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平成10年 9月 定例会−09月16日-03号

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  1. 八戸市議会 1998-09-16
    平成10年 9月 定例会−09月16日-03号


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    最終取得日: 2023-06-10
    平成10年 9月 定例会−09月16日-03号平成10年 9月 定例会              平成10年9月八戸市議会定例会会議録(第3号)             ─────────────────────── 議事日程第3号  平成10年9月16日(水曜日)午前10時開議 第1 一般質問(継続) 第2 議案第90号 平成10年度八戸市一般会計補正予算    議案第91号 平成10年度八戸市国民健康保険特別会計補正予算    議案第92号 平成10年度八戸市都市計画土地区画整理事業特別会計補正予算    議案第93号 八戸市立市民病院事業の設置及び経営の基本に関する条例の一部を改正する条例の制定について    議案第94号 八戸市営住宅条例の一部を改正する条例の制定について    議案第95号 白銀台団地公営住宅耐火三階建本棟建築工事請負契約の締結について    議案第96号 市有財産の無償貸付けについて(矢沢地区生活館用地)    議案第97号 市有財産の無償貸付けについて(石堂地区生活館用地)    議案第98号 土地の買入れについて    議案第99号 住居表示を実施すべき市街地の区域の変更について 第3 認定第1号 平成9年度八戸市一般会計及び各特別会計決算の認定について    認定第2号 平成9年度八戸市公営企業会計決算の認定について 第4 陳情について
      ───────────────────  本日の会議に付した事件 議事日程に同じ   ─────────────────── 出席議員(37名)        1番     坂本眞将 君        2番     立花敬之 君        3番     近藤悦夫 君        4番     越後賢司 君        5番     工藤智幸 君        6番     工藤雄剛 君        7番     伊藤圓子 君        8番     松橋 知 君        9番     山田 知 君        10番     菊地敏明 君        11番     田名部和義君        12番     前澤時廣 君        13番     吉田淳一 君        14番     秋山恭寛 君        15番     山口広道 君        16番     大館恒夫 君        17番     藤川友信 君        18番     神田洋一 君        19番     中村文男 君        20番     笹倉啓之介君        21番     伊藤彰亮 君        22番     山内正孝 君        23番     吉田博司 君        24番     東野礼二 君        26番     上田善四郎君        27番     越田 巌 君        28番     中村当次朗君        29番     小笠原要七君        30番     西野陽一 君        31番     岩織政美 君        32番     大久保忠亥君        34番     荒川重雄 君        35番     中村元博 君        36番     谷地先次郎君        37番     苅田重一郎君        38番     佐々木秀男君        40番     斉藤健治 君   ──────────────────── 欠席議員(2名)        25番     坂本美洋 君        39番     松田岩雄 君   ──────────────────── 地方自治法第121条による出席者    市長         中里信男 君    助役         須藤昭雄 君    収入役        福井政美 君    企画部長       大沢武志 君    総務部長       石鉢秀雄 君    財政部長       菅原壽郎 君    経済部長       北澤美達 君    健康福祉部長     伊藤公隆 君    生活環境部長     北村莞爾 君    建設部長       大野耕嗣 君    都市開発部長     苫米地建樹君    下水道部長      後村安朗 君    教育長        巻 長吾 君    教育部長       森林武美 君    自動車運送事業管理者 安藤行夫 君    市民病院長      中野盛夫 君    市民病院事務局長   鈴木 裕 君    監査委員       工藤俊雄 君    総務部理事      貝吹貞夫 君   ──────────────────── 出席事務局職員    事務局長       鈴木孝義    次長         荒谷正孝    議事課長       島川征泰    議事班長       工藤 哲    主査         木村 勇    主事         北村政則     〃         森林崇浩   ───────────────────   午前10時00分 開議 ○議長(大久保忠亥 君)これより本日の会議を開きます。   ───────────────────    △日程第1 一般質問 ○議長(大久保忠亥 君)日程第1一般質問を行います。  順次質問を許します。   ────────────────────   3番 近藤悦夫君質問 ○議長(大久保忠亥 君)3番近藤悦夫議員の質問を許します。近藤悦夫議員  〔3番近藤悦夫君登壇〕(拍手) ◆3番(近藤悦夫 君)実るほどこうべを垂れる稲穂かな。心配されておりました稲作の不稔障害も、このところ続いた暑さで持ち直すことを期待しておりましたが、きょうの台風でまたまた心配されるところでございます。私たち議員も稲穂のごとくこうべを垂れて、来年の春には見事な収穫の時期を迎えたいものであります。  それでは、9月定例会に当たり、市民政友会の一員として質問いたします。  まず最初は、経済行政の第1項目として、当市の新規学卒者求人状況についてであります。  県職業安定課の発表によりますと、県内新規高卒者就職希望者7113人のうち、県内への就職希望者は4685人に上るものの、求人数はわずかに1780人にとどまり、約10人に5人は仕事が見つからない状況とのことであります。これは、昨年の同時期の約10人に4人という数字と比較いたしましても、一層の景気の冷え込みを感じさせるものでございます。しかし、これからの日本経済を支え、リードしていく若者たちに対する求人がことしもさらに低下していることは、日本経済の長期展望の面からも大きな社会問題であろうと考えます。  史上3番目という長期景気低迷により、国民が元気と自信を失い、また、時代の変革期を迎え、未来図さえ描けないでいるときでさえ、若者はいつの時代でも元気者であり、純粋であります。そして、また一方では、発言の舞台を持たされず抑圧された存在でもあります。話は大きくなりますが、その限りないエネルギーを人類の福祉に役立てる方向に向けてあげることが私たち大人の役割でありましょう。  この夏の全国高校野球の開会式のことであります。横浜高校の小山主将は、21世紀に向けて多くの人々に生きる勇気と希望を与えることができるよう全力でプレーしますと選手宣誓をし、そのとおり球史に残る名試合の数々を戦い抜き、全国民にすばらしい感動を与えてくれました。よく、今の若い者は夢や希望を持つことをしないで、与えられたことしかやらないと言われますが、幕末の例を引くまでもなく、舞台さえあれば、いつの時代でも若者は時代の先駆けたり得るエネルギーを持っていると実感したのであります。そして、翻って、青少年に勇気とか希望とかを持つことを捨てさせ、その大切な思いとか願いをくみ取らずに、逆に押し込めてしまっているのは私たち大人の責任ではないかと思い当たったのであります。  戦後53年、私たちの親の年代が血のにじむような思いでつくり上げてくれたこの日本、しかし、ここに及んで政治の面でも、経済の面でも、金融、行政、外交、教育、医療など、あらゆる社会システムが見直しを迫られております。国際化、情報化、バリアフリーの時代を迎え、これを時代に合ったものに変えていく力となるのは、次の世代を担う若者たちではないでしょうか。そのためにこそ、また、こういうときであればこそ、私たちは若者の声にこたえ、政治に光を与えなければなりません。  市民一人一人の思いや願いをくみ取る行政システムをさらに高め、一人一人が輝きながらこのまちを誇りとして生きていけるようなまちづくりに、さらに邁進をしなければいけないと考えるのであります。  以上のような考えから、新規学卒者就職枠拡大を関係諸団体に例年より強く働きかけていただくことをお願いしつつ、八戸市管内の新規学卒者の求人状況についてお伺いいたします。  2番目として、当市の完全失業率についてわかればお伺いいたします。  3番目に、緊急雇用安定地域の指定効果についてお尋ねいたします。  6月30日、政府は経済、雇用情勢が悪化している全国の5地域を緊急雇用安定地域に指定いたしました。これにより、八戸地域もすべての業種が雇用調整助成金の支給対象となりましたが、不況を反映し、申し込みが殺到しているということであります。そこで、指定に伴う当市への経済波及効果についてお伺いいたします。
     4番目に、さきに国の補正予算で組まれました16兆円に上る景気対策の当市経済への波及効果についてお伺いいたします。  最近の経済情勢については、国は極めて厳しい状況にあるという認識を示しており、当市も鉄鋼業界の稼働率が回復傾向にあるものの、建設業、個人消費とも低迷しているとのことであります。このような経済状況から速やかに脱却し、景気の早期回復を図るため、国はさきに16兆円を超える総合経済対策を打ち出したところであり、これに呼応し、県、市でも予算の補正を実施したところであります。そこで、地域経済、ひいては雇用情勢の回復の面からも、これらの総合経済対策に期待することが大きいのでありますが、その波及効果についてお伺いいたします。  次に、国の名勝種差海岸国立公園化についてお伺いいたします。  美しい自然や歴史的環境のあり方を探る第16回ナショナルトラスト全国大会が「渚からのトラスト−地域に根ざしたすすめかた−」をメーンテーマに、6月26日、当市で開催されました。初日は、国の名勝で県立自然公園に指定されている種差海岸の視察会が行われ、全国各地から参加した70名が、季節の海浜植物の花が咲き乱れる潮騒路を散策したとのことであります。そしてその際、全国で運動を展開している団体の代表から、国立公園に匹敵する、全国に発信できる海岸など、種差海岸を絶賛する声が相次いだとのことであります。特に、砂浜に自生するハマエンドウと高山に生えるニッコウキスゲが同じ場所に生えているなど、北限種、南限種の貴重な海浜植物が咲き乱れ、その上、砂浜、岩礁などの海岸風景がすばらしいという感想が聞かれたのであります。そして、これからも守っていくべき貴重な海岸であるという認識は、参加者の一致した意見でありました。  種差海岸階上岳県立自然公園の自然保護の重要性と、同公園が貴重な観光資源であるという立場から、これまでに私はこの国立公園化について2度にわたり質問してまいりました。そして、その都度、市長を初め関係各課から、県あるいは階上町等に積極的な働きかけをしていただきました。その御努力に改めて敬意を表する次第でございます。  しかし、懸命の御努力にもかかわらず、国立公園の条件である面積が基準に満たないこと、民有地が99.7%も占めているため、居住者の生活権の問題もあるなど、多くの乗り越えなければならない課題があることがわかってきたのであります。そこで、居住権が余り問題にならない海岸道路から海側のA地区に限定する種差海岸線をスポット的に国立公園化できるよう、国立公園の要件の改正を国に働きかけることはできないものかと考えるのであります。  ナショナルトラスト全国大会のフォーラムを聞いておりましても、狭い地域に保護していくべき貴重な自然が存在していながら、自然破壊が進み、その対策に苦慮している保護団体が多く見られました。そのことを考慮するならば、この法改正という運動は八戸市だけの問題ではなく、全国共通の課題であり、全国的に共感を得ることができるものと考えます。全国に誇り得る種差海岸の自然保護を国の管理のもとで計画的に進め、市民の庭としても、観光資源としても、末永く子々孫々に残していくためには、国への働きかけが唯一残された道であると考えます。そこで、市長の御所見をお願いする次第です。  最後に、八戸緑のまちづくりネットワークについて3点ほど質問いたします。  本年7月2日に、緑環境こそが豊かな未来資源を旗印に、八戸緑のまちづくりネットワーク通称八戸グリーンネットが発足したとの新聞報道がありました。八戸グリーンネットは、市民団体として緑や環境の問題を自由な視点で話し合い、緑と結びつけた多自然型環境都市エコシティーを目指すものであり、その活動に市民の1人として大きく期待するものであります。  記事によりますと、今後の活動として、アンケートの実施、写真展やシンポジウムの開催、実態調査などを行うとのことでありました。早速、その事業の一環として、将来、都市計画道路3・4・20の貫通により伐採される館越山の天狗の木や、ドロの木などの実態調査を行ったという報道もありました。  都市化が進む中、自然環境の保護と開発というはざまで、これからも行政のお立場として苦慮することが多々あるものとお察しいたします。特に車社会において、道路という市の経済や市民生活に直結しているものであればなおさらのこと、最小の予算と最小の期間で最大の事業を展開しなければならず、今回のように、市民の心のよりどころとなっている自然環境との調和という命題が力を失うということもあると考えるのであります。この事態については、今後、市民の納得のいく展開が図られますことを御期待申し上げ、以下の3点についてお伺いいたします。  まず第1に、今後、都市計画道路の整備を進める上で緑が失われるような場合、どのように緑化を進めていかれるのか。  第2点目として、八戸市全体の緑地保全についてどう考えていくのか。  最後に、八戸緑のまちづくりネットワークという組織を行政として支援することを考えているのか。  以上、3点について順次回答をお願いいたします。  以上、質問を申し上げて終わります。御清聴ありがとうございました。  〔3番近藤悦夫君降壇〕(拍手) ○議長(大久保忠亥 君)市長 ◎市長(中里信男 君)近藤議員にお答えを申し上げます。  まず、経済行政について、当市の新規学卒者の求人状況についてはどうか、こういう内容でございました。  新規学卒者を取り巻く雇用環境は、長期にわたる景気低迷の影響を受けまして、極めて厳しい状況にあると認識をいたしております。先ほど、近藤議員も多岐にわたりまして経済状況のお話がございましたが、まさにそのとおりだと受けとめております。  八戸公共職業安定所管内における平成11年3月、新規高等学校卒業予定者就職希望者は1710人、これは前年比で4.2%の減となっておりまして、このうち県内就職希望者は1116人、前年比10.4%の減であります。県外就職希望者は594人、前年比8.2%の増でありまして、八戸公共職業安定所管内求人受理状況は、8月31日現在で男子が283人、前年比、これは48.2%の減であります。女子が135人、前年比51.1%減であります。共用、これは158人でありまして、前年比4.6%の増、合計で576人、前年比40.8%減となっておりまして、昨年に増して厳しい状況になっておるのであります。  このような厳しい新規学卒者の就職状況に対処するために、八戸公共職業安定所では再度管内事業所を訪問し、採用枠拡大要請を計画しておるところでありまして、市といたしましても、八戸公共職業安定所八戸地区雇用対策協議会就職担当教職員等、関係者と連携を密にしながら、鋭意、求人開拓に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、当市の完全失業率についてはどうかというお尋ねでございました。  完全失業率は労働力人口に占める完全失業者の割合を百分率で表示したもので、通常、総務庁統計局が行っておる労働力調査によって把握されております。労働力調査は、全国から選ばれた約2900の国勢調査の調査区から、全国の全世帯を代表とする約4万世帯を抽出し、その世帯員のうち15歳以上の約10万人を対象として行う労働力状態に関する調査でありまして、毎月末日に終わる1週間について行われ、全国的な規模で翌月末に速報等により発表されておるところであります。  なお、平成10年7月の完全失業率は4.1%であります。  議員御質問の地域の完全失業率につきましては、5年に1度の国勢調査で行っております労働力状態の統計表から割り出すことができます。当市の平成7年度の状況は、労働者総数12万6522人に対し、完全失業者数は7477人であります。  御参考までに申し上げますと、完全失業率を積算するとすれば5.9%となるところであります。  地域の雇用情勢につきましては、公共職業安定所でとられております求職に対する求人の比率から成る有効求人倍率が最新の情報であります。  八戸公共職業安定所管内の最近数年の有効求人倍率を申し上げますと、平成6年の7月が0.55倍、平成7年7月0.54倍、平成8年の7月が0.56倍、平成9年の7月が0.50倍となっておるところであります。平成9年11月ころから厳しい状況となり、有効求人倍率は平成9年の11月0.45倍、平成9年の12月は0.39倍と推移をいたしまして、平成10年5月には0.25倍となったところであります。平成10年7月時点で、八戸公共職業安定所に申し込まれた有効求人数は2011人、有効求職者数は7877人で、有効求人倍率は0.26倍と、昭和60年以来の極めて厳しい状況であると認識をいたしております。  なお、御参考までに主要先進国の失業率を申し上げます。我が国は、日本は98年の4月でありますが、ことしの4月4.1%、アメリカが4.3%、フランスが11.9%、ドイツが11.4%、イギリスが4.8%、こういう内容になっておるところであります。  次に、緊急雇用安定地域の指定効果についてのお尋ねでございました。  最近の経済雇用情勢の悪化に伴いまして、当市では官民一体となって八戸地域雇用安定・創出対策連絡協議会等を設置しまして、不況対策や産業活性化に取り組むとともに、雇用機会増大促進地域指定のもとで設置されました県南地域雇用開発会議に積極的に参画し、雇用開発の推進に取り組んできたところでございます。しかしながら、基幹産業であります製造業などの人員削減や工場閉鎖に象徴されるように、市内事業所の雇用調整はますます深刻化してきたところでありまして、こうした状況の中におきまして、このたび国が総合経済対策で打ち出しました緊急雇用安定地域に当市が指定されたところでございます。  指定効果でありますが、八戸公共職業安定所管内における指定後の雇用調整助成金実施計画届受理状況は、7月、8月分で39事業所、内訳を申し上げますと、製造業が25事業所、建設業が6事業所、サービス業が6事業所、卸・小売業が2事業所でありまして、休業対象者は1942人となっておるところであります。  また、特定求職者雇用開発助成金によりまして65人が就職をしたほか、雇用保険の個別延長給付を受けた40歳以上の離職者は、7月137人、8月190人の状況となっております。市といたしましては、この制度の実施窓口であります八戸公共職業安定所と連携をし、さらに制度活用等により、離職者を出さないようにPR活動等に努力をしてまいりたいと考えております。  次に、国の16兆円規模の景気対策の市経済への波及効果についてはどうか、こういう内容でございました。  国は本年4月に内需拡大策、経済構造改革不良債権処理の促進を柱といたします総額16兆円超の総合経済対策を決定いたしております。その主な内容は、1つには、環境・新エネルギー特別対策事業情報通信高度化科学技術振興特別対策事業公共事業等の施行促進等による社会資本の整備であります。2番目は、所得税、個人住民税の特別減税及び投資・住宅に関する政策減税等であります。3番目は、規制緩和、ベンチャー企業育成中小企業対策雇用対策等による経済構造改革の推進であります。4番目は、債権債務関係の迅速・円滑な処理、都市再開発の促進等による不良債権問題の抜本的な解決となっておるところであります。  この総合経済対策を実施するため、国は6月に約4兆6000億円、特別減税などを含めると6兆1000億円余の予算補正を行ったところであります。また、県は国の総合経済対策に呼応しまして、6月に約615億円の関連予算を補正したところであります。当市も8月に道路、区画整理、下水道を中心としました事業費ベースで約42億円の総合経済対策等に伴う予算補正を行ったのに加えまして、本定例会には、中小企業者向けの融資枠を8億円拡大するための補正予算案を上程しておるところでございます。さらに、国は10兆円規模の第2次補正予算と平成11年度予算を一体のものとして15カ月予算を編成する方針を表明しておりまして、この中に総額4兆円規模の景気対策臨時緊急特別枠、7兆円規模の所得、法人減税等が含まれる予定であると聞いておるのであります。  このように、国、県、市とも景気の回復に努力しておるところでありまして、この経済対策の効果が早急にあらわれ、個人消費や企業等の活動が活発となり、景気が上向くことを期待しておるところであります。  次に、自然環境行政であります。  名勝種差海岸A地区をスポット的な国立公園化ができるように国に法改正を働きかける考えはないか、こういう内容でございました。  種差海岸の国立公園化につきましては、平成8年の9月議会でもお答え申し上げましたとおり、国立公園の指定には多くの課題があることを認識いたしておるところでございます。  先ほど、近藤議員におかれましては、この国立公園化にできない、国定公園にもいけないというような事情につきまして、以前に申し上げたところで御理解をいただいているように伺ったところでございます。そこで、その理由につきましては割愛をさせていただきますが、特に面積が足りないという問題、このことにつきましては、これ、岩手県の隣の階上町の向こうであります種市町、そちらが協力をしていただけるようであれば、面積が確保できる可能性があるわけでございます。ところが、種市町の漁港周辺ではもろもろの事業を実施しておることから、新たな土地利用の制限を加えられることには賛同が得がたいという課題が残っております。この場合に、近藤議員のお父さんでいらっしゃいます近藤宏先生は、種市町の御出身であられました。そして、種市町のこの八戸出身者の会の会長をなさっておられたわけでおります。もし健在であられれば、私は種市町の御理解をいただくべく、近藤宏先生のお力添えも賜りたい、陳情申し上げたいというのが私の偽らない心境でございます。  さらにまた、先ほどナショナル・トラストの件についてお話がございました。このナショナルトラスト全国大会につきましては、御案内のように、元環境庁長官で参議院議長をやられました原文兵衛先生、それから、環境庁の自然保護局長さんもおいでいただきました。そこへまた、地元選出の元環境庁長官の大島代議士も御出席をいただいたのでございます。その席におきまして、私は今の種差海岸の国立公園、また国定公園でもいいのですが、何とか御検討願えないでしょうかということも申し上げた経緯がございます。しかしながら、面積が足りないということにつきまして、これはなかなかに厳しいなというような受けとめ方でおられたのでございます。したがいまして、今後これを実現の方向で進めるとすれば、議員もお述べになっておりましたが、法律の改正ということが必要でありましょうと思います。その法改正が本当にこれが可能なのかどうか、環境庁を初め、また関係者、原文兵衛先生、あるいは地元選出の元環境庁長官である大島代議士のお力をかりて、これ、お願いをして努力をしていかなければならない、このように感じておるところでございます。  もう申し上げるまでもありませんが、種差海岸、昭和12年12月21日に名勝地として指定され、管理者は八戸市となっております。