富山県議会 2022-06-20
令和4年県土整備農林水産委員会 開催日: 2022-06-20
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 1 6月
定例会付託案件の審査
(1) 質疑・応答
山本委員
・6月
補正予算(案)について
庄司委員
・6月
補正予算(案)について
薮田委員長 これより
付託案件についての質疑に入ります。
質疑はありませんか。
2
山本委員 それでは、質問させていただきます。
家畜飼料の高騰のことについてでございます。高岡の佐加野に青沼さんといって、酪農を一生懸命にやっておられる若い方がおられまして、仲よくしておりますが、せんだって電話いたしますと、やっぱり物価高が飼料のほうにも来ていて、すごく大変なんだということでお聞きしておりました。
補正予算(案)の中で
配合飼料価格高騰緊急支援事業というのがありますけれども、この
配合飼料、こういうことを使って頑張ると言っておられるんですけれども、
配合飼料の
価格高騰による
畜産農家の負担を軽減するため、
配合飼料価格安定制度に加入する農家に対し、
生産者積立金の増額分を支援するとなっているんですけれども、そうすると組合に入っていない人には、組合制度に加入していないところにはこの制度が適応されないと読み取れるんですけれども、そのあたりのところを心配するわけです。
県内全般で、
家畜飼料について、価格の上昇率がどのくらいに今なっていると把握しておられるのか、また、この制度に加入する農家には支援するとありますけれども、これの加入率というのは、県内のそうした畜産の農家さんに対してどのくらいになっているのか、お聞きをするものでございます。
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岡村畜産振興班長 家畜の
配合飼料の原料となります
トウモロコシなどは、中国向けの需要増加や海上運賃の上昇などから、
輸入価格が急騰しております。
これに伴いまして、
畜産農家に販売される
配合飼料価格も今年4月では、前年1月に比べ2割以上上昇しております。
また、乳牛や肉牛の飼料となります
輸入牧草の
購入価格も同様に2割から4割上昇するとともに、
コンテナ貨物の停滞などの影響で、一部の牧草では入手も困難な状況となっているほか、牧草などの
自給飼料の生産に必要な肥料や
燃料価格なども3割程度上昇しております。
こうした状況の中、
配合飼料価格の高騰に対しましては、国や生産者、
飼料メーカーが積み立てた基金から、
価格上昇分を補填する制度がありまして、県内での前年度実績では、牛や豚、鶏を飼養する90の経営体のうち、83の経営体がこの制度に加入し、加入率は92%となっております。
県では、6月
補正予算(案)として、制度に加入している
畜産農家が負担する積立金、
トン当たり600円のうち、4月からの増額分200円の助成とともに、牧草などの
自給飼料の生産に必要な肥料や燃料などの
価格上昇分に相当する10アール当たり2,000円の助成を計上しており、
畜産農家等へ支援することとしております。
引き続き、
飼料価格の動向などに注視するとともに、
畜産経営の安定化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
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山本委員 92%ということは、あとの8%の方は加入していないので、この支援の仕組みは受けられないということになるわけでございますね。
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岡村畜産振興班長 そうです、はい。
6
山本委員 分かりました。
この
トン当たり200円というのが、どのぐらいのレベルなのか、それぞれの業者さんによって受け止めは違うんだと思いますけれども、なるべく手厚くしてあげなければいけないところかなと思います。
それで、2つ目の質問です。この輸入する
飼料原料の価格が高騰しているため、非常に全体的に上がっているということなんですけれども、せんだって参議院の
山田俊男先生にお会いしたときに、すごく心配しているというお話を1つされました。
それは、この後、米の価格について筱岡さんからも質問があるようですけれども、去年がすごく価格が安くなって、思ったように需要が伸びなくて米が余ったという状況になりましたよね。米が余ったという状況になっているにもかかわらず、今年度の作付については、国全体としてそういうぎゅっと絞るような政策は取られずに、それぞれの都道府県で従来どおりのことでやりなさいと言われました。
「こういうことになると、山本さん、大変なことが起こる可能性があるんですよ」って、私に言われ、要するに米価が下落することをすごく心配しておられるんですね。
そのことを聞いたときに、そうであるならば、
主食用米の部分を
飼料用米のほうに転用することはできないのかということを率直に思ったわけなんですけれども、その部分について、
飼料用米への転換について、どのように考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
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津田農産食品課長 飼料用米の生産については、本県では、県内の
畜産農家の需要に応じた生産を基本に取り組むこととしており、
農業団体や富山県
飼料用米等生産利用推進協議会、これは県、
JA中央会、全農、農協等で構成をしておりますが、ここと連携をいたしまして、
県内畜産農家への
利用見込みの聞き取りや
利用拡大に向けた働きかけを行うとともに、全国の
需要動向の把握に努め、
生産拡大に取り組んでいるところでございます。
こうした中、
飼料価格の高騰から、県内の
畜産農家におきましても、
飼料用米の
配合割合を増やす意向があるということなどから、現在、令和4年産米の
飼料用米の生産につきましては、約100ヘクタール増加する見込みとなっております。
委員御指摘の令和4年産における
主食用米から、
飼料用米への転換につきましては、本県では
飼料用米や麦、大豆等の
作付拡大により
主食用米からの転換の前年比の目標としております650ヘクタールの転換が進むと見込まれていること。また、県産米の在庫量は4月末時点で、前年同期に比べまして減少していること。また、
全国段階でも
主食用米からの転換が進むと見込まれていることなどから、昨年のような
緊急転換を行う予定はございません。
しかしながら、今後も
主食用米の需要減少が見込まれることに加えまして、
輸入トウモロコシの価格の高騰ですとか、
供給不足が懸念され、
飼料用米の
利用拡大が見込まれるということから、県では、
飼料用米の
生産拡大に向けまして国の水田活用の直接
支払交付金の積極的な活用、また多収品種の
やまだわらの利用ですとか、直播栽培などの
コスト低減技術の指導に努めることとしております。
今後とも、
関係団体と連携をしながら、
飼料用米の
生産拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
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山本委員 そうすると、令和4年度産米については、特に緊急的にすることはないということでよろしいんですね。だけれども、来年度以降は状況を見て、また国の制度もということでございます。ありがとうございます。
来年度、今の
補正予算の中にもこの
飼料生産資材価格高騰緊急支援事業と、先ほど言われた10アール当たり2,000円というものが入っています。これは、
飼料生産に必要となる
生産資材経費の
価格高騰相当額を支援ということになっていて、燃料や、肥料だとかの分は面倒見ましょうということになっていますが、
飼料用米の拡大には特別な投資というか、機械が必要と聞いていまして、
飼料用米を飼料にするには、砕かなければいけないということで、そのための機械に対して、やっぱり
設備投資が必要になってくるんだということをお聞きしたことがございますので、来年度以降、そうした
設備投資などに支援をしていくべきではなかろうかと考えるんですけれども、そこの点についてお聞きしたいと思います。
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岡村畜産振興班長 県内での
飼料用米の利用を一層促進するためには、委員御指摘のとおり、
飼料用米の保管や給与のための施設や機械の整備が必要であると考えております。
このため、県では、平成26年度から29年度にかけまして、牛や豚、鶏を飼養する全ての
畜産農家や
耕種農家等を対象に
飼料用米の
利用拡大に必要な施設や機械の整備に対しまして、事業費の3分の1を助成してきております。
この事業によりまして、保管施設5棟や破砕機4台などを整備しておりまして、こうした取組もあって、県内での昨年度の
飼料用米の利用量は約5,300トンと4年前の1.3倍にまで増加しております。
県といたしましては、事業費の2分の1を助成するより補助率の高い国の
畜産クラスター事業を活用いたしまして、引き続き、施設や機械の整備に支援することとしております。
併せまして、家畜の発育に応じた
飼料用米の
配合割合などの
給与技術の指導や需要と供給のマッチングなどに取り組むことで、
飼料用米の一層の
利用拡大が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
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山本委員 すみません。先ほどの青沼さんの話なんですけれども、青沼さんに聞いておりますと、牛にやるときは、確かに米だと潰してやらないと食べないんだと。だけれども、この刈った稲を、稲ごとやると、食べるということで、それは飼料になるということなものですから、牛に限ってなのかもしれませんが、そういうことを聞くと、農家さんのコストも、
飼料用米はもうからないということを聞きますけれども、手間も省けて、コストも省けて、飼料にもなるのなら、そういうやり方をWCSという名で聞いたんですけれども、そういうようなことも、もうちょっと考えてみればどうかなと、進めてみたらどうかなと思うのですけれども、どうでしょうか。
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岡村畜産振興班長 WCSは、イネホールクロップサイレージの略でございまして、稲発酵粗飼料とも呼ばれております。
稲の実が完熟する前の黄熟期に実と茎、葉を一体的に収穫し、丸ごと乳酸発酵させた飼料のことで、水田で栽培しやすく、栄養価や牛の嗜好性も大変高いことから、良質な
飼料作物として全国的に
作付面積が拡大しております。
県では、これまでに
飼料用米と同様、
稲WCSにつきましても、収穫や調製に必要な機械の導入に対しまして、
畜産農家への助成を実施してきたところであります。
こうした取組によりまして、県内での昨年度の
作付面積は5年前の約1.2倍の452ヘクタールまでに拡大しておりまして、乳牛や肉牛の飼料として給与されております。
県としましては、
稲WCSの一層の
利用拡大のため、国の
