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09月27日-03号

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  1. 春日井市議会 2004-09-27
    09月27日-03号


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    平成16年  9月 定例会(第4回)             平成16年第4回          春日井市議会定例会会議録第3日          ---------------                      平成16年9月27日(月曜日)◯出席議員(35名)            1番  高田敏亨君            2番  林 克巳君            3番  山際喜義君            4番  水谷忠成君            5番  丹羽一正君            6番  諸戸護子君            7番  黒田龍嗣君            8番  長谷川 勝君            9番  内藤富江君           10番  後藤正夫君           11番  吉田邦男君           12番  長谷川健二君           13番  石原名子君           14番  中藤幸子君           15番  友松孝雄君           16番  成田初敏君           17番  野田淑人君           18番  安藤千秋君           19番  伊藤 太君           20番  宮地 隆君           21番  宮原季彦君           22番  田中康則君           23番  成瀬正美君           24番  田代憲治君           25番  梶田晃男君           26番  伊藤裕規君           27番  冨士道国昌君           28番  前川銑一君           29番  蟹江光正君           30番  堀田 治君           31番  堀尾龍二君           32番  小林利和君           33番  内田 謙君           34番  伊藤隆司君           35番  長縄代蔵君   -----------------------------◯欠席議員(1名)           36番  安藤鉄爾君   -----------------------------◯説明のため出席した者      市長        鵜飼一郎君      助役        宮地清惠君      収入役       位田邦博君      教育長       松本重雄君      監査委員      伊藤 武君      市長室長      足立彰文君      企画調整部長    藤田康幸君      総務部長      浮海正夫君      財政部長      高柳正彦君      市民経済部長    大矢孝彦君      健康福祉部長    入谷直賢君      環境部長      松田和敏君      建設部長      伊藤 昌君      勝川地区                石井秀明君      総合整備室長      下水道部長     伊藤勝美君      市民病院事務局長  岡田 滋君      消防長       長谷川邦彦君      水道部長      岡島 鑛君      教育部長      阿部隆司君      監査事務局長    長谷川公夫君   -----------------------------◯事務局職員出席者      事務局長      山田孝幸君      議事課長      高井貞美君      議事課長補佐    長谷川 学君      議事担当主査    福井芳子君      主任        川原文宏君   -----------------------------◯議事日程  平成16年第4回春日井市議会定例会(第3号)                      開議 9月27日 午前10時  日程第1 一般質問   -----------------------------◯本日の会議に付した事件  1 一般質問                    午前10時 開議 ○議長(友松孝雄君) これより本日の会議を開きます。 本日の日程はお手元に配付の議事日程のとおりであります。よろしく御協力のほどお願いいたします。 日程第1 一般質問を行います。 通告者は14人であります。通告順に発言を許します。4番 水谷忠成君。     〔4番 水谷忠成君 登壇〕(拍手) ◆4番(水谷忠成君) おはようございます。議長のお許しをいただきましたので,通告に従い順次質問をさせていただきます。 質問は,ボランティア活動の支援についてであります。 ことしの7月に市民経済部より発行されましたボランティア及びNPO紹介ブックによりますと,春日井市内には200のボランティア団体等が掲載されております。このうち福祉関係を中心としたボランティア団体につきましては,総合福祉センターを拠点に活発な活動をされております。 しかしながら,NPO法人や一般ボランティアには活動の拠点もなく,情報の交換や会合等に必要な場所がないのが現状であります。このことは,先ほどの紹介ブックにも情報交換などネットワークづくりに御利用くださいとはありますが,当然のことながら,そのために必要な場所の提供までは記載がありません。 したがいまして,NPO法人や一般ボランティアが会合を開いたり,またその活動内容に興味を持った市民がいろいろ聞きたいことがあっても,インターネットで検索するか市役所の生活課に出向いて情報を得るしか方法がありません。 平成15年3月に発行された春日井市ボランティア活動推進基本計画では,その第5章に,ボランティア活動支援施策としてボランティア支援センターの設置の記述があります。 そこで,1点目として,ボランティア活動を支援するための支援センター設置について,具体的な準備,あるいは計画があるのかどうか。あるのであれば,その進捗状況をお聞かせください。 次に,鳥居松ふれあいセンターの稼働状況についてでありますが,現在,市内には西から東へ5カ所のふれあいセンターと1カ所の市民センターがあります。さきに実施された行政の事務・事業評価シート及び決算書をもとに15年度の状況を見させていただき,味美,西部,南部,高蔵寺,東部市民センター5カ所と鳥居松ふれあいセンターで比較してみました。 会議室等の貸館件数は5カ所の平均が2,854件に対し,鳥居松ふれあいセンターは1,026件で,5カ所平均と比べると35.9%の貸し出ししかありません。同様に利用者数は5万1,981人に対し1万8,133人で,34.9%の利用者であります。 次に,利用率についてでありますが,これは利用件数を貸館日数に,部屋数の朝,昼,夜の3を掛けた数値で割った,いわゆる利用回転数を乗じて得た数値で割ったものですが,44.43%に対し18.45%でしかありません。 利用者数に関しましては,鳥居松ふれあいセンターがほかのふれあいセンターと違って,各種証明書の発行など行政の出張所的機能を持っていないために利用が少ないと理解できる面もありますが,一般的な利用は他の施設と比較して大変低いことがわかります。また,鳥居松ふれあいセンターの常駐管理職員1名の人件費は,センターの年間事業費600万円を大きく上回っております。 そこで,2点目として,私は支援センターの設置に関して次のような提案をいたします。 地方自治法第244条の2第3項に基づく公の施設の指定管理者制度を,この鳥居松ふれあいセンターに適用することと,その管理をNPO法人等に委託するお考えがあるのかお伺いいたします。そうすることによって,ボランティア関係者及び市民のだれもが自由に情報を入手したり,交換したりすることができると思います。また,2階の雑談コーナーをパーテーションで分割し,ボランティアに関する内容であればいつでも自由に活用できるコーナーとし,センターに出向けばいつでもスモールミーティングができ,情報交換ができれば,ふれあいセンター機能にボランティア機能がプラスされたすばらしい施設にリメークされるのではないでしょうか。 3点目として,以上のような施設利用に対するお考えをお聞かせください。 最後になりますが,4点目として,全国的にも広くその活動が知られております春日井市のボニターの方々の事務所を庁舎近くに構えていただく必要性についてお伺いいたします。 現在,春日井市の安全・安心まちづくりボニターに登録されている方は183名おみえになります。春日井市の西部,中部,東部の3地域で組織化され,活躍されていると伺っております。ボニターとなるには,安全アカデミーの専門課程を修了し,さらにボニター養成講座を受講し,市長から委嘱がされます。これらの講座には毎年520万円ほどの経費が必要と聞いております。 一方,ボニターの組織はボニターの代表を長とし,その下に各ブロック長がブロックをまとめておられますが,各ブロックの事務所はブロック長の自宅と伺っています。 したがいまして,私たちがボニターさんに協力を要請したり依頼をする場合には,プライバシーの保護もあり,市民安全課を通じて連絡するしか方法がないのが現状であります。 今後,行政,ボニター,自治会,一般市民との関係が今以上に密になり,災害発生時,自然発生的に支援が生まれ,ボニターさんのスムーズな救援活動ができるよう,ボニター専用ブース,あるいは連絡事務所を庁舎近くに設置していただくことが必要と考えます。 現在,旧水道部の建物の一室が春日井市安全なまちづくり協議会の会議室になっております。ボニターさんの活動のための部屋として使用されていることは承知しています。日ごろは無人であり,連絡をとることは困難であると思われます。全国的に名の知れた春日井のボニターの活動拠点としては,少し寂しい気がいたします。 そこで,活動の場所が仮に鳥居松ふれあいセンターにできれば,非常にありがたいと思いますし,こうしたことによってボニター制度がより有効な組織となると思います。 以上,4点につきまして,壇上からの第1回目の質問とさせていただきます。御答弁よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 市民経済部長 大矢孝彦君。 ◎市民経済部長(大矢孝彦君) それでは,NPO及びボランティア活動の行政支援についてお答えさせていただきます。 地域社会における市民の積極的なボランティア,NPOの活動は,福祉,子供の健全育成,地域安全,文化,環境など幅広い分野にわたっております。活力あるまちづくりのためには,ボランティアやNPOが重要であり,その活動をさらに推進するため,平成14年に春日井市ボランティア活動推進基本計画を策定いたしております。 さまざまな分野で活動するボランティアやNPOの活動拠点となる支援センターにつきましては,ボランティア活動推進基本計画,また第33次実施計画におきまして設置が位置づけられており,既設の社会福祉協議会に設置されているボランティアセンターと整合を図る中で検討しているところでございます。 今後におきましては,活動に取り組んでいる人だけではなく,これから活動を始めたい人,また受け入れを希望する人たちのニーズに対応できる機能をあわせ持った,多分野にわたるボランティアやNPOの活動をサポートできる総合窓口としての支援センターのあり方について検討してまいりたいと思います。 また,設置場所につきましては,今お話しさせていただきました検討結果を踏まえた中で,どこがいいか検討を進めてまいりたいと思います。 指定管理者制度の導入につきましては,鳥居松ふれあいセンターのより一層の市民サービス向上を考える中で,今後検討させていただきたいと思います。 鳥居松ふれあいセンターは開設4年目を迎え,15年度の利用者数は前年比181%と着実に増加しております。今後におきましても,当センターの利用は多目的に増加していくことが予想され,NPO・ボランティア講座の会場使用なども含め,一層の充実に努めてまいりたい,このように考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 浮海正夫君。 ◎総務部長(浮海正夫君) それでは,ボニター活動支援のための事務所の構築につきまして,私の方からお答えをさせていただきます。 質問議員もおっしゃられましたが,現在183名の方々に安全・安心まちづくりボニターとして委嘱をいたしまして,防災,防犯に関するさまざまな活動により,安全・安心まちづくりに取り組んでいただいておるところでございます。 ボニター活動は,東部,中部,西部の3ブロックに分かれ活動し,連絡網としてボニター連絡会を組織をいたしております。連絡会などの開催時には,市役所敷地内,これは質問議員もおっしゃいましたが,旧水道庁舎内の協議会活動室や,あるいはふれあいセンター会議室などを利用し,活動をいたしております。 ボニターは協議会会長が委嘱する市民ボランティアでございまして,NPOのような組織性を持つまでには至っておりません。このため,活動に関する事務などは協議会事務局,つまり市民安全課が担当をいたしておるところでございます。今後さらに地域での積極的な活動を進めるため,ボニター同士が情報を交換し,活動できる場所を持つことも必要であるというふうに考えております。このため,市内に9カ所ございます防災拠点などをボニターの活動拠点とすることも視野に入れ,協議会事務所を検討いたしておるところでございますので,よろしくお願いを申し上げます。 ○議長(友松孝雄君) 4番 水谷忠成君。 ◆4番(水谷忠成君) それぞれの項目についての御答弁をいただきました。 ボランティア活動支援センターの設置と鳥居松ふれあいセンターの活用,そして指定管理者制度の導入についての3項目につきましては,ボランティア活動を支援することが目的でありますので,3項目合わせて2回目の質問をさせていただきます。 ボランティア活動推進基本計画策定時,市民のボランティア及びNPOに関してアンケートが実施されています。市民の意識調査と団体の実態調査の分析結果考察には,「ボランティア活動に関する情報の提供や総合的な窓口の設置を求める声が多く,潜在的にはボランティア活動を行ってもよいと考える人は多いが,そのきっかけが見つからず,機会を逃しているという実態があるように思われる。また広い意味でのボランティア活動に関する情報が効率的に提供でき,それらをもとにして活動が円滑に進められるような拠点やセンターといったものを設ける必要性が議論されてよいであろう」と書かれています。 また,第四次春日井市総合計画にも「市民が気軽にボランティア活動に参加できるよう,体制と環境を整えていくことが必要です」と平成11年にも発表されています。 行政として,「場所を設置しましたので,ここを活用してください」ではなく,ボランティア及びNPO活動を実際にされている団体や人の意見を十分聞いていただく中で,早急に支援センター構想を打ち出していただきたいと思います。 そこで,私は庁舎に最も近くて市の中心でもあります鳥居松ふれあいセンターを支援拠点とするよう御提案させていただきました。市内のボランティア総合支援センターとしては小さいかもしれませんが,第一歩を踏み出す上でも,ぜひ具体化していただきたいと思いますが,この可能性について再度お尋ねいたします。 次に,ボニターの活動支援のための事務所構築についてであります。 現在の活動は,連絡網としてボニター連絡会を組織され,庁舎内の協議会活動室やふれあいセンター会議室などを利用して活動されているとのことですが,それぞれ施設の利用届は市民安全課を経由で出されていることと思います。 より自由な活動と相互啓発を推進するためには,自分たちの固定した部屋があれば,ますます活発になると思います。1回目の質問でも触れさせていただきましたが,安全アカデミーの基礎及び専門課程を修了し,ボニター養成講座修了後,協議会会長である市長からの委嘱であり,市民ボランティアやNPOのように組織化された団体でないことは十分理解しているところであります。 しかし,今や180名を超え,今後もふえ続けると確信しているボニターであり,連絡拠点を協議会事務局,いわゆる市民安全課が担うのではなく,制約の範囲内で自主性にゆだねることが必要だと考えます。ボランティアやNPOで活躍される人と同じ場所で三者が共同の組織をつくるのではなく,それぞれ独立した活動をしていく中,身近なところで活動すれば,お互いの活動が理解でき,災害発生時等手助けできるところは相互協力できるように,日ごろから傍観することによるお互いの状況把握も必要だと思います。 2回目の質問として,最終的には市内9カ所の防災拠点に活動拠点ができることが望ましいのですが,その前に1カ所,核となる拠点づくりについて,またボニターさんを一人一人の委嘱であり,団体組織ではなく協議会事務局を中心とした個々の集合体と見るのか,組織化を目指すのか,現状の活動における情報伝達及び危機管理体制と将来構想等をお伺いして,2回目の質問とさせていただきます。 ○議長(友松孝雄君) 市民経済部長 大矢孝彦君。 ◎市民経済部長(大矢孝彦君) それでは,2回目の質問にお答えさせていただきます。 さまざまな分野で行われておりますボランティア,NPO活動の総合的な活動・交流・情報の拠点としてのボランティア支援センターの設置につきましては,市にとっても早急な課題となっておると思います。 ただいま御意見をいただきましたとおり,ボランティア,NPO活動を実際にされている方々の御意見をお聞きする中で,何が必要なのか,どこが最も適切なのかを検討してまいりますので,鳥居松ふれあいセンターにつきましても,一つの御提言として受けとめさせていただきますので,よろしくお願いしたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 浮海正夫君。 ◎総務部長(浮海正夫君) それでは,ボニター制度につきまして再度の御質問でございますので,お答えを申し上げます。 質問議員も御承知のとおり,安全なまちづくり協議会は平成5年度に市内117の団体の参加を得まして設立がされました。協議会には5つの部会を設置をいたしまして,おのおのの団体がこの5つの部会に配置がされておるという状況でございます。また,この協議会は部会ごとに年間の計画を作成をいたしまして,これをもとに活動を展開しておるところでございます。 この活動の推進者は,実はボニターでございまして,また各小学校区ごとに選定をされました推進員であるわけでございます。中でもボニターにつきましては2つの役割を持っておりまして,その1つが各地域における防災・防犯等についての問題点等を洗い出し,協議会,あるいは市の方へ報告をしていただくモニターとしての役割,もう1つが防犯,防災に対し,防災拠点訓練等での図上訓練等の指導者,あるいはくらがり診断,安・安診断等といった事業の担い手となっていただく,つまりボランティアとしての役割,この2つの役割を持っておるわけでございます。 したがいまして,ボニターは安全・安心に関する自主的な活動も展開しておみえでございますが,協議会の組織の中では推進員としての位置づけがされておるところでございます。今後もこうした方式の中で取り組んでまいりたいと,このように考えておりますので,よろしくお願い申し上げます。 ○議長(友松孝雄君) 4番 水谷忠成君。 ◆4番(水谷忠成君) 御答弁ありがとうございました。 それぞれ答弁いただき,組織及び連絡網等は確立されていることはよくわかりましたが,ややもすると活動に関係した人たちだけが理解しており,新規活動希望者や手助けを必要とする市民には理解しがたいこともあるかと思います。だれにもわかる組織づくりを目指し,渦中の人のみ知る活動でなく,ボランティアは市民一人一人に親しまれ,初めて実を結ぶものと考えます。 春日井市の安全なまちづくりとして,環境や福祉,そして文化,国際交流などの多様な分野でのボランティア活動が活発になり,より住みやすい春日井にするために,現在活躍されているボランティアやNPO団体等の要望や意見を十分に聞き入れていただき,ニーズに合ったボランティア活動が気持ちよく楽しんでできるよう,計画にとどまらず目に見える環境づくりを目指していただくことを希望して質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(友松孝雄君) 22番 田中康則君。     〔22番 田中康則君 登壇〕 ◆22番(田中康則君) 私は,いつものとおり市民の心とその声をもとにいたしまして,通告がいたしてあります件について順次お尋ねをいたします。 国家レベルの二大プロジェクト,つまり来年,平成17年2月17日には名古屋空港が一元化,そして同じく平成17年3月25日から9月25日までの148日間,隣町の瀬戸,長久手を中心エリアといたしまして開催がされる愛・地球博,このいずれもが我が町春日井に直接に,また地理的,そして経済的,感情的に春日井市民にとっても生活そのものに影響が大きくある万博,愛・地球博は,約半年間の148日間を開催期間とする一過性のイベントではあるが,名古屋空港の一元化は子々孫々にわたるそのプロジェクトが数々の話題,問題を残し,引き継いで新たな展開がされていきます。ぜひともに春日井市にとっても,県営名古屋空港の有効な進捗を期待願うものであります。 そこで,この二大プロジェクトについては,春日井市に不利でメリットの少ないそれらプロジェクトが平成17年に一応の姿形の構築がなります。どうか盛況に,また健全運営がなるようにと期待をし,願うばかりであります。 昨今の世情を見るとき,連日のように大人が子を,子が親を,何とも悲しく嘆かわしい事件がテレビ,新聞から伝わってきます。大人たち,子供たち,地域向こう三軒両隣のかかわりが特にこのごろ希薄になり,もしかすると,いや防ぐことのできる犯罪が数多くあったものと思われます。 さて,我が町春日井市は,平成16年6月現在で人口29万8,484人を数え,愛知県下…… ○議長(友松孝雄君) 質問議員に申し上げます。 ちょっと中身が違うと思いますが……。 ◆22番(田中康則君) いや,違いません。きちっと連携をしております。 ○議長(友松孝雄君) 春日井警察署の新設について。
    ◆22番(田中康則君) 春日井警察については,これから言わせていただきます。前段であります。これがないと皆さんに気持ちが伝わらないという思いで発言をいたしておりますから,御寛容をいただきたいと思います。 そこで,今回のお尋ねの件であります春日井署は,管轄をする春日井市で昨年,平成15年1年間において起きた刑法犯の認知件数は9,139件と,前年,平成14年度よりも28%も増加をし,中でも目立ったのが自動車盗,自動車を盗まれる被害が676台,自動車盗日本一,ワーストナンバー1である。安全・安心のまちづくりを一生懸命にいたしております春日井市は,愛知,岐阜県両県に国道19号線が走り,東名高速道路のインターチェンジがあり,短時間で愛知県外に逃れる容易な立地が災い,助長をしていると,そのように言われております。 平成17年度中には人口30万を超えることが必至とされる春日井市の安心・安全まちづくり,よいまちづくりのためには,地域の連携と春日井署の機能と機動力のアップが何より重要であります。 春日井警察署は明治10年2月22日,警察第一方面名古屋出張所第三署として発足をし,後,名古屋警察勝川分署として勝川に置かれ,その後,幾多の変遷を経て昭和29年7月1日,愛知県春日井警察署となり,昭和42年には小牧市を除いて現在に至るものと聞いております。 その春日井警察署は,敷地面積を3,299.1平方メートル,建物規模を2,863.8平方メートルとし,わずか余地面積を436平方メートルにも満たない。現在の車社会の到来を予想だにしていなかったものと思われます。 現春日井警察署の南側を走る元国道19号線は,県下有数の幹線道路で,1日平均交通量は6万6,000台にも上り,春日井署に出入りする車は15台程度の駐車場があくのを待って,長蛇数珠つなぎの列が絶えずあり,春日井署の前が地域の人,また走行車にとっては,まさに春日井警察署の前に迷惑駐車の列が並ぶありさまに,警察署の幹部の声,市民の多くの声から,30万人都市にふさわしい春日井安心・安全まちづくり機能,機動力,万全,いかんなく発揮することのできる春日井署の新設を願う声が大きく強く聞こえてきます。 私は平成17年2月17日,名古屋空港一元化,中部国際空港開港が成り,愛知万博の盛況のうちに営まれた後は,ぜひともきっと,どうか30万人都市・春日井市に似つかわしい愛知県春日井警察署の新設を,市民の大きな強い声に,春日井市はどのようなお考えで市民にこたえられるのかお尋ねをいたします。 次に,人はだれしもいつまでも健康で楽しく幸せに長生きをして,家族に慕われて頼られて,病の床に伏せることもなく,皆に愛されて,朝,満足をした安らかな顔でポックリとだれに世話もかけることなく,だれ一人も帰ってこないすばらしいあの世たるやに行くのが夢でありますが,そんなうまい話はないわけであります。せめて自分のことは自分でできる。一人でおトイレに行けることが終の願いであることは,お年寄りにとっては偽りのないことであることは間違いがありません。そんな願いがかなうためには足,歩くことができるには足,足の筋力が衰えることのないことが何より大事,肝要であると私は確かな体験の中から思うのであります。 そこでまず,短期のデイ,ショートの介護施設における生活の一部に,介護を受けず,いつまでも自立をして生きられることのできる介護予防の具体策についてお尋ねをいたします。 私たちはこれまで,どれだけ長く生きられるかを示す平均寿命,男性が78.36歳,女性が85.33歳。これは世界一であります。が,この平均寿命が人の健康の物差しと言われてきました。が,今は介護を受けずに自立をしていつまでも生きる健康寿命が新たな指標となって,人皆老いを感ずる65歳ごろから,あと何年元気に生きることができる平均余命の実績を,昨年,平成15年に調査をいたしましたところ,その平均余命は男性が18年,女性が23年にも達し,従来からの長寿世界一年齢の更新をする数字を見ることができます。 私は,春日井市の福祉厚生行政は,幅に広く底に厚いが,動きにややもすると慎重,それでももしかすると,しかしと机上の上のペンがとまる,そんな思いを少し持っておるところであります。だれしも人の世話,介護を受けず,自分のことは自分でできる,自立をしていつまでも元気な健康寿命につなげるには,何より足。歩くことのできる足の筋力を衰えさせないよう,つけることが最も大切なことであります。 短期であっても入所するお年寄りは行きづらく,心細く頼りなく,また1日が長いとよく聞きます。入所者それぞれスケジュールに沿って生活を営む中で,入所前の家庭においては,どうにか歩いて自立ができた人が,短期の入所により精神的な不安と,日ごろの動きのリズムに合わず体調を崩し,不調のようだと,職員の方に親切に大事にされてベッドに横になって,食事はベッドに,おトイレはおむつの中で,しっかりヘルプのかいがかえってなく,家庭に帰るとき足の筋力が弱って,歩くことがままならず,また横になることが多かった数時間が災いして心肺機能,腎機能などが不全不調を来し再入院,回復に重大なアクシデントがあることをよく聞きます。 そこで,具体的に入所者の足に重しをかけて,日程にある行動に負荷をつける,ベッドにいるときは上体を起こした時間を持ち,でき得る限り足の筋力が衰えないように,元気のないようだと動きをやめたり,ベッドに横にと勧めることはなく,励まして,安全が先ではあるけれども,不調にならないように積極的な筋力の促進対策について,どのようなお考えかをお尋ねをし,次に春日井市内の街区公園等への歩行訓練のスロープの設置整備についてお尋ねをいたします。 春日井市は,努めて緑の育成,自然を守る,みずから進んで体を鍛え,命を大切にしようと努力一生懸命の町であります。市内の公園では,子供たちが元気に遊んでおります。お年寄りの方は集い憩いながら,グラウンドゴルフ,またゲートボールに興じている姿を見るとき,楽しくうれしい思いがいたします。足腰が達者なら,グラウンドゴルフ,ゲートボール,朝早く起きての歩け歩けができますが,ちょっと自信がないからそれもできない。みんなの仲間に入れない。会社勤めをやめたら地域のことは何もわからず,隣の人にもなじめない,向かいの人とも話ができない,孫の相手はとても足がついていかない,町内にはそんな悩みの高齢者が大勢おります。まずは足が丈夫で歩くことのできることが最も大事なことであります。 そこで,市内街区公園の中に,例えば10メートル,20メートルほどのスロープを立脚をして,気軽にそこにスロープがあるからやってみよう,これから毎日,鉄棒のような,ブランコ,シーソーのような遊び感覚で楽しく触れ合いながら歩き,また足を曲げ伸ばし,知らぬ間に足腰丈夫になった。町になじんだ,友ができたと。病で入院中の人によく言いますが,その方々に走れるようになってくださいと励ますことはありません。歩けるようになってくださいと励ますのであります。歩けることだけでいいのであります。歩くことができれば心が軽くなり,痴呆,ぼけが走り去っていきます。国の宝,子供が遊ぶ公園に,国の恩人であるお年寄りが気軽に外へ出てスロープに親しんで,足の筋力をつけるように,自分のことは自分でできる,人の終の願い,気軽に楽しく近所の公園で好きなときにスロープを友にして,歩くことのできるスロープの整備について,強くその対策を願うものでありますが,お考えのところをお尋ねいたしまして,壇上での若干の注意を受けましたが,1回目の質問といたします。よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 企画調整部長 藤田康幸君。 ◎企画調整部長(藤田康幸君) それでは,春日井警察署の件につきまして,私の方からお答えさせていただきたいと思います。 現在の春日井警察署につきましては,質問議員の御指摘のとおり,駐車場のスペースが狭いといったことを初め,幾つかの問題も耳にしておりまして,私どももそういったことを認識しているところでございます。 そこで,私どもといたしましては,旧市民病院跡地の有効活用の一環としまして,これは愛知県に対しまして春日井警察署の移転を毎年度要望しているところでございまして,今後も粘り強くこの要望活動は続けてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 入谷直賢君。 ◎健康福祉部長(入谷直賢君) それでは,2点目の介護予防の具体策についての御質問にお答えをいたします。 介護保険制度の居宅サービスにつきましては,介護支援専門員が利用者の心身の状況,環境,本人や家族の希望等に応じて介護サービス計画を作成し,居宅サービスを適切に利用していただいております。 平成15年度の利用状況でございますが,ショートステイが延べ約3万1,800日,デイサービスが延べ約12万5,700回,このようになっております。 現在,在宅の要介護者等に対するサービスにつきましては,通所介護など12種類があり,サービス事業者は要介護者等の心身の状況等に応じた適切なサービスを提供するとともに,みずからの行うサービスの質の評価等により利用者の立場に立ったサービス提供に努めることとされております。 筋力トレーニングなど介護予防策につきましては,利用される施設で作成されました機能訓練等の目標やサービス内容を定めた計画に基づき実施されますので,今後さらに利用者の心身機能の維持に対するサービスが充実されるよう,また特に今,質問議員がおっしゃいましたように介護サービスの利用に伴う筋力の衰えを極力防ぐために,利用者の状況に応じた適切なサービスが提供されるよう,居宅介護支援事業者連絡会などを通じまして強く働きかけてまいりたいと思います。 また,本市の介護サービスセンターにおきましても,筋力トレーニングや回想法などの介護予防や痴呆予防に十分意を用いながら,利用者の立場に立ったサービス提供に努めてまいりたいと思います。 なお,国におきましては,介護保険の見直しの議論が続けられておりまして,その中で対象サービスとして筋力向上トレーニング,転倒・骨折予防などの介護予防サービスも検討されておりますので,その動向についても注視してまいりたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) 建設部長 伊藤 昌君。 ◎建設部長(伊藤昌君) それでは,街区公園等での歩行訓練用のスロープについてのお尋ねでございますけれども,御承知のように公園内の施設につきましては,ブランコ,滑り台といった通常の遊具に加えまして,街区公園を初め市内52カ所の公園には垂直飛びを初め上体起こし,平行棒などの健康づくり遊具を設置しているところでございます。これらの遊具を利用することで,市民の皆様方が健康保持や体力づくりに役立てていただいているものと考えております。 お尋ねの高齢者の方々の機能回復につきましては,ただいま健康福祉部長が申し上げましたように,それぞれの体力,状態に応じた適切な機能回復訓練等が必要でございます。このようなことから,一般の公園での施設整備につきましては,その対応が限られてまいろうかと思います。 なお,公園内の施設につきましては,段差解消やスロープを設けるなど,軽度な要介護者や身体障害者の方々が気軽に公園を利用できるように整備に努めているところでございますが,既設の施設でそれぞれの状態に合った健康維持,機能回復等の場として公園を御利用していただきたいというふうに考えております。 ○議長(友松孝雄君) 22番 田中康則君。 ◆22番(田中康則君) 余分なことを言わんように気をつけながら質問をいたしますね。 春日井警察署,その庁舎の新築につきましては,来年,平成17年の中部国際空港の開港と愛知万博の二大プロジェクトが一応終了をいたします。我が町春日井市,30万人都市にならんとするこの機に,春日井警察署,その庁舎の新築を県に要望を強くされるように,我が町春日井のまちづくりは市民の連携と春日井警察署の信頼がかなめでありますので,どうか強い要望をされることを重ねてお願いをいたしておきます。 デイ,ショート,介護施設におきましては,日常生活の中,その一部,またスケジュールに市内70余ある居宅介護支援業者,また市介護サービスセンターを通じ,入所者及びその家族の切実なお願いに対して,市から強く要請をしていただけるように,重ねてお願いをいたしておきます。 次に,街区公園等への介護予防のためのスロープの整備については,さらにお尋ねをいたします。 私は,ただいま建設部長の答弁を聞いておりますと,私がお尋ね,お聞きをしているのは,軽度な要介護者や身障者の方々が気軽に公園を利用ができるよう整備に努めているところであるという答弁がありました。だとしたら,介護予防を言っておるわけでありますので,今の答弁については若干に物足りないというふうに思うわけであります。 人の手助けがなく,自分のことは自分でできるよう,まずは市の公園に行ったらスロープがあった。1人で行って気軽に利用して,またあす来よう。友達ができた。楽しみながら知らぬ間に足に力がついた。何もインストラクターやボランティアの人に囲まれたりして行うのではなく,スロープが公園にあるからちょっとやってみるか。そんな気楽な大人の遊具感覚でのスロープ,手すりの整備をお尋ねをいたしておるところであります。