この種差周辺地域の自然保護につきましては、平成2年度に策定した種差海岸保存管理計画に基づき、A地区からD地区まで4段階の開発規制を設定し、自然景観の維持に努めてきたところであります。特にA地区、特別規制区域は文化財としての価値も極めて高い地域でありますことから、厳しい規制がされておるのでございます。そこで、先ほども申し上げましたようなことで、当面はこの国の名勝地の指定を受けておる。  さらに、御案内のように、ウミネコの天然記念物蕪島、これの日本の音風景百選、それから南へ行きまして、大須賀海岸の日本の渚・百選、それから白浜海水浴場から種差海岸へかけまして新日本観光地百選、さらにまた、渚のほかに白砂青松100選と、4つもこの百選に選択をされているわけでございまして、これはなかなか全国的に見ましても、これだけの百選に入っているところ、前にも申し上げているんですが、私は知らないのでございます。そのことを考えますと、八戸にとりましてはかけがえのないこの自然と、また文化遺産であると、こういう認識をいたしておりまして、できるだけ全国に情報発信できるように、イメージアップできるように、また、国立公園化、国定公園化の道を模索していかなければならないでしょうと、こう思っております。しかしながら、前途はかなり厳しい、こう申し上げざるを得ませんが、できるだけ努力をしてまいりたい、こう思っております。  それから次に、八戸緑のまちづくりネットワークについてであります。  今後、都市計画道路の整備を進める上で、仮に緑が失われるような場合、どのように緑を担保していくのか伺いたい、こういうことであります。  今後、都市計画道路を整備していく上で既設都市計画道路への接続や交差する道路のつけかえ等、地形上の制約から、やむを得ず森林あるいは緑地の部分に工事を施さなければならないことがあります。そのような箇所を含め、従来から積極的に植栽をしてきているところでありますが、沿線の画地の乗り入れ箇所を除き、植樹桝で部分に区切ることなく、緑が連続した植樹帯として今後も整備を図ってまいりたいと考えております。  また、切り土や盛り土により、のり面が発生する場合は、極力のり面を緑化してまいります。このことから、長期的にはそこに在来種が根づき、周辺地区と同様な樹林地等が形成されるような環境に整備してまいりたいと考えております。  次に、八戸市全体の緑地保全についてはどう考えているかという内容でございました。  緑は水源の涵養、生物の生息環境の確保、延焼防止、潤い・安らぎのある都市景観の形成を初め、二酸化炭素を吸収し地球温暖化の防止にも役立つなど、生活の中でかけがえのないものでありまして、その創出と保全は重要であると認識をいたしております。  このため、先ほども申し述べましたように、これまで公共施設等の整備、開発に当たりましては、既存の緑を極力保全するとともに、やむを得ず除去せざるを得ない場合には、新たな緑の創出を図っていくなどの努力をしているところであります。そのほか、公園、道路等への植樹、草花配布、誕生記念樹贈呈、生け垣設置補助や公共公益施設の緑の保全、緑化の推進を図ってきておるところであります。今後とも、八戸市を緑にする会、緑化協力員と一緒になって、緑の果たす役割についての市民意識の高揚を図るとともに、民有地並びに民間施設も含めた緑の保全、緑化の推進に積極的に努力してまいりたいと考えております。  次に、八戸緑のまちづくりネットワーク──通称八戸グリーンネットでありますが──に行政支援を考えているかというお尋ねでございました。  八戸緑のまちづくりネットワーク通称八戸グリーンネットは、財団法人都市緑化基金が当市において平成8年、9年度の2カ年にわたり、都市緑化推進調査を実施した中で、その一環として行われた緑のワークショップに参加した市民の方々が、都市の緑化を積極的に推進するためには行政のみに頼るのではなく、市民みずからが独自にさまざまな活動を日常的かつ継続的に展開することも重要であるということから、有志を募りまして、その核となる組織として本年の7月2日に創設したものと聞いております。  このように市民が自由な視点で自由に活動するという目的を持った市民団体に、本来行政が積極的に関与することは好ましいことではないのでありますが、協力を要請された場合には、できる限りの協力をしてまいりたいと考えております。  なお、このことに関連いたしまして、都市計画道路3・4・20号、吹上でございますが、館越山の天狗の木についてのお話でございました。  私も現地を調査に行ってまいりました。それで、御意見等も伺っておりますので、目下、担当部におきまして調査検討に入っておるところでございます。御了承いただきたいと思います。  以上であります。 ○議長(大久保忠亥 君)近藤議員 ◆3番(近藤悦夫 君)市長からは御丁寧に、しかも前向きな御答弁いただきまして、ありがとうございます。  大変厳しい就職状況でございますけれども、御努力いただいているということでございますので、何とぞ引き続きよろしくお願い申し上げます。  それからまた、自然環境の問題におきましても、見解の一致するところであろうと思います。1度破壊された環境をもとに戻すというのは非常に大変な労力と時間とお金がかかるわけでございまして、そのことは十分に認識されていると思いますので、これからもひとつよろしくお願い申し上げます。  以上要望申し上げまして、終わります。  ありがとうございました。 ○議長(大久保忠亥 君)以上で3番近藤悦夫議員の質問を終わります。   ────────────────────   1番 坂本眞将君質問 ○議長(大久保忠亥 君)1番坂本眞将議員の質問を許します。坂本眞将議員  〔1番坂本眞将君登壇〕(拍手) ◆1番(坂本眞将 君)私は、市民政友会に所属する坂本眞将であります。平成10年9月八戸市議会定例議会に当たり、一般質問をさせていただきます。  今般の質問に際し、当市関係部署の方々にはさまざまに提言をいただきながら、結果として多くの御負担を強いることになってしまいましたことを、まずもっておわび申し上げますとともに、賜りました御指導に心から感謝申し上げ、そして今般の質問が今後の市勢進展の一助となることを念じ、以下、通告に従い質問させていただきます。  まず最初は、財政問題についてであります。  国も地方も借金財政が進行し、借入金は増加の一途をたどっております。国債の発行は過去10年間を振り返るならば、平成元年、残高約160兆円であったものが、本年度末には285兆円の見込みであり、金額にして125兆円、率にして考えるならば、平成元年度の残高を100としてとらえ、およそ78%の増加であります。  一方、我が青森県は平成元年公債残高4593億円であったものが、本年度末には9326億円の見込みであり、金額にして4733億円、率にしておよそ103%の増加であります。特に本県において注目すべきは、平成7年度以降の急激な増加であります。平成6年度末の残高が5870億円であったものが、それから4年後、すなわち本年度末において9326億円の見込みであり、金額でおよそ3450億円、平成6年度末の残高を100としてとらえるならば、およそ59%の増加であります。さらに、対前年度との増加率を見ても、平成7年度17%、それ以降も毎年度10%を超える増加率であり、本県は極めて速い速度で借金を増加させております。  さて、先ほどから注目して申し上げておりますところの平成7年とは、まさに木村守男県政が誕生した年でありますが、端的に申し上げるならば、我が青森県はそれまで数十年に及んで積み上げてきた県公債残高の総額の実に59%、約6割を、知事がかわった後の4年間で新たにつくったことになります。だれをも特にべっ視することなく、ただ純粋に客観的にとらえるならば、この数値はやはり異常であるととらえるべきでありましょう。  一説には、八戸市とて市債残高が増加しているではないかとの指摘もありますが、当市の場合、確かに過去10年間の市債残高増加の動向を見るならば、平成元年561億円であったものが、本年度末には821億円になる見込みであり、金額で260億円、平成元年の残高を100として見るならば、46%の増加ということになります。  しかし、過去10年間で103%も増加させた青森県とは比較にならない数値であり、そして、さらにその中身をひもとくならば、309億円をかけて実現させた新市民病院の建設に代表されるように、150億円を投じた新ごみ処分場、44億円をかけた当市新庁舎別館建設、その他、その利用の供給サービスが将来にわたって広く市内全域に、そして全市民に公平に行き渡ることが期待される大型施設に資本投下された部分が極めて多額であります。しかも、これらは平成元年の中里市政誕生前からその建設の必要性が叫ばれながらも、その実行が先送りされてきたものであり、あえて火中のクリを拾うがごとく、多くの批判を覚悟の上に英断を持って事業を実行された中里信男市長に心から敬意を表するとともに、市民の1人として厚く御礼申し上げる次第であります。  決算の組み方についてさらに加えて申し上げるならば、自治体の決算は現状では単式簿記で行われており、当市も事業会計の交通部などを除けば同様にその手法に従っておりますが、仮に複式簿記の手法を一部取り入れるならば、当市の場合はここ数年、資本的支出の割合が高く、さきに述べた3つの施設についての事業費、合計503億円は、貸借対照表の上では資産として計上されるべきものであります。本年5月30日付週刊「ダイヤモンド」、6月1日付月刊誌「THE21」など、経済誌において、財政力が乏しい、または借金の割合が多いとして、全国691の市町村で当市は上位にランクされておりますが、これも単式簿記の手法に乗り、歳入、歳出、借入金返済の割合などだけではじき出した数値によるものであり、言いかえれば、そのときだけで消えてなくなり、後に経済的効果を生まないものに数十億円かけたものと、以後数十年の長きにわたって経済的効果を持続するものにかけた数十億円が全く同じに評価されております。  加えて申し上げるならば、さきに掲げました新市民病院、新ごみ処分場、当市新庁舎別館の事業費の合計額503億円は、それだけでも既に当市の市債残高の61%を占めるものであり、当市は借金に対して、ある程度相応する資産を有しております。それらをかんがみますと、さきの2つの経済誌のランク付けは、その自治体の財政状況をすべて正しくあらわしているとは言いがたく、特に当市の状況に照らせば、実態をあらわす内容を正しく反映させていないと判断するものであります。  話が当市のことにとどまって進んできた感がありますが、要するに、言わんとするのは財政の健全性の比較の問題であり、将来にわたって有効活用が期待される施設の建設に資本的支出を行って、資産形成を伴いながら借金の増加をなされてきた当市と、道路、港湾、流域下水道の整備等、1つには広域自治体である県としてなさなければならない基盤整備にしても、また、若者に夢を与えるような何か大型の施設にしても、お年寄りの憩いの場となるような長き将来にわたって有効活用が期待されるような施設にしても、これといって実行がなされなかった青森県。8366億円の今年度予算を見ても、借金が大幅にふえている割には、これといって県内全域に行き渡る行政サービスを促すようなものは見当たらず、特に当市を中心とした県南地域への思いやりが薄いように感じられますが、そのような中にあって、借金が急激に増加していく今のあり方を見ると、将来が憂慮されてなりません。  当市も東北新幹線八戸・青森間を初めとして、県と合同で取り組まなければならない問題、また21世紀まで残すところ837日となり、住みよい八戸まちづくりのため、教育、福祉、その他幅広く県の補助を受けて取り組まなければならない問題が山積している今日、県の財政状況は決して他人事として静観できる問題ではなく、あすの我が身に直接的に降りかかってくる問題であると認識いたしております。  そこで、時に英断を持って大型事業を実行させながら、巧みな行政手腕によって健全財政の維持を図っておられる中里信男市長にお尋ねを申し上げますが、県の公債残高急増に伴う今後の当市における県補助事業の見通しについて、加えまして現況を踏まえての幅広いところでの御所見をお聞かせいただきたいと思います。  ところで、先月19日、県は文化観光立県宣言に伴う地元イベントを、あの三内丸山遺跡で大々的にとり行いました。テレビでは、あの真夏の猛暑の中、大きなたいまつを持った木村守男知事、平素の控え目な性格をおして、このときばかりは県民のために、県民を代表してとたくさんのカメラのフラッシュを浴びながら、汗だくで宣言文を読み上げる必死な姿が大々的に映し出されておりました。  当市は、当日の日中に行われましたふるさと大祭典の中で、えんぶり、虎舞、鮫神楽を出演させて協力したと聞いております。八戸市と開催地の青森市は距離にして100キロ程度、これといって大型機材も持ち込まず、当市の財政負担はそれほど大きなものではなかったようでありますが、念のため、この部分についてまずお示しいただきたいと思います。  さて、本年12月に東京ドームで開催が予定されております大イベントにつきましては、いささか不安と疑問が生じます。県文化観光立県宣言のイベントの事業費としての予算額は、民間寄附金3億4700万円を見込んだ上で、約12億円であります。これに参加市町村1億2825万円、民間実施分2億7600万円を加えて、事業費の総額は約16億円となっております。  民間寄附金の予定額3億4700万円は、いまだその多くが確定せず、今後寄附金を予定どおり集めることができるか否か、難しい状況にあると聞いております。  しかしながら、本年12月の東京ドームでの大イベントは、確実に目の前に迫ってきております。県は民間スポンサーからの支援を当て込んでおりますが、不況対策、経済対策を誤ったとして国民の批判を受けながら、本年7月には第2次橋本内閣は総辞職をしております。国全体の法人税収も、平成元年に19兆3010億円であったものが、平成8年には徴収の実行、14兆9000億円となり、実に7年間で4兆4010億円、23%の落ち込みを見せるほどの大不況の中、民間企業はみずからのリストラにとどまらず、賃金、手当の一部カット、昇給、引き上げの停止、賞与支給の取りやめ、手持ち資産の売却など、ありとあらゆる努力をしながら不況と闘っております。  その一方で、東京ドームでの大イベントは、文化観光立県宣言事業の中での首都圏イベントと位置づけられ、県が示すところの目的は、文化観光立県を宣言し、この宣言を国内外に強くアピールするために、市町村、観光、文化、農林水産、環境、福祉、その他の各種団体等を初め、県民一人一人が参加する県民総参加型の文化観光立県宣言イベントとあります。単純に言ってしまえば、県が行う、または県がみんなを集めてやらせる大がかりなお祭りということになるでありましょう。  東京ドームではプロ野球のほかに、大きなコンサートやイベントも開催されているようでありますが、我が青森県が東京ドームにそれほどにこだわる必要があるのでありましょうか。東京ドームで行うことによって本当に内外に印象づけたり、イメージアップや誘客促進に結びつくのでしょうか。仮にそれがなされたとしても、約8億円という莫大な費用をかけて、たった1円の国の補助も受けずに行うことに、それほどの意義があるのでありましょうか。規模の大小に大きな違いがあったにしても、地方自治体の議会議員の立場に立って考え、さらには、個人的にはこの不況下にあって、小さいながらも1つの企業を経営している者の立場としても、疑問が次から次にわいてまいります。さらには、県が民間スポンサーを当て込んでいた分3億4700万円について、その寄附が満額集まらなかった場合において、その不足分が改めて参加市町村に割り当てられ、当市もその負担をすることになる可能性はないのでありましょうか。  さきにも申し上げましたが、企業はあらゆる手法を用いて努力し、この不況と闘っております。そもそも絶大な許認可権限を有する自治体である県が、民間に対して協力を求めるといっても、求められた側は任意の範疇を超えて、強制的な意味を感じ取るのではないでしょうか。県の許認可権限は、具体的には建設業、トラック業、病医院の保険医の指定、その他港湾、道路、国土開発、社会福祉法人、財団法人、社団法人の設立などに関するもののほか多岐にわたっており、さらには商工会議所、各種金融機関を窓口とした民間企業への財政融資等、民間企業の運営、存続そのものに影響しております。加えて、条例による税を課することも可能であり、今月8日の新聞は一斉に、木村守男知事が新たに使用済み核燃料に対しての課税を内容とする、核燃税条例の改正案を9月議会に提案する考えを明らかにしたと報じております。  今月中に六ヶ所村の原燃再処理施設に運び込まれる見込みの使用済み核燃料は32トンで、伴う課税額は5億円以上と試算されているということでありますが、負担者は一企業たる日本原燃株式会社であります。  説明が長くなってしまいましたが、絶大な公的権限を有する県という自治体が、今の状況下にあって、これ以上民間企業に対して賛助金を求め、さらなる負担を強いるということは、綱紀の粛正の意味からも、また、地域経済の低迷打開、地元企業保護の観点からも、極めて好ましからざることであるとするならば、必然的に穴があいてしまうであろう今般の文化観光立県宣言東京ドームでのイベントについて、その財政負担が当市に及ぶのではないかと懸念されるところであります。  当市は本年度9月補正予算には、文化観光立県宣言記念八戸三社大祭山車展示経費として2222万2000円が計上されております。東京ドームに行って青森県の中の一都市として山車を展示して内外にアピールするということでありましょうが、当市は八戸三社大祭をその山車を伴って、昨年には京都まつり、本年はスワン・フェスタ'98室蘭に単独で参加させ、おのおの2300万円、650万円と多額の財政支出をいたしております。  県民総参加ということを県はうたっておりますが、さきのごとく単独で既に効果的に事業を実行している当市にとりまして、東京ドームでのイベントは二番せんじ的な色合いが感じられ、その割には財政負担が極めて大きいと思われてなりません。  ここで整理してお尋ねいたしますが、文化観光立県宣言に伴う当市の協力、財政負担について、予想される部分を含めてお示しをいただき、さらには市長の御所見を賜りたいと思います。  さて、次は交通行政についてであります。  交通事業と交通行政の明確な区分についてお伺いしたいのでありますが、このことにつきましては、昨年12月に同じくこの場でお尋ねいたしておりますが、私の質問の運び方が不十分で、御理解をいただけなかったところであります。私が申し上げたいのは、これまで当市が、交通行政の観点から市交通部の重要性、バス事業の必要性を考え、さまざまな手法を用いながらこれを補助してきたことについてはこれを理解し、さらにその御努力に敬意を表するところであります。  しかしながら、その補助の手法を拝見いたしますと、市として独立採算制の公営企業たる市交通部に行わせるべき交通事業と、それを含めて市が全般的に行わなければならない交通行政が明確に区分されていないように見受けられるのであります。  まず、市がそれを明確に区分して受けとめ、その上で交通部も独立採算制の公営企業の原点に立ち返り、交通事業の経営に専念するべきときに来ていると考えるのであります。
     当市交通部は、企業の社会的使命として考えられる利用者の利便性の確保、交通網確立のための路線の維持等については企業としての余力、すなわち、利益還元の範囲で行うべきであり、交通部の今の現状を考えるならば、それらの余力は持ち合わせていないと判断いたします。とするならば、明らかに不採算で、公営企業である交通部の経営収支に悪影響を与える事業の部分については、一たんこれを切り離すべきだと考えます。独立採算を旨とする公営企業たる八戸市交通部が行うべき事業の範囲は、原則的にはそこまでではないでしょうか。その上で、その切り離された事業が八戸市民のために必要であるのか否かの判断は、行政の立場で八戸市が行うべきであると考えるのであります。  以前にも御指摘申し上げておりますが、その区分があいまいになっていることにより、当市交通部の累積赤字が膨らんで、八戸市のお荷物的な扱いを受けるに至っているのではないでしょうか。当市として、交通部の事業不振、収支の赤字は極めて遺憾とするところでありましょう。しかし、当市交通部としても真にバス事業としての事業不振、収支の赤字については責任も感じ、改善を目指して努力もするでありましょうが、それが純粋なバス事業から離れ、本来当市が行うべき交通行政の部分に至るまでを、総合的に交通部にゆだねられた上でのことであれば、到底1企業として独立採算の上で行うことは、その出発点から確実に不可能なことであり、永久に達成見込みのない目標数値をただ机上論として掲げて、かけ声をかけるだけに終始してしまうように思われます。  ここで、交通事業と交通行政を切り離し、公営企業である交通部の経営収支に悪影響を与えると判断され、一たん切り離された部分の事業、すなわち、例えば不採算の路線についても八戸市が行政の立場で地域の交通機関としてバスが必要であると判断するのであれば、まず第1として八戸市交通部、そして第2以下として民間他社をも念頭に入れ、ある意味では八戸市交通部と民間他社を同等の観点から見て、さまざまな要件を比較検討して、総合的に利があると判断したものを選択すればよいのではないでしょうか。  ということは、すなわち、八戸市交通部に対しても民間他社と同等に選択の機会を与えなければならないということであります。赤字と称して繰入金を出すときには独立採算の企業であるのにと責め、路線維持等の営業面について、やるかやらないかの選択の機会を与えていないとするならば、否、与えていると言いながらも、現実にそれらが押しつけられた状態にあるとするならば、八戸市交通部が公営企業として目指している独立採算制の中での収支黒字達成の機会を、八戸市が奪ってしまうことになるのではないかと考えます。  とはいっても、公営企業である八戸市交通部が不採算と判断して切り離した事業部分、赤字路線について民間企業がそのまま受け入れることは考えがたく、現実にそれをなさしめるためには、相応の負担金をその民間企業に支払うことになるのではないでしょうか。とすれば、その金額は独立採算の八戸市交通部に対しても当然に支払われるべきものであると考えます。すなわち、以前も申し上げておりますが、当市から補助金として繰り入れされているものの中に、本来、相応の負担金として支払われるべき部分がかなりの額で含まれているのではないかということであります。  昨年12月の質問でも申し上げておりますが、当市交通部路線別運輸実績を見るならば、市内21路線ある中で、南高校、岬台団地、工業大学の3路線だけが黒字を示し、残りの18路線は赤字となっております。注目すべきは、100円の売り上げを上げるのに200円以上の経費を必要とする路線が4本あり、特にこれらは不採算路線として、当市交通部の事業から一たん切り離して考えるべき路線であると思います。  交通部が行うべき交通事業としての決算を正確に組むことにより、当市が支払うべき負担金と赤字への補助金を明確に区分し、交通部に対して独立採算の企業としての達成可能な目標数値を示すことになると思います。それによって企業経営の活性化がもたらされると考えるのでありますが、市長の御所見をお願いいたします。  壇上からの質問は以上でございます。御清聴賜り、まことにありがとうございました。  〔1番坂本眞将君降壇〕(拍手) ○議長(大久保忠亥 君)市長 ◎市長(中里信男 君)坂本眞将議員にお答えを申し上げます。  質問を伺っておりますと、県議会議員の質問を聞いているようなことで、私は知事ではございませんで、市長でございますので、お答えをしにくい面もございますので、その点は御理解をいただきたいと、こう思っております。  まず1つには、県の公債残高急増に伴う今後の当市における県補助事業の見通し及び所見はどうか、こういうことでありましたが、平成10年版の地方財政白書によりますと、地方債の現在高は平成8年度末で103兆2912億円で、前年度末と比較いたしまして10兆4301億円の増──これは11.2%増でありますが──となっておりまして、5年連続して2けたの伸びとなっておるのであります。  そういう中で、本県においての県債残高のお話がございました。これは、一々お述べになっておりましたが、これは県議会がそれぞれまた審査をいただいているのでありましょうと思っております。もうお述べになっているから申し上げませんが、当市における県の補助事業の推移を申し上げます。県の支出金のベースで申し上げますと、平成6年度約5億9000万円、7年度6億1000万円、8年度10億5000万円、9年度約11億円、10年度約12億円となっておりまして、各年度の事業にかかわる財源は確保されてきております。