• "栄誉"(/)
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  1. 富山県議会 2022-09-01
    令和4年9月予算特別委員会


    取得元: 富山県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-14
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1                      午前10時00分開議 筱岡委員長 おはようございます。  ただいまから、9月定例会予算特別委員会を開会いたします。  本委員会の運営に関し、理事会で決定した事項は既にお配りしてありますが、ここで特に質問者に申し上げます。  持ち時間は答弁を含めて60分ということになっております。その具体的な取扱いについては、理事会確認事項として既に皆様方にお配りしている資料のとおりでありますので、留意の上、質問されますよう、改めてお願いいたします。  また、答弁者においては、簡潔な答弁に留意され、円滑な委員会運営に御協力いただきますようお願いいたします。  なお、委員席につきましては、ただいま御着席のとおりにしたいと思いますので御了承願います。  それでは、発言の通告がありますので、これより順次発言を許します。        針山健史委員の質疑及び答弁 2 筱岡委員長 針山委員。あなたの持ち時間は60分であります。 3 針山委員 おはようございます。  自由民主党針山健史でございます。予算特別委員会の一番手を務めることになりまして、大変光栄でございますし、身の引き締まる思いでございます。  今議会では、一般質問の一番手を筱岡委員長が務められまして、そのときに小矢部市が市政60周年を迎えられるという話だったと思います。またその後、薮田県議から氷見市が市政70周年という話もあったと思います。  私の地元伏木は、昔、富山県射水郡に属しておりましたけれども、昭和17年、80年前に高岡市と合併しまして、今年80周年を迎えます。旧伏木町高岡市合併80周年記念ということで、本当ならいろいろと地元でも行事を予定していたわけでございますが、なかなかコロナの影響で実現しておりません。  ただ、何かしなくてはいけないということで、10月10日に元気ふしきフェスティバルというイベントを開催する予定になっております。そのときは、伏木の曳山の展示であったり、おはやしの披露、あとは地元の消防団によるはしご乗り、小中学生によるバトントワリング、県警にもお出ましいただきまして、地域の安心・安全のための講習会と、音楽隊にも来ていただいて花を添えていただくということになっております。杉本県警本部長にはいろいろと御配慮いただいたと思っております。この場を借りて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。  ほかにも、地元の飲食店や物販、小売を中心とした商店の方も露店を並べるということも企画をしておりまして、コロナに負けない、そんな地域をいろんな方に見ていただけたらと思っております。  地域経済の発展、繁栄というのは、本当に地域の起爆剤、活力になるわけでございますが、その地域経済を金融で支えているのが信用保証協会だと思っております。  新型コロナウイルス感染症がもたらした経済の緊急事態に県の信用保証協会を利用された中小企業には、平常時においては考えられないくらいの保証を受けたところも多いと聞いておりますし、コロナの出口政策に移りつつある最近では、保証承諾も厳しくなっているんじゃないかという声も聞いております。
     今後はゼロゼロ融資の据置期間を経て、本格的に返済が始まる時期を迎えるわけでございますが、借入れの依存の高まった県内企業、事業者にソフトランディングをさせるのは大変至難の業であると思っております。  7月、その富山県信用保証協会の会長に就任されたのが、電子部品製造シキノハイテック前社長の浜田満広氏であります。富山県が公募しておりました常勤理事となりまして、その後、理事会で会長に選任されたということでございますが、知事選での公約でもある信用保証協会会長の民間登用の意図、また、公募に当たって重視した点、浜田会長に期待することを新田知事にお伺いいたします。 4 新田知事 私も母方のルーツが伏木でありますので、節目の年と伺いまして、知りませんでしたが、改めて身の引き締まる思いです。話がうまく信用保証協会のところにつながってよかったと思いますが、県の信用保証協会の理事は、定款によりまして、富山県知事が任命するということになっております。  今回、任期満了に伴う改選に際しまして、金融・経営に関する専門的知見を持つ人材による協会運営を目指し、民間人を対象とした公募等について検討するとした、これは実は私の八十八の具体的公約の13番目に当たります。これも踏まえまして、組織マネジメント力、交渉・調整の能力、県内の経済、金融の知識、県内中小企業経営の現状に対する識見、これらを有する方という基準で公募を行いました。  特に民間決め打ちということではなくて、この条件は前回もこれまでと一緒でございます。ただ、今回はより民間の方々にも届くようにという思いで、前回は2週間であった公募期間を1か月に延ばしたということは、変更点とは言えるかもしれません。  結果、有識者による理事候補者検討委員会の御意見も踏まえまして、浜田満広さんを常勤理事に任命いたしました。その後、県信用保証協会の理事会の互選で浜田さんが新会長に御就任をされたということでございます。  ここのところを見ますと、植出さん、飯田さん、寺林さんと、私たちの先輩がこの会長職に就いておられました。手堅い手腕を発揮されてきたところでございますが、今の状況、経済界の状況、それから中小企業の状況を鑑みまして、やはり民間の方にお願いすることができればいいなという気持ちもありました。それは公約で言ったとおりでございます。  浜田さんは、株式会社シキノハイテックさんで総務、経理、企画、法務、人事に携わられて、取締役として管理部門の統括、事業部門の統括を経て社長を務められるとともに、かつては同社も信用保証制度を活用された企業です。そういう意味では、中小企業としてスタートされました。その後、東証のジャスダック、今は東証のスタンダードですが、上場企業にまで導かれたと。  これらの御経験を生かして、県内中小企業の経営基盤の安定強化──これが信用保証協会のもちろん一丁目一番地のお仕事でありますが、その中からまた将来性のある企業を見いだし、県内経済を牽引するような企業に育てていただくなど、より一層中小企業の目線に立った信用保証業務の推進、経営支援の強化に御尽力いただけると期待をしております。  また、中小企業と金融機関を結びつけるかけ橋としての役割も果たしていただき、信用保証を通じた金融の円滑化により、コロナによる影響や原材料の高騰などの厳しい経営環境にある中小企業の振興、さらには県内経済の発展に向けて御活躍を期待しております。 5 針山委員 いろいろ期待があるということでございますけれども、やっぱり信用保証協会の会長1人で何かができるわけじゃないと思います。そういった浜田さんの考え方、イズムと言えばいいんですかね、しっかりと職員の方にも伝わるようにまた心がけていただきたいと思います。  知事が成長戦略の柱としておりますスタートアップ支援について、IPOを1社、いわゆる証券市場に新しく株式公開をする企業を1社、または同等の企業価値を発現する企業を複数社創出というKPI設定、目標設定を定められたわけでございます。将来性のある企業を集中的に支援しようと、T-Startup企業が、先日、6社選定されました。支援を受けて大きく成長してほしいと本当に心から願っております。  株式の上場を実現するのは大変なことであります。また、上場後も維持していくのも大変なことであります。費用もかかりますし、経営を悪化させるわけにはいかないわけであります。  新田知事は、知事就任前に経営に携わっておられた会社がございます。コロナ禍にあっても安定した企業業績を残しておられまして、ホームページを見ますと、上場企業並みにIR情報、投資家向けに経営状況をしっかりと発信されておられます。逆に言いますと、知事が経営者として、その会社の株式上場というものを検討されなかったのか。検討されたことがあったとしても、何か課題や障壁みたいなものがあったのではないかと思うわけでございます。  本県は、起業率が低かったり、牽引する企業が育ってこなかったことが上場企業が出現しにくい理由にあると言われておりますが、御自身の経営者としての経験と併せて、その要因をどのように捉えているのか、新田知事にお伺いいたします。 6 新田知事 本県の開業率が低くて、上場企業やあるいは強力に牽引するような企業が、比較的過去に比べると育ってこなかった要因としては、まず、ゼロから事業を立ち上げるための起業マインド、また、ノウハウといった人材育成、事業の拠点となる施設の提供など、起業の基盤となる支援が、必ずしも充実していなかったことが考えられると思います。  長く続いた起業未来塾という支援策ももちろんありました。ただ、一柳塾頭御自身がおっしゃるように、地域の身近な課題の解決や、あるいは創業者御本人のウエルビーイングの向上といった、一定の成果はあったと認識をしておりますが、いわゆるスケールする、そのような企業が生まれてこなかったというのも事実であります。  昨今は、市町村あるいは民間の創業支援の取組も大変に広がってまいりました。県としても創業全般を支援するために、10月28日に開所予定の創業支援センターを中心に、事業拠点の提供と併せまして、創業相談やセミナーなどを開催するほか、市町村や民間事業者創業スクールなどの開催支援をしています。  もう一つの要因としては、本県ではスタートアップに対する適時適切な支援を行うような、いわゆるエコシステムが、これまでなかったことも考えられます。  このため、今年度、本県にとっては大きな挑戦となりますが、突き抜けた成長性のあるスタートアップを集中的に支援するT-Startup創出事業に取り組むことで、ロールモデルの創出と、このエコシステムの構築を目指しています。応募がありました28社の中から先日、T-Startup企業として6社を選定したところでありまして、今後、伴走支援を6か月にわたり集中的に提供いたします。  本県からIPOにもつながるようなスタートアップ創出を通じ、官民により起業家を支援するエコシステムを構築できるよう、信用保証協会をはじめとする金融機関、大学、民間企業などのサポーターとも連携をし、オール富山でスタートアップ支援を進めていきたいと考えております。 7 針山委員 質問の途中にもちょっとお話をさせていただきましたけれども、もう1回質問させていただきたいのですが、知事が経営に携わっておられた会社は株式上場を目指さなかったのかという点について御答弁いただきたいのですけれども、よろしいでしょうか。 8 新田知事 すみません、後段をちょっと忘れておりました。  一般的に上場のメリットとして資金調達がしやすくなる、あるいは、会社の知名度や信用力が上がる、また、リクルートの面でも大変に効果がある、そんなことが言われています。  一方、上場しない理由としては、銀行からの融資で調達が十分でき、上場により資金調達する必要がない。あるいは、上場手続にはコストもかかります。それに人的、時間的コストに見合う価値を見いだせない、などなどの理由があろうかと思います。また、人材の確保にはそう苦労していない、そんな理由もあるかと思います。  お尋ねの私の経営者時代にIPOを検討しなかったということについては、私は経営者として、公開企業に遜色ないぐらいにCSRを果たすべきだというふうに考えておりまして、委員おっしゃいましたIRなどはしっかりとやってきたつもりでございます。  それ以上は、経営者時代のことは、役員を退任しておりますとはいえ、一企業の経営方針は、今は別の人たちが経営しているわけですから、ここでのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。 9 針山委員 私に言わせれば、いろんな方に創業、起業を、そして株式上場を目指せと言うからには、知事も何かそういったことに経営者時代に取り組んだのかなということをお聞きしたかった質問でございます。ぜひ、T-Startup企業につきましては、本当に試金石となる事業でもあります。ここで失敗すると本当に後が続かないと思いますので、しっかりと支援いただきたいと思います。  信用保証協会の浜田会長は、シキノハイテックの株式上場にも貢献されたとお伺いしております。信用保証協会利用の企業や事業者の中でも、ひょっとしたら株式の上場につながるような企業を育てていってほしいという手腕も期待しているのではないかというふうにも思っております。  起業・創業、スタートアップ支援として、富山県、そして富山市や高岡市でも信用保証協会が利用できる制度融資も準備されておりますけれども、一方で、起業から3年を経て残っている事業所は50%だと、大変厳しいデータもあるわけでございます。富山県信用保証協会にどのような役割を期待するのか、新田知事にお伺いいたします。 10 新田知事 担保力や信用力の弱い創業者や、新たなビジネスモデルに取り組む企業への円滑な資金供給におきまして、信用保証制度、これの果たす役割は極めて重要だと考えます。県の信用保証協会においても、県制度融資、創業・事業承継支援資金の保証料について、県でも補助しておりますが、協会自らも負担をしていただいて、引下げを行っていただいております。  また、創業セミナーの開催による起業マインドの醸成や、創業ガイドブックを活用した計画づくりへの支援に加えまして、創業前の相談から創業後の円滑な資金供給のためのフォローアップまで、事業者のステージに応じた支援に取り組んでいただいています。  また、女性からの創業に係る相談が増えていることに対しまして、平成30年に女性支援チーム「アイラーレ」が設置されました。女性創業者を対象とした無料の経営相談、創業相談のほか、各種セミナーの開催や、金融機関と連携した勉強会の開催などを通じ、女性ならではの視点と感性での助言や、きめ細かいサポートを行っています。  先ほど申し上げましたが、今後は浜田新会長さんの下、創業支援や女性が活躍できる企業支援を充実させていただくとともに、成長性のあるスタートアップを見いだし、県内経済を牽引する企業に育てていただくなど、一層、中小企業の目線に立った信用保証業務の推進、また、経営支援の強化に御尽力をいただき、県とも連携をして成長戦略に掲げる新産業の創出、また、スタートアップの支援をいただけることを期待をしています。 11 針山委員 ありがとうございます。  いろいろ経営アドバイスビジネスマッチング、販路拡大、いろんな面でまたサポートをいただきたいと思います。  県の制度融資、ビヨンドコロナ応援資金の新規融資枠の拡充のために、71億8,500万円が今議会で提案されております。  ビヨンドコロナ応援資金の借入れの申込みの要件というのは、皆さん御存じでしょうか。売上高がコロナの前、または2年前、1年前と比べて15%減少していなければならないというものだけでございます。私にすれば、これは本当に現場を知らない要件だなというふうに思っております。  資源高や円安、人件費の増加など、上手に販売価格に転嫁できた企業もあります。売上げだけを見ると、本当にコロナ前ぐらいに戻っている、回復している企業も多くあるのですけれども、しかし、利益を確保できている企業というのは、あまりないわけであります。  融資のお金の返済というのは、利息は経費で見られるのですけれども、返済の元金というのは、最終利益の中から捻出しなければならない。例えば、利益の額の減少であったり、利益率の減少、そういった要件が本当はあってもいいんじゃないかなと私は思っています。  国の保証制度でありますので、要件を変えろと言われてもなかなか難しいことも理解をしております。私は金融機関に勤めた経験もありまして、昔は、信用保証協会を利用するのに、お客さんと一緒に信用保証協会に「保証してください、お願いします」とお願いに行ったことも何回もあるのですけれども、最近は、信用保証協会も、事業者や金融機関に寄り添った面も見られるようになりまして、積極的に面談や訪問を実施しておられると聞いております。  ただ、コロナ禍で保証の申込みや承諾件数が増加して忙しかったり、コロナの影響で控えていた面もあって、企業や金融機関との面談や訪問の機会が減っていると聞いております。  中小企業の事業継続や成長発展に向けて、経営課題の解決に寄り添う、きめ細やかな支援が求められております。富山県信用保証協会における伴走支援の拡充が必要と考えますが、これまでの実績を踏まえ、どう取り組むのか、中谷商工労働部長にお伺いいたします。 12 中谷商工労働部長 最初に、利益率の減少のお話がありまして、今、委員おっしゃられたとおりで、国の信用保証を活用した制度ということで行っておりますが、一方で、ビヨンドコロナ補助金では、今まで売上げ減少だけとしていたものを、6月補正のときに利益率の減少企業にもビヨンドコロナ補助金を出しますということで切り替えさせていただいて、県としては、これは国の資金を活用しておりますが、単独の補助金のほうである程度対応しているというところでございますので、そこはちょっとお含みをいただきたいと思います。  御質問の信用保証協会の伴走支援についてでございます。県信用保証協会では、専任の担当者が各課題に応じて派遣をする専門家と共にきめ細かいフォローアップを行い、経営改善を支援する取組を行っておられます。  昨年度からは、コロナ禍で多様化する経営課題に対応するために、従来は中小企業診断士等の専門家だったのですが、それにショップコンサルタントブランドディレクター社会保険労務士などの専門家の拡充を図っておられまして、今年度、4月から8月末までですが、その支援実績は86企業と、前年同期間の約2倍となっております。訪問面談の実績につきましても、8月末で410件、昨年同期と比べまして約2倍となっております。  また、課題を抱える企業に対しましては、地域の金融機関が一体となって伴走支援に取り組む必要がありますので、中小企業支援ネットワーク会議というものを設けまして、県信用保証協会が主催しておりますが、関係機関が参画する会議におきまして、経営支援施策や再生事例の共有、個別企業の支援方針の目線合わせをされておりますほか、今年度は伴走支援をテーマにして開催し、金融機関の若手職員のスキルアップ等に取り組むなど、関係機関と連携した支援体制の強化にも努めておられます。  今後とも、県信用保証協会が中小企業を支える身近なパートナーとして、事業者の様々な局面で必要となる多様な資金需要に即した保証の提供と、伴走支援体制の拡充を適宜図りながら、中小企業の事業継続、成長発展に向けまして取り組んでいただけるよう、県としても引き続き情報交換を密にいたしまして、国の動向等を注視しながら、事業者ニーズを的確に捉えた対策を講じてまいりたいと考えております。 13 針山委員 今、補助金で利益のほうは対応しているということでございましたけれども、資金ニーズはいろいろと多様化していると思います。またいろいろなメニューをそろえていただきたいと思っております。  今議会でもいろいろと議論がありましたけれども、7月の参議院議員選挙中に安倍前首相が凶弾に倒れられたことに、御冥福をお祈り申し上げたいと思いますが、その後、旧統一教会との関わり、また、宗教活動の資金源と見られる霊感商法が連日のニュースになっております。全国には旧統一教会に関連した企業もあると聞いておりますし、霊感商法を疑われるような事業者も存在しております。  いろいろな企業、事業者から保証申込みを受けている信用保証協会において、霊感商法などの問題が疑われる事業者をどのように把握し、対応しているのか、中谷商工労働部長に伺います。 14 中谷商工労働部長 信用保証協会におきましては、倫理憲章というものを設けまして、その公共性と社会的責任の重みを常に認識し、健全な業務運営を通じて信頼の確立を図るとともに、コンプライアンス態勢の徹底及び反社会的勢力排除等に向けた取組を推進しております。社会的規範にもとることのない、誠実かつ公正な事業活動の遂行を、業務運営に当たっての基本的な考え方とされているところでございます。  このため、保証の審査におきましては、保証申込み等に必要な書類、例えば申込書や、それから各企業の概要、決算書など、そういったものの審査にとどまらず、金融機関とも連携しながら、必要に応じて事業者への面談、訪問を通じたヒアリングを行うなど、ビジネスモデルや事業の実態を的確に把握されるように努めまして、これらを総合的に判断し、保証の諾否を決定されております。昨今の経済情勢につきましても、随時、協会内で情報共有が図られていると伺っております。  また、融資の実行後におきましても、金融機関等と情報共有を密にしながら、資金使途や業況の推移などを的確に把握をし、フォローアップに努められているところでございます。事業者の実態に即した支援に取り組んでおられると伺っております。 15 針山委員 融資のことですから、お金を出した後に、いや、そこに貸されんがだったということでは遅いわけでございまして、ぜひ水際で何とか対応していただきたいと思います。  とやまプレミアム食事券の販売と利用期間が延長されました。ほかのプレミアム率が高い商品券に需要が集まって、食事券の販売が低調になったのが理由ではないかと懸念をしておりましたが、補正予算でプレミアム食事券の事業の拡充が提案されています。  これまで、飲食店や宿泊業などを中心として支援する事業が、国また都道府県、市町村で多く取られてきました。県内各地でも、どこで、どの時期に、どれだけの支援を受けられる事業があるのかを把握するのが大変なくらい、いろいろ事業をされております。  支援の内容の重複やプレミアム率の差、実施期間の違いなどにより、事業効果や費用対効果が十分発揮できない面があるのではないか。富山県、また市町村が実施するプレミアム商品券、食事券事業や旅行支援などの消費喚起策の重複を避けて、より効果的な支援を切れ目なく展開できるように、県と市町村で支援事業について、できれば調整であったり、せめて情報共有、情報交換するべきと考えますが、横田副知事の所見をお尋ねいたします。 16 横田副知事 コロナ禍の長期化や物価の高騰などによりまして、依然厳しい経営環境が続いております。  そうした中で、県では、県全体を対象にしました飲食店や農林漁業者を応援するとやまプレミアム食事券、そして、観光・宿泊事業者を支援する国の制度を活用したとやま観光キャンペーン、これに加えまして、各地域内の消費喚起を図る商工団体などの取組を支援する地域内消費喚起プロジェクト支援補助金を実施しております。また、各市町村でも、地域の実情に応じた取組がなされております。  消費喚起策は、状況に応じてスピード感を持って実施するということが必要だと思いますけれども、県民、住民の方々への効果的な情報提供、これが、御指摘のとおり、効果的なものにするためにはやはり必要だと認識しております。  県の事業につきましては、市町村に早期に情報提供しておりまして、意見なども踏まえて、場合によっては実施方法を工夫するといったような対応も実施しております。観光キャンペーンにつきましては、市町独自の制度も、県のサイトで併せて情報提供するということもしているということです。  なお、地域内消費喚起プロジェクト支援補助金は、実施期間、あるいは店舗の業種構成の設定、それから市町村によるプレミアム率の上乗せができるという、大変柔軟な制度としておりますので、商工団体が県の事業の実施状況を踏まえて、各地の実情に応じた活用を図っておられると認識しております。  こうした中で、とやまプレミアム食事券は9月14日時点で約30万冊を販売しておりまして、さらに、9月補正予算案に増額を計上しています。また、令和3年の日本人延べ宿泊者数は、前年比で近隣県がマイナスとなる中でも、富山県はプラス9.5%ということで、全国で5位の伸び率になっているところでございます。今後とも市町村、関係団体への早期の情報提供や、関係者間の意思疎通に努めたいと考えておりまして、各地域での消費喚起策が効果的となるように取り組んでまいります。 17 針山委員 本当に私も、「安く旅行に行きたいけど、どこかいいキャンペーンないけ」などいろいろ聞かれるのですけれども、本当にいろいろ市町村、県で乱立しておりまして、私もどれを紹介したらいいのか分からないくらいのところがあったわけでございます。  今、県のほうでも地域内消費喚起プロジェクト支援補助金による商品券事業や、国の全国旅行支援も開始されるというふうにも聞いております。ますますそういった連携というか、情報共有が必要になってくるんだと思っています。  持続可能な地域鉄道について質問をさせていただきます。  県議会の総合交通特別委員会が8月29日に開催されまして、公共交通の利便性を最優先する方針で、地域交通戦略会議を進める、地域公共交通計画の策定を進めるという旨の説明を受けたと思っております。  9月2日には、交通事業者との意見交換、ヒアリングと言えばいいですかね、その中で、事業者は沿線の人口や利用者の減少を予測して今後の経営を展望しており、大変に厳しい事業環境を見通しております。  人口減少については、JR氷見線・城端線のLRT化検討の需要予測調査でも結果が出ておりますが、沿線4市は大きく人口が減少する、また、15歳から64歳までの生産年齢人口、一番電車を利用すると見られる人口も大幅に減少するという見通しをされています。  鉄道の利用者については、このあいの風とやま鉄道株式会社を例に取れば、2020年、コロナで本当にひどい最低のときに、1日3万1,155人の利用者だったということでしたが、大変だ、大変だと言っていたこの年ですけれども、2040年には1日3万918人と推計をしております。ちなみに、2050年は1日2万6,219人と推計をしております。  地域鉄道の維持には、沿線人口と利用者の確保が必要であります。城端線・氷見線のLRT化の話が出てきた頃には、盛んに沿線や駅周辺のまちづくりが大事だという議論がいろんなところから出ておりましたけれども、私も期待して、地元でまちづくりを考えるきっかけになればと、公共交通についての講座であったり、勉強会の開催をお手伝いさせていただきました。  ただ、その後、県がどれだけ負担するのか、JRは幾ら出してくれるのか、高岡市はどれだけ出さんなんか、砺波はどれぐらいかと、費用分担の話ばかりになっていったと思っております。  県全体の人口減少を鑑みると、沿線を中心としたまちづくりを進めることも一つの方策だと思っております。地域交通戦略会議において、4部会ありますけれども、沿線のまちづくりについて検討、議論される場がないと感じておりますが、県として沿線のまちづくりにどのように携わっていくのか、田中交通政策局長に所見をお伺いいたします。 18 田中交通政策局長 地域交通戦略会議につきましては、第1回会議において、県民のウエルビーイングの向上を目指すということを確認して、部会においてウエルビーイングの行動に結びつくサービス等について議論を行っております。  委員からもお話ありましたが、第2回の会議では各部会の取りまとめ等を踏まえ、戦略の基本的な方針、考え方を提案し、委員からは欧州の持続可能なモビリティー計画を具体化していく一歩につながるなどの御意見もいただいて、会議として了承をいただいております。  今般の計画策定は、バックキャスティング型で進めておりまして、今後、部会を年度内に開催し、具体的な施策を議論いただくこととしております。  