垂直飛びや立位体前屈,上体起こし,反復横跳び,平行棒,小学生,中学生,若人ではないわけでありまして,このようなものを年寄りが気軽にできるわけがありません。我が身にならないとその切ない気持ちはわかりません。机上の上での考えではなく,そのような考えは人に伝わりません。何も立派なものをつくれと言っておるわけではありません。あすつくれとも言っておりません。だれしも終の望み,自分のことは自分でできる,人の世話にできるだけならないよう願うお年寄りのための介護予防策の一つの具体策として,お尋ねをいたしておるわけであります。 いま一度,試作品として公園の一,二カ所につくりましょうと,そんな程度のことを,いま一度思いながら,市のお考えのところをお聞かせをいただきたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) 建設部長 伊藤 昌君。 ◎建設部長(伊藤昌君) それでは,2回目のお尋ねにお答え申し上げますけれども,公園整備につきましては,これまで地域の皆さん方やいろいろな方の御意見を聞く中で,整備に努めてきたところでございます。 お尋ねの件につきましても,先ほどお答えしたように整備については限りがあろうかと思いますけれども,既存の公園内においても,多少のスロープのところやある程度の起伏のあるところがあろうかと思います。そういったところを御利用していただきたいというふうに思っております。 いずれにしましても,公園の整備については,これからも人にやさしいまちづくりの視点や,さらには福祉施策の面においても考慮しながら,公園の整備はする必要があろうかと考えております。今後においても,高齢者の皆さんや障害の方々に配慮した公園整備に努め,だれでもが利用しやすい公園整備に努めてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(友松孝雄君) 22番 田中康則君。 ◆22番(田中康則君) ぜひとも,だれにでもの中の高齢者向きの,それも介護をすることのないような,筋力のアップができるような公園に何かしらの,つまりスロープ,これらの設置が望ましい。これは多くの方が言っておられますので,そのような方向にひとつ何とか御検討をいただきたいと思います。 市民の心,その声をもとにして私はお尋ねをしておりますが,それでは市長から,お尋ねの件についてトータルをして,お考えのところをお聞かせをいただきたいと思います。お願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 市長 鵜飼一郎君。 ◎市長(鵜飼一郎君) 介護の問題は,現在,介護保険制度ができて5年目を迎えております。多くの課題があることはそのとおりでございますが,特に今御指摘があるように,軽度な介護を受ける人がどんどん今ふえておるわけです。そのことを思いますと,いかに予防的な介護といいますか,予防的な施策が必要かということはもう喫緊の課題になっているわけであります。近いうちに国の社会保障審議会の介護保険部会が,この現在の制度を徹底的に分析をしまして,一定の今後のあり方についての提言をまとめております。それをもとにして現在,全国を幾つかのブロックに分けまして,地方の自治体の首長自身の声を聞きたいと,こういう今状況にあるわけでありまして,私もそういったブロックには出かけるという返事をいたしているわけでありますが,そのことを考えますと,いかに予防的な介護施策が必要かということであります。 その一つとして,身近な公園におけるそういったこともできないのかと,こういうことでございますが,どの程度の障害なのかどうかと,こういうことがございますので,何でもかんでも何かつくろうというような単純な話ではいけないだろうと。 したがって,軽度な予防施策というものをあらゆる角度から検討して,公園内でのそういったものをつくるということも,一つの施策になるかもわかりません。いま少し時間をいただきまして,そういった面についての検討をしながら整備に努めていきたいと,このように思っております。 ○議長(友松孝雄君) 34番 伊藤隆司君。     〔34番 伊藤隆司君 登壇〕(拍手) ◆34番(伊藤隆司君) あらかじめ通告をいたしました点について,順次質問をいたします。 環境保全のための高蔵林の購入,平成13年9月28日,春日井市環境基本条例の制定,そして県下ではもちろん,全国的にも例の少ない希少動植物の移動などを規制する内容を含んだ条例化を目指した自然環境の保全を推進する条例制定の基本方向も,本年3月に答申がされました。環境都市宣言春日井の精神は,一歩一歩着実にその歩みを進めているところであります。 今,政治の中心は環境を基本テーマとしなければ前へ進めなくなってきていることは万人が認めるところであり,ヒートアイランド対策として,この夏,地味ではありますが,昔はどこでもやっていた打ち水作戦が全国各地で展開されました。打ち水大作戦は昨年,東京の5つの環境NPOが企画し,打ち水週間を設定し,この夏は8月下旬の1週間で名古屋を含め全国で800万人が参加し,各地で1から2度の気温低下が確認されており,愛・地球博でもヒートアイランドの日本を冷やすため,100万人を動員した打ち水大作戦を展開する計画が発表されています。 水の惑星・地球が緑の消失によって乾燥化が進んでいます。私たちの周りで水と緑について,いま一度考察をしてみたいと思います。 尾張藩は現瀬戸市の水野野に寛文元年,1660年に山林監視役所を置き,藩内の木曽から東濃を含めて取り締まってきました。その後は山方奉行を置き,一段と厳しく取り締まってきました。特に寛文7年,1667年から天保11年,1840年までの173年間,松根堀取禁止令を出し,徹底的な取り締まりをし,緑の回復を図りましたが,明治2年,1868年,廃藩置県により山林規制が解除されると,明治5年ごろまでに再び乱伐によって,東濃からこの地方は日本の三大荒れ地になってしまいました。明治維新の御田方は森林にも致命的な打撃を与えました。内津峠は「峠の境杉」「美濃に八枝,尾張へ八枝,陰が内津の町をさす」とまで言われた峠の名物杉があり,幹周り12メートル余りあり,大枝をはい,天にそびえ立っていたと言われています。 歌人,横井也有の内津草の中で,「妙見宮の山の近くに杉の木立物すごく茂り」云々とあり,言い伝えでは見性寺裏から県境,そして内々神社から奥の院に至る山谷には,幹周り2メートル余り,高さ40メートルに届くうっそうとした美林があったと言われています。その見事な美林ゆえに,内々神社社伝によれば,慶長2年,1597年,豊臣秀吉が朝鮮出兵のとき,戦勝を祈願して社頭の大杉7本を切り出して軍船の帆柱とし,お礼として焼失してなくなっていた社殿を寄進し造営しましたが,徳川末期,腐朽が著しくなり,氏子崇敬者が浄財を集め,享和3年,1803年,当時の名匠と言われた信州諏訪の立川一家より立川内匠(和四郎)冨棟とその子,立川和四郎冨之,立川四郎治冨方の3人を招き,享和13年までの10年間,精根を込めてつくられ,文化財的な社殿が改築されたものであります。 内津の杉は,神社を中心として有名であり,それまでは社殿の造営,祭礼やその他村の特別な出費の財源とされており,大切にされていましたが,新政府になると村の共有財産はすべて新政府に没収されるという風評を言い伝え聞いた人たちは,村方一同が協議の上,没収されるならばと数百年を経た美林は惜しげもなく売却され,今は当時の面影は全くありません。 全国で山林が荒れ出し,慌てた明治政府は,明治9年,1876年,地租改正により山林伐採禁止と植林思想の高揚をし,明治11年,オランダ人技師デ・レーケによって山林調査を始め,庄内川水系,坂下村に砂防工事がされ,明治13年,水源管理規定により樹木伐採許可制となり,明治30年,砂防法,森林法,河川法が制定され,アメリゴ・ホフマン東大講師によって瀬戸に砂防見本がつくられ,全国から視察に来るようになったその一方で,明治39年,1906年,悪名高い神社合祀令を公布した結果,全国各地の神社仏閣が統廃合され,鎮守の森として大切にされていた里山や森にあった神木とあがめられた巨木や森などが次々と利益の対象とされ,売却されていきました。 その結果,森林が荒廃していくそのさまを見た日本が世界に誇れる植物学者・南方熊楠氏は,この惨状を憂え,「伐採は神狩であり,自然の破壊は人間の破壊でもある」と唱え,地元住民の協力も得た徹底的な調査から,無秩序な伐採により害虫の大量発生,土壌崩壊,洪水の発生,また無秩序な伐採が一部でもあれば,山頂まで影響するメカニズムを実に100年も前にエコロジーという言葉を日本で初めて使い,共生の大切さを訴え,その考えを広めてきました。 三重県御浜町にある樹齢千年を超える阿田和の大楠も,現在の金額にすると800万円で売却されようとし,今や世界遺産となった熊野古道の多くの樹木も彼の活動により最小限の被害でとどまり,那智の滝の周辺の巨木や水源地も乱伐されようとするところを,行政と徹底的な戦いをして逮捕もされましたが,その結果,伐採を免れ,今に至っています。もし南方熊楠氏の熱心な運動がなければ,那智の滝の水源はかれ,熊野古道も世界遺産にはならなかったとも言われています。柳田国男氏も南方熊楠氏の活動に力を貸し,里山や森林の大切さが再び理解されるようになり,当時は絶対的な力を持っていた帝国議会をも動かし,中村教次郎帝国議会議員の歴史的な国会演説により,帝国憲法が改正され,絶大な強制力を持った神社合祀令は大正7年3月2日に廃止され,残された数少ない鎮守の森や山は伐採の危機から救われました。 「切るはいっとき,育つは百年」,緑を守ることがいかに難しいことであるか。一度失ったその緑は,その数倍の努力をしなければ回復は不可能であることを,歴史の上から私たちはもっと学ばなければなりません。 これらの教訓から,春日井市もよい環境として後世に絶対残していかなければならない貴重な自然の残る廻間町奥山から大谷北池を挟み,栗津,西尾町岩ヶ根に至る公園緑地課の管理する土地があります。ここは築水池や大谷川の源流にもなるところであります。 一方,ここには古来,万葉集などにも日本の代表的な花として多く登場している幹周り2メートルを超すヤマザクラも多数ありますが,間伐などの手を入れてやらなければ,将来枯れてしまう運命にあることは目に見えています。 多くの本も出版し,国内外で1,200カ所以上の鎮守の森などを見て,各地に合った木を植える森の再生法を確立した経験を持つ国際生態学センター所長の宮脇昭氏は,高い木や低い木,ひなたが好きな木,日陰でたくましく生きる木,多様な木が競合と我慢の中で育つのが本来の植生だと言っていますが,本来の植生を残した森林はわずかしかないとも言っています。また,里山は手入れが必要であることも述べています。 山を整備することが川の管理になることは冒頭に長々と申し上げました。この中で御理解をお願いをしたいと思います。 植物園,そして少年自然の家周辺と東部丘陵を一帯として,春日井市環境基本条例及び自然環境の保全を推進する答申の精神にのっとり,対応すべきと考えます。このまま放置しておくとするならば,市の里山管理に対する見識が疑われるところであります。 里山,鎮守の森の手入れの見本を見ようとするならば,行政の担当者は一度,玉野町にある五社神社の見事な下刈り,そして間伐による管理状態を学ぶべきと考えます。奥山のグラウンド周辺は,形状からして岡谷市にある鶴峰公園のようなツツジ山にし,峠に近い上部は豊中市のように生ごみや剪定枝のチップなどを利用した堆肥工場や公園,道路及び天然記念物のシデコブシなどの育苗センターをつくり,市民などに提供するのも一つの案と考えます。近くでは犬山市がヒトツバタゴ,ナンジャモンジャの木を育苗し,市民に提供しています。現地調査をしてみますと,排水がベンガラ色というか黄色というのか,普通の地下水では考えられない色をしています。農業用水の源流にもなりますので,将来を考えたとき,処理してから放流する必要があるかもしれません。また,水系は違いますが,この地域を源流とするうぐい川があります。その名のとおり,かつてはふちに瀬に大量の魚影を映し,また銀鱗を輝かせ,投網で大量に捕獲でき,数年前までは白山神社付近でホタルも飛び交っていたと言われています。 市がすべてをやることはできませんが,地元の人たちの熱い思いもありますので,地域と一体となった積極的な浄化作戦を検討し,清流復活のプロジェクトを考えるべきと思います。 森と水,地球温暖化の影響については,独立行政法人農業環境技術研究所,農環研が2001年に発表した報告では,2030年代に関東の5月から9月の平均気温が現在の九州程度になると予測し,技術的な対策をしても60年後には全体の収穫量が10%減る可能性があると指摘しています。温暖化が水稲に与える影響評価研究の第一人者である京都大学農学部の堀江武教授は,夜温が上昇すると水稲の呼吸がふえ,減収,品質低下につながり,開花時が高温の状態になると受粉率が下がり,高温不稔が起こり,害虫の発生や水資源の不足になり,食糧供給についても農環研の鳥谷均食料生産予測チーム長は,中国経済,輸出国の乾燥化などにもより不安定要因が増加のほか,今まで豪雨の少なかった新潟や福井のようなところでも農地への土砂堆積の被害が出るなど,全国的に風水害が大規模化する傾向にあると述べています。 林野庁も森のいやし効果の本格的な解明に向けて,本年度から科学的な裏づけをもとに,森林療法を広く普及実践させて,健康増進やリハビリに役立てられるよう系統立てて,新たな森林学を確立させると発表しています。 春日井市が率先して斬新な森林政策を確立し,よそからモデルとなるような情報発信源となることを望むところであります。 ヒートアイランド対策については,過去にも何度も質疑をされてきたところでありますが,環境を基本テーマとした愛・地球博が開催される今,市民へのアピールもありますので,庁舎などの屋上緑化についても取り組むべきと考えます。 次に,新聞報道によりますと,地元のメーカーが今話題となっているカテキンを使用した空気清浄機を開発したとあり,その内容についてはカテキンの殺菌効果とマイナスイオンを発生させ,同時に集じんをするという高性能なものであります。高齢化社会になり抵抗力の弱くなる人が増加してきます。医療費の高騰を防ぐためにも,福祉施設や病院など人の大勢集まる場所に設置してはと考えます。 次に,迷惑防止条例についてでありますが,過去に暴走族,落書き防止対策など質疑をしてきた経過がありますが,新たな市民の苦情として,深夜の花火が問題化してきています。音による安眠の妨害と火災の不安に悩まされ,苦慮しています。他市の例では,条例によって規制しているところもあります。条例をつくればいいというものではありませんが,安心・安全で快適に暮らせるまちづくりを標榜する春日井市にとって,一定の基準になるものは持つ必要性を感じます。連日報道されている市内でのひったくり報道や自動車盗難日本一の不名誉にも対応しなければなりません。 市内には地域で活躍する実に多くの個人や団体があります。これらの人たちが有機的なつながりが薄く,横の関連がないように感じられます。相互の連絡体系や防犯対策について協力関係をつくり,組織化をするべきと考えます。 最後になりますが,財政的に厳しいことは十分理解をしています。しかし,執行権者である当局が予算の範囲内で行政に反映させることが可能であるならば,少しでも行政努力によって前向きに取り組むことを望むところであります。15年度の一般会計歳出決算を見ますと,シデコブシ保全工事,築水池周辺貴重湿地保護工事に約80万円の出費がされています。これらを原資とし,継続的に今後も予算をつくれば,少しずつでも廻間奥山周辺の整備は可能になってきます。より一層,環境都市宣言春日井にふさわしい政策が打ち出されることを期待して,第1回目の質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 建設部長 伊藤 昌君。 ◎建設部長(伊藤昌君) それでは,お答え申し上げます。 お尋ねの周辺地域の弥勒山及び西高森山周辺の県有地は,以前,有刺鉄線で囲まれておりまして,人が容易に入れないような状態であったところでございます。 そこで,春日井市といたしましては,自然を保全するための整備が必要であると判断いたしまして,県に対しまして要請をした結果,みろくの森周辺の生活環境保全林整備事業として愛知県が整備を進めたところでございます。 そこで,市におきましても,この事業にあわせまして,隣接する大谷北池周辺の県道春日井瀬戸線沿いの自然に恵まれた森林地域を含めまして環境を保全し,訪れた皆さんが自然と触れ合い,親しみ,自然学習や健康づくりの場となるよう,平成6年度に東部丘陵地域整備計画を策定いたしたところでございます。 その後,平成8年度より用地取得を進め,取得予定面積約10.9ヘクタールのうち約85%,9.2ヘクタールを取得いたしたところでございます。 取得いたしました区域につきましては,樹木の剪定や草刈り等を実施し,残された貴重な里山の維持管理に努めているところでございます。 今後におきましても,下草刈りや下枝剪定などを必要に応じて実施をいたしまして,当地区に生息いたしますシデコブシやヤマザクラなどの保全を図るとともに,築水池周辺湿地の保護にも努めてまいりたいと考えております。 お尋ねの整備につきましては,森林を活用した学習や体験を主体とした利用を基本といたしまして,御提案の趣旨も踏まえ,今後,調査研究をしてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(友松孝雄君) 下水道部長 伊藤勝美君。 ◎下水道部長(伊藤勝美君) 大谷川,うぐい川の水質改善と環境整備につきましてお答えをいたします。 大谷川やうぐい川を初め,内津川などの上流では,昭和の初期から中期に整備された山腹での砂防堰堤がほとんど土砂が堆積し,また開発等により保水能力の減少を招き,降雨時におきまして雨水の流出や,反面,平常における河川流量の減少によって河川の汚濁が増加しております。 こうした河川の良好な環境保全を図るため,本市におきましては庄内川を初め大谷川などの河川で,市民団体や企業などと連携をいたしまして,河川の美化に取り組んでいるところでございます。 本年度,試験的ではございますが,沢渡調整池におきまして,微生物によります水質浄化の試みを地元の皆様と協働して行う計画であります。 さらに,国土交通省では,庄内川八田川合流点におきまして,民間企業5社とともに植物や繊維膜などによりまして,水質浄化の実験を実施する運びとなっております。 こうしたさまざまな試みや取り組みにつきましては,地元の皆様方の御理解,御協力が不可欠でございます。河川の環境改善に対しまして,それぞれ地元の皆様方と協働して,良好な河川環境づくりを進めてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いをいたします。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 入谷直賢君。 ◎健康福祉部長(入谷直賢君) それでは,感染症対策としての空気清浄機の設置についての御質問にお答えをいたします。 感染症予防対策につきましては,福祉施設では消毒や法定検査,清掃の実施を初め,施設利用者には手洗い,うがいの励行の啓発など,感染予防や啓発に努めているところでございます。 また,本年,第1回の定例市議会で御提案いただきました福祉施設での殺菌,脱臭対策としての光触媒の活用について,引き続き情報収集や調査研究を進めているところでございます。 不特定多数の人が利用する施設や虚弱な高齢者が利用する施設では,感染症などへの対応に万全を期すとともに,日ごろから清潔な環境を確保することが最も重要であると認識をいたしております。 御提案のありましたカテキンを使った空気清浄機につきましては,報道等もなされているところでありまして,その活用につきましては快適,健康,清潔,環境などの面で効用が期待されるということでございますので,光触媒とあわせまして,さらに情報収集に努めるとともに,活用について調査研究し,福祉施設を安全,かつ快適な環境で御利用いただけるよう努めてまいりたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) 市民病院事務局長 岡田 滋君。 ◎市民病院事務局長(岡田滋君) それでは,感染症対策としての空気清浄機,市民病院からお答えを申し上げたいと思います。 市民病院におけます院内感染対策の一つとしての空気清浄につきましては,外気の取り込みを病棟においては24時間,診療棟においては日中に限ってこれを行いまして,冷房が必要な時期では,取り入れた外気を冷房の効果に支障のない26度程度に落として取り入れた外気を院内に送風しておるというようなシステムになっております。 そして,特に清潔を必要としますICUや手術室では,フィルター・ファンコイル・ユニットを設置しまして,法で定められた浮遊微生物濃度測定や浮遊粒子数測定などを行いまして,そのほかの場所でも浮遊粉じん量測定など環境測定を定期的に行い,空気環境の基準に適合するよう空気を浄化し,清潔の確保に努めているところでございます。 御提案をいただきました空気清浄機の設置につきましては,医療施設での使用効果がどのようなものであるかを調査する中で,今後におきましても,より有効な感染対策について研究してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(友松孝雄君) 環境部長 松田和敏君。 ◎環境部長(松田和敏君) ヒートアイランド対策についての考え方についてお答えいたします。 近年,人の活動によるエネルギー消費が増大するとともに,地表を覆う人工物の増加により,緑地や水面などが減少し,ヒートアイランド現象が発生しております。特に都市部で気温が上昇したり,局地的な激しい雨などの異常気象が発生したりしております。この主な原因といたしましては,道路や建築物が昼間の太陽の熱射で高温になり,夜間に蓄熱された熱が放出される,緑地や河川,池の面積が小さくなり,植物や地表からの水分の蒸発量が減少し,冷却効果が小さくなる,都市部の自動車排気ガス,空調設備からの排熱などにより,大気温度が上昇する,都市部へ流れ込む風がビルに遮られ,都市部で温められた空気が逃げにくくなるなどが挙げられております。 このため,平成14年度に策定した環境基本計画では,自動車,エアコン,生産による人口排熱の抑制,緑地や公園の計画的な整備,川や池の水面の保全,郊外から都市へ流れ込む風の道の調査などの取り組みを計画いたしております。 御質問がありました市庁舎等の施設におきましては,平成11年にオープンした文化フォーラム春日井に屋上庭園スカイフォーラムを設置し,屋上緑化によるヒートアイランド対策を行うとともに,来館者の憩いのスペースとして有効利用されているところでございます。 屋上緑化につきましては,断熱の効果,空気清浄効果,雨水排水抑制効果,都市景観の向上や環境共生効果などがあると言われております。しかし,市庁舎などの既存施設については,当初から屋上緑化を想定していないため,一般的には緑化をすることにより屋上荷重の増大,あるいは散水設備の設置,排水設備の詰まりなど,構造上の問題や設置費及びメンテナンスなどのコストの問題もあります。このため,部分的に可能かどうか研究してまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いをいたします。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 浮海正夫君。 ◎総務部長(浮海正夫君) それでは,続きまして迷惑防止条例の制定についてお答えを申し上げます。 建造物への落書きや公園等での深夜花火は,市民に対しまして不安感を与える迷惑行為であるということは十分認識をいたしておるところでございます。こうした行為を条例で規制している自治体があることも承知いたしております。 現状といたしましては,落書きにつきましては刑法に器物損壊罪が規定されております。しかし,深夜花火を禁止する法令等はありませんので,こうした迷惑行為を条例で規制することも考えられるわけでございます。 しかしながら,落書きや深夜花火などの迷惑行為は地域の問題でもあり,地域の安全を確保するためには,地域住民同士で解決することも地域育成の一手法ではないかというふうに考えております。 春日井市におきましては,こうした市民の方々の問題解決に向けた活動に対しまして,パトロール腕章等の貸与等の支援をするとともに,警察とも連携を図るなど,市民,警察,市が一体となり問題解決を図っていきたいと,このように考えておりますので,よろしくお願いを申し上げます。 ○議長(友松孝雄君) 34番 伊藤隆司君。 ◆34番(伊藤隆司君) 今,答弁の中では,いろいろとお答えいただきましたが,下草の利用,それから枝の剪定したもの,こういうものはどうするかというようなことは,まだ具体的には出ていないですね。これは今後の検討課題ということを総括的に申し上げておりますので,今後のこととして取り組んでいただきたいと思いますが,今まで何回も言っていますが,やはり積極的にこういうことは取り組んでほしいなと思います。 それから,下枝刈りはやっているとのことですが,やはり行ってみますと,間伐なんかをやらないと,もうだめだと思うんですね。ですから,やはり専門家とかそれぞれ,いろいろ取り組んでいる方もいますので,そういう方から知識を得ながら,やはり大胆な間伐等もやっていかないと,本来のそういう里山という構造が崩れてしまうと思いますので,そういうこともやはり関係の部署の人たちは取り組んでいただきたいし,勉強もしていただきたいと思っております。 今回の予算なんかを見てみますと,決算等を見ても,シデコブシの保全とか,または貴重な湿地に対しての保全ということで予算が執行されました。また今年度見てみても,調べてみますと引き続きやっておられるということでありますが,ただ全般的に見ますと,緑化振興予算というのは大幅に削減しているわけですよね。ですから,こういうことについても,やはりもう少し考えてほしいなと思います。 ただ,今までの予算の見方を言いますと,各部の中で調整すると。おまえのところで,はっきり言ってこの中で,部でもっと調整しなさいという部分があるものですから,やはり政策的にやろうと思うと,やはり企画部門とかそういうところが,市の環境部門をどうするとか,そういう緑をどうするということを,もっとやはり政策として打ち出さないと,やはり予算をつけにくいと思うんですね。自分のところの部だけで努力するというのは限界があると思うんですよ。したがって,今後そういうことも含めてやっていかないと。 いろいろ今回決算書を見てみますと,各部門でこれ使わなくてもいいなという不用額があったり,またこれをやめてこっちに回した方がいいんじゃないかという予算も結構あるんですわね。ですから,今後やはりその辺も考えていただきたいなと思っています。 例えば,緑化の問題で,今,環境部の方から話がありました。庁舎の方は庁舎管理だと総務になりますが,では今既存の建物は本当にできないのか,または今後できないならどういうふうに考えていく。例えば新しい小学校なんかをつくるときに,そういう考えを入れていくのかどうか。そうなると予算としては教育委員会の予算と。そうしたらそんな金は教育委員会ではありませんよとなってしまうわけですね。そうなると,では企画段階のトップの方でそういうことを,そういう学校の新しいところで一つのモデルとしてやろうかとか,例えば丸田小学校が水の流出を防ぐために調整池をつくったと。ああいうようなこともあるわけですから,そういう点で今までに我々の言ってきたことがどんどんそういう施策に入ってきていることはありがたいと思います。 ですから,では環境部では対応できないけれども,教育委員会で新しい学校づくりにそういうことを入れようかとか,そういうふうになってくると思うんですね。ですから,そうなると予算の関係になってきますので,もう全体的な討論というか,そういうのもやっていただきたいなと思っています。 それから,今回,自然環境の保全を推進する答申ですね,この内容を見てみますと,私が平成11年度の第5回で質疑をした中で,山梨県の県条例の中で高山植物の保護の例を挙げて,春日井市もぜひとも動植物の保護について取り組んでくれということを言っておったわけですが,今回の答申,全く同じような内容になっていて,非常にすばらしい内容だと思っています。 一つの例として,シラタマホシクサというかわいい可憐な花があるんですね。これはよくテレビ等で出ますが,豊橋の葦毛湿原というところによく生えることをテレビでやっています。ところが,春日井市の築水池の付近には本来はない植物なんです。それはだれかが勝手に持ってきて植えてしまう。そうすると,在来の植物がどんどん押されてしまうんですね。ですから,そういう,だれかが勝手にやって,自分ではいいかなと思ってやっていることが,かえって自然環境を壊してしまうような部分があるんですね。 ところが,この答申の内容を見ると,そういうことも徹底的に規制するという内容でありますので,ぜひともやはりこの答申に沿って,それで春日井市が他市に誇れるような内容になってほしいなと思っています。調べてみますと,これだけの内容というのは県下でも多分ないかと思いますので,全国的に見ますと,やはり高山植物のある北海道とか長野県とか,そういうところではかなり厳しい条件のもありますが,本当にこういう都市部でこういう内容をつくっているところは多分そうないと思いますので,ぜひともこういういい内容のものを,全国に誇れるような情報発信源としてやっていただきたいと思います。 あと,堆肥化に関して答弁はありませんので,これも今後の取り組みでやっていただければと思いますが,私たちの会派として豊中市の方へ行ってきました。そのときに学校の残飯ですね,それとかさっき言った草,枝のチップ,そういうのも入れて堆肥にしていると。そこで育苗センター,街路樹の植木とかいろいろなものをつくっているんですね。それを植えたりとか,または市民にも提供するということをやっています。 ですから,せっかく春日井がシデコブシを大事にしている市ですから,そういうものをどんどんみんなに提供できるようにした方がいいと思うんですね。なぜかといったら,外来種の木は大切にされて,どんどん植えていくんですね。例えばハナミズキなんかはどんどんあちこちにあるんですけれども,シデコブシなんかは全然出てこないというようなもので,なぜ春日井市がもっとそういうものを育てないか。そういう意味では犬山はナンジャモンジャの木を市の基本としてふやしていくというふうになっているんですね。ですから,そういうことを考えていただきたいなと思っています。 これらも,今,学校給食の問題から何かを含めても,全部,各部門にわたりますので,そういう企画段階でそういう調整をしていただかないといかんかなと思っています。 それから,迷惑防止の関係ですけれども,たまたま新聞にも報道されましたが,今度,総務省の事業として春日井市がモデル自治体になったということが報じられています。これは犯罪や災害の情報を,インターネットを活用して住民に提供する総務省の地域安心安全情報ネットワーク構想の事業として春日井市が指定されたわけでありますが,初年度の春日井市は全国で20市の指定の中に入りました。それは春日井市が,今まですごく安全アカデミーとか安全に対しての積極的な取り組みをしているということで評価されたわけでありますし,春日井市も立候補して指定を受けたわけでありますが,これを見ると,新聞の報道しかわかりませんが,ひったくりや路上強盗などの街頭犯罪や地震,水害などの災害が発生した場合,その地点を地図に示して市民に警報とか警戒していくと,こういうような内容らしいですけれども,その中にもやはりこんなふうな暴走族の情報とか落書きの情報とか,こういうのも入れてもいいかと思っています。 落書きの関係ですと,インターネットを見たり,またはいろいろなところを見ますと,各地でいろいろな取り組みをやっているんですね。NHKでもこの問題を取り上げてやっていましたが,やはり落書きに対して徹底的に消していくと,それはもう出てこない。または落書きされそうなところを市民の協力を得て絵をかいておくと。そうすると落書きが減るということが判明しています。ですから,そういうことも含めてやっていった方がいいんじゃないかと思います。 例えば,王子製紙の外壁ですか,外の壁に今,中部中学校が四季の絵をかいてありますね。あれでもたまたま私も環境対策協議会のときに,あんなところもったいないから,絵をかいたらどうかという話をした経過があります。王子さんの協力と理解があって,それで中部中学校の方でかかせてもらったと。ああいうような絵をどんどんやはりかくのも,一つはいいと思うんですね。 それで,勝川の再開発の工事が始まっています。あそこずっと今,壁がありますけれども,白い壁です。恐らくあれもほうっておくと,恐らく落書きのねらい目になるし,もう落書きの巣になるかと思います。ですから,例えば子供とか市民にアイデアを募って,勝川にふさわしい絵なのか,春日井市にふさわしい絵なのか,明るい活気の出るようなああいう絵をかいて,無粋な工事の壁ではなくて,そういうこともやはりやっていった方がいいかと思います。各地でそういうような取り組みをしているところもあるわけですから,ぜひともやっていただきたいと思います。落書きについてもいろいろなところで取り組みがあって,落書き消し隊とかそういうのをつくってやっているところがあるんですね。ところが私たちが余り動いてやると,また余計な憶測を得たりするものですから,余り私たち動けないものですから,行政の担当者,またそういう部署があるわけですから,いろいろなボランティアの団体とか,または市民運動のたくさんの活動家がいますので,そういうところに呼びかけて,こういうものを排除していくようなことも必要かと思います。 ですから,手をこまねいて見ていてもだめなんですね。今言ったように,では法律で器物損壊とかそういうところで法律があるから,それで取り締まればいいというものではないと思うんですね。やはりそれに対してやっていかないといかん部分もあるわけですから。前にも申し上げましたが,ニューヨークの地下鉄がもう落書きが物すごくひどかったと。その点もあって犯罪が物すごくふえて,もう地下鉄が怖くて乗れないという状況になったときに,やはり当時の担当者が徹底的に落書きを消したことによって,今,ニューヨークの地下街とか地下鉄が非常に安全になったと。それで明るいまちになったということも,これ世界的なニュースとして流れていますし,いろいろなところのモデルとして出ています。ですから,やはり町がすさんでいけば,そういう全体的なもので悪影響の循環が繰り返されるわけですから,やはり何かやれることは積極的にやっていった方がいいかと思います。 それで,うぐい川とか大谷川に関しては,それぞれもう少し取り組んでいただくことを期待をしております。 それからあと,いつも申し上げていますが,山とかそういうのの管理というのは,これ高蔵林も今後そういう管理が必要になってくるかと思うんですけれども,今ああいう木のあるところはいいですけれども,植物のないところというのは新しい木がどんどん生えてきます。その新しい木というのは救荒植物というんですね。要するに救う,耕す。全然荒れ地で生えないところへ,一番先に生えてくる木があるんですね。そういうのはギョウブとかヤシャブシとかウルシなんかが生えてくるんですね。いつも言っている松なんかも,そういうパイオニア植物として新しいところへどんどん生えてくる木なんです。ですから,一番いい例がセイタカアワダチソウ,あれが一時,日本の高度成長のころ,あっちこっちでそういう開発によって荒れ地ができた。