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  1. 広島県議会 2022-06-02
    令和4年6月定例会(第2日) 本文


    取得元: 広島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-05
    トップページ 検索結果一覧 使い方の説明 (新しいウィンドウで開きます) 令和4年6月定例会(第2日) 本文 2022-06-15 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 41 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 : ◯議長中本隆志君) 選択 2 : ◯議長中本隆志君) 選択 3 : ◯議長中本隆志君) 選択 4 : ◯前田康治選択 5 : ◯議長中本隆志君) 選択 6 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 7 : ◯議長中本隆志君) 選択 8 : ◯地域政策局長杉山亮一君) 選択 9 : ◯議長中本隆志君) 選択 10 : ◯経営戦略審議官佐伯安史君) 選択 11 : ◯議長中本隆志君) 選択 12 : ◯都市建築技術審議官上田隆博君) 選択 13 : ◯議長中本隆志君) 選択 14 : ◯副議長中原好治君) 選択 15 : ◯稲葉 潔君 選択 16 : ◯副議長中原好治君) 選択 17 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 18 : ◯副議長中原好治君) 選択 19 : ◯健康福祉局長木下栄作君) 選択 20 : ◯副議長中原好治君) 選択 21 : ◯農林水産局長(大濱 清君) 選択 22 : ◯副議長中原好治君) 選択 23 : ◯土木建築局長(齋藤博之君) 選択 24 : ◯副議長中原好治君) 選択 25 : ◯総務局長(岡田芳和君) 選択 26 : ◯副議長中原好治君) 選択 27 : ◯警察本部長(森内 彰君) 選択 28 : ◯副議長中原好治君) 選択 29 : ◯議長中本隆志君) 選択 30 : ◯石津正啓君 選択 31 : ◯議長中本隆志君) 選択 32 : ◯知事湯崎英彦君) 選択 33 : ◯議長中本隆志君) 選択 34 : ◯健康福祉局長木下栄作君) 選択 35 : ◯議長中本隆志君) 選択 36 : ◯都市建築技術審議官上田隆博君) 選択 37 : ◯議長中本隆志君) 選択 38 : ◯環境県民局長(新宅郁子君) 選択 39 : ◯議長中本隆志君) 選択 40 : ◯教育長(平川理恵君) 選択 41 : ◯議長中本隆志君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓ 最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:         午前十時三十一分開議 ◯議長中本隆志君) 出席議員五十八名であります。これより会議を開きます。              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 2: ◯議長中本隆志君) 書記に諸般の報告をさせます。         【書 記 朗 読】                                   令和4年6月10日  広島県議会議長 中 本 隆 志 殿                                   広島県人事委員会委員長 加 藤   誠            条例案に係る意見について   令和4年6月10日付けで,地方公務員法第5条第2項の規定により意見を求められた次の条例案については,適  当と考えます。  (1)県第55号議案 職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例案  (2)県第56号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例案              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         自第  一 県第五〇号議案         至第二十九 報第一九号 3: ◯議長中本隆志君) これより日程に入ります。日程第一、県第五〇号議案 令和四年度広島県一般会計補正予算から日程第二十九、報第一九号 令和三年度広島県流域下水道事業会計予算繰越計算書までの各案を一括上程議題といたします。  これより各案に対する質問に入ります。通告者に順次発言を許します。前田康治君。         【前田康治君登壇】 4: ◯前田康治君 皆さん、おはようございます。自由民主党広島県議会議員連盟の前田康治でございます。今次定例会の一般質問のトップバッターとして、機会を与えてくださいました中本議長をはじめ、先輩、同僚議員各位に心から感謝を申し上げます。
     初めに、ロシアによるウクライナへの痛ましい侵略によりお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、一刻も早くウクライナに平和が訪れるよう、ここ広島の地から強く願っております。  また、二〇二三年のG7サミットが、初の被爆地での開催となる広島に決定されました。まずもって、広島開催を決めていただいた岸田総理と知事をはじめ、誘致に御尽力いただいた関係の皆様に感謝いたしますとともに、心から歓迎したいと思います。そして、主要国の首脳の皆様が広島の被爆の実相に触れられることで、核兵器の惨禍を人類が二度と繰り返さない誓いを世界に伝える、大きな一歩になると確信しています。このサミットを成功に導くため、本補正予算として開催支援や警備体制の整備など一億九千万円余を提案されていますが、ぜひ、広島県として主体的に準備を進めていただき、世界に向けて本県の魅力を発信する契機となるよう期待しています。  私も県議会議員となり、諸先輩方や執行部の方々、そして、私の師匠である佐々木弘司先生の御指導の下、皆様のおかげをもちまして、四年目を迎えることができました。私のこれまでの一般質問の際に、私の夢は、全ての子供たちが自信と誇りを持って大人になっていく世の中をつくることだと申し続けてまいりました。今も、広島県を愛し、子供たちを大切に思う気持ちは全く変わっておりません。  本日も、その強い信念を胸に、元気よく質問させていただきますので、執行部の皆様の前向きな答弁をよろしくお願いいたします。  質問の第一は、持続可能な地域公共交通の在り方について、二点お伺いいたします。  一点目は、広域的な公共交通、物流機能を担う鉄道の役割を踏まえた路線維持についてであります。  四月十一日、JR西日本からローカル線に関する課題認識と情報開示について発表がありました。一キロメートル当たりの一日平均乗客数が二千人未満の輸送密度の区間を部分的に切り取り、芸備線や福塩線など十七路線三十区間の収支について突然公表されたことで、本県をはじめ、沿線自治体は大変驚き、そして、危機感を感じているところであります。  鉄道事業法に明記されている利用者の利益を保護するとともに、鉄道事業等の健全な発達を図るという目的からしても、また、政府が国鉄を分割して発足させた民営化までの経緯を振り返ってみても、この話は、JRとその地域の自治体だけの話ではなく、まさに公共性を大前提とした、全国的なマクロの位置づけで慎重に議論されるべき問題であります。  先月の地域魅力向上・適散適集社会づくり対策特別委員会において、我が会派の小林議員からも、このJR西日本の発言に対する県の認識や今後の取組について、中山間地域の中長期的な視点も踏まえながら厳しく問いただされ、私自身も同じ思いの下、看過できない事態であると考えております。  言うまでもなく、地方鉄道は、沿線住民の通学、通勤、通院や、観光客の広域的な移動手段として、日常生活や経済活動を支える極めて重要な社会インフラであり、県が掲げる適散・適集社会の実現を目指したコンパクトアンドネットワーク型の持続可能なまちづくり、そして、中山間地域の魅力向上や定住対策など、本県の重要課題を実現していく上で欠くことのできない財産であります。  また、鉄道が人や物を大量に早く時間どおりに輸送する機能を有すること、トラック運転手の担い手不足、CO2削減、緊急時における代替性の確保の観点からも、世界的に鉄道の果たす役割は見直されているところです。  JRの部分的な収支や現時点の利用率の低迷だけを理由に、安易に廃止の方向に踏み切ることは、地方創生、地域振興の方針とは相反する行為であり、一たび廃線となれば、復活は非常に困難となることから、維持・確保に向けたあらゆる検討が今求められています。  こうした中、県議会としても、我が会派の提案により、昨年度の六月と二月の二度にわたって地方鉄道の維持・確保を求める意見書を採択し、鉄道事業者の経営基盤の安定化支援、鉄道利用促進への取組支援、事業者により一方的に廃止手続が進められるおそれのある現行法制度の見直しについて、国に対して強く要望したところです。  また、県選出国会議員の宮沢洋一参議院議員が会長、平口洋衆議院議員が副会長となり立ち上げられた、ポストコロナの地方創生実現のための公共交通ネットワークの再構築を目指す議員連盟に対しても、我が会派の小林議員ほか有志で、いち早く四月十四日に地方の実情を直接訴えるなど、危機感を持って積極的に働きかけています。  こうした地方の声を受け、国は地方鉄道の在り方に関する有識者検討会を設けて議論を進められ、七月までに国の支援策の方向性などをまとめるとされていますので、我々としても引き続き、しっかりと注視しながら、機会を捉えて行動してまいりたいと思います。  一方、湯崎知事におかれましても同様に、全国知事会や中国地方知事会、市町とも連携した取組に御尽力いただいていますことについて、まずもって感謝いたします。  ここで改めて、JR西日本の発表に対する知事の受け止めと、地方鉄道の維持・確保に向けたこの間の取組、そしてリーダーシップを発揮した今後の実効性のある取組について、知事の御所見をお伺いします。  二点目は、「広島県地域公共交通ビジョン」の策定についてお伺いいたします。  県内の中山間地域や島嶼地域では、鉄道をはじめ、路線バス、フェリー航路が地域住民の唯一の移動手段となっているところも多くあります。しかし、人口減少や過疎化の進行に加え、コロナ禍や原油価格高騰がとどめとなり、既に、その路線も減便、縮小され、廃止に至った路線まで出てきています。高齢化に伴い免許返納も推奨される中、こうした公共交通の減少により、自身では交通手段を持てない交通難民と呼ばれる方も増加しています。  そして、そのことがまた、中山間地域が条件不利地域であるというレッテルにつながり、人口減少を加速化するという負の連鎖となっているのだと思います。  これまで県においても、市町等が運行するバス路線への運行経費の補助などを行っていただいていますが、交通事業者や市町だけに委ねる取組だけでは、取り返しのつかないところまで行ってしまいます。ぜひ、鉄道の議論と併せて、地域生活や経済の大動脈である地域公共交通機能の確保に対しても、県が手がける地域振興策の一丁目一番地として、本気で取り組んでいただくよう強くお願いいたします。  こうした中、ひろしまサンドボックスの取組の一つとして、やさいバス株式会社が、中国JRバスや広島電鉄、備北交通などの運行する高速バスを利用し、都心部のスーパーまで農産物を運ぶ、貨客混載の取組も始められています。  高速バス利用客の減少はすぐには回復が見込めないため、車両の空きスペースを活用して物資を運ぶウィン・ウィンの関係に可能性を感じています。バス事業者の運賃収入の増、物流業者のドライバー不足や労働環境の改善、環境負荷の低減だけではなく、地域の農業も元気にし、新鮮な産地直送の野菜が県内消費者に届く地産地消の促進など、派手さはないですが、地域に根差したサービスを提供する観点で多くの効果を生み出しています。  このような先進的な取組について、引き続き、県が旗振り役となり、地域の実情をよく把握されている商工会、観光協会、JA等を結びつけ、各地域の実情に合わせた新たな共同事業としての展開を図ることで、行政による交通事業者への安易な経費補助ではない、人と人との絆により相乗効果を生みだす、真の効率化を図る取組を果敢に試行、実施、そして普及していただきたいと考えます。  そこで、県として、特に中山間地域の公共交通の維持・確保に向け、今後、どのように取り組まれようとしているのか、地域政策局長の御所見をお伺いします。  また、こうした中、公共交通の目指す姿とその実現に向けた施策の方向性を示す、広島県地域公共交通ビジョンを令和五年度末を目途に、策定するとされています。  五月には、その第一回目の協議会が開催され、中長期的な視点の下、持続的な公共交通の実現に向けた議論が、行政、交通事業者、学識者だけでなく、県内の高等学校PTA連合会の会長や社会福祉協議会の常務理事など、利用者を代表する方々も構成員としてスタートされたことについて、大変期待しております。  しかしながら、地域や交通事業者にとっては、待ったなしの状況にあり、ビジョンの策定までの一年九か月を悠長に待っていることはできません。並行して、今できる行動を止めることなく実行していく必要があると考えます。  そこで、広島県地域公共交通ビジョンの策定に当たり、何を大切に考えながら、今後、協議会等の場で議論しようとされているのか。また、令和五年度末のビジョン策定までの間の公共交通維持に向けた具体的な対策について、併せて地域政策局長にお伺いします。  この質問の最後に要望ですが、広島県の地方創生と活力ある中山間地域の振興に向け、今、まさに後戻りのできない大きな分岐点を迎え、四期目となる湯崎知事の経験と信頼を生かした手腕が問われているのだと思います。ぜひ、ビジョンを検討していく中で、県としても、採算性を重視した議論を先行するのではなく、地域住民の視点に立ち、これらの地域公共交通が条件不利地域の生命線となっていることをしっかりと受け止められた上で、覚悟を持って持続可能性を追求していただくよう、重ねて要望いたします。  質問の第二は、高度医療・人材育成拠点の実現に向けた取組についてお伺いいたします。  昨年度末、広島県地域保健対策協議会からの提言として、「高度医療・人材育成拠点ビジョン」が示されました。  そこでは、官学民が一体となったオール広島による持続可能な地域医療を推進するとして、医療人材の不足や中山間地域等の無医地区の増加、救急搬送受入れ困難事案の解消、都市部における医療機能の重複など、待ったなしとなっている本県の医療課題に対して、非常に有意義な提言がなされています。そして、既に、県医師会や広島大学などの医療関係者でつくる推進会議において、この提言を踏まえた議論がスタートいたしました。  私なりにこの間の課題や論点を整理しますと、やはり、最も重要かつ喫緊の課題は医療人材の確保だと思います。現在も各病院では、医療人材の確保に苦労されていますが、本県では中山間地域を有する九市町を中心に二〇一九年時点で五十九地区が無医地区となっており、北海道に次いで二番目に多いとのことで、ここでも広島県の中山間地域の厳しい実情がうかがえます。  必要な人材が集まらなければ、目指す高度医療の追求も中山間地域等への医師の派遣もかないません。大規模な高度医療拠点が新たに創設されることにより、若い医師が県外からも集まることが期待されますが、医療現場では、都会志向が強い若い医師が中山間地域に派遣されると分かっていて広島に集まるのかとの厳しい見方もあります。病床数や医療機能の集約だけでなく、研修環境や地域と連携した生活を支える環境づくりが求められます。  また、医師だけに目が向きがちですが、それを支える看護師についても現場の声に耳を傾け、令和六年度から本格化する医師等の働き方改革にも適切に対応できるだけの体制整備を併せてお願いいたします。  今後、現状の病院間の機能重複をうまく再編しながら、限られた医療人材を地域全体でいかに効率的に活用し、高度化や救急時にも対応可能な持続的な医療体制を整備していくかが、極めて重要であるため、これについては、新病院の整備を待つことなくしっかりと対策を進めていただきたい。  