その2は、市民に対する住民税の大増税と国保税、介護保険料の負担増についてお尋ねします。
この6月、市県民税の納税通知書が市民のもとに送られてきて大騒ぎになりました。特に年金生活者の住民税が昨年の数倍から10倍以上になったからであります。私のところにも、昨年5000円だった市県民税がことし4万5000円にもなった、何かの間違いではないかという問い合わせがありました。市民税課にも問い合わせが殺到したということで、市民税課の話では、10倍以上になった市民はざらにいるとのことでした。
これは小泉改革による税制の改悪で、大増税が一度に押し寄せてきたものであります。
公的年金控除の縮減、老年者控除の廃止、65歳以上の
住民税非課税措置の縮減、定率減税の半減による増税であります。それに加えて、
公的年金控除の縮減により国保税が引き上げになり、住民税の増税で介護保険料も引き上げられ、二重、三重の負担増となりました。年金額は引き下げられているのに税金の計算上で所得がふやされ、大増税になるのですから、市民にとってはたまったものではありません。関係課に計算してもらったところ、市民の負担増は10億円を超えるものとなりました。
しかも、65歳以上の
住民税非課税措置は3年がかりで廃止、定率減税は半減となっており、国保税や介護保険料は、いわゆる
激変緩和措置で3年間で引き上げるというもので、来年も再来年も増税と負担増が続くわけですから、年金の目減りは大変なものです。年金生活者からは今後の生活に不安の声が上がっており、市として次の3点にわたって軽減措置をとることが必要と思いますが、お答えください。
1つ、急激な増税となる高齢者世帯に対する市税の減免措置を創設すべきものと思うがどうか。
2つ、新たに増税となった
年金生活者世帯を国保税の減免対象にすべきと思うがどうか。
3つ、1号被保険者に対する介護保険料の軽減措置を拡充し、新たな増税に伴う急激な負担増となる加入者に対し軽減措置を講ずるべきと思うがどうか。
第2の質問は、生活保護についてであります。
政府・与党は、歳出・歳入一体改革の中で、生活保護費の削減を進めようとしています。既に生活扶助の老齢加算は04年度から段階的に縮小され、今年度から廃止されました。05年度からは4人以上の世帯について
生活扶助そのものが引き下げられ、3年間で5%引き下げられることになります。母子加算も16歳から18歳の子どものみを養育するひとり親世帯の加算について、05年度から3年間かけて削減し、07年度からは廃止されます。
さらに、政府・与党が進めようとしている
生活保護制度の見直しは、全体的な生活扶助の削減と母子加算の全面的廃止であります。7月11日付毎日新聞の報道によると、厚生労働省は、医療扶助に1割の自己負担を導入することまで検討しているということであります。
生活保護制度は、生活ができなくなったとき、憲法で保障された最低限の生活をするための最後のよりどころです。まさに生存権を保障する制度であります。かの有名な朝日訴訟の東京地裁判決では、生存権を保障するための最低限度の水準は予算の有無によって決定されるものでなく、むしろこれ―これとは予算です―を指導支配すべきものであると述べています。財政問題を理由に生活保護費を削減するのは憲法違反と言わなければなりません。
そこで質問のその1は、これらの国の
生活保護制度の基準そのものを引き下げる見直しに反対するとともに、国庫負担率の堅持を国に求めるべきと思うがどうか。
その2は、青森市が
生活保護受給者に支給していた夏季及び冬季給付金の廃止についてです。
8月1日、
生活保護支給日に突然、
生活保護受給者から、毎年支給されていたお盆の線香代が入っていない、なくなったのかという電話がありました。生活福祉課に問い合わせると、今年度から廃止したというものです。我々議員にはこれまで何の説明もありませんでした。それよりも、支給される当事者にも事前に知らせなかったのはなぜでしょうか。少しは後ろめたさがあったのでしょうか。それとも騒がれるのが怖かったのでしょうか。
この給付金、昨年まで38年間も、夏季はお盆の線香代、冬季は正月のもち代として、わずか3000円ですが、
生活保護受給者に少しでも人間的な生活ができるようにと続けられてきたものです。それをなぜ今、削減しなければならないのでしょうか。政府による生活保護費が削減されているとき、青森市も一緒になって給付金を廃止する。まさに弱い者いじめと言わなければなりません。このような
生活保護受給者に事前の通知もせず、議会にも報告しないで夏季・冬季給付金を廃止したことに反省はないのでしょうか。給付金を復活すべきと思うがどうか、お尋ねします。
最後の質問は、
後期高齢者医療制度についてであります。
さきの国会で
医療制度改悪法が強行されました。この中で、75歳以上の高齢者から保険料を徴収して運営される
後期高齢者医療制度が08年度から実施されることになります。既に厚生労働省による説明会などが行われ、運営主体となる県単位の広域連合の準備も始まっているようであります。
しかし、今回の医療改悪は、70歳からは医療費の自己負担が1割から2割へ、75歳からは保険料の負担と、専ら高齢者に負担増を押しつけ、受診抑制をねらっているもので、国民の命と健康に重大な影響を与えるものです。既に病院に行くのを我慢しているとか、これ以上負担がふえたら病院に行けなくなるといった高齢者の深刻な声が寄せられています。
後期高齢者医療制度では、
介護保険制度と同じように保険料は年金から天引きが予定されています。既に住民税の大増税や介護保険料の負担増で大変な痛みを押しつけられた上、わずかな年金からさらに医療保険料が天引きされたのではたまったものではありません。
そこで質問のその1は、
後期高齢者医療制度による高齢者の保険料はどの程度を想定しているのか、徴収方法はどのようになるのか、お尋ねします。
その2は、高齢者の負担をこれ以上ふやし、高齢者の暮らしと命に重大な影響を与える
後期高齢者医療制度の実施を中止するよう国に対し申し入れる考えがないか、お尋ねいたします。
以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
4 ◯議長(間山勲君) 答弁を求めます。佐々木市長。
〔
市長佐々木誠造君登壇〕
5 ◯市長(佐々木誠造君) 大沢議員の御質問にお答えいたします。
後期高齢者医療制度について2つのお尋ねがございました。一括して申し上げます。
我が国の医療費は、老人医療費を主要因として毎年増大を続けており、医療保険の財政運営は極めて厳しい状況にありますことから、国では、国民皆保険制度を堅持し、将来にわたって
医療保険制度を持続可能なものとしていくため、新たな
後期高齢者医療制度の創設を大きな柱とした
医療制度改革関連法案をさきの第164回通常国会に提出し、本年6月14日に成立、同月21日に公布されたところであります。このことによりまして、平成20年4月から75歳以上の高齢者については、現行の
医療保険制度から独立した
後期高齢者医療制度に移行されるものであります。
後期高齢者医療制度の運営主体は、都道府県の区域ごとに全市町村が加入する広域連合とされたところであり、現在その設立に向け、青森県が主導的な役割を担いながら、青森県市長会、町村会等と協議を重ねているところでありますが、私も市長会の会長として県に意見を申し上げるなどし、円滑な推進に鋭意努めてまいったところであります。
その結果、今月中に
広域連合設立準備委員会を立ち上げ、12月には各市町村議会の御議決をいただき、都道府県知事の設置許可を得た後に、広域連合長及び議員選挙等を経て、今年度内には広域連合を設立するスケジュールとなっております。
広域連合設立後の平成19年度には、保険料の決定や賦課決定、医療費の支給等の準備事務を行うこととしておりますが、患者の負担は現行の老人保健制度と同様の定率1割負担となり、医療保険及び介護保険の給付に係る
自己負担合算額が著しく高額となる場合には、負担を軽減する仕組みを設けるものとされております。
保険料負担につきましては、国民健康保険同様、人数割部分と所得に応じた部分の応能割で設定することとされており、国の試算によりますと、厚生年金の平均的な年金額208万円程度の受給者は月額6200円、
基礎年金受給者は900円、また、自営業やサラリーマンの子どもと同居する
基礎年金受給者は3100円などとされておりますが、この
サラリーマン等被用者保険の被扶養者として、これまで保険料を負担してこなかった方につきましては、激変緩和の観点から、
