香川県議会 2022-02-01
令和4年[2月定例会]環境建設委員会[土木部] 本文
▼最初のヒットへ(全 0 ヒット) 松原委員長 理事者の説明は2月28日の委員会で聴取しておりますので、直ちに質疑、質問を開始いたします。
松岡委員 私からは、まず公共事業における
デジタル化の推進についてお尋ねをいたします。
国においては、
デジタル改革の司令塔として昨年9月にデジタル庁を創設し、12月には
デジタル社会の実現に向けた重点計画を閣議決定し、迅速かつ重点的に実施すべき施策を示しており、本県では昨年12月に、「安心・便利・豊か 人が主役の
デジタル社会・かがわの形成」を基本理念として、行政や産業など様々な分野の
デジタル化に向けた具体的な取組を盛り込んだかがわ
デジタル化推進戦略を策定し、様々な地域課題の解決に取り組もうとしています。
一方、公共事業については、
国土交通省において、
社会経済状況の激しい変化に対応し、
インフラ分野においても、データと
デジタル技術を活用して、国民のニーズを基に社会資本や
公共サービスを変革するとともに、
業務そのものや、組織、プロセス、建設業や
国土交通省の文化、風土や働き方を変革して、インフラへの国民理解を促進するとともに、安全・安心で豊かな生活を実現するため、
インフラ分野の
デジタルトランスフォーメーションの推進に取り組んでいると承知をしています。
また、昨年9月議会の本委員会において、建設業の担い手の確保、育成の取組について質問しましたが、その取組の中にも
デジタル化の推進に資するものがあったと思います。
そこで、本県においても、公共事業における
デジタル化の推進について、より一層の普及促進が必要であると考えますけれども、これまでの取組状況と来年度予定されている具体的な取組予定についてお伺いをいたします。
西川土木部長 おはようございます。
それでは、松岡委員の公共事業における
デジタル化の推進についての御質問にお答えいたします。
本格的な人口減少、
少子高齢化社会が到来している中、建設現場においても、
生産年齢人口の減少に伴う人手不足が顕在化し、生産性向上は大きな課題となっております。このような状況の中、国においては令和2年7月に
国土交通省デジタルトランスフォーメーション推進本部を設置し、
行政手続等の迅速化やAI等の活用による工事の安全性や効率性を向上させること、また、
デジタルデータを活用し、
公共土木施設の点検業務の効率化等を実現させる取組を行っております。
一方、本県では、まず、公共工事の行政手続における
デジタル化の取組として、県が発注する建設工事や委託業務における公告から入札までの一連の手続をインターネットを利用して電子的に行う
電子入札システムを平成17年度に導入し、
入札参加者の移動時間の削減や紙資源の節減のほか、入札結果をホームページで見ることができるなど利便性の向上を図ったところであります。
次に、
工事現場等の取組といたしましては、工事や
測量設計業務等における受注者と発注者との間で協議する図面や書類、写真等の各種情報を電子化し、
通信ネットワークを利用して効率的に情報を交換、共有、連携できるかがわ
建設情報共有システムを平成17年度に導入したほか、工事完成時に提出する書類を
電子データとして納品する電子納品や、電子納品された
電子データを使用した検査を実施するなど
デジタル化の推進に努めております。
その後、平面図や
縦横断面図等の2次元データの一部を3次元データ化し、その3次元データに基づき、操作をサポートする機能が搭載された建設機械、いわゆる
ICT建設機械により施工を行う
ICT活用工事を平成30年度から導入し、初年度は、おおむね1,000立方メートル以上の土工を対象に2件の工事を実施し、令和元年度には、おおむね2,000平方メートル以上の新設路盤工も対象に追加し、8件の工事を、昨年度は10件の工事を実施しております。さらに、今年度は、おおむね500平方メートル以上ののり面工を対象に追加し、本年1月末現在で28件の
ICT活用工事を実施しており、その実施件数は着実に増加している状況であります。
これらの
ICT活用工事を実施した受注者からのアンケート結果では、従来施工と比較し、現場での作業時間の短縮が図られ、効率化につながるといったことや、
ICT建設機械の導入は高額であるが、測量が1人で実施可能となるなど人件費等の削減が図られ、コストダウンにつながると感じたなどの意見があり、
ICT施工は生産性の向上に大きく寄与するものであると考えております。
そのような中、昨年12月に策定したかがわ
デジタル化推進戦略においては、
ICT活用工事の対象工事に対する
実施件数割合をKPI、
重要業績評価指標として設定し、令和2年度は対象工事35件に対する実施件数が10件で28.6%であったものを、令和7年度には80%を目標として設定しているところであり、今後、
ICT活用工事のより一層の普及に努めていきたいと考えております。
このため、9月議会の本委員会で御答弁申し上げたとおり、今年度から、ICT機器を購入し、
ICT活用工事に取り組む建設業者に対して、1業者当たり100万円を上限として機器購入費の一部を助成する事業を実施し、審査の結果、6事業者に対し補助を行ったところであり、来年度は、この取組をさらに拡大するため、本定例会に当初予算案として500万円から700万円へ増額し、御提案しているところであります。
また、平成31年4月から運用が開始されました
建設キャリアアップシステム、CCUSでございますが、これは技能者の処遇改善に資する取組として国が推進しており、将来にわたり担い手の確保につながるものであることから、このシステムの活用が促進されるよう、来年度から設計金額が3000万円以上の
一般競争入札における総合評価において
キャリアアップシステムに関する評価項目を設定し、
入札参加者の事業者としての
キャリアアップシステム登録及び同システムを工事現場に導入することを加点評価することにより、その普及を図っていきたいと考えております。
さらに、来年度は、
土木事務所の監督員の現場までの移動時間や受注者の現場での待ち時間の削減による施工管理の効率化や
新型コロナウイルス感染症対策として接触機会の低減を図るため、段階確認として実施している材料の品質や規格、構造物の寸法といった確認を、現場で撮影した映像と音声を通信によりリモートで確認する遠隔臨場も推進したいと考えております。
加えて、
建設業許可や
経営事項審査において、本県では書類申請のみとなっておりますが、現在、国において、国と都道府県が共同利用可能な当該業務に係る統一の
電子申請システムの構築を進めており、来年度中の運用開始を予定しております。このため、本県におきましても、このシステムを利用することにより
建設業許可業者の申請手続の電子化を進めていきたいと考えておりまして、本定例会に来年度新規事業として
システム運用経費70万円余を御提案しているところであります。
県としましては、
デジタル技術を活用し、インフラの整備、維持管理の高度化、効率化を図るとともに、インフラを支える地域の
建設事業者における生産性の向上や担い手確保を図るため、公共事業の
デジタル化の取組を積極的に推進してまいりたいと考えております。
松岡委員 平成17年のネットの導入に始まって、ICTの活用、それから、先ほど申し上げた
キャリアアップシステム、様々にそうやって進化しているなっていうことが答弁でもお伺いできたんですけれども、そういった
デジタル化を推進するために進化し続ける
デジタル技術への的確な対応が必要であり、
デジタル技術を活用することのできる専門人材の育成と確保が必要と考えます。
そこで、県の職員と
事業者双方の人材育成についてどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
西川土木部長 再度の松岡委員の御質問にお答えいたします。
委員御指摘のとおり、公共事業における
デジタル化を推進するためには、進化し続ける
デジタル技術への的確な対応が必要であり、
デジタル技術を活用することのできる専門人材の育成、確保が急務となっております。
こうしたことから、まず、
建設事業者につきましては、本年度、国の
ICT施工技術支援者育成の制度を活用し、
ICT施工技術講習会として、主に
ICT活用工事を実施したことのない
建設事業者を対象に、ICTの基礎知識、3次元
設計データの有効活用、
小規模工事における活用方法やメリット等についての講習を行うとともに、実際、
ICT活用工事を施工している現場において、実地体験として
ICT建設機械の操作、説明やドローンを使用した測量などの
現場講習会を開催しているところであります。
来年度も、引き続き国や県及び
関係業界団体で構成する香川県
ICT活用工事支援連絡協議会を活用し、
ICT基礎知識の講習会や3次元
設計データの有効活用などの先進的な取組を行う
現場見学会を開催するなど知識の向上を図っていきたいと考えております。
一方、県の
工事監督員につきましては、今年度、
全国建設研修センター主催の
ICT施工の
ポイント研修におきまして、ICTの基本的な知識を習得するとともに、
四国地方整備局主催の
i-Construction研修では、
ICT活用工事等における発注者の役割といった内容の研修を受講したほか、各
土木事務所で取り組んでいる
ICT活用工事の
現場見学会を6回実施し、約60名の職員が参加したところであり、来年度以降も、引き続き各種研修に積極的に参加させることとしております。
また、来年度は、
デジタル技術を活用した
公共土木施設の維持管理の効率化、省力化及び災害発生時における迅速な被災状況の把握を行うため、各
土木事務所にドローン1基を導入することとしております。そういったことから、
国土交通省認定の技能証明を有するド
ローン操縦技能者についても、現在、土木部には3名しかおりませんが、今後3年間で20名程度の育成を図りたいと考えておりまして、先ほど御説明いたしました遠隔臨場の取組などと併せて、来年度から新たに
インフラ分野の
デジタル化推進事業として取り組むこととしており、本定例会に当初予算案370万円余を御提案しているところでございます。
県といたしましては、今後とも、日進月歩する
デジタル技術を活用できるよう県の
工事監督員、
建設事業者とともに人材の育成、確保に努めてまいりたいと考えております。
松岡委員 いずれにしましても、建設現場における
デジタル技術の利活用を進める、そして、一層の効率化を図っていく、安全で快適な労働環境が実現できるように、引き続き現場の声もしっかりと聞いていただきながら努力をしていただくように要望しまして、次の質問に移りたいと思います。
次は、
住生活基本計画の見直しについてお尋ねをいたします。
昨年6月議会の本委員会において、頻発、激甚化する災害への対応や生活様式の変容など近年の住生活をめぐる状況の変化に対応するため、国の住宅政策の基本方針を示す
住生活基本計画が令和3年3月に見直されたことを受けまして、本県の香川県
住生活基本計画について年度内に見直しが行われるとの答弁がありました。その後、作業も進捗していると思いますので、まず、どのような見直しが行われたのか、その方向性や主な見直しの内容についてお伺いしたいと思います。
秋山土木部次長 松岡委員の
住生活基本計画についての御質問にお答えをいたします。
住生活基本法に基づいて作成しております香川県
住生活基本計画は、本県の住宅政策の基本方針を示す計画であり、現行の計画期間は平成28年度からの10年間でありますけれども、国の計画の見直しを受け、計画期間の中間年である今年度、計画期間を今年度から10年間に変更し、見直しを進めております。
見直しに当たっては、学識経験者や関係団体の代表者等で構成する香川県
住生活基本計画検討委員会を設置し、御議論をお願いしておりますほか、各市町や
庁内関係部局との協議、国との調整を行いながら作業を進めております。
この
検討委員会では、国の計画において新たに追加された重要な項目を
重要検討事項として御審議いただくとともに、現行計画の
目標達成状況を検証し、本県の住生活をめぐる現状や課題等を踏まえ、新たな目標や
基本的施策等の検討を行っております。また、今年度からの新たな香川づくりの指針であり、みんなでつくるせとうち田園都市・
香川実現計画や昨年度改定しております
県営住宅長寿命化計画など関連する計画との整合を図っております。
主な見直しの内容といたしましては、見直し後の計画案では、「豊かな住生活の実現のため、住宅・居住環境における基本的な機能の確保と良質なストックの持続的な活用を目指す」という基本方針の下、1、安全で良質な
住宅ストックの形成、2、多様なニーズに応じた居住環境の形成、3、
住宅セーフティネット機能の整備という3つの基本目標を掲げております。
また、主な見直しの内容といたしましては、新たな観点として、人口減少や世帯構成の変化を踏まえた居住ニーズの多様化に対応するため、良質な
