青森県議会 > 2008-10-03 >
平成20年第255回定例会(第5号)  本文 開催日: 2008-10-03
平成20年第255回定例会(第5号) 名簿 開催日: 2008-10-03

  • "ドメスティック・バイオレンス事案"(/)
ツイート シェア
  1. 青森県議会 2008-10-03
    平成20年第255回定例会(第5号)  本文 開催日: 2008-10-03


    取得元: 青森県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 ◯議長(神山久志) ただいまより会議を開きます。     ───────────────────────       ◎ 一 般 質 問 継 続     ─────────────────────── 2 ◯議長(神山久志) 一般質問を継続いたします。  二十八番越前陽悦議員の発言を許可いたします。―越前議員。 3 ◯二十八番(越前陽悦) おはようございます。私は、自民党会派の越前陽悦でございます。  広く県民を代表し、当面する県民的課題について、順次、質問通告に従い質問させていただきますので、知事初め各部長並びに警察本部長におかれましては、具体的かつ明快なる御答弁を賜りますようお願い申し上げます。  さて、長引く不況、低迷する経済状況の中で、さらには原油価格や食料価格の高騰の影響により、国民、県民の生活に大きな打撃を与え、全体的に多大なる不安を与えておる現況であります。県民は産業・経済・雇用対策を初め、第一次産業であります農林水産業の振興対策、教育・福祉・医療対策、二〇一〇年の東北新幹線七戸駅、新青森駅全線開通に向け、新幹線開業効果を最大限に引き出すための取り組みについて、県内における高規格道路の整備促進、来年度から一般財源化される道路特定財源の確保や地域高規格道路の整備促進並びに原子力行政の安全性の確保を第一義とした取り組みや定住型観光振興対策への取り組みなど、すべてが県民的課題であり、最重要課題であります。  そこで、各項目について順次お尋ねしてまいります。  第一点は、二〇一〇年東北新幹線全線開業に向けた県単独のデスティネーションキャンペーン、いわゆる大型キャンペーンの実施についての質問であります。  いよいよ間近に迫ってまいりました二〇一〇年東北新幹線全線開業を目前に控え、開業効果を最大限に獲得するためには、何と申しましても、観光客の増大、交流人口の拡大に向けていかに具体的に取り組んでいくかが重要であります。そのような中で、JR六社と県が独自で共同で実施が計画されているデスティネーションキャンペーンは、私は非常に時宜を得た計画であり、強力な効果を発揮するものと確信いたしているものであります。  本県は、これまで、平成十四年十二月の東北新幹線八戸駅開業直後と、その四年後に二度のデスティネーションキャンペーンをJR六社と秋田県、岩手県、青森県の東北三県共同で実施し、いろいろな成果を上げてきたところであります。  私は、まず、八戸駅開業後、平成十五年四月から六月までの期間と平成十九年、昨年の四月から九月までの三カ月間、二度にわたるデスティネーションキャンペーンの成果をしっかりとらえ、それを今後に生かしていくべきであると考えているところであります。その上で、二年後の全線開業を見据え、その後のデスティネーションキャンペーンの実施をしっかりと視野に入れ、今からその実現に向けて積極的に取り組んでいくべきであります。  現在、JR六社や旅行エージェントと共同で実施するデスティネーションキャンペーンは、その効果は絶大であり、全国自治体から注目されており、JR等の了解を得るのが相当に難しいと言われており、加えて、平成二十三年三月に九州新幹線鹿児島ルートが全線開業する九州においても、デスティネーションキャンペーン誘致に向け運動が展開されており、キャンペーンの時期が競合することが予想されるなど、重大な局面を迎えているのであります。  しかしながら、私は、是が非でも百四十万県民の悲願であります東北新幹線全線開業の暁には、日本全国に向けて、青森県を力強く効果的にアピールする強力で重要な戦略であるデスティネーションキャンペーンを青森県で、しかも、初めての県単独で実施できるよう取り組んでいくべきであると考えるものであります。  そこで、次の二点についてお尋ねいたします。  第一点は、新幹線八戸駅開業後に実施いたしましたデスティネーションキャンペーン、いわゆる大型キャンペーンの成果について県はどのようにとらえているのか、まず最初にお伺いいたします。  第二に、いよいよ間近に迫った二〇一〇年東北新幹線全線開業に合わせ、県単独でのデスティネーションキャンペーン──大型キャンペーンをぜひとも県単独で開催すべきと考えますが、県の考え方と今後の具体的な取り組みについてお伺いするものであります。  第二点は、ユビキタスあおもり推進プロジェクトユビキタス出前授業~ユビキタス?君なら何する??~」の開催の成果についての質問であります。
     私は、先月の九月十三日、むつ市下北文化会館で開催されました、タイトル「ユビキタス出前授業~ユビキタス?君なら何する??~」に参加してまいりました。この授業は、地域の子供たちが最新のユビキタスネットワーク技術を体験し、子供ならではの柔軟な発想でアイデアを出し合い、三村知事の前で発表するものであり、平成十六年度の八戸市、平成十七年度の鰺ヶ沢町、平成十八年度の平川市に次いで、今回むつ市での開催が四回目となったところであります。  当日は、むつ市立第二田名部小学校の五年生、六年生四十名が参加しておりましたが、子供たちが発表したアイデアには大変驚かされました。それは、例えば認証技術をスポーツに使うものや不審人物が学校に入れないように名札を電子かぎにするアイデアなど、どれも驚くばかりで、三村知事を初め、独立行政法人情報通信研究機構の下條先生、県側からは奥川企画政策部長原口下北地域県民局長、地元からは宮下むつ市長並びに牧野むつ市教育長が出席され、いずれも感心しながら、子供たちのアイデアに耳を傾けたのであります。  そのような中で、私も子供たちと一緒にユビキタスネットワーク技術を実際に体験してまいりました。そのうち、私が非常に感激した一つを御紹介いたします。それは、カメラに映るだけで自動的に性別を判別し、年齢を推定するという性別年齢層自動推定システムというものがございました。私は三村知事に勧められるままに測定していただいたところ、何と驚く数字が出たのであります。何歳だとお思いでしょうか。私の年齢は何と四十歳と測定されました。この結果は、三村知事を初め会場の皆様方も大変驚いていたのであります。  この「ユビキタス出前授業~ユビキタス?君なら何する??~」に参加した私の率直な感想でありますが、それは、子供たちが目を輝かせ、一つの物事にグループが一丸となり熱心に取り組む姿、並びに発想力のすばらしさに、私は体が震えるほどの感動を覚えたのであります。三村知事を初め参加された方々も、同じように、いや、それ以上に感動されたものと理解いたしております。このようなすばらしい事業を三村知事みずからのリーダーシップのもと、県内各地で取り組まれておられますことに対し、心から敬意を表する次第であります。  出前授業終了後、三村知事は、下北地域県民局が積極的に取り組んでまいりました地域おこしグルメ大湊海軍コロッケの認定店のうちの三店舗、レストランゆきたけ、おばら精肉店、むつドライブインなどを激励に寄られ、私も同行させていただきましたが、できたての大湊海軍コロッケを試食いたしましたけれども、下北の食材を使ったコロッケは、どの店もそれぞれの味わいがあり、試食の様子については新聞やテレビニュースで報道され、県内雑誌「FEELER」十月号にも詳細に掲載されたところであり、下北地域のブランド化に向けて大湊海軍コロッケの今後の展開に各方面より大きな期待が寄せられているところであります。  そこで、次の三点についてお尋ねいたします。  第一点は、これまで四回開催されてまいりました「ユビキタス出前授業~ユビキタス?君なら何する??~」について、知事はどのように評価されておられるのか、まず最初にお尋ねいたします。  第二点は、このような子供たちのすぐれた発想を今後県の施策に生かしていくべきだと私は考えますが、県の考え方についてお伺いいたします。  第三点は、県は、来るユビキタスネット社会の実現に向け、今後具体的にはどのように取り組んでいかれるのか。その点についてお伺いするものであります。  次は、東日本フェリー大間―函館航路の存続についての質問であります。  先日、東日本フェリーが記者会見を行い、十一月末をもってフェリー事業から撤退すること、在来フェリー事業については道南自動車フェリーに継承するものの、大間―函館航路、青森―室蘭航路については、航路存続に対する支援の回答をもって航路継承について決定することを発表いたしました。大間―函館航路は、明治以来、漁船による生活物資等の輸送や文化、歴史、医療面等において交流してきた歴史ある航路であり、昭和三十九年のフェリー就航により、さらに利便性が高まり、産業、経済、福祉、医療並びに防災航路として極めて重要な役割を果たしてまいりましたフェリー大間―函館航路であります。  今回赤字を理由に航路を廃止することが打ち出されたわけでありますが、地域住民にとりましては、大間―函館航路は国道二百七十九号線の国道フェリーとして、さらには日本初の外洋カーフェリーとして就航以来実に四十四年が経過し、下北郡内各市町村民はもとより、本州と北海道とのかけ橋として国土軸の重要な一端を担ってまいりましたことは、言うまでもありません。  先日の航路廃止の報道以来、私のところにも多くの住民から存続を訴える電話が殺到し、私は、早速調査のため、大間町を初め東日本フェリー大間支店並びに佐井村、風間浦村の北通り地区住民に直接会って話を伺ってまいりましたが、存続に向けて切実なる願いや思いを聞くことにより、私は改めて地域住民の期待にこたえていかなければならないと決意を強くして帰ってまいりました。  今、目前に東北新幹線全線開業を控え、交流人口の拡大に向けた取り組みを進める中にあって、この航路の廃止が及ぼす影響は非常に大きな問題であり、大間町を初め北通り三カ町村、むつ下北はもちろんのこと、青森県全体の問題であると認識すべきものであります。ただし、当面する課題は、同社から要請されている財政支援の内容や十月までの回答期限については、県は今まで非常に厳しいとの認識を示されてきておるところでありますが、同航路の赤字額約三億円と言われる中で、町と県に対し、一億円ずつ財政支援を求めており、存続するためには、これに対応していかなければならない現況にあるわけであります。そのためには、県、町、東日本フェリーが存続に向けて話し合いを続け、何としても存続してほしいものであります。  九月二十四日には大間町金澤町長が蝦名副知事に要請を行ったと伺っております。先月二十七日には、大間町北通り総合文化センター「ウイング」においてフェリー【大間―函館】航路存続町民総決起大会が開催され、私も招待されて出席してまいりました。金澤大間町長の主催者あいさつ、来賓として知事代理の原口下北地域県民局長が代読あいさつ、大見副議長、私を初め市町村長が激励のあいさつを行い、引き続き、地元の利用者を代表され、大間中学校生徒会長の笠井大貴君が、祖母は定期的に函館の病院に通っているが、フェリーがなくなればみんなが困る。命をつなぐ航路なのですから、何としても存続してほしいと訴えられ、また、住民代表の傳法和佳奈さんは、北海道に進学、就職している人、何よりも病院に通う人が多く、命をつなぐ航路であり、心と笑顔を運ぶ航路として、さらには産業、経済、生活を運ぶ大切な航路であるというふうに訴えられ、お二人の熱っぽい発言に感動を受けたところであります。  当日は約六百名の参加者を得、厳粛かつ盛大に大会が終了いたしたところであります。  国道二百七十九号線の国道フェリーとしての役割は、重要かつ絶対必要な航路であり、命をつなぐ航路として、また、防災航路としても極めて重要な航路として存続させるべきであります。  そこで、次の二点についてお尋ねいたします。  第一点は、東日本フェリー大間―函館航路の撤退に係るこれまでの経緯について、どのような経緯で現在に至っているのか最初にお伺いいたします。  第二点は、航路の存続に向け、県としても財政支援をすべきと私は切望するものでありますが、県としての見解をお伺いするものであります。  次に、原子力関連施設の立地に伴う産業振興についての質問であります。  上北郡六ヶ所村の再処理工場、ウラン濃縮工場を中心とした原子燃料サイクル施設を初め、下北半島には、東北電力株式会社東通原子力発電所電源開発株式会社大間原子力発電所が既に稼働並びに着工されており、今後、東京電力株式会社東通原子力発電所の建設が計画され、さらには、私の住む地元むつ市が進めているリサイクル燃料備蓄センターなど、さまざまな原子力関連施設が立地しております。  これら施設の立地に至るまでのプロセスにおいては、これまで、県を初め関係市町村並びに地域住民の並々ならぬ御苦労と御努力があったわけであります。今や青森県は原子力県と言われ、下北半島は原子力半島と言われるようになりました。したがいまして、本県以上に国に対し並びに電気事業者に対し協力している県は、青森県よりほかにないものと私は考えているのであります。  そのような状況の中で、原子力関連製造業の本県への立地が全く進んでいないことから、原子力関連製造業の企業を立地させることにより、高卒、大卒等、特に県内工業高校卒業生の雇用創出につながるものと私は確信するものであります。  むつ市においては、今月、下北・むつ市経済産業会議を立ち上げ、電気事業者に関連産業の立地を働きかけようとしている動きが出てきており、県においても、原子力関連製造業の本県への立地については、電気事業者の責務として当然のごとく進めるべきものであると私は常々考えているのであります。  また、本県の原子力関連産業のすそ野を拡大し、地域産業の振興を図るためには、原子力関連製造業を外から誘致するのみでなく、原子力への参入意欲のある地元企業を積極的に育成していくことも同様に肝要であると私は考えるものであります。  そこで、次の二点についてお尋ねいたします。  第一点は、原子力関連製造業の本県への誘致について、私は、是が非でも実現できるよう積極的に誘致に取り組むべきと考えますが、県の取り組み状況についてお尋ねいたします。  第二点は、本県の原子力関連産業の振興のため、地元産業の育成及び参入促進を図るべきと考えますが、県の取り組み状況と今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  次は、犯罪被害者支援センターについての質問であります。  近年は、秋葉原の通り魔事件を初め、全国各地において同様の事件や家族間の殺人事件並びに福岡県での母による男児殺害事件、千葉県での女児殺害事件などが多発しているところであり、同じく青森県でも、殺人や強盗などの凶悪事件や悪質なひき逃げ事件などが多発傾向にあるようであります。  犯罪や交通事故に遭われた被害者やその御家族は、犯罪、事故による直接的な被害のほか、精神的な被害あるいは経済的な被害など、さまざまな被害に苦しめられている現状にあり、本県では、適切な被害者支援を行うため、昨年十一月一日に社団法人あおもり被害者支援センターが設立されたと聞いているところであります。設立から約一年間が経過し、さまざまな支援活動を展開しているものと私は考えるところでありますが、そこで、次の二点についてお尋ねいたします。  第一点は、あおもり被害者支援センターの事業内容と活動の実績についてはどのようになっているのか最初にお伺いいたします。  第二点は、センターの今後の課題と対応方針についてお伺いするものであります。  次は、地元むつ警察署の建てかえについての質問であります。  私は、これまで文教公安委員会副委員長を二回させていただいてまいりました関係もあり、県内における警察署建てかえの流れについては十分承知しているところであります。最近では、平成十年度に七戸警察署が、平成十二年度には八戸警察署が、平成十四年度には浪岡警察署──現在は名称が変更され青森南警察署が、そして、平成十七年度には野辺地警察署がそれぞれ建てかえになっているところであります。  むつ警察署につきましては、当時、野辺地警察署とどちらを先にするか検討され、その結果、老朽化や日本原燃及び原子力施設等の関係もあり、野辺地警察署が先に建てかえになってきた経緯があるところであります。その後、行財政改革により箱物等の建設が凍結され、むつ警察署の建てかえについては先送りになってきたという経緯があり、このような中、私はこれまでも何度となくむつ警察署に調査に行ってまいりました。八月十五日に我がむつ市から、むつ警察署の建てかえの要望が県及び警察本部に行われたと新聞に掲載されたところであり、また、関係者の方々からも多くの要望をいただいております。  現在検討中であると伺っているところでありますが、むつ警察署は、御案内のとおり、昭和四十五年に建設され、既に三十八年が経過しており、県内では最も古い警察署であり、庁舎三階で使用されてまいりました道場につきましては、現在は地域課などに使用されているほか、建物と駐車場は、御案内のとおり、老朽化や狭隘化により業務や住民サービスにも多大なる支障が出ている状況にあり、さらに、運転免許の更新については、わざわざ青森か八戸まで行って即日交付を受けるか、または約四週間待つか、どちらかを選択しなければならないほど、同じ青森県でありながら不便を感じ、不公平感を強いられている現状であります。  また、弘前免許試験場の来年度完成に伴い、免許証の即日交付の空白地域が下北地域だけになることも十分に考慮していただきたいのであります。  むつ・下北には、既に完成している東通原子力発電所や着工している大間原子力発電所、さらには、むつ市に計画されているリサイクル燃料貯蔵施設など、まさに下北半島のセンター署として、原子力防災に関連する施設の整備も必要になっている状況にあるわけであります。県の財政状況が非常に厳しいことは十分承知しているところでありますが、県民の安全・安心にかかわる重要な課題であり、市民や地域住民を挙げて、ぜひとも早期に建てかえをしていただきたいと多くの強い要望と期待が寄せられているところであります。  そこで、次の二点についてお尋ねいたします。  第一は、むつ警察署建てかえの優先順位についてはどのように考えておられるのかお伺いいたします。  第二点は、地域住民の要望も含め、むつ市からの要望に対する今後の対応方針と、現時点における移転候補地についての検討状況についてはどのように検討されているのかお伺いするものであります。  次は、県内自治体病院における医師不足対策についての質問であります。  昨今、自治体病院における医師不足の問題は、本県のみならず、全国的に深刻な状況となっております。本県におきましては、産婦人科、小児科、麻酔科などの医師不足が深刻であると言われておりますが、日常の診療の中心となる内科医や外科医も不足しており、医師不足の解消は県政の最重要課題となっております。  私が住むむつ市に所在するむつ総合病院においては、県の御指導を賜りながら病院経営の健全化に努めるとともに、臨床研修病院として多くの臨床研修医を採用しているほか、県外からの医師の招聘に積極的に取り組むなど、病院長を先頭に病院が一丸となって鋭意努力されているところであります。  そのような中で、むつ総合病院精神科病棟は、昭和三十八年に竣工され、開設以来四十五年が経過し、老朽化が著しく、今どき、現代にふさわしくない病棟はほかにはないというふうに言われておりますし、私もそのように受けとめております。  私は、市議会議員時代の平成三年から七年までの四年間、一部事務組合下北医療センター議会議長を務め、むつ総合病院の管理棟の建設、JRバスと下北交通バスの相互乗り入れ、自衛隊大湊病院の建設、そして、この病院の建設の際には、潜水病患者救済のために高度酸素吸入装置を導入するなど、また、大間病院の建設の際には、人工透析機十台の導入を図り大間病院の建設に携わってまいりましたことは、私の生涯の誇りとするところであります。  むつ総合病院の精神科病棟──現在はメンタルヘルス科と呼んでおりますが、一般の病院の利用者からも、病棟としては見るにたえない施設であり、早急に改築するべき重要課題ととらえているのであります。  そのような中で、今年三月末に精神科医一名が退職し、この九月末にはさらに一名が退職いたしました。十月以降は精神科医の常勤医は一名だけとなってしまいました。このような医師不足の事態は、むつ総合病院のみの問題ではなく、県内自治体病院に共通する重要な課題であると考えるものであります。  そこで、次の二点についてお尋ねいたします。  第一点は、県内自治体病院における主な診療科として、内科、外科、産婦人科、小児科、麻酔科及び精神科の医師不足の状況についてどのようにとらえているのか。また、どのような状況にあるのか最初にお伺いいたします。  第二点は、国においては、大学医学部の定員を増員するなど医師不足解消に向けた対策を打ち出しておりますが、本県における医師不足解消に向けた現在の取り組み状況と、今後どのように具体的に取り組んでいくのか、その取り組み方についてお伺いするものであります。  最後に、がん対策の推進についての質問であります。  三村知事は、県が策定されました青森県がん対策推進計画の記者会見において、今後十年間でがんの年齢調整死亡率の二〇%減少を図るなどを全体目標とし、がんの予防と早期発見に向けたがん検診受診率の向上、がん医療従事者の確保並びに育成に向けた体制の整備、地域連携支援を通じたがん診療水準の向上等に取り組み、全国ワーストとなっている本県のがん死亡率改善に向け、一次予防対策や効率的な検診システムづくり、地域医療資源のネットワーク構築に向け、しっかり進めたいと、がん対策の仕組みづくりへの取り組みを強調されたのであります。  私は、従来から、がん対策の推進を県政の最重要課題の一つとしてとらえ、昨年十一月開会の第二百五十二回定例会において、いまだ指定されていなかった都道府県がん診療連携拠点病院として県立病院が、また、下北地域の地域がん診療連携拠点病院としてむつ総合病院が指定されるよう、その実現に向けての積極的な取り組みと、診療機能、施設設備の具体的な指定要件等についてお尋ねいたしましたが、その後、三村知事を初め、関係者の御尽力と御努力により、今年二月八日に県立中央病院が都道府県がん診療連携拠点病院に、また、むつ総合病院地域がん診療連携拠点病院に指定されたのであります。今後の青森県におけるがん対策について、県民から大きな期待が寄せられているところであります。  そこで、次の三点についてお尋ねいたします。  第一点は、現在、県内に五カ所のがん診療連携拠点病院が整備されておりますが、がん診療連携拠点病院が指定されることにより、県におけるがん対策の推進にどのような効果が期待されるのかお伺いするものであります。  第二点は、現在、がん診療連携拠点病院の未整備地域は西北五地域のみとなりました。県におけるがん対策推進のためには、現在未整備となっている西北五地域においても指定が必要と考えますが、今後の指定に向けた見通しについてお伺いするものであります。  最後の三点目は、私は、がん対策の推進のためには、がん予防の徹底やがん検診率向上に向けた取り組みが今後の課題であると考えますが、現在の取り組み状況と今後の具体的な対応について、どのように対応されていくのかお伺いするものであります。  