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12月09日-05号

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  1. 奈良県議会 2021-12-09
    12月09日-05号


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    令和 3年 11月 定例会(第348回)令和3年11月         第348回定例奈良県議会会議録 第5号               令和3年12月9日(木曜日)午後1時開議   --------------------------------    出席議員(41名)      1番 小村尚己        2番 樋口清士      3番 植村佳史        4番 川口延良      5番 疋田進一        6番 山中益敏      7番 亀甲義明        8番 階戸幸一      9番 小林 誠       10番 浦西敦史     11番 池田慎久       12番 西川 均     13番 乾 浩之       14番 松本宗弘     15番 大国正博       16番 太田 敦     17番 佐藤光紀       18番 清水 勉     19番 阪口 保       20番 井岡正徳     21番 田中惟允       22番 中野雅史     23番 奥山博康       24番 荻田義雄     25番 岩田国夫       26番 小林照代     27番 山村幸穂       28番 尾崎充典     29番 藤野良次       30番 和田恵治     31番  欠員        33番 米田忠則     34番 出口武男       35番 粒谷友示     36番 秋本登志嗣      37番 小泉米造     38番 中村 昭       39番 今井光子     40番 森山賀文       41番 田尻 匠     42番 山本進章       43番 川口正志    欠席議員(1名)     32番 国中憲治   --------------------------------    議事日程 一、当局に対する一般質問 一、追加議案一括上程 一、知事提案理由説明 一、議案の常任委員会付託   -------------------------------- ○議長(荻田義雄) これより本日の会議を開きます。   -------------------------------- ○議長(荻田義雄) この際、お諮りします。 追加議案の上程を本日の日程に追加することにご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) ○議長(荻田義雄) ご異議がないものと認め、さように決します。   -------------------------------- ○議長(荻田義雄) ただいまより、当局に対する一般質問を行います。 順位に従い、26番小林照代議員に発言を許します。--26番小林照代議員。(拍手) ◆26番(小林照代) (登壇)日本共産党小林照代です。 通告しました4点について、一般質問を行います。 初めに、奈良県の食料の自給対策についてです。 農林水産省は8月25日、2020年度の食料自給率が前年度比で1ポイント低下の37%になったと発表しました。米が不作だった1993年度や天候不順だった2018年度を下回り、1965年の統計開始以降で最低を更新しています。 政府は、2030年度の食料自給率を45%とする目標を掲げていますが、10年以上、30%後半で推移しており、達成できるか不透明な状況です。 新型コロナウイルス感染の世界的な爆発の中で、食料自給率が過去最低を記録したことは、日本の異常な外国依存の危うさを改めて浮き彫りにしました。コロナ禍の下で世界の飢餓が悪化しています。国民の食料を自国で賄うことの重要性が、改めて明らかになっています。 奈良県の耕地面積や農産物の販売額は、東京、大阪などと並んで全国でも最下位クラスです。県民の食料自給率は僅か14%であり、ほとんどの食料を他県や他国に依存しています。国の食料自給率の向上は都道府県での自給率に連動します。奈良県は7人に1人しか自給できない汚名を返上して、国の目標とする自給率以上に早期に達成させる必要があります。 米価はコロナ禍で外食向けの需要が落ち込み、昨年に続いて大暴落です。1俵あたりのコストは1万4,000円から1万5,000円かかるのに、1万1,000円ではとてもやっていけないと、2年連続の米価下落が米農家を経営危機に陥れています。こうした多くの農家が米作りから撤退すれば、地域農業の崩壊と食料不足の事態を招きかねません。 輸出力を高め、県外に農産物の販売を増やすため、東京都中央卸売市場の取扱高の目標設定を行う一方、県内食材活用割合を引き上げる施策に消極的な県の姿勢は、県内農家の願いとは逆行していると言わざるを得ません。目標設定すべきは、全国最下位クラスの自給率の引上げ設定と、それを実現する施策です。 食と農の振興部長にお尋ねします。 日本の食料自給率は先進国の中で最も低く、本県の食料自給率も国よりも低い中で、県として食料自給率を引き上げる目標を設定し、それを実現する施策が必要ではないでしょうか。また、奈良県の農作物で最も大きな販売額を占める米の生産減少は、食料自給率の減少にもつながるため、米作り農家への総合的な支援策が必要と考えますが、いかがでしょうか。 次に、福祉の奈良モデルを支える人材についてです。 県は福祉の奈良モデルの基本的な考え方につき、1、困っている人を誰一人排除せず助ける、2、地域の人的、物的資源を活用してチームをつくる、3、寄り添い型福祉モデルの構築とし、それを進めるための第4期奈良県域地域福祉計画策定作業が進められています。私も県議会の代表として計画の策定委員になっておりますが、その理念は、すべての県民が地域の一員として包摂され、安全で安心して暮らすことができる地域社会の実現を目指すとされています。 すべての県民が安全に安心して暮らすことができる地域社会は、県民にとって理想的な社会であり、すべての人が待望する社会であることに違いはありません。 ところで、福祉の奈良モデルの考え方を進めるためには、地域づくりに関わるマンパワーが必要であり、マンパワー確保のための財源が必要であり、県が責任を持って、人を増やすことが求められると考えています。 地域住民が困っている状態を把握し、適切な支援につなげていくために、その基盤になるのは地域の人々を支える支援体制の強化と包括的な体制の構築です。地域住民の困りごとを把握し、課題を見極め、解決手段を検討し、支援機関へつなぐ、その役割を担える人の確保です。 現在、地域支援コーディネーターとして、地域福祉の推進役をされているのは、奈良市など幾つかの社会福祉協議会に配置されているコミュニティソーシャルワーカーです。 