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  1. 山口県議会 2020-09-01
    09月24日-03号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    令和 2年 9月定例会   令和二年九月山口県議会定例会会議録 第三号      令和二年九月二十四日(木曜日)  ────────────────────        議事日程 第三号      令和二年九月二十四日(木曜日)午前十時開議  第一 一般質問  第二 議案第一号から第十七号まで(質疑)  ────────────────────        本日の会議に付した事件  日程第二 議案第一号から第十七号まで                会議に出席した議員(四十七人)                          塩   満   久   雄 君                          林       哲   也 君                          木 佐 木   大   助 君                          先   城   憲   尚 君                          友   田       有 君                          髙   瀬   利   也 君                          酒   本   哲   也 君                          平   岡       望 君                          西   本   健 治 郎 君                          二   木   健   治 君                          宮   本   輝   男 君                          藤   本   一   規 君                          猶   野       克 君                          篠   﨑   圭   二 君                          藤   生   通   陽 君                          合   志   栄   一 君                          小 田 村   克   彦 君                          曽   田       聡 君                          俵   田   祐   児 君                          吉   田   充   宏 君                          新   谷   和   彦 君                          田   中   文   夫 君                          島   田   教   明 君                          石   丸   典   子さん                          井   上       剛 君                          松   浦   多   紋 君                          守   田   宗   治 君                          森   繁   哲   也 君                          槙   本   利   光 君                          井   原   寿 加 子さん                          橋   本   尚   理 君                          山   手   康   弘 君                          畑   原   勇   太 君                          秋   野   哲   範 君                          河   野       亨 君                          笠   本   俊   也 君                          有   近   眞 知 子さん                          森   中   克   彦 君                          友   広       巌 君                          戸   倉   多 香 子さん                          上   岡   康   彦 君                          新   造   健 次 郎 君                          坂   本   心   次 君                          中   嶋   光   雄 君                          江   本   郁   夫 君                          柳   居   俊   学 君                          国   本   卓   也 君                会議に欠席した議員(なし)                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          村 岡 嗣 政 君                    副知事         小 松 一 彦 君                    総務部長        内 海 隆 明 君                    総務部理事       藤 田 昭 弘 君                    総合企画部長      平 屋 隆 之 君                    産業戦略部長      平 野 展 康 君                    環境生活部長      神 杉 さとみさん                    健康福祉部長      弘 田 隆 彦 君                    商工労働部長      福 田 浩 治 君                    商工労働部理事     梶 間   敏 君                    観光スポーツ文化部長  三 坂 啓 司 君                    農林水産部長      松 岡 正 憲 君                    土木建築部長      阿 部 雅 昭 君                    会計管理局長      内 畠 義 裕 君                    財政課長        稲 垣 嘉 一 君                    公営企業管理者     正 司 尚 義 君                    企業局長        山 本 英 信 君                    教育長         浅 原   司 君                    副教育長        繁 吉 健 志 君                    公安委員長       倉 田 惠 子さん                    警察本部長       谷   滋 行 君                    代表監査委員      木 村   進 君                    監査委員事務局長    渡 邉 隆 之 君                    労働委員会事務局長   武 林 正 治 君                    人事委員会事務局長   松 本 道 夫 君                会議に出席した事務局職員                    事務局長        前 田 安 典 君                    事務局次長       吉 岡 達 也 君                    総務課長        原 田 和 生 君                    議事調査課長      柳 原 廉 均 君                    秘書室長        宮 本 優 蔵 君                    政務企画室長      白 井 雅 晃 君                    議事調査課長補佐    作 本 真 得 君                    主査兼議事記録係長   益 本 悟 史 君                    主任          賀 山 智 江さん                    主任主事        柏 村 奈緒美さん                    主事          高 尾 大 輝 君   ─────────────    午前十時開議 ○議長(柳居俊学君) おはようございます。これより本日の会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第十七号まで ○議長(柳居俊学君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十七号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において順次発言を許します。 髙瀬利也君。    〔髙瀬利也君登壇〕(拍手) ◆(髙瀬利也君) おはようございます。自由民主党の髙瀬でございます。 それでは、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 最初に、特産品の振興について、お尋ねいたします。 観光産業は裾野が広く、その振興は本県地域経済の活性化に大きな役割を果たします。 新型コロナウイルスの感染拡大による観光事業者の窮状を踏まえ、本県ではプレミアム宿泊券の発行などによる観光需要の喚起にしっかりと取り組んでいただいていることをまずもって感謝申し上げます。 私も宿泊施設経営者の方々とお話をする機会が多いのですが、今回のプレミアム宿泊券に関しては、観光客のみならず、宿泊施設側にも大変好評であり、販売も日程を四回に分けて行ったにもかかわらず、毎回コンビニ端末の前には行列ができ、回を重ねるほど短時間で売り切れるという人気ぶりでした。 国の施策である「Go To トラベルキャンペーン」が、県内外から観光需要の喚起を促し、一定の効果を上げている一方で、プレミアム宿泊券は、よりシンプルで分かりやすいシステムを採用し、さらに「Go To トラベルキャンペーン」と併用して使用できることがその人気に拍車をかけ、非常に使い勝手が良いと皆さん口をそろえておっしゃっています。 そしてまた、観光産業の一分野である特産品の振興についても、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 御存じのように、現在も県内の特産品関連事業者は、新型コロナウイルスの影響により、大きな打撃を受け続けている状況です。当面、新型コロナウイルス感染症の収束のめどが立たないことから、土産物を購入する観光客や出張者が激減し、売上げが大きく落ち込んでいる状況にあります。 山口県の特産品として、一般的に認知されているものといえばフグを思い浮かべますが、県外の方に聞いてみても、山口県といえば、やはりフグのイメージが強いようです。 しかし、こうしたイメージは、本県の強みであると同時に、それだけという捉え方もされかねず、本県の多彩な特産品の魅力が十分に伝わっていないのではないかと危惧しております。 本県には、萩焼や大内塗、赤間硯という伝統的工芸品など、他県と比べても遜色ない、歴史と伝統を有する特産品があります。 また、こうした伝統的工芸品のほかにも、やまぐちブランドをはじめとした農林水産物や、これらを活用した六次産品などの優れた加工品を有しています。 例えば、近年、すっかり山口県を代表する特産品となった獺祭や東洋美人などをはじめとする日本酒は、十二年連続で出荷量を伸ばしてきました。 このほか、お菓子の外郎やかまぼこなどの練り製品、私の地元川棚温泉の瓦そばなど、まだまだ魅力的な特産品が豊富に存在してます。 さて、このような状況の中、新型コロナウイルスの影響もあり、日本各地の特産品が購入できる首都圏のアンテナショップが脚光を浴びています。 コロナ禍でなかなか旅行に行くことができない状況の中、都内でちょっとしたバカンスを味わえる癒しのスポットとして人気を集めているのが、銀座、日本橋かいわいアンテナショップです。 そこで地域の特産品を購入し、小旅行気分を味わう人も多く、本県もその需要をしっかりと取り込んでいく必要があると思います。 本県には、首都圏における情報発信や特産品の振興のためにアンテナショップ、おいでませ山口館があります。今こそ、ここを十分に活用した取組をしっかりとやっていかねばなりません。 観光に行けば、必ずと言っていいほど、その土地ならではのお土産を購入し、おいしい食材を頂きます。さらには、特産品の存在そのものから、逆に、その地域に興味を持つようになり、ひいては観光の誘客につながる効果も十分考えられます。 言うなれば、観光と特産品は、車の両輪のようなものであり、どちらか一方が欠けても進むことはできず、共に力を合わせて発展せねばなりません。 また、コロナ禍で疲弊した特産品関連事業者を盛り上げていくためにも、積極的な需要喚起策が必要となります。 そこでお尋ねします。コロナ禍の現状を踏まえ、観光の誘客にもつながる本県特産品の振興について、今後どのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、農業分野における多様な人材の確保について、お尋ねいたします。 本県は、全国平均を上回るスピードで人口減少や高齢化が進んでおり、農業も他産業と同様に、担い手の減少や高齢化が進行しています。 二○一五年の農林業センサスによると、本県における農業従事者の平均年齢は七十・三歳と全国で二番目に高く、その数も二万八千三百六人と、この十五年間でほぼ半減しています。 本県農業が生産基盤を維持し、持続的に発展するためには、農業従事者をどのように確保していくかが喫緊の課題となっています。 このため、本県では、新規就農者を増やし、将来の農業を担う人材を育成するため、全国でもトップクラスの支援策を展開するなど、これまで力を入れて取り組んでこられました。 その結果、毎年百名を超える方が新たに就業されるなど、一定の成果を上げてこられましたが、農業従事者の減少に歯止めをかけるまでには至っていません。 農業従事者の減少や高齢化が長期間続いたことにより、本県農業は、今労働力不足という切実な問題に直面しています。 私は先日、下関市豊田町の梨農家の方からお話を聞く機会がありました。梨を収穫する八月から十月は、一年で最も忙しく、朝早くから収穫作業に取りかかり、選果や箱詰めなど、出荷に関する作業は、夜まで続くそうです。 これらの作業は単純な手作業が中心ですが、作業量が多く、多くの人手が必要とのことでした。 収穫期に合わせて、パートやアルバイトを多数募集されていましたが、農繁期が重なる地域内からは人材確保が難しく、苦戦を強いられているようでした。 このように、農業分野における労働力不足は、その大半が農繁期である収穫期に集中して発生します。この時期に十分な労働力を確保できなければ、最適な時期に収穫を行うことが困難となり、収益をみすみす逃してしまうことにもなりかねません。 労働力不足は、農業経営に多大な影響を及ぼす深刻な問題であり、私は、必要とする時期に労働力を確保し、機会損失を防ぐような流動的で柔軟な仕組みが必要だと考えています。 都市部の例にはなりますが、ウーバーイーツという宅配サービスが近年大きく売上げを伸ばしています。このサービスにより配達パートナーは、空いた時間で気軽に副収入を得ることができ、お店側は少ない投資でデリバリーサービスを行うことが可能となりました。 まさに、これは労働力と雇用需要をピンポイントで結びつけた機会損失を防ぐ一つのすばらしい例といえるでしょう。 少子高齢化、働き手の減少、過疎地域の加速化は、もう確実に訪れており、以前と同じ考え方では衰退の一途をたどることは必至で、根本的なシステムの変化が求められていると考えます。 コロナ禍でこれから失業者の増加が懸念される中、農業が雇用の受皿として様々な業界から多様な人材を受け入れることにより、労働力や技術力の面から担い手を支えることができれは、本県農業の持続的な発展につながるものと確信しています。 そこでお尋ねします。農業従事者の減少や高齢化が進行する中、産地の労働力不足を解消し、永続的な力強い農業を実現するため、県としてどのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いします。 次に、私立学校の振興について、お尋ねいたします。 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、昨年度末から県内の各学校では休校を余儀なくされ、子供たちは長期間、各自で自宅学習を続けざるを得ない状況となったのは、皆さん御承知のとおりです。 このため、県立学校では、先の六月補正予算において、臨時休校中であっても子供たちの学びを確保できるよう、当初の予定を大幅に前倒し、一人一台端末を整備するとともに、校内ネットワークの高速化や無線LAN大型掲示装置の整備に関する予算が措置され、ICT教育環境に関するインフラ整備が大きく進むことになりました。 一方、私立学校においても、臨時休校中、生徒のスマートフォン等を活用しながら、家庭での学習課題の付与やオンライン授業の試行に取り組むなど、工夫を凝らしながら生徒の学びの確保に努めてきたところです。 しかしながら、ほとんどの私立学校では、生徒に一人一台の端末が整備されておらず、ネットワーク回線についても、通信速度の低下が起こり、容量不足も見られる状況です。 今後、休校時の家庭学習に本格的に取り組むためには、ICT環境の思い切った施策が不可欠ですが、そのためには巨額の整備費用が必要であり、経営基盤の脆弱な私立学校にとっては、その実現は極めて困難な状況です。 私立学校は、建学の精神にのっとった教育方針に基づき、それぞれが創意工夫した教育を実践し、個性豊かな多種多様な人材を育成してきました。