後期高齢者制度に加入したときから2年間、保険料を半額とすることとされております。
また、保険料の徴収方法でありますが、介護保険同様、年額18万円以上の年金受給者を対象に、年金からの特別徴収を行うとともに、市町村において普通徴収する方についても、口座振替、振り込み等を活用するものとされております。
今般の
医療制度改革は、21世紀においても真に安定し、持続可能な制度としていくため、中長期的な観点から国政の場で十分審議された結果、成立したものと認識しておりますが、今後に向け、より効果的な制度運用が図られるよう、県を初め関係機関、団体との緊密な連携をとりながら、その環境づくりに取り組んでいくことが肝要であると考えております。
6 ◯議長(間山勲君) 答弁を求めます。総務部長。
〔
総務部長横山精一君登壇〕
7 ◯総務部長(横山精一君) 市長の政治姿勢についての御質問のうち、
全国自治体トップアンケートの回答に関するお尋ねにまとめてお答えいたします。
全国自治体トップアンケートにつきましては、本年5月に全国の首長1890人を対象とし、国が推し進めてきた市町村の合併施策や政府の構造改革をどのように評価し、今後の自治体運営にどのように取り組もうとされているのかをアンケート調査したものであり、いずれもあらかじめ調査票に表記された選択肢の中から該当項目を選ぶ方式でございます。
まず、「平成の大合併」の評価に関するお尋ねでありますが、合併によるデメリットや問題点についての設問に対する選択肢を具体的に申し上げますと、1、経費節減や職員削減など効率化が思ったように進まない。2、財政基盤の強化につながっていない。3、交付税削減などで合併特例債が予定どおりに活用できなくなった。4、
公共料金値上げなど住民の負担が重くなった。5、役場が遠くなるなど住民にとって不便になった。6、広域化で取り残されたという不満や不安が出ている。7、住民の意見や声を吸い上げにくくなったという内容であり、旧青森市と旧浪岡町との合併にあっては、いずれの項目も該当しないものと認識しておりますことから、回答は記入しなかったものでございます。また、「その他」の記載欄もございましたが、特に記載すべき内容がなかったものでございます。
次に、小泉内閣の構造改革に関するお尋ねにお答えいたします。
この設問は、官から民へ、国から地方へを掲げた小泉内閣の誕生から5年を超え、国の関与縮小や地域の創意工夫で地方の自立を目指すという構造改革を進めたことで、貴団体はどのような方向に向かっているのか、また、その最大の理由を4つの選択肢から選ぶもので、具体的に申し上げますと、1、倒産や失業などが減り、地域の経済状況が好転してきた。2、地方分権が前進した。3、規制緩和や市場原理導入などで地域が活性化した。4、地方の行財政基盤が強化されたという内容であり、本市におきましては、地方分権の流れに的確に対応するため、循環型で持続可能なまちづくりを進めるための有効な手段として、昨年4月に旧青森市と旧浪岡町とが合併し、本年10月1日の中核市への移行が確定したことにより、地方分権が進み、新たな権限が移譲されることで市民サービスの一層の充実につながるとの観点から、「どちらかといえば良い方向に向かっている」と回答し、その理由として「地方分権が前進した」を選択したものでございます。
次に、自治体の運営を通じての社会格差に関するお尋ねにお答えいたします。
この設問は、社会の格差が拡大していると言われているが、自治体の運営を通じて社会の格差を感じることがあるかについて、「感じる」「感じない」のうちから選択するものであり、社会的格差に関する認識につきましては、平成18年第1回
定例会一般質問におきまして、大沢議員に市長から御答弁申し上げましたとおり、所得、雇用に関連する経済、産業を初め、都市、生活環境、福祉、教育、文化など広い分野での多様な価値観に一定の条件や手法等を加味して論ずる場合が多く見受けられ、明確な定義がなく、そのよしあしを一概に言及できるものではないとの考えから、どちらかといえば「感じない」を選択し回答したものでございます。
8 ◯議長(間山勲君) 続いて答弁を求めます。
企画財政部長。
〔
企画財政部長橋本勝二君登壇〕
9
◯企画財政部長(橋本勝二君) 市長の政治姿勢についてのうち、急激な増税となる高齢者世帯に対する市税の減免措置の創設についての御質問にお答えいたします。
個人住民税と所得税をあわせた
個人所得課税は、個々の納税者の所得稼得能力に応じた負担を求め得る税として、これまでの我が国税制の中で極めて重要な役割を果たしてきたところであります。
また、
個人所得課税については、累次の減税により、諸控除の拡充や税率の引き下げ等が行われた結果、相当の負担軽減が行われ、本来果たすべき財源調達や所得再配分などの機能が低下してきていること、さらには少子・高齢化によって現役世代の税負担割合が高まるなど、経済社会の構造変化に対応し切れていないことなどによって、さまざまなひずみや不公平が生じてきていることなどから、これらを是正し、公平、中立、簡素な税制を構築するとともに、広く公平に負担を分かち合うとの観点から、さまざまな要因による収入をできる限り課税ベースに取り組んでいくことが望ましいとの基本的な考え方が
政府税制調査会等から示されているところでございます。
これらの基本的な考え方を踏まえ、平成16年度の税制改正では、年齢65歳以上の合計所得金額1000万円以下の方に対する老年者控除が廃止されるとともに、年齢65歳以上の方に対する
公的年金等控除の最低保障額が引き下げられたものであります。
加えまして、平成17年度の税制改正では、前年度の所得金額が125万円以下の方に対する個人住民税の非課税措置が廃止され、いずれも平成18年度の個人住民税から適用された結果、高齢者世帯の税負担が増加したものと認識しております。
お尋ねの増税となる高齢者世帯に対する市税の減免措置の創設、つまり市税の減免につきましては、地方税法の規定により、災害等によって甚大な被害を受けた方、貧困により生活のため公私の扶助を受ける方のほか、徴収猶予や納期限延長等の手段を講じても、なお納税が困難である担税力の薄弱な方等について、その個別具体の事情に即して税負担の軽減免除を行うべきものとされております。したがいまして、税制改正により、単に税負担が増加したという事象のみをとらえ、一律に減免規定を適用することは、法の趣旨から適当でないものと考えます。
今後とも、市税の減免につきましては、地方税法及び市税条例等の趣旨にのっとり、税負担の公平の観点から、他の納税者との均衡を失することのないよう、個々具体の事情に応じ適切に対応してまいりたいと考えております。
10 ◯議長(間山勲君) 続いて答弁を求めます。
健康福祉部理事。
〔
健康福祉部理事齊藤壽君登壇〕
11
◯健康福祉部理事(齊藤壽君) 市長の政治姿勢についての御質問のうち、
国民健康保険税並びに介護保険料の軽減措置について及び生活保護についての2点のお尋ねに順次お答えいたします。
初めに、
国民健康保険税についてでありますが、平成16年度の税制改正により、年金受給者の
公的年金等控除のうち、年齢65歳以上の受給者に対する上乗せ措置が廃止されたことに伴い、
国民健康保険税においては、平成18年度課税分からその影響を受けることになります。
具体的には、公的年金等の収入金額から
公的年金等控除額を控除して所得を算定することから、
公的年金等控除の縮小により所得金額が増加し、
国民健康保険税の所得割額が高くなるものであります。
これに対して、国は、地方税法の一部を改正する法律を平成18年4月1日施行し、これら
公的年金等控除縮小の影響を受ける被保険者に対し
激変緩和措置を講ずることとし、本来負担すべき保険税に段階的に移行するために、平成18年度は
国民健康保険税所得割の算定基礎から13万円を、平成19年度は7万円を特別控除することとしたところであります。また、低所得者に対する法定軽減判定の基準となる総所得金額からも同様の控除をすることとしております。
いずれにいたしましても、平成16年度の税制改正は、高齢者と若い世代間での税負担の公平、所得に格差のある高齢者の間での税負担の公平を確保するために見直されたものと認識しており、
激変緩和措置も適宜適切に行われております。また、特別な事情があり
