以上で、報告を終わります。
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3 △ 一般質問
◯議長(柴立鉄彦君)一般質問であります。
通告に従って、順次発言を許可いたします。
東清剛君に発言を許可いたします。
[東 清剛君登壇](拍手)
4 ◯東 清剛君 おはようございます。
日置市区選出、無所属の東清剛でございます。一般質問の
トップバッターで質問させていただきます。
今回もバス二台で多くの傍聴をいただき、まことにありがとうございます。
県議会議員になりまして六回目の一般質問です。一所懸命質問しますので、よろしくお願いいたします。
それでは、通告に従いまして、順次質問します。
まず初めに、知事の政治姿勢についてであります。
三反園知事におかれましては、知事に就任されまして一年七カ月が過ぎました。知事就任以来、県民が主役の県政を実現したい、県民の生活を少しでもよくしたい、その思いで、け死んかぎい走り続けていることと思います。
私の住む日置市でも昨年十月二十八日に、知事と語ろう車座対話を開催していただきました。知事がさまざまな機会に県民の皆様の声を直接伺い、真摯に耳を傾け、その声を県政に反映させる努力をし、スピード感を持って対応する様子を直接拝見させていただきました。これからも県内を隅々まで回って、県民の声を県政に反映させていただきたいと思います。
さて、知事は、当選した一年七カ月前、「県民の生活をよくするのが政治」と、再三強調しておられました。鹿児島県の一人当たりの県民所得は二〇一四年度で二百三十八万九千円と全国四十三位、「三期十二年までという任期中に
ベストテン入りを目指します」と言っておられました。
そこでお尋ねします。
これまでの一年七カ月間を振り返り、県民の所得向上も含めて、知事の御感想をお聞きいたします。
また、平成三十年度予算の「新しい未来への航海 どんどん前進」にかける知事の意気込みをお聞かせください。
次に、明治維新百五十周年の取り組みについての質問です。
ことしも早いもので二カ月が過ぎようとしています。先月七日には大河ドラマ「西郷どん」の放送が開始されました。私も自宅で毎回欠かさず楽しみに見ております。ドラマの
タイトルバックでは、桜島や霧島神宮、龍門司坂、雄川の滝、奄美大島の宮古崎など県内の美しい風景が紹介され、また、ドラマ本編でも随所に鹿児島の景色を織り込むなど、ドラマを通じて鹿児島の魅力が全国に発信されております。
私の地元日置市でも昨年は撮影があり、地元の皆さんもエキストラで出演されたり、妙円寺参りや沢村一樹さん演じる赤山靱負を取り上げていただくなど、観光客が少しずつふえているようです。
鹿児島県におきましても、明治維新百五十周年を記念してさまざまな取り組みを企画されていると思います。さらなる誘客促進を図るため、引き続き、関係機関・団体と一体となって、県内外への情報発信や旅行商品の造成促進など、大河ドラマの放送効果を最大限に生かしていただきたいと思います。
そこでお尋ねします。
県として、明治維新百五十周年のさまざまな取り組みをどのように生かしていかれるのか、また、現在の明治維新百五十周年の上昇気流を来年度以降もいかに持続させるのか、お示しください。
次に、鹿児島県が製作している西郷どんのピンバッジについてであります。
このピンバッジを議場でも何人かつけていらっしゃるかと思いますが、私も前から欲しいと思っておりました。ようやく今月、
九州観光振興議員連盟の総会が指宿市で開催されたときにいただきました。私の住む日置市でも何人かの方から、「その西郷どんのピンバッジいいですね。どうすれば手に入れることができるんですか」と聞かれます。
そこでお尋ねします。
県では、この西郷どんのピンバッジを何個製作し、どのような基準で配布しておられるのか、お示しください。
次に、鹿児島県の
ホームページの多言語化について質問します。
昨年、
ホームページがリニューアルされ、大変充実していると感じております。しかし、国内外に鹿児島の情報発信をするには、県の
公式ホームページや県の
観光ホームページの多言語化が重要と考えます。国内外のたくさんの方々が見やすく、わくわくするような
ホームページづくりに努めていただきたいです。
ちなみに、お隣の宮崎県の
ホームページは十八言語対応となっております。東京都の台東区は二〇一五年十二月に、区の
ホームページにグーグルの多言語機能を追加しました。
そこでお尋ねします。
県の
公式ホームページや県の
観光ホームページの多言語化の取り組みについてお示しください。
次に、農政関係についての質問です。
まず初めに、