本県では、高校生の約三割が私立高校で、日々の勉学にいそしんでいます。 また、近代日本の黎明期に活躍した防長人を育てた吉田松陰先生の私学、松下村塾に代表されるように、本県の私立学校は、山口県はもとより、我が国の公教育の発展に質・量両面にわたり大きな役割を果たしてきた実績があります。 こうした状況を踏まえ、山口県私立中学高等学校協会と私ども私学振興議員連盟は、先月二十六日、県に対し、私立高等学校に対するICT教育環境整備について特段の支援をいただくよう要望したところですが、このたびの補正予算に関係予算を計上されたことは、高く評価するとともに、心から感謝申し上げる次第です。 仕事でも家庭でも、今、社会のあらゆる場面においてICTの活用が日常のものとなっています。Society5・0時代を生きる子供たちにとって、今やパソコン端末は鉛筆やノートと並ぶマストアイテムです。一人一台端末の環境は、もはや令和の時代における学校のスタンダードであり、特別なことではないのです。 また、教育におけるICTの効果的な活用は、多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、一人一人に最適化された学びや創造性を育む学びの実現につながることが大いに期待されています。 変化が激しく、予測不可能な社会を生き抜く力を育み、子供たちの可能性を広げる場所である学校が、時代に取り残され、世界からも遅れたままではなりません。 先日、下関西高等学校を訪れ、実際にICTがどのように現場で活用されているのかを教員の方々にお話を伺いに行ってきました。 新型コロナが深刻な状況になってきたゴールデンウイーク明けに、生徒にオンライン授業の環境が整っているかを調査し、その後二週間程度オンラインでの授業を行ったそうです。 若干名の生徒は、オンライン授業を受ける環境になく、授業風景を録画したタブレットを後日生徒に貸し出すなどして対応をされたそうですが、おおむね問題なく終えることができ、六月以降は通常の対面授業に戻っているそうです。 ただし、この期間、ICTを活用することによって、教員も生徒も授業に対する取組に変化があったようで、現在もタブレットの使用頻度は高く、生徒とのコミュニケーションツールデータ収集、宿題の提出や、悩み相談まで幅広く活用され、既に教育現場に根づき始めているという印象を私は持ちました。 特に、私が感銘を受けたのは、スタディサプリというオンライン学習サービスで、一流予備校のプロ講師が教える授業風景を単元ごとにタブレットを通して閲覧することができる点です。 実際に、その使用風景を見させていただきましたが、非常に分かりやすく、いつでも誰でもどこでも、それが閲覧できることは、これからの教育を変えていく可能性を感じました。 中には、その授業動画を倍速で見て、時間の短縮化を図る生徒もいるそうで、生徒独自の利用方法は、こちらの想像を超えていて、とても驚くとともに、非常に感心しました。 そこでお尋ねします。県では、本県の全ての子供たちが、自ら未来をたくましく切り開いていく主体性や豊かな創造力を身につけるため、私立高等学校でのICTを活用した学習環境整備を通じて、早期の学習保障の確保と、教育条件の向上に向けてどのように取り組まれるのか、県の御所見をお伺いいたします。 次に、聴覚障害者が暮らしやすい地域社会の実現について、お尋ねいたします。 コロナ禍においては、メディアやSNSで様々な情報が飛び交い、中には不確かな情報により一部で混乱が生じるなど、不安の解消や必要な感染防止対策に向けて正確な情報を入手し、周囲と情報を共有することの大切さを実感しました。 今のようなコロナ禍を機に、私たちが経験した、必要な情報の入手や周りとの円滑な意思疎通が十分にできない環境に日常的に置かれているのが、聴覚障害者の方々になります。 県では、昨年十月、手話を必要とする聴覚障害者が、手話で生活できる社会の実現を目指して手話言語条例を制定し、手話の普及や習得機会の確保に取り組まれています。 昨年十二月に開催された、あいサポート手話フェスティバルでは、四百名を超える参加があり、手話に対する県民の理解や普及が着実に進んでいると言えます。 このたびの新型コロナ緊急時においても、四月二十日の知事会見から手話通訳者を導入し、リアルタイムで情報を伝える環境を迅速に整備されたことは、聴覚障害者の方々の大きな安心につながり、高く評価するところであります。 しかしながら、聴覚障害者が地域の中で自立し、安心して暮らすためには、日常生活や社会生活の様々な場面で、手話による情報収集や必要な意思疎通をできることが重要になりますが、手話を利用できる機会が限られるなど、その環境はまだ十分に整っているとは言えない状況です。 条例制定により、手話が使いやすい地域社会の実現に向けた取組が動き始め、また、新型コロナ感染情報の発信を通じて、手話通訳の存在が県民に広く知れ渡ったこの機会を生かし、聴覚障害者の方が、手話で生活できる環境づくりをさらに進めていく必要があると考えます。 そのためには、聴覚障害者が参加する様々な活動に手話通訳者が導入されるよう、市町や事業者とも連携し、手話が活用される場の創出に取り組む必要があります。 また、今後の手話の需要増加や、日常的に手話を使うことができる環境づくりに向けた体制整備も重要です。 県に登録されている手話通訳者は、約百二十名と限りがあり、高齢化の状況もあることから、手話通訳者の増加に取り組む必要があります。 また、県内各地で日常的に手話を使える環境づくりに向けては、専門性の高い手話通訳者だけではなく、地域福祉を担う手話ボランティアを活用することが効果的なことから、市町とも連携し、手話ボランティアの育成・確保や周知に取り組んでいただきたいと思います。 そこでお尋ねします。本県では、条例制定や手話通訳者の認知度の向上などにより、県民の手話への関心が高まる中、聴覚障害者が暮らしやすい地域社会の実現に向け、手話で生活できる環境づくりについて、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、警察行政のうち、高齢者の防犯意識の向上と交通事故防止対策について、お尋ねいたします。 県内の治安に関しましては、刑法犯の認知件数は平成十五年以降、十七年連続で減少しており、交通事故の発生件数につきましても、全国的に減少傾向にある中、本県についても人身事故は、平成十二年以降、減少を続けており、昨年の交通事故死者数は過去最少となっております。 しかしながら、近年では、高齢者が犯罪の被害者となるケースや、高齢者が関与する交通死亡事故の割合が高くなっております。 令和元年中の全国における刑法犯の状況は、認知件数が約七十四万八千件と戦後最少を更新し、過去十年で半分以下となっております。 一方で、高齢者が被害者となる刑法犯の件数の減少幅は三割強にとどまり、被害件数全体に占める高齢者の割合は、十年連続で上昇しているとのことです。 また、同様に、交通事故に関しては、交通事故死者数は千七百八十二人と全体の半数以上を占め、特に歩行中の死亡事故では、全体の約七割が高齢者ということであり、多くの高齢者が被害に遭われる状況が伺えます。 本県では、全国平均を上回って高齢化が進んでおり、今後、さらなる高齢化社会の進展に伴い、高齢者を狙った窃盗事件、うそ電話詐欺をはじめとする詐欺事件、また、高齢ドライバーの増加により加害及び被害の両方に関わる交通死亡事故の増加が懸念されております。 私の地元でも、最近では目に見えて独り暮らしの高齢者が増えており、悪質な犯罪に巻き込まれることや、交通事故の当事者になってしまうのではないかと大変心配しています。 県警察では、高齢者を犯罪や交通事故から守るための様々な取組を推進されておりますが、高齢者の犯罪被害や交通事故が高止まりしている現状を見ますと、これまで以上に取組を強化する必要があります。 そのため、高齢者を犯罪や交通事故から守るためには、関係機関との連携はもとより、高齢者自身やその家族への防犯意識の向上を促す取組や、交通事故防止の啓発がより重要となってくると思います。 具体的には、犯罪の最新手口に関する情報や、交通事故に至る事例や要因に関する情報等を高齢者自身やその家族に的確に伝えることで、高齢者が被害に遭わないよう意識の向上を図り、高齢者に寄り添ったきめ細やかな対策を進めていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。高齢化が進んでいる本県の現状を踏まえ、高齢者の防犯意識の向上と交通事故防止対策について、今後どのように取り組んでいくのか、県警本部長の御所見をお伺いいたしまして、ちょっと早いですが、一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 髙瀬議員の御質問にお答えします。 まず、特産品の振興についてです。 本県は、地域の特色ある資源を生かした魅力ある特産品を数多く有しており、その振興を図ることは、地域経済の活性化のみならず、観光振興を図る上でも大変重要です。 このため、これまでも県内の幅広い物産事業者を会員に持つ物産協会と連携し、県内各地のイベント会場での出展や、地産地消を進めるためのフェアの開催等により、特産品のPRや販売促進に努めてきました。 また、首都圏の情報発信拠点である、おいでませ山口館を活用した特産品フェアの開催や、イベントでの出張販売等を行うとともに、大都市圏における物産展や旅行会社向けの情報発信会を開催するなど、本県の魅力ある特産品の振興に取り組んできたところです。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う外出自粛により、全国的に消費需要が大きく落ち込み、おいでませ山口館においても二か月の休館を余儀なくされるなど、本県の特産品を取り巻く環境は大変厳しい状況が続いています。 こうした状況を踏まえ、私は、全国や首都圏に向けて、本県特産品の需要を喚起するための即効性のある思い切った取組が必要であると考えています。 このため、まず全国に向けては、インターネットの直販サイトを新たに開設し、農林水産加工品や菓子、工芸品など、本県の強みである多彩な特産品を組み合わせた魅力的なセット商品を、割引率五○%で販売することとしています。 また、首都圏においては、コロナ禍で大きく落ち込んだ消費需要を早期に回復させ、本県特産品の販売促進につなげていくため、おいでませ山口館で利用できる割引率五○%の商品券を新たに発行することとしています。 こうした取組により、首都圏をはじめとする全国の消費者に対し、これまで以上に特産品を通じた本県の認知度向上を図り、本県への誘客の拡大にもつなげていきます。 私は、今後とも、市町や関係団体、民間事業者等と一体となって、本県の多彩な特産品のPRや販売促進に努め、コロナの時代に対応した本県の特産品の振興に積極的に取り組んでまいります。 次に、私立学校の振興についてのお尋ねにお答えします。 急速に進展する情報社会に必要な資質・能力の育成に加え、お示しの一人一人に最適化された学びや創造性を育む学びの実現に向けて、本県の公教育を支え、県内高校生の約三割が学ぶ私立高校においても、ICT環境の整備充実を図ることが必要です。 このため、運営費補助の拡充などを通じ、教育ICT環境の整備を支援しており、こうした取組により、多くの学校では、新型コロナウイルス感染症による臨時休業期間中、生徒一人一台端末がないなど課題がある中でも、オンライン学習に試行的に取り組み、学びの保障に努めてきました。 さらに、コロナ時代の教育においては、災害や感染症の発生等、緊急時への対応も想定しつつ、個別最適化された学びや社会につながる協働的・探究的な学びを早期に実現するため、ICTを活用した教育環境の整備を加速的に進めることが極めて重要です。 このため私は、私学団体及び私学振興議員連盟からの要望や県立高校での対応も踏まえ、私立高校における新たな教育の形を生み出すことができるICT環境の整備について、地方創生臨時交付金を活用して支援をすることとしました。 具体的には、私立高校における未来型教育を支援するため、ICTを活用した教育提供体制の整備を目指す学校が、一人一台端末や大型提示装置、無線LANの整備や通信ネットワークの高速化等を進めるための予算を計上したところです。 私としては、今回の支援を通じて、私立高校に学ぶ生徒たちが、Society5・0の社会を担う世代として、先端技術を効果的に活用した質の高い教育により、個々の能力を伸ばすとともに、他者と協働しながら自ら課題を解決し、新たな価値を創造する力を育むことを期待しています。 さらに、各校の取組を継続的に支援するため、高等学校での一人一台端末の整備など、国において教育ICT環境の整備充実が確実に進められるよう、全国知事会を通じて働きかけてまいります。 私は、コロナ時代の新たな日常への対応に向け、教育ICT環境の早期整備を通じ、私立高校自らが、建学の精神や独自の教育理念に基づいた特色ある教育を推進することができるよう支援してまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 松岡農林水産部長。    〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 ◎農林水産部長(松岡正憲君) 農業分野における多様な人材の確保についてのお尋ねにお答えします。 担い手の減少や高齢化が進む中、本県農業を持続的に発展させるためには、次代を担う新規就農者の確保と併せ、季節性の大きい農業の特性に応じた労働力確保の仕組みづくりが必要であることから、具体的な取組方針についてJA等と協議を重ねてまいりました。 その結果、まず、関係者一体となった推進体制を整備することとし、本年四月、県やJA等で構成する、やまぐち農業労働力確保推進協議会を設立したところです。 こうした中、依然、感染症の収束が見通せない状況にあるものの、農村の過疎化対策は喫緊の課題であり、お示しのコロナ禍による失業者の受皿としての視点も持ちながら、多様な人材を外部から呼び込む取組を着実に進めていくことが重要です。 このため、協議会を中心に、労働力が不足する生産者のニーズの把握から、就業を希望する人材の確保と両者のマッチング、さらに即戦力となるための技術習得支援までの一貫した仕組みづくりを進めることとしています。 まず、生産者のニーズの把握については、新たに配置したコーディネーターが個別に聞き取りを行い、時期別の作業内容や必要人数、就労条件等を整理・分類したリストを作成します。 また、人材の確保については、七月に開設した農業専門の求人サイト、アグポンやSNSを通じ、生産者の情報を全国に向けて発信するとともに、初心者でも安心してチャレンジできるよう、就業経験者の生の声を届けるなど、幅広い分野から人材の掘り起こしを進めます。 さらに、マッチングについては、リスト化された求人情報とアグポン等により収集された求職情報を基に、無料職業紹介の資格を取得した県農協中央会が双方の意向を確認しながら、結びつけを行うこととしています。 技術取得の支援については、農作業に不慣れな方でも、トラクターや草刈り機などをスムーズかつ安全に操作できるよう、新たに農業大学校において技術研修を開始します。 県としては、永続的な力強い農業を実現できるよう、関係団体と緊密に連携しながら、多様な人材の確保・育成に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 聴覚障害者が暮らしやすい地域社会の実現についてのお尋ねにお答えをいたします。 手話は、聴覚に障害のある方が社会参加し、自立した生活を送るための情報の獲得やコミュニケーションの手段であることから、学校や職場、地域など、あらゆる生活場面において、手話を普及していくことが重要です。 このため、県では、聴覚に障害のある方が、手話を使用して生活することができる地域社会の実現に向けて、昨年度、山口県手話言語条例を制定したところであり、その趣旨を踏まえ、手話が活用される場の創出と、手話通訳者等の人材の育成・確保に取り組んでいるところです。 まず、手話が活用される場の創出に向けては、広く手話に対する理解を深める必要があることから、手話を分かりやすく紹介したポスターやリーフレットを学校や店舗など、県民の目に触れやすい場所に配布し、その普及に取り組んでいるところです。 また、様々な場面で手話が活用されるよう、障害のある方への情報提供における配慮のポイントをまとめたマニュアルを本年度改定し、イベント等への手話通訳者の配置について具体的な留意事項を盛り込んだところであり、今後、このマニュアルを活用して、企業、団体等へ働きかけてまいります。 次に、手話通訳者等の育成・確保については、これまでも市町と連携して、手話通訳者等の養成研修を実施してきたところであり、現在、県内では手話通訳者約百二十名、ボランティア約九百五十名が活躍しているところです。 今後さらに、手話の需要増加や通訳者の高齢化へ対応するため、地域における手話の普及を担うリーダーを養成し、学校や職場等において手話に興味のある方を対象に、手話の基本を学ぶ講座を実施するなど、新たな人材の確保に向けて取り組んでまいります。 県といたしましては、今後とも市町や関係団体と連携し、聴覚に障害のある方が暮らしやすい地域社会の実現に向けて、手話を使用して生活することができる環境づくりに取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 谷警察本部長。    〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 ◎警察本部長(谷滋行君) 高齢者の防犯意識の向上と交通事故防止対策についての二点のお尋ねにお答えいたします。 議員お示しのとおり、今後ますます高齢化が進展していくことに伴い、高齢者を守るための警察活動は大変重要な課題となっております。本年は、先頃公表された警察白書でも高齢化の進展と警察活動が取り上げられました。県警察としても情勢の変化を踏まえた対応をしっかりと進めてまいる所存です。 まず、高齢者の防犯意識の向上対策についてです。 お示しのとおり、高齢化の進展に伴い、うそ電話詐欺や悪質商法など高齢者を狙う犯罪の増加が懸念されます。県警察としましても、高齢者の防犯意識の向上を図るための取組を強化することが重要であると認識しております。 県警では、関係機関、団体と連携した高齢者世帯への戸別訪問、マスメディアを通じた広報啓発など、様々な機会を活用して最新の防犯情報を発信していくほか、被害の危険性を体感できるよう、体験型や実演型の広報啓発を行うなど、工夫を凝らした注意喚起に取り組んでまいります。 