国民健康保険税を納付できない場合には、現行の減免制度の中で、個々の収入状況、生活状況等を調査しながら、担税力の有無を総合的に判断し、適切に対応しておりますことから、市独自でさらなる軽減措置を講ずることは考えておりません。
次に、介護保険料についてでありますが、市では、このたびの税制改正により保険料段階が上昇する方のうち、個人住民税について経過措置対象者とされた方につきましては、国が示した介護保険料の
激変緩和措置として、平成20年度に本来負担すべき保険料に移行できるよう、平成18年度から段階的に保険料を引き上げることとしたところであります。
お尋ねの市独自の保険料軽減措置につきましては、国の示した保険料減免についての3原則の一つに、保険料軽減分に対しては一般財源を繰り入れないこととされておりますことから、仮に減免措置を講じた場合、不足する財源については保険料で賄うこととなり、結果、被保険者に対して負担を求めることとなります。したがいまして、市独自での軽減措置につきましては、現時点では難しいものと考えております。
次に、生活保護に関する2点のお尋ねにお答えいたします。
生活保護制度は、1950年に現行の生活保護法が制定されて以来、50年余りを経過しております。この間、生活扶助基準を初めとして各種扶助基準の見直しが毎年行われており、時代の趨勢に対応すべく改善が進められてきたところであります。
しかしながら、
生活保護制度は、最低生活保障を行うことのみならず、
生活保護受給者の自立、就労を支援する観点からの見直しが特に必要でありますことから、国においては、平成15年8月、社会保障審議会福祉部会に
生活保護制度のあり方に関する専門委員会を設置し、
生活保護制度の見直しを諮問したところであります。検討結果は平成15年12月に中間報告として、また、平成16年12月には最終報告書として取りまとめたところであります。
このことを受けて、国では、老齢加算については平成16年度から、母子加算については16歳から18歳の子どものみを養育する世帯への支給を平成17年度から、それぞれ3年かけて段階的に廃止することとしております。
一方では、一般世帯における高校進学率が97.3%に達していることもあり、また、進学することが自立のために有効であると考えられることから、平成17年度から新たに高等学校就学費用を給付することとしたところであります。
お尋ねの国の保護制度見直しで基準そのものを引き下げる改革に反対せよとのことにつきましては、最低生活水準を定める生活保護基準は、国民の一般の生活水準、国の経済水準、国民感情などを総合的に考慮し決定されているものと認識しているところであります。
また、
生活保護制度は、その事務が法定受託事務であり、国の責任において全国画一的に実施されるべきものと考えておりますことから、本市といたしましては、これまでも全国市長会などを通じて国庫負担率が堅持されるよう要望しているところであります。
次に、夏季・冬季給付金の廃止に関しての御質問にお答えいたします。
生活保護世帯に対する夏季・冬季給付金は、夏季及び冬季における臨時的支出を補い、
生活保護世帯の生活の安定と自立の助長に資することを目的に、昭和43年に一時的な措置として夏季・冬季給付金支給要綱を定め、市が独自に支給してきたものであります。
以来38年を経過した今日においては、当時に比べ、保護基準が一般世帯の生活水準に近づくなど改善されてきていること等をも踏まえ、事務事業評価を通じ廃止すべきと判断し、さきの第1回定例会の予算提案としたものでありますが、議会を初め市民の皆様には、平成18年度青森市総合計画「ネクスト Aomori 推進プラン」-前期基本計画 アクションプラン-を通じ公表したところであります。
12 ◯議長(間山勲君) 36番大沢研議員。
13 ◯36番(大沢研君) まず、市長の政治姿勢について。市長が答弁に立ったので、このいずれかを答弁するものだと思ったら全然……。
後期高齢者医療制度について答弁したということで、やっぱり市長の政治姿勢を聞いているわけですから、きちっと市長が答弁しなければいけないものだと私は思うんです。その点をまず第1に指摘しておきたいと思います。
この自治体トップアンケートについて、合併のデメリットは結局ないということですよね。ないと思っているわけでしょう。何だか項目が当てはまるものがないのでという答弁でしたけれども、そうじゃないのでしょう。だって、「その他」というのがあるんだもの、最後につけ足すように言ったけれども。デメリットはないと考えているのかどうか、そこを明快にお答えいただきたい。私は、さっき一般質問で、浪岡の人たちはみんなだまされたと、多くの方々が合併して失敗した、だまされた、こういう意識に今なっているんですよ。住民が合併して失敗したと思っているんだから、これが最大のデメリットでしょう。
小泉改革が「どちらかといえば良い方向に向かっている」と。本当でしょうかね。市としては中核市になった、地方分権が前進したと言っても、市民の暮らしはますます苦しくなっていますよ。これで本当によい方向に向かっているんですか。そこの認識が全く違う。あなた方は青森市の行政を担当する者として、市民がどうなっているのかというのをよく見ないとだめですよ。市民の暮らしがどうなっているんだ、そのことから判断しなければいけないじゃないですか。市民はもう怒っていますよ。この小泉改革で本当にみんな負担ばかり多くなって、暮らしはますます深刻になっていますよ。そこのところをどういうふうにとらえていますか。
社会の格差を感じない、明確な規定がない。冗談じゃありませんよ。明確な規定がないどころか、これもまた市民の暮らしがどうなっているかというのを見ないといけないですよ。貧困化が進んでいるんですよ。さっき一般質問で、生活保護の受給者数がふえているし、準要保護と言われている就学援助を受ける児童・生徒数がこの10年間で2倍以上にもなっているんですよ。だから、市民の生活実態をあなた方は知らないんじゃないのですか。そこが一番大事でしょう。
例えば、世界的にも、今、日本の社会的格差の問題で、世界経済の先進国クラブと呼ばれているOECD、7月20日に対日審査報告書というのを発表しました。その中で、1章を設けて日本の格差問題を取り上げているんですよ。日本の所得格差が1980年代半ば以降、大きく広がり、相対的貧困率は今や最も高い部類に属する、こういう評価ですよ。日本共産党とはちょっと違う考えのOECDですが、しかし、こういうところでさえ日本の所得格差が広がって、相対的な貧困率は国際的に先進国の中でもアメリカに次いで2番目だという評価ですよ。こういうことがはっきりしているのに、全然格差を感じない、こんな答弁をするなんていうのは全く非常識きわまりないと思うんです。その点をどう思っているのか、もう1度答弁していただきたいと思います。
それから、大増税と負担増についてですが、これが少しぐらいの負担増であれば、あるいは市民の皆さんは我慢したかもしれませんけれども、どれくらいの増税だと思いますか。市長はわかっていますか。10倍、20倍になった方がいっぱいいるんですよ。こういう増税の仕方がありますか。中には、この住民税の増税と国保税、介護保険料の負担増で、年金の1カ月分そっくりそのまま持っていかれる人もいるんです。こんな大変な増税と負担増ですよ。これに何の手も下さない。そういうのは法律上もない。
激変緩和措置をとっているからいい。これで済まされる問題じゃないと思うんですよ。市会議員の皆さんは知っていると思いますが、周りにもたくさんそういう方がいると思いますけれども、これは今度の選挙にも影響しますよ。これだけの負担増、それから青森市ではないかもしれませんけれども、東京都あたりの大都市では、生活保護基準以下の人にも住民税がかかっているんです。こういう矛盾も出ている。だから、今度の大増税というのは、いかに常軌を逸した増税かということを市役所の退職者も言っていますよ、年金をもらっている方たち。いやいや、こんなことは今までなかった、どうしてこんなに一遍に値上げさねばまいねんだと。だれでもそう思いますよ。この点について、そういう市民の声をちゃんと聞いてそういう答弁をしているのかどうか、もう1度答弁していただきたいと思います。
生活保護について。最低生活水準を一般の生活水準等々を考えて決めているという答弁がありましたが、これから生活保護費を見直して、保護費を大幅にカットするという計画は、今までは一般の国民の消費水準を参考にしていましたけれども、今度は低所得世帯の消費水準で決めるというんですよ。それを理事はわかってた。そうすると、どういうことになるかというと、当然、低所得世帯だけを対象にした消費水準ですから、ずっと低くなるんですよ。それを基準にして生活保護基準を決める。