そうすると真っ先に来たのがセイタカアワダチソウがだっと生えた。あれがパイロット植物というか,こういう真っ先に生えてくる木なんです。ところが,だんだんほかの木が寄ってくる。そうするとだんだんセイタカアワダチソウも最近行くときれいになくなった。押されていくんですね。植物というのはバランスがあるんですよ。 ですから,今まで見ていく中で,この辺がさっき言った日本三大の荒れ地でひどかったやつが,今はだんだんここまでになってきたと。なってきて,ではこのままでいいかといったら,やはりこのままではいかん。里山であったら,もう少しやはり調査研究して,これはやはり切った方がいいよ,つるなんかでも切った方がいいよとか,いろいろなものがあるわけですからね。それをやはりもう少し積極的に研究をしてほしいと思います。なぜかというと,いつもこういう話をこうやって繰り返してお願いしておっても,もう担当者が変わると全く一から出直しなんですね。いろいろな課長からいろいろな担当者が,はい,わかりました,先生とか伊藤さんと,こう言って,何でもわかりましたと言うんですけれども,その人たちがかわってしまったら,また一から同じ発想でやっているわけですから,やはり基本的なものをもっと持ってやっていっていただかないと,いい森林政策とかそういうものはできないと思いますので,その点について,今のインターネットについたモデル事業,こういうことについて春日井市がこういう防犯の関係とどう関係しているか,もうちょっとお尋ねしたいし,全体的な緑の管理とか,それから春日井の環境についてのちょっとお聞かせ願えればありがたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) 市長 鵜飼一郎君。 ◎市長(鵜飼一郎君) 私から,自然保護について,若干,質問議員さんの提言と私の考え方をちょっと申し上げたいんですけれども,春日井市のまず里山は,県有林,ほとんど国有地,県有林,そして民地ということですね。従来,今,御質問の中にありましたように,これを守るために,従来は県有地ですね,あれを地方の部落が,当時,今のようにガスや電気がなかったために薪にしたわけですね。燃料に使ったわけです。したがって,そういう燃料を獲得するために山をずっと分けまして,そしてそこを分担して切って,それは燃料に使うわけですから,当然,勤労奉仕でそれをやったわけですね。そういう時代が過ぎて,山がこのようになったことは事実ですね。 それで,最近はそういうことを考えますと,県有地にしろ民有地にしろ,これはだれが管理をするのかということになれば,私は原則的には県有地は県がやるべきではないかと。ただ,民有地につきましては,ここらあたりは市の方も相談して極端なのについてはやるべきではないかという気がしております。 今とっております市の施策は,例えば高蔵林なんですね。あれはどうにもならんものですから,市が買収してしまったですね。買収して自然を確保するという方策をとったわけです。そしてそこの中に散歩道をつくると,そういう施策をとりましたし,それから緑化植物園の東側の弥勒山,あちらに近い方ですね,あののり,あれも相当数,市が買ったわけですよね。今の自然を守ろうとする方策というのは,もうそういうことしかないですね。 もう一つは,今シデコブシの話が出ましたが,シデコブシの群生が東部丘陵地帯にあるわけですよね。こういう木というものは,市内にあちらこちらにシデコブシというものを,市民が関心を持つために植えたり何かすることなのかどうか。それよりやはり山の中にそういったシデコブシの群生があることの方が自然ではないかと。そういう今ある自然そのものを守ることに重点を置く。しかし,守ろうと思っても市には何も権限がない。したがって,土地を取得すると,こういう極端な方策で今やってきておりますけれども,今,質問議員が言われましたように,いろいろな面で自然保護は極めて重要なことでありますから,さらにいろいろな面を考えて努力をしていきたいというふうに思っております。 それから,落書きなり花火の問題も御指摘ありました。なるほど落書きが絶えないわけですね。それで全国的にもいろいろな方策を,その地域地域で考えながら取り組んでおるということでありますけれども,今言われたようにきれいにすれば若干減る,それはもう事実なんですよね。ほうっておけばだんだん悪くなっていく。これはもうそういった実態もあるわけでありますので,努めてそういうような面については気を配りながら,できるものからやっていきたいというふうに思っております。 ただ,花火につきましては,昔は,日が落ちると子供たちが庭で小さな花火を楽しんだものですね。最近は花火も大きいものができて,夜中にぼんぼんやるものですから,地域の迷惑になると,こういうことにつながってきているわけでありますが,ここらあたりの条例を制定する。質問議員も言われたように,条例を制定することがなくなることにはつながらないわけですね。いかにそういうものをなくしていくかということになりますと,やはりもう巡視しかないのではないか,現時点においてはですね。したがって,なるべくなら地域の皆さん方,また大体それをやるところは公共施設的なところが多いわけですから,そういうところに対して,いかに夜回り等をして,そういったものがあれば,そこに注意をするとか,そういうようなことを一遍考えてみたいなと思っております。条例ですぐ制定をして,とめるというようなことは,条例ができればとめるということにはなりませんので,現実の問題として現場を見ながら,どの程度指導できるかどうかは別にいたしまして,そういうようなことができればと,一遍考えてみたいと,このように思っております。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 浮海正夫君。 ◎総務部長(浮海正夫君) 情報ネットワーク事業の関係でお尋ねがございました。 これは今回,補正予算でお願いをしたところでございますが,質問議員も申されましたように,全国で20市が今回その対象になったということでございまして,これは地図情報の中に防犯,防災,あるいは交通,そういった関係のものを記述をするというものでございまして,現在これは財団法人地方自治情報センターが実はこのソフトの開発を急いでおりまして,この秋にはこの辺が開発がされるということでございます。これを受けまして,20市町村におきまして,今後はこういった情報を地図の中に入れ込むということでございます。 特にこの入力が一番大変でございまして,即時性を考えますと,毎日毎日その情報を入れていかなければいかんということでございます。春日井市の場合は安全なまちづくり協議会の中にボニターの皆さんもおみえになります。そういった方を活用して,その辺のニュースを入力をしていきたいと思っておりますし,今一つ問題なのが犯罪の部分でございまして,犯罪というのは個人情報にかかわる部分がございます。そうしたことから,春日井警察署とも今,調整を重ねまして,個人情報にならない範囲のところ,つまりその辺のところを春日井警察署の方で入力をしていただく,そういったことも視野に入れて,今検討をいたしておりますので,よろしくお願い申し上げます。 ○議長(友松孝雄君) 3番 山際喜義君。     〔3番 山際喜義君 登壇〕(拍手) ◆3番(山際喜義君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従いまして順次質問いたします。 質問事項は,最初に介護予防,痴呆予防について,2つ目にひとり暮らし高齢者対策について,3つ目に児童虐待の予防についてであります。 介護予防につきましては,さきに議員より質問があり,また市長より介護予防の重要性についてのお答えがあったところですが,別の観点から,まず最初に介護予防,痴呆予防について質問いたします。 高齢期になりますと老化が進み,身体的能力や精神的な機能がある程度低下することはやむを得ません。高齢者に特有にあらわれ,病気ではありませんが日々の生活の質,QOLを阻害するような状態を老年症候群と呼びますが,この老年症候群の中には転倒を初め失禁,偏った食事から来る低栄養,閉じこもり,睡眠障害,うつや軽い痴呆,口腔不衛生,外反母趾など足のトラブル,そして生活機能の低下などがあります。 しかしながら,老年症候群は必ずしも病気によるものではなく,適切な対処によって予防でき,その予防対策は70歳,80歳になってからでも有効であると言われております。 したがって,高齢者がいつまでも元気に生き生きと過ごすためには,若いときからの生活習慣病予防対策はもちろんのこととして,この高齢期に訪れる老年症候群を確実にチェックし,適切な対策を立てて予防することが大切になります。 東京都老人総合研究所では,これまでの中高年を対象にした生活習慣病の予防を中心とした健診事業では不十分と考え,高齢者の健康を維持し,介護予防を図り,生活の質,QOLを高めるため,老年症候群の予防のためのお達者健診を開発し,平成13年より板橋区を中心に実施しております。ここではお達者健診によって高齢者一人一人に老化によります老年症候群を自覚していただき,転倒する危険のある方には転倒予防教室に,失禁のある方には尿漏れ予防教室に,低栄養の方にはおたっしゃ料理教室に,そして軽度の痴呆の方には痴呆予防教室に,生活機能が低下している方には包括的高齢者トレーニングなどに参加していただき,実際の効果を科学的に実証しながらの健診と予防プログラムが総合的に行われております。 東京都では,老人総合研究所の指導のもとに,介護予防推進モデル地区である稲城市と千代田区に続き,高齢者の原宿と言われます巣鴨のある豊島区でも16年度よりこのお達者健診をモデルにし,介護予防健診事業としま・おたっしゃ21を始めました。ここでは老人総合研究所が開発したおたっしゃ21という簡便なチェックシートを用いて,虚弱,転倒,尿失禁,低栄養,軽痴呆の5分野について,18の質問と3つの簡単な健診を行い,それぞれ該当する項目の点数を合計し判定しております。合計点が一定の点数を超えますと,その項目のトレーニングが必要と判定され,必要に応じて高齢者筋肉向上トレーニングや転倒防止プログラム,あるいは痴呆予防プログラムなど,一人一人に合った効果的なお達者プランを作成し,地域の施設を中心に地域の介護支援リーダーを育成しながら,介護予防,痴呆予防を行おうとしております。 現在,国におきましても,介護保険の見直しがなされ,元気な高齢者も含め,介護予防にさらに力点の置かれた制度に移行されようとしております。 そこで,本市の介護予防のアセスメントと,予防プラン立案の現状と計画について伺うとともに,介護予防プログラムに本当に予防が必要な高齢者を探し出し,予防プログラムに参加を促すことのできるお達者健診を取り入れることを提案したいと思いますが,御所見を伺います。 また,現在65歳以上の高齢者の13人に1人に痴呆があり,2030年ごろには10人に1人になると言われております。痴呆予防は重要な政策課題になってきておるわけでございます。 痴呆の治療,予防には,まず医療による適切な診断による早期発見と原因究明が必要ですが,痴呆の約4割を占め,今後増加が予想されますアルツハイマー型痴呆は,脳にアミロイドベータたんぱくが蓄積し,脳が萎縮する病気で,いまだ有効な治療法のない病気であります。最近の研究では,このアミロイドベータたんぱくは痴呆になる20年以上も前から脳に蓄積が始まっていて,痴呆の出現は食生活などの生活習慣の違いとか,勉強や余暇など知的活動の大小などによっても大きく差が出ること,またひとり暮らしで友人の少ない人は,家族と生活し友人も多い人に比べて8倍痴呆になりやすいことなどが報告されております。脳の司令塔である前頭前野は,たとえ一部の部位の機能が失われても知的活動を持続していけば,他の部位がその機能を補ってくれる,いわゆる代償機能が働くため,痴呆の予防が可能だと言われております。 東京都老人総合研究所は,介護施設でなくてもできる有効な痴呆予防法として,痴呆になり始めに最初に落ちる認知機能,すなわちエピソード記憶,注意分割,思考力を集中的に使って,その代償機能を発達させようと,例えば日常生活の中で料理,旅行,パソコン,園芸などの趣味的活動や,囲碁,将棋,トランプなどのゲームを生まれ育った地域で,地域の支援リーダーを中心に行う試みを行っております。特に孤独になりがちな痴呆老人の社会性の再構築には,住んでいる地域でのグループ活動が重要だとしております。 豊島区では,地域別に6人から8人の小グループで,このような趣味的活動やゲームなど知的活動を週1回と軽い運動を週2回,介護支援リーダーの指導のもとに実施し,将来的には自主的に活動できるよう,グループリーダーの育成を図っております。 アルツハイマー型痴呆と知らされることは,本人はもとより家族にとっても衝撃的なことでありますが,痴呆は程度の差はあれ,老いとともに避けることのできない私たち一人一人の身近な問題であり,たとえアルツハイマー型痴呆であっても,医療,介護によってともに暮らせる,問題行動の少ない穏やかな痴呆老人としての生活の質,QOLを十分確保できるとの認識を,本人,家族,あるいは地域が共有することが大切であります。痴呆を最初に気づくのは家族であり,介護するのも家族です。残念なことですが,家族から虐待を受けている高齢者の8割に痴呆があるとも報告されております。人格の崩壊が進行していくアルツハイマー型痴呆は,特に家族の正しい理解が必要であります。 そこで,本市においても今,地域福祉が見直されようとしておりますが,痴呆の社会的認知や家族の介護力を高めるためには,医療や介護の科学的,体系的な痴呆講座を持つアカデミーの開催や啓発用の痴呆パンフの作成,配布が必要であり,痴呆予防には地域の住民と一緒になって痴呆に向き合うお達者プランによる痴呆予防プログラムが必要と考えます。この点についての御所見を伺います。 なお,質問の中で痴呆と述べさせていただきましたが,これには蔑視的な意味合いも指摘され,今,国では認知障害と呼んだ方がいいのではないかというような意見が出ておりますことを,つけ加えさせていただきます。 次に,ひとり暮らしの高齢者対策について質問いたします。 ひとり暮らしの高齢者は,国勢調査によりますと,この10年で38%と大幅に増加し,本市におきましても,ここ10年間,毎年約200人近くふえ続けて,最新の調査では市内に4,130人,世帯で見ますと約4%いらっしゃいます。 今,この方々に医療や介護などの福祉とともに災害弱者としての支援が求められております。 本年7月に,我が会派は北海道旭川市(人口36万人)に災害弱者の支援事業を行政視察してまいりました。旭川市では,予防福祉,あるいは予防救急という新しい概念のもとに,在宅高齢者支援事業として,従来,福祉課で行っていた事業の一部を消防本部に移管し,市民安心課を新設し,高齢者,障害者などを災害弱者とし,消防本部の持つ機動力を最大限に生かした3つの事業による総合的な災害弱者等支援事業を今年度から立ち上げております。 1つは,災害弱者訪問サービス事業・ほのぼのサービスで,電話で安否の確認や相談に応じたり,防火の点検とあわせて訪問相談に応じたり,手助けしたり,急病やけがのときに,家族などに連絡がつけられるように緊急連絡先の記入できるキーホルダーなどを配布したりしております。 2つ目は,訪問健康相談等推進事業・あんしん訪問で,カメラつき携帯パソコンと血圧や脈拍などを測定するバイタルサイン端末を携帯訪問し,通信システム,FOMAを用いて,消防本部センターに待機している保健師と送信された健康データをもとに直接画面上で健康相談を行うもので,災害時に的確に対応するための貴重な個人の健康データの収集事業とも位置づけられております。 3つ目は,緊急通報システム・ホットライン119で,基本的には春日井市と同じですが,電話とあわせて火災とガス漏れセンサーが組み込まれております。ひとり暮らしの高齢者などのお宅を訪問し,実情を調査し,健康不安や生活不安,そして地震や火災などによる災害に対し,積極的に予防していこうという試みでありました。 そこで,本市におけるひとり暮らしの高齢者に対する電話,あるいは訪問による支援事業の実情について,そして今,災害時の支援体制が議論されておりますが,地域との情報の共有化のためにも情報の一元化が必要であり,旭川のように消防本部が掌握することも望まれますが,その現状と情報の共有化,一元化に対するお考えについて伺います。 最後に,児童虐待の予防について質問いたします。 2000年11月に児童虐待防止法は施行されましたが,悲惨な児童虐待は後を絶たず,この法律施行後でも虐待で死亡した子供は120人を超えております。 このたび改正されました児童虐待防止法は,早期発見のため,虐待を受けたと思われる段階から通告義務を課すとともに,虐待を著しい人権侵害と明記し,自治体にも従来の早期発見と保護に加えて,予防,自立支援,親子の再統合に向けた体制整備を求め,切れ目のない支援体制を整えるものとしております。 虐待により死亡する子供の4割以上が1歳未満児で,その根底に母親の産後うつと呼ばれるうつ病の問題が指摘されております。福岡市の調査によりますと,約14%の母親が産後うつになり,また北九州市の乳幼児健診に来る母親と来ない母親についての比較調査では,乳幼児健診に子供を連れてこない母親のうつ状態は約35%と高く,潜在的な虐待の危険度の調査でも,虐待を起こす危険度が高いことが指摘されております。 育児支援家庭訪問事業は,出産後1年以内で親が産後うつや子育て不安を抱える家庭に対し,虐待予防のために保健師などが家庭訪問し,相談に乗ったり,家事援助のヘルパーを派遣したりする事業で,今年度より国の補助事業になりました。また,文部科学省でも児童虐待防止のため,対象を中学生まで広げ,子育てサポーターを家庭に派遣し,育児やしつけ,あるいは非行などの相談を行う事業が来年度予算に要求されているとの報道もありました。 そこで,本年10月に施行されます改正児童虐待防止法の新たな視点であります虐待の予防,自立支援,親子の再統合についての取り組みについて伺い,また予防事業であります育児支援家庭訪問の実施についての考えについて伺います。 以上をもちまして,3項目にわたります私の壇上よりの質問を終了させていただきます。よろしく御答弁お願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) この際,暫時休憩いたします。                    午前11時59分 休憩   -----------------------------                    午後1時 再開 ○議長(友松孝雄君) 休憩を閉じ,休憩前に引き続き会議を開きます。 3番議員に対する答弁を求めます。健康福祉部長 入谷直賢君。 ◎健康福祉部長(入谷直賢君) 3点の御質問をいただきましたので,順次お答えを申し上げます。 1点目の介護予防,痴呆予防についてでございますが,初めに市の介護予防のアセスメントと予防プラン立案の現状と計画について,そしてお達者健診の提案についてお答えをいたします。 介護予防のアセスメントと予防プラン立案の現状につきましては,老人保健事業において適切な保健指導を行うために,参加者の状態把握や事業の評価の方法として,閉じこもりアセスメント表,転倒アセスメント表や障害老人の日常生活自立度の判定基準等を活用し,高齢者運動教室,いきいき健康講座,B型機能訓練教室,訪問指導等を実施しているところでございます。 また,在宅介護支援センターで実施しております高齢者実態把握調査票により,必要に応じて介護予防プランを作成し,栄養状態の改善や各種サービスの利用等により,要介護状態にならないようにするための支援を行っております。 介護予防アセスメントにつきましては,現在使用しておりますアセスメント表や高齢者実態把握調査票の項目や内容をさらに充実,改善しまして,介護予防につなげていきたいと考えております。 御提案のだれもが簡単に身体の虚弱状況などを自己評価できるチェックシートにつきましても,高齢者の状態にあった適切なサービスを提供するために,効果的なスクリーニング法の一つであると考えますので,実施方法,実施内容等について検討を進めてまいります。 介護予防プログラムにつきましては,老人保健事業と介護予防・地域支え合い事業及び介護保険による介護サービスとの整合を図りながら,効果的な介護予防施策を積極的に推進してまいります。 いずれにいたしましても,今後,痴呆予防や健康づくりなど要介護状態となることの予防に重点を置いた介護予防事業がますます重要となってまいります。予防が必要な高齢者を早期に発見し,地域の中で介護予防プログラムが実践できるよう,体制づくりなどにも努力してまいりたいと考えております。 次に,地域型の痴呆予防プログラムについてのお尋ねでございますが,痴呆症は高齢者のうつと区別等が困難なことに加え,周囲の環境や価値観の違いなどから,家族や周囲の人たちがこの病気の理解や受容に支障を来しているのが現状でございます。 市では,痴呆症の原因であります脳卒中を予防するための生活習慣病予防のための健診や健康教室を実施するとともに,老人クラブを対象に実施しているいきいき健康講座等で痴呆症の予防についての啓発を行っているところでございます。 また,閉じこもりから来る痴呆症を予防するため,虚弱老人を対象としたB型機能訓練教室やふれあいデイサービス,ふれあいミニデイサービス等を実施をいたしております。 高齢化に伴い増加する痴呆症に対しましては,家族や地域住民の理解を高めるため,広報紙やパンフレット,各種イベント等の機会をとらえて啓発活動を進めてまいります。 また,痴呆予防を地域住民が一体となって取り組むため,地域の公民館や老人憩いの家など身近な施設を利用し,ふれあいミニデイサービスやレクリエーション等を含んだB型機能訓練教室,また介護予防教室や各種講座などを地域の人材によって実施できるよう,御紹介がありました東京都の例なども参考にしながら検討を進めてまいります。 あわせて,予防を図るための高齢者やその家族を対象とした講座等の開催や講座受講者がリーダーとしての資質を修得できるようなプログラムの調査研究も進めてまいります。そして地域ぐるみで痴呆症の予防や介護について認識し,理解し活動できるような体制づくりに努めてまいりたいと考えております。 次に,2点目のひとり暮らし高齢者対策の実情と情報の一元化などについての御質問でございますが,本市では高齢者が住みなれた地域において,安全で安心した生活が送れるよう,高齢者総合福祉計画に基づき,ひとり暮らし高齢者対策として,緊急通報システムの設置,安否確認を兼ねた高齢者給食サービス,老人クラブによる友愛訪問,ふれあいミニデイサービス,保健師による訪問指導,消防本部による住宅防火訪問診断などの実施により,高齢者支援に取り組んでおります。 また,本市では毎年,民生委員によるひとり暮らし高齢者調査を実施し,日常生活における相談に応じたり,緊急連絡先,健康状態,緊急通報システム等の福祉サービスの利用状況など実態の把握に努めるとともに,市が在宅介護支援センターを通して実施する高齢者実態把握調査に基づき,介護予防プランの中に緊急通報システムの設置を組み込むなど,地域,行政,ボランティアが重層的にひとり暮らし高齢者の生活を支援いたしております。 災害時の要援護者の支援につきましては,ひとり暮らし高齢者を初め要介護者,障害者などで避難時に他人の手助けを必要とする人を把握しておりますが,援助者の確保を地域にお願いするに当たり,現在,情報開示のための本人同意を得る作業を進めているところでございます。作業が終わり次第,必要な情報を提供し,地域の援助者の確保を図ってまいります。 ひとり暮らし高齢者対策につきましては,現在,健康福祉や消防などの部門で実施しておりますが,必要な情報を共有化する中で,民生委員や在宅介護支援センター社会福祉協議会,区・町内会など関係団体等と連携しながら,各種支援施策をきめ細かく実施し,安全で安心な生活を支援してまいりますとともに,高齢者や障害者など弱い立場にある方々を地域で支え,助け合う地域福祉の推進に努めてまいります。 いずれにいたしましても,情報の共有化,一元化は大変重要な事柄でありますので,今,議員からお話がありました旭川市の事例につきましては,新しい概念として成果等を調査する中で,今後の本市のひとり暮らし高齢者対策を進める上での参考とさせていただきます。 次に,3点目の児童虐待防止についての御質問についてお答えをします。 児童虐待の防止等に関する法律は,平成12年11月に施行されたところですが,本市におきましては県下に先駆け,同法の施行と同時に児童虐待防止協議会を設置し,虐待防止及び早期発見に努めるとともに,保護者や近隣からの相談や通告を受けた場合は速やかに関係機関の実務者で構成する児童虐待防止ネットワーク会議を開催し,事例ごとに迅速な対応をいたしております。 児童虐待の予防につきましては,その主な原因が育児に対する負担感や子育てにおける孤立感などとされているため,本市では子育て支援センターやげんきっ子センターなどにおきまして親子教室や育児講座,育児相談などを実施することにより,その発生の予防に努めております。 また,出産直後においてマタニティブルーと言われる一過性の気分障害にかかる女性が周産期の女性の二,三十%に見られると言われており,新生児訪問,乳幼児健康相談,4カ月児健康診査などの乳児の健康診査の機会をとらえ,産後うつの早期発見に努め,虐待への未然防止を図っております。 しかしながら,こうした取り組みにもかかわらず不幸にも虐待が発生し,一時保護等により一たん親から被虐待児童を分離せざるを得ない状況に至った場合には,虐待の再発防止や親子の再統合を図るため,子供が家庭に復帰した後も継続して家庭・児童相談員や児童相談所が保護者に対する相談指導に努めるとともに,学校や保育園はもとより,民生委員,児童委員,主任児童委員などの協力により,地域での見守りを実施いたしております。 今後は,児童相談所が平成12年以降に医療教育機関を初め,保護者等に向けて作成しております虐待の予防や家族再生のための指導マニュアルなどを活用するとともに,これまでの相談実績も踏まえ,虐待を受けた児童の自立支援や家族の再統合を支援してまいります。 また,今年度から新たに国の補助事業となりました育児支援家庭訪問事業につきましては,本来,児童の養育について支援が必要でありながら,みずから進んで支援を求めていくことが困難な状況にある家庭に,過重な負担がかかる前の段階において,訪問による支援を実施することにより,当該家庭における安定した児童の養育を図ることを目的とするものであります。 支援の対象といたしましては,育児ストレスや産後うつ病などにより,子育てに対して不安や孤立感を抱える家庭,虐待のおそれやそのリスクを抱える家庭,また一時保護の後に児童養護施設等を退所し,家庭復帰のためアフターケアが必要な家庭などであり,こうした家庭に子育てOBやヘルパーが訪問して,育児指導や家事等の援助を行うほか,保健師,保育士などの訪問により具体的な育児支援に関する技術指導を実施するものであります。 本事業は育児講座や育児相談などの従来から行っております一般の子育てサービスを利用することが困難な家庭を対象としており,児童虐待等の未然防止のために有効な方策の一つとして,その実施に向け検討してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(友松孝雄君) 3番 山際喜義君。 ◆3番(山際喜義君) 本市におけます高齢者対策,介護対策,児童虐待対策は,他市に比べましても大変進んでいることを評価させていただいた上で,質問を3点にわたりさせていただきましたが,それぞれ丁寧に前向きに御答弁いただき,ありがとうございました。 今,介護保険の改革が国で議論されておりますが,介護予防に向けての筋トレや栄養指導などに対する新しい予防給付制度などは2009年度からで,来年度からは地域型介護拠点としての施設を公民館などを改修し,順次整備していくとの報道もあったところでございます。 今回の質問は,自治体として実際に行われております事例を紹介し,当局の見解を伺ったものであります。本市の医療,高齢者福祉,介護,そして生きがい対策としての生涯学習は,それぞれ充実しております。 したがいまして,これらの今行われております充実した施策を,介護予防,痴呆予防のプログラムとして紹介いたしましたお達者健診を軸に再統合できれば,よりよい地域型の介護予防,痴呆予防システムができ上がるものと考えます。 また,介護予防,痴呆予防は市民と協働し,地域運動として住民主体で行っていくことが求められています。まず高齢者問題に理解があり,地域活動の盛んな地域をモデル地域に選定し,お達者健診を軸とした予防プログラムを実施されることを望むものであります。 次に,ひとり暮らし老人の問題は,その4分の3が女性であることを考えますと,女性問題の最たる課題とも言えるわけであります。その視点をしっかり持って,十分なきめの細かい施策と情報の地域との共有化の推進をさらによろしくお願いしたいと思います。 ことし6月に消防法の一部が改正され,個人の住宅にも火災報知機が義務づけられるようになると聞いておりますが,ひとり暮らしは社会とのかかわりが乏しく,痴呆にもなりやすく,火災の危険度が高くなります。ぜひ現在の緊急通報システムに火災センサー,さらにできればガスセンサーを追加していただきたいのですが,この点についての当局のお考えをお聞かせください。 児童虐待の予防につきましては,児童虐待防止のため虐待防止ネットワーク会議も有効に機能しており,指導マニュアル,家庭再生用の支援マニュアルなど整備が進んでいるとのこと。民生委員,本市の担当者,相談員ともに特に精神的には大変御苦労ではありますが,一人の犠牲者も出さないとの強い決意でよろしくお願いしたいと思います。児童虐待予防のために育児支援家庭訪問は有効であり,実施に向けて検討していただけるとのこと。早期の実施をよろしくお願いいたします。 以上,予防の観点から3点にわたり質問いたしましたが,これからの福祉は来るのを待っているのではなく,行政サイドから住民サイドに出向き,積極的にかかわっていくことが求められていると思います。どうぞ今後ともよろしくお願いしたいと思います。 それでは,最後に緊急通報システムの追加についてのお答えをいただき,私の質問を終わらせていただきます。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 入谷直賢君。 ◎健康福祉部長(入谷直賢君) それでは,緊急通報システムに火災とガスのセンサーを追加できないかという御質問でございますが,核家族化や高齢者自身の価値観の多様性などから,地域で一人で暮らす高齢者がふえております。 このような世代の最大の不安は,加齢により身体能力が低下し,けがや急病など緊急時の対応でございます。このため本市では,このような世帯で火災や急病が発生した場合,24時間いつでも消防本部に自動通報できる緊急通報装置を居宅に設置しており,8月1日現在903世帯で御利用いただいております。 さらに,火の管理に不安のあるひとり暮らし高齢者には,電磁調理器,電子調理器,自動消火器を給付し,火災予防などに努めております。 また,高齢者のひとり暮らしや夫婦世帯が安心して快適に生活できるよう配慮をされたシルバーハウジングでは,緊急通報システムの設置に加え,生活援助員の派遣をすることで高齢者の自立した暮らしを支援いたしております。 御承知のとおり,毎年多くの方が住宅火災により亡くなっており,特にその6割程度が65歳以上の高齢者であり,高齢社会の進展とともに,さらに死者数が増加することが懸念されております。 火災事故は高齢者を抱える関係者の大きな不安の一つでもありますので,火災やガス漏れの感知装置からのシグナルを緊急通報システムが受信し,消防本部に通報する仕組みの構築は,極めて有効であると認識いたしております。今後は御提言を含め,総合的に高齢者世帯の火災予防について検討してまいりたいと,このように考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 5番 丹羽一正君。     〔5番 丹羽一正君 登壇〕(拍手) ◆5番(丹羽一正君) 議長のお許しを得ましたので,さきに通告してあります防災について,2点お伺いをいたします。よろしくお願いをいたします。 まず初めに,名古屋空港における防災拠点整備についてであります。 名古屋空港は,名古屋飛行場として生まれ変わるべく,県の6月議会において愛知県名古屋飛行場条例の制定が行われ,また9月1日には航空法に基づく設置許可が国土交通省から認可されました。これにより来年の2月17日に向かい条件整備がされ,本格的に動き始めました。 その反面,名古屋空港の周辺用地を活用した民間の活用振興策はまだまだ霧の中のようです。 しかし,県及び空港周辺の2市1町では,名古屋空港新展開基本計画,名古屋空港と周辺地域の将来ビジョンの中で,大規模災害時における救援物資輸送,空中消火,救命救急ヘリコプターなどの航空機の活動拠点として防災基地の整備を図り,中部圏,近畿圏及び首都圏にわたる援助体制づくりを目指す等,防災基地の誘致を掲げてまいりました。 さらに,具体化に向け,名古屋空港の客観的優位性を訴え,活性化対策の一環として基幹的広域防災拠点整備を国に強く働きかけてこられました。大いに評価をいたします。 7月7日,愛知,岐阜,三重,静岡4県で起きる大規模地震災害などに対処するため,内閣府と国土交通省中部地方整備局の名古屋圏広域防災ネットワーク整備連携方策検討委員会は,名古屋空港に中核的広域防災拠点を整備する基本計画を発表しました。 そこで,お伺いをいたします。その内容,規模,今後の予定についてお伺いをいたします。 2点目は,災害時の情報の伝達についてであります。 ことしは日本じゅうが災害の当たり年であるかのように,各地で集中豪雨,幾多の台風の上陸,さらにたびたび発生する強い地震,そのたびに情報の伝達の問題点が浮かび上がっています。例えばことしの7月に起きた新潟県三条市の場合は,市は3回にわたって避難勧告を発令,自治会長を通じて住民に連絡をしたほか,広報車3台を巡回させ,地元のFMラジオ局でも避難を呼びかけたという。しかし,同地区の自治会長24人のうち22人の人は連絡がなかったとしており,9人のとうとい命が失われています。 また,福井市の場合も,市から各自治会長に電話で伝えられる仕組みだが,決壊現場周辺だけでも会長が約60人であり,さらに市役所では市民からの電話がなりっ放し,電話できた会長も被災していて,住民への呼びかけどころではなかったと報道されています。 我が市においても,避難準備勧告,避難勧告,避難指示の伝達方法は,区・町内会長への電話連絡や広報車による伝達のほか,広範囲にわたる場合は必要に応じてテレビ放送及びラジオ放送に協力を依頼するとともに,口頭による伝達を併用すると防災計画に記載されています。 平成12年9月11日の東海豪雨時の八田川周辺での避難勧告は,うまく区長さん方に伝達できたと伺っておりますが,当時の区長さん方に話を聞いてみますと,「そんな情報を区長が区民に伝えるということは知らなかった。しかし緊急事態であり,区民の安全を思い,1軒1軒回った」と言われています。 そこで,お伺いをいたします。東海豪雨時の状況はどうであったか。また,区長,自治会長さんはほとんど1年の任期であり,そのような重要な役割,任務も知らなかったことが多いようです。その後どのような周知,取り組みがなされているのかお伺いをいたします。 次に,地震発生時の情報伝達でありますが,ほとんどの市民はテレビの速報テロップに頼るしか方法がありません。9月5日の2回の地震時には,「震源地はどこだ,震度は……」と慌ててテレビのスイッチを入れました。