次に、県内の地域医療バランスについて、中山間地域との南高北低に加え、新病院の整備により西高東低にならないか、県内バランスにもしっかりと配慮しながら、県民が安心して医療を享受できる仕組みを構築していただきたいと思います。  こうした中山間地域や島嶼部など条件不利地域等については、ICTを活用した遠隔オンライン診療の導入についても、必要な整備を進めるなど、医師の偏在を解消する、できる限りの医療体制の充実を図っていただきたいと考えます。さらに、新型コロナの今後の変異や、サル痘など、今後の新たなウイルスによるパンデミックに備えるために、この間の経験で学んだ課題を検証した上で、実効性のある指針や体制の抜本的な整備も急務であります。  そして、救急医療ですが、広域的にカバーできる場所に新病院を設立し、救急患者の受入れ要請に全て応じる、断らない救急を目指すとのことであります。本県では現在、救急搬送受入れ困難事案の割合が全国平均を上回っており、この救急患者の受入れ体制の強化は、まさに命に直結する機能であり、歓迎するところであります。  最後に、対象となる広島都市圏の県立、市立、広大や日赤等の総合病院の機能分化、連携に係る調整ですが、とりわけ、統合するとされている県立広島病院については、これまで長きにわたり地域に根づいた総合病院として、日々の安心に寄与してきた経緯を踏まえれば、再編後どうなるのかは、周辺住民にとって非常に大きな問題であるため、経営の効率化のみを重視した判断ではなく、地域の実情を踏まえた慎重な整理をお願いいたします。  そこで、知事には、県民の皆様が安心できる医療提供体制の構築に向け、引き続き、官学民一体となった議論の先頭に立ち、県全体の医療機能の向上を力強く進めていただきたいと考えますが、るる申し上げましたこれらの課題を踏まえ、今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、本県の人口動態と少子化対策について、二点お伺いいたします。  本県の今年三月に示された人口移動統計調査報告によると、令和三年の県の人口は二百七十七万九千三百十四人で、前年から約二万人減少し、全国平均の減少率を上回る結果となっています。  さらに細かく見ると、自然増減では死亡者が三万二千人に対し出生者が一万九千人と、約一万三千人の自然減となり、少子化の影響が鮮明に表れています。また、社会増減では転入者十一万二千人に対し転出者十二万人と、約八千人の転出超過となっています。コロナ禍の影響等により、外国人がその約四割を占めているとは言え、全国都道府県別では最多という不名誉な結果となっています。  一方で、昨年度の二月に認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが発表した二〇二一年移住希望地ランキングのセミナー部門において、広島県が初めて全国第一位になったとのことであり、県職員の熱心な取組に敬意を表する次第であります。しかしながら、これはあくまで希望段階であり、実際の移住につながるよう、市町とも連携した引き続きの取組に期待いたします。  さらには、今後の人口減少、少子高齢化、特に生産年齢人口が日本全体で五十年後には四割も減少することを勘案すれば、ものづくり県である広島県として、率先して外国人労働者、とりわけ、若年高度技能者のさらなる受入れに向け、寄り添った環境整備や県内企業の理解・協力の促進を図るなど、迅速な対応が必要であると考えます。  そこで、本県の人口動態の認識について、また、外国人を含めた社会増に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、経営戦略審議官の御所見をお伺いいたします。  次に、私がこれまでお願いし続けている少子化対策についてお伺いいたします。  人口動態統計によります本県の昨年の出生数は一万八千六百三十五人と、昭和四十八年の五万六百三十九人をピークに減少し続けています。全国的にもコロナで少子化に拍車がかかり、令和三年の出生数は過去最少の約八十一万二千人で、近く八十万人の大台割れに突入するとの指摘もあり、厳しい現実が続いています。  一方で、国立社会保障・人口問題研究所の資料によると、若者の未婚者の九割程度は、結婚希望があるのに五十歳時の未婚割合は男性二八%、女性一八%、そして、夫婦の理想子供数は二・三人なのに完結出生児数は一・九人と、希望と現実に差がある実態がございます。これを解消すれば、相当な人口増加が実現できるはずであります。  その理由は、雇用の不安定や働き方に依存するものなど多岐にわたり、ひろしま版ネウボラなどにより、総合的な支援を行われてはいますが、やはり、実態として少子化の大きな要因の一つが教育費の負担であると私は思います。  では、子育てや教育に対して、どういう支援があればよいのでしょう。  幼児や高校教育の無償化は、この間の取組により措置されましたが、よく耳にするのは、二人目、三人目の出産をちゅうちょするのは、大学等の教育費を負担できるかが不安だからという声です。  一方、フランスなどヨーロッパでは、大学を含め教育を受けることを人間の権利と捉え、教育によって利益を得るのは社会全体であるという考え方の下、その教育費は税金で負担されています。  本県もこうした考えの下、例えば、県独自で三人目から大学等の学費を支援し、無償化もしくは一部補助をしてはどうでしょうか。ただ支援するのではなく、将来の広島県を支える大切な担い手に対する先行投資として、県内の大学入学で卒業後は広島県内に三年間、在住就職しなければ一部返済を求めるなど、一定の条件を付与した形であれば、県民の理解も得やすいと思いますし、県外への進学や就職による若者の流出防止にもつながると考えます。  そして今、国は教育未来創造会議において、給付型奨学金の拡充、授業料の減免に向けた工程表をこの夏までに作成すると伺っています。  コロナ禍も相まって、自力で複数の子供の学費を用意できる家庭ばかりではありません。経済的理由による少子化を少しでも解消できるよう、ぜひ、きれいごとでは済まない実態にも目を向けた上で、こうした国の動きも踏まえ、実効性のある対応をお願いしたいと思います。  また、二人目の出産を断念されるもう一つの理由として聞くのが、出産後の体調不全です。  出産による骨盤のゆがみ等が原因で体調を崩し、あまりのつらさにもう出産はしないと考えられる方がたくさんおられるのだと理学療法士の方にお伺いしました。しかし、その多くは理学療法士の施術により改善するケースが多く、フランス等では、国の制度の下、産後理学療法士のケアが受けられる体制が整備されているとのことです。  ぜひ、本県においても、精神面のケアだけではなく、出産後の体調面においても、こうした取組を参考にしていただきながら、お母さんの安心や健康につながる優しいケアに、引き続き、取り組んでいただきたいと考えます。  そこで、本県の少子化対策の一環として、提案させていただいたような支援策が、段階的にでも前に進むよう積極的に取り組んでいただきたいと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第四は、宅地造成及び特定盛土等規制法の公布に伴う本県の取組方針についてお伺いいたします。  今年も梅雨時期が近づき、水害・土砂災害に対する意識が高まっているところですが、先日五月二十七日に宅地造成及び特定盛土等規制法が公布されました。この法律は、昨年七月の静岡県熱海市における盛土崩壊による痛ましい災害を教訓とし、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制する法制度が必要との認識から、現行の宅地造成等規制法を改正して制定されたものです。  この新たな法制度により、隙間のない規制、盛土等の安全性の確保、責任の所在の明確化、実効性のある罰則等の措置が強化され、盛土等による災害の未然防止に大きく寄与するものと考えます。  本県では、平成十六年に広島県土砂の適正処理に関する条例を公布・施行し、全県下で土砂の適正管理、盛土等による災害防止に取り組まれてきたことについては評価いたしますが、条例制定前に施工された盛土等については、その効力が及ばないなど万全とは言えない状況にあると伺っています。  今後、国土交通省等では改正法に基づく規制の実効性が確保されるよう、有識者による検討会を設置され、都道府県が規制区域を指定するための基準を示すガイドライン等を作成されるとのことですので、土砂災害の危険度が高い広島県としては、県民の大切な命を守り、安全な居住環境を確保するために迅速な取組が必要であると考えます。  そこで、災害死ゼロを目指す本県として、この新法に基づく取組を、必要な体制の整備を含め、今後どのような方針で進めていこうと考えられているのか。また、本県の安全・安心で持続可能なまちづくりに向けてどのような取組を進められているのか、都市建築技術審議官にお伺いいたします。  質問の第五は、原油価格・物価高騰対策についてお伺いいたします。  長期化するコロナ禍の影響に追い打ちをかけるように今、世界の不安定な社会経済情勢に起因して、エネルギーや原材料の価格高騰が相次いでいます。  こうした中、県においては、このたび、国の交付金等を活用した総額三百五十二億円余の一般会計補正予算を編成されました。当初予算編成後、刻々と変化する状況に機動的に対応されていることに、我が会派といたしましても、一定の評価をしております。  緊急的な対策として、燃油費の高騰などに係る交通事業者、施設園芸産地、畜産業への支援や県産酒類の販売促進支援、生活困窮者への支援体制の強化、県立学校等の給食食材費への支援など時宣を捉えた事業が盛り込まれてはいますが、県内の各地域の実情によって何に困り、何を求められているのかは異なります。  今後も予断を許さない中、ぜひ、県民やその代表である我々県議会議員の声にも真摯に耳を傾けていただきながら、国や各市町による直接支援の内容も踏まえた一連の取組がセーフティーネットとなるよう、今後のフォローアップも併せてお願いしたいと考えます。  そこで、このたびの補正予算の提案に当たり、知事として、どういった考えの下、編成されたのか、また、引き続き、今後の情勢の変化を注視していただきながら、とりわけ中小事業者等の支援に対して、スピード感を持った対応に努めていただきたいと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  終わりに、今後の新型コロナウイルス感染症対策について課題提起させていただきます。  二年を経過する今もなお、感染が収まらない新型コロナウイルスですが、まずもって、この間、昼夜を問わず、真摯に命と向き合ってこられた、医療機関、保健所等関係者の皆様に敬意を表します。おかげさまで、県内の感染状況を見ますと減少傾向に転じ、重症者数もゼロとなっています。  これまで、各議員からも県が行う対策等に対して、しっかりとしたエビデンスによる正しい情報の発信をお願いしてきたと思います。  先月、東京都では営業時間短縮命令の適否に当たり、飲食店と訴訟になり、東京地裁が営業権の自由の観点から違法との判決を出した事案もございます。  また、因果関係は明らかになっていませんが、オミクロン株では重症化リスクが低い十九歳の男性が、三回目のワクチン接種をきっかけに心筋炎で亡くなられたことが公表されています。  静岡県浜松市がコロナ感染者の詳細なデータを公表しているように、ぜひ、本県においても、二年がたった今、マスクの着用や飲食店における感染防止対策、そして、ワクチン接種の効果やリスクなど、改めて県自らの責任の下、エビデンスの整理と情報発信を正確に行っていただくよう、強く、強くお願いしておきます。  最後になりましたが、まだ六月であるにもかかわらず、熱中症で救急搬送されたというニュースが連日のように報道されています。教員が外さないから児童生徒もマスクを外しにくいというインタビュー記事が散見されます。これから本格的な暑さとなりますので、教員も含めた学校でのマスクの取扱いについて、方針を整理していただくなど、児童生徒の熱中症対策に万全を期していただきますよう、教育長にお願い申し上げ、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯議長中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 6: ◯知事湯崎英彦君) まず、広域的な公共交通や物流機能を担う鉄道の役割を踏まえた路線維持についてお答え申し上げます。  地方鉄道は、地域住民の通学、通勤、通院などの日常生活を支える重要な交通基盤であると同時に、観光による地域活性化など、まちづくりを含めた地方創生を進めるために必要不可欠な広域ネットワークであると認識しております。  こういった認識の下、県では令和二年度に、「鉄道ネットワークを活かした中山間地域の魅力向上事業」を創設し、芸備線、福塩線の沿線自治体と共に、様々な利用促進の取組を推進してまいりました。  また、昨年六月には、JR西日本から、JR芸備線の一層の利用促進に向けた協議・検討の申入れがあり、JR西日本と関係自治体において「芸備線 庄原市・新見市エリアの利用促進等に関する検討会議」を設置し、イベント開催や臨時便の運行などに取り組んできたところでございます。  一方、昨年度、国の「交通政策基本計画」におきまして、輸送需要に対する危機的な認識を示されたほか、JR西日本におきましても、内部補助によって成り立ってきたローカル線の在り方について問題提起をされたことなどを契機に、全国のローカル線を抱える自治体に危機感が広まったところでございます。  こうしたことから、昨年八月に、二十三道県と共同で緊急提言を行ったのをはじめとして、本年においても国や自民党などに対し、県議会の御協力もいただきながら、あらゆる機会を通じて、内部補助の考え方も含めた鉄道ネットワークの方向性や国の支援、鉄道事業法における手続の見直し、国の関与などについて申し入れてきたところでございます。  こうした取組の結果、先日公表された骨太の方針には、地域公共交通ネットワークへの再構築に当たっては法整備などを通じ、国が中心となって交通事業者と自治体が参画する新たな協議の場を設けることなどが盛り込まれており、一定の成果が現れてきているものと感じております。  一方、本年四月に、JR西日本からローカル線に関する課題認識と、輸送密度が一日二千人未満の線区に関する収支率、営業係数、営業損益について発表があったところでございます。  この特定の線区のみを取り出し、JR西日本の内部補助を含めた事業構造が維持できなくなったという主張は、路線全体で収支を検討する必要があること、国鉄改革の経緯を踏まえ地域への路線維持の責任があることなどの観点から、発表された地域に対する説明としては不十分であると考えております。  今後とも、七月にローカル線に対する方針を出す国の動きやJR西日本の動向を注視するとともに、現在行っております「広島県地域公共交通ビジョン」の検討状況も踏まえながら、引き続き、関係自治体と連携して、日常利用の促進や観光への活用など利用促進に向けた取組を積極的に行ってまいりたいと考えております。  次に、高度医療・人材育成拠点の実現に向けた取組についてでございます。  本県におきましては、令和二年十月に策定した「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」において、全国トップレベルの高度・専門医療を提供できる中核的な機能の整備により、高い水準の医療を提供するとともに、新たな医師等の育成・派遣の拠点として、県全域の医療提供体制が確保されることを医療・介護分野の目指す姿として定めたところでございます。  こうした目指す姿を実現するため、広島県地域保健対策協議会におきまして医療関係者による議論が重ねられ、本年三月に「高度医療・人材育成拠点ビジョン」として取りまとめられたところであり、本県といたしましては、その具現化に向け、関係医療機関等と共に、拠点ビジョン推進会議と併せ、分野別に設置した分科会において検討を開始したところでございます。  特に、県内の中山間地域を含めた各地域への医師の派遣に当たりましては、地域医療に関する分科会において、医療人材の確保とともに、医師派遣の仕組みの構築について議論を進めているところでございます。  具体的には、医療人材の確保については、教育・研修環境等の充実による新病院の魅力向上やPR手法の検討、医師派遣の仕組みについては、派遣先病院との効率的なマッチングの支援とともに、ライフステージに配慮しながら医師のキャリア形成を支援するキャリア支援センターの設置について検討してまいります。  また、各地域に派遣された医師に対し、オンラインを活用した専門医による診療支援や研修環境の充実などにより、医療の質の確保を図ることで、県民の皆様がどこに住んでいても必要な医療を受けることができる体制の実現を目指してまいります。  さらに、医療需要を踏まえた医療資源の集約化や機能分化と連携による、将来のあるべき医療提供体制について分野別に議論しており、新興感染症に備えた体制の整備や救急救命体制の拡充、デジタル技術の活用など、県民の皆様に高い水準の医療を提供するための検討を進めております。
