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09月29日-一般質問-04号

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  1. 新潟県議会 2017-09-29
    09月29日-一般質問-04号


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    平成29年  9月定例会 本会議平成29年9月29日(金曜日)  議事日程 第4号    午前10時 開議第1 第123号議案から第128号議案まで第2 請願第5号第3 県政に対する一般質問   ―――――――――――――――――本日の会議に付した案件 日程第1  第123号議案 決算の認定について(平成28年度電気事業会計・工業用水道事業会計・工業用地造成事業会         計)  第124号議案 決算の認定について(平成28年度新潟東港臨海用地造成事業会計)  第125号議案 決算の認定について(平成28年度病院事業会計)  第126号議案 決算の認定について(平成28年度基幹病院事業会計)  第127号議案 新潟県電気事業利益剰余金の処分について  第128号議案 新潟県工業用水道事業利益剰余金の処分について 日程第2  第5号 私学助成についての意見書提出に関する請願  日程第3 県政に対する一般質問(青柳正司君、高橋直揮君、笠原義宗君、中村康司君、志田邦男君、渋谷       明治君)   ――――――――☆――――――――出 席 議 員(51名)          中村 康司 君  松原 良道 君  笠原 義宗 君  高橋 直揮 君          宮崎 悦男 君  青柳 正司 君  矢野  学 君  石塚  健 君          横尾 幸秀 君  皆川 雄二 君  小林 一大 君  冨樫 一成 君          佐藤 卓之 君  楡井 辰雄 君  小島  隆 君  佐藤  純 君          桜井 甚一 君  西川 洋吉 君  岩村 良一 君  沢野  修 君          金谷 国彦 君  早川 吉秀 君  尾身 孝昭 君  柄沢 正三 君          中野  洸 君  村松 二郎 君  小野 峯生 君  帆苅 謙治 君          渡辺 惇夫 君  石井  修 君  三富 佳一 君  星野伊佐夫 君          藤田 博史 君  佐藤 伸広 君  小島  晋 君  池田千賀子 君          秋山三枝子 君  高倉  栄 君  上杉 知之 君  大渕  健 君          長部  登 君  小山 芳元 君  安沢 峰子 君  志田 邦男 君          渋谷 明治 君  青木太一郎 君  佐藤 浩雄 君  片野  猛 君          小島 義徳 君  佐藤 久雄 君  重川 隆広 君   ―――――――――――――――――議員以外の出席者 知事            米山 隆一 君 副知事           高井 盛雄 君 副知事           溝口  洋 君 副知事           益田  浩 君 知事政策局長        笠鳥 公一 君 総務管理部長        杉本 孝信 君 県民生活・環境部長     丸山 由明 君 防災局長          山田 治之 君 福祉保健部長        藤山 育郎 君 産業労働観光部長      佐久間寛道 君 農林水産部長        目黒 千早 君 農地部長          石川 善成 君 土木部長          美寺 寿人 君 交通政策局長        水口 幸司 君 会計管理者兼出納局長    山田富美子 君 病院局長          岡俊  幸 君 企業局長          小林 康昌 君 教育長           池田 幸博 君 人事委員会事務局長     長谷川 誠 君 警察本部長         山岸 直人 君 労働委員会事務局長     田村 定文 君 監査委員事務局長      本間由美子 君   ――――――――☆―――――――― △午前10時3分開議 ○議長(金谷国彦君) これより本日の会議を開きます。   ――――――――☆―――――――― △日程第1 第123号議案から第128号議案まで ○議長(金谷国彦君) 日程第1、第123号議案から第128号議案までを一括して議題といたします。 ◆宮崎悦男君 ただいま議題となりました第123号議案から第128号議案までは、審査のため企業会計決算審査特別委員会を設置し、これに付託することを望みます。 ○議長(金谷国彦君) 宮崎悦男君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(金谷国彦君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決しました。 お諮りいたします。 新潟県議会委員会条例第3条の規定により、議長は、企業会計決算審査特別委員会の委員定数を22人といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(金谷国彦君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ○議長(金谷国彦君) 次に、企業会計決算審査特別委員会委員の選任を行います。 お諮りいたします。 新潟県議会委員会条例第4条第1項の規定により、議長は、企業会計決算審査特別委員会委員を諸君のお手元に配付の名簿のとおり、指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(金谷国彦君) 御異議なしと認めます。よって、名簿のとおり指名いたします。   〔委員名簿は付録に掲載〕 ○議長(金谷国彦君) 次に、企業会計決算審査特別委員会の正副委員長の選任を行います。 お諮りいたします。 新潟県議会委員会条例第6条第2項の規定により、議長は、  企業会計決算審査特別委員会の委員長に   楡 井 辰 雄 君  同副委員長に   佐 藤 伸 広 君を指名いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(金谷国彦君) 御異議なしと認めます。よって、さよう指名いたします。   ――――――――☆―――――――― △日程第2 請願第5号 ○議長(金谷国彦君) 日程第2、請願第5号を議題といたします。 お諮りいたします。 請願第5号は、審査のため、諸君のお手元に配付の請願・陳情文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(金谷国彦君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   〔請願・陳情文書表は付録に掲載〕   ――――――――☆―――――――― △日程第3 県政に対する一般質問 ○議長(金谷国彦君) 日程第3、県政に対する一般質問を行います。 順次、発言を許します。 まず、青柳正司君の発言を許します。青柳正司君。   〔青柳正司君登壇〕(拍手) ◆青柳正司君 おはようございます。自由民主党の青柳正司であります。通告に従い、順次質問いたしますので、よろしくお願いいたします。 まず、医療政策についてであります。 米山知事は、本県の将来像を描く新・総合計画を策定し、今後、具体的施策について、県民はもとより、私たちにも丁寧な説明があるものと思います。 人口減少問題を初め、農業大県の農業施策や産業経済の発展等、多方面にわたる諸課題の解決に向けて、また、若年層が夢を持てるようなわくわく感のある県政の実現に向けて、強いリーダーシップを期待します。 知事自身、医師であり、弁護士の立場でおられることから、そうした専門分野の医療施策の取り組みを充実強化されることは、県立病院の充実を図る意味を含め、本県の特徴ある売りにつながると思いますことから、質問を何点かいたします。 まず、知事の肝いりの重要施策の一つであります医療ビッグデータについてですが、各病院の電子カルテデータを集積する際に、各メーカー機種の接続に課題があると思われます。 医療ビッグデータの活用に向け、県は新潟大学と共同プロジェクトを立ち上げる方針を示しました。県立病院のカルテなど膨大な情報を集積し、新潟大学のスーパーコンピューターで解析することで、県民の健康寿命の延伸や医療費の削減などにつなげる狙いがあるとのことですが、現在の進捗状況についてお伺いいたします。 また、早期の事業化に向けて解決すべき課題とともに、今後の取り組みの方向性についてお伺いいたします。 診療や検診情報の活用は有意義であり、その分析には重要な役割が期待されます。一方、情報の管理については、人為的ミスや外部からのサイバー攻撃等により、あってはならない個人情報データの流出の懸念があります。 医療ビッグデータの活用に当たっては、個人情報データの外部への流出がリスクとして考えられますが、どのようにセキュリティー対策を講じていくつもりなのか、お伺いいたします。 個人の医療データは、本人自身の健康状態を把握することで、食事管理を初め、運動量を理解することを通し、健康維持や改善指導の目安となることが期待されるとともに、病気の予防にもつながると考えられます。年1度程度の人間ドックでの血液検査の結果で、おおよその健康度や病気等の有無の判断材料となり、早期発見に重要な効果が示されております。血液検査の所見は、近年ますます医療の面で重要視されていることと思われるところから、お尋ねいたします。 国立がん研究センターなどが、血液検査でがんを早期に発見する新しい検査方法を開発し、がん患者等を対象とした臨床研究を実施するとの発表がありました。こうした取り組みは、がん検診に対する県民意識の向上につながるほか、県内外に医療先進地と認知されることで、人口減少対策にもつながるものと考えます。本県の県立病院でも臨床研究に協力してはどうかと考えますが、所見をお伺いいたします。 私ごとで大変恐縮でありますが、私の父は、大腸がんで亡くなりました。体調の異変から、新潟市民病院で精密検査等を受けたのでありますが、早期に発見されず、検査1年余の再検査によって初めて大腸がんと診断されました。しかし、既に病状は進んでおり、外科手術を施していただきましたが、治癒には至らず、肝臓への転移により、術後3カ月余りの命でありました。担当医師の説明では、私の父の大腸がんはまれなケースで、ほかの例より進行度が速いとのことで、私たちには、納得するには疑問があったことは、もう既に25年たった今でも記憶に新しいです。 大腸がんの精密検査は、心身ともに苦痛を伴いやすいと思われることや、症状がわかりにくい等で発見がおくれるケースが多いと聞きます。 青森県では、大腸がん死亡率を改善するため、検診を受けていない人へ便潜血検査キットを送り、希望者に内視鏡検査を行うモデル事業を今年度から始めました。がん検診の必要性の啓発と、大腸がんの早期発見につながることから、本県でも取り組んではどうかと考えますが、所見をお伺いいたします。 一昨年の9月定例会の私の一般質問でも質問いたしましたが、ピロリ菌について再度質問いたします。 水戸市の市医師会は、ピロリ菌は5歳ころまでに感染することが多く、大人になってからの感染は比較的少ない、胃がん患者の多くはピロリ菌感染による胃炎が要因と指摘し、中学生を対象としたピロリ菌検査の実施を要望した結果、水戸市では、今年度から全市立中学校の2年生を対象にピロリ菌検査を実施するとのことです。感染を早期に発見することで除菌治療を促し、胃がん発症リスクの低減につながることが期待されます。 水戸市の例を初めとして、胃がん発症リスクを高めるとされるピロリ菌については、早期の検診が望ましいことから、中高生を対象に検査費用等を助成している自治体があります。胃がん予防の一環として、本県でも取り組んではどうかと考えますが、所見をお伺いいたします。 病気に罹患した場合、本人の活動はもとより、関係者にも影響や支障が生じると思われます。とりわけ、がんに罹患しますと、心身ともに本人に重大事なことは言うまでもありませんが、少しでも負担減となる環境整備施策も、安心・安全な生活を営む上では重要と思われます。 がんになっても働き続けられるよう、事業主に配慮を求めることなどを盛り込んだ改正がん対策基本法が昨年12月に成立しました。地方公共団体は、がん患者の雇用の継続や円滑な就職に資するよう、事業主に対する啓発等の施策を講ずるものとされましたが、県では法に基づきどのような取り組みを行っていくのか、お伺いいたします。 医療を充実強化する取り組みにより、人口減対策にも効果が生まれると思います。本県も不妊治療への支援の取り組みがなされておりますことに敬意を表しますが、その前段となる取り組みについてお尋ねいたします。 東京都は、少子化対策の一環として、不妊検査費用の一部を助成する制度を今年度から始めました。不妊治療の前段階に当たる検査費用の助成は、早期の不妊治療を促す意味でも効果があると考えられます。また、子供を産み育てる環境の整備に力を入れている県であるとして認知度の向上も期待できることから、本県でも取り組んではどうかと考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、農業政策についてであります。 企業の品質管理に関する国際規格であるISO9000などの認証取得によって、その企業体質を初め、製品の信用性等のアピール力が増すものとして定着されております。一方、農業分野となりますと、まだまだ今後の課題と思われる感も少なくないように思われます。しかし、農業生産工程管理、いわゆるGAPの認証取得を促進する動きが活発化してきましたことから、お尋ねするものです。 国内の高校で初めて国際認証のグローバルGAPを取得した青森県立五所川原農林高校を初め、昨年11月には、本県の農業大学校が認証を取得したとのうれしい報道もありました。農業大県である本県にとりまして、県産農産品を国際的に発信する上で、この取り組みは重要であると思います。 2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村などで提供される食材の調達要件として、グローバルGAP等の認証取得が必要になりました。オリンピックの例に限らず、GAP認証を取得しないと国際的に通用しない時代になってきたものと考えますが、所見をお伺いいたします。 県産コシヒカリの双璧として、新之助の育成技術管理等の指導体制の取り組みの強化がなされている中ですが、この体制管理などは、いわゆる県版のGAPに相当するやもしれませんが、農薬や肥料の適正利用、事故防止など、共通する点検項目を県独自で定め、厳しい産地間競争を乗り切る手だてとなる可能性があると思われます。 既に福島県では、県が認証する公的認証GAPであるFGAPを創設しました。県産農産物の競争力を高める狙いがあると思われますが、本県ではこうした独自認証制度に取り組む考えはないのか、所見をお伺いいたします。 先日、2017年県産米の卸売価格が発表されました。60キロ当たりで、魚沼産コシヒカリ1万9,800円で、本県期待の新品種、新之助は1万9,000円とされましたが、魚沼産コシヒカリより800円安い価格は、評価が高目と思われます。 新之助をコシヒカリとの2大トップブランドとして確立していく取り組みは、米山知事を先頭に、各方面で積極的に推進しているようであります。早稲田大学ラグビー部との協定や、フィギュアスケートの浅田真央さんがコマーシャルに登場することにも期待を大にしているところです。 一方、北海道産ゆめぴりか、山形県産つや姫など、ライバルが大幅値上げをする中、今後ますます産地間競争が激化していくようであります。 本県の新しいブランド米である新之助について、他県産のブランド米が知名度を上げている中で、どのようにして首都圏の消費者に向けてアピールし、トップブランドの地位を確立していくのか、所見をお伺いいたします。 米価決定に影響し、左右する主食用米の生産調整に関連し、コンビニエンスストアでのおにぎり販売や、回転ずしチェーン等が活用しやすい業務用米に注目が集まっています。 近年、業務用米の需要が拡大しており、生産者に対して、コシヒカリから多収性品種への転換を促す必要があると考えますが、具体的にどのように取り組んでいくのか、所見をお伺いいたします。 少子高齢化で、担い手不足や技術の継承に悩まされるのは、どの産業も同じでありますが、とりわけ農業においては深刻な課題です。そうした中、明るいニュースがありました。自宅でタブレットから水田の水温や水位を確認し、タッチによって水門を開閉し、水位を調整できるようにしたり、人にかわってトマトを収穫してくれるAIロボットの開発が進められているとのことで、農業は勘や経験が物を言うところをAIで代替する取り組みは、これからの新農業として期待されます。 農業の担い手確保が困難になる中、ロボット技術やAI・IoTを活用して農作業の負担軽減や効率化を図ることで、ITに抵抗のない若い人材を呼び込むことができ、人手不足も解消できるのではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。 先日、産業経済委員会の県内視察において、新潟市北区役所が取り組みをしている事業の説明を受けてきました。海岸防風林整備の中、ロボットによる下草刈り機の実証実験や、たばこ廃作地や休耕地での新品種のサツマイモ栽培を活用した加工品開発について、質疑等を行ってきました。西区産の「いもジェンヌ」は、知名度もアップしてきましたが、北区の「しるきーも」と命名された糖度の高い品種によるスイーツ開発は、今後ますます注目が集まってくるとの思いから、お尋ねいたします。 サツマイモは、ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に含むほか、抗酸化作用や生活習慣病の予防効果があるポリフェノール類も含む機能性食品として、需要が伸びてきています。県内においても、たばこ廃作地や休耕地での栽培を推奨してはどうかと考えますが、所見をお伺いいたします。 農産品と食料を研究課題の主にして、農業の可能性を探る大学、新潟食料農業大学が、知事を初め関係各位の皆様や議員皆様の御理解のおかげで、いよいよ開学するとの報道がありました。地元住民として、心から御礼と敬意を表させていただきます。ありがとうございました。 来年4月に新潟市北区及び胎内市において新潟食料農業大学が開学します。県の農業関連施策の推進に当たり、研究活動等での連携が期待できるのではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が全国の自治体に呼びかけて、本県産木材のアピールにつながる取り組みがありました。 県では、2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村の施設に使う木材を無償提供する市町村を募集していましたが、応募状況と今後の対応についてお伺いいたします。 訪日外国人観光客が、近年、急速に増加しており、富山県、石川県、長野県、山形県の近隣県が大きく宿泊者を伸ばしている中、本県は余り伸びていないとの報道に、残念な気持ちであります。農業県の強みを生かしてはどうかとの思いから、お尋ねいたします。 農村に宿泊し、米や野菜の収穫作業を体験する農泊が、訪日外国人の人気を集めています。農泊は、地域資源をそのまま活用し、低コストで観光客を呼び込める強みがあることから、一層推進すべきと考えますが、県内における取り組み状況と課題、今後の方向性についてお伺いいたします。 次に、エネルギー政策についてであります。 下水施設から発生する資源を再生可能エネルギー資源として有効利活用することで、循環型社会の推進構築に少しでもとの思いで、私は一般質問の際、毎回のように質問させていただいておりますが、このたびも、しつこいようで恐縮でありますが、願意を酌んで、前向きな御答弁を賜りたく思います。 下水道法の改正により、民間事業者が下水道管に熱交換器などを設置することが可能になったことを受け、長野県では、民間事業者が県管理の下水道で下水熱を利用する際の手続を定めた要領を作成しました。本県においても、下水熱の利用を促進するために取り組んではどうかと考えますが、所見をお伺いいたします。 下水熱といいましても、下水そのものが年間を通して15度Cから16度Cという定温的ということではなく、そのことは地中熱をあらわしていることは言うまでもないわけでありますが、道路が通るトンネルの中は、夏は涼しく、冬は暖かく感じることと同じなわけであります。夏は冷房に、冬は暖房に活用することは、エネルギー利活用の面で有効で、その地熱を媒体する下水管の温熱利用に視点を向ける取り組みが、全国的に国の推進政策によって活発化している感があります。 下水熱の利用に関し、長野県の諏訪赤十字病院が冷暖房に利用する設備を整備するとの報道がありました。本県においても、今後、整備が予定されている施設において、下水熱の活用を検討してはどうかと考えますが、所見をお伺いいたします。 再生可能エネルギーによる発電システムについては、政府の政策誘導の取り組みの中では、太陽光発電がリードしてきた感がありますが、太陽光は天候や時間帯で発電量が左右され、安定した発電量が保てない弱点があります。一方、木くずなどを燃やして発電するバイオマス発電が収益性の高さを増加させたことで、日本全国で導入が広がってきました。 木質燃料などを使うバイオマス発電について、太陽光発電より固定価格買取制度の買い取り価格が高くなったことなどを背景に、新規参入の電力会社や商社などが新設を計画し、2020年代前半には総発電能力が現在の1.5倍となり、一般家庭900万世帯分以上の電気を賄う見通しとの報道がありました。再生可能エネルギーの中でも、今後の普及が期待できると考えますが、知事の所見をお伺いいたします。 また、県内においては、木質バイオマスの供給が課題と考えますが、安定供給に向けた対応について、あわせてお伺いいたします。 長岡市が2013年7月に導入した、家庭などの生ごみを利用したバイオガス発電は、4年が過ぎたとの報道がありました。燃やすごみと生ごみの分別収集により、生ごみを発酵、分解し、可燃性ガスを発生させて発電するシステムで、残りかすは加工し、燃料として企業などに販売するため、無駄なく100%利用できる、まさに再生可能エネルギーの利活用そのものであります。一方、燃やすごみの焼却による熱利用にも視点を置く必要があるとの思いから、お尋ねいたします。 市町村が有しているごみ焼却所の熱源を活用して発電する取り組みが広がってきています。電力の地産地消の観点からも有効な施策であり、県としても導入を後押しすべきと考えますが、所見をお伺いいたします。 先ほど、太陽光発電をいささか消極的に述べましたが、やはり太陽の恩恵の授受はありがたいことであります。売電による利益を求める一方、造語ですが、自電自消という施設整備にも視点を置くことも重要であります。とりわけ公的施設の中で、小中学校においての学習環境の整備は、特に近年、温暖化傾向の中、厳しい暑さの中での授業環境の改善は、検討されるべきものと考えます。小中学校の屋上で太陽光発電を活用し、その電力を教室の空調設備に活用した本県の例として、上越市立富岡小学校や旧安塚町立安塚中学校での雪冷房と太陽光発電を組み合わせた自然エネルギー循環システムを導入した例があります。 小中学校において学習しやすい環境を実現するため、県内市町村において、徐々に空調設備の整備が進められています。こうした電力需要への対応と環境負荷の低減を図るため、小中学校の屋上に太陽光発電を導入することが有効と考えますが、所見をお伺いいたします。 次に、県政の諸課題についてであります。 私は、前職の新潟市議のころ、十数年前から、北東アジアの中国東北地方及びロシア沿海地方との人的交流を通じ、経済交流の活性化について、幾度かの視察等を重ねながらの取り組みを通じ、新潟市長を初め当局との意見交換を重ねてきました。また、日本海横断航路についても、新潟市議会では幾度か熱心な討議がなされております。私は、県議会活動の中においても、諸先輩議員の方々との同行で視察をさせていただきました。諸先輩議員の熱意と行動力で経済交流は実を結ばれる可能性が有望と仄聞しております。 知事は、7月にロシア極東を訪問されましたが、現地視察等を通じての所感をお伺いするとともに、今後の経済交流の可能性についてどのように考えているのか、お伺いいたします。 加えて、日本海横断航路をめぐる問題については、現在、日本海横断航路のあり方検討委員会で検討がなされているところでありますが、新潟港の活性化を図るためにも航路は必要と考えます。現時点での航路の実現可能性についてお伺いいたします。 また、日本海横断航路の実現に向けては、新潟市の協力が欠かせないものと考えます。今後どのようにして新潟市との連携・協力関係を構築していくつもりか、所見をお伺いいたします。 少子高齢化が進む中、地域公共交通の存続が難しくなってきた近年、とりわけ中山間地域の過疎地域では、この問題は深刻な問題であります。 そうした中、トラックが旅客を乗せたり、貸し切りバス等が貨物を運んだりする貨客混載サービスが今月1日から解禁されました。主に人口減少が進む過疎地域を対象に、住民の足の確保と、貨物配送の効率化を図る取り組みであり、過疎地域の交通網の維持・確保につながるのではないかと考えますが、所見をお伺いいたします。 私は、ドライブが趣味の一つでありますが、自然豊かな中山間地を車で通っておりますと、とても爽やかな気分に浸ることができます。反面、人けが感じられない民家の寂しそうな姿や朽ち果てた廃屋から、急速に過疎化現象が見られる中、給油所の廃業状態も目につきます。ガソリンの残量に心配している自分が情けない反面、職務責任を感じながらハンドルを握っております。非常に難しい課題とは思いますが、災害時に燃料を供給できなくなる懸念がありますことから、お尋ねいたします。 経済産業省の調査によると、給油所が3カ所以下しかない給油所過疎地と言われる市町村数がふえています。人口減少等に伴う給油所の減少は全国的な傾向ですが、住民生活に自動車が必要な地方では、特に過疎地域において生活の利便性が著しく低下し、社会問題となっています。こうした状況についての所見と、対応策についてお伺いいたします。 最後の質問になりましたが、子育て支援や子供の貧困問題等が重要課題となっています。安倍首相が今回の国会解散理由の一つとして、消費税率10%への引き上げによる税収の使い道を見直し、幼児教育・保育の無償化など、人づくり革命に約2兆円を振り向ける方針の信を問うと表明しました。一方、知事は就任早々に、新潟県版給付型奨学金に取り組まれることを打ち上げました。まだ内容の詳細は、国の政策との整合性が検討されているところとは思いますが、お尋ねいたします。 国の給付型奨学金制度は、対象となる2万人を全国約5,000の高校等に推薦枠として割り振り、各高校等が申請のあった生徒の中から、学習成績や教科以外の学校活動等をもとに推薦者を決める方式でありますが、低所得世帯の中には、塾に行けない等により成績が上がらない生徒もおり、公平性に問題があるとの指摘もあります。新潟県版給付型奨学金については、どのようにして受給者を決定する方針なのか、所見をお伺いいたします。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの青柳議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、医療ビッグデータの活用についてですが、現在、有識者等に対するヒアリングや病院関係者によるワーキングチームの検討を行いながら、県立病院における統合データベース構築に向けて、まずは電子カルテ未導入の県立6病院における統一的な電子カルテの導入に取り組んでいるところでございます。 スタートとしてはちょっと小さいのですけれども、この6病院の事例をよく参考にしながら、より大きな制度設計ということに進んでいくという予定でございます。 また、並行してその他のデータの活用についても、情報収集を行い、事業化に向けた準備を着実に進めているところです。 なお、事業化に向けた課題としては、費用面や、議員から御指摘いただきました情報セキュリティーへの対応、また、国の動きとの整合性などについて整理が必要であり、これらの課題に対し、専門家の知見も活用しながら、庁内のプロジェクトチームにおいて、できるだけ早期に整理を行い、新潟大学との連携も含め医療ビッグデータ活用の具体化を図ってまいりたいと考えております。 ちょっと繰り返しになりますが、この手のものはやはり制度設計が非常に重要ですので、まずトライアルでやって、問題点を洗い出してから、より大きなところにというふうに考えております。多少時間がかかりますが、そこは出戻りが非常に難しいものですので、お許しいただければというふうに思っております。 次に、血液検査による新たながん検査法に関する臨床研究への協力についてですが、議員御指摘の臨床研究につきましては、国立がん研究センターを中心とした企業や大学等のグループが、血液から13種類のがんの有無を同時に診断できる検査法を開発し、今後、臨床研究が進められるものと承知しております。 本臨床研究は、既に研究計画が定められ、倫理審査も承認されてしまっているため、残念ながら新たに県立病院が参加することは、制度上、困難なものと考えております。 県立病院におきましては、これまでもがんセンター新潟病院を中心に医薬品の臨床試験に参加してきたほか、新潟大学とがんゲノム医療に関する共同研究を実施するなど先進的ながん医療の充実に取り組んでいるところであり、引き続きこれらの取り組みを通じてがん診療機能の充実に努めてまいります。 次に、大腸がんの早期発見に係る取り組みについてですが、私も50歳になりましたので、ちょうど大腸がん検診をやったところでございますが、確かに大腸がん検診は率直に、お尻を出さなければいけませんので、心理的抵抗が大きいのですけれども、ただこれは年齢になりますと、通常、大腸がんというのは進行が遅いですから、検査が非常に有効ながんですので、そういったことも含めて、意義の周知というものもまた進めてまいりたいと思っております。 本県では、がんの早期発見につなげるため、市町村と連携してがん検診の普及啓発に取り組んでおり、そういったことも含めてだと思いますが、がん検診受診率は全国より高い水準となっております。 また、がんの早期発見には、科学的根拠に基づく質の高い検診の実施が重要であることから、県医師会等と連携して、がん検診の精度向上に取り組んできたところでございます。 国の統計によると、年齢構成を調整した大腸がん死亡率は、本県では年々減少しておりますが、青森県では減少が見られず高い死亡率で推移しているため、改善を図るさまざまな取り組みを講じていると承知しております。これが議員御指摘の青森県での取り組みの、恐らく理由だろうというふうに考えております。 本県におきましては、がんのほかにも脳血管疾患による死亡も高いことから、がんを含めた生活習慣病予防対策について、今後も引き続き、市町村や県医師会等と連携して、御指摘のところも含めて、何がいいかということを含めて、総合的な取り組みを推進してまいりたいと考えております。 次に、中高生を対象としたピロリ菌検査についてですが、国においては、ピロリ菌の検査及び除菌が、胃がんにかかるリスクを低くするという研究結果が集積されつつある一方で、死亡率減少効果の検証は十分でないため、引き続き検証を行っていく必要があるとされております。これは、恐らくは数が少ないということが非常に大きい理由だとは思うのですけれども。 また、除菌には下痢や味覚異常などの不利益が報告されていることや、胃がん患者の約9割はピロリ菌感染者であるものの、感染者のうち胃がんになる人は1から2%であることなども報告されているところです。 大体、中高生ですとピロリ菌を持っている人は5%、その5%のさらに一、二%が胃がんになると言われておりますので、県といたしましては、こういった検査状況も踏まえて、胃がんの予防としての有用性につきまして、科学的根拠、また経済的な有効性というところも大変恐縮ながらあると思うので、数としては非常に少ないですので、そういった科学的知見をいろいろ研究させていただいて、今後の対応について見きわめてまいりたいと考えております。 次に、不妊検査費用の助成についてですが、本県を初めとする全都道府県では、国の制度を基本に、医療保険が適用されない高額な不妊治療に要する費用の助成を実施しております。 東京都では、これに加えて、医療保険が適用される不妊検査や治療に対する費用の助成を実施しておりますが、これは合計特殊出生率が全国平均を大きく下回っていることなどを踏まえたものと考えております。 本県といたしましても、希望する妊娠・出産を実現するための取り組みとして、不妊治療への支援は重要と考えておりますが、まずは、現行の助成制度の効果を確認しながら、不妊検査等に対する助成を含めて、よりよい支援のあり方について、今後検討してまいりたいと考えております。 本県も、合計特殊出生率が決して高くはないということも、認識しているところではございます。 次に、農業政策についてお答えいたします。 まず、GAP認証の取得についてですが、国内においては、東京オリンピック・パラリンピックを契機に、農産物の取引場面でGAP認証を求める動きが今後広がるものと考えております。 また、既に海外においては、国際認証と呼ばれるグローバルGAPが、ヨーロッパを中心に農産物の取引要件として広く普及しており、今後、県産農産物の輸出を推進していく上で、グローバルGAP等の認証取得の必要性は増大するものと考えております。 このため、県では、生産者のグローバルGAP認証取得を支援しているところでございます。 次に、県独自のGAP認証についてですが、国際的には、グローバルGAPが取引要件として広く普及しており、国内においては、国はグローバルGAPや、もしくはJGAPなどの普及を推進しているところです。 国は、各都道府県独自のGAP認証は一過性のものとしており、発展的に解消することが想定されるため、県としましては、もちろん福島県の取り組みは非常に可とするところではございますけれども、やはりJGAPや国際標準であるグローバルGAPに収れんするものと考えており、そちらの認証取得を進めるのが適当ではないかというふうに考えております。 次に、新之助のブランド確立についてですが、高いレベルで安定した食味や品質を維持するためのブランド管理の徹底と、消費者にブランドを深く理解浸透していただく取り組みが必要と考えております。 このため、生産者要件や食味・品質基準の設定・運用により、ブランド管理の取り組みを徹底した上で、コシヒカリと異なる特徴を持ち、限定感、特別感のあるお米であることをさまざまなメディアを通じて情報発信するとともに、企業コラボを積極的に進めながら関連商品をふやして、消費者の目に触れる機会を増加させるなど、情報発信源の多角化と情報量の拡大を図ることで、認知度を高めてまいります。 