愛知県西部,震度4と速報されました。「それは大変」と身支度をしながら,その後の詳細な市単位の震度を確認していました。1回目は春日井市,震度2と表示されました。しかし,残念なことに2回目の地震時には春日井市の震度は表示されませんでした。 震度4であれば,さまざまな会社,企業関係の危機管理システムが展開されると思います。市民はどこで震度の確認を行ったらいいでしょうか。本市の地震発生時の情報システムはどのようになっているのかお伺いをし,壇上からの質問といたします。よろしくお願いをいたします。 ○議長(友松孝雄君) 企画調整部長 藤田康幸君。 ◎企画調整部長(藤田康幸君) それでは,広域防災拠点につきまして,私の方からお答えさせていただきたいと思います。 御質問のありました中核的広域防災拠点につきましては,ことしの7月に内閣府と国土交通省の方から名古屋圏広域防災ネットワーク整備基本構想が公表されたところでありますけれども,これによりますと東海地震,東南海・南海地震といった大規模地震の発生が懸念されている名古屋圏において,稠密な市街地が連檐していることもありまして,広域的な災害対策活動を行うための広域防災拠点等が必要であり,さらには広域的な救援活動など災害対策活動の核となる機能をあわせ持った,現地対策本部機能を備えた中核的広域防災拠点の整備が不可欠と認識されております。その上で,救援物資の広域輸送,備蓄,広域支援部隊のベースキャンプ,災害医療支援など,主として人や物の広域的な流れを扱う広域防災拠点が15の配置ゾーンに必要とされております。 そしてさらに,その15の配置ゾーンの中から応急需要がどれだけ集中しているか,それから本部員の参集が迅速に行えるかどうかなどといった視点から,名古屋空港に近接し,かつ東名高速道路と国道19号の結節点の周辺地域,それから名古屋港周辺地域の2つのゾーンが中核的広域防災拠点の候補地として挙げられております。 この中核的広域防災拠点につきましては,先ほどの広域防災拠点の機能に加えまして,国,被災県市,指定公共機関等の責任者からなる合同現地対策本部としての機能などをあわせ持ったイメージとして位置づけられております。 ただ,この7月に発表されました基本構想につきましては,あくまで名古屋圏における広域防災ネットワークの整備に関する基本的な考え方を示すにとどまっておりまして,平常時の活用を含めまして,どのような整備を行うのかといった具体的な検討には至っておりません。 そして,この基本構想の具体化に向けては,配置ゾーン周辺の土地利用,それから面整備事業等の動向などを見据えまして,既存の公共施設等の活用も十分に視野に入れつつ,整備の実現の可能性という観点からの検討,関係機関の調整を行うこととされておりますので,御質問のありました具体的な内容,規模等の詳細については,今後の議論の動向を見守ってまいりたいと考えております。 なお,名古屋圏よりも先行して進められております京阪神都市圏については,既に国や関係地方公共団体による協議会を立ち上げて,検討調整が鋭意進められているようでございますので,名古屋圏についても,そのような形が今後とられる可能性があるのではないかと推測しております。 また,国の中央防災会議専門調査会で進められております東南海・南海地震等に関する検討調査の状況を踏まえますと,この基本構想の具体化については少なくとも10年以上かかるのではないかと推測しております。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 浮海正夫君。 ◎総務部長(浮海正夫君) それでは,私の方から情報の伝達につきましてお答えをさせていただきます。 まず,1点目の東海豪雨の対応についてでございます。 平成12年9月11日の東海豪雨の際の情報の伝達状況についてでございますが,避難勧告は味美町,花長町,追進町,御幸町,それに南花長町の5地区に対し,合計1,703世帯の方に避難勧告を行いました。これら避難勧告は区・町内会長さんへの連絡,市広報車及び消防車による避難の呼びかけによって行ったところでございます。春日井市では初めての避難勧告の発令でございましたが,区・町内会長の皆様方の迅速な対応により,人命にかかわる被害はございませんでした。 次に,周知の取り組みについてでございますが,市では昭和57年度より地域の防災リーダーを育成するそういった目的で,自主防災リーダー研修会を毎年実施をいたしておりました。また,東海豪雨を契機といたしまして,地元での水防訓練が開催されるとともに,市内9カ所の防災拠点におきまして,ボニターの皆さんの指導のもと,図上訓練や炊き出し等の訓練を行い,多くのリーダーの育成や市民の皆様の災害に対する関心の高まりに大きな成果を上げているというふうに考えておるところでございます。これら事業を充実させまして,今後も引き続き周知啓発に努めてまいりたいと,このように考えておるところでございます。 次に,市の地震発生時の情報システムについての御質問でございますが,地震が起きますと,本庁舎の敷地内にございます計測震度計が地震を感知いたします。この地震データは市の通信指令室と愛知県に送信がされ,愛知県は県内87の全市町村の地震データを名古屋地方気象台に送信することとなっております。これを受け,名古屋地方気象台から各テレビ局へ送信されるシステムとなっております。テレビ局では受信した地震データについて,震度4以上は必ず放送することとなっているそうですが,時間等の都合により震度3以下を省略する,そういった場合があるということでございますので,よろしくお願いを申し上げます。 ○議長(友松孝雄君) 5番 丹羽一正君。 ◆5番(丹羽一正君) それぞれ答弁ありがとうございます。 テレビの速報テロップ,これは非常に重要だと思うんですけれども,報道関係の判断によって行われるということで非常に残念ですけれども,本市も人口30万の大都市でございますもので,ぜひ多くの市民の方に早く情報を知ってほしいと思いますものですから,ぜひ報道機関へ強く要望をお願いしたいと思います。 そしてまた,今,本市におきまして,火災時の速報を電話で早く知るというような,そんなようなシステムがあるわけなんですけれども,その中に地震の震度を発表するというような,そんなようなことはできないのか,再度お伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 浮海正夫君。 ◎総務部長(浮海正夫君) 再度のお尋ねでございますが,春日井市の震度情報をテレホンサービスでできないのかといった御質問でございますが,これにつきましては,平成9年9月10日付で消防庁震災対策指導室長より「震度の値は地盤,設置条件等の影響を受けるため,気象庁の観測と地方公共団体等の観測による震度の値が異なることが起こり得る。したがって,地震発生直後に気象庁を初め各機関の震度が相互に関連のないままに発表され,異なる震度の情報が各報道機関から放送された場合には,情報を受け取る住民等にとって混乱をもたらす可能性がある。このような混乱を防止するために,国民一般に広く発表される震度は,地方公共団体等の観測によるものも含め,気象庁から一元的に発表することが望ましい」,そういった通知文が出されておるところでございます。ただし,気象庁の発表後でございますが,各自治体が個々の責任において独自に参考情報として発表することは可能となっておるということでございます。 こうしたことから,参考情報を発表することが市民にとって有益であるのか,またあるいは市民に混乱を招くのか,この辺のところも含め,今後検討してまいりたい,このように考えておりますので,よろしくお願い申し上げます。 ○議長(友松孝雄君) 1番 高田敏亨君。     〔1番 高田敏亨君 登壇〕(拍手) ◆1番(高田敏亨君) 議長のお許しをいただきましたので,通告のとおり図書館の運営についてお伺いいたします。 春日井市の図書館の歴史をひもときますと,昭和22年11月に創設され,昭和50年には知多公民館,高蔵寺コミュニティーセンター,昭和52年に市民文化センター,昭和55年に鷹来公民館,昭和57年に坂下公民館,東部市民センター,昭和62年に味美ふれあいセンターと,その後,南部ふれあいセンター,西部ふれあいセンターと順次,図書室が整備され,市民に親しまれ利用されてまいりました。 平成11年11月に,現在の図書館と文芸館との複合施設である文化フォーラム春日井が開館いたしました。新図書館が開館して早5年が経過し,その間,従来は10時から18時までの開館の時間を,9時から20時までの開館時間の延長をし,また貸し出し冊数も5冊から10冊に変更,そして平成15年6月にはインターネット予約サービスを開始するなど,いろいろと改善されてまいりました。 また,統計を見ますと,貸し出し人数も開館当初の平成11年度には31万2,229人であったものが,平成15年度では43万3,642人と増加し,貸し出し数も150万強となっております。この結果からも,日夜,市民から愛される図書館を目指し努力されていることは評価するところであります。 しかし,近年は市民ニーズも多種多様化してきており,市民が図書館に期待するものは強く多くなっていると感じます。 生涯学習の拠点施設として,文化情報の発信基地としての図書館は,生きた有機体と言われるように,その時代に合うように変化し成長しなければ,利用者も減り,活気がなくなってしまいます。 そうした中,平成16年度の予算は,財政状況が大変厳しいこともあり,図書購入費も開館当初の予算が約1億円あったものが,その後削減され,本年は対前年比20%,1,000万円の削減がされた状況であります。 そこで,お尋ねいたしますが,市民ニーズにこたえ,そして多くの市民に利用していただくため,また開館後5年という区切りを迎え,春日井図書館行政の現状をどのように自己評価し,それをどのように自己分析しておられるのか伺います。そして,これらをもとにどのような目標を持ち運営に当たるのか,その姿勢と考え方,方針について伺います。以上,壇上からの1回目の質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 阿部隆司君。 ◎教育部長(阿部隆司君) それでは,図書館の運営についてお答えをいたします。 図書館につきましては,御指摘のように開館以来間もなく5年を迎えるわけでございますが,連日2,000人を超える多くの市民の皆様に御来館をいただき,貸し出し冊数も1日平均3,600冊を超えるような状況となっております。 これは現在の図書館がゆとりある落ちついた雰囲気の施設整備はもとより,多くのボランティアの皆さんの協力によりまして,点字・録音図書の充実や幼児に対する読み聞かせの実施を初め,貸し出し冊数の変更,開館時間の延長など,障害のある方や幼児から高齢者まで幅広い利用者ニーズにこたえるよう努めた結果であるというふうに思っております。 また,蔵書につきましては,図書館整備計画におきましては分室も含め,1人当たり2.5冊,蔵書目標を75万冊といたしておるわけでございますが,平成15年度までに約67万冊を整備しておりまして,その達成率は90%となっております。 今後とも新刊情報の早期入手でございますとか,図書資料等の厳選に努める,そういったことによるとともに,図書館協議会ですとか図書選定委員会の意見等を踏まえまして,蔵書の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。 また,開館以来5年という大きな節目でもございますので,近く利用者のアンケート調査を実施するなど,改めて市民の皆さんの声を聞いてみたいというふうには考えております。 こうした結果を分析しながら,図書館が市民の皆さんの生涯学習の場として,また余暇時間の増大や子供の読書離れが指摘される中で,図書館が今後どうあるべきかについて考えてまいりたいというふうに考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 1番 高田敏亨君。 ◆1番(高田敏亨君) 御答弁ありがとうございます。 それでは,2回目の質問といたしまして,一歩踏み込んで質問したいと思いますが,多くの市民が利用する図書館がその魅力を増し,輝き続けるためには,市民の満足度を向上するための施策が必要と考えます。図書館を運営するプロセスとして十分自覚し,多面的でグローバルな発想,いろいろなアイデアは数多く,ドラえもんのポケットのようにしまっておられると思いますが,この際,市民に示し,施策として実行させることを希望いたします。 例えば持ち込みパソコンコーナーや学生に強い図書館,子供に強い図書館,年中無休図書館,館外返却システムなど,私の思いつくことはごく一部でありますが,市民の夢と希望の星となる図書館の満足度向上対策について伺います。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 阿部隆司君。 ◎教育部長(阿部隆司君) ただいま御提案も含めまして,図書館を活性化するために新たな施策はないかというようなお尋ねかと思いますが,私どもといたしましては,今後の図書館の整備につきましては,やはり,現在でも実施しておるわけでございますが,図書の購入時には利用者のリクエスト図書として一定枠を購入しておるわけでございます。今後とも市民の皆さんのニーズを把握しながら,こういった図書購入に当たっていきたいというふうにまず考えております。 また,現在,東海学コーナーを初めといたしまして,郷土史コーナーや書聖・小野道風コーナーの充実など,地域の特色を生かした図書の充実,こういったことにも意を用いていきたいというふうに考えておりますし,子供の読書離れが指摘される中で,やはり子供が関心を持てるような啓発事業の企画実施,こんなことも考えております。 また,現在も分室と連携をいたしまして,相互の返却サービスなどを実施しておるわけでございますけれども,図書資料のサービスについてもさらに充実をしていきたいというふうに考えております。 また,インターネットの予約サービスだけではなくて,やはり新たな情報提供サービスの活用ということについても,踏み込んで考えていきたいというふうに考えております。 こういったように,図書館の抱える課題というのはたくさんあるというふうに認識をしております。今後とも市民の皆さんの期待にこたえまして,便利で利用しやすい図書館を目指してまいりたいというふうに考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 1番 高田敏亨君。 ◆1番(高田敏亨君) ありがとうございました。 春日井市は,小野道風生誕伝承地であり,大変書道の盛んなところでございます。歴史的に見ましても文化の薫り高い町であります。市民の教養向上を図り,文化の情報発信機能を充実させる意味においても,社会情勢が刻々と変化し,日々新しい図書も出版されている現状からも,図書館の充実,特に図書購入費にかかる費用の充実を期待いたしまして,私の質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 6番 諸戸護子君。     〔6番 諸戸護子君 登壇〕(拍手) ◆6番(諸戸護子君) 議長のお許しをいただきましたので,さきに通告してあります2件について順次質問をしてまいります。 初めに,新生児聴覚スクリーニングについてお尋ねをいたします。 本市では毎年,約3,000名の新生児が誕生しております。その子供たちが一人も漏れなく健康で健全に成長していただきたいと思う思いは,両親を初め社会の願いではないでしょうか。 本市におきましても,このような観点から,母子保健事業の一つといたしまして乳幼児の健康診査を実施しております。診査の段階といたしましては,乳児健康診査,4カ月児健康診査,12カ月児健康診査,1歳6カ月児健康診査,そして3歳児健康診査となっております。 このように診査は年齢別に行われておりますが,乳幼児の健康診査の項目に聴覚検査が新たに加わるのは3歳児健診でございまして,これでは遅過ぎるのではと思っております。なぜなら,人が言葉を話すようになるには,聴覚が正常で音声が正しく聞こえることが第一条件です。 佐賀医科大学の藤田小児科医師によりますと,両側難聴,片側難聴合わせますと1,000人に5人ぐらいの比率で生まれてくるという調査結果もあるそうでございます。今まで聴覚障害は2歳前後になっても言葉を余り話さないというような異常を親が訴えて,初めてわかることが多いのですが,それから治療しても言語能力などに支障が生じ,知能発達にも影響が残ることがあります。 生まれつき耳の聞こえが悪い子供を放置しますと,1,言葉のおくれ,2,情緒の不安定,3,人とのコミュニケーションのおくれ,4,社会への参加の幅が狭くなるなど大きな影響を受けることがわかっております。 聴覚障害は神経伝達経路が発達する生後6カ月以内に診察し,早期発見,早期治療をすることが重要でありまして,もし赤ちゃんの聴覚に異常がある場合には,早期に療育を行うことが,このような言葉の発達や人とのコミュニケーションの確立に大きな助けになると言われています。 そこで,1点目の質問ですが,聴覚障害を新生児の段階で早期に発見するためにも,早い時期での聴覚検査が必要であると思いますが,当局のお考えをお尋ねいたします。 また,その検査方法でございますが,近年,新生児にも使用できる聴覚検査の開発により,生後6カ月以内の聴覚障害の診断が可能になりました。厚生労働省は新生児の効果的な聴覚スクリーニング方法と療育体制に関する研究を開始,平成12年10月,新生児聴覚検査事業実施要綱を定め,聴覚障害の早期発見,早期療育を図るため,新生児に対する聴覚検査を医療機関に委託して試行的に実施することとしました。それを受け,岡山県は平成13年7月に厚生労働省のモデル事業として,全国に先駆けて県下のほぼ全域でスタートさせました。 新生児の聴覚スクリーニングには,自動聴性脳幹反応(自動ABR)検査と耳音響放射(OAE)検査の2つがございます。いずれも赤ちゃんを傷つけたり痛い思いをさせることなく,自動的に判定を行う耳の検査方法でございます。 自動聴性脳幹反応(自動ABR)とは,音を聞かせたときに脳幹というところから出る弱い電気の反応を集めて波形をつくり,正常のパターンと比べるものです。これを機械が自動的に判断いたします。両耳にヘッドフォンのようなものをつけて音を出します。 もう一つの,耳音響放射(OAE)検査とは,音を聞かせたときに内耳の蝸牛というところで反応した音をマイクで拾って,内耳の働きを調べるものです。耳の穴に小さなスピーカーとマイクのついた小さな器具を入れます。 この自動ABRを導入しての新生児聴覚検査は,神奈川,秋田,栃木,佐賀,埼玉県等でも実施されており,全国で12番目にスタートした広島県では,検査費用5,550円のうち3,750円を国,県が補助をし,残り1,800円を自己負担いたしますが,委託病院で生まれた新生児の96%が受検し,注目を集めているそうです。群馬県の館林市でも4月から導入し,保険適用外のため実費ですが,使用を開始いたしました。 2点目の質問といたしまして,聴覚障害の早期発見に効果が期待される聴覚検査機器の導入につきまして,当局のお考えをお聞かせください。 次に,市民サービスについてお尋ねをいたします。 公共施設に乳幼児を連れておいでになる方のために,ベビーカーを設置することはできないでしょうか。 先日,私は若いお母様を児童課にお連れいたしました。私の車にベビーカーを乗せ,市役所に着くなり子供をだっこしながら,もう片方の手でそのベビーカーをセットしてと,とても大変な思いをいたしました。特にお一人で小さな赤ちゃんを片手で抱き,もう片方の手で二,三歳の子供さんの手を引いて来られる方は言うまでもありません。 また,庁舎内で小さな子供さんが,お母さんの手を離れてよちよち歩いている姿を時々見かけますが,けがをしないかと見ていて心配になることが時々ございます。幼い子供さんを抱えての庁舎内での移動や相談は,親にとりましては大変な負担になります。また,市内におけます公共施設におきましても,同じような思いをしております。 こうしたことを少しでも軽減するために,公共施設にベビーカーの設置に対するお考えをお聞かせください。 以上で壇上からの第1回目の質問を終わらせていただきます。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 入谷直賢君。 ◎健康福祉部長(入谷直賢君) それでは,新生児用聴覚スクリーニングについての御質問のうち,1点目の乳幼児の早期聴覚検査についてお答えを申し上げます。 生まれた直後の新生児では,大きな音に対しまして目を強く閉じたり,逆に開いたり,手足を急に曲げたりするモロー反射が見られております。これが見られれば,少なくとも高度の難聴はないと考えられております。 現在,春日井市で実施しております4カ月児,12カ月児,1歳6カ月児,3歳児の健康診査では,聴覚については問診による確認や発語状態や言葉の発達の確認,指こすりやささやき声で聞こえの確認など,愛知県の母子健康診査マニュアルに基づき実施をいたしております。そこで要精検となった場合や保護者から心配の訴えがあった場合には,精密検査として春日井市民病院を初め機器を擁する医療機関での聴性脳幹反応検査(自動ABR)でございますが,これを紹介いたしております。 一般的には小児の聴力障害は中等度以上で1,000人に1人,高度難聴は2,000人に1人と言われております。15年度は4カ月児健診受診者の3,049人のうち0.32%に当たる10人の要精検者があり,その結果2人の難聴者が発見されております。 聴覚は,乳幼児の言葉の獲得やそれに伴う社会性の発達の基礎であります。乳幼児健康診査で異常を早期発見し,適切な治療を受けることによって,成長にできるだけ支障がないようにしていくことが大切であるというふうに認識をいたしております。 御提案の検査につきましては,ただ検査するのみではなく,機器を効果的に活用するためには,医療,福祉,教育の連携など,検査後のアフターケアまで総合的に実施されることが望まれております。 また,適切な検査体制の整備など,解決しなければならない課題も多くありますので,今後は情報を積極的に収集し,検査のあり方,医療,福祉,教育の連携等について調査研究をしてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いをいたします。 ○議長(友松孝雄君) 市民病院事務局長 岡田 滋君。 ◎市民病院事務局長(岡田滋君) 新生児の聴覚スクリーニングにつきましては,早期に難聴を発見して療育することにより,言語の発達を促すことが可能であることから,近年,この実施に向けての要望が強くなっております。 しかし,特別な装置や技術が必要であり,しかも母親の安心のためには誕生後できるだけ早い時期でのスクリーニングが好ましいことなどから,全国的にはまだ実施例が余りないと聞いております。 市民病院の耳鼻いんこう科では,以前からこのスクリーニングに関心を持っており,臨床検査技術室とチームを組んで数カ月前から実施に向けての検討を始めております。今のところ当院では2歳から3歳児以上の聴覚検査については,院外からも依頼を受けて実施しているところでありますが,新生児の聴覚スクリーニングについては,中耳から内耳にかけての耳音響放射検査(OAE)でございますが,これは可能でありますが,内耳の奥の異常を無侵襲で診断する聴性脳幹反応検査のための設備が整っておらず,実施を見送っている状態でございます。 市民病院としましては,今後,新生児難聴の確定診断のための機器や設備の拡充を検討する中で,療育体制のあり方やスクリーニングの対象者の特定などの課題を整理した上で,できるだけ早い時期に実施したいと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 浮海正夫君。 ◎総務部長(浮海正夫君) 続きまして,公共施設に貸し出し用ベビーカーの設置に対しましてお答えを申し上げます。 貸し出し用ベビーカーの設置につきましては,平成13年に市庁舎正面玄関に1台配置をいたしました。しかしながら,庁舎内におきましては特に乳幼児同伴が多い児童課,健康推進課では,いすにかけての受け付けといたしておりますので,来庁者は乳幼児をひざの上に乗せたり,また乳児は通路に設置のベッドを利用される場合もございます。また,複数の乳幼児がいる場合につきましては,可能な限り職員が補助に心がけているところでございまして,正面玄関窓口でのベビーカーの借用の申し出はほとんどない,そういった状況でございました。 また,本年4月から実施をいたしておりますフロアマネージャーに対してのアンケート調査でも,来庁者からの借用申し出はないという調査結果が出ておるところでございます。しかし,御指摘のように中には困っておみえになる,そういった市民の方もおみえになるとのことでございます。 今後はさらにフロアマネージャーに周知徹底を図るとともに,ベビーカーを人目につきやすい場所に配置をいたしまして,利用促進を図ってまいりたい,このように考えております。 また,市庁舎以外の施設で特に小さなお子様を連れて頻繁に利用される,そういった施設につきましては,利用実態を把握する中で対応してまいりたいと考えておりますので,よろしくお願い申し上げます。 ○議長(友松孝雄君) 6番 諸戸護子君。 ◆6番(諸戸護子君) それぞれ大変前向きな御答弁をいただき,ありがとうございました。 初めに,新生児の聴覚スクリーニングについてでございますが,春日井市で実施されております乳幼児の聴覚検査の現状をお聞きし,理解はいたしましたが,各健診で親が記入をいたします数ある問いのうち,わずか1項目ほどの問診票の確認,並びに母子保健法で定められております1歳半健診のアンケートと3歳児健診の聴覚に関する医師の診察,または保健師の保健指導で確認をするという検査方法では,なかなか正確な判断が困難ではないかと思われます。 先ほども申し上げましたように,聴覚障害児では可能な限り早く療育を開始することで,言葉の発達などいろいろな発達のおくれを最小限にすることが可能となります。例えば言葉の習得をとりましても,3歳の正常聴力児の場合,700個以上もの言葉を習得しているそうでございます。 これに対して,聴力障害児では障害が発見され,ケアを受けた時期別に解析いたしますと,誕生時に障害が発見され,ケアを受けた子では500個,生後6カ月では約300個,生後2年ではかなり減少をいたしまして約25個と,発見時期が遅くなるほど習得した言葉が少なくなっております。 また,生後6カ月のころに人工内耳の移植などの適切な治療を行うことによりまして,正常聴力児と変わらぬ言語習得が可能になるとも言われております。このことはいかに早期発見,早期治療が重要であるかを示唆していると思います。 そのようなことを認識のもとでの,地域医療を担っております春日井市民病院におきましての早期導入との御答弁をいただき,大変うれしく思います。ありがとうございました。 また,ベビーカーの設置につきましては,平成13年度に導入したとのお答えですが,実際,フロアには見当たらず,設置を望む市民の方の声がございましたので,お尋ねをさせていただいたわけでございます。 今後は来庁者が利用しやすいように配置していただきたいと思います。また,乳幼児をだっこして書類等の記入というのは大変なようでございます。児童課,市民課などカウンター窓口にチャイルドチェアのような,そういうものの設置もあわせて検討していただけたらと思いますので,よろしくお願い申し上げます。 今後もなお一層の市民サービスに努めていただきますよう御期待を申し上げまして,私の質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 13番 石原名子君。     〔13番 石原名子君 登壇〕(拍手) ◆13番(石原名子君) 議長のお許しをいただきましたので,通告に従い順次質問をさせていただきます。 1点目は,子育て支援についてお伺いいたします。 本年7月13日,厚生委員会の皆様とさいたま市へ行政調査に行ってまいりました。さいたま市は「子育てするならさいたま市」を掲げ,未来を担う子供たちが健やかに育ち,子育てしやすい都市の実現に向けて,現在子供を産み育てている人や,これから育てたいと考えている人が適切な支援を総合的に受ける中で,子育てに喜びと充実感を感じることができるとともに,子供たちが将来に希望を持って伸びやかに成長できるよう積極的に子育て支援策を展開しておりました。 特に,ことし3月には子育てをされている方や,これから子育てをされる方の情報誌として子育て応援ブックを作成,大変好評であるとのことでした。出産から中学入学までに役立つ保健,医療,福祉,保育,教育などの情報や制度を紹介しており,深刻な少子化対策として,こうした支援事業の実施は大変ありがたく,心強いすばらしい子育て応援ブックを無料配布いたしました。もし,手に入らなくても市のホームページからファイルをダウンロードできます。 さて,春日井市におきましては,平成9年に,春日井市児童育成計画,げんきっ子プラン・春日井を策定され,子育て支援に積極的に取り組んでいただいているところであります。また,平成14年3月には,新たに88事業から103事業へと改定され,さまざまな事業,そして先進的に進めていただいていますことに感謝と敬意を表するものであります。それらの事業を広く市民の皆様に周知していただくためにも,ぜひ子育て応援ブックを作成,配布されてはどうかと思いますが,当局の御所見をお伺いいたします。 次に,病後児保育の拡充についてお伺いいたします。 春日井市は,愛知県で豊橋,常滑市に次いで3番目として,平成13年度から勝川医院にて実施していただき,子育てと就労の両立支援に取り組んでいただいているところでありまして,安心して子供を産み育てられる環境づくりは高く評価するものであります。若い女性たちは妻,母であるとともに仕事を生涯持ち続け,自立した女性としての生き方も望んでおります。しかし,仕事と子育ての両立に悩み,二者択一を迫られ,職場をやめる女性が多くいるのも現状であります。そして,育児期が過ぎて再就職しようとすると,正規雇用はほとんど望めなく,十分能力を発揮できない等課題は多くあります。 仕事と子育ての両立に病後児保育は大きな支援策であります。病後児保育のニーズにつきまして本年1月に実施されました次世代育成1万人アンケートを見ますと,子供が病気やけがをしたとき,「父親または母親が仕事を休んで対応した」との回答が最も多くなっております。その中で,1割から2割の方が「仕事を休むのが困難である」と答えております。 さらに,現在,勝川医院で実施していただいているわけでありまして,地域的な問題の問いがなかったのが少々残念でありますが,保護者の方は本来,病気の子供のそばにいたいと願う気持ちでいっぱいではないでしょうか。また,どうしても見ることができなくて病後児保育を利用される場合,少しでも近くで見てもらいたいと思うのは当然ではないでしょうか。 そこでお伺いいたします。地域的に配慮していただいて拡充されてはどうかと考えます。当局の御所見をお伺いいたします。 2点目は,発達障害(自閉症)児・者支援についてであります。 19歳になるD君は元気で活発な青年に成長されておりますが,発達障害(自閉症)のため社会生活がうまくいかず,誤解されることたびたび,警察のお世話になることも。そのたびに親御さんが身元引受人として迎えに行ったり,謝りに行ったりと毎日大変な思いで生活をされております。小学校・中学校時代は学校から逃げ出したと言われては迎えに行くという繰り返しでしたが,義務教育を終え,社会人となっては体も大きくなり,なかなか家庭で生活をするということも思うようになりません。 こうした障害を持つ親御さんは一度は自殺を考えた,また,成人されてからは仕事をして納税者になりたいと願っています。発達障害は脳機能の障害を原因として,主に幼児期や学齢期にあらわれる言語,行動,認知などの総称であります。この中には読み書きや計算に困難を示す学習障害(LD),落ちつきがないなどの多動や衝動性を特徴とする注意欠陥多動性障害(ADHD)言葉のおくれやコミュニケーションなどに困難を示す自閉症圏障害などが含まれ,知的障害や他の障害が重複しているケースも多いとされています。 発達障害は珍しい障害ではなく,少なくとも児童20人に1人の割合と推定され,その多くが特殊学級ではなく,普通学級に在籍していると見られております。担任教師の回答をもとに行った文部科学省の調査では,普通学級に在籍する生徒で知的障害はないが,学習面か行動面で著しい困難を持っているとされる児童生徒は6.3%にも上ると言われております。 しかし,発達障害者は,障害者基本法の定める障害者には定義されていないため,知的障害を伴う発達障害であれば,知的障害として国や自治体に義務づけられる福祉施策の対象となりますが,知的障害を伴わない発達障害に関しては法的な位置づけがなく,支援策がないのが現状であります。 さらに,知的障害を伴わない発達障害は普通の子供との区別が難しく,問題行動が本人や親のしつけによるものとされてしまい,いじめや引きこもりなどの二次障害を引き起こす要因となることも指摘されています。こうした二次障害を防ぎ,発達障害者が学校や社会に適応していくためには,早期の診断と障害の特徴に応じた継続的な支援が必要であると考えます。適切な支援を受けることができれば,知的障害を持たない発達障害者の80%以上は企業への就労を経験できるようになるとの報告もあります。発達障害の早期発見や教育,就労,生活など生涯にわたり安心できる支援体制の整備を進め,障害を一人一人の個性ととらえ,社会的な理解を広げる取り組みが必要であります。 さて,国におきましては,本年5月には超党派の発達障害を支援する議員連盟が発足し,発達障害者支援法要綱案が了承され,次の国会に法案を提出し,成立を目指すこととなりました。法案では,発達障害を自閉症・アスペルガー症候群,その他の広汎性発達障害,学習障害,注意欠陥多動性障害のほか,これに類する脳機能障害と定義した上で,早期発見,早期療育,教育,就労等の総合的な支援体制を明確にするよう求めています。 そこでお伺いいたします。1,発達障害児・者への理解に向けての取り組みについて,2,生涯にわたる社会生活への自立に向けての取り組みについてのお考えについて,当局の御所見をお伺いいたしまして,壇上からの第1回目の質問とさせていただきます。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 入谷直賢君。 ◎健康福祉部長(入谷直賢君) それでは,子育て支援についての御質問のうち,初めに子育て応援ブックの作成,配布についての御質問にお答えをいたします。 本市の子育て支援情報につきましては,子育て子育ち総合支援館や子育て支援センターなどの各施設におきましてリーフレット等を作成しており,また,市全体の状況につきましては,広報の特集やインターネットなどにより情報を提供しているというところでございます。こうした状況において,各子育て支援施設の職員が定期的に開催をいたしております連絡会議におきまして,新たな情報誌の内容や編集方法等についての検討を進め,本年7月に事業ごとや施設ごとに整理をいたしました小冊子春日井の子育て支援を作成いたしました。この小冊子は,児童課の窓口を初め各施設における市民からの相談において,個々具体的な状況に応じた情報提供をする際に利用するなど活用を図っているところでございます。 今後につきましては,ただいま御紹介をいただきました情報誌の内容やカラー印刷等の体裁も参考にしながら,現在配布いたしております春日井の子育て支援により一層読みやすい工夫を加えるとともに,内容を充実させてまいりたい,このように考えております。 