春日井市議会 > 2011-12-13 >
12月13日-03号

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  1. 春日井市議会 2011-12-13
    12月13日-03号


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    平成23年 12月 定例会(第5回)             平成23年第5回          春日井市議会定例会会議録第3日          ---------------                    平成23年12月13日(火曜日)◯出席議員(32名)            1番  浅野 登君            2番  加藤貴章君            3番  田口佳子君            4番  加納 満君            5番  長谷川達也君            6番  村上慎二郎君            7番  鬼頭宏明君            8番  梶田高由君            9番  末永 啓君           10番  伊藤建治君           11番  熊野義樹君           12番  堀尾達也君           13番  長縄典夫君           14番  佐々木圭祐君           15番  長谷川則夫君           16番  安達佳代君           17番  小原 哉君           18番  田中千幸君           19番  水谷忠成君           20番  林 克巳君           21番  丹羽一正君           22番  高田敏亨君           23番  長谷川健二君           24番  内藤富江君           25番  後藤正夫君           26番  石原名子君           27番  友松孝雄君           28番  津田育男君           29番  宮地 隆君           30番  梶田晃男君           31番  堀尾龍二君           32番  内田 謙君   -----------------------------◯欠席議員(なし)   -----------------------------◯説明のため出席した者      市長        伊藤 太君      副市長       近藤和記雄君      副市長       中村幹雄君      教育長       木股哲夫君      監査委員      林 昇平君      企画政策部長    刑部健治君      総務部長      加藤達也君      財政部長      早川利久君      市民生活部長    戸田佳実君      文化スポーツ部長  古屋陽一君      健康福祉部長    鈴木 満君      青少年子ども部長  小林奈津子君      環境部長      西尾義和君      産業部長      稲垣勝彦君      まちづくり推進部長 服部比呂志君      建設部長      波多野 睦君      市民病院事務局長  瀧本広男君      上下水道部長    坂野 智君      会計管理者     河合不二雄君      消防長       安達明範君      教育部長      宮地 宏君      監査事務局長    梶田 博君   -----------------------------◯事務局職員出席者      事務局長      長縄 明君      議事課長      長谷川 透君      議事課長補佐    伊藤彰浩君      議事担当主査    江ノ本達弥君      主事        竹尾幸介君   -----------------------------◯議事日程  平成23年第5回春日井市議会定例会(第3号)                    開議 12月13日 午前10時  日程第1 一般質問   -----------------------------◯本日の会議に付した事件  1 一般質問                    午前10時 開議 ○議長(丹羽一正君) これより本日の会議を開きます。 本日の日程は,お手元に配付の議事日程のとおりであります。よろしく御協力のほどお願いいたします。 日程第1 一般質問を行います。 通告者は19人であります。通告順に発言を許します。9番 末永 啓君。     〔9番 末永 啓君 登壇〕 ◆9番(末永啓君) おはようございます。 それでは,通告順に質問させていただきます。 1点目の市の事業を外部評価する必要性について質問させていただきます。 本当にこの事業は必要なものなのか,仮に必要だとしても,その中に無駄は入っていないのか。いよいよ国会の場でもこういった議論が公開で行われるようになりました。 去る11月16日と17日に行われた国会版事業仕分けでは,世界一の計算速度を誇るスパコンも俎上に上り,その他診療報酬明細書の審査事務,公務員宿舎の建設費,原子力関連の法人への支出など,4事業が取り上げられ,事業の是非ばかりでなく,予算の効率的な使い方やその活用方途,さらには天下り役人の数や年収にまで与野党議員の厳しい指摘が行われました。その結果は,ほぼすべての事業について予算の縮減・組み替えや組織・制度の改編などの結論が出され,これまでの行政事業の運営に多くの問題があったことが明らかになりました。 さらに,11月20日から23日には政府の政策仕分けも行われ,原子力・エネルギー政策,農業,教育,情報通信,社会保障,公共事業,中小企業等々の広い範囲での提言的政策論議が行われました。高速増殖炉のもんじゅの見直し,携帯電話の電波オークションの早期導入,地方自治体の課税自主権の充実,診療報酬の引き下げ,後発医薬品の活用,介護保険制度の見直しなど提言がなされました。 翻って,私たちのまち春日井市の現状はどうなっているのでしょうか。平成22年度決算では,一般会計・特別会計の債務残高1,591億円に土地開発公社の211億円の借金残高を加えると1,802億円もの膨大な借金を抱えている厳しい現状があります。平成23年4月1日の本市の人口30万7,718人及び世帯数12万5,424で割りますと,1人当たり59万円,1世帯当たりでは144万円という大変な借金を抱えていることになります。これはもう財政危機そのものではないでしょうか。このため,予算は,借金をしなければ歳入の確保が困難になりまして,同時に公債費という多額の利息つきの借金を返済せざるを得ない予算編成が恒常化しており,まさしく自転車操業の状態になっております。 こんな厳しい財政状況にもかかわらず,本市のこれからの財政需要を予測しますと,体育館,(仮称)総合保健センター,調理場等の新設,JR春日井駅全面建てかえ工事,熊野桜佐などの土地区画整理事業,市民会館の耐震改修,知多公民館の建てかえ,下水道整備事業など,ずらりと並んでいるのが現実であります。まさに公共工事のオンパレードです。市民の借金はまたまた膨れ上がることが明らかです。 加えて,職員退職金の負担は高水準が続き,福祉,医療などの社会保障費を中心とした経費も確実にふえており,経常収支比率は平成18年度の86.7%から22年度には92.7%まで上昇し,硬直化が進み,財源から臨時財政対策債を除くと,何と99.3%にも達しているという危機的状況となっております。 右肩上がりの経済成長は終えんし,歳入増加の見込みは厳しくなるばかりでありますが,先日の議会では当局より,当分交付団体の状態が続くとの見通しも出されているのが現状です。もう歳出を見直し,支出を減らしていくしかありません。まさに「入りを量りて,出るを制す」しか方法がないと思います。 本市には,かつて外部有識者6名の行政評価委員会なるものがあり,平成16年度から約3年間にわたって外部の専門家による評価委員によって事業の評価が実施されておりました。平成18年12月1日号の「広報春日井」によりますと,3年間で実施した事務事業の総点検と改善指導は延べ1,207件となっており,評価基準として維持,改善,縮小・統合,廃止・休止の4段階に分けて事業の必要性を検証するものでございました。 平成19年12月1日号の「広報春日井」によりますと,この行政評価委員会の最終二次評価では,74の事業がA判定で維持,B判定の改善が97件,Cの縮小・統合が16件,Dの廃止・休止が6件となっております。そして,平成19年8月23日の評価委員会の最終回においては,「春日井市が外部評価を取り入れた事務事業評価に取り組んだことは評価するが,評価により一定の改善成果に結びついていない。また,行政評価委員会の指摘に対する改善の状況は,事業によっては当初の想定より遅く,さらに職員の意識改革にも不十分な面が見られることから,委員会の目標からすれば道半ばである。引き続き事務事業評価を行い,改善の状況を確認するとともに,施策評価への移行も促す」との最終報告書を作成し,市長に提出しております。 そこでお尋ねいたします。平成19年に終了した行政評価委員会では,まだ道半ばであり,引き続いて事務事業評価を行う必要性が指摘されております。昨今のますます厳しい財政事情と市民ニーズの多様化をかんがみれば,春日井市が実施している事業について,外部の視点でその是非やあり方を議論する外部評価を公開の場で実施していく必要性を感じますが,当局のお考えをお聞かせください。 2点目の高蔵寺駅周辺の豪雨水害対策についてお尋ねいたします。 高蔵寺駅周辺の浸水対策については,特にハード面への疑問の声が市民の方から多く寄せられました。また,原因や対策を聞きたいというような声も伺いました。駅地下道を利用する多くの方から,東海豪雨の教訓が何ら生きていないというような怒りの声をたくさん聞いております。その声と申しますのは,東海豪雨のときと同じような形で駅に水が流れ込み,行政は何も対策を行わなかったのではないかという疑問や理由からです。 この件については,先日の11月23日,中日新聞朝刊に「再発防止策の構想をまとめる」という報道がございました。地元の水利組合と交渉していることも明らかにされていました。しかし,全くこれは寝耳に水で,驚いたものであります。なぜなら,まず新聞報道に出す前に,駅にかかわる皆様の声が反映されているのかという点で疑問に思うからです。 高蔵寺駅地下道路は,地元の方の生活道路にもなっております。ロータリー周辺は,多くの交通機関や送迎の自家用車も利用されております。再発防止策は,利用者・利害関係者の声を広く反映した上で策定し,市民の皆様にお知らせするのがよいのではないでしょうか。 駅地下道を生活道路としていつも利用する地元住民や,1日2万人を超える駅の利用者を初めJR東海や愛知環状鉄道,駅管理会社,駅地下の店舗の皆様には多大な被害があったわけで,被害状況を市の広報やホームページなどで広く明らかにし,そういった方たちの声を住民及び利用者アンケートパブリックコメントのような形で,今回の浸水被害に対して不備があった点については意見を伺って,検証していくことが必要なのではないかと提案いたします。 災害の詳細な部分について過去のものにするべきではなく,検証を行うことこそが大切だと思います。利用者・利害関係者とオープンに検証を行わざるところには何の改善もなく,再発防止にもつながらないと考えます。 11月18日の中日新聞の「ペーパーナイフ」というコラムでは,市役所の不思議という,春日井市役所に関する記事が出ております。こちらを少し要約して朗読いたしますと,検閲されているみたいと驚くことが余りにも多い。市政の課題を取材するたびに,微妙な問題だから書いてほしくない,あおらないでほしい。中には,書くなら今後一切取材を受けないとたんかを切る職員までいる。積極的に市民への説明責任を果たしているようには見えないから理解に苦しむ。例えば,9月の台風15号の際,市内で冠水被害が相次いだが,名古屋市のように被害状況や対策に関する住民説明会を開く気配はない。隠したところで難しい問題が自然に解決するわけではない。気を使うなら,対話や施策,情報公開など市民のためになるところで発揮してほしいという,怒りの内容でした。 事実がどこにあるのかは問いませんが,しかし,そのような印象を市民が受けているのであれば,行政サービスそのもののあり方の問題であります。市長の情報開示に対する職員の指導の姿勢も問われることになると思います。 そこで質問いたします。2000年に発生した東海豪雨を受けて,市が行った水害対策の内容と本年9月20日の台風15号に伴う豪雨災害を受けて,今検討されている具体的な水害対策を,10月12日には災害対応の反省会が庁内で行われたと聞いておりますが,そのあたりも含めて,内容を教えてください。 3点目の随意契約のコスト削減についてお伺いします。 去る平成23年5月12日に小中学校の学習机等の購入契約に関して,市民から住民監査請求が出ております。今回の事案に関しては,市役所全体の物品等の契約事務において,コスト意識がどのように働いているのかという点でさまざまな問題を提起していると考えられますので,取り上げさせていただきます。 今回の請求の内容といたしましては,次のとおりでございます。 まず,春日井市は,新年度用の小中学校の学習机等を購入するため,平成23年1月7日に2件の指名競争入札を執行し,その結果,株式会社栗田商会が小学校の学習机を1台当たり3,600円,いすを1脚当たり2,400円で落札しました。予定価格は総額で約1,300万円です。契約金額は約842万円になっております。また,トミタ家具株式会社が中学校の学習机を1台当たり5,600円,いすを1脚当たり3,100円で落札しました。予定価格約511万円,契約金額約459万円です。 この後,学習机等を購入するため,同年2月18日にさらに7件の随意契約を締結し,7件の随意契約のうち5件については,さきの指名競争入札の結果から見て明らかに安価であった栗田商会から見積書を徴することなく,ほかの業者と契約したために高値購入となりました。請求者の措置請求として,教育総務課長は,栗田商会と契約しなかった5件について,栗田商会が提示した単価で契約した場合との差額約106万円の損害を春日井市に与えたので返金することという内容でございます。 そこで,まず監査報告書の中で,教育総務課の説明の要旨として確認させていただきたい箇所について,4点お伺いします。 指名競争入札で契約した2件については老朽化や破損に対応するものであり,随意契約とした7件については主に新年度の児童生徒数の変動に対応するものであるとしておりますが,毎年こういった形で指名競争と随意契約を行っているのでしょうか,お尋ねします。 随意契約とした理由についてでございますが,随意契約は地方公共団体が任意に特定の相手方を選定して契約を締結する方法でありますが,随意契約ができる場合は,地方自治法施行令第167条の2第1項各号に掲げられる事項に該当する場合に限られるとしておりますけれども,今回の随意契約の根拠は何号に該当するのかを教えてください。 また,仕様の条件が大きく異なっているために,単価のみを取り上げて,これを参考にしなかったとすることはできないとし,また,「学習机等を近接する学校ごとにまとめ,指名業者の中から業者を選定して発注した」と書いてございますが,随意契約の栗田商会以外の5件については,搬入費が入っていないのは同じですし,例えば西部中から石尾台・岩成台中学校や,坂下・上条・小野小学校から出川小学校など,近接している学校とは思えない契約内容になっております。具体的にどのように仕様が異なっているのか,教えてください。 最後に,物品調達要領によれば,消耗品のうち見積もり合計金額が80万円以下のものが主管課調達になっておりまして,それ以外の設計金額が80万円を超えるものについては,本来,管財契約課で入札によって契約するべきものであり,今回,随意契約の合計は400万円を超えております。かつ,事業者ごとの総額は80万円を超えていますので,管財契約課に何かしらの方法で相談すべきではなかったのかをお尋ねいたします。 管財契約課の関連についてお尋ねいたします。 本件で問題になっている契約方法の随意契約についてですが,本年10月23日の東京新聞では,国が備品購入や小規模の工事発注の際,競争入札ではなく,公務員だけの判断で契約を結べる少額随意契約が2010年度で199万件,3,266億円に上ることがわかりました。このことについて,政府・民主党は随意契約を入札などに切りかえれば2割削減できるとの見方もあると報じております。 そこで質問いたします。随意契約では競争原理が働きにくく,民間での契約価格などに比べればより高くなる傾向があると言われており,納税者の目も厳しくなってきております。春日井市においての随意契約の金額の規模を教えてください。 最後に,放射能汚染の対応についてでございます。 あの忌まわしい3月11日から9カ月がたちました。福島第一原発事故については,まさに現在進行形の問題であり,放射性物質の放出もいまだに続いております。つい先日も,海水に放出できる基準の約100万倍の高濃度のストロンチウムを含む汚染水が流れ出たおそれがあるとして報道がございました。福島第一原発事故による放射能汚染拡大によって,我々日本人は長期にわたり放射能汚染と向き合わざるを得なくなったと,認識を新たにする必要があると考えます。 まず,放射能汚染された疑いのある瓦れきの受け入れの問題について,市の考えを伺います。 まず,瓦れきの受け入れについてであります。愛知県は4月に,東日本大震災により生じた災害廃棄物について受け入れに協力すると表明していました。放射性物質は,福島第一原発を中心として非常に広範囲に拡散しており,放射能汚染された瓦れきを受け入れる事実を考えると,恐ろしいことを簡単に表明していたなと思ったわけでございますが,その後,放射性物質の拡散が深刻な状況であることが明らかになりました。 環境省は,災害廃棄物の広域処理の推進に係るガイドラインを発表し,愛知県はそれに対して,愛知県知事名で環境大臣あてに「東日本大震災災害廃棄物広域処理に関する質問書」を出し,つい先日,それに対する回答書が環境省中部環境事務所からございました。内容を確認しましたら,国が定める基準を安全であると強調するのみで,県民・市民の安全や健康を保障するような内容は何もないものでした。愛知県知事も,「県民の皆様の御理解と御納得を得るための情報やデータを得ることができず,不満足な内容でありました。」とコメントをしております。 瓦れきの受け入れについては,環境省から県を通じて,4月,10月と我が市にもアンケート調査があったかと思いますが,それに対する回答内容及び愛知県が回答書を受けて国へ再質問するための各市町村への意見聴取を行いましたが,春日井市としてどのように回答を出しているのかをお聞かせください。 また,本市の放射能汚染された瓦れきの受け入れについて,市の考え方をお聞かせください。 また,学校給食の食材の産地公表と放射性物質測定についてお尋ねいたします。 汚染水が海に流出している事実や土壌汚染に対する農産物の汚染によって,牛乳,牛肉,海産物,米,シイタケ等の多くの食材の汚染が明らかになり,外部被爆に対する懸念に加えて,我が市においても内部被爆への対策をいよいよ考えざるを得なくなってきたと言えます。 厚生労働大臣が,災害直後に定めた暫定規制値より厳しい新基準を策定する見通しとしております。子どもは成人より放射線の影響を受けやすいと指摘もされていることから,粉ミルクなどの乳幼児食品の基準値を新設することが決まりました。今さら遅い対応といった感が否めないのですが,そもそも86年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故を受けて,欧州やウクライナにおける食品基準は非常に厳しいもので,消費者団体などから日本の規制値への疑問,厳しい数値を求める声が出てきております。海外での日本産品輸入に対する評価は非常に厳しいもので,欧州の方から言わせると,よく日本人はこのような高い暫定規制値で食べれるねという反応だそうです。 先日,中部大学でサイエンスフォーラムがございまして,長野県の松本市長の菅谷先生を招き,放射能対策に関する講演会がございました。松本市は,ウクライナ・ベラルーシの食品基準を使用し,学校給食の食品検査を行っております。日本の暫定規制値,食品は500ベクレル,牛乳や水は200ベクレルに対して,ウクライナ・ベラルーシの食品基準は食品に対しては40ベクレル,水や牛乳等は2ベクレルと,それぞれ10分の1以下,100分の1の基準です。子どもや妊婦には厳しい基準を設けるべきだということをおっしゃっておりました。 国で設けている暫定規制値は,特に子どもたちにとっては明らかに高過ぎるという指摘のある中で,1点目の御質問ですが,食品への規制値について,春日井市として国の暫定規制値以下であれば安全だというような認識でいるのか,教えてください。 また,検査体制をすり抜けている事例がふえてきております。国の食品に対する出荷側の検査体制は十分だ,安心であると考えているのか,考えていいのか。そして,そのように考える根拠をお伺いしたいと思います。以上,壇上からの質問を終わらせていただきます。 ○議長(丹羽一正君) 企画政策部長 刑部健治君。 ◎企画政策部長(刑部健治君) それでは,1点目の事業の外部評価を公開で実施することにつきましてお答えいたします。 本市では,平成16年度から19年度にかけまして,すべての事務事業を対象に外部の有識者による評価を実施し,事務事業のスリム化による経費節減や職員の意識改革において一定の成果をおさめたと考えております。 平成22年度からは,市民参加による総合計画推進市民委員会を立ち上げ,施策の進捗状況の評価や,新規事業や事業の改善・廃止の御提案を行っていただいております。こうした取り組みは,事業の外部評価を公開で実施することと手法が異なっておりますが,市民参加で点検や見直しを行うことという目的は同じでありますことから,現時点では実施する考えはございません。 ○議長(丹羽一正君) 建設部長 波多野 睦君。 ◎建設部長(波多野睦君) 高蔵寺駅周辺の豪雨水害対策についてお答えします。 平成12年の東海豪雨以降の対策につきましては,15カ所あります地下道への出入り口のうち,最も北にある出入り口から浸水が始まったことから,その箇所について出入り口のかさ上げを行うなどの対策をとりました。今回は,南側の最も駅に近い出入り口から浸水が始まったと考えております。 高蔵寺駅北口周辺は,雨水は北からと東から流れてくる地形となっておりますので,対策につきましても,貯水機能,排水機能をどのようにしたら効果的であるかを検討しているところでございます。 ○議長(丹羽一正君) 教育部長 宮地 宏君。 ◎教育部長(宮地宏君) それでは,お答えいたします。 指名競争入札と随意契約,こちらにつきましては毎年度行ってきております。そして,学習机等の必要数の特定が平成22年度の物品調達依頼の最終締め切りを過ぎており,指名競争入札による調達ができなくなりました。新学期を控えた3月31日の納期までに納入することが最優先でありまして,調達に緊急性があると認め,随意契約としたものであります。 次に,各学校に納入する学習机などは学年により大きさが異なっており,また,台数や納入する学校も違っておるため,契約事案ごとに仕様が違ったというものであります。 最後に,2月18日という年度末に近い時期におきまして,納期までに確実に数量を確保し,3月31日までの納入を考慮し,教育総務課におきまして随意契約を行ったものであります。 次に,学校給食食材につきましてお答えをいたします。 暫定規制値につきましては現在,国において見直しがなされておりますので,その動向を注視してまいります。 そして,検査体制につきましては,国と県が連絡をとって,そのあり方について具体的に検討なされると聞いておりますので,動向をこれも注視してまいります。 ○議長(丹羽一正君) 財政部長 早川利久君。 ◎財政部長(早川利久君) 随意契約の規模との御質問ですが,22年度では管財契約課では142件,2,580万円程度でございます。 ○議長(丹羽一正君) 環境部長 西尾義和君。 ◎環境部長(西尾義和君) 環境部のほうからは,東日本大震災における瓦れきの受け入れ関係についてお答え申し上げます。 4月の時点では,国からの受け入れ処理の調査に対して,一定量の可燃物の受け入れ処理が可能であると回答いたしました。10月には,放射性物質による瓦れきの汚染が問題となり,「受け入れ検討はできない」と回答いたしております。 市といたしましては,被災地支援への基本的考えには変わりはございませんが,瓦れきの受け入れは安全・安心が確保されることが前提であるとしております。以上でございます。 ○議長(丹羽一正君) 9番 末永 啓君。 ◆9番(末永啓君) それぞれ御答弁いただきました。 まず,1点目の外部評価に関する問題なんですけれども,今お話がございました市民委員会ですね,総合計画推進市民委員会というものについて,お話のように,春日井市では平成22年度に2年の任期で発足させたわけでございますが,報道によりますと,総合計画が掲げる48の基本施策の検証や新規事業の提案を通して,市民の声を市政に反映したいという内容だと思います。 しかし,この市民委員会方式による行政事業の見直し,改革については,その実効性の面から見て,さきの行政評価委員会と比べ大きな差があると考えております。つまり,市民の視点からの評価や提案という部分では評価はできますが,さきの行政評価委員会では次の3つの視点で事業評価を行っております。 1点目が,市政全般から見た適正,全体最適の目線。2点目,市民の目線から見た満足度,市民満足の目線。3点目が,経営マネジメントから見た生産性,企業経営の目線。それぞれこの3点から見た場合,市民委員会の場合ですと,1と3の視点,全体最適の目線や企業経営の目線が圧倒的に欠けているのではないかというふうに考えております。 専門性が十分でないため,深く分析することには限界がありますし,個々の事業について担当課から直接ヒアリングをしたり,かつ予算規模までしっかり把握したものではないために,評価には疑問があります。 事業を改善・拡充,新規で行う場合においても,具体的な実効性のある検証や提案が十分にできているとは思えません。事業評価の専門家である有識者の委員を中心とし,それに市民公募の委員を加えた外部評価委員会を設置し,客観的かつ専門的な事業評価を行う必要があると考えておりますけれども,現在の春日井市のすべての事業において,行政評価委員会のように全体最適や企業経営の目線で評価しているような組織や制度があれば教えてください。 豪雨災害についてでございますが,今お答えいただきましたように,ハード面でいろいろ検討が進められているということだと思いますか,雨水排水に関連して,ちょうど我が市は今,新しい下水道基本計画を策定中でございます。市民の方から,高蔵寺駅浸水被害についての意見が出ておりまして,高蔵寺駅周辺の雨水排除計画は優先度の低いものとなっているが,台風15号により高蔵寺駅が浸水しており,早急に計画を見直すべきじゃないかという意見がございます。また,9月20日の降雨量は時間当たり最大76.5ミリもありまして,このまま本計画の想定雨量63ミリ/毎時に基づいて減災対策を行うことは本当に可能なのか,市民から不安の声が聞こえてきております。また,新計画では,今回9月20日の豪雨災害の内容は一切記述がなく,到底こちらの災害を無視することはできないというふうに考えております。 今回の災害を踏まえた浸水対策,排水対策を行っていくという内容を,下水道基本計画に盛り込んでいくべきではないのかと考えております。特に,第7章の中の雨水排除計画には今回のデータや被害状況を挿入し,浸水状況に基づく排水区のグループ分けについても再検討をする必要があると提案しますがいかがでしょうか,答弁を求めます。 さらに,本市の雨水排除計画については総合的に判断していく必要があると思いますが,具体的に高蔵寺駅周辺に関しては,アンダーパスと言われるJR中央線をくぐる県道199号線,国道155号線なども大浸水したわけでございますので,また東海豪雨のときと同じことが繰り返されております。周辺の地域や駅舎やロータリーの特徴からも,この周辺の部分的な雨水浸水防止計画及び雨水排水計画が必要なのではないかと思いますが,いかがでしょうか。 また,現在の春日井市東部地区の洪水ハザードマップには,庄内川,内津川がはんらんしたケースについてしか浸水状況のシミュレーションはございませんので,今回の高蔵寺駅周辺地域については被害想定がございません。洪水に限定せず,豪雨についても同じように見直しを検討していくべきではないのでしょうか,御答弁をお願いいたします。こちら3点の御答弁をお願いいたします。 あと,随意契約についてでございますが,緊急性があったのでこのような形をとったというようなことで教育部のほうからの答弁がございましたが,参考までに,国のほうで財務大臣通達がございまして,「公共調達の適正化について」というもので,平成18年8月25日に出ているものなんですが,随意契約の適正化について各省庁にあてているものでございまして,原則として価格競争による一般競争入札によるものとする。単に事務の遅延により競争に付する期間が確保できなかったことのみをもって緊急の必要があるとしてはならない。意図的に契約を分割しているようなものは不適切であるといった,本件においても参考にすべき内容でございます。 今回の監査の意見を引用させていただきますと,予算を執行する者に当たっては,随意契約は競争の方法によらないで任意に特定の相手方を選定して契約するものであり,競争を原則とする契約方法の例外であるとしております。 今回の随意契約の7件のうち,仕様書の違い,すなわちこの業者でなくては納入できないというような理由は全くないように思われます。