• "生産費"(/)
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  1. 富山県議会 2022-12-13
    令和4年県土整備農林水産委員会 開催日: 2022-12-13


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  1 11月定例会付託案件の審査  (1)  説明事項    堀口農林水産部長    ・11月定例会追加付議案件について    市井土木部長    ・11月定例会追加付議案件について  (2)  質疑・応答    菅沢委員    ・11月補正予算(案)について    米原委員    ・11月補正予算(案)について 薮田委員長 これより付託案件についての質疑に入ります。  質疑はありませんか。 2 菅沢委員 発言します。  質疑というよりも、質疑のしようがないというか、そういう点で2人の部長に苦情というか、意見というか、そういうことになろうかと思います。  農林水産部の関係で84億円近くの国の補正を受けた防災・減災対策農林水産業基盤整備公共事業追加補正で計上されております。防災・減災対策も理解するし、農林水産業基盤整備の促進についても理解しますけれども、この84億円は一体どこでどのように使われるのか。主要な箇所さえ明記がされていません。今定例会の当初補正ではそれなりの箇所の説明がありました。  そういう意味では、予算の説明として、堀口農林水産部長の説明は極めて不十分であって、何がどう使われるのか不明だということです。私は、議員としてあなたに白紙委任したつもりはありませんから。従来から指摘をしているように、こういうブラックボックスの84億円の事業の審議は、ある意味では不可能と断言せざるを得ません。  今までは100歩譲って、譲る必要はないのだけれども、事業費まではいいと言っていたけれども、主要な箇所ぐらいは説明してほしいと言ってきた。今回の追加補正ではそれが全く守られていない。  土木部についても同じようなことが言えます。土木部の場合、予算総額はもっと大きいので、一般公共直轄負担金を入れて144億円。確かに防災・減災、県土・国土保全事業は理解をします。ほとんど賛成ですが、しかし、堀口農林水産部長に指摘したように、一般公共で111億円、国直轄で33億円の説明があったけれども、あなたの説明も中身は全く分からない。  繰り返しになりますけれども、説明が極めて不十分で、何を審議しろというのか。総括的な巨額の予算の提示だけで、あなたに中身を委任したつもりは私はありませんよ。これは従来からの私の持論です。私が指摘をしてきたことによって、あなた方も当初予算の数百億円の箇所については、主要なものはちゃんと入れる。金額についても事業費ベースで入っているものもある。かなり改善してきている。今回の追加補正では、今までの私の指摘が全く生かされていない。改善の経過があったにも関わらず進歩がないと。
     私は、党派性からしても、あなた方のやることに1から10まで賛成している立場ではありませんから。ほかの人たちとは違います。こんなことをこれからも繰り返すんですか。改めて詳細な中身について2人の部長に説明を求めてから補正予算の審議に入りたいと思います。これは私の意見です。 3 堀口農林水産部長 先ほど御説明させていただいたのは、公共事業増額補正ということで、総額──概略的には土地改良施設や、あるいは防災・減災対策事業ということで御説明をさせていただきました。  箇所付けの詳細な内訳でございますけれども、県議会の議決を経てからということになりますが、私どもの説明が若干その総枠だけの御説明ということになりましたので、農林水産部の場合ですけれども、土地改良だったり林務だったり水産の補正予算額についてはそれぞれの地区のこういう箇所をやりたいということを積み上げまして、この事業費になっております。  例えば土地改良事業は73億円余りございますけれども、その中の主要箇所といたしましては、水利整備では朝日町の横水での事業がありますし、農地整備のほうでは、富山市の水橋三郷北といった事業費がございます。  それから、防災・減災対策のほうでも、庄川左岸三期の工事を今進めておりますけれども、砺波市ほかということで4億円余りあり、主要箇所はそれぞれございます。  それから、林務のほうでも山腹工として黒部市の馬瀬ノ谷、それから谷止工として南砺市の干谷川など、そういった箇所の積み上げで9億5,100万円余りございます。  それから、水産のほうでも、安全対策として氷見漁港──これは氷見市ですね、そこの安全対策工事として2,400万円で、水産のほうでも併せて9,525万円を積み上げ、総額として83億円余りになっております。  この委員会の場で、提案した補正予算案の細かい一つ一つの箇所についての説明は少し難しいですけれども、概略的に主な箇所などの説明をして、それで皆様にお諮りをするということも今後考えていきたいと思います。 4 市井土木部長 私どもも巨額の予算を提案させていただいております。今、農林水産部長からも答弁がありましたとおり、安全安心ということで補正予算案を計上しておりますが、例えば道路でしたら、高岡環状線、高岡市の駅南や、小矢部市の福光福岡線交通安全事業があります。  あとは砂防では神通川の西上谷ですとか、港湾では、伏木富山港の舗装補修ですとか、そういった事業を安全安心ということで取り組んでおります。  あと河川におきましては、氷見市の泉川や上市町の白岩川で安全安心に資する事業を行っております。  今後の対応につきましては、農林水産部と同じく公共事業を所管している部ですので、議会にお諮りする中身について、また改めて検討させていただきたいと思っております。 5 菅沢委員 若干の中身が説明されたという程度で、それで了解とはなりません。この補正予算というのは、あなた方が起案をし、その起案の際には例えば農林水産部では土地改良事業、土木部でしたら、道路や河川、砂防等々いろいろありますけれども、それぞれの事業について事業費の積算をして予算を組むと。そのトータルが、土地改良事業で言えば、今回の補正予算案では73億円です。道路で言ったら、今回の補正予算案では51億円になっているわけですね。  そうした積算に基づく補正予算案編成作業を経て、その過程では財政当局の査定、チェックも受けるはずです。恐らく予算査定の中では一円たりとも幅のない厳密な査定が行われているというふうに私は確信しているんですけれど。今ほど、土地改良事業などについて、堀口農林水産部長から具体的に説明がありました。道路事業などについて市井土木部長から説明がありました。その他の事業も含めてこの追加補正予算案財政当局の査定を受けているんですか、どうですか。 6 堀口農林水産部長 予算案として議会に提案するものですので、財政当局の査定を受けたもので提案をしております。 7 市井土木部長 土木部におきましても、財政当局の査定を受けて提案をしております。 8 菅沢委員 そうであれば、一円たりとも不明なもののない厳格な査定結果──予算編成作業の結果が議会へ提案されるわけであって、全部報告されてしかるべきであります。いかがですか。 9 堀口農林水産部長 農林水産部で今回提案させていただいた公共事業増額補正につきましては、全体で83億5,275万円でございます。それぞれ土地改良事業、林務、それから水産のほうで必要額を計上して、当然財政の査定も受けているわけですが、それぞれの積み上げ──その一つ一つの事業について予算案を提案しておりますので、資料としてお出しすることは可能ですけれども、一つ一つの箇所をそれぞれについて膨大な資料をお出しするのがよいのかどうか、あるいは主なものとしてこういう事業がありますということで御説明をすればいいのか、そのあたりにつきましては少し検討をさせていただければと思います。 10 市井土木部長 土木部も検討させていただきます。 11 菅沢委員 委員長、もう少し時間いただけますか。  堀口農林水産部長財政課長の経験もあるから。あなたはもう歴代の財政課長でも指折りの評価を受けていたんですよね。  国の補正予算も成立しております。それを受けての県の補正予算案でありますし、先ほど説明も伺いましたが、それぞれの事業の積み上げの中で、財政当局の査定も受けているのであれば、箇所の説明、資料の添付は100%可能であります。事業費について、若干の修正がいろいろとあるのは了解しましょう。  この議論の経過の中で、ようやく当初予算や本定例会の当初の補正予算案で主要な箇所の説明が資料添付されているわけであります。今回の追加補正予算案では時間がなかったにしても、私に言わせれば極めて杜撰な予算の提起・説明はもう許されないんだと。そのことを肝に銘じていただきたい。  今日は、時間がなかったのかなというくらいで理解しましょう。あとで予算についての私の態度表明もしなければならないですから。いずれにしてもこのようなブラックボックス的な、中身が不明の巨額の予算案が計上される過程で、事実上は箇所付けもされて今準備も作業も進んでいるわけです。ほとんどが繰越明許とはいえ、様々な作業が進んでいるわけです。  大変御苦労がおありだと思うけれども、私に言わせればこのようなことは議会軽視です。議会軽視と受け止める人はほとんどいないのだけれども、私は三十数年議員を務めさせていただいておりますが、ブラックボックス化、不透明なことについては一貫して言っています。  議会軽視、これはすなわち県民軽視でもあります。そのことを強く指摘をしてきた一人でありますので、今日改めて申し上げます。今日は幹部の皆さんおそろいですから。こんなことが許されないのが本来の地方自治、県政の在り方であります。そのことを強く主張して、時間の制約がありますからこれで終わりにします。ありがとうございました。 12 米原委員 私の理解といいますか、土木部や農林水産部から、これまでもいろいろなところの箇所付けの案内を頂戴して拝見しております。この事業というのは、今はどうなんでしょう。土木と農林水産の両方を入れると何千か所──6,000から7,000か所ぐらいあるのではないですかね。  事業数は莫大なものであります。それを一つ一つチェックするというのは、私はなかなか理解しにくいところもあるのですが。  日頃我々が委員会とか、あるいは県政の場で議論をしている中で、それぞれの部局が今必要な防災・減災対策とか、あるいはまた地域のために活用しながらやっていくんだということを形にしたものだということを私は理解をしているつもりですけれども。  今、菅沢委員がおっしゃるように、全てのものを皆出しなさいと言われると、これは今説明でおっしゃったように膨大な数になるかと思います。  補正予算案の資料の出し方や説明の仕方をどんな形にしていくのがよいかについては、私もまだわからないところはありますけれども、どのような方法がいいか、執行部の皆さんが検討する余地があるのかなと今感じた次第です。 13 薮田委員長 ほかに付託案件についての質疑はありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑を終わります。  (3)  討 論 14 薮田委員長 これより討論に入ります。  討論はありませんか。──ないようでありますので、討論なしと認めます。  (4)  採 決 15 薮田委員長 これより付託案件の採決に入ります。  本委員会に付託されました議案第112号令和4年度富山県一般会計補正予算(第4号)のうち、本委員会所管分ほか23件及び報告第20号地方自治法第179条による専決処分の件のうち本委員会所管分について、原案のとおり決することに賛成の委員の挙手を求めます。  〔賛成者挙手〕  〔「やむなし」と呼ぶ者あり〕 16 薮田委員長 挙手全員であります。  よって、議案第112号ほか23件及び報告第20号については、原案のとおり可決または承認すべきものと決しました。  2 請願・陳情の審査 17 薮田委員長 次に、請願・陳情の審査に入りますが、今回はいずれも付託されておりませんので、御了承を願います。  