ところが、これはある大学の教授も言っていますが、これは朝日新聞の8月24日付だ。東洋大の駒村康平という教授ですね。低所得世帯のうち、「受給資格がある世帯のうち実際に保護を受けている割合を表す『捕捉率』は2割前後に過ぎず、諸外国と比べても低い。しかし、厚労省は捕捉率の調査さえしていない」と。低所得世帯の中で、実際生活保護を受けられる資格があるのに受けていない人が8割もいるんですよと、この教授は言っているんです。今そのうち2割しか受けていないんだと。そういう低所得層の消費水準を基準にしてやるんですから、まさに生活保護以下の人の基準で生活保護の基準を決める。これは明らかに憲法違反ですよ。そう思いませんか。その点をどう思うか、もう1度答弁してください。
それから、夏季・冬季の給付金の廃止ですけれども、何、アクションプランで公表した、冗談でないですよ。これでいいと思っているの。我々はわからなかったよ。アクションプランでどうやって公表したの。
生活保護受給者の夏季・冬季給付金を廃止しますと、ちゃんと書いていたか。しかも、そのアクションプランを市民が読んでいますか。普通は、例えば、4月からさまざまな福祉制度を後退させましたが、これは「広報あおもり」にちゃんと載っけたでしょう。それで我々もわかったんだけど、3月議会の予算のとき、この給付金を廃止しますと説明したか、していないでしょう。しかも、条例でないから議会にかける必要はないとしても、常任委員会というものがあるでしょう。私は民生の常任委員ですが、そこで一度も聞いたことはありませんよ。
それから、当事者に知らせないで、いきなり支給のときに見て、あれっ、何で少なくなったんだと。こんなばかなことがありますか。これはだめですよ。これはちゃんと反省しないと。だれが受給者にも知らせないで、いきなり切ってしまう人がありますか。そこをもう1度答えてください。
後期高齢者医療制度については、これは大変ですね。保険料は、厚生労働省の担当者の説明会では、さっき細かく言っていましたけれども、全国平均で月額6200円、年間にすれば7万4400円を75歳以上の方が負担しなければいけない。しかも年金から天引きする。また、介護保険料と同じように、月額1万5000円以上年金から天引きするのでしょう。これもまた大変な話です。介護保険料と合わせると1万円を超えますよ。さっき言ったように住民税も大幅増税で、まだ1万円も払わなければいけない。1万円できかないね。毎月1万五、六千円払う人も出てくるでしょう。大変な負担です。持続可能な、持続可能なと言うけれども、持続不可能にしているのは政府でしょう。政府がこれに金を全く出さないで、減らし続けてきたからこうなったのですよ。社会保障だもの。国が一銭も金を出さないで
後期高齢者医療制度をやるなんていうのは全くふざけた話ですよ。
時間がないので、以上指摘して、答弁をお願いしたいと思います。
14 ◯議長(間山勲君) 答弁を求めます。総務部長。
15 ◯総務部長(横山精一君) 大沢議員から
全国自治体トップアンケートに関する3点のお尋ねがございました。1つは、合併のデメリットはないのかという御質問が第1点でございます。お答えいたします。
住民に直接的に影響する各種行政制度の調整に当たりましては、合併によりサービス水準を落とすことがないように配慮するという基本原則のもとに、税制度などの住民負担や医療、高齢者福祉を初めといたします住民生活に深くかかわる項目、この項目について整理をいたしました。その整理した項目、その調整方針を尊重いたしまして、各施策、事業に取り組んでおります。したがって、合併によりサービスが低下したという認識は持っておりません。
また、合併後の新たなまちづくりに直接地域住民の皆様の御意見を反映することを目的にいたしまして、合併協議を経て、市町村の合併の特例に関する法律に基づきまして、浪岡自治区地域協議会が設置をされておりまして、その中で大所高所からの、そして地域固有のさまざまな意見がなされております。その意見を十分に吸い上げをいたしまして検証し、各施策、事業に取り組んでいるということでございます。
それから、もう1点のいわば小泉内閣の構造改革に関する設問で、「良い方向に向かっている」との御質問の再度のお尋ねでございます。これは先ほど申し上げましたように4つの選択肢がございます。ただ、私どもが心配しておりますのは、構造改革に伴う、いわゆるセーフティネット、社会保障制度の整備については十分配慮すべきものであるというふうには思っておりますが、先ほどの4つの項目の中で設問、問いかけがございました。この中では地方分権というところを選択させていただいた。その中で「良い方向に向かっている」とお答えしたものでございます。
それから、社会格差でございますが、議員、具体的に例を挙げまして所得と雇用というお話等々をされました。個々の事例、切り口によってはさまざまなことが言えるかもわかりません。国において光と影というような例えもございますが、いわゆる全体的には、まだ定義づけがなされていないということも事実でございます。したがいまして、全体的に見たときにどうか。おのおのの地域やその魅力が住民からどういうふうに評価されるのかという、そういう視点が大事だというふうに思っております。
16 ◯議長(間山勲君) 続いて答弁を求めます。
企画財政部長。
17
◯企画財政部長(橋本勝二君)
個人所得課税の減免措置の創設について、再度考え方を示してほしいという再度の御質問に対しましてお答えさせていただきます。
先ほど申し上げましたように、
個人所得課税につきましては、これまで累次の減税等が行われまして、諸控除の拡充や税率の引き下げ等が行われております。その結果といたしまして、本来果たすべき所得再配分という機能がございますけれども、これらの機能が低下しているということは事実として受けとめていただきたいと思います。また、少子・高齢化によって現役世代の負担というものも、その割合が高まってきているということも御理解いただきたいと思います。
このような中で、そういったさまざまなひずみや不公平が生じてきているということでございまして、それを是正するために、広く公平に負担を分かち合うという、そういった観点から、さまざまな要因による収入をできる限り課税ベースに取り込んでいって、負担の公平さを図っていこうということで
政府税制調査会等からの答申等がなされまして、税制改正が行われてきているところでございます。今申し上げましたような税負担の公平の観点ということから、他の納税者との均衡を失することのないよう、そこも重要な視点だと思いますが、そういった他のきちんと納税をしていただいている方との均衡等も十分考慮いたしまして、個々具体の事情につきましては、こちらの市役所の方の担当といたしましても、例えば分割納付の御相談に応じる等、適切に対応させていただきたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいというふうに思います。
18 ◯議長(間山勲君) 続いて答弁を求めます。健康福祉部齊藤理事。
19
◯健康福祉部理事(齊藤壽君) 大沢議員の再度の御質問にお答えします。
生活保護の関係で、低所得世帯の消費支出等の均衡に合わせて改正、見直すんだというふうなお話でございますけれども、昭和43年の生活扶助基準額は標準世帯で約2万6500円、1人当たり6625円で、平成16年には標準世帯月額で16万20円となってございます。1人当たり5万3340円というふうなことになっていまして、標準が昭和43年当時に比べて約8倍程度になっているというふうな状況でございます。また、消費者物価を見ても、昭和43年と比較して、平成16年には3.5倍にとどまると。また、家計調査による平均の消費支出額を見ても、昭和43年に比べて平成16年では6.1倍というふうなことにとどまっているような状況もございますので、そういった意味で、一般世帯との均衡がとれていないんじゃないかというふうなことで、国では見直しを図っているものと思います。
次に、夏季・冬季の給付金の廃止でございますけれども、アクションプランの中では、終了、縮小した事務事業として
生活保護世帯法外援護対策事業、夏季・冬季給付金支給事業、これは終了事業として、平成17年度をもって本事業を終了しますというふうなことで記載してございますので、これは議員の皆様にも配付してございます。