住宅ストックの形成や持続的活用の促進、住み替えに際しての既存住宅の資産価値の適切な評価や市場流通の促進のほか、地域の実情を踏まえた総合的な
空き家対策、頻発・激甚化する災害への対応として、耐震化など住宅性能の確保に加え、
防災計画等との連携など持続可能で安全なまちづくり、
デジタル化の促進や2050
カーボンニュートラルの実現に向けた住宅の
省エネルギー化の促進などにつきまして議論を行い、計画案への反映や記載内容の充実を図ったところでございます。
本年1月に計画につきましての
パブリックコメントが終了いたしまして、最終案について
検討委員会での議論をいただいたことから、現在、
国土交通大臣の同意を得るための協議を進めており、年度内に見直しを行う予定でございます。県といたしましては、新たに見直した計画に基づいて住宅施策を着実に推進していきたいと考えてございます。
松岡委員 今後、見直された香川県
住生活基本計画に沿って住宅施策に取り組んでいくことになると思うんですけれども、現行計画には数値目標が設定されております。この数値目標の達成状況と見直し後の計画では、数値目標をどのように設定されるのか、お伺いをいたします。
秋山土木部次長 松岡委員の再度の御質問にお答えをいたします。
現行の計画の数値目標のうち、住宅の構造や設備について、長期かつ良好に使用するための措置が行われている
長期優良住宅の認定件数につきましては、昨年度の目標数1,100件に対し実績は1,055件、
サービス付き高齢者向け住宅の登録件数につきましては、目標数100件に対しまして実績が80件と、いずれも目標には届いておりませんけれども、新築住宅に対する
長期優良住宅の割合が増加していることや、
高齢者住宅の需給状況も
一定バランスが確保できておりますことから、おおむね目標水準には達していると考えており、これらにつきましては、引き続き同じ数値を目標として設定したいと考えております。
また、公営住宅の供給目標量につきましては、計画の前半5年間の累計目標3,200戸に対しまして供給実績は2,880戸と目標をやや下回る結果でありますけれども、これを補完する住宅確保要配慮者の入居を拒まない
民間賃貸住宅、いわゆる
セーフティネット住宅の登録戸数が昨年度に約1万2000戸と一定戸数確保されたことから、目標量との差につきましては補完ができたと分析をしております。
見直し後も、前回同様、計画期間10年間における需要推計に基づいて、本年度からの前半5年間の累計での目標を2,700戸、10年間での目標を5,200戸としたいと考えております。
また、住宅の耐震補助の件数につきましては、耐震診断の目標であります年間500件、耐震改修は200件という目標に対しまして、計画期間の前半5年間の実績は、年平均でそれぞれ307件と137件にとどまっております。これまでは、耐震化率の上昇と補助の件数の関係につきまして十分な分析や検討ができておりませんでしたが、今回の見直しでは、目標とする耐震化率を達成するためには、どの程度の補助を行う必要があるかを分析し、今年度見直しを行いました香川県
耐震改修促進計画や香川県
地域防災計画に掲げる令和7年の耐震化の目標である91%を実現するための行動指標として、耐震診断275件、耐震改修185件をそれぞれ目標として設定したいと考えております。
さらに、空き家の対策でございますけれども、こちらにつきましては、
空家等対策計画を策定した市町の割合につきまして、目標の17市町に対して本年4月現在で16市町が策定しており、おおむね達成ができたことから、見直し後の目標からは削除することといたしました。
また、新たに
空き家対策の実施主体である市町が行います除却に対する補助や法に基づく特定空家等への命令、代執行等の措置、行政指導など空家法等に基づき適切な対応が出された
管理不全空き家の数を目標として設定をしたいと考えております。
現行の実績といたしまして、平成27年度からの5年間で2,296件、1年間の平均で459件となっておりまして、計画期間中の10年間で4,800件、年平均で480件という目標を設定しまして、
管理不全空き家への修繕や除却等の適切な対応を進めていきたいと考えております。
県といたしましては、見直し後の計画に沿って、市町や国、
関係団体等としっかりと連携をしまして、県民の皆様の御理解、協力をいただきながら、引き続き豊かな住生活の実現に向けて取組を進めていきたいと考えております。
松岡委員 こういった数値目標に対しましても、この
検討委員会でいろいろ議論されていることは承知しておりまして、1点、これを読んでおりまして、
住宅セーフティネットについて、国の基本施策で住宅確保要配慮者ということで、低額所得者、高齢者、障害者、外国人等の住まいの確保ということで
重点検討テーマ5っていう資料があったんで、それを見させていただいたんですが、私が、ざっくりこの素案を見させていただいたときに、外国人に対しての対応という表現があまりなされてなかったのかなというのが印象にありまして、こう読み込んでいきますと、ここに重点テーマにはなっているということで、私の地元もそうですけれども、県内にも多くの外国人の方が増えてらっしゃって、いろいろ他の部局でも施策等々取り組んでいらっしゃるんだと思うんですけれども、こういったところにも、外国人の
入居円滑化を図る観点から、多言語の入居手続に関する資料等と書いておりますけれども、こういったところも見ていただきたいというか、もう少しさらに検討していっていただきたいなあっていうふうに思うんですけど、そこ1点だけお伺いできますか。
秋山土木部次長 松岡委員の再度の御質問にお答えをいたします。
外国人等の入居の円滑化ということについての御質問だったと思います。
先ほど御説明をいたしました
住宅セーフティネットの制度につきましては、いわゆる低所得者とか被災者、高齢者、障害者の方に加えて、今、御指摘のありました外国人の方とか、そういったことを幅広く
セーフティネットの対象に含めていきたいというふうに考えておりますし、これまでも同様な取組をしております。
ただ、委員御指摘のとおり、周知とか説明が必ずしも十分ではないところもあろうかと思いますので、今後は、市町とも十分に連携をしまして、より丁寧に説明し、十分にそのあたり浸透をしていきたいというふうに思っております。
松岡委員 そういったところは、恐らく市町の基本計画には載ってくるんだろうと思いますので、それも連携しながら対応していただきたいと思います。
住宅や住生活に関することは、県民の社会生活を支えて地域のコミュニティーや町並みを形づくるために、やはり欠かすことのできない重要な要素であると思います。ぜひとも今後とも関係部局や市町と連携して、新たな
住生活基本計画に掲げる目標や施策の推進に積極的に取り組んでいただきたいと要望いたしまして私の質問を終わります。
秋山委員 私からは2つ質問させていただきます。
質問の1点目は、住宅の断熱化についてです。
昨日の環境森林部から続いて、
カーボンニュートラルの実現に向けて、
エネルギー消費全体の約3割を占める
建築物分野での
省エネ対策、これを加速していくことが、どうしても今求められていると思います。建築物の
エネルギー消費性能の向上に関する法律、いわゆる
建築物省エネ法について、今、法改正の議論が進んでおります。現状、中・大規模以上の非住宅としていた
省エネルギー基準の
適合義務化の範囲を全ての新築住宅に拡大をします。これは新築の住宅の断熱や再エネ設備の導入を大きく進めようとするものです。
住宅の断熱化は今後ますます重要となります。この住宅の断熱化によって生活の質は向上し、光熱費は縮減され、その上で気候危機問題でも脱炭素化が進みます。住宅の
断熱化工事は、地域の
中小零細企業でも対応できるもので、
地元事業者の仕事を増やすことにもつながります。まさに
グリーンリカバリーです。単にコロナ以前に戻すのではなくて、経済の再生、成長と気候危機を乗り越えた持続可能な社会をつくる
グリーンリカバリーの中心政策として、この住宅や事業所、公共施設などの
断熱化工事を抜本的に進めるべきだと考えますが、部長の御所見をお伺いします。
また、環境省において、今年度から
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金として、既存の住宅の
断熱リフォームへの一部
補助制度支援を行っていますし、また、国交省においても、来年度から住宅・
建築物省エネ改修推進事業を行うというふうにしています。こうした国や全国的な動きも捉えて、私は、県として、この
断熱リフォームの助成制度をつくるべきだと考えますが、併せてお答えください。
西川土木部長 秋山委員の住宅の断熱化についての御質問にお答えいたします。
国土交通省における
有識者検討会におきまして、2025──令和7年度以降、省エネ基準の適合義務づけ対象を住宅や
小規模建築物にも拡大する方針として、委員御指摘の建築物の断熱化を含む建築物の
エネルギー消費性能の向上に関する法律の改正が予定されていることは承知しております。
県におきましても、昨年2月の
県議会定例会におきまして知事が、気候が危機的な状況にあることを認識し、2050年までに二酸化炭素の排出量を実質ゼロにすることを目標とする表明を行っており、SDGsの観点からも、建築物の断熱化の促進は重要な課題であると考えております。
一方で、
断熱リフォームを行うためには、一般的な建築工事に比べてコスト高になるとともに、事業者において必要な断熱性能を確保するための設計や施工の技術を習得することが必要となってきますことから、引き続き情報収集に努め、住宅施策を所管する土木部としてどのようなことができるのか、研究してまいりたいと考えております。
なお、助成制度の御質問は住宅課長からお答えいたします。
中塚住宅課長 秋山委員の御質問にお答えいたします。
断熱リフォームの助成制度につきましては、国におきまして具体的な取組の一環といたしまして、住宅の省エネ化を図るための各種支援制度の整備が進められておりますが、制度の詳細については公表されておらず、引き続き国の動向を注視し、情報収集に努めてまいりたいと考えております。
県といたしましては、耐震改修の促進を最優先で進める中、
断熱リフォームへの支援を行うことは困難であると考えておりますが、一方、環境森林部を中心として全庁的に脱炭素に向けた様々な取組を検討しており、土木部として、関係部局との情報共有や連携を図ってまいりたいと考えております。
秋山委員 部長、答弁を今いただいたとおり、SDGsの観点からも、この断熱化、非常に重要です。なかなか技術者の問題もありますけど、それを地域で育てていくという意味でも、課長、情報収集をという話ですけど、しっかりしていただいて、県として断熱化を進めていく、脱炭素を進めていく上で、ここに土木部としての環境政策っていうのをしっかりと位置づけてやっていくと、その姿勢を示す意味でも、こうしたリフォーム助成の制度っていうのは、ぜひ考えていただきたいというふうに思います。
それから、今、灯油やガソリンの値上がりなんかで人々の生活は非常に大変です。この点では、例えば、短期的には貧困世帯への灯油代とか、そういうようなサポートっていうのも必要だというふうに考えますが、とりわけ、この土木部の関係でいうと、在宅時間の長い高齢者などは、家で暖房をかけている時間が長いため、こうした住宅に対する
省エネ対策っていうのは、社会的に見れば非常に効率的です。しかし、収入が少ない家庭では、省エネ投資へのハードルは高くなります。
また、総務省統計局の家計調査によりますと、2021年、2人以上の世帯の水光熱費の平均月額2万1530円とされています。これ自体、非常に大きい金額ではありますが、さらに私が問題だと思うのは、この家計の消費支出に係る水光熱費の割合というのが、所得が低いほど大きくなっているというのが現状です。つまり、かかる電気代やガス代というのはそんなに変わらないんですけれども、その分、低所得者ほど光熱費の負担が重くなるということです。
私は、ここにこそ、国はもちろんですけれども、自治体としての支援、役割の発揮が不可欠だと考えますが、いかがでしょうか。高齢者や低所得者世帯への省エネの支援についてどのように対策を講じていくのか、土木部の視点でお伺いをいたします。
中塚住宅課長 秋山委員の再度の御質問にお答えいたします。
住宅の
断熱性を高めることにつきましては、家庭で消費するエネルギー量の縮減に資するという観点はもとより、委員御指摘のように、光熱費の家計負担やヒートショックなどによる高齢者の健康への影響を軽減することにもつながる効果があると考えております。
高い
断熱性を有する住宅の整備を促進するため、県では、先ほど申し上げました
建築物省エネ法のほか、
長期優良住宅や低炭素建築物などの良質な住宅の認定制度の普及等に努めているところでありますが、高齢者や低所得者世帯への省エネ支援につきましては、土木部として何ができるのか、引き続き他県の状況や関係部局の動向を注視してまいりたいと考えております。