今後とも一定の事業量は確保できるものと期待しておりまして、引き続いて県当局に対し、当市の重点事業で要望しております事項を含めて、事業費の確保を強く働きかけてまいりたいと考えております。  特に財政規模で申し上げますと、今現在、県の一般会計予算でいきますと、約8500億円前後でしょうと思います。私どもの方は750億円前後になるわけであります。これを考えますと、10%未満でございます。そこで、その財政規模からいきました場合に、確かに起債の比率は高い面もございましょうと思いますが、早いことを言えば、十分論理的に審査をいただければ多少の事業は十分可能であろうというようなことは想定されるわけでありますので、県の裁量による私ども八戸市の事業というのにつきましても御理解をいただいて、八戸市の市勢の進展のために今後とも助成方をお願いしていきたい、こういう基本的な考え方でおるところであります。  次に、青森県文化観光立県宣言記念イベントへの当市の協力及び財政負担について伺いたいという内容でございました。  青森県は去る7月19日、青森市三内丸山遺跡において文化観光立県を宣言いたしました。この宣言は、21世紀の新たな観光の姿として、青森県を訪れる人々に知的充足感、心の豊かさと感動を与えることによりまして、文化性を重視した観光を目指すとともに、豊かな恵みを生かした輝くあおもり新時代の実現に向け宣言したものであります。この宣言を県内外に強くアピールするため、県内及び首都圏の2場面において、文化観光立県宣言記念イベントを実施、計画しているところであります。  当市の記念イベントへの協力及び事業費につきましては、県内イベントとして、カウントダウンイベント、手渡そう歴史の灯火セレモニーの経費につきましては、それぞれの市町村が負担することにしておりまして、当市の負担は21万1000円であります。ふるさと大祭典への虎舞の派遣費用は80万2000円で、この2分の1が文化観光立県宣言記念イベント実行委員会からの助成となっております。また、ふるさと大祭典へのえんぶり及び鮫神楽の派遣につきましては、企画会社側が負担したものであります。  なお、ふるさと発見セミナー「ナニャドヤラ廻道・南部ロマンフォーラム」の開催経費として、文化観光立県宣言記念イベント実行委員会に183万円を負担しているところであります。  首都圏イベントとしまして、12月に東京ドームで開催される「活彩あおもりウィーク」での、1つには郷土芸能コーナーへのえんぶり派遣には130万円、2つ目は郷土料理コーナーでのせんべい汁の試食販売には78万円、体験コーナーでの八幡馬絵付けへの派遣は20万5000円となっておりまして、それぞれの事業費の2分の1が文化観光立県宣言記念イベント実行委員会からの助成となっておるところであります。  八戸三社大祭の山車展示につきましては、今定例会において2200万円の予算案を提案しておりまして、この事業には八戸地域文化観光立県推進協賛会から800万円の寄附金を予定しておるのであります。  これらの記念イベントにかかわる当市の総事業費は2778万6000円であります。このうち、文化観光立県宣言記念イベント実行委員会からの助成は154万3000円、民間からの寄附金は800万円、市の負担金は1824万3000円となっております。当市としましても、文化観光立県宣言の一連のイベントは、当市の観光宣伝、さらには知名度の向上を図る絶好の機会ととらえておりまして、これに積極的に参画し、全国に八戸市を紹介、宣伝してまいりたい、このように考えております。  このことを端的に申し上げますと、私はこの文化観光立県宣言をすることによりまして、これは1つの宣言でございまして、これからがこの内容の肉づけでありましょうと、こう思っております。それはどういうことかと申しますと、我が青森県が持てるこの自然、すばらしい自然、さらに観光資源、さらに文化等を広く全国に、また国の内外に知っていただくことによりまして、多くの方々が青森県についてこの魅力を持っていただくということ、行ってみたい青森県、来てよかった青森県、また、今後何度でも行ってみたい青森県を知っていただく。青森県の魅力創造でありましょうと、こう思っておるのでございます。  いつも私は、まちづくりは都市の魅力創造である。そしてまた、それは1つの芸術であると、こう申し上げているんですが、まさに八戸のまちづくりの都市の魅力創造と合致するものでございまして、この文化観光立県には全面的に賛同し、また協力し、また八戸市も啓蒙し、知っていただく、こういう努力を傾注してまいりたいと考えておるのでございます。しかしながら、今日経済情勢が大変厳しい中でございますので、その厳しい中において知恵を働かせながら、この文化観光立県宣言を意義あるものに進めていかなければならないのでしょうと、こう思っております。  さらに、議員は先ほど所見を述べよということでございました。  強いて申し上げますならば、この長年待ち望んでまいりました東北新幹線盛岡・八戸間、13年度完成に向けて、今、工事が着実に進展を見ているわけでございます。このことは、平成3年のフル、ミニの段階で難工事部分の着工をしたわけでございますが、フル規格での着工でございまして、おおむね10年ということを国が約束してくれているわけです。示してくれているわけです。私は、このことを国であれ、あるいはJR、鉄道建設公団、県当局も理解をしてもらいまして、このことを県民に示したようなことで実現をしていただきたい。そのことが文化観光立県にも結びついて、八戸市はもとより、本県の魅力創造に大きく貢献するのでありましょう、このように認識をいたしておるところでございます。そのことによって、内外からの多くのお客さんを新幹線で迎え入れていきたいというのが切なる願いでございます。  この件は以上であります。  次に、交通行政であります。  交通行政と市交通部の明確な区分について、独立採算が求められる市交通部の交通事業と、市が行うべき交通行政を明確に区分すべきではないか、こういう内容でございましたが、市営バスは地方公営企業法に定められた理念に従いまして、経済性を発揮しつつ、公共の福祉を増進するように運営されなければならないものでありまして、独立採算を原則としておるものであります。  しかしながら、バス事業を取り巻く環境は、昭和40年代以降の急速なマイカーの普及や少子化の進行等によりまして、利用者の減少が著しく、独立採算での経営は極めて厳しい状況になっているところでございます。  数字で申し上げますと、ピーク時は2800万人の乗降客があったのであります。現在は1200万人台であります。半分以下であります。これで採算をとらなきゃならぬわけですから、これは容易じゃない。半分は公共性、半分は企業性というものがあるわけでありまして、そこに苦労があるのでございます。  交通部としましても、これに対処すべく利用者のニーズに合わせた効率的なダイヤの編成を初めとして、観光貸し切り事業の縮小、退職者の不補充など、みずからの企業努力を重ねる一方、この3月には買い物利用者の利便性と新たな需要を求めて、日曜日、祝日の市内循環線を新設し、さらには路線の整理、統合に向けての第1段階として、民間事業者との共通乗車制度について協議を進めるなど、経営の健全化に向けて努力をいたしておるところであります。  そこで、分離をすべきだと、こういうことでございますが、何をどのように分離するかという具体論に私はちょっと疑問を持っているんです。分離するということは、今、70歳以上の方々のバス料金については無料をやっております。これは分離しているんです。年間で3億8000万円かかります。さらに、一般会計からの補助は8億7000万円でございます。私が市長に就任しましたときは3億円、それが5億円になって6億円になって、そして8億7000万円、さらに要望は12億7000万円と、こういう要望なんです。この状態を、赤字を垂れ流しておったら、八戸市の一般会計は大変なことになる。そこで、もろもろの今、職員の関係の採用についても吟味をしながら苦労をしておるところでございます。どうぞひとつ今後とも理解をいただいて、企業努力について皆さん方議員各位の御協力をお願いしたい、こう申し上げたいのであります。  収支状況は依然厳しく、9年度におきましても全21路線中黒字は3路線のみであります。当市では、バスが持つ公共性と交通弱者の交通手段としての必要性から、バス交通の維持に努めておるところであります。今後、バス事業の経営健全化のため、不採算路線の廃止等が生じた場合、交通行政としてはその路線の必要性、利用度、他の路線の活用などを勘案し、路線の維持が必要と認められたときには必要な措置を講じ、また、行財政改革の基本的な考え方であります、最小の経費で最大の効率を上げようとする費用対効果の思慮をしつつ、市民の協力を得ながら、経費節減の努力をしていかなければならないものと、このように考えておるところでございます。  以上であります。 ○議長(大久保忠亥 君)坂本眞将議員 ◆1番(坂本眞将 君)御答弁ありがとうございました。  今回の質問につきましては、質問を作成している中におきましても、県の補助を受けている市の長たる立場として、御答弁はなかなか難しいのではないか、しにくいのではないかということを思いながらも、あえて質問をさせていただいた次第であります。  補助事業につきましては、論理的に審査をすれば支障なく可能であるという御答弁でございますので、心強く思っているところであります。また、文化観光立県宣言イベントにつきまして、私のやはり思うところは、市単独で行いました事業にも同程度の支出をしている中で、県全体として行うものに一市として参加をするということにつきまして、同じような拠出がされるということにつきましては、問題を感じているわけでありますけれども、しかし、現実にそれが目の前に来ている中にあって、参加をする市の長として前向きに取り組んでおられるということ、負担をしてやるからには、私も成功させたいというふうに思う1人でありますので、成功を祈念しております。文化観光立県宣言が当初の目的のごとく達成されまして、当市にとりましても利益があるものとなって終わることを祈念するものであります。  また、バス事業につきましては、これもほじくるようで大変恐縮な質問でありましたが、詳細な御答弁をいただいて、まことにありがたく思うところであります。公共性と企業性の問題、大変に難しいところでありますが、今後も御討議いただきながら努力して進んでいっていただきたいと思うところであります。  まことにありがとうございました。 ○議長(大久保忠亥 君)以上で1番坂本眞将議員の質問を終わります。  この際、暫時休憩いたします。   午前11時25分 休憩   ────────────────────   午後1時00分 再開 ○副議長(越田巌 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続行いたします。   ────────────────────   19番 中村文男君質問 ○副議長(越田巌 君)19番中村文男議員の質問を許します。中村文男議員  〔19番中村文男君登壇〕(拍手) ◆19番(中村文男 君)風邪により、のどがちょっと弱っておりますので、聞き苦しい点があろうかと思いますが、よろしくお願いをいたします。  まず、1998年9月定例議会に当たり、社民党・市民連合の一員として、通告の順に従い順次質問いたします。  まず初めに、労働行政のトンネル工事労働者じん肺労働災害防止対策についてお伺いをいたします。  我が国の労災事故は年間60万人もの労働者が被災し、死者も2000人を超えている状況下にあります。そこで問題となるのは、公共事業における労災事故としてトンネル工事に従事する労働者のじん肺罹患者についてであります。  工事の責任は第1に事業者でありますが、トンネル工事は国土建設の一環でもあり、公共事業であります。その発注者として建設業者の監督的立場にある政府、自治体のトンネルじん肺発生についての責任は重大なものがあるはずであります。毎年2万人以上がじん肺と診断され、1000人以上のじん肺療養者のとうとい人命が失われております。そのような中にあって、労災認定者の3分の1がトンネル建設に従事する労働者に見られるのであります。  1996年度におけるじん肺新規労災認定者1477人中、トンネル労働者は32%の474名に上ります。県内においては、本年の7月に新たに15人がトンネルじん肺訴訟を提訴しており、この中には八戸市在住者が四、五人も含まれておるのであります。また、東北6県では、従前の18人を含めると、33人が損害賠償を求める訴えを起こしたことになるのであります。このように訴訟が増大している中で、早急な対応策が求められるところであります。  さて、前置きはこの程度にいたしまして、以下2点についてお伺いいたします。  まず1点目は、トンネル工事現場の粉じん測定について、現行では全く基準が策定されておらず、これを義務づけることであります。  2点目は、じん肺罹患者と3年以上の粉じん作業経験者に手帳を交付し、健康管理を徹底する対策を講じる必要性があってしかるべきと思うのであります。以上について、政府にぜひとも提言していただくよう要求するものでありますが、市長の認識をお伺いするものであります。  次に、河川行政の月丘町地内排水路整備についてお伺いいたします。  私は平成8年の9月定例議会で質問いたしておりますが、月丘町地内における水害防止の排水路事業計画について再度お尋ねいたします。  同地区は集中豪雨のたびに浸水被害が起きるため、鍛冶町地区と月丘町の一部の幹線管渠が整備され、平成7年3月に完成したことは記憶に新しいところであります。しかし、その後も上流からの排水が集中的に同幹線管渠に流れ込むため同様の被害が相次ぎ、地域住民から強い抗議もあり、前回の質問となったものであります。市長はその際、未整備区域の方々と十分協議をし、同地区の排水路整備事業として平成9年度より調査、設計に着手し、年次計画を作成して、浸水被害の解消に向けて排水路整備に努めてまいりたいと答弁されております。確かに調査はしたようでありますが、平成10年度予算を見ても、いまだに第2月丘町地区においては予算がゼロであります。一方において、沢尻地区を軽視するわけではありませんが、平成6年度から着手され、予算においても今年度は8600万円が計上されております。また、通常分事業費は4220万円のみであります。  前回の定例議会における市長の前向きな答弁をいただき、既に着手されているものと楽観をしていたところであります。私の質問の中で、災害を三十数年間放置してきたことは、まさに人災であり、行政の怠慢を指摘したところ、市長は怠慢はしないつもりだとの答弁をいただきましたので、地域住民とともに期待をしておったものであります。  そこで、お伺いしたいのは、月丘町地域は市街地に位置しており、着手順位から見ても、むしろ同地区を優先させ、排水路事業費の増額をしてでも着手するべきと考えるものでありますが、市長の誠意ある御答弁を期待するものであります。  次に、福祉行政の重度身体障害者通所施設の設置についてお伺いいたします。  障害者基本法が平成5年11月に策定され、それぞれの自治体では、中・長期計画を含め多様なプランが模索されているものと推察をいたします。当市においては、昭和56年、57年の2カ年に障害者福祉都市の指定を受けているものでありまして、それなりの基本計画を策定しながら努力されてきたことは、資料を拝見して推量いたしておるところであります。若干これまでの経緯を調査いたしましたところ、昭和57年、障害者対策に関する青森県長期行動計画、平成5年3月、障害者対策の新長期計画、平成7年12月の障害者プランノーマライゼーション7か年戦略が策定されていました。また、平成6年8月には、障害者や高齢者にやさしいまちづくり推進事業の指定を受け、本年3月31日には、八戸市障害者計画策定委員会が市長に答申し、八戸市障害者計画も策定されております。しかし、これまでのさまざまな基本計画が打ち出され、それに基づいて事業を進められてこられたわけでありますが、重度障害者に関する施策については、市民の立場から見て、必ずしも充実しているとは言えないのが実感であります。  そもそも障害者基本法第7条の2第3項の趣旨は、施策に関する計画策定に努めなければならないとうたわれており、その実態から見ても、基本計画だけに終始している状況がかいま見られるのでございます。  八戸市障害者計画についても、計画期間は平成10年度から19年度までの10年間としていますが、私が思うには、これまで描いてきた計画を既に実行に移す時期に来ているものと思うのであります。まずはこの点について関係者の前向きな御答弁を期待するものであります。  さて、これまでの取り組みの中で、肢体不自由を主障害とする児童生徒対象の中等部が設置されてきましたが、卒業した生徒の大半は在宅を余儀なくされている現状にありました。このような経緯から、平成8年には、県立八戸第一養護学校に待望の高等部が設けられた経緯があります。来春には、この高等部卒業生が11人おり、その一方で、社会復帰が困難を極める重度障害者が在宅で利用できる通所施設は、県内に皆無の状況にあります。こうした現状を打開しようと、父母の会などの団体が(仮称)障害者いこいの家を誘致しようと立ち上がっている実態は、新聞報道などで承知をしているところであります。  先般行われた西宮市社会福祉協議会青葉園の視察についても、当民生常任委員会がこのような背景から実施されたものであります。西宮市青葉園の概要については一々申し上げるまでもないものと思いますが、私が強調しておきたいことは、この青葉園は西宮市独自の通所施設として15年前に発足し、市の単独による補助金がトータルで年間2億4000万円拠出され、同協議会が運営に当たっている施設でありまして、現在54名の人たちが通所されていると聞き及んでおります。  当市は、先ほども申し述べましたように、昭和56年に障害者福祉都市の指定を受けてから既に17年という歳月が過ぎ去った現在において、他都市以上の事業が推進されていなければならないはずでもあり、早急な対策と実行の必要性に迫られるところであります。したがいまして、当該団体が要求されている(仮称)障害者いこいの家の誘致が一日も早く実現できるよう関係機関に働きかけるとともに、当市独自の通所施設の設置が理想でありますが、新設が無理なのであるならば、既存の施設を改築するなども含め、積極的に取り組まれるよう強く求めるものであります。  以上、市長の誠意ある取り組みを期待するものであります。  次に、市道の管理保全対策と損害賠償保険についてお伺いいたします。  近年、激増する車社会の対応に伴い、高速交通体系の整備はもとより、生活道路に対する交通の渋滞緩和策として、国道バイパス、都市計画道路の建設が進められております。八戸地域の道路体系は、国道45号、104号、340号、454号があり、県道16路線、市道2280路線あり、都市計画道路として総延長237キロのうち127キロが供用されております。市道の実延長945.4キロ、舗装延長763.2キロで、舗装率にして80.7%となっております。交通体系及び舗装に関する整備は着実に伸展を見ている現状にあります。  一方において、交通戦争と警鐘されるほどの交通事故については、全国と比較しても青森県は年々増加をたどる傾向にあります。  さて、このような交通事故が起こる主な原因のほかに、行政側の管理責任が問われる重大な問題として、道路の破損や舗装が陥没していたなどが原因で交通事故に直結し、損害賠償を請求される場合があります。こういった交通事故の対応策として、当市は自動車破損事故にかかわる損害賠償の額を定めることの専決処分として、平成8年度より10年度までの3年間で5件あり、47万4706円の損害賠償が議会の承認のもとに支払われております。  以前、私が議会で質問した際、各道路管理担当課では毎日パトロールし、破損箇所が見つかり次第、直ちに業者に対して連絡をとりながら、補修をさせているとのことでありました。したがいまして、道路管理保全についてはどのような対応策を講じておられるのか、再度お伺いいたします。また、損害賠償保険についてどのような認識をお持ちなのか、あわせてお伺いしたいのであります。  次に、八戸市中央駐車場の管理体制についてお伺いいたします。  まず初めに、全自動精算システムの導入に伴い、料金所の渋滞解消対策についてであります。  平成10年5月1日、中央駐車場に全自動精算機を導入いたしました。その理由として、人件費の節減及び財政事情を考慮いたしたものと伺っております。しかし、機械の活用は便利なようでありながら、利用方法に戸惑う利用者があることなど弊害があることも考慮に入れながら、当局が導入するべきだったのではと考えさせられる事情が発生をしております。  既に御承知とは思いますが、公会堂などで催しがあった場合、満車状態から一斉に出庫しようとした車両が出口に集中する渋滞が発生するのであります。私も駐車場の最上階から出庫しようとして同様のケースに遭遇し、50分もの所要時間を浪費したものであります。その際、原因を探ろうとして出口に行ってみたところ、1時間無料の認証印の扱いや精算機の処理方法をめぐり、係員の説明に時間がかかるなどのトラブルが原因でありました。また、担当職員に対し、渋滞などのトラブルの原因について聞き取り調査をした結果、全く同様のケースが述べられておったのであります。当局がおっしゃるように、人件費の削減も結構ですが、せっかくの全自動精算システムがトラブル発生の原因になってしまったことを思うとき、市民サービスとは何かという原点に立ち返り、解消策を講ずるべきと考えるものであります。したがいまして、中央駐車場の全自動精算機導入に伴う料金所の渋滞解消策についてはどのような対策をお持ちなのか、お聞かせいただきたいのであります。  2点目は、駐車場出口が渋滞している場合の災害発生時の対策はどのようになっているのかも、あわせてお答えいただきたいのであります。  最後に、医療行政における八戸市民病院の医療事故と賠償責任保険料についてお伺いいたします。  八戸市民病院は、目まぐるしい医療環境の変化に伴い、先進的医療に対応すると同時に、適切な医療を効率的に提供する機能を備え、平成9年9月に完成をいたしました。専門かつ高度、特殊医療を担当する基幹病院として、診療科目26科、病床数611床を有する行政と地域が一体となった近代医療センターであります。  さて、日本医師会は、医療事故による訴訟が増加し、年間60億円もの賠償金の支払い増加が医師会財政を圧迫している現状を踏まえ、これまでの路線転換を決意するまでになっております。日本医師会は1973年、医師側に責任がある場合の損害賠償制度として医師賠償責任保険を創設しており、医療訴訟は年間約500件で、実際の事故件数は訴訟件数の数倍と言われております。八戸市民病院においても、平成6年度に医療訴訟が1件──これは審理中でございます──平成8年度に同じく2件あり、こちらの事件は平成9年3月と8月に、それぞれ600万円と800万円で和解を見たようであります。  そこで、注目するべき発言を御紹介したいと思います。日本医師会の坪井会長が昨年、医療の危機管理をテーマにした医療安全対策委員会を設置をいたしました。その中で、医師の自己防衛的な発想ではなく、患者の立場に立ち、本当に安全な医療を実現するべきときだと思う。日本に合った独自の制度を実現したいとのコメントを残しております。まさに医療分野は聖域とされてきた経緯があり、患者に何らの説明も施されないままに、医療事故を訴えても取り上げられないことが通常で、冷淡と批判されてきた歴史があります。  さて、本題に入りますが、医療事故は医師のミスによるものであり、そのために賠償責任保険が必要なのではありますが、先ほど私が市道管理保全の道路賠償責任保険の支払い額が高額になっていると申し上げましたが、八戸市民病院の平成6年度から10年度までの5年間で保険料支払い額が3188万円、訴訟和解金1400万円となっているのであります。確かに道路と人命の違いはありますが、私が申し上げたいのは、厳しい八戸市の財政事情の中で、節約できる部門についてはそれなりの対策が必要であることを強調しておきたいのであります。医療ミスについては、あってはならない人災事故であります。よって、日本医師会の坪井会長がコメントしておるように、医療ミスを減らすことにより、保険料値上げを抑制し、ひいては経費節減につながり、一石二鳥の成果が上がるものと思うのであります。  以上、院長の明確なる見解を述べていただきたいと思うのであります。  以上で壇上からの質問を終わります。  〔19番中村文男君降壇〕(拍手) ○副議長(越田巌 君)市長 ◎市長(中里信男 君)中村文男議員にお答えを申し上げます。  まず、労働行政について、トンネル工事現場の粉じん測定の義務づけとじん肺罹患者、3年以上の粉じん作業経験者に手帳を交付し、健康管理を徹底する対策を講ずる必要があると思うので、国に働きかけてほしい、こういう内容でございました。  国は、じん肺などに関する災害の撲滅について、第9次災害防止計画の中に取り入れております。労働災害は、関係者の努力により、長期的に着実に減少してきておる状況ですが、従来型の災害を中心に、今なお年間60万人もの労働者が罹患し、死亡者も2000人を超えている状況であります。先ほど議員もお述べになっておったとおりであります。  この計画の中に、じん肺についてまだ新規有所見者が発生しておりまして、トンネル建設作業など、引き続きじん肺対策に取り組むことの必要性が織り込まれているのであります。しかしながら、現状ではトンネル工事現場の粉じん測定の義務づけは法制化されていないところであります。また、じん肺罹患者と3年以上の粉じん作業経験者への手帳交付でありますが、定期的な健康診断を実施し、健康管理の徹底を期し、その記録を資料に、職業性疾病の予防に役立てるためと理解をいたしております。しかし、じん肺に関する管理区分の規定によりますと、手帳は経験年数で交付されるものではなく、健康診断の結果で交付されるようになっておるところであります。  国への働きかけにつきましては、この問題に関し、現在、当市の議会に請願書が提出され、継続審査中でありまして、その対応をも参考にしながら検討してまいりたいと考えております。  次に、河川行政であります。  平成8年9月定例会において、市長は、平成9年度より調査設計に着手し、年次計画を作成して浸水被害の解消に向けて排水路整備事業に努めてまいりたいと答弁しているが、いまだに着工されていないために地域住民からの強い要望もあり、早急に月丘町地区の排水路事業に着手すべきではないか、こういう内容でございました。
