神奈川県議会 > 2021-09-27 >
09月27日-09号

  • "電話リレーサービス"(/)
ツイート シェア
  1. 神奈川県議会 2021-09-27
    09月27日-09号


    取得元: 神奈川県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-16
    令和 3年 第三回 定例会 △《本会議録-令和3年第3回-20210927-029084-諸事項-出席議員等・議事日程-》         令和3年第3回神奈川県議会定例会会議録第9号〇令和3年9月27日 午後1時開議   ───────────────────────────────────────〇本日の出席議員 議長共103名       出 席 議 員                       大   村       悠                       桝       晴 太 郎                       永   田   磨 梨 奈                       加   藤   ご   う                       永   田   て る じ                       菅   原   あきひと                       須   田   こうへい                       す と う   天   信                       上   野   た つ や                       石   田   和   子                       田   村   ゆうすけ                       松   長   泰   幸                       山   口   美 津 夫                       高   橋   延   幸                       武   田       翔                       田   中   信   次                       川   崎   修   平                       神   倉   寛   明                       お ざ わ   良   央                       た め や   義   隆                       飯   野   まさたけ                       望   月   聖   子                       佐 々 木   ナ オ ミ                       柳   瀬   吉   助                       市   川   さ と し                       佐   藤   けいすけ                       大   山   奈 々 子                       君   嶋   ち か 子                       池   田   東 一 郎                       石   川       巧                       芥   川       薫                       川   本       学                       市   川   和   広                       山   本       哲                       綱   嶋   洋   一                       新   堀   史   明                       田   中   徳 一 郎                       山   口   貴   裕                       野   田   治   美                       脇       礼   子                       石   川   裕   憲                       米   村   和   彦                       栄   居       学                       小   林   大   介                       京   島   け い こ                       井   坂   新   哉                       佐 々 木   ゆ み こ                       さ と う   知   一                       楠       梨 恵 子                       西   村   く に こ                       谷   口   かずふみ                       藤   代   ゆ う や                       渡   辺   紀   之                       原       聡   祐                       高   橋   栄 一 郎                       あ ら い   絹   世                       柳   下       剛                       細   谷   政   幸                       加   藤   元   弥                       中   村   武   人                       古   賀   照   基                       青   山   圭   一                       斉   藤   た か み                       赤   野   た か し                       浦   道   健   一                       亀   井   たかつぐ                       佐 々 木   正   行                       渡   辺   ひ と し                       小 野 寺   慎 一 郎                       内   田   み ほ こ                       長   田   進   治                       国   松       誠                       杉   本       透                       小   島   健   一                       いそもと    桂 太 郎                       梅   沢   裕   之                       嶋   村   た だ し                       桐   生   秀   昭                       市   川   よ し 子                       岸   部       都                       く さ か   景   子                       北   井   宏   昭                       菅   原   直   敏                       相   原   高   広                       鈴   木   ひ で し                       藤   井   深   介                       森       正   明                       土   井   りゅうすけ                       杉   山   信   雄                       小   川   久 仁 子                       持   田   文   男                       竹   内   英   明                       松   本       清                       し き だ   博   昭                       松   田   良   昭                       牧   島       功                       堀   江   則   之                       作   山   ゆうすけ                       てらさき    雄   介                       た き た   孝   徳                       松   崎       淳                       近   藤   大   輔                       曽 我 部   久 美 子       欠 席 議 員                       河   本   文   雄       説明のための出席者         知事            黒   岩   祐   治         副知事           武   井   政   二         同             小 板 橋   聡   士         同             首   藤   健   治         政策局長          髙   澤   幸   夫         総務局長          筒   浦   浩   久         環境農政局長        鈴   木   真 由 美         福祉子どもみらい局長    橋   本   和   也         健康医療局長兼未病担当局長 山   田   健   司         産業労働局長兼         エネルギー担当局長     野   田   久   義         会計管理者兼会計局長    河   鍋       章         デジタル行政担当局長    尾   﨏   美 貴 江         教育委員会教育長      桐   谷   次   郎         同  教育局長       田   代   文   彦   ───────────────────────────────────────       議会局出席者         議会局長          平   井   和   友         議会局副局長兼総務課長   霜   尾   克   彦         同  議事課長       井   上       実         同  政策調査課長     大 河 原   邦   治   ───────────────────────────────────────           令和3年第3回神奈川県議会定例会議事日程第9号                            令和3年9月27日午後1時開議第1 認第2号 令和2年度神奈川県一般会計歳入歳出決算及び同年度神奈川県特別会計歳入歳出決算の認定について第2 定県第 123号議案 令和3年度神奈川県一般会計補正予算(第16号)   定県第 124号議案 地方税法第37条の2第1項第4号に掲げる寄附金を受け入れる特定非営利活動法人等を定める条例の一部を改正する条例   定県第 125号議案 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例   定県第 126号議案 神奈川県県税条例の一部を改正する条例   定県第 127号議案 神奈川県地震災害対策推進条例の一部を改正する条例   定県第 128号議案 神奈川県屋外広告物条例の一部を改正する条例   定県第 129号議案 工事請負契約の締結について(県営阿久和団地公営住宅新築工事(3期-建築-第4工区)請負契約)   定県第 130号議案 指定管理者の指定について(相模湖公園及び相模湖漕艇場)   定県第 131号議案 指定管理者の指定について(秦野戸川公園及び山岳スポーツセンター)   定県第 132号議案 指定管理者の指定について(相模三川公園)   定県第 133号議案 指定管理者の指定について(山北つぶらの公園)   定県第 134号議案 神奈川県科学技術政策大綱の計画期間の変更について   定県第 135号議案 訴訟の提起について   定県第 136号議案 和解について   定県第 137号議案 和解について   定県第 138号議案 地方独立行政法人神奈川県立病院機構定款の変更について   県報第2号 専決処分について承認を求めること(動産の取得について)第3 認第1号 令和2年度神奈川県公営企業決算及び神奈川県流域下水道事業決算の認定について第4 請願第34号 私学助成等について請願   請願第35号 再生可能エネルギー推進に向けた国への意見書の提出を求める請願   請願第36号 不正支出が認められた政務活動費の返還を条例や指針に明記することを求める請願   請願第37号 国に対して、被児童虐待経験のある大学生等が生活保護を受けられない運用を改めることの意見書提出を求める請願   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和3年第3回-20210927-029085-諸事項-諸報告・追加議案の説明-》    〔議会局長報告〕  出席議員 議長共57名 ○議長(小島健一) ただいまから、本日の会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) 本職あて文書が提出されておりますので、書記に朗読させます。  〔書記朗読〕   ───────────────────────────────────────                                 政総第1306号                               令和3年9月27日 神奈川県議会議長 小 島 健 一 殿                         神奈川県知事 黒 岩 祐 治議案の提出について 令和2年度神奈川県一般会計歳入歳出決算及び同年度神奈川県特別会計歳入歳出決算の認定についてその他の案件を別冊のとおり提出します。   ───────────────────────────────────────                                  人委第104号                               令和3年9月15日 神奈川県議会議長 小 島 健 一 殿                   神奈川県人事委員会委員長 小 池   治            条例案に対する意見について(回答) 令和3年9月8日付け神議第1312号により意見を求められました次の条例案については、異議ありません。                            〔本会議録別冊105頁参照〕   ───────────────────────────────────────(請願:議事日程参照)   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) この際、申し上げます。  北井宏昭議員から質問趣意書が提出されておりますので、執行機関に送付しますから、御了承を願います。                            〔本会議録別冊83頁参照〕  地方自治法の規定により、監査委員報告書が提出されておりますので、御了承を願います。  受理いたしました陳情書は、陳情文書表のとおり、所管委員会に付議いたしましたので、御了承を願います。  県内に住所を有しない陳情者から提出された陳情書は、その写しを配付してありますから、御了承を願います。   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) これより日程に従い、審議を行います。  日程第1、認第2号 令和2年度神奈川県一般会計歳入歳出決算及び同年度神奈川県特別会計歳入歳出決算の認定についてを議題といたします。  議案の朗読は省略いたします。                            〔本会議録別冊53頁参照〕  知事の説明を求めます。  黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) ただいま提案しました令和2年度神奈川県一般会計歳入歳出決算及び同年度神奈川県特別会計歳入歳出決算の認定についてですが、監査委員の審査が完了したことから、地方自治法第233条第3項の規定により、決算の認定を求めるものです。  よろしくお願い申し上げます。   ─────────────────────────────────────── △《本会議録-令和3年第3回-20210927-029086-質問・答弁-桝晴太郎議員-一般質問①テレワークの定着に向けた取組について②ヤングケアラー支援について③電話リレーサービスの周知に向けた取組について④茅ヶ崎ゴルフ場について⑤多頭飼育対策について⑥県立高校におけるSTEAM教育について⑦県立高校の老朽化対策について》 ○議長(小島健一) 次に、ただいま説明のありました日程第1に日程第2及び日程第3を併せ、一括して議題といたします。  これより質問並びに質疑を行います。  質問の通告がありますので、順次発言を許します。  桝晴太郎君。  〔桝 晴太郎議員登壇〕(拍手) ◆桝晴太郎議員 皆様、こんにちは。  自由民主党の桝晴太郎でございます。  私は、自由民主党神奈川県議団の一員として、通告に従い、提言を交えながら、順次質問させていただきます。  知事並びに総務局長、健康医療局長、教育長、教育局長におかれましては、明快かつ前向きな御答弁をお願いいたします。