質問の第1は、環境行政についてであります。
季節的には、この冬は青森市も例年と比べて真冬日が少なく、雪との格闘という面では過ごしやすい冬である一方で、100年に一度とも言われている経済危機に、国内においても景気の冷え込み、雇用の悪化を見ておりますと、まだまだ厳冬の中にあると実感しております。
地球温暖化対策が急務になってきた中で、限られた財源や人材をどこに投入すれば経済再生につながるのか、そのかぎを握るのが環境と農業であると言われております。公明党は、今こそ両分野を軸にした緑の社会への構造改革、
グリーン産業革命をダイナミックに展開するべきであると訴えております。
世界的な経済危機の打開策として、各国政府は今、環境・
エネルギー分野への巨額の集中投資とそれによる雇用の創出、いわゆるグリーン・
ニューディールの実施にかじを切り始めました。経済成長を支え、雇用を生み出すことが期待される
再生可能エネルギーは、20世紀に自動車が果たした役割と同じものを21世紀に果たすと言われています。このため、各国は低
炭素社会インフラへの大規模な投資で金融危機、
エネルギー不足、温暖化の3つの危機の克服を図る考えであります。今後は、
再生可能エネルギーのほかにも断熱住宅投資や次世代自動車、
送電ネットワークの更新などのインフラに対しての投資が期待されています。
アメリカのオバマ大統領は、風力、太陽光、バイオマスなど
再生可能エネルギーの開発、導入に10年間で1500億ドルを投じ、500万人の新規雇用創出を宣言しています。オバマ氏の
大統領選向けエネルギー政策では、2015年までに100万台の
プラグインハイブリッド車を走らせ、
自然エネルギー電力の割合を2012年までに10%、2025年までに25%を達成し、
温室効果ガスを2050年までに1990年比で80%削減することが盛り込まれています。EUも昨年12月の首脳会議で、2020年までに
温室効果ガスの排出量を1990年比最低20%削減する目標などを盛り込んだ包括的な気候変動対策で最終合意に達しました。
こうした世界的な潮流の中で、日本政府も
日本版グリーン・
ニューディールを3月にもまとめる方針を固め、構想の具体化に着手しました。大枠では2015年までに
環境ビジネス市場を06年の約1.4倍となる100兆円規模にし、雇用も80万人増の220万人の確保を目指す方針です。環境分野に投資する企業に対する無利子融資制度の創設のほか、省エネ家電や電気自動車など次世代自動車の購入を促す施策の拡充、省エネ住宅の新たな普及策などが想定されます。既に政府として05年度以降ドイツに譲っている太陽光導入量世界一の座を奪還する姿勢を打ち出しており、経済産業省は08年度、
地球温暖化防止の観点から家庭用の太陽光発電の導入を支援する補助金制度を復活させ、09年度予算と合わせて13万5000世帯に補助するなど、国内の普及策は動き出しております。
以上申し上げて質問いたしますが、青森県ではEV(電気自動車)、pHV(
プラグインハイブリッド車)の導入普及を図っており、八戸工業大学による低炭素に向けた
実証モデル事業が国の採択を受けるなど、
環境負荷低減の取り組みが進んでいますが、本市における環境問題に対する基本的な考え方と今後の取り組みについてお示しください。
第2の質問は、経済行政についてお伺いいたします。
昨年7月、
農商工等連携促進法が施行されました。中小企業者と農林漁業者が連携して行う新商品などの開発、販売促進などを国が支援し、これまでの農業は農林水産省、商業は経済産業省という縦割りを取り払う形になりました。中国地方では、境港市のベニズワイガニを活用した商品開発や出雲市の出雲産ブドウを活用した
ドライフルーツ商品、ユニークなところでは松江市で鹿児島県の農協と連携した肉用牛の分娩・
発情検知システムの開発があります。例えば海産物を一漁業者だけで大消費地に展開していくのは無理だが、高度な冷凍技術を持つ企業と連携すれば可能であります。岡山の桃太郎トマトも、
完熟桃太郎トマトゼリーとして販売したら爆発的に売れました。農産物もアレンジを加えるだけでさま変わりします。知恵と技術を持っている業者とどう融合させるかがかぎであります。生産品と加工の技術に販売促進のノウハウがつながってパッケージになればおもしろいブランド戦略ができるのではないかと思いますが、このマッチングする場がないなどの課題も大きくありました。
そこで、青森県では現在行われている定例議会において、新たな支援施策として
連携可能性調査、
ワークショップ開催、
事業基礎調査支援、
ファンド運用益助成など3443万円の予算を計上しております。さきにも述べましたが、環境省は3月末に環境分野での
経済活性化政策である
日本版グリーン・
ニューディール政策とも言える緑の経済と社会の変革構想をまとめ、里山や森林、耕作放棄地など豊かな環境資源を活用した新しい雇用、産業の創出に全力を挙げているようであります。
以上申し上げて質問いたします。
その1は、
耕作放棄地対策として、トキワ養鶏、坂本養鶏から飼料米の生産についての協力要請をいただいたと伺いましたが、市としてはどのように考えているのかお示しください。
質問その2は、本市の農産物のブランド化をどうするのか考えをお示しください。
質問の第3は、教育行政についてであります。
2008年8月の文部科学省の学校基本調査によると、2007年度に学校を30日以上欠席した不登校の小・中学生は前年度比1.9%増の12万9254人に上ることがわかりました。小中とも2年連続の増加で、中学生では全生徒に占める割合が34人に1人に当たる2.9%で、過去最高となりました。不登校の人数は、病気や経済的理由による欠席を除いた数字で、小学生が0.4%増の2万3926人、中学生が2.2%増の10万5328人でありました。学年が高くなるにつれてふえ、中3だけで4万2494人に上りました。不登校のきっかけとして学校側が挙げた項目のうち、いじめは4526人と3.5%でありました。多かったのは、生活習慣や無気力など、そのほか本人にかかわる問題が5万145人、38.8%、いじめを除く友人関係が2万3731人、18.4%、親子関係が1万4328人、11.1%という数字が出ておりました。
そこで質問ですが、その1は、平成19年度における本市の不登校児童・生徒数と不登校の要因別の人数をお示しください。
質問その2は、情緒面において障害を持つ子が全国的にふえていると聞いておりますが、本市における
情緒障害特別支援学級とその在籍児童・生徒数の推移をお示しください。
質問その3は、
情緒障害特別支援学級に在籍している児童・生徒の障害の状況にはどのようなものがあるのか、また、障害が発生する要因をどのようにとらえているのかお示しください。
今回この質問をするきっかけを少々述べたいと思います。市民の皆様は、機能性低血糖症という病気といいますか、症状を御存じでしょうか。私は、ことし1月23日、
参議院議員会館にて
厚生労働大臣あての機能性低血糖症に係る国の取り組みを求める要望書提出と機能性低血糖症の勉強会に参加し、大変驚きました。それは、それまで統合失調症であるとかうつ病と診断されていた方々が、適切な検査をしてみると低血糖症であることがわかり、長年薬ではよくならなかった症状が栄養療法でよくなっている事例がたくさんあるということでした。日本の医学会ではまだ低血糖症はほとんど問題にされておりません。現在、低血糖症の診断、治療ができるのは、千葉市のマリヤ・クリニックだけであります。
私たちの体は、血糖値が1デシリットル中60から160ミリグラムに保たれるようにできております。この血糖値が50以下になる人がいます。それが低血糖症であります。ある時点から1時間以内に血糖値が50以上下降した場合や、絶食時の血糖値より20以上下降した場合なども低血糖症と診断されます。低血糖というと、普通は糖尿病で血糖値を下げる薬を飲んでいたり、
インスリン注射をしている人にあらわれるということが知られています。低血糖の症状としては、空腹感、あくび、脱力感、頭重感、冷や汗、震え、動悸、けいれん、性格の変化──凶暴になったり、その反対もあります──意識障害などが次々にあらわれます。糖尿病患者の低血糖の場合、少量の糖をとることですぐに回復します。
そこで低血糖になったら糖をとればよいという考えになります。ところが、少糖類のとり過ぎでインスリンが過剰分泌され、そのために低血糖を起こしている人がいるのであります。これが食原性の低血糖症であります。この知識がないと、原因となっている糖をさらにとらせることで悪化させてしまうことになります。低血糖になると血糖値を上げるため副腎からアドレナリンという攻撃ホルモンが放出されるため攻撃的になります。ほかに栄養成分と体への影響として、ビタミンB1が欠乏すると人はけんかしやすくなりますし、カルシウムは神経の異常興奮を抑える働きがあります。マグネシウムの欠乏もまた人を興奮させます。
インスタント食品や肉加工品などの食品にふんだんに使われている添加物の燐酸は、カルシウムやマグネシウムを低下させると言われております。また、鉛やカドミウムの有毒金属の体内蓄積は脳に影響し、凶悪犯罪を起こさせることもあります。
アメリカの
アレキサンダー・シャウス博士の研究では、暴力犯罪者の毛髪から検出された鉛とカドミウムは通常よりも多かったことが確認されております。前述のマリヤ・クリニックの柏崎良子院長は、血糖低下が起きると、それに対処するため副腎からアドレナリンとノルアドレナリンが分泌され、大脳辺縁系を刺激し、怒り、不安などの情動変化を起こしやすく、理性的な判断ができなくなり、発作的な感情に支配されてしまう、いわゆるキレる症状を起こす。パニック障害もこれと同じメカニズムによって起こると考えられていると著書の中で述べております。食べ物の心配のない国、それが今の日本であります。スーパーに行けば世界じゅうの食材が所狭しと並び、お金さえ出せば何でも自由に手に入る便利な世の中ですが、一方で偏った食事が深刻な問題を引き起こしているのも事実であります。これは他人事ではない、もしかしたら子どもたちも大きな影響を受けているのではないかと感じましたので、本市の未来の大事な宝の人材を守る意味でも独自に追求していくことを要望し、壇上からの一般質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
6 ◯議長(奥谷進君) 答弁を求めます。佐々木市長。
〔
市長佐々木誠造君登壇〕
7 ◯市長(佐々木誠造君) 渡部議員の御質問にお答えいたします。
環境行政についてのお尋ねにお答えいたします。
私たちは、生活の利便性、また物質的な豊かさを求め、石油、天然ガス、石炭などの化石燃料を大量に消費しながら社会活動や日常生活を営み発展してまいりましたが、その結果として、地球温暖化や
エネルギー資源の枯渇など地球規模の諸問題が顕在化し、深刻化している状況にあります。特に地球温暖化問題は、大洪水や干ばつなどの異常気象の多発、生態系への影響や感染症による健康被害の増加、水資源枯渇による食料危機など、将来的に人類の生存そのものにかかわる最も重要な環境問題の一つであります。そのような地球環境問題に対しては、国際社会が一丸となってその解決に向けて立ち向かっていく必要がありますが、このことが21世紀はまさに環境の世紀と言われているゆえんであります。
このような状況を踏まえ、私は本市としても国際社会の一員であることを自覚し、問題解決に向けて積極的に対処していかなければならないものと考え、環境への負荷が少なく、
エネルギー効率が高い新エネルギー、
省エネルギーの導入、普及促進について、市民、事業者、市が一体となって取り組みを円滑に推進するために、このたび青森市地域新エネルギー・
省エネルギービジョンを策定したところであります。このビジョンにおきましては、
