そこで、今回の一般質問では最初に、
佐々木市長が示した政策構想について幾つか伺いたいと思います。
第1の項目として、異業種の新分野進出の支援について質問いたします。
企業の活動は時代とともに変化させていかないと
企業そのものが成り立っていかなくなってしまいます。しかしそれを頭でわかっていても、実行に移すノウハウや資金の不足などにより、多くの企業では簡単に実行に移せないことも事実です。商工会議所や商工会に加入している企業は経営指導を受ける機会を得るのは容易ですが、加入していない零細企業は
経営コンサルタントに依頼しなければならず、費用の負担がきつくなることは明らかです。市長の政策構想には今後の異
業種新分野進出の支援に当たり、建設業の農業参入を例に挙げています。国、地方ともに財政状況が厳しく、消費者は安全な国内農産物を求め、食糧自給率を高めようという
食糧安全保障が叫ばれているという社会状況の中で、時宜を得た政策であると思います。市長は今後、異
業種新分野進出をどのように進めるのかできるだけ具体的にお示しください。
また、農業のほかにどの分野に進出することを想定し、この政策を進めていくのかあわせてお示しください。
また、新分野進出に当たり、経営指導を受ける機会を確保することが新分野進出の成功にとって重要と考えますが認識を示してください。
第2の項目として、市役所の改革について伺います。
政策構想の中で市役所に求める役割として、広報広聴機能を
マーケティングとして位置づけるとともに、
政策立案機能の強化を掲げています。本年第3回
定例会予算特別委員会の席上で、民間企業の経営者であった市長がそのノウハウを市役所に積極的に取り入れてほしい旨を申しましたところ、早速取り入れてくださりうれしく思います。市役所の改革が進み、市民から信頼されるようになってほしいと思います。
そこで伺いますが、広報広聴機能を
マーケティングと結びつけようとした理由と結びつけていく際の手法についてお示しください。
また、
政策立案機能を強化するに当たり、具体的にどのように進めていくのか手段や最終目標をお示しください。
この項目の最後として、こころの縁側構想について伺います。
この構想では高齢者の方々に健康相談ができる場所を提供したり、交流や
レクリエーション機能を備えた地域拠点を設置するとしています。総論として異論はありませんが、
地元油川地区には
市民センターという拠点が既に整備されており、各種活動が行われています。
そこで伺いますが、市民や町会は地域の拠点づくりとしてこころの縁側構想にどのようにかかわっていけばいいのかお示しください。
次に、市税の滞納整理について伺います。
税金は行政活動を支える重要な資金であり、不正な手段によって課税を逃れたり、あるいはお金が手元からなくなるのが惜しいなどという納税に対する認識が低い自分勝手な理由で滞納することは許されません。やむを得ない事情があって払えなくなった場合は別として、負担の公平の観点や財政状況の悪化に伴い、悪質なケースについては回収を強化するのは当然です。市では滞納者に対して対策を行っているということについては理解していますが、
財政健全化法など地方自治体をめぐる環境が厳しさを増す中で回収強化は重要です。平成19年度における市税及び
国民健康保険の
収入未済金額と収納率、あわせて現在行われている収納対策をお示しください。
先日、テレビで税金を滞納した人から差し押さえた物品をインターネットポータルサイトの
大手ヤフージャパンを通じて
オークションに出品し回収を図っているという番組が放送されていました。税金滞納による差し押さえの対象としては一般的に現金、不動産、貴金属、自動車、有価証券といったところが思い浮かびます。その番組では、自治体の担当者が法人税を滞納している廃業した温泉施設からいすなどを差し押さえて
オークションに出品していました。担当者は
インタビューの中で、
オークションは全国の多くの人の目に触れるから、物によっては想定外の高い値段がつくことがあり、従来は差し押さえなかった物品も差し押さえることができるようになるメリットがあるという話もしていました。番組では、自治体が出品した古くなった
大型中古スピーカーを落札した一般の人も紹介されていました。
実際にどのようなものが出品されているか調べてみたところ、不動産、自動車や株券、貴金属のほか、
一眼レフカメラ、レンズ、ブルドーザーや重機類、大理石の円卓、絵画、有名作家のバードカービング、
業務用ガス式ロースター、
クラシック音楽CDのセットなども出品されていました。悪質滞納者から差し押さえるのはやむを得ませんが、従来差し押さえていなかった物品を差し押さえることにより回収額をアップすることは、物品が役立つというリユースを促進し、財政状況を少しでも改善するというメリットがあります。
滞納差し押さえの対象物品を拡大するとともに、それらを
インターネットオークションで売り出すことも検討していただきますよう要望します。
以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
5 ◯議長(奥谷進君) 答弁を求めます。
佐々木市長。
〔
市長佐々木誠造君登壇〕
6 ◯市長(佐々木誠造君) 嶋田議員の御質問にお答えいたします。市長の政策構想についてということで数点のお尋ねがございました。順次お答えいたします。
まず初めに、異業種の新分野進出の支援についてお答えいたします。
私はこのたび、これまでの成果を確実な実感へを新しい
まちづくりに向けた方向づけとし、その基本方針を市役所の組織と職員を変革、強化することで、市民の皆様に信頼され親しまれる場にすることによる内なる改革と、これまで20年間で培った貴重な成果をこれからの
まちづくりに徹底的に活用することによる外への改革を進めることで、ひとづくり、まちづかい、まちそだてを積極的に行い、いつまでも喜んで暮らしていけるうれしいまちの実現を図っていくことを掲げました。そして、その
戦略イメージを「頑強で 逞しい しなやかな新しい青森市」とし、3つの強さ、4つのたくましさ、5つのしなやかさで果敢に攻めの自治体経営に取り組んでいくことを市民の皆様の前にお誓いいたしました。その中にありまして、頑強なまちをつくり上げていくために食戦略、
エネルギー戦略、経済戦略の3つの戦略を掲げ、内部力で基盤を固め、外部力で飛躍を遂げる産業構造への転換を図るためには、本市が持つ特色ある産業を緩やかに連携させ、異業種の新分野進出を支援することで、頑強な企業の育成へとつなげていくことといたしました。
現在、さまざまな分野において業種転換を進める企業の兆しがあらわれております。中小企業庁による平成14年の
中小企業白書によりますと、業種転換した中小企業の割合は7%に上り、大企業の割合でも4.8%となっており、中小企業が仮に15社あるとするならば、確実にその中の一社は本業を変えていることが明らかになり、現在におきましても、業種転換までには至らなくとも、異分野や異業種へ進出したい、あるいは検討している企業の需要は思いのほか多いものと考えられます。
私は異分野、異業種への進出理由として、企業の既存事業に対する将来への需要が期待薄となることが挙げられるのではないかと考えます。また、急成長が見込まれる分野の存在や余剰人員の活用、
既存事業分野の競争力低下など、ほかにもさまざまな要因があるとは思われますが、議員の御質問趣旨にもありますとおり、新たな事業を起こす際に、今の事業領域からどの分野に踏み出すかが重要なかぎとなります。
類似事業領域か、あるいはこれまでの業種内容とは全く別の領域かで大きくその方向性は異なり、新分野進出に当たっての業種の絞り込みには、議員も主張されております経営指導を受ける機会の確保が成功にとっての重要なファクターとなり、当然そのことを加味した施策の構築が重要となってまいります。
例えば、現在建築業界におきましては、建設投資額の右肩下がりの状況を踏まえ、新たな事業展開を図ることでその閉塞感を打破しようとする試みが広がっております。仮に建設業を営む事業者が農業分野に参入したいとの経営判断に立った場合、行政としての専門窓口を設け、庁内各部局による一体的な支援を行うという方策が考えられ、国におきましても平成21年度、
建設業経営支援緊急対策の一環として、異業種と連携して行う新事業をバックアップする
建設業地域総合産業化支援事業に取り組むとの情報も得ております。
私としましては、地域経済の活性化や雇用に対して高い波及効果が期待できる異業種の新
分野進出支援について、皆様のお力添えをおかりしながらその方策を打ち立ててまいりたいと考えており、農業分野のみならず、多分野間における相互の進出が行われることで、それぞれの企業がさらなる活性化を図れるよう、その対策を進めてまいります。
次に、市役所の改革についてのお尋ねにお答えいたします。
前段でも御答弁いたしましたように、本市がこれまでの長い間にわたって培ってまいりましたもろもろの宝物を十二分に生かし、
まちづくりに向かっての新たな第一歩を踏み出すためには、何といってもこの青森市の組織と職員をより頑強でたくましくつくりかえる必要があるということは言うまでもございません。その行政組織を形づくる中において重要な役割を担う機能の一つに広報広聴機能があります。広報と広聴は行政として伝えたいことを広く市民の皆様にいち早くお伝えすると同時に、あらゆる機会と手段を通して、今市民の皆様が何を訴え、何を求め何を考えているのかを素早くすくい上げるということであります。情報を発信する、あるいは提供するという行為は、伝えたいという発信者側の思いと、受け手側の純粋に知りたいとの思いがきちんと重なり合ってこそ生まれる連結行為であり、広報を英語でPR、つまりパブリックリレーションズということからも、そこには当然双方向的な意味合いが内包されているものと思います。