なお、大変光栄なことにお褒めいただいた浅田真央さんのCMは、コシヒカリはやはり浅田真央さん的なニュアンスだろうと思い、新之助はやはり男性名でもございますし、新しくできたということで、そういった形でのCMということをこれから展開させていただきたいと思っております。詳細については、出るまでは言えないということでございますが、そのように御承知いただければと思います。 次に、コシヒカリから多収性品種への転換についてですが、多収性品種の導入により、コシヒカリ並みの収入の確保が可能であることや、作期分散によるコスト低減のメリットがあることなどを生産者の方々に周知するとともに、多収性品種の種子確保に努め、転換を進めてまいりたいと考えております。 あわせて、平成30年に向けて、コシヒカリから多収性品種への種子の転換を緊急的に支援する補正予算を、本定例会においてお諮りしているところでございます。 今後も需要に応じた生産に向け、業務用米や輸出用米で多収性品種の生産拡大を進めてまいります。 また、多収性品種というのは一般消費者が使うものではありませんので、ちょっと一般消費者的なブランドとは違いますが、こちらに関しても新潟県産米の多収性品種、業務用米はやはり非常にいいという評判をいただけるように、県としても取り組んでまいりたいと考えております。 次に、農業におけるAI等の活用についてですが、AI等の農業分野での活用は、議員御指摘のとおり、農作業の効率化だけではなく、さらに品質向上、また若手の人材確保など、幅広く農業経営の発展に寄与するものと考えております。 県といたしましては、これまでも実用化された技術については、機械等の導入を支援してきたところでございますが、さまざまな技術開発が日々進められていることから、有益な情報を広く農業者に紹介するとともに、今後実用化される技術についても、本県での適応性も含め、農業者が円滑に活用できるよう支援してまいりたいと考えております。 次に、新潟食料農業大学との連携についてですが、新潟食料農業大学は、実社会に直結する食、農、ビジネスの専門的な知識・技術を総合的に学び、研究することが特徴であると聞いております。 本県農業・食品産業の発展に資する、新たな技術の共同研究や、産学官連携による商品開発などの連携が期待できるもので、同大学の開学に当たっては、具体的な研究テーマや連携方法などについて相談してまいりたいと考えております。 また、地元、青柳議員を含め、またいろんな地元的な課題等も出てくることも予想されますので、その際には、またぜひ御指導いただければというふうに考えております。 次に、農泊についてでございますが、本県では、今年度、国の補助事業を活用し、農山漁村地域での生活体験や交流を楽しむ農泊の取り組みが、10カ所のモデル地区で実施されております。 農泊による観光客の呼び込みには、誘客につながる魅力的な商品の造成と、訪日外国人を含めた観光客の受け入れ体制の整備が必要と考えております。 このため、県といたしましては、旅行業等のノウハウを生かした商品づくりへの支援や、観光客への食事や言語対応も含めた接客向上のための研修会等を行い、農泊の取り組みを推進し、農家の所得向上につなげてまいりたいと考えております。 次に、エネルギー政策についてお答えいたします。 まず、下水熱の利用を促進するための取り組みについてですが、議員の大変な熱意に敬意をまず表させていただきます。 下水熱を利用することによって、省エネルギーやCO2の削減を図ることが期待でき、地球温暖化対策への貢献などの効果もあることなどから、利活用の取り組みが必要と考えております。 県といたしましても、まだなかなかその周知がなされているエネルギーということではないと思いますので、民間事業者が下水熱を利用する際の条件や必要となる手続などの環境整備を進めて、下水熱の利用促進に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 次に、施設における下水熱の活用についてですが、現在、民間事業者が下水熱を活用している施設の事例は全国でもさほど多くなく、また、県内でも具体的な動きは、今のところはございません。 県といたしましては、下水熱の活用には、まず下水熱について理解していただくことが重要と認識しており、流域下水道の幹線管渠の位置、要は下水管の位置ということですが、下水管の位置、また流量、水温などの下水熱に関する情報や、西川浄化センターで実施している植物栽培の実証実験の結果など、民間事業者等に広く情報発信してまいりたいと考えております。 次に、バイオマス発電についてですが、議員御指摘のとおり、固定価格買取制度のもと、買い取り価格が維持されてきたことなどから全国的に導入が進み、本県でも、今月、三条市で6,250キロワットの木質バイオマス発電所が運転を開始するなどの動きが見られるところです。 地域資源を活用したバイオマス発電につきましては、エネルギー自給率や地球温暖化対策の観点のみならず、地域活性化にも資すると国も認識しており、今後も導入拡大に向けた動きが進んでいくものと考えております。 なお、木質バイオマスの安定供給に向けた対応につきましては、農林水産部長から答弁させます。 次に、ごみ焼却所の熱源を活用した発電の促進についてですが、議員御指摘のとおり、焼却施設で発生する熱源を活用することは、資源循環型社会の形成にとって重要であると考えております。県内市町村においては、焼却に伴い発生する大量の廃熱を発電や温水などで有効活用しているところもございます。 県といたしましては、国の循環型社会形成推進交付金制度の活用を含め、技術的な助言等により、市町村のこうした取り組みを推進してまいります。 次に、県政の諸課題についてお答えいたします。 まず、ロシア訪問の所感と経済交流の可能性についてですが、小島隆議員の一般質問でもお答えしたとおり、このたびの訪問におきましては、地方政府等の関係者と率直な意見交換を行い、信頼関係を築く第一歩とすることができたとともに、ロシア極東の発展の現状と、また国際的なビジネスのルールにのっとって日本と協力関係を築くことで、さらなる発展を目指している地方政府の姿勢、熱意を肌で感じることができました。 また、新潟大学や新潟医療福祉大学と交流のある医科大学の学長とも面談し、大学間の交流推進について確認したところですが、特に医療分野は関心が高く、今後の交流に期待が持てる分野であると考えております。 国レベルでも、昨年来、日ロ首脳会談が相次いで開催されるなど、8項目の経済協力プランを進める方針のもと、相互交流を積極的に進めており、県としても、ロシアとの経済交流が広がるよう、極東開発等の動向を注視しながら、官学民協力して根気強く経済協力の取り組みを進めてまいりたいと考えております。 次に、日本海横断航路の実現可能性についてですが、議員御指摘のとおり、中国・ロシアとの対岸貿易を促進する日本海横断航路は、新潟港の活性化に資するものと考えておりますが、一方で、航路の実現のためには、採算性としっかりとした事業スキーム等を検討する必要があると考えております。 県は、本年5月に日本海横断航路のあり方検討委員会を設置し、有識者の方々に航路の実現可能性を含めてゼロベースから検討していただいているところでございます。 今後、採算性に関する詳細な調査を実施することとし、関連予算を本定例会にお諮りしており、その調査結果なども活用しながら、委員会として年度末までに意見を取りまとめる予定としております。その意見を踏まえ、県として航路の実現可能性を含めた方向性を判断していきたいと考えております。 次に、日本海横断航路における新潟市との連携についてですが、日本海横断航路のあり方の検討に当たっては、新潟市にも委員会の委員として参加していただいており、検討段階から連携・協力しております。 また、委員会において航路の実現が妥当であるとの意見をいただいた場合には、議員御指摘のとおり、新潟市との連携・協力は欠かせませんので、ぜひ定期的な情報共有の場を持つなどにより、実施段階においても、より緊密な連携・協力をしていきたいと考えております。 次に、貨客混載サービスについてでございますが、人口減少が進む過疎地域では、自動車運送業の担い手不足と輸送需要の減少が深刻な課題となっていることから、国においては、旅客または貨物の運送に特化してきた従来のあり方を転換して、新たにサービスのかけ持ちができる貨客混載サービスの導入を決めたところでございます。 県といたしましては、効率的な運送が可能となることで、過疎地域等における人流・物流サービスの持続性が確保されるものと期待しております。 一方、事業者間の連携や採算性などの課題のほか、旅客と貨物を一緒に運送することから、これまで以上に安全面に留意する必要があるものと考えており、地域の実情に応じて対応していくことが必要であると考えております。 次に、過疎地域における給油所等の減少についてでございますが、人口減少や高齢化の進行に伴い、給油所など日常生活に必要な施設の撤退が進むことは、過疎地域の生活の利便性が低下するとともに、さらなる過疎化の進行にもつながるおそれがあり、重要な問題であると認識しております。 県といたしましては、市町村や地域住民が、給油所など日常生活に必要な施設を維持するための取り組みを行う場合には、他地域の取り組み事例の紹介や関係者間の調整を初め当該取り組みに係る計画策定などを支援してまいりたいと考えております。 議員御指摘のとおり、非常に深刻な問題ではあるのですけれども、同時に民間の商業施設でございますので、直接というのは現時点ではなかなか難しく、たださまざまな取り組みの先進事例等もございますので、現時点ではそういった先進事例等々をいろいろ御紹介させていただいて、住民の取り組みを支援するということになろうかと考えております。今後については、またさらに検討を深めさせていただきたいと考えております。 次に、県の給付型奨学金の受給者決定方針についてでございますが、現在、生活保護世帯や住民税所得割非課税世帯の生徒で、一定の学力や資質基準を満たす者などを対象とするよう検討しております。 議員御指摘の成績等に関しましては、有識者検討会において、教科以外のすぐれた成果をおさめている生徒も対象とすべきとの意見もあったところでございます。 県といたしましても、単に成績評定が高い者だけを対象とするのではなく、各学校ごとに教科以外の学校活動等の成果や、課題を克服した経験などの成長過程、進学の意欲・目的などもあわせて評価することも必要であると考えておりますが、一方で、恐縮ながら、奨学金はあくまで勉学のために受け取るものである以上、勉学への適性や意欲、これは意欲ということで評価させていただければと思っているのですが、意欲のある者に支給されるということは性質上やむを得ない部分もあるというふうに考えております。 最初から完全な制度というのはなかなか難しいと思いますが、制度趣旨を踏まえ、適正な基準のもと、また、当然一定の公平性を確保しながら、一つずつ前に進めていくことが重要であるというふうに考えております。 引き続き、意欲と能力があるにもかかわらず経済的事情により進学が困難となっている子供たちの進学の後押しとなるよう、今議会での御議論や、調査結果、有識者検討会の意見を踏まえながら、必要な予算や財源の見通しも勘案して制度設計を進めてまいりたいと考えております。 以上、答弁でございます。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕
    ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 2点についてお答えいたします。 医療ビッグデータ活用に係る個人情報データのセキュリティー対策についてですが、個人情報の保護は極めて重要であり、議員御指摘のとおり、外部への流出はリスクとして考えられることから、厳重な対策が必要と認識しており、現在、医療システムの専門家を初めとする関係者との間で、意見交換や情報収集を行っているところです。 また、国においては、データヘルス改革推進計画の中で、セキュリティー対策を徹底するため、セキュリティー監視環境の整備やデータ活用に向けたセキュリティーガイドラインの策定などを進めているところであり、こうした国の取り組みも参考にしながら、対応を進めていきたいと考えております。 次に、事業主に対するがん患者雇用等の啓発についてですが、本県では、昨年12月のがん対策基本法改正を踏まえ、ことし3月に新潟県がん対策推進計画を改定し、企業の理解不足等により、がん患者が辞職したり解雇されたりすることがないよう、事業主に対するがん患者の就労に関する啓発及び知識の普及に取り組むことを、新たに規定したところです。 県といたしましては、商工会議所及び商工会や新潟労働局などの関係各方面から御協力をいただいて、企業に向けた普及啓発に取り組んでいるところであり、今後も企業への働きかけを推進してまいりたいと考えております。 以上であります。   〔農林水産部長目黒千早君登壇〕 ◎農林水産部長(目黒千早君) 3点についてお答えいたします。 葉たばこ廃作地等でのサツマイモの栽培についてですが、サツマイモは、砂丘地での栽培適性があることから、これまでも葉たばこ廃作地や耕作放棄地などで栽培を推奨してきたところです。 議員御指摘の、健康志向などの消費者ニーズを捉えた産地づくりの取り組みは、園芸品目の付加価値向上に有効であり、県といたしましても、今後も取り組み事例の情報提供を行うとともに、栽培技術の指導や機械化による規模拡大等を支援してまいりたいと考えております。 次に、東京オリンピック・パラリンピックの選手村施設への木材提供についてですが、7市町村から申し込みがあり、先般、これらの市町村との連名で応募したところです。 大会組織委員会では10月中に事業協力自治体を内定し、今年度内に協定を締結する予定と聞いております。 また、製材品は、平成31年6月ごろに納材する予定となっております。 また、大会終了後、提供した木材が協力自治体に返却されることから、その有効利用について、今後、市町村と協議してまいります。 次に、木質バイオマスの安定供給に向けた対応についてですが、県では、大量需要に対応するため、森林組合と素材生産業者の連携を促し、共同出荷体制の構築を図るとともに、流通の拠点となる中間土場の整備を進めてきたところです。 現状では、広域に点在する産地から効率的に運搬する体制が不十分であることから、今後は、県森林組合連合会が生産者にかわって木材の集荷から運搬までを管理する仕組みづくりや、木質バイオマス専用の大型トレーラーの導入を支援するなど、低コストで安定的な供給体制の構築を進めてまいりたいと考えております。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) お答えいたします。 小中学校における太陽光発電の導入についてですが、学校で使用する電力の一部に再生可能エネルギーを利用することは、地球温暖化対策の推進や、環境教育の観点からも意義があると考えております。 小中学校の施設整備については、空調の整備を初め、環境改善や安全性・機能性の確保等に向けた事業を、学校設置者である各市町村が、優先度を判断しながら行っているところです。その際には、御指摘の太陽光発電設備の設置もなされており、県内公立小中学校における設置率は、平成27年度時点で約1割となっております。 県といたしましては、引き続き、市町村が太陽光発電設備の設置に活用できる有利な補助制度について周知するとともに、補助事業予算の十分な確保を国に働きかけてまいります。   〔青柳正司君登壇〕 ◆青柳正司君 再質問になるかどうかわかりませんけれども、2点ほど知事にお伺いさせていただきます。 まず、新之助のアピールの点でありますけれども、知事のほうから、浅田真央さんがコマーシャルに、コシヒカリということで、かわいらしい女性だから、コシヒカリが似合っているのだろうというお話がございました。そのとおりだと思います。そのとおりなのですけれども、では逆に、これは感覚の違いかもしれませんが、逆に女性ですから、あれだけすばらしい女性がすばらしい男性を見初めるといいますか、男性的なお米なのだということも、ある反面、アピール効果があるかなと思います。 女性が女性を自分で売り込むよりも、すばらしい女性が男性的な新之助を売り込むというのも一つ逆の意味で効果があるのかなと私は思っておりますので、その点についての、これは感覚的な問題でありますので、理屈ではないのですが、お聞きしたいと思います。 もう一点、ロシア訪問の件であります。 知事から、地方政府とさまざまなところのリーダー的な方から熱意を肌で感じたと。肌で感じることを私は伺いたかったものですから、それでよかったのですけれども、ちょっと踏み込んだ形で、訪問した中で経済的交流、経済が成り立つのかどうかを、これは直感的な問題でありますから、理屈でないかもしれません。そういういろんなところからのお話の中から、これは経済はやれるな、やれないなというのを知事みずから肌で感じたことを1点お伺いしたいなと思いますので、再度よろしくお願いいたします。   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの質問にお答えいたします。 多少冗談を含めてということで御紹介させていただきたいのですけれども、最初コシヒカリのPRCMをどうつくるかというときに、かねてより、これは冗談ではなく、本議会で渡辺謙さんをどうかというお話があり、私のほうから、渡辺謙さんにほかのお米を食べていただいて、娘さんに、パパ、浮気はだめよと言ってもらうのはどうかという案を出したのですけれども、それはさっぱり却下されまして、浅田真央さんになりました。 新之助に関しましては、さまざまな意見があった中で、新之助の中では、やはりこれは男性の名前だということと、主婦の方が新しいお米を決定するということで、主婦の方にアピールするPRCMという形になっております。これは、余り私の意見というよりは、複数出てきた案の中からいいものを選ぶというような形でやらせていただいております。 議員御指摘の、確かに男性が、特に新之助に関しましては、やはり決定権を持っているのは主婦の方だと思われますので、主婦の方にPRするという形になっております。 コシヒカリは、あれはあれでよかったのではないかというふうに理解しております。 ロシアのほうでございますが、議員御指摘の趣旨として、やはりロシアとは従前の経緯もありますから、本当にきちんとできるのかというような問題意識は私も持っておりました。 そこで、地方、州政府の知事や、またその担当の方とお話ししたときに、やっぱり端的に、本当に大丈夫でしょうかと、以前いろいろトラブルがあったのですがというようなお話をしたのですけれども、そのときに極めて実務的に、そういうことが確かにあったのは全然否定するのではなく、あったのは認めると。認めた上で、しかし今は大分法制度が整って、もしトラブルがあってもちゃんとリーガル的なプロセスでできるようになっているから、昔みたいに心配要らないという、極めて合理的な回答が返ってきたのです。 それは、知事だけに限らず、担当者も割にそういう回答でしたので、単に来てくれ来てくれという話ではなくて、やっぱり随分いろんな進出を受け入れなれしていて、そういうことに関してはきちんとしたビジネスルールを守って、かつ、それを解決する方法があることは重要なのだということをトップが理解されているという印象を受けました。 ですので、大分今までとは違うということは、恐らくそうなのだろうと思います。もちろんそれは話しただけなので、事実としてはわからないのですが。そういったことをNICO等も使いまして、さらに確認しながらさまざまな県内企業に周知しつつ、もちろん問題があったらそこは地方政府間でもきちんと解決していく中で、交流を深めていきたいというふうに考えております。 以上、答弁でございます。 ○議長(金谷国彦君) 青柳正司君の質問は終わりました。 次に、高橋直揮君の発言を許します。高橋直揮君。   〔高橋直揮君登壇〕(拍手) ◆高橋直揮君 自民党の高橋直揮です。よろしくお願いいたします。 経済産業省は、ことしの5月に新産業構造ビジョンをまとめました。 歴史を振り返れば、これまでも産業革命と言われる技術革新が行われ、社会の仕組みや働き方、雇用環境が変わってきました。 現在、インターネットの世界においては、我が国は海外企業と大きな差が開いている状況であります。例えば検索最大手のグーグルは、データ保存量で我が国大手の約14倍、小売のアマゾンも我が国大手の7倍となっており、今後、同じ土俵で勝負するのは困難と言われております。 日本の強みを発揮できる部分として、自動車の走行データや工場等の稼働データ、本県も今後取り組みを進めるとしている個人の健康データといったリアルデータがあり、蓄積したデータを社会に還元し、課題解決につなぐことができれば、日本に世界のプラットホームを創出できるチャンスは十分にあるとも言われております。 第4次産業革命が進む中、我が国に世界のリアルデータのプラットホームを創出するためには、どのような課題があると考えるのか伺うとともに、今後、政府として進めるべき取り組みについて、知事の所見を伺います。 そんな中、本県の地域産業の特性として、食品や清酒、金属、繊維等といった、それぞれの地域で育まれた産業が多く、高い競争力を持つ企業も多数存在しますが、新・総合計画の素案の中でも挙げられているように、県内企業の課題として、経営規模が小さく、中間財生産や下請取引を主流とする経営面で他律的な企業等が多く、十分な付加価値・利益が得にくい産業構造になっています。このような状況のもと、第4次産業革命に向け、県として、県内企業とどのように連携し、支援していくのか、知事の所見を伺います。 より豊かな社会の実現のために進められる、新産業構造ビジョンで示されている第4次産業革命と言われる技術革新には、生まれる職種と失われる職種が考えられます。オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授の論文「雇用の未来」には、10年から20年後、約47%の人の仕事がなくなると予測されています。なくなる職種があるのは、歴史的にも世の習いで、それ自体は仕方ないとも思われますし、人類の進歩と発展のために技術革新を進めないというのは間違っていると考えます。 しかしながら、社会の進化と同時に考えなくてはいけないのは、いつごろから、どのような職種が、どのくらい失われていくのか、また、新たに必要となる人材や求められる知識、経験、技術といった能力や、どの分野にどれくらいの人数が必要になるのか等といった検討も今後必要であると考えます。また、必要とされる人材の育成や確保も大きな課題となるのではないでしょうか。 現在、進められている新・総合計画において、現状認識や改善策が挙げられていますが、第4次産業革命と言われる技術革新や進化により求められる人材の育成・確保策などについても盛り込み、早急に取り組みを進めていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 当然ながら、AI、IoT、ビッグデータ等の普及促進など、技術革新による効率化が進むことによって、雇用の環境も変化していくことが予測されます。逆に失われる職種など、負の側面についての検討、例えば雇用減少とはならない政策面の手当てや、働き方に及ぼす影響についても対応が必要であると考えますが、知事の所見を伺います。 生産性を向上させるための対策として、人材不足、グローバル化、格差拡大、技術革新などの環境変化に対応するには、多様な人材や人的資源の育成による高い生産性の発揮が求められます。日本の労働生産性は、国際比較においても先進国中、低いとされており、2015年の1人当たり労働生産性はOECD加盟国中で22位となっております。主要国との差とされるのが、サービス業の生産性の低さが指摘されており、製造部門を除いたホワイトカラーの生産性の低さも問題とされています。 このように、労働生産性の向上は重要な課題でありますが、一方で技術革新により生産性が上昇すれば、生産の拡大がない限り、雇用は減少することになります。生産性向上に向けた技術革新や、働き方改革の政府としての取り組みも影響してくると思われますが、新・総合計画の中で、今後、生産性の向上や雇用の確保について、8年後の目標値をどう設定し、その達成状況をどうやって検証していくのか伺います。 今後、新・総合計画については、あるべき姿と目標を明確にし、どのような施策で目標値を達成させるのかといった検討をしていく流れになるのかと思われますが、重要である政策課題の基本方向について、人的資本、人材投資、教育資本が基本理念として必要であると思います。 イノベーション人材、グローバル人材等の育成が叫ばれる今日に、人材育成の重要性を否定する人はいないと思いますが、これまでの議論においては、何を目的に、何をするべきかといった具体的な議論がされていなかったと感じております。 将来を見据え計画を進めるのであれば、政策課題の優先順位もどのように考えるべきか、そのために専門人材育成に向けた学校教育は当然ながら、それ以外の分野においても子供への投資も必要であると考えます。 教育委員会としても、現時点において、どのような人材が社会から必要とされているのかということだけではなく、将来どのような人材が必要となってくるのかということを検討し、人材育成と確保という観点において、県の教育委員会と市町村の教育委員会は連携し、達成目標を立てて進めていくことも考えられます。 先ほど述べましたが、第4次産業革命と言われる技術革新により、新たに生まれる職種と失われる職種が生じると言われており、社会に必要とされる人材も変化していくことになります。このような状況を踏まえ、今後、社会に必要とされる人材の育成・確保に向け、教育委員会としても目標や取り組みについて検討していく必要があると考えますが、所見を伺います。 また、人材の育成や確保について、市町村教育委員会と連携し、指針と目標を立てることも必要と考えますが、所見を伺います。 理想的な形として、県として小さな内閣府のような組織をつくり上げ、地域人材の育成・確保という課題を考えるべきであると思います。過去の延長線上で物事を考えず、現在の見方や考え方で課題を見ていくことが必要ではないでしょうか。 第4次産業革命により、雇用の変化や人材育成・確保が進められていく中で、2030年には生まれる仕事の雇用者数は200万人、失われる仕事の雇用者数は700万人と試算されており、このまま放置しておくわけにはいきません。現在も社会の第一線で働いている人たち、つまり社会人の学び直し対策も、労働市場では課題になるのかと考えます。 第4次産業革命を見据えた高度人材や専門人材の育成・確保を図るとともに、社会人の学び直し対策も県として推進していく必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 教育訓練の例として、新潟県建設業協会は、会員企業の若手社員のために、土木・建築基礎訓練コースを開講しています。建設業の担い手確保・育成のための地域対応でありますが、このほかの職業分野においてもこのような訓練や機会が設定され、継続されることが望まれます。また、人材が必要な分野への人材移動を容易にするため、民間と地方自治体を中心とした官側の連携も不可欠であり、職業紹介などの人材サービス会社や、自治体の活動を容認する規制改革も必要であると思います。 現在、雇用行政は国が主導しているため、県ではできませんし、情報もありませんが、今後は、地域のニーズに応じて、担い手の確保・育成や、人材が不足する分野への人材移動を進めていくことが必要であると考えます。そのためには、雇用行政は、国ではなく、県が主導的に担っていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。 2020年に小学校で必修科目とされるプログラミング教育では、プログラミング的思考、すなわち一連の活動を実現するために、どんな動きの組み合わせが必要かなどといった理論的に考える力の習得を目指すと言われております。 教育用コンピューター1台当たりの児童生徒数6.2人の現状から、パソコンやタブレット端末などのハード面の情報機器整備の問題もありますが、教える能力を有する教員が非常に限られていることから、必修化に向けて重要な課題は指導人材の育成・確保にあると思います。 2020年に導入されるプログラミング教育とはどのような内容で、どのような知識と経験を有する教員が指導を行うのか伺います。 また、現在、本県では指導できる教員がどの程度いるのか伺います。 また、プログラミング教育を指導する教員の育成について、今後、どのように取り組んでいくのかについても伺います。 このたびの新・総合計画でも取り上げております健康・医療分野のデータの利活用についてでありますが、世の中の流れであり、若い医師や看護師の増加を考えれば、電子カルテベースで診療報酬を請求するので、見落としがなくなるなど、多くのメリットを含んだ、また時代に沿った取り組みであることは間違いありません。 しかしながら、課題も山積していることも事実であります。県立病院は、電子カルテ未導入の県立6病院へのクラウド型電子カルテ導入に取り組むとともに、モデルケースとして診療情報を共有するための統合データベースの構築を進め、これらの成果や課題の検証を踏まえて、県立13病院間での統合データベースの構築を検討するとのことでありますが、入力ミスがあれば請求漏れがふえることなどから、新潟市民病院ではシステムの入れかえを行ったとも聞いております。 医師不足・看護師不足の中で、さらに仕事量の増加や、おおよそ300ベッドの病院に電子カルテを導入するとなると約1億円かかると言われていますが、そこに管理費や仕事量増加に伴う人件費、特になれない作業での非効率性や入力ミスなどがあれば、さらに経費はふえ、病院経営の観点から見た際に、どの程度採算がとれているのかが不明であるとも聞いております。 また、患者に対しても、診察の際に患者の顔を見ないでパソコンの画面ばかり見ている、患者との関係が希薄になってきているという患者からのクレームがふえたとも聞いております。 以上のような、電子カルテ導入や統合データベースの構築に当たっては、電子カルテ入力のための医師・看護師の負担増や、電子カルテ運用のための管理費増、入力作業等による診察時における患者とのコミュニケーション不足などの問題点があるとの指摘もありますが、県立病院における電子カルテ導入や統合データベース構築における課題について、知事の認識を伺います。 また、現在、県立病院の7病院では電子カルテ等を導入していますが、仕事量の増加によるミスや煩雑さが生じるなどの問題はないのか伺います。 現在、電子カルテを導入している県立病院では、医療クラークという形でコンピューター作業をしている職員もいると聞いていますが、医療情報技師と言われる専門職の職員は、現在、県立病院において何人雇用されているのか伺います。 また、今後、病院において重要となる職種だと思われ、人材育成や優秀な人材の県外流出防止などに向けた取り組みが必要と考えますが、知事の所見を伺います。 新潟市民病院は、自殺者が出たことから、仕事量が多く、ブラック企業などと言われていますが、限られた医師や看護師がそれらの作業を行うことによって、当然ながら仕事量はふえますし、専門の人員を雇用すれば、その分、人件費もかかります。 実際に全国の国立病院にてビッグデータを構築するためにクラウド化への取り組みを進めましたが、国立病院も軒並み赤字で、取り組みも滞っていると聞いております。 今後、残りの県立6病院に電子カルテを導入するとなれば、安く見積もっても6億、7億かかると思われ、さらに個人情報保護法に抵触しないクラウドなどのシステムを開発し、セキュリティーや管理などを考えれば、全部の県立病院に電子カルテを導入するのに、どれだけのお金がかかるのか予測ができません。 今後、検討を進めていく話ではありますが、県立病院の統合データベースの構築に向けて、どのような前提で試算を行ってきたのか、おおよそどれくらいの費用がかかると見込んでいるのか伺います。 現在、あたかも電子化すれば効率がよくなる、研究が進み病気が減る、ITやビッグデータと言われると反対しにくい風潮であったり、世の中の流れであったりという感はありますが、実際のところは、導入したからといって即効性のある取り組みではありませんし、県立病院にビッグデータがあるから、医師が県立病院で働くことを選ぶとも思えません。 また、データをもとに研究を目的とした医師が病院を選択するのであれば、大学病院で研究することを選ぶと思います。 仮に、そこに充てる費用があるのであれば、主要な病院にヘリポートをつくるとか、糖尿病治療のスタッフをふやすとか、同じお金を医療にかけるのであれば、そちらのほうが今後5年間の新潟県民のためになるのではないかという考えもありますが、より有効なデータベースの構築に向け、例えば、県立病院だけでなく、県内に16ある厚生連ともデータの統合を行うといったような、県として、将来的にどのような形で統合データベースの構築を進めていくのかということについて、新・総合計画の中で将来像と達成目標をしっかりと掲げるべきであると考えますが、知事の所見を伺います。 あくまでも反対しているわけではなく、言葉だけがひとり歩きし、将来的な目標とそのために必要な試算、多くの課題が不明瞭であると感じております。どのような過程で取り組みを進め、何年をかけて、どのレベルまで到達することを望むのか、民間との連携や、県のどこの部局が県全体を束ねていくのか、県民にわかりやすく示すことを望みます。 また、新・総合計画には、医療の喫緊の課題として、地域医療を担う医師・看護職員の確保が挙げられております。現在、県全体で現状約600人の医師が必要とされております。県が行っていることとして、新潟大学の地域枠をふやしたり、医学生等に修学資金を援助することなどを行っていますが、医者になった後、新潟県で医師として働いてもらうために、どのような仕組みを事前に構築していくのかということを考える必要があると思います。 例えば、新潟大学医学部の定員は、現在、127名となっていますが、以前は100名でした。その際の本県出身の医学生は約3割程度で、その後、定員を増加させましたが、どの程度まで本県出身の医学生がふえたのか、まずは本県出身の学生が医学部を目指す、その数をふやすことが重要であると考えますが、現在の定員に増加した後、新潟大学医学部医学科に入学した学生に占める本県出身学生の割合の推移をお伺いするとともに、他県の大学への進学者も含め、本県出身の医学部医学科への進学者数の推移について伺います。 また、高校及び中等教育学校卒業生に占める医学部医学科進学者の割合について、全国と本県の状況を伺います。 