次に,病後児保育の拡充についての御質問でございますが,本市の病後児保育につきましては,平成13年度から医療法人に委託をし,定員を4名として実施をいたしております。平成15年度の利用状況でございますが,1日当たりの平均利用人数は1.27人となっており,また,1人1回当たりの平均利用日数は2.05日と,このようになっております。病後児保育ニーズにつきましては,本年1月に実施しました次世代育成1万人アンケート調査により把握をしておりますが,今,質問議員が言われたとおりの内容でございます。 本市におきましては,こうしたアンケートの結果や,現在の利用状況をもとに地域ごとの分析を進め,病後児保育の拡充を検討してまいりたいと,このように考えております。 次に,発達障害児・者への支援についての御質問にお答えをさせていただきます。 昨今,障害者基本法に定める障害者に入らない高機能自閉症やアスペルガー症候群,学習障害,注意欠陥多動性障害等の発達障害のある人について,福祉施策の対象とすることへの動きや,法整備が進められていることは承知をいたしております。市では4カ月児,12カ月児,1歳6カ月児,3歳児の健康診査において自閉症等発達障害の早期発見に努めており,発達のおくれや障害があると思われる児童については保健師が訪問指導するほか,希望の家の児童デイサービスにおいて親子通所による日常生活の基本動作習得訓練や,集団生活適応訓練を行うとともに,子育て支援センターのげんきっ子教室において育児指導を行っております。 また,心身障害者コロニー職員が年6回から9回,希望の家や保育園,幼稚園などで地域療育事業を実施しております。さらに平成15年5月にはコロニーの中に愛知県自閉症・発達障害支援センターが設置され,社会福祉士や臨床心理士により,発達障害のある方や家族からの相談に対し指導,助言,診断及び判定を行っております。小中学校におきましては,学習障害や注意欠陥多動性障害の児童生徒への適切な支援を行うため,特殊学級や通常学級で対応しているところであります。また,このような障害児相談に応じるため,本年5月に中央公民館に「心の相談室ひまわり」を開設したところでございます。 また,障害者医療助成制度として自閉症状群と診断された人を対象に,医療保険の自己負担額の助成をしておりますが,今年度から自閉症状群に高機能自閉症とアスペルガー症候群を加え助成対象にいたしております。 今秋の臨時国会において,発達障害者支援法案が提出されると聞いておりますが,法案の内容を見ますと,今お話がございましたように,国と地方自治体に対し発達障害児の早期発見,障害の特性に応じた医療,福祉,教育的援助のほか,就労支援や地域生活支援など障害者の生活全般にわたり必要な措置を講じることを求めております。発達障害の場合,その障害特性を理解し,幼児期から適切な療育,指導が受けられ,その後の日常生活においても必要な支援が得られれば,地域社会で生活することも可能と考えられております。 市といたしましては,発達障害についての市民の理解と知識の普及に努めますとともに,各種健診による早期発見と幼児期における適切な療育の充実を図ってまいります。また,今後の動向に留意しながら,生涯を通じての必要な施策について研究及び検討してまいりたいと,このように考えておりますので,よろしくお願いをいたします。 ○議長(友松孝雄君) 13番 石原名子君。 ◆13番(石原名子君) 3点につきまして,それぞれ御答弁ありがとうございました。 1点目の子育て応援ブックにつきましては,内容,また体裁も考えて充実していただけるとの大変前向きな御答弁をいただきました。ぜひ子育てをされている皆様の応援ブックが作成,配布されますことを御期待申し上げます。 2点目の病後児保育につきましてもニーズがあり必要性を承知してみえるとのことですので,地域的な問題もありますので,できれば,あと2カ所ぐらいは何とか設置できないかどうか御検討いただきましての早期の実現を御期待申し上げます。 3点目の発達障害児への取り組みは大変よくやっていただいていまして,早期発見,早期療育に取り組まれていますので,今後は国の動向を見ながらぜひ生涯にわたる支援体制の整備を研究していただきたいと思います。 そこで,再度お伺いいたします。 先ほど御答弁にありました平成15年5月に愛知県コロニーの中に発達障害研究センターが設置され,予防法,治療法,福祉のあり方を研究していただいております。その成果を医療や福祉の現場に積極的に還元し,障害のある方々の社会参加を促進していただきたいと思います。幸いにも春日井市に所在しておりますので,連携を密にしていただき,支援体制を図られてはいかがでしょうか。以上,お伺いいたしまして質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 入谷直賢君。 ◎健康福祉部長(入谷直賢君) それでは,コロニーの愛知県自閉症・発達障害支援センターとの連携についての御質問にお答えを申し上げます。 このセンターは,発達障害者及びその家族に対する相談,助言,発達障害者への専門的な発達支援及び就労支援,医療,福祉,教育等に関する業務を行う関係機関,民間団体やこれに従事する者への情報提供及び研修などを業務といたしております。 本市におきましては,このセンターを活用するとともに関係機関との連携を深めまして,自閉症や発達障害のある方々が地域で安心して生活できるよう支援してまいりたいと,このように考えておりますので,よろしくお願いをいたします。 ○議長(友松孝雄君) 14番 中藤幸子君。     〔14番 中藤幸子君 登壇〕(拍手) ◆14番(中藤幸子君) 議長の許しを得ましたので,通告に従い質問いたします。 今回は,団塊世代の力を活用してのコミュニティビジネスに関してであります。団塊世代,団塊の世代とは,作家でもある元経済企画庁長官の堺屋太一氏がその人口の突出した多さに注目しネーミングしたもので,昭和22年から24年,すなわち1947年から49年に生まれた世代を指すものですが,この3年間は,各年の出生人口が250万人以上と飛び抜けており,総計は800万人に達します。過密教室での勉強を経て,1960年代のテレビの普及,1980年代のマイカーの普及,1990年代のパソコン,インターネットの普及という戦後日本の時代の変化の最先端を突っ走り,大学紛争の当事者でもあった団塊の世代は既成の価値観を問い直し,自己本位で多様な生き方を模索してきた世代とも言われております。 現在の後期高齢者は多くの悲惨な戦争を経験し,生きがいというより生きることに精いっぱいで,老後の楽しみを考えることもなく生きてこられた方々が多い中で,団塊の世代は多様な嗜好を持ち合わせている人々で,10代後半でビートルズに出会い,フォークソング,グループサウンド音楽,ジャズ,クラシックとさまざまなジャンルになれ親しんできた世代として,老後の音楽といえば演歌のように1つにくくられることに違和感を覚える世代でもあります。 この団塊の世代の多くが2007年度から定年を迎え,第一線を退きます。団塊世代の退職を,労働人口が減り結果として住民税が減る,また高齢化がさらに進み医療費や介護費用が増大するとマイナスイメージでとらえるのか,現役時代に培った技能や技術を地域に返してもらい,地域が活性化できるチャンスだといったプラスイメージでとらえるかで,今後のまちづくりは大きく違ってきます。団塊世代対策をいち早く視野に入れた取り組みをしたのは千葉県の我孫子市です。我孫子市は上野から常磐線で約30分,人口約13万人の典型的な大都市近郊型住宅都市です。我孫子市は1970年代に一挙に都市化したベッドタウンであるため,団塊の世代が多く住んでおり,1995年に高齢化率で10.4%だったものが2005年には17.1%,2015年には25.5%へと急速に高齢化が進むと見込まれております。2001年からスタートする総合計画の策定に際し,東京近郊に数多くある住宅都市のうちで住むことに選ばれる町として,都市間競争に生き残るために元気な高齢者対策が必須であると判断いたしました。 しかし,肝心の高齢者予備軍である約1万人に及ぶ50歳代の男性が自分の老後をどう考え,地域社会や市に何を期待しているかについては何のデータもなく,ニーズの把握もできておりませんでした。このままの状態での政策立案は資源の大いなるむだであると考えた我孫子市は,中央学院大学法学部岩崎研究室に依頼し,東京等に通勤すると見られる50歳代の男性に対し,我孫子市におけるシニア男性の地域社会での今後の活動意向調査を行いました。このアンケート調査は単なる意向調査ではなく,何らかの公的な目的の達成のために市と協働して市民が実施する事業,すなわち市民事業に取り組む意思はありませんかというマーケットリサーチでありました。 この市民事業には,1つ目として,定年により定時制市民から全日制市民になるに当たって,東京で蓄積してきた技能,経験,キャリア等を市の資源として地域づくりの各場面に生かしてほしいというものであり,できれば我孫子市をマーケットとして利益追求だけではなく,社会的に意味を持つようになるもの,サービスの提供事業を展開してもらえないだろうかという期待がありました。2つ目として,このことにより,サラリーマンOBにいつまでも地域で生き生きと元気でいてもらうことは,本人にはもちろん,税金で運営される自治体行政にとっても好都合である。3つ目として,急速に進む高齢化はどうしても福祉のマンパワーが不足しがちであり,市民事業のマーケットとして,高齢者同士の相互扶助体制が成立するのではないかという期待がありました。 調査の結果,定年後の起業の意向はやってみたい,あるいはできればやってみたいという希望者が過半数を超え,それに費やすのは1週間に3日から4日で,1日に四,五時間働きたいというものが過半数ありました。また自己出資額については100万円から200万円以内が2割,50万円程度なら出資可能が半数を占めておりました。しかし,具体的に起業したくとも友人や仲間がいないが6割以上あり,市に対しては夜間や休日の市民事業起業基礎講座の開設,立ち上げ資金の低利融資制度,支援情報センターの設置などを望む声が強くありました。 我孫子市は,この調査結果を受けて,市の総合計画の柱の一つに市民事業支援を据え,市の組織として市民活動支援課を設置,調査で発掘した市民事業協力者を中心に組織化し,起業支援を図り,2002年には手賀沼湖畔に図書館と併設する形で,市民事業の活動拠点としてカフェテリアを開設いたしました。2003年には「コミュニティビジネスでよりくらしやすいまちづくり」をテーマにシンポジウムと入門講座を開催いたしました。コミュニティビジネスは地域住民が主体となって地域に密着した事業を展開し,地域の課題の解決や雇用の確保につなげる新しいスタイルのビジネスと考えられています。我孫子市では,今年度コミュニティビジネス支援として約1,800万円が予算化されております。(仮称)コミュニティビジネス支援センターの整備,運営,入門講座の開催,専門家による相談事業や推進協議会の運営等が実施されております。 我孫子市の福嶋市長は,95年の1月に38歳で市長になった現在3期目の方ですが,市のホームページを見ておりますと,メッセージの中で「我孫子市は昨年柏市等との合併には参加しないことに決め,独自のまちづくりをさらに発展させる。そのため,今まで以上に大胆な改革を実行します」と明言し,さらに,現在取り組んでいる8つの提案として,1,市長の多選を条例で制限する。2,議員立法できる市議会にするため議会の定数を思い切って減らした上で体制強化を図る。3,常設型の市民投票制度をつくる。4,より徹底した情報公開を目指し,市・県・国会議員からの要望は文書に記録し公開する。自治会や業界団体,各種の連合会からの要望書は市の回答とあわせて市民に公表する。5,市税収入に対する人件費の割合を制限,税収が減れば人件費も減らすというルールを確立し,市民サービスに投資する財源を確保する。そして6として,コミュニティビジネスで地域を活性化する。シニア世代が定年後豊富な経験を生かして地域で活躍できる環境をつくると,これまで紹介してきましたコミュニティビジネスを重要課題と位置づけております。さらに,7には子ども総合計画を推進し,一番子育てしやすい町を目指す。8は,バスも活用してJR成田線沿線の交通利便性を向上させるというふうにあります。財政難の中で,21世紀を見据えた若手市長の積極的な提案に住宅都市である我が市も参考にすべきものがあるのではないかと考えます。 さて,武蔵野市では2005年から第四期基本構想・長期計画の策定に当たり,今後数年のうちに,その多くが企業組織等を離れることとなる団塊世代の意見を反映して,市民参加による市政を推進するため,昨年の12月に設けられたテーマ別の市民会議「団塊世代の主張」がこの5月に報告書をまとめました。このメンバーは公募の5人と大学教授ら全員50代で構成されておりまして,ワークショップの結果を踏まえ,報告書の中で団塊の世代が生涯現役として,地域で知識や経験を生かす活動を「DANKAIプロジェクト」と名づけ,その推進組織を設けるように提言しております。その上で,1,退職後に地域を発見するためのカムバック武蔵野計画,2として,老後の不安を一掃し尊厳ある生活を送る地域活性化計画,3として,福祉サービスの受け手ではなくさまざまなサービスの提供者となる団塊力活用計画を提案しております。 東京都の墨田区では,高齢化が進む中で高齢者の介護福祉サービスを中心とした施策を展開しつつ,一方で高齢者の約9割は介護を必要としない元気な方であるということに着目し,元気な高齢者を対象にセカンドステージ支援事業を2002年度より実施しております。これは,現役時代に地域とのかかわりの少なかったサラリーマンOBが引退後の人生,セカンドステージで長年培ってきた経験や技能を発揮しながら生きがいを持って社会参加することを支援するものです。 そして,近い将来,団塊の世代と言われる人々が60歳代になり,地域の中で自分の力を発揮したいと思ったときに,さまざまな情報の中から自分のあった活動を選択し,気軽に参加できる環境づくりを進めるためのものです。2003年には,墨田区役所の3階の1室を団塊世代の地域参加を後押しする拠点にする目的で「てーねん・どすこい倶楽部」,「てーねん・どすこい」はひらがなであります,の事務局に提供しました。この「てーねん・どすこい倶楽部」は定年退職した人々の地域社会への参加のきっかけづくりを目的に,前年の9月に発足した住民の自主独立団体です。 主な活動は,特技や経験などを登録し,要請に応じてボランティア活動を行うシニア人材バンクの運営,セカンドステージセミナーの開催,シニア世代向けのどすこいかわら版の発行,シニアメールマガジンの配信などであります。特にパソコンによる情報の共有化に力を入れており,現在の高齢者よりもパソコンになれている人が多い団塊世代への情報発信手段として有効であると考えられております。墨田区からも業務委託を受けており,今後はNPOの法人格も取得する予定であります。 世田谷区においても2001年から,団塊の世代が地域に戻ってくることを念頭に,東京商工会議所直轄のNPO法人生活・福祉環境づくり21と組んで,「いい・こみゅにてぃ世田谷」をつくりました。これは,地域社会を大切にする市民,行政,事業者の共通の舞台をつくり,その活動を促進することを目的としたもので,ITを活用して地域活動を進める人を育てるITステップ講座の開催と福祉住環境コーディネーターの養成,地域通貨など地域ビジネスにつながる提案をしております。 また,横浜市ではホームページに横浜市コミュニティビジネス起業・経営サポートサイトというのがありまして,既に実践している例えば介護,子育て育児,環境リサイクル等の事例の紹介,資金を確保したい場合の助成制度,融資制度等の情報,また活動拠点を確保したい場合の情報,起業家・事業者支援セミナー情報など関連情報を詳細に提供しております。 9月24日付中日新聞朝刊の県内版によりますと,大府市の老人クラブでは,60歳代の若手会員による壮年部を発足させたというふうにありました。原則60歳以上に参加資格がある老人クラブは会員間の考え方や体力に大きな差ができ,クラブの催し,運営も会員参加の場合,60歳代のヤングオールド世代には物足りないケースが多く,加入率低下につながっているそうであります。そこで,高齢会員と区別化する60歳代の壮年部を発足させることで会の活性化を図り,また,団塊世代の大量退職の受け皿として自治体の指定管理者制度にも食い込んでいきたいという考えがあるということであります。 一方,行政の手が届かない街路樹の維持管理や緑化を行政と市民が協力して進める動きが現在県内で広がっております。名古屋市千種区の桜が丘,豊橋市の鷹丘,一宮市の銀座通りなどでは,植栽のプランづくり,年数回の除草や清掃が主な活動でありますが,財政難で維持管理費がふやせない,また,減らさざるを得ない自治体にとっては地域住民の協力は欠かせません。時代は行政の仕事を,利潤追求を目的とした民間事業者に大量に委託する時代から,委託の内容を見直し,課題解決のために地域住民が立ち上げた地域密着型ビジネス,すなわちコミュニティビジネス団体に委託する時代へ緩やかにシフトしていくべきです。 春日井市では,今年度より行政評価の外部評価も始まっておりますが,限られた財源をどう生かして使うか,行政だけが考える時代ではなく,市民とともに模索すべきであります。それには,市民がより取り組みやすいように,先ほど紹介したようなきっかけとなる仕掛けや支援策が必要ではないでしょうか。 自治体のホームページを見ておりますと,総合計画の策定に向け準備が進められておりますが,団塊世代の問題をまちづくりの課題としっかりととらえた検討が行われています。特に,住宅都市においては熱心になされております。我が春日井市はどうでありましょうか。私は物足りなさを感じます。以上のことを踏まえ,地域住民が主体となって地域に密着した事業を展開し,地域の課題の解決や雇用の確保のため,また,退職し始める団塊世代の人々のエネルギーの活用策としてのコミュニティビジネスについて研究し,支援すべきではないでしょうか。御所見をお伺いいたします。 また,春日井市の人口推計における団塊世代の人々の推移がどうなるのか,お伺いしたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) 市民経済部長 大矢孝彦君。 ◎市民経済部長(大矢孝彦君) それでは,コミュニティビジネスについてお答えさせていただきます。 これまで地域の問題は行政機関が,その対応に当たってきました。しかし,昨今多様化する行政需要に対応するためには困難な状況となってきております。経済社会情勢の変化に伴って,核家族化や都市化が進んだ結果,高齢者の介護や子育て問題等に代表されるような生活に密着した問題も多く抱えることになってきました。 一方で,団塊の世代が退職を迎える2007年から2010年が新たな労働問題として問われています。いわゆる2007年問題であります。急激な少子化と重なり,現在の雇用過剰な状態から一転して深刻な労働力不足に陥ることが懸念されております。これは数だけの問題ではなく,団塊の世代が持つ高度な技術や能力をどうやって次の世代に継承していくかという問題でもあります。こうした状況をかんがみ,地域の問題を地域住民が主体的に取り組み,解決していただくことが問題解決の近道だと思われます。しかし,これまでは行政が解決してきた問題を継続的,安定的に対応するためにはボランティア活動では不十分であり,地域に密着した事業として取り組むことが必要とされています。 御質問にありましたように,コミュニティビジネスは,福祉・介護,まちづくり,地域安全活動,職業能力の開発・就業支援などさまざまな分野にわたる活動であり,地域社会への貢献と活動する側の満足感,生きがいにもつながるものと考えますし,同時にさまざまなノウハウを持つ団塊世代の人々の能力を活用し,コミュニティビジネスとして事業を展開していくことで問題解決を図る有効な手段となり得るものと考えております。本市におきましても,地域の課題の解決や雇用の確保のためにコミュニティビジネスをどのように展開させていくのか調査研究していきたいと考えております。 次に,団塊世代の市民の今後の推移についてでございますが,本市の第四次総合計画の基本フレームの一つとして策定いたしておりますデータから推計いたしますと,2010年,平成22年では60歳から64歳までの年代となり2万4,500人,構成比8.0%,2015年,平成27年では65歳から69歳までの年代となり2万3,400人,構成比7.5%,2020年,平成32年では70歳から74歳までの年代として2万2,000人,構成比7.0%となるものと推計いたしております。以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 14番 中藤幸子君。 ◆14番(中藤幸子君) 先ほど,市民経済部長の方より答弁がございました。通告しておりましたので,コミュニティビジネスという目新しい言葉について,よく勉強してくださいましたというふうに思いますけれども,では,その2007年の問題があるということは意識しているけれども,では,どうするんだということについてはなかなか見えてこなかったように思います。 私も春日井市の団塊の世代の人口について,ことしの4月1日現在のものでありますけれども,見てみますと,4月1日現在で53歳の方が4,556人,54歳が5,241人,55歳が5,798人,56歳が5,943人とありまして,40歳代,それよりも10歳若いところでありますけれども,大体3,000人から3,600人台であることと比べても1.5倍近く多くなっております。これは,もう物すごいことだなというふうに感じております。 私自身は1956年生まれですので,エネルギーあふれる団塊世代と感覚が異なる新人類の間に挟まれた,一時サンドイッチ世代というようなことも言われたわけでありますけれども,事あるごとにこの団塊世代とその影響を受けた先輩たちの個性とエネルギーには圧倒されたものでございます。このエネルギーをこれからのまちづくりに提供してもらわないという手はないというふうに考えます。積極的にどんどん活用すべきだと思います。ただし,動員という形ではなくみずからの意思で,フリースタイルでかかわってもらう。今後そういうまちづくりを目指してほしいと思います。 少し話は変わりますけれども,現在合併に向け各地で議論が繰り広げられております。この議論の中で財政を初め今後のまちづくりがどうあるべきか,10年後,20年後の市民サービスがどうなるか,しっかりと各地で問い直されております。8月,9月と参加した研修会の中で,私は合併が決まった各地の自治体の議員の発言からそれを痛切に感じました。我が春日井はどうでありましょうか。余りにものんびりし過ぎてはいないでしょうか。一般会計規模で800億円あったとしても使い道が決まっていて使えるのは100億あるかどうか,非常に切迫した状況であることをどれだけの職員が意識しながら仕事をしているのでありましょうか。 市民病院から,そして水道から借りた40億円もいずれは返さなければいけません。今後,税収増など見込めないのではないでしょうか。ならば,どうやってこれまでのサービス水準を維持していけるのでしょう。市の仕事としてきたものを仕組みをつくって地域にお返しするしかないというふうに私は思っております。その仕組みの一つが今回紹介したコミュニティビジネスです。現在,市が行っている仕事の中で市民事業で引き受けてもらえるものについては市が撤退することを究極の行政改革の目標として,市民との協働に取り組む準備を調査研究するなんて言っていないで,早急に始めるべきではないかと思います。再度答弁を求めます。 ○議長(友松孝雄君) 市民経済部長 大矢孝彦君。 ◎市民経済部長(大矢孝彦君) 再度の御質問にお答えさせていただきます。 今お話にありましたように,特にこの地域におきましても中心市街地の空洞化,そしてまた地域社会の崩壊,そしてまた財政悪化,こういったように地域を取り巻く環境は悪化かつ複雑化しておると,こういったことは十分承知をいたしておりますし,また従来の行政の枠組みでは解決できない,こういったきめ細かな対応が求められている,こういったことも承知いたしております。 しかし,今,御質問にありましたように,それではどういった対応をしていくのが一番いいのか,こういった問題に即しまして,行政の当面の支援としては,例えばこういった起業をする場合の支援の確保に対する情報提供だとか,それから,こういった起業をする人に対しての講座,講演等の開催,こういったものでまずよく状況を把握していただく,こういったことから入っていくのが一番近道ではないか,このように思っておりますし,今お話しさせていただきましたように調査研究というのは,それでは何が一番地域に適しているのか,どんな事業が一番この春日井には適しているのか,こういったことをよくニーズを把握してまいりたい,このように考えておりますので,よろしくお願いしたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) この際,暫時休憩いたします。                    午後2時45分 休憩   -----------------------------                    午後3時 再開 ○議長(友松孝雄君) 休憩を閉じ,休憩前に引き続き会議を開きます。 順次発言を許します。26番 伊藤裕規君。     〔26番 伊藤裕規君 登壇〕(拍手) ◆26番(伊藤裕規君) 通告に基づき順次質問させていただきます。 1,健全な子供の育成のために。 子供をめぐって心痛む事件が余りにも多く発生しています。子供が健全に育っていくために大人がやらなければならないことが幾つかあります。問題になる環境を取り除いていくこともその一つです。風俗営業は大人にとっては娯楽であっても,子供にとっては悪い影響を与える場合がかなりあります。ところが,風俗営業でも子供の施設利用禁止をしていないものがあります。例えば,カラオケボックスのようなものです。中は一応外から見えるようになっていても,意識的にのぞき込まなければよく見られない狭い密室に近いようになっています。こうした環境で中学生などが過ごすことは,さまざまな問題につながっていくことを教育関係者,家庭の方々が心配をしています。学校や地域の人たちがパトロールなどを行っていますが,法的には強制的に連れ出すことはできません。風俗営業から子供を守る環境をつくっていくことに関する市の考えを伺います。 2,防災についてです。 ことしは全国的には既に台風の大きな被害が出ています。大きな地震も発生しています。市は防災に対するさまざまな対策を進めています。今次々と防災の情勢も新しくなり,新たな課題も見えてきています。市はことし,地震の液状化現象のハザードマップを市民に知らせました。私は内津川水害後,防災対策の一つとして災害時のハザードマップをつくり公表することを提案いたしました。当時住民の不安をあおるとか,土地の値段が下がるというようなことを言っておられた当局の方々がおられたことから見ると,大変な前進と思います。ぜひこれからも前のことだけにとらわれずに,必要なことは大いに進めていただくことをお願いし質問に入ります。 (1) 避難場所が災害に耐え得ることができない施設の対応はどうするのですか。公立学校の耐震調査,耐震対策を進めていただいていますが,地震に耐えることができない施設や水害のときに浸水する場所が避難場所になっているところがあるはずです。見直しが必要ではないでしょうか。 (2) 地震のハザードマップで液状化現象と言われるところの対策は考えておられますか。県の発表をもとに,広報春日井で地震発生時の液状化現象の起こるハザードマップを発表されました。住民は液状化現象とはどんなものか,どんな対策をすればいいのか知識をよく知らないのが現状と思います。その対策,また行政自身の対策は何でしょうか。 (3) 亜炭坑跡対策についての考えを伺います。亜炭坑跡の調査と対策については以前からお願いをしていることですが,とりわけ東海地震,東南海地震が心配される今日,どうしても行っていただかなければならないものです。亜炭坑が春日井の東の方の広範囲にあるということすら知らない住民が結構おられます。戦中と戦後直後の国と企業が残した過去の難問ですが,被害は現在のものです。現実に亜炭坑跡は通常でも被害が起こっていますが,地震で思いもかけない被害が予想されます。家具の転倒防止のように,個人でできるものではないのです。どこに亜炭坑があるのか住民にはまずわかりません。対策も個人ではできません。この問題は国とこの地方の行政が責任を持って行わなければならないものです。市として国や県の力も借りて亜炭坑跡の調査,そして対策などが必要と考えますが,市のお考えをお聞かせください。 最後に,明知の土砂採取について伺います。先回の議会に続いて再度質問をいたします。 先回の議会では,明知町の東追分の山林を瀬戸市の利広開発という会社が,白土粘土を採取するという目的のために砂防地域内行為の許可申請が出ていることに関して質問いたしました。住民から見て納得できないことが多過ぎるということで,市として中止を表明すべきと申し上げました。部長は,砂防地域内行為連絡会議を開き,県に具申する,廃棄物は埋めさせない,土壌検査は県と協議して検討したいとおっしゃい,市長は,住民の運動や市の条件でとめた例もある,砂防行為の許可は知事で,だから市がだめだと言っても通らない,埋め立てを憶測で議論すべきではない,市として県に具申をするということを言っておられます。一部には納得できない部分もありますが,大変重要な貴重な答弁をいただいております。 その後,住民の動きや住民から依頼されたさまざまな人が県や市への働きかけ,関係の会社との対応等がなされています。それだけ住民の方々が切実な問題という問題意識を持って考えたり行動されているということだと思います。市当局の皆さんも大変な御尽力をいただいていることは十分承知をしております。問題は本当に住民の納得のいくようになっているかといえば,そうとは言えません。 私はその後,住民の方と愛知県当局,8月と9月2回にわたって話し合いをいたしました。その中で,明らかになった内容を述べます。尾張建設事務所維持管理課砂防担当の方の話です。住民が一番心配している埋め立てるものが廃棄物でないかというのに対して,砂防内の行為の許可は土砂が流出しないかどうかのみ,埋め立てするものが何かは関係ないということ。県は他の部署との調整会議は持っていないが,住民からの署名,市の意見書は産廃担当に写しを渡してある。明知から回答は求められていない。今回の利広開発の許可申請は他の法律は関係ない。砂防の法律上許可しないと業務怠慢として業者から訴えられ裁判で敗訴する。これはまさに行った者に対する大変なプレッシャーをかけるものになりました。現在検討中,もうしばらくは許可はしない,その間に市の指導を受けたり事業者と交渉してはどうか。春日井市が産廃を埋めさせないというのだったら,水道法,都市計画法,マスタープラン,産廃法などで市独自でやったらどうか,とめられるにこしたことはない。地元が地権者の森鉄工所に強く働きかけるのもいいのではないか。パトロールや立ち入り検査をさせる業者と市と住民協定書を結ぶなど市の仲介を求めたらどうか。もし,許可された場合には有効であるというようなことでございました。 産廃担当者の話ですが,産廃という仮定の話には答えられない,要するに書類で産廃ということについては出していないからということです。法律上は産廃の事実が発生した時点で対応する。住民からの通報などがあったときということです。行政が,みずからこれをチェックをしに行くということではないという内容でした。埋め戻す建設残土の発生源での土壌検査は業者に求めない,業者の任意によるというような内容でございました。 そこで質問をさせていただきます。 全体的に県が言うのをどう受けとめられるのか,市の担当者が聞いておられるのと開きがありますでしょうか。県の言うように市でどうにかなるでしょうか。お考えがあればお聞きしたいのですが,具体的な点について伺います。 ① 都市計画マスタープランでは,この地域をどのように位置づけているのですか。これは非常に大切なことです。砂防法だけではどうしても緑を,自然を守ることができないということが明らかになっている以上,春日井市の積極的な対応を必要としますので,ぜひしっかりとお答えいただきたいと思います。 ② 上水道の取水,くみ上げの状況,水質維持管理はどのようになっているのでしょうか。これは,この少し西側の方に廻間地域で水を,春日井の私たち市民が飲んでいる水をくみ上げているということがありますので,そこら辺についてお聞きしたいと思います。 ③ さまざまな問題を解決するのは条件ではなくて開発の中止で,住民の望んでいるところです。市は計画中止の態度を明確にしていただきたいと思いますが,御所見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 市民経済部長 大矢孝彦君。 ◎市民経済部長(大矢孝彦君) それでは,ただいまの御質問のうち,まず1番の健全な子供の育成のためにと,2番,防災について,亜炭坑対策についての,この2点について私の方からお答えさせていただきます。 まず,健全な子供の育成のためにでございますが,市におきましては現在未成年者がカラオケボックスなどで喫煙,飲酒等を行わないよう年間を通じて少年センター補導員が子供たちの蝟集場所を定期的に巡回し,補導活動を行っております。しかしながら,たとえカラオケボックスに子供たちが蝟集していても,少年センター補導員におきましては,警察官のように補導を目的として直接カラオケボックスに立ち入りする権利がないのが現状でございます。ただし,巡回中にカラオケボックスにおいて子供たちの不良行為を見かけた場合には直ちに営業責任者の協力を得て,子供たちに対して声かけや指導をしたり,また必要に応じて警察官による立ち入り指導や補導を依頼しております。 今後におきましても,少年センター補導員による補導活動や大型店や駅周辺における啓発活動をさらに充実するとともに,警察との連携を一層強化し,子供たちの健全な育成に障害を及ぼす行為の防止に努めてまいりたいと思います。 また,ボニターによる児童見守り隊発足を契機とし,ことし7月には小中学校区内の市民,団体により安全で安心して生活できるよう,児童見守り地域協力隊を組織し,市民参加の協力による地域パトロール活動を幅広く展開しております。さらに,9月からは地域の大人たちに子供への関心を持ってもらうことを目的に,地域のおじさん,おばさんの自主的な声かけ運動をスタートいたしました。大人が変われば子供も変わる運動の輪を広げ,地域の子供は地域で育てるという社会的機運の醸成を図り,安心して生活できる地域環境づくりを市民の皆様の御理解と御協力を得ながら取り組んでまいりたい,このように考えておりますので,よろしくお願いいたします。 次に,防災についての亜炭坑対策についての考え方でございますが,戦前から戦後にかけまして市内東部において亜炭の採掘が盛んに行われ,一部の亜炭坑道が残っているのは事実でございます。また,それが原因で過去数度にわたり陥没事故が発生いたしております。陥没事故が発生した場合には,平成13年度までは旧臨時石炭鉱害復旧法によりほぼ全額国費により復旧工事を行ってまいりましたが,平成14年度以降は国等により設けられた特定鉱害復旧基金,指定法人中小企業振興公社でございますが,基金により復旧工事を行ってきております。亜炭採掘区域の図面につきましては,中部経済産業局が保有しており,土地所有者等の関係者のみが確認できることになっております。 東海地震,東南海地震の発生が取りざたされる中,この問題について市として調査を行うかとのお尋ねでございますが,調査及び被害対策については国・県等の機関との調整や専門家の見解も必要でございますので,今後研究検討してまいりたい,このように考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 浮海正夫君。 ◎総務部長(浮海正夫君) それでは,防災のうち2点についてお答えを申し上げます。 まず,1点目,避難場所についてでございます。 地域防災計画では,市内全38の小学校を指定避難場所に定め,受け入れ場所は体育館といたしております。地震の場合の避難方法は,まず近くの公園に一時的に避難をしていただきます。その後,地震がおさまってから自宅に帰っていただきますが,自宅での生活ができない,そういった場合に小学校の体育館に避難していただくことと規定をいたしておるところでございます。 次に,風水害の場合の避難方法は,安全な小学校に直接避難していただくことと規定いたしております。 したがいまして,地震の場合は,揺れがおさまった後に避難をしようとする施設の安全を確認し,安全が確認された後,施設の中に入っていただくことになります。また,水害の場合は,避難所担当職員が災害対策本部と情報等の連絡を取り合う中で危険が予想される,そういった場合には住民の皆様を校舎の上階の方へ誘導するなど安全措置をとることといたしておりますので,よろしくお願い申し上げます。 次に,液状化の対策についてでございます。 今回広報春日井でお知らせいたしました液状化のメッシュ図は,地震はいつ発生するかわからないため,県下のあらゆる地点で直下型地震を想定し,さらに東海地震,東南海地震等の予測結果をも重ね合わせ,そのうちの最大のものを危険度として評価し,液状化も危険度予測として愛知県が発表いたしたものでございます。今回のこの発表は,市民の皆様方に液状化の危険度を知っていただくとともに,自分や自分の家族の命を守っていただくために,住宅の改修や家具の転倒防止に積極的に取り組んでいただくことが目的であると伺っております。 春日井市では,こうした地震災害等に対処していただくため,住宅の無料耐震診断や耐震改修工事の補助を行っております。また,多額の費用を要する場合は,防災工事資金貸付金の融資も行っておるところでございます。一人でも多くの方に地震に対する備えに関心を持っていただけるよう,市といたしましては引き続き防災訓練,あるいは防災展示コーナー等の活用,さらには広報等を通じまして啓発に努めてまいりたい,このように考えておりますので,よろしくお願い申し上げます。 ○議長(友松孝雄君) 下水道部長 伊藤勝美君。 ◎下水道部長(伊藤勝美君) 明知の土砂採取について,初めに都市計画マスタープランについてということでございますが,関連がございますので,私の方からお答えをいたします。 春日井市は平成9年度に都市計画法第18条の2により,平成22年度を目標年次といたしまして,都市の将来像やまちづくりの方針を示した都市計画マスタープランを策定いたしました。事業予定地区を含む春日井市の東部に連なる丘陵地帯には,この都市計画マスタープランの中で緑を保全・育成する森林ゾーンと位置づけ,環境負荷の軽減や自然との共生を目指しております。当事業は,事業計画によりますと,現状の樹木を伐採し,かわら原料として白土粘土を採掘した後,建設残土良質土による埋め戻しとしておりますが,事業終了時には,事業者により植生回復を行い,緑の保全を図ることとなっております。 続きまして,3点目の市は計画中止の態度を明確にできないかについてお答えをいたします。 明知地内で計画されております白土粘土の採取行為の申請につきましては,砂防法などの関連法令に基づきまして,諸手続が許可権者であります愛知県との間で行われているところでございます。この申請に対しまして地元の皆様からさまざまな危惧が投げかけられ,嘆願書の提出がなされている経緯も承知しております。市といたしましては,地元からの嘆願書の趣旨を踏まえまして,23の項目にわたります意見書をまとめて提出いたしております。 いずれにいたしましても,市において砂防法に伴います今回の採取行為の中止を求めることはできませんのでよろしくお願いをいたします。本市が提出いたしました意見書に対する履行の確認を,愛知県に対して,事業者に適切な指導を着実に行うよう要請してまいりたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(友松孝雄君) 水道部長 岡島 鑛君。