一方、民間企業におきましては、
マーケティング部門が市場調査やキャンペーンなどを通じて耳の役割を果たすことと相なり、その場合におきましても、広報が
マーケティング部門の機能の一部であるか、ないしは緊密に連携することが重要な要素となってまいります。
マーケティングは企業が行う活動のうち、顧客が真に求めるサービスを含めた商品、果実をつくり、その情報を届け、顧客がその商品を得られるようにする活動すべてをあらわす概念だと思いますが、企画、開発、設計から市場調査、分析、価格設定、宣伝、広報等の情報管理に至るまで、広範囲において
マーケティング活動そのものが行われていると言っても過言ではございません。その意味からも、行政が行う広報広聴活動とは、すなわち広義における
マーケティング活動であり、その機能的で即時性のある正確な広報広聴と、市においての政策立案に関する機能強化に向けて、まずは市職員の
顧客サービス意識を強固なものにし、明確な問題意識を持ちながら業務に当たる人材づくりを進めますとともに、組織として機能し得る新たな体制への移行を進めたいと考えております。
私が掲げる市役所の改革は柔軟、迅速な組織体制のさらなる構築を進め、市役所の司令塔たる広報広聴機能と
政策立案機能をともに強化させて一元化を図り、
社会経済環境変化、市民ニーズを的確にとらえながら迅速な施策を展開していくことであり、今これこそが私に求められる組織改革であるとの認識に立って、今後速やかに構築してまいります。
次に、こころの縁側構想についてお答えいたします。
こころの縁側構想は、私のしなやかなまちをつくり上げるための5つの支援策におきまして、少子化の急激な進展や超高齢社会の到来を受けて、それぞれの世代の要請にこたえるべく、すべての世代へのきめ細かな支援の中の一つに位置づけられるものであります。
私はこれまで高齢者及び子どもに対する施策を市の重要施策として明確に位置づけ、さまざまな手だてを打ち出してまいりました。本市には、元気な高齢者の方々が地域の中でさまざまな世代の方々とコミュニケーションを図りながら生きがいを持って暮らしており、その堂々たる姿をこれまで幾度となく拝見してまいりました。高齢者に対する行政からの支援は要介護者や要支援者のみの支援であるとも思われがちでありますが、介護保険料を納めていただいている方の中で、実際に
サービス提供を必要とされている割合は約17%程度でありまして、多くのお元気な方々が地域の中で日々の暮らしを営んでおられ、このような闊達に活動されている高齢者の方々を応援する施策がつくれないものか私なりに考えてまいりました。
市では、これまで
地域コミュニティのより一層の醸成を図るため、高齢者の方々に向けた交流の場の提供に努めてまいりました。例えば中心市街地を例にとりますと、まちなかのマンションにお住まいの高齢者の方々や商売をされている方々などがお茶を飲みながら、地域課題を含め快適な
まちづくりについて意見交換し合う茶話会を定期的に開催し、その催しが終わった後におきましても、参加者同士が互いに連絡をとり合ったり、街路の花の植えかえ作業にみずから進んで参加されるなど、その機運は十分に芽生えておりますことから、これまでも人と人、人と町による緩やかで継続的な
コミュニティの形成は図られてきているものと考えます。
このたび御提案申し上げますこころの縁側構想は、元気な高齢者の皆様が、深く愛してやまないこの住みなれた地域で、これからも楽しく生きがいを抱いて暮らすことを後方から御支援しようとするもので、互いに支え合う立場、気軽に集い合える立場、情報交換の場を行政が提供することで地域のつながりを深め、そこから派生する形でさまざまな世代の交流にまで広がることを視野に入れた構想であります。
その具体的な内容等につきましては、私といたしましては、地域における各
市民センターを初めとする公的施設、集会所、空き店舗などを想定しておりまして、おのずと地元町会や市民の皆様の御協力なくしてこの構想の具現化を果たせないものと認識しております。そのことから、例えば町会、
老人クラブ連合会、
地区社会福祉協議会、
NPO団体等とのパートナーシップにのっとった協働が重要となってまいりますし、地域の安全で安心なネットワークの構築を図るためにも、さまざまな世代との交流をも視野に入れることが肝要であると考えております。また、国が今年度に打ち出しました安心と希望の
介護ビジョンにおきましても、超高齢社会を迎える中で、募る将来の不安を乗り越えて、安心と希望を抱いて生活できる社会を築いていくために、2025年を見据えて取り組むべき施策を提言するとして、その大きな骨格の一つに、高齢者みずからが安心と希望の地域づくりに貢献できる
環境づくりを掲げておりますことは、私が望む地域における新たな支え合いの概念とも合致するものでありますことから、これらの動きをも見据えて、元気な高齢者の方々を応援し、それぞれの世代交流や町会等との協働を視野に入れた新しい展開策を検討してまいります。
7 ◯議長(奥谷進君) 答弁を求めます。
企画財政部長。
〔
企画財政部長橋本勝二君登壇〕
8
◯企画財政部長(橋本勝二君) 市税及び
国民健康保険税の平成19年度における
収入未済額と収納率、あわせて現在行われている収納対策につきましての御質問にお答えいたします。
まず市税、
国民健康保険税の平成19年度における
収入未済額と収納率について御説明申し上げます。
市税の
収入未済額は24億4802万余円と、前年度に比べ1億1782万余円増となりましたが、収納率につきましては93.2%と、前年度を0.29ポイント上回っております。
国民健康保険税の
収入未済額は30億1032万余円と、前年度に比べ1億9971万余円増となりましたが、収納率は72.54%と、前年度を2.13ポイント上回っております。
次に、収納対策についてでございますが、副市長を本部長とする青森市
収納対策本部において決定いたしました6項目から成る基本対策、1つ目、催告の強化、2つ目、強制徴収、
行政サービスの制限、3つ目、納付機会の拡大、4つ目、税等のPR強化、納付相談の充実、5つ目、外部委託の推進、6つ目、
業務進行管理の徹底、これら6項目を着実に実施しております。とりわけ催告の強化につきまして、新たな滞納を防ぐため、現年分の未納者に対し市税等の納付を促す
コールセンターを平成21年度から開設するための準備に現在着手してございます。また、納付機会の拡大につきましては、より納付しやすい
環境づくりのため、時代の要請にこたえるべく、近い将来においてコンビニエンスストアにおきます収納等を導入することを視野に鋭意検討を進めておる状況でございます。
今後もこの6項目の対策を継続強化し、滞納者との折衝に当たっては納付できる方、納付できない方、納付しない方を見きわめるためにも滞納となった原因、理由及び現在の生活実態等を把握するため、窓口での納税相談や電話、臨戸訪問等を行うとともに、所有する財産等の調査を行いながら個々具体的な税の負担能力等に応じ、きめ細かな対応を行うこととしてございます。しかしながら、一方的に分割納付の約束不履行を繰り返し、滞納額を一層増大させるなど、幾ら折衝しても誠意が見られない、いわゆる納付しない方に対しましては、地方税法の規定により滞納処分という厳正な対策を講じ、議員、御指摘のようなインターネットによる公売につきましては、既に取り入れ実施しているところでございますが、このこと及び他の方法も含めまして、より効果的な取り組みに努め、収納率の向上及び
収入未済額のさらなる圧縮等により、自主財源である市税の確保に努めてまいりたいと考えております。
9 ◯議長(奥谷進君) 18番
嶋田肇議員。
10 ◯18番(嶋田肇君) 市長初め部長の御丁寧な答弁を賜りありがとうございます。最後に、私から要望させていただきたいと思います。
立候補表明の際、市長が出された政策については、いわゆるマニフェストと認識しております。市長が答弁されましたように、今回提案された内容はあくまで基本的な方向性、考え方であり、今後さらにその詳細な検討が加わることになろうかと存じます。これまでの成果を確かな実感へにつきまして、私の考え方を若干述べてまいります。
市長は新たな
まちづくりにおける基本的な考え方として、インとアウトという言葉に置きかえ、内と外を変革、あるいは強化することで、「頑強で 逞しい しなやかな新しい青森市」をつくり上げると表明しています。すなわち、市役所の組織を揺るぎない頑強でたくましい組織としてよみがえらせると同時に、これまで佐々木市政が20年間培ってきたさまざまな蓄積をこれから4年間かけて徹底的に活用することでもあると認識しています。
佐々木市長は食、エネルギー、経済における3つの戦略と市役所の改革など4つの挑戦、すべての世代へのきめ細かな支援などによる5つの支援策を進めることで、さらなる町の進化が図られるとしております。この視点を私は高く評価したいと思います。市長が積み上げてきたこれまでの成果を一切合財無に帰する選択肢ではなく、市民の皆様と
佐々木市長が一緒になって築き上げてきた多くの蓄積を最大限に活用することこそ、これからの確かな実感へと進化させていくことと考えます。今回のマニフェストは地に足のついた内容となっているという印象を持ちました。大変期待しています。
今回質問した異業種の新分野進出、広報広聴機能と政策立案の強化策、こころの縁側構想につきましては、御答弁のとおり、これから具体的な部分を含めて検討されると期待しております。内容の実行においては、内と外の両面を強化させ、ひとづくり、まちづかい、まちそだてをより一層進めることで、市長が目指すいつまでも喜んで暮らしていけるうれしいまちの実現に取り組んでいただくことを切に希望し、私の要望といたします。どうもありがとうございました。