畜産クラスター事業などを活用して、引き続き、作業機械の導入に支援するとともに、
飼料用稲専用品種の普及、
給与技術の指導などに取り組むことで、
飼料自給率と
生産コストの低減を図っていきたいと考えております。
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山本委員 今、飼料用の自給率の拡大というお話がございました。これだけ、かなり厳しい状況になっていますので、そういうことがまた進んでいくように、努力していただきたいと思います。ありがとうございました。
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庄司委員 3問予定しておるんですが、1問だけ6月補正に関わる質問ありますので、お尋ねしたいと思っております。
肥料高騰対策についてであります。現在、国内の
肥料価格については、6月から10%から90%値上げが予想されています。世界的な
原油価格の高騰や肥料の需要の拡大、そしてまたロシアや中国の輸出制限に伴いまして、令和4年3月に値上げが行われたばかりというところなんですが、その後、
ウクライナ情勢を受けた関係国からの原油・天然ガスや
肥料原料の
供給途絶の懸念から、そしてまた円安がさらに進行したということで、これまでの価格帯を維持することが大変厳しくなっています。
今回、6月補正では、
ヘアリーベッチなど、緑肥で窒素成分を賄いまして、施肥量を減らす、そういった取組を進めていかれるということなんですが、ちょっと現場で話を聞いておりますと、作業を進める上で課題が多いと。実際、
ヘアリーベッチを播種しても、ロータリーに絡まったりだとか、いろいろと絡まないように、今度、機械を入れて刈り取る機械をまた導入しなければいけないだとか、いろいろ課題も多いと聞いています。
ただ、
食料安全保障の観点から、こういった肥料の
価格高騰の影響、これを受けにくい
生産体制をつくっていくことは、非常に大事だと思っていますし、食料の
安定供給、これを確立していく上でも、生産者に普及していくことは重要であると考えております。どのように取り組まれるのか、雄川
農業技術課長にお伺いいたします。
14 雄川
農業技術課長 委員から御指摘がございましたとおり、今後、県内の生産者に供給されます
肥料価格の高騰が
農業経営を圧迫することが懸念されております。
農業生産、ひいては食料の
安定供給を行う上で、作物に必要な養分を肥料として農地に投入することは、欠くことのできない技術であり、
輸入原料に依存する
化学肥料の削減と、
代替技術の普及が求められております。
このため、県では、国の令和3年度
補正予算の
肥料コスト低減体系緊急転換事業を活用した
土壌診断、またドローンを活用した緑肥の播種、堆肥の活用など、地域での課題に応じた
肥料コスト低減技術の実証に取り組まれるよう、まずはJA等への周知に努めてきたところであります。
また、これまでも、
土壌診断に基づく施肥量の適正化、堆肥等の
有機物資源の活用、施肥量が少なく環境に優しい富富富の
面積拡大に取り組んできたところでありますが、堆肥の確保が困難な地域もありますことから、これらに加えて本議会に予算案を提出しております
緑肥作物の活用を推進することとしております。
委員御指摘のとおり、技術の導入には課題もございます。その推進に当たりましては、緑肥をすき込む前に粉砕する機械、これはトラクターの後ろにアタッチメントとしてつけますフレールモアという機械でございますけれども、そういった機械の利用について、まずは地域内での調整に努めていただくよう、働きかけますとともに、また、その
緑肥作物の生育量に応じた後作での
化学肥料の削減量、こういった技術面でも情報提供に努めていきたいと思っております。
さらに、生産者に対する
影響緩和策としては、6月7日に閣議決定された骨太の方針において、
肥料価格急騰への対策の構築等の検討を進めるとして、国における支援の方策が検討されておりますことから、引き続き、そういった国の動向等についても情報収集を行い、県内の生産者に必要な支援策が講じられるよう注視しながら
農家支援に取り組んでまいりたいと考えております。
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庄司委員 実際、現場の方と話しておりますと、実際に
補正予算が出てきておりますけれども、なかなか分かりましたと言って現場ですぐ導入できますというような状況では今現在ないと、御答弁、聞かれた皆さんそう思われたと思いますが、なるべく現場に対応できるような指導であるとか、ちょっと時間がかかると思いますけれども、進めていただきたいと思いますし、これを進めることで、やはり
化学肥料に頼らない、
減化学肥料の技術の確立であるとか、今ほど答弁いただいたように、堆肥、緑肥を使うことで、環境に優しい農業がまた広がっていくということであります。
窒素やリンなどが河川や海に流れ込まないような、そういった環境に配慮した農業がまた広がっていくことも非常に大事だと思いますので、両方向から進めていただければと思っております。どうぞよろしくお願いします。
16
薮田委員長 ほかに
付託案件についての質疑はありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑を終わります。
(2) 討 論
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薮田委員長 これより討論に入ります。
討論はありませんか。──ないようでありますので、討論なしと認めます。
(3) 採 決
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薮田委員長 これより
付託案件の採決に入ります。
本委員会に付託されました議案第81号令和4年度富山県
一般会計補正予算(第2号)のうち、本
委員会所管分ほか1件及び報告第5号
地方自治法第179条による専決処分の件のうち本
委員会所管分について、原案のとおり決することに賛成の委員の挙手を求めます。
〔
賛成者挙手〕
19
薮田委員長 挙手全員であります。
よって、議案第81号ほか1件及び報告第5号については、原案のとおり可決または承認すべきものと決しました。
2 請願・陳情の審査
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薮田委員長 次に、請願・陳情の審査に入りますが、今回はいずれも付託されておりませんので、御了承をお願います。
3 閉会中
継続審査事件の申出について
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薮田委員長 次に、閉会中
継続審査事件の申出の件を議題といたします。
本委員会の閉会中
継続審査事件については、お手元にお配りしてある申出案のとおり議長に申し出たいと思います。
これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
22
薮田委員長 御異議なしと認めます。
よって、お手元にお配りしてあります申出案のとおり、議長に申し出ることに決定いたしました。
4
県土整備農林水産行政当面の諸課題について
(1)
報告事項
根上下水道班長
・令和3年度富山県
流域下水道事業会計決算(見込み)
について
酒井経営管理課長
・令和3年度
公営企業会計決算(見込み)について
資料配布のみ
農林水産企画課
・「第17回
食育推進全国大会inあいち」における
引継式の結果等について
市場戦略推進課
・とやま
輸出コミュニティ発足式について
研究普及・
スマート農業振興班
・令和4年度の
主要作物の作付及び生育状況につい
て
(2) 質疑・応答
八嶋委員
・
北陸新幹線による
鮮魚輸送事業について
・
漏水検知器等の
試験的導入について
・
再生可能エネルギーについて
庄司委員
・
土壌診断と
施肥設計指導体制の強化について
・白線の
維持管理について
筱岡委員
・米価下落に対する支援について
・
薬用作物について
・
岩瀬スポーツ公園の
スケートボードコーナーにつ
いて
・
インクルーシブ遊具について
菅沢委員
・
富山湾岸域における緩
傾斜護岸整備(
階段護岸)
について
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薮田委員長 報告事項に関する質疑及び
所管行政一般についての質問に入ります……。
〔地震が起きた模様〕
24
薮田委員長 少し中断いたします。
〔中 断〕
25
薮田委員長 再開します。質疑、質問はありませんか。
26
八嶋委員 本当に今ほど地震ありまして、部長さんたちもし何か
緊急招集とかございましたら、質問中ですけれども行っていただければいいかなと思っております。
それで
皆さん方にちょっと質問ですね、前回、5月31日の委員会で積み残した質問がございましたので、委員長はじめ、本当に委員の
皆さん方には御配慮いただきまして、感謝申し上げたいと思います。
早速質問に入っていきます。
私からは、当初予算から2か月たっての進捗状況とか、そういったことを含めて質問させていただきたいと思っております。
まず最初に、2月定例会で、横田副知事からも取組についての発表、答弁もございましたけれども、
北陸新幹線富山駅から海の幸の輸送が始まったということでございまして、これは、富山駅の発着の新幹線ということで、つるぎに積み込んで金沢駅で折り返して、かがやきで輸送するという方法で、積込み時間等に配慮した輸送ということでございます。
これについての実績はどのようになっているのでしょうか。この前、富山県の食文化について、展望について御講演なされました伴
市場戦略推進課長にお伺いしたいと思います。
27 伴
市場戦略推進課長 昨年度は、富山湾で取れた魚をその日のうちに首都圏に届けまして、新たな需要開拓の可能性を探るということで、金沢駅積込みによりまして、新幹線輸送のモデル実証をまず昨年度はさせていただきました。
その際、県内3事業者の方々に御参加いただきまして、延べ11回輸送を首都圏までさせていただきました。都内の大手のスーパーからはリピート注文いただくなど、鮮度面で非常に高い評価をいただいたというところでございます。
一方で、金沢駅まではやはりトラック輸送ということになりますので、金沢駅まで距離のある県東部の漁港においては、新幹線に積み込むまでの利便性がちょっと課題だということで、本年2月から3月にかけまして、1事業者の方に御協力いただきながら、富山駅からの積込みを3回実証いたしました。その際、活用したのは、委員御紹介のとおり、つるぎを活用させていただいたところでございます。
その結果でございますけれども、物流面では早朝、実際、ホタルイカなんですが、滑川漁港で水揚げされましたホタルイカを朝5時にボイルして、6時頃に箱詰めしまして、7時までに富山駅に届けると、その後、つるぎに積み込みまして、そのつるぎが金沢駅まで行って、かがやきに切り替わって、そのかがやきで東京に行くんですが、それが11時過ぎに東京駅に到着ということで、実際、午後3時頃、都内のすし店10店舗でお客様に提供されております。
実際使われたお店、お客様の評価でございますけれども、握り等で御提供いただきまして、品質面で身の締りだとか、色、艶などの面で高い評価をいただいたというところでございます。