以上、壇上からの質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 4 ◯議長(神山久志) 知事。 5 ◯知事(三村申吾) おはようございます。越前議員の御質問にお答えします。  大湊の海軍コロッケは本当においしかったです。御視察等の際、ぜひ議員各位にも御試食等いただければと思います。  さて、二〇一〇年東北新幹線全線開業にあわせての県単独デスティネーションキャンペーンの開催についてであります。  東北新幹線全線開業による首都圏等との交流人口の拡大は、県経済を飛躍させる大きなチャンスであり、特に観光面では、観光客の増大による観光産業の振興につながるものと考えております。  青森県新幹線開業対策推進本部においては、この八月に大型観光キャンペーン実施に係るスキームを取りまとめ、新たな地域資源の掘り起こしや磨き上げによる観光コンテンツの充実を図るとともに、首都圏を中心に情報発信を強力に推進しながら、平成二十一年度にプレキャンペーン、二十二年度に開業キャンペーン、二十三年度には青森県単独のデスティネーションキャンペーンを盛り込んだアフターキャンペーンを実施することを骨子としており、今後、官民共同の推進体制を整え、取り組んでいくこととしております。  特にデスティネーションキャンペーンは、JR六社が自社の宣伝媒体等を集中的に活用し、特定の地域の観光資源等の魅力を全国に向け強力かつ重点的に宣伝し、誘客を図るものであり、その宣伝効果や誘客効果が非常に高いことから、私は、開業効果を最大限に獲得するための重要なキャンペーンと位置づけ、平成二十三年度の県単独の地域指定実現に向けて、窓口でありますJR東日本に対して積極的に働きかけていきたいと存じます。  ユビキタス?君なら何する??をどのように評価しているかであります。  「ユビキタス出前授業~ユビキタス?君なら何する??~」は、県の重点推進プロジェクトの一つでありますユビキタスあおもり推進プロジェクトの一貫として、来るべきユビキタスネット社会の主役となる子供たちにユビキタスネットワーク技術に対する理解と関心を持ってもらうことを目的として、平成十六年度の八戸市を皮切りに、鰺ヶ沢町、平川市、そして、本年度は九月十三日にむつ市において開催したところであります。  授業では、子供たちが最先端のユビキタスネットワーク技術を実際に体験し、この技術を使用して実現する未来をグループごとに考え、その成果を発表したわけでありますが、毎回、子供たちが目を輝かせて取り組んでいる姿に感動し、また、大変に自由で柔軟な発想には驚かされるものであります。これは、一緒においでいただいているこの国の最先端の研究者、技術者が驚く次第であります。  例えば八戸市では、ICタグを用いて放流したサケの位置が常に把握できるというアイデアとか、鰺ヶ沢町では、運転免許証で車のエンジンの始動やドアロックができるというアイデア、平川市では、会話のできるロボットをお年寄りの話し相手として活用するというアイデアであるとか、そして、今回のむつ市においては、目の不自由な人のために、点字ブロックに埋め込まれたコードをステッキで読み取って歩行誘導するというアイデアなどが出されたわけでありました。  私は、本県の将来を担う人財──人の財(たから)の育成が急務であると考え、各種施策を推進しているところでありますが、とりわけ未来の青森県を元気にするのは子供たちであるわけであります。この事業を通じて、子供たちがユビキタスネットワーク技術についての理解と関心を深め、来るべきユビキタスネット社会の主役として、十年先、二十年先の青森県を元気にしてくれるものと大いに期待するところであります。  そこで、来るべきユビキタスネット社会の実現に向け、どのように取り組んでいくかであります。  私は、情報通信技術を活用し、県民一人一人が、いつでも、どこでもネットワークにつながり、多様な情報の受発信やサービスの享受が可能となるユビキタスネット社会の実現は、地域格差の解消や地域の活性化など、本県の直面する課題解決と本県が目指す持続可能な社会を実現するための有効な手段の一つであると考えております。  このため、県では、これまで、ユビキタスあおもり推進プロジェクトの中で、ユビキタスネットワーク技術を活用した自律移動支援システムの実証実験、携帯電話を活用した洪水避難情報や交通情報の提供、あるいは県立美術館へのユビキタスネットワーク技術を活用した案内システムの導入などに取り組んできました。  今後は、これまでの成果を生かし、引き続きユビキタスネット社会を支える人材の育成や先進的な情報通信技術の実証実験と利活用に取り組み、ソフトウエア産業やコンテンツ産業などの地元情報サービス産業の育成を図っていきたいと考えます。また、国、民間企業等と連携しながら情報通信基盤の整備を促進し、インターネットを活用した地域の観光物産情報の発信やブロードバンド等を活用した遠隔医療の導入など、地域経済の活性化や県民の安全・安心の確保などに積極的に取り組んでいきたいと考えております。  がん診療連携拠点病院の効果であります。  安全・安心で健康な青森県づくりのためには、本県の死亡原因の三割を占めておりますがんについて、県民のだれもが、どこでもがんと闘えるシステムをつくる必要があります。そのためには、一次予防対策や効率的な検診システムのほか、地域医療資源の乏しい本県では、医療機関相互のネットワーク構築が非常に重要であります。  がん診療連携拠点病院は、質の高いがん医療を提供することに加え、患者や家族に対する相談支援、地域の医療機関を対象とした研修や診療支援等の機能が必要です。都道府県がん診療連携拠点病院として指定された県立中央病院では、これらの機能に加え、県内の地域がん診療連携拠点病院や県内外のがん診療にかかわる医療機関とのネットワークを構築し、そのネットワークを活用した研修、情報提供を図り、県内における質の高いがん医療の提供体制の確立に向けた取り組みを進めております。  また、県立中央病院では、今年度更新することとしております放射線治療システムにおいて、コンピューター制御により何万通りの照射方の中から最適な方法を算出し、腫瘍部分──がんの部分にピンポイントで理想の線量により照射でき、かつ、周囲の正常細胞に対する影響が極めて少ない高度な放射線治療であります強度変調放射線治療(IMRT)を新たに実施することとしております。今後とも、本県におけるがんの先進医療の充実に努めていきたいと考えます。  このように、がん診療連携拠点病院の指定は、がん医療の水準向上、医療機関ネットワークの形成、相談支援機能の整備など、がん対策において多面的な効果を有するものと考えております。  私からは以上であります。 6 ◯議長(神山久志) 企画政策部長。 7 ◯企画政策部長(奥川洋一) 御質問三点にお答えいたします。  初めに、ユビキタスについての子供たちの発想を県の施策に生かしていくべきと考えるがについてであります。  県では、これまで県内四カ所で「ユビキタス出前授業~ユビキタス?君なら何する??~」を開催してきましたが、いずれの地域においても、子供たちが取りまとめた斬新かつ具体的な提案には目を見張るものがあります。このような若い世代の発想力や創造力を積極的に県の施策に生かしていくことは非常に重要なことであると考えています。  次期基本計画においても、産業・雇用分野においてユビキタスネット社会実現に向けた取り組みを進めることとしていますが、情報通信の分野は、新たな技術やサービスの開発が日進月歩で進められており、とりわけ若い世代の自由で柔軟な発想が特に求められている分野です。  このため、県としても、引き続き児童生徒が先進的なユビキタスネットワーク技術に触れる機会を設けるとともに、高校生や大学生を含めて、若い世代からの情報通信技術を活用した地域課題等を解決するためのアイデア提案などを県の施策に十分生かしながら、ユビキタスネット社会の実現を目指していきたいと考えております。  次に、東日本フェリー大間―函館航路の撤退に係る経緯についてであります。  東日本フェリー株式会社が国内フェリー事業から撤退するに至った経緯については、原油高の影響等により、ことしは青森―函館航路で四十億円、青森―室蘭航路で六億円、函館―大間航路で三億円、合計四十九億円の赤字が見込まれること。高速フェリーの利用者を五十五万人と見込んでいたが、三十三万人と計画の六割にとどまったこと。特に青函航路で八月の乗船客数が予想よりはるかに少なかったことなどから、これ以上撤退の判断をおくらせると、利用者のみならず、取引先、関係先、さらには地域に対し多大な迷惑をかける結果を招きかねないため、八月三十一日に決断したものと聞いております。  次に、大間―函館航路存続に向けた支援についてであります。  大間―函館航路は、地域住民の生活航路として重要な役割を果たしていることから、県では、地元大間町、東日本フェリー株式会社、道南自動車フェリー株式会社と航路の存続に向けた協議を行っているところです。  協議については、七月三十日に第一回東日本フェリー大間航路存続事務協議を開催し、八月二十二日に第二回の協議を、また、九月十一日にはフェリー航路の譲渡先となる道南自動車フェリー株式会社をメンバーに加え第三回の協議を、九月三十日に第四回の協議を行ったところであります。協議内容の詳細につきましては、協議中であることから申し上げることは差し控えさせていただきますが、航路の存続に向け、引き続き協議を進めてまいります。 8 ◯議長(神山久志) 健康福祉部長。 9 ◯健康福祉部長(一瀬 篤) 御質問四点にお答えいたします。  まず、医師不足の状況についてです。  本県の地域医療の根幹を支えている自治体病院における医師不足の状況は、青森県国民健康保険団体連合会の調査によると、平成二十年五月時点で、病院運営に必要な医師数として二百一人の不足となっています。圏域別に見ると、青森圏域が三十三人、津軽圏域が十九人、八戸圏域が四十三人、西北五圏域が二十五人、上十三圏域が三十三人、下北圏域が四十八人のそれぞれ不足となっております。また、主な診療科別に見ると、内科が四十八人の不足で充足率七二・七%、外科が十三人の不足で充足率八七%、産婦人科が十三人の不足で充足率五九・四%、小児科が十五人の不足で充足率六五・九%、麻酔科が十八人の不足で充足率二八%、精神科が六人の不足で充足率五三・八%となっています。  次に、医師不足対策についてです。
     県では、深刻な医師不足の状況を打開するため、これまでの発想から脱却し、仕組みを変える、仕組みをつくるを基本的な考え方として、医師の確保、定着に係る施策に取り組んでいるところです。  まず、本県出身の医学部進学者を増加するための仕組みとして、高校生に医師の職業的魅力を紹介する職業ガイダンスや医療施設見学会の実施。過疎地等の地域医療確保のための仕組みとして、弘前大学医学部入学生特別対策事業の特別枠の設定。医師定着、還流のための仕組みとして、自治体医療機関への医師紹介・配置調整機能を有するあおもり地域医療・医師支援機構の設置や青森県臨床研修対策協議会による合同事業の実施等に取り組んでいます。  これら施策の取り組みの結果、本年度、本県出身の弘前大学を初めとする医学部進学者が大幅に増加したほか、臨床研修医採用者数がこれまでで最高となるなど、一定の成果が出ているところです。  このような中で、国において、大学医学部定員の増員など医師不足解消に向けた対策が打ち出されたことは大変喜ばしいことと受けとめています。県としては、今後とも、国の動向に留意しながら、さらなる医師の確保、定着に向け、本県独自のすぐれた医育環境の整備、医師が意欲を持って勤務できる環境の整備に、自治体病院の開設者である市町村とともに取り組んでまいります。  次に、がん診療連携拠点病院についてです。  現在、県内のがん診療連携拠点病院は、都道府県がん診療連携拠点病院として県立中央病院が、地域がん診療連携拠点病院として弘前大学医学部附属病院、八戸市立市民病院、三沢市立三沢病院、むつ総合病院が指定されており、県内六圏域中、西北五地域が未整備となっています。県としては、西北五地域においてがん診療連携拠点病院となり得る西北中央病院において、地域のがん医療の中核として取り組む意向を示した上で必要な体制を整備し、国の定める指定要件を充足すれば、厚生労働大臣に対して推薦したいと考えております。  同病院が、がん診療連携拠点病院の指定要件を充足するためには、一つとして、放射線療法、化学療法や緩和ケアを実施するために必要な専門医や専門の薬剤師、看護師等の人材の確保と設備の整備。二つとして、地域の医療機関に対する研修や診療支援体制の構築。三つとして、がん患者や家族に対する相談支援体制の構築等に取り組む必要があるものと考えています。  最後に、がん予防対策についてです。  がんの罹患には、特に喫煙と食習慣が大きくかかわっているとされており、がんの予防には生活習慣を改善することが重要となります。このため、学校や市町村等と連携しながら、防煙教室の開催や子供のころからの肥満予防を軸としたよい生活習慣を獲得するための支援等を行い、生活習慣の改善に向けた取り組みを行っているところです。  各がん検診の受診率については、平成十六年国民生活基礎調査によりますと、二三・七%から三八・三%でどの検診も全国平均を上回っているものの、受診率向上のためのなお一層の努力が必要と考えます。  県では、これまで、女性のがん検診受診勧奨リーフレットの配布等により、がん検診についての普及啓発を図ってきたところです。また、今年度は、生活習慣の改善やがん検診受診を促進する要因についての意識調査を実施しており、その結果を踏まえ、市町村等と連携し、がんの予防やがん検診受診率向上に向け、取り組んでいきたいと考えています。 10 ◯議長(神山久志) 商工労働部長。 11 ◯商工労働部長(九戸眞樹) 二点についてお答えいたします。  八戸駅開業後に実施したデスティネーションキャンペーンの成果についてです。  県では、平成十四年十二月の東北新幹線八戸駅開業を観光客誘致の好機ととらえて、岩手・秋田両県と連携し、JR六社の協力のもと、平成十五年四月から六月までの三カ月間にわたり北東北デスティネーションキャンペーンを実施したところです。このキャンペーンでは、北東北旅行ガイドブックの発行、各種広告媒体を活用したPR事業、地元観光ガイドを活用した新たな旅行商品の造成などの事業を展開したところです。  その結果、キャンペーン期間中のJR東日本のびゅう旅行商品における本県向け送客実績は、新幹線開業効果と相まって前年同期比で二四九%と大きな伸びを示し、新幹線八戸駅開業効果の維持拡大につながったものと高く評価しております。  また、昨年七月から九月までの三カ月間にわたり実施した北東北デスティネーションキャンペーンにおいても、前回同様に各種PR事業等を展開したところ、期間中の本県向け旅行商品の送客実績は対前年同期比一二四%を示すなど、ここ数年、観光客入り込み数が横ばいとなっている中にあって、本キャンペーンが極めて大きな成果を上げたものと認識しているところです。  原子力関連施設の立地に伴う産業振興についてです。  原子力関連製造業の誘致については、再処理工場の本格稼働に伴い、同工場に係る部品、機材等に新たな需要が見込まれること、使用済み燃料中間貯蔵施設など本県に新たな原子力施設の立地が見込まれることに加え、世界的な原子力発電所の新設の動きにより、原子力関連産業全体への需要の増加が見込まれることなども踏まえ、昨年度から、関連企業や関係機関を訪問し、誘致折衝や情報収集などを行ってきています。  関係機関からは、防護服等の保安用品や検査・計測機器関係の部品、機材等について新たな需要の増加が見込まれることから、これらの分野をターゲットとして企業誘致の取り組みを進めるべきであること、また、事業者はもとより、メーカー等とも共同して地元企業の技術力の向上や人材育成に取り組み、地元企業の受注能力の向上を図ることにより企業誘致につなげる必要があるなどの御意見をいただいたところです。  県では、このような御意見も踏まえ、既に本県に立地し、これまで原子力施設関連のメンテナンス業務を中心に行ってきた企業に製造部門を設けるよう要請するなどの新たな取り組みを行っており、去る七月には、新型遠心分離機に係る部品メーカー二社の六ヶ所村への立地が決定するなど、原子力関連製造業の立地に係る新たな動きも出てきています。  県では、このような動きをチャンスととらえ、今後とも、本県での需要の増加が見込まれる分野を中心とした原子力関連製造業に係る企業誘致に取り組み、その集積に努めてまいります。 12 ◯議長(神山久志) エネルギー総合対策局長。 13 ◯エネルギー総合対策局長(佐々木郁夫) 原子力関連産業振興のための地元参入促進等に向けた取り組みについてお答えします。  本県において、今後、原子力施設の立地に伴う産業振興を図っていくためには、継続的業務であるメンテナンス業務に係る地元企業の育成及び参入促進が重要な課題であると認識しています。  県では、平成十六年度から、メンテナンス業務への参入を目指す地元企業の人材育成を支援するため、放射線管理に関する研修や原子力施設固有の設備に関する技術講習を実施してきたほか、平成十九年度からは、地元企業の参入を促進するため、新規参入を希望する地元企業への助言やメンテナンス業務を担う工事会社との仲介などの支援を行っています。  また、ことし九月には、これら工事会社と地元企業とが一堂に会し、今後の業務参入のきっかけとすることを目的に原子力メンテナンスマッチングフェアを開催したところ、地元企業八十八社の参加が得られ、マッチングの結果、今後の参入が期待される事例も見られるなど、着実に成果を上げてきています。  県としては、引き続き関係機関と連携を図りながら、地元企業の参入促進が図られるよう支援していきます。 14 ◯議長(神山久志) 警察本部長。 15 ◯警察本部長(石川威一郎) あおもり被害者支援センターの事業内容及び活動実績についてお答えいたします。  御指摘のとおり、事件、事故の被害者や家族は、精神的なケアや裁判所への付き添いなど、さまざまな支援を必要とします。それに対し、きめ細かな支援を行うため、平成十九年十月一日にあおもり被害者支援センターが設立されました。同センターの主な事業は、一つ、被害者等に対する直接的な支援事業、二つ、社会全体で被害者等を支援する環境づくり事業の二つであります。  まず、被害者等に対する直接的支援事業に関する活動実績について申し上げます。  第一点目は、ボランティア相談員による電話・面接相談業務であります。これまで、身体的被害に遭った方からのカウンセリングや一時保護に関する相談、その他治療費や損害賠償に関する相談など、合計四十八件あったと承知しております。  第二点目は、本年六月一日から開始した臨床心理士による無料カウンセリングと弁護士による無料法律相談業務であります。これまで、無料カウンセリングをドメスティック・バイオレンス事案、性犯罪の被害者等三人に対して延べ四回実施したと承知しております。  第三点目は、裁判所等への付き添い支援業務であります。これまで、殺人事件遺族の裁判への傍聴付き添いやカウンセリング時における子供の世話の三件があったと承知しております。  続きまして、社会全体で被害者等を支援する社会環境づくり事業に関する活動実績について申し上げます。  同センターでは、一つ、松本サリン事件や大阪池田小学校における児童殺傷事件の被害者や御遺族等を講師とした講演会を三回、二つ、命の大切さを訴える映画の上映会を六回実施したほか、街頭キャンペーン、バスカードへの掲示等による広報啓発活動に取り組んでいるものと承知しております。  あおもり被害者支援センターの今後の課題と対応方針について、以下二点申し上げます。  第一に、センターの活動につきましては、先ほど申し上げました電話相談、臨床心理士による無料カウンセリング等を通じて一定の実績を上げつつあります。引き続き相談業務、広報活動等の充実強化に努め、センターを最適な被害者支援を提供する団体として県民に認知していただくことが今後の重要な課題であると認識しております。  このため、センターにおきましては、一つ、臨床心理士による無料カウンセリングの提供地を、青森市内のセンターに加え、八戸、弘前、むつ地域も対象とすること。二つ、相談業務に携わっているボランティア相談員の技能の向上を図るため、他県のセンター職員、被害者等による講演や、模擬演習を取り入れた実践的研修の回数をふやすこと。三つ、青森県被害者支援連絡協議会の参加機関である県環境生活部、健康福祉部、教育庁や検察庁等に対し、センターの存在や活動内容を県民に広報するよう要請することについて取り組む方針であると承知しております。  県警といたしましても、研修への講師派遣、事件担当の警察官による被害者等に対するセンターの紹介に取り組んでまいります。  第二に、被害者への中長期にわたる精神的ケアについては、全国各県で被害者等による自助グループが大きな役割を果たしております。現在、センターが把握している県内の自助グループは二つと承知しておりますが、被害からの立ち直り支援を強化するためには、これらの活動の活性化が今後の重要な課題であると認識しております。例えば、自助グループによる講演会への参加、手記の発行等によりグループ活動の活性化を図ることが想定されますが、今後、県警といたしましても、センターと協調して自助グループに対する適切な支援方策について検討してまいりたいと考えております。  以上二点について申し上げましたが、県警察本部といたしましては、今後とも、あおもり被害者支援センターの活動の充実強化のため、緊密に連携してまいる所存であります。  次に、むつ警察署建てかえの優先順位についてお答えいたします。  御指摘のとおり、むつ警察署は昭和四十五年の建設で築三十八年が経過しており、施設は全体的に老朽化が進行している状況にあります。また、建設当時からの署員数の増加、パソコン、周辺機器の増加等によりまして狭隘化も深刻化しております。これらによりまして現在生じている問題は、一つ、取調室、留置室の数が足りない、鑑識室が狭いことのほか、災害対策本部室を設ける必要が生じた場合などに十分な広さの部屋が確保できないこと。二つ、住民へのサービス面としては、来客用の駐車場が十台分しかないこと、待合ロビーが狭いことであります。  これらにかんがみますと、むつ警察署を建てかえる必要性は高いものと認識しておりますが、これに加えまして、一つ、県下警察署では築年数が最も長くなっていること。二つ、むつ市に設置予定のリサイクル燃料備蓄センターが平成二十二年には操業開始予定であることから、早急に危機管理機能を高める必要があること。三つ、下北地域の住民の方々は、運転免許証の即日交付を求め、遠路青森市内の免許センターに行くか、地元で申請して交付まで約四週間待つかの選択を余儀なくされておりますが、現在の警察署の狭い施設では、即日交付等住民サービスを向上させることが困難であることなどの事情にかんがみれば、緊急性も高く、県下警察署の中では建てかえの優先順位は最も高いものと考えております。  むつ市からの要望に対する今後の対応方針と現時点における移転候補地についてお答えいたします。  むつ警察署は、先ほども申し上げましたが、庁舎の老朽化、狭隘化の解消、運転免許証更新時の即日交付などの住民サービスを向上させる等の課題を抱えております。  即日交付を実現するためには、来客用の駐車スペースや執務スペースを十分に確保する必要があり、それに対応できる地積の大きな土地に移転することが必要になります。