また、教育委員会ではメディカルコースを設置していますが、成果と課題及びそれを踏まえた医学部医学科進学者の増加に向けた今後の取り組み方針について伺います。 全国的にも医者が足りないと言われていますが、学生に医学部を目指してもらえるようにインセンティブを与えていくことも重要であると考えます。その次に、県内高校を卒業して医学部を卒業した後、どうやって県内病院で働くことを選んでもらえるか、また流出を食いとめるか、さらに言えば、仮に6割程度、県外学生が新潟大学医学部にいるのであれば、その学生からどれだけ本県に残ってもらえるかなどを考える必要があると思います。 また、現在県外で医師として働いている人をどうやって本県の病院で働いてもらうかという医師確保については、現在、病院局としては民間のリクルート機関への依頼や、自分たちでPRして働いてもらっているのが実情で、どちらかといえば受け身の手法しかしていないように感じています。 そういった意味で、臨床研修医の確保は重要な課題であると思います。本県の臨床研修医の人数は80人から100人程度で推移しており、そのうちIターン・Uターン者は約半数という状況です。このような状況についての知事の認識を伺います。 また、臨床研修医をふやしていくためには、Iターン・Uターンを増加させる取り組みが必要と考えますが、知事の所見を伺います。 若者が県外に出てしまえば、なかなか戻りません。できるだけ県内で進学してもらえることが必要であります。 また、純粋に医師の数をふやすことだけではなく、診療区ごとの医師をふやすことも重要であります。 例えば、産婦人科医や小児科医など、なり手が少なく、お産のできる病院も徐々に限定されてきております。県立でいえば、加茂病院は随分前に閉じられておりますし、数年前には吉田病院も産科を閉ざさざるを得なかった状況です。県央地区でいえば、現在、新潟県済生会三条病院のみとなっていますが、それも県央基幹病院ができるまで保てるかわからない状況であり、それでも民間クリニックがあるから、いいではないかという中で、それが上越であれば上越中央病院であったり、魚沼であれば魚沼基幹病院でしかお産ができない医療体制で果たしていいのかということも検討していくべきであると考えます。 公的病院であれば、1人の医師に係る地域住民の数を考えれば、医療事故を起こさないためですとか、過重な勤務体制にならないようになどを踏まえ、安全な人員の医療体制が求められるわけであり、その中でも周産期医療の体制は、今後、重要になってくると思われます。 平成26年の産婦人科・産科の医師数は159人で、10年前と比較して7名増加しているものの、全国41位と少ない状況にあります。また、先ほども申したとおり、産科が閉鎖される事例も生じています。 このような現在の本県における周産期医療体制に対する知事の認識について伺うとともに、今後、産婦人科・産科の医師確保に向けた方向性について伺います。 通常の医療以外にも、発達障害や心身症の分野など、あらゆる分野が含まれる小児科医においても、なり手が少なく、勤務環境は厳しいとも言われています。小児科医については、10年前と比較すると20名ほど増加していますが、産婦人科医と同じく、全国33位と少ない状況にあります。現在の小児科医の確保状況に対する知事の認識について伺います。 産婦人科や小児科など、特定の診療科の医師不足を解消する方法の一つとして、さまざまな症状の患者を診察できる総合診療医を確保していくことがあると思います。 平成30年4月から実施される専門医制度において、総合診療医が創設されることになっています。医師不足が深刻な本県において、総合的・横断的な医療を提供する総合診療医の確保が重要な課題であると考えますが、知事の所見を伺います。 ことし3月からドクターヘリが2機体制となりました。緊急の場合も対応できる体制が整ったと思いますが、ドクターヘリが出動する事態に対応できる専門の医師・看護師の人員体制の確保・育成や、病院搬送の効率化を図るために、さらにランデブーポイントをふやすことも必要であると考えますが、現在の取り組み状況と今後の計画について伺います。 これまで医師不足の議論については、医師・看護師の労働環境を整えるとか、新潟大学医学部と連携してキャリア形成を支援するとか、表面的な議論に答弁して終わっていたような気がしますが、医師が足りない状況の中に、細かい部分まで掘り下げて議論していかなければ、本質が見えてこないと感じております。 このたびの新・総合計画の中で、全般を通して、以前よりは、ある程度の具体的な方向性を示しているように感じられますし、見せ方としても指標や最終目標値など、逃げ場をなくし、各部局が目標に向かう姿勢は感じられますが、前知事のもとで策定された「夢おこし」政策プランと新・総合計画との大きな違いは、「夢おこし」政策プランは、目指すべきシナリオや避けるべきシナリオなど、プラスもマイナスも想定したものであったことが挙げられると思いますが、新・総合計画において、県民により理解してもらえるように工夫した点について伺います。 本年7月に総務省が公表した調査によれば、平成28年度における本県の移住相談件数が全国で第2位になったと報道がありました。第1位は2年連続で長野県、2位に新潟県、3位に北海道、4位に富山県、5位に石川県という順位になっております。この結果の特色として、3位の北海道以外、上位5位以内に北信越が4県入っており、影響として北陸新幹線の開業も含まれているかと思われます。 本県の首都圏常設の移住相談窓口は4カ所設置しており、全国でも最多、他県は一、二カ所が平均で、多い県で群馬、鳥取、岡山が3カ所となっております。また、2年連続1位の長野県は2カ所の設置となっております。 当然ながら相談窓口が多ければ、その分、相談者もふえる傾向にあると思いますが、このたびの順位の結果について、知事の所見を伺います。 また、相談件数は、首都圏にある4カ所の相談窓口の数に見合ったものとなっているのか、知事の所見を伺います。 上越や糸魚川などを移住先として検討している場合、このたびの移住相談件数の上位5位以内の長野や富山、石川などの県が近いことから、新潟県ではなく、他県を移住先とされる可能性も想定されます。移住者受け入れの取り組みについて、上越や糸魚川など、他県に近い市町村との連携を強化していくことも重要であると思いますが、知事の所見を伺います。 次に、本県の拠点化と新潟市の拠点化の関係について質問いたします。県庁所在地である新潟市の存在が、新潟県の存在感となる部分もあると思います。例えば仙台市のように、周辺地域に頼られることから拠点化が進むということもあると思います。 新潟市が他県からどう見られているのかが新潟県のイメージにつながり、同様に、新潟市の拠点性の向上が新潟県の拠点性の向上につながるとも思いますが、知事の所見について伺います。 また、新潟市の拠点性向上に向け、県としてどのように取り組んでいくのか、知事の所見を伺います。 北陸新幹線の影響として、メリットだけではなく、今後の課題として県と県内の市町村との関係が挙げられます。北陸新幹線開通以前からかもしれませんが、上越や糸魚川との関係が、開通後、さらに希薄になっているように感じます。 例えば、県庁所在地である新潟市から糸魚川市へ行こうと思えば2時間以上はかかりますが、2時間もあれば新潟市から東京へ行けます。 また、先日、鹿児島で、ある団体の全国大会に参加する県内の役員の方々は、新潟市在住であれば、新潟空港から福岡空港経由で向かうのが当たり前ですが、長岡や魚沼、なぜか三条の方まで、東京まで新幹線で向かい、羽田空港から飛行機に乗ったそうであります。その理由として、新潟市に来て空港を利用するというのは、印象的に反対方向に向かっていると感じるそうであります。 新潟県の拠点性の向上を図るためには、県内各地から県都新潟市への交通の利便性を高めていくことが必要です。糸魚川市等から特急・快速列車の運行や将来的な羽越新幹線の整備等による新潟市につながる公共交通の利便性向上に向けた取り組み、そして日本海沿岸東北自動車道や国道116号吉田バイパスの整備等による新潟市への道路アクセスの改善を進めていくことが重要であると考えますが、知事の所見を伺います。 以上のような新潟市の拠点性の向上が、新潟県が暮らしやすいというイメージアップにつながり、Uターン・Iターンの促進や若者の人口流出に歯どめをかけるきっかけになると思います。知事の所見を伺い、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの高橋議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、リアルデータのプラットホームについてですが、本県でも県民健康ビッグデータの活用を検討しているように、多様なデータが現実世界に眠っている中で、その活用は日本にイノベーションを生み出す鍵だと認識しております。 一方で、データは各企業等が個々に保有しており、プラットホームへの提供のメリットが見出せないなどの課題が指摘されております。 これらの課題に対しては、国が新産業構造ビジョンで示しているように、省庁や企業の枠を超えた協働による基盤整備、国際標準を踏まえたルールや法の整備、サービスモデルの確立などの取り組みを進めるべきであると考えております。 なお、希望というか、期待ということであれば、リアルデータのプラットホーム化というのは、グーグルがそうであったように、多くの人が使うことによって事実上形成されていくものでございますが、本県の県民健康ビッグデータの取り組みは、数において、規模においては、国内においても、場合によっては世界的にも、先進的な取り組みの一つとなり得るものと考えております。そういった事実上のスタンダードということで、その一翼を担うことができれば、これに尽きることはないというふうに考えております。 次に、第4次産業革命に向けた県の支援についてですが、現在進行中の第4次産業革命では、AI、IoT等の技術革新やデータ利活用により起こる産業構造の変化に伴い、生産性の飛躍的な向上や、社会ニーズに対応する新たな産業群の出現などが期待されております。 県では、このような動きを捉え、本県が抱える課題への対応として、AI、IoTの利活用に向けた取り組みを昨年度から進めているところです。 この取り組みを加速するために、ことし3月には産学金官で構成する新潟県IoT推進ラボを設立しており、県内企業等との連携を深めながら、実証による導入効果の検証や高度IT人材の育成、セミナーを通じた情報提供など、企業ニーズを踏まえた支援を行ってまいります。 次に、第4次産業革命に求められる人材の育成等についてですが、第4次産業革命では、AI、IoT、ビッグデータなどが技術革新の鍵となるため、議員御指摘のとおり、これらを担う人材の育成・確保が必要になると考えております。 県といたしましては、新たな総合計画の素案において、未来の新潟に必要な人材として、AI、IoT、ビッグデータ等に対応できる人材の育成・確保施策の推進を盛り込んだところであり、にいがた産業創造機構や新潟大学その他の研究機関と連携し、スピード感を持って、高度IT人材の育成等に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、AI等の技術革新による雇用への影響についてですが、AI等の活用は、人材不足に対応し、新たな雇用、サービスを生み出すなど、産業・就業構造が大きく変化する可能性がございます。一方で、成長分野への労働力のシフトや人材育成が同時に進まなければ、雇用の機会を失う可能性もあるものと考えております。 県といたしましては、産業・就業構造の転換への国の対応などを踏まえつつ、技術革新による生産性向上に対応できる人材育成に取り組み、技術革新の状況に応じた労働力のシフトにつながるよう、努めてまいります。 なお、AI、IoTによる技術革新は、実はそういった高度人材と同時に、例えば医療や福祉や教育、研究、芸術など、より人的な特性が強い、人でしかできない分野での、人として非常に創造性であったり、人の特性を生かした仕事というものがふえるという可能性もあるかと思います。そうしますと、AI、IoTに限らず、その場、その場で、そのとき、そのときに求められる人材を育成し、成長産業への人材のシフトを促していくということになろうかと思います。 次に、新たな総合計画における生産性向上等の目標についてですが、現下の状況としては、生産年齢人口の減少などから企業の人手不足感が高まっており、ワーク・ライフ・バランスの観点からも生産性の向上は喫緊の課題と認識しております。 一方で、議員御指摘のとおり、生産拡大を伴わない生産性の向上は雇用の減少につながり得ます。 そのため、新たな総合計画の素案においては、AI、IoT等の活用促進による生産性の向上とあわせ、県内企業の海外展開支援や成長産業の創出・育成など、企業の成長促進に向けた取り組みについても盛り込んだところです。 8年後の目標につきましては、付加価値の向上や企業の人手不足感などに注目し、政策の効果が把握可能な指標を設定し、毎年度、その達成状況の把握・分析を行ってまいりたいと考えております。 次に、高度人材や専門人材の育成等についてですが、第4次産業革命という技術革新に対応するためには、議員御指摘のとおり、AI、IoTなど第4次産業革命の鍵となる先進技術を有する人材の育成・確保や学び直しが必要と考えております。 県といたしましては、県内企業に対して、AI、IoTなどの高度ITを担える人材の育成を支援するとともに、技術革新と産業界のニーズに合った新たな知識や技能が必要となる社会人に対して、大学等の研究・教育機関も含めた関係機関と連携し、能力開発を推進してまいります。 なお、これは教育長が答弁いたしますが、学校における教育でも、この社会人の学び直しでも同じだと思うのですけれども、AI、IoTは非常に特殊と思われますけれども、基本的には一般の技術と同じものでございますので、基本的にはきちんと考える能力、基礎学力をつけるということに、恐らくは尽きるのであろうというふうに思っております。 また、先ほど申しましたとおり、AI、IoTの進展は必ずしもAI、IoT分野での人材だけではなく、むしろAI、IoTでは代替できない、人に特異的な、医療、福祉、教育、研究、芸術の分野での人材のニーズを高める可能性もありますので、そういったところでの教育ということもまた踏まえて、しかしいずれにおいても、やはり基本となるのは基本的に考える力ということになろうかというふうに考えております。 次に、雇用行政に関する県の役割についてですが、雇用行政については、地方行政の重要な政策分野と認識しており、県といたしましては、国とも連携しながら、後継者不足対策や人手不足分野の人材確保対策に取り組んでいるところです。 一方で、国の関与なしでは、広域的な職業紹介や、雇用情勢の急変に対応した機動的な雇用対策を行うことが難しくなるなどの懸念があります。 このため、引き続き、国との連携のもと、地域のニーズに応じた雇用行政の実施に努めてまいりたいと考えております。 次に、県立病院における電子カルテ導入や統合データベース構築における課題についてですが、電子カルテの導入当初におきましては、ふなれゆえに議員御指摘の問題点等があるものと認識しておりますが、運用が安定した場合には、医療の質の向上、ミスなどを自動的に指摘してくれますので、医療の質の向上や業務の効率化等の効果が見込まれるものと考えております。 また、統合データベース構築における課題につきましては、検査結果の表示の統一や入力項目の統一など医療情報の標準化や、それに伴う業務運用の手順の変更などの対応があるものと認識しております。 なお、現在電子カルテ等が導入されている県立病院における問題点については、病院局長から答弁させます。 また、データベース、もちろん電子カルテの導入には非常に高額なお金はかかるのですけれども、同じものを一括で全てのところに入れますと、やはり相当程度に手間が省けることから、相当程度の値引きは期待できるというふうに伺っております。 次に、医療情報技師の確保についてですが、今後、医療情報システムの導入の進展に伴い、病院やそれを支援する企業等において、情報処理技術と医療分野の知識を有する人材の需要が増していくものと認識しております。 病院における医療情報技師の確保等については、当該資格が民間資格の一つであり、資格取得者の半数以上が情報サービス業などの企業に就職している現状を踏まえると、今後の病院ニーズや資格等に対する国の動向などを注視しながら対応していく必要があると考えております。 なお、県立病院における医療情報技師の配置につきましては、病院局長から答弁させます。 次に、統合データベースの構築についてですが、議員御指摘のとおり、新たな総合計画の中で、その将来像と達成目標を掲げたいと考えております。 先般、公表した計画の素案におきましては、将来の姿として、県立病院、公的な病院等医療機関及び保険者が保有する診療情報、レセプト情報、特定健診・保健指導情報等を共有し、活用することにより、県民の健康増進に向けた取り組みや、県民が質の高い医療を安心して受けられる環境の実現とともに、医師の研究環境の改善を図ることを新たに掲げたところでございます。 また、達成目標につきましては、県立病院だけでなく、議員から御指摘いただきました公的な病院、さらにはプライベートな、私的な病院も加えた形での具体的な目標が掲げられるよう、検討を進めております。 なお、議員から御指摘いただいたように、統合データベース、この県民健康ビッグデータプロジェクトは、ある程度、言葉のひとり歩きといいますか、コンセプトであって、具体的な進展というものはないというのは御指摘のとおりだと思うのですが、これは実は冒頭のグーグルのお話のところでもちょっと出させていただいたところではあるのですが、先進的な取り組みというものでそういう部分があるのは、ある部分はやむを得ないのだと思います。 もちろん県民の皆様のお金を使うことですので、可能な限りできちんと状況、状況を示しながらやっていくのですけれども、これだけの規模でやっていく、しかもそれを後で研究に使えるようにかなりフォーマットを統一してやっていくというのは、実はかなり先進的な取り組みなので、多少なりともわからない部分があり、多少なりともある種コンセプトが先行して、本当にどこまでできるかはやらないとわからないという部分があるのは、御許容いただければというふうに思っております。 ただ、この電子カルテというのは、少なくともDPCという診療報酬の請求の中で、そもそも電子カルテを使ったほうが診療報酬が高く設定される等々、国の誘導措置もありますし、そもそも、今後、恐らく電子でない診療報酬というのはほぼ認められない状況になっていくというところもあり、また極めてシンプルにミスを指摘するとか、重複を省くというようなところで一定の効果もあるところでございますので、費用と効果をきちんと見ながらではございますが、一定の効果が認められる中で費用と効果をきちんと見ながら、しかしある程度先端的な取り組みということで、不確定を含みながら進ませていただきたいと思っております。 もちろん当然その過程におきまして、議員御指摘のとおり、県民の皆様、そして議会にしっかりと説明をし、また御議論いただいて、御承認いただきたいと考えております。 次に、本県における臨床研修医の確保についてですが、まずもって新潟大学の定員数は127人でございまして、臨床研修医が80人から100人であるということでございますので、30人程度流出超過と、新潟大学で学んだ人から30人ほど減った人が県内に残っているということであり、これは非常に残念なことだと考えております。 一方で、見方を考えますと、議員御指摘のとおり、半数近くが県外の大学を卒業した後、新潟で研修するIターン・Uターン型の臨床研修医でございます。もちろん新潟県出身だから、新潟県に戻ってこられるという方がある程度おられるということは当然だとは思いますけれども、それ以外の方もおられるわけでございますので、さまざまな条件がそろえば、新潟を臨床研修の地として選んでもらえる素地はあるということだというふうに考えております。 県内で臨床研修を行った医師は、修了後の県内定着率が高く、新潟大学卒業者の県内定着に加え、約半数を占めるIターン・Uターンによる研修医の確保は非常に重要であり、いずれにいたしましても、県内の医療現場の、臨床研修の場としての魅力を高めることが重要と認識しております。 このため、県と県内臨床研修病院で構成する良医育成新潟県コンソーシアムによる県外大学訪問等の取り組みを行ってきたところでございますが、今後も、訪問先の拡大、そしてまた何よりも、研修プログラム自体の向上によって、Iターン・Uターンによる研修医の確保に努めてまいりたいと考えております。 次に、周産期医療の体制と産婦人科医、産科の医師の確保についてですが、本県におきましては、県内3カ所の病院に設置された総合周産期母子医療センターを中心に、医療機関相互の緊密な連携体制が構築されているものと認識しておりますが、低出生体重児の出産などのリスクの高い妊娠や出産の割合が増加傾向にあることを考慮すると、今後もこの体制を維持していくためには、医師を初めとするスタッフの確保や、医療機関の連携の一層の促進が重要となっていくものと考えております。 中でも、産婦人科・産科の医師確保に向けては、産科医等を志す臨床研修医等に対する奨学金の貸与や産科医等の処遇の改善を行っているところであり、引き続き、重点的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、現在の小児科医の確保状況についてですが、本県における小児科の医師数は増加してきておりますが、一方で、議員御指摘のとおり、発達障害や心身症への対応に加え、複数の病気を抱える子供への対応、また小児医療の充実に対する御両親の期待などもあり、小児科医に求められる役割が大きくなっているものと認識しております。 こうした小児科医療に対するニーズの高まりに対応できるよう、さまざまな取り組みにより、さらに医師確保を進める必要があると認識しております。 次に、総合診療医についてですが、高齢化が進展する中で、第一線の現場で幅広く患者を診ることのできる総合診療医の確保は重要と認識しており、医師不足の本県においては、その発揮する役割が大きいものと考えております。 県といたしましては、総合診療医を育成する施設をふやすよう働きかけるとともに、指導医養成の支援を行うこと等により、総合診療医育成の環境整備を行ってまいりたいと考えております。 次に、ドクターヘリに係る人員の確保等についてですが、ドクターヘリの出動に対応する専門の医師・看護師の確保・育成は、議員御指摘のとおり大変重要でございますが、基本的にはドクターヘリ基地病院の役割であり、県は基地病院に対して、それらの取り組みに必要となる経費について、国の財政措置を活用して支援しているところでございます。 また、ランデブーポイントについては、消防機関が離発着に適した候補地を選定し、県が航空法等の基準に照らして登録するものであり、平成24年10月の運航開始時から着実に増加し、現在、800カ所が登録されております。 県といたしましては、今後も基地病院と連携し、ドクターヘリ事業の円滑な実施に努めるとともに、消防機関に対し、ランデブーポイントに適した候補地のさらなる選定を働きかけてまいります。 次に、新たな総合計画において県民に理解してもらえるように工夫した点についてですが、計画は、県民の皆様にとって、わかりやすく、かつ、理解しやすいものとなるよう、大局的な意味で、新潟県の目指す姿としての基本理念等を示すだけではなく、各政策ごとに、しっかりと現状・課題を分析し、目指す姿や政策の展開・取り組みをお示しすることとしております。 また、政策の体系や記載についても、できるだけ県民の皆様からの視点に立って、わかりやすいものとなるよう組み立てや表現等を工夫しながら取りまとめるよう努めているところです。 次に、移住相談件数に関する調査結果についてですが、今回の結果につきましては、県や市町村などによる取り組みの進展が一定の成果としてあらわれたものと考えておりますが、あくまで相談件数の順位であり、これら多くの相談者を実際に移住に結びつけていくことが重要と認識しております。 なお、本県では幅広い相談ニーズに的確に対応するために、設置目的や相談対象者の異なる4つの首都圏窓口を設置しているところでございますので、さまざま県ごとに窓口と対象が違うものと認識しておりますので、単純に窓口数と相談件数が見合っているか否かの判断は難しいものと考えておりますが、現状では各窓口ともその機能に応じ、適切に相談対応できているものと認識しております。 いずれにいたしましても、引き続き、U・Iターンの検討から実現まで各段階のニーズに応じたきめ細かな支援に取り組んでまいります。 次に、他県に近い市町村との連携強化についてですが、本県への移住促進に向けては、市町村としっかりと連携して取り組みを進めていくことが重要であると考えております。 県といたしましては、今後とも、各地域の特性や強みを生かした特色ある取り組みを支援することにより、議員御指摘の他県に近い市町村も含め、新潟県全体の魅力向上に努めてまいります。 次に、新潟市の拠点性向上の取り組みについてですが、県都である新潟市は本県の顔であると同時に玄関口でもあり、議員御指摘のとおり、新潟市の魅力向上は他県から見た本県のイメージアップにつながるとともに、本県の拠点性向上にも寄与するものと考えております。 県といたしましては、新潟市と連携して事業を進める中で、県が行う事業について、その役割を果たすとともに、市の事業に対しても積極的に意見を述べるなど、できる限りの協力をしてまいりたいと考えております。 次に、新潟県の拠点性向上を図るための交通の利便性向上についてですが、議員御指摘のとおり、新潟県の拠点性の向上を図るためには、県内各地から県都である新潟市への交通の利便性を高めていくことが重要と考えております。 公共交通の利便性向上につきましては、糸魚川等と新潟を結ぶ特急・快速列車の継続等に向けたJRへの要望や、利用促進のための取り組みを行っているほか、羽越新幹線建設促進同盟会として山形県と連携し、早期実現に向けた国への要望に取り組んでいるところです。 また、新潟市への道路アクセスの改善につきましても、関係機関と連携を図りながら、日沿道や吉田バイパスを含めた道路整備に今後も取り組んでまいります。 次に、新潟市の拠点性向上のU・Iターン促進等への効果についてですが、議員御指摘の拠点性の向上を初め新潟市の魅力向上は、新潟県のイメージアップにつながり、U・Iターン促進や人口流出の歯どめにつながる可能性があるものと考えております。 県としては、新潟市と連携して新潟市の拠点性向上の事業を進める中で、県が行う事業について、その役割を果たすとともに、市の事業に対しても積極的に意見を述べるなど、できる限りの協力をしてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、県内全域で人口減少が続く中、広域自治体である県といたしましては、それぞれの市町村の状況に配慮し、県全体に目配りしながら、人口問題対策に取り組んでまいります。 以上、答弁でございます。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 本県出身の医学部医学科への進学者についてですが、新潟大学の医学部医学科定員が、学士枠を除き、現在の122人になった平成25年度以降において、本県出身者が占める割合は、三十数%で推移しております。 また、他県の大学を含め、医学部医学科へ進学した本県出身者は、約100人から110人の間で推移しております。 以上でございます。   〔病院局長岡俊幸君登壇〕 ◎病院局長(岡俊幸君) 3点についてお答えをいたします。 現在電子カルテ等が導入されている県立病院における問題点についてですが、導入当初におきましては、電子カルテの入力にふなれなことによる医師・看護師の負担増や、患者さんの検査や会計待ち時間の増加などがあるものと認識をしております。 今後新たに電子カルテを導入する病院については、医療の質の向上や業務の効率化等の効果が早期に図られるよう、入力操作研修やリハーサルに十分な時間をとることや、医療クラークの活用などにより医師・看護師等の負担軽減に努めてまいりたいと考えております。 次に、県立病院における医療情報技師の配置についてですが、専任職員として医療情報技師は配置しておらず、例えば、医療情報システムの運用管理に当たっては、医師、診療放射線技師等それぞれの部門の医療職員が委託業者と協議しながら対応をしているところです。 なお、情報処理システム等の業務を担当していく中で、診療放射線技師や臨床検査技師など少なくとも数名の職員が、医療情報技師の資格を有しているものと承知をしております。 次に、県立病院の統合データベース構築に係る費用についてですが、現在、有識者等に対するヒアリングや病院関係者によるワーキングチームの検討を行いながら、県立病院における統合データベースの構築に向けて、まずは電子カルテ未導入の県立6病院における統一的な電子カルテの導入に取り組んでいるところです。 このため、現時点で統合データベース構築や運用に係る費用について独自の試算は行っておりませんが、データ内容や規模によって大きく異なってくることから、今後、具体的な内容について整理していく中で、費用についても検討してまいりたいと考えております。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 3点についてお答えいたします。 今後の社会に必要とされる人材の育成・確保に向けた、目標、取り組みについてですが、AI、IoT、ビッグデータ等の技術革新による産業構造や就業構造等の急速な変化が進む中で、次代の担い手として、さまざまな変化を柔軟に受けとめ、自分の人生を切り開いていく力を子供たちに育むことを目指していくことが重要です。そのため、小学校から高等学校までの学びの連続性を大切にして、主体的・対話的で深い学びを実現したり、情報活用能力を育成する取り組みなどが求められていると認識しております。 また、このような新しい取り組みにおきましても、基本となるのはやはり基礎的な言語能力、数学的な能力であることに変わりはありませんので、子供たちが基礎的な学力をしっかりと身につけられるよう、引き続き取り組んでまいります。 それに際しまして、議員御指摘のとおり、小中学校段階では、市町村教育委員会との連携が不可欠であることから、各市町村の人材育成に対する考え方を伺いながら、それぞれの指針や目標を含めて協議してまいります。 次に、プログラミング教育についてですが、プログラミング教育については、小学校学習指導要領において、算数科、理科、総合的な学習等で、プログラミングを体験しながら論理的思考力を身につけるための学習活動を計画的に行うことと示されております。 プログラミングを体験する学習は、各学校の情報教育担当教員を中心に計画を立て、実際には学級担任が授業を行うことになりますが、指導に当たっては不安を抱えている者も少なくないと認識をしております。 県教育委員会といたしましては、情報教育担当教員の研修を充実させるとともに、教育支援システムを活用したプログラミング教育に関する実践例や補助教材等の共有・蓄積を進め、学級担任の不安の解消を図り、指導力の向上に努めてまいります。 次に、メディカルコースの成果と課題などについてですが、卒業者に占める過年度卒業生を含めた医学部医学科進学者の割合は、メディカルコース設置の前年に当たる平成19年春は、本県が0.35%、全国が0.64%でしたが、直近の平成29年春は、本県が0.55%、全国が0.84%となっております。 また、メディカルコースは、医師等による講演、病院見学などを通して、医師という職業の理解を深めさせ、高い倫理観や使命感を育成し、最後まで諦めずに医学科進学を目指してもらうことを目的に、平成19年度に新潟高校、長岡高校、平成28年度には高田高校に設置いたしました。先行する2校の医学科進学者は、コース設置前には45人前後であったものが、平成29年春には79人に増加したところです。 しかしながら、現役合格者が少ないことや、全県の医学科進学の割合が、全国に比べて0.3ポイントほど低い状況にあり、医師不足の解消のためにも、さらなる進学者の増加が課題であると考えております。 県教育委員会といたしましては、新発田高校、三条高校の同コースの設置の研究を進めるほか、より多くの生徒が医学科へ進学できるよう、高い学力を身につけさせる学習指導の強化と、進路指導体制の見直しにも取り組み、メディカルコースの指導内容の充実を図るとともに、その成果を他校にも拡大してまいりたいと考えております。   〔高橋直揮君登壇〕 ◆高橋直揮君 ありがとうございました。知事、おおむね納得がいく御答弁でありました。 ただ、ちょっと何点か確認といいますか、質問も含めて、御意見といいますか、あるのですけれども。 先ほど病院局長が御答弁された、これは質問ではないです。病院の統合データベースの試算については、言えないのかもしれないのですけれども、やはり私はある程度、あると思うのです。これも含めて、県民に対して、やっぱりどれぐらいかけてやるのだよということを示していかなければ、言葉だけがひとり歩きしてしまって、新潟県として何に取り組んでいくのかということが理解できない部分があると思うので、ここに関しては私も、これからやりますということでは、なかなか納得ができないので、大体こんなものだよという部分も必要なのかなと思いますので、その点だけ御指摘させていただきます。 医学部医学科に進学した本県出身の学生の割合なのですけれども、福祉保健部長なのですけれども、パーセンテージをお聞きしたかったのです。何人進学したではなくて、何人学生がいて、そのうち1人、何分の何、要は200分の1とか、何かわかりやすい数字のほうがいいかなと。 例えば、学生のそのときの進学、学生の数と、その中で何人進学したという数のほうがわかりやすいので、そういう何分の何というパーセンテージがわかれば、教えていただきたいなというふうに思います。 最後に知事なのですけれども、Uターン・Iターン、臨床研修医もそうですし、県内の、新潟市の拠点化もそうなのですけれども、Uターン・Iターンの部分で、非常に県としても頑張っているということで、これからも取り組みを進めるという御答弁だったのですが、ぶり返すようなのですけれども、今回の我が党の代表質問でもありました。 若い人は好きなところに行っていいですとか、東京で稼いだら東京で新潟の米を買ってほしいとか、そういった御答弁がありまして、これは学生のタウンミーティングか何かで御発言されていて、代表質問での御答弁は、そういった趣旨ではないと。仮に東京で就職しても、新潟の皆さんは応援しているから、皆さんも新潟を応援していただきたいという趣旨で言ったというふうな御発言なのですけれども、どう考えてもつじつまが合わないと思うのです。 きょうの御答弁なんか聞いていますと、東京に、若い人が好きなところに行ってもいいと言ったり、でもその趣旨は、実は新潟のことを応援してほしいと言ったり、若い人が東京に進学したり就職したりすることを法的に拘束することはできない。