また、子や孫世代に対しても高齢者の犯罪被害の実態などをタイムリーに発信することで、高齢者の家族の防犯意識の向上を促す対策を推進してまいります。 次に、二点目の高齢者の交通事故防止対策についてです。 県内では、本年八月末現在、九人の高齢者が交通事故でお亡くなりになっており、全体の死者数に対する高齢者の割合は約四割を占めています。 さらなる高齢化社会が進展する当県にとって、高齢のドライバー・歩行者両面からの対策の強化は喫緊の課題と認識しております。 まず、高齢ドライバーに対しては、年齢に応じて低下する身体機能を認識した運転をしていただくことが重要です。 短期間に複数回交通事故を起こした方に対する面接指導、自動車学校での無料の実車講習に加え、関係機関・団体と連携した安全運転サポート車の普及啓発など、高齢者の安全運転を支える対策を推進してまいります。 また、運転に不安を有する高齢者が、運転免許証を自主返納しやすい環境の整備に向けた取組を進めてまいります。 さらに、一定の要件に該当する高齢者に対する運転技能検査制度が盛り込まれた改正法が本年六月に公布されており、二年以内に施行されますので、しっかりと準備を進めてまいります。 次に、高齢歩行者に対しては、議員お示しのとおり、高齢者に寄り添ったきめ細やかな対策を進めていくことが重要です。 高齢者宅への訪問指導、高齢者との関わりが深い団体と連携し、具体的な事例や要因に関する情報を織り交ぜるなど、工夫を凝らした交通安全教育を実施するなどの取組を進めてまいります。 また、信号機のない横断歩道における歩行者優先ルールを全てのドライバーに徹底させ、横断歩道を安全に利用できるようにするなど、情勢に応じた取組をしっかりと進めてまいります。 県警察としては、今後とも関係機関・団体と連携し、高齢者の防犯意識の向上と交通事故防止のための対策を着実に推進してまいります。 ○議長(柳居俊学君) 上岡康彦君。    〔上岡康彦君登壇〕(拍手) ◆(上岡康彦君) 公明党の上岡康彦です。コロナ禍における県政の諸課題などについて、知事並びに関係の参与員、警察本部長に質問をいたします。 登壇者については、マスクの着用は自由とされておりますが、こんなスタイルもあるかと思いまして、本日はマウスシールドを着用して質問をいたします。もしお聞きづらいところがありましたら、何とぞ広いお心で御容赦いただきたいと思います。 それでは、通告に従いまして質問に移ります。 初めに、中小企業対策について二点お尋ねいたします。 まず、中小企業に寄り添った支援についてであります。 本県における企業数の九九・九%、雇用者数の約八割を占める中小企業は、本県経済の屋台骨であり、地域経済の活性化に欠かすことのできない存在であります。 我が公明党では、新型コロナウイルス感染拡大による苦境が続く中、雇用維持と事業継続に必死で取り組む中小企業に寄り添い、全力で支援に取り組んでまいりました。 雇用維持を最優先に掲げ、休業手当を支給した企業への雇用調整助成金の上限額・助成率の拡充や期間延長、早期支給に向けた手続の簡素化を実現いたしました。 また、持続化給付金や家賃支援給付金、政府系・民間金融機関での実質無利子・無担保融資の創設などにより、事業継続を後押ししてきました。 県では、国の動きに速やかに対応して、保証料ゼロ、三年間無利子の融資制度を創設されました。 さらに、県独自の取組として、深刻な影響を受けた食事提供施設への支援金や新たな取組に対する補助制度を創設するなど、事業者の状況に応じた支援をきめ細かく実施してきたことを高く評価するものであります。 こうした取組のかいもあって、個人消費や生産が徐々に持ち直してきたところですが、再度の感染拡大もあり、依然として厳しい状況にあるようです。 国や県の金融支援により、当面の資金確保ができたものの、今後の見通しが立たないとの声を多くお聞きしております。 県内の中小企業の置かれた状況は、地域や業種、さらには企業によって異なるため、全てを網羅する支援は難しいかもしれませんが、新型コロナウイルスの収束が見通せない中、企業活動の命綱と言える金融支援に万全を期すことに加え、落ち込んだ売上げをコロナ前に戻し、さらに押し上げていくための支援が必要であると考えています。 そこでまずお尋ねいたします。先行きが見通せない中にあっても、雇用維持と事業継続に取り組む中小企業に寄り添った支援が必要と考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 次に、人材確保への支援についてです。 本県経済を支える中小企業にとって、企業の将来を担う人材の確保が重要です。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、企業説明会や企業見学会、インターンシップの中止や延期が相次ぎ、従来の対面方式による就職・採用活動の実施が困難になるなど、採用環境は一段と厳しくなっています。 都市部の大企業では、ウェブセミナーの実施など、オンラインによる採用活動が進んでいるようですが、県内の中小企業では、採用にコストを割けない、ノウハウがないといった理由から、オンライン化への対応に苦慮しているようです。 オンライン化による就職・採用活動は、そのコスト削減が効果的であり、特に、企業にとっては、遠方の候補者との接点が増えるメリットもあります。 本年四月末までにウェブ面接を経験した学生は八割に及び、うち七割が、抵抗なしと回答したとの調査結果があり、今後はウェブ面接が一般的になることも考えられます。 また、別の調査によると、オンラインでのインターンシップへの参加希望者が八割を超え、距離を超えて参加機会が広がることを歓迎する動きが見られる一方で、オンラインよりも直接会社に訪問するインターンシップを希望する声も多いことから、オンライン形式であっても実体験に近い体験をいかに準備できるかということも重要になると思います。 しかし、直接会わないと人柄が分からない、熱意が伝わりづらいと悩む企業や、オンラインのみで内定に至る採用活動に不安を感じる学生も少なくないと聞いており、オンラインと従来の対面方式の効果的な組合せも必要だと思います。 コロナ禍を契機とした人々の意識や働き方の変化などもあり、七月には東京圏が初の転出超過となりました。こうした状況も追い風にしながら、企業における人材確保への支援の充実を図ることで、若者等の県内回帰・定着にもつなげていただきたいと思います。 そこでお尋ねいたします。県では、コロナ禍で変わりつつある就職・採用活動の実態を踏まえ、県内中小企業における人材確保への支援について、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、ワーケーションの促進についてお尋ねします。 内閣府は、本年六月二十一日、新型コロナウイルス感染症の影響による生活意識や行動の変化を探った調査結果を発表しました。 それによると、テレワークを経験した人の割合は、全国で三四・六%、東京圏では四八・九%に達したとのことであります。 モバイルパソコンと通信環境が整ってさえいれば、リモートによる働き方の変化に十分対応できているということではないでしょうか。 さらに、新たな働き方を背景に、東京二十三区の二十代の三割超が地方移住への関心が高まったという興味深い結果も出ており、地方への移住についても機運が高まってきたと感じております。 さて、新型コロナウイルスの影響による新たな生活様式の中で、今、ワーケーションという働き方に注目が集まっています。 御案内のとおり、ワーケーションとは、ワークとバケーション、つまり仕事と休暇を組み合わせた造語であり、会社員などがふだん働いているオフィスを離れ、休暇を楽しみながら滞在している観光地・リゾート地、または帰省先などで働くことを意味します。 海外と違って、日本では長期休暇がまだまだ一般化されていないため、単に休日に仕事をすることをワーケーションと称されている節もありますが、仕事と休暇を楽しむことの両立を目指す働き方として注目を浴びています。 山梨大学、生命環境学部の田中敦教授によれば、ワーケーションという発想は、東京オリンピック開催が一年後に迫った昨年の夏頃、五輪期間における首都圏人口の分散策として、行政から発信されるようになりました。 その理由として、総務省にはもともと地方で定住者でも観光客でもない、いわゆる関係人口を増やすという大きなミッションを抱え、その実現に向けてワーケーションの推進という発想が生まれたとのことであります。 また、ワーケーションは、現在、国が推進している関係人口の創出・増加や地方創生、地域活性化、テレワークの推進など様々な施策とリンクしています。 地方にあっては、空き家や空きオフィスの問題解決への期待を抱いていますので、ワーケーションが普及すれば、今まで以上に観光地に長期滞在しやすくなり、宿泊施設にとってみれば、客室を埋めることが難しかった平日やオフシーズンの稼働率向上にもつながります。併せて買い物など、観光以外の事業者にも恩恵があるとおっしゃっています。 既に長期滞在が見込める観光地、例えば、長野県、和歌山県などでは、いち早く受入れのための高度な通信環境を備えたオフィススペースを整備し、IT企業のサテライトオフィスなどの誘致に向けた取組が進められていると聞いております。 そこでお尋ねいたします。ワーケーション導入には、企業にとっても課題が多いものの、地方自治体の中にはワーケーションへの補助を設けるケースも増え、その導入を促進する地方自治体は増えつつあります。 また、ワーケーションでの利用を推進するために、旅行会社でも企業向け新サービスの商品化に乗り出しているとも聞いております。 今後、本県においても関係人口の創出・増加などにつなげ、地域の活性化を図らねばなりませんが、新しい働き方として注目を集めているワーケーション導入に関して、どのようにお考えか、御所見をお伺いいたします。 次に、県産農林水産物の応援キャンペーンについてお尋ねいたします。 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、県内各地で行われるはずだった様々なイベントについては、いまだことごとく中止が続いております。また、消費者においても、非常事態宣言が出された後は、感染を警戒し急激に外出を控えたため、外食産業をはじめ、関連する販売店等も大きな打撃を受けております。その結果、山口県産の農林水産物を生産・加工する農林漁業者や業者の経営も危機的状況にあります。 六月定例会においても、我が会派の猶野議員が、県産農林水産物の需要回復について代表質問いたしました。 村岡知事は、深刻な状況下にあって、県産農林水産物の需要を速やかに回復させる取組が重要とのお考えを述べられ、併せて様々な支援策も答弁されました。 その中で、地産地消対策として、「みんなでたべちゃろ!キャンペーン」をやまぐち食彩店や販売協力専門店など様々な事業者と連携して実施する旨を述べられたところです。 後日、地元、周南農林水産事務所長から、キャンペーンのポスターを数枚頂きましたので、お付き合いのある企業数社にポスターを持ってアピールに伺いました。 県民みんなで、食べて、飲んで、飾って、県産農林水産物を応援しようというキャンペーンでありますから、御利用いただき、お店も生産者も助けてくださいと、私も気合を入れてぜひにとお願いし、一緒にキャンペーン参加店リストを見ておりました。 そこである方が、参加店数が地域によって差はあるものの、全体的には少ないのではと、そして、意外と身近に参加店がないとおっしゃるのです。 確かに、取扱店の条件を緩和するなどして、参加店の裾野の拡大を図らねば取扱量は増えませんし、このキャンペーンの内容を知っていても身近な生活圏内に参加店がなければ、わざわざ遠くの参加店まで立ち寄るにはそれなりの理由が必要です。 逆に、趣旨を理解していただいている消費者の近くに参加店があれば、利用していただけるのではないでしょうか。 また、消費者にとってお得なキャンペーンですので、もっと認知度を高め、消費行動に走らせるような、より効果的なPRも必要ではないでしょうか。 そこでお伺いいたします。今回、九月定例会に上程された補正予算案において、新型コロナウイルス感染症対策関連事業として百二十五億六千二百万円が組まれています。そのうち、県内経済の下支えや、消費需要の喚起を促すための対策として、約十億五千七百万円が計上されています。 先ほど申しましたように、私は、消費者へのPRと県産品の取扱量を増やすことが需要回復への近道だと考えます。 また、生産者と参加店と消費者が三位一体となって協力し合わなければ、この難局を乗り越えることはできないと思います。 キャンペーンの参加店を増やすなど、さらなる消費喚起対策を講じることにより、県産農林水産物の需要の回復・拡大につなげていくことが重要と考えますが、県の御所見をお伺いいたします。 次に、自転車保険加入の義務化についてお伺いします。 御承知のとおり、自転車は、通勤・通学・買物など、気軽に乗れる便利な乗り物で重宝されておりますが、現在、自転車と歩行者の交通事故が増加傾向にあるというのであります。 特に最近では、新型コロナウイルスの影響により、バスや電車での密状態を避けながらの移動や通勤のために、自転車に乗る機会が増大したと思われます。 車通勤の多い山口県では、東京都をはじめ都市圏と比べれば、自転車通勤人口は少ないと思われますが、自転車利用人口は決して少なくないと思います。 現在、自転車保険の加入義務化地域が広がっています。今年四月一日から自転車の保険が義務化となったのは、東京都全域のほか、奈良県、愛媛県です。東京都の場合には、一部の区で先行して義務化へ向けた動きがありましたが、結局のところ東京都全域が一気に義務化されました。 こうした動向は、全国的なものでありまして、もはや自転車に乗るなら自転車保険は必要なものになってきています。 早い時期から義務化されていたのは、兵庫県や大阪府であります。そのほか神奈川県、京都府など、主要な都市では仙台市、名古屋市、金沢市が義務化となっています。 お隣の福岡県は、現在努力義務ではありますが、十月一日から一歩進んで義務化となることが決まっております。 その他の地域にあっても、義務化や努力義務など、自転車に係る保険に対する意識の高まりを見せており、保険加入の義務化を取り入れた地域は拡大しています。今後、こうした動きが広がる可能性は非常に高いと思っています。 ただし、注意しなければならないことは、義務化地域というのは、その場所で自転車を運転する人に対してのものであって、運転者の住んでいる場所は関係ないということです。 例えば、現時点で義務化も努力義務もない山口県に住んでいる人であっても、県境を越えて自転車で福岡県に入るなら、十月以降は自転車の保険加入が義務となります。 保険加入をしてないからといって罰則規定があるわけではありませんが、罰則のあるなしに関わらず、自転車利用中の事故に備え、万が一高額の賠償責任を負った場合でも保険等への加入が安心につながると思うのであります。 よく例に挙げられる自転車事故として、二○一三年に小学校五年生の少年が運転する自転車が六十二歳女性にぶつかり、女性は頭蓋骨骨折、意識不明の重体となり、後遺症が残ってしまった結果、子供の保護者に対して一億円近い賠償金の支払いを裁判所が判断したということであります。 私たちの日常生活では、自転車は身近な存在であり、したがって、事故もまた身近で発生するものなのであります。 そして、誰もが加害者にも被害者にも、そして、その家族になり得るのであります。 そこでお尋ねいたします。本県では、サイクル県やまぐちプロジェクトにおいて、自転車を活用した観光、サイクルツーリズムの展開や、誰もが県内各地で四季を通じてサイクルスポーツを快適に楽しめるような取組も進められています。 多くの県民の皆様に、自転車の活用を促しているわけでありますから、自転車事故によって加害者になった場合も、また、被害者になった場合にも生活を立て直すことができるように、今後、自転車保険加入の義務化を図るべきと考えますが、山口県としてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。 次に、下関北九州道路についてお尋ねいたします。 関門橋や関門トンネルの老朽化が進行する中、本州と九州を結ぶ幹線道路としての機能や道路網の多重性、大規模災害時の代替機能を確保していくために、下関北九州道路の早期整備が強く望まれています。 当該道路は、今年度から計画段階評価手続に移行し、国による詳細な調査が行われており、七月十五日に開催された中国・九州地方合同小委員会では、橋梁案を前提に、下関の旧彦島有料道路と北九州市都市高速道路を結ぶ三つの比較ルート帯ごとにその整備効果等が定量的に示されたところです。 そのうち、地域が推奨するルートで当該道路が実現すれば、暮らしの面では、下関市と北九州市の中心部間の移動時間が、現在の二十八分から二十一分に短縮し、産業の面では、響灘地区から彦島地区の輸送時間が、現在の五十七分から二十八分に短縮するなどの効果があるとされています。 また、概算の事業費として、約二千九百億円から三千五百億円になることが示されるなど、当該道路の整備がより具体化してきています。 現在は、最適なルート帯を検討するため、こうした各ルート帯の整備効果等を示した上で、地元の市民や企業等に対するアンケート調査が今月末まで実施されているところです。 こうした中、今月十一日に、当該道路に係る中央要望がウェブにより行われ、山口県議員連盟の幹事長として我が党の先城議員も参加し、赤羽国土交通大臣に必要性を訴えたところであります。 大臣からは、「下関北九州道路の必要性は、改めて言うまでもない。早く造ってつなげることが大事である。地元と連携して最大の努力をする」と大変力強い言葉を頂きました。 大臣の発言のとおり、当該道路の必要性は明らかであり、その早期実現のためには、今年度の計画段階評価手続を速やかに完了させ、さらに次の段階へと進むことが必要と考えるところです。 また、当該道路の整備効果をより高めるためには、下関市中心部や広域交通拠点等へのアクセス道路の強化や渋滞対策など、山口県側の周辺道路ネットワークの強化が求められます。 そこでお尋ねをいたします。県は、下関北九州道路の早期実現と周辺道路ネットワークの強化に向けて、今後どのように取り組まれるのか、御所見をお伺いいたします。 最後に、高齢者に向けたうそ電話詐欺対策についてお尋ねいたします。 今月七日、周南署より、周南市内の七十歳代の女性が、うそ電話詐欺で一千四百万円余りをだまし取られたことが発表されました。本当に残念でなりません。 