3 閉会中継続審査事件の申し出について 18 薮田委員長 次に、閉会中継続審査事件の申し出の件を議題といたします。  本委員会の閉会中継続審査事件につきましては、お手元にお配りをしております申し出案のとおり、議長に申し出たいと思います。  これに御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 19 薮田委員長 御異議なしと認めます。  よって、お手元にお配りしてあります申し出案のとおり、議長に申し出ることに決定いたしました。  4 県土整備農林水産行政当面の諸問題について  (1)  報告事項    資料配付のみ    砂防課    ・土砂災害防止「全国の集い」の開催について  (2)  質疑・応答    庄司委員    ・高岡テクノドーム別館整備事業設計変更につい     て    ・富富富の生産拡大について    筱岡委員    ・ハトムギの需要拡大について    ・令和5年産米の生産目標について    菅沢委員    ・富富富の生産販売戦略について    山本委員    ・持続可能な資源開発としての砂利採取の推進につ     いて    米原委員    ・歩行者の安全確保について    ・県発注工事設計積算について 20 薮田委員長 ただいまの報告事項に関する質疑及び所管行政一般についての質問に入ります。  質疑・質問はありませんか。 21 庄司委員 私からは2問質問したいと思います。  今定例会前の委員会や今定例会中も高岡テクノドーム別館の事業の設計変更などに対していろいろと御意見があったと私も承知しております。  本委員会では付託案件には入っておりませんが、この高岡テクノドーム別館の整備については、商工労働部商工企画課が所管しておられますが、設計に営繕課が関係していますので、この委員会にも関係があるということで質問をしたいと思っております。  この高岡テクノドーム別館整備事業については、当初昨年4月に公表されたものですけれども、26億5,000万円という金額でした。今回の基本設計の見直しでは、5億円が抑えられるということではありますが、資材高騰の影響によって建設費は46億3,000万円に上るということであります。  今定例会の補正予算案の中にも、2023年・24年度の工事費の担保として債務負担行為が設定されています。この事業はPFI─O方式ということで、先ほども言いましたように、設計は県が行うということになっています。  5億円を抑えられたということですが、どういった設計変更を行われたのかということ、そしてまた設計費がこれだけ上振れした積算の根拠について伺いたいと思います。沖村営繕課長、お願いいたします。 22 沖村営繕課長 高岡テクノドーム別館については、現在、令和6年度中の開館を目指し実施設計を進めているところですが、資材等の高騰の折、設計の基本的な考え方を損なわない範囲で、約5億円のコスト縮減を行った上で詳細に積算したところ、建設費は昨年に公表した約26.5億円から約20億円の増の約46.3億円となりました。  増嵩の主な理由としましては、中国におけるコロナ感染対応のためのロックダウンウクライナ情勢の長期化、円安の影響等による建築資材全般の価格の高騰や労務費の上昇により約5.5億円、詳細検討による見積金額の増により約8.7億円、鉄骨資材の納期の長期化に伴い一部構造を鉄筋コンクリート造へ変更したことにより約0.4億円、県産アルミ鋳物建具の採用や可動客席に机及びコンセントを設置するなどの追加要望への対応により約2.5億円、詳細設計による部材等の追加が約2.7億円でございます。  コスト縮減のため設計を変更した具体的な内容は、メインとなる展示場の広さや可動式客席の数は維持しながら、交流棟を含めた全体の床面積を縮小することにより約2.5億円、屋根の面積の縮小及び構造合理化により約1.5億円、舞台機構及び設備機器の仕様の見直し等により約1億円、計約5億円の節減を行ったところでございます。 23 庄司委員 報道などでは、物価高騰の影響でということで我々も認識していたのですが、昨日も説明を聞きましたが、物価高騰による直接的な事業費の値上がりはさほど大きくないのではないかと。詳細検討による見積りの額であったり、追加の分の額であったり、その他の設計変更ということで、今回の増額分の半分以上がその変更によるものであるということを今も説明いただきましたが、そういったことでありました。  当初の金額は26億5,000万円ですので、やはりこの、よしやるぞと決定する段階できちっとした金額を出していかないと、この後これだけ値上がりしましたと言っても、なかなか県民の理解が得られないのではないかという懸念もあります。  ですから、やはりもっと見積りの精度を上げていかないといけないと思います。今後こういったことが起こらないように、進めていただきたいと思います。確かに資材の高騰は避けられないことではありますが、いろいろと工夫をされて、費用も少し抑えられたということも今説明がありました。確かにそのとおりだと思います。そうではありますが、やはりこの積算の精度を上げていかなければいけないと思いますが、どうやって今後取り組まれるのかお聞きします。 24 沖村営繕課長 26.5億円を算出しました基本設計は、建築の構造や電気・給排水など各分野における大まかな仕様を決定して、各室の配置や外観が分かる程度の概略的な図面の作成や概算的に工事費の算出を行うものであります。  基本設計に際しての工事費は、類似した施設の施工実績における平米当たりの単価や施工規模等を参考に概略的に算出しているものであり、詳細な図面がない状況で精度を上げるには限度があると考えております。基本設計詳細設計と進めていくことにより、精度を高めていくことが望ましいと考えております。  さらに、今回のような大規模で特殊な構造の施設については、類似した施設が限られているためにさらに困難な状況にあったものでございます。 25 庄司委員 確かに難しい構造だったのかもしれないですけれども、例えば普通に自分で家を建てるとして、2,000万円だったものが4,000万円になりますということになると、これは大変なことだと思うんですね。これは皆さん普通に思われることだと思うので、これが県の予算を組む中で、こういった見積もりであるということ自体考え直す必要があるのではないかなと思っております。実際難しかったとはいえ、大まかな見積りしかできないという話でしたけれども、改善点など、今後何か必要だと思いますが、もう一度課長にお伺いします。 26 沖村営繕課長 基本設計というのは、類似の施設を参考にした平米単価から行っているということがあり、こちらも精度をなるべく上げたいとは思っておりますけれども、正直今の状況ではなかなか難しいところがあると考えております。 27 庄司委員 それでは市井土木部長、見解をお願いします。 28 市井土木部長 今ほど営繕課長のほうから基本的な流れは説明いたしました。ただ、その見積りの取り方についても、一般的なものであれば、見積りを取ったときに平米単価でも算出はできるのですけれども、こういう特殊なものでは難しい、ということでございました。  ただ、そういった特殊なものであっても、類似する施設をより広い範囲で調べて事例を集めるであるとか、あとはもっと部材をもう少しできる範囲で細かく拾い出しするであるとか、限られた範囲ではありますが、努力する余地はあると思っております。  これからもいろいろな施設の設計等を進めていくことになりますが、その中でできることを一つずつやっていくということが私の思いでございます。 29 庄司委員 なかなか難しいのかもしれないですけれども、この精度を上げるということは非常に大事だと思います。ぜひ今後しっかりまた進めていっていただきたいと思います。お願いします。  次の質問に移ります。富富富についてです。  現在、富富富は生産者の募集をスタートされておりまして、募集期間は11月10日から12月20日ということであります。富富富については、意欲的に取り組む方を今募集しておられるということで、生産者登録制となっています。  今、みどりの食料システム戦略が進められておりますので、富富富については、それに対応してといいますか、ちょうど減化学肥料だったり減農薬であったり、そういった削減が可能であるということであります。これをもっと広げていかなければならないということで、部長からもいろいろなところで答弁や発言もいただいております。みどりの食料システム戦略を進めるフラッグシップとなる品種であると、富富富の生産販売PR戦略の中でもうたわれています。  その一方で、なかなかこの栽培面積が広がっていかないというのが実態としてあると思います。生産者の方々とも話をしておりますと、やはりコシヒカリと収穫時期が重なるということが要因の1つとしてもあると思います。
     生産者として登録されて、個人的に乾燥調製もされていたり、ある程度の大きな法人であると、掃除もきれいにして混ざらないようにして対応は可能ということですが、この面積を拡大するということになりますと、やっぱりJAである程度の規模感で乾燥調製を受け入れる体制が今後必要になってくるのではないかと思います。みどりの食料システム戦略を進めるという意味でも必要になってくるのではないかなと思っています。  実際に農協で受け入れるといっても、やはりコシヒカリがあるものですから、なかなか現状としては、県内のJAの中でも受入れされていないJAは結構あると思います。そして今言ったように、本当は実際にやってみたいという農家の人がおられます。おられるけれども、乾燥調製の設備がない。いつも農協に出荷しているから、それなら富富富を作って農協へ出そうかと思っておられても、なかなか取り組めないということが現状としてあります。  それなら農協で受け入れるようにすればいいのではないかということもあるかもしれないんですけれども、これを農協が単独で新しく施設を建てるだとか、入れ替えるだとかもなかなか難しいと。農協自体が今、生産者も少なくなってきて経営自体がなかなかうまくいかなくて、合併の話もいろいろあったりして、本当に積極的に取り組もうというような状態じゃないんですね。  そういった中で、富富富を広めるためには、やはり国なり県の支援も必要だと思いますし、JAでの乾燥施設や受入れ体制の構築、強化を積極的にしていく必要があると思いますが、野尻農林水産部次長にお伺いします。 30 野尻農林水産部次長 今ほど委員から御紹介ありましたように、富富富はみどりの食料システム戦略の中でもきちんと位置づけができて、その切り札になる一つの品種だと私どもも思っております。  富富富の生産拡大につきましては、富富富自体の特性と申しますか、高温に強い、倒伏に強いといったこと。それから今ほどのお話にありましたように肥料や農薬を低減できるといった優位性のPRに加えまして、JAさんの乾燥調製施設における受入れ体制の構築が大変重要であると認識しております。  このため、令和3年3月に策定しました富富富の生産販売PR戦略においても、この共同乾燥調製施設等の利用促進あるいは受入れ体制を整備するということで位置づけておりまして、例えば直近の例といたしましては、JAのいなばさんで東部第3カントリーエレベーターが整備されました。  平成30年の本格デビューまで遡れば、例えば具体的な名前はちょっと申し上げにくいのですけれども、カントリーではないですが、管内に7つぐらいライスセンターがあって、それを2つのライスセンターに再編したいと。当然、そうしますと、空きのライスセンターが出てまいりますので、その空きのライスセンターを富富富を受け入れる専用施設に位置づけるといったような取組などがJAさんの御努力で進んでまいりまして、大型施設での受入れは現在15のJAのうち、今1つ合併しますのでもう1つ減りますけれども、5つのJAまで広がってきているという状況になっております。  