具体的な施策について、委員御指摘の沿線を中心としたまちづくりと一体となって議論を進めていくためには、居住エリアや各種施設などの沿線への誘導、歩きやすい空間の整備など、都市のコンパクト化に取り組む市町村との連携が重要であると、このように考えております。  戦略会議には、県と市町村の地域公共交通計画の整合性を図るとともに、市町村間の情報共有を図る交通ワンチーム部会を設置しております。こうした場を活用しまして、沿線のまちづくりと一体となった持続可能な地域公共交通の確保について、検討、議論を進めてまいります。 19 針山委員 せっかくの利便性も、市町村とのまちづくりがかみ合わないと線路はつながらないと思います。しっかりとまちづくりというものを、県としても中心的にというか、しっかりとまちづくりを支えていっていただきたいと思います。  全国には、鉄道や交通を学べる専門学校が幾つもあります。また、高校では、鉄道関係の専門学科があるのは、私立ではありますけれども、東京に2か所です。  富山県には、JR氷見線、城端線、高山線、またJR貨物が走っております。北陸新幹線、またあいの風とやま鉄道、富山地方鉄道、LRT、山へ行けばトロッコ、バスもありますし、船も飛行機もあり、鉄軌道をはじめ、多種多様な公共交通が存在しております。  生活の足、観光客の移動手段だけでなく、鉄道交通を学ぶ教材としても利用できるのではないかと思っております。専門知識、技術を学べる環境は、日本国内でもなかなかそうあるわけではございません。運輸関係の人材確保であったり育成の面、今、大変苦労されておられる高校の特色づくりの面からも、運輸や交通を学べる学科を設置してはどうかと提案いたしますが、荻布教育長の所見を伺います。 20 荻布教育長 本県には、鉄軌道をはじめ、多種多様な公共交通があり、多くの高校生も通学の手段とするなど、地域の生活基盤や社会基盤を支えております。  県では、「鉄軌道王国とやま」をキャッチフレーズとして、本県の魅力化にもつなげておりまして、運輸関係の人材確保や人材育成は大切なことと考えます。  全国で運輸科や鉄道科を設置する高校は、委員からも御紹介ありましたとおり、東京都に私立学校2校がありまして、駅業務や運転法規、車両整備など、鉄道に関わる専門的な内容を学ぶことができるようになっております。  両校にお聞きしたところ、鉄道会社で実務経験のある教員を確保し、鉄道実習室や実際の車両、シミュレーターなどの施設や設備を充実させ、独自に作成した教材により専門性の高い授業を行うことで、多くの卒業生が知識、技能、技術を身につけて、関東圏をはじめ、全国の鉄道運輸関係の企業に就職しているということでございます。  御提案の運輸、交通科の新設についてですが、専門性の高い教員の確保、また施設設備面の整備、特別な教育課程の編成が必要となるということがあります。また、今後、生徒の減少が見込まれる中、産業界や時代のニーズ、中学生の進路希望、地域の特色などを踏まえて、慎重に見極める必要があるのではないかと考えます。  県教育委員会では、現在、今後の高校の在り方について、令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会におきまして検討をしているところでございます。  生徒の様々な可能性を引き出す魅力ある県立高校づくりに向けて、学科やコースの新設といったことも含めて、丁寧に検討してまいりたいと考えております。 21 針山委員 いろいろと設置に向けて困難があるのは分かっているつもりです。今、慎重にという言葉もありましたけれども、私とすれば、悩み多き荻布教育長の何かお手伝いをしたいと思って提案をした質問でございます。ぜひ前向きに取り上げていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  水産業の振興について質問させていただきたいと思います。  県の水産研究所によりますと、富山湾の水温が上昇し、水揚げされる魚種に変化が見られるそうであります。また、魚介類の生息地でもあります藻場の海藻が失われております。  今年も、地元の海岸で、地元の漁協の方たちのサザエの稚貝の放流や、藻場再生のためのお手伝いをさせていただきました。なかなかすぐに成果が出るものではなくて、試行錯誤が続いております。  本県の水産業は、漁場の環境変化ばかりでなく、販路拡大、後継者確保など多くの課題を抱えておりますが、農林水産省出身の横田副知事に、全国的な視野から、本県の特徴や将来性についてどのように捉えているのかお伺いします。 22 横田副知事 富山湾は天然の生けすと呼ばれていて、大変深さがあるということで魚種が豊富、そして漁場が近いので鮮度が大変よいということ、これが本県の水産業の特徴だと思っております。魚と言えば富山県として高い評価を得ているわけですけれども、このため、定置網漁業やシロエビ漁業では、若い就業者が増加傾向にあります。  ただ、さらにICT技術の導入など、さらなる効率化と収益性を上げて、県全体で担い手の確保に努めていく必要があると考えております。また、資源管理の観点から、漁獲量自体を増やしていくことは難しいため、少量多品種の魚介類を、いかに価値を上げて、富山と結びつけてブランド化して販売するかが課題だと考えています。  ブランド化につきましては、ブリ、ホタルイカ、シロエビ、ベニズワイガニ、こういったものについては、関係者の努力によって認知度も高く、一定の成果が得られております。ただ、そのほかの、例えばキジハタ、アカムツ、クロマグロ、ゲンゲなど、その他多彩な魚がありますので、これを富山のさかなのそれぞれ個性のある一員としてブランド化しまして、それらがいつ、どこで食べられるかという情報を訪れる人に効果的に提供する仕組みが必要だと思っております。  また、鮮度保持や急速冷凍技術の導入によって年間を通した安定出荷、そして新幹線輸送、シーフードショーへの出展などによって、都市部や海外などへのさらなる販路開拓にもつなげたいと考えています。  一方、御指摘のとおり、中長期的には、地球温暖化による漁場の環境の変化によって、富山湾での漁獲量の不安定化が懸念されます。
     このため、氷見栽培漁業センターなどで新たな水産資源の造成を進めるとともに、今、入善町で計画されております、サーモン陸上養殖といった育てる漁業にも期待するところです。  富山県の水産業には大変高い将来性を感じております。本県の魅力的な資源ある水産業に磨きをかけられるように、関係者一丸となって取り組んでいきたいと考えております。 23 針山委員 時間もないので、次に進みたいと思います。  来月竣工式を迎える氷見の栽培漁業センター、そして滑川の水産研究所も稚魚の育成施設が19年に完成し、本県の栽培漁業にますます期待が高まっていると思っております。  県が取り組んでいる栽培漁業のこれまでの成果を踏まえ、今後どのように取り組むのか。また、試験放流をいつも決まったところで、定点でやっておられるということでございますけれども、いろんな漁場で試してみないかなという御提案も含めて、堀口農林水産部長にお伺いいたします。 24 堀口農林水産部長 これまで県では、氷見と滑川の両栽培漁業センターにおきまして栽培漁業を推進しており、水産物の安定供給に取り組んでおります。  また、令和2年には栽培漁業の推進方策を策定いたしまして、氷見栽培漁業センターの改修整備によるクロダイの種苗増産のほか、市場価格が高く漁業者から要望が大きいことから、新たにキジハタ、アカムツの栽培漁業の事業化に向けた技術開発方針などを定めております。  特にキジハタにつきましては、県水産研究所において種苗の安定生産技術を確立したところでありまして、昨年度から県内の漁協等による放流要望や、水産研究所の場所等も考慮いたしまして、黒部市や富山市の沿岸等5か所において、人工海岸や藻場など、異なる環境での放流適地の検討を進めております。また、この検証には少なくとも3年から4年の継続した定点調査が必要でもあります。  委員御提案のキジハタの試験放流の拡大につきましては、例えば高岡市の沿岸で放流ができないか、地元の漁協からの要望があるとも伺っており、昨日の高岡市議会でも議論があったと承知をいたしております。研究員の数が限られておりますことから、すぐに拡大して試験放流を行うことは難しいわけではありますが、今年のキジハタの種苗、稚魚の生産数は、計画よりも少し多い状況でもありますので、今後、高岡市からの要望等があれば、数百尾程度を予備的に放流することなども検討したいと考えております。  引き続き、栽培漁業による水産資源の増大を図りますとともに、キジハタの技術開発を加速し、新たな栽培魚種として、できるだけ早期に県内各地で放流できますよう取り組んでまいります。 25 針山委員 部長、ありがとうございます。  暗に地元で放流してくれというところをうまく酌み取っていただきまして、数百匹いただけるということで、しっかりと試験放流を成功させていただくよう、地元の方にもお伝えしたいと思います。  やっぱりいろいろな場所で試験することが大事だと思っていまして、人間だって住んでみないと分からないこともありまして、意外と魚にとっていいところがあるのでないかなと思っております。  続きまして、密漁、漁業法違反の質問でございます。  サザエやカキなど、最近、コロナの行動制限がなくなった影響で、そういった密漁が大変増加しているというふうにも聞いています。  漁業の経営や水産資源を守るという目的はもちろんですけれども、地元の住民とすれば、そんな密漁する悪いやつ、近くに来るのは嫌だという、そういう治安の心配もあるわけでございます。  監視や取締りの強化、資源管理のルールの周知など対策の強化が必要と考えますが、どのように取り組むのか、堀口農林水産部長にお尋ねいたします。 26 堀口農林水産部長 委員御指摘の遊漁者──漁業をなりわいとしていない一般の方でありますけれども、こうした遊漁者による本県沿岸での密漁というのがございます。海上保安庁等によりますと、過去5年の平均で年間約20人が検挙されており、今年はコロナ禍によるアウトドアブームの影響などもあり、9月15日現在で24人と増えております。  密漁の対象はアワビやサザエ、イワガキ等の貝類が中心であり、県内漁業者が稚貝の放流などの資源管理に取り組んでいますことから、漁業経営上の問題となっているという状況でございます。  このため県では、海上保安庁と連携しながら、漁業取締船つるぎによる海上での取締り等を年間約150日実施するなど、漁業者による違法操業や、遊漁者による違法な行為に対する監視指導を行っております。  また、レジャー客等による理解不足の密漁が多いと考えられますことから、漁業者による資源管理の内容や、禁止されている漁法などを明記した富山湾遊漁マップを作成いたしまして、県内の釣具店やマリーナに配布しているほか、県のホームページで公開するなど、遊漁者に対して注意喚起を行っております。  さらに、令和2年12月に改正漁業法が施行されまして、漁業権が侵害された場合は、最大20万円の罰金が100万円に引き上げられたところであります。  県では、パンフレット等により、漁業者や遊漁者への周知を図っております。今後、状況を見ながら、取締り回数の増、あるいは注意看板の設置などを検討しますとともに、引き続き富山湾での漁業秩序の維持や、適切な海面利用が維持されますよう、漁業団体や海上保安庁との連携を密にいたしまして、取り組んでまいります。 27 針山委員 またしっかりと対策のほうをお願いしたいと思います。  経済交流、観光振興についてお尋ねします。  7月31日から8月7日にわたり、オレゴン州ポートランド友好訪問団が派遣されました。コロナ第7波の初動の時期であり、また、円安ドル高傾向がある中での強行渡米をされたことに疑問を持っている県民も多いと聞いております。平成28年の前回25周年記念友好訪問団──そのときはアルゼンチンも訪問されたそうですが──と比べると大規模なものとなったと認識しております。  今回の訪問団の団員構成を見ておりますと、JCを肩書にされる関係者の方が何人も名前を連ねておられます。知事もよくJCの話をされますけれども、親しい方々を誘って行ってこられるのではないかという声も聞いておりますが、今回の訪問目的及び団員人選の考え方について、新田知事にお伺いいたします。 28 新田知事 いろんな話があるものだなと思って、驚いて聞いておりましたが、私が県民の皆様にお約束しました八十八の具体策の中の9番目ですが、オレゴン州などの姉妹州とのMOUの締結を推進、県内企業の米国進出などを強く支援というのは掲げておりまして、これを進めるためにオレゴン州を訪問する必要があると考え、昨年来、準備を進めてきたものです。  今回の訪問では、友好提携30周年の記念交流会の開催と今後の相互協力に関する覚書の締結、経済交流、起業、ビジネス関係、学術交流の4つを主な目的としました。そして、経済交流や起業、ビジネスに関わりが深い民間の経済関係者の皆さんに、現地の方々と意見交換を行い、また、先進的な取組を実際に見ていただきたいと考え、県内の経済団体や米国進出企業に参加を働きかけたところでございます。  私が団長となり、県議会からは渡辺議長、富山日米協会、富山県経営者協会、おっしゃるように富山青年会議所、またジェトロから参加いただき、県職員7名も含めて計19名の訪問団となりました。また、富山経済同友会の26名の方々には、行程の前半に同行いただきました。これも県内経済界の皆さんの関心の高さの表れと感じております。  訪問中は、州知事と経済交流等に関する覚書を締結したほか、経済関係の皆さんには、企業訪問、バイオサイエンス協会や起業支援団体との意見交換、記念交流会における関係者との懇談会などに積極的に関わっていただくなど、経済や起業、ビジネス分野の交流促進につなげることができました。  今回の訪問を契機として、今後も様々な分野における連携協力など、両県、州の友好関係を深めてまいります。  以上です。 29 針山委員 オレゴンのほうは、経済だけではなくて、例えば住民の手で安楽死を認める尊厳死法を認めた例であったり、不在者投票を先駆けて採用したり、郵便投票を唯一の投票手段としている、そんな例もあります。経済以外にもオレゴンには見どころがあると思っております。  昨年は訪問が実現しませんでしたけれども、当初予算で2,400万円が計上されております。今年度は当初予算で1,997万3,000円が計上されております。  厚生環境委員会の資料を見ましたけれども、19名の訪問団が長期にわたって精力的に活動するには、この程度の予算でよかったのかなというふうにも考えます。円安の進行の影響も懸念される中で、今回の訪問での富山県としての費用負担状況を聞かせていただきたいと思います。これは、生活環境文化部長のほうがいいのかなと思いますが、大丈夫でしょうか。 30 廣島生活環境文化部長 今回の県予算ということでございますが、30周年記念事業、こちらにつきましては、スピーチコンテストの関係費なども含めまして、今年度の当初予算で1,900万円、委員御指摘のとおり2,000万円弱の予算を計上しております。  今年はこれに加えまして、昨年度からの繰越明許費を1,000万円ほど持っております。こちらの繰越明許費、御指摘のとおり昨年度は訪問団を見送ったところですけども、コロナの感染状況を見て、今年度に入って早々にでもできるようにということで、昨年の11月議会で繰越し予算を認めていただいております。ですので、合わせまして3,000万円近くの予算があるということになります。  先ほど委員からもありましたが、昨年の当初予算が2,400万円ということで若干数字が増えているように見えますが、この増えた分は、幾つかあるわけですけども、主に今年度7月から新たにオレゴンに職員を派遣していると、それに係る経費分が増えているというような状況でございます。  この使途ということかと思いますが、大きく分けて委託料と旅費の2つから成っておりまして、委託料のほうは旅行会社に対するものでございます。中身としましては、記念交流会の開催費ですとか、現地の大型バスの借り上げ料、通訳やガイドの手配に要するもの、これが委託料、そのほかに旅費といたしまして、知事及び私ども県職員7名分の航空運賃や現地のホテル代金がございます。なお、県職員の参加者の方は、旅費ですとか現地での懇親会費、食事代は各自の負担となっているところでございます。 31 筱岡委員長 針山委員、持ち時間が少なくなってきました。 32 針山委員 予算が増えたり、減ったり、繰り越したり、今すぐに頭が整理できません。また整理して疑問があればお尋ねしたいと思います。何せ、多額の県民の税金が使われているということだと思います。団員の方、また一部の方だけの利益ではなくて、しっかりと富山県の発展繁栄、県民のウエルビーイングのために還元されるようお願いをしたいと思います。  続きまして、インバウンドについて質問させていただきたいと思います。  委員長、資料の提示の許可をお願いいたします。 33 筱岡委員長 はい。これで最後の質問ですからね、時間ないから。 34 針山委員 はい、分かりました。  欧州の観光客の誘致の足がかりとして、11月にイギリス・ロンドンの商業施設にて、期間限定で店舗をオープンするという発表がございました。欧州からの観光客は滞在期間も長く、消費額も多いという傾向があります。  資料のほうを見ていただきたいのですけれども、これまで本県は環日本海、またアジアを中心としたインバウンドに頼ってきました。株式会社Fun Japan Communicationsが編集した資料でございます。イギリスだけを例に取れば、富山県はだんだん減らして2019年には3けた、石川県は2万人を超えていますし、岐阜県も増やして2万人に近づいていると。隣県には来ているのに何でうちに来れないかなということも考えるわけでございますけれども、富山県観光振興戦略プランでは、宿泊者の目標400万人のうち外国人が53万人という設定しかない。  外国人というくくりではなくて、しっかりと欧州からこれだけ誘客するんだという目標を掲げて取り組むことが大切だというふうにも考えております。具体的な数値目標をどのように認識しているのか、また…… 35 筱岡委員長 時間がありません。 36 針山委員 日本また外国のほうで多くのイベントも予定されております。どう対応していくのか、南里地方創生局長にお伺いいたします。 37 筱岡委員長 簡潔にお願いします。 38 南里地方創生局長 分かりました。  インバウンド需要の回復を図るためには、早期に出入国が緩和されて、御紹介いただいたとおり、滞在日数、観光消費額が多く、需要回復を牽引する欧米豪の富裕層の市場の開拓に取り組むことが有効だと考えております。  過去最高の訪日外国人旅行者数を記録した令和元年、2019年においても、日本全体の訪日旅行客のうち、欧米豪全部足した方が占める割合は、日本政府観光局の統計で約15%、約480万人でございます。これに対して、私ども県の持っております統計は富山県の外国人の宿泊者数でございまして、県内の宿泊施設に聞いて統計を取っているものでございますけれども、こちらは御紹介いただいた資料と、ちょっと数字は訪問者と宿泊者で違いますけれども、台湾が最も多く31.6%、一方で、欧米豪全部足しても8.9%、約2万9,000人にとどまっているところでございます。  御紹介いただきました、3月に策定した富山県観光振興戦略プランにおいては、本県の訪日外国人全体の宿泊者数を令和元年度の35万人から、令和8年度には53万人とする目標を設定しておりまして、あわせまして、県民参考指標では欧米豪からの宿泊者数の割合を、今現在、コロナ前で8.9%としておりましたのを、約2倍近くになりますが、15.2%を目指すということで設定しているところでございます。  御紹介いただいたロンドンをはじめとしました様々なイベントも企画してございます。過去にも愛知万博におけるパビリオンの出展や、イベントですとか、G7富山環境大臣会合におけるエクスカーションの実施等により本県の魅力を国内外に発信してきたところでございます。  本年度も台湾、それからタイで旅行博に合わせて商談会を実施するほか、ロンドンでも本県の伝統工芸等のポップアップストアの開設に合わせて、観光PRや商談会など機会を捉えたプロモーションを行う予定でございます。  今般、石川県との共同開催としてG7教育大臣会合も決定したことでございまして、これは世界に観光資源としての富山の魅力を発信する好機であり、大変喜ばしいものと考えております。 39 筱岡委員長 簡潔にお願いします。 40 南里地方創生局長 これからも様々なイベントの機会を捉えまして、効果的な観光プロモーションを行うとともに、様々なインバウンド誘客に、ウェブサイト、SNSも通じまして、取り組んでまいりたいと思います。 41 筱岡委員長 針山委員の質疑は以上で終了しました。                      午前11時05分開議        亀山彰委員の質疑応答及び答弁 42 筱岡委員長 亀山委員。あなたの持ち時間は60分であります。 43 亀山委員 自民党新令和会の亀山です。よろしくお願いいたします。  大型台風14号で被害に遭われた方々にお見舞いを、お亡くなりの方々にはお悔やみを申し上げます。  富山県は立山連峰に守られ、台風14号の被害も少なかったのではないかと思われます。今日は、針山、亀山、山続きで県民を守っていきたいものであります。  それでは、雄山高校の定員削減による影響と、教育委員会の姿勢と対応についてお伺いいたします。  立山町長は5分しか質問時間がなかったものですから、私は30分以上はあるのだろうなと思いますので質問させていただきます。  定員削減対象校所在地の選出議員として、薮田議員が一般質問されました。予特で今日は私が、26日には菅沢先輩委員が質問されると思います。  なお、9月14日、薮田議員の質問における教育長答弁において、令和2年度の県立学校募集定員の発表時期が、コロナ感染拡大の影響により9月になった旨の答弁がありましたが、実際にはコロナ禍で9月にずれ込んだのではなく、交渉中のためずれ込んだと私は認識しております。当時の次長が教育委員においでになります。御確認いただき、必要に応じて訂正願います。  まず、雄山高校を含めた高校生のスポーツ選手育成と環境整備についてお伺いいたします。  5月に行われた川除大輝選手への富山県民栄誉賞の贈呈式において、知事は全国、世界で活躍できる選手の育成や、誰もがスポーツを楽しむことができる環境整備に取り組むと表明されました。  スキー競技のオリンピアン、パラリンピアンを多数輩出している雄山高校を含め、高校生を対象として、世界で活躍する選手の育成や競技環境の整備にどのように取り組むのか、知事にお伺いいたします。 44 新田知事 雄山高校は、さきの北京パラリンピックで金メダルを獲得された川除大輝選手をはじめ、多くの優秀な選手を輩出しておられます。こうした世界で活躍できる選手の育成や競技環境の整備を図るためには、高校の運動部活動への支援とともに、トップアスリートを育成するための専門的な指導が重要と考えています。  県では、高校の運動部活動の活性化と競技力向上を図るために、県立学校に対しまして、高度な実技指導力を有する指導者のほか、今は根性だけでは駄目な時代で、スポーツ医科学に基づく効果的な体力向上、あるいはスポーツ障害の未然防止のためにトレーナーや栄養士も派遣しており、雄山高校に関して言えば、今年度は指導者2人を派遣しております。  また、トップアスリートの育成では、県体育協会と連携し、各競技団体を通じて、ジュニア期から発達段階に応じて行われるトレーニングの指導や、豊かな資質を持つ選手の競技力向上のための練習会や県外遠征などを実施してきておりまして、世界で活躍する選手の育成に効果を上げています。  川除選手らは、中学、高校時代にこれらの強化指定を受けて競技力の向上を図ってきており、現在も雄山高校のスキー選手が指定を受けて強化事業に参加しておられます。  今後とも、雄山高校を含めた県内の高校生が望ましい環境で部活動に参加でき、そして、高いレベルを目指して競技に取り組めるように努めてまいります。 45 亀山委員 ありがとうございます。後の質問に続きますので、よろしくお願いいたします。  資料配付、今のうちにやってもらえますかね。 46 筱岡委員長 許可します。 47 亀山委員 次に教育委員会の姿勢についてお伺いいたします。  8月30日に開催された令和4年第9回教育委員会会議において、立山町長及び氷見市長の陳情、発言に対し、某教育委員から「トランプ氏のように自分のことばかり考えては駄目」との発言がありました。この発言は富山県教育委員会全体の御認識でしょうか、それともあくまでも一委員の発言とお考えなのでしょうか。教育委員会の会務を総理し、教育委員会を代表する教育長として、この発言をどのように受け止めているのでしょうか。  首長が地域の高校を守ろうとするのは当たり前のことではないでしょうか。舟橋町長は市町村間の対立をあおっているわけではない、決め方に疑問がある、納得できるような説明がなされていないと言っているにすぎません。それにもかかわらず、自分のことばかり考えているとの発言は、教育委員会として甚だ不適切ではないでしょうか。  8月30日の会議当日は、教育委員のうち1名が欠席されたとお聞きしております。良識のある委員であれば、定数削減ありきの会議に出席することをためらったのではないだろうかとも推測されます。強引に進める教育委員会こそ、トランプ氏そのものではないでしょうか。フェイクニュースなのでしょうか。議決権を持つ教育委員が立山町から提出した資料を読んでいないとはどういうことでしょうか。教育委員の仕事は何でしょうか。現役雄山高校生の町長への投書もあったということで──直筆だったものですから、皆さんのところに資料はつけませんでしたけど──、これも読んでいないのでしょうか。高校生からの投書に胸は痛みませんか。読んでいなければ痛むこともないとは思いますけれど。  はいと言う「ありき」が仕事だと考えているのならば、大間違いではないでしょうか。公開討論と捉えて県民に説明していただきたいと思います。子供ファーストは口だけですか。  大規模な人口流出や流入がない限り、15年前子供たちが生まれたときから、今年度の中学校卒業生の人数はほぼ決まっています。  東日本大震災クラスの災害に見舞われれば別ですが、時間がないとか、遅れたとか口に出してはいけません。教育警務委員会においても、藤井委員、澤崎委員やほかの委員からも、説明不足や地元に理解されていないと指摘されています。  さきに新聞で報道され、首長さん方への説明は後からとは、教育委員会はどうなっているのでしょうか。常識外れだと思います。見解を教育長にお伺いいたします。 48 荻布教育長 今回の学級編制の方針については、それぞれの立場や視点によって様々な御意見があることは承知しております。立山町長、そして氷見市長の御意見は、県立高校を大切に思われる所在市町の首長のお立場としてのものと理解しております。  一方、お尋ねの教育委員の会議での発言についてでございますが、その内容はこのようなものでした。私たちは子供たちに対し、公平に公正に、そして人のことを考えて教育をしているが、トランプ大統領を代表にして自分のことばかり考えている、これでは駄目ではないかというものでございました。  これは、県立学校の学級編制の検討に当たっては、高校生では多くの生徒が市町村の区域を越えて通学していることなども踏まえて、市町村域にとどまらず、県全体の広域的な視点で考えるべきとの趣旨で御発言されたものと受け止めております。  また、町からの資料を読んでいないという発言があったという御指摘でございますが、これについては、町や、また教育委員会からの資料以上の細かいデータについては把握していないという趣旨でおっしゃったものと私は理解しております。 49 亀山委員 別の言い方をすると、都合のいい解釈としか思えないですけど、この後に続きますので、続いて質問させていただきたいと思っております。  今から県内の高校名をたくさん使わせていただきます。町長ではないですけれど、決して競争をあおるものではないということを御理解いただきたいと思っております。教育委員会の姿勢を正すために使わせていただきたいと思っております。
