◎平井
農政水産部技監 プラスチックが流出しない肥料には2種類
あり、1つは
プラスチックの代わりに硫黄でコートされ
ている肥料と、ウレアホルムといっ
て、ぎゅっと圧縮し
て溶けにくくし
ているものの2種類
があります。基本的に商業系の農協のルートでは一切流通し
ていませんので、それ以外のルートで流通し
ているもの
がほとんどです。そういう中で今、3万ヘクタールのうちの1,000ヘクタールでそういったものを使っ
ていただい
ています。使用面積を2,000ヘクタールまで増やすという目標を定め
ていますし、商業系の農協でも、今はそうした肥料
が出
ていないものの開発をされ
ていると聞い
ていますので、ウレアホルムのような肥料
が今後出
てくるのではないかと思います。農協とばかりお付き合いをされ
ている農家ではまだ具体的な提案もされ
ていないような状況という
ところです。
◆
江畑弥八郎 委員 そういう状況の中で、現場では今言ったように隠す形となっ
ています
がそれもどうかと思います。金額
が高いのか、農協
が全然取り扱っ
ていないのかよく分かりません
が、現場では使わないというより既存の肥料を奥底に沈め、外に出ない、出さないこととし
ているという話を聞いたので、大分、
資料に書い
ていることと現場の状況
が違うという思い
があります。そうしたことへの対策は何か考え
ているのでしょうか。
◎平井
農政水産部技監 資料8ページの②持続性の向上の中で、一応、
プラスチック被膜殻を発生しない肥料の活用と、
プラスチック被膜殻を圃場へ出さない流出防止策の普及、両方を進めることを併記し
ています。被膜殻
が発生しないものについては、今、申し上げたとおりですし、被膜殻
が流出しない対策については、ここ二、三年研究をし
ています。流出原因は代掻きのときに水の中に舞い上がり、
一緒に
流れ出るということ
がほとんどで
あり、それ以後は沈降し
て流れませんので、泥水対策と全く同じ対策となります。深水で代掻きをしない、しっかりと越水によりこぼれるようなこと
がないようにする、漏れ出ること
がないようにするなど、そういう対策をし
てもらうこと
が泥水対策同様に一番重要です。最後には尻水門のほうへ寄っ
てくるので、その
部分についてはすくい取っ
て廃棄する対策をお願いし
ています。
◆
江畑弥八郎 委員 いずれにし
ても、この間、現場を見
て話を聞いたことと大分違ったのでどうかと思いました。以前に視察に行った、フクハラファームなどで行われ
ている、乾田直播だと全くそうした心配はないと思うので、そうした方向に向かったほう
がいいのかなという感じはします。
◆
河井昭成 委員 資料4ページの15番目の御
意見に対する、こちら側の
考え方に少し突き放した感じ
があるのです
が、1つの
団体だけではなく農業
団体の人はみんなこう思っ
ていると思うので、ここの表記内容をこのままにさせ
てもらうためには、何
が要るのかを書い
てあげないといけない気
がします。この計画に実際に取り組む
人たちが後ろを向い
ていたら話にならないと思うので、ここの表現は何とかされたほう
がいいと思います。細かい話です
がもう1点、17番目で御
意見を踏まえ
て次のとおり修正とのことです
が、もともと表現
が誤っ
ているから書き直したということで
あれば、御
意見があろう
がなかろう
が、誤ったものは直さないといけないので、御
意見を踏まえ
て直したという書きぶりは自然ではないと思います。ここも検討いただきたいです。
◎平井
農政水産部技監 資料の14ページの本文中の表現につきまし
て、今、御
意見いただきましたとおり、一旦、
農業者にし
ていただくということで表現を修正し
ています
が、これでもまだきついという御
意見を頂い
ていますので、ここにつきまし
ては今の御
意見も踏まえながら、もう少し修正し
ていきたいと考え
ています。それから、17番目の
記載につきまし
ては、完全にこちら側のミスですので、表現等について改めたいと思います。
○井狩辰也 副
委員長 先の
江畑委員の被膜殻に係る話です
が、JAは対応に取り組んでおらず、
プラスチックの被膜殻肥料を使われ
ているということですよね。一方で、個人商店の肥料屋は硫黄被膜の肥料などを使われ
ているということです
が、JAはなぜ取り組まないのでしょうか。
◎平井
農政水産部技監 業界の話で我々
がなかなか立ち入ること
が難しいのです
が、JAの全て
がということではなく、商業系のメーカーの中に農協系のメーカーのようなもの
があり、農協
がお付き合いされ
ているメーカーの中には、そうした肥料を作っ
ているメーカー
がなく、今の
ところ、硫黄被膜の肥料などを取り扱う業者とのお付き合い
がなく入っ
てこないという状況です。農協系ではないメーカーからは入っ
てくるという実態
があり、末端の農協では、他のメーカーから入れ
ておられる農協も
あり、そうした
ところには硫黄被膜系の肥料
が入ります。今、業界を分け
て話しました
が、農協だからだめだということではなく、
経営上の付き合いの中でそうなっ
ています。今、農協系統の肥料メーカーも一生懸命、新しいものの開発を進め
ていますので、順番的にも時間的にも遅れるかもしれません
が、全く対応され
ていないということではなく、しっかりと将来に向け
ての対応は進められ
ています。
◆
松本利寛 委員 いわゆる
プラスチックを使わない緩効性肥料の今の技術開発の
レベルはどの程度になっ
ていますか。
◎平井
農政水産部技監 硫黄コートというのは昔から
あると聞い
ており、価格的にもそんなに遜色
がありません。ただ、硫黄コートそのものは
プラスチックと違っ
て被膜の強度
が少し弱いということも
あり、施肥田植機の中に入れると、割れ
