調査結果を見ると、不
登校の理由として、多くは本人の理由となっていたと
思います。一方、そういった
子供たちを
公教育でいかに受け止めるのかについては、
学校側の
環境を改善するという
観点が重要だと
思います。しかし、この
諮問の
中身では、どういう角度でその点を今後、追及するのか見えにくいと
思います。
学校環境の改善について、どのように考えているのかを教えてください。
◎
河地 幼小中教育課生徒指導・
いじめ対策支援室長 不
登校児童生徒が増えていることは、
全国、
滋賀県共にほぼ同じ傾向だと
思います。
文部科学省が発表している
調査結果は、あくまでも
教員が
見立てた
状況を
報告している数字です。一方で、
抽出調査ではありますが、
文部科学省が
子供たちに対して、なぜ不
登校になったのかを
調査していまして、その結果を見ると、
教員の
見立てと
子供の
思いが一致していないことがありました。
例えば、
教員は家庭の要因で不
登校になっていると
見立てをしていても、
先生との折り合いが悪い、教室の
環境が非常にやかましくて嫌だという
思いを
子供が持っていることがあります。それらをヒントにしながら、
子供を取り巻く
環境を整えていく必要があると
思います。
◆
黄野瀬明子 委員 先生側からの
見立てと、
生徒本人の
思いの両方の
調査があるということですので、それらを見比べてほしいと
思います。
先生の
見立てが実際の
子供の
思いと違うということについて、
現場の
先生自身が認識することも
一つの
学びだと
思います。また、
子供本人の
思いがどういうことに端を発していたのかを深く追求して、改善する
方向で
議論を掘り下げることも必要だと
思います。どういった
方向で
審議していくのか、分かる範囲で教えてください。
◎
河地 幼小中教育課生徒指導・
いじめ対策支援室長 審議の
方向性について、私は把握していません。
今、大きな
予算を頂いて、
スクールカウンセラーや
スクールソーシャルワーカーを
学校現場に拡充して配置できています。我々は
学校アセスメントと言っていますが、不
登校になった
子供の背景を
見立てるだけではなく、
スクールカウンセラーや
スクールソーシャルワーカーといった外部の
専門家に、
学校そのものをアセスメントしてもらい、不
登校を生まない
学校をつくっていく
取組も進めています。
◆
黄野瀬明子 委員 資料の5ページ(2)に「
コロナ禍の経験からの『気付き』」ということで、
公教育の場でも
ICTを導入して、オンラインをどんどん
活用する
方向だと
思います。
タブレット端末について、
コロナ禍で
感染抑止のための
活用というのは
一定効果があると
思いますが、教室内で顔を合わせて
先生やほかの
子供たちの様子などを見ながら学ぶという
対面の大事さは、
コロナ禍だからこそ実感したと
思います。
ICTの
活用方法は、大変な分かれ道に来ていると
思います。
対面で
先生や友達の表情を見て、笑っている、怒っている、嫌な気持ちになっているなどの感情を捉えることは、
子供たちの情緒を育てますし、それにより、うまく
人間関係をつくれない
子供も、できるようになっていきます。
ですので、
対面の
重要性について、今後、どのように
審議していくのか教えてください。
◎澤
幼小中教育課長 ICTや
タブレット端末の効果的な
活用に関しては、まだまだ改善や研修を行う余地があり、今後も重点的に行う必要があると
思います。今回の
コロナ禍を経て、遠隔と
対面での
活用のバランスをとることが大切だと考えています。
使用場面によってどういった使い方が効果的であるのかは、今後も研究する必要があると
思います。
◆
黄野瀬明子 委員 ICTを使うことが先行する流れになっていますが、今おっしゃったように、
子供たちがどうすれば
人間関係をつくれ、
学びも深まるのかという
出発点を忘れてはいけないと
思います。
タブレット端末の使用を押しつけられているように感じるという
現場の
先生からの御意見もあります。
子供たちの
学びをいかに良くするのかという
観点を持ち、
タブレット端末はツールの
一つであるという立場で進めてほしいと
思います。意見です。
◆
川島隆二 委員 今の
黄野瀬委員の話について、
ICTの
活用には様々な立場があるので、
教育委員会としてしっかりと整理したほうがいいと
思います。
対面を否定するわけではありませんが、
ICTの充実は、それぞれの
子供たちの
学びをつくっていく上で必要だと
思います。
ICTの
活用を目的にしなさいという話ではなく、手段としてどういった使い方をするのかということです。それは
学校の
先生も重々分かっていると
思いますので、
教育委員会としてきちんとした
方向性を出して取り組む必要があると
思います。
○小川泰江
委員長 先ほども
教育長の答弁でありましたように、なぜ
ICTを使うのかが重要です。ツールとして最大限に
活用することを考えるということで集約されていると
思いますが、様々な意見があるということを引き続き踏まえ、御検討をお願いします。
◆
中沢啓子 委員 多様な個性を持つ方々がたくさんいらっしゃる時代であり、そういった方々がどのように