今先行しておりますこれらの施設では、効率的な富富富の受入れ、あるいは今ほどおっしゃいましたようにほかの品種──コシヒカリ等のコンタミネーション──混じらないようにするということで、例えば施設の受入れ予定時期に即して田植えの時期から調整をしようとか、それから例えば収穫時期が重なるコシヒカリなどと同時に受け入れるために、荷受けのラインをもう1系統つくる──配送ラインまで直すと。いわゆる複線化を行うということです。  あるいは、今ほど申し上げました事例のような複数の施設間の調整を行う。それから、これは生産者の方と一緒ですけれども、受入れ品種を切り替えれば、清掃は徹底しなければいけないということだろうと思っております。  今ほど申し上げましたように、各JAにおいては、共同乾燥調製施設の能力の増強、あるいは、なかなか厳しいというお話もございましたが、順次施設も更新を予定していくケースもあります。そういった場合については、富富富の受入れを盛り込んでいただくような事例も実際出てきてまいりましたので、全農の県本部や県の農協中央会などにおいても、そういった施設の受入れ体制が構築されるよう、今ほど申し上げたような事例を参考に、御議論いただいているという状況にございます。  富富富につきましては、化学肥料や化学農薬を低減できますし、環境にやさしいお米として、今ほど御紹介のありましたみどりの食料システム戦略の実現にも寄与すると。そして、またこの富富富が消費者にも選んでいただけるように、しっかりと作らなくてはいけないということで、引き続き市場での一定のボリューム感の出る、おおよそ面積で換算しますと2,000ヘクタールを令和7年の目標として掲げております。  農業団体、農業者の皆さんとよく連携して、そして共同乾燥調製施設の受入れ体制を構築して、そしてしっかりと利用していただけるように、JAとよく相談して協議をさらに進めてまいりたいと考えております。 31 庄司委員 今ほどはしっかり取り組んでいっていただけるというような答弁でしたけれども、やっぱりみどりの食料システム戦略──今ちょうど国の戦略が進んでいますので、これに遅れることのないようにしっかりと進めていただきたいなと思いますし、あと出口戦略ですよね。ほかの農産物も一緒だと思いますけれども、選んでいただけるようにと今ほど言われましたが、しっかり消費者に選んでいただけるような取組をお願いします。学校給食などでも今出されているということですけれども、やっぱり食べておいしいんだと県民が言われて、県民から発信するというような流れもひとつつくっていっていただきたいなと思います。 32 筱岡委員 まずハトムギのことでお伺いします。先週、全国ハトムギ生産者技術協議会が大阪であったそうでございます。そのときに、全国のハトムギの生産状況、あるいは輸入がどれほどされているのかということも発表され、またそれを基にいろいろ研修もされたようであります。  一番ハトムギの需要が多いのは、具体名を言うとコカ・コーラの爽健美茶がトップのようで、あとは十六茶とか。あれらはほとんどハトムギが入っているわけで、お茶の需要がハトムギは一番大きい。やっぱりコロナで外国人観光客が減ったせいも大きいと思いますが、このハトムギの需要が大きく減ってしまっているのが今の実態のようです。  令和2年は全国で輸入も入れて8,300トンぐらいの需要があったようですが、令和3年からは大きく落ちて6,600トンぐらいになって、今年も見込みでは5,800トンぐらいと。この2年で特に大きく需要が落ちております。  輸入も落ちています。令和2年は約6,400トン。令和3年が4,500トン。令和4年も変わらず4,500トン。  国産については、令和2年が1,800トン、令和3年は国産が伸びて、2,000トンぐらい。そして今年はがくっと、1,300トンまで大きく落ちてしまっているわけであります。  今申し上げたように令和4年の輸入が4,500トンで、そのうちタイ産が半分ほどらしいのですが、コロナでこの2年、国産はがくっと落ちたけれども、輸入があまり落ちていないわけであります。  そこで、国産をもっと増やす、輸入を減らして国産を増やしていかなければならないということで、価格差はある程度はあるのでしょうけれども、やっぱり食料安全保障という観点も当然あるわけでございます。  幸い私の地元のハトムギは、今度で2年連続全国一かな、3年連続かな。次が岩手の花巻が2位でございますけれども、全国一と言われているこのハトムギ生産地ですが、今年は去年に比べて3割ほど減産をせざるを得なかったということでございます。何とかこの国産ハトムギの需要を拡大していくことが肝要かと思いますが、その辺を野尻次長にお伺いします。 33 野尻農林水産部次長 今ほど委員から御紹介もありましたが、近年のコロナ感染症の影響によりまして、ハトムギ茶をはじめとしましたハトムギの需要が減少しております。生産量についても全国的に減少となっております。  本県では、小矢部市や氷見市を中心に作付が行われておりまして、令和4年産では289ヘクタール、449トンの生産が見込まれているという状況でありますが、全国一の生産県は今ほどありましたように維持をしたのだけれども、全国と同様に本年産は前年に比べて約3割の減少という状況下にあります。  ハトムギは、投下労働力が少なくてもしっかり栽培できるということで、時間当たりの収益性もありますので、非常に大事な品目でございます。水田フル活用を推進する上で大変重要な地域振興作物の一つだと考えております。  これまで、県では栽培実証圃の設置や栽培マニュアルの作成などによりまして、技術の向上を図っており、例えばJAいなば管内のハトムギ生産者の2人の方が全国の地域特産物マイスターに選ばれまして、他の生産者の範となるような、具体的な技術の伝承も行っていただいており、生産振興につなげていただいています。  また一方、ハトムギの皮を削る精白処理、お米で言う精米ですね。それから、粉をひく製粉などの加工施設の整備などに、生産と需要の両面から県としても支援を進めてきたところでございます。  ハトムギは大事な品目でございますので、しっかり生産振興をしなくてはいけないわけですけれども、今ほど御紹介いただいたように、やはり需要の部分で、輸入があまり変わっていない状態で、総体で消費が下がっている分を国産がちょっと影響を受けたという状況なので、輸入がこれ以上増えないうちにしっかり差をつくらなくてはいけない話だろうと思います。  したがいまして、もし主力がお茶であれば、今日私持ってきていますけれども、JAいなばのハトムギ茶、これを積極的に皆さんに飲んでいただくようにやっていくと。すみません、いなばだけではありませんし、県内にはたくさんの産地があり、氷見の大事なハトムギ茶もありますので、しっかりと会議等でも使っていただいて、振興を図っていくということが大事かなと思います。  そしてお茶だけではなくて、実は現在、厚生部さんともいろいろ連携しながらやっている話ですけれども、国の研究機関と共同で、従来のハトムギの品種の「あきしずく」に比べて倒伏しにくい、あるいは子実、要は実が少し大きいといったようないわゆる食料原料──お茶で煮出すのではなくて、直接おかゆなどで食べるようなイメージ、あるいは御飯に混ぜるといった用途ですけれども、そういった実需の御意見もあります。  そういったものを活用していくため、国産ハトムギの需要拡大に結びつくことが期待される新しい品種として「つやかぜ」という品種がありまして、国と共同で小矢部市内の現地圃場での栽培適性でありますとか、収穫物の加工適性などについての調査を行っている真っ最中でございます。  こういった試験といいましょうか、データ結果を整備いたしまして、何といっても実需の皆さんの意見、それから生産者の方々の作りやすさとかもありますが、こういった品種の生産も検討していくことになろうかと思います。  いずれにしましても、本県は全国一のハトムギ生産県でございますので、地元の御意見を踏まえまして、国ともよく情報交換をしたり、連携をして、国産、特に県産のハトムギの生産をしっかり進めてまいりたいと考えております。 34 筱岡委員 大変失礼しました。お隣の方や委員長に大変申し訳なかったです。もともと氷見がハトムギの発祥でございます。それがいなばへどういうわけか──当時の川上組合長と──当時私も組合長を一時していましたが、川上組合長に私は御指導いただいて、それが今やいなばが全国1位になってしまって、本家をちょっと置き去りにしたわけでございませんけれども、そういういきさつもあったわけであります。  ありがたいことに、ハトムギ茶は大いに愛用していただいております。さきほども言いましたように外国人観光客がこれからまた増えてきます。観光客が入ってくれば、お茶の需要も全国的にも多くなりますから、それを期待しております。  もう一つは、先日12月1日に、県の農業再生協議会で来年の米の生産目標を決められました。前年と同じという数字で何とか減産しなくてよかったなというところかと思います。これから県の方針を受けて各地区の再生協議会が、──もう終わったところもあるかもしれませんが──我々小矢部は来週かな、あるようでございます。  そこで、かねてから若干問題になっていたのは、生産目標を決めても、どうしても皆さんは目標の数字の100パーセントを超えたらいけないということにやっぱり意識がいきまして、どうしても実際作る面積と目標面積とのギャップ、差が出てくるわけですね。  それが、県全体でも300とか400ヘクタールと。もう全体としては大きい数字になってくるわけで、もったいないなと。かねてからそういう意見もあるわけでございます。せっかくの目標に、極力100パーセントに近づける努力も必要かなと思うんですが、どうでしょうか。 35 野尻農林水産部次長 本県では、生産調整面積が水田の4割を占めるといった状況におきまして、例えば作物の作付のローテーションの関係、あるいは排水性などの圃場条件などの制約があったり、また今ほど委員からお話がございましたけれども、各生産者が生産目標の範囲内での作付を意識し、これは他人に迷惑はかけられないというよい県民性なのかなというふうに思いますけれども、目標の内数で作付を行うといったことが県全体で積み重なりますと、やはり今ほどおっしゃったような作付の実績が目標を下回るいわゆる深掘りといったことが、例年大体400ヘクタールぐらい発生しているという状況にございます。  米の需要が減少する中ではありますが、富山米の需要が非常に堅調だというようなこともございまして、そういったことを意識しながら、引き続き需要に応じた米生産を進めるということが非常に大切だろうと考えております。  このため、県の農業再生協議会では、この深掘りの部分を解消すべく、生産目標に沿った主食用米生産を推進するといった観点から、4年産米の生産目標においては、過去の作付実績を考慮して地域間で調整するなどの工夫が行われております。  こうした工夫の下に、地域の座談会等で話合いを進められた結果、本年産では生産目標が3万1,550ヘクタールでございましたけれども、作付の実績は3万1,300ヘクタールということで、いわゆる深掘りの面積は250ヘクタールに抑えられているという状況です。それでも250ヘクタールあるということでございます。  令和5年産に向けましては、今ほどありましたような12月1日の県農業再生協議会臨時総会において、生産目標を前年の作付実績と同じ3万1,300ヘクタールとし、その目標に沿った、──ちょっと言い換えますと限りなくその目標に近づけるという趣旨であると思いますけれども、主食用米の生産を行うということで、各地域の皆さんの調整を促すことが決定されております。  これを受けまして、各地域においては作付意向を極力早期に把握するといったこと。それから、必要に応じて集落間、あるいはJAの例えば支店単位といったような地域間での調整などを行って、このいわゆる深掘りの解消の推進といったことが今後図られていくという認識でございます。  県としても、この目標に沿った作付をしっかり行っていただけますように、各地域の農業再生協議会、JAさんとよく連携して取組を進めてまいりたいと考えております。 