秋山委員 もう課長が御答弁いただいたとおり、こういったところに断熱化を進めていくっていうことが、生活の質の向上であったり、ともすれば命を落とすというようなことを防ぐということで非常に重要です。先ほども言いましたけど、これから土木部として、この
省エネ対策、環境対策、これをどういうふうにしていくかという視点をぜひ持っていただいて進めていっていただきたいと思うんです。
私も、いろんなところで生活のお困り事の相談を受けます。例えば、高齢者とか生活保護世帯、シングルで子育てされてる方なんかも、やっぱり、電気代が高いから、エアコンもつけんと、とにかく布団にくるまって、できるだけじっとして過ごしてるというふうな話も聞きます。こういう人たちがたくさんいるのが実態ですから、行政としてできること、何ができるんかっていうのをしっかりと考えて、その役割の発揮、その立場で支援が必要であるということを、改めてここは訴えたいというふうに思います。ぜひよろしくお願いします。
低所得者への省エネの支援として、私は、一つは公営住宅の断熱化を進めるということも重要だと思います。外断熱ですね、外断熱工法。建物の周りを断熱材で覆って空気から遮断することで、室温の安定、気温の影響を低減します。また、同時に、建物のコンクリート劣化を抑えて長寿命化を図ることで経済的にも有効だとされています。
今、何より求められている温室効果ガスの排出削減政策としてはもちろんですが、入居者の家計の光熱費負担の軽減、それから建物の長寿命化にもつながります。来年度の予算案を見ると、ここ入っていないようですが、ぜひ県営住宅の断熱化を、できるところからでも、まず取りかかるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
中塚住宅課長 秋山委員の再度の御質問にお答えいたします。
国の来年度予算説明資料によりますと、今後、新築する公営住宅の省エネ水準につきましては、ZEH基準が原則とされるほか、既存の公営住宅の
省エネ対策や再生可能エネルギー対策に係る改善事業を支援の対象とすることが明確化されております。
一方、県営住宅につきましては、これまでも大規模な住戸改善工事に併せて、平成24年度から順次断熱対策を進めてきたところであり、今後も引き続き国の支援制度を活用して、住戸内部の改善工事の機会を捉えて、入居者が安心して生活できる県営住宅の断熱化に努めてまいります。
秋山委員 もうZEHの基準でということになると、また、いろいろと大変な部分も出てきますし、予算も大きなものにもなってくると思います。
繰り返しになりますけれども、この温室効果ガスの排出削減、これは本当にやっていかなきゃいけないと。それに加えて、住民の住生活の質の向上、それから光熱費負担の軽減、加えて、さっきも言うたように断熱化の工事、業者を地域で育てていくっていうことで、地域の事業者の発展や地域の活性化、これらの点でも住宅の断熱化っていうのは非常に重要だというふうに思いますし、有効な政策だというふうに思います。
土木部は大きな予算もあります。いろんなやらないかんことが当然あるんですけれども、その土木部でこそ、この脱炭素化を思い切って進めていくっていうことを、ぜひやっていただきたいなということを強く求めまして次の質問に移ります。
質問の2点目は、耐震化の促進についてです。
南海トラフ巨大地震など、これまで我々が経験したことのないような大きな揺れが起こる地震が来るということが予測もされておりますが、県民の命と財産を守るため、建築物の耐震化をしっかりと進めなければならないと考えます。
先ほど松岡委員の質問とその答弁でも少し触れられていましたが、とりわけ、民間住宅の耐震化について、まず県のお考えをお示しください。
須賀土木部次長 秋山委員の民間住宅の耐震化についての御質問についてお答えをさせていただきます。
南海トラフ地震の発生確率が高まるとされている中、県民の皆様の生命、財産を守るため、住宅の耐震化を促進することは重要な課題であると認識しておりまして、県におきましては、平成23年度から各市町と連携して、民間住宅の耐震診断や耐震改修に係る費用に対する補助制度を行ってきているところでございます。
秋山委員 先ほどの説明の中で、それぞれの診断と改修の目標も持って取り組まれているというふうにもありました。今お答えいただいたように、耐震診断への補助、耐震改修への補助があって、それぞれの市町とともに、県としてその負担分を出して補助支援をしているということです。
耐震化を進めていくインセンティブとして、とにかく使いやすい制度にすることが必要です。現在の制度では、耐震改修工事に要する費用として、耐震改修が必要な箇所に限定して、その費用のみが補助対象となっています。私が聞いたところによりますと、実際には耐震の改修が必要な部分の周辺の壁とか、細かい接合部分なんかの修繕など、一連の改修でどうしても同時に工事が必要な箇所が出てくるんだけれども、それが補助対象から外されてしまうということです。周辺の壁なども含めて、耐震工事に伴う工事全体を補助対象としてほしいという声がありますが、県としてどのように対応していくお考えか、お伺いします。
また、耐震改修を進める上で実施設計をつくりますが、本県では、この高額な設計料も含めて補助の上限額が決められているところです。高知県などは、本体工事とは別に、この設計部分に対する補助制度を設けています。本県でも実施設計に対する補助を別枠で設けるべきだと考えますが、いかがでしょうか、併せてお伺いします。
須賀土木部次長 秋山委員の再度の御質問にお答えをさせていただきます。
まず、耐震改修の実施部分の周囲を補助対象とすることにつきましてでございますが、実際の耐震改修工事を契機に、例えば耐震改修を行った壁以外の部屋全体の壁紙を貼り替えるリフォームを行うようなことも考えられるものの、厳しい財政状況の中、喫緊の課題である県民の皆様の生命、財産を守るっていうことを優先し、民間住宅の耐震対策支援事業に取り組んでいるところでございまして、合わせて行われる工事とはいえ、耐震化と直接関係のない工事を補助対象にするっていうのは困難であるというふうに考えております。
それから、2点目の耐震改修設計に要する費用に対する補助について、委員お尋ねの実施設計に対する別枠での補助につきましては、一般的な住宅の改修工事では、設計施工一括して工務店等の事業者に発注する場合が多いにもかかわらず、設計と施工を別の補助メニューにすることになりまして、申請回数が増えることになるため、申請者にとっての利点が少ないほか、補助を活用して設計を行った後、申請者の意向等によりまして耐震改修工事を行わないケースも考えられまして、結果として耐震改修につながらないことから困難と考えているところでございます。
秋山委員 どうしても耐震化工事が必要な箇所があります。しかし、そこを直すに当たったら、普通にそこにつながってる部分とかっていうのは、どうしてもいじらんといかん、触らんといかんていうときに、今、次長も言われてましたけど、あまりにも壁の色が明らかに変わってしまうとか、不自然になってしまうとか、要は、ぜいたくしたいとか、うまげにしたいから工事をしよるというふうな話じゃなくって、耐震改修をするに当たって、どうしてもそういうような細かいほかのところ、周辺の部分っていうのも出てくるんだから、そこは一緒に見てほしいよというふうな要望です。実際に即した柔軟な対応っていうのは求められるんだろうと思います。使いやすいものにしていく必要があると思います。
実施設計の部分についても、結構、設計料は高額ですから、かなりの負担ていうのを使う側が負担していかないかんようになったときに、そこでそんなにお金がかかるんだったらっていうようなところを乗り越えてもらうための、より強いインセンティブ、これが耐震化を強力に進めていくために必要だと思いますので、本当に使いやすい補助制度にすることを検討していただきたいというふうに思います。
それから、リフォーム改修を行う建築業者からは、こういう声があるんですけど、申請に伴う資料の作成がとにかく大変なんだと。必要な書類が多い、配置図、各階平面図、立面図や断面図や土地に関する図面等々、本当にここまでの図面が必要なのかと。中小の工務店からしたら、本当に負担が大きいようです。私は、この申請書類の簡素化も必要だと考えますが、いかがでしょうか。
須賀土木部次長 秋山委員の再度の御質問にお答えをさせていただきます。
補助申請手続の簡素化についての御質問でございますが、補助申請書につきましては、適正な補助金の交付を担保するため、補助実施主体である市町におきまして、耐震改修を行う箇所を示す平面図等の図面のほか、施工状況の写真や建設資材の出荷証明書など所要の耐震性能が確保されたことを確認できる耐震診断及び耐震改修の履行状況等に関する資料の添付を求めているところでございます。
このうち、全数箇所の添付を求めております耐震補強部分の施工状況写真等につきましては、建築士が適切に工事監理を行ったことを証明することで一部の資料を省略できないか、今年度、実際に窓口で補助申請事務を行っている市町の担当者と簡素化の検討を行いましたけれども、現時点では簡素化に慎重な市町もあったところでございます。
今後も、引き続きこの申請手続の簡素化については、市町も含め検討を進めていきたいというふうに考えております。
秋山委員 市町を通じて、そういう働きかけもしていただきよるというふうなことで、もちろん、税金を使った適正な補助ですので、そこをちゃんとした申請がされないといけない、そこを確認しないといけないというのは当然おっしゃることは分かりますので、私も具体的にいろいろ話を聞く中で、中小の工務店の方、ここまで大変なことをして、自分でいろんな作業をして調べてあれしてっていう書類をつくってやらないかんのだったら、もう補助金分ぐらいの値引きするから、もうこれでやってくれと、こらえてくれというふうに施主にお願いをしたというような話まで私は聞きました。これだと、結局、工務店側が割を食うようなことになりますし、せっかく補助金があっても、もう何をやってるのか分からないというような事態にもなります。
耐震化の補助っていうのは、地元の事業者の仕事にもちゃんとつながっていくようにしていかなければならないというふうに思います。繰り返しますが、補助の増額とともに申請の簡素化というのも、ぜひ進めていただきたい、検討していただきたいというふうに思います。
安心・安全の耐震化を進める点でもう一点、現行の制度だと、1981年5月31日以前に着工された戸建て住宅などが補助対象となっています。これは、阪神・淡路大震災の倒壊等の被害が1981年以前の建物に多く、その反省に立った新耐震基準を満たしているかどうかを根拠としているためです。しかし、2000年には接合部の仕様や壁の配置方法を明確化するなど、さらに厳しい耐震基準へと見直しがされています。
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合──木耐協ですかね──の示したデータによりますと、1981年以降の、いわゆる新耐震基準で建てられた建物でも、その中の、実に85.9%が現行の耐震基準を満たしていないということが分かりました。やはり、1981年以前のものではなくて、現行の基準である2000年以前の建物を耐震補助の対象へと拡大すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
須賀土木部次長 秋山委員の再度の御質問にお答えをさせていただきます。
昭和56年以降の住宅も補助対象にすることについての御質問でございますが、県では、倒壊の危険性が高いとされます昭和56年5月以前の旧耐震基準で建てられた住宅を対象に、各市町と連携して耐震補助制度を実施しているところでございます。
建築基準法におきます木造住宅の耐震基準は、過去の地震被害を踏まえ、昭和56年6月と平成12年6月に大きく改正されており、昭和56年には、地震に抵抗するために必要な壁の量が、それまでの約1.4倍に強化されております。平成12年には、地震時に柱とはりや土台などの軸組が外れないように接合する部分の強度や壁をバランスよく配置することが明確化されたところでございます。
実際の地震被害としまして、平成29年に国が取りまとめた熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会の報告書によれば、益城町中心部での木造建築物の被害は、旧耐震基準の場合、倒壊率は28.2%となっておりまして、新耐震基準のうち、平成12年5月までに建てられたものは8.7%、平成12年以降の2.2%と比較して顕著に高い結果となってございます。
こうしたことから、県といたしましては、大地震時に倒壊するなどして人命を損なうなどの重大な被害が生じるおそれがある昭和56年以前の旧耐震基準の木造住宅について、最優先で耐震化の推進を図ることが喫緊の課題であると考えておりまして、委員御質問の昭和56年以降の新耐震基準の住宅を新たに補助対象にすることについては難しいと考えているところでございます。