全国的には、新型コロナウイルス感染症の拡大に乗じたうそ電話詐欺等の犯罪が続く中、県内のうそ電話詐欺については、本年八月末現在で、被害額は七千五百六十九万円であり、前年同期と比べ約一億二百万円も大幅に減少してはいるものの、発生件数では四十九件で、前年同期と比べて七件増加しております。 うそ電話詐欺被害防止に向けては、山口県警察でも各金融機関に対して、預貯金の引き出しや送金をされるお客様へのお声がけの依頼をされており、現に銀行での対応により未然防止につながった例を報道で見かけます。 各金融機関におかれても、詐欺被害防止のために懸命の取組をされている中での事件だけに、被害者の無念を思えば、何としても犯人検挙につなげたいと強く思う一人であります。 今回のケースでは、被害者への犯人からはATMで現金を少額にして引き出すよう指示されていたようです。怪しまれないように、犯行の手口も巧妙になってきております。 この手の犯罪に、高齢者が巻き込まれないようにするためには、詐欺であることを見抜く知恵を身につけることが一番だと思います。 とはいうものの、高齢者にしてみれば、言葉巧みに不安をあおりだましてくる相手のうそをなかなか見抜くことは簡単ではないのだと思います。 何かいい方法はないものかと山口県警のホームページを見ておりました。うそ電話詐欺のキーワード紹介や留守番電話設定が詐欺電話の撃退につながること、また、うそ電話詐欺の被害防止を呼びかける広報用動画も掲載されています。 非常に有効なコンテンツが掲載されているなと思いました。ただ、高齢者は、こうした県警のホームページに触れることはないでしょう。 そこで、うそ電話詐欺を見破る対策を広く周知させるための工夫が必要だと考えます。 全て警察官だけで高齢者宅を訪問し、被害防止に向けた啓蒙活動をするなど不可能であります。地域と協働しながら、ボランティアや民生委員などの協力も得ながら、いまだ被害の絶えない高齢者のうそ電話詐欺被害防止に取り組まなければならないと考えます。 そこでお尋ねいたします。県警察として、高齢者のうそ電話詐欺被害防止に向けて、今後どのように取り組まれるのか、県警本部長の御所見をお伺いいたしまして、私の一般質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(柳居俊学君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 上岡議員の御質問のうち、私からは下関北九州道路についてのお尋ねにお答えします。 私は、本県の地方創生を推進し、「活力みなぎる山口県」を実現していくためには、その基盤となる道路網の整備を重点的かつ計画的に進めていくことが重要と考えており、維新プランの重点施策に位置づけて取り組んでいるところです。 とりわけ本州と九州の結節点である下関地域は、人や物が活発に行き交う要衝であり、当地域の飛躍が本県経済に広く好循環をもたらすものと期待されることから、関門橋や関門トンネルと循環型ネットワークを形成する下関北九州道路の整備は不可欠と認識しています。 また、近年頻発する大規模災害時にも機能する信頼性の高い道路網を構築する観点からも、その早期整備が極めて重要と考えています。 このため、関係県市や経済団体と一体となって、議会の皆様とも連携しながら、整備促進大会や中央要望を実施するなど、長きにわたり当該道路の必要性を訴えてきたところです。 こうした取組の結果、今年度、計画段階評価の手続にステップアップするなど、その実現に向け、一歩一歩着実に前進しているものと受け止めています。 この流れを加速するため、七月の政府要望に続き、今月のウェブによる中央要望では、当該道路の議員連盟の皆様とともに、直接、赤羽国土交通大臣に地域の現状や課題を説明し、早期事業化を求めました。 大臣からは、お示しのとおり、大変力強い発言をいただき、私としても、これまで以上にスピード感を持って、全力で取り組む決意を新たにしたところです。 今後は、大臣のこの発言に応えるべく、国や関係県市と一体となって、計画段階評価に係る調査検討を迅速かつ着実に進め、早期実現に向け、次のステップである環境影響評価や都市計画の手続への速やかな移行につなげてまいります。 また、当該道路の整備効果を最大限発揮させるため、今後、計画の具体化に併せて、国や下関市と連携し、下関駅周辺地区や新下関駅、下関インターチェンジ等へのアクセス道路の強化について検討を進めていく考えです。 あわせて、下関北九州道路の整備により、交通の流れが変化することから、整備後の交通量を予測した上で、渋滞対策等の検討を行うなど、周辺道路ネットワークの強化に努めてまいります。 私は、引き続き、関係県市や経済界と緊密に連携し、議会の皆様のお力添えもいただきながら、下関北九州道路の早期実現を目指し、積極果敢に取り組んでまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(柳居俊学君) 福田商工労働部長。    〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 ◎商工労働部長(福田浩治君) 中小企業対策に関する二点のお尋ねにお答えします。 まず、中小企業に寄り添った支援についてです。 県では、これまで、県制度融資による資金繰り支援や営業持続化等支援金の支給、専門家派遣事業を活用した相談体制の強化などにより、中小企業の事業の継続や雇用の維持を支援してきたところです。 また、新しい生活様式に対応するための施設整備や、新製品・新サービスの開発への補助制度などにより、事業活動の再始動を後押しするとともに、飲食店等を支援する頑張るお店応援プロジェクト等により消費喚起の取組も進めています。 さらに、県内経済の下支えを一層強化するため、市町が主体的に取り組む経済対策を支援する交付金を新たに創設するとともに、ものづくり企業に対しては、感染症で失われた取引の回復に向けた販路開拓等を支援することとしています。 県としては、感染症による環境変化への対応や新たな需要の獲得に向けた新事業展開など、事業の継続と雇用の維持に取り組む県内中小企業に寄り添って、きめ細かに支援してまいります。 次に、人材確保への支援についてです。 感染症の影響から、対面による就職・採用活動が困難となっていることから、県では新たにウェブ就職フェアを開催するとともに、ウェブ面接に不慣れな中小企業に対しては、セミナーを通じてノウハウを提供することなどにより、県内企業の人材確保に向けた取組を支援しています。 ウェブ就職フェアには、多くの県外大学生も参加したことから、企業の県外への情報発信力を一層強化するため、工場等の現場をライブ配信する、実体験に近いツアーや、インターンシップにおけるウェブ活用セミナーを開催することとしています。 一方で、直接面接したいという企業や学生等からの根強い声に応えるため、対面による就職フェアを七月から再開したところ、昨年を上回る参加があったことから、引き続き、感染症対策を徹底した上で、実施することとしています。 県としては、従来の面接とオンライン面接を適切に組み合わせた上で、実体験に近い仕組みを取り入れ、コロナ禍における就職・採用活動を効果的に支援することにより、県内中小企業における人材確保に、積極的に取り組んでまいります。
    ○議長(柳居俊学君) 平屋総合企画部長。    〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 ◎総合企画部長(平屋隆之君) ワーケーションの促進についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルスの感染拡大防止を図るため、テレワークが急速に普及する中、場所や時間にとらわれない働き方の新しいスタイルの一つとして、お示しのように、休暇とテレワークを組み合わせたワーケーションが、現在注目を集めています。 このワーケーションは、それ自体が地方への新たな人の流れをつくり出すだけでなく、継続的に地域と関わる関係人口の拡大や、滞在に伴う新たな需要の喚起など、地域の活性化に多面的な波及効果を期待できることから、本県としても県内への導入を促進していきたいと考えています。 一方で、導入に当たっては、通信設備をはじめとした受入れ側の環境整備や、持続可能な事業スキーム等について、実施内容と効果を十分に検証し、より実効性のある取組を進めていく必要があります。 さらに、本県が滞在先として多くの利用者から選ばれるよう、ニーズに対応した魅力あるコンテンツの開発や、訴求力の高いプロモーションも重要であり、こうした点を踏まえ、促進に向けた調査事業をこのたびの九月補正予算に計上したところです。 この調査の中で、利用者ニーズや県内の候補地等を把握するとともに、継続的に人を呼び込むための仕組みづくりや、具体的な受入れ体制などを検討し、地域活性化にも資する本県独自の推進モデルを構築していきたいと考えています。 また、ワーケーションを広く普及・定着させるためには、社会全体でのさらなる機運醸成が不可欠であります。企業における就業規則の見直しをはじめ、新たな労働環境の整備も必要となることから、政府要望等を通じ、国による積極的な対応も求めていくこととしています。 県としては、今後、市町や関係団体等と連携し、民間のノウハウも活用しながら、関係人口の創出・拡大や地域活性化につながるワーケーションの促進に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 松岡農林水産部長。    〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 ◎農林水産部長(松岡正憲君) 県産農林水産物の応援キャンペーンについてのお尋ねにお答えします。 「みんなでたべちゃろ!キャンペーン」については、県産農林水産物の需要の回復・拡大に向け、やまぐち食彩店など四百七十一店舗の御参加を得て、消費者の皆様の御理解・御協力をいただきながら実施しているところです。 これまでの取組状況は、カタログギフトが即日完売するなど順調に推移しており、参加店からは、新規の雇客が増えた、また、消費者からは、初めて県産和牛を購入した等の声も寄せられるなど、県民の皆様の理解促進と、需要の喚起につながっていると考えています。 しかしながら、感染症の収束が見通せない中、県産農林水産業の需要の回復がいまだ十分でなく、依然として厳しい状況が続いていることから、さらなる消費喚起対策を講じる必要があります。 このため、大規模な地産地消対策の第二弾として、「もっとみんなでたべちゃろ!キャンペーン」を展開することとし、お示しの課題も踏まえ、消費行動を促進する、より効果的なPRと県産品取扱量の増大につながる参加店の拡大に重点的に取り組んでいくこととしています。 まず、効果的なPRについては、テレビCMや各戸配布のチラシに加え、新たに、駅や空港のデジタルサイネージを活用するほか、ぶちうまアンバサダーにも御協力いただきながら、SNSでの情報発信を強化するなと、幅広く県民の皆様の認知度向上に努めます。 次に、参加店の拡大については、今回のキャンペーンを契機に増加した販売協力専門店などをさらに増やすため、引き続き、市場関係者等と連携し、キャンペーンの取組趣旨等も伝えながら参加を促進してまいります。 さらに、店舗が参加しやすくするよう、対象商品の要件緩和や量販店の会計システムに合わせた割引方式の採用など、店舗の要望を踏まえた柔軟な見直しを行い、参加店舗数の増大を目指します。 県としては、県産農林水産物の需要を回復・拡大し、現下の厳しい状況を乗り越えられるよう、生産者、参加店、消費者が一体となった消費喚起対策に積極的に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) 神杉環境生活部長。    〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 ◎環境生活部長(神杉さとみさん) 自転車保険加入の義務化についてのお尋ねにお答えします。 自転車は、環境にも優しく、世代を超えて気軽に利用できる便利な交通手段である反面、利用者は交通事故の加害者にも被害者にもなり得ることから、その事故防止対策が重要です。 このため、県では、県警察や市町、民間団体等で構成する交通安全山口県対策協議会を中心に、自転車の安全利用の確保を交通安全県民運動の重点項目の一つとして掲げ、年間を通じて、交通安全意識の高揚に向けた広報啓発に取り組んでいます。 とりわけ、日頃から自転車を利用する機会の多い小・中・高校生の事故防止に向けては、学校での出前講座を開催し、安全運転の意識を深めてもらうほか、教育委員会等と連携し、交通指導を担当する教職員の研修を行うなど、重点的な啓発に努めています。 こうした取組の結果、本県では、近年、自転車が関係する交通事故が大きく減少しており、自転車の利用者が加害者となり、歩行者を死亡させた交通事故も発生していません。 一方で、お示しのように、全国的には高額な損害賠償を伴う交通事故が発生しており、県では、第十次山口県交通安全計画において、自転車保険への加入促進を重点施策とし、県交通安全協会等と連携しながら、各種広報媒体を活用した取組も進めています。 自転車保険の加入については、本県では、自転車が関係する交通事故が減少傾向にあるものの、コロナ後の新たな生活様式の下では、自転車の利用機会が増えることが予想されることから、今後、重要度が高まるものと考えられます。 このため、お尋ねの自転車保険加入の義務化については、県内の情勢や他県の動向等を注視しながら、その必要性や手法についての検討を深めていくこととしています。 あわせて、サイクルイベントの会場やサイクリスト向けの施設などで、直接自転車の利用者に自転車保険の加入を呼びかけるなど、加入促進に向けた取組のさらなる強化を図ってまいります。 ○議長(柳居俊学君) 谷警察本部長。    〔警察本部長 谷滋行君登壇〕 ◎警察本部長(谷滋行君) うそ電話詐欺の被害防止対策についてのお尋ねにお答えします。 本年八月末現在の県内におけるうそ電話詐欺の被害は、議員お示しのとおり、前年同期と比べて被害額は減少しているものの、被害件数は四十九件、前年同期と比べて七件増加しており、そのうち、六十五歳以上の高齢者の被害は三十九件で、全体の約八割を占めています。 先般、周南市で発生したうそ電話詐欺事件につきましては、被害防止対策を進める中で発生を見たところで、誠に残念であり、しっかりと捜査を進めるとともに、被害防止対策のより一層の推進について思いを強くしたところであります。 このような高齢者被害の約八割は、独居世帯であり、日頃から家族や御近所との接点が少ないことで、うそ電話詐欺の手口に関する情報が得られにくく、また、誰にも相談できずに被害に遭っている状況もあると考えられます。 そのような高齢者にあらゆる機会や媒体を通じて、うそ電話詐欺の実態や被害を防止するための注意点などをしっかりとお届けする工夫が必要であるというのは、議員御指摘のとおりであり、お示しの地域との協働、ボランティアや民生委員などとの協力にも力を入れていく必要があると考えております。 具体的には、関係機関等と構築している高齢者安全安心ネットワークを活用して、民生委員、社会福祉協議会、老人クラブ、介護事業者などに最新の防犯情報をタイムリーに提供し、それぞれの活動を通じて、広報啓発に協力をいただいているところです。 さらに、高齢者がうそ電話詐欺を見抜く力を高めるためには、視覚に訴えたり、被害を擬似体験したりする広報啓発も有効であります。 最新の手口を題材にした寸劇を収録して、地域のケーブルテレビやコミュニティFMで放送する取組も引き続き行ってまいります。 なお、各警察署では、防犯ボランティアの方々の協力をいただいて、うそ電話詐欺防止戸別訪問隊を結成し、高齢者世帯を訪問しながら、直接注意を呼びかける活動を行っておりますが、現在は、新型コロナウイルス感染症防止の観点から活動を自粛しております。 今後、感染状況の推移を見極め、活動の再開も検討してまいりたいと考えております。 このほか、小学生が、地域の高齢者などを発表会に招いて、自ら作成した、詐欺を見抜くキーワードを発表したり、保育園児が作成した、高齢者に被害防止を呼びかけるチラシを広報キャンペーンで活用したりするなど、孫世代からのメッセージの発信による高齢者の心に響く広報にも取り組んでいるところです。 県警察といたしましては、今後も様々な対策を複層的に推進し、高齢者のうそ電話詐欺に対する抵抗力の強化を図るとともに、金融機関やコンビニエンスストアで、被害が疑われる高齢者が来店した際の声かけや通報など水際対策の徹底と検挙活動を強化し、卑劣なうそ電話詐欺の被害防止に取り組んでまいります。 ○議長(柳居俊学君) この際、暫時休憩をいたします。 再開は午後一時の予定でございます。    午前十一時三十三分休憩   ─────────────    午後一時開議 ○副議長(藤生通陽君) 休憩前に引き続き会議を開きます。   ───────────── △日程第一一般質問 △日程第二議案第一号から第十七号まで ○副議長(藤生通陽君) 日程第一、一般質問を行い、日程第二、議案第一号から第十七号までを議題とし、質疑の議事を継続します。 戸倉多香子さん。    〔戸倉多香子さん登壇〕(拍手) ◆(戸倉多香子さん) 民政会の戸倉多香子です。通告に従いまして一般質問を行います。 初めに、県内経済の回復に向けた取組についてお尋ねいたします。 前回、私が一般質問に立ったのは、二月定例会ですが、県内初の新型コロナウイルスの感染が確認されたと報道があった三月四日です。質問原稿を準備していた二月十七日、昨年十月から十二月までのGDP、国内総生産が前の三か月と比べてマイナス一・六%、年率に換算してマイナス六・三%になったとの報道に衝撃が走った直後だったため、これらのGDP速報値には、まだ新型コロナウイルスの影響は含まれていないので、今年一月から三月までのGDPについては、感染症の影響が懸念され、さらにマイナスが続く可能性があり、今後、さらなる緊急経済対策が必要となってくる可能性は高い。とりわけ、経営基盤の弱い中小企業や小規模事業所は、廃業に追い込まれかねないほどの状況が予測され、大変心配していると、これらの影響の現状や被害予測についての県の認識をお尋ねしました。県は、商工会議所など県内の関係支援機関に設置された相談窓口に寄せられた相談内容等を踏まえると、今後も、県内中小企業は売上げの減少や資金繰りの悪化など、影響を受けると考えていると答弁されました。 