富山駅積込みでも、物流、品質の両面で支障がないことが確認されまして、特に県東部の漁港からの有効なルートに位置づけられることから、引き続き、実績を積み上げてまいりたいと考えております。
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八嶋委員 今ほど、販路について幾つか、昨年は一部デパートの鮮魚売場、それから今回はすし店という販路がちょっと出てきたわけでございます。
私らからすると、やっぱり一旦豊洲に入るのかなと思っていたんですけれども、やっぱりここら辺は流通革命という形でいえるのかなと思っております。
今後も、こういったような販路拡大について、今年度どのように取り組んでいかれるのかお伺いします。
29 伴
市場戦略推進課長 今年度、富山の魚の販路拡大に向けまして、鮮度の高さを付加価値とします
北陸新幹線を活用した首都圏への鮮魚輸送について、JR東日本さん、あるいは西日本、それぞれのグループと連携させていただきまして、富山駅積込みで別の魚種についても範囲を広げまして、この後、季節ごとに夏はシロエビ、秋はベニズワイガニなどを輸送することとしております。
その後ですけれども、取組事業者やバイヤーからの輸送時の利便性を高めるための検証、そういったことを行うとともに、制度の有効性を県内の事業者に普及していきたいということも考えております。
また、こうした取組に興味を示していただいております事業者をサポートするため、相談デスクの開設も行いますし、実際に、輸送される際には、輸送コストの助成も行っていきたいと考えております。
さらには、実需者向けになりますけれども、東京・大阪で開催されます国内最大級の水産見本市にシーフードショーというものでございますけれども、そちらに県ブースを出展させていただきまして、商流拡大を支援するなど、水産関係者と連携いたしまして、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
今後とも富山の魚の一層の魅力発信、認知度向上により、販路拡大につなげてまいりたいと考えております。
30
八嶋委員 ホタルイカ以外に別の魚種もあり、本当に盛りだくさんの販路拡大策について、今、聞きました。ぜひ頑張っていただきたいと思います。
伴課長には、この食談サロンの開催や、このほかにもたくさん展望を、今後の食料品の展望について、聞けたわけでございます。富山の食文化の伝道師として、ぜひ御期待を申し上げたいと思います。
では、次に、企業局に2つ質問ですね、お願いしたいと思います。これも2月定例会後だったんですけれども、射水市作道内で、ちょっと道路が低くなったり、また水たまりができるという状況があったので、ちょっとどうなのかなと御相談させていただいたところ、直ちに原因調査、そしてまた土木センターとの連携も本当に素早く対応していただきまして、感謝申し上げたいと思います。
幸いこのときは、漏水ではなかったということで、私もほっとしたわけでございますけれども、2月定例会で予算化されました漏水検知器など、試験的に導入するという予算、そして取組についてお話いただいたわけでございます。この進捗状況、本当一刻も早くやはりこういった検査等をやってもらって修繕して、事前に事故が起こる前にということでやっていきたいと思っておるわけでございますけれども、今後の運営について、取組状況と運営について酒井次長にお伺いしたいと思います。
31 酒井水道課長 管路からの漏水に対しましては、できるだけ早く検知しまして、効果的な補修、あるいは二次災害の防止を図る必要がございます。
このため、これまでも目視による現場のパトロール、併せて経験者による聴音棒を用いました聴音調査を実施して、漏水の発見に努めてきているところでございます。
今回、これに加えてIOTを活用した漏水検知システムを試験的に導入したところでございます。このシステムは新しいデジタル技術を用いまして、管路に高感度センサーを複数設置して、微小な音、あるいは振動を捉えて、データをすぐ送信して、データ解析によりまして、漏水の場所、あるいは程度を把握しようとするものでございます。
この4月には、富山新港周辺の重要区間に2種類の違うシステムのセンサーを合計29個設置しまして、現在、データ収集中でございます。
ただ、まだ全国的に見ましても導入事例が少ないシステムであります。本県の管路においてどのように機能するかなど、十分に検証する必要があると考えておりまして、学術面の協力を県立大学のDX教育研究センターにお願いをしております。センサーの取付けには、現場にも学生が参加して、一緒に取り付けたということもございます。企業局は、時々模擬的に漏水を発生させまして、予告なしに発生させるんですけれども、そういったことをやっております。企業が取得したデータを大学に提供しまして、大学は独自にデータ解析を進めるなど、本県の施設の状況に即した検知について、調査研究をいただいているところでございます。
このように、試験導入に当たりましては、産学官が連携して取り組んでおりまして、技術の発展や教育、人材育成の点でも意味あるものとなってございます。
今後、県立大学の見解を十分にお聞きしつつ、漏水検知システムの本格導入に向けた検証を進めてまいりたいと考えてございます。
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八嶋委員 県立大学とのコラボというか、下山学長は、本当に日本有数のセンサーの大家でございますし、プロでもございます。私も本当は、一緒に研究したいくらいで、今は工業用水なんですけれども、上下水道、そして民間の大きい施設でも役立つ研究にもなるかと思います。本当に期待していますので、ぜひ早期漏水発見に努めていただきたいと思います。
あと、企業局でもう一件です。今日は電気の決算もあったわけでございますけれども、北陸電力が
再生可能エネルギーを活用した企業向けの電気料金メニューを拡充するということで大きいニュースになっております。
特に、海外との競争力を持つためには、これから再エネを使いたいという企業ニーズが結局増えてくるだろうというふうに思うわけでございます。
富山県企業局が発電する再エネにも期待が膨らんでいるところですが、需要増に対する電力供給増への対応、あるいは北電との連携も含みますけれども、今後の見通しについて、森田電気課長に御所見をお伺いしたいと思います。
33 森田電気課長
再生可能エネルギーにつきまして、電気事業においては、水力発電所を中心に
再生可能エネルギーの開発を進めてきておりまして、現在では、太陽光発電1か所を含め、21の発電所を運営し、県内世帯の約3分の1の年間使用量に相当します再エネ電力を供給しております。
近年は、小水力発電所の建設のほか、高効率の水車ランナへの更新によりまして、供給電力量の増加を図る取組も実施しており、さらに現在着手している4つの発電所におきますリプレース工事におきまして、最新の技術を取り入れた設備を導入することによって、発電出力ですとか、年間の発電電力量の増加を図ることとしております。
具体的には、平成29年度と比べまして、リプレースが完了します令和10年度の発電能力は5.2%の増加、数字にしまして約5億4,200万キロワットアワー、そしてこれによる二酸化炭素の削減効果は年間約2万トンとなります。
これは、平均的な小水力発電所10か所に相当する規模となっております。また、北陸電力との「とやま未来創生」に関する包括連携協定に基づきまして創設した「とやま水の郷でんき」につきまして、県営水力発電所が生み出す富山県産かつCO2フリーの環境価値を付加した電気料金メニューでありますが、現在、12社、14の事業所と契約されておりまして、CO2排出削減の取組が県内企業にも一定程度浸透しているものと思われております。
今後とも、北陸電力と連携したPRに努めてまいりたいと思っております。
副委員長御指摘のとおり、
再生可能エネルギーに対するニーズは今後も増加すると見込まれておりまして、電気事業におきましても、引き続き、水力、太陽光、地熱など、本県の豊かな自然を生かした再エネ電力の拡大とそして
安定供給に今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
34
八嶋委員 ありがとうございました。御期待を申し上げて、質問を終わりたいと思います。
35
庄司委員 それでは、通告していた質問、先ほどの
肥料高騰対策にも関係しますが、ちょうど6月15日の予算特別委員会の中でも横田副知事が答弁の中で、農地の維持がこれから重要になってくるというような発言をされ、そういった意味では、私も大変共感し賛同しております。
食料自給力を高めていくということが食料の
安定供給や農地の保全、そしてまた農家がやりがいのある農業、これを持続的に進めていく、そういったことが
食料安全保障や国防にもつながっていくものであると思っておりますが、先ほど、
山本委員からの質問にもありましたけれども、肥料や飼料、そしてまた食料、これらが全て輸入に頼っているのが、我々日本の実態でありますし、農業の実態であると思っています。
世界に目をやりますと、今現在ウクライナの侵攻で、肥料が先ほどから申し上げておりますとおり不足をしております。そういうことは世界全体の食料の危機が今迫っているということとつながっていると思っています。
世界全体で食料が少なくなれば、日本に入ってくるものも少なくなるというわけなので、先ほど、富山県に限って肥料の話もしましたが、世界全体の問題であるということなので、これを国とも連携しながら、我々もクリアするように進めていかなければいけないと思っておりますが、人類の5分の2に当たる30億人が
化学肥料によって生かされているのが、今現状であるということであります。これらの肥料が大変不足しており、世界中の農家が取り合い、肥料会社もそうですが、国レベルで取り合いになっているということであります。
そういった観点から、先ほど、食料の高騰対策で、環境に優しい農業も進めていかなければならないというような質問もさせていただきましたが、それに伴いまして、
土壌診断であるとか、施肥設計の指導体制を強化することが非常に大事になってくると考えております。
この肥料に対しましては、今ほど申し上げたとおり、国際市場の影響、かなり大きく受けざるを得ない、こういった状況が続いています。
国際価格の上昇に対応して、将来にわたって国民の皆さんに良質な食物、そしてそれを
安定供給する、こういった影響を受けにくいような農業の
生産体制づくりを早急に進めることが必要になってくると思っています。
地域に適した肥料コストの低減体系の確立、そして慣行農業の肥料の低コスト化、これを進めていくには、土壌調査や
土壌診断で適切な施肥体系を生産者に指導することが重要であると考えておりますが、どのように取り組んでいかれるのか、雄川
農業技術課長にお伺いいたします。
36 雄川
農業技術課長 県では、これまで農業研究所において、県内56地点を定点といたしまして、5年ごとに土壌調査を実施し、土壌中のリン酸やカリなどの肥料成分の蓄積状況を分析、評価いたしまして、土壌区分別の施肥基準や県全体の土づくり対策の方針を策定し、生産者への栽培技術指導に活用しております。
また、各地域のJAや農林振興センターにおいて、地域ごとに土壌中の肥料成分の蓄積状況を適正に診断し、過不足のない施肥設計に見直していただくため、平成29年3月に