仮に栗田商会に在庫がなかったとするならば話は別ですが,頭の中で例年年度末は注文が殺到するからという理由だけで勝手に判断して,安く購入できる可能性のある業者の在庫を確認する手続を怠ったのではないでしょうか。 また,2件に最安値の栗田商会,別の2件にはトミタ家具に見積もりを依頼しているわけでございますが,見積もり徴収は同一業者に偏ることのないように細心の注意を払うこととする春日井市の予算執行要領28のとおり執行されたのかといえば疑問符がつきますし,一方で,今回の監査の意見をかりれば,随意契約では任意に特定の相手方を選定することが許されているとしているので,どちらの視点から見てもあいまいな対応であったというように言わざるを得ません。 今回のケースでは,随意契約では任意に特定の相手方を選定することが許され,かつ本来入札で行うべきであった契約であり,かつ入札で既に実績が出ている栗田商会などの業者にですね,見積もり徴収の依頼先は3社でも4社でもいいわけであって,直近の入札で既に最安値で実績を出した栗田商会にはとりあえずすべての随意契約に対して見積もり徴収を出しておくことが必要なのではなかったでしょうか。仮に担当者がプライベートの買い物で,自分の財布からこのような買い物をすると想定すれば,普通はコストを抑えるためにそのようにしたと思いますがいかがでしょうか,答弁を求めます。 また,管財契約課に関する部分でございますが,本件においての随意契約,少額随意契約について,80万円以下にはなっておりますけれども,随意契約の総合計は約413万円になっております。本来,管財契約課で入札を行うべき金額です。内部の規則どおりに進めれば自動的に主管課の調達になるわけで,今回,教育総務課で随意契約を行うこと自体は内部の規則どおりなのでありますが,入札依頼の締め切りも過ぎたし,80万円未満にしてしまえば主管課でやれるので,管財契約課は関係ないやということになってしまうと,今後も同じようなことがやりたい放題で,野放しになってしまうわけです。 本件も,市民の指摘がなかったら問題にはなりませんでした。結果だけを見れば,住民監査請求の主張どおり,スケールメリットが働かず,高値購入をしております。役所全体としてこのようなケースに対応するために,管財契約課なり,しかるべき部署が随意契約を代行したり,少額随意契約にするために分散発注をしているようなケースを未然に防ぐようなチェック体制の構築が急がれるのではないかと思われますが,具体策を検討されているのかをお伺いします。 次は,放射能の対応についてでございます。 まず,瓦れきの受け入れについてでございますが,まず安全を確保されてからというような市の考え,今伺ったわけでありますが,放射能については,その恐ろしさが何ら検証されていないまま,未知数なものに対して最大限の注意を払っていただくことが必要だと考えております。 被災地の瓦れきが,被災地の住民の公衆衛生を今現在脅かしていることは十分にわかっておりますし,被災地は本当に気の毒であるというふうに思います。しかし,だからといって,広域処理を行うのだというように考えるのは拙速でありますし,個人的には,陳腐なガイドラインでもって放射能を拡散させようとする国の姿勢と,放射能汚染されているとわかっていて拡散させる国策自体が間違っていると考えております。 最近では,自治体のトップが先走って瓦れきの受け入れに言及して,住民とトラブルになっているようなケースが出てきました。国による安全基準の設定や検査体制の整備,処分場の確保,将来の土壌汚染の心配,人体への影響,健康被害の立証等を考えれば,とても瓦れきを受け入れるというような選択肢はないと思います。 某知事が,震災に対して天罰だという不謹慎な言葉を発して,どんな意図があるのかわかりませんが,その後,瓦れきを受け入れるということを表明し,それに対して住民が不安の声を上げると,黙れというようなコメントをしたことについては,何ら検証されていない放射能の恐ろしさを無視して,データに基づく詳細な説明もせずに感情を訴えるだけのもので,遺憾であると言えます。 放射能汚染瓦れきの受け入れについては反対です。春日井市においては,環境都市宣言をしている立場を厳粛に受けとめて,放射能の拡散に対しては毅然とした態度で臨んでいただきたいという意見だけ申し添えておきます。 学校給食についてでございますが,11月30日に文科省から17都県の教育委員会に対して,国庫補助で測定機器を購入して検査結果を公表することを求めて通知がありました。報道によりますと,文部科学大臣は,12月6日に「現在の暫定規制値が見直され,新たな基準が出されるまで自治体に判断の参考にしてほしい」と述べて,1キログラム当たり40ベクレル以下を省として食材の安全の目安だとの副大臣の見解を追認しました。本市も,それを参考にして今後の施策を進める必要があると思います。 国庫補助が出る17都県以外の各自治体にも,何ベクレル出たらどうするのかと決めるようにとする内容の通知が出されております。各自治体で安全の基準を決めておくように,検出限界値の40ベクレルを一定の参考にするようにというような内容になっております。それに対応するにしても,まず春日井市でもはかる機器がないとわかりません。市民からも,不安な食材について放射能測定を行ってほしいという根強い要望がある中で,文科省からの通達がありました。それに対してどうお考えか。受け入れ側にも検査体制が早急に必要だと思いますが,9月議会から考えは変わっていないのか,御見解を伺います。以上,2回目の質問とさせていただきます。 ○議長(丹羽一正君) 企画政策部長 刑部健治君。 ◎企画政策部長(刑部健治君) 事業の外部評価を公開で実施することの関連で,2回目の御質問にお答えいたします。 質問議員からは,市政運営全体最適の視点,それから市民目線の満足度の視点,それから経営マネジメントの視点と,この3つの視点についてのお話がありまして,まさにこうした視点から平成16年から19年度にかけまして行った事務事業がございますし,また,22年度からは市民委員で構成する市民委員会を公開でその審議,議論をしていただいておるところでございます。 全体最適の仕組みということでございますので,22年度から市民委員会を始めておりまして,その市民委員会のもとになる時点で住民意識調査を実施したその結果,そしてそれをもとにした庁内各課による施策の評価,そしてそれらをもとにした市民委員会による意見,こうしたものをもとにして,庁内全体でPDCAサイクルをもとにする行政経営システムで運営しているところでございます。 ○議長(丹羽一正君) 上下水道部長 坂野 智君。 ◎上下水道部長(坂野智君) それでは私のほうから,下水道基本計画についての御質問でございますので,お答えさせていただきます。 駅周辺対策も含めまして,高蔵寺地区における台風15号による浸水被害を検討した下水道基本計画の見直しにつきましてですが,この計画につきましては,浸水対策が広域であることから,放流先となる河川整備計画等に連携して整備を進める必要があり,全市的な施設整備計画として一定規模の整備基準に基づいた計画を策定しておるところでございます。 次に,もう1点,高蔵寺駅周辺の浸水ハザードマップについてでございますけれども,ハザードマップにつきましては,市内全域における浸水実績図というものを「道風くんの春日井まっぷ」,防災情報ページで公開をいたしております。ことしの4月1日号の広報でお知らせをして,4月5日から提供を開始しております。 ○議長(丹羽一正君) 教育部長 宮地 宏君。
    ◎教育部長(宮地宏君) 児童生徒用の学習机などは,年度末近くになりますとメーカーに注文が集中するということが多いと,このようなことをこれまで学習机などを発注するたびごとに聞いておりました。そして,過去の契約実績を参考としまして単価を想定した上で,随意契約による実施をしたものでございます。 次に,放射能の測定ですが,学校給食食材の放射能につきましては,その測定の方法について検討をしてまいります。 ○議長(丹羽一正君) 財政部長 早川利久君。 ◎財政部長(早川利久君) 随意契約についてチェック体制を検討してはどうかとの御質問ですが,監査請求のあった小中学校の事務機器の購入の事例については,監査の結果に示されているように,調達の時期や調達に必要とされる期間など特別の事情を総合的に勘案して,随意契約の方法を選択したものと理解しております。 ○議長(丹羽一正君) 9番 末永 啓君。 ◆9番(末永啓君) それぞれ御答弁いただきました。 まず,外部評価に関することなんですけれども,現在,市民委員会で全体最適をPDCAサイクルで行政システム評価を行っていくというような御答弁をいただきましたけれども,やはり今のこの市民委員会については,あくまでも第五次総合計画の推進委員会という位置づけになっておりますので,私の提案するような外部評価委員会とは全然内容が違うと思います。全く違う課題を扱っているものだと考えております。外部の専門家の評価委員を中心として,公募市民を加えた委員会を条例や規則で明確に位置づけて,恒常的な委員会として市長や議会に報告,提案,指摘事項の進行管理などを義務づけていくような組織を行っていくべきです。 そうした第三者的立場から問題提起を踏まえて,行財政改革を進めることこそが今喫緊に必要であることと考えまして,新たな外部評価委員会の設置を提案いたします。こちらの設置について,将来的なもし考えがあれば,再度答弁を求めたいと思います。 あと,高蔵寺駅周辺の豪雨水害対策についてでございますが,総合的に上位計画と一緒に整合性をとりながら基本計画を練っていくというような御答弁をいただきましたけれども,今回,東海豪雨のことについては載っていて,9月20日の台風15号による豪雨災害については今のところ載っていませんので,このような重大な被害を受けた事案でありますので,これから何年間も活用する基本計画になると思います。今回の経験を生かさない手はないと思いますので,高蔵寺駅周辺であれだけの被害があったのは事実なのでありますので,データ等がまとまり次第,後からでも補遺や追記という形でも内容を追加して,しっかりと基本計画に入れてほしいということだけを提案しておきます。それについて答弁を再度求めます。 随意契約におけるコスト削減について,教育総務にかかわる部分でございますが,緊急の必要性があってこのような対応したということだと思いますが,いずれにしましても,すべて市民からお預かりしている税金を使わせていただいているということを絶対に頭に置きながら,契約行為に臨んでいただきたいと思います。品質に変わりがないのなら最安値で購入するということで,市民だけでなく,同僚職員の中からも評価あるいは尊敬されるような役所の風土をぜひつくっていただきたいというふうに考えておりますので,よろしくお願いします。 監査委員会は,監査請求に対する結果報告の中で,第5,要望として,「競争を原則とする契約方法の例外であることを再認識し,今後の随意契約に当たっては,その決定理由等をさらに明確にした上で適正な契約事務の執行に努めるように要望する。」とし,平成23年度前期の監査報告書の中でも,この学校机等の購入が分けて発注されたものについても,注意事項として指摘しました。これに対して教育委員会は,指摘事項に対する措置状況として,「平成23年度から学習机等の購入に当たっては,各小中学校の学習机等の必要数を早期に確定し,金額に応じて指名競争入札等で調達します。」としておりますが,その具体的な措置状況の内容です。こちらをお尋ねしたいんですが,必要数の早期の確定の方法,金額に応じてとはどういう内容なのか,指名競争入札等の「等」とは何を指しているのかという点を説明していただくようにお願いいたします。 管財契約に関する部分でございますが,現在,春日井市の物品の公開見積もり競争,オープンカウンターについてであります。 平成22年度に試行導入され,平成23年度から80万円未満の物品購入のうち,機械・器具,スポーツ用品,電気製品,電算機器及び文房具,事務用機器を追加いたしました。ただし,管財契約課,企画経営課,市民病院管理課においてのみ発注する備品を対象とし,今回のように各課で発注する消耗品については対象となっておりません。主管課調達とされている備品や消耗品の中にも,今回の学習机等のように毎年毎年ある程度の必要数を購入しているものもございますので,だれの目にも公正なオープンカウンター方式で契約ができるように,対象品目を消耗品や主管課調達としている部分にも広げて,管財契約課などそれを行えるように,役所内のマニュアルを改めておく必要があるのではないでしょうか。来年度以降,オープンカウンターの対象品目を広げる必要があるのではないかと思われますが,見解を伺いたいと思います。 学校給食に対する放射能対策についてでございますが,測定の方法を検討していくというような御答弁を今いただきました。できるだけ安全な地域から今仕入れているということを前回,9月議会でも御答弁いただいておるんですけれども,現在,例えば福島市大波地区の農家から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された問題,これは予備検査と本検査をパスして出荷可能な状態であったにもかかわらず,農協が独自で検査した結果,暫定規制値を超える米などが収穫されたというような内容になっております。 また,海に流出した放射能の量は全体で260億ベクレルと推定されております。セシウムのほかにも,半減期が29年のストロンチウム90というものがありまして,これはカルシウムと性質が似ているために,体内に取り込むと骨に蓄積して,長期間にわたって放射線を出し続けると指摘されております。放射性物質が魚に濃縮されるのは二,三年後と言われております。 また,文科省の航空機モニタリングの結果を見ますと,愛知県内にも放射性物質は地表沈着しております。ほかの研究機関の調査では,中国や四国の地方にも届いているという結果も出ておりますので,地産地消だから大丈夫,西日本産だから安全だと,確信を持って安全な地域だということを,特に食材に関しては言えないのではないかと考えております。 東京都心においてもストロンチウムが土壌から検出され,これは国や自治体が把握していない数値ということです。どこに,どれだけの放射性物質があるかは確証が持てませんし,言いにくいことではありますが,少なくとも東日本地域においてはできるだけ安全な地域というものはわからないというふうに考えています。 だから,保護者の声として,食材の産地公表についても要望の声が強くありまして,子どもたちへの内部被爆の危険度を軽視すべきではないと考えております。食材の産地公表することで,保護者の皆様の安心感が高まり,情報格差をなくすためにも,9月議会で答弁をいただきました食材の産地公表については,先進事例を参考にして検討いただいているはずなので,現在,実施状況はどのようになっているのかをお聞かせください。 先ほどの御答弁いただいたように,放射能測定機器をとにかく早期に導入をして,子どもたちとその保護者の不安を取り除く。子どもたちの命,健康を第一に考えれば,その実験結果や研究結果はわからないことが多いわけでございますので,放射能の人体に与える影響がわからないからこそ検査を行うべきだという意見だけを,提案だけさせていただきたいと思いますので,よろしくお願いいたします。学校給食食材の産地公表について,再度答弁を求めたいと思います。 ○議長(丹羽一正君) 企画政策部長 刑部健治君。 ◎企画政策部長(刑部健治君) 行政評価委員会の設置についてのお尋ねでございました。 繰り返しの答弁になりますが,平成16年度から19年度の外部有識者による事務事業評価によって一定の成果を得ていること。それから,22年度からは総合計画推進市民委員会の皆さん方によって,単年度ごとの施策の進捗状況の評価とか,あるいは各種提案をいただいているところでございますので,現時点では行政評価委員会を設置する考えはございません。 ○議長(丹羽一正君) 上下水道部長 坂野 智君。 ◎上下水道部長(坂野智君) 下水道基本計画につきましてですけれども,まずは今回の計画での対策を進めていくことが重要であると考えておりますので,よろしくお願いします。 ○議長(丹羽一正君) 教育部長 宮地 宏君。 ◎教育部長(宮地宏君) 措置状況についてですが,平成23年度は学習机等の購入に当たりましては,必要数を早期に確定するため,10月に各小中学校に必要数の調査を行って結果を得ております。今後,規則に従って調達を行ってまいります。 そして,指名競争入札等,「等」の意味ですが,指名競争入札あるいは随意契約ということでございます。 そして,食材の産地公表ですが,現在,食材の産地について公表する品目や範囲,手段などを検討しているところであります。 ○議長(丹羽一正君) 財政部長 早川利久君。 ◎財政部長(早川利久君) オープンカウンター方式は,今年度,対象品目を拡大したところですが,御質問の消耗品や現在主管課調達しているものについてまで広げるということは特に考えておりません。 ○議長(丹羽一正君) 1番 浅野 登君。     〔1番 浅野 登君 登壇〕(拍手) ◆1番(浅野登君) おはようございます。 それでは,通告に従い,順次質問をいたします。 まず最初に,特例市についてお尋ねをいたします。 本市は,平成13年(2001年)4月に特例市の指定を受けております。また,本年5月からは,伊藤市長が特例市市長会の副会長に就任をされております。 特例市とは,皆様御存じのとおり,地方自治法第252条の26の3に規定があり,政令により指定を受けた人口20万人以上の市のことであります。 地方自治法では,人口の多い大都市について,都市の規模に応じて市に都道府県の事務権限の一部を移譲する制度を設けております。人口50万人以上のいわゆる政令市,人口30万人以上の中核市,人口20万人以上の特例市の3段階が設定されており,現在,全国には政令市が大阪市や名古屋市初め19市,中核市が豊田市,豊橋市,岡崎市初め41市,特例市は本市や一宮市初め40市あります。 一方,都道府県から移譲される事務については,地方自治法の規定で,政令市については児童福祉に関する事務,民生委員に関する事務,生活保護に関する事務,老人福祉に関する事務,食品衛生に関する事務,都市計画に関する事務,土地区画整理事業に関する事務など,19の分野の事務について処理することができるとされております。また,中核市については,政令指定市が処理することができる事務のうち,中核市が処理したほうが効率的な事務について処理することができるとされております。さらに,特例市については,中核市が処理することができる事務のうち,特例市が処理したほうが効率的な事務について処理することができるとされております。 この地方自治法における大都市制度については,先月の大阪市長選挙で橋下新市長が問題提起し,選挙の大きな争点になったことは,皆様御承知のとおりであります。現在,いろいろな点で改革が叫ばれる中,この大都市制度も例外ではありません。 そこで質問であります。平成13年に本市が特例市として指定された後,愛知県から移譲された事務はどのようなものがあり,この10年間のそれらの事務の執行状況についてお尋ねをいたします。 次に,下水道行政についてお尋ねをいたします。 本市の下水道の基本計画は現在,改定作業中であり,間もなく新しい計画として正式に決定される段階と承知をいたしております。その内容,特に汚水については,本市の将来の人口の見込みが減少したことや,節水意識の高まりで水の使用量が減ってきたことから,従来の4つの処理区の設定を3処理区にまとめ,浄化センター,下水処理場でありますが,これを1つ減らす計画としております。これにより,全体の建設費,いわゆるイニシャルコストを大幅に引き下げることができ,大きく評価できる内容であります。全体の完成も早められると期待するところであります。 今回,基本計画の改定に当たっては,本市では市民の皆様からのアンケートの実施や意見の公募,パブリックコメントを行い,アンケートでは684件の回答があり,意見公募では15件の意見が提出をされました。それによりますと,公共下水道の整備を推進すべきとの意見は80%を超えており,また,その理由は,環境面や水質保全の効果を期待する内容となっております。市民の皆様の下水道整備についての期待は,極めて大きなものがあります。 一方,この新しい基本計画案に基づき,個別の管路などの施設の建設計画について,今後10年間の建設区域を定める春日井市公共下水道中長期施設整備計画の案が,先月の議会閉会中に開催されました建設委員会で公表されました。この計画案によれば,今後10年間の下水道の事業箇所として,出川地区と上条地区を選定したとのことであります。 そもそも下水道は,都市の生活に欠くことのできない基本的な社会基盤であります。憲法25条では,「すべての国民は,健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」とあり,下水道はまさにこの健康で文化的な生活を支える都市施設であることは,万人の認めるところであります。 一方,春日井市におきましては,下水道のサービスを受けられる人口は約20万人であり,全市の65.9%となっており,県内の自治体としても15位にとどまっていることも現実であります。 下水道事業の区域は,ほぼ都市計画区域と重なっており,そこにお住まいの市民には都市計画税を負担していただいております。長年,都市計画税を納めながら下水道のサービスが受けられない納税者には,不公平感がぬぐえません。 下水道事業は非常にお金がかかり,また,ふだん施設が見えないこともあり,事業に華々しさはありませんが,下水道は市民にとって不可欠で大変重要な施設であることは,論をまちません。また,地域の水質浄化を進める立場の基礎自治体としても,下水道事業はこれまで以上に力を注ぐべき事業と言えます。 そこでお尋ねをいたします。今回,出川,上条の2地区は建設計画が示されたわけでありますが,下水道が未整備の地区についても,建設に着手する目標年次などを市民の皆様にお知らせをして,下水道事業者としての本市の責務を果たすべきでないかと考えます。この点について,下水道事業者としての市当局の考えをお尋ねをいたします。以上で壇上からの質問を終わります。 ○議長(丹羽一正君) 企画政策部長 刑部健治君。 ◎企画政策部長(刑部健治君) それでは,特例市になって移譲された事務及びその執行状況につきましてお答えいたします。 平成13年4月1日に特例市に移行した当時には,15法律19項目の権限が移譲され,その移譲事務には,市街化区域または市街化調整区域内の開発行為の許可など都市計画等に関する事務が13項目,また,水質汚濁防止法特定施設の届け出,指導など環境保全行政に関する事務が5項目,そのほか,計量法に基づく勧告,定期検査などがございます。 それから,移譲事務の執行状況につきましては,平成22年度の状況でございますが,例えば開発行為の許可に関する事務におきましては,市独自で開発審査会を設置し,90件の許可をしているところでございます。それから,水質汚濁防止法に関する事務においては,窓口が県から本市へ移り,特定施設の設置等の届け出は91件,立ち入り調査は195件となっております。 また,最近では,本年成立いたしました地方分権改革のいわゆる第2次一括法におきまして,特例市に移譲される事務は2項目となっております。この2項目については,一般粉じん発生施設設置の届け出受理,基準適合命令等,報告徴収,立ち入り検査で1つ。それから,一般粉じん発生施設に係る公害防止統括者等の届け出受理,解任命令,報告徴収,立ち入り検査でありまして,来年4月1日から移譲される事務でございます。 ○議長(丹羽一正君) 上下水道部長 坂野 智君。 ◎上下水道部長(坂野智君) 春日井市下水道基本計画の改定につきましては,これまでに説明してまいりましたとおり,目標年次を,上位計画である愛知県が策定する名古屋港海域等流域別下水道整備計画と合わせまして,平成37年度としております。 また,今回の基本計画に基づきまして,今後10年間に進めます具体的な整備のあり方を示しました施設整備計画とこれからの経済状況を踏まえました持続可能な下水道事業としての歳入歳出を推計し,必要となる歳入の確保に関する考え方をお示しする財政計画を同時に策定して,事業実施に向けた具体的な取り組みについてもお示しする予定としております。 まずは,これからの10年間の整備を計画的に着実に進めることが肝要と考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(丹羽一正君) 1番 浅野 登君。 ◆1番(浅野登君) それぞれお答えをいただきました。 特例市に関しましては,本市が現在の大都市制度の中で,愛知県から移譲されました事務を着々とこなしたことは,本市の基礎自治体としての実力を間違いなく高めたと評価できるものであります。 一方,昨年の国勢調査では,本市の人口が30万人を超えていることから,地方自治法における中核市の資格を有していることも明らかになっております。地域主権改革が進む中で,私は,本市が中核市となることはより基礎自治体としての重要度が増し,この地域における本市の存在感がより高められると考えております。今後,本市は中核市の指定を受けるお考えがあるのかどうかをお尋ねをいたします。 また,下水道についてでありますが,今,部長から回答がありましたように,現在改定中の下水道基本計画では,全体の完成目標時期を平成37年(2025年)としております。一方,本年度の公共下水道事業の特別会計は,総額94億円余でありますが,歳出の内訳を見ますと,過去の借金の返済に充てる公債費が6割強の61億円であり,3つの浄化センターの運営費などに約16億円,新規の施設建設に充てる事業費はわずか15億円であります。今回の基本計画で示されました残事業費,残っておる事業費については約878億円という表記がありますことから,本年度並の新規建設費では,基本計画の完了まで50年以上かかる計算であります。 ちなみに,先ほど申し上げたアンケートでも,20年以内に整備を期待する声が95%ありました。来年度以降,大いに頑張らないと目標年次を達成することはできません。基本計画の達成に向けて,本市の決意をお聞かせください。 ○議長(丹羽一正君) 企画政策部長 刑部健治君。 ◎企画政策部長(刑部健治君) 中核市に移行することについての考え方でございますが,特例市から中核市へ移行いたしますと,保健所の設置や環境保全行政に関する産業廃棄物処理施設の許可などの事務を新たに行うことになりますが,これに伴う人員や施設整備などの経費が大幅に増加すること,また,保健所業務等の専門職員を育成,確保することなどが課題としてございます。こうしたことから,人口30万人に達したとはいえ,現時点では中核市に移行する考えはございません。今後の地方分権の動向を十分注視しながら,引き続き調査研究を進めてまいります。 ○議長(丹羽一正君) 上下水道部長 坂野 智君。 ◎上下水道部長(坂野智君) 質問議員がおっしゃいますとおり,事業完了には多額の費用を要することとなり,その実現には困難な状況が続くと思います。したがいまして,今後の経済,財政の状況を適時的確に分析いたしまして,事業を進めていく必要があると考えております。できる限り早期の実現に向け,全力で取り組んでまいりますので,よろしく御理解を賜りたいと存じます。 ○議長(丹羽一正君) 1番 浅野 登君。 ◆1番(浅野登君) それぞれ御答弁をいただきました。 中核市の指定につきましては,中核市になった場合のシミュレーションなど踏み込んだ取り組みを伺い,本市の考えを理解したところであります。中核市になると発生するコストなど,克服すべき課題はありますが,本市のレベルアップについてさらなる取り組みを進めていただくよう要望をいたします。 また,下水道については,基本計画の達成に向け,来年度以降,決意を持って取り組んでいただくよう要望して,質問を終わります。 ○議長(丹羽一正君) 12番 堀尾達也君。     〔12番 堀尾達也君 登壇〕(拍手) ◆12番(堀尾達也君) おはようございます。 議長のお許しをいただきましたので,通告に従いまして,今後の保育行政についてお尋ねをしたいと思います。 今回の質問の趣旨は,春日井市の保育行政の現状と方向性を確認するものであります。そこで質問をさせていただきます。 子どもは未来の主人公であり,社会の希望です。国連子どもの権利条約は,すべての子どもが差別されることなく,命と健康,文化,教育による全面的発達と意見表明,社会参加等が権利として保障されなければならないとし,そのための締約国の義務を定めております。 また,子どもたちの健やかな成長は,多くの大人の願いでもあり,同時に子どもたちの健やかな育ちを保障するための制度をより充実させることも,私たち大人のなすべき義務であります。どの子も無条件に愛され,よりよい保育を受け,幸せに育つ権利があります。春日井市の未来を担う子どもたちの健やかな成長は,私たちすべての願いです。 しかし,近年の少子化や核家族化の進行等による社会環境の変化や市民の価値観の多様化に伴い,子育て家庭の生活実態や子育て支援のニーズも多様化してきております。 さて,春日井市では,平成17年3月に策定した春日井市次世代育成支援対策行動計画の前期計画を見直し,昨年,その後期計画となるかすがいっ子未来プランが策定されました。現在,この基本理念である「みんなで育てよう次代を担うかすがいっ子」の実現に向け,さまざまな取り組みが行われております。 また,近年の核家族化が進行し,近所づき合いの希薄化,就労環境の変化などを背景に,家庭や地域の子育て機能が低下するにつれて,子育て中の親の孤立感や負担感が高まるなど,子育てをめぐる環境は一段と厳しくなってきております。 このように,共働き世帯が増加し,就労形態が複雑化する中,待機児童の解消や多様化する保育ニーズへの対応など,子育てをしながら安心して働くことができる環境づくりが求められておりまして,現在,保育園は仕事と育児の両立支援のため,なくてはならない施設の一つとなっておりますことは御承知のことと思います。 