     月丘町地内における排水路整備事業につきましては、平成4年度から6年度までの3カ年でゆりの木通り、大工町交差点でありますが、そのところから鍛冶町を通り、月丘町に向かう延長574メートルを下水道事業として、また、平成6年度にはその上流部、延長183メートルを排水路事業として幹線水路の整備をしてきたところであります。このことによりまして、これらの整備済み区域におきましては、かつての浸水被害が大幅に解消されております。  もう議員も御案内のとおり、ここに費やした投資額は約22億円と記憶をいたしております。しかしながら、上流部の未整備の区域においては、下流部が整備されたことによりまして、浸水時間は短縮をされましたものの、依然として強雨時には雨水が集中して排水路に流れ込むために、あふれて浸水被害を生じているのが現状であります。  このようなことから、上流部の整備のため、平成9年度におきまして、地形測量、地質調査及び工法検討の実施設計等を実施いたしました。また、当地域は道路幅が狭い上に、水道、ガス等の地下埋設物や電柱等の支障物件も多く、同事業を進めるに当たっての障害となっておりますことから、今年度もこれらの移設補償調査をいたしておるところであります。  平成11年度は、地下埋設物等の占用者との移設協議を行い、早期に工事着手できるように努めてまいりたいと考えております。  次に、福祉行政であります。  重度障害者通所施設の設置についてであります。  1つには、障害者についてのさまざまな基本計画を策定して事業を進めているが、重度障害者に関する施策は充実しているとは言えないので、今後、策定した計画を踏まえ、どのように実施していくのか、こういうお尋ねでございました。  身体障害者手帳の交付を受けている当市の障害者は、平成10年の3月末現在7051人で、このうち肢体不自由者は4194人、59.5%であります。また、肢体不自由者のうち障害程度が1ないし2級の重度障害者は2500人、59.6%となっておりまして、年々重度化の傾向にあるところであります。  当市では、在宅の重度障害者に対する援護施策としまして、平成4年度に県内他市に先駆けて介護型デイサービス事業を実施したのを初め、平成8年度には重度障害者が集い、憩える場を身体障害者更生館に開設するとともに、身体障害者療護施設、これは松舘療護園でありますが、松舘療護園に30床の増築をして、施設整備を図っているところであります。  このほかに在宅支援事業として、心身障害者に対するホームヘルパーの派遣や巡回入浴事業の充実を図るとともに、平成8年度からは、重度障害者が外出する際の支援事業として、ガイドヘルパーの派遣制度を実施しておるところであります。また、福祉サービスにつきまして、広報啓発活動や関係機関との連携を図ることにより、障害者への援護の充実に努めております。  今後とも、障害者団体等からの意見を聞きながら、関係機関と連携を密にし、ノーマライゼーションの精神にのっとりまして、八戸市障害者計画の実現に向けて努力を傾注してまいりたいと考えております。  次に、2番目であります。(仮称)障害者いこいの家の建設について、早期に実現できないのか、こういうお尋ねでありました。  (仮称)障害者いこいの家の建設につきましては、現行では施設整備に対する国、県の補助が期待できないことから、県立での新設を県に対して強く要望をしておるところでございます。  また、さきに申し上げましたように、重度障害者の方々が地域で生きがいを持って暮らしていくための活動の場を、平成8年度に身体障害者更生館に開設をし、利用していただいているところであります。このほかに、去る6月、県立八戸第一養護学校父母と教師の会など9団体で組織する障害者いこいの家建設推進協議会が、4万人余りの署名簿を添えて陳情書を青森県知事に提出し、(仮称)障害者いこいの家の早期設置に向けて要望しておるところであります。  県障害福祉課では、この要望を受けて、7月22日に当市において、障害者いこいの家建設推進協議会の方々と意見を交換するなど、要望施設の調査を進めていると聞いておるところであります。市といたしましては、既存施設の改築等は考えずに、今後も継続して県に対し、早期設置に向けて強く要望してまいりたいと考えております。  なお、この件につきましては、市議会議員であられる前澤時廣議員からも再三御要望いただいておるところでございまして、県に対しまして、十分その意思を体しまして、努力を傾注してまいりたいと考えております。  次に、道路行政であります。  市道の管理保全対策と損害賠償保険についてであります。  道路の破損や舗装の陥没により自動車破損事故が起き、損害賠償金が支払われているが、道路管理保全についてどのような対応策を講じているか、また、損害賠償保険についてどのような認識を持っているかという内容でございました。  道路管理保全対策につきましては、市のパトロール車2台と、年間契約の舗装補修委託業者12社によりましてパトロールを随時行っておるほか、国、県のパトロールと相互に連携を図りながら、破損箇所の発見に努めております。しかしながら、融雪水による路面の冠水やしみ上がり等による路面の損傷している箇所で、不測の事故が発生していることも事実でございます。そのため、より一層のパトロールを強化する等をして、損傷箇所の早期発見に努め、良好な路面を保全するよう対策を講じてまいりたいと考えております。  損害賠償保険につきましては、これまでも市道の管理には万全を期するよう努めておりますが、道路管理者としての管理瑕疵により、場合によっては法律上の賠償責任を負うことがあります。あくまでもそのための担保と認識しております。今後とも、路上施設等も含め、道路管理には十分配慮してまいりたいと考えております。  そこで、御参考に申し上げますが、事故の発生した状況であります。平成8年、1件であります。これは高館上長線上の路上であります。賠償額12万8000円、9年、2件であります。無縁塚鹿島線路上、賠償額4万1160円、それから9年の11月でありますが、沼館3丁目3号線路上15万4680円、10年は河原木豊崎線路上12万1973円、同じく河原木豊崎線路上2万8893円、こういう状況でございます。  次に、八戸市中央駐車場の管理体制についてであります。  中央駐車場の全自動精算機導入に伴う料金所の渋滞解消策についてどうなっているかというお尋ねでございました。  中央駐車場への全自動精算機導入は、委託料の節減等を目的に、平成10年5月1日から使用開始したものであります。導入当初は利用者の機器取り扱いがふなれな点も見られましたこと、また、来庁者の1時間無料の取り扱いの変更について、用務窓口で利用者へ周知を図ったんですが、徹底されず、出庫の際、改めて説明を要したことなどにより渋滞が見られたのでありました。その後、機器取り扱い、料金支払い方法について、駐車場従業員が指導を重ね、また駐車場内にも掲示板を設置するなど周知に努めた結果、スムーズに出庫できる状況になっておるところであります。今後とも、渋滞を来さないよう万全を期してまいりたいと考えております。  次に、中央駐車場出口が渋滞している場合の災害発生時の対策はどうかというお尋ねでありました。  駐車場において、地震、火災等の災害が発生した場合における対策につきましては、人命の尊重を最優先とした災害時等の緊急措置を管理運営の受託者とあらかじめ定めておりまして、利用者の避難誘導、消防、警察等関係機関への連絡等、迅速かつ適切に対処できる体制を整えておるところであります。今後も担当職員及び従業員の訓練を随時行うなどして、非常時には混乱が生じないように万全を期してまいりたいと考えております。  なお、医療行政については、市民病院長の方からお答えを申し上げることになります。  以上です。 ○副議長(越田巌 君)市民病院長 ◎市民病院長(中野盛夫 君)医療事故を減らすことにより経費節減になると思うが、院長の見解を示せという御質問でございました。  医療事故は患者さんの生命や健康を侵害し、家族には精神的、経済的負担を強いるばかりでなく、病院としても大きな損失を受けることになります。市民病院は、患者さんに優しい、信頼と満足が得られる患者中心の医療の提供を基本理念として掲げております。良質な安定した医療サービスを提供するためには、患者さんの信頼を損ねる医療事故はあってはならないもの、起こしてはならないものと考えております。医療事故防止については常日ごろから全職員に対して注意を喚起しているところであり、医療事故防止の第一歩は患者さんに対する事前の十分な説明であると考えております。  このため、従来から患者さんとのコミュニケーションが十分に図られるよう接遇研修を実施しているほか、専門家の講師を招いて、全職種を対象にした医療事故防止研修会を開催してきたところであります。さらには、医療事故防止の重要性にかんがみ、今年度に入ってから、院内に副院長を長とし、各職種をメンバーとする医療事故予防対策委員会を発足させ、医療事故防止の対策とこれの職員に対する啓発について具体的に検討を進めているところでございます。それぞれの医療機関において、医療事故を減らすことによって保険料値上げを抑制でき、経費の節減につながることは議員御指摘のとおりと考えております。  以上でございます。 ○副議長(越田巌 君)中村文男議員 ◆19番(中村文男 君)2点ぐらい伺いたいと思います。  まず、道路の管理保全、これは市長の方では一層パトロールに万全を期して、従来もやっているんだけれども、一層の努力をしていきたいんだと、このような答弁でありました。しかし、市長も答弁されたように、同じ道路路線で、平成8年から10年までの間の5件。3件が同じ道路路線なんですよね。パトロールをしておったと言ったって、一般的に住民が考えるには、同じ路線で3回も事故が3年間の間に起きているということは、果たしてどこをパトロールしておられるんであろうかという疑問がわいてくるわけですね。  それともう1つは、この5件のうち市長も申し上げたんですが、金額は再度繰り返しては申し上げませんが、5件の中で47万ちょっとですね、端数はさておいて。これ、現在保険料を幾ら掛けておりますかというと、1年に130万、約140万ぐらい掛けておるんですね、事故のためにですね。そして、この5件、つまり47万──50万を切っているわけですから、平均的に申し上げるならば、1件10万円補償されていないわけですね。つまり、私が申し上げたいのは、掛金の1割に満たない、こういうことなんですね。事故ですから、少ない金額にこれは越したことはないんですよ。ないんですが、私は、逆に申し上げるならば、保険を掛けておるから、結局はパトロールがずさんになると言ったらちょっと大げさなんですが、こういうことが言えるんではなかろうかなと、こう思うんですね。  そこで、建設部長にちょっとお伺いしたいんですが、1年間でさっき申し上げたように、130万、約140万ぐらい掛けておるんだということですから、そして事故が10万足らずと、こういうことですから、これ、どうですか、どうしてもじゃありませんが、もし完全にパトロールを実施するとするならば、この保険は八戸の財源事情から見ても、節約できるということを考えるならば、何も安全に保険を掛ける必要はないのではなかろうかと、こう思うんですが、その辺の考えを一応この辺で伺っておきたいと思います。 ○副議長(越田巌 君)建設部長 ◎建設部長(大野耕嗣 君)確かに9年度も130万の保険を掛けてございます。先ほど市長からも御説明を申し上げましたように、あくまでも、幸い四十数万の事故で済んでいるわけですが、あくまでももっと大きな事故の起こる場合もあるかと思います。そういう意味で、それらを担保する意味で保険に入っているということで御理解をいただきたいと思います。  以上です。 ○副議長(越田巌 君)中村文男議員 ◆19番(中村文男 君)余り押し問答はいたしませんが、さっき、これは10年も前から調べれば、どのぐらいの金額が出るかもわかりませんが、少なくともこの二、三年を見れば、さっき言ったように10万から前後の補償と、こういうことになっているわけですから、担保というだけでは、私は行政の努力が足りないと御指摘せざるを得ないんですよ、これ。財政がある程度節減できると、福祉の問題でもきょう申し上げたように、水害の排水路の問題等々にしても、どのようにも金が使えるわけですから、いいですか。もう少しメスを入れて考えていただきたいなと。これは、ここでああだこうだ申し上げてもしようがないんで、一応努力をしていただきたい、こういうことを御指摘を申し上げておきたい。  それから、駐車場の渋滞の件なんですが、市長はスムーズに現在出庫ができているんだというような御答弁をされているんですね。これは、1時間以内の役所の用事がある場合、いわゆる認証印が前には1カ所でよかったんですね。現在は2カ所と。ふなれな点も最初はあったでしょう。これは、周知徹底を図れば何とかなるであろう。私が言うのは2点あるんですね。2点目は、公会堂で催しがあった場合、これはかなりの台数が駐車場へ入るわけですから、これは認証印は関係ないんですね。お金を払うわけでしょう。そうすると、なぜ込むのでありましょうかと、こういうことなんですね。有人精算で今までやっておったのが、無人──全自動支払い機ですから、その操作に手間取っている、こういうことが実態なんですね。  したがって、この問題が市民からも苦情が出たものですから、さっき私は本題でも申し上げたように、何とかスムーズに解消できないのかと、こういうこと。そして、それは従来の形に多少300万円、400万円ぐらいですか、差額が400万円ちょっとなんですね、全自動と今までの人を張りつけた差が。現在の、これは5年以降になりますと無料になるから、これは別になるんでしょうけれども。そうすると、400万円ぐらいで市民サービスを低下させるということはいかがなものかと。そして、現に出口に人を張りつけているわけですから、いわゆる二重投資になっているわけですから。であるならば、最初から、前にやっておったように有人精算にした方がいいのではないだろうか。それが市民サービスになるのではないだろうかと思うんですが、この点についてもお伺いいたします。 ○副議長(越田巌 君)都市開発部長都市開発部長(苫米地建樹 君)お答えいたします。  現在、張りつけているのは二重投資ではないかということなんですが、それについてお答えします。  議員も御案内のように、自動にしたことによりまして、利用者も少しく戸惑っているところもあったわけでございますけれども、ただ、それを指導したことによりまして、大分なれてまいりました。したがって、現在、そこに人を張りつけているということは、これは指導のためにそこに張りつけているのでございまして、従来どおりの料金を取るための人員ではございませんので、その辺を御理解していただくことがまず第1点でございます。  以上でございます。 ○副議長(越田巌 君)以上で19番中村文男議員の質問を終わります。   ────────────────────   15番 山口広道君質問 ○副議長(越田巌 君)15番山口広道議員の質問を許します。山口議員  〔15番山口広道君登壇〕(拍手) ◆15番(山口広道 君)市民政友会の一員として、今定例会に当たり順次質問してまいります。  経済不況が一層深刻化しておることは周知のとおりであり、とりわけ長銀問題など、金融機関初め種々の業界で厳しい局面を迎えていることに加え、求人倍率の低下による新卒者の就職難も大きな社会問題となっておるところであります。小渕新総理のもと、一日も早い即効力のある景気浮揚対策を講じていただくことを、ひたすら願っておる1人であります。  このように、景気は相変わらず後退局面が続いており、御多分に漏れず、県内における景気も個人消費や住宅投資が依然として落ち込んでいるなど、低迷した状況にあるのであります。このような景気低迷状況であることから、県内中小企業の運転資金需要は大幅な伸びを示しているとのことであり、こういったことから、県は平成7年度から4年連続となる緊急融資制度をさきの7月からスタートさせ、これに対する申し込みが殺到しているとのことであります。今議会に中小企業小口・近代化特別保証制度保証料補助金、青森県信用保証協会貸付金を補正予算に計上しており、市の融資制度も高い利用率となっているものと思われますが、その利用状況についてお伺いいたします。  次に、商工行政の2点目、国際経済交流施設建設事業について質問いたします。  国際物流業務、またレクリエーション機能を備えたポートアイランド1期工事35ヘクタールが完成したことに伴い、国際貿易港として着々と進展が図られている八戸港であり、北東北の世界に向けた港湾になりつつあると言っても過言でないと思っておる1人であります。八太郎2号埠頭には青果物対応の薫蒸施設も完備され、また、平成8年3月に策定された青森県FAZ計画の中で整備することとされております3つの施設のうち、貿易支援施設、物流支援施設は株式会社八戸港貿易センターによって建設がなされ、本年4月にオープンしたところであります。  株式会社八戸港貿易センターは、これら2つの施設の経営を開始し、本格的に輸入促進のための事業に取り組んでおられるとのことであります。残り1つの施設であります国際経済交流施設は、八戸市が事業主体となり建設することになっておりますが、この国際経済交流施設はどの程度の規模のものなのか。また、現在の進捗状況と今後のスケジュールについてお伺いいたします。  次に、港湾行政についての1点目、市川工業用地埋め立ての進捗状況と今後の見通しについてでありますが、昨年の9月に市川船だまりと三菱製紙八戸工場の間の海域に、県の港湾計画に基づき、平成9年度から13年度までの5カ年計画で、用地30ヘクタールのうち25.7ヘクタールを埋め立てする計画が公表されたのであります。総事業費約40億円、土地利用は木材加工場、製材所、水産加工場、廃船処理場等々、将来的に業種を余り限定せずに、需要動向を見ながら土地利用を考えたいというようなことでありました。  また、八太郎周辺の港内で大量に発生する土砂が、外国貿易船や貨物船の航行を妨げるなど、深刻な問題が生じており、造成するに当たり、これらの土砂を埋め立てに活用することで処理対策も何とか解決できる方向になり、まさに一石二鳥の埋立地が誕生するものと期待を寄せているところであります。  そこで、馬淵川河口にある廃船処理場を初め港湾行政にかかわる諸問題の解決を図るためにも早期完成を待たれるところでありますが、着工後約1年経過したこの埋め立ての進捗状況と今後の見通しについてお伺いいたす次第であります。  次に、港湾行政の2点目、ガントリークレーンの設置見通しについてでありますが、昨年の6月定例議会においてコンテナサービス関連施設整備についての質問に対し、国際物流拠点港としてふさわしいコンテナヤードを整備すべく、平成11年度の供用開始をめどに、八太郎2号埠頭の埋立工事を実施いたしております。このコンテナヤードの供用開始に合わせて、コンテナ荷役に必要不可欠なガントリークレーン設置について、県に強く要望しておるところでありますとの答弁でありました。  いよいよ来年度、2号埠頭の埋立工事完了とともに、コンテナヤードの有効な活用が図られなければならないのでありますが、それには市長、答弁しておられましたように、ガントリークレーンの設置が不可欠なことは当然至極のことであります。現在、オンリーワンであるガントリークレーンが2基になるということで、ポートセールスにおいても、強力なセールスポイントの1つになり得ることは論をまたないところであります。  そこで、コンテナヤードの整備に向けた2号埠頭の完成に合わせて、おくれることなくガントリークレーンの設置を図るべきと考えますが、この見通しについて市長の御所見をお伺いいたします。  次に、保育行政の質問であります。  平成10年度版の厚生白書が去る6月12日に閣議で報告され、公表されたのでありますが、この中で少子化が主題として取り上げられております。白書では、近年、我が国は晩婚化の進行などを背景として、出生率の低下とともに子供の数が減り続け、少子化が急速に進んでおり、来るべき21世紀の半ばには、総人口は今より2割減少するとともに、国民の約3人に1人が65歳以上となることが見込まれておるところであります。今後の人口減少と相まって、未曾有の高齢化が同時に進むという、これまでに経験したことのない時代を迎えることが予測されているところであり、このような少子化の進行は、将来の我が国の経済社会にさまざまな形で深刻な影響を及ぼすことが懸念されております。  これら少子化の進行に対応するための保育行政は極めて重要であり、子育て世代の経済的負担軽減措置としての児童手当の充実、租税負担の軽減、育児休業制度、公的保育サービスなど、少子化防止のための各種の施策を充実することが求められているところであります。  そこで、本市の保育行政についてお伺いさせていただきますが、まず最初に、就学前児童、いわゆる乳幼児童の保育は現在どのような状況にあるのか。また、その内容はどのようになっておられるのか、お伺いするものであります。  2点目でありますが、保育所に入所を希望する児童は全員を入所させることが望ましいと考えますが、待機児童数などの現状はどのようになっておられるのか。また、年の途中から入所を希望しても、定員いっぱいで入所を断られるなど、保護者の要望にこたえていない面も見られるのであります。このような待機児童の解消と途中入所ができる保育所への入所円滑化対策事業の採用を、県内における他市では既に行っているものでありますが、本市はこの定員超過入所についていつから実施するお考えなのか、お伺いいたします。  次に、市制施行70周年記念事業への取り組みについて、2つの点についてお伺いいたします。  我が郷土八戸市は、明年、平成11年には市制施行70周年という節目の年を迎えることとなります。先人、先達の方々が残してくれた郷土八戸のすぐれた歴史や文化、伝統、あるいは産業を継承し、さらに大きく発展させ、次の世代に引き継いでいくことが我々に課せられた責務であろうと考えております。今日の八戸市をつくり上げた先人、先達の御労苦をたたえながら、目前に迫った21世紀への新たな飛躍を誓い合おうという意味からも、記念事業を実施すべきと考えるものであります。でき得れば盛大にお祝いをし、新たな出発を期すべきとも思うわけですが、御承知のとおり、今、日本は戦後最悪の経済不況と言われており、一向に好転の兆しは見えず、出口すら見えないという状況にあるとも言われております。  このような状況は八戸市においても同様であり、地域経済は急激な落ち込みを見せております。また、雇用情勢も著しく悪化し、7月には緊急雇用安定地域に指定されるなど、深刻の度を一層深めている状況であります。このような厳しい経済環境の中で、どのように70周年記念事業に取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。また、もし実施事業が決まっておるものがありましたら、あわせてお知らせいただければと思います。  