36 筱岡委員 ぜひ極力近づける努力をよろしくお願いしたいと思っております。  私、先週の予算特別委員会で、時間切れでちょっとある一言を言いたかったが言えなかったものですから、今日、せっかく委員会で皆様方にはなむけの言葉を1つ。ウサギにかけまして1ついいます。「う、浮き浮きとした」「さ、サプライズが」「ぎ、ぎゅっと詰まったよい年になりますように」これを贈って質問を終わります。 37 菅沢委員 お米のことについては、庄司委員筱岡委員は専門家の領域ですが、食べるだけの菅沢ですけれども、ちょっと取り上げます。  この間新聞を読んでいましたら、こんな記事がありました。県内では、従来品種でも十分においしいとの声が多かった。富富富もおいしいけれども、従来からの主力品種であるコシヒカリでも十分おいしいよと、多くの県民がコシヒカリを食べているという、県の市場戦略推進課のコメントが新聞記事に載っていたわけです。  私はこれが富富富の敗北宣言とは言わないけれども、この市場戦略推進課のコメント、県民の実態を率直に述べたのだと思いますが、本当に言ったのでしょうか。これが1点。  それからもう一つは、さきほど野尻次長から、富富富の生産拡大についてボリューム感を出すようにというお話がありました。富富富の生産量を増やすためには、生産農家も増やさないといけません。令和7年度は目標2,000ヘクタールですから、作付面積としては相当大きな面積になるわけです。現在、作付面積は令和4年度で1,400ヘクタールですから、3年後には倍とは言わないまでも相当大きな面積になります。  つまり、富富富がいわゆるブランド米として、都会などで重宝されること。さらにはおにぎりなどの分野で生産が堅調であること。そこからもう少し一般の県民にも富富富を食べてもらうようにする──つまり、ある意味では富富富のブランド米戦略の一つの転換であるという言い方もされています。  この2点から、ブランド戦略の転換というところまで論調があるわけです。こういったことを前提に置きながら、少し幾つか質問をしていきたいと思います。私も今一生懸命考えたり、勉強しなければいけないテーマだと思っています。不十分な点が多くあると思いますがよろしくお願いします。  そこで、現在の富富富の作付面積、生産者数、これは伴市場戦略推進課長から統計資料を頂いています。令和4年度で作付面積は1,431ヘクタール、登録者数は613農家であります。これは思うように増えていないという見方ができるのではないかと思います。この登録者数に至ってはずっと減ってきており、中核農家や法人が生産に携わる例が中心になってきているのではないかと思っています。  そういう中で、先ほど申し上げたように、県内の消費者の中に浸透しようにも、富富富全体の生産量が、今は全富山米の四、五%ですから、戦略的にもブランド米として都会へ売り込むとかコンビニのおにぎりに採用してもらうとなっているわけです。  こうしたことから、現在の富富富の戦略は、壁にぶち当たっていると感じています。行き詰まりといいましょうか。この辺のところについて、しっかりと現状を踏まえた解明が必要ではないかと思いますが、伴市場戦略推進課長にお尋ねしたいと思います。 38 伴市場戦略推進課長 富富富が県内の消費に浸透していないというようなニュアンスでお話をいただいたところでございますけれども、この富富富につきましては、委員に事前にお渡ししたとおり、デビューした平成30年の518ヘクタール、登録者数で469件から令和4年産におきましては1,431ヘクタール、613件と、徐々にではありますけれども増加してきているというところですが、内訳を見ますと、途中の年度で少しずつ生産者の数が減ってきているという状況でございます。  大規模な農家さんでは、しっかりと富富富の生産面積を増やしていただいているという状況ですけれども、やはり小規模の生産者の方々は、先ほど答弁にもありましたけれども、JAさんとの受入れ等ができないなどのいろいろな生産の課題等がありまして、そういう方々は今富富富はやめておられるというような状況でございます。  ここで、本県産米全体としまして、どういうお米の流通状況かというお話をちょっとだけさせていただきますと、一般的に富山米は県外出荷が8割、県内で2割が消費されているという現状です。これは全富山米でございます。そのうち富富富につきましては、割合が少し変わりまして、県外7割、県内3割ということで、生産量はまだ少ないのですけれども、なるべく県内のほうで食べていただきたいという思いで全農さんにも協力いただきながら、3割という仕向けをさせていただいております。  今年度は、県内でしっかりと足元を固めて消費拡大をしていきたいということで、特に子供・子育て世代の皆さんには身近なお米としてより愛着を持っていただくために、環境にやさしいお米、子供と未来へというキャッチフレーズでいろいろ事業を展開しております。  1つには、学校給食で富富富を知っていただくとか、あるいは保育園等での園児を持つ家庭を対象にしたキャンペーン、あるいは購入をいただいた県民の皆さんへのキャンペーン、あるいは飲食店富富富フェアを開催することによって、県民の皆様になるべく多く富富富に触れていただけるような機会を設けているところでございます。  特に、学校給食の関係ですけれども、実は年間1,000トンを使っております。1年を通して269校提供しておりまして、今年10月に県内小学5年生にアンケートをさせていただいたところ、「甘くておいしい」「一粒一粒の食感が好き」「どんなおかずにも合う」といったような評価もいただいているところです。今後ともJAグループ等の関係機関と一体となって県内への浸透に継続して取り組み、富富富の消費拡大に努めてまいりたいと考えております。 39 菅沢委員 伴課長、富富富というのは本県産米の全体の生産量の中でようやく四、五%なんですよね。絶対的な量が圧倒的に少ないわけで、その中で県外へ出ていくもの、県内消費と、パーセントで比較してみても全くそれは机上の論議にすぎないわけです。しかも、富富富の消費需要というのは、販売戦略の中心が首都圏や中京、関西圏に向かっていますから。コンビニのおにぎりとか評判がいいという話も聞きます。県内の学校給食にもかなり力を入れているのはそれはそれでいいでしょう。  しかし、私があなたにお尋ねしたのは、過去のデビュー以来の四、五年の間の作付面積の推移とか登録者数──それなりの前進があることは認めますけれども、本来の富富富の位置づけ、戦略的な課題からすれば、もっと一般消費者、県民の中でも消費が進む、さらには全国に向けてもっと一般的な庶民の中で評価されていくような、そういう一つの戦略があったのではないかと私は思います。  何も富富富はブランド米として、生産量を少なくして、高級品としての位置づけに特化すると最初からしていたわけではないのではないかと私は思っています。そういう点で、今日までデビュー以来の四、五年の間の作付面積、生産者数が思うように伸びておらず、県内の消費者にもあまり浸透していないと。絶対量が少ないから浸透しようにも無理があるわけであって、学校給食で伸びている程度の評価でそういう議論をしていていいのかという印象を強く持ちます。なぜ思うように伸びていないのか、もっとはっきりと問題意識、課題意識を述べてくださいよ。どうですか。 40 伴市場戦略推進課長 富富富につきましては、やはり新しい品種ということもあって、今現在の段階では1,400ヘクタール余りで、大体トン数にすれば6,000から7,000トンほどが年間の生産量となっております。ただ、6,000とか7,000トンという数量は、米の流通の専門家のお話ではありますけれども、やはり1万トンほどのロットがないと、一品種としてはなかなか流通やいろいろな消費拡大といったようなレールには乗せづらいというようなことがございます。今の販売戦略の中では、何とかこの2,000ヘクタール、1万トンという目標をなるべく早く達成したいという思いがありまして、今、その生産拡大も含めて一生懸命関係機関と一緒になって進めているところでございます。 41 菅沢委員 確かに絶対量が少ないですから、市場を形成しようにも、消費者を獲得しようにもなかなか限界があるわけですよね。  そこで、あなたの話のように生産量を増やす方向性と、もう一つはやっぱり価格の問題もあるのではないかと思います。ほかの品種のお米──コシヒカリと比較しても、価格が相当高いのではないかと。おいしい米なら非常に有利な条件があるわけであって、価格をどう下げて量を増やすか。価格の問題はあるんじゃないですか。  従来のJA全農での集荷販売、こうした流通面の制限の問題もあります。農業法人の直接販売も可能になるようですけれども、もう少し手軽にお米が消費者の手に届くような仕組みへの改善も必要かもしれません。  生産が伸びない、農家が増えない、消費量が増えない。そのネックのところにいろいろな課題があるのではないですか。あなたはもう少し整理してはっきりするべきだと思いますけれども、いかがですか。 42 伴市場戦略推進課長 今、委員御案内のとおり、富富富デビューのときは、コシヒカリと富富富の価格差というのは、60キロ当たりの概算金で1,500円の差がありました。令和3年産からは800円の差ということで、徐々にその富富富とコシヒカリの価格差というのは縮まってきて、それによって店頭での販売価格というのもコシヒカリと富富富との価格差が少し近づいてきているという状況です。  この富富富の生産拡大をするために、現段階ではコシヒカリよりも800円の価格差が全農さんのほうでつけられておりまして、そこの部分については、やはりある程度のロットがそろうまではぜひ続けていただけたらいいなというふうに思っているところでございます。 43 菅沢委員 1,500円から800円、コシヒカリとの差が縮小してきているということです。その方向性を目指すという課題意識、問題意識が大事だと思います。価格を下げて、量を増やして一般県民が食べられるようにする。おいしければなおさらいいじゃないですか。私はそこをもう少し明確に問題意識として持つべきだということを提起しているわけです。伴課長、これでありがとうございました。  今日は農産食品課長が事情があって欠席しているのは十分に承知していてこういう質問になって、悪いなとは思っているのですけれども、あとは野尻次長にお伺いします。  先ほど筱岡委員からも質疑がありましたが、令和7年度までの方向性──当面令和5年度は富富富の作付や農家戸数をどのように展望して、令和7年度の目標に向けてどう達成していくのか。  先ほどから伴課長と議論をしたような作付面積や生産者を増やして、つまり生産量を増やして、そして消費者を県内でも拡大していくという方向性ですね。そういうことをひとつ論議の先に見ながら、令和5年度から7年度の富富富の販売戦略について、具体的にどういうことを検討しているのかをお聞きします。 44 野尻農林水産部次長 富富富につきましては、令和3年3月に策定いたしました富富富の生産販売PR戦略において、将来的に中生品種の大勢を占める品種となるようにということで、市場に流通展開できる一定ロットを確保するため、これが先ほども御答弁しているような内容の、令和7年産に作付面積では2,000ヘクタール、生産量では1万800トンぐらいになるかとはじいておりますけれども、その数字を目指しているところでございます。  今ほどの御議論の中にもありましたが、確かにお米の生産ですので、全国的な消費の減退の中で富富富だけをどんどん伸ばすというようなところだけを狙うというのは、やっぱりちょっと厳しいというところがありまして、その中でも徐々に増えてきているんだということは、御理解いただきたいなと思います。  その1,431ヘクタール、613経営体ということでございまして、先ほど庄司委員の御質問にもお答えしましたとおり、新たな生産者を確保していくということになりますと、やっぱり受入れの体制──大規模施設の受入れがあれば、コシヒカリと同様の体制を組めますので増やしていけるということ。