    ◎水道部長(岡島鑛君) それでは,水道に関してのお尋ねにお答え申し上げます。 廻間送水場の水源につきましては,廻間町,庄名町等5カ所ございまして,いずれも深井戸と申しまして深度は110メートルから160メートルという現況でございます。 次に,水質維持管理についてのお尋ねでございますが,水質は飲料水を提供いたします水道事業者にとりましては生命線でございまして,このため毎年水質検査計画を立てまして監視を毎日行うもの,毎月行うものなど検査項目ごとに区分をいたしまして実施をいたしております。水源につきましても検査対象でありますので,お尋ねの廻間送水場につきましても地下水である原水を井戸ごとに64項目にわたって検査をいたしております。この検査は年1回以上としておりますが,カドミウム,トリクロロエチレンといった有害物質につきましては年2回検査といたしております。 いずれにいたしましても安心な水を供給するため,今後とも水質の監視,検査に手抜かりなく対応してまいりたいというふうに思っております。以上でございます。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤裕規君。 ◆26番(伊藤裕規君) 2回目の質問をさせていただきます。 健全な子供の育成のためには,よくない環境を取り除いていくことが大切です。全国的には自治体独自の条例をつくっているところもありますので,こうしたところの研究もお願いをしたいと思います。と同時に子供たちが,あるいは青年が若い力を伸ばしていける場所を提供するのも大変大切なんです。小牧市はスケートボード場をつくりました。以前もスケートボード場をつくることを提案いたしておりますが,ぜひこうしたことにも積極的に取り組んでいただくことをお願いいたしまして,これについては質問とさせていただきます。 防災についてですが,(1) 避難場所についてです。今お答えを聞いておりましたら,地震がおさまってから安全の確認ということは,余りにも心もとないと思います。① 小学校の体育館で,耐震調査で問題の箇所はわかっているはずです。初めから,避難場所から外すことはできないのでしょうか。② 地震がおさまってから安全の確認とはだれがするのでしょうか。非常時に専門家が調査にあちこち行くなど難しいと思います。余震もあるはずです。だれが安全確認をするのでしょうか。目視でしょうか。お答えください。 (2)の液状化のハザードマップ,① 県の発表はどの程度の地震の規模でしょうか。一番強いというふうに今おっしゃっていたんですが,それも必要ですが,この程度だったらこれくらいということをやはり示していくということがいいのではないかと思うんですが,規模についてお聞きします。それから,② 家屋の無料診断ですけれども,この液状化ということについても診断ができるのかお聞きしたいと思います。③ 今回の発表のメッシュ図は余りにも大ざっぱで,最大の規模と言いますが,今言いましたように地震の規模に応じた液状化のハザードマップも現実としては必要ではないのかお尋ねしたいと思います。 亜炭坑の問題につきましては,市の対策を丁寧に住民に示していただくことを求めますが,参考までに最近の過去の亜炭坑跡の事故とその対応を教えてください。 明地の土砂採取について伺いたいと思います。 次々と状況が動いているんですね。重大な情報もあると聞いておりますので,確かなものになれば当局の方とも情報交換などをしたいと思います。こういうことを前置きして再度質問させていただきます。 砂防法に関する県の文書はかなりの量で私にはわかりにくいのがあるんですが,今度の開発に関すると思われる箇所をかいつまんでみました。砂防指定地域内行為技術の基準という中で,土砂災害の発生の防止,排水計画,自然環境の保全などがありますが,砂防法第4条第1項の規定による申請に対する処分にかかわる審査基準というのは次のようになっているんです。知事が当該許可をするかどうかを判断するに当たるべき基準で計画書に必要な書類を示しているんです。 ところが,その中で「ただし」というところで,行為の内容,目的,場所,周辺の状況ということなどの書類の全部を添付する必要がないと認められたときは省略できるということで,幾つかあるんですが,そのイという項目の中に,土砂の貯留施設の容量及びその根拠,ウ,エ,オというところで,排水関係なんですが,行為にかかわる排水施設,行為により増大する雨水の流出の安全の対策などが書かれております。そして,カとかキというところに土砂の搬出,搬入の数量,土砂の調達,処理というふうに書いてあるんです。 これを見ましてなるほどと思ったんですが,先ほど言いましたように,県当局の言うように,砂防地域内行為の許可は土砂が流出しないかどうかが問われるだけです。そして水の問題も関係ない,埋め戻しが廃棄物かどうかも関係ない,それから先回問題に出しました住民が関心があります白土粘土が出るかどうかなんかも関係ない,白土粘土なんか出ないということは地元で言われておりますが,会社が途中で倒産して少なくても表向きには埋め戻しの良質残土といっていますけれども,これではなくて産廃が埋められようとも関係がないというこの砂防地域内の行為については,その中身は全くどうでもいいと,土砂が外に流れなければいいというようなことを県の人が言っていたわけですが,これは,県のそういう決まりの中に裏づけられているということがわかりまして,正直言って私も本当にびっくりしましたし,県に行って勉強になってよかったんですね。 もう一つは,県の産廃担当者の言うように,産廃という許可申請が出なければ憶測で調査はできない,要するに書類に産廃という言葉を使っていなければできないということです。住民の通報があれば調査できると言うんですけれども,しかし,産廃という証拠がなければ調査ができない,一体どういうことなのか,本当にわからないんですね。要するにこういうものについては,調査はなかなかできないということだというふうに受けとめるわけです。この矛盾だらけの法律や規則では,今,環境問題が重視されている現在,住民の環境を守ることはできないのではないかというふうに思うわけでございます。埋めた後に,樹木についても後で植林をするという形で,形だけ整えばいい,こういう考えは余りにも軽率ではないかと思います。 だからこそ,春日井市が住民の立場での努力が大切だと思うわけです。許可権者が県だからこそ,市としての要求をするのであって,中止を求めることができないという回答には納得することはできませんが,同時に春日井市は大変環境とか,自然を守るという条件の厳しい重要な意見書を県に提出をされております。この意見書で県が事業者に指導するように要請をしていくことが大変大事だと思うんですが,これは本当にできるかというふうに思うんですね。この部分でね,本当にぜひ必ずそうなるように強く求めますけれども,先ほど言ったように,県がこれしかやれないということだとなかなかできないものですから,本当にしっかりやっていただきたいと。 ところで,こんな声があるんですね。この許可の申請で住民や市がいろいろ言っているので,「事業者も改善しようとしている,これがだめになり他の者が来ればもっと悪くなるので,まあそこら辺でしようがない」というような声もあるんですが,そうでしょうか。住民の関心がたくさんあるということを今回示すことによって,ここも,そして今後も周りへの監視を強めていくということになると思うんですね。市長は前の質問者のお答えの中で,高蔵林を市が買ったことなど言われておりましたが,場合によってはそうした対策ということだってあると思うんです。財政的な問題がありますので,一律に買うのじゃなくていろいろな方法が考えられると思います。 そこで,2度目の質問をさせていただきます。 今さっき言いました砂防法の審査基準で「書類の全部を添付する必要がないと認められるときは省略できる」はどういうことか,今回の利広開発の扱いではどういうことなのかわかったら教えてください。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 浮海正夫君。 ◎総務部長(浮海正夫君) それでは,2回目の御質問にお答えを申し上げます。 最初に,避難場所について御質問がございました。 まず,1点目でございますが,小学校の体育館で耐震調査で問題の箇所がわかっているはずであるので,そういった場所は初めから避難場所から外してはどうかといった御質問でございますが,耐震調査は言うまでもなくある一定の条件で地震が起きた場合にその建物に問題が発生する危険性があるかどうか,そういったことを判定する調査であるわけでございます。ですから,調査で問題の箇所が必ずしも危険で,そうでない箇所は必ず安全だというふうな断言はできない,こう思うわけでございます。 このため,発災後に調査をした後にその建物を利用していただくと,そういった計画になっておりますので,よろしくお願いを申し上げます。なお,地震がおさまってからこの安全の確認はだれがするのかといった御質問でございますが,現在春日井市におきましては,市の職員でございますが,建物の危険度を判定する応急危険度判定士,これは建築士でございますが,この養成を受けた者が17名現在市の職員でおります。ですから,当面はこの17名と,それと17名で不足の場合には建築士会とも連携を図るというような形になっておりまして,この両者で危険度判定をするという形を考えておりますし,また,今後も市の職員の中に建築士たくさんおりますので,この辺の養成も今後続けていく,そういった形で考えておりますので,よろしくお願いを申し上げます。 それから,液状化のハザードマップの関係でございますが,県の発表はどの程度の地震の規模かどうかということでございますが,これは東海・東南海地震,さらには活断層調査で明らかになっている活断層のうち,マグニチュード6.9以上の発生をする可能性のある,そういった活断層,それと特定ができない地域につきましては県下一律に深さ4キロメートルでマグニチュード6.9の震源の設定をいたしまして,今回このハザードマップが作成をされておるところでございます。 2点目の無料耐震診断で液状化までの診断ができるかということでございますが,これはあくまでも木造の建物の診断でございまして,地盤につきましては,診断の対象から外れておるということでございます。 それと,3点目のところでございますが,今回の発生メッシュ図は余りにも大ざっぱではないかということ,それと地震の規模に応じた液状化のハザードマップも現実として必要ではないかというお話でございますが,まず今回のこのメッシュの関係でございますが,広報に発表いたしました図は非常に小そうございますが,実際には500メートルメッシュで表示がされておりますので,これは市民安全課の方にも持ち合わせておりますので,もしそういった質問があれば市民安全課の方でお答えをいたしておりますので,自分の地番がどうかという部分がございましたらお問い合わせをしていただければというふうに思っております。 また,この地震の規模の関係でございますが,県が平成15年5月に発表したこの被害予測の中には,海溝型地震,あるいは内陸型地震すべてを網羅いたしておりますので,おのおの地震ごとのハザードマップもできておりますのでこの辺もあわせて申し上げます。ただ,広報で申し上げたのは一番それが最大の場合の部分を出しておりますので,今言われましたようにおのおのの部分も当然これはできておりますので,これも市民安全課の方でございますので,もし必要でございましたらそちらの方へお問い合わせをしていただければというふうに思っておりますので,よろしくお願い申し上げます。 ○議長(友松孝雄君) 市民経済部長 大矢孝彦君。 ◎市民経済部長(大矢孝彦君) それでは,亜炭廃坑によります調査の内容と,それから過去の亜炭坑跡の事故,こういったものについてお答えさせていただきます。 亜炭廃坑による調査対策につきましては,現在のところは行っておりません。過去調査,そして対策を行ったことはございますが,現在につきましては行っておりませんが,平成11年から15年度まで,この5カ年間に陥没事故等を見てみますと,ちょうどこの5カ年間で10件の通報がございました。このうち3件については原因が不明ということで簡単な復旧はしておりますけれども,あと7件につきまして復旧工事を行っております。この7件につきましては原因調査,そして埋め戻し等復旧工事を行いまして原状復帰をしております。 ちなみに,地域別で見ますとこの10件のうち高蔵寺町で6件,金ヶ口町で2件,不二ガ丘1件,大泉寺1件と,こういうような10件の状況になっております。今後におきましても陥没事故等が発生いたしましたら,早急な対応と復旧,このように行ってまいりたいと思っておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 下水道部長 伊藤勝美君。 ◎下水道部長(伊藤勝美君) 2回目の質問にお答えいたします。 砂防指定地内行為の申請及び許可権者は県でございます。質問議員の申されます砂防指定地内行為の審査基準等につきましては,春日井市では判断ができませんので,よろしくお願いします。今回,申請され,受理された内容について春日井市の意見を求められることになっておりましたので,先ほど申し上げましたように今回特にさまざまな環境負荷等,さまざまな危惧が想定されました23項目の意見書をつけて提出しました結果,この23項目の履行について県ともども適切な指導を行ってまいりますので,よろしくお願いをいたします。 ○議長(友松孝雄君) 26番 伊藤裕規君。 ◆26番(伊藤裕規君) 亜炭坑,それから液状化現象というのは土の中で非常に一般住民ではわかりにくいというのと,知識そのものがなかなかないのと,情報もないということですので,ぜひ今度県がこういうふうに取り組むということになりましたので,知識も含めて,むやみに怖い怖いということじゃなくて対応ができるように市の方もぜひ情報を提供していただきたいと。それから,調査,液状化現象のその調査をするのに今家屋だけというふうにおっしゃっていたんですけれども,もちろん技術的にも予算的にも大変だと思いますが,そこら辺についてもぜひ検討していただきたいというふうにお願いしておきます。 それで,明知の問題なんですけれども,最初の問題ですが,計画書の項目で先ほど言いましたが,それが決められた基準の中でということでもないと,ですから,今回利広開発の場合もこれらの項目が記入もされているんですが,結局のところ土砂の問題以外何もチェックすることができない,まさにざる法とも見えるわけでございます。 それで,最後に申し上げておきたいと思いますが,飲料水のくみ上げの影響についてです。水源保全の条例を制定している自治体もあるということを聞いております。それから,市内におられます高校の先生,地質学の方に聞いたんですが,地下水にこの上からの雨水等が影響があるかどうかというのは,地下水の流れや岩盤の構造などの調査をしなければわからない。それも何年先に,何十年,何百年先に影響が出るかわからない。仮にそういう調査をして安全ということがわかっても,地震で岩盤に割れ目ができればまた変わってしまうということをおっしゃっておられました。こういうこともやはり念頭においてこの問題は対応していかないと,将来に禍根を残すということになると思います。 強調したいのは,春日井市が23項目にわたって意見書を提出された,この内容が先ほど言ったんですが,法の範囲内では解決が難しいことも幾つか入っているというふうに思うんです。春日井市が意見を提出されている,それ自体を守るということは非常に難しいということを私はいろいろな話の中,関係者から感じるわけです。ですから,本当にこの問題というのは法律の範囲内だけということだけ,もちろん法律は守っていただかなければならないのですが,そういう事態ということを認識されていると思いますが,ぜひこの問題についてはそういう点でも対応していただきたいと。 ただ,問題は時間の問題なんですね。利広開発が早く許可をしてほしいということを県に要請したら春日井に行くようにと言われ,9月16日に春日井市に要請に来ているということでございます。さまざまな動きがあると思います。前にも申し上げましたが,自然はみんなのものです。この自然を大切にして自然の恩恵を受け,先代の人たちがつくり,今も利用している大切なものも幾つかあります。この地域だけではないんですが,この地域にも,このすぐ下流に当たる地域に地下水をくみ上げるハガネ,地下ダムとも言われていますが,いうものが70年前につくられているわけです。幅2メートルほど,長さ五,六十メートルで地下水をくみ上げるというか,導水をしているような感じなんですね。これが農業用水に行って,また地下水にも潜っているというようなふうになっているわけです。この地域はそんなに木が茂っていなかったけれども,その後木が茂って,このハガネから豊かな農業用水にもなり,現在農家が使っているという,今の現代では1日や2日でできないようなすばらしいものがつくられて利用されているわけです。こういうのに影響が出てこないということは考えられないわけなんですね。 こうしたことに何人かの住民の方が大変な心配をしているのです。春日井市がここのところにもしっかりと目を向けるべきだと思います。もっと研究も必要と考えるわけでございます。回答は求めませんが,しっかりと悔いの残らない対応が必要であるということを申し上げて質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 9番 内藤富江君。     〔9番 内藤富江君 登壇〕(拍手) ◆9番(内藤富江君) 議長のお許しをいただきましたので,さきに通告してある2点について質問をさせていただきます。 まず,初めに,介護保険制度の見直しについてであります。 急速な高齢化を家族による介護から,社会全体で支える体制へ切りかえていくために,これまでの措置制度を軸とする福祉制度から社会保険方式による介護保険制度がスタートし,ことしで5年目を迎えました。この間,我が市も介護保険制度の実施に伴い,これまで安定したサービスを提供するために市独自の福祉政策としてのサービスや居宅サービス,あるいは施設サービスの基盤整備などさまざまな施策を取り入れ,高齢者が安心して生活できる社会構築のために取り組んでこられました。 その結果,年ごとに利用者もふえ,順調な伸びを示しております。介護サービスが増加し,利用しやすくなったことや,中高所得者層にとっては安い費用でサービスが受けることができるようになったことにあるのではないでしょうか。その一方で,所得の低い高齢者の保険料負担や利用料の負担で大変なこと,特別養護老人ホームの待機者が依然として多いこと,ホームヘルパーや老人福祉施設で働く職員などは労働強化とパートなど身分の不安定化や低賃金,要介護認定に対する不信などの問題も出されております。 介護保険法では,施行5年目となる来年に向けて見直しをすることを定めていることから,厚生労働省社会保障審議会介護保険部会はこれまでの議論をまとめて介護保険制度の見直し案の基本的な考えを出しました。しかし,その方向はまさに財政の論理だけで制度維持を検討しようとするもので,明らかに介護保険財政の削減のためだけにあると言えます。そのために利用者に負担増大を求め,いかにサービス利用を抑制するかという視点での見直しと言わざるを得ません。 幾つかの見直し案が出てきて,それぞれ問題はありますが,今回私が最も危惧し,指摘をするのは在宅サービスの見直しについてであります。報告書によると,介護度が軽い人,つまり要介護認定の要支援・要介護1の人が利用するサービスについて,家事援助や福祉用具の利用が高齢者の心身機能の低下や自立を妨げているとして,訪問介護や通所介護サービス,在宅で暮らしていくための支援としての車いすやベッドなどの福祉用具などを廃止し,軽度の要介護者は介護給付ではなく,新予防給付に切りかえるとしています。予防自体は悪いことではありません。高齢者の健康を守り生きがいを持って安心な老後を送れるようにするため,国や自治体が老人福祉事業として介護予防に力を入れるのは当然の責務です。 これまで,我が党もたびたび議会で介護に至らないようにするための施策も提案してきたところでございます。在宅で暮らしていくための支援としての車いすやベッドなどの福祉用具のレンタルとか,週に1回外に出て通所介護に参加して,皆さんと交流を持つことで引きこもりを防ぐとか,週に1回か2回ヘルパーさんが来て家事の手伝いをする,こんなささやかな,しかし大事なサービスが奪われてしまいかねません。こうした軽度の要介護者が少しでも暮らしやすくなるように援助する,こういう点が介護保険で利用が広がった一番の部分ですし,現実に大きな役割を果たしていると思います。介護保険をつくって非常に貧弱だった人たちへのサービスが従来より広がったら今度はつぶす,とてもまともな見直しとは私は思えません。抑制しようとする財政上のねらいが一番大きいのではないでしょうか。今後,年末に向けて,そして来年の通常国会に向けて本格的な議論が始まるとは思いますが,こうした見直しに向けてどう考え,今後どう取り組んでいかれるのでしょうか。お尋ねをいたします。 次に,頻繁に増加する犯罪を未然に防ぎ,安全で安心なまちづくりを推進するために,防犯対策補助金制度創設についてお尋ねいたします。 本市では,「安全なまち・春日井」をテーマに,広く市民の参画を得た安全なまちづくり協議会を設置し,安全・安心に関する特色のある活動を展開し,ボニターの養成を進めるとともに,安全アカデミーの開校やくらがり診断の実施のほか,地域の防犯を目的とする安全・安心まちづくり診断を実施するなど,市民レベルでの安全意識の高揚など,市民と行政が一体となって安全なまちづくりに取り組んでおられることは承知しております。 しかし,今日我が市でも侵入盗,ひったくりなどの事件が後を絶ちません。内閣府の治安に関する世論調査によると,ここ10年で日本の治安が悪くなったと思う人が9割近くに達し,8割以上の人が自分や身近な人が犯罪に遭うかもしれない不安があると答えています。犯罪が増加している今日,地域が行政と一緒に防犯対策に取り組むことはもちろん大切ですが,侵入盗など未然に防ぐ施策として防犯対策補助金制度を実施したらどうかお尋ねをし,壇上からの質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 入谷直賢君。 ◎健康福祉部長(入谷直賢君) それでは,介護保険制度についてお答えを申し上げます。 介護保険制度施行5年目を迎えている現在,この制度の見直しに向けまして,昨年5月から審議を重ねていました厚生労働省社会保障審議会の介護保険部会より制度見直しの報告書が去る7月30日に示されましたが,内容といたしましては,議論が併記されていたりして,将来の動向をとらえるにはまだ十分と言えないのが現状でございます。 報告書によりますと,要支援者の予防給付と,要介護者の介護給付の一部を再編成し,対象者や給付内容を見直した新・予防給付を創設するといたしております。一部のマスコミでは,軽度者は予防メニューだけで,従来の介護サービスが利用できなくなるとの報道もあり,審議の中でその点をただす質問,意見が多く出されたようでございます。審議結果は別といたしまして,本市といたしましては,今後介護予防の視点は大変重要であると考えておりまして,健康づくり,介護予防を積極的に推進してまいりたいと,このように考えております。 制度の見直しにつきましては,今後被保険者の範囲,介護保険給付の内容,保険料の設定方法等さまざまな課題について検討が進められていますので,本市といたしましては,制度見直しに関する国等の動きを的確にとらえ,介護保険法改正にあわせ適切な介護保険事業の推進に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 浮海正夫君。 ◎総務部長(浮海正夫君) それでは,防犯対策補助金制度の導入についてお答えを申し上げます。 現在,自宅や自家用車に防犯機器を設置するなど防犯対策を講じた市民に対する補助金制度を導入している自治体があることは承知をいたしております。犯罪を未然に防止するためには,市民一人一人の防犯意識の高揚を図ることが極めて重要でございまして,防犯対策補助金制度はその一つの手法であるというふうに考えております。御承知のとおり当市では,春日井市安全なまちづくり協議会を設立し,市民と行政が一体となった活動を推進し,市民の自主防犯意識の高揚を図っているところでございます。 具体的に申し上げますと,地域住民参加型の安全・安心まちづくり診断の実施やボニターの養成を目的とした春日井安全アカデミーの開校,ボニターや地区防犯協会等によるパトロールの実施など市民ボランティア活動も盛んに行われておるところでございます。こうした活動を継続することで地域コミュニティが発展し,犯罪や災害に強いまちづくりを実現することができるというふうに考えております。市といたしましては市民ボランティアが行う地域安全活動への支援を積極的に行うとともに,警察とも連携を図りながら三位一体となり,安全で安心して暮らせるまちづくりを進めてまいりたいと,このように考えておりますので,よろしくお願い申し上げます。 ○議長(友松孝雄君) 9番 内藤富江君。 ◆9番(内藤富江君) それぞれ答弁をいただきました。防犯対策については,我が市の考え方というのは理解をいたしましたけれども,しかし最近高齢者世帯の方などは,夕方になって暗くなると早目にかぎをかけて外出をしないようにしているという,こんな声を聞きます。確かにここのところおれおれ詐欺を初めとして高齢者やひとり暮らしをねらった犯罪が多発しておりますので,こういった弱者を犯罪から守る,こういう施策も今後は必要になってくると思いますので,今後ぜひ検討していただきたい,こういうことを要望しておきます。 次に,介護保険制度について,再度質問をさせていただきます。 私はこの間介護保険を利用している方,しかも要支援・要介護1の方,民間の事業所,施設訪問をしていろいろな方からお話を聞いてきました。その中で,92歳になられるその方はひとり暮らしで,年の割には比較的お元気でしたけれども,足が弱いためこれまでヘルパーさんに来てもらって家事援助をしてもらっていたけれども,最近第三介護サービスセンターのデイサービスにも行くようになったと,「本当にあんなええところはない,友達もいっぱいできたし,若いお兄ちゃんが迎えに来てくれるけど,本当に親切で優しいよ」とうれしそうに話してくださいました。また,75歳と70歳の二人でお住まいの方は,お姉さんの方は足が悪いので一日中こたつの前に座っているだけで,トイレに行くのもやっと歩いている状態だったけれども,ヘルパーさんに来てもらうようになってからいろいろ援助してもらい,「この前は小牧の美術館の美術展を見に行ってきた。わしらみたいな老老介護は今ヘルパーさんが来なかったら共倒れですよ。娘みたいな人が来て安心して介護をしてもらえるし,生きる励みにもなる」と話してくださいました。 ほんの一例を挙げてみましたけれども,利用者の中には本当にヘルパーを必要として生きる励みをもらい,安心して生活が送れることを願ってみえる方がたくさんおみえだと思います。ヘルパーの生活援助は利用者に安心を与え,意欲を引き出し悪化予防に寄与し,自立支援を果たしていると思われます。生活援助の訪問介護を限定して規制すれば,利用者の生活の悪化は避けられないと思います。今回の見直しで介護保険から切り離されようとしているこうした軽度の方たちの実態をぜひ調査をして,今後もこのような良質で必要なサービスが受けられるような体制を市としてもつくる必要があると思いますが,いかがでしょうか。 また,介護保険から外された新しい介護予防事業については,市の事業になるのか,それとも民間事業で行うのか,その際の新しい予防給付の財源の問題だとか,それから本来見直しされなければならない国としての低所得者への負担軽減,あるいは特別養護老人ホームへの待機者の問題,ケアマネジメントの質の向上など本当にたくさんの見直しを議論しているときだからこそ市としても国に対して要望するべきだと思いますが,その点のお考えをお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) 健康福祉部長 入谷直賢君。 ◎健康福祉部長(入谷直賢君) それでは,再度の御質問にお答えを申し上げます。 ただいま介護サービスの利用実態等につきまして,いろいろお話があったわけでございますが,市におきましても,サービスの利用状況につきましては毎月給付のデータに基づき分析をいたしておりますし,また介護保険課の窓口や在宅介護支援センター連絡会等において現場の声もお聞きしているところでございます。18年度以降のサービス提供につきましては,制度の見直しが議論されている現時点で今後の対応を申し上げることは困難でございますが,できるだけ必要な介護サービスを低下させないよう努力し,要介護者が在宅での生活を維持継続できるよう努めてまいりたいと,このように考えております。 また,介護保険制度の課題につきましては,これまでも国を初め関係機関に対して意見や要望をいたしてまいりましたが,現在国で進められております介護保険制度の見直しにつきましては,作業開始当初から全国市長会を通しまして地方への負担の軽減や低所得者への配慮,さらには障害者対策に対する地方の意見の尊重等,申し入れを重ねてきているところでございます。現在は制度の改正に向け準備が進められ,国の考えが少しずつ明らかにされつつありますが,真に利用者や保険者の立場に立った制度の改正が行われるよう,その動向を注視してまいりたいと,このように考えております。 また,けさほど市長の方からも御答弁申し上げましたとおり,10月19日には厚生労働省主催の介護保険制度の見直しに関する市町村長の意見交換会というのが催されますので,本市における課題等整理した上で,市長から直接意見を述べさせていただく予定でございます。以上でございます。 ○議長(友松孝雄君) 9番 内藤富江君。 ◆9番(内藤富江君) 10月19日に市長が直接国に対して要望していくと,こうおっしゃっていただきましたが,全国市長会も,ことしの16年4月14日介護保険制度の基本的見直しに関する意見として出されておりますけれども,その中で保険財政については,介護給付費負担金については各保険者に対し,給付費の25%を確実に配分する現行の調整交付金は別途枠とすることだとか,それから,低所得者に対しては,国が実施している低所得者対策は保険料及び利用料の軽減が十分でないことから,国の制度として財政措置を含めて総合的かつ統一的な対策を講じるよう抜本的な見直しをすること,保険財政についても言われておりますし,また,保険料についてもよりきめ細かい保険料段階区分を設定することだとか,それから,保険者の機能強化,サービスの質の確保についても出されております。 住民の願いに沿ってのこの市長会の国への意見書に対して,私は心強く思っているところです。こうやって国にも意見を上げておられます。今後これからが本格的な議論に入っていくと思います。