農林水産物輸出促進ビジョンについて質問します。
本県の農林水産業は地域経済を支える主要産業ですが、TPPや日EU・EPAなど国際交渉が進展しており、本県の農林水産業にも大きな影響が懸念されます。このような中、知事は、世界に挑戦する競争力のある農林水産業の実現に向けた取り組みを強力に進めるとしており、その指針となる
農林水産物輸出促進ビジョンを検討・策定するとされております。
先日の新聞報道によりますと、ビジョンの
策定検討委員会において、
農林水産物輸出促進ビジョン案が了承されたとのことでした。ビジョン案には、生産や集荷・輸送、販売の項目ごとに、方針や輸出実績がある品目や国・地域を重点化し、目標額を設定しておられるようです。
また、県は、ビジョン案に対する
パブリックコメントの意見募集や外部の専門家から成る
策定検討委員会を実施されました。
そこでお尋ねします。
策定検討委員会の委員からはどのような意見が出され、それについてどのようにビジョン案に反映したのか、お示しください。
ビジョン案に記載されている輸出の目標額はどのように設定されたのか、お示しください。
また、このビジョンの実現に向け、平成三十年度はどのような取り組みが行われるのか、お示しください。
次に、農業労働力の確保対策について質問します。
私が日置市で営む稲作を初め、園芸作物、畜産なども年々高齢者が離農し、担い手不足が恒常化しています。一方で、後継者やUターン・Iターンの新規の就農者が希望を持って就農される事例もありますが、離農者をカバーするまでには至っていないようです。
このような中、一部の法人経営においては、
外国人技能実習生を確保し農作業を手伝ってもらっているようでございます。法人経営が規模を拡大し、生産を効率化していくには、今や
外国人技能実習生の活用は不可欠なものとなっています。
本県の農業が今後も地域経済を支える主要産業であるためには、農業を支える労働力を安定的に確保し、高齢者も安心して経営を継続できる仕組みを構築していく必要があると思います。農業分野における農作業の効率化のため、最近では、
ロボット技術やICTを活用した
スマート農業と呼ばれる新たな技術による農業があると聞いています。また、労働力不足への対応として、外部への作業委託などが取り組まれております。日置地域でも、小規模・高齢農家の水田や畑作の農作業を受託する組織が活躍しております。
そこでお尋ねします。
農作業の作業受託や
スマート農業の推進、
外国人技能実習生の確保を含め、農業労働力の確保に向けての県としての取り組みについてお示しください。
次に、イチゴの生産についての質問でございます。
三反園知事には、昨年八月二十日に、日置市の中川地区のイチゴ農家の皆さんと意見交換会をしてくださいました。農家の方々からは、
イチゴづくりや農業への熱い思いが感じられる力強い意見が出され、有意義な機会となりました。これからもイチゴ農家の皆さんの所得向上に努めてくださるとのありがたいお言葉もいただきました。
平成二十九年産のイチゴが
収穫シーズンを迎え、昨年十二月二十六日に、日置市
いちご部会長や日置市長を初め、関係者の皆様がPRのため県庁を訪問されました。八月に日置市中川地区で開催した
イチゴ生産者との意見交換会の際、地区内で生産されたイチゴをぜひ食べてもらいたいとの話があり、収穫を迎えた今回、大玉で立派なイチゴを知事室にお持ちになりました。
そこで、知事にお尋ねします。
日置市中川地区のイチゴを食べた感想をお聞かせください。
また、県の
公式ホームページに「いちご新品種の愛称募集について、終了しました」とありますが、イチゴの新品種の特徴や愛称の応募状況、今後のスケジュールをお示しください。
次に、生産性の高い
水田農業確立推進の取り組みについて質問します。
平成三十年産からの米政策の見直しについて、具体的な変更点として、一つ目、平成三十年産からは、国から県への
生産数量目標の配分が廃止となります。ただし、国は、平成三十年産以降も米穀の需給及び価格の安定に取り組むこととし、地域における米の生産量等について、生産者や集荷団体が主体的に判断できるよう需給見通しや在庫量などの情報提供を行います。二番目、米の直接支払交付金が廃止となります。ただし、飼料用米、高収益作物、麦、大豆、園芸作物等の生産に対する交付金は継続されます。
次に、平成三十年産からの主食用米の生産についてですが、このたびの
米政策見直しによる
生産数量目標配分の廃止により、行政による配分に頼らずとも、生産者や集荷団体が中心となって、需要に応じた生産を行う体制に移行します。