県としましては、今後も各市町と連携し、引き続き補助制度の普及啓発や運用改善等に取り組みたいと考えているところでございます。
秋山委員 喫緊でまず対応していくっていうのは、それは必要だと思いますので、いまだに昭和56年以前の建物については、とにかくすぐにやっていかなければいけない、それはもう当然です。しかし、どんどんどんどんいろんな地震が来てる、地球がどうなってしまってるんだろうという大きな地震が起こってる、これまで我々が想像してなかったようなことになってくるかもしれない。そういうふうなときに、新耐震基準が震度6強の地震で倒れない基準というようなことも言われておりますが、ただ、今、次長が説明いただいたように、この現行の基準、平成12年ですね、2000年にきちんと見直しされた、その基準だと、壁の配置のバランスとか接合部の仕様って、しっかりと規定されたと。例えば、壁の数がたくさんあっても、それが北側に偏ってたりとか、南側にでっかい縁側があって、掃き出しの窓があったりとかしたら、大きな揺れが来たときにねじれてしまって倒壊する危険性が高くなってしまうとか、壁の力が強かったとしても、接合部分が弱かったら、揺れてねじれたときに、そこが外れてしまったら、結局、倒壊の危険性が高くなってしまうと、こういうようなことがあるから、具体的な配置基準や接合部の仕様が規定されたわけです。
本当に県民の命、財産を守っていくと、そういう耐震化を進めていくという点においては、ここをしっかりと重く受け止めて考えていくべきじゃないかと思うんですけども、次長、もう一度、御答弁をお願いします。
須賀土木部次長 秋山委員の再度の御質問にお答えをさせていただきます。
先ほども先生からもお話があったように、そういったように、住宅の耐震基準は随時変化をしているところでございます。私どもとしまして、そういう変化も十分踏まえながら、ただ、先ほども御答弁させていただいたとおり、喫緊の課題である昭和56年以前というところが倒壊率が3割、益城町の熊本地震でもなってるというところでございます。現時点におきまして、そういったところを主眼としつつ、秋山委員おっしゃるような制度の改正については、十分情報収集しながら耐震改修の促進に努めてまいりたいというふうに考えております。
秋山委員 要望です。
繰り返しになりますけど、本当に予想だにせんような大きな揺れとかということが来ますので、県民の命、財産を守るという視点で、この住宅の耐震化がより安全な基準で進んでいくように、国に対しても、これは強く働きかけていただきたいというふうに思います。
補助の仕様などについては、県として、より一層の耐震化促進を進めていくっていう、今、次長が言うてくれましたけども、これに力を尽くしていただきますように強く要望して私の質問を終わります。
森委員 私のほうからも、今、秋山委員のほうからも住宅の耐震の関係の話もありましたけど、この耐震についての現状と対策についても少しお伺いしたいと思います。
先ほどからも話が出ているように、南海地震ですね、巨大な地震が今後30年以内に起こる確率が非常に高いっていうふうに言われているわけでございます。そういう中で、今の話にもありましたように、ある時期以降の建物については耐震構造がなされているという話もありましたし、そういう対応もしているということです。
そういう中で公共建築物に対しては、この間、耐震補強工事が結構なされているんだろうと思いますけども、個人の住宅については、今それぞれ話もありましたけど、なかなか実際は難しいんでないかなあと思っております。補助事業があったとしても、それをもってして耐震補強工事をしたかって、なかなか全部が全部できてない。そのカバー率っていうのは、全体的にそれほど満足できるパーセンテージではないんでないかと思っております。
県として、県下の個人の住宅の耐震ができていない状況はどの程度把握されておるんでしょうか。当然、市町に協力要請して行わなければ、これは難しい問題だと思っておりますけれども、また、市町や県で災害に対するハザードマップを作成して災害対策を行っているというのは、この間、十分お聞きしましたし、それも見させていただいております。そういう中で、住宅倒壊によるハザードマップっていうのが、じゃあ、現実にどの程度つくられてるとか、どの程度認識されているっていうのがよく分かりませんけれども、現実的に、大規模地震なんかによって、香川の場合でしたら、そこまで津波とかそんなんは少ないんですけども、家屋が倒壊しての交通遮断が起きるっていうことは十分予想されると思っております。
私自身の住む三豊・観音寺地域も、やはり最大震度7というような状況が言われております。これは、当然、地盤の軟弱性とか、そういう問題があるから言われているわけなんでございますけれども、こういう中で下敷きになって多くの人的被害が予想されていると思うんです。そういう中で今後の対策、どういうふうな状況になった場合、どうやればいいのかとか、そのために、今、秋山委員の中でお話がされてましたけども、助成制度を使っての耐震補強をどこまでやるのか。
よくあるんですけども、現実問題として、じゃあ、日本国内に多くある文化財の社寺建築物、地震によって潰れてないのも結構ありますよね、潰れているのもあると。専門の部会の中では、そういうのは検討されたし、その結果とか状況っちゅうのは常に調べているんだろうと思いますけども、そういうことも考えますと、なかなか大きなところで、やはり県として、そういう問題意識も持って対策せんといかんと思うんですけども、そのことについてお聞きしたいと思います。
須賀土木部次長 森委員の住宅の耐震化の現状と対策についての御質問にお答えをさせていただきます。
まず1点目、県下の個人住宅の耐震化の状況についての御質問でございますが、委員御指摘のとおり、南海トラフの発生確率が高まるとされている中、県民の皆様の生命、財産を守るため、住宅の耐震化は喫緊の課題となってございます。
委員お尋ねの住宅の耐震化率は、県におきまして、
国土交通省から示された方法によりまして、総務省の住宅・土地統計調査において行われる抽出調査による値を基に推計をしておりまして、本県の最新の状況でございますが、平成30年現在で、居住世帯のある住宅の総戸数が県内約39万8000戸と推計しておりまして、このうち、耐震性ありとされる住宅は約32万8000戸でありまして、率にしまして82%となっております。この結果、前回、推計を行ったのが平成25年でございまして、そのときは78%でございました。それから4ポイント上昇しておりまして、全国平均の87%は下回っている状況にございます。
今年度策定しました香川県
耐震改修促進計画の第3次におきましては、令和7年度の目標を91%としておりまして、より一層の取組が必要と考えております。
2点目でございますが、住宅の倒壊によるハザードのお話もありまして、その中で、今後の対策をどのように考えているのかということの御質問でございますが、委員御指摘のとおり、住宅倒壊によるハザードマップというものはございませんけれども、県が公表しております香川県地震・津波被害想定の震度分布図におきましては、南海トラフを震源とする最大クラスの地震が発生した場合、本県のほぼ全域で震度6弱以上の強い揺れが発生する想定となってございます。旧耐震基準で建築されました木造住宅は、一般的に震度5強以上の揺れにより倒壊または、倒壊しないまでも建物が大きく損傷を受ける可能性があると考えられます。
県の方針としましては、このため、住宅の耐震化をより一層促進するために、各市町と連携し、これまで実施している耐震化の補助や広報等により一層取り組む必要があると考えております。とりわけ、委員からもお話がありましたが、なかなか耐震改修に踏み切っていただけない方もいるんじゃないかという話もありましたが、県民の皆様に耐震化の必要性などを御理解いただけるよう普及啓発に力を入れたいというふうに考えておりまして、各市町にも普及啓発に効果的に取り組んでいただくため、今年度、県と市町による住宅耐震化緊急促進アクションプログラムを作成したところでございます。
この中では、県民が気軽に耐震改修を実施できる体制づくり、住宅の耐震化の重要性を認識してもらうためのきっかけづくり、耐震診断をした住宅を耐震改修工事に確実につなげるための仕組みづくりを掲げているところでございます。
このプログラムに沿いまして、県と市町においては、戸別訪問や補助制度を利用して耐震診断を行った住宅についての耐震改修の働きかけ、改修事業者等の技術力向上などに取り組むこととしておりまして、年3回程度開催する会議において、取組の実施状況の確認や効果の検証──先ほど言った文化財の話、そういったところ、どこまでっていうのはありますけれども──先導的な取組、どういう改修があるかとか、そういった研究とかいい事例とか、そういったところの確認もしくは共有、そういったことを行っているところでございます。
今後も、この会議を通じまして各市町と協議を重ねながら、より効果的な施策の推進を図りたいと考えているところでございます。
森委員 今聞いた中で、県下の震度6以上という話もあります。現実に、今、考えておかなければならないのは東日本大震災ですね。あれが、これまで想定した以上だったと。国は、想定した以上と急に言い出したわけですね。ところが、それから1000年前の事象には、それと同レベルの地震があって、津波があったというような事実もありました。それを単純に想定しなかっただけで、ああいう結果が起こったわけですよね。
東海・東南海が今後30年以内に起こるというのは、この間、1000年を超えての中でも、最短で70年、最長で百三、四十年ごとに地震が起こってるから発信しているわけで、直近では、戦後に起こった震災がありますし、その前でしたら、多分、江戸時代ぐらいだと思うんですけども、そのときの具体的な震度についても、個々の分は出てないわけですよね、想定するのが多分震度6以上だろうと。その間、先ほども言いましたけど、地盤の軟弱とかそんなんで三豊・観音寺地方だったら、ほかが震度6でも震度7だというような話もあります。これは、先ほど言ったように、粘土地層ですから、そういうことが起こるんだろうと思うんです。
それでいきますと、なかなか単純に想定、想定と、この間、いろんな部分で言ってますけども、本当にそれでいいのかどうか。最大規模が起こったら、どこまでひどくなるかっていうようなシミュレーションも今後しておく必要は若干あるんではないかなと。それが来なければいいというんであって、来たときの対策っていうのが、やはり難しいと思っております。
そういう意味で、耐震する場合に、約20%ぐらいの耐震ができてない状況があると。当然、被害が起こったら、それに対する対策として、いろんな場所に派遣される救援部隊とか資材とかが、結局、そこは通れなくなった。現実に道はあるんだけど、陥没して通れなかったとかが発生する率っていうのがないとは言えないだろうと思います。そういう意味で、先ほど聞いたように、ハザードマップまで大きくなくても、具体的に、最低限、この道っていうんですかね、この路線は確実に生きているというのを常に想定はすべきでないかなあと思うんですけども、そういう考えについて、もしあればお聞かせください。
須賀土木部次長 森委員の再度の御質問にお答えをいたします。
住宅の倒壊等の想定の件でございますが、全国的に南海トラフ地震があったら、どれぐらいの方が負傷したり家が倒壊するとか、そういうマクロな数字はあるところでございますが、個別の、例えばエリアで、どのエリアの住宅が倒壊するとかっていうのは、なかなか個別の住宅の耐震性っていうのは、個人の家ということもありまして、私どもも十分把握できていないところもあり、インフラとかであれば、そういう診断などを行って、どれぐらい被害が出るとか、そういうことを基にいろんなハザードを検討することは可能になってくるわけですが、そういうこともありまして、例えばハザードマップ、こういう形で、この辺の住宅がっていうのは、なかなか技術的には難しいところでございます。
また、委員の御質問の中の交通の遮断という部分については、なかなか被害の想定っていうのは難しいわけでございますが、県においては、緊急輸送道路のうちのDID地区内の第1次輸送確保路を指定しておりまして、この沿道に面する建築物で、おおむね道路の中心線を越えて倒壊するようなところについては補助制度等を設けて、その周辺沿道建物の建築物の耐震化率の向上っていうことを施策として図っているというところでございます。
以上でございます。
森委員 ありがとうございます。