既に新聞報道だとかいろいろな形で報道されておりますので,市民の方たちは本当に心配をしてみえる,どうなっていくんだろう,こういうふうに心配してみえる方もありますので,今後高齢者の方が安心して住むことができる制度にぜひしていくために,関係部署の皆さんの努力に期待をいたしまして質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 33番 内田 謙君。     〔33番 内田 謙君 登壇〕(拍手) ◆33番(内田謙君) 通告のとおり順次質問をさせていただきます。 質問の第1は,平和行政についてであります。 去る6月14日の参議院本会議で自民,公明,民主3党の賛成多数で有事関連7法案が可決成立いたしました。昨年6月に成立した武力攻撃事態法とあわせ1997年に締結した日米防衛協力のための指針,いわゆる日米ガイドラインに沿ったアメリカ軍の起こす戦争に対する支援体制づくりが一応整ったことになるわけであります。 成立した法律等は大まかに言って4つに分類されます。1つはアメリカ軍,自衛隊の行動の円滑化に関するもの,2つは交通,通信の総合的な調整に関するもの,3つは国民の保護に関するもの,4つは国際人道法の的確な実施に関するものであります。小泉首相は備えあれば憂いなしとか,日本が攻められたときへの備えと有事法制推進の理由づけを行ってきましたが,我が国に対する本格的な侵略事態生起の可能性が低下していることは政府自身が認めているところであります。では,一体何のために有事法制をつくったかであります。武力攻撃事態法では,予測の段階から自衛隊は言うに及ばず地方自治体や民間まで官民挙げて米軍の行う戦争への支援体制をつくるところにあると言えます。これは,また戦争放棄を定めた憲法の立場とも全く相入れないものであります。 今回成立した法律の一つに武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律というのがあります。略称は国民保護法であります。全部で11章,195条とかなりのボリュームがあります。第1条に目的が書いてあります。それによると,この法律は武力攻撃事態等において,武力攻撃から国民の生命,身体及び財産を保護し,並びに武力攻撃の国民生活及び国民経済に及ぼす影響が最小となるようにすることの重要性にかんがみ,これらの事項に関し,国,地方公共団体等の責務,国民の協力,住民の避難に関する措置,避難住民等に関する措置,武力攻撃災害への対処に関する措置,その他必要な事項を定めることにより,武力攻撃事態等における我が国の平和と独立,並びに国及び国民の安全の確保に関する法律,いわゆる武力攻撃事態法と相まって国全体として万全の体制を整備し,もって武力攻撃事態等における国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施するとなっております。 地方自治体にかかわる条項もたくさんあります。第3条では地方公共団体の責務,第16条では国民の保護のための措置,第27条,28条では対策本部の設置に関する規定が設けられております。その他国民保護協議会の設置,警報の伝達,避難の指示,国民の保護に関する計画など実に多岐にわたる内容となっております。この国民保護法は9月17日に施行されました。法律を一読して感じたことは,戦争への備えそのものだということであります。先ほど申し上げましたように,戦争放棄をうたった憲法の理念とはおよそ相反するものであります。この点について市当局はどのようにお考えでしょうか。御所見を伺いたいと思います。 鳥取県は国民保護法案が国会に提出される前から,防災危機管理課が中心になって,今年度内に国民保護計画案及び避難マニュアル等についての作成を目指しております。法の35条には市町村長は都道府県の国民の保護に関する計画に基づき国民の保護に関する計画を作成しなければならない,あるいは39条では市町村の区域に係る国民の保護のための措置に関し広く住民の意見を求め,当該市町村の国民の保護のための措置に関する施策を総合的に推進するため,市町村に市町村国民保護協議会を置くと日ごろから武力攻撃事態等に備えた準備を地方自治体に課しております。35条関係は,県の計画との整合性を図る必要性がありますが,この点での県の動向,あるいは本市の対応は現在どのようになっているかお伺いをいたします。 政府は現在,1995年11月28日の安全保障会議及び閣議決定された平成8年度以降に係る防衛計画の大綱の改定作業を行っております。新聞報道によりますと,防衛庁は9月10日,石破防衛庁長官が議長を務める防衛力のあり方検討会議を開き,今後の防衛政策の方向性や自衛隊の装備体系などに関する改革案を決定したということであります。改革案では,国連平和維持活動を初めとする海外派兵をこれまでの付随的任務から本来任務への格上げをする方針を明記しております。 それに伴って,新たな部隊の新設と空中給油機を4機から8機に倍増するという内容が出ておりました。空中給油機は現在の防衛計画の大綱に従って定められた中期防衛力整備計画,期間は2001年度から2005年度にかけてでありますが,この中期防に初めて4機盛り込まれ,2006年12月には1号機が日本に引き渡される予定であります。本市は昨年末空中給油機の航空自衛隊小牧基地の配備について,配備による基地の位置づけや性格に変更はないとの見解を示し,空中給油機配備容認の方向に転じました。そして,今年度小牧基地に空中給油機の格納庫を整備するための経費として約28億円計上され,2006年度には完成する運びになっております。あれから1年もたたないうちにはや配備計画の大幅な見直しの動きが出てきたわけであります。この動きについて市当局はどのように考えてみえるのかその見解を伺いたいと思います。 質問の第2は,教育行政についてであります。 少人数学級の実現を求める取り組みは,保護者や教育関係者を初め多くの国民の皆さんによって力強く進められてまいりました。こうした取り組みを通じて,国,文部科学省の対応にも変化が生まれ,少人数学級を実施する地方自治体もふえてまいりました。学級の規模は法律でその標準が決められております。小中学校は公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律,いわゆる義務標準法であります。ここに定められております。その内容は,国としては1学級の児童生徒の数の標準を40人とする,そして最終的には,都道府県教育委員会が国の標準を踏まえつつ学級編制の基準を決めるというものであります。さらに,2001年度の法改正で,都道府県の権限で40人以下の少人数学級にすることができることを明記いたしました。この法改正を契機に都道府県の裁量による少人数学級が全国的に拡大をし,今年度は何らかの形で少人数学級を実施しているのは42の道府県に上っております。 さて,学級規模の国際比較については,OECD,経済協力開発機構が行っております。OECDは現在30カ国が加盟をしており,世界の先進国で構成されております。つい先日,教育についての報告書が発表されました。発表された項目としては,在学者1人当たりの教育支出でありますとか,国内総生産,GDPに対する教育機関への支出の割合のほか,学級規模についてのデータもございました。データは2002年のもので,23カ国の比較が出ております。それによりますと,1クラスの平均人数は日本の場合中学校で34.3人で,これは韓国に次いで2番目に多い人数となっております。小学校は28.8人で,韓国,トルコに次いで3番目に多くなっております。ちなみにクラス人数が一番少ないのは中学校ではポルトガルの18.1人,小学校ではルクセンブルグの15.7人であります。平均は中学校で23.7人,小学校で21.8人となっており,先進国の中での学級規模は極めて我が国は大きい,こういう実態が浮き彫りになってきております。 また,少人数学級の教育効果についての研究についても触れておきたいと思います。アメリカのクラスサイズ研究で有名なグラス・スミス曲線,これは1992年に発表されたものでありますが,学級規模が小さくなるに従って学習の到達度,情緒の安定,教員の満足度が高くなるという調査結果であります。日本では,日本教育学会の学校,学級の編制に関する研究委員会の調査研究があります。この研究は1999年に行ったもので,研究代表者の桑原敏明筑波大学副学長は調査結果をもとに学級規模25人前後を境に教育効果は大きく変わる,学級定員の標準は20人程度とすべきだと述べております。調査の中で学級規模が小さいほどつまずいている生徒に適切な指導ができる,生徒の実態に即した授業ができる,学力の状況を適切に把握できる,教材研究を十分できる,採点など十分時間をかけられるなど報告がされております。 さて,本県でも今年度から指定する小学校の第1学年において35人以下による学級編制を実施し,学習面,生活面において一人一人にきめ細かな指導を行うことにより,環境が大きく変化する小学校入学時の児童の円滑な学校生活への適応を促し,基礎的,基本的な内容の定着等が図られるよう実践研究を行うとして,小学校1年生の35人学級をスタートさせました。本市でも13校が指定を受け半年が経過をいたしました。市当局は1年生における35人以下学級の取り組みについてどう評価しているのか,また今後の取り組みについてどう考えているのか,お聞かせをいただきたいと思います。 9月3日午後,春日井市教員会主催の教育講演会が市民会館で開かれました。教員会とは市内の小中学校の教員の団体で,当日は昼食後,児童生徒を帰宅させ,出張扱いで参加をいたしております。いわば公務に準ずるわけであります。この教育講演会に対し,春日井市教育委員会は後援をいたしました。講師は米長邦雄氏であります。同氏は1984年には棋聖,十段,棋王,王将の4冠王に輝く将棋の棋士で,永世棋聖の肩書を持つほか,東京都教育委員でもございます。 8月26日東京都教育委員会は,来春開校する都立台東地区中高一貫校の中学用教科書として新しい歴史教科書をつくる会,略称つくる会が作成した扶桑社版歴史教科書を6人の教育委員全員一致で採択をいたしました。もちろん米長氏もその一人であります。つくる会の教科書採択には内外から抗議の声が上がりました。つくる会の教科書を使う中高一貫校は,現在の都立白鴎高校が母体となっておりますが,多くの白鴎高校卒業生が有志の会をつくって反対しました。中国の人民日報は歴史をひどく歪曲し,皇国史観を宣揚し,侵略を美化していると批判をする論評を掲載いたしました。在日大韓民国青年会は日本の加害の歴史を都教委はどのように考えているのか公開質問状を出しております。扶桑社の歴史教科書の問題点は何といっても憲法,教育基本法に照らしておよそ相入れないところでございます。 先ほど申しましたように,先生方はいわば公務扱いで教育講演会に参加したわけであります。内外から批判の相次いだ教科書採択に賛成した米長氏の教育講演会を市教委は後援をしたわけであります。市教委の後援の理由,また後援の基準について伺いたいと思います。また,講演を聞いた先生方からは子どもの権利条約を否定したり,体罰容認ともとれる発言があったとおっしゃっております。子どもの権利条約は本市の新春日井ユースプランの中にも出てまいりますが,この計画自体子どもの権利条約が定めるあらゆる人権の尊重と子どもの最善の利益を考慮し策定していますと説明をしております。体罰は子どもの権利条約から見ればとても容認できるものではありません。この点についても市教委の見解をお聞きしたいと思います。 最後に8月26日,故鈴木善幸元首相の内閣,自由民主党の合同葬儀が行われました。この合同葬儀については市内の小中学校に対し,弔意の表明を求める県教委からの通知が来ております。もとになったのは内閣官房長官名による故鈴木善幸内閣自由民主党合同葬儀の当日における弔意表明についてという依命通知であります。日付は8月10日となっております。内容としては,合同葬儀が閣議で了解されたので弔旗の掲揚と黙祷の2点について関係者への周知方取り計らってほしいというものでありました。同日官房長官の依命通知を受けて,文部科学事務次官名で都道府県教育委員会を初め,全国の教育関係のところへ通知が出され,次いで8月16日県教委の教育長名で市町村教育委員会教育長初め,県下の教育関係のところへ通知が出されました。 教育基本法第8条は政治教育について規定しておりますけれども,次のようになっております。良識ある公民たるに必要な政治的教養は,教育上これを尊重しなければならない。法律に定める学校は,特定の政党を支持し,またはこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。故鈴木善幸氏の合同葬儀は,自由民主党もいわば主催団体であります。弔旗を掲揚したり黙祷を求めることは教育基本法第8条の趣旨から見ても,また憲法第19条,ここには思想・良心の自由についての規定がされており,思想及び良心の自由は,これを侵してはならない,このように定めております。今回の通知はこの点でも問題があるのではないかと考えるものでありますが,この点について市教委はどのように受けとめたのか,また,どう対応したのか,現場の学校の対応状況についてもお聞きをいたしまして1回目の質問といたします。 ○議長(友松孝雄君) 総務部長 浮海正夫君。 ◎総務部長(浮海正夫君) それでは,最初に平和行政についてのうち国民保護法についての見解及び対応についてお答えを申し上げます。 平成15年6月13日に公布,施行されました武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律に定められた基本理念,つまり国・地方公共団体及び指定公共機関が国民の協力を得つつ相互に連携,協力し,万全の措置を講ずる,いわゆる基本理念に沿って,国民の保護のための措置を的確かつ迅速に実施することを目的として,武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律,いわゆる国民保護法がことしの6月18日に公布され,9月17日から施行されたところでございます。この法律は全部で195条からなっております。この中で,市町村は警報の伝達,避難の誘導,退避の指示,警戒区域の設定等といった武力攻撃災害に係る応急措置,消防などの国民の保護のための措置を行うこととなっております。恒久平和は人類共通の願いでございます。そのため世界の人々と官民挙げて交流を深めていくことが重要であると考えております。 しかし,現在世界の状況を見ますと,外国からの武力攻撃,大規模なテロリズムなどが発生する危険性が全くないと言えないことも事実でございます。そのため,市といたしましても国民保護法の施行に伴い市民の皆様を武力攻撃災害から守り,被害を軽減し,生活を安定させる役割を国・県・日本赤十字社や電気・ガスその他の公益的事業法人とともに担っていく必要があると,このように考えております。 台風や地震の自然災害に対しましては,災害対策基本法に基づき防災会議を設置し,地域防災計画を作成し,防災訓練を実施しているところでございます。武力攻撃災害に対しましても,国民保護法に基づき国民保護協議会を設置し,国民保護計画を作成し,訓練の実施をしていくこととなります。このうち市の国民保護計画は国が基本指針を策定し,それに基づき県が国民保護計画を作成し,その県の計画に基づいて作成することとなっております。なお,地方公共団体が作成する計画や協議会の条例は国全体として万全な態勢が必要となるため,国がモデル計画や参考条例を提示する予定であるというふうな説明を受けておりますので,今後は,これらの計画等に基づき事務を進めてまいることとなりますので,よろしくお願いを申し上げます。 ○議長(友松孝雄君) 環境部長 松田和敏君。 ◎環境部長(松田和敏君) 空中給油機の配備についてお答えいたします。 御質問にありました今後の防衛力整備の改革案については,今後新たな防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画を政府全体として策定していくための議論の土壌として,あくまで防衛庁として取りまとめたものでありまして,政府として取りまとめたものではございません。また,御質問のありました追加的な4機については,配備先はもとより機種や時期など詳細に関して全く明らかになっておらず,政府全体における今後の議論の動向を待たざるを得ない状況であります。 一方,昨年議論がありました4機について,小牧基地の機能強化にはつながらないとの判断をいたしましたのは,これまで議会でも御説明申し上げてきましたとおり,貨物等の輸送機能と燃料の空中給油機能の2つの支援機能だけを有しており,いわゆる戦闘機能は全く持っていないことから,航空支援集団及び航空教育集団が行う航空輸送及び教育等を中心とした小牧基地の現行の役割は何ら変更されないこと,民間旅客機として世界じゅうで使用されているボーイング767をもとにしておりますことから,安全性も実証されており,騒音もC-130H輸送機より小さいと推測され,燃料搭載量も旅客機として使用する場合よりも1割多い程度であること,現在小牧基地に配備されている練習機T-1Bが平成17年度いっぱいですべて廃止されることなど,諸般の事情を総合的に勘案した上でのことであります。 したがいまして,御質問のありました追加的4機について,詳細が明らかでないときに議論することは責任ある議論とは思われませんので,現時点においては小牧基地の機能強化につながるか否かといった見解は控えさせていただきたいと考えております。なお,追加的な4機に関する議論の動向については当然情報の収集に努めてまいりたいと考えておりますし,また当面は既に予定されている4機の配備に伴う施設整備や運用により基地機能の強化がないよう注意深く見守ってまいりたいと考えております。 また,最近C-130H輸送機のトラブルが相次いで起こっており,小牧基地に対して機体の整備や安全飛行の徹底を図るよう強く申し入れております。これら基地にかかわる問題が市民の不安につながることのないよう,今後とも厳しい姿勢で対応してまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いをいたします。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 阿部隆司君。 ◎教育部長(阿部隆司君) それでは,2点目の教育関係についてお答えをいたします。 まず,第1点目の少人数学級についてでございますが,平成16年度から県の研究指定事業といたしまして,小学校1年生において35人学級が実施をされております。本市におきましては,市内38の小学校のうち13校で従来より学級数が1学級ずつふえておる現状でございます。教育現場からは学級規模が縮小したことによりまして,子供たちが入学後早い時期に落ち着いた学校生活が送れるようになった,また学習面でも指導が行き渡るようになったという報告もございます。反面,1学級当たりの人数が少なくなった結果,子供たちの交流範囲が狭くなるのでは,また,子供同士集団生活の中で学ぶ機会が少なくなるのではというような心配の声も上がっております。 いずれにいたしましても,実施からまだ半年しか経過しておらない時点におきまして成果を判断することにつきましては,極めて難しいことと考えております。教育委員会といたしましては,これまで行ってきております少人数指導や困難学級対策の実施状況ともあわせ,その効果を検証してまいりたいというふうに考えております。また,現在実施している35人学級が平成16年度の県のモデル事業であることから,県の教育委員会の今後の対応につきましても注目をしてまいりたい,このように考えております。 次に,事業の後援のあり方についてでございますが,教育委員会の事業後援につきましては,毎月開催をされております定例教育委員会におきまして個々の事案ごとに審議の上,その可否について決定をされております。教育委員会におきましては,審議を客観的かつ公平に進めるため取扱要綱を定めておりまして,後援の対象といたしましては公共的団体や社会教育関係団体等が実施する事業,また企業等が実施するもののうち公益性があり,かつ営利を目的としない事業について後援することと規定をしております。また,これらのうちでも営利または売名行為的なものや,特定または少数の者を対象とするものについては後援をしないこととしております。 今回,教員会主催の講演会につきましては,実施主体が本市の教員で組織する教員会であること,また講師についても現在東京都の教育委員であることなど,いずれもこれらの基準に適合するものとして教育委員会が後援決定したものと理解をしております。いずれの講演会におきましても講師の発言内容につきましては,講演を聞く側の姿勢によっても左右されるものでありますし,聞く側の受けとめ方もそれぞれ異なっていると,こんなふうに思っております。したがって,教育委員会がこうした講演会の講演内容につきまして見解を申し上げるような問題ではないというふうに考えておりますので,よろしくお願いいたします。 次に,合同葬に対する弔意に関する御質問でございます。 御指摘のように,平成16年8月16日付で県の教育長から各市町村の教育長あてに故鈴木善幸元首相の内閣,自由民主党合同葬儀当日の弔意表明につきまして,内閣官房長官から文部科学大臣あての通知文書の写しを添えまして,協力要請の通知がございました。通常県の教育委員会からの文書につきましては,市教委として特に指示すべき事項がある場合を除きまして,各校長あてにそのままファクス等で周知を図ることとしております。 今回の件につきましても,協力要請の通知であり,各学校がそれぞれの実情に応じて判断すべきものとして,特に市教委としての見解または指示事項を加えず,県教育委員会からの文書の写しを各小学校あてに通知をいたしました。当日は夏休み期間中でもありましたが,その実施状況につきましては,中学校で1校,小学校で2校であったというふうに承知をしております。今回のような弔意表明につきましては,国・県の文書の内容からもあくまでも協力要請であり,その実施につきましては各機関の判断に任されているものと理解をしておりますので,今後とも同様な取り扱いをしていきたいというふうに考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 33番 内田 謙君。 ◆33番(内田謙君) 国民保護法制に関しましては,鳥取県が,先ほど申し上げましたようにいち早く準備を進めていると,避難のシミュレーション等もやっております。また,陸上自衛隊第8普通科連隊,これは米子にあるわけですけれども,連隊長を呼んで国民保護担当市町村職員教育訓練,こういうものを行っておりまして,こういうことをおっしゃっていました。太平洋戦争の沖縄戦における住民避難を例に取り上げて,戦闘地域に住民を残さないことが重要だと,こういう発言をされたということであります。 ここには国民保護法制だけではなくて,武力事態法,あるいは今度の有事関連7法,全体に通じるんですけれども,戦争を想定しているということで,この避難は国民の保護というよりもより戦争がしやすい,そういうことを想定しているということが自衛隊の関係者から出ているわけですね。大変長い文章ですけれども,とにかく私は経験ありませんけれども,戦中のいろいろな,戦争に備えて学童疎開が行われたり,学童疎開も子供を守るというよりも戦争をしやすいようにする,またその後の兵隊を残しておくとか,いろいろな意味合いもあって学童疎開も行われたということを聞いておりますけれども,あるいは,これは122条,埋葬及び火葬の特例というのがありまして,ここには大規模な武力攻撃災害の発生によって埋葬や火葬を円滑に行うことが困難な場合,この武力攻撃災害という言葉はわかりにくいですけれども,要するに戦争で攻めたり,あるいは攻められたりという状況を指しているんですけれども,ちょっとこの辺はカムフラージュした言葉になるわけですけれども,大規模な犠牲者が発生する場合には墓地,埋葬等に関する法律の第5条,埋葬や火葬または改葬を行おうとする者は,厚生労働省令で定めるところにより,市町村長の許可を受けなければならない。あるいは14条,墓地の管理者は,第8条の規定による埋葬許可証,改葬許可証または火葬許可証を受理した後でなければ埋葬または焼骨の埋蔵をさせてはならない。このように本当に全体が戦争になった場合のあらゆる想定をして,この国民保護法,有事関連7法,武力事態法,全部貫かれておりまして,これは先ほど申し上げました憲法の第9条が戦争放棄を定めております。前文なんかを読んでも,どうしてこんな法律ができるんだろうなという疑問を持たざるを得ません。 先ほど部長さんは,恒久平和は世界の願いというふうにもおっしゃっておりましたけれども,この点について,市長の方からも,きっと法律を御承知だと思いますので,どのような感想を持たれたのか,私はそういうふうに憲法のある国でなぜこんな法律ができるのか大変疑問を感じましたのでお答えをいただきたいと思います。 また,本当に大事なことは私は憲法に基づいて諸国間の対話,あるいは相互交流,こういうところに力を入れて憲法の目指す方向に向かって努力をすることが今必要なんではないかなというふうに思いますので,この点についての見解についてもお尋ねをしたいと思います。 それから,空中給油機の問題については,先ほど,まだ防衛庁としてまとめている段階で国のものではないということでありますけれども,既に複数の新聞報道で空中給油機8機の倍増というのが出ておりますし,これは沖縄タイムズですけれども,自衛隊の海外派遣の恒久法制定を視野に国際部隊の新設というのも書いてありまして,この辺は新たな部隊として小牧に来るのではないかという,そういう心配も私はしております。緊急に対応するということですから,空中給油機があるところにこういう部隊を置けば,より密接に緊急に対応できることになりますので,これは新たな部隊の増設ということで,それ自身が基地機能の強化につながるおそれもあります。 それから,まだ予測の段階だからということで手をこまねいておれば,私はもうまた最初の4機のように結局小牧に来るんではないか,今から情報収集も大事でしょう,同時に歯どめをやはりしっかり市長としてもこれ以上の増強をさせない,数をふやさせないという立場でさまざまに取り組みを今からやっておかないと,後からもう防衛計画の大綱の見直しは年内ぐらいだと言われておりますので,もう次の議会では相当動いている可能性もありますね。そういう点で,今からきっちりとした対応を持つべきではないかなと思いますので,この点についてもお聞きをしたいと思います。 35人以下学級については,先ほど評価すべき点や,あるいは心配な点も部長さんの方からおっしゃいました。しかし,35人学級,少人数学級についての国際的な動向,いろいろな研究機関や日本の教育学会の皆さんの報告なんか申し上げましたよね,そういう点で今,世界の流れは明らかなんです。そういう中で日本でも,全国では42の都道府県で何らかの形で少人数学級,急速に今広がってきているわけでありまして,ぜひ本市としても,これは要綱では1年の指定というふうになっていましたけれども,当然来年も1年生については継続をする,さらに現在は予算を伴わないでやっているようですけれども,山形県なんかは相当お金をつぎ込んで,橋の1つや2つよりも子供のためにといって,知事さんが発言をして山形県ではこの関係で11億円ぐらい使っていると聞いておるんですけれども,県の方にさらに,もっと言えば国に対しても積極的にその推進方を要求すべきじゃないかと。この評価について,いやどっちでもいいとか,はっきりしないならもちろん県に言うこともないかもわかりませんが,その辺私はきちんと評価をし,関係機関に予算も伴ういろいろな新たな措置を要求すべきじゃないかなと思いますので,この点についてもお尋ねをしておきたいと思います。 それから,教育講演会の件については,春日井市の教員の中に教員労働組合というのがありまして,事前にこの先生では困るなということで,別の人にすべきじゃないかという主張がされていたと,そういう経過もお聞きをいたしております。要綱があって基準がこうだということはお聞きしたんですけれども,何人かの先生から,やはり先生方ですね,しかも事実上皆さん出張扱いで来ている公務の席で,体罰,あるいは子どもの権利条約を事実上否定するような発言は本当にちょっと考えられんなという声を何人かから聞きました。そういう話があったかどうかについては承知していると思うんですけれども,その点はどうかお尋ねをしておきます。 それから,最後に合同葬の件ですけれども,春日井としては県から来た通知は,中身を,簡単に言えば吟味せずにでもとにかくそのままストレートにおろしているという言い方ですけれども,教育基本法の第10条には,教育は不当な支配に屈することなく国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものであると,これはすべての教育関係者がやはり心すべき内容でありまして,やはりどんな中身でもそのままストレートにおろすというのはいかがなものかなというふうに思います。問題点は先ほど2点申し上げましたね。教育基本法の8条と憲法19条,この辺についてやはり真剣に吟味した上で検討すべきじゃないかなと,なかなか国から来たもので言いにくいのであれば,こういうものはやめてほしいというようなことをやはり上級機関に申し上げないと,現場は私絶対混乱すると思いますよ。その点で,今後も来たら同じ対応をするということをおっしゃいましたけれども,そうじゃなくて,これは混乱するからやめてほしいという姿勢で臨むべきじゃないかなと思いますので,この点についてもお考えをお聞きしたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) 市長 鵜飼一郎君。 ◎市長(鵜飼一郎君) それでは,2点ほどについて私からお答えを申し上げたいと思います。 まず,国民保護法の関係についてのお尋ねでございます。 私も戦争は本当に悲しい経験を持った一人でありますし,戦争の悲惨さも十分承知をいたしております。そういう面から地域全体が,世界全体が平和であることは当然のことでありまして,そういった方向に政治というものはやっていかなくてはいけない,このように私自身も思っているわけであります。ところが,昨今の国際情勢のいろいろな変化を見ておりますと,まさに日々大変な状況が浮かび上がってきているわけであります。恐らくそういう状況の中で,国会において3党合意のもとでこの国民保護法が制定がなされたと。 したがって,さっき憲法9条の問題がございましたが,恐らくこの法律の制定に当たっては憲法9条の解釈もそれぞれの党において相当議論がなされた上での合意だと,このように私は理解をいたしているわけであります。そこで今,鳥取県のお話がございましたが,地方公共団体の長の一人としても,このような世の中が変わってきておるという,こういった問題というのは大変市民の生命,財産を守るという上からおきましても大変重要な問題という認識を持っているわけでございますので,今後このことにつきましては,いろいろの情報を得ながら,また国・県等の関係も十分注視しながら取り組んでいきたいと,このように思っているわけであります。 それから,新しく空中給油機の配備の話がございましたが,このことは先ほどから部長がお答えを申し上げておることに尽きるわけであります。さきの空中給油機4機の配備につきましても,当初から了解するまでには相当の紆余曲折がございました。その間防衛庁とも多くの協議をした経過がございます。 したがいまして,さきの4機を配備するに当たって了解した基本線に従って,今後こうした問題については取り組んでいきたいというふうに思っておりますし,いずれにいたしましてもまだまだこの問題は防衛庁の内部の検討であって,政府としての方針ではないということでございますけれども,しかし今質問議員が言われましたように,このような問題につきましては,常に情報収集に努めながら対応していきたいと,このように思っておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 教育部長 阿部隆司君。 ◎教育部長(阿部隆司君) それでは,2回目の御質問にお答えいたします。 まず,少人数学級の関係でございますが,これにつきましては,国際的な動向等も御指摘をいただきながら御質問いただいたわけでございます。私どもも決して今の35人学級というので十分だというふうな認識は持っておりませんでして,これにつきましては,市の非常勤講師につきましても本年度も39名配置をしております。少人数学級ということではなくて,いわゆる困難学級対策とか,少人数指導とか,こういったいろいろな角度から子供たちによりよい教育環境にできるように,そういった市としてもそういう教諭を配置しておるわけでございまして,決して必ずしも少人数学級がいいというふうでお答えしたわけではございませんで,そういったいろいろな面も組み合わせながら教育をしていきたいというふうに考えておりますので,よろしくお願いをしたいと思います。 それから,教育委員会の講演の関係でございますが,あったかどうかということでございますが,先生がお聞きになったことからいけばこういったこともあったというふうには聞いておりますが,これにつきましては,いわゆる講演の内容につきましてあくまでも判断するのは,先ほども申し上げたように聞く側の方だと思います。この講演会というのは子供を対象にしたものでは決してございません。教員を対象とした自分たちの,教員の資質の向上のために開催をされた講演会でございまして,そういった意味から適正な判断は各教員の皆様がしていただけるものと理解をしております。 それから,3点目の弔意の関係でございます。先ほど私が申し上げたように,市教委として特に指示すべき事項がある場合を除き,そのまま通知文書を流すというふうに申し上げたはずでございまして,決して何でもかんでも全部校長あてに文書を流しているわけではございませんので,必要なところについては指示をしておるということで,今回のものにつきましては,あくまでも協力要請であるから各機関の判断に任せたということでございますので,よろしくお願いしたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) お諮りいたします。 本日の会議時間は,議事の都合により,あらかじめこれを延長したいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(友松孝雄君) 御異議なしと認めます。よって本日の会議時間は議事の都合によりあらかじめこれを延長することに決しました。 順次発言を許します。33番 内田 謙君。 ◆33番(内田謙君) きょう内閣改造人事で,朝から報道しておりますけれども,小泉首相は,来年自民党結党50年11月でしたか,に向けて党に対して憲法の明文の文章の改革,私らに言わせれば改悪をするようにと,こういう指示を出しているわけですね。この有事関連法案というのは,これは法律ですから憲法はいろいろな手続があって,国民投票とか,いろいろ手続がありますね。しかし,法律は国会で衆参で過半数あれば通るということで,いわば私外堀を先に埋めているなと,こういう憲法の動きも見て感じざるを得ないのですよね。さっき,名前は国民保護法ですけれども,大規模な武力災害が生じたときの火葬や埋葬の特例をつくるなど,多くの国民が犠牲になる場合も想定していると,国民保護と言いながら国民が犠牲になることも想定したような法律をつくると,これ自身がやはり戦争を前提にしたものであるということで,これは私は廃案にしなければとんでもないことになるということだけ強調して発言を終わりたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) 20番 宮地 隆君。     