11 ◯議長(奥谷進君) 次に、4番
渡部伸広議員。
〔議員渡部伸広君登壇〕(拍手)
12 ◯4番(渡部伸広君) おはようございます。(「おはようございます」と呼ぶ者あり)4番、公明党の渡部伸広でございます。通告の順に従って質問いたします。市長並びに理事者の皆様の誠意ある御答弁をお願いいたします。
第1の質問は、地域活性化・緊急安心実現総合対策交付金等についてお伺いいたします。
これは平成20年度補正予算において、地方負担の増加に対応するための総額260億円を計上し、全国の自治体に交付するものであります。青森市の交付限度額見込みは3000万円になっております。公明党会派としても前回同様、去る10月24日に原油高騰対策、いわゆる福祉灯油に係る緊急要望を提出したところであります。原油価格の急激な高騰は原材料費や生活必需品の価格高騰をもたらし、多くの本市の企業が倒産するなど、本市経済にも多大な影響をもたらしております。また、可処分所得の減少した各家庭においては生活防衛を余儀なくされております。特に非課税世帯等の生活弱者の家計は深刻であり、生活支援が必要な状況にあります。
本定例会においても市長より福祉灯油購入費助成事業の提案がありました。前回は助成対象世帯のうち約50%の方が申請されたと伺っております。ということは、まだ約半分の対象世帯の方は利用されていないということでもあります。
質問その1は、今年度の事業実施に当たり、周知方法や申請受け付け方法を工夫して申請者をふやすべきであると考えますが、市長のお考えをお聞かせください。
次に、定額給付金についてお伺いいたします。
政府・与党が取りまとめた新経済対策の大きな柱である2兆円規模の定額給付金が、実施に向け前進しました。先月28日、総務省は事業の概要に関するたたき台を提示しました。給付対象となるのは、住民基本台帳に記録されている人と外国人登録原票に登録されている人のうち、永住外国人や日本人の配偶者などであります。所得の高い人の取り扱いについては給付の差異を設けないことを基本とし、市区町村が所得制限を設ける場合は、下限1800万円を基準として該当者に自治体が呼びかけることを可能としました。給付額は1人当たり1万2000円で、18歳以下の子どもや65歳以上の高齢者には8000円が加算されます。夫婦、子ども2人の4人家族で6万4000円の支給となります。青森市の人口は10月末現在30万8054人、そのうち外国籍の方も含め18歳以下の方が5万2733人、65歳以上の方は6万8626人であります。実に給付総額は46億8348万円に上ります。これは平成18年度の本市に対する国庫支出金約170億円の3.6分の1に当たる大変大きな数字であり、本市においても、その数字は家計を下支えすることはもちろんのこと、日常生活の中でその給付金を活用していただければ地元商店街などの活性化にもつながります。
消費の低迷は企業収益の悪化を通じてさらなる収入減を招くなど、景気の歯車を逆回転させかねません。こうした中、金融危機の震源地である米国で、オバマ次期大統領が勤労世帯の95%を対象に減税を行う方針を示すなど、世界はこの10年、特にこの2年、給付つき減税が多くの国で実施される趨勢にあります。
従来の景気対策の中で減税は大きな力でありましたが、昨今は減税の恩恵にあずからない人に合わせて給付することが大事という考えから、給付つき税額控除制度等という形でフランス、オランダ、イギリス、カナダ、そして韓国などで実施、またこれから実施されようとしています。つまり給付つき定額減税は世界じゅうで景気対策の潮流になりつつあります。今や収入の伸び悩みと物価高が続くかつてない異常事態に家庭の防衛意識は高く、景気悪化による先行き不安も加わって、消費の落ち込みは著しいものがあります。
最近の報道番組を見ておりますと、次から次へとこの定額給付金に対する悪口、批判が絶えません。そもそもことしに入り、原油を初め小麦粉などの原材料高騰で食料品、必需品の値上がりが家計を圧迫している、政府は対策を打つべきだと騒いだのはテレビを初めとするマスコミだったはずであります。また、地方丸投げと言いますが、所得制限を設けないと決めた市町村が圧倒的であり、やると決めた話は一つもありません。些細なことを大きな欠点であるかのごとく語り、日本の置かれた大局からの意見を失っているからであります。
しかし、考えてみれば、児童手当のときもばらまきだ、効果のないことだとあれほど騒いでおきながら、今になってだれもが評価するように変わっております。児童手当などはどの政党も主張するようになりました。ということは、これだけ悪口を言われるこの政策がいかに国民のためになるかを示しています。悪口、批判の大きさは政策のよさをはかるバロメーターなのかもしれません。公明党が主張してきた定額減税をもととする定額給付金も、収入を貯蓄に回す余裕がない中、消費を下支えする効果が期待でき、日々の生活に苦しむ家計にとって大きな救いとなることは明らかであります。事実、北海道新聞はかたくなった財布のひもを緩める効果があると評価し、11月17日付の日経調査では63%の人が期待しています。
日本総研の藤井英彦調査部長は、定額給付金が景気を押し上げるきっかけになるかというと、2兆円規模では足りないが、低中所得者の所得や雇用環境が悪化していることから、給付金はほぼ全額が消費に回り、GDP、国内総生産を0.4%程度押し上げる効果はあるだろう。景気がより悪化する流れをよりマイルドにする効果はあるのではないかと述べております。
また、全国商店街振興組合連合会桑島俊彦理事長は、ばらまきだと野党やマスコミは批判していますが、給付金はばらまきではありません。中小、零細企業や庶民は、米国発の金融不況などのいわば被害者です。困っている庶民を支援するのはばらまきでしょうかと話されました。
本来ばらまきとは、特定の業界だけに支援を講じる不公平なものを指し、生活支援が必要な国民全員を対象とする定額給付金には的外れの批判であります。財源に関しても、赤字国債を発行せず、公明党が取り組んできた特別会計改革の結果、財政投融資特別会計の準備金を充て、有効に活用すると聞いております。結局ばらまき批判は厳しい国民生活の現状を理解できない、庶民感覚とかけ離れた鈍感な主張と言わざるを得ません。
そこで質問いたします。
質問その1は、市長は定額給付金についてどのような期待を持っておられるのかお伺いいたします。
質問その2は、定額給付金についてはプロジェクトチームなどを早急に立ち上げ、準備に万全を尽くすべきであると考えますが、高額所得者も含め、市長の認識と対応をお伺いいたします。
次に、緊急保証制度についてお伺いいたします。
公明党の強力な推進で実現した中小、小規模企業への緊急保証制度がスタートして約1カ月が経過しました。公明党青森県本部としても11月4日、県信用保証協会に対し、同制度について円滑に実行されるよう積極的な対策を要望したところであります。中小企業庁によると、11月26日現在、この制度の利用件数は2万2000件を突破し、金額にして約5514億円の融資が承諾されたということであります。国際的な金融危機の影響が実体経済にも出始めている中、年末に向けて資金繰りに苦しむ中小企業の姿が改めて浮き彫りになった格好でもあります。
新制度は保証枠6兆円、対象業種を545業種に広げて始まりましたが、その後の追加経済対策で保証枠は20兆円規模に拡大し、対象業種も11月14日、新たに73業種を加えて618業種にまで広がりました。その結果、同制度は中小企業のほぼ全業種をカバーするようになり、融資額も1社当たり一般保証枠とは別に2億8000万円、うち無担保8000万円まで受けられるようになりました。あわせて業種を問わず利用できるセーフティーネット貸し付けも10兆円規模と3倍以上に拡充されました。そのほかの制度として、貸し渋りの一因とされている責任共有制度の対象外の保証制度である小口保証制度、資金繰りの急速な悪化による黒字倒産などを防ぐため、事前に保証つき融資を確保する予約保証制度、複数の融資を一本化し、返済期間を最大10年まで延長できる資金繰り円滑借款保証制度も整備されました。
しかしその一方で、全国的に見ると、融資がなかなか決まらない、窓口の対応が鈍いといった苦情も少なからずあるようであります。これは予想を上回る融資希望者に現場が対応し切れていないためであります。
質問その1は、10月末から始まった緊急保証制度についてどのような対応をしているのかお伺いいたします。また、本市におけるセーフティーネット保証第5号認定の件数についてお知らせください。
質問その2は、本市独自の融資制度である地場産業緊急支援資金の融資あっせん状況についてお知らせください。
第2の質問は、福祉行政、特に
国民健康保険についてお伺いいたします。
11月19日、市に対し公明党会派として子どものいる世帯に対する資格証明証交付の取り扱いについての緊急申し入れをしました。10月29日付の毎日新聞と朝日新聞に、親が
国民健康保険料を滞納しているため無保険の子、保険証のない子が全国で3万人以上いることが掲載されています。また、本市の9月議会においても議論のあったところであります。10月30日には国から被保険者資格証明書の交付に際しての留意点という通達が出され、その内容には、1つには、機械的な運用ではなく、特別な事情を把握した上で資格証明書の交付を行うこと、2つには、子どものいる滞納世帯の資格証明書の交付については、1つに、事前通知及び特別事情の把握の徹底、2つに、短期被保険者証の活用、3つに、養育環境に問題のある世帯に対する対応、4つに、緊急的な対応としての短期被保険者証の発行、この4つの事項に留意し、細やかな対応を行うこととしています。