     加えまして、都市圏におきましては、他の医療機関との機能分化と連携による、地域全体で治し、支える地域完結型の医療体制の実現を目指し、拠点ビジョンで提言された県立広島病院の統合についても、地域の実情を踏まえて引き続き、地域住民の皆様が安心して医療が受けられるよう、検討してまいります。  県といたしましては、引き続き、医師会、大学、関係医療機関等と連携しながら、拠点ビジョンの具現化による、県民の皆様が安心できる医療提供体制の構築に向けて、全力で取り組んでまいります。  次に、本県の少子化対策の方向性についての御質問でございます。  本県では、子供を持ちたいと願う方の希望の実現を後押しし、安心して妊娠、出産、子育てができる環境づくりを進めることが出生率の向上に寄与すると考え、様々な施策に総合的に取り組んでまいりました。  しかしながら、出産適齢期の女性人口の減少やコロナ禍による結婚・妊娠控えなどが影響し、昨年の出生数は前年比四・九五%減の一万八千六百三十五人、合計特殊出生率は〇・〇六ポイント減の一・四二と減少傾向が顕著となっております。  そのため、コロナ禍での子育て家庭を取り巻く環境変化などを着実に捉え、子供を持ちたいという希望の実現を阻害している様々な課題に対し、国や市町と連携して、関係する取組を一層強化していく必要があると認識しております。  こうした中、御提案の支援策のうち、まず、大学等の学費支援につきましては、全国的な制度として、日本学生支援機構により、貸与型奨学金の支給のほか、令和二年四月には高等教育の修学支援新制度が創設され、世帯収入に応じて入学金、授業料の減免と給付型奨学金の支給をセットで受けられることとなっております。  現在、政府の教育未来創造会議におきまして、多子世帯の学生等を対象に中間所得層への制度の拡充が議論されており、その動向を注視するとともに、引き続き、制度の充実を国に働きかけるなど、教育費の負担軽減に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  さらに、県といたしましては、子育てに係るライフサイクル全体を通じて安定的な収入を確保できるよう、保育サービスの充実や働き方改革、仕事と子育ての両立支援、若者の経済的自立に向けたきめ細かな就業支援などに引き続き取り組んでまいります。  次に、出産後の心身のケアにつきましては、コロナ禍で不安を抱える妊産婦が増加し、産後鬱などが大きな課題となる中、心身のケアが必要な方を早期に発見し、継続的に支援していくことが重要となっております。  そのため、本県におきましては、令和二年五月から産後ケア事業の利用者負担の半額助成を開始し、利用促進を図るとともに、令和三年四月からは、県内全市町におきまして、産後二週と四週の二回の産婦健診によって、心身の状態を漏れなく把握し、ケアが必要と診断された方を産後ケア事業等による早期支援につなげていく仕組みを、県医師会や県産婦人科医会、県助産師会の協力の下、構築したところでございます。  こうした全県での仕組みをベースに、さらにひろしま版ネウボラを通して、市町のサービスの充実・強化や、医療機関との連携強化を後押しすることにより、妊産婦へのきめ細かなケアを行い、安心して妊娠・出産していただけるよう、引き続き取り組んでまいります。  次に、原油価格・物価高騰対策についてでございます。  本県経済につきましては、長引く新型コロナウイルス感染症の影響に加えて、ウクライナ情勢などによる不確実性の高まりにより、原材料やエネルギー価格の高騰、食品など一部の消費者物価の上昇などが、県内産業や県民生活に幅広く影響を及ぼしており、今後、アフターコロナを見据えた社会経済の発展的回復に向けた足取りが大きく阻害されかねない状況にあるものと認識しております。  このため、今回の補正予算案につきましては、当初予算編成後の状況変化に適切に対応することを基本とする中で、国の総合緊急対策も活用し、事業者や県民の皆様が直面する原油価格・物価高騰の影響を緩和するための対策などを、緊急かつ機動的に講じるという考え方の下、編成を行ったところでございます。  とりわけ、事業者への支援につきましては、公共交通事業者に対する燃油費高騰にかかる影響額への支援や、畜産経営体に対する配合飼料価格高騰にかかる負担上昇分への支援など、直面する影響を緩和するための対策に加えて、中小事業者や農業者に対する省エネルギー機器の導入支援や、運輸事業者に対する環境対応車やエコタイヤの導入支援による省エネルギー、CO2削減の促進など、今後とも高騰が続くリスクのあるエネルギー価格に左右されにくい持続可能な経営の実現に資する取組や、温室効果ガスの削減によるネット・ゼロカーボン社会の実現を後押しすることとしております。  こうした対策につきましては、スピード感を持って実行することが重要であり、その効果が一日も早く県内に行き渡るよう、速やかな事業執行に努めてまいりたいと考えております。  引き続き、事業者や県民の皆様の声にしっかりと耳を傾けるとともに、県議会の御意見も伺いながら、必要とされる支援を的確に把握し、今後の状況変化にも時期を逃すことなく、迅速かつ適切に対応してまいりたいと考えております。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 7: ◯議長中本隆志君) 地域政策局長杉山亮一君。         【地域政策局長杉山亮一君登壇】 8: ◯地域政策局長杉山亮一君) 私から二点についてお答えいたします。  まず、中山間地域の公共交通の維持・確保についてでございます。  中山間地域の公共交通につきましては、人口減少や高齢化が進展する中、利用者の減少により、交通事業者の多くが慢性的な赤字を抱え、路線や航路が一部縮小するなど非常に厳しい状況に置かれているものと認識しております。  このため、本県では、中山間地域における公共交通の利便性と持続可能性の向上を目的として、令和三年度から広島型MaaS推進事業を展開しております。この事業では、交通事業者、利用者、商業施設等が主体的に連携し、交通と生活サービスの相乗効果を生み出すこととしており、具体的には、庄原市におけるAIデマンドバスの運行と地元商店街のキャッシュレスカードとの連携、大崎上島町における陸上交通と海上交通との乗り継ぎ改善など中山間地域の六市町において、MaaSモデルの構築に取り組んでいるところでございます。  今後、これらの取組から得られる知見やデータを基に、地域にある輸送資源を有効活用しながら地域が一体となって支える仕組みを県内各地に展開していくことで、中山間地域における生活に必要な移動を確保してまいります。  次に、「広島県地域公共交通ビジョン」の策定についてお答えいたします。  人口減少や高齢化が加速度的に進むこれからの社会におきましては、従来の公共交通を維持・確保するだけでなく、県民の生活に必要な移動をどのように満たしていくかといった観点が重要になると考えております。  このため、公共交通ビジョンの策定に当たりましては、学識者、交通事業者、利用者の代表で構成する広島県地域公共交通協議会におきまして、県内交通の需要や供給の現状を的確に把握するとともに、将来の予測も可能な限り取り込みながら分析を行い、ワーキンググループも活用しながら積極的に検討を行うなど、来年度の策定に向けて丁寧に議論してまいります。  なお、ビジョン策定期間におきましても、燃油費高騰の影響など、公共交通に深刻な影響が生じる場合につきましては機動的に対応していくこととしており、今次定例会でも、燃油費高騰にかかる補助や利用が戻らない高速バスへの支援などの予算を計上しております。  今後も社会情勢の急激な変化等、必要に応じて短期的な取組を講じつつ、公共交通が抱える構造的な課題に対して、中長期的な視点を持って市町と共有していくことで、本県の公共交通の持続可能性を高めてまいります。 9: ◯議長中本隆志君) 経営戦略審議官佐伯安史君。         【経営戦略審議官佐伯安史君登壇】 10: ◯経営戦略審議官佐伯安史君) 本県の人口動態に対する認識と今後の取組についてお答えいたします。  本県の人口は、一九九八年の二百八十八万人をピークに減少を続けており、こうした人口の減少は、地域の経済活動の縮小や活力の低下、高齢世帯の増加による社会保障負担の増大など、県民生活に深刻な影響を与えることが懸念されますことから、社会動態、自然動態の双方において、人口減少の抑制につながる取組を進めていく必要があると認識しております。  特に、社会動態では、令和三年の転出超過数が全国ワースト一位となるなど、大変厳しい状況にございます。  こうした転出超過の大きな要因は、二十歳から二十四歳の若者の就職を理由とした大都市圏への転出であることから、県内外の若者に県内企業の魅力を低学年次生などの早い段階から伝え、県内への就職意識を醸成するとともに、デジタル系企業や本社、研究開発機能の誘致を進めるなど、若者の定着に向けた取組を積極的に行っているところでございます。  さらに、今回の補正予算においては、産業DXやイノベーションの原動力となる情報系の学生の転出抑制及び県内企業等への定着促進を図るため、県内就職を返還免除の要件とする新たな奨学金制度を創設することとしております。  また、外国人につきましては、県内企業等において貴重な戦力として外国人材の活躍が促進され、孤立することなく安心して暮らせる環境が整備されるよう、国、町及び経済団体と連携して、就労環境と生活環境の両面から受入れ環境整備を一体的かつ総合的に推進しております。  具体的には、就労環境整備について、外国人材の受入れ、就労に有益な情報を提供する企業向けセミナーや出前講座を実施するとともに、生活環境整備について、外国人と地域住民との橋渡し役となる人材が両者をつなぎながら、生活に必要な情報を共有していくためのモデル事業などに引き続き取り組んでまいります。  今後とも、人口動態やその要因を注視するとともに魅力的な雇用の場の創出をはじめ、教育・子育てしやすい環境の整備など「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」に掲げる十七全ての領域の施策を着実に進め、人口減少の抑制につなげてまいりたいと考えております。 11: ◯議長中本隆志君) 都市建築技術審議官上田隆博君。         【都市建築技術審議官上田隆博君登壇】 12: ◯都市建築技術審議官上田隆博君) 宅地造成及び特定盛土等規制法の公布に基づく本県の取組方針についてお答えいたします。  五月二十七日に公布されました宅地造成及び特定盛土等規制法は、熱海市の土石流災害を教訓として、土地の用途にかかわらず、危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制し、国民の生命及び財産を保護する目的から改正されたものでございます。  これまで本県では、危険な盛土等による災害を防止するため、宅地造成等規制法に基づき、全国で最も広い宅地造成工事規制区域を指定するとともに、平成十六年度から県の土砂条例により県土全域への規制を行うなどしてまいりました。  しかしながら、現行の宅造法では、規制対象が宅地造成のための盛土等に限定され、土砂条例では条例施行前の盛土等は規制されていないなど、必ずしも危険な盛土等への規制が十分ではない状況にございました。  このたび公布された盛土規制法では、用途に限らず、隙間のない規制区域の指定や既存の盛土等も含めた安全性の確保、責任の所在の明確化などの対応が可能となっており、本県では、規制区域の指定を全国に先駆けて速やかに行えるよう、現在、国や市町と協議、調整を進めているところでございます。  また、これまでは規制に伴う事務につきまして、地域の実情を把握している市町へ一部事務移譲を行いながら、連携して取り組んでまいりましたが、新たな法律に基づく規制の実効性を高めていくためには、市町や農林、警察等の関係部局とさらに連携しながら監視、指導等を行うことが不可欠であり、今後、市町との役割分担の検討や必要な体制の整備を進めてまいります。  県といたしましては、引き続き、盛土規制法に基づく規制の強化を速やかに進めながら、土砂災害特別警戒区域に係る逆線引きによる土地利用規制の強化や立地適正化計画における防災指針の策定促進、流域治水の推進などにより安全な区域への居住誘導を進め、安全で安心して暮らすことができる持続可能なまちづくりを積極的に推進してまいります。 13: ◯議長中本隆志君) この際、暫時休憩いたします。午後の会議は一時から開きます。         午前十一時二十七分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後一時一分開議 14: ◯副議長中原好治君) 出席議員五十六名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。稲葉 潔君。         【稲葉 潔君登壇】 15: ◯稲葉 潔君 皆さん、御安全に。民主県政会の稲葉 潔でございます。このたび質問の機会を与えていただきました中本議長、中原副議長をはじめ、先輩、同僚議員の皆様に御礼申し上げます。ありがとうございます。取り巻く世界の情勢が、ロシアによるウクライナ侵攻をはじめ、不穏な空気が強まる中、改めて現在の日本の平和のありがたさをかみしめるとともに、現実を見据えた備えの重要性を感じるものです。来年には、G7サミットが広島で開催されることが決まり、国際的にヒロシマの意味と価値の認識が高まるサミットとなること、さらに不穏な時期を乗り越え、平穏な時代のシンボルとなるサミットとなることを祈念するものです。  また、間もなく夏を迎え、今年も水害への備えを点検すべき時期になりましたし、新型コロナウイルス感染症は今日も多くの県民の生活を脅かし続けています。こうした生活に根差した県民の皆様の安全と安心を願って、改めて、御安全にで御挨拶させていただきました。それでは早速ですが、質問に入らせていただきます。  質問の第一は、新型コロナウイルス感染症対策に関する今後の取組について伺います。  新型コロナウイルス感染症は、オミクロン株に置き替わりが進んで以降、その感染者数は多いものの、医療体制の逼迫は限定的であると受け止めています。また、同居家族など一部を除いて、ほとんどの濃厚接触者への連絡も陽性者本人が実施する中、本来、不特定多数が集まるイベントにおいて、参加者の把握を求めることは実態に合わなくなりつつあり、イベント主催者にとっては極めて重い負担となっています。  また、ワクチンについては、高齢者と比べて若年層の三回目のワクチン接種率が低い傾向にあります。そうした中で、重症化予防や感染拡大防止を目的としたワクチン接種から、重症化の予防に特化していると理解しており、四回目のワクチン接種も始まりましたが、高齢者と基礎疾患を有する方だけを対象としているのが、その表れだと考えています。  また、感染予防の取組についても変化が現れてきています。特にマスクの使用については、政府の基本的対処方針において、マスクが不要な場面の考え方が明確にされたところです。  さらに、六月十日からは海外観光客の受入れも開始されましたが、政府は今後も感染状況を見ながら段階的に受入れ拡大を目指すこととしており、外国人が増えていく中で、県としての感染防止対策も変化せざるを得ないのではないかと考えています。  そこで、国の水際対策が緩和され、マスク着用の議論もある中で、県として感染防止に向け、今後どのように取り組まれていくのか、また、経済回復に向けて、今後どのように取り組まれていくのか、知事の御所見をお伺いいたします。  