また、幹線道路に面しているなど、移転先は交通の利便性にすぐれていることが必要でありますが、災害発生時におけるむつ市当局との緊密な連携という観点も加味していく必要があり、今後、これらの観点を踏まえ、最適な移転候補地を選定してまいります。  そうした中、八月十五日にむつ市長からむつ警察署の機能強化と施設拡充を求める要望書をいただいたところであります。御要望の内容は、今後の原子力関連施設の操業に伴う警察業務の増大、運転免許証の即日交付等に対応したむつ警察署の機能と施設の拡充につきまして特段の配慮をということでありました。県警としましては、御要望の趣旨を真摯に受けとめ、地域住民の安全・安心、住民の利便性の向上に資するため、むつ警察署庁舎の移転建てかえの必要性等について関係部局と検討協議してまいりたいと考えております。 16 ◯議長(神山久志) 越前議員。 17 ◯二十八番(越前陽悦) ただいま、知事初め各部長、警察本部長から大変丁寧に御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  若干の質問と要望を申し上げたいと思います。  まず最初に、県単独のデスティネーションキャンペーンについての再質問でございます。  御案内のとおり、県単独のデスティネーションキャンペーン──先ほど御答弁がありましたが、何といっても、これから県を挙げて県議会並びに関係機関が一体となって取り組んでいくということがまずは大事だろうと考えております。もちろん、私もいろいろな形でこの実現に向けて努力してまいる所存であります。  そこで、次の点についてまずお尋ねいたしたいと思いますが、先ほど壇上で申し上げましたように、九州におきましてもデスティネーションキャンペーン実施の誘致に向けて今動きが展開されているという状況でございまして、青森県単独でのデスティネーションキャンペーンの実施に向けた誘致を勝ち抜くためには、やはり県を挙げて強力に取り組んでいくという必要があるわけでありまして、この点については、九州の動きを見ながら、それにまさる動きをしていかないと、県単独の事業実施に向けていくことは非常に厳しいのではないか。かち取るためには一丸となった取り組みが必要であると考えるわけでありまして、この点については、再度県の取り組み方についてお伺いしたいと思います。  なお、デスティネーションキャンペーンにつきましては、二点について御要望申し上げます。  第一点、新幹線全線開通の効果をまずは県域全体で獲得していくためには、先ほども御答弁がありましたが、デスティネーションキャンペーンの成果が出ているわけでありますから、交流人口の拡大を初めとして、二次交通の整備並びに受け入れ体制の整備が最も重要であるということも踏まえながら、デスティネーションキャンペーンの実現に向けて私は取り組んでいただきたいということを強く要望申し上げます。  また、第二点は、今年、しかも十月、今月から十二月まで三カ月間、仙台・宮城において仙台・宮城デスティネーションキャンペーンが実施されております。宮城県と県内三十六市町村、山形県におきましては九市町村を含めて、県境を越えてJRグループと一体となっての取り組み、広域観光キャンペーンが開催されているわけでありまして、JR東日本におきましても、この内容を見ますと、新型車両の導入、そしてまた、非常に懐かしいSLを初めとした楽しい列車の運転など、大変な多種多様な計画をして、もてなしの心でお客様を迎えるということでのキャンペーンを実施するようであります。  仙台・宮城デスティネーションキャンペーンを開催しておりますことから、県がこれから県単独で行うに当たって、私は、今月から行っている仙台・宮城のデスティネーションキャンペーンの開催状況を見ておくことも非常に参考になるのではないかと考えるわけでありまして、私もぜひ見に行きたいと思っていますが、この点についてもぜひ検討していただきたいと思っているところであります。  次に、大変重要課題の東日本フェリー大間―函館航路についての再質問であります。  この航路は、先ほど申し上げましたように、地域との結びつき、住民生活、地域経済の発展を考えた場合に、何としても存続させることが不可欠であります。また、地域住民も航路の存続を切に願っておることは御承知のとおりであります。一日の切れ目もなくこの航路を存続させていくことを願っているものであります。  先ほど、航路の存続に向け、県、大間町、東日本フェリー道南自動車フェリーによる協議が行われているという答弁がございましたけれども、東日本フェリーにおきましては、十一月末をもって国内フェリー事業から撤退すると発表しておるわけでありまして、地域住民の期待にこたえて一日も切れ目なくこの航路を存続させていくためには、それまでに航路を道南自動車フェリーに継承することが必要であります。  地元大間町の住民の思いは、まさに切実必死であります。先ほど申し上げましたように、先日行われました町民総決起大会におきましては約六百名の町民の方々が集合され、また、町おこしグループあおぞら組では、「なぐすなぢゃ 守れ!大間函館航路テーシャッツ」の製作販売を通じて存続の必死さを全国に発信しているところであります。  やるど会は署名運動を実施し、集まった署名簿を国土交通省に提出することにしておるようであります。県議会としても、昨日、生活航路、防災航路と位置づけ、大間―函館航路の存続を求める意見書が提出されたところであります。さらに、むつ・下北郡五市町村で構成する下北総合開発期成同盟会でも要望活動に参加していくことが確認されたとの報道がございました。  大間―函館航路は、住民の生活航路、命の航路、防災航路のみならず、本州と北海道を結ぶ重要な国土軸として、国道二百七十九号の海上国道として重要な役割を果たしているのであります。東日本フェリーにおきましては、多額の支援を県、大間町に求めているようでありますが、国土軸、海上国道である大間―函館航路の存続については、国の支援もあってしかるべきであると私は考えております。  そこで、次の二点について再質問いたします。  第一点は、大間―函館航路を一日の切れ目もなく存続させていくための協議の期限はいつまでということになっているのか。この点について改めてお伺いいたします。  第二点は、航路存続に向け、国土軸、防災航路としての観点から、国に対し強く財政支援を求めていくべきと考えますが、この点について改めて県の考え方をお伺いするものであります。  なお、先月の九月二十七日開催のフェリー【大間―函館】航路存続町民総決起大会で地元を代表して発言された、先ほど壇上で申し上げました笠井大貴君と傳法和佳奈さんの原稿をいただいてまいりました。ここに原稿がございます。後ほど知事にお届けしたいと思っております。  次に、原子力関連施設の立地に伴う産業振興についてでありますが、答弁については心から大変歓迎申し上げます。  高等学校、そしてまた高専、短大、大学等の新卒者の県内雇用が非常に大きな課題となっております。本県の現状を踏まえますと、大規模な雇用を創出する原子力関連製造業の誘致は極めて重要な課題であると常に私は考えております。原子力関連製造業の本県への立地が進めば、特に本県に十一校ある工業高校の卒業生の受け皿にもなり、本県の将来を担う若者の県内への定着につながるものと確信をいたしているところであります。  したがいまして、県におかれましては、このような状況を踏まえ、これまで以上に原子力関連製造業の誘致に積極的に取り組んでいただきますよう、強く要望を申し上げる次第であります。  次に、医師不足の解消についてであります。  県の最重要課題でありますが、全国的に医師不足のため公立病院が次々と閉鎖するニュースが報道されております。人の命を守る医師確保のためには、医師の育成が急務であります。厚生労働省、文部科学省は、治療以外におきまして、教育、研究、臨床ができるような制度改正に向け検討しているとのことでありまして、動向を含めまして、医師確保に向け一層の御尽力を強く要望したいと思います。  あわせて、老朽化しているむつ総合病院の精神科病棟の改築についてでありますが、病院設置者である一部事務組合におきまして財政面で課題があることから、改築計画が進んでいない現状であります。このようなことから、県におきましては、一部事務組合から起債許可や国庫補助制度の活用等の相談があった際には、できる限り早期に病棟の改築ができるよう、必要な助言と支援等をお願いいたしたく、強く要望を申し上げる次第であります。  他の項目については、それぞれ重要課題でありますので、それぞれ今後積極的に取り組んでいただきますよう、強く要望を申し上げたいと思います。  最後に、先般、いろいろと教えていただく機会がございました。真の幸せとは何かを教えていただく機会。それは、教育とはまさに教え育てることであり、人生は夢と希望を持って生きること。信ずる目標、社会に向かって努力すること。努力することからよい結果が出る。理想に向かって確信を胸に、我もまた、人をもの幸せのために努力すること。苦痛苦難を乗り越えること。感謝の心で人を思ってあげること。理想とは最も望ましい姿であり、理想を失っては幸せになれない。究極の目標こそ理想である。与えられた人生を、我もまた、人をもの幸せのために私は生きたい。  以上であります。よろしくお願いします。 18 ◯議長(神山久志) 蝦名副知事。 19 ◯副知事(蝦名 武) 東日本フェリーの大間―函館航路に関する再質問二点についてお答えいたします。  まず、大間―函館航路につきましては、大間町の金澤町長さんから、この存続について強い要請を受けておりました。と言いますのは、「ばあゆ」というフェリーの耐用年数が過ぎておりまして、幾ら頑張ってもあと四年しかもたないのではないかという話がもともとありまして、そして、それに対応するためも含めて、やはり何とか存続するための協議をしていただきたいということで要請がございました。  実は私も大間の金澤町長と東日本フェリーの社長にお会いしまして、そして、その実務者協議をつくろうと、三者で協議しながら、この存続について真剣に議論していこうということがもともとありまして、七月三十日に第一回目の実務者会議が開かれたのでございます。  私どもとしては、そういう真摯にこれから交渉していくというときに、九月になって突然こういう問題が提起されて、この東日本フェリーというのは、生活航路とか、あるいはさまざまな点から何十年もやってきたものでございまして、社会的責任というものがあるのであろうということだと私は思います。その段階で、一方的に会社の経営が悪化したからやめるというのは、私としては大変な違和感を感じたのでございます。しかしながら、会社のそういう事情をも十分しんしゃくしながら、何とか大間フェリーの継続について協議していく必要があるということでございまして、今まで何回も実務者会議を進めてきているわけであります。ただ、向こうのほうが言うように、一方的に、石油燃料が上がったから、その赤字分が三億ありますよと。それを一億、一億ずつ県と町で払わなければ一方的にやめますというのは、やっぱりいかがなものかなと、こう思っているわけでございます。  しかし、金澤町長からも九月二十四日に、また何か継続のための協議を県と連携してやりたいという強い申し出がございまして、私どもとしては、九月三十日にまたその実務者会議を開いておりますし、これからも実務者会議を続けながら、それぞれの考え方に何とかまとまるような方向で続けていきたいと。これは、三村知事は下北を大変愛しておりまして、何とかそれを残すべきではないかという三村知事の強い意思もあるのでございます。  先ほど言いましたように、まずこの期限につきましては、余りにも一方的でございます。したがいまして、我々は、精力的にこれからもこの実務者協議を続け、必要があれば、私も含めて大間町長、東日本フェリー社長とトップ会談を開いて、最終的な結論に導いていくということも必要ではないかというふうに考えておりますので、存続させるための努力を今一生懸命続けているということを理解していただいて、必ずしも時間がないからということではなく、やっぱりそういうことでお互いに真摯に話し合っていく必要があるだろうと、こう思っております。  それから、国に対する財政支援の要請につきましては、これはもともと二百七十九号が大間から函館までつながっているということもございまして、生活航路であり、これからJ―POWERの原子力発電所ができれば、防災航路としての役割も果たしていくということも考え合わせなければなりません。したがいまして、私どもとしては、県議会の御議論を踏まえ、議会と連携して国に要望してまいりたい、こう考えております。  以上であります。 20 ◯議長(神山久志) 商工労働部長。 21 ◯商工労働部長(九戸眞樹) 県単独でのデスティネーションキャンペーンをかち取るための取り組みについてでございます。  東北新幹線全線開業後の開業効果の維持、拡大を図っていくためには、平成二十三年度の県単独でのデスティネーションキャンペーンの地域指定を受けることが重要でありますことから、ぜひともその実現を目指したいと考えております。  東北新幹線八戸駅開業後の平成十五年度及び昨年度に実施いたしました北東北デスティネーションキャンペーンでは、主体である北東北三県及び観光関係団体に加え、市町村や民間事業者等の協力を広く得たことが大きな効果に結びついたものと考えています。  平成二十三年度は、九州新幹線が全線開業を迎えるため、九州においてもデスティネーションキャンペーンの地域指定に向けての動きがあると伺っております。  県としては、県単独のデスティネーションキャンペーンの地域指定の決定を受けるためには、県、市町村、県内関係機関が一丸となって指定に向けた取り組みを進めていくことが大事であると認識しております。 22 ◯議長(神山久志) 午さんのため、暫時休憩いたします。 午前十一時五十六分休憩     ─────────────────────── 午後一時三分再開 23 ◯副議長(大見光男) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。
     三十六番北紀一議員の登壇を許可いたします。──北議員。 24 ◯三十六番(北 紀一) 新政会の北紀一です。  私見を述べながら、通告に従って質問させていただきます。  どうも小泉改革やら以降、今の日本は何かおかしい、私は変に感じておるんです。これまでも多くの方々がマスコミ等々を通じて言ってこられておりますので、聞くほうはもう耳にたこができておるというふうなことでございましょうが、私もここで一言言いたい。  どうも今の日本はおかしい。まず感じられるのは、忌まわしい事件、こういうものがやたらと多いのであります。子が親を、親が子を殺す、また見ず知らずの他人が、だれでもよかったからなどと言ってそれを殺害する。そしてまた、金銭に絡む犯罪等、やたらと頻発するようになっております。そしてまた、自殺をする人も多くなった。格差の拡大は、個人、法人を問わず、近年非常に顕著なものがあります。道徳観の喪失に係る事件の何と多いことか、嘆かざるを得ません。これはすべて日本の文化の崩壊のなせるわざだと私は思っております。  小泉改革はアメリカ型社会を目指したと、こういうことのようでありましたけれども、ならば、アメリカとはどんな国であったのかというふうなものをもっと知っておかなければならなかったのではないかと、こう思うのであります。すべてに表裏があるように、表のアメリカは確かに経済、そしてまた、いろいろなものについて強国でありますけれども、裏の社会というふうなもの、負の部分では、格差社会の大国であります。そしてまた、自己防衛のためには銃などを持たなければならないほどの不安全な犯罪多発国家であるということも、これは忘れてはならないことであると思います。何でも競争競争で、勝った者が国を支えてくれればそれでいいんだと、こういうふうなことはいかがなものか。セーフティーネットの完全なる構築なくして進めるべきものではなかったのではないかと、こう思っております。  日本は、古来より道徳を重んじ、互助の精神を発揮し、互いに生きること、これは日本の文化であったはずでございます。この麗しい日本の文化はどこへ行ったのか。変人と言われた、みずからもそれを自認していた人がやった改革ですので、変な国になっても、これはいたし方のないこと、そういう当然の帰結だったのかと思わざるを得ないわけであります。今は、それに追い打ちをかけるように不景気にさらされております。  そんな中、原油高騰を皮切りに、家畜飼料の異常とも言える高騰、各種建設資材の──今私どもが議会に意見書として提出するのでありますけれども、そういうものを提出しなければならないほどの物価の異常な値上がり等々、何ともすさまじいものがあるわけでございます。  そのような状況下でありますからして、企業は物はなかなか売れないのであります。売れないと利益が出ません。労働者の賃金だけは上がらないのであります。日本を代表するようなデパートなどでも売り上げは伸びておりません。そして天下のトヨタでさえも、それを下方修正しなければならないような状況になっておるわけでございます。  そのような中で追い打ちをかけるような金融不安が今襲ってきているわけでございます。地方で商いをする者たちの苦しみ、悲鳴がとみに増し、それが政治に対する怨嗟の声となって増幅しているように私は感じられてなりません。もちろん、その中でも、どの業界においてでもそうですけれども、一握りですが、びくともしない立派な企業があることも確かなのであります。ですが、政治は常に、個人であれ、法人であれ、努力しても、なお努力しても報われることの少ない弱者へ光を当て、力を与えるものでなければならないと私は思っております。  私もかつてお世話になった建設業の業界も、非常に今苦しい状況下に置かれております。不景気の波にさらされ、公共事業の減少の中にあって、県内の建設業者は、生き残りをかけ筆舌に尽くせぬ努力をし、さまざまな道を模索しております。  本県の建設業の投資額は、官民合わせて平成七年度の一兆一千五百五十億円がピークであります。それが平成十八年度は六千三百二十三億円までに落ち込んでおります。実に四五%も減っているわけでございます。一方、建設業者の数を見てみますと、平成七年度、これは発注がピークの年でありますけれども、六千百二十七社あったわけでございますけれども、平成十九年度──これが落ちた年であります。これが六千四百七十三社です。建設投資が一番多かった七年度より実に三百五十社も建設業者が多くなっております。これでは過当競争が激しくなり、互いが疲弊していくのが当然であり、いまだかつてないほど経営環境は悪化の一途をたどっております。行政といたしましては、営業許可を与えた業者をこのままやっぱりほうっておくというのは、許されないことであります。  そこで、今県が実施している建設業者に対しての振興策である新分野への進出、また経営改善への支援策、これらを指導しているわけでございますが、その効果と実績はどのようになっているのかまずお伺いしたいと思います。  次に、異業種を含めた農業への新規参入についてお伺いいたします。  私は、ここ数カ月の間に、三人の若者から農業やら林業やらへの新規参入ができないものかという相談を受けたわけであります。いずれも三十代の若者であり、サラリーマンの子弟であって、その子供たちは親から受け継ぐべき資産の何もないということでありました。これを聞いたとき、私は正直驚きました。そしてまた、農業の将来と次世代を担う若者のバイタリティーに拍手を送るものであるわけでございます。  また、建設業におきましても、先ほど申し上げましたとおり、異業種への参入を奨励しているということが画策されているようでございますけれども、特にそれが農業というふうなことであれば、今は食料自給率アップを目指す日本には明るい材料であり、是が非でもこのような若い希望に燃える若者の芽を伸ばしてやらなければならないと私は考えます。  そこでお伺いします。  異業種を含めた農業への個人あるいは法人の新規参入促進について、県の考え方とその実態と支援策をお伺いするものであります。  次に、観光振興についてお伺いいたします。  観光はすそ野の広い産業であります。そのために、地域経済発展に大きく寄与することが期待される産業となって成長してきておるわけでございます。本県も文化観光立県をして数年たつわけでございますけれども、ますますこのことには力を入れていかなければならないものと思っております。  そのようなことから、本県では、あおもりツーリズムに積極的に取り組んでいることは、既に皆様承知でございましょうが、平成二十二年度には東北新幹線全線の開業が予定され、その効果を最大に獲得してまいらなければなりません。そのため、今後、観光産業のみならず、あらゆる産業で全県挙げての取り組みが喫緊の課題であると私は考えます。  このような中、県では、先般、観光レクリエーション客入れ込み数調査の結果を発表しました。それの説明を受けましたところ、宿泊客数はやはり減少しております。そして、観光消費額も伸び悩んでおります。これが新幹線八戸駅開業のときが近年のピークであると、こういうふうに伺っておりますけれども、やはりそれを境に若干落ち目になり、そして横ばいになってきているのではなかろうかと推察するわけでございます。  そこで伺います。  本県観光客入り込み数と観光消費額の現況は今どうなっているのか、まず一点お尋ねいたします。  そして次に、誘客対策について伺いたいと思います。  我が国で観光地というと、まず真っ先に思い浮かぶのは京都であります。これは私の個人的な思い入れなのかどうかわかりませんけれども、大多数の人から聞いてみますと、そんな答えが返ってくるのでありますけれども、まず京都、ここは有史以来常に日本の中心都市として千年の間都になった都市でありますから、神社仏閣は言うに及ばず、故事来歴、自然の風物、物産等々、枚挙にいとまがないものであります。  比して、我が青森はその対極に今までは置かれてきておりました。ゆえに、京のそれらに比肩する歴史的建造物等はないに等しいと言っても過言ではないかと思いますけれども、私たちの青森県は別に売りがあるわけでございます。それは、例えば十和田湖であったり、白神であったり、あるいはまた八甲田、下北、津軽の十二湖、十三湖であったり、これらに代表される大自然であります。そしてまた、大きな感動を呼ぶ祭りが各地にあります。そしてまた、多種多様な温泉があります。加えて、豊かな山海の珍味、食の資源であります。  これらの資源を組み合わせ、本県の特性を生かし、魅力ある観光ルートを整備し、観光客誘致につなげていかなければならないと私は考えます。このことにどのように県では取り組んでいるのかお伺いしたいと思います。  次に、お土産品についてであります。  まず観光といえばお土産であります。私もあちこちに旅行させていただきますと、家内たちは何も買ってこなくてもいいと言うんだけれども、何となく手が出るんですな。出るんですよ。そのすばらしい土産物を提供することは、観光客の望むところなのであると私は考えます。この期待にこたえるため、県の有しているふるさと食品センターを初め、公設の試験研究機関等を活用し、売る、販売する業者、そしてまた加工する業者の方々、素材を提供する生産者の方々が一体になってこれらに当たる必要があると私は考えます。  実際、私もこの観光の面とは別でありますけれども、六戸の研究機関を利用させていただきまして、いろいろなものを開発させていただきますと、なるほど県の持っているいろいろなノウハウ、蓄積されたいろいろな有形、無形の資源というふうなものをそこから感じるわけでございますので、ぜひこういうものは活用していく必要があると考えるわけでございます。  