土壌診断マニュアルを作成しております。
このマニュアルでは、
土壌診断項目の解説、土壌採取の留意点、
土壌診断の方法、診断結果に基づく対策などを分かりやすくまとめており、県内のJAや農林振興センターの指導資料として活用されています。
各地域では、JA単位で地域の実情に応じ、定期的に
土壌診断を行っておりますが、今年度につきましては、4JAにおいて、先ほども御紹介いたしました国
補正予算の
肥料コスト低減体系緊急転換事業などを活用し、土壌の診断とその結果に基づく施肥設計の見直しに取り組むこととしております。
県といたしましては、今回のこの肥料の
価格高騰の状況なども踏まえ、JAと農林振興センターがより一層連携を図り、国や県の事業の活用、また
土壌診断マニュアルの活用などにより、
土壌診断に基づく施肥量の適正化や
化学肥料に代わる技術の1つとして、
緑肥作物の推進などによる肥料コストの低減が図られるよう努めるなど、指導体制を強化し、引き続き、農業者を支援してまいりたいと考えております。
37
庄司委員 いろいろとJAや、団体だとかで、国の事業を活用して広げていっておられるということなんですけれども、これがまた現場、もっと細かく広がるように進めていっていただければと思っておりますので、引き続き、お願いいたします。
続きまして、県道の白線の
維持管理について、これは土木部の道路課にお聞きをしたいと思っております。
今、皆さん車で走っておられて、ちょっと白線が消えているなとか、黄色の線が消えているなというところ、目に着くと思っておりますが、交通安全施設の白線については、警察が維持する追越し禁止の黄色の線があると思います。そして、また道路管理者が
維持管理をする白線があると思いますが、この白線の安全対策、これを進めていかなければならないと感じております。
今、自動車を乗り換えられる方もおられると思いますが、この自動車の安全技術が各段に高まっておりまして、車線のはみ出しを認識するような車両も多くなってきていると思っています。
人が見てもどう考えても消えているなというような道もあると思いますが、そういった人やセンサーがはっきりと認識できるような白線の整備、これを進めることは
維持管理はもちろんでありますけれども、交通安全対策にもつながっていく大変重要な部分であると思っています。
土木の方にもお話を聞いておりますと、なかなか予算というようなことであるとか、一応一巡するのにそれなりに五、六年ぐらいのサイクルを見てやっておられるということでありますし、警察にもちょっと話を聞きますと、県単予算のほうでまた同じぐらいの予算を見ながら、連携しながらやっておるというような話も聞いておりますが、予算に関しては我々も一生懸命にやらなければいけないところであろうと思いますけれども、どのように取り組んでいかれるのか、二木道路課長にお伺いします。
38 二木道路課長 交通安全施設の白線などには、今ほど御紹介もいただきましたけれども、横断歩道、停止線、追越し禁止など、公安委員会が設置する道路標示、それから車道中央の白線や外側線など、道路管理者が設置する区画線がございます。
維持管理についても、それぞれが行っております。
中央線や外側線などの区画線はドライバーの視線を誘導するなど、安全かつ円滑な道路交通を確保するための重要な施設でございます。
また、御紹介もいただきました自動車の車線のはみ出しを認識するシステムがございますけれども、それがその機能を発揮するためにも区画線は重要な役割を担っているというふうに考えております。
しかしながら、タイヤによる摩耗や冬期間の除雪などの影響により、標示が薄くなるということで、県では定期的な道路パトロールや雪解け後の調査などにより、路面状況を確認し、交通量や沿道の状況も踏まえ優先度の高いところから区画線の引き直しを実施をしております。
今年度でございますが、当初予算で2億1,000万円を確保し、ゼロ県債を活用し早期発注に努めております。
富山市内では、例えば、県道富山戸出小矢部線、それから県道新湊平岡線などにおいて、実施をするということにしております。
今後とも道路パトロールなどにより、路面状況を把握するとともに、必要な予算の確保に努めまして、適時適切な
維持管理を行ってまいりたいと考えております。
39
庄司委員 地域の要望に全て応えるのはなかなか大変だとは思いますが、なるべく我々も予算が増えるようにまた頑張っていきますので、ぜひ一緒に取り組んでいきたいと思います。御協力またよろしくお願いします。
40 筱岡委員 まずは、報告にもございました、昨日引継ぎされた食育推進全国大会が、今度、1年後に富山県で開催されるということで、誠にうれしく思うところでございます。
昨年私が質問して、そういう答弁をいただいたわけでございまして、なおさらうれしいところでございます。ぜひ、また頑張っていい大会にしていただきたいと思っております。
先ほど、肥料や飼料とかのことについてお話がありました。今、特にロシアの影響が大きいわけですが、昨年は、米価の下落で、令和3年産米の概算金が2,000円下げられたことで、非常に農業者の方が弱っている中で、追い打ちを受けているんですが、その米価下落に対する国のナラシ対策、あるいは、収入保険という制度がございますが、現在の状況をまずお伺いしたいと思います。
41 吉島団体指導検査班長 令和3年産米の大幅な価格低下などにより、経営環境が極めて厳しい中、まず、国の収入減少影響緩和交付金、いわゆるナラシ対策につきましては、標準的な収入額と当年産の収入額との差額の9割を補填するものでございますが、本県の令和3年産米の補填額は10アール当たり1万6,142円と、去る5月24日に国から示されました。
実際の補填額は加入者ごとに麦や大豆の収入も含めて計算されるため、麦や大豆の収入増加分等を考慮して県で試算いたしますと、県内への交付総額は20億円程度と推定され、多くは6月24日頃、遅くとも7月上旬には国から農業者へ直接交付されることになっております。
次に、収入保険につきましては、加入者の保険期間の収入金額が基準収入金額の9割を下回ったときに、下回った額の9割を上限に補填するものでございますが、事務を取り扱っている県農業共済組合によりますと、6月17日時点で県内217経営体に対して約5億1,000万円の補填金が支払われています。
これらの制度は、本県の令和3年度の水稲
作付面積の約65%カバーしておりますが、引き続き、国や市町村、農業共済組合などと連携して、制度への加入促進や円滑な運用にしっかりと取り組んでまいります。
42 筱岡委員 ナラシ対策分については、今週支払われるということで、本当に農業者にとっては、去年のマイナス分を相当分カバーできるということで、大変ありがたい制度の恩恵を何とか受けられるわけでございます。
今言われたナラシ対策は、1反あたり1万6,000円余り、単純に去年はコシヒカリ1俵で2,000円下げられたわけやね、概算金が。これ、1反当たり1万6,000円余りいうのは、1俵当たりでいえばどれぐらいをカバーするのかお伺いします。
43 吉島団体指導検査班長 制度そのものが、標準的な収入額と、令和3年産の収入額との差額の9割を補填するものでございますので、1俵で2,000円下がったとすれば、その9割が加入者に対しては補填されるということになります。
44 筱岡委員 その率のとおりだと私も認識しております。単純にいうと、2,000円下げられたけれども、ナラシ対策の場合は、加入している人は1,800円分を今週頂けると。プラス、例えば、幾つかの市町村は1反当たり2,000円出したところもあるし、今度、高岡市さんはこの議会で1,000円出すとか何とかいう、それでまた補填をしていただけるものですから、大分、そのマイナス分をカバーできるということで、大変ありがたいと思っております。ただ、先ほども皆さんおっしゃるとおり、そこはよかったんだけれども、今度は今年になってからの肥料高騰、燃料高、これでまた農業者は参っているわけで、全農も8月からかな、肥料の価格を3割、4割上げると言っているわけで、秋以降、また大変厳しくなるのかなと心配しております。
次に、
薬用作物についてお伺いします。あまり認識がなかったのですが、私の地元の中山間地、石川県境近くに論田という地域があります。
薮田委員長のところは有名な論田・熊無ですが、同じ、論田というところがございます。
そこの営農組合長は八十幾つの方ですけれども、そこの組合の名前がまたいいんですよ。山の神営農組合といって、何かそこの地名を取っているようで、すごくいい名前がついているなと思っております。県内でも1ヘクタールの薬草を栽培しているところは、あまりないとも聞いているわけでして、トップクラスとも聞いております。シャクヤクとトウキ、その2種類をやっているそうです。そこで、今、県の中山間地域チャレンジ支援事業に採択されているが、今年度が支援の最終年度にあたるということで、今後、乾燥施設とかも
設備投資したいようですが、何かいい方法がないかというような話も聞いております。県内の
薬用作物の状況をまずお伺いしておきます。
45
津田農産食品課長 お答えいたします。
薬用作物の栽培につきましては、中山間地域などの農地の有効活用や耕作放棄地の発生防止にもつながることから、県では、これまで栽培技術の改善、省力機械化栽培体系の確立、苗の
安定供給体制づくりなどに取り組んでおりまして、栽培面積につきましては、シャクヤクが平成30年度の5.8ヘクタールから令和3年度には6.9ヘクタールに、またトウキは平成30年度の0.1ヘクタールから0.5ヘクタールと徐々にではございますが、増加している状況にあります。
46 筱岡委員 そこで、最初に言ってしまったけれども、次の
設備投資に対する支援も何かないものでしょうか。その辺どうでしょうか。
47
津田農産食品課長 設備投資と併せてやはり農家の収益確保には、収量の確保ということも重要かと思っております。近年の病害の発生等によりまして、収量減に加えて収穫、乾燥、調整作業の労力が大きいなどの課題もございますので、反収の向上、省力化、新たな販路の開拓などについても進めていきたいと考えております。
このため、まず栽培面では実証圃の設置や研修会を通じました栽培技術の向上、産地を牽引する経営体を中心とした産地づくりと生産性の向上を図る機械の導入支援、また、ブランドシャクヤク春の粧につきましては、根を薬草として収穫、出荷いたしますが、3年目、4年目に切り花として出荷をして、農家の収入の確保も図れないかというふうなことで、その出荷する根の収量ですとか、薬用として有効成分への影響を及ぼさない切り花出荷方法の検討などについても進めているところでございます。
また、販売面につきましても、根だけではなくて、未利用の葉などを使った商品開発ですとか、今、ブランドシャクヤク春の粧につきましては、生根ではなく、乾燥して出荷するということで、乾燥機が必要ということだろうというふうに思いますが、そこの技術対策につきましても検討をしているところでございます。
御質問にありました機械の導入につきましても、担い手を中心とした
生産体制を図ること、生産性の向上を図るということでの導入支援も行っていきたいと思いますし、お話をしました栽培面、販売面でもいろいろ取組をしながら、県の薬用植物指導センター、市町村と連携をいたしまして、
薬用作物の生産振興に取り組んでまいりたいと考えております。