現行の第3期奈良県域地域福祉計画の県域における地域福祉の取組のイメージには、地域で困りごとを抱えている住民を把握し、必要な機関と地域をつなぎ、地域づくりの支援を行う専門職として、コミュニティソーシャルワーカーが位置づけられています。 コミュニティソーシャルワーカーは地域の支援体制づくりの核です。 奈良市社会福祉協議会には、現在15人の地域支援コーディネーターがいますが、奈良市の小学校区は46です。民生・児童委員さんも46人、当面中学校区21人を目指すとのことでした。 福祉医療部長にお尋ねします。 県では、コミュニティソーシャルワーカーの役割や配置の目標をどのように考えておられますか。また、専門性と責任を有するコミュニティソーシャルワーカーは、市町村職員や県からの派遣職員など、正規職員として少なくとも全ての小学校区に配置すべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、介護従事者人材確保についてです。 2000年4月にスタートした介護保険制度は、発足して22年目を迎えました。このような中、昨年、新型コロナウイルス感染拡大という非常事態が発生しました。国はコロナ禍非常事態にあたり、介護現場が求めている事業所の減収への補償など救済策には応えず、制度の改定を進めています。 介護保険制度は3年ごとに事業計画が改定され、21年度から8期目に入っていますが、改定されるたびに保険料は上がり、利用料の負担も増える一方、介護認定は厳しさを増し、サービスが利用しにくくなっています。 介護保険制度は、家族介護の負担を減らし、介護を社会全体で支える仕組みとして、つまり介護の社会化を理念に始まりました。しかし、制度の見直しのたびに給付抑制が進められ、今や介護保険制度は、繰り返される制度改定の中で、スタート時の理念が葬り去られ、このコロナ禍で介護の社会化が介護の再家族化へ進むのではと危惧されています。 その中でとりわけ深刻なのは、介護従事者の不足、ケアマネジャーの不足です。読売新聞の調査でも、9割の自治体が介護保険制度は維持困難であり、その最大の理由は人手不足だと述べています。 特にヘルパー事業高齢者中心労働力編成になっています。平時の介護ですら業務が回らない現状がありながら、コロナ禍の下では自身の感染不安、あるいは事業所の感染対策方針により、出勤を控えるため、ヘルパーの数が確保できなくなり、サービス提供が困難になる事例も次々発生しました。 先日、医療法人が経営するヘルパーステーションに伺いました。そのステーションが、訪問している利用者は230人、そのうち6割が高齢者、4割は障害者でした。常勤ヘルパーは8人、登録ヘルパー40人でした。ヘルパー平均年齢は60歳代後半、65歳以上が5割、最高は78歳、けがや病気で辞める人、休む人と、雇用管理も大きな負担になっていました。 また、登録ヘルパーは自宅から利用者宅へ訪問し、決められた時間の介護を終えると自宅に帰るという、直行直帰型の勤務が認められており、不規則勤務に加えて、訪問している利用者が入院などすれば、予定していた仕事がなくなり、大変不安定な就労を余儀なくされています。このような不安定就労の上に、介護保険制度の改変により、当初認められていた訪問時間が短縮され、ヘルパーの活動が細切れになり、利用者に寄り添い、その訴えを聞く時間もなく、利用者の自立を支援するというヘルパーのやりがいと必要性が置き去りにされていっています。 事業所側としては、高齢者に加え障害者の訪問もしなければ、事業体の運営が厳しく、10歳代の発達障害者の訪問では、リストカットをする子どもの対応を迫られたヘルパーもあり、専門性やスキルを高めることが欠かせない仕事です。 コロナ禍でも訪問看護は行ってくださいと言われ、非常勤の人には頼めないので、僅かな正規職員で回さざるを得ず、燃え尽き症候群になった人もあったと言われました。 こうした人材不足で、過酷な介護現場の状況は、ヘルパーステーションに限らずどこの介護事業所でも起きていることではないでしょうか。 介護人材不足の大きな要因として、専門性と高いスキルが求められる仕事でありながら、他業種に比べて処遇改善が遅れており、平均月収で約10万円の格差があると指摘されています。 そこで、福祉医療部長にお尋ねします。 家族介護の負担を減らし、介護を社会全体で支える仕組みである介護保険制度において、その中心的な役割を果たしている介護職の県内における人材不足に対して、県では処遇の改善も含めてどのように取り組んでおられますか。 最後に、精神障害者の保健・医療・福祉についてお尋ねします。 近年、精神科を受診する人は約420万人、精神疾患はがん、心筋梗塞、脳卒中、糖尿病と並ぶ重点疾患となっています。心の健康を守る施策の充実は、今、国民的課題となっています。 我が国の精神医療は、世界的に例を見ない隔離・収容を中心とする政策が長年行われてきました。 戦後、新しい憲法の下で、1950年に精神衛生法が制定され、私宅監置が禁止されましたが、精神障害者は、それまでは、危害を加える者として座敷牢という鍵のかかった暗い家屋の1室に閉じ込められ、その一生を送らなければなりませんでした。 国が1958年に医療法に精神科特例で、医師数は一般科の3分の1、看護師・准看護師数は一般科の3分の2と規定し、精神病院の大増床を進めました。精神科は少ない人員でよいという精神科差別の特例によって、医療現場では身体的拘束などの人権侵害が、半世紀以上を経た現在まで続いています。 精神科特例の撤廃が求められます。 1980年代に、患者への虐待や暴行致死など、人権上の問題を含む宇都宮病院事件が発覚したことを契機に、精神医療の見直しが始まり、87年には精神衛生法精神保健法に改称され、95年には精神保健福祉法となり、精神障害者に対する福祉に法的根拠が位置づけされ、精神障害者保健福祉手帳制度ができました。 近年、精神科外来の患者数が増加し、新規入院患者入院期間の短縮、統合失調症入院患者減少などで、平均在院日数は短縮していますが、しかし、約1,400人がこの奈良県でも1年以上の長期入院となっており、入院患者の約6割が65歳以上の高齢者となっています。 2000年代に入り、精神障害者を取り巻く状況が大きく変わってきました。2004年に厚生労働省は、入院医療中心から地域生活中心へをスローガンにした精神保健福祉施策改革ビジョンを出して、アウトリーチ医療精神科救急体制、認知症と精神医療などの具体化が進められています。 先日、ご案内をいただき、精神障害者家族精神障害者生活実態を明らかにすることにより、家族が安心して暮らしていくことや、精神障害者社会参加を促進していくための必要とされる支援施策を検討し、今後の家族会運動にいかしていくことを目的として、奈良県精神障害者家族会連合会家族ニーズ調査報告会に参加いたしました。 80歳代の親が50歳代の本人をケアしなければならない8050問題や、7040問題が私たちの身近なところにじわじわ押し寄せてきていますが、本来、社会的支援がされるべきケアの多くを家族が担わざるを得ない現状が、この調査から明らかにされ、私自身、精神障害者の家族とともに過ごしたつらかった日々や、就職した精神科の病院で30年以上にもなる入院でうつろに時を過ごしている障害者の皆さんと向かい合った日々がよみがえってきました。 