     雄山高校出身者には、川除選手だけではなく、廣瀬崚選手や岩本美歌選手など、スキー競技のオリンピアン、パラリンピアンを多数輩出しております。雄山高校の定数を削減することは、入り口を狭くして、現役高校生の三大会連続オリンピック・パラリンピック出場に水を差すだけではなく、県内スキー競技の弱体化にもつながると考えますが、どうでしょうか。  資料を見ながら説明します。  この写真は六、七か月前、これは金メダルを取った後です。6月10日に掲示されました。10年、20年を過ぎたわけなら今の答弁も通用するのかなと思いますけれど、教育委員会が総合的に判断してとは何なのでしょうか。  令和6年2月には、本県で全国高等学校スキー大会ジャンプ競技が開催予定であり、ジャンプ複合には雄山高校2年の坂大芳輝選手、アルペン競技には同校1年の松井選手が出場する可能性があります。坂大君は既に1年生で全国大会の出場を果たしています。今回の騒動により競技への影響が懸念されるところであります。このことについてどうお考えなのか。先ほどの知事のお言葉に反するようなことがないような答弁をいただきたいと思いますけれど、教育長にお伺いいたします。 50 荻布教育長 先ほど知事もお答えいたしましたように、雄山高校は北京パラリンピック金メダリストの川除大輝選手をはじめ、多くの優秀な選手を輩出してきております。  スキー競技は個人種目であり、質の高い指導と個人の練習の工夫によって、川除選手がそうであったように、高いレベルを目指した活動を行えると考えております。  県内のスキー競技は、少子化の影響などで競技人口の減少傾向が見られまして、現在、雄山高校においても部員数は僅かとなっております。しかし、2年生の坂大芳輝選手が全日本の国内強化指定を受けるなど、少人数であっても優れた成績を上げております。  これは、部活動顧問より熱意ある指導が行われていることはもとより、県スキー連盟のジュニア層からの一貫した指導体制がしっかりと構築されていることによるものと考えております。  県は、県体育協会と連携し、このような連盟の強化の取組の支援をしており、引き続きスキー連盟の拠点施設を活用した強化練習会や講習会のほか、選手の遠征などの実施により、川除選手同様、将来を担う県内高校生の競技力向上の取組を推進していくこととしております。  本県出身のアスリートの活躍は、県民に勇気と感動を与えてくれるものであり、今後とも県体育協会、県スキー連盟と連携して競技力の向上と活性化を図るとともに、高校においても引き続き質の高い活動が行われるよう支援してまいりたいと考えております。 51 亀山委員 指導者というのは大畑先生のことを言っておられるのかなと思いますけれど、先ほども言ったように、それこそ、入り口を広くして初めて選手というか人が集まってくるのですよ。それをこの2年間の間にどういうことが起きているか。後からもちょっと説明しますから、最後にトータル的なことで答弁願いたいと思っております。今の答弁だと全体的なことだけで、要するに、雄山高校のスキー部のことはあんまり言っていないような気がします。  次に行きます。  オリンピックやパラリンピックなど国際大会に出場する生徒を多数輩出し、国際的な山岳観光コース、立山黒部アルペンルートを抱える雄山高校に、山岳ガイドや観光ガイドを育てる視点からも、国際山岳コースや国際山岳観光学科を設置し、特色ある高校づくりに努めるべきと考えますが、どうでしょうか。  これは入試前の2月の定例会でも質問しましたけれども、要するに、特色ある高校づくり、その面で言ったつもりですが、一向に採用されないと。一議員が言っているということだけではなくて、町議会のほうでもこの話題には触れております。そういうこともありますので、もう一度考え直していただきたいなと思っております。  2月議会で質問したとき、入善高校には観光ビジネスコースを推薦入試でも募集していますと。しかし、定員割れをしています。アルペンルートを抱える雄山高校こそ、観光というコース、そして、オリ・パラに出場、世界に羽ばたく高校生を育てることのできる高校ではないでしょうか。別に英語の通訳を育ててくれと言っているんじゃないです。そこへ行って周りの選手等に溶け込んだりするような、そういう環境づくりの学科が必要ではないかと私は言っているところであります。これは入善高校と比較したら問題があるかもしれませんけれど、教育長にお伺いいたします。 52 荻布教育長 雄山高校は、北京冬季オリンピック・パラリンピックに出場した3名の卒業生のほか、これまでも全国大会へ数多くの選手を輩出しています。  また、令和2年度には立山町と包括連携協定を結び、観光関連で各界から外部講師をお招きして、立山黒部アルペンルートや立山町の観光戦略についての講演会のほか、立山調査登山などを行い、国際的な山岳観光地である立山についての理解を深めてきているところです。  委員御提案の観光系のコースや学科につきましては、御紹介ありましたとおり、入善高校普通科に県内唯一の観光ビジネスコースの設置をしております。昨年度からは、3年間、三菱みらい育成財団の教育実践の助成校というのにも選ばれまして、下新川エリアの自然や文化などの観光資源について理解を深め、地域の魅力を発見し情報発信する学習活動に取り組んでおります。  令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会では、グローバルビジネスに対応できる人材を社会に輩出してほしいですとか、国際化に向けた取組をもう少し特化してやってもらいたいなどの御意見をいただいています。  今後、各高校の実践や特色、また高校へのニーズなどに関するアンケート調査の結果も踏まえ、魅力ある県立高校の在り方について議論を進めていくことにしております。  委員御提案の特色ある高校づくりのためのコースや学科の新設については、検討委員会での議論も踏まえつつ、生徒や現場のニーズをはじめ、効果や必要性を慎重に見極めながら検討をしてまいりたいと考えております。 53 亀山委員 今、ディスプレーには、高校の推薦入試の結果と言ったら変な言い方ですけれども、データを映し出させていただきました。今の入善高校の普通科・観光ビジネスコース、8人募集しているけど5人、上市高校の総合学科は、45人募集していて18人推薦を受けておられると、そういう流れがあります。  この推薦入試のやり方について今、私は述べるつもりはありませんけれども、普通、1つの学校から5%ぐらいが上限とか何かを設けないと、1つの学校から1つの高校に何人も入るとか、別の言い方をすると、1つの中学校からいろいろな高校に2人ずつとか推薦はできますので、その辺もちょっと考えていただかなければいけないかなと思っております。  次の質問に入ります。  雄山高校生活文化科は、全国高校家庭科技術検定三冠の生徒を数多く輩出するなど、全国の家政系学科の中では一番優秀ではないかと思えるほど活躍していましたが、令和3年度になぜか定員が40名から30名に一旦削減されました。そして、来年度はなぜかまた元の40名に定員を戻すことになりました。この40名の定員を一旦30名に削減し、僅か2年のうちに40名に戻す合理的な理由があるのでしょうか。  これは今回の定員削減と同じように、教育委員会が学校のあるべき姿で定員を議論するのではなく、地域バランスだけの理屈で定員を削減したことによる大失態であると考えますが、どうお考えでしょうか。教育長に伺います。 54 荻布教育長 委員から御紹介がありましたように、雄山高校生活文化科では、全国高等学校家庭科技術検定の被服製作洋服、被服製作和服、そして食物調理、この3種目で1級を取得する、いわゆる三冠王に毎年10名近くの生徒が輝いております。  また、学校家庭クラブの活動において、家庭や地域社会と連携し、子供たちを対象とした食べ物の栄養教室など、地域密着型のボランティア活動を継続しておりまして、卒業時における生徒の満足度も高い状況にございます。  一方、平成28年4月の県立学校整備のあり方等に関する報告書においては、家庭科の定員割合について、就業構造の変化や関連進路率の低さなどを踏まえるとともに、服飾、食物など、実践的な学習を通じた人間教育に貢献していることに配慮して、その割合を見直すことが望ましいとされております。  令和3年度の募集定員は、当時の公私比率を尊重し、地域別の中学校卒業予定者の動向や各高校の入学志願者数の推移、地域バランスなどを総合的に判断して、雄山高校生活文化科を30名としたものでございます。  令和5年度の募集定員についても同様に、地域別の中学校卒業予定者の動向や各高校の入学志願者数の推移などを総合的に判断しまして、雄山高校において普通科1学級40名を減ずることとし、学校全体としての教育環境に配慮をして、生活文化科を定員10名増の40名とし、3学級120名の規模を維持することとしたところでございます。  今回の定員設定についても、地域の生徒数の動向や学校の教育環境を総合的に考慮したものであり、適切と考えております。御理解いただきたいと思っております。 55 亀山委員 これは、後に続く話なものですから、後のことに続けてまた答弁願いたいと思います。  ディスプレーに映っているのは富山第一高校の──資料を見てください、皆さんのところに届いていますので。富山第一高校や龍谷富山高校など、県内の私立高校では普通科で募集し、総合コースとして入学後1年次や学校によっては2年次から、それぞれの生徒の進路に沿ったコースに分かれることから、県立高校においても普通科の定員削減にこだわらず、普通科と職業科を合わせた定員で議論することとし、総合学科などの中でそれぞれの生徒の進路に合わせて柔軟に指導できるような体制としてはどうでしょうか。  これは何を言いたいかといったら、この後から出てきますけど、雄山高校の後援会としてバス代金を負担して、普通科でも企業訪問していただき、将来地元の企業に帰ってこいよという気持ちで地元企業の方にも協力していただいています。私立の総合コースと県立高校の総合学科はどう違うのでしょうか。分かりやすく説明願います。 56 荻布教育長 私立高校では、各学校が建学の精神に基づく特色ある教育を進めておられまして、私学のよさを生かして、入学時より多くの学校で様々なコースを開設し、生徒の将来の進路希望に合ったコース選択が可能でございます。  委員から御指摘のあった多くの私立高校で開設している普通科のコースは、普通科目のほかに、一部の科目でコースに応じて専門科目を学習することができるものでございます。  それに対して総合学科は、1年次には将来の進路を様々な経験を通して考え、2年次より自分の進路希望に合った分野を1つ選び、普通科目と専門科目の幅広い科目から自分で柔軟に選択して学びを深める学科でございます。  また、県立高校の普通科においても、国際、情報、福祉、体育、音楽などのコースを設けておりますほか、職業科を併設している学校では、生徒の多様な学習ニーズに対応するため、学科の枠を超えた科目を選択できる総合選択制を導入している高校もありまして、生徒の幅広いニーズに応えられるように努めているところです。  県立高校ではこれまで、進学などに向けた学力向上を図る普通科や地域産業を担う職業人を育成する職業科、そして総合学科のそれぞれの学科の特徴を生かして、生徒の可能性を最大限に引き出せるように進路指導を行ってきております。  現在、令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会において、今後の学科の在り方などの議論を進めているところでありまして、その御意見も参考に、各学科やコースの在り方について丁寧に検討をしてまいります。 57 亀山委員 話がかみ合うような、かみ合わないような、ちょっと歯がゆいところもありますけれど、次に進めたいと思っております。  7番目として、各市町村内の中学3年生の人口と地域の県立高校入学定員との関係をどのように考えているかお聞きしたいと思います。市町村間の対立をあおっているわけではないということをもう一度言いたいと思っております。  来春の上市中学校の卒業生は142人で──ディスプレーに出ていますけれども、資料を見ていただければ分かります──、上市高校の定員は150人であります。要するに、全員受ければ全員合格ですよ。こんな状態と、雄山中学校の卒業生218人に対して、雄山高校の定員は削減され120人になると示されています。片方は卒業生以上、もう片方は初めから100人程度。ほかの市、町へ行けということなんでしょうかね。中新川には2つの高校しかありません。中新川で考える前に地域バランス、先ほどから地域バランス、総合的に判断してとか言われましたけど、地域バランスを考慮するのであれば、それぞれの町で考えるのが先ではないでしょうか。上市町のほうが生徒数の減少率が多いと踏まえているのでしょうか。新川学区卒業予定者の中で中新川の減少が目立つと言われますが、もともと富山市から通う生徒が一部いることを踏まえると、定員は多くないと考えます。  不適切ではありますが、衆議院第2選挙区で見ますと、富山西高校は令和2年3人、3年8人、4年31人、そして八尾高校は令和2年14人、3年22人、4年32人、いずれも定員割れをしています。2次選抜でも、令和4年度は、富山西高校は18人、八尾高校は8人定員割れして、入学者が初めからそれだけいないのですよ。  立山町と同様、1次募集では、富山市中心部、旧富山市に中学校卒業生が流れています。これは同様だということで例に挙げさせていただきました。市町村間の対立をあおっているわけではありません。もう一度言わせていただきます。  どこの地域からでも高校教育が学区間関係なく受けられます。これは今教育長も言われました。そのとおりだと思います。しかし、この定員削減に対しては、学区制に戻そうとしているような教育長の発言、新川地区から雄山高校ということで。この辺はどうお考えなのか、教育長にお伺いいたします。 58 荻布教育長 県立高校の募集定員の設定については、地域別の中学校卒業予定者数の動向や志願状況、そして、これまでの学級増減の経緯なども踏まえて、慎重、丁寧に検討を行っております。  高校進学に当たっては、中学生の中には、自分の進路や進学の希望などを考慮して、どの高校に入学するのかを市町村域を超えて選択する生徒も多数おりますことから、委員御指摘のように、市町別の定員を優先して考えるのではなく、4学区ごとに、学区内の地域別の中学校卒業予定者数の動向などを考慮して募集定員を設定しております。  令和5年度の雄山高校の学級減につきましては、具体的には、新川学区内の中新川郡で、令和5年3月の中学校卒業予定者数が前年よりも38人減となること。また、雄山高校がかつて学級減となった平成26年度以降、中新川郡の中学校卒業予定者数の減の累積が122人減となっておりまして、一方、この間、中新川郡内の県立高校では、募集定員を20名減じたのみで学級減をしていないことも考慮したものでございます。  委員御指摘のように、令和5年3月の中学校卒業予定者数において、雄山中学校は218人、上市中学校は142人ということでございますけれども、令和5年度の募集定員については、雄山高校が上市高校より少ない状況となっているところでございます。  これは繰り返しになりますが、高校では生徒は市町村域を超えて学校選択をしている実態にあるということも踏まえております。  そして、実際の町ごとの状況を見ますと、ここ3年の新川学区の入学生の状況でございますが、自分の住む町内の県立高校へ通っている割合は、立山町では約16%、上市町は約18%であり、定員の市町村別割合の違いが地域バランスを崩しているとまでは言えないのではないかと考えております。 59 亀山委員 今、地域バランスが崩れていないような御意見をいただきましたけれど、142人で150人の定員、立山町は218人で120人。55%と105.6%ですよ。この割合が地域バランスを崩していないって言えるんですか。入善高校にしてみますと93%。これも朝日町があるからという捉え方もできるかもしれませんけれど、舟橋村は立山町も上市町も両方行きます。この地域バランスが崩れていないと、どうしてこの資料からそんなことが言えるんですか。この辺もう一度お伺いします。 60 荻布教育長 繰り返しになりますけれども、定員設定に当たっては、高校というのがそもそも小学校、中学校とは違い、広域的に設置されている。普通科であったり、職業科であったり、総合学科であったり、それぞれの特色ある学科構成で設置をされている。それぞれ歴史、伝統も違う、校風も違う、部活動などの状況も違います。そういった中で、広域的に選択して通われているという実態がまずございます。  新川学区においてもそれぞれの学校、例えば、上市高校は総合学科の学校である、雄山高校については普通科と生活文化科がある学校である、その他の学校もそれぞれ学科構成も違います。  そういった中で、市町村別で見た市町村域内の県立高校の定員が比例関係になければ不公平であるということにはならないのではないかと考えております。 61 亀山委員 このデータを見て不公平じゃないとよく言えると思いますよ、正直言うと。後の質問から出てきますから、8問目に行ってからまた続きをもうちょっと言いたいと思います。  この欠員状況のデータ、これは8月20日過ぎてから、教育長から頂いて説明を受けました。これを見てどう納得すればいいか。このデータを私は持っていますが、ディスプレーには映しておりません。県から出されたものをディスプレーに映すと、また一言二言、小言が出るかもしれませんので。  この資料でも5年連続、1次募集で志願者が定員数に達していない高校──先ほども言いましたが、実名を出したら怒られますけれども、2次募集でも定員割れする高校、入善高校のことを言っております。正直言って、隣の桜井高校は3年連続定員割れしております。そういうこともありますけれど、2次募集で定員に達する雄山高校が定員削減されるということは、どういった理由でしょうか。  先ほど地域バランスを崩していないと言いましたけれど、105.6%と55%、これは、完全にバランスが崩れているじゃないですか。これを見て、どこでどう思ってバランスが崩れていないというのでしょうか。理不尽なことであり、2年前を全く反省していないとしか考えようがありません。  もう一つ付け加えさせていただきますと、教育長から頂いた資料では、ここ8年間で、入善高校は8回、1次募集で定員割れしております。そういうことを考えますと、雄山高校も1次募集で定員割れしていますよ。ただ10年間のうち、2次募集で定員割れは1人だけ。それもどこかに書いてあると思いますけれど、当日何らかの理由で欠席してしまったと。それが定員割れの原因だと。それがなければ、雄山高校には10年間定員割れがなかったんですよ。そういう高校と他の高校とどう比べようが、総合的に判断できるのですか。おかしいじゃないですか。これは、教育委員会自体がおかしいとしか思えないような気がします。  間違ったら訂正する、修正する、これは小学生でも分かること。なぜ子供たちに教える立場の教育委員会はそれができないのですか。信用はがた落ち、失墜していますよ。決めかねれば、現状維持するのが当然のことでありますよ。  教育長、今までの中でどれが矛盾していたか、ちょっとここら辺で考えてみてください。どれが説明できたのですか。どれも説明できてないですよ。教育長に伺います。  〔「何も考えてないがいちゃ。しっかりせいと言わないと駄目や」と呼ぶ者あり〕 62 亀山委員 ありがとうございます。 63 荻布教育長 1次募集で志願者が定員に達しない県立高校もある中で、2次募集しても定員割れする高校よりも2次募集で定員に達する高校が先に定員削減されるのはなぜかということについてお答えいたします。  全日制の課程の第2次選抜、2次募集につきましては、第1次選抜及び推薦入学者選抜の合格者が募集定員に満たない学校、学科において、第1次選抜で5教科の学力検査を受検した者のうち不合格となった者を対象に実施しております。  こうしたことから、中学生の志願動向として、委員御指摘の2次募集の定員割れについても考慮することも一つではございますが、第1次選抜が第1志望と考えることもできますので、一般志願倍率、いわゆる第1次試験、第1次選抜、一般志願倍率というのは非常に重要な指標であると考えております。  また、募集定員の設定に当たっては、志願状況のみならず、中学校卒業予定者数の動向なども踏まえておりまして、中新川郡の令和5年3月の中学校卒業予定者数が他の地域と比べ減少していることも勘案をしております。  こうしたことも含め、また学区内の学校の学科設置状況など、様々な観点から検討を重ねて総合的に判断をしたものであり、御理解をいただきたいと思っております。  また、中新川郡内の上市高校については、2次募集での定員割れが生じている年度もありますが、一般志願倍率で過去5年のうち3回は1倍を超えていることも考慮しております。 64 亀山委員 先ほどから何遍説明してでも、はっきり言って資料の内容を読み取っていない。上市高校は定員割れしていますけれどという表現、先ほど言いました。確かにそのとおりですよ。定員割れしているどころか、昨年も14名定員割れ、2次募集でも定員割れしているのですよ。1次募集が行きたい高校だとすれば、2次募集で埋まる雄山高校は何か。2次募集で埋まるというのは、雄山の普通科、県立高校の普通科に行きたい、その方々が2次募集で行くんじゃないですか。受験するんじゃないですか。それを、2次募集のことは置いておいてという言い方はおかしいですよ。これだけ定員割れで2次募集が終わっているこの姿を見て、教育長は何か思わないのですか。いろんな資料を提出しても、これはかみ合わないままで、ひとつも説明になっていない。  何かこの辺で一つでも納得できる説明をいただければ、次の質問に入ります。なければこのままこのやり取りを繰り返します。  〔「議運のほうでちゃんと仕事しなさいよ。何、答弁させているんだ」と呼ぶ者あり〕 65 筱岡委員長 御静粛に。 66 荻布教育長 県立高校の募集定員につきましては、繰り返しになりますが、中学校の卒業予定者数の動向ですとか志願状況、また、これまでの学級増減の経緯なども踏まえて、慎重に検討を重ねて、教育委員会でも慎重に審議をし決定をしたものでございます。  各地域の皆様におかれましては、やはり学級減というのはその地域にとって望ましいものではなく、いろんな御意見があるのは理解いたしますけれども、教育委員会の立場として、総合的、また広域的に県内全域の県立高校のバランスの取れた教育環境を維持する、整備するという観点から今回の決定に至っております。御理解をいただきたいと考えております。 67 亀山委員 御理解せいと言われても、これだけ資料を提出しても、見ていないのか、とぼけているのか分かりませんけれども、あまりにもひどい対応じゃないですか。  今ここに、1つまた補足の資料として出させていただきました。桜井高校が3年間定員割れ。定員割れのまま2次募集で定員割れするのは、どう扱うのですか。初めから定員を削減すればいいじゃないですか。入善高校にしても、毎年のように、昨年は17人、上市高校にしても14人定員に達しない。2次募集で定員割れするということは魅力がないということなんですよ。それがどうして教育委員会は理解できないのですか。  先ほどから、西高校や八尾高校のことも、地域のバランスのことで説明させていただきました。これは、どこの高校を削れと私は言っているのではないですよ。ちゃんとたたき台に乗った状態で説明しなさいと私は言っているのです。これだけ言っても検討する余地はないですか。2次募集というのはそれだけの価値しかないのですか。それなら2次募集しなきゃいいじゃないですか。2次募集でも行きたいから2次募集を受けるんですよ。それがどうして悪いことなんですか。1次募集のことだけ言うのですか。それもおかしな話じゃないですか。  このやり取りをしていても、はっきり言ってひとつも納得のいく説明は得られません。  委員長、次の質問は交通政策局長に対する質問ですけれども、教育長にも同等の答弁をいただいて構いませんか。関連がありますので。よろしいですか。 68 筱岡委員長 はい。 69 亀山委員 そしたら、9番目として、雄山高校の定員削減は、五百石駅を利用している……。その前に、定員削減しても、例えば雄山中学校から、入善高校に行きませんよ。行っている方がいませんから。別に雄山高校を削減したからといって、ほかのところの穴埋めにならないですよ。  それは後でまた聞かせていただくことにして、雄山高校の定員削減は、五百石駅を利用している高校生の66%が雄山高校であることを考えると、地鉄立山線の存続にも影響を与え、立山黒部アルペンルートの移動手段に打撃を与えるものであると考えますが、どうでしょうか。  地鉄本線沿いの高校の1クラス減とは、本県の観光産業に与える意味合いが違います。定員数減の影響をどのように分析しているのでしょうか。まずは交通政策局長にお伺いいたします。 70 田中交通政策局長 立山町長及び立山町議会議長から提出されました雄山高校の募集定員に係る要望書を、私も拝見しました。要望書の参考資料には、立山線の駅別乗降人員等が記載されておりまして、雄山高校の最寄り駅となる五百石駅は、沿線の駅の中でも通学量が最も多い駅でありますが、その参考資料を見ますと、沿線の他の駅の乗降人員──これはまた通勤なども含めてですけれども、その記載もあります。これを見ますと、いずれの駅も五百石駅に比べかなり人数が少ない状況となっております。こうしたことを踏まえますと、沿線全体でさらなる利用促進の取組が必要ではないかと分析しております。  県としましては、人口減少、少子高齢化など、地域公共交通を取り巻く状況の変化に的確に対応していく必要があると考えておりまして、今年6月に富山県地域交通戦略会議を立ち上げました。  立山線は通勤通学など日常生活の足であるとともに、電鉄富山駅から立山駅とを結び、富山県と長野県を結ぶ国際的な山岳観光ルートである立山黒部アルペンルートに接続する重要な路線であると認識しております。  今後も地域交通戦略会議におきまして、持続可能な地域公共交通の確保の観点を重視して検討を進めてまいります。 71 亀山委員 今、町長からの資料を拝見していると言われました。  では、その線沿いの各駅が減っている、それは人口減ということもありますけれども、富山市内から通っておられる高校生もいるということなんですよ。3分の2、五百石駅で。これをどう捉えていますか。さっきも言いましたけれども、本線沿いの高校の1クラス減と立山線の1クラス減、個人的な意見でいいですが、これは交通政策局長はどういうふうに捉えますか。 72 田中交通政策局長 今ほどお話ありましたが、立山線は通勤通学、富山市からの話もありました。通勤通学など日常生活の足であるということと、先ほどもお話がありましたけれども、国際的な山岳観光ルートである立山黒部アルペンルートに接続する重要な路線、このような状況でありますので、生徒数の減の影響はありますけれども、沿線全体でさらなる利用促進の取組が必要だと思っております。 73 亀山委員 それでは、同じ質問ですけれども、教育長にお願いいたします。 74 荻布教育長 立山町から頂戴したこの要望書のデータを拝見しております。  五百石駅は通学利用が多い状況というのは理解をしております。ですので、生徒数が減少すれば、通学の利用というのは減少するということにはなろうかと思っております。  今ほど交通政策局長からありましたが、沿線全体での利用の促進ということもありましたが、教育委員会としても、担当部局とも連携をして問題意識を共有してまいりたいと思っております。 75 亀山委員 今言われました。立山線全体でということなのですけど、五百石駅だけを考えますと、雄山高校の定員が160人が120人になると、4分の1減ですよ。それが全て五百石駅を利用しているとは限りませんけれど、割合的にはそれだけ下がるということですよ。  利用促進に努めるのは分かりますよ。要するに、別に観光時期に、特別列車を出すのに補助金を出す、それも大切なことだと思いますよ。思いますけれど、根本的に利用者減を解消というか、減らすのをとどめるのはやっぱり高校生ですよ。一般の方というのはやっぱり、車で行ったり自由に行動は取れます。お年寄りの方は別として。地元民にとって立山線というのは大切な路線なんですよ。やっとでさえ少なくなっているから廃線という話も聞こえてこないわけではありません。そうなってくると、観光にも影響が出るということなんですよ。その発端というか一因にならないようにお願いしたいと。
