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  1. 宮城県議会 2022-09-01
    09月29日-04号


    取得元: 宮城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    令和 4年  9月 定例会(第385回)          第三百八十五回宮城県議会(定例会)会議録                              (第四号)令和四年九月二十九日(木曜日)  午後十時開議  午後三時三分散会      議長                     菊地恵一君      副議長                    外崎浩子君出席議員(五十六名)        第一番                  金田もとる君        第二番                  佐々木奈津江君        第四番                  石田一也君        第五番                  佐藤剛太君        第六番                  伏谷修一君        第七番                  松本由男君        第八番                  柏 佑賢君        第九番                  福井崇正君        第十番                  大内真理君       第十一番                  福島かずえ君       第十二番                  三浦ななみ君       第十三番                  枡 和也君       第十四番                  佐藤仁一君       第十五番                  渡邉重益君       第十六番                  わたなべ 拓君       第十七番                  伊藤吉浩君       第十八番                  八島利美君       第十九番                  瀬戸健治郎君       第二十番                  櫻井正人君      第二十一番                  村上久仁君      第二十二番                  高橋宗也君      第二十三番                  天下みゆき君      第二十四番                  三浦一敏君      第二十五番                  佐々木功悦君      第二十六番                  境 恒春君      第二十七番                  太田稔郎君      第二十八番                  高橋 啓君      第二十九番                  遠藤伸幸君       第三十番                  横山のぼる君      第三十一番                  庄田圭佑君      第三十二番                  遠藤隼人君      第三十三番                  渡辺勝幸君      第三十四番                  横山隆光君      第三十五番                  佐々木賢司君      第三十六番                  守屋守武君      第三十七番                  外崎浩子君      第三十八番                  池田憲彦君      第三十九番                  熊谷義彦君       第四十番                  岸田清実君      第四十一番                  渡辺忠悦君      第四十二番                  菅間 進君      第四十三番                  坂下 賢君      第四十四番                  ゆさみゆき君      第四十六番                  伊藤和博君      第四十七番                  佐々木幸士君      第四十八番                  高橋伸二君      第四十九番                  菊地恵一君       第五十番                  佐々木喜藏君      第五十一番                  石川光次郎君      第五十二番                  中島源陽君      第五十三番                  本木忠一君      第五十四番                  中山耕一君      第五十五番                  安藤俊威君      第五十六番                  畠山和純君      第五十八番                  藤倉知格君      第五十九番                  中沢幸男君欠席議員(二名)      第四十五番                  吉川寛康君      第五十七番                  仁田和廣君欠員(一名)        第三番-----------------------------------説明のため出席した者      知事                     村井嘉浩君      副知事                    遠藤信哉君      副知事                    池田敬之君      公営企業管理者                佐藤達也君      総務部長                   志賀真幸君      復興・危機管理部長              佐藤達哉君      企画部長                   千葉 章君      環境生活部長                 佐藤靖彦君      保健福祉部長                 伊藤哲也君      経済商工観光部長               千葉隆政君      農政部長                   宮川耕一君      水産林政部長                 吉田信幸君      土木部長                   千葉 衛君      会計管理者兼出納局長             冨田政則君      総務部参事兼秘書課長             相澤一行君      総務部財政課長                大町久志君    教育委員会      教育長                    伊東昭代君      副教育長                   嘉藤俊雄君    選挙管理委員会      委員長                    皆川章太郎君      事務局長                   後藤和隆君    人事委員会      委員長                    西條 力君      事務局長                   千葉幸太郎君    公安委員会      委員                     森山 博君      警察本部長                  原 幸太郎君      総務部長                   佐藤孝治君    労働委員会      事務局長                   小松直子君    監査委員      委員                     吉田 計君      事務局長                   武内浩行君-----------------------------------    議会事務局      事務局長                   阿部正直君      副事務局長兼総務課長             藤田信治君      議事課長                   菅原敏彦君      参事兼政務調査課長              川村 満君      総務課総括課長補佐              堀 喜昭君      議事課副参事兼総括課長補佐          二上秀幸君      政務調査課副参事兼総括課長補佐        千葉恵子君      議事課長補佐(班長)             我妻則之君      議事課主任主査(副班長)           狩野嘉孝君-----------------------------------    議事日程 第四号                令和四年九月二十九日(木)午前十時開議第一 会議録署名議員の指名第二 議第百三十九号議案ないし議第百四十三号議案、議第百四十五号議案ないし議第百七十五号議案及び報告第二十九号ないし報告第三十五号第三 一般質問  〔守屋守武君、遠藤隼人君、佐々木功悦君、村上久仁君〕-----------------------------------    会議に付した事件一 日程第一 会議録署名議員の指名二 日程第二 議第百三十九号議案ないし議第百四十三号議案、議第百四十五号議案ないし議第百七十五号議案及び報告第二十九号ないし報告第三十五号三 日程第三 一般質問      〔守屋守武君、遠藤隼人君、佐々木功悦君、村上久仁君〕----------------------------------- △開議(午前十時) ○議長(菊地恵一君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、お手元に配布のとおりであります。-----------------------------------会議録署名議員の指名 ○議長(菊地恵一君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 会議録署名議員に、五十一番石川光次郎君、五十二番中島源陽君を指名いたします。----------------------------------- △諸報告 ○議長(菊地恵一君) 御報告いたします。 公安委員会委員長山口哲夫君から本日欠席、公安委員会委員森山博君が代理出席する旨の届出がありました。----------------------------------- △議第百三十九号議案ないし議第百四十三号議案 △議第百四十五号議案ないし議第百七十五号議案 △報告第二十九号ないし報告第三十五号・一般質問 ○議長(菊地恵一君) 日程第二、議第百三十九号議案ないし議第百四十三号議案、議第百四十五号議案ないし議第百七十五号議案及び報告第二十九号ないし報告第三十五号を議題とし、これらについての質疑と、日程第三、一般質問とを併せて行います。 前日に引き続き、質疑、質問を継続いたします。三十六番守屋守武君。    〔三十六番 守屋守武君登壇〕 ◆三十六番(守屋守武君) おはようございます。自由民主党・県民会議の守屋守武でございます。昨日は様々ございましたが、議長のお許しをいただきましたので、県民の皆様の負託に応えるべく、気持ちを切り替えて、通告に従い一般質問をさせていただきます。 まず初めに、復興事業の進め方について伺います。 災害復旧を除く復興予算を活用した事業は、震災から十年目の二〇二〇年度内に工事を発注し、繰越期限の二〇二二年度に終わらせるとする復興・創生期間後基本方針のルールがあります。東日本大震災の復興事業は、一〇〇%に近い国の補助率で実施してきましたが、二〇二三年度以降に繰り越す場合は、通常事業として国補助二分の一となりますから、県や基礎自治体にとっては大きな負担となります。現在、気仙沼市内で進められている県の防潮堤工事十三か所のうち、八か所が年度内に終わらない見通しのようです。県全体として繰り越す工事及びその進捗状況について伺います。 今回の繰越しに伴う工事の進め方については、一旦打ち切りとするような話も聞きます。工事が更に遅れないようにすることと、受注業者にとって負担とならないようにしなければなりません。取扱いについて伺います。 復興事業が最終盤となる中で、早い時点で現状復旧した船揚げ場の使用について、漁業者から相談をいただきました。「船揚げ場だから船揚げ場に復旧したけど、フォークリフトで作業したいので一部を工夫してほしい。」この相談に対して、県から仮設対応でフォークリフト作業スペースをつくっていただいたと感謝しておりました。課題は、このスペースは、あくまで仮設であり、今の工事に附帯した事業なので、工事終了時には撤去しなければなりません。しかし、撤去されるとフォークリフトでの作業ができなくなります。対応としては、施設を残すこと、そして施設を維持することが発生しますが、現場作業に寄り添った弾力的な支援が必要ではないでしょうか。この点について伺います。 また、気仙沼・本吉管内は、農地海岸や建設海岸が多く、ここで漁業を営んでいる方も大勢おられます。これらの海岸から漁業に関する要望があると、農政や建設の担当では、漁業振興に対応する予算がないことからなかなか進みません。縦割り対応ではなく、地域に寄り添い、実情に合わせて対策できるようにするべきではないか伺います。 次に、水産業の振興について伺います。 宮城県藻場ビジョンの取組とブルーカーボンについて伺います。 宮城県では磯焼け対策として、藻場ビジョンを策定し、令和二年度から令和十一年度までの十年間で岩礁性藻場面積を現在の九百ヘクタールから一千八百ヘクタールに拡大するために、沿岸各浜を調査し、ハード・ソフトの取組を進めてきました。今年は親潮が強勢で冷たい海水が沿岸に寄ったことから、アカモクやコンブ類の海藻が例年より増えたようですが、海藻類の多くは一年周期で生え変わることから、持続性のある藻場をつくるための藻場ビジョンの着実な取組は重要です。今回の取組を一過性の事業とすることのないように、県、漁協、生産者は連携して、経過観察も含めて持続的に対応しなければなりません。まだ取組は緒に就いたところですが、多くの課題も見えてきました。今の取り組み状況について伺います。 次に、石巻市表浜地区で八月から投入が始まったアワビ増殖用プレート阿波美--阿波踊りの阿波に美しいと書くのですが、アミノ酸入りブロックで、徳島県や大分県などで実績があります。更に、柱状礁という柱形状のブロックとシェルナースというカキの貝殻が詰まったブロックを組み合わせて、藻場を再生する取組であります。この表浜の取組を先行して他の浜の参考となるように急ぎ進めるべきであると思います。また、各浜の取組、進捗に関する情報共有を図ることも必要であります。県の対応を伺います。 また、地元の林業で発生する間伐材を活用した藻場ブロックなど、地域循環型の取組をアイディア募集するなどの検討も必要ではないでしょうか。このような活動を通して、多くの人に磯焼けの現状を知っていただき、温暖化防止の機運が高まることを期待したいと思います。磯焼けは漁業者だけの問題ではありません。県の考え方と取組について伺います。 近年、藻場や海藻の養殖場は、温室効果ガス削減のためのブルーカーボン生態系として重要な役割を果たすと期待され、拡大への取組は世界的に支持する声が高まっております。長崎大学のグレゴリー・ナオキ・ニシハラ教授と、宮城県に本社を置く理研食品の佐藤陽一部長らの研究グループは、海藻の二酸化炭素吸収量を海水中に溶けた酸素の量から算出する方法で海藻類によるCO2固定能力の試算に成功したとのことです。グループの調査からCO2を固定できた日数の割合は、天然の藻場のほうが養殖より高く、たとえば、長崎県大村湾などの天然藻場で六〇%、宮城県松島湾のワカメ養殖場では五〇%強と高く、岩手県広田湾のワカメ養殖場では三四%、沖縄県のモズク養殖場では約二七%と低い割合となり、場所や品種によっても違いがあることが分かったとのことでした。国土交通省でも、地球温暖化防止に貢献するブルーカーボンの役割に関する検討会を設置して、ブルーカーボンを活用した環境価値の創出に関する検討を進めております。このようなことから、我が県の藻場ビジョンやワカメ養殖などの海藻養殖はカーボンオフセット効果が大いに期待できるものです。県として政策的に、また具体的な取組とするべきではないか、伺います。 漁村の活性化事業について伺います。 ウニによる食害が磯焼け要因の一つであり、藻場を再生、拡大するためにウニを除去することが求められております。一方でウニは、高級食材であり何とか活用できないか漁業関係者の中でも検討されてきました。気仙沼の漁業者は、磯焼け原因であるウニを間引きし、そのウニを閉鎖循環式の施設で畜養して通年出荷する計画を進めております。社会問題の磯焼けと浜の経済活性化を促すこの事業チャレンジに対し、みやぎ発展税やみやぎ環境税の活用等は検討できないか。また、何らかの県の支援は考えられないのか、伺います。 岩手県では、黄金のウニ収益力向上推進事業として、約二千万円の予算で四漁協に対してウニ畜養の委託事業を出しております。一漁協当たり五百万円の予算ですが、痩せウニを間引いて漁港内に移植し、夜間にLEDライトを照射して二十四時間明るい環境にすることで成熟抑制を図り、ウニのシーズンが過ぎても新鮮でうまいウニを道の駅などに出荷し、好評を得ております。この事業を行った越喜来漁協の舩砥組合長さんは、来年度は補助がなくても漁協の自主収益事業として取り組むと、意気込みを話しておりました。宮城県でも漁協の立ち位置に違いはあれど、地区漁協を中心とした自主収益事業の取組は漁村の団結と活性化を促す効果があります。今回の藻場ビジョンを動機にモデル的に進めてみる考えはないか伺います。 種苗育成事業の取組について伺います。 磯焼け対策と並行してアワビなどの磯根資源の種苗育成も安定的に進めなければなりません。当初予算で県内産アワビ種苗の購入補助費として約三千万円が予算化されました。県は宮城県水産振興協会に百万個のアワビの種苗生産を委託しておりますが、今年の種苗生産状況はどうなのか伺います。 ちなみに、大船渡の岩手県栽培漁業協会では九月までに三百八十七万個出荷したとのことです。一般的にアワビの種苗は大きいほうが生存確率は高いので、漁業者からは種苗がもう少し大きくならないか要望されております。県のアワビ種苗生産体制について現状と対策について伺います。 宮城県さけます増殖振興プランの見直しとこれからの見通しについて伺います。 秋サケは平成二十年度に来遊数が三百四十万尾、水揚げ金額は三十五億円を超えましたが、平成二十三年の東日本大震災以降は、回復基調にあった来遊数が減少傾向となり、県では宮城県さけます増殖振興プランを平成二十九年度から十年間の計画で策定し、増殖への取組を進めてきました。しかしながら、令和三年度の来遊尾数は三万七千尾であり、平成二十年度の約一%と極めて危機的な状況となり、関係する団体も厳しい現状にあります。このことから、令和三年度から令和八年度を対象期間とする第二期宮城県さけます増殖振興プランは大きく見直し、危機的な状況から脱却を図るべく取り組んでいくこととしました。県は本年度の来遊予測を六万七千尾とし、昨年度の三万七千尾を上回る見込みですが、それでも厳しい状況に変わりはありません。このことから、今年度は県内十六のふ化場では、ふ化場の機能を集散する形で、それぞれの特色を生かしながら継続する方向とのことです。また、海産新魚の活用や遺伝子交雑を避けるために制限があった他道県産種卵についても今年度は弾力的に活用する方針とのことです。今年度、あらゆる取組について県は全力で支援しなければなりません。我が県の亘理町から郷土料理のはらこめしをなくしてはいけません。知事の所見を伺います。 宮城の銀サケ養殖について伺います。 秋サケ漁の大不振やロシアのウクライナ侵攻などの国際情勢の悪化により、サケの需要は高まっております。宮城の銀サケ養殖は、活締めされた宮城サーモンや御存じ伊達の銀など日本を代表するブランドとなり、今年度県全体の数量は一万七千二百五十三トン、金額で百二十四億八千五百万円を記録し、水産宮城の象徴となりました。会派の水産議員連盟で銀サケの主な種苗育成施設である北海道斜里町の吉原水生と更別村のファミリーパークさらべつの二か所を五月と八月に視察してきました。この二か所で日本の銀サケ種苗の六から七割のシェアを持っており、どちらの施設も豊かな自然の中で、種苗育成に適した環境であり、これまでの経験で培われた技術を持っていることを確認したところです。特に八月に伺ったファミリーパークさらべつは、宮城県漁協で技術面などを支援していることもあり、宮城県漁協さんにも同行いただき、詳しく説明いただきました。現場を視察するとどちらの施設も老朽化しており、災害でも起きると我が県の銀サケ養殖は壊滅的な被害を受けるのではないかと危惧されます。特に更別は県漁協でも力を入れていることから、宮城県として何らかの支援策が取れないか、伺います。 今回、五号補正で「養殖業飼料価格高騰対策費」二千万円が補正されたことに感謝申し上げます。九月九日に開催された銀サケ事業者の会合では、不安定な国際情勢や円安による輸入原料が高止まっていることから、今後の飼料や稚魚の購入価格は更に値上げされる見通しとのことで、更なる支援の検討が必要だと思います。対応について伺います。 また、六月議会、高橋宗也議員の質問で、ギンザケの飼料に県産米が使われていることが話されました。震災後に水産庁漁業調整事務所の職員が宮城サーモンの再生に取り組むのであれば、飼料の成分中の小麦粉を県産米に変えられないか、と提案されて実現したそうです。この時は、岩出山地区の新みやぎ農業協同組合から商社を通して仕入れたとのことでありました。この県産米の飼料への配合に関して、飼料メーカーさんは「商社や養殖事業者さんにお願いしてみましょうか。」とのことでした。県からも宮城米の更なる活用拡大のために飼料業者さんや農協さんと連携して、商社やギンザケ事業者の方々に県産米の活用を勧めていくと良いのではないですか、伺います。 様々述べてまいりましたが、昨年開催された第四十回全国豊かな海づくり大会食材王国みやぎ大会は、コロナ禍の大会開催でありながら、すばらしい大会であったと思います。豊饒の海・三陸は私たちの財産です。藻場をつくり、沿岸養殖業を活性化することは、CO2削減効果があり、地球環境を守ることにつながることと改めて認識し、水産振興に取り組んでいただきたいと思います。知事の所見を伺います。 中学校部活動の地域移行について伺います。 