今、地震についていろいろお話を聞いたんですけども、そういいながら、正直言うて、今、結構怖いなというのが地震以外にまた出てきまして、火山の噴火という話が少し出てますけれども、現実に、今、休火山、活火山という部分でいきますと、多分そういうところが爆発すると、そういいながら、もう皆さん、いなくなってしまうんでないかなというような状況もあります。それが、先ほど言いましたように、100年とか1000年とかの単位でなくて、何万年単位で地球上で起きているということですから、それを言い出すと、もうしようがない、何ちゃせんでええ、いたときにはいてしまえってなってしまいますけども、それは特別な例だとして、少しでも災害が起こったときの生き残るすべとしての計画を、ぜひ県としても積極的に活用して計画を練って、各市町さんとも十分議論しながら、そういう非常時の対策っていうのに積極的に活用して、対策を常に考えていくということをお願いして、これは要望しておきますけど、次の質問に入らさせていただきます。
港湾の埋築事業なんかのことについてお聞きするんですけども、最近、私の出身の隣の観音寺で埋立てを行って、工場誘致ということで予算化もされております。この港湾の埋立ての基準、そういうのは、どういうふうな形でやっているのかどうか、教えていただきたいというのと、市町の要請があって行うものかどうか。そうでなくて、県が独自でいろんな状況を確認しながら埋立てを行っていくというような形になっているのか。そういうところの基準とかがもしあるんでしたら教えていただけたらと思います。
西川土木部長 ただいまの森委員の港湾の埋築事業についての御質問にお答えいたします。
まず、近年、港湾で実施してきた埋立てといたしましては、安定型産業廃棄物とともに建設残土やしゅんせつ土砂の埋立処分場を確保することを目的として、廃棄物埋立護岸事業により海域に外周護岸を整備し、埋立地を造成する方法と、港湾機能強化を目的として、港湾改修事業により海域に岸壁や外周護岸を整備し、建設残土やしゅんせつ土砂を盛土材として埋立地を造成する方法の2つがございます。
高松港を例に御説明いたしますと、安定型産業廃棄物等の処分場確保を目的に行う埋立てといたしましては高松港の香西西地区がありまして、廃棄物等の処分場を確保しますとともに、砂・砂利等の内貿物流機能の移転集約及び背後地域の住工混在の解消を図るため、平成2年度の港湾計画の変更で廃棄物処理用地の位置づけを行い、その後、平成6年度に埋立免許を取得する際には、廃棄物処理用地に緑地や製造業用地の土地利用を計画した上で、長期間にわたって廃棄物等の処理用地として活用し、平成28年度に埋立竣工するまで20年を超える埋立てを行っております。
一方、港湾機能の強化を目的とする埋立てといたしましては高松港国際物流ターミナル整備事業がございまして、港湾機能の強化を図るため、平成9年度の港湾計画の変更でマイナス12メートルの耐震強化岸壁等を位置づけ、その後、平成19年度に埋立免許を取得し、平成23年度のマイナス12メートルの耐震強化岸壁の暫定供用を経て令和元年度に埋立竣工するまで10年余りの期間で埋立完了しております。
そして、委員御指摘の観音寺港三本松地区におきましては廃棄物埋立護岸事業による埋立てを行い、業務施設用地及び製造業用地の確保による地域産業の振興などを目的として平成11年度に埋立免許を取得し、全体で約11.8ヘクタールの分譲地を整備する計画とし、20年余りの年月を経て令和2年1月と令和3年1月に合計で約6.1ヘクタールの分譲地を部分的に埋立竣工したところであり、残る5.7ヘクタールの分譲地を含む区画では、現在もしゅんせつ土砂の受入れを行っている状況でございます。
今、御説明いたしました港湾の埋立てを含め、公有水面の埋立ては、国有財産である公有水面に権利を設定するものであり、非常に高い公共性が求められております。このため、公有水面埋立法により、当該埋立ての目的、出願者の資力及び信用、事業計画及び資金計画の内容、工事実施の方法等を厳重に審査し、当該埋立てを的確に遂行する意思と能力を有すると認める場合のみ免許が認められることとなっております。
また、本件海域では、瀬戸内海環境保全特別措置法に基づき、昭和49年5月に瀬戸内海環境保全審議会が答申した埋立ての基本方針におきまして、瀬戸内海の環境の悪化を防止するため、埋立ては厳に抑制すべきとされており、やむを得ず認める場合においても、公有水面の埋立免許に当たっては、環境保全上から特別な配慮をしなければならないとされております。
こうしたことから、公有水面の埋立てにおいては、環境保全の観点や地域の実情も踏まえ、公益上やむを得ない場合に限り認められているところであり、県が行う埋立地の選定に当たっては、埋立ての目的を明確にするとともに、事業コストや埋立地の利便性等を比較検討した上で、地元市町の意向なども含め総合的に勘案しております。
以上です。
森委員 私、ちょっと不勉強で、今聞いた中で少し質問させてもらうんですけども、廃棄物を埋めるということなんですけども、当然、その廃棄物の種類等についても、ある一定の規制がかかるもんだと思っております。そういうのでいくと、産廃を埋めるところがないから埋立てするのか、そうでなくて、埋立予定するから、そこへ産廃を入れるのか、そのあたりについて教えていただけたらと思います。
西川土木部長 今の産業廃棄物との関係でございますけども、今申しました廃棄物埋立護岸事業の実施につきましては、県のほうでは、港湾の維持しゅんせつなど県内港湾事業によって生じるしゅんせつ土砂の処分先が、先ほど申しました観音寺港だけになっておりまして、新たな処分先を確保するところが喫緊の課題となっております。
そういったことで、昨年度、庁内の関係部局による研究会を設置いたしまして、直近5年間のしゅんせつ土砂や建設残土の処分量、また、県内廃棄物の将来推計等も参考に検討を行った結果、今後、20年から30年間の間に確保が必要な容量を約300万立方メートルと推計し、今後、埋立てによる海面処分場を整備することが必要と判断したところでございます。
そういったことで、安定型産業廃棄物の処分場とともに、港湾のしゅんせつ材、そして、陸上の建設工事で発生する建設残土等を処分する場所を確保する必要があるということで、そういった考えに基づき実施しております。
森委員 産廃と言いながら、しゅんせつ土砂とか、建築物を潰っての後の資材とかコンクリートとか、そういうものだというふうにお聞きしましたけれども、それでいくと、しゅんせつ土砂とか産廃を捨てる必要がなければ、この埋築工事っていうのは──まあまあ護岸は別にしてですね──普通にいうところの埋立事業っていうのは計画しないのか。そうでなくて、いろんな状況の中で埋立てをしたほうがいいというところがあればするのか、そこの判断はどういう形でされているのか、お聞きします。
西川土木部長 再度の森委員の御質問にお答えいたします。
港湾の維持管理に当たっては、港の中で土砂等が堆積というか、たまっていくというか、そういったものがございますんで、そういった土砂をしゅんせつする必要がございますんで、仮にというか、必ずそういった事業については必要になってきますんで、埋立て等については必要であると考えております。
森委員 当然、港ですから、だんだん土砂等がたまってきて、深さについても影響があるし、特に河川があるところですと、上流から相当量の土砂が流れ込みますから、当然、必要になるんだろうと思います。今聞いた中で、当然、そういうのが今後なくなっていくっていうのは、まず考えられませんから、いろんな意味での埋立事業っていうのが、ある一定、長期間の中では計画されていくんだろうと思います。
そういう中で、今後は、なかなか埋立てをして土地が造成されても売れなかったら、これ大変でございますし、そういう意味でいくと、売れる可能性があるところを事前に調査せざるを得んし、その近辺の工場立地条件とかも当然考える一つの目安になるだろうと思いますので、そういう部分で、いろんな市町なんかもそうですけども、そういう面からも対象地についての考え方をぜひしっかり持っていただいて、せざるを得んことですので、それをやめるべきとはよく言いませんけども、地元のいろんな意向を常に考えながら、その埋立てっていうのを計画していただくことを要望させていただいて私の質問を終わります。
花崎委員 それでは、私のほうから2点質問をさせていただいたらというふうに思います。
まず最初に、空港連絡道路についてお伺いをいたしたいというふうに思っております。
道路は、本県の産業、経済の活性化や県民の安全で安心な生活の確保、そしてまた、活力ある地域づくりにとって必要不可欠な社会資本であり、幹線道路のネットワークの整備を着実に進めるとともに、既存道路の適切な維持管理を行い、安全かつ快適な道路交通の確保に努めることが重要であるというふうに考えております。
幹線道路ネットワークのうち、高松西インターと高松空港を結ぶ空港連絡道路につきましては、令和2年11月議会で代表質問において、私から香南工区の整備状況について質問をしたところであります。知事からの答弁には、現在、整備を進めているバイパス区間1キロについて、令和3年度中の供用開始を目指し、側道及び歩道の工事を進めている。また、次の整備予定区間であるバイパス区間終点から南側の道の駅香南楽湯付近までについては、交差する県道三木綾川線など高架構造で行うという計画であり、橋梁詳細設計を進めているというふうに答弁をいただいたところでございます。
その後、その進捗状況は今どうなっているのか、お伺いをいたしたいというふうに思っております。
西川土木部長 ただいまの花崎委員の空港連絡道路についての御質問にお答えいたします。
高松西インターチェンジと高松空港を結ぶ空港連絡道路は、本県の高速交通体系の整備効果や高松空港の拠点性を最大限に生かし、生産性の向上や交流人口の拡大に資するとともに、地域活性化につながる民間投資を後押しするほか、防災面においても重要な道路であります。
現在、平成30年度に事業採択された県道岡本香川線から高松空港までの香南工区約6キロメートルの整備に取り組んでおり、まずは空港までの分かりやすいルートを確保するため、高松市道香川綾南線より北のバイパス区間約1キロメートルの整備を重点的に進めてきたところであります。
バイパス区間の整備に当たりましては、事業効果の早期発現を図るため、委員御指摘のとおり、令和2年11月県議会の代表質問で知事から、本線2車線の外側にある側道及び歩道について、令和3年度中の供用開始を目指して整備を進める旨、御答弁申し上げておりましたが、空港までのより分かりやすい、走行しやすいルートを確保するため、側道だけでなく本線2車線も併せて供用を行うこととし、これまで整備を進めてきたところであります。
このように、本線2車線の工事が新たに必要となったことから、先月末2月末までには改良工事はおおむね完了しているものの、引き続き舗装工事や交通安全施設工事を実施する必要があるため、供用開始については、瀬戸内国際芸術祭開幕前の来月4月12日となる予定であります。また、バイパス区間の供用開始に合わせまして、その前後の区間についても、案内標識や路面標示を設置し、空港までのより分かりやすいルートの確保を図ることとしております。
一方、次の整備予定区間でありますバイパス区間から南側、道の駅香南楽湯付近までの約500メートルにつきましては、交通の円滑化及び付近の小・中学校に通学する児童・生徒やこども園に通う園児の通行の安全確保を図るため、交差する県道三木綾川線及び高松市道香川綾南線などを高架構造で跨ぐ計画であります。
昨年度に橋梁詳細設計を実施し、工事については、今回のバイパス区間の供用開始までに高松市道香川綾南線の北側の橋梁の下部工の一部については先行して完了させる必要がありましたことから昨年8月に着手し、先般、完了したところであります。
今後は、引き続き、先般御議決をいただいた令和3年度補正予算や御提案している来年度当初予算により南側の橋梁下部工事を進めますとともに、県道三木綾川線より南側の用地買収に着手することとしております。
今後とも、地元関係者の皆様の御理解と御協力をいただきながら、引き続き事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
花崎委員 空港連絡道路の整備状況につきましては、今伺って、よく分かりました。
私も、先般、この質問に当たって現場を見てきたところでありますが、部長がおっしゃっているとおりに、着々と進んでいるなという状況を確認いたしました。
そしてまた、この質問に関連して、道路の管理についてお伺いをいたしたいというように思っております。
昨年6月議会の本委員会で質問を行いましたが、日常的なパトロールをさらに強化することを検討し、道路の適切な維持管理を行い、県民の安全・安心の確保に努めるとの答弁をいただきましたが、その後の対応状況についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
そしてまた、県民が道路の異常を発見した場合に、それらの情報を道路管理者に連絡する手段としてのシステムの導入の検討を要望いたしましたが、その後の対応状況についてどのようになっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
西川土木部長 再度の花崎委員の御質問にお答えいたします。