本県の観光土産開発に向けた今後の取り組み状況を伺いたいと思います。  次に、商店街の空き店舗対策についてお伺いいたしたい。  ここ数年、大資本の大型店舗の出店はすさまじいものがあります。本当にこんなにこの地域に購買力があるんだろうかと思うほどであります。そんな中にあって、さきに述べたごとく、地元商店では物が売れません。何とも悲しいことですが、物は売れないんです。自然、経営は苦しくなります。そのような状況をかいま見て、跡を継ぐべき若者は、ほかに飯の種を見つけて家を出て、結局はその店は閉めざるを得なくなってくる。これがシャッター街出現の一因だろうと私は考えるのであります。  くしの歯が抜けたような商店街を見るのは何とも痛ましく、心が沈みます。商店街というものは、何分、都市の、町の、市の顔であるというふうな一面を供えておるわけでございますので、そのような姿は本当に見るに見かねるわけでございます。本来であれば、そのようになる前に何らかの手を打つべきだとは思うのでありますが、自由主義経済の中にあっては、それもなかなか簡単にはまいらないのかというふうなことを考えますと、まことに残念でなりません。  そこで伺いますけれども、今現在、県内の主な商店街──これは三市または八市と限っても結構でございますけれども、商店街の空き店舗の状態はどのようになっているのか、これをまずお伺いいたしたいと思います。  そして、この空き店舗の状況を見るにつけ、県はどのような認識を持っているのか。また、その対策としてどのような空き店舗対策、これを講じているのかをお伺いいたしたいと思います。  それから次に、お伺いいたします。県内の中小零細業者への金融の円滑化についてお伺いいたします。  資本主義経済の根幹をなすものは金融であります。そして、それをなりわいとする銀行こそが、その最先端の企業であるはずでございます。バブル崩壊を機に金融庁が創設され、それが各金融機関を指導監督するようになったわけでございますけれども、金融庁には地方の中小零細業者に対しての指導監督の要綱というふうなものがあると伺っておりますけれども、その中身のほどは定かではありません。  私たちの多くは地銀を相手にしてお取引を願っているわけでございますけれども、地元の金融機関である以上、地元の企業を可能な限り指導、支援して繁栄に導いてやろうと考えているはずでございます。そして、それは地銀、地元の金融機関の責務の一つでもあろうかと思います。それでもやはり金融庁からの指導監督というふうなことを背景に、資金のお願いなどに行った場合には、残念ですがとか、破綻懸念先ですがというふうなことをいろいろ言われるわけでございます。そして、元気を出しなさい、頑張ってくださいと言われて、元気を出せる社長がこの世におりますでしょうかな。  このような苦境にあるわけでございますので、県として、国に、このよう状況を理解した上で特段の配慮を求めていくべきと私は考えておりますが、その辺のところをどのようにお考えなのかお伺いしたいと思います。  次に伺います。  金融において忘れてはならない最重要機関の一つに信用保証協会があるわけでございます。地元中小零細業者にとって何ほど頼りになる機関なのか。世の経営者皆一同にその思いは一つであるはずでございます。ところが、昨年十月から保証協会の保証つき融資において、責任共有制度が導入され、たしか八対二ぐらいだったかと思っておりますけれども、県ではこの影響についてどのような認識をお持ちなのかお伺いしたいと思います。  終わりに、農商工連携促進法についてお伺いいたします。  昨年十一月七日、日経にこの記事が掲載されました。私はこの写しを今でも持っておりますけれども、国もこれはなかなかやるものだなと、こういうふうなことで、その資料を取り寄せまして、早速経産省に行って担当者に説明を求めたところでございますけれども、法整備はこれからで、来年の九月ということは、その時点の来年の九月ということでございましたので、今の九月ということの説明でありました。そして、先般、この法の支援を受け、サバの冷凍ずしが地元の企業によって、農商工連携の認定を受けたことが新聞に掲載されたわけでございます。これは八戸の企業であったように私は記憶しております。  青森県の業者も大したものだと感心しておりましたけれども、これをもっと広くこの制度を世に知らしめ、大いに産業に活力を与え、また、さきに観光のところでも、私はお土産のところでも述べましたけれども、新しい土産物の開発等にも一役を買ったりなどすれば、一石二鳥の効果を発揮できるものと期待しておるところでございます。  そこで伺います。  新たに成立いたしました農商工連携促進法の概要と、そして、そのための支援の内容と県の取り組み状況についてお伺いいたしたいと思います。  これをもって壇上からの質問といたします。 25 ◯副議長(大見光男) 知事。 26 ◯知事(三村申吾) 北議員にお答えします。  まず、異業種を含めた農業の新規参入に関しての考え方、支援策であります。  私は、本県農業の新たなステージを切り開き、持続可能な産業として発展させていくためには、担い手となる人財の確保、育成が極めて重要であると考え、これまで就農準備から定着までの各発展段階に対応したさまざまな支援策を展開し、その促進に努めてきたところであります。  特に、既存の農業者と異なる視点を持つIターン、Uターンの方、さらには建設業を含めた異業種企業等の新規参入者が、企業活動等で培ったキャリアや経営ノウハウを活用して新たな農業経営を展開することは、地域農業・農村に新しい風を吹き込み、農業者へも新たな取り組みを促すほか、建設会社の余剰労働力の活用や新たな雇用の場の創出などにもつながるものと期待しているところであります。  このため、県では今後とも新規参入者に対して、営農大学校での就農支援研修や先進農家、農業法人での実践的研修などを行い、技術習得や経営組み立てに必要な研修機会を提供していくほか、参入を希望する企業等に対しましても、各県民局ごとに設置しております相談窓口や農業経営参入支援チームによる指導、さらに経営者を対象とした就農向けの研修会の開催などを通じて、新規参入促進とその定着に努めていくこととしております。  観光振興につきまして、そのルート整備についてであります。  本県は、十和田湖、奥入瀬渓流、八甲田山を初め、世界自然遺産白神産地などの美しい資源景観や、新たに世界文化遺産を目指す三内丸山遺跡を中心とした縄文遺跡群、さらには、国内有数の湧出量を誇る温泉、四季折々の祭りや伝統文化など、多種多様な観光資源を有しております。我が国でも有数の観光資源に恵まれた県であると自負しております。  私は、これらの観光資源をいかにして有機的に結びつけ、多様化する観光客のニーズや旅行形態に即応した魅力ある観光ルートを整備し、提供できるかが、観光客を誘致する上で重要であると考えるところであります。  このため、桜、祭り、紅葉といった認知度の高い観光資源に加え、文学、建築、名水、巨木、日本一のしゅんを味わう旅などをテーマ別観光という新しい切り口で、二十一のモデルルートを設定したパンフレットを昨年度作成し、ことし七月に東京で開催いたしました観光説明会において、旅行エージェントの方々にトップセールスしたところでございます。  今後は、東北新幹線全線開業に向け、このモデルルートをホームページで全国へ情報発信するとともに、旅行エージェントの方々に対しては、商品造成を働きかけ、観光客誘致に積極的に取り組んでいきます。  観光土産品の開発についてであります。  東北新幹線全線開業を間近に控え、県外から本県を訪れる観光客やビジネス客などに本県のすぐれた農林水産物を素材とし、本県の歴史、風土、文化等と融合させた土産品を提供することは、本県の農林水産物のPR、食品製造業の振興、さらには県内生産額の増大を図る上で極めて重要な取り組みであると考えております。  最近は、本県特産のニンニクの機能性を高めた熟成ニンニクなどが注目を集めていることや、県が開発した酒米「華想い」を原材料とした高級感あふれる日本酒が好評を博していることなどを参考としながら、本県特産のリンゴ、ナガイモ、ホタテ等の農林水産物を原料として、十和田湖、白神等の自然、ねぶた、ねぷた、三社大祭等の祭り、太宰治、寺山修司の文学、三内丸山遺跡等の歴史と組み合わせた物語性の高い土産品開発に取り組む必要性を痛感しております。  その際、本県の試験研究機関がこれまでに蓄積した多くの食品加工技術やノウハウを民間事業者に提供するなどして、新たな土産品の開発を支援し、商品化されたものについては、関係機関と連携しながら、メディアを活用した情報発信や効果的なキャンペーンを展開し、販売促進に努めてまいります。  農商工連携のための支援の内容と県の取り組み状況でありますが、私は創造性と活力あふれる産業、雇用の実現を図るためには、本県が有する豊かな自然や豊富な農林水産資源、最先端をいくローカルテクノロジーなどのさまざまな地域資源を最大限活用し、農業と工業の連携、融合により新たな産業を創出、育成していくことが重要であると考え、平成十八年三月にあおもり農工ベストミックス新産業創出構想を策定し、その実現に向けて取り組んできているところであります。  実はこうした私ども青森県の取り組みが全国的に注目され、国においても、地域経済の自立的発展の観点から、地域に根差した農業と工業等の産業間の連携を促進することを通じて地域の活性化を図ることを目的とした農商工等連携促進法がことし五月に制定されたところであります。本県としては、先駆者としてさらにこれを頑張っていかなければいけないと思っております。  県では、これまでの県独自の取り組みに合わせ、国等と連携しながら法律の周知や個別の相談に対応してきたところであり、去る九月十九日にはこの法律に基づく初めての事業計画の認定が行われ、東北地域で七件のうち、本県から一件、具体的には、議員からも御指摘がございましたが、八戸市の食品加工会社が下北地方の農業協同組合と連携して、解凍後もやわらかな食感を保つ低アミロース米で冷凍押しずしを生産、販売する計画が認定を受けたところであります。私も食したわけでございますが、大変にこれは、つくったときのままにおいしいと、そう感じた次第でございました。  県としては、国の施策を最大限活用し、本県の強みを十分発揮しようとする中小企業者と農林漁業者の連携を促進ながら、青森発の新商品、新事業を全国に発信し、本県の産業競争力の向上を目指していきたいと思っております。  支援の内容等、具体的には担当部長より答弁をいたさせます。  私からは以上です。 27 ◯副議長(大見光男) 蝦名副知事。 28 ◯副知事(蝦名 武) 金融の円滑化について、国に特段の配慮を求めるべきという御質問にお答えいたします。  今、北議員がおっしゃいましたように、金融というのは経済の血液でございます。最近、その中小金融機関、地方銀行も含めて融資について非常に厳しい姿勢に変わってまいりました。これはバブルがはじけた後の金融機関の不良債権を一掃するために、金融庁の検査が厳しく行われ、そしてその償却をどんどんやらせてきたという、これが地方に及んできたということであろうと思います。  現実的に、金融機関というのは、もちろん不良債権は出してはいけないわけでありますけれども、その地方の実情というものをやはり十分に理解してやっていただく必要があるのではないかと考えているわけであります。  今度、中小企業庁長官になりました長谷川榮一さんというのは、私が部長時代に官房の総務課長をしておりまして、当時さまざまやり合った中でございまして、中小企業庁長官に就任しましたから、お祝いに行ったときに、今何が中小企業にとって一番必要かと言われたので、金融が中小企業にちゃんと流れるような仕組みをやはり長官としてつくってほしいということをお願い、要請したわけであります。  なぜそうなっているのか。例えば検査で、赤字が二年続くともうすぐ破綻懸念先、いわゆるその償還を例えば書きかえをすれば、要懸念先としてなかなか融資がしがたいような状況になっているわけであります。これが県内の、いわゆる地方銀行においても、中小企業に金をなかなか出せないような状況になっているということであります。そういうことを申し上げておきましたところ、先ほど今の補正予算の中に中小企業対策が大幅に盛り込まれておりますけれども、それとあわせて、やっぱり金融庁に対してもしかるべき措置を講ずるようにということで申し入れをしたというふうに聞いております。  私どもとしては、中小企業が雇用を守り、県内の経済の活性化に大変な役割を果たしているわけでありますから、今、北議員のおっしゃったように、やはり金融が、中小零細企業も含めて、隅々まで行き渡るような仕組みをこれからも国に懸命にその要請をしていきたいというふうに考えております。 29 ◯副議長(大見光男) 商工労働部長。 30 ◯商工労働部長(九戸眞樹) 六点についてお答えいたします。  観光客入り込み数と観光消費額の状況についてです。  本県の観光客入り込み数について、東北新幹線八戸駅開業前後で見た場合、開業年であった平成十四年が総数で約四千四百二十五万人、宿泊客が約四百九十七万人、翌年の平成十五年が総数で約四千八百三十一万人、宿泊客が約五百四十一万人となっています。また、最新の平成十九年では、総数で約四千七百九十五万人、宿泊客が約三百九十二万人となっており、総数、宿泊客数とも八戸駅開業年の翌年である平成十五年が最も多い観光客入り込み数となっております。  一方、観光客の方々が県内で宿泊や土産物の購入などで消費する観光消費額は、平成十四年が約千六百四十九億円、平成十五年が約一千八百四十八億円、平成十九年が約一千六百七十億円となっており、観光客入り込み数と同様に、平成十五年が最も多くなっているところです。  また、平成十九年の観光消費額の内訳を見ると、域内の交通費が約三百八十四億円、宿泊費が約三百五十一億円、買い物、土産品費が約三百二十八億円、観光施設入館料や遊覧船など、その他消費額が約六百六億円となっております。  県としては、本県を訪れる観光客が県内の観光産業、地域経済の活性化に大きく寄与していることから、今後とも関係機関・団体及び民間事業者等と一体となり、観光客入り込み数及び宿泊客数の増加を積極的に図ってまいります。  商店街の空き店舗の状況についてです。  県では、中心商店街の空洞化の状況等を把握するため、県内市部の主な商店街を対象として、平成十年度から空き店舗の調査を実施してきております。直近の平成十九年度の調査結果は、千五百四十四店中、空き店舗数が二百六十七店で、空き店舗率は一七・三%となっております。平成十六年度の一四・七%と比べて二・六ポイントの増加となっており、依然として県内商店街の空き店舗率の増加傾向に歯どめがかかっていない状況となっています。  空き店舗対策に係る県の認識と取り組みです。  空き店舗の増加の要因は、後継者不足や大型店の郊外立地、消費者ニーズの多様化等、商業を取り巻くさまざまな環境の変化が考えられますが、商店街の空洞化の進展は喫緊の課題であると認識しています。  このため、県では、空き店舗の活用を促進し、商店街の空洞化に歯どめをかけていくことを目的として、市町村との連携のもと、空き店舗に対応する中小小売業者等に対する低利の融資制度として、空き店舗活用チャレンジ融資を実施しています。過去三年間の利用実績は、平成十七年度が二件、一千三百万円、平成十八年度が四件、三千二百七十万円、平成十九年度が三件、二千二百万円となっております。  県としては、本融資制度の活用促進に向けて、一層のPRに努めるとともに、市町村や関係団体との連携を図りながら、空き店舗の解消、商店街の活性化に取り組んでまいります。  責任共有制度が導入されましたその影響についてです。  責任共有制度は、中小企業が事業資金を金融機関から借り入れる際に、信用保証協会がその借入債務を保証する信用補完制度において、信用保証協会の借入債務に対する保証割合を一〇〇%から八〇%とし、金融機関のリスク負担割合を二〇%とするもので、昨年十月より導入されました。  責任共有制度の導入に伴う金融機関の融資への影響については、去る九月十六日に開催した第二回制度金融運営協議会におきまして意見交換が行われましたが、金融機関からは、責任共有制度の導入による融資態度の変更はない旨の表明がされたところです。  また、県の制度融資における責任共有制度の導入前と導入後の融資実績について、前年と比較してみますと、特に落ち込みは見られないことから、県としては、責任共有制度の導入に伴う金融機関の融資態度に変更はないものと認識しております。  いずれにいたしましても、責任共有制度の趣旨を踏まえ、信用保証協会と金融機関が連携して中小企業に対する適切な金融支援を行うよう、引き続き要請してまいります。  農商工連携促進法の概要についてです。  中小企業者と農林漁業者との連携による事業活動の促進に関する法律、いわゆる農商工等連携促進法は、地域の基幹産業である農林水産業と商業、工業の三業間での連携を強化することにより、地域経済の活性化を図ることを目的とし、本年五月に成立したところです。  この法律の基本的な考え方といたしましては、我が国が地域を中心とした活力ある経済社会を構築するために、地域経済の中核をなす中小企業者や農林漁業者が元気を取り戻すことが不可欠であり、中小企業者と農林漁業者が一次、二次、三次の産業の壁を超えて有機的に連携し、お互いの有するノウハウ、技術等を活用することで両者の強みを最大限に発揮させようというものです。  具体的には、国が策定した基本方針に基づき、中小企業者と農林漁業者が共同で新たな商品やサービスの開発等に取り組む事業計画を作成し、国の認定を受けた場合、補助金等の各種支援が講じられることになっております。  農商工連携のための支援の内容についてです。
     農商工等連携促進法に基づく事業計画の認定を受けた場合の国の支援としては、中小企業信用保険法の別枠を設ける特例、小規模企業者等設備導入資金助成法の貸付割合を引き上げる特例、農業改良資金助成法等の償還期間及び据置期間の延長の特例、設備投資に係る所得税及び法人税の特別償却等の特例、そして新たな商品、サービスの開発や需要の開拓等に係る経費に対する補助などが講じられることになっております。  事業計画の作成に当たっては、独立行政法人中小企業基盤整備機構の地域活性化支援事務局や各県に設置されている地域力連携拠点が総合的にサポートすることとされております。本県では、財団法人二十一あおもり産業総合支援センターを初め、青森商工会議所等の七機関が地域力連携拠点となっており、法律に基づく認定がふえるよう個別の相談等に対応しているところです。  以上です。 31 ◯副議長(大見光男) 農林水産部長。 32 ◯農林水産部長(鳴海勇蔵) 農業への新規参入の実態についてお答えいたします。  本県における農業への新規参入については、法人では平成十五年に特区制度を活用して建設業から参入して以降、平成十七年度に企業の農業経営参入促進のための県単事業の実施もあって増加してきており、これまで建設業二十六、NPO法人ほか四の合計三十法人となっているほか、個人では、非農家からの参入者がこの五年間で三十七名となっております。なお、新規参入への支援策につきましては先ほど知事が答弁されておりますけれども、ほかにも営農開始に必要な資金の無利子の融資などを行っております。  以上です。 33 ◯副議長(大見光男) 県土整備部長。 34 ◯県土整備部長(小田部幸夫) 建設企業の新分野進出、経営改善への支援策についてお答えいたします。  県内の建設企業は、全国的な公共投資の縮減という流れの中で、大変厳しい状況に置かれているものと認識しております。  そのような中、県では、必要な社会資本整備を着実に進めるため、可能な限り公共事業予算の確保に努めているところであります。その一方で、建設投資に見合った建設産業の構造改革は必要であると考え、建設企業の積極的な構造改革の取り組みを支援しているところです。  具体的には、まず平成十五年度に青森県建設産業アクションプランを策定し、これに基づき、平成十六年度から建設産業再生・活性化促進事業を、平成十九年度からは建設産業新分野進出チャレンジ事業を行っております。  その中で、特に本業であります建設業の経営改善について専門家のアドバイスが直接受けられる窓口相談事業や人材育成のための各種セミナーの開催などを行っており、他の部局とも連携しながら建設企業のニーズに合わせた対応を行っております。  また、新分野進出につきましては、建設企業が行う実質的調査研究や進出した事業のさらなる拡大を支援してまいりました。その結果、平成十九年度末までに、農業、製造業、サービス業などへ七十社が進出を果たしており、新規雇用の創出、配置転換などによる社内雇用の維持につながっております。  県では、今後もさらなる経営改善を促すとともに、新分野進出に対する支援を行ってまいります。 35 ◯副議長(大見光男) 北議員。 36 ◯三十六番(北 紀一) 今、知事を初め各部長から懇切丁寧なる御回答をいただいたわけであります。今、御回答をいただいたようなことがスムーズに実施されるならば、私はこれに過ぐるものはありません。  ただ、いろいろなもので新規参入、個人、法人が相当数参入しているようでございますけれども、特に法人なんかが参入する場合、本当にそちらのほうに、新分野へ進出していかなければならないような企業というふうなものは、私は企業の内容というふうなものに相当逼迫したものがあるのではなかろうかなと、こう思うのであります。そういう企業こそが新分野へ進出していくべきだと思うんですが、そのような企業こそハードルが高いんです。これもまた事実なんです。ですから、そういうところを勘案して、優秀な企業がたやすく異業種へ参入する、例えば農業なら農業でもいいんですけれども、そういうふうなものに参入することよりも、なおかつ経営状態が厳しい状況にある企業こそ──県の経審を見ればわかるわけですから、そういう中で、相談に来た者に対しては特段の御指導というふうなものを私はお願いしたい、こう思っているわけでございます。  そしてまた、副知事は、金融は血液であると、こうもおっしゃってくださいました。まことに的を射たお言葉であると、こう思っております。  そして、私はいつかの質問のときにも申し述べましたけれども、知事が伊藤忠商事との連携に踏み切ったことは非常に高く評価して、今でもそのことに変わりはありません。ことしの年頭に当たって伊藤忠商事社長と知事さんの対談がありました。私は非常に鮮明にそのことを記憶して、期待しておるわけでございますけれども、そういう大企業の蓄積された経営のノウハウというんですか、そういうふうなものを県で活用していければよろしいのではないかと、こう思っているわけでございますし、伊藤忠商事も、御多分に洩れず、伊藤忠ファイナンスという子会社をお持ちの会社であるはずでございますので、そういうところを今の金融対策なんかにもうまく活用できないものなのかどうかと、こういうふうなものも考えておるわけでございます。  そしてまた、私のように──余り優秀な議員ではないと私は自分で思っておるんですけれども、それでも何年も議員をやらせていただいておりますと、いろんな考えることがあるんですね。余りにも今回の質問に対しても聞きたいこと、ただしたいことがいっぱいあって、この中から絞ったわけでございますけれども、そういう中で、今申し上げましたようなことがこれからの喫緊の課題であるというふうなことを選び抜いて質問したつもりでございます。  