二点目は、コロナ感染後の後遺症における対応について伺います。  新型コロナウイルス感染症の患者が増え、その症状としては軽症が多くなっていますが、一方で、コロナ後遺症と言われる症状に悩まれている方も多いと聞いています。  昨年末の、広島県が実施した新型コロナ後遺症の実態調査結果においては、抽出した感染者の三四%が、後遺症がある、またはあったと回答しています。現在流行しているオミクロン株については調査結果が出ていないと思いますが、一定の後遺症患者は発生しているとの報道に接する機会も増えてまいりました。オミクロン株の流行以降、特に若い方が罹患するケースが多いと理解しております。  現在の広島県内におけるコロナ後遺症への対応は、かかりつけ医などの身近な医療機関から後遺症外来を紹介するスキームとなっていますが、若い人はかかりつけ医がいないケースも多いと思います。そのため、どんな方でも必要な際は、スムーズに後遺症外来を受診できることが重要であると考えています。  また、コロナ後遺症に苦しむ方に接している人や接したことのある人はまだ少ないこともあり、コロナ後遺症の症状自体も多岐にわたり理解が進んでいないため、実際にコロナ後遺症で苦しむ方への配慮などが進んでいない実態にあると受け止めています。したがって、県民や働く職場に対しても、コロナ後遺症への理解を深める必要があると思います。  そこで、コロナ後遺症への理解の浸透についてどのように取り組んでいくのか、知事の御所見をお伺いします。あわせて、県内における後遺症外来について、受入れ体制は適切に確保されているのか、お伺いいたします。  質問の第二は、カーボンニュートラルにおける県としての政策の方向性についてお伺いします。  カーボンニュートラルについては、工場などの物の製造に係るCO2排出も国全体としてのテーマとなっています。政府としても脱炭素に向けた研究開発も含め、二十兆円にも上る基金をつくる方向とお聞きしています。このカーボンニュートラルに関する政策の難しいところは、単純な炭素税などの財源確保や排出権取引の仕方によっては、国内や県内の産業を失うおそれがあるといった点にあります。  これまで、日本の製造業はオイルショックの経験などから省エネルギー化の取組が進み、同じ製品をつくる場合、諸外国と比べてもCO2排出は少なくなっている企業や工場が多くあると考えられます。しかし、製造プロセスを評価する場合、削減したCO2の大きさは、測りやすく物差しになりやすい実態でありますが、先進的にCO2削減に取り組んできた企業や工場ほど、その削減が難しくなってしまいます。CO2削減幅によって競争力が左右されるような政策を採用した場合、結果として、もともとCO2排出の多い工場に生産が移ってしまう現象が起こり、地球全体においてはCO2の発生が増加することにもなりかねません。したがって、国際競争をしている日本の製造業を守り、さらには本当の意味でCO2の削減を図っていくためには、将来を見据えた慎重な政策が求められると考えます。  カーボンニュートラルに関する取組については、広島県として様々な取組にチャレンジしており、特に、今年五月には、広島県地球環境対策推進会議を知事自ら陣頭指揮し、取り組まれる姿勢は、高く評価されるものと受け止めています。  そこで、県内の製造業を守りながら、本県のカーボンニュートラルをどのように推進していくのか、その意気込みと併せて、知事にお伺いいたします。  二点目は、まきなど木質バイオマスの活用について伺います。  国内の多くの自治体では、温室効果ガス排出量削減のため、まきストーブ、ペレットストーブなどを導入する家庭や事業所に対する助成を行っています。他県の状況を見てみますと、山形県においては、家庭用などへの導入における補助を実施しており、県内でも東広島市や北広島町等でも同様に家庭用などへの補助金が導入されています。北広島町においては、その目的が分かりやすく示されています。その内容は、豊かな森林資源を木質燃料、いわゆるまきとして活用することで、資源の有効活用、森林の多面的機能の向上、鳥獣との緩衝地帯の整備、木材関連事業の活性化及び化石燃料に代わるエネルギーの推進を図るとなっています。こうした施策は、化石燃料の削減を図っていく観点からも県として取り組むべき課題であると考えますが、本県では家庭用の補助制度はありません。  また、バイオマス発電についても、県内において導入が進んでいますが、バイオマス自体は輸入が中心で、林業等の活性化にはつながっていない実態となっており、県内のバイオマス燃料の活用という点では課題を残していると考えています。  森林については、各市町に森林環境譲与税により財源が配分されておりますが、なかなか活用も進んでいないように感じております。近隣の森林整備は、手に入りやすいまきの生産にもつながる部分もあり、市町の取組にも今後、期待するところです。  一方で、県内においては、ほとんどの地域でまきストーブを設置することが可能であると思います。現在のまきストーブは、欧米において技術革新が進み、住宅街でも十分設置できる状況となっており、私の住む福山市内においても、まきストーブを設置する住宅は増えてきております。  昔は身近にあったまきですが、その活用については、木材の成長に伴うCO2の吸収量と相殺されることから、カーボンニュートラルな燃料と言われております。私は、災害を受けた場合などの停電時でも利用できるまきストーブなど木質バイオマスの活用を県でも積極的に推進すべきと考えます。  そこで、カーボンニュートラルの観点も含め、まきなど木質バイオマスの活用について、県が積極的に発信していくとともに、木質バイオマスの活用や設備導入を支援する取組を進めていくべきと考えますが、知事に御所見をお伺いいたします。  質問の第三は、これから出水期を迎える前に災害への備えについて、二点お伺いします。  一点目は、河川内堆積土等の除去にかかる予算の確保について伺います。  平成三十年七月豪雨災害以降、各河川では流域治水の取組など様々な対策を進めているところですが、近年、各地で激甚化、頻発化する猛烈な豪雨から県民の大切な命を守るためには、迅速かつ確実な対策をさらに強力に推し進める必要があると考えます。  こうした中、広島県においては、河道が本来持っている流下能力を確保、維持し、浸水被害の軽減を図るため、河川内堆積土等の除去について、令和三年度からの五年間を計画期間として約七十億円規模の計画を策定され、優先度に応じて鋭意対策を進めています。  しかし、河道については、当然のことながら、一旦除去した後も、降雨のたびに山から流れ出てきた土砂によって徐々に埋まってしまうことから、日常から堆積状況等について監視、点検を行うなど、しっかりと把握しておくことが肝要となります。また、これまで堆積土の除去は課題と認識しつつも、限りある県単独費からその予算を十分に確保することは難しかったのではないかと思いますが、国への働きかけなどにより、近年、有利な財源も充てられるようになったと伺っています。  そこで、地元からの要望も強く、抜本的な河川改良に比べ、即効性の高い河川内堆積土等の除去について、引き続き、計画的かつ機動的に実施していくべきと考えますが、確実な予算確保の下、計画的な実施に向け、県としてどのように取り組まれていくのか、知事にお伺いいたします。  二点目は、避難所における課題や対応について伺います。  間もなく豪雨災害の危険性が増加する時期が迫っていますが、改めて現時点での県内の避難所についての対応状況について確認したいと思います。  令和二年十二月定例会の一般質問においては、国際的な避難所の水準を定めたスフィア基準を踏まえた避難所の基準について質問させていただきましたが、これまで広島県は、避難所開設・運営マニュアルの作成ガイドラインを策定されるなど、前回の質問時よりも取組はかなり進んでいると受け止めています。  一方で、平成二十八年における熊本の地震災害では、直接死より避難所等における災害関連死の方が多かったという実態もあり、避難所の居住性については、プライバシー確保やトイレの充足、さらには温かい食事の提供に向けた準備など、依然として取り組むべき課題は多いと思います。さらに、土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域にある避難所の対応、そして増加する日本語での意思疎通が難しい外国人への対応などに向けた取組も重要です。  また、多くの人が車での移動や、避難場所において車中で宿泊している実態を踏まえ、広島県内でも多くの市町で車での避難への対応を進めていると理解していますが、その内容も差があり、取り組んでいない自治体もあると聞いています。私は、車での避難は、プライバシー確保や、その地域の実態からニーズは高いと思っていますし、広島県として車での避難への対応を強めるべきと考えます。  そこで、今年の夏を迎えるに当たり、避難所の抱える様々な課題や対応についてお伺いします。  具体的には、避難所の居住性についての現況と課題、そして、土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域の避難所対応、さらには外国人への対応と車での避難に関する取組と課題について知事にお伺いします。  質問の第四は、ジビエの利用推進について伺います。  最近では、農作物の獣害の増加が深刻化しており、その範囲も徐々に広がり、家庭菜園までが被害を受ける状況となっております。一方で、私もイノシシや鹿の肉を食する機会にも恵まれましたが、しっかりした処理もされていたと思いますが、とてもおいしかった記憶があります。  ジビエの推進については、平成二十八年の鳥獣被害防止特措法の改正により、国及び地方公共団体は、ジビエの利用の促進を図るために必要な措置を講ずるものとされ、農林水産省では、ジビエの利用拡大に向けた取組を推進しており、他県では、ジビエを観光や産業化するために取組を進めております。  中国四国管区行政評価局が昨年十二月に取りまとめた、ジビエ利用の推進に関する調査によりますと、令和元年度における野生鳥獣の農作物被害では、広島県が約四・七億円と中国地方では被害額が最も多く、最も少ない鳥取県の六倍以上となっております。また、ジビエの利用量では、鳥取県が最も多く、次いで岡山県、広島県の順となっております。鳥獣対策を進めるためには、出口である利用促進に取り組む必要があり、一大消費地を抱える本県のポテンシャルは高いと考えます。
     岡山県では昨年度、県内全域を対象としたジビエの消費拡大を訴えるイベントを開催し、鳥取県では、二〇一二年に狩猟者、処理業者、飲食店などが幅広く手を組むジビエ推進の協議会を発足させ、新商品の開発やハンター育成など行政を巻き込んだ連携の成果も出ております。さらに鳥取県では、ジビエのよさを子供たちに伝えることを目的として、学校給食におけるジビエ利用を推進し、二〇二一年度は十三市町村で利用するなど、積極的に取組を進めておりますが、広島県では呉市のみが実施とまだ少ない状況です。  広島県においては、捕れる地域と消費できる地域が両方とも存在しますが、その場所は離れており市町を越えています。鳥獣被害防止、消費拡大の両方の観点から、広島県として、ジビエの利用推進の取組が必要になってくるのではないかと思います。まさに適散・適集の広島県だからこそできる取組であると考えております。  広島県としてのジビエに関する担当窓口は、農作物被害対策、狩猟、捕獲、食品衛生管理、販売促進などにより、関係する部署が多岐にわたります。ジビエの利用推進に向けた司令塔を明確にすることにより、関係部署の連携や鳥獣対策などの取組も効果的に推進していけると考えております。  そこで、ジビエの利用推進に向け、県の推進体制の在り方についてどのようにお考えか、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第五は、職員宿舎の在り方について伺います。  新たな社会生活へのスタートを切る新規採用者や結婚予定者にとって、職員宿舎というのは、これからの生活を行っていく上で大切な役割を果たしていると考えております。  県職員の世帯向け宿舎では、最近ではあまり見かけない古いタイプのお風呂が使われていると伺いました。夕方になると近所から、カチカチカチと一生懸命ハンドルを回してお風呂を沸かす音が聞こえてくるという、今では珍しくなった光景です。やはり県職員や警察官などの公職であっても、時代に合わせた住みやすい設備の提供は必要であると感じております。  私も長年、JFEスチールで労働組合の役員として過ごしてきた経験から、長期雇用を前提とした場合、世間並みレベルでの衣食住を確保していくことは労働条件の基礎となるものであり、そこで働く従業員にとって、仕事の内容、やりがい、賃金、労働時間などとともに、居住などの生活環境は重要な要素であると感じております。実際にJFE時代には、生活環境を向上させるため、いわゆる社宅を廃止し、民間施設の賃貸への補助を大幅に増額する制度に変更することで、資産のスリム化と経費節減、さらには従業員の満足度向上の両立を実現する取組も行ってきました。  最近、県の職員採用試験の大学卒業程度の応募者について、近年は四年連続で一千人を下回っているという記事も拝見しましたが、県も応募者確保の観点から、問題ないレベルの住宅を提供していくべきと考えます。  そこで、新規採用者や結婚予定者の家族なども含め、安心できるレベルの住宅を提供していくことや、民間施設の借り上げなどによりスリム化していく観点も含め、職員宿舎の今後の在り方についてどのようにお考えか、知事にお伺いいたします。  質問の第六は、交通安全対策等について、三点お伺いいたします。  一点目は、ビッグデータの活用についてお伺いします。  昨年六月の千葉県八街市で発生した、下校中の児童五名が死傷する痛ましい事故を受けた全国の通学路の合同点検の結果によりますと、昨年十二月時点で、安全対策が必要な箇所は、全国で約七万六千か所あり、本県では、一千五百三十五か所抽出されました。県として、これらの危険個所について、教育委員会や道路・交通管理者と連携の上、地域の関係者の御協力も得ながら、事故が起こる前にスピード感を持った具体的な安全対策が求められています。  また、最近は、客観的なデータを活用して危険度を表示する公開情報も存在しています。例えば、ホンダセーフティマップは、カーナビデータから得られる急ブレーキ情報と、行政から提供される交通事故発生状況に関わるデータ、さらには、危険箇所に関わる住民の声を基に、事故多発箇所や要注意箇所を地図上に提示するサービスです。埼玉県の事例では、この情報を基に自転車や歩行者を中心とした交通安全対策を進め、平成二十三年度までに県内で百六十か所の安全対策を実施した結果、急ブレーキが約七割、人身事故が約二割減少したとの報告も出ています。  他県でもこうしたデータにより、なかなか客観視しづらい危険度を基に、道路環境の改善や交通量の解析などに活用されているとお聞きしていますが、広島県としてもビッグデータを活用した交通安全対策は対応を考えていくべきと考えますが、どのようにお考えか、知事にお伺いします。  また、通学路などにおける危険な箇所の洗い出しについては、地域との意見交換で抽出した箇所と併せて、公開データ等を活用して危険箇所の把握を実施し、道路管理者が教育委員会とも連携して取り組む必要があると考えますが、県としてどのようにお考えか、知事にお伺いいたします。  二点目は、路面表示で活用する色彩についてお伺いします。  先日、しまなみ海道を巡る機会があり、改めてサイクリング客も多く、サイクリングロードの整備効果を実感したところであります。また、しまなみ海道以外にも、私の地元福山市では、しおまち海道の整備が進み、岡山県へも延長が計画されています。しまなみ海道のサイクリングロードも福山市内の自転車通行帯も青で表示されており、若干形状はまちまちですが、分かりやすい状況となっていると実感しておりました。  しかし、先日、広島市内の自転車通行帯を見てみると、赤系の色で表示されており、一見したときは自転車通行帯と理解できませんでした。本県は、県外や海外からの観光客も多い中、連続した道路で市町を越えるたびにこのように色が変わってしまっていては、せっかくの路面表示も、利用者に戸惑いを与えることになるのではないかと考えます。  