そんなのは当たり前であって、法的な話をしているのではなくて、県立も含めて、医療機関も含めて、大学や企業は県内を選択してもらえるように非常に努力しているわけであると思うのです。 これは知事として、公人としてのお考えなのか、もしかしたら個人としてのお考えなのか、このタウンミーティングの御発言というのと今回の御答弁の御発言というのが、どうも本心が見えてこないといいますか、つじつまが合わないように感じるのです。きょうの御答弁を聞いてもなのですけれども。 ちょっと長くなりますけれども、要は何でもかんでも言ってしまう知事の特性といいますか、あると思うのですけれども、ツイッターもそうですよね。ツイッターもそうなのですけれども、今回の発言やツイッターで、例えば新潟県が批判されたり、例えば新潟の不買運動なんていうのがあったり、そういうイメージにつながってしまうので、その辺も含めて、本心でこういった発言をされているのか、それともきょうの御答弁は公人として答えているのかという部分についてお聞きしたいと思います。   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの質問にお答えいたします。 病院局長が答えるところかもしれませんが、とりあえず先例ということで示させていただきたいのですけれども、例えば我々として参考にしている国立病院機構データベース構築事業というのがございまして、これは全国41病院が参加いたしました。こちらですと、41病院参加しましたが、事業費としては13億円です。 一方、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のデータベース構築事業というのがございまして、これは400万人規模で、大学病院、NTT東日本、徳洲会の23病院、これは相当たくさんの病院があったので、費用がかさんだのだと思いますが、こちらが約50億円ということになります。 当然、県民としては230万人しかいませんので、400万人規模になることはないわけでございまして、かつ、徳洲会やNTT、大学病院のような複数の違うものを結ぶというよりは容易であろうということになりますから、これよりは少ないのだとは思いますけれども、少なくとも議員から御指摘いただいたように、五、六億から十数億というところは、他の例を考えても、考えなければいけないということかと思います。 割合につきましても、福祉保健部長でまた追加があれば追加で言っていただきたいのですが、例えば平成25年度では県内からの進学者数というのは、医学部の進学者というのは106人で、うち新潟大学は40人、平成26年度ですと106人が医学部、新潟大学は44人、大体同じぐらいで推移しまして、平成29年度で110人が医学部へ進学し、そのうち新潟大学医学部は43人ということになっております。また、私の答えが十分でなければ、福祉保健部長が追加いたします。 最後の、若い人は好きにというのは、私自身はどこが矛盾しているのかよくわからないということなのでございますが、まず我々は若者に対して何を望むかというのは、自分の希望する未来をかなえてもらうことを望むのだと思うのです。私は、自分の子供はいませんけれども、私自身そのように望まれたといいますか、どこでも好きなように、おまえの好きなところに行って、おまえの好きなように活躍してこいと親からは言われたと認識しておりますし、そう思って暮らしておりました。 それに関して、県として、例えばアメリカで働きたいことを希望している人に、おまえはアメリカを希望しているかもしれないが、県はあなたに新潟県で働くことを希望しているというようなことは、あるべきでないと、それは本心から思います。それは、本当に若い人は好きなところで働き、好きなところで学べばいいのだと思うのです。 ただ、その好きなところが新潟県になってもらうように努力する。好きなところが、世界で一番働きたいところが、誰もがそうだということはあり得ないのですけれども、少なくとも多くの人にとって、多くの若者、可能な限り多くの若者にとって、世界で一番働きたいところが新潟県である、世界で一番学びたいところが新潟県であるというふうにしていくというのが、県の政策目標であろうというふうに思っております。 ですので、私としては特段の矛盾はないというか、全く言っているとおりというふうに考えております。 また、ツイッター等々についての不買運動については、本当に御心配もかけているところではございますが、しかし、繰り返し申し上げますけれども、私が気に入らないから、新潟県に行かないとか、新潟県の品物を買わないと言っている人というのは、既に相当不思議な思考回路の方なわけです。通常の思考回路であれば、小池知事が幾ら気に入らなくても、東京ばな奈を買わないとは言わないのです。幾ら千葉県知事が気に入らなくても、ディズニーランドには行かないとは言わないわけなのです。 それは、結果としてそうなっているわけでは全くなく、単にそれは嫌がらせとして言っているだけなのです。実際にやるわけではない。実際にやるのでしたら、そんなことは言わずに買わないですし、また実際に私の発言が気に入らないなら、私の発言が気に入らないと言えばいいのです。にもかかわらず、新潟県がというのを持ち出しているのは、それは、ある種、極めてひきょうな、全く私にとって本来とは関係ないのに、それを言えば私が嫌な気持ちになるだろうからといって、ひきょうなことを言っているわけです。 それを取り上げられて、私の発言がいけないと言うことは、私は皆さん、言論の府とする議員の方として、私は少々あるべき姿ではないというふうに思います。 そのような本筋でないことを言ってくる方の議論というものは、ある種の脅迫ですから、そういったものを真に受けるというものは、民主主義を守る者としてあるべき姿でない。私は、そういったものに関しては気にすべきでないというふうに考えております。 もちろん正当に私の発言が悪いというふうに言ってくださる方には、正当に対応させていただきたいと思っております。 以上です。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 先ほどの新潟大学への本県の進学状況についてでございます。 先ほど知事が申し上げましたけれども、改めて申し上げます。 定員は、先ほど申し上げましたとおり、122人でございます。学士枠を除いて122人。平成25年度は、県内から新潟大学へ行ったのは40人でございます。割合は32.8%。平成26年度は、44人が進んでおります。割合は36.1%。平成27年度は、42人が進んでおりまして、34.4%。平成28年度が41人で33.6%。平成29年度は43人が進んで、定員に対して35.2%の割合と、おおむね三十数%で推移しているという答弁でございます。   〔病院局長岡俊幸君登壇〕 ◎病院局長(岡俊幸君) 再質問についてでございますけれども、県立病院の統合データベースの構築に係る費用ということでございます。 先ほど、参考にした過去の事例ということで知事のほうから答弁をさせていただきましたけれども、私のほうで答弁させていただいた、データ内容や規模によって大きく異なってくるということで、今後、具体的に整理していく中で検討していきたいというふうに申し上げましたのは、先ほど例として知事が申し上げた、例えば国立病院機構のデータの構築であれば、こちらは既にできている電子カルテのものから、あるルールを使って、一定のデータを引き抜いてくるというつくり方でございます。 それと、医薬品医療機器総合機構のデータベース、こちらのほうについては、電子カルテのみならず、レセプトやその他のデータも含まれており、規模も400万人規模ということで、非常に大きいということでございます。 国立病院機構は13億円、それから今の医薬品医療機器総合機構のほうは金額が50億円ということで、非常に幅があるというものでございます。 県のほうで今考えております、未導入の6病院の電子カルテの導入に伴うデータベースにつきましても、今まで行われてきたものに加えて、例えば今課題になっている標準化ですとか、一定の表記の統一だとか、そういうものがどこまでやれるかということを、今専門家のほうと話し合って、検討を行っているところでございまして、そういう内容によって大分規模が変わってくるということがあるものですから、そのように答弁をさせていただきました。 今後、具体的な内容を整理をしていく中で、費用についてもしっかりと検討させていただきたいというふうに思っております。   〔高橋直揮君登壇〕 ◆高橋直揮君 福祉保健部長、私がお聞きしたかったのはそのパーセンテージではなくて、学生が何人いて、その中に、例えば平成28年度なら高校生が何人受験して、その中の何人が医学部に行ったかというパーセンテージ、新潟県と全国比率をお聞きしたかったのだけれども、まあいいです、きょうは。もしわからなかったら。 私は、その資料を実は見たことあるので、それをお聞きしたかったのですけれども、いいです。また後でわかれば教えていただければというふうに思います。 知事の御答弁なのですけれども、私はそんな趣旨で言ったつもりはないというふうに言っているのだけれども、タウンミーティングで、若い人は好きなところに行っていいと言っていますよね。そういう趣旨で言ったって、だったら言わなければいい話であって、余計なことを言わなければいい話であって、それが後々問題になったり、質問されたりするわけであると思うのです。 知事の御答弁を聞いていると、大体法的な根拠ですとか、何かそういった話の説明の仕方をされると、納得せざるを得ないような状況に持っていかれるのですけれども、でも普通に聞いていると、だったら言わなければいいのにな、という話になってくると思うし、ツイッターもそうですよね。ツイッターだって書かなければいいのに、書かなければそんなに問題にならないわけであって、きょうの御答弁、私に対しての質問の御答弁は非常にいい御答弁をいただいたのですけれども、そこでつじつまが合わなくなってくるといいますか、何か理解ができなくなってくるという部分があるので、特に答えていただかなくてもいいのですけれども、私はこれがちょっと言いたかったので、もし何かあれば。   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) 1つだけ答えさせていただきます。堂々めぐりにならないように。 報道としては、確かに私が若い人は好きなところに行っていいとみずから言ったように聞こえていますけれども、あれは学生さんからそのような質問があって、どう思われているのですかというような御質問があって、それに対して答えたもので、その後、その彼女と終わった後ちらっとお話ししたのですけれども、彼女としては東京に出て、世界的な商社ウーマンとなって活躍したいという夢があられたということで、そう言っていただいて本当によかったですということでしたので、質問に対する答えだということでお許しいただければと思います。 ツイッターに関しましては、確かにいろいろ答弁させていただいておりますが、反省する点もありますので、余計なことにはならないように、ある程度慎みつつ発言を、しかし、していこうと思っております。 以上でございます。 ○議長(金谷国彦君) 高橋直揮君の質問は終わりました。 暫時休憩いたします。  午後0時18分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後1時20分 開議 ○副議長(沢野修君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、笠原義宗君の発言を許します。笠原義宗君。   〔笠原義宗君登壇〕(拍手) ◆笠原義宗君 自由民主党の笠原義宗でございます。順次質問させていただきます。 まず初めに、新潟空港の利用促進について9点伺います。 知事は、今年中に新潟空港のアクセスについて判断されると言われております。現在も新潟空港アクセス改善協議会を開き、意見の集約を図っているところでありますが、私も2月定例会で小型モノレールの提案をしたところ、モノレールを含めて検討すると言われておりましたが、モノレールが新潟空港アクセス改善協議会の検討案として入っているのか疑問であります。今回は、具体的な計画を説明し、提案をさせていただきたいと思います。 新潟空港までのアクセスは、新幹線、在来線、モノレール、いずれであっても、将来新潟がどのように発展を遂げていくのかという将来像を描き、進めていくことが重要であると考えております。 また、今後、訪日外国人観光客が4,000万人を超えるとの試算もあり、グローバルな経済や交流人口の増加など、国際的な新潟県をつくっていくことが今後の発展に重要と考えております。それには、今後、新潟空港の利用客数をふやし、本県に観光やビジネスでお越しになる方をふやし、発展につなげていくことが重要ではないかと考えます。 現在、新潟空港の利用客は100万人を下回っている状況であります。新潟空港から提供されている航空機の全席数を足してみましても156万席という状況であり、先日報道されました新潟空港の路線ネットワーク戦略の中間報告では、2020年度に135万人に引き上げる目標が提示されましたが、さらに利用客200万人を目指すのであれば、席数を300万席へと伸ばすことが必要です。いずれも利用客が200万人、300万人となれば、交通アクセスや空港ビルディングの採算もとれると思われますが、利用客が少ないことから、厳しいことは明白であります。 しかし、新幹線や在来線は空港までの利用客しか見込まれませんが、小型モノレールにすれば、新潟駅から万代シテイや朱鷺メッセエリア、佐渡汽船の利便性向上につながり、万代島全体のにぎわい創出へとつながる効果が見込まれます。朱鷺メッセのイベントや会議でお越しの方も、モノレールでまちに出て、食事や買い物ができ、まちのにぎわい創出も想定されますし、朱鷺メッセ自体の魅力が高まり、さまざまな発展性が期待できるところもあります。 また、日本モノレール協会と日立製作所が開発いたしました小型モノレールがありますが、まだ日本には導入されておらず、シンガポールのセントーサ島に導入されているのみであります。私も実際に見てまいりましたが、小さくて使えないという声もありますが、1両100人以上乗れる大きさであるため、イベント時も問題なく使えると思われます。 建設費は従来の約半分で、コンパクト化による導入空間の縮小や維持管理費を含めた事業採算性の向上を目的につくられた、すぐれたモノレールとなっています。施設整備については、ルート延長約9キロで、総工費は約500億円となります。モノレールの年間維持費は1キロ1.5億円と想定いたしますと、年間の維持費の合計は13.5億円との試算になります。 平成27年時点の人数で収入を算定いたしますと、朱鷺メッセエリア利用客250万人が1人200円で利用した場合、5億円となります。万代シテイ利用客の650万人のうち2割がモノレール利用と想定した場合3億円、新潟空港までの利用を100万人で想定した場合2億円、全てを足すと約10億円となり、年間の収支は約3億円の赤字との試算となります。 最初は赤字であっても運営するべきと思っておりますが、しかし、将来新潟空港の利用客が200万人、万代島エリアが再開発でにぎわいがつくられ、朱鷺メッセエリアが500万人、万代シテイ利用客がさらに20%増加し、途中に大学や自家用車からの変更などの100万人を見込み、全体の利用客が1,000万人と試算をかけますと、15億円の収入となり、採算がとれる計算となりますが、それまでの赤字はいずれかの事業主体の負担となります。 建設費の調達については、国の交付金があり、都市内の道路交通円滑化を目的に、道路交通の補助的機関として建設費の一部を助成する制度や、またモノレールのインフラ部分を道路施設とみなして、インフラ部整備に要する費用を対象に交付されるものもあります。その交付金は、全体工事費の55%を上限として国が補助し、残りは地元自治体が負担いたします。車両や電気設備に係るインフラ外部分は、モノレール運営主体が建設資金を調達して建設いたします。ほかにも国際拠点港湾の場合や空港インフラ補助方式などさまざまな補助がありますので、知事の言う全額県の負担とはなりません。 知事は、何かをつくれば、ほかの何かを削らなければならないと言われておりましたが、そうはなっておりません。例えば朱鷺メッセ建設時の事業費について、総額287億円のうち国庫補助金が15億円、起債が171億円、起債のうち約87億円は交付税措置されていまして、30年で返済をかけています。 しかし、モノレールの課題は、道路管理者である地元自治体が事業主体とならないと国の支援が受けられないため、新潟市の理解が必要となります。 以上、雑駁ではありますが、この試算を踏まえて、将来新潟県が発展するため、空港アクセスには小型モノレールを導入していただきたいというふうに思いますが、所見を伺います。 次に、新潟空港の屋上送迎デッキについて伺います。 新潟空港の屋上送迎デッキは有料で、大人100円、子供50円払わなければならず、昨年9月定例会の一般質問でも無料開放すべきと訴えましたが、年間の収入が400万円ほどあり、新潟空港ビルディングの収支への影響が大きいことから、難しいと伺いました。 しかし、今後、新潟空港の利用客をふやすのであれば、親しみやすい新潟空港へと変わらなければならないと思います。屋上送迎デッキを有料にするのではなく、無料開放し、展望台での子供向けの乗り物や飲食など、知恵を絞って収入をつくることを考え、運営することが県民サービスへの向上につながると思いますし、今のゲートは一回入るたびに料金が発生しますので、ゲートの仕組みにも問題があると思います。 一刻も早く新潟空港の屋上送迎デッキを無料開放し、新潟空港自体のにぎわいを創出すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、新潟空港の利用促進について伺います。 空港アクセスについては、新幹線で新潟空港に乗り入れると、あたかも利用客がふえるという夢のような話がありますが、県民はもとより、近隣県の利用者を拡大しなければ、羽田空港、成田空港に行ってしまうと思われます。 群馬や埼玉、福島、山形県の皆様方に使っていただけるような空港にすることが必要と考えますが、近隣県からの利用客数について伺いますとともに、利用推進に向けた取り組み状況について伺います。 次に、新潟空港の率先利用について伺います。 ことし、新潟空港に乗り入れている航空会社の方との意見交換をする場があり、さまざまな御指摘をいただきました。その中でも、羽田空港、成田空港と変わらないくらいの欠航便の少ない状況にもかかわらず、新潟県の皆さんは羽田空港、成田空港に行ってしまう傾向があるのはなぜでしょうかと言われていました。 また、旅行会社の皆さんとの意見交換の場でも、新潟県の方は新潟空港を使えと言うが、羽田空港を使う傾向があるとも言われていました。 今後、利用客をふやすのであれば、まずは県や市町村の職員などが率先して新潟空港を利用すべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、航空便の空路の新設について伺います。 今後、新潟空港の利便性を高めるためには、新たな定期便をふやすことやチャーター便をふやすことが必要であると考えます。現在では、羽田空港、成田空港や仁川空港での乗りかえで海外路線につながっておりますが、訪日需要が拡大し、新たに企業が進出しているタイやシンガポールの空路新設について働きかけるべきと考えますが、所見を伺います。 次に、台湾便増便について伺います。 現在、台北線が好調で、週2便の通年運航が開始され、座席の約8割が埋まっていると言われておりますが、インが多く、アウトが少ない状況であるともお聞きをいたします。年末から臨時便が増便されることが決まったとお聞きをいたしますが、今後、修学旅行や短期の旅行を可能にする、多様な観光ツアーの設定によるアウトバウンドをふやし、台北線増便にさらに強く働きかけるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、新潟―ハルビン線について伺います。 平成27年には週7便あったハルビン線は、現在、週2便へと減便されました。その利用客の状況を見ますと、中国の方が9割以上を占めているのではないかと考えられます。昨年から成田―ハルビン便が4便ふえました。今後、成田便の利用がふえ、新潟便がさらに減少し、本県経済に少なからず影響を与えるのではないかと推察されますが、ハルビン線の今後の動向と利用拡大に向けた取り組みについて伺います。 新潟空港の利用客状況を見ますと、国内線利用者数87万人のうち、約半分の43万人が伊丹線となっていて、名古屋、福岡、沖縄線は低い状況であります。本県から出ていく人は多いですが、他県から入ってくる客数をふやすため、利用者数の少ないこれらの就航地先での新潟の観光PRを強化することが必要ではないかと考えますが、所見を伺います。 また、新潟空港からどこの空路へつながっているのか、一般の方にわかっていただく取り組みが必要と考えます。昨年、台湾のイベントを新潟空港で開催したところ、約4,000人の方がお越しになるなど、想定を上回る集客があったと伺いました。季節に応じて、空路がつながっている国や地域をPRするイベントを開催し、航空路線の周知による利用者数の増加や、新潟空港の活性化を図るべきと考えますが、所見を伺います。 次に、観光振興について6点伺います。 本県の観光の振興を考えたとき、佐渡の魅力と知名度の高さが強みと考えられます。今議会でも佐渡にかかわる質問が多くあるのは、他県や海外で佐渡島の知名度の高さを感じているのではないかと思います。 私も、8月に、久しぶりに佐渡の観光地を回ってまいりました。小木のたらい舟や宿根木の町並み、透き通った海の景観など、本土からジェットフォイルで1時間で行ける、すばらしい離島観光が近くにあることを改めて気づきました。相川の春日神社での能舞台では、かがり火をたき、能や狂言、創作ダンスなど、幻想的なすばらしいものを見せていただきました。そこには、多くの観光客、県外や海外からもお越しになっておりました。 しかし、佐渡観光を考える上で、魅力はありますが、1カ所1カ所の距離が遠いため、移動の不便さが課題であるとも感じました。今後、観光立県となるためには、この課題を解決しつつ、魅力ある佐渡の観光を含めた新潟県の魅力を発信していくべきと考えますが、所見を伺います。 また、佐渡島は、金銀山を初めとした歴史や文化・自然・食などの魅力が豊富なことから、小学生の修学旅行の適地と考えます。小学生の修学旅行は、佐渡か福島県会津若松市によく行くと伺います。 本県に住んでいる人に、佐渡に行ったことがあるかと聞くと、意外と行ったことのない方が多いように感じます。スポーツ大会や仕事などでは行ったことはあるが、観光は行ったことがないという方もいます。 佐渡は、日本各地の文化が融合し、独自の変化を遂げてきたと言われています。江戸時代に入ると、天領地直轄の奉行による武家の文化に加え、職人や商人など日本全国から人々が移住し、風習を継承してきたと言われています。 佐渡独自の魅力ある文化が多いことから、本県の修学旅行生はもとより、県外の修学旅行生を取り込むことが佐渡の魅力発信につながると考えますが、所見を伺います。 次に、佐渡汽船について伺います。 佐渡の観光誘致を考えるときに、船の欠航が誘客に悪影響を及ぼしているのではないかと思われます。昨年、新潟―両津間の1年間の欠航便は、ジェットフォイル200便、カーフェリー58便でありますが、大部分は冬場の欠航となっていまして、全体の就航率はカーフェリーでは98%で、5月から9月までは就航率100%でありますので、欠航のリスクが少ないことをアピールし、観光客の増加につなげるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、着地型観光について伺います。 宿泊や移動を伴う不特定多数に募集をかける場合、旅行業の登録が必要となり、グリーン・ツーリズムや体験型観光などを企画する場合のハードルが高いことが課題であります。近年では、現地集合、現地解散となる着地型観光のコンテンツをふやしていくことが本県観光の魅力向上につながると考えますが、着地型観光の必要性と今後の取り組みについて、知事の所見を伺います。 次に、民泊の制度について伺います。 今まで違法状態となっていました民泊の法制度が改正され、来年6月に、年間180日を限度とした住宅宿泊事業法が施行されます。世界的な民泊サイトを見ますと、本県でも違法な民泊が提供されているのが実態であります。騒音やごみなどの近隣住民とのトラブルなどがあり、法整備されたものと考えますが、6月からは都道府県に届け出をすれば、あいている住宅やマンションなどを提供することができ、空き家対策や大手資本の導入など経済的な効果も期待できます。 新潟市では、民泊に加え、市街化調整区域でのグリーン・ツーリズムを前提とした、2泊3日からではありますが、365日営業できる規制緩和を決めたところであります。 来年6月に施行される民泊制度の準備状況と課題について伺います。 次に、ポケモンGOでの地方創生について提案いたします。 現在、東京一極集中の是正を図る地方創生が進められています。地方が知恵を絞り、さまざまな取り組みをしているところでありますが、私が提案したいのは、ポケモンGOを取り入れたらどうかという点であります。 ポケモンGOは、昨年7月に日本でサービスが始まり、現在は442万人登録されていると言われています。ポケモンGOは、今まで室内でゲームをしていたものとは違い、その場所に行かなくてはモンスターを捕まえることができず、人が外に出るきっかけとなっています。 また、昨年は東日本大震災復興のための石巻のイベントにおいては、経済効果が20億円あったと言われておりますし、ことし8月の横浜のイベントでは200万人の集客があったとも聞いております。 それを利用し、各都道府県で1つずつしか取得できないキャラクターを設定し、人が県外に移動する、そのきっかけをつくることで日本中の交流人口をふやすことが期待できると考えられます。その最初の取り組みとして、本県が地方創生を進めるために、ポケモンGOを使ってみたらどうかと提案をさせていただきたいと思いますが、所見を伺います。 次に、県政の諸課題について10問伺います。 本県の平成30年3月の中学校卒業見込者が、昨年度より1,311人減少すると言われておりまして、多くの学級減を余儀なくされております。これからも生徒の減少数を県立高校のみで調整されると言われていて、私立高校は縛られず、自由に増減されていく状況であります。 昨年の私立高校の募集人数と実際に入学した生徒数を見ますと、100人を超える多くの生徒を入学させている私立高校もあります。これでは募集学級の調整が図れないものと考えますが、今後は私立高校も募集定員どおりの人数とすべきと考えますが、所見を伺います。 次に、特別支援学校の就学奨励費について伺います。 特別支援学校へ通学されている生徒さんに対して、国と県から就学奨励費が支給されています。それは、障害のある生徒の保護者の経済的負担を軽減するために必要な援助が行われています。 現在、特別支援学校に通学している生徒さんは、公共交通で通学をされている方や、市町村が運営するバスであったり、独自の通学バスや移動支援の車、親御さんの送り迎えなど、さまざまな形で通学をされています。 通学経費の範囲は、生徒等が原則として最も経済的な通常の経路及び方法により通学する場合の通学費の額となっていて、要するに最も安い経費を算定しなさいと書いてあります。しかし、その後に、通学費の算定に当たっては、通学の経路・方法等について、児童等の心身の発達の段階、障害の状態、特性と通学の安全性等の事情を考慮して行うものとも書いてあることから、経済的な算定だけではなく、個々の生徒の実情を考慮し、就学奨励費を算定することが必要と考えますが、就学奨励費の考え方について所見を伺います。 次に、IT企業の育成について伺います。 近年、個人の消費マインドが変わってきております。統計によれば、携帯電話は1人1台持ち、月に支払う携帯電話料金は平均4,000円であるとも言われています。家族4人、4台であれば1万6,000円になりますし、物を買おうとすればインターネットで購入をし、広告もインターネットを使うことがふえています。いわゆるITへの消費やビジネス投資が進んでいることがうかがえます。 今後、IT企業の育成または企業誘致を進めることが本県経済を押し上げていくことに必要ではないかと思いますが、知事の所見を伺います。 次に、米の作付について伺います。 平成30年から米の生産数量目標にかかわらずとも自由に作付できることになり、農家の皆さんは米の価格が下がるのではないかと不安があるとお聞きをいたします。特に本県は、米の生産額が全国でもトップであることから、米の価格が下がることや直接払いがなくなることにより打撃を受けることが想定されます。 また、以前より生産数量目標に対する過剰作付が多く、米一辺倒に施策が向いているように見受けられるところもあります。毎年、国内需要が8万トンずつ減少していることを考えれば、米の生産を減らさなければ、米が余り、価格が下がることは必然と考えます。 来年の県の生産目標を上回る作付とならないように取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、園芸品目の品種改良について伺います。 稲作から園芸に生産を促そうとするとき、付加価値が見込め、魅力がある品種があることが必要と考えます。ある農家さんに伺ったところ、米一辺倒でやってきたものを全てやめて、枝豆やトウモロコシ、野菜等にシフトし、所得が高まったということがありました。また、米をつくっているときよりも、おいしい農作物をつくることが楽しいとも言われており、園芸の必要性といったものを感じました。 今後は、県独自の新たな果樹、花卉、野菜などの新品種をつくり、ブランド化を高めていくことが本県農業の成長につながると考えられます。県でも、受粉作業が不要で省力化が可能になる、梨の新品種である新美月と新王を開発し、今後の生産拡大が期待されております。また、石川県のルビーロマンというブドウは、希少価値があり、高値で販売されているものもありますので、新潟県の新たな高付加価値が見込める品種をつくり、力を入れることが本県農業の成長につながると思いますが、知事の所見を伺います。 次に、園芸品目の輸出拡大について伺います。 本県は、米の輸出量が全国1位で、米の輸出に力を入れていることがわかります。一方、園芸の輸出量は全体の1割で、非常に少ない状況でもあります。ことし8月、シンガポールに視察で足を運びましたが、スーパーや百貨店では、本県の米は並んでいますが、果物や野菜は並んでいませんでした。ブドウは山梨、長野、桃は岡山、枝豆は秋田、梨は鳥取の食材が並んでいましたが、山梨のブドウは6億円輸出しているという数字もありますし、福岡県に視察にお邪魔したときには、あまおうの輸出で80トン出していると言われていました。農家さんからは、何で国内で売れるのに輸出をするのかと言われることが多くあると言われていましたが、県の担当者の方は、今後、国内需要が減少することがわかっているので、売れなくなってからでは販路をつくろうとしても遅いでしょうということを農家さんに言われているそうであります。 本県の農作物の輸出額は約4億円と、まだ少ない状況でありますので、国の平成30年度予算も農作物の輸出に多く概算要求をしていると伺うところもありますので、本県も園芸品目の輸出拡大に積極的に取り組むべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、今後の米政策について伺います。 ことしより、新たなブランド米、新之助の販売が始まりました。全国では米の戦国時代と言われ、各地域の特色あるブランド米が強化され、しのぎを削っています。また、飼料用米や、品薄である業務用米のシェアを高めていくことも必要と考えますが、さらに有機農法で栽培された無農薬の米や新たな金芽米など、多様な品種をそろえていくことが本県産米のシェアを高めていくことにつながるのではないかと考えますが、多様な米づくり推進について、知事の所見を伺います。 次に、保険制度について伺います。 農作物の生産は、日照不足や、台風などの風や水害等の被害のリスクを伴います。今後、経営を安定化させ、若い担い手が農業に入ってくるには、そのリスクを補う仕組みが必要です。ことしも、台風18号の強風により、多くの果樹が被害を受けました。2割以上被害を受けると補される共済制度もありますが、支払い要件に合致しない農家は所得が減ることになります。今後、果樹農家の経営を安定させるためには、来年から始まる収入保険制度と現状の共済の使い勝手がよくなるよう、県として制度の改善を国等に働きかけることが必要と考えますが、所見を伺います。 次に、河川事業について伺います。 近年、豪雨災害が増加しています。一昨年には、茨城県常総市での鬼怒川の堤防の破堤により甚大な被害に襲われたことは、記憶に新しいところでありますし、ことし7月、九州北部豪雨が発生し、河川の氾濫や土砂崩れ等によりお亡くなりになった方や避難をされている方がいらっしゃいます。 地球全体に温暖化による異常気象がふえていることから、水害に対する危機意識が高まってきています。本県は、5,168キロという河川を抱え、越後平野という地形上、平たんなことから流速が遅く、排水に苦労する面があります。今後、豪雨に対する対策として河川改修事業の来年度の予算を増額すべきと考えますが、所見を伺います。 最後に、農作物の盗難対策について伺います。 農作物の盗難がなくなりません。ことしも新米を盗難される事案も出ておりますし、特に高価格で流通される果物が多い状況であると伺っております。私の地元、南区においても、ルレクチエや桃を毎年のようにとられている状態でもありますが、農家さんが1年手をかけてやっと実った果物をとられるのは、感情的にも許せないことでありますし、立派な犯罪であります。基本的には農家の皆さんが自主的にパトロールなど盗難防止に努めているところであり、中には監視カメラを設置して、犯罪者が映ったケースもありますが、検挙には至っていない状況でもあります。 今後、農作物の盗難被害を減らすため、監視カメラの設置等の補助をすることや、JA関係者、警察等のパトロールを強化することも必要ではないかと思います。このような被害を減らすため、県の取り組みが必要と考えますが、知事の所見を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。大変どうもありがとうございました。(拍手)   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) それでは、笠原議員のただいまの一般質問にお答えいたします。 