはどうかということです。
高齢者の介護問題は、我が国で抱えている最重要課題の1つであり、平成12年4月に導入される
介護保険制度は、その分野において大きな役割を果たしてくるものと思われます。しかしながら、高齢者にとって一番の望みは、どんなに充実した制度があっても、できるだけこの制度を利用することなく、いつまでも健康で長生きすることが肝要であると考えております。そのためには、常日ごろから
健康づくりに努め、要介護状態に陥ることなく、生き生きとした生活を続けることが大切であり、今後における老人保健対策が今以上に重要になるものと思われます。
現在、老人
保健事業として健康診査、健康教室、健康相談、機能訓練、訪問指導等を実施しているところでありますが、寝たきりや痴呆にならないで生活できる健康寿命の延長を目標に、なお一層の老人
保健事業の充実強化を図ってまいりたいと考えております。
次に、八戸市
社会福祉事業団に委託している
ホームヘルプサービス事業は、
介護保険事業発足により何らかの影響がないのか、加えて、現在のホームヘルプ事業の実績、概要を示してほしい、こういうことでありました。
現在、市では、
社会福祉事業団に
ホームヘルプサービス事業、巡回入浴
サービス事業等を委託しているところであります。来年4月からの
介護保険制度の実施により、民間が指定居宅
サービス事業者として参入してくることは必至でありまして、当然事業者間の競争が際立ってくることが予測されます。また、先般、厚生省から介護報酬仮単価が示されたが、これまでの補助方式から保険適用に移行することによって、今後の事業運営、さらには収支の面において大きな課題であると認識をしております。市としましては、事業団に対して指定居宅
サービス事業者となるよう要請したところであり、事業団も事業者指定申請に向け、ただいま準備を進めていると聞いております。
事業団におきましては、今後とも
利用者本位に立ったよりよい
サービスの提供を行い、市民に喜ばれる、信頼される
ホームヘルプサービス事業を継続していただくよう期待しております。
なお、平成11年度7月末現在の
ホームヘルプサービス事業の1カ月平均実績は、派遣世帯567世帯で、
サービス内容では、身体の介護に関すること1357回、家事に関すること2941回と、家事に関する内容が約7割を占めている状況であります。