道路は、県民の皆様が日常生活を行う上で最も身近なインフラであり、道路施設の適切な維持管理を行い、利用者の安全・安心の確保に努めることが非常に重要であると考えております。このため、道路の日常の維持管理につきましては、点検内容や点検要領、点検頻度等を定めた道路パトロール実施要領に基づき、平常時の通常パトロールと夜間パトロールに加え、地震や大雨などに対応して非常時パトロールなどを実施するとともに、県民の皆様から道路上での異常の発見との連絡をいただいた場合にも、速やかに損傷などの確認を行い、修繕等を行っているところであります。
委員お尋ねの日常的なパトロールの強化の検討状況としましては、先ほど説明いたしましたパトロールのうち、通常パトロールにおける巡視の方法を見直すこととしております。具体的には、現在は県内5事務所のうち、高松と中讃
土木事務所においては、それぞれの管内を2つの区域に分け、区域ごとに契約している建設業者2社が、長尾と西讃
土木事務所、小豆総合事務所については、それぞれ管内全域を契約している建設業者1社が、県が貸与した車両を使用し、1週間から2週間で各事務所管内の県管理道全路線を一巡するように実施し、道路上の落下物を発見したり、舗装の状態や視線誘導標などの交通安全施設の損傷、交通に支障となる樹木の状況などを確認し、車両や歩行者の通行に支障がある場合には、道路上の落下物を収集したり、舗装の応急的な補修や道路に伸びている樹木等の枝打ちなどを行っております。そして、その場で対応が困難な場合には、応急措置やバリケードなどによる安全措置を行った上で、別途契約している維持業者により維持修繕工事を速やかに行っております。
この維持修繕工事は、各事務所の管内を細分化したエリア、一番少ないので小豆総合事務所で6エリア、中讃
土木事務所で一番多くて18エリアでございますが、このエリアで半年ごとに発注しており、来年度からは、この維持修繕工事に巡視を含めて発注し、各エリアの維持業者が巡視と維持修繕工事を一連で行う方法に改め、まずは高松事務所管内の東側の区域、中讃
土木事務所管内の東側の区域、それと西讃
土木事務所管内で試行することとしております。
今回の見直しによりまして、細分化されたエリアで、そのエリアを熟知した維持業者が巡視等を一連で行うことで、きめ細やかな現場対応が可能となり、巡視時の見落としを減らすとともに、迅速な対応にもつながるものと考えております。
また、これまでは貸与した車両を用いて、県の各事務所を日々の巡視の発着地点としていましたが、今後は、貸与する車両を細分化したエリア内の維持業者間で引継ぎして使用する方法に改め、事業者の事務所等が発着点となることで巡視ルートの重複が減り、今回試行する西讃
土木事務所管内を例にいたしますと、走行距離を約2割程度縮減できると試算しておりまして、巡視時間の短縮につながることから、パトロールに要する人件費等も縮減できるものと考えております。
今後は、今回試行する3つの区域において上半期、下半期に分けた工事発注を行い、その状況について受注業者などから意見を聞き、効果の検証や問題点を改善した上で、令和5年度から県内全域に拡大することを検討していきたいと考えております。
また、委員お尋ねの道路の異常発見の際の通報システムの導入の検討につきましては、県民の皆様が道路の異常等を発見した際に、無料通話メールアプリLINEを利用し、スマートフォンで異常箇所の状況や位置を写真や地図情報を用いて道路管理者に伝えることができるよう、現在、導入に向けて準備を進めております。
システムの導入については、来年度の4月から6月までの3か月間を土木部職員や先ほどの維持業者を対象とした試行運用期間に、その後の7月の1か月間を試行運用を踏まえた改良や最終調整期間とし、8月から一般向けに公開して本運用を開始したいと考えております。
県としましては、今後とも、日常的なパトロールの実施等により安全で快適な通行の確保のため積極的に道路の維持管理に取り組み、地域の皆様の御協力をいただきながら県民の皆様の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。
花崎委員 大変きめ細やかに説明をいただいて、よく分かりました。
県において、地域経済や県民生活を支える基本的なインフラである道路の整備と、そしてまた維持管理について、引き続きしっかりと取り組んでいただきたいというように要望いたしときたいと思います。
次に、下水疫学調査の検討事業についてお伺いをいたしたいというように思います。
本県における新型コロナウイルス感染症の感染状況は、昨年末頃から今年初め頃にかけて、変異株であるオミクロン株による感染拡大の状況が見えています。1月下旬以降から、連日、新規感染者が100人を超え、最近は400人を超えるという日もあるなど感染が非常に拡大をしております。本県では、1月21日から3月6日までまん延防止等重点措置の適用を受けるなど非常に厳しい状況であるというふうに認識をいたしております。
昨年9月議会では、新型コロナウイルス感染症への検査体制を確保、強化するための増額補正のうち、土木部では下水疫学調査を行うとのことであり、私も本委員会で、この下水疫学調査の内容について質問をさせていただいたところであります。まず、この下水疫学調査をどのように実施しているのか。そしてまた、現在までの調査結果はどのようになっているのか、お伺いいたしたいというように思います。
村尾下水道課長 花崎委員の下水疫学調査検討事業についての御質問にお答えいたします。
まず、下水中の新型コロナウイルスの検出につきましては、一昨年の5月から日本水環境学会が下水処理場から採取した下水を用いて、新型コロナウイルスの定量分析手法の確立に向けた調査研究を開始し、昨年3月に下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアルを取りまとめております。
また、
国土交通省におきましても、昨年3月に下水道における新型コロナウイルスに関する調査
検討委員会を設置いたしまして、保健衛生部局の感染拡大防止対策に寄与できるよう下水中の新型コロナウイルスの濃度測定の在り方等について、6地方自治体の協力を得て検討を進めているところでございます。
これらの取組は、新型コロナウイルス感染症の発症の前段階からウイルスが感染者のふん便中に含まれることから、下水中のコロナウイルス濃度を測定することで、無症状でPCR検査を受検していない陽性者を含めまして早期に流行を検知できるのではないかという考え方によるものであり、本県においても、新型コロナウイルス感染症流行の早期検知の活用可能性を検証するため、昨年9月議会で予算を御承認いただき、下水疫学調査を行っているところでございます。
ウイルス遺伝子濃度の測定には、下水中に含まれる新型コロナウイルス濃度が非常に低いため、高度な技術が必要でありますことから、高感度で検出する技術を擁する民間業者に委託しております。具体的には、高松市管理の東部下水処理場と県管理の大束川浄化センターの下水処理場において、毎週定期的、週2回、流入する下水を採取し、これに含まれるウイルス遺伝子濃度を測定しているところであります。
これまでの調査結果についてですが、これまで開始から4か月余りが経過し、先日、2月24日まで2つの処理場で35回ずつ、合わせて70回調査を実施しております。調査開始時の昨年10月下旬には、感染拡大の第5波がほぼ収束していたため、昨年末の12月22日までに調査18回、2施設で36回になりますが、そのうち30回はウイルス遺伝子が検出されない結果であり、残る6回については、ウイルス遺伝子は検出されましたが、ウイルス濃度が低かったため、数値が計測できる最小濃度である定量下限値未満であり、濃度が測定できたものはありませんでした。
昨年末、県内でオミクロン株による市中感染の疑いが確認され、年明け以降、感染の急拡大が起こっておりますが、昨年末の12月27日から先月2月24日まで17回、2施設で34回調査し、ほぼ毎回、ウイルス遺伝子を検出しておりまして、ウイルス遺伝子濃度も測定できている状況であります。
花崎委員 現在までの調査結果について御答弁をいただいております。
感染者が急増してからは、ウイルス遺伝子の検出がされているということでございまして、そこで、この結果をどう利用していくのかということをお伺いいたしたいというように思っております。
村尾下水道課長 花崎委員の再度の御質問にお答えいたします。
調査結果の利用についてです。
現在、調査結果については、広く県民の皆様にお知らせするため、その都度、県のホームページで公表しております。現在までの調査結果からは、資料の採取日における新規感染者数とウイルス遺伝子濃度には明確な相関関係、濃度が2倍なら新規感染者数が2倍になるなど、そういった明確な相関関係が確認できる状況ではありません。
一方、先ほど御答弁申し上げたとおり、
国土交通省においては、昨年3月から下水道における新型コロナウイルスに関する調査
検討委員会を設置して、保健衛生部局の感染拡大防止対策に寄与できるよう検討を進めているところであります。
土木部としましては、今後も健康福祉部と調査結果の情報を共有しながら、国における検討状況を注視し、下水疫学調査を
新型コロナウイルス感染症対策に役立てることができるかどうか、検討を続けていきたいと考えております。
花崎委員 この下水疫学調査が新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に有効になるということを、まず健康福祉部と協力しながら進めていっていただいて感染防止に役立てるようによろしくお願いをし、質問を終わります。
松原委員長 暫時休憩をいたします。
午後は、1時より再開いたします。
(午前11時54分 休憩)
(午後 0時56分 再開)
松原委員長 再開をいたします。
質疑、質問を続行いたします。
五所野尾委員 それでは、交通安全対策ということで質問をさせていただきます。
昨年6月28日に千葉県の八街市で、下校途中の小学生の列にトラックが突っ込み、小学3年生と2年生の男子児童が死亡するなど児童5人が死傷するという事故が発生しました。この事故を受けて、当時の菅総理大臣が、今後、このような悲しく痛ましい事故が二度と起きないよう通学路の総点検を改めて行い、緊急対策を拡充強化し、速やかに実行に移していくと述べ、文部科学省、
国土交通省及び警察庁の3省庁が連携し、全国で通学路の総点検が実施されることとなったわけでございます。
一方、本県の昨年における交通事故死者数は前年比22人減の37人ということで、72年ぶりに30人台となったわけですが、それでも人口10万人当たりの交通事故死者数は全国ワースト3位にとどまり、厳しい状況が続いていると言えると思います。そこで、本県における通学路の総点検の実施状況について伺いたいと思います。
西川土木部長 ただいまの五所野尾委員の交通安全対策についての御質問にお答えいたします。
県では、通学する児童・生徒の安全確保を図るため、通学路において、毎年、県内十数か所を対象として、教育委員会、県警察と合同で、道路を利用する側の視点に立った交通安全総点検を行うとともに、平成24年に発生した京都府亀岡市での事故や令和元年に発生した滋賀県大津市での事故を受け、関係機関と連携し、通学路や未就学児が日常的に集団で移動する経路における緊急行動点検を実施しております。これらの点検での結果や地元市町、小・中学校などの要望等も踏まえ、歩道の設置や交差点の改良、防護柵等の交通安全施設の整備などの交通安全対策を進めてきたところであります。
一方、委員御指摘のとおり、昨年6月に千葉県八街市で、見通しのよい直線道路で下校中の児童の列にトラックが衝突し、5名が死傷する事故が発生するなど通学路における痛ましい事故が後を絶たないことから、文部科学省、
国土交通省及び警察庁が連携し、通学路における交通安全を一層確保する取組として合同点検を実施することとなり、7月に3省庁連名の通学路における合同点検等実施要領に基づく合同点検を全国で実施するよう通知があったところであります。
国からの通知を受け、児童やPTA等からの情報を基に、各学校及び市町教育委員会が通学路における危険箇所としてリストアップした1,555か所において、昨年8月下旬から県内各地で学校、PTAや地元警察署と道路管理者である国、県、市町が連携し、順次合同点検を開始し、11月上旬に全ての箇所で点検が完了いたしました。
点検の結果を踏まえ、対策が必要となった箇所は、点検までに対策を行った箇所などの80か所を除いた1,475か所となっており、このうち、国や県、市町の道路管理者において対策が必要な箇所は659か所、県管理道においては259か所となっております。
五所野尾委員 相当多い箇所が上げられたようでございますが、この総点検の結果を受けて、県の管理道路での今後の対策と取組についてお伺いをしたいと思います。
西川土木部長 再度の五所野尾委員の御質問にお答えいたします。
合同点検により対策が必要とされた県管理道路の259か所については、地域の実情に応じ、県道まんのう善通寺線などの165か所では、即効性の高い防護柵の設置や路面標示の新設等の対策を行うほか、まんのう町の国道438号など94か所では、抜本的な対策として歩道の設置や交差点改良などを実施することとしております。