しかし、主食用米の需要が毎年減少する中で農業者の所得を確保するためには、米の過剰作付を抑制し、米価を安定させる必要があります。そのためには、生産者や集荷団体が国から提供される情報等を踏まえ、みずからの経営戦略や販売計画に基づく、需要に応じた生産が必要となります。
主食用米の生産以外に園芸作物や飼料用米等を組み合わせるなど、水田の最大限の活用、また、
収入減少影響緩和対策や平成三十一年一月一日から開始される
収入保険制度等の活用が重要となります。
そこでお尋ねします。
水田を活用した所得向上を図るため、生産性の高い水田農業の確立にどのように取り組んでいかれるのか、お示しください。
これで、一回目の質問を終わります。
[知事三反園 訓君登壇]
5 ◯知事(三反園 訓君)お答えいたします。
これまでの
県民所得向上の取り組みに対する所感と新年度予算にかける意気込みについてであります。
私は、魅力ある本県の素材を最大限に生かして、県民の所得を少しでも向上させたいと考えておりまして、これまで、農林水産業、観光の振興を初め、各般の施策に取り組んでおります。県産品を少しでも高く売って生産者の所得を向上させることで、後継者が育っていくという好循環を何としても実現したいとの思いであります。
国内外での
トップセールスに積極的に取り組み、県産品の
ブランド力向上、販路・輸出拡大などを図ってまいりました。また、
各種プロモーションや情報発信を通じて、国内外からの誘客促進に取り組むとともに、鹿児島に来てよかったと思えるような、リピーターを呼ぶような、来て見て感動するまちづくりを進めるなど、さまざまな分野に取り組んでまいりました。
農業産出額につきましては、前年を含めて大幅に伸びまして四千七百億円余りとなっておりまして、また輸出額も、前年度の二割増しとなる百五十五億円に達しております。平成二十九年に本県を訪れた
外国人観光客数や
国際クルーズ船の寄港数も過去最高を記録しております。このような状況の中で、平成二十九年度の県税収入は、個人県民税、法人二税を中心に当初予算比で増収を見込んでいるところであります。
明治維新百五十周年のことしは、このよい流れをさらに上昇気流に乗せて、勢いをどんどん加速させていかなければなりません。県といたしましては、今後とも、県産品の
ブランド力向上、農林水産物の販路・輸出拡大、国内外からの誘客促進、次の世代の基幹産業を担う企業立地の促進などをどんどん進めてまいりたいと考えております。
また、来年度からは、新たな
県政ビジョンに基づきまして、本県が有する健康・癒やし・長寿、この有益な地域資源、いわゆる鹿児島のウェルネスを活用した観光振興も進めてまいりたいと考えております。
また、
スマート農業の普及などによる稼げる農業、攻めの農林水産業の実現に向けた取り組み、IoT、AIなどの革新的技術の導入による、生産性の高い技術力のある産業の振興など、県民所得の向上に資する新しい施策の推進にも力を入れてまいりたいと考えております。
当初予算案においても、鹿児島を元気にするこれらの施策についても盛り込んだところであります。この予算は、「新しい未来への航海 どんどん前進」するための予算として編成したものであります。
今後とも、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかった、そう思える鹿児島をつくるために、さまざまな施策に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
日置市中川地区のイチゴを試食した感想についてであります。
昨年十二月、日置市中川地区のいちご部会の皆様方が、
さつまおとめや県が新たに育成した品種など、とれたてのイチゴを持参してくれました。色、形がすばらしく、早速試食いたしましたが、香り、味もよく、ほどよい甘さで本当のイチゴという感じで、とてもおいしく感じました。鹿児島にはこんなにすばらしいイチゴがあるということを再認識いたしました。
昨年は鹿児島黒牛が和牛日本一をかち取りましたが、県が新たに育成し、先般、愛称を募集しましたイチゴの新品種についても、日本一を目指してこれからどんどんPRしていきたいと思っております。先月末には、東京で開催いたしましたかごしま食の大交流会において、東京の老舗果物店の役員の方に、ぜひこの新しいイチゴを取り扱ってもらえるようPRいたしました。十二月から集荷できるということについて非常に興味を示しております。
今後とも引き続き、生産者の方々と一体となりまして、本県産のイチゴのブランド化を進め、国内外への販路拡大に努めてまいりたいと考えております。
県が開発したイチゴの新品種の愛称募集についてであります。