〔20番 宮地 隆君 登壇〕(拍手) ◆20番(宮地隆君) それでは,議長の許しを得ましたので,通告の順に簡潔に質問いたします。 まず,初めは医療費一部負担金の減免についてお尋ねします。 国民健康保険被保険者の一部負担金の割合は医療費の3割ですが,それを減免するということであります。国民健康保険税の減免ではなくて,病院で患者さんが支払う医療費を減免する,ただし医療機関に減免してもらうということではなくて,保険者である春日井市に減免してもらうものであります。例えば入院したと,大変な病気で手術をしたという場合には高額療養費の限度額とその他自費分の支払いをしなくてはなりません。毎日やりくりをしながら何とか生活をしている方々にとって病気で働けなくて収入が減り,さらに加えて治療費がとても大きな負担になるということで,何とか医療費を減免してもらえないかということであります。 これは,国民健康保険法の第44条,保険者は特別の理由がある被保険者で,保険医療機関等に第42条または前条の規定による一部負担金を支払うことが困難であると認められる者に対し,次の各号の措置をとることができる。1,一部負担金を減額すること,2,一部負担金の支払いを免除すること,3,保険医療機関等に対する支払いにかえて一部負担金を直接に徴収することとし,その徴収を猶予すること,このようにあります。第2項は減免を受けた被保険者の支払い方法についてということで,ここに基づくことをお願いしたいということであります。 法律ではこのように決まっていますが,春日井市の国民健康保険条例を見ますと,法令に定めるものを除くほか,必要な事項を定めると,第1条で書いてありますが,内容では保険給付で出産育児一時金と葬祭費が定められているぐらいです。現実には,数カ月前のことですが,市の国保年金課に行きこの適用をしてほしいと話をしたけれども,制度がないからできないと断られた方がいるということなんです。そこで,昨年,ことしとこの近年,この法に基づく減免について窓口に来られた市民は何人ぐらいいるかということ,これをお尋ねしたいと思います。また,県内の市で減免の基準を持っている市,あるいは検討を始めた市は何市ぐらいありますか。全国的にはどんな状況でしょうか。わかる範囲でお答えください。 私が最近受けた相談では,70歳近い高齢の御夫婦で税金などの滞納はほとんどなく,収入は夫の年金が月に14万円程度と,そのほかに2人で働いて一定の生活をされております。しかし,医療費が毎月慢性疾患でかなりかかると,そんな中で夫が入院して大手術をしたと,仕事ができない,こうなりますと,即座に暮らしが行き詰まります。収入が半減して医療費に自費分もありかなりの負担が生じます。ほとんど蓄えもないのでいつまでやりくりが続くのかと,こういった方が現実にいらっしゃいました。また,もう一件もやはりがんの方で同じような状況であります。何とか生活している中で,重病にかかるともう大変だということなんですね。国民健康保険の被保険者は低所得者層が多いことから容易に想像できる事態であります。ですから,こういうことが必要であると,こういったときに助けになる減免申請に対してきちんと対応できるようにする考えについてお尋ねをいたします。 次に,2問目は財政問題についてであります。 少し前に,地方交付税の普通交付税が春日井市不交付にと,健全財政に昇格といった新聞報道がされまして,知人からもびっくりしたと,春日井市は金持ちになったのかと,こういった声がありました。私も驚きましたけれども,99年から2003年までの5年間を経て裕福な団体に復帰したのかと喜んでいいものなのかよくわかりませんけれども,しかし,予算では普通交付税6億5,000万円を計上したわけですから,予想外の結果だったのではないでしょうか。 そこで,どうして不交付とされたのかということが問題になるわけです。16年度では三位一体改革の目出しとして国庫補助負担金改革が行われました。国庫補助負担金で1兆300億円程度,臨財債を含む地方交付税で2兆8,600億円の削減に対して,税源移譲に結びついたのがわずか4,500億円程度ということはあちこちで報道されました。割合でいいますと,16年度の普通交付税は市町村では前年度比5.7%の減,臨時財政対策債の市町村の分では前年度比28.8%の大幅減と,交付税総額に臨時財政対策債の発行可能額を加えた実質的な交付税総額は前年度比12%の減ということで大変な減となっております。あるところでは,交付税総額の減は景気回復に伴う自治体の税収増,所得譲与税の新設のほか,交付税算定のもととなる地方財政計画で,公共事業を中心とする投資的経費が大幅に抑えられたことなどによるというようなことも書いてありました。 経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003,いわゆる骨太方針2003の第2部,国と地方の改革,その中の②のところで,地方税の充実,交付税の依存の引き下げという箇所では,税源移譲等による地方税の充実確保,地方歳出の徹底した見直しによる交付税総額の抑制等により,地方の一般財源に占める地方税の割合を過去の動向も踏まえつつ着実に引き上げ,地方交付税への依存を低下させるということで,この結果不交付団体,市町村の人口の割合を大幅に高めることを目指すと,このように骨太方針で不交付団体をふやすと書いてありますので,無理やり不交付にされてしまったのではないかとも考えられます。こういった地方交付税の削減に対して地方の反発も大きなものがあります。 そこで,交付税の算定は基準財政収入額と基準財政需要額の差に臨時財政対策債が関係しますので,これはなかなかわかりづらいんですが,ここ数年の推移はどのようになっているのでしょうか。また,今年度予算との関係で見て,6億5,000万円を計上しておりましたけれども,これが不交付になったと,臨時財政対策債は予算では37億円を計上しておりましたけれども,限度額がどう変わったのか,そのほかに予定外の項目があるのかどうか,そういった点,また予算から合計幾ら乖離したのかと,さらに,このような結果が生じた直接的な要因についてということと,見込み違いを生じた原因にはどういったことが考えられるのか,また不交付団体の全国の状況などについてお尋ねをしたいと思います。 もう一点は,三位一体の改革に関してですけれども,地方6団体による8月24日の国庫補助負担金等に関する改革案というところで,「初めに」の部分で,本来三位一体の改革は真の地方自治の確立に向けた地方分権改革である。地方公共団体の自己決定,自己責任の幅を拡大し,自由度を高めて創意工夫に富んだ施策を展開することにより,住民ニーズに対応した多様で個性的な地域づくりを行い,国民が豊かさとゆとりを実感できる生活を実現することができるよう財政面の自立度を高めるための改革であると,しかし改革の初年度である平成16年度は国の財政再建のみを先行させた地方分権改革にはほど遠い内容であり,国と地方の信頼関係を著しく損なう結果となった,このように地方6団体は書いておりますが,もともと三位一体の改革といっても,政府の方針は国庫補助負担金及び地方交付税の削減分と,その一方での税源移譲の増額分というのをバランスをとるというものにはなっていないのではないかと,改革と言っても結局国の赤字を地方に押しつけるだけというのが実態であると,このように思いますが,自治体ごとによって条件が異なりますので,現時点で春日井市にとって三位一体改革はどう考えられているのか,お尋ねをいたします。以上で1回目の質問を終わります。 ○議長(友松孝雄君) 市民経済部長 大矢孝彦君。 ◎市民経済部長(大矢孝彦君) それでは,1点目の国民健康保険税の医療費一部負担金の減免についてお答えさせていただきます。 国民健康保険制度は,加入者の高齢化による医療費の増加や昨今の景気低迷による無所得,あるいは低所得者の増加による保険税収納率の伸び悩みなど多くの課題を抱えています。こうした状況の中,市の国保財政は平成15年度末には24億円を超える累積赤字となり,本年度において保険税等の税率改正をお願いし実施したところでございます。 しかしながら,税率の引き上げにあわせて所得の少ない方に対しましては応益負担分の7割,5割,2割のいわゆる法定軽減ばかりでなく,市独自の軽減も実施しているところでございます。さらに減免基準の見直しにより所得減少や長期療養による減免措置を拡充しており,税負担の軽減を図っているところでございます。また,一般的には,かかった医療費の7割を保険者が負担し3割を被保険者が負担することになっておりますが,一定金額を超えた分について払い戻しを受けることができます。高額な医療費の支払いに困る場合には国保連合会による貸し付け制度,今年度8月までに211件ございました,保険者が基準額以上を医療機関に直接支払う受領委任払制度,これについても8月までに144件ございましたが,こういった制度の活用を御案内しているところでございます。 先ほど,御質問にありました申し出があったのかどうかという御質問でございますが,毎年こういった問題につきましては,窓口にお見えになる被保険者の方々については,例年数件の相談が窓口でございます。こういった相談には,先ほどのような制度の御案内,そしてまたいろいろな場合によって救済が図られる場合もありますので,こういった相談に応じているところでございます。 2番目として,県内都市にあるのか,そしてまた全国的にはどうかというような御質問でございますが,県内では名古屋市,一宮市,半田市におきまして減免等の要綱等を設けている自治体がございます。また,検討している市につきましては現在6市ぐらいが検討を始めていると聞き及んでおります。そしてまた,全国的には関西地域が特にこういった減免制度の要綱等については多く設けていると,このように聞き及んでおります。 いずれにいたしましても,国民健康保険法第44条に規定されている一部負担金の減免につきましての取り組みにつきましては,今後この法の趣旨に基づき,対象となる所得基準や減免期間などの基準づくりに取り組んでまいりたい,このように考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 財政部長 高柳正彦君。 ◎財政部長(高柳正彦君) それでは,財政問題についてお答えをさせていただきます。 今,質問議員が申されましたように,本年度の普通交付税につきましては,本市は平成10年度以来6年ぶりに不交付団体となったものでございます。ただ,基準財政需要額のうち経費の一部が振りかえられた臨時財政対策債の発行可能額,これにつきましては34億7,474万2,000円となっております。当初予算では普通交付税6億5,000万円,臨時財政対策債37億円の合計43億5,000万円が計上してございますので,その差額につきましては8億7,525万8,000円ということになるわけでございます。この差額が出た主な原因といたしましては,基準財政需要額の算定基礎であります単位費用が予算編成時の見込みに比べまして予想を上回る下げ幅となったことによるものでございまして,単位費用の減額につきましては三位一体改革による地方交付税の総額抑制によるもので,投資単独分の抑制によるものということとされております。 このように,予想を上回る抑制に対し,地方団体は積立金の取り崩し,あるいは繰越金の充当といった,こういったことによりまして急場をしのぐということになったものでございますが,このことから本年5月には,地方団体より一斉に国に対し,地方交付税について地方財政運営に支障を来すことのないように,平成16年度の大幅な削減前の水準を確保できるよう措置することを決議し,申し入れを行ったところでございます。 次に,本市の最近の基準財政収入額,需要額,普通交付税額,臨時財政対策債の状況について申し上げます。 平成12年度では基準財政収入額が367億円,需要額が393億円,普通交付税額は26億円でございました。平成13年度からは基準財政需要額の一部が臨時財政対策債として振りかえられることになりまして,基準財政収入額が370億円,基準財政需要額が390億円,普通交付税が20億円,臨時財政対策債11億円ということになりまして,交付税と臨時財政対策債を合わせますと31億円ということになるわけでございます。14年度では,基準財政収入額が360億円,基準財政需要額が377億円,これに対して普通交付税額が17億円,臨時財政対策債が22億円となりまして,交付税と対策債合わせました不足額は39億円に算定されております。さらに15年度では,基準財政収入額が344億円,基準財政需要額が352億円,普通交付税額が8億円,臨時財政対策債は48億円となりまして,不足額は56億円と算定をされたわけでございます。そして平成16年度,本年度でございますが,基準財政収入額が355億円,基準財政需要額が352億円ということで,普通交付税額は不交付となりましたが,臨時財政対策債は34億7,000万円の借入れができることになったわけでございます。 今年度の普通交付税の算定結果につきまして全国的な状況といたしましては,前年度に比べまして不交付団体が19団体増加いたしまして,全国で134団体ということになっております。なお,愛知県下では我が市を含め半田市,稲沢市,東郷町,西枇杷島町が新たに不交付団体となっている状況でございます。 次に,2点目の三位一体改革に関しての御質問にお答えをさせていただきます。 三位一体改革は地方財政の自立度を高め,地方分権を一層推進するということを目標にしているものでございまして,この改革にあわせ地方公共団体も一層の行財政の効率化,合理化を推進するというものでございます。しかし,平成16年度の改革はその内容を見てみますと,国庫補助負担金削減とそれに伴う税源移譲という補助金改革に加え,地方財政計画の見直しによる交付税総額の削減が12%減となるなど,地方にとっては大きな負担となるものでございます。 こうしたことから,総務省では地方からの申し入れに対応し,平成16年4月26日に麻生プランを策定し,安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保や所得税から住民税への移譲額を明確に示すということなど,地方の要望を受けた具体的なプランとして示され,2004年度の骨太方針に盛り込まれたというところでございます。また,補助金の削減につきましては,おおむね3兆円規模の税源移譲について地方6団体に国庫補助負担金改革の具体案の取りまとめが要請され,8月24日に具体案が提出されたところでございますが,その中で,前提条件といたしまして,国と地方の協議機関の設置,あるいは税源移譲を伴わない補助金の廃止をしないと,こういったようなことなど地方への負担転嫁をしないこと,あるいは地方財政計画の作成に当たっては,地方公共団体の意見を反映することなどの申し入れを行っているところでございますのでよろしくお願いをいたします。 ○議長(友松孝雄君) 20番 宮地 隆君。 ◆20番(宮地隆君) それでは,2回目の質問をさせていただきます。 それぞれ御答弁いただきまして,3割の医療費の負担金の減免という点では国保法の44条に基づいた基準をつくるということで,いろいろ手当てはされておりますけれども,それはそれできちんとぜひつくっていただきたいということですね。ただ,窓口の対応では,そういった方たちというのは比較的生活保護の境界に近いという方たちがいますので,窓口の方はよくそれぞれの制度を心得て対応していただきたいと。いろいろな制度が適用できるんだったら相談に来たときにほかの制度の利用もできますといったようなことも当然やっていただきたいので,そういったこともつけ加えておきたいと思います。 それから,財政の問題については,基準財政需要額の中を見ますと,15年度と16年度で,私が見ても投資的経費のところで15億円も16年度は減少されているということで,国の方のさじかげんで春日井市も黒字にされてしまったということがはっきりしていると思うんですけれども,これから今,臨時財政対策債がどんどんふえていって,足し算ちょっとできませんけれども,100億を超すぐらいたまっていきますので,これを返していくのが17年度から始まっていきますと,臨時財政対策債の元利償還分を地方交付税で保証すると国が言っていても不交付団体であり続ければ,こういった交付金が来なくなってしまうといったようなことも起こり得るわけですので,今後の見通しですね,財政がますます厳しくなっていくというようなこともありますので,見通しについてちょっとさらにお尋ねしたいと思いますけれども,あと,三位一体の改革については,これは様子を見てというようなことでしょうけれども,今まで,昔は3割自治と言われておりましたけれども,最近は1割を切って何分自治かよくわかりませんけれども,本当に自治権が非常に小さいわけですので,地方が頑張って本当に地方自治を充実させていくということが重要だと思いますので,これはやはりいろいろなところで各地方が声を上げないと国の言うままにやっていると大変ですので,こういった点では,やはり名実ともに三位一体の改革というのを主張していかないと国の都合のいい,虫食いの三位一体の改革になってしまうようなおそれが,危惧しておりますので,その点はそういう意見を述べておきたいと思います。 ○議長(友松孝雄君) 財政部長 高柳正彦君。 ◎財政部長(高柳正彦君) 今後の見通しということでございますけれども,今,質問議員がおっしゃいましたように普通交付税の算定上,基準財政需要額から振りかえられた臨時財政対策債,あるいは恒久減税化に伴います減税補てん債,こういったものの元利償還金につきましては,その全額,あるいは一部について基準財政需要額に算入されるという仕組みになっておるわけでございます。 いずれにしましても,過去の景気対策,あるいは減税等により発行した地方税の元利償還金に対する交付税措置については,これは確実に履行されるべきものでございまして,全国市長会などを通じまして強く要望しているところでございますし,今後の基準財政収入額,あるいは基準財政需要額の見通しにつきましては,現在国において総務省の交付税総額を前年度並みにという考え方と,財務省の地方歳出を削ることにより交付税を削減するという考え方で今,調整が行われておりまして,これ以上の削減がなされないように,私どもも全国市長会を通じまして市長会の方からも要望はされているところでございますので,注視して見守りたいというふうに考えております。以上でございます。 ○議長(友松孝雄君) 10番 後藤正夫君。     〔10番 後藤正夫君 登壇〕(拍手) ◆10番(後藤正夫君) 議長のお許しをいただきましたので,さきに通告してあります雇用問題について質問いたします。 雇用問題と言えばリストラ,失業というイメージがいまだ強くあります。ところが,数年もすれば雇用問題は人手不足の話題になる可能性があります。団塊世代の大量退職が始まる2007年問題がその背景にあると言われています。8月27日総務省の発表によりますと,7月の完全失業者数は318万人で前年同月比14カ月連続の減少で,ピーク時より2割弱減ってきています。一方,就業者は失業者が減ればふえるはずなのに,同時期に就業者数はわずかに減少しています。企業が雇用をふやし,失業者が減っているのに,それを上回る退職者がふえている,早期退職制度などによる団塊世代の引退が,労働市場に影響が出始めていると指摘する専門家の声があります。 国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば,15歳から64歳までの生産年齢人口は2004年から2015年の間に約880万人減り,この間の総人口の減少数をはるかに超える予測になっています。バブル崩壊後,長引く不況で過剰雇用に目を奪われ覆い隠されていたものが団塊世代の定年時期を目前にして,景気回復の兆しとともに景気循環,人口動態という構造要因が浮かび上がってまいりました。将来の労働力不足が懸念される状況の中,求人と求職の希望が合致しない,いわゆる雇用のミスマッチと,若年層の就労問題が大きな影を落としています。若者に失業がふえたのは不況もさることながら,中高年の雇用を維持する代償として働く機会が奪われたことが失業増加につながっているとの見方もあります。若者の雇用問題と言えば,フリーターや失業者を思い浮かべます。彼らは働いている,また働こうという現実があります。一方,仕事をして自分の未来を切り開いていくことに希望を持てない若者,社会の入口で立ちどまっている若者,こうした若者のことをニートと呼びます。 そこで,1点目のニート(無業者)問題についてお伺いをいたします。 ニートとはイギリスの労働政策の中から生まれた言葉で,教育,職業,訓練の英語の頭文字をつなげたもので,雇用もなく,学校にも行かず,働くための職業訓練も受けていない人,つまり何もしない,フリーターでもなく,失業者でもない,いわゆる無業者と言われる人のことであります。厚生労働省は9月10日最近の雇用・失業動向をまとめた2004年版労働経済の分析,労働白書を発表いたしました。それによりますと,15歳から34歳の未婚の若者で仕事も通学もしていない無業者は2003年で推計52万人,フリーターは過去最多の217万人に上ることがわかりました。無業者とフリーターを合わせると,この世代全体の8%に当たり,白書は経済社会の維持,発展という観点からも憂慮すべき問題,働くことの接点を広げ,意義や楽しさ,充実感を実感できるようにしていくことが大切であると指摘し,対策の必要性を強調しています。 昨年の第3回定例会において,若者の雇用問題について質問し,市民経済部長,教育部長,それぞれ御答弁をいただき,一定の理解はしておりますが,若年雇用はいまだ明るい兆しはなく,ふえ続けるフリーターとニートの広がりの懸念から再度お尋ねをするところでございます。こうした問題の背景は,産業構造の変化による求人の変化,多様化する新規学卒者の進路選択,職業意識の変化,社会環境の変化など,社会そのものが抱えている大きな問題であります。もとより行政で対応できることには限りがありますが,本市としての取り組みがあると考えますが,いかがでしょうか。 そこで,具体的にお尋ねをさせていただきます。 若年雇用を促進,支援する場の提供といたしまして,現在ある情報コーナー,またパートバンクの見直しについてのお考えをお伺いしたいと思います。また,市ホームページに雇用に関する情報を明示する,例えば,リンク集のサイトにヤング・ジョブ・あいちなどの就職支援情報機関を掲載することについてお伺いをいたします。 次に,障害者と女性の雇用についてお尋ねいたします。 平成14年10月障害者雇用促進法が改正されました。障害者の職場の拡大を図るため障害者雇用率の算定方式の見直し,障害者への総合的支援策の充実,精神障害者の雇用の促進であります。長引く景気低迷は企業,事業者にとってコスト削減は待ったなしであり,即戦力,短期間採用のニーズはアルバイト,派遣社員にシフトされています。企業はいかにして利益を生み出すか,常に採算性を考え,経費の節減と効率性を求めます。それだけに,企業が障害者を採用,雇用する上での大きな要素は財務力によるところ大でありますが,企業経営の理念として障害者の雇用を期待したいものでございます。とはいえ,景気の明るさが少し見えてきたものの障害者の就労は大変厳しい現状であります。 ところで,企業の障害者雇用のインセンティブを期待する一例でありますが,本年7月に名古屋市は障害者雇用促進企業認定制度を施行いたしました。名古屋市内で障害者の雇用を積極的に行っている企業を障害者雇用促進企業として認定し,授産施設などとともに広く市民の皆さんに知ってもらい,障害者雇用を進めることを目的としたものです。 さて,本市におかれては,第二次春日井市障害者計画を本年3月策定し,障害者の就労支援の基本的な取り組みを示されています。そこで,最初に市職員の障害者法定雇用率の実態についてお伺いをしたいと思います。 次に,障害者雇用促進法第2条の4は,事業主の責務を示し,能力を正当に評価し,雇用の場を与えることが求められています。市内企業の法定の障害者雇用率の現状についてお伺いをいたします。 さらに,女性の雇用についてお尋ねをいたします。 働く女性が性別により差別されることなく,その能力を十分に発揮できる雇用環境が望まれます。男女がともに育児や介護について家族としての役割を果たし,職業生活を営むことができる環境をつくることは,経済社会の活力を維持していく上で重要な課題であります。1997年6月に男女雇用機会均等法が改正され,募集,採用から定年,退職,解雇に至るまでの雇用管理の全ステージに女性に対する差別が禁止されました。 改正男女雇用機会均等法は1999年4月に施行され,新たにセクシュアルハラスメントの防止規定や男女労働間の格差を解消する企業の積極的な取り組み,ポジティブ・アクションが設けられ,妊娠・出産保護も強化されています。何より法の実効性は企業,経営者の社会的責任においてかなうものであります。成長している企業,産業の共通点に女性が能力を発揮しやすい環境づくりに努めている会社,そのことで社内風土が変わり,業績が伸びていると経済専門家が指摘しています。企業にとって,また社会においても女性の力を生かす,また知恵に学ぶ,そこに新たな発展があるとの識者の声もあります。本市におかれては,かすがい男女共同参画プランにのっとり,施策の展開を図られていると思います。実行に向けた取り組みについてお伺いをいたしまして,壇上での質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 市民経済部長 大矢孝彦君。 ◎市民経済部長(大矢孝彦君) それでは,雇用対策について順次お答えさせていただきます。 まず,1点目のニート問題についてお答えをいたします。 少子高齢社会の到来は,近い将来労働力不足を引き起こすおそれがあるとの指摘がございます。中でも,労働力の中心的役割を期待される若年者の減少は大きな社会問題となり得る可能性を秘めております。こうした中,フリーターとともに無業者の増大は大いに危惧されるところでございますが,こうした背景には若者の勤労観,職業観が希薄になっていることが挙げられております。 本市におきましては,毎年小牧市,春日井・小牧両商工会議所,春日井公共職業安定所と共催で新規学卒予定者や若年者を対象に就職説明会を開催し,就業の促進を図ってきているところでございます。また,愛知県では平成15年2月から若年者の就職を支援する総合施設としてヤング・ジョブ・あいちを設置して,企業,学校等との連携のもとに職業適性診断,職業能力開発,職業相談,職業紹介などを行ってきております。本市におきましては,こうした相談窓口,職業訓練などの実施状況を情報コーナーや勝川駅前のルネックビルにありますパートバンクなどで情報提供を行うとともに,就職面接会の継続的実施などによりニート問題に対処してまいりたい,このように考えておりますので,よろしくお願いいたします。 また,御質問にありましたようなホームページの活用につきましても検討してまいりたい,このように考えております。 次に,2番目の障害者,女性の雇用についてであります。 障害者並びに女性に対する雇用の拡大は企業の社会的責任として求められてきておりますが,現状では障害者について見れば,法定雇用率1.8%を達成している企業はまだ少ないのが実態でございます。市職員への障害者の採用につきましては,一般職とは別枠を設け,試験を実施し,計画的に雇用に努めておるところでございます。平成15年6月1日では,12人上回っておりましたが,平成16年4月に算定方式が見直された結果,平成16年6月1日現在では法定数36人に対しまして39人と3人上回っております。平成16年度の採用試験でも2人の募集をいたしておりまして,今後も継続して採用していく予定でございます。 また,市内企業の雇用率の状況は,春日井公共職業安定所管内の対象企業の雇用率は,平成15年6月1日現在で1.39%であり,全国1.48%,愛知県1.50%のいずれも下回っておる状況でございます。企業活動にとってみれば,ともすると経済原則が優先され,障害者や女性労働者の権利保護がなおざりにされがちでございますが,企業の社会的責任として障害者の雇用,女性の権利保護が求められているところでございます。障害者の雇用につきましては,雇用の促進を図るための各種の助成がとられているところでございます。 また,女性の権利保護等につきましては,国では男女雇用機会均等法の履行の確保のため,情報提供を行うとともに,必要な行政指導も実施いたしております。しかし,男女の待遇には募集,採用,昇進などで格差が見られるのが現実でございます。こうしたことから,本市におきましては国・県などと連携を図りながらこの法の趣旨及び内容を事業主に周知徹底し,男女の均等な雇用条件を実現するため,かすがい男女共同参画プランの中で推進すべき施策を決定いたしておりまして,この実行につきまして,対象企業に対して周知徹底を図る中で実現を働きかけてまいります。以上,よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 10番 後藤正夫君。 ◆10番(後藤正夫君) わかりました。大変時間も過ぎてまいっておりますが,今しばらくお時間をいただいて,簡潔にお尋ねをしたいと思いますので,お許しをいただきたいと思います。 障害者の雇用率,改めましてお伺いをいたしまして,厳しいものがあるなというのが正直実感でございます。女性の雇用も仕事の中身は変わらないのに,いわゆる待遇格差というものが現実にあるという,その辺は否めないものがあると思いますし,障害者の雇用ということも非常に厳しいものがあります。いずれにいたしましても,行政の立場,またそういった役割を最大限に発揮していただいて,何らかの刺激策といいましょうか,そういう雇用の動機づけになるような,そういった施策を期待したいなというふうに思います。 それで,ホームページの活用でございますが,何よりもこの情報提供というのは非常に大事なんですけれども,ただ,情報提供やっていますよということはそれはそれで大事なことなんです。特にその気のある人にとってみれば非常にいいわけですけれども,その気のない人にどう接点を,特にニート問題,無業者というか,もともと人間の内面の問題ですので,働かない,働く意欲がなかなかない方がいかに働くことが大事なのかという,その辺の情報によって何らかの刺激を受ける,そういう情報の提供の仕方というのは,これは今の一つの手法としてはホームページしかないのかなという,どうしても卒業された方をトレースするようなものがあって,その人を対象にした,そういった何らかの話の場というのはなかなか設定できないというのが現実にあろうと思います。その辺のところでぜひともホームページということで,いろいろ今取り組んでいただいておりますが,より工夫をしていただいて,リンク集なんかも,そこをクリックすれば情報が,雇用のそういった機会が広がるような,そういう展開ができるような工夫をお願いをしたいなというふうに思います。 それで,いろいろなことをお話し申し上げたいなと思いましたけれども,ニート対策ということで今も申し上げました。その方々は働きたくとも働けない,また動きたくとも動けないという非常にある面で精神の社会的引きこもりという,そういったものも現実にあるということがございます。そういう中で,国レベルでは何らかの形で彼らに,またフリーターだとか,そういった若年者の雇用対策ということで若者自立・挑戦プランという,こういったことも来年度からスタートしていくということがございますし,また県レベルでございますけれども,これは予防ということでございます。きょうは意見だけ,一つの例だけ引かさせていただきますけれども,特に義務教育の中学生の14歳の非常に精神的にナイーブな変化をする時期に,富山県とか兵庫県で14歳の就業支援事業というものが行われているわけでございます。本市でも当然各中学校2年生,3年生取り組んでいただいているわけでございますが,5日間という期間に実際にその現場に行っていろいろ経験をして,そういった職の実際の就労経験をする,しかも1日とか2日じゃなくて,5日間というその期間をやっているということがございまして,今回こういった無業者問題ということの一つの一番の唯一の予防策かなというふうにも考えられているわけでございます。 また,機会がありましたらこの点についてお尋ねをしたいというふうに思いますけれども,いろいろさまざまございますが,そういった意味において春日井市といたしまして雇用とか経済というのは,産業マターというのは市場の問題でございますけれども,市として何らかこういった若年者の雇用問題,そういったものを考える,例えば就労機会の場を提供する,そしてそういった若年者の雇用問題をいろいろな形で協議していく,そういった場を,協議会を設けてはどうか,こんな思いがいたします。その点についてお尋ねをしたいというふうに思います。 いずれにいたしましても,これから労働行政,経済,産業との連携というのが非常に国レベルでも広がっていくと思いますので,前向きなお取り組みを期待いたしまして,以上で質問とさせていただきます。以上でございます。 ○議長(友松孝雄君) 市民経済部長 大矢孝彦君。 ◎市民経済部長(大矢孝彦君) 再度の御質問にお答えさせていただきます。 ニートやフリーターの増加につきましては,非常に本人の問題にとどまらず,経済社会の維持,発展という観点からも憂慮すべき問題ととらえております。国・県レベルでもいろいろな新事業が立ち上げられる,こういう予定と聞き及んでおりますが,御提案にありました若年者雇用問題対策協議会につきましては,事業主,学校,自治体のそれぞれの協力が必要であるとともに,さまざまな課題や問題が予想されますことから,慎重な対応が必要と考えております。 そうしたことから,貴重な御提言として受けとめさせていただきたい,このように考えておりますので,よろしくお願いいたします。 ○議長(友松孝雄君) 以上で,一般質問は全部終了いたしました。 お諮りいたします。 明28日はこれを休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(友松孝雄君) 御異議なしと認めます。よって,明28日はこれを休会とすることに決しました。 本日はこれにて散会いたします。                    午後5時35分 散会        平成16年第4回市議会定例会一般質問事項番号氏名質問事項答弁を求める者1水谷忠成1 NPO及びボランティア活動の行政支援について市長・部長2田中康則1 春日井警察署の新設について市長・部長2 介護予防の具体策について市長・部長3伊藤隆司1 環境問題について市長・部長4山際喜義1 介護予防,痴呆予防について市長・部長2 ひとり暮らし高齢者対策について市長・部長3 児童虐待防止について市長・部長5丹羽一正1 防災について市長・部長6高田敏亨1 図書館の運営について市長・部長7諸戸護子1 新生児聴覚スクリーニングについて市長・部長2 市民サービスについて市長・部長8石原名子1 子育て支援について市長・部長2 発達障害(自閉症等)児・者への支援について市長・部長9中藤幸子1 コミュニティビジネスについて市長・部長10伊藤裕規1 健全な子供の育成のために市長・部長2 防災について市長・部長3 明知の土砂採取について市長・部長11内藤富江1 介護保険制度の見直しについて市長・部長2 防犯対策補助金交付制度について市長・部長12内田 謙1 平和行政について市長・部長2 教育行政について市長・教育長 部長13宮地 隆1 医療費一部負担金の減免について市長・部長2 財政問題について市長・部長14後藤正夫1 雇用対策について市長・部長...