次に、新八戸市民の歌の制作についてであります。  先ほど来、地域経済の厳しい状況について申し上げたわけでありますが、聞くところによりますと、本市が新産業都市の指定を受けた際に、それを記念し、八戸市の大きな飛躍を願って八戸市民の歌がつくられた経過があります。郷土の発展に向けて、市民の心を1つにするシンボルとして、まことに意義あることだったと思います。しかしながら、時の経過とともにせっかくの市民の歌も歌われなくなり、その存在すらも知らない市民が多いのではなかろうかと思います。私も聞いたことはありますが、制作者に極めて失礼かと存じますが、現在の市民の歌は、時代の変遷とともに、歌詞にしてもメロディーにしても、今の時代に即さない内容であると感ずるのであります。近年の厳しい経済環境下であればあるほど、八戸市の大きな飛躍を期して、言いかえるならば、市長が常日ごろ言っておられる、たくましい産業文化都市の建設を願い、また、市内の小中学校が全国の合唱コンクールで日本一になるなど、音楽の盛んな町として評価されている本市でありますことからも、この際、70周年の節目を契機に、市民の手づくりによる、新たなる市民の歌をつくられてはと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。  以上で質問を終わります。  〔15番山口広道君降壇〕(拍手) ○副議長(越田巌 君)市長 ◎市長(中里信男 君)山口議員にお答え申し上げます。  まず、商工行政についてであります。市の融資制度の利用状況についてどうなっているかという内容でございました。  当市は、中小企業者の経営安定と体質強化を図るために、中小企業小口特別保証制度、中小企業振興資金融資制度など、7種類の融資制度を設け、運転資金、設備資金の供給促進を図ってきたところであります。これらの市の融資制度の中で、昨年度及び今年度、特に利用実績の伸びている制度は、中小企業小口特別保証制度及び中小企業近代化特別保証制度のうちの経営健全化対策資金であります。  本年度第1・四半期の実績を見ますと、最近3カ月の売上高、あるいは収益状況が前年同期に比べて10%以上減少あるいは悪化していることを保証対象要件としておる経営健全化対策資金は、昨年度同時期の利用実績が、利用件数21件、融資額2億8500万円であったのに対し、利用件数は35件、融資額5億6500万円と、約2倍に伸びておるところでございます。  また、昨年度急激に利用が増加いたしました中小企業小口特別保証制度も、昨年度利用件数83件、融資額3億3128万円であったのに対しまして、今年度は利用件数99件、融資額4億190万円と、昨年を上回る利用実績となっております。  このような中小企業者の資金需要に対応するために、青森県信用保証協会への貸付原資を増額し、経営健全化対策資金の融資枠を拡大するとともに、保証料補助金を追加するための補正予算案を本定例会に上程させていただいておるところであります。今後も資金需要の増加が予想されますことから、景気の動向と市融資制度の利用状況の推移を注視しながら、万全の対応を図ってまいりたいと考えております。  次に、国際経済交流施設の規模はどの程度になるのか。また、現在の進捗状況と今後のスケジュールを示せというお尋ねでありました。  平成8年3月に承認された青森県地域輸入促進計画の中で、当市が事業主体となってポートアイランドの八戸港貿易センター隣接地に整備することといたしております国際経済交流施設につきましては、平成9年度に八戸市国際経済交流施設基本構想調査報告書を取りまとめておるのであります。  この基本構想におきまして、国際経済交流施設は、1つには、八戸港における貿易促進のための基盤施設、2つ目は、北東北の拠点都市八戸市における経済、文化等の交流基盤施設、3つ目は、21世紀に向けた海の玄関ポートアイランドにおけるにぎわい、交流空間の創出のための施設という3つの役割を担う施設として位置づけられておるところであります。  そういたしまして、必要とされる規模につきましては、述べ床面積が約6600平方メートルで、このうち施設の核となる展示場の面積は約3500平方メートルとされております。  現在の進捗状況と今後のスケジュールについてでありますが、昨年度策定しましたこの基本構想を受けまして、今年度は基本設計及び実施設計を行っておるところでありまして、平成11年度の着工・完成、平成12年度初めの開業を目指しまして、鋭意努力を続けておるところであります。  次に、港湾行政についてであります。  港湾行政にかかわる諸問題──これは臨海部の工業用地不足、港内しゅんせつ土砂処分場の確保等でありますが──の解決を図るためにも、市川工業用地の早期完成が待たれるところであるが、現在の進捗状況と今後の見通しはどうか、こういう内容でございました。  当市の臨海部には、昭和39年の新産業都市の指定を契機に第2臨海工業地帯が整備され、三菱製紙、八戸製錬、東京鐵鋼などの大規模工場が次々に立地をし、それ以前より立地しております日東化学工業や大平洋金属株式会社等とあわせ、一大臨海工業地帯が形成されておるのであります。臨海部における産業の受け皿となってまいりました第2臨海工業地帯は既に完売し、昨年第1期工事が完成したポートアイランドも、原則的に運輸、倉庫等の流通業者を対象としておりまして、大規模な生産拠点の臨海部への立地は難しい状況にございます。  また、一方では八戸港に流入している河川からの流下土砂により、航路、泊地が埋没し、航行船舶等への影響が懸念されておりますが、国及び県においては、そのしゅんせつ土砂の処分に苦慮していると聞いておるところであります。八太郎地区に整備が進められております市川工業用地造成事業は、全体計画30ヘクタールの工業用地を、三菱製紙と市川船だまりの間に整備するものでありまして、議員御案内のように、八戸港における課題の解決策の1つとして、大いに期待をいたしておるところであります。  現在の進捗状況でありますが、平成8年度から事業に着手し、これまでに測量、調査、一部の設計を終え、今年度からは護岸工事に着手しておるところであります。本年度末における事業費ベースの進捗率は約30%になる予定でありまして、工事が順調に進みますと平成11年度からしゅんせつ土砂で一部を埋め立てると聞いておるところであります。  市といたしましても、八戸港における諸問題解決のかぎとなります同事業につきましては、早期にかつ円滑に進むように、関係機関に引き続いて要望してまいりたいと考えております。  次に、八戸港へのガントリークレーンの設置見通しはどうかという内容でありました。  八戸港におきましては、平成6年の東南アジアコンテナ定期航路の開設に引き続き、平成9年に中国航路、また本年8月には韓国航路が開設をされ、アジア地域はもとより、ヨーロッパ、オセアニア、北米等世界各地とのコンテナ貿易が行われております。さらに、このたび八戸港への北米コンテナ定期サービスの開始が決定されまして、本年の10月から寄港することとなったのであります。加えまして、内貿航路などの新規航路開設に向けました活動を展開しておるところであります。
     現在、八戸港におきましては、平成6年の東南アジアコンテナ定期航路開設に合わせまして、ガントリークレーンが1基設置されておりますが、航路の増設により荷役作業が重なるおそれがありますこと、また、荷役時間の短縮により、八戸港のサービスを充実させ、新規航路開設に対応する必要があること、さらに現在あるクレーンが故障した場合の非常時に対応する必要があること等のことから、現在、八太郎2号埠頭に整備が進められております、多目的国際ターミナルへの早期増設を県に対し要望しておるところであります。  県から伺いましたところ、多目的国際ターミナルは平成12年度に供用を予定しておりまして、ガントリークレーンにつきましては増設を検討中とのことであります。当市としましては、多目的国際ターミナル及びガントリークレーンが平成12年度のできるだけ早い時期に供用されるように、県に対し今後とも強く要望をしてまいりたいと考えております。  次に、保育行政でございます。  乳幼児保育の現状について、平成10年度の厚生白書は少子化の進行が主題となっているが、当市の少子化に対応する施策の一環である乳幼児保育の現状とその保育内容についてのお尋ねでございました。  冒頭に、山口議員は少子高齢化のことについてお触れになっておりました。昨日の敬老の日の新聞報道によりますと、65歳以上の方々が76万人、前年に比較してふえておる。全人口の中で2049万人、約2050万人。初めて2000万人を突破して、その人口比率で16.2%になった、こういうことを書いておりました。やがてやってまいります2015年には4人に1人の老人社会になる、こういうことでございます。  これを考えますときに、少子化、高齢化とよく言われるわけでありますが、出生率の低下に対しまして、高齢化率がどんどん進んでいく。そういう場合に、将来においてお年寄りの方々の面倒を見るのに対して、若い方々に対するその負担、また、支え切れるのかどうかというようなこと等を考えますときに、この少子化に対する、健やかに産み、育てるというこの事業は、最も大事な時代を迎えておるでしょうと、このような認識で読ませていただいたところでございます。  そういうことからいたしまして、昔は子供は宝と言いましたが、今は宝の中の宝と申し上げていいでしょうと思いますが、平成10年度版の厚生白書は、少子化社会を考える、子供を産み育てることに夢を持てる社会をテーマに公表されたところであります。男女がともに子育てに責任を持ち、その喜びを分かち合うような家庭をつくることを基本にした社会の実現を提唱しておるものでありまして、現在実施しております子育て支援の施策を進展させるとともに、さらなる問題提起が試みられたものと理解しておるところであります。  少子化対応の1つであります乳幼児保育の現状でありますが、就学前の児童数は約1万5750人で、その内訳は保育園児約4400人で、施設数は62カ所、幼稚園児約3200人で、施設数は27カ所、認可外保育園児約1000人で、施設数は30カ所、家庭保育児童約7150人という内容になっております。  次に、保育の内容についてでありますが、通常行っております一般保育のほかに、多様化する保育のニーズに対応するため、平成2年度から八戸市特別保育事業実施要領を制定いたしまして、乳児保育事業、中程度障害児保育事業、軽度障害児保育事業、時間延長型保育サービス事業、保育所地域活動事業、一時的保育事業、地域子育て支援センター事業、開所時間延長促進事業等の8事業を実施しておるところでございます。  今後とも児童福祉の向上に寄与するとともに、親の子育ての負担が軽減され、喜びが増して、子供を産み育てることに夢を持てる社会の形成につながることを目指しまして、これら施策の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、保育所への入所希望者は全員入所させることが望ましいと考えるが、待機者の現状はどのようになっているか。また、年度の途中で入所を希望しても、定員いっぱいで入所を断られる等、保護者が困っている状況である。これを解消するために、定員の超過入所を実施する考えはないかというお尋ねでありました。  保育所は、公立4カ所、私立58カ所の計62カ所でありまして、その定員は4410人となっており、定員がいっぱいで入所を待機している児童数は、8月1日現在で283人であります。その内訳は、ゼロ歳児32人、1歳児63人、2歳児60人、3歳児46人、4歳児48人、5歳児26人、6歳児8人となっておりまして、この保育の状況は、母または父が面倒を見ている児童210人、祖母または祖父が面倒を見ている児童が51人、その他の親族が面倒を見ている児童が6人、認可外保育所等に入所している児童16人という内容になっております。  近年、夫婦共働き家庭の一般化や、家庭における子育て環境の変化に伴いまして、全国の都市部を中心に待機児童が多くなる状況にありまして、こうした待機児童の解消が大きな課題となっておりますところから、厚生省は改めて本年4月に保育所への入所円滑化対策実施要綱を制定いたしまして、入所の円滑化を図ることといたしたものであります。  当市における待機児童の状況は、今年度初めには211人で4.8%、8月には283人で6.4%と増加する傾向にありますところから、この解消のために、保育所への入所円滑化対策として、認可定員に10%を乗じて得た人数の範囲内で、定員に超過入所を認めることについて検討してまいりたいと考えております。  次に、市制施行70周年記念事業についてのお尋ねでした。  地域経済の急激な落ち込みの中、70周年記念事業にどのように取り組むのか。また、どのような事業を予定しているか、こういう内容でございました。  周年記念事業実施の趣旨等につきましては、伊藤圓子議員にお答えを申し上げたとおりでありますが、議員御指摘の現下の日本経済は、まさに低成長経済下にありまして、当市の地域経済や雇用情勢も依然として極めて厳しい環境にあると認識をいたしております。したがいまして、そのような状況も踏まえながら、その実施に当たりましては、華美に走ることなく、粛々と行ってまいりたいと考えております。  なお、全体の事業計画につきましては、最終的な決定にはまだ至っていないのでありますが、現在のところ、実施時期については5月1日から5月9日までの間に集中的に行う予定としておりまして、記念式典のほか、長期的視野に立って、将来の八戸市を展望できるような事業、例えば世界に開かれた都市づくりを目指し、国際都市八戸について考える国際シンポジウムや、21世紀の主役である子供たちによる模擬議会などを考えておるところであります。  次に、八戸市の大きな飛躍を期して、70周年を契機として新しい市民の歌をつくる考えはないか、こういうお尋ねでございました。  八戸市民の歌は、昭和39年、八戸市が新産業都市に指定されたことを契機に、当時の岩岡市長が市民の心と心を結ぶきずなとなり、明るい豊かな郷土の建設を願って制作したものであります。この歌は、古賀政男先生作曲、法師浜桜白先生作詩によるもので、当時の八戸市の社会情勢を反映したものでありまして、音楽的にもすばらしいものという評価をいただいておるところであります。  八戸市が大きく飛躍するためには、何といっても市民の心が1つとなり、郷土を愛し、郷土の発展を願い、住みよいまちづくりに向けまして市民一人一人がそれぞれ手を携えていくことが最も重要であり、そのような意味で、市民の心と心を結ぶきずなとしての市民の歌の存在は意義深いものと認識をいたしておるところであります。  しかしながら、議員御指摘のとおり、制作から既に三十数年が経過した今、その存在すらも忘れ去られようとしていることは、大変残念なことと思っていたところであります。このようなことから、21世紀を目前に控え、新しい時代に向けて第一歩を踏み出そうとするとき、市制施行70周年を契機に新しい歌を制作してはいかがかという御提案は、時宜を得たものと受けとめた次第でございます。すばらしい前の岩岡市長時代の市民の歌でありますが、やはり先ほどもお述べになっておりましたが、時代にマッチしないと申しましょうか、歌の中身、私も聞いたのでありますが、産業戦士とかいうようなくだりも出てくるわけでありまして、最近は余りそういう言葉は使わないようになっておりますので、確かにその整合と申しましょうか、時代にマッチしたものといいますと、新しくこれ必要でありましょうと思って、うかがったところであります。まことにこれは時宜を得たものでありまして、広く子供から大人まで歌い親しまれるような、市民の手による市民の歌の制作に向けて検討してまいりたいと考えております。  以上であります。 ○副議長(越田巌 君)山口議員 ◆15番(山口広道 君)いろいろいい御答弁を賜りました。ありがとうございます。  何点か御意見、御要望等申し上げたいと思います。  国際経済交流施設、来年度着工されるということであります。こういう施設を私も3カ所ほど見てまいりました。そこで、利用効率を上げるために、やはりいろいろ利用者に対して営業をしていかないと、使われない時期が出たりするということで、そのためにも全国版でいろいろ情報を入手して営業しないとだめだ、こういうことでございましたので、そこをひとつ心がけてやっていただきたいと思います。ですから、ほかは1年、2年先までもうやっているそうです。単年度でなくして、次年度、2年先までもやっている、こういうことでございましたから、ひとつそこのところをお願いしておきたいと思います。  あと、市川の埋立用地ですが、県の港湾計画に基づいてやっていかなきゃならないだろうと思いますが、その土地利用については、やはり時代に即したように、慌てて考えなくても時代に合ったようなことを考えていただきたい、こうお願いをしておきます。  ガントリークレーン設置ですが、市長答弁のとおりでありまして、利用度がこれからさらに増していくわけでありますから、護岸工事が終わりました。コンテナヤードも整備されました。ガントリークレーンが設置していなければ役立たずであるわけですから、どうぞひとつ県の方にも強力に設置方をお願いしたい、こう思います。  保育所の入所待機者のことですが、入園円滑化対策ということで、国の施策としてうたってあるわけでありますから、八戸も、さっき聞いたら300人弱も待機児童があるようでございますから、ひとつ早目に実施していただきたいと、お願いをしておきます。  次に、70周年記念事業ですが、1つの提案になるんですが、明年、県ではスポーツ立県を唱えておるわけであります。そこに兼ね合いを持たせて、八戸出身のオリンピック出場選手を集めて座談会を設ける、今後の八戸市の体育行政はどうあるべきかなんてやらせるのもおもしろいのではないかなと思います。一番お金のかからない方法でございましょうと、こう思いますから、ひとつその辺、案を出しておきたいと思います。  新市民の歌でありますが、本当に古賀政男先生に大変失礼千万ではございますが、音域が広過ぎて、その道に精通した方でないと歌えない、このように専門の方からも話を賜ったりしておりました。そんなものですから、引き出しの奥に入ったきりだと、こう思います。そういうことで、この新しい制作に当たって、ぜひ来年度に間に合わせて早目に。そうすると、その曲次第で、曲をアレンジすると、せっかく冬季国体をやるわけですから、その入場行進にも使える。釧路の国体でしたけれども、アレンジして、よかったんですよ。そういうふうなのにも使えるような、いろいろな行催事にも使えるような、そういう曲であってほしいなと、こう思いますので、重ねて、ぜひ新市民の歌が誕生されることをお願いして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(越田巌 君)以上で15番山口広道議員の質問を終わります。  この際、暫時休憩いたします。   午後2時37分 休憩   ────────────────────   午後2時52分 再開 ○議長(大久保忠亥 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。  一般質問を続行いたします。   ────────────────────   35番 中村元博君質問 ○議長(大久保忠亥 君)35番中村元博議員の質問を許します。中村元博議員  〔35番中村元博君登壇〕(拍手) ◆35番(中村元博 君)平成10年9月定例会に当たり、明政クラブの一員として、通告してあります事項について市長並びに理事者に質問してまいります。  なお、一部質問が他の議員と重複しておりますが、私なりの視点で質問してまいりますので、あらかじめよろしくお願いいたします。  まず第1点は、環境行政についてであります。  私は、平成4年、欧州における環境行政について勉強する機会をいただきました。そのときはオーストリア及びドイツの両国を訪ねてまいりまして、両国の街角で公園に置いている大きなごみ収集のコンテナに、早朝から小学生から大人までが一緒に紙、本、段ボール、あるいは瓶、缶詰等の10種類にわたる分別収集を一生懸命やっている光景を今でも鮮明に覚えております。  ベルリン市の清掃事務所に公式訪問した際に、当時の事務局長は、ごみ収集の現地を見ていただいたとおり、今、地球に住んでいる我々一人一人が、今の環境を維持するためには、消費文明の中で我々一人一人が責任を持って分別収集をやらなければならないのです。今、ドイツでは、各企業においても彼らの責任で総合的にごみを少なくするための政策を進めています。同じ工業社会である日本においても、ぜひ進めていただきたいのですがという話がありました。  私は、この問題を帰国後、平成4年の12月定例議会でこのことを申し上げてきたのであります。あれから5年、我々もいろいろ施策する中で、八戸市も国の容器包装リサイクル法が一昨年施行され、平成9年4月から分別収集が本格的に実施されているところであります。これまでの消費文明社会から、資源還元型社会へと移行されることになり、平成12年には、リサイクルプラザも建設される運びになっておるわけであります。  そこで、まず1つ、八戸市のごみ減量化の実績と資源物収集量はどのようになっているのでしょうか。また、現在、八戸市が実施している7項目の収集の規則をさらに細分化する目標を示していただきたいのであります。  次に、私たちが日常生活の中で、ごみや塩素系プラスチックなどを焼却したときに出るダイオキシン類が猛毒性があり、環境を根源的に汚染し、人間を含むすべての生命を脅かす物質であることが、最近大きな問題となっておるところであります。八戸市議会においても、一昨日の田名部議員を初め、これまでに数人の議員の方々も取り上げており、八戸市として看過できない状態にあるのはそのとおりであります。  そこで、初歩的なことでありますが、次の点について見解を示していただきたいのであります。  (1)ごみ焼却とダイオキシン類発生の関係はどのようになっているのか。  (2)ダイオキシンはどのような経路で人体に入り、また、その影響についてはどのようになっておるのか。  (3)日本での規制が世界のそれよりもおくれていると言われておるのでありますが、その実態についてはどうでしょうか。  (4)昨年6月議会で伊藤圓子議員の質問でありました、櫛引清掃工場周辺の土壌調査について、八戸市としてその後の対応がどのようになっているのか。また、ダイオキシン類の行政の取り組みと、我々市民が何から始めるべきかをお示しいただきたいのであります。  最後に、県内では既に黒石市がダイオキシンを発生させないために市、市民、事業者の間でお互いの責務を明らかにした対策条例を定めているのでありますが、八戸市においてもダイオキシン対策条例を制定すべきと思うのでありますが、市長の見解をお尋ねいたします。  次に、八戸平原総合農地開発事業について、特に世増ダムの建設についてお伺いいたします。  この事業は、国営で八戸市、南郷村、階上町及び岩手県の一部、軽米町にまたがる約2000ヘクタールを対象に、山林・原野を畑にする区画整理事業と同時に、八戸市の将来の上水道10万トンの確保と畑作の水資源確保のために世増ダム建設をするものであります。  この地域のかんがい施設、道路網の整備を総合的に行い、地域の農業生産の基盤整備と農村環境の向上と地域の自然環境を生かすことを目的として、昭和51年から着工されているのであります。その後20有余年を経て、農業を取り巻く情勢は刻々と変化しており、平成7年、見直しが行われたところであります。  そこで第1点として、現在開発整備の状況と畑作計画がどのように進んでいるのか、お伺いをいたすのであります。  続いて、世増ダムの建設事業の重要なポイントであり、河川の抜本的な安全度の向上と渇水被害に備えた水資源の確保や八戸市その他の上水道用水確保のためのダム建設が急務であるわけでありますが、昨今、自然環境の保護が求められている中で、自然と調和した潤いや憩いのある水辺空間をどのようにつくっていくのか、市長のお考えをお尋ねいたすのであります。  次は、港湾行政についてお尋ねいたします。  戦後最悪と言われる我が国の経済状況の中で、さらには、アジアの経済危機が懸念される中で、八戸港の今年上半期の貿易状況が昨年同期を上回っていると地元紙では伝えているのであります。また、コンテナ貨物では、御承知のとおり、平成6年から始まった東南アジア航路、その後の中国航路の開設により、ほぼ順調に推移しているようであります。昨年は八戸港のコンテナ取扱量は、仙台、秋田におくれをとったものの、今年、定期コンテナ航路を開設して4年目に当たるわけでありますが、上半期で既に9000本を超えるようであります。年間1万本の大台は超えるのではないかと言われております。  この状況で、8月末から韓国定期航路が開設されました。