48 筱岡委員 せっかく中山間地で耕作放棄地対策も含めて頑張っておられますので、ぜひ、市と連携して、また支援をしていただきたいと思っております。
次、都市計画の関係で質問させていただきます。
10月に岩瀬の公園で、今はやりのスケートボードを試験的に設置をされるということで、大変結構なことだと思っておりますが、どうも心配なのは、昔よく学校の遊具や、公園の遊具でも、老朽化したりして、賠償問題とか、そういうことも一時問題となったことがございます。
スケートボード、若い人は大変関心が高いと思いますが、私は年のせいもあると思いますが、見ていて危なっかしいなと思ってしまうこともあるんですね。もしそこで事故で大きなけがをされたらとか、大変心配だなと単純に思うわけでございますが、その点について、小矢部土木で大変世話になった川上課長にお伺いしたいと思います。
49 川上都市計画課長 さきの当委員会で御報告しましたとおり、県では、今年度のサンドボックス予算を活用し、
岩瀬スポーツ公園におきまして、10月に開催されるイベントに併せて中央広場の一角に
スケートボードコーナーを試行的に設置しまして利用者等へのアンケートを行って、県立都市公園におけるニーズの把握、検討を行うこととしております。
試行に当たりましては、他の公園利用者との不意の接触を避けるため、利用が可能なエリアを区別する囲いを設置するとともに、利用者にはけが防止のためにヘルメットと膝当て、肘当てといったプロテクターを貸し出しまして、特にヘルメットにつきましては、必ず着用してもらうということとしております。
また、関係競技団体の協力も得まして、実施期間中はインストラクターが常駐し、安全面にも配慮した指導をしていただく予定でございます。
さらに、万が一の事故やけがにも対応できるよう、保険にも入るということとしております。
今回の試行事業では、初心者の方にも多く参加していただきたいと考えておりまして、初めてスケートボードを体験される方をはじめ、全ての利用者に安心して参加していただけるよう事故防止には十分な対策を行った上で実施してまいります。
50 筱岡委員 インストラクターが常駐されるということで、それは1つ安心だなと思いました。年齢制限は別にないということですので、私もやってみようかな。委員長は県内視察でとも言っておられますが……。
もう1つは、前年度から、これもサンドボックス枠で、ここにおられる奥野詠子議員の提案で空港のスポーツ緑地でインクルーシブの遊具の設置を、試行的にやっておられたと思いますが、その利用状況についてお伺いします。また、
インクルーシブ遊具は、障がいの有無に関わらず、あらゆる子供たちが一緒に遊べて喜ばれる遊具なら、やはり富山市だけではなく、例えば高岡市とか、東のほうにもどこか1か所とか、それぐらいバランスよく配置されるのもどうかなと思いますが、その辺どうですか。
51 川上都市計画課長 今ほど委員から御紹介いただきましたとおり、昨年度のサンドボックス予算事業としまして、昨年9月から10月までの2か月間、空港スポーツ緑地のゲートボール広場に
インクルーシブ遊具を試行的に設置しましたところ、たくさんの県民の方に利用していただきました。
アンケートの結果では95%の方が、
インクルーシブ遊具の設置に賛成されるなど、高い評価をいただいたところでございます。
その結果を受けまして、県では、昨年、試行した空港スポーツ緑地の広場に
インクルーシブ遊具を常設で設置することとしまして、来年春の一部供用をめどに現在、工事の発注準備を進めているところでございます。
委員御指摘と同じでございますが、
インクルーシブ遊具が県立の都市公園だけでなく、県下市町村の都市公園にも広がることを期待しておりまして、県では、市町村との事業に関する打合せの機会などを通じて、今回の試行事業で得られたアンケート結果や先進事例を紹介するなど、県と市町村との間で情報共有を図っているところでございます。
また、遊具の新設や更新を検討される際には、必要な助言も行っているところでございます。
昨年度の試行期間中には、県内市町村からの視察もありまして、市町村の関心の高さがうかがえたところでございます。今年4月には高岡市のおとぎの森公園において、常設としては県内初の
インクルーシブ遊具が設置されました。また、砺波市、射水市の公園でも計画が公表されたところでございます。県内市町村の公園にもこういった設置の動きが広がりつつあると感じているところでございます。
今後、さらに
インクルーシブ遊具設置の動きが県内に広がることを期待するものでございます。
52 筱岡委員 ありがとうございます。奥野詠子委員のおかげで県下に設置の動きが広まったということで、本当によかったなと。さらに設置の動きが広まるよう課長も頑張っていただきたいと思います。
53
菅沢委員 委員長、資料の配付の許可をお願いします。
54
薮田委員長 許可します。資料配付してください。
〔資料配付〕
55
菅沢委員 今日は、富山県内の海岸域における緩
傾斜護岸整備、いわゆる
階段護岸のことについて取り上げさせていただきたいと思っております。資料も配付させていただきましたので、参考にしてまいります。
私の手元には、海岸線の歴史という本がございます。20年ほど前にこういうことにちょっと関心があったもので、手に入れた本です。この本を読む機会が多いんですけれども、海岸線というのは、今日取り上げるそういう海岸の土木工事の関連だけではなくて、人々の暮らしとの関係で経済社会、文化との関係もいろいろありますし、さらには、地球物理学というか、海岸の形成についてのいろんな様々なことや、土木工学の観点からのいろいろな関心もあろうかと思います。
そして、これは前からいろいろ言い古されてきたことですが、海岸線の風景は近年非常に大きな変化を遂げてきておりまして、多くの海岸に防波堤を造って、コンクリート製のテトラポット、最近もありますけれども、埋めていけばいいかというと、それは機能だけを考えたあまり美しい風景とはいえない。あらゆる港や海岸に防波堤やテトラポットを備え、美しい海岸線をなくしてしまう日本の国土計画というのは、美観の上からばかりではなく、持続的な自然の保全の仕方や風土感の上からも考え直さなければいけないだろうというような指摘もあります。
海岸維持のために、そういう意味では逆効果になっている。テトラポットを置いておくと、そこに波が当たり、その波が引いていく際に、そのテトラポットの下の砂を削り取ってしまう。ますます砂浜が侵食されていったと。こういうことも書いてあります。このコンクリート製のテトラポットというところ、これは現実に存在しますが、これを
階段護岸と読み替えていただいてもいいんではないかと思って、ちょっと紹介しました。
この本はね、松本さんという、私と同じくらいの大学教授が昔書いた本です。
まず、ちょっとお尋ねしますけれども、実は今資料配らせていただいた1番目の1)、これは去年の6月頃からこの問題に関心がありまして、当時の二木河川課長といろいろお話合いしながら、県下における緩傾斜護岸、
階段護岸の整備状況について、河川課で作っていただいた、河川課に現地を改めて歩いていただいたのではないかと思いますよ、番号が振ってありますけれども、1の氷見の小境海岸から、18の朝日の境海岸までの調書、概略です。
そこで、改めて新たに着任された山田河川課長に県下におけるこの緩傾斜護岸、
階段護岸の整備状況について、箇所や場所、状況についてお尋ねします。
私が数えただけで18か所、総延長で29.73キロメートル、富山県湾岸域の海岸線は恐らく100キロちょっと超えるのではないかと思いますが、その3分の1近くにいわゆる緩傾斜の
階段護岸工事が実施されているという状況だと思いますが、いかがでしょうか。
56 山田河川課長 本県の海岸につきましては、富山県特有の寄り回り波ですとか、冬季の風浪、こういった自然条件が大変厳しく、これまでも甚大な被害が発生しております。
こうしたことから、高波侵食対策を推進いたしまして、県土の保全に努めてまいったところでございます。
また、整備に当たりましては、豊かな自然環境や歴史的景観の保全、浜辺景観との調和などにも配慮しているところでございます。
こうした観点の下、県内の海岸におきましては、コンクリート製の壁を立ち上げて、その前面に異形ブロック、委員御指摘のテトラポットなどございますけれども、こういったものを置く直立護岸のほか、
階段護岸を含みます緩傾斜護岸を整備しております。
委員から御紹介いただきましたとおりでございますけれども、本県の海岸延長は約147キロございます。このうち、委員御紹介のとおり約30キロメートル、表にもございますとおり18海岸におきまして、この緩傾斜護岸を採用しておるところでございます。
参考までに、このうち、河川課所管分、いわゆる国土交通省の水管理・国土保全局所管海岸と呼ばれるものでございますけれども、こちらにつきましては、氷見市の小境海岸など、10海岸で、平成27年度までに延長約14キロの整備を行いまして完了しておるところでございます。
その中身につきましては、コンクリート製のブロックを階段状、あるいは斜面のスロープに沿って並べまして、配置するという、結果、傾斜の緩やかな護岸の整備を行っているものでございます。
57
菅沢委員 海岸延長が147キロ、緩傾斜護岸が30キロといいますと、大体5分の1ぐらいが緩傾斜、
階段護岸工事が実施されているということになるわけで、相当な距離だろうと思います。今お話のように、県の土木部でいうと河川課、港湾課、そして農林水産部の水産漁港課にも関連をします。つまり、建設海岸、漁港海岸、港湾課にも関係しますから港湾海岸と、海岸には管理の主体によっていろいろあるわけです。そういうことでお話のように、建設海岸、河川課の所管等でいえば、やはり災害防護というか、大きなテーマになりますし、いろんな工事が実施され、その中に
階段護岸もあるということだろうと思います。
そこで、この
階段護岸の中で、私、調書を拝見しまして、私もこの間、昨年6月から8月にかけて、氷見海岸の5か所以外に魚津、滑川、高岡の市域等を中心にして、10か所ほど現場を見てまいりました。
その中で、例えば、この調書にもありますけれども、進入防止柵のあるもの、転倒注意看板のあるもの等々、後で議論をさせていただきますが、親水機能の観点から言いましても、安全対策の観点から言いましても、せっかくの工作物が、進入禁止や立入禁止になっている事態、私は大変問題だと見ています。今幾つか申し上げましたが、そういうところをまず確認をしておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
58 山田河川課長 緩傾斜護岸の整備におきましては、汀線といいまして、いわゆる波打ち際の線でございますけれども、これが整備によりまして、沖側、海側のほうへ出るケースが多くございます。
こうしたことから、侵食や高波による被害から県土を守るため、基本的には波の勢いをやわらげる離岸堤などの沖合施設と申しますが、これと組み合わせた面的防護方式を採用しております。
今ほども、御答弁いたしましたとおり、県内では土木部、農林水産部合わせて18海岸ございますけれども、この中で前面のほとんどで砂浜があるものが7海岸ございます。また、一部で砂浜がなくなった箇所があるというような海岸につきましては、6海岸、ほとんどで砂浜がないというものが5海岸で、合わせて18海岸でございます。