運動部活動の地域移行は、スポーツ庁の有識者会議で提言案をまとめ、二〇二三年度から二〇二五年度末までの三年間を改革集中期間として、休日の運動部活動を段階的に地域移行することとし、令和八年度以降はできるところから平日についても移行していく方針が示されました。一方で、私立中学校については努力義務にとどまっております。今回、改革に取り組む理由は大きく二つあります。一つは、少子化で、中学生の人数は一九八六年がピークで約五百八十九万人でしたが、昨年はほぼ半数の約二百九十六万人まで減少し、更に少子化は進行しております。一方で、中学校の数は三十年間で一割程度しか減っておらず、学校単位の生徒数が減り、活動できない部活動が年々増えております。特に地方においては極めて顕著であります。もう一つは、教師の長時間労働で、日本の中学教師の一週間の仕事時間は五十六時間で、四十八の国と地域の中で最も長く、その原因として部活動や事務作業が挙げられております。この事を考えると、基本的な疑問が湧きます。「少子化による生徒の減少に合わせて中学校の数が適正であれば、どうなのか。」と思う一方で、教員の超過勤務は今回の部活動改革によって改善するのかということです。「茨城県守谷市では超過勤務対策として、二〇一九年から三学期制を二学期制とし夏休みを一週間短縮して、代わりに六時間授業を減らすなどして残業時間を半減した。」との記事が河北新報に載っておりました。宮城県においても、学校運営と教員の働き方改革の在り方を検討することも必要ではないでしょうか。教育長の所見を伺います。 昨年度、古川地区と白石地区の一校ずつを休日部活動の拠点校として進めてきました。報告書を見ますと、取組課題は指導者の確保対策で、市の教育委員会や民間の人材派遣会社に委託して取り組んだとの報告です。指導者派遣にとどまった内容でしたが、この2校は継続して取り組むのでしょうか。また、ここで見えてきた課題と成果について伺います。 また、次に受皿となる団体や指導者の確保に関して伺います。 提言では、総合型スポーツクラブなどを受皿としておりますが、総合型は受益者負担が原則であり、人口減少の激しい地方では、助成が無ければ総合型スポーツクラブの運営は厳しい状態です。また、体育協会は、高齢化が進み、運営基盤の弱い協会が多いようです。スポーツ少年団は、有資格指導者もおり、既に中学生が活動している団も多いことから可能性は高いのですが、やはり指導者確保や経済的支援は必要になります。このような状況から、受皿団体の育成が最も重要であり、地域実情に合わせて国・県が支援するべきであると思いますが、考え方について伺います。 同時に、有資格指導者の確保と育成が課題であります。指導者バンクの設置等も予定しているようですが、指導者のパワハラ・セクハラが話題になる昨今、運動部活動指導者のガイドラインの順守も含めて対策が必要であります。県の考え方を伺います。 今回の事業は、受益者負担を原則としておりますが、休日活動の費用として、生徒の保険代、指導者の謝金、施設利用料や移動にかかる経費等が想定されます。更に、困窮する家庭に対する支援についてはまだ明確にされておりません。経済格差が生徒の自主性を奪ってはなりません、これらの費用の取扱いをどのようにするのか伺います。 次に、事業の出し方と経費配分について伺います。 スポーツ庁は、今回の事業に関する二〇二三年度予算の概算要求で百二億円を要求し、この根拠は全国の中学校の三分の一を対象に算出したとのことです。これを受けて、県は事業予算についてどのように考えるのか。また、市町村の負担はどのようになるのか伺います。 また、事業を進めるに当たって最も重要なのは、事業を調整するコーディネーターであります。スポーツ庁では、初年度三千人を予定し、日当八千円で月十二日稼働の一年分と積算しております。宮城県三十五市町村に最低でも一人ずつ配置することが必要です。また、コーディネーターは有資格指導者、いわゆるクラブマネージャーやアシスタントマネージャーが適任かと思いますが、県の考え方について伺います。 次に、中体連の考え方について伺います。 部活動を地域に任せることで、民間クラブや複数校での合同活動をすることが想定されます。学校対抗を基本としてきた中体連の考え方を見直すことが必要となります。今後の運営方式とそれをいつ頃示すのか伺います。 今回の部活動地域移行は、中学生が地域や社会とのつながりを持つ活動としては、意義があると思います。一方で、学校という空間は生徒にとって大切なミニ社会の体現であり、思春期の子供たちにとって大きな成長の場所であります。その中で、部活動が担ってきた役割は決して小さいものではありません。夏の甲子園大会を制した仙台育英高校野球部の須江監督の「青春って密」、「優しさは想像力」の言葉からは、監督の八十名を超える全部員への愛情と信頼を感じ、技術と同時に心の成長が優勝への大きな力であったと感じました。今回の大改革は、教員の働き方改革だとか少子化と言われますが、主役はあくまで生徒です。子供たちの健やかでたくましい成長のために、どのように取り組むのか、教育長の所見を伺います。 以上で、壇上からの質問といたします。ありがとうございました。よろしくお願いします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 守屋守武議員の一般質問にお答えいたします。大綱三点ございました。 まず、大綱一点目、復興事業の進め方についての御質問のうち、来年度以降の完了見込み工事とその進捗状況及び工事の遅延対策などについてのお尋ねにお答えいたします。 県はこれまで東日本大震災に伴う復旧・復興事業について、今年度内の完了を目指し、取り組んできたところであります。その中で、現時点において、完了が来年度以降の見込みとなりますのは、防潮堤工事のうち災害復旧事業の鮪立漁港海岸、復興事業の日門漁港海岸、気仙沼漁港海岸魚市場前地区、大浦・波板地区の四地区となっております。いずれも気仙沼地域でございます。これらの事業は、先月末現在、進捗率が約五〇%から七〇%となっており、来年度以降必要となる事業費は四地区合わせて約二十六億円と見込んでおります。また、事業の継続に当たっては、復興事業精算後の速やかな再発注や発注方式の適切な選択などにより、工事の遅延対策や工事請負者への負担軽減に努めてまいります。県といたしましては、進行管理を徹底し、早期の事業完了に向けてしっかりと取り組んでまいります。 次に、大綱二点目、水産業の振興についての御質問にお答えいたします。 初めに、ブルーカーボンを活用した取組についてのお尋ねにお答えいたします。 令和二年に策定した宮城県藻場ビジョンに基づく藻場造成、ワカメなど海藻養殖の生産増大に向けた取組は、漁場環境の保全や水産物の安定供給に寄与するだけではなく、二酸化炭素を吸収・固定するブルーカーボンとして、温暖化対策への貢献が広く期待されております。このため県では、昨年度宮城県ブルーカーボン協議会を立ち上げ、ブルーカーボン算定方法の検討、モデル地区での実践、認知度向上のための普及啓発を推進しているところであります。今後は、藻場造成や海藻養殖におけるオフセット制度の導入など、ブルーカーボンの社会実装に向けた取組を推進するとともに、ブルーカーボンを契機として、我が県の海藻養殖が環境に配慮した水産業として評価されるよう、漁業者や企業の活動への支援などを含め、積極的に取り組んでまいります。 次に、サケ来遊尾数の激減への支援についての御質問にお答えいたします。 我が県のサケ資源は、漁船漁業だけではなく、水産加工業など関連産業も含め、本県水産業を支えてきた重要な魚種であると認識しております。県では、平成二十九年に策定した宮城県さけます増殖振興プランに基づき、持続的かつ安定的な資源造成が図られるよう取り組んでまいりましたが、近年の急激な資源の減少を受け、県内ふ化場関係者と協議しながら、プランの見直しを行いました。見直し後のプランでは、種卵確保対策やふ化場間の連携・機能分担による新しい体制の構築を進めるほか、環境変化に対応した稚魚の放流時期・サイズの検討など、回帰率の回復に向けた試験研究等に取り組むこととしております。県といたしましては、今後の来遊状況を注視しつつ、サケ増殖事業関係者や国、試験研究機関、他道県との連携の下、ふ化放流事業の継続と資源の再造成に向け、状況に即応したスピード感のある支援に努めてまいります。 次に、藻場造成や沿岸養殖業の活性化と地球環境保全のつながりを再認識した水産振興についての御質問にお答えいたします。 藻場造成や海藻養殖の増産は、磯焼け対策や沿岸養殖業の活性化などにつながるとともに、SDGsの理念にも合致し、二酸化炭素の吸収源として地球環境の保全に資する重要な取組であると認識しております。そのため県では、水産業の振興に関する基本的な計画第三期において、藻場造成などブルーカーボンの推進を重点プロジェクトの一つに位置づけております。また、昨年開催した第四十回全国豊かな海づくり大会では、海と山の強いつながりや環境保全の大切さを全国に向け発信するとともに、大会後は、環境保全活動の定着に向けて、森づくり活動や稚魚の放流、ブルーカーボンの推進など、更なる取組の展開を図っているところであります。県といたしましては、引き続きこれらの取組を推進し、環境と調和した持続可能で活力ある水産業の確立を図るとともに、宮城の豊かな海を次世代へ引き継いでいくため、関係者の皆様と一丸となり、全力で取り組んでまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 企画部長千葉章君。    〔企画部長 千葉 章君登壇〕 ◎企画部長(千葉章君) 大綱三点目、中学校部活動の地域移行についての御質問のうち、受皿となる団体の育成支援についてのお尋ねにお答えいたします。 県内には、総合型地域スポーツクラブやスポーツ少年団、体育協会などの地域スポーツ団体があり、これらの団体が地域移行の受皿として活動していくためには、その育成など整備充実が重要な課題の一つであると認識しております。県といたしましては、現在地域において受皿となる団体の現状、意向などの把握を進めており、今後は市町村の方針や国の支援策の動向を踏まえ、当該団体の整備充実に向けた支援方策について検討してまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 農政部長宮川耕一君。    〔農政部長 宮川耕一君登壇〕 ◎農政部長(宮川耕一君) 大綱二点目、水産業の振興についての御質問のうち、ギンザケ養殖の配合飼料への県産米活用についてのお尋ねにお答えいたします。 我が県の飼料用米は、そのほとんどが飼料会社を通じて畜産用の飼料に活用されており、全国的にも輸入飼料価格の高騰に伴い、需要は増加しております。また、県産ギンザケ養殖においても、配合飼料の一部に県産の飼料用米が活用されており、昨年産は約二百トンの利用実績があると伺っております。一方で、飼料用米の生産は、国の水田活用の直接支払交付金の助成があって初めて経営的に成り立つのが現状であり、当該助成が継続的、安定的に措置される必要があります。県といたしましては、こうした状況を踏まえ、農業者が安心して飼料用米の生産に取り組めるよう、同交付金の十分な予算措置と安定的な運用について国に要望するとともに、飼料用米全体の需給動向等を見極めながら、飼料会社やJAグループ、県漁協などと情報共有を図り、幅広く活用されるよう支援してまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 水産林政部長吉田信幸君。    〔水産林政部長 吉田信幸君登壇〕 ◎水産林政部長(吉田信幸君) 大綱一点目、復興事業の進め方についての御質問のうち、船揚げ場に設置した仮設構造物についてのお尋ねにお答えいたします。 東日本大震災の復旧・復興工事においては、漁港施設の一部の利用を制限して工事を実施するため、漁業活動への支障が生じないよう、必要に応じて仮設構造物で対応しております。仮設構造物につきましては、工事完成後に撤去することが基本となりますが、漁業関係者の高齢化などにより、漁港施設の利用形態に変化も生じていることから漁業関係者の御意見を伺いながら、利用者に配慮した漁港整備について検討してまいります。 次に、農地海岸などにおける漁業者の要望についての御質問にお答えいたします。 漁港海岸・農地海岸・建設海岸などは、それぞれの目的及び用途に応じて指定されており、漁業者からの要望に対しては、各海岸管理者の可能な範囲で対応しているものと認識しております。漁港区域以外の海岸で、漁港管理者が漁業活動のための物揚げ場など、新たな施設整備を行うためには、当該箇所をあらかじめ漁港区域に設定する必要があります。県といたしましては漁業者からの要望について、その内容や利用状況に応じて、各海岸管理者と情報を共有しながら、漁港区域の設定の可能性も含めて、地元市町や漁業関係者の御意見を伺ってまいります。 次に、大綱二点目、水産業の振興についての御質問のうち、藻場ビジョンの取組状況と課題についてのお尋ねにお答えいたします。 近年、我が県沿岸域では、アラメ・コンブ等の藻場が著しく衰退する磯焼けが発生し、ウニ・アワビなど磯根資源への影響が懸念されていることから、藻場造成の取組は重要であると認識しております。このため県では、令和二年に策定した宮城県藻場ビジョンに基づいて、磯焼け対策を推進しております。ハード対策といたしましては、石巻市表浜地区において、藻類着定基質の投入による藻場造成を実施しており、ソフト対策としては、漁業者で組織する八団体に対し、ウニ除去など、藻場の保全活動を支援しているところです。磯焼け対策の推進に当たっては、地元漁業者、漁協、関係市町等との緊密な連携のほか、海底の地形や水深など海域の特性に応じた取組内容の選択や対策後のモニタリングによる効果的な管理等が重要と考えております。県といたしましては、関係者との連携の強化を図りながら、引き続きビジョンに基づく磯焼け対策を推進し、藻場の造成と水産資源の維持増大を図ってまいります。 次に、整備の推進と取組の情報共有についての御質問にお答えいたします。 現在、藻場ビジョンに基づく整備の第一号である石巻市表浜地区では、藻場の造成と魚類やウニ・アワビなどの資源増大を図ることを目的として、海域の特性に合わせた三種類のブロックを設置しており、間もなく完成の見込みとなっております。県といたしましては、今後、漁協や市町、有識者等で構成する宮城県磯焼け対策会議において、表浜地区での整備内容や効果について情報共有を図るとともに、他の整備予定地区についても、地元説明会などによる周知を行い、漁業者等の意見を反映しながら、整備内容を検討し、早期の着工に向けて取り組んでまいります。 次に、地元素材の活用など、地域循環型の取組と温暖化防止の機運醸成についての御質問にお答えいたします。 魚礁などへの地元素材の利用については、地域資源の活用や環境保全に対する意識の醸成などの点で有効であると認識しております。このため、県といたしましては、今後、藻場ビジョンに基づくハード・ソフト対策を進めていく中で、カキ殻や間伐材の利用、海藻や野菜残渣等を活用したウニの畜養など、地域循環型の取組について関係漁業者や専門家の意見、アイディアも参考にしながら検討してまいります。また、県民を対象としたブルーカーボンに関するシンポジウムやイベントなどを通じて、県民の海洋環境への関心や温暖化防止の機運を高めるよう努めてまいります。 次に、ウニの畜養などの取組への支援についての御質問にお答えいたします。 ウニは、磯焼けの発生原因の一つである一方、重要な水産資源でもあることから、ウニを畜養し、身入り改善など商品価値を高めて販売する取組は、新たな漁業収入の確保や地元の産業育成等の観点からも、合理的かつ有効であると認識しております。陸上施設におけるウニの畜養については、クローバーや野菜の残渣等を餌として利用する研究をはじめ、県内各地で漁業者や民間企業、大学等によって取り組まれており、県も技術支援や取組内容の検討に参加するなど、連携して取り組んでいるところです。県といたしましては、今後、漁業者が実施するウニ等の陸上養殖事業に対し、技術支援を行うことに加え、具体的な取組内容、採算性や施設規模なども確認しながら、国の事業の活用も含め、支援の在り方について検討してまいります。 次に、ウニの畜養に関する漁協の自主事業についての御質問にお答えいたします。 漁協主体によるウニの畜養などの取組は、磯焼け対策をはじめ、地域のにぎわいや新たな漁業収入と雇用を生み出し得る有効な手段と認識しております。現在、漁協が中心となって、気仙沼地区では海面でのウニ畜養試験を実施しているほか、石巻地区では岩手県で行われている漁港内での畜養事例を視察するなど、新たな取組への機運が高まっております。県といたしましては、こうした取組が漁協の自主事業として展開され、モデル的な事例となり、漁村の活性化へとつながるよう漁協の意向や要望を確認しながら、先進事例の収集や情報収集、試験的な実施に向けた技術指導、漁港区域の活用に係る調整など、必要な支援を行ってまいります。 次に、今年のアワビ種苗生産の状況と生産体制の現状と対策についての御質問にお答えいたします。 アワビの資源造成は、漁業者の収入確保につながる重要な取組であり、県内漁業者から放流用種苗の安定的な確保と大型化を求める要望があることは承知しております。今年度の種苗生産は疾病によるへい死が発生したことから、生産数量が約七十万個と、計画の百万個を下回り、その一部は漁業者の求めるサイズよりも小さくなることが見込まれております。種苗生産を担う宮城県水産振興協会では、若手職員二名と経験ある県職員OB一名が生産計画数量の達成と健全な大型種苗の生産に努めておりますが、安定生産に向けては、新しい技術や設備の導入、疾病対策等の課題があると考えております。県といたしましては、飼育水の紫外線殺菌装置の導入支援や、取水整備のろ材交換による防疫対策強化と飼育環境の改善に取り組むとともに、協会職員に対する先進技術の研修等により生産技術の向上を図るなど、健全で大型な種苗の生産と放流数量の確保に向けた対策を講じてまいります。 次に、北海道のギンザケ種苗生産者に対する支援についての御質問にお答えいたします。 我が県のギンザケ養殖は、ブランド化の取組やサーモン人気の高まりなどから、近年堅調な生産となっており、県内の養殖種の中で最も生産額の高い重要な品目となっております。養殖用のギンザケ種苗は、種卵の大部分を北海道の二か所の養魚場から導入している状況にありますが、全国各地でギンザケ養殖が増えている中、将来にわたりギンザケ養殖を継続していくためには、県内外において安定した種卵・種苗の確保対策が重要な課題であると認識しております。県といたしましては、国内産種卵の安定確保に向けて、宮城県漁業協同組合をはじめとした生産者グループや、種苗生産を行う養漁場の課題・要望等も聞きながら、北海道を含めた県内外の種苗生産者に対して、県としてどのような支援ができるのか、検討してまいります。 次に、養殖業飼料価格高騰対策の更なる支援についての御質問にお答えいたします。 ギンザケの飼料価格につきましては、原料となる魚粉の価格上昇や円安などの要因から高騰が続いており、飼料代が生産経費の六割以上を占めるギンザケ生産者の経営に大きく影響するものと認識しております。飼料価格高騰対策としては、国の漁業経営セーフティーネット構築事業において価格上昇分の一定額が補填されますが、発動の基準価格が上昇傾向にあることから、養殖業飼料価格高騰対策費において飼料の使用量に応じた支援を行うこととしたものです。今後の飼料や稚魚の価格の先行きは不透明でありますが、このまま価格が上昇すれば、生産者の負担が大きくなることも想定されることから、価格動向やセーフティーネットの発動状況、我が県の生産者の経営状況等を引き続き注視しながら、必要な支援策を検討してまいります。 私からは、以上でございます。
    ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱三点目、中学校部活動の地域移行についての御質問のうち、学校運営と教員の働き方改革の在り方についてのお尋ねにお答えいたします。 県教育委員会では、学校閉庁日の設定や子供と向き合う時間確保のための業務縮減などを取組の柱とする教職員の働き方改革に関する取組方針を策定し、教職員の働き方改革に取り組んできたところです。引き続き、小中学校へのスクールサポートスタッフの配置を行うとともに、学校の働き方改革のための取組状況調査を踏まえ、会議の精選やICTの活用などの優良事例を紹介しながら、各市町村教育委員会が取り組む学校の働き方改革を支援してまいりたいと考えております。 次に、昨年度のモデル事業についての御質問にお答えいたします。 モデル事業は、休日部活動の地域移行に係る多くの課題の中でも、特に指導者の確保に重点を置き、白石市教育委員会と民間のスポーツ関連企業に委託し、二つの中学校で事業を進めてまいりました。これまでの取組から専門性の高い指導者の配置により、多くの生徒が技術やチーム力の向上を実感するなどの有効性が確認された一方、指導者が単独で休日に部活動を行う場合の施設の管理や事故発生時の対応などの具体的な課題が明らかになっております。県教育委員会では、引き続きこの事業を進めながら検証を行うとともに、様々な課題の解決に市町村とともに取り組んでまいりたいと考えております。 次に、指導者の確保や育成についての御質問にお答えいたします。 各市町村を対象に行ったアンケート調査においても、継続的な指導者の確保が課題として挙げられており、指導者の確保と育成は大変重要であると考えております。これまで県教育委員会では、部活動での指導ガイドライン等により、望ましい指導の在り方を示してまいりましたが、今後は中学校の休日部活動の地域移行の動きも踏まえ、社会教育の観点も取り入れたガイドライン等の改定や更なる普及、研修会の内容の充実を検討するなど、必要な資格や資質を備えた指導者の確保に向けて、関係部局と連携して取り組んでまいります。 次に、困窮する家庭に対する支援についての御質問にお答えいたします。 部活動の地域移行に関する検討会議からスポーツ庁及び文化庁に提出された提言では、経済的に困窮する家庭に対して、国や地方公共団体からの支援策を検討する必要があることが示され、今後スポーツ庁等から必要な施策についての通知や説明がなされることから、それを踏まえて検討する必要があると考えております。地域移行に必要となる経費や保護者負担については、各市町村の考え方や休日の部活動の実施方法などの状況によっても異なってまいりますが、希望する全ての生徒が参加できる制度設計が必要であると考えます。県教育委員会としましては、今後示される国からの財政支援の詳細について各市町村と情報共有しながら、必要な対策を検討してまいります。 次に、国の概算要求についての御質問にお答えいたします。 スポーツ庁及び文化庁が公表した令和五年度概算要求のポイントでは、部活動地域移行に向けた経費として、コーディネーター配置、運営団体の整備、指導者配置等については、国、都道府県、市町村がそれぞれ三分の一とされ、困窮世帯の参加費負担支援については、国、市町村がそれぞれ二分の一とする等の負担割合が示されておりますが、具体的な対象経費等の詳細についてはまだ明らかになっておりません。地域の実情により、中学校の休日部活動の地域移行が開始される時期は異なりますが、各市町村が必要とする財源が確実に確保されるよう、国に求めてまいりたいと考えております。 次に、コーディネーターの配置及び資格についての御質問にお答えいたします。 中学校の部活動を地域に移行する上では、関係者との連絡調整や安全管理、指導者の派遣管理などの業務を担うコーディネーターを、市町村で設置する協議会に配置することは有効であると考えております。コーディネーターの具体的な配置や資格については、設置者である市町村において決定されることとなりますが、県教育委員会といたしましては、市町村が地域移行を円滑に推進していけるよう、これから出される国の通知を参考に、コーディネーターも含めた市町村の推進体制のモデルを示してまいりたいと考えております。 次に、県中体連の運営についての御質問にお答えいたします。 日本中体連では、今年六月に都道府県中体連に加盟していることなどを条件に、特例として来年度以降の全国中学校体育大会への地域スポーツ団体等の参加を認めることを示しました。現在、県中体連で、県大会、東北大会での特例措置や合同チームの参加要件について、年度内の決定・公表を目途に検討を進めているところと伺っております。県教育委員会といたしましては、県中体連と情報共有し、中学生が日頃の練習の成果を発揮する機会が今後も確保されるよう、必要な助言等を行ってまいりたいと考えております。 次に、生徒が主役の改革とすべきとの御質問にお答えいたします。 部活動は、異年齢との交流の中で人間関係の構築を図ったり、活動を通して自己肯定感を高めたりするなど、大切な教育的意義を果たしてまいりました。今回の部活動の学校から地域への段階的移行は、広く関係者、関係団体が新たな姿をともにつくり出す大きな取組となります。こうした中で、最も一番に考えるべきことは、少子化が進行する中でも子供たちの成長の場、活躍できる場を確保していくことであり、保護者をはじめ地域社会の理解の下で取組を進めていく必要があるものと考えております。未来ある子供たちの成長は、地域社会において共通の喜びであり、公立中学校の部活動の地域移行に際して、子供たちの成長の場にふさわしい環境をつくることができるよう、県教育委員会としましては、関係団体との連携の下、市町村とともに取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 三十六番守屋守武君。 ◆三十六番(守屋守武君) ありがとうございました。若干再質問させていただきますが、まず繰越事業が二十億円を超えるということで、二分の一負担ということになるのではないかなと思っております。いろいろ交渉しているんだと思いますけれども、内容をちょっと調べましたが、不可抗力で伸びているんだなと。それで、このことに関して、やはり地域としては事業が遅れることのないようにすることが第一だと思います。その点について再度確認させてもらいます。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 四地区につきましては、気仙沼の皆さんに大変御迷惑をおかけをするということで、急いでやらなければならないと思っております。ただ、同時に、四地区合わせて二十六億円強の財源が必要になってくると、今までは一〇〇%近く国の財源でやれていたのが、これからは我々の負担が出てくるということになりますので、事故繰越もこれで終わってしまいますから、ほかの公共事業も見ながら優先順位をつけていかなければならないと、この点も御理解をいただきたいと思います。ただ、この四地区につきましては、遅れた分御迷惑をおかけいたしますので、なるべく急ぎたいという思いは持っているということでございます。 ○議長(菊地恵一君) 三十六番守屋守武君。 ◆三十六番(守屋守武君) 一番懸念しているところは一般財源になるという話なので、やはり復興という一つの流れをしっかりと捉えて配慮していただきたいと思っております。また、弾力的な海岸、それから作業場の使い方については了解いたしました。高齢化の中で、多分今後は、活動場所といったところの集約化も出てくるのだろうと思います。それまでは、高齢者の方々で頑張っておられる方々をサポートいただくというのは大事なことだと思っておりますので、地域の実情に合わせてしっかりと対応いただきたいと思っております。 藻場ビジョンについてお伺いいたします。実は、もともと食べる海藻に関しては、固定化しないということが言われておりまして、ブルーカーボンとしての価値という部分でどうなんだという話ですが、最近の研究の中ではこの海藻が成長する中で放出される物質、これ、難分解性溶存有機炭素という物質なんですが、これがブルーカーボンをためることに寄与するということが報告されているんですね。ブルーカーボンは地球温暖化対策のクレジットとして正確には認められてないということはありますけれども。日本全国でもそうなんですが、世界でも磯焼けが進んでいて、ここをいち早く打開し、しっかりと作業を続けていくということが大事だと思っております。磯焼けに取り組むことの中で、多くの副産物が出てくるのだと思っておりますので、その辺の取組をしっかりと手厚くやっていかないと、持続的に海藻が出てこないんですね。そこをしっかりお願いしたいと思います。そしてまた、ウニの取組に関して、様々やっているんです。海との関係性の中で、要は藻場をしっかりつくっていく。このブルーカーボンも、海洋生の中で、沿岸域の中で、貯蓄するものが実は物すごく多いわけです。これをしっかりやるためには、例えば、そういった海から間引きしたもの、これを畜養して産業に結びつけていくということにしっかり支援してほしいんですよね。例えば、みやぎ環境税やみやぎ発展税、これが適当なのかどうなのかということはあるにしても、ここをしっかりと後支えしていただきたいと思いますが、この点について再度確認をさせてください。 ○議長(菊地恵一君) 水産林政部長吉田信幸君。 ◎水産林政部長(吉田信幸君) ウニの畜養、磯焼け対策として除去いたしましたウニを活用しての取組ということでございます。県内のウニ畜養の取組事例、現在動いておりますのは七地域でやっております。そういった中で、実際に事業化を目指して取り組んでいるところ、あるいは、今一定の事業化をしているところもございますが、いずれにしてもいろいろと採算性の課題などもあるということで、なかなか難しい面があると聞いております。そういう意味で、実際事業化に取り組む事例に関しましては、やはり県としても今後のブルーカーボン、あるいは磯焼け対策、あるいは地域漁業の振興というような観点も踏まえますと、積極的に取り組む必要があるという認識でございますので、実際にどのような取組ができるかということなど検討しなくてはならない部分もありますが、いずれ漁業者の要望等を聞きながら対応を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 三十六番守屋守武君。 ◆三十六番(守屋守武君) 事業をやるという人の気持ちを大事にしたいし、今そのような人は少ないわけですから、まず一つはその人たちが浜と関わってやっていくことをしっかりサポートしないと駄目なんですね。それから、漁協さんが岩手県のように取り組んでいること、これというのは漁協の中でやる話。それと合わせて事業者がやるという形のものはスタンスを変えて考えないといけません。ここは、サポートしてもらわないとなかなか難しいと思いますから、しっかりと庁内で横の連携を取るように知事、お願いをしたいと思います。なかなかないんですよ。そこをお願いします。それで、サケ・マスについてなんですけど、その協会の以前の会長が高橋長偉元議員だったものですから、当時の思いの中でこの資料を見ますと、最近の回遊尾数の減少というのは、何とも大変厳しいなという思いをしておりますが、ここは令和元年には五万三千尾を放流しております。これが四年たって帰ってくるときでもありますから、この辺辛抱強くしっかりとサポートいただきたいと思います。それから、ギンザケにつきましても今主力になってきて、ほかでもやってきてるんですよ。それから陸上養殖もやってきてます。大事なのは、海を使うということだと思いますから、そこへの支えをしっかりとお願いしたいと思います。併せて言いましたけども、この取組に関して知事から一言お願いします。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) まず、ウニの畜養につきましては、新聞やテレビで取り上げられたので、南三陸でやっておられる事業者を実際に私見てまいりました。磯焼け対策にもなるということで、海から取ってきたウニを育てる。食べるものがないので中はからからなんですけど、ちゃんと餌をやって食べられるようにして、そしてそれを販売するという、いいサイクルをつくっておられる。この間の大雨のときに真水が入って薄まってしまい、そのウニが大量死してしまったと。自然のものですから難しいんだなという気がいたしまして、こういったようなものを行政がお手伝いすることは非常に重要だと思います。みやぎ発展税を使う、みやぎ環境税を使う、いずれもお金に色はついておりませんので、民間事業者の方がこういう方法でやりたいということがあって、それが環境にもつながることであれば、県の税金を使いながらでも支援するということは非常に重要ではないかなという思いを持っております。そういった事業者がおられましたら、しっかり相談に乗ってまいりたいと思います。それから、サケにつきましては、先ほども答弁いたしましたように環境が随分変わってきて、今、海が温かくなってきているので、残念ながらサケのほうが戻りたくてもブロックされて帰ってこれないと。恐らくどこかで死んでしまっているんだろうというようなことでありましたので、放流時期をどうすればいいのか、どういう育て方をすればいいのか、稚魚をどこまで育てればいいのか、そういったようなことをしっかり研究しながら。同じことをずっと繰り返していても恐らく環境は悪くなることがあってもよくなることはなかなかないと思いますので、そういった環境の変化に適応できるようにしっかりと研究しながら考え、また、併せて陸上養殖などもやり始めましたので、陸上養殖で特にシロザケは何に価値があるんだと聞いたら、やはりイクラは非常に価値があるということでありましたので、イクラをどのようにして採取できればいいのかと、陸上養殖と海洋養殖をうまく組み合わせて、そしてイクラをどうやって取ればいいのかといったようなこと。そういう流れをよく考え、研究していこうというような指示も今出しております。陸上養殖の新しい施設ができますから、そういった大きな課題を与えながら、しっかりとサケの養殖をなりわいとできるようにしてまいりたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 三十六番守屋守武君。 ◆三十六番(守屋守武君) 部活動の地域移行に関し、受皿団体について本文中でもいろいろ話をさせてもらいましたが、ここが一番大事だと思っております。例えば、そこの支援をしっかりと基礎自治体とやっていかないとこれはできないんだと思います。私もいろいろ会議に入ってやってますけれども、現状は一本釣りするしかないかなといった対応なんですよ。そうではなくて、この集中期間にしっかりとした受皿をつくっていかないと継続していけないですよね。ですから、今回のモデル事業は、表現が悪いけども、単純に指導者をそこに投げたというようなもので、これは来年につながるんですかという話になるんですね。地域の活動も活性化するということを含めると、地域の体育協会をしっかりとサポートして、そこに指導者の確保もしていくということがいいのかなと思っておりますが、いかがでしょうか。 ○議長(菊地恵一君) 企画部長千葉章君。 ◎企画部長(千葉章君) スポーツ団体の受皿の件でございました。答弁でも一部申し上げましたけども、現在、国でも概算要求としていろいろ考えているようでございます。八十億円程度の総額に対して事業があるということでございますけれども、内容はこれからということですので、よく説明を聞いて、市町村の話も聞いて、それで対応してまいりたいと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 三十六番守屋守武君。 ◆三十六番(守屋守武君) 話を聞いてやっているというよりも、どうしてシミュレーションしないのかという話なんですよ。いろんな形でもう出てきている話なんですよ。部活動の場所が居場所であった子供たちもたくさんいる。だから部活動に関して曖昧にしてしまったら、不登校が増えるのではないかと言っているんですよ。こういったことも含めて、しっかりとした受皿が必要だと言っている。それを、今のような答弁の中では前に進まない。地方自治体のほうはどうなんですか。県もはっきり示さないから、私たちもなかなかできないんだというふうになります。それはちょっと違いますが、どうですか。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 私のほうから、地域移行ということで、学校から、お願いする側からお話をさせていただきます。市町村によって本当に状況が違うということはそのとおりで、モデル事業ではあえてというか、本当にそういう受皿がないところでどうするんだということもあって、白石市の東中学校なんですけど、そこにお願いをし、スポーツ協会から推薦していただいたりなど、そういうやり方をしてみました。我々としては、出していく側として、一つのやり方で全部やるということはとても難しい話で、地域の状況は違うので、そういう中で子供たちのためにどうしていくのがいいのかということを考えて、こういうやり方もある、そういうやり方もあるというものを、ぜひお示ししていきたいと思っております。そうしたものを見ながら、各市町村の受皿となる団体、そして、それに対してしっかりと支援をしていくと、そういう動きをしていければと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 三十六番守屋守武君。 ◆三十六番(守屋守武君) 福島県の二十九の町村では、団体がないため、これをどうしていいのかということで、結局は教育委員会の負担になっている。ですから、ここはしっかり県が橋渡しをしなさいよという話なんですよ。ですから、今、何かいい例ができたからではなくて、既に取り組まなければならない話だと思ってます。そのくらいの実情、実はもう押さえているのではないかなと思ってます。それから指導者の確保という部分では、今までの部活動のガイドラインというのは教員は分かっているけれども、一般の指導者は分かっていないんです。子供たちに対してどういう指導をするのかということも含めて、団体がないといったことに対して一括してきちんとお互いに認識を持つことができないだろう、継続性がないだろうと思っているんですね。まずそこは大事なんでしょう。それとあわせて生活困窮の家庭の皆さん、ここでどういうふうにするのかということも出てきますから、そのこともしっかり考えないといけないんです。どうですか。 ○議長(菊地恵一君) 教育委員会教育長伊東昭代君。 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) お話のとおり、この部活動の地域移行の話というのが令和二年九月にスポーツ庁のほうから、令和五年度以降進めていくという方針が出されたときには、やはり具体的な中身というのが分からないということもあって、国の検討会議での検討というのを見てきたところがございます。今年出たときに、我々の、どうなっていくんだろうというポイントの一つとしては、部活動なのか・部活動ではないのかという点です。今まで学校でやっていた部活動を、まず休日だけでも出していくと、いずれ平日、ということなんですが、それは学校の部活動なんですか、それとももう切り離されたものなんですかというところが分からない状況がありました。そういう状況で、今回出てきた中ではやはり目指していくのは、もう部活動から離れていくということなので。もともと指導者の確保や財源の確保などいろいろな課題というのは見えていたんですが、やはり受皿というのは本当に大事な点であります。各市町村でもそうした検討組織というのを立ち上げたり、あるいはそういうものをつくっていこうという動きがあって、更にいろいろな形で、地域移行というか地域の団体に部活動の一部をお願いしている、そういう動きも出てきているところでございますので、そうした状況も見ながら、今後、困窮世帯への支援も含めて、財源的なものも具体的に非常に大きな課題になってくると思いますので、国の動きなどそうしたことをしっかりと踏まえながら、県教育委員会として、市町村とともに考えていくと。そして、いい形ができていければと考えております。 ○議長(菊地恵一君) 三十六番守屋守武君。 ◆三十六番(守屋守武君) 内容的には整っているように感じるんですが、一番気になるのは子供たちのために宮城県の教育はどうしたらいいのかという話なんですよ。部活動どうしようか、国が示さないから宮城県はやらないよという話はあり得ないですよね、教育長。子供たちにとって今までこれだけ大事だったものをどうするかということを、ある程度投げられていることに関して、国が示さないから、予算が示されないからというのはどうでしょう。一定の方向の予算は見ているけど、それをどう使うかということに対しても、実は私たちはこう使いたいから、こういうふうにしろと国に言うべきではないですか、知事どうですか。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 当然、主役は子供たちでありますので、その子供たちがどうあるべきか、特に心身ともに健やかに、元気に育っていくということが重要でございます。そこに力を置くというのは重要です。ただ一方で、やはり何をやるにしても財源が必要でありますし、それに対して、どうしても今の制度では、国の方針の確認を取ってやっていかなければいけないというジレンマもございます。守屋議員のおっしゃることはよく分かりますので、県の考え方というようなものをしっかりと国に伝えるように努力してまいりたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 三十六番守屋守武君。 ◆三十六番(守屋守武君) 声が大きいですが、怒っているわけではないですから。ただ、非常に大事な部分だと思っております。コーディネーターがしっかり各市町村教育委員会、各団体をコーディネートする。だけど受皿団体はどうするんだ、こういう形でつくって、そこを県がしっかり支援しますよということが出てくると。体育協会が活性化すると、地域の活動が活性化するんですよ。都市部と地方では違いますから。やはり地方のほうが負担は大きくなります、子供たちの移動も増えます。そういったことを踏まえて、実情を考えて対応いただきたいと思っております。このことは非常に大事なことだと思っております。あれが決まらないから、ではなくて、自分たちで決めて、子供たちのために進めていただきたいと思います。終わります。ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 三十二番遠藤隼人君。    〔三十二番 遠藤隼人君登壇〕 ◆三十二番(遠藤隼人君) 自由民主党・県民会議、遠藤隼人です。議長のお許しをいただきましたので、通告に従い質問させていただきます。 七月八日、安倍晋三元総理が参議院選挙の応援演説中に銃撃され、凶弾に倒れるという事件が発生しました。選挙期間中のこのような事件はまさに民主主義への冒涜であり、到底許されるものではありません。お亡くなりになられました安倍晋三元総理大臣に心より哀悼の誠をささげます。内政外交両面にわたる大きな功績、復興オリンピックの誘致、我が県の東日本大震災からの復興に対し大きなお力をいただいたことと思いますが、まず知事に、安倍元総理の我が県に対する貢献等への所感をお伺いいたします。 事件当時、私を含めまさか我が国でこのような事件が起きようとは想像もつかぬほどいわゆる平和ボケをしていたのかもしれません。この事件は、元総理の殺害事件として、歴史に未来永劫残ることでしょう。要人警護において、前例をただ踏襲していくような警備計画は慣れにつながり危険であり、今最も必要な議論は捜査や検証と同時に再発防止であるのだと考えます。我が県においても選出国会議員のうち二人が第二次岸田改造内閣において大臣に起用されたところでもあり、今月十二日に着任された原県警本部長におかれましては、警備関係の要職もこれまで歴任されてきたと伺いました。事件捜査や検証、対策に関しては警察庁において進められることと思いますが、対岸の火事とせず、まさに今この議会において議論すべきと考えます。警察庁は、八月二十五日、強固な殺意を持った襲撃を想定していなかった奈良県警の不十分な警護計画や現場の警護員間の意思疎通の不徹底など複合的要因が重なったとする事件の検証結果をまとめ、警察庁はこれによると、都道府県警任せにしてきた警護運用を見直して、基本的な事項を定めた警護要則を制定し直す等の発表を行い、同時に警察庁の中村長官が辞職。警護の問題点を指摘された奈良県警鬼塚本部長も八月三十日付で辞職されました。この検証結果の指摘では、最大の問題点は後方の警備が不十分で容疑者の接近を許したこととされ、その要因としては演説の直前に警察官の配置が変更され、前方の警戒に重点が置かれながら情報共有がなかったこと、当然手薄になる後方を警戒する警察官を補強する指示がなかったとされました。また、後方からの接近を許してしまった後、容疑者の一回目の発射後の対応も現場での問題点とされ、その発射音を銃によるものと警護員が即座に認識していなかったとされました。容疑者は、一発目の発射後、更に安倍元総理までおよそ五メートルの距離に近づき、二回目の発射を行っており、そこまでの接近を許した時点で物理的に襲撃を阻止することは不可能であったとされました。この一回目と二回目の発射の間には約二・七秒ありましたが、演台から降ろす等の措置もなされていなかった。