     今日の質問に対して納得いく答弁というのは、正直言って全くなかったと。そういう解釈をしております。  あと2つ質問を持っているのですけれども、どうしましょうかね。次に第2問に移ります。 76 筱岡委員長 持ち時間がありませんから考慮して下さい。持ち時間が限られておりますから。 77 亀山委員 はい、分かりました。1番目だけやりましょうか。  中央農業高校の魅力向上について伺います。  中央農業高校は、北信越で唯一の文部科学省指定による農業経営者育成高等学校として、普通教育、農業教育、寄宿舎教育を3本柱として、豊かな心を持ち、人生を切り開く実践力を身につけた生徒の健全育成という基本姿勢の下に教育を行っています。  これは、令和2年の9月、教育警務委員会で、私は中央農業高校の志願者低迷について質問させていただきました。1年生が全寮制であることが一つの要因ではないかという質問をさせていただきました。同じ農業高校の学科である入善高校や上市高校は自宅からの通学となっており、入学希望者を増やす観点から、中央農業高校においても自宅からの通学を認めるべきではないかという質問をしたところ、農業経営育成高等学校は、適当な期間、入寮が義務づけられていると当時の県立学校課長から答弁いただきました。でも、調べれば、通いの学科を認めている高校もございます。それぐらいにしておきます。ですから、自宅から中央農業高校に通える学科を設けることによって、農業育成高等学校である中央農業高校の受験生が…… 78 筱岡委員長 簡潔にお願いします。 79 亀山委員 はい。受けやすくなるのではないか。あとは省略します。教育長の答弁をお願いいたします。 80 荻布教育長 御紹介の農業経営者育成高等学校の指定を受けた学校では、適当な期間の入寮が義務づけられており、中央農業高校では、その期間を1年次の1年間と定めております。  寮生活については、入学当初は生徒の誰もが不安を感じていますが、親元を離れ仲間と共に生活をする中で、助け合う心や思いやりの気持ちを育み、一定期間経過後には人間的に大きな成長を実感できることから、寮生活への生徒自身の満足度が高い状況にあります。また、保護者からも、身の回りのことを自分でするようになったなど、よい評価もいただいています。  実際に寮生活が希望制となる2年次以降も、多くの生徒が引き続き入寮している状況にございます。  中央農業高校では、夜間や早朝における動植物の管理や共同生活の体験などを通して、自立、協同、責任などの特性を重んじる態度の育成に重点を置いており、これまで義務入寮期間を1年としてきておりますが、学校では、農業教育の在り方、寮教育の意義も踏まえて、入寮期間について見直しが必要かどうかも含めて現在検討を行っております。  現在の農業科の配置は、各地区において農業が学習できる場を配置することが望ましいとした平成28年の県立学校整備のあり方等に関する検討委員会の報告に基づくものとなっております。  今後とも、現在行っている令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会におきまして、農業教育、農業科の在り方についても検討してまいります。 81 筱岡委員長 亀山委員の質疑は以上で終了しました。  暫時休憩いたします。  午後の会議は1時に開会いたします。                      午後0時06分休憩                      午後1時00分開議        吉田勉委員の質疑及び答弁 82 奥野副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  吉田委員。あなたの持ち時間は60分です。 83 吉田委員 令和4年の9月定例会予算特別委員会に当たりまして、公明党より質問をさせていただきます。  初めに、新型コロナ対策についてお伺いをいたします。  1点目は、第7波の重症化リスクについてお伺いをいたします。  7月から始まった新型コロナウイルスの感染拡大第7波をめぐり、8月18日、コロナ対策を助言する厚生労働省の専門家会議におきまして、第7波の重症化リスクに関する新潟県の調査が公表されました。  新型コロナ感染症患者のうち、酸素投与を必要とする中等症II以上となる割合は、第6波と比べて減少はいたしましたけれども、一方、高齢者あるいはワクチン未接種などでリスクが高い傾向が示されたほか、小児の重症例も報告されております。また、オミクロン株の派生型BA.5の感染力は大変強く、高齢化率の高い地方で感染が急増している印象があり、感染者の総数の増加と高齢者への拡大が死者数を押し上げているのではないか懸念されております。  そこで、新潟県の調査結果も踏まえまして、コロナ第7波の重症化リスクや死亡者数について、本県の状況をどのように分析しているのか、また、今月26日から始まる全数届の見直しについてどのように対応するのか、有賀厚生部長にお伺いをいたします。 84 有賀厚生部長 本年7月以降の感染拡大では、本県も新潟県同様に、中等症の割合や重症者数の割合が少なくなっております。  これは、第5波のデルタ株まで多くあった新型コロナウイルスが直接引き起こす肺炎など呼吸器系の症状で重症化するケースがほとんど認められなかったことが要因と考えられ、実績としても、診断時の中等症以上の割合は、デルタ株の第5波時は5.6%だったのに対し、今年の7月から8月では0.4%となっております。  一方、今回の流行では感染者数自体が非常に多いため、高齢者にも感染が拡大した結果、要介護の介護度の高い方や基礎疾患をお持ちで入院等をされている方が、療養中に誤嚥性肺炎や心不全などの持病の悪化などにより亡くなられている例が多くなっております。  このため県では、これらの方々や日常的に接する方に感染対策の徹底を呼びかけたほか、高齢者施設等への検査キット配布やクラスター発生時の支援チームの派遣、さらには、高齢者等の4回目ワクチン接種促進のため、県の接種センターでの4回目接種対応や新聞等での広報にも努めてきたところでございます。  また、今月26日から全国実施されます全数届の見直しについては、届出対象外の方へのフォローアップ体制に万全を期すとともに、医療機関等への周知も進め、円滑に実施できるように対応してまいります。 85 吉田委員 もう1つだけちょっとお聞きしますね。  次に、子供のワクチン接種についてお伺いをいたします。  第7波では、ワクチン未接種の10歳未満の死亡例もあったほか、子供の感染者が重症化をして脳症や心筋炎を発症したり、入院するケースが増加し、8月に入ってからはけいれんで入院する子供の割合も増えていると聞いております。  一方で、ワクチンの効果について日本小児科学会が国外の大規模な研究によって、5歳から11歳ではオミクロン株も含めた重症化予防効果が40%から80%程度上がるなど有効性が確認されたとしております。また、副反応につきましては、国内のデータが蓄積され、12歳から17歳における発生率は若年成人と同等で、5歳から11歳はより軽い傾向が確認されたといいます。  このため小児科学会は、重症化予防などのメリットが副反応などのデメリットを大きく上回るという判断を示して、5歳から17歳へのワクチン接種を従来の「意義がある」から「推奨する」に強めました。また、厚生労働省も発症や入院を予防する効果の有効性を確認したとして、今月6日から予防接種法に基づくワクチン接種の努力義務について、これまで対象外だった5歳から11歳にも適用いたしました。  ただ、努力義務につきましては、厚生労働者は強制ではないとしております。子供へのワクチン接種は、あくまでも本人と保護者が納得した上で判断するとしておりますが、子供の重症化を防ぐためにワクチン接種の促進が重要であり、有効性など、保護者への丁寧な情報の周知に一層努める必要があると考えます。  子供のワクチン接種について、接種率等の現状と今後どのように取り組んでいくのか、新田知事にお伺いいたします。 86 新田知事 5歳から11歳を対象とした小児接種について、これまで予防接種法上は努力義務とされていなかったわけでありますが、県内の接種率は、9月19日時点で対象者数5万6,000人のうち、2回の接種を終了しているお子さんは約1万5,000人、これは率にして26%にとどまっております。また、全国でも2回接種者の割合は約21%となっているところです。  一方で、オミクロン株の感染拡大に伴いまして、小児の感染者数も増加しており、全国的には、委員が言及されたように、急性脳症、けいれんなど、中等症、重症の患者も発生しています。  こうした中で、国では小児用ワクチンの安全性や発症予防効果、入院予防効果に関する有効性など新たな知見も踏まえて、予防接種法上の努力義務を今月6日から適用し、併せて3回目接種も同日から実施可能とされました。子供の重症化を防ぐために、有効性、安全性が認められたワクチンをできるだけ多くの方に接種していただきたいと考えています。  一方で、接種を進めるに当たっては、子供と保護者に接種への理解を深めていただくことが大切です。県としましては、これまでもホームページなどでの情報発信に加え、ワクチンの専門相談コールセンターで小児接種の相談も受け付けて、不安を感じる方に丁寧に対応してまいりました。  また、9月補正予算案に、市町村が新型コロナワクチンの小児接種促進にも活用できる新型コロナ感染症対策子育て応援臨時交付金を提案させていただいております。引き続き、接種の効果や安全性など、先ほど委員がおっしゃった日本小児科学会の知見なども交えながら、小児の保護者等への分かりやすい情報発信や説明を行い、市町村とも連携して接種が円滑かつ迅速に進むように努めてまいります。 87 吉田委員 子供はなかなか重症化しないなどということで力の入れ具合がそんなになかったと思うのですけれども、これでしっかりワクチンを打っていくということが大事だということになったと思います。  いずれにいたしましても、第7波は8月中旬をピークに下がってきております。ちょうど8月の中旬には26万人となったところでございますけれども、今は3割程度となっており、これが急に下がってきたのは自然感染で獲得した免疫が要因とされているわけでありますが、いずれにいたしましても、しっかりワクチンを打っていくことが肝腎かと思います。  ただ、冬にかけてインフルエンザと同時流行するおそれもあって警戒感が必要だということであります。ちょうどインフルエンザにつきましては、過去に2シーズン流行せずに免疫のない人が増えたおそれがありますので、そういった面でインフルエンザの同時流行ということは非常に警戒すべきじゃないかなと思っているところでございます。しっかり手を打っていただきたいと思います。  次に参ります。  ワクチンや治療薬の開発について伺います。  海外製のワクチンに依存している現状を見るにつけまして、待ち望まれているのは国産ワクチンの開発であります。  国産であれば長期的な安定供給の見通しが立ち、日本特有の変異株が発生した場合の備えもできるわけでございます。また、幅広く軽症者に投与できる国産治療薬の開発も重要であると考えます。  国内では今、塩野義製薬が重症化リスクの低い軽症者も対象にした治療薬の開発を進めております。ワクチンに加えまして、軽症者向けの治療薬が普及すれば、ワクチンで予防し、感染しても薬で早期に治すという季節性インフルエンザと同じような対応が可能になると考えられるのではないかと思います。  くすりの富山として本県もこうした動きに対応すべきと考えますが、国産のワクチン開発とか、あるいは治療薬の研究開発、実用化の支援に今後どのように取り組んでいくのか、有賀厚生部長にお伺いをいたします。 88 有賀厚生部長 現在、国内では、数多くの企業や研究機関においてワクチンや治療薬の研究開発、生産体制の整備に取り組まれているところです。  県内におきましても、「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムがスーパー中和抗体を利用した新型コロナ治療薬の研究開発を支援しており、本年5月には、富山大学と抗体医薬品の開発を行う創薬ベンチャー企業、そして県の3者で共同研究に関する覚書を締結し、医薬品開発の専門家と共に実用化に向け取り組んでいるところです。  また、県薬事総合研究開発センターにおいても、現在、経鼻粘膜投与型ワクチンに有用な免疫増強剤の開発研究に企業と共に取り組んでおり、この成分は新型コロナウイルスワクチンの作用増強にも応用できる可能性があると聞いております。  ワクチンや治療薬は、効果や安全性を十分に確認される必要があり、開発には粘り強い研究が必要となりますが、国内で開発、実用化されれば、安定供給などの面で大きなメリットがございます。  県として、引き続き「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムを中心に、大学、薬事総合研究開発センター、県内製薬企業の研究開発を支援してまいります。 89 吉田委員 日本は今、アメリカ製の製薬大手のメルク社とかファイザーの治療薬を承認しておりますけれども、これは全部、対象は重症化リスクのある人となっているわけであります。これが軽症者の方にも投与できるという状況になれば、先ほど述べたようなことが、インフルエンザの治療並みに治療方法も変えていけるということでありますので、何とかその方向へ持っていけるように、本県としても対応を見守るだけではなくて、大いに声を発信していっていただきたいと思っております。  次に、子供の安心の確保についてお伺いをいたします。  全国の小中学校で、2020年度に不登校だった児童生徒は、前年度比8.2%増の19万6,127人となり、8年連続で増加し、過去最多となりました。  そこでまず、本県における小中高校の不登校児童生徒数の推移はどのようになっているのか。また、その要因をどのように分析しているのか、荻布教育長にお伺いをいたします。 90 荻布教育長 文部科学省の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査の結果では、本県の平成25年度から令和2年度までの8年間の不登校児童生徒数の推移については、小学校では、平成25年度は193人、令和2年度は556人で363人の増加、中学校では、平成25年度は647人、令和2年度は899人で252人の増加、高等学校は、平成25年度は497人、令和2年度は410人で87人の減少となっております。全体としては増加傾向にあり、令和2年度については、全国と同様、本県でも最も多い人数となっております。  文部科学省の令和2年度の同調査によりますと、全国における不登校の要因としては、小学校では、無気力、不安が46.3%と最も多く、次いで、親子の関わり方、生活リズムの乱れ、遊び、非行となっております。中学校では無気力、不安が47.1%と最も多く、次いで、いじめを除く友人関係をめぐる問題、生活リズムの乱れ、遊び、非行となっています。高等学校については、無気力、不安が37.7%と最も多く、次いで、生活リズムの乱れ、遊び、非行、入学・転編入学・進級時の不適応となっています。本県においても、いずれの校種でも無気力、不安が最も多くなっており、その他についても全国とほぼ同様の傾向でございます。  令和2年度の増加については、新型コロナウイルス感染症による臨時休業をはじめ、感染対策として、学校生活において授業や学校行事などの様々な活動に制限があったことも学業や人間関係への不安やストレスの背景として考えられると思っております。 91 吉田委員 今お聞きしました数字を見ますと、小学校で193人、それから556人、中学校で647人から899人、これはもう本当に全体の割合からしてみますと、1,000人中10人ぐらいに匹敵するようなパーセントではないかと思います。無気力だとか、いろいろな話がありましたけれども、やはりそれは、相手が悪いからこうなったんだというのではなくて、学校の先生からすれば本当に消えていってもらえたほうがよっぽどいいわという感じで思うような、何か最近話がありましたけれども、もうとんでもない話だなと思います。これは、やはり生徒に向き合っていないことの一つの表れではないかと感じるわけでございます。  次に行きますけれども、不登校の子供の状況に合わせた柔軟な授業カリキュラムを組むことなどができる不登校特例校の取組が今注目されております。  この不登校特例校では、その教育実践によって登校する子供たちが増加している。登校という結果のみを目標とするわけではありませんが、本来、義務教育とは、子供たちが安心・安全に学校に通い、仲間と共に自分の持っている能力を伸ばしていく場所であるはずでありまして、不登校児童生徒の多様な教育機会の確保や誰一人取り残されない学校づくりという点からも、不登校だった子供たちが登校を始める不登校特例校の実践が重要であると考えます。  今年4月の時点で、全国におきましては、10都道府県で21校設置されており、政府は6月に策定した経済財政運営と改革の基本指針において、不登校特例校の全都道府県への設置を目指す方針を明記いたしました。  一方、不登校になった児童生徒の学校復帰と社会的自立を支援するフリースクールの制度もありますが、費用が高いなど課題もあります。  本県におきましても、そのフリースクールとの違いやメリット、デメリットをきちんと整理した上で不登校特例校の設置を検討すべきと考えますが、荻布教育長に所見を伺います。 92 荻布教育長 教育機会確保法では、不登校児童生徒に対して不登校特例校及び教育支援センターの整備や教育の充実などに必要な措置を講じるよう努めることとされております。また、本年6月、御紹介ありましたように、国の骨太の方針において、特例校の全都道府県等での設置の推進が示されたところです。  不登校特例校では柔軟なカリキュラムを編成することが可能であり、他県の特例校では、児童生徒の実態に応じた個別の学習や体験型の学習活動を多く取り入れるなど、工夫した教育実践を行っておられます。  現在、他県で設置されている21校につきましては、設置主体は、市立、区立などの公立が12、私立が9、校種は、中学校が15と多いですが、小学校から高校まであり、また単独校や分教室など、設置形態は様々でございます。  不登校を含め、多様な子供の実態に応じて学びの場を提供することは大変大切なことでございます。県教育委員会ではこれまで、学校と教育支援センター、フリースクールなどの民間施設と連携し、不登校の子供たちを支援しておりまして、昨年度からは、それぞれの代表を交えた不登校支援協議会を設置いたしております。まず、こうした場において不登校特例校についても意見交換するなど、幅広い視点で考えていくことが必要と考えております。  県教育委員会といたしましては、他県の不登校特例校について調査の上、効果や課題を整理しまして、市町村教育委員会と情報共有、連携を図りながら研究をしてまいりたいと考えております。 93 吉田委員 前向きな回答をしていただきまして、ありがとうございます。  岐阜市の中学校は40人の定員の特例校ですけれども、校長先生の方針というか、ここに来るのは普通の学校に通うのが困難だった子供だと。子供が学校に合わせるのではなくて、学校が生徒に合わせて一人一人の個性を伸ばす教育をしていると。校長室や職員室が開放されていて、昼食を一緒に食べる生徒もいる。それから、この中学校におきましては、入学前に毎日登校を考えていた生徒が18人だったけれども、4月末では7割近くの27人が毎日登校を希望するようになった。そして、3年生のときには高校を目指して受験勉強に励む生徒もいるということで、生徒からは、気軽に学校に来られる、保護者からは、子供が学校に通えるようになって本当によかったという声が出ているわけで、ぜひひとつ設置に向けて検討していただきたいと思います。  次に、参ります。  夏休み明けは、子供の心が不安定になります。子供の小さな異変を見逃さないようにしなければなりません。  政府の自殺対策白書によりますと、1年のうち8月と9月に小中高生の自殺者が多く、特に9月1日が突出しております。友達とうまくいかない、授業について行けないといった理由から、新学期を前に学校生活に不安を感じる子供もいます。また、長引くコロナ禍によるストレスの蓄積が精神状態に影響を与えていることも考えられます。  保護者や教員など周囲の大人が子供たちの小さな変化を見逃さない工夫が大切と思いますが、教育現場においてどのように取り組んでいるのか、荻布教育長にお伺いいたします。 94 荻布教育長 夏休み明けは、生活のリズムの変化や新たな学習、活動への対応などから、子供たちは、体調を崩したり、ストレスを感じたり、心身ともに不安定になりやすい傾向がございます。また、夏休み中の人間関係上のトラブルや気持ちの変化なども加わり、自殺、またそれに限らず様々な問題の発生につながる時期でもございます。  このため県教育委員会では、毎年夏休み前及び2学期開始前に自殺予防の徹底、子供への対応の留意点に関する通知を発出し、また、県内の相談窓口についても周知をしております。  学校では子供たちへの事前指導を十分に行うほか、夏休み中もスクールカウンセラーによる相談対応を行ったり、気がかりな子供については、定期的に家庭訪問や電話連絡により心の安定を図っております。また、保護者とも連携をし、夏休み中の子供の様子に目を配り、ささいなことでも学校に連絡をしてもらうように伝えているところです。2学期の開始時期には、丁寧な様子観察、個別面談、悩みや不安に関する調査の実施など、小さな変化を見逃さないよう努めており、気になる子供については、校内ばかりでなく、カウンセラーとも連携し、時期を逃さず適切な支援を行うよう努めております。  また、県教育委員会では、いのちの教育講演会、学校における相談体制の整備、子供へのSOSの出し方に関する教育、そして教員のSOSを受け止める力の向上にも取り組んでいます。  今後も取組の充実を図り、市町村教育委員会、学校、保護者と連携して、子供たちの安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。 95 吉田委員 不登校を取材するNPO法人全国不登校新聞社というのがあるのですけれども、これが昨年行った緊急アピールにおきましては、やはり子供の学校へ行きたくないという訴えは命に関わるSOSであると警鐘を鳴らしております。さらに体調不良、情緒不安定など、ふだんと違う様子があれば注意が必要だとしてきております。その上で学校に行きたくないと子供が伝えてきた場合は、まずはその気持ちを受け止めることが大切と強調しているわけであります。どこまでも子供の目線に立ってやっていく。本当に学校の先生にとっては大変もう至難の業だと思いますけれども、それしか道はないということでございます。ぜひまた、注意深く見守っていただきたいと思います。  次に、子供を含む若者の自殺対策におきましては、長野県の取組が注目されております。  長野県は、未成年者の自殺死亡率が全国平均よりも高い水準にあった実態を踏まえまして、2019年に子供の自殺ゼロを目指す戦略を策定するとともに、全国初の子どもの自殺危機対応チームを発足させ、成果を上げております。精神科医や精神保健福祉士、それから心理士ら専門家で構成するチームが、自殺の危険性の高い子供と向き合う学校の教員や地域の支援者らを全面的に支える取組であります。  厚生労働省は、長野県の取組を参考に、若者の自殺防止に向けた専門家チームの設置を促進するため、都道府県への財政支援を来年度予算の概算要求に盛り込みました。  そこで、本県においても長野県の危機対応チームを参考に、困難な事案に対して、地域の関係機関をはじめ専門家との情報共有、連携を行う仕組みづくりに取り組むべきと考えますが、有賀厚生部長に所見を伺います。 96 有賀厚生部長 自殺が懸念されるような困難な事案に関する御家族や学校等からの相談に対し、県では各厚生センターが日頃から精神科医や地域の関係機関と連携して対応に当たっております。また、市町村が関係者を集めて対応を検討する場に参加し、具体的な支援方法等について助言も行っております。  加えて、富山県心の健康センターが、県全体の自殺対策の言わば司令塔として、保健所、厚生センターや市町村をはじめとする関係機関に専門的な技術指導を行うとともに、平成30年には富山県自殺対策推進センターを設け、地域で当事者とじかに接する保健所、厚生センターや市町村、教育機関、民間団体、消防、医療関係者などから成る連絡会議を開催して、情報の共有や顔の見える関係の構築を図っております。  また、連絡会議に併せ、専門家を講師に招いた研修も行い、具体的な事案を取り上げたグループワークなどを通じて、相談対応力など実践的なスキルの向上にも努めております。