その後、五月十八日に一月から三月までのGDP速報値が公表されましたが、年率換算で三・四%減と二・四半期連続のマイナス成長となりました。六月八日に年率二・二%減と上方修正されましたが、安倍首相が全国的なスポーツや文化イベントの中止、延期、規模縮小などを要請され、経済活動の自粛が始まったのが二月二十六日であり、経済活動の自粛が一段と強まったのは四月七日の緊急事態宣言の発令以降だったため、まだ、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、本格的には織り込まれていないとの分析もありました。 そして、八月十七日に公表された四月から六月までのGDP速報値、年率で二七・八%減。GDP統計を遡れる一九五五年以降で最大の落ち込み、事実上、戦後最悪の落ち込みであると報じられました。三・四半期連続の減少は、東日本大震災を挟んだ二○一一年の四月から六月期以来、九年ぶりとのことです。 今月八日には、二八・一%減と下方修正され、リーマンショック後の二○○九年一月から三月期を大きく超える戦後最悪の下落幅と報じられています。 この間、県では、四月三十日に臨時議会を招集され、国の新型コロナウイルス感染症緊急経済対策に関連する補正予算の審議を注意しつつ編成された、補正総額六百八十六億四千二百万円が全会一致で可決し、補正後の予算規模は七千五百六億二千三百万円となりました。 また、六月定例会では、国において第二次補正予算が成立したことを踏まえ、補正総額二千百六十億四百万円が可決、補正後の予算規模は一兆百十六億四千四百万円となりました。 さらに、本定例会の初日、知事は、今回の補正予算は、当面緊急を要する経費について、所要の補正を行うものであり、補正総額は百七十九億円、補正後の予算規模は一兆二百九十五億四千四百万円となると議会に説明されました。その主な内容としては、新型コロナウイルス感染症対策関連事業として百二十五億六千二百万円、令和二年七月豪雨災害対策と災害復旧事業や災害関連事業として四十八億三千二百万円を計上したことなどの説明があり、県議会の議決を求められました。 私は、県民の命と健康を守り、県民生活と地域経済を支えるために、緊急的に実施すべき取組について、切れ目なく迅速に進めるとの知事の姿勢を高く評価したいと思います。しかし、このように増額補正の続く予算を、速やかに執行していくのは、本当に困難を極めると思います。戦後最悪の景気悪化とも言われる、この状況の中にあって、どうにか危機を乗り越えるためにも、県内経済の回復に向けた取組を速やかに着実に進めていただきたいと思いますが、県は、これまでどのように取り組まれてきたのか、また、今後どのように取り組まれるのか、お尋ねしたいと思います。 次に、県内経済と雇用を牽引する産業戦略についてお尋ねいたします。 昨日の代表質問では、我が会派の井上県議から、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、社会情勢が大きく変わった今、県の総合計画や分野別計画をどのように見直していかれるのかとの質問がありました。知事は、維新プランや第二期総合戦略、そして分野別計画に掲げる諸施策についても、社会経済活動の低迷を受け、進捗に遅れが生じているが、県政が目指すべき姿や県づくりの基本的方向性に変わりはないとした上で、現行計画に基づく諸施策について、必要な重点化と加速化を図る必要があり、このたび、コロナの時代に対応するための施策推進方針を新たにまとめたとの説明がありました。井上議員からは、産学公金が一体となった産業戦略の今後の進め方についても質問がありましたが、私は、県内経済を回復させることに直接効果を発揮し、県内の雇用を支え、中小企業への波及効果も高い産業戦略について、さらに詳しくお聞きしたいと思います。 令和二年度の山口県産業戦略本部第一回全体会合の資料によりますと、平成三十年度から令和二年度までを計画期間とするやまぐち産業イノベーション戦略については、その内容や指標のデータも細かく報告され、おおむね順調に進捗と評価されていますが、全体会合での本部委員の主な意見の中に、次の改定に向けては、九つの成長分野と各プロジェクトの関連性の見える化を考えるべきとの御意見がありました。九つの重点成長分野については、国の成長戦略や、本県の産業特性・強み、そして成長に向けたポテンシャル等を踏まえて選定されており、その方向性には大賛成ですが、十の産業戦略プロジェクトとの関連性は、確かに分かりにくいとも言えます。新たな指針では、これらを明確にする、本部委員さんの御意見によれば見える化する、産業戦略プロジェクトとなるよう期待したいと思います。 また、今後の改定案は、新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした社会変革の動きも踏まえ、新たな産業戦略の指針として改定するとされていますので、サプライチェーンの見直しや自社工場の国内回帰も検討できるような視点も盛り込まれるのでしょうか。この点は、昨日の知事答弁の中でも触れられておりましたので、そういったことも議論になるんだと思いますが、アフターコロナの工場の在り方など、様々な議論が始まっていますが、今後のリスクへの備えともなるプロジェクトを期待したいと思います。 現行戦略の期間は少し残っていますが、知事は、県内経済を回復させ、雇用の安定につなげるために、現行の産業戦略指針をどう生かされるのか。また、さらに、県内経済と雇用を牽引する産業戦略となるよう、指針の改定にどう取り組まれるのか、お尋ねします。 次に、アフターコロナ、または、ウイズコロナのコンビナートの在り方について、少し考えを述べたいと思います。瀬戸内沿岸の産業集積は、山口県の強みであるとされ、周南市民の一人として大変誇りに思っています。一つの県に三つのコンビナートがある県はほかにはなく、今後、国内に新たにコンビナートを造るのは、もう無理だろうと専門家の間で言われています。そんなコンビナートも、新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けました。県外から多くの作業員が訪れる定修です。ふだんは、定修シーズンになると、何千人もの人や車が工場に入り、宿泊施設や夜の街もにぎわい、活気に満ちあふれるので、市民の一人としても大変うれしい季節のはずですが、今年は、コロナの影響で不安の声が広がりました。 県や市は、定修を予定する企業に対して、やむを得ず県外から作業員を受け入れる際は、関連事業者との間で感染防止対策を取るよう要請され、地元企業も、感染者を出さないことを最優先にして、構内に入る際には、二週間前からの健康状態、行動記録の確認や検温の義務づけ、不要不急の会議・会食の禁止、基本的な手洗い、消毒、換気、他者との距離確保を徹底するなど、厳しい感染防止対策を実施されて対応されているようです。 それでもいろんなうわさが流れ、不安に感じる市民もおられます。定修に入る関連会社の方からは、陽性者が出たら大変なことになるとの不安が常に付きまとっていると聞いています。私は、こんなときこそ、コンビナート連携によるPCR検査が実施できないものかと、ずっと考えていました。県外から来られた方も、宿舎やホテルに入る前に、まず、PCR検査を受けていただいて、取りあえず、来県された時点では感染していないことを確認できれば、感染対策に大いに役立ちます。 先日の令和二年度産業戦略本部第一回全体会合では、東ソーの方から、PCR検査と同じようにコロナ検査に使え、約四十五分と短時間で感染の有無を判定できるTRC法の新型コロナウイルス検査薬の承認を取得し、販売を開始したことの御報告もあったそうです。様々な強みを持つコンビナート企業と県や市が協力し合って、定修における感染防止に取り組むことができれば、工場周辺にお住まいの住民の安心にもつながります。今後のコンビナート連携の類型の一つとして、県がコーディネートし実現させてほしいと思いますので、御提案と要望とさせていただきます。 次に、種子条例の制定についてお尋ねします。 主要農作物種子法、いわゆる種子法は、昭和二十七年、戦後の食糧不足の下、食糧増産という国家的要請を背景に、稲、麦類及び大豆の種子については、国、都道府県が主導して生産・普及を進める必要があるとの観点から制定されました。 この法律により都道府県に優良品種奨励制度ができ、厳密な品質管理の下、優れた種子を安く、安定的に確保することで、国内自給の確保と食料安全保障に多大な貢献をしてきましたが、残念ながら、平成二十九年四月、主要農作物種子法を廃止する法律が可決し、翌年の四月一日をもって廃止となりました。 国が予算措置をしてきた法的根拠がなくなった後も、県が種子法廃止前と同じような体制を続けられるように、ほかの県の例を挙げ、種子条例を制定すべきではないかと、これまでも仲間の県議の皆様と、何度か一般質問などで取り上げてまいりましたが、県は、具体的な手続や処理基準等を要綱に定めることで、県としての役割を適切に果たすことが可能であり、条例の制定は考えていませんとの見解を変えておられません。 その後、種子条例について関心の高い超党派の議員で集まり、条例制定に向けて、勉強会を重ねるなどの努力をしたいと考えて、埼玉県農林部生産振興課から種子条例の資料を取り寄せたり、実際の農家の方のお話を聞いたりして準備をしておりましたが、今年になり新型コロナウイルスの感染が拡大し、勉強会はできないままとなっていました。 そんな中、久しぶりに種子条例の動きなどを伝えるサイトを確認したところ、全国の各県や北海道で、公共の種子を守ろうと、種子条例づくりが広がっていると知り、驚きました。 最近の動きでは、お隣の広島県や三重県、群馬県が、六月定例会で全会一致で可決、鳥取県は、昨年の六月定例会に、知事が条例案を提出して可決。 さらに、島根県のホームページを確認すると、昨年度、農産物の種子等の確保供給体制に係る有識者会議を計三回開催し、取りまとめた島根県農産物の種子等の安定的な確保に関する条例、これは仮称ですが、これについて九月七日から十月六日まで、今ですね、県民の意見を募集していました。 現時点での種子条例制定の動きを全て把握することはできていませんが、最近のフェイスブックへの投稿には、徳島県議会が種子条例制定に向けて、九月から各派代表による検討会議を開始、二○二一年二月定例会で議員提案、三月施行を目指す予定との記事や、千葉県主要農作物種子条例、九月定例会で審議される予定などが書き込みされており、少なくとも三十以上の道県で条例制定済み、または準備中の動きがあります。 種子法の廃止により、県の役割やその重要性が知られるようになり、種子法の復活や種子条例制定を求める市民の声が広がっています。これらの全国の動きを受けて、山口県でも種子条例制定について、幅広い有識者の意見を聴く会や、県民の意見を聞く機会をつくり、条例制定に向けての取組を始めていただきたいと思いますが、知事の御所見をお聞かせください。もちろん、全会派の議員が参加する学習会など開催されるとうれしいと思いますし、ぜひ参加したいと思っています。 四番目に、山口県男女共同参画基本計画の改定についてお尋ねいたします。 政府は七月、二○二○年までに指導的地位に占める女性の割合を三○%にするとした男女共同参画政策の目標は、十二月の期限までには達成できないと断念した。新たな目標時期は二○二○年代の可能な限り早期にと曖昧な形で先送りする方針だとの報道が流れ、二○二○三○を合い言葉に頑張ってきた多くの方々は、改めて無力感ややるせなさを感じることとなりました。 二○二○三○とは、社会のあらゆる分野において、二○二○年までに指導的地位に占める女性の割合を少なくとも三○%程度にするという目標のスローガンです。この目標は、平成十五年六月に男女共同参画推進本部が決定したものですが、民主党政権時代の平成二十二年十二月に閣議決定された第三次男女共同参画基本計画で取組を強化して取り組んできたものです。 国が男女共同参画を推進する政策に取り組むようになったのは、もともとは少子化対策の考え方があったはずです。平成十六年開催の少子化と男女共同参画に関する専門調査会第一回会合の議事録には、小泉総理から、男女共同参画については少子化対策等関連の問題も視野に入れて、広く国民の理解を得られる施策を推進されたいとの指示がございましたと男女共同参画担当の林田内閣府副大臣の発言も確認できます。 その少子化と男女共同参画に関する専門調査会の委員のお一人が、当時、日本政策投資銀行参事役の藻谷浩介さん、徳山高校の後輩ですが、藻谷浩介さんでした。藻谷さんが、その頃、周南市の男女共同参画推進に取り組む市民を対象とした学習会の講師として来られ、男女共同参画は、人口減少の働き手不足への対策、少子化対策なんだと話をされ、当時、男女共同参画推進の審議会委員などを経験しながらも、これらの取組で本当に男女の固定的な役割分担意識を変えることができるのだろうかともやもやしていたため、妙に胸の中にすとんと落ちた記憶があります。 それまで女性の地位向上を目指して活動されてきた女性たちも、男女平等を実現できるなら、逆に国を利用するくらいの気持ちで、国の考え方に乗ろうと発言される女性学の専門家もおられ、その後、男女共同参画社会の実現を目指す取組は、メインストリームになったとまで言われました。 その後、各市が条例づくりに熱心に取り組んでいたときに、男女平等やジェンダー運動などの流れに反対する運動、いわゆるバックラッシュ、揺り戻しがあり、宇部市の条例づくりに対し、全国からいろんな攻撃があったことなどを思い出しますが、それらにより男女共同参画の取組はかなり後退した記憶があります。そういった時期を乗り越えて、平成二十二年、第三次男女共同参画基本計画で取組を強化すると決めた二○二○三○です。 男女共同参画推進の長い経過を顧みますと、山口県でも、平成十二年、当時の大泉副知事を中心に、全国で三番目に制定された山口県男女共同参画推進条例づくりに向けて情熱を傾けていた頃の熱のようなものは、どこに行ってしまったのかと少し寂しくなります。 全ての人が性別に関わりなく個人として尊重され、自らの意思によって個性豊かで多様な生き方を選択することができる社会を実現することは、私たち山口県民の願いであると制定された山口県男女共同参画推進条例に基づいて策定されている山口県男女共同参画基本計画が改定されると、六月定例会の環境福祉委員会で報告がありました。 改定スケジュールとしては、十一月に男女共同参画審議会に素案が示され、十二月にパブリックコメントと続き、来年三月に改定、公表となるなどの説明を受けました。委員会資料によると、改定に向けた視点の中に、国の基本計画改定を踏まえた対応とあります。 そこで、国の動きを確認しますと、二○二○三○の新たな目標設定に向けては、今後、内閣府の有識者会議で議論を重ね、年内の閣議決定を目指す第五次男女共同参画基本計画に盛り込むとされています。目標値は三○%に据え置き、具体的な達成期限は設けない方針ということで、仕切り直しとしては目標が低く、現場の意欲が下がらないか心配だとの声もあります。 七月十九日の山陽新聞の社説には、「コロナ禍で社会・経済は痛手を負い、女性活躍を進める余力がないとの見方がある。だが、回復の道筋を探るには多様な人材が欠かせない。女性の活躍推進を単なる掛け声で終わらせぬよう、目標の達成に至らなかった背景を分析し、次の政策へ確実につなげることが求められる。」とありました。本当にそのとおりだと思います。 村岡知事をはじめ、職員の皆様は、コロナ対策で本当に大変な日々を送られていると思います。そんな中での山口県男女共同参画基本計画の改定ですが、ぜひとも、平成十二年当時の熱を持って取り組んでいただきたいと思います。知事は、どのように取り組まれるおつもりでしょうか、お尋ねします。 私としては、男女共同参画推進担当の、できれば男性以外の副知事を置いて取り組んでほしいと思いますが、これは要望としておきます。 最後に、原発政策についてお尋ねします。 二月定例会でも取り上げましたが、山口県のすぐ目の前の対岸にある伊方原発三号機の運転差止めを求める裁判は、愛媛県、広島県、山口県、大分県と、瀬戸内海をぐるりと囲んだ各県の住民から起こされていますが、本年一月十七日、山口県の住民が求めた仮処分申立てが認められ、広島高裁が運転してはならないとする決定を出しました。 判決後、裁判所の前に出てこられた住民側弁護士は、今回の裁判の一番大きな論点であった活断層と火山について、どちらも住民側の主張を認め、画期的だと話されました。弁護団が重視されたのは、伊方原発の沖合六百メートルの佐田岬沿岸に中央構造線の活断層があるかどうかでしたが、それを主張しようと決められたきっかけは、二○一七年十二月に国の地震調査研究推進本部が見直した活断層帯の長期評価で、佐田岬半島沿岸の中央構造線について、「現在までに探査がなされていないために活断層と認定されていない。今後の詳細な調査が求められる」と、活断層である可能性に言及されていたことだそうです。山口県住民による仮処分申立ては、愛媛、大分、広島の住民の申立てよりも遅れて始まったので、この二○一七年の国の長期評価に着目し、主張することができたのだと弁護士は言われておりました。 昨年の十月十五日に広島高裁に提出された抗告理由の補充書には、活断層の調査については、計画の立案が重要であるとの記載があり、活断層の専門家である鈴木康弘名古屋大学教授の、「一般に活断層調査の成否は調査計画次第であり、その立案には高度な専門性が要求される。調査結果は検証されるべきものであるが、これまでは一般公開されることはほとんどなく、都合の悪い外部意見には対応しなかった」との意見が引用されています。その上で、伊方原発の立地、再稼働に当たって周辺の活断層調査が行われているのは公知の事実。それを承知の上で、あえて国の地震調査研究推進本部が、調査はされていないとした意味に触れ、不都合な事実が隠蔽された疑いを指摘しています。 専門家や学者の協力を得て、細かな証拠を積み上げ裁判に臨んでおられる弁護団の皆様に心から敬意と感謝の意を表したいと思いますが、広島高裁は、運転停止を命じる期間を、本案訴訟の第一審判決の言渡しまでと定めるのが相当とされました。本訴の言渡しまでは、まだまだ時間がかかるようです。 これらの経過をたどりましても、二○一七年十二月に国の地震調査研究推進本部が見直した活断層帯の長期評価も含め、原発については、今後も新たな課題が生まれてくる可能性があると思います。再稼働に必要な原発の工事計画の認可から五年以内に設置することが義務づけられている特定重大事故等対処施設は、二○一三年に施行された新規制基準に盛り込まれたそうですが、期限に間に合わなければ、運転が停止されると報道されるまでは、一般に広く知られていなかったと思います。 