砂浜がない部分におきましては、沖合施設がないということが起因して、砂がついていない、あるいはつきにくいところですとか、波当たりが強くて波浪などによりまして、護岸の前面の砂浜がなくなってしまったところなどがございまして、こうしたところの中には、例えば、海藻が繁茂してしまって、護岸の表面が滑りやすくなっている箇所もございます。
59
菅沢委員 せっかくの
階段護岸工事の18か所の実施箇所の中で、進入禁止や転倒注意の看板が立っていたと、つまり立入りについて注意を喚起しているところや、禁止しているところが5か所近くあるということが、この調書でもはっきりしました。状況はいろいろあるようですけれども、今、砂の残っているところ、ないところ、少ないところ、その数もいろいろお話がありましたが、そのことはこれから触れてまいります。
そこで、配布した資料に私幾つか写真の添付をしております。資料開いていただくと2)、3)、4)、5)という形で8か所の写真の添付、これも河川課から頂いた18か所の中から私なりに選んだものであります。これを参考にしながらの議論になりますが、そこで、まず工事の現状といいますか、これにちょっと触れていきたいと思います。この資料にもありますように、
階段護岸の中に構造的にA・Bというのがあるわけです。Aというのは、工事着手の段階で前面に砂浜があったもの、これをA型、それから工事の段階で護岸の前に砂浜がなかったもの、これをB型というように教えていただきました。
そこで、まず、砂浜があるところの工事ですけれども、これを数えますと、18か所のうち、16か所がそのような状況になっております。これを距離でいうと、二十二、三キロあるわけでありますが、その中で、現在、工事のときには前に砂があったけれども、現在、ほとんど砂が残っていない例がこれでいうと、写真で言うと2)の写真の1番目、小境海岸ですね。これがほとんど砂が残っていない。それから、資料をめくっていただいて、写真の3枚目に雨晴海岸のマリーナ東側というのがあるんですけれども、雨晴海岸の場合もほとんど砂が残っていないと。その下の富山海岸についても、工事のときは砂があったけれども、現在、ほとんど砂が残っていないという、この3つのこの事例がございます。
せっかく
階段護岸をやる前は砂があったのものがね、その後、砂がなくなっているという、少なくなっているかもしれませんが、ほとんどなくなっている事例ですね。そして、現に今申し上げました3か所については、その後も大きな予算で養浜事業ですね。ほかから砂を持ってきて、補給するという、養浜事業というのがありますよね。現に実施されておるわけであります。
雨晴海岸には道の駅がありますけれども、そこから鉄道を渡って下へ海岸に下りていきますと、あそこの砂浜、完全に養浜でありまして、これはサンゴ礁の砂ですね。いわゆる富山湾の沿岸域の島尾とか、松太枝の砂浜なんかと違って、サンゴ礁、沖縄からでも運んできたものなんでしょう。大変目立ちます。サンゴ礁の砂ってことが、素人の私でもすぐ分かりますよ。
つまり、A型、工事のときには砂が残っていたのに、あったのにそれがなくなっているところで、巨額のお金をかけて、養浜事業をやっているという。資料を見ますと、その18か所のうち16か所ですけれども、ほとんどのところで砂浜が後退をして、減少傾向にあってね、ですから、私はまずここで工事の問題点、あなた方はどのように検証していらっしゃるかお伺いしたい。検証が必要だと思います。
この事態をどう御覧になっていらっしゃるか。どこに問題があるのかということです。このことについては、私もいろいろと資料を読み込んでおります。自分なりにこの傾斜堤、
階段護岸などの工事の中で、留意しなければらないこととして、この工事の手引というものですね、そのなかでも例えば、汀線付近において、直接砂地に構造物を設置する場合、波力に対しては有利だが、侵食や波浪による基礎地盤の変動、反射波による堤脚部の洗掘、堤脚部のここに留意しなければならないですよと、堤脚部に海藻等が繁茂して滑りやすく、海辺へのアクセスの阻害要因になりかねないということを工事の際の留意点として指摘しています。皆さんのこの工事の仕様という、河川砂防技術基準というのが解説書に書いてある。
私、何を申し上げたいかといいますと、せっかく砂があったところに構造物を造ったためにこういう現状、つまり砂が少なくなって、なくなって、しかも今は養浜事業を新たに大きな予算で実施されているという。雨晴海岸は、この間、何回も養浜事業が行われて、先ほどのサンゴ礁の砂のことを申し上げましたけれども、これも資料によると、この間3億円ですね、現に氷見の小境海岸CCZでも養浜事業が実施されております。富山の海岸で養浜事業が実施されております。
このように大きな予算をかけて追加工事が必要になると、この現状をどう課長は受け止めていらっしゃいますか。
60 山田河川課長 今、委員からもいろいろと御指摘、御紹介いただきましたけれども、先ほどの答弁と被るところはございますけれども、沖のほうに向かってどうしても緩傾斜護岸というのは出ていく傾向がございまして、もっとあった浜が少なくなることは、ケースとしては大変多くございます。
そうしたことから、それを防ぐために、面的防御方式という形で沖合施設とセットでやっているわけですけれども、これにつきましては、なかなか海岸、海岸において地形の条件ですとか、こういったものが違う中で、また波当たりの仕方、波浪の受け方、こういったものもいろいろある中で、ケースとしては浜がどんどん少なくなっていくというところが確かに見てとれるところでございます。
そうしたことから、現状とすれば、そこを何とかしなければいけないという認識でいるところでございます。
61
菅沢委員 こういう事態が発生しているということ。これは、現実に資料の写真の2枚目を開いていただきますと、資料の3、写真も3の1、これは氷見漁港海岸であります。氷見市北大町間島の例のマリノベーション事業で構築をされた
階段護岸ですね。長大でありまして、1.1キロあるわけですよ。1.1キロにわたって
階段護岸が設置をされ、これ恐らく十数億円の事業費がかかっています。
これは実は私の住宅の前の海岸で、
薮田委員長も近いんだけれども、ここに進入禁止の鉄の棒を立てられた。進入禁止がされていますよね。
何を申し上げたいかと言いますとね、ここは実は池田浜、昔から優良な海水浴場でもありまして、これは埋立てをしたところなんですけれども、砂浜が全くなくなったわけではありません。
しかし、こういう構造物を造ることによって、砂浜は完全になくなって、むしろこの構造物に沖合から波が強くぶち当たることによって、砂が奪われて、
階段護岸の下がえぐられて、先ほど申し上げた工事の手引の中にあったような事態が現実に発生しています。海藻が繁茂して滑りやすいし、この進入禁止の柵はね、これ私が強く県の土木部や土木事務所の担当者とも相談をして、現地も一緒に行ったりして、設置をされた追加工事なんですね。
ここだけではないんですけれども、あっちこっちにこういう事態が生まれているわけです。その下の写真は島尾海岸です。ちょっと暗い写真ですが、島尾海岸はまだ砂浜が5メートル、10メートル、15メートル、20メートル残っているところがあるんですけれども、松林との境界にずっと
階段護岸を1段か2段です、設置をしました。その工事を見た当時の市役所の技術者、市役所の皆さんとは仲間ですが、海岸工事について大学でも勉強をなさっておられた。河川工学を勉強なさった方なんですが、何であんなところに、いわゆる汀線からちょっと離れているかもしれないけれども、
階段護岸を造るのかと。大きな波が打ち寄せることによって、あの
階段護岸で波が止まって、砂を海のほうへ持っていく現象ですね、彼は観察をして、こういう島尾海岸のようなところであのような構造物は不適切だと。むしろ自然に松林へ波を流し込むような、そして波が引くときも、そのことによって減災されて、砂浜を守ることにつながるという指摘をしていました。私はなるほど、よく考えた議論だなと思ったことがあるのですけれども。
そういう意味では、海岸の砂浜があるところでも、このような事態になって、今、島尾海岸、松田江浜の海岸も非常に狭くなってきているわけです。砂浜の砂地が減少してきているわけですね。
工事との関係がどういうことなのかという、経年での観察があって、私が指摘ができるようなものではないかもしれませんけれども、課長、どう思われますか。
62 山田河川課長 一般的に言われております、県内もそうですけれども、日本の海岸、大変厳しい国土条件の中で、砂浜の減退というのは、全国的に言われているところでございます。
こうした中では、私どもは継続的にこういった箇所の調査、観察というものは欠かせないものと思っております。
63
菅沢委員 先ほども申しましたが、私は18の
階段護岸、そのうち工事前に浜に砂があったところに設置をした数だけでも16か所あるわけです。もう一回、しっかりと工事の関係ですね、やっぱり検証してみる必要があるのではないでしょうか。私はそのことを後で部長にしっかり求めたいと思っています。
時間がないので先に進みますが、もう1つ、先ほどのB型ですね、B型というのは護岸工事をする前から護岸の前面に砂浜がなかったところでの
階段護岸工事です。なかったところでも
階段護岸工事をやっているんですよ。その数は、私これ数えましたら、18か所の全体の中で11か所が砂浜がないところで
階段護岸工事をやっているんですよ。これで大体7.36キロあります。数えましたらね。
この11か所について、私はこんなところでは
階段護岸工事なんかをやるべきではないのではないかと思いますね。
階段護岸工事をやると、波が
階段護岸にぶつかって、そして池田浜、氷見漁港海岸では波が10メートルほど走るんです、
階段護岸沿いに。そのことによって
階段護岸の砂が洗掘されて、非常に深くなる。だからさっき言ったような鉄柵があるのですけれども、そういう現象が県下でも、私が歩きました魚津や滑川の
階段護岸の現場でも見られました。資料の写真でいうと、写真の4枚目の5)という番号の振ってある滑川の漁港海岸、魚津港の海岸、これらが先ほどの砂浜がなかったところの工事の典型ではないでしょうかね。
私は、そういう点で、こういうところは
階段護岸をやるべきではなかったのではないかと。
階段護岸というのは、親水性の追求と同時に安全対策もあることは分かっていますが、安全対策としてほかに何か手段がなかったのかどうか。その辺いかがですか。
64 山田河川課長 安全対策という点からいいますと、前面に砂浜があって、波に洗われることもないというような形のほうがなおよいのだろうとは思うのですけれども、県では、それも含めて面的防御という形で進めてきておったところでございまして、その中で対応していくということで考えているところでございます。
65
菅沢委員 よく分からない。面的防御といって。私はそんなところに
階段護岸ではなくて、ほかに防御の方策があったのではないのということを専門家であるあなたに聞いているわけです。そんなところに
階段護岸を造ったって、さっきのように、護岸の汀線のところ、海水との境界のところがえぐられて、深くなってね、現実に海藻なんかが繁茂して、滑りやすくなったりして、先ほどのように鉄柱で進入禁止の柵を作ったり、滑川の漁港でも黒部の漁港海岸でも転倒注意看板が現実に立っているところがあるわけです。
だから、そんなところにそういう構造物を造るのは不適切ではないかということを申し上げているわけです。ほかの方法はないのですか。