また、ゆずりあいゾーンなども多く見かけますが、道路管理者や場所により、その表示や色も様々なものがある実態となっており、ドライバーとして迷いが生じることにもなりかねません。  最近は道路を塗装する色もカラフルになってきており、効果的に活用することは注意喚起に役立っていると考えます。しかし、市町を越えるたびに路面表示等の色彩が変わるのは戸惑いもあり、好ましいとは思えません。  そのため、道路管理者が設置するこうした路面表示においても、県内の各道路管理者と調整した上で、一定の指針を設けるなど、利用者の視点に立った、より分かりやすい案内となるよう取り組むべきと考えますが、知事の御所見お伺いいたします。  三点目は、改正道路交通法に伴う高齢者講習制度への対応について伺います。  先月施行された改正道路交通法により、一定の違反をした七十五歳以上に対する運転技能検査に加え、先端技術を搭載したサポートカー限定免許の制度も開始されたところです。  違反はしてはならないことではありますが、反則金などの支払いを終えた上で、さらに運転技能検査が追加されるため、高齢ドライバーにとってはかなり負担が増えるとの声もあります。今回の高齢者の免許更新に係る手続の変更については、当然ながら国全体での対応ではありますが、しっかりとその目的について説明していく必要があると思います。  また、自動車教習所においては、新たに技能検査も実施していくこととなった一方で、従来から高齢者講習については予約が取りにくい実態にあると聞いています。教習所にもよりますが、既に今予約しても講習を受講できるのが九月や十月になる例も出ていると聞いています。そのため、スムーズな検査や講習の実施は今後、対応を検討していくべき課題であると考えます。  そこで、広島県警察として、今回の改正道路交通法の趣旨の周知徹底と、スムーズな検査や講習の実施に向け、どのように対応されようとしているのか、警察本部長にお伺いいたします。  最後の質問は、福山道路の未事業化区間の早期事業化について伺います。  国土交通省が毎年発表している、主要な国道路線別の年間渋滞ランキングですが、二〇一九年の結果を最後に発表されておりません。これは中央官庁の統計調査が滞っていることが原因ではないかと推察いたしますが、各地の整備の進捗による改善状況を見る一つの指標として、早めの発表が待たれるところです。  二〇一九年の調査結果によれば、国道二号の全四百九十六区間のうち、福山市内の区間がワースト三位と五位にランクインする結果となっており、二位の倉敷市の高梁川を渡る区間は、その後、拡幅工事が終わっていることを踏まえれば、次回の公表時には福山市内の区間がさらに上位になることも想定されます。  こうした厳しい現地の渋滞状況にありますが、福山都市圏の大動脈となる福山道路については、現在、全長十六・五キロメートルのうち、福山市内西側の三・三キロメートルの事業を進めており、一方、岡山側では、二〇二五年度に県境近くまで、笠岡バイパスの完成が見込まれています。そうした中、昨年十一月には、福山道路のさらなる整備促進を図ることを目的として、三原市、尾道市、福山市、岡山県笠岡市の各市長や市議会議長、商工会議所会頭をメンバーとする期成同盟会が設立され、残る未事業化区間の早期事業化の声がますます高まっています。  そこで、備後地域のさらなる発展のため、日々の渋滞損失の解消や安全性の向上、CO2削減等に資する福山道路の未事業化区間の早期事業化について、改めて知事が先頭に立ち、あらゆる機会を捉えて国に働きかけるなど、地域の願いを力強く前に進めていただきたいと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  以上で、私からの質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) 16: ◯副議長中原好治君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 17: ◯知事湯崎英彦君) まず、新型コロナウイルス感染防止や経済回復に向けた今後の取組についてお答え申し上げます。  本県の感染状況につきましては、ゴールデンウイーク明けに新規感染者数が急増したものの、五月中旬以降、減少傾向となり、感染のさらなる拡大は抑えられております。また、医療体制につきましても、重症化リスクの高い高齢者の感染が低い水準で推移していることなどから、病床使用率を二〇%以下に抑えることができております。  しかしながら、感染者数は依然として高い水準にあり、またオミクロン株の新たな系統が国内で確認されるなど、予断を許さない面もございます。  さらに、ワクチンの接種状況につきましても、高齢者は約九割の方が三回目の接種を終えていますが、若年層では約四割にとどまっております。  このため、県民の皆様お一人お一人が、手洗い、換気、人との距離を取ることや、感染リスクの高い場面におけるマスクの着用といった基本的な感染防止対策に継続的に取り組むとともに、ワクチン接種を積極的に御検討いただくことが重要であると認識しております。  本県といたしましては、引き続き、幅広いPCR検査等により感染の抑え込みを図るとともに、入院医療機関や宿泊療養施設での受入れ体制のほか、自宅や高齢者施設等で療養される方への支援体制を確保してまいります。  また、ワクチン接種につきましては、県内における感染状況等の検証結果から、ワクチンの三回目接種によって、重症化予防だけでなく、感染予防の効果も高まると期待できることから、接種率の低い若年層を中心に引き続き接種を働きかけるとともに、四回目接種につきましても、市町及び関係団体と連携して取り組んでまいります。  経済回復に向けましては、これまでコロナ禍により深刻な影響を受けている県内事業者の足元の事業の継続や雇用の維持をしっかりと支える対策、厳しい状況下から立ち上がろうと事業展開や業態転換、設備投資に取り組む県内企業の挑戦を後押しするための対策などに全力で取り組んでまいりました。  また、今年度に入りましても、アフターコロナを見据え、商工団体などと連携した中小企業、小規模事業者の新事業展開、人材育成、販路開拓などの経営革新に対する伴走型の支援、新事業展開や業態の抜本的転換などにより成長を目指す中小企業等へのプッシュ型支援などに、引き続き取り組んでいるところでございます。  さらに、コロナ禍の長期化に加え、原油価格や物価高騰の影響も懸念されることから、中小事業者に対する省エネルギー機器の導入支援や、運輸事業者に対する環境対応車やエコタイヤの導入支援による省エネルギー・CO2削減の促進、県外から訪れる観光客に対し、県産酒類の購入に活用できるクーポン券を配付する取組など、今後とも高騰が続くリスクのあるエネルギー価格に左右されにくい持続可能な経営の実現に資する取組や、本県の観光需要の早期回復を後押しするための取組をこのたびの六月議会において提案しているところでございます。  引き続き、県内中小企業に対する経営環境の調査や、国や市町、経済団体等との直接の意見交換を実施することにより、県内事業者の置かれた状況をしっかりと把握、分析し、必要な対策を機を逃さず実施してまいりたいと考えております。  今後とも、感染状況に応じまして的確に対処していくことにより、県民の皆様の安心と安全を確保し、感染拡大の防止と社会経済活動の両立ができるよう全力で取り組んでまいります。  次に、カーボンニュートラルに関する県としての政策の方向性についてでございます。  カーボンニュートラルの推進は、温暖化による社会生活への様々な影響を抑制するだけでなく、産業構造や社会経済の変革をもたらす大きな成長、発展のチャンスであり、積極的に対策を行うことで経済と環境の好循環を実現し、本県産業の成長につなげていくことが重要であると考えております。  こうした中、本県経済を支える鉄鋼や化学、自動車を中心とした輸送用機械などの製造業は、製造過程におけるCO2の排出削減だけでなく、サプライチェーンとの協調関係やエネルギー事業者との連携体制の構築など、長期的かつ幅広い取組が求められております。  こうした認識の下、県におきましては、カーボンニュートラルに貢献する新たな技術開発に対する支援補助金や、CO2排出量の見える化など、カーボンニュートラルへの対応を促進するための伴走型のコンサルティング支援、さらには、昨年度策定いたしました「広島県カーボン・サーキュラー・エコノミー推進構想」に基づくカーボンリサイクル推進のための研究及び実証の支援や、産学官のマッチング支援などの取組を通じて、環境・エネルギー分野などの新成長産業の育成を図るとともに、基幹産業であるものづくり産業のカーボンニュートラルに向けた様々な活動を支援しているところでございます。  また、産業部門をはじめ、運輸・民生部門など、県全体でカーボンニュートラルの取組を進めていくため、「広島県地球温暖化防止地域計画」の改定作業を進めており、今年度から全庁横断的な部会を設置するなど、推進体制を強化した上で様々な角度から検討を行っているところでございます。  こうした中、このたびの六月議会におきましても、新たに中小事業者や農業者に対する省エネルギー機器の導入支援や、運輸事業者に対する環境対応車やエコタイヤの導入支援など、温室効果ガスの削減によるカーボンニュートラルの実現に資する取組を後押しする補正予算案を提案しているところでございます。  今後とも、国、市町、産業界、県民の皆様など多様な主体と連携、協働し、幅広く英知を結集しながら、環境と地域経済の好循環につながる取組を推進し、製造業をはじめとする県内産業の成長、発展とネット・ゼロカーボン社会の実現に向け、一丸となって取り組んでまいります。  次に、ジビエの利用推進についての御質問でございます。  県内における野生鳥獣のジビエ活用の状況につきましては、現在、二十四の施設で年間約四千八百頭が処理され、その内訳は、イノシシとニホンジカがほぼ同数となっております。  また、東広島市、安芸高田市及び庄原市の三施設におきましては、国が定める衛生管理基準などを満たした国産ジビエ認証を取得しており、県内のジビエの半分以上は、これらの施設から主に県内外の外食産業へ流通しております。  さらに、呉市のほか、今年四月から庄原市におきまして、市内の約九〇%の小中学校の給食にイノシシの肉が供給されるなど、県内のジビエは、地域資源の活用や食育など様々な分野で利用が進んでいるものと認識しております。こうした状況に加え、ジビエの利用拡大に向けて、新商品の開発や販路拡大に取り組む機運も高まっていることから、本県といたしましては、捕獲したイノシシやニホンジカができるだけ廃棄されることなく、加工から流通、消費までつながるよう、市町や事業者のニーズを踏まえた支援を行ってまいりたいと考えております。  国におきましても、利用可能な個体のフル活用等により、ジビエ利用量を増加させるため、昨年度から農林水産省において様々な施策に取り組んでおります。  このため、県の推進体制につきましては、農林水産局が中心となり、食の安全・安心を基本としつつ、有害捕獲した鳥獣の有効活用を図り、中山間地域の観光資源として食の魅力向上につながるよう、関係部局と連携しながら、ジビエの利用拡大に向けて取り組んでまいります。  次に、福山道路の未事業化区間の早期事業化についてでございます。  備後圏域の中核を担う福山市が、今後、連携中枢都市圏の拠点としてさらなる発展をしていくためには、福山港など物流拠点へのアクセス強化や、一般国道二号などに数多く存在する主要渋滞箇所の解消が重要な課題でございます。  そのため、福山地域における幹線道路の東西軸の強化といたしまして、一般国道二号福山道路や関連する福山沼隈道路の整備を国土交通省と連携して取り組んでいるところでございます。  福山道路の未事業化区間につきましては、福山市などからの要望を踏まえ、先般、私自ら、県選出の国会議員や国土交通省に対して、未事業化区間の早期事業化を要望してきたところでございます。  また、この区間は、市街地を東西に貫く大規模なバイパスであり、その整備により周辺の交通流動に大きな影響を与えることから、国や周辺道路の管理者である県、福山市の関係者において、より早期に渋滞解消を図ることができる事業手法につきまして、段階的な整備も含め、事業化に向けた検討を進めているところでございます。  県といたしましては、引き続き、様々な機会を通じて国に要望を行うなど、福山道路の未事業化区間の早期事業化に向けて取り組んでまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 18: ◯副議長中原好治君) 健康福祉局長木下栄作君。         【健康福祉局長木下栄作君登壇】 19: ◯健康福祉局長木下栄作君) 二点についてお尋ねがございました。  まず、コロナ感染後の後遺症における対応についてでございます。  新型コロナウイルス感染症に罹患した後、療養期間が終了しても症状が継続したり、あるいは療養期間の終了後に新たに症状が現れる、いわゆる後遺症につきましては、県内の感染者の中でも一定の方がいらっしゃるものと認識しております。  新型コロナウイルス感染症の後遺症につきましては、倦怠感、息切れなどの一般的な症状があり、特有なものではないことから、まずはかかりつけ医などの身近な医療機関を受診していただくことが適切であり、その上で、専門的な診療が必要と判断された場合は、後遺症の専門外来を受診していただく医療連携体制が重要であると考えております。  このため、本年二月にかかりつけ医等の身近な医療機関が、必要に応じて紹介することができる二十二の後遺症連携病院を確保し、県内の後遺症外来に関する医療体制を整備したところでございます。  また、昨年十二月に本県の実態調査により判明した症状や特徴、ワクチンによる効果などに関しましては、県ホームページでの発信やチラシの配布などを通じて広く周知し、かかりつけ医を持たない若い世代を含め、適切な受診を促しているところでございます。  症状のうち、特に割合が多いとされております疲労感、倦怠感をはじめ、様々な症状が現れ、本人以外の方が気がつくのが難しいことから、周囲の方の理解を得にくい状況にあります。このため、本県といたしましては、周囲の方への理解を得るために、県民の皆様に対し、後遺症の症状に関して、様々なメディアや媒体を通じてさらなる情報発信を行うとともに、後遺症の発症を未然に防ぐためにもワクチン接種を推進してまいります。  さらに、事業者に対しましては、後遺症に関する理解と就業上の配慮が適切にされるよう、関係部局との連携を図りながら適切な情報提供に努めてまいります。  次に、避難所における課題や対応についてお答えいたします。複数の部局にまたがる質問でございますが、代表して私が答弁申し上げます。  まず、避難所の居住性についての現況と課題といたしましては、避難所の開設、運営についてのノウハウや設営を担う人材が不足しているため、避難所によって備蓄品や設備の整備状況に差があり、全県的に避難所の生活環境のレベルアップを図っていくことが必要であると認識しております。  このため、本県といたしましては、本年三月に策定した「避難所開設・運営ガイドライン」等におきまして、プライバシーの確保など、居住環境の改善に向けて、避難所のレイアウトや設備などについて具体的な取組を示すとともに、昨年度、県が実施した避難所開設、運営に係る研修受講者から、避難所の開設・運営マニュアル作成を支援するアドバイザーとして、現在四十二名の方に登録していただき、市町への派遣体制を整備したところでございまして、引き続き、避難所の環境改善に係る市町の取組を支援してまいります。  次に、土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域に立地する避難所につきましては、想定される災害による影響が比較的少ない場所にある施設などを市町で指定することとされておりますが、地域によっては、区域外に指定することで避難所までの距離が遠くなり、高齢者などの避難が難しくなるといった課題がございます。  このため、やむを得ず区域内に指定し、災害時に開設する場合には、避難所としての機能が損なわれることのないよう、災害の状況や施設、敷地等の被害状況を踏まえ、安全性を確認するように市町に対して働きかけているところでございます。  