また、先輩、同僚議員の皆様におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。  〔資料提示〕  質問の第1は、テレワークの定着に向けた取組についてです。  コロナ禍において、人の移動を抑え、多くの人が集まる場所での感染リスクを減らすために、職場等への出勤者の7割減が求められる中、通勤しなくても働くことができるテレワークは、急速に普及してきました。  テレワークを導入した企業の中には、これを機に、今まで出社することが当然であった社内風土や価値観を大きく見直して、組織の変革につなげているところでもあります。  こうした取組は、業務効率が上がったり、企業イメージアップにより、優秀な人材が集めやすくなるといった利点があります。また、テレワークの導入は、働く人にとってもメリットがあり、育児や介護などを理由とした退職を防げるほか、自由度の高い暮らしが可能になることで、ライフスタイルや住まい選びを見直す動きも出てきています。  〔資料提示〕  テレワークとしての働き方には、自宅だけでの勤務ではなく、サテライトオフィスコワーキングスペースなどを活用した勤務もあります。  私の地元、茅ケ崎市では、昨年1年間、約1,300世帯増加をしており、その多くが県外などから移り住んできた方たちであります。自宅でテレワークをする方も多くいらっしゃいますが、自宅の近くにあるサテライトオフィスコワーキングスペースを活用して働くことで、通勤時間が減った分、趣味のサーフィンやゴルフをしてから仕事をするという充実したライフスタイルが一つの文化となりつつあります。  さらに、地元のサテライトオフィスコワーキングスペースを利用することにより、利用者同士の新しいコミュニティーが生まれるなど、地域の魅力アップにもつながっています。  しかし、ここに来て、テレワークの実施率が停滞しているとの報道も見受けられます。  今年の8月、ある新聞社が国内主要企業121社を対象に行ったアンケート調査によると、昨年4月から5月の第1回目の緊急事態宣言中に、出勤者の7割減を達成した企業は39社ありましたが、今年6月1日時点では18社に減少しており、さらに、出勤者の削減率が5割に満たない企業は、33社から46社に増加しているといった結果が出ています。  テレワークは、新型コロナウイルス感染症感染拡大防止がきっかけで導入した企業が多いと思われますが、企業と従業員のいずれにとっても大変意義がある働き方であることから、アフターコロナにおいても継続し、定着していくことが必要だと考えます。  そこで、知事に伺います。  本県におけるテレワークの定着に向けて、今後どのように取り組んでいくのか伺います。  〔資料提示〕  質問の第2は、ヤングケアラー支援について伺います。  国が令和3年3月に報告した実態調査によれば、中学生、高校生のおおむね20人に1人がヤングケアラーであるという結果が示されました。  〔資料提示〕  ヤングケアラーの子供たちは、家族の介護や看護のほかにも、幼いきょうだいの世話をしたり、病気の親に代わって家事をしたりすることもあり、その負担が大きい場合には、子供自身の日常生活や学習面にも影響が生じることが懸念されます。  先月、他県では、17歳の兄が6歳の妹に暴力を振るい、死亡させるという非常に痛ましい事件が発生いたしました。新聞報道によると、このきょうだいは母親と3人の家庭で、兄は母親に代わって、日常的に妹の面倒を見ていた、いわゆるヤングケアラーであり、日常のストレスのはけ口が妹への暴力につながったとのことであり、私は大変心を痛めております。  ヤングケアラーは、家庭内のデリケートな問題であることや、本人自身に支援が必要であることについて自覚がないといった理由から、まだまだ周囲が気づきにくく、支援にもつながりづらい状況があります。  今年6月の本会議において、我が会派のあらい議員から、ヤングケアラーも含めたケアラー対策の推進について質問した際、県では、ケアラー支援庁内連絡会議を立ち上げ、周知・啓発や関係機関の対応力向上などを進めていくという答弁がありました。  県では、現在、様々な取組を行っていると承知しておりますが、ヤングケアラー一人一人に必要な支援が行き渡るよう、より一層の対策が必要と考えます。  こうした中、国は令和4年度予算の概算要求に、ヤングケアラー支援のための新規事業を用意し、令和4年度から3年間を集中取組期間として自治体の取組を支援することとしています。  県が850億円の財源不足という状況を踏まえつつ、国の新規事業を積極的に活用するなど、知恵を絞ってヤングケアラーへのさらなる支援に取り組んでいくことが必要であります。  そこで、知事に伺います。  今後、ヤングケアラーの支援に向け、県としてどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第3は、電話リレーサービスの周知に向けた取組について伺います。  今日、電話は意思疎通の手段として重要な役割を担っていますが、音を聞くことができない聴覚障害者などは利用することができません。また、音を聞くことができる健聴者も、聴覚障害のある方に電話をかけることができません。  〔資料提示〕  東日本大震災をきっかけとして、公益財団法人日本財団により平成25年から開始された電話リレーサービスは、聴覚障害者などと健聴者の間を、オペレーターが手話や文字で通訳することにより会話することができる大変利便性の高いサービスではありますが、一般電話と違い、24時間365日使えないなどといった課題もあります。  我が会派では、聴覚障害者等が日常生活の中で、離れた相手と必要なときに即時につながれないという障壁を大きな問題と認識し、電話リレーサービスを国が運営する公共サービスとするよう意見書を提出するなど、当事者団体と共にサービスの充実を訴えてきました。  こうした行動が実を結び、令和2年12月に聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律が施行され、本年7月から公共インフラとして電話リレーサービスが開始され、聴覚障害者等と健聴者とが24時間365日いつでも電話でつながることが可能となりました。  7月1日には開始セレモニーが開催され、冒頭、菅義偉首相がビデオメッセージで、バリアフリー社会に向けて環境整備に努めていくとの挨拶があり、歴史的な一歩を踏み出したところでもあります。  先日、電話リレーサービスを運営する日本財団電話リレーサービスを訪問し、実際にどのように利用されているのかを見学し、今後の課題について意見交換をさせていただいたところでもあります。  課題としては、利用者以外の方にも多く知っていただく必要があることや、金融機関等に連絡する際の本人確認について、金融機関にもこのサービスの利用を促していくことが必要であります。  今後は、このサービスが、健聴者の電話と同じように日常生活の一部として定着していくことを望んでおりますが、このサービスが広く利用されるためには、まずは、聴覚障害者などはもちろんのこと、健聴者も含む県民が広く電話リレーサービスのことを知ることが重要であります。  公共サービスとしての運用が始まって間もない時期ではありますが、県としても、一層県民への周知に取り組んでいく必要があると考えます。  そこで、知事に伺います。  電話リレーサービスを県民に一層周知していくためには、県は今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第4は、茅ヶ崎ゴルフ場について伺います。  私の地元にある茅ヶ崎ゴルフ場は、平成26年の運営事業者の撤退表明を契機として、新たな利活用事業を公募し、事業者を選定しましたが、新型コロナウイルスの影響から昨年8月に利活用事業が中止となりました。  茅ヶ崎ゴルフ場は、周辺に木造家屋が密集し、延焼リスクがあるため、茅ケ崎市から広域避難場所として指定されています。茅ヶ崎ゴルフ場の今後の利活用は地元の大きな関心事でもあります。  この件について、令和2年第3回定例会で今後の利活用について質問させていただいたところ、当面5年間はゴルフ場として活用を継続したいと知事より御答弁を頂き、ほっと胸をなで下ろしたところでもあります。  〔資料提示〕  その後、令和3年1月には、県は改めて株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン─GDOを令和3年度から5年間の茅ヶ崎ゴルフ場の運営事業者として選定しました。  GDOはゴルフ以外の様々なイベントも開催することで、ゴルフ場特有の閉鎖感を取り払い、地域住民にとって避難空間であるゴルフ場のコース内や避難路を平時に確認できる、地域に開かれたゴルフコースを茅ケ崎市と協力しながら目指しています。  また、本年7月には、茅ケ崎市とシティプロモーションに関する連携協定を締結し、双方の資源を生かした活動を展開し、まちの魅力の向上を図るとともに、GDOの有する各種メディアやイベントを通じてまちの魅力を発信し、市外からの来訪者や転入者の誘致を推進することとしています。  例を挙げますと、今年の3月には、近隣の小学校と連携し、コロナ禍で学校行事のほとんどが中止になってしまったことを受け、ゴルフ場で小学校生活最後の思い出づくりをしてもらえたらと、卒業イベントを開催しました。  8月には、茅ケ崎市とゴルフ場がタッグを組んだ地方創生イノベーション、GDO茅ヶ崎ゴルフリンクスで実施した夏休みの親子イベント「夏休み自由研究 水ロケット制作&いろいろな虫や植物を探してみよう!」と題し、親子30組60人を無料招待し、子供たちの声でにぎわいました。  茅ヶ崎ゴルフ場で行われているこうした取組は、私が令和2年第3回定例会で要望させていただいた、地域と共存して、地域が望むゴルフ場をまさに目指したものであり、地元住民の皆様にも大変評判がいいと聞いております。  一方、平成10年に建築したクラブハウス等の老朽化により、修繕をする箇所も増えており、修繕をする場合にも多大な時間を要してしまうといった運営上の課題も生じているとの話を聞いております。既に、クラブハウスの老朽化については、改善を求める指摘をさせていただいているところでもあります。  そこで、総務局長に伺います。  茅ヶ崎ゴルフ場の現状と対応についてどのように考えているのか、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第5は、多頭飼育対策について伺います。  犬や猫の多頭飼育崩壊は、全国的に大きな社会問題となっており、県内においても複数の事例が発生しています。今この瞬間も助けを求めている犬や猫がいる現在進行形でもあります。  〔資料提示〕  多頭飼育崩壊の背景には、多くの場合、飼い主の経済的困窮や社会的孤立などが存在し、動物の問題のみならず、人の問題に対しても対応していく必要があると考えています。  環境省が令和3年3月に作成した、人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策のガイドラインにおいても、保健福祉事務所、動物愛護センター、市町村等の関係機関が連携して取り組む重要性が示されています。  県においては、我が会派からの代表質問や一般質問を通じ、神奈川県令和3年度当初予算にペットの多頭飼育対策費用が計上されたことや、ペットのいのち基金条例を一部改正する改正案が提出され、取組として着実に進めていただいていることは評価をさせていただき、感謝を申し上げます。  多頭飼育されている犬や猫に対しては、避妊・去勢手術等を早期に行うことが重要でありますが、所有権が飼い主にあるため、その同意が必要となり、飼い主の同意が得られなければ、すぐに避妊・去勢手術ができず、頭数が増えてしまうといった課題があります。  犬や猫の多頭飼育は、一歩間違えれば、劣悪な環境での飼育となり、ペットの命も輝く神奈川の実現のためには、ぜひこれらの課題解決に向けて継続的に取り組んでいただきたいと思います。  そこで、健康医療局長に伺います。  現在の多頭飼育対策の取組状況と今後の取組について、見解を伺います。  〔資料提示〕  質問の第6は、県立高校におけるSTEAM教育についてです。  AIやIoTなどの先端技術が高度化し、あらゆる産業や社会生活に取り入れられたSociety5.0時代が到来しつつあり、社会が激しく変化している今日においては、これまでの文系・理系といった枠にとらわれず、各教科の学びを基盤としつつ、様々な情報を活用しながらそれらを統合し、課題の発見・解決や社会的な価値の創造に結びつけていく資質・能力の育成が求められています。  その中で、本年1月には、中央教育審議会の答申「令和の日本型学校教育」の構築を目指して、においては、STEAM教育等の教科等横断的な学習の推進による資質・能力の育成の必要性が打ち出されたところであると承知しております。  〔資料提示〕  このSTEAMは、先端技術が高度化した今後の社会を生きる上で、不可欠になる科学技術の素養や論理的思考力を涵養するS─Scienceの科学、T─Technologyの技術、E─Engineeringの工学、M─Mathematicsの数学の、このS、T、E、Mの要素を軸とした上で、そこに、人間らしく自由に考えるための手段を含む美術、音楽、文学、歴史に関わる幅広い教養に関する学習を取り入れるなど、さらにはリベラルアーツの要素を取り入れた新しい学びでもあります。  今後は、文系・理系といった切り分けを行うのではなく、文系と言われるもの、理系と言われるものを融合的、横断的に学ぶことが重要であると考えられます。  世界においては、既にアメリカやオーストラリア、シンガポール、中国などで、新しい学びの形としてSTEAM教育に注目が集まっていると聞いております。  このような流れを受け、我が国でも、経済産業省と文部科学省が協同し、「未来の教室」ビジョンを打ち出し、学校の教師や民間教育サービス、企業のエンジニア、大学等の研究者の協力を集め、STEAM学習プログラムの開発とそのデジタルコンテンツ化をスタートし始めたと聞いております。  今後は、このような国の動向を見据えつつも、自治体単位で、教育委員会が動いていくことが求められます。  本県においても、他県に先んじて、こうした取組を進めるために、全ての県立高等学校においてSTEAM教育に取り組み、教育課程や教材の開発を進め、これからの社会の担い手となる生徒の資質・能力の育成に取り組むべきと考えます。  そこで、教育長に伺います。  県立高校におけるSTEAM教育について、県教育委員会として、どのように考えているのか、所見を伺います。  〔資料提示〕  質問の第7は、県立高校の老朽化対策について伺います。  本県では、県立の高等学校、中等教育学校、特別支援学校が合わせて約170校設置されており、約13万人の児童・生徒が学んでいます。こうした数多くの子供たちが学校生活を送るに当たり、一日の居場所の中心となるのが校舎等の建物であります。この校舎の建物は将来を担う子供たちにとっても大切な学び場であり、安全・安心でより快適な環境としていくことが重要であります。  〔資料提示〕  県立高校の校舎等については、昭和48年度から62年度にかけて、県立高校百校新設計画、いわゆる百校計画により建築されたものが多く、相当の年数が経過していることもあり、現在、全体的に施設の老朽化が進行しております。  県立学校の施設整備については、長期の期間を要することから、毎年毎年、着実に取り組んでいく必要があり、県教育委員会では、平成28年度から県立学校施設再整備計画、いわゆる新まなびや計画に基づき、校舎等の耐震対策・老朽化対策工事を進めているところでもあります。  先日、私の地元である茅ケ崎市内の県立高校を幾つか視察させていただきましたが、耐震対策・老朽化対策工事が進められている校舎は、耐震化が図られ、建物の安全性が確保されるとともに、建物の内外が明るく快適な環境となる様子が確認できましたが、その一方で、大規模改修が行われていない建物は、外壁のコンクリートに汚れや劣化、そういったものが見られ、屋内についても、壁や扉の経年劣化が目立ち、施設の老朽化が進んでいると実感しました。  校舎の現状を実際に確認し、改めて、この学校で学ぶ子供たちが充実した学校生活を送ることができるよう、可能な限り、いい環境を用意してあげたいと強く感じるところでもあります。  そこで、教育局長に伺います。  県立高校の老朽化対策について、今後どのように取り組んでいくのか、見解を伺います。  以上で、私の1回目の質問を終わります。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 桝議員の御質問に順次お答えしてまいります。  初めに、テレワークの定着に向けた取組についてお尋ねがありました。  テレワークは、ワーク・ライフ・バランスの実現や生産性の向上に寄与するとともに、感染拡大の防止にも効果があることから、事業主と労働者の双方にとってメリットがある働き方です。  県では、コロナ禍以前から働き方改革に資する取組として、テレワーク導入ガイドの作成などにより、中小企業への導入を支援してきました。また、コロナ禍においては、中小企業に対して、モバイルパソコン等の購入経費を補助したり、サテライトオフィスを整備する際の費用を補助することで、テレワーク導入を幅広く促進してきました。  しかし、テレワークを導入した事業主や労働者からは、様々な課題があり、その継続が難しいとの声を多く聞きます。具体的には、仕事の書類がペーパーレス化できておらず、パソコンで見ることができない、コミュニケーションが取りにくい、自宅では仕事がしにくいなどが挙げられており、定着に向けた取組を進めていく必要があります。  そこで、テレワーク導入企業を対象に、オンラインセミナーを開催し、定着の課題となっているペーパーレス化など、業務のデジタル化やコミュニケーションツールの効果的な活用のポイントを説明し、テレワークの持続的な実施を促していきます。  また、テレワークの実施場所として有効なサテライトオフィスについては、既に県のホームページに一覧を掲載していますが、新たに利用者の声や活用事例などを載せることにより、一層の利用を促します。  さらに、個別に相談に乗ってほしいという企業に対しては、ITや労務管理の専門家を派遣して、丁寧に助言を行い、課題の解決を図ります。