この調査の調査委員長を務められた塩満卓佛教大学准教授は、社会的支援があるべきケアの大部分を家族が無償で担っている現状を報告され、家族によるケアは時間がたてば必ず消滅すると、家族任せからの脱却を訴えられました。 アンケートでは、家族の経験から、どのようなサービスが必要ですかの問いに、困ったときに相談に乗ってくれるが76%と最も多く、相談できる専門家に会えるまでに10年以上を要している人が3割以上を占めており、家族が相談相手に会えるまでの時間がより短くなる仕組みが必要です。 また、当事者の病状が悪化したとき、求められる支援は、精神保健、医療、福祉の専門家が訪問して働きかけてくれること、どのように対応したらよいかを24時間相談に乗ってくれるなど、訪問支援や24時間の電話相談で、本人や家族に寄り添う支援です。 そこで、医療政策局長にお尋ねします。 精神障害者の病状が悪化したときの訪問支援であるアウトリーチ、さらに夜間・休日に緊急事態が起きたときや、本人・家族が急に不安を感じたときの相談支援体制はどのようになっていますか。 また、家族だけでは対応困難な事態が生じたときに速やかに相談対応するため、保健所や市町村、事業所などでの相談支援体制の充実に向け、県はどのように取り組まれますか。 以上で、壇上からの第1問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(荻田義雄) 乾食と農の振興部長。 ◎食と農の振興部長(乾新弥) (登壇)26番小林照代議員より、私に対しまして、本県の食料の自給対策について、県として食料自給率を引き上げる目標を設定し、それを実現するための施策が必要でないか、また、米生産の減少は食料自給率の減少にもつながるため、米作り農家への支援策が必要と考えるがどうかのお尋ねでございます。お答え申し上げます。 本県の農家は、米以外には野菜、花き、茶などのカロリーの低い品目に強みを持って生産しており、必ずしもカロリーベース食料自給率を重視する必要はないと考えております。消費者が身近におられるという立地と本県農業の特性を生かし、本来、品質の良いものにさらに高い付加価値をつけて消費者にお届けするなど、ブランド力のある農業を推進することが重要であると考えております。 今年4月に策定いたしました奈良県豊かな食と農の振興計画においても、農業産出額の向上などを掲げ、食とそれを支える農に関する具体的な施策を、総合的かつ計画的に実施していく考えでございます。 次に、本県の米生産は、小規模な兼業農家が大半という構造になっております。加えて、農業者の高齢化や後継者不足により、米生産などを担う地域農業の担い手がさらに減少していくことが懸念されます。 このため、県では、米作りを含む地域農業の担い手として、集落営農組織の育成をすることとし、農地の集積・集約化や機械の共同化を進めるとともに、集落営農の組織化や法人化などを支援してございます。 また、担い手を確保するためには、もうかる農業を確立し、その姿を示すことで農業の将来性を感じてもらうことが重要であり、最近の新たな取組といたしまして、県下7地区で特定農業振興ゾーンを設定し、高収益作物への転換を図っております。 今後とも、豊かな食と農の振興計画に掲げた施策を着実に進め、担い手の育成、ブランド力のある農業の推進などにより、地域農業の振興を図ってまいります。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○議長(荻田義雄) 石井福祉医療部長。 ◎福祉医療部長石井裕章) (登壇)26番小林照代議員のご質問にお答えいたします。私に対しましては2問いただいております。 まず、福祉の奈良モデルを支える人材につきまして、コミュニティソーシャルワーカーの役割や配置の目標をどのように考えているのかというご質問でございます。お答えいたします。 県では、困っている人を誰一人取り残すことのない地域社会の実現に向け、福祉の奈良モデルの検討を行っており、地域住民の困りごとを把握し、適切な支援につなぐ仕組みについて議論を重ねています。 市町村においてこのような仕組みを構築し、実際に機能されるためには、地域住民の困りごとを世帯まるごと把握し、適切な支援につないだり、支援を必要とする人に寄り添ったり、住民が互いに支え合う地域づくりや地域の課題解決に向けた実践を行う人材の確保や養成が必要です。 議員お述べのコミュニティソーシャルワーカーは、この仕組みを支え、コーディネートを担う人材として重要な役割を果たすことが期待されています。 県では、引き続き研修等によりコミュニティソーシャルワーカーの養成を着実に行うとともに、市町村にその活用方策を具体的に提示することで、地域の限られた人的・物的資源を活用して、地域社会が困っている人を支える仕組みの構築を支援してまいります。 今後も、県は主体的に役割を果たすとともに、市町村と連携・協働しながら、全ての住民に居場所をつくり、誰一人取り残されることのない共生のまちづくりを推進し、全ての住民が安全で安心して暮らせる社会の実現を目指してまいります。 現在、県ではこのような考え方を示す「(仮称)奈良県地域福祉の推進に関する条例」の制定と、第4期奈良県域地域福祉計画策定準備を進めています。今後、有識者からの意見聴取やパブリックコメントを実施した上で、いずれも令和4年2月定例県議会へ提案したいと考えています。 次の質問でございます。介護従事者人材確保についてのお尋ねでございます。お答えいたします。 令和3年3月に策定した奈良県高齢者福祉計画及び第8期奈良県介護保険事業支援計画において、令和7年度には県内で約3,000人の介護職員が不足するものと見込んでおり、介護人材の確保は重要な課題であると認識しています。県では、介護職への参入促進離職防止定着支援、資質向上の3つの柱で人材確保の施策を推進しています。 具体的には、奈良県福祉・介護事業所認証制度により、職員が安心して働ける就業環境づくりや、キャリアアップ支援による人づくりを施設・事業所みずからが取り組むことを、県は推進しています。 また、認証事業所若手職員がPR隊となり、学生などの若い世代に対し、介護の仕事の魅力についてダイレクトに情報を発信する取組も進めています。このほか、シニア世代や外国人など、多様な人材が介護分野へ参入していただける取組も進めています。さらに、離職者で介護職未経験者の転職を促すため、介護に関わる一定の研修を修了し、介護職員として2年間従事すれば返済が免除される無利子の貸付制度を10月から開始しました。 介護従事者の賃金については、介護保険制度の中で改善が図られるべき課題として、利用者の負担増も考慮しながら、国において引き続き慎重に検討されるものと考えております。 県といたしましては、先ほど申し上げました認証制度普及促進による就労環境の向上に加え、地域医療介護総合確保基金を活用した介護職員キャリアアップ支援や、介護ロボット、ICTの導入支援による介護職員勤務環境における負担軽減に取り組んでいます。 