香川県議会 > 2014-11-03 >
平成26年11月定例会(第3日) 本文

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  1. 香川県議会 2014-11-03
    平成26年11月定例会(第3日) 本文


    取得元: 香川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-31
    ▼最初のヒットへ(全 0 ヒット)   出  席  議  員    宮  本  欣  貞 君    黒  島     啓 君    松  本  公  継 君    高  木  英  一 君    新  井  由  泰 君    西  川  昭  吾 君    広  瀬  良  隆 君    白  川  容  子 君    山  本  悟  史 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    佐  伯  明  浩 君    谷  久  浩  一 君    松  原  哲  也 君    氏  家  孝  志 君    山  下  昭  史 君    都  築  信  行 君    樫     昭  二 君    村  上     豊 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    十  河     直 君    香  川  芳  文 君    高  城  宗  幸 君    花  崎  光  弘 君    斉  藤  勝  範 君    大  山  一  郎 君    有  福  哲  二 君    新  田  耕  造 君    砂  川     保 君    綾  田  福  雄 君    白  井  昌  幸 君    尾  崎  道  広 君    平  木     享 君    水  本  勝  規 君    辻  村     修 君    五所野尾  恭  一 君    山  田  正  芳 君
       石  川     豊 君   欠  席  議  員    鎌  田  守  恭 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条による出席者           知     事  浜  田  恵  造 君           副  知  事  天  雲  俊  夫 君           病院事業管理者  小  出  典  男 君           政 策 部 長  工  代  祐  司 君           総 務 部 長  羽  白     淳 君           環境森林部長   川  田  浩  司 君           健康福祉部長   大  津  佳  裕 君           商工労働部長   伊勢野   正  憲 君           農政水産部長   松  尾  恭  成 君           土 木 部 長  小  野  裕  幸 君           知事公室長    和  田  光  弘 君           危機管理総局長  泉  川  雅  俊 君           観光交流局長   安  松  延  朗 君           水 道 局 長  木  村  清  貴 君           会計管理者    榎  本  典  昭 君           病 院 局 長  佐  伯     務 君           教育委員会    藤  村  育  雄 君           委  員  長           教  育  長  西  原  義  一 君           公安委員会    横  井  久  子 君           委  員  長           警察本部長    木  下  慎  哉 君           代表監査委員   林        勲 君           監 査 委 員  井  川     泰 君           事 務 局 長           人事委員会委員  東  条  正  幸 君           人事委員会    山  田  恵  三 君           事 務 局 長           労働委員会    小  河  恵  朗 君           事 務 局 長           政策部次長    野  本  祐  二 君    ─────────────────────────────     議  事  日  程(第三号)               平成二十六年十二月十六日(火)午前十時開議 第  一 県の一般事務に関する質問    ─────────────────────────────    (互礼) ◯議長(宮本欣貞君)ただいまから本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付のとおりであります。  日程に入るに先立ちまして、諸般の報告をいたします。  職員に朗読させます。    (職員朗読)   諸般の報告 一、監査委員から、地方自治法第百九十九条の規定に基づく報告一件を受理い   たしました。 ◯議長(宮本欣貞君)以上で諸般の報告を終わります。    ───────────────────────────── ◯議長(宮本欣貞君)日程第一、県の一般事務に関する質問を行います。  山下昭史君。    (山下昭史君登壇、拍手) ◯山下昭史君 皆様、選挙本当にお疲れさまでございました。今回の選挙結果を受けまして、はっきりと今後の進むべき方向が示されたと思います。これからは、本当の意味での景気の好循環へ向けた取り組み、成長戦略など、ぶれないアベノミクス、さらには地方創生へ邁進していただきたいと思います。  また、私たちも、この流れをしっかりとつかみつつ、中央だけに頼らない、本県独自の景気の好循環へ向けた取り組みを行っていかなければならないと強く思う次第であります。  これを踏まえて、通告に従い、私の一般質問に入らさせていただきます。  最初に、経済対策についてお尋ねします。  知事は、本議会冒頭の議案の提案理由の説明の中でも、人口減少・活力向上対策を総合的に推進するとともに、県内経済を発展させ、県民生活を豊かにするための施策など、本県発展のために必要な課題に全力で取り組みたいと述べられました。特に、この人口減少問題の解決策として大きな役割を果たす経済対策についてお聞きしたいと思います。  昨今、日本創成会議が発表した将来の人口統計分析から派生した消滅自治体が余りにもショッキングで、注目を集めています。ただ、この人口減少問題は、にわかに課題として浮き上がってきたものではなく、地方が慢性的に抱える課題であると思います。  本県の場合も、人口の自然増減は別として、十八歳、二十二歳の、進学・就職期を迎えた若者の転出が転入を大きく上回る社会減の状態が顕著に続いております。これにストップをかけるために絶対的に必要なものが、流出している十八歳、二十二歳の働く場があること、雇用の創出、そのための企業の創出・育成であり、すなわち地域経済の活性化、県内経済の持続的な発展であります。  そもそもアベノミクスは、日本の持続的な発展や国民の暮らしをよくするために、デフレの脱却と富の拡大を目指したものです。その中心となるのが三本の矢であり、第一の矢、大胆な金融政策、第二の矢、機動的な財政政策、そして第三の矢、民間投資を喚起する成長戦略であります。  この第一、第二の矢は、一定の効果をもたらしています。そして、その真価が問われるのが第三の矢であります。一朝一夕にその効果が期待できるものではありません。また、歴史が証明しているとおり、経済対策においては、これが正解という政策はありません。ひたすらに、よいと信じる政策を実行あるのみだと私は思います。  さて、このアベノミクス、今回の選挙戦でも、その効果を日本全国にあまねく浸透させるというのが公約の一つでもありました。確かに、景気回復への好影響は、実感として、また肌感覚としても、地方に届いていないのも事実です。ただ、このよい流れを待っていても、向こうからやってくるものでもありません。こちらからとりに行く、引き込んでいくという取り組みが必要ではないでしょうか。  その取り組みが、本県が独自に取り組んできた経済対策だと考えます。知事は、平成二十二年から、国の経済対策と歩調を合わせ、毎年、県単独の地域活性化・経済対策に取り組まれてきました。十一月補正だけを見ても、平成二十二年に約六十五億円、平成二十三年、平成二十四年に約五十五億円、さらには平成二十五年からは県単独で約五十六億円規模、さらに今回の補正予算では約六十六億円となっています。  本県独自の地域経済活性化の取り組みは、地元企業にとって非常に期待の大きなものであります。その効果があらわれているものとして、こちらも本県独自の政策である県内中小企業設備投資資金利子補給補助事業は特に好評で、多くの企業の設備投資の意欲を向上させ、昨年、制度の期限延長も行われました。これらは、知事がよく言葉にされる「県内の資金循環の促進」に大きな役割を果たすものであると考えます。ただ、この経済対策の効果、特に資金循環の促進がどのように進んでいるのか、明確にわかる指標がないのが残念です。  このような点も踏まえ、私は、経済対策において、これからの行政は、既存の枠組みを超え、積極的に地域経済へかかわっていく必要があるのではないかと考えます。先ほどの資金循環に関しても、県独自の調査を行い、経済対策予算がどのような効果を及ぼしているのか、また、より効果的に地域経済への刺激策のための調査・分析を行う取り組みがあってもいいのではないでしょうか、知事のお考えをお聞かせください。  さらに、経済対策のうち金融対策に対するお考えをお聞きしたいと思います。  金融対策については、十一月補正だけでも、平成二十三年から昨年まで三億円から五億円の予算が組まれています。今回は組まれていませんが、こちらは、景気の好転と民間資金が回り始めたなど、需要と供給を配慮してのことだと推察できます。  ただ、私が考えますのは、地域経済の活性化、つまり地元企業の成長、育成、さらには新規創業という観点から、積極的な取り組みが必要ではないでしょうか。これからの地方創生のための大前提となる地域経済の活性化のためには、思い切った取り組みが必要と考えます。  こうした観点から、知事は、今後の経済対策における金融対策について、どのように考え実行されていくおつもりなのか、お聞かせください。  次に、本県での成長戦略の基礎となる産業創出への取り組みについてお尋ねします。  社会課題解決型ビジネスについてであります。  先日、私は、茨城県つくば市にあるロボットスーツ製作会社サイバーダイン社を視察させていただきました。このサイバーダイン社は、人、ロボット、情報系の融合複合技術を駆使して、人に寄り添う革新的テクノロジーの研究開発から社会実装に至るまで、社会が直面する課題を解決し、その解決法をもとに新産業を創出するという目的で、二〇〇四年に設立されたものです。筑波大学大学院システム情報工学研究科山海嘉之教授最高責任者です。  代表的なものとして、足に装着するHALというロボットスーツを開発、生産しています。このHALは、体に障害のある人や介護が必要な人の足に装着し、歩くための補助もしくはリハビリに役立てるというものです。仕組みは、単なる補助具としてのロボットではなく、装着した人の微弱な脳波、運動ニューロンをキャッチし、ロボットスーツが足を動かすというものです。すぐれているのは、脳の信号をキャッチしてロボットが動くことで、足の筋肉からは動いたという信号が脳に戻ることで、途絶えていた脳と筋肉の信号のやりとりが復元され、最終的には歩くための機能改善が図れるというものです。  山海教授は我々に対し、「介護などの問題を解決するためにはビジネスとして成立させる必要があり、今後の大きなビジネスチャンスである。そのため、医療や介護の市場にこのロボットスーツの保険認定など、市場の開拓と構築が世界規模で必要だ」と話されました。実際に教授は、昨年、ロボットスーツHALでドイツの労災保険の適用を受け、世界初のロボット治療機器として、ヨーロッパでの機能改善治療を事業化しています。  このように、現代社会のさまざまな分野において発生する障害や解決すべき問題などの社会課題をテーマと捉え、それを解決する、または解決する過程で行われる提案や行動、行為を事業として行うことを、社会課題解決型ビジネスといいます。つまり、社会活動を目的的に見るのではなく、ソリューションビジネスとして、民間などからの積極的な提案として取り入れるというものです。  この社会課題解決型ビジネスへの取り組みは、高齢化や人口減少、さらには後ほど述べます農業の労働力不足の深刻な本県にとって、それを逆手にとる形で開発研究、実証実験を行うには非常に有効な環境であると思います。また、本県では既に、この社会課題解決型ビジネスへつながる先進的な取り組みを行っています。それが、かがわ遠隔医療ネットワーク、いわゆるK─MIXであります。  K─MIXは、県、県医師会、香川大学が協力して平成十五年にスタートした全国初の全県的な医療情報ネットワークで、高速通信回線を利用し、高画質で診断に耐え得る画像を伝送することで遠隔診断を可能にするものです。これは全国的にも注目を集めており、さらに今議会でも、円滑な画像診断のためのネットワーク基幹システムの改修として四千二百三十万円の補正予算が組まれ、日々進化を遂げています。  知事は、このK─MIXの取り組みをどのように進めていくおつもりか、お聞かせください。  さらに、知事は、この先進的な遠隔医療ネットワークの産業展開も視野に取り組んでいきたいとも述べられており、まさにこれこそが、医師不足による医療面での社会的な課題解決型のビジネス展開ではないかと考えます。  そこで、お尋ねします。  K─MIXを初めとする健康関連分野での社会課題解決型ビジネスを創出していくことは、本県にとっても非常に有益であると思いますが、知事は今後どのように取り組んでいくおつもりか、あわせてお聞かせください。  次に、農業振興についてお尋ねします。  先ほどの社会課題解決型産業という観点から見ますと、本県に限らず日本全国共通の問題である担い手不足、労働力不足は、既に社会的課題であると言っても過言ではありません。この労働力という観点から、二点について、知事の考えをお聞きします。  第一点は、農業全般の労働力を補うための農業用アシストスーツの実証実験の取り組みと、その効果についてであります。  農林水産省は、来年度から、農作業を手助けするロボットの開発支援に取り組むことを明らかにしました。この点からも、農業の労働力対策は、先ほどの社会課題の要素があり、また、認識されていることがうかがえます。  その農林水産省が取り組むロボットの一つが、体に装着し、農作業で腰や足にかかる負担を軽減するアシストスーツであります。農水省の取り組みは、この費用を半分程度補助するものであると聞いております。  このアシストスーツは、機械が入ることの難しい傾斜地の上りおりや狭い農地での作業を助けるもので、一度に二十キロ以上の収穫物を運ぶこともできるということです。まさに高齢化や担い手不足、人手不足を抱える農業にとって非常に効果的であると思います。農水省は、現在、一台当たりの値段が百万円から二百万円と高額なアシストスーツを量産化し、価格を五十万円以下にしたいとしています。農地面積が狭く、作業の複雑な本県の農業にとっても、非常に有効な労働力を補うものであると思います。  私の地元三豊市では、高瀬のお茶や曽保のミカンなどが有名で、皆さんも御存じと思いますが、これらのほとんどは山間部の急斜面で栽培されています。そして、こちらも御案内のとおり、その作業の厳しさから、高齢化と後継者不足担い手不足は深刻であります。それゆえに、私もこのアシストスーツには大きな期待を寄せています。  このような取り組みに先立って、農林水産省は、全国数カ所で実証実験を行っています。実は本県でも、ことし十一月から農業試験場などにおいて実証実験が行われています。残念なことに、このことは広く知られておりません。先ほども言いましたが、かんきつ類やキウイフルーツ、柿、桃などさまざまな果樹が傾斜地で栽培され、園地整備が進んでいない小規模農家が多く、また、高齢化が進み、女性の作業者が多いという本県の現状から、作業の軽労働化を進めるための実験であると伺いました。  私は、こうした現状を踏まえ、担い手の確保とともに、この労働力を補う有効な手段としてのアシストスーツの導入は早急に進めるべきと考えます。  そこで、本県で十一月から行われているアシストスーツの実証実験の経過と今後の見通しについて、知事の考えをお聞かせください。  第二点は、本県のレタスの生産拡大に係る労働力の確保や生産コストの低減についてであります。  レタス、特に冬レタスの生産拡大に関して、私はこれまでも何度かお伺いしてきました。本県の冬レタスは、現在も、園芸作物の中で作付面積、産出額ともに最も多く、本県を代表する重要な作物であります。  作付面積が一千五百三十ヘクタールと最も多かった平成七年には、主要な出荷先である東京都中央卸売市場で十月から三月に取り扱うレタス四万一千四百七十トンのうち、香川県産のレタスが一万一千百八十四トンとなっていました。レタスの産地別の市場占有率、つまり市場シェアは二七%と、全国一位でした。日本で最も多くの取扱量を誇る東京都中央卸売市場で一位ということは、日本で一位ということです。レタスイコール香川という全国に確固たる地位、まさにブランドとなっていました。  市場でのトップシェアを占めるということは、レタス以外の生産物の取り扱いにも影響を与えます。一番をとるということは、市場への影響力という効果もあるわけです。  しかし、この基幹品目であるレタスの平成二十四年の作付面積は、最盛期の平成七年から約五百ヘクタールも減っています。当然のことながら、東京都中央卸売市場での順位も四位となっています。その原因としては、最近のネギ、ブロッコリーと水稲等の複合経営により大規模生産を目指す農業法人が増加傾向にある一方で、レタス生産者については、平均作付面積が約〇・八ヘクタールの家族経営体が中心となっていること、これに加え、冬レタスの栽培には手間がかかることが挙げられます。  具体的には、家族経営体でありながら、マルチ張りや、香川の冬レタスの最大の特徴とも言えるトンネルの設置、そして収穫したレタスの包装など、二人以上で行う作業が多いのです。結果、収穫などの作業のピーク時に人が足りない労働力不足が発生しています。加えて、先ほどのトンネル設置の資材やレタスの包装機械などに多額の経費がかかります。労働力不足と多額の経費、この二つが、生産面積の拡大が進んでいない原因であり、レタス栽培を新たに始めようとする担い手や規模拡大を目指す生産者から、作業が集中する定植や収穫時の農作業支援に対する要望が特に高まっているとお聞きしました。