まず初めに、新潟空港アクセス改善協議会における小型モノレールの検討についてですが、まずもって非常に詳細な計算のある質問を大変ありがとうございます。またぜひ参考に、詳細を拝見させていただきたいと思っております。 本協議会では、軌道系アクセスによる改善も検討対象の一つとしており、新潟市長にも参加をいただきながら、議員御提案の小型モノレールも含め、意見交換を進めております。 これまでの協議においては、中間駅の整備により、沿線地域の新たな需要が見込まれるといった御意見がある一方で、まずは既存のバスやタクシーなどの利便性向上等の取り組みを最大限行うべきとの御意見も多数いただいております。 いずれにいたしましても、あらゆる可能性について、具体的な費用と効果の観点も含めた複眼的な議論をした上で、年内には県としての方針を決定してまいりたいと考えております。 さまざまな計算の中で、順番ということもあるでしょうし、時期ということもあるのかと思います。また、交付税等の国庫の負担ということで、県の負担が少ないということももちろんあるのだとは思いますけれども、ただそれは、それによって何かお金が湧いてくるというわけではなく、基本的には同じ税金ということではあろうかと思います。もちろん県という観点では、それは負担は減ることではございます。 以上、さまざまな観点を複眼的に考慮して、議論を進めてまいりたいと考えております。 次に、新潟空港屋上送迎デッキの無料開放についてですが、議員御指摘のとおり、空港のにぎわいを創出する有効な取り組みと考えております。新潟空港ターミナルを管理している新潟空港ビルディング株式会社では、議員御指摘のとおり、通常の日は有料で、写真を撮りに来られる方がおられて、それは結構な額になるものですから、今、有料で開放しているのですけれども、これまでイベント時などに無料開放を実施しているほか、事前予約のあった空港見学の児童等には無料で開放しております。 また、本年5月からは、試行的に毎月最終日曜日に無料開放を行い、無料化による効果を検証しているところでございます。 県といたしましても、より一層効果的なものとなるよう、無料開放日をふやしたり、無料開放日に物販等を行うということで、屋上の有効活用などについて、まずは試験開放や検証などを進め、それを踏まえながら検討を行うよう、管理会社に求めてまいりますとともに、さらに株主としても、さまざまな取り組みを機動的に行える経営体制の確立を求めてまいりたいと考えております。 次に、県職員等による新潟空港利用についてでございますが、議員御指摘のとおり、新潟空港の欠航率は、首都圏空港とほぼ同程度の低さであり、また空港の利用拡大に向けては、低い欠航率の周知を含めて、県や市町村職員に対して利用を促すことも重要であると考えております。 このため、ネットワークの充実を図り、使い勝手のよい空港を目指すことはもとより、県におきまして、職員に対して、もちろん料金がありますので、他の交通機関と遜色ないという前提ではありますけれども、時間等々を考慮した上で、出張や旅行において新潟空港を積極的に利用するよう、庁内LAN等を活用した働きかけを強化してまいります。 また、市町村職員に対しても、さまざまな機会を捉えて協力を求めてまいりたいと考えております。 次に、タイやシンガポールへの航空路開設についてですが、議員御指摘のタイやシンガポールを初め、東南アジアの国や地域は、今後の訪日観光需要の拡大が期待できることに加え、県内企業も進出しており、一定のビジネス需要もあるものと考えております。また、このビジネス需要がふえていくものと考えております。 このため、先般、中間報告として発表した新潟空港の路線ネットワーク戦略におきましても、訪日外国人観光客の増加が見込まれる地域への路線の充実を戦略の一つとして掲げ、東南アジアへの新規路線開設やチャーター便の誘致に取り組む方針を示したところです。 今後、航空会社や旅行会社等への働きかけを積極的に行い、まずは連続チャーター便の運航等で実績を重ねながら、新規路線の開設を目指してまいります。 次に、台北線の増便等による交流人口の増加についてですが、台北線は、昨年11月に就航して以来、利用が好調に推移しており、この冬期においては、新たに臨時便の就航が予定されております。 今後一層の利用促進を図るためには、議員御指摘のとおり、インバウンドのみならず、インバウンドとバランスのとれたアウトバウンドの拡大によって、トータルとしての交流人口の拡大が必要と考えております。このため、関係部局が連携を図りながら、修学旅行や研修旅行の拡大を図るとともに、新たなツアーの造成に向けた支援や働きかけを強化し、さらなる増便につなげてまいりたいと考えております。 次に、就航地先での観光PRについてですが、議員御指摘のとおり、本県の観光振興や安定的な国内線の就航を図るためには、新潟空港の就航地からの観光誘客を進めることが重要と考えております。 これまで、福岡、名古屋、沖縄等の旅行会社への訪問や、現地での観光PRイベント、物産展への出展等により、本県観光の魅力発信に取り組んできたところであり、引き続き、空港関係者等と連携しながら、本県への観光誘客の拡大に向けた取り組みを積極的に行ってまいります。 次に、観光振興についてお答えいたします。 まず、観光地間の移動の円滑化と魅力発信についてですが、多くの観光客に佐渡を初め県内を訪れてもらうためには、点在する観光地を結ぶ観光バスの運行、2次交通の確保や観光地までの案内の充実など、観光客の利便性を高めていく必要があるものと思います。 私自身も、視察で佐渡に参ったと同時に、それ以前には実は選挙で伺ったことが複数回ございまして、その際にやはり2次交通がさほど便利でないということに関しては、やはり実感したところでもございます。ぜひ観光客の利便性を高めていく必要があるというふうに考えております。 また、旅行ニーズに沿った着地型観光コンテンツの開発に取り組む中で、魅力ある観光ルートの発信を行うことも同時に重要と認識しております。 県といたしましては、市町村や観光関係団体と一体となって、こうした課題の解消に向け、観光客の利便性を高める受け入れ体制の整備を促進するとともに、地域の特色ある観光資源を生かし、旅の目的地としての佐渡、また新潟の魅力を発信してまいりたいと考えております。 次に、佐渡の魅力の発信につながる修学旅行生の受け入れについてですが、佐渡は、残念ながら世界遺産登録にことしは落ちてしまいましたけれども、金銀山に代表される歴史的な遺産、伝統芸能など歴史的文化や、海や山など恵まれた自然や、山海の幸を初めとする食など、そしてまた、ここに極めて多くいるといいますか、ここでしかこれだけの数は見られないトキなど、修学旅行に適した体験型を含む多くの観光資源を有しております。 さらに、島固有の観光資源を見て、また感じて、体験した修学旅行生が、地元に戻り、周りの方々に佐渡の魅力を伝えたり、生徒が大人になった際に佐渡を訪れたりすることも期待できると考えております。私自身も、修学旅行で佐渡に行っております。 県といたしましては、新たな体験プログラムの開発など、修学旅行生の受け入れ体制の充実に向け、引き続き佐渡市とも連携して取り組んでまいります。 次に、着地型観光の必要性と今後の取り組みについてですが、議員御指摘のとおり、旅行形態が団体型から個人・グループ型に変化する中で、地域ならではの着地型コンテンツの創出・磨き上げは、本県観光の魅力向上につながるものと考えております。 また、そういったストーリー性のある観光資源というものを開発していく中では、どうしても旅行業とは分離すると思われますので、そういった意味での観光型コンテンツというものは必須になるというふうに考えております。 県といたしましては、今後とも、旅行者ニーズに沿ったストーリー性のある着地型観光コンテンツの開発や磨き上げなど、地域が主体となった取り組みを支援し、魅力的な観光地づくりの形成に努めてまいります。 次に、ポケモンGOを利用した観光振興についてですが、議員御指摘のとおり、昨年開催された石巻市でのイベントには多くの人が訪れ、大きな経済効果があったというふうに伺っておりますが、一方で、開催期間中には交通渋滞や路上駐車、近隣住民とのトラブルも発生し、また、1度の開催では観光客の定着は難しいといった報道も見られていると承知しております。 県といたしましても、観光客、観光される方のニーズを捉えた、テーマ性を有する取り組みは重要と認識しております。石巻市のイベントも大いに参考にさせていただきながら、多様な観光資源を活用した、地域が行う独創的な取り組みを積極的に支援して、発信してまいりたいと考えております。 次に、県政の諸課題についてお答えいたします。 まず、私立高校の定員超過についてですが、私立高校におきましては、公立高校と併願する生徒の割合が高く、合格者のうち、実際に入学する生徒数の予想が困難であるという事情はあるものとは承知しておりますが、県といたしましても、教育条件を維持する観点からも、やはり著しい定員の超過は問題であると考えております。 このため、前年度と比べ、特に超過率が高くなった学校に対しましては、その要因について個別に聞き取りを行い、それが余り合理的でない理由であるとか、また著しい定員超過が生じているということであれば、やはりそういった著しい定員超過が生じないように求めているところでございます。 次に、IT企業の育成についてですが、現在、インターネット利用の拡大に加え、AI、IoT、ビッグデータなどの活用が新たなビジネスの創出や生産性向上の鍵となっており、議員御指摘のとおり、本県経済を押し上げていくためには、需給両面の観点から、IT企業の育成が重要と考えております。 県では、以前より、にいがた産業創造機構と連携し、ウエブマーケティング企業等の創業支援や、県内IT企業の試作開発、人材育成等を支援してまいりました。 今後も、IT企業の創業支援や、AI、IoTなどの高度ITを担える人材の育成支援、さらには子供たちに対するITに関する教育の充実など、県内IT産業の振興に努め、本県経済の発展につなげてまいりたいと考えております。 次に、米の生産目標と県の取り組みについてですが、県の生産目標の実効性確保に向け、県では、地域目標の円滑な設定を支援するために、農業者等に県産米の需給情報等をきめ細かく発信すると同時に、供給の見込みということも調査させていただいて、需要と供給に大きな懸隔がある場合には、関係者と粘り強くお話をしてまいりたいと考えております。 さらに、需要のある業務用米等へ誘導するため、一定の所得が確保できる多収・低コストの栽培の普及などの環境整備に努めてまいります。 また、地域協議会の先進的な取り組みへの支援や、コシヒカリから多収性品種への種子の緊急転換支援について、本定例会において補正予算をお諮りしているところです。 次に、稲作から園芸への転換についてですが、付加価値の高い園芸品種を開発し、ブランド化を進めていくことは、園芸による所得確保につながるものと考えております。 御指摘いただきました新美月、私も試供品としていただいたのですが、大変おいしい品種であるというふうに思っております。 一方で、稲作農家への園芸導入を促進する観点では、稲作との作業競合が回避でき、栽培しやすい品目、やはりそういった観点からの品目の導入というものもまた考える必要があります。 このため県では、稲作農家でも導入しやすい品目の選定や、栽培技術の確立に向けた研究をも進めているところでございます。 あわせて、機械化や育苗・出荷作業の受委託体制整備を支援し、園芸の導入・定着を複眼的に進めてまいりたいと考えております。 次に、園芸品目の輸出拡大についてですが、米の主産地である本県では、輸出においても米が中心となっておりますが、海外における新潟のブランドイメージの確立と競争力向上には、議員御指摘のとおり、米を中心に果物や畜産物、また酒などの加工品もあわせて、新潟の食文化としての情報発信を行いながら、販路開拓を進めることが重要と考えております。 一方で、米は生産量が多く、保存がきき、アジア各国で共通して主食として食べられるなど、輸出に向いた特性を有しているのに対して、園芸品目の輸出に当たっては、各国の嗜好の差や、ロットの確保、輸出品の品質維持、輸送ルートの確保などの課題がございます。ただ、こちらも議員御指摘のとおり他県での成功例もございますので、そういった成功例も参考にさせていただきながら、意欲ある産地や企業等と連携し、課題解決に取り組み、輸出拡大を進めてまいりたいと考えております。 次に、本県産米のシェア拡大についてですが、先ごろ策定した新潟米基本戦略において、需要に合わせた生産を基本としつつ、主食用米・非主食用米をあわせて農業所得の最大化を目指すこととしており、議員御指摘のとおり、多様な米づくりを推進してまいりたいと考えております。 このため、トップブランド米のコシヒカリと新之助につきましては、CM等を含めたブランド維持の取り組みを強化するとともに、需要が拡大している業務用米・輸出用米を中心に多収性品種の導入を進めてまいります。 また、中山間地域においては、付加価値の高い米の生産を行うことが必要であり、有機栽培を初め、はざかけ米や棚田米などの地域の特徴を生かした米づくりを推進してまいりたいと考えております。 次に、農業共済制度の改善についてですが、災害による収量の減収を補う農業共済制度では、品目ごとに支払い要件に応じた共済掛金が設定され、農家の方々の掛金に見合う共済金が支払われております。 もちろん被害等があった場合には全額の収入が補されることが望ましいのですけれども、そういたしますと当然それに合わせて共済金もふえてしまうというところがございまして、完全に被害を補するような制度の拡充ということは、農家の負担の増大につながることから、慎重な意見がございます。 一方で、今後導入される収入保険制度につきましては、農業経営全体の収入減少をカバーするセーフティーネットとして、使い勝手がよく実効性のある制度となるように、今後も国に働きかけてまいります。 次に、豪雨対策についてですが、近年、全国各地で豪雨が頻発していることから、河川改修事業の推進は重要な課題であると認識しております。 県では、限られた予算の中、河川改修の優先度に応じた予算の重点化を図っておりますが、近年、国の社会資本整備予算が増加せず、計画的な河川改修が十分に進捗しない状況にあります。 このため、社会資本整備予算の確保に向けて、機会を捉えて国に要望しているところでございます。 今後とも、県民の安全・安心を第一として、河川整備に必要な予算の確保に努めてまいります。 次に、農作物の盗難被害減少に向けた取り組みについてですが、盗難被害を防ぐためには、被害防止に向けた生産者の意識向上が重要であり、収穫物の保管場所の施錠の徹底などを啓発するとともに、議員御指摘の、産地での監視カメラの設置やパトロール活動体制など先進事例の情報提供を行ってまいりたいと考えております。 その上で、被害防止活動や必要な機器の整備に対する支援などの要望があれば、検討してまいりたいと考えております。 また、当然、県警にはこういったことをよく注意して警備に当たるように申し伝えてまいりたいと考えております。 以上、答弁でございます。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) お答えいたします。 民泊制度の準備状況と課題についてですが、住宅宿泊事業法が6月に成立し、民泊制度の概要に関する国の説明会が今月上旬に開催されたことから、県では、先日、庁内及び県警の関係課で情報を共有し、県が行うべき事務の準備を開始したところです。 課題につきましては、民泊はうまく用いれば新たな観光資源の開発につながることが期待されるものの、議員御指摘のとおり、住民トラブルなども懸念され、関係団体等からは民泊を制限する条例制定の要望が出されていることから、今後、詳細が示される政省令等を踏まえ、来年3月までに予定される届け出開始を見据えて、限られた時間の中ではありますが、県としての対応を検討していく必要があると考えております。   〔産業労働観光部長佐久間寛道君登壇〕 ◎産業労働観光部長(佐久間寛道君) お答えいたします。 佐渡航路の就航状況と観光誘致についてですが、年間を通した新潟―両津航路の欠航リスクは少ないものの、情報不足や誤ったイメージが来島を妨げる要因の一つにもなり得るものと考えます。 佐渡への観光誘致を促進するため、佐渡汽船を初めとする観光関係者と一体となって、佐渡の魅力を高めていくことはもとより、航路運航の正確な情報発信に努めてまいります。   〔交通政策局長水口幸司君登壇〕 ◎交通政策局長(水口幸司君) 3点についてお答えいたします。 まず、近隣県からの新潟空港利用についてですが、本県が昨年行った調査に基づく推計では、国内線及び国際線を合わせた年間空港利用者約99万1,000人のうち、県外利用者は33%、約33万1,000人の利用があり、そのうち福島県が約1万5,000人、山形県が約6,000人、群馬、埼玉県の両県を合わせて約3,000人となっております。 議員御指摘のとおり、空港利用者の増加に向けては、近隣県からの利用拡大は不可欠であり、県はこれまでに、他県の旅行会社等に対する商品造成やバス借り上げに係る支援を実施してまいりました。 今後は、支援制度の利用促進に努めるとともに、新潟空港アクセス改善協議会においても、近隣県と空港間のアクセス改善に向けた議論を深めてまいりたいと考えております。 次に、新潟―ハルビン線の今後の動向等についてですが、ハルビン線は、近年の成田空港や中部国際空港へのLCC就航の影響もあり、ことし3月末から週2便に減便され、本県における訪日中国人の宿泊数が減少するなど、影響が生じているものと思われます。 このため、航空会社や黒龍江省の旅行会社等と連携し、新潟空港を活用した商品造成への支援を強化した結果、中国からの旺盛な需要にも支えられ、ことし4月から8月では、減便の影響もあるものの、利用率は約8割と高水準になっております。 引き続き、黒龍江省からの誘客や新潟からの送客に取り組むとともに、航空会社に対して、早期の増便を働きかけてまいります。 次に、新潟空港の路線就航地のPRについてですが、新潟空港ターミナルを管理している新潟空港ビルディング株式会社では、従来より、国内外の就航地をPRするイベント等を実施しており、今月行われた新潟空港空の日イベントの際には、県も協力して就航地を紹介するブースを設置し、来場者にPRしたところです。 議員御指摘のとおり、就航地をPRするイベントは、航空路線の利用者数の増加や、空港の活性化につながることから、県といたしましては、就航地の自治体や観光関係団体等と連携を図りながら、管理会社とともにイベントの充実に取り組んでまいりたいと考えております。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) お答えいたします。 特別支援学校に通学する児童等への交通費支援についてですが、就学奨励費の算定に当たっては、国の基準に基づき、原則として最も経済的な通常の経路及び方法により通学する場合の交通費の額を支援しております。 なお、具体的な交通費の算定に当たって各特別支援学校では、通学の経路・方法等について、児童等の心身の発達段階、障害の状況・特性、通学の安全性、公共交通機関等の実情を考慮しながら、弾力的に対応してまいります。   〔笠原義宗君登壇〕 ◆笠原義宗君 3問再質問させていただきたいと思います。 まず最初に、モノレールの整備のお話の中で、いろいろ提案をさせていただきましたけれども、最初は赤字でも、将来黒字になるのではないかというような提案があったのですが、その採算性を、最初は赤字でも、やっていく意気込みというものが大事なのかなというふうに思いまして、最初は採算がとれなくても、将来を見越してやっていくという知事のお言葉をいただきたいというふうに思います。 続いて、私立高校の件なのですが、昨年、ちょっと多くの私立高校の入学があったというようなことなのですが、県立高校は3年前に、募集学級減という形で示しているかと思いますが、私立高校の募集定員を3年前にそうやって調整をしているのか、その辺をちょっと伺いたいというふうに思います。 あと、もう一点は、米の生産数量なのですが、答弁がちょっと私、余りよく聞こえなかったのですけれども、高価格の米を減らして、業務用米等をふやすみたいな御答弁だったかなというふうに思ったのですが、毎年8万トンずつ需要が減少しているわけですので、私としては主食用米を減らすべきなのではないかという思いで質問させていただいたのですが、そこを確認させていただきたいと思います。 3点、よろしくお願いします。   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの質問に対してお答えいたします。 これは、モノレールに限ったことではないのですけれども、多少誤解をしているかと思うのですが、もちろん長期に使うインフラといいますか、極めて長期に使うインフラに関しては、当初赤字か黒字かということが重要なわけではなくて、全体として黒字化していくといいますか、全体としてそれが合理的な、払うお金に対して得られるものがきちんと来るという目算が立てばいいということだと思います。 決して当初の赤字ということにこだわるという意図は全くなく、ただその黒字化するということが本当に、それは人間、10年、20年先のことというのは余りわからないわけなのですけれども、でも少なくとも、ある程度予想される社会像の中で、本当にそれがそれなりに信じられるものなのかということが重要なのだと思います。また、それに関しましては、余り予想に基づくわけではなくて、少しずつ確かめながらやっていくということも重要だろうと思います。 そういった形で、きちんとした採算がとれるということが、ある程度の確からしさで、もちろん絶対はないわけですから、それは仕方ないのだと思うのですけれども、ある程度の確からしさで確認できるのであれば、それはモノレールに限らず、長期的に採算に合う手法というものはどれも検討すべきだし、どれも実現の可能性があるというふうに考えております。 私立高校につきましては、また別途、答弁いたします。 米の生産数量に関してですが、高価格を減らすと、8トンの減があるということで、減らすということなのですけれども、もちろん主食用米はある程度やはり需要が減っていく中で、減らしていくということは必要なのだと思います。 ただ、同時に、これからまさに産地間競争の中で、誰が勝つかみたいな形になっていくところではあるのだと思います。やっぱり新潟県は、なかなか難しい兼ね合いではあるのですけれども、しかし、ちょっと他県の人には恐縮な言い方ですけれども、新潟県としては新潟県が勝ち残るのだと、新潟県はきっちり勝ち残って、新潟県の生産数量はふえていって、ほかがおりていただければ一番ありがたいというのが、我々の望むところではあるわけです。 ただ、余りそれをやり過ぎて、新潟産米が値崩れしてもいけませんから、そこは非常にバランスをとりながら、ある程度はもちろん減少はさせていかなければならないのだと思うのですけれども、そう簡単にトップブランドたる新潟がおりていいのかというところはありまして、我々はある程度強気にブラフをかけながら、しかし市況を見ながらという極めて難しいバランスをこれから試されているということだと思います。そこをぜひ関係者の皆様ともよく連絡をとりながら、バランスをとってまいりたいと考えております。   〔総務管理部長杉本孝信君登壇〕 ◎総務管理部長(杉本孝信君) 私立学校においても募集定員の調整をしているのかといった御質問と受けとめました。 私立学校におきましては、やはり独自のそれぞれ経営方針に基づいて行っているというふうに考えておりますが、いずれにしても大きな定員割れを生じている高校におきましては、志願段階から定員を満たしていない状況というものが多く見受けられておりまして、一部の私立高校の定員超過が直接影響を与えているというふうには受けとめてはおりません。 ただ、知事も答弁しましたとおり、教育条件を維持する観点ということからは、やはり著しい定員の超過というものは問題だと考えておりますので、いずれにいたしましても私立高校において著しい定員超過が生じないように、引き続き求めてまいりたいと考えてございます。   〔笠原義宗君登壇〕 ◆笠原義宗君 答弁ありがとうございました。 お米の生産数量の過剰作付というか、多少は減らしても減らすべきではないと、新潟だけが勝てばいいのだというような考えでありましたけれども、恐らくその考えでずっと来たからこそ、この新潟県農業は、米が一番全国でも生産額が高いということはいいのですけれども、米が余れば一番打撃を受けてしまう、その農業のもろさにつながっているのではないかというふうに私は思っておりまして、私の考えでは、園芸になるべくシフトするべきだという考えでいつも訴えさせていただいているのですけれども、やっぱり知事が米一辺倒で考えているからこそ、県行政というのはそこから離れられないのだろうなと、改めてそんなことを今思わさせていただきました。 ぜひ今後、米から、米も大事ですけれども、園芸になるべく大きくシフトしていっていただきたいということを言いまして、再々質問とさせていただきたいと思います。   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの質問にお答えいたします。 御指摘ももっともでございまして、決して一辺倒でいきたいわけではありませんで、また私も、ルレクチエを初めとして、新潟の果樹の可能性というのは非常に感じているところでございますし、うまく転換が進んでいけば、それは当然いいというふうに思っております。 決して一辺倒ではなく、いろんなところへの転換をもちろん進めていくという前提ではあるのですけれども、しかしやはり適地適作にこれからなっていくのだと思います。日本の農業というのは、生産調整が事実上終わって、続いているという言い方もありますが、事実上終わった中で、これから適地適作の中で、そうしますと新潟県の適地適作としては、やはりそれは農業、米づくりというものを今までやってきており、かつ、今までそのための施設をたくさんつくっており、米づくりは新潟がとりますと、ほかのところは、山梨はブドウをとってくださいというような形の中で、もちろん米は勝ち残っていかなければならないというふうには思っております。 ただ、もちろんそれは、議員御指摘のとおり、同時に、当然需要と供給あわせて、ブランド価値が落ちてしまってはいけませんから、同時に果樹への転換も進めながら、他の産地との競争に勝っていくということかと思います。 なかなかそのバランスが難しいということは大前提なのですけれども、ぜひ果樹への転換と同時に、米としての勝ち残りということを両方両立できるように頑張ってまいりたいと思います。 ○副議長(沢野修君) 笠原義宗君の質問は終わりました。 次に、中村康司君の発言を許します。中村康司君。   〔中村康司君登壇〕(拍手) ◆中村康司君 自由民主党の中村です。順次質問をいたします。 最近の経済状況を見ますと、日経平均が2万円前後で推移するなど、大企業を中心に好調なようです。ことし上半期の中間決算を前に、業績予想の上方修正が相次ぐとの指摘もありますし、人手不足を補うための省力化投資や外食などで消費も上向きになっているなど、内需の力強さも指摘されております。 平成28年度の企業の内部留保は400兆円を超え、また、平成29年4月から6月期の国内総生産は、年率換算で実質成長率が2.5%増と発表されました。景気回復が9月まで続けば、いざなぎ景気を超えて、戦後2番目の長さになると報道もされております。 我が国経済の状況について、知事はどのように受けとめているのか伺います。 それに対し、本県経済はどうか。企業経営者、経済団体に聞いても、景気が上向いているという感覚は余り感じられていないようです。平成27年度の本県の新設事業所数は1,326であり、開業率も全国平均からすると低いと言えます。既存の企業に対する支援はもとより、新規起業への支援も必要と考えます。 また、休廃業、解散についての数字を民間調査会社のデータで見ますと、平成28年の本県の休廃業、解散は781件で、前年比23.2%増、平成15年の集計開始以降で最多でありました。また、休廃業、解散率では2.359%で、残念ながら全国トップでありました。業種別では建設関連が多く、後継者難や代表者の高齢化が深刻化しているのではないでしょうか。事業承継の難しさをあらわしている数字だと思います。 7月の県内有効求人倍率は、全国と同じ1.52倍と高水準ではありますが、このように依然として本県経済は厳しいように感じています。知事は、本県経済の状況をどのように認識しているのか伺います。 私は、大企業、大都市部と本県との格差を少しでも埋める努力をしなければならないと常々思っております。ことしの2月定例会で知事は、命と暮らしが守られる県政を実現するには、経済の回復と発展が前提となりますと述べています。この点は、全くもって同感です。 当面の本県経済の回復・発展に向けて、生産や消費、設備投資などのどこを伸ばすことが有効と考えているのか、所見を伺います。 本県の7月の正社員の県内有効求人倍率は1.01倍と、87カ月連続で前年同月を上回りました。平成24年度は0.51倍だったので、上昇率も相当高いと言えます。ちなみに、7月の有効求人が2万2,459人で前年同月比9.2%増、求職者数は2万2,301人で6.9%の減です。景気回復からか求人がふえ、人口減少のためか求職者数が減少しているということでしょうが、人手不足が顕著です。 県として産業振興や企業誘致に取り組んでいる中で、労働力の需給逼迫が企業の規模拡大や進出の阻害要因とならないか懸念しますが、知事の所見を伺います。 続いて、社会資本整備について伺います。 平成23年の新潟・福島豪雨、平成26年8月の広島土砂災害、そして一昨年の関東・東北豪雨に引き続き、ことしも7月に九州北部豪雨で37名の方々が犠牲になるという甚大な被害が発生しました。1時間雨量は、観測史上最大と言われる129.5ミリを記録。大雨は増加傾向にあります。1時間で100ミリを超すような短時間強雨が全国各地で頻発しています。 気象庁によると、1時間に50ミリ以上で滝のように降ると言われる短時間強雨の発生は、1976年から1985年までの10年間で1,738回が、2007年から2016年で2,321回に上り、34%ふえております。 その理由として考えられるのが地球温暖化です。気温の上昇で大気中の水蒸気がふえ、雨量は多くなり、台風の勢力も強まります。実際、日本の年間平均気温は100年前と比べて約1.2度上昇しています。今後もCO2など温室効果ガスの排出が高い水準で続くと、21世紀末の日本では20世紀末の2倍の短時間強雨が発生するという予測もあるといいます。 7月1日の集中豪雨で、糸魚川市でも河川を中心に大きな被害が発生しました。その後、中・下越、佐渡でも被害が発生しております。河川について、堤防や護岸が決壊した箇所の復旧や、浸水被害が発生した箇所における再度の災害防止に早急に取り組む必要があると考えますが、知事の所見を伺います。 このように、数十年に1度というレベルの豪雨が毎年のように襲ってくるのであれば、整備基準の見直しも必要になってくるのではないかと思いますが、恐らく多くの時間などがかかることと思います。そうしている間にも豪雨が襲来する可能性は高いわけですので、対策を考え、危険予知や避難体制の確立を図る必要があります。 県では、気象庁や消防庁、糸魚川市、村上市と連携して、河川の洪水危険度を予測し、住民への危険性周知に活用する取り組みをしていると聞いています。報道でも取り上げられましたが、最新の知見や技術を活用して住民の安全・安心を確保する大変意義のある取り組みと考えます。河川のハード整備は着実に進める一方で、このようなソフト面での取り組みも一層推進すべきと考えますが、所見を伺います。 記録的な大雨がもたらすリスクは、全国に20万あると言われるため池にも潜んでいます。大雨によって、この10年余りで300カ所以上のため池が決壊しております。 九州北部豪雨では、45のため池が決壊するなどしました。そのうち、福岡県朝倉市では7万トンのため池が決壊し、下流の集落や農地に大きな被害をもたらし、死者も発生しました。 このことや、県内での7月豪雨も踏まえ、豪雨発生時のため池の安全性について、ハード・ソフト両面で再点検する必要はないのか伺います。 道路、交通の問題もあります。糸魚川地域の国道は、県境付近では、国道8号が連続雨量180ミリ、国道148号が連続雨量150ミリで通行どめになります。7月1日は、北陸自動車道も通行どめになり、多くの車両が足どめされました。災害時の孤立を防ぐためにも、早急にこの地域の道路網整備を推進すべきと考えますが、今後の整備方針について伺います。 続いて、人口減少問題についての質問です。 全国的な人口減少、少子高齢化問題ですが、本県にとっても喫緊の課題ということは言うまでもありません。平成9年の249万人をピークに減少に転じ、現在は230万人を割り込んでしまっております。 自然動態をあらわす合計特殊出生率を見ると、ほぼ全国平均で推移していますが、私は本県の社会動態に強い危機感を抱いています。北信越等近県の社会動態を調べ、本県と比較して、大変驚きました。平成26年10月現在の数字は、全てマイナスで、本県が5,910人、富山県1,302人、石川県789人、長野県3,758人と、全て社会減状態であったものが、2年後の平成28年10月現在では、大きくさま変わりし、本県はほとんど変わらずマイナス5,669人であるものの、富山県はプラスの89人、石川県もプラス173人、長野県はマイナスですが、大きく改善され、1,320人と、本県は2年間でほぼ同規模の社会減が続いているにもかかわらず、富山、石川は社会増に転じ、長野県も健闘しています。危機感を大いに持たざるを得ません。 転出超過数の理由は、職業、次いで学業となっていますが、地元の高校を卒業し、首都圏の大学や専門学校に進学希望の高校生を引きとめるのは大変困難だと思います。ある意味、仕方のないことです。それでは、職業選択の際にどうやって本県を選んでもらえるかということになります。 私は、昨年9月定例会の一般質問で、糸魚川市の西部、本県で最も西に位置し、富山県境に接している2つの集落の人口動態の状況について言及をいたしました。その後も転出理由などを追跡してみたのですが、教育、医療など多種多様で、一概に言い切れるものはありませんでした。 ただ、総括的なものとして浮かび上がってくるのが、所得であろうという意見が多くありました。内閣府が5月に発表した2014年度の県民経済計算によると、1人当たりの県民所得の全国平均は305万円、富山県が318万円で全国5位、それに対し本県は269万円で全国31位と、金額にして50万円程度の差があります。この所得差を埋め、本県の県民所得も上げなければなりません。 ちなみに、県民所得とは、雇用者報酬に企業所得なども合算され、県全体の豊かさを示すイメージに近いとされています。 