11月12日、衆議院の厚生労働委員会で示された基本的な姿勢を要約しますと、今回の問題の本質は、悪質な滞納者に対する市町村の現場における取り組みと子どもの医療を適切に給付するバランスをいかにとるかという困難な問題である。仮に保険証を返還する場合は、子どもがいればその子どもに対して一律に保険証を交付するとなると、親は安心して悪質な滞納を続けるケースも想定され、保険の公平性という観点からは過度に過ぎる措置となるのではないか。国保事務が市町村の自治事務であることを勘案すると、今回の厚生労働省通知の趣旨を十分踏まえた対応を現場の市町村で行っていただくことが肝要ということでございますが、例えば大阪府を例に挙げますと、豊中市のように、児童福祉法と
国民健康保険法を遵守すると親にも短期被保険者証が交付されるため、不公平感が増大します。一方、交野市のように、子どもだけに短期被保険者証を交付し、親には資格証明書を交付すると、児童福祉法は遵守できるが
国民健康保険法を遵守できないという矛盾が生じ、地方自治体の裁量だけでは限界があると感じます。まずは無保険の子を出さないような取り組みが必要であると考え、以下の質問をいたします。
質問その1は、資格証明書の発行は機械的に行うのではなく、特別な事情の把握を十分に行うべきであり、特に子どものいる世帯については実態把握に最大限努めるため、滞納者への事前通知を現状の年1回ではなく複数回通知するべきと思いますがいかがでしょうか。
質問その2は、納付相談だけではなく多重債務、生活保護の相談窓口の周知を丁寧に行い、滞納者が相談しやすい環境の整備に努めるべきと思いますがお考えをお示しください。
質問その3は、他部門への相談があった滞納者の状況などの情報を共有化できるよう、庁内連絡体制の強化に取り組むべきであると思いますがお考えをお示しください。
第3の質問は、エネルギー行政についてであります。
質問その1は、人と環境に優しい交通システムに関連して質問いたします。
このたび青い森鉄道線の新駅設置に関し、県において平成20年度と平成21年度の2カ年にわたり、野内地区と筒井地区への新駅設置に向け測量調査、地質調査、基本設計を行うこととなったことから、これらの調査事業費の2分の1を本市が負担する債務負担行為も本定例会の一般会計補正予算に提案されておりますが、並行在来線青い森鉄道線の野内地区、筒井地区における新駅設置について、今後のスケジュールをお示しください。また、市民要望も出ており、最近の定例会において複数の議員から指摘がある久栗坂地区への新駅設置の展望についてもあわせてお知らせください。
質問その2は、市長は環境に優しいエネルギーへの転換を図り、エコが見える化運動などを全市的に展開することで、コンパクトシティからコンパクトエコシティへとしておりますが、その概要と具体的な事業をお示しください。
質問その3は、10月15日の東奥日報にも掲載されました北日本新エネルギー研究センターの概要についてお示しください。
以上で私の壇上からの質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
13 ◯議長(奥谷進君) 答弁を求めます。
佐々木市長。
〔
市長佐々木誠造君登壇〕
14 ◯市長(佐々木誠造君) 渡部議員の御質問にお答えいたします。
地域活性化・緊急安心実現総合対策交付金等についてのお尋ねのうち、定額給付金への期待、また定額給付金の認識と対応について私からお答えいたします。
定額給付金につきましては、追加景気対策の柱として政府・与党案がまとめられましたが、趣旨、目的、基準日、支給方法等、詳細につきましては不明な点があったため、この11月に総務省に対し、本市を含む全国市長会から、政府においてはこの制度の立案に当たって自治体において混乱が生じることがないよう、また国会においては十分な審議を尽くすことにより円滑に実施できるよう、遺漏のない制度設計を求める趣旨の要望を行いました。また、中核市市長会からは、制度については支給対象の制限の有無を含め、その趣旨、内容等を早急に明確にし、国民に十分周知を図ること、支給対象、支給方法等について現場が混乱しないよう早期に具体的な内容及びスケジュールを決定し明示すること、人件費を含め支給事務に必要な経費については、自治体の財政に負担を及ぼすことがないよう確実な財政措置を講ずることについて要望いたしたところであります。
こうしたことを受けて、総務省では去る11月28日に定額給付金事業の説明会を開催しましたが、それによりますと、この事業は景気後退下での住民への支援を行うとともに、あわせて住民に広く給付することにより、地域の経済対策に資することを目的に実施されるものであり、その概要は総額2兆円の予算で国民1人当たり1万2000円、18歳以下の方と65歳以上の方には8000円ずつ加算した金額を市町村が窓口となって支給することとされております。また、支給に当たり所得制限を設けるかどうかについては、所得を基準とする給付の差異は設けないことを基本としながら、自治体の判断により1800万円を下回らない額の制限を設けることができることとされております。
このような状況下にありましたが、本市におきましては去る11月21日、10課から構成する関係課長による会議を開催させ、現況における情報共有と検討課題の確認を行い、今後に備えるよう私が指示したところであります。ちなみに本市の平成20年10月末現在の住民基本台帳では人口30万8054人、世帯数13万1020世帯となっており、この数値で試算いたしますとおおむね46億円程度の金額が算出されますが、市の支給実績に応じ、国から市へ全額交付される見込みでありますことから、この給付金が仮に消費に充てられるとすれば本市経済の活性化に一定の効果が期待されるものと認識しております。また、広く消費拡大を図り、本市経済の活性化につなげるという観点から、所得制限を設けない方向で検討を進めてまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、定額給付金事業につきましては、国の第二次補正予算案がまだ提出されていない状況であり、総務省の説明におきましても内容の詳細については市町村の意見を聞きながら詰めていくこととされておりますので、今後は国の動向等を注視しながら情報収集に努め、人員配置、財政措置、窓口の混雑や振り込め詐欺など、もろもろの課題に対応し実施できますように、できるだけ早期にプロジェクトチームを立ち上げ、定額給付金の円滑な支給に向けて準備体制を整えてまいりたいと考えております。
次に、エネルギー行政について3点のお尋ねがございましたが、その中でコンパクトエコシティについて並びに北日本新エネルギー研究センターの概要について私から申し上げます。
私はこのたび、これまでの成果を確実な実感へをキーワードに据えて、新しい
まちづくりに向けての
戦略イメージを「頑強で 逞しい しなやかな新しい青森市」とし、3つの強さ、4つのたくましさ、5つのしなやかさで果敢に攻めの自治体経営へと取り組むことを市民の皆様の前にお誓いいたしました。
日本の平成19年度における食料とエネルギーの輸入量は約26兆円と言われ、これは御三家と呼ばれる自動車、電子部品、鉄鋼とほぼ同額であり、食とエネルギーの輸入価格が高騰する中にありまして、我が国はいまだ次なる基盤産業が構築されていないことを如実にあらわす結果となっているものと思われます。その意味から食戦略、
エネルギー戦略、経済戦略は本市にとりましても重要な要素となることは明白であり、これからは時代認識や世界観を含めてしっかりと地に足をつけた政策論に立ち返って、骨太で基本的な認識に戻ることで、「頑強で 逞しい しなやかな新しい青森市」をつくっていくことが求められます。
私たちには、これまでコンパクトシティの形成を全国に先んじて実践してきたことで、長年培ってまいりました数多くのストック、言いかえれば宝物が存在しているという大きな強みがあります。これからはそのコンパクトシティで培ってきた多くのストックをうまく利活用することで食戦略、
エネルギー戦略、経済戦略の3つの戦略をその基底に据えながら、ひとづくり、まちづかい、まちそだてを図っていくことが重要であると考えます。
その中にあって、議員、お尋ねのコンパクトシティからコンパクトエコシティへの進化につきましては、高度な都市機能が集積している本市のコンパクトシティの最終形を見据え、まちづかいやまちそだてを推進しながら新たに環境、
エネルギー戦略というスパイスを加えることで、さらなるコンパクトエコシティへの進化を遂げさせようとするものであります。
児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査における暴力行為とは、自校の児童・生徒が起こした暴力行為のことを言い、対教師暴力、生徒間暴力、対人暴力、器物損壊の4つの形態を調査対象としております。これら言葉の定義として、対教師暴力とは、教師に危害を加えたり加えようとしたもの、生徒間暴力とは、学校内での生徒同士のけんか等により一方がけがを負わせたもの、対人暴力とは、他校の生徒や一般の人にけがを負わせたもの、器物損壊とは、物品を故意に損傷させたり補修を要する落書きをしたり動物を故意に傷つけたりしたものを言います。