     私は、市場でのトップシェアの重要性から、四位に甘んじることなく、再びトップを取り戻すことが、本県農業にとっても、ひいては本県農業生産者の所得向上につながるものと考えます。  そこで、知事にお尋ねします。  先ほどのアシストスーツも含め、レタスの生産拡大のための労働力の補完と、資材など経費負担の軽減のための支援について、どのように取り組まれるおつもりなのか、お聞かせください。  次に、警察官のメンタルヘルス対策について、警察本部長にお尋ねします。  県民の安心・安全な暮らしを守るという責任重大な職務を担う警察官は、常に緊張状態を強いられ、重圧がかかっていることは、容易に想像がつきます。そのためにも、警察官は心身ともに健康で、いざというときにその能力を遺憾なく発揮できるような環境を整えることが必要であります。  そのためのメンタルケアが重要であると、三年前の九月議会でもお聞きしました。その際、内部でのメンタルヘルスのセルフケアシステムの活用や、部外の臨床心理士による相談、精神科医、弁護士による相談窓口を設置しており、職員全てが心身ともに健康で職務に専心できるよう取り組んでいきたいと答弁されました。  しかしながら、昨今、警察官の自殺が相次いでいます。特に、ことし四月の警視庁や十月の大阪府警での、拳銃を使った、しかも職場において自殺を図るという、非常にショッキングな事案がありました。その衝撃的な内容から、報道でとりわけセンセーショナルに取り扱われるということもありますが、それにしても、職場での自殺ということは精神的に尋常ではないことだと思いますし、それほど追い込まれてしまっていたのだと、心が痛みます。ただ、本県においても、職務・職責に大きな差があるわけではないだけに、警視庁や大阪府警で発生しているのであれば本県でも発生する可能性があり、対岸の火事とはいかないと思います。  こうした中、職業生活での強いストレスを感じている労働者の割合が高い状況で推移している点、また、精神障害の労災認定件数が、平成二十五年度では若干減少しているものの、平成二十四年度までは三年連続で過去最多を更新した点などから、厚生労働省は、来年平成二十七年十二月施行の改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度の導入を決めています。これは、医師・保健師等による心理的な負担の程度を把握するための検査を実施することが事業者の義務となること、労働者から申し出があった場合、医師による面接指導を実施することが事業者の義務となる点、また、申し出を理由とする不利益な取り扱いは禁止されるというものであります。  こうした動きの中で、非常時にはみずからの命を危険にさらしてまでも県民の安全を守らなければならないという職務・職責に対する覚悟と責任感、ストーカー犯罪危険ドラッグ乱用など犯罪が多様化し、マンパワーでしか解決できない事案に決められた人員でしか対応できないという体力的な問題、さらには、巨大な組織ゆえの人間関係の複雑さ、加えて、一個人、県民としての暮らしもある警察官は、極度のストレスにさらされる最たる職業ではないでしょうか。それゆえに、先ほどの改正労働安全衛生法ストレスチェックのように、いち早く警察官がみずからのストレスに気づくことを促し、ストレスの原因となる環境の改善などを図らなければなりません。  そこで、警察本部長にお聞きします。  心身ともに健全で県民の安心・安全を守る警察官のメンタルケアについて、どのように取り組まれているのか、また、改正労働安全衛生法なども踏まえて、激務である警察官のメンタルヘルスの不調の未然防止をどのように図るおつもりなのか、お聞きして、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(宮本欣貞君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)山下議員の御質問にお答えいたします。  まず、経済対策のうち、県内の資金循環の効果についてであります。  私は、地域と経済の活性化を図るため、県内経済の動向を注視し、機動的な経済対策を講じることにより、雇用を安定させ、労働者の賃金の増加につなげる、経済の好循環をつくることが重要と考えております。  このような考え方のもと、基調的に緩やかな回復を続けているものの、下方への局面変化を示している県内景気動向を踏まえ、地域と経済の活性化につなげるべく、今定例会に補正予算案を提案しているところであり、その経済波及効果は、間接波及効果も含め、投資額の一・七五倍の約百九億円と試算しております。  御指摘の、こうした資金の県内循環の効果をはかる指標としては、香川県景気動向指数、いわゆるかがわCIによる基調判断を初め、有効求人倍率、毎月勤労統計調査に基づく賃金指数等、県だけでなく国や民間金融機関等が発表する各種経済指標による景気動向や雇用動向、賃金動向などにより、総合的に判断しているところであります。  県では、経済統計を取り扱う四国財務局、四国経済産業局、香川労働局、日本銀行高松支店、株式会社日本政策投資銀行四国支店、一般財団法人百十四経済研究所、高松商工会議所等と定期的に、県内景気動向等について意見交換を実施しているところであり、今後さらに、国や民間金融機関等と連携を強化し、御指摘の点も踏まえ、地域経済の動向を的確に把握することに努め、効果的な経済対策を講じてまいりたいと考えております。  次に、経済対策としての金融対策についてであります。  本県経済の活性化を図るためには、地域資源や強みを生かした成長産業の育成・集積に積極的に取り組むとともに、新規創業や第二創業などに積極果敢にチャレンジする企業をふやすことが重要と考えております。  県では、こうした企業を資金面から支援するため、かがわ中小企業応援ファンドの支援メニューに、今年度から新たに、「成長のエンジンとなる分野支援事業」を加えるとともに、制度融資のうち、県内で新たに事業を開始する企業を支援する新規創業融資と、新事業・新技術の開発や新分野進出を図る企業を支援するフロンティア融資について、保証料率の一層の引き下げを実施し、事業者が参入しやすい環境づくりを行ったところであります。  地域の活力を生み出すためには、起業などを行う新たなチャレンジへの機運の醸成が必要と考えており、今後とも、金融機関や信用保証協会などとも十分連携を図りながら、議員がかねてから御提言されている官民ファンドも含め、地域経済の活性化につながる金融対策の検討を引き続き行うなど、さまざまな施策に積極的かつ機動的に取り組んでまいりたいと考えております。  次は、社会課題解決型ビジネスへの取り組みについてであります。  かがわ遠隔医療ネットワークK─MIXは、平成十五年の本格稼働以来、遠隔での画像診断などを通じ、医療機関の連携を推進しております。昨年度には、県内十五の中核病院の電子カルテ情報を共有するネットワークの構築を行い、K─MIXと連携させた、かがわ医療情報ネットワークK─MIX+の運用を開始したところであり、今定例会に提案しております補正予算案では、より円滑に画像診断が行えるよう、画像データ送信の高速化やセキュリティー面の強化などを実施することとしております。  今後においても、機能拡充や参加医療機関の拡大を図り、診療の効率化、患者、医師の負担軽減などに向けた医療連携モデルとして、官民を挙げてK─MIXブランドの確立に努めてまいりたいと考えております。  また、御指摘の社会課題解決型ビジネス健康関連分野において創出するために、同分野を産業成長戦略の成長のエンジンとなる分野に位置づけ、企業や医療・福祉関係者等で構成するかがわ健康関連製品開発フォーラムでの活動や製品開発への助成等に取り組んでおります。  さらに、今年度から新たに、福祉現場におけるニーズを発掘し、新たな製品開発等に結びつけるため、県内百四十の介護施設を対象に、介護従事者の負担軽減や入所者の生活環境の改善等に向けた課題調査を行い、入浴介助や介護記録のIT化など、約二百件のニーズを取りまとめたところであります。今後、この調査結果を県内企業に提供し、健康関連製品の開発を促進するとともに、製品改良のための福祉現場等でのモニタリングを支援することとしております。  私としましては、こうした取り組みを通じ、県内企業のすぐれた技術力や製品開発力を、健康関連分野を初めとするさまざまな社会課題の解決に生かすことにより、新たな産業創出につなげてまいりたいと考えております。  次に、農業振興のうち、レタスの生産拡大のための支援についてであります。  レタスは、御指摘のとおり、本県を代表する野菜であり、京浜市場などで一定のシェアを占めているものの、近年、作付面積が減少し、シェアも低下していることから、その産地の維持・拡大は重要であります。  このため、県では、作付拡大を促進するため、苗の移植機などの導入や集出荷施設の整備に対して支援しております。また、生産コストの低減を図るため、JAにおいて、今年度から新たに、中古施設や資材の有効活用に向けたマッチングシステムを立ち上げたほか、農業試験場において、御指摘のアシストスーツの実証や、トンネル栽培にかわる新たな省力栽培技術などの開発にも取り組んでおります。  さらに、御指摘のように、規模拡大を図るには、ピーク時の労働力不足を補完する必要があることから、外部労働力を活用した作業支援体制の整備に向け、現在、具体的な検討を進めているところであります。  県といたしましては、香川の顔とも言えるレタス産地の維持・拡大が図られるよう、今後とも、関係機関・団体と連携しながら、その生産振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  なお、その他の御質問につきましては、農政水産部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)松尾農政水産部長。    (農政水産部長松尾恭成君登壇) ◯農政水産部長(松尾恭成君)山下議員の、農業振興についての御質問のうち、農業用アシストスーツの実証試験の取り組みについてお答えいたします。  農林水産省では、民間企業、大学など異分野の力を活用し、これまで機械化が難しいとされてきた農業分野におけるロボット革命の実現を目指すこととしており、農業用アシストスーツも、期待される技術の一つとされております。民間企業と大学が国からの委託を受けて開発中のアシストスーツについて、国から現地実証を行うための委託先の公募が今年度途中にあり、これに応募したところ、採択されたことから、現場での普及性の検証や改良点の抽出を行うための実証試験に本県も参画しております。  本県では、府中果樹研究所において、十一月から来年度にかけて、研究所の職員だけでなく、年齢や性別の異なる県内の果樹農家の方々を対象に、収穫果実の積み上げ・積みおろし時や傾斜地を上る際の作業性や体への負担軽減効果などを検証するため、体験者の意見・感想を把握するとともに、心拍数や消費カロリーの測定を行うなど、今後の改良に必要なデータの収集を行うこととしております。  県といたしましては、このスーツは、樹園地など急傾斜地での作業者の負担軽減に大いに役立つ技術と期待しておりますことから、今回の実証試験の状況を踏まえ、国に対して、操作性の向上やコスト低減が図られるよう働きかけてまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)木下警察本部長。    (警察本部長木下慎哉君登壇) ◯警察本部長(木下慎哉君)山下議員の、警察官のメンタルヘルス対策についての御質問にお答えいたします。  議員に御指摘いただきましたとおり、警察の職責に鑑みますと、警察職員の心の健康づくりは極めて重要であると考えております。このため、県警察におきましては、警察官を初めとする職員のメンタルヘルス不調の予防と不調からの早期回復に組織一体となって取り組んでいるところでございます。  具体的には、まず、個々の職員がみずからの心の変調に早い段階で気がつくということが大切であることから、ストレスの自動診断システムを活用いたしまして、ストレス度を随時チェックするなどの取り組みを行っております。また、各所属に生活相談員を、本部に健康管理医や保健師を配置しているほか、部外カウンセラーとして精神科医等を委嘱いたしまして、職員の公私にわたる悩みや不安についての相談にきめ細かく対応しているところでございます。  さらに、早期回復対策といたしまして、メンタルヘルス不調に陥った職員に対し、所属、本部及び医師の緊密な連携のもとで、早期の医療機関の受診、試し出勤の実施等、職場復帰に向けたさまざまな支援を行っております。  こうした取り組みによりまして、平成二十一年度に比べて、平成二十五年度のメンタルヘルス不調による長期休業者数は大きく減少するとともに、その平均休業日数も、百七十五日から百十一日へと大幅に減少しております。  次に、改正労働安全衛生法に基づく対策についてでございますが、私ども、既にさまざまな対策は講じてきているところでございますが、平成二十七年十二月の同法の施行に向けまして、今後の関係規則の制定等も踏まえながら、必要な措置を適切に講じてまいりたいと考えております。  県警察といたしましては、引き続き、職員のメンタルヘルス対策をきめ細かく実施いたしまして、議員御指摘ありましたように、県民の安全・安心確保のため、職員が全力で職務に取り組むことができる環境づくりに努めてまいります。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)一般質問を続行いたします。  米田晴彦君。    (米田晴彦君登壇、拍手) ◯米田晴彦君 九月議会に続きまして、一般質問を行わせていただきます。  質問に入る前に、一言申し述べさせていただきます。  五〇・五六%、二人に一人が投票しない第四十七回衆議院議員総選挙は、代議制民主主義の根幹を揺るがす低投票率となりました。集団的自衛権行使容認問題、原発再稼働、TPPなど、国の方向を大きく左右する多くの争点があったにもかかわらず、半分の人が主権者として意思表示しない、自分たちの未来は自分たちが決めるという意識から遠ざけてしまった政治の現状に対して、一人の政治に携わる者として厳粛に受けとめ、政治への信頼回復に向け精進していくことを表明して、質問に入ります。  質問の一点目は、自然エネルギーの推進についてです。  十一月十二日、香川県も加わっている自然エネルギー協議会が、国に対して、「自然エネルギーによる地方創生に向けて」と題した提言を行いました。その背景には、折からの四国電力を含む一部の電力会社による接続保留問題があります。接続保留は、自然エネルギーの推進施策に水を差すだけでなく、積極的に自然エネルギー導入に取り組んできた事業者の経営に深刻な影響を及ぼしており、もっともな動きです。  提言は、地域内での経済循環を生み出す地産地消型の自然エネルギーを推進することが地方の創生につながること、二〇二〇年までに二〇%に倍増させるなどのような意欲的な自然エネルギーの導入目標を早く設定すること、電力系統の公平な運用と情報開示によって系統問題を解決すること、発送電分離の早期実現、固定価格買取制度FITの効果的制度運用と戦略的な価格設定、規制改革の推進を求めています。中でも、事業者にとって死活問題の接続保留問題について、より具体的に、系統容量や連系費用の情報開示の促進、自然エネルギーに対する連系上限の計算根拠の再検証、自然エネルギーの導入を拡大する柔軟な系統運用の義務づけ、地域間連系線や地域内送配電網の増強措置の計画的な推進、例外的な接続拒否理由の詳細説明の義務づけを求めています。これからも原子力村との闘いは続いていきます。  さて、私がこの提言の中で注目しましたのは、水素の活用についてです。提言はこう触れています。「自然エネルギーを最大限導入するためには、将来的には水素の活用が重要。自然エネルギーからの水素生成に係る技術開発や実証を進めるとともに、全国エリアを対象とした水素供給網や水素ステーションの整備、産業用燃料電池の利活用に向けた制度整備やインフラ構築が戦略的に進められるよう要望する」と。要するに、自然エネルギー普及の鍵は水素であるという点です。  水素は、クリーンであるという以外に、エネルギーとしてのすぐれた特性があります。水として地球上に無尽蔵に存在していること、宇宙ロケット燃料に使われるほどエネルギーとしてパワーが大きいこと、単位重量当たりの発熱量はガソリンの約二・七倍だそうです。燃焼しても空気中の酸素と反応し水になるだけで、CO2や大気汚染物質を排出しないこと、燃焼時の温度が二千度と高く、高温を必要とする産業への利用が期待できること、水素の発火点は五百七十度で、ガソリンの五百度よりも自然発火しにくいこと、全ての物質の中で最も軽く小さいので、万が一漏れ出しても素早く拡散することなどです。  また、ためるという面でも、バッテリーと比べて、バッテリーが変換部分と貯蔵部分を切り離せないのに対して、水素には切り離せるという利点があります。したがって、貯蔵量をふやそうとするとき、バッテリーだとパッケージごとふやさなければなりませんが、水素ならタンクを大きくするだけで貯蔵量を自在にふやすことができますから、石油の備蓄と同じように、国家や地域を賄える規模の自然エネルギーを確保するのに有効です。  また、水素は自然放電しませんから、長期間ためておくのに有効です。さらに、車に水素を積んで走る燃料電池自動車は、八百三十キロメートルの実証データも得られているようです。また、外出先で補充するとき、燃料電池自動車は三分で一〇〇%満タンになるのだそうです。まさに夢のエネルギー、いいことずくめです。  既に、エネルギーを水素としてためる技術の研究は進んでいます。私が四月に訪れましたデンマーク、風力発電の盛んなロラン島では、風力の余剰電力をためる媒体として、水素を活用したシステムの実証に先駆的に取り組んでいます。風力や太陽光が活発に発電して、電力需要を上回る電力を供給できる場合、余った電気で水を電気分解して水素を製造してタンクにためておく、風のない日や夜間など風力や太陽光の発電量を期待できないときに、ためておいた水素を使って燃料電池で発電し、電気と排熱を活用するという仕組みです。ロラン島では、水を電気分解して水素をつくる装置と、それを圧縮してためておくタンクが設置されており、この水素を住宅に引き込んで燃料電池で発電して電気と熱を供給する技術は、実用化目前まで来ています。  この技術が実用化されれば、従来から指摘されてきた自然エネルギーは不安定、電気は保存ができないという課題は解消します。水は地球上に無尽蔵に存在するわけですから、そこからエネルギーを取り出せる、保存がきくということになれば、CO2問題も解消、そして何より、これまで人類が繰り広げてきたエネルギーの奪い合いから解放されます。奪い合いから解放、脱原発、脱化石燃料の切り札、再生可能水素、いわゆるR水素、一大イノベーションです。エネルギーの民主化が図られます。  そこで、自然エネルギーの推進の方向性について伺います。  香川県に水は幾らでもあります。水と酸素と水素が永遠にくるくる回りながら、CO2を出さない、自然エネルギーで完結させる技術の開発にこそ、香川大学、かがわ産業支援財団と連携しながら、精力を傾けるべきだし、価値があると考えます。また、電気の一極集中から、送電コストのかからない地域独立型の仕組みを瀬戸内海の島々で意識的に展開すれば、離島振興、雇用の創出にも十分資すると考えます。  最先端の水から水素を取り出す技術開発、そしてR水素の活用に野心的に税金を投入して、自然エネルギー先進県に躍り出るべきと考えますが、知事の御見解をお聞かせください。  次に、税の滞納整理の取り組みについて伺います。  本県では、市町と連携し、香川県滞納整理推進機構を設立し、滞納整理に当たるなど、税の公平性の確保と納税秩序の確立に努めており、税の徴収に携わる職員の御苦労に敬意を表します。  さて、最近立て続けに、税金の滞納処分のあり方に対する県民の苦情を受け付けました。「一度も接触がなく、いきなり売り掛け債権に対する差し押さえが行われた」、「現年度分の差し押さえなど聞いたことがない」、「生命保険の差し押さえで解約を余儀なくされ、年齢オーバーでもう生命保険に加入できない。やり過ぎでないのか」など、市町も含めて、滞納処分のあり方について、行き過ぎではないのかとの声が上がっています。  現に、全国の状況を調べてみますと、給与、年金などの差し押さえ禁止部分までを銀行預金とみなしての差し押さえが行われたり、不動産の任意売却を妨害するための無益な差し押さえが行われたり、一年から最長二年以内の納付と決まっているといって、生活実態を無視した無理な分割納付計画を立てさせられたり、滞納した税金の相談に弁護士、税理士、公認会計士以外の第三者の立ち会いが排除されたり、滞納したら過年度分だけでなく現年度分の滞納であっても、延滞金だけの滞納であっても、三カ月滞納すれば差し押さえという強硬な姿勢をとったり、生命保険についても、解約返戻金があれば一方的に強制解約、解約返戻金がなければ差し押さえを解除せず滞納処分の停止にしない、生活保護受給者にも催告書を送付するなど、すさまじい滞納処分の実態があることを知りました。  また、税の月刊誌にこんな報告が載っていました。「地方税滞納整理八の秘訣」と題する論文ですが、その中で、「一つ、数ある財産の中で一番ダメージが大きく効果的で換価が早い債権差し押さえを狙え、預金差し押さえでなく給与や売掛金差し押さえを狙え、二つ、滞納者との折衝は沈黙に耐えて、滞納者から「それ以上はどうしても無理です」との言葉を引き出すまで頑張れ、三つ、一括納付はどうしても無理だとの返事である場合に生活実態を聞け」など、私は目を疑いました。どこかの取り立て屋のマニュアルじゃないのかと。  悪質な持てる滞納者には毅然と相対する、これは当然と考えますが、やむにやまれぬ状況の方もいらっしゃいます。行政が行う滞納整理に求められる姿勢は、単なる取り立て屋じゃなくて、市民生活の立て直しを図る上で親身になって相談に応じる姿勢ではないのでしょうか。  いずれにしましても、命より金、取り立て屋と同じじゃないかとのそしりを受けたのでは、円滑な税務行政の執行に逆に支障を生じるし、行政に対して協力をいただかなければならない他の場面で協力をいただけないケースも出てくるのではないかということを懸念します。  そこで、知事に伺います。  民事執行と滞納処分では滞納者保護手法が異なると思いますが、どのような姿勢で滞納整理に臨まれているのか、徴収猶予の申請など、県民が使える制度はきちんと県民に知らせているのかどうか、教えてください。  質問の三点目は、保育士の人材確保についてです。  保育士の人材確保に苦慮されていることは、御案内のとおりです。この背景には、恒常的業務であるにもかかわらず、公立保育所における運営費を補助金から一般財源へ移行したことが、非正規化を助長し、非正規雇用が五割を超える状況に至らしめていると認識しています。休憩時間はとれない、有給休暇はとれない、欠員の穴埋めはないなど、命を預かるきつさの割に待遇が悪過ぎる、責任を持ち切れないというのが、保育士の資格を保有する者の生の声です。こうした声に耳を傾けず、同一労働を求めながら、雇用差別を放置、この解消なくして人材確保を図ることはかなわないのではないでしょうか。  県も、こうした課題認識があるからこそ、新たに策定しようとしている香川県健やか子ども支援計画(素案)に、子ども・子育て支援を担う人材確保の項で、「保育士等の所得向上や産休代替職員確保のための補助など処遇改善を通じ、働きやすく、やりがいや誇りを持って業務に従事できる職場環境の実現を図り、就労継続に努める。保育士人材バンクなどの活用、市町及び保育士養成施設等との連携により潜在保育士の再就職等を支援するとともに、保育学生などの人材確保に努める」と触れておられるのではないでしょうか。ぜひ具体化を図ってもらいたいと思います。  そんな中で、この認識何するものぞという動きがあります。善通寺市において、公立保育所の民営化を機に、これまで悪い待遇の中でもひたすらよい保育を提供しようと懸命に頑張ってきた非正規の保育士や調理員が、民営化を機に職を追われるかもわからない事態が生じています。「これまで私たちがどんな思いの中で頑張ってきたのか一つも理解していない。仕事への評価はないのか」と、憤りと不安の日々を過ごしています。これによって、個々の保育士らがどれだけ傷ついているか、そして保育職場に対する社会の見方を凍らせることになるかを考えると、いたたまれなくなります。もし、これが現実のことになれば、間違いなく保育士の人材確保を図る上でマイナスに作用すると考えます。  今議会中、文教厚生委員会でも、保育士の人材確保について、質疑が交わされたところですが、こうした具体的な事例に対する対処の仕方こそが決定的な意味を持ちます。しっかり対処すべきです。  そこで、知事に伺います。  まず、公民合わせて、恒常的保育業務に不安定な雇用形態で従事している実態がどのような状況にあるのか、その状態をどう受けとめ、市町、事業者に対してどのように指導・助言に当たっていこうと考えておられるのか、お答えください。  また、今回の善通寺市における保育所の民営化に当たって、検討会の一員としてもかかわってこられた県はどのように意見を述べてこられたのか、指摘した保育士の人材確保に逆行するような不幸な事態を回避するために県はどのように指導・助言に動くのか、お聞かせください。  