一方、昨年12月に開催された国の交通安全対策に関する関係閣僚会議において岸田総理から、合同点検の結果、対策が必要な箇所については、令和5年度末までに対策をおおむね完了できるよう取組を進めるとの方針が示されたところであります。
そのようなことから、県としては、対策の実施に当たり、これまで国の交付金や県単独事業に加えて、来年度、国において新たに創設される通学路緊急対策の補助制度も活用し、可能なものから速やかに実施することとしており、即効性の高い対策を行う165か所につきましては、今定例会に御提案している来年度当初予算案9,300万円余を計上するなど令和5年度末までに完了する予定であります。
しかしながら、抜本的な対策である歩道の設置や交差点改良等が必要な94か所につきましては、令和5年度末までに26か所が完了する予定でありますが、残る68か所は用地買収が必要であり、完了までに時間を要しますことから、当面の対策として、来年度中に路面標示の設置などの対策を行うこととしております。
今後とも通学路合同点検等の結果を十分に踏まえ、地元市町や関係者の皆様の御協力をいただきながら県警察や教育委員会等とも連携を密に図り、子供たちが安全で安心に通行でき、悲惨な事故が発生しないよう交通安全対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
五所野尾委員 非常に多くの箇所、また緊急性を要するところについては、いろいろ手を打ち始めているということでございます。また、来年度予算で相当進むということでございますので、ぜひとも子供たちの安全・安心のために頑張っていただくようお願いして終わりたいと思います。
石川委員 2問について質問をさせていただきます。
まず、風水害対策について質問いたします。
近年の地球温暖化などによります気候変動により自然災害が激甚化、頻発化しておる中、これまでの河川、下水道、砂防、海岸などのそれぞれの管理者が主体で行う対策に加えて、地域全体のあらゆる関係者による治水対策の全体を取りまとめたところの取組について、流域治水プロジェクトが策定され、公表されました。
流域治水プロジェクトは、ハード、ソフト両面から流域治水を推進するため、様々な対策を3つに分類し、その実施主体を見える化するとともに、目標達成に向けたロードマップを作成し、実施主体がそれぞれと連携をしながら取り組んでいくというものでございます。それで、県では、ハード対策として、地震・津波対策、河川整備、砂防ダムなどの対策推進に努めていると聞いております。ソフト対策として、市町がハザードマップなどで水害リスク情報を住民に周知していくことや、県が土砂災害警戒区域を指定するなど平常時から危険性を周知しておく取組も重要であります。
そこで、流域治水プロジェクトにおけるソフト対策についてどのように取り組んでいるのか、お伺いをいたします。
西川土木部長 ただいまの石川委員の風水害対策についての御質問にお答えいたします。
本県の流域治水プロジェクトは、県内を7つの圏域に分割し、ハード、ソフトの両面から流域治水を推進するため、様々な対策を、委員御指摘のとおり、3つに分類いたしまして、まず、1つ目といたしましては、氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策、2つ目としては、被害対象を減少させるための対策、3つ目としては、被害の軽減・早期復旧・復興のための対策に分類した上で、各対策の実施主体や目標達成に向けたロードマップを明示し、実施主体間が連携して推進することとしております。
そういった中で、流域治水プロジェクトにおけるソフト対策としては、3つに分類した対策のうち2つで実施しておりまして、まず、2つ目の被害対象を減少させるための対策といたしまして、市町が居住機能や医療、福祉、商業、公共交通等の都市機能の誘導を図る立地適正化計画を策定する場合、県におきまして、災害リスクの低いエリアへの居住地の誘導に関する助言を行うこととしております。
次に、3つ目の被害の軽減・早期復旧・復興のための対策としましては、具体的に5つの対策を掲げておりまして、そのうち、まず1つ目は、洪水浸水想定区域図の作成、土砂災害警戒区域の公表、2つ目は、ハザードマップの改良・周知・活用であり、県では、これまでに高潮浸水想定区域図を県内全ての海岸域において、また、洪水浸水想定区域図を水位周知河川等14河川において策定しますとともに、ダムの下流河川においても作成を進めているほか、住宅等の防御対象がある小規模河川についても、築堤区間の有無や浸水が想定される範囲の人口試算等により優先順位をつけて作成することとしており、今年度は、国の補助事業により実施している一の谷川など7河川と、それらの隣接河川など18河川を合わせた25河川の作成に着手し、来年度以降も引き続き作成することとしております。
一方、土砂災害に対しましては、これまでに土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンを8,048か所、そのうち、人命に著しい危害を生じるおそれのある土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンを6,623か所公表し、危険性の周知に努めるとともに、公表箇所のうち、地元関係者の同意が得られないなどの理由によりイエローゾーンやレッドゾーンが指定できていない16か所につきましては、指定に向けて市町との協議や地元関係者への説明を行っているところであります。
これらの洪水浸水想定区域図や土砂災害警戒区域等のデータについては市町に提供するほか、国や各市町等と設立している香川県大規模氾濫等減災協議会で今後の作成、公表予定について情報共有し、各市町における計画的なハザードマップの作成につなげているところであります。
また、3つ目は、防災教育の促進、要配慮者利用施設の避難確保計画の作成の促進であり、小学校等に対し、土砂災害などを題材に、ハザードマップの見方や早期避難の重要性についての出前授業を今年度は高松市牟礼町において行うなど防災教育を実施しているほか、県と市町が連携し、要配慮者利用施設の避難確保計画を作成できていない施設に対して作成を促す要請を行っており、今後も引き続き取り組むこととしております。
さらに、4つ目は、ICT等を活用した洪水情報の提供であり、河川水位を常時観測するための従来型の水位計94か所に加え、平成30年度からは、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策も活用して、洪水時の水位観測に特化した危機管理型水位計を洪水の危険性が高い箇所や地域の水防活動の開始の指標となる箇所など107か所に設置したほか、河川監視カメラを水位周知河川等のネック箇所18か所に設置しているのに加え、簡易型のカメラも浸水の危険性が高い21か所に設置し、洪水情報の提供に努めております。
最後の5つ目は、洪水時のホットラインの構築、タイムラインを活用した避難訓練として、平成29年度に
土木事務所長等と各市町長等との間でホットラインを構築し、速やかに水位の状況等を伝えるようにしており、今後は、タイムラインを活用した避難訓練についても市町と連携して取り組んでいけるようにしたいと考えております。
県としましては、近年、頻発化、激甚化している大雨に伴う洪水や土砂災害から県民の皆様の安全・安心を確保するため、各市町と連携しながら流域治水プロジェクトのソフト対策により一層取り組んでまいりたいと考えております。
石川委員 ただいまは、県内の水系の治水プロジェクト、7つのブロックに分けてきめ細かくやっていただいておると、また、その対策についても、3つに分けて取り組んでおられるというふうでございまして、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
それで、県においては、平常時より水害や土砂災害の危険性を住民に周知していくことはよく理解できましたが、大雨のときなどのいざというときには、河川水位などの防災情報を早く確実に提供して、市町の水防活動が早くスムーズに活動できるよう支援していくことは重要なことであると思っております。
そこで、台風接近時などの災害が起きる可能性が非常に高いときの防災情報の提供について、どのように取り組んでおられるのか、お伺いをいたします。
西川土木部長 再度の石川委員の御質問にお答えいたします。
台風接近時などの大雨の際に、雨量や河川の水位等の水防情報を土木部が所管する水防情報システムにより収集、処理し、香川県防災情報システムに配信することにより、県のホームページのかがわ防災ウェブポータルで河川管理者や市町など水防関係者の水防活動を情報面から支援するとともに、県民の皆様へ提供しております。
この現在運用している水防情報システムは平成21年度に導入しており、耐用年数の10年を超えることやメーカーによる部品の生産やサポートが終了していく中、水防情報を収集・処理し、配信するサーバーの老朽化に伴い、一時的に水位情報が表示されないなどの不具合が生じていることから、新たなシステムへの更新に向け、本定例会に来年度予算1億3000万円余、令和6年度までの債務負担行為として、限度額2億5000万円を御提案しており、御議決いただければ、来年度、更新工事に着手したいと考えております。
現在の水防情報システムでは、水防情報の収集・処理及び配信をそれぞれのサーバーにより行っているのに対し、新たな水防情報システムでは、情報技術の進展に伴い、処理能力が高いサーバーに一元化することにより機器費や保守管理費などのコストの削減も図ることとしております。
また、先ほど説明いたしました洪水時の水位観測に特化した小型で低コストの危機管理型水位計のデータにつきましても、新たな水防情報システムに取り込み、かがわ防災ウェブポータルで従来型の水位計と同一画面で確認できるようにし、県民の皆様が利用しやすく、適切な避難行動につながるようにしたいと考えております。
これらのシステム等により得られる情報により、水位周知河川等の水位が避難氾濫水位や氾濫危険水位に到達したときや、気象台と共同で土砂災害警戒情報を発表する際などには、先ほど申し上げたとおり、
土木事務所長等から避難情報の発令を判断できる市町の首長等に対し、速やかに状況を伝えるためのホットラインを構築しており、市町における速やかな避難情報の発令につながるようにしていきますとともに、今後のタイムラインを活用した避難訓練につなげるため、まずは迅速かつ効率的な防災行動を取るための多機関連携型タイムラインの作成について、国、県、市町などの関係機関が連携し、検討を行うこととしております。
県といたしましては、県民の皆様の生命や財産を守るため、台風接近時など災害時の迅速かつ確実な情報伝達や適切な避難行動を促すためのソフト対策に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
石川委員 大雨のときなどの防災情報の提供につきましては、市町の水防活動がスムーズに活動できるように、きめ細かくやっていただいておるということで安心をいたしております。
水害や土砂災害から県民の生命、財産を守るのは政治の仕事でありますが、計画を立てて執行していくのは、行政を担当している皆さんであろうかと思います。あらゆる関係者と協力、協働してハード、ソフト対策を推進していただき、災害に強い、住みやすい県土づくりに頑張っていただきますよう期待をいたし、お願いを申し上げ、風水害対策についての質問を終わりまして、次、2点目の汚水処理事業の広域化・共同化についてをお伺いいたします。
下水道事業などの汚水処理事業の広域化・共同化については、昨年6月議会の代表質問で、その取組状況と今後の方針についての質問に対し知事より、令和2年6月に法定協議会を設置し、関係市町との協議を進めており、令和4年度末までに計画を策定するとの答弁がありました。
この協議会では、全県的な統合を目指すのではなく、共通の課題を抱えている事業者が実施可能な範囲での協議を進めると聞いておりますが、一昨年の法定協議会の設置から、もう2年近くになろうとしている中、取り組んでいる共通の課題について、これまでどのような協議を行い、どこまで協議が進んでいるのか、お伺いをいたします。
竹内土木部次長 石川委員の汚水処理事業の広域化・共同化についての御質問にお答えいたします。
下水道などの汚水処理事業者は、施設の老朽化に伴う大量更新期の到来や人口減少に伴う使用料収入の減少等により、今後、経営環境がますます厳しくなるものと考えられ、効率的な事業運営が一層求められているところであります。
このような状況の中、汚水処理事業の広域化・共同化については、平成30年1月に国から計画策定要請の通知があり、それを受け関係市町との協議を開始、協議の一層の推進や法的な位置づけを明確にするため、令和2年6月1日に県内全ての汚水処理事業者が参加する下水道法第31条の4で規定する協議会、香川県汚水処理事業効率化協議会を設置したところです。