どうぞひとつきょう御答弁いただいたことに責任を持って、そして、青森県の個人、法人、すべてやはり努力する者が報われる。そして、どうしても政治というものは弱者へ光を当て、力を与えてやらなければならないというふうな使命を持っているものと今でも私は信じております。どうぞひとつそういうことをお酌み取りの上、今答弁いただきましたことに対しての実行をお願いしたいと、こういう要望を申し上げて終わらせていただきます。 37 ◯副議長(大見光男) 十四番丸井裕議員の登壇を許可いたします。──丸井議員。 38 ◯十四番(丸井 裕) 自由民主党の丸井裕でございます。  本日は、このたび発表されました青森県行財政改革大綱原案及び仮称次期青森県基本計画を踏まえ、質問させていただきたいと思います。既にこれまで先輩議員、同僚議員の方々から御質問や御指摘があったことと重複するかもしれませんが、どうぞお許しいただきたいと思います。  具体的な質問を始めさせていただく前に、さきの行財政改革及び基本計画の原案について、甚だ僣越ながら、私の素直な感想をまず申し上げさせていただきたいと思います。  知事並びに県職員の皆様、また各種審議会委員の皆様の御努力には心より敬意を表しますが、あえて建設的な意見を申し上げますならば、もう少し踏み込んだ内容、もう少しめり張りのある内容、もう少し具体的な内容、そしてもう少し夢のある内容を期待していた県民が多いのではないかと思う次第であります。  東洋思想家として名を馳せました安岡正篤先生は、人間にはそれぞれ運命がある。しかし、それは宿命ではないとして、みずからの運命を切り開く立命の重要性を強く主張されました。私はこの考え方は、個々の人間のみならず、そのまま県にも当てはまるのではないかと思っております。すなわち、与えられた条件や環境を所与のものとして一生懸命に取り組むことも重要ですが、その条件や環境を好転させる努力も不可欠であり、それが県と県民の明るい未来を切り開いていくと確信いたしております。  そのような考え方に立ちますと、今次の行財政改革及び基本計画の原案は、余りにも運命論的であって、みずから未来を切り開こうとする立命論的な要素が少ないように思えてなりません。もっと具体的、そしてもっと短期的な大きな目標が掲げられませんと、県民全体のやる気を引き出すことは難しいのではないか、そして、その結果、中長期的な目標も達成されないのではないかと危惧いたしております。もっと短期的な目標を定め、立命論の精神で取り組んでいくべきではないかとの思いを込め、具体的な質問を始めさせていただきます。  政府は、我が国の景気は後退局面に入っていると判断しております。識者の中には、物価上昇と景気の低迷が同時に起こるスタグフレーションだとする者もいます。それどころか、さきの米国のサブプライムローン問題に端を発する世界経済の不安定化の波は我が国にも押し寄せてきております。  この数年、政府は、いざなぎ景気を超す経済成長を記録していると話してきましたが、それを実感した県民はほとんどいません。経済成長の果実は決して平等に分配されなかったのです。ですから、私の周りでは異口同音に、どこの国の話ですか、我々の生活は全然豊かになっていませんと言われます。もっとも県民の皆様の実感はともかく、統計上は、確かにこの青森にも経済成長の恩恵は多少はありました。まだまだ全国平均との間に大きな格差はありますものの、有効求人倍率は六年連続で上昇し、昨年度は〇・四八倍であったといいます。  しかし、急激な原油高や輸入原材料高により、とりわけ農林水産業の方々、製造業や輸送業の方々からはもちろんのこと、一般県民の方々からも悲鳴が上がっております。赤字覚悟どころか、赤字経営そのままになっている企業や自営業者も決して少なくはありません。  公共事業や地方交付税の大幅な削減が行われてきた上での原油・原材料価格の高騰は、地域経済にとって大打撃であります。  過去の例を見ますと、たとえ景気が低迷しましても、大都市は比較的早く回復する傾向にあります。人口、つまり消費が多いですし、大型のプロジェクトも実行しやすく、また、資金も集中しやすいからです。それに比べ、地方は、一たん景気が落ち込みますと、それを回復することは至難のわざであります。だからこそ、まずは落ち込ませないための最大限の努力が不可欠であります。落ち込みを防ぐことこそ、中長期的に最も効果的な経済対策、景気対策になると考えております。単純化しますれば、落ち込んだ地域経済を立て直すために累計で一千億円使うよりも、落ち込ませないために三百億円の緊急支出をしたほうが、結果的に得になると思います。  そこで、こうした現状認識を踏まえ、県の経済政策、景気対策についてお尋ねいたします。  まず、平成十八年度の本県経済はどのような状況であったのか。また、県は現在の県内の経済動向をどのように認識しているのか伺います。  また、県では、厳しい財政状況の中、平成十六年度より新規ソフト事業などのための予算枠を設定し、農産物の販売促進など、特に産業・雇用を重視した取り組みを進めてきたところであり、今度の基本計画でも重点事業枠が確保されているようであります。  そこでお伺いいたしますが、これまでの重点事業での、特に産業・雇用での取り組みと成果についてどうであったのかお伺いいたします。  昨今の原油や原材料費の高騰が中小企業の経営に与える影響については、商工団体等の関係者からも要望が寄せられていることと思いますが、何といっても重要なのは、当面の運転資金の確保であります。県では、融資制度の枠の拡大など対策を講じていると伺っておりますが、また、先ほど北議員の質問にもありましたが、せっかく制度があっても、実際問題として融資を受けられないケースもあると聞いております。  そこで、一点お伺いいたします。  昨年来の原油や原材料の高騰が中小企業の経営に与える影響について県はどのように認識しておられるのかお伺いいたします。なお、先ほど質問がありました中小企業にとっての運転資金の確保は、同じ質問になりますので、割愛させていただきます。  次に、行財政改革についてお尋ねします。  行政運営は国民の血税で賄われております以上、無駄の排除は徹底して行われなければならないことに、いささかの疑念の余地もありません。三村県政は、平成十六年度からこれまでの間に、補助金のカットや六百三十一人の人員削減、職員給与の引き下げ、諸手当の廃止などを含む人件費の削減、施設や機関の統廃合により実に二千七百四十七億円の改革効果がありました。この結果、基金残高は三百八十億円を相当程度下回りましたものの、財政再建団体への転落を回避することができたのみならず、今年度当初予算で元金ベースでのプライマリーバランスの実質黒字化を達成いたしました。この努力と成果は大いに評価されていいと思います。  しかしながら、基金が減少して基金に頼ることができない財政状況、さらには、県債残高が増大し、新たな借金に頼ることは限界がある財政状況を踏まえれば、引き続き行財政改革も県政の喫緊の課題であると承知するところではありますが、財政健全化ということが前面に押し出され、県民の暮らし、生活を守るという姿勢が軽視されるようなことがあってはならないと思うのであります。  新たな財政改革大綱の素案では、効率化や削減、見直しという言葉が数多くありますが、ただ単に削るというだけでは改革の名に値しないことはもちろんのこと、血の通った地方自治は実現しません。私は、必要な見直しは大胆に行うとしても、県民生活に身近な部分で、効率化だけで推し進めてはならない部分があるのではないかと思うのであります。  また、素案では、歳出については各分野ごとに数値目標を掲げて削減に取り組むこととしておりますが、数値目標の設定自体は否定いたしませんが、その個別具体の見直し、削減に当たっては、県民生活への影響等を十分に考慮しながら進めていくことが重要だと思うのであります。  そこでお伺いいたしますが、これまでの行財政改革における歳出削減に対する考え方と今後の進め方について、県民の暮らしや生活を守る視点から答弁していただきたいと思います。  また、この行財政改革大綱をごらんになった県民からは、正直、ため息が漏れました。自治権が大きく制約されます財政再建団体への転落は是が非でも回避しなければなりませんし、これまで、多くの県民の皆様も行財政改革の痛みを分かち合い、協力してくださりました。しかし、この素案をごらんになり、まだ続くのか、いつまで続くのだろうといったため息が聞かれます。今後、社会保障費のさらなる増加や公債費負担、並行在来線の運行経費負担などもあり、引き続き不断の努力で行財政改革に取り組んでいくことが求められます。  三村知事は、財政再建は道半ばとおっしゃっていますが、やはり、ゴールの見えない道を走り続けることほどつらいことはありません。たとえ五キロ先でありましても、そこにゴールがあるとわかっていれば、渾身の力を振り絞って走ることもできます。  そこでお尋ねいたします。  行財政改革が長きにわたり、県民の停滞感に拍車がかかるのではないかと危惧されるが、県の所見についてお伺いいたします。  また、新規着工の見合わせの取り扱いが長きに及んでいる地域の要望の強い地域おこしのための大規模施設の整備についてであります。その前提となる財政健全化の見通しが立つまでの間とは、具体的にどのような財政状況になることを言うのかお伺いいたします。  行財政改革についてもう一点述べさせていただきます。  これまでの県の取り組み、そして次の大綱の素案を拝見しますと、やむを得ない要素はありますが、財政の縮小均衡が前面に打ち出され、歳入をふやす取り組みが余り打ち出されていないような気がいたしております。私は、例えば県の施設命名権などを通じ、歳入をふやす。つまり、財政の縮小均衡ではなく拡大均衡に近づける努力もすべきだと考えます。  今回の素案では、財源確保の取り組みの中で県有財産の処分及び有効活用の促進等があります。県有財産の処分については、昨年度においても、宅地建物取引業者への専属専任媒介契約の実施やインターネット公有財産売却システムによる売却の実施などの意欲的な取り組みが行われているところであり、また、県有財産の有効活用による新たな財源確保のための取り組みとして、印刷物やホームページ等への民間事業者の広告の掲載が実施されるなど、県みずから新たな財源の確保を図っていこうという姿勢については評価できるものであります。  このような財源確保の取り組みについては、新たな行財政改革大綱においても当然に継続して取り組むべきであり、不用な県有財産は積極的な売却に努めていくとともに、新たな財源確保の方策についても継続して検討していくことが必要であるものと考えております。  そこで伺いますが、県有財産の処分及び有効活用の促進等について、具体的な取り組み内容としてどのようなことを考えておられるのかについてお伺いいたします。  行財政改革大綱の素案と同時に発表されましたのが、基本計画の原案であります。本来、行財政改革大綱は汗であり、基本計画は夢であり、この二つがセットになっていなければならないものと思っております。確かに、基本計画の原案を拝見しますと、夢は語られていますが、行財政改革大綱に比べ、余りにも遠い将来の夢になっている感がぬぐえません。二十年後の夢も大事ではありますが、多くの県民はあすの夢、五年後の夢を求めていると思います。県民全体にとりましての夢は、やはり県民所得を拡大することにほかなりません。単にもうかればいい、経済的に豊かになればいいとは思いませんが、やはりまずは豊かさを享受することが大きな夢であり、目標であります。  このたびの次期基本計画の原案の中に、約十年後の一人当たりの県民所得を一・五倍にすることを目標に掲げていることは大いに評価できます。それであればこそ、私は、それを実現するための一つの大きなきっかけになりますのが、二〇一〇年度開業予定の新青森―八戸間の新幹線であると確信しております。言いかえますならば、新幹線開業を県民所得飛躍の中心に据えなければならず、そのための施策を積極的に展開していかなければならないと考えております。  例えば、私はぜひとも知事に、新幹線開業と連動した青森経済五カ年計画のようなものを打ち出していただき、県民所得を五年で一・二倍にするといった早目の目標を掲げていただきたいと思います。そのための施策を、県、そして県民を挙げて全力で取り組んでいくことが今何よりも求められていると考えます。  新幹線開業は県民の大きな夢でありますが、それはゴールではなく、経済発展のスタートに位置づけられなければならないと思います。その上で、どのように観光客の増員を図っていくのか、どのようにリピーターを確保していくのか、どのように企業誘致と結びつけていくのかを早急に検討し、必要に応じて予算を費やしていくことが求められると思います。  決して盛り上がりに水を差すわけではありませんが、私が最も恐れておりますのは、八戸以北の新幹線が開業した後、多くの県民の方々が、開業したけれども何も変わらないと感じてしまうことです。便利になることは間違いありませんし、来訪客もふえることも確かであります。しかし、新幹線開業の効果を最大限に引き出すには、さまざまな面で早急にその準備に取りかからなければなりません。  県においても東北新幹線全線開業に向けて準備を進めていることと思いますが、このたび、青森県新幹線開業対策推進本部において大型観光キャンペーンのスキームが決定されたと聞いております。大型観光キャンペーンの実施により多くの観光客が本県を訪れるようになり、かつ、滞在してもらえるようになることは、観光関係者だけではなく、本県経済全体にとって大きな効果をもたらすものと考えられ、大いに期待するものであります。  そこで、三点お尋ねいたします。  まず一点目は、東北新幹線全線開業効果を最大限に引き出すために、どのような視点に立って大型観光キャンペーンを推進していくのか伺います。  次に、二点目に、次期基本計画における注目指標として、二〇二〇年の一人当たりの県民所得の目指す水準を現在の一・五倍程度と設定しているが、この水準の設定の考え方及び達成に向けた取り組みの具体的な内容について伺います。また、私が先ほど申し上げたとおり、十年後だけではなく、もっと短い期間での目標を設定するべきと思うが、お考えをお聞かせください。  三点目の人口減少問題は、今まで多くの議論がなされましたので、ここも割愛させていただきます。  次に、基本計画の原案を拝見しますと、そこには二〇三〇年の目指す姿が描かれています。そして、そのための政策や施策が記されています。これ自体を否定するつもりはありませんが、しかし、それは、家で言いましたらいわば土台部分であり、とても重要なところではありますが、しかし、特色が発揮されますのは基礎の上の部分、見える部分ではないかと思うわけです。そして、先ほど申し上げましたように、やはり近未来の夢、目で見えるという意味での可視的な夢が必要なのではないかと思う次第であります。そのためには、やはり、これから青森は何を中心に存在意義を発揮していくのか、何を中心に飯を食っていくのかを明確に打ち出し、それこそ選択と集中で施策を講じていく必要があるのではないかと思います。  基本計画にもうたわれておりますが、私も、青森の存在価値を凝縮しますと、それはエコロジーと食料の県になるのではないかと思います。むしろそれを柱に据えて施策を展開していくべきではないかと考えます。もちろん観光も大事ですし、物流も大事ですが、青森県独自の生業(なりわい)としては、エコロジーと食料であるべきではないか。この二つであれば、他の地域には間違いなく勝てると考えます。  しばらく前までは、六ヶ所村の核燃料サイクル、また、原子力を危険視する人が少なからずいましたし、農林水産業が中心の地域あるいは開発の進んでいない地域は田舎と言われました。しかし、今日、その認識は大きく変わりつつあります。地球規模の環境問題や食料問題が沸き起こりましたため、低炭素社会への取り組みは先進地域に位置づけられ、田畑や自然の多い地域は食料と緑と酸素の供給源としてますますその評価が高まっています。そして、その典型的な地域こそこの青森なのであります。去る六月に本県でエネルギー相会合が開催されましたのもこのためであります。  もしも本県をエコロジーと食料の県と位置づけますならば、そこから派生する施策や政策は山のように出てきます。小さな話になるかもしれませんが、マイはしやマイペットボトルの奨励、ポイ捨て禁止、リサイクルのさらなる普及、絶対的に安全な農水産物の生産が考えられますし、教育や福祉の分野にも、こうした方向性は浸透していくことになります。さらに、こうした重点化を図ることにより、エコツーリズムに代表されるような新たな観光需要も生まれます。  多くの課題はあったようですが、それでも北京市民はオリンピックの開催によってマナーが改善されたと言いますし、北海道の洞爺湖では英語を学ぶ市民が急増したと言います。明確な目標、目に見える目標が掲げられることにより、地域全体の動きになるわけであります。私は、本県を明確に、そして高らかにエコロジーと食料の県に位置づけ、大変大きな夢かもしれませんが、八年後のサミットを十和田湖へ誘致する。さらには、将来の本県における冬季オリンピック誘致を目指すくらいの気構えが必要だと考えます。  そこでお伺いしますが、知事は、次期基本計画の中で本県におけるエコロジーと食料についてどのように位置づけ、今後の施策を展開しようとしているのかを伺います。  次に、七月上旬に北海道洞爺湖サミットが開催され、五〇年までに世界での二酸化炭素排出量を半減させる題目が議論されました。二酸化炭素排出量全体の二割は自動車からのものであり、当然、車に対する規制は厳しくなり、欧州では、一二年から走行距離一キロメートル当たり二酸化炭素排出量を日本の軽自動車並みの百三十グラム以下に削減するという排ガス規制方針を打ち出しています。日本でも、三〇年までに運送部門の石油依存度を現状の八〇%程度まで削減するという目標が掲げられております。国では、電気自動車に対して、購入予定の電気自動車とそのベースとなるガソリン車との差額の二分の一を補助します。  そこで、エコロジーを追い求めるべき青森県として、エコカー、電気自動車普及について二点ほどお伺いいたします。  一点目は、国や他の地域の電気自動車の普及促進についてお伺いいたします。  二点目は、他の地域に先駆けて県内で電気自動車を普及させるために、補助金制度の創設等優遇策を検討するべきではないかと思いますが、県の考えを伺います。  次は、海外との経済的連携の取り組みについて伺います。  次期基本計画では、産業・雇用分野において国内外とのビジネス展開を推進していくこととされておりますが、私も、本県の最重要課題である産業の振興と雇用拡大のためには、県内企業が海外の新たな市場を目指し、積極的に海外展開を図って外貨の獲得につなげていくことが非常に重要であると認識しており、県としても、このための環境づくりに積極的に取り組んでいくことが必要であると考えております。  本県では、これまでも、中国大連市を初めとして海外のさまざまな地域と経済交流を進め、県内企業の海外ビジネス展開を支援してきていますが、今後は、これらの地域との経済交流をさらに拡大しながら、より幅広い地域をターゲットとして経済交流を進めていくことも必要となってくるものと考えております。  そこで、海外との経済交流について今後どのように取り組んでいくのか県の考えを伺います。  次に、東南アジア諸国への売り込みについてであります。  本年七月に、私を含む自民党県議五名がASEANの主要国であるタイに渡航し、かの国の経済事業や日本からの輸出状況について調査してまいりました。タイは一九九七年の通貨危機を見事に乗り越え、二〇〇七年のGDP成長率は四・八%と安定した経済成長を保っています。近ごろは、首都バンコクで非常事態宣言の発令があったなど多少政情が不安定なところもありますが、近隣諸国と比べ比較的安定しており、また、日タイ両国は六百年にわたる交流の歴史と緊密な経済関係などもあり、タイ人には日本食に対してあこがれにも似たニーズがあります。我々の調査においても、本県のすぐれた農水産物であるリンゴやホタテ、米等についても十分売れる可能性があるものと大きな手ごたえをつかんでまいりました。  そこで質問であります。  東南アジア諸国へ本県産農水産物を売り込むため、県はどのように取り組むのか伺います。  最後に、県立三本木高等学校附属中学校については、公立学校としては県内初めてとなる併設型中高一貫校として今年度で二年目を迎えるところであります。それぞれの進路志望や目標の達成に向け、生徒、教職員が一丸となって教育活動に取り組んでいると伺っております。  一方、学校施設の使用に当たっては、中学校と高校が施設を共有することから、施設の有効活用を図りながら教育活動に取り組んでおりますが、どうしても狭い、部活動についても練習を十分に行うことが難しいという声も聞こえてきております。このことから、将来ある子供たちが勉学も運動も一生懸命に取り組むことができるよう、県立三本木高等学校附属中学校の施設面の充実について、平成二十年二月定例県議会において教育長に対し要望したところです。  そこで伺います。  今年度、二年目を迎えた県立三本木高等学校附属中学校の教育活動の取り組み状況について、また、同校の施設面の充実について県教育委員会としてどのように考えているのかを伺いまして、以上で私の壇上からの質問を終わらせていただきます。 39 ◯副議長(大見光男) 知事。 40 ◯知事(三村申吾) 丸井裕議員にお答えします。  さまざまな御指摘をまずはありがとうございました。  まず、私からは、行財政改革における歳出削減に対する考え方からであります。  私は、平成十五年の財政改革プラン策定以降、人件費の抑制、公共事業費縮減、組織機構整理、補助金を含む事務事業の見直し等、あらゆる対策を講じてきましたが、その過程においては、改革に伴い県民の皆様や関係各位に御協力をいただく必要があることから、延べ一千百名を超える団体との情報共有活動により議論を尽くした上で実行するとともに、各分野ごとに必要な配慮を最大限講じつつ、段階的に見直しを図ってきたところであります。  具体的には、人件費については、総体としては抑制しつつも、少人数学級のための教職員の確保、治安維持向上のための警察官の増員など、地域住民に身近なところにつきましては必要な体制を確保してきました。  公共事業関係費につきましては、その削減による影響に配慮しまして特別な重点枠を確保いたしますとともに、地方交付税の大幅削減に対応した調整が必要な状況にあったものの、単独事業から補助事業へのシフトにより県負担の軽減を図りつつ、可能な限りの事業費を確保してきました。  補助金等については、私ども青森県の財政力から見て、持続可能で、全国の標準的な水準に時間をかけて着地させようとしているところであります。身の丈ということであります。  その他事務事業については、選択と集中の考え方に徹しながら、限りある財源の効率的、重点的な配分に努めるとともに、産業・雇用を初めとする生活創造社会推進のための重点施策については、特別な予算枠を活用しつつ着実に対応してきたところであります。  また、歳出規模としてはマイナス基調が継続しているところでありますが、これは、歳入を超える歳出を見直し、身の丈、すなわち財政力に見合った歳出規模へと見直しをしてきているものであることに御理解を賜りたいと思います。青森県を決してつぶしてはならない、その志のもと、ここまで行財政改革を徹底してきたと、その思いもまた受けとめていただきたいものであります。  今後とも、情報共有活動を通じまして説明責任を果たしながら、経費の性質ごとに考慮すべきことは考慮した上で、必要な見直しに努めていきたいと考えております。