四点目に、認知症施策について伺います。  せんだって、認知症と診断された母親を介護する方から、介護のきつさについての相談を受けました。十分な認知症に対する知識を持たないがゆえに、余計に負担感を感じておられる状況でした。  さて、平成二十四年八月の厚生労働省の報道発表によれば、認知症高齢者数は平成二十二年で二百八十万人、六十五歳以上の人口に占める割合は九・五%、平成三十七年には四百七十万人、六十五歳以上の人口に占める割合は一二・八%と推計されています。仮に、この全国の認知症高齢化比率を本県の高齢者推計人口に乗じると、平成二十七年には認知症高齢者数が約三万人となり、その後もふえ続けて平成三十七年には三万九千人になることが見込まれています。  このような中で、今議会に素案が示された第六期香川県高齢者保健福祉計画では、認知症になっても安心して暮らせる仕組みづくり、認知症医療体制の充実の二項目での対応が記載されています。私は、この推進に当たって、そもそも認知症とは何かについての共通認識のもとで施策が展開されようとしているのか、疑問を持っています。  私が勉強してきた中では、認知症について、医学の側からの見地と介護の側からの見地が存在し、それが必ずしも統一的に整理がされていないと受けとめています。ところが、認知症イコール病気だという認識が広まっていて、香川で進めようという場合の認知症対策についても、医学的見地からの捉え方に偏っているのではないかという問題意識です。  介護の現場での経験を介護学として体系化しようと取り組んでおられる先生は、医学では認知症の原因は脳の器質的な変化だと断定するが、原因を全て脳のせいにしたら一種の思考停止に陥ってしまうと指摘しています。脳に変性や萎縮があっても認知症の症状が出ていない人はたくさんいますし、萎縮がなくても認知症の症状を見せる人は少なくありません。脳を幾ら究明しても問題を解決できないし、医療の方法論にのみ頼る認知症ケアに否定的見解を述べておられます。  全てを科学的に解明できるわけではありません。認知症と診断されたお年寄りが求めているのは、病気の治療ではなく、自分の表現の中から何を訴えようとしているのかを感じ取って生活を支えてくれるアプローチではないのかという介護の側からの考え方に、私は大いに共感しています。介護の世界では、こうした考え方が広がっています。  ところが、医療分野からの介護職に対する、「勉強が足りない、エビデンス(根拠)がない、非科学的である」という空気の前で、「医療職は権威的である。話を聞いてくれない。すぐに怒る」といった不満を介護職が抱えているという、医療、介護の連携が必ずしもうまくいかない背景について耳にしました。今後、香川における認知症施策を推進していく上で、このあつれきをどう統一的に解消していくのかという大きな課題が横たわっていると認識しています。  そこで、知事に伺います。  認知症サポーターやキャラバン・メイトの養成、小・中・高校生に対する認知症サポーター養成講座の実施、地域支援推進員の設置など、認知症施策を推進されようとしていますが、その際、前提となってくる、認知症や認知症ケアに対する正しい理解とは何ぞやという点について、どのような見識のもとで進めようとしているのか、また、介護と医療のよりよい連携について、どのように進めていかれるお考えか、お聞かせください。  最後に、インクルーシブ教育の推進について伺います。  これまでも、障害者の権利条約批准という状況を受けて、国際社会が求めているインクルーシブ教育をこの香川においてどう具体化していくのかについて質問してきました。しかし、何度尋ねても、答弁からは、障害者の権利条約が求めている共生社会の姿に向かって課題を克服していこうとする姿勢が一向に感じられません。インクルーシブ教育を目指そうとしていないのではないかとの思いさえもたげてきます。これまでの特別支援学級、特別支援学校での対応の域を出ない、出る意思がないように見えてきます。  意思がないのは論外ですが、目指すべきインクルーシブ教育についてのイメージが一致していないという位置にあるのではないでしょうか。ですから、香川において、まずインクルーシブ教育とはどういう姿を目指すことだというイメージを一致させるところからが必要ではないでしょうか。  これからの障害者施策の重要な柱であるにもかかわらず、第四期かがわ障害者プラン案では、ほとんどその課題意識が示されていません。全国的には、研究会を発足させ、イメージを一致させる取り組みが行われている県もあります。神奈川県では、特別支援教育推進協議会という組織を設けて、ともに学びともに育つ教育とは何かについて、かんかんがくがくの議論を行いながら、昨春、方向性は一本化できない状況ではありますが、幅広い考え方を併記する形で提言が行われています。
     方向性を一致できないほどに現実とのギャップがあるというのが、正直な現状認識ではないでしょうか。それぐらい、理念に近づけていくには多くの課題があるということです。  そこで、知事と教育長に伺います。  第四期かがわ障害者プランの策定に当たり、知事は、障害者の権利条約が求めるインクルーシブ教育の視点を、教育委員会と意識合わせをしながら、どのようにプランに盛り込もうと考えているのか、伺います。  また、インクルーシブ教育について、共通認識をつくるための検討を早急に行うべきと考えますが、今後どうしようとしているのか、その方向性について教育長に伺って、私の質問を終わります。(拍手、降壇) ◯議長(宮本欣貞君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)米田議員の御質問にお答えいたします。  まず、保育士の人材確保についてであります。  高松市以外の県が所管する保育所における非正規雇用保育士の割合は、平成二十六年四月現在で、公立保育所で五六・八%、私立保育所で二三・四%、公立と私立を合わせると四〇・二%となっており、各保育所においてそれぞれ事情は異なると思われますものの、一つには、保育士の人員配置基準を満たしつつ、就業形態の多様化などによるさまざまな保育ニーズに対応する体制を整えようとしたものではないかと認識しております。  市町及び事業者に対しては、毎年度の指導監査を通じて、適正な保育所運営のために必要な職員体制の確保を引き続き働きかけてまいります。  善通寺市の公立保育所の民営化に当たり、同市が設置した選考委員会において、県の担当者からは、子供や保護者の立場に立った質の高い保育が維持されるよう意見を述べたところであり、選考委員会から市長宛てに報告された善通寺市立吉原保育所移管先法人の選考結果においても、子供たちに負担のかからない円滑な保育の引き継ぎをお願いするとされたことを踏まえて、現在、関係者間での話し合いが行われていると伺っております。  民営化後の保育所については、他の私立保育所と同様に、毎年度、指導監査を行い、保育所運営の状況を確認するとともに、職員体制についても、施設長や職員から聞き取り、その把握に努め、適正な保育所運営がなされるよう指導してまいります。  次は、認知症施策についてであります。  認知症は、さまざまな要因により脳細胞が死んだり機能が低下したために、理解力や判断力の低下、記憶障害などが起こり、日常生活に支障が出ている状態でありますが、何もわからなくなるものではないこと、また、誰もが認知症になり得ることから、その方の立場に立ってケアを行う必要があると考えております。また、認知症の原因となる病気の中には、進行をおくらせたり症状を改善できるものがあるため、認知症が疑われた場合、かかりつけ医等において早期に発見し、専門医療機関の受診に結びつけることが非常に重要であります。  このため、私といたしましては、認知症になっても、本人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域で暮らせるよう、認知症の正しい知識と理解を普及するとともに、早期からの適切な診断や治療、本人や家族への支援を包括的・継続的に実施する地域の体制づくりが重要であると考えております。  認知症の方の在宅生活を支えるためには、医療と介護が一体的に提供される必要があることから、県では、県内六カ所の認知症疾患医療センターにおいて、医療・介護関係者への研修会や協議会を開催し、連携体制の構築を図っております。  さらに、市町では、今般の介護保険法改正を踏まえ、認知症の方やその家族を初期段階で個別に訪問し、医療と介護の適切な支援につなぐ認知症初期集中支援チームの設置・運営に取り組むこととされており、今年度は坂出市で設置され、来年度以降、各市町で順次設置されていくものと承知しております。  県といたしましては、認知症疾患医療センターの取り組みを引き続き進めるとともに、今後、各市町が認知症初期集中支援チームを円滑に設置・運営できるよう、適切な助言や支援を行うことなどにより、医療と介護の一層の連携を図り、認知症施策をより効果的に推進してまいりたいと考えております。  次に、インクルーシブ教育の推進についてであります。  障害者の権利に関する条約に掲げられたインクルーシブ教育の理念のとおり、障害者が一般的な教育制度から排除されないこと、自己の生活する地域社会において義務教育が受けられること、個人に必要とされる合理的配慮が提供されることなどが重要であると認識しております。  そのため、ニーズに応じた的確な指導ができる多様で柔軟な仕組みにより、障害のある子供の教育の充実を図るほか、地域社会の中で積極的に活動し、豊かに生きることができるよう、地域の同世代の子供や人々との交流を促進するとともに、可能な限りともに学ぶことができる配慮が必要であると考えております。  そこで、第四期かがわ障害者プランの素案では、教育委員会とも十分協議・検討し、文部科学省の中央教育審議会初等中等教育分科会の報告において示されたインクルーシブ教育システムの視点を踏まえて、特別支援教育を充実させるべく、具体的な施策として、教育、福祉、医療、保健、労働関係機関等が密接に連携し、特別な教育的支援を必要とする幼児、児童生徒一人一人のニーズに応じた支援を行うとともに、小・中学校の特別支援学級や通級による指導など多様な学びの場の充実、特別支援学校における地域との交流の推進や、卒業後の地域での支援体制づくりなどの取り組みを盛り込んでおります。  今後、県議会での御議論を踏まえてプランを取りまとめ、障害のある子供が、年齢や能力に応じ、一人一人の特性を踏まえた十分な教育が受けられ、障害の有無によって分け隔てられることがなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら、共生する社会の実現を目指してまいりたいと考えております。  なお、その他の御質問につきまして、担当部長よりそれぞれお答え申し上げます。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)羽白総務部長。    (総務部長羽白 淳君登壇) ◯総務部長(羽白 淳君)米田議員の、県税の滞納整理についての御質問にお答えいたします。  県税の滞納については、納税されている方との負担の公平性と歳入確保の観点から、重要な課題であると認識しており、支払い能力のある方からは適正に納めていただくことを基本に取り組んでおります。滞納者に対しては、まず督促状を、さらには催告書を送付して納付を促すとともに、財産調査を行い、財産があるにもかかわらず納税しない者には、積極的に滞納処分を行っております。  一方、徴収猶予や分割納付等の制度については、ホームページによりお知らせするほか、滞納者から相談があった場合等に、資産や収入等の状況を聞き、必要に応じ、これらの制度を説明し、対応しております。また、財産がない場合や、滞納処分によりその生活を著しく困窮させるおそれがある場合等には、滞納処分の執行を停止するなどの対応も行っております。  今後とも、滞納者の支払い能力に応じ、他の納税者との公平性を確保しながら、県税の徴収確保に取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)川田環境森林部長。    (環境森林部長川田浩司君登壇) ◯環境森林部長(川田浩司君)米田議員の、自然エネルギーの推進についての御質問にお答えいたします。  自然エネルギーの普及促進については、地球温暖化対策はもとより、エネルギーの安定供給の観点からも重要であると考えており、日照時間が長いという本県の特性を踏まえ、太陽光発電の導入促進に積極的に取り組んでいるところであります。  エネルギー源としての水素については、利便性やエネルギー効率が高く、利用時に温室効果ガスを排出しないなど、多くのすぐれた特徴を有していることから、家庭用燃料電池や燃料電池自動車を初め、さまざまな研究が進められており、次世代を担う有力なエネルギー源の一つになることが期待されているものと認識しております。一方で、技術面、コスト面、制度面、インフラ面で多くの課題があることなどから、自然エネルギー協議会を通じ、国において、技術開発や、全国エリアを対象とした水素供給網や水素ステーションの整備などを進めることを要望したところであります。  議員御指摘の再生可能水素、いわゆるR水素は、再生可能エネルギーを使って水を電気分解して取り出す水素であり、太陽光発電や風力発電などの余剰電力を活用して水素を製造・貯蔵し、夜間などに水素を使って燃料電池で発電し、電気等に活用するものと伺っておりますが、一つの地方公共団体だけで技術開発を行うことは容易ではないと考えております。  このため、現時点で県としてR水素の技術開発等に取り組むことは難しいと考えていますが、エネルギー源としての水素が活用できるよう、引き続き、自然エネルギー協議会等を通じて国に働きかけるとともに、地域特性を踏まえた自然エネルギーの導入促進に、産学官連携のもと、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)西原教育長。    (教育長西原義一君登壇) ◯教育長(西原義一君)米田議員の、インクルーシブ教育の推進についての御質問にお答えいたします。  障害者の権利に関する条約の批准に当たり、平成二十三年八月に改正された障害者基本法を踏まえて、平成二十四年七月に文部科学省の中央教育審議会初等中等教育分科会の報告が出され、この中で、インクルーシブ教育システムにおいては、同じ場でともに学ぶことを追求するとともに、個別の教育的ニーズのある幼児、児童生徒に対して、自立と社会参加を見据えて、その時点で教育的ニーズに最も的確に応える指導を提供できる多様で柔軟な仕組みを整備することが重要であり、小・中学校における通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある多様な学びの場を用意しておくことが必要であるとされております。また、それぞれの子供が、授業内容がわかり、学習活動に参加している実感・達成感を持ちながら、充実した時間を過ごしつつ、生きる力を身につけていけるかどうか、これが最も本質的な視点であり、そのための環境整備が必要であるとされております。  県教育委員会では、このような趣旨を踏まえ、子供の障害の状態等を踏まえた就学先の決定における早期からの教育相談と十分な情報提供について、市町教育委員会に指導・助言を行うとともに、通級指導教室、特別支援学級、特別支援学校などの多様な学びの場の整備と充実に向けて、市町教育委員会とともに取り組んでいるところであります。また、特別支援教育に関する教職員の専門性向上のための研修を行うほか、毎年、特別支援教育県民フォーラムを開催して、県民への啓発にも努めております。  今後とも、障害のある子供が、年齢や能力に応じ、特性を踏まえた十分な教育を受けられるよう、障害者基本法や中央教育審議会の報告などに基づき、取り組みを進めてまいりたいと考えております。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)一般質問を続行いたします。  氏家孝志君。    (氏家孝志君登壇、拍手) ◯氏家孝志君 議長のお許しを得ましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。  質問の第一点目は、香川大学との連携強化についてであります。  知事は、大学と地域の連携を深めていくことを、さきの知事選挙の公約の一つに掲げており、その内容といたしましては、「知の拠点である大学との連携・拡充の支援を通じ、地域や産業の振興、人材育成など、地元への貢献機能を活用して地域の元気につなげていきます」とのことであります。  香川大学とは、県はこれまで平成十四年七月に、香川大学及び当時の香川医科大学と包括連携協定を締結し、希少糖研究を初め危機管理対策、医師確保対策など県政の各分野でさまざまな連携・協力を図っております。今後、少子高齢化などにより、ますます地域間競争が激しくなる中、その競争に打ち勝つためには、知恵と工夫により地域を元気にしていく必要があり、私も大学連携の強化を図っていくことは重要な施策であると考えております。その中でも特に、本県の拠点大学でもある香川大学との連携強化はますます重要となってくるものと考えられます。  しかしながら、地方の国立大学は、文部科学省、財務省のコントロールのもと、国立大学改革プランに沿って、平成二十八年度からの第三期中期目標期間に向けて、持続的な競争力を持ち、高い付加価値を生み出す国立大学への改革を進めていく必要があります。つまり、地域の特色を生かした大学改革を行わなければ、大学運営交付金の削減などにより、大変厳しい運営を強いられることとなるそうであります。既に、高知大学、愛媛大学、徳島大学では、新たな学部を設置する改革プランが公表されるなど、全国の国立大学において改革に向けた取り組みが始まっております。  このような中、香川大学では、大学改革を進めていくため、学内に、来月、将来構想推進本部会議と将来構想推進室を設置し、また、新たに県と連携し、地域のニーズをより反映させた大学改革を進めていくため、香川大学・香川県大学改革プラン検討協議会を設置することとしております。  各都道府県にある地方の国立大学は、地域の高等教育機関の拠点として、優秀な若者の人材育成機関であり、また、地域の得意分野を生かした研究拠点としても重要な役割を果たしております。しかし、今の国の削減ありきの改革では、地方の国立大学は縮小の一途であり、それに伴う学生の減少は、地域活力の低下を招くこととなります。  このような中、知事が大学との連携強化を叫ばれるのであれば、これから大学改革を行っていかなければならない香川大学との連携をより一層強化しなければならないものと考えております。昨今の地域の課題を解決していくのは地方の国立大学であり、地方の国立大学の機能強化は地方創生の大きな第一歩であると考えております。  そこで、地域の拠点大学である香川大学との連携をより一層強化していくために、どのように取り組んでいかれるおつもりなのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第二点目は、航空ネットワークの拡充についてであります。  高松空港は、平成元年十二月の新空港開港以来、本県の産業や観光の振興、拠点性の確保において重要な役割を担ってきた広域交通インフラであります。また、高松空港は、その位置的条件から、市場規模は四国最大と見込まれているなど、四国の拠点空港として高い可能性を有しております。  ところが、航空自由化の進展や景気低迷による航空需要の減退などに加え、近隣空港との競争の激化を背景に、最盛期には十二路線あった路線数は、平成二十二年度には国内線二路線、国際線一路線の計三路線にまで減少いたしました。その後、国内線において、東京羽田線、那覇線に加え、昨年十二月と本年八月にはLCCによる成田線が就航するとともに、国際線では、ソウル線に加え、平成二十三年七月に上海線が、昨年三月に台北線が就航し、本年三月には上海線、台北線がそれぞれ週四便に増便されるなど、着実に充実強化が図られ、現在では国内線三路線、国際線三路線の計六路線となっているとのことであります。  このような中、平成二十五年の県内の外国人宿泊者数は延べ九万五千八百三十人であり、前年からの伸び率は全国一位の一二二・四%増となったとのことであります。これはまさに、高松・台北線の定期路線就航や瀬戸内国際芸術祭の開催などの成果と言えるのではないかと考えております。  さらに、全国的にも、円安傾向にあることや、東南アジア諸国の訪日ビザ発給要件の緩和、羽田空港の国際線増便などにより、訪日外国人数が二年連続で過去最多を更新することとなったとのことであります。また、二〇二〇年にはオリンピック、パラリンピックが東京で開催されるなど、さらに訪日外国人数の増加が予想されております。  こうした中で、羽田・成田両空港とのネットワークを持つ高松空港におきましては、こうした機会を逃さぬよう、さらなるネットワークの拡充に努める必要があるものと考えております。また、今後、空港間の競争が激化する中、高松空港が四国の拠点空港として、その機能を十分に発揮されることを目的とし、基盤となる空港自体について、民間の能力を活用した一体的な経営を行う空港経営改革の検討も行われております。  くしくも平成元年十二月十六日に高松空港は開港され、ことし二十五周年の節目の年を迎えるに至りました。次の四半世紀に向けて、高松空港の市場規模の大きさを生かし、新規就航や既設路線の増便、大幅なダイヤ改善など、航空ネットワークの拡充を図ることが極めて重要であると考えております。  そこで、今後、高松空港の航空ネットワークのさらなる拡充など、高松空港の発展に向けてどのような方針で取り組んでいくおつもりなのか、現在の空港経営改革の検討状況もあわせて、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三点目は、人口減少対策についてであります。  