環境エネルギー分野における本市の将来都市像を「恵み豊かな自然とともに 活力を創造する 北国のエコシティ『Aomori』」と定め、その実現に向けて3つの施策の成果、8つの基本施策、さらには13の
重点プロジェクトを推進してまいりますが、平成21年度におきましては、新エネルギーの率先導入、新エネルギーの導入支援、産学官の協働体制の構築、省エネ活動の推進、そしてごみの減量化・資源化の推進の5本の柱のもとで取り組んでいくこととしております。
本ビジョンの策定に当たりましては、本市において
太陽エネルギー、
風力エネルギー、バイオマスエネルギーなどの新エネルギーが理論的にどれだけ存在し、そのうちどれだけ利用可能なのか、いわゆるエネルギーの賦存量と利用可能量について初期段階調査を実施いたしました。この調査によりますと、本市の場合他のエネルギーに比べて
太陽エネルギーの利用可能量が最も多いという結果が得られましたことから、このことを踏まえ、ビジョンの
重点プロジェクトの一つであります新・
省エネルギーの導入支援の具体的方策として、
太陽光発電システム設置補助金に係る経費を含む平成21年度当初予算を本定例会に上程いたしたところであります。この補助金は、県内市町村として初めての試みとなりますが、市民の皆様の住宅に設置する
太陽光発電システムを対象としておりまして、1キロワット当たり3万5000円、上限を4キロワットとして14万円、補助件数としては100件を予定しております。
この1月から復活した国の
太陽光発電システムの設置に対する補助金制度が、1キロワット当たり7万円の助成となっております。市民の皆様がみずから所有する住宅に4キロワットの
太陽光発電システムを設置しようとする場合、国からの助成に本市の補助金も上乗せとなり、合わせて42万円が交付されることとなりますことから、本事業の実施により本市の各御家庭における
太陽光発電システムの普及拡大が急速に進むものと期待しているところであります。
また、ただいまの御質問の中でも御紹介がありましたように、八戸工業大学が事業主体となって提案したEV、いわゆる電気自動車並びにpHV、
プラグインハイブリッド車導入による低
炭素地域モデル構築事業が去る2月25日、経済産業省の
実証モデル事業として採択されたところでありますが、この中で取り組むこととしております事業のうち、社用車の
走行データ分析による
CO2削減効果の見える化及び
CO2削減量等に対するエコポイントの付与と地域システムとの連携につきましては、本市ビジョンの重点事業であります
クリーンエネルギー自動車の導入推進及び
環境負荷低減の取り組みを促進する
マイレージシステムの構築を図る省エネ節電所・
エコポイント制度の検討と関連するものであります。このため本市といたしましても、本モデル事業に参画しております青森県や民間企業及びNPO法人等と連携、協力しながら、産学官が一体となった本モデル事業の推進に貢献してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、地球温暖化を初めとする環境問題に対する取り組みを進めていくためには、本市ビジョンに掲げました施策、目標を市民、事業者、市が共有し、一体となって取り組むことが必要であります。今後は、当ビジョンに基づきまして市が率先して新エネルギー、
省エネルギーを導入することはもとより、民間への導入も支援していく一方で、産学官の連携を強化することで本市の地域特性を生かした新、
省エネルギーの研究開発及び産業振興を図るとともに、市民、事業者の環境配慮行動を促進するため、
青森マイレージシステムの構築を図るなど、地域が一体となった
地球温暖化対策を積極的に推進していくことを通じて、持続可能な循環型社会の実現を目指してまいります。
8 ◯議長(奥谷進君) 答弁を求めます。農林水産部長。
〔
農林水産部長小嶋敏光君登壇〕
9
◯農林水産部長(小嶋敏光君) 経済行政についての2点の御質問にお答えいたします。
初めに、飼料用米の生産についてでございますが、主食用米は、生産過剰による米価下落を防ぐために昭和46年から生産調整が実施されておりますが、市内には生産条件が不利なため耕作放棄されている圃場が数多くございます。飼料用米はそのような条件の水田においても生産が可能であり、米作用の機材とノウハウを元来持っている農家としても取り組みやすい作物であります。市といたしましては、国が平成20年度に実施いたしました
地域水田農業活性化緊急対策によりまして、飼料用米が新たな転作作物になりましたことから、この対策のほか
産地づくり交付金を活用し、県及び国の交付金を上乗せして10アール当たり約7万3000円の助成金を交付し、積極的な支援を行っているところでございます。現在、本市におきまして、この制度にのって飼料用米を生産する農業者は1法人4農家で、面積は11.1ヘクタール、供給先は全農あおもりと市内の畜産農家並びに坂本養鶏となっております。
さらに、国では新たに平成21年度から、自給率向上のため飼料用米を作付した場合、助成金を交付する
水田等有効活用促進対策を開始することとしておりまして、その要件といたしましては、転作の拡大面積または調整水田などの不作地へ作付した耕作地であること、平成21年の
生産調整実施者であること、飼料用米の実需者と播種前契約を結ぶこと、捨てづくりを行わないこと、直まきなど効率的な生産技術を導入することの5点となっております。助成額につきましては、取り組む生産技術の内容に応じて10アール当たり5万円または5万5000円となっております。しかし、現状の全農あおもりの
飼料用米取引価格は1キログラム当たり30円、1俵当たり1800円となりますことから、農家が受け取ることができる収入は、10アールで10俵収穫した場合助成金を含めて合わせて7万3000円となっております。一方、平成20
年産飼料用米生産者の経営分析を行った結果、生産コストは10アール当たり7万4000円から9万3000円となっておりまして、飼料用米の作付拡大を進めるためには、生産コストの削減、助成金の上乗せ、あるいは取引価格の引き上げ、さらには多収米の導入等の対策が不可欠と考えております。
このような状況の中で、先般、本市に隣接する藤崎町の常盤村
養鶏農業協同組合、蓬田村の
坂本養鶏株式会社の両者から共同で飼料用米の生産につきまして協力要請を受けたところでございますが、ただいま申し上げました生産収支のバランス、圃場や農道等の生産基盤が未整備などの課題は多々ありますものの、先ほど申し上げました助成制度の要件であります事前契約相手となり得る実需者が近傍に存在することは大変有利な条件であると認識しております。このため市といたしましては、耕作放棄地の解消、自給率の向上、地域資源循環の推進に絡むものとして、米生産農家と養鶏業者とのマッチングを積極的に推進してまいりたいと考えております。
次に、農産物のブランド化についての御質問にお答えいたします。
市では、平成17年の合併により、主要産品である米と
全国トップクラスの生産量を誇る浪岡地区のリンゴを初めとした農業の顔も持つ市となったものと認識しております。また同時に、本市の農産物を競争力の高い商品として販売促進を図るためブランド化を推進することが重要であると考えているところであります。これまで本市の取り組みといたしましては、八甲田牛を平成5年に認証マーク登録し地域ブランドとして販売してきたところでございますが、近年におきましては、浪岡地区産のリンゴのうち10キロ当たり36玉から40玉クラスのリンゴにつきまして、フクロウがすむ環境で育った、小ぶりだけれどもジューシーな青森発純情リンゴとしておぼこい林檎と名づけ、集荷、選別をすべて農協を経由させて平準化を図ることとした上で、平成19年9月にアップルヒルが商標登録いたしました。また、平成20年2月には、全国一の生産量を誇る本市産のカシスのブランド化を図るため、あおもりカシスとして商標登録したところでございます。それぞれの商品は、その後積極的なマーケティング活動等により首都圏等での販路も開拓され、加工品なども開発されるなど、徐々にではございますがブランド確立が進行しつつあると考えております。
ブランド化を図ることは、青森市発の商品としての知名度、付加価値を高め、地域経済の活性化につながるものでありますが、単に名称やマークをつけ商標登録することにとどまらず、ものの価値を消費者、とりわけまずは市民に認知され、さらに愛着を持たれ恒常的に商品を購入していただけるよう生産者、生産者団体等と連携し、戦略的に販売していくという一連のプロセスが必要であります。また、一般的にブランド化を成功させるためには安定供給が必要であると言われており、先ほど申し上げました本市の八甲田牛とカシスはまだまだ供給が需要に追いついていないというまさにこの課題がありますことから、この課題のクリアに向け今後努力していくとともに、さらなるPR、販売促進活動に努め、ブランド化を積極的に推進してまいりたいと考えております。
10 ◯議長(奥谷進君) 答弁を求めます。教育長。
〔教育長角田詮二郎君登壇〕
11 ◯教育長(角田詮二郎君) 教育行政についての3点の御質問に順次お答えいたします。
初めに、平成19年度の本市の不登校児童・生徒数と、不登校の要因別の人数及びその対応策についてお答えいたします。
本市におきましては、1年間で30日以上欠席した不登校児童・生徒数は、小学校では30名、在籍比は0.18%、中学校では307名、在籍比は3.38%となっております。これらの不登校児童・生徒数につきましては、学年が上がるにつれて増加する傾向が見られ、中学校ではその約半数が前年度に引き続き不登校状態が継続しております。不登校となったきっかけとして考えられる主な要因といたしましては、小学校では、極度の不安や緊張、無気力が9件、友人関係をめぐる問題が5件、入学、転編入学、進級時の不適応が5件、以下病気による欠席が不登校へつながったもの、学業の不振となっております。一方、中学校では、極度の不安や緊張、無気力が162件、友人関係をめぐる問題が66件、学業の不振が23件、病気による欠席が不登校へつながったものが22件、以下入学、転編入学、進級時の不適応、親子関係をめぐる問題、家庭の生活環境の急激な変化、家庭内の不和となっております。また、これらの要因は1つに限ったものではなく、複数の要因が複雑に絡み合って不登校に陥るケースがほとんどとなっております。
各小・中学校におきましては、具体的な対応策として、人間関係をうまく築くことができずに不安を抱えている児童・生徒への対応として、毎日の当番活動や係活動、遠足や運動会等の学校行事など、さまざまな集団場面において子ども同士が触れ合ったり、思いを伝え合ったりする場を多く設け、人とのかかわり方や集団活動の楽しさを実感させる指導を心がけております。また、学習面で問題を抱えている児童・生徒への対応として、個に応じた指導の充実を図るため、チームティーチングや習熟度に応じた指導を取り入れるなどきめ細かな指導を心がけ、子どもたちがわかりやすい授業に努めております。加えて家庭訪問や保護者との面談を通して、学校や家庭での生活の様子についてお互いに情報交換し、家庭生活での改善も図っていただくよう保護者の協力を求めながら積極的に働きかけるようにしております。
教育委員会といたしましても、不登校で悩んでいる児童・生徒やその保護者の心情を考えますと、不登校の状況を改善することが最重要課題であると認識しております。そのための取り組みといたしまして、1つには、保護者や教職員に対して、市教育研修センターに設置している適応指導教室の一層の活用を働きかけていくこと、2つには、スクールカウンセラーなどを効果的に活用し、教育相談体制の充実を図ること、3つには、生徒指導や学級経営にかかわる研修講座を改善し、教員の資質向上等を図ること、4つには、中学校1年生で不登校の数が突出することから、その解消のために小・中学校間の連携を一層推進することの4点を柱といたしまして、引き続き取り組んでまいります。