一緒に学んでいくのかというインクルーシブ
教育の
方向性が重要だと
思いますので、しっかり進めてほしいと
思います。
第3期の
基本計画の数値
目標である「『個別の指導
計画』を作成している児童
生徒の割合」について、当時の
状況が92%前後であり、
目標を100%にしていましたが、達成できそうでしょうか。
◎武田 特別支援
教育課長 個別の指導
計画の作成率について、
令和4年度の
目標は100%としていますが、
令和3年度の確定値は、小
学校で99.9%、
中学校で99.6%、高等
学校で92.7%です。
◆
中沢啓子 委員 ぜひ100%となるよう
取組をお願いします。特に高校について、昔はそういった
生徒はいないという
思いを持っているところも結構ありました。どこにでもそういった
生徒がいるということを踏まえ、しっかりとサポートできる体制をつくってほしいと
思いますので、インクルーシブ
教育をさらに進める様々な
取組をお願いします。
映画「みんなの
学校」の舞台になった大空小
学校を視察したことがありますが、非常に
先生方も
チャレンジされていました。共に学ぶということに対して、
先生同士で協力し、ワンチームとなって取り組んでいたことが非常に印象的でしたし、
先生自体も
子供たちの
学びをどのように支えるのかという
視点でいろいろな
取組をされていたことを覚えています。そのようにすることで、
子供たちは主体的にいろいろなことができると
思います。ぜひインクルーシブの
視点を持って、しっかり進めてほしいと
思います。
○小川泰江
委員長 1点目、
資料5ページ(3)に福祉部門等などと連携を深め、
社会全体で
児童生徒等を支えると記載されています。以前から
教育と福祉の連携を訴えさせていただいていますが、連携という言葉は、本当に言うは易く行うは難しの典型だと
思います。特に行政の組織においては、しっかりとした
仕組みをつくることが重要だと考えていますので、例えば連携協定や
会議体などの
仕組みをつくってほしいと
思います。
2点目、
資料の6ページ(5)の「
教職員の
資質能力の
向上」について、先ほどから
委員からも意見が出ていますが、やはり働き方改革などとセットであると
思います。
一方、
教員不足や採用試験の倍率について、
全国的にもかなり下がっていますし、
滋賀県は以前から倍率が低い
状況だと聞いています。この質、量ともの
確保については、
基本計画にもしっかり位置づける必要があると
思います。どんなに立派なカリキュラムや
ICT設備があろうと、人を育てるのは人です。三日月
知事も「人は人の中で人になる」とおっしゃっていますが、その要である
教員の質、量ともに
確保することこそが重要だと考えています。
資料ではさらりと触れていますが、もっとしっかりとこの
基本計画に盛り込むべきだと考えています。
最後に、
資料の6ページの「
次期計画について御
審議を依頼する事項」に、
子供たちからの意見も取り込むとあります。先ほども不
登校に関して、
子供に実際の話を聞いたら、
教師の感覚と不一致があったと
河地室長からも説明がありました。こういったことをどのように反映するのかも非常に重要だと考えています。
生徒会などに所属する優秀な一部の
子供たちと懇談して意見を聞くのではなく、普通に頑張って
学校に行っているような
子供たちの意見をどのように取り込むのか、見解がありましたらお願いします。
◎
河地 幼小中教育課生徒指導・
いじめ対策支援室長 1点目の
教育と福祉の連携についてお答えします。
児童
生徒の健全
育成に係る県と市町の連携協定は、現在、17の市町と締結し、
県立学校と連携しています。未締結の2市について、1市は今年度中に締結を予定しており、もう1市も前向きに検討していただいています。
協定に関する
成果と
課題について、半数近くの
県立学校が協定に基づいて市町と連携しており、非常に助かっていて有効であると
学校から肯定的な
報告を多くもらっています。しかし、残り半分の
学校は協定を
活用していませんので、
活用が進むようにしたいと思っています。
また、県立高校に
スクールソーシャルワーカースーパーバイザーを派遣し、福祉との連携を進めています。
◎
有田 教職員課長 教員の
資質能力の
向上は、人材の
確保を含め、極めて重要なことだと
思います。実際、採用倍率も低下傾向にあります。現在、働き方改革を推進していますので、この
基本計画においても、人材の
確保、その人材を生かす
資質能力の
向上について、しっかりと
議論していただきたいと考えています。
◎
上田 教育総務課長 子供の意見を聞く機会について、先月、その一環として、現役の高校生と
教育委員等の意見交換の場を設けました。今後も、先ほどの不
登校に関する
子供たちのアンケート結果など、様々な
分野での
調査結果を
活用するとともに、別途
子供たちへのアンケート等も検討したいと
思います。
2
教職員の懲戒処分について
(1)
当局説明 有田教職員課長
(2)質疑、
意見等
◆
川島隆二 委員 この人は停職3か月となっていますが、依願退職されたのですか。