本県の人口は、平成十二年一月の百三万九百二十八人をピークに減少を続け、香川県人口移動調査報告による十一月一日現在の推計人口は九十八万九百十六人にまで減少しているなど、今後も減少傾向が続くものと見込まれております。このまま人口の減少が続けば、県の活力、経済の衰退につながる大きな問題でありますが、私はかねがね、地方の人口減少を食いとめるには、まずは東京一極集中の是正が必要であると強く訴えてまいりました。  国は、高度成長期に大都市圏への人口流入が加速したことを受け、工場や大学の立地を制限するなど、国土の均衡ある発展を目指しておりましたが、バブル崩壊後、東京圏への人口が転出超過になると、国は規制を緩め、企業や大学の都心回帰を進めてきました。その結果、東京は、政治、経済などさまざまな面で世界でも例を見ないほど集中が進んでおり、二〇二〇年の東京五輪の開催により、その一極集中はさらに加速する可能性があります。  しかしながら、東京への過度の集中は、地価・物価の高騰、住宅問題、待機児童問題、自然災害リスクなど多くの問題をはらんでおります。これら諸問題の解決に向けて、国では、これまでに何度も首都機能移転・分散の考え方についての議論がなされてきましたが、膨大な費用などの問題により、具体的には何ひとつ動いていないのが現状のようであります。また、最近では、こうした国の議論とは対照的に、東日本大震災などの影響により、民間企業では自然災害に備え地方分散を進めている報道が最近よく見受けられます。  このような中、第二次安倍改造内閣は、九月に立ち上げたまち・ひと・しごと創生本部において、基本視点の一つに東京一極集中の歯どめを掲げております。また、先般成立したまち・ひと・しごと創生法の第一条では、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくと明文化されております。  このように、国は再び、地方創生のために、東京圏への人口集中を課題として、その解決に向けて取り組みを進めていこうとしております。  このような中、知事は、地方の人口減少問題は、少子化という問題のほか、東京など大都市圏への過度な人口の集中が問題であるとして、まずは人の流れを変える必要があるとしております。私自身も同感であり、そのためには、大都市圏へ行かなくても高度な学問が学べ、自身の希望する仕事につけることが重要となります。  そこでまず、知事は、人口減少・活力向上対策本部を立ち上げ、来年度に向けて具体策を検討しているところでありますが、東京一極集中の是正に向けてどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、お伺いいたします。  また、人口減少を食いとめるためには、中央から地方への人の流れをつくることも大切ではありますが、あわせて地方から中央への人の流出を防ぐことも非常に重要であります。そのためには、若いころから地元への愛着や郷土を愛する心を子供たちに教育することが必要であります。国際化、グローバル化が急速に進展する今の時代だからこそ、未来を担う子供たちには、地元に残るよさを小・中・高校の各学校段階からしっかりと教え、郷土香川に定住しようとする意識を持たせることが重要であります。  そのためには、子供たちに、自分が住む地域の特色や先人の営みなどに親しむ機会を持たせたり学ばせたりすることを通じて、ふるさと香川に対する理解を深め、尊重し、さらに継承発展させようとする意欲や態度を養わせることが必要であります。さらに、郷土のよさや地元産業への理解を深めるとともに、企業が即戦力として必要とする知識や技術を学ばせ、地域社会・産業を支える多様な人材を育成していくことが必要であると考えております。  そこで、将来、本県から流出しないよう、子供たちが本県に愛着を持ち、これからの地域づくりに貢献できる人材として育てるため、学校教育においてどのように取り組むおつもりなのか、教育長にお伺いいたします。  質問の第四点目は、全国育樹祭を契機とした県民総参加の森づくりについてであります。  全国育樹祭は、国土緑化運動の一環として、活力ある緑の造成機運を高め、次世代への連帯を深めるため、昭和五十二年から毎年秋季に行われている国民的な緑の祭典であります。この全国育樹祭では、全国植樹祭において天皇皇后両陛下がお手植えされた樹木を皇族殿下がお手入れされるという育樹活動の象徴的行事と、皇族殿下によるお言葉や各種表彰などの式典行事のほか、参加者による育樹活動などが行われております。  ことしは十月十二日に、山形県で、「うけつごう緑の大地 羽ばたこうぼくらの未来へ」を大会テーマに、第三十八回目の全国育樹祭が開催されました。式典には県内外から約五千二百人が参加し、皇太子殿下からは、「多くの先人の努力によって守り育てられてきた豊かで美しい森林は、人々の生活にとってかけがえのない役割を果たしており、緑を守り育んできた技術や文化を次の世代に引き継いでいくことは、極めて大切なことであります。森林を守り育てる活動の輪が未来へと広がっていくことを願います。」とのお言葉があり、引き続き、天皇皇后両陛下がお手植えされたブナやヤマボウシに肥料を施すお手入れが行われたと伺っております。また、全国育樹祭の関連行事として、全国緑の少年団活動発表大会などの併催行事や記念行事も行われ、森林の手入れを通じて緑を育て、次の世代に引き継ぐことの大切さを伝える機会となるなど、大きな成果を上げたようであります。  このような中、本年八月には、平成二十九年度に本県で第四十一回全国育樹祭が開催されることが決定しました。本県では、昭和六十三年に満濃池森林公園で開催されました第三十九回全国植樹祭では、当時、天皇陛下の御名代として皇太子殿下並びに皇太子妃殿下がお手植えされた樹木がすくすくと成長しており、全国植樹祭から三十年目を迎える平成二十九年に、郷土香川に皇族殿下をお迎えして、育樹活動の象徴的行事である全国育樹祭を開催できることは、まことに喜ばしい限りであります。  この緑の祭典の対象である森林を初めとする緑は、県民共通の大切な財産であり、県土の約四七%を占める県内の森林は、美しく豊かな県土の基盤でもあります。また、森林は、山地災害の防止や土壌保全を初めとする県土の保全、洪水や渇水を緩和する水源の涵養、二酸化炭素の吸収源となることからの地球温暖化の防止、さらには、環境負荷の少ない素材である木材などの林産物の供給など、多面的な機能を有しております。  しかしながら、本県の林業を取り巻く環境は、木材需要の伸び悩みや木材価格の低迷が続く一方、森林所有者の事業意欲の低下や林業就業者数の減少など、その環境は厳しさを増しており、今後、このような状態が続くと、手入れが十分に行き届かない森林の増加や放置された竹林の拡大など、荒廃した森林の増加が危惧されております。また、近年、大規模な森林開発は減少しているものの、森林面積は減少傾向にあり、森林の持つ公益的機能を確保するためには適切な森林の保全が必要であることは論をまたないわけであります。このようなことから、今後、県民総参加のもとに、緑化の推進と緑の保全に取り組むことが大変に重要であると考えております。  このような中、県では、県民総参加の森づくりを進めるため、毎年十一月十一日の「かがわ 山の日」に合わせて香川県植樹祭を開催するほか、どんぐり銀行活動の推進など、さまざまな事業に取り組んでいるとのことであります。こうした中、全国育樹祭の開催は、県民の森づくりへの参加のきっかけづくりや機運を高める絶好の機会であり、開催を契機に、県民総参加の森づくりの一層の推進を図っていく必要があるものと考えております。  そこで、全国育樹祭開催を契機として、今後、県民総参加の森づくりをどのように進めていこうとしているおつもりなのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第五点目は、米価下落に対する対応と園芸作物の振興についてであります。  本県における平成二十六年産米につきましては、夏場の長雨、日照不足などにより、作況指数が九十四と不良になったことに加えて、全国の作況指数が百一と平年並みとなったこと、さらには全国的に米の供給過剰の感が強いことなどから、米の出荷段階で支払われるJAからの概算金が全国的に大きく引き下げられたとのことであります。このような理由から、本県におきましても、コシヒカリ一等六十キログラム当たりが前年より二千四百円引き下げの八千七百円と、大幅に低下したところであります。  さらに、市場流通におきましても、平成二十六年産米の六十キロ当たりの卸段階での相対価格につきましては、九月時点で前年より二千円の大幅な低下となっており、過去最低であった二十二年産と比較をしても約五百円下回る価格となっております。また、十月につきましても、同様の厳しい状況となっているようであります。このようなことから、私の地元の米の生産者からも、「この価格ではもうからない」、また、「来年の水稲の作付をどうしようか」など、今後の稲作経営についての不安な声も数多く聞かれております。  このような状況の中、十一月に入ってもなお全国的に米価の低迷が続いていることから、国におきましては、二十六年産米の価格の安定を図るべく各種の対応がとられてきたところではありますが、県としましても、いかに生産者の不安を払拭するかが重要ではないかと考えております。  また、国は、昨年十二月に策定された農林水産業・地域の活力創造プランに基づく農政改革を着実に推進するため、平成三十年からの生産調整の見直しに向け、この二十七年産水稲の取り組みからが正念場であるとの認識のもと、本格的な取り組みをスタートさせるべく、先般十一月末には、いわゆる減反面積に当たる二十七年産の主食用米の生産数量目標について、二十六年産米の豊作による在庫の増加と、依然として続く需要量の減少などから、前年から十四万トン削減し七百五十一万トンと設定し、各都道府県に配分したところであり、本県におきましても、一・一%減の七万二百四十トンが配分されたところであります。  さらに、新聞報道によりますと、米の在庫数量の適正化による需要と価格の安定化に向け、産地に対して、一層の飼料用米や米粉用米などの新規需要米の生産拡大への取り組みを促進し、主食用米の生産量を自主的に減少させる目安として、新たに「自主的取組参考値」を設定し、生産数量をさらに十二万トン削減する七百三十九万トンを設定するなど、平成三十年に向けた国の動きにつきましても十分に留意していく必要があるものと考えております。  このような中、今後において、担い手の所得を向上させ、本県農業の持続的発展を図るためには、水田の基幹作物である水稲の生産をどのようにしていくのか、さらには、主食用米の需要が減少する中で、農地面積の八割を占める水田をどのように活用していくかが大きな課題となっております。特に水稲生産におきましては、売れる米づくりへの取り組みはもとより、国の支援が充実した飼料用米などの非主食用米などの取り組みも重要な課題であり、さらには、水稲の裏作物となる小麦の「さぬきの夢」の生産振興のほか、本県の強みである温暖な気候を利用した園芸作物の産地化などの取り組みが重要であると考えております。  そこで、本年産米の価格の下落への対応を含め、本県の水田農業の持続的な発展に向けて、主食用米や飼料用米などの多様な水稲生産にどのように取り組んでいくのか、また、水田の有効活用につながる園芸作物の生産振興をどのように進めていこうとしているのか、知事の御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問を終えさせていただきます。(拍手、降壇) ◯議長(宮本欣貞君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)氏家議員の御質問にお答えいたします。  まず、香川大学との連携強化についてであります。  私は、若者が県内に定住し、地域社会の活力を維持していくための一つの対策として、県内大学との連携を強化し、魅力ある大学づくりを進めることが重要であると考えております。  香川大学とは、御指摘のとおり、平成十四年七月に、県内大学では初の包括連携協定を締結し、お互いの課題について意見交換を行うとともに、県政各分野において連携・協力を行い、地域の課題解決に向けた取り組みを進めてきているところであります。  このような中、御指摘のとおり、香川大学では、平成二十八年度からスタートする第三期中期目標期間における将来構想の検討を進めていくため、来月、学内に検討組織を設けるとともに、地方創生の一端を担う地域と共生する大学づくりを目指して、県との間で香川大学・香川県大学改革プラン検討協議会を設置し、具体的な検討を進めていくこととしております。  県としては、香川大学が、地域の特性を生かす地域のための教育研究拠点となり、すぐれた人材育成を行っていくとともに、地域の活性化に一層貢献する大学となっていただくよう、積極的に支援を行っていきたいと考えております。このため、これまで各分野で培ってきた連携・協力関係をさらに発展させるとともに、香川大学の機能強化のための将来構想である大学改革プランに地域のニーズを反映していくことを目指して、これまでの連携からさらに踏み込み、来年一月から、部長級及び課長補佐級職員の二名を香川大学に派遣したいと考えており、香川大学との一層の連携強化に努めてまいりたいと考えております。
     次は、航空ネットワークの拡充等についてであります。  本県におきましては、高松空港から国際定期航空路線が就航する韓国、中国、台湾からの本年上半期の延べ宿泊者数が前年同期比で約一・七倍と増加しているほか、アメリカやフランスなど欧米六カ国からの宿泊者数も約五倍と、大きく増加しております。東京オリンピック等の開催に向け、今後も訪日外国人の増加が見込まれる中、高松空港が、その位置的条件や、拡充された国際航空ネットワーク、日本最大の国際ハブ空港である成田空港につながる成田線の効果等を十分発揮することが重要と考えております。  このため、航空会社と連携した路線PRや本県観光情報等の発信、各種キャンペーンの実施など、インバウンド、アウトバウンド両面から路線の利用促進に取り組みながら、より利便性の高いダイヤへの改善や増便、さらには新規路線の就航等、航空ネットワークの拡充に積極的に努めてまいります。あわせて、高松空港におけるおもてなし機能の強化を図ることも重要であり、急増する外国人観光客の多様なニーズに対応した観光情報等の提供体制の強化や、受け入れ環境の整備にも積極的に取り組んでまいります。  また、空港経営改革につきましては、高松空港において実現可能かどうかを判断する上での重要な課題である民間委託後の空港全体の事業収支について、昨年度、過去の実績をもとに試算し、今年度さらに、国から示された空港基本施設の投資見込み等を反映し、再試算を行いましたところ、キャッシュフローは、運営委託方法の工夫により、再試算においてもプラスとなりました。  いずれにいたしましても、民間による運営については、空港経営改革の実施主体である国から示される資料をもとに、空港運営に関心を持つ民間事業者がみずから事業性を試算し、判断することになりますが、今後は、こうした民間事業者等の意見も参考にしながら、国と意見交換等を行い、地域活性化の観点から、地元自治体や地域の意向が空港運営に反映する仕組み等、高松空港の実情に応じた具体的かつ現実的な運営委託方法について、さらに検討を進めてまいります。  次は、人口減少対策のうち、東京一極集中の是正に向けた取り組みについてであります。  東京一極集中の課題に対しては、地方だけでなく国全体で取り組んでいくことが重要であり、全国知事会とも連携を図り、人、企業、大学、政府機関を地方に呼び込むため、国によるワンストップ型移住センターの設置や、大学等の高等研究機関の地方移転の促進、企業が地方移転した場合の税制優遇、政府機関の思い切った地方移転の推進等、各施設の地方移転の促進のほか、地元国立大学に対する運営交付金の拡充などによる地方大学の機能強化などの政策提言を行っております。  本県におきましても、大学進学者の八割以上が県外の大学に進学するなど、若者の都市への流出が続いている中、こうした流れにまずは歯どめをかけることが重要と考え、オリーブや希少糖など本県独自のブランドを育て、県内産業を活性化し、雇用を確保するとともに、本県への移住やUJIターンを促す施策に重点的に取り組み、さらには、県内大学が若者から選ばれる魅力ある大学づくりを行う際の新たな支援や、県内進学や県内就職への動機づけとなる大学生等への奨学金の拡充など、社会増減をプラスに転換するための新たな施策に取り組んでまいりたいと考えております。  また、今後、まち・ひと・しごと創生法に基づく地方人口ビジョンや地方版まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定していく中で、東京一極集中となっている人の流れを変えていく効果的な施策を検討してまいりたいと考えております。  次に、米価下落に対する対応と園芸作物の振興についてであります。  県におきましては、今回の米価下落が生産者の作付意欲の低下などにつながらないよう、米価変動に対する減収補填措置や低利融資の活用について、生産者への周知を徹底するとともに、当面の対策について、国やJAに強く働きかけた結果、先般、国における農林漁業セーフティネット資金の実質無利子化や、米の直接支払交付金の年内交付、JA香川県の概算金の追加払いなどが措置され、これらの内容を生産者に周知したところであります。  今後、米政策の見直しなど国の農政改革を踏まえ、本県水田農業の振興を図るには、県オリジナル品種「おいでまい」を核とした売れる米づくりを推進するとともに、飼料用米などの多様な米の生産拡大や園芸作物の作付拡大などにより、水田の有効活用と需給ギャップの解消を図ることが重要であると考えており、今年度、「おいでまい」の有利販売につながるPR活動を強化したほか、飼料用米の生産拡大に向けた協議の場を設置し、具体的な流通体制の整備について検討しているところであります。さらに、水田を活用した新たな園芸作物の導入を促進するため、枝豆など有望な作物について、生産技術の確立や現地での導入実証など、本県の気象を生かした園芸作物の産地化にも取り組んでおります。  また、御指摘のとおり、国においては、生産調整の見直しに向け、従来の生産数量目標の配分に加え、新たに「自主的取組参考値」を設定し、主食用米作付面積が生産数量目標を下回る場合には、産地交付金の追加配分による一定のインセンティブを新たに付与することを検討していると伺っており、県といたしましては、生産者みずからの判断で非主食用米などへの転換が促進されるよう取り組んでまいります。  今後とも、本県の強みを生かした「おいでまい」などの多様な水稲生産の強化に加え、麦の生産拡大や園芸作物の産地化へのきめ細かな支援により、本県水田農業の持続的発展につなげてまいりたいと考えております。  なお、その他の御質問につきまして、環境森林部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)川田環境森林部長。    (環境森林部長川田浩司君登壇) ◯環境森林部長(川田浩司君)氏家議員の、全国育樹祭を契機とした県民総参加の森づくりについての御質問にお答えいたします。  森林の持つ多様な公益的機能は、県民の安全・安心な暮らしや快適な生活環境の創造に欠くことができない役割を担っており、県では、県植樹祭の開催を初め、県民の方々や企業などが森づくり活動を行うどんぐり銀行活動やフォレストマッチング推進事業などに取り組んでいるところであります。  本年八月、平成二十九年度に本県で全国育樹祭を開催することが決定されましたが、全国育樹祭の関連行事として、森づくりの次世代を担う緑の少年団の活動発表大会が行われるとともに、林業関係者、森林ボランティア団体等が参加し、森林・林業の課題をテーマにパネルディスカッション等を行う育林交流集会などが実施されているところであり、本県での全国育樹祭の開催は、県民の森づくりへの機運を高め、県民総参加の森づくりを一層推進する、またとない機会であると考えております。  このため、今年度から、全国育樹祭でも活躍が期待される緑の少年団が全市町で結成されることを目指し、その結成や育成の支援に取り組んでいるところであり、さらに今後、県植樹祭では、植林に加え、枝打ちや施肥など育樹活動を盛り込むとともに、どんぐり銀行活動では、預金者の方々の里山での森づくり活動への参加を一層進めるなど、全国育樹祭を契機に、県民総参加の森づくりの推進に積極的に取り組んでまいります。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)西原教育長。    (教育長西原義一君登壇) ◯教育長(西原義一君)氏家議員の人口減少対策の御質問のうち、地域づくりに貢献できる人材育成についてお答えいたします。  議員御指摘のように、地元への愛着や郷土を愛する心を育て、郷土香川に定住しようとする意識を持たせることは、大変重要であります。  このため、小・中学校では、郷土のよさを学び、ふるさと香川に対する理解を深めるために、総合的な学習の時間等において、地元の史跡や名勝を訪れ、郷土の歴史や文化について学習を行うほか、県教育委員会としては、子供たちに共通に学んでほしい「ふるさと教材」を配付するといったことや、社会科の副読本として各市町が作成している教材を、「わがまち副読本ライブラリー」として集め、開設するなど、全ての小・中学校においてふるさと教育が推進されるよう支援しております。  また、高等学校では、主体的に学び、社会に貢献する態度を身につけ、地域の課題や未来を考えさせるため、職業学科を持つ高校においては、就業体験を行うインターンシップや職場見学会などを行うほか、それぞれの学校において、社会人講師による講話や伝統文化の継承、地域イベントへの参加など、地域と連携した活動も行っているところであります。  今後とも、こうした取り組みを進め、郷土に対する愛着と誇りを持ち、地域の構成員としての自覚を促すとともに、ふるさと香川において、これからの地域づくりに貢献できる人材の育成に努めてまいります。(降壇) ◯議長(宮本欣貞君)理事者の答弁は終わりました。    (互礼) ◯議長(宮本欣貞君)暫時休憩いたします。                         午前十一時五十四分休憩                         午後 一時  八分開議    ─────────────────────────────   出  席  議  員    黒  島     啓 君    松  本  公  継 君    高  木  英  一 君    新  井  由  泰 君    西  川  昭  吾 君    広  瀬  良  隆 君    白  川  容  子 君    山  本  悟  史 君    森     裕  行 君    米  田  晴  彦 君    佐  伯  明  浩 君    谷  久  浩  一 君    松  原  哲  也 君    氏  家  孝  志 君    山  下  昭  史 君    都  築  信  行 君    樫     昭  二 君    村  上     豊 君    竹  本  敏  信 君    三  野  康  祐 君    十  河     直 君    香  川  芳  文 君    高  城  宗  幸 君    花  崎  光  弘 君    斉  藤  勝  範 君    大  山  一  郎 君    有  福  哲  二 君    新  田  耕  造 君    綾  田  福  雄 君    白  井  昌  幸 君    尾  崎  道  広 君    鎌  田  守  恭 君    平  木     享 君    水  本  勝  規 君    辻  村     修 君    五所野尾  恭  一 君    山  田  正  芳 君    石  川     豊 君   欠  席  議  員    宮  本  欣  貞 君    砂  川     保 君    ─────────────────────────────         地方自治法第百二十一条による出席者           知     事  浜  田  恵  造 君           副  知  事  天  雲  俊  夫 君           病院事業管理者  小  出  典  男 君           政 策 部 長  工  代  祐  司 君           総 務 部 長  羽  白     淳 君           環境森林部長   川  田  浩  司 君           健康福祉部長   大  津  佳  裕 君           商工労働部長   伊勢野   正  憲 君           農政水産部長   松  尾  恭  成 君           土 木 部 長  小  野  裕  幸 君           知事公室長    和  田  光  弘 君           危機管理総局長  泉  川  雅  俊 君           観光交流局長   安  松  延  朗 君           水 道 局 長  木  村  清  貴 君           会計管理者    榎  本  典  昭 君           病 院 局 長  佐  伯     務 君           教育委員会    藤  村  育  雄 君           委  員  長           教  育  長  西  原  義  一 君           公安委員会委員  伊  賀  三千廣  君           警察本部長    木  下  慎  哉 君           代表監査委員   林        勲 君           監 査 委 員  井  川     泰 君           事 務 局 長           人事委員会委員  東  条  正  幸 君           人事委員会    山  田  恵  三 君           事 務 局 長           労働委員会    小  河  恵  朗 君           事 務 局 長           政策部次長    野  本  祐  二 君    ─────────────────────────────    (互礼) ◯副議長(黒島 啓君)再開いたします。  一般質問を続行いたします。  谷久浩一君。    (谷久浩一君登壇、拍手) ◯谷久浩一君 それでは、議長のお許しを得ましたので、早速、一般質問に入らせていただきます。  質問の一点目は、県内における離島振興についてお伺いをいたします。  ことし五月に日本創成会議の人口減少問題検討分科会が発表した試算によりますと、人口移動が収束しない場合、二〇四〇年に若年女性が二〇一〇年の半分以下になる自治体が全国で八百九十六自治体、県内では九市町とされましたが、中でも土庄町では七〇・七%減、小豆島町では六四・九%減と、離島地域での大きな減少が予測されるなど、本県においても全国と同じく、離島地域の人口減少や高齢化は本土側と比較して、より進行しており、地場産業の長期的な低迷や地域活動の停滞、空き家の増加など、その環境は大変厳しいものがあります。  こうした離島の状況を背景として、昨年改正された離島振興法では、新たに、地域間交流の促進により離島人口の著しい減少を防止すること及び定住の促進を図ることが目的に明記されるとともに、約半世紀ぶりに離島指定の基準が見直され、七月には、小豆島、沖之島の両島が新たに離島指定を受けました。  国においては、離島振興法の改正に合わせ、離島地域の定住及び交流の促進を図るため、新たに、ソフト事業を中心とする離島活性化交付金を創設したところであり、全国で、本交付金を活用して、都道府県及び市町村等が事業主体となり、戦略産品の島外輸送費に対する支援や、アンテナショップの開設、島の情報発信など、さまざまな離島振興事業が実施されています。本交付金に係る国の予算は、平成二十五年度当初予算は十億円、今年度は十一億五千万円となっており、さらに来年度における国土交通省の予算の概算要求額は十三億五千万円と、年々増加するとともに、対象事業も順次拡充されているようです。  現在、小豆島を初めとする本県離島は、公共事業の執行において国庫補助率のかさ上げという大きなメリットを受けておりますが、離島振興をさらに推進していくためには、本交付金を今まで以上に活用して、定住及び交流の促進などを図るためのソフト事業にも積極的に取り組んでいく必要があると考えます。
     幸い、瀬戸内国際芸術祭などの影響もあり、小豆島を初めとする本県離島を訪れる観光客数は持ち直し、増加傾向にあります。また、県や県内市町が共同して、東京・大阪で開催する移住フェアや移住体験ツアーなどでは、小豆島を初めとする離島地域への移住希望が多いと聞いており、両町がそれぞれ設置している移住体験施設の稼働率も高くなってきています。  昨年度は、土庄町へは九十八名、小豆島町へは八十二名の方が県外から移住してこられ、そのうち四十歳代以下の子育て世代が約八五%となっています。こうした移住先としての離島の人気もうまく生かしながら、定住の促進や産業の振興を図るための手段として、離島活性化交付金をうまく活用することが重要だと考えます。  そこで、今年度、県及び各市町において、離島活性化交付金を活用し、どのような取り組みを行っているのか、またあわせて、今後における本交付金の有効な活用策について、どのような方針で取り組み、どのように市町へ支援を行っていくのかについて、お伺いをいたします。  質問の二点目は、小豆島の公共交通についてお伺いをいたします。  小豆島の島民の足となるバスについては、平成二十一年六月にバス事業者が撤退をしましたが、同年九月に、「島民の足は島民で守る」という経営理念を掲げ、全国的にも珍しいケースとして、地元二町、自治会、商工会と観光協会が一緒になって小豆島オリーブバス株式会社を設立し、平成二十二年四月から、生活路線を中心に九路線で運行を開始いたしました。これは唯一の島内公共交通機関であり、かつ、島内二町を結び、島外への航路にも接続する重要な交通機関で、路線を確保していかなければならない大きな使命を持っています。  この小豆島唯一のバス路線を維持していくには、今後の利用の促進が不可欠であり、島民の利用者数を増加させるとともに、経常的に安定化させていかなければなりません。このため、平成二十二年三月に、小豆島二町や地元関係者とともに小豆島地域公共交通協議会を設置し、利便性の向上など地域の活性化につながるよう、ICカードの導入を初めとした路線バスの確保・維持に向けた対策を盛り込んだ計画を取りまとめ、この計画をもとに、小豆島オリーブバスは利用促進に向けて取り組んでいるところです。  しかしながら、利用促進は思うように進まず、現在は赤字運営が続いている状況で、国や県の補助を受けながら、何とか路線を維持しています。このままの状況が続けば、島内唯一の公共交通機関が維持できなくなり、路線バスを必要としている高齢者や通学者たちの足が奪われるのではないかと危惧しています。  一方、小豆島では、池田地区に、内海病院と土庄中央病院を統合した新病院が、平成二十八年の春の開院に向け、整備が進んでいます。また、小豆島町の東蒲生地区に、小豆島高校と土庄高校の二校を統合した新高校が平成二十九年四月に開校予定であり、島内の拠点となる公的な施設の再配置が進んでいる状況にあります。  今後、人口減少社会や高齢化社会が到来する中で、地域コミュニティーを維持するためには、都市機能の無秩序な拡大を抑制し、必要以上に自家用車に依存しないまちづくりを目指す必要があります。このようなまちづくりを行うために、地域公共交通は非常に重要な役割を担っており、まちづくりと連携した地域公共交通が必要不可欠であると考えます。今後の小豆島の地域活性化に取り組む上で、今は絶好の機会ではないかと考えます。  国におきましては、昨年十二月に、豊かな国民生活の実現に加え、地域活力の向上、大規模災害等への対応を基本理念とし、交通に関する施策を総合的・計画的に推進する交通政策基本法が施行され、関連する地域公共交通活性化再生法を平成二十六年五月に改正し、まちづくりと連携した地域公共交通網形成計画を策定し、面的な公共交通ネットワークを重点的に支援することとなっています。  現在、小豆島町では、二町をまたぐ路線バスを含め、地域公共交通ネットワークについて見直し、地域公共交通網形成計画を策定する動きが出ているように聞いていますが、今後、県はどのように対応していくのか、お伺いをいたします。  質問の三点目は、回復期リハビリテーション病床の整備についてお伺いいたします。  高齢化が進行する中、脳血管疾患、心臓の疾患、さらには骨折などの高齢に伴う疾患の増加が予想されているところです。このような疾患は、適切なリハビリテーションを行えば、機能回復の効果が十分期待される疾患であることから、在宅復帰を目指し、身体機能改善のための集中的なリハビリテーションや生活機能の維持・回復のためのリハビリテーションを実施することが重要となってくるものと思います。このためにも、今後、本県において、回復期リハビリテーションの病床の整備充実が求められているところです。  本県においては、第六次医療計画策定時には、この回復期リハビリテーション病床は県全域で四百八十九床整備されており、本県における人口十万人当たりの整備状況は四十九・一人で、全国平均の四十九・七人を下回っているとともに、四国のほかの三県と比較しても最下位に位置しています。あわせて、県では現在、かがわ総合リハビリテーションセンターにおいて回復期リハビリテーション病床を四十二床増床する計画があるものの、一方で、いまだ大川、小豆圏域にはなく、中讃圏域においても十分整備ができていない状況にあるなど、地域偏在も顕著であります。  こうした中、今後、高齢化が進行する状況を踏まえますと、急性期病床からの受け皿となる回復期リハビリテーション病床の整備を促進する必要性は、ますます高くなってくるのではないかと思います。  今年度、医療介護総合確保推進法の制定により、病床機能報告制度が設けられるとともに、県には地域医療構想の策定が義務づけられました。県は、医療機関からの報告を集約して、平成二十七年度から地域医療構想を策定し、医療機能の分化と連携を適切に推進することとされています。こうした取り組みを着実に進めていく中で、急性期に偏った現在の病床機能を見直し、本県にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を進めていく必要があると考えます。  そこで、医療機能の分化・連携の推進の観点から、この回復期リハビリテーション病床の整備について、今後、県としてどのように取り組まれていくのか、知事にお伺いをいたします。  質問の四点目は、本県における感染症対策についてお伺いをいたします。  近年、社会経済活動のグローバル化に伴い、国際的な人の移動や物資の流通が急速に拡大してきています。これに伴い、新型インフルエンザや中東呼吸器症候群(MERS)、さらにはSFTS(重症熱性血小板減少症候群)、エボラ出血熱などの新興感染症や、マラリア等の再興感染症が、国境を越えて世界中の各国に流入するリスクが高まっています。  また、今年度は、国内では、社会問題となった感染症として、過去六十年以上にわたり国内感染が認められていなかったデング熱が、東京都立代々木公園関連の国内感染症例として報告されるなど、いわゆる新興感染症、再興感染症の発生に対する体制の整備が喫緊の課題となってきております。  現在、高松空港には国際線三路線が就航しており、海外からの渡航者など人の移動が行われる中で、本県でもこのような感染症が決して起こらないとは言えない状況にあります。こうした感染症が、万が一、県内で発生する事態になった場合でも、可能な限り深刻な事態を回避するためには、県民への正確な情報提供を行うとともに、万全の体制を整えることが必要であると考えます。  そこで、まず、こうした感染症に対応するための対策として、県民への啓発や情報提供をどのように行っているのか、また、感染症に関する幅広い知識を有する医師など人材の育成確保を含め、体制整備にどのように取り組まれているのかをお伺いいたします。  次に、デング熱と並行してクローズアップされるようになったエボラ出血熱は、感染すると、高熱や下痢、嘔吐、臓器不全、出血などの症状があらわれ、高い確率で死に至るとされており、日本では感染症の分類上、最も危険性の高い一類感染症の一つに定められています。WHOによる最新情報によりますと、西アフリカのギニア、シエラレオネ、リベリアの三国で、累計患者数は一万七千人、死亡者は六千人を超えるなど、世界で大きな脅威となっています。  このエボラ出血熱など一類感染症の患者や感染疑いの患者が国内で発生した場合に備え、国は感染症法に基づく通知により、各都道府県に第一種感染症指定医療機関を一カ所、二床整備する基準を定めていますが、全国で八県には、まだ医療機関が整備・指定されておらず、本県もその一つとして、厚生労働省から早期整備を要請されているところであります。  県民の安全・安心のためにも、早期の対応が必要と考えますが、知事は、この第一種感染症指定医療機関の整備・指定に向け、どのように取り組もうとしているのか、御所見をお伺いいたします。  また、整備するまでに感染者や感染疑い患者が発生した場合、どのように対応するのか、あわせてお伺いをいたします。  質問の五点目は、オリーブ産業の振興等についてお伺いいたします。  県花・県木であるオリーブは、明治四十一年に小豆島で栽培が開始されて以来、百年以上の歴史を有し、本県は国内最大の産地となり、揺るぎない地位を築いているところであります。私の地元小豆島でも、ことしも九月下旬からオリーブの収穫が始まり、本年産のオリーブの新漬けやオリーブオイルが店頭に出始めています。オリーブ生産者の方々に聞くと、ことしは台風の被害に遭ったものの、作柄は良好で、昨年を上回る生産量になっているとのことで、安心しているところであります。  さて、オリーブについては、健康によいとする不飽和脂肪酸であるオレイン酸を多く含むことから、美容や健康への効能が注目され、オリーブオイルはもとより、新たな漬物や化粧品、加工食品などが開発されるなど、オリーブに対する需要は着実に拡大してきており、県においては平成二十二年度から、オリーブの作付に対する助成制度を設け、生産拡大を進めており、高松市や坂出市、三豊市など県下各地に作付が拡大していると聞いているところであります。  しかしながら、近年、オリーブ栽培が、九州を中心に全国各地で作付拡大が進められており、一部地域では既にオリーブの新漬けやオリーブオイルの生産が始まっており、こうした動きは本県にとって大きな脅威であると感じています。こうした中で、県では、香川県産業成長戦略の重点プロジェクトであるオリーブ産業強化プロジェクトとして、オリーブやオリーブ牛、オリーブハマチの生産の拡大や新たな商品開発のほか、今年度、県産オリーブオイルの一層の高品質化やブランド化を推進するため、県独自の品質評価基準を満たした製品にその表示を行うかがわオリーブオイル品質表示制度を創設したと聞いています。  そこで、まず、県産オリーブオイルの品質向上に向け、今後どのように取り組んでいくのか、また、全国一のオリーブ産地を発展させるために、どのように生産振興を図っていくのか、知事にお伺いをいたします。  また、オリーブ産業の強化には、オリーブの生産拡大やブランド化を進めていくことも重要でありますが、長期的かつ持続的な発展を図り、全国トップにあるオリーブ産業を確たるものとするためには、オリーブ産業の多様な担い手の育成を図るとともに、新たなオリーブ商品開発を初め、オリーブの品質向上や栽培技術の効率化などにつながる技術開発も重要であると考えているところであります。  こうした中、今年度、香川大学では、農学部の専門科目として「オリーブ学」を新設したとのことであります。県においても、このオリーブ学の講義のうち約三割に講師を派遣し、オリーブ栽培の歴史・現状や、オリーブの活用方法など、講義を行うとともに、小豆オリーブ研究所の機能を活用した収穫や搾油作業の実習を実施するなど、積極的に協力していると聞いております。  オリーブ産業を強化するためには、次世代を担う若者を対象としたこのような取り組みは重要であると考えていますが、県として、このオリーブ学に対してどのような効果を期待しているのか、お伺いをいたします。  さらに、全国をリードする産業に育てていくためには、新たな技術や商品開発につながる研究体制の充実を図ることが不可欠であると考えます。本県では、全国で唯一のオリーブ研究機関で、新品種の育成や効率的な栽培技術の開発に取り組んでいる小豆オリーブ研究所や、オリーブの土づくりや施肥、病害虫対策について研究を行っている府中果樹研究所があり、今後とも、オリーブ産業の強化につながる新たな成果が期待されているところであります。  しかしながら、両研究所とも、施設の老朽化が相当進んでいることから、今後、これまでと同様に本県のオリーブや果樹の生産振興を牽引していけるのか、懸念しているところであります。こうしたことに加え、オリーブを初め果樹を取り巻く環境は、産地間競争が激化する中、消費者ニーズの多様化や食の安全・安心への関心の高まり、六次産業化や加工マーケットの拡大、地球温暖化の問題など、社会経済情勢が大きく変化しており、試験研究においても、こうした時代の変化を的確に捉え、先を読んだ対応をしていくことが必要であると考えております。  県では、今年度、両研究所について、今後の試験研究のあり方や施設の整備構想について、検討が進められていると聞いております。  そこで、両研究所では今後どのような試験研究を目指そうとしているのか、そのためにどのような施設を整備していこうと考えているのか、また、財政状況は大変厳しいとは思いますが、早期に整備する必要があると考えます。あわせて知事の御所見をお伺いし、私の一般質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(黒島 啓君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)谷久議員の御質問にお答えいたします。  まず、小豆島の公共交通についてであります。  国においては、交通に関する施策を総合的かつ計画的に推進する交通政策基本法に続き、本年五月、地域公共交通活性化再生法が改正され、本格的な人口減少社会における地域社会の活力の維持・向上に向けて、まちづくりと連携し、公共交通ネットワークの再構築を進めることとされています。  一方、小豆島においては、御指摘のとおり、平成二十八年四月に小豆島中央病院が、平成二十九年四月に統合高校が幹線道路沿いに整備されることを踏まえ、人の動きが大きく変化することが見込まれており、現在、土庄町と小豆島町の間で、公共交通を軸にしたまちづくりや観光振興等の観点から、路線バスについて抜本的見直しを行うことについて、既に協議していると伺っております。  県では、小豆地域の地域公共交通について、改正前の活性化再生法に基づく総合連携計画に沿って、これまでも地元と連携し、路線バスや、小豆島と高松を結ぶ航路へのICカードの導入など、利便性と結節性の向上に取り組んできたところであります。  私としましては、他地域にも増して少子高齢化が進行する小豆地域においては、地域公共交通の役割が今後ますます重要になっていくものと考えており、国の施策・制度の動向や地元の協議の推移を踏まえつつ、これまで以上に地元自治体や交通事業者等と連携を密にしながら、地域公共交通の活性化にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  次は、回復期リハビリテーション病床の整備についてであります。  高齢化の進展に伴い、脳血管疾患、骨折や関節疾患など高齢に伴う疾患の増加が予想される中、このような疾患に対し、適切なリハビリテーションを実施し、生活機能の回復や身体機能の改善を行い、急性期治療と在宅復帰の間をつなぐ回復期リハビリテーション病床の整備は、重要な課題となっております。  このことから、県では、かがわ総合リハビリテーションセンターにおいて病床の増床を進めているところですが、大川、小豆圏域においてはいまだ整備ができておらず、県全体としてバランスのとれた病床の整備が求められているところであります。