また、外国人への対応としましては、言葉や習慣の違いがある中においても正確な情報を確実に伝えていくことが課題であると認識しており、災害が発生した際、または災害の発生が予想される際に、県とひろしま国際センターが共同で広島県災害多言語支援センターを設置し、市町などからの要請などに基づき、避難所などにおいて困り事を抱えている外国人への通訳支援などを行ってまいります。  最後に、車を使用した避難につきましては、複数の市町で公共施設や民間商業施設の駐車場などを活用した車中避難用の避難場所を確保する取組が進められており、コロナ禍において、避難する際の選択肢の一つとして、県内市町に取組内容を共有しているところでございます。  一方で、車での避難は、避難中に被災するおそれがあること、渋滞を招き緊急車両の通行の妨げになることなどの課題があることから、早めの避難を行っていただくことが重要であると考えております。  県といたしましては、災害が切迫する前からの早めの避難や安全な場所にある親戚、知人宅、ホテルなどへの分散避難の普及促進に、引き続き、市町と連携して取り組んでまいります。 20: ◯副議長中原好治君) 農林水産局長大濱 清君。         【農林水産局長大濱 清君登壇】 21: ◯農林水産局長(大濱 清君) カーボンニュートラルに向けたまきなど木質バイオマスの活用についてお答えいたします。  木質バイオマスの活用に向けた県の取組といたしましては、これまで、ひろしまの森づくり事業により、里山林の間伐に要する経費やまき割り機の導入を支援することで、まきの供給拡大を図るとともに、公共施設へのまきストーブやボイラーの導入支援による需要促進にも取り組んできたところでございます。  また、市町や森林ボランティア団体等と連携し、里山林の手入れや植樹などの体験活動、木材に直接触れることを通じた環境学習などにより、里山林が果たす自然環境保全と温暖化防止などの役割の重要性を継続して発信しているところでございます。  こうした事業を通じて、本県におきましても、まき利用に対する関心が高まってきており、将来の脱炭素社会の実現を目指して、機運をさらに高めながら、カーボンニュートラルな燃料である木質バイオマスの利用拡大を図っていくことが重要であると考えております。  このため、まきの供給拡大に向けましては、県と市町、専門家等で構成する検討部会を設置し、地域の課題を深掘りすることで里山林の間伐面積を増やしていくことや、間伐した木材を林内に放置せず利用促進に取り組む地域を支援してまいります。  また、消費拡大につきましては、生産されたまきを地域内の家庭において利用拡大につなげていく計画を立て、実行する市町に対して、支援を強化してまいりたいと考えております。さらに、木質バイオマスを活用することで、木を使うことの喜びや環境貢献を通じた消費者の満足感を醸成できるよう、体験活動の充実に加えまして、幅広い年代の県民の皆様に対して積極的なPRを展開してまいります。  こうした木質バイオマスの供給と消費の拡大につきましては、今年度から始まる第四期のひろしまの森づくり事業を活用し、関係団体と連携しながら取組を強化してまいります。 22: ◯副議長中原好治君) 土木建築局長齋藤博之君。         【土木建築局長齋藤博之君登壇】 23: ◯土木建築局長(齋藤博之君) 私のほうから、三点についてお答えします。  一点目は、河川内堆積土等の除去にかかる予算の確保についてでございます。  本県では、令和三年三月に「河川内の堆積土等除去計画二〇二一」を策定し、計画期間を令和三年度からの五年間、事業規模を緊急浚渫推進事業債を活用して約七十億円として、計画的に河川内の堆積土等を除去しているところでございます。また、大きな出水があった場合には、臨時点検を実施し、河川内の堆積土等の状況を把握した上で、必要に応じて適切に除去することとしております。
     令和三年度は、七月・八月豪雨により、緊急対応の必要が生じたことから、当初予算に加え、補正予算を確保して対応したところでございます。  今後とも、有利な財源が継続的に活用できるよう国に働きかけるなど必要な予算確保に努めながら、県民の皆様の安全・安心につながる河川の堆積土等の除去を適切に実施してまいります。  次に、交通安全対策等に関するビッグデータの活用についてお答えいたします。  本県では、平成二十七年度から、交通事故の防止を目的に各市町が登録する生活道路対策エリアにおいて、ETC二・〇から得られるビッグデータを国土交通省の技術的支援により分析し、得られた結果からエリア内の危険箇所を潜在的なものも含め特定して、効果的、効率的な交通安全対策を実施しているところでございます。  また、通学路における危険箇所の洗い出しの際にも、本県が平成二十九年度から各市町に提供しているビッグデータの一つであるホンダセーフティマップの公開データが、一部市町において活用されているところでございます。  今後も、市町や教育委員会など関係機関と連携しながら積極的にビッグデータ等を活用し、通学路交通安全プログラム等の交通安全対策を効果的、効率的に推進してまいります。  次に、交通安全対策のための路面表示で活用する色彩についてお答えいたします。  道路管理者が整備する自転車通行帯の路面表示につきましては、平成二十四年十一月に国土交通省道路局及び警察庁交通局が策定した「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」に基づいて行っているところでございます。  こうした中で、広島市では、国や県警などを交えた協議会を開催した上で、平成二十五年六月に「広島市自転車都市づくり推進計画」を策定し、路面表示の色彩につきましては、赤系統の色であるベンガラ色を採用し、整備を進めているところでございます。  平成二十八年七月に改訂されたガイドラインでは、新たに、路面表示の色彩は青系色を基本とすると定められたところですが、同時に、本ガイドラインの標準仕様と異なる路面表示の整備を行ってきた地域においては、外国人を含めた自転車利用者とドライバーの双方に混乱を来さないよう、道路管理者、都道府県警察等との協議の下で個別に検討するものとされており、広島市からは、デルタ市街地に限った計画でもあることから、色を変えることにより、市民に混乱を生じさせるおそれがあることや、景観に配慮するという観点から、ベンガラ色での整備を継続していると伺っております。  しかしながら、市町を越えて移動する際に、自転車通行帯に限らず、ゆずりあいゾーンなどで異なった路面表示が多くあることは、県民や観光客の皆様に混乱が生じる可能性がございます。  県といたしましては、引き続き、各道路管理者や関係機関等と調整を行い、利用者の視点に立った、より分かりやすい案内になるよう、取り組んでまいります。 24: ◯副議長中原好治君) 総務局長岡田芳和君。         【総務局長岡田芳和君登壇】 25: ◯総務局長(岡田芳和君) 職員宿舎の在り方についてお答えいたします。  職員宿舎は、その多くが昭和五十年代以前に建設されており、当時求められていた、広域行政を担う県における人事異動の際の円滑な人事配置の実現や、民間賃貸住宅の供給不足への対応といった人事、福利施策上の役割を担うことを目的に設置されたものでございます。  こうした中、昨今、住宅事情の改善、交通インフラの整備など社会経済環境が大きく変化する中において、職員宿舎の老朽化やそれに伴う維持管理費の増加、入居率低下といった諸課題はあるものの、若年層の職員を中心に一定のニーズはあるものと認識しております。  このため、職員宿舎につきましては、耐震性のある宿舎は適正な維持保全を行う一方、耐震性のない宿舎や利用が低調な宿舎は、用途廃止、集約、所管換え、売却を行い、県有資産の有効活用、総量最適化に取り組んできたところでございます。また、職員宿舎の風呂、トイレなどの設備につきましても、必要な修繕や更新を適宜実施しており、引き続き、適切な維持管理を行ってまいります。  職員宿舎の今後の在り方につきましては、職員宿舎を取り巻く環境変化や利用状況などを踏まえ、様々な観点から検討してまいりたいと考えております。 26: ◯副議長中原好治君) 警察本部長森内 彰君。         【警察本部長森内 彰君登壇】 27: ◯警察本部長(森内 彰君) 改正道路交通法に伴う高齢者講習制度への対応についてお答えいたします。  初めに、今回の改正道路交通法の趣旨の周知徹底についてでございます。  このたびの法改正の背景につきましては、七十五歳以上の高齢運転者による交通死亡事故の発生件数が、他の年齢層と比べて免許保有人口当たり二倍以上であること、また、近年、高齢運転者による悲惨な交通事故が相次いで発生していることなどから、高齢運転者対策の充実強化に対する社会的要請が高まったものと承知しております。  こうした情勢から、このたびの法改正では、七十五歳以上で一定の違反歴がある者に対する運転技能検査や、申請によるサポートカー限定免許などの制度が新設されたものでございます。  まず、これまでの高齢運転者対策では、主に認知機能の低下の判断に重点が置かれてきましたが、より一層の事故防止を図っていくためには認知機能以外にも、加齢に伴う運転技能の低下に着目した対策を講じる必要があったため、運転技能を検査する制度が導入されることとなりました。  また、自動車の運転に不安を有する高齢者に対しましては、運転免許証の自主返納だけではなく、より安全なサポートカーに限り運転を継続するという新たな選択肢を設ける趣旨のサポートカー限定免許制度が導入されることとなりました。  なお、高齢運転者の中には、新たな負担と感じられる方もおられるかもしれませんが、このたびの法改正は、高齢運転者の方に御自身の運転技能を自覚していただき、より安全に運転していただくために必要な対策であることを御理解いただけるよう、交通安全教室等の機会やホームページ、広報誌などの各種広報媒体等を通じて丁寧な説明を行ってまいります。また、関係機関・団体とも連携し、新たな制度について引き続き周知を図ってまいります。  次に、スムーズな検査や講習の実施に向けた対応策についてでございます。  これまでは、認知機能検査の結果が判明した後に、高齢者講習を予約、受講する必要があったことから、高齢者講習の予約までにある程度時間を要しておりました。また、一部地域によっては、時期により受検・受講待ちが長期化する場合があったと承知しており、認知機能検査を公安委員会により直接実施するなど、その解消に取り組んできたところでございます。  このたびの法改正の施行に併せ、認知機能検査、高齢者講習、さらには運転技能検査について、同一日に実施することとし、高齢運転者の利便性の向上を図っているところでございます。  また、自動車教習所等では新たに運転技能検査を実施することから、認知機能検査や高齢者講習を含めた受入れ枠を確保するため、従来、自動車教習所等が行っておりました臨時認知機能検査を公安委員会により直接実施することとしております。  県警察におきましては、認知機能検査、高齢者講習等が円滑になされるよう、引き続き、自動車教習所等への受講枠の拡大を要請するほか、各自動車教習所等のおおむねの予約可能日を県警ホームページに掲載するなどの対策を講じてまいります。 28: ◯副議長中原好治君) この際、暫時休憩いたします。休憩後の会議は午後二時十五分から開きます。         午後二時四分休憩              ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~         午後二時十六分開議 29: ◯議長中本隆志君) 出席議員五十六名であります。休憩前に引き続き会議を開きます。  引き続いて質問を行います。石津正啓君。         【石津正啓君登壇】 30: ◯石津正啓君 皆さん、こんにちは。公明党広島県議会議員団の石津正啓でございます。  ロシアのウクライナ侵攻からもうすぐ四か月余りが経過することとなります。プーチン大統領は短期間での制圧をもくろんでいたと見られますが、ウクライナ軍の必死の抗戦によって、戦況は長期化する様相を見せております。ロシア軍の即時撤退と国際法に基づく平和的解決によって、一日も早いウクライナの平和と安定を心から願っております。  そんな中、バイデン大統領との会談の折、岸田首相によって、G7サミットの広島開催が発表されました。ぜひ、原爆資料館を見ていただきたい。そして戦争の行き着く先に広島や長崎の原爆投下といった悲劇が待ち受けていたという歴史を世界中の人たちに、今こそ知っていただきたい。戦争ほど悲惨なものはない、戦争ほど残酷なものはないという思いを世界の指導者の心にも焼き付けていただきたいと思います。なぜなら、戦争は人の心の中から起こるからであります。  有名なユネスコ憲章の前文には、戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならないとあります。  国家を形成しているのも人間です。戦争を引き起こすのも、平和を築くのも、全て人間です。そして人間の心の中に、他者を隷属させ、他者を自在に操ろうとする欲望が、人間の心を支配するときに、人間は殺りくや破壊者の働きをなし、戦争を引き起こしていくのではないでしょうか。人間の心の中に宿る、憎悪や破壊や支配欲といった魔性の生命を打ち砕き、人間の尊厳、生命の尊厳を打ち立てていかなければ、本当の平和はないのではないでしょうか。  歴史学者トインビー博士は、強く訴えております。人類の生存に対する現代の脅威は、人間一人一人の心の中の革命的な変革によってのみ、取り除くことができるものですと。  人間の心が転換されれば、その営みも変わり、社会環境、自然環境をも大きく変え、平和な社会を築いていくことができると思います。今こそ、戦争は絶対悪であり、平和ほど尊いものはない、平和ほど幸福なものはない、そして平和こそが人類最高の価値であり、人類の進むべき根本の道であるということを、世界中の人々に、ぜひ広島に来ていただき、感じていただきたいと思います。それでは、そうした平和を願いつつ質問に入りたいと思います。  初めに、G7サミットの開催に向けた取組についてお伺いいたします。  先月二十三日、来年、日本で開催されるG7首脳会合の開催地が広島市に決定いたしました。ロシアによるウクライナ侵攻により、核兵器が実戦で使用されかねない現実の脅威に直面している現状を踏まえて、唯一の戦争被爆国である日本こそ、核兵器使用の甚大な被害を伝える責務があります。各国首脳が集うG7首脳会合を広島で開催し、被爆の実相を知っていただくことは、核兵器のない世界に向け、広島の思いを世界に届ける絶好の機会であり、広島での開催を心から歓迎いたします。  また、我々公明党は、六月二十日にオーストリア・ウィーンで開かれる第四回核兵器の非人道性に関する国際会議の次の第五回国際会議を、G7首脳会合が実施される来年に、八月六日の広島の平和記念式典、九日の長崎の平和祈念式典に合わせて開催するよう、岸田首相に提言しております。県としても、開催に向けた積極的な働きかけを要望いたします。  さて、県が設置しているへいわ創造機構ひろしまでは、国際NGO等と共に、二〇三〇年以降の次期国連開発目標に、核兵器廃絶が位置づけられることを目指し、市民社会から働きかけを行うグループとして、「グローバル・アライアンス「持続可能な平和と繁栄をすべての人に」」を設立しました。  グローバル・アライアンスは環境、人権、保健など多様な分野に関わる団体と共に、核兵器問題が環境、社会、経済など多方面に及ぼす影響を持続可能性の観点から捉え、国際社会に問題提起を行うため政策提言を策定し、キャンペーン活動などを二〇三〇年に向けて展開していくこととしています。  今後、SDGsの中間年であり、G7サミットが日本での開催予定である二〇二三年を目指して、提言策定を進めると聞いておりますが、アメリカ、イギリス、フランスの核兵器保有三か国を含め各国の首脳が一堂に集うG7サミットの場は、世界に核兵器廃絶の必要性を訴え、国際世論を喚起する好機であり、被爆地広島でのG7サミットが開催される機会に、核兵器のない世界に向けて、どのような発信を行っていくのか、知事にお伺いいたします。  質問の第二は、ウクライナ避難民の受入れについてお伺いいたします。  ロシアがウクライナへの侵攻を開始してから、もうすぐ四か月余りが経過することとなります。国連難民高等弁務官事務所によると、この四か月間でロシアのウクライナ侵攻のために家を追われ、国内外に避難した人は一千万人を超え、その実に九割が女性と子供であると発表されました。