また、警護、警備計画についても、この同じ場所で六月二十五日、茂木幹事長による街頭演説が行われており、奈良県警はこの際の警備計画を安易に踏襲し、具体の危険性を検討していなかった。不備がある警護、警備計画が作成されたのは、過程で必要な検討、指摘を組織として行っていなかったことが原因であると総括されていました。私がこの事件を知ったとき思い浮かんだのは、二〇一九年七月の参議院選挙の際、当時現職の安倍総理の演説中にやじを飛ばした男女二名を、北海道警が排除したことに対し、政治的表現の自由を奪われたと訴え、男女二名が勝訴した件でありました。三月に札幌地裁で出された判決でありますが、率直にやじが表現の自由ならば警護はやりづらくなるのではないか、と当時感じた事を思い出しました。私は、今回の事件の最も重要な視点は、選挙中の警護や警備の在り方であると考えます。私の経験上、秘書時代も合わせれば約十九年間、いわゆる要人警護の場に数多く立ち合いました。最も危険であるのは民衆との距離が近い選挙演説であると常々感じておりました。単純に講演会等とは違い、まさに不特定多数が集まること、また、時には握手や写真撮影などに応じることを政治家は望み、屋外であれば手荷物検査は不可能に近い、などなど。どう考えても選挙演説中の警護は難題が山積みであり、更に言えば人を集めるために大々的に告知を行うことも多い。聴衆と近く接しようとする政治家を守ることが、どれほど難しいかは想像に難くありません。警備を重視するあまり、有権者にとって政策を直接聞ける貴重な場である選挙演説を阻害してしまうことも、また民主主義の根幹に関わる問題であり、政治家と警備側の意思疎通や取決めが何よりも急がれるべきであります。このことに関して県警本部長にどのようなお考えか、伺います。 また、報告書によれば、制服警察官の配置についても奈良県警察本部及び奈良西警察署では遊説場所付近の周辺警備、交通整理の検討がなされなかったことも容疑者が遊説場所に接近することを許した要因とされました。これまで我が県におきましては、どのように制服警官の配置について検討、対応をしてきたのか、伺います。 また、このように警護を担う人材の育成に関しては、現在の警察庁及び都道府県警において実施されている警護に関する教養訓練は受講する職員の職務、技能、経験に応じて体系化されていないとも指摘し、警護の指揮を担う幹部及び警護員の育成のために警察庁がこれらの教養に係る体系的な計画を作成し、個々の職員がその職務、経験及び技能に応じた実践的教養訓練を受けることができるようにする、との記載があります。また、警護対象者への攻撃、突発事案、拳銃等の識別、瞬時の回避措置等が発生した場合における高度な教養訓練を警察庁が行うと同時に、都道府県警にもこの計画に基づく教養訓練を行わせることとし、受講者も拡充するとの記載があります。具体的に、体制の強化として警察庁は警備局警備運用部に新たな所属を設置、警視庁においては警護のエキスパートの警察庁への出向または派遣、都道府県からの派遣者の受入れの拡充、ともあります。宮城県警としてこの警護員や指揮を執る幹部の人材育成に関しての、これまでの取組、今後の見通しについて、今述べたような警察庁、警視庁の方針を踏まえ、今後どのように検討していくのか、伺います。 次に、今回の事件の警護についての検証においては冒頭に述べましたとおり、後方警戒の空白を生じさせたことを指摘しています。我が県におけるこれまでの警備計画において、この後方警備に関してはどのように検討及び運用がなされてきたのか、伺います。 この総括においても、このように記載がありました。インターネットを通じて誰もが銃器や爆発物の製造に関する情報を安易に入手できる状況を踏まえ、サイト管理者への削除依頼をはじめとする違法情報、有害情報対策、爆発物原料を安易に入手できないようにするための対策について、関係省庁、関係機関との連携を図り、推進するとありました。我が県においてのサイバーセキュリティー対策に目を移せば、平成二十九年にサイバー犯罪対策課を新設し、サイバー犯罪統括官を任命。多様化、多発するサイバー犯罪への対応を急いでおります。そのような中、今年二月二十四日よりロシアがウクライナに対し武力侵攻を開始し、現在まで長期化の様相を呈しております。長期化し国際社会がロシアに対する制裁を強める中で、最も懸念される犯罪の一つが、親ロシア派ハッカー集団によるサイバー攻撃であります。実際に今月六日に日本政府が運営する電子サイト、e‐Goⅴなど四省庁二十三サイトと地方税の手続きサイト、eLTAXが一時閲覧できない状態になり、親ロシア派ハッカー集団キルネットがSNSに犯行声明を書き込みました。更に七日に日本国政府全体に宣戦布告、との動画を公開。今回の手口はDDos攻撃と見られますが、これは分散型サービス妨害の略語で、まず多数のパソコン等を乗っ取り、そこから標的となるインターネット上のサイトを管理するサーバーに処理能力を超える大量のデータを送り付けることにより、サイトを表示できなくしたり閲覧しにくくする攻撃と言われています。アメリカのIT大手であるクラウドフレアによれば、このような動きはロシアによるウクライナ侵攻以降、規模や件数が急拡大しており、二〇二二年四月から六月のDDos攻撃は世界全体で前年同期二・一倍に増えたとのことです。また、長引くコロナ禍の影響も大きく、新型コロナウイルス感染症が世界で急拡大した二〇二〇年の二月から四月にかけて、金融機関を狙ったサイバー攻撃は二百三十八パーセント増加したというデータもあります。そして、問題点はコロナ禍によって急速に拡大したテレワーク、リモートワークにもあります。自宅の脆弱な環境の中、テレワークを行っていると、その端末を狙われる可能性が高くなるためで、家庭用ルーターでは安全管理が十分とはいえません。また、最近のサイバー攻撃ターゲットの動向としては、金融機関、官公庁、インフラ事業に加え、製造業への脅威度が増しております。具体に、我が国においても今年二月にトヨタ自動車がランサムウエアによる攻撃を受け、工場の全面停止となり、約一万三千台の生産に影響が出る事件がありました。我が県に本社を置くトヨタ自動車東日本も操業を停止しました。トヨタの供給網は六万社以上と言われていますが、僅か一社がセキュリティーを破られるだけで、このように大変な被害を受けます。昔は工場システムを設計する際にはインターネットには接続しないことが前提となっていたそうですが、現在はデータ活用のためにIoTの普及が進んでおり、不正アクセスのリスクは高まる一方であります。その中でも中小企業は予算をかけ、セキュリティーを高めることが難しく、このことを問題視した経済産業省が工場の情報セキュリティーの強化に向け、早ければ秋にもガイドラインを発行する、このように対策を具体的に示すのは初めてのことであり危機感の表れと取れます。るる申し上げましたが、我が県においても、サイバー攻撃に対する備えの整備は論を待ちません。これまで行ってきた対策及び注意喚起策、今後の整備計画等、まず知事にお伺いいたします。 そのような中、我が県においても宮城県警のサーバーが不正中継に使用されました。今年六月二十日午後七時頃から二十二日午前零時頃までの間、この不正中継は行われ、内容は英文で融資を持ちかけるもので県警のサーバーを中継しドイツ、ポーランドなど欧州に送られたとのこと。不正使用を受けたのは県警の職員が外部とメールをするサーバー。県警本部には再発防止はもちろんのことですが、この件に関し当時情報の流失等は認められないとのことでしたが、捜査の進んだ今も変わりはないでしょうか。また、今回の件を契機として、しっかりとした予算を確保し、万全なシステムの構築をすべきであるし、併せて県民への注意喚起に関して、これまでの取組及び今後の見通しを伺います。 更に、この分野において最も大切であり、困難でもあるのが、人材の確保であります。サイバー人材は警察のみならず、どの業界においてもその不足が叫ばれておりますが、人材確保に対するこれまでの取組及び今後の計画について伺います。 次に、コロナ禍の影響もあり、我が県においても被害が増加している特殊詐欺について伺います。 今年八月末現在の特殊詐欺被害の件数は二百二十一件。被害額に関しては三億五千二百四万円となっており、前年と比べますと件数で百六件の増加。金額で比べますと、なんと前年比一億八千六百五十七万円の増加となります。今述べました数字は、あくまでも被害届が正式に提出された金額であり、仄聞するところ被害に遭われた高齢者の中には、家族への発覚を恐れて被害届の提出をしない方もいるように伺います。そのようなことになれば、まさに本当はもっと多くの被害者がいて、泣き寝入りをする方がいる、その上で犯罪者が高笑いをしている。これまで必死に働き、蓄えてきた老後資金が犯罪者の資金源になることなど絶対にあってはなりません。現在は、警察組織のみならず、金融機関やコンビニ等との連携による声がけで、詐欺被害を未然に防ぐことができた例も増えております。警視庁では、「ストップ!ATMでの携帯電話」と題し、通話しながらATMを操作している人がいたら、声がけをして警察への通報を呼びかけています。我が県でも、地方銀行等と連携し、七十歳以上の高齢者が初めての振込先に振込を行うことに、防犯上の観点から、一定の制限を設けていただいていると伺いました。すばらしいことですが、これにより犯罪者組織は六十九歳以下の県民にターゲットを絞り始めるのではないかと危惧いたします。この年齢制限の引下げや、同時に、今後はいわゆるメガバンクにも協力を仰ぐ必要があるのではないかと考えますので、伺います。 更に、この電話しながらのATMの操作についても、これまでの宮城県警としての取組、今後の方針について伺います。 現在、警察庁では「ストップ・オレオレ詐欺47~家族の絆作戦~」と題し、特殊詐欺被害防止のため四十七都道府県警察とともに広報啓発活動を行っていると伺います。メンバーは杉良太郎さんやEXILEのメンバー、AKB48のメンバー、乃木坂46のメンバー等、全国的に知名度の高い皆さんを特別防犯支援官に任命し、活動しているとのこと。高齢者に直接訴求するという点では情報弱者となりやすいこの世代には、テレビ、新聞を媒体としての広報が効果的であると思います。この犯罪抑止広報において、インターネットやSNSをやっていない高齢者への働きかけは、現在限られたものにならざるを得ない現状があります。例えば、具体的に提案しますと、デジタルサイネージ等を活用することで、情報弱者である高齢者にも直接訴求ができ、かつ大々的にTVCMや新聞広告を打つよりも経費は比較的安価で済むように考えますが、このような方法はいかがでしょうか。この卑劣な特殊詐欺を防止するには、今述べたように高齢者の皆様に直接注意喚起すると同時に、家族への注意喚起が非常に有効ではないかとも考えます。だとすれば既に取り組んでおられるSNSでの情報発信も有効ですし、更に先に進めて、例えば若い世代が必ず活用しているLINEのスタンプのような、手軽に両親や祖父母に注意喚起しやすいツールの整備も有効かと思います。大きな予算も必要ありませんので、検討いただきたいと思いますが、これまでのこの家族への注意喚起と取組状況や今後の検討についてお伺いいたします。 この広報に関して、例えば山形県においては、山形新聞に特殊詐欺欄というものがあり、地元紙と密に連携しております、我が県においても特殊詐欺注意報などの連携はなされているかと思いますが、このような地元メディア、自治体との連携、協力体制について、これまでよりも被害が増えておりますので、更なる今後の検討状況を伺います。 この特殊詐欺という犯罪においては加害者の末端に出し子という役割があります。この役割を担うのは、主に地元でなく関東圏の人間なのかなと思いましたのが、今年三月に起こった地震により東北新幹線が運休していた際、この特殊詐欺の被害が減ったという報告を受けたときです。だからといって残念ながら、人の流れを止めてしまうことはできませんが、この出し子という犯罪に手を染めてしまったり、我が県でも今年三月に三人が逮捕されたような、犯罪で得た金銭を入れておく口座を犯罪組織に提供してしまったりということは、最近では主にSNSを通じて募集されることが多く、我が県での事案においてもSNS上のお金がない人を救済します、という書き込みで唆され、犯行に至っております。このSNSというツールを使うことによって、この末端の犯罪者が低年齢化しているということに危機感を覚えます。今年四月一日から我が国における成人年齢が十八歳に引き下げられました。当然の事ですが、これにより十八歳からクレジットカードの作成や借金が親の承諾なしにできるということになります。このことにより、犯罪行為へのリテラシーがまだ醸成されない若い世代が、ある意味では知らず知らずに、気が付いたら犯罪組織に巻き込まれ、いつの間にか自分も犯罪に加担していた、という例が県内でも増えてきていると伺います。この若者たちは加害者でありますが、ある意味では犯罪組織に利用された被害者であるとも言えます。このように、犯罪行為へのリテラシーが足らず、その後の人生に大きなハンディを負う若者を減らしていくこともまた、大切な政治、警察、行政の役割であると考えます。この犯罪に軽い気持ちや目先のお金欲しさで安易に飛びつかないように、高校生や大学生に対し、教育していくことが急務でありますが、このことについていかがでしょうか、伺います。 この綱の最後に、昨年十一月議会において、私の質問に、予算拡充し実施の答弁をいただきました特殊詐欺撃退装置への補助事業ですが、運用状況はいかがだったでしょうか。今年、被害者も被害額も大幅に増え、今後も更に特殊詐欺事案が増えることが予想されますので、来年度に向けて、更に拡充し、継続していくべきと考えますが、いかがでしょうか。お伺いします。 次に、我が県の宝である子供たちを守る幼児教育について伺います。 今月七日、静岡県牧之原市の認定こども園の通園バスで置き去りにされた園児が亡くなる事件が起こりました。被害者は三歳の女児で、水筒は空になり、洋服は脱ぎ捨ててあったとのこと。死因は重度の熱中症でした。五時間の置き去り。どれほど苦しかったか、同じ親として御両親の心痛は察するに余りあります。この事件はなぜ起こったのか。川崎幼稚園によれば子供たちの降車を確認しなかった、降車時複数人でのチェックをしなかった、クラスの補助職員が最終の登園状況を確認しなかった、登園予定の園児がクラスにいないのにクラス担任が職員や保護者に確認しなかった、等が理由であると言われました。意識の低い適当な仕事に怒りを覚えます。そもそも、通園バスにおいて同様の事件が昨年福岡県中間市において発生しており、その際文部科学省、厚生労働省は子供の出欠確認の情報を保護者への速やかな確認及び職員間における情報共有を徹底すること、乗車時や降車時に座席を確認し、職員間で共有すること、との通知を出していましたが、このような痛ましい事件がまた起こっていました。事件が起きれば通知を出す。そのことだけで再発防止効果は見込めなかったということです。この痛ましい事件を受けて、我が県においても私立幼稚園に対しては早急に私学・公益法人課でアンケート調査を開始し、すでに今月二十日には取りまとめ、結果も公表がありました。調査対象百四十園のうち、園バス運行しているのは百三十三園。このうち百一園はバス運行に関するマニュアルを作成済み。三十二園は未作成であるが、事件を受けて今後作成の予定、とのことでありました。バス運行に関するマニュアルは残念ながら現時点で義務ではありませんので、このマニュアル作成は事故防止の第一歩であります。このことに関して県として幼稚園、認定こども園、保育所、認可外保育施設に対しどのようにバックアップをしていくのか、具体的に伺います。 その後、国からの通知を受け、今月二十七日を期限とする詳細なアンケート調査の最中かと思います。その内容を見ますと安全管理について、その他として、バス内にセンサーを付けるなど車内に子供が残っていないか、見落としがないようなシステムを導入しているか、という設問がありました。このようにシステムやAIを活用した視点からのアプローチも有効であり、海外のように義務化の議論も起こっています。民間企業においてこのような装置の開発、販売が相次いでおり、例えばAIカメラで子供を感知する機械やバスのエンジンを止めたらアラームが鳴り、後方のスイッチを操作しないと止まらないため、強制的に後方を目視確認できる置き去り防止システム等が販売予定であると伺いました。当然問題となるのはコストであり、この補助について、今月十五日に小倉こども政策担当相が置き去りを防ぐ装置を導入する施設に対して、補助金を出すことを検討すると発言されました。非常に希望の持てる話でありますが、広域行政を預かる県として、このシステムの導入について、どのように考え、推進していくのか。今後実地調査として県庁職員の皆さんが施設を回ると伺っておりますので、その機会をどのように活用するのかも、併せてお伺いいたします。 また、次の設問では、車内に取り残された場合の危険性を伝え、緊急時には外部に助けを求めるため、車のクラクションを鳴らすなどの行動が取れるよう教えるなど、子供の発達に応じた支援を行っているか、ともありました。私もこのような考えはSNS等でよく目にしました。そのような状況にさせないのが大人の責任であるのは大前提でありますが、ある程度の年齢に達していれば、講習で実際にバスのクラクションを子供たちに鳴らしてみてもらうのも備えとしては有効に思いますが、このことを含めて十二月には保育従事者を対象にした安全管理研修を実施予定であるとも伺っております。この研修をいかに実りのあるものとするため検討しているのか、その状況をお伺いします。 国においては、こども政策担当大臣を議長とする関係府省会議において、十月の上中旬頃には緊急対策の取りまとめ予定であります。今回、地元の幼稚園型認定こども園にお伺いし、現場における現状等伺ってまいりましたが、やはり例えば完璧なマニュアルがあったとしても、それに慢心しては意味がない。コストをかけ、システム導入により予防できるかもしれないが、それではシステムに不備があったら、故障したらどうするのか。間違いなくこうすればよいのであるという答えはなく、やはり最後には繰り返しの現場での目視による確認や御両親への電話確認、職員間の意思疎通に勝るものはないのである、という御意見には納得をし、心強くも感じました。この幼児教育については、国においても県においても、施設により管轄がバラバラですが、子供たちを守る、育むという一点において、一つであると信じております。 最後に、非常通報装置の県内状況について伺います。重大事件の発生をボタン一つで警察に知らせる一一〇番非常通報装置が我が県における子供関連の施設に普及していない現状があります。本来、金融機関での導入が多いかと思いますが、二〇一六年の相模原市で起こった知的障害者殺傷事件を受け、子供関連の施設での設置が全国的には一気に進んだとのこと。しかし、我が県における設置数は、今年五月現在で十三か所であり、昨年十一月には登米市の認定こども園において刃物を持った男の侵入事件があったにも関わらず、普及しておりません。幼稚園や保育所は女性職員が多く、普及促進は子供たちの安全を守る観点から急務でありますが、現状認識と設置促進に向けた検討状況をお伺いします。 以上で、壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 遠藤隼人議員の一般質問にお答えいたします。大綱二点ございました。 まず、大綱一点目、県民を守る警察行政についての御質問にお答えいたします。 初めに、安倍元首相の我が県に対する貢献等への所感についてのお尋ねにお答えいたします。 一昨日行われた安倍元首相の国葬に私も参列し、長きにわたり首相としての重責を担い、我が国の内政外交の両面において、多くの実績を上げられた御功績に対し、感謝の意をお伝えするとともに、被災者を代表する気持ちで哀悼の意を表してまいりました。安倍元首相には、在任中、我が県に幾度となく足をお運びいただき、被災者の声に耳を傾けていただくとともに、全閣僚に対しては全員が復興大臣であるとの思いで対応するよう指示をしていただくなど、様々な御支援をいただきました。医学部の新設や仙台空港の民営化など、復興の過程で実現した政策は数多くあり、壊滅的な被害を受けた我が県の復旧・復興がここまで進んだのは、安倍元首相のリーダーシップによるものであると考えております。改めて感謝を申し上げ、謹んで御冥福をお祈り申し上げます。 次に、企業の情報セキュリティー対策についての御質問にお答えいたします。 県内企業の情報セキュリティー対策につきましては、国の注意喚起に関する情報等を関係団体を通じ、随時提供してきたほか、生産性の向上に合わせて、デジタル化を進める中小企業に対しましては、情報セキュリティーに要する経費を補助対象に加えるなど、対策を講じてきたところであります。今年度は更に、独立行政法人情報処理推進機構がサイバーセキュリティーお助け隊として登録している安価で使いやすい情報セキュリティーサービスを中小企業に対して紹介するなどの支援を行っているところであります。今後も、宮城県情報サービス産業協会等と連携をしながら、これらの取組を継続していくとともに、セミナーでの周知やアドバイザー派遣の強化を通じて、情報セキュリティー対策をはじめとした県内中小企業のデジタル化対応にしっかりと取り組んでまいります。 次に、大綱二点目、子供たちを守る幼児教育についての御質問にお答えいたします。 初めに、送迎バスの運行に関するマニュアル作成等に係る県のバックアップについてのお尋ねにお答えいたします。 現在、県内では二百二十七の幼稚園や認定こども園などが送迎バスを運行しております。先般の静岡県における事故の発生を受け、我が県では先行して私立幼稚園について調査を行い、各園において一定の安全確保策が講じられていることを確認したところでありますが、その後国においても関係府省会議が開催され、地方公共団体の協力の下で緊急点検を行った上、安全管理マニュアルの整備等の再発防止策を盛り込んだ緊急対応策を十月中に取りまとめる予定と伺っております。県といたしましても、マニュアル作成等は有効な対策と受け止めており、今後国から示される方針を踏まえながら、各園の状況に応じた優良事例等の共有を図るとともに、個別の相談にも丁寧に対応しながら、取組を支援してまいります。 次に、車内への置き去り防止システムの導入と実地調査の活用についての御質問にお答えいたします。 置き去り防止システムの導入は、送迎バスの安全管理に一定の効果があるものと認識しており、国においても、安全装置の設置義務化や財政支援など、幅広い検討が行われているものと伺っております。