また、回復期リハビリテーション病床の整備を進める上では、地域の急性期病院との連携を図り、適切な時期におけるリハビリテーションが実施できる体制整備を行うとともに、社会復帰まで見据えた効果的な訓練の実施など、地域における連携強化と医療機能の充実が必要であると考えております。  このようなことを踏まえ、地域医療構想の策定の中で、病床機能報告制度によるデータ等を活用しながら、回復期リハビリテーション病床の現状分析や今後の見通しについての推計を行うとともに、医療関係者や住民代表者、有識者などの意見を十分に伺って、回復期リハビリテーション病床の整備を初め、本県にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を適切に推進できる医療体制の整備について、検討してまいりたいと考えております。  次に、感染症対策のうち、県民への啓発等についてであります。  感染症は、感染症法により、エボラ出血熱など一類感染症や、SARSなど二類感染症など、感染症の種類に応じて、保健所に対する速やかな届け出が義務づけられております。  本県では、これら届け出の必要がある感染症のうち、緊急性や重要性から、直ちに県民への情報提供と注意喚起が必要な感染症については、発生地域、発症までの経緯、県民への注意点などについて、その都度、情報の提供を行っております。また、香川県感染症週報及び香川県感染症月報を公表し、ホームページへ掲載するとともに、各医療機関に情報提供し、常時、注意喚起しているところであります。  人材の育成確保については、平成二十四年度から香川大学医学部に感染症寄附講座を設置し、専門医の養成・確保を初め、専門医が各医療機関に出向き、定期的に指導・助言を行うなど、本県における感染症に関する診療水準の向上を図っているところであります。あわせて、専門医による医師や看護師などの医療スタッフを対象としたさまざまな感染症に関する専門的な研修会を開催し、感染症に対する理解と知識の向上にも努めております。  今後とも、感染症に関する幅広い知識の普及と適切な感染症対策を推進することができる高度な専門医など、人材の育成確保に努めるとともに、関係機関相互の連携体制の強化に努めてまいりたいと考えております。  次に、第一種感染症指定医療機関の整備等についてであります。  エボラ出血熱など一類感染症患者を受け入れる第一種感染症指定医療機関については、本県では、第六次香川県保健医療計画において、平成二十九年度を目標年次として、二床整備に向け検討することとしておりましたが、今般のエボラ出血熱の感染拡大を契機に、その整備が急務となり、厚生労働省からも改めて早期整備の要請がありました。  私といたしましては、県民の皆様の安全・安心のため、また、高松空港に海外三路線が就航し、成田国際空港とも結ばれていることからも早期に整備が必要と考え、選定作業を加速してまいりました。設備基準や人的な要件などを勘案し、複数の医療機関と協議を進めてきた結果、県立中央病院において、新たに、一類感染症に対応できる病床二床を別棟で整備することといたしました。  今後、感染症専門医の助言もいただきながら、できる限り早期の整備・指定に向け、取り組んでまいりたいと考えております。  また、この感染症病棟が完成するまでの間に本県で感染者等が発生した場合には、徳島県や高知県など近県の第一種感染症指定医療機関において受け入れをお願いすることとしております。このため、先月二十一日には、県内における患者発生時の対応訓練を実施し、近県への患者搬送と受け入れ先の確認を行うとともに、患者発生時に中心的役割を果たす保健所職員が迅速・的確に対応できるよう、手順を確認したところです。  国際交流の活発化等により、感染症を取り巻く状況は著しく変化していることから、今後とも、感染症対策に万全を期してまいります。  次に、オリーブ産業の振興等についてであります。  全国トップにあるオリーブ産業の地位を確たるものとするためには、その基盤となる生産量を拡大するとともに、より一層のブランド化につながる高品質化を図ることが重要であると考えております。  県においては、県産オリーブオイルの一層の品質向上を図るため、本年十月に、本県独自の品質表示制度を創設するとともに、海外の専門家による採油技術向上のための研修や品質評価技術の研修など、高度な採油技術者の育成に努めるほか、採油機の導入に対して支援しているところであります。また、生産拡大を加速化するため、これまでの苗木代や土壌改良資材等の初期費用への支援に加えて、農地機構を活用した農地の確保を促進するとともに、未収益期間における生産者の負担軽減に向けた支援の強化方策について、検討しているところであります。  香川大学農学部が本年開設したオリーブ学については、オリーブについて体系的に学ぶことのできる全国初の科目であり、今後、本県オリーブ産業を担う人材が輩出されることを強く期待しているところであります。  小豆オリーブ・府中果樹両研究所の今後の試験研究の方向性については、外部関係者の御意見も踏まえ検討してきたところであり、さぬき讃フルーツの一層のブランド化や、オリーブ産業強化プロジェクトを推進するため、新品種の開発やオリーブオイルの高品質化など、研究の重点化及び加速化を図ります。また、産学官の共同研究を強化し、新技術・新商品の開発を進めるほか、担い手などの人材育成や生産現場に即した新技術の導入やマニュアル化にも取り組んでまいります。  施設については、こうした試験研究が行えるよう、コンパクトで作業効率がよく、共同研究や情報発信、研修等の機能を備えたものにするべく、現在、整備計画の策定を行っており、早期整備に向け、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  なお、その他の御質問につきまして、政策部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)工代政策部長。    (政策部長工代祐司君登壇) ◯政策部長(工代祐司君)谷久議員の離島振興についての御質問にお答えいたします。  離島活性化交付金は、改正離島振興法を踏まえ、離島における地域活性化を推進し、定住の促進を図るため、地場産業の育成による雇用拡大等の定住促進、観光の推進等による交流促進、安全・安心な定住条件の整備強化等の取り組みを支援するものであります。  今年度、県では、本交付金を活用し、県内離島への移住を促進するため、移住専門誌等を活用した島の魅力の情報発信を行うほか、東京で開催した移住フェアなどで、島への移住相談コーナーを設置し、移住先としての香川の島暮らしをPRしたところであります。また、交流を促進するため、今年度初めて、小学生を対象に、県内の離島をめぐる「親子で島まるごと体験ツアー」を実施したほか、サンポート高松で、県内の離島が一堂に会したかがわ島フェスタ二〇一四を開催し、島の魅力を発信するとともに、島相互の連携交流にもつながったところであります。  市町では、今年度、五市町が事業を実施しており、具体的には、定住促進事業として、しょうゆ等の輸送費支援による地場産業の育成、交流促進事業として、招聘した若手芸術家による現代アートの創作活動と島民との交流、安全・安心の向上事業として、海抜表示板の設置による防災体制の強化などであります。  県といたしましては、離島を有する市町が、離島活性化交付金を財源として、地域活性化に積極的に取り組むことが重要であると考えており、交付金を活用した先進自治体の取り組み事例等の情報提供や、市町からの相談に対する助言などに取り組むとともに、交付金の拡充等についても、市町の意見を踏まえ、国に対して働きかけるなどの支援も行ってまいりたいと考えております。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)一般質問を続行いたします。  都築信行君。    (都築信行君登壇、拍手) ◯都築信行君 議長のお許しをいただきましたので、大きく五問にわたって質問をさせていただきます。  まず、県下の空き家対策についてお伺いいたします。  高齢化や人口減少に伴い、放置されたまま老朽化する空き家が急増し、地域の大きな課題になっております。高松市内の住宅地でも、十軒の団地の中で実際居住しているのは二、三軒というところや、長年不在で荒廃している家屋もあります。居住者が高齢となり、介護施設に移転したり、親が亡くなり、子供は後を継がず、そのままの状態で放置されているケースなど、空き家になっている背景はさまざまです。  総務省が発表した二〇一三年の住宅・土地統計調査によりますと、全国の空き家数は八百二十万戸に上り、住宅総数に占める割合も一三・五%と、いずれも過去最高。野村総研のまとめでは、二〇二三年には約一千四百万戸に達し、五軒に一軒が空き家になるとの試算を発表しております。  県下でも、空き家の数は八万九百戸で、空き家率は一七・二%、全国を上回る水準で、全国第七位の高さとなっております。  空き家は、景観上の問題だけでなく、敷地へのごみの不法投棄や不審者の侵入、放火の要因になるほか、災害時に倒壊して、避難や消防の妨げになるおそれがあります。こうした危険性をはらむ空き家については、速やかに対処する必要がありますが、あくまでも管理責任は所有者に委ねられているため、対策が思うように進んでいないのが現状です。  空き家を撤去する際の主な障害として、一、所有者の把握の難しさ、二、撤去費用の負担、三、自治体の責任だけで行政代執行などを行った場合の訴訟などのリスクが指摘されております。さらに、家屋を撤去して更地にすると、住宅が建つ土地の固定資産税が軽減される特例措置が受けられなくなるため、所有者があえて家屋を残したままにしていることも、取り壊しが進まない原因となっているようです。  このような状況の中、近年は、課題解決へ積極的な動きも見られ、国土交通省の調べによると、ことし四月時点で全国三百五十五カ所の自治体が、問題のある空き家に対して指導、勧告、命令、行政代執行などを行うための独自の対策条例を施行し、実績を上げております。また、国においても、空き家の所有者を把握するために固定資産税情報を活用したり、危険な空き家を迅速に撤去できるよう法的な担保を与えたり、自治体の撤去費用など財政支援を検討することも盛り込まれた空き家等対策の推進に関する特別措置法が先月十九日に成立を見たところであります。  一方、空き家の撤去促進とともに、空き家の利活用に向けた取り組みも重要です。旧赤坂プリンスホテルが昨年取り壊された際、外国の方々から、「なぜ歴史のある建物を壊すのか」と惜しむ声がたくさん聞かれました。時代の風雪に耐えてきた建築物へのまなざしの温かさを感じます。  空き家の問題は、今後のまちづくりのキーワードともなり得ます。国の来年度予算には、育児向けに自治体が空き家を借り受け、改修した場合、国が一定の補助をする制度の拡充も盛り込まれているそうです。我が県でも、移住政策の一環で、県内全ての市町が、不動産取引業者団体と連携して空き家情報を提供する空き家バンク等の事業を進め、空き家対策の一助に資しております。  そこで、国の制度とも活用、連動させながら、県下でも喫緊の課題となっている空き家対策について、まちづくりに資する利活用も含めた県の主体的な取り組みについて、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、若者の活躍支援についてです。  現在、若者が置かれている状況を見てみると、正社員か非正規かという働き方の二極化や、不合理な働き方を強いられたり、起業における障壁や、子育てと仕事の両立の困難さ、地域からの疎外など、この人口減少時代を乗り越えるため本来必要とされる若い活力を発揮しづらい隘路に陥っています。  公明党青年委員会が、本年、青年が抱える課題の把握に努めるべく、青年層を対象とする青年市民相談会などを通じ、現場の生の声をいただき、それをもとに、「働く」、「子育て」、「地域で活躍する」の三つの視点から若者をサポートする政策提言、青年政策アクションプランを、本年八月に政府に提出しております。  そこで、県内からも寄せられた御意見も踏まえ、県における若者の活躍支援の取り組みについて、何点かお伺いをいたします。  まず第一に、働く若者のサポートです。  現在、県内の有効求人倍率は、平成二十六年十月時点で一・二八倍と全国水準を上回り、平成二十六年十月末現在の高校新卒者の就職内定率は八四・九%と、二十二年ぶりの高水準、大学新卒者の就職内定率も六五・三%と、各月の統計が残る平成三年度以降で最も高い数値となるなど、明るい兆しは見えてきているものの、十五歳から二十四歳までの若年層の失業率は、平成二十五年平均が五・七%と、全体の三・二%に比べて、いまだ高水準にあります。また、若い社員らを酷使するブラック企業の存在やそれに近い企業なども指摘されており、若者の雇用環境を改善し、将来に希望を持って働ける環境を整えることが重要だと考えます。  さらに、県内の非正規雇用割合が、総務省の就業構造基本調査によると、平成十九年度の三〇・五%から、二十四年度、三五・三%へと増加している現状においては、正規雇用、特に若年層における正規雇用割合を高めていくことも重要です。  そこで、若者の雇用環境や処遇改善に向けた県の具体的な取り組みについて伺います。  次に、非合理な働き方の見直しについて、真面目な若い方々が会社に酷使され、我慢を余儀なくされたあげく鬱病等にかかる者や、それでもやめさせてくれない企業、わざと困難な作業につかせ、やめるよう仕向ける企業等の相談が、私にも数件寄せられております。労働基準法等の違反が疑われる企業等に対する監督指導は当然ですが、それに抵触しないまでも、若者の配置・育成のあり方等に課題がある事例も見られます。  国の機関ですと敷居も高いと感じる若者もいるようで、例えば気軽に相談できる労働条件相談ダイヤル(仮称)の設置など、相談体制の充実を図ったり、若者の離職率が高い業種を中心に、雇用管理改善に向けた指導・援助を強化する必要があると思われますが、いかがでしょうか。
     第二に、地域で活躍する若者のサポートです。  都市部の若者らを、過疎地域を初めとした地方の自治体が募集し、地域活動に従事してもらう地域おこし協力隊制度が、全国に広がっております。制度が開始された二〇〇九年度は全国で八十九名でしたが、二〇一三年度現在では、隊員数が三百十八自治体で九百七十八名まで広がり、この六月には、安倍晋三首相が、この制度の隊員数を今後三年間で三千人にふやす方針を打ち出しています。  我が県においても、現在、さぬき市など一市三町で計七名の方が活動中です。これまでの定住状況も、昨年六月末までに任期を終えた隊員のうち約六割が、活動していた市町村か近隣地域に定住しています。県内においても、三名の方が任期を終了し、いずれも地元に定着しています。  この取り組みは、現在、市町が中心となってその募集等を行っているようですが、県が積極的な調整役となるなど、隊員が無理なく地域に溶け込み、定住の流れが加速するよう、県が主体となって受け入れ態勢の強化を図っていくべきだと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、女性の活躍支援施策についてお伺いいたします。  今、女性の能力を発揮しやすい職場をつくるホワイト企業が、全国にふえております。経済産業省でも、「ダイバーシティ経営企業百選」の中で表彰しており、同省監修の書籍「ホワイト企業」によると、安心して子供が産め、育児と両立しながら、キャリアアップしている実感が持てる会社と定義されています。  取り組みの先進性、実践度、経営トップのリーダーシップなどが評価対象となり、同省に選定された企業では、女性社員が伸び伸びと働き、ヒット商品を生み出しております。例えば、大手ビール会社では、妊娠中や授乳中の女性でも飲めるノンアルコールビールを開発・販売、業績向上に貢献しております。  また、男性中心のイメージが強い建設業でも、徐々に女性の活躍が目立ってきております。日本建設業連合会、日建連では、工事現場で活躍をしている女性のグループの結成を呼びかけ、「なでしこ工事チーム」として認定を始めております。日建連がチーム結成を促すのは、女性ならではのきちょうめんさやきめ細かな配慮が、荒々しいイメージの建設現場の雰囲気を和らげていく効果を狙ったものだそうです。  このように、女性の活躍で男性が受ける恩恵も決して少なくない一方で、現場で働く女性にとっては、その環境は整っているとは言えない状況であります。そこで、現場で働く女性の活躍支援に向けて、我々公明党の女性委員会が、本年五月、女性の応援施策をまとめた女性の元気応援プランを政府へ提言をいたしました。  具体的には、地方自治体においても国同様、女性の活躍を加速化させるためのプラン策定や、女性登用の促進の取り組み、女性技能労働者や技術者が働きやすい環境整備の推進、農業、水産業、環境分野、防災分野等、各現場において女性の意見を反映できるよう、女性委員の登用や女性のアイデアを生かす取り組みの推進が提案されております。また、子育て、介護と仕事の両立が可能となるよう具体的な環境整備の推進や、女性の起業支援などのほか、健康支援に向け、女性特有のがんの検診受診率向上や、妊婦健診十四回の着実な実施、産後ケアの充実などを要望、さらに安全・安心を確保するために、ストーカーやDV対策を申し入れたところでもあります。  ところで、今、全国の自治体でも、就業、子育て支援など、女性の活躍をサポートする取り組みに知恵を絞っております。例えば、女性の働きやすさ日本一へ多彩な施策を展開する広島県、女性の就業と子育て支援で注目を集めております。  少し御紹介しますと、仕事と家庭の両立支援へ、男性の育児休暇取得を促すために、二〇一〇年十月、知事みずからが全国で初めて育休を取得。また、男性の育休取得者がいる中小企業に一人当たり最大三十万円を支給するいきいきパパの育休奨励金制度などを創設しました。二〇〇九年度まで全国平均を下回っていた男性の育休取得率は、二〇一二年度には、全国平均一・八九%を大きく上回る七・二%まで上昇しております。  また、女性の再就職を応援するため、県は二〇一二年三月に、就職相談から職業紹介までワンストップで支援するしごとプラザマザーズひろしまを開設。全国初となる国と県の共同運営で、二〇一四年三月末までに二百五十二人が就職をしました。県組織の強化にも取り組み、二〇一三年四月、女性子育て施策の総合的な推進役を担う働く女性・子育て支援部長を任命し、女性の就業と子育て支援施策に関する部局を横断的に連携させる働く女性応援プロジェクトチームを新設しております。  その他の県でも、埼玉県では、女性の活躍で経済を活性化させるウーマノミクスの具体化へ、担当課を設け、企業内保育所整備などの施策を一元的に推進。神奈川県では、県内の企業などで女性が開発に貢献した商品を「なでしこブランド」に認定し、積極的にPRをしております。我が香川県でも、県内の中小企業向けに、ワーク・ライフ・バランスの導入マニュアルと事例集を配付するなど、普及啓発を行っているとお聞きをしております。  本県の合計特殊出生率が全国平均を上回る一・五九であるなど、施策効果が出ている分野がある一方で、本県の男性の育休取得率は一・一〇%と、全国平均に比べ、おくれをとっている分野もあります。  そこで、他県の例や我が党の女性の元気応援プラン等も参考に、我が県におけるさらなる女性の活躍支援についてのお考えについて、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、花卉の振興についてお伺いをいたします。  菊やマーガレット、カーネーションなどの色彩豊かな観賞用の切り花や盆栽、鉢物、球根類などを総称する花卉は、冠婚葬祭やまちづくり、プレゼント、装飾で、日常生活のさまざまなシーンを彩っております。本県でも、十一月一日、二日にかけサンメッセで開催された第三十四回県民花まつりでは、県内の園芸愛好家が丹精込めて栽培した菊や盆栽などの品評会作品の展示を行うとともに、来場者を対象とした園芸講習会や鉢花等の即売などを行い、二日間で約一万人の来場者があり、大変に盛況であったようです。  本県の花卉については、菊やマーガレット、カーネーションなどの施設園芸と、全国一の生産量を誇る松盆栽を中心に発展してきました。しかしながら、近年、本県においても、花卉の消費は、切り花の一世帯の購入金額は減少傾向にあり、世帯主の年齢別で見ると、若年層ほど購入金額が低くなっております。その上、輸入切り花の増加による販売単価の低迷を初め、施設の建設費や暖房燃料価格の高騰などにより、施設園芸農家の経営が圧迫されており、生産者の経営安定に向けた支援を行うとともに、県産花卉の消費拡大に向けた対策を強化することが喫緊の課題であります。  こうした状況の中、国レベルでは、具体的な法整備として、花きの振興に関する法律が本年六月に成立しております。その内容は、農水相が、生産量の目標や振興策を盛り込んだ基本方針を策定するほか、都道府県は、その基本方針に沿って振興計画を定め、生産者の経営安定や品質の向上、輸出促進などの支援を行うこととなっております。  また、国の本年度事業として、新たに、国産花卉のシェア奪還と輸出拡大を図るため、花卉業界関係者が一体となり、日もち性の向上等の国産花卉の強みを生かす生産・供給体制の強化と需要の拡大に向け、国産花きイノベーション推進事業を実施しているところであります。  ところで、先日、高松市内のある花卉生産者の方と懇談させていただく機会があり、燃油価格や資材費の高騰、自然災害の発生等による経営の圧迫や、補助金メニューは多いが、その採択条件が厳しく、使いづらいものになっているとの御意見もいただきました。その上で、県内でのさらなる花卉産業及び花卉の文化の振興のため、本年成立した花きの振興に関する法律に基づく香川県の振興計画の策定に大きな期待を寄せられておられました。  そこで、法の趣旨や現場の生産者の御意見も踏まえ、花卉振興についての取り組みについて、何点かお伺いをいたします。  