議員、お尋ねの平成19年度の暴力行為の発生件数につきましては、小学校では合計2件となっており、その内訳は生徒間暴力2件となっております。中学校では合計116件となっており、その内訳は対教師暴力21件、生徒間暴力53件、対人暴力7件、器物損壊35件となっております。前年度と比較して、小学校では1件の増加、中学校では2件の増加となっております。また、特徴といたしましては、対教師暴力が半減する一方で、生徒間暴力が増加していることでございます。
児童・生徒が暴力行為に至った原因として考えられることは、規範意識が低下し、善悪の判断ができないことや自分の感情をうまくコントロールできないこと、気持ちをうまく表現できないことなどが挙げられております。これらの暴力行為を含めた問題行動等への対策には、規範意識の育成や他人に対する思いやりを育て、好ましい人間関係づくりを進めることが重要であるとの観点から、各学校におきましては、いけないことはいけないと毅然とした態度で繰り返し粘り強く指導することや人として行ってはならないことなど、社会生活を送る上で持つべき最低限の規範意識について、道徳や各教科の授業を初め、すべての教育活動を通して指導しているところでございます。また、子どもたちを取り巻く環境やその背景が複雑化し、多様化していることを踏まえ、保護者、地域、警察や児童相談所などの関係機関との連携を図りながら指導に生かすよう、鋭意努めているところでございます。
これら各学校での取り組みに加え、児童・生徒の問題行動等の未然防止、早期発見、早期対応を図る観点から、教育委員会といたしましては、1つには、青森市少年指導委員による巡回活動や各校の巡回指導員による保護者、地域住民及び関係機関との協力による心の触れ合い運動を継続すること、2つには、生徒指導にかかわる教員への研修講座、生徒指導連絡協議会、学校訪問等を通じて生徒指導への取り組みについて働きかけること、3つには、研修講座を通して教員の資質向上を図ること、4つには、教育相談体制の充実を図ること、5つには、小・中学校の連携を一層推進することの5点を柱とし、引き続き取り組んでまいります。
次に、教員の健康管理への取り組みについての御質問にお答えいたします。
各学校におきましては、解決しなければならない課題や学校現場に対する要求が多様化、複雑化する中、教育委員会では、教員が児童・生徒に向き合う時間を十分に確保し、子どもたちが安心して学校生活を送れるよう取り組んでいるところでございます。
文部科学省の統計調査によりますと、全国の教員の病気休職者数が増加傾向にある中、精神性疾患による休職者数も同様に増加の傾向を示しております。本市におきましてもわずかではありますが、精神性疾患による休職者数が増加の傾向を示しております。このことから、教員の健康管理について、学校訪問、校長会及び教頭会を通して、1つには、教員が気軽に周囲に相談することができる職場環境整備に努めること、2つには、会議や行事を見直しすることにより校務の活性化を図るとともに、一部の教員に過重な負担がかからないよう適正な校務分掌を整えること、3つには、管理職は人材育成、評価制度の面談等を活用し、教員の日常の勤務状況や心身の健康状況の把握に努めること、4つには、健康診断の結果に基づき、該当者に対し治療を促すなど適切な指導を講じることとし、特に精神性疾患が疑われる教員に気づいた場合には、早期の医療機関への受診を促すなどの適切な対応をとることなどの指導助言を行ってまいりました。また、すべての教員がカウンセリングを受けられる体制を整えるため、県から配置されているスクールカウンセラー制度の周知を図るほか、教育研修センターに配置されている教育相談員が教員の相談に応じるなどの対策を講じているところであります。さらに、今年度は青森市立学校職員健康障害防止対策実施要綱を策定し、労働時間の適正な把握を行うとともに、時間外及び休日労働の一層の縮減に努め、教員の健康管理の徹底を図ることとしております。
児童・生徒一人一人の力を伸ばす充実した指導を行うためには、教員自身が心身ともに健康であり精神的なゆとりを持って子どもたちに接することが肝要であると考えておりますことから、今後も教員の健康管理の保持に積極的に取り組んでまいります。
73 ◯議長(奥谷進君) 答弁を求めます。総務部長。
〔総務部長横山精一君登壇〕
74 ◯総務部長(横山精一君) 地元業者優先の入札方法に関するお尋ねにお答えいたします。
公共工事等の発注に際しましては競争性、公正性、透明性の確保とともに地元業者育成の視点から、本市ではこれまでさまざまな入札、契約制度の適正化を進めてまいったところでありますが、さらなる公正性、透明性を確保する観点から、指名競争入札を行う委託契約にも予定価格の事前公表を拡大し、明年4月1日の実施をめどに準備を進めることといたしております。
現在、本市の入札方法は指名競争入札を原則としておりますが、この指名競争入札につきましては、発注者が施工能力等の情報をあらかじめストックしている点で、発注する工事に見合った技術力の有無、工事の品質確保の信頼性等を踏まえた効率的な発注ができることに加えまして、地元業者の受注機会を確保できることなどの利点があり、地元業者育成の視点からも有効な入札方法であると考えております。一方、一定の資格を持つ業者であればだれでも参加できる一般競争入札に比べて、競争性等の点において問題があることも否めない事実であります。
このような状況を踏まえ、既に一般競争入札を実施しております青森県や他都市における実施状況、本年度本市が導入した総合評価方式に係る課題や効果なども把握した上で、平成22年度から予定しております一般競争入札の実施に向けて検証、検討を行うこととしておりますが、その実施に当たりましては、入札参加の際に一定の条件を付した条件つき一般競争入札を視野に入れるなど、地元業者の受注機会の確保と育成を念頭に置いた発注に意を用いなければならないものと考えております。
今後とも入札、契約制度の適正化につきましては、これでよしとすることなく、引き続き検証を行ってまいります。
75 ◯議長(奥谷進君) 答弁を求めます。健康福祉部赤垣理事。
〔健康福祉部理事赤垣敏子君登壇〕
76 ◯健康福祉部理事(赤垣敏子君) 福祉問題についての3点の御質問に順次お答えいたします。
初めに、後期高齢者医療制度についてのお尋ねにお答えいたします。
平成20年4月からの後期高齢者医療制度の施行に当たり、青森県後期高齢者医療広域連合及び本市におきましては、後期高齢者医療制度の被保険者に関するシステムや保険料の賦課、徴収を実施するためのシステムなど、制度の円滑な運営を図るために必要となるシステムの開発を行うとともに、
国民健康保険に関する既存のシステムにつきましても、所要の改修をあわせて行ってきたところであります。これらのシステム開発等に要した経費につきましては、国から平成18年度分の国庫補助金として、また、平成19年度分の国庫補助金並びに特別調整交付金として、青森県後期高齢者医療広域連合及び本市に対し、それぞれ一定額が交付されております。
まず、青森県後期高齢者医療広域連合におけるシステム開発等に要した経費と国から交付された補助金の額ですが、青森県後期高齢者医療広域連合に確認しましたところ、平成19年度分としてシステム開発等に要した経費は5311万7112円、それに対する国からの補助金額が176万7000円となっております。
次に、本市におけるシステム開発等に要した経費と国から交付された補助金の額ですが、平成18年分としてシステム開発等に要した経費は2828万552円、それに対する国からの補助金額が1714万円となっております。平成19年度分としましては、システム開発等に要した経費は1億676万8254円、それに対する国からの補助金並びに調整交付金が4744万6254円となっております。2カ年度の合計では、システム開発等に要した経費は1億3504万8806円、それに対する国からの補助金並びに調整交付金は6458万6254円となっております。
なお、平成18年分として本市が交付決定を受けました国庫補助金につきましては、システム開発等に要した経費が平成19年度に繰り越しの上、支出されたため、当該国庫補助金につきましても平成19年度に繰り越しの上、交付を受けているところであります。
次に、
国民健康保険国庫普通調整交付金の返還額についてのお尋ねにお答えいたします。
普通調整交付金につきましては、市町村間の財政力の不均衡を調整するため設けられた制度で、市町村の
国民健康保険の財政力に応じて配分されるものでありますが、その算定に当たっては、市町村の
国民健康保険財政の支出、いわゆる調整対象需要額と収入、いわゆる調整対象収入額のそれぞれにつき、算定省令で定める一定の方法でその額を算定し、その結果、収入額が不足する市町村に対し、その不足額を基準として交付されることとなっております。
昨年5月23日と24日の2日間、会計検査院による青森市における平成13年度から平成17年度の5カ年の
国民健康保険会計実地検査が行われ、このうち平成15年度、平成16年度の旧青森市及び旧浪岡町における普通調整交付金交付申請において、調整対象需要額が誤って算定されており、旧青森市におきましては平成15年度は618万6000円、平成16年度は642万6000円、合計いたしますと1261万2000円、旧浪岡町におきましては平成15年度は108万9000円、平成16年度は1000円、合計いたしますと109万円、旧青森市、旧浪岡町を合わせまして1370万2000円の過大受給額となったものであります。この原因につきましては、平成14年度に普通調整交付金の算定基準が改正され、それまで調整対象需要額の対象であった人間ドック、がん検診、基本健診などの健康診査事業に係る費用が対象外と変更されたにもかかわらず、算定を誤り、対象経費として計上したことによるものであります。