県といたしましては、こうした国の動向や今後の実地調査で把握した各園の運用状況等を踏まえながら、システムの導入をはじめ、各園が適切な対策を講じることができるよう、必要な助言等を行ってまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。    〔保健福祉部長 伊藤哲也君登壇〕 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 大綱二点目、子供たちを守る幼児教育についての御質問のうち、今後の安全管理研修についてのお尋ねにお答えいたします。 保育・教育施設においては、バスの置き去りなどの事故も含め、食物アレルギーや防災・防犯など、日頃から多方面での安全配慮が不可欠であることから、県では施設職員による危険性の予知やヒューマンエラーの組織的な防止に向けた研修の受講を勧奨しながら、安全対策を促進してまいりました。一方で、これまではバス運行に特化した対策や閉じ込められた場合の子供自らの安全確保行動についての内容はなかったため、十二月に予定している安全管理研修においては、今回の置き去り事案を例に、重大事故の発生要因に係る理解促進のほか、発達段階に応じて子供でも実践できる具体的な安全確保策の考察などもプログラムに盛り込みたいと考えております。あわせて、研修会に出席できなかった保育施設等に対しても、幅広く実践いただけるよう資料等を配布し、安全対策の向上を図ってまいります。 次に、非常通報装置の現状認識と普及促進の検討状況についての御質問にお答えいたします。 ボタンを押すだけで、警察や警備会社に非常事態を知らせることができる通報装置は、緊急事案発生の際に有効であると認識しております。保育施設等の通報装置や防犯監視システムの設置については、国庫補助制度も活用できることから、市町村や事業者に対して周知を図っているところです。また、昨年十一月に県内で発生した認定こども園における不審者侵入事案に関しては、不審者を発見してから一一〇番通報するまで約十分の時間があったことなどを踏まえ、具体的な迷惑行為がなくても積極的に通報することなど対策のポイントや警察からの具体的なアドバイスを取りまとめ、市町村を通じて各施設にお知らせするとともに、地域警察署と連携した実地訓練も促進しております。引き続き様々な機会を捉えて、非常通報装置や設備導入などのハードも含む防犯対策の徹底について指導助言を行ってまいります。 私からは、以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 警察本部長原幸太郎君。    〔警察本部長 原 幸太郎君登壇〕 ◎警察本部長(原幸太郎君) 大綱一点目、県民を守る警察行政についての御質問のうち、選挙演説における主催者側と警察側の意思疎通などについてのお尋ねにお答えいたします。 本年七月八日、奈良県において選挙遊説中の安倍晋三元内閣総理大臣が凶弾に撃たれ、貴い命を落とすに至った事案については痛恨の極みでございます。警護における警護対象者の安全確保は警察のみでは対応できることではありませんが、警護を実施する場所において、想定される危険や警護対象者直近への身辺警護員の配置、装備資機材の設置について説明を尽くして、その理解と協力を得ることが重要であると考えております。これまでも選挙演説等における警護に関しましては、その都度、主催者側との打合せ・現場確認を実施して意思疎通を図り、徹底した警護警備を実施しております。今後も引き続き主催者側と緊密に連携しながら、警護の万全を尽くしてまいります。 次に、選挙演説における制服警察官の配置についての御質問にお答えいたします。 今回制定されました新たな警護要則では、警護計画に基づき警護に従事する警察官を警護員と定義しており、交通整備や雑踏整理に当たる警察官も警護員であることが明示されました。これまでも警護現場においては、現場の状況やその時々の情勢を総合的に判断し、適切に制服警察官を配置しております。引き続き、警護の現場に応じて必要な制服警察官の配置を検討してまいります。 次に、警護員等の人材育成についての御質問にお答えいたします。 県警察では、警護の重要性に鑑み、これまでも定期的または必要に応じて、警護員に対し、基本訓練や銃器等の使用を想定した実践的な教養・訓練を行っております。また、県警本部警備課に警衛警護対策官を配置し、実際に警護現場で指揮を執る警察署幹部に対する実践的な指導・教養を行うなど、幹部の人材育成を図ってまいりました。今後は、新たな警護要則に基づく教育訓練計画に従い、警護員をはじめ警護現場で指揮を行う幹部等についても、実践的かつ高度な訓練を行うこととしております。更に、警護員の警視庁研修についても、引き続き受講させ、警護技術の向上を図ってまいります。 次に、警護計画における後方の警戒についての御質問にお答えいたします。 警察庁の検証結果によりますと、奈良県で発生した事案は、安倍晋三元内閣総理大臣の後方の警戒が不十分だったことなどが原因となり、発生したものと承知しております。県警察といたしましては、選挙演説時の警護について、これまでも主催者側と事前の打合せを行い、演説場所の選定や装備資機材の活用など警護対象者の安全を確保するために必要な申入れを行っております。また、警護計画の策定に際しては、後方に限らずあらゆる方向からの攻撃を想定した警護員の配置を行っております。なお、警察庁において、ドローン等の装備資機材の導入も検討されていると承知しておりますので、今後はそれらの装備資機材を有効に活用し、更に警護の万全を期してまいります。 次に、県警察のメールサーバー不正中継事案と県民の方々への注意喚起に関する今後の取組等についての御質問にお答えいたします。 本件事案については、県警察のメールサーバーを介して不特定多数の方にメールが送信されたものでありますが、幸い不正メールの送付先から被害の届出はなく、これまでの調査結果から、警察情報の流出も一切確認されておりません。同種事案の防止のため、県警察の情報管理システム全体のセキュリティー設定を見直すなどの対策を既に講じております。また、県警察で巧妙化・多様化するサイバー攻撃等に対処するため、県内の自治体、企業等で構成する宮城県サイバーセキュリティ協議会において、官民一体となって、専門機関等からの講師を招いた各種研修会を随時開催するなど、サイバー空間の脅威に関する最新の情報を共有しております。更に、県民の方々に対する各種防犯教室の開催や県警ホームページを活用した広報などを通じて、最新の手口に対するタイムリーな注意喚起に努めております。今後ともこれらの対策を更に発展させ、県民の方々のサイバーセキュリティー意識の向上に取り組んでまいります。 次に、サイバー人材の確保に対するこれまでの取組及び今後の対応についての御質問にお答えいたします。 県警察においては、平成十三年度以降、情報技術に高い知識・技能を有する者をサイバー捜査官として特別採用しているほか、全警察職員を対象としたサイバー犯罪等対処能力検定制度やサイバー人材育成計画などを策定し、県警察全体においてサイバー人材の育成を図っております。今後ともデジタル化社会の到来や情報技術の進展に伴い、サイバー犯罪は様々な変化が予想されますので、県警察としても喫緊の課題として、引き続きサイバー人材の採用と育成を図り、サイバー空間の脅威に迅速かつ的確に対処してまいります。 次に、特殊詐欺被害防止対策における地方銀行等との連携、ATM対策についての御質問にお答えいたします。 昨年来、被害が増加している還付金詐欺の被害者の多くは六十五歳から六十九歳の方であり、ATMでの振り込み制限の年齢引下げは、その被害防止に大きな効果をもたらすことが期待できるため、県警察では現在、県内の金融機関に振り込み制限の年齢引下げを強く働きかけております。また、ATMでの携帯電話利用については、金融機関等と連携して、「ストップ!ATMでの携帯電話」運動を展開し、広報啓発用ポスターの活用や警察官の巡回広報を実施し、周知を図っております。今後とも、関係機関・団体と連携した被害防止対策を推進し、「ATMでの携帯電話の通話は、しない、させない」という意識が定着するよう強力に取り組んでまいります。 次に、デジタルサイネージなどの活用についての御質問にお答えいたします。 御指摘のありましたとおり、デジタルサイネージ、いわゆるテレビ画面などの表示機器を利用した特殊詐欺被害防止の広報啓発は、高齢者をはじめ、年代を問わず効果的に広報できる有効な手段であると認識しております。県警察では、商業施設、病院、官公署等に働きかけ、それらの施設に設置されたデジタルサイネージなどにおいて、特殊詐欺被害防止広報用の動画や静止画による注意喚起・広報啓発を実施しております。今後ともデジタルサイネージなどによる特殊詐欺被害防止広報の拡充をしてまいります。 次に、特殊詐欺被害防止における家族への注意喚起と今後の取組についての御質問にお答えいたします。 御指摘のありましたとおり、若い世代が活用しているツールを利用した注意喚起は、特殊詐欺の被害防止対策に有効な手段であると認識しております。県警察では、高齢者の家族への注意喚起の取組として、小学生や園児などに被害防止を啓発するチラシなどを配布し、各家庭で祖父母らに手渡してもらい、孫世代による高齢者への注意喚起を実施しております。また、高齢者をはじめ、その家族に向けた特殊詐欺被害防止の広報として、デジタルサイネージやテレビCM、新聞、SNS等様々な広報媒体のほか、関係機関・団体と連携し、高齢者宅への巡回等による注意喚起・広報啓発を実施しております。引き続き、SNSなどによる情報発信方法の拡充を含め、若い世代や高齢者の家族への注意喚起等について取り組んでまいります。 次に、地元メディアなどとの連携状況についての御質問にお答えいたします。 御指摘のありましたとおり、特殊詐欺被害が増加していることから、県警察ではその被害防止対策を強力に推し進めるため、多くの地元メディアの御協力をいただき、定期的に特殊詐欺の被害状況や犯行手口の広報を実施しております。引き続き、地元メディアなどの御協力をいただきながら、特殊詐欺への注意喚起が広く県民に届けられるよう、効果的な特殊詐欺被害防止対策を推進してまいります。 次に、高校生や大学生の犯罪加担防止対策についての御質問にお答えいたします。 特殊詐欺などの犯罪においては、その犯行グループによる受け子などの募集方法の一つとして、SNSが多く利用されているものと承知しております。県警察では、募集行為等と認められる不適切な書き込み等を発見した際は、SNS上で個々に警告を行い、犯罪への加担防止を図っております。また、高校生や大学生が安易に特殊詐欺などの犯罪に加担、あるいは被害者になってしまうことがないように、非行防止教室や防犯講話などにおいて、その危険性や重大性について指導・注意喚起をしております。今後とも、高校生や大学生の世代に対して、特殊詐欺をはじめとした犯罪行為への加担などを防止するための取組を推進してまいります。 次に、撃退装置購入費補助金事業についての御質問にお答えいたします。 今年度の特殊詐欺電話撃退装置等購入費補助金交付事業については、補助件数を三百件分に拡充するとともに、撃退装置だけではなく、撃退装置と同等の機能を有する固定電話機も補助対象といたしました。六月十五日の申請受付開始直後から多数の方々の申請が寄せられ、八月二日時点において、補助金の予算上限見込みに達したことから、申請の受付は終了いたしました。現在のところ、昨年度を含め、これまで設置した方の被害は確認されておらず、また、不審電話が減って安心したなどの御意見をいただいております。このことから、被害防止対策に一定の効果があるものと認識しております。来年度における本事業の継続・拡充に向けた検討を進めるとともに、自治体による同種事業の創設の働きかけや撃退装置等の設置を促進し、効果的な被害防止対策を一層推進してまいります。 以上でございます。 ○議長(菊地恵一君) 三十二番遠藤隼人君。 ◆三十二番(遠藤隼人君) ありがとうございました。まず最初に、特殊詐欺について一点お伺いしたいと思いますが、この数字、私、質問で取り上げさせていただく際にお伺いして、被害額の大変な増加だなと思っておりました。それも、コロナ禍というのもありまして、御高齢者の皆様の在宅率が上がっているということも要因の一つなのかなと思っておりますけれども、そういった部分において、百六件の件数増、そして一億八千六百五十七万円の被害額が増加しているということです。これは、取りも直さず県民の皆様が御自身の老後資金として必死に蓄えていらっしゃったお金であります。これが犯罪組織にわたり、その資金源となる。本当にそうなってしまいますので、絶対に許されない犯罪行為であります。このことに関して、今撃退措置という部分に関しては、前向きな御答弁を頂戴したのかなと思っておりますが、今、御答弁にもございましたように、今のところこの装置があれば被害に遭われた方は、確認されていないということでありますので、今、前向きな御答弁をいただきましたが、ここの部分はぜひ拡充し、また来年度もお願いしたいなと。もう一言お願いいたします。 ○議長(菊地恵一君) 警察本部長原幸太郎君。 ◎警察本部長(原幸太郎君) 議員御指摘のとおり、特殊詐欺の被害というものの重要性を踏まえれば、あらゆる手段を講じてこれを封圧しなければならないという認識で、警察本部としても組織を挙げて取り組んでいるところでございます。そのうちの撃退装置、これも非常に有効な手法であるということから、重要な対策の一つとして推進に努めてまいりたいと考えております。御協力をよろしくお願いいたします。 ○議長(菊地恵一君) 三十二番遠藤隼人君。 ◆三十二番(遠藤隼人君) よろしくどうぞお願いいたします。それでは次に、子供たちの安全ということで、今回幼児教育と書きながらも、バスの安全管理云々というところで質問させていただきました。この置き去り防止システム等の導入という部分に関しては、今、国のほうでスキームを考えている状況なのかなと思います。これが決まらなければ、県としてもどういったお手伝いというか、どういったことができるのかというのはまだ分からないかなと思いますけれども、通常でいえば国の補助といいますか、そういったものが決まり、その足らざる部分というものがもしあるのだとすれば、直接自治体でそれを補填していくというような形が今までの形なのかなと思っておりますが、そこの部分、仮定の話はしづらいかと思いますが、その思いというんでしょうか、知事に一言いただきたいと思います。 ○議長(菊地恵一君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) まず国が今いろいろ検討していると先ほど答弁いたしました。国の方針・考え方を見ながら、足らざるところがございましたならば、行政としてもいろいろお手伝いをしていきたいと思っております。 ○議長(菊地恵一君) 三十二番遠藤隼人君。 ◆三十二番(遠藤隼人君) どうぞよろしくお願いいたします。また、この講習というんでしょうか。携わる皆様に向けての講習を予定しているということでありました。そこの部分において、私もこの意見を聞いて、なるほどなと思ったんですが、どうしても我々大人できちんと子供たちを守らなければならない。だけれども、現場の皆さんに聞くと、やはり、どんなに注意しても、どんなにしっかりとマニュアルを守っても、どうしてもヒューマンエラーというものは生じてしまう可能性があるということです。そこの部分において、もしそうなってしまったとき、バスに置き去りになってしまった子供たち自身で、行動を起こせる子供もいるかと思います。そういった部分に関してのアプローチというものを、今考えているというお話があったかと思いますが、そこの部分、もう少し詳しく、もう一度お願いいたします。 ○議長(菊地恵一君) 保健福祉部長伊藤哲也君。 ◎保健福祉部長(伊藤哲也君) 先ほど御答弁いたしましたように、十二月に安全管理研修を予定しております。それに向けて講師の方ともよく打合せしたいと思っているんですけれども、今回の静岡県での事故につきましては、通常の対応をしていればそういうことはあり得ないというのが一般的な反応ではないかと思うわけであります。しかしながら、実際にあり得ないと思っていることでも、実際に起きているという事実があることですので起こり得るんだということ、それからその要因と対策について、しっかり理解してもらうことが大事だと思っております。その一環として、職員のみならず、子供の立場に立った安全確保行動という観点からもどのような体制ができるのか。そのことを踏まえて、多重的な事故防止について考えを深めるような、そんな研修になればと思って考えているところであります。 ○議長(菊地恵一君) 三十二番遠藤隼人君。 ◆三十二番(遠藤隼人君) ありがとうございました。おっしゃるとおり多重的な措置ということで、検討を重ねていくということが、子供たちを結果的に守っていく優しい行政というものにつながっていくのかなと思いますので、そのことを一言お願い申し上げまして、私の質問を閉じさせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(菊地恵一君) 暫時休憩いたします。    零時六分休憩-----------------------------------    午後一時十分再開 ○副議長(外崎浩子君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 質疑、質問を継続いたします。二十五番佐々木功悦君。    〔二十五番 佐々木功悦君登壇〕 ◆二十五番(佐々木功悦君) 大綱五点について質問いたします。 大綱一点目、政府の原発新増設等の方針転換について伺います。 八月二十四日、岸田首相は、これまで既設原発の再稼働を推進する一方で、原発の新増設、建て替え、リプレースを想定しないとする東日本大震災以降の方針を大きく転換し、原発の新設や増設を表明いたしました。この新たな方針は、将来にわたり原発に依存し続ける姿勢を露骨に打ち出したもので、十一年前の東京電力福島第一原発の大事故の教訓を忘れ、新たな安全神話をつくり出す原発回帰の道をたどる国策の大転換と言えます。昨年決定したエネルギー基本計画において、原発はベースロード電源として必要な規模を持続的に活用すると決めましたが、同時に今後再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減すると記述されております。今回、この立場を完全に投げ捨てたことは重大です。既存原発の再稼働にさえ、多くの立地地域住民の理解が得られない国策への不信の現状を見れば、国民的な議論のないまま、原発の新増設・建て替えを進めることは問題があります。岸田首相は、「国が前面に立ってあらゆる対応を取る。」と表明しましたが、国が前面に出て何をするかが全く不透明です。温暖化ガス削減とウクライナ危機を踏まえ、エネルギーの安定供給を両立する上で、原発の役割は無視できないとの考えから方針転換をされたと思われますが、今、国がやるべきことは高レベル放射性廃棄物、核のごみがどんどん積み上がる中で、核燃料サイクル事業も全く見通しが立たず、核ごみの最終処分場もめどが立たない現状など、本質的な課題に向き合う姿勢を示すことが先決ではないのかと思います。今年の七月、東京地方裁判所は、東京電力旧経営陣に対して十三兆円超の賠償を命じた判決で、原発事故が起きれば、国土の広範な地域や国民全体にも甚大な被害を及ぼし、地域の社会的・経済的コミュニティーの崩壊や喪失を生じ、ひいては我が国そのものの崩壊につながりかねないと指摘されました。この言葉を、司法の判断を重く受け止めれば、東京電力福島第一原発の事故がいまだに収束していない中、更なる原発の新増設などという話は全く受け入れ難いことです。大規模地震が起きる確率が桁違いに大きい地震大国日本では、原発は制約的であるべきです。今、早急に大胆に取り組むべきことは省エネルギー推進と送電網などの整備を進め、再生可能エネルギーの普及拡大に本腰を入れて真剣に追求してこそ、打開の道が開けると私は考えます。EUは、二〇三〇年までの再エネの導入目標、発電を六五%から六九%に引き上げると、前倒しを決めたと聞きました。まさにこれが世界の流れです。原発頼みの政府の姿勢が、再生可能エネルギーの普及を妨げていると思われてなりません。更に注目すべきことは、原子力規制委員会による審査の迅速化に言及している点です。何よりも安全性確保を前提にした議論でなければなりませんが、今回の岸田首相の政治的な判断が原子力規制委員会の厳格な審査による判断に少なからず影響しかねないのだと危惧いたしております。このような岸田首相が示した新方針に村井知事はどのように思われているのか、御所見をお伺いいたします。 大綱二点目、教育行政について二点お伺いいたします。 まず、一点目、小中学生学力向上について伺います。 今年の四月、令和四年度全国学力テストが義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図る等の目的で実施されました。全国の小学六年生と中学三年生を対象に、国語、算数、数学及び理科の四教科で行われ、その結果が七月二十八日に公表されております。仙台市を除く県内の平均正答率は、小学校の国語で全国平均マイナス四ポイントの全国四十六位、算数でマイナス五ポイントの全国最下位、理科でもマイナス三ポイントで全国四十六位と、全ての教科で低迷いたしました。また、中学校では、国語が全国平均のマイナス一ポイントで全国三十位、数学はマイナス六ポイントで全国四十六位、理科はマイナス二ポイントで全国四十二位となりました。仙台市を除く県内の正答率は、私の知る限り二〇〇七年に全国学力テストが始まってから一度も全国平均に届いていないと言っても過言ではありません。一方、仙台市では、小学校は全教科で全国平均並みですが、中学校では二から四ポイント上回っており、仙台市教育委員会は、中学校では良好な結果が出ているとコメントしております。市町村別に見ますと、仙台市よりも結果がややよい地域もあり、一概には仙台市とそれ以外の全ての市町村で学力差があるとは言えませんが、問題は令和元年度、令和三年度の結果と比較しても、ほとんど改善されず全国との差が更に広がっている傾向にあり、全国の最下位を争うような深刻な状況にあることです。このような調査結果と傾向について、県教育委員会はどのように検証され、どのような問題意識を持ち、今後の具体的な対応策をどう検討されているのか、お伺いいたします。 次に、大崎東部地区県立高校の再編と地域の持続的発展について、教育長と知事にお伺いいたします。 