次に、
情緒障害特別支援学級とその在籍児童・生徒数の推移についてお答えいたします。
情緒障害特別支援学級と在籍児童・生徒数につきましては、毎年度5月1日を基準日としており、10年前の平成10年度では、小学校6学級25名、中学校2学級4名で合計8学級29名、5年前の平成15年度では、小学校8学級32名、中学校3学級16名で合計11学級48名、平成20年度では、小学校23学級83名、中学校12学級36名で合計35学級119名となっており、年々その数は増加しております。
最後に、
情緒障害特別支援学級に在籍している児童・生徒の障害の状況と障害が発生する要因をどのようにとらえているかとの御質問にお答えいたします。
情緒障害特別支援学級には、情緒のあらわれ方が偏っていたり、そのあらわれ方が激しかったりする状態を自分の意思ではコントロールできないことが継続し、学校や社会生活に支障を来す状態の児童・生徒が在籍しております。本市における情緒障害を持つ子どもたちの状況につきましては、1つには学習面において、人の話を最後まで聞けない、きちんと話すことができない、しっかりと読み取ることができない、正しく書くことができないなど日常の学習がうまくできないこと、2つには行動面において、1つのものに集中し続けることが難しい、授業中でも勝手に自分の席を離れてしまう、日々の活動で物忘れしやすいなど、生活年齢に伴わない注意力や場にそぐわない衝動性、多動性を示し、学校生活や家庭生活に支障を来していること、3つには社会性において、集団の中に入れない、予定の変更に対応できないなど、他の子どもたちとともに活動することを苦手としていることなどが挙げられます。
これらの状況は、中枢神経に何らかの先天的な問題がある脳の発達障害であると言われてはおりますが、本市におきましては、
情緒障害特別支援学級に在籍する児童・生徒数が近年大きく増加している状況にありますことから、それ以外にも要因があるのではないかと考えているところであり、その要因がわかれば、子ども一人一人への学習指導、生活指導を効果的に行うことができるものと考えられますが、現在のところその要因の解明には至っていない状況にあります。
今後におきましても、教育委員会といたしましては、情緒障害にかかわる情報収集に努めるとともに、保護者の理解、協力のもと、障害のある子どもたちの日常の行動等を改めてきめ細かく観察するなどし、可能な限り効果的な指導、支援に努めてまいります。
12 ◯議長(奥谷進君) 4番渡部伸広議員。
13 ◯4番(渡部伸広君) ありがとうございました。環境行政、経済行政についてはそれぞれわかりました。今後に期待してまいりたいと思います。教育問題の方は若干再質問させていただきます。
今御答弁いただきましたけれども、不登校、情緒障害ともに増加傾向にあると。特に情緒障害の児童数は、先ほど述べられておりましたけれども、この10年間で生徒数でいうと小学校で3倍、中学校では9倍ぐらいになっているということでございました。先ほど壇上で機能性低血糖症について御紹介いたしましたけれども、マリヤ・クリニックで平成16年から平成20年の5年間で行われました5時間のOGTT(耐糖能精密検査)で低血糖症と診断された1041名のうち検査前につけられていた病名は、統合失調症128名、うつ病91名、幻覚・幻聴21名、ADHD5名、パニック障害16名、アトピー性皮膚炎5名ということでありました。
そこで1つ提案したいのですが、不登校、情緒障害の子どもたちが毎日何を食べたり飲んだりしているのか、食生活について調査してみるというのはいかがでしょうか。もちろんすべて当てはまるというわけではないと思うんですが、年々増加しているのに原因がなかなか特定されないということでしたので、調査してみる価値はあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
14 ◯議長(奥谷進君) 答弁を求めます。教育長。
15 ◯教育長(角田詮二郎君) 不登校や情緒障害等の子どもたちの食に関する調査に取り組んでみてはという再度の御質問でございますが、児童・生徒が食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な生活を送ることのできる人間として育つために、各学校におきましては、学校の教育計画のもと教科の授業や学級活動、総合的な学習の時間、あるいは給食の時間等においてそれぞれ関連させながら指導を進めているところでございます。
本市におきましては、現在、学校栄養職員14名が学校の要請に応じて食に関する出前授業を行っております。その際、朝ごはんを食べているかとか、あるいは牛乳を飲んでいるか、嫌いな食べ物は何かというアンケート調査などを行って、それをもとに授業を行っている学校もございます。また、学校栄養職員の協力、参画を得て、児童・生徒への指導のみならず、保護者を対象に成長期の栄養等の講話を行っている学校もございます。教育委員会といたしましては、不登校や情緒障害等を含むすべての児童・生徒が望ましい食生活を初め基本的な生活習慣を身につけることは、生涯にわたって健全な心と体を培い、豊かな人間性をはぐくむことにつながるということから、食を含む基本的な生活習慣の状況について情報収集することを今後検討してまいりたいと考えております。
16 ◯議長(奥谷進君) 4番渡部伸広議員。
17 ◯4番(渡部伸広君) ありがとうございました。機能性低血糖症というのはまだ厚生労働省では病気として認知されておりませんので、なかなか理解されていない部分があると思います。ただ、これから非常に大きく注目されてくると私は思っております。最近起きている事件で、JR福知山線の脱線事故、それから秋葉原の無差別殺人事件等はこのことと非常にかかわりがあるのではないかと疑いを持って調べている方もいらっしゃいます。まさかとお思いになるかもしれませんけれども、栄養と犯罪というのは結構大きくかかわっております。
一口に犯罪と言っても、詐欺とか経済犯というような知能的な犯罪ではなくて、普通と見られている人が突然凶暴な振る舞いをする、いわゆるキレるという行動は特に関係が深いんです。栄養不足によって脳の正常な機能が低下すると思考はもちろん停滞しますし、自分の行動がどういう事態をもたらすかということも予測したり、想像したりできなくなる。否定的な感情が支配して攻撃的な行動に出るということなんです。アメリカやイギリスではそういった調査を結構行っておりまして、いわゆる衝動的な殺人を犯す人間を100名ぐらい調べると、ほとんど全員前頭部の糖代謝が全体的に低いという結果が出ております。
精神医学の新しい流れで分子整合精神医学と呼ばれる学問があります。これは故ライナス・ポーリング博士が提唱しているんですが、その定義は、ビタミンのような人体に正常に存在している物質の濃度を変えることで精神的健康を達成し維持すること、それが分子整合医学の最も大きなテーマの一部分であると。恐らく脳の機能は、ほかの器官の機能よりもっと敏感に分子的構造に依存しているのではないだろうかと。ちょっと難しく聞こえますけれども、分子というのは糖やビタミン、ミネラルという物質の最小単位のことを指します。わかりやすく言うと、脳の正常な働きにはビタミンやミネラルの安定した供給が不可欠であり、これが欠乏したりバランスが崩れたりすることで、精神疾患と言われる症状や犯罪とみなされる反社会的行動が出現するという考え方なんです。カナダの精神医学者、エーブラム・ホッファーは、この立場で精神医学の最大の問題である統合失調症の発症原因と治療法を探求して、ビタミンB3──ナイアシンというんですが──による治療法を開発して画期的な成果を上げてきております。しかし残念なことに、このような研究は現代医学の主流にはまだなっていないという現状があります。
1997年に神戸市の中学生による小学生殺人事件がありました。その事件の直後に、当時の文部大臣が中央教育審議会に心の教育を諮問したことがありました。こういった凶悪な事件でも、心と教育という次元でしか問うことができない教育行政の現状があるのではないかと思っております。
そもそも教育というのは心を豊かにする営みなわけで、心の教育は今に始まったことではないと思うんです。問題の本質が心であったとしても、その病める心を乱したものが教育という次元の問題なんだろうか。もしそれが教育とは別次元の問題から発しているとしたら、幾ら学校ごとにカウンセラーを置いても抜本的な解決策にはならないのではないかと思うんです。そもそも日本では心の次元だけではなく、栄養という生物的な次元に目を向けて援助できるカウンセラーは養成されておりませんので仕方ないのかもしれませんけれども、脳と栄養の関係、栄養と犯罪、栄養と精神疾患という関係を理解しないことには適切な援助はできないのではないか。若者の暴力、さらには親たちの幼児虐待、通り魔殺人事件、配偶者への暴力、社内暴力、機内暴力など、暴力列島と言いたくなるような現状も、心の根底の次元に迫らなければ増加の一途をたどるばかりではないのかなとも感じるわけです。
先ほど不登校や情緒障害の食生活についての調査を提案させていただきましたけれども、プライバシーの問題等もあって家族の協力を得ないとなかなか難しいんだろうなとは思います。でも、先ほど申し上げたとおり、栄養と脳の関連という面から見ますと、大変重要なことであると思いますので、何とか工夫していただきたいと思っております。今はまだ機能性低血糖症について認知されておりませんので、なかなか理解が進みませんけれども、これは近い将来大きな問題となると私は確信いたしておりますので、どうか本市なりの対策を独自に考えていただければと要望いたして終わります。
18 ◯議長(奥谷進君) 次に、1番村川みどり議員。
〔議員村川みどり君登壇〕(拍手)
19 ◯1番(村川みどり君) 日本共産党の村川みどりです。通告に従って質問します。
子育て支援に関連して6点質問します。
初めに、子どもの細菌性髄膜炎を予防するヒブワクチンの公費負担について質問します。
毎年小さな子どもの命を奪っている最も怖い感染症が細菌性髄膜炎です。細菌性髄膜炎は、菌が血液を介して脳を浮かべる髄液の中に侵入して炎症を起こす病気です。抗生物質でしっかり治療しても難聴や知的な障害、手足の麻痺などの後遺症が20%くらいに残り、菌の勢いを抑えられない場合は5%くらいが亡くなると言われています。こうした怖い病気なのに早期発見が大変困難であることが大きな問題で、それに加え、最近では抗生物質の効きにくい耐性菌の増加が深刻となっています。日本では年間約1000人もの子どもがこの細菌性髄膜炎にかかっていると推測されています。その6割以上がヒブという菌によって起こっています。この菌に対するワクチンが世界各国では15年以上前からワクチン接種されているため、世界ではヒブによる髄膜炎はすっかり過去の病気となっているのです。今ではこのワクチン接種ができない国は数えるほどしかありませんし、ほとんどの国で定期接種となっていて、安全性も保証済みです。日本ではやっと昨年の12月19日から任意接種が実現しました。生後2カ月からでは4回接種、7カ月を超えると3回の接種、1歳を超えて5歳未満の場合は1回の接種となります。ヒブワクチンは1回7000円から8000円、4回接種では3万円かかります。個人で全額負担するとなるとかなり重い負担となります。そこで、このヒブワクチンの公費負担を実施する考えについてお示しください。
次に、子育て応援特別手当について質問します。