     次期基本計画におけるエコロジーと食料の位置づけについてであります。  私たちのふるさと青森県は、三方を海に囲まれ、世界最大級のブナの原生林を有する世界自然遺産白神山地を初め、すぐれた自然にあふれており、山、川、海をつなぐ水循環によってつくり出されたきれいな水資源や、これらの水資源によってはぐくまれた安全・安心で品質のよい農林水産物に恵まれているわけであります。また、風力やバイオマス資源を初めとする再生可能エネルギーや原子力など多様なエネルギー分野で先進的な取り組みが進められ、我が国のエネルギーの安定供給や二酸化炭素の削減などにも大いに貢献をしているところであります。  私は、本県にはこうした自然環境や水資源、食料、エネルギーといった人間が生きていくための基本的な生活の基盤が備わっていることから、生活創造推進プランにおいては、本県の住みやすさ、暮らしやすさという資産を最大限活用した生活創造社会の実現を目指してきたところであります。  次期基本計画におきましても、この理念を継承しながら、議員御指摘の本県が有するたぐいまれなるエコロジー、環境と、バランスがよく高い自給率を誇る食料を大きな柱として位置づけているところであります。そのため、地域力の再生、強固な農・林・水の連携、環境への配慮から保全、再生へという三つの方向に沿った環境公共に係る取り組みを強力に進めながら、青森県といえば環境と食料、環境と食料といえば青森県と言われるような方向に全力を尽くしていきたいと考えているところであります。  国や他地域の電気自動車普及促進策についての状況であります。  経済産業省では、有限責任中間法人電動車両普及センターを通じ、法人、個人の電気自動車等の購入に対し、ベース車両との価格差をもとに公平性を考慮した上で設定した基準額の約二分の一から四分の一を補助しており、平成十九年度は全国で軽電気自動車四十四台の補助実績があったところであります。また、国の平成二十一年度予算において、一層の普及促進策の拡充、抜本的見直しが検討されると伺っております。  また、他県の状況でございますが、例えば神奈川県において、具体的な普及策を推進するため、平成二十年三月に策定したかながわ電気自動車普及推進方策の中で、平成二十六年までに神奈川県内での三千台の普及を目指し、公用車の率先導入や国の補助金の半額程度の助成を進める予定等もあるというふうに伺っております。  海外との経済交流についてであります。  私は、経済のグローバル化の進展に伴い、経済成長著しい中国を初めとする海外で県内企業が事業展開を行うことは、新市場の開拓、生産コストの低減、国際競争力の向上などが図られ、その結果、企業の成長力が高まり、地域経済の活性化や雇用の場の拡大にもつながるものと考えております。  このため、平成十六年十二月に中国大連市との友好経済交流委員会協定を締結して以来、県内企業の大連市を中心とした中国における事業展開を支援してきたほか、十九年度からは、友好協定を締結しております極東ロシア・ハバロフスク地方や米国──アメリカのメーン州との経済交流促進にも努め、広がりのある海外ビジネス展開の環境づくりに取り組んでおりまして、これまで、リンゴや水産加工品などを中心に着実に具体的なビジネスに結びついてきているところであります。  一方、最近の国内外の情勢を見ますと、国内においては、少子高齢化による消費需要の減少が予想され、世界的には、情報通信網の飛躍的な発展、規制緩和や市場開放の進展により、一段と経済のグローバル化の加速が予想されます。  このような状況を踏まえ、私は、現在経済交流を行っている地域のみならず、これら以外の国、地域との経済交流についても、県内企業のニーズや動向を踏まえながら、ジェトロ青森などの専門機関等と連携して可能性などの把握に努め、県内企業の新たな海外展開を支援していきたいと考えておる次第であります。  私からは以上であります。 41 ◯副議長(大見光男) 総務部長。 42 ◯総務部長(海老原 諭) 三点お答えします。  まず、行財政改革が長きにわたり、県民の停滞感に拍車がかかるのではとの点であります。  本県財政の構造的課題を根本的に解決し、改革成果として発現させていくためには、相当程度の時間を要することは避けがたいものと認識しているところでありまして、また、地方交付税総額が短期間で大きく削減されていることから、財政健全化の取り組みはより中長期的な観点からの対応が不可避となっているところであります。こうした事態は、当面、事務事業、施策の大胆な見直しや徹底した行政コスト削減などにより、財源を捻出していかなければならないとしても、こうした手法だけでは対処し得るものではなく、一定の時間を要してでも、県庁みずからがこれまでの仕事のやり方や守備範囲などを真に見直すといった県行政の改革をもって抜本的に取り組まなければ打開できないものと考えております。  なお、新たな行財政改革大綱では、素案に掲げる項目を確実に実行するとともに、国の地方財政対策に想定以上の大きな変更がないなどの一定の前提を置いた財政見通しではありますが、平成二十四年度以降、基金に頼らない財政構造の確立にめどが立つものとなっているところであります。  いずれにしても、真に持続可能な財政構造を確立するにはいまだ道半ばでありますことから、今後のさまざまな施策展開の可能性を開くためにも、行財政改革に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、大規模施設の整備について、財政健全化の見通しが立つまでの間とはどのような状況になることを言うのかであります。  地域から要望のある大規模施設の整備については、道半ばにある財政健全化を前進させていくことが施策展開の可能性を開くものであり、行財政改革大綱素案では、財政健全化の見通しが立つまでの間は、必要に応じて将来に向けた検討、議論を実施していくとしております。  この素案では、基金に頼らない収支均衡の達成を財政健全化の目標としておりますが、現時点で見込まれる基金残高の五十億円は必ずしも十分な水準とは言えないことなどから、財政健全化の見通しが立つまでの間とは、基金残高や地方交付税等の歳入動向など、その時点における財政状況や財政を取り巻く環境等を総合的に勘案して判断すべきものと認識をしております。  次に、県有財産の処分及び有効活用の具体的な内容であります。  県有財産の処分については、平成十九年三月に策定した青森県県有施設利活用方針に基づきまして、不用施設の積極的な売却を進めることとしております。昨年度からは、試行的な取り組みとして、土地建物一括売却や宅地建物取引業者への売却業務委託などを実施しております。今後は、これらの取り組みの結果を踏まえまして、必要な見直しを行いながら積極的に処分を進めていくこととしております。実施に当たっては、業務の適正確保に配慮するとともに、効率的な情報提供や入札制度の合理化に努め、財源確保に取り組んでまいります。  また、県有財産の有効活用の促進に関する取り組みでありますが、平成十八年度から実施している印刷物、ホームページ等への広告の掲載による収入確保を継続するほか、県庁舎のホール等への広告の掲載について検討してまいります。さらに、庁舎等の空きスペースや売却困難な不用施設について、県民サービスの向上を図る観点から、県有財産の有効な活用に資する民間事業者へ貸し付けするなど、県有財産を活用した新たな財源確保等の可能性について検討してまいります。 43 ◯副議長(大見光男) 企画政策部長。 44 ◯企画政策部長(奥川洋一) 御質問三点にお答えいたします。  まず初めに、平成十八年度の本県経済の状況と現在の県内の景気動向についてであります。  本年五月に公表した県民経済計算速報では、平成十八年度の本県経済は、経済成長率が名目で九・九%、実質で一〇・五%となり、名目、実質ともに大幅に上昇いたしました。これは、第一次産業においては農業で野菜及び果実等の産出額が増加したこと、第二次産業においては製造業で非鉄金属製造業の生産額が大幅に増加したこと、第三次産業においては電気・ガス・水道業で電気業の産出額が増加したこと等によるものです。  また、現在の県内の景気動向についてですが、まず、需要面においては、大型小売店販売額、乗用車新車登録届け出台数、新設住宅着工戸数が十九年度に引き続き前年を下回る水準で推移しています。  次に、生産面では、これまで前年を上回る水準で推移してきた鉱工業生産指数が最近足踏み状態となっています。  雇用情勢については、十九年度は、水準は高くないものの、回復傾向にあった有効求人倍率が、このところ低下傾向となっています。  また、青森市の消費者物価指数は、灯油価格の値上がりなどから、前年に比べて上昇傾向が続いています。  このように、本県経済は全体としては足踏み感がうかがわれてきているものと考えられます。  次に、これまでの重点事業での産業・雇用での取り組みと成果についてであります。  生活創造推進プランの中で、産業・雇用を本県の最重要課題の一つと位置づけ、十本の重点推進プロジェクト、わくわく10のうち六本を産業・雇用に資する事業で構成し、地域経済の活性化と雇用の拡大に向けた諸施策を積極的に展開してきました。特に本県における比較優位の分野を徹底的に伸ばすという観点から、攻めの農林水産業やあおもりツーリズムの推進、地域資源を活用したあおもり型産業や環境・エネルギー産業の育成などに取り組んできており、その成果は着実にあらわれてきているところです。  具体的には、大手量販店で通常取引される県産品が、平成十九年度は千九十種類と平成十六年度の一・五倍にふえたこと。平成十九年産リンゴの海外輸出量が、三月末時点で平成十六年産の二・二倍にふえたこと。本県に宿泊する外国人が年々増加し、平成十九年は七万八百六十人と平成十六年の二倍にふえたこと。誘致企業新設・増設件数が年々増加し、平成十六年度から十九年度までで九十七件にのぼったこと。平成二十年三月新規高卒者の就職率が九八・一%と高い数値となったことなどです。今後とも、地域経済の活性化と雇用の拡大に向けた取り組みを積極的に進めてまいります。  次に、次期青森県基本計画における一人当たり県民所得の考え方についてであります。  注目指標として設定している一人当たり県民所得の目指す水準の考え方としては、まず、人口減少等によって就業人口が減少する一方で、女性及び高齢者の就業を促進していくことによる就業率の上昇を見込むとともに、労働生産性について、過去十年間の伸び率が二〇二〇年度まで継続すること及び他県に比べて弱い産業連関を東北並みの水準に引き上げることによる上昇を見込んでおり、これらの相乗効果により、二〇〇五年度の一・五倍程度の水準としているところです。  この水準を目指した取り組みの方向性について、まず、就業率の向上につながるものとしては、子育て支援の充実やシニアパワーの積極的活用などが挙げられます。また、労働生産性の向上について、次期基本計画では域内循環と外貨獲得の考え方を重視しているところであり、その具体的な取り組みとしては、創業、起業の促進や戦略的企業誘致の推進、農商工連携や産学官金連携等への取り組み。攻めの農林水産業の推進による国内外での販売促進や付加価値向上に向けた取り組み。エネルギー産業への地元企業の参入や人材育成の推進。観光力の強化による観光消費額の増加と県内産業への波及拡大に向けた取り組みなどが挙げられます。  指標の設定の仕方については、議員御指摘のとおり、近い将来の目指す目標値を掲げ、毎年度進捗状況を管理していく方法もあると思いますが、次期基本計画では、県の置かれた立ち位置を確認するという注目指標の趣旨を踏まえ、二〇三〇年の目指す姿に向けて本県の立ち位置にぶれがないことを確認していくため、中間点であるおおむね十年後の二〇二〇年にベンチマークとしての水準を設定しているものです。 45 ◯副議長(大見光男) 商工労働部長。 46 ◯商工労働部長(九戸眞樹) 二点についてお答えいたします。  原油や原材料の高騰が中小企業に与える影響についてです。  原油や原材料の価格高騰が中小企業の経営に与える影響については、国が八月に実施した全国調査の結果が去る九月十七日に公表されました。それによれば、原油や原材料価格の上昇により収益を圧迫されている企業の割合は九割を超え、昨年十一月の調査と比較して割合が高くなっております。また、上昇コスト分の価格転嫁度合いについては、全く転嫁できていないとする企業と二割程度しか転嫁できていないとする企業を合わせた割合は、原油関係で八割、原材料関係で七割と高い水準となっています。  県内においては、七月末に商工三団体から、原油・原材料価格の高騰による基金繰り悪化に対する支援策を実施するよう要望が出されていることや、このところの個人消費が弱めの動きになっていることなど景気の先行きに不透明感が増していることから、県内中小企業は引き続き厳しい経営環境に置かれているものと認識しております。  大型観光キャンペーンの推進についてです。  東北新幹線全線開業の効果を最大限に引き出すためには、開業を契機とした交流人口の拡大、特に観光客の増大を図る必要があり、大型観光キャンペーンはそのための手段として極めて重要であると認識しております。  去る八月二十八日に青森県新幹線開業対策推進本部において取りまとめられました大型観光キャンペーン実施に係るスキームにおいては、基本的な考え方として、季節や地域を選ばず、満足度にこだわる個人客や少人数のグループ客の取り込みによる観光客の増大、地域の魅力を一層向上させるための取り組みの推進、継続的な情報発信の強力な推進という三つの視点を掲げ、観光資源の掘り起こしや磨き上げと情報発信に重点を置いたキャンペーンを実施すべきとされているところです。このような視点によるキャンペーンは、旅行志向の変化やインターネット等新しいツールの普及など、観光を取り巻く環境の変化にも対応したものであり、新たな青森ファンを獲得し、ひいては滞在型観光や通年観光の推進といった課題の克服にもつながるものと期待できるものです。  県としては、この考え方を十分に踏まえ、開業効果を県下全域で獲得できるよう、関係機関・団体と連携を図りながら大型観光キャンペーンに取り組んでまいります。 47 ◯副議長(大見光男) 農林水産部長。 48 ◯農林水産部長(鳴海勇蔵) 東南アジア諸国へ県産の農水産物を売り込むための取り組みについてお答えいたします。  タイなどの東南アジア諸国は、近年では、安定した経済成長から富裕層が増加していることや日本食ブームとなっていることから、安全・安心で良質な日本産食品に対する需要が高まっております。  このため、県では、青森県物産協会とともにタイ、台湾、香港において物産展を開催し、リンゴを初めとする県産農水産物や加工食品を広く現地の消費者にPRして販売促進を図っているところであり、特に議員がさきに調査されましたタイにおいては、明年一月に開催予定の物産展の期間中にバイヤーを招いて商品提案会を実施し、通常取引の拡大を目指していくことにしております。  さらに、香港、シンガポール、台湾では日本産米の販売が順調なことから、ことし六月に県と関係団体を構成員として設立した青森県産米輸出研究会の活動の中で、東南アジアの日本食レストランとの商談などを通じて輸出の可能性を検討していくことにしております。  以上です。 49 ◯副議長(大見光男) エネルギー総合対策局長。 50 ◯エネルギー総合対策局長(佐々木郁夫) 電気自動車普及のため、補助金制度の創設等優遇策を検討できないかについてお答えします。  県では、電気自動車等の他地域に先駆けた導入普及を図るため、去る八月に青森県電気自動車等導入普及推進協議会を設立し、国が進めるEV・pHVタウン構想のモデル地域選定を目指しているところです。  御提案の補助金制度の創設等優遇策については、先ほど知事から御答弁申し上げました今後の国の購入支援制度の拡充の状況を踏まえながら、この協議会において、本県ならではの効果的かつ持続可能な普及推進のための方策を関係者間で検討する中で議論されていくものと考えています。 51 ◯副議長(大見光男) 教育長。 52 ◯教育長(田村充治) 県立三本木高等学校附属中学校についての御質問二点にお答えいたします。  初めに、教育活動の取り組み状況についてであります。  現在、三本木高等学校附属中学校では、第一期生八十名、第二期生七十九名の計百五十九名の生徒が、数学や英語における少人数指導や中学校と高校の教員によるチームティーチングなどを通して基礎、基本を身につけるための学習に励むとともに、科学的な見方、考え方をはぐくむため、数学や理科において、大学や研究機関などの専門家を講師に招き、発展的な学習活動を行うなど、中高一貫教育のメリットを生かした教育活動に意欲的に取り組んでおります。また、白神山地での自然体験学習、平泉での文化遺産体験学習、英語に親しみ自己表現力の向上を図るための英語合宿に参加するなど、豊かな人間性をはぐくむための教育にも積極的に取り組んでおります。  県教育委員会といたしましては、三本木高等学校附属中学校における教育活動のさらなる充実に向けて、今後とも創意工夫ある取り組みを支援してまいりたいと考えております。  次に、施設面の充実についてであります。  併設型中高一貫教育は、年齢の異なる生徒が同じ校舎で生活時間と教育活動を共有することにより、社会性や豊かな人間性を育成することなどをねらいとしております。このため、中学校と高等学校が緊密に連携し、施設の有効利用を図りながら教育活動を展開しており、体育館などの施設については中学校と高等学校が共有しております。  議員御指摘の部活動については、中学校と高等学校がそれぞれで練習を十分に行うことが難しいことから、活動時間を調整したり、中高合同の練習を実施するなど工夫しながら行っていると聞いております。  県教育委員会といたしましては、今後とも充実した教育活動を行うための学校施設の有効活用策などについて、学校とも協議しながら検討を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 53 ◯副議長(大見光男) 丸井議員。 54 ◯十四番(丸井 裕) 再質問を二問させていただいて、あとは要望させていただきます。  まずは再質問からです。  基本計画の目玉の一つが、十年後の一人当たりの県民所得を平成十七年度の一・五倍にするということだと思います。目標を掲げていることは評価できます。一人当たりの県民所得が二百二十万円ぐらいから三百二十万円近くまでふえるということは、非常に望ましいことです。  しかし、平成十八年度青森県県民経済計算速報によると、一人当たりの県民所得は平成十七年に比べて一一・七%ふえております。金額にすると二十五万円の大幅な伸びを示しております。一方、県の資料によると、現金給与総額の伸びはたったの八十円でございます。  確かに完全失業率は〇・九ポイント減ってきております。一人当たりの県民所得が現在の一・五倍になった場合、県民生活とどのように連動していくのか。女性と高齢者の雇用の増大というのはわかりましたけれども、そのほかの部分でどのように変わっていくのか、御説明をお願い申し上げたいと思います。  それと、もう一つ、政策効果の発現による向上で二〇〇〇年の東北並みの産業連関の水準とするとしておりますが、私には、この点が、二〇二〇年度の時点でようやく本県の産業連関は二〇〇〇年の東北並みと読めるんですが、この箇所はどのように解釈すればいいのか御説明をお願い申し上げたいと思います。  次に、要望を申し上げます。  さきのオリンピック、清水先生御推薦の伊調姉妹を初め、本県の関係者も多く活躍されました。時には大きな困難に直面し、また、時には挫折も味わいながら、記録と記憶を鮮明にされたアスリートたちに私自身も大きな感動を覚えました。そして、それらのアスリートたちの大きな支えになりましたのは、周囲の方々の支援や励ましはもちろんのことですが、みずからの運命を切り開く立命の精神にあったと思います。また、これを見た子供たちは、確かに十年後、二十年後を目指します。  しかし、現在のアスリートは、四年後の勝負という短期的なスパンであるからこそ次のオリンピックを目指します。そして、四年というスパンの中で全力で取り組んだからこそ結果が出せたのではないかと思います。夢への羅針盤と銘打たれていますが、針路や経由地を明確にされる必要があるのではないかと思います。私は、知事が思い切って四年後、五年後の青写真を描き、県民に夢と希望を与えられることを再度お願い申し上げたいと思います。  次に、原油高騰金融対策ですが、このところ原油価格は落ちつきを見せていますが、それでも一年前と比べれば二五%ほど高い水準にありますし、今後の動向についてはまだまだ予断を許さない状況です。仮にこのまま鎮静化に向かったとしても、その恩恵が各種の原材料価格にまで及ぶのはまだ先になるものと考えられ、中小企業の事業活動への悪影響は当面継続することが予想されます。  そこで、十月末で期限を迎える原油高騰に対応するための中小企業金融対策については、ぜひとも延長していただくように要望申し上げます。  次に、新幹線開業に向けてですが、新聞報道でもありましたけれども、余り県民の取り組み、盛り上がりがないと書いておりました。私はその理由の一つとして、やはり新幹線が来たら入り込み数、宿泊数、経済効果がどのぐらい上がるのかという数字が示されていないからではないかと思うのであります。八戸開業という実績もあるので、できればこの辺の数字を正確に示していただきたいと思います。  次に、東南アジア諸国への売り込みについてですが、日本国内では、昨今の原油高騰の影響による食料費の値上がりや少子高齢化の進展により、今以上の販路の大幅な拡大は大変になっていくと思います。今後は、経済成長が期待される海外市場に一層目を向けて、富裕層が増加している国々に世界トップレベルの本県産農水産物の輸出を拡大していく必要があると強く認識しております。  そこで、これまでは海外の貿易情報や経済情報は日本貿易振興機構(ジェトロ)の情報に頼りがちだったと思います。ここの情報だけに頼るのでは、大きな輸出拡大につながらない可能性があります。実際に行ってみると、青森フェアを一週間やる、すぐ次には他県のフェアが行われるということで、これではなかなか我が県の優位性が発揮できません。私どもの現地調査では、東南アジア市場はかなり有望な市場であると実感しました。それは、現地で成功をおさめられているタイ在住の日本人経営者から生きたビジネス情報によるところが大きかったからであります。  このようなあらゆる情報網や販売促進活動を駆使して海外戦略を切り開き、知事の公約でもあります農林水産物の輸出増大をぜひとも達成していただきたいと考えております。本腰を入れて、現地に永住させるくらいの気持ちで積極的に輸出促進へ取り組んでいただくことをお願い申し上げます。  最後に、三本木中高一貫教育でございます。  前にも要望させていただきました。例えば、今、技術の授業というのがございます。これは中学校のカリキュラムにあるんだと思いますが、あいている部屋がないということで美術室を使っております。そこでのこぎりを使って木を切るという作業をするんだそうでございますけれども、部屋が狭いものですから、みんなよけながら作業をしている。また、廊下へ出て木を切っているというような状況で、非常に危険を伴っているのも現状でございます。  また、先ほども申し上げましたけれども、昼の体育館使用。やはり高校生が使っていますから、中学生が入ってこられないというのもございます。また、部活の状況も前に申し上げたとおりでございます。やはり県教育委員会としまして早急に見ていただいて、どのように改善すればいいのかというものを明確に打ち出していただきたい。このことを強く要望いたしまして、お願い申し上げたいと思います。  以上です。 55 ◯副議長(大見光男) 企画政策部長。 56 ◯企画政策部長(奥川洋一) 二点お答えいたします。  まず初めに、一人当たり県民所得が一・五倍の水準に向けて上昇することによって県民の生活がどのように変化するのかについてであります。  一人当たり県民所得の目指す水準を試算するに当たっては、全国や東北と比較して産業連関が弱い本県の産業構造を踏まえ、これを引き上げることにより労働生産性を高めることが大きな要素であるとしているところです。  このように、産業構造が変化することにより、国内外からこれまで以上に多くの外貨獲得が可能となり、それがさらに地域内で循環することになると考えています。これにより県内に新たな需要が発生し、それに伴って企業の所得や従業者の給与所得等が上昇することとなることから、結果として、県民生活は収入面を初めとしたさまざまな面で豊かになるものと認識しています。  それから次に、産業関連等二〇〇〇年における東北並みの水準を目指すことについてであります。  本県は、全国や東北と比較して産業の関連が弱い産業構造となっており、例えば製造業の集積度合いが低いため、県内で発生した需要を県外に逃がす機会が多く見られるところです。このような産業構造を変化させていくための水準として、東北全体の産業構造を掲げたところです。  なお、産業構造の状態を示す産業連関表は、非常に多くの経済指標を用いて作成する統計表であり、現時点で公表されている最新のデータは二〇〇〇年の統計表となっておりますので、これを用いて算出したものであります。 57 ◯副議長(大見光男) 三十分間休憩いたします。 午後三時休憩