加えて、県内の経済団体を通じて、各事業主にテレワークのさらなる実施と継続について、繰り返し働きかけていきます。  こうした取組を通じ、コロナ禍の収束後においても、テレワークが事業主と労働者の双方にとって有効な働き方として定着するよう、しっかりと取り組んでまいります。  次に、ヤングケアラー支援についてお尋ねがありました。  家族の介護などに苦しむヤングケアラーは、社会の認知が進んでいないことから、本人も周囲も支援が必要であることを認識できず、孤立しやすい状況にあります。  県では、ヤングケアラーの置かれている状況を県民の皆様に広く周知することと、御本人や関係機関に対し、相談窓口や支援情報の提供を行うための専門ポータルサイトを10月に開設する予定です。  また、児童や教育、介護などの機関が連携して支援するため、関係機関の職員向けの対応力向上研修を年内から開始する方向で準備を進めています。  さらに、ケアラー支援庁内連絡会議が市町村にも参加を呼びかけ、子供の頃にヤングケアラーを経験した方を講師にお招きし、8月に勉強会を開催しました。  その講師の方からは、助けてくれる大人が周りにいない、自分の時間や勉強する時間がない、家庭や学校以外に居場所が欲しいといった、ヤングケアラーの実情や気持ちを御紹介いただきました。  経験者の声を直接伺うことで、ヤングケアラーに寄り添う専門職の配置や、家事負担の軽減、学習支援、居場所づくりによる孤立防止など、必要な支援が浮かび上がってきました。  こうした学習支援や居場所づくりは、県や市町村の取組だけでは十分に支援が行き届かないことが懸念されます。  そこで、ヤングケアラーについて、行政の取組に加え、誰一人取り残さないというSDGsの理念に基づき、NPOや企業など様々な主体のパートナーシップによって、支援を進めていきたいと考えています。  また、国でもコーディネーターの配置や、居場所としてのオンラインサロンの運営など、自治体のヤングケアラー支援を後押しする事業を検討していますので、こうした国の動きも注視しながら、実効性のある取組を検討していきます。  県では、今後とも、全ての子供が子供らしい生活を送り、健やかに育つことができるよう、ヤングケアラーの支援にしっかりと取り組んでいきます。  最後に、電話リレーサービスの周知に向けた取組についてお尋ねがありました。  電話リレーサービスは、パソコンやスマートフォンなどを通して、オペレーターが手話や文字で通訳を行うことにより、聴覚障害者や言語機能に障害がある方が、電話で会話ができるサービスです。  この電話リレーサービスは、これまで民間事業者が運用してきましたが、今年7月から国が公共インフラとして運営することとなり、24時間365日の通話が可能となりました。今後、聴覚障害者等の社会参加の促進に、さらに大きな役割を果たしていくことが期待されます。  県では、電話リレーサービスを多くの方に利用していただくため、聴覚障害者福祉センターや県のホームページで紹介するなど、周知してきました。  しかし、聴覚障害者等が電話リレーサービスを利用しても、電話を受けた方がオペレーターからの通話を不審に思って受信を拒否してしまうなど、スムーズに本人との通話を始められない事例があると承知しています。  このサービスを知らない方がまだ大勢いると考えられますので、より多くの県民の皆様や企業へ周知していくことが必要です。  そこで、県は、今後、聴覚障害者等と接する機会の多い市町村や公共交通機関、緊急通報先となる警察や消防、医療機関などの職員に電話リレーサービスの内容を周知します。  また、障害者を雇用している県内企業に対して、メールマガジンや企業向けの障害者理解促進研修の中で、リレーサービスを紹介していきます。さらに、聴覚障害者福祉センターと連携し、SNSを活用して、リレーサービスの内容や利用する際の手順などを県民の皆様に広くお知らせします。  あわせて、今年度改定を予定している神奈川県手話推進計画に、リレーサービスの内容を盛り込み、パブリック・コメントなどを通じて周知していきます。  県は、電話リレーサービスの一層の周知を図り、聴覚障害者等が安心して暮らすことのできる社会の実現に取り組んでまいります。  私からの答弁は以上です。  〔総務局長(筒浦浩久)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 筒浦総務局長。 ◎総務局長(筒浦浩久) 総務局関係の御質問にお答えします。  茅ヶ崎ゴルフ場についてお尋ねがありました。  茅ヶ崎ゴルフ場については、コロナ禍における暫定的な利活用として、令和3年度から7年度までの5年間、新たな事業者によりゴルフ場の運営が継続されています。  この事業者選定に当たっては、茅ケ崎市からの要望があった広域避難場所の機能維持に加え、地元への貢献などの条件を提示し、事業者を募集して選考を行った結果、ゴルフダイジェスト・オンライン社が運営主体として選考されました。  現在、同社は茅ヶ崎ゴルフ場において、茅ケ崎市と連携したシティプロモーション活動により、移住促進を呼びかけるなど、市の魅力発信のための取組を行っています。  また、独自に地元住民向けの行事も企画しており、地元住民がこうした行事への参加を通じて、災害時における自宅からの避難経路を確認することができますので、安全・安心の確保にも寄与しており、同社の事業運営は地元貢献につながっているものと考えています。  県としては、引き続きこうした地元貢献の取組が円滑に行われるよう、茅ケ崎市と共に同社の事業運営に協力するとともに、老朽化で生じた施設の不具合については、暫定的な利用に支障が生じないよう、適切に対応してまいります。  また、新型コロナウイルス感染症の収束状況や経済の回復状況などを踏まえ、茅ケ崎市と連携を図りながら、令和8年度以降の新たな利活用についても、継続的に検討を進めてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔健康医療局長(山田健司)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 山田健康医療局長。 ◎健康医療局長(山田健司) 健康医療局関係の御質問にお答えします。  多頭飼育対策についてお尋ねがありました。  不適正な多頭飼育は全国的に社会的な問題となっていて、県内においても複数発生しており、その対策は大変重要であると認識しています。  また、多頭飼育の問題には、動物の飼育状況や悪臭などの周辺の生活環境への影響だけでなく、飼い主の生活支援も考慮して、関係機関が連携して取り組む必要があります。  そこで、県では、令和3年3月に多頭飼育対応指針を策定し、保健福祉事務所や市町村等が連携して、見守りチームを組織し、多頭飼育の飼い主に寄り添った支援をする体制を整えました。  さらに、多頭飼育の飼い主については、経済的に困窮している事例もあります。そのような場合、経済的な理由で動物に避妊・去勢の手術を行えず、飼育頭数のコントロールができなくなり、多頭飼育崩壊に至る事例も見受けられます。  こうした状況に対し、かながわペットのいのち基金を避妊・去勢手術にも使えるようにするため、令和3年3月に基金条例を改正し、飼い主の同意を得た上で、県が支援を行うこととしました。  こうした取組により、繁殖の防止や不適正な飼育状況の改善を図るだけでなく、この機会に飼い主に対し指導を行い、適正に動物を飼う責任を再認識してもらうことにもつなげています。  また、多頭飼育の事例には、あまりにも増えてしまった動物を飼い切れなくなり、動物を手放さざるを得ない飼い主もおり、その動物の収容が課題となっています。  そこで、現在、動物愛護センターの敷地内に犬や猫を緊急的に収容し、譲渡につなげていくための新たな施設の建設を進めており、今年度中に使用を開始できる見込みです。  このような取組を通じて、今後も関係機関との連携体制の下、多頭飼育対策をしっかりと行っていくことにより、ペットの命も輝く神奈川の実現を目指してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  県立高校におけるSTEAM教育についてです。  これからの変化の激しい社会を生きていく子供たちには、知識を習得するだけでなく、それを活用して創造的、論理的に考え、未知の課題やその解決策を見いだす資質・能力を身につけることが必要です。  国では、こうした力を育成するため、議員お話しのSTEAM教育を本年1月の中央教育審議会答申において、各教科での学習を実社会での問題発見・解決にいかしていく教科横断的な教育と定義し、推進することとしています。  また、令和4年度入学生から実施となる新しい高等学校学習指導要領においても、実社会の問題を文系・理系の垣根を越えて、俯瞰的に捉え、考える学びが求められています。  こうしたことから、県教育委員会では、各県立高校の特色を踏まえつつ、大学、企業、研究機関などの外部機関との連携を図りながら、STEAM教育の研究に着手します。  まず、来年4月にSTEAM教育に関する研究校を5校指定し、STEAM教育を展開するカリキュラム編成などの具体的な研究、開発を進め、その成果を他の高校へと普及していきます。  こうした取組について、現在進めている県立高校改革実施計画(Ⅱ期)の指定校事業にSTEAM教育研究推進校として位置づけ、県立高校における社会の変化に見合った新たな学びをつくり出してまいります。  私からの答弁は以上でございます。  〔教育局長(田代文彦)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 田代教育局長。
    ◎教育局長(田代文彦) 次に、県立高校の老朽化対策についてです。  県教育委員会では、生徒にとって、安全で快適な教育環境の整備を進めていくことが大変重要と認識しています。  県立高校の校舎は、その半数以上が建築後40年以上経過しており、耐震対策のみならず、施設全体の老朽化対策も大きな課題になっています。  そこで、県教育委員会では、県立高校改革に合わせ、平成28年度から令和9年度までの3期12年間の計画として新まなびや計画を策定し、学校施設の再整備に取り組んでいます。  これまで生徒の安全確保の観点から、校舎や体育館等の耐震対策を最優先に行うとともに、工事の効率的執行を図るため、耐震補強工事に合わせて屋上防水や外壁改修等の老朽化対策も行ってきました。  耐震対策は順調に進捗しており、新まなびや計画第2期が終了する令和5年度にはおおむね完了する見込みです。その後、令和6年度からの第3期に、これまで耐震補強工事の対象とならなかった校舎などについて、総合的な老朽化対策に取り組んでいくことにしています。  その際には、教室の天井、床などのリフレッシュや照明のLED化等、屋内環境の整備にも十分配慮し、快適な学び場となるよう努めていきます。  県教育委員会では、県立高校が子供たちにとって、より快適で安心して学習できる環境となるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。  以上でございます。  〔桝 晴太郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 桝晴太郎君。  〔桝 晴太郎議員登壇〕 ◆桝晴太郎議員 知事並びに総務局長、健康医療局長、教育長、教育局長におかれましては、御答弁ありがとうございました。  2点、再質問をさせていただきます。  三つ目の電話リレーサービスの周知に向けた取組についてであります。  このサービスについて、企業等にも、雇用がある会社には周知していくというお話でありましたけれども、やはり日常生活の中で、コロナ禍においても、例えばテークアウト、そういったもので電話で予約するとか、そういったときにも、地域の商店街であるとか飲食店、そういった事業者にも電話リレーサービスを知ってもらう必要があると考えておりますけれども、商店街のような地域の身近な店舗に対しても、この電話リレーサービスをどのように周知していくのか、知事の見解を伺います。  2点目は、多頭飼育対策についてであります。  犬や猫を緊急的に収容する新たな施設の建設を進めているというお話でありますけれども、私も先日伺いましたから、100頭近くの犬や猫がいるという現状があり、なかなか飼育管理に力が全部に行き渡っているのかという部分を、意見交換もさせていただきましたが、なかなか大変だというお話もありましたので、そういった部分で言えば、動物愛護センターにおける収容動物の飼育管理に関する体制を、どのように整えていくのかというところについて、健康医療局長の見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  電話リレーサービスの周知の問題でありますが、地域の身近な店舗への周知のことでありますけれども、例えば飲食店への出前の注文、美容院や歯医者さんへの予約などの際、地域の店舗が電話リレーサービスを知っていれば、聴覚障害者の方が地域で生活しやすくなります。  県では、こうした地域の身近な店舗に対して、県内の商工会や商工会議所などを通じてチラシを配布して、加盟している事業者にリレーサービスを紹介してもらうよう依頼いたします。  また、市町村にも地域とのつながりを活用して、様々な場面で直接店舗へ周知していただくよう働きかけてまいります。  答弁は以上です。  〔健康医療局長(山田健司)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 山田健康医療局長。 ◎健康医療局長(山田健司) 健康医療局関係の御質問にお答えします。  動物愛護センターにおける収容動物の飼育管理に関する体制についてお尋ねがございました。  命あるものである動物の飼育管理については、頭数の増減にかかわらず、適切に行うことが重要であると考えています。収容動物が増加した場合を含め、業務量に応じて必要な人員体制を整えてまいります。  私からの答弁は以上でございます。  〔桝 晴太郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 桝晴太郎君。  〔桝 晴太郎議員登壇〕 ◆桝晴太郎議員 再質問に御答弁いただき、ありがとうございました。  それでは、時間の許す限り、意見、要望を申し上げたいと思います。  まず、テレワークの定着に向けた取組についてであります。  このテレワーク定着に向けては、様々な補助制度、先ほど御紹介もありましたけれども、補助金を出しただけではなくて、その後、後追いでしっかりとテレワークができているのか、そういったことも含めて確認をしていただきたいと思いますし、いい事例に対しては、ホームページでもPRをしていくということでありますが、ぜひそういったものも活用しながら、これから導入を検討されている事業者も多くいらっしゃると思いますので、しっかりとサポートしていくなど、アフターコロナになったとしても着実に進めていただくよう要望させていただきます。  続いて、電話リレーサービスの周知に向けた取組についてでありますが、あらゆる媒体でPRをしていくということでありましたが、これは知事の答弁でもありましたが、県民の多くの方に知っていただくことが必要ということをおっしゃっていただきましたので、ぜひ県のたよりにも載せていただいて、周知を図っていただければとお願いさせていただきます。  ともに生きる社会かながわ憲章を掲げているということでもありますので、その中にも、どんなあらゆる壁も排除しなくてはいけないということもありますので、ぜひ一人でも多くの県民や事業者に知っていただくために、先ほど再質問でもありましたが、商店会や商工会、商工会議所を通じて、そして市町村とも連携して周知を図っていただくということで、ぜひよろしくお願い申し上げます。  そして、この市町村との連携という点で、1点要望させていただきたいのですが、先日、神奈川県聴覚障害者連盟の皆様と意見交換をさせていただく場面がありました。聴覚障害者等の方々に対する市町村の差があるという御指摘がありました。  力を入れている市町村もあれば、なかなか手が回らないというような市町村もあるというところがあり、実施主体は各市町村と言いますけれども、やはりここは広域自治体である県がいま一歩踏み込んでいただいて、格差のないような対応を求めていっていただきたいと思いますので、ぜひこの点に関しましても、改めて御検討をいただきたいと思います。  続いて、茅ヶ崎ゴルフ場についてであります。  先ほど質問の中でも御紹介をさせていただきましたが、茅ケ崎市とシティプロモーションに関する連携協定を締結しております。地域に根差し、地域と共存して、地域が望むゴルフ場の取組を積極的に行っていただいており、まさにこれは茅ケ崎市としても、このゴルフ場を一つの起爆剤として観光客の誘致であるとか、企業の誘致、そして人の誘致をしていこうと考えているということであるため、まさに必要不可欠な存在になってきているということであります。  そして、7月15日には、クラブハウスの2階のレストランフロアを活用して地域の産品や食材を使ったカフェがオープンしております。先ほどの御答弁では、支障がないように、これからも協力をしていくということでありましたが、老朽化に伴って空調であるとか、そういったものの修繕が必要だというときに、通常であれば、空調は一、二週間で修理が利くと思いますけれども、入札等々あるということもありまして、2か月近くかかってしまったと。これはなかなか、今、運営事業者は民間の企業でありますので、空調が直るのに2か月かかってしまうと、先に進んでいかないというようなお話もありますので、ぜひこれは先ほど御答弁にもありましたが、事業者と茅ケ崎市とが同じ方向性を向いて前向きに取り組んでいっていただきたいと思います。  ぜひ、黒岩知事におかれましても、コロナ禍が過ぎましたら足を運んでいただいて、朝はゴルフ、そしてサーフィンをしてから仕事をするという新たな文化にも触れていただければと思いますので、よろしくお願いします。  続いて、多頭飼育対策についてであります。  この多頭飼育対策ですが、私も何度か取り上げさせていただいておりますが、本当に多くのボランティア団体の皆様に御協力も頂いております。  先ほど緊急的な施設を建てる中で、そして適切な人員の配置をしていくというお話がありましたけれども、これからどういった多頭飼育が発見されるかというのは、予想もつかない現状もあります。  