生活支援の一環として、多子世帯の幼児教育期の子育て負担の軽減を目的としたものとされています。平成21年2月1日時点で3歳から5歳であり、かつ第2子以降の児童が支給対象です。1人当たり3万6000円を1回に限って給付するというものです。経済的状況が極めて厳しい中、子育て世帯への経済的支援が緊急に求められているのは当然ですが、子育て負担を軽減するためというのなら、なぜ第2子以降なのでしょうか。3歳から5歳でも一人っ子は対象外です。2人以上でも、3歳から5歳の子が第1子の場合も対象外で、例えば第1子が4歳、第2子以降が2歳、ゼロ歳児の3人の子がいる場合も対象外、第2子が3歳から5歳であっても、第1子が18歳以上だと対象外、双子の場合は1人分のみしか支給されません。本当に限られた子育て世帯しかもらえない不十分な支援策となっています。同じ年ごろの子どもを育て、同じように経済的負担感が強くても支給される家庭とされない家庭があるのです。このような不合理、不公平な対策が生活対策と言えるでしょうか。手当の支給も1回限りで、これで第2子以降も産もうという動機づけになるとも思えません。少子化対策の効果も疑問です。多くの問題点を指摘しておかなければいけません。
日本共産党は、これまでも定額給付金なども含め2兆円は雇用や社会保障に有効に使うべきと主張してきましたが、国民一人一人の受け取る権利を侵害するつもりもありません。その権利を行使するかどうかは国民、市民の意思にゆだねられるべきものであり、地方自治体がその選択権を奪うべきではないという立場から質問します。
1点目に、生活保護世帯に対しては収入と認定せず支給すべきと考えるがどうか。
2点目に、税金等の滞納がある場合でも差し押さえはすべきでないと考えるがどうか、市の考えを示してください。
次に、安心こども基金について質問します。
政府は、第二次補正予算に各都道府県が造成する安心こども基金の財源として総額1000億円を計上しました。各都道府県は08年度から10年度までの間に安心こども基金を財源にして、1)保育所等の整備事業、2)家庭的保育改修等事業、3)保育の質の向上のための研修事業を実施することとなっています。市町村は10年度までの事業実施計画を策定して都道府県に報告し、基金の配分を求めなければならないことになっています。そこで、市はこの基金をどのように活用していくのか示してください。
次に、乳幼児医療費助成制度の現物給付について質問します。
県内では、昨年の10月からとことしの4月から新たに現物給付を実施する市町村がふえ、4市8町3村、計15市町村で現物給付化が実現されることになります。中でも特徴的なのは、平成18年4月から社会保険診療報酬支払基金が医療費助成の審査、支払い業務を委託できるようになってから現物給付化が全国で広がりました。県内では横浜町、東北町、おいらせ町、三沢市、藤崎町、七戸町とふえ続けています。そこで、本市においても支払基金に委託し、現物給付とする考えはないかお尋ねいたします。
次に、保育行政についてです。
いよいよ4月から公立保育所がなくなり、公立保育所が存在しない全国でもただ1つの中核市となります。これまで公立保育所が果たしてきた公的な保育をどのように生かし、維持拡充していくのでしょうか。私は、公立保育所が存在する意義として大きく3つの点が重要だと思っています。1つ目は、民間の多様なニーズにこたえられる柔軟性は否定できませんが、子どもたちの育ちを長期的にとらえた専門性と民間保育所の競争の質を高める役割があると考えます。2つ目は、アンテナとしての役割です。子どもの状況や家庭の状況を直接的に把握するためのアンテナと、民間保育所に適切な援助をするためのアンテナの役割があります。3つ目は、人材育成の役割です。公立の安定した雇用により必要な専門知識を身につけ、個別対応が丁寧にできる資質を備えた人材が確保され、育てられることです。その人材育成が、保育園のみならずさまざまな子育て支援事業や子ども施策などに活用されるということです。公立保育所がなくなる今、保育の質の向上や子どもたちとの直接的な接点が減り、今後、子ども施策にかかわる人材をどう育成していくのか、大きな課題となると懸念しています。そこで、これまで公立保育所が果たしてきた障害児保育を含む公的な保育をすべて私立保育所にゆだねてしまうことになりますが、今後どのように支援を行っていくのかお示しください。
次に、放課後子どもプランについてです。
昨年第2回定例会で教育部長は、本年度中をめどに次年度以降の方向性を定め、効果的な事業の推進を図ってまいりたいと答弁しています。同じく第2回定例会で健康福祉部長は、放課後子どもプラン推進委員会の審議等も踏まえながら、予算編成時を目途に次年度以降の実施案を策定していくこととしておりますと答弁しています。しかし、残念ながら予算編成時をもっても計画さえ示されていません。子どもの成長はとめることはできません。今必要としている子どもに対し、今必要としている施策を実施することが自治体の役割です。子どもたちの放課後の生活の場を確保すること、すべての子どもたちの放課後の安心・安全な居場所を確保することが早急に求められています。そこで、これまで放課後子どもプラン推進委員会でどのように審議されてきたのかも含め、今後の方向性について示してください。
最後に、介護認定者の障害者控除について質問します。
要介護認定を受けている65歳以上の方は、簡単な手続で所得税や住民税の障害者控除を受けることができるとされています。介護度1から3は普通障害者控除に該当し、所得税で27万円、住民税で26万円の所得控除が受けられます。介護度4から5は特別障害者控除に該当し、所得税で40万円、住民税で30万円の控除が受けられます。その結果、税金が軽減され、介護保険料や国保税の引き下げにも影響することになります。本人が該当者となった場合、前年度合計所得が125万円以下の場合、住民税が非課税となります。公的年金収入だけなら年245万円以下の人も住民税が非課税となります。介護保険料や国保税の値上げが心配されている中で、こうした制度を十分に活用することを周知すべきと考えます。とりわけ本市の場合、障害者控除対象者認定書の発行は全国にも先駆けて実施した経緯があります。しかし、残念ながら前年度の実績では対象者の5%しか活用されていないことがわかりました。そこで、過去3年間の対象者に占める申請者の割合をお知らせください。2点目に、現在の周知方法についてお知らせください。3点目に、確定申告の時期に該当者に通知して知らせるべきと考えるがどうか、お尋ねいたします。
質問は以上です。ありがとうございました。(拍手)
20 ◯議長(奥谷進君) 答弁を求めます。健康福祉部相馬理事。
〔健康福祉部理事相馬政美君登壇〕
21 ◯健康福祉部理事(相馬政美君) 村川議員の子育て支援についての御質問のうち、ヒブワクチンの公費負担に関するお尋ねにお答えいたします。
子どもの細菌性髄膜炎を起こす原因菌の50%以上はインフルエンザ菌b型、いわゆるヒブによるものであることが明らかとなっており、国の感染症発生動向調査におきましても、細菌性髄膜炎患者の年齢のピークは生後9カ月で、ゼロから1歳児が70%以上を占めると報告されております。ヒブを原因とする細菌性髄膜炎は、初期症状が風邪の症状と酷似しているため早期診断が難しい上、診断後の抗菌化学療法でも予後不良となる場合が多く、先ほど議員、御案内のとおり、患者の5%が死に至る可能性があることや、20%の患者には発育障害や難聴等の後遺症が残るという特徴があります。
ヒブワクチンは、平成19年1月に国によって製造販売が承認され、昨年12月19日からワクチンの市販とともに任意の予防接種として実施が可能となっているところですが、接種の対象年齢は生後2カ月から5歳未満で、基本的には生後2カ月から7カ月未満の時期に接種を開始し、初回免疫として4週間から8週間の間隔を置いて3回、初回免疫終了の1年後にさらに1回で、合計4回接種することとしており、その費用は1回当たり7000円から8000円程度となっております。
お尋ねのヒブワクチンに対する公費負担につきましては、これまでの市が公費助成を行ってきた予防接種は、予防接種を受ける方の健康被害を避けるため、国の研究等に基づきワクチンの安全性、有効性が確認され、予防接種法に定められた疾病を対象としており、インフルエンザ菌b型は予防接種法には位置づけられていないことから、現在のところ公費負担の実施は考えておりません。しかしながら、現在予防接種法で対象とされていない疾病の予防接種については、厚生労働省所管の予防接種に関する検討会においてその取り扱いが検討されており、ヒブワクチンについては、平成17年3月の中間報告において、疾患の重篤性、発生頻度を十分勘案した上で、さらに有効性、安全性、費用対効果等の知見を収集する必要があるとの見解が示され、その後も引き続き検討がなされていることから、市といたしましてもその推移を見きわめてまいりたいと考えております。
22 ◯議長(奥谷進君) 答弁を求めます。健康福祉部長。
〔健康福祉部長大柴正文君登壇〕
23 ◯健康福祉部長(大柴正文君) 子育て支援についての御質問のうち、生活保護世帯の収入認定の取り扱い、安心こども基金、乳幼児医療費助成制度及び今後の公的な保育としての支援についてのお尋ねに順次お答えいたします。
初めに、生活保護世帯の収入認定の取り扱いについてのお尋ねにお答えいたします。
生活保護は、国が生活に困窮するすべての国民に対しその困窮の程度に応じ必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立助長を図ることを目的としたものであり、その実施に当たりましては、法定受託事務としてすべて生活保護法、政令、国からの各種通知等に基づき行っているところであります。また、生活保護制度におきましては、利用し得る資産、能力、その他あらゆるものを最低限度の生活の維持のために活用していただくことになっており、生活保護法の支給に当たっては、基準額により算定された最低生活費から稼働収入、年金などの収入を差し引き支給することとなります。
〔健康福祉部理事相馬政美君登壇〕
42 ◯健康福祉部理事(相馬政美君) 健康づくりについての御質問のうち、がん及び禁煙対策についてのお尋ねにお答えいたします。
初めに、がんについてのお尋ねにお答えいたします。
がんにつきましては、昭和56年から国民の死亡原因の第1位となっており、現在におきましても年間30万人以上の方が亡くなっているなど、がんが国民の生命及び健康に及ぼす影響は非常に大きなものがあります。国におきましては、このことを重大な問題としてとらえ、がん対策の一層の推進を図るため、平成19年4月1日にがん対策基本法が施行され、同年6月にはがん対策推進基本計画が策定されているところであります。また、このことを受け、県におきましても昨年5月に青森県がん対策推進計画が策定され、県立中央病院ががん診療連携拠点病院の指定を受け、がん診療センターを開設するとともに、がん医療に関する相談支援及び情報提供を行う等がん対策に取り組んでいるところであります。
お尋ねのがんによる死亡者の割合が高い要因ですが、厚生労働省の研究班によるところでは、がんは加齢により発症リスクが高まり、今後ますます高齢化が進行することによりがんに罹患する人及びがんにより死亡する人は今後とも増加していくものと見込まれております。また、がんの罹患には生活習慣やウイルスによる感染などさまざまなものが関係しておりますが、特に喫煙と食習慣が大きくかかわっているとされております。青森県におきましては4年連続でがん死亡率が高く、その原因につきましては喫煙、肥満、飲酒によるがんの発生率が高いこと、また症状があっても我慢して病院に行かない、がん検診後の精密検査を受けないなどにより、進行したがんの割合が高いことが挙げられております。