        ─────────────────────── 午後三時三十二分再開 58 ◯議長(神山久志) 休憩前に引き続いて会議を開きます。  一般質問を続行いたします。  十八番相川正光議員の登壇を許可いたします。──相川議員。 59 ◯十八番(相川正光) 自由民主党の相川正光です。  通告の順に従って質問いたします。  最初は、次期青森県基本計画についてお伺いいたします。  次期基本計画につきましては、去る九月二十四日、県総合計画審議会の林会長から知事に答申が行われ、二十九日には条例の規定に基づき、知事から議長に立案過程の報告がなされたところであります。私は、今回策定される次期基本計画は、大転換期にある我が国の社会経済情勢の中で、本県の将来を決定づける極めて重要な役割を担うものと考えております。  今回の基本計画は、目指すべき明るい将来像を描き、その将来像を実現するためには何をなすべきかということを示す未来創造型の計画と位置づけられているところでありますが、何かと暗い話題が多い今日、明るい将来像を示し、県民に夢と希望を持っていただくことは、まことに時宜を得ているものと高く評価するものであります。また、今回の計画では、重点化の仕組みとして戦略キーワードという考え方を新たに取り入れており、時代の変化に合わせて常に進化する計画を標榜しているようであります。  この戦略キーワードは、知事が決定し、各部局はその戦略キーワードに基づいて事業を構築していくことになっているようですが、知事におかれましては、産業・雇用面を初めとして百四十万県民の置かれている非常に厳しい状況に思いをし、強いリーダーシップを発揮され、目指す姿の実現のために取り組んでいただきたいと思います。  そこで、次の三点についてお伺いいたします。  一点目として、この計画においては、最重要戦略キーワードとして、青森県独自のセーフティーネット、すなわちあおもり型セーフティーネットを掲げておりますが、この実現にかける知事の思いをお伺いいたします。  二点目は、夢への羅針盤の中で、二〇二〇年には一人当たり県民所得が一・五倍になることを目指すとしておりますが、この一人当たり県民所得を注目指標として掲げるねらいについて、改めてお伺いいたします。  三点目は、地域別計画、我が西北地域の計画についてであります。御承知のとおり、近年の米価の下落等により、我が西北地域は、県内の他の地域に比べ一人当たりの県民所得の水準も水をあけられ、極めて厳しい経済状況にあると言わざるを得ません。西北地域においては、農林水産業が基幹産業であり、我が国の食料自給率等を考え合わせますと、今後も重点的に取り組んでいかなければならないということはもちろんですが、今足元で若い人たちがどんどん地域から出ていってしまうことを防ぐための即効性のある新たな産業の創出も極めて重要であると考えるものであります。  そこで、西北地域の所得水準の向上のためには、農林水産業の振興とともに、あおもり型産業に関連する企業誘致推進など、産業振興を強力に推進する必要があると考えますが、県の認識をお伺いいたします。  次に、地方財政対策についてお伺いいたします。  知事は、平成十五年の就任後、自主自立の青森県づくりを目指し、直ちに財政改革プランを策定しましたが、プラン策定直後の平成十六年において突然地方交付税が大幅に削減されました。その後も毎年改革に名をかりて地方交付税が削減され続け、さらには、社会保障関係費等の増大や都市と地方との財政面での格差の拡大により、本県財政は財政不足額の大幅な拡大を余儀なくされました。今般の行財政改革大綱素案では、基金に頼らない財政運営の実現を掲げておりますが、今までのように地方交付税が抑制された場合には、試算の前提が崩れてしまうのではないかと危惧するものであります。  現に、去る八月末に示された平成二十一年度の地方交付税総額の仮試算では、対前年比マイナス六千億円と非常に厳しい状況となっております。  本県が今後収支均衡を実現するには、地方交付税を初めとする地方財源の確保、増額が生命線になるものであり、私は、骨太の方針二〇〇六に掲げた二〇一一年度に国、地方を通じたプライマリーバランスの黒字化を図るための歳出圧縮の見直しを国に働きかけていくべきと考えます。  そこでお伺いいたします。  地方交付税を初めとする地方税財源の充実等について、具体的に今後どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。  次に、農業振興についてお伺いいたします。  本年四月中旬から六月中旬に本県を相次いで襲った霜やひょうは、リンゴを中心とした農作物に大きな被害をもたらしました。特にリンゴにおけるひょう害としては、その被害面積、金額ともに過去に例を見ないものとなりました。さらに追い打ちをかけるように、去る九月二十六日から二十七日にかけて再び西北地域を中心に降ひょうがあり、リンゴやブドウに被害が発生いたしました。春先とあわせて被害を受けた生産者も多くあり、これまで懸命に頑張ってこられた方々の心情を思うと、察するに余りあるものがあります。  被害を受けた生産者の皆様に心からお見舞いを申し上げるとともに、三村知事、青山副知事が農家の視察、激励に、また、農林水産委員会も調査に出向くなど、迅速に対応されたことに敬意を表するものでございます。どうぞ被災農家を元気づける支援策を、高い壇上からではございますが、よろしくお願い申し上げます。  また、これから主力の中・晩生種の収穫期を迎えますので、販売、加工等にしっかりと対応し、農家の生産意欲を損なうことのないよう、県としての指導強化を願うところであります。  では、初めに、リンゴの販売対策についてお伺いいたします。  先般、県が発表した平成十九年産リンゴの販売結果によりますと、県産リンゴの販売額は、一昨年に引き続き九百億円を超えました。果実全般の消費が低迷し、特にライバルのミカンに至っては、大幅な価格下落に見舞われ、生産量も百万トンを切る事態となっており、その状況を見るにつけ、本県リンゴの底力を改めて強く感じたところであります。  さて、今年産のリンゴ販売も、わせのつがるから主力の中・晩生種に移ってまいりますが、現在の市況を見ますと、昨年より二ないし三割安い価格で推移しており、きょうの新聞にも、果実の価格低迷や生産資材の高騰による経営悪化を受けて、需給調整対策の機動的な実施など七項目の実施を求める決議を、昨日自民党の果樹振興議員連盟が政府に求めたという記事にもございますように、生産者の中では先行きが不安視されております。  ここで、健全化についてもしっかりとした販売対策を講じていく必要があるのではないかと考えます。また、ここ数年リンゴの消費も下降気味であり、特に若年者の消費が減っていることが気になります。  そこで質問ですが、霜やひょうの被害リンゴを含め、本年産の販売対策についてお伺いいたします。また、若い世代をねらいとした消費拡大をどのように図っていくのかお伺いいたします。  私は、常々将来さまざまな要因により国内市場が縮小していくことが懸念される中で、未来永劫リンゴ王国を揺るぎないものにしていくためには、海外への輸出が大きな貢献を果たすものと考えます。幸い本県では、知事が攻めの農林水産業を推進する中で、リンゴを初めとする農産物の輸出に力を入れており、十九年産リンゴも過去最高の量を輸出して需給調整の役割を果たしており、着実な成果を上げていると多くの方々が評価しております。  そこでお尋ねいたします。  県産リンゴの輸出の拡大に向けて、県はどのように取り組むのかお伺いいたします。  次に、リンゴの内部褐変対策についてであります。  御承知のように、本県のリンゴ産業は、貯蔵技術を生かして周年販売により販売額を増加させてきました。近年、地球規模の温暖化が進み、巨大ハリケーンや竜巻など異常とも言える気象現象が世界各地で頻繁に発生しており、我が国においても局地的な雷雨や大雨などといった現象がここ数年多く見受けられるようになっています。  本県でも、ことし四月中旬から六月中旬にかけての霜やひょう、竜巻、そして先般の再度のひょうも、このような温暖化しつつある気候変動が原因の一つではないかと感じています。今後、リンゴ栽培にも、着色不良や焼けの発生などが懸念されるところですが、その中で、長期保存した際に発生する内部褐変も、これら気候変動と何か関連しているのではないかと感じております。  リンゴの内部褐変は、外観からはわかりにくく、本県では、平成十三年から十五年まで三年続けて発生し、リンゴの販売において非常に苦労したことは記憶に新しいところです。生産者の方々が丹精込めて生産したリンゴが最良の品質で流通するためには、内部褐変の原因究明と防止対策が急務であると考えます。  そこでお尋ねいたします。  リンゴの貯蔵中に発生する内部褐変について、どのような研究がなされ、どのような成果が得られているのかお伺いいたします。  次に、リンゴの果実飲料の原料原産地表示についてお伺いいたします。  去る八月四日に明らかとなったリンゴ果汁を原料とする加工品のJAS法表示違反は、リンゴ加工品のみならず、青森県産の農産加工品、ひいては本県産リンゴそのものに対する消費者の信頼を大きく揺るがす事態となりました。全国的に見ても、本事案と同様に、産地を偽装した事件は、昨年から牛肉、鳥肉、ウナギ、フグなど、後を絶ちません。本来、原産地表示は消費者の品質への信頼を裏づけるものですが、輸入原料を国産と偽り、製造、販売することは、消費者の信頼を裏切る行為であり、あってはならないことと考えます。  このような状況にあって、青森県産リンゴ果汁を原料とする製品に対する消費者の信頼回復のため、不適正表示の抑止策としてリンゴ果実飲料の原料原産地表示が必要であると考えます。  そこでお尋ねいたします。  リンゴ果実飲料の原料原産地表示義務化に向けた県の取り組みについてお伺いいたします。  次に、米の生産調整についてお伺いいたします。  平成十九年産の米価は、米の消費量が年々減少している中で、生産量が全国的に過剰になったことなどから、大幅に下落する異常事態となり、地域農業・農村の活力に大きな影響を及ぼしたことは、記憶に新しいところです。  国は、このような状況を改善するため、米を三十四万トン買い入れて備蓄を百万トンにするなど、再び生産調整への行政の関与を強め、本年度は新たに生産目標面積を十万ヘクタール拡大することなどを内容とした米政策の緊急対策を打ち出し、生産調整を強化しています。私の出身地である西北地域は、湿田ということもあり、米以外の作物栽培が難しいにもかかわらず、地域の特色を生かした転作に取り組み、生産調整の目標達成に向けて努力しております。  一方、世界的に穀物需給が逼迫し、小麦やトウモロコシの価格が高騰していますが、水田を今こそ最大限活用して食料自給率を高めるとともに、国民、県民に安全な食料を安定的に確保していく必要があると考えます。  そこで、二点お伺いいたします。  一点目として、二十年産米の生産調整を進めてきた中での課題についてお伺いいたします。  二点目としては、来年度以降の生産調整の推進に当たっては、水田機能を生かした新規需要米が有望と考えますが、県の見解をお伺いいたします。  次に、自動車関連産業の振興についてお伺いいたします。  自動車関連産業は、国際競争力が高い上、経済波及効果が大きく、我が国経済を支える基幹的産業となっており、自動車業界の国内生産拠点の増強が見られるところでございます。  本県においても、一昨年九月に青森県自動車関連産業振興協議会が設立され、関連企業の誘致と地場企業の連携を柱とする自動車関連産業の振興に向けた取り組みが始まりました。昨年五月には、とうほく自動車産業集積連携会議に参画し、東北各県と連携しながら、自動車関連産業の集積を目指す体制が整ったほか、本年一月には、より一層の集積に向けた青森県自動車関連産業振興戦略を策定したところであります。  このような中、岩手県の関東自動車工業株式会社が量産体制を整備しつつあるほか、宮城県にトヨタ自動車の子会社であるセントラル自動車が進出するなど、東北地方への新たな立地の動きが出てきております。  いずれも、海外市場に向けた量産体制を整えるためであるとされていますが、自動車産業の国内回帰が鮮明になってきているような気がいたします。こうした自動車関連産業の北上の流れや中部圏、首都圏の人材確保難などを好機ととらえ、本県の雇用の促進を図るためにも、自動車関連企業の誘致や自動車関連産業の集積促進に一層力を入れる必要があると思っております。  そこで、二点お伺いいたします。  一点目は、青森県自動車関連産業振興戦略に基づく取り組みについてお伺いいたします。  二点目は、自動車関連企業の誘致にどのように取り組むのかお伺いいたします。  次に、生活保護行政についてお伺いいたします。  生活保護は、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的としており、この制度は、最後のセーフティーネットとなる制度であるとされております。  先般、本県の生活保護受給世帯は過去最高で、保護率も全国で高いほうから六番目という新聞報道がされました。病気、失業、高齢化などなど、生活保護を受給するに至る理由は人それぞれさまざまであろうと推察いたします。一方、生活保護は最低限度の生活保障であるため、受給者の方々は一日も早く自立した生活を送れるようになることが望ましいことでもあります。  この自立を支援する役割として、非常に重要な役割を果たすのがケースワーカーであります。生活保護世帯に対して、直接処遇を行うケースワーカーは、その有する福祉技術をもって個々の多様なニーズに対応していく必要があります。一方では、生活保護世帯が増加していく傾向にあり、ケースワーカーの担当する世帯数も多く、大変苦労していると認識しております。  そこで、三点お伺いいたします。  一点目は、本県の保護率が全国で六番目に高い理由についてどのように認識しているのかお伺いいたします。  二点目は、福祉事務所のケースワーカーの配置状況についてお伺いいたします。  三点目は、自立支援の取り組みについてお伺いいたします。  次に、麻疹対策、いわゆるはしかについてお伺いいたします。  昨年の春、全国において十代、二十代を中心とした年齢層で麻疹が大流行し、高等学校や大学において学校閉鎖や行事の中止などの措置がとられ、社会問題として話題となったことは記憶に新しいところです。また、本県の例ではありませんが、海外への修学旅行において麻疹を発生した生徒が渡航先で一時隔離される事態が起きたということもあり、日本が麻疹の後進国として海外から警戒されているところであります。  麻疹の予防には予防接種が有効とされておりますが、こうした麻疹発生の要因として予防接種率が低いことが挙げられています。国は、ことし四月から麻疹の定期予防接種の対象として、中学一年生及び高校三年生に相当する年齢を追加し、定期予防接種率九五%を目指してその対策を進めることとしております。  しかし、先般、この追加接種については、全国的に接種率が低迷しているとの厚生労働省の調査結果が報道されたところです。また、こうした状況に加え、依然として麻疹の流行が見られている地域もあると聞いています。このままでは、昨年同様、全国的な流行が再び起きるのではないかと懸念されるところであります。  そこで、二点お伺いいたします。  一点目は、本県における麻疹の発生状況についてお伺いいたします。  二点目は、県民への周知方法と今後の対策についてお伺いいたします。  次に、文部科学省が実施する学校支援地域本部事業についてお伺いいたします。  この事業は、今年度から実施され、全国に千八百カ所の学校支援地域本部を設置するというもので、六月十七日付の東奥日報紙においても大きく報道されました。その事業趣旨を見ますと、一つに、近年の青少年をめぐるさまざまな問題が発生している背景として、地域における地縁的なつながりの希薄化や個人主義の浸透などによるいわゆる地域の教育力の低下が指摘されていること、次に、学校現場においては、教育活動以外の業務量の増加による教員の多忙が問題となっており、教員が子供一人一人に対するきめ細かな指導をする時間を確保するための取り組みが必要であること、そのため、教員が子供と向き合う時間を拡充するため、地域全体で学校教育を支援し、地域ぐるみで子供の教育を推進し、地域の教育力向上などを図るとされております。  そこで、開かれた学校づくりや学校、家庭、地域の連携が叫ばれて久しいわけですが、本県でも教育力を高める取り組みの推進を目指している中で、学校支援地域本部事業の内容と本県での実施状況についてお伺いいたします。また、学校支援地域本部事業の実施による期待される効果について、県はどのように考えているのかお伺いいたします。  最後に、電源三法交付金による電気料金の割引についてお伺いいたします。  本県には、原子燃料サイクル施設や原子力発電所などの立地に伴い、電源立地地域対策交付金を初めとした電源三法交付金が交付されており、県及び市町村にとって地域振興を図る上での貴重な財源になってまいりました。  昭和六十三年度から平成十九年度までに本県及び関係市町村に交付された交付金の累計は約千七百二十六億円に達しているとのことですが、この交付金を活用して、これまで、産業振興と住民福祉の向上を図るために、公共用施設や産業用施設の整備等のさまざまな事業が実施され、地域振興や県民生活の質的向上が図られてきたものと考えております。  一方、現在の世界的な原油高に端を発した燃料・飼料価格の高騰、また、それに伴う消費者物価の高騰により、農業、漁業、畜産業、商工業等本県の主要産業は深刻な影響を受けており、日々の県民生活はますます厳しいものになりつつあります。  このため、原子力関連施設の立地に伴い、今後も安定した交付が見込まれる電源三法交付金は、県民生活が厳しさを増している中にあって、これまで以上に県民が地域振興効果を実感できるような形で有効に活用していくことが強く求められると考えるものであり、私は、県民が直接恩恵を実感できる電気料金の割引制度を推進することが必要であると思っております。  そこで、二点お伺いいたします。  一点目は、本県に交付された電源三法交付金がこれまで電気料金の割引にどのように活用されてきたのかお伺いいたします。  二点目は、全県的な産業振興と住民福祉の向上を図るため、電気料金割引制度を県内全域に拡大するべきと考えますが、県の取り組みについてお伺いいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。 60 ◯議長(神山久志) 知事。 61 ◯知事(三村申吾) 相川議員にお答えいたします。  まず、私からは、あおもり型セーフティーネットの実現にかける思いであります。  私は、次期基本計画における目指す将来像として生活創造社会を掲げ、県民一人一人のチャレンジ精神あふれる取り組みにより、経済的基盤の創出、拡大が図られ、輝いて生きられる社会、そして心の豊かさ、命、健康、環境など暮らしやすさが守られ、安んじて生きられる社会を目指していくことが、まさに県民の皆様の願いであり、そして県としての最大の責務であると考えております。  しかしながら、ここ数年、人口減少や少子化、高齢化の進行に加え、医師不足、さらには食品偽装や輸入食品の添加物の問題など、県民の皆様の生活に直接かかわるさまざまな問題も発生しております。  私は、社会保障や雇用対策など国の制度を軸とした従来型のセーフティーネットの概念にとどまらず、このような県民の皆様に直接かかわるさまざまな問題から、県民の皆様の生活を守り、真の豊かさを手に入れるための新たなセーフティーネットの考え方が必要であると考えております。そのため、計画期間を通して、継続的かつ集中的に取り組むべき最重要戦略キーワードとしてあおもり型セーフティーネットを位置づけたところであります。  あおもり型セーフティーネットは、社会保障や雇用対策などのほか、保健・医療・福祉包括ケア、交通安全、防犯、防災、食の安全・安心を初めとした消費生活など、県民の皆様のかけがえのない命と生活を守るシステムを構築することであります。その範囲は広く、そして多岐にわたるわけですが、私は、さまざまな課題にも決してひるむことなく真正面から立ち向かい、県民のだれもがこのふるさと青森県で安んじて生きられる社会づくり、このことに全力で取り組みたいと考えております。  地財対策に係る県の取り組みについてであります。  本県の財政にとりまして生命線とも言うべき地方交付税については、国の財政再建のために一方的に削減することは断じて認められるものではなく、さらには、本県を初めとする財政力の弱い団体における地方自治、地域経済、地域社会を守っていくためにも、必要な総額を確保しつつ、財源保障・財源調整機能を維持していくことが必須であると考えております。  しかしながら、これまでの国における地方財政をめぐる議論では、人件費の削減などの地方が懸命に取り組んでいる行財政改革が適正に評価されず、国の財政再建が優先され、地方の歳出削減方針と地方交付税の抑制が先にありきで進められてきた感が否めないのであります。この結果、国の地方財政改革によるマイナスの影響は極めて大きく、本県財政の健全化に向けた道のりは道半ばを強いられるところであるわけであります。これは地方財政全体に共通した問題でもあり、先般、全国知事会においては、財源不足を補てんする基金残高も年々減少し、都道府県全体では、平成二十一年度までに基金が枯渇し、地方団体の財政運営は破綻との推計を示したところであり、国は、地方の置かれた厳しい実情を直視すべきであると考えております。  地方は、食料やエネルギー、人材といった資源を全国のいわば大都市に供給し、国民生活を根底から支えております。こうした地方の役割を顧みず、財政的に人が暮らせる状況でなくなったからという理由で地域、地方を崩壊させてはならないと思います。これは日本社会全体の衰退を招くものなのであります。  いずれにしても、地方交付税の意義、役割、重要性は強まりこそすれ、いささかも衰えることはないとの思いで、国にその増額等を粘り強く訴えていく所存であります。引き続き、議員各位の御支援、御協力を賜りたいと存じます。  県産リンゴの輸出拡大に向けての取り組みであります。