日本への避難民も既に一千人を超えています。  ロシアのプーチン大統領は、核兵器の使用をほのめかし、ウクライナの皆様だけではなく、世界中の人々を大きな不安や恐怖に陥れ、核兵器廃絶と世界平和を願う全ての広島県民の願いを踏みにじっています。  ロシアによる武力侵攻がいつ終わるのか、先が見えない状況の中、戦火を逃れて来た避難民が、異国でも安心して生活を送ることができるよう、日本政府は、避難民の積極的受入れを表明し、滞在中の生活費や一時金の支給、さらに、医療や日本語教育、就労支援などの費用も負担するなどとしており、県も、知事がいち早く積極的な支援を表明され、相談体制の確保や県営住宅の無償提供、市町との連携、取組支援を行っておられます。  ウクライナは、旧ソ連時代にチョルノービリ原発事故の被害に遭ったことから、旧ソ連からの独立後、非核化を成し遂げております。  共に核による被害を受けた者として、核兵器廃絶への強い思いを共有するウクライナからの避難民を受け入れる上で、生活や仕事、福祉や教育など、避難生活の長期化を想定した細やかな支援が必要であると思いますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いいたします。  質問の第三は、長引くコロナ禍で深刻化しているとされる孤独・孤立問題についてお伺いいたします。  新型コロナウイルス感染拡大後、外出自粛が呼びかけられ、地域の子供や高齢者等の交流、見守り、支え合いの場や、離れて暮らす家族に会う機会、家族や友人と食事や飲酒をしながら親睦を深めたり、ストレスを解消したりする機会が減っております。企業では在宅勤務、大学等ではオンライン授業の導入が増え、人と触れ合う機会が減ったという人も多いのではないでしょうか。  また、社会経済活動の停滞の長期化によって、休業者の増加だけではなく、就業者数は女性の非正規雇用労働者を中心に大幅に減少し、就業者の給与水準は減少傾向となり、結果として、生活困窮をはじめとした様々な不安や悩みを抱える人が増えております。  政府は、令和三年十二月には「孤独・孤立対策の重点計画」をまとめ、初めての実態調査を行い、この春に結果を公表いたしました。調査結果によると、孤独感がしばしばある、常にあるは四・五%、時々あるは一四・五%、たまにあるは一七・四%で、合わせると四割近くになりました。また、おおむね年収が低いほど孤独感を感じる割合が高いことも分かり、コロナ禍による失業や休業で経済的に不安定になり、孤独、孤立につながっている可能性も考えられます。  孤独、孤立は自殺やDV、生活困窮などにも関わる問題でもあります。令和二年の自殺者数は二万一千八十一人となり、十一年ぶりに対前年比で増加し、特に女性や児童生徒の増加が顕著となるなど、コロナによる孤独、孤立の長期化によって、個人の精神面に対するマイナスの影響が現れております。  県は、平成二十八年から七年間の計画で、第二次広島県自殺対策推進計画である「いのち支える広島プラン」によって自殺対策に取り組んでおりますが、コロナ禍による孤独、孤立の長期化など、このプランを策定した時から、大きく社会情勢が変化しております。  こうしたコロナ禍による影響を踏まえ、孤独や孤立を防ぐ対策を一層強化し、必要な人に支援の手が届くような体制を整える必要があると思いますが、県の現状認識とこの問題に対してどのように取り組んでいかれるのか、知事にお伺いいたします。  質問の第四は、難聴高齢者への補聴器購入補助制度についてお伺いいたします。  高齢者の難聴は、生活障害となるのみならず、認知症発症のリスクとなる可能性も報告されており、介護や生活の質を維持していく上でも、また、交通の安全を確保する上でも、適切な対応を図っていくことが重要なテーマとなっています。  日本補聴器工業会の調べでは、加齢性難聴者の九割近い方が、補聴器の使用で生活の質が改善したと答えておられます。さらに、難聴を放置していると認知機能の低下に関与することも分かってきました。  しかし、補聴器は非常に精密な医療機器であり、片耳で三万円から二十万円、両耳だとその倍の費用がかかるため、年金生活での購入は大きな負担となります。  現在、国の補聴器購入への助成は、障害者手帳を持つ高度・重度難聴者が対象で、障害者手帳の対象とならない中等度以下の難聴者の補聴器購入には助成制度がありません。  そうした中、最近、一部の自治体では高齢者の補聴器購入に対し補助を行うところも出ており、今年度、都道府県レベルでは初めて、兵庫県が補聴器使用と社会参加活動の関連性調査の一環として、中等度難聴の高齢者を対象とした補聴器購入費助成を開始しましたが、財政的な負担も重いことから、全国的に見ても実施は一部の地域に限られております。  広島県では、身体障害者手帳の交付対象とならない軽度・中等度の難聴児に対する補聴器の購入費用の一部助成に限られております。  補聴器のさらなる普及は、高齢になっても生活の質を落とさず心身とも健やかに過ごすことができ、認知症の予防、ひいては健康寿命の延伸、医療費の抑制にもつながるものと考えられます。  また、独り暮らしの高齢者が増え続ける中、高齢者の孤独、孤立を防ぐためにも、社会参加活動など、人と人とが関わり合う機会が必要とされており、難聴高齢者の社会参加等に向けた適切な対応が求められているところです。  そこで、広島県も高齢者がいつまでも安全に、生き生きと暮らせるために、補聴器の購入費用の助成を行うべきであると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第五は、単身高齢者の住宅確保への支援についてお伺いいたします。  国立社会保障・人口問題研究所の推計によりますと、本県の人口構造は、二〇四〇年には県内人口が二百五十二万人に対して、六十五歳以上が八十六万人となり、三人に一人が高齢者となると予測されています。  単身高齢者世帯については、未婚率の増加や、核家族化の影響だけではなく、離婚や死別、子供が自立することで独り暮らしになるケースもあり、家族類型別世帯数では、県内総世帯数百十四万世帯に対して、六十五歳以上の単独世帯が全体の約二割、二十万世帯となると予測されています。  また、新聞の報道等によると、民間賃貸住宅のオーナーの七割以上が、高齢者世帯の入居に何らかの拒否感を感じているとの調査結果も出ており、高齢者は、民間賃貸住宅において、入居を拒まれ、住宅難民となるケースが少なくないものと想定されます。  こうした問題に対処するため、高齢者などの住宅確保要配慮者が入居しやすい賃貸住宅の供給促進を図ることを目的とした住宅セーフティネット法が、平成二十九年に施行されました。  県はこれに基づき、広島県居住支援協議会における、不動産関係団体や市町、福祉部門等と連携した民間賃貸住宅オーナーへの普及啓発活動や、高齢者等の住宅確保要配慮者の入居を拒まないセーフティーネット住宅の登録促進、入居前のマッチングや入居後の生活支援を行う居住支援法人の指定促進等を行うことにより、高齢者などが民間賃貸住宅への入居を拒まれることのない環境づくりに取り組んできたことは承知しておりますが、高齢者の住宅の確保は依然として困難な現状であります。  そこで、高齢者の方々が、住宅難民に陥らず、健康で安心して暮らせるよう、福祉部門とも連携しながら、さらに取組を強化していく必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  質問の第六は、医療的ケア児の支援センターの設置についてお伺いいたします。  厚生労働省によると、日常的にたんの吸引や人工呼吸器などが必要な医療的ケア児は推計で二万人を超え、過去十年でほぼ倍増しています。そうした医療的ケアが必要な子供とその家族を支援する医療的ケア児支援法が、昨年九月に施行されました。支援法では、医療的ケア児の居住地に関係なく、ひとしく適切な支援を行うことを基本理念とし、国や自治体の責務が明記され、各都道府県に家族からの相談対応や関係機関との連絡調整を担う支援センターを設置することができると盛り込まれています。  この支援センターの設置については、三月二十七日の中国新聞の報道によりますと、既に設置済みが五県、今年度中に設置予定が三十四都道府県、来年度中に開設予定が二府県で、合計四十一都道府県が設置済み、または設置予定となっていますが、広島県は含まれておりません。中四国地方でも、広島県以外は今年度中に設置される予定です。  広島県内でも、医療的ケアが必要な児童が登下校時に医療の支援を受けられず、保護者が送迎せざるを得ないケースや、保護者の負担が大きいため、通学を諦めるケースがあると聞いており、一刻でも早い支援体制の整備が必要です。  昨年九月定例会の一般質問において、我が党の田川議員から、設置に向けた県の対応を質問したところ、知事は、必要性について調査研究を行っていくと答弁されました。医療的ケア児とその家族の負担軽減、支援の充実のため、支援センターの設置など、支援体制の整備について、現在の状況及び今後の取組について、知事にお伺いいたします。  質問の第七は、ヤングケアラーへの支援について、三点お伺いいたします。  初めに、ヤングケアラーの実態調査についてです。  家族の介護や幼い兄弟の世話に追われる十八歳未満の子供、いわゆるヤングケアラーの背景には、少子高齢化や核家族化の進展、共働き世代の増加、家庭の経済状況の変化といった様々な要因があり、家庭内のデリケートな問題であることや、本人や家族に自覚がないといった理由から、表面化しにくい構造となっています。  こうした中、厚生労働省と文部科学省が昨年の中学・高校生への実態調査に続き、今年は小学生に対する実態調査を実施し、改めて深刻な実態が明らかとなりました。  これによると、世話をしている家族がいると答えた子供の割合は、小学六年生は六・五%、中学二年生は五・七%、高校二年生は四・一%となっています。  ヤングケアラーの実態は、高齢化率や少子化率など、地域によって実情が異なることから、国は具体的な支援を行うため、都道府県や政令市等により詳しい実態調査を行うよう促しています。今回の国の調査結果を踏まえ、本県の実態と課題をどう捉えているのかについて、知事にお伺いいたします。  二点目は、支援体制の整備及び周知啓発についてです。  ヤングケアラーは、年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負うことで、本人の育ちや教育に影響があるといった課題があり、その心身の健やかな育ちのためには、関係機関、団体等がしっかりと連携し、ヤングケアラーの早期発見、支援につなげる取組が必要です。  しかし、様々な観点から行う必要があるヤングケアラーの支援は、所管する部局が多岐にわたります。例えば、子供の支援は福祉の観点から福祉部局が行う必要がありますが、子供たちが多くの時間を過ごす学校でも対応が不可欠となるため、福祉部門と教育部門の連携が欠かせません。また、子供のケアを受け入れる家族への支援も、介護が必要な場合と医療が必要な場合で担当部局が異なり、さらに、介護が必要な場合でも、高齢者と障害者で担当が異なります。個々の事案に応じて関係機関が異なるため、多くの自治体で必要な連携が十分に行われていない状況です。  こうした行政の縦割りを超えてヤングケアラーの支援を始めている自治体があります。  先日、視察に伺った神戸市では、支援の対象を、十八歳未満の児童だけでなく、二十代の方も含めるとともに、市民に伝わりやすい名称として、こども・若者ケアラーとしています。また、福祉局政策課の所管であり、課長、係長は介護保険課、障害者支援課、障害者更生相談所を兼務し、福祉の専門職を採用して、福祉に習熟された方が担当しておりました。学校や福祉などの関係者に、少しずつではありますが、ヤングケアラー支援の視点が広がったことで、相談支援窓口へつながるケースが出てきているそうです。そして、教育現場と福祉現場の関係者が区別支援会議などを通じて、情報共有や支援計画を策定し、家族全体を見る視点を持って家族支援を行うことで、ヤングケアラーのケア負担が軽減されるケースが出てきているそうです。  また、兵庫県は、県内四十七市町のうち神戸市を除いた四十六市町の窓口としてのつなぎ役を担うとして、この六月から新たに相談窓口を設けることといたしました。
     国の調査によると、ヤングケアラーの六割以上が、誰にも相談したことがないと回答しています。誰一人取り残さない社会の実現に向けて、まずは、気軽に相談できる窓口を県に設置し、子供やその世話を受ける家族の実情に応じて、福祉や医療、介護など適切な支援機関へのつなぎ役となるコーディネーターを配置するなど相談体制の構築や、ヤングケアラーの周知啓発を行うべきではないかと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  三点目は、学校現場での取組についてです。  学校の教職員は子供と接する時間が長く、授業や生活面の指導等を通じて子供の日々の変化に気づきやすいことから、こうした潜在化しがちなヤングケアラーを早期に発見できる機関の一つとして、非常に重要な役割を担っています。  しかし、厚生労働省が四月に公表した小学校への調査結果によると、ヤングケアラーという言葉は知っているが、学校として特別な対応をしていないと答えた学校が五一%に上り、ヤングケアラーと思われる児童についても、外部の支援につないでいない、学校内で対応していると答えた学校が四二・七%に上るなど、学校現場における対応は、十分に取れているとは言えません。  子供たちに一番身近に接している教員が、日頃から子供本人の観察や、例えば、保護者面談や各種行事等、保護者が学校に関わる様々な機会において、ヤングケアラーの特性を踏まえて子供本人や保護者と接することで、家庭における子供の状況に気づき、福祉部局への橋渡しなど、必要な支援につなぐことが可能となります。  神戸市では、相談に来られた方やスクールソーシャルワーカーがヤングケアラーに気づくためのツールとして、チェックシートを活用しています。このチェックシートは、例えば、遅刻が多く時間どおりに登校できない、家庭の事情で早退することが多く休みがちであるなど、ヤングケアラーの特性を項目化し、チェックすることで早期発見、予防につなげるものです。こうしたチェックシートを教員の気づきを促すためにも、ぜひ学校現場でも活用してはいかがでしょうか。  教員がヤングケアラーとなっている子供たちに気づき、必要な支援機関への橋渡しができるよう、学校におけるヤングケアラー支援体制の充実にどのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いいたします。  質問の第八は、地域で活動するNPO法人等に対する支援についてお伺いいたします。  私の地元、福山には、グリーンラインを愛する会というNPO法人があります。グリーンラインとは、水呑町洗谷から鞆町後地までを結ぶ延長十四・七キロメートルに及ぶ県道二百五十一号、後山公園洗谷線の通称です。一九七四年四月に後山有料道路として開通して六年後の一九八〇年四月に無料化されて以降、利用者は大幅に減少し、路面は荒れ、人けのなくなったグリーンラインは家庭ごみや産業廃棄物などの格好のごみ捨場となるなど、すさまじく荒廃していきました。  こうした状況を見かねた地域の方々が、大規模な清掃活動や公園の整備、沿道への桜の植樹など、グリーンラインとその沿線の緑と環境を守り、地域住民の憩いの場として、観光の拠点として、官民協働で整備、維持することを目指して活動しております。  また、別所砂留を守る会という団体があります。別所砂留は、福山市芦田町にある江戸時代に福山藩が築造された、集落や田畑を守るための石積みによる砂防施設です。一度は山に埋もれていた砂留群を、地元の有志により樹木の伐採や林道の整備を行い、さらにまちづくりの事業として整備を進め、その全容が明らかになった結果、先人の高い技術と地域活動が評価され、土木学会選奨土木遺産として、福山市で初めて認定されました。  これらの団体は、地域行政だけでは行うことができない地域の課題に取り組み、地域の価値を高め、住民の方々の地域に対する愛着や誇りを深めるという尊い活動を行っております。広島県内には、福祉、環境、まちづくり等様々な分野の社会貢献活動を行う団体がほかにも多くあります。