いずれにいたしましても、今後におきましては、制度改正等を含めて最新の情報把握に遺漏のないよう、適切な事務の執行に努めてまいります。
次に、
国民健康保険の被保険者資格証明書が交付されている中学生以下の子どもがいる世帯数及び人数と本市の対応につきましてお答え申し上げます。
先ほど渡部議員の質問にお答えいたしておりますように、
国民健康保険被保険者資格証明書の交付は、
国民健康保険法第9条第3項並びに同条第6項の規定に基づくものであり、その趣旨は、資格証明書交付事務を通じて、できるだけ被保険者と接触する機会を確保し、保険税の納付相談、納付指導に努めることを目的としているものであります。このことから、本市においては文書や電話による催告はもとより、夜間納付相談の開設、休日や夜間の電話による納付相談、臨戸訪問など、これまで数多くの接触する機会を設けてまいりましたが、これら再三の催告等によっても納付相談に応じていただけない方や納付及び分割納付の約束はしていただいたものの、その約束を誠実に履行せず不履行を繰り返す方については、保険税を誠実に納付されている方との負担の公平を確保する上からも、被保険者証の返還を求めながら適正に運用してまいったところであります。
お尋ねの中学生以下の子どものいる資格証明書交付世帯数につきましては、平成20年11月14日現在において36世帯であり、中学生以下の子どもの人数は、乳幼児がゼロ人、小学生が28人、中学生が22人という状況であります。
こうした中にあって、今般、国から通知された被保険者資格証明書の交付に際しての留意点についてにおいては、特に子どものいる滞納世帯に対するよりきめ細かな対応を求めておりますことから、本市といたしましては、これまでの納付相談、納付指導に加えて、
国民健康保険税を賦課している国保医療年金課においても、現在小・中学生のいる世帯を対象として、まずは全戸訪問により、資格証明書の交付にならない特別の事情をお持ちかどうかなどの実態把握に努めているところであります。
先ほどシステム開発経費及び国庫補助金の交付額に関し、平成18年分と申し上げましたが、正しくは平成18年度分でありますので、謹んでおわびし、訂正させていただきたいと存じます。
77 ◯議長(奥谷進君) 33番鳴海強議員。
78 ◯33番(鳴海強君) それぞれ御答弁いただきましてありがとうございます。それでは、再質問と要望を申し上げたいと思います。
まず、先ほど総務部長から御答弁いただいた地元の建設業者に対する発注については、平成22年度から条件つきの入札方法も検討するということですから、なるべく地元の業者が仮に下請になってもちゃんと保証されるような入札方法をお願いします。先ほど答弁の中でも、入札の際には事前公表しているという話もございましたけれども、今話を聞くとかなり厳しいようでありますが、これは何も建設業者だけが厳しいわけじゃなくて、今業種を問わず大変厳しい状況にありますけれども、とりわけ建設業者にとっては公共事業が減ってきているというのがやっぱり一番のようです。
特に建築関係については、それこそ大手の何々ハウスとか、ああいうところがほとんど受注しておりまして、地元の大工さんも仕事がないといったことも聞いております。今、そのように地元で仕事がないものですから、出稼ぎに行っている。ただ、出稼ぎに行っても、中央の方でもなかなか仕事がないんだそうです。そういった状況もありますので、なるべく出稼ぎに行かなくても済むような資金面においての支援体制もぜひともお願いしたいと思います。
それで、要望、意見として申し上げたいのは、10月に国土交通省がいわゆる総合経済対策の一環として建設業者を支援する緊急対策をまとめました。これによりますと、公共工事の受注業者が本来は完成後に受け取る予定の代金を担保に、金融機関から融資を受けることができる制度を創設するということになっています。したがって、恐らく県を通してこの内容が明らかになるかと思いますけれども、国土交通省がこの新しい制度の中で中小企業に対して資金繰りをする金融機関から融資を受けられるような制度内容にしていくということで、国土交通省所管の財団法人建設業振興基金等、民間の保証会社が債務保証するということで、金融機関のリスクを幾らかでも軽減しながら、中小企業に対して支援していく。公共工事が発注されて、大体工事が5割程度進めば融資が受けられるような内容の制度でありますから、県の方から来た際には、市としてもぜひ積極的に取り入れて、資金繰りに苦しんでいる業者に対して、この制度をぜひとも活用させていただくように要望を申し上げたいと思います。
それと、今この中で特に前倒しで検討しているのが、弁護士と公認会計士、さらに税理士などで構成する建設業経営支援チームとして、建設業者に派遣する事業も検討しているようであります。話を聞くと、午前中にも話があったように、やっぱり経営者の中にはどうしても経営感覚の部分が若干弱いというところもあると聞いておりますので、できればこういったこともぜひとも念頭に置いて、助言も含めてお願いしておきたいと思います。
質問に入りますけれども、まず教育問題について再質問させていただきます。
1点目は、先ほど教育長から答弁があったように、やっぱり本市においてもいわゆる精神疾患による休職者が増加の傾向にあると聞いております。そういう意味で、平成17年度から平成19年度までの休職者が何名いるのかを明らかにしていただきたいと思います。
また、スクールカウンセラーや先ほど答弁のあった教育相談によるカウンセリング体制は整っているようでありますけれども、やはり精神科医による面接相談を受ける体制をぜひとも整えていく必要があるのではないかと思います。このことについて教育委員会の考え方をお尋ねします。
2点目は、さっき教育長から答弁があり、若干絡むんですけれども、やっぱり教員の健康管理の背景には教員の多忙化という問題が内在していると思います。その関係で、教員の多忙化の解消策として、教員事務の削減という方策をまず考えていかなければいけないのではないか。あわせてその一例として、学校で行っている公金以外の徴収金の徴収事務を一部保護者にお願いしている学校があると聞いておりますが、保護者としての公金の取り扱いですから、やっぱり計算間違いとか、徴収金の紛失等が起こらないようにかなり神経を使って作業しており、精神的に大変な負担になっていると伺っております。こういった問題について教育委員会でどの辺まで把握しているのかは別にしても、考え方をぜひ示していただきたいと思います。
次に、福祉問題についてですが、1点目は、後期高齢者医療保険料の特例対策による軽減措置で、今年度所得割が半額となったわけです。したがって、その件数とできれば金額について示していただきたいと思います。
2点目は、
国民健康保険税の特別徴収について、過去に滞納がなく、今後口座振替により確実に納付していただける方については、口座振替に変更ができることとされておりますが、この特別対策により10月から特別徴収を口座振替に変更した件数について、新聞で見ると非常に少ないようにありますけれども、実際どのくらいあるのかお聞きします。
以上です。
79 ◯議長(奥谷進君) 答弁を求めます。教育長。
80 ◯教育長(角田詮二郎君) 鳴海議員から教育問題について2点の再質問がございました。
初めに、教員の健康管理についての御質問にお答えいたします。
本市における平成17年度から平成19年度までの小・中学校職員の休職者数は、平成17年度は休職者が11名、そのうち精神性疾患によるものが4名、平成18年度は休職者が13名、そのうち精神性疾患によるものが5名、平成19年度は休職者が11名、そのうち精神性疾患によるものが7名となっております。
次に、精神科医による面接相談を受ける体制を整えていく必要もあるのではないかとの御質問ですが、教育委員会といたしましても、メンタルヘルス対策の充実という面から、相談体制を充実していくことは極めて大切なことと受けとめております。職場における労働者の健康管理の充実を目的とした労働安全衛生法の改正を受けまして、先ほど壇上でも申し上げましたとおり、教育委員会ではことし10月に青森市立学校職員健康障害防止対策実施要綱を策定し、長時間労働を行った職員がいるときは、当該職員の申し出を受けて精神科医師による面接相談を受けさせることとしております。
その健康相談員については、先般、青森市医師会からの御推薦を受け、医学博士で精神保健指定医並びに日本医師会認定産業医の資格をお持ちの開業医の方に御委嘱を申し上げたところでございます。
何はともあれ、教職員が充実した学校教育活動を行うためには、まずもって教職員自身が心身ともに健康であることが肝要でありますことから、今後も教職員のメンタルヘルス対策の充実に取り組んでまいります。
次に、学校徴収金についての御質問にお答えいたします。
学校の徴収金につきましては、給食費や日本スポーツ振興センター災害共済掛金などのいわゆる公金のほか、教育活動上必要な教材費や郊外学習時のバス代の一部負担金などがございます。また、それ以外の徴収金といたしましては、PTA活動上必要なPTA会費や教育振興会費などがございます。いわゆる公金以外の徴収金につきましても、当然にしてその取り扱いは慎重を期さなければならないものであります。しかし、その徴収事務は教員が多忙を感じる要因の一つとなっており、各学校においては教員の多忙化を緩和する方策の一つとして、学校と保護者とが相談の上、保護者の方々に徴収事務の一部を御協力いただいているところでございます。