これから、例えば現状、今100頭近くいる中で、また100頭見つかってしまった、すぐに受け入れられるかというと、なかなか人員的にも設備的にも難しい部分があるのではないかと思いますので、いつでも受けられるようにしろという話ではありませんが、そういったことも含めて、御検討いただきたいと思います。要望させていただきます。  続いて、県立高校におけるSTEAM教育についてであります。  先ほど教育長のほうから、前向きな御答弁を頂き、ありがとうございます。5校を指定して、具体的な活動、そして研究を進めていくということであります。  これは世界に通用するための人材であるとか、そして、今までの日本の技術を守っていく、そして新たな技術もつくり出していくというような、このSTEAM教育であると思いますので、ぜひこれからも進めていただければと思います。  私の母校でもあります神奈川工業高校でありますけれども、今年の5月に110周年を迎えています。この神奈川工業高校では、県と教育委員会と事業者、日本IBMが連携して、P-TECHというものの取組を進めているということで、こういった様々な展開の取組をしていただける、本当にありがたいと思っておりますし、これからの人材育成には必要不可欠であると思いますので、ぜひこれからの高等教育の在り方も、IoTやAI、そしてICT教育が進む中で、関わりがあると思いますので、ぜひそれに対応していただいて、引き続き教育についてもやっていければと思います。  以上で、私の一般質問を終わります。  御清聴いただき、ありがとうございました。                               〔拍 手〕 △《本会議録-令和3年第3回-20210927-029087-質問・答弁-高橋栄一郎議員-一般質問①県民の安全・安心について②林業・水産業の活性化とノウフク連携について》   〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 高橋栄一郎君。  〔高橋栄一郎議員登壇〕(拍手) ◆高橋栄一郎議員 自民党の高橋栄一郎です。  自由民主党神奈川県議会議員団の一員として、通告に従い、順次質問してまいります。  先輩並びに同僚議員の皆様方におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願いいたします。  質問の第1は、県民の安全・安心について伺います。  まず初めに、遠隔医療の推進について伺います。  第5世代移動通信システム、いわゆる5Gの導入により、高速・大容量のデータ送受信が多接続で可能となりました。  こうした中、遠隔医療については、通院が困難な患者の利便性向上や、医師不足地域の医療従事者へのサポートなど、さらなる発展が期待されております。遠隔医療により、大学病院などの基幹病院から離れた地域でも、医療の質を均等に高めることができ、また、指導医が複数の医療機関の医師を指導できるなど、医師の働き方改革に対しても大変有効と考えます。  令和6年4月に医師への改正労働基準法適用が近づく中、さらに注目が高まると予測され、本県でも、令和元年度からテレICU事業などの先進的な取組を行っていることは承知しております。  5Gの導入でこれまでよりも、より高度な画像診断も可能となり、遠隔地にいながら専門医師が確実に診療し、正確な判断ができることで、医療の質の向上につながるだけでなく、遠隔地のリアルタイムでの見守り、状況把握もでき、従来なら病院移動に割かれていた医師の時間を、診療に充てることも可能となりました。  また、医師の産休明け、育休明けなど、フルタイム労働以外の選択肢も可能となることによって、潜在的な医師人材登用の幅が広がり、女性活躍推進及び医師不足の解消にも効果があるなど、当初想定されていた医師の働き方改革に加え、コロナ禍において、医療従事者の感染拡大防止にも非常に役立っているとの話も聞いております。  これからも県が遠隔医療のモデル事業を積極的に進め、その効果を県内全体に普及させることが重要と考えます。  そこで、5G社会の到来といったテクノロジーの進化や、医師の働き方改革といった課題を踏まえ、遠隔医療の推進に向け、県として、これまでどのように取り組んできたのか、また、今後どのように取組を進めていくのか、知事の見解を伺います。  次に、臓器移植について伺います。  臓器移植は、病気や事故による臓器の機能低下で、移植以外では治らない人に、臓器を移植することにより健康を回復させるもので、臓器提供者はもとより、広く社会の理解と支援があって成り立つ医療です。  日本では、本人の書面による意思表示と家族の承諾が必要など厳格なルールもあり、臓器の提供に対する理解が得られにくく、臓器移植医療はいまだ広がらない状況が続いております。  2008年、各国は臓器売買の禁止と、自国での臓器移植の推進に努めること、自国民の移植のための海外渡航を防止する方策を実行すべきことなどを盛り込んだイスタンブール宣言が合意されました。  日本では、1997年に臓器の移植に関する法律が施行され、脳死後の臓器提供が可能となり、2010年の同法改正で、15歳未満の臓器提供を可能とし、脳死を人の死とすることとしたため、国内での臓器移植の選択肢は増えたものの、法改正後10年以上がたっても、国内の臓器提供は少ない状況が続いています。  例えば、県内では、腎臓移植を待つ方は1,100人以上登録されていますが、移植を受けるまでに10年以上待つこともあると聞いております。  脳死を人の死とする賛否や、臓器提供について意思表示することへの抵抗感があるとも言われておりますが、臓器移植の重要性について理解を深め、県内で臓器移植を必要とする方の手術を受ける機会を増やす必要があると考えます。  また、海外で臓器移植を受けた方が移植後に日本に戻り、体調を崩した場合、国内の医療機関が患者の詳しい状況が分からず、対応に苦慮する、また、イスタンブール宣言を理由に診療を拒否される患者が困っているという話も聞いております。  本県でも臓器移植希望者数は年々増加傾向ですが、実際の脳死下における臓器提供件数は1桁で推移しております。様々な普及啓発を行っていることは承知しておりますが、臓器移植普及推進月間となっている10月を前に、臓器移植に対して、改めて確認をさせていただきたいと思います。  そこで、臓器移植を必要とする方が移植手術をなかなか受けられないという現状や、海外で移植手術を受けた患者への帰国後の医療機関の対応状況などを踏まえ、臓器移植に対する知事の見解を伺います。  次に、急性期の心血管疾患患者に対する適切な初期医療対応に向けた取組について伺います。  本県の死亡原因の第2位は心筋梗塞などの心血管疾患であり、年間約1万2,000人の県民が亡くなっております。脳卒中などの脳血管疾患は減少傾向である一方、心血管疾患は増加傾向にあり、県民の生命や健康に重大な影響を及ぼし、超高齢化により、今後も増加が懸念されております。  急性期の心血管疾患は、突然死の原因となる危険性が高く、発症初期の迅速かつ適切な処置が重要な鍵とされています。  突然、心肺機能が停止した場合、電気ショックが1分遅れるごとに救命率は10%ずつ低下すると言われておりますが、119番通報をしてから救急車が到着するまでの平均時間は8.7分という現状の中、周囲の方がすぐにAEDの使用など、適切な処置を行うことにより、多くの命が救われることにつながります。  県では、多くの県民がAEDの使用を含めた救急蘇生法など、適切な処置を実施できるよう、普及啓発に取り組んできており、県民のAED活用への理解は少しずつ広がっていると感じております。  一方、発症した際、早急に適切な治療を施すため、24時間体制で心血管疾患患者を専門的に集中治療するCCUという施設を有する医療機関の役割も大変重要になります。  AEDとCCU、車の両輪のように、片方だけの体制整備では、心血管疾患への初期対応体制は十分とは言えません。CCUは人員配置などの基準が厳しいため、専門的な治療を行う能力はあっても、24時間体制が取れないなどの理由でCCUを名のれない医療機関があると聞いています。  発症後、速やかに適切な治療が行われるためには、24時間体制で高度な専門的治療を行うCCU、それに準ずる施設を有する医療機関、24時間体制は取れないが、専門的な治療ができる医療機関のネットワークを構築し、病状に応じて適切な治療を行える医療機関に、速やかに搬送される体制を整備する必要があると考えます。  そこで、心血管疾患の医療レベルでの初期対応体制はさらなる取組が求められており、その充実に向け、CCUの設置支援と並んで、心血管疾患治療の医療関係者を中心とした医療機関ネットワークの構築を図る必要があると考えますが、今後どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  次に、CRE感染症の院内感染対策について伺います。  CRE感染症とは、カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症の略称であり、カルバペネム系薬剤などに耐性を示す腸内細菌による感染症です。主に感染防御機能の低下した患者などが、菌血症、敗血症、肺炎などの呼吸器感染症をはじめとする多様な感染症を起こし、多くの死亡事例も報告されております。  感染症法では、医師がCRE患者と診断した場合、所管する保健所に届け出ることが規定されております。国立感染症研究所では、2014年以降、毎年CREの届出状況をまとめており、2019年は全国で2,333例、神奈川でも207例の届出がありました。  県内では、昨年4月、県立こども医療センターにおいて、複数の患者からCREの保菌が確認されたため、横浜市南福祉保健センターに報告した上で、ほかの患者への細菌感染を防ぐため、隔離等を実施、一部の病棟で入院やICUの利用制限を行ったと聞いております。  一たび、病院内でCREが発生すると、患者への治療面、精神面での影響も大きく、病院機能の維持・確保が困難だとも聞いており、高度な治療を必要とする子供たちのことを考えると、一刻も早い終息を願っております。  厚生労働省では、平成26年に都道府県等への通知で、医療機関における院内感染対策への対応について、地方自治体の指導の徹底などを求めており、本県でも再発防止に努め、様々な対策を行っていると考えます。  そこで、県立病院でCRE感染症の院内感染が発生した場合、発症の有無にかかわらず、入院時及び退院後も適切なケアを行う必要があると考えますが、県の責務について、知事の見解を伺います。  次に、公立学校における病弱児の学びについて伺います。  医学の進歩により救われる命が増え、大変喜ばしいことであると同時に、障害のある子供一人一人に応じた指導・支援を行う特別支援教育を必要とする児童・生徒は、年々増加しております。  特別支援教育は、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由などのほかに、病弱・身体虚弱の子供、いわゆる病弱児が対象とされています。  文部科学省によれば、病弱とは心身の病気のため弱っている状態、身体虚弱とは病気ではないが身体の不調な状態が続く、病気にかかりやすいといった状態とされ、いずれの場合も、このような状態が継続して起こる、または繰り返し起こる場合に用いられます。  病弱及び身体虚弱の児童・生徒の中には、医師や看護師、心理の専門家などによる治療だけでなく、学習への不安、病気や治療への不安、生活規制等によるストレスなど、心身の状態を踏まえた教育を必要とすることが多く、こうした子供たちへの病弱教育については、本県の公立学校においても、県立こども医療センターに設置された県立横浜南養護学校などの、病院に併設された特別支援学校や、病院内に教室等を設置した市町村立小中学校の院内学級、小中学校の中に設置された特別支援学級など、程度や病気の状態などに応じ、多様な学びの場で行われていることは承知しております。  特別支援教育の中でも、特に、この病弱児教育に関しては、近年、医療の進歩に伴う治療法の変化により、入院の短期化など、療養環境と学習環境も変わってきていると感じています。  入退院を繰り返しながら治療を受け続ける子供が、退院後、もともと在籍していた学校に戻って学ぶ際、入院・治療などによる学習空白からの学習の遅れを補完するだけでなく、心理的安定や治療上の効果にも寄与できるよう、学校現場での対応が求められておりますが、病弱児への理解が十分でないことにより、子供本人が学校生活への不安や困難を感じることがあるとも聞いております。  こうした状況を踏まえ、病弱児や保護者が抱える不安に十分に寄り添っていくためには、特別支援学校や院内学級はもとより、地域の小中学校などにおいても、病弱児への理解を深め、柔軟な学びの提供に必要不可欠な連携をさらに充実させることが重要と考えます。  そこで、本県の公立学校における病弱児の学びの充実について、県教育委員会としてどのように取り組むのか、教育長の見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 高橋議員の御質問に順次お答えしてまいります。  県民の安全・安心について、何点かお尋ねがありました。  まず、遠隔医療の推進についてです。  5Gの導入により、高速・大容量のデータの送受信が可能となった遠隔医療の推進は、県民の皆様に身近な地域で質の高い医療を提供していくため、また、医師の働き方改革を推進するためにも重要です。  そこで、県は、令和元年度から、横浜市立大学と連携して、複数の集中治療室を1か所で常時モニタリングし、治療を行うテレICUのモデル事業を実施しました。  また、令和2年度には、放射線医がいない施設で撮影したCTなどの画像を、放射線医がいる施設に送り、効率的に診断を行う遠隔画像診断のモデル事業も実施しました。  このモデル事業により、必要最低限の人員での効率的な医療や、画像を診断する医師の通勤の負担軽減などに効果があることが分かりました。  しかし、こうした事業を複数の医療機関に拡大するには、患者のデータに関するセキュリティーの確保や運用などの経費の分担が課題となっています。  そこで、今後は、複数の医療機関への事業展開に向け、医療関係者とモデル事業の成果と課題を共有し、遠隔医療についての議論を深めていきます。  こうした取組を進めることで、県民の皆様が身近な地域で質の高い医療を安心して受けられる保健医療提供体制の構築を図ってまいります。  次に、臓器移植についてです。  平成22年の臓器の移植に関する法律の改正により、脳死を人の死と扱うこととされ、移植件数は法改正後増加していますが、その件数は希望者の2%程度にとどまっています。  また、やむを得ず、海外で手術を受けても、臓器売買に絡む違法な手術である場合などは、国内の医療機関に診療情報が提供されず、帰国後の治療に影響が出ている事例もあります。  移植をお待ちになっている方は命の危険にさらされていたり、生活に支障を抱えているなど、困難な状況に置かれており、移植を速やかに受けられるようにすることが必要だと認識しています。  一方で、臓器を提供することに対して、抵抗感をお持ちの方がいることも十分理解できます。こうしたことから、移植を行っていくには、多くの皆様に移植によって救われる方がいるということを知っていただくことが重要であります。  そこで、県では、臓器移植を考えるきっかけとなるように、臓器提供意思表示カードを、市町村、保健所、高校などで配布しています。また、毎年10月の臓器移植普及推進月間に合わせて、新聞などを活用し、集中的に広報するほか、県庁本庁舎などで移植医療のシンボルカラーのライトアップを行い、理解促進を図っています。  こうしたことにより、県民の皆様に移植医療に対する理解を深めていただき、希望する方が速やかに国内で移植手術を受けられるよう、今後とも、関係機関と連携して取り組んでまいります。  次に、急性期の心血管疾患患者に対する適切な初期医療対応に向けた取組についてです。  急性心筋梗塞など、急性期の心血管疾患において、死亡率の減少を図るためには、発症後、早急に適切な治療を開始することが大変重要です。そのためには、専門的な治療を行うCCUを備えた医療機関が必要となりますが、現在、県内のCCUは94床であり、人口10万人当たりの整備数は全国平均を下回っています。  そこで、今後とも、CCUの設置を希望する医療機関に対して、国庫補助金などを活用し、設置を支援していきます。  また、数少ないCCUを効率的に運用するためには、CCUに準ずる施設を有する医療機関などとネットワークを構築していくことが有効です。  そこで、今後、まずは専門的な心疾患治療ができる医療機関を調査し、把握していきます。その上で、医療関係者や救急搬送を担う消防などの意見も伺いながら、ネットワーク構築に向けた検討を行っていきます。  こうしたことにより、急性期の心血管疾患患者に対する適切な初期対応に向けた取組を推進してまいります。  次に、CRE感染症(カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症)の院内感染対策についてです。  昨年4月以降、こども医療センターで、院内感染と考えられる多くのCRE保菌者が確認されたことについて、県としても大変申し訳なく思っています。  CREによる感染症を発症すると、治療が難しく、重症化リスクが高いことから、拡大しないよう、迅速かつ組織的に感染防止対策に取り組むことが必要です。  そこで、現在、こども医療センターでは、集中治療病棟に入院する患者さんに対し、CREの検査を行い、保菌が確認された場合には、個室に隔離するとともに、入院中も定期的に検査を行っています。  あわせて、CREの保菌が確認された方が退院する際には、感染症を発症した場合、重症化するリスクがあることや、日頃の生活において注意すべき点などを丁寧に説明しています。  さらに、万が一発症した場合には、こども医療センターが全力で治療に当たることを御家族にお伝えしています。  県は、県立病院機構の第三期中期目標において、県民の皆様が安心して医療を受けられるよう、院内感染対策を推進することを求めています。  病院機構では、現在、院内感染のリスクを低減させるため、排水設備の交換等、環境整備を進めており、県としても、その内容をしっかりと確認していきます。  