     私は、リンゴやナガイモ、ホタテを初めとする県産農林水産物は、我が日本国を代表するすぐれた産品であるとの確信を持って、これらの高い商品力を生かして積極的に海外販路の拡大に取り組んでおり、この結果、特にリンゴは台湾を中心に順調に伸び、平成十九年産は近年では最大の輸出量となっております。  県産リンゴの輸出については、国内市場における生果の需給均衡と価格安定などの面でも大きな効果が期待できますことから、今後とも海外の消費者へ、安全・安心と食味、品質のよさを力強く訴えながら販路拡大を図ることとしています。今年度は、最大の輸出先である台湾につきましては、本県への誘客を図る観光PRと一体となった宣伝活動を展開するほか、富裕層が増加している中国についても、明年一月に北京で青森県フェアを開催し、いずれも、私自身が直接現地の消費者にアピールし、リンゴを中心といたしました青森県産品の宣伝販売活動を展開していきます。  さらに、経済成長が伝えられます中東地域やロシアにつきましても、見本市への出展やテスト販売を展開しながら、輸出の可能性を調査することとしており、県としては、今後とも引き続き、関係団体と一体となって積極果敢に攻めの姿勢で世界のトップブランドとしての青森リンゴの輸出拡大を図っていきます。  自動車関連産業振興戦略に基づく取り組みについてであります。  県は、中部圏域や東北地域に立地する自動車メーカー等との取引機会の拡大や、これを契機とする地場企業への経済波及効果の獲得を目標に、地場企業の育成強化、企業誘致活動の強化、人材の育成強化の三つを柱とした青森県自動車関連産業振興戦略を本年一月に策定し、本県の自動車関連産業の集積に取り組んでおります。  具体的には、青森県名古屋産業立地センターを新たに設置しまして、中部圏域での企業誘致活動を強化したほか、青森県自動車関連産業振興協議会が実施します各種研修会やセミナーを通じた情報提供により、集積に向けられた機運醸成を図るとともに、東北六県で組織されたとうほく自動車産業集積連携会議等で実施する展示商談会を活用して、県内企業と自動車メーカー等のマッチングを図っているところであります。  さらに、自動車関連産業コーディネーターを技術アドバイザーとして県内企業に派遣し、自動車関連産業参入に向けた技術指導を行っているほか、自動車部品の機能・構造研修会や津軽地域及び県南、下北地域における物づくり基盤技術分野の人材育成事業など、同戦略に基づくさまざまな取り組みを進めております。  県としては、すそ野の広い自動車関連産業に参入するための努力が、結果的に本県企業の競争力の強化にもつながるものと考えておりまして、今後も自動車関連産業の集積に向けた幅広い取り組みを進めていく所存であります。  私からは以上であります。 62 ◯議長(神山久志) 青山副知事。 63 ◯副知事(青山祐治) 本年産のリンゴ販売対策についてお答えいたします。  本年産の果実は、全般に豊作基調となっていることや、原油高騰の影響による消費減退の傾向にあることから、リンゴを含めた果実の販売環境は厳しくなっており、このような中で、本県産リンゴを優位に販売していくために、関係団体が申し合わせた販売目標計画を遵守した出荷を進めていくことに加え、国内需給の均衡を図るため、海外市場への積極的な販売拡大を進めていくこととしております。  特に、本年、相次いで襲った霜、ひょうの被害果については、被害程度が比較的軽いリンゴは生食向けに販売することを関係団体と申し合わせたところであり、被害果は、被害農産物の販売に協力していただける県内百四十一店舗での特別販売を初め、農協など、各出荷団体とつながりのある量販店、食品スーパーや生協と直接取引等を主体とした販売を進めているところであり、特に九月二十六日の降ひょうによる被害果は、県内での早期特別販売に向けた取り組みを進めています。  さらに、本年産の健全果については、消費者の購買意欲の喚起、向上を図るため、全国の食品スーパーや青果店五百店舗で試食宣伝会を一斉に行う青森りんご祭りの早期実施や首都圏の大手量販店での知事トップセールスによる青森県フェアの開催のほか、市場関係者との販売懇談会を通じて、本県産リンゴの販売促進を積極的に働きかけていきます。 64 ◯議長(神山久志) 企画政策部長。 65 ◯企画政策部長(奥川洋一) 次期基本計画について二点お答えいたします。  まず初めに、一人当たり県民所得を注目指標として掲げるねらいについてであります。  一人当たり県民所得は、県民の給与所得などの雇用者報酬、利子や配当などの財産所得、企業の営業余剰などの企業所得の合計を県内総人口で割ったもので、県民経済全体の所得水準をあらわす指標です。  一人当たり県民所得を推計する際には、農林水産業や製造業、建設業など各産業の生産額の状況、給与等所得の状況、就業人口などの労働状況、輸出、輸入の状況、設備投資の状況など、県内における経済活動の状況を示す数多くの指標を使用していることから、一人当たり県民所得は、本県経済の状況を総合的かつ的確に示す指標であると認識しています。  これらのことから、生業(なりわい)に裏打ちされた豊かな生活が実現している社会を目指していくに当たり、本県が目指す方向に進んでいるかどうかという立ち位置を明らかにするため、一人当たり県民所得を注目指標として掲げることとしたものです。  次に、西北地域の所得水準の向上についてであります。  西北地域の地域別計画の検討に当たったつがる西北五活性化協議会地域別計画検討委員会の検討の中では、西北地域は農業や水産業など第一次産業の低迷が所得の低さにつながっているという認識が強く示されたところです。  また、農業は市場価格に左右される側面があり、特に米の比率が高い西北地域は、米価の低迷により将来的にも楽観できる状況にはないという指摘もあったところです。  このため、第一次産業が、加工、流通、販売などの第二次、第三次産業と緊密に連携しながら基幹産業として発展を遂げていくため、農林水産業の高付加価値化を六次産業化と表現し、今後五年間の取り組みの展開方向と重点施策の第一に掲げているところです。  一方、西北地域の域内総生産において、製造業の占める割合は五・四%にとどまっており、全国と比較して割合が低い県全体の製造業の構成比九・七%をも下回っている状況にあります。  このため、西北地域の地域別計画においては、企業の立地、育成や創業、起業の促進など、物づくり産業の振興と人財の育成などによる産業基盤の強化に取り組むこととしているほか、木質ペレット工場の本格操業やビニールハウス用ペレットボイラーを使った実証実験など、あおもり型産業の振興の一環として、県内では西北地域が先行している木質バイオマス資源の利活用などによる環境と融合した産業の振興を掲げており、これらの取り組みにより、地域活性化のための産業基盤の強化を推進していくことが重要であると認識しております。 66 ◯議長(神山久志) 健康福祉部長。 67 ◯健康福祉部長(一瀬 篤) 御質問五点にお答えいたします。  まず、保護率についてです。  本県における平成十九年度の保護の状況は、被保護世帯数は一万八千四百二十七世帯、被保護人員数は二万四千五百四十六人、人口千人当たりの保護を受けている人員の割合を示す保護率は一七・三九パーミルとなっています。  世帯類型別で見ると、高齢者世帯が全体の四六・六%、傷病・障害者世帯が三九・四%と、全国と比較して、高齢者世帯が一・五ポイント、傷病・障害者世帯が三・〇ポイント高くなっています。  また、本県の有効求人倍率を見ると、平成十九年度全国平均では一・〇二であるのに対し、〇・四八と全国の低いほうから二番目となっており、雇用情勢が厳しく、就労可能な世帯が安定した収入を得がたいことも保護率の高い要因であると考えています。  次に、ケースワーカーについてです。  平成二十年四月一日現在のケースワーカーの配置状況は、県が設置する六福祉事務所に五十五人が配置され、すべての事務所で法令等による配置標準数を充足しています。また、市の設置する十福祉事務所では百八十一人が配置されていますが、そのうち三事務所においては、配置標準数を充足していない状況にあります。  県としては、配置標準数を充足していない事務所に対しては、ケースワーカー一人当たりの担当する被保護世帯数がふえて、その負担が増す等の影響が予想されることから、指導監査を通してケースワーカーの確保について指導しているところです。  続いて、自立支援についてです。  生活保護制度は、生活に困窮するすべての国民に対し、最低生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする制度です。国においては、被保護世帯の抱える問題の複雑化と世帯数の増加等により、十分な支援が行えない状況も見受けられるようになってきたことから、平成十七年度から福祉事務所が組織的に被保護世帯の自立を支援する制度として自立支援プログラムを導入したところです。  本県では、就労支援に係る自立支援プログラムとして生活保護受給者等就労支援事業活用プログラムを策定し、ハローワークと福祉事務所の職員がチームを組んで経済的自立の支援に取り組んでいます。さらに、県の三福祉事務所及び市の二福祉事務所では、ケースワーカーのほかに就労支援相談員を配置し、被保護者への就労支援の強化を図っているところです。  また、高齢者世帯等経済的自立の困難な世帯に対しても、社会参加を図り、身体機能を維持していくための社会生活自立支援や日常生活自立支援を行っているところです。  県としては、今後も被保護者の自立に向けた支援を積極的に推進していくこととしています。  次に、麻疹の発生状況についてです。  麻疹は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づき、昨年十二月までは都道府県の指定を受けた医療機関のみが患者の発生状況について都道府県に届け出を行うこととされていましたが、厚生労働省令改正により、本年一月からは患者を診断したすべての医師が届け出を行うこととされたところです。  この結果、本県においては、本年一月一日から七月末までで六十二件の届け出がありました。特に六月上旬には一週間で七名の患者の発生があり、県内における流行が懸念されたことから、市町村及び学校等の関係機関に対し注意喚起を行うとともに、予防接種の勧奨及び早期受診等の蔓延防止対策を講じるよう通知したところです。なお、八月以降新たな患者の届け出はありません。  最後に、麻疹対策についてです。  麻疹の予防接種については、予防接種法に基づき、市町村が実施主体となり、一歳と小学校入学前年度の二回の定期予防接種が行われているところです。  さらに、政令改正により、本年四月からは、定期予防接種の機会が一回しか設けられていなかった平成十二年四月一日以前に生まれた者について、五年間の期間を定め、二回目の定期予防接種の機会を設けることとし、中学校一年生及び高校三年生に相当する年齢の者が対象に追加されたところです。この定期予防接種の対象者に対しては、市町村から実施時期、接種機関等について個別に通知されています。  県では、これまでも市町村、医師会及び学校関係者等と麻疹に係る情報を共有し、接種勧奨を行うなど、麻疹の予防及び蔓延防止に努めてきたところですが、より一層の麻疹対策を推進するための協議の場として、本年九月、青森県麻しん対策会議を設置するとともに、関係機関の意見を踏まえ、青森県麻しん対策ガイドラインを作成し、関係者が具体的に行うべき対応を定めたところです。  今後も引き続き、関係機関と情報を共有し、緊密な連携を図るとともに、県民に対し、ホームページ、広報等を通じ、県内の発生状況を速やかに周知し、麻疹の予防に関する啓発を図っていきたいと考えています。 68 ◯議長(神山久志) 商工労働部長。 69 ◯商工労働部長(九戸眞樹) 自動車関連企業誘致の取り組みについてお答えします。  県では、これまでも自動車関連産業を企業誘致の重点分野の一つとして位置づけ、精力的に誘致活動を展開してきたところですが、さらに積極的な誘致活動を行うため、本年四月から、新たに青森県名古屋産業立地センターを設置するとともに、同センターに大手自動車メーカーOBを自動車関連産業コーディネーターとして配置し、自動車メーカーや協力企業からの情報収集力の強化を図っています。  これに加えて、自動車業界の経営・生産管理手法の知見を得るとともに、人的ネットワークの構築により、今後の企業誘致に生かしていくため、県職員三名を大手自動車関連企業に派遣するなど、先を見据えた取り組みも進めております。  また、自動車関連産業においては、ジャストインタイム方式への対応など、大手自動車メーカーの物流需要にどのように対応していくかが課題となっていることから、本県の立地特性に合わせた自動車部品等の効率的な物流システム構築に向けた調査、検討を行っています。  県では、企業誘致体制の強化や戦略的な誘致活動など、総合的な取り組みによって自動車関連産業の立地促進につなげていきたいと考えています。 70 ◯議長(神山久志) 農林水産部長。 71 ◯農林水産部長(鳴海勇蔵) 御質問五点についてお答えいたします。  最初に、若い世代のリンゴの消費拡大についてであります。  県では、リンゴの購入数量が少ない若い世代の消費の底上げを図るため、青森県りんご対策協議会と連携して、青森りんごシェイクや青森りんごのアップルパイなどのオリジナルメニューを開発し、若い世代が日常的に利用するファストフード店やコンビニエンスストアでの発売などに取り組んできたところです。  今後は、子供のころから本県産リンゴに親しみを持ち、将来にわたって食べてもらうため、県内や大都市圏の小学校を対象に、教材等に活用できるリンゴに関するDVDの制作、配布や出前授業の開催などを進めていくこととしております。  さらに、学校給食向けのリンゴメニューの開発や若い世代を中心に愛読されている全国誌にリンゴの持つ健康や美容などの幅広い効用を紹介するなど、本県産リンゴの消費拡大に結びつけてまいります。  次に、リンゴの貯蔵中に発生する内部褐変についてであります。  内部褐変については、リンゴ試験場が発生要因の解明や防止策の研究に取り組んでおり、現時点では気温が肥大期の七月、八月に低く、成熟期の十月ごろに高く推移した年に発生が多い傾向にあることや、栽培面では有袋栽培より無袋栽培で、また収穫がおくれたリンゴほど発生しやすいという知見が得られております。  一方、国の研究機関から果実中のカルシウム含量を高めることで抑制効果があるとの報告があったものの、生育中のこの散布試験では明確な効果が確認されていない状況にあります。  このような状況を踏まえ、現在、より詳細な発生メカニズムの解明と発生を抑制する成長調整剤の利用や貯蔵技術の開発に取り組んでおり、成果が得られ次第、速やかに生産現場へ普及していくことにしております。  次に、リンゴ果実飲料の原料原産地表示義務化についてであります。  リンゴを含む果実飲料の原料原産地表示の義務化については、今回のようなJAS法の表示違反の再発防止や本県産の高品質なリンゴ果汁を使用した製品であることを消費者や実需者に訴えて販売促進を図っていく上でぜひとも必要であると考えております。  このため、県では、果実飲料が表示義務化の検討品目として位置づけられた平成十五年度以降、国に対して、県議会や関係団体と一体となって義務化の要請を行ってきたところです。  今年度も県の重点施策提案において国に提起するなど、継続して要請活動を行っており、今後も義務化の実現に向けて粘り強く国に働きかけてまいります。  次に、米の生産調整の課題についてであります。  二十年産米の生産調整の課題としては、産地づくり交付金は総額が十九年から三年間固定されているため、生産調整面積の拡大により、単位面積当たりの交付額が減少したこと、水田機能を生かして拡大する方向にある飼料用稲の収入が主食用に比べ低水準にあること、小麦などの転作作物については、収量水準や品質が低い地域があること、作物を作付しない調整水田等がいまだに多いことなどが挙げられます。  このため、県としては、生産調整の実効性を確保するため、関係機関・団体等と連携し、飼料用稲の低コスト生産技術等の普及を図ることを初め、転作作物の排水対策、栽培管理の徹底といった技術指導の強化や不作付地への導入拡大などに取り組み、さらに、国に対しては、産地づくり交付金等を十分確保するよう、引き続き要望してまいります。  次に、水田機能を生かした新規需要米についてであります。  飼料用稲や米粉などの新規需要米は、米の生産調整としてカウントされ、稲作の農業機会や生産者の栽培技術を有効に活用できることや排水不良の湿田でも取り組めること、さらに、水田の有効活用による食料や飼料の安定供給につながることなどの利点があり、転作の一態様として極めて有効となっております。反面、価格が主食用に比べて低い水準にあります。  このため、今後、新規需要米を拡大していくために、産地づくり交付金等の活用や生産コストの低減を図り、水田機能を生かした生産調整手法の一つとして推進していきます。  また、国では、飼料用稲や米粉の作付拡大に対する助成等を盛り込んだ水田等有効活用促進対策の検討を行っていることから、国の動きも注視しながら、新期需要米を軸とした望ましい青森県の水田農業や生産調整のあり方を幅広い視点から検討してまいります。  以上です。 72 ◯議長(神山久志) エネルギー総合対策局長。 73 ◯エネルギー総合対策局長(佐々木郁夫) 御質問二点にお答えします。  まず、電源三法交付金の電気料金割引への活用実績についてです。  電源三法交付金による電気料金割引制度である原子力立地給付金交付事業については、本県において原子力施設立地周辺市町村が対象区域となっていますが、平成十九年度においては総額十四億一千七百万円余が一般家庭や企業に対して直接給付されています。  本給付金交付事業は、平成元年度から本県において実施されていますが、これまで実質的に総額二百十二億八千七百万円余の電気料金の割引が行われています。  次に、電気料金の割引制度の県内全域への拡大についてです。  電源三法交付金による電気料金の割引を県内全域に拡大することについては、本県を含む十四道県の知事で構成される原子力発電関係団体協議会において、国に対して継続的に要望活動を行っているところです。  電気料金の割引全県適用については、国では、適用額が相当な規模となることから実施は難しいとしているところですが、全県的な地場産業の振興や企業誘致の推進等に資するものであることから、引き続き関係道県と協議しながら要望してまいります。 74 ◯議長(神山久志) 教育長。 75 ◯教育長(田村充治) 学校支援地域本部事業についての御質問二点にお答えいたします。  初めに、事業の内容と実施状況についてであります。  学校支援地域本部事業は、地域全体で学校教育を支援し、地域ぐるみで子供の教育を推進することにより地域の教育力向上などを図る取り組みとして、今年度から文部科学省の委託事業により県と市町村で実施しているものであります。  事業を実施する市町村では、学校支援活動を推進するための実行委員会を組織するとともに、小学校区や中学校区に地域全体で学校教育を支援する学校支援地域本部を設置しております。学校支援地域本部では、学校と地域の橋渡しを行う学校支援コーディネーターを配置するとともに、学校支援ボランティアによる学習支援活動、部活動指導、環境整備など、さまざまなボランティア活動を行っているものであります。  本県では、今年度、事業を実施している十六市町村において、小学校四十六、中学校十七、合わせて六十七校(後刻「六十三校」に訂正)を対象に、四十三の学校支援地域本部を設置して学校支援活動を行っております。  また、県教育委員会では、学校支援地域本部事業の効果的な事業展開を図るため、運営協議会を設置するとともに、学校支援ボランティア活動推進大会を青森市で、また、学校支援コーディネーター養成講座と学校支援ボランティア活動見本市をそれぞれ県内六地区で行うこととしております。今後とも、市町村と連携しながら、本事業が円滑に実施されるよう支援に努めてまいります。  次に、期待される効果についてであります。  この事業は、学校、家庭、地域が一体となって、地域ぐるみで子供を育てる体制を整えることを目的に実施するものです。期待される効果としては、地域のいろいろな大人が学校の教育活動にかかわることで、子供たちの多様な体験や経験の機会がふえることにより、規範意識やコミュニケーション能力の向上につながるとともに、地域住民の協力を得ることで、教員が教育活動により一層力を注ぐことができることになります。  また、地域住民がみずからの経験や知識を未来を担う子供たちの教育に生かすことにより、生涯学習の成果を生かす場が広がり、自己実現や生きがいづくりにもつながります。さらに、地域住民が学校の教育活動にかかわることで、地域のきずなづくりにつながり、地域の教育力が向上し、地域の活性化や学校を核とした地域づくりにつながるものと考えております。  大変失礼しました。今年度事業実施の部分でございますが、小学校四十六、中学校十七、合わせて六十七と発言したみたいですので、合わせて六十三と訂正させていただきます。失礼いたしました。 76 ◯議長(神山久志) 相川議員。 77 ◯十八番(相川正光) それぞれ御答弁ありがとうございました。  再質問はございませんけれども、再度の要望という形になりますが、要望を一点させていただきます。  リンゴ果実飲料の原料原産地表示についてでございます。  財務省の貿易統計によりますと、平成十九年に我が国に入ってきたリンゴ果汁は九万三千五百キロリットル、生果リンゴに換算しますと、日本全国の一年間の生産量を超える八十五万トンに達すると言われてございます。その七割前後は中国から入ってきていると言われてございます。この原料原産地表示の義務化については、先ほど御答弁いただきましたように、県議会や関係団体が一緒になって、これまでも粘り強く働きかけてきたというふうに私も理解をしてございます。
     私が思うには、国はこれまで、消費者の側でなく、業界の側に立った判断をしているのではないかというふうな感じを持っております。本県での今回の表示不適正事例を契機に、改めて原料原産地表示の義務化に対する気持ちを強くしたところであり、県民、さらには国民の食に関する安心を守っていくことを第一義とし、消費者重視の目線でもって、引き続き、今答弁がございましたように、粘り強く国に対して表示の義務化を強く働きかけていただきますように要望して終わります。 78 ◯議長(神山久志) これをもって一般質問を終わります。  以上をもって本日の議事は終了いたしました。  明四日及び五日は県の休日ですから休会であります。  十月六日は午前十時三十分から本会議を開きます。  本日はこれをもって散会いたします。 午後四時三十六分 Copyright © Aomori Prefecture, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...