長年検討されてきた航路が実施されたことに対し、大変に喜ばしいことと思っているのであります。八戸市と世界的なハブポート釜山港を直結することで、八戸港の貿易エリアが釜山をかなめに中国、北米、欧州、あるいは東南アジアへと拡大されるわけであります。このことは、利用する荷主にとってもメリットがありますし、八戸・釜山4日間ウイークリーサービスが行えることは非常に妙味があるところであります。  また、韓国航路ができたことによって、これまで八戸港の懸案であった北アメリカ航路が10月からウエストウッド・シッピング・ラインズ社により隔週で行われるやのお話も地元紙に載せられていました。そこで、韓国航路でどのような貨物をどのように利用するのか、お伺いいたしますと同時に、今回の北米航路がどのような経緯で開設が決まったのか、お伺いをするのであります。  これまで八戸港ではなかった内航コンテナ船が就航するやの報道もありますが、このことについて、当局としてわかっている点についてだけでもお知らせいただきたいのであります。  次に、八太郎2号埠頭と2号ガントリークレーンについてお伺いいたします。  現在使用している1号埠頭E岸壁は、物選埠頭と共有していること、また、既設のコンテナヤードが狭隘であるために、コンテナターミナルとして2号埠頭に水深13メーター、全長270メーターの岸壁と埠頭用地8ヘクタールの整備が進められておりますが、工事の進捗状況と供用開始がいつになるのか、お伺いいたします。  また、新しい航路が開設される中で、2号ガントリークレーンが埠頭完成と同時に施行されるのか、お伺いいたします。  次に、原野火災の罹災者への支援策についてお伺いいたします。  去る4月21日お昼ごろ発生した大規模な山林原野火災は、折からの25メートル以上の強風にあおられ、田面木前平地区から都市計画道路3・3・8号を超えて根城大久保地区へ飛び火し、山林12ヘクタール、民家8軒、倉庫、神社等14棟を全半焼するという大火災になったことは、既に皆さん御承知のとおりであります。私も午後から現場に駆けつけたのでありますが、強風の中、命がけで消火作業に当たった消防署員や、空から消火の援護をした防災ヘリコプターを初め、地域住民の方々による懸命なバケツリレーや家庭の消火ホースでの作業、地域内の保育園児の迅速かつ安全な避難作業等が行われるのを目の当たりに見させていただきました。消防署員1人の負傷者があったようでありますが、地域住民の方には負傷者がなかったようであります。常日ごろ住民の方々のコミュニケートがよく行われているなと胸をなでおろした次第であります。消防関係者に対しては、改めて心から敬意を表するものであります。  中里市長におかれましては、いち早く延焼中の現地に駆けつけていただき、消防署員の激励と罹災者の方々への早急な対応並びに激励をしていただいたところであります。市当局による住宅、生活相談を初め、地域住民や事業所からの食事や、また、タオル等、多くの生活必需品が相次ぐなど、行われたことに対し、根城地区のふだんからのコミュニティが行き届いていることに感心をいたしました。  翌朝、私は罹災者の方々が避難している根城公民館を訪ねまして、昨日の火災による家屋焼失に対し、心からお見舞いを申し上げましたと同時に、一刻も早い立ち直りを祈ってまいりました。罹災者の方々は、日中の火災であり、留守にしており、職場から駆けつけたが、強風のため火の回りが早く、家財をほとんど出すこともなく焼け出されてしまいましたということでした。私は、罹災者の方々に今一番してほしいことは何ですかと尋ねましたところ、住むところを手当てしていただきたい、同時に、この地域には消火栓がないんですという話を聞きまして、その旨を市の方にお話しした経緯がございます。その後、八戸市営住宅と旧市民病院医師住宅を1年間に限り使用料免除で貸すことが決まったとのことでありました。このことは、中里市長の大英断であったと私は敬意を表するものであります。  そこで、このたびの支援策は、災害救助法も該当しない中で、今回のような火災のみに適用されるものか、あるいはまた、災害の多い八戸において、どのようなときに支援策をとっていただくのか、さらにもう一歩の支援策をとっていただければと思うのでありまして、市長の見解をお尋ね申し上げるのであります。  最後に、臍帯血移植のその後の動きについてお尋ねいたします。  白血病などの血液の難病に有効な治療方法と言われる臍帯血移植については、私が昨年9月定例会で申し上げたところであります。その後、日本臍帯血バンクボランティアの会や私ども公明が、この治療法の有効性や公的バンクの設立を訴えてまいりました。八戸市議会においてもいち早く意見書をまとめ、政府に具申していただき、おかげさまで、本年4月から医療保険の適用を受けることができるようになりました。そのことから、医療現場では急速に普及しつつあるようであります。  去る5月に発表された大阪大学の医学部での移植成功は劇的なものでありました。それは、従来、体重が軽い子供への移植が有効であると言われていましたが、今回は体重65キロの19歳の男性がT細胞性急性リンパ性白血病と診断され、大学側の骨髄移植を予定していたが、血縁者では白血球の抗原型が合わず、骨髄バンクでも提供者が見つからなかったために、臍帯血移植に踏み切りました。その結果、成功したそうであります。  また、香川県の香川医大病院では、先天性免疫不全症の2歳の女の子が臍帯血移植を受け、7月に退院したそうであります。一昨年から骨髄移植などの治療をしたが成功せず、その母親が男の子を出産した直後に臍帯血移植をしたところ、免疫力が回復したそうであります。  このほか、東京都の日大板橋病院で、先天性代謝異常症に苦しむ5歳の男の子が、5月末に移植手術を受け、病を克服したとの報告があり、臍帯血移植が俄然脚光を浴びてきておるのであります。  この治療法は、出産後のへその緒や胎盤からの血液をつくる造血幹細胞を取り出し、難病の白血病患者に移植するもので、拒絶反応が少なく、患者の安全性が高いなど非常に利点があるわけであります。公的臍帯血バンクが設立されれば、多くの難病の患者が救済されることは間違いないわけであります。政府の英断が待たれるわけでありますが、厚生省を初め関係当局の現在の状況はどのようになっているのか、市長の御見解をお尋ねいたします。  以上でこの席からの質問を終わります。  〔35番中村元博君降壇〕(拍手) ○議長(大久保忠亥 君)市長 ◎市長(中里信男 君)中村元博議員にお答えを申し上げます。  まず、環境行政であります。  昨年の4月から容器包装リサイクル法に基づいて、ごみの分別収集を開始しているが、ごみの収集実績及び資源物の収集量はどうなっているか、こういうお尋ねでございました。  ごみの減量化及び再資源化を図ることを目的としました容器包装リサイクル法に基づきまして、八戸市が平成9年4月1日から分別収集を始めまして1年5カ月が経過いたしましたが、議員各位並びに市民の皆さんの御協力によりまして、ほぼ目標どおりの成果を得ることができたものと考えております。  平成9年度の収集実績でありますが、10万7429トンで、資源物を除いた可燃、不燃、粗大のごみ量は9万6669トンで、前年度と比較しまして1万697トン、率にして10%の減量となっております。  資源物につきましては、平成8年度、三八城地区及び類家地区の一部と鮫地区の3地区をモデル地区に選定し、分別収集をしました数量をもとに年間予測量を1万2550トンとして、毎週水曜日を資源の日と定め、資源物を収集した結果、その収集量は1万760トンでありました。その内訳は、缶・瓶は5125トン、新聞紙は1168トン、雑誌・チラシは3445トン、段ボールは719トン、古布は303トンでありまして、当初計画の85.7%に達しております。このことは、ごみの減量化と再資源化の両面でかなりの成果を上げたものと考えております。  今後、さらにごみの減量化と再資源化を進めるために、チラシの配布、広報への掲載等により、普及啓発を図ってまいりたいと考えております。  次に、分別収集品目が7品目となっているが、今後、ペットボトルなどの品目をふやす考えはないか、こういうお尋ねでありました。  現在、分別収集しております品目は、缶、瓶、新聞紙、雑誌、チラシ、段ボール及び古布の7品目でありますが、八戸地域広域市町村圏事務組合が建設を進めておりますリサイクルプラザが稼働する平成12年4月に合わせまして、ペットボトルを品目に加える等、収集品目及び収集体制等の見直しを検討することにいたしております。  また、今年の6月議会で松橋議員の質問にお答えを申し上げたところでありますが、収集品目を追加する際には、モデル地区を指定して実施することもあわせて検討しなければならないと考えております。  現在、清掃事務所で平成12年度に向けた見直しにつきまして、清掃指導員と打ち合わせ会を地区ごとに開催中でありまして、今後これらの会議で得た意見や他都市の状況も考慮するなど、できるだけ市民に負担のかからない収集効率のよい方法になるように検討してまいりたいと考えております。  次に、ごみ焼却炉でのダイオキシン発生メカニズムとごみ焼却炉周辺の土壌調査でありました。  ダイオキシン類は、有機塩素化合物の生産過程や廃棄物の焼却過程等で生成される化学物質でありまして、その発生源は多岐にわたっております。また、毒性が強く、その環境汚染が大きな問題となっておるところであります。ダイオキシン類の各種発生源からの排出状況は必ずしも明らかでないのでありますが、日本におけるダイオキシン類の総排出量の8割から9割が、ごみ焼却施設からの排出であると言われておるのであります。  ごみ焼却施設から排出されるダイオキシン類の発生メカニズムにつきましては、財団法人日本環境衛生センターのまとめによりますと、ダイオキシン類は不完全燃焼の有機物が300℃程度の比較的低い温度域で、塩化銅などの金属類の触媒作用によって生成すると言われておるところであります。  国では、ごみ焼却施設からのダイオキシン類の排出を抑制するために、平成9年1月に、ごみ処理にかかわるダイオキシン類発生防止等ガイドラインを作成しまして、ごみ焼却施設に対するきめ細かな対策を提示しております。  八戸清掃工場では、平成8年度に排出ガス、焼却灰、飛灰等のダイオキシン類を調査しておりまして、排出ガスにつきましては、同ガイドラインに示された恒久対策の基準以下であったのであります。また、焼却灰につきましては検出されず、飛灰につきましても全国平均を大きく下回っておりました。この調査につきましては、平成10年8月にも実施し、現在、分析中であります。
     清掃工場周辺のダイオキシン類にかかわる土壌調査は、これまで実施していないのでありますが、清掃工場の排出ガスなどの調査結果や国のダイオキシン類緊急全国一斉調査及び県の調査などの結果を参考にしながら、調査の必要性について今後判断をしてまいりたいと考えております。  次に、ダイオキシンの人体影響と日本のダイオキシン規制の状況であります。  国のダイオキシンのリスクアセスメントに関する研究班の中間報告、これは平成8年の6月でありますが、それによりますと、これまでの動物実験等により報告されておりますダイオキシンの毒性は、1つには急性毒性、2番目は慢性毒性、3番目は発がん性、4番目は催奇形性、5番目は生殖に及ぼす影響、6番目は、人については高濃度に長期間さらされた場合、死亡の度合いが増加するなどと報告をされておるところであります。  この中間報告では、健康への影響の観点から、ダイオキシン類を一生涯摂取しても健康に害を与えない1日当たりの摂取量の安全の目安を、体重1キログラム当たり10ピコグラム、1兆分の1グラムと提案をしておるのであります。国はこの値をごみ処理にかかわるダイオキシン対策の当面の評価指針とし、ごみ焼却施設から排出されるダイオキシン類の緊急対策基準を設定したところであります。  諸外国における安全の目安となります1日の摂取量の設定は、イギリス、オランダ、スイス、カナダ、ドイツ、WHO欧州地方事務局等で10ピコグラム、スウェーデン、デンマークではゼロから5ピコグラムなどとなっておるところであります。その後、WHO欧州地方事務局では、内分泌攪乱化学物質としての作用などを考慮し、1日の摂取量の見直しを行い、1998年5月に1から4ピコグラムと強化したところであります。  これを受けまして、我が国における基準の見直しが行われるであろうという報道もありますが、現在のところ、その動きについて、国及び県からの通知はない状況であります。  次に、ダイオキシン対策のため、行政、市民の役割を明確にする条例を制定するべきではないか、また、他都市の取り組み状況もあわせて聞きたいという内容でございました。  ダイオキシン対策条例の制定の考えにつきましては、平成10年6月議会におきまして、松橋議員に答弁をいたしたところでありますが、近年のダイオキシン類による環境汚染問題につきましては、市民の関心が高く、一般家庭、事業所等でのごみ焼却にかかわる苦情が多く寄せられている状況でありまして、その都度、現地へ赴き注意、指導を行っております。また、市民、事業者に対し、広報はちのへやチラシ等を通じ、ごみの分別の徹底及び簡易焼却炉でのプラスチック類の焼却の禁止を呼びかけている状況であります。  市も、みずから所管する公共施設等から排出される廃棄物につきまして、分別処理の徹底及び委託収集への切りかえ等の対策を講じておるところであります。市といたしましては、ダイオキシン対策は重要な課題と考えておりまして、今年度、国及び県が実施する環境中のダイオキシン類の実態調査結果を参考にし、さらに、八戸市環境審議会の意見も聞きながら、条例制定について検討してまいりたいと考えております。  なお、現在のところ、東北6県ではダイオキシン類に関する条例は、青森県黒石市の黒石市からダイオキシン類等を少なくしきれいな環境を守る条例だけであると聞いております。  次に、八戸平原開発問題であります。  国営八戸平原総合農地開発事業の進捗状況と事業地区内の作付状況はどうか、こういう内容でございました。  国営八戸平原総合農地開発事業は、八戸市、階上町、南郷村、軽米町にまたがる丘陵地帯のうち、山林・原野383ヘクタールの農地造成と、その間に介在する既存の畑234ヘクタールの区画整理を行い、さらに既存の畑1419ヘクタールを含む合計2036ヘクタールに対しまして、畑地かんがいを行う事業でありまして、昭和51年度に着工し、これまでに社会・経済情勢の変革に伴い、平成8年6月に事業計画の変更がなされ、今日に至っておりまして、受益農家は1659戸で、うち八戸市は310戸であります。  また、畑地かんがいの水源開発としまして、世増ダムの建設及び水利施設を整備し、機械化作業体系の確立、農業生産性の向上及び農業経営の規模拡大と安定化を図るものでありまして、総事業費は490億円となっております。  事業内容のうち、農地造成と区画整理はおおむね完成し、現在は畑地かんがい施設の整備とダム建設に向けての関連工事を順次進めておるところでありまして、平成9年度末の事業進捗率は、事業費ベースで64.3%となっております。  作付状況につきましては、平成9年12月に国営八戸平原開拓建設事業所が取りまとめた造成地内の調査結果によりますと、次のようになっております。  八戸平原地域の4市町村全体では、作物の作付されている畑は417.5ヘクタールでありまして、休耕地等の作付準備中の畑は109.87ヘクタールであります。このうち八戸市地域では作付畑は52.19ヘクタール、作付準備中の畑は24.14ヘクタールでございます。  八戸市地域の作付作物の主なものは、デントコーン、長芋、ニンジンなどの根菜類、ホウレンソウなどの葉菜類や牧草などであります。当市といたしましては、作付準備中の畑の利用促進を図るために、東北農政局を初め関係機関との連携を強化しながら、作付作物の選定、または新しい営農形態について、さらに調査研究を進め、農家の営農意欲の向上に努めてまいりたいと考えております。  次に、世増ダム着工と完成見込みでありますが、世増ダムは東北農政局、青森県、八戸圏域水道企業団、種市町による共同工事として、新井田川上流の南郷村島守世増地区に建設する多目的ダムでありまして、その目的は次の3点であります。  1つは、洪水調節については、ダムにおける計画高水流量毎秒1230トンのうち820トンを調節し、下流既得用水の補給及び河川流水の正常な機能の維持と増進を図るものであります。  2番目は、畑地かんがい用水については、事業地内の畑地1960ヘクタールにかんがい用水の補給を行うものであります。  3番目は、水道用水については、八戸圏域水道企業団が計画する11市町村に日量10万トンを供給するものでありまして、計画給水人口は約41万2000人であります。また、種市町の水道事業には、日量4730トン──これは計画給水人口約1万4000人でありますが──を供給するものであります。  ダムの規模は堤高52メートル、堤長247メートル、総貯水容量3650万トンの重力式コンクリートダムであります。平成5年度からつけかえ道路工事に着手し、9年度には仮排水トンネルに着工しておりまして、今9月中にはダム第1期建設工事の契約手続が完了し、平成14年度内にはダム完成予定と伺っております。  なお、ダム建設事業費は約527億円を見込んでおりまして、9年度末の工事進捗率は48%となっておるところであります。  次に、ダム周辺の環境整備計画についてであります。  世増ダムの周辺の環境整備につきましては、平成8年3月に、東北農政局八戸平原開拓建設事業所が事務局となっておりました世増ダム周辺地域環境整備検討協議会が整備構想をまとめておりまして、その内容は、ダム記念館、キャンプ場、多目的広場、サイクリングロードなどのレクリエーション施設の整備が主なものでありますが、南郷村では現在のところ、これに基づく事業として体験農園や広場の整備計画を立案していると伺っております。  それに関連いたしまして、また、この八戸平原開発事業の先駆者と言われております江戸時代の八戸藩士、蛇口伴蔵氏の顕彰記念碑等をダム周辺に建設する構想の具体化について、関係町村関係者とも取り組んで、相談中であるところでございます。もうこれにつきましては、三本木原の開拓は、御案内のように、新渡戸伝、十次郎親子であったわけでございます。記念碑があるわけであります。それから、五戸、市川については、藤田又右衛門氏の先駆者の功績によるものでございまして、これも記念碑があるんでございまして、それと並行してという、南郷の計画に並行しましてという考え方で進めておるところであります。  次に、港湾行政でありますが、八戸港における本年上半期の貿易額とコンテナ取扱量、また韓国航路開設に伴い、今後、八戸港におけるコンテナ取扱量の伸びが期待されるが、本年のコンテナ取扱量の見込みはどうかという内容でございました。  本年上半期の貿易額とコンテナ取扱量並びに本年のコンテナの取扱量見込みであります。  八戸税関支署の発表によりますと、八戸港における本年上半期の貿易額は770億3600万円で、前年同期に比べて16.4%の増加であります。うち輸出は186億5900万円で14.9%の増、輸入は583億7700万円で、16.9%の増となっております。また、本年上半期のコンテナ取扱量は4681TEUで、前年同期に比べまして13.2%の増加であります。うち輸出は1947TEUで12.4%の増、輸入は2734TEUで13.8%の増となっております。  本年8月、八戸港に念願の韓国船コンテナ定期航路が開設され、8月29日に第1船が入港いたしました。さらに、このたび八戸港への北米コンテナ定期サービスの開始が決定され、本年10月から寄港することとなったところであります。  八戸港における国際コンテナ定期航路は、平成6年に開設をされました東南アジア航路、平成9年の中国航路、そして今回の韓国航路が開設され、3つとなり、加えて北米コンテナ定期サービスが開始されることから、北東北における八戸港の国際貿易港並びに物流拠点港としての役割はますます大きくなってきておると認識をいたしております。  今回の韓国航路開設により、八戸港と結ばれた釜山港は、コンテナ取扱量世界5位の拠点港、いわゆるハブポートでございます。この釜山港での中継によりまして、韓国はもとより、中国、北米、ヨーロッパ等、世界の各港と結ばれることから、八戸港にとって韓国航路の開設は大きな意義を持つものでありまして、今後、コンテナ取扱量は大きく伸びるものと予想されるところであります。このようなことから、八戸港における本年のコンテナ取扱量は1万TEU前後を期待しておるところでございます。  内航コンテナ航路開設の事実確認と現況についてでありますが、去る8月19日、八戸港に初の内航コンテナ定期航路開設が確定した旨の新聞報道がなされました。その内容は、横浜市に本社がある横浜港ターミナル株式会社が、八戸・横浜間において9月中旬から週1便の輸送サービスを開始するということでありました。これにより、八戸港は横浜港を中継港に、世界とつながる海上輸送ルートが増大するというものでございます。  同航路の開設につきましては、本年1月ごろから八戸港国際物流拠点化推進協議会を中心に協議を進め、横浜港ターミナル株式会社と交渉してきたところでありますが、いまだ航路開設までの合意に至っておらず、現在交渉中であるところであります。同協議会及び横浜港ターミナル株式会社とも航路開設には前向きでありまして、両者ともできるだけ早期に合意がなされるように努力をしておるところでございます。  同航路の開設は、利用者の輸送コストの削減、貿易エリアの拡大など物流ニーズに幅広くこたえることとなり、八戸港の北東北における国際貿易港、物流拠点港としての地位が一段と高まることとなります。このようなことから、当市としましては、早期に航路が開設されるように努力をしてまいりたいと考えております。  次に、八太郎2号埠頭の整備進捗状況と2号ガントリークレーンの設置の見通しはどうかという内容でありました。  八太郎2号埠頭は物流需要の増大、船舶の大型化などに対応するため計画され、現在、多目的国際ターミナル用地として整備面積約5.2ヘクタールについて、運輸省並びに青森県が平成12年度の完成を目指しまして平成8年度から工事を着手しておるものであります。県から伺いましたところによると、岸壁並びに埋立工事は、本年度末までには終了するとのことでありまして、本年度末までの進捗率としましては、事業費ベースで運輸省は約90%、青森県は約30%になるとのことであります。来年度以降は泊地のしゅんせつ、舗装、附帯設備などの整備を進め、多目的国際ターミナルとして平成12年度には完成させる予定と聞いております。これによりまして、国際物流拠点港にふさわしい多目的国際ターミナルが八戸港に完成することとなり、北東北の物流の効率化に寄与するものでありますことから、早期に完成されるよう国、県にお願いをしてまいりたいと考えております。  2号ガントリークレーンの設置見通しについてでありますが、これは先ほど山口議員の質問にお答えを申し上げましたとおりでありますので、割愛をさせていただきます。  次に、ことしの4月21日に田面木地区で発生した原野火災においてとった措置を、今後、火災以外の同様の災害が発生した場合でもとるべきと思うがどうか、こういうお尋ねでございました。  ことしの4月21日、田面木字前平地区に火災が発生いたしました。強風にあおられたことから、根城地区を含めた広範囲の山林、住宅等を焼失し、住家、非住家合わせて15棟が全焼、10棟が部分焼となったほか、山林等約15ヘクタールを焼損し、14世帯39人が被災をいたしました。消防本部では、職員・団員295名、消防車両42台が出動し、市でも職員約70名が現地で消火作業に当たったほか、県防災ヘリコプター1機が出動し、同日午後3時半に鎮火いたしました。この火災におきまして、災害救助法は適用されなかったのでありますが、焼け出されました7世帯の方の当日の宿を確保する必要がありましたことから、直ちに根城公民館に避難所を開設するとともに、被災者の方々に毛布、布団及び食糧等を提供したほか、地区の方々からも炊き出しへの協力や日用品の寄附など温かい支援等を多数いただき、ここに厚く感謝を申し上げる次第であります。  被災者の方々が今後生活する上で一番心配されておりますことは、当面の住宅の確保でありましたことから、1つには、市営住宅については1年間家賃は無料、希望により継続で入居は可能、2番目は、医師住宅については1年間使用料は無料、ただし入居期間は2年間で提供することとしたものでございます。火災以外の同様の災害が発生した場合でも、できる限り同じような措置を講じてまいりたいと考えております。  次に、臍帯血移植についてでありますが、臍帯血バンクの現状と見通しはどうなっているのか、また、市ではどのように対応するのかというお尋ねでありました。  