本市におきましてもがんは死亡原因の第1位となっており、死亡者数全体に占める割合も全国同様に増加傾向にありますことから、がん対策の重要性につきましては十分認識し、がん検診の受診率向上を図るため、これまでも受診しやすい環境づくりとして、青森県総合健診センターなどで行う集団検診のほか、通年でいつでもどこでも気軽に受診できる個別検診や1日ですべての項目が受けられる一括検診、休日検診等の実施など、実施体制の整備に積極的に取り組んできたところであります。さらに、がん検診の結果、精密検査と判定された場合には検査の必要性について周知を図るとともに、精密検査未受診者に対しましては、青森県総合健診センターや各医療機関と連携のもと、状況確認や電話による受診勧奨を行い、確実に精密検査につながるよう支援に努めているところであります。
また、がんの知識やがん検診を受診する意識の普及啓発におきましては、これまでも市医師会、歯科医師会、薬剤師会の協力のもとチラシ、ポスター等により生活習慣病予防月間を活用した受診PRを行ってきており、地域や各組織団体を対象とした健康教育やヘルシーあおもりフェアの機会をとらえた啓発におきましては、禁煙、肥満予防、禁酒、節酒等の知識や具体的実践への支援を通じてがん予防の意識啓発と受診促進に取り組んでまいりました。これらの取り組みに加えまして、さらに平成21年度には、1つには、各地域での集団検診実施に向けて町会の回覧や地域の健康づくり組織、保健協力員等、地域の中の身近な人を通じた案内やPRをきめ細かに行っていくこと、2つには、地域の商店街や各種の職域団体、組織等を対象とし、禁煙や肥満予防、禁酒、節酒をテーマとした出前型健康教育により、がんの発症率が高い世代をターゲットとした予防教育を進めること、3つには、地域別の受診状況の分析や地域特性等をとらえ、地域の健康課題に即した効果的な生活習慣病予防教育を進めること、4つには、ヘルシーあおもりフェアの開催会場を現在の1会場から4会場にふやすほか、受診PRとして、実際にがん検診でがんが発見された方の体験談を紹介することなど、PR内容にも工夫を図ってまいります。
いずれにいたしましても、がん検診受診率向上を図るためには、各関係機関や関係団体、町会及び保健協力員等住民組織との連携による市民から市民への声がけと、がん予防に関する知識を効果的に普及啓発する工夫が必要であると認識しており、今後とも市民のがん予防に鋭意努めてまいりたいと考えております。
次に、禁煙対策についてのお尋ねにお答えいたします。
たばこの煙に含まれる有害な化学物質は200種類を超えており、この中に含まれる多種類の発がん物質は、肺がんのみならずあらゆる臓器のがんに関与し、喫煙者は非喫煙者と比較しすべてのがんの死亡の割合が高くなることが明らかになっていることから、市においても禁煙対策はがんの予防対策として重要であると認識し、取り組みを進めているところです。具体的には、今年度は5月31日の世界禁煙デーを含む禁煙週間において、元気プラザを会場に、喫煙の健康影響や受動喫煙の危険性、ニコチンの依存性に対する正しい知識の普及啓発、実際に禁煙に成功した市民のインタビュー調査結果から、禁煙の実践方法や禁煙のコツなどを事例として紹介するなどの禁煙啓発キャンペーンを実施したほか、市医師会との共催による市民健康教室において禁煙をテーマとした講演会を実施しております。また、毎年ヘルシーあおもりフェアや県薬剤師会と連携しながら開催しているミニ身に健康イベントの場において禁煙コーナーを開設し、喫煙者の一酸化炭素濃度を測定してたばこへの依存度をチェックするとともに、禁煙相談や個人の状態に即した具体的な禁煙指導を行っております。さらに、妊婦への禁煙指導や受動喫煙の影響等の教育は極めて重要でありますことから、母子健康手帳交付時における喫煙妊婦に対する個人指導はもとより、マタニティセミナーの講座の中でたばこの害に関する教育を実施しているほか、より早期からの禁煙教育として、3歳児健診を受診している親子を対象にたばこの害を取り入れた絵本の読み聞かせを行い、子どもへの意識づけを通じて、親や家族への禁煙、受動喫煙の影響に関する啓発を行っているところです。
いずれにいたしましても、禁煙への意識づけや教育はさまざまな機会をとらえて繰り返し目に触れ、耳に触れさせていくことが重要であり、今後とも関係機関や地域の健康づくり組織と連携し、あらゆる機会をとらえ禁煙への啓発に努めてまいりたいと考えております。
43 ◯副議長(中川勅使男君) 答弁を求めます。環境部長。
〔環境部長植村和雄君登壇〕
44 ◯環境部長(植村和雄君) 環境行政についての4点の御質問に順次お答えいたします。
初めに、バイオディーゼル燃料に係るモデル事業についての御質問にお答えいたします。
バイオディーゼル燃料、いわゆるBDFは植物の含有油脂を原料としており、軽油のかわりにディーゼルエンジンを稼働させることができる燃料で、その原料となる植物が生育時に二酸化炭素を吸収するため、燃焼する際に二酸化炭素を排出しても二酸化炭素排出量はプラス・マイナス・ゼロと考えることができることから、地球温暖化の防止に有効な手段とされております。また、BDFはごみとして廃棄されていた廃食用油を再利用するため、ごみの減量化と資源のリサイクルが図られること、また、気管支炎等の原因となる黒煙の発生が軽油と比較して3分の1以下に抑えられることなどのメリットがあり、BDFの利活用の取り組みは、市民参加による資源循環型社会の形成、
地球温暖化防止及び地域の活性化などの観点から全国的に注目を集めております。このことから、本市では来年度モデル事業として、市民センターなどを拠点に一般家庭から回収した廃食用油などを原料としてBDFに精製することを民間事業者に委託し、それを市のごみ収集車2台で実際に使用することにより、BDF利活用の取り組みを市民、事業者へPRすることとしております。また、事業実施に当たり、BDFの原料である廃食用油の安定確保やBDF使用車両への影響など、将来的な利用拡大に向けた課題を検証しながら市民、事業者、市の3者が一体となった回収システムの構築と利用体制づくりを進めていくこととしております。
次に、市民レベルの環境活動を促進させる仕組みが必要であると考えるがどうかとの御質問にお答えいたします。
本年2月に策定いたしました青森市地域新エネルギー・
省エネルギービジョンの初期段階調査において、市民約1580世帯を対象にエネルギーに関してのアンケート調査を実施いたしました。その結果、地球温暖化問題やエネルギー問題に対しては9割以上の世帯が関心を持っており、新エネルギー、
省エネルギーに対する意識は非常に高いという結果が出ておりますが、一方、省エネ製品への買いかえや新エネ製品の導入については、現在使用している製品がまだ使用可能であることや新、省エネ製品の価格が高いなどの理由から買いかえ導入が進んでいないといった調査結果となっております。また新エネ、省エネ促進に必要と考えるものとしては新エネ、省エネ機器に関する情報提供及び助成、貸し付け等の経済的補助制度などが多く回答されておりました。そのことから、本ビジョンでは環境活動を促進させるため新、
省エネルギーに関する情報提供や市民、事業者への導入支援、公共施設における新・
省エネルギーの率先行動、さらには環境配慮行動を推進するために
エコポイント制度やエコ事業所登録・公表制度の検討を行うこととしており、行政を初めとして市民や事業者がそれぞれの役割を積極的に推進できる体制を構築してまいりたいと考えております。
次に、新エネルギーに関して、2009年から2015年まで導入主体としての市または市民、事業者の導入目標の具体的な数字が示されていない、年次ごとの目標を示すべきではないかとの御質問にお答えいたします。
新エネルギー、
省エネルギーに関する技術革新のスピードは速く、コスト及び効果、効率も日々改善されているなど、導入のための環境は常に変動しております。また、今回のビジョンは初期段階調査として基礎データの収集を行い、これをもとに地域全般にわたる新エネルギー、
省エネルギーの導入、普及のための基本方針、
重点プロジェクト並びにその推進体制について検討したものでありますことから、新エネルギーに係る導入主体ごとの数値目標や年次ごとの数値目標の設定までには至っておりません。しかしながら、本ビジョンの目標値といたしましては、2030年までの
温室効果ガス排出量の削減目標を設定しており、これは平成20年5月に経済産業省総合資源エネルギー調査会需給部会が示した長期エネルギー需給見通しの国全体の見通しから青森市のエネルギー需給見通しを推計し、その数値から青森市の
温室効果ガス排出量の将来推計を行った上で、2030年までの削減目標を30%と設定したものであります。したがいまして、今後このビジョンの具体化を図る中で社会的、経済的、技術的な環境を踏まえた上で他の施策の動向を勘案しながら、
温室効果ガス削減目標の達成に向けた具体的な新エネルギーの導入を行う必要があるものと考えております。
なお、平成20年6月の
地球温暖化対策の推進に関する法律の一部改正に伴い、
地球温暖化対策実行計画において、市の事務事業のみならず、地域全体に係る
温室効果ガスの排出抑制のための施策を定めることとされましたが、まだ計画策定のためのガイドライン等が国から示されておりませんことから、今後この計画のガイドラインを参考としながら詳細に検討してまいりたいと考えております。
最後に、新エネルギー・
省エネルギービジョン骨子案に対してパブリックコメントが1件もなかったようであり、市民への啓発に力を入れなければならないと思うが、その取り組みについての御質問にお答えいたします。
ビジョンの骨子案に対するパブリックコメントにつきましては、ことし1月4日から1月31日までの約1カ月間にわたり市民の皆様から広く意見を募集したところ、私の意見提案制度による意見の提出はございませんでしたが、1月19日に開催した浪岡自治区地域協議会からは7件の御意見をいただいたところでございます。また、先ほど御紹介いたしましたとおり、アンケート調査結果では、地球温暖化問題、エネルギー問題への関心は高く、日常生活や事業活動においてエネルギー消費量を抑えたいと思っている方が6割から8割と新エネ、省エネに対する意識が高いものの実践には至っていないという結果が出ております。したがいまして、だれもが地球温暖化や新エネルギー、
省エネルギーについて理解できる環境を構築し市民、事業者、市が協力し合って新、
省エネルギーの導入を推進していくことにより、さらに環境に対する意識の向上を図ることが重要でありますことから、本ビジョンにおきましては、環境学習の推進・環境情報の発信や市民・事業者への導入支援、環境配慮行動の推進などを基本施策として掲げ、それに伴う
重点プロジェクトを設定しております。
今後は、エコ教材等を活用しながら、楽しくわかりやすい環境教育・情報提供の推進やBDF利活用の推進や新、
省エネルギーの導入支援などビジョンで掲げた
重点プロジェクトを推進していく中で、市民や事業者の方へ普及啓発を図っていくとともに、既存の環境保全活動事業や出張かんきょう講座、
地球温暖化対策やエネルギー問題対策に関連したイベントなど各種機会をとらえ、本ビジョンの概要をわかりやすく紹介しながら啓発活動を行ってまいりたいと考えております。
45 ◯副議長(中川勅使男君) 答弁を求めます。企画財政部理事。
〔企画財政部理事山田進君登壇〕
46 ◯企画財政部理事(山田進君) 新町二丁目地区優良建築物等整備事業に関する3点の御質問にお答えいたします。
初めに、青森公立大学等の利用床面積に関する御質問にお答えいたします。