まず第一点目に、燃油価格や資材費の高騰など、栽培コストの上昇により経営圧迫を受けている花卉生産者に対し、どのような支援を行っているのか、現状制度で十分機能しているのか、伺います。  二点目に、香川県産花卉の生産拡大や輸出拡大に向けた取り組みとして、今後、鮮度保持も含めた加工や流通の高度化、新品種の育成や増殖技術の高度化等に資するさらなる研究開発、そして具体的な輸出促進策などの取り組みが必要と考えますが、いかがでしょうか。  三点目に、花卉の消費拡大にもつながる花卉文化の振興に向けた取り組みとして、県の庁舎等の公共施設やまちづくりにおける花卉の活用、癒やし効果普及のための介護施設や障害者施設等社会福祉施設での活用の促進や、花卉の文化の担い手となる児童や生徒等に対する花育活動の推進、そのほか家庭や職場等日常生活における花卉の活用や、花卉にまつわる行事や習慣等の伝統の継承、新しい物日等の普及に向けた取り組みが必要だと考えますが、いかがでしょうか。  最後、四点目に、花卉の振興についての県の組織体制について、振興策の推進には農政水産部だけでなく各部横断的な取り組みが必要と考えますが、体制についてのお考えと、法を受けた県独自の振興計画策定に係るお考えについて、知事の御所見をお伺いいたします。  最後に、路面下の空洞化対策についてお伺いいたします。  道路や橋などのインフラの老朽化が進み、早期に異常を発見するインフラ点検の重要性が高まっております。計画的で質の高い点検によって、インフラのふぐあいをいち早く見つけ、傷みが少ないうちに修繕を繰り返す予防保全型の維持管理として、香川県公共土木施設アセットマネジメント基本方針に基づき、我が県でも鋭意取り組まれております。  中でも、道路、橋梁は、産業・経済の活性化や日常生活を支える非常に重要なインフラですが、近年、全国でも、その老朽化による陥没事故が多発しており、報道でも大きく取り上げられております。我が県でも五月に、民間調査会社の協力により行われた県道五キロにわたる調査では、十七カ所の空洞が探知されるという事態となりました。  その結果を踏まえ、私も、ことし六月議会の一般質問で取り上げさせていただき、道路の陥没事故を未然に防ぐため、目視だけではわからない路面下の危険な空洞を見つけ出す総点検の実施を提案させていただいたところであります。その後、県としても素早く対応していただき、その十七カ所については、掘削等により実際の確認をしていただき、補修等を完了し、事なきを得たところでありますが、その一部の県道四十三号線の現場では、厚さ七十センチ、縦横一・二メートルから一・四メートルの空洞が確認されております。  これまでは、技術的な観点から点検が困難であった路面下の空洞化の状況でしたが、民間会社の技術も日進月歩し、それが可能となってまいりました。例えば今回の調査を行った民間会社では、もともとは地雷探査を主要業務とする会社で、世界初の高速・高解像度マイクロ波探査車を開発し、時速六十キロで走行する車から路面にマイクロ波を照射して、地中を透かすように計測する技術で、体内の異常を発見するCTスキャンのように、路面下の空洞や橋などの劣化箇所を発見することができます。調査コストも、従来の方法と比較して約二分の一で済み、約十倍のスピードで実施することが可能だといいます。  全国でも、同様の調査点検が既に始められており、路面下の空洞化が発見された高知市でも、所管部局である都市建設部において、「高い精度で路面下の空洞を探査でき、時間、交通などの面からも評価できる。路面下の空洞調査には有効」との考えのもと、同市では、地域特性を踏まえた国土強靱化地域計画の具体的な調査手段として採用することも含めて検討していく考えのようです。  そこで、六月の定例会では、他県の取り組み状況等も見きわめながら検討してまいりたいとの知事の答弁でありましたが、それ以降、県民のインフラの空洞化への不安とその対策への期待も高まっております。人命と住民の暮らしを守るために、これまで技術的な観点から点検が困難であった路面下の空洞対策についても、危機管理の観点からも、現在進行中のインフラ総点検に新たに加え、劣化損傷箇所を早期発見し、直ちに補修・補強する道筋をつけるべきと考えます。  道路管理者である県として、早期に具体的な総点検の計画の策定及びその実施を図っていくべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手、降壇) ◯副議長(黒島 啓君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)都築議員の御質問にお答えいたします。  まず、若者の活躍支援のうち、地域おこし協力隊への支援についてであります。  地域おこし協力隊は、都市部の若者らに、おおむね一年以上、最長三年間、地域住民と一緒になって地域協力活動に従事してもらうものであり、現在、この制度を活用して、さぬき市、小豆島町、直島町、琴平町において、七名の隊員が、特産品の販売やイベントの開催、空き家の有効活用策の検討など、地域の活性化に取り組んでおります。  県としても、本制度の導入を促進するため、市町に対して、地域おこし協力隊員の募集を働きかけるとともに、市町が募集する際には、県の移住・交流サイト「ええ・かがわ」や、東京や大阪での移住フェアにおいて、募集情報の発信をするなど、市町への導入支援を行っております。また、今年度からは、都会から移住してきた隊員が無理なく地域に溶け込み、定住につながるよう、隊員相互の情報交換や交流による連携強化、スキルアップの場となる研修会を定期的に開催するほか、来年三月には、四国の地域おこし協力隊交流勉強会を本県で開催するなど、隊員の活動に対する支援に努めております。  今後は、引き続き、募集情報の発信や研修会の開催を行うほか、新たに、市町と連携した地域おこし協力隊の募集説明会の県外での開催や、地元の受け入れ機運の醸成を図るための広報を行うとともに、活動終了後の支援として、隊員の定住につながるよう、移住者間のネットワークを強化するための移住者交流会の開催、任期を終了する隊員に対する国の起業支援制度の周知など、導入段階から活動段階、活動終了後までの総合的な受け入れ態勢の強化に取り組んでまいります。これらに加え、来年度に向けて、県としてどのようなことができるか、さらに検討してまいりたいと考えております。  次に、女性の活躍支援施策についてであります。  人口の減少が進む中、本県経済が持続的成長を遂げるためにも、あらゆる分野での女性の活躍が不可欠であります。女性の活躍支援については、社会のリーダー層等の意識啓発や、男女の子育てや就労などさまざまな面からの総合的な環境整備が必要でありますことから、来年度は、御指摘の他県の事例も参考に、県民や県議会の御意見を踏まえながら、次期かがわ男女共同参画プランの策定に取り組んでまいります。  特に、雇用の分野では、働きたいと望む女性がその能力を十分に発揮することができるよう、これまでも、企業の顕彰や認証マークの交付等によりワーク・ライフ・バランスの推進に取り組むとともに、高等技術学校では、女性のニーズを踏まえた職業訓練を行うなど、女性が多様な分野で新たな活躍の場を広げるための環境の整備に努めています。また、本年九月に、女性の力を地域の活性化に生かすために立ち上げた女性が輝く香川づくり推進懇談会においても、女性が働きやすい香川の実現に向けて議論を進めているところであります。  女性の活躍に向けては、子育て支援などの制度の充実や、男女ともに仕事と家庭を両立するための環境の整備・充実などに加えて、企業の経営者等の意識改革など、多くの課題がありますが、今後、プランの策定とあわせて、まず、さまざまな角度からの意識啓発を進めるとともに、あらゆる分野での環境整備を総合的に推進することにより、女性が社会の主要な担い手として活躍の場を大きく広げていける女性が輝く香川の実現に、県みずからも率先しながら、全力で取り組んでいきたいと考えております。  次は、花卉の振興についてであります。  花卉は、ゆとりや安らぎなど、心豊かな生活に欠かせないものであり、今般制定された花きの振興に関する法律の趣旨を踏まえ、産業と文化の両面から、その振興に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  まず、生産者に対する支援については、生産コストの削減を図るため、燃油価格の高騰に対する国の支援措置を活用するとともに、省エネ効果の高い断熱性資材やLED照明などの導入を促進しているところでありますが、消費が長期的に減少傾向にあることから、生産額も同様に減少傾向にあります。  また、生産や輸出の拡大に向け、御指摘のような観点からの取り組みが必要であり、県としては、カーネーションの「ミニティアラ」などに続く新たな品種の開発に努めるほか、本県特産の盆栽の輸出拡大や、六次産業化による花を活用した新商品の開発などについても、積極的に支援してまいりたいと考えております。  さらに、消費拡大と花卉文化の振興を図るため、県民花まつりやフラワーフェスティバルを開催するほか、花育活動についても、小・中学生に加え、今年度、高校生や社会福祉施設まで拡大したところであります。また、フラワーバレンタインなどの新たな物日の普及に努めるとともに、県産花卉の県内流通を促進するため、今年度、新たに、県産花き取扱協力店制度を創設したところであり、今後、公共施設などでの花卉の活用方策も検討してまいりたいと考えております。  法律に基づき県が定める振興計画については、今後策定される国の基本方針を踏まえ、庁内に部局横断的な検討組織を立ち上げるとともに、関係者の意見を伺いながら、本県の特性や現状を反映した香川らしい計画を策定してまいりたいと考えております。  今後とも、花卉の生産や流通、消費段階において、積極的な施策展開を図ることにより、本県の花卉産業の発展と心豊かな県民生活の実現に努めてまいります。  次は、路面下の空洞化対策についてであります。  空洞化による道路の陥没等は、重大な事故を引き起こすおそれがあるとともに、通行制限により、経済活動や県民の皆様の日常生活にも影響を及ぼすことから、陥没の兆候等を事前に察知し、事故を未然に防ぐことが重要であると考えております。このため、県におきましては、定期的な道路パトロールを実施し、路面の異常が見られた場合には、試掘による空洞の詳細な確認を行うとともに、橋梁の床版についても、定期点検による変状等の把握を行い、舗装の補修や橋梁の修繕等を実施するなど、適切な維持管理に努めております。  しかしながら、道路パトロールでは、路面下の状況を正確に把握するまでには至らないことから、議員御提案の空洞調査につきましては、路面下の状況を把握するための有効な方法の一つであると考えております。この空洞調査につきましては、中国四国地方の各県に状況を確認しましたところ、既に鳥取県と島根県では、計画的に県管理道の一部区間を対象として実施しており、山口県においても、試験的な調査の実施に向けて準備を進めていると伺っております。  本県においては、本年五月に、調査会社がサンプル的に調査を実施しましたが、これは舗装下にコンクリート版があるような特異な箇所が大部分であったことから、埋設されている占用物件の種類や密度、また、地形条件などさまざまなケースについて、試験的な調査を行うことが必要と考え、現在、県において、この調査の実施に向け、手続を進めているところであります。今後、この試験的な調査結果を分析し、地下埋設物の各占用者とも連携して、路面下の空洞状況の効果的・効率的な調査方法について検討を進めたいと考えております。  なお、そのほかの御質問につきまして、担当部長よりそれぞれお答え申し上げます。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)伊勢野商工労働部長。    (商工労働部長伊勢野正憲君登壇) ◯商工労働部長(伊勢野正憲君)都築議員の、若者の活躍支援の御質問のうち、雇用環境改善等への取り組みについてお答えいたします。  若者の雇用環境が改善され、やりがいや充実感を感じながら働くことは、若者自身にとっても、また、地域の活性化を図る上でも、望ましい姿であると考えております。  このため、県では、就職サポートセンターで独自に開拓した正社員求人に加え、ハローワークの正社員求人情報を活用した職業紹介や、合同就職面接会、就職支援セミナーの開催、国との連携による若者応援企業の周知など、若者の正規雇用の拡大やミスマッチ解消に向けた就職支援に積極的に取り組んでおります。また、労働局や関係機関とともに、県内経済団体に対し、正規雇用の拡大や雇用管理改善などについての要請を、本年六月、九月に続き、来週にも行うこととしております。  さらに、県内企業にワーク・ライフ・バランス推進アドバイザーを派遣し、労働関係法令の周知に努めるとともに、働きやすい、働きがいのある職場づくりを進めるための指導・助言も行っております。  一方、相談体制につきましては、労働政策課内に労働相談窓口を設け、賃金等の労働条件やセクシュアルハラスメントなどさまざまな相談に対応しているほか、県労働委員会などと連携した無料労働問題相談会を開催しているところであります。さらに、就職を予定している高校生等には、働くに当たって知っておいてほしい労働問題のQアンドAや相談窓口などの情報を提供し、その未然防止に努めているところであります。  今後は、若者の離職防止につなげるよう、労働局や経済団体等とも連携し、企業経営者や若手社員に向けた研修会等の開催や相談体制のあり方について検討を深め、若者が安心して、やりがいを感じながら働き続けることができる環境づくりに取り組んでまいります。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)小野土木部長。    (土木部長小野裕幸君登壇) ◯土木部長(小野裕幸君)都築議員の、空き家対策についての御質問にお答えいたします。  適切に管理されていない空き家は、防災面を初めとして、住民生活にさまざまな影響を及ぼすおそれがありますことから、まずはこうした空き家の除却を進めるとともに、一方で、地域資源として有効に利活用を進め、良好な地域づくりにつなげていくことも重要であると考えております。  このうち、空き家の除却については、県と市町との連携により、老朽危険空き家の除却を行う所有者への助成制度について、来年度からの実施に向けて、市町の意見を伺いながら、検討を進めているところであります。  また、空き家の利活用については、市町と連携し、県、市町の広報誌やホームページ等を活用して、空き家の所有者に対する広報に努め、空き家バンクの登録をさらに促進するとともに、市町に対して、国の空き家活用に対する補助制度の有効活用の働きかけも行ってまいります。  県といたしましては、国の動向も注視しつつ、市町における空き家対策が除却と利活用の両面において効果的に展開されますよう、引き続き積極的に取り組んでまいります。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)一般質問を続行いたします。  山本悟史君。    (山本悟史君登壇、拍手) ◯山本悟史君 それでは、早速、質問に入らせていただきます。  最初に、新しい公共の推進について質問をさせていただきます。  先月、対岸の岡山市で、ESDに関するユネスコ世界会議が開催され、私も会場に足を運んでまいりました。ユネスコ、国際連合教育科学文化機関については、御存じの方が多いと思いますが、ESDを知っている方は存外少ないのではないでしょうか。  ESDとは、エデュケーション・フォー・サステイナブル・ディベロップメント(EducationforSustainableDevelopment)の略であり、日本語では、持続可能な開発のための教育と訳されます。これでもよくわからないと思いますので、岡山市のホームページから説明を拝借させていただきます。  「私たちの今の暮らしは、地球上のたくさんの資源を使って物をつくり、捨てています。自分たちだけ、自国だけよくなればという考えでこのままの暮らしを続けていると、私たちをめぐる環境は悪化を続け、私たちの暮らしや社会も地球上の生き物たちの命も持続していけなくなると言われています。  ESDは、一人一人が社会のあり方や価値観を見直し、持続可能な社会をつくるために、未来に向けて考え、話し合い、学び、行動していく取り組みのことをいいます。国連は、二〇〇五年から二〇一四年までをESDの十年と定めており、世界中でESDが推進されています。二〇〇五年、岡山市域は国連大学から世界で初めてESDに関する地域の拠点(RCR)に認定され、ESDを推進しています。岡山市域では、岡山市内の学校、公民館、市民団体、企業、行政などが緩やかにつながり、連携しながらESDを推進しているのが特徴です。」  この説明で、少しはイメージが膨らんだでしょうか。とにもかくにも、岡山駅周辺は、各国からの来訪者や地元岡山の子供たちでにぎわっており、本県でもこのような取り組みができればなあと感じた次第です。  さて、安倍内閣は、人口減少社会を克服するために、まち・ひと・しごと創生本部を立ち上げ、各地域がそれぞれの特徴を生かした自律的で持続的な社会を創生することを支援すると言っています。さきのESDの活動も、こうした範疇に入るのでしょう。  しかし、政令市や中核市などではこうした華やかな取り組みも可能ですが、それ以外の地域はどうでしょうか。さきの九月議会でも述べましたが、私は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックが決まったことで、東京一極集中の流れがさらに加速され、かつ、日本中の自治体が同じような発想で同じような地域活性化を考えている中で、本県だけが他の地域よりぬきんでた結果を出すことは至難のわざだと考えています。  さらに、日本中の自治体で言えることですが、よそで成功した事例をまねてみても、その地域で同じような結果が出るわけではありません。もとより、何でもいいから人口がふえさえすればそれでいいというわけでもありません。その地域ではどういう形で少子高齢化が進み、逆にどんな年代、あるいはどんな職業の人がどの程度いれば、人口が減っていっても地域集落として成り立つのか、身の丈に合った現実的なポイントを正確に把握しておくことが必要です。  もちろん、行政は業務としてこの問題に取り組まねばなりませんが、人も金も減って、組織としても全く余裕がない中で、それなりの結果を出すことは、これまた至難のわざだと私は感じています。問題解決のためには、縦割りになりやすい行政内部の連携・調整が可能で、さらに企業や各種社会団体ともコーディネートできる、そんな中間的で小回りがきく組織が必要です。  長らく、我が国では、公イコール官という方程式がありました。右肩上がりの時代は、それで結果が出ていました。しかし、右肩下がりが現実になった今はどうでしょうか。  少し話を戻しますが、実はESD世界会議の会場に行く前に訪問したところがあります。それは、特定非営利活動法人岡山NPOセンターというところです。ここは岡山市役所内にも執務スペースが設けられていて、これは、市長さんがこうした社会団体の有効性を理解し、積極的に活用している裏返しとも言えます。  当該団体は、最近では、岡山県内の中山間地域の支援に乗り出しています。具体的には、行政や地域から依頼を受け、その地域の課題を正確に調査した上で、その地域で仕事をつくり出し、人を雇用し、身の丈に合った小商いをすることによって集落を維持していくことを試みています。彼らの言葉をかりれば、行政が手放さざるを得ない分野を自分たちがカバーしていきたいということだそうです。  私は、これまでの公共イコール官、行政という状況を、市民、事業者、行政の協働によって問題解決を図る、いわゆる新しい公共に、理念だけではなく現実的に転換・推進していく必要があると考えています。右肩上がりにはならない今という時代では、それが一番効率的だと実感しているからです。  本県では、来年中に地方人口ビジョンと地方版総合戦略を策定するとのことですが、行政のつくる、よくできたきれいな作文で終わらせないためにも、新しい公共の概念を盛り込む必要性があると考えています。また、NPO法人だけでなく、市民活動団体、ボランティア団体、婦人会、老人会、PTAなどを含めるCSO、いわゆる市民社会組織と連携でき、行政の前さばきのような役割もできる民間組織、ネットワークも必要だと感じています。  それらの点も含めて、人口減少時代における新しい公共の推進に対して、知事はどう考えているのか、お聞かせください。  次に、県内における労働時間の短縮についてお聞きいたします。  先月十三日、衆議院内閣委員会で、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案について、政府の産業競争力会議のメンバーでもある小室淑恵さんが、参考人として意見を述べています。小室さんは、ワーク・ライフバランスというコンサル会社の代表で、よくマスコミにも出ているので、御存じの方も少なくないと思います。  話を戻しますが、この目玉法案は、解散のあおりを受けて、成立を断念されてしまいましたが、そこでの意見陳述は重要な指摘が含まれていたと私は考えています。小室さん御本人からも承諾をいただきましたので、この場で少し紹介させていただきます。  「クライアントの企業から一番相談されるのは、女性自身が管理職になりたがらない傾向が強いということ。今までは、女性は向上心が弱いとされてきたが、深く調べると、そうではない。管理職になりたくないのではなく、今、目の前にいる管理職のようにはなりたくないということ。管理職は、残業代がつかなくなって、責任だけは重くなって、しかも家庭は崩壊しているというイメージ。こんな貧乏くじは引きたくないと女性たちは言っています。」  どうでしょうか。この本会議場にいる男性管理職の皆様方がそう思われていないことを願いつつ、もう少し彼女の発言を紹介いたします。  「ここを変えていかなければ、根本的な女性の活躍にはならない。小手先の支援だけで終わらせずに、この国の労働モデルの設計そのものを見直していくことが必要です。」