委員にも少しお触れいただいたと思いますけれども、最近は新たな需要先という形での引きが強くなってまいりまして、やっぱり全農をはじめ各JAのほうでもしっかり作りたいなというような希望はお持ちなのだと思いますし、私どももぜひお願いしたい、頑張りましょうというような形でお話をしております。  特にそのような話がありますと、大きな農業法人ではもうちょっと切替えを進めて、どんどん富富富の生産をしようという声も実際出ているということもありますし、御希望の皆さんには先ほど申し上げたような対応と、そういうところを分けて考えていくということが大切かと思っています。  令和5年産の生産者募集につきましては、12月20日までに地域のJAさんの地域協議会に生産者の方が登録申請書をお出しするとなっております。その後に取りまとめをいただきますので、全体的な傾向が見えるのは年明け後になろうかとは思いますけれども、いずれにしても令和5年産は4年産からの面積でも上積みを目指すということで対応を図っていきたいと。現在地域ごとに生産者募集に関わる説明会などを行って推進を図っているところです。  いくつの経営体でという具体的な数字については募集が終了してからの話になってしまいますが、今ほど申し上げましたように、面積も含めて生産量、農家の数は連動して増えることを目指していくとしております。  いずれにしても、担い手の皆さんでの作付拡大を中心に、新たな生産者にも作付に取り組んでいただけますように、環境条件も整えながら、そしてまた具体的な現場の課題──生産の技術的な課題があればそれを一緒に解決をしながら、2,000ヘクタールを目指して生産拡大に努めてまいりたいと考えております。 45 菅沢委員 今、非常に重要な中身の答弁をいただいたように私は思っております。令和7年度で2,000ヘクタール、1万トンを超える生産量を目指すと。あと三、四年で今現状の1.5倍を目指すことになるわけです。さらに将来的には、富富富を中生の大勢を占める主力品種にしていくというお話もありまして、まさにコシヒカリを富富富に置き換えるという米の生産戦略の大きな転換につながりかねないお話であったかのような受け止めをしております。それはそれで、私は評価できる方向性だと思っております。  先ほどあなたからもお話あったように、富富富というのはコシヒカリに比べて、県の資料にも載っていますように、化学肥料の使用が2割少ないとか、病気にも強くて農薬は3割削減できるとか、環境への負担低減、SDGsに適していると。従来品種と比べ、稲の草丈も10センチほど短くて風に強く、気象変化にも対応できるということです。これは本当に開発された皆さんの努力の成果だと思っています。  こうして開発された富富富がしっかりと中生の主力品種として位置づけられていくような方向性が出てきたということ。つまり、コシヒカリに富富富を置き換えていく生産戦略が示されつつあるということを私はしっかり受け止める必要があるのではないかと思っています。その上で価格の問題ですね。それについても、先ほどの話では低減する方向性が出てきていると。  そして、これはもう皆さんの努力の成果でもありますけれども、品質の面でも富富富はコシヒカリを超えて、一等比率95.5%が示されております。皆さんの御努力の成果が表れているように思っています。  あと堀口農林水産部長に最後お聞きします。今いろいろ申し上げてまいりました。私はこの富富富の戦略──ブランド米戦略から一般への普及を優先する戦略への転換ということへ、その走りが見えてきているようにも思っています。富山県の米生産の大きな転換点──富富富というものを本当に前面に出してこれからどう生き残りをかけてというか、競争の中でやっていくかということも思ったりするわけです。  今後、生産量や流通量をどう増やして、そして価格を下げて県内での普及も図りながらやっていくのか。富富富の販売戦略について、現状を踏まえたお話を改めてお聞きしたいと思います。 46 堀口農林水産部長 富富富でございますが、当初、平成30年にデビューをさせていただきました。もともと地球温暖化ということがあって夏場が非常に高温になると。その暑さに強い品種を何とか作れないかということで農業者からのお声もあって、この富富富というものを作ってきました。当然コシヒカリに比べて背丈が短いとか、あるいは高温に強いとか、病気に強いので農薬もあまり要らないとかいうような優位性がございます。  そうやって平成30年にデビューしたとき──あくまでもそのデビューしたときの戦略というのは、コシヒカリよりももう少し値段の高いブランド米ということで売り出していこうということで、これまで30年から令和2年度まで、戦略によってブランド米を志向しようということで進めてまいりました。  そして、3年間の実需者あるいは消費者の評価はどうだったかということを検証いたしまして、コシヒカリも富富富も両方とも炊きたてはどれもおいしくて、私は区別はつかないわけですけれども、例えばコシヒカリよりも概算金で1,500円高いといった、そういうブランド米では少しどうなのかなというような評価も実はあったわけです。  そうやって、これまで3年間やってきましたけれども、じゃあ令和3年度から、令和3年産からの戦略をどうしていこうかということで、農業者の方、生産者の方、流通、それから消費者の方、そういう方が集まった「富富富」戦略推進会議というのを設けて議論をしました。  その中でも、どのような方向性でいこうかということをさんざん議論をいたしまして、コシヒカリよりもそんなに高くなくてもいいよねというような御意見もありました。そして、戦略としてはそんなに高級品ということではなくて少し消費を拡大できるような、コシヒカリと比べてもある程度リーズナブルな価格帯にして、コシヒカリよりもちょっと高い価格にして、それで消費者の方がお求めやすい、そういう価格帯を狙っていこうということで、令和3年の3月にその戦略を見直したということになります。  そういったことで、今後どういうふうにしていけばいいのかということは、やはり評価を得てそれぞれ見直しを図っていかなければいけないと思っています。先ほど来から少し議論のあります生産があまり伸びていないのではないかという御指摘については、さすがに地球温暖化で夏場が高温でも、そこそこコシヒカリも1等比率は持っています。今年でも本年産10月末でも84%ということでございますのでそれなりにあります。富富富は95.3%でもっと高いのですけれども、それなりにコシヒカリというのはまだまだ根強い人気があると。  また、生産者の方も、これまでコシヒカリを作っていたものを富富富に切り替えると、農薬や肥料の関係もありますが、栽培方法が若干異なるということもあって、なかなか小規模の皆さんは全部を富富富に切り替えるということが難しいということもありまして、生産が伸びていない。  一方で、大規模なところは、同じ中生の品種ですので、コシヒカリと例えば富富富の刈り取り時期も、一、二週間ずれるだけで、同じ中生品種です。一緒に作業をするということも、コンバインを変えなきゃいけないということもありますが、大規模なところでコンバインを何台も持っていらっしゃるところは、そうやって富富富の生産とコシヒカリの生産を分けることができる。だから今までは大規模を中心として富富富の生産が伸びてきていると。  ところが、小規模な方はなかなか全部切替えはできませんし、例えば1町をやっているところを5反ずつ富富富とコシヒカリを分けて作れるかといったら、なかなか小規模の方は取り組みにくいということもございまして、現状のようなことになっております。実際には生産がしやすいという農業者の方の御評価もありますので、そういったところを粘り強く生産者の方にはお伝えをして、環境にもいいものですよと、あるいはコシヒカリよりも若干ちょっと高いですから、どんどん富富富を作っていきましょうということは、生産者の方に粘り強く、こうアピールをしていかなくてはいけない。  もう一つは消費のほうです。消費の拡大もしなきゃいけないということで、これまでいろいろCMもやってきましたけれども、県内の足元を固めようということで、今度の戦略については見直しをしました。それによって学校給食だったり、あるいは先ほど保育所の話もありましたけれども、キャンペーンを張るというようなことで、県内の方にもしっかりと富富富を食していただく、食べていただけるように一生懸命PRもしているところであります。  将来的にはコシヒカリから富富富へシフトしていくということで進めておりますが、なかなか一遍には変えられないということもありますので、できるだけ県も努力をしながら、JAさんあるいは農業者の御協力もいただきながら、少しずつ転換を図っていくような形になればいいかなというふうに思っております。引き続き努力してまいります。
    47 菅沢委員 今、この富富富を基軸にした米戦略も、ブランド米の販売戦略からの転換と私は受け止めています。示されつつある方向性は、私は非常に評価できるというふうに思っております。ブランド米の販売戦略の転換というのは、これは全国的な流れに今なっているという識者の論調を読んだことがありまして、なるほどなと思っています。  米の消費がどんどん減っていく中で、農家の生産費、価格を補うために、各地でブランド米の開発が進みました。まさにそれは激化している状況もあるわけで、富富富もそういう戦場で生き残りをかけているんだろうと思います。先ほどからの論議を通じて、富富富の価格を下げて普及を図りつつ、環境負荷の低さなどの付加価値を打ち出す方法で、他の米の産地と対抗して、さらに富山米が評価を受けていく──そういう可能性について今日は一定の理解ができたように思っております。 48 山本委員 かつて滑川で、陸砂利の採取についていろいろ問題がありましてから、砂利を採取する業界、企業の関連する皆様方、今日まで大変いろいろ努力をされまして、信頼回復等々に努めてこられたというふうに思っております。  しかし、いろいろな状況が重なってきておりまして、かなり切実なこととして持続可能な資源としての骨材、砂利の採取について危機感をお持ちでございます。今日は、その意見交換をさせていただいたことを基にしまして、質問したいと思います。  陸砂利につきましては、本県で採取されるものについて近い将来、この開発可能な地域がだんだん狭められていって、骨材の入手が困難になる状況が想定をされ得るということであります。そうなりますと、当然社会資本整備や災害復旧時に大事なものが足りないということになるわけで、このことについて大変な心配があるところでございます。  特に本県で採取される砂利のうち99%は陸砂利ということですけれども、年々少なくなっていると。さらに、河川砂利や山砕石については開発の規制や生産コストなどの関係から、陸砂利に代替する生産量を確保することが現状では大変困難だと言われているわけであります。  また、長距離運搬──要するに県外から仕入れる、県外から持ってくるということになりますと、これにも大変大きなコストがかかります。最近のカーボンニュートラル等々の取組では、この輸送費に係る分の支出の削減にも着目をされているところでありまして、そういう観点からしても、しっかりこのあたり取り組む必要があるのではないかと思うわけです。  まずは、本県の砂利の需給や供給状況に対して、現状をどのように把握しておられて、この先どうなっていくと思っておられるのか、城光寺建設技術企画課長にお聞きしたいと思います。 49 城光寺建設技術企画課長 県内におけるコンクリート等に使用される骨材の生産量は、平成11年度の404万立方メートル、これをピークに平成19年度頃まで大きく減少し、その後は穏やかな減少傾向になっており、平成30年度以降、年間約150万立方メートルの量で推移している状況でございます。  また、県内における骨材の需給状況につきましては、国土交通省が毎月調査している主要建設資材需給価格動向調査、これは国が生産者など供給側と建設会社など需要側からモニターを選定して調査しているものでございますけれども、これによりますと、令和2年度以降最近の3年間では、県内全般を見れば需要と供給はおおむね均衡している状況が続いていると理解しております。  