当該事業は株式会社東奥日報社が事業主体となり、同社の旧社屋周辺の地権者等々と協力しながら、国、県及び市が補助する優良建築物等整備事業補助制度を活用し学術、情報、文化の複合的な機能を持つインテリジェントビルを整備するものであります。本市といたしましては、中心市街地における当該事業の効果を最大限高めるため、同ビルに青森公立大学の新しい活動拠点とともに、弘前大学等による北日本新エネルギー研究センターを設置することとしたところであります。具体的には、青森公立大学につきましては、平成18年4月に設置いたしました地域みらい学科や大学院、地域研究センター等の活動拠点としての利活用を検討し、また、北日本新エネルギー研究センターにつきましては、旧市民図書館で平成21年4月から稼働が予定されている、CO2排出の少ない新エネルギーの利用を促進するための研究、開発及び成果の普及を行う研究施設を移転させ設置することとしており、利用床面積は両施設合わせて約3000平方メートル程度を想定しております。
次に、施設の管理運営に関する御質問についてお答えいたします。
施設のメンテナンスを含む管理運営費は、一般的には整備後の施設の所有権を有する者が共益費や修繕積立金等の管理費用を負担することとなります。当該事業により整備が見込まれる施設は複合施設となりますことから、施設全体の管理運営費は、専有部分はそれぞれの区分所有者が管理運営し、全体共有部分の管理は区分所有者が選任した管理者が管理運営することになると考えられます。また、管理運営費に係る市の負担につきましては、市が保有する権利に応じた負担が発生いたしますことから、現在事業主体である同社と協議、検討を進めているところでございます。
最後に、2011年、平成23年度までの市の補助金の見込み額につきましては、平成21年度は同社が周辺の地権者等と協力しながら実施する事業計画作成、地盤調査、基本設計、実施設計といった調査設計計画費及び既存建築物等の除却、整地や補償費等の土地整備費用を対象とした補助金総額が5億9900万円となっており、うち市の補助金額は2億970万円となっております。また、平成22年度以降につきましては、本体工事費のうち共用通路やエレベーター、駐車場といった共同施設の整備が予定されているところであり、同社においては引き続き優良建築物等整備事業補助制度を希望しておりますことから、平成22年度以降の補助金総額は、平成21年度に実施する事業計画作成や基本設計、実施設計等の結果や建築資材等の価格状況により変動することが予想されますが、現時点では約6億円程度、うち市の補助金額は約2億円程度を見込んでおります。
47 ◯副議長(中川勅使男君) 32番仲谷良子議員。
48 ◯32番(仲谷良子君) 御答弁どうもありがとうございます。
最後の質問のインテリジェントビルから再質問いたします。
この事業は、ただ単に古いビルを建て直すというものでなくて、東奥日報社というマスコミのビルに市が補助金を出すということなんですね。私は大変疑問に感じます。マスコミということであれば、批判の精神といいますか、権力に対して批判していくということでなければいけないのに、市や県から補助金をもらって、さらにフロアも利用してもらうということに大変違和感を持っています。この事業について説明を受けたのは、各派代表者会議でも1月19日に説明しているようでありますが、私が知ったのは1月21日に中心市街地活性化対策特別委員会で、中心市街地活性化基本計画のフォローアップとして内容が示されたわけです。その質疑の内容を一般質問でも述べたわけですけれども、委員からは、東奥日報社ビルが建設したビルのフロアを取得するのか、取得することを前提に設計されるのかという質問もありましたが、建設費に補助金を出すという議論には至っていないわけです。資料にはきちんと国土交通省優良建築物等整備事業とは書かれておりました。ですが、中心市街地活性化対策特別委員会の委員たちも、その点はわからない方もあったし、もちろん私もわかりませんでした。フロアを借りるのか、取得してしまうのかということ、そしてそこを使わなくてもアウガが今どうなるかわからないんだから、アウガの内容を見きわめてからにした方がいいのではないかという議論があったわけです。ですから、私はそのときにもっと詳しい説明が必要ではなかったのかと思うわけであります。そういうことで、今質問した内容についてはっきりわからないこともあるわけで、全体が見えていません。
まず、1点再質問いたしますけれども、特別委員会のときに取得する方が賃貸より有利だと言われていたわけです。そこで、大体その面積を賃貸すると1年に幾ら、それと取得だと幾らなのかを計算しなければ、どっちが有利なのかということが漠然としていてはだめだと思うので、現在の設計は3000平米でありますが、1階は1000平米ということで、3階分を借りる予定になっていますので、取得だと幾らになるかお答えいただきたいと思います。
私が市からいただいた資料には約53億円という数字が出ております。総事業費53億円、3年間で建設するということになっております。そうすると、市の2011年までの補助金の見込み額は、6億円のうち2億円というのは来年度分ですか、3年間で2億円ということではないでしょう。来年度で2億円ですよね、違いますか。そこら辺がよくわからないので。来年度は2億900何がしですが、でも、2011年までの補助金の見込み額は出せないんですか。総事業費は約53億円ということですけれども、国の補助金は大体1年に幾らと決まっていますでしょう。これは何も1年ずつ来るわけじゃないでしょう。この事業費が幾らということで、県もそれに対してどれくらい出す、国もどれくらい出して、東奥日報社の負担分がどれくらいだということで、全くわからないでやるということはないんじゃないですか。そこも含めて、この全体像をまず示してくださいよ。約53億円と出ているんですから、それを市民に示してくださいよ。3年間で市がどれくらい投資するのか、国が幾らで県が幾ら、東奥日報社の負担がどれくらいということだって全然わからないんですか。お答えいただきたいと思います。
それと関連なんですけれども、例えばフロアを借りるか取得するかにしても、ただだだっ広いフロアだけではなく、そこに機器や設備費がかかっていくわけです。それも幾らになりますかと聞きましたらわからないというわけです。何もわかっていない、なのに建設費だけは決まっている。だから、税金がどれくらい使われるのかということなんです。市民の税金がどれくらい東奥日報社のビルに使われていくのかということについて、もう1回しっかりとお答えいただきたいと思います。
それから、設計を見ますと、2階、3階が美術展示施設となっていますけれども、これは貸しギャラリーなんでしょうか。近くに青森市民美術展示館があり、これと競合するのではないかと私は考えますけれども、そのことについてもお答えいただきたいと思います。
まちなかラボをアウガからインテリジェントビルに移転させるということなんですけれども、まちなかラボの運営管理事業として、平成19年度の相談事業というのは19回と書かれていますね。それ以後は8回でした。このことは山田理事の担当ではないと思うんですけれども、1年間にどれくらいまちなかラボとしてアウガを利用しているんですか。平成21年度のまちなかラボに対しての予算が昨年よりも243万4000円も削減になっていますよね。まちなかラボはもっと小さい事業になっていくんじゃないですか。それでも移転させなければいけないようなものなんですか。ですから、私は地域みらい学科もアウガに入ってもいいのじゃないかと。年間19回という回数でいけば、そんなに使われていないように私は見えるんです。まちなかラボも一緒になってアウガに入ることができないのかと思います。また、アウガからまちなかラボが移転すると空きフロアになるわけです。その賃貸などはどうなるのか、また募集するのかもしれませんけれども、今の店舗の状況を見ても大変だということでありますから、これについてもお答えいただきたいと思います。
49 ◯副議長(中川勅使男君) 答弁を求めます。企画財政部理事。
50 ◯企画財政部理事(山田進君) 新町二丁目地区優良建築物等整備事業についての何点かの再度の御質問にお答えいたします。
まず、取得する方がいいのかどうか、取得するとすれば幾らなのかというお話です。いわゆる所有形態について、昨日3フロアで約3000平米というお話をしました。それに付随して、複合施設でございますので、土地が1筆共有になった場合のその土地の所有形態がどうなるのか、はたまた地上権を設定するのか、そして、3000平米に付随した駐車場をどう取得するのか、それとも年間契約にするのか、そのようないろいろな形態を現在協議中でございますので、取得する額についてはまだ定まってございません。
次に、補助金についての御質問ですが、1月21日の中心市街地活性化対策特別委員会において、国土交通省の補助金についての説明がなかったというお話でございます。仲谷議員、おっしゃるとおり、これについては確かに資料に記載されてございまして、私の説明が不十分だったのかもしれません。床を利用する説明に終始し、中心市街地活性化事業の基本計画上の位置づけはどうかという疑問に集中して御説明した関係で、委員の皆様に十分な説明がされていなかったとすればおわび申し上げたいと思います。この建設費そのものについては、東奥日報社というよりも、東奥日報社を中心とする周辺の地権者の皆さんで事業を行いますので、東奥日報社という一会社に対して補助金を出すのではなくて、東奥日報社を中心とする周辺の地権者とともに共同で行う優良建築物等の建てかえ、町の再生をする事業に対しての補助金でございますので、御理解いただきたいと思います。
それから、総事業費53億円に対する2011年までの補助金の額ということで、先ほど壇上でも御説明申し上げましたとおり、平成21年度の補助総額が5億9900万円、そのうち市の補助金が2億970万円、その後、平成22年度以降では現時点で想定される補助金の総額が約6億円程度、そのうち市の補助金額は約2億円程度ということで、これは、先ほど来申し上げているとおり、平成21年度に実施します基本設計、実施設計、それと建築資材等の価格の状況によってある程度変動する可能性があるということを御説明申し上げました。東奥日報社の負担については53億円から今の──それは再度東奥日報社の負担について計算して御説明します。
それから次に、青森市が取得する部分の内装設備費などはどうなるのかということですが、私どもが今現在考えているのは、要するに大学の教室などでございますので内装、設備等をすべて完備した段階で床を譲っていただこうと考えております。もしかすると、例えば机とかいすとか、そのような備品等の負担は新たに出てくるかと思いますけれども、建物自体はすべて仕上がって、備品等以外はすべて完成し使える状態で譲ってもらおうと考えています。
あと、2階に貸しギャラリーがあり、市民美術展示館との競合はどうなるのかということでございます。東奥日報社としては、会議室とか展示室が中心市街地の中で不足している、市全体で不足しているのではないかという1つの考え方もあって、社会貢献という考え方の中でのこの構想を打ち出してございますので、今後、市民美術展示館等々の問題についてはまた整理させていただきたいと思います。
51 ◯副議長(中川勅使男君) 答弁を求めます。副市長。
52 ◯副市長(米塚博君) 具体的な内容につきましては担当理事の方から御答弁申し上げましたが、私から基本的なことについて誤解のないようにしていただくために御答弁させていただきたいと思います。
新町二丁目地区優良建築物等整備事業は、いわゆる国庫補助事業、県補助事業、市補助事業の補助メニューの事業でございます。この補助事業のメニューに基づいて、その事業の内容が確実性、実効性があるものについて国、県、市でそれぞれの持ち分により支援していきましょうというルールでございます。この補助ルールがある中で、事業主体がどこであれ、それをしんしゃくすることについてはむしろ不公平につながるのではないかと考えます。担当理事が説明申し上げましたとおり、今回のプロジェクトにつきましては、東奥日報社が主体となって周辺の地権者の方々とこの事業に取り組むという姿勢、その事業主体の姿勢に対して、現状では補助対象になり得るという判断のもとでの今回の予算提案ということをまず御理解いただきたいと思います。