この協議会設置後、これまで各市町長などで構成する協議会を2回、担当課長らで構成する幹事会1回、担当者で構成する分科会を11回開催しており、各汚水処理事業者が取り組むべき共通の課題である複数の事業を統合する広域化としては2つ、また、事業を共同実施する共同化としては9つ、合わせて11の施策メニューについて協議を進めているところであります。
この主な進捗状況として、広域化メニューの一つである公共下水道と農業集落排水との統廃合については、農業集落排水を公共下水道へ接続することによる管理施設の削減や既存施設の有効活用に向けた検討を行っており、現在、3市1町、具体的には丸亀市、善通寺市、さぬき市、三木町でございますが、この3市1町で下水道の事業計画の変更や農業集落排水施設の財産処分及び下水道の接続協議を行い、そのうち、さぬき市と三木町では公共下水道への接続工事に着手しております。
また、もう一つの広域化メニューでありますし尿の下水道投入につきましては、今後、老朽化に伴い施設の更新が必要となるし尿処理施設について、下水道施設で処理を集約するに当たっての処理能力や費用削減効果等について協議しておりまして、今後は、統合に向けての作業スケジュールや関係者との費用負担の調整などについて、さらに協議を行うこととしております。
一方、共同化メニューのうち、災害時の対応としてのBCPの共同実施や応急復旧資機材の共同備蓄などについては、大規模地震を含む災害時の広域的な連携強化に向けて協議を行っており、今後は、新たに香川県汚水処理事業BCP連絡会議を設置し、広域化、共同化計画の策定後も、定期的な会議の開催や合同訓練の実施等を行っていくこととしております。
そのほか、公営企業会計導入の共同実施や汚泥の集約処理、処理場、ポンプ場の維持管理の共同実施などの施策メニューについても協議は進めておりまして、今月末には第2回幹事会を開催し、今年度までの協議状況を取りまとめて報告を行う予定であります。
今後は、広域化や共同化におけるメリットやデメリットを明確にした上で、共通の課題を抱える事業者が一体となり、より効率的な効果的な事業運営を目指すことができるよう関係市町等の意見を十分に聞くとともに、自主性にも配慮しながら取りまとめを進め、来年度末までの計画策定に向け、着実に協議を進めてまいりたいと考えております。
石川委員 いろいろと協議を重ねていただいておるようでございますけども、社会的な環境も随分変わってきておりまして、効率的な管理が大きな課題になっておるようでございまして、その点についても協議が大切でないかなあと思っております。
それで、昨年の6月議会の本委員会で、汚水処理事業の広域化・共同化に関連をしまして、下水道の汚泥処理についての斉藤議員の質問に対して、燃料化や堆肥化、肥料化を含め、汚泥の集約処理について検討するとのことでありましたが、その後どのような検討がなされているのか、お伺いしたいと思います。
竹内土木部次長 石川委員の再度の御質問にお答えいたします。
まず、下水汚泥の処理の実態としましては、昨年度、県内の全ての下水道の終末処理場で発生した脱水後の汚泥の量は約2万9000トンであり、このうちの約10%をコンポスト化して肥料として再利用しております。それから79%をセメント等の建設資材へ再資源化しており、残りの約11%は、管理型最終処分場において焼却、埋立処分を行っておる状況でございます。
一方、平成27年の下水道法改正では、下水汚泥の処理は、脱水、焼却等により、その減量に努めるとともに、発生汚泥等が燃料または肥料として再利用されるよう努めなければならないとされております。この下水道法改正の趣旨を踏まえまして、県が管理する流域下水道の大束川、金倉川の2処理区におきまして発生する年間約8,000トンの汚泥について、従来は全量をセメント再資源化処理しておりましたが、本年2月からは、大束川浄化センターで発生する汚泥の一部を堆肥化処理とする契約を行ったところであります。
一方、汚水処理事業の広域化、共同化計画における汚泥の集約処理につきましては、汚泥から燃料や肥料へ製品化した場合における需給バランスや汚泥の収集、運搬、処分を集約化した場合のコスト縮減、官民連携手法の導入可能性、関係法令への対応策について、関係市町の意見を十分に聞きながら、11の施策メニューの一つとして来年度末までの計画の取りまとめに向け、協議を進めてまいりたいと考えております。
石川委員 下水道の汚泥ですけども、8割近くがセメントの原材料として使われておるというのを認識いたしましたし、10%がコンポストとして家庭用の肥料、そういうふうにも使われておるんで、この点、家庭用の肥料なんかにコンポストとして使われるのも有効な手段でないかなあと思ったりいたしております。
下水道や農業集落排水のことが先ほどから出ておりましたけども、汚水処理事業は、施設の老朽化に伴う維持管理費の増大あるいは人口減少に伴って使用料が減少するというような、今後、経営環境がさらに厳しくなってくるのではないかなと思っております。将来にわたりまして健全な汚水処理事業の経営を維持していくためには、やはりスケールメリットを生かして効率的な管理が必要であろうかと思います。広域化、共同化を進めることが、これからの下水道事業については必要不可分なことでないかと考えております。令和4年度末の計画策定に向けての中で、この広域化、共同化への議論も大いに努めていただきたいと要望いたしまして質問を終わります。
山本(直)委員 それでは1点、キャッスルプロムナードの整備につきましてお伺いしたいと思います。
2月の今議会の我が会派による代表質問におきまして、キャッスルプロムナードにつきまして知事から、多目的広場や芝生広場を整備するという旨の答弁がありました。今後、サンポート高松での開発が進んでいきますと、県外からたくさんの人々が香川県にいらっしゃると。日本三大水城の高松城の歴史的な景観とか瀬戸内海の島々を望める環境にあるキャッスルプロムナードの整備というものは、ウオーターフロント部分でのにぎわい空間を創出しまして、より一層の交流につながるものでないかと考えております。
そこで、キャッスルプロムナードの詳細な整備概要や整備スケジュールにつきまして、現時点でどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
西川土木部長 ただいまの山本委員のキャッスルプロムナードの整備についての御質問にお答えいたします。
現在検討中の高松港の長期構想では、港町のにぎわい創出を目指すべき方向性の一つとして、ウオーターフロントのにぎわい空間の構築に取り組むこととしております。また、高松港の港湾計画では、サンポート高松周辺のウオーターフロントに緑地を連続的に配置する計画になっており、新県立体育館建設予定地北側のシーフロントプロムナード、離島行きフェリー乗り場周辺のハーバープロムナード、北浜アリー北側の北浜プロムナードを既に供用しているところであります。これらのプロムナードでは、訪れた方が港の景色を楽しみ、ゆったりとした時間を過ごせるよう、芝生広場や花壇、噴水、ボードウオーク、あずまやなどを整備したところであります。
委員お尋ねのキャッスルプロムナードにつきましては、先般の代表質問において知事から、ハーバープロムナードや北浜プロムナードとの連続性を確保するよう芝生広場や多目的広場を整備することとし、瀬戸内国際芸術祭の終了後、整備に着手する旨、御答弁申し上げたところであります。
キャッスルプロムナードは、先ほど申し上げたプロムナードをつなぐものであり、玉藻公園北側の国道30号に沿って、西は高速艇乗り場南側のロータリーから、東はレクザムホール北側にある玉藻町駐車場入り口までの東西約370メートル、奥行き約30メートルの港湾緑地であります。このうち、西側約70メートルについては高速艇送迎場や二輪車置場として供用しており、その東側約300メートルが現在未整備となっております。
そのキャッスルプロムナードの整備に当たりましては、玉藻公園の前面にあることから、港を眺望できる環境や史跡高松城跡の歴史的な景観を生かした魅力的な水辺空間をつくり出すことを考えております。これまでの整備に当たっては、高松城が日本三大水城の一つであることから、内堀と瀬戸内海をつなぎ、海水を取り込んでいたことを分かりやすく表現するために、高松城内の水門に向けての開水路整備をしたところであります。
今後は、未整備区間に芝生広場と多目的広場を整備しますとともに、玉藻町駐車場入り口付近においては、これまで宇高航路のフェリーの乗り場への出入口に面して交差する道路の形状が複雑であり、歩行者が安全に東西方向へ移動しにくい状況であったことから、宇高航路が廃止となっている現在、本事業に合わせて歩道を整備し、交差点改良を行うことで、道路北側において北浜プロムナードへの安全で快適な歩行者動線を確保することも計画しております。
そのような中で、まず芝生広場については、未整備区間約300メートルの西側約3分の2を予定しており、桜などの植栽を施すとともに散策路やベンチを配置する計画としており、利用者の海への眺望を確保するため、現在の地盤高さより1メートル程度盛り上げた構造としたいと考えております。
また、多目的広場につきましては、レクザムホール付近の東側約3分の1を予定しており、様々なイベント等の用途に利用できるようにしますとともに、新県立体育館等のサンポート高松周辺で開催される大型イベント時における大型車両の駐車場としての機能も有するよう石の板などを敷き詰めた構造とし、玉藻公園の歴史的空間とも一体となるような整備を考えているところであります。
今後、来年度前半までに詳細設計を行い、瀬戸内国際芸術祭の終了後、広場の整備に着手し、周辺で進められる新県立体育館等の整備に合わせ整備を進めてまいりたいと考えております。県としましては、魅力的な海辺空間を整備することでサンポート高松周辺のにぎわいの創出に努めていきたいと考えております。
山本(直)委員 ありがとうございます。
今お聞きしたんですけど、新県立体育館ができたときに、私たちが一番心配しとったんは、たくさんの人が来るわ、特に大型のバス等が来たときに、ここだけでほんまに大丈夫なかというような危惧をいたしました。今の話によりますと、そういった大型のイベントのときには、その大型車の駐車場として多目的広場も、そういった機能を持たせると、こういうことでいいですか。それでは、どの程度の台数といいますか、そういうのが駐車できるようになるのか。
それから、十分なスペースが──ちょっとメーター数どんなんかなとは思うたんですが、十分なスペースがそれで確保できるかどうか、その辺もまた再度お伺いします。
西川土木部長 再度の山本委員の御質問にお答えいたします。
今回、整備を行うキャッスルプロムナードの多目的広場につきましては、新県立体育館等のサンポート高松周辺で開催される大型イベント時における大型車両の臨時的な駐車場としての機能も有するようにしたいと考えており、多目的広場約2,000平方メートルに対して、大型車両20台程度が駐車できることを見込んでおります。
また、教育委員会からは、新県立体育館で大型イベント等が開催される場合、30台程度の大型車両の利用が見込まれ、体育館の敷地外に待機場所を確保する必要があると伺っております。このため、キャッスルプロムナードの多目的広場で20台駐車できるようにしますとともに、玉藻町駐車場の1階のスペースも活用することを検討しております。
このスペースは、古くは小豆島や宇野行きのフェリーに乗船する車両が待機する場所として利用され、平成13年に小豆島行きフェリー乗り場がサンポート高松へ移転したのに続き、平成24年に宇野行きフェリーの休止以降利用されていない状況でありますことから、新たな駐車場として活用するに当たっては、休止後使用していなかった消火設備の再稼働に向けた点検を行い、修繕等の必要性を検討したいと考えております。
いずれにいたしましても、県としては、海辺における新たなにぎわい空間の創出につながるキャッスルプロムナードの整備に取り組んでまいりたいと考えております。
山本(直)委員 キャッスルプロムナードの整備は、高松港沿岸部の回遊性を高めるということで、新県立体育館の開発事業と様々な形で連携することで、非常に重層的な魅力ができてくるんでないかと思っております。もちろん、様々な関係部局、多岐にわたると思いますので、そこら辺のきちっとした連携で頑張ってやっていただきたいと思います。よろしくお願いします。要望にとどめます。
松原委員長 以上で土木部関係の質疑、質問を終局いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
松原委員長 御異議なしと認め、土木部関係の質疑、質問を終局いたします。
本日はこれをもって散会いたします。
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