     子供や若者の自殺については、学校や家庭、交友関係など様々な要因が考えられることから、関係機関が連携して取り組む必要がございます。引き続き、委員御指摘の長野県の取組なども参考にし、自殺を防ぐための適切な情報共有や効果的な連携の仕組みづくりについて研究してまいります。 97 吉田委員 今の体制でその数字が改善されるということであれば、今の方針でよろしいかと思いますが、これも結果次第でありまして、結果が思わしくないということになれば、積極的に長野方式というか、これを取り入れていくべきと私は考えます。  やはり一番そういった子供たちと接する学校の先生、この支える側を専門家チームをつくって全面的にバックアップしていくという点が、私は長野方式の一つのいいところだと。ですから、いろいろスクールカウンセラーとかいろんな何とかかんとかいっぱいありますけれども、そんなに何か数字が急激に変わったというわけではないんじゃないかと思うのですけれども、長野方式は非常に減ったと聞いているわけです。ですから、来年の政府予算案にも予算づけされておりますので、積極的に長野方式というものを取り入れていっていただきたいと思います。  次に、男性の育児休業取得支援についてお伺いをしたいと思います。  赤ちゃんが生まれた直後に父親が柔軟に育児休業を取得できるよう、男性版産休と呼ばれる出生時育児休業──産後パパ育休が来月から始まります。  従来の育休と同様に、原則として休業開始時の賃金の67%の育児休業給付や社会保険料の免除が受けられるとともに、産後パパ育休では、子供の出生後8週間以内に最長4週間の休みを取得でき、妻の体調などの都合に合わせて2回に分割した取得が可能となるなど柔軟な制度を取っており、男性の育児参加のさらなる促進が期待されるところでございます。また、通常の育休におきましても、10月以降は夫婦それぞれが2回まで分けて取れるようになるなど利便性が高まります。  政府は、こうした制度改正以外にも育休を取りやすい職場づくりを専門家がサポートする無料の相談事業を実施するほか、子育てパパ支援助成金として出生後8週間以内に連続5日以上の育休を取得させた中小企業には、一律20万円を給付します。  本県におきましても9月補正予算案には関連事業を計上しておりますが、こうした国の動きと連動し、男性の育休取得率向上に向けた取組を一層進めていくべきと考えますが、新田知事に所見をお伺いいたします。 98 新田知事 本県の男性育休取得率は8.8%となっていまして、全国平均の14.0%を下回っています。  これまでも家庭向けには、母子手帳配布時に父親の育児への関わり方を紹介するパパBOOKの配布、また企業向けには社会保険労務士による企業訪問や、企業や業界団体が主催するセミナーへの講師派遣を通じて意識啓発や制度周知を図ってきました。また、育休を取得しやすい職場環境づくりに向けて、モデル企業への伴走支援などによって県内企業への働き方改革を進めてまいりました。しかしながら、冒頭のような数字だということです。  このような中で、今、委員も言及されました本年4月から改正育児・介護休業法が順次施行され、事業主に育休を取得しやすい雇用環境整備が義務づけられました。また、10月から産後パパ育休制度が創設されて育児休業の分割取得も可能となることから、男性は最大4回の分割取得が可能となります。  本県の調査では、男性育休取得の課題としては、一番として代替要員の確保が困難、次に男性自身に育休を取得する意識がない、また前例がないといった回答が多かったことから、今回の補正予算案において、育休を取得した男性とその雇用主である事業主に対して各5万円を助成する制度を計上しております。  この制度により、育休取得による収入減少の不安を少しでも軽減することで、男性自身の取得意識の向上を図るとともに、各企業における環境整備の促進や前例づくりにつなげたいと考えております。  本県では3月に策定した女性活躍推進戦略におきまして、男性育休取得率80%という意欲的な目標を掲げており、今回の法改正を追い風として、国や市町村、関係団体などとの連携を密にして、男性が当たり前に育休を取得する県になるように取り組んでまいります。 99 吉田委員 目標が80%となっているのですが、政府は、25年までに30%の目標を達成したいと。富山県は、非常に高い目標を掲げているので、気持ち的には、私は高いということは非常に喜んでいるわけでありますけれども、実現性というか、これは本当に、先ほど言われる意識がまだまだ足りないこの富山県人において、果たしてできるのかなということが逆に心配になるわけでございます。でも、またそこの壁を破っていかないと、男女共同参画にはならないということでありますが、この80%という目標を設定された根底にあるものとか、いろんなものをもう一度ちょっとお聞きしたいと思いますが、よろしくお願いします。 100 奥野副委員長 吉田委員、どなたを答弁者に。 101 吉田委員 知事、お願いします。 102 新田知事 これは、令和2年度全国平均の女性の育休取得率が80%であったということです。それを目指すということにしております。  時間というのは夫婦の共有財産という考えを取っておりまして、これが、一方の時間だけが家事に、あるいは子育てに消費されるというのはあまり望ましくない。カップル、夫婦共にこの共有財産を使って子育てに当たっていく、このような趣旨でこの目標を立てております。  確かにチャレンジング、じゃあ50ならできるのが確実か、60なら確実かということになるわけですが、そのような1つの目標を設定しましたので、このあるべき姿を目指して、今後PDCAを回しながら実現に近づけていきたいと考えています。 103 吉田委員 分かりました。何せしっかり頑張っていただきたいと思いますが、いずれにしましても、中小企業が多いのも富山県の特徴だと思いますので、大企業は別としましても、中小企業は非常に壁が高いのではないかと思いますので、しっかり応援をしていただきたいと思います。ありがとうございます。  次に、参ります。  農林水産業の活性化についてお伺いをいたします。  初めに、農林水産物や輸出についてお伺いをいたします。  日本の農林水産物や食品の輸出が今現在伸びております。農林水産省が発表した2022年の上半期1月から6月の輸出額は、前年同期比で13.1%増の6,525億円となり、上半期としては2年連続で過去最高を更新しているわけであります。コロナ禍で落ち込んだ外食需要が欧米を中心に回復したことに加えまして、小売店やインターネット販売向けも堅調に推移したことなどが要因と考えられますが、農林水産物・食品の輸出拡大は、何より生産者をはじめ関係者の努力のたまものであると思います。  本県におきましても、令和3年度の県産農林水産物の輸出額や取組事業者が増えているとのことでございますが、この要因についてどのように分析しているのか、堀口農林水産部長にお伺いをいたします。 104 堀口農林水産部長 県の調査で取りまとめました令和3年度の本県農林水産物等の輸出額は16億6,000万円であり、前年度の12億円から約4割増となっております。内訳で申し上げますと、まず、重点3品目につきましては、米、米加工品は、ほぼ横ばいの2億6,000万円でありましたが、日本酒等は、中国、韓国あるいはアメリカ向けが大幅に伸びて1億6,000万円増の4億9,000万円、水産物・水産加工品は、ホタルイカ、シロエビの加工品が増加して5,000万円増の4億8,000万円となっております。  次に、重点品目以外の品目につきましては、伏木富山港から香港向けの鶏卵の輸出が始まるとともに、台湾向けにみそ、しょうゆや干し柿が2倍以上の伸びとなるなど、合わせて2億6,000万円増の4億3,000万円となっております。また、輸出に取り組む事業者数も鶏卵、アイスクリーム、ラーメンなどの取扱い事業者が新たに増えまして、前年度の54者から61者となっております。  こうした要因につきましては、令和2年度に、国において輸出目標5兆円を目指す輸出戦略が打ち出されるとともに、県におきましても、伏木富山港から香港までの小ロットの商品を混載したトライアル輸出を行うなど、輸出への機運が高まっていること、また、事業者が行います、例えば火入れをしない生酒の冷蔵設備や水産加工施設の整備への支援を進めてきたほか、輸出に関する相談に対しまして、ジェトロと連携して、海外情報の提供や手続等の助言などきめ細かな対応に努めてきたこと、さらには、台湾など海外での日本食ブームなども追い風になっているものと考えております。 105 吉田委員 円安の追い風もあると思いますけれども、こういったときこそしっかり官民連携して取り組んでいただきたいと思います。  県ではさらなる輸出拡大を目指しまして、今年3月にとやま輸出ジャンプアップ計画を策定し、地域商社を中心とした輸出プラットフォームで商流──いわゆる商業の流れを確立するとしております。  先般、この地域商社3社が決定されました。今後は、この各社の強みを生かした進め方が求められますが、どのように進めていくのか、横田副知事にお伺いいたします。 106 横田副知事 御指摘のとおり、今年3月に策定しましたとやま輸出ジャンプアップ計画に基づきまして、小ロットでも輸出にチャレンジできるように、地域商社を中心として県産品をまとめて輸出するという輸出プラットフォームを構築することとしております。先般、地域商社として3社を決定したところでございます。  今回決定しましたこの3社の地域商社ですけれども、輸出入や営業活動などにおける事業実績を有しておりまして、それぞれ欧米のEC市場において米や米加工品、調味料などの輸出を目指す会社、そして台湾にある営業所を拠点に、台湾、中国、タイなどに麺類、調味料、日本酒などの輸出を目指す会社、そして香港にある営業所を拠点に、香港や欧州などへ日本酒の輸出を目指す会社であります。それぞれ強みを持っている会社と認識しております。今後、とやま輸出コミュニティを通じまして、商品を提供する生産者、事業者などを募集していきます。  地域商社には、市場調査に基づくターゲット国の決定、海外の売り先の確保と調整、そして商品の開発、改良など、県内事業者との調整、そして輸送ルートなどの物流事業者との調整などを期待しているところです。特に小ロット品目をまとめるほか、海外の売り先の情報を国内に伝え、逆に、売り先に食べ方や売り方を提案するなど、海外と県内事業者をつなぐ大きな役割を担うことになります。  県やジェトロを含む支援機関では、この地域商社に対しまして、輸出先国の規制情報の提供や販売促進活動の支援を行うとともに、生産者、事業者の商品開発などを伴走支援しまして輸出実績を積み上げていきたいと考えています。また今後、国が認定します米や日本酒などの品目団体が行う海外の販路開拓、市場調査などを注視しまして、連携についても検討してまいります。 107 吉田委員 ぜひ輸出先のニーズの把握、それから販路開拓、こういったものにしっかり支援をして、いい数字が残せるように頑張っていただきたいと思います。ありがとうございます。  次に、2027年の国際園芸博覧会(横浜花博)についてお伺いをいたします。  ちょっと早い話になるかと思いますけれども、横浜市で開催される予定の2027年国際園芸博覧会(横浜花博)は、花、緑、農に関連する文化、産業や観光の振興の起爆剤としての期待も大変大きく、政府は横浜花博を通して、1998年をピークに産出額が減少傾向にある花卉──いわゆる観賞用植物などの生産振興を後押しする考えであります。かつての大阪花博後のガーデニングブームのように、各地の高品質花卉のブームの到来が期待されます。  こうした中、オランダで開催中のアルメーレ国際園芸博覧会では、富山県産のチューリップ乙女のドレスが球根類部門の金賞に輝くなど、注目が集まっております。横浜花博を機に、一層花卉の需要喚起が期待されますが、富山県産チューリップの生産の振興やPRに今後どのように取り組むのか、堀口農林水産部長にお伺いをいたします。 108 堀口農林水産部長 チューリップは、県花──富山県の花であります。球根出荷数は全国1位、切り花出荷本数も全国2位となっている重要な農産物でございます。県ではこれまで、オリジナル品種の開発や首都圏等でのPRなど魅力発信に努めてまいりました。  委員から御紹介がありましたとおり、現在、オランダで開催中のアルメーレ国際園芸博覧会においては、本県が育成した乙女のドレス、それから黄つるぎが高く評価をされております。それぞれ金賞、銅賞を受賞しているわけでございます。  2027年の横浜市での国際園芸博覧会は、本県チューリップの魅力をさらにアピールできる絶好の機会でもあります。出展につきましては、今後、展示内容を踏まえて検討していきたいと考えております。  それから、その生産に関してですが、今現在、生産者の高齢化あるいは担い手の不足といったことで、チューリップの球根の生産も減少しているというような状況にございます。  県のほうでは、平成24年度から大規模生産を行うオランダを参考にいたしまして、ネット栽培を進めております。機械の開発あるいは栽培技術の確立を目指して実証普及に取り組んでいるというところでございます。  今後の生産振興に向けて──もちろんチューリップ、本県の魅力も含めましてしっかりPRをしていきたいところではありますが、こういった生産振興に向けて、ネット栽培で生産者を支援していくというようなことをしっかり努めていきたいと思っております。また、最近では収穫後の洗浄とか、あるいは選別の作業も必要になってくるというようなことで、労働力の確保についてもしっかり支援をしていきたいと思っています。  そういった生産振興に併せて、販売面でも、全国的には球根、切り花の生産が減少しているという状況にございますが、県産チューリップのブランド力を生かして、首都圏の花卸業者へのPR、あるいはとなみチューリップフェア、バレンタインデーの時期などでのキャンペーン活動を積極的に展開していきたいと思っております。  今後ともチューリップ球根、切り花の生産振興が図られるよう、関係機関等と連携しながら取り組んでまいります。 109 吉田委員 一層の花卉振興に頑張っていただきたいと思います。どうもありがとうございました。  次に、マイナンバーカードについてお伺いをいたします。  国が公表しているデータによりますと、本県のマイナンバーカードの交付率は8月末時点で48.2%にとどまっており、今後一層の普及に取り組むべきと考えます。  特に、マイナンバーカード取得の意義といたしまして、1つには極めて高い認証強度を持った本人確認としての機能のほか、健康保険証の利用や公金受取口座登録などデジタル社会の基盤となるツールであることを県民にもっと詳しく説明していく努力が必要であると思います。  県としても、市町村と連携し、マイナンバーカードの取得率のさらなる向上に取り組んでいただきたいと考えますが、新田知事に所見を伺います。 110 新田知事 マイナンバーカードは、今年度末までにほぼ全国民、県民に行き渡ることを目指して、県内では私が申請サポート隊隊長として取り組んでいるところです。  本県は全国平均よりは高いものの、依然として委員御指摘のように、約半数の人がまだ取得されておられません。また、全国11位とはいっても、2位から47位までほとんど10数%の中にひしめいておりまして、そんな状況です。  今後一層の取得の促進を図るためには、委員御指摘のとおり、マイナンバーカードが便利だと、またデジタル社会のパスポートなんだと、そのようなことをより丁寧に周知するとともに、また、身の回りで取得する機会を数多く持つということが大切だと考えています。  これまでも県では市町村と連携し、原則、今後は健康保険証としても利用されるということ、また確定申告はスマホからできるようになると、それから、コロナワクチンの接種証明がスマホのアプリで発行できることなど、広報を行ってきました。特に取得が進んでいない働く世代には、ユーチューブやインスタグラムなどのメディアも活用して広報を行っています。加えまして、県独自の利活用シーン創出に向けまして、マイナンバーカード利活用プラットフォーム実証事業を本補正予算に計上しておりまして、実証事業を行うこととしております。  また、取得機会の確保につきましては、働く世代など平日に市町村役場に出向くことが難しい方々を対象に、企業や商業施設への出張申請受付を積極的に実施することとしまして、これは同じ場所に行っても複数の市町村の方を対象にすることもあるので、先日開催されました「ワンチームとやま」連携推進本部会議において賛同いただいて、協力してやっていこうということであります。市町村とワンチームとなってカードの取得率向上に取り組んでまいります。 111 吉田委員 何せ運転免許証は8,100万枚交付されていると聞きますので、政府は8,100万枚を目指すとなっていますが、富山県におきましても免許証がどれだけ交付されているか、その数字をひとつ目標にして頑張っていただきたいと思います。いずれにいたしましても、デジタル社会の基盤になりますので、ぜひ力を入れて推進していただきたいと思います。よろしくお願います。  最後に、防災対策について伺います。  8月30日から9月5日まで防災週間でありました。来月11日には、本県の防災・危機管理の中核施設として富山県防災危機管理センターが供用開始されますが、県民一人一人が大災害時代を生きているという認識を持って、防災・減災の主体者であるとの自覚を新たにしたいものであります。  今夏も各地で記録的な豪雨に見舞われました。新潟県関川村で8月4日観測史上最大の1時間で149ミリメートルの降水量となったのをはじめ、これまでの記録を更新した地域が相次いだわけであります。  特に近年は、積乱雲が次々と発生して局地的な大雨をもたらす線状降水帯が要因となり、各地で甚大な被害を引き起こしており、適切な情報発信と迅速な避難行動が求められます。そこで、気象庁は今年の6月から、線状降水帯の発生予測を前倒しして半日前から発表する運用を始めております。  本県におきましても、この線状降水帯の予測情報を活用して、住民の早期避難に向けた情報発信に努めるべきと考えますが、利川危機管理局長に所見を伺います。 112 利川危機管理局長 気象庁では令和3年6月から、線状降水帯の発生が確認された場合、その情報を発表しておりまして、さらに今年の6月からは、線状降水帯による大雨の可能性が高い場合に、複数の県にまたがる広域、例えば北陸地方などを単位にしまして、半日程度前から予測として呼びかけることとされました。この予測を受けまして、直ちに避難行動を取っていただくというものではございませんでして、大雨災害に対する危機感を早めに持っていただくということで、あらかじめ避難所とか避難経路の確認等を行っていただきまして、早めの避難につなげようというものでございます。  これを受けまして、本県でも今年の5月に、市町村防災担当課長会議を開催いたしまして、気象庁から線状降水帯の発生予測の情報が出た場合には、大雨警報など他の防災気象情報と併せまして、早めの避難指示発令を行うなど、市町村と防災対応について確認したところでございます。  気象庁によりますと、現在の技術では予測の精度がまだ低い状況にありまして、線状降水帯の予測情報が発表されましても、線状降水帯が発生しないというケースもあるわけでありますが、予測が発表されれば、大雨となる可能性が極めて高い状況にあるということでございますので、本県でも予測が発表された場合には、気象台、市町村と連携しまして、ホームページ、SNS、Lアラート等の広報媒体を活用いたしまして速やかに地域住民に情報を発信し、早めの避難につなげていきたいと思っております。 113 吉田委員 時間がありませんので、マイタイムラインのことについて簡潔に。 114 奥野副委員長 簡潔にお願いします。 115 利川危機管理局長 マイタイムラインですけれども、台風の接近や集中豪雨で河川の水位が上昇するときなどに、自分自身の身に危険が迫った際の避難行動についてあらかじめ時系列で整理し、計画しておくものでございます。  県では、お年寄りや子供にでも簡単にマイタイムラインが作成できるよう作成シートを作りまして、これまで総合防災訓練ですとか出前県庁しごと談義などを通じまして、マイタイムラインの作成送付方法を紹介いたしましたり、作成体験をしていただいたりしてきております。また、作成シートやシールを貼って簡単に作成するための様式も県のホームページからダウンロードできるようにしたところであります。来月には防災危機管理センターが竣工いたしますけれども、そのセンターで開催します防災啓発イベントでもマイタイムライン作成体験会を実施するような予定を考えております。  自分の命は自分で守る、自助の意識を高めることが重要であります。県民の防災意識の向上のため、今後とも様々な機会を通じてマイタイムラインの作成のさらなる普及に取り組んでまいります。 116 吉田委員 終わります。 117 奥野副委員長 吉田委員の質疑は以上で終了いたしました。                      午後2時01分開議        川島国委員の質疑及び答弁 118 奥野副委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  川島委員。あなたの持ち時間は60分です。 119 川島委員 自民党議員会の川島国です。  大きく3問について質問いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。  質問に入る前に、一言申し上げます。  先般、安倍元首相の国葬儀の質疑に当たり、新田知事が参列を表明されること、そして、半旗掲揚など県の対応に対して大いに賛同するものであります。  主要国を含む多くの海外からの要人が、ルールに基づいた自由と民主主義を世界に広めようと奮闘した日本のリーダーに対して尊敬を持って静かに弔いに来られることに、日本としては、安全かつ静かに、海外からの要人を迎え入れることこそが求められると思います。願わくは、故人に対する追悼の念を感じられる国葬儀となることを祈りまして、質問に入らせていただきます。  まず初めに、水難事故に強い県づくりについて質問いたします。  集中豪雨の激甚化が叫ばれて久しいわけでありますが、先月の集中豪雨も大きな被害を本県にもたらしました。県土強靱化を進め、防災・減災対策も講じてきている中でありますが、ひとたび大雨が降ると水害の危険を感じるのも頻繁になってきております。  先般、高岡市で保育園児が行方不明となり、氷見沖で発見されるという痛ましい事故が発生しました。ここに、心からの御冥福をお祈りいたします。この痛ましい事故は、農業用水路に転落した可能性があると考えられ、改めて本県の農業用水路の危険性を感じ、転落防止策の強化を図っていくべきと考えます。  本県農業用水路における転落防止事故が、平成30年までの10年間で184件と全国的に見ても事故が多発していることを受けて、農業用水路事故防止対策推進会議を設置して対策強化が図られてきましたが、その取組における進捗状況はどうなっているのか、新田知事に答弁願います。 120 新田知事 まず、お答えする前に、亡くなられた怜音さんの御冥福をお祈り申し上げます。  本県では、農業用水路での転落死亡事故が、近年20件前後で推移していたことから、有識者からなる農業用水路事故防止対策推進会議を設置し、令和元年12月に安全対策のためのガイドラインを策定しました。この推進会議を継続的に開催しておりまして、最近の事故の事例や施策の検証、さらなる推進方策などについて議論しながら、ハードとソフト両面での総合的な対策を進めてきております。  まず、ソフトの対策としては、令和2年度から2か年で全ての市町村の計50か所で地域の安全対策について考えるワークショップを開催しました。危険箇所マップ作りなどを通じて地域住民などへの意識啓発に取り組んでおります。今年度はさらに20か所で開催しております。また、高齢者などを対象とした安全対策講習会を県内4か所で行うこととしておりますほか、テレビCMにより広く県民に農業用水路への転落防止を呼びかけるなど普及啓発を行っています。  また、ハードの対策としては、これまで幹線水路を中心に具体的に転落防止柵を整備してきており、今年度は地元要望を踏まえて5.6キロメートルに設置するほか、ポールコーンや鉄筋網蓋などの比較的スピード感を持ってできる対策、これをセミハード対策と呼んでおりますが、これらの整備についても機動的に対応しております。  農業用水路は農業生産の役割だけではなく、防火や消雪、流雪など、生活を支える県民にとって欠かせない施設である一方、委員御指摘のとおり、高岡市での痛ましい事故でも転落の可能性も指摘されておりますことを重く受け止めまして、転落事故防止対策にしっかりと取り組んでまいります。  ただ、水路の総延長は1万1,200キロメートル、今のペースですとなかなか完遂するにはまだ程遠いと思っております。また、ソフト対策を行っております地区も全部で2,000地区ほどあります。これもまだゴールは遠いところだと思います。しかし、このようなソフト、ハードは着実に積み上げていきたいと考えますが、やはり大切なのはお一人お一人の御自覚だと思います。自分だけは大丈夫と思ってつい田んぼを見に行ったりする、そんなときに事故が起きているということ。  引き続き、本県では「じこなくす」という5文字の標語をつくりまして、特に、自分だけは大丈夫と思うなということが最初の「じ」なんですが、これを特に啓発をしていきたいと考えております。 121 川島委員 ありがとうございます。  ソフト、ハードともに10年前から進めてきている中であります。知事が言われるとおり、一人一人の警戒と言いましょうか、水の王国である富山県において、この用水を気をつけていこうという意識をしっかり高めていっていただきたいと思うわけであります。  こうやって対策を進めながらも近年、平成30年から見ますと、平成30年が12件、令和元年が13件、そして令和2年が21件、令和3年が22件と、この転落死亡事故は過去5年間においても86件と微増傾向となっておりまして、やはりそうは言いながらも、ハード、セミハード、こういった対策をしっかりと、また予算もかけて進めていただきたいと対策強化を求めていきたいと思います。