66 山田河川課長 護岸の形式といたしましては、冒頭でも御答弁いたしましたが、例えば、形式としましては直立堤といいまして、階段状ではない護岸のタイプももちろんございます。
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菅沢委員 確かに護岸工事には、直立型、傾斜型、混成型とかいろいろあるわけですね。だから、私、申し上げているのは、こういう海岸には緩傾斜型の階段は適切ではないのではないかということを申し上げておる。直立型もあるし、混成型もあるし、いろいろ工夫すればほかの方法で対応ができるのではないかということを申し上げています。いかがですか。
68 山田河川課長 場所によっては、現在、県内30キロほどの緩傾斜護岸を整備しておりますけれども、ほかのところに行きますと、直立堤で整備しておるところももちろんございますので、その場所の状況を見て、適応している、適応していないという判断をしているものでございます。
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菅沢委員 これは答弁になっていないので。既に11か所存在するわけですから。現実に砂浜のないところで造った
階段護岸が11か所存在するわけで、これからはそんなことをしては駄目だよということを提案しているのと同時に、現実に、存在する11の
階段護岸をこれからどのように検証して、対策をしていくのかということにつながっていく議論なんです。
実はね、私、この議論を10年ほど前にこの場でやっているんです。当時の部長は今、氷見の市長をなさっている林部長でした。この議論を林さんとやっていたときに、林さんはね、最後に答弁で、海岸の工事は難しいと、これはしっかりと調査研究したり、検証しながらやっていかないとならない課題だと思っていますと言っていました。「海岸工事は難しい」というね、彼が言ったこの言葉が頭に残っていて、私も自分の議会報告に県の部長が「海岸工事は難しい、調査研究、検証が必要だ」と書きました。あれから10年たっているんです。
部長にはこれを後で聞きたいけれどもね、この言葉は非常に印象深く頭に残っています。この間、一昨日かな、林市長とお会いしたときに、林市長、あさって議会で質問するんだけれども、あんたのこと名前出すかもしれないけれども、堪忍ねって言っておったんです。課長、あなたが座っているポストはそういう非常に大事なことを、県の土木行政の中で担っていかなければいけないわけですが、これをどう思っていらっしゃるんですか。
70 山田河川課長 少なくとも、今、前浜がなくなってきているという緩傾斜護岸があるのは事実でございまして、こういったところは、やはりいろいろと親水性、それから安全性の確保の点でやっぱり課題はあると、もちろん認識しているところでございます。
そうしたことから、いろいろと原因を調査した上で、面的防御ということを何遍も言って申し訳ございませんけれども、まず、沖合施設の整備が可能なところについては、やはりこれを離岸堤ですとか、副離岸堤というものでございますけれども、こういったものを整備していくということも考えて、やってございます。
また、それが難しい箇所もございまして、そういったところには、基礎の部分が壊されないような対策ですとか、色々な対策もやっているところでございます。
原因が突き止められるかどうかというところはあるんですけれども、しっかりと調査研究をして、対策を取っていかなければいけないと思っております。
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菅沢委員 面的防御は分かりますけれども、しかし、現在例えば、副離岸堤の建設は、これは雨晴海岸ですね、砂がどんどんなくなっていって、あそこはCCZという巨額の投資をした箇所なんですけれども、副離岸堤の対策工事、建設を今やっています。富山海岸でも今そういう対応で副離岸堤を建設するといっています。
しかし、この副離岸堤も大変巨額の投資につながるわけですね。先ほどの11の海岸について、全部副離岸堤なんてことできるわけがないんでね。幾つかはしっかり検証して、対策もやっていく必要があろうかと思います。
氷見漁港海岸なんかは今度はね、海面漁業が張りついていて、漁業調整が難しくて、そんな潜堤とか副離岸堤は難しいです。そういう中で先ほどの氷見漁港海岸のあの現状をどうしていくのかということなんですよ。
ですから、もともとその砂浜のないところで、こんな工事をしたら駄目だったのではないかという、もっとほかの対策、直立型や複合型とか、そしてそういう沖合の施設をどうしていくかというそういうことも併せて検討するような姿勢がこれから求められているということですよ。
そういう認識をしっかり持っていただきたいと思います。いかがですか。
72 山田河川課長 その点はおっしゃるとおりだと思います。現状、緩傾斜護岸につきましては、近年、整備の実績は実はないところでございまして、海岸の特性等を考えながら、そこに適した形状、形式のもので整備をしていくということで、しっかりと対応していきたいと思っております。
73
菅沢委員 ちょっと時間がないので、先急ぎますね。もう1つ大事なポイント、観点は、
階段護岸の親水機能ということについてです。現在、
階段護岸18か所ありますけれども、どの程度、親水機能が発揮され、確保されているかということが問われるわけです。どの程度確保されているのか。
実は、ここにこの資料の中に親水機能とは何か、1)から4)までの構造と景観面の配慮、周辺環境との調和ということで、親水機能が記載されています。1つは、水・海に入るということ。2つ目は水・海に触れるということ。次が、水・海に近づく。そして水・海を見るというね、私は、この親水機能というのは非常に
階段護岸の中で大事な観点だと思っていますが、ところがこの資料では、例えば、先ほどの氷見漁港海岸北大町池田浜のところは、1)の海・水に入るということは、これはもう既に鉄の柵がされているわけですから、できませんよね。そしてここでは親水機能の水に触れるということもこれはできませんよね。ですから、親水機能の3)と4)、今の池田は1.1キロにわたっては、海に近づくと、海を見ると。海に近づくと、海を見るために十数億円の投資をして、現在は鉄柵で進入禁止になっているというね。こんな親水機能を評価できますか。海に近づく、海を見るだけだったら、どこかビューポイントにベンチでも置くとか、その程度でいいんですよ。
ですから、私は、この親水機能という面でも、
階段護岸は県内全域にわたって、ここに2)という海・水に触れるという、触れるということですね。実は先ほどの写真で示した魚津と滑川の
階段護岸、私見てきましたがね、そこへ行って水に触れるという、それだって海藻が繁茂していたりね、危ないですよ。立入禁止のところもあったり、転倒防止のための指示がされたりしているわけであってね。
ですから、私は、2)の水・海に触れると、親水機能を発揮していると資料に記載されているところがここに10か所あるわけですけれどもね。この評価が本当に正しいのかどうかね、これは疑問ですね。あなた方は責任を持って、こういう評価ができるんですか。私は転倒防止の掲示や立入禁止の柵をしたほうがいい箇所があるのではないかと見てきましたがね。時間がないからあなたに聞きますが、本当の意味での親水機能というのは、海に入る、水に入る、水に触れるというところだと思うんですね。ですから、あとの見る、近づくとか、それを
階段護岸工事の親水機能に位置づけるということがね、皆さんの大きなものの考え方の中では、そうなっているのかもしれませんが、私は疑問です。いかがですか。
74 山田河川課長 私ども、護岸を整備するに当たりましては、もちろんその親水機能というものも加味するわけでございますけれども、まずは、県土保全、国土保全の観点から、守るということで整備をしてきているわけでございます。
その中で、親水機能をそれに付加したものでございますけれども、親水機能、親水性というものにつきましては、その現場、現場で、海に入るところもあれば、そうではない眺めるところもあってよいかと思っておるところでございまして、全てにおいて、海に入っていくというところまでを確保しなければいけないかというと、そこは場所場所によって検討する必要があるのではないかなと思っております。
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菅沢委員 私は、親水機能の最たる効果は、海に入る、水に触れるだと思います。単なる近づく、見る程度でね、巨額の投資をして、
階段護岸工事なんかをやる必要はありませんよ。ですから、この親水機能に関する評価は甘すぎると思っています。これはぜひ見直しをしていただきたいと思います。
そこで、最後に部長にお尋ねしなければならないと思います。部長、先ほどからね、この18か所の資料、よく作っていただきました。現場を歩いて、作っていただいて、写真まで全部撮っていただいて、私は今日、質問で活用させていただいているわけです。
現実には、
階段護岸がどういう現状かと、部長も、先ほどからの議論でお分かりいただいたと思います。
立入りができない。親水性も非常に疑問がある。砂がなくなってきていると、そういうところもありますね。そして現実にそこで対策工事が始まっているでしょう。養浜をやったり、巨額の投資をして副離岸堤を造ったり、小境では突堤を出すとか、いろいろ工夫も検討もされているわけでね。
先ほど、海岸工事というのは難しいと、よく調査研究してみる必要があるなとお話をしました。土木行政の大きな課題ではないのですか、これは。私は別に皆さん、何かまずいことをやっている、間違っていることをやっていると追求しているつもりはありませんよ。もう少し、この問題に真摯に向き合って、皆さんの今までの実績をしっかりとここに反映するように、そして、皆さんの知恵を出して、今後の行政に生かすということが私は必要ではないかと思っているんです。それで取り上げているんです。
それと、具体的にもういろんな突堤をやったり、養浜をやったり、副離岸堤をやっているわけですから、いろんなことを皆さん研究しながら、そういう対策を始めているわけですから、この18か所について、そういったことの対策がどこに必要になっているのか、私は氷見の池田浜、先ほど最たるものだと思いますと。1.1キロがああいう状態ですから。あそこだけではありません。雨晴海岸もそうです。浜黒崎、富山海岸もそうです。魚津も滑川も。そういう意味では部長、本当にこの問題について、改善というか、一歩前へ出る、そういうことのために力を発揮していただきたいと思って、今日取り上げているわけですが、いかがですか。
76 市井土木部長 まず、最初に海岸は難しいというのは、私もそのとおりだと思います。
それまでの直壁コンクリートの前面にブロックを置くという直立護岸という方法が、海と陸を隔てると。例えば、波が来ていても見にも行けないと、だから、それは単なる景色だけの話ではなく、そこの安全性にもつながることではないかというような話があって、そして、浜も使っていると、今後も使いたいというような地元の思いもあって、これまでの先輩が、直立護岸でいくのか、緩傾斜でいくのか、それとも複合型でいくのか、一生懸命地元と調整をして、また漁業者にも御意見を伺ってやってきた結果、その緩傾斜護岸というのが、今日あるものだと思っております。そこについては、まず御理解いただきたいと思っています。