なお、保護受給者に周知しなかったというようなことにつきましては、これから十分配慮してまいりたいと思います。
20 ◯議長(間山勲君) 36番大沢研議員の一般質問の所要時間が経過いたしましたので、これをもって終了いたします。
次に、11番木下靖議員。
2点目の不正経理防止のための経理事務全般の見直しでございますが、これは今回の事件の原因として、1つ目に、会計処理事務や会計フレームとそれに対応する各預金口座の複雑性や不透明性、2つ目に、最も厳重に保管管理すべき通帳や公印のずさんな管理、3つ目に、一たん現金化する出納方法の常態化、4つ目に、領収書等の文書偽造といった点が挙げられていることを踏まえ、1、財務の透明性を向上させかつ公社という組織の特性に配慮し、実効性を伴うことを視点とする公益法人会計基準に準拠した会計処理規程への全面改正、2、新たな会計処理導入に伴い、財務状況の透明性を確保した上で毎年度の財務状況の公表、3、金庫かぎの保管責任者の明確化や公印、通帳、現金出納簿の管理責任者の分割化といった通帳、公印等管理の厳正化、4、支払いの口座振替化などの会計処理における非現金取り扱い化、5、出納に当たっての事前、事後の書類審査を厳正化するため、出納担当者とは別の審査担当者の設置、6、互助会自動販売機手数料収入の公社事業会計への移行など、各会計、預金口座の目的に沿ったわかりやすい形への再整理という6つの取り組みを行っていくこととしております。
3点目の今回の事件処理、対応の正確かつ迅速化でございますが、本事件に対するこれからの公社経営陣の基本姿勢として、1、一日も早い市民からの信頼回復を図ること、2、御迷惑をおかけしている県、市を初めとした各関係方面への誠意ある対応を行うこと、3、文化芸術、スポーツ振興に資する事業に日々懸命に精励している公社職員の執務環境回復を図ることとの3点に特に意を用いて、真摯に誠意を持って、正確かつ迅速に本事件の事後対応を図るべく、1、法的手段を含む被害額の回収措置、2、市へ返納すべき金額の返済措置の検討、3、仮決算状態になっている平成17年度決算の確定と県、市への報告、4、警察など関係各方面への対応などを行うこととしております。
市といたしましては、このような姿勢や取り組みを大変重要なことと考えておりますし、少しでも早期に信頼回復を含めた公社の立て直しを実現していただけるよう、全面的に協力してまいりたいと考えております。
次に、今後の民事損害賠償請求についてでございますが、今回の市の調査によって不明金の額が整理されたことを受けて、今後は捜査機関での捜査と並行して不明金の使途についての調べを進め、最終的な被害額と賠償請求対象者を特定していくこととなります。公社としての被害額が特定された段階で弁護士とも相談をし、必要に応じて法的手段を含めた賠償請求を行っていくべきと考えております。
次に、市への返納額についてでございますが、今回の市の調査によって約4348万円の追加返納額が明らかになりました。市としては、早急にこの回収に努める必要があるため、公社との協議を始めておりますが、本来、返納額の直接的財源となる被害金の回収ができていない状況であることから、公社の自己資産を財源として返納することになりますが、現在の財務状況では本年度中に全額を返納することは厳しい状況でございます。
このことから、現在、公社において、返納すべき金額、今後の財務状況及び財源の精査をし、かつできるだけ短期間で返納を完了させる視点で返済計画を作成しておりますことから、市としては、それをもとに早々に協議をまとめ、返納の実行に入っていただけるものと考えております。
最後に、指定管理者としての適否についてでございますが、御存じのとおり、地方自治法改正に伴い、本年4月から市が設置している12の文化芸術及びスポーツ施設などの公の施設につきまして、これまでの管理委託制度から指定管理者制度に移行し、文化スポーツ振興公社を市議会の御議決を経て指定管理者として指定してございます。
指定管理者としての管理運営をスタートしたとほぼ同時に今回の問題が明らかになったことは、市としても極めて遺憾なことと考えております。しかしながら、指定管理者としての本分である施設の善良かつ効率的な管理や安全、快適、公平で質の高い利用者サービス、さらにはノウハウやネットワークを生かした文化スポーツ振興に資する事業展開といった面においては、順調に進んでおり、着実に成果を上げていると感じております。ただし、組織としては、その中に長年不正経理を働いて組織に損害を負わせた職員の存在とそれを組織自体が長年見逃して適正化することができなかった事実により、大きく信用を失墜している現状もございます。
このことにつきましては、刑事上は刑事告訴により捜査機関にゆだねられており、また、本日公社の体制が一新され、組織内の改革改善に取り組むとのことであるため、その取り組み状況を注視していく必要がございますし、民事上での損害額回収処理は残っておりますが、市といたしましては、現時点で指定の適否について判断するのは時期尚早と考えております。
77 ◯副議長(奈良祥孝君) 続いて答弁を求めます。総務部長。
〔
総務部長横山精一君登壇〕
78 ◯総務部長(横山精一君) 不正経理等の再発防止のための改善プログラムの改正に関する御質問にお答え申し上げます。
市では、これまで青森公立大学の不適正経理問題等を契機に、不適正経理等の再発防止のための改善プログラムを平成16年5月に策定し、不祥事の再発防止に努めてきたところでございます。
このような中、今回の不祥事の発覚により、再び市政に対する市民の皆様の信頼を著しく損ねましたことに対し、非常に遺憾であり、ゆゆしき事態であると認識してございます。
今回の文化スポーツ振興公社の不祥事における市の調査結果におきましては、会計の的確性を確保するための仕組みなど、内部管理システムの不備等や出資者、そして委託者としての市が講ずべき経理上のチェック体制が徹底されていなかったことを反省すべき点として指摘したところでございます。
今回の不祥事を教訓とし、風化させることなく、今後、市が関与する第三セクター等において二度とこのような不祥事が起こらないようにするためには、市におけるチェック体制の強化を図る必要との観点に立ちまして、青森市の不適正経理等の再発防止のための改善プログラムに新たに第三セクター等に対する経理事務等の指導強化、行政財産の目的外使用に係る適正運用の徹底の2つの項目を追加したところでございます。
具体的に申し上げますと、第三セクター等に対する経理事務の指導強化策につきましては、予算執行体制の定期的チェックの義務化、複式簿記及び外部監査機能導入の義務化、口座振り込みによる支給、支払いの徹底を図るとともに、本市の不適正経理等の再発防止のための改善プログラムを基本とした経理運用の徹底を実施項目に加え、所管部局がその履行を徹底する。
また、行政財産の目的外使用に係る適正運用の徹底策につきましては、行政財産の目的外使用の許可部局において、許可物件に係る使用状況の報告を定期的に求め、当該使用実態の把握と適正な使用の指導を徹底するものであります。
これらの実施に当たりましては、各所管部局が定期的チェックを行い、その改善状況を把握し、指導を徹底していくとともに、あわせて総務部への報告を義務づけ、その実施状況を把握しながら全体を調整するという一連の手続を強化する中で、確実なプログラムの実効性を確保してまいります。
79 ◯副議長(奈良祥孝君) 続いて答弁を求めます。都市整備部理事。
〔都市整備部理事加福和夫君登壇〕
80 ◯都市整備部理事(加福和夫君) 大矢議員の雪対策基本計画に関する質問につきましては、関連がございますので、まとめて簡潔にお答えいたします。
(仮称)青森市雪対策基本計画の基本的な考え方につきましては、旧雪処理基本計画が策定から10年が経過し、計画期間がおおむね満了すること、新市が設置されるなど、本市を取り巻く社会経済状況が大きく変化したこと、さらには、ことし2月に青森市総合計画の前期基本計画が決定されましたことから、旧青森市において策定されました雪処理基本計画及び旧浪岡町において策定されました「雪みち計画」などをもとに、青森市市民とともに進める雪処理に関する条例によって策定が義務づけられております雪処理に関する基本的な計画として位置づけしているものであります。