◎
有田 教職員課長 依願退職されました。
◆
川島隆二 委員 小
学校教員が児童ポルノを所持していたのは、相当まずいですよね。
いわゆる性的な不祥事を起こした
先生が、何年か後に履歴がなくなり
学校現場に戻ってくることが問題になっていると聞きました。今回のケースではどうなりますか。
◎
有田 教職員課長 停職ですので、免許自体を失効していません。しかし、この処分
内容は、本県の中で当然共有して対応していきます。
◆
川島隆二 委員 どのように対応するのですか。
◎
有田 教職員課長 このような処分を行ったという履歴管理をして、共有していきます。
◆
川島隆二 委員 特に女の子を持つ親御さんからすると、非常にアレルギー反応があると
思います。履歴管理をして共有するという説明ですが、
学校現場に戻る
可能性は残っているのですか。
◎
有田 教職員課長 教員免許は、
教育職員免許法に基づくものであり、失効とはなりませんが、免許があっても任用行為は各任命権者で実施しますので、履歴管理を含めてしっかりと対応していきます。
◆
川島隆二 委員 学校現場に戻る
可能性があるのかどうかを聞いているのです。
◎
有田 教職員課長 少なくとも本県では、そのようなことはないと考えています。
◆
中沢啓子 委員 今の話の関連です。県
教育委員会の中だけではなく、福祉の
現場とも共有されるのですか。
子供を扱う福祉の
現場はたくさんあり、
教員経験者が勤めることもあると
思います。全く
子供と関係のないところであればいいのですが、
子供と接する場は非常にたくさんあります。そういった処分があったことを分かった上で採用するのは、採用したところの判断ですが、そういったことに注意をはらうことができる情報も必要になってくると
思います。
◎
有田 教職員課長 具体の名前までを共有とはならないと
思いますが、新聞報道等で明確にされています。また、
学校等でも説明会等を開き、情報等を共有できるような形で進めたいと
思います。
◆
中沢啓子 委員 今回は児童
生徒が対象ではなかったので、報道で名前が出ていましたが、名前が出ないときに福祉の
現場とどのように情報共有ができるのかが、
一つの
課題だと思っています。今後、御検討いただければと
思います。
それから、今回の事案はなぜ分かったのですか。
◎
有田 教職員課長 警察が本人宅に家宅捜索に入ったため分かりました。
◆
黄野瀬明子 委員 こういった性的な人権侵害、性犯罪に関わるような事案による
教職員の処分を何回か聞いてきましたが、今回、またかという
思いとともにショックを受けました。
性的な欲求のはけ口にしたことに対して、人権侵害であり性犯罪だという認識があるのか問われることが大事だと
思います。また、こういった事案が繰り返し発生する
教育現場は、一体どういう感覚なのだろうかと率直に
思います。何度もこういった
報告を聞いていると、真面目に一生懸命働いている
教職員はたくさんいらっしゃることは分かっているのですが、こういったことを許してしまう雰囲気があるのではないかと思ってしまいます。
児童ポルノに当たる動画データを入手して、性的なはけ口にしたこと自体が許されないことだという認識はあるのでしょうか。
◎
有田 教職員課長 委員の御
指摘のとおり、児童ポルノの関係の処分は続いており、昨年度も発生しました。その際に、改めて各
学校を通じ研修を実施しました。
児童ポルノの悪質性についての研修を受けたが、
自分事となっておらず所持していたと本人は申していました。
このようなことから、単に研修をするだけではなく、
自分事となり心に響くような研修をする必要があると
思います。例えば座学だけではなく、ディベートやロールプレイング、自己分析を行い、
自分の内面に響くような研修を進めていきたいと考えています。
◆
黄野瀬明子 委員 性的な暴力などに対し、近年、被害者の方々が、自らの言いたくもない体験を語り、そういった犯罪を絶対になくしてほしいと訴える運動が広がっています。犯罪なのだと言うことももちろん大事ですが、被害者の皆さんの生の声を聞くことも大切です。私も何人かの被害者の方から話を伺い、許されない人権侵害だと深く心に刻みましたので、単に研修をするのではなく、犯罪行為であり人権侵害なのだと深く共有し、行動が変わる
取組を進めてほしいと
思います。
◎
有田 教職員課長 単に研修を行うだけではなく、悪質な人権侵害だということも含めて、
教員一人一人の心に響くように周知徹底したいと
思います。
○小川泰江
委員長 この事案は逮捕後、刑事罰は確定していますか。
◎
有田 教職員課長 7月1日付で児童ポルノ所持により書類送致を受け、8月10日付で起訴、同日、罰金30万円の略式命令となり、罰金を納付したと確認しています。
○小川泰江
委員長 刑事罰が確定していることについて、この
報告書で触れる必要があるのではないでしょうか。起訴され、罰金刑も確定しているということは、
社会的にも重みがあります。
報告の書式が決まっているのならば仕方がないですが、そういった説明も必要だと
思います。
閉会宣告 11時21分
県政記者傍聴:中日、京都、読売
一般傍聴 :なし...