大崎東部地区県立高校再編の方向性及び進捗状況はどのようになっているのか、お伺いいたします。 次に、高校再編が及ぼす地域振興や過疎への影響についてはどのように考えているのか、お伺いいたします。なお、美里町の旧南郷町が令和三年四月一日施行された新過疎法において過疎地域に指定されております。 関連して、宮城県における過疎対策の基本的な考え方をお伺いいたします。 次に、産業の活性化、雇用、定住を促進するため、南郷高校の跡地を県北部工業団地のサテライト工業団地として再開発する考えはないか、お伺いいたします。 南郷高校は、郷土が誇る篤志家野田真一翁が将来を担うふるさとの青年のためにと、学校用地と財産を寄附したことにより昭和六年に誕生し、昨年創立九十周年を迎えた歴史と伝統ある学校です。卒業生は一万人を超え、美里町のみならず県内外の各地で活躍されております。高校再編との声も影響してか、残念ながら全校生徒五十二名と少人数の学校となった今、これからの地域社会を担う子供たちの将来を考えれば、再編もやむを得ないというのが地域住民や私の率直な気持ちです。しかし、高校再編が地域に及ぼす影響は大きく深刻で、閉校になればますます過疎化が急速に進むのではとの懸念が高まります。このような状況を踏まえ、地域の持続的発展のためにぜひ前向きに検討いただきたいことは、産業の活性化、雇用、定住を促進するため、敷地面積十一・二ヘクタールの南郷高校跡地を工業団地として再開発することが一番望ましいと考えますので、知事の御所見をお伺いいたします。 次に、大綱三点目、一級河川出来川の堤防決壊等について、お伺いいたします。 私の地元涌谷町・美里町の両町において七月十五日からの記録的な大雨により、住宅や道路、農地や農業施設への浸水、冠水等で甚大な被害が発生し、町民生活及び経済活動に多大な影響を及ぼしました。特に、県が管理する一級河川出来川は、河川本来の機能が十分に発揮されないまま堤防の決壊に至り、町民の安全安心が大きく脅かされました。名鰭地区の冠水は、名鰭沼遊水地百五十ヘクタールを含む浸水面積三百四十ヘクタールにも及び、町の基幹産業である農業への影響も深刻です。また、美里町笹館地区においては、出来川からの越水が大量に流入し、住宅十二棟が浸水し、逃げ場を失った六世帯十一人が消防団等の救助隊によって救助される状況でありました。住民が高齢化し、後片づけも生活再建もままならないで、いまだに避難生活を続けている人がいる現状です。更に涌谷町では、七月十六日十二時三十分で渋江地区内の出来川左岸で越水が始まり、十二時四十分には四・八メートルの氾濫危険水位に達し、十三時には最高水位四・八二メートルにまで上昇いたしました。そのときのことを振り返り涌谷町長は、名鰭越流堤が通常どおり本来の機能を果たすものと思い込み結果として住民への避難指示の判断が遅れてしまった、越流堤が機能していないことを知った時点で堤防決壊を覚悟したと語り、この問題の責任の大きさを痛感しておりました。この地域での出来川左岸が決壊すれば、涌谷西部地区住民約三千四百世帯に大きく影響を与えることになりますが、その後、名鰭地内の出来川右岸で決壊があり、辛うじて危機一髪のところで難を逃れたと述懐されておりました。一級河川北上川水系出来川改修事業が築堤等の堤防強化工事に本格的に着手したのは、平成二十七年九月十七日の関東・東北豪雨により、名鰭越流堤が再度決壊したところから始まったと認識いたしております。私の質問に対するその当時の遠藤土木部長の答弁どおり、その後本年度まで計画的に河川改修事業が促進されてきたことは事実でありますので、今回の災害は本当に残念でなりません。今申し上げた経過を踏まえ、今後の対応など県の見解を六項目求めたいと思います。 一級河川出来川が決壊に至ったことについて県の総括を伺います。 決壊に至った原因及び復旧方針についての見解はどうか。また、方針が定まった時点で、地元説明会の実施についての考えを併せてお伺いいたします。 特に、原因の検証に当たって求めたいことは、サイフォンが機能しなかったことに対する見解はどうか。越流堤はサイフォンの補助的な放水機能ではないのか。定期的点検等は実施しているのかなど、河川本来の機能が発揮されていれば決壊は防げたのではないかと思うので、お伺いいたします。 次に、名鰭沼遊水地の機能及び位置づけについて見解を伺います。 遊水地の規模、排水量、雨量確率をどう考えているのか、また、遊水地の有効性、想定外の雨量に備えた対策強化を図るべきと思いますが、どうか。 併せて、昭和五十年頃に県が譲渡した土地売買契約では、購入者とその相続人は被害補償を求めないことが条件とされています。しかし現在、その後の売買等により新たな所有者も存在しております。その当時の契約事項に変動がないのか、お伺いいたします。 次に、遊水後における排水対策及びBCP、事業継続計画の策定について、お伺いいたします。 遊水地が遊水機能を発揮し、かつ円滑な営農を継続するためには、遊水後における速やかな排水対策が不可欠です。今回の洪水被害では、名鰭沼地区西側、青木川西側エリアでは、町が設置した排水ゲートが機能を発揮して数日で冠水が解消されました。一方、名鰭沼東側、青木川東側、遊水エリアでは、仮設ポンプによる排水が二十五日間という長期間にわたり、八月十日にようやく解消されたと報告がありました。このような経緯、経過も踏まえ、遊水地に遊水後を想定した自然排水ゲートの設置及び迅速な排水を行うためのBCPが必要ではないかと思いますが、県の御所見をお伺いいたします。 次に、鳥谷坂排水機場の復旧支援について伺います。 出来川の氾濫水により施設機能を喪失した鳥谷坂排水機場の早期復旧に当たり、県の積極的な財政措置により県が実施すべきと思うので、所見をお伺いいたします。 更に、遊水地の排水機能も持ち合わせていることから、機能喪失を防ぐため、鳥谷坂排水機場に洪水防止壁の設置も併せて実施すべきと考えますので、お伺いいたします。 次に、美里町笹館地区の越水対策についてお伺いいたします。 この地域での越水対策は人命に関わる問題です。八月二十五日に県議会建設企業委員会において現地視察を行い、土木部長にも現地に立ち会っていただきましたので、状況は認識されていると思います。早急な越水対策を講じられるべきと思うので、伺います。 また、今回被災された方々に対し、生活再建のための県独自の見舞金等の支援策を考えるべきと思うので、併せてお伺いいたします。 このたびの豪雨により出来川左岸涌谷町渋江地区内において、越水・漏水し、決壊の危険性が極めて高かった箇所は住宅密集地域にある場所です。優先度の高い場所ですので、ぜひ堤防点検を再度実施していただき、現在の出来川改修事業計画の前倒しによる、早期の工事着手をお願いしたいと思いますので、お伺いいたします。 大綱四点目、県が推進する再生可能エネルギーについて伺います。 地球温暖化問題に対応するため、脱炭素社会の構築は世界共通の課題であり、再生可能エネルギーの主力電源化を徹底する等の新たな計画が国において公表されました。県においても、この長期目標の着実な実現のため、宮城県環境基本計画の四種類の個別計画を見直しながら統合する、みやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇戦略を掲げ、今後進めていく方針と伺っております。二点について質問いたします。今後、多様な再生可能エネルギー等の導入拡大が必要になりますが、太陽光発電、バイオマス発電、風力発電、水力発電、地熱発電及び熱利用等について、これまでの県内への取組状況及び今後に向けての主な課題についてお伺いいたします。 次に、バイオマス発電と水素製造などサプライチェーン構築についてお伺いいたします。 今、私が注目しているバイオマス発電は、畜産廃棄物や食品残渣を用いたメタン発酵等、地域資源を活用したバイオマス発電施設の導入です。脱炭素社会の実現に向けて、環境などの地域課題を解決する取組として有効と思われるので、お伺いいたします。 七月に同僚議員と共に、北海道十勝地域の鹿追町及び上士幌町に現地視察を行いました。両町は酪農畜産業など農業を基幹産業とする地域ですが、酪農家の数は減少する一方、一戸当たりの飼育頭数は急拡大している状況にあり、長時間労働・担い手の不足、ふん尿処理負担の増加、悪臭・水質汚染などが課題にありました。更に、地震や集中豪雨などの予期せぬ自然災害による停電対策のみならず、いかに再生可能エネルギーを活用してカーボンニュートラルを促進していくかが町の将来課題だとして、全国に先駆けて取り組んできた町です。こうした背景の下、この両町とも本年四月二十六日、脱炭素に向かう地域特性等に応じた先行的な取組の意欲が評価され、環境省による第一回脱炭素先行地域に選定され、長期的な視点にて更に脱炭素社会に向けた取組が可能となったことを知りましたので、現地視察を行ったものであります。環境など地域課題の解決策として、乳牛などのふん尿を適正に処理するバイオガスプラントを整備し、エネルギーの地産地消や資源循環型のまちづくりに取り組んでおられました。更に、鹿追町では、家畜ふん尿由来のバイオガスによる水素製造や販売事業にも取り組まれ、結果として人口減少の歯止め、若年層の移住の増加、高齢化率上昇ストップの成果につながり、特に目を引くのはバイオガス発電によるエネルギー自給率一〇〇%が可能となったとのことでありました。熱エネルギーを活用してマンゴー栽培や冬期間の作物栽培、チョウザメの養殖にも意欲的に取り組まれ、学ぶことが多い調査となりました。今や、家畜ふん尿の臭いはお金の臭いがする、との現地若者の言葉に衝撃を受けてまいりました。当然、宮城県の乳牛などの頭数は北海道と比較にはなりませんが、県内での事業の可能性について検討いたしました。バイオガスプラントに適したふん尿は乳用牛とされていますので、県内の乳用牛の頭数と排せつ物発生量を調べますと、頭数は一万八千百九十頭、排せつ物発生量は年三十三万七千三百五十トンとお伺いいたしました。ちなみに、私の住む県北地区では約一万一千頭、排せつ物発生量は二十万九千トンになります。そのほか、カット野菜など食品の残渣などもかなりの量があり、発電事業として可能性があることが分かりました。バイオガスプラント、堆肥化プラント、コンポスト化プラント、水素プラントも技術革新が進み、それぞれの規模に対応できると聞きます。現在、宮城県において、家畜ふん尿等の処理に大変苦慮し、環境問題等が大きな要因として畜産業が後退いたしております。こうした状況を踏まえ、脱炭素と地域課題を同時解決するモデル地域として、環境省による脱炭素先行地域に選定される取組にぜひ県として尽力いただきたいと思います。選定に当たっては、市町村間での広域的な取組も可能とのことですので、県がリーダーシップを取り、関係自治体に情報提供するとともに、関係機関、団体、企業等とも連携を図る宮城モデルを目指す前向きな取組をぜひ指導していただきたいと考えますので、知事の御所見をお伺いいたします。 大綱五点目、県の水道広域連携に向けた取組についてお伺いいたします。 令和元年十月に施行された改正水道法では、水道事業の基盤強化を図るため、官民連携の推進のほか、広域連携の推進が定められております。その中で、県は、市町村等が経営している水道事業などに対し、広域的な連携の推進役としての責務が規定されております。私はかねてより、県全体の水道事業の改善を図るには、官民連携と広域化を並行して進めることが最良と考えており、県民はサービスを受け続ける場合に生じる負担を考え、どのような事業形態がよいのか、早急に検討することが運営の健全化に必要であると思ってまいりました。 四点について質問いたします。 県における広域化への取組について伺います。平成三十一年一月に、県内全水道事業体が参画した宮城県水道事業広域連携検討会設置後の主な取組経過と来年度以降の取組予定はどのように考えているのか、お伺いいたします。 次に、広域化の進展に向けた現時点での課題は何かをお伺いいたします。 次に、令和二年度に県がまとめた水道広域化推進プラン策定に関わる調査・検討業務報告書では、県の将来像として県内水道事業の経営持続性を維持・向上していくためには、地域及び県全体での全体最適化の視点が必要であるとの記載があり、施設における全体最適化、経営における全体最適化を検討する旨の記載がありましたが、令和三年度に県がまとめた報告書では、令和三年九月一日開催の検討会における意見を除き、全体最適化の言葉がなくなったことに大変違和感を持ちましたので、なぜなのかお伺いいたします。 次に、県は、置かれた責務を踏まえれば、十年先、二十年先を見据えた事業の統合の検討や現状で対応可能な取組への参画など、広域への積極的な参加が期待されるところであり、県の主体的な役割が求められているものと考えます。県内各自治体の現状を踏まえれば、市町村の各事業体が主体的に取り組む広域化を支援するというスタンスではなく、取組のゴールをどこに置くかを県が主体となって設定することが望ましいと思います。都道府県が強力なリーダーシップを発揮している事例として、県全域を対象に経営組織を一元化する事業統合を目標と設定し検討を進めている、広島県や大阪府などの例もあります。県がこれまで進めてきた官民連携だけでは、県の関わりとして不十分であります。知事のリーダーシップの更なる発揮を期待しますが、御所見をお伺いいたします。 以上で、壇上からの質問を終えます。御清聴ありがとうございました。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 佐々木功悦議員の一般質問にお答えいたします。大綱五点ございました。 まず、大綱一点目、政府の原発新増設等の方針転換についての御質問にお答えいたします。 地球温暖化への対応は、全世界共通の喫緊の課題であり、また、昨今の電力需給の逼迫や資源価格の高騰は国民の社会経済活動に大きな影響を及ぼしているところであります。こうした状況を踏まえ、国では地球温暖化対策と電力の安定供給確保の両立を目指し、既設原発の最大限の活用などについて検討を開始したものと承知しております。県といたしましては、原子力発電を含むエネルギーに関する方針は、エネルギー政策上の中長期的な観点から国において総合的に判断されるべきものと考えております。 次に、大綱二点目、教育行政等についての御質問のうち、我が県の過疎対策に係る基本的な考え方についてのお尋ねにお答えいたします。 過疎対策につきましては、自然・歴史・文化など各地域の様々な特色や資源を生かしながら、住民が住み続けたいと実感でき、都市地域の住民が住んでみたいと思えるような活力ある地域づくりを目指していくことが何よりも重要であると考えております。そのため、現在、宮城県過疎地域持続的発展方針等に基づき、様々な産業振興策のほか一定の人口減少を見据えたコンパクトなまちづくりや地域の足の確保、高齢者対策、子育て環境の整備など各種施策をハード・ソフトの両面から総合的に推進しているところであります。今後とも、過疎地域に指定されている各市町村としっかり連携しながら、過疎対策に取り組んでまいります。 次に、大綱四点目、県が推進する再生可能エネルギーについての御質問のうち、バイオガス原料としての家畜ふん尿の活用についてのお尋ねにお答えいたします。 御指摘のありました北海道の鹿追町及び上士幌町における取組は、地域が連携して家畜ふん尿から水素や電力を生み出し地域に供給するという、脱炭素と地域課題を同時に解決する先進的なものであると認識しております。北海道においては、バイオガス発電の稼働に必要な家畜ふん尿が安定的に確保され、ガスの生成過程で生じる有機質肥料が消費できる牧草地が広大であるなど好条件が整っておりますが、現在県内で発生する家畜ふん尿の多くは、堆肥化によって農地に還元されているところであります。家畜ふん尿の有効活用の在り方につきましては、我が県における家畜の総数や畜産農家の経営規模、地域における堆肥のニーズとの調整など様々な要素が関係することから、こうした県内各地域の実情をしっかりと踏まえた上で検討していく必要があるものと考えております。県といたしましては、まずは他県での先進的な取組について市町村への情報提供等を行いながら、県内地域の有機資源の有効利用促進に努めてまいります。 次に、大綱五点目、県の水道広域連携に向けた取組についての御質問のうち、広域化の推進に向け、更なるリーダーシップを発揮すべきとのお尋ねにお答えいたします。 県内の各市町村等水道事業体は、事業規模や施設の状況、水道料金など、その置かれている状況が様々であることから、水道広域化に対する考え方も大きく異なっております。他県においては、県主導で経営の一体化の枠組みを設定し、市町村の参画を求めていく事例があることは承知しておりますが、我が県の現状からはそうした枠組みの設定には課題があるものと考えております。水道広域化は、事業主体である各事業体の意向が最も重要であることから、県といたしましては、引き続き各事業体と意見交換を重ね、それぞれが抱える現状や広域化に対する考え方を基に、各事業体が抱える課題の解決に向け、比較的取り組みやすい方策から段階的に進めるなど、水道広域化による基盤強化の実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 復興・危機管理部長佐藤達哉君。    〔復興・危機管理部長 佐藤達哉君登壇〕 ◎復興・危機管理部長(佐藤達哉君) 大綱三点目、一級河川出来川の堤防決壊等についての御質問のうち、県独自での見舞金支給などを実施すべきとのお尋ねにお答えいたします。 災害が頻発化、激甚化する中、被災者の生活再建は重要な課題と認識しており、県では被災者生活再建支援法が適用された昨年二月と今年三月の地震災害において、法による支援の対象外となった方々に対し、費用の半分が特別交付税として措置されること等も踏まえ、独自に法と同等の支援を行っております。見舞金等、県独自の支援には財源の確保が前提となりますが、今回の大雨災害は現時点で同法が適用されておらず、実施は難しいものと考えております。一方で、被災者の生活再建には大きな経済的負担が伴うことから、水災・地震保険の加入を促す補助事業を昨年度から実施しているところであり、引き続き自助の取組を後押ししてまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 企画部長千葉章君。    〔企画部長 千葉 章君登壇〕 ◎企画部長(千葉章君) 大綱二点目、教育行政等についての御質問のうち、高校再編が及ぼす地域振興や過疎への影響についてのお尋ねにお答えいたします。 高等学校は、多くの生徒が通学し勉学や部活動に励み、行事等を通じて地域住民と関わりを持つことも少なくないことから、再編により地域のにぎわいという点で一定程度の影響があるものと認識しております。県といたしましては、市町村と連携し引き続き地域の特色を生かしながら、各種の地域振興施策に総合的に取り組み、地域活力の維持・向上に努めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 環境生活部長佐藤靖彦君。    〔環境生活部長 佐藤靖彦君登壇〕 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) 大綱四点目、県が推進する再生可能エネルギーについての御質問のうち、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取組状況と課題についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、再生可能エネルギー・省エネルギー計画に基づきみやぎ環境税を活用しながら、住宅や事業所等に設置する太陽光発電設備への助成やバイオマスをはじめとする地域に根差した再エネ施設の導入支援など様々な取組を進めてまいりました。その成果もあり、太陽光発電の導入量については、既に現行計画の目標値を上回るなど、全体として見ればおおむね順調に再生可能エネルギーの導入が拡大しているものと認識しております。一方、太陽光と風力については導入拡大と環境保全との両立、バイオマスについては間伐材など地域資源の安定的な活用、水力については農業用水路等の未利用資源の更なる活用、地熱については調査や開発に要するコストや期間などが主な課題であると考えております。今後も、現在策定中の仮称みやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇戦略に基づき、地域と共生した再生可能エネルギーの導入を目指し、新たな対策の検討も含め、積極的に取り組んでまいります。 次に、大綱五点目、県の水道広域連携に向けた取組についての御質問のうち、主な取組内容と来年度以降の予定についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、平成三十一年一月に市町村と水道事業体や県関係部署で構成する宮城県水道事業広域連携検討会を立ち上げ、水道広域化に対する意見交換などを実施するとともに、広域連携シミュレーション調査等を行い、その結果を基にモデル地区の設定による検討などを行ってまいりました。また、昨年度には、有識者による懇話会での意見を踏まえ議論を深めました。今年度は、本検討会に経営の一体化など三つのテーマを設定した機能別検討部会を設け、取組を希望する事業体間での検討を進めております。こうした検討を踏まえ、今年度中には、水道広域化の推進のために必要な施策等について、県としての考え方を取りまとめた水道広域化推進プランを策定する予定としており、現在中間案を作成しているところです。来年度以降は、この広域化推進プランに基づき、引き続き各事業体と連携し、水道広域化の推進に向けて取り組んでまいります。 次に、水道広域化の進展に向けた課題についての御質問にお答えいたします。 水道広域化の進展に向けては、地理的条件や施設規模、自己水源の保有状況、水道料金の違いなど、各市町村等水道事業体を取り巻く環境が一様ではないなどの課題があることから、現状では各事業体の意向や認識に差があるものと考えております。水道広域化の実現に向けては、事業主体である各事業体の考えに加えて、実際に水道を利用する住民の意向も重要であることから、県といたしましては、引き続き各事業体に対し具体的な効果や必要性について丁寧に説明するとともに、県民に対しても分かりやすくお知らせするなど水道広域化への理解が深まるよう努めてまいります。 次に、令和三年度報告書において、全体最適の記載がない理由についての御質問にお答えいたします。 水道広域化を考える上で、県全体で施設や経営が最適になるよう検討することは非常に重要と考えております。