それと、今後の需給の見通しにつきましてお答えするということはなかなか難しいわけでありますけれども、こうした主要資材につきましては、安定的に供給されることが必要でございまして、骨材については骨材生産業者の方々が需給動向を見通した上で、市場に資材の不足が生じないよう、また過剰な在庫を抱えないよう、計画的に生産されるものと認識しております。 50 山本委員 現状は今のところ均衡していて、それで将来的に予測することはなかなか難しいということですけれども、現状で、県内で出されている基礎的なインフラ整備に係る工事事業量がこのまま続いていくとすると、富山県土石業協同組合連合会の皆さん方の肌感覚でいうと足りなくなるということを思っておられるのでございます。  そう思っておられることがあって、いろいろな提案がされてきているわけだし、そう思うからこそ、いや何とかこういうふうにしていきたいんだということで業界の皆様方が自らのなりわいの活路を見いだされようとしているわけだと思っています。  そういう状況の中で、山砕石開発における保安林指定解除について、実は御提案があったわけであります。この山砕石開発を行っていくということは全国的な傾向としてあるのだけれども、この開発には適地調査だとかで、実際に採取していくためには10年程度の期間がかかったり、数十億円の費用がかかるというような試算もあったりして、何とかやらなきゃいけないと思いながらも、時間もお金もかかるということでございます。  ところが、経費をかけて適地調査を行ったとしても、保安林の指定解除が認められないとこれが進まないということで、このあたりのところにいろんな思いがあるようでございます。  そこで、保安林の指定解除について、個別案件ごとにそれぞれ農林水産部、土木部と、いろいろと県の担当機関があるのでしょうけれども、連携を取りながら具体的な基準を示していただいて、何とかこのことに道を開いていただきたいと思うわけなのですけれども、まずは磯森林整備班長に、保安林の指定解除が可能なのかということ、あるいは指定解除を行うための具体的な手続や基準についてお聞きしたいと思います。 51 磯森林整備班長 保安林とは、水源の涵養や土砂の崩壊防止などの公益目的を達成するため、農林水産大臣等が指定する森林であって、立木の伐採、土地の形質変更等が制限されています。このため、指定の解除に当たっては慎重に判断する必要があり、森林法の規定では林道の開設など公益上の必要が生じたときは解除できるとされているほか、林野庁の取扱要領では、例えば傾斜が急な箇所、地形・地質から崩壊する可能性が高い箇所などについては、原則解除しないこととされています。  公益上の理由以外では、件数は非常に少ないですが、災害を防止する施設等が設置された場合に解除されたこともあります。委員からお話のあった山地での岩石採取のための保安林の指定解除については、地形や地質、規模など個別の事案ごとに検討されるものであり、あらかじめ具体的な基準を示すことは困難でありますけれども、個別に国と調整することになりますので、御相談いただければと考えております。 52 山本委員 私の認識では、富山県の場合はほぼ保安林で、人間の居住部分とそれ以外の森林部分はほぼ保安林があると認識していますので、それが解除されることはなかなか難しいけれども、相談には乗っていただけるということは大変ありがたいことと思います。  そういうことも踏まえて、これからの骨材採取のことも含めて山砕石の開発について、土木部の担当課長としてどうお感じになっておられるか、率直な御意見をお聞きしたいと思います。 53 城光寺建設技術企画課長 まず、骨材の需要と供給については、砂利を使用するか、山砕石を使用するかということも含めまして、市場原理の中で動くものと考えております。その一方で、砂利は公共工事に必要不可欠な建設資材であります。  全国的に見ますと、骨材の材料につきましては河川砂利から山砕石への転換が進んでおります。経済産業省の生コンクリート統計年報によれば、生コンクリートの原材料となる骨材で見ました場合、全国平均では河川砂利や山砂利、陸砂利が合わせて約20%、山砕石については約80%となっております。  一方、富山県の現状は、委員から御案内いただいたとおり、河川砂利や陸砂利の依存率が極めて高い状況でございます。こうしたことから、これまでも土木部としましては、富山県土石業協同組合連合会の皆様と骨材供給の現状や今後の方向性について意見交換を行ってきたところでもあります。  土木部としましては、引き続き骨材の需給動向を注視するとともに、将来も安定的に骨材が確保できるよう、県の関係部署とも調整を図りながら、業界団体の皆様との協議を進めてまいりたいと考えております。 54 山本委員 全国的には山砕石のほうをメインにしているということだろうと思います。富山県はいろいろな理由──特に山を治めるみたいな理由でそこをやってこなかったのだろうと思いますけれども、今の問題は、その山砕石をどうしてもやってほしいということではなくて、県内全体の工事で必要とされる骨材や砂利をどう確保していくのかという話だと思っています。  どうしても確保できないのであれば、山砕石にも取り組んでいかなくではいけないだろうし、それは業者任せに必ずしもできる話ではないと思いますので、いろいろな形で御協力をいただきたい。  また、砂利の採取について、砂利を取った後に埋め戻しをしなければいけないということであります。その埋め戻し土砂についても、なかなか確保しにくい状況になっており、二重苦になっている状況なわけでございます。当然、埋め戻しができないということになると掘れないということになりますので、ここのところでもやはり砂利を確保できないということになっていくわけでございます。  現在の状況でいいますと、採取の届出等々の審査が大変厳しいということもあるようでございます。何でもかんでも審査を緩くしてほしいということではありませんが、もう少し状況に応じた弾力的な運用ができないのかということがあります。  また、公共工事等に伴って出る建設発生土というものがありますけれども、これを埋め戻し材に利用することはできないかと。他県においては先行事例もあるとお聞きしております。建設発生土については、公共工事間で有効利用するということになっているようですが、選別用土砂として活用できる土砂もあることから、資源の有効活用としてこれを埋め戻しに使ってもいいのではないかと思います。  公共工事の事業費全体の削減にも資することになっていくという見方もあるわけですので、そういう意味でいうと、埋め戻しの土砂確保について現在の要件を緩和することができないか、特に建設発生土を活用することはできないのかということをお聞きしたいと思います。 55 城光寺建設技術企画課長 県では、公共工事における建設発生土は、委員御案内のとおり、極力工事現場内で利用し、減量化を図ることとしています。工事現場内で利用できない場合は、基本的にほかの公共工事現場内で活用するということが基本でございます。  また、すぐに活用しない、できない場合は、将来活用するためストックヤードに運搬することとしておりまして、ストックヤードの昨年度末の堆積土砂量は約54万立方メートルあります。  公共工事の建設発生土の砂利採取地への埋め戻し利用については現在、県では使用する建設発生土の品質や土量、利用範囲が適切に管理されているストックヤードに保管されている土砂に限り、砂利採取地への埋め戻しに使用することを認めているところでございます。こうした利用に年間約7万立方メートル利用されております。  公共工事の発生土を直接砂利採取地へ搬入することにつきましては、搬入する工事が複数になることが想定されまして、仮に復元農地及び周辺農地や地下水等に悪影響を与えるような事態が発生した場合には、その責任の所在が明白にならない、そういうことも懸念されます。  その一方、ストックヤードにつきましては十分な供給体制も整っておりまして、使用する時期の調整も容易でございますので、県としましては、適正に管理されたストックヤードの土砂を埋め戻しに使用していただきたいと考えております。 56 山本委員 埋め戻しについては、やはり厳正に見ないといけないと思っていますけれども、一方で、お互いのコストということもあります。その辺の何か知恵を出していただくのも、建設技術企画課としての面目躍如たるところだろうと思います。何らかの形で直接搬入することになれば、一旦運んでもう一回出すというのが一度で済む。ストックヤードへ運ぶ、そして管理する。この2つのコストがカットされるわけですので、難しい問題であることは承知していますが、何とかこういうところに道をつけていただけないかなと思うわけでございます。  最後は、骨材の受注や販売についてです。テレビのニュースだったかラジオのニュースだったか忘れましたが、骨材に余ったものを混ぜて出して事件になったようなことが最近あったように記憶しています。この埋め戻しや土砂の骨材の採取については、経営が苦しくなればなるほど、ちょっとまあこのくらいならというのが出かねません。いろいろと事業者の監督もしながら、かつその業者さんの実情に合った展開というのをしっかり認めてあげることも、これもまた大事だと思うわけです。  それで、県内の骨材の受注販売については、骨材販売協同組合が組織されておりまして、ここで価格を設定して市場取引を行っていると。ところが、先ほどお話がございました、調査機関等が公表している市場価格は、その共同販売価格を下回る状況になっているんだと。それは国のほうはちゃんとした業者に聞いて、聞き取りをやっているといいますが、いわゆる定価と実勢取引価格に差があるケースもそれは当然考えられるわけです。  品が薄くなれば高く取引される、それは当たり前のことですから、定価でやっぱり判断されるのではなくて、実勢取引価格がどうなっているのかということもあると思います。この市場価格が公共工事における骨材の工場資材単価に採用され、収益を圧迫する要因となっているということで、大変心配しておられるわけでございます。  ですので、調査機関が公表した市場価格をある程度指標にできるのでしょうけれども、できればこの共同販売価格、特に県内の状況はこうだということもしっかり把握していただきたいと思います。  もう一つは、再生骨材を使ってくださいと設計書に記載されているということですが、この再生骨材が調達できないということであります。変な話ですが、新生骨材の代わりに再生骨材を使うものだろうと思いますけれども、再生骨材が使えないので代替としてバージン材を使うと。  そうすると、当然新生骨材のほうが高いわけですので、このあたりもその業種を圧迫することがあるんだということです。よく市場調査をしていただいて、再生骨材が確保できない場合には、新生骨材の価格をしっかり認めてあげるということが大事なのではないかなと思います。  幾つか今申し上げましたけれども、こうした積算に当たっては現状をよく把握して、なるべく実勢の取引に合った単価の設定に努めてほしいというふうに思いますが、見解をお聞かせください。 57 城光寺建設技術企画課長 公共工事の発注に当たりましては、工事の品質や建設企業の利潤を確保するため、適切な工事価格を設定する必要があります。このため、県の工事では、県が毎月実施しています取引実態についての価格調査を踏まえて資材単価を採用し、10月には全ての資材単価を見直したところでございます。  公共工事につきましては、基本的に積極的に再生資源の利用及び再生資源化施設の活用を図るということにしておりまして、原則として再生骨材を利用することとしております。再生骨材の調達が困難な場合の対応につきましては、現在の状況を調査しましたところ、国土交通省の主要建設資材需給価格動向調査によれば、県内における再生骨材の需要と供給はおおむね均衡しております。また、土木センター、土木事務所に確認したところ、再生骨材の供給が滞っているとの情報は聞いていないということでした。  