私どもの、床の取得についての経緯も申し上げさせていただきたいと思いますけれども、決して中心市街地の活性化だけを念頭に置いたものではございません。結果として、東奥日報社様が考える中心市街地の活性化に資するということでの結果論でございまして、私どもの方の事業、つまり公立大学において地域みらい学科の増設、増料を含めまして、カリキュラムの繰り回し上、学校自体の教室数が足りないという実態がまずございます。その足りないという実態の中で雲谷地区に増築できるかどうかという行政需要も実はございました。あわせまして地域みらい学科の持つ性格が、できるだけ地域の経済活動、事業所活動とリンクした方が効果的という大学側の判断もありましたことから、その増築需要に供給面で対応できるということと、学科の性格上からいって中心市街地にあった方がベターではないかということとあわせて、本年の4月に旧市民図書館を仮の研究所としてスタートする弘前大学を主体とした研究機関、つまり新エネルギーについての研究機関をぜひ青森市につくりたいという所望が弘前大学側からございました。それであれば、私どもが今進めているビジョン策定も含めまして相乗性があるということから今回のプロジェクトに至っておりますので、その旨を御理解いただきたいと思います。
53 ◯副議長(中川勅使男君) 32番仲谷良子議員。
54 ◯32番(仲谷良子君) まちなかラボに関してはお答えにはならなかったんですね。使われている日数ですけれども、おわかりにならないんですね。もう時間となりましたので、済みません。これで終わります。
55 ◯副議長(中川勅使男君) 次に、19番小豆畑緑議員。
〔議員小豆畑緑君登壇〕(拍手)
56 ◯19番(小豆畑緑君) 議席番号19番の自由民主党小豆畑緑です。通告しておりました2番の福祉については、きのうの柴田議員と重なりましたので、取り下げさせていただきます。
それでは、質問させていただきます。
平成21年度自治体経営について、市では平成21年度一般会計当初予算を含め、平成21年度に重点的に取り組んでいくべき主なる取り組みを掲げ、都市交通分野、
環境エネルギー分野、経済産業分野、地域福祉分野として分類し、外部に向けて積極的に打って出る、いわゆる外への変革とも言うべきさまざまな施策、事業を発表いたしました。またその一方で、不祥事が続く青森市役所そのものを大きく変え、市民がより身近に感じられる機構にしようとするいわゆる内への変革をも積極果敢に打ち出しました。私は、この内と外に向けた大きな2つの改革に対し大いに評価するものです。確かにたび重なる行政の不祥事は市だけにとどまるものではなく、県などの行政機関におきましても多発している傾向にあることは、昨今のマスコミ等の報道においても顕著にあらわれており、市民の方々も深い失望感に襲われているのが事実ではないでしょうか。
市役所の内部を徹底的に検証し、問題点をあぶり出し、そこからもう1度新しい組織として生まれ変わらなければ市民の理解は決して得られないものと思います。そのことからも、大きな柱としての組織体制等の改革と職員の改革はまさに時宜を得たものと評価いたします。また、外への変革としてうたっておりますまちづくり等に関する施策、事業等に関しましても、これまでの貴重な資源を使い切るという視点に立ちまちづかい、まちそだてを徹底して進めることで新たなコスト増を生むことなく、効率性に重点を置いたまちづくりが図られるものと期待するものです。
それでは、お伺いいたします。
「平成21年度自治体経営について~これまでの成果を確かな実感へ~」について、その全貌をわかりやすく説明していただき、市長として私たち市民とともにどのような未来を歩んでいこうとしているのかその指針をお示しください。
次の質問は、市民美術展示館の使用に当たってです。
市民美術展示館を長年にわたって年に2回定期的に利用し、出品者の作品を展示し、広く市民に鑑賞していただいている団体から……(発言する者多し)
57 ◯副議長(中川勅使男君) 静粛に。
58 ◯19番(小豆畑緑君)(続) 昨年より貸付手続が煩雑になり、利用する側から苦情の声が寄せられております。
その1は、それまでは半年前であった使用に当たっての許可申請が昨年からは1年前となったことから、使用料の納付時期が早まり、使用する日のおよそ1年前近くに使用料を全額納付することとなりました。全館を借り切っての展示会ですので、使用料もそれに見合った金額となります。出品者も確定していない段階での全額納付は、利用者にとっては経済的負担が大きいものと思われますが、どうして1年も前にこのように全額納付されるようになったのでしょうか。例えば1年前には手付金等を支払い、展示会近くなって全額支払うようにするとか、もっと利用する側の視点に立った運用はできないのでしょうか。お答え願います。
その2は、使用許可申請に当たっては、出品者全員の名簿の提出を求められたそうですが、個人情報の保護が求められている時代に参加者全員の名簿を提出することは難しいことから、代表者か役員等の名簿提出だけにできないものかお尋ねいたします。
次は、大規模盛り土造成地マップについてです。
地震、雨水による崩落等で宅地が動いたり崩れたりすると、大切な財産だけでなく、時には生命さえも失われる事態が想定されます。このような事態を招かないためにも、日ごろから自宅の宅地や周辺の擁壁や斜面を点検しておかなければならないと思います。平成7年の阪神・淡路大震災、平成16年の新潟県中越地震などで谷や沢を埋めた造成地で滑動崩落が発生、宅地や公共施設等に大きな被害が発生しました。平成18年度、国はこのような宅地地盤災害を未然に防ぐため、宅地の安全性の確保を目的に宅地造成等規制法を改正しました。これに伴って地方公共団体が大規模盛り土造成地を把握し、さらにこれを公表し住民に情報を提供し、宅地所有者が国や地方公共団体の補助を受けて耐震化工事を実施できる制度を創設しました。全国的に見て、鳥取県と鳥取市では、谷間や斜面に大規模な盛り土をして造成された住宅団地を対象に宅地地盤の耐震性の調査を実施し、大規模盛り土造成地マップを地震防災対策に役立てるために作成しております。本市においても大規模盛り土造成地を把握するべきと思いますがどうでしょうか。また、大規模盛り土をした造成地の変動予測調査をし、これを市民に公表するべきと思いますがどうでしょうか。お知らせください。
以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手)
59 ◯副議長(中川勅使男君) 答弁を求めます。佐々木市長。
〔
市長佐々木誠造君登壇〕
60 ◯市長(佐々木誠造君) 小豆畑議員の御質問にお答えいたします。お風邪が早く治るように。
「平成21年度自治体経営について~これまでの成果を確かな実感へ~」について、私からその基本的な考え方、また、これからの市政運営の方向性についてお答えいたします。
本市の未来を展望する前に、まずもって昨年末100年に一度とも言われるアメリカ発の金融危機が瞬く間に世界じゅうを席巻し、我が国におきましても景気や雇用に暗い影を落とし、未曾有の経済危機に直面しております現在、市民の皆様の安心を守るために生活不安の払拭に向けた雇用経済対策は急務であります。本市におきましては、既に本市独自の雇用経済対策といたしまして、厚生労働省の地域雇用創造推進事業を活用し、平成20年度から平成22年度までの間、総額1億3000万円規模の国債による支援を受けながら、355人の雇用創出に向けた取り組みを進めておりますほか、福祉灯油助成事業を昨年度に引き続き実施するとともに、中小企業支援対策といたしまして地場産業緊急支援資金の融資枠を従来の約6倍の35億円まで拡大し、係る利子と保証料の全額補給を実施しておりますこと、また、本市臨時職員の雇用及び通学路、バス停留所等の除雪作業員などの新たな雇用創出など、市民の皆様の安全・安心を支える対策を連続して打ち出してまいったところであります。さらに、現下の厳しい経済情勢に対応し、定額給付金と子育て応援特別手当の支給に万全を期すことはもとより、国の地域活性化・生活対策臨時交付金を活用した本市独自の取り組みといたしまして、新入学児童に対し1万円相当の学用品を支給し保護者の経済的負担の軽減を図りますほか、児童館への遊具設置や市民センターへの給茶器の設置、視聴覚機器のリニューアルなどの地域に密着した公共施設の利用環境の向上を図りますとともに、定額給付金の給付に呼応して、商工団体等が中心となって行います地域プレミアム商品券の発行への支援など、市民の皆様の生活に密着した支援策を取りまとめ、去る2月27日の本定例会におきまして御議決を賜りましたことから、今後可能な限り早急な事務事業の実施に努めてまいることといたしております。
そのほか、国の緊急雇用創出事業
臨時特例交付金及びふるさと雇用再生特別交付金を活用した雇用対策として、3年間で400人以上の雇用創出が見込まれます事業群を取りまとめ、本定例会に予算案を上程し御審議いただいているところであり、今後とも国の対応や本市経済情勢を注視しながら、青森市長として市民生活の安心の確保を第一義に全力を注いでまいる決意でありますことを改めて申し上げるものであります。
私は、平成元年5月、市民の皆様から市長のいすを貸し与えられて以来、市民協働のまちづくりを市政運営の基本としながら、市政の発展と市民の皆様の幸せづくりを一心に考え、いつまでも喜んで暮らしていけるうれしいまちの実現に向けて歩んでまいりました。おかげをもちまして、未来の幸せづくりに通ずる数多くの成果が生まれ、そして、これらの貴重な成果は着実にはぐくまれ、花開こうとしております。議員各位はもとより、これまでの自治体経営に対し御理解と御支援をいただいた市民の皆様を初め多くの関係者の皆様にこの場をおかりして深く感謝申し上げる次第であります。
私は、これまでの成果を確実なものとし、さらなる成長へと導いていくためには、現下の厳しい環境変化に的確かつ迅速に対応した自治体経営が求められるものと認識いたしております。我が国全体の課題であります人口減少社会の到来、少子・高齢化や核家族化の進展は、本市経済の縮小のほか、地域コミュニティの衰退や子育て不安、介護や医療といった社会保障への不安が懸念される一方で、医療技術の進歩や健康意識の高まりなどもあり、元気な高齢者の増加をもたらしております。また、生命と健康の基本であります食に対する不安も増幅しており、消費者の食品に対する信頼感が大きく揺らいでいます。さらには、地球温暖化が深刻化する中にありまして、化石燃料依存型のエネルギー構造からの脱却など、低炭素社会への転換に向けた取り組みが求められております。
地方行財政の将来に目を転じますと、現在、国の地方分権改革推進委員会におきまして、第2次地方分権改革に向けて自治行政権、自治立法権、自治財政権を有する完全自治体としての地方政府の確立を目指した検討が重ねられているところでありまして、真の自主自立と市民自治を確立させていくこともまた喫緊の課題であります。私は、これらの時代環境を的確に受けとめた上で本市の未来を展望したときに、今なすべきことは、これまで市民の皆様と培ってきた町の力を最大限に引き出すことを通じて、市民の皆様が毎日の暮らしの中で幸せや豊かさを実感できる町への進化を加速させること、これを端的に一言で言いあらわすならば、これまでの成果を確かな実感へとの認識に至ったところであります。
この実現に向けましては、これまでに培った貴重な成果を今後のまちづくりに徹底的に活用していく外への変革と、市役所内部の組織強化と職員改革によって市民の皆様に親しみ信頼される市役所をつくるという内なる改革という2つの新たな方向性のもとで本市総合計画を着実に推進してまいることといたしました。