春日井市内には現在,28の公立保育園と12の私立保育園があります。すべての保育園は,保育所保育指針に基づき,子どもが現在を最もよく生き,望ましい未来をつくり出す力の基礎を培うことを目指し,生命を保持し情緒の安定を図る,心身の健康の基礎を培う,人とのかかわりの中で道徳性の芽生えを培う,豊かな心情や思考力の芽生えを培う,生活の中で言葉の豊かさを養う,感性や表現力をはぐくみ創造性の芽生えを培うという6つの具体的目標が掲げられておりまして,保育の質を確保し高める必要があります。 そこで,このため,春日井市も保育環境を整備するためにさまざまな対策を行ってこられました。平成23年度の「健康福祉,青少年・子どもの概要」によりますと,施設等の改善状況として,昭和55年からの取り組みが記載されておりますが,平成9年に貴船保育園の保育室2室を乳児室,ほふく室に改造,平成11年から12年にかけて第三保育園,前並保育園,高座保育園等で同様に保育室を乳児室,ほふく室に改造されました。平成14年から15年には,貴船・牛山・第一・下津・追進保育園の空き保育室を3年保育や4年保育用に整備し,平成15年には,出川保育園に乳児室を増築,平成16年には高座保育園に乳児室を増築,さらには平成17年には第一保育園と白山保育園の保育室を乳児室に改造しました。そして,平成18年には,神領保育園の職員室を保育室に改造というように,現在ある建物を活用したさまざまな対策をとってこられました。 また,保育園の建設については,平成20年に柏原西保育園を新設・開園されたのを皮切りに,平成21年には勝川北部保育園と私立さくら保育園,そして平成22年には味美保育園の建てかえによりまして開園するとともに,学校法人が設置運営する認可保育所いとうたんぽぽ保育園,定員150人と,本市初となります認定こども園,あさひがおか認定こども園,保育園定員が150人,幼稚園定員が310人の新設整備費に補助を行いまして,2園の総事業費としまして9億5,934万円,補助基準額は合わせまして8億2,080万円で,国の安心こども基金を活用しまして,市の負担額は2億520万円でありました。 本年4月には,この私立2園が開園し,多くの幼児が伸び伸びと保育園生活を満喫している姿を私も目にいたしておりました。また,公立小野保育園の建てかえによりまして,待機児童数について今年度初めてゼロとしたことは高く評価するところであります。これは,これまでのソフト面でのさまざまな子育て支援策とハード面では保育園の建てかえ整備等の拡充という両輪がかみ合った結果であると考えております。 私が住んでおります篠木町には,篠木小学校と東部中学校がありまして,その間に第三保育園があります。昭和28年に開園いたしました。区画整理により昭和42年,今の土地に建てかえられまして,実際は58年でありますが,44年が経過しております歴史ある保育園であります。現在,その保育園は建てかえ工事の真っただ中でありますが,近隣住民の住環境と小中学校の通学生徒にも配慮しながら,来年4月の開園に向けまして順調に工事が進行しているさまを私は毎日この目で確認しながら,成り行きを見守っているところであります。 以前の第三保育園では,朝夕の保護者の送迎車両が路上駐車することによりまして,近隣の住環境に少なからずとも悪影響を及ぼしておりましたが,新しい第三保育園では敷地内に送迎車両の駐車スペースが設けられた設計となっており,地域の中の保育園として保護者や近隣住民相互に配慮がなされておりますことを評価いたしております。 このように,今,保育所は,仕事と子育ての両立を支えるだけでなく,地域の中の子育て拠点としても期待されております。 以上のことを踏まえましてお伺いさせていただきます。春日井市は,今後の保育行政についてどのような施策をなされていかれるのかをお尋ねいたしまして,壇上からの質問とさせていただきます。 ○議長(丹羽一正君) 青少年子ども部長 小林奈津子君。 ◎青少年子ども部長(小林奈津子君) 本市の保育行政につきましては,第五次春日井市総合計画にあります「ニーズに応じた保育サービスを充実する」という基本施策にのっとり,保育サービスの充実と保育環境の整備に努めてまいりました。 これまで,保育需要の増大と低年齢化及び保育ニーズの多様化に対応するため,保育園の新設や建てかえと乳児保育室の新設・改築を進めて,入所定員と待機児童が発生しやすい乳児の受け入れ枠を拡大するとともに,私立保育園の新設整備に対しても積極的に支援を行い,保育サービスの拡充を図ってまいりました。その結果,平成14年度のピーク時には89人おりました待機児童を,今年度当初,初めてゼロにすることができました。 こうした保育行政の一定の成果をもとにして,今後は保育需要を的確に把握しながら,これまで積み上げてきた春日井市の保育のあり方について,保育士や保育臨時職員の採用計画や研修方法,幼稚園の動向など,改めて各方面からの検討を行うことにより,保育のさらなる充実を目指してまいりたいと考えております。 ○議長(丹羽一正君) 12番 堀尾達也君。 ◆12番(堀尾達也君) それでは,2回目の質問とさせていただきます。 近隣市町での待機児童数を調べましたところ,本年4月現在,小牧市が11人,瀬戸市が14人,尾張旭市が11人,豊田市では16人と,前年同月比では減少してはおりますが,依然待機児童の解消に苦慮いたしておりまして,行政経営努力がなされている中,春日井市はこれまでの取り組みによりまして,ソフト面それからハード面あわせまして,保育サービスの充実が図られてこられたということであります。 しかしながら,近年,女性の社会進出,共働き世帯の増加による低年齢児童--ゼロ歳から2歳児でありますが--の入所希望がふえる傾向にありますし,就労形態の多様化にもよります産休明け保育や延長保育,また,途中入所を希望する保護者が増加していることも事実でして,ことしも,残念なことでありますけれども,既に若干の待機児童が発生しているということも聞いております。 今後も,こうした保育需要は,学齢前児童数が減少する中でも,横ばいあるいは増加で推移するものと思っております。保育ニーズの多様化によるソフト面はもとより,ハード面でより充実を図る必要が望まれまして,それにこたえることが重要でありまして,課題であると思っております。 少子化,核家族化の進展により,家庭内で子育てに関する知識の継承や相談できる人が少なくなっています。ますます保護者の子育てに対する不安や負担が多くのしかかってきており,今の児童を取り巻く社会環境は決して良好とは言えないと思います。 本市では来年度以降,保育園以外の施設整備が計画をなされております。例えば,新体育施設の新設,健康管理センターの移設整備,それからJR春日井駅自由通路・駅舎の建てかえ等や校舎の耐震補強工事の1年前倒しなどを含めまして,複数予定をされております。本年度,第三保育園の建てかえ整備が完了し,来年4月には開園いたします。また,次年度は,神領保育園の建てかえ整備が計画されておりますけれども,それ以降の具体的な予定は示されていないと聞き及んでおります。 そこで再度お伺いいたしますが,今後,ハード面での保育園整備についてどのように考え,充実を図られていかれるのか,御所見を伺わせてください。 ○議長(丹羽一正君) 青少年子ども部長 小林奈津子君。 ◎青少年子ども部長(小林奈津子君) 保育園の建てかえ整備につきましては,昭和40年代に建設された鉄骨造の園舎を順次建てかえておりますが,こうした保育環境の整備とあわせて保育園の入所定員をふやすことにより,待機児童の解消にも努めてまいりました。現在建てかえ中の第三保育園は来年4月に開園し,続いて,次年度は神領保育園の建てかえ整備を行い,平成25年4月に開園の予定でございます。保育園整備では,鉄骨造の建てかえを進めているため,あと6園が対象となっておりますが,いずれも耐震改修工事により延命化が図られております。 したがって,当面は建てかえは行いませんが,先ほども申しましたように,今後の保育のあり方を検討する中で,引き続き保育の充実に努めてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(丹羽一正君) 12番 堀尾達也君。 ◆12番(堀尾達也君) 今,御答弁いただきました。老朽化に伴いまして,順次建てかえ整備を行ってこられたことで,あと6園残っているということです。耐震改修工事がなされまして延命化が図られたということで,保育園整備についてはしばらく検討期間を設けるというふうに解釈をし,理解をいたしました。 先ほども述べましたけれども,認可保育所や認定こども園が今年度新たに加わりまして,地域での子育て機能の充実が図られてこられました。また,市内のとある幼稚園では,保育ニーズにこたえるべく近い将来,認可保育所の開設を計画されているとも耳にいたしております。 こうしたことを踏まえまして,本市におかれましてはさまざまな課題をクリアしつつ,市民にとって利用しやすい保育所づくりと児童の健やかな育ちの観点を最優先していただきまして,第五次春日井市総合計画やかすがいっ子未来プランに基づき,子育て世代が本市で子どもを産み育てたいと思い,心豊かに子育てができる環境を充実していただくことにより,子どもを通した地域の人間関係を取り戻し,きずなを高めることが地域の活性化につながるものと思われますので,これからの保育行政がさらに推進されることを望むものであります。 そのために,その中心的な役割を担う施設としての保育所などに大いに期待しておりますので,保育園整備につきましては引き続き建てかえ整備の検討をしていただくことを切に望みまして,質問を終わります。 ○議長(丹羽一正君) 3番 田口佳子君。     〔3番 田口佳子君 登壇〕(拍手) ◆3番(田口佳子君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い,心の病について4点お伺いさせていただきます。 ここでいいます心の病とは,統合失調,うつなどの精神疾患を指します。本年7月,厚生労働省は社会保障審議会医療部会において,これまで医療計画に記載する疾病として位置づけてきた4疾病,がん,脳卒中,急性心筋梗塞,糖尿病疾患に新たに精神疾患を加えて,5疾病とすることが合意されました。 さきの11月16日に開かれた厚生労働省の医療計画の見直し等に関する検討会では,次期医療計画に盛り込む指針が議論され,精神疾患の医療計画について,住みなれた身近な地域で,福祉や介護,就労支援などさまざまなサービスとも協働しながら必要な医療が受けられる体制という方向性や,うつ病と認知症に重点を置く方向が示されました。 春日井市としまして,第2次春日井市障がい者総合福祉計画の中間案が発表され,本市の精神障がい者保健福祉手帳を所持している精神障がいがある人の数は,平成23年10月1日現在1,465人となっており,増加傾向にあります。また,精神障がい者福祉手帳を受けていない自立支援医療(精神通院)受給者は,平成23年10月1日現在2,738人となっており,増加傾向にあります。うつ病や統合失調症,認知症などの精神疾患の患者は年々ふえ,従来の四大疾病をはるかに上回っている現状で,今後も増加すると予測されています。 心の病気について考えるとき,今,日本で深刻な社会問題となっている自殺の増加とうつ病との関連に目を向けなければなりません。自殺者は1998年に3万人を超えてからは,13年間連続で増加傾向にあります。非常に危惧される現象となっております。また,「健康かすがい」の平成22年度版によると,平成20年では自殺者数が63人,自殺率20.9%となっております。 2007年6月に閣議決定された自殺総合対策大綱で示されている自殺防止対策の基本的な考え方は,第1に,自殺は追い込まれた末の死であるということ。本人の意思ではなく,経済苦や健康問題,介護などの社会的要因とうつ病等によって引き起こされる将来への悲観といった心理的要因が複雑に絡み合って生じるということです。第2に,自殺は防ぐことができるということ。複雑化した要因を解きほぐすことが最大の予防策であり,具体的な悩みを専門家に相談するとともに,うつ病などの精神疾患を治療するということです。第3に,自殺を考えている人はサインを発していること。家族や同僚がサインに気づくことで予防につながるということです。こうした考えを踏まえて,自殺予防に向けての取り組みは継続的に社会へ発信し続けることが大事だと考えます。 自殺予防に関するシンポジウムで,自殺は本人にとっての悲劇で終わることなく,家族や周りの人たちに強い心理的打撃をもたらしていること。地域のきずなと支え合いが強いほど自殺率は低く,自殺対策のキーワードは「気づき」と「つながり」であるというお話でした。自殺で命を落とす人や自殺行為に及ぶ人,また,自殺を考えている人を一人でも救うことができ,皆で支え合う取り組みができればと思います。 先日,うつ・自殺予防対策の活動しているNPO法人きぼうのにじ中村氏の講演で「こころのものさし」,うつ病の自己チェック,心拍変動によるうつ病リスクチェックを聞いてまいりました。交感神経が状況に応じて適切な活動をしているかを心拍変動,自律神経の変化によって簡単に計測,分析できるもので,その人のストレス度や疲労度が数字でわかることによって早期発見につながるものです。 また,兵庫県丹波市では,携帯電話やパソコンを使い,気軽にメンタルヘルス,心の健康を確認できる「こころの体温計」のサービス提供を市のホームページで始めたところ,1カ月で人口の1割以上に及ぶアクセスがあったそうです。 「こころの体温計」は,東海大学医学部附属八王子病院で行われているメンタルチェックを携帯電話用にシステム化したもので,人間関係や生活の充実度など13項目の質問に答えることにより,利用者の心理の判定をするものです。結果は,利用者自身をあらわす水槽で泳ぐ赤い金魚や,社会的ストレス度を示す猫など,複数のキャラクターと落ち込み度に従って濁る水の透明度として表現され,利用者は心理状態を視覚的に確認できるようになっています。また,身近な人の心の状態をチェックする家族モードと育児ストレスなどを調べる赤ちゃんママモードも行われています。 そして,それぞれの結果判定の画面では,市・県の相談窓口や専門病院などの連絡先が紹介されています。そして,自分の心の状態を確認することで,ストレスの多い現代社会における心の健康維持・向上を図るとともに相談先を周知できる,このようなチェックシステムを導入し,心の問題を抱えている人たちの支援体制の一つに加えているものです。 また,他市の数値ですが,うつ病患者のうち64.7%が初診時に一般内科に受診され,専門医受診は10%に満たなかったことがわかっています。眠れない,食欲がない,憂うつだ,いらいらしているなど,うつ病チェック項目が入った問診票を取り入れ,また,うつ病・自殺対策に最も大切なのは,家庭・地域や職場などの身近な人がサインに気づき,専門機関などへつないでいくことです。 自殺対策には気づきが重要なことから,自殺予防の門番とも言われるゲートキーパーの養成に取り組む必要があると考えます。東京都では,平成19年7月に自殺総合対策東京会議を設置し,総合的な自殺対策を推進しており,ゲートキーパーの養成を進めています。ゲートキーパーとは,地域や職場,教育等の分野において自殺のサインに気づき,見守りを行い,専門相談機関へつなぐ役割を期待される人材です。 そこでお伺いいたします。1点目に,現在,本市におけるうつなどの心の病に関する精神疾患,特にうつの相談窓口体制の取り組みをお聞かせください。 2点目に,市民への自殺予防に対する啓発をお聞かせください。 3点目は,メンタルヘルスチェックについての本市のお考えをお聞かせください。 4点目は,自殺へ至らぬように連携体制の強化をするためのゲートキーパー養成についてお聞かせください。以上で,壇上での質問とさせていただきます。 ○議長(丹羽一正君) 健康福祉部長 鈴木 満君。 ◎健康福祉部長(鈴木満君) それでは,心の病についてお答えをします。 うつなどの心の病気に関する相談窓口体制につきましては,精神科医及び臨床心理士によるメンタルヘルス相談のほか,健康増進課及び保健センターで実施しております総合健康相談での保健師及び精神保健福祉士による心の健康についての個別相談や随時の電話相談を行っているところでございます。また,春日井保健所は,月曜日から金曜日までの毎日,メンタルヘルス相談を実施していますので,必要に応じてその御案内をしております。 2点目の市民への自殺予防に対する啓発でございますが,自殺予防対策もその早期発見・早期対応が最も重要であり,少しでも早く悩んでいる人に気づき,必要な支援を行っていくことが大切であることから,本市におきましては,うつ病をテーマとした市民健康講座や保健所,商工会議所等との共催による「職場のメンタルヘルスセミナー」などの開催を初め自殺対策強化月間及び自殺予防週間に合わせた広報への掲載やポスター掲示,相談機関の連絡先を記載した「心のカレンダー」の配布などを行っております。また,今年度からは,40歳以上の方に交付しております健康手帳にうつ病について記載した「心の健康管理」のページを追加しております。 3点目のメンタルヘルスチェックにつきましては,簡易に心の健康状態を把握するためのツールとしてさまざまなものがあり,今後,研究してまいりたいと考えておりますが,まずは悩みのある人に対して適切に関与し,専門家による相談へと連携できる人材の育成が重要と考えております。 4点目のゲートキーパーの養成でございますが,自殺対策には心のサインをキャッチし,必要な人には少しでも早くさまざまな相談機関で相談をしていただくとともに,見守りなどの支援を行う人材の養成が重要であることから,ゲートキーパー養成講習の実施を予定しているところでございます。 ○議長(丹羽一正君) 3番 田口佳子君。 ◆3番(田口佳子君) 4点について御答弁いただきました。 厚生労働省は,11月に行われました第8回医療計画の見直しに関する検討会で「精神疾患の医療体制構築に係る指針について」を発表しました。精神疾患にかかわるすべての人たちとともに支え合いサポートする,未来に明るいすばらしい計画です。 私が高蔵寺ニュータウンに住んでいたころ,ニュータウンにはいろんな地域からたくさんの人たちが押し寄せてきました。理解し合えない住民のトラブルが時間の経過とともにふえていきました。特に,心の病を持った人たちとのトラブルは摩擦を生み,疎外につながり,楽しかった近所づき合いが遠くにいってしまうこともたびたびありました。 あれから20年がたち,心の病は特別なものではなく,だれにでも訪れると言われています。個人で取り組むこと,まち全体で取り組むこと,行政が取り組むことは大変重要であります。情報を発信し続ける,啓発を続けることが,地道ではありますが,一番安全で確実な心の病の方へのサポートになります。一層の取り組みを強く御期待し,質問を終わります。 ○議長(丹羽一正君) 4番 加納 満君。     〔4番 加納 満君 登壇〕(拍手) ◆4番(加納満君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い質問いたします。 本年9月20日から21日に接近,通過した台風15号は,本市だけでなく,各地に大きな被害をもたらしました。地球規模での温暖化が叫ばれるようになった近年,いわゆる異常気象は一段と顕著になっております。 春日井市は,夏季に多くの降雨がある温暖型の気候から,局地的な短時間集中型の豪雨が発生する熱帯型の気候に近づきつつあるように思えます。また,我々の生活スタイルや産業構造の変化に伴い,自然災害に対応する総体的な防災力も低下しつつあり,これに適切に対応することが必要となっております。 その原因の一つとして,市街地の保水・貯水能力の低下が挙げられます。例えば,本年1月1日現在の地目別土地面積で,田畑を合わせた数値は約971ヘクタールです。5年前の数値約1,054ヘクタールと比較すると約83ヘクタール減少しており,この傾向は現在も続いております。 森林とは異なり,田畑はもともと比較的市街地に近いところが多く,一定の保水・貯水能力を備えている点では,市街地近くの小さなダムであるとも言えます。これまで,民家や事業所等への浸水被害を軽減することに一定の役割を果たしてきた田畑が減少してきたことで,その保水・貯水能力も減少したため,市街地への浸水による被害が大きくなっております。 また,都市化の進展に伴い,降った雨の多くが短時間で河川へ集中するようになりました。排水に必要な流量が,庄内川や地蔵川など市内の主要河川で十分に確保することができれば,少なくとも今回の台風による被害はもっと少なく済んでいたと推測できます。なぜなら,今回,床上・床下の浸水被害が発生したのは,町別で多いところから熊野町99カ所,御幸町91カ所,勝川町40カ所など,庄内川や地蔵川の流域が他の地域と比較すると明らかに多いからです。 このたびの台風で床上・床下の浸水被害が出たところは,確認ができただけで市内で397カ所あり,さきに述べた3町だけで全体の6割近くになります。もちろん,この3町以外にも多くの地域で被害が出ておりますけれども,私は被害が大きい地域についての対策を優先して講じていただく必要性を強く感じております。 ちなみに,11年前の東海豪雨の際の被害状況を同じように床上・床下の浸水で町別に申し上げますと,多い順で御幸町177カ所,柏井町135カ所,熊野町106カ所,勝川町101カ所,そして長塚町70カ所であり,市内全体では1,213カ所ありました。条件の違いがございますので一概には申せませんが,さきに述べた3町は11年前にも大きな被害を受けており,当該地域の方々からは,東海豪雨の後にとられた対策について決して十分なものではないとする意見が多く聞こえております。災害の備えは,国や県の対応はもちろん必要ではありますが,市民の立場からいたしますと,特に市当局に対して,より積極的な対応を期待されております。 そこでお尋ねをいたします。現在,市内には雨水調整池が民間の施設を含めて60カ所,約34万立方メートル整備されております。また,今後も順次整備を進めていかれるものと理解をいたしておりますが,今回の台風15号での被害状況を踏まえた整備計画の見直しが行われるのか,基本的な考え方についてお尋ねいたします。 特に,さきに述べました熊野,御幸,勝川の3町には現在までに雨水調整池は整備されておりません。今後の整備計画において,特に被害の大きかった3町に対応する雨水調整池等の整備について,市としてどのように考えておられるか,お尋ねをいたします。 続きまして,市内における民間事業者や市民が行う雨水流出抑制施設の設置について,市当局の基本的な考え方をお尋ねいたします。 大規模な河川改修や雨水調整池の設置は,莫大な費用と時間が必要となるため,都市化の進展のスピードに追いついていないのが現状であります。ゆえに,市民が個人レベルで行える対策に市が助成を行うことは,一つ一つの規模は小さくとも,非常に意義のある施策であると思います。現在,市におきまして,浄化槽転用雨水貯留施設,貯留タンク,浸透ますの設置者に補助を行っており,国や県の支援を必要とするような大規模な対策と比較すると,市が独自に取り組みやすい対策ではないかと考えております。 以上,調整池の設置について並びに民間事業者の雨水流出抑制と市民に対する補助について,それぞれ当局の基本となる考え方をお尋ねし,壇上からの質問といたします。 ○議長(丹羽一正君) 上下水道部長 坂野 智君。 ◎上下水道部長(坂野智君) それでは,調整池の整備に対します基本的な考え方並びに計画の内容について御説明申し上げます。 まず,今回の台風による被害では,御質問の3地区のうち御幸,勝川につきましては,内水と河川からの溢水が重なったことによる大きな浸水というふうに考えておりますが,現在,見直しを行っております下水道基本計画では内水対策について検討しておりますので,この基本計画の内容としての内水対策について御説明申し上げます。 本市におけます雨水施設整備の考え方といたしましては,これまで雨水管の整備により,放流先となります河川への速やかな排除を目指して進めてまいりましたが,近年の宅地化の影響により雨水流出量も増加しており,排水先河川の流下能力の不足により河川の水位上昇による浸水被害が発生している状況が多く見受けられます。このため,これまでと同じく管渠整備を進めるとともに,浸水被害のあった地区につきましては別途流出抑制を図る必要があると考えております。そのため,排水先河川への負荷軽減と浸水対策を目的といたしまして,雨水調整池整備を計画しております。これは,今後,雨水管の整備を行っていく地区のみならず,整備済み区域におきましても,排水先河川の状況により下水道管渠からの排水が円滑にいかない排水区におきまして,雨水調整池整備を行うとするものでございます。 まず,熊野地区につきましては,熊野桜佐土地区画整理事業地区内に3つの調整池を計画し,調整池容量といたしましては合わせて3万6,800立米を計画いたしております。この調整池を含みます熊野排水区の排水は,調整池により流出量の調整を行い,下流部において新たにポンプ場を設置し,ポンプ排水により河川へ放流する計画としております。 次に,御幸町を含みます勝西排水区につきましては,地蔵ケ池公園,長塚公園の2カ所で調整池を計画し,調整池容量として合わせて5,280立方メートルの貯留を計画しております。この調整池により流出量の調整を行い,下流の勝西ポンプ場においてポンプ排水により河川へ放流いたします。 次に,勝川町につきましては,追進公園,勝川公園,勝川南公園の3カ所に調整池を計画し,調整池容量として合わせて2万5,520立方メートルの貯留を計画いたしております。 ここまでが基本計画の内容についてでございますが,具体的な整備につきましては,勝川公園内調整池につきまして現在,実施設計を行っており,設計後整備を予定いたしております。 浸水対策は重要な課題でありますことから,財源の確保に努め,早期の整備を進めてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(丹羽一正君) 建設部長 波多野 睦君。 ◎建設部長(波多野睦君) それでは,民間開発による雨水流出抑制と市民に対する補助についてお答えします。 民間開発による雨水流出抑制につきましては,市内の新川流域と指定されている地蔵川や西行堂川の流域においては,特定都市河川浸水被害対策法により,浸水対策のため一定規模以上の開発について雨水貯留浸透施設の設置を義務づけております。また,新川流域以外におきましても,春日井市雨水流出抑制に関する基準により,一定規模以上の開発について雨水貯留浸透施設の設置を指導して,雨水の流出抑制を図っております。 次に,雨水貯留浸透施設の補助制度についてでございますが,家庭で雨水をためることによる雨水流出抑制効果とともに,市民の治水に関する意識の高揚,さらには災害時の雨水利用を目的として雨水貯留タンクや浸透ますの設置,また,浄化槽を雨水貯留施設に転用した場合に補助金を交付しております。今後も,この制度を引き続き実施し,雨水の流出抑制に努めてまいります。 ○議長(丹羽一正君) 4番 加納 満君。 ◆4番(加納満君) それぞれ御答弁いただきました。 浸水被害に対する備えが,調整池や雨水流出抑制施設の設置のみでないことは理解をいたしております。河川の改修,雨水ポンプ場や雨水管渠の整備などとあわせて複合的・重層的に行っていくことで対応されることは,本年8月18日の建設委員会で説明がありました春日井市下水道基本計画素案にも示されております。その上で,今回の台風15号における被害を市当局がどのようにとらえ,判断の材料とされたかをお伺いしたいと思い質問をさせていただきました。 第五次春日井市総合計画の中で,第3編第2章に大綱別計画の記載があります。その目標の1に,「誰もが安全安心に,いきいきと暮らせるまち」とあります。春日井市は,良好な住宅環境が維持されてこそ将来への発展があると思います。浸水被害にたびたび見舞われた地域の方々が安心して生活できる状態を提供していくことこそ行政に求められておりますことを御理解いただき,諸施策に反映していただくためにも,今回の台風被害を踏まえた計画の見直しを強く要望するものであります。 先ほど御答弁をいただきました補助事業について,再度お尋ねをいたします。 本年は,東日本大震災を初めとする大きな自然災害が発生しましたこともあり,市民の防災や環境に対する問題意識の高まりがあったと思われます。本市におきましては,浄化槽転用雨水貯留施設など家庭用雨水利用促進補助に今年度一般会計で120万円が計上されております。しかしながら,本年度の補助申し込みにつきましては早々に締め切られており,市民の需要に十分こたえることができていないのではと感じております。過去の実績と比較すると,本年の申し込み件数が特に多いと言えるのかもしれませんが,防災や環境への対策として有意義なこの補助事業の規模を大きくしていくお考えはございませんでしょうか,御所見を伺いたいと思います。 ○議長(丹羽一正君) 建設部長 波多野 睦君。 ◎建設部長(波多野睦君) 市民に対する補助について,再度の御質問をいただきました。 雨水貯留浸透施設設置補助につきましては平成14年度から,浄化槽転用雨水貯留施設設置補助は平成17年度から施行しております。申請件数は,平成21年度は23件,22年度は16件で推移しておりました。本年度は,東日本大震災の影響から市民の防災と省エネルギーに関する意識の高まりを受け,年度当初から申請が多く,上半期において申請件数が29件となり,早期に締め切ることとなりました。今回の水害を受け,さらに市民の意識が高まると考えられますので,より多くの方に設置していただけるよう取り組んでまいります。 ○議長(丹羽一正君) 4番 加納 満君。 ◆4番(加納満君) 御答弁いただきました。 先ほど申し上げましたが,我々日本人にとりまして,本年は東日本大震災が発生した大きな節目の年となりました。