白血病の治療のための1つの方法としまして臍帯血移植があります。この方法は、骨髄移植に比べて、提供者の身体に侵襲を伴わず、保存もできるために、必要なときにすぐ移植ができる等の利点がありまして、本年4月から、移植術については医療保険の適用となったところであります。現在、臍帯血バンクの取り組みにつきましては、全国9カ所で始まっておりますが、品質及び安全性の点におきまして不均一な状況にあり、全国的に臍帯血を提供する体制は整備されていないのであります。このために、統一した基準により臍帯血を保存し、その情報を全国的に提供する体制を早急に整備することが求められております。  こうしたことから、国におきましては、臍帯血の保存件数につきましては、5年をめどとして2万個程度を保存し、希望する者の9割以上に臍帯血を提供できる体制づくりを目指すこととしておるところでありまして、そのために、1つには、初期段階における体制の整備、これは、1つは、各臍帯血バンクの連絡調整、採取・分離・検査・保存方法の標準化、また、臍帯血の情報の共有・共同管理、移植医療機関の登録等であります。2番目としましては、臍帯血バンク連絡協議会──仮称でありますが──の設置、運営、3番目は、HLA──これは白血球の型でありますが──の検査等の体制整備、4番目は、臍帯血バンク設備の整備等を図るための予算を、平成11年度で要求をしておるところであります。  当市としましては、今後、国、県の動向を見ながら、八戸市医師会等と協議をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○議長(大久保忠亥 君)中村元博議員 ◆35番(中村元博 君)各般にわたり、詳細な答弁ありがとうございました。  少しく再質問をさせていただきたいのでございますが、再質問は世増ダムの件ですね。まさにこの環境を整備しなければならないということでありまして、特に世増ダムの人工湖といいますか、そういうふうなことで、先ほど市長さんの答弁でも、南郷村の蛇口氏の件をお話しいただきました。ありがとうございました。ただ、これは南郷村だけでできるわけでありません。八戸市も一緒にぜひやっていただきたいと思うんです。そういう意味でも、私は八戸市民の森が市外なわけですね、南郷村にあるわけです。そういうふうなことの中で、今回の予算の中にもありますが、予算の中にこういうのがありますね。森と川と海の絆推進事業とあるわけですね。これは、いわゆる広葉樹を植えるということなんでしょうが、こういうことは非常に必要なわけでありまして、これは120万の予算になるようでありますが、今後これをもっと増すべきだと思うんですが、その辺の御検討をいただきたいのです。  それで、やっぱり人工湖で南郷村の人のみならず、八戸市民にも言って、親しむところであるわけですから、そういう意味では、南郷村と協議をしていただきたい。  同時に、これが、おとついからもうちの山内議員が言っているわけですが、町村合併、南郷村と町村合併する。やはり他の町村の方々は、八戸市と一緒にやれば、どういう得策があるのかということを、みんな庶民の方が見ているわけですよ。そういう意味では、そういうことを進めていかないと、合併というのはなかなか私はできないと思うんです。この世増ダムの人工湖を南郷村と一緒にぜひつくっていただきたいと思うものですから、その辺のコメントをぜひいただきたいのであります。  それから、港湾の問題でありますが、先ほどちょっとそこでもお話ししたわけでありますが、韓国航路、長年の懸案でありました航路が今回開設になったわけであります。これも、いわゆるそれができることによって北米航路が来たじゃありませんか。  北米航路については、私、ちょっとお聞きしたいんですが、1航海は八戸からバンクーバーに直接つなぎます。他の2航海は釜山に行くようであります。そうしますと、このバンクーバーと八戸というのは、三菱製紙がありまして、ウェアーハウザーの関係でパルプだとか、また製材、木材、今現に来ているわけであります。それもフルコンテナ船ではなくて、多目的船で来ているわけですね。私はこのウエストウッド・シッピングの判断は正しいと思っています。いわゆる、まだ八戸からコンテナは出ないわけですから、まず入っている荷物を中心に入ってくると、ありがたいことであると。  そういう中で逐次、これは県と一緒にコンテナの方に推移していこうと思うんですが、まず、とりあえず韓国航路で釜山まで持っていって、そこからアメリカに直接行く。そういう中で、何としても八戸のこのコンテナをもう少し三菱製紙を初め、直接持っていくのを出していただけば。そうしますと、直接出てくれば、多目的船ですから、その船にもコンテナを積めるわけですね。いわゆるクレーンがある船ですから。同時に大量に出てくれば直接行けるわけですから。じゃないかと思うんですが、そういう意味で、その辺のウエストウッド・シッピングのお話がどうだったのか、その辺をもう少し詳しく教えていただきたいのであります。  それから、災害支援のこと、大変ありがとうございました。7世帯がありまして、2世帯が市営住宅、3世帯が市民病院の医師住宅をお借りしているわけですが、おかげさまでお一方がもう既に家を建てたようでありますけれども、そういうようなことでございますが、同時に、私はもう一歩踏み込んだことができないのかなと。例えば、住民税の軽減とかというようなことをできないのかなと思うわけでありまして、どうかその点について、市長のお考えをお示しいただきたいのであります。  まずこの3点ですね。よろしくお願いします。 ○議長(大久保忠亥 君)市長 ◎市長(中里信男 君)私からお答えを申し上げた方がいいものを先にお答えします。  市民の森でございます。今、中村議員はその森について植樹をするということは、南郷村とこれを提携していくべきだと、合併に結びつけてのお話でございました。  単刀直入で大歓迎でございます。ところが、なかなかこれには時間もかかりましょう、十分御意向を体しまして、今後ともそのような気持ちで一緒になって、世増ダムのこの周辺整備等にも努力をしてまいりたい、こう考えております。  それから、北米航路でございますが、私どもの姉妹都市フェデラルウェイ市と平成5年に締結をしたわけです。そうしまして、フェデラルウェイのお世話によってタコマ市とタコマ港との経済貿易協定、平成7年に締結をいたしました。そこで、今のその協定に基づきましての今までの運動もありましたし、それに、このフェデラルウェイ市にウエストウッドという、今の船会社でございます、これの本社、そしてウエストウッドの親会社のウェアーハウザー、世界一の木材会社、これがフェデラルウェイ市にあるわけでございます。非常にこの関係がありがたいことに、フェデラルウェイ市長を初めタコマの港湾局長、さらにウェアーハウザー、ウエストウッドというような関係で、八戸市のためにいろいろと御理解をいただいているというのが1つございます。  それから、三菱製紙がチップ、それに今度増設をしまして、今までパルプをつくっておったんですが、足りませんで、パルプをウェアーハウザーから買って、それをウエストウッドで運んでくる、こういうこともございまして、したがいまして、そのことが密接なつながりがある、こういうことでございます。  実はこのパルプにつきましては、もっと以前になるのかと、こう思っておりましたが、ようやくここのところへ来まして結ばれたということでございまして、大変喜ばしいと思っております。このことを大事にしていきたい、こう思っております。  以上であります。 ○議長(大久保忠亥 君)経済部長 ◎経済部長(北澤美達 君)市民の森に結びつける植林でございますが、これは今年度単年度の県の補助事業でございます。  なお、その趣旨については今後とも検討していきたいと思っております。 ○議長(大久保忠亥 君)財政部長 ○議長(大久保忠亥 君)以上で35番中村元博議員の質問を終わります。   ────────────────────   18番 神田洋一君質問 ○議長(大久保忠亥 君)18番神田洋一議員の質問を許します。神田議員  〔18番神田洋一君登壇〕(拍手) ◆18番(神田洋一 君)お疲れのところでございますが、最後まで御協力いただきたいと思います。  1998年9月定例会に際しまして、日本共産党議員団の一員として、今定例会のトリを承り、質問いたします。  6月定例会直後に公示された参議院議員選挙では、自民党が国民の厳粛な審判を受け、過半数どころか、改選議席をも大きく割り込むという惨敗を喫しました。日本共産党は、大銀行への不況対策か、国民生活優先の不況対策かを掲げ、消費税を3%へ引き下げることを中心とした政策を掲げ、選挙区選挙では887万票で改選2議席に対して7議席を獲得し、比例区選挙においては820万票、4議席を8議席に大きく前進させるという歴史的躍進を実現しました。これは、得票、得票率とも過去最高の到達点となり、議席も非改選と合わせて23議席と、国政では初めて単独で予算を伴う法律案の提案権を獲得したのであります。  この選挙の大敗北により、自民党橋本内閣は総辞職しましたが、虚構の衆議院過半数にしがみついて誕生した小渕内閣は、国民がノーの審判を下した銀行への税金投入を30兆円にとどまらない規模で進めようとし、国民との矛盾を一層激しいものにしています。一日も早い解散総選挙こそが国民犠牲の政治を終わらせる唯一の道であります。  さて、第1の質問は教育問題であります。  殺傷事件、いじめ、不登校、幼児虐待、覚せい剤や少女売春、今、日本の子供たちが置かれている現状は本当に深刻です。日本共産党は、参議院選挙で3つの大きな柱を訴えました。それは、1、深刻な不況から国民生活を守る。2、国民そっちのけの逆立ち政治を正し、国民が主人公の新しい日本をつくる。そして3は、子供と教育をめぐる危機を打開するため、日本共産党は呼びかけます、でした。  このように子供と教育を守る政策を中心に据えて戦ったことも、多くの国民の共感を得ることにつながったものでしょう。この教育政策の一部を紹介します。学校教育を、子供たちにとって物事がよくわかり、楽しい場にするための抜本的改革が強く求められています。今、受験中心の詰め込み教育、競争教育が高校、中学から小学校、その先に至るまで広がっています。このような受験中心の教育が学校を荒廃させ、子供の世界を荒廃させています。学校教育を受験のための詰め込み教育ではなく、自然と社会の仕組みを考えさせる本当の意味の知育、社会を構成する人間にふさわしい市民道徳を身につける徳育、基礎的な体力の増強とスポーツ精神を体得させる体育を中心に据えたものにし、これらをすべての子供たちのものにしていくための真剣な取り組みが必要です。  学校行政の面でも、子供の自主性を抑え込む統制と押しつけ一本やりの学校運営や、学校施設を荒廃させる教育予算の不当な切り詰めを改め、30人学級の実現など教育環境を整備するなど、子供中心の学校教育への抜本改革、立て直しが急務です。以下は時間の関係で省略します。  神戸の連続児童殺傷事件、栃木のナイフによる女教師刺殺事件に代表される少年による凶悪事件の多発は、国民に大きな衝撃を与えました。その後も連鎖反応のように、少年によるナイフやエアガンによる暴力事件が続いています。一時期下火になっていた校内暴力事件が再び増加しており、しかも、ごく普通の子と言われている子供たちの中から、思いもよらない深刻な事件が発生し、感情の暴発をとどめることができない子供たちの新しい荒れの問題がクローズアップされています。そして、一方では文部省の学校基本調査によって、1997年度の不登校(登校拒否)の小中学生は、前年度に比べて約1万1000人増の10万5400人余りとなり、初めて10万人を突破したことが報道され、文部省は2学期から全国8000校に心の教室相談員を配置することにしたのであります。  こうしたさなか、ことし6月、国際機関で日本の教育に対する所見が示されました。それは、国連子どもの権利に関する委員会で、日本政府が子どもの権利条約を批准した94年から98年までの4年間における条約の実施状況報告に基づく最終所見が採択されたのであります。  その最終報告には、この4年間の日本政府の取り組みに対する国際評価と、今後3年間の実施のあり方の基本方針が示されています。その中で、報告では主たる懸念事項22項目、提言及び勧告22項目を明らかにしました。そして、その中での最大の特徴は、社会のあらゆる側面において子供が一般的に困難に直面していること、特に学校制度において困難に直面していることを懸念すると指摘されています。さらに、本委員会は日本における教育制度が極めて競争的であること、その結果、子供の身体的及び精神的健康に否定的な影響を及ぼしていることに照らし、過度なストレス及び不登校を防止し、かつそれと闘うための適切な措置をとるべきことを日本政府に勧告すると明確に示されたことです。  これは、日本の教育制度全体が、権利条約に照らしていわば不合格との評価を受けたに等しいと言わねばなりません。教育長は、この最終所見に接してどのような感想をお持ちになったのでありましょう。  そこで、1、受験競争と競争教育について、2、八戸市の不登校の実態と対応について、3、所持品検査の実施について、以上3点について教育長の御所見、御見解を伺うものであります。  次に、30人学級についてのお考えを伺います。  今日、ヨーロッパの国々は、30人学級はとっくの昔に通過し、大半は20人から25人学級となっている。そうでなければ行き届いた教育はできないとされており、20人学級のアメリカでは、クリントン大統領が18人学級の実現を提案しているという最近のNHKの特集番組を見て、改めて日本の教育のおくれにため息をついたのは私ばかりではなかったでしょう。30人学級を日本においても早期に実現すべきと思うのですが、御所見を伺います。  最後に、今月いっぱいで教育長として2期目8年の任期を終える巻先生のこれまでの御感想と御所見をぜひ伺いたいものであります。2期目最後の御答弁をよろしくお願いいたします。  第2の質問は、教育行政同様、今日、子供の健やかな成長のために重要な一翼を担っている保育行政についてであります。  児童福祉法は1997年6月に改正され、ことし4月から施行されています。この改正により、保育分野において措置という用語は削除されましたが、実際上、措置制度そのものの根幹は残されており、決して利用契約制度が導入されたわけではありません。そこで、今度こそは措置制度をめぐって新たな法改正が準備されています。それが社会福祉事業法の改正問題で、来年の通常国会に提案の予定で、現在、中央社会福祉審議会で審議が進められていると言われています。  その中では、措置制度から契約制度への切りかえとともに、費用負担のあり方を国保税のように応能負担の原則から応益負担の原則に変えようとする、社会福祉の根本原理にかかわる変更が検討されています。2000年の介護保険制度の見切り発車とともに、福祉制度そのものの根幹を揺るがす大きな荒波が、保育の分野でも子供たちを襲おうとしているのであります。  こうした動きを踏まえつつ、次の4点について質問します。  その第1は、保育所定数に対する充足状況であります。  市内の保育所は、公立、民間を問わず、ほとんどが100%の充足状況にあると言われ、一部では途中入所希望者を断っている事態も起こっているとのことであります。この背景には、関係者の多様な保育ニーズにこたえようとする真剣な努力があったことは、大いに評価されねばなりません。同時に、市民生活の困難が増す中で、共働き家庭の増加が、保育に欠ける子供たちを新たに生み出していることも見逃してはならないのであります。  そこで、定数の充足状況と、待機者がいるとすればその数を示していただきたい。関連して、定数充足状態にあったとしても、どうしても保育に欠ける子供がいるとすればどうするのか。保育連合会では、緊急入所を一定数認めてほしいと要望していますが、その必要性について、市長はどのようにお考えでしょうか、伺うものです。  この第1の問題については、さきの山口議員の答弁で理解をしましたので、再度の答弁は割愛されて結構です。  第2は、保育料父母負担の最高限度額についてであります。  この問題については、平成3年3月議会の私の質問に対して、市長は新年度から実施すると明言され、実際に実現に至りました。市長にとっても思い出に残る快挙だったはずだと私は今でも評価をしているのであります。保育所関係者からは、他市にも胸を張って誇れると大いに喜ばれたものでした。父母負担の上限は、月に4万円です。どなたでも安心して保育所に申し込んでくださいと、今日の少子化時代の中でも保育定数いっぱいの充足という状態を回復、維持する力にもなってきたことは間違いありません。
     ところが、この4月から4万4500円と、一挙に11%も引き上げられました。時あたかも、市民は深刻な不況のさなか、勤労世帯の収入の頭打ちや手取り収入の減少、そして雇用不安にもあえいでいるとき、どんな理由があってこのような大幅な最高限度額の引き上げが必要だったのでしょうか。市民の納得できる答弁を求めるものであります。  第3に、民間保育所への補助金の削減についてであります。  ことし4月から私立保育所への採暖費、暖房費の市独自の補助が打ち切りになりました。暖房費は当然措置費の中に含まれてはいますが、八戸市は厳しい寒さということで、市が独自に上乗せ補助をしていたものでした。また、6月に出された事務連絡によれば、私立保育所行事費補助金が今年度から大幅に削減されることになりました。従来は行事費全般について、園児1人当たり1200円補助していたものが、今年度からはバス借上料の2分の1だけが対象とされるため、およそ半減されることになるといいます。  こうした補助金の打ち切りは、私立保育所の経営を圧迫することはもちろんのこと、最終的には父母負担の増加になるものであることは明白です。市長、どうしてこうした補助金の削減を強行されたのか。すべての私立保育所に働く職員と保育園児及び父母にかわって質問するものであります。  この項の最後に、市立すみれ保育所の建てかえ計画について質問します。  8年10月策定の八戸市地域保育計画によれば、すみれ保育所は来年度11年に建てかえ計画がスケジュールとして掲げられています。この施設は前々から建てかえの必要性が取りざたされていたようですが、鮫保育所におくれてようやく計画されることになり、関係者も喜んでいたところでありました。しかし最近になり、現在地での建てかえは難しいという話が出されており、場合によっては大きくおくれることもあるやに聞いています。はるか沖地震によりかなり痛めつけられもしている状況で、これ以上の先延ばしはできないのではありませんか。この建てかえ計画が実際計画どおりに行えるのか。今日の問題点と今後の見通しについて伺います。  第3の質問は、市民病院についてであります。  総額309億円を投じて完成し、移転開業してから1年が経過しました。しかし、決算によれば医業収益は大きく落ち込み、一方、企業債支払利息の増嵩等により11%を超える事業費用増となり、約15億円の一般会計負担に加えて9億5000万円を一般会計から借金をし、その上、単年度で6億3800万円の欠損を生じたのであります。その結果、累積欠損は33億1100万円余と一気に大きく膨らむこととなりました。今後5年間に83億5800万円の起債の償還が予定されており、そのうち3分の1の約28億円が病院負担となりますので、経営赤字がないものとしても、累積欠損は2002年度末には60億円という膨大なものになるものと見込まれます。  加えて、単年度経営赤字が数億円規模で続くならば、合計100億円を超える累積赤字を数年内に計上することは明らかなことです。先日は山内議員が起債の償還は大丈夫かと質問しておられましたが、私はその問題と裏表の関係にある累積欠損の増大と、病院経営そのものについて大変心配です。こうした心配は無用でしょうか。今後の経営見通しについて明らかにされたいのであります。  次に、厚生省は10月に診療報酬の改定を予定しています。その内容は、一般病院に6カ月を超えて入院している高齢者などの看護料を大幅に引き下げるという、病院と高齢・長期入院患者いじめをさらに進めるものと報道されています。そこで、診療報酬改定の予想される内容と、市民病院への影響、そして対応について伺います。  最後に、雨漏りの原因と対策について伺います。  議会棟でも雨漏りがあったようでありますが、去る8月末の大雨の際、そして本日もまた発生しているようですが、市民病院のメーンストリートに当たるホスピタルモール天井からの雨漏りで、床に雨受けのプラスチック容器を並べていたことが訪れた多くの市民によって目撃され、また、地元新聞も取り上げていました。  旧病院なら納得もするものを、何で310億円の巨費を投じた完成後1年の新病院がと、多くの市民が首をひねっています。聞くところによると、これまでも何度か雨漏りがあり、手直し工事もその都度行われたとのことであります。とすれば、よほどの手抜き工事であったか、それとも設計そのものにミスがあったのではありませんか。いずれにしても、技術の粋を結集して建設したという新病院の名誉失墜も甚だしいことであります。  そこで、雨漏りの原因と対策について伺い、壇上での質問を終わります。  〔18番神田洋一君降壇〕(拍手) ○議長(大久保忠亥 君)市長 ◎市長(中里信男 君)神田議員にお答えを申し上げます。  まず、教育行政につきましては教育長の方からお答えを申し上げます。  それで、保育行政から入りますが、冒頭の保育所定数に対する充足状況及び緊急入所の必要性についてということでありましたが、これは山口議員に答えておりますので割愛してよろしい、こういうことでございますが、よろしいですね。  次に、保育料の最高限度額、上限についてのお尋ねでありました。  平成10年4月に保育料の限度額の上限が4万円から4万4500円に改正された。最高限度額が1割も引き上げられた理由は何か。また、国の改正があればすぐ改正をするのかという内容でございました。  当市の保育料は、国の徴収基準とは別に、八戸市保育の実施に関する条例施行規則に基づいて負担の軽減措置を講じておるところであります。その内容は、国の徴収基準の1年おくれの実施、課税額による徴収基準の細分化、また、課税額の階層による限度額の上限設定、入所定員ごとの保育料の一本化となっておるのであります。  国の徴収基準は、所得応能方式から年齢別負担方式への変換を目指しているために、保育料徴収基準額表の簡素化を図っておりますことから、平成10年度の改正時におきまして徴収基準階層区分を10階層から7階層に変更いたしました。これまで市の保育料では4万円の第7階層を上限としてまいりました。国の徴収基準が改正になることから、第7階層は4万4500円となりますので、第7階層は4万円で据え置き、新たに3歳未満児に限って4万4500円の第8階層を新設したものであります。ただし、第8階層を国の基準どおり設定するとすれば4万9000円になるところでありますが、これを4万4500円に減額して設定したものであります。  なお、所得の低い階層に配慮しつつ、各所得階層の負担の公平を図るために、やむを得ず3歳未満児の保育料の改正をしたものであります。今後とも子育て支援策としての保育料につきましては、国の動向を踏まえながら、その適正化を目指してまいりたいと考えております。  御参考までに申し上げますが、他都市の限度額の上限設定であります。10年度3歳未満児であります。青森市は5万円であります。弘前市は4万7600円であります。八戸市が4万4500円でございます。御理解をいただきたいと思います。  次に、保育所における採暖費が削除され、行事費が減額されているがその理由はどうか、こういう内容でございました。  児童福祉施設運営費補助金の中の採暖費補助金及び行事費補助金は、昭和47年度から八戸市が独自に私立保育所と精神薄弱児通園施設に対して交付してきたところであります。採暖費につきましては、当時、国からの措置費だけではとても賄い切れないとの要望があり、冬季の児童用暖房費に限って助成をすることとしたものであります。オイルショック等による経済社会の変動に対応するために果たしてきた役割は、非常に大きかったものと考えております。  平成9年度における国の採暖費の限度額は、児童1人につき年額6780円となっております。しかしながら、各保育所とも採暖費の支出額は国の限度額に達していないことから、当市で交付している採暖費補助金の役目は果たされたものと理解しているところであります。  行事費補助金についてでありますが、当時、私立保育所における入所児童の処遇を改善することを目的に発足したものでありまして、主に保育所で行われる各種行事の経費に対して助成してきたところでありますが、本年度から園児の遠足等におけるバス借上料に限定して助成することに変更したものでありまして、補助金額──園児1人当たり1200円でありますが──には何ら変わりがないものであります。  