県では、県立病院機構と協力しながら、県民の皆様に安心して県立病院を御利用いただけるよう、県立病院における感染防止対策を徹底してまいります。  私からの答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係についてお答えします。  公立学校における病弱児の学びについてです。  現在、特別支援教育の対象となる病弱・身体虚弱の子供たち、いわゆる病弱児の教育は、特別支援学校のほか、小中学校が病院内に設置した院内学級や学校内にある病弱の特別支援学級などで行われています。  病弱児の多くは、病気だけでなく、学習の遅れなどの面でも不安を抱えていることから、各小中学校においても、こうした状況を十分理解して指導、支援に当たることが重要です。  そのため、県教育委員会では、病弱児を指導する教員に対し、こうした子供たちへの理解を深め、指導力を高める研修や県立特別支援学校の教員による巡回相談等を実施するなど、小中学校を支援してきました。  こうした中、近年、医療の進歩等に伴う入院期間の短期化などにより、院内学級等から地域の小中学校の通常の学級に戻り、通院治療をしながら学ぶ病弱児が増えてきています。そのため、学級担任をはじめ、病弱児に関わる、より多くの教員の資質向上が求められています。  そこで、県教育委員会では、国立特別支援教育総合研究所が配信する特別支援教育eラーニングを新たに教員研修で活用するなど、病弱児への適切な指導・支援方法等を小中学校教員に広めていきます。  また、学校間の連携については、県内の事例として、院内学級から地域の学校に戻る際、主治医や看護師等からの助言を学校がその後の指導に生かし、円滑な学びの継続につなげているといった取組があります。  そこで、こうした取組事例を全県の小中学校へ周知、普及していくなど、本県の公立学校における病弱児の学びの充実に引き続き取り組んでまいります。  以上でございます。  〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 高橋栄一郎君。  〔高橋栄一郎議員登壇〕 ◆高橋栄一郎議員 それでは、何点か再質問させていただきたいと思います。  まず、臓器移植に関してですが、海外での移植を助長するわけではありませんが、やむを得ず海外で移植手術を受けた患者さんも大勢いらっしゃいます。こういった方に対する対応というものも必要だと思いますけれども、どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺いたいと思います。  次に、CRE感染症についてです。  こども医療センターでは、入院制限やICUの利用制限を行ったと聞いております。病院の機能を十分に果たすことができなくなったとき、近隣の医療機関と連携し、機能を補完し合う仕組みづくりというものもつくる必要があると考えますが、知事の見解を伺います。  また、先ほどの御答弁で、冒頭、県としても大変申し訳なく思っている、こういう発言もございました。  私は、これは病院内で感染した子供たち、そしてまた、その御家族に対する謝罪というふうに受け止めましたが、その理解でいいのか、改めて確認したいというふうに思います。  また、病弱児の学びについてですが、知識の習得のみではなくて、同年代の考え方や意見を聴く、そういったことができる環境というのが大変重要になってくるかと思います。  病弱児の学びの場を提供するときに、リモート授業等、ICTの活用をさらに進めるべきと考えますが、教育長の見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  まずは、海外での臓器移植についてです。これは臓器移植に絡む違法な手術である場合などは、国内の医療機関に診療情報が提供されず、帰国後、スムーズに治療を継続できないことがあります。  そこで、海外で移植を受けようとする方に対しては、悪質なブローカーもいるので、注意するよう県のホームページなどを活用して普及啓発に努めていきます。  また、今後、県内の移植医療機関を集めた神奈川県移植医療連絡協議会で、こうした課題について問題提起を行い、その対応を研究してまいります。  続きまして、CRE感染症関連の再質問でありますが、県立病院において、通常の診療体制や機能を維持することが困難になった場合、紹介元の医療機関に事情を説明するとともに、必要に応じて他の病院に患者受入れの協力をお願いしています。  例えば、こども医療センターがレジオネラ症対策の必要から入院制限をした際には、治療の必要上、どうしてもこども医療センターで受け入れなければならない患者さんを優先して受け入れ、そうでない患者さんには、ほかの病院を紹介いたしました。  しかし、こうした取組は医師の個人的なネットワークに頼るということが大きいというのが実情であります。そこで、県は、病院機構や関係する医療機関と共に、医療機関の連携、役割分担について組織立った対応が可能となるよう、ネットワークの構築について、できるだけ速やかに検討していきたいと考えております。  そして、4月以降のこども医療センターで院内感染と考えられる多くのCRE保菌者が確認されたことについて、これは県として、大変申し訳なく思っているということを改めて繰り返させていただきたいと思います。  答弁は以上です。  〔教育長(桐谷次郎)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 桐谷教育長。 ◎教育長(桐谷次郎) 教育関係の再質問にお答えいたします。  入院生活を送る子供たちは、交流の範囲が限られていることから、それを補うICTの活用は有効です。例えば、県立の特別支援学校では、ICTを活用し、病室にいながらオンラインで教室での授業や校外学習に参加するといった取組を進めております。  今後、こうした事例を広く周知、普及し、病弱児の学びを支援してまいります。  以上でございます。  〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 高橋栄一郎君。  〔高橋栄一郎議員登壇〕 ◆高橋栄一郎議員 今のCRE感染症の件ですけれども、私は先ほどの知事の発言で、申し訳なく思っているということが、患者さん、もしくはその御家族に対する謝罪として受け止めていいのかどうかということを聞きましたので、もう一度、改めて確認したいというふうに思います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) それでは、再質問にお答えいたします。  県は県立病院機構の設置者であります。その立場として申し訳なく思っているといったことをお伝えしたいわけであります。御理解いただきたいと思います。  答弁は以上です。  〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 高橋栄一郎君。  〔高橋栄一郎議員登壇〕 ◆高橋栄一郎議員 少しかみ合わない部分もありますが、何点か要望させていただきたいと思います。  今の御答弁頂きましたCRE感染症に関してです。  こども医療センターで院内感染が発生したことは、非常に遺憾に思っております。CREは選択できる薬剤が非常に少ないため、治療が困難となることが予測されます。院内で感染した子供たちは、いつ免疫力が低下し、いつ発症するか予断を許しません。入院時のみならず、退院後も適切な対応をしていただくことを求めます。  また、県所管域で感染が発生した場合、県は指導をする立場になります。県内の他の病院の模範となるような取組書やマニュアルの改訂、また発生時の公表基準を定めるなど、再発防止策を進めていただきたいというふうに思います。  また、小児におけるコロナ感染者も増加しております。高度な医療を必要とする子供たちが、安心して医療を受けることができる環境を一刻も早く整えることが必要です。高い意識を持って、引き続き取り組んでいただきたいと思います。  また、この件に関しましては、引き続き常任委員会などを通じ、注視していきたいというふうに思います。  次に、病弱児の学びの確保についてです。  医療との連携やリモート授業の活用などをさらに進め、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びの提供に努めていただきたいと思います。  また、体験的な活動を伴う内容の指導に当たっては、児童・生徒の状態や学習環境に応じて、間接体験や疑似体験、仮想体験などを取り入れるなど、指導方法を工夫していただき、効果的な学習活動が展開できるような対応をしていただくことを要望いたします。  また、当事者や保護者の意見、そういったことを聴く場を設けていただき、状況をしっかり把握した上で取り組んでいただくことを要望いたします。  以上です。  〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 高橋栄一郎君。  〔高橋栄一郎議員登壇〕 ◆高橋栄一郎議員 質問の第2は、林業・水産業の活性化とノウフク連携について伺います。  最初に、スマート林業の推進について伺います。  建築材料や家具、紙製品などに使われる木材を生産する林業は、私たちの生活に欠かせない産業です。  戦後、荒廃した山々の緑化意識を高める目的で全国植樹祭が開始され、その後の高度経済成長期には、拡大する木材需要に応え、山村地域の経済発展を図るため、針葉樹人工林への転換と植林が積極的に進められてきました。  その結果、今、その森林が大きく育ち、まさに収穫期を迎えているところであります。そのため、近年では国内の木材生産は増加しており、一時期は20%を切っていた木材自給率も令和元年には38%と、9年連続で上昇を続けています。  一方、世界的な木材需要の増加に伴い、木材価格が高騰し、輸入木材が入ってきにくい状況の中、住宅建築等に使われる木材の7割近くが輸入材であることから、改めて国産材の重要性が増しています。  ウッドショックで国産材に注目が集まっている、この好機をどのように生かすのか、今後、県産材の活用を含め、対策を講じていくことが必要だと考えます。  森林面積が県土の約4割を占める本県では、荒廃した私有林の公的管理・支援を行うため、これまでも森林の整備を進め、林道から近い人工林については、森林資源を有効活用しながら、持続的な森林管理に取り組んできたことは承知しております。  森林の適正管理は、近年多発する地滑りなどの土砂災害を減らし、県土強靭化に資すると考えますので、今後も積極的に進めていただきたいと思います。  一方、小規模の森林を所有する零細林家が約6割を占める本県では、従来型の林業振興策では持続化が難しく、森林資源を有効活用しながら成長産業化を図るための道筋が見えにくい状況であるとも聞いております。  林業への最新技術の導入は、神奈川の森林を適正かつ持続的に管理していくと同時に、従来型の林業振興策から一歩飛び出し、多職種のクロスオーバーによるスマート林業に可能性を模索することにより、木材生産の収益性改善などにもつながると考えます。  また、最新技術の導入などを進めることにより、全産業の中でも、とりわけ労働災害の発生率が高い林業現場の労働安全を確保するだけでなく、県民が森林の発揮する多面的機能の恩恵を享受しつつ、社会経済生活の向上とカーボンニュートラルへ同時に寄与するグリーン成長を実現することが大変重要と考えます。  そこで、ICTをはじめとする先進技術の導入などを活用したスマート林業の推進に、どのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  次に、陸上養殖の取組について伺います。  昨今の世界的な魚食ブームや、気候変動などによる生態変化などの影響を受け、本県の漁業生産量は減少の一途をたどっており、平成22年と比べると約3割も減少しています。一方、漁業生産額は微増しており、県民の生活に与える影響も少なくありません。  県でも、水産業の成長産業化に向け、イワガキやキャベツウニの養殖支援、大規模外洋養殖の誘致の検討を行っていることは承知していますが、陸上養殖については、まだまだ進んでいないと思っています。  近年では、新しいタイプの陸上養殖が全国各地で行われ、例えば海から遠く離れた内陸部で廃校のプールと地元で湧く温泉を活用したトラフグ養殖、使われなくなった給食センターを活用したアワビの養殖。本県でも、三浦市でチョウザメやトラウトサーモンの陸上養殖が行われており、出荷も始まったと聞いております。  また、セレクト神奈川NEXTを活用し、IoT、AIを活用した陸上養殖自動化システムなどの研究開発を行う企業の本県進出や、水耕栽培と養殖を掛け合わせた次世代の環境保全型農業など、民間企業の新たな取組も進んでおります。  貧酸素水塊の拡大や底質改善の遅れなどの漁場環境の影響を受けにくく、漁業権の調整も不要、そして、陸上でも海水魚の養殖が可能な陸上養殖を推進することにより、これまで漁業とは縁がなかったような地域で、新たな特産品として養殖魚を生み出すことが可能となり、地元の観光業などと連携し、経済の活性化や雇用の創出など、地域貢献も期待できます。  設置スペースの確保電力、水処理などの運用コストなどの課題もありますが、海面養殖に比べ、環境負荷が小さい陸上養殖は、SDGs達成の面でも注目されており、県民に新鮮な水産物を、安定的かつ持続的に提供していくとともに、かながわブランドとして、県内外に発信していくことが重要です。  一方、土地の利用価値の高い本県では、水産技術センターなども民間企業や大学と連携し、生産性や経済的価値が高く、需要の多い魚介類の種苗生産技術開発などを進めることも必要だと考えます。  そこで、本県としても陸上養殖の可能性を研究し、海面養殖、内水面養殖に次ぐ第三の養殖形態として、スマート養殖などの振興を図るべきと考えますが、知事の見解を伺います。  次に、畜産、水産、林業と福祉の連携促進について伺います。  現在、県内には多くの福祉事業所があります。障害者は働くことを通じ、社会参加の場を求めており、就労の機会を確保することは、県にとって重要な取組と考えます。  令和2年第3回定例会の一般質問でも要望しましたが、福祉事業所との連携に関して、農業分野では一定の進展がある一方、いまだ林業や水産業、畜産業などの農林水産業全体には広がっていないと感じています。  例えば、漁業の現場では、漁船に乗って海上作業を行うなどの危険な作業も多いため、福祉との連携という考え方自体が浸透していないと思います。  確かに、障害者が危険な海上作業を行うことは難しい場合もありますが、漁業にも陸上での様々な作業があり、お互いの特性を理解することで、両者にメリットのあるマッチングの機会が生まれると思います。  また、漁業の中でも、全国的には生産量の20%以上を支える養殖業などであれば、定期的な陸上作業も見込め、他県では、カキ養殖などにおける水福連携の事例もあることから、本県でも養殖業が盛んになることで、障害者の雇用機会と活躍の場を増やすことができると考えます。  林業と福祉の連携についても、全国的には、キノコの生産や苗木の生産、あるいは木材加工といった仕事において、障害者施設と連携した取組が紹介されております。  畜産現場との連携は、大型動物を扱う際のリスクや防疫上の観点からも制約が大きく、事例数もまだ少ないですが、動物を育てることで障害者にもたらす療育面の効用もあると考えられております。こうした事例を参考に、本県でも取組を進めることができるのではないかと思っております。  障害者が社会の中で困難を感じるのは、そこに周囲の理解や意識が十分に及んでいない場合や、環境がマッチしていない場合などがあります。多様性を尊重する社会において、農林水産業分野で求められる仕事の特性や、障害者一人一人が持つ特性を相互に理解しながら環境整備を進めていくことにより、共に支え合うウィン・ウィンの関係性が可能であり、障害者にとっては、単に収入が得られ、自立した生活につながるだけでなく、生きる充実感も得られる重要な取組だと思います。  そこで、今後、県として、畜産業、水産業、林業と福祉の連携にどのように取り組んでいくのか、知事の見解を伺います。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 林業・水産業の活性化とノウフク連携について、何点かお尋ねがありました。  まず、スマート林業の推進についてです。  県では、水源環境保全・再生施策が開始された平成19年度以降、木材搬出に必要な林業機械や作業道を拡充させ、平成28年度以降は、かながわグランドデザインで目標としている年間3万立方メートルの木材生産量をおおむね達成しています。  しかし、木材生産の効率性を示す作業員1人当たりの生産量は1日2.5立方メートルで、全国平均の半分程度と低水準にとどまっています。  一方、林業は急斜面での伐採など、危険な作業が多く、作業中の事故が全ての産業の中で最も高く、全産業平均の10倍近くとなっており、労働災害の未然防止が課題となっています。  そのため、木材生産の効率や労働の安全性を高め、本県の適正かつ持続的な林業、森林管理を進めるためには、ICTなどの先進技術を活用し、作業のスマート化を図っていくことが重要です。  そこで、木材生産においては、木材の伐採から搬出までの工程を、ICTを活用して可視化することで、生産活動における非効率な作業等を明らかにし、改善につなげていきます。  また、労働災害の防止については、現場作業中の作業員の異変を事務所などの遠隔地から速やかに察知し、事故の回避につなげるシステムの開発が進められておりますので、そうした先進技術の導入も検討します。  今後も、こうした先進技術の情報収集に努め、本県に適した、より効果的な技術を導入するなど、本県のスマート林業を積極的に推進してまいります。  次に、陸上養殖の取組についてです。  県内では、農業法人などがチョウザメやウミブドウを海から離れた場所で養殖を行う陸上養殖が始まっており、本県漁業の生産量が減少している中にあって、こうした新たな取組は本県水産業の活性化につながるものと期待されます。  陸上養殖は、漁業法に基づく免許が不要というメリットがある反面、用地確保や施設整備などの初期投資が大きいことや、飼育に必要な水の維持管理にコストがかかるなどの課題があります。  