今後も、多様な人材の参入を促す取組や、働きやすい職場づくりを通じて、介護従事者の確保につながるよう、今後も実効性のある施策を展開してまいります。ご質問ありがとうございます。 ○議長(荻田義雄) 平医療政策局長。 ◎医療政策局長(平夏来) (登壇)26番小林照代議員からのご質問にお答えさせていただきます。私には、精神障害者の保健・医療・福祉についてお尋ねいただきました。 まず、精神障害者の方の病状悪化時等のアウトリーチ型の支援や夜間・休日等の相談支援体制に関するご質問についてですが、県では、精神障害者の方の病状悪化や夜間・休日の緊急事態時に、本人や家族を迅速に必要な医療につなぐことが重要と認識し、関係機関と協力して精神科救急医療体制相談支援体制の整備に取り組んできました。 まず、アウトリーチ型の支援については、精神科の未治療や治療中断をされている方へ、保健所の精神保健福祉相談員保健師等の専門職が、同行による受診援助、訪問による受診勧奨等の支援を行っています。また、県の機関以外の精神科医療機関でも、通院が困難な方に対する訪問診療訪問看護ステーションによる健康管理療養指導等の支援が行われています。 次に、夜間・休日における精神障害者及び家族等からの相談窓口として、県立医科大学附属病院精神科精神科救急医療情報センターを設置し、精神科救急医療に係る必要性の判断、受診可能な精神科医療機関等情報提供、受診先となる精神科医療機関との連絡調整等を行っています。 併せて、精神科救急医療情報センターでは、精神障害者や家族等からの相談に対し、その内容に応じて適切な助言等を行っており、相談者の不安を軽減させることも相談機能の一つとしています。 今後も、研修会や事例検討会の開催の機会を設けるなど相談員のスキルアップのための取組や、適切な精神科救急医療体制を確保することで、本人・家族からの緊急的な相談にきめ細かく対応してまいります。 次に、地域での相談支援体制の充実に向けた県の取組についてお尋ねいただきました。 精神障害者への支援については、本人だけではなく家族についても、地域で気軽に相談に乗れる体制が必要と認識しています。 保健所への相談の中には、症状が悪化することにより、精神障害者が家庭内で暴れたり、家族への暴言や暴力についての相談があります。これについては、患者を適切な精神医療につなげたり、本人と家族が地域で孤立しないよう支援することが重要です。 そのため県では、保健所、市町村、相談支援事業所医療機関などが連携し、精神障害者やその家族を包括的に支援できるよう、措置入院者の退院後の受入先の確保など、障害福祉サービスにつなぐための取組や、地域での相談支援を充実するための人材育成となる取組を推進しております。 今後も家族会など、当事者の意見を十分にお聴かせいただき、支援体制の充実に努めてまいります。 以上でございます。ありがとうございました。 ○議長(荻田義雄) 26番小林照代議員。 ◆26番(小林照代) 再質問は、意見と併せまして自席からさせていただきます。 初めに、介護の人材確保については一言意見だけ述べたいと思います。 先ほどは就業環境の整備やキャリアアップなどの処遇改善も進め、そして介護職の仕事の魅力などにも分かってもらえるように取り組んでいるということですけれども、私は人材確保で最も求められているのは、介護職の低い賃金の引上げだと思います。 それで、先日政府が介護職や保育士などについて月9,000円の引上げを決めました。これは1桁違うのではないかと、低賃金と担い手不足の根本的解決は望めないとして、21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会が、また全ての介護福祉従事者の賃金を全産業平均と同等に引き上げることと、NPO法人暮らしネット・えんなどの介護事業者が声明や要望を出しておられます。 今、介護崩壊を招かないためには、介護職の賃金格差をなくすことが私は最優先だと思いますので、意見を述べておきたいと思います。 それから、食料の自給対策、そして米農家の支援の件ですけれども、今、ご答弁の中では、米農家の支援策というのは何一つありませんでした。現在奈良県では、水田が耕地面積の6割を占めておりますけれども、中山間地を中心に水田には耕作放棄地が広がっております。作付面積が約8千平方メートルまで落ち込んでいます。県下の市町村で見ますと、米農家に営農を続けてもらうために、土地改良区の分水負担金の免除や減額の補助、ウンカ被害防止のための無償での農薬散布、そういった支援を行っていますが、これに県は応分の財政支援を行って、さらに県独自の所得補償制度等を考えるべきではないでしょうか。これ以上の米の減産は、自給率をさらに引き下げるものになります。 それから、自給率の問題ですけれども、カロリーベースなので問題はないというふうなお話でした。今日お配りしました資料を見ていただいても、生産額ベースでも、奈良県は非常に低いです。自給率が低いのです。 それで、今、どのような状況になっているかということなのですけれども、実は私たちは現在でも、自分が体を動かすためのエネルギーの3分の2を海外に依存しています。そしてコロナ禍によって、実はサプライチェーン、流通網が寸断されて、異常気象の頻発などで生産力が低下して、食べ物が手に入らないという事態がいつあってもおかしくないという状況になっております。 それで、2問目にお尋ねしたいのは、今、自給率の引上げ率が設定されていませんけれども、引上げのための目標値をもって依存から自立の奈良を目指すべきと考えますけれども、今後も自給率引上げの目標設定をするお考えはないのでしょうか。お尋ねいたします。 ○議長(荻田義雄) 乾食と農の振興部長。 ◎食と農の振興部長(乾新弥) 私に対しましては、食料自給率を今後県として設定する考えはないのかとお尋ねだったと思います。 そもそも食料自給率と申しますと、国内の農業生産の増大を図り、食料の安定供給を将来にわたって確保するため、国として目標が設定されてございます。小林照代議員お述べのように、カロリーベースと生産額ベースというのがございます。特にカロリーベースは先ほどお話をさせていただいたとおりでございますけれども、生産額ベースにつきましては、食料自給率という切り口ではございませんけれども、先ほど私の答弁もさせていただきましたけれども、奈良県豊かな食と農の振興計画においても、農業産出額の目標などは掲げておりますので、それに代わるものとしての役割を担うのかと思ってございます。 以上でございます。 ○議長(荻田義雄) 26番小林照代議員。 ◆26番(小林照代) 3問目は意見を述べたいと思います。 カロリーベース食料自給率の上げ幅の目標を、ぜひ設けていただきたいと思っているのですけれど、先進国の中で今、最も日本の食料自給率が低いのですけれども、これは日本の政府がこれまで農産物輸入の自由化をどんどん進め、国内では減反を押しつけました。そして農業の大規模化、先ほども集落という話が出ましたけれども、競争力の強化を押しつけました。そして家族農業を切り捨ててきた結果です。