しかしながら、そこに沖合施設を整備しようとすると、先ほど担当課長が申しました、砂浜があるところに緩傾斜護岸を造ったら、どういうことかというと、用地買収までして下がるということはないんです。大抵は沖合のほうに施設を張り出してやるものですから。それについては、今まで浜がなかったところ、深いところで仕事をしていくものだから、沖合施設というものを造って、波を和らげたり、砂がつくような環境を整えて、セットでやりますよと、そういうものでございますが、いろいろな関係で、そういう沖合施設というのは、漁業の営みもございます。そうした中で、護岸は造ったけれども、沖合施設ができなかった場所もございます。その一例が先ほど委員からお話のありました氷見漁港海岸の池田浜でございます。
私も、実はその後の話として、委員御指摘ありました地元の方に、4つの町内に説明して回ったら、あそこの苔のところ何とかならないのかという話を頂戴し、実際に柵を施工しました。そのときに、私、氷見土木におりました。
そういうような、先ほど富山湾特有の海象現象、要は急深になっています。しかも谷筋が川から海の中へと続いています。複雑な地形もございます。寄り回り波もございます。あと、近年では異常気象もございます。そういうことがあるものだから非常に難しくて、それはケースバイケースでその海岸、海岸に応じた整備をしていかなければいけないと思っております。
このように、なかなか難しいということで、緩傾斜護岸については28年以降着手してございません。
緩傾斜護岸につきましては、砂浜の消失であるとか、沿岸に漂う砂、漂砂と申しますが、この漂砂の遮断がないよう、地形とか環境とか、波浪、潮位の状況を十分に確認した上ではないと採用はできないと思っています。
ただ、既存の箇所はございます。先ほど申しました18の箇所で、緩傾斜護岸工事をやっております。そこにつきましては、緩傾斜である前に護岸なんです。要は国土保全で必要なものなんです。その機能を確保することを、一番に考えたいと思っております。
ですから、進捗状況を踏まえて、漁業者の皆さん、あと地元の皆さんの御意見も踏まえて可能なものは、先ほど申しました波を和らげる沖合施設というものの設置、もしくは増強を図ります。
ただ、沖合施設が設置できないところにつきましては、現在も基礎の洗掘が懸念されております。このため、そこが洗掘されないような根固工でありますとか、そういったものを置きたいと思っております。
その上で、まずは国土保全が図られるよう護岸としての機能の確保を進めてまいります。
あと、次にここはちょっと委員と意見が分かれるところですが、親水機能というのは、先ほど課長が申しましたように、4つの機能がある中で、委員はそれは違うとおっしゃいましたが、池田浜のときもそうだったんですけれども、眺めというのも非常に大事であり、ベンチを置くことも当然やっております。全線にわたって、池田浜のどこに行っても富山湾が眺められるということが非常に大事だと、地元からも私伺ってまいりました。
ということで、壁で隔てられた直立護岸にはない、「そこを眺める」ことができるということも緩傾斜護岸が果たしている役割の1つだと私は思っておりまして、池田浜の皆さんにもそれはそうだとおっしゃっていただいております。ただ、投資額としてどこまでやっていいかという議論は残ると思います。
それで、御理解を得た上で、今日の姿を迎えておるところでございまして、そこについては、まず眺望も大事だということをお伝えしたいのと、あと、水辺に近づくというお話がございました。苔があって滑るとかいう話につきましては、今後もパトロールを、海岸管理者として、土木部の職員、農林水産部の職員もやってまいります。その中で、必要があれば、先ほど委員からも御紹介ありました看板の設置、あとは、柵の設置であるとか、県民の皆様、利用いただいている皆様に危害が及ばないような措置を講じていくことは、海岸管理者の責務であると思いますので、それについては実施していきたいと思っております。
したがいまして、今後の海岸整備につきましては、先ほどの繰り返しになりますが、まずは地形の状況、海象の状況を十分に調査した上で、今後の海岸整備に臨むということ。あと、既に整備してある緩傾斜護岸についても、定期点検もやってございます。その中で、現状を常に把握することと、5年に一度、空撮で5年前と比べて海岸がどのようになっているかというような調査も行っております。
そういった調査も確認した上で、今あるものについてもきちんと監視に努めた上で、海岸管理に努めていきたいと思っております。
77
菅沢委員 時間でございますが、部長から非常に御丁寧にいろんな角度からのお話がありました。
ただ、部長、現在、既に養浜をやったり、副離岸堤をやったり、それから突堤ですね、小境では突堤を出すという。例えば、海の深さとか、波浪によって、いろいろ難しい面もあるのかもしれませんが、突堤というのは非常に砂がつく工作物としては評価があるように思っているんです。養浜だ、副離岸堤だというと、巨額の投資につながりますから、突堤なんかの設置について、この18か所の海岸線について、可能なところでもっと具体的に検討なさったらいかがですか。
78 市井土木部長 小境海岸は、委員から御紹介のありましたとおり、アラビア数字の3という形の海岸になっていて、海に向かって3が開いているような形状で海岸がつくられております。
南側については、砂がついておりますが、北側はその淵に沿って流れる沿岸流でもって流れていくものですから、私どももかつてそこを管理するものとして、当時の土木事務所の職員がスタッフで海の深さを海水浴場の期間に測っていたということもございます。非常に苦労をしておりました。
そこの中で、今御紹介いただきました突堤というものが、その隙間に砂をつけるという構造で、現在、その突堤の施工を前提にして検討を進め、地元の理解をいただき、整備することとしております。
その方策は、私も有効だと思っております。ただ、先ほど申しましたとおり、海岸によって、いろいろな複雑な地形があったり、波の流れがいろいろあると思うので、突堤が活用できるところについては、突堤の検討をして、そういった対策も含め、その海岸、海岸にふさわしい工法を選定し対応していきたいと思っております。
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菅沢委員 もう1つ、雨晴海岸の悲惨な状態ですね。あの雨晴海岸の海水浴場のすばらしさというのは、富山県民としてね、とても印象に残っています。あの雨晴海岸が今、悲惨な状態、砂浜の喪失、
階段護岸、CCZの完全な失敗事例だと思うのですけれども、なぜ副離岸堤などが当初の建設の段階から構想されなかったのか。私は、そういう点で、雨晴海岸の整備については皆さんの大きな反省があっていいのではないかなと思いますが、いかがですか。
80 市井土木部長 委員御指摘のとおり、最初から百点満点の施設整備ができればいいのですけれども、雨晴も最初に階段式護岸と潜堤の整備から始まりました。
ただ、潜堤は間隔を置いて設置していくものですから、その施設に隙間というのがございます。その隙間があるものですから、その隙間にも今後潜堤を整備しましょうよということで、施工しております。
ただ、それでもやっぱり沿岸流は止まらなかったものですから、今度は砂をつけるために、排水路を海のほうに尽き出す形で構造物を出して、この構造物で砂をためるというようなこともやっております。
と申しますのは、そのときそのときで潮の流れというのは変わります。あと、12か月を通じて一定な流れでもないわけでございまして、その状況把握というのは非常に難しくて、その都度、その都度、もちろん県の技術者も検討しますし、雨晴については国の研究所にも御相談に行って、最新の知見も習得した上で、工法を提案し、今の状況を迎えております。
ということもあって、私も、海岸は難しいというのは委員と共有しているところでございます。
〔「よく分かりました、ありがとうございます」呼ぶ者あり〕
81
菅沢委員 これで最後にします。
雨晴海岸のあの悲惨な状況については、やっぱりあなたも深刻な思いを持っておられるというのは今伝わってまいりましたが、何とか再生してくださいよ。あなたも土木部長時代にそういう方向を出すぐらいの意気込みでやってもらいたいと私は思っています。
本当に親水機能ということもいろいろちょっと意見の食い違いがあったかもしれませんが、この調書は甘いと、単なる海に近づく、海を見る機能ぐらいで親水機能がそれなりにあるなんていう評価をしていると、根本で間違いますよということを申し上げているわけです。
親水機能は非常に大事ですから、いろんな海岸でこういうふうにやったところで、海に入る、水に触れるようなことまで含めて親水機能をどう高めていくかという観点で、事業のチェック、点検をやるということを私は申し上げておるわけです。最後にこれだけちょっと。必ずしも擦れ違いではないように思うのだけれども。どうですか。
82 市井土木部長 親水機能につきましては、先ほどの4つの観点がございます。それで、最後、そこに入って泳げるという委員おっしゃったところが最終的にはゴールだと思ってございます。
ただ、その過程で眺めるというのもそこに含まれているものですから、私は委員と同じベクトルを持っていると思ってございます。
少しでも、その親水機能が高まる方向に向かって努力するというのは、海岸管理者の務めだと思ってございます。ただ、必ずしもそういかない現実もあるということを御理解いただければ幸いでございます。
83
薮田委員長 ほかにありませんか。──ないようでありますので、これをもって質疑、質問を終わります。
5 行政視察について
84
薮田委員長 次に、閉会中の
継続審査事件の調査のための行政視察について議題といたします。
まず、県外行政視察の実施につきましては、お手元に配付してあります視察案を基本として実施したいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
85
薮田委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。
なお、この決定に基づき、今後、事務を進めてまいりますが、視察先との調整において、内容の一部に変更が生じる場合が考えられますので、その変更につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。
これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
86
薮田委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。
なお、県内行政視察につきましては、必要に応じて機動的に実施していきたいと考えております。その実施に当たっての日程調整等については、委員長に御一任願いたいと思います。
これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
87
薮田委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。
以上で付議事項についての審査を終わります。
この際、ほかに何か御意見等はありませんか。──ないようでありますので、これをもって委員会を閉会いたします。
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