一方で、市町村等水道事業体ごとに施設や経営の状況が一様ではないため、水道広域化に対する意向も大きく異なっていることから、昨年度の検討過程において、全体最適を見据えた検討に加え、施設の最適配置やソフト面での広域連携に向けた取組の方向性についても整理したところです。また、全体最適という言葉については、受け取る側の立場等によって様々な意味に捉えられ、分かりづらいとの議論もあったことから、今回の報告書においては全体最適という表現は使用しなかったものです。県といたしましては、県全体での施設や経営が最適になることを念頭に置きつつ、事業者の課題解決に向け、比較的取り組みやすい方策から段階的に進めるなど、引き続き各事業体と検討を進めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 経済商工観光部長千葉隆政君。    〔経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱二点目、教育行政等についての御質問のうち、南郷高校跡地の工業団地としての再開発についてのお尋ねにお答えいたします。 新たな職業教育拠点校の開校に伴う南郷高校の跡地については、拠点校の学びに必要となる敷地や設備に関する県教育委員会の検討状況を踏まえながら、様々な利活用方法を考えていく必要があると認識しております。御指摘のありました工業団地としての活用につきましては、周辺環境への影響や工業インフラの整備等、様々な課題があることから、まずは地元自治体が地域住民や関係団体との合意形成を図ることが必要と考えております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 農政部長宮川耕一君。    〔農政部長 宮川耕一君登壇〕 ◎農政部長(宮川耕一君) 大綱三点目、一級河川出来川の堤防決壊等についての御質問のうち、地権者との契約における浸水時の補償の取扱いについてのお尋ねにお答えいたします。 名鰭沼干拓地は、治水対策並びに戦後の食糧増産政策の下、県営干拓事業により造成された農地であり、昭和四十五年度に事業が完了しております。当該事業は、干拓前の名鰭沼が有していた洪水時の遊水機能を残すことを前提として、県が公有水面埋立法に基づき干拓し、買受けの申込みがあった農家に造成後の農地を売り渡したものです。その際の土地売買契約書において、購入者またはその相続人は災害等による農作物の被害について、県または河川管理者に対し、その補償を請求しないものとされており、この契約内容は現在も変わっておりません。なお、農作物が被災したことによる減収については農業共済、収入保険などにより補償されるものと考えております。 次に、遊水地の排水対策についての御質問にお答えいたします。 名鰭沼干拓地は、鳥谷坂排水機場によって機械排水を行っている地域でありますが、想定外の雨量に対しては地区中央を流れる青木川に自然排水ゲートを設置することでより短期間での湛水解消が期待できるものと考えております。そのため、現在、関係機関と連携して効果的な排水方法を検討しております。また、迅速な排水を行うためには事前に非常時における協力体制を構築しておくことと対応手順を定めておくことが極めて重要であり、国営土地改良事業で造成された施設を管理する土地改良区については、農林水産省が定めた土地改良施設管理者のための業務継続計画策定マニュアルに基づく計画の策定が推奨されております。県といたしましては、こうした国の考え方も踏まえ、国営造成施設の有無にかかわらず、繰り返し水災害の被害を受けている土地改良区において業務継続計画の策定が進むよう国や関係機関と連携して支援してまいります。 次に、鳥谷坂排水機場の復旧についての御質問にお答えいたします。 鳥谷坂排水機場は、地域における重要な排水機能を担っていることから、施設管理者である涌谷町土地改良区の要請を受け、県が事業主体となり施設の早期復旧に取り組んでおります。また、復旧は単なる原形復旧とするのではなく、止水壁の設置や電気設備の高位部設置などの再度災害防止に向けた浸水対策を、災害復旧事業により併せて実施できるよう国と調整しているところです。なお、復旧に当たっては、施設管理者としっかり連携を図りながら取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 土木部長千葉衛君。    〔土木部長 千葉 衛君登壇〕 ◎土木部長(千葉衛君) 大綱三点目、一級河川出来川の堤防決壊等についての御質問のうち、出来川決壊の原因や復旧方針等についてのお尋ねにお答えいたします。出来川については、七月の記録的な短時間降雨に伴い急激に水位が上昇したため、堤防の未改修区間において漏水や局所的な越流により堤体が侵食を受け、天端へ設置していた大型土のうが流出し、堤防が決壊したものと考えております。また、名鰭沼遊水地については、越流堤からの流入を確認しておりますが、併設されているサイフォンが起動していないとの指摘を受けたことから、カメラによる本体内部の調査を行ったところ、施設本体に不具合箇所はなかったものの、サイフォンはけ口の一部に沈下が確認されております。復旧に当たっては、決壊した箇所も含めて未改修となっているJR石巻線上下流部の早期整備が重要であることから、現在JR東日本と協議を進めているほか、サイフォンについては、今後専門家の意見を伺いながら現地試験を実施し、その結果を踏まえ必要に応じて対策を講じることとしております。こうした決壊の原因や復旧方法については、地元の皆様に御理解をいただくことが最も重要であることから、県といたしましては、早急に地元の皆様へ丁寧に説明し、一日も早い復旧に努めてまいります。 次に、名鰭沼遊水地の有効性、対策強化の必要性についての御質問にお答えいたします。 名鰭沼遊水地は、もともと遊水機能を有していた名鰭沼を干拓したものであり、越流堤を通じて出来川の洪水を遊水地に流入させ、氾濫の軽減を図るものであることから、治水上重要な施設であると認識しております。七月の大雨では、出来川下流の堤防が決壊したことから、施設の効果は限定的でありましたが、今後未改修区間の整備を進めることにより十分に効果が発揮できるものと考えております。一方、計画規模を超える洪水に対しては、河道や名鰭沼遊水地のみでは対応が困難であることから、県といたしましては、河川整備のみならず上流地域の雨水貯留施設整備や田んぼダムなど、流域全体で水災害を軽減させる様々な対策を取り入れながら対応する必要があると認識しております。 次に、美里町笹館地区の越水対策についての御質問にお答えいたします。 七月の大雨で越水した美里町笹館地区については、現地調査の結果、既設護岸の天端の高さが上下流と比較して低いことを確認しております。現在、県では応急対策として早急に流下断面の確保を図るため、河道内の支障木伐採や堆積土砂撤去を今月末までに実施するほか、今後詳細な調査を行い、美里町や地元の皆様の御意見も伺いながら、護岸のかさ上げを含めた越水対策について検討してまいります。 次に、涌谷町渋江地区についての御質問にお答えいたします。 涌谷町渋江地区については、七月の大雨で出来川左岸より越水しましたが、土のう設置などの懸命な水防活動により堤防決壊を免れることができました。改めて地元水防団の皆様に感謝を申し上げます。県では、越水箇所の状況を確認した結果、部分的に堤防の高さが不足しているとともに、堤防裏側ののり面では浸透の影響と思われる被害も確認されたことから、現在、堤防や基礎地盤の詳細な地質調査などを実施しております。県といたしましては、これらの調査結果を踏まえ、今後対策範囲や復旧工法について検討するなど早期着手に向けて取り組んでまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 教育委員会教育長伊東昭代君。    〔教育委員会教育長 伊東昭代君登壇〕 ◎教育委員会教育長(伊東昭代君) 大綱二点目、教育行政等についての御質問のうち、我が県の全国学力・学習状況調査の結果の検証や今後の対応策についてのお尋ねにお答えいたします。 今年度の調査結果については、我が県と全国との差は平均正答数では一問未満と僅かであるものの、小・中学校ともに全国平均に届いておらず、学力向上は我が県の継続した課題であると捉えており、子供たち一人一人の学力を伸ばす実効性のある取組が必要であると考えております。県教育委員会では、市町村が組織的に学力向上に取り組む学力向上マネジメント支援事業を令和元年度から実施しており、当該学年の学習内容を確実に身につけた子供の割合が増えるなどの成果が見られていることから、今年度は実施市町村を拡充し、学力の底上げを図っております。また、昨年度の二月には、この事業で得られた知見を学力向上PDCAサイクルの確立に向けた五つの柱としてまとめ、各市町村教育委員会や学校に周知し、学校訪問等で実践を促しているところです。今回の全国学力・学習状況調査の結果については、大学教授等の有識者とともに、子供たちのつまずきを分析し、授業改善に生かせるよう指導のポイントをまとめ、市町村教育委員会と課題意識の共有を図りながら、学力向上につなげてまいります。 次に、大崎地区東部ブロックにおける県立高校再編についての御質問にお答えいたします。 大崎地区東部ブロックにおきましては、松山高校、鹿島台商業高校及び南郷高校の三校を再編し、令和九年度から新たに職業教育拠点校を開校することとしております。職業教育拠点校においては、三校における家庭、商業、農業の学びを基本としながら、世界農業遺産に認定された大崎地域の特性を生かし、食をテーマとした幅広い学びを提供するとともに、学科間の連携や地域との協働による魅力ある学びを展開していきたいと考えております。現在、三校の教員等で構成される準備委員会において、教育課程などの検討を進めているほか、鹿島台商業高校の敷地内に整備することとしている新校舎や実習棟の設計業務にも着手したところです。今後も開校に向けたソフト・ハード両面における準備をしっかりと進め、地域から応援され、生徒が成長できる場となる魅力ある学校づくりに努めてまいります。 以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 二十五番佐々木功悦君。 ◆二十五番(佐々木功悦君) 御答弁、誠にありがとうございました。まず、大綱一点目について再質問させていただきます。ただいまの知事の答弁をお聞きしまして、残念ながら県民の生命と財産を守るという知事に課せられた重い使命に対し、誠意に欠けた答弁だったと受け止めざるを得ません。それでは、再度お伺いさせていただきます。エネルギー政策の知事自身の考えは、エネルギー政策は国策としながらも東日本大震災による福島第一原発事故を踏まえ、今後再生可能エネルギーの拡大を図る中で可能な限り原発依存度を低減し、将来的に原発に依存しない社会を目指すという考えであったと理解しておりましたが、その考えに今も変わりないでしょうか。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 変わりはございません。 ○副議長(外崎浩子君) 二十五番佐々木功悦君。 ◆二十五番(佐々木功悦君) 分かりました。それでは、それを踏まえてお話しさせていただきたいと思います。現実的な話になりますけれども、原発の新設場所を選定して地元の同意を取り付けるのは実際困難で、当面は既存原発の敷地内の増設や廃炉が決まった原発の建て替えを目指す考えのようでありまして、県内では女川原発に限られるとお聞きいたしました。単刀直入にお聞きいたします。今後少なくとも、宮城県内において原子力発電所の新増設計画が提案されても、知事自身は容認しないと理解してよろしいのでしょうか。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) それはその時になってみないと分からないです。 ○副議長(外崎浩子君) 二十五番佐々木功悦君。 ◆二十五番(佐々木功悦君) 今のはちょっと不誠実な話で、もう少し県民の皆さんにお答えする立場で、しっかりと知事としての姿勢を示していただきたいと思います。関連してちょっとお尋ねしますけども、質問では触れなかったんですが、このたびの岸田首相の話には、老朽化している原発であることを無視して法律を変えてまで運転延長することが含まれておりました。運転四十年の延長が例外的とされたにもかかわらず、例外が例外を産んでいくことになるのではないかと思います。全く論外な議論だと私は思っておるんですが、知事はこの点についてどのようにお考えでしょうか。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 私もどういう経緯で総理があのような方針を発表なさったのかよく分かりません。ただ、現状、非常に燃料不足なことや国際情勢が不安定だということもあって電気代が非常に上がっていると。これが結果として、国民生活に多大な影響を及ぼしていると、産業にも多大な影響を及ぼしているということを危惧されたと。そして、今後も不安定な状況にまた陥るかもしれないというようなことを考えて、先を見越してお話しになったのではないかなと考えました。このような問題は、当然政府が一元的に考えることでありますけれども、国民のコンセンサスというのも大変重要なものだと思っておりますので、そういった方針を示しながらしっかりと国民の意見を聴く耳を持つ方でありますので、耳を傾けていただいて、そして国民の理解の上で事業を進めていただきたいと思っております。 ○副議長(外崎浩子君) 二十五番佐々木功悦君。 ◆二十五番(佐々木功悦君) 大綱一点と関連しますので、大綱四点目の再生可能エネルギーについて再質問させていただきます。再生可能エネルギーは、脱炭素の最有力手段であり、自給率向上の観点からも最優先で導入する必要がございます。特に、地域分散、地産地消の再生可能エネルギーの普及によって、安定した電力を確保する道を本格的に追求することが重要と考えます。県においても、小規模分散型の電源への転換が急務と思いますが、御所見をお伺いいたします。また、今回の環境基本計画の見直しで掲げるみやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇戦略の方針にこのことが反映されているのか、併せてお伺いしたいと思います。 ○副議長(外崎浩子君) 環境生活部長佐藤靖彦君。 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) 東日本大震災を経験した我が県におきましては、脱炭素社会の実現はもちろんのこと、災害対応能力の強化などの観点からも地域資源を活用した再エネによる分散型エネルギーシステムを構築していくことが重要であると考えております。このため、現在策定中の仮称みやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇戦略では、重点対策の一つとして、エネルギーの地産地消の観点を踏まえた需給一体型再生可能エネルギーの大量導入の促進を掲げてございます。また、目標達成に向けた施策の中では自立分散型電源の確保や再生可能エネルギーの地産地消に向けた取組を促進するため、再生可能エネルギー等の設備の導入を行う事業者に対する支援を行うこととしております。また、再生可能エネルギーを活用したまちづくり支援ということで災害に強い自立分散型のエネルギー供給体制を構築する取組に対する支援なども行うこととしておりまして、東松島市の地域新電力のような取組を県内各地に更に広めていきたいと考えているところでございます。今後も新計画に基づきまして、電力自給率の向上と地産地消分散型の再生可能エネルギーの更なる推進に取り組んでまいりたいと考えております。 ○副議長(外崎浩子君) 二十一番村上久仁君。    〔二十一番 村上久仁君登壇〕 ◆二十一番(村上久仁君) 二十一番、自由民主党・県民会議の村上でございます。議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして、大綱三点お尋ねいたします。 初めに、大綱一点、再生可能エネルギーの現状と今後の取組について、お尋ねいたします。 九月十四日に開催されました環境福祉委員会において、新たな地球温暖化対策・再生可能エネルギー関連計画、仮称みやぎゼロカーボンチャレンジ二〇五〇戦略中間案を集中審議いたしました。中間案そのものにつきましては、所管委員会及びパブリックコメントに委ねるといたしまして、今現在宮城県内で起きている再生可能エネルギー関連の現状と、今後の取組についてお尋ねいたします。 経済産業省資源エネルギー庁の事業計画認定情報によれば、今年五月三十一日時点で、宮城県内での認定件数は八千二百四件、バイオマス発電や風力、水力、地熱発電が計百十八件、残りの八千件以上が太陽光発電になっています。そのほとんどが小規模なものですが、千キロワット以上の、いわゆるメガソーラーが約三百五十件になります。千キロワットの発電を行うとすれば、ソーラーパネルの敷設面積は、おおむね二ヘクタールが必要と言われています。年間で平均百万キロワットアワー発電し、一般家庭で三百世帯分の年間消費電力に相当するそうです。脱炭素社会を目指す上で、なくてはならない発電システムでありますし、初期費用が他の発電システムよりはるかに安価で済むことから、再生可能エネルギーの中でも、最も普及している発電システムとなっています。その反面、メガソーラー建設に当たっては、様々な問題が起こっているのも事実であります。建設予定地の周辺住民による反対運動や、地元自治体をも巻き込んだ建設の是非などの問題が、県内各地で起きています。これらは後に再度取り上げますが、初めに、本年十月一日施行の太陽光発電施設の設置等に関する条例に関わる質問をさせていただきます。 令和二年四月一日に施行されました宮城県太陽光発電施設の設置等に関するガイドラインが今回条例化されたことは、条例化を望んだ者の一人として、大いに評価するところであります。太陽光発電施設を設置するに当たっての問題点は、無理な立地用地や、周辺住民との摩擦、そして、事業の売買にあると考えています。特に、事業の売買によって、施設の責任の所在が分からなくなるという意味では、問題を深刻化させる大きな要因になっています。条例化に伴い県では、八月と九月に発電事業者を対象に説明会を開催したと思いますが、出席人数や出された意見などがありましたらお尋ねいたします。また、認定事業の中で、これまでどのくらい事業の売買や承継が行われ、どのような対応を行ってきたのかお尋ねいたします。今回の太陽光発電施設の設置等に関する条例では、第四条「地域住民等への説明等」、第五条「設置規制区域内への設置」もさることながら、第十三条「地位の承継」が大切と考えています。発電事業者には、責任ある事業運営で脱炭素社会への貢献を切に望むものであります。 さて、宮城県内では、各地で再生可能エネルギー発電施設建設をめぐって、周辺住民とのトラブルが発生しています。太陽光発電施設建設では、丸森町耕野地区、仙台市太白区茂庭地区、風力発電では、大崎市鳴子地区、丸森町筆甫地区、計画を撤回したようですが川崎町などがあり、バイオマス発電でも、石巻市須江地区や登米市東和町地区などで問題になっています。宮城県議会としても、昨年三月、石巻市の住民団体からの請願を受理し、再生可能エネルギー発電施設等の立地に関する法整備の充実等を求める意見書が、昨年の第三百八十回宮城県議会九月定例会で採択されました。意見書では、発電事業者に対し、地方自治体、地域住民への事前説明や情報提供等による地域との合意形成を明確に義務づけることなどの法整備を望む旨が盛り込まれました。今、大型工事を行う上で最も重要なのが、地域住民との合意形成と言っても過言ではありません。特に再生可能エネルギー発電施設では、目に見える形での地元優遇がないことが、一因にもなっているのではないでしょうか。再生可能エネルギーを進める立場の県として、こうした地元住民等による反対運動を、どのように認識しておられるのか、改めてお尋ねいたします。また、二〇五〇年までのカーボンニュートラル実現を目指す上で、再生可能エネルギーへの理解促進に努めなければならないと考えますが、宮城県としての取組状況についてお尋ねいたします。 一方、再生可能エネルギーにおいても、地産地消という考え方が進んできています。ある意味、東京都が行おうとしている、新築建物への太陽光発電など再エネ設備設置の義務づけ・誘導の条例化も、是非は別として新しい流れになる可能性があります。太陽光発電以外でも、各地で斬新的な再生可能エネルギーへの取組を行っているニュースを耳にします。二点ほど御紹介し、県としての見解をお伺いしたいと思います。 まず一点目でありますが、福井県大飯郡おおい町で、昨年、令和三年十二月二十一日に運転を開始しました、サイフォン式水力発電所です。おおい町の町民たちが中心となって、全国でも珍しい、砂防ダムでサイフォンの原理を利用したサイフォン式小水力発電所です。御存じのとおりサイフォンとは、高い位置にある水を低い位置まで運ぶために、水で満たされた管でつなぐことによって、途中に出発点より高い部分があっても、ほかの動力を使うことなく流れ続ける仕組みです。身近なものですと灯油ポンプがその例です。サイフォンを利用した水力発電は、既存の構造物や地形にできるだけ影響を与えずに建設できる利点があります。運営会社であります合同会社おおい町地域電力によりますと、この発電所は南川サイフォン式小水力発電所と命名され、発電使用水量が一秒間に九百九十リットル、有効落差が十六・四五メートルですが、最大発電出力が百二十七キロワットあり、年間発電量は八百六十一メガワットアワー、実に一般家庭の年間消費量で二百三十九世帯分に相当する発電所となっています。土砂災害軽減などを目的にした砂防ダムがあるのは、おおい町名田庄納田終というところを源流とし、小浜湾に流れ込む南川上流域で、福井県の調査により小水力発電に適した場所であることが判明したことをきっかけに、まちづくりの住民団体森林楽校・森んこなどが、発電方式の実験や市民ファンドの仕組みづくりを進めてきました。建設費は約二億四千六百万円、うち三割近い六千八百七十万円は協力金や市民ファンドで調達し、残りは融資や県、町からの補助金で賄ったそうです。売電収入で、今後二十年以内に、市民ファンドや融資を返済する予定とのことです。また、収入の一部は、川を浄化し遡上アユを増やす活動や、森林整備などに使う計画です。 二点目は、先日同僚議員数名でお伺いいたしました釜石市で実証事業を行っている、株式会社マリンエナジーの波力発電であります。