加えて今日、農業は輸出産業として攻めていけばバラ色の未来が開けますと、自給率が37%まで下がっているのに、信じがたい政策を今、進められていっております。 その一方で、農林水産省は、これは2009年、もう10年以上前になりますけれども、一番身近な食べ物の話という資料を出しています。小学生にも分かりやすい内容です。紹介をしたいと思います。 私たちが食べているものはどこで採れたものなの。日本人の食べ物はこんなに外国に頼っています。食べ物を外国に頼って大丈夫なの。万一食べ物の輸入が止まったらどうするの。常日頃から自分の国で作ることが大切です。食料自給率を高めていくためにみんなで力を合わせることが大切ですというメッセージが、この中に書かれてありました。 先ほどからこの自給率についてあまりにも、何というのですか、軽視されているのではないかと思います。奈良県におかれましても、全国最下位クラスの自給率を、例えば地産地消を推進する。学校給食の県産食材の活用の割合を大きく引き上げるのです。そしてその目標を決めて、直売所の売上高の目標の大幅引上げなどを行って、自給率の引上げの目標を設定して、流通や消費のあり方を根本的に見直していく。中山間地で生産された農産物が県内の消費者に届けられるという、このような流通網をつくるのです。そして、これは耕作放棄地の解消にもなっていきます。 そのような依存から自立への流れをぜひ促進していただきたい。それを農政の中心課題としていただきたいと思っておりますので、このことを強く求めて、私の質問を終わります。 ○議長(荻田義雄) 次に、12番西川均議員に発言を許します。--12番西川均議員。(拍手) ◆12番(西川均) (登壇)奈良テレビ放送をご覧の皆様、こんにちは。葛城市選挙区選出の自民党奈良の西川均でございます。本日は議長のお許しをいただきましたので、通告いたしております項目について、質問をさせていただきたいと思います。 質問に入る前に、新型コロナウイルス感染症について、申し上げます。 現在は、ワクチンの効果等により感染状況が落ち着いていますが、変異株オミクロン株による感染拡大も懸念されております。県民の命を守るため、第6波に対する備えが重要であると皆様方にお知らせしておきたいと思います。 それでは、質問に移ります。 初めに、ワールドマスターズゲームズ2021関西についてお伺いいたします。 ワールドマスターズゲームズは、国際マスターズゲームズ協会が4年ごとに主催する、おおむね30歳以上のスポーツ愛好者であれば誰もが参加できる生涯スポーツの国際総合競技大会であります。 このワールドマスターズゲームズが、来年、関西にやってくる予定でありました。 近畿2府4県と福井県、鳥取県、徳島県の計9府県で開催され、奈良県におきましては、葛城市で綱引が、吉野町でカヌーが実施されることとなっており、私の地元、葛城市でも競技が開催されるということで、大変楽しみにしておりました。 さて、大会ですが、ワールドマスターズゲームズ2021関西という名称のとおり、当初は本年2021年5月に開催される予定でありましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、来年2022年5月に延期されたところであります。 そしてまた、新型コロナウイルス感染症の収束が見込めないという理由により、再度延期されると聞いております。 再延期されることは、海外を含め、新型コロナウイルス感染症の状況等を鑑みますとやむを得ない決断であると考えますが、私としましては、先ほども申し上げたとおり、地元葛城市でも開催されるということで、大変楽しみに、また、期待しておりました。大会を成功に導いてほしいと切に願っており、大会がいつ開催されるのか、大変気になるところであります。 また、大会を成功させるには、再延期までの間、県の取組も大変重要になると考えております。 そこで、文化・教育・くらし創造部長にお伺いいたします。 ワールドマスターズゲームズ2021関西は、新型コロナウイルス感染症の影響で再延期されると聞いていますが、新たな会期の見通しについて、お答えいただきたいと思います。 また、県は引き続き開催に向け取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。 次に、次期エネルギービジョンの策定について、水循環・森林・景観環境部長にお伺いいたします。 近年、毎年のように異常気象による河川の氾濫や土砂災害などが多発しており、この原因は地球の温暖化が一因と言われております。今後も温室効果ガスの排出が続けば、豪雨災害等のさらなる頻発化・甚大化が予測されています。 このような中、今年10月31日から11月13日に、197か国・地域の参加の下、スコットランド・グラスゴーで第26回気候変動枠組条約締結国会議が開催されました。この会議では、世界の平均気温の上昇を産業革命前から1.5度に抑える努力を追求し、石炭火力発電を段階的に削減することで合意されました。このように、温室効果ガスの削減は全世界が取り組むべき喫緊の課題となっています。 国では、昨年10月に菅前首相が、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言し、この目標達成に向け、今年5月に地球温暖化対策推進法が改正され、10月には将来のあるべきエネルギー政策を定めた第6次エネルギー基本計画が閣議決定されました。 この計画では、再生可能エネルギーを主力電源として位置づけ、2030年度における電源構成に占める再生可能エネルギーの役割を、第5次エネルギー基本計画で22%から24%だったものを、36%から38%に引き上げています。 このように、地球温暖化防止のため、エネルギー源を化石燃料から再生可能エネルギーへシフトすることが求められています。 エネルギーは国民生活の安定向上並びに経済の維持及び発展に欠くことのできないもので、その利用が地域及び地球の環境に大きな影響を及ぼすものと、エネルギー政策基本法でも述べられており、エネルギー政策は環境の保全や経済社会の持続的な発展に貢献します。 エネルギー政策は国の政策ですが、東日本大震災後の電力需給逼迫状況や節電要請を踏まえ、地方でも取組が進められてきました。県でもエネルギー政策として2013年に奈良県エネルギービジョンを策定し、目指す方向性を設定されました。第1次奈良県エネルギービジョンでは、県民や事業者など多様な主体も積極的にエネルギーの自給自足に取り組むことを目指すとし、また、第2次奈良県エネルギービジョンでは、分散型のエネルギー推進と地域へのエネルギーの安定供給を目指すとされました。 さらに、2019年に策定した現行の第3次奈良県エネルギービジョンでは、緊急時にも強く、地域のエネルギー資源を使ったエネルギーのかしこい利活用を目指すとし、県の再生可能エネルギーによる電力自給率を2021年度までに22.0%にすると目標設定されています。 発電時に温室効果ガスを発生しない再生可能エネルギーの活用を図り、温室効果ガスの発生源で大きなウエイトを占めるエネルギー起源温室効果ガスを抑制することは、温室効果ガスの削減に大きく寄与すると考えます。 