広島県知事が認証したNPO法人だけでも、令和四年五月三十一日現在、四百三十五団体あります。  こうした団体の多くが、地域の方々の善意によって成り立っていますが、メンバーの高齢化や長引くコロナ禍の影響で様々な活動が中止に追い込まれるなど、安定した活動の継続が難しくなっている団体も少なくありません。  県民が行う自由な社会貢献活動の健全な発展を促進するためにも、こうした地域の活性化に向けた取組を行うNPO法人等を、県が積極的に支援していく必要があると思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。  以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 31: ◯議長中本隆志君) 当局の答弁を求めます。知事湯崎英彦君。         【知事湯崎英彦君登壇】 32: ◯知事湯崎英彦君) まず、G7サミットの開催に向けた取組についてお答え申し上げます。  ウクライナ侵略におきまして、ロシアは、核兵器による威嚇や使用の示唆を繰り返し、世界中の人々に大きな不安と恐怖を与えており、核兵器廃絶に向けた情勢は、かつてないほど厳しい状況となっております。  国際社会や政治リーダーには、核兵器の存在そのものが大きなリスクであり、核兵器廃絶以外に解決策がないことを改めて認識していただく必要があると考えております。  こうした状況において、来年のG7サミットが広島で開催されることは、核兵器国を含む各国の首脳に、被爆の実相に触れ、核兵器の非人道性を十分に認識していただき、核兵器の惨禍を人類が二度と起こさないとの誓いを国際社会に示していただく、またとない機会となるものと期待しております。  この絶好の機会に、核兵器廃絶に向けた議論を進めるためには、国際機関、経済界、市民社会など、多様な主体の参画を促し、その声を集めて発信し、国際世論を喚起していくことが非常に重要でございます。  こうした中、県及びへいわ創造機構ひろしまでは、安全保障や非人道性といった側面に加え、人類と地球の持続可能性という新たな側面から、核兵器廃絶を国際社会へ働きかけていくため、国際市民社会グループとして、今年四月にグローバル・アライアンスを立ち上げたところでございます。  今後は、G7サミットが開催され、SDGsの中間年にも当たる二〇二三年に向けて、国際的、分野横断的な観点から、核兵器廃絶と持続可能性に関する提言を策定し、SNSを活用した世界的なキャンペーン活動等の取組を行ってまいりたいと考えております。  また、こうしたグローバル・アライアンスの取組に加えて、幅広いステークホルダーによる議論の場を提供し、そこでの提案等を集約してG7サミットへ届けるとともに、広く国際社会に発信していく取組なども検討してまいります。  県といたしましては、G7サミットという好機に、平和のシンボルとしての広島の場の持つ力を生かし、様々な主体と力を合わせて、核兵器廃絶の実現に向けた具体的な進展への新たな一歩が踏み出せるよう、しっかりと取り組んでまいります。  次に、ウクライナ避難民の受入れについてでございます。  本県では、六月十二日現在、広島市、福山市などにおきまして、三十人の避難民の方を受け入れており、ロシアによるウクライナ侵略の長期化が懸念される中、今後も受入れ人数の増加が見込まれるところでございます。  既に避難された方からは、就職、教育、子育て、医療、福祉、日本語学習といった滞在の長期化を見据えた相談が県や受入れ市町へ多く寄せられるようになっております。  こうした中、県や受入れ市町では、避難民の方御本人や身元保証人との対面での相談を重ねるなど、丁寧に避難民の方のニーズや意向を伺うとともに、聞き取った内容については、県、市町で共有し、必要に応じて、県が中心となって国や企業、支援者等と調整することで、日本語教室への参加、就労や子供の就学などが円滑に行われるよう、きめ細かな支援を行っているところでございます。  あわせて、滞在が長期化する中、避難民の方が孤立せず、社会生活をより有意義に送ることができるよう、生活の様々な場面における言葉の壁を可能な限り取り除いていくことが重要であると認識しております。  このため、新たに始まった民間企業による自動翻訳機能の備わったスマートフォン無償貸出しサービスなども取り入れながら、避難民の方が母国の親族、友人をはじめ県内の支援者、行政等とも、より一層のコミュニケーションが図られる環境構築に取り組むとともに、生活相談の対応や行政等との橋渡し役を担うキーパーソンの発掘を進め、避難民の方のコミュニティー形成促進にも取り組んでまいります。  今後とも、受入れ市町と緊密に連携したきめ細かな支援を行うことを基本に、県庁内において様々な分野の課題に取り組む、外国人材の受入・共生対策プロジェクト・チームや、国や市町との連携組織であるひろしま多文化共生連絡協議会を活用して情報共有を図りつつ、避難民の方が、滞在の長期化に伴う様々なニーズに沿った支援が得られ、孤立せず安心して暮らせる環境づくりを進めてまいります。  次に、孤独・孤立問題への取組についての御質問でございます。  人口減少、少子高齢化による家族形態の多様化や単身世帯の増加、個人の価値観やライフスタイルの変化などによって、人と人とのつながりの希薄化が進む中で、今回のコロナ禍を契機として、これまで以上に孤独、孤立の問題が顕在化しており、生活困窮等への支援はもとより、心身の健康面への影響も踏まえて、当事者に寄り添い、細やかな対策が必要であると認識しております。  孤独、孤立の背景といたしましては、様々な要因が考えられますが、経済的な課題につきましては、新型コロナウイルスの影響を受けた方を対象とする生活福祉資金の特例貸付けを行う際に、併せて、生活に寄り添った相談支援を行っております。  また、精神的な課題につきましては、労働環境や生活環境等の変化による様々なストレスを抱える方と心の不調を感じる方に対して、電話や対面、SNSによる相談支援を行っております。  さらに、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う行動制限や活動自粛による影響を受けて、希薄化した地域内のつながりの回復が求められる中で、住民が身近な地域で出会い、交流し、支え合うことができる活動機会の創出や、地域でのつながりづくりを担う人材の育成、分野、属性を問わない包括的な相談支援が展開される市町の取組への支援などの取組を拡大しているところでございます。  県民の皆様の誰もが、社会的に孤立することなく、住み慣れた地域でつながり、生きがいや役割を持ち、助け合いながら生き生きと暮らしていくことができる地域共生社会の実現を目指して、コロナ禍で顕在化した様々な生活課題や生きづらさを抱える方々に対して、必要な支援を届けることができるよう、引き続き、市町や関係団体等とも連携して取り組んでまいります。  次に、医療的ケア児の支援についてでございます。  医療技術の進歩等に伴い医療的ケア児が増加するとともに、実態が多様化し、個々の心身の状況に応じた適切な支援を受けられるようにすることが重要な課題となっていることから、地域の保健、医療、福祉、教育等の関係機関が緊密に連携して支援する体制を整備していく必要があると認識しております。  県では、家族などの負担軽減の取組としてショートステイの充実とともに、医療的ケア児に対応できる看護師、介護従事者の人材育成や、地域における地域支援体制の整備に向けて、コーディネーターの養成及び市町への配置の促進に取り組んでいるところでございます。  また、医療的ケア児の実態が多様化していることを踏まえ、医療的ケア児とその家族の生活状況や支援ニーズなどを把握するため、関係医療機関の協力の下、本年一月から三月にかけて実態調査を実施いたしました。  現在、調査結果を集約しているところでございますが、その中で、情報案内や相談の窓口が分からないこと、保護者等の心身の負担や将来の不安に関する支援が必要といったことが、課題として挙げられているところでございます。  県といたしましては、このたびの調査結果を踏まえまして、医療的ケア児とその家族のニーズなどを的確に把握した上で、市町や関係機関とも共有し、家族などからの相談を必要な機関へつなげていく仕組みの構築を推進するとともに、医療的ケア児支援センターについても検討を進めてまいります。  今後とも、市町及び関係機関と連携し、医療的ケア児とその家族の負担や不安が軽減され、安心して生活できるよう、支援体制の整備に取り組んでまいります。  その他の御質問につきましては、担当説明員より答弁させていただきます。 33: ◯議長中本隆志君) 健康福祉局長木下栄作君。         【健康福祉局長木下栄作君登壇】 34: ◯健康福祉局長木下栄作君) 三点のお尋ねがございました。  まず、難聴高齢者への補聴器購入補助制度についてお答えいたします。  高齢者が、難聴などにより生活機能が低下しても、住み慣れた地域でつながり、生きがいや役割を持ち、生き生きと暮らしていくことが重要であると認識しております。  補聴器購入費につきましては、障害者総合支援法に定める補装具として、聴覚障害の身体障害者手帳の交付を受けている方や、難病患者の方を対象とした国の補装具費支給制度により、本県では、令和三年度実績で、六百八十六件の支援を行っております。  また、現在、国において、難聴高齢者の補聴器利用による認知症の発症リスクの軽減等について研究が進められているところであり、この研究成果や、これを踏まえた国の動向を注視してまいりたいと考えております。  次に、ヤングケアラーの実態調査についてお答えいたします。  国において、昨年度までの二か年にわたり実施された実態調査及び県が昨年度実施いたしました県内市町に対するアンケート調査により、本県においても、一定数のヤングケアラーが存在しているものと承知しております。  これらの調査では、当事者の約四割が、自身がヤングケアラーであることに気づいていないこと、誰にも相談せずに自身で抱え込む場合や、相談先が分からない等の理由により、相談支援機関につながっていないこと、支援機関において、家族の負担にも配慮した適切なサービスが提供されていないこと、支援機関同士の横の連携の不十分さなどから、必要な支援が届いていないことなど、様々な課題が浮き彫りになっております。  このことから、ヤングケアラーの負担が軽減され、真にその心身の健やかな育ちにつなげるためには、本人や周囲が気づき、相談機関等につながり、適切な支援が行われることが重要であると考えております。  次に、支援体制の整備及び周知啓発についてお答えいたします。  本人や周囲が気づき、相談機関等につながり、適切な支援を届けるため、動画やポスター、チラシ等を活用した啓発、ヤングケアラーからの相談に対応できる窓口の周知など、気づきやつながりを促す取組とともに、家族介護教室の開催、認知症や難病に対応した相談窓口の設置、介護用品の支給といった介護サービスの提供など、家族の介護にかかる負担を軽減する支援を、市町や関係機関等と連携して実施しているところでございます。  今後とも、県内市町における実態調査や相談支援の取組、また、国の動向などを注視しながら、ヤングケアラーを取り巻く関係者の連携を促し、必要な福祉・介護サービスにつながるよう検討を進めてまいります。 35: ◯議長中本隆志君) 都市建築技術審議官上田隆博君。         【都市建築技術審議官上田隆博君登壇】 36: ◯都市建築技術審議官上田隆博君) 単身高齢者の住宅確保への支援についてお答えいたします。  本県におきましても、バリアフリー化など高齢者等に配慮された民間賃貸住宅が十分に供給されていないことや、単身高齢者の入居が拒まれやすいといった状況があり、高齢者の方々が、安心して暮らし続けることができる住宅セーフティーネットの構築は、重要な課題であると認識しております。  これまで、広島県居住支援協議会において、市町や福祉部門、不動産関係団体等と連携しながら、居住支援法人の指定やセーフティーネット住宅の登録の促進などに取り組んでまいりました。  その結果、居住支援法人につきましては、昨年度から九団体が増加して十四団体となり、セーフティーネット住宅の登録につきましては、昨年度から手数料を撤廃したことなどにより、本年五月末時点で八千四百三十六戸と大幅に増加するなど、一定の成果が出ているところでございます。  また、県営住宅におきましても、六十歳以上の単身入居を認めるとともに、単身高齢者向け住宅の拡充やデジタル技術を活用した緊急通報システムの設置、段差解消などのバリアフリー化に取り組んでいるところでございます。  さらに、本年三月に策定した、県の「住生活基本計画」におきましては、地域におけるきめ細かな居住支援を実現するため、市町による居住支援協議会の設立を新たな目標として掲げており、市町の体制構築に対する支援を行うなど、設立に向けた後押しをしているところでございます。  県といたしましては、単身高齢者などの住宅確保要配慮者が、円滑に民間賃貸住宅へ入居できるよう、引き続き、居住支援協議会における市町や福祉部門、関係団体などと連携を強化しながら、住宅セーフティーネットの構築を積極的に推進してまいります。 37: ◯議長中本隆志君) 環境県民局長新宅郁子君。         【環境県民局長新宅郁子君登壇】 38: ◯環境県民局長(新宅郁子君) 地域で活動するNPO法人等への支援についてお答えいたします。  人口減少や少子高齢化など、社会経済情勢が大きく変化し、個人の価値観やニーズも多様化する中で、公益活動を担っていくNPO法人等の役割はますます大きくなっており、NPO法人等が地域において、健全で活発な活動を行うことが魅力ある地域社会につながるものと考えております。  県におきましては、NPO法人等の自由で自発的な活動を尊重しつつ、福祉、環境、まちづくりなどの様々な分野において、方向性が合致する百を超える事業について協働して取り組んでいるところでございます。また、NPO法人に対する県民の皆様の理解と信頼を高めるための、活動内容等の情報発信、経営や人材育成を支援するための実務者研修の開催などを行っております。加えて、コロナ禍において、寄附金や会費収入が半減するなど、多くのNPO法人等の活動の継続が困難となった際には、緊急的な支援も実施したところでございます。  一方、市町におきましても、地域課題の解決に取り組むNPO法人等に対し、活動場所の提供や費用の補助などの支援が行われております。  今後とも、市町などと連携しながら、自主的、自立的な活動を促進しつつ、地域の実情や社会経済環境の変化に応じて必要な支援を行い、県民の皆様に身近な社会貢献活動が活発に展開されるよう取り組んでまいります。 39: ◯議長中本隆志君) 教育長平川理恵君。         【教育長平川理恵君登壇】 40: ◯教育長(平川理恵君) ヤングケアラーへの支援に対する学校現場での取組についてお答えいたします。  小学校を対象とした昨年度の国の報告書におきまして、ヤングケアラーと思われる児童について、外部の支援にはつなぐことができていない学校が一定数あることが想定されております。  各学校におきましては、教職員が日々、児童生徒の家庭環境に対しての理解に努めておりますが、県教育委員会では、ヤングケアラーの存在に気づき支援機関への橋渡しが行えるよう、家庭や関係機関との連携の中心となる生徒指導主事や保健主事を対象とした研修において、講義等を行ってきたところでございます。  加えて、昨年十二月、健康福祉局におきまして、ヤングケアラーの理解促進と相談窓口や支援機関を紹介する普及啓発用動画が作成されたところでございます。  県教育委員会におきましては、この動画を各県立学校及び各市町教育委員会に周知するとともに、本年度からは、生徒指導主事研修をはじめ様々な研修において、視聴を促しているところでございます。  今後とも、各学校において、支援が必要な児童生徒に気づき、他機関への適切な橋渡しができるよう、他の自治体等の取組事例を共有するなど、健康福祉局と連携して、ヤングケアラーの支援体制の充実に努めてまいります。 41: ◯議長中本隆志君) 明日も引き続いて質問を行います。明日は午前十時三十分から会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。         午後三時十分散会 発言が指定されていません。 広島県議会 ↑ 本文の先頭へ...