そこで、収益向上を図るため、価格の高い魚や成長が早い品種の選定、IoTなどの先端技術を活用したスマート養殖の導入、販売方法の工夫などが求められます。  県水産技術センターではこれまで、成長を早める緑色のLEDの光を用いた飼育技術の研究などに取り組んできました。今後は、新たに陸上養殖を始めようとする事業者に対し、魚の飼育や病気等に関する技術指導や施設整備に対する支援を行っていきます。  また、大学や国の研究機関、民間企業が持つ先端技術の情報を収集し、IoTの活用を含め、魚の生育促進など、効率的な陸上養殖につながる技術開発を進めていきます。  こうした取組により、陸上養殖事業者を支援し、本県における先端技術を活用した陸上養殖を振興してまいります。  最後に、畜産、水産、林業と福祉の連携促進についてです。  本県の畜産、水産、林業は、経営規模が零細な事業者が多く、また、海上や急峻な山など、危険を伴う場所での作業が生じる場合もあることから、これまで障害者雇用等の福祉との連携は多くありませんでした。  しかし、一次産業においても、危険を伴わない場所での作業であれば、障害者に従事してもらうことは可能です。それは、障害者の自立にもつながることから、一次産業と福祉の連携は、双方にとってメリットのある取組です。  そうした中、県内でも、畜産では牛に餌をあげる作業、水産では海藻の天日干し作業、林業ではシイタケの収穫作業など、障害者を雇用する事例が出てきています。  こうした連携をさらに増やしていくためには、一次産業の経営者と福祉事業者に障害者が従事する業務の内容や職場環境、また障害者への配慮事項など、相互に十分な情報が提供されていることが必要です。  そこで、先行している農業分野での取組を参考に、県が、障害者に適する作業や職場環境など、雇用に関する情報等を畜産、水産、林業についても収集していきます。  その上で、実際の就労に先立っては、一次産業の経営者と福祉事業者等との相互理解が大変重要ですので、まずは県が両者の情報交換を図るなどにより、畜産、水産、林業と福祉との連携を促進してまいります。  答弁は以上です。  〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 高橋栄一郎君。  〔高橋栄一郎議員登壇〕 ◆高橋栄一郎議員 それでは、再質問を1点だけさせていただきたいと思います。  スマート林業の推進に関してです。  最近では、個人で山を買う、また、そういったことをユーチューブなどで配信するようなこともされており、森林に対して関心が高まるということは大変いいことだというふうに感じております。  スマート林業の推進に当たり、広く県民に知ってもらう、体験してもらう、そういった機会を増やすことが、森林に対する県民の理解増進につながると思いますが、知事の見解を伺います。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 専門性の高い質問でありますので、局長から答弁させます。  〔環境農政局長(鈴木真由美)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 鈴木環境農政局長。 ◎環境農政局長(鈴木真由美) 環境農政局関係の再質問にお答えします。  県民に森林のよさ等を知っていただくということで、体験の機会等があればいいのではないかという御提案かと思いますけれども、そうしたことも含めて、PRの方法等を積極的に考えてまいりたいと思います。  以上です。  〔高橋栄一郎議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 高橋栄一郎君。  〔高橋栄一郎議員登壇〕 ◆高橋栄一郎議員 それでは、要望させていただきます。  ぜひスマート林業の推進に当たりましては、県民の方たちに広く関心を持っていただき、森林の大切さ、重要性を理解していただく場をつくっていただきますようお願いいたします。  また、農福連携を進めるに当たりまして、福祉とのパートナーである農林水産業、この活性化というのは必須だというふうに思います。スマート林業や陸上養殖など、新たな試みを推進することで、今までとは違った人たちからのアプローチもあると思います。  ぜひ教育現場での体験ですとか、様々な機会を通じ、広く一般県民の方々にも広報を進めていただきたい、そのように思っております。ぜひ取組を進めていただきますよう、要望いたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。                               〔拍 手〕 ○議長(小島健一) お諮りいたします。  休憩いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島健一) 御異議がないと認めます。  よって、休憩いたします。  なお、再開は20分後といたします。                  午後2時56分 休憩       ───────────── ◇ ───────────── △《本会議録-令和3年第3回-20210927-029088-質問・答弁-菅原直敏議員-一般質問①新型コロナウイルス感染症に関する差別等について②本県のデジタル変革[DX]について③共生社会実現の手段としてのデジタル変革[DX]について》                   午後3時15分 再開   〔議会局長報告〕  出席議員 議長共58名 ○議長(小島健一) 休憩前に引き続き、会議を開きます。   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) 質問を続行いたします。  菅原直敏君。  〔菅原直敏議員登壇〕(拍手) ◆菅原直敏議員 菅原直敏です。  通告に従い、順次質問させていただきます。  知事、デジタル行政担当局長におかれましては、明快な御答弁のほど、よろしくお願いいたします。また、先輩、同僚議員におかれましては、しばらくの間、御清聴のほど、よろしくお願い申し上げます。  〔資料提示〕  質問の第1は、新型コロナウイルス感染症に関する差別等についてです。  私自身が新型コロナウイルス感染症に感染し、自宅療養を終え、社会復帰をしようとするとき、行政機関や準公的病院において、担当者の認識不足から、感染症における差別とも捉えられない対応や言動を受ける機会がありました。  行政機関や医療機関において、差別的な対応が取られるということは、それが担当者の認識不足、悪意がなかったとしても、あってはならないことであります。また、職員が主体となった差別を防止するためには、職員の感染症に対する正しい理解が重要であり、そのための啓発を徹底する必要があると感じました。  次に、新型コロナウイルス感染症が完治したにもかかわらず、感染症に対する正しい理解を周囲が持っていないと、職場復帰等で差別等が発生し、感染した人の生活に大きな影響を与える可能性があります。  〔資料提示〕  このような中、自治体の中には、感染症への差別に対する啓発活動を行うところも増えています。例えば、鎌倉市では、ホームページ上に「新型コロナウイルス感染症に関連する人権への配慮について」と題して、市民を対象に感染症に係る差別的な言動に対する啓発を行っています。ほかにも県内幾つかの自治体で、同様の取組が行われております。  また、法務省においても、森まさこ元法務大臣が、動画で直接法務省のホームページで感染症に関する差別的取扱いに対する警鐘を強く鳴らしております。  さらに、県レベルでも、埼玉県の大野元裕知事が感染症の差別の防止を動画等で訴えており、ホームページ上で確認できるだけでも、茨城県、山形県、宮城県、鳥取県、新潟県等、多くの県で差別防止が訴えられております。多くに共通するのが、組織のトップ自らが、自らの言葉で国民、県民、市民に訴えているところであります。  そこで、知事にお伺いいたします。  本県の職員に対して、新型コロナウイルス感染症への正しい理解を促進する取組を行っているか、知事の御所見をお伺いいたします。また、本県では、感染症への差別に対して、県民に対してどのような啓発活動を行っているのか、知事の御所見をお伺いいたします。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 菅原議員の御質問にお答えいたします。  新型コロナウイルス感染症に関する差別等についてお尋ねがありました。  新型コロナウイルス感染症の感染者や医療従事者等に対する差別や偏見は、決してあってはなりません。差別等を生じさせないために、新型コロナウイルスに対する正しい知識を普及啓発することは大変重要です。  まず、職員に対する正しい理解の促進についてです。  県では、新型コロナ専用ポータルサイトを設け、正しい感染防止対策や、季節や変異株の状況に応じた最新の情報を掲載して、新型コロナウイルスに関する職員の理解を促進しています。  また、新型コロナウイルス感染症に関する差別に対する職員の意識を高めるため、全ての所属の管理監督者を対象とした人権研修を実施しました。この研修では、患者やその家族、医療従事者等に対する差別問題などを取り上げ、各所属の管理監督者が感染症に対する正しい知識を身につけ、業務上、差別と取られかねない対応をすることがないよう徹底しています。  次に、県民に対する啓発活動についてです。  本県では、クルーズ船の対応に始まって、全国で最も早い時期から医療従事者や患者等に対する心ない扱いや偏見などの問題が生じました。そこで、新型コロナに罹患した方であっても、感染後、一定期間が経過すれば感染力がなくなることなどを、ホームページなどで繰り返し周知してきました。  また、今年1月には、企業や市町村等とも連携し、コロナ禍における人権をテーマに人権メッセージ展をオンラインで開催するなど、県民の皆様に対する啓発活動を続けています。  加えて、医療従事者等、新型コロナに対応されているエッセンシャルワーカーへの差別や偏見に対し、私自身が、こうしたことは決して許されないものだとメッセージを発信してきました。  今後も、こうした取組により、コロナ禍における差別や偏見のない社会の実現を目指してまいります。  答弁は以上です。  〔菅原直敏議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 菅原直敏君。  〔菅原直敏議員登壇〕 ◆菅原直敏議員 御答弁頂きました。  今回、新型コロナウイルス感染症を取り上げたのは、恐らく、この104人の中で、唯一、感染をしてしまったというところで、感染をして気づいたところがあったという部分がございました。  再質問もしたいのですけれども、その前に、なぜ取り上げたかということで、3点気づいたことがあったので、まずお話をさせてください。  まず、1点目ですけれども、感染者は悪くない、これは多分、皆さんそう思うと思うのですけれども、実際になってみると、感染者は自分が悪いと思ってしまうということが結構あるのですね。これは理由は単純で、家族あるいは濃厚接触者、あるいは仕事の関係で、申し訳ないと謝ることが物すごく多くて、そういった中で、だんだん自分が申し訳ない気持ちになってきてしまうということが、すごくあるのですね。  実際、私が感染症にかかった翌日が月曜日だったのですけれども、その日、私は感染者なんですけれども、一日何をしていたかというと、ずっとチャットツールとか、電話とか、いろいろなもので、申し訳ない、申し訳ないと、しようがないのですけれども、言い続けてやっていくという部分がありまして、そういった意味では、そこら辺でだんだんと自分もよくないなと思ってしまう傾向というのがあるのだろうなと。  実際、兵庫県内の看護系大学有志の教員らが、実際に軽度でかかった人たち500人程度にアンケートをとった分析の中でも、こういうふうに書いてあるのです。入所までに不安やつらかったことに、ありと回答した人は87%で、そのうち5割以上の方が、誰かに感染させたかもしれないこと、家族や身近な人が濃厚接触者になったことに申し訳ないという思いを持っておられましたというところが、やっぱりあったりするのです。  そういった意味では、実際の統計的に見てもそういう部分がありますので、まず前提として、感染者は悪くない、当然皆さん言うのですけれども、でも実際、悪いと自分を責めてしまう人がいらっしゃるということ、まずこの前提条件が自分自身もかかってみて分かったことです。  そして、2点目ですけれども、それに対して、周囲の対応というのが結構分かれるのです。大きく二つに分かれるのです。まず、一つは、感染した人のことを考えて、その人本位で対応してくれる人や組織、そういうのがまず1点。そして、2点目が、逆に一応言葉上はそういう形を言うのですけれども、自分たちの組織の話だったり、そういったところの部分を優先して、感染した人に対しては、ちょっと対応がよくなくなってしまうという部分があった人たちが出てくるということです。  当然、後者は例外的で、少ないのですけれども、少なくても気持ちがまいっているときに、そういった部分になってくると、やはり落ちていってしまうというところがあったりもするという部分があったりします。  実際、私も助けられたのは何かというと、家族であったりだとか、また同僚の人たちのすごく優しい言葉であったりしたわけです。実際、議会局の職員の人たちも対応がすごくすばらしくて、初めての体験であったにもかかわらず、しっかりと私のことを考えて対応してくださったり、実際、議会に戻ってきたときとかも、同僚の議員の皆さんも、そういったところで、本当に気持ちのある言葉をかけてくださったというのは、今でもありがたいですし、実際、先ほどのアンケートとかにも書いてあるのですけれども、何に救われたかというと、本当にそういう言葉、最もすごいのは冗談で笑い飛ばしてくれるぐらいが一番助かる部分があったりするというところがありましたというところです。  ただ、一方で、それに関して、組織の都合で感染者に負荷をかけてしまったりですとか、あるいは一部の無理解だとか、エビデンスに基づかない対応によって、無意識に差別的な扱いをしてしまうところもあったりするというのは、私自身も実際に経験したところです。  3点目、それらも踏まえてですけれども、一歩間違うと、大きな実害を生むというところを感じたので、今回質問に取り上げさせていただいている部分があります。  まず、1点目は、万が一対応というのですけれども、コロナは、今は10日間、問題なく幾つかの条件を満たすと、普通に社会復帰ができるはずなのですね。そういうふうに変わっているのですけれども、世の中の理解がそこに追いついていないがために、万が一というところで、復帰を抑えられてしまうみたいなところもあったりします。  仕事が復帰によって影響されるような人たち、収入が影響されるような人たちだったら、収入が断たれてしまう可能性もきっとあるのだろうというふうに、私はまず思いました。  そして、2点目、最悪の場合は、自分の命を絶ってしまうという人も出てくる可能性もあるし、実際、今年の1月22日、NHKのニュースで出ていたのですけれども、新型コロナウイルスに感染した後で、自宅療養していた東京都内の30代の女性が自殺をしていたということがあったのですね。その理由ですけれども、残されたメモに、自分のせいで迷惑をかけてしまった、そんなことは絶対にないのですよ。だけれども、そういった形になっているということで、命を絶たれる方もいらっしゃっているということが、例外的かもしれないけれども、出てきているというところがあったりするというところなのです。  そういった中で、当然、そういった人たちに対して、精神科の人たちは、心理的なケアをしてくださいみたいなことを言うのですけれども、私はそれも大切なのですけれども、その前段として、そういった負担をかけてしまうような社会情勢という雰囲気が問題なのではないかというふうに思うわけです。  何でそうなるのかなと自分自身がかかって思ったのですけれども、これは人権問題なのだという意識がちょっと希薄のような気がするのです。だから、先ほど紹介したような、法務大臣であったり、首長さんというのは、それを深刻に捉えているから、恐らく自分たちの言葉で、動画なり、文書なりで発信をしていくのかなというふうに思いました。  先ほど知事の答弁の中でも、エッセンシャルワーカーの人たちに対しても、応援もそうですし、そういった差別をするべきではないということを一生懸命発信されているのを、私も重々承知をしておりますし、大切なことだと思います。  ただ、一方で、これだけ神奈川県内に感染者が増えた時期もあって、絶対数が多い中で、一般の人たちに対するそういった差別みたいな問題も、しっかり知事の言葉で発信していく必要があるのではないかというふうに思ったのです。  そこで、提案も含めて、再質問ですけれども、新型コロナウイルス感染症の感染者への差別は人権問題であるという視点からも、知事自らの言葉として、本県として差別を許さないというメッセージを、動画やホームページ上において発信していくべきであると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 感染された、その実感に基づく様々なお言葉、大変重く受け止めさせていただきたいと思います。  私自身も、こういった問題、いち早く察知したという自負があります。最初、コロナの対応が始まったときに、県内の300を超える病院に毎日電話をして、今どういうことが起きているかということを全部把握したところから始まった。そのときに、医療関係者は現場で差別的なことを受けているということがありました。これはいかんということで、いち早く、こういったことは、とにかく言わなければいけないということで、恐らく、ああいう視点でものを発したのは、私が最初だったというふうに思います。  ただ、振り返ってみて、正直、失敗をした経験だと思っています。それは、みんなで盛り上げていこうという中で、がんばれ!!コロナファイターズというメッセージを出したわけです。これが最初出したときには、テレビの専門家の皆さんも、ドクターの皆さんも、こういうことを言ってくださるのはありがたいというコメントがずっと続いたのですが、ある日突然、ネットでの反応が変わりまして、ふざけるなという話になって、大変なバッシングを受けた経験もあります。  