このように、糸魚川西部地域から富山県への移住の理由として、1人当たりの県民所得で約50万円の差があることが大きいとの意見があります。 昨年の9月定例会で、泉田前知事は、高い付加価値を生み出す産業構造への転換を進めることで、県内総生産額の増加を図り、県民所得の向上につなげてまいりたいと答弁しています。 航空機産業やメタンハイドレートなど期待される分野をどのように伸ばしていくのか、また、その他にどのような産業分野を伸ばしたいと考えているのか、米山知事の所見を伺います。 本県の、関東に近いという地理的特性により転出者が多いということももちろんよく理解できますが、居住する場所を選ぶ際には、その地域で得られる所得が大きな問題になるのは当然ではないでしょうか。 また、所得が同程度であれば、社会保障が充実し、生活コストが低い地域に移住することも考えられます。生活コストの中でも子育ては家計にとって負担が大きいと考えますが、本県における子ども医療費の助成を初めとする子育て支援にかかわる施策は、他県と比較してどのような水準にあると認識しているか伺います。 ところで、本県への転入先、他県への転出先をリーサスで調べてみました。両方のベストテンを見ると、ほぼ同様で、東京都を初めとした首都圏のほか、長野県、群馬県、福島県など隣県、近郊県がほとんどです。ベストテンのうち、転入に山形県、転出に富山県が入れかわるだけで、残りの9つは全て同一の都府県であり、人口移動は近郊の県で行ったり来たりしている状態が多いということになります。 そうした状況のもと、総務省の平成28年度における移住相談件数に関する調査結果において、長野県に次いで2位になったとの報道がありました。大変喜ばしいと感じていますが、前年度の10位から大きく順位を上げた理由をどのように捉えているのか伺います。 続いて、交流人口増大策についてお伺いします。 定住人口の減少を補うために交流人口を少しでもふやそうというのは、全国的に当然の考えでしょう。その中で、いかに本県を訪れてもらうか、知恵を絞らなければなりません。 北陸新幹線が開通し、2年半が経過しました。開通前に比べ、交流人口はふえていますが、観光地が駅周辺でない場合の2次交通の不便さが浮き彫りになっています。県観光協会からの北陸新幹線沿線地域観光促進事業補助金の継続など、さらなる支援で交流人口増大を目指すべきと考えますが、所見を伺います。 続いて、インバウンドについてですが、政府は2020年の訪日外国人旅行者数4,000万人を目標としています。本県でも、平成28年度外国人宿泊数が19万3,080人泊と過去最高を更新したものの、平成29年度上半期では前年同期比で近隣県の中で本県のみが減少していると、残念な状況とのことであります。 今後さらなる訪日外国人旅行者の誘客に当たって、広域観光ルートの形成が必要と考えます。5月の富山県知事との懇談会でもテーマとされ、今月開催された山形県・福島県との3県知事会議においても、ルートの形成が確認されたとのことでありますが、今後、ルート形成と外国人旅行者の誘客に向け、どのように具体化していく方針か伺います。 また、外国人旅行者の誘客に当たっては、訪日時または滞在中における、本県へのアクセスや観光地のわかりやすい案内が必要と考えます。9月補正予算において、首都圏の観光案内所とのネットワーク化や情報発信強化を図ると聞いていますが、具体的にどのような取り組みをするのか伺います。 本県観光、特にインバウンド向けにはスキーという魅力的なコンテンツがあり、より磨きをかけて集客を図るべきと考えていますが、昨年、スキー客がメーンであるオーストラリアからの旅行客が15.5%減でありました。インバウンドスキーヤーに関しては、私自身、まだまだ伸びると思っておりましたが、厳しい現実を突きつけられたような気がします。 一般的には、積雪量が豊富な本県スキー場は、パウダーを求めるインバウンドスキーヤーに適していると思われています。しかし、私の認識からしますと、それは本県の中でも限られたスキー場であると思われます。パウダースキーを楽しむには、短時間でたくさんの降雪、湿り気の少ない雪質、そしてある程度の急斜面が必要です。深い雪の中を滑る際は、通常の圧雪バーンを滑るよりもスピードが出ないので、適度な斜度が必要になるわけです。本県の全てのスキー場がそれに該当するわけではありません。 このように、外国人スキー客の中でも、パウダーを求める欧米、オーストラリアスキーヤーに県内全てのスキー場が適しているとは思えず、また、初心者層の多いアジアスキーヤーに向いているスキー場もあります。外国人スキーヤー誘客の取り組みに当たっては、それぞれのスキー場の適性をよく見きわめ、選択と集中を図るべきと考えますが、所見を伺います。 ところで、リーサスにより、観光客の県内観光地の訪問先を分析してみました。やはりスキー場が強く、トップの苗場スキー場を初め、ベストテンに関連ホテルを含めて3施設が入っております。その他では、2位の弥彦神社、4位のマリンピア日本海などですが、国内外を問わず、グリーンシーズンの交流人口の拡大が必要と考えます。 その中でも、スポーツ合宿や大会の誘致は、地元に経済効果をもたらし、地域活性化にもつながることが期待されます。2020年東京オリンピック・パラリンピックを前にスポーツの盛り上がりが想定される中、スポーツ合宿や大会の誘致に一層注力すべきと考えますが、所見を伺います。 続いて、糸魚川大火関連の質問です。 糸魚川大火は、準防火地域に指定された地域でありましたが、強風、消防力、木造密集市街地の3要素が絡み合って、大きな火災へとつながったと考えられます。 南風が吹きやすい地形とはいえ、糸魚川はしょっちゅう強風が吹いているわけではありません。たまたま出火した日に強風が吹いていたのです。強風は、糸魚川だけではなく、本県のどこでも起こり得る状況であります。 消防力も平均的なものであり、強風のための飛び火による屋根などからの延焼で、消防能力を超えるような同時多発の火災が起こり、その能力を超えてしまい、大火に至ったわけです。 もう一つの要因である木造密集市街地。この地域は、昭和35年に準防火地域に指定されました。ただ、指定以前に建設された建物もかなりある市街地で、準防火地域が想定した建物に更新される過程のまちであったと言えます。 つまり、糸魚川大火の3つの要素はどこにでもあり、同様な火災が発生する可能性がある市街地は本県他地域にも存在するわけです。 そして、その後の糸魚川ですが、8月に復興計画を策定しました。それぞれに事情があり、残念ながら被災者全員がもとの場所に戻ることができない状況です。商業者、一般住民とも、それぞれ64%が被災地に戻る意向です。かたいきずなで力を合わせて大火から復興し、まちの中ににぎわいをよみがえらせようとしています。知事からも今議会初日に力強い言葉をいただきましたので、関連して質問をいたします。 まず、消防団についての質問ですが、糸魚川市大規模火災の際に昼夜を問わず消火活動を行うなど、被害の軽減に多大な貢献をした糸魚川市消防団は、その活動が評価され、去る9月8日、平成29年防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞しました。地域に密着した消防団の力が不可欠であるとのことを再認識させたものと考えます。また、あれほどの火災で死者は一人も発生しませんでした。 しかし、一方で、この火災による負傷者17名のうち15名が消防団員であり、負傷の内容は目に異物が入ったことなどと聞いております。危険な状況の中で活動する消防団員の安全確保は大変重要と考えますが、消防団員の安全装備の充実について、どのような指導・助言がなされているのか伺います。 先ほども申し上げましたとおり、本県には、木造住宅の密集地や強風が起こりやすい地域など、大規模火災が起こり得る可能性のある地域があると考えますが、糸魚川市大規模火災を受け、それらの地域に対してどのような指導・助言がなされているのか伺います。 次に、これも先ほど説明しましたが、糸魚川市大規模火災では、現在の基準で建築された家屋は被害が少なく、準防火地域に指定される以前の家屋が焼失してしまいました。この事実を県から他地域に教訓として伝えることが、市街地において古い住宅の建てかえを促し、防火対策向上につながるものと考えますが、所見を伺います。 次に、支援事業についてですが、6月定例会でふるさと越後の家づくり復興支援事業の予算を計上し、被災者へも多岐にわたり周知をしてもらい、感謝をしております。 一方、糸魚川のみならず、他の地域でも、ふるさと越後の家づくり事業をより周知し、利用拡大を図るべきと考えますが、所見を伺います。 このような大火があった後なので、木材が火に弱いという固定観念が、より誇張されているのではないかと懸念しています。事実以上の誤った観念は払拭しないと、県産材利用拡大にはつながらないと考えます。 その状況下、木材の不燃化技術もあると聞きました。耐火性が求められる金融機関や商業施設、意匠を凝らした雁木への活用など、景観に配慮した町並みづくりの面でも有効と考えますが、利用拡大の可能性と課題についてお伺いをいたします。 続いて、火災予防についてですが、隣接建物間で相互に火災警報を伝達する連動型住宅用火災警報器は、住居が連なる地域では有効と考えますが、設置拡大に向けた課題はあるのか伺います。 この項の最後に、糸魚川復興への観光面での支援についてお伺いします。 糸魚川市と糸魚川市観光協会は、復興キャラバン隊による情報発信として、イベント等を活用し、復興の状況を市外に発信するとともに糸魚川市の観光PRをセットで行うこととしています。県や県観光協会のイベント等や、東京・大阪の観光センターの情報発信等を通じて、県外に糸魚川市の復興の状況を伝えることとともに、糸魚川市を含む上越地域の広域観光のPRを積極的に行うことで、支援してもらいたいと考えますが、所見を伺います。 最後の項目です。新・総合計画についてお伺いをいたします。 私は、知事が就任以来、どのような考えで、どのような政策を打ち出すのか、前知事との違いはどういう点なのかなど、注目をしておりました。それは、県民にとって等しい思いではないでしょうか。御専門の医療なのか、あるいは目新しい経済政策を考えるのかと、いわゆる米山カラーに期待をしているのは当然だと思います。 ところが、6月定例会で説明を受けた新・総合計画の骨子案では、知事が特に取り組みたいものが明確でないように感じました。先般示された素案の中で、米山知事の特色はどのような部分にあらわれているのか、お伺いをいたします。 先ほど、人口減少問題について触れました。よく言われることですが、人口減少問題には特効薬はなく、暮らしやすさの総合力が問われます。その意味で、新・総合計画の基本フレームに、人口減少への対応は新潟県を総合的に魅力ある地とすることが基本であり、県政のあらゆる分野での取り組みを総動員し、出生率・出生数の増加や人口の流入促進・流出抑制につながる政策を重点的に推進していくとありますが、当然そうなのだろうとは思います。 しかしながら、先ほども申し上げましたが、人口流出を食いとめ、人口流入をふやすためには、県民所得向上が大きなウエートを占めると考えます。新・総合計画でも、産業振興面での新たな政策の打ち出しを期待していますが、素案においてどのように盛り込まれているのか伺います。 最後の質問です。 産業を支える基盤整備を十分に行っていないとの指摘もされています。新・総合計画の策定に当たっては、事業環境の向上につながる、港湾等の物流インフラや高速インターネット網等の通信インフラの整備促進の視点も検討し、企業誘致につなげてもらいたいと考えますが、所見を伺い、私の質問を終わりたいと思います。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの中村議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、我が国経済の状況についてですが、設備投資や生産は持ち直しの動きが見られ、企業収益も改善していることに加え、個人消費は緩やかに持ち直しているなど、景気は緩やかな回復基調が続いている状況と認識しております。 次に、本県経済の状況についてですが、全体としては、横ばいで推移しているものと認識しております。 個別指標を見ますと、生産活動や設備投資は緩やかに持ち直しておりますが、経常利益などで全国よりも弱い指標があり、業種によるばらつきも見られるほか、中小企業の景況感も依然として弱いなど、必ずしも一本調子で回復しているわけではないというのが現状です。 また、個人消費は力強さに欠け、弱い動きが続くなど、全国と比べ景気の回復度合いが鈍いものと認識しております。 県といたしましては、引き続き県経済の動向について注視してまいりたいと考えております。 また、御指摘のあった休廃業に関しましては、事業承継の困難さということでございますが、私のセイジローも事業承継の困難さを体感しているところでございまして、こちらも重要な問題として、また県として取り組んでまいりたいと考えております。 次に、本県経済の回復・発展についてですが、経済の回復と発展に向けて必要なのは、積極的な設備投資により生産の増加が図られ、企業収益が拡大し、賃金の上昇、消費拡大へとつながる経済の好循環が確立されることであり、投資や生産、賃金、消費のいずれも伸びていくことが重要と考えております。 なお、この中でどれかということになりますと、それぞれいろんな意見があるので、私の意見が正しいという意味では全くないのですけれども、現状としては、先ほどの新潟県の現状ということもございますので、やはり個人消費の力強さが欠けているというところで、消費がまずある程度拡大して、そこに投資や生産が合わせていくということが現状からは望まれるのではないかというふうに思っております。 そのため、県といたしましては、消費の拡大、これはなかなか難しいところではありますけれども、暮らしやすい新潟県をつくり、消費を拡大するとともに、意欲のある県内企業の新たな取り組みへの支援や起業の促進、また新産業の育成などに積極的に取り組み、県内産業の活性化を図ると同時に、国に対しても、地方においても経済の好循環を確立できる環境を早期に整備していただくよう要請を行っているところでございます。 次に、企業規模拡大等に対する労働力確保についてですが、生産年齢人口の減少が続く中で、県内企業の生産は緩やかに持ち直しており、人手不足感が高まっていることから、企業の事業展開においては人材確保が大きな課題であると認識しております。 一方で、より労働条件がよい仕事を求め、職業を理由とした転出超過が継続しており、県内の産業振興や企業誘致を進める上で、労働力を確保するには、雇用の質の向上を図ることも重要であると考えております。 県といたしましては、人手不足に対応するためにIoT等を活用した県内企業の生産性向上を促進するとともに、高い付加価値と良質な雇用の創出に向け、意欲ある企業の立地や投資拡大を関係機関と連携しながら進めてまいりたいと考えております。 次に、安心・安全に暮らせる社会資本整備についてお答えいたします。 まず、集中豪雨における被害箇所の対応についてですが、7月の3度にわたる集中豪雨により、県内の広範囲において大きな被害が発生いたしました。 被災した施設については、議員御指摘のとおり早急な整備が必要であり、応急工事を実施するとともに、現在、国による災害査定が行われており、今後も早期復旧に努めてまいります。 また、原形復旧のみでは不十分な箇所、浸水被害が発生した箇所などにつきましては、8月末に国土交通大臣等へ、再度災害防止の観点から改良復旧事業等の早期事業採択を緊急要望いたしました。 今後は、早期の事業採択及び工事着手に努めてまいります。 次に、豪雨災害に対するソフト対策の推進についてですが、現在、県では、気象庁等と連携して、水位計が設置されていない河川や水位上昇が急激な中小河川においても、水害の危険性を周知する方策を研究しております。 御指摘いただいたとおり、具体的には、モデル地域として、村上市、糸魚川市を選定し、勉強会を実施しながら、県や市町村の水防態勢立ち上げや、住民避難情報発令の判断基準への活用を検討しております。 今後、気候変動による局地的・記録的な大雨の多発が予想されることを踏まえると、堤防等施設の能力を超える大洪水が発生することも想定されております。 議員御指摘のとおり、ハード整備と一体となって、迅速かつ的確な住民の避難行動につながるソフト対策を、一層推進してまいりたいと考えております。 次に、ため池の安全性の再点検についてですが、議員御指摘のとおり、ため池の決壊は周辺地域に大きな被害をもたらすものであることから、県としては、県内のため池の点検を、平成25年度から平成27年度にかけて実施しております。 特に、下流に住宅や公共施設等があり、決壊した場合に大きな被害を及ぼすおそれのある防災重点ため池は、現在、ハザードマップを順次作成し、来年度全て完了する予定となっているとともに、改修が必要なものは順次事業着手しております。 議員御指摘のとおり、九州北部豪雨などにより、ため池の決壊で大きな被害があったことを踏まえて、今後、改めて再点検などを行い、ため池の安全性の確保に努めてまいります。 次に、人口減少問題についてお答えいたします。 まず、今後の成長が期待される産業分野をどのように伸ばしていくかについてですが、県内産業の高付加価値化は重要な課題であり、県といたしましては、本県の強みを生かしつつ、研究会の運営や技術開発、さまざまな導入実証、制度改正の働きかけ等を行うほか、起業の促進、販路開拓や設備投資の促進、知的財産活用の支援などの取り組みを積極的に進めているところです。 なお、どの分野を発展させていくかということにつきましては、変化の激しい時代においては、あえて行政が特定の分野に過度に傾倒するのではなく、民間の創意工夫が生かせるような環境づくりや、企業ニーズを十分に踏まえた支援が重要と考えております。 ちょっと特定の企業で恐縮ですけれども、スノーピークは大変な高収益企業だと思いますが、あれは業種としてはスノーピークがそうなるかというのを事前には予想できなかったというところでございますので、やはりそこは民間の創意工夫が生かせるようにということで取り組まさせていただきたいと思います。 同時に、また御指摘いただきました富山や長野の例というものは、成功例として参考にさせていただいて、富山や長野でどのような産業施策が行われたかということも、また十分に参考にさせていただきたいと考えております。 次に、子育て支援に係る施策の他県比較についてでございますが、子育て環境の整備、充実に係る施策は、地域のニーズに基づき、国の施策に加え、各自治体として取り組んでいるものであり、各都道府県の取り組み内容を単純に比較することは難しいと考えておりますが、例えば、子ども医療費の助成につきましては、15歳未満人口1人当たりの予算額で見ますと、本県は全国中位というふうになっております。22位で、比較によりますから、22という特定の数字は重要ではないのですけれども、ほぼ全国中位というふうに考えております。 また、保育に係る負担軽減支援としては、本県においては、病児保育の開設支援や、保育所等における障害児・未満児保育への職員配置について支援を行うなど、安心して子育てができるような環境整備に取り組んでおり、他県と比べても遜色ないものと認識しております。 しかしながら、理想の子供数を持たない理由として、子育てや教育にお金がかかり過ぎるとの回答が国の調査でも最も多くなっているところでございますので、議員御指摘のとおり、子育てに係るコストが負担となっていると考えられます。限られた予算の範囲ではございますが、さらなる子育て支援の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、交流人口増大策についてお答えいたします。 まず、広域観光ルートの形成などについてですが、議員御指摘のとおり、大都市に集中する訪日旅行客を地方へ一層取り込むためには、他県と連携した広域観光ルートの形成とその取り組みの強化が重要と考えております。 特に富山県とは日本海をめぐる富裕層向けのルートによる台湾からの誘客に向けて、もちろん北陸新幹線の利用ということも当然考えて、また、山形県・福島県とは東北観光推進機構とも連携し、日本の奥の院・東北探訪ルートによる中国、台湾及び香港等からの誘客に向けて、海外エージェントの招聘や海外旅行博への出展などに取り組んでいるところでございます。 今後も、各県が有する魅力的な観光資源を結ぶ広域観光ルートを設定した上で、引き続き、隣接県等と連携を強化する中で、プロモーション活動の展開や旅行商品の造成などに努め、さらなる訪日外国客の誘客につなげてまいります。 次に、外国人スキー誘客に係る取り組みについてですが、妙高エリアにおけるスキー場は、パウダースノーに加えて、泊食分離の対応等、欧米オーストラリアスキーヤーのニーズを把握した受け入れの整備が評価されていると、欧米豪のスキーヤー、また旅行客に評価されていると伺っております。 一方、アジアの各国においては、雪遊び体験ができるやわらかな雪質のスキー場に加えて、温泉、日本食やショッピングなどと組み合わせた総合的な魅力に人気があり、首都圏から近い湯沢エリアのスキー場を中心に、訪日客が増加しております。 議員御指摘のとおり、スキー場ごとに適性を見きわめ、適材適所ということを生かしながら、引き続き、本県が有する雪、温泉、食などの魅力を生かして、各国観光客の嗜好や旅行目的をよく研究し、それぞれに応じた受け入れ体制の充実を図るとともに、情報発信に努めてまいりたいと考えております。 次に、スポーツ合宿や大会の誘致についてですが、議員御指摘のとおり、スポーツ合宿や大会の開催は、地域の魅力発信や活性化につながるものと認識しており、本県ではこれまで、各地域の特色を生かした合宿地づくりの支援や、国際大会や全国大会の開催支援などに取り組んできたところでございます。 県といたしましては、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、スポーツに対する関心が大きく高まるこの機会を逃さず、また、各国からの合宿というものも当然ふえるこの機会を逃さず、より多くのスポーツ合宿や大会が開催されるよう、市町村と連携を図りながら取り組んでまいります。 なお、その際には、各種競技団体などへ、私みずから積極的に働きかけてまいります。 次に、糸魚川大火からの復興についてお答えいたします。 まずもって、糸魚川の復興に地域の皆様とともに取り組まれ、復興に乗せていただきましたことにお礼を申し上げます。 そして、消防団の安全装備についてでございますが、地域の防災力の中心的な存在として活躍していただいている消防団が、より一層、その力を発揮できるよう、消防団員の安全装備の充実を図ることが必要であると考えております。 県といたしましては、かねてから、消防団員が安全に活動できるよう、安全装備の充実を各市町村等に要請してまいりました。糸魚川大規模火災の教訓を踏まえ、改めてその実態を把握し、情報を共有し、教訓を生かして早期に装備を充実させた糸魚川市の取り組みを紹介するなどして、必要な対応を求めてまいりたいと考えております。 次に、大規模火災が起こり得る可能性のある地域への指導・助言についてですが、議員御指摘のとおり、今回のような大規模火災は、県内どこでも発生する可能性があることから、糸魚川での火災発生直後より、各消防本部等とともに、火災予防と早期消火、拡大防止を念頭に取り組んでおります。 また、広域的な応援体制の確立など、地域の消防力の強化についても、各消防本部等と意見交換を重ねながら取り組みを進めております。 なお、大規模な火災につながる危険性が高い地域をあらかじめ把握して対応することが重要であり、現在、各消防本部において、その地域の再確認と火災に対する警防計画の見直しなどを行っているところです。 県といたしましては、各消防本部の作業の状況や内容について消防本部間の情報共有を図り、現場で対応に当たった糸魚川市の消防、消防団の経験を共有するなど、適切に対策が講じられるよう、引き続き、指導・助言を行ってまいります。 次に、糸魚川市大規模火災における焼失家屋の教訓についてですが、今回の火災では、準防火地域に指定される以前に建築された古い家屋が多く焼失いたしました。 議員御指摘のとおり、この教訓を県内各市町村や県外にも伝えていくことが、市街地において古い住宅の建てかえを促し、防火対策の向上につながるものと考えております。 県といたしましては、糸魚川市の教訓を踏まえ、古くからある市街地等において、過去に大規模火災が多く発生していることから、防火対策向上に向けた取り組みを市町村と連携して進めてまいります。 次に、ふるさと越後の家づくり事業の利用拡大についてですが、本事業は、県産材の利用促進や地域産業の振興に資するものであり、議員御指摘のとおり、今後も各市町村や関係団体と連携してPRに努め、事業の活用促進を図ってまいりたいと考えております。 次に、木材の不燃化技術の利用拡大の可能性と課題についてですが、木材の不燃化技術については、薬剤による方法などがあると伺っております。このような木材を建築物や雁木に活用することは、議員御指摘のとおり、防火のみならず、景観に配慮した建物や町並みづくりに有効であると考えております。 しかしながら、まだ新しい技術であり、経費や施工手間などの経済性や生産性に課題があるというふうに伺っておりますので、利用拡大に当たっては、これらの課題が克服されることが必要であり、引き続き情報収集に努め、その情報に応じて、適切に対応してまいりたいと考えております。 次に、糸魚川市の観光誘客への支援についてでございますが、復興キャラバンにおきまして、私もメギスバーガーやメギスラーメン等をいただきまして、大変ありがとうございます。 糸魚川市の復興状況を発信し、観光誘客を促進していくことは重要であると考えており、観光商談会でのプレゼンテーションや、観光ガイドブックでの紹介、モニターツアー実施等のさまざまな機会を捉え、糸魚川市の現状を伝えるとともに誘客に向けた取り組みを支援してまいります。 また、北陸新幹線を活用した関西圏からの誘客促進に向けたイベントにおいては、糸魚川市を含めた上越地域全体のPRにも取り組んでおります。 県といたしましては、交流人口の拡大により、糸魚川市のにぎわいが創出され、復興につながるよう、引き続き、地域の関係者と連携を図りながら、議員御指摘のとおり、県や県観光協会のイベント、東京・大阪の観光センターにおける情報発信等を積極的に利用して、観光誘客の支援に努めてまいります。 次に、新・総合計画についてお答えいたします。 まず、新たな総合計画の特色についてですが、構成として、県民一人一人の暮らしを重視し、地域医療や子育て、福祉の分野などを政策展開の初めに位置づけている点や、原子力防災の推進を独立した項目に掲げ、3つの検証の着実な実行と安全な避難計画の策定に取り組むとしている点、また、各分野の人づくりの重要性に着目して、政策の大きな柱の一つとしている点、さらには、県の最重要課題の一つである人口減少問題について、県政のあらゆる分野での取り組みを総動員して対応していくものとして、別の章立てを行い、政策展開の基本方向等をお示しすることとしている点などが挙げられるのではないかと考えております。 また、計画の推進に当たりましては、県だけの力には限界があり、地方行政をともに行う市町村はもちろん、NPOなど多様な主体との連携・協働が重要であると考えており、その基本的な考えを明記しているほか、各政策の展開・取り組みにおいても、それを意識してまとめるようにしている点も特色ではないかというふうに考えております。 付言させていただきますが、特色は特色として当然出てしかるべきだし、また自然に出ていくようにというふうには考えておりますが、同時に県政というのはやはり全ての人の県政であり、また、全てのことをきちんと対応するというのが基本であり、米山カラーというものを出すことそれ自体がさほど大きな目的ではないというふうに考えております。ただ、当然やっていく中で出てくるものだというふうに考えております。 次に、新たな総合計画における産業振興策についてですが、議員御指摘のとおり、県民所得の向上は、県民の豊かさや暮らしやすさにつながることから、人口の流出抑制・流入促進にとって重要と認識しております。 そのため、新たな総合計画の素案においては、本県産業全体の付加価値の引き上げと所得向上を図り、本県産業の持続的発展を目指すこととしております。 実現のための方策として、高い付加価値を生み出す企業の創出・成長促進の取り組みを着実に進めながら、起業家予備軍の拡大など起業・創業の推進を強化するほか、地域経済を牽引する企業の投資促進、県内産業の活性化や生産性向上に向けたAI、IoT等の活用促進などの取り組みを盛り込んだところでございます。 次に、企業誘致に向けた物流インフラ等事業環境の検討についてですが、県ではこれまで、主要港湾や高速道路網、情報通信網など、本県の拠点性向上に資するインフラ整備に取り組んでまいりました。企業誘致においては、こうした物流、通信インフラは、地域産業集積や地理的特性とともに他県に対する優位性と捉え、これを軸とした誘致活動を展開してきたところでございます。 新たな総合計画の素案においては、本県のすぐれた事業環境の情報発信に努め、それを活用して地域経済を牽引する企業等の立地や投資拡大を促進していくこととしております。 新たな総合計画の取り組みを進める中で、物流インフラ等さまざまな企業ニーズを把握し、関係機関と連携しながら本県事業環境のさらなる優位性向上に取り組み、企業誘致につなげてまいりたいと考えております。 付言させていただきますが、あらゆることを凡庸にやるということは決して凡庸な才ではないということではないかというふうに思っております。県政というものは、やはり満遍なくきちんとやるということが重要かと思いますので、もちろん私のカラーが出るのは当然とは思いますが、そのことよりは、全てのことをきちんとやるということにこそ米山カラーが出るというのが、私の目指すところであると考えております。 以上、答弁でございます。   〔県民生活・環境部長丸山由明君登壇〕 ◎県民生活・環境部長(丸山由明君) お答えいたします。 移住相談件数に関する調査結果についてでありますが、議員御指摘の調査結果は、総務省が都道府県及び市町村に行ったアンケートの集計結果でありまして、市町村分を含む各都道府県の相談件数として公表されたものであります。 本県の相談件数が平成28年度に増加しました要因につきましては、県において首都圏相談窓口を2カ所開設したとともにイベント開催等の回数をふやしたこと、また首都圏イベントの独自開催や移住者受け入れ体制の整備など市町村における取り組みの進展に起因しているものと考えております。   〔防災局長山田治之君登壇〕 ◎防災局長(山田治之君) お答えいたします。 連動型住宅用火災警報器の設置拡大に向けた課題についてですが、通常、1つの住宅内において無線で連動させる火災警報器を、隣り合う建物間で相互に連動するように設置する方法でありますことから、無線の到達範囲に制約があり、設置環境によっては警報の連動が困難な場合があります。 また、機器の誤作動などもあることから、設置する前に近隣同士の合意形成が必要であることなどが課題として挙げられます。 国では、今年度、モデル地区を設けた検証事業を実施することとしており、県内では糸魚川市及び阿賀野市の一部がモデル地区に決定いたしました。 県といたしましては、これらモデル地区における国の検証結果も踏まえ、消防本部等の関係機関と連携し、普及促進に向けた取り組みを検討してまいります。   〔産業労働観光部長佐久間寛道君登壇〕 ◎産業労働観光部長(佐久間寛道君) 2点についてお答えいたします。 北陸新幹線沿線の交流人口増大に向けた支援についてですが、これまで、新幹線開業に当たって、沿線地域での観光地づくり等を支援するため、上越妙高駅や糸魚川駅から観光地などへの2次交通の運行等、地域が主体となって行う取り組みへの支援を行ってきたところであります。 交流人口拡大は重要と考えておりますが、補助制度の導入から4年目を迎えたところであり、これまでに実施した取り組みの実績や成果等を踏まえ、今後の支援の方向性について、検討してまいりたいと考えております。 次に、観光案内所のネットワーク化等についてですが、議員御指摘のとおり、外国人旅行者の誘客を促進するためには、首都圏に近い地理的優位性も生かし、ゴールデンルートからの個人客等の誘導と旅行者にとってストレスのない観光案内を行うことが重要であります。このため、本議会におきまして、観光案内所の強化に関する補正予算をお諮りしているところです。 具体的には、首都圏の外国人観光案内所において、スタッフがコンシェルジュとなって、本県への観光案内を積極的に行うとともに、観光プロモーション動画やパンフレット等を活用した本県の魅力をPRする予定としております。 あわせて、首都圏と県内の主要な外国人観光案内所をネットワーク化し、観光情報を共有しながら、相互に紹介できる体制を整備するなど、外国人旅行者に対する誘客活動や情報発信を強化したいと考えております。   〔土木部長美寺寿人君登壇〕 ◎土木部長(美寺寿人君) お答えいたします。 糸魚川地域の道路網の今後の整備方針についてですが、県が管理する国道148号については、災害に強く信頼性の高い道路として利用していただけるよう、地域高規格道路松本糸魚川連絡道路の早期事業化に向けた調査等に取り組んでいるところであります。 また、国が管理する国道8号においては、事前通行規制区間の解消を目的とした道路防災事業が実施されているところです。 引き続き、関係機関との連携を図りながら、地域の安全・安心の確保に向けた道路整備を推進してまいります。   〔中村康司君登壇〕 ◆中村康司君 1点だけお願いします。 ちょっと答弁の中で、私というか、企業の現場を預かっている、あるいは企業現場の人たちとちょっと認識が違うのではないかなと思うところがありました。 最後の質問、2つの質問ですけれども、特に企業に対する物流等インフラの整備をお願いしたわけですけれども、今答弁では、地理的特性があって、他県よりすぐれている点だと、そういうお答えでありました。 昨日から本県の強みという話も出ていますけれども、私の感覚としては、本県はやっぱり大消費地から遠いというのが、私は、逆に弱みかなと思っております。確かに道路網や新幹線等で、かなりそこら辺は便利になったかもしれませんけれども、企業活動をしている上で、消費地に運ぶ、あるいは輸出するにしても、どうしても京浜地区の港湾からが多いわけで、そこまでの物流を考えると、やはり関東地区の企業に比べても、強みではなくて、それはやっぱりどうしても弱みになっている。 結局、企業の現場でどういうことが起こっているかというと、いかに物流を合理化するかということが起こっています。 今、規制緩和になって、規制緩和車両というのが出て、昔みたいに一番大きい車は10トン車ではなくて、今15トン車というのがあります。15トン積めるようになってきているわけです。