昨年度の児童福祉法の改正、これは本年4月施行でありますが、それに伴いまして保育所の入所方法が従来の市町村による措置から保護者が自由に選択できる保育所との利用契約に変更となりましたことから、各保育所においてそれぞれ独自の保育サービスを提供することが求められているところであります。したがいまして、当該補助金についても保育所の独自性に寄与すること、及びその使用目的を明確にするために、その対象範囲を行事費全般から、行事のためのバス借上料へと限定したものでございます。  次に、すみれ保育所の改築計画が平成11年度になっているが、計画が実現するのかどうかというお尋ね。また、敷地の関係から、移転するとすればどこが適地かという内容でありました。  すみれ保育所は、昭和42年に学校の古材を使用して建築されたもので、その敷地面積は1646.63平方メートル、床面積639平方メートルの木造平家建てであります。現在の敷地は周辺の土地より低く、水はけが悪いこと、昭和43年の十勝沖地震、平成6年の三陸はるか沖地震の災害を受けたこと等から、土台や柱等の損傷が進み、さらに基礎の沈下、建物の傾斜が見られるなど、改築整備が必要であると認識をいたしております。  このことから、平成8年度に策定しました八戸市地域保育計画の中で改築整備を行うことを計画し、調査・検討してまいったところであります。当初、現在地に改築することで計画しましたが、敷地が狭いため、仮園舎用地の確保が困難である、また工事用資材置き場の確保が困難である、工事中の園児の安全確保が懸念される、また保育所までの道路が狭く、重機の運行が難しいなどの問題が生じたことから、移転改築が適当と考えられるのであります。  移転改築に当たりましては、財政事情等を考慮し、現在地に近く、立地条件に合う中平市営住宅跡地で検討してまいりたいと考えております。  次に、市民病院についてであります。市民病院事業会計の今後の経営見通しと考え方を聞きたい、こういうことでありました。  市民病院事業会計の平成9年度決算は、6億3821万円の純損失を生じ、累積欠損金は33億1104万円となりました。平成10年度も旧病院解体に伴う臨時損失と新病院の減価償却によって40億円もの純損失が生ずる見込みであります。今後も累積欠損金は増大し、数年後に100億円を超えることは避けられない見通しであります。病院建設に伴いますところの企業債の元利償還金は、ピークの平成14年度には21億5700万円となります。一般会計からその3分の2を繰り入れるとしても、残りの3分の1について、病院事業の収入をもって返済しなければならないものと考えております。  さらに、一般会計から病院建設に伴う資金として、平成8年度3億円、平成9年度9億5000万円借り入れし、平成10年度は旧病院解体費用として3億8000万円借り入れる予定でありまして、長期借入金の合計は16億3000万円となる見込みであります。この返済のためには、旧病院跡地の活用を念頭に置くことも必要と考えておるのであります。  さらに、先ほどの額を、累積の分を申し上げますと、ここに減価償却という数字が出てくるわけでありますが、これは大きいのでありますが、直ちにこれを累積の欠損としての意味にはとられないわけでありますので、質問で伺うように、大変びっくりするようなということにはならないという判断をいたしております。  次に、新病院におきましては外来患者数が伸び悩んでおりますものの、入院につきましては、平成10年2月以降、病床利用率は高い水準を維持しておりまして、診療単価も一定の伸びを示しておるところであります。病院の経営環境は、国の医療費の抑制策などにより、ますます厳しい状況にありますが、病院事業としては外来患者の増加の対策を講ずるとともに、入院患者を中心とした収入の増加を図り、経費を抑制することによって収支のバランスをとっていく努力が、これまで以上に必要であると考えておるところであります。  次に、平成10年10月実施の診療報酬改定の内容と、市民病院への影響についてのお尋ねでございました。  平成10年度の診療報酬改定のうち、10月1日から適用となる主な改正点は次のとおりであります。  1つは、一般病棟に6カ月を超えて入院している高齢者などの看護料が、一部の患者を除きまして大幅に減額となること。2つ目は、看護基準の中で2対1看護の条件である入院患者の平均在院日数が30日から25日に短縮されたことなどであります。このうち、入院期間が6カ月を超えて入院している高齢者等の看護料の減額につきましては、現在当院では6人の患者が該当する見込みでありまして、影響額を算定いたしますと、10月から3月までの6カ月間でおよそ500万円と試算されるところであります。  2点目の2対1看護につきましては、当院での平均在院日数が既に20日以内となっておりますことから、改正による影響は受けないものであります。これらの改正は、長期入院の是正を図るためにとられた措置でありまして、当院としては地域の他の医療機関等のそれぞれの機能の把握に努めるとともに、病診連携をさらに推進し、患者の状況に合った医療機関等への転院をできるだけ進めるようにしていきたいと考えておるところであります。  次に、市民病院の雨漏りの経過と原因及び対策をということでお尋ねがありました。  このことにつきまして、マスコミにも報道され、多くの人々が首をひねっておる、こういう御発言でありましたが、私も首をひねっているんです。そういうことでありますのですが、市民病院は平成9年3月10日に完成、引き渡しを受けましたが、同月末、ホスピタルモール南側売店前におきまして雨漏りが発生をいたしました。この時期は、習熟のための調整期間であり、施工業者、工事監理監督業者が常駐していたために直ちに補修を命じ、窓枠と屋根地のつなぎ目に、コーキングにより補修を行いました。その後は雨漏りもなく、同年9月に開院をいたしたのでありました。  平成10年6月中旬、同じ場所で雨漏りが発生したために、前回同様、コーキングによる補修を行いました。当分様子を見たいという報告を受け、これを了承いたしました。  平成10年8月上旬、再び雨漏りが発生したことによりまして、業者に補修を命じたのでありました。原因究明の調査を実施いたしましたが、原因を特定できず、応急措置を行いました。その時点で業者より、9月から原因究明の調査を含め、天窓全部の改修を行いたいという報告を受けたところであります。  平成10年8月下旬、大雨による雨漏りが発生し、全面改修を前にコーキングによる補修を命じ、実施いたしたのでありました。以上が経過であります。  雨漏りの原因がいまだに特定できない状況ではありますが、瑕疵担保期間中でありますことから、工事請負契約約款に基づいて補修の請求をすることとし、その日程等について現在協議中であります。  いずれにいたしましても、完成引き渡し後わずか1年半でこのような雨漏りが発生したことにつきましては、極めて遺憾なことでありまして、今後の調査結果を踏まえ、原因が特定された段階で適正に対処してまいりたいと考えております。  以上であります。 ○議長(大久保忠亥 君)巻教育長 ◎教育長(巻長吾 君)教育行政については私からお答えを申し上げます。  初めに、国連子どもの権利に関する委員会の最終所見を受けて、受験競争と競争教育について、不登校の実態と対応について、所持品検査について、順次申し述べます。  受験競争と競争教育についてです。  入学試験については、特定の学校に希望者が集まった場合、一人一人の多様な能力や適性、意欲、さらにはさまざまな努力や体験を的確に評価し、公正な選抜を行わなければならないので、入試による選抜は避けることができないものと理解いたしております。しかし、1つの価値尺度で知識量の多寡を競い合う過度の受験競争は、改善されなければならないものと理解しております。また、極度の競争的な教育制度については、子供の発達上の障害を招かぬよう、受験競争の緩和を図るとともに、教育課程の改善を図らなければならないものと認識をいたしております。  今回の勧告を待つまでもなく、文部省は平成5年に高等学校の入学者選抜について指導改善の勧告を行いました。第1点目は、学校選択の指導から生き方の指導への転換。2点目は、進学可能な学校選択から進学したい学校選択への指導の転換。3点目は、100%の合否可能性に基づく指導から、生徒の意欲や努力を重視する指導への転換。4点目は、教師の選択決定から生徒の選択決定への指導の転換であります。  市教育委員会といたしましては、上記4点について指導課広報で周知徹底を図るとともに、学校訪問や進路指導研修会などで指導を行ってまいりました。今後も子供一人一人の人格と個性を大切にした教育を推進してまいりたいと考えております。  次に、不登校の実態と対応についてです。  当市における30日以上欠席した児童生徒は、平成9年度で小学校51人、中学校219人でありました。小学校は減少傾向にありますが、中学校は増加傾向にあります。  態様別に見ますと、不安など情緒混乱型、無気力型、遊び・非行型、複合型が多いことがわかりました。また、要因別に見ますと、本人にかかわる問題、家庭内の問題、学業不振、いじめが多くあることが理解できました。不登校への対応といたしましては、各学校では家庭訪問、保護者の協力、保健室登校、教職員との触れ合いなどの措置を講じ、効果を上げております。  市教育委員会では、適応指導教室で不登校状態にある児童生徒への適応指導を行い、昨年度学校復帰をした児童生徒は17人ありました。指導課の学校訪問では、子供一人一人のよさや可能性を認め、伸ばすため、教職員が子供たちの心を温かく包み込む受容と共感の精神で、教育活動の実践を図るよう指導してまいりました。総合教育センターにおきましては、生徒指導研修講座、教育公開講座、いじめの問題に関する対話集会の開催など、さまざまな取り組みを行っております。  今後、これらの取り組みの一層の充実を図るとともに、議員が先ほどお述べになりましたように、今学期中、中学校において心の教室相談員を配置することにより、不登校の解消に向けてさらに努力をしてまいりたいと思っております。  次に、所持品検査について述べます。  このことにつきましては、平成10年3月議会において吉田博司、吉田淳一の両議員の質問に対して、児童生徒や教職員の安全確保のため、校長が所持品検査の必要があると判断したときは、児童生徒及び保護者との信頼関係を損なうことのないよう、適切な方法で実施することを今後も指導してまいりたいと答弁いたしましたが、現在までのところ、実際に所持品検査は実施しておりません。  次は、30人学級の早期実現について、子供をめぐるさまざまな問題の解決方法の1つとして少人数学級が有効であると考えるが、30人学級の実現について、教育長の見解を申し述べます。  これからの学校は、子供一人一人に目を行き届かせ、個性を尊重した教育の展開が求められるとともに、地域の教育機関として、住民や保護者の信頼を確保し、地域や学校、子供の実態に応じて創意工夫を凝らした学校づくりが必要であると考えております。そのためにも、1学級当たりの子供の数が少ない方が、教科指導や学級経営においてより大きな教育効果が期待できるものと認識いたしております。つきましては、これから進める国の教育施策の方向に、現行の1学級児童数と生徒数の標準を下回る少人数学級の実現が視野に含まれているものと強く期待をいたしております。その早期の実現を願うところであります。  次に、2期目を終えるに当たっての所見を申し述べます。  私が皆様方からの同意を得て2期目の就任をいたしましたのは、平成6年10月でございました。ここに八戸市の教育行政の施策と実践の一端を申し述べさせていただきます。  八戸市教育委員会主要施策の基本方針に、人間尊重の精神を基調とし、生涯学習社会の実現に向けて、郷土や国家の発展に貢献し得る健全な青少年や、変動する社会に主体的に対応できる、人間性豊かな市民の育成を目指した教育の推進を掲げてのスタートでございました。  学校教育では、心の教育を核に据え、第1に心の通い合う教育の充実。第2に授業の充実、第3に教職員の資質の向上を掲げまして、毎年、市立学校長会議を開催し、教育長告辞の実現に向けて学校長を先頭に、一校一心で教育理念の共通理解とその実践に努めてきたところでございます。その成果として、学力はもとより、スポーツ、文化活動におきましても、全国レベルの大会で優秀な成績をおさめるなど、着実に努力が実を結んできていると感じております。  一方、依然としていじめ、不登校、青少年非行など、全国的に教育課題の山積する厳しい時代でございます。その解決に向けましては、家庭や地域社会との連携をさらに密にし、今こそ三位一体となって取り組んでいかなければならないと考えております。今後も心豊かでたくましい人間の育成を目指し、心の教育を学校教育の核に据え、子供たちに学びがいと心の居場所を実現させる教育活動を組織的、計画的に推進していくことが当面の課題であると実感をいたしております。  結びに、教育行政について強い御支援と心温かい御指導をいただきました議員各位と市民の皆様に、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。 ○議長(大久保忠亥 君)神田議員 ◆18番(神田洋一 君)教育長、2期目8年間、本当に御苦労さまでございました。  教育行政については時間が余りありませんけれども、所持品検査を行った学校は1校もないということですね。率直に言って大変安心をしました。八戸の教育も、また各学校長さんの指導も捨てたものではないというふうなことを実感しております。受験競争とか30人学級とか、これは自治体の教育委員会の責任の問題ではありませんけれども、基本は子供の権利を守る、こういう基本線をこれからも教育委員会の指導の中心に据えて進めていただきたいということを心から要望しておきたいと思います。  保育行政の問題です。  市長は補助金の削減について、特に行事費ですね。独自性を尊重するんだと、何ら変わりない1人1200円出すんだと。ただし、出すのはバス代に限るよというふうなことの内容です。しかし、実際問題は、私も先ほども言ったように、バスというのは1年に何回も使っているわけじゃないんですね。遠足が年に1回とか、そんなようなものですよ。それしかないということになると、実際的には子供1人当たり1200円、今までもらっていたものが、各保育園にすると、ざっと計算して半分に減らされるということなんですね。だから、市長の認識は違うんじゃないかと思うんですね。同じ1200円出すんだと。バス代だけに限ってやるけれども、1200円には変わりないんだよというふうな認識をお持ちなのかもわかりませんけれども、そうじゃない。実際問題は、使える範囲がぐっと狭まったために、1200円ぶら下がっているけれども、何もそれは使えないんだよというのが実態だ。実際には500円、600円ぐらいしか各園からは請求できない。そんな仕組みにされているということですから、市長、もう1回この辺はお答えいただきたいと思います。  それから、市長の趣旨とも違うと思うんですよ、これは。採暖費を削ったり、それから行事費を削ったり。市長は少子化時代の中で、結婚式に行ったら、まず子供を産めというふうに私は言っていると。産んだら私に任せろと。おれがどんどん立派に育てるから、市の行政が引き受けるからというふうに言っているわけですが、今度のこの措置は違うんじゃありませんか。保育所に実際出すお金を減らすというんですよ。採暖費にしても、行事費にしても。これが市長の日ごろの信念と極めて違うところだ。  それから、高額の上限もそうですよ。これは3歳未満児というふうに限っているかもわかりませんけれども、これもやはり子供さんや父母負担をふやすことになるでしょう。その辺は市長の趣旨と違うんじゃないか。市長の目が届かないところでやられているんじゃないのかなということなんです。そこはどうですか。  それから、時間が余りなくなってきましたので、この採暖費と行事費の問題は、実は議会の私たちは民生常任委員会に所属しているんですが、1度も説明を受けたことがないんです。保育所の皆さんと懇談会を持った席上で、実はこうなんですよという話をされて、ええ、そうですかということでですよ、採暖費を削った。行事費も6月の事務連絡で出した。どうして議会に報告しないのか。これはまさしく議会軽視であり、市民無視だと言わざるを得ない。どうしてこういうことになっているのか。そこのところもぜひお聞かせいただきたいと思います。  市民病院、いろいろ難しいんですが、市長はびっくりするようなものではない、固定資産がちゃんとあるんじゃないかというふうなことを言いました。だから、多少100億円ぐらいの累積赤字が出たとしても、というふうな趣旨に私は聞こえました。そのほかにいろいろ大変だという話もしたんですが、実際問題、固定資産の評価というのは年々下がるわけですよ。企業債や累積欠損金の合計というのを下回ったら、これはもう不良債務状態というふうに私は理解している。それが年々上回っていくというんですか、ひどい状態になっていく、私はそう認識しています。それで違うのかどうか、ちょっとお知らせいただきたい。  もう1つ、ぜひこれはあれですけれども、定数問題。60人定員のところに100人もの子供が入所しているという、そういう事実、不届きな保育所があったそうであります。そういうのが発覚したそうであります。これが事実でしたらひとつ報告いただきたい。  以上です。 ○議長(大久保忠亥 君)市長 ◎市長(中里信男 君)市民病院の財政の問題について申し上げますが、企業会計ですが、先ほど申し上げましたのは減価償却でございます。決算処理するには減価償却というのがあるわけです。ずうたいが大きいです。310億円の大事業でございますから、減価償却の額が大きいわけです。それが即累積赤字になるというようなことでは、すぐその資金繰りに影響するという性格のものではないということでございます。  そういう意味におきまして、長年かかって一般会計も3分の2、そしてまた病院も努力して3分の1頑張って、それを今までの建設費を償還していく、こういう意味でございますので、御理解をいただきたいのでございます。  以上です。 ○議長(大久保忠亥 君)健康福祉部長健康福祉部長(伊藤公隆 君)保育所に関する補助金、行事費と採暖費でございますが、そのことで御説明を申し上げます。  いろいろ細部にわたりまして市長から御答弁を申し上げたところでございますが、この補助金等につきましては、本年度から行財政改革等の関連もございまして、市の補助金の見直し等がございまして、それに基づいて使用目的等を明確にする。そしてもう1つは、特色のあるような行事をしていただきたい、こういうことから改正したものでございます。対象を変えたものでございます。  それからもう1つは、保育料の上限についてでございますが、保育料の上限を第7階層に設定いたしましたのは平成3年度でございました。保育料はそのときは4万2900円、これが上限でございましたが、この額を平成4年、5年、6年と、3年にわたりまして順次改正してまいりました。それで、現在は4万円としておりますけれども、国においてこの4月から保育料の決定の方法等を変えてきたということは議員御指摘のとおりでございます。(「それはいい、それはいいんです。別な方。それはわかりました。それは再質問していないです」と呼ぶ者あり)  それから、改正について議会に報告がなかったということでございますが、私どもとすれば、当初予算の議会に対する説明、それから当然保育料等につきましては条例改正等で御説明を申し上げているというつもりでございましたが、もしそれで不十分であれば、今後気をつけてまいりたいと思います。  それから、今、最後の問題でございますが、これは当然に保育所の監督官庁は県になっているわけでございまして、市といたしましては直接調査等をするわけにはまいりませんので、先走るわけにはまいりません。したがいまして、超過している人数等につきましては定かではありませんが、そういう事実があったということは伺っております。  以上でございます。 ○議長(大久保忠亥 君)以上で18番神田洋一議員の質問を終わります。  これにて一般質問を終わります。  この際、あらかじめ会議時間を延長いたします。   ───────────────────   
    △日程第2 議案10件及び △日程第3 認定2件 ○議長(大久保忠亥 君)日程第2議案第90号平成10年度八戸市一般会計補正予算から議案第99号住居表示を実施すべき市街地の区域の変更についてまで、並びに日程第3認定第1号平成9年度八戸市一般会計及び各特別会計決算の認定について並びに認定第2号平成9年度八戸市公営企業会計決算の認定についてを一括議題といたします。  これより上程議案に対する質疑を行います。  御質疑ありませんか。  (「なし」と呼ぶ者あり) ○議長(大久保忠亥 君)御質疑なしと認めます。  お諮りいたします。ただいま議題となっております認定第1号及び認定第2号については、20人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することにいたしたいと思います。  これに御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(大久保忠亥 君)御異議なしと認めます。  よって、認定第1号及び認定第2号については、20人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、これに付託の上、審査することに決しました。  お諮りいたします。ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任については、委員会条例第8条第1項の規定により、お手元に配付してあります決算特別委員一覧表のとおり指名いたしたいと思います。   ┌──────────────────┐   │    決算特別委員一覧表     │   ├──────────────────┤   │ 立 花 敬 之  越 後 賢 司 │   │ 伊 藤 圓 子  松 橋   知 │   │ 山 田   知  田名部 和 義 │   │ 前 澤 時 廣  吉 田 淳 一 │   │ 秋 山 恭 寛  大 館 恒 夫 │   │ 笹 倉 啓之介  山 内 正 孝 │   │ 吉 田 博 司  東 野 礼 二 │   │ 上 田 善四郎  越 田   巌 │   │ 中 村 当次朗  小笠原 要 七 │   │ 岩 織 政 美  荒 川 重 雄 │   └──────────────────┘  これに御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(大久保忠亥 君)御異議なしと認めます。  よって、ただいま指名したとおり選任することに決しました。  なお、決算特別委員は、次の休憩中に委員会を開き、正副委員長の互選を行うよう、本席から口頭をもって委員会を招集いたします。  この際、委員会開催のため暫時休憩いたします。   午後4時57分 休憩   ────────────────────   午後5時8分 再開 ○議長(大久保忠亥 君)休憩前に引き続き、会議を開きます。  決算特別委員会において正副委員長の互選を行った結果、委員長に秋山恭寛委員、副委員長に田名部和義委員が当選した旨の報告がありました。  次に、ただいま議題となっております議案第90号から議案第99号までを、お手元に配付してあります議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。   ───────────────────    △日程第4 陳情について ○議長(大久保忠亥 君)日程第4陳情については、お手元に配布してあります陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託いたします。   ───────────────────   休会の件 ○議長(大久保忠亥 君)以上で本日の日程は全部終了いたしました。  この際、お諮りいたします。委員会開催等のため、17日、18日、21日、22日、24日及び25日の6日間は休会いたしたいと思います。  これに御異議ありませんか。  (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(大久保忠亥 君)御異議なしと認めます。  よって、6日間は休会することに決しました。  次回本会議は、9月28日午前10時に開きます。   ───────────────────   散 会 ○議長(大久保忠亥 君)本日はこれにて散会いたします。   午後5時10分 散会...