そういうメッセージを出すということは、非常に難しいことでもあるなということを痛感もした次第であります。  しかし、そういった差別、偏見はいけないといったことについては、繰り返し繰り返し、その言葉で述べていることは間違いありませんけれども、さっきから参考にされた、お話をなさったような視点でのメッセージの発信ということ、これもしっかりと検討していきたいというふうに考えております。  答弁は以上です。  〔菅原直敏議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 菅原直敏君。  〔菅原直敏議員登壇〕 ◆菅原直敏議員 メッセージの発信、非常に難しい部分もあるというところで、失敗に基づく、経験に基づいたお話というのは、非常に実感があるなというふうに思いました。  ただ、この話は、そんなに難しい話ではなくて、本当に人権問題として、どう県民に対してやっていくのかという奇をてらったことではありませんので、本当に検討ということですけれども、知事の言葉で、しっかりやっていっていただければというふうに思っております。  あわせて、この場で、私が感謝申し上げたいのは、昨年、厚生の委員会でもいろいろやりましたけれども、保健所の皆さん、本当にすばらしいお仕事をされておりました。感謝で頭が下がる思いです。一方で、これだけの業務をやっていて、追いつかないだろうなというのも実感としては感じました。  ですから、今コロナが落ち着いた時期に現場の体制というのをしっかり行っていくというところは、併せて行っていただけたらというふうに思っております。  〔菅原直敏議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 菅原直敏君。  〔菅原直敏議員登壇〕 ◆菅原直敏議員 質問の第2は、本県のデジタル変革(DX)についてです。  〔資料提示〕  本年7月、総務省は自治体のDXを促進するために、自治体DX全体手順書第1.0版を発表しました。その内容は、DXの認識共有・機運醸成からDXの取組みの実行までの四つのステップから成る手順から構成されております。  そこで、この全体手順書の内容も踏まえ、本県のDXの取組について確認を含めてお伺いいたします。  まず、自治体DXの定義とDXの認識共有・機運醸成の取組について伺います。  昨年末に総務省より発表された自治体DX推進計画及び今回の全体手順書において、自治体DX、デジタル化、ICT化等の用語が混在して使われていますが、その定義等が必ずしも明確ではありません。また、本県のかながわICT・データ利活用推進計画やデジタル戦略本部室のホームページ等においても、明確な定義はなされておりません。行政においてこれらの取組を進めるためには、用語の定義と共通理解に基づく取組が前提条件であると考えております。  次に、本県における同手順書のステップ0、認識共有・機運醸成の取組についてです。  同手順書では、「DXを推進するに当たっては、首長や幹部職員によるリーダシップや強いコミットメントが重要であり、首長や幹部職員自身がそのことを十分に理解することが必要となる」と認識共有・機運醸成の取組の必要性を説いております。  DXとは経営であり、首長及び幹部、管理職の意識変革なくして、実現は極めて困難であるというふうに考えております。  〔資料提示〕  例えば、自治体DX推進手順書参考事例集1.0では、市町を巻き込んだDX推進に向けた職員研修として、栃木県の意識変革に関する先進的な取組が紹介されております。  栃木県では、自治体DXの実務に明るい有識者が講師を務め、栃木県知事及び県幹部職員だけでなく、県内25の全市町の首長に対して意識変革の講演を行っております。また、講演内容を動画アーカイブとして、県及び全ての市町に共有することで、県内の全ての職員がその内容を受講できるようにしています。全県を巻き込んだ栃木県の取組は、認識共有・機運醸成のモデル事例と言えます。  そこで、知事にお伺いいたします。  本県では、自治体DX、デジタル化及びICT化をどのように定義しているのか、県の認識をお伺いいたします。また、自治体DXの認識共有・機運醸成の取組について、特に知事、幹部職員のDXに対する理解促進のために、本県としてどのような取組を行ってきたか、知事にお伺いいたします。  次に、自治体DXの全体方針の決定と推進体制の整備について伺います。  まず、本県における同手順書のステップ1、全体方針の決定の取組についてです。  同手順書では、「相互に関連するDXの取組みを総合的かつ効果的に実施し、全庁的にDXを強力に推進していくためには、全体的な方針が決定されている必要がある。全体方針は、広く自治体内で共有されるべきである」と全体方針決定の取組の必要性を説いております。  業務の効率化を目的とするICT化とは違い、DXにおいてはミッション、ビジョン及び戦略が不可欠であり、これらこそが全体方針を構成する要素です。  例えば、同事例集では、県と市町が協働して進める「チーム愛媛」のDXとして、愛媛県の全体方針の決定に関する先進的な取組が紹介されています。  愛媛県では、県民本位、市町との協働及び官民共創の基本方針の下、都道府県で初めて網羅的かつ総合的な自治体DXに係る戦略を策定し、施策を推進しています。愛媛県は、ある経済誌において、多くの都道府県がその動向を気にかける知られざるDX先進県としても紹介され、注目を集めており、全体方針決定のモデル事例と言えます。  一方で、本県では、かながわICT・データ利活用推進計画が令和元年7月に策定されていますが、DXについては一切触れられておらず、県が目指すDXが一体いかなる方向性に基づいて行われるのかという全体方針が不明な状態です。  このような中、本県ではDXの全体方針策定に関わって、県民の皆様にとって温かく優しいデジタル体験、いわゆるデジタル・エクスペリエンスの視点を取り込んだデジタル戦略を策定していく方針を示しております。  私は戦略策定の方向性に賛同し、この視点は大切だと考えますが、併せて重要なことは、本県のミッション、ビジョンをいかにデジタル技術も活用して実現していくかという視点だと考えます。  次に、本県における同手順書のステップ2、推進体制の整備の取組についてです。  同手順書では、「全体方針を踏まえて、DXの推進体制を整備するに当たっては、組織・人材の両面から検討する必要がある」と説いております。  〔資料提示〕  例えば、同事例集では、全庁一丸でデジタル変革を起こすための体制整備として、福島県磐梯町の推進体制の整備に関する先進的な取組が紹介されております。  磐梯町では、新型コロナウイルス感染症の大流行が始まる前より、全国初の自治体CDO─最高デジタル責任者を設置し、認識共有・機運醸成、全体方針の決定及び推進体制の整備という同手順書の工程を着実かつ地道に積み上げており、4月に内閣府が発表したスマートシティ・ガイドブックにおいても、モデル事例として取り上げられております。  磐梯町のデジタル変革戦略室は、完全リモート、ペーパーレス、クラウドの、いわゆるデジタルネーティブ組織として設計され、高度な専門性を持った人材が副業的に関わっている点でも非常に珍しい組織であります。  一方で、本県では昨秋にデジタル戦略本部室を設置し、CIO兼CDOに新しい外部の人材を配置しましたが、県のホームページ上では、その取組はほとんど公開されておりません。実際に、本年度更新されている内容は、神奈川県の情報アクセシビリティという事務報告のみで、活動の痕跡を確認することはできませんでした。  そこで、知事にお伺いいたします。  戦略策定に当たっては、誰もが自分らしく生きられる共生社会の実現という本県の使命を取り込む必要があると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。また、推進体制の整備に関わって、本県のDXにおける取組を、ホームページ等で積極的に発信をしていくことが、さらなる外部人材や企業等の巻き込みにおいて有効であると考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。  最後に、自治体DXにおける本県の市町村支援について伺います。  同手順書では、都道府県による市区町村支援が県の役割として期待されています。  〔資料提示〕  例えば、さきに紹介した愛媛県では、チーム愛媛のDXの戦略の下、自治体DXに広範な知見と実務経験を持つ有識者を、愛媛県・市町DX推進統括責任者に迎え、県内20の全市町に対して、相談・助言、講演・研修等の支援を行っております。  この取組に至るまでには、知事を含む全ての首長が同責任者の講演に参加し、共通認識を持ち、共同宣言を全ての自治体で行う等、一体的な取組として行われているところが特徴でございます。  そこで、知事にお伺いいたします。  自治体DXにおける本県の市町村支援について、本県ではどのような取組を行ってきたか、知事にお伺いします。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 本県のデジタル変革について、何点かお尋ねがありました。  まず、自治体DXの定義とDXの認識共有・機運醸成の取組についてです。  初めに、自治体DX等の定義の認識についてです。  本県では、独自の定義はしていませんが、自治体DXは、県民生活や行政のあらゆる分野においてデジタル技術を手段として活用することにより、社会を変革し、人々の暮らしをより豊かにすることと認識しています。  また、ICT化は、コンピューター、ソフトウエア、ネットワーク等を活用して、業務の効率化などを行うこと、そして、デジタル化は、単なるアナログ情報のデータ化から、ICTやDXまでを含んだ全体を指す幅広いものと認識しています。  次に、DXの認識共有・機運醸成の取組についてです。  電子決裁で判こをなくすと言っても、判こがクリックに変わるだけでは意味がない、デジタルの活用により仕事のやり方をどう変えるかが重要であると、私はこれまで庁内の幹部会議などで繰り返し話すなど、DXについて認識の共有を図ってきました。  また、CIO兼CDOが全ての局長と意見交換を行い、全庁一丸となってDXを進める機運を醸成しながら、現場でどのような課題が生じているのか把握し、課題解決に向けて議論を進めています。  今後も、私を含め幹部職員の強いリーダーシップとコミットメントの下、本県のDX実現に向けて、しっかりと取り組んでまいります。  次に、自治体DXの全体方針の決定と推進体制の整備についてです。  まず、戦略策定に当たって、共生社会の実現という本県の使命を取り込むことについてです。  県では、誰もがその人らしく暮らすことのできる共生社会の実現に向けて、全庁を挙げて取り組んでおり、デジタルの取組においても、年齢や障害の程度にかかわらず、その恩恵を受けられるようにしてきました。  例えば、県のホームページでは、高齢者等が自分の読みやすい文字の大きさを選択できるようにしたり、視覚障害者のために、音声読み上げソフトへの対応を行うなどの取組を進めてきました。  また、障害者やその支援者の方々が便利に使えるアプリや機器を紹介するなどの取組も進めてきました。  今後、新たな戦略の策定に当たっても、デジタル技術を活用しながら、共生社会の実現に資する取組を盛り込んでいきます。  次に、推進体制の整備に関わって、本県の取組を積極的に発信し、外部人材等を巻き込んでいくことについてです。  県はこれまでも、専門的な知見やノウハウなどを有する外部人材や企業の力を活用しながら、デジタル化を進めてきました。  例えば、昨年8月にLINE株式会社の江口氏をCIO兼CDOに迎え、幅広い知見や柔軟な発想で、コロナ対策をはじめ、様々な分野で力を発揮していただいています。  また、IT企業などに在籍する民間人材と庁内の若手職員で構成するDXチームを立ち上げ、民間の仕事の進め方や課題解決の手法を取り入れながら、様々な課題に取り組んでいます。  今後、新たな戦略や本県のDXの取組を積極的に発信することで、より多くの外部有識者や企業の皆様に関心を持っていただき、さらに幅広い外部人材等と連携しながら、DXに取り組んでまいります。  次に、自治体DXにおける本県の市町村支援についてです。  本年7月に総務省が策定した自治体DX全体手順書では、市町村が行政手続のオンライン化やシステムの標準化・共通化をはじめとする自治体DXの取組を着実に進めることができるよう、都道府県による支援が期待されています。  県ではこれまで、行政手続のオンライン化について、県を事務局とした神奈川県市町村電子自治体共同運営協議会により、電子申請システムを平成17年度から運用しており、市町村の負担軽減を図りつつ、県内均一のサービスを提供しています。  また、システムの標準化・共通化については、県内14町村で構成する神奈川県町村情報システム共同事業組合において、税や住民記録などのシステムを共同化する際、ネットワーク整備やセキュリティー対策等の支援を行ってきました。  このほかにも、県と市町村のインターネット接続口を1か所に集約した神奈川情報セキュリティクラウドを構築し、県と市町村のセキュリティー水準の向上を図っています。  さらに、行政のデジタル化を推進する上での課題やデジタル人材の確保などについて、市町村向けに有識者による講演や先進事例の紹介などを行ってきました。  今後は、こうした取組に加えて、市町村の実務担当者との情報交換の場を設置し、市町村のより詳細なニーズを把握しながら、県として市町村のDXをしっかりと支援してまいります。  答弁は以上です。  〔菅原直敏議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 菅原直敏君。  〔菅原直敏議員登壇〕 ◆菅原直敏議員 御答弁頂きました。  何点か意見ですけれども、定義、こういった場であまり定義を問うのはどうなのかという話なのですけれども、問うたのは、こういった質問をするに当たって、どういう認識を持っているのかというのは、今までも過去の御答弁とかでも明らかでなかったことと、やはりデジタル戦略本部室があるにもかかわらず、そこら辺がしっかり発信されていないという部分で、議論前提としてそこを合わせたかったという部分があります。  定義はしていないけれども、認識はされているということで、おおよそ私はずれない認識なのかなというふうには思っています。それを次の戦略等を策定するときには、認識というのではなくて、共通理解が必要だというところはあるので、しっかり位置づけていくというところが、統一的なやり方としては必要だというふうに思います。  その都度、この議会の答弁とか、聞いてもしようがないので、そういったところは、あってもいいのかなという部分がございますというところですね。  そして、2点目の認識共有の取組ということですけれども、指示をされているというところでございます。ただ、お伺いをしているのは、どちらかというと、職員の人たち中心なのかなというふうに感じました。  総務省の手順書の中にも書いてありますけれども、ここにいらっしゃるような皆さんのレベルがある程度、別に詳しいことを学ぶというよりも、認識を共有していく、機運を醸成していくというところを共通でやっていくと、その瞬間に、みんなが同じ前提に立てるので、議論が活性化をしていくという事例が、私の知っている愛媛県だとか、あるいは栃木県でも見られておりますし、基礎自治体でも結構あったりするのですね。なので、そういった取組も時間のあるときにやられるといいのではないかな、なぜならば、DXというのは、ある部署の方だけが知っていればいいわけではなくて、全体の、全ての人たちがある程度の引き出しがあることが前提となってくるからでございます。  最後の市区町村支援については、市区町村を支援されていかれるという御答弁だったのですけれども、私としてみれば、総務省から来るものに、一文だけ市区町村の支援を都道府県がすることと書いてあることに、ちょっと違和感があったのですね。なぜならば、DXであるだとか、あるいはデジタル化、ちょっとICT化は別なのですけれども、について、必ずしも都道府県が市区町村よりも知見が高いかと言われると、そんなことはなくて、みんなが用意ドンで分からない状態だったりするわけなのです。  そうなってくると、実務担当者、都道府県レベルの方からよくお伺いするのが、分からない人が分からない人をどうやって支援していくのだという部分も私はあったりすると思うし、実際、県の担当者の人たちも、そういうところはあると思うのです。  システムの標準化だとか、共通化の部分というのは、ICT化の話ですから、これは県が主導してやっていく力もあると思うし、DXというのは、答えのない経営的な取組ですから、そういった意味では、神奈川県は基礎自治体の力も結構ありますので、必ずしも何が何でも支援するというよりも、そういったところの折り合いをつけながら、共創ですかね、をやっていくというところと、総務省にもいつも一文で支援するという丸投げの文章をやめてくれみたいなことを、簡潔な在り方も私は問うていく必要があるのではないかな。というのは実情を把握しないで、支援だけ求める文章というのは、ともすると現場の混乱と業務負荷を増やすだけなのですね。そういった意味では、DXのX、トランスフォーメーションがすごく大切ですので、国と都道府県、あるいは基礎自治体のこういう関係の在り方というものを、この機会に変革をしていくということも必要なのではないかというふうに個人的に思っての質問でございました。  〔菅原直敏議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 菅原直敏君。  〔菅原直敏議員登壇〕 ◆菅原直敏議員 質問の第3は、共生社会実現の手段としてのデジタル変革についてです。  〔資料提示〕  まず、審議会のオンライン化についてお伺いいたします。  昨年の第3回定例会の一般質問の中で、審議会のオンライン化について、知事は、審議会等におけるウェブ会議の導入をはじめ、デジタル化を推進することで、業務の効率化と県民サービスの向上を図ってまいりますと答弁されています。  審議会のオンライン化を、新型コロナウイルス感染症の対策や業務効率化の視点から捉えることも重要だと思いますが、より大切な視点があります。それは、誰もが自分らしく生きられる共生社会を実現するという、本県の使命に基づく要請です。  