しかしながら、工事受注者から協議がありまして、そのような状況が確認されれば、再生骨材から新生骨材となるよう、変更により適切に対応してまいります。 58 山本委員 骨材や埋め戻し、適正価格などなど、それぞれちゃんとルールを守って厳正にやることは大事だと思いますが、今資材価格が高騰している、ここに対処していくのも大事なことだと思います。大変難しいことを言っていると思いますけれども、対処していただきますように重ねてお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。 59 米原委員 2時間が経過し、相当長時間となっておりますけれども、明日が11月定例会最終日、また委員会も今日が最後となります。次の委員会は来年の2月あるいは3月以降になりますので、師走のときではございますが、どうしても申し上げたいことがありますので、御理解をいただきたいと思います。  通告している件は、歩行者の安全確保についてです。過日──1週間ほど前ですが、富山から金沢に走っている国道359号がありますけれども、その砺波市芹谷──県民公園頼成の森の近くの交差点の歩道であります。押しボタン式の信号があるところですが、その場所を夕方の6時頃、本当に今はもう真っ暗な時間ですが、会社の勤務を終えて事務所から帰るときに青信号で渡ったそうです。そこへ猛スピードで走ってきた軽自動車にはねられまして、約50メートルの距離を吹っ飛んだという事故であります。  私はその近くをよく走っておりますし、勤務していらっしゃる方の会社のこともよく存じ上げておりましたので、よくよく話を聞いてみますと、その場所は、歩道は白いペンキではっきりとしているのですが、照明がないんです。  私はここ1週間ほどの間、各地区の照明や交差点の信号、歩道を見て回っております。見たところ、新しく整備されたきれいな歩道や、あるいは古くなってもう白線が見えないというような歩道などいろいろとありました。それから、LEDを使ってはっきりと鮮明に見える照明があるところもございます。ほかには、赤いというか、オレンジの色に見える照明もありましたが、これはちょっと見えにくいですね。そういうところがいろいろとあるんです。  先ほどいろいろと補正予算のことやたくさんの要望のお話もありました。例えば私も箇所づけの内容について、全て一つ一つはチェックできませんけども、確認をしています。たくさんあるなと思っていつも拝見をしているわけですが、やってもやっても切りがないほどたくさんの要望に皆さんは大変な御苦労をなさっていらっしゃることは、もう重々承知しています。  しかし、安全安心という面からいいますと、やはり県民がその歩道や信号を使って安全に渡ることができるとか、あるいは安全に通勤や通学ができるというところが大事だろうと思います。富山県の整備はどれだけ進んでいるかということを考えたときに、まだまだそういったところが不十分だなと。先ほどの事故のお話は本当に聞けば聞くほど悲しい。その方は41歳で、横浜から御縁で富山に引っ越しをされまして、今、筱岡委員の地元小矢部市に住んでおられます。結婚をされて子供さんが生まれて、これから頑張ろうというこの矢先に、こういった大事故に巻き込まれてしまったことは、返す返すも残念でなりません。  こういったケースは何も今に始まったことではありません。こういった事故は毎日毎日至るところで起こり、新聞・テレビで報道されている状況であります。富山県は特に横断歩道でなかなか皆さん止まらない、全国でもワーストツーとかスリーで随分批判をされました。しかし、ここ数年前からしっかりと指導をされまして、最近は一旦停止をするということが増えてきて事故が減ってきたと。こういったことも県警の報告によりますと出ております。  したがって、今の話からしますと、照明器具をしっかりと整備をすること。それから、消えている歩道については素早く対応をすること。これから雪も降りますから、今から歩道のラインを引くということは難しいかもしれませんが、やっぱり優先してしっかりと整備をすると。  照明をしっかりと明るくして、歩道を安心して渡れるようにするということをやるべきではないかと思いますが、道路課長の所見をぜひお伺いしたいと思います。 60 二木道路課長 道路の照明灯や区画線は、交通事故の防止を図り、また円滑な交通を確保する上で重要な施設であります。道路照明ですが、信号機の設置された交差点、それから長大な橋梁、夜間の交通上特に危険な箇所のほか、必要に応じまして信号機のない交差点や横断歩道などにも設置をしております。現在では、主にバイパス整備や交差点改良に合わせて設置しておりまして、今年度は61基の設置を進めております。  照明灯が暗いというお話もございましたけれども、老朽化した水銀灯、それからナトリウム灯については、LEDへの切替えを、明るさなどの機能の低下や損傷の程度などに応じて国の予算も活用して進めております。今年度は約200基の更新をして、今年度末ではトンネル照明を除きます道路照明全体、約1万1,900基ありますけれども、そのうち37%の切替えを終える見通しにしております。  また、道路管理者が設置します区画線につきましては、定期的な道路パトロールや雪解け後の調査により路面状況を確認して、交通量や沿道の状況も踏まえまして、優先度の高い箇所から引き直しを行っております。今年の9月補正予算では、通学路などにおける安全対策として区画線の設置に4,000万円を計上しておりまして、さらに今回の11月補正予算でも2億円のゼロ県債を設定させていただきまして、早期発注に努めることにしております。  今後とも、パトロールなどにより道路状況を把握しまして、必要な予算の確保にも努め、夜間の交通事故の防止も含め、歩行者の安全対策に取り組んでまいりたいと考えております。 61 米原委員 2日ほど前に石川県のほうに行っておりました。石川県の道路もどうなっているかなと思って、いろいろと確認をしておりました。そこでは横断歩道にLEDの照明があって、ここに歩道がありますよという看板がついていて、下へライトを降ろしているという照明が幾つかありました。  富山県はそうではなくて、信号は信号、照明は照明と分かれています。そういうところは石川県と富山県は違うなという感じを受けました。私も素人ですから、技術的にどう違うかは分かりませんけれども……。  それで、県内色々と私も結構回っておりまして、場所を言いますと、富山の五福地区──富山大学の交差点の周辺は、大学や小学校や店舗、住居などいろいろありますから、非常にしっかり整備されているんですね。ですから非常に安全だなと私は感じました。  しかし、そうではないところ──やっぱり危険だなと感じるところは至るところにあるわけであります。今ほど課長も、補正予算も使って、1万1,900か所を積極的にしっかりやりたいということをおっしゃいましたが、1つ整備するにしても、もう少し工夫をしてもいいのではないかなと思います。本当に整備が必要であって、皆さんに喜ばれるものであるかどうか、あるいは危険が伴わないかどうかというところをもう少ししっかりと現地を御覧になって整備を進めていただければと思っておりますので、その点ひとつよろしく御理解いただきたい。いかがですか。 62 二木道路課長 例えば照明については、大きな交差点に4か所、照明灯を設置するなど、現場ごとに対応をしております。委員の御指摘を踏まえて、設置の際、また更新の際には現地をよく見て適切に維持管理をしてまいりたいと考えております。 63 米原委員 二木道路課長、ありがとうございました。それで、先ほど申し上げたように気になることが1つございますので、もう一つすみません。庄司委員から冒頭、高岡テクノドーム別館の件についてお話がありました。そのことに関連したことを少しお話しさせてください。  今日の沖村営繕課長のお話ですが、やっぱり説明がよく伝わりません。そもそも私は反対の反対で話をしているわけではありません。これは誤解のないようにしてください。マスコミがいらっしゃいますけれども、またこう言ったと新聞にいろいろと出てきます……。  やっぱりこれだけの投資をするわけですから、いろいろなことがあって当たり前です。ただ、先ほどおっしゃったように、26億円余りのものが46億円になったと。この金額が例えば記事に出ますと、市井土木部長、それは皆さんああそうですかと納得されますかね。普通は誰だってびっくりしますよ。  それは資材の高騰や納期のことだとか、いろいろと理由はあるでしょう。ただ、やはり説明は大事です。今は物価の高騰で4億円や5億円アップになっていたらしようがないなとなるとは思いますけれども、やっぱり26億円が46億円に20億円もアップになるというと、県民の皆さんはああそうでございますかと納得されますかね。  僕は、極めてこれはいかがなものかと思います。何を言いたいかというと、そもそもこの最初の基本設計の段階で26.5億円という額そのものが、果たしてこれは本当に正当な見積りだったかどうかと思います。  いろいろ考えてみますと、最初は、これは建設、──物を造るという話でした。ところが、その後議会でいろいろと話があって、武道館も造らなければいけない、高岡テクノドーム別館も造らなければいけない、新川こども施設も造らなければいけないという話の中で、知事が代わったと。この話がそもそも出たのは前の石井知事のときの話です。それで今の新田知事になったと。その段階で、見直してくださいということを私は議会で言いました。そうですよね。これは土木部も農林水産部も関係ない、県民の皆さんも理解してください。  最初はPFIという話ではありませんでした。県で建設をするという話でした。この武道館も、中川議員が15万人の方の賛同を得て、県民から武道館の建設の要請がありました。下村博文さんも来られて、武道館に対するいろいろなこともおっしゃっていただいて、これは必要だなと私も思いました。  もう一つ言いますけれども、その前に私は北陸新幹線が開通した後のこれからの中核都市はどうあるべきかということを経済同友会等々で調査したことがあります。  このことは私も何回も議会で皆さんに話しているので覚えている方もいらっしゃるかもしれません。全国各地を調査で回りました。やっぱりスポーツ施設、イベントの施設というものは欲しい。できれば全天候型のものが何とか考えられないかということも実は議論しました。ところが、1万人以上の集客できる施設を建てるというと150億円か200億円かかるという話でした。それはとてもできないという話で、結局今のこの武道館の話になり、高岡テクノドーム別館の話になったということであります。  これも、当時新田一郎さん──八朗さんじゃない、一郎さんに、文部科学省や総務省の関係の、この施設について何か使えることはないかと相談に行きました。そうしたら、こういった使い方があるのではないですかということを、当時新田さんからいろいろとレクチャーをいただきました。5Gの話、それからバーチャルリアリティーという話も提案いただきました。そういう中で一つの形──武道館は武道館、あるいは高岡テクノドーム別館はテクノドーム別館でということで進めてきた経緯があります。  当初の、ドーム一本で建設した場合に150億円や200億円だったらできるという当時の話のことも思い出すわけでありますけれども、果たしてどうなっていたのかなと。時代の変化もありますからね。誰の責任でもないですよ。いろいろな背景があってそうなったということです。  そのことをみんな理解をして、誰かが反対したとかではなくて、せっかくやるのであればいいもの造ってもらいたいし、PFIで民間の人たちの知恵も借りて、その運用をうまくしっかりやってもらいたいと。  そして、建物を造ったからそれで終わりというわけではありません。いかにその施設を皆さんに喜んで使ってもらうかということ、これが大事ですよということをずっと言い続けてきました。そして今日ここまで来たところに、資材の高騰などによってこういった話になってきたと。  新聞やテレビには、金額だけが大きく増えた増えた増えたという話ばかりが出てきています。