本計画は、国内はもとより、世界でも有数の多雪都市である本市にとって最重要課題の一つであります雪対策の基本的方向を示すものとしており、策定に当たりましては、本市を取り巻く行財政環境、多様化、高度化している市民ニーズ、さらには昨冬の全国的な豪雪を受け設置された、国における豪雪地帯における安全安心な地域づくりに関する懇談会の提言などを踏まえ、作業を進めてまいりました。
基本的な方向といたしましては、冬期の円滑な道路交通の確保、雪に強いまちづくりの推進、市民、事業者、行政の協働の推進、豪雪時における対応と体制の確立、冬をよりよく暮らすための取り組みの推進の5つの柱を掲げたところであります。
主な内容といたしましては、除排雪につきましては、より効率的、効果的な除排雪を目指していくとともに、市民、事業者、行政のパートナーシップによる除排雪のあり方を検討していくこととしております。また、平成16年度、17年度の2年連続の豪雪及びさきの懇談会の提言を受け、市民生活に多大な影響を及ぼす豪雪時及び豪雪災害時における対応と体制の確立を目指すこととしております。さらには、本計画の理念としても掲げております市民、事業者、行政のパートナーシップの一層の促進と冬期間の市民の不安解消を図っていくため、雪に関する情報を積極的に発信していくことにしております。
旧計画におきましても、市民、事業者、行政のパートナーシップが必要であるとの認識のもと、さまざまな施策を展開し、雪対策に取り組んできておりましたが、新しい計画では平成16年に定めた青森市市民とともに進める雪処理に関する条例に基づき、市民、事業者、行政の果たすべき責務をより明確にし、市民、事業者、行政が一体となった雪対策が本市の永遠の命題でもある雪問題を解決し得るものであるとの認識に立ち、各種施策に反映させたところであります。
次に、今年度の除排雪対策の取り組みにつきましては、本計画に掲げている方針に加え、昨冬、市民の皆様から市に寄せられた約1万件を超える道路除排雪に関する内容などを踏まえ、見直し方針として、1つには、より一層の市民とのパートナーシップ強化、2つには、評価制度に基づく除排雪のレベルアップ、3つには、豪雪時の対応強化の3つの柱を掲げたところであります。
これら方針内容を踏まえ、今年度新たな取り組みといたしまして、地域で積極的に雪対策に取り組む町会などを対象に、市、委託業者、町会の3者が協定を結び、より地域の実情に応じた除排雪作業を目指す(仮称)地域コミュニティ除排雪制度の試行を行うこととしております。
また、除排雪業務評価制度を活用した工区、路線の見直し、並びに優良業者に対する報奨制度の創設やスクラム排雪助成制度の補助率を豪雪時に手厚くするなどの見直しをしたほか、国道、県道も含めた除雪に関する要望、相談体制の一元化や除排雪作業の進捗状況など、雪に関する各種情報提供の拡充などを予定しているところであります。
これらの取り組みを通じて、地域の実情に応じたきめ細かな除排雪作業や作業効率の向上などを目指すことにより、今後とも持続可能な雪対策の構築と市民とのパートナーシップによる冬期生活環境の充実に向け取り組むこととしております。
いずれにいたしましても、世界でも有数の豪雪都市である本市にとって雪対策は避けて通れない命題となっており、厳しい行財政環境の中、本計画のもと、持続可能な雪対策の構築と市民、事業者、行政のパートナーシップによる冬期環境の充実を図り、住みよい雪国都市の実現に向け、今後とも取り組んでまいりたいと考えております。
81 ◯副議長(奈良祥孝君) この際、暫時休憩いたします。
午後3時25分休憩
──────────────────────────
午後4時15分開議
82 ◯議長(間山勲君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
あらかじめ会議時間を延長いたします。
次に、37番鳴海強議員。
〔議員鳴海強君登壇〕(拍手)
83 ◯37番(鳴海強君) 37番、社会民主党・市民連合の鳴海強でございます。通告の順に質問させていただきます。市長初め理事者の皆さんの誠意ある御答弁をお願いいたします。
第1の質問は、財政問題についてです。
小泉内閣が進める構造改革で、県内自治体が厳しい財政運営にあえいでいる実情が、共同通信社が東奥日報などと協力して行った
全国自治体トップアンケートで浮かび上がっております。首長の91%が自治体の存続に不安を感じているほどで、ポスト小泉政権には1番目に手厚い財政支援を望んでおります。しかし、国も820兆円を超す巨額の借金を抱え、苦しい財政運営を強いられております。地方財政への今以上の支援は期待できないと見る向きが多いようであります。地方自治体が生き残るためには独自の創意と工夫によって構造改革に耐えられる体力をつけていくしかないと思います。
小泉改革が自治体に与えた影響について、本県の首長たちの82%が「悪い方向」、「どちらかといえば悪い方向に向かっている」と答えています。全国の65%を大幅に上回りました。小泉改革の目玉となっている
三位一体改革についても、「評価しない」、「あまり評価しない」が92%で、こちらも全国の80%と比べ厳しい見方が多いようであります。
悪い方向とする理由として、地域の経済状況が好転していないことと、
三位一体改革を評価しない理由として、地方交付税が予想以上に削減されたことをそれぞれ挙げております。国の政策に左右されやすい県内自治体の弱点が、こうした厳しい見方の背景にあると思います。
公共事業によって地域経済を支え、地方交付税で自治体財政を支えることになっているからであります。確かに
三位一体改革に伴う04年度の地方交付税の減額幅は予想をはるかに超えました。県内市町村分は前年度に比べ8.7%も落ち込みました。06年度も前年度比で3.6%減少することがわかり、波紋が広がっております。市町村財政への打撃は大変大きいものがあります。中央の好景気の影響が本県に届かないため、市町村にとっては税収の伸びが期待できないからであります。地方交付税の減額、国庫補助率の低下などとあわせ、まさに踏んだりけったりの状況であります。市町村も手をこまねいているだけではありません。県内40市町村がまとめた集中改革プランによると、09年度までの5年間で900億円近い経費の節減を目指すとしております。
本市は、8月3日、07年度当初予算の編成に向け、一般財源1.2%減、職員数42人減などを柱とする基本方針をまとめました。一般財源は、06年度当初比で8億円減の685億円を見込んでいます。平成18年度の一般会計は1209億4098万余円となっております。また、住民税と所得税は04年度税制改正で、05年1月から、1として公的年金等の控除の上乗せ廃止、2として老年者控除全廃が決まりました。これは政府税制調査会が年齢のみを基準に優遇する措置として両控除を批判した答申に基づいたものであります。
さらに、住民税は課税強化が続いていきます。65歳以上で前年所得125万円以下を対象とする非課税制度は06年度から段階的に縮小され、08年度に廃止されます。6月初めに青森市役所から納税通知書が届きました。ふだんは見過ごしてしまいがちな通知書ですが、税額が昨年の何倍にもなっている。非課税から課税になった、しかも住民税の第1期支払い期限が6月30日になっている上、所得税も上がっている。何かの間違いではないのかと多くのお年寄りから驚きと不満の声が寄せられています。
2006年の経済財政白書について、格差社会問題として地方と中央の格差拡大、構造改革の功罪、規制緩和や社会保障制度改革などの格差に及ぼす影響と所得格差などについて市としても十分受けとめていただきたいと思います。
そこでお伺いします。
その1は、2006年度の地方交付税減額については、市はどのようにとらえているのか、お伺いします。
その2は、年金等の受給者で住民税と所得税についてゼロから10倍近くまで引き上げられた人がいると聞きますが、その主な要因としてどのようにとらえているのか、お聞きします。
その3は、公的年金等の受給者の住民税と所得税は今年度どの程度のアップになるのか、平均的な例で示してください。
その4は、07年度導入を目指している新型交付税について、本市はどのようにとらえているのか、お聞きします。
その5は、青森市が冷凍倉庫などの課税評価を誤り、固定資産税を過大に徴収していた問題の調査結果についてお尋ねします。
第2の質問は、経済・産業問題についてです。
町や地域が変われば中心街も変わります。かつて青森市の繁華街も鉄道開通に伴い、港側から新町に移りました。商店街は時代に適応できればこそ存在し続けられます。地域経済に詳しい千葉昭彦東北学院大教授は、そう強調しております。