教育委員会といたしましては、各学校において、今後保護者の皆様と十分に御相談申し上げながら、徴収事務に協力することへの負担感や収支が適正であるかどうかという不安感を抱かせることのないよう、徴収金の取り扱いをするに当たっての環境を整え、保護者の皆様が学校と良好な関係のもとに御協力願えるよう、少なくとも協力される保護者の方々に不快な思いをさせることがないよう、校長会等を通して各学校に徹底してまいりたいと考えております。
81 ◯議長(奥谷進君) 答弁を求めます。健康福祉部赤垣理事。
82 ◯健康福祉部理事(赤垣敏子君) 福祉問題についての2点の再度の質問にお答えいたします。
初めに、後期高齢者医療保険の特別対策によって今年度所得割が半額となった件数と金額についてでありますけれども、本年7月の後期高齢者医療保険料の賦課確定時における対象件数と金額となりますが、件数は2316件、金額にいたしますと2405万8420円となっております。
続きまして、
国民健康保険の特別徴収についてですけれども、10月から特別徴収を中止し口座振替に変更した件数ですけれども、特別徴収件数7791件のうち112件となっております。なお、申し込みは現在も受け付けしており、特別徴収の中止依頼が間に合う時期から随時口座振替に変更しております。
以上でございます。
83 ◯議長(奥谷進君) 次に、7番
中田靖人議員。
〔議員中田靖人君登壇〕(拍手)
84 ◯7番(中田靖人君) 7番、政風会、中田靖人です。通告の順に従い一般質問いたします。
まず1点目の都市整備について質問いたします。
私は先日、11月10日に有志を募り、JR東日本の本社を訪問いたしました。そして勉強会を開催していただきました。2年後の新幹線開業を見据えて、本市とJR東日本との連携強化をするべきという思いから実現にこぎつけたものでございます。勉強会にはJR東日本の副社長の谷さんや整備推進部門のトップの西野さんにもお越しいただきました。そして、その勉強会の中で、平成22年の12月中に新幹線新青森駅を開業するということを午前中に発表したという報告が谷副社長からございました。このことは大変ありがたく、JR東日本が本市との協力関係をこれから大事にしていきたいという思いが伝わってまいりました。
勉強会の中で私は、2年後の新幹線開業に合わせて、観光面での協力を要請いたしました。JR側からの回答は、本州最北端の青森市としっかりと連携して商品を開発することは自分たちにとっても大きなメリットがある。デスティネーションキャンペーンで大々的に宣伝していくということでございました。考えてみれば明らかです。関東の都心部から青森市までの距離が一番長く、JRとしてもおいしい商品をつくることができるわけであります。それまでに我が青森市が何をしなくてはならないかを考えなくてはなりません。取り組まなくてはならない課題はたくさんございますが、今回は都市整備について考察してみます。
外から来た観光客が最初に青森市を感じるのは、おのずと新青森駅です。乗りかえを果たし、次に訪れるのが現青森駅です。現青森駅周辺の回遊できるような施設の整備は少しずつなされているようでございます。アウガであり、ふるさとミュージアム、観光情報発信施設とハード整備は着々と進んでおります。
もう1点、にぎわいを出すことによって青森市のイメージアップを図っていかなくてはなりません。本市の場合、商圏が分散してきております。浜田地区に巨大なSCが出現したことにより、一段と新町商店街の地盤沈下が進んでおります。町は生き物なので、幾ら規制をかけてもしようがないといった議論もあります。しかし、バランスのある
まちづくりを考えたときに、青森市の顔となるべき青森駅周辺整備というものは必要不可欠であります。
私も議員となってから視察でたくさんの町を訪問しております。どこの町へ視察に行っても、最初の印象を決定づけるのはその土地の駅であります。新幹線開業及びこれからの中心市街地活性化をにらみ、青森駅周辺整備を総合的に考えていかなくてはなりません。将来的に現青森駅は交通の要衝になります。バスにしても青い森鉄道にしてもそうです。市民にとって一番身近な交通の拠点となるものと思われます。
そこで、中心市街地に市民総合窓口を設置するという市の施策を踏まえ、現駅周辺に設置することができないかと考えます。本庁舎を訪れる市民の方々の利便性を考慮し、また、中心市街地ににぎわいを出すといったことも総合的に勘案したときに、私は現駅周辺、もしくは現駅に市民総合窓口のシステムを付加するべきと考えます。
そこでまずは質問いたします。新青森駅開業を見据え、中心市街地活性化を図るため、現青森駅周辺に市役所の窓口機能を付加するなど機能を整備し、中心市街地の交流人口の増加を目指すべきと思います。市のお考えをお示しいただきたいと思います。
2点目は、環境政策に関して質問いたします。
私は当初、CO2の排出削減に貢献するためにも、化石燃料から新エネルギーへと代替エネルギー化しなくてはならないと議会の中でお話ししてまいりました。昨今の世論も総じてCO2排出削減を実現するために、化石燃料から新エネルギーへの転換を実現しなくてはいけないといった論調であります。しかし、新エネルギーへと転換を図ることにはそれだけではない要素があるということを最近考えております。
CO2が本当に地球温暖化の原因なのかという根本的な疑念もぬぐい去ることができません。CO2排出削減の政策のために、日本政府は年間1兆円以上の税金を投入しております。しかし、仮に京都議定書で約束した削減目標が守られたとして、さらにIPCCの予測が正しいとして、100年後の気温低下に対する日本の貢献はわずかに0.004度であります。今の環境政策は誤っているのではないかという疑念が出てくるのも理解できます。しかし、大局的に見たとき、新エネルギーが化石燃料にかわるエネルギーとして利活用されるようになれば、資源に乏しい我が国の環境政策面でのメリットになります。新エネルギー分野でのリードは、化石燃料が枯渇した後の世界経済をリードすることになります。
もう1点メリットがございます。エネルギーと人口の安定はリンクしております。人口を養うためにもエネルギー補給環境を整えることは必要不可欠です。
青森県は、食糧自給率が100%を超えております。しかし、日本全体で見ると40%を切っているのが現状であります。エネルギーの確保が人口の確保にもつながることは歴史を見れば明らかです。石油という上質なエネルギーを使えるようになって世界人口は急増いたしました。20世紀初頭16億5000万人だった世界人口は、今や68億人へと急増しております。農業にしても漁業にしても、生産するためにはエネルギーが必要です。食料を確保するということイコールエネルギーを確保するということであります。そして、人口を確保するということイコールエネルギーを確保するということであります。それだけ新エネルギーを開発するということが大事なんだということを理解した上で、代替エネルギーの開発をしていかなくてはなりません。少子化対策にもリンクする喫緊の課題であります。
また、私は将来的な地方自立の大きな動きの中で、新エネルギー確保のための
コミュニティの確立を予測いたします。過去の議会の一般質問の中でも取り上げてまいりましたが、BDFについて話しますと、産業廃棄物として破棄される廃食用油をプラントを通して燃料化するためにも、原資となる廃食用油を収集しないといけません。そのためには、最初は行政中心であったとしても、将来的には最小に近い
コミュニティの単位である町会がやることになっていくものと思われます。新エネルギーを持続可能に確保するためには、
地域コミュニティの確立が不可欠になってくるものと思われます。落とし込みがなされるようにするためにも、まず啓発をしていかなくてはなりません。
また、前回の議会からお話しさせていただきましたが、雪国青森においても太陽光パネルによる発電というのは有効活用できるということをお話ししました。化石燃料にかわるエネルギーとして現在あるのは原子力発電、太陽光、風力発電、地熱などが有力な候補であります。原発は我が青森県も所有しておりますが、廃棄物の処理が困難で、持続可能なエネルギーとは言いがたいと思われます。残りの3種類は持続可能ですが、どれだけのエネルギー量を発生できるかが問題です。費用対効果を考えることと民間への落とし込みができるということ、そして新しい産業を創出するということなど総合的に判断すると、私はやはり太陽光だと思います。
私たちの風土や環境に合う形の新エネルギーを見つけ、根づかせていかなくてはなりません。それが、その都市の顔を形成するとも思います。新しい青森の顔を新エネルギーによって形成するものと思います。
そこで質問いたします。新エネルギーに関して、本市の取り組みについてお示しください。
以上をもちまして壇上からの私の一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
85 ◯議長(奥谷進君) 答弁を求めます。
佐々木市長。
〔
市長佐々木誠造君登壇〕
86 ◯市長(佐々木誠造君) 中田議員の御質問にお答えいたします。
まずは、都市政策についてのお尋ねにお答えいたします。
私は、青森市長として就任以来、これまで、
まちづくりの基本理念をコンパクトシティの形成と掲げ、無秩序な郊外開発をできるだけ抑制することで、郊外に広がる豊かな自然環境をこの町が誇る大切な宝物として守り育て、その一方で、本市の顔とも言える都市機能が高度に集積した中心市街地の活性化を図り、町に調和と活気を取り戻すことに積極的に取り組んでまいりました。