〔資料提示〕  例えば、共生社会を共創するための手段としてDXに取り組んでいる磐梯町では、昨年の秋、デジタル変革審議会と官民共創・複業・テレワーク審議会という、オンラインを原則とする二つの審議会を設置し、取組を進めています。  両審議会の委員は合わせて9名おりますが、半数以上が女性であり、子育て中の委員も2人おります。また、障害のある車椅子の委員もおります。オンラインで審議会を開催することにより、オフラインのみの開催では、参加が実質的には不可能または極めて困難だった方々が委員として参加する道を開いたという点では、非常に画期的な取組です。また、農業委員会、教育委員会等の行政委員会でもペーパーレスの取組を実践し、オンライン開催を視野に入れた取組を行っております。  そこで、知事にお伺いいたします。  共生社会の実現という本県の使命を実現するために、オフラインとオンラインの双方で参加が可能なハイブリッド型の審議会を可能な限り実施していくことを提案しますが、知事の御所見をお伺いいたします。  次に、いつでも、どこでも、誰とでも働ける環境づくりについてお伺いします。  新型コロナウイルス感染症の対策として、テレワークの推進が叫ばれています。私は感染症対策だけではなく、職員が自分たちのライフスタイルに合わせて、やりがいを持って自分らしく働ける職員本位の働き方を実現するための手段として、テレワークは重要であると考えています。  テレワークを通じた、いつでも、どこでも、誰とでも働ける環境は、やり方次第では、様々なメリットを組織の構成員にもたらします。また、その前提条件として、職員の意識変革、安定したネットワーク環境、実情に合ったセキュリティー対策が必要です。  まず、職員の意識変革についてお伺いいたします。  テレワークの推進に当たり、職場の文化や上司・同僚の意識が大きな影響を与えることが少なくありません。つまり、制度・インフラ的には可能であっても、テレワークを推奨しない雰囲気と意識がそれを妨げるという点であります。  そこで、知事にお伺いします。  テレワークを推進するために、職員の意識変革が大切であると考えますが、本県の取組についてお伺いいたします。  次に、ネットワーク、システム及びセキュリティ対策についてお伺いします。  2015年の年金機構の情報漏えい事案を受け、短期間で自治体情報セキュリティ対策を抜本的に強化するため、自治体のネットワークやシステムはインターネットからの脅威を徹底的に防ぐため、情報ネットワークを目的・用途ごとに、インターネット系、庁内系、マイナンバー系ネットワークの三つに分離・分割する、いわゆる三層の対策を行ってまいりました。  この三層の対策は、サイバー攻撃等に起因して業務が止まったり、情報漏えいが起きたりすることの大幅な減少を実現する一方で、一定の成果を上げる一方で、自治体内の情報ネットワークの分離・分割による事務効率の低下を招き、職員の業務負荷の増大が生じておりました。  また、業務で使用するソフトウエアやシステムの採用傾向が自前調達方式から事業者が提供する機能を利用するサービス利用方式に移行し、行政手続のペーパーレス化、働き方改革が求められ、さらにサイバー攻撃の増加やサイバー犯罪における手口の巧妙化が進む中で、効率性・利便性を向上させた新たな自治体情報セキュリティ対策の必要性が、地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの改定等に係る検討会の自治体情報セキュリティ対策の見直しのポイントでも言及されております。  〔資料提示〕  このような中、総務省では、三層対策の見直しも含めた具体的施策を提示し、特に職員が利用する端末やシステムが配置されている庁内系ネットワークとインターネット系ネットワークの分割に係る見直しを踏まえ、端末やシステムもインターネット系ネットワーク上に配置し直して、クラウド利用などの効率性・利便性を向上させた新たなモデル、いわゆるβモデル、あるいはβ’モデルを提示しています。  一方で、本県では現状、インターネット系ネットワーク上には端末やシステムを配置しない従前の方式、いわゆるαモデルをベースとしたネットワーク構成によるセキュリティー対策を重視した形式となっており、セキュリティー対策や各種システム等が働き方の社会の変容によって変わっていく中、職員本位の柔軟な業務環境を構築する上での配慮が必要なのではないかと私は考えております。  そこで、デジタル行政担当局長にお伺いいたします。  セキュリティー対策と職員本位の働き方の均衡を図る点では、端末やシステムをインターネット系ネットワーク上に配置し、効率的かつ効果的な業務を可能とするクラウドサービス等を活用しやすいネットワークやシステムの更新を目指していくことも有効であると考えますが、御所見をお伺いいたします。  以上です。  〔知事(黒岩祐治)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 黒岩知事。  〔知事(黒岩祐治)登壇〕 ◎知事(黒岩祐治) 共生社会実現の手段としてのデジタル変革についてお尋ねがありました。  まず、審議会のオンライン化についてです。  県はこれまでも、誰もが支え合い、受け入れ合う持続可能な共生社会の実現に向けて、全庁一丸となり、取組を進めてきました。共生社会を推進していくためには、多様な意見が県政に反映できるよう、様々な方に県政に参加いただくことが重要です。  そこで、県の審議会等においては、設置目的に応じて障害者や女性、外国籍県民などの方々の登用を要綱で定めています。  また、障害者や子育て中の女性などは、審議会等の会場への移動が難しい場合もありますので、より会議に参加しやすくなるよう、オンライン参加という選択肢を用意することも重要です。  県では、現在、外部との打合せにおいて、ウェブ会議の積極的活用を令和3年度働き方改革取組方針に位置づけるとともに、ウェブ会議に必要なマイクなどの機器や、十分に通信時間が確保できる会議システムの導入を進めています。  このような環境の整備により、既に複数の審議会等において、ハイブリッド型等による会議を開催しており、委員からも会議に参加しやすくなったなどの好意的な御意見も寄せられ、審議会等のオンライン化は有効な取組であると改めて認識したところです。  こうしたことから、今後も引き続き、働き方改革の視点だけではなく、誰もが県政に参加し得る会議手法の実現という視点からも、審議会等のオンライン化を進め、共生社会の実現につなげてまいります。  次に、いつでも、どこでも、誰とでも働ける環境づくりについてお尋ねがありました。  職員の意識変革についてについてです。  職員がワーク・ライフ・バランスを実現しながら、生き生きと働くためには、多様な働き方を可能とする環境を整えることが大変重要であり、通勤時間がゼロとなるテレワークは有効な取組と考えています。  本県では、テレワークを経験する職員を増やし、職員の意識変革を促すために、テレワークの上限日数の撤廃や、実施場所の自宅以外への拡大など、職員が利用しやすい環境づくりを進めてきました。また、働き方改革取組方針の中で、テレワークの推進を掲げるとともに、幹部職員が率先してテレワークを実施するよう、周知徹底しています。  最近では、重要な庁内会議から職場内の打合せに至るまで、リモートで行い、テレワークで参加することが日常的になるなど、テレワークは、もはや県庁の働き方としてスタンダードなものとなっています。  この8月からは、私自身もテレワークを実践し、しばしば県庁の外から職員との打合せを行っています。  引き続き、この流れを止めることなく、テレワークをはじめとする多様な働き方を可能とし、全ての職員が場所や時間にとらわれず、柔軟に働ける環境を整えてまいります。  私からの答弁は以上です。  〔デジタル行政担当局長(尾﨏美貴江)発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 尾﨏デジタル行政担当局長。 ◎デジタル行政担当局長(尾﨏美貴江) デジタル行政関係の御質問についてお答えします。  ネットワーク、システム及びセキュリティ対策についてお尋ねがありました。  県の情報セキュリティポリシーでは、個人情報や県の重要情報などは、ホームページ等で公開している情報を除き、庁内系ネットワークのサーバーやシステムで保存することとしています。  また、国からは、日本年金機構の情報漏えいを契機として、インターネットへの情報流出を防ぐため、ネットワークを庁内系とインターネット系に分割し、相互に直接通信をさせないようにすることで、庁内のセキュリティーを守ることを求められました。  そこで、県では、ネットワークを分割し、職員が利用するパソコンやシステムはインターネット系ネットワーク上には配置しない構成とし、情報セキュリティー対策を抜本的に強化しています。  こうした対策により、本日までインターネットからのサイバー攻撃や迷惑メールといった脅威は全て排除しています。  一方、対策の強化により、ホームページが閲覧しづらい、メールの送信や添付ファイルのダウンロードに手間がかかるなど、職員の事務効率の観点で課題が生じています。  そこで、現在、これらの課題の解決に向けて、県では最新技術の調査、検討を進めており、今年度末までにはセキュリティー水準を低下させることなく、職員がより効率的に業務を行える環境を提供できる見込みとなっています。  また、今後、DXを推進するためには、様々なクラウドサービスの活用がより重要となりますので、職員が安全かつ便利に利用できる方法の検討を進めています。  引き続き強固なセキュリティー水準を維持しつつ、最新の技術や手法を活用して事務の効率化と利便性の向上も実現できる最適なネットワークやシステムを構築してまいります。  答弁は以上です。  〔菅原直敏議員発言の許可を求む〕 ○議長(小島健一) 菅原直敏君。  〔菅原直敏議員登壇〕 ◆菅原直敏議員 御答弁を頂きました。  最後に、意見ですけれども、今日はDXの質問が3分の2だったのですけれども、私は別にデジタルのことを話していたのではなくて、共通して言っていたのは共生社会ということだったのですね。どういうことかというと、私は常々言っているのは、デジタル技術は手段であって目的ではない、では、一体このDXは本県において、何の目的のために、何の使命のためにやっているのだというところを、ちょっとぼやっとしていたので、クリアにしていきたいなと思ったところが、今日の質問の一番大きな趣旨であります。  そういった意味では、今日は知事のほうから、共生社会を、これは県の使命ですから、それをやっていくために、デジタル技術を手段として使っていくというところをしっかり明示されたというのは、私はすごく大切な視点だと思いますし、私はそのためにこそ、デジタル技術というのはあると思うのです。  だから、最近のデジタル庁でも、誰一人取り残さないと言っているのは、そういった視点があるからだと思うのです。  こういった視点でデジタル技術が語られるようになったのは、本当にこの1年ぐらいで、私はずっと昔からそういうふうに思っていたのですけれども、なかなかならなかった。  テレワークもそもそも、コロナだから進むというのも変な話で、本当に共生社会を実現していきたいのであれば、先ほど知事おっしゃったように、審議会の中でいろいろな人が参加していくためには、その手段としてのリモート会議みたいなものというのは、選択肢として当然あったはずだと思うのです。  ただ、それはなかなか進まなかったのはしようがないのですけれども、こういった形でリモートの会議が一般化する中で、県庁ではスタンダードという形になっている中で、そういったところの配慮に対して、業務効率化とかの視点だけだと、時々、見誤るのですね。時としては、お金がかかったってやらなければいけない場合もあるというところが、その目的をしっかりする場合には必須なのかなというふうに思っておりますというところがございました。  実際、最近、感慨深いなと思ったのは、こういった質問調整でも、職員の中にはリモートで対応してくれるので、私も自宅にいながら調整ができるということで、双方にとってメリットがあるというのは、議員としてもあるものでございますので、そういったものはしっかり進めていただきたいと思いますし、実際、そういったオンラインで審議会をやっている磐梯町の事例などでも、本当に様々な人が参加できるし、もっと言うと、田舎のほうの町だと、有識者を獲得するだけでもなかなか大変な中で、日本各地、全国各地からそういった知見を持った人を集められるという、そういった効果も実際出ておりますというところになります。  こういったことをやるときに、当然出てくるのは、先ほど局長の御答弁にあったように、セキュリティーと業務効率化の均衡なんですね。常にこれとの闘いなんです。でも大切なことというのは、先ほど強固、強固という言葉があったのですけれども、セキュリティーが完全に大丈夫という状態は絶対存在しないのですね。そうすると、できるだけ政策的にどこで判断をするかというところになってくると思います。  5年、10年前とセキュリティーの在り方というのは、物すごく変わっているので、そういった意味で、本当に最先端の動向をしっかり考えていく。私などがよく言っているのは、セキュリティーに関しては、ゼロトラストとか、エンドポイントにセキュリティーを持っていくことによって、まさに知事がおっしゃっているようなスタンダードのテレワークの働き方をやるための不可欠な要素、そういった技術も考えると、私はβ、β’に振ってしまって、本当に業務をクラウドのほうに振ってやっていくということは大切だと思います。  昔、議会局の職員に、ファイルを欲しいというので、USBで渡したら、1時間ぐらいかかって、USBのファイルをやりとりしている姿を見たことがあって、これは抜本的に変えなければいけないなと思って、常々こういったことは申し上げております。  そういった一つ一つをしっかり考えていくことが、職員の職員らしく働ける環境づくりにも影響していくと思いますので、そういったところも考えていただけたらと思います。  質問を終了させていただきます。  以上です。                               〔拍 手〕 △《本会議録-令和3年第3回-20210927-029089-諸事項-議案付託等-》 ○議長(小島健一) 以上で質問並びに質疑を終わります。   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) お諮りいたします。  日程第2につきましては、この程度で、議案付託表のとおり、所管委員会に付託して審査を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島健一) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  所管委員会におかれましては、慎重審査の上、その結果の御報告を願います。                            〔本会議録別冊106頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) 次に、お諮りいたします。  日程第1及び日程第3につきましては、この際、35人の委員で構成する決算特別委員会を設置し、これに付託して、審査を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島健一) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  次に、ただいま設置されました決算特別委員会の委員の選任を行います。  委員の選任につきましては、神奈川県議会委員会条例第8条の規定により、本職から御指名申し上げます。  委員の指名につきましては、決算特別委員会委員名簿のとおり、それぞれ御指名申し上げます。                            〔本会議録別冊1頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) 次に、お諮りいたします。  ただいまの委員選任に伴う委員長及び副委員長の選任につきましても、神奈川県議会委員会条例第9条の規定により、本職の指名により選任いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島健一) 御異議がないと認めます。  よって、本職から御指名申し上げます。  正副委員長の指名につきましても、決算特別委員会委員長及び副委員長名簿のとおり、それぞれ御指名申し上げます。  決算特別委員会におかれましては、慎重審査の上、その結果の御報告を願います。                            〔本会議録別冊1頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) 次に、日程第4、請願第34号 私学助成等について請願外3件を議題といたします。  請願書の朗読は省略いたします。                            〔本会議録別冊70頁参照〕  お諮りいたします。  以上、請願4件につきましては、請願付託表のとおり、所管委員会に付託して審査を願うことにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島健一) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  所管委員会におかれましては、慎重審査の上、その結果の御報告を願います。                            〔本会議録別冊107頁参照〕   ─────────────────────────────────────── ○議長(小島健一) 以上で、本日の日程は終了いたしました。  お諮りいたします。  明28日から10月14日までは、委員会における審査等のため休会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小島健一) 御異議がないと認めます。  よって、そのように決しました。  次回の会議は、10月15日午後1時に開きます。  本日はこれで散会いたします。誠に御苦労さまでした。                  午後4時7分 散会...