     具体的には、労働時間の短縮こそが必要であり、それこそが日本が抱える社会問題をただで解決する方法だと彼女は主張しています。例えば育児や介護の例、現在では夫婦共働きの家庭は当たり前になりましたが、家庭や地域ではカバーできなくなった部分を公共サービスの拡充により対応しようとしているのが、昨今の流れです。これは、家族の過重な負担あるいは犠牲とも言える状況を改善し、社会全体で負担していこうという考えですから、これ自体を否定する気は毛頭ありません。  しかし一方で、例えばハード面の施設設置やソフト面の人員配置など、ふえ続ける要求に役所が応えられないのが現実です。だから女性は家庭に専念しろと言う気も毛頭ありませんが、会社に束縛されない時間がもう少しあれば、その分、家族の面倒を見たり心配りができたりするのにと考える人は、男女ともに少なくないのではないでしょうか。  また、当然ながら、自由時間を自分自身の時間に充てたって構いません。自己研さんに費やしても、遊びに費やしても、いずれも個人の人生を豊かにし、しかも確実に経済活性化につながります。  まさにバラ色の話ですが、経営者側からすると、そう簡単に、はいとは言ってくれません。実際に、「仕事が長い」と経営者に言ったら、「だったら会社が潰れてもおまえが責任をとるんやろな」と言い返されたという人もいます。  こうした意見に対して、小室さんは、社員が長時間労働によって心身ともにぼろぼろになって、さしたる利益を生み出していない会社と、思い切った時短により、社員に心身ともに余裕ができて、一人当たりが生み出す付加価値額が上がって、ひいては会社全体の収益も上がった具体的事例を挙げて、経営者の意識改革とその実践の必要性を説いています。私からすると、頼もしいの一言です。  ところで、人口ボーナス期と人口オーナス期という言葉があります。人口ボーナス期とは、若い人が多くて高齢者が少ない、つまり、税収は上がり、社会保障費は少なく済み、経済発展が容易な時期です。一方、オーナスとは負担という意味であり、つまり、人口オーナス期は、高齢者はふえ続け、生産年齢人口は減り続ける状態ですから、人口ボーナス期の社会構造そのままだと、当然、税収は減り、逆に社会保障費はふえるという負のスパイラルに陥ります。これから団塊世代が介護対象世代に移行していく我が国は、まさにこの人口オーナス期に突入していくわけであり、将来を冷静に見据えた政策の展開が求められています。  私は、男女ともに仕事に拘束されない自由な時間をふやすことで新たな経済発展につなげる政策をこそ、もっと本気で展開していくべきだと考えています。  ここで、本県の労働時間を見てみます。厚生労働省の調査によると、二〇一二年の本県の平均労働時間は千八百六十一時間で、全国三十三位という芳しくない状況です。もちろん、国が率先して各種施策を展開してくれればいいのですが、地方がそれを待っている必然性もありません。俗に言うブラック企業は論外ですが、都会の大企業でそれなりの給与をもらっているかわりに際限なく仕事に拘束され続ける人生よりも、香川県の企業は中小も含めて労働環境がしっかり整備されているから、香川県でなら家族をつくって生活していけるという評判と実績をつくるほうが、よっぽど人口増加にもつながるはずです。「早寝早起き朝ごはん」というフレーズがありますが、本県ではそれに加えて、「家族みんなで晩御飯」というフレーズを加えられる状況こそ目指すべきではないでしょうか。  そこで、知事にお聞きいたします。  本県における労働時間短縮の必要性と、本県のとり得る施策について、さらには、就任以来、文字どおり休むことなく県政を引っ張ってきた知事御自身が率先して労働時間短縮を実践することについて、どのように考えているのかも、あわせてお答えください。  三つ目の質問、動物愛護の推進についてお聞きいたします。  過日、議会控室で用事を済まし、帰ろうとしていたところに、県庁東館一階で、私に会いたいというおばあちゃんがいるという連絡を受けました。早速出向いてみると、おばあちゃんはかなりの御高齢で、電動車椅子を利用していました。  「あんたに話を聞いてもらいたかったんや。」、「ありがとうございます。どういった御相談でしょうか。」、「近所の野良猫に餌をやってたら周りが怒るんや。何とか助けてほしいんや。」ううんと頭の中で考えて、「おばあちゃん、動物は自分で飼えんのやったら餌はやったらいかんので。動物が嫌いな人もおるんやから。」と答えました。  おばあちゃんにとっては予想外の答えだったらしく、「そんなん言うたって私が餌やらな死んでしまうんで」と、幾分語気を強めて言いました。「かわいそうなんはようわかる。ようわかるけど、このまま餌をやってたら子猫が生まれて、その子猫らは捕まったら保健所に持ち込まれてしまうんよ。だからかわいそうやけど、飼えんのやったら餌をやったらいかんので。」と言うと、おばあちゃんは、「おまえも周りと同じことを言うんか。何が県会議員や。猫に餌をやって人間が死ぬんか。猫は餌やらんと死ぬぞ。」と、どなり始めました。  気がつけば、おばあちゃんはいつの間にか車椅子から立ち上がっていて、最後には、「逃げるんか、こら」とまで言われてしまいました。以前、別の高齢者から野犬の餌やりの相談があったときは説得に成功したのですが、このおばあちゃんにはうまくいきませんでした。まあこの調子だとしばらくは元気でいてくれそうだなあとは思いましたが、こうした餌やりと言われる人たちの行動が、結果的に、動物嫌いな人と殺処分される犬猫をふやすことになるのかと思うと、気分がめいります。  ペットの関係で、ことしの秋に大きな話題となったのが、主に関東で続出した小型犬の大量遺棄事件です。十月末から十一月初めにかけて、栃木県宇都宮市の鬼怒川河川敷で四十四匹、同月五日には、東に約二十キロ離れた林道脇の崖下で二十七匹が遺棄された事件は、特に大きく報道されました。発見された犬は、ミニチュアダックスフント、トイプードル、コーギーなどで、推定される年齢は五歳から十歳、ほとんどが避妊去勢手術を受けておらず、雌の場合は数回出産した形跡がある犬が多いのが特徴でした。  後日、怖くなって出頭したという犯人の男は、「県外のブリーダーの知人から犬を引き取ってほしいと頼まれ、ペットショップの元同僚と一緒に犬を木箱に入れてトラックで運んだ。犬は当初生きていたが、途中で死んでいるのに気づき、処理に困って、以前行ったことのある河川敷や山林に死骸を捨てた」と供述しています。要は、人気の小型犬をどんどん繁殖させて、売れなかった、あるいは産めなくなったので、餌代等の経費を考えて捨てたということです。  この背景には、昨年九月に改正動物愛護法が施行され、自治体が無責任な業者からの引き取りを拒否できるようになったことがあります。同じように殺され、あるいは死にかけたまま捨てられた犬は、この時期だけで全国で二百匹を超えているとのことで、環境大臣も、「本当にあってはならないこと。原因を突きとめるために情報収集に努める」とコメントしているほどです。  悪質な繁殖業者の責任は明白かつ重大で、厳しく罪を問うべきですが、その背景には、かわいいからという理由で、ペットショップで流行の動物を購入する風潮が強いことも指摘できます。もちろん家族の一員として大事に飼う人も少なくありませんが、そうではなく、単なるファッションとしてペットを飼育する人もいて、非常に残念なことです。  また、県内で言えば、特に犬の殺処分率が全国ワーストワンということが報道されて以降、保健所等への苦情電話がふえたとも聞いております。殺処分数を減らせというのは当然ですが、殺処分に関係する職員がけしからんという、かなりきつい調子の電話もあるようです。一言言っておくと、誰も好きこのんで殺処分しているわけではありません。自分で飼わないのであれば、それは単なるクレーマーです。  こうしたさまざまな問題について、解決に向けて大きな一歩になるのが、動物愛護センターです。昨年末に、設置に向けて高松市と協議していくことが表明され、ことし早々に、第一回香川県・高松市動物愛護管理行政協議会が開催されました。しかし、その後の進展が全く見られず、七月に女優の杉本 彩さんらから知事に申し入れを行い、私も九月議会の文教厚生委員会でも要請し、ようやく先月に第二回目の協議会が開かれました。  そこでは、愛護センターを譲渡推進拠点にすることで合意ができ、また、犬や猫を長期間収容できる一時保管施設については、高松市が独自に整備することを検討するとも聞いています。さらに、今月初めには、香川県市議会議長会からも、愛護センター建設を求める正式な要望があり、知事も、できるだけ早く設置すると積極的に回答しています。  知事の姿勢は心強い限りですが、問題は、行政だけのマンパワーでは限界があるということです。最初の新しい公共の質問でも述べましたが、県獣医師会や行政と協力できるしっかりとした譲渡団体等が運営に携わることが肝要だと考えます。  以上、さまざまな問題を取り上げましたが、特に愛護センター建設に向けての工程や関係団体等との連携も含めて、今後の本県の動物愛護行政の推進について、知事はどのように考えているのか、改めてお聞かせください。  最後に、選挙の公正な実施と投票率の向上についてお聞きいたします。  第四十七回衆議院議員総選挙が終わりました。民主主義社会においては、さまざまな政治的価値観が存在することが前提であり、その中でとりあえずの正解を求めるとしたら、それは選挙結果しかないというのが私の持論です。勝っても負けても現実を受け入れ、次回の選挙では主権者である国民から評価してもらえるように、それぞれの立場で、なおかつ異なる意見も尊重しながら、しっかりと日々の政治活動を行っていく。政治家あるいは政党とは、それを繰り返す主体なのでしょう。  しかし、もし選挙において買収や不当な圧力があったとするならば、これは到底納得できるものではありません。過去にはこういう事例がありました。選挙戦も中盤を過ぎたあたりから、候補者の乗る選挙カーの後ろを不審な車がぴったりとついてくるようになり、これだけでも気持ちが悪いわけですが、終盤になるとついに、個人演説会に入れ墨をした若者が集団で乗り込んできました。会場入り口で大声を出し、中に入った者は集団で最前列にどかっと腰かけ、腕を組んで入れ墨を誇示しながら、周囲を威嚇しました。  実はこれは、よその柄の悪い地域の話ではなく、五年前の香川一区での話です。全国的にはこういった嫌がらせ行為もあることは知っていましたが、まさか本県で、しかも自分の目の前でそういう事態が起こるとは、正直考えてもいませんでした。  そして、残念なことに、今回の総選挙でも、最終日の街頭演説場所に、御丁寧に黒塗りのワゴン車を四台並べて、余り優しくは見えない風貌の皆様方が立っていらっしゃったとのことでございます。どこの誰がどういう目的でそういうことをやるのかわかりませんが、ここまでやってくるんだなあと、変な意味で感心させられます。ともあれ、候補者やスタッフらを警護していただいた県警の皆様には、この場をかりて改めて御礼申し上げます。  余談ですが、五年前の選挙戦最終日には、スタッフらが、「またきょうも怖い人らが来とるで」と言ってきたので、確認してみると、実は、少し離れて警護に当たってくれている県警の人たちでした。「あの人らは見た目がちょっとだけ怖いかもしれんけど、私らを守ってくれる正義の味方ですよ。」とフォローしておいたことを、県警の名誉のためにも補足しておきます。  今述べたのは選挙当事者と周囲の人間の話ですが、本県内では、文字どおり選挙を管理するはずの選挙管理委員会、具体的には高松市選挙管理委員会に不正があったことも発覚しました。これはもう民主主義の根幹を揺るがす愚挙と言うしかありません。私も高松市議会に在籍しておりましたから、逮捕・起訴された関係者にも面識があります。当時から、選挙のたびに何らかのトラブルがあり、議会でもそのたびに取り上げられていたイメージがあります。スピードアップのための票読み機械も新しく購入して、今度は失敗できないという強烈なプレッシャーがあったのだと思われます。そこで、悲しいかな、正しく計数することより、早く終わらせることに、組織としての目標がすりかわったのだと推測しています。  再発防止策として、高松市は、今夏の知事選に続き、開票所への記録・監視カメラの設置や、不正をチェックする専任職員の配置を行いました。しっかりとやってもらわなければなりませんが、これでは、どこかの独裁国家が民主主義に移行して初めて普通選挙を行う際に、不正がないか、国際監視団が送られる状態と余り変わりません。こうした残念な状況がいつまで続くのか、他の自治体の選挙管理委員会も含めて、あるべき状態であるために、県選挙管理委員会も必要な助力を行わなければなりません。  そして、今回の総選挙で一番の問題は、投票率の低さです。小選挙区で言うと、全国では五二・六六%、本県ではさらにそれを下回る五〇・五六%という数値で、これはともに戦後最低記録です。各党が掲げるテーマがあったにもかかわらず、結果として半分の人に無視される形となりました。投票率が低いから選挙結果が云々という議論は横に置いて、まずは、当事者である政党や政治家、さらには選挙管理委員会が、有権者は寝ておいてくれればいいという発想でないのなら、少しでも投票率を上げる努力をしなければなりません。  例えば、よく言われるインターネット投票が実現すれば、若者を中心に劇的に投票率は上がるのでしょうが、現実問題としては、しばらく先の話です。であるならば、利用度が上がっている期日前投票をさらに拡充していくことが有効だと思われます。  既に全国では、スーパーやJRの駅に投票所を設置することも珍しくなく、高松市でも、瓦町駅地下や大型ショッピングセンターに設置しています。さらに、お隣の愛媛では、大学内に期日前投票所を設置したところ、実際に若者の投票率向上に大きく寄与したそうです。  このほかにも、各投票所で投票済み証明書を発行して、それを見せると商店街等で割引などのサービスを受けられるところもあります。こうした努力を、本県でももっともっと行っていく必要があるのではないでしょうか。  そこで、選挙管理委員会にお聞きしますと言いたいところですが、あいにく本日は衆議院議員総選挙用務があるそうですので、知事にお聞きすることにいたします。  選挙の公正な実施と投票率の向上について、どのような認識を持ち、かつ、来春の統一地方選に向けてどのような方策を考えているのでしょうか。  そして、警察本部長には、選挙違反取り締まりに対する警察の基本的な考え方についてお聞きいたします。  以上で私の質問を終わります。(拍手、降壇) ◯副議長(黒島 啓君)理事者の答弁を求めます。  浜田知事。    (知事浜田恵造君登壇) ◯知事(浜田恵造君)山本議員の御質問にお答えいたします。  まず、人口減少時代における新しい公共の推進についてであります。  人口減少時代の地域社会づくりには、県民一人一人が地域の主役であることを自覚し、その個性と能力を発揮しながら、積極的に地域にかかわっていくとともに、県民や地域団体、NPO、ボランティア、企業、行政などの多様な主体が、地域社会の公を主体的に担うことが必要であると考えております。  このため、県では、自治会などさまざまな地域づくり活動の支援に加え、ボランティア・NPO活動に対する顕彰を行い、活動の活発化と全県的な広がりの機運を高めるとともに、人材育成のための研修会や講座などの開催を通して、主体的なボランティア・NPO活動が行われるよう、支援しております。また、中間支援組織やネットワークについては、県のNPOネットワークプラザによる情報提供などを行っておりますが、今後、他県の事例も参考にしながら、研究してまいりたいと考えております。  お尋ねのまち・ひと・しごと創生法に基づく県のまち・ひと・しごと創生総合戦略等については、御指摘のような地域づくりを多様な主体で担っていくべきという観点も含め、県議会や有識者等の御意見を踏まえ、次期総合計画と十分整合性を図りながら、検討をしてまいりたいと考えております。  次は、労働時間の短縮についてであります。  少子高齢化が進行するとともに、核家族化や共働き家庭が増加する中で、県民誰もが暮らしの豊かさを実感するためには、仕事と生活の両立が必要であり、性別や年齢にかかわらず、個人のライフスタイルやライフサイクルに応じた柔軟な働き方ができる社会の実現が求められています。そのような中、働く意欲のある県民が安心して働き続けることができる環境づくりを推進することが重要であり、労働時間短縮も課題の一つであると考えております。  このため、県では、労働者が安心して働き続けられる職場づくりを目指し、ワーク・ライフ・バランス推進アドバイザーを設け、企業訪問を実施するなど、仕事と生活の調和を推進しており、その中で、年次有給休暇の時間単位取得やノー残業デーの設定など、労働時間短縮につながる取り組みを行っています。また、ワーク・ライフ・バランス推進企業の表彰や、他社の模範となる先進的な取り組みを広く紹介することなどを通じて、企業経営者や労働者のみならず、社会全体における労働時間短縮に向けた啓発に努めているところであります。  今後とも、香川労働局や経済団体、市町など関係機関との連携の中で、労働時間短縮に向けた企業の取り組み等を促進し、県民の皆様誰もが暮らしの豊かさを実感できる社会の実現に努めてまいります。  また、私自身につきましては、議員の皆様と同様、選挙で選ばれる特別職であり、就業時間の規定もないわけでありますが、県民誰もが暮らしの豊かさを実感できる社会を構築する上で、私自身が仕事と生活の調和を目指していくことも大切なことであり、できる限り努めてまいりたいと考えております。  次は、選挙の公正な実施等についてであります。  選挙は、民主政治の根幹をなすものであり、選挙事務を執行する選挙管理委員会の職員が、公職選挙法等を遵守して事務を執行することは当然のことであり、選挙の公正さに疑念を持たれるようなことがあってはならないと考えております。本県・各市町の選挙管理委員会においては、公正な選挙が執行されるよう、今後とも鋭意取り組みを続けられるものと考えております。  投票率につきましては、近年、低下傾向にあり、特に若年層の投票率が他の年齢層に比べて低くなっております。投票率の向上に向けては、これまでも、本県の選挙管理委員会では、選挙啓発ポスターコンクールや、大学生に対する選挙講義、小・中・高生に対する投開票体験学習などを実施し、若年層に政治意識を高めてもらう取り組みを行っているほか、個別の選挙が執行される際には、県・市町の選挙管理委員会において、それぞれ創意工夫を凝らした臨時啓発の取り組みにより、投票期日の周知と投票総参加の呼びかけなどが行われていると伺っております。私といたしましても、引き続きこれらの取り組みを積極的に推進されることを期待しております。  なお、その他の御質問につきまして、健康福祉部長よりお答え申し上げます。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)大津健康福祉部長。    (健康福祉部長大津佳裕君登壇) ◯健康福祉部長(大津佳裕君)山本議員の、動物愛護施策の推進についての御質問にお答えいたします。  本県の動物愛護施策を推進し、犬、猫の殺処分を可能な限り減少させるためには、動物に関心のある方だけでなく、関心のない方にも、動物愛護の正しい知識や考え方を理解していただくことが重要であり、ソフト・ハード両面からのさまざまな施策に取り組む必要があると考えております。  このため、ソフト面では、今年度は新たに、広く県民の皆様を対象としたDVDの制作やテレビコマーシャルの放映、集客施設でのキャンペーン事業を実施したほか、将来、ペットの飼い主になるであろう小学生を対象とした動物愛護の教育資材を作成し配付するなど、普及啓発に努めているところです。  また、これらの施策をより一層効果的に推進するためには、行政だけが取り組むのではなく、県獣医師会などの関係団体、民間のボランティア等と連携・協働することが大切であり、これまでも、獣医師会が主催するイベントに参加し、犬、猫の譲渡会を実施するほか、地域で活躍いただく動物愛護推進員や、犬、猫の譲渡ボランティアの方々に御協力をいただいているところであります。  ハード面では、犬、猫の譲渡推進の拠点となる動物愛護センターについて、先般開催した第二回香川県・高松市動物愛護管理行政協議会において、高松市と共同設置・運営を目指すことで合意したところであり、今後は、できるだけ早期の基本構想策定に向けて、外部の方の意見も聞きながら、高松市との協議を進めてまいります。  今後とも、動物愛護にかかわる皆様と緊密に連携しながら、さまざまな施策に積極的に取り組み、人と動物との調和のとれた共生社会づくりを目指してまいります。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)木下警察本部長。    (警察本部長木下慎哉君登壇) ◯警察本部長(木下慎哉君)山本議員の、選挙の公正な実施等についての御質問にお答えいたします。  選挙違反取り締まりを通じて選挙の公正確保に寄与いたしますことは、警察の重要な責務であり、県警察においては、常に不偏不党かつ厳正公平な立場を堅持して取り締まりに当たることとしております。取り締まりに当たりましては、悪質な事犯や、計画的・組織的に行われる事犯等、選挙の自由と公正を直接的に害する事犯に重点を置くとともに、軽微な違反についても、警告により、違法状態の早期除去と続発防止に努めているところであります。(降壇) ◯副議長(黒島 啓君)理事者の答弁は終わりました。  本日の一般質問を終局いたします。    ───────────────────────────── ◯副議長(黒島 啓君)以上で本日の日程は、終了いたしました。  次会は、十二月十七日午前十時本会議を開きます。なお、議事日程は、追って報告いたします。    (互礼) ◯副議長(黒島 啓君)本日は、これをもって散会いたします。                          午後二時五十三分散会 Copyright (c) Kagawa Prefectural Assembly Minutes, All rights reserved....