特定重大事故対処施設とは、大型航空機の衝突その他のテロリズムに対して、その重大事故等に対処するために必要な機能が損なわれるおそれがないものであること、原子炉格納容器の破損を防止するために必要な設備を有するものであることなどとされており、意図的な航空機衝突などへの可搬型設備を中心とした対策のさらなる安全向上対策として常設化により信頼性を向上させる施設とのことですが、内容を聞いただけでも怖くなります。これらは、できてしまっている原発施設には必ず必要だと思いますし、一刻も早く設置していただきたいと思いますが、まだ、建設されていない原発計画には、そもそも必要ありません。このことからも、新たな原子力発電所は、もうつくらないでほしいと思っています。伊方原発で相次いだ重大な事故や全国の原発への台風や地震の影響を報じるニュースを聞くにつけ、その思いは強くなります。 原発政策をはじめとするエネルギー政策は、イージス・アショアなどと同じく、国の専管事項でありましょうが、ついこの前、イージス・アショア配備計画が、しっかりとした議論を踏まえた計画とは言えなかったことが明らかになりました。原発政策についても、いつ、国の考え方が変わるか分かりません。上関原発建設計画廃止に向けたロードマップを県が中心となって準備しておくべきではないでしょうか。また、その場合、その計画に協力してきた地域や関係企業への様々な支援策も必要となると思います。それも含めて検討していくべきだと思いますが、知事の御所見をお伺いします。 以上、文字数が多くて、少し早口になりましたが、新型コロナウイルス感染症の対応に追われている全ての皆様に感謝して、一回目の質問終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(藤生通陽君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 戸倉議員の御質問のうち、私からは、県内経済と雇用を牽引する産業戦略についてのお尋ねにお答えします。 新型コロナウイルスの影響により、県内経済は厳しい状況が続いており、経済を回復し、雇用の安定を図るため、県内経済の下支えと消費需要の喚起に取り組んでいるところです。 一方、将来に向けて、県経済の持続的成長・発展を図るためには、地域の活力源である産業力を大きく伸ばす取組を、止めることなく、着実に進めることが重要です。 このため、私は、感染状況や企業への影響等を見極めながら、やまぐち産業イノベーション戦略に基づき、本県の経済・雇用を牽引する瀬戸内基幹企業群や地域中核企業群等の成長・発展を促す十の産業戦略プロジェクトを進めているところです。 これまでの取組により、瀬戸内産業の競争力強化に資する産業基盤の整備や、重点成長分野の企業誘致、やまぐちR&Dラボを通じた技術交流の進展など、各プロジェクトはおおむね順調に進捗してきました。 感染症に伴い、国内外の移動制限や対面による会議の中止など、プロジェクトの取組に影響が出ていますが、ウェブ会議やオンライン研修等も活用しながら、プロジェクトを前に進めてまいります。 また、現行の戦略は、今年度末に計画期間が満了することから、感染症を契機としたデジタル化への動きや、サプライチェーンの再構築など、社会変革の動きも踏まえ、新たな戦略として改定する考えです。 新たな戦略では、取組の視点にデジタルトランスフォーメーションの加速を加え、5GやAIなど未来技術の導入、利活用を促進するとともに、生産拠点等の国内回帰や地方移転、サテライトオフィスなど、新たな動きを捉えた企業誘致に取り組みます。 また、オープンイノベーションの一層の促進をはじめ、これまでの取組の成果を踏まえたプロジェクトの再編・拡充を図ります。 私は、県経済の持続的成長・発展に向け、今後とも、県内経済と雇用を牽引する産業戦略を、官民一体となって、着実に進めてまいります。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(藤生通陽君) 福田商工労働部長。    〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 ◎商工労働部長(福田浩治君) 県内経済の回復に向けた取組についてのお尋ねにお答えします。 県では、これまで、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者に対して、県制度融資や営業持続化等支援金などにより、事業の維持・継続を支援しています。 また、消費需要の喚起に向けては、頑張るお店応援プロジェクトの実施や、商工会議所等が実施するイベントの開催支援とともに、観光・農林水産分野におけるキャンペーンの展開に取り組んでいます。 こうした取組を速やかに進めるためには、業務の集中を避け、効率的な事業実施が必要になることから、県制度融資については、金融機関や県信用保証協会との緊密な連携の下、迅速な融資に努めているところです。 また、支援金などの交付やイベント支援については、県全域を対象とするものは、やまぐち産業振興財団を委託先とする一方で、地域を対象とするものは、個別の事業者とのつながりも強く、情報も伝わりやすい、商工会・商工会議所を委託先として、事業を実施しています。 このほか、頑張るお店応援プロジェクトでは、クラウドファンディングの専門事業者のノウハウを活用するとともに、今回の補正予算においては、市町が取り組む、地域の実情やニーズに応じたきめ細かな施策づくりを支援するなど、様々な主体と連携した事業実施に取り組んでいるところです。 県としては、今後とも、新型コロナウイルス感染症に係る県内経済の下支えや、消費需要の喚起に向けた予算の迅速かつ効果的な執行に努め、県内経済の回復につなげてまいります。 ○副議長(藤生通陽君) 松岡農林水産部長。    〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 ◎農林水産部長(松岡正憲君) 種子条例の制定についてのお尋ねにお答えします。 県では、米、麦、大豆の原種供給などの具体的な手続等を要綱に定め、優良種子の計画生産と安定供給に取り組んでいます。 今後も、国やJA、種子生産農家等と連携しながら、要綱を着実に実行することにより、引き続き、県の役割を適切に果たすことができることから、条例制定に向けた取組を行うことは考えていません。 なお、県では、様々な機会を捉えて、JAグループや農業者団体等と本県農業の振興に向けた意見交換を行っているところです。 ○副議長(藤生通陽君) 神杉環境生活部長。    〔環境生活部長 神杉さとみさん登壇〕 ◎環境生活部長(神杉さとみさん) 山口県男女共同参画基本計画の改定についてのお尋ねにお答えします。 男女が性別に関わりなく、その個性と能力を十分に発揮できる男女共同参画社会の実現は、社会の多様性と活力を高めるためにも、社会全体で取り組むことが重要です。 このため、県では、男女共同参画基本計画に基づき、市町や関係団体と連携しながら、社会の幅広い分野において、男女共同参画の取組を総合的・計画的に推進してきました。 また、維新プランの重点施策に女性が輝く地域社会の実現を掲げ、事業者や家庭における女性活躍のサポートや女性が働き続けられる環境づくりなどの取組を積極的に進めています。 この結果、男は仕事、女は家庭といった性別による固定的役割分担意識に、男女とも改善傾向が見られるほか、県内事業所における女性管理職の割合は高まり、また、仕事と家庭の両立支援等に取り組む男女共同参画推進事業者も着実に増加するなどの成果を上げているところです。 お尋ねの基本計画の改定に当たっては、維新プランの施策の方向性を反映しながら、これまでの取組成果と課題の検証や社会情勢の変化、国の基本計画の改定内容などを踏まえ、検討を進めているところです。 現在、男女共同参画審議会においては、基本計画改定に係る活発な議論を進めていただいており、今後、県議会をはじめ、地域・企業・教育などの様々な分野の団体や、県民の皆様から幅広く御意見をお聞きした上で、来年三月に計画を改定する予定としています。 今後とも、市町や関係団体と一体となって、男女が社会のあらゆる分野に参画し、その個性と能力を発揮できる男女共同参画社会の実現に取り組んでまいります。 ○副議長(藤生通陽君) 梶間商工労働部理事。    〔商工労働部理事 梶間敏君登壇〕 ◎商工労働部理事(梶間敏君) 上関原発建設計画廃止に向けたロードマップを、地域等への支援策の検討も含めて、県が中心となって準備すべきとのお尋ねにお答えします。 上関原発建設計画については、県は、これまで一貫して地元上関町の政策選択や国のエネルギー政策を尊重するという立場で対応してきているところです。 こうした中、国のエネルギー政策に関しては、国は、上関原発に係る重要電源開発地点指定は引き続き有効であり、解除する考えはないとの見解を示しています。 また、原発立地によるまちづくりを進めたいという地元上関町の政策選択は、現在も変わりありません。 県としては、このように事情の変化がない中で、お尋ねの計画廃止に向けたロードマップを準備することは考えていません。 ○副議長(藤生通陽君) 戸倉多香子さん。    〔戸倉多香子さん登壇〕(拍手) ◆(戸倉多香子さん) 再質問させていただきます。 先ほどは大変早口で、文字数がちょっと多かったもので、早口になってしまいました。眠たくなった方もいらっしゃるかもしれませんが、もうしばらくお願いいたします。 安倍政権が七年八か月ですか、終わりました。この評価については、この後の木佐木議員がしっかりとやっていただけると思いますので、私からはもうやりませんけれども、山口四区で一緒に戦った戦友ですから、後はお任せします。これは全然意見ですので、質問でありません。すみません。 知事から、産業戦略についての考え方の御答弁がありました。県の経済を支えるために、しっかりと取り組んでいただきたいので、知事のお考えをしっかり支持していきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 そして、デジタルトランスフォーメーションの加速というのは、今後のやまぐち産業イノベーション戦略の改定の中の基本目標の中の視点にもしっかり入っていまして、これをしっかり取り組むということでした。これも頑張ってやっていただきたいと思いますけれども、産業戦略の合同会議の中で出た御意見の中に、意欲ある中堅・中小企業が県の戦略についていけるような仕組みや場づくりが必要という御意見がありました。デジタルトランスフォーメーション、もちろん、しっかり取り組んでいくべき内容でございますが、それについていけるような仕組みの場づくりということも、しっかり考えていただきたいと思いますし、今、いろんな補助金の申請なども、ネットでの申請があって、持続化給付金なんかは、逆にやりやすいけれども、不正もあったりして大変な状態です。そういった使い方のことについても、中小企業もついていけるように、小規模事業所もついていけるように、しっかりした仕組みづくりをお願いしたいと思います。 それから、御意見の中に、産業人材を確保するためには、魅力あるまちづくりも重要という御意見がありました。これは、私はずっと言っておりますけれども、産業戦略本部の会議で、よく大きい企業の代表の方とかが言われていることですけれども、本当に人材を確保することが大変な時代になっていて、優秀な方を確保しようと思えば、やはり住みやすい町でなければ来てくれないという御意見が毎回出ていると思います。 今回もこのように魅力あるまちづくりも重要という御意見がありました。新山口駅のことの取組も、このイノベーション戦略には入っていると思いますが、周南の徳山駅周辺も図書館ができて、本当ににぎわっておりますが、産業の中心でもありますので、そちらへもそんな魅力あるまちづくりも配慮していただけたらいいなと思いますので、これらは要望でございます。それでは、意欲ある中堅・中小企業が県の戦略についていけるような仕組みや場づくりについては、どのように取り組まれるのか、質問させていただきます。 それから、男女共同参画の基本計画の改定については、神杉部長から大変力強い御答弁をいただきました。今後、委員会でさらに細かく意見を述べさせていただきたいと思います。 そして、上関原発建設計画廃止に向けたロードマップづくりについてです。 ロードマップづくりは考えていないという御答弁でしたが、私は、上関原子力発電所の安全確保等に関する連絡調整会議を開催して議論すべきだと思っています。上関原子力発電所の安全確保等に関する連絡調整会議設置要綱の所掌事務について、(二)その他上関原子力発電所に関し、必要と認められることとあり、会議は会長が必要に応じて招集するとなっています。会長は副知事とされていますので、広島高裁の伊方原発三号機の運転差止めの判断、特に活断層についての論点を含め、上関原発の立地について評価・検証するため、副知事は上関原子力発電所の安全確保等に関する連絡調整会議を開催し、そしてロードマップも一緒に議論していただきたいと思いますが、副知事の見解を求めます。 以上で、再質問とさせていただきます。誠実な御答弁をお願いしたいと思います。(拍手) ○副議長(藤生通陽君) 平野産業戦略部長。    〔産業戦略部長 平野展康君登壇〕 ◎産業戦略部長(平野展康君) 産業戦略についての再質問にお答えをします。 産業戦略の改定に当たりましては、先ほど御指摘のありました、意欲ある中小企業もついていけるような場づくりも含め、これまでの取組の成果や、感染症を契機とした社会変革の動きも踏まえ、新たな戦略として改定に取り組んでまいります。 ○副議長(藤生通陽君) 梶間商工労働部理事。    〔商工労働部理事 梶間敏君登壇〕 ◎商工労働部理事(梶間敏君) 上関原発に関する再質問にお答えをいたします。 伊方の差止めのこと、活断層の件を踏まえて、調整会議を開いて、ロードマップの準備をしていけと、いかなければいけないんじゃないかと、そういう御質問だったと思います。 お示しの連絡調整会議は、六分野二十一項目の要請事項について、計画の進捗に応じて国の対応状況をチェックするというのが本旨でございます。その中に確かに、その他上関原子力発電所に関し、必要と認められることというのがございますけれども、先ほど御答弁申しましたとおり、それ以前にまずは事情の変化がない中で、上関原発廃止に向けたロードマップの準備をするということは考えておりません。 ○副議長(藤生通陽君) 戸倉多香子さん。    〔戸倉多香子さん登壇〕(拍手) ◆(戸倉多香子さん) 原発政策について再々質問させていただきます。 二井元知事がまとめられた六分野二十一項目の二、安全確保等についての(三)入念な活断層等の事前調査を行うよう指導を徹底するとともに、今後想定される地震に対応できる最新の科学的知見を反映した厳格な審査との記述がありますが、政府が、現時点では原発の新増設は想定していませんとしている中で、提出している原子力設置許可申請の扱いが全く不透明です。このまま国の審査を待つのは、県民に対する不作為ともいえます。上関原子力発電所計画を電源開発基本計画に組み入れることについて、照会のあった知事意見を、六分野二十一項目の意見をつけて、経済産業省資源エネルギー庁長官に回答された責任は、知事が代わられても引き継がれていると考えてよいのでしょうか、お尋ねしたいと思います。 この一月十七日に、山口県の住民が伊方原発三号機の運転差止めを求めた仮処分申立てについては、広島高裁が運転してはならないとする決定を出しましたが、論点となったのは活断層と火山だと説明しました。この活断層の問題は、上関原発建設予定地にもあります。中国電力が二○○九年に原子炉設置許可申請を提出した後、専門家から別の断層群とされていたものがつながって連動する可能性が指摘され、陸域の破砕帯や活断層の精査が求められ、異例の追加調査と活断層評価を開始されました。その工程の途中で二○一一年、東日本大震災が発生し、調査は中断し、結果は公表されていないと思います。 県では、二○一○年十一月二十二日に、第二回上関原子力発電所の安全確保等に関する連絡調整会議を開催されていますが、追加地質調査計画等についての資料や議事録を見ても、断層評価については現在審議中であり、今後のさらなる審議を経て、最終的な評価がなされるものと考えているとの記載のみで、結論に至っていないと思われます。この点について、県はどのように捉えておられるのでしょうか、質問させていただきます。 以上で質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(藤生通陽君) 梶間商工労働部理事。    〔商工労働部理事 梶間敏君登壇〕 ◎商工労働部理事(梶間敏君) 再々質問にお答えさせていただきます。 まず、知事意見に付した六分野二十一項目の要請事項は、知事交代に伴ってもまだ引き継がれているのかという御質問だったと思います。 県としては、上関原発建設計画の進捗に応じて、知事意見に付した六分野二十一項目に対する、国の対応をチェックするということとしておりまして、現在もその位置づけに変わりはございません。 次に、第二回の連絡調整会議では、断層評価の件が結論に至っていないと思うが、県の見解はどうかという御質問でした。 お示しの連絡調整会議は、六分野二十一項目の要請事項については、先ほども申しましたとおり、計画の進捗に応じて国の対応をチェックするというものでございます。 安全対策については、断層の評価も含めて、まずは国において審査が行われるものと承知しており、福島第一原発の事故以降、上関原発の原子炉設置許可申請に係る国の審査会合が開催されていない中で、現時点において連絡調整会議を開催することは考えていません。 ○副議長(藤生通陽君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 日本共産党の木佐木です。病気療養のため四月臨時、六月定例会を欠席し、皆さん方には、本当に大変御心配をおかけしました。心からおわびをいたします。今後は、精いっぱい頑張る決意を述べまして、質問に入ります。 質問の第一は、安倍政権の評価と菅新政権への対応についてであります。 第一は、七年八か月、安倍政権が一枚看板としていたアベノミクスの実績であります。 安倍前首相は、三百八十万人の新たな雇用を生み出したと実績を誇りました。就業構造基本調査によると、県内の雇用者数は二○一二年の五十六万八千八百人から一七年の五十六万八千七百人と百人減っています。うち正規は七千七百人減り、非正規は七千六百人増えています。 注目すべきは六十五歳以上の雇用者数です。