     知事ありがとうございます。  本県は、多発する農業用水路等への転落事故を未然に防止することを目的として、先ほども説明がありましたが、県民に対して農業用水路安全対策ガイドラインを示しております。  県内の農業用水路の総延長は、知事がおっしゃったとおり、幹線、支線、末端水路を合わせて1万1,210キロメートル以上とされておりまして、農業用水に限らず、防火用、消流雪、そして生態系保全なども含めた多面的な機能を擁しておりまして、安全対策として一概に蓋をすればよいというものではありません。特に、転落死亡事故の多い箇所は、全体の7割が支線、末端水路で発生しております。  優先度を見極め、効果的な転落防止策を講じねばなりません。  ガイドラインでは、転落危険箇所における対策優先度の設定を進めておりまして、路面と水路底の高低差や水路幅、水の流れを要素とした転落リスクと視認性や住宅の立地状況等を要素とした周辺環境を総合的に評価し、A、B、Cの3段階の対策優先度を設定しております。  そこで、農林水産部長にお伺いしますが、本県における農業用水路転落危険箇所の対策優先度をどのように捉え、そして対策の実施はどのようになっているのか、お示し願います。 122 堀口農林水産部長 県では、農業用水路安全対策ガイドラインに基づきまして、地域住民が参加したワークショップにおいて、幅広い世代から出されました地域の危険箇所を地図に落として見える化し、危険の程度に応じて優先度を設け、安全対策を実施しております。  今ほど委員からも御紹介がありました、転落リスクと、あるいは水路の周辺環境を基に、危険の程度に応じてハード整備等の必要性が高いものからA、B、Cの3段階に分類しております。  例えば、最も優先度の高いAでは、ハード、セミハードの対策を優先的に検討、実施するとともに、ソフト対策を並行して行うということとされておりますし、また優先度Cでは、主としてソフト対策を行うということとしております。  対策の実施につきましては、A、B、Cいずれも、道路あるいは水路の管理者等の関係者との協議が調ったものから順次実施することとしております。  例えば、令和2年度に実施したワークショップの数は、県内で33地区ございます。その33地区の中で優先度Aは、95か所が選定されておりまして、うち翌年度──昨年度ですが、対策を講じたのは41か所になります。割合的には約4割ということでございます。また、優先度Bでは301か所選定、うち98か所で実施済み、実施率は3割強になっております。優先度Cにつきましては、37か所選定され、うち10か所で実施済み、実施率は3割弱となっております。  各地域でのワークショップ、令和3年度は17地区で行っております。また、今年度も20地区で開催しているということになりますので、今後もその関係者との協議を進めながら、地域ニーズに即した安全対策を着実に実施してまいりたいと考えております。 123 川島委員 ありがとうございます。  一番優先度の高いAにおいても4割の対策充足度ということでありまして、この流れでいくとどんどん対策箇所が積み上がっていくという状況にあろうかと思います。ぜひとも2割、3割引き上げていただいて、予算の関係もありますが、しっかりと対策を図っていただきたいと思います。  委員長、ここで参考資料の配付と掲示の許可をお願いいたします。 124 奥野副委員長 許可します。 125 川島委員 デジタルサイネージに画像を1つ掲示したいと思います。  この画像は、一般社団法人水難学会が推奨する水路用安全ネットカバーなるものであります。見たとおり、開口部がありまして、開口部から緊急時には防火用の取水も可能でありまして、雪国である本県でも開口部から排雪できるものであります。昨今、枯れ葉やごみが用水に詰まり、大雨時に越水する状況もありますが、投棄したごみが水路にたまるようなことを防ぐことも可能だそうであります。  目線の低い幼児や認知症を患った高齢者に対して、先般、藤井議員からも質問がありましたけれども、こういった方々がまず転落しない安全対策として有効かと思うわけであります。特に、街灯の少ない住宅街などの用水路に活用すべきだと考えます。  緊急度の高いAの部分であったり、そういったところに活用いただければと思うわけでありますが、このような水路用安全ネットカバーを検証していただき、転落リスクの高い危険箇所に実証的に使用してはどうかと提案いたしますが、農林水産部長の見解をお願いいたします。 126 堀口農林水産部長 農業用水路での転落死亡事故は、今年度8月末までで前年度同期と比べて減少はしているものの6件発生しております。また、委員御指摘のとおり、近年、台風や集中豪雨が多発していることや高岡市での痛ましい事故でも農業用水路への転落の可能性が指摘されていることなどを踏まえると、さらなる安全対策の強化が急務であると考えております。  今ほど委員御提案の水路用安全ネットカバーにつきましては、水路全体を金属フレームと金網で覆いますことから、安全性が高い対策工法であり、県内でも施工実績が幾つかございます。しかしながら、水門操作あるいは江ざらい、草刈り等の維持管理作業のために設置できないような場合がありますほか、防火や消流雪の利用時には使いづらいといった課題もございます。ただ、委員御指摘のとおり、こういった対策につきましては有効な手段であるとも思っております。  また、県の安全対策ガイドラインのほうでは、転落防止柵等のハード対策に加えまして、視認性の向上を図るポールコーンや道路鋲、鉄筋網蓋の設置など、セミハード対策の事例も紹介をしております。  今後、地域住民も参加したワークショップあるいは安全対策講習会等におきまして、農業用水路の規模や児童等の通行頻度、周辺住宅の立地状況等の地域の実情を考慮しながら、危険度に応じ、安全ネットカバーも含めたさらなる安全対策強化について、施設管理者や地域の関係者の皆さんと十分話し合って協議していきたいと考えております。  引き続き農業用水路での転落事故が起こらないよう、地域の皆さんの御意見等もお伺いしながら取り組んでまいります。 127 川島委員 ありがとうございます。  1万2,000キロにも及ぶ農業用水路の安全・安心をハード整備で全て賄うことは至難の業でありますので、注意喚起や啓発活動もさらに強化しながら、転落リスクを最大限減らしていく努力をお願い申し上げたいと思います。  続きまして、県管理河川における水害対策についてお伺いをいたします。  先月13日の大雨においては、私の地元でも一級河川黒石川が越水し、周辺の住宅や田畑、工業団地が冠水いたしました。近年は、大雨ごとに冠水し、地域住民の不安も大きいものがありまして、今後の緊急対策が求められると思っております。  県管理河川における恒常的に越水、冠水してしまう箇所は、過去5年間の報告データから見ると限られておりまして、富山市婦中町の磯川、富山市大町、堀川町を流れる冷川、そして高岡市福岡町の黒石川であります。大雨ごとに越水、冠水の危険度が高い、豪雨に弱い箇所であることが明らかであります。  このような過去の越水報告データから分かる水害に弱い箇所に対しては、大雨警報時に危険度を想定可能だろうと考えます。水害に弱い箇所や地域における集中的な河川整備への取組や、水害の発生が予想される場合などにおける水防体制を強化していくべきと考えますが、市井土木部長の見解をお願いいたします。 128 市井土木部長 河川において、委員が触れられた堤防の越水や決壊につながる脆弱な部分がある場合、それが治水上の弱点となることから、県では、河川整備を進める上で過去の浸水被害の発生状況を十分踏まえ、事業を実施しています。  例えば、本年8月も含め過去度々浸水被害があった黒石川では、平成10年の出水を受け、平成13年に事業化した小矢部市岡地内の整備がおおむね完了したことから、今年度、新たに隣接する高岡市福岡町本領地内の440メートル区間の整備に着手したところです。  また、県では、大雨警報等の発表時には、富山県水防計画に基づき水防体制を敷いており、特に越水等の危険がある箇所については、重要水防箇所として計画に位置づけ、警戒に努めています。  8月13日の黒石川においては、大雨注意報発表後、直ちに高岡土木センターが水防配備に入り、現地に設置された危機管理型水位計やカメラ画像を通じ監視するとともに、大雨警報の発表に伴い、配備体制を強化し、水位の急激な上昇を受け、パトロールを実施しました。並行して、地元水防団においては、沿川の巡視や土のう積み上げなどの水防活動が実施されたところです。  県では、今回の浸水被害を踏まえ、水防管理団体の地元市──高岡市と小矢部市の両市でございますが、この両市とは対応を振り返り、今後、速やかな避難行動や水防活動が行えるよう、より密に情報交換することを改めて確認したところです。  引き続き河川改修事業の推進はもとより、大雨時等には県と市町村間で十分連携し、水防体制を構築し、ハード、ソフトの両面からしっかりと取り組んでまいります。 129 川島委員 ありがとうございます。  河川の大規模改修については非常に感謝するところでありますし、ただやはり10年先、なかなか時間のかかる大きな整備であります。  先ほど水防体制も重要な箇所としての対応をなされていると御答弁がありました。しかしながら、やはりお盆に差しかかる休日みたいな日は、地域住民にそのパトロールの状況も伝わらないという現状がありまして、水位カメラで水位が上がってもう増水しそうであるけれども、どう行動すればいいのか、混乱を招いているというのが現状であります。こういったところ、せっかく防災危機管理センターも新設されるわけでありますので、しっかりと地域住民に伝わる水防体制というものの構築をお願い申し上げたいと思います。  恒常的にこのように越水、冠水する水害に弱い箇所については、緊急ハード対策とともに、各地域における自主防災組織、先ほどの水防体制の充実や避難訓練の実施など、特別強化を図って安心・安全を担保していくべきと考えますが、危機管理局長の見解をお願いいたします。 130 利川危機管理局長 過去の大雨時に河川の越水や冠水があった地域におきましては、ハード対策に加えまして、自らの命を守る行動であります自助、地域で助け合って災害に対応する共助の取組が大変重要であると思っております。  まず、共助の面では、具体的には地区防災計画を定めるという方策がございます。例えば、自主防災組織の防災リーダーをはじめ地域住民が、大雨のときに降雨の状況や国、県が設置します河川カメラ映像あるいは河川水位情報をインターネットで確認しまして、水防団との連携の下に、水位がどの程度まで上昇したら地域住民の避難誘導を始めるのか、あるいはまた、浸水箇所を避けてどのような避難ルートで避難するのか、さらには、高齢者等の要支援者をどのように地域住民が協力して避難させるのかなどをあらかじめ地区防災計画で定めておくという方策でございます。また、平時から自主防災組織が中心となって地域で避難訓練を行うということも大変有効であろうと思っております。  さらに自助の面では、個人や各家庭でも近くの河川水位をインターネットで確認して、水位が上昇したときに慌てずに避難行動を取られるよう、自らが取る防災行動を時系列で整理します、先ほどもちょっと触れましたが、マイタイムラインを作成しておくということも重要であると思っております。  県では、今年度から新たに地区防災計画の策定に係る経費を支援しておりますほか、新設の防災危機管理センターでマイタイムライン作成講座を開催するなどの取組を推進しております。特に水害が懸念される地域では、自助、共助による防災対策が重要となりますことから、市町村とも連携して、地区防災計画あるいはマイタイムラインの普及啓発にしっかりと取り組んでまいります。 131 川島委員 ありがとうございます。  危機管理局長がおっしゃるとおりで、地区防災計画をどうやってその地域ごとにつくっていくかということが非常に重要だろうと思うわけでありますけれども、なかなかそこに至らない地区、特に越水するような地域においては、あらかじめ県としてもどれぐらいの水位に達すれば増水しますよという想定ラインといったものをガイドラインみたいなものでこの地域に示すことで、またその地区防災計画の構築への促しにもつながると思いますので、ぜひともきめ細かい対応をよろしくお願いしたいと思います。  ありがとうございます。  経済対策について質問いたします。  特に緊急的な経済対策、疲弊する県内企業に対する緊急的な救済措置という観点から質問をいたします。  財務省発表の法人企業統計によりますと、企業の内部留保が過去最大で500兆円を超えたとのことであります。大企業においては堅調に経常利益を上げており、コロナ前の経済状況に戻りつつあるとも評されるところであります。  しかしながら、地方における中小・小規模企業、特に個人事業主においては、長引くコロナ不況に加え、資材の高騰による打撃が容赦なく企業経営を厳しいものにしていると捉えております。  まさに二極化でありまして、ある業種によっては、コロナ経済対策もうまく活用し大きな利益を上げている事業者もあれば、設備投資にもなじまず、コロナと資材高騰のあおりを一身に受ける事業者もあるということをまずは認知しなければなりません。  そこでまず、商工労働部長にお伺いしますが、コロナ禍により影響を受けた事業者に係る融資が返済時期を迎えるとともに、ウクライナ危機に由来する燃料や物価の高騰等により、県内企業の多くが利益を確保することが難しくなっていると考えますが、特にどのような業種が利益を上げることが難しくなっていると分析するのか、お示し願います。 132 中谷商工労働部長 今年の4月に物価高騰の影響を調査いたしますために行いました緊急アンケートでは、回答いただいた企業の85%以上から、エネルギー、原材料、設備、部品、流通コスト等の価格上昇による利益の圧迫や、それから上昇分の転嫁が困難、またはその上昇スピードが速いため転嫁が追いつかないといった影響を受けているという回答をいただいております。  中小企業、小規模事業者を対象に、金融機関の伴走支援を要件とし、借換え需要にも対応した県制度融資のビヨンドコロナ応援資金の状況を申し上げますと、今年度8月末までの申込み状況ですが、全体1,020件のうち、建設業が304件、卸・小売業が234件、製造業が190件、サービス業が123件、飲食業が104件などとなっております。数にいろいろ差はありますが、かなり広く対象として活用いただいているということでございます。  コロナ禍の長期化、エネルギー、原材料価格の上昇によって、幅広い業種において収益が圧迫され、資金繰り支援の必要性が高まっていると考えております。 133 川島委員 ありがとうございます。  幅広い業種において、全国的に見ても、地方においては非常に利益幅が取れないという状況が続いているという厳しい経営状況にあるのかなと答弁で分かるところであります。  コロナ融資──いわゆるゼロゼロ融資の返済が本格的に始まる中、借換えに対しての柔軟な支援については非常に評価するところでありますが、やはり本県は望まない廃業を防ぐことを目指すとしておりまして、このような厳しい経営状況に置かれた業種に対して、今、有事の真っただ中であるという認識から、より深く寄り添った救済策を講じていただきたいとお願いするところであります。  明るいニュースとしては、ようやくG7に合わせる形で、海外からの旅行者の受入れを大幅緩和する旨の政府発表がありました。  世界ではもはやマスクを外し、スポーツ観戦や旅行に出ていることに、日本にいながら違和感を感じずにはいられません。いつになったらマスクを外すことができるのか、ぜひとも新田知事には、全国知事会を通じて政府に投げかけてほしいと存じます。  政府は、全国旅行支援を月内にも開始すると調整に入りましたが、インバウンドの受入れも含め、県内旅行会社や宿泊業に与える影響と県としての受入れ体制の準備はどのようになっているのか、新田知事に答弁願います。 134 新田知事 観光業は、我が国ではもう主力産業の一つと言ってもいいと思います。  委員御指摘のように、全国旅行支援の開始、またインバウンドの水際対策の段階的緩和、これは必ずや旅行需要の拡大、また消費の拡大につながり、観光需要の早期回復という流れの中で、我が国、また本県の経済を浮揚させるものと認識しています。  9月14日の経済財政諮問会議では、民間の議員から、早期にコロナ前のインバウンド水準に回帰できるようにすべき、観光産業の高付加価値化、客単価の上昇に取り組み、円安メリットを地域経済の強化に活用すべきという指摘があり、私も全く同意見です。  我が国のコロナ前のインバウンド消費額は約4.8兆円ですが、本格的に再開すれば、円安の効果もあり2割以上増えるという試算も出ています。6兆円ですね。  本県ではこれまでもアフターコロナを見据えまして、宿泊事業者の事業継続への前向きな投資、また宿泊施設の上質化の促進への支援、また県内の観光事業者による新たな旅行商品開発への支援、そしてとやま観光塾におけるインバウンド対応も含めたガイドの育成、減便していた観光列車やバスの運行再開、販路拡大などへの支援にも取り組んでおり、宿泊、旅行、交通といった多方面の分野で受入れ体制の整備を進めているところです。  これらに加えまして、今議会には、インバウンド向け情報サイトの全面リニューアル、富山空港を発着するバスのキャッシュレス決済システムに必要な経費も補正予算案に計上したところです。  今後予定される全国旅行支援の開始、またインバウンドの再開に速やかに対応できるように、とやま観光キャンペーンでは、これまであらかじめ県内旅行会社あるいはコンビニで宿泊券を事前に購入していただく方式を取っておりましたが、これを変更しまして直接割引方式としています。より使い勝手のよい支援体制を取っております。  具体的な内容や時期が示され次第、旅行会社や宿泊事業者、交通事業者に対しまして御説明をし、関係事業者や市町村と連携して受入れ体制の整備充実に取り組んでまいります。 135 川島委員 ありがとうございます。  国の支援策を最大限活用して、今ほどお話ありました2割増、1.2兆円増というものを、ぜひともこのインバウンドも含めて富山県に精力的に働きかけていただきたいとお願いいたしたいと思います。  長引くコロナと資材高騰に苦しむ声を聞くのが養鶏農家であります。  参考資料2を御覧いただきたいと思います。  これは日本養鶏協会が出しております統計資料よりいただいておりますが、養鶏業に係る配合飼料費の価格の推移をグラフで表しております。実に右肩上がりでありまして、通常の価格からは2倍近くの高騰の状況であります。物価の優等生と言われてきた卵でありますが、価格転嫁が市場的に困難でありまして、卸価格もあまり変わってないという状況であります。輸入する飼料費の高騰が直接的に経営を逼迫させている状況であります。鳥インフルエンザの打撃もあって、緊急的な救済策が求められるところであります。  県内養鶏農家の現状をどのように捉え、必要な支援をどのように実施しているのか、農林水産部長の答弁をお願いいたします。 136 堀口農林水産部長 県内養鶏農家におきましては、飼料等の生産資材価格の高騰が大きな負担となっております。特に飼料費は経営コストの約5割を占めており、配合飼料の原料として輸入されておりますトウモロコシなどは、中国の需要の増加、あるいは海上運賃の上昇等から輸入価格が高騰しております。配合飼料価格は、本年7月では、前年同期と比較しますと2割程度上昇しているということでございます。  一方、鶏卵の取引価格は前年より低く推移しております。養鶏農家の多くは厳しい経営環境にあるものと認識をしております。  国におきましては、配合飼料の輸入原料価格が直近1年の平均を上回った場合に、その差額を国や生産者、飼料メーカーが積み立てた基金から補填するセーフティーネットが措置されておりまして、例えば令和3年度では、県内養鶏農家に総額約2億5,000万円が交付されております。  また、さらなる飼料価格高騰に備えるため、本制度の基金財源に対し、総額665億円の積み増し予算が確保されるとともに、併せて本年4月に、生産者積立金がトン当たり400円から600円へと引き上げられました。県では、6月補正予算で生産者積立金の上昇分に対して支援することとしております。  さらに、給与ロスが生じないような飼料設計の見直しや飼料用米等の活用、日本政策金融公庫資金の貸付けや償還期間延長などの経営相談に対しまして、生産者に寄り添った丁寧な指導や助言に努めているところです。 137 川島委員 ありがとうございます。  確かに、いまだかつてない救済支援策となっているとは思いますが、まだ十分でないと言わざるを得ません。その証左として、今回小矢部市が市単独でニワトリ1羽につき20円の経営安定化支援策を講じたのではないでしょうか。  先般の米価下落の際にも米価補填救済策を自治体の裁量で行うことにより、県内で取り残される同業事業者が存在するということをやはりしっかり重く受け止めなければならないと思います。疲弊した業界への緊急的な救済策を講じる場合は、県内同業事業者が取り残されない形で、例えば、この小矢部市を例に取れば、県が2分の1、ニワトリ1羽につき10円の補助を拠出し、他市町村にも緊急支援を働きかけることで、県内で取り残される養鶏業者をなくしていく、もう少し寄り添った形の救済策を取れないものか、要望するものであります。  やはり有事の真っただ中である状況を捉え、飼料費の高騰により苦境にあえぐ養鶏業界に対しては、地域間格差が出ない形での緊急的な経営支援助成など、さらなる支援を行っていくべきと考えますが、農林水産部長の所見をお願いいたします。 138 堀口農林水産部長 先ほどもお答えしたとおり、飼料等の高騰によります畜産農家の負担感は高まっておりまして、養鶏農家を含めた全ての畜産農家では、国のセーフティネット制度を活用してもなお、自身の経営努力だけでは経営継続が厳しい状況にあるものと認識をしております。  委員から県の支援策についての御提案もありますが、この9月補正予算案におきまして、飼料設計の見直しや飼料用米の活用など、生産コストの低減等に取り組む畜産農家を対象に、飼料価格上昇分として7月から9月期の第2四半期はトン当たり2,700円、10月から3月期の第3、第4四半期はトン当たり5,000円を上限として緊急支援を行うこととしておりまして、所要額を9月補正予算案に計上させていただいております。  また、国におきましては、配合飼料価格のさらなる高騰を受けまして、畜産農家の負担軽減のため、生産コスト削減等に取り組む農家に対して、これまでのセーフティネット制度の価格補填金とは別に、第3四半期の配合飼料購入費に補填金を交付いたしまして、実質的な飼料コストを第2四半期と同程度の水準に抑える、そういった緊急支援策が示されております。今後、こうした国の緊急対策事業等も積極的に活用していきたいと考えております。  県内には100羽以上を飼育している養鶏農場は26、経営体は22ございますが、引き続き個々の農家の経営継続に向けた相談等に丁寧かつ親身に対応するとともに、今後の飼料等の価格動向を十分注視しながら、畜産経営の維持安定に取り組んでまいります。 139 川島委員 ありがとうございます。  さらなる緊急支援を行うということでありまして、このグラフで見たとおり、おおよそこれから飼料費が下がっていくということはなかなか考えにくい傾向にありますので、ぜひとも業界の声もしっかりと捉えていただいて、この資材高騰を乗り切れる緊急支援策をお願いしたいと思います。ありがとうございます。  あわせて、やはり厳しい状況にあるのがタクシー業界、運転代行業の分野であろうと思います。長引くコロナ禍、ガソリン原価の高止まりによってこの厳しい状況が続いております。  いずれも観光客の受入れにも大いに寄与しており、また飲酒運転撲滅にも貢献している運転代行業は公共性が高いものと考えますが、これも現状をどのように捉え、それぞれどのような支援を講じているのか、交通政策局長にお伺いいたします。 140 田中交通政策局長 今ほど委員からお話がありましたが、長引く新型コロナウイルス感染症による輸送需要の減少でありますとか、燃料価格の高騰によりまして、タクシー事業や運転代行業を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況にあると認識しております。  このため、タクシー事業者に対しましては、6月補正予算において公共交通事業者の運行に係る燃料費の負担軽減を図るため、鉄軌道、バス事業者とともに高騰分の一部を支援しております。また9月補正予算案においても、追加の支援として、路線バス事業者とともに燃費改善に資する車両更新の支援を盛り込んでいるところでございます。また、運転代行業の事業者に対しましては、中小企業ビヨンドコロナ補助金により売上げ向上、また経費節減の取組を支援しておりまして、9月補正予算案においても、その増額を盛り込んでいるところでございます。 141 川島委員 ありがとうございます。  特にこの運転代行業というものは、公共性は高いとしたものの、なかなか公共交通としての扱いはなされていないと捉えております。  今、中小企業ビヨンドコロナ補助金の話もありましたが、様々な交通支援策から漏れ落ちるということも鑑みて、取り残されない、寄り添った、また緊急的な支援の御検討をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。  この項最後に、長引くコロナ禍や資材高騰によって疲弊した中小・小規模企業に対して、望まない廃業を防ぐための給付型の経営安定支援策を求めるものであります。
     コロナ融資の返済や借換えが求められる今こそ、先行きに未来を感じるプッシュ型の支援金を拠出すべきと思うわけであります。持続化給付金や事業復活応援金のような給付型の支援策がなくなっておりまして、現状で事業を継続していきたいという事業者に対しても、寄り添った形での支援策を講じてほしいと願うものでありますが、新田知事の見解をお願いいたします。 142 新田知事 コロナ禍の長期化、またエネルギー、資材価格の高騰、依然厳しい経営環境が続いておりますが、県内中小企業者の事業継続と経営改善を支援するために、本9月定例会にも補正予算案を提出しておりまして、金融機関の伴走支援を要件とし、借換えにも対応したビヨンドコロナ応援資金を拡充しておりますし、ビヨンドコロナ補助金の増額も盛り込んでおります。  さらに経営の安定には、各事業者に寄り添ったきめ細やかな経営課題の解決が重要であると考え、商工団体の経営指導員による資金繰りや公的支援制度の活用などの相談の対応、また、昨年度から中小企業診断士などの専門指導員による販路開拓や経営力強化など、中小・小規模事業者からの経営相談への対応や巡回指導等を強化しております。  その上に、さらに給付型の支援というお話だと思います。  物価高騰などの長期化で、国民生活や社会経済活動に幅広く大きな影響が及んでおりまして、国の一元的な対応が必要と考えております。  このため先月の18日、全国知事会を通じて国に対しまして、委員も御指摘の給付型の固定費負担支援として実施された事業復活支援金と同様の支援策の創設、また中小企業の資金繰り支援の継続強化、収益力改善、事業再生、再チャレンジを総合的に支援する中小企業活性化パッケージの強力な推進など、事業継続や事業再構築に対する支援策の拡充を求める提言を行ったところです。  今後も県内中小企業者が望まない廃業に至らないように、国に対して大胆な経済対策、昨日も全国知事会の平井会長から山際大臣に大型の経済対策が必要ということも提言をしております。引き続き求めてまいりますが、商工団体などと連携をしまして、事業者のニーズを的確に捉えた支援を行ってまいります。 143 川島委員 ありがとうございます。  冒頭、企業の内部留保が500兆円を超えて過去最高の経常利益を上げていると申しましたが、国の財布に手を突っ込むわけではありませんが、昨年度の企業統計でも利益剰余金が大きく伸びていることを考えますと、確実にまた法人税収が上がるものと考えますので、国に対しては強く財政出動を申し入れていただきたいと重ねてお願いを申し上げます。よろしくお願いします。  最後の問いに入ります。  県立高校の特色化、魅力化についてであります。  今議会においても高校の在り方、そして本県の教育の目指すところが様々な角度から議論されているところであります。  急激な少子化の流れの中、数合わせ論でない新しい高校の在り方を抜本的に進めていくに当たって、文部科学省が昨年4月に発出した新しい時代の高等学校教育へ向けた制度改正について捉える必要があります。  制度改正においては、各高等学校の特色化、魅力化に関する制度改正や多様な学習ニーズへの対応を図るための制度改正、普通科改革に関する制度改正など、多方面にわたって新しい時代における高校改革を推し進めていく内容となっております。  そこでまず、本県における高校の普通科改革において、国の制度改正に伴ってどのように進めていくのか、教育長の見解をお示し願います。 144 荻布教育長 国において、高校の特色化、魅力化などに向けた方策が提言され、新しい時代の高等学校教育の実現に向けて学科の弾力化が進められております。  委員御指摘の普通科改革については、生徒が多様な分野の学びに接することができるよう、複合的な学問分野に対応した学際領域に関する学科や地域課題の解決を目指す地域社会に関する学科などの普通科以外の学科が設置可能となったところでございます。  本県の県立高校では、これまでも地域、大学、企業などと連携した地域課題解決や高度な研究活動などに取り組むプロジェクト学習を実践するなど、特色化や魅力化を図り、生徒の可能性や能力を最大限伸ばしていけるように取り組んできております。  これまで進めてきている令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会においては、今後の普通科の在り方についても議論をしており、子供の探究心や学びたい気持ちを高める仕組みがあるとよいといった意見などをいただいております。  また、現在、中学生や高校生などを対象に、県立高校で学びたいことや高校の特色などに関するアンケート調査を実施しており、今後、調査結果を分析することとしております。  こうしたことや現場のニーズも踏まえながら、検討委員会においては、一人一人の生徒にとってどのような高校教育が望ましいかを第一に考え、学びたい、学ばせたいと思う魅力ある学科について検討してまいりたいと考えております。 