て詰まっ
てしまうこと
が昔は
あったと聞い
ています。それについてもだんだん技術開発
が進み、改善はされ
ていると聞い
ています。
◆
松本利寛 委員 今、市販され
ている硫黄コートの肥料は従来の
プラスチックシルクコートと比較し
て、使用に耐えられないものなのでしょうか。ほぼ
製品として完成し
ており、一気に普及
が可能なのかその辺りの見合いはどうでしょうか。
◎平井
農政水産部技監 こうした問題
が出
てから、試験場でも改めて2つを比較し
て試験をし
ています
が全く遜色
がありません。技術的には全く遜色
がありません
が、メーカー
が比較的大手のメーカーではないので、供給量
が限られ
ておりなかなか広がらないと聞い
ています。
◆
松本利寛 委員 緩効性肥料の推進について、全国
レベルからいえば、
琵琶湖の富栄養化対策として
滋賀県はトップランナーだったと思います。そのことを踏まえ、やはりそうした技術的な開発
がほぼ完成に近づい
ているので
あれば、その普及について、県としてもっと促進を図るべきだと思います。県としてどうするのか、その辺をどう考え
ているのでしょうか。単に流出しないようにするとしても、そんなことには限界
がありますし、一度まいたものを探すことは難しいので、やはり新しい技術開発
ができ
ているので
あれば、それを一刻も早く普及し
ていく対策に重きを置いたほう
がいいと思います。
◎平井
農政水産部技監 先ほどから申し上げ
ていますように、
あるものについてはしっかり推進をするのです
が、多数はまだすぐに普及促進できるようなものでは
ありませんので、そこについては並行し
て進め
ていきたいと思います。ただ、推進に当たって全国的にもこうした被膜殻の問題
が出
てき
ていますので、今後、
環境こだわり農業の中でどういう形で扱っ
ていくのかはこれからの検討材料だと思います。今、はっきりお答えできません
が、そうしたものを助成対象とすることはなかなか難しいと考え
ていますので、開発についてメーカーへのお願いを進め
ています。現在は経過的な段階で
あることをご理解願います。
◆
松本利寛 委員 技術開発の促進と併せ
て、既に
製品として使用に耐えられるもの
があるので
あれば、その普及促進に向け
て、具体的に足を踏み出し
てほしいということをお願いし
ておきます。
3 本県における高病原性鳥インフルエンザ防疫対応について
(1)
当局説明 青木畜産課長
(2)
質疑、
意見等
◆桐田真人
委員 今回の
一連の対応に感謝申し上げます。
資料6ページの野鳥への対応という
ところで、今後、道端や公園で野鳥
が死んで
いる可能性も捨てきれないと思いますし、鳥インフルエンザの認知により、そうした野鳥に敏感になり発見
が増えることも
あると思います。そうしたときに、
子供たちなど
が死んだ野鳥を発見した場合の対応として、触らないようにすることは分かります
が、まずはどこに電話をすればよいのかや、どういう
流れでどういう手続きをすればよいのか、その後どうなるのかといったフローチャートについて、明確なものを住民に共有され
ているのでしょうか。そうした、ファーストコンタクトからどうしていくのかということについて教え
てください。
◎辻田 自然
環境保全課長 対応についてのフローチャートです
が、基本的に鳥インフルエンザ
が全国的に発生したことをきっかけに、普段から素手では触らないよう周知をし
ております
が、より一層そうした周知をホームページ等で行っ
ています。発見された方は、まず、
森林整備事務所に御連絡いただく形となっ
ています
が、市町に連絡
があることも
あり、そこは市町と
森林整備事務所、そして当課との間で連絡調整をし
て対応し
ています。実際に見つけた場合は、検査対象の種ですとか、羽数
がありますので、それに該当する場合は
森林整備事務所や当課から回収に行くこととし
ています。対象外の場合には、基本的にはその場所を管理され
ている方にごみとして出し
て処分し
ていただい
ています。
◆桐田真人
委員 今日の状況で鳥
が死んで
いるとなっ
ても、我々もこういう立場ながら分からないことも
あります。
森林整備事務所というのは県民にとってなじみ
があるかどうかというと、あまりなじみ
がないと思います。そういったことから、間髪を入れずに、周知をし
ていくことはやはり住民不安を和らげる
部分と流行を抑えるという
部分の早期対応としては重要だと思います。先ほどおっしゃったように、場所によってはそこの管理者に処分し
ていただくということは、やはりこういう時期では、抵抗感
があると思います。だからこそ、きめ細かい住民の不安の除去とこの
部分についての対応として、もう一段踏み込んだ、分かりやすく、誰も
が理解しやすいものにすること
が必要だと思います。当然、市町も関わっ
てされ
ていくと思いますので、法律に基づいた対応も大切です
が、住民不安の除去、流行の早期対策という
観点からすると、もう少し積極的なほう
がいいと思いますので、お願いしたいと思います。
◎辻田 自然
環境保全課長 周知については、引き続き充実を図っ
ていきたいと思っ
ています。他方で、鳥は自然のもので
あり、鳥インフル以外の原因でも時々死んで
いますので、あまり不安をあおらないようにも気をつけ
ているところです。そういったあたりのバランスを取りながら周知を引き続き図っ
ていきたいと思います。
○
山本正 委員長 今回の防疫対応につきまし
ては、殺処分、焼却などで、メンタル面も含め
て大変な作業で
あったと思います。本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。
閉会宣告 11時56分
県政記者傍聴:毎日
一般傍聴 :1人...