一二年の四万四百人が一八年には六万人と一万九千六百人増え、特に非正規が一万七千百人も増加しています。生活するために就労せざるを得ない高齢者が増えているためではないでしょうか。 安倍さんは、賃上げを主導したとも自慢します。毎月勤労統計調査結果年報によると、県内の一人平均月間現金給与総額は、一二年は名目二十九万五千五百七十二円、実質三十万七千五百六十七円でした。一八年は名目二十九万一千五百二十五円、実質二十八万六千三百七十円、名目で一・四%、実質では六・九%減少しています。 第二は、地方創生の実績です。 安倍前首相は、東京一極集中の是正を掲げて地方創生をアピールしました。山口県も一四年当時、三千六百四十七人だった転出超過を一九年までに半減させる目標を打ち出しましたが、一九年は四千四百三十人とむしろ悪化しました。合計特殊出生率は一九年に一・六五に改善させる目標を持ちましたが、一・五六にとどまりました。 第三は、平和と立憲主義の問題であります。 安倍前政権は、憲法をないがしろにして立憲主義を否定する安保法制、共謀罪、特定秘密保護法などを強行しました。核兵器禁止条約に背を向けて、敵基地攻撃能力の保有という危険極まりない置き土産まで残そうとしています。こうした事実をどう受け止められておられるか、お尋ねをいたします。 安倍前政権が残した負の遺産は、政治の私物化などほかにも枚挙にいとまがありません。 ところが、菅新首相は、こうした安倍政治を立派だったと手放しで評価し、この道しかないと突き進もうというのです。県政を預かる知事も果たして同様の考えなのか、お尋ねします。 質問の第二は、新型コロナ対策についてです。 資料一に示したとおり、県内の陽性者は百九十五人に達しました。人口十万人当たり十四人と中国五県で三番目です。一方、人口千人当たりのPCR検査数は六・五、中国五県のトップは鳥取県の九・四、次いで島根県は七・九、広島県は七、岡山県は四・二であります。 新型コロナウイルス感染拡大の収束のめどが立たないまま、これから冬に向けてインフルエンザの流行が予測されます。両者の症状はほぼ同じなので、医療機関は極度の緊張を強いられることになっています。それだけに、新型コロナのPCR等検査を文字どおり大規模に実施し、陽性者を隔離・保護する取組を行う以外にありません。 具体的には、一つ、診断目的のPCR等検査から防疫目的のPCR等検査へ転換を図ることです。 二つに、地域外来・検査センターを少なくとも合併前の旧市町村に一か所以上、開設することであります。 三つに、医療機関、介護施設、福祉施設、保育園・幼稚園、学校など、感染リスクを抱えながら勤務する職員への定期的なPCR等検査を実施することです。 関連して四つは、インフルエンザの流行を抑制するための予防接種費助成であります。九月補正予算に小学生以下の子供に対する費用助成が計上されたことは評価しますが、もう一歩踏み込んで七十五歳以上の高齢者も対象とすべきです。 第二は、地域ごとの感染状況の情報を住民に開示することです。 地域ごとの感染状況がどうなっているかの情報開示は、感染対策の土台となるものですが、新規感染者数とともに検査数、陽性率を何らかの形で明らかにしている自治体は全国でも少数にとどまっています。 こうした中で、日々の市町ごとのPCR等検査数は地域住民の関心も高い情報であり、この情報をSNSで県民に提供することが重要です。直ちに踏み切るべきです。 第三は、県民の暮らしと営業を守ること。 新型コロナ対策として国が策定した諸制度を必要とする人たちに全てに行き渡らせ、感染終息まで持続することこそ、経済を立て直す上で不可欠であります。 一つは、雇用調整助成金や休業支援金・給付金、求職支援給付金など国が策定などした制度について、特例措置、申請期限の延長や対象拡大の措置を取るよう国に要望すべきであります。 二つは、個人向け緊急小口資金と総合支援資金の特例期間、住居確保給付金の支給期間をさらに延長すること。これらの予算を大幅に積み増し、迅速な給付がなされるようにすることであります。 三つは、生活保護制度について、厚労省がリーフレットに明記したように、生活保護の申請は国民の権利、このことを自治体、福祉事務所に改めて周知徹底し、適切な対応がなされるようにすることです。同時に、申請者や受給者の増大に対応できるようケースワーカーなどの増員を早急に図るべきです。 四つは、国民健康保険の減免措置の対象に、雑所得で確定申告しているフリーランスの方々も含めること。傷病手当金の対象を被用者だけではなく自営業者、フリーランス等にも拡大すること。減免措置及び傷病手当金について、自治体に周知徹底することではないでしょうか。 以上、それぞれについて見解をお尋ねします。 質問の第三は、米軍岩国基地問題についてです。 第一は、二○一八年十二月に発生した米軍岩国基地所属機の接触墜落事故に関する再調査結果についてです。数ある問題のうち二点だけお聞きします。 一つは、再調査報告書では、米国内で基礎訓練を終えて各基地に配属されたFA18のパイロットのNSS、標準スコアの平均は、米国本土のミラマー基地二百一・八、ビフォード基地百九十三・七に対し、何と岩国基地は百六十九・二と明らかに低く、偏った配置がなされてきたと指摘し、この偏った配置は二○○八年三月から続いてきたことが明らかにしています。 つまり、岩国基地は飛行成績の低いパイロットの掃きだめになっていたのです。ただ同報告書は意図したものではないと、その原因については踏み込んでいません。日米両政府に原因究明を求め、厳重に抗議すべきではないでしょうか、お尋ねします。 二つは、同報告書では、パイロットが睡眠導入剤アンビエンを使用してきたことを追認した上で、事故原因ではなかったとしていますが、日本の航空法のガイドラインは、睡眠薬は服用後二十四時間は操縦禁止と固く禁じています。 米軍パイロットの薬物使用を事実上、野放しにしている日米地位協定と航空特例法の抜本改定を求めるべきではないでしょうか、見解を伺います。 第二は、F35Bの機種更新の問題です。 国は八月二十六日、今年十月以降に、FA18二個部隊のうち、一個部隊約十二機を、F35B約十六機へ段階的に機種更新すると説明しました。 これを受けて八月二十七日、山口県と岩国、周防大島、和木町で行った二十一項目の文書照会に対する回答及び騒音予測コンターが今月十四日国から提示をされ、十六日には県と関係市町は、基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではないとの検討結果を出されました。 一つ、国は二○一七年のF35Bへの機種更新の際、約四機減少しているため、総数は変動していないとしますが、現時点と比較すれば四機増えることは紛れもない事実であります。生活環境に影響を与えることは皆無なのかどうか。 二つ目、騒音予測コンターは、防衛省が机上で決めた標準的な飛行ルートを基に作成されたものです。国も詳細については、米軍の運用に関わることで承知してないと回答しています。実際は岩国市街地上空はおろか、広島市や廿日市市上空での飛行が度々目撃されています。F35Bは標準的な飛行ルート以外を飛ぶことはないのかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思います。 三つ、F35については、米国会計検査院の報告書において、二○一八年一月時点での未解決の課題がA、B、C全ての型式全体で九百六十六件もあると指摘されました。安全性について国は、関連した課題のリストを得た上で、飛行の安全に影響する問題はないと確認したと回答していますが、未解決の課題の全てにおいて、問題はないと確認されているのですか。 以上、三点についてお尋ねします。 今回のF35B配備は、機種更新ではなく機数増そのものであり、基地周辺住民の生活環境のみならず、安全をも脅かすものです。容認できないときっぱりとした対応を取るべきですが、見解を伺います。 質問の第四は、下関北九州道路についてであります。 国交省の社会資本整備審議会道路分科会は七月十五日、第一回中国・九州地方合同小委員会を開き、新規事業化を目指す下関北九州道路の計画段階評価の審議がスタートし、徐々に全体像が見えてきました。 構造形式は橋梁案が妥当とされました。ルート帯は、資料二のように、いずれも旧彦島有料道路を起点部として、北九州都市高速道路を終点部とする三つの案と、それぞれの整備費用も示されました。 案一は、沿岸部迂回ルートで整備費は四千二百億円から五千二百億円、案二は、集落・市街地回避ルートで整備費は二千九百億円から三千五百億円、案三は、海峡渡河幅最小ルートで整備費用は三千億円から三千六百億円です。 私ども共産党県議団は、七月二十八日、国交省中国地方整備局に行き、道路部道路計画課長らから審議内容のレクチャーを受け、とんでもないことが明らかになりました。 一つは、三ルート案の起点になる旧彦島有料道路から中国自動車道につなぐアクセス道路は、山口県が検討する課題だという事実であります。県は、それを承知で事業推進を図ろうとしているのでしょうか、お尋ねします。 旧彦島有料道路は、御承知のように一車線の上、橋梁やトンネルもあり、高速交通網の一部として利用するには大規模な改修が必要です。 また、同道路と中国自動車道をつなぐ下関西道路の計画は全くめどが立たず、明らかにされていません。その理由は一体何ですか、お答えください。 下関北バイパスの事業費は六百六十二億円、一キロ当たり九十七億円かかりました。北バイパスの事業費を基に下関西道路の事業費を推計すると幾らになるか、お答えください。 二つは、二千九百億円から五千二百億円とされた事業費はあくまで現時点での推計だということです。本四架橋など巨大プロジェクトでは、当初計画段階の事業費の五倍、十倍に膨れ上がった例は幾つもあります。下関北九州道路にはそうした心配はないのか、それぞれについてお答えいただきたいと思います。 今でも国、県ともに財政状況は火の車であり、新型コロナの終息のめども明らかではなく、気候温暖化による大規模災害の危険性も増すばかりであります。 今やるべきは、コロナ禍から国民の命と暮らし、営業を守るとともに、災害に強い国土づくりです。あったら便利という不要不急の事業にうつつを抜かす余裕などありません。この点、知事の見解を求めます。 質問の第五は、農業の病害虫被害についてです。 県は、八月三日、全域でトビイロウンカ予察警報を発令しました。発生圃場率は過去十年で最も高い状況にあると警戒を呼びかけています。 これは、梅雨時期に中国大陸から飛来し、夏以降に高温少雨傾向になると急激に増殖する。一部に集中して稲を枯れさせ倒伏させる坪枯れが発生しますが、先日、お話を聞いた農家の方は、坪枯れどころか壊滅に近いと嘆いておられました。 二○一三年には県内で三千四百七十ヘクタールが被害を受け、四億八千七百万円の被害が出ていますが、今回はこれを上回る被害が出るのではないでしょうか。県内の被害状況と今後の予測をお示しください。 国の収入保険制度による減収補填があると聞きますが、本県の加入率は僅か八%で、新型コロナによる減収も加わり、今年を機に米作りをやめようという農家も少なくないと危惧されます。営農意欲を維持してもらうため、独自の減収補填策が必要と考えますが、お尋ねします。 質問の第六は、教科書採択の問題です。 先月、来年度から中学校で使用される教科書採択が行われ、県立高森みどり中学校、同下関中等教育学校前期課程の選定に当たる県教育委員会は、社会の歴史的分野及び公的分野の教科書については、現在と同様に育鵬社を選定しました。 資料三のように、県教委の諮問を受けた教科書図書選定審議会が答申した内容と、両校の研究調査報告を照らし合わせると、県教育委員会は両校が望んでいた教科書とは違うものを選定されたことは明らかです。県教委はどう認識しているか、お尋ねします。 私は、どんな教科書を使用するか、日常的に子供たちに接している現場の意見を何より尊重すべきと考えますが、県教委はどうお考えなのでしょうか、お尋ねします。 質問の第七は、下関市立大学の定款変更後の諸問題についてです。 県が昨年十一月二十二日、下関市立大学の定款変更を認可して以降、同大学では、異様な事態が次々と生じています。 第一は、今年五月二十九日の同大学第三回理事会で決定された教員採用選考規程です。同規程第十一条では、学長は、教員採用に関し、全学的な観点及び総合的な判断により必要があると認めた場合は、この規程によらない取扱いをすることができるとしています。教員採用における学長への全権委任規程にほかなりません。 このような規程は、教員採用における教授会の意見聴取・審査を定めた学校教育法第九十三条第二項第三号及び文科省通知、二六文科高第四四一号第三の一(二)の⑤に反するものであります。見解を問います。 第二は、特定の人物が同大学の役職と権限を独占している問題であります。 今年四月、同大学リカレント教育センター教授に就任した韓昌完氏は現在、副学長、理事、大学院担当副学長、相談支援センター統括責任者、国際交流センター統括責任者、教員人事評価委員会委員長、教員懲戒委員会委員長を兼任しています。 同大学に着任して半年にもならない一人の人物が、人事権・懲戒権も含め、これだけの権限を独占していては、組織内部での相互チェックが働かないことは明らかではないでしょうか。定款変更を認可した県として、是正に向けた指導・助言をすべきですが、見解を求めます。 以上で、第一回目の質問を終わります。(拍手) ○副議長(藤生通陽君) 村岡知事。    〔知事 村岡嗣政君登壇〕 ◎知事(村岡嗣政君) 木佐木議員の御質問のうち、私からは、安倍政権の評価と新政権への対応についてのお尋ねにまとめてお答えします。 安倍前総理におかれましては、安定した政権運営を通じて、経済成長や外交・安全保障などの様々な重要課題に強力なリーダーシップを発揮され、我が国の発展に向けた確かな道筋をつけてこられました。 このうち、アベノミクスについては、コロナ前までの経済成長によって、全国の正社員有効求人倍率が史上初めて一倍を超えるなど着実な改善が図られ、本県においても、有効求人倍率や最低賃金が大幅に上昇したところです。 また、働く意欲を持つ高齢者の方々が、その希望に応じて能力を発揮し、活躍できる環境が広がったことにより、六十五歳以上の雇用者数が増加しているものと考えています。 地方創生については、国の財政措置等の後押しを受けて、産業の活性化により企業収益が大きく改善し、県税収入の増につながっています。 国内外からの観光客や移住者の増加が地域の活性化をもたらす好循環が生まれ、少子化対策の面でも、成長の果実を生かした保育の拡充、教育無償化が実行され、地域においても、子育て支援拠点の整備など、安心して子供を産み育てることができる環境づくりが着実に進んでいるところです。 また、安保法制等の対応に関しては、我が国を取り巻く安全保障環境が一段と厳しさを増す中で、国民の命と平和な暮らしを守るという観点に立って進めてこられたものと考えています。 コロナ禍の影響もあり、本県が目指す「活力みなぎる山口県」の実現は、まだその途上にありますが、私は、安倍政権の様々な政策の下で積み上げてきた県づくりの取組やその成果を、今後の取組にしっかりとつなげていきたいと考えており、安倍政権を継承し、さらに前へ進めるとされている菅総理の方針を大変心強く感じています。 その他の御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(藤生通陽君) 弘田健康福祉部長。    〔健康福祉部長 弘田隆彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(弘田隆彦君) 新型コロナウイルス対策についての数点のお尋ねのうち、まず、PCR等検査についてお答えをします。 診断目的から防疫目的へのPCR等検査の転換についてですが、県では、これまでも感染の疑いのある方や濃厚接触者はもとより、感染者が多数発生している地域等において、感染拡大を防止することを目的に幅広くPCR等検査を実施しているところです。 次に、地域外来・検査センターの設置数についてですが、市町や郡市医師会と設置の必要性について協議した結果、十四市町十四か所に設置することとしたものです。 次に、感染リスクを抱えながら勤務する職員等への定期的なPCR等検査の実施については、医療機関・介護施設等での施設内感染を防ぐため、医療関係者等への一斉・定期的な検査が行政検査として実施されるよう、全国知事会を通じて国に要望しているところです。 次に、七十五歳以上の高齢者に対するインフルエンザ予防接種費用の助成についてですが、六十五歳以上は法定接種とされており、各市町の助成措置があることから対象としていないところです。 次に、地域ごとの感染状況の情報開示についてのお尋ねにお答えします。 今後、季節性インフルエンザの流行期には、インフルエンザと臨床的に判別することが困難な新型コロナウイルスとの同時検査が見込まれ、検査数が一概に新型コロナウイルスの感染状況を表すものとはならないことから、市町別の公表は考えていないところです。 次に、県民の暮らしと営業を守ることについての数点のお尋ねにお答えをします。 まず、緊急小口資金、総合支援資金及び住宅確保給付金についてです。 お示しの資金等の期間延長については、国において検討されるべきものと考えております。なお、緊急小口資金と総合支援資金の特例貸付けの受付期間は、今般、十二月末まで延長されたところです。 また、予算の積み増しについては、引き続き、必要な予算の確保を図ることとしており、給付の手続については、申請の簡素化や郵送による受付など迅速な給付に努めているところです。 次に、生活保護についてです。 生活保護の申請については、県では、各福祉事務所に対し相談者の意向を尊重し適切に対応するよう、研修や事務監査等を通じて指導しております。 なお、県内十五の福祉事務所において、現時点、ケースワーカー等の不足による支障が生じているとは聞いておりませんが、引き続き、人員配置も含め適切に業務が実施されるよう、必要に応じ指導・助言をしてまいります。 次に、国民健康保険の減免措置と傷病手当金についてです。 まず、減免措置の対象者ですが、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した世帯等に対しては、保険者である市町の条例に基づいて保険料の減免が行われることとなっています。 次に、傷病手当金についてですが、健康保険制度等に合わせて被用者が対象とされており、自営業者等には助成金の支給など他の支援策が講じられているところです。 