去る10月6日,7日の2日間にわたり鹿児島市で開催されました第73回全国都市問題会議に,私は先輩や同僚の議員とともに参加をさせていただきました。会議のメーンテーマは「都市交通と地域活性化」でございましたが,冒頭で東京大学の大西隆教授より「3・11からの復興と安全なまちづくり」についての特別講演がございました。教授は講演で,防災について減災思想への転換の必要性を強調され,さらに,風化しがちな過去の災害に対する正確な情報や教訓について次の世代に伝えていくことの重要性を訴えておられました。危機管理においてシビアな対応をとる減災思想については,基礎自治体の対応としてはいかがなものかと考えさせられましたが,災害に対する認識を風化させず,経験則を生かしていくことの大切さにつきましては共感をしながら拝聴させていただきました。 今回の台風15号で,市内におきましては死亡者が出るような事態にはなりませんでしたが,床上浸水等の被災された市民にとっては,生活基盤を奪われた悲惨な災害であることに間違いはありません。その惨状に対して,市当局の認識と対応が被災された市民の心情に沿うものでありますことを切に希望するものであります。 そして,台風等の災害について,その一つ一つを教訓として本市の防災力を一層高め,「誰もが安全安心に,いきいきと暮らせるまち」実現に向けて,これからも努めていただきますようお願いを申し上げまして,質問を終わります。 ○議長(丹羽一正君) この際,暫時休憩いたします。                    午前11時57分 休憩   -----------------------------                    午後1時 再開 ○議長(丹羽一正君) 休憩を閉じ,休憩前に引き続き会議を開きます。 順次発言を許します。7番 鬼頭宏明君。     〔7番 鬼頭宏明君 登壇〕(拍手) ◆7番(鬼頭宏明君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い,生活保護について質問させていただきます。 生活保護制度に関する歴史としては,この制度は,まず資本主義の歴史の古いイギリスで始まりました。1601年,エリザベス女王が実施した救貧法がそれで,失業者,病人,老人など貧しい人々を救済するのが目的でした。これが社会保障制度における公的扶助,生活保護法の起源です。しかし,このような救貧政策は,イギリスにおいてもそのほかの国においても,長い間,不完全なままでした。 社会保障制度が主要国の積極的政策として推し進められるようになったのは,1929年の大恐慌以後です。1935年,アメリカでは社会保障法が制定され,そこで社会保障という言葉が初めて使用されました。次いで,1942年にイギリスでビバリッジ報告書が出され,ここに初めて,全国民を対象にその最低生活を国家の責任において保障しようという,現代的社会保障の考え方が確立されました。 第二次大戦後,世界じゅうで本格的な民主主義の確立が叫ばれるようになり,現実にそれまで大国の植民地であったところが次々と独立しました。このような流れの中で,国民には人間らしく生活する権利があるのではないかという議論が出てきました。いわゆる生存権と呼ばれるものです。この生存権の確立を求める中で制定されたのが生活保護法です。 日本では,1950年に制定されています。ただし,この生活保護法が適用される人についての基準は,時代によって何回か変わっています。まずは,1946年の旧生活保護法では,すべての在住者で法律の定める基準を満たしている者に適用されました。それが1950年の新生活保護法では,日本国内に住む日本国籍を持つ者のみと改定されました。次に,1954年に厚生省社会局長からの通知という形で,正当な理由で日本国内に住む外国籍の者に対しても準用とすることになりました。 生活保護とは,憲法第25条が保障する生存権に基づき,国が生活に困窮するすべての国民に対し,その困窮の程度に応じて必要な保護を行い,健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに自立を助長する制度で,支給される保護費は生活保護法によって規定されており,地域や世帯の状況によって異なります。 報道によれば,受給者数は200万人を超えていた第二次世界大戦後の混乱期をピークに,経済成長に伴って次第に減少しました。しかし,その後は,景気悪化から増加に転じ,平成11年には100万人を突破,平成20年のリーマンショックを機に急増し始め,東日本大震災が起きた平成23年3月には半世紀ぶりに200万人を突破しました。また,同年7月の受給者は205万人超と,生活保護の受給者増加には歯どめがかからず,戦後の混乱期を上回る過去最多を記録したことが厚生労働省の集計でわかりました。これは,高齢化が進行する中,無年金や年金だけで暮らせない高齢者の増加に加え,働く能力がある稼働年齢層の受給などが要因として挙げられます。そして,世界経済の不透明さなどにより,さらなる悪化の懸念も広がっています。 春日井市でも,長引く不況で職を失い,再就職できない市民がふえているため,平成19年度までは年間増加数が約50世帯ほどでしたが,リーマンショック後の平成20年後半から急にふえ出し,平成21年には年間増加数約400世帯と,およそ8倍というハイペースで生活保護世帯が急増していると聞いております。 そこで,春日井市の過去3年分の生活保護の世帯数と稼働能力を有すると言われるその他世帯の世帯数の状況及び増加する生活保護世帯に対してどのような対応を行っているのか。 また,生活保護費の半分近くを医療扶助が占めている中,ジェネリック医薬品の使用促進を徹底すれば医療扶助が減るのではないかと思いますが,医療扶助への対応とジェネリック医薬品の考え方についてお尋ねして,壇上での質問とさせていただきます。 ○議長(丹羽一正君) 健康福祉部長 鈴木 満君。 ◎健康福祉部長(鈴木満君) それでは,生活保護に関してお答えをします。 まず,本市の生活保護世帯数でございますが,それぞれ3月末の状況を申し上げますと,平成21年は1,295世帯,平成22年は1,670世帯,平成23年は1,898世帯でございます。その他世帯につきましては,世帯類型における高齢者世帯等のいずれにも属さない稼働年齢層を多く含む世帯でございますが,その世帯数は同じく3月末の状況で,平成21年が96世帯,平成22年は271世帯,平成23年は401世帯となっております。 次に,生活保護世帯に対する対応でございますが,まずは計画的な訪問調査や資産調査,課税状況調査,扶養義務者に対する調査などを徹底し,生活保護制度の適正な実施に努めているところでございます。 また,稼働能力を有する被保護者に対しましては,就労意欲が高い生活保護開始時期においてハローワークと連携した就労支援を実施するなど,早期就労の促進を図っております。特に,今年度は就労支援を強化するため,生活保護業務の経験がある再任用職員を1名増員いたしまして,就職活動に必要な履歴書の書き方や面接マナーなどの指導,また,ハローワーク,企業等への同行訪問などを行っているところでございます。 医療扶助への対応につきましては,毎月実施しております診療報酬明細書の点検において抽出した重複受診者及び頻回受診者のうちから,嘱託医も必要と判断した対象者に対して適正受診の指導を行っております。 また,ジェネリック医薬品については,本年4月から電子レセプトの運用を開始したことに伴い,各種の検索や抽出が容易になったことから,今後は先発医薬品を使用している被保護者に対して個別に面談を行うなど,ジェネリック医薬品の利用促進に取り組んでまいります。 ○議長(丹羽一正君) 7番 鬼頭宏明君。 ◆7番(鬼頭宏明君) 御答弁いただきました。 リーマンショック以降の生活保護の急増には驚きを隠せません。このように急に生活保護世帯がふえますと,お一人の職員が担当する保護世帯の数が多くなり,大変な御苦労があると思います。また,生活保護世帯への対応として,訪問調査などさまざまな調査をされていることをお聞きしました。こうした調査活動や,いろいろな事情があって生活している保護者に日々接し,生活保護の一線に立つ職員の方々の仕事は大変な仕事だと思います。 そこで,こうした仕事をしている職員の体制はどのようでしょうか。また,生活保護の業務は専門知識を含め,さまざまな知識が必要であると思われますが,職員の育成はどのように図っておられますか,お尋ねいたします。 ○議長(丹羽一正君) 健康福祉部長 鈴木 満君。 ◎健康福祉部長(鈴木満君) それでは,職員体制等についてお答えをいたします。 生活保護を担当する職員体制につきましては,生活保護世帯の増加に伴い,毎年,職員の増員を行っておりますが,現在は課長以下,課長補佐3名,主査等が24名,再任用職員2名,嘱託職員1名,臨時職員が3名の計34名でございます。 職員の育成でございますが,日々の業務におけるOJTはもちろんのこと,保護担当研修の毎月開催や国・県などが実施する研修への積極的な参加により,職員の資質向上に努めております。 ○議長(丹羽一正君) 7番 鬼頭宏明君。 ◆7番(鬼頭宏明君) 御答弁いただきました。 多くの職員の方が生活保護業務に携わっていることをお聞きし,安心いたしました。しかしながら,今後においても,就労環境,雇用情勢が急によくなるとは考えられないと思います。高齢化も着実に進んでいます。生活保護世帯はまだまだ増加し,生活保護費の上昇により市の財政状況がますます厳しくなるのではないかと危機感を持っております。 こうした中,生活保護制度の適正な運用は,ケースワーカーの力によるところが大きいと思います。御答弁のとおり,育成を図り,優秀なケースワーカーを育てていただくとともに,1人でも2人でも,可能な限り多くの職員を配置することによって,1人当たりの担当する保護世帯が減っていくと思われ,こうしたことから1人にかける時間がふえ,よりきめ細やかな自立支援や調査が実施可能となり,自立による保護の廃止がふえ,逆に不正受給が減るのならば,増員した人件費以上の成果を上げることができるのではないかと考えております。 また,先ほど御答弁いただきました就労支援を積極的に進めていただくとともに,ジェネリック医薬品の使用促進に向けた取り組みなど,生活保護制度の適正な運営に努めていただき,生活保護費の上昇を少しでも抑えていただきたいと思います。大変期待しておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(丹羽一正君) 10番 伊藤建治君。     〔10番 伊藤建治君 登壇〕(拍手) ◆10番(伊藤建治君) 議長の許しを得ましたので,通告どおり質問をいたします。 まず,水害対策についてでございます。 先ほど来,何度も話題に上っておりますけれども,台風15号の影響による豪雨により,春日井市においても多くの被害が発生いたしました。今回の水害によって,多くの課題が浮き彫りになりました。これら課題について質問をいたします。 今回の水害,広範囲に及びまして,被害状況,被害要因等についてはそれぞれの地域で異なりますが,今後,同様の災害を防ぐ,あるいは減災していくために,排水計画や都市計画について計画の前倒しや一定の見直し,また,新たな施策の実施が必要です。 市内の雨水,いわゆる内水が河川にうまく排出できずに,浸水被害が起きた地域が多数ございました。内水の処理方法としては,雨水貯留施設を設けて地域への浸水を防ぐ方法や,ポンプによる河川への排出といった方法がございます。雨水貯留施設については,さきに質問がございましたので,私のほうからはポンプ場について質問をいたします。 今回,床上浸水被害のあった熊野町においては,先ほども答弁がございましたが,篠木ポンプ場の整備計画が示されております。浸水被害のあった地域は,周辺からの水が集まる場所であって,一たん水が来てしまった場合は,ポンプによる排水以外に被害を食いとめる方法はありません。東海豪雨のときにも今回同様の被害があり,篠木ポンプ場の設置は待ち望まれております。篠木ポンプ場の早期整備についての考えを伺います。答弁を求めます。 昨今,市街地での浸水被害が増加している要因の一つが,農地の減少です。田んぼや畑は貯水池としての機能も有しており,農地の減少とともに地域の保水能力は顕著に低下しています。とりわけ,市街化区域内においては,宅地並み課税の影響もあり,農地の減少に歯どめがかかりません。市街化区域,調整区域にかかわらず,農地の保全は水害を防ぐという観点からも必要なことでございます。 生産緑地の追加指定や宅地並み課税の負担を軽減できるような農地保全に対するインセンティブ,また,農業振興地域においても後継者不足などの要因で農地の減少が続いており,保全していくための手だてが必要だと考えますがいかがでしょうか,所見を伺います。 今回の台風15号の水害において,浮き彫りになった課題の一つが情報発信についてでございます。刻々と状況が変わる中,市民が安全確保のために絶対必要なのが今,春日井市内がどうなっているかという詳細な情報でございます。今回,この情報がどこを見てもわからないということで,さまざまな混乱が生じました。テレビ等で避難勧告や水害の状況を知り,より詳細な情報を得るために春日井市のホームページにアクセスしたものの,必要な情報がなかったとの意見が多くの方から出されております。 また,市民安全安心ネットワークでメール配信された内容は,各警報,注意報の状況と避難勧告の町名のみでした。市当局においては,災害対策本部を設けて情報収集をし,避難所の設置や交通整理,土のうの配布などの手だてをとっておりましたが,災害対策本部が把握した情報についてはそこだけにとどめておくのではなく,リアルタイムに市民に知らせるべきです。 市民に必要なのは具体的な情報です。◯◯町JR高架下が水没で走行不可能とか,◯◯町,内津川◯◯橋付近で河川が越水,一部道路走行不可とか,◯◯町一部地域で床上浸水が発生,最寄りの避難所は◯◯小学校ですとかいう,本当にそのときのリアルな情報を市民に知らせる必要があります。それに基づいて,市民の皆さんは避難経路を考えることができますし,より速やかに避難することもできます。 メールはどこにいても受信できますので,市外に通勤・通学されている方が帰宅方法を考えたり,家族の方との連絡をとることもできます。災害対策本部が把握した情報については,市のホームページに逐次掲載し,閲覧できるようにする。市民安全安心ネットワークによるメール配信でも発信する必要があるかと思いますが,当局の所見を伺います。 市民に対する情報発信という点で,もう一つ指摘をしたいのが広報車でございます。今回,避難勧告地域に広報車や消防車が市民への呼びかけのために回っております。しかし,市民からは,「音量が小さく,雨の音にかき消されて,何を言っているのかが聞き取れなかった。」との御意見をたくさん伺いました。一番水害がひどい場所には広報車も入ってこられず,何の連絡も情報もなかったとの話もあります。市の広報車については,より性能のよい放送設備の架装と,架装車両の拡充の必要がありますが,所見を求めます。 また,地域によっては常設型の路上浸水計,警報器などの放送設備の設置をし,災害の情報をアナウンスできるようにすべきですが,考えを伺います。 また,学校などの公共施設の既存設備,屋外スピーカーなども活用して,地域への呼びかけができるように体制の検討をしていただきたいと考えておりますが,これについても所見を伺います。 避難所についても,いろいろと課題がございます。災害時の避難所には市内小学校などが指定されており,今回の水害においても,これら避難所が利用されました。しかし,庄内川のすぐわきの神領小学校など,水害時の避難所としては適切でない場所もございました。神領小学校の付近は,深いところで腰ほどの浸水をしており,避難をするのにも困難でした。また,庄内川は守山区側ではんらんをいたしましたが,その箇所は神領小学校のちょうど対岸で,神領小学校付近も極めて危険な状態でした。庄内川の水位上昇とともに,神領保育園の園児は神領小学校に避難いたしましたが,避難した場所は神領小学校の体育館でした。また,一部住人の方も避難をされております。 後日の新聞報道によれば,神領小学校は避難所としては閉鎖をされたということでございますが,避難していた方には知らされず,保育園児と住民の方が避難を続けておりました。体育館では河川はんらんには対応できません。せめて校舎の2階以上などに避難していれば,避難所としても十分な機能を発揮していたと思いますが,安全性が全く確保されない体育館に長時間,園児と住人の方々が避難せざるを得なかった状況については大きな問題であると感じております。 道路が水没し,行動範囲が制限されている状況では,最寄りの指定避難所に行くことも困難な状況が生まれました。現在指定してある小学校などとあわせまして,中学校や高校,保育園などの公共施設も指定避難所にすべきだと考えますが,所見を伺います。 また,水害時に避難する場所についてですが,体育館ではなく,学校校舎の高いフロアなどに避難するようにすべきでございますがいかがでしょうか,所見を伺います。 今回,熊野町,桜佐町の多くの方々が神領小学校に避難できなかったために,庄内川を越えまして,対岸の守山区のジャスコなどの商業施設や志段味西小学校などに自主的に避難をいたしました。避難については,市内だけでなく,周辺自治体も視野に入れる必要があります。避難が必要な場合,お互いがお互いの市の住人を災害時には受け入れることもできるように,近隣の自治体と連携協定を結んではいかがでしょうか,所見を求めます。 また,デパートやスーパーなどの民間の商業施設,あるいは大規模な工場などで避難所として機能できそうなものについてはお願いをして協定を結び,指定避難所にできるように働きかけをすべきだと考えますが,所見を伺います。 そして,避難所自体の問題ですけれども,避難所では外部の情報がほとんど入らず,孤立してしまうという状況になりました。避難所にはテレビや電話を設置する必要があります。所見を伺います。 今回の水害は平日日中に起こり,学校の対応についても課題が明らかになりました。一部学校では,児童を保護者の送迎による下校に切りかえる対応をしたことを承知しておりますが,児童をそのまま帰宅をさせた学校もありました。多治見市では下校途中の児童が流され犠牲になるなど,水害発生時の下校対応は大きな課題です。洪水警報発令時などにおいて,各学校において児童の安全確保をする必要があります。今回の対応はどうであったのか,答弁を求めます。 また,今回の経験から,対応マニュアルなどの整備が必要だと考えますが,いかがでしょうか,所見を伺います。 水害の被害を軽減するために必要なのが,土のうでございます。土のうの配布は,水害発生時に市民の通報があった場所に市職員が運ぶという対応をしていることを承知しておりますけれども,水害発生時には同時多発的に通報が相次ぎ,必要なときに必要な土のうが確保できないという事態が発生します。大雨が予想されるときには,役所に取りに行けば土のうがもらえるなど,事前に土のうを確保できるような手だてが必要だと考えますが,現在の状況と考え方についてお伺いをいたします。 災害対策用の物資が保管されている防災倉庫についても伺います。防災倉庫の所在を住民が知らないという事例もございました。また,小学校のグラウンドに設置してある防災倉庫で,グラウンドに遊水機能を設けてあるために防災倉庫周辺が水没し,利用が困難であったという事例もございました。この点につきましては,さきの委員会で若干の答弁もございましたが,改めて防災倉庫の設置場所の見直しや市民への周知,また,防災倉庫の増設も必要だと考えますけれども,所見を伺います。 浸水被害を受けた地域を回っておりますと,数カ月が経過した現在も,家屋の補修をしていたり,また,水につかって使えなくなってしまった家財道具や衣類などが片づけられずに,そのままになっているお宅もございます。災害後の復旧作業を被害を受けた方がそれぞれ自分でやらなければいけないというのが実態で,高齢者世帯などではもとの生活に戻すことが大変だということもございます。こうしたお宅に対して,ボランティアなどを組織して支援に入ることも必要だと考えますが,所見を伺います。 今回のような災害時に力を発揮するのが市職員でございます。春日井市は一貫して職員の削減を行っており,今回のような災害時に十分な対応ができない事態を招いているのではないかと感じました。床上浸水が発生し,市役所に電話したが,手が回らないので自分たちで対応してほしいと言われたという町内会もございました。現業職も含めて,市職員をしっかりと確保していくことは災害対応の面から見ても必要なことです。 今回は水害を取り上げましたが,今後予想される大地震などの大規模災害においては,職員も被災者になります。すべての職員が災害対応に当たれるとは限りません。一定の職員が動けなくなることも想定しなければなりません。職員については,現業職の退職者不補充や一般事務職員の削減,一部業務の委託化などの一連の削減については,防災力という観点からも見直す時期に来ていると考えますがいかがでしょうか,所見を求めます。 続きまして,保育園について質問をいたします。 これも,さきの質問に関連する部分を含みます。今回伺いたいのは,緊急時の保護者への連絡方法です。さきの質問でも話しましたが,台風15号による水害からの避難のために,神領保育園の子どもたちを神領小学校に避難をさせております。ほかにも何園か,このような対応をとられたという話も伺っております。 私ごとで恐縮でございますが,私の次男も神領保育園に通っております。夕方,次男を保育園に引き取りに行きましたが,子どもたちがどこにいるのかがわかりません。隣の神領小学校の校舎にいるのだろうと思いまして,そちらに向かいましたが,そこにもおりません。校舎にいた教職員と思われる方にもお聞きしたのですが,わからないということで,雨の中,ひざ下まで水につかり,あっちこっちうろうろ探し回って,ようやく避難をしている体育館にたどり着きました。つまり,私のところに保育園からは園児の避難に関しては連絡がなかったということでございます。 後日,状況についてお話を伺ったところ,保護者へは保育園から電話連絡をしていたということでございました。しかしながら,神領保育園だけでも150人ほどの園児を抱えております。1人連絡をとるに仮に3分だとしても,何時間もの時間を要します。また,当日は電話がつながりにくい状況ともなっており,一部保護者のところには連絡が届かないことになってしまったのだろうと推察をいたしました。 これに対しまして,学校についてはメールによる緊急連絡で,早い段階で状況を把握することができました。緊急時の連絡のために,保育園についても一括送信によるメール配信のシステムを導入する必要があると強く感じましたが,いかがでしょうか。緊急連絡のメール配信の導入についての考え方を伺います。 続きまして,放射能測定についてお伺いをいたします。 まず,9月議会で私の質問に対しまして,消防などが持っているガイガーカウンターについては,測定への使用について検討するとの御答弁がございましたので,その後どう対応されたのかを伺います。 また,焼却灰について,9月に再度の測定を実施するという御答弁でございましたので,こちらについても結果を伺います。 さて,私ども日本共産党では,独自に放射能測定機器を購入をいたしまして,公園などの放射線量の測定を実施をいたしました。購入した機器は,堀場製作所のシンチレーション式のものでございます。計測機器としては信頼ができるものと思っております。 今回の測定の方法といたしましては,地面に直接測定器を置いて測定する方法と地上1メートルの空中線量の測定を,それぞれの場所で実施いたしました。当初,私どもといたしましても,県が発表している数値と変わらない数値が出るであろうと予測をしておりましたが,一部の公園やグラウンドでは少し高目の線量が計測されました。一番高い場所は,とある公園の中の水路でございました。現状,ここには水はなく,乾いた状態となっております。ここで5回測定した平均を申し上げますと,地面直で0.1436マイクロシーベルト/毎時,地上1メートルでも0.1208マイクロシーベルト/毎時という測定結果になりました。 また,別の公園のグラウンド部分でも,地面で0.143,地上1メートルで0.115マイクロシーベルト/毎時という測定結果が出ております。また,別の公園では,公園内では地面,地上1メートル,それぞれ0.06から0.09という,県の測定結果とさほど変わらない数値を示したものの,その公園の雨水浸透ますでは0.145という数値を示した場所もございました。 これまで県が示している数値と大差ない場所もたくさんございましたけれども,場所によっては,これまで県が示している数値の倍とか3倍近い測定値が出たことに,少し驚いております。埋め立てに使った土や砂の性質や地質の影響などもあるでしょうから,この原因のすべてが福島原発の事故の影響とは考えておりませんけれども,雨水のたまる場所で高い数値が示されたことについては,原発事故の影響も及んでいるのかとも思います。 今回測定した数値について,高いとはいっても,政府が示している年間被爆量1ミリシーベルト,これは今回出た数字を単純に1年の時間で掛けますと1ミリを超えますが,日中活動時間等を考慮した係数を掛けますと,問題だとされる線量までにはまだ達しておりませんので,これが直ちに問題だとは思いませんけれども,一定の配慮が必要ではないかとも感じました。例えば,学校の清掃は児童生徒が行います。学校内の側溝の清掃も,私は子どものころにやった記憶がございまして,こうした部分につきましては配慮が必要だと考えます。ともかく,それぞれ測定をしてみなければ,そこから先のことは考えることができません。子どもたちが生活する学校,保育園,また,公園などでは線量測定をする必要があるかと考えますがいかがでしょうか,当局の見解を求めます。 続きまして,精神障がい者医療費助成について伺います。 同様の質問を私は2008年9月議会でも一般質問しておりますが,再度質問をさせていただきます。 障がい者の方に対する医療費助成は,身体障がい者と知的障がい者については心身障がい者医療費助成,精神障がい者につきましては通院が自立支援医療と精神障がい者医療費助成,そして入院については精神障がい者医療費助成という枠組みでそれぞれ実施をされております。 身体障がい者,知的障がい者を対象とした心身障がい者医療費助成が,どんな病気で受診をしてもその助成の対象となるのに対しまして,同じ障がい者でありながら,精神障がい者については通院は精神科を受診した場合にのみ助成する内容となっております。 障害者基本法の第2条に,障がい者について次のように定義されております。身体障がい,知的障がいまたは精神障がいがあるために,継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受ける者をいうと。そして,障害者基本法の第3条には,すべての障がい者は個人の尊厳が重んぜられ,その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有すると書かれております。 そして,障がい者手帳の交付につきましては,持っている障がいが身体障がいであれ,知的障がいであれ,精神障がいであれ,生活の状況に応じて等級が適用されます。同じ等級であれば,困難な状況は同程度と判断される枠組みとなっております。 しかし,本市における医療費助成制度は,障がい者手帳の等級が同じで,同じように生活が困難であるのにもかかわらず,障がいの種類によって助成の範囲が異なるという状況になっており,障害者基本法に照らしても適切だとは言えません。医療費助成については,3障がい一律の内容の制度を適用すべきだと考えますがいかがでしょうか,答弁を求めます。 続きまして,地球温暖化対策実行計画について伺います。 さきの閉会中の厚生委員会で,春日井市地球温暖化対策実行計画について中間案が示されました。その中で,再生可能エネルギーの利用促進として,春日井市としては初めて小水力発電やメガソーラーの立地促進についての方向性が示されました。福島原発事故以来,国内では再生可能エネルギーについての議論が活発になっています。原発に対する賛否にかかわらず,再生可能エネルギーの普及を拡大していくことについては,すべての国民の意見が一致するものと感じております。 私ども日本共産党春日井市議団は,2009年に川崎の小水力発電を視察をいたしました。川崎では,水道水の浄水場から配水池までの送水管の落差水のエネルギーを使用して発電をしておりまして,2カ所の小水力発電所で約290世帯分の電力をつくり出しております。一般的に1,000キロワット以下の小規模な水力発電を小水力発電と呼びます。春日井市にも農業用水を利用した玉野発電所がありますし,川崎のように水道施設の落差水や浄化センターの排水エネルギー,あるいは河川や農業用水の流水エネルギーを使うなど,それぞれの地域でそれぞれの工夫を凝らした小水力発電が全国各地に220ほどございまして,注目を集めております。 そして,メガソーラーでございますけれども,これは1,000キロワットから2万キロワットという発電能力を有する大規模な太陽光発電を指すものでございます。こちらは,広い土地さえあれば設置ができるもので,自治体としても事業者と協力して取り組む事例が出てきております。 いずれにしましても,温暖化ガスの排出を抑えてエネルギーを確保していく必要性の中で,今後,ますます注目が集まる事業かと考えます。今回の計画の中で,小水力発電については中期,メガソーラーについては長期と示されており,比較的長いスパンでの検討がされるとは思うのですけれども,より具体的に積極的に進めていただきたい事業でございます。現時点でのお考えをお聞きします。答弁を求めます。以上,壇上からの質問といたします。 ○議長(丹羽一正君) 上下水道部長 坂野 智君。 ◎上下水道部長(坂野智君) それでは,篠木ポンプ場の整備につきましてお答えいたします。 