そこで、水循環・森林・景観環境部長にお伺いいたします。 現行の第3次奈良県エネルギービジョンの計画年次は、今年度が最終年度とされていますが、これまでの成果や課題、また、国の第6次エネルギー基本計画を踏まえ、次期奈良県エネルギービジョンはどのような内容にしようとしているのでしょうか。お伺いいたします。 次に、コロナ禍で影響を受けた県内企業の取引活動の現状と今後の取組について、産業・観光・雇用振興部長にお伺いいたします。 奈良県は、大都市に依存するベッドタウンとして発展してきました。県では、地域の自立を図り、くらしやすい奈良を創るという目標を掲げられ、県内での消費、投資や雇用が好循環する自立した地域にするため、取組を進めておられます。 京奈和自動車道大和区間の橿原北インターチェンジから橿原高田インターチェンジまでの4.4キロメートルの区間の工事が本格的に始まっており、現場が時々刻々と変化していることを感じます。この県土の基軸となる京奈和自動車道の整備が進み、高速道路で各地域とのアクセスがよくなれば、企業立地のポテンシャルがますます高まることが見込まれ、大いに期待しているところであります。 一方、2020年初頭から世界中を襲ったコロナ禍は、現在でも世界各地で猛威を振るっています。現在日本では落ち着いた状況とはなっているものの、予断は許せません。感染終息に向けた見通しが立ちにくい中、企業の経済活動にも大きな影響が生じているのではないでしょうか。 例を挙げますと、感染拡大防止のための外出自粛の影響により、人々の消費活動が落ち込んだ影響を受け、これまで取引してきた企業との取引高が減り、売上げを減らした企業もあれば、原材料や部品の供給が途絶えたり、減ったりした結果、生産活動や製品出荷に大きな支障が出た企業もあったと聞いています。特に国民の生活に直結する製品について、生産が滞ることが続けば、安全で豊かな生活に支障が生じます。 近い将来、コロナ禍は収束に向かうと思われますが、こうした危機の再来も見据えて、企業の間でサプライチェーンを見直す動きが広まりつつあります。例えば海外に移した生産拠点を再び国内に戻すといった取組はその一つであります。 このような企業の取組を逃がすことなく、県内への誘致を働きかけることはもちろん、県内企業においても県外や海外の企業との取引関係を強化、あるいは多元化を支援していくことが、今後の県経済活性化のためには不可欠なのではないかと考えます。 そこで、産業・観光・雇用振興部長にお伺いいたします。 コロナ禍の拡大・長期化により、影響を受けた県内企業の取引活動の現状と、その解決に向けた県の今後の取組についてお伺いいたします。 次に、都市計画法に基づく開発許可の基準に関する条例の改正について、地域デザイン推進局長にお伺いいたします。 都市計画法に基づく開発許可の基準に関する条例の改正についてでありますが、奈良県は高度経済成長期に大阪のベッドタウンとして発展してきた経緯があります。当時は、鉄道沿線を中心とした大規模な住宅地開発が進められ、人口が右肩上がりで増加いたしました。平成の時代になってからは、大規模な住宅地開発はあまり見かけなくなりましたが、農地等での小規模な開発、いわゆるミニ開発が多く見られるようになりました。これは、既存集落の維持を目的とした、市街化調整区域の一定の既存集落において新たな住宅等の立地を認める条例、都市計画法に基づく開発許可の基準に関する条例の影響が大きいと聞いています。 この条例制度の活用により、人口減少の歯止めに一定の効果があった市町村もあります。私の地元である葛城市においても、当該条例制度に基づく指定区域が20地区あり、県内市町村では最も多くなっております。 しかしながら、最近は変化を感じています。少し前までは住宅地開発も盛んに行われていましたが、近頃では、連続的な開発が進まないまま、虫食い状になっている箇所が増えてきています。 奈良県の人口は平成11年の144万9,000人をピークに減少に転じております。今後、世帯数も減少に転じる見込みであり、空き地・空き家の発生が懸念されているところであります。時代の変化とともに、これまでの開発意欲とは状況が変化しているのは明らかです。 このような中、国においては人口減少、高齢化社会の進行を踏まえ、コンパクトなまちづくりの必要性が示されています。 人口減少、また高齢化社会が進行するこれからにおいては、道路や上下水道などのインフラは効率化が求められます。何より重要なのは、次の世代が本当によかったと思えるまちづくりを進めることであり、今、まさに、土地利用の考え方について転換点を迎えているのではないでしょうか。 県において現在見直しをされている都市計画区域の整備、開発及び保全の方針においても、都市計画法に基づく開発許可の基準に関する条例について検証するとの方針が出ています。 そこで、地域デザイン推進局長にお伺いいたします。 都市計画法に基づく開発許可の基準に関する条例については、その運用実態を再検証し、改正する方向で議論されていると聞いていますが、改正の趣旨とスケジュール等についてお伺いいたします。 次に、奈良県社会教育センターの葛城市での活用について、要望をさせていただきます。 奈良県社会教育センターは、今年4月1日より休館し、葛城市での活用が協議されているところであります。 土地と施設を葛城市の地元で活用できないかということでありますが、非常にまとまった土地であり、葛城市の地元でこのようなまとまった土地を簡単に手に入れることはできないことを考えると、葛城市は県有地のまま借り受けるのではなく、積極的に譲渡を受け、市の財産とすべきであると私は考えております。 しかしながら、この施設は県が運用されていても稼働率が15%から16%を維持するにとどまっていて、施設の老朽化や利便性の低下で現状の維持管理が難しくなったので葛城市に譲渡するのでは、問題を葛城市に転嫁するだけになってしまいます。 そこで、奈良県社会教育センターの土地や建物を活用した具体的なまちづくりの取組が必要となってくるのではないでしょうか。ぜひ県からもまちづくりについて、主体は葛城市ではありますが、技術的な支援や国の補助金のメニューの提示など、具体的なアドバイスを継続的にいただける支援をお願いしたいと思います。 これについては、要望にさせていただきます。 以上で、私の壇上からの質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