まず初めに、この実証事業は令和二年度環境省CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業であり、委託名がインテリジェント吸波式波力発電による地域経済循環ビジネスモデル実証事業となっています。事業実施主体であります株式会社マリンエナジーは、平成三十年六月に海洋再生可能エネルギー産業化のために立ち上げた、地域の企業四社の共同体ですが、設立以前から、NEDO研究開発事業をサポートしてまいりました。この波力発電所は、釜石湾に設置された防潮堤に据え置かれた発電所で、防潮堤に設置用のアンカーを打ち込んだだけで、基礎本体には掘削やコンクリート躯体への工事は行われておりません。波力発電方式には、ジャイロ方式や振り子方式などがありますが、釜石湾で行われている実証事業では、振動水柱型空気タービン方式が採用され、同じ方式のブローホールを利用するものと比べて、地形の改変が必要なく、実用化のめどが立てば、全国の港湾や離島への幅広い展開が期待されます。実施主体であります株式会社マリンエナジーは、二〇二五年度をめどに、この波力発電の事業化を目指し、防潮堤に発電機五基程度を設置、最大出力を二百キロワットに増強して、年間発電量は一般家庭八十世帯分に相当する三十三万キロワットアワーを想定しております。釜石湾のサクラマス養殖施設への給電や、災害時の非常用電源など、電力の地産地消のモデル事業を描いています。このインテリジェント吸波式波力発電システムについての詳細は省きますが、発電設備の設計から製造、設置、システム開発、維持管理までを、地元や岩手県内の事業者というオール岩手で担ったということで、御紹介させていただきました。 そこで、お尋ねいたします。福井県が示したように、宮城県内で水力発電に適した河川及び砂防ダム等を、県は、再生可能エネルギーの発電所建設地点という観点で調査・検討されたことがあるのか。あるとすれば、どういった結果だったのか、お知らせください。また、サイフォン式小水力発電やインテリジェント吸波式波力発電は、再生可能エネルギーとしてはあまり注目されていなかった水力に着目した点と、実施主体が地域住民であるということに、新たな再生可能エネルギーの可能性を感じております。宮城県でも、こうした事例を積極的に取り入れ、新たな再生可能エネルギーの創出に取り組むべきと考えますが、知事の所感をお伺いいたします。 私は、太陽光発電システムを否定するものではなく、二〇五〇年までにカーボンニュートラルを実現するには、なくてはならない再生可能エネルギーと考えています。地球に降り注ぐ太陽のエネルギーを全て電気に変換できれば、世界中で使うエネルギーを賄えるほどのポテンシャルがあると言われている太陽光発電ですが、現在の主流となっているシリコンを用いた太陽電池は、寿命が長く発電効率が高いという利点がある一方、天候によって発電効率が大幅に落ちるという弱点を抱えています。この弱点を克服しようと開発が進められているのが、次世代型太陽電池です。この次世代型太陽電池の大部分で使用されるのが、ペロブスカイトという、もともと自然界にある鉱物です。人工的につくったものが、超伝導やLEDの材料などに使用されています。この人工的につくったペロブスカイトの結晶を太陽電池の素材に使うと、曇りや雨の日、更には、室内の照明でも発電できることが発見され、次世代型太陽電池の最有力候補となっています。しかし、実用化にはあと数年かかると言われ、更に、一般に普及するまで、もうしばらくかかるものと思われます。そこで、今ある太陽電池を、いかに環境に負荷をかけることなく利用していくかが問題になります。大規模な太陽光発電システムを構築していくには、さきに述べたように、大規模な開発が伴うことによって、様々な周辺住民との間に摩擦が生じます。しかし、太陽光と既存のパネルを利用せざるを得ない現状では、大規模な開発を伴わない立地を模索する必要があります。そこで注目されているのが、営農型太陽光発電、ソーラーシェアリングというビジネスモデルではないでしょうか。農地の全てを太陽光発電として使うのではなく、今までどおりに農業を継続しながら、太陽光発電を行うものです。太陽光発電の固定買取り制度、いわゆるFIT制度が二〇一二年に始まり、翌年の二〇一三年から、農地で太陽光発電を行うソーラーシェアリングが認められました。ソーラーシェアリングは、農業だけでなく、太陽光発電で収入が増えるというものです。一見して画期的な制度ですが、あまり普されていないのが現状です。県内にある水田に設置されたソーラーシェアリングを何か所か拝見いたしましたが、周辺の作物と、ソーラーパネルの下の同じ作物とでは、成長にやはり違いが出ていました。農林水産省のホームページには、取組事例として、宮城県気仙沼市のバレイショ栽培や香川県丸亀市の水稲、麦の栽培など数例が紹介されています。しかし、失敗例も多く耳にします。最も多いのが作物の生育不良や販売がうまくいかなかったというもので、ソーラーシェアリングは、地域平均単収のおおむね八割以上を維持しなくてはならない制度になっています。また、架台の配置によっては、作業効率が低下することも挙げられます。再生可能エネルギー、特に太陽光発電を積極的に普及させるためにも、営農型太陽光発電は有力な手法と考えます。そのためには、ソーラーパネルによる遮蔽率や適した作物の選定、作業効率を損なわないための設置方法、そして初期投資の軽減など、多くの課題を解決しなければなりません。これらの課題が解決されれば、上空でエネルギーをつくり、地上で食物を育て、そして水害時にはダムとして地域を守るという、スーパー農地が誕生します。県の総力をもって、課題解決に向けて取り組むべきと考えますが、県の所感をお伺いいたします。 大綱二点目、本県の交流・関係人口拡大に向けた取組について、お尋ねいたします。 本県の人口は、平成一五年の二百三十七万二千人をピークに減少し、令和四年八月一日現在で二百二十八万九百五十五人となっています。人口減少の問題については、今年の二月定例会でも一般質問させていただきましたが、今回は急激な人口の自然増が見込まれないことから、交流・関係人口の拡大といった観点から質問させていただきます。交流人口がやがて関係人口になり、そして、定住・移住につながればと思っています。本県でも、移住・定住に力を入れておられますが、人口減少は喫緊の課題です。交流人口とは、言うまでもなく、何かしらの目的を持ってその地域を訪れる人たちのことを指します。具体的な目的としては、観光を筆頭に、通勤、通学、習い事、スポーツやレジャーなどが挙げられます。一方、関係人口とは、仕事や観光などで地域を訪れる交流人口や、地域に居住・移住する定住人口とは異なり、地域と多様な関わりを持つ人たちを指します。二拠点居住をする人や地域にルーツや愛着がある人が該当します。宮城県庁地域振興チームが、みやぎ「縁」の人を育む関係人口拡大モデルを作成しています。そこで、いかに観光や仕事で訪れた人たちに宮城県の魅力を知ってもらうかが鍵になりますが、その前に交流人口をいかに増やすかということになります。知事が奔走しやっと実現しました、松島町内での車両乗り入れ禁止区間の設定も、大きく交流人口の拡大につながるものと期待していますが、この件につきましては、地元選出議員に委ねることといたします。宮城県には、松島や蔵王、南三陸といった観光地や、鳴子、秋保、遠刈田という温泉地、そして、あ・ら・伊達な道の駅、道の駅上品の郷など、集客力のある道の駅も多数あります。官民一体となり交流人口拡大に成功した事例として、愛知県刈谷市内に、刈谷ハイウェイオアシスがあります。刈谷パーキングと隣接するエリアですが、二〇〇九年度には、年間入場者数が八百三十万人あり、日本の遊園地やテーマパークとしては、東京ディズニーランド、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに次ぐ数字であり、来場者数ランキング三位になりました。二〇一六年度にも、年間入場者数は九百万人もありました。今年三月に、伊勢湾岸自動車道の刈谷スマートインターチェンジが供用開始され、更に人出が見込まれています。宮城県でも、菅生パーキングエリアでスマートインターチェンジが本年度中に供用開始される見込みです。県内の企業が近隣の小学校の跡地を取得し、スマートインターチェンジを利用するビジネスマンや観光客、スポーツランドSUGOの関係者や観客の需要を期待してホテルを建設する予定で、村田町と立地協定を結んだことが報道されました。ちなみに、新規雇用も三十五人を予定しているそうです。こうした、官民一体となって交流人口の拡大につなげる事業は、今後ますます増えると思います。県は積極的に支援すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。また、令和四年度移住・定住推進連携事業の委託先が決定されたとお聞きしていますが、進捗状況をお伺いいたします。 大綱三点目、四病院の統合・合築について、お伺いいたします。 先日、県庁二階講堂にて開催されました、地域医療構想セミナーを拝聴いたしました。四病院の統合・合築の説明会ではなかったものの、心配されている方々が多数お越しになっていたように思えました。このセミナーで、改めて地域医療について考えさせられました。人口減少と人口構造の変化、近い将来には回復期の病床数が不足すること、そして、医師の働き方改革、新たな感染症対策などなど、課題が山積しており、これらを一つ一つ解決していかなければ、ますます医療格差が生じることになります。 さて、四病院の統合・合築は、富谷市と名取市が具体的な候補地を挙げたことから、関係自治体住民の関心は、診療科目や病床数、アクセスなど次の段階に移ったように見受けられます。現在の検討内容など協議中であるとは存じますが、方向性などもお知らせください。そして、移転後に生じる医療に対する不安をどう払拭するのか、現時点で考えがあればお知らせください。 最後に、県立がんセンターは、宮城県のがん征圧拠点として、がん予防、がん治療、がんとの共生の全てのステージにおいて最新・最適な医療を提供する、国内屈指の高度がん専門病院を目指し、がん研究を促進し、次世代を担うがんプロフェッショナルを育成するという、県立がんセンターが掲げるビジョンが、新しい病院にも引き継がれることを切に望んで壇上からの質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。    〔知事 村井嘉浩君登壇〕 ◎知事(村井嘉浩君) 村上久仁議員の一般質問にお答えをいたします。大綱三点ございました。 まず大綱一点目、再生可能エネルギーの現状と今後の取組についての御質問にお答えいたします。 初めに、県内の河川や砂防ダムにおける、発電所の調査・検討についてのお尋ねにお答えいたします。河川や砂防ダムの流水を再生可能エネルギーとして活用することは、我が県が目指すゼロカーボン社会の実現に向けて、有効であると認識しております。これまで県では、ダムの建設に当たって、計画段階から発電の可能性を検討し、流量の安定性や収益性の見込まれた大倉ダムなど六つのダムで発電を実施しております。また、資源エネルギー庁では、再生可能エネルギー活用促進を目的として、全国の発電利用されていないダムを対象に、既存ダム有効利用に係るポテンシャル調査を実施しており、県が管理しております十一のダムにつきましても、放流水を発電に利用した場合の出力及び電力量を試算した結果、七北田ダムなど四つのダムにつきましては、一定程度の発電量が見込めることから、水力発電の導入の可能性があると評価されております。県といたしましては、更なる再生可能エネルギーの活用に向けて、発電施設の設置位置や事業の収益性、費用対効果などを調査しながら、事業化に向けて検討してまいりたいと考えております。 次に、新たな再生可能エネルギーの創出に取り組むべきとの御質問にお答えいたします。 再生可能エネルギーの導入拡大に当たっては、全国の先行事例や新たな技術を取り入れつつ、地域が主体となった取組を促進することが重要であると考えており、県内でも、東松島市の地域新電力を活用した災害公営住宅等への電力供給や、富谷市の太陽光発電による水素製造など、先進的な取組が展開されております。県では、地域特性に応じた再生可能エネルギーを活用し、地域が主導して取り組むエコタウンの形成を図るため、みやぎ環境税を活用し、市町村や地域住民が参加する協議会等の取組を支援してまいりました。具体的には、事業の検討段階では、検討組織の立ち上げや活動経費への助成、計画段階では、事業の調査や計画策定費用等への助成、事業化段階では、設備の設置費等への助成を行うなど、各段階に応じた総合的な支援を行っております。また、環境産業コーディネーターを活用し、事業者に対して、最新技術の動向や支援制度の情報提供、大学等への橋渡しなどにより、再生可能エネルギーの技術開発に係る支援等も行っております。今後も、これらの取組を通じて、全国の優良事例を積極的に取り入れるとともに、新たな技術の開発支援に努め、地域の課題解決に資する再生可能エネルギーの創出と、エネルギーの地産地消を進めてまいります。 次に、大綱三点目、四病院の統合・合築についての御質問にお答えいたします。 病院再編による新病院の姿につきましては、七月に報告した四病院の再編に係る新病院の具体像についてに掲げた医療機能を基本として、経営基盤の強化や医療スタッフの確保などの視点も踏まえ、診療科目や病床規模などについて、関係者間で検討を行っており、病院までのアクセスについても、関係自治体と協議を進めております。また、今回の病院再編に対する不安の声があることも承知しておりますが、先日の地域医療構想セミナーでも解説されたように、限られた医療資源を最大限活用し、地域全体として医療の課題を解決するためには、再編によって持続可能な医療体制を確保することが必要不可欠であると考えており、引き続き御理解を求めてまいります。更に病院移転後も、患者や家族の方々が必要なサービスを継続して受けられるよう、できる限りの配慮を行い、不安の払拭に努めてまいりたいと考えております。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 企画部長千葉章君。    〔企画部長 千葉 章君登壇〕 ◎企画部長(千葉章君) 大綱二点目、本県の交流・関係人口拡大に向けた取組についての御質問のうち、移住・定住推進連携事業の進捗状況についてのお尋ねにお答えいたします。 移住・定住推進連携事業は、首都圏等から我が県への人の流れを創出するため、市町村や民間の関係機関と連携しながら、移住先としての知名度向上や、受皿体制の構築等を目指すものであります。今年度は、県内の地域の魅力を発信するために、首都圏においてウェブ・プロモーションを実施しているほか、県内市町村の移住担当職員を対象とした交流会議等の開催による受入れ体制の強化や、県内に移住して間もない方々などを対象とした定住促進イベントなどに取り組んでおります。県といたしましては、このような取組等を重ねることにより、今後も更なる移住・定住の推進に努めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 環境生活部長佐藤靖彦君。    〔環境生活部長 佐藤靖彦君登壇〕 ◎環境生活部長(佐藤靖彦君) 大綱一点目、再生可能エネルギーの現状と今後の取組についての御質問のうち、条例の説明会及び発電事業の状況等についてのお尋ねにお答えいたします。 県では、来月からの太陽光発電施設の設置等に関する条例の施行に当たり、これまで事業者説明会を二回開催し、延べ四百五十五人の方に参加いただきました。説明会では、新たに義務化される維持管理計画の策定や公表の方法など、本条例の規定に対応するための実務的な質問等が多く寄せられたところであり、県としての考え方を丁寧にお伝えすることにより、本条例に対する一定の理解が得られたものと認識しております。また、発電事業の承継については、特に太陽光において、事業譲渡が繰り返されている事例があることは承知しておりますが、FIT制度に関する手続は、国が所管していることから、県では、これまで、事業承継に関する状況を正確に把握することが困難でありました。そのため本条例では、事業者の地位を譲り受けた者に対し、県への届出を義務づける規定を設けたところです。県といたしましては、本条例の適正な運用を通じて事業者の正確な把握を行い、責任の所在を明確にして、地域住民の方々の不安を払拭できるよう、努めてまいりたいと考えております。 次に、再生可能エネルギー発電施設の建設への反対運動に対する認識と、理解促進についての御質問にお答えいたします。 再生可能エネルギー発電施設の建設に対する反対運動に関しては、土砂災害や景観、環境への悪影響等への懸念が大きいことに加え、地域の住民の皆様にとってのメリットが見えにくいことも、一因となっているものと考えております。一方、県内においても、災害時の非常用電源の提供や、事業収益を地域振興に活用するなど、地域にメリットがある取組を行うことにより、地域との共生が図られている優良な事例もあることから、それらを掲載したガイドブックを作成し、市町村や地域住民への周知などに努めているところです。また、今年度、太陽光発電施設の設置等に関する条例を制定し、事業者による住民への事前説明を義務化するとともに、地域住民等の意見を踏まえ、必要な措置を講じることを努力義務化したところであり、これにより住民理解が進むとともに、地域との共生が図られることを期待しております。県といたしましては、条例の適切な運用や普及啓発等により、地域住民の理解促進を図りながら、地域と共生した再生可能エネルギーの導入を進めてまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 経済商工観光部長千葉隆政君。    〔経済商工観光部長 千葉隆政君登壇〕 ◎経済商工観光部長(千葉隆政君) 大綱二点目、本県の交流・関係人口拡大に向けた取組についての御質問のうち、官民一体となった交流人口拡大への支援についてのお尋ねにお答えいたします。 今後急速に進展する人口減少社会を見据え、官民が連携しながら交流人口や関係人口の創出・拡大を図ることは、持続的な地域づくりを進める上で、大変重要であると認識しております。これまで県では、仙台市若林区のアクアイグニス仙台や、東松島市の旧野蒜小学校を活用したKIBOTCHAなど、被災沿岸部における集客施設の整備を支援してきたほか、各圏域において、県内外の道の駅と連携した物産展の開催や、農泊、民泊受入れ体制の整備など、民間事業者と一体となって交流人口の拡大に取り組んでまいりました。県といたしましては、今回策定した第五期みやぎ観光戦略プランに位置づけた施策の実現に向けて、観光振興会議や各圏域会議での議論も踏まえ、新たに整備が進む集客施設を生かした地域の魅力度向上や、受入れ環境の整備促進、観光関連産業の体制強化などに取り組んでいくこととしております。更に、市町村や民間事業者等と一体となった地域資源の磨き上げや、仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会等での誘客活動を通じ、国内外からの観光客誘致を積極的に進め、交流人口の更なる拡大を図ってまいります。 私からは、以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 農政部長宮川耕一君。    〔農政部長 宮川耕一君登壇〕
    ◎農政部長(宮川耕一君) 大綱一点目、再生可能エネルギーの現状と今後の取組についての御質問のうち、営農型太陽光発電の課題解決へ向けた取組についてのお尋ねにお答えいたします。 営農型太陽光発電は、作物の販売収入に加え、売電による継続的な収入や、発電電力の自家利用等による農業経営の更なる改善が期待できる手法であると認識しております。県内では、令和二年度末までに、二十四・六ヘクタールの農地で営農型太陽光発電が行われておりますが、営農に当たっては、日照不足による生育障害が見られるほか、パネルの支柱が農業機械の効率的な活用を妨げるなどの課題があり、必ずしも導入が進んでいない状況にあります。このような課題を踏まえ、国においては、光の投下率が高いパネルや、両面で発電可能な垂直式パネル等の新技術の導入による実証試験に取り組んでいます。県といたしましては、優良農地の確保に努めることはもとより、国の実証試験の成果も踏まえながら、農業者の収益向上と、農業・農村の振興につながるよう、関係機関と連携し、営農型太陽光発電の活用を支援してまいります。 以上でございます。 ○副議長(外崎浩子君) 二十一番村上久仁君。 ◆二十一番(村上久仁君) 御答弁ありがとうございました。いつも時間がなくなって再質問が大変困るのですけども、一点。昨日の代表質問のとき、知事が今後再生可能エネルギーの森林開発に関わる税の導入を考えているということで、今朝の新聞で大分大きく取り上げられておりました。この税は、収入がなければないほど環境を守るというようなことでありますけども、仮にこの収入があったとき、どこかの新聞で、使途を定めない法定外普通税を想定しているという記事が載っていました。もしこれがそうであれば、ここで上がった税収というのは、やはり再生可能エネルギーを充実させるほうに使うべきだと私は思いますけども、知事はいかがでしょうか。 ○副議長(外崎浩子君) 知事村井嘉浩君。 ◎知事(村井嘉浩君) 法定外普通税でございますので、特に使途に決まりはないわけでありますけれども、税収が上がれば、これにつきましては、再生可能エネルギーの普及のために考えていくというのは当然のことであるというふうに思っております。いずれにしても、まだこれは試案の段階でありまして、今後、審議会等に諮って、有識者の御意見などを聞きながら、また、パブリックコメントも入れながらですね、いろんな人の御意見を聞いた上で、制度設計していきたいというふうに思っております。 ○副議長(外崎浩子君) 二十一番村上久仁君。 ◆二十一番(村上久仁君) いずれ再生可能エネルギーは今後どんどん考えなくてはいけない時代ですので、ぜひそういった取組方も今後じっくり考えていただいて、我々も一緒にやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 以上で終わります。 ○副議長(外崎浩子君) 残余の質疑、質問は、明日に継続することにいたします。----------------------------------- △散会 ○副議長(外崎浩子君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 明日の議事日程は、追って配布いたします。 本日は、これをもって散会いたします。    午後三時三分散会...