少しでもスケールメリットを出して、一遍に大量に運んで物流コストを抑えたいというのが、今、恐らく企業のテーマです。 そして、港にしても、やはり1万トンの船よりも1万2,000トン、1万5,000トンの船で少しでも多く運んで、やっぱり物流コストを下げたい、単価を下げたいとやっているわけです。 企業はそこまでして少しでも利益を出そうとして頑張っています。それに対してやはり、他県よりすぐれている点だという、こういうふうな回答だと、ちょっと企業の人たちは納得できないのではないかなというふうに思います。 したがって、先ほども御答弁をいただきましたけれども、ぜひそこら辺、現場ではそういう声が起こっているということを認識していただいて、さらなる企業支援の意味を含めて、インフラの整備に注力をしていただきたいと思います。そういう意味で、認識を新たにしていただきたいという点と、決意のほどをいただければと思います。   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) ただいまの質問に対してお答えいたします。 認識が十分ではないところがあって、大変恐縮でした。 私の答弁としましては、他県との比較としては、少なくとも道路等々に関しては、比較優位があるということでお話ししたのですけれども、同時に、御指摘のとおり、他県との比較ですぐれていたって、確かに距離があれば、それは結局優位性にならないというのは、御指摘ごもっともだと思います。 また、その中で各企業がスケールメリットの拡大に非常に取り組まれているということであれば、今度はその他県との比較優位を、スケールメリットに対応するインフラといいますか、大規模化に対応するようなインフラをそれぞれに備えていくということが重要なのだというふうに思います。 ちょっとその辺の状況は、また企業の方々からよく情報を伺って、すぐに何ができるというふうには、今すぐはちょっと言えないのですけれども、それの状況に備えて、他県と比較して、まさに比較優位のあるインフラをつくってまいりたいと考えております。情報、大変ありがとうございます。 ○副議長(沢野修君) 中村康司君の質問は終わりました。 15分間休憩いたします。  午後3時22分 休憩   ――――――――☆――――――――  午後3時35分 開議 ○議長(金谷国彦君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 引き続き県政に対する一般質問を行います。 まず、志田邦男君の発言を許します。志田邦男君。   〔志田邦男君登壇〕(拍手) ◆志田邦男君 公明党の志田邦男です。 質問に入る前に、去る8月18日、長島忠美前衆議院議員が御逝去されました。中越地震で山古志村長として最後まで身を挺して村民のために働き、その経験を生かして東日本大震災の復興のために働いた、土のにおいのするその姿は、何度お会いしても全く変わりませんでした。日ごろ、政治家のあり方が厳しく指摘されておりますが、長島先生は政治家の範とすべきものでありました。心よりお悔やみ申し上げます。 それでは最初に、知事の政治姿勢について質問いたします。 昨日、衆議院は解散し、10月22日投票に向かって、これからの日本の新しいあり方に有権者の審判を仰ぐことになります。 解散総選挙に対しては、民進党の蓮舫前代表や共産党の小池書記局長なども、これまで、解散総選挙に追い込むと主張しておりました。また、内閣不信任案を提出するなど、強く解散を求めていました。言うなれば野党の要望も入れて、昨日の解散に至ったものと理解をしています。 しかし、この数日の野党の動きは、ただただ驚きとしか言いようがありませんでした。政権党であった最大野党が、まだ生まれていない、規約も何もない希望の党に入っていく、しかも希望の党は憲法改正をうたい、安全保障改正の際の姿勢をチェックするとも言っています。一夜にして政権を担うべき野党が実質なくなる。国を守るより我が身を守る、議席ファーストとの声もあります。 長い間政治の世界をかいま見てきた私にとっても理解不能、理念、政策もなく、どこへ行ったら当選できるか否か、まさに野合と言わざるを得ません。 日本のためにも、健全かつ強力な野党の存在は欠かせません。それを担ってきたのが民進党であったと尊敬もしてきました。 国難とも言うべき状況下で行われる今回の総選挙で、与野党が国民のために真っ向から政策論争する選挙になることを最低限期待するものであります。 安倍総理は、今回の解散を国難突破解散と位置づけ、消費税率10%への引き上げに伴って税収の使途を変更し、幼児教育の無償化などに2兆円を振り向ける方針の信を問うと説明し、また、北朝鮮への圧力路線にも信任を得たいとしていますが、今回の総選挙において、知事は、何を争点とすべきと考えるか、見解を伺います。 次に、来月で知事就任から1年を迎えようとしています。現在と未来への6つの責任として、当選を果たしました。公約実現に対して、これまでの議会答弁、また講演などを聞く限り、人口減対策、農業、経済などにおいて知事は一体何を目指しているのか、心に響くものがないとの指摘をよく聞きます。 1年間で全ての分野で道を切り開くというのは時間的制約もあることと思いますが、どのような分野に情熱を燃やしてきたのか、知事の所見を伺います。 次に、政治家にとって言葉は非常に大切なものであります。とりわけ我々議員も、県民の負託を受けて、この議場に立っております。この議場における発言は即、県の公式の方針となり、それに従って県行政が進むと私は理解をしております。 しかし、知事はこれまで、答弁書に沿って答弁したかと思うと、「以上は建前でして」あるいは、「これは官僚答弁で」と言って、違う方向の解釈をたびたび言っておりました。これでは県として一体何をしたいのかわからない、県の発表は本音と建前、裏表があると言っているのですから、知事の部下が一生懸命、質問通告に基づいて協議を重ねて、本会議の答弁書をつくってきた、そして知事が最終的に手を加え決裁をしているのです。それが本会議で建前、官僚答弁と、ばかにされたようなことを言われていたのでは、職員は誰を信じて職務を進めていけばいいのですか。 この1年、たびたびそのような発言で県政の信頼性を損なうような軽率な発言があったと私は受けとめていますが、県議会での知事の答弁、発言の重みについて見解を伺います。 また、今回も大勢の議員から指摘をされたツイッターにしても、私はツイッターが悪いとは言いません。 しかし、第三者の論争に首を突っ込み、相手の言葉を取り上げて返す言葉かもしれませんが、「へどが出る」、「吐き気を催すほど醜悪だと思う」、知事としての言葉として、これほど品位のない言葉を私は今まで聞いたことがありません。あなたは、24時間、新潟県知事なのです。子供たちも含めて、新潟県知事の発言を注目しているのです。このツイッターに対し、多くの人から、新潟県知事がこんな言葉を使うのですかと言われました。また、執務中にやっているのではないでしょうねとも指摘されています。ツイッターは、時に思わぬ方向にひとり歩きすることもあります。 県行政のトップとして、県施策の広報にツイッターを活用することは大いに結構ですが、あえて物議を醸すような議論を知事みずからがしかけたり、子供に聞かせたくない品位を損なう言辞を使ったり、また、県民に対する中傷めいた発言がネット上で惹起されるような発言をすることは慎むべきと思いますが、所見を伺います。 県の新たな総合計画の素案が示され、県民に対するパブリックコメントもスタートしました。 知事は、総合計画は総花的になるものとの認識もあるようでありますが、今後の県政運営の指針となる重要な計画であり、残念ながら知事から長期的な目指すべきビジョンへの熱意が感じられないとの声が聞こえます。長期ビジョンで特に力を注いでいくという分野も必要と思いますが、知事の所見を伺います。 次に、原子力規制委員会は、今月27日、柏崎刈羽原発6、7号機の審査書案を公表しました。審査書案では、福島第一原発事故を踏まえてつくられた新規制基準に適合しているとしていますが、なお意見があり、合格は10月4日以降と見られています。今回の原子力規制委員会の適格性の判断についての知事の所見を伺います。 次に、原発に関する3つの検証委員会が発足しました。福島第一原発の事故に関しては、これまで、国会、政府、民間、東電と4つの事故調査委員会が検証を行ってきました。事故調査においては、事故原因を特定することが何より重要であります。しかし、現在でも事故炉近辺は放射線レベルが高く、詳細な調査は不可能であります。また、当然ながら再現実験による検証も行われておりません。また、事故の検証として、被災住民の健康問題、被災地の除染と生活基盤の回復、汚染拡大の防止、事故発電所の管理と廃炉等々、緊急の問題から長期の問題まで、重要な課題が山積しています。 事故原因や事故の影響は、長期的に検証しないとわからない部分もあり、全容はいまだ明らかになっていないと認識をしています。報告が出されたところで、その後、レビューをかけなければなりません。知事は、検証に並々ならない意欲を示していますが、果たして地方自治体が検証を最後までなし遂げることができるのか疑問であります。 知事は、任期中に検証をなし遂げることが可能と考えているのか、また、柏崎刈羽原発の再稼働の判断は最終的に誰が行うのか、検証委員会がそれに向けて果たす役割をあわせて伺います。 今回、避難委員会の委員が選任されました。委員には各分野の知見を有する専門家が選任され、それらの議論を最終的に県民が評価すべきものと思いますが、委員の中には全く避難に関する委員会等にかかわった経験がなく、国際政治、平和学が専門と言われる委員が選任されました。しかも、直前まで知事の政治団体の中心者であり、その選任に対して違和感が持たれています。 避難委員会においては、先入観やイデオロギー的なものを持ち込むことは厳に慎まなければならないと考えます。議論がぶつかり合うことは歓迎しますが、かみ合わない議論は避けなければなりません。 今回の委員の選任並びに委員長、副委員長の選任はどのような考え方に基づいて行われたのか伺います。 次に、北朝鮮関係についてお聞きします。 北朝鮮は、これまで6カ国協議を初めとして長年にわたる対話への交渉を拒否、あるいは核開発停止の偽装工作をして、ついに水爆の開発・実験、そしてICBMの開発で全世界に危険な挑発を繰り返しております。ICBM発射実験では、我が国上空を何の通告もなしに発射を繰り返し、日常生活にも大きな影響を与えております。もはや、対話のテーブルに着かせるためには国連主導の制裁強化しか道がないところまで来ました。 それに対して北朝鮮は、太平洋上での核実験を行う可能性を示すなど、暴走がとまらない状況です。もし水爆を搭載したミサイルが日本上空を通過する際、偶発的に落下するおそれもあるとの指摘もあります。これまでの飛行コースなどから、本県に対する脅威はこれまでの事態よりも一層深刻なものになってきたと認識をしています。 現在の北朝鮮の動向について、知事はどのように受けとめているのか、所見を伺います。 次に、北朝鮮の問題はあるとしても、北東アジア地域との交流は、今後ますます重要になると考えています。 本年5月6日、ロシアのソチを訪問した安倍総理は、プーチン大統領と日ロ首脳会談を行いました。そこでは、プーチン大統領から経済分野を初め幅広い分野での協力への関心が示され、それに対して安倍総理から、我が国として日ロ経済交流の促進に向け作業を行っているとして、8つの項目から成る協力プランが提示され、プーチン大統領から高い評価と賛意が表明されたとのことであります。 北東アジア、特にロシアと本県の関係では、これまでは資源や第1次産品等の貿易がメーンでありましたが、そこで提示されたのは1番目に健康寿命の伸長、以下、快適な都市インフラ整備、中小企業交流・協力の抜本的拡大、エネルギー、ロシアの産業多様化・生産向上、極東の産業振興・輸出基地化、先端技術協力、人的交流の抜本的拡大、以上であります。従来の関係とは全く次元の違うものであります。資源的にもレアアース、金、新たな世界的規模の原油埋蔵等、期待されているとも言われています。 先日、ERINAも主催者の一つですが、東大で関係国の専門家が一堂に会してセミナーがありました。いずれも北朝鮮が大きな問題であるが、その状況が変わったときにダイナミックに動くであろうとの指摘がありました。そのとき、かなめにあるのは新潟であります。 知事は、7月の18日から21日にロシア極東を訪問されましたが、現地を見た所感を伺うとともに、ロシア、中国を初めとした今後の北東アジア地域との交流活性化に向けた今後の方針について、どのように取り組むのか伺います。 このたび、新潟県立大学が国際経済学部の新たな設置についての骨子案をまとめ、知事に要請がなされたところであります。本県経済の発展のためには、対岸諸国との経済交流の活性化は重要な要素であります。県立大学には、現在、国際地域学部がありますが、これは教養系学部であり、実務を担う人材育成には至っていないと考えます。 要請のあった県立大学の国際経済学部は、それらの要請に応えるのではないかとの期待もありますが、対岸諸国との交流に向けた人材育成の現状と、今回の要請について知事の受けとめについて伺います。 2番目に、新潟空港の活性化について質問します。 新潟空港の路線ネットワーク戦略の中間報告が公表されましたが、年間利用者135万人を目指して、さまざまな取り組みの方向性が示されています。昨日も、複数の議員からも質問がありましたが、新潟県発展のために重要との認識に立ってのことであったと思っております。知事の答弁もありましたが、これまでの施策と余り違わないような印象を受けました。 これまでと同じような取り組み、つまり路線誘致を行ったとしても、目標が果たして実現できるのか疑問もありますが、今回の戦略に掲げた目標実現に向けた知事の意気込みと、戦略に盛り込まれた新たな取り組みは何か伺います。 昨日、新潟空港は首都圏空港への一極集中で苦戦を強いられている旨の答弁がありました。確かに東京まで新幹線で2時間では、新幹線に負けるのは当然です。しかし、そのようなことは最初からわかり切っていることです。首都圏に近いことは、絶対的なマイナス要因なのか。そのように考えているのなら、今度の中間報告の目標達成はまたしてもだめでしたという言いわけになるのではないでしょうか。 5月に私は、北九州空港、山口宇部空港を視察調査してきました。北九州空港は、70キロメートル圏内に福岡空港、山口宇部空港があります。ともすれば、その競合で不利な立地と思い浮かべてしまいます。しかし、北九州空港では、利用者増の各種取り組みとともに、多彩な交通アクセスの展開、空港関連産業の取り組み強化、例えば三菱重工の小型ジェット機、MRJの量産に向けた拠点展開構想、また空港にある岸壁を活用した貨物取り扱いの展開、多様化する航空需要への対応など、実に多彩な展開をしていました。山口宇部空港では県内企業のビジネス利用に力点を置くなど、地方空港は生き残りをかけてオンリーワンの空港を目指しています。 しかし、今回の中間報告ではこのような新しい観点が欠けていると言わざるを得ません。 6月定例会で私は、首都圏に近いことで有利なこともあると連合委員会で知事に申し上げました。例えばプライベートジェット機の受け入れ推進、空港関連産業の誘致、このような自信を持って攻めの戦略を描くべきであると思います。 新潟空港ももっと特色を打ち出していく必要があり、取り組むべきと考えますが、新潟空港の今後の方向性についてどのように考えているのか、知事の所見を伺います。 空港の利便性向上は、就航路線や便数のみならず、おりてからのソフトの充実も必要です。空港施設の利用時間延長、これまでは、夜、新潟空港におりたがレストランが閉まっていた、新潟はサービスが悪いとの声もありました。外国語対応のカーナビ搭載のレンタカー導入、山口宇部空港は小さな空港ですが、利用者数は新潟空港とほぼ同じです。ここでは、韓国からの利用者に対して韓国語のカーナビを搭載したレンタカーを用意しており、そのため韓国からのリピーター、あるいは評判を聞いてわざわざ山口宇部空港の便を使う利用者がいるとのことなど、空港におり立った後の交通手段におけるきめ細やかな対応を官民一体となって進めておりました。このようなことも重要であると考えますが、今後の取り組みについて伺います。 空港は、人が行き交う場所であり、新潟の玄関として、まさに本県の第一印象を決める場所であります。新潟空港の施設は確かに立派ですが、観光客やビジネス客に向けて、本県の観光地や産業等の魅力を十分に伝える場になっているとは言えない現状であると感じています。 また、周辺住民を初めとした県民の憩いの場や、子供たちの校外学習の場としての活用など、新潟空港が県民にとって身近に感じられる取り組みも大事です。山口宇部空港では空港をバラ園として、バラを見るためだけに大勢の人が訪れております。また、道の駅と同じで観光PR、物産販売、あるいは足湯の設置など、空港自体を一つのテーマパーク的な存在にすることも考えられます。 もっと身近な楽しい施設として、多様な目的で空港を訪れる人をふやすことも重要と考えますが、知事の新潟空港の現状に対する認識と今後の取り組み方針について伺います。 空港の活性化や利用拡大を図るためには、運営等に自由な発想を取り入れられる空港民営化も一つの選択肢と考えますが、知事の所見を伺います。 3番目に、拠点性の向上と交流人口の拡大について質問します。 昨日も、この問題について質問がありました。これは、新潟市が政令市になったものの、期待された拠点性向上が進んでいない、政令市の中でも格差が広がっている現状に対する危機感のあらわれだと認識をしています。知事からも、この問題については、新潟県の玄関口、顔としての新潟市と連携を密にしていくとの答弁も既にあり、新潟市長も、県との関係が良好だとの認識があり、私もそれに対して歓迎をいたします。今後一層の連携を密にしていくことを望んで、以下質問します。 8月10日に新潟県・新潟市調整会議が開催され、本県の拠点性向上に向けた新潟市の都市機能向上について議論されたと承知しています。まちづくりの主体は基礎自治体である新潟市の役割である一方で、県都の魅力向上は、ひいては本県の拠点性向上につながると考えます。そのためには、国への働きかけ、知事得意のツイッター等の情報発信においても大いに発信していただきたいところでありますが、新潟市のまちづくりへの県のかかわり方に対する見解を伺います。 次に、鳥屋野潟南部地区への新潟市の老朽化した既存の野球場をスクラップ・アンド・ビルドで、県のスポーツゾーン・ハードオフエコスタジアムとの連携ができる鳥屋野潟南部地域への移転の要望がありました。新潟市議会でも、9月定例会で複数の議員から質問が出されました。これに対して篠田新潟市長から、現状の住居ゾーンの変更に向けて、実務者レベルで3者協議を始めたとし、年度内には3者のトップ同士で進捗状況を確認する考えとの見通しを示したとの報道もありました。 スポーツ振興による交流人口の増加も期待できるところでありますが、今後の鳥屋野潟南部地区における開発の方向性について、知事の所見を伺います。 近年のスポーツは、プロ・アマともに、従来の概念から大きく変化してきました。これまではマイナーと言われた競技でも多くの観客を集め、またそれに刺激されてスポーツを志す人、生涯スポーツで高齢者でもみずから運動を行う人が多くなってきました。その結果として交流人口の拡大やスポーツビジネスなど、地域の活性化につながる大きな可能性を有し、具体的な動きも出ています。 現在、県でのスポーツの所管は、教育委員会と知事部局に分かれています。この状況では現在のスポーツ界の動きに対応できないとして、一体化を求めてきたところです。スポーツ行政の一体化について、平成29年度中に一定の結論を得るよう進めるとの2月定例会での答弁もあったところですが、現在の進捗状況について伺います。 最後に、障害者福祉の充実について質問します。 まず、重度の障害を持った御家族の苦しみは、健常者の私たちにとっては想像を絶するものであります。重度の障害を持った子を持つ親の手紙を、要点だけ、最初に紹介させていただきます。 娘はダウン症。ことし27歳になります。思春期になってからダウン症の青年期退行、鬱的症状になり、父親の介助を一切拒否。赤ちゃん返り。嚥下が悪く、最低量の食事をとるにも1回3時間かかります。そのころは、私も心身ともに疲れ果て、家族に行方を告げず蒸発をしようかなと思い詰めたこともありました。あるとき、娘をトイレに座らせたまま、ちょっと横になるつもりが3時間くらい寝てしまいました。娘は、そのまま座ったままでした。その後、このお母さんはストレスで声が出なくなった。その他の保護者からの手紙も拝見しつつ、多くの人がこのような状態になっております。最後に、親は寝たいときに寝られることはありません。睡眠不足、過労はこたえます。普通の生活を親も子も送ることのできる、ついの住みかとしてのケアホームをつくっていただけることを切に望みます。 少々長い引用になりましたが、紹介をさせていただきました。 重度の障害者は、移動、食事、睡眠、排せつ等、日常生活において24時間介助が必要です。世話をする親も高齢化が進み、親を初めとして関係者の不安の声が大きい現状です。親・障害のある人が孤立しないよう共生できる社会を目指すべきと考えますが、重度障害者の介護の現状と、このような不安の声について、知事はどのように受けとめているのか伺います。 施設やグループホームなど、障害福祉サービスの現場においては職員の確保も難しい状況と聞いており、人材の確保が急務と考えます。そのためには、障害福祉計画において人材確保・育成に関して数値目標を設定するなど具体的な取り組みが望まれますが、県の対応について伺います。 以上で私の質問といたします。(拍手)   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) 志田議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、今回の総選挙での争点についてですが、大渕議員の代表質問でもお答えしたとおり、国政については、現在直面している諸問題が争点となるものと思います。 消費税増税分の使途を国の借金返済から子育て支援へ変更することは、与党だけでなく、民進党もかねて掲げていたところであり、現在、希望の党ということかもしれませんが、必ずしも実質的な争点となるのか否かわかりません。少なくとも今後の子育て支援や教育のあり方及び、それと同時に財政健全化の方針は争点になるものと思います。 また、従前より議論のあった森友・加計学園問題は、政府の説明責任も含めて争点になってくるものと考えます。 緊迫する北朝鮮情勢への対応は、もはや一刻の猶予も許されない拉致問題も絡めて争点となるものと思いますし、本県において3つの検証をスタートした原発問題は、再稼働、事故の補償のみならず長期的な国のエネルギー政策を含めて争点となるべき問題だと思います。 また、地方行政を担う者としては、なかなか浮上してこない地方経済の活性化や、本県を含め、多くの地方に共通の課題である、人口減少問題を中心とする地方創生への対応のほか、医師不足などを含めた医療・福祉の維持、本県のような農業県にとってとりわけ切実な今後の農政などについても争点として問われるべきと考えております。 次に、公約に挙げた政策の実現に向けて情熱を燃やした分野についてですが、公約に掲げた安全への責任、命と暮らしへの責任、教育への責任、雇用への責任、食と農を守る責任、住民参加への責任、これら6つの責任を果たす観点から今年度予算を編成したところであり、その着実な執行に全力で取り組んできたところです。 中でも、公約との関係においては、原発事故に関する3つの検証や教育支援システムの整備などについては、具体的な取り組みが進捗しており、また、県民健康ビッグデータの活用についても、情報収集を行い、事業化に向けた準備を着実に進めているところです。 さらに、主にまちづくりの主体である新潟市の所管であることが前提ですが、新潟駅万代口駅前広場の再開発や港湾エリアの魅力向上は、県都新潟市の都市としての魅力を高めるとともに、本県の拠点性の向上にも大きく寄与するものであることから、市と連携した取り組みを始めたところです。 次に、県議会での知事答弁の重みについてですが、議員の皆様の御質問に対し、自分の言葉で、自分の考えを丁寧かつ具体的にお答えしたいとの思いから、議員御指摘のような発言となったものではありますが、県民の負託を受けた県議会における答弁として配慮が十分ではなかったものと考えております。 次に、ツイッターについての所見ですが、西川議員の代表質問でもお答えしたとおり、私は、民主主義のもとでは、一定のルールの中で全ての人に自由な意見の表明が許され、言論の自由が保障されるべきであると考えております。 しかしながら、私のツイッターでの発言が真意とは異なる内容で広がることにより、県民の皆様に不利益を生じることは当然あってはならないと考えており、知事が有する発信力と社会的影響力の大きさも踏まえながら、正しく受け取られるよう十分留意しつつ、必要な情報発信を行ってまいります。 次に、新たな総合計画において特に力を注いでいく分野についてですが、計画の特色としては、構成として、県民一人一人の暮らしを重視し、地域医療や子育て、福祉の分野などを政策展開の初めに位置づけている点や、原子力防災の推進を独立した項目に掲げ、3つの検証の着実な実行と安全な避難計画の策定に取り組むこととしている点、また、各分野の人づくりの重要性に着目して、政策の大きな柱としている点、さらには、県の最重要課題の一つである人口減少問題について、県政のあらゆる分野での取り組みを総動員して対応していくものとして、別の章立てを行い、政策展開の基本方向等をお示しすることとしている点などが挙げられるのではないかと考えております。 なお、県民生活のさまざまな分野に及んでいる県の政策は、いずれの分野もそれぞれに重要であり、特定の分野に特に力を注ぐということにはならないと考えております。 次に、原子力規制委員会の東京電力に対する適格性の判断についてですが、原子力規制委員会の判断であり、県として特段異を挟むつもりはありません。 原子力規制委員会の判断は尊重させていただきますが、国には県の判断を尊重していただきたいと考えております。 県といたしましては、県民の安全を最優先に、3つの検証がなされない限り、再稼働の議論は始められないと考えており、徹底的な検証を進めてまいります。 次に、3つの検証についてですが、3つの検証の終了時期については、検証の結果を事前に想定することは困難ですので、検証の見通しについて申し上げることはできないものと考えておりますが、科学的、合理的に解決のめどが立たないものを、いつまでも引きずることなく、三、四年の検証の中で、その時点における一定の結論や、もしくはそれ以上検証しても、解決が見込めないという結論は出るものと考えております。 また、再稼働の判断については、予断を持たずに徹底的に検証を進めていこうとする今の時点で、再稼働の是非の決め方を論ずること自体が適切でないものと考えております。 なお、最終的な判断ということですと、一般論としては、民主主義社会におけるあらゆる決定は、民主的プロセスで決せられるべきものと考えております。 このため、それぞれの検証委員会において、事実に基づき科学的、合理的に検証し、検証総括委員会でそれをまとめていただくことが重要な役割であると考えております。 次に、避難委員会の委員の選任についてですが、大渕議員の代表質問でお答えしたとおり、検証を進めるに当たっては、予想されるそれぞれの論点について専門的な知見を有した方が必要であり、また、さまざまな意見が反映されることが重要と考え、各分野の専門家をバランスよく選任したところです。 なお、委員長及び副委員長については、経歴や専門分野、また、県内の状況をよく御存じの方という観点から、委員会において互選されたものと承知しております。 次に、現在の北朝鮮の動向への受けとめについてですが、緊迫の度合いが増すことは非常に望ましくない状況にあり、このままエスカレートすべきでないと認識しております。 北朝鮮に対して国際社会が一致団結して断固とした態度をとるべきは当然ですが、一方で不必要に激しい言葉の応酬で、不測の事態を招くことは避けなければならないと認識しております。 いずれにいたしましても、事態が急変し得る可能性があることから、県としましては、引き続き、より緊張感を持って情勢を注視しながら的確な情報収集に努め、関係機関と連携し、県民の皆様の安全確保に万全を期してまいります。 次に、ロシア極東訪問の所感と北東アジアの交流活性化の方針についてですが、小島隆議員の一般質問でもお答えしたとおり、このたびの訪問においては、地方政府等の関係者と率直な意見交換を行い、信頼関係を築く第一歩とすることができたとともに、ロシア極東の発展の現状と、国際的なビジネスのルールにのっとって日本と協力関係を築くことで、さらなる発展を目指している地方政府の姿勢を肌で感じることができました。 また、新潟大学や新潟医療福祉大学と交流のある医科大学の学長とも面談し、大学間の交流推進について確認したところですが、特に医療分野は関心が高く、今後の交流に期待が持てる分野であると考えております。 県といたしましては、韓国・ロシア・中国の総領事館を持つ強みや、これまでの友好交流により培った人的ネットワーク、空港や港湾などのインフラを最大限活用しながら、北東アジア地域との交流活性化に努めてまいります。 次に、県立大学の新学部設置についてですが、新しい学長のもとでまとめられた新学部構想では、新潟の発展に寄与する有為な人材の育成を目指し、意欲ある若者に県内での教育機会の拡充が図られる意欲的な構想であると受けとめております。 今後、県議会での御議論を初め、県民の皆様や有識者等の意見を伺いながら、社会のニーズとの適合性や、設置によりもたらされる効果等の観点から、本県にとっての意義や必要性等を検討してまいりたいと考えております。 なお、県立大学国際地域学部における対岸諸国との交流に向けた人材育成の現状につきましては、総務管理部長から答弁させます。 次に、新潟空港の活性化についてお答えします。 まず、新たな新潟空港の路線ネットワーク戦略に掲げた目標実現に向けた意気込み等についてですが、今回の目標である、平成32年度135万人という年間利用者数は、戦略で示した新規路線の開設や既存路線の増便等が達成した場合の積み上げであり、野心的な目標ではあるものの、ソウル線や台北線の増便などの動きもあり、今後の努力により新規路線の開設や増便を一つ一つ積み重ねていけば、不可能なレベルではないと考えております。 また、新たな取り組みについてですが、今回の戦略は、関係者一丸となって取り組むための行動指針として活用できるよう、具体的に拡充を目指す路線ごとのきめ細かな検討を行い、目標や方向性を定めております。 新たな戦略の実現に向けては、官民で新潟空港の路線誘致や利用促進活動を行っている新潟空港整備推進協議会を初めとする関係者と連携し、計画的に取り組みを進めてまいります。 次に、新潟空港の今後の方向性についてですが、新潟空港は、多くの国内外の航空路線を有するといった強みがある一方で、首都圏空港への路線集中による本県の独自路線の運休等により、その拠点性の低下を懸念しております。 このたび改定を進めている新潟空港の路線ネットワーク戦略においては、対岸諸国に近いという地理的な優位性を生かし、北東アジアに対する日本海側の航空路の表玄関としての確固たる地位の確立を第一の目標として打ち出しており、今後、何よりの基本である対岸諸国との人的・経済的交流を促進することで、路線の拡充を図りながら拠点性の向上に取り組んでまいります。 議員御指摘のプライベートジェット受け入れ推進につきましては、インバウンド拡大においても重要であることから、関係する情報を収集しながら、新潟空港における受け入れの可能性について検討してまいりたいと考えております。 次に、空港からの2次交通の充実に向けた取り組みについてですが、個人・小グループ型の来訪がふえる状況においては、議員御指摘のとおり、空港から県内外の観光地等への2次交通の充実が一層重要であると考えており、新潟空港アクセス改善協議会においても、空港の利用拡大に向けて、同様の御指摘をいただいているところです。 県では、これまでも旅行会社等に対し、バスやレンタカーの利用に係る支援を行ってきたところですが、同協議会における議論を踏まえながら、引き続き、民間事業者などと連携し、旅行者のニーズを踏まえた、きめ細やかな対応による2次交通の充実に努めてまいりたいと考えております。 次に、新潟の玄関としての新潟空港の利活用等についてですが、新潟空港では、地域色を打ち出した広告や演出等が行われるとともに、子供たちの校外学習の場としても活用されておりますが、議員御指摘のとおり、利用客に本県の魅力を発信する場、県民の憩いの場となるためには、さらなる取り組みが必要であると考えております。 今後は、利用客に本県の魅力を感じていただき、親近感が持てる空港にするため、県が株主である新潟空港ビルディング株式会社を初めとする関係者とともに、多様なアイデアを出し合いながら、改善に向けた取り組みを積極的に展開してまいりたいと考えております。 次に、新潟空港の民営化についてですが、国の公表値によると、新潟空港の収支は13億円を超える赤字となっており、公的支援がなければ民営化しても経営を成り立たせることは、難しいのではないかと考えております。 一方、民営化により、着陸料を自由に設定できることなどから、エアポートセールスの強化が図られるほか、民間の自由な発想を生かした空港の活性化が期待できるなどの利点があるものと認識しております。 そのため、本年4月、新潟空港整備推進協議会において、空港の民営化に係る勉強会を設置し、その可能性について研究を進めているところです。 いずれにいたしましても、現状は厳しい状況でありますが、可能性を確認できれば、前向きに検討したいと考えております。 次に、拠点性の向上と交流人口の拡大についてお答えします。 まず、新潟市のまちづくりへの県のかかわり方についてですが、県都である新潟市は本県の顔であると同時に玄関口でもあり、議員御指摘のとおり、新潟市の魅力向上は本県の拠点性向上にも大きく寄与するものと考えております。 県としては、まちづくりの主体である新潟市と連携して事業を進める中で、県が行う事業について、その役割を果たすとともに、市の事業に対しても積極的に意見を述べるなど、できる限りの協力をしてまいりたいと考えております。 次に、今後の鳥屋野潟南部地区における開発の方向性についてですが、鳥屋野潟南部地区は、豊かな自然を残す鳥屋野潟に隣接し、新潟駅や高速道路からのアクセスもよいことから、新たな都市機能の誘導を図る上で重要な場所と認識しております。 これまでも、県、新潟市及び亀田郷土地改良区の3者で計画的な開発の誘導に努めてきたところであり、新潟県スポーツ公園やいくとぴあ食花など、憩いとにぎわいのある空間となっております。 