それぞれの方向性に基づいた平成21年度における主な取り組みにつきましては、本定例会の冒頭で申し述べさせていただいたとおりでありますが、これまでの成果を確かな実感へとつなげていくために、特に喫緊の対応を要する取り組みについて幾つかその内容を御説明いたします。
まず、東北新幹線新青森駅開業に向けた環境整備を着実に進めてまいります。思い起こしますと、昭和48年の整備新幹線の整備計画決定以降、整備新幹線計画の凍結やミニ新幹線化の決定など、これまで幾多の困難がありましたものの、フル規格での新幹線開業がついに現実のものとなり、開業時期は平成22年12月と目前に迫っております。あわせまして、新幹線開業に伴う並行在来線の新駅として意図しております操車場跡地を含む3駅のうち、筒井地区と野内地区の2地区への設置が決定されたことにより、市民の皆様の日常の足として利便性が大きく向上するものと期待しているところであります。また、私はまちづくりの基本理念としてコンパクトシティの形成を掲げ、郊外部の無秩序な開発抑制と自然環境の保護、そして、まちづくりの核となるべき中心市街地の活性化を車の両輪として進めることによって、人口減少社会、超高齢社会への対応も意図しながら持続可能な都市の構築を目指してまいりましたが、これまでの一貫した取り組みが功を奏し豊かな自然環境が保全されておりますほか、全国的に中心市街地の空洞化、衰退が深刻化している中にあって、幸いにして本市の顔である中心市街地に活気が戻ってまいっております。新幹線開業を目前に控え、平成21年度は、これまでの取り組みにより形成された町の機能性をさらに向上させるため、新青森駅周辺地区、現青森駅周辺地区、操車場跡地地区及び浪岡駅周辺地区の4拠点整備を着実に進めてまいるとともに、並行在来線の新駅となる筒井地区と野内地区の調査、設計を初め、浪岡地区におけるコミュニティバスの運行実験の実施や、鉄道や路線バスなどの市内交通網の交通系ICカードを利用した共通決済システム導入に向けた検討など、人と環境に優しい交通システムの構築を進めてまいります。
次に、市民生活の安心を支える対策に万全を期してまいります。市民生活の安心には市内経済の活性化が重要でありますが、現在危機的な経済情勢の中にあって、持続的に地域経済に活力を取り戻していくために今なすべきことは、これまで市民の皆様とはぐくんできた青森リンゴやホタテを初めとするさまざまな地場産品を初め、コンパクトシティの形成により保全された優良な農地、さらには外部力を積極的に取り入れることができる中核工業団地などの貴重な成果を活用しながら、積極的な取り組みを進めていくことが肝要であるものと考えます。
平成21年度は、地産多消という新たな概念のもとで食料供給都市を目指すこととし、地場産品の供給力を高める取り組みと需要を拡大させる取り組みをあわせて拡充することにより内部力を強化し、地場産品が域内で好循環する仕組みを構築することといたしました。さらには、外部力を積極的に取り込むべくターゲットを絞り込んだ企業誘致を展開することとし、進出する企業に対し、これまでの枠組みにとらわれないオーダーメード型の柔軟な支援を行うことといたしました。また、市民生活の安心を支える日常生活の支援でありますが、子育て・子育ち支援につきまして、これまでも重点化施策に位置づけ、乳幼児医療費助成制度の所得制限の緩和を初めとする大幅な拡充のほか、妊婦健康診査の無料健診回数の拡充、青森市急病センターへの小児科医と薬剤師の常駐化や放課後児童会、放課後子ども教室の開館時間の拡充など、市民ニーズを踏まえ幅広くその充実を図ってまいりました。平成21年度は、これらに加え妊婦健康診査につきまして、国が望ましいとする14回すべてを無料とすることとしたほか、ファミリー・サポート・センターの開設や、発達等に心配がある子どもの保護者の子育て不安を軽減すべく、相談体制をより強化することといたしました。
また、全国的に医療従事者と介護従事者の不足が懸念されます中、雇用対策の側面をも意図しながら、本市独自の医療介護従事者の人材確保対策を講じることといたしました。市内医療機関への看護職員の定着化を目指し、青森准看護学院の学生を対象に修学資金の貸与制度を創設し、あわせて、卒業後市内医療機関等で一定期間従事した場合には修学資金の返済を免除することとし、他方、介護従事者の確保対策は、新たに社会福祉協議会と連携し2級ホームヘルパーの養成研修を実施することとし、失業中で受講料の納付が困難な場合は、その受講料の全額を助成するものであります。また、元気な高齢者が増加しております現状から、高齢者の皆様が住みなれた地域で生きがいを持って暮らすことを通じ、衰退が懸念される地域のコミュニティ機能の活性化へとつなげるべく、市内各所に実践的なモデル地区として生きがいづくり、情報提供、健康づくり、相談機能を備えたこころの縁側を設置することといたしました。
地球市民の一員として自然環境との共生は不可欠であります。私はこれまで、平成12年3月、当時県内自治体初となります環境管理のための国際規格でありますISO14001の認証取得や、自然環境保護を目的の一つとするコンパクトシティの形成を通じて、自然環境に配慮した施策展開に意を用いてまいりました。現在、
地球温暖化対策に国内外の注目が集まる中、本市といたしましては、本年度に策定した地域新エネルギー・
省エネルギービジョンに基づき、平成21年度には一般家庭から排出される廃食用油をバイオディーゼル燃料に精製し公用車の燃料として活用する試みや、国の地域ICT利活用モデル事業を活用し、市民の皆様の環境配慮活動をポイント換算することで、商店街での買い物や公共交通での運賃決済に活用できる仕組みとして
青森マイレージシステムの構築を進めますほか、個人住宅における
太陽光発電システムの導入支援策として、国の助成にプラスして市独自の助成を講じることといたしました。
以上、現下の激しい社会経済環境の変化を踏まえた新たな施政方針とその概略を申し上げてまいりましたが、今本市は、国内政局の混乱を初め、未曾有の経済危機、食の不安、地球温暖化の深刻化など、かつて我々が経験したことのない大きな環境変化への的確かつ迅速な対応に加え、目前に迫った東北新幹線全線開通に向けた環境整備など、限られた時間の中で克服しなければならない喫緊の課題に直面しております。私は、まさに今がこれまでの成果を確かな実感へとつなげるための重要な時期であるとの認識に立って、これまで培ってまいりました国、県との良好な協調関係をも最大限に生かしながら、市民一人一人が将来に夢と希望を持ち、いつまでも喜んで暮らしていけるうれしいまちの実現を皆様とともに目指してまいります。
ただいま申し上げた中で、地域雇用創造推進事業について、総額1億3000万円の規模の国債による支援と申し上げましたが、正しくは国費による支援でございますので、おわびして訂正いたします。
61 ◯副議長(中川勅使男君) 答弁を求めます。市民文化部長。
〔市民文化部長澤田幸雄君登壇〕
62 ◯市民文化部長(澤田幸雄君) 市民美術展示館についての2点の御質問につきましては、関連がございますのでまとめてお答えいたします。
本市の公共施設における使用許可に係る一連の手続につきましては、平成19年度において、全庁的にすべての公共施設を対象に利用者の利便性向上を図る観点から、申請期間を12カ月前に変更することなどを念頭に見直しを行い、その一環として御質問の市民美術展示館につきましても、平成20年4月1日より使用許可申請の受け付け開始を従前の6カ月前から12カ月前とし、それにより使用料の納付時期も6カ月早まることとなったところでございます。これらの改正につきましては、事前に「広報あおもり」などによりお知らせしたほか、市のホームページへの掲載に加え、各施設におきましても改正内容の掲示を行い、施設に来られた方には窓口で直接御説明させていただくほか、定期的に御利用いただいている団体にはチラシを郵送してお知らせするなど、利用者の皆様に十分御理解いただけるよう周知に努めてまいったところでございます。しかしながら、この改正を実施した後の実際の運用状況といたしましては、議員、御指摘のように、利用される方々から使用料納入時期が早まったことに対して、納入時期をおくらせてほしいといった御意見が一部寄せられておりますことも事実であります。このような実態を踏まえ、利用者の皆様がより利用しやすい制度運用について見直してまいります。
次に、使用許可申請の際の名簿の提出についてでございますが、通常、市民美術展示館の使用許可申請におきましては、所定の様式に従い、申請者の住所、氏名、電話番号を記入していただく以外は、展示など催事参加者全員の名簿の提出を求めることはございません。また、特別な理由から12カ月前より前に使用許可申請を行う優先使用申請の場合には、特に国や地方公共団体が主催する催事や全県以上の規模の公益性が高い催事かどうかなど、青森市文化施設使用申請優先受付取扱基準に合致するかを確認するため、申請理由と開催予定の催事の詳細、申請団体などの概要がわかるものとして団体の会則や役員名簿、場合によっては前回の催事のプログラムなどを提出していただき、使用許可決定の判断の参考にさせていただいているところでございます。
市民美術展示館に確認したところ、優先使用申請において申請団体の概要を確認するため、役員名簿の提出を御依頼した際にちょうどいい名簿がなかったということで、必要以上の情報が含まれている役員名簿が提出され、これを受け取った事例がございました。その際には、提出に来られた方には今回の申請に不必要な個人情報が含まれていることをお伝えいたしましたが、名簿に掲載されている方全員の了解を得ているとのことでしたので、そのままお預かりし、以後、市の個人情報保護の方針に基づき厳重に保存管理している状況にあるものでございました。今後におきましても、施設使用許可に係る手続におきましては、必要外の情報を求めたり、個人情報の取り扱いに誤解を招いたりすることのないよう、引き続き適正な運用に努めてまいります。
63 ◯副議長(中川勅使男君) 答弁を求めます。都市整備部技監。
〔都市整備部技監小野隆君登壇〕
64 ◯都市整備部技監(小野隆君) お尋ねの大規模盛り土に係る防災対策についてお答えいたします。
都市計画法では、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地において、切り土や盛り土を行う造成等土地の区画形質の変更をする場合、その土地が存する区域及び規模に応じて開発許可が必要となります。開発許可をするに当たっては、その計画が都市計画法その他関係法令における技術的な基準等に適合しているか審査することになっております。開発業者等が許可を受けて造成を行い、完了したときにはその造成工事が開発許可の内容に適合しているか現地確認を含めて検査を行い、適合していると認めたときは検査済証を交付しております。このことにより、開発許可を受けて造成された土地については一定の安全性が確保されていることとなります。開発行為で造成された開発区域の位置につきましては開発登録簿で把握しておりますが、造成の計画図書が含まれておらず、大規模盛り土等の造成状況の把握は困難な状況であります。また、宅地の維持保全につきましては、経年変化や地震、大雨などの災害により土砂の流出や擁壁等への亀裂が発生する場所もありますが、基本的に土地の所有者等が行うものであります。
市ではこれらの宅地の維持保全について、地震等により崩壊するおそれがないかを目視による巡回パトロールなどを行い維持保全の状況について確認しているところでありますが、市民の適切な避難や防災知識の普及、防災活動に資するため、青森市地域防災計画との整合を図りながら、市民への公表等について今後研究課題としてまいりたいと考えております。