次に、減免措置及び傷病手当金についての周知ですが、各市町に国の通知を示すとともに個別に助言等を行っているところです。 ○副議長(藤生通陽君) 福田商工労働部長。    〔商工労働部長 福田浩治君登壇〕 ◎商工労働部長(福田浩治君) 雇用調整助成金等の要望についてのお尋ねにお答えします。 県では、これまでも、雇用調整助成金等について、全国知事会等を通じて国へ要望を行ってきたところです。 こうした要望の結果、雇用調整助成金の上限額や助成率の引上げ等の特例措置が講じられ、支援対象の拡大につながる休業支援金・給付金も創設されたところであり、その期間についても今年十二月まで延長されました。 現在は、事業者や労働者に対するこれらの支援制度について、その周知や利用促進を国へ要望しているところです。 ○副議長(藤生通陽君) 藤田総務部理事。    〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 ◎総務部理事(藤田昭弘君) 米軍岩国基地問題についてのお尋ねのうち、まず、所属機の接触墜落事故に関する再調査結果についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、岩国基地に飛行成績の低いパイロットが配置されていたことの原因究明を求め、抗議すべきとのお尋ねです。 再調査報告書は、今回の事故の重大性に鑑み、制度的・機関的な要因を含む、より広範な要因を特定するため、専門家が分析し、その改善策を示したものです。 この中で、人員配置については、国から、現在海兵隊では、航空要員及び整備要員の配置に関し人員配置方針を変更することとしており、初回勤務者については最も能力の高い者を配置するなど、岩国基地においても、適正な人員配置になるものと考えているとの説明を受けています。 このため、県としては、改めて原因究明を求めたり抗議を行う考えはありません。 次に、米軍パイロットの薬物使用と日米地位協定等の抜本改定についてです。 再調査報告書においては、薬剤使用の承認の権限等が不明確であったことを踏まえ、既に取り組んでいる再発防止策として、薬剤に関する指針等を更新することなどが挙げられています。 また、これまでも、日米地位協定を改定し、米軍の活動に国内法を適用するよう、毎年度、渉外知事会において日米両政府へ要望しているところであり、県としては、引き続き、関係都道府県と連携して働きかけてまいります。 次に、米軍岩国基地におけるF35Bへの機種更新に関する数点のお尋ねです。 まず、今回の機種更新が生活環境に影響を与えることは皆無なのかとのお尋ねです。 騒音については、今回の機種更新前と比較して、陸上部分において七十W以上の地域が一部増加するものの、各騒音測定地点での予測値にほとんど変化はなく、全体として騒音に与える影響は小さいと判断しています。 また、安全性についても、飛行の安全に影響する問題はないことなどを総合的に評価し、基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではないと整理したところです。 次に、標準的な飛行ルート以外を飛ぶことはないのかとのお尋ねです。 国によると、騒音予測コンターにおける標準飛行経路は、日米間で確認した米軍機の標準的な飛行経路を用いており、実際にも、おおむねこの経路を飛行しているところですが、緊急時や気象条件等により安全性を確保する場合等は、経路以外を飛行する場合があるとのことです。 次に、二○一八年の米国会計検査院の報告書で指摘された未解決の課題全てにおいて問題ないと確認したのかとのお尋ねです。 国に確認したところ、米国防省は、F35Bに関する課題を分類して管理し、飛行の安全に関する課題等については、必ず改善を行うなど適切な対策が講じられているとの回答を得ており、県としても飛行の安全に問題はないと理解しています。 次に、今回の機種更新は機数増であり、生活環境のみならず、安全をも脅かすものであり容認できないときっぱりとした対応を取るべきとのお尋ねです。 今回の機種更新については、その内容を、騒音、安全性との面から検討した上で基地周辺住民の生活環境に大きな影響を与えるものではないと整理したところですが、この整理を基に、現在、各地元市町において議論や検討が行われており、県としては、今後、県議会の御意見や地元市町の意向を伺った上で適切に対応してまいります。 ○副議長(藤生通陽君) 阿部土木建築部長。    〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 ◎土木建築部長(阿部雅昭君) 下関北九州道路についての数点のお尋ねにお答えします。 まず、山口県側のアクセス道路についてです。 お尋ねの旧彦島有料道路から中国自動車道につなぐアクセス道路は、今後、下関北九州道路の計画の具体化に併せて、国、県、市が連携し、整備の必要性についての検討が進められるものと考えています。 また、旧彦島有料道路の改修や下関西道路をはじめとした下関都市圏の幹線道路網の整備についても、その中で検討されるものと考えており、現時点でルート等が定まっていない下関西道路の事業費を推計することは困難です。 次に、下関北九州道路の事業費についてです。 このたびの計画段階評価における事業費は、概略設計に基づく数量と国内の類似事例の実績単価を用いて概算額が算出されたものであり、今後、計画が具体化する中で改めて事業費が算出されるものと考えています。 最後に、今やるべきは、コロナ禍から国民の命と暮らし、営業を守るとともに災害に強い国土づくりであり、不要不急の事業を行う余裕はないについてです。 下関北九州道路は、災害に強い国土づくりに資する重要な基盤であり、近年頻発する大規模災害時にも機能する信頼性の高い道路網を構築する観点からも、新型コロナウイルス感染症対策と併せて進めていくべき事業と考えています。 ○副議長(藤生通陽君) 松岡農林水産部長。    〔農林水産部長 松岡正憲君登壇〕 ◎農林水産部長(松岡正憲君) 農業の病害虫被害についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、トビイロウンカによる県内の被害状況と今後の予測についてです。 被害状況については、随時、農業共済組合において取りまとめられているところであり、昨日までに県内の約千二百五十ヘクタールで被害が確認されています。 なお、被害金額については調査中となっております。 また、今後の予測については、天候や防除の実施状況によって異なるため、現時点でお示しすることはできません。 次に、独自の減収補填策についてです。 水稲栽培において、台風や病害虫被害による減収が生じた場合の保険制度として、収入保険や農作物共済があり、本年度は、県内の九割を超える生産者が加入されるなど、セーフティーネットが機能していることから、独自の減収補填策を検討することは考えていません。 なお、JAと連携し、現地の状況を確認しながら防除指導等を行ってきたところであり、引き続き、次期作に向けても生産者に寄り添った技術指導を行ってまいります。 ○副議長(藤生通陽君) 平屋総合企画部長。    〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 ◎総合企画部長(平屋隆之君) 下関市立大学の定款変更後の諸問題についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、教員採用選考規程に関するお尋ねですが、当該規程と学校教育法との関係については、同法第十五条で文部科学大臣の勧告等の権限が規定されており、文部科学省において判断されるものと考えています。 次に、特定の人物が役職と権限を独占していることについて、是正に向けた指導・助言をすべきとのお尋ねですが、地方独立行政法人法の規定に照らし、県としては、大学における教員の人事について指導・助言を行う権限は有しておりません。 ○副議長(藤生通陽君) 繁吉副教育長。    〔副教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎副教育長(繁吉健志君) 教科書採択についての二点のお尋ねにお答えします。 まず、両校が望んでいた教科書とは違うものを選定したのではないかとのお尋ねです。 県立中学校等において使用する教科書の採択は、学校の設置者である県教委が、採択権者としての判断と責任において行うものであり、このたびの採択についても、学校が望んでいたものかどうかにかかわらず、十分な審議や調査研究を経て適切に行われたと考えています。 次に、学校現場の意見を何よりも尊重すべきだが、県教委はどう考えるのかとのお尋ねです。 県教委では、各校が望ましいと考える教科書の特徴が記述された研究調査報告書や、本県の教育目標等を踏まえた審議により教科書を選定しており、学校現場の意見は尊重されていると考えています。 ○副議長(藤生通陽君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 再質問を行います。 まず、市大問題から入ります。 今年六月二十六日、市立大学第四回理事会は、第一回補正予算を決定しました。その中で、韓教授が主催する、リカレント特別の課程の会場として海峡メッセ六百二号会議室を九か月間借り上げ、五百六十六万円を計上しています。 二○二○年度、リカレント特別の課程は、受講生五十一名、収入四百十一万円であったことが六月の下関市議会一般質疑において明らかになっています。 また、二○二○年度当初予算段階で、リカレント関連支出は約二千九百五十万円に上る。税金や学生納付金を三千万円投じて四百万円しか収入がない。さらに五百六十万円も追加でつぎ込んでいる、こういう実態であります。 下関市立大学は市内山の田地区に立派な大学施設を保有しているにもかかわらず、韓教授だけが前田市長のお友達優遇を受けている。市立大学の大学院すらサテライトキャンパスは運用していません。市立大学学生は全国の大学生と同じく、コロナ禍により教室で授業も受けられず、アルバイトも減収し、高学費も減免されず、臨時の給付金一時支給も三万円にとどまっています。 山口県は認可団体としてもっと自覚を持つ。市立大学に対し、貴重な財源はお友達優遇ではなく学生のために使う。このことを指導すべきではないですか。このままでは、市立大学は乱脈経営により財政危機に陥るのではないかと危惧をしています。 総合企画部として、一旦認可したら、後は野となれ山となれでは済まない事態がこの半年間進行しました。再度文科省や現場の教員たちの声も聴く、定款変更の認可権限者としての任務を果たすべきではないか、改めて伺います。 基地問題です。 藤田基地対室長の答弁、とりわけ墜落事故については、結局は認めていく、こういう答弁に終始したというふうに思います。 ところが一方で、村岡知事は、渉外知事会で日米地位協定の抜本改定、さらには先ほど指摘された航空特例法の改定について、その先頭に立って頑張っている中で、その地元のところではしごを外すような行為になるのではないか。少なくともここまで腰の重い防衛省、しかも米軍の言うことに対して言いなりになる防衛省に対して、山口県、周辺自治体はここまで再検証してきたわけですから、少なくともこの航空特例法が改正されて日本の航空法が米軍にも適用されるめどが立つまではさらに頑張るべきではないか、この点を改めてお伺いをいたします。 下関北九州道路については、要するに国交省の態度は、起点部の彦島有料からのアクセスは、これ県道ですから、言うなればまず山口県の自助努力、自己責任で二県二市、知事もいみじくも言われました、国と下関と協力をしてというふうに言われましたが、その主体は県道を持っている山口県であります。この点では、共助どころか最後に公助たる国が、そのものが財政破綻でできませんよということを中国整備局のレクの中で言い放ったわけですから、もう一度立ち返って考えるべきではないでしょうか。 整備手法として、民間活力を導入したいなどとも言っていますが、回り回って負担は、結局は県民、国民がかぶることになる。私は、この下北道路をあえて無駄だとは言いませんが、不要不急の巨大事業へ、この幻想はもうきっぱりやめるべき、断念すべきだというふうに思いますが、改めて見解を求めます。 最後に、教科書問題で繁吉副教育長にお伺いします。 中国五県、また四国の四県合計九県の中で、今どき育鵬社の教科書を使っているのは、私は山口県だけというふうに思いますが、この点改めて教えていただきたい。 それともう一点、今全国でこの今どきですよ、新たに育鵬社を採用したのは、全国たくさんありますが、下関いや、全国いろいろ地区はありますが、新たに採用したのは下関だけというふうに聞いていますが、この点について改めてお伺いをしたいというふうに思います。 以上をもって、再質問を終わります。(拍手)    〔発言する者あり〕 ○副議長(藤生通陽君) 御静粛に。平屋総合企画部長。    〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 ◎総合企画部長(平屋隆之君) 下関市立大学に係る再質問にお答えをいたします。 市立大学について、乱脈経営により財政危機に陥るのではないかと危惧をされ、県は定款変更の認可権者としての任務を果たすべきではないかとのお尋ねでありますが、地方独立行政法人法の規定に照らしまして、県には大学における予算及びその執行について指導する権限はございません。 ○副議長(藤生通陽君) 藤田総務部理事。    〔総務部理事 藤田昭弘君登壇〕 ◎総務部理事(藤田昭弘君) 再質問にお答えします。 墜落事故のことを指摘された上で、日米地位協定の改定についてお尋ねがあったと思いますが、県としては、再調査結果について国から説明を受け、また、国に対し示された再発防止策が確実に実施されるように働きかけ、そして国においても引き続き米軍の是正措置、再発防止策の効果を確認してもらって、米軍における改善状況を継続的に把握するよう、ここは強く要請したところでございまして、木佐木議員が御指摘されたように、墜落事故を認めているわけでもありませんし、見過ごしているわけでもありません。これは改めて申しておきます。 その上で、日米地位協定は米軍の活動にお示しのありましたように、航空の関係法などの国内法令が適用されていないということなど、米側の裁量に委ねられている部分が多いという、そういう課題がございます。 そういうことで、我々としては事件・事故を抜本的に解決するためには、日米地位協定の改定が必要だという認識の下で渉外知事会を通じて、毎年度、改定項目を取りまとめて要望しているわけですので、これについては、引き続き、関係都道府県と連携して強く要望していきたいと思っております。 ○副議長(藤生通陽君) 阿部土木建築部長。    〔土木建築部長 阿部雅昭君登壇〕 ◎土木建築部長(阿部雅昭君) 下関北九州道路についての再質問にお答えします。 まず、アクセス道路についてのお尋ねです。 旧彦島有料道路を含めたアクセス道路については、現時点では整備方針は定まっておりません。今後、計画の具体化に併せて国や市と連携しながら、その必要性等を検討していくこととなっております。 次に、無駄とは言わないが、不要不急の巨大事業である下関北九州道路は断念すべきとのお尋ねについてです。 下関北九州道路は関門橋や関門トンネルと環状道路網を形成することにより、地域間の連携や日常的な交流を促進し、関門地域の自立的発展を支える重要な基盤です。 さらに、近年頻発する大規模災害時にも機能する信頼性の高い道路ネットワークを構築するためにも、その整備は必要不可欠であると認識しています。このため、下関北九州道路の整備を断念する考えはありません。 ○副議長(藤生通陽君) 繁吉副教育長。    〔副教育長 繁吉健志君登壇〕 ◎副教育長(繁吉健志君) 教科書採択についての再質問にお答えします。 中四国九県で育鵬社の教科書を採択したのは山口県だけか、それから新たに育鵬社を採択したのは、全国では下関市だけかとのお尋ねですが、採択の対象となります教科書につきましては、法令や学習指導要領の目標等に基づく国の検定に合格したものであり、育鵬社の教科書も含め、いずれの教科書が採択されても問題はないと考えております。 その上で、中四国九県で育鵬社を採択したのは山口県だけであり、新たに育鵬社を採択したのは下関市だけとなっております。 ○副議長(藤生通陽君) 木佐木大助君。    〔木佐木大助君登壇〕(拍手) ◆(木佐木大助君) 再々質問を行います。 もともとこの定款変更問題、安倍さんの地元秘書出身の前田市長の鶴の一声で始まったのは御承知のとおりです。 しかし、事態はここまで来ました、この半年で、リーダーシップは独裁と異なります。また、改革は暴走とも異なります。大学の命である学問の自由と大学の自治が、今まさに乱暴に破壊されようとしています。 平屋部長は、村岡知事の名代として、改めて聞くべきことはちゃんと聞いた上で言うべきことを言うというスタンスで…… ○副議長(藤生通陽君) 木佐木議員、時間が参りました。 ◆(木佐木大助君) (続)市立大学定款問題を再審査すべきではないか、最後に伺いたいと思います。(拍手) ○副議長(藤生通陽君) 平屋総合企画部長。    〔総合企画部長 平屋隆之君登壇〕 ◎総合企画部長(平屋隆之君) 下関市立大学に係る再々質問にお答えをいたします。 市立大学の定款変更の再審査をすべきではないかとのお尋ねでありますが、当該定款変更については、地方独立行政法人法の規定や県に定めます基準に基づいて審査を行った結果、基準を満たしていると判断し、認可をしたものでありますので、再審査することは考えておりません。 ○副議長(藤生通陽君) 本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。   ───────────── ○副議長(藤生通陽君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会といたします。御苦労さまでした。    午後二時五十五分散会   ─────────────     地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。             山口県議会 議     長   柳   居   俊   学                   副  議  長   藤   生   通   陽                   会議録署名議員   新   造   健 次 郎                   会議録署名議員   猶   野       克...