    ○議長(荻田義雄) 吉田文化・教育・くらし創造部長。 ◎文化・教育・くらし創造部長(吉田晴行) (登壇)12番西川議員から私に対しまして、ワールドマスターズゲームズ2021関西について、延期された開催時期などに関するご質問をいただきました。お答えいたします。 ワールドマスターズゲームズはおおむね30歳以上のスポーツ愛好家の誰もが、スポーツ・フォー・ライフ(人生を豊かにするスポーツ)の大会理念の下、同年代の選手とお互いに競い合いながらもスポーツを楽しめる国際的な生涯スポーツの祭典でございます。 ワールドマスターズゲームズ2021関西は、当初、今年の5月に開催される予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりまして、来年5月に1年延期となっています。 本県では、葛城市で綱引競技を、吉野町でカヌー競技を実施する予定で、競技会場の整備や出場選手のエントリー受付、ボランティアの確保など、受入体制を整えてきたところでございます。 しかし、新型コロナウイルス感染症の収束が見込めないため、10月26日に開催されました公益財団法人ワールドマスターズゲームズ2021関西組織委員会理事会におきまして、海外参加者などが安心して競技に参加し、自由に観光などを楽しむことができる環境が整うまでの間、開催を再延期することが妥当と判断されたところでございます。 現在のところ、再延期後の大会は2026年5月に開催する方向で検討されているところですが、まだ確定はしておりません。 このように大会の開催は少し先になる見込みではございますが、大会の開催を契機に、年齢や生活スタイルにかかわらず、県民をはじめ多くの方が運動・スポーツに関心を持って取り組まれることを期待しております。引き続き葛城市、吉野町と連携しながら大会の開催に向け、しっかりと取り組んでまいります。 以上でございます。ご質問ありがとうございます。 ○議長(荻田義雄) 塩見水循環・森林・景観環境部長。 ◎水循環・森林・景観環境部長(塩見浩之) (登壇)12番西川議員から私には、現行の奈良県エネルギービジョンでの取組成果などを踏まえた、次期奈良県エネルギービジョンの内容についてのお尋ねでございます。お答えいたします。 現行の第3次奈良県エネルギービジョンでは、緊急時にも強く、地域のエネルギー資源を使ったエネルギーのかしこい利活用を目指す方向とし、家庭への太陽光発電設備や事業所等への省エネルギー設備の導入等に取り組み、再生可能エネルギーによる電力自給率などの設定目標を達成し、一定の成果が得られたものと考えています。 ご質問の2022年度からの3か年計画となる次期奈良県エネルギービジョンでは、これまでの施策を継承しつつ、国における2050年カーボンニュートラル宣言や昨年度に策定した奈良県環境総合計画等を踏まえ、脱炭素社会の構築に向けたエネルギー政策という視点を新たに加えました。 この脱炭素社会の構築に向けては、発電時に温室効果ガスを発生しない再生可能エネルギーの活用促進が重要と考えています。このことから、次期奈良県エネルギービジョンでは、国の第6次エネルギー基本計画も踏まえ、県内における再生可能エネルギーによる電力自給率について、2020年度の26%を2024年度で30%にすることを目標にしたいと考えています。 これらのことを勘案した結果、次期奈良県エネルギービジョンでは、①次世代エネルギーの効果的かつ効率的な活用、2つ目に緊急時のエネルギー対策の推進、3つ目としてエネルギーをかしこく使うライフスタイルの推進を施策の柱としました。また、水素発電やドイツの地域電力公社であるシュタットベルケの導入検討、公的部門における省エネルギー設備の率先導入など新たな取組についても盛り込んでいます。 現在、これらの内容を取りまとめた案を作成したところであり、経済労働委員会でご報告した後、パブリックコメントを経て、今年度末に策定・公表する予定です。 エネルギー政策は県民のあらゆる生活に関わっており、奈良県エネルギービジョンの推進にあたっては、その実効性が高まるように、市町村、県民の皆様、事業者等との連携を図りながら取組を進めてまいります。 以上でございます。ご質問どうもありがとうございました。 ○議長(荻田義雄) 谷垣産業・観光・雇用振興部長。 ◎産業・観光・雇用振興部長(谷垣孝彦) (登壇)12番西川議員のご質問にお答え申し上げます。私に対しましては、コロナ禍で影響を受けた県内企業の取引活動の現状と今後の県の取組についてのお尋ねでございます。お答え申し上げます。 これまでの世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大・長期化により、国民全体の生活様式が大きく変わり、県内企業の操業環境や県内外との取引も大きな影響を受けております。 県では昨年12月に、製造業を中心とした県内外の企業4,000社を対象に新型コロナウイルス感染症に係る影響を把握するためのアンケート調査を行いました。その結果、回答のあった868社のうち、7割以上の企業で販売量が減少していることが分かりました。 また、アフターコロナを見据え、今後安定した操業を行う上で重要と考える取組についての設問には、仕入先・販売先の拡大を挙げた企業が57.5%にのぼる一方で、取引拡大に向けた具体的な取組には至っていない状況も明らかとなりました。 この調査結果を踏まえ、従来から取り組んでおります県内企業同士を中心とした取引拡大の支援に加え、今後は県外企業への働きかけも必要と考えています。 具体的には、県内企業と取引面で補完関係を構築できる可能性のある県外企業や海外に主要な生産拠点を持つ企業など1,000社を対象に、県内企業とのサプライチェーンの強化・再構築の可能性や、海外拠点の国内回帰等の意向について、来年1月に調査することを予定しております。 加えまして、販路拡大に向けた取組を進める意欲のある県内企業の強みや売りをまとめたPRツールを制作し、県外企業にPR活動を行い、県内企業との新たな協業関係を構築してもらいたいと考えております。 このような取組が、将来的には県外企業の県内への立地につながればと期待しているところでございます。 今後も、新型コロナウイルス感染症拡大をきっかけとした、海外生産拠点の国内回帰やサプライチェーン再構築の動きに対応するため、県外企業の投資計画の動向を情報収集するとともに、サプライチェーンの強化・多元化につながるよう、県内企業の積極的なPRに努めてまいります。 以上でございます。ありがとうございました。 ○議長(荻田義雄) 岡野地域デザイン推進局長。 ◎地域デザイン推進局長(岡野年秀) (登壇)12番西川議員から、都市計画法に基づく開発許可の基準に関する条例の見直し、改正についてご質問をいただきましたので、お答えをさせていただきます。 都市計画法に基づく開発許可の基準に関する条例は、市街化調整区域の既存集落の機能維持を目的として、市町村からの申し出を受け、県が指定する区域において新たな住宅等の立地を認めるものでございます。 平成17年1月に条例を施行し、現在14の市町村において計84地区を指定しております。条例施行後約15年が経過いたしました現時点におきましては、議員お述べのとおり、人口減少社会の進行とともに、住宅立地の動向が低調になっています。その結果、広い範囲を指定した区域においては、住宅開発が虫食い的なまま進まず、上下水道、道路等のインフラ投資が非効率となるなど、課題が顕在化してきております。 また、近年、災害が激甚化・頻発化するリスクが広がっております。昨年6月には、国において都市計画法が改正され、この条例に基づく指定区域内に土砂災害警戒区域や洪水浸水想定区域などの災害ハザードエリアを含めないことが法律上明確化されました。 