本県の商業地図も絶えず需要と供給のバランスによって塗りかえられてきました。01年、04年の商業統計によれば、食料品などの専門スーパーが勢力を伸ばす一方、地域の消費文化を支えてきた百貨店や専門店は弱体化に向かっております。千葉教授によると、大型店の進出は地域経済を損なうという視点から、立地規制が既に世界的な流れとなっています。日本だけは米国の要求に応じる形で規制緩和を続けてきましたが、最近になって風向きが変わってきました。
2000年の大店立地法により、大型店出店の経済的規制が撤廃されました。5年後、総務省がまちづくり三法の効果を点検しましたが、中心市街地の人口や事業所数などの諸指数は一つもプラスとはなりませんでした。衝撃は大きかったはずだと福島大副学長の山川教授は証言しております。国は結局ことしに入ってまちづくり三法を改正し、中心市街地活性化へとかじを切り直しました。改正まちづくり三法は、大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法、改正都市計画法の総称であります。中心市街地の空洞化を防ぐ目的で改正されました。大型店の郊外出店を規制するのは都市計画法で、工業、第2種住居、準住居の3つの用途地域で床面積1万平方メートルを超す店舗は出店できなくなりました。
国土交通省は、7月から観光部門の組織を拡大することにしました。観光行政を担当する課を2課ふやすとともに、地方出先機関にも観光を専門に担当する部局を新設いたしました。政府の経済成長戦略大綱の重点分野の一つに観光が盛り込まれたことなどを受け、観光分野の政策立案、情報発信機能を強化するとしております。
観光行政を担当する国交省には、現在観光企画課など観光部門に4課ありますが、7月1日付で観光資源課と観光経済課を新設し、6課体制となりました。観光資源課はポップカルチャーなど、新たな観光資源の発掘を推進し、観光経済課は観光産業の振興や観光統計の調査などを担当しております。他部局をスリム化することで、観光部門の定員は現在の53人から7月以降に80人体制になりました。一方、同省の地方出先機関である地方運輸局には企画観光部を設置し、その下に国際観光課と観光地域振興課を置くようであります。地方自治体との連携を深めながら、地方での外国人観光客の受け入れ体制を整備するとともに、観光を通じた地域振興を推進していくとのことであります。
そこでお尋ねします。
その1は、中心市街地活性化のため商店街の人材育成を含めた若手経営者の育成について、市はどのように考えているのか、お伺いします。
その2は、観光立県推進のため、国では観光行政を担当する課の施設や職員をふやすとともに、地方自治体との連携を深めながら観光を通じた地域振興を推進するとしております。県においても、観光局を設置し、観光振興の推進を図っております。新幹線開業を4年後に控える本市としても、国、県との連携をとりながら、観光分野の事業の拡大を図る必要があると思いますが、市はどのように考えているのか、お伺いいたします。
第3の質問は、社会保障問題に関連して保育行政についてお尋ねします。
急に子どもが熱を出したが、仕事は休めない。共働き家庭にとって病気や病み上がりの子どもを預かってくれる病児・病後児保育施設は心強い助っ人ですが、全国で約600カ所にとどまっております。政府は2009年度末までに1500カ所にふやす目標を掲げておりますが、事業費はすべて自治体の負担となります。このため、財政難の自治体にとって施設をふやすのは容易ではなく、大きな地域格差が生ずることも懸念されます。
昨年4月に施行された改正育児・介護休業法で、就学前の子どもを持つ親は1年に5日まで介護のための休暇をとることができるようになりました。しかし、職場の理解や協力を得づらいと感じている人が多いのが実情のようであります。一般の保育所は病気の子は預からないため、病児・病後児保育施設のニーズは高いものの、この1年間でふえたのは約100カ所にすぎません。自治体の助成が不十分で赤字が目に見えているためで、全国病児保育協議会の木野稔会長は、医師が関与して安全性を確保し、保護者が安心して子どもを預けられるようにすべきだし、全国的に格差がつかないように助成を拡大してほしいと要望しております。
そこでお伺いします。病児・病後児保育施設の利用について現在の状況はどのようになっているのか、御所見をお伺いして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
84 ◯議長(間山勲君) 答弁を求めます。佐々木市長。
〔
市長佐々木誠造君登壇〕
85 ◯市長(佐々木誠造君) 鳴海議員の御質問にお答えいたします。
経済、産業問題について2点のお尋ねがございました。順次お答えいたします。
まず、中心市街地活性化のための商店街の若手経営者育成について申し上げます。
私は、これまでコンパクトシティの形成をまちづくりの基本理念に掲げ、自然環境、営農環境と調和を図るための郊外部の無秩序な開発抑制と既存のストックを有効活用しながら都市機能が集約する中心市街地の再活性化を車の両輪に据えたまちづくりを進め、平成10年に青森市中心市街地再活性化基本計画を策定いたしたところであります。
この基本計画では、ウオーカブルタウンの創造を目標に掲げ、「街の楽しみづくり」、「街ぐらし」、「交流街づくり」の3つの方針に基づきまして、パサージュ広場を初め再開発ビル「アウガ」やミッドライフタワーの整備などによって周辺の平日の歩行者通行量が整備前に比べて1.3倍になるなど、駅前地区を中心にそのにぎわいが戻ってきたところであります。
一方国では、平成10年に新たなまちづくりの枠組みとして制定したいわゆるまちづくり三法が十分機能せず、中心市街地の衰退に歯どめがかからなかったことから、その見直しが図られ、近年における急速な少子・高齢化の進展、消費生活の変化等の社会経済情勢を踏まえ、中心市街地の都市機能の増進と経済活力の向上を総合的かつ一体的に推進するため、中心市街地活性化法の一部改正が行われ、この8月22日に施行されました。
この中心市街地活性化法の改正によりまして、国による選択と集中の仕組みが強化され、基本計画が内閣総理大臣による認定制となり、認定基本計画に基づく事業に対して重点支援が受けられますことから、本市におきましても、新たな中心市街地活性化基本計画を策定することといたしたものであります。
策定に当たりましては、本市の中心市街地の活性化の取り組みが全国的にも一定の評価を得ていることを踏まえ、現計画における活性化の方針、目的など、基本的な部分をなるべく変えず、活性化に向けた実効性や熟度の高い事業を厳選し、計画に位置づけしていくこととしておりまして、去る8月25日に第1回目の新青森市中心市街地活性化基本計画策定委員会を開催し、鋭意検討を進めているところであります。
議員、御質問の商店街の若手経営者育成につきましては、中心市街地の商業機能の核となる中心商店街の維持発展を図るために非常に重要であると認識しておりまして、パサージュ広場において地元商業者等が出資して設立された民間運営会社による協力のもと、平成12年から商業ベンチャー支援事業を実施してまいったところであります。
具体的には、少ない開業資金で一定期間商売を実践し、経営のノウハウを学べる環境を提供しながら、将来的に中心市街地で開業する商業者を育成するものであり、平成18年3月末時点でパサージュ広場の出店修了者16名のうち、7名が中心市街地内で、2名がその他の地域で開業しております。このほかにも、起業家育成セミナーや個別相談会の開催、ベンチャー創業支援資金の融資あっせん、さらには、空き店舗活用チャレンジ融資の利子や保証料補給等により、青森商工会議所、商店街など関係機関と連携しながら若手経営者の育成を図っているところであります。
いずれにいたしましても、本市の次世代を担う若手経営者の育成につきましては、本市商業の振興にとりまして不可欠でありますことから、関係機関とさらに連携を深めながら積極的に推進してまいります。
次に、観光行政に関する質問にお答えいたします。
観光産業は、航空、運輸、旅行、ホテル、旅館、小売、外食、サービスなど、その関連するすそ野は広く、その振興により地域経済に大きな効果が期待できると言われておりますことから、国ではビジット・ジャパン・キャンペーン、県においても観光立県を標榜し、地域経済の活性化を図る上で、観光振興を促進するべく各種制度や組織の改編を行っております。