145 川島委員 ありがとうございます。  ある意味普通でない普通科をどうやってつくっていくかということだろうと思いますが、これまでの高校普通科の在り方から高校生が魅力と感じる普通科の在り方に進化させていくためには、やはり総合的な人づくりの観点を盛り込んだ総合教育会議での抜本的な議論に期待するものであります。  今議会において新田知事から、学校規模や基準などの基本的な方針を慎重かつ丁寧に検討する必要があるとの答弁があり、高校再編の検討について言及されました。避けられない道としてできるだけ県民が理解し、納得のいくような進め方を望むわけでありますが、いま一度、学校、高校の有無が地域に与える影響をつぶさにした上で、よりよい新しい高校の在り方を目指すべきだろうと考えるものであります。  文部科学省が進める高校魅力化プロジェクトにおいて、次のようなデータが示されています。  2019年度に慶應義塾大学の中島特任助教授と北陸大学の藤岡ゼミが共同研究したもので、石川県立能登高校が能登町に与える経済効果について試算されました。その結果は、能登高校が2011年に統廃合されていない今の能登町と2011年に統廃合された仮の能登町では、2018年での人口の差が1,563人、そして与える経済効果は21億円と試算されました。これは能登町全体の経済規模450億円のうちの5%に当たり、日本全体の産業からすると建設業の分に相当するとのことであります。  これはあくまで推計試算でありますが、高校の有無がその自治体や地域に与える影響は大きいものがあり、その実感があるからこそ、高校の学級数削減や再編の議論は、地域の将来を占う大きい問題として県民の関心を呼ぶものと考えます。  そこで教育長にお伺いしますが、本県における高等学校の有無が、人口増減や経済効果に与える影響をどのように分析しているのか、お示し願います。 146 荻布教育長 高校については、自分の進路や進学の希望などを考慮して、どの高校に入学するのかを市町村域を超えて選択する生徒も多いと思っております。地元の高校にのみ進学しているという実態にはない状況でございます。このため、通える範囲に多くの高校がある富山県においては、地元の高校の有無が人口増減にどの程度影響を与えるかについては明確なことは言えないのではないかと考えております。  一方、経済効果については、一般的に高校がある地域においては、教科書や学習教材、制服といった必要物品の購入が行われ、生徒が高校生活を送るための交通費や飲食費などの必要な消費も行われます。また、高校の施設設備の維持管理に係る経費や雇用の創出などによる地域への経済効果が一定程度あると思います。  県では教育大綱の基本方針に、教育を通じた「ふるさと富山」の創生を掲げ、学校や地域、企業などの連携の下、教育を通じた地域の産業、社会を支える人材育成や、意欲と能力ある若者の県内定着、地域の活性化を進めるということを目標に取り組んでいます。  今ほども申し上げましたが、令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会において、まず高校生にとってどういう教育を受けることが最も望ましいかという高校教育の充実の観点を重視しつつ、地域振興の観点も考慮しながら、今後の県立高校の在り方を検討してまいりたいと考えております。 147 川島委員 想定する答弁はもうちょっとあったのですが、進めます。  高校の魅力化を進めていくに当たっては、やはり地域の衰退を防ぎ、地域教育力を高めていくことも肝要でありまして、この両立論をどのように進めていくか非常に難問でありますが、その点も踏まえて総合的な教育議論を進めていただきたいと存じます。  この難問を解決していく大きな方策として、今議会でも議論がありますところの県外からの高校生の受入れの取組があります。この施策については、同僚議員よりしまね留学を参考にしたモデル学科の設立など提案があり、抜本的な教育議論の俎上に上げるべき論点だと捉えております。  というのも、平成31年度時点で全国の公立高等学校入学者選抜における県外からの募集実施を行っている都道府県が、実に北は北海道から南は沖縄まで、富山県を除く46都道府県において実施しているという現状があります。秋田県においては、県内47高等学校全ての学校で、各学科の募集定員の5%を上限として県外からの高校生を受け入れており、その取組が定着しております。  このような全国の取組に倣い、教育の魅力化においては、本県が力を入れる移住・定住政策という観点からも、県外高校生の受入れ政策を導入していくべきと考えますが、少子化の中でも、県民と高校に勇気を与える前向きな政策が必要と要望いたしますが、新田知事の見解を最後にお願いしたいと思います。 148 新田知事 言うまでもなく移住・定住政策は、この人口減少局面に入っている本県にとりましても、それの対策として大きなポイントの一つだと考えております。今のように多くの県で既に取り組んでおられるわけですから、様々なアイデアや工夫を凝らして取り組まなければ、激しい地方間の競争にはなかなか勝てないものと考えています。  そのためにも委員御提案のように、県外の中学生やその御家族にも本県の高校で学びたい、また学ばせたいと思っていただけるような教育の魅力化に取り組むこと、そもそもそういうことは大切ですが、移住・定住政策の一つのポイントとしても有意義なことだと考えております。  島根県の高校魅力化プロジェクトにおいては、県と町村が協働し、地域資源を生かした教育カリキュラム導入や地域との連携型公立塾の開設、生徒の全国募集などの取組がなされ、魅力ある教育が子育て世代の移住や地域活性化の強い誘因となっていると聞いております。  古来、孟母三遷の教えもあります。本県移住者と話しておりましても、最終的に移住をすることの決断をした決め手は、居住環境とともに本県の教育環境にあったという方も複数おられたのは事実でございます。  本県においては、県外生の受入れについての話ですけども、県立高校入学者選抜では、原則として生徒単独の移住を前提とした受入れは行っていないのが現状です。  委員御提案の県外からの高校生受入れに向けては、生徒の生活の支援の体制や生徒の募集に関して課題があると聞いておりますが、移住・定住促進という観点から見ますと、一つの前向きな方法であるとは考えます。  教育委員会には、高校の魅力化が移住・定住促進の大きなポイントであることも踏まえながら、令和の魅力と活力ある県立高校のあり方検討委員会において、生徒が学びたい魅力ある学校の在り方や教育内容についてより議論を深め、高校教育のさらなる充実に取り組んでもらいたいと考えます。 149 川島委員 以上、終わります。 150 奥野副委員長 川島委員の質疑は以上で終了いたしました。  暫時休憩いたします。  休憩時間は10分間といたします。                      午後3時01分休憩                      午後3時15分開議        山本徹委員の質疑及び答弁 151 筱岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  山本委員。あなたの持ち時間は60分であります。 152 山本委員 それでは、予算特別委員会、本日最後でございます。通告に従って質問をさせていただきたいと思います。  今日は、官民連携について質問させていただきたいと思います。  富山県の官民連携は本当に前へ進んでいるのでしょうか。名前だけ、言葉だけ、掛け声だけに終わって、実効性が上がらないものになっていないか、富山県の将来を担っていくための官民連携というのは一体どんな形なんだろうか、そういうことを質問の中で明らかにできればいいなと思っておりますので、何とぞお願い申し上げる次第でございます。  まず、今年度、この官民連携を進めるに当たりまして組織の見直しが行われました。知事政策局成長戦略室に民間活力導入・規制緩和推進課が設置されました。また、経営管理部の行政経営室にも、公民連携・行政改革課が設置されたわけでございます。  政策過程の解決に官民連携の期待が高まっているこうした背景があるわけでありますが、まちづくりの成功例で言えば、岩手県紫波町のオガールプロジェクトというのが挙げられるかと思います。オガールプロジェクトは紫波町の駅前整備事業でありまして、官民複合施設であるオガールプラザの整備をはじめ、図書館など公共施設の集客力によって民間施設に利益を上げさせ、町が賃料収入を図る「稼ぐインフラ」をテーマにして行われたものであります。  また、最近では、地方自治体のDXに官民連携の成功例があるようでございます。神戸市では、民間企業のサイボウズと連携をして、業務に合わせて自由にカスタマイズできる業務改善プラットフォームを導入されまして、ペーパーレス化や脱ファクスが実現しただけでなく、ファイルの入替え作業など従来の手作業が不要となり、人為的ミスの削減や業務効率の向上にも効果があったということでございます。  しかし、官民連携の在り方は、こうした成功例があるにもかかわらず、近年ますます広がっており、多岐にわたっておりまして、考え方というのはそれぞれ整理して進めないといけないという現状があろうかと思います。  本県の職務分掌によりますと、成長戦略室の民間活力導入・規制緩和推進課については、「官民連携の窓口として、企業からの相談を受けるほか、障壁となる規制の緩和や企業との連携協定締結等の取組を推進すること」とあります。  一方、行政経営室の公民連携・行政改革課については、「指定管理者制度やPPP/PFIなど、行政の仕組みに民間の視点を入れてシステム化する仕組みを推進する」とあるわけであります。  先ほど申し上げましたオガール紫波的なもので考えますと、これはどうなるでしょうか。民間活力導入・規制緩和推進課のほうになるのかなと思いますが、しかし、PPP的な事業と捉えれば、公民連携・行政改革課のような気もしてきます。  神戸市のDX連携の話ですと、まさに行政の仕組みに民間の視点を入れてシステム化する仕組みだから、これは公民連携・行政改革課だと思うのですけれども、何と言ったらいいですか、デジタル化推進室の行政デジタル化・生産性向上課もそうだよねと思ったり、やはりなかなか分かりにくいところがあるなと思っています。  代表質問で宮本幹事長から質問を申し上げましたとおり、見直した組織体制が実効性あるものとして機能しているのかどうか疑問が残るわけでございます。民間活力の導入と公民連携というのは目指すところは同じであると思うのですけれども、部局をまたいで設置するとその効果が薄れ、また県民にも分かりづらいのではないか、心配をするわけでございます。  この実効性が上がるように、経営管理部長には的を射た仕切りにしていただきますように、ここのところを期待しているわけでございます。それぞれの設置目的や役割分担について、岡本経営管理部長の見解をお聞きします。 153 岡本経営管理部長 委員御指摘のとおり、両課は民間の専門的な知見やノウハウ、また感覚や発想を県政に取り入れ、効果的、効率的に施策を推進する点で目指すところは同じであると考えております。  御質問がございましたそれぞれの設置目的でございますが、民間活力導入・規制緩和推進課は、主に民間からの提案に基づき、民間の経験や技術、ノウハウを積極的に取り入れながら、官民が連携して課題解決、地域活性化を図ることを目的としているところでございます。  一方、公民連携・行政改革課は、行政経営の観点から、県有施設の整備、運営など公共サービス提供に当たりまして、公民連携推進監と共にPFI法や地方自治法に基づく指定管理者制度に基づき、民間の知見やノウハウを導入し活用する目的で設置したものでございます。  次に、両課の役割については、具体的な業務を申し上げますと、民間活力導入・規制緩和推進課では、民間からの相談・提案窓口として、官民連携・規制緩和推進デスクを4月1日から新たに設置しておりまして、9月15日現在でございますが、民間の方々から211社の提案、相談等を受け付けておるところでございます。  また、包括連携協定の締結を例といたしまして、県内外の様々な企業と県庁内の各部、各課を結びまして、県の諸課題の解決に向けた対話に日々取り組んでいるところでございます。  一方、公民連携・行政改革課につきましては、県の施設の運営管理、新たな整備に係る庁内の総合的な調整、推進の部署として、また、市町村と公共施設の在り方の検討を行っているところでございます。  また、今年度から実施しております国や市町村、金融機関等から構成するとやま地域プラットフォームにおきましては、県が予定しております施設整備構想を周知し、民間事業者と積極的な連携に努めてきているところでございます。  具体的に申し上げますと、今年6月に新川こども施設の整備につきまして地域プラットフォームを開催しましたところ、約120を超える民間事業者の方が参画をしていただいております。  今後、高岡テクノドームの整備促進に向けまして、PFI-O方式をテーマとしましたとやま地域プラットフォームの2回目を開催する予定としております。今年の11月頃をめどに、高岡市で開催をしたいと考えております。  両課を俯瞰して見ますと、これまで取り組んでまいりました市町村や民間との対話、そして研修を受けた県職員から公有財産の有効活用に関する提案等も出てきているところでございます。  こういったことを踏まえまして、引き続き、両課の役割、連携について県民の皆様、そして市町村、経済界にも周知をしながら、両部局が連携していくことで官民連携の幅をこれまで以上に広げてまいりたいと考えております。 154 山本委員 ありがとうございます。  官民連携ということで考えますと、県庁全般的にどこの部局にも関連するところだと思っています。あらゆる分野で取り組まなくちゃいけないところがあろうかと思います。  その中で、こうした2つのヘッドといいますか、務めていく課があるわけでございますから、そこのところの整理をやはり一つ一つしっかりつけながら、前に進むように心を砕いていただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。  8月19日でしたけれども、県庁前の公園でケンチョウマルシェというのが開催されました。有志の県庁職員、有志の若手の皆さんが頑張っておられまして、かなりにぎわっておりました。私も宮本さんと一緒に、また、平木さんも瀬川さんも、県議の皆さんも多数お越しでございましたけども、キッチンカーが9店出店しておりまして、ちょっとしたテーブルやベンチがあって大変いい雰囲気だったと思っております。県庁前公園の魅力を再発見したなということを感じました。  この民間活力導入・規制緩和推進課の川渕課長のお話によりますと、定期的に開催することによってにぎわいを創出したい、出店料でマルシェの運営が賄えるようになれば、いろいろな方が集まるプラットフォームということになっていくのではないかということでございます。そうなる過程でいろいろな方の関わりが生まれて、このケンチョウマルシェが大きく育っていく、そんなような可能性を感じたわけでございます。次回の開催は9月30日ということでございますので、車で来ないで電車で来たいなと思っております。  このケンチョウマルシェを仕掛けたのは、都市経営プロフェッショナルスクール北陸富山キャンパスの受講メンバーの皆様でございます。このスクールは、プロフェッショナルスクール株式会社の木下斉さんが主催して、富山県から官民連携人材育成事業として職員が派遣をされているわけでございます。川渕課長も行かれているということでございますが、県庁内の募集要項によると、「役職、職種、年代は問いません。意欲のある方ならどなたでも応募できます。特に、官民連携によるまちづくりや社会課題の解決の推進に関心があり、実践的なスキルを身につけたい方向けの研修です」とされています。研修期間は長くて1年9か月ということになっております。果敢に研修に応募された職員の皆様にエールを送りたいと思います。さらに、研修での学びをすぐに実行に移され、マルシェに果敢にチャレンジされたことは大変すばらしいことだと思います。  本研修を通して、またマルシェでの実践を経験して、官民連携を推し進める確かな人材が育つことを期待したいと思います。  官民連携は、官と民がそれぞれの得意なところ、不得意なところを把握いたしまして、どう連携すればお互いにいいところが出るのか、これをしっかり検証しながら進めることが大事だと思っています。  また、県庁の中に、これらを担う人材あるいはノウハウといったものを蓄積していくことがとても大事だと思います。なぜならば、官民連携、これを進めていくに当たって、我々が現在相対している社会的課題あるいは政策的な課題──これは我々官だけが、官というか我々行政だけが関わっていることでなく、民も同じように相対している課題、こうした課題の解決に官民連携が一つの有効な手段とされているにもかかわらず、官と民の間に入って、しっかりお互いの立場や利害、特性、そういったものを調整したり、それを理解して、これを積極的に前へ進めようとする、そういう人材がまだまだ足りていないと感じるからであります。  県庁内に官民連携の人材を育成してノウハウを蓄積していくということにどう取り組んでいかれるのか、新田知事の見解をお聞きいたします。 155 新田知事 委員御指摘のように、県民の皆様が本県の行政に求められるニーズというのは本当に複雑になり、多様になり、それから課題もそのようになっています。  御存じのように、本県の職員は大変に優秀で真面目な人が多いですが、なかなかそれだけでは解決できない地域課題も増えてまいりました。そこで、官民連携が大切になっていると理解をしております。  地域の課題解決につながるような効果的な官民連携を推進していくためには、実践を通して県庁に民間企業とのネットワークやプロジェクト組成に向けたノウハウを蓄積するとともに、それぞれの役割、強みを熟知した人材を育成していくことが大切です。  そのために、まずは実践的な研修を行っております。今、言及いただいた木下斉さんが主催される官民連携のプロジェクト組成の研修、県庁前マルシェを企画したのもこの研修のチームであります。また、デジタル先進国でありますシンガポールのDXを学び、具体的なDX事業を検討する官民合同の研修などを行ってもおります。高いモチベーションと事業形成能力を有する人材を育成したいという気持ちであります。  ケンチョウマルシェは、好評に応じて毎月やり続けるのは目的ではなくて、あくまで実証実験で、既に2回目の企画とともに出口をどうするかということも検討されております。しかるべき形がつけば、それを運営する方におつなぎする、こういった出口を今模索しているところであります。  このほか、官民連携・規制緩和推進デスクでの民間企業からの提案への対応、また今年度から参加した──先ほど経営管理部長の話もありましたが──とやま地域プラットフォームでの県内の官民連携関係者との連携などによりまして、新たな事業創出に向けた知見やネットワークの集積も図っております。  さらに加えて、NTTドコモ、JR東さん、ANAさんなど民間企業との人事交流も進めております。地域交通、デジタル化推進、公民連携など、重要な施策における民間出身者の起用も行っています。また、県政エグゼクティブアドバイザーの委嘱によりまして、専門的な知識、経験や民間ならではの感覚、発想を積極的に県政に取り入れてもおります。  引き続き人材の活用、育成に取り組みまして、県庁全体にノウハウを波及、浸透させることで県庁の文化風土の改革を図り、民間のニーズやスピード感に合った官民連携を推進してまいりたいと思います。 156 山本委員 ありがとうございます。  今、県庁内の文化風土の改革というお話がございました。外部からの人材にいろいろ来ていただいて、やっぱり県庁内の職員の皆さん方に、実効性が上がるように、これからの時代に合った官民連携というものをしっかり考えていただけるようにしていただきたいと思います。
     ケンチョウマルシェに群馬県から宮下智さんという方が来ておられまして、きっと名物的な方なのだと思いますけれど、やはりこういう人が、いやぁ、宮下さんて面白い人だということで、たくさんの人がそこにまたいろんな情報やいろんなものも集めて持ってくると。こういう人材が富山県内にも県庁の中にも育っていただけると、すごく幅が広がったり可能性が広がったりするのではないかと思いますので、ここのところをよろしくお願いしたいなと思います。  続きまして、官民協働レビューについて質問いたします。  昨年から始められた事業でありますけれども、今年度は無作為抽出による県民評価者の皆さんに参加いただいて、20事業について4日間にわたって実施されたということでございます。  官民協働レビューの手順ですけれども、まず事業の説明を行う、次に4名の委員から質疑が行われる、続いてコーディネーターの方が論点を整理する、15名ほどの県民評価者の方が5段階で評価をする、最後にまとめをするということでございます。  この15名ほどの県民評価者の方がする5段階評価というのが肝でございます。5段階の評価というのは、1番が行政の関与は不要、2番が役割分担の見直し、3番が抜本的改善、4番が一部改善して継続、5番目が現行どおりあるいは拡充をして継続するという5段階に分けているわけでございます。  今回、抜本的改善と評価された4事業のうち、「富山県推奨とやまブランド」推進事業への県民評価者の皆さんからの意見を言います。例えば、売上げを上げることに特化するんだという覚悟を持って取り組むことが必要ではないでしょうかと、こんな御意見があったと聞いております。  評価結果やこうした具体的な御意見をせっかくいただいたわけでございます。県政に反映してこそ官民協働レビューの大事な部分だと思いますが、今後の県政運営にどのように反映していかれるのか、また、来年度のレビューの方向性と併せて新田知事の見解をお聞きいたします。 157 新田知事 官民協働事業レビューにつきましては、限られた財源や人的資源を活用して、成長戦略などの重要施策──新しいものも多くあります。これらを着実に実行していくために、従来のやり方を超える思い切った行財政改革の一環として実行したものでありまして、今年の1月に、昨年度になりますが、3つの事業を試みで行いました。その結果を令和4年度の当初予算に反映したところです。  今年度は対象事業を3つから20事業へ拡大し、本格実施というふうに我々は考えております。より多くの県民の皆様から直接御意見を伺うために、無作為抽出の県民評価者の方にも御参画いただきました。この無作為抽出というところがみそでありまして、普通の公募ですと、やはり物を言いたい人が、それはそれでいいことですが、物を言いたい、あるいは県に対していろんな御意見をお持ちの方が集まってこられます。意識高い系といいますか。無作為なので、たくさんお願いしましたが、全員が受けるとは限りません。でも、県のためにやってみようかという方が来ていただいたということであります。  そのような県民の評価者、また県議会議員の皆さんをはじめ多くの方々が傍聴される中、先月8月に、週末の土日を2回、4日間にわたって本格実施をいたしました。私も4日間とも出席しましたが、各委員や県民評価者の皆様からいただいた多くの貴重な御意見を通じまして、各事業の課題や論点が明らかになりました。今後実施する見直しのために大いに参考になったところです。  また、全体を通して、事業の目的の明確化、PR方法や事後検証などについて多くの指摘もいただきました。これは、職員の傍聴もたくさんありましたが、意識改革にも大いにつながったと考えております。  委員に言及いただきました5段階の中で、行政の関与不要、ニアイコールで廃止ということですが、こういう結果はありませんでしたが、抜本的な改善というものは幾つもありました。このレビュー結果あるいは議論、評価を参考にしまして、県議会の御意見も踏まえながら各事業をしっかりと検証し、必要な見直しを行い、来年度予算に適切に反映させたいと考えております。  参加者のアンケート結果もいろいろといただきました。来年度は、これらも参考にして、より実効性のある形で、また進化させた形で実行したいと考えておりますが、今後、職員の意識改革が進み、あるいはノウハウの蓄積が進めば、未来永劫このようなことをイベント的にやる必要はないと思います。職員自らが県民目線で事業を評価、改善できる段階に入ってくれば、官民協働事業レビューから職員による事業見直し、通常業務の中に取り込んでいく、そのような形に移行したいと考えております。 158 山本委員 ありがとうございました。  一応県議会とも相談しながらレビューを反映していくということで、置いていかれないなとちょっとほっとしました。我々も一応県政に物申したいという気持ちでこちらへ来ておりますので、お忘れなきようにお願いしたいと思います。  続いて、高岡テクノドームの別館の整備についてお尋ねしたいと思います。  高岡テクノドームの別館整備につきましては、北陸新幹線敦賀開業、これから間もない令和6年度中の開館を見込むということで進めてこられているわけでございます。現在、実施計画を策定中ということでございます。  現下の状況では、ロシアのウクライナ侵攻あるいはコロナ禍の影響などによりまして、資材の価格が高騰しております。木材・木製品で前年比プラス84.7%と大幅上昇、また、マンション等を中心に利用される鋼材等の鉄鋼は前年比でプラス30.7%、鉄骨等の金属製品については同プラス6.8%、こうした状況に円安や国際物流の逼迫による輸送コストの増加といった要因も重なってきました。これによって、木材・木製品の輸入物価、円ベースで言うと対前年比81.4%で、1979年11月の同95.1%に次ぐ約42年ぶりの高い伸びとなっている。また同様に、金属・同製品の輸入物価、これも円ベースで言うと前年比でプラス58.3%と、これも1980年3月の同67%に次ぐ高い伸びになっているということであります。これが昨年11月の状況です。  昨年4月に発表されました基本設計によりますと、建設費が26.5億円ということで公表されていますが、今申し上げたような状況を踏まえると、大変心配されるのが建設費の高騰でございます。  また、物がないということでございまして、令和6年度中の開館に間に合うのかとても心配をしているところでございますが、横田副知事の見解をお聞きしたいと思います。 159 横田副知事 高岡テクノドーム別館につきましては、北陸新幹線の敦賀延伸が令和6年3月完工という予定でありますことから、現在、令和6年度中の開館を目指して実施設計を進めているところです。  一方、建設工事費につきましては、昨年4月に公表した基本設計では、外構、渡り廊下を除いて26.5億円と見積もっておりましたけれども、その後、御指摘があったとおり、米国における経済回復に伴う需要の急増、中国におけるコロナ感染対応のためのロックダウン、ウクライナ情勢の長期化、円安の進行など、こうした影響によって、これは今年9月の数字ですけれども、鉄筋、鉄骨は約1.5倍、型枠は約1.7倍、木材は約2.0倍になるなど、建設建築資材全般の価格が高騰しております。  現在、コスト縮減につながるよう設計内容の見直しを行っておりますが、労務費の上昇も相まって、建設工事費の高騰は避けられないと考えております。  資材価格につきましては、現在、一服感はありますものの、依然として上昇傾向にございます。  一方で、世界的なインフレ抑制のための金融引締めなどを背景に、国際的な需要が低下する可能性、それから、中国でのロックダウンの影響が緩和されていく可能性も考えられます。  