県といたしましては、新潟市のスポーツ施設の移転に関する方針も含め、まちづくりの主体である市の意向も踏まえた上で、開発に伴う効果や課題を整理しながら、新潟のまちの暮らしやすさや利便性の向上と、議員御指摘の交流人口の増加も含めた本県の拠点性の向上に資するよりよい計画となるよう、3者でしっかりと議論してまいります。 次に、スポーツ行政の一体化についてですが、迅速な意思決定のもと、競技力向上と生涯スポーツ振興に一体的に取り組むとともに、地域や企業、観光分野、健康福祉などと連携した総合的なスポーツ施策を効果的に推進するため、知事部局で一体的に推進する体制を整備する必要があると考えております。 平成30年4月1日での、教育委員会から知事への事務・権限の移管を目指し、現在、具体的な詰めを行っているところであり、12月定例会で、必要な条例制定についてお諮りしたいと考えております。 次に、障害者福祉の充実についてお答えします。 重度障害者の介護についてですが、議員御指摘のとおり、重度の障害者の御家族などの、日々の暮らしの御苦労や将来への不安は、切実なものであると受けとめております。 県といたしましては、個々の障害者のニーズを把握して必要な支援体制の整備を進め、重度の障害があっても、一人一人の障害者が安心して地域で望む暮らしを送ることができる共生社会の実現を目指してまいります。 以上、答弁でございます。   〔総務管理部長杉本孝信君登壇〕 ◎総務管理部長(杉本孝信君) お答えいたします。 県立大学国際地域学部における対岸諸国との交流に向けた人材育成の現状についてですが、県立大学では、対岸諸国を含む多くの海外大学と交流協定を締結し、学生の海外留学の機会や、外国人留学生の受け入れ拡大に取り組んでいるところです。 平成28年度は、海外留学42名、外国人留学生の受け入れ12名と、ともに前年度を大幅に上回る実績となっております。 また、海外協定校の学生を招き、県立大学の学生とともに特別講義の受講や地域見学を行うなど、海外の学生との交流を通じ、英語を初め、東アジアの言語の習得や、異文化理解を深める教育等に力を入れているところです。 県といたしましては、引き続き、確かな語学力と異文化に対する理解を兼ね備えたグローバル人材が育成されることを期待しております。   〔福祉保健部長藤山育郎君登壇〕 ◎福祉保健部長(藤山育郎君) 障害福祉サービスにおける人材の確保・育成についてでありますが、議員御指摘のとおり、障害福祉サービスの現場での人材確保の状況は厳しくなっていると認識をしております。 障害福祉の分野においては、一人一人の障害の個別性が大きく、求められる支援も多様であるため、単に人員の確保だけではなく、より高い意欲と専門性のある人材が必要とされております。 このため、数値目標の設定につきましては今後の課題として検討させていただきますが、県といたしましては、まずは障害福祉の仕事のやりがいなどの情報発信、専門性やモチベーションを向上させるための研修の充実などを障害福祉計画に位置づけ、人材の確保・育成に関する取り組みを強化してまいりたいと考えております。 ○議長(金谷国彦君) 志田邦男君の質問は終わりました。 次に、渋谷明治君の発言を許します。渋谷明治君。   〔渋谷明治君登壇〕(拍手) ◆渋谷明治君 日本共産党の渋谷明治です。 安倍首相は、昨日、臨時国会の冒頭で衆議院を解散いたしました。 我が党は、正々堂々と受けて立ち、暴走を重ねる安倍政権に退場の審判を下すため、野党と市民の共闘の勝利、日本共産党の躍進を目指して全力を挙げて戦う決意であります。 さて、質問に入りますが、時間もちょっとおくれていますので、明快な答弁をお願いして、再質問がないように知事にお願いしながら、知事の政治姿勢について、最初に質問いたします。 北朝鮮のたび重なる弾道ミサイル発射、核実験の強行は、国際社会に対する深刻な脅威であり、累次の国連安保理決議にも違反する暴挙であって、強い憤りを持って糾弾し、抗議いたします。 この間、米朝両国首脳の言葉の応酬がエスカレートしており、偶発的な事態から軍事衝突に発展させてはならないと憂慮するものであります。 安倍首相は、これ以上の対話には意味がないと、圧力強化だけを繰り返し強調しています。しかし、万が一にも軍事衝突だけは、絶対に避けなければなりません。 国連安保理決議は、経済制裁の強化とともに、対話を通じた平和的・包括的な解決を呼びかけています。 9月19日から行われた第72回国連総会の一般討論演説で、フランスのマクロン大統領は、北朝鮮を政治的解決のため交渉の席に着かせなければならないと主張し、ロシアのラブロフ外相も、軍事ヒステリーには注意が必要だ、外交的解決にかわるものはないと訴えるなど、世界は外交交渉による解決を求める声が圧倒的です。 事態の打開を図るため、日本政府に対して、米朝両国首脳による直接対話と交渉による外交的解決を促すよう働きかけるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、憲法問題についてお伺いいたします。 安倍首相は、5月3日付の読売新聞で、次のように述べています。 自民党は立党以来、憲法改正が悲願だった、2020年を新しい憲法が施行される年にしたい、憲法第9条の第1項、第2項をそのまま残し、その上で自衛隊の記述を書き加える。そういう考え方もある。 仮に、このような憲法改正が実現すればどうなるか。 憲法第9条が規定する戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認などの原則は空洞化し、自衛隊は内外から日本軍とみなされるでしょう。専守防衛から解き放たれた日本軍は、安保法制、戦争法に基づいて、海外で武力行使を行うことが主要な任務となるでしょう。 平和憲法を根底から覆す安倍首相の9条改憲は、断じて許すわけにはまいりません。 知事としても、安倍政権のもとでの9条改憲には反対すべきと考えますが、御所見を伺います。 次に、核兵器禁止条約について質問いたします。 去る7月7日、核兵器禁止条約の国連会議は、核兵器禁止条約を122カ国の賛成で採択いたしました。 人類史上初の核兵器禁止条約は、日本の被爆者を初め、核兵器のない世界を求める世界の人々の取り組みが結実した歴史的な壮挙であり、これを心から歓迎するものであります。 条約の第1条、禁止は、核兵器の開発、生産、実験、製造、取得、保有、貯蔵、使用とその威嚇など、つまり核抑止力論に至るまで、抜け穴を許さない核兵器の全面的な禁止条項となっています。 また、第6条、被害者援助と環境回復では、日本の戦争被爆者とともに、核実験による被害者への援助も行う責任が明記されています。 核兵器を違法とする法的規範が確立され、未参加の核兵器保有国とその同盟国も政治的・道義的な拘束から逃れられない、画期的な条約となりました。 残念なことに、唯一の戦争被爆国である日本の政府は、この条約に背を向けて、内外で強い失望と批判を招いています。 日本政府は、この態度を抜本的に改め、核兵器禁止条約に参加すべきと考えますが、いかがでしょうか。知事の所見を伺います。 また、真に核兵器のない世界を実現するため、今、被爆者が核兵器廃絶を呼びかけるヒバクシャ国際署名が取り組まれ、急速に賛同が広がっています。知事としても、ぜひ、この署名に協力していただきたいと考えますが、所見を伺います。 次に、働き方改革について質問いたします。 2015年12月、大手広告代理店・電通の新入社員が過労自殺に追い込まれ、2016年1月には、新潟市民病院の女性医師がみずから命を絶ちました。 電通の裁判で浮き彫りになったのは、労働者の健康よりも会社の利益を優先させて、違法な長時間残業を常態化させていたことでした。 長時間労働をなくし、過労死を根絶するためには、国が法的規制を強化することが急務となっています。 しかしながら、労働政策審議会は、去る9月15日、労働者側委員の反対にもかかわらず、労働基準法の改正を初めとする8本の法案をまとめた働き方改革関連法案要綱について、厚生労働大臣へ答申を強行いたしました。 この法案には、第1次安倍内閣のとき残業代ゼロ法案と批判され、国会提出できなかったホワイトカラーエグゼンプション法案と同じ内容の高度プロフェッショナル制度があります。 対象は年収1,075万円以上で、ホワイトカラー層の3%にすぎないと説明されています。しかし、2005年6月に経団連が発表している提言では、年収額が400万円、または全労働者の平均以上を対象にしたいとの狙いが明記されています。 アメリカ系外資は、本国において既に年収250万円層まで残業代ゼロとされていることから、日本政府への圧力を強めているものと言われています。 時間外労働の上限規制についても、労使協定を結べば、年間720時間以内の枠内で、月100時間未満、月平均80時間の残業ができるような仕組みです。 既に月80時間を超える残業が過労死ラインとされているにもかかわらず、これを上回る長時間残業にお墨つきを与えるものであり、際限のない労働強化を強いる働き方改革関連法案は、断じて容認できません。 労働時間の短縮とディーセントワーク、働きがいのある人間らしい仕事の実現に逆行するこの法案は、解散総選挙となった今、国会提出を断念すべきと考えますが、知事の御所見を伺います。 次に、柏崎刈羽原発について伺います。 原子力規制委員会は、このほど、条件つきで東京電力の原発運転適格性を認め、近く、新規制基準適合の審査書案を出すとされています。 原子力規制委員会の田中前委員長は、過酷事故を起こした東電と他の会社とは違うとして、7月10日、東電の小早川社長を呼んで、福島の廃炉をやり切る覚悟と実績を示すことができなければ、柏崎刈羽原発を運転する資格はない、東電の主体性が全く見えないと発言していました。 ところが、9月6日、東電から提出された社長名の追加文書に廃炉をやり遂げると記述されたことをもって、一転して、適格性を否定する状況ではないとする合格のお墨つきを与えたのであります。実に乱暴な、理解しがたい審議経過であります。 福島原発は、事故原因の究明もいまだ途上であり、大量の汚染水がたまり続けるなど事故の収束もできておらず、賠償問題や廃炉などのめども立っていません。 その上、メルトダウン隠し、免震重要棟の耐震不足隠しなど、たび重なる不始末によって、県民の信頼を大きく失わせています。 これでどうして東電の適格性を容認できるのか、甚だ疑問ですが、知事は、東電の適格性についてどのようにお考えでしょうか。所見を伺います。 原子力規制委員会の役割と責任についても問われます。 私たちは、かねてから原子力規制委員会の科学的審査能力の不十分さを指摘してまいりましたが、このたびの更田新委員長は、委員長代理のときに、柏崎刈羽を動かすことで事故の責任を果たそうというのは、一定の理解はできると述べたことが報じられています。 原子力規制委員会の役割は、原発が規制基準に合致しているかどうか技術的に審査・監督を行うことであります。にもかかわらず、全く別次元の、事故の責任を果たそうという東電の経営的な思惑に一定の理解を示して、考慮することなどあってはならないと考えますが、いかがでしょうか。所見を伺います。 知事は、本定例会の答弁で、原子力規制委員会の適合性審査に関して、異は挟まない、結果は尊重すると述べる一方で、県はあくまで科学的な判断をする、県の立場も尊重してほしいと述べておられます。 さきの定例記者会見でも、県の検証委員会で、できる限り資料を出してもらい、チェックすると述べておられます。 これは当然の立場だと思いますが、大事なことは、この知事の姿勢について、各検証委員会にもしっかりと伝えていただき、今後の検証作業に当たっていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。御所見を伺います。 次に、佐渡汽船の寺泊―赤泊航路問題についてお伺いいたします。 佐渡汽船は、7月13日、臨時取締役会で、寺泊―赤泊航路から2018年度にも撤退する方針を決め、長岡市と佐渡市での説明会と2回の佐渡航路確保維持改善協議会が開催されて、参加者からは存続を求める強い声が上がっています。 県作成の新潟県離島振興計画にも、離島である佐渡島にとって航路は、住民生活の根幹を支えるものであり、航路事業者が健全経営を確保しつつ、航路の安定運航及び利便性向上に向けたサービス提供がされるよう取り組んでいく必要があると明記されています。 佐渡汽船が一般企業と異なるのは、県が筆頭株主だという点です。 佐渡汽船運賃の大幅値上げが問題になった1976年の新潟日報紙は、以下のような社説を書いています。 越佐航路は明治初年、政府によって開かれたが、同18年に民営の越佐汽船が設立され、新潟―両津間に独占的な航路を持っていた。その後に佐渡商船、越佐商船が参入、激しい競争が行われ、各社とも経営危機に陥った。見かねた県が仲介に入り、昭和7年に3社合併し、現在の佐渡汽船となった。 その際、資本金50万円の半額を県が出資し、重役の選任などは県の指示によるという条件がつけられたことが県政史にも記録されています。以来、事実上の役員人事は県が握っている。また、県が半額出資したいきさつは、離島航路の確保という行政上の責任もあったはずです。 10年前の平成19年、泉田前知事のときに、佐渡汽船の債務超過が問題になり、増資を行ったことにより、現在の県の出資比率は41.5%となっていますが、筆頭株主であることには変わりありません。県の責任は依然として重いものがあります。 寺泊―赤泊航路を含む佐渡航路の安定的な維持・運航は、佐渡市民の命と暮らしを守り、島の経済活動と産業を支える生命線です。 新潟県全体の観光振興や佐渡金銀山の世界遺産登録など、本県の重要施策の推進にとっても、寺泊―赤泊航路を含む佐渡航路の確保は不可欠と考えますが、知事の所見を伺います。 ことし4月、いわゆる有人国境離島法の施行により、佐渡島も特定有人国境離島地域に指定されました。その結果、国の財政措置による佐渡島民の大幅な運賃低廉化が実現し、4月1日以降、佐渡島民のフェリー2等の往復運賃は2,540円となって、本土からの往復運賃4,500円の半額に近い島民割引が実現しています。 今後は、貨物運賃の割引も検討していると伝えられ、佐渡汽船の経営改善につながる動きも生まれています。 にもかかわらず、佐渡汽船は、航路撤退の6カ月前となる10月末には国へ届け出たいとして、長岡市や佐渡市との協議を急いでいます。 こうした撤退ありきの手法に、関係者の批判が噴き出し、拙速だとの指摘を受けています。観光振興や佐渡金銀山の世界遺産登録など、県の重要施策を推進する上でも、しっかりと時間をかけて、各方面からの意見を聞き、知恵を寄せ集めることこそ求められていると考えます。 筆頭株主の県として、期限を区切ることなく、住民や関係者との十分な議論を行って結論を得るべきと考えますが、知事の所見を伺います。 次に、県政の諸問題についてお伺いいたします。 まず、臨時教員の待遇改善についてであります。 近年、学校現場を取り巻く状況が複雑化・困難化し、貧困と格差の拡大による諸問題や、保護者への対応、日々の業務による多忙化などが要因となり、教員の方々の精神疾患による休職が後を絶たず、病休中の先生にかわって臨時教員が教鞭をとっています。 こうした病休代替や、欠員を穴埋めする臨時教員の方々は、地方公務員法第22条を根拠に任用されています。 問題は、この地公法第22条によって任用期間が1年以内とされているため、毎年、夏休みを中心に15日から1カ月もの期間、離職扱いとなることです。 現在、他の都道府県では離職期間が1日とされており、年度末の3月31日に離職日を設けているところが圧倒的です。 ことしの4月、義務教育の教職員の雇用が県から移管された新潟市でも、離職期間は8日間に改定し、運用を開始しております。ダブルスタンダードになっていることも問題です。 臨時教員の方々は、離職期間中であっても、部活の大会に引率しなければならなかったとか、保護者からの電話は断れないなど、名ばかりの離職となっています。 今や、15日から1カ月もの離職期間を設けることには、何ら合理的根拠はありません。抜本的に見直すべきでありませんか。教育長の所見を伺います。 さらに問題は、離職期間中の臨時教職員の処遇についてであります。 一旦離職することで社会保険から脱退し、国民健康保険への加入手続が必要となります。しかし、市町村役場での手続に煩雑さが伴うことから、少なくない臨時教員の方々が無保険状態で過ごしているというのです。 国民皆保険制度と矛盾するばかりか、事故や病気になれば、深刻な事態を招きかねません。中には、扶養家族をお持ちの方もおられ、家族の健康にも直結する問題です。 国の通知でも、事実上の使用関係が中断することなく存続していると、就労の実態に照らして判断される場合には、厚生年金保険及び健康保険の被保険者資格を喪失させることなく取り扱う必要があるとされていることからも、離職期間中の無保険状態を直ちに改善すべきと考えますが、いかがでしょうか。教育長の所見を伺います。 次に、障害者の65歳の壁の問題についてです。 障害のある人が日常生活を行う上で、障害福祉サービスの利用は、空気と同じように欠かせないものです。 ところが、住民税非課税の障害者が65歳の誕生日を迎えると、介護保険に強制移行させられ、64歳までは無料だった障害福祉サービスから介護保険サービスに切りかわって、急に1割負担を求められるという事例が起きています。 2013年施行の障害者総合支援法第7条で、介護保険優先原則を規定しているからです。こうした問題が生じています。 市町村の現場では、障害福祉サービスを継続できるよう個々の状況に応じた配慮がなされているところがあるようですが、抜本的打開のためには、同法第7条を速やかに廃止し、希望に応じて障害福祉サービスを選択できるよう、制度を改めるべきだと考えますが、知事の所見を伺います。 また、法改正が実現するまでの間、県としても市町村の実態をよくつかむとともに、市町村と連携して65歳以上の障害者に対する障害福祉サービスの継続を支援する必要があると考えますが、いかがでしょうか。知事の所見を伺います。 次に、介護保険料滞納によるペナルティーの問題についてお伺いいたします。 65歳以上の被保険者のうち9割近くの方々は、保険料を年金から天引きされていることから、100%に近い収納率となっています。 しかし、普通徴収されている方々は、ほとんどが年金額18万円以下の低年金か、無年金のため、介護保険料が払い切れず、滞納につながり、8割台の収納率となっています。 介護保険料を滞納した場合、ペナルティーが科せられますが、このペナルティーは、何らかの事情で介護が必要になったとき、要介護認定を受けたときから科せられることになるため、いざというときに大変です。 滞納期間が1年を超えると、介護サービスの利用料を一旦全額負担した後に償還払いとなり、滞納が1年6カ月を超えると、保険給付の全部または一部が差しとめられ、2年以上前の時効消滅した滞納がある場合は、その期間に応じて利用料負担が3割まで引き上げられるなど、苛酷なペナルティーとなっています。 滞納期間が2年以内なら遡及納付もできますから、御家族が納付して乗り越えるケースもあると聞きますが、時効消滅した滞納はこうした努力ではいかんともしがたいため、結局、生活保護に頼らざるを得ないといった事例も生まれています。 さまざまな事情から生活保護を受けられない方は、救済されません。 国は、自治体が一般会計を繰り入れて保険料を引き下げたり、独自の減免制度をつくることは否定的であり、現在の介護保険制度は低所得者を救済する仕組みが極めて不十分と言わざるを得ません。 そこで、県としても、国に対して、低所得者ゆえに介護保険から排除されるペナルティー制度をなくすよう働きかけるべきと考えますが、知事の所見を伺います。 また、介護保険でも、せめて国民健康保険制度並みに、市町村の裁量で一般会計からの繰り入れによる介護保険料の引き下げや、独自の減免制度を認めるよう、国に対して働きかけていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。 質問の最後に、住宅リフォーム助成制度、商店・工場リフォーム助成制度について伺います。 去る8月2日、県内の中小零細商工業者団体、新潟県商工団体連合会が実態調査をまとめ、知事と懇談いたしました。 この懇談の中で、住宅の耐震改修やバリアフリー化、商店や事業所のリフォーム工事を進めることと一体に、関連業者と地域経済の活性化を目的として、県内24市町村で実施されている住宅リフォーム助成、商店リフォーム助成制度が紹介され、ぜひとも県から支援してほしいとの要望が寄せられました。 これらの制度は、地域経済への波及効果も高く、関係業者や住民の方々から大歓迎されています。 県として、先進事例にも学び、国の制度活用や市町村とも連携して、導入を検討すべきと考えますが、知事の御所見を伺いまして、質問を終わりにいたします。(拍手)   〔知事米山隆一君登壇〕 ◎知事(米山隆一君) 渋谷議員の一般質問にお答えいたします。 まず初めに、北朝鮮による弾道ミサイル発射及び核実験についてですが、北朝鮮の核・ミサイル開発は、地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なう、より重大かつ差し迫った新たな段階の脅威であり、断じて許すことはできません。 北朝鮮に対して国際社会で一致団結した断固とした対応が必要であることは当然ですが、一方で、相互の激しい言葉の応酬で不測の事態が生じることは何としても回避しなければならず、断固とした対応と同時に、議員御指摘の対話を通じた平和的・包括的な解決の余地は、常に残しておくべきものと考えます。 この問題は、国の安全保障にかかわる問題であり、国において適切に対応すべきものでありますが、県といたしましては、政府に対し、米国、韓国、中国、ロシアを初めとした国際社会と連携を図りながら、国連安保理決議を着実に履行するとともに、核・ミサイル及び最優先課題である拉致問題など北朝鮮をめぐる諸懸案の解決に向けて、全力を尽くすよう求めてまいりたいと考えております。 次に、憲法第9条の改正についてですが、大変恐縮でございますが、私は、憲法第9条第1項及び第2項をそのままにした上で、例えばということでございますが、第3項として、前2項の目的を達するため、日本国民は自衛隊を保持するという条項を追加するということであれば、前2項である第9条第1項、第2項を空洞化することなく、自衛隊を従前の解釈の枠の中で合憲と位置づけることになりますので、それは検討に値する意見だというふうに思っております。 一方で、憲法は、国家の基本理念を定め、これをもとに国民の統合を図るためのものであることから、現行憲法の解釈を明確化するために国民の分断を招くようなあり方は本末転倒であると考えております。 したがって、憲法改正の議論は、可能な限り国民の理解と賛同を得られるよう努力することが必要であり、期限を設けることなく、慎重な議論を国民全体で重ねるべきであると考えております。 次に、核兵器禁止条約への参加と核兵器廃絶国際署名についてですが、今般、国連で採択された核兵器禁止条約について、日本政府は、核保有国が1カ国も参加しておらず、条約に参加することは核保有国と非保有国の隔たりを深め、核兵器のない世界の実現を遠ざける結果になるとして署名を行わなかったものであり、国の権限である外交上の判断と考えておりますが、政府には今後も、唯一の被爆国として、核兵器のない世界の実現に向け、核保有国、非保有国双方に粘り強く働きかけていただきたいと考えております。 また、核兵器廃絶国際署名については、唯一の被爆国である日本が、国際社会に向けて核兵器の廃絶を目指すメッセージを発信することは、大きな意義があると考えておりますが、一方で、県知事の署名は県としての署名と考えられるところであり、県民のコンセンサスが得られているかということについて、必ずしも明確ではなく、私の個人的心情に基づいて署名の可否を決することは適当でないものと考えております。 次に、労働基準法等の働き方改革関連法の改正についてですが、国によれば、長時間労働を是正し、働く方が健康を確保しつつ、創造性の高い仕事で自律的に働き、その意欲や能力を発揮できる新しい労働制度の選択を可能とするものであるとされております。 一方で、高度プロフェッショナル制度などは、実労働時間に関係なく賃金が支払われるため、運用によっては、長時間労働となる方が増加するといった懸念や、残業の上限規制については、法律で明文化することで、かえって誤った運用につながるといった懸念が指摘されているところでございます。 また、議員から御指摘いただいた電通の例は、会社もさることながら、直接の上司ということですけれども、労働者間でのハラスメントに近い長時間労働の強制というものがあったというふうに報道されているところであり、労働慣行、労働者も含めた労働慣行全体が改まらない中で、残業というものを認めてしまうと、それは、今ほどお話ししたとおり、かえって誤ったことになるという懸念は、やはりそれはあるというふうに考えております。 このため、今後の国会での審議に当たっては、労働者の保護や労働慣行のあり方、その現状も十分に配慮していただいて、その現状に即した働き方改革の促進に向けて、議論を尽くしていただきたいと考えております。 次に、柏崎刈羽原発についてお答えいたします。 まず、東京電力の原子力発電所を運転する適格性についてですが、私は、組織文化というようなものを抽象的に問うということは非常に、ある種、禅問答のようなものでございまして、さほど大きな意味がないのではないかというふうに考えております。むしろ、もし組織文化を問うのであれば、緊急時の対応について社内で共有されているかとか、教育のシステムがきちんとあるかといった、やはり外形的に判断できるところで判断すべきだというふうに考えております。 原子力規制委員会の判断それ自体に特段異を挟むつもりはございませんが、その判断について、科学的・合理的、外形的なその根拠ということに関して説明を求めた上で、疑問が残る点については、県として科学的・合理的に検証を進めるなど、改めて対応してまいりたいと考えております。 次に、適合性審査についてですが、更田新委員長の発言の詳細は承知しておりませんが、議員御指摘のように、安全と経営は全く別途独立の事柄でございますので、安全を判断する際に、経営的思惑を考慮するということは、それは全く論理的でない、御指摘のとおり、あってはならないことと考えております。 県の検証におきましては、県民の安全を最優先に、あくまで科学的な判断を積み重ねてまいりたいと考えております。 次に、各検証委員会における検証作業についてですが、仮に、原子力規制委員会において審査書案が了承された場合には、原子力規制委員会に、その了承につきまして、科学的・合理的な説明を求めた上で、疑問が残る点については、県として科学的・合理的に検証するなどの対応をしてまいります。 このことを改めて、各検証委員会にしっかり伝え、またその委員に、それぞれの委員にしっかりと伝えて、検証を進めてまいりたいと考えております。 次に、佐渡汽船の寺泊―赤泊航路についてお答えいたします。 まず、佐渡航路の安定的な維持・運航についてですが、議員御指摘のとおり、佐渡航路は佐渡市民の命と暮らしを守り、佐渡島の経済活動を支える生命線であるとともに、新潟県全体の観光振興等にも不可欠であると考えております。 今回、佐渡汽船が寺泊―赤泊航路からの撤退を軸とした方向性を表明したことにつきましては、赤字航路であるということだけではなく、現行並みの運航を維持するための船員数の確保が厳しいという状況があり、場合によっては他航路に影響が及ぶ可能性もあるというふうに伺っております。 現在、佐渡航路確保維持改善協議会においても、航路のあり方について議論しているところであり、地元の意向も確認しつつ、丁寧に議論を重ねる中で、対応を検討してまいりたいと考えております。 次に、寺泊―赤泊航路のあり方の議論についてですが、現在、地元自治体や関係者の方々と議論している佐渡航路確保維持改善協議会では、経営改善効果や船員不足の観点などについて、期限にこだわらず議論を行うこととしております。 一方で、佐渡汽船の来年の運航計画策定の期限もありますので、10月を一つのめどにしながら、しかし、それにとらわれることなく、一定の方向性を出したいと考えております。 次に、県政の諸問題についてお答えいたします。 まず、障害福祉から介護保険制度への移行についてですが、65歳以上の障害者については、介護保険優先の原則により、議員御指摘のような課題も指摘されているところですが、一律に介護保険制度に移行させるのではなく、個々の実態に応じて障害福祉サービスを提供することが可能と承知しております。 また、国においては、平成30年4月から、利用者負担の軽減や、障害福祉サービス事業所が介護保険サービス事業所になりやすくする仕組みが創設される等の見直しも行われることから、県といたしましては、まずこれらの制度改正の効果を見きわめつつ、問題点に対しては、県としても適切な措置を講じてまいりたいと考えております。 障害者総合支援法第7条をどうするかということに関しましては、これは国の制度でございますので、国の民主的プロセスで決定されることと考えますが、議員から御指摘いただきまして、そしてまた今ほど答弁したような問題点に関しても、やはりきちんとした対応をしていただきたいというふうに考えております。 次に、障害福祉サービスの継続利用の支援についてですが、さきにお答えしたとおり、65歳以上の障害者が一律に介護保険制度へ移行するものではないと承知しておりますので、介護保険サービスにより適切な支援を受けることが可能かどうかを個別に判断し、必要に応じて引き続き障害福祉サービスを提供するよう、市町村に助言してまいります。 次に、介護保険料の滞納がある場合の保険給付の制限等についてですが、介護保険は、国民の共同連帯の理念に基づき、40歳以上の国民が相互に保険料を負担し合う社会保険制度であり、全ての被保険者に公平に保険料を納めていただくことが制度の根幹となっております。 保険料の滞納がある場合の給付制限等については、被保険者の保険料負担の公平性を図り、市町村が介護保険財政を安定的に運営する観点から、必要なものと考えてはおりますが、一方で、議員御指摘のとおり、結局それがゆえに生活保護に至ってしまって、より高い福祉保健費を要することになってしまうということでは本末転倒であり、遡及納付をより長期間認めるなど、給付と負担に配慮しつつ、しかし要介護者が適切な介護を受けられる国レベルでの制度の実現が望まれるものと考えております。 次に、介護保険料の減免などに係る市町村の裁量についてですが、保険料額については、所得水準に応じて9段階を標準としておりますが、市町村が低所得者に配慮して、10段階以上に設定することが可能となるなど、弾力的な運用が認められており、さらに、最も所得が低い段階には、公費を投入した軽減措置も実施されております。 また、保険料や自己負担の減免については、災害に加えて、世帯の収入が著しく減少した場合などについても実施されております。 議員御指摘の貧困な方における対策が十分でないという問題があることは、御指摘のとおりというふうには思うのですけれども、あらゆる制度がそうであるように、介護保険もまたさまざまな問題、課題を有するということと思います。ただ、その問題意識は重なるものと思うのですが、財政等を含めて現在可能な制度という意味では、自己負担や減免については、市町村において適切に運用されているものと認識しております。 次に、住宅と商店のリフォーム助成制度の導入についてですが、リフォーム助成は、市町村がそれぞれの地域の実情や経済状況等を踏まえ、地域に最も適した形で行っております。 一方、県では、施策目的に応じ、県民の安全・安心を確保する耐震すまいづくり支援事業、住宅の克雪化を支援する克雪すまいづくり支援事業等の助成制度や、魅力のある店舗づくりのための商店街活性化支援資金等の県制度融資による支援を行っているところでございます。 本県が行っているこれらの制度と、市町村のリフォーム助成との相乗効果によって、地域経済の活性化につながるものと認識しており、国の制度の活用を図りながら、今後とも市町村と連携して取り組んでまいります。 以上、答弁でございます。   〔教育長池田幸博君登壇〕 ◎教育長(池田幸博君) 2点についてお答えいたします。 臨時教員の離職期間についてですが、従前から県教育委員会では、任用期間が最長1年で再度の更新はできないという地方公務員法第22条の趣旨等から、夏季休業期間等に15日から一月の離職期間を設けることとしております。 しかしながら、平成26年度に総務省から、任期満了後、再度、同一職務の職に任用されること自体は排除しないとの見解が示されたことなどから、議員御指摘のとおり、必ずしも15日から一月にこだわる必要はないものと解され、学校現場の臨時教員の勤務実態や他県の状況等を踏まえ、現在、教員の離職期間の見直しについて検討を進めているところです。 次に、臨時教員の離職期間中における健康保険の取り扱いについてですが、15日から一月の離職期間を設定している現行の制度においては、県が継続加入させるなどの対応をすることは制度上難しいものと認識しておりますが、現在、総務省や文部科学省の見解等を踏まえ、離職期間の見直しについて検討を進めており、それによって、議員御指摘の事実上の使用関係が存続していると判断される状況となり得ることも踏まえ、かかる課題についてもあわせて検討してまいりたいと考えております。 ○議長(金谷国彦君) 渋谷明治君の質問は終わりました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(金谷国彦君) これにて一般質問は終了いたしました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(金谷国彦君) お諮りいたします。 議案審査等のため、10月2日から10月6日まで、10月10日及び10月11日の7日間、本会議を休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(金谷国彦君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、明9月30日、10月1日及び10月7日から10月9日までは休日のため、本会議を休会といたします。   ――――――――☆―――――――― ○議長(金谷国彦君) お諮りいたします。 次会は、10月12日午前10時から開くことにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(金谷国彦君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。   ――――――――☆―――――――― ○議長(金谷国彦君) 本日の議事日程は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 △午後5時2分散会...