篠木ポンプ場の整備につきましては現在,土地区画整理事業が進められている熊野桜佐土地区画整理事業地区内に建設を予定していることから,事業用地の確保等,事業実施に向けて,事業者との調整が必要となります。また,施設整備には多額の費用を要することから,その財源として国の補助金も必要となります。そのための都市計画関係の手続を進めるとともに,放流先となります河川管理者との協議を進め,熊野桜佐土地区画整理事業の進捗に合わせた早期の事業化を目指して進めてまいります。 ○議長(丹羽一正君) 総務部長 加藤達也君。 ◎総務部長(加藤達也君) それでは,水害対策についての御質問のうち総務部の関係について,回答が若干前後するかもしれませんが,順次お答えをいたします。 最初に,インターネットでの災害情報の発信についてでございますが,災害情報を迅速に収集し,避難勧告や被害状況など必要な情報を適宜迅速にホームページへ掲載できるよう関係各課と連携を図るとともに,より効果的な掲載方法について考えてまいります。 次に,市民安全安心ネットワークの活用についてお答えをいたします。 本市では,以前より安全安心ネットワークを通じまして,安全安心情報,気象情報,消防情報を提供しています。今後の運用に当たっては,正確・迅速な配信に努めるとともに,より細かい情報を配信することについても,避難所への避難や帰宅の際の有効な情報になると承知していますので,本部体制の見直しとあわせ検討してまいります。 また,登録者は現在約6,300件となっておりますが,登録者増加に向け,これまで以上に周知に努めてまいります。 次に,広報車の改善,放送設備の拡充についてでございますが,災害発生時にはより早く市民へ情報が届くよう,さまざまな媒体を通じ情報を提供することが望ましいと考えています。より多くの市民への情報提供の手段として,車載用拡声設備を搭載した広報車の拡充を図るとともに,広報活動時の方法についても,広報車で回る際の速度や拡声器の音量など,改善を図ってまいります。 風水害など地震以外の情報配信としての常設型の路上浸水計・警報装置の設置などについては,今後,調査研究をしてまいります。また,学校などの公共施設の屋外スピーカーなどを利用しての地域への情報発信についても,どのような活用方法が可能なのか,関係機関と協議検討を進めてまいります。 次に,指定避難所の拡大についてでございますが,現在,指定している小学校などとあわせ,中学校,高校,その他の公共施設も含めた指定が必要と考えています。避難場所についても,状況に応じて体育館から校舎の2階,3階へ移動するなど,臨機応変な対応ができるようマニュアルの見直しを行ってまいります。 また,人によっては他市の公共施設や民間の商業施設へ避難したほうが安全な場合も考えられることから,他市や民間企業との連携協定についても検討してまいります。 次に,避難所の設備についてでございますが,防災拠点,指定避難所には防災倉庫の中に防災用のラジオが設置してあります。より多くの災害情報を提供するために,今後,テレビや電話の設置についても検討してまいりたいと考えています。 次に,土のうの事前配布についてお答えいたします。 本市では,希望する区・町内会や自主防災会に対し,状況に応じ土のう倉庫を設置し,災害時には地域で迅速に対応できるよう備えています。土のう倉庫は,市内に25カ所設置しており,1カ所につき250袋の土のうを保管しています。また,地域によっては一定量の土のうを備蓄している町内会もあり,これらを有効に活用していただくよう,それぞれの地域内で周知していただくことが被害を最小限にするものと考えています。 次に,防災倉庫についてでございますが,今回の災害での冠水状況を調査し,すべての小学校で設置場所の再確認を行い,設置場所を変更する必要があれば教育委員会や小学校側と協議を進め,順次設置場所の見直しを図ってまいります。 次に,被災者の支援についてでございますが,災害時には災害時職員行動マニュアル及び地域防災計画に基づき市社会福祉協議会と連携して,必要に応じ災害救援ボランティアセンターを市役所1階に設置することとなっています。今回の災害では,このボランティアセンターは設置しませんでしたが,今後につきましては,市社会福祉協議会と連携を図りながら,状況に応じた柔軟な対応をしてまいります。 最後に,災害時の職員の確保についてでございます。 職員数については,業務量を勘案し,必要な人員配置を行うなど,適正管理に努めています。災害発生時には,災害復旧のための作業を行うとともに,市の通常業務を継続する必要がありますし,市職員自身が被災者になるなどして平常時より職員数が少なくなることも十分予想されますが,そのような状況においても対応が可能となるよう,今後,より効率的な職員の配備体制の確立に努めてまいります。以上でございます。 ○議長(丹羽一正君) 産業部長 稲垣勝彦君。 ◎産業部長(稲垣勝彦君) それでは私からは,水害対策の御質問の中から生産緑地の追加指定についてと宅地並み課税の負担軽減についてと農業振興地域における農地の保全についての3点についてお答えをいたします。 まず,1点目の生産緑地の追加指定につきまして,田畑は保水能力が非常に高く,集中豪雨時における水害防止には重要な役割を担っているものと認識をしております。このような中,市街化区域内におきましては,土地所有者からの申し出により生産緑地地区に定め,保全を図っているところであります。 御質問の地区の追加指定につきましては,周辺を生産緑地に囲まれている農地で当該土地を宅地化することが極めて困難な場合や,生産緑地に挟まれる小規模な農地でその土地を生産緑地として指定することによって整形化及び一団化が図られる場合など,4つの要件のいずれかに該当する場合のみ指定することが可能になります。 2点目の市街化区域内農地の宅地並み課税の負担軽減につきましては,現在のところ考えておりません。 3点目の農業振興地域における農地の保全につきましては,後継者不足などにより耕作できなくなった農地が引き続き耕作されるよう,貸し手の農家と借り手の認定農業者の双方に奨励金を交付して,農地の有効利用を図っております。今後も,農地を保全するため,新たな担い手の育成や農地の利用増進に努めてまいります。 ○議長(丹羽一正君) 教育部長 宮地 宏君。 ◎教育部長(宮地宏君) それでは,台風15号における児童の下校の対応についてお答えいたします。 大雨洪水警報発令時においても,降水の状況や河川のはんらん等による洪水の危険度は,地域によって大きく異なります。このため,各小学校において通学路など校区内の状況を確認した上で,教員の付き添いで一斉下校にするか,保護者による引き取りにするかを決定をしております。 今回の台風15号による洪水警報発令時においては,小学校39校のうち13校が教員の付き添いによる一斉下校を,17校が保護者による引き取りを実施しました。なお,中学校では,通常はこのような対応はとっておりませんが,危険度が高いと判断した1校が保護者による引き取りを実施をいたしました。 次に,今回の経験を生かした学校における対応ということでございますが,警報発令時の児童生徒の下校方法などは,基本的にはそれぞれの学校が判断することになります。しかし,避難勧告が出ている地域の児童生徒は,避難勧告が解除されるまでは学校にとめ置くなどのルールを定めまして,それに基づいて迅速に対応できるようしっかりと検討してまいります。 ○議長(丹羽一正君) 青少年子ども部長 小林奈津子君。 ◎青少年子ども部長(小林奈津子君) それでは,2問目の保育園での緊急時の連絡方法についての御質問にお答えいたします。 保育園では,基本的に朝夕に必ず保護者による送迎があることから,園からのお知らせや個別の連絡などは,園に来られた保護者に直接お伝えするか,あらかじめお聞きしている緊急連絡先へ電話するという方法をとっております。また,気象情報や火災情報,不審者情報などについては,携帯電話に配信されている市の安全安心情報ネットワークへの登録をお願いしているところです。 しかしながら,登園後の急な気象状況の変化等による緊急時には,保護者の方からの電話対応に追われたり,個別連絡では速報性や確実性に限りがあることから,保育園においても同時に一斉連絡が行えるようなシステムを導入することについて,市として総合的に検討してまいりたいと考えております。 ○議長(丹羽一正君) 環境部長 西尾義和君。 ◎環境部長(西尾義和君) 環境部のほうからは,放射能の測定についてと温暖化対策の計画についてお答え申し上げます。 まず,放射能の測定関係につきましては,市の消防署が保有する測定機器で空間放射線量を測定することにつきましては,これまで環境中の放射線量率の測定に用いられている可搬型シンチレーション式サーベイメーターを愛知県から借用し,同一の場所で同時に測定比較をいたしました。 10月27日に行った地上1メートルにおける空間放射線量の測定では,県から借用したシンチレーション式サーベイメーターは毎時0.067から0.070マイクロシーベルトとなったのに対し,消防署所有の2台のガイガーミュラー式サーベイメーターはそれぞれ0.32から0.36と0.06から0.10となり,測定値が大きく出たり,瞬時値が幅広く変動するなどの状態があらわれております。 ガイガーミュラー式は,比較的高い放射線の発生源を特定することに適しており,測定に当たってはそれぞれ目的に合った機種を用いることが望ましく,現状の空間放射線量を測定するには,県や国の測定値と比較できるシンチレーション式の機器が適していると言えます。 このため,10月27日及び28日にかけて,先ほどの県からの借用測定機器を用いて,市役所と東部市民センターの駐車場において県と同一の方法によって空間放射線量の測定を行いました。それによりますと,市役所で毎時0.069マイクロシーベルト,東部市民センターで毎時0.057マイクロシーベルトとなって,県が地上1メートルで測定を始めた6月13日以降の名古屋市北区における毎時0.057から0.083マイクロシーベルトの範囲内におさまっております。これにより,改めて福島第一原発事故の影響は見られないことが確認できたものと考えております。 また,クリーンセンターの焼却灰に含まれる放射性セシウムにつきましては,9月,10月に測定した結果では,主灰のセシウム134・137は不検出,また,飛灰のセシウム134も不検出でしたが,セシウム137については両月ともに1キログラム当たり13ベクレルで,8月の測定値同様,問題となる濃度の放射性物質は検出されませんでした。 次に,党のほうで測定されました地面からの放射能についてでありますが,先ほど申し上げましたように,これまでの愛知県などによる空間放射線量の測定結果から見て,市内では原発事故に伴う土壌への影響はないものと考えております。しかし,公園などの放射能については,今後,放射能の特性に関する国や県の情報を注視しつつ,その状況把握について検討してまいりたいと考えております。 次に,温暖化における再生可能エネルギーの利用促進についてお答え申し上げます。 地球温暖化対策実行計画中間案における取り組みの小水力発電設備につきましては,河川や農業用水,上下水道施設などにおいて,小規模な段差や安定した流量を活用して発電を行うことができます。昼夜を通して安定した発電が可能であることや,今まで未利用だった河川などを水力発電に活用が可能となります。 また,メガソーラーにつきましては,太陽光発電施設を一定規模以上のまとまった場所に設置するもので,未利用地の有効活用のほか,ことし8月に成立した再生可能エネルギー特別措置法により再生可能エネルギーの全量固定価格買取制度が導入されることとなり,新規参入してくる発電事業者による活性化が期待されます。 太陽光発電を初めこれらの再生可能エネルギーについて,国でも東日本大震災を契機にエネルギー政策を見直す中で基幹的な柱としており,今後,市におきましては施設や発電効率などについて検討する中で,再生可能エネルギーの利用促進を図ってまいりたいと考えております。 ○議長(丹羽一正君) 健康福祉部長 鈴木 満君。 ◎健康福祉部長(鈴木満君) それでは,精神障がい者医療費助成についてお答えします。 精神障がい者医療費助成でございますが,精神障がい者保健福祉手帳1・2級所持者の入院医療費については,平成20年4月からそれまでの2分の1助成を全額助成に拡充しております。また,通院医療費につきましては,障害者自立支援法による精神通院医療に係る自立支援医療費の支給認定を受けている方を対象に,指定自立支援医療機関への通院に係る自己負担額を助成しているところでございます。 精神疾患の方でございますが,現在,市民意見募集を行っている障がい者総合福祉計画の中間報告でお示ししておりますように,今後も増加していくことを予測しており,また,現在,一般疾病については愛知県福祉医療費支給事業補助金の対象となっていないことから,助成のさらなる拡充は大変厳しい状況でございます。 しかしながら,精神障がい者医療費助成につきましては,制度を拡充してから4年目に入ったこともあり,また,県内の状況も精神疾患以外の一般疾病に対する助成を行っている自治体がふえていることから,新たな検討課題と認識し,愛知県の福祉医療制度見直しの動向も注視しながら,さまざまなシミュレーションを行っているところでございます。 ○議長(丹羽一正君) 10番 伊藤建治君。 ◆10番(伊藤建治君) それでは,2回目の質問いたします。ちょっと順番を変えて話をさせていただきます。 まず,精神障がい者医療費助成についてでございますけれども,さきの閉会中の厚生委員会の中でも同様の意見が述べられております。そのやりとりの中で,精神障がい者の方の医療費助成について,通院も全疾病対象としている自治体は県下に25あるという答弁がございました。2008年の質問の際には,20自治体が行っているということでございましたので,この時点と比較をいたしましても,全疾病対象としている自治体は増加をしておりますので,春日井市においても適切に対応していただきたいと,これは強く要望をいたします。この質問については以上でございます。 それから,地球温暖化対策の実行計画についてでございますけれども,再生可能エネルギーの利用促進について答弁をいただきました。計画のほう,まだ中間案といういうことで,具体的な中身はこれから検討することになろうかと思いますけれども,春日井市は未使用の土地もたくさんありますので,ぜひ積極的に取り組んでいただいて,中期,長期といわずに,早い時期に具体化をお願いしたいなということを申し上げておきたいと思います。 そして,放射線測定についてなんですけれども,焼却灰については,前回同様さほど高い数値ではなかったということで安心をいたしましたけれども,被災地の瓦れき等の受け入れを行わなければ,一定現状のまま推移していくと思いますので,ここについては周辺の状況に応じて対応していただければということで理解をいたしました。 それから,消防の計測機器については,実際に検討していただいたようで,これはありがとうございます。ただ,あくまでも火災などによる放射線漏れを測定するものであって,土壌や空中線量の測定に使うのはちょっと難しいということも,それは理解をいたしました。ですので,機器を買うなどして,独自の調査をぜひしていただきたいと。状況把握を検討していただけるという御答弁でしたので,具体的に進めていただければと思います。 それから,これも意見だけ申し上げておきますけれども,さきの議会で私も取り上げましたし,また,さきの質問議員の一般質問でも話題になっております食材についてでございますが,せんだって粉ミルクが放射性セシウムに汚染されていたという報道がございました。発覚のきっかけは,市民団体の独自調査でございます。政府やメーカーの管理によって市場に出回っている食品については安全だという,そもそもの前提を覆す事例となりました。今回,答弁は求めませんけれども,先ほど測定の方法を検討するという答弁もございましたので,早期の具体化をこれはお願いしたいということを私のほうからも申し上げておきます。 水害対策について,それぞれ細かな御答弁をいただきました。 まず,ホームページの情報,それから市民安全安心ネットワークのメール配信について,広報車の改善とか拡充,学校・公共施設の放送設備の活用,それから避難所の拡大や高いフロアも活用するという点,それから他市や民間企業との連携協定,避難所へのテレビや電話の設置,それからボランティアの組織だとか,防災倉庫の設置場所の見直し,水害時の子どもたちの安全確保,これらについてはそれぞれ一定前向きな答弁をいただいたものというふうに受けとめました。具体的に改善をしていただけるものということで,早期の対応を期待したいと思います。 この中の水害発生時の学校の子どもたちの安全確保については,もう少しだけ意見を言っておきますけれども,学校区内に避難勧告が出ている地域がある学校では,保護者による引き取りをするなどのルールを検討するということなんですけれども,一定の判断基準を設けるということについては,ルール設定の上で必要な事項なんですけれども,しかし,今回もそうだったんですが,避難勧告が出ていない地域でも局所的に道路が激流になっていたりと,それで大変な危険な状況になるという場所もございまして,それぞれの学校がそれぞれに周辺状況を確認する必要性がございますので,こういった部分もルールづくりの際には考慮いただきたいなということをお願いしておきます。 あと,土のう倉庫の状況もわかりました。地域内での周知という点が課題かなと思いますけれども,これについてちょっと今後検討いただきたいというふうに思っております。 それから,常設型の浸水計・警報装置の整備についてでございますけれども,防災無線という方法もございますし,また,岡崎市では水害のみに特化した比較的安価な浸水計と警報装置を設置をしております。春日井市においても,浸水被害が出る地域は限定されておりますので,どのような設備がマッチングするのかということも含めて,ちょっと研究をしていただきたい,それで検討していただきたいというふうに思いますので,これも意見を申し上げておきます。 それと,職員の確保でございますけれども,現実的に今回の水害で,人手が足りないので自分たちで何とかしてくれと言われた事例もございます。水没した道路の交通整理を付近の住民の方が危険を顧みず行ったという事例も聞いております。職員の確保については,事業継続計画の策定とともに地域防災計画の見直しを行うということなんですけれども,適正化,それから人員削減の方針は基本とされるという答弁であったかと思います。 市の業務について,民間への委託も進められております。平常時であれば業務は回るんですけれども,災害時には例えば委託という部分については,災害対応の要員としては見込むこともできません。防災力としての職員確保という観点についてしっかり考えていただいて,きちんとした職員確保をしていただきたいということについても申し上げておきたいと思います。 それから,農地の保全でございます。農地が水害防止に重要な役割を担っているという点については,当局におかれましても認識が一致しているというふうには受けとめました。しかし,現状としては,農地の減少に歯どめがかからないというのが実態でございまして,ここに何がしかの手だてが必要ではないかと考えるところでございます。 生産緑地の追加指定についても,条件が整えば可能ということなんですけれども,市の施策として,積極的な取り組みが必要だと考えます。 宅地並み課税の負担軽減も,これは考えていないということなんですけれども,これはちょっといま一度検討をお願いしたいと思います。 農業振興地域の農地の保全については,新たな担い手の育成や農地の利用促進に努めるということでございました。これについても,実効性のある具体的な手だてを打っていただけるものということで期待をしておりますので,よろしくお願いします。市街化区域についても調整区域におきましても,農地の保全は課題でございまして,それぞれに必要な手だてをとっていただく必要性があるということは申し上げておきます。 それから,篠木のポンプ場でございますけれども,財源や,それから区画整理の進捗状況の兼ね合いということについては承知しているんですけれども,今,御答弁いただいた早期の事業化というのは大体いつごろと思えばいいのかと,一,二年先には形になるのか,5年先か10年先かと。また,それまでの間は大雨に対しては不可抗力な状態が続くのか,あるいは軽減するための何がしかの手だてがとられるのかと,そのあたりの見通しを示していただきたいと思います。この点については,ちょっと答弁を求めたいと思います。 関連して,保育園の緊急連絡のメールについてでございますが,これは前向きな答弁をいただいたというふうに受けとめました。期待をしたいと思います。 保育中に台風などで警報が出た場合,保育を中止して帰宅をしていただくことになりますけれども,すべての保護者が警報などの情報を把握しているわけではございませんので,保育の可否について混乱が生じることもあるというふうに伺っておりますし,また,この地域では今後,大規模な震災が起きると予想されております。正確な情報をより速く確実にお伝えする方法としてメールによる配信,一括配信は非常に有効だろうと考えます。 また,災害発生時だけでなく時々に,今,水ぼうそうがはやっているとか,送迎車をねらった車両荒らしが発生しているとか,保護者に注意喚起をすることもできます。ともかく,整備されたら保護者へのよりきめ細やかな対応につながるものと思いますので,よろしくお願いいたします。 今の答弁の中では総合的に検討とございました。私,6月議会で子どもの家についても同様のメール配信システムの導入についても質問いたしました。このようなシステムを学校,保育園,子どもの家などで総合的に検討していただきたいと,これも加えて申し上げまして,早期に具体化をしていただきますようにお願いを申し上げます。 答弁はポンプ場についてだけ求めたいと思います。お願いします。 ○議長(丹羽一正君) 上下水道部長 坂野 智君。 ◎上下水道部長(坂野智君) それでは,篠木ポンプ場の整備につきまして再度の御質問でございますので,お答えいたします。 篠木ポンプ場整備といたしましては,先ほど説明させていただきましたように,熊野桜佐土地区画整理事業と連動して進める必要があるため,区画整理地区内の管路整備の進捗を見きわめながら整備を進めてまいります。また,ポンプ場以外に調整池もつくるということになりますので,それらの適切な整備事業,時期について検討してまいりたいと思います。 ○議長(丹羽一正君) 10番 伊藤建治君。 ◆10番(伊藤建治君) 現段階では具体的になかなか明確にするのは難しいんだなとは思いましたけれども,浸水被害のあった地域の方については東海豪雨以来の悩みですので,早期に具体的なビジョンを示していただくことが必要だと考えておりますので,この点についてはお願いをしたいと思います。以上でございます。 ○議長(丹羽一正君) 18番 田中千幸君。     〔18番 田中千幸君登壇〕(拍手) ◆18番(田中千幸君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い,空き家対策について質問させていただきます。 近年,放置されている空き家の数が増加し,生活環境上,生活安全上の問題,また,まちの景観阻害などの問題が日本全国でクローズアップされています。日本全国の空き家の数は,総務省住宅・土地統計調査によると,2008年に757万戸となり,この20年で約2倍の伸びで,空き家率で見れば住宅全体の13.1%,7軒に1軒の割合となっています。 野村総合研究所は,2003年のペースで新築住宅をつくり続けた場合,2040年には空き家率は43%となると予測しています。こうなってしまうと,お隣は空き家状態であります。春日井市においては,同じく2008年の調査で,住宅総数12万3,860戸のうち1万1,570戸が空き家で9.3%と,全国平均を下回っているというものの,およそ1割が空き家という状況です。 こうした背景には,核家族化,少子化による人口減少があるということで,社会保障の課題だけでなく,空き家増加にも影響を及ぼしているわけです。そして,放火による火災の不安,台風,地震が起きたときの屋根がわら等構造物の破片などの落下,飛散,青少年犯罪等の誘発の危険など,近隣住民にとって不安の種となっています。中にはスズメバチの巣ができたとか,ブロークン・ウインドー,いわゆる割れ窓理論の原理が働いて,一度ごみの不法投棄が行われると,格好のごみ捨て場になってしまうといったことまであるようです。 このようなことを食いとめようと,近年さまざまな自治体で空き家条例の制定の動きが活発になっています。全国で現在までに8市1県が制定済みで,9自治体が検討中とのことです。 埼玉県所沢市の例を紹介しますと,ホームページには「所沢市空き家等の適正管理に関する条例を制定しました」と題して,空き家等が放置され,管理が不十分になると犯罪や出火を招くおそれがあることから,所有者等に適正な維持管理を求めることにより生活環境の保全と防犯のまちづくりを推進し,市民の安全・安心な生活を確保することを目的にこの条例を制定しましたとして,条例のPDFファイルが添付されています。 その内容は,10条からなり,目的,空き家や管理不全な状態などの定義,適正管理,市民からの情報提供,実態調査,助言,指導及び勧告,市長による命令,命令に従わないときは住所,氏名などを公表することができ,そして警察その他の関係機関との連携となっており,施行は平成22年10月1日です。 この第7条の「命令」,第8条の「公表」は,かなり強烈です。原文を読み上げてみます。 第7条 市長は,空き家等の所有者等が前条第2項の規定による勧告に応じないとき,又は空き家等が著しく管理不全な状態であると認めるときは,当該所有者等に対し,履行期限を定めて必要な措置を講ずるよう命ずることができる。 第8条 市長は,前条の規定による命令を行ったにもかかわらず,当該所有者等が正当な理由なく命令に従わないときは,次に掲げる事項を公表することができる。 (1)命令に従わない者の住所及び氏名(法人にあっては,主たる事務所の所在地並びに名称及び代表者の氏名) (2)命令の対象である空き家等の所在地 (3)命令の内容 (4)その他市長が必要と認める事項 2 市長は,前項の規定により公表するときは,当該公表に係る所有者等に意見を述べる機会を与えなければならない。 こういう内容でございます。このような条例を制定する背景には,かなり逼迫した状況が想像されます。建築基準法では,自治体は,著しく危険な建物の撤去を所有者に命令できることになっていますが,具体的な手続の規定はありません。 本市においても,近い将来このような状態になることが予測されます。そこで,空き家等の適正管理に関する条例の制定について御見解をお伺いします。 次に,老朽化した空き家でなく,まだまだ使用に耐え得る空き家の活用についてお尋ねします。 それぞれの地域の実情に合わせて空き家を再利用することで,地域の活性化や地域コミュニティの維持・再生,治安,防災対策等の効果が期待できます。先日,新たな試みとして始まったサンマルシェ南館を利用してのほっとステーションに類似したような形で,市が寄附を受けたり,借り上げた空き家を活用して地域コミュニティの場づくりができると,空き家対策の一つとして有効なものになると考えます。 そこで,現在,本市における地域コミュニティの場の現状,どのような施設がどれだけあり,どのように活用されているかをお伺いします。以上で私の壇上からの質問を終わります。 ○議長(丹羽一正君) 総務部長 加藤達也君。 ◎総務部長(加藤達也君) それでは,空き家の適正管理に関する条例の制定についてお答えします。 管理不十分な空き家や空き地は,隣接する住民にとりまして,地域における生活環境の問題や不審者の出入りや放火,災害時の倒壊といった防犯・防災上においても,日常生活における不安要因の一つとなっております。 本市におきましても,ごくまれではございますが,空き家が老朽化し心配であるなどの御意見が寄せられることがあり,その都度,現況確認の上,所有者へ連絡し,対処いただくよう依頼をしているところでございます。また,不在地主や所有者の高齢化,さらに財産権の不可侵を定めた諸法令の問題もあり,今後,大きな課題となることも考えられます。 本市では,平成21年施行の春日井市安全なまちづくり条例や春日井市あき地に繁茂した雑草等の除去に関する条例で,防犯,防災,生活環境の観点から土地建物所有者の責務を定め,安全で安心して暮らせるまちの実現を目指しているところでございます。 議員御提案の条例の制定に関しましては,今後,関係法令や他の条例,本市の地域性,また,近隣市町の条例制定動向などを踏まえ,調査研究を進めてまいります。 ○議長(丹羽一正君) 市民生活部長 戸田佳実君。 ◎市民生活部長(戸田佳実君) それでは,空き家の活用につきましてお答え申し上げます。 市では,市民の相互の触れ合い及び市民の教養・文化の向上を図ることを目的に公民館が5カ所,ふれあいセンターが5カ所,学習等供用施設が54カ所,ふれあいの家が32カ所,また,老人憩いの家が15カ所などを設置しております。これらの施設の利用状況は,サークル活動や地域住民の触れ合いの場として,多くの方に利用がされております。また,各地域の区・町内会・自治会が所有する集会所などが,市が把握するものとして223カ所あり,地域コミュニティの拠点として利用がされております。 さらに,最近では,NPOなどボランティア団体が民家をコミュニティの場として活用しているところもあり,こうした現状から,地域コミュニティの場につきましては,それぞれのニーズに合わせた施設利用がされ,コミュニティづくりがされているものと考えております。 ○議長(丹羽一正君) 18番 田中千幸君。 ◆18番(田中千幸君) それぞれ御答弁をいただきました。 空き家条例制定に向けて,積極的な検討をお願いしたいと思います。 