その成果として、中心市街地に居住人口やにぎわいが回復し、活気が戻ってまいりました。今後はこれまで培ってまいりました数多くのストック、宝物を徹底的に活用すること、つまりはこれまでの成果を確かな実感へと導かなくてはなりません。そのためには、ひとづくり、まちづかい、まちそだてをその基本方針に据えながら、「頑強で 逞しい しなやかな新しい青森市」をつくり上げ、いつまでも喜んで暮らしていけるうれしいまちの実現に向け、市民の皆様とともに進んでいくことをお誓いいたしました。
中心市街地活性化を図るために、現青森駅周辺に市役所の窓口機能を付加するなど、機能整備して交流人口増加を目指すべきではないかという中田議員の御提言は、私の基本的な方向性と乖離するものではなく、大変示唆に富む提言であると拝聴いたしております。
現青森駅周辺は、公共交通を含めた鉄道などのターミナル機能が充実しており、また行政機能、商業機能など高度な都市機能も数多く集積しておりますことからも、中心市街地におけるさらなる進化を見据えた場合、さらに住みやすく、さらに便利にするためには、行政窓口が持つ集客性等は着目すべき大きな視点の一つでありますので、より利便性の高い市民
サービス提供に向けて、ひとづくり、まちづかい、まちそだてをその基底に置きながら、市全域を俯瞰した供給機能の役割分担や費用対効果など、多角的な検証を加えて総合的に判断しながら、その可能性を探ってまいりたいと考えております。
次は、環境政策について、新エネルギーに関しての取り組みについてお尋ねがありました。
昨今の原油価格の高騰に見られますように、エネルギーの需給構造が脆弱な我が国において、エネルギーの安定供給は極めて重要な課題であることに加えまして、国際的な二酸化炭素抑制対策の高まりの中で、地球環境問題への積極的な対応を図ることが喫緊の課題となっており、本市におきましても、エネルギー問題と地球環境問題の解決に向けた取り組みは重要な問題と認識しているところであります。
このことを踏まえまして、既に河川水、温泉排湯を利用した融・流雪溝や下水処理水を利用した積雪・融雪処理槽の整備、国際芸術センター青森での雪冷熱を利用した冷房施設、東陽小学校での太陽光発電設備の導入などを通じて、地域の未利用エネルギーの有効活用に取り組んでまいったところであります。また、市民の皆様への普及啓発をも意図し、東北電力様との共同で省エネルギー給湯器や家庭での消費電力をチェックする装置の導入支援、そして導入効果を広く市民の皆様に紹介する広報誌の配布など、その普及促進に努めております。しかしながら、CO2の削減や石油代替エネルギーへの転換は、その可能性を含め限りはなく、青森市環境方針で掲げております環境への負荷の少ない持続的発展が可能な都市「青い森 青い海を活かした ‘環境都市’」の実現のために、市全体としてより効果的な取り組みが求められているものと認識いたしております。
この対応といたしまして、現在、青森市地域新エネルギー・省エネルギービジョンの策定を進めているところでありますが、市、事業者、市民の別なく、まさに一体となって取り組む新エネルギー、省エネルギーの導入、普及促進に向けた方向性や重点プロジェクトを整理し、まとめることといたしております。最終的には、明年2月の策定を予定しておりますが、これまでの経過の中では、議員、御指摘の太陽光発電やBDFの導入は有益な手段として評価されておりまして、議員との共通認識のもとに市としての具体的な取り組みを想定しなければならないと考えております。幸い弘前大学を中心とした北日本新エネルギー研究センターが本市に立地され、今後に向けて同センターと一体となって取り組むことによる相乗効果を享受することができますことから、これを好機ととらえて市民生活、交通、産業等幅広い分野での新エネルギー、省エネルギー対策を強化し、今を生きる私たちはもちろん、次の時代を担う子どもたちにとってもかけがえのない地域環境を守り続けるエコシティ青森の創造を目指してまいりたいと考えております。
87 ◯議長(奥谷進君) 7番
中田靖人議員。
88 ◯7番(中田靖人君) 誠意ある御答弁、ありがとうございました。提案、要望して終わりたいと思います。
まず、現駅周辺へ市民総合窓口を設置するという件でございますけれども、先ほどもお話しさせていただきましたが、2年後に新幹線が開通し、それに合わせて青い森鉄道が運営されていく、駅も2つ新設されるということもほぼ決定しておりまして、今以上に市民の足としての機能が果たされていくということが予想されるわけであります。そしてバスターミナルもそれに付加されていくということで、やはり現駅が交通の要衝になっていくということが予測されるわけであります。
それとあわせまして、今の市庁舎機能、そういった総合的なところの窓口を中心市街地の方に持っていくということ、それから先ほどもお話ししましたけれども、JRも協力していきたいといった環境などすべてのことを総合的に勘案したときに、私は大きな動きをするタイミングなのかなということも思っております。それはこれから相談していきたいと思っておりますけれども、例えば現青森駅の整備ということも視野に入れていくといいますか、観光客の方が新青森駅におりて、そして現駅に到着し、そこにおり立ち、現青森駅の現状を見たときにどう思うのかなと思ったときには、私はやはりそこの整備というのも必要不可欠なことであると思います。ただ、これは市の方も把握されていると思いますけれども、そのときは、JRとしてはお金を出してくれるのであれば幾らでも協力しますよというニュアンスの回答であると思います。財源をどうやって捻出するかという問題もございます。これは国の方で基本的には自治体の庁舎建設には補助金を出さないという大前提がございますが、私は、さまざまなメニューを勘案しながら知恵を出し合っていくということはむだではないと思っております。
1つ提案させていただきたいと思いますのが、PFI、プライベート・ファイナンス・イニシアチブ、これはイギリスの方で1992年に行財政改革の一端として出されたお金の運用方式ですけれども、簡単に言うと、民間の資金、運営を公共が取り入れる。民間委託みたいな形になりますけれども、こういった形での資金調達方法もございます。このためには、中央の方の大資本を取り入れなくてはいけないといったこともありますが、市のこれからの新しい
まちづくりというもののプレゼンテーションをしっかりとやることによって、こういう新しい
まちづくりをしていくところに協力してくださいということで、中央からの誘致企業も含めディベロッパーなりに話を持っていくと、ある程度の青森市の玄関口の整備というものが実現できるのではないかなと私は思っております。
そういったいろんな導入できるメニューというのはあると思いますので、その点、いろいろこれから勘案しながら、現駅の整備と市の総合窓口の機能を付加していくということも含めて、これからまた議論していっていただきたいと思います。
続きまして、最後、新エネルギーに関してでございますが、これも市長と認識を一にしているということで大変うれしく思っております。BDF、バイオ・ディーゼル・フュエルでございますけれども、これも前回、前々回からもお話しさせていただいておりますが、新エネルギーの中で一番取り入れて実現しやすいものであると私は思っております。そのノウハウというのは市内の民間企業でもう既にされているところもありますし、NPOでも実現しているところもございます。町会でもそれをやろうと模索しているところもございますし、環境は整っていると思います。ただ、それを民間に落とし込みする上では、やはり行政がある程度主導していかなくてはいけないということもあると思いますので、私は前もお話しさせていただきましたが、まずは廃棄するべき食用油を収集し、プラントを通して燃料化して、それを市営バスの方に段階的に導入していく、もしくは公用車の方に導入していくということで市民への啓発を図っていくということをしていくべきと考えます。
それから市民の方も、民間に落とし込みがなされて、こういったエネルギーがあるのかということで、それが将来的には、例えば家庭に1台プラントが安く建設されたのであれば、自分たちの使った油、もしくは町会で集めた食用油をプラントを通して燃料化して、それぞれの地域で活用していくという循環型社会のシステムが構築されるのではないかと思います。
もう1点、太陽光パネルでありますけれども、先ほど壇上からもお話しさせていただきましたが、私はさまざまな代替エネルギーがある中で実現可能なものがこの太陽光パネルであるのかなと。これは、これから新しい産業を創出するということから考えても、例えばハウスメーカーなどに助成制度を創設して市がバックアップするということが可能になれば、民間への落とし込みが意外と早く実現するのかなと思っております。
前回の議会でもお話しさせていただきましたけれども、太陽光パネルの性能も大分上がっておりますし、青森市の日光の照射時間等を見ても費用対効果になり得る、実現が可能な状況であるということがデータとしても出ておりますので、私はこちらの方もまずは助成制度を創設するなどして、バックアップ体制を行政としてやっていただきたいと思います。
以上のことを要望、提案いたしまして、終了いたします。ありがとうございました。
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89 ◯議長(奥谷進君) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。
明日は午前10時会議を開きます。
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散 会
90 ◯議長(奥谷進君) 本日はこれにて散会いたします。
午後4時40分散会
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