本市におきましても、観光産業の振興によってもたらされる直接的効果とあわせて、他の地域産業にもたらす間接効果の大きさに注目し、これまでも世界各地から訪れる観光客にねぶた祭を楽しんでもらうためのねぶた祭の健全化推進、冬季観光の充実、温泉地の活性化、外国人観光客の誘客促進などに努めてまいりました。
議員、御承知のとおり、本市におきましては、東北新幹線新青森駅開業は、本市経済の牽引役として期待できる観光施策の拡充の絶好の機会であり、交流人口の大幅な増加がもたらすさまざまな新幹線開業効果を最大限に享受するまちづくりを全庁挙げて実現するべく、今年4月に東北新幹線新青森駅開業対策本部を設置したところであります。10月中には基本計画を策定することといたしております。
本計画におきましては、本市が有する多様な観光資源を整備、活用することによって、観光産業の振興と県内外への広域観光拠点機能の充実を図ることを目的に、経済産業分野における施策の展開におきまして、1つには、にぎわいと魅力ある中心市街地の創造として魅力ある商業空間の形成や町中観光の推進、2つには、総合的な産業振興として新たな産業育成や支援、ものづくりの振興、活性化、青森産品の総合販売戦略、3つには、企業立地の促進、4つには、特色ある観光資源の充実を図るため、観光資源の充実、既存観光資源の連携、拠点機能を生かした広域観光の推進を掲げ、アスパム、ラッセランドから八甲田丸に至るエリアにねぶたや港町青森の魅力を楽しむことのできるふるさとミュージアムゾーンを形成するべく、その中心施設として、本市が世界に誇るねぶたを核とした文化観光交流施設を整備し、地域の産業や文化、雪国であるという気候風土、景観など、広く地域の観光資源を生かした、ここにしかない、これしかない、今しかないオンリーワンの観光の確立に努めることといたしております。あわせて、5つ目に、受け入れ体制の充実として、観光施設の整備充実、観光案内機能の充実、ホスピタリティーの向上、さらに6つ目として、コンベンション等の誘致を掲げ、その実現に全力を挙げて取り組みたいと考えております。また、東北新幹線新青森駅舎内に、県と連携して観光情報センターを設け、青森市を拠点とする県内の観光情報を提供したいと考えております。
いずれにいたしましても、本市行政のみならず、観光事業者や関連業界を初めとして多くの観光客を受け入れる市民の皆様の協働があって初めて実現できるものと考えておりまして、国、県の補助事業等の活用も視野に入れながら、官民一体となって事業展開を図ってまいりたいと思います。
86 ◯議長(間山勲君) 答弁を求めます。
企画財政部長。
〔
企画財政部長橋本勝二君登壇〕
87
◯企画財政部長(橋本勝二君) 鳴海議員の数点の御質問のうち、まず財政問題についての御質問、2006年度の地方交付税の減額について市はどのようにとらえているのか、2007年度導入を目指している新型交付税について市はどのようにとらえているのかにつきましては、関連がございますので、まとめてお答えいたします。
地方交付税は、国税の一定割合を総額とし、地方公共団体の固有財源として地方公共団体の財源不足額を公平に補てんすることを目的に配分されるものでございます。その算定方式としましては、客観的かつ普遍的な基準により算定いたします基準財政需要額から、一定の方法により算出いたします基準財政収入額を差し引いた基準財政需要額の不足分の算出が行われ、例年8月末までに普通交付税の交付額の決定がなされることとなっております。
本市の平成18年度当初予算における普通交付税につきましては、国が策定いたします地方財政計画に示されている収入及び需要額の伸び率や今年度からは、先般実施されました平成17年国勢調査の速報値人口をもとに算定されることによる影響等を参考に積算いたしまして、さらに、平成13年度から導入されました特例地方債である臨時財政対策債発行に伴う基準財政需要額の減額等を見込み、211億5643万8000円を計上したものであります。
今回の補正につきましては、普通交付税の交付額の決定に基づくものであり、本市の平成18年度普通交付税の決定額は平成17年度と比較して10億3603万2000円の減の201億7892万円となり、当初予算額と比較いたしまして9億7751万8000円の減額となりましたことから、相当額の減額補正案を本定例会に御提案し、御審議いただいているところでございます。
その減額の内容といたしましては、投資的経費の下水道費において下水道事業債元利償還金に対する地方財政措置が変更されたことなどにより、8億4000万円程度が下水道事業債に振りかえられたほか、国全体での景気動向が収入の算定に反映されたことにより、本市におきましても税収が増加するものとして算定されましたことなどが、普通交付税の減額の要因となっております。
市といたしましては、今回の算定において地方ごとに景気回復には違いがあるにもかかわらず、国全体での景気動向が反映されたことへの対応はもとより、地方交付税制度の目的である財源の均衡化と財源の保障の堅持に向けて、全国市長会を初めとする地方6団体とも連携を図り、歩調を合わせながら、関係機関に働きかけてまいりたいと存じます。
また、国におきましては、現在、地方の歳出の見直し、国から地方への税源移譲などをあわせまして、いわゆる新型交付税の導入について検討がなされており、平成18年7月に閣議決定された経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006におきましても、地方団体の財政運営に支障が生じないよう必要な措置を講じつつ、簡素な新しい基準による交付税の算定を行うなど、見直しを図るとされたところであります。新たな交付税制度の詳細につきましては、いまだ明らかにされておりませんが、市といたしましては、財源の確保に向けて国の動向を注視してまいりたいと存じます。
次に、公的年金等の受給者の住民税と所得税が増額となった主な要因及び住民税と所得税の今年度の増加額に関する2点の御質問に関して、内容に関連がございますので、まとめてお答えいたします。
個人住民税と所得税を合わせた
個人所得課税は、個人が稼得する所得を基準として、個々の納税者の担税力に応じた税負担を求めるものであり、特に個人住民税につきましては、地域社会の費用を住民が広く負担するという性格や地方公共団体が提供する行政サービスの受益に対する対価としての性格を有し、これまでの我が国税制の中で極めて重要な役割を果たしてきたところでございます。
また、
個人所得課税における諸控除につきましては、控除の制度が多岐多様となった結果、控除の額が全体的に大きくなり、そのため、収入はあるものの、課税の対象となる所得が諸控除のためになくなってしまい、結果として納税義務が生じなくなってしまうという現象が顕著となっていること、多岐多様となった控除制度のため、納税者から見ると税制全体が複雑でわかりにくいものになっていることなどから、所得から除かれる各種の控除等についての見直しが政府税調等から報告されてきたところでございます。
お尋ねの公的年金等の受給者の個人住民税と所得税が増額となったのは、先ほど大沢議員の一般質問でもお答え申し上げましたように、1つには、平成16年度の税制改正で今後の少子・高齢化社会においては、年齢にかかわらず経済的能力に応じて公平に負担を分かち合うことが必要であり、高齢者を年齢で一律に優遇する制度については見直しを行う必要があるとの観点から、年齢65歳以上で合計所得金額1000万円以下の方に対して所得税で50万円、個人住民税で48万円を控除する老年者控除については、平成17年分の所得税及び平成18年度の個人住民税から廃止されたこと、2つには、年齢65歳以上の方に対する
公的年金等控除の最低保障額について、これまでの140万円から120万円に引き下げられ、平成17年分の所得税及び平成18年度の個人住民税から適用されたこと、3つには、平成17年度の税制改正において、現役世代と高齢者間の税負担の公平を確保するため、年齢65歳以上の方のうち前年の所得金額が125万円以下の方に対する個人住民税の非課税措置が廃止されたことが主な要因であると考えておりますが、このうち年齢65歳以上の方に係る個人住民税の非課税措置の廃止につきましては、平成17年1月1日において65歳以上に達していた方について、税額を平成18年度は3分の1、平成19年度は3分の2、平成20年度以降は全額課税とする経過措置が講じられております。