埼玉県所沢市,また,千葉県柏市の条例は,いずれもボリューム的にはA4数ページにおさまってしまう程度のものですけれども,個人の所有権にかかわることであるため,大変難しい問題をはらんでいることは理解をしております。 また,部局横断的な検討が必要となりますし,さらには各種関係団体や住民との協働で条例を制定していくことになるかと思います。相当なエネルギーを費やすことになりますが,明文化された法的根拠が確立されることによって,市当局の処理もより動きやすくなると思います。 また,条例ができましたという周知によって,空き家放置の抑制効果も期待できます。いずれにしても,寄せられる苦情の内容が既存の条例などで処理できないものも多く存在していると思います。単に苦情処理という形ではなく,根本原因を取り除くことができるよう,また,市民が安心して暮らせるよう空き家条例制定に向けて御検討いただき,そのために必要な調査研究を行っていただけることを期待申し上げます。 2点目の空き家活用に関しましては,現状の公営施設などが充実していることでニーズは満たされており,それぞれ活用されているとの認識を持ちました。ただ,漠然とではありますけれども,潜在需要がまだまだ眠っていると思えてなりませんし,また,国の補助が受けられるという絶好のチャンスのときでありまして,国土交通省において空き家再生等推進事業が進められているところでございます。平成25年度までの措置となっておりますが,活用事業と除却事業の2タイプでございます。 本市が対象となるのは,活用事業のほうに限られますけれども,補助金として,事業主体が地方公共団体の場合,事業経費の半分が補助されます。これが利用できれば,空き家となっている古民家を宿泊施設や交流施設,創作活動施設等に改修して活用したり,廃校舎や店舗などを交流施設等に改修して活用するなど,地域のニーズに応じて活用できます。 これを活用した事例で,実に理想的なものがあります。広島県庄原市では,市が事業主体になって,3軒続きの長屋住宅を改修して,1階でコミュニティレストランと特産物販売を行い,2階は展示・交流スペース,貸し会場として活用されています。この土地は,30年の借地権つきでありますけれども,支払いはなく,また,建物は市への寄附となっているということでございます。このレストランの経営は,公募により企画プレゼンをした中から選ばれた社会福祉法人で,障がい者雇用にもつながっているということでございます。 平成25年度までの制度ですので,さらに活用できるようなことがあればと思う次第です。ぜひとも,この制度を検討していっていただきたいと思いますが,御見解をお伺いして,2回目の質問とさせていただきます。 ○議長(丹羽一正君) 市民生活部長 戸田佳実君。 ◎市民生活部長(戸田佳実君) 地域コミュニティの拠点として重要な役割を果たす区・町内会・自治会の集会所に対し,市ではコミュニティ集会施設整備補助を行うなど,施設整備の支援をしてきております。この補助制度を活用した集会所の新築は,過去5年間で1件にとどまっており,来年度の新築予定につきましての申し出もない状況でございます。今後,区・町内会・自治会がみずから行う施設の整備計画がある場合には,地域の状況や規模,条件などを十分に勘案し,議員御提案の空き家再生等推進事業の活用についても検討してまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いします。 ○議長(丹羽一正君) 14番 佐々木圭祐君。     〔14番 佐々木圭祐君 登壇〕(拍手) ◆14番(佐々木圭祐君) 議長のお許しをいただきましたので,通告どおり質問をさせていただきます。 最初に,自転車総合対策について。 警察庁はことし平成23年10月25日に,ルールやマナーを無視して歩道を走行する自転車の危険走行が後を絶たず,事故も多発しているとして,取り締まり強化を柱とした自転車総合対策を打ち出しました。 道路交通法の一部を改正する法律は,平成19年6月20日公布され,自転車に関する通行ルール等の規定が改正され,平成20年6月1日から施行され,その道交法改正に伴い,13歳未満を除き,自転車通行可の標識がない道路で原則車道の通行を義務づけるルールの徹底や,教則改正では自転車乗車中の傘使用,携帯電話の操作,通話,ヘッドホンステレオの使用が禁止になりました。 しかし,これらのルール遵守の周知などが進められてはきましたが,利用者の認識不足や認識の違いによる歩道での危険走行や事故が常態化,また,東日本大震災以降では帰宅難民問題での自転車通勤が注目され,ピストと呼ばれる競技用自転車の人気を受けて,ブレーキを外した危険な自転車まで登場し,自転車による事故対策が必要と判断されました。 自転車総合対策では,指導,警告で,自転車の原則車道通行と歩道通行の例外をさらに徹底し,悪質で危険な運転には交通切符,赤切符で摘発するよう全国の警察に指示が出されました。本来,自転車は免許証も要らず,手軽に乗れる気安さから,幼児から高齢者まで幅広い年齢層に親しまれ,近年ではエコ意識や健康志向の高まりから,通勤や通学,買い物など生活の足として気軽に乗れることから,自転車利用が年々ふえ続けています。しかし,それに伴い,自転車による事故もふえ続けています。 社団法人自転車協会の調べでは,全国の自転車保有台数は2010年時点で約8,000万台を超え,それに伴い,自転車が加害者となる自転車と歩行者の衝突事故は昨年1年間だけで2,760件起きており,多くは歩道上の接触や衝突で,利用者の多くは自転車が道交法である軽車両との認識がなく,自転車で歩道に上がった瞬間に加害者の顔を持つという意識もないことが,自転車事故につながっていると考えられます。 日ごろ駅に向かう道路や学校周辺,お店や自宅近くは生活道なので,ふだんから通りなれ,斜め横断や右側通行,一たん停止,信号無視やスピードの出し過ぎなど,自転車を歩行者感覚で利用される交通マナーの悪い方が多く見られます。 春日井市内では,ことし1月から9月までに発生した自転車事故は349件で,前年よりも20件の増加となっており,子どもや高齢者の方の事故に遭うケースがふえています。このため,走行ルールを徹底するには,各年代に応じて事故実態を踏まえた教育が必要だとの指摘もあります。 本市として,歩行者の事故発生もふえていることから,自転車の交通マナー・ルールの徹底をどのように周知していかれるのか,お伺いします。 次に,道路の環境整備についてお聞きします。 通行可能な歩道を自転車で利用するとき,広い歩道は安心して走れますが,家の塀や電信棒がある歩道では,歩行者や自転車とのすれ違いに徐行するか,とまって待つか,また,車道に出なければ通れないところもあるのが現状です。 国は,自動車から自転車利用への転換と自転車事故の防止を目指し,自転車走行空間の整備が全国で実施されています。国土交通省が中心となって進めており,道路をさくなどで分離する自転車道,交通規制で自転車専用の車両通行帯を指定する自転車レーン,自転車が通行できる自転車用カラーゾーンの整備が進められています。これまでの整備状況は,自動車から分離された自転車の走行空間は約8万1,600キロで,このうち歩行者からも分離された走行空間は約2,900キロです。しかし,全国の道路延長約120万キロに対し,その割合はわずか0.2%にすぎず,道路空間の再配分がいかに難しいかがわかります。 そんな中,栃木県宇都宮市では,平成15年3月に自転車利用・活用基本計画を策定し,自転車ネットワーク構築のための自転車道の整備,安全対策などの事業が進められ,市内に4.6キロの自転車用カラーゾーンが道路の両側に設けられ,交通ルールでの左側通行により安全が図られ,どこよりも早い自転車専用道の整備を進め,自転車事故の件数も4割減ったとのことです。 道路整備の手法は,広い道路での自転車用カラーゾーン,ブルーで,左側走行の徹底で1方向に走ることで歩行者との距離も開き,歩行者や自転車同士の事故防止ができています。交差点近くでは,右折車線があることで道幅が狭くなるので,交差点手前で歩道に進入できる表示を設けて,車道から歩道への道案内ができており,事故防止につながっています。また,大きな道路から1本入った一般道では,道路の両側の幅員線を利用して,ここにもカラー舗装,グリーンで色分けして,左側通行の徹底がなされ,歩行者がいるときは歩行者の安全を優先しており,できる限り色分けすることで自転車利用者が左側通行を意識し,道路を利用する交通ルールの周知がしっかりできています。 本市においても,交通事故防止の観点から,歩道や道路の整備,標識や道路のラインなど,日常の道路維持管理に努めていただいておりますが,今後も自転車の利用は多くなってきており,死亡事故も発生している現状から,自転車用道路の整備についてお伺いします。 次に,商品軽自動車の軽自動車税の課税免除についてお伺いいたします。 古物営業法第3条1項の許可業者となる中古自動車販売業者による下取りまたは買い取られた中古の軽自動車のほとんどは,再度ユーザーに転売する間,道路運送車両法に基づいてナンバーを返上することなく,一時的に販売業者の名義としている場合が多く,特に車検が残っている場合などはナンバーをつけたまま商品車として展示,在庫しているのが実態であります。 中古車販売会社が在庫している普通乗用車については,年額の12分の3,すなわち3カ月分の税が減免されております。しかし,軽自動車については,毎年4月1日時点で在庫がある場合,年額すべてが販売会社に課税され,一切減免措置されていないのが現状と認識しております。 地方税法第6条の中に,「地方団体は,公益上その他の事由に因り課税を不適当とする場合においては,課税をしないことができる。」とあります。また,市町村諸税の解説における軽自動車税の課税免除の中では,構造的・機能的に道路運送車両法に定める軽自動車等の基準に該当するものであれば,地方税法上は軽自動車税の課税対象となるものであるが,しかし,新車,中古車にかかわらず,商品であって使用されていない軽自動車など,いまだ流通段階にあり,使用段階に至っていないものについては,地方税法第6条の規定に該当するものとして,条例で課税対象から除外することが適当であるとの解説がなされております。 また,総務省の見解によりますと,この課税免除に対する軽自動車税の性格として,財産税の性格と道路損傷の負担金的な性格もあわせ持った税であると考えられ,したがって,商品であって使用されていない軽自動車については,道路損傷負担金としての性格から考えると課税を免除することに合理性があると考えられるとの見解が出されています。 さらに,賦課期日である4月1日にナンバープレートを外していれば課税をされないということで,その前の月の3月に一斉に返納して,4月1日を過ぎてからまた登録をするということも現実に起きています。事実,県の軽自動車協会にナンバープレートの返納件数を尋ねたところ,例年,通常の月は900件から1,500件程度のものが,3月になるとその4倍から5倍の4,000件,4,500件の返納となっており,事務手続と実際の利益や経済の成長などには結びつかず,社会的コストを高めているだけの無駄な作業であり,ましてや余分な交通費もその分高くつくことになります。 以上のことから,市の商品軽自動車に対する課税免除についてお伺いして,壇上からの質問を終わります。
    ○議長(丹羽一正君) 総務部長 加藤達也君。 ◎総務部長(加藤達也君) それでは,自転車の交通マナーと周知についてお答えをいたします。 市では,自転車による交通事故を防止し,自転車利用者に対する交通ルールとマナーを徹底するために,各世代に応じた交通安全教室や啓発を行っております。高齢者の方に対しては,老人クラブ等の会合に合わせ交通安全教室を実施するなど,自転車の安全利用について啓発に努めております。また,小学生に対しては,交通ルールとマナーを学ぶ体験型の自転車教室を実施しており,今後は中学生,高校生に対しても,チラシによる啓発活動に加え,自転車シミュレーターを活用した自転車利用のマナーアップ講習会を実施していくこととしております。 春日井警察署においても,自転車の正しい乗り方のポスターを作成し,市内のすべての小中学校に掲示の依頼をするなど,自転車の安全利用を呼びかけるとともに,歩行者の妨げになるような悪質な運転をする利用者については検挙を行っていくと聞いております。 市といたしましては,今後も引き続きさまざまな機会をとらえて自転車の安全利用について啓発を行うとともに,特に自転車利用者の多い鉄道駅周辺などにおいて,ルールとマナーの徹底を図ってまいります。 ○議長(丹羽一正君) 建設部長 波多野 睦君。 ◎建設部長(波多野睦君) 道路の環境整備についてお答えします。 自転車総合対策通達があり,このところ新聞やテレビで自転車レーンを設置している自治体が紹介されております。その中で,限られた道路空間でありますので,自転車レーンの幅員,交差点での連続性,バス停付近などのさまざまな問題が指摘され,議論されております。 こうした中で,現在,国土交通省と警察庁において,専門的見地から審議を行うため,有識者からなる安全で快適な自転車利用環境の創出に向けた検討委員会が設けられ,11月28日に第1回の会議が開催されました。委員会では,自転車利用環境創出ガイドラインを来年の3月までに提案することとしており,ガイドラインの目次(案)には,「自転車が走行する代表的な道路空間の形態について,法令に基づき整理する。」との記述もされております。このため,これらの情報収集に努め,国・県や他市の動向を注視して対応してまいります。 ○議長(丹羽一正君) 財政部長 早川利久君。 ◎財政部長(早川利久君) それでは,軽自動車税の課税免除についてお答えさせていただきます。 軽自動車税は,地方税法と市税条例の規定に基づき,4月1日現在の所有者に対して年額で課税しています。 御質問の展示販売中の中古車に関しては,条例で,「商品であって使用しない軽自動車等に対しては,軽自動車税を課さない。」との規定を定め,ナンバープレートの交付を受けていない車両については課税しておりませんが,ナンバープレートの交付を受けている車両については展示販売中であっても道路を走行することが可能であるため課税しています。つまり,使用の可否が課税の判断基準だと考えており,御質問のナンバーつきの展示販売中の中古車について課税を免除することは考えておりませんので,よろしくお願いいたします。 ○議長(丹羽一正君) 14番 佐々木圭祐君。 ◆14番(佐々木圭祐君) どうも御答弁ありがとうございます。 なかなか難しい問題かとは思いますが,自転車に関しても今後ともよろしくお願いします。 また,私も実際に自転車に乗り,県道の車道を走ってみました。車道の左側走行では,日ごろは自動車を運転しているので,常にバックミラーやルームミラーで後方からの接近を見ているので,自転車の運転では後方からの動きが見えないので恐怖感を感じました。自転車の通行に関する交通ルールを,まずは市民に混乱を招くことのないよう周知していただき,各年代に応じた事故実態を踏まえた教育を,丁寧に説明,指導していただきたいと思います。 整備に関しても,国も自転車道など通行ゾーンの本格整備に乗り出していますので,自転車利用者のマナー向上,道路の安全利用,道路の環境整備を進めていく上で,安心・安全なまちづくりを目指して,今後も道路整備に取り組んでいただくことを強く御期待申し上げます。 中古自動車販売業界を取り巻く環境も大変厳しい状況の中にあり,商品であって使用されていない軽自動車に対する課税は利益へも影響を及ぼし,業界の健全な発展を妨げる結果にもなりかねません。こうしたことから,業界団体の中から,軽自動車税についても減免を求める声が以前から上がっております。 一宮市では,販売業者の方が販売目的で所有し展示している中古車の軽自動車等の軽自動車税について,課税免除制度を平成19年4月1日より設けています。それぞれの課税免除の内容は,1,課税免除の対象となる軽自動車等の6つの要件,2,課税免除の対象とならない軽自動車等の4つの要件,3,課税免除の対象となる年度,取得してその商品中古軽自動車等が初めて課税される年度分,4,課税免除の申請方法に対する4つの要件がホームページから見ることができます。 国は,軽自動車への課税免除について,平成12年に地方分権推進の観点から,中古車商品の軽自動車税の課税免除については市町村の判断に任せることにしました。それまでは国のほうで,商品として展示してある自動車については課税しないことができるという見解を示しております。新車,中古車,商品であって使用されていない軽自動車等いまだに流通段階にあり,使用段階に至っていないものについては課税対象から除外することが適当であると思います。ぜひ,他市等の状況も調査し,早期の検討を強く御期待して,質問を終わります。 ○議長(丹羽一正君) この際,暫時休憩いたします。                    午後2時46分 休憩   -----------------------------                    午後3時 再開 ○議長(丹羽一正君) 休憩を閉じ,休憩前に引き続き会議を開きます。 順次発言を許します。25番 後藤正夫君。     〔25番 後藤正夫君 登壇〕(拍手) ◆25番(後藤正夫君) 議長のお許しをいただきましたので,さきに通告してあります2件の項目に対し順次質問いたします。 初めに,PFIの活用について質問いたします。 いわゆるPFI推進法は,平成11年7月に施行されました。私は,その年の12月議会において,PFIの導入について当局の御所見をお尋ねいたしております。その間,議会で数回にわたり議論されているところであります。 PFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)とは,民間の活力を公共施設の整備,管理等に生かし,低コストで質の高い行政サービスを可能にするための手法であります。 さて,高度経済成長期に集中投資した学校や公民館などの公共施設,道路や橋梁,河川,上下水道などの社会インフラは,整備から40年以上が経過しており,大量の社会インフラが更新時期を迎えております。本市も例外でなく,少子化,高齢社会の到来を背景に,施設の維持更新など見直しを迫られるときを迎えました。 社会資本の老朽化問題については,さまざま指摘されていましたが,とりわけ東日本大震災を受けて,国民の安全・安心を確保する観点から,より一層注目されるようになりました。現実に,3月11日の大地震で東京・千代田区にある九段会館のホール天井が一部崩落し,死傷者が出る大事故となりました。また,茨城県の北浦にかかる鹿行大橋の一部が崩落した事故でも死傷者が出ています。その他,市役所など多くの公共施設,社会インフラで被害が発生いたしました。これらは,いずれも地震による被害とされていますが,その主な原因は老朽化によるものと指摘されています。 社会資本ストックの老朽化については,大震災前から問題視されており,その維持更新の必要性についても指摘されてきました。しかし,それらの維持更新には多額の費用が必要になることは必至であり,各自治体の財政状況を踏まえれば,相当な財政負担になります。 今日,公共事業に対する厳しい見方がある中,公共事業そのものが減少傾向にあります。そのような社会情勢の中,社会資本整備に係る財政負担に対する市民の理解を得ることは,なかなか容易ではありません。しかしながら,社会資本に関する安全性の確保は,市民生活の安全を守る観点から,行政の責任として着実に推進しなければなりません。そこで,各自治体が有する社会資本ストックの計画的な維持更新を推進していくための手法の一つとして,民間の資金やノウハウを活用するPFIが重要視されています。 昨年2010年6月18日に閣議決定された政府の新成長戦略で,「社会資本ストックが今後急速に老朽化することを踏まえ,維持修繕,更新投資等の戦略的な維持管理を進め,国民の安全・安心の確保の観点からリスク管理を徹底することが必要」,また「厳しい財政事情の中で維持管理のみならず新設も効果的・効率的に進めるため,PFI,PPPの積極的な活用を図る」と記載されるなど,政府としてもPFIの活用を柱として位置づけております。 本年2011年5月,国会では,民間資金等の活用による公共施設の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律(改正PFI法)が成立,6月に公布されました。改正PFI法のポイントは,1つ目としてPFIの対象施設の拡大,2つ目として民間事業者による提案制度の導入,3つ目に公共施設等運営権制度の導入,4つ目に民間事業者への公務員の派遣についての配慮,5番目に民間資金等活用事業推進会議の創設などであります。特に,3番目の公共施設等運営権制度は,今回の改正により導入される制度で,いわゆるコンセッション方式と呼ばれ,新たな手法であります。 このコンセッション方式(公共施設等運営権制度)とは,国や自治体などの公共主体が所有権を保持しながら,施設やインフラなどの運営権を民間の事業者に付与し,収益性の高い事業を実施してもらうことです。民間事業者は,自由度の高い事業運営が可能になり,経営努力次第で施設利用者からの料金収入などで収益を上げることが可能となり,資金調達の円滑化につながるメリットも考えられます。 一方,公共主体にとっては,民間事業者が整備資金を調達するため,財政支出を伴わずにインフラ整備を進め,運営権の売却益によって既存の債務を減らすことが可能となるなどのメリットがあります。 本市は,PFIについて,契約に当たってはPFI事業者とのリスク分担のあり方,技術的能力,企画力等を勘案する必要があり,総合評価落札方式の活用を図らねばならない。また,維持管理,運営費まで含めると,数十年間にわたる債務負担行為の対応が必要となる。当面は,PFIになじむ大規模施設の建設は予定がないと,平成16年12月議会においての御見解を示されておられます。 そこで,PFI法が施行され12年が経過し,全国的にもPFI事業を活用した実施事例が出てきております。今般,改正PFI法は11月に施行となりました。そこで,改めて本市のPFI法についての御見解をお尋ねをいたします。 次に,2点目の質問項目,学校施設の環境改善について質問をいたします。 その質問の1つ目といたしまして,先ほども申し述べましたPFIについての件でございますが,そのPFIを具体的に活用する事業の一つとして,PFI手法による学校普通教室の空調機器整備についてであります。 ことしの夏は記録的な猛暑が続く中,節電対策が必要とされたこともあり,熱中症に対する対応もあわせて求められました。猛暑の構造要因の一つであるヒートアイランド現象や地球温暖化によって,年々平均気温が上昇しています。とりわけ,子どもたちの学習の場,生活の場である普通教室の安全で快適な教育環境の実現が求められます。 しかし,小中学校の普通教室に空調機器を設置するとなると,相当な費用を要することになります。また,設置時期によって,教育環境における学校間格差が生ずることになります。こうした課題の改善,克服に向け,京都市や川崎市では民間活力を活用するPFI法を用いて,公立小中学校の普通教室に空調機器を整備しております。 民間の技術的能力を最大限に活用するPFI手法の活用は,空調機器を早期に同時期に整備でき,事業経費の削減,財政負担の平準化を図ることが可能になり,効果的な手法であると考えます。 学校施設は,子どもたちの学習,生活の場であり,地域住民にとっても,災害時には避難所としての防災機能の役割を担う安全・安心の拠点であります。そこで,PFI手法を活用した学校普通教室の空調機器整備についての御見解をお尋ねいたします。 次に,質問の2つ目といたしまして,学校トイレの環境,機能改善についてであります。 平成11年,私は議員として初当選をした年でありますが,当時の公明党市議団で学校現場に赴き,トイレの状況を調査いたしました。そのとき,「臭い,汚い,暗いの3Kだな」と思わず発した先輩議員の声が忘れられません。学校トイレの改善,改修が課題として取り上げられるようになって20年余り,年々,便器の洋式化,においの防止対策が進んでまいりました。 本市は,厳しい財政状況の中,計画的にトイレの改修を図り,小中学校のトイレ便器洋式化に取り組む事業を実施されており,大変評価をするところであります。 さて,文部科学省はこのたび,「トイレ発!明るく元気な学校づくり!!--学校トイレ改善の取組事例集--」を発行いたしました。今日,一般家庭や商業施設,駅,公共施設においては,快適なトイレ環境となりました。一方,学校トイレの現状は,トイレ環境の改善に努めていただいているものの,まだまだ厳しい実態であります。本事例集は,単にトイレは排せつの場としてとらえるのではなく,学校施設全般の環境向上,機能改善を促すことを目的としております。また,トイレを快適な状態に保つための維持管理が特に重要であると指摘されています。 さらに,今後の課題といたしましては,お体にハンディを持つ方に対する多機能トイレの設置,災害時における避難所のトイレとしての機能確保が重要になってまいります。 そこで,本市の学校トイレの環境改善の取り組み状況と機能改善,環境向上についての御見解をお尋ねをいたします。以上,壇上での質問といたします。 ○議長(丹羽一正君) 企画政策部長 刑部健治君。 ◎企画政策部長(刑部健治君) それでは,1点目のPFIの活用につきましてお答えいたします。 PFIにつきましては,公共施設の建設や運営等に民間の資金や能力を活用し,低コストで質の高い公共サービスを提供する事業手法の一つと認識しております。 全国における導入事例といたしましては,平成22年末の時点で供用開始済みの事例は,国と地方を合わせて272件で,年々増加しつつありますが,導入実績のある自治体の数は全自治体の約1割程度の状況でございます。 こうした中で,本年6月にPFI法が改正され,質問議員の御発言にありましたように,民間事業者からの提案制度やコンセッション方式と呼ばれる公共施設等運営権が新たに導入されております。その運用につきましては現在,国においてガイドラインの策定が進められておりますので,その動向を注視してまいります。 公共サービスの提供に当たりましては,行財政運営の効率化と市民サービス向上の観点から,改正PFI法の趣旨を十分踏まえた上で,事業ごとにPFIを含めたさまざまな手法を検討し,当該事業に最も適した手法を選択することが適当と考えております。 ○議長(丹羽一正君) 教育部長 宮地 宏君。 ◎教育部長(宮地宏君) それでは,学校施設の環境改善についてお答えいたします。 小中学校におきましては,児童生徒の学校生活の環境改善を目的として,特別教室に空調機の設置を行ってきております。また,小学校には平成17年度,中学校は平成18年度までにすべての普通教室に壁かけ式の扇風機を4基設置しましたが,国の学校環境衛生基準を満たすには空調機は必要であろうと,このように考えております。しかしながら,現在,校舎等の耐震補強工事を最優先に行っていることから,膨大な費用が見込まれる全小中学校の普通教室への空調機の設置は難しいと認識をしております。 今後,空調機の設置については,事業経費の削減及び単年度支出の抑制等の効果が期待されるPFIを含めたさまざまな手法を検討してまいりたいと考えております。 次に,学校トイレの環境改善の取り組みといたしまして,平成13年度から5年間でトイレ美化事業を行い,トイレに愛着が持てるよう,子どもたちからの意見に基づき,内装タイルのデザインを採用するなどの改修を行いました。さらに,平成21年度には,臭い,汚いといった問題を解消するために,小中学校のすべての便器に光触媒の塗布を行いました。また,トイレの機能改善の取り組みとして,特別支援学級のトイレ便器の洋式化を平成22年度から実施しており,今年度は小中学校のトイレの洋式化を積極的に進め,現在,洋式化率は昨年度と比べ,小学校では36%から44%に,中学校では28%から42%にそれぞれ向上しました。 こうした取り組みを行ってきているところでありますが,国の学校トイレ改善の取組事例集につきましても,今後,学校トイレの改善を進める上で参考にしてまいりたいと考えております。 ○議長(丹羽一正君) 25番 後藤正夫君。 ◆25番(後藤正夫君) ありがとうございました。 今回,PFI法について質問した動機づけというのは,改正PFI法が施行したということが1つでございますし,また,過去において,議会においてのPFIについての議論というのは余り活発じゃなかったということもありますし,伊藤市政になって初めてこうしたPFIの御見解をお尋ねをしたいという,そういう思いからお尋ねをいたしました。 今,政策部長の御答弁で理解をいたしました。総論的というか,一般論といいましょうか,基本的な考え方の中で一つの御答弁をいただいたわけでございますし,正直,春日井市にマッチングするそういった事業がすぐあるかというと,なかなかないと思いますし,ただ,これからのトレンドとしてはそういう方向に行くのかなという気はいたしますし,国のガイドラインも今策定をしていく中で動向を注視していくという御答弁をいただきましたので,理解をいたしました。 いわゆる今,流れとしてPPPという関係の中で,指定管理者制度とかアウトソーシングとか,こうしたPFIという考え方,それはPPPの中の一つじゃないかなというふうに思っております。より官と民が連携をしていく,協働していくという,そういう流れの中の一つの選択肢,手法じゃないかなというふうに思いますので,今後,より検討していただきまして,事業のマッチングをしたときには,ぜひともまた取り入れていただきたいなと,こんな思いでございますので,よろしくお願いいたします。 それでは,2点目の教育部の関係でございます。いわゆるPFIの基本的な市の答弁の中で,当然教育部もそこの整合性の中で事業が進んでいくわけでございますし,今,本市も耐震化というものを優先課題として取り組んでいただいているというふうに思います。 