資材の調達も含めて先行きの見通しが立てづらい状況にはございますけれども、国際的な社会経済情勢及び建築資材価格の動向などを注視しながら、それから高岡市及び地元の経済界とも相談いたしまして、目標の開館時期に大きな遅れが生じないように、テクノドーム別館の建設工事契約のための債務負担行為につきまして、県議会への提案を検討してまいります。 160 山本委員 ありがとうございます。  基本設計では、県産材が多く活用される内容となっておりましたけれども、今ほど副知事の答弁にもありましたが、木材のほうはウッドショックということで2倍に上がっていると、まして物がないということでございますが、間に合わせるときに、やはり県産材をなるべく使っていただきたいと。みんなでつくった条例もございますので、計画的に確保しておく必要があると感じるのですが、商工労働部長の見解をお聞きしたいと思います。 161 中谷商工労働部長 別館の整備に当たりましては、展示棟を包む大屋根の軒天や外壁を県産材で木質化する計画としております。その使用量は、現段階では約150立方メートルを見込んでおります。  本県では、県産材の安定供給や需給マッチングの円滑化を図るために、平成30年4月に、林業、木材関係団体によりまして、とやま県産材需給情報センターが開設されております。これまで林業事業者や木材加工事業者等との調整機能を発揮し、県立大学学生会館など規模の大きな木造公共施設等において、県産材の安定的な供給に寄与されております。  これまでの実績からすれば、半年程度あれば必要な県産材を調達できると伺っておりますが、量や仕様によって所要期間が変動しますほか、今ほどお話がありましたウクライナ情勢の長期化、円安の進行等により木材需給が逼迫するおそれもありますことから、建設の早い段階から、必要とする県産材の規格や仕様等の情報をセンターに提供して打合せを行うなど、確実な調達に努めてまいりたいと考えております。 162 山本委員 県産材の活用を進めていただきますようにお願いしておきたいというふうに思います。  先ほど副知事の答弁で、コスト縮減のために設計を見直すというお話がございました。実はすごく心配しています。産業展示館ですので、例えば、椅子がせり出すことになっていますけども、どう言ったらいいんでしょうか、市民会館とかそういうコンサートをやるところではありませんで、基本的にプレゼンを聞いたりする場になるべきだと思っています。そうすると、こういうタブレットががたっと机の台に置けて、そこでつないで電源が取れたり、そんなようなことにならないと産業展示館のプレゼンルームにならないだろうとか思いますし、せっかくですから、やはりいろんな技術をそこに入れていくべきだと思いますし、非接触で開いたり、いろんなもので感知したり、それであってこそ、いろんな技術を集めて産業展示館なんだろうと思うんですね。そこは、あんまり価格が上がるからということで、けちるという言い方は非常に語弊があるかもしれませんが、縮減をやるあまり、あんまりしょぼいものになってもかえってしようがないという気もしています。かといって、高岡の皆さんもそう思っていますので、やっぱり当初お願いしてきたとおり、令和6年度中に何とかできてほしいという強い思いもございます。そこらあたり苦しいことになると思いますけれども、何とか予算を確保していただいて、大きな、後世にしっかり残っていくようなものを造っていただきたいと、このことを改めて要望しておきたいと思います。  それと併せてですが、現在、本館の運営につきましては、一般財団であります富山県産業創造センターになっていますけれども、別館が完成すると、当然、本館と別館と一体的な運営がされないと効果が上がらないのではないかということを心配しています。6月県議会で瀬川議員から質問がありました。知事の答弁では、これを一体的に運営できるように条件を整えていきたいと、一体に運営すればより広い催事にも対応できるということで言われております。  県西部における官民連携施設の試金石となれるように高岡テクノドームを持っていっていただきたいと思っていまして、PFI-O方式が採用される別館の運営方法について、本館と併せた一体的な運営、これはしっかりなされていくべきだと思いますが、中谷商工労働部長にその方針をお聞きいたします。 163 中谷商工労働部長 今、委員からお話しありましたとおり、現在のテクノドームは一般財団法人富山県産業創造センター、これは県と高岡市、地元経済界が支援しておりますが、これによって設置運営をされております。  このテクノドーム別館の整備は、北陸新幹線の敦賀開業を見据えまして、各種催事などの新たなニーズにも対応し、県西部地域の活性化に資する拠点となりますように、既存施設の展示、集客、交流に係る施設、機能の拡充を図るために構成されたものでございます。既存の本館と新たな別館が一体的に運営されることにより、それらの効果が十分に発揮されるものと考えております。  一方、既存の本館は、これまで財団や財団から委託を受けた事業者によりまして、地域の特性に応じた効率的、効果的な運営がなされてきております。そのノウハウ等は十分考慮すべきものであります。また、建物内には展示とは目的を異にするインキュベーター施設というのも設けております。  このような現状を踏まえまして、現在、PFI事業者選定アドバイザリー業務委託というものをやっておりまして、その中で、管理運営実績のある県内外の企業に市場調査を行っているところでございます。  PFI事業者と財団がどのような役割を担い、また協力することで両館の一体的な運営が実現できるかを含めまして、先ほどお話がありました吉田公民連携推進監、それから関係各課との連携によりまして、高岡テクノドームが民間の経営能力やノウハウを生かして、これまで以上に多様に、また活発に利用していただけますように、高岡市、地元経済界とも御相談をし、県議会の皆様にも御相談をして検討を進めてまいりたいと考えております。 164 山本委員 PFI方式の採用に当たっては、全国レベルの手腕といいますか、運営能力を備えた企業さんが対象になろうというふうに思っておりますけれども、やっぱり地元にそうしたノウハウや技術が落ちるように、これも心砕いていただきたいと思います。そうでないと、いつまでたっても中央のほうに頼らないといけない状況が続くと思います。  知事には、紫波町のオガールや大和市のシリウスに匹敵する成果が上がるように、この後、この施設を生かしてどうまちづくりをするのか、運営の方向性をどう持っていっていただくのかということを引き続き考えていただいて、全庁挙げて官民連携の試金石となる施設になるようにお願いをしたいと思います。  中谷部長、ありがとうございました。  続いて、カーボンニュートラル戦略について質問いたしたいと思います。  今年度中の策定を目指しまして現在進められておりますカーボンニュートラル戦略ですけれども、1つには、温室効果ガス排出量の削減、それと最終エネルギー消費量の抑制、3つには、再生可能エネルギーの生産量について、それぞれ数値目標が設定されるものと理解しているところでございます。  県内市町村においてもゼロカーボンに向けて計画されているということだろうと思っていますが、やはりそれぞれ目標が設定されてくるだろうと想像するわけでございます。  県が今回新たに設定する数値目標は、これら市町村が出す目標値と当然整合性が取れていないといけないと思いますし、市町村の目標値の単なる積み上げということでも、これはちょっと面白くないんじゃないかと思うわけでございます。  カーボンニュートラルへの取組というのは、県だけで進められるものではありません。温室効果ガス排出量の具体的な数値目標の設定に当たりましては、市町村の取組と整合を図る必要があると考えますけれども、三牧知事政策局長の見解をお聞きいたします。 165 三牧知事政策局長 カーボンニュートラルの実現に向けては、委員がおっしゃったとおり、県が目指す温室効果ガスの排出量の具体的な削減目標とそれに向けた施策について、市町村と認識を共有するとともに、市町村が定める削減目標や取組と整合を図ることは、相乗効果を図るためにも重要であると考えております。  県といたしましては、今年度策定するカーボンニュートラル戦略において将来のカーボンニュートラルを見据えつつ、2030年度における県全体での温室効果ガスの排出量の削減目標を設定することとしております。  一方、若干市町村ごとの差はありますけれども、県内の市町村におきましても、地球温暖化対策の実行計画の策定や改定に向けて検討が進められており、その中で温室効果ガス削減の具体的目標についても検討されていると伺っております。  県といたしましては、これまでもワンチームとやまのワーキンググループの場を活用しながら、再生可能エネルギーの導入実績や導入ポテンシャルをはじめ、市町村が目標設定を検討する際に参考となる情報の共有も行っておりますし、また、それを深掘りするための先進事例の情報共有もしております。また、個別の市町村からの求めに応じて、市町村の計画策定に向けた会議にも参画しておりまして、県全体の温暖化対策の観点から発言しているところでございます。  こうした取組を通じまして、市町村が目標設定や取組を検討するに当たっては、県全体の目標や施策の方向性との整合性が取りやすくなるよう、引き続き市町村との情報共有にしっかり取り組むとともに、市町村の施策とも連携しながら、カーボンニュートラル戦略の策定を進めてまいりたいと考えております。 166 山本委員 あわせてですけど、実行に当たっては官民が連携した推進体制、進捗管理が重要だと考えています。今ほどの温室効果ガスの排出量の数値目標をつくるに当たっては、産業、業務、家庭、運輸の分野に分けて設定されるということだとお聞きしております。  各業界の事業者や県民を巻き込んだ議論、そしてまた一緒にやっていくんだということが大切だと思うのですけれども、ここのところの官民連携について、知事政策局長の御所見をお聞きしたいと思います。 167 三牧知事政策局長 委員がおっしゃったとおり、カーボンニュートラルを現実に実現していくためには、省エネルギーの推進や再生可能エネルギーの導入に向けた施策について、県が率先して取り組むことに加えて、県民や事業者の御理解を得ながら官民で連携し、具体的なプロジェクトに取り組んでいくことが重要であると考えております。  委員からも御紹介ありましたけれども、カーボンニュートラル戦略における具体的施策については、現在、庁内に設置しておりますカーボンニュートラル推進本部の下に5つの部会を設置し、部局横断的に検討しているところでございます。  必要に応じて事業者や関係団体の意見を聴取するほか、最終的には、戦略案につきましてはパブリックコメントに付しまして、広く事業者や県民の皆様からの御意見を伺う予定としております。  また、この戦略に基づく施策の着実な実行に向けても、先ほど申し上げましたが、市町村との連携はもとより、北陸地域の脱炭素社会の実現に向けて、民間主導で設立されまして、本県も参画しております一般社団法人北陸スマートエネルギー・環境推進協会の場を活用することも含めて、関係団体との連携の在り方もしっかりと検討することを進めていきたいと考えております。  また、官民連携の視点からすると、このデジタルやスタートアップなど、ほかの分野の官民連携の枠組みもしっかりとカーボンニュートラルにつなげていきたいと考えております。  また、委員から御指摘ありました進捗管理も重要であることから、定期的にカーボンニュートラル推進本部において、各部局の施策の実施状況を確認するなど進捗管理を行うとともに、PDCAを重視しまして、新しい技術が出てきたとか、今のエネルギー価格の話もありますけれども、そういう必要に応じて柔軟に戦略を見直すなど実効性の伴った戦略となるよう検討してまいりたいと考えております。 168 山本委員 そのインセンティブが働いていくように、何事か一緒になってやっていくような、お願いするだけではなくて、仕組みや制度としてそういうものを考えていただけると大変ありがたいと思います。調達や入札などに少し要件が出るとか、そういうことも大切かなと思いますので、考慮いただきたいと思います。  また、官民連携・規制緩和推進デスクというものも知事政策局のところにあるということでございます。いろんなことで、大変な整理みたいなものも三牧局長のところでもたくさん出るのだろうと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  続いて、日本橋とやま館について質問したいと思います。  コロナ禍で日本橋とやま館の売上げがさぞ大変なことになっているのではないかと思いまして、6月に上京した折、首都圏本部に寄りましてお話をお聞きしてまいりました。確かに厳しい状況ではあるが、12月単月で言うと過去最高の売上げを記録したということで、委員長、資料の配付をよろしいですか。 169 筱岡委員長 はい、許可します。 170 山本委員 ありがとうございます。  ということでお話がありました。瞬間買上げ率が70%。買上げ率というのは、来店したお客さんのうち購入してくれたお客さんの率ということでありまして、10人来客したら7人買ってくれる。通常は10人に1人とか、多くても3人みたいな話らしいので、これは驚異的な数字だろうと思っております。  資料を見ていただくと分かるとおり、緑色の線が昨年令和3年度ですので、12月のところががーんと跳ね上がっているのがよく分かると思います。全体とすれば、確かに平成30年に比べたりすると苦しいのだろうと思います。特に赤色の令和2年度や緑色の令和3年4月、5月ががーんと減っておりますが、これは休業を余儀なくされたとか、一部休業をせざるを得ないという状況がここにも出ているのだろうと思っています。今年度については、いいところで推移しているのだろうと思っております。  ここら辺のところですけれども、日本橋とやま館のコロナ禍における売上げ状況をどう把握しているのか、また、その要因についてどう認識しておられるのか、南里地方創生局長にお聞きしたいと思います。 171 南里地方創生局長 日本橋とやま館については、コロナ禍に突入したおととし及び昨年は、来館者数、売上げともにコロナ前の2019年に比べて数値は大きく落ち込みましたけれども、今年度に入り、館全体の売上げについては、委員にお示しいただいたとおり、ほぼコロナ前の水準に戻ってきたところでございます。特に物販部門に関しては、感染状況が落ち着き出した昨年11月以降、月別売上げがコロナ前水準を超える月もあるなど、近隣の他県のアンテナショップに比べても健闘していると認識しているところでございます。  これは、県をまたぐ移動が制限されていた間の首都圏での特産品需要を取り込んだほか、日本橋とやま館の現場において、コロナ禍においても感染対策の徹底やしっかりとした接客、顧客ニーズを捉えた商品構成などによりまして客単価の向上を図るなど、スタッフみんなで地道な対策を行ってきた成果が表れているものと認識しております。  一方で、日本橋とやま館は物販以外の部門もございます。レストラン、バー、それから交流スペースもありまして、こういった館全体の来館者数については、会食やイベントの自粛、それから外出控えなどによりまして、コロナ前の水準の8割程度の回復にとどまっておりまして、富山と首都圏をつなぐ関係人口を創出する拠点としては課題があるかなと思っているところでございます。 172 山本委員 スタッフがみんなで地道な努力をされたと。コロナ禍で頑張らんならんということ、それは大変ありがたいし、すごい話だなと思います。  今、健闘しているというお話もありましたが、都内にアンテナショップは60店舗、小さいものも入れると80店舗あるということで、その中で、とやま館の売上げの伸びは断トツだというふうにお聞きしております。本当にうれしいことだと思っています。  最も売れているのは昆布じめだそうでありまして、ちょっと高級感のある1,000円から2,000円のが売れ筋と聞いています。だけれども、まだまだ昆布じめの知名度は低いと。「これ、何ですか」と聞かれるそうで、そう思うと、まだまだ伸び代があるのではないかと思うわけであります。  どうすれば売れるのか。官民協働事業レビューで突っ込まれたように、売上げを上げることに特化するんだという覚悟を持って、これまでになかった観点のPRをして、昆布じめを売りに売りまくるというのはどうかと思うわけでございます。  地方創生局だけでなく、農林水産部の皆さんにも知事政策局の皆さんにも一緒に考えていただけるとありがたいと思うのですが、現在の日本橋とやま館の役割とそのターゲット層をどのように認識して、今後どのように展開していかれるのか、南里地方創生局長にお聞きします。 173 南里地方創生局長 日本橋とやま館については、物を売るということも大切ですし、それに加えて、富山版ウエルビーイング、上質なライフスタイルを提供するということをコンセプトに、本県の豊かで美しい自然、多彩な文化、昆布じめみたいな食の魅力などを伝えて、本県と首都圏をつなぐ交流の場として、また本県の誘客、移住につなげる場としての役割を担っておりまして、多くの世代の方に来館いただく窓口であると認識しております。  これまで、日本橋界隈の客層の中心を担う30代、40代の女性に向けて、館内での富山ゆかりの著名人のトークイベントや、「上質な富山を訪ねる旅」と題したディープな富山旅行を企画するなど、富山と首都圏をつなぐ取組を行ってまいったところでございます。  令和2年からは官民連携による富山ファン拡大の取組として、調理用品のメーカーで都内トップクラスの料理教室ネットワークを持つ貝印株式会社さんと連携しまして、料理体験会ですとか、富山の生産者を訪問する現地研修を開催して、レシピづくりやSNSでのライブ配信にも取り組んだところ、多様な方に参加いただきまして、さらに参加者からの口コミやSNSを通じて、様々な世代の方にも館への来館やより深い富山への理解、富山への訪問を働きかけるきっかけとなっていると認識しております。  関係人口を創出する首都圏の拠点として、日本橋とやま館の果たす役割はますます重要なものになると考えております。今後、物販部門はもとより、日本橋とやま館の特徴である飲食部門やバー、交流スペースも生かしながら、富山の方々と交流できるイベントなど、富山の新規ファンを獲得する取組を積極的に行ってまいります。 174 山本委員 ありがとうございます。すごく期待しておりますし、安達さんにお願いしたら、こきりこの格好とかして売ってくれたりするんじゃないかと思いますので、PRにもすごくいいと思います。  せっかくいろんな意味でスタッフの皆さんが頑張って、日本橋とやま館は開館6周年になりました。有楽町のいきいき富山館のほうも20周年、コロナ禍で大っぴらにできなかったけれども、本当はイベントもすごくやりたかったんだろうと思っています。  そういうようなことも今後、展開を期待していきたいと思っておりますが、若い人をターゲットにする、若い人たちの消費動向を知る、富山をアピールするということで、六本木や渋谷とかにもアンテナショップを開設するという考えはないのか、南里地方創生局長にお聞きします。 175 南里地方創生局長 日本橋とやま館は、今ほど申し上げましたとおり、富山の上質なライフスタイルを提供することをコンセプトに、本県の豊かな自然や文化、食の魅力などを伝えて、富山と首都圏をつなぐ交流の場、また本県への誘客、移住につなげる場としての役割を担ってまいりました。  また、有楽町には、御紹介いただいたアンテナショップいきいき富山館を置きまして、日常の買い回り品を中心とした品ぞろえの充実や実演販売の実施などを通じまして、県出身者や県関係企業、従来からのアンテナショップ顧客層など、安定した固定客を獲得し、売上げの向上に取り組んでまいります。  六本木も渋谷もすてきなまちだと思っております。特に渋谷は近年、大規模な都市再開発が進み、複合商業施設を次々と建設し、高層ビル化、それからIT企業を中心としたオフィス機能の強化など、多くの人が集まる場所として大きな変化を遂げておりまして、富山県としても渋谷キューズに入会しまして、富山の起業家が東京の起業家と出会う場となるなど、富山にとってはポテンシャルの高い刺激的なまちで、夢のある提案をいただいたなと認識しております。  ですけども、まずは今の2館の強みをそれぞれ生かして相乗効果を発揮できるように、また、御指摘いただいた若者をはじめとして多くの世代に来館いただけるように、しっかり努力してまいりたいと存じます。 176 山本委員 ぜひ渋谷でしていただけるといいなと思います。また、バーチャル富山館みたいなメタバースに出すというのも面白いかなと思いますので、またちょっと検討していただけるとうれしいです。  6月議会の答弁で、関西圏での情報発信拠点の設置について、まずは基礎調査を行って、その結果を踏まえて検討を行っていきたいという旨、蔵堀副知事から答弁がありました。  北陸新幹線の敦賀開業ということを見据えたときに、関西、大阪や京都にも、こうした富山をPRしたり、食を伝えたり、また消費動向を探ったりする、そういうようなものがあってもいいのではないかと思うのですけれども、その後の検討状況はどうなっているのか、蔵堀副知事にお聞きします。 177 蔵堀副知事 委員から今、御指摘ございましたように、北陸新幹線の敦賀開業、これが2024年春ですけれども、さらにその後の大阪延伸ですとか、2025年開催が予定されています大阪での関西万博の開催、さらには、インバウンド回復後の関西空港からの外国人観光客の誘致を見据えますと、関西圏での情報発信、アンテナショップの開設というのは非常に重要な検討だと考えております。  現在、関西圏での情報発信拠点の設置を検討いたしますために、他県の情報発信拠点のヒアリング、それから、関西圏に住んでおられる方へのウェブでのアンケート、さらには近畿富山県人会への皆さんのアンケート調査、こういった基礎的な調査を実施いたしております。今後、関連情報も併せまして集計、分析を進める予定でございます。  あわせまして、敦賀開業や北陸デスティネーションキャンペーンに向けた機運醸成として、来月10月に関西主要駅での観光PRを実施するという予定でございます。1つは、大阪駅のアトリウム広場で観光物産展、それから伝統工芸のワークショップ、デジタルサイネージでの観光などの動画の放映をしたいと思っています。これは10月の末ごろ、2日間予定いたしております。  また、神戸の三宮駅前では、飲食エリアで県産のベニズワイガニを使いました特別メニューの提供や、富山の魚の展示、それから物産の販売、旅行観光のPR、これを行いたいと思っています。こちらのほうは、10月上旬から中旬にかけて14日間実施いたします。  こうした場で、単にPRだけではなくて、関西から富山県への誘客に結びつけられるように、それぞれ御来場された方の生の声も聞いて、情報発信拠点の検討の参考にしたいと考えております。  10月の末から11月初め頃には調査結果を取りまとめられると考えておりますけれども、その結果を踏まえまして、場所ですとか役割、効果的な運営方法、こうした点についてしっかり検討してまいりたいと考えております。 178 山本委員 ありがとうございます。梅田とやま館みたいなものが開設されたら、高岡のお好み焼き風練物の「ととまる」をぜひ売り込みに行きたいなと思っておりまして、そのときには蔵堀副知事も一緒に売っていただきますようにお願いしたいなと思います。  最後に、マイナンバーカードのことについて質問したいと思っております。先ほども吉田委員から質問があったかと思っております。
     国では、今年度末までにほぼ全ての国民にマイナンバーカードを交付するとの高い目標を掲げられておりますが、先ほどお話がありましたとおり、本県の交付率については48.2%という状況でございます。  国においては、健康保険証としての利用やコロナワクチンの接種証明アプリでの本人確認を進めて、今後は運転免許証との一体化などに取り組むというのは先ほどお話があったとおりでございます。  さらなる普及を進めていくには、カードを取得した県民がデジタルを通してその利便性を実感できるということが効果的ではなかろうかと思います。  石川県加賀市では、民間企業のトラストバンク、xIDといった会社と連携しまして、行政手続をデジタル化するツール「LoGoフォーム電子申請」というのを導入されまして、アプリをインストールしたスマートフォンとマイナンバーカードがあれば、本人確認が必要な行政手続をいつでもどこでも済ませられるようになったということでございます。  県では、昨年度より富山県DX・働き方改革推進本部を設置して、デジタル社会の推進に取り組んでいるところであります。官民連携を進めていく分野で、この分野もとても大事な分野だと思っております。新たなアイデアが民間からあるいはこちら側から出て、しっかり連携をして、大きく前進することを期待しているわけでございます。マイナンバーカードの一層の取得促進のために利便性向上というのがまず何より大事だと思いますので、三牧知事政策局長の所見をお聞きしたいと思います。 179 三牧知事政策局長 マイナンバーカードにつきましては、デジタル社会の基盤として不可欠なツールでございまして、ただ、現状を踏まえますと、一層の取得促進のためには利便性のさらなる向上が重要であると考えております。  このため、加賀市さんの紹介がありましたけれども、市町村におきましては、住民票等のコンビニ交付、また、図書館カードとしての利用などの利活用を進めていただいているところでございます。  一方、県におきましては、県民個人が行う各種手続が市町村ほど多くないという問題がございまして、行政手続以外でのカード利活用に対する新たなアプローチが必要であると考えてございます。さらに、その先にある民間も含めた普及のためには、民間としっかり連携して、カードの利活用シーンをさらにつくっていくということが求められていると考えております。  このため、先ほど新田さんからも答弁ありましたが、県といたしましては、マイナンバーカード利活用プラットフォーム推進事業を今回補正予算に計上させていただいておりまして、カード保有者に県有施設の無料電子クーポンを配布するシステムを構築する実証実験を行い、県として積極的に利活用シーンを創出していくとともに、この事業の成果について、市町村や民間事業者に横展開するための課題検証等を行いたいと考えております。  具体的には、電子クーポンを利用し──当然ながら個人情報の管理の観点からもしっかり検討しますけれども──、施設利用者のデータを収集しその活用を検討するほか、本人確認の機能を活用した官民でのカード利活用について実証調査を行いたいと考えております。他県にはこうした取組が今のところないというところで、デジタル庁と相談しながら進めております。デジタル庁の統括官から、意欲的な取組なのでぜひ積極的に進めてほしいと言われております。  本事業を通じてマイナンバーカードの普及を進めるとともに、市町村や中小企業のDXにもつながるような成果を得られるよう、しっかりと取り組んでまいります。 180 山本委員 終わります。 181 筱岡委員長 山本委員の質疑は以上で終了しました。  以上をもって本日の日程は終了いたしました。  なお、9月26日の予算特別委員会は、午前10時から開会いたしますので、定刻までに御参集願います。  本日はこれをもって散会いたします。                      午後4時14分散会 Copyright © Toyama Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...