そしてまだ武道館の結果は出ていないかもしれませんが、87億円ほどのものが仮に今見積もったら幾らになるのか、営繕課長どうですか。そういうことを計算していますか。もし分かったら言ってください。事前に通告していませんがご容赦願います。 64 沖村営繕課長 現在実施設計そのものが営繕課の手を離れている状況でございまして、こちらでは把握できておりません。 65 米原委員 分かりました。要するにはっきりここで答弁ができないんですね。これだけのものを造るのにどうするんですか。営繕課というのは、業者に話を聞いて、受けるだけなんですか。  事前に設計をしたわけでしょう。その叩き台があるわけで、それで、今の社会情勢のことなどいろいろな状況を踏まえたら大体どれぐらいかということは、検討がつくものではないのですか。 66 沖村営繕課長 先ほど庄司委員へ御答弁しましたが、まず基本設計は、類似の施設などを参考にしまして、概算で金額を出すということになります。令和3年3月末に基本設計をまとめていまして、その頃は新型コロナの影響もあり少し価格が上がり出していました。その後今年の2月にウクライナ情勢の影響などがありまして、さらに価格が上がっています。今年の上がり方というのは大変な状況でありまして、いろいろな見積りを取ろうとしても、業者さんもなかなか状況がつかめなくて、幾らの見積りを出せばいいか分からないと。  そういったような状況にありまして、これまでに経験したことのない状態です。今基本設計しかできていない状況のものが、大体幾らになるかといった御質問ですが、ある程度はっきりした金額は、実施設計がまだできていない状態では出せないという答えしかできません。 67 米原委員 私は富山県の中の話だけをしているわけではありません。世界中、日本中でいろいろなものを今建築していますよ。業者が見積りの金額が分からない、見当がつかないなんてことを言っていて、ちゃんと整備ができますか。そんなばかげた話ではないですよ。社会背景はこうですとか、だからこうなったとか、説明責任というのは必要ですよ。そうじゃありませんか。  時間が長くなって申し訳ありませんが、もう一つ言っておきます。北陸新幹線をつくるとき、初めはフル規格でした。しかし、これは皆さんよく御存じだと思いますけれども、なかなか工事が進まないと。お金もかかるし地元負担も大変だということで、当時、中沖知事のときに、できれば富山県だけスーパー特急方式を取り入れたいとおっしゃいました。  私たちは、当時議員会でいろいろな人たちで、山形新幹線や秋田新幹線などの視察に行きました。そして、いろいろ考えたとき、これもやむを得ないのかなと思って、富山県はスーパー特急方式でやろうということを決断し、トンネルを小矢部に掘ったんです。8億円か9億円かかりました。トンネルを掘って、フル規格からスーパー特急方式に変更をすると言ったら、もう中央からとても怒られました。何を考えているのかと。新幹線といったらフル規格に決まっているんだと。特に森先生が大変御立腹されまして、富山県は何を考えているのかといって、またこれを途中で変更したことがあるんですね。だから今、筱岡委員の地元のトンネル、あれは掘ったままになっています。筱岡委員には何か使い方がないか少し考えてほしいです……。  そしてそのトンネルを無駄にしましたが、フル規格でやってやっぱりよかったなと。県民も私たちも、ああやっぱり途中で変更してよかったなと、そう思っているんです。あれがもしスーパー特急方式で実施していたら物笑いですよ。去年おととしの大雪では止まってしまいます。やっぱり新幹線はフル規格なんですよ。  それと同じように、この建物を整備するのにも基本というのはあるんです。そのためにしっかりと筋道を立てて、説明に責任をもって、これはこれだけかかりますと、ですからこうなりますと、はっきりと県民の皆さんに訴えたら、何も文句は言いません。だけれども、よく分かりませんとか今のような説明だったら、どうなっているんだと言われても私らも説明しようがありません。  県民だって地域の人だって、そろそろこれから本格的な工事が始まると皆期待しているでしょう。それがやっぱりどうなるんだと不安を感じれば感じるほど、今こうして質問でどうだこうだと、みんながまたこれはおかしいではないかといって言いはじめたら、また大変なことになっちゃいますよ。  もう少しその辺のことについては説明責任を持ってください。雨降って地固まるです。やっぱり県民にしっかりとした説明をすべきではないかと思いますが、このことについて、部長答弁をお願いします。 68 市井土木部長 まず高岡テクノドーム別館の件につきましては、これまで本会議等などで御質問いただいて、答弁をさせていただいていますけれども、その説明について、まだ理解に至っていない方がいらっしゃる以上、それは説明し続ける必要があると思っております。  これは県を挙げてのプロジェクトでして、これにつきましては米原委員がおっしゃったとおり、県民の皆様の御理解、御協力のもと、税金を使わせていただくということに納得していただいて進めるべきものだと思っております。今、営繕課長が答弁いたしましたが、それで私は100点だとは思っておりません。引き続きその努力は続けていかなければいけないと思っております。  武道館も同様の話だと思っております。ただ1つ、営繕課長の肩を持つわけではありませんが、今、見積りという話がありました。例えば専門業者に細かいところまで見積りをしてもらうときには、図面が欲しいとおっしゃいます。図面がないと数字を出せないから、見積りが出せないというような話があり、基本設計の段階ではその図面を専門業者等にお示しすることができないものですから、先ほど申しました他県の事例や類似施設などから出していると。  今の高岡テクノドーム別館の場合は、大屋根でありますとか躯体であるとか、鉄骨で変わった形のものを使っておりますので、その見積りを出してほしいと言われてもできないと言われているところです。  いろいろな事例を調べて、単価を算出した結果、今こういう状況になっているというのが1つあります。  ただ、そうだからといって、説明は要らないという話ではないと思っています。こういう理由があるから、こういうお金が増えましたということについて、説明はずっとしていく必要はあると私も思っております。  あと、先ほど途中まで言いかけましたが、営繕課長から見積りの話がありました。今、土木工事もそうですけれども、通常は県が作成した単価や建設物価といった刊行物に単価が載っている、毎月出されているものがありますので、それで金額を算出するのですけれども、建築物の場合は結構見積りによって単価を出していることが多くあります。  ただ、今これだけ資材高騰や労務費が上がっているものですから、見積りをお願いしたときに、見積りの有効期限という話もあります。価格が上がりっ放しの状況ですから、「この見積書の有効期間は1か月ですよ」、「3か月ですよ」と、それを過ぎるとこの見積書ではお納めすることができませんというようなお話もいただいているところでございます。そのため、責任ある数値として御報告できるようにすることはなかなか難しいということで、先ほどの話があったと思います。  ただ、それについても、その内容を御説明させていただいて、御理解をいただいて進めるのが、今の高岡テクノドーム別館も武道館も同様だと思っております。引き続き、他部局の施設ではありますけれども、営繕課で請け負っている積算の部分につきましては、土木部の仕事でございますので、依頼元の部局とも相談して、説明責任を果たしていく必要があると思っております。
    69 米原委員 ありがとうございました。  昨日、今年の漢字は「戦」と京都の清水寺で発表されました。ウクライナのことだとか、私らもそんなことは夢にも思っておりませんでした。こういったことが起きるなんて思ってもおりません。そして、今の円安の状況、三十何年ぶりの円安になって、このことも想像できませんでした。  このように、今はいろいろなことが変化してきているわけです。だから、皆さん世の中の状況は分かってはいるんだけれども、あまりにも金額の話だけが一人歩きすると、26億円が50億円近くになったらほぼ倍ではないかと。さっき2,000万円が4,000万円になった話なんて言ったら、それは、誰だってどうなっているんだという話になります。そういったところの説明を、しっかりともっと深く掘り下げて、皆さんにこういうわけだということを言っていけば、私は皆さんに理解が浸透するのではないかなと思います。  そういったことを私は申し上げたいわけで、また富山の武道館がどうとか、テクノドームがどうとかというと、マスコミはすぐそういうことを言って、またこうあおったら、またそれは何をやっていたんだとなります。  こういう話になると、仕事している人たちも大変だし、我々も大変ですよ。いいものを造って皆さんのために、やっぱりすばらしい富山県をつくりたいと思ってやっているわけですよ。そういうことはお互いに腹をくくって、前に進めなければいけないと思います。  ぜひ、お互いにまた共有して、いい年を迎えていきたいものだというふうに実は思っております。  最後に申し上げます。四、五日前、鹿島アントラーズというサッカー会社を経営している小泉さんが富山へお見えになりまして、1時間ほど講演をされました。県の幹部の方も何人か来ておられました。今サッカーワールドカップもありましたが、その方は、スポーツを通じてその地域を元気にするということを力説されておられました。  何を言いたいかといいますと、鹿島アントラーズの本拠地、鹿嶋という地域は人口どれぐらいだと思いますか。6万人ぐらいだそうです。人口6万人で、年間の交流人口は400万人だそうです。スポーツを通じて様々なイベントをやっているからで、全国からそういうファンが鹿嶋に来てくれている。  鹿島のホームグラウンドでは年に数えるほどしか試合がないそうです。だけれども、頻繁にいろいろなイベントをして、この町を活性化していると。子供たちに感動を与える。大人に感動を与える。職場の人たちにも元気を与える。喜びを与える。また、場合によっては悲しみや悔しさで、皆さん涙することもあるでしょう、  そして今年のサッカーワールドカップを見て、改めてスポーツはいいものだなと思いました。そういうことを通じて、富山県のこのいろいろな施設が皆さんに感動を与えるような形になって、その施設が皆さんに喜んでいただけるようなことで利用できれば、僕は安いものだと思います。無理してでもやるときはやらなければいけません。その辺の腹をくくって、この事業を進めてもらいたい。そして、事業説明をもっとしっかりとしていただきたい。そんなことを思って今日申し上げた次第でございます。  歩道の話だけにしようと思いましたが、庄司委員から高岡テクノドーム別館の話をおっしゃったものですから、あえてお話を申し上げて、終わりにしたいと思います。ちょっと時間が長くなりましたけれども、どうも御説明ありがとうございました。お世話になりました。 70 薮田委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑、質問を終わります。  5 行政視察について 71 薮田委員長 次に、閉会中の継続審査事件の調査のための行政視察について議題といたします。  県内行政視察につきましては、必要に応じて機動的に実施していきたいと考えており、その実施に当たっての日程調整等については委員長に御一任願いたいと思います。  これに御異議ありませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 72 薮田委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。  以上で付議事項についての審査を終わります。  この際、ほかに何か御意見等はありませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会いたします。 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...