ただ,どうしても年々,学校の教室というのは暑うございますし,ようやくこうして寒さが来ますと,ああ寒いなということを感じますけれども,本当は暑いさなかでこういう質問すると実感がよくわかるかもしれませんけれども,また来年もさらにもっと暑くなるのかというそんな,年々暑くなってくる,そうなると,やはり少しでも環境のいい,そういった対応では空調機の設置は必要じゃないかなという思いはいたしますし,さりとて,当然ここにかかる経費というのは莫大なものでございます。そういうことで,一つの財政的に平準化できるという手法もあるし,また,学校間の格差の公平性という,そういう観点からも,また事実,京都や川崎市でも既に行われているという中で,具体的に提言させていただきました。今後,いろんな形で財政ということが非常に大きくかかわってくるわけでございますけれども,より前向きに御検討いただきたいなというふうに思います。 それと,2つ目の学校トイレの関係でございますけれども,こちらも計画的に進めていただいておりますし,年々改善も進んでいるわけでございます。そうした中で,今般の東日本大震災において,より注目されるという公共施設,学校施設,そういう中で,いわゆる防災機能の強化ということがあります。 先ほど来,さまざまな形で防災についての学校の問題等々,指摘,議論があったわけでございますけれども,学校トイレもそうですし,また,そういった避難所に当たりまして,高齢者の方も当然何かあったら使われるという,お体の御不自由な方もいらっしゃる。そういう意味におきまして,防災機能の観点からの一つの学校施設,具体的にはトイレの改修,この点についての再度の御見解をお尋ねをしたいというふうに思います。よろしくお願いします。 ○議長(丹羽一正君) 教育部長 宮地 宏君。 ◎教育部長(宮地宏君) それでは,御質問に対してちょっと前後いたしますが,まず,お体にハンディを持たれる方への対応といたしましては,便器の洋式化にあわせ洗浄便座の設置,トイレブースの拡張や手すりなどの設置など,特別支援学級のトイレ便器洋式化事業を行っており,これを次年度以降も引き続き実施をしてまいります。 また,災害時における避難所のトイレの機能につきましても,関係各課と連携をいたしまして取り組みを進めてまいりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(丹羽一正君) 25番 後藤正夫君。 ◆25番(後藤正夫君) 御答弁ありがとうございました。 御案内のように,今回の国のほうの3次補正で,学校施設耐震化,防災機能の強化ということで1,630億円ぐらい予算措置をされております。これが本市においても来年度当初予算,また,補正予算に組み込まれていくのかなという思いもいたしますけれども,耐震化ということが優先ですし,さらには空調機のそういった環境整備もいろいろ御検討いただきたいなというふうに思います。どちらにしても,より民間の活力を生かすということが大事でございますので,PPPという,うるさくPPPといっても,そう簡単にはぴっぴっぴとはいきませんので,よりその辺の整合性を図りながら前向きな御検討をお願い申し上げまして,質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(丹羽一正君) 5番 長谷川達也君。     〔5番 長谷川達也君登壇〕(拍手) ◆5番(長谷川達也君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従いまして,これまでの質問内容と多少重なる部分もあろうかと存じますが,今回の台風15号水害を受けて,私は河川の増水,はんらんを抑える取り組みにつきまして質問をさせていただきます。 今回の水害は,市内の熊野地区や勝川地区におきまして,家屋や事業所が多数浸水被害に遭い,中でも勝川地区の床上浸水は,春日井市で発生いたしました床上浸水のうち約半数を占めております。勝川地区では,とりわけ御幸町地内で,新聞報道にありましたとおり八田川が越水し,また,その影響で堤防の裏のり面が崩れ,所によっては1.5メートルの浸水深が記録されております。その現場では,今後,復旧工事が行われるとはいうものの,いまだに堤防が応急処置状態にされており,被害の深刻さを物語っております。 また,同地区の勝川町や長塚町の一部では,東海豪雨以降,三度目の床上浸水に遭われた方も見える。そのやる方ない思いは幾ばくか,はかり知れないものがございます。 私は,地元の町内会が被災したことにより,東海豪雨時は自治消防団員として,平成20年8月末の豪雨時には区長として,そして今回,台風15号水害では市会議員として,それぞれの立場で対応をさせていただきました。しかし,現実は,床上浸水に遭っているお宅を訪問し,安全な場所へ被災者を誘導することや土のうを積むことのみで,結果としては浸水深が高くなれば床下や床上浸水が発生してしまい,浸水軽減への対応については何もできないというもどかしさがございました。すなわち,調整池の整備とともに,河川の増水,はんらんを抑えるという抜本的な対策が求められるのであります。 この勝川地区は,南端が庄内川を隔てて名古屋市守山区と接し,西端が八田川を隔て名古屋市北区,そして地区内を地蔵川が流れるという地形となっており,あるところでは,その3つの河川に囲まれる状態で生活や事業活動をされている方もお見えでございます。 そこは,かつて,大雨となれば地蔵池という大きな池が発生をし,庄内川の水位によっては数日間,水が引かなかったと言い伝えられておる地域であります。今回,八田川のはんらんは,八田川が流入する先の庄内川の水位が上がったことにより水が庄内川へ流れず,むしろ逆流していたという点も指摘をされ,増水しはんらんした主な原因とされております。 しかしながら,八田川についても,問題は残されていると考えられます。八田川は,東海豪雨以降,河道の掘削やかさ上げなどの改修事業が行われてきましたが,今回,越水した御幸町の現場を見ますと,左右両岸の堤防で高低差が生じており,春日井市側,すなわち御幸町側が対岸の名古屋市側に比べて低くなっているのが目で見てわかります。しかも,御幸町と名古屋市北区の味鋺地区にかかる御幸橋については高さが十分でなく,かつ橋脚が存在していることもあって,流れの妨げになっていることは明らかであります。 また,愛知県河川整備計画流域委員会の庄内川上流圏域流域委員会の資料によりますと,八田川の河口である庄内川へ流入する地点より上流へ向かって約400メートルから約2キロメートルにかけて,計画堤防高より最大で1.5メートル不足しております。すなわち,今回の越水した箇所に当たるわけであります。実際に私も災害時に現場で目撃をしておりますが,御幸橋の側面に流れ当たった水がはね返りながら堤防の外にあふれ,御幸町地内へ流れ込んでおり,浸水箇所から人や車両が必死に脱出を試みる光景を,今でも鮮明に覚えております。 こうしたことからも,庄内川の水位の問題が根底にあるとはいえ,八田川としてもまだまだ改修すべき点は残されております。改修が計画どおり行われていたとしても越水という結果を招いたかもしれませんが,少なくとも一定時間越水時期をおくらせることができたのではないかと思われます。 愛知県は,今回の水害を受けて,八田川堤防の復旧作業を来年の3月までに完了する見通しを立てていると聞いておりますが,住民の願いは復旧だけにとどまらず,その後に御幸橋のかけかえを含め,どのように河川の改修をしていくかということに尽きるのではないでしょうか。 また,今回の水害は,八田川だけではなく,地蔵川流域の勝川地区内でも,先ほど申し上げましたとおり,勝川町や長塚町などで床上浸水が多数発生いたしております。一部地域では,ことしの夏に移動式の簡易排水ポンプを設置していただき,排水訓練を当局と地域住民とで協働で行ったことで,9月20日の豪雨時には実際に訓練を行った住民が中心となりポンプを稼働させ,浸水被害を軽減することに一定の効果を上げることができました。また,この地区では,来年度は勝川公園に地蔵川沿川の浸水軽減を目的とした雨水貯留施設が整備予定とされており,平成25年の雨季までには整備をされると期待をされております。 しかし,それでも根本的な問題の解決には,さきの6月議会の質問でも取り上げられましたように,豪雨時に地蔵川の水を庄内川へ放流するための排水施設の早期整備が必要であろうかと存じます。この施設は,愛知県の新川圏域河川整備計画,また,新川流域水害対策計画にも位置が記されております。また,国土交通省の庄内川水系河川整備計画においても,地蔵川流域の内水発生を抑えるために,必要な場合は勝川町から長塚町にかけて内水対策を実施すると記載されております。すなわち,この施設ができれば,地蔵川が新地蔵川へと流入する箇所で八田川の下を立体交流するという特性により,流量が決まってしまっているという状況から,地蔵川の水量を抑制できる改善策となるわけであります。 本市においては,これまでも八田川,地蔵川について,国や県に対し要望活動をされていると承知いたしております。東海豪雨以降も河川の改修が施されてきてはいるものの,結果として地域によっては東海豪雨以上の浸水被害に遭われております。地域の方々は,こうした豪雨が毎年のように起こるのではないかという不安にさいなまれながら,雨季を過ごす精神的な苦痛から一刻も早く開放されることを願ってやみません。 そこでお伺いいたします。今回の勝川地区に甚大な被害をもたらした原因をどのように分析をされているのか,そして今後の河川のはんらんを抑制する取り組みとしてどのような対応をされていくのか,市独自の対策,また,国・県への要望活動についてお聞かせいただきたいと思います。以上,壇上からの質問とさせていただきます。 ○議長(丹羽一正君) 建設部長 波多野 睦君。 ◎建設部長(波多野睦君) 平成12年9月の東海豪雨以降,当時管理者でありました国において,緊急改修事業として八田川の河口から美濃橋までの護岸整備及び河床掘削などが実施されました。また,県においても,地蔵川の乙輪町付近までの堤防のかさ上げや,上流部の林島町で放水路整備工事が実施されました。 本市では,御質問の中にもありました県や国の河川整備計画に明記されております地蔵川の河川排水施設整備が早期に実施されるよう市はもとより,関係市町で構成する庄内川整備促進期成同盟会や尾張北東部治水対策協議会を通じて,国及び県に要望をしております。 今回の台風15号では,市域全体で堤防の被災や内水による浸水被害が発生しました。今回の勝川地区の浸水被害の主な原因につきましては,岐阜県東濃地方でも記録的な大雨となったため,庄内川が東海豪雨を上回る水位となり,その影響を受けて八田川の下流部で越水したものと推察しております。 こうした状況を踏まえ,本市では国に対して,庄内川の治水安全度が向上するよう河道掘削など水位を下げる対策を早期に実施するよう強く働きかけてまいりました。その結果,現在,庄内川の河道掘削などの工事が発注されようとしております。また,県へも,被災した河川の復旧及び八田川の堤防のかさ上げなどの河川改修を早期に実施するよう働きかけてまいりました。 現在,県においても,被災した河川の復旧工事の準備を進めるとともに,その被災状況を検証し,八田川などの改修を盛り込んだ庄内川上流圏域整備計画を策定中でございます。 今後も,浸水被害の軽減のため,市においては地蔵川流域の調整池整備を行うとともに,国や県に対しまして,河川整備計画に盛り込まれた河川の改修が早期に実施されるよう機会あるごとに強く要望を行ってまいりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(丹羽一正君) 5番 長谷川達也君。 ◆5番(長谷川達也君) ただいま御答弁をいただきました。 今回の台風15号豪雨による被害は,庄内川沿いでは名古屋市守山区の志段味地区ではんらんしたことによる被害が甚大でありました。志段味地区においては,堤防のかさ上げが行われる目前でのはんらんとも聞いております。庄内川河川事務所によりますと,国と名古屋市は,名古屋市守山区下志段味地区の庄内川左岸31.6キロ付近において施工中の堤防を約2メートル高くする工事を全体約700メートルにわたって行い,支川である名古屋市管理の長戸川の堤防整備などに係る関係機関との調整を早急に進め,平成24年の出水期までの完成を目指して実施するとされております。 この事業が完成されるとなれば,名古屋市民とすれば当然歓迎すべきものであり,事業対象区間についてははんらんに対する適応力は格段に向上するものと考えられます。ただし,流域のほかの地域の住民にとっては,決して安心できるものではありません。例えば,東海豪雨時に八田川がはんらんをし,流域で甚大な被害に遭った地域がございましたが,以来,堤防のかさ上げや河道の掘削により改修整備が行われた区域は,今回の台風15号による八田川からのはんらんによる被害は軽減されております。 しかし,一方で,改修整備されていない,すなわち1回目の質問でも指摘をいたしました計画堤防高に満たない区域においては,越水やはんらんにより東海豪雨以上の被災状況となっているわけでございます。つまり,庄内川の名古屋市側で,このたび整備されている志段味地区のかさ上げ工事以外の区域は,対岸の市内の大留・神領・熊野地区の住民の方などは,庄内川の越水に対する不安は解消されるものではないと言えます。つまり,春日井市側において,今回の台風15号ではんらんした守山区志段味地区と同様に被災することも可能性は否定ができません。 本市で作成されているハザードマップの庄内川浸水想定区域図に示されている2メートルから5メートルにわたる浸水被害が,内津川放水路付近から御幸町付近にかけての地蔵川沿川地域に襲いかかるのではないかという不安が現実のものとなる可能性があります。 そこで,ただいま御答弁いただきました庄内川における河道掘削などの計画につきまして,増水・はんらんを軽減するためのより具体的な工事など,詳細がわかればお示しいただきたいと思います。 また,八田川につきましては,今回の越水による被災の原因について今,御指摘をいただきました。本市では,御答弁にもありましたように,雨水流出抑制対策として地下貯留施設を整備することで内水はんらんに対する軽減策を地蔵川沿川事業として実施されておられます。当然のことながら,八田川についても,今回の台風15号の豪雨災害を受けて,そうした取り組みが期待されるところでございます。 さらに,先ほど指摘した愛知県が担うべき堤防の計画高の不足部分のかさ上げと同時進行に整備されていくことになれば,さらなる増水・はんらんの有効策となり得るはずです。こうした八田川流域の内水はんらんの抑制のための雨水流出対策である貯留施設整備の必要性についての御見解,また,今回の豪雨災害を受けての復旧とその後の河川改修など,より具体的なスケジュールがわかればお示しいただきたいと思います。 また,地蔵川の増水対策といたしまして,ただいまの御答弁の中で御要望いただいている排水施設でありますが,排水ポンプ場であれば当然ある程度の土地が必要となってまいります。先述の各種計画書に記されているこの排水施設の位置は,明らかに地蔵川と庄内川に挟まれた長塚町や勝川町地内が想定されていると考えられます。客観的に見れば,長塚町の旧長塚グラウンドが最適ではないかと考えられます。この土地は当時,当地区の区画整理の減歩により生み出された学校用地でございましたが,少子高齢化による時代の流れにより実現を見ませんでした。昨年まで数十年にわたり,主にソフトボール用のグラウンドとして親しまれ,災害時には地域住民や事業所の方が車両を避難させる場所としても活用されてまいりました。ただ,現在は土地開発公社から売りに出されておりまして,排水施設としての利用は考えられなくなっております。 また,もう1カ所,19号線を隔てて西側に地蔵ケ池グラウンドがございます。ただ,この地蔵ケ池グラウンドについては,大型の雨水調整池のみの活用であれば地域も望むところであると思われますが,ただ,排水施設場の整備ともなりますと,規模にもよりますが,グラウンドの利用が一定の制限を受けることとなります。すなわち,長塚グラウンドに加え,地蔵ケ池グラウンドまで利用できないとなれば,到底地元の理解を得ることは容易ではありません。もちろん,この事業については愛知県と国が主導すべきものではありますが,さきの6月議会では排水施設の整備方針について検討を始め,県が国と調整を始めていると聞いているとの御答弁がございました。今回の水害を受けて,1年でも早い完成を実現していこうとするならば,本市からの要望の中で具体的に排水施設の場所について素案を持ち出すことも必要ではなかろうかと考えております。本市として,排水施設の場所について現段階でのお考えと,施設整備について県と国のさらなる動きがあれば教えていただきたいと思います。以上,2回目の質問とさせていただきます。 ○議長(丹羽一正君) 建設部長 波多野 睦君。 ◎建設部長(波多野睦君) 順番が前後しますが,まず初めに,庄内川の工事でございますが,八田川合流付近及び上条グラウンド付近において河道掘削及び伐木,除根を平成24年5月末までに完了する予定と聞いております。 次に,八田川流域の貯留施設につきましては,さきに上下水道部からもお答えしましたが,雨水調整池整備が計画されております。 八田川の復旧につきましては,県より本年度中に完了する予定と聞いております。また,改修につきましても,県が国と庄内川との整合性を図りながら,早期実施に向けて調整中と聞いております。 続きまして,地蔵川下流の河川排水施設につきましても,県において国と協議を継続しているとのことですので,本市としてはそれを受け,県と協議を行いたいと考えております。 それから,地蔵川流域の雨水調整池につきましては,昨年度に篠田公園に設置したのに続き,今年度は弥生地区で工事を,勝川公園で実施設計を行っております。今後も,地蔵川流域において雨水調整池を整備してまいります。 ○議長(丹羽一正君) 5番 長谷川達也君。 ◆5番(長谷川達也君) ただいま御答弁をいただきました。 先ほど来申し上げておりますとおり,くどいようでございますが,勝川地区は東海豪雨以降3回目,また,東海豪雨以上の浸水深による床上浸水に遭われている方がお見えでございます。八田川や地蔵川の上流域の世帯や事業所の方々からは,これだけ勝川地区で甚大な浸水被害が発生すれば,河川のはんらんが次第に上流へ襲ってくるのではないか,そんなような不安の声も寄せられております。つまり,この勝川地区の河川の増水・はんらんを抑制する取り組みは,流域全体の課題とも言えます。 今回の台風15号の災害対策では,避難勧告などの緊急情報の伝達,避難場所や避難所の運営,また,園児や児童の安全確保など,課題が発生いたしましたが,これらすべてが解決されたとしても,また再び同じような豪雨が発生すれば,家屋や事業所などが浸水被害をこうむってしまう可能性は十分にあるわけです。つまり,河川の増水やはんらんを防ぐことこそが,すなわち内水はんらんも軽減でき,結果として被害を食いとめることにもなります。 もちろん,庄内川,八田川,地蔵川の管理は,それぞれ国と県になりますので,春日井市がリーダーシップをとれるものではないでしょうが,また,莫大な費用がかさむことも重々承知をいたしております。しかしながら,市民の生命と財産を守ることは行政が取り組むべき第一の施策で,そして責務であるはずです。 今回被災された方の中には,あの3・11東日本大震災での犠牲者や家族や友人を失った方のことを思えば頑張らなくてはと,いまだに夏の豪雨によりまして被災し改修できていない家屋の前で,気丈に振る舞われておられる方もお見えでございます。ぜひ,こうした方々の心情をおもんぱかり,春日井市が内水はんらんを軽減するために,河川の増水・はんらん対策について国や県に対しさらに働きかけを強化していただきますとともに,先ほど来,質問の内容にもございました,本市といたしましてもより強固に浸水対策を推進していただきますことを強く求めさせていただきまして,質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(丹羽一正君) 16番 安達佳代君。     〔16番 安達佳代君 登壇〕(拍手) ◆16番(安達佳代君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い,2項目について順次質問させていただきます。 まず初めに,発達障がい児及びグレーゾーンの子どもたちへの適切な支援についてであります。 発達障がいは,先天的なさまざまな要因によって,主に乳児期から幼児期にかけてその特性があらわれ始める発達遅延であり,発達障害者支援法では「自閉症,アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害,学習障害,注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義されています。 発達障がいを抱えているお子さんについては,早くから発達段階に応じた適切な支援を生涯にわたり行っていくことが重要であり,早期発見・早期支援に加え継続支援が重要と考えます。早期からの支援は,自立や集団生活,その後における社会参加へとスムーズにつなげる基盤となることと思います。子どもたちの毎日の生活を中心として,専門機関が子どもの健康な生活とともに家族を支えていくことが最も有効であると考えます。 現在,春日井市では,こうした早期からの支援体制が母子保健や保育所等を軸に,在宅子育て支援も含めて進められていますが,今後の支援体制を進めるに当たっては,実態把握が大変重要かと思います。 そこでお伺いいたします。母子保健,乳幼児健康診査,健康相談,発達相談,障がい児保育等,成長発達の基盤であります,おおむねゼロ歳から6歳までの乳幼児期の適切な支援を進める中で,発達障がい児及びグレーゾーンの子どもたちの実態をどのように把握しているのか,お尋ねいたします。 特に,今日,健常児と障がい児の狭間に位置するグレーゾーンと呼ばれている子どもが急増しております。グレーゾーンの子どもたちは,障がい児として認定されないうちは支援から外れることが多々起きてしまいます。健全な発育・発達を願い,新たな支援を供給するに当たっては,実態把握が不可欠であります。ぜひ,実態をつかんでいただきたいと思いますので,第1点目といたしまして,その点についてお聞かせください。 次に,幼児期,学童期への連続した支援体制についてお伺いいたします。 発達障がいの早期からの支援は非常に重要であると思います。また,発達障がいの可能性のある子どもも含めての支援体制が必要かと思います。乳幼児期は発達障がいがあるのではと気づいていても,幼稚園や保育所において適切に判断することは難しく,子どもたちへの支援内容や支援体制を十分に整備することが難しい状況にあるかと思います。母子保健から始まり障がい福祉,医療・療育機関,教育委員会等の関係機関がそれぞれ支援施策を施していることは評価するものでありますが,現実はネットワークが希薄になっている部分があるのではと思います。 学校教育においては,すべての学校において個々の教育的ニーズに応じた特別支援教育を受けることができる体制がとられていると思います。幼児期から学童期へ,発達段階に応じた一貫性のある支援を望むものであります。 特に,このたびこの時点でしっかりと問題提起をしたいと思いますことは,先般,本会議閉会中の厚生委員会において,第2次春日井市障がい者総合福祉計画(中間案)が示されました。その中で,施策の推進として保育・教育のところにて,新たな施策であります児童発達支援センター等が挙げられておりました。中間案ですので,これから十分な検討が進められることと思いますが,児童福祉法に位置づけられた児童発達支援として,国・県・市の循環性のある新たなるシステムを視野に大いに検証されるべきです。 今後の連続した支援体制を維持していくためには,児童発達支援センターの果たす役割は非常に重要な機能と考えます。支援の一貫性を確保し,適切で効率的な支援へとつなげられるような体制を組んでいただきたいと思います。 そこで2つ目の質問といたしまして,今後,議論が進む児童発達支援センターを視野に入れた幼児期・学童期への連続した支援体制についてお聞かせください。 3つ目の質問といたしまして,障がい児保育審査委員会についてお伺いいたします。 障がい児保育審査委員会は,春日井市家庭相談員,民生委員,児童相談センター長,医師会関係者,保育・教育関係者,愛知県コロニー,育成会の方々が委員として出席され,大変重厚な会議と認識いたしております。障がい児入所等の審査が主な審議内容とは伺いますが,事務的に審議されているだけでは決してないと思います。これだけ多くの関係者が一堂に会しているのです。保育園の審査対象児に限らず,グレーゾーンの子どもたちも含めての意見をいただいたり,それぞれの分野での問題提供もあるのではないでしょうか。 保育園入所対象の子どもたちだけではなく,さまざまな子どもたちへの対応に生かしていただきたく,貴重な審査委員会での発言,意見交換をどのように生かし機能させているのでしょうか。個別審査を終えた後の園長職も含めたそれぞれの分野での実践力のある専門家の意見交換,問題提起は,今後の方向性と継続支援に対しても非常に重要な点でございます。その点についてお聞かせいただければと思います。 4つ目の質問といたしまして,保護者に対する支援と場の提供についてお尋ねいたします。 発達障がい及びグレーゾーンの保護者から,発達障がいがあるのか,ないのか,非常に微妙であるだけに,支援や療育環境を求めようとしても,なかなかかなえられない現実があるということをたびたび耳にします。先日も,市外の方ではありますが,2歳半のお子さんを持つ父親のブログに,グレーゾーンの場合,公的な支援はほとんど対象にならない。発達検査も再度受けたが,保育所入所基準でも障がい者枠にはぎりぎり当たらず,療育機関でも受け入れてもらえる要件は満たせなかったと,嘆きの言葉が書かれていました。 周囲からも,しつけが悪いなど間違った指摘をされ,育児に不安感を持ち,日常的な疲れが生じたり,時折,ほかの子どもとのかかわりを避け,孤立化してしまう傾向があることも聞きます。発達障がいを見守り,保護するだけではなく,具体的な対応のコツを知らせることも必要ではないでしょうか。望ましい支援と場の提供について,今後どのようにしていくのか,お聞かせください。 次に,教科書の選定についてお伺いいたします。 平成18年に教育基本法が大きく改正され,教育目標がしっかりと明示されました。中でも心に残りますことは,前文にあります「公共の精神を尊び,豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに,伝統を継承し,新しい文化の創造を目指す教育を推進する。」という部分であります。 日本の歴史の大きな流れを理解し,伝統と文化をはぐくみ,未来へとつなぐ崇高な教育理念が,子どもたち一人一人のはぐくみへ行き渡ることを願うものであります。 この60年ぶりに改正された教育基本法,学習指導要領は教科書作成の指針となっていることと思います。また,教科書の検定基準はこの教育目標に即した教科書の作成を義務づけているとのことです。 文部科学省は,採択に当たっては,教科書の装丁や見ばえを重視するのではなく,内容を考慮した十分な調査研究が必要であることや,教育基本法等の改正や新しい学習指導要領の趣旨を踏まえた教科書改善に当たっての基本的方向性を参考にし,各採択権者の権限と責任のもと十分な調査研究が行われ,適切な採択がなされることと通知されました。 本年度,小学校において,新学習指導要領が本格実施され,さらに来年度は中学校で本格実施されると伺っております。文科省の趣旨を踏まえつつ,小学校,中学校の授業に使用する教科書をどのように選定しているのか,お伺いいたします。あわせて,今後の教科書選定にかかわる課題についてもお聞かせください。以上,壇上での質問とさせていただきます。 ○議長(丹羽一正君) 青少年子ども部長 小林奈津子君。 ◎青少年子ども部長(小林奈津子君) それでは,1つ目の御質問に順次お答え申し上げます。 子どもたちの心身の発達については,乳幼児健康診査で発育状態や疾病の有無等を審査するとともに,発達のおくれや心配のある子どもの早期発見と早期支援に努めております。 発達障がいの診断は医師によってなされるものですが,近年,増加傾向にある発達の気になる子どもについては,保護者が認識しづらい場合もあるため,早期の療育につなげられるよう臨床心理士や保健師が理解を促したり,専門の医療機関につないでおります。 また,保育園においても,発達障がい児は増加傾向にあり,発達の気になる子どもも多く見られます。入園後,集団に入って初めて気がつく場合もあるため,保護者には園での様子を伝え,必要に応じて保健師の助けをかりながら理解を促しています。 次に,児童発達支援センターを視野に入れた支援体制については,これまでも関係機関と連携し,連続した支援に努めてまいりましたが,現在,障がい福祉課で策定中の第2次春日井市障がい者総合福祉計画において,今後整備されていく児童発達支援センターでは,新たに保育所等訪問支援や相談支援を実施することとしておりますので,障がい児と保護者への連続した支援を一層強化してまいりたいと考えております。 3点目の障がい児保育審査委員会につきましては,障がい児の入所審査終了後は,障がい児保育に係るさまざまな問題提起を行い,専門性の高い各機関の代表者により議論していただいております。そこで出された貴重な意見につきましては,保育現場や育児相談に活用しておりますが,今後は意見のポイントを参考にして,施策にも反映していきたいと考えております。 保護者に対する支援と場の提供については,既に臨床心理士により発達障がい児や発達の気になる子どもの保護者に対して,家庭でのかかわり方などについての指導,助言を行っておりますが,先ほどお答えした児童発達支援センターにおいても,保護者支援の場となりますよう関係部署との協議を進めてまいります。 ○議長(丹羽一正君) 教育部長 宮地 宏君。 ◎教育部長(宮地宏君) それでは,教科書の選定について御回答いたします。 市町村立の小中学校で使用する教科書の選定につきましては,義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律により,都道府県教育委員会が設定する教科用図書採択地区内の市町村立の小中学校において使用する教科用図書は,当該採択地区内の市町村の教育委員会が協議して同一の教科用図書を採択すると定められており,本市は尾張東部地区に属する小牧市や瀬戸市など11の市町と同じ教科書を採択することになります。 その採択の手順としましては,まず採択地区の市町における教科用図書の採択に関する事務を執行する愛日地方教育事務協議会が各市町教育委員会の共同諮問機関として設置された尾張東部教科用図書採択地区協議会に選定すべき教科用図書について諮問いたします。次に,この諮問に対する尾張東部教科用図書採択地区協議会の答申を受けまして,愛日地方教育事務協議会が承認した教科用図書について各市町に通知がなされます。そして,各市町の教育委員会における審議を経て,教科用図書が採択されます。 このように,小中学校で使用する教科用図書は,採択地区内の市町教育委員会が共同で研究し選定をしておりますが,次代を担う児童生徒にとって適切な教科書の選定に努めていくことが重要であり,必要であると受けとめております。 ○議長(丹羽一正君) 16番 安達佳代君。 ◆16番(安達佳代君) 先ほど,障がい児保育審査委員会について答弁をいただきました。審査以外にも障がい児の保育にかかわるさまざまなテーマについて議論がされているとのことで,障がい児分野の関係者や専門家等の参加により,実際には中身の濃い議論が進み,より掘り下げた具体的な実効性のある検討がされているのではないでしょうか。 このところ,発達障がいのある子どもの育ちについての理解を深め,支援を進めていくことが非常に注目されております。ぜひ,障がい児保育審査委員会の活用として,審査終了後の議論を形にして,さまざまな療育や生活支援体制へとつなげ,周知を図っていただきたいと思います。その点,どのような見通しを持ってみえるのか,お聞かせください。また,児童発達支援センターの論議も含めて,保護者支援への将来見通しをいま一度お聞かせください。 2点目の教科書の選定について,しっかりとした広域的な体制の中で選定され,最終的に春日井市の教育委員会においても審議されていることを伺い,安堵いたしました。新教育基本法と学習指導要領に最もふさわしい教科書を選定するとともに,次の時代を担う子どもたちが充実した環境を受けることができるよう期待いたしまして,この件に関しましては,これで質問としては終了させていただき,1問目の発達障がい児及びグレーゾーンの子どもたちへの適切な支援についての回答をよろしくお願いいたします。 ○議長(丹羽一正君) 青少年子ども部長 小林奈津子君。 ◎青少年子ども部長(小林奈津子君) 発達障がい児や発達の気になる子どもを抱える保護者にとって最も重要なことは,保護者自身のみならず,社会全体が発達障がいに対する理解を深めることであると考えます。そしてさらに,障がいのある子ども一人一人のニーズに応じた一貫した支援を受けられることが,保護者にとっての安心につながると考えますので,障がい児保育審査委員会での意見を困っている保護者への支援に生かすとともに,児童発達支援センターを拠点とした支援体制について,今後も関係部署と協議してまいりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(丹羽一正君) 16番 安達佳代君。 ◆16番(安達佳代君) 今,本当に私が願っておりました一貫した支援体制というお言葉を承りまして,非常にうれしく思いました。 先般,豊田市のこども発達センター長の高橋氏の講演で,発達障がいのある子どもの育ちを支える,障がいの理解と支援についてのレポートを読ませていただきました。一言一句の中に,本当に短期間のうちに急速に変化する子ども時代について,障がいのある,なしにかかわらず,子どもの気持ちを大切にし,信頼関係を大事にしてかかわることを学びました。まさに保護者への支援を含めた一貫した支援の学びでもありました。 最近,自閉症の子はおよそ1歳前後でわかるようになってきたとの学習の中で,びっくりしました。乳児期の後半,大抵6カ月以降になると特徴があらわれることが最近の研究でわかってきたとも書かれておりました。出生数からすると,春日井市の場合,おおむね9,000人ほどのゼロ歳から3歳の子どもさんが見えて,実際に保育園に入所しているのは約1,500人というふうに伺っております。保育園を中心とした対応では偏りが生じます。 平成24年4月より児童福祉法が改正され,児童発達支援センター等,新たなる制度も生じてまいります。子ども政策全般を検証しつつ,グレーゾーンの子どもたちと保護者への一貫した支援をお願いいたし,質問を終わらせていただきます。 ○議長(丹羽一正君) 13番 長縄典夫君。     〔13番 長縄典夫君 登壇〕(拍手) ◆13番(長縄典夫君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い,中学校での体育授業における武道の必修化について質問をさせていただきます。 伝統文化に関する教育は,古くて新しいテーマとも言えます。改めて言うまでもなく,従来から学校の教育活動の中には伝統文化に関する内容が随所に含まれていましたが,周知のように,教育基本法の改正や学習指導要領の改訂を契機として,日本固有の文化への関心や伝統を重んじる態度の育成など,学校教育の中で新たな位置づけを与えられました。 このことを時系列的に見ますと,平成18年12月に教育基本法が改正され,改正教育基本法には,教育の目標に伝統と文化を尊重することが盛り込まれるとともに,平成20年1月の中央教育審議会答申を受け,同年3月に公表されました新学習指導要領では,我が国の郷土の伝統や文化を受けとめ,そのよさを継承発展させるための教育内容の充実が図られました。 また,文部科学省では,教育基本法の理念の具現化の一つとして武道を,我が国固有の文化であり,武道に積極的に取り組むことを通して武道の伝統的な考え方を理解し,相手を尊重して練習や試合ができるようにすることを重視する運動であるとして必修化し,剣道や柔道,相撲など我が国の伝統的なスポーツの魅力やだいご味をすべての学習者に味わせたいとして,武道教育導入への意気込みを示しています。 また,日本武道協議会では,武道は,武士道の伝統に由来する我が国で体系化された心技一如の運動文化で,心技体を一体として鍛え,人格を磨き,道徳心を高め,礼節を尊重する態度を養うとする武道の理念を示すとともに,武道議員連盟会長の高村正彦氏は専門誌の取材にこたえて,「日本人の美徳と言われている勤勉,思いやり,家族や地域とのきずなを大切にする心など,すべて日常生活において人間の生きるべき道を求める道の文化を体現するに武道教育はちょうどいい」と述べられた後,各界のさまざまな方面から期待されている武道教育について,「始めたら成功するまでやめないことが必要なことです」と結ばれています。 改訂後の中学校学習指導要領を見ますと,従前は第1学年において武道またはダンスから男女とも1領域を選択して履修できるようにすることとしていた内容を改め,第1学年及び第2学年においては,男女を問わず,すべての生徒に武道を履修させることになり,第3学年においては球技及び武道の中から1領域以上を選択して履修できるように改訂されています。 また,武道の運動種目は,剣道,柔道または相撲のうちから1種目を選択して履修できるようにすることとしています。さらに,指導や安全面では,基本動作や基本となるわざの習得を中心として指導を行うなど,指導方法の工夫や学習段階,個人差を踏まえ段階的な指導を行うなど,安全の確保などに十分留意することが記されるなど,改訂がなされています。 今回の武道必修化には,愛知教育大学体育学会や関係者などからの報告では,多少危惧する声を耳にいたします。その中で,一番の関心事はだれが教えるのか,だれに学ぶのかという点だと言われております。 文部科学省では,地域の外部指導者を加えることも検討されておりますが,体育教師の教員養成課程で剣道か柔道を経験しているため,それぞれの中学校の体育教師が受け持つことが主流になりそうだと言われております。また,教具を完備しなくてはならない問題から,柔道を選択することになるのではとも言われております。 次に危惧されていますのは,学校での事故など,安全管理や環境衛生管理面からです。名古屋大学教育学部の内田 良准教授による調査によりますと,平成15年から19年に起きた中学校の部活動での死亡事故の発生率は,野球で0.337人に比べ柔道は1.98人と,10万人に1人の割合で亡くなっているとの報告がなされています。ちなみに,剣道では死亡事故の事例は見当たらないとの報告が記されています。 また,日本スポーツ振興センターでは,昭和58年度からの27年間の統計では,中学校での生徒1人当たりの負傷,疾病の発生率は,サッカーで11.62%,柔道は18.3%,剣道では4.39%との調査結果が報告されています。 平成20年6月13日付,20文科初386号通知で,学習指導要領改訂に伴う移行措置における基本方針では,平成20年度中に周知徹底を図り,平成21年度から可能なものは先行して実施すると定められ,平成24年度から新しい学習指導要領を全面実施することとされています。 本市におきましても,教育基本法第2条及び学校教育法第21条の趣旨を具現化するための準備が進められているとともに,予算の措置がなされようとしている時期と御拝察いたします。 そこでお尋ねいたします。まず,第1点目といたしまして,新学習指導要領では,武道については従来どおり,柔道,剣道,相撲の中から選択して履修できるようにしたと記されてはいますが,第1学年及び第2学年の男女は性別を問わず,必修化により武道を必ず履修することになります。 そこでお伺いいたしますが,本市では柔道,剣道など3種目のうち,だれが,どのような種目を,どのような理由で選び出したのか,御答弁を願います。 第2点目といたしまして,学習指導要領の改訂によって,武道は第1学年及び第2学年で必修に位置づけられたわけですが,小学校では武道は扱われておりません。中学校で初めて学習する内容になるわけです。それゆえに,生徒の武道に対する愛好的態度や得手,不得手にかかわらず,また,男女の性別にも関係なく,すべての生徒が武道を学ぶことを念頭に授業を計画する必要があると思慮いたします。 そこでお伺いいたします。武道に熟練した教師の現状と来春に向けた教師の確保の状況,めどといったものを御答弁願います。 第3点目といたしまして,体育授業の目的を達成し,成果を具現化していくためには,生徒の豊かな学習活動を促す教具を準備する必要があります。よい授業は,教具の準備,確保からと言っても過言ではないと思慮いたしております。 教具の準備に対しましては,専門誌のアンケートを見ますと,「予算の問題から,竹刀はともかく,生徒全体に防具が行き渡らないから,剣道部にある防具を使うことを検討している」学校,あるいは「男女共用など防具を使い回すことに対して,生徒や保護者の方がどういう反応をされるか,まだ未知数的な部分が多い」と回答している学校などがあります。 そこでお伺いいたします。本市における教具の準備の状況について御答弁を願います。 第4点目といたしまして,学校事故が多発するのは理科,技術家庭などの実験・実習や体育教科,特に器械体操,柔剣道,マラソン,水泳と言われており,これらの科目については十分な安全対策を練り,特に事前指導を徹底し,常に注意を喚起する必要があると指摘がなされています。また,学校の施設,備品等の欠陥,不備による事故も少なくなく,教師の不断の注意が必要とされています。さらに,学校では事故だけではなく,生徒の環境衛生に努めなければならず,環境衛生管理面では,換気,採光,照明,保温を適切に行い,清潔を保つなど,環境衛生の維持改善に努めるとともに,施設,設備等の点検を適切に講ずることが学校保健安全法第6条及び第26条並びに中学校施設整備指針などで定められております。 そこでお伺いいたします。武道の導入に伴う学校での事故の防止策と環境衛生管理面での取り扱いについて御答弁を願います。以上,当局のお取り組み,あるいはお考えをお尋ねいたしまして,壇上での質問とさせていただきます。 ○議長(丹羽一正君) 教育部長 宮地 宏君。 ◎教育部長(宮地宏君) それでは,中学校の体育授業における武道の必修化について御回答いたします。 中学校で行う武道の授業において,剣道,柔道及び相撲のうち,どの種目を選択するかにつきましては,学校長がこれを決定することになりますが,男子生徒については,これまでも全中学校で剣道の授業を行ってきており,十分な指導実績があることから,男女とも剣道を選択するものと考えております。 次に,生徒を指導する武道に熟練した教員の現状,教員の確保の状況等のめどにつきましては,指導に当たる中学校の保健体育科の教員は,教員免許状の取得時に大学の教育課程において武道を習得しており,さらに本年8月に各校の保健体育科の教員を対象とする指定研修を行うなど,指導者の力量の向上を図っておりますが,今後も市教育委員会の研修に加えて,県教育委員会などが実施する武道講習会にも参加するなど,計画的に研修を行ってまいります。 次に,剣道の授業に必要な防具や竹刀などの教具につきましては,男子用は現在使用しているものをそのまま使用することとし,新たに対象となる女子用の教具を用意するよう準備を進めております。 4点目ですが,武道の授業実施に伴う事故の防止策と環境衛生管理面での取り組みにつきましては,防具・竹刀の衛生管理,安全点検が的確にできるよう,メンテナンスに必要となる竹刀削り,胴ひも,面ひもなどの消耗品を備えるとともに,有識者などの指導による研修を行うなど対応をしてまいります。 また,武道場における熱中症対策といたしまして,武道の授業の実施は,温度や湿度の高い時期を避け,秋以降とするとともに,全中学校の武道場に設置の送風機による空気循環を行うなど,生徒はもとより,指導教員の体調管理に十分留意してまいります。 以上のとおり,中学校における武道の必修化に向け,万全の体制を整えてまいりたいと考えておりますので,よろしく御理解いただきますようお願い申し上げます。 ○議長(丹羽一正君) 13番 長縄典夫君。 ◆13番(長縄典夫君) それぞれ御答弁いただきました。 関係者が関心を寄せています教員の確保につきましては,最大限御努力をいただくことを求めておきます。 次に,本市では剣道を必修科目に選択されたとお聞きいたしましたが,剣道は防具一式を準備するための多額の予算,財政措置を講ずることになります。教具の整備につきましては,保護者はもとより,PTAや後援会あるいは育成会などに過重に頼ることは,学校教育法第5条や地方財政法第4条の5及び同法第27条の4などの趣旨からして,慎重な配慮を求めておられます。 そこで,新たな必修教科の導入ですので,しっかりとした予算を確保していただきたいのですが,予算の関係,あるいは既にあるものはもったいないということもございます。ただ,安全面や衛生面から,教具はぜひとも新品をと言いたいところですが,それは手を入れられて活用されていくということですので,当初の整備の後,追加的措置,あるいは安全・衛生面で,授業開始後の対応について御答弁を願います。これでまず2回目です。 ○議長(丹羽一正君) 教育部長 宮地 宏君。 ◎教育部長(宮地宏君) 授業で使用いたします教具につきましては,保護者に費用を負担させることなく,しっかりと準備をしてまいります。なお,これまでも,傷みのひどい教具は適宜更新しておりまして,教具のメンテナンスに必要となる竹刀削り,胴ひも,面ひもなどの消耗品の整備,有識者等の指導による研修の実施など,安全面に留意するとともに,面や小手などの防具が汗やかびなどでにおうなどの衛生面の問題を改善するための方策としまして,効果的な専用の洗剤などについても調査研究してまいりますので,よろしく御理解いただきますようお願いいたします。 ○議長(丹羽一正君) 13番 長縄典夫君。 ◆13番(長縄典夫君) 過日,少し中学校の道場の中,あるいは道具等を--防具ですか,見させていただきました。その中で,保護者がやはり関心を寄せています事故の防止であるとか,あるいは衛生,あるいは環境面につきましては不断の努力を,重ねて求めておきます。 財団法人の日本武道館の理事で三藤芳生事務局長という方がやはり専門誌の取材にこたえまして,「義務教育でやるからには,当然安全で楽しくなければなりません。その上で,道場や部活動と違って,やりたい生徒ばかりがやるわけではありません。指導教師の都合で指導をするのではなく,あくまでも生徒の主体,あるいは生徒のためになる指導をしなければなりません」と述べられております。「競技や大会ではなく,礼節を含めた人間性を養うことも可能なのが武道です。」と結んでみえます。 私も,やはり礼儀といいますか,礼節という部分が大切になるかと思います。生活指導などの面で生かせることも期待をしております。そこで,武道が必修科目として初めて学校に入ってきます。武道教育をどのようにとらえてみえるのか,学校現場を統括されてみえます教育長に御答弁を願いまして,私の質問とさせていただきます。お願いいたします。 ○議長(丹羽一正君) 教育長 木股哲夫君。 ◎教育長(木股哲夫君) それでは,今,質問がございました武道の必修化につきましてお答えを申し上げたいと思います。 私のほうは,武道の必修化につきましては,伝統と文化を尊重する教育の一環であるというふうに考えております。先ほどから何回も出ております平成18年の新しい教育基本法の中に書いてございます,伝統と文化を尊重するという教育の一環でこれが取り込まれておるというとらえ方をしております。 ただ,現在行われております武道につきましては,御存じの方もお見えかと思いますけれども,昭和の時代はこれを格技という運動領域で位置づけておりました。平成元年度の学習指導要領の改訂の際に,「格技」から「武道」という形に運動領域の名称が改められました。これは,その目的をよくあらわしているのではないかなというふうに考えております。それは,学校教育における武道の意義というのは,スポーツとしての楽しさ,それからもう一つは武道としてのよさ,これをあわせて学ぶことができるものというふうに考えております。言いかえれば,単なる勝敗を争うスポーツだけではなくて,ここが大事だと思っておりますけれども,相手を尊重する態度や心,これをはぐくむ,こういう面があるというふうに考えております。ですから,武道の授業を行うことによりまして,子どもたちの人格の完成を目指す一助になればいいなというふうに考えております。 本春日井市におきまして,武道の中で剣道を選択したということにつきましては,今,部長が答弁いたしましたように,1つは,先ほど数値の提示がございました。武道,幾つかございますけれども,剣道が一番事故の発生率が少ないということ,それからもう一つは,現在まで春日井市におきましては,15校全部の中学校で剣道を選択として,ずっと指導実績がございます。その2点から考えまして,剣道を選択したというのは適切であったのではないかというふうに考えております。ただ,新しい取り組みでございますので,安全面,衛生面につきましては,今,部長が答弁いたしましたように,細心の注意を払って武道の必修化について対応してまいりたいと思っておりますので,よろしくお願いをしたいと思います。以上でございます。 ○議長(丹羽一正君) 2番 加藤貴章君。     〔2番 加藤貴章君 登壇〕(拍手) ◆2番(加藤貴章君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い,災害対策についてとアトム通貨について,2点質問いたします。 災害対策について。 ことしは,東日本大震災があり,1万5,960人の人命が失われ,家屋は27万7,000棟を崩壊した,日本の観測史上最大の災害がありました。また,ことしの台風15号では死者16名,行方不明2名,負傷者380名以上,春日井市においては死者は出ませんでしたが,家屋の床上・床下浸水が397件,庄内川河川敷の田畑やグラウンド,細野,西尾,内津の道路の一部破損など,市全体として大きく被害を受けました。年々ふえ続ける自然災害にさらに目を向けていく必要があると感じます。 過去の阪神・淡路大震災では,6,400人を超える方が犠牲になりました。その一方で,倒壊した建物や家具の下敷きになった状態から2万7,000人以上の方が救出されております。救出された方の8割は,近隣の方や家族によって救出されており,いざというときの地域の協力体制の重要性を感じます。 大規模災害のときは,道路も寸断され,消防車や救急車も到着に時間がかかります。また,電気や通信も途絶えてしまうことや,同時に多発火災も起こり,消防や警察もすぐに現場に来てくれるとは限りません。災害時は一刻も予断を許されない状況で,自分たちでみずからの安全を守り,隣近所の人たちと協力して被害に遭った人を救助・救援しなければなりません。こうしたことから,阪神・淡路大震災後から住民自身が自発的につくる自主防災組織が注目され,全国的に広がりを見せております。 質問として,春日井市における地域の自主防災組織の現状と活性化の取り組みについてお聞かせください。 続いて,2点目のアトム通貨についてお伺いいたします。 アトム通貨は,2004年,鉄腕アトムの舞台でもある東京・早稲田の商店街から始まりました。春日井市においては,商店街連合会の設立60周年記念事業として,商店街,NPOが参加され,アトム通貨実行委員会春日井支部が組織され,ことし9月より開始した地域通貨です。 地域通貨は,全国各地で取り入れられており,千葉の「ピーナッツ」,東京・渋谷の「アースデイマネー」,宝塚市「ZUKA」など,地域ではある程度認知されているものもありますが,日本国内には紙幣タイプや電子マネータイプなど400以上存在し,その大半は小規模点在で,効果があらわれないものが多くあります。その中,アトム通貨は,キャラクターの知名度もあり,南は沖縄・石垣市,北は北海道・札幌市,愛知県では春日井市に続き,ことし10月から安城市も開始しております。 先日,安城市の飲食加盟店に視察に行ってきましたが,さまざまな形で活用されておりました。例えば,家族間のコミュニティ活性化の目的で,親子三代での来店された方に進呈,また,CO2削減や飲酒運転撲滅運動の目的で,自転車や徒歩で来店された方に500円分進呈など,活用されておりました。 アトム通貨は,「鉄腕アトム」の作者である手塚治虫のメッセージも込められており,「未来の子どもたちのために」をテーマに,地域環境に優しい社会,地域コミュニティが活発な社会,国際協力に積極的な社会,教育に真摯に向き合う社会の4つの理念に沿った社会貢献活動を支援している通貨です。通貨を発行した分は地元の加盟店で消費され,確実に地元で循環されます。大きく広がれば,春日井経済の活性にも好影響があると考えます。 このすばらしい理念を持つアトム通貨ですが,始まったばかりで,春日井市民の中では知らない方も多くいます。質問として,春日井市におけるアトム通貨の現状,どのように使われているか,普及対応についてお伺いいたします。以上,壇上からの質問を終わります。 ○議長(丹羽一正君) 総務部長 加藤達也君。 ◎総務部長(加藤達也君) それでは,災害対策についてお答えをいたします。 最初に,自主防災組織の現状でございますが,市内の自主防災組織は,11月30日現在212組織,区・町内会での組織率は87%となっております。また,本年度中にさらに1組織の設置を予定しているところでございます。 自主防災組織は,平常時には地域内の安全点検や住民への防災知識の普及啓発など,また,災害時には被災者の救出・救助,避難所の運営などを行うこととなっており,非常に重要な役割を担っております。 次に,活性化への取り組みでございますが,本市では毎年約200名の御参加をいただき,地域の防災力の強化を図るため,地域の核となる自主防災組織のリーダーに対し,知識と技術向上,春日井市の防災体制の周知等を目的とした自主防災組織リーダー研修会を開催しております。 今年度は,実際に東日本大震災による救援活動に出向いた職員を講師とし,自主防災組織の活動について講演を行いました。また,自主防災組織や区・町内会が開催する地区防災訓練や地区住民に対しての防災に関する講話などに市民安全課職員や消防職員が出向き,地域の防災力の底上げに努めているところでございます。 ○議長(丹羽一正君) 産業部長 稲垣勝彦君。 ◎産業部長(稲垣勝彦君) 私からは,アトム通貨についての御質問にお答えをいたします。 アトム通貨は,質問議員が言われるとおり,本年9月から春日井市商店街連合会の設立60周年記念事業として,商店街連合会が中心となり行われているものであります。アトム通貨は,11月末現在,各団体などが実施した国際交流イベントや地域の清掃活動のほか,ペットボトルのキャップ回収など,15のイベントと6店舗において実施しているマイはし持参などに協力した市民に配布をされております。また,この通貨の使用が可能な店舗につきましては,約190店舗が登録されていることを確認をしております。 市におきましても,この通貨の趣旨に賛同し,アトム通貨を購入して,夏の節電に協力していただいた市民の皆さんや春日井まつりのボランティアのほか,環境イベントへの参加者などへ配布をいたしております。アトム通貨の流通は,市民の社会福祉の心とそれを助長する感謝の心を醸成するとともに,商店街の活性化にもつながるものと考えております。 こうしたことから,今後,市としましても,市民へのさらなる浸透を図るために,広報やホームページでの啓発を初め,市のイベントなどでアトム通貨の配布を行ってまいります。 ○議長(丹羽一正君) 2番 加藤貴章君。 ◆2番(加藤貴章君) それぞれ御答弁をいただきました。 212組織,87%と,自主防災組織が現状ふえてきているのと,リーダー研修を行っているのがわかりました。 先日,地域の消防訓練に参加させていただき,消防の方たちも研修を頻繁に行ってもらって,災害に対する住民意識も年々変わってきているのを感じました。 ここ数年,地震研究機関が出している,30年以内に東海地震が来る確率87%と,非常に高い数値も出ております。日本列島をのせている2つのプレートの下に太平洋プレート,フィリピンプレートが潜り込んで,ひずみがたまる以上,日本で地震が起きない場所はないと言われております。春日井市においても,地域の自然災害に対するできるだけの備えが必要であると感じます。 また,前回の水害時は,熊野町から,現場は混乱していてだれが判断しているのかわからないという声も聞こえてきました。春日井市と地域と連携の強化をより一層進めていただき,いざというときの地域の区・町内会,自治会,自主防災組織と助け合える環境づくりの整備をお願いいたします。 続いて,アトム通貨についてですが,しっかり取り組んでもらっていると認識いたしました。大いに評価するところであります。ただ,始まったばかりの地域通貨ですので,まだまだ知名度を上げていく必要があると感じます。 市の取り組みに関しては,告知も必要ですが,アトム通貨を手にすることが認知度を高めていくことだと感じます。春日井市としても,地域コミュニティの活性化,ボランティア啓発など,環境と福祉などの共生事業と結びつくと考えます。例えば,地域で行われているクリーン作戦や社会福祉協議会が行っているちょっとお助け事業の活動や,高校ラグビー全国大会出場を祝して,感謝の気持ちを込めて進呈など,普及に対して春日井市として応援できることが限りなくあると感じます。 商店街連合会や加盟店のみでは,普及にも限りがあると感じます。地域通貨の多くは効果を見せることなく,衰退していきますので,せっかく取り入れたアトム通貨を市としても各課の事業に取り入れ,周りの団体と連携を図り,普及に関してさらなる協力体制をお願いして,質問を終わります。 ○議長(丹羽一正君) お諮りいたします。本日の会議はこれにて散会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(丹羽一正君) 御異議なしと認めます。よって,本日はこれにて散会いたします。                    午後4時40分 散会       平成23第5回市議会定例会一般質問事項番号氏名質問事項答弁を求める者1末永 啓1 市の事業を外部評価する必要性について市長・部長2 高蔵寺駅周辺の豪雨水害対策について市長・部長3 随意契約におけるコスト削減について市長・部長4 放射能汚染への対応について市長・教育長部長2浅野 登1 特例市等について市長・部長2 下水道行政について市長・部長3堀尾達也1 今後の保育行政について市長・部長4田口佳子1 こころの病について市長・部長5加納 満1 雨水流出抑制施設の設置について市長・部長6鬼頭宏明1 生活保護について市長・部長7伊藤建治1 水害対策について市長・部長2 保育園について市長・部長3 放射能測定について市長・部長4 精神障がい者医療費助成について市長・部長5 地球温暖化対策実行計画について市長・部長8田中千幸1 空き家対策について市長・部長9佐々木圭祐1 自転車総合対策について市長・部長2 軽自動車税について市長・部長10後藤正夫1 PFIの活用について市長・部長2 学校施設の環境改善について市長・教育長部長11長谷川達也1 台風15号水害をうけ今後の対策について市長・部長12安達佳代1 発達障がい児及びグレーゾーンの子ども達への適切な支援について市長・部長2 教科書の選定について市長・教育長部長13長縄典夫1 中学校での体育授業における武道の必修化について市長・教育長部長14加藤貴章1 災害対策について市長・部長2 アトム通貨について市長・部長...