これらのことから、県では、現在、当該条例の改正を検討してございます。改正の主な内容といたしましては、1つ目は、指定区域から災害ハザードエリアを除外することです。2つ目は、今後の土地利用状況を勘案し、指定区域の範囲が既存集落の機能維持に必要な面積に対して、いたずらに広くならないよう基準を見直すものでございます。 今後詳細についてさらに検討を加え、2月県議会での条例改正案の提出を目指す方針でございます。併せまして、関係市町村と具体の指定区域の見直し等について、協議を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。ご質問ありがとうございました。 ○議長(荻田義雄) 12番西川均議員。 ◆12番(西川均) 各理事者におかれましては、誠意あるご回答をいただきました。心からお礼と感謝を、まず申し上げる次第でございます。 都市計画法に基づく開発許可の基準に関する条例の改正についてですけれども、私は見直しについては賛同させていただくわけでございますが、今後、進めていく中において、市町村における見直し作業が地域の実情に合わせて柔軟に対応いただきたいということをお願い申し上げるわけでございます。4月1日からの施行ということですが、いくらかの猶予期間を持っていただけるのかどうかということを、一つお伺いしたいと思います。 ○議長(荻田義雄) 岡野地域デザイン推進局長。 ◎地域デザイン推進局長(岡野年秀) 今回の見直しの背景の一つである都市計画法の改正でございますが、その施行期日が来年の4月1日と決められてございます。このため、関連します災害ハザードエリアを除外する見直しというのは、この期日に間に合わせなければならないということになりますので、県といたしましても市町村に対してきめ細かな支援を行っていきたいと、このように思っております。 またそれ以外の区域の縮小等の見直し、そういう基準の見直しでございますけれども、現在市町村の担当者の方と協議を行わせていただきまして、市町村のいろいろな状況等を把握させていただいております。その中で西川議員が今、ご指摘がございましたスケジュール面も踏まえまして、十分に考慮していきたいと、このように考えております。 以上でございます。 ○議長(荻田義雄) 12番西川均議員。 ◆12番(西川均) 今、地域デザイン推進局長から若干フレキシブルな話をお聞かせいただいたわけでございますけれど、問題は集積率が30%から50%になるという部分が地権者にとっても、また開発業者にとっても、非常に難しい問題が生じてくるのではないかと、物理的に問題であろうと思うわけでございます。できれば、その集積率等の準用については2年ぐらいの期間の猶予を与えていただけないものか、これは地域デザイン推進局長、希望いたしておきますので、ひとつそのような柔軟な対応をお願い申し上げておきたいと思います。 そして、次に、奈良県社会教育センターの件ですが、このことにつきましては、知事と私ども正副議長と会わせていただいたときからお願いを申し上げているわけでございますけれども、あのそばに道の駅かつらぎがございます。この道の駅かつらぎにつきましては、全国で1,193ほどの道の駅の中、年商10億円を超えている道の駅は20社ぐらいの数しかございません。パーセンテージに直しますと1.67%ぐらいしか10億円を超えていない。奈良県で申し上げますと、まほろばキッチンさんが約16億円ということで断トツでございますけれども、平群町のくまがしステーションは非常に奈良県でよくはやっていてお客さんも多いというお話を聞いており、私が調べさせていただいた資料からいきますと、4億数千万円余ということで、奈良県でも2番に入るという道の駅でございます。道の駅かつらぎを核として葛城市の観光、そしてまた前回の一般質問でもお願いいたしました、ダイヤモンドトレールの金剛葛城山の関係、そして當麻寺を観光地と捉えて、一大拠点として葛城市の発展を目指すのが一番ベターではないかという思いをいたしております。どうか、地域デザイン推進局におかれましても、葛城市にぜひともサポートをいただきまして、奈良県とのまちづくり協定の締結、そしてさらなる葛城市の発展にご尽力を賜りたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ○議長(荻田義雄) これをもって当局に対する一般質問を終わります。   -------------------------------- ○議長(荻田義雄) 次に、本日、知事から議案3件が提出されました。 議案送付文の写し並びに議案をお手元に配付しておりますので、ご了承願います。 次に、議第126号から議第128号を一括議題とします。 知事に提案理由の説明を求めます。 荒井知事。 ◎知事(荒井正吾) (登壇)提案議案の説明をさせていただきます。 ただいま提出しました議第126号は、11月19日に閣議決定されましたコロナ克服・新時代開拓のための経済対策に対応し、生活福祉資金の貸付原資の積み増し等を行うとともに、11月29日の県議会本会議で議決されました奈良県議会議員の議員報酬額、費用弁償額及び期末手当の額並びにその支給条例の改正に基づき、議員の期末手当を減額するための令和3年度一般会計補正予算案です。 また、議第127号及び議第128号は、収用委員会の委員、公害審査会の委員の任命に関する議案です。 以上が今回提出した議案の概要です。 どうぞ慎重にご審議のうえ、よろしくご議決いただきますよう、お願いいたします。   -------------------------------- ○議長(荻田義雄) 次に、議第105号から議第108号、議第111号から議第123号、議第126号及び報第31号、報第32号を一括議題とします。 以上の議案20件については、調査並びに審査の必要がありますので、お手元に配付しております議案付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託します。 お諮りします。 ただいま各委員会に付託をいたしました各議案については、会議規則第39条第1項の規定により令和3年12月14日までに審査を終わるよう期限をつけることにしたいと思いますが、ご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) ○議長(荻田義雄) ご異議がないものと認め、さように決します。   -------------------------------- ○議長(荻田義雄) 12番西川均議員。 ◆12番(西川均) 常任委員会開催のため、明、12月10日から12月14日まで本会議を開かず、12月15日会議を再開することとして、本日はこれをもって散会されんことの動議を提出します。 ○議長(荻田義雄) お諮りします。 12番西川均議員のただいまの動議のとおり決することに、ご異議ありませんか。     (「異議なし」の声起こる) ○議長(荻田義雄) それでは、さように決し、次回、12月15日の日程は、各常任委員長報告と同採決とすることとし、本日はこれをもって散会します。 △午後2時21分散会...