県農業開発総合センターが今回育成したイチゴの新品種は、糖度が高く、全体が真っ赤にきれいに着色するのが特徴で、
クリスマス需要のある十二月から安定的に出荷できます。消費者の皆さんに喜んでいただけるとともに、農業の収益向上に寄与するものと期待しているところであります。
この新品種を消費者に広く認識していただき、販売促進につながるように、去る一月四日から二月十六日まで愛称の募集を行ったところ、県内だけではなく関東や関西など全国各地から、合計七百五十八件の応募をいただいたところであります。
今後、類似する商標の有無等を確認した上で、学生など若い方々の意見も聞きながら、新品種の
ブランドイメージに合う愛称を選定し、商標登録の手続を進めた上で、秋ごろまでには公表したいと考えております。
6 ◯PR・
観光戦略部長(西 啓一郎君)まず、明治維新百五十周年の取り組みの生かし方についての御質問でございます。
県では、明治維新百五十周年や大河ドラマ「西郷どん」の効果を生かすため、これまでに、
かごしま明治維新博を展開し、
観光プロモーションやイベント、維新ドラマの道を初めとする
西郷どんゆかりの地の整備などの魅力的なまちづくりのほか、
記念シンポジウムなど、機運醸成や情報発信、教育や人材育成の取り組みなどを行ってきたところでございます。
今後とも、
西郷どんゆかりの地など本県の歴史に着目した観光資源や、各地で育成が進んでいる
ボランティアガイドを活用した誘客促進を図っていきますほか、次世代継承のための取り組みなど、明治維新百五十周年を契機とした取り組みの成果を生かしてまいります。
次に、西郷どんのピンバッジについてでございます。
西郷どんのピンバッジは、主に県外から観光客を誘致するためのPR資材の一つとして三千個作製しております。県内では、県議会議員やマスコミ、旅行会社など、県外に向けて鹿児島の観光情報等をPRしていただける方を中心に配布を行っております。また、県外におきましては、国会議員、県人会、県進出企業など、西郷どんの
ふるさと鹿児島をPRしていただける方などに配布しております。
次に、
県ホームページの多言語化についてでございます。
県公式ホームページ及び
県観光ホームページでは、自然や歴史など本県の概要や魅力を英語、中国語の簡体字・繁体字、韓国語の四カ国語で情報発信しております。外国語による情報提供は
外国人観光客の誘致などに有効であると考えており、特に
県観光ホームページでは、コンテンツの拡充やSNSの活用により、多言語による情報発信に努めているところでございます。
九州・沖縄では、本県同様、おおむね四つから五つの言語に対応している県が多い現状にある中で、
自動翻訳システムによる十数カ国語対応している県もございますが、翻訳内容の精度には課題がございまして、また、県の膨大な情報をさまざまな言語に翻訳することは、費用対効果の観点から慎重に検討する必要があります。
多言語での情報提供の充実につきましては、ニーズや他県の状況等も踏まえて、そのあり方を検討してまいります。
7 ◯農政部長(川野敏彦君)
県農林水産物輸出促進ビジョンに関しまして、検討会での意見、目標額の設定、平成三十年度の取り組みについてでございます。
同ビジョンの検討に当たりましては、昨年六月に委員会を設置し、四回にわたり議論いただきました。委員からは、輸出相手国の市場ニーズに応じた産地づくりや商品づくりをすべきである、重点化すべき品目や国・地域を明確にした上で戦略的な取り組みを展開すべきである、また、
ビジョン実現に向けた体制づくりが必要であるなどといった意見が出されたところです。
これらを踏まえまして、ビジョン案においては、「つくる」、「あつめる・はこぶ」、「うる」の三つの視点から、合計十八の具体的な取り組みを取りまとめるとともに、重点品目や輸出重点国・地域ごとの取り組みを整理したほか、
オール鹿児島で取り組んでいくための体制も位置づけたところです。
輸出目標額については、平成三十七年度を目標年度とし、牛肉、木材、ブリなど
重点品目ごとに、輸出重点国・地域における需要動向などを勘案しながら目標額を算出し、合計で約三百億円としたところです。
平成三十年度においては、輸出相手国の
残留農薬基準に対応した生産技術の指導、定期船便等を活用した低コスト輸送の実証、
輸出用統一ロゴマークの作成などに取り組むこととしており、当初予算案に所要の経費を計上しております。
今後とも、
オール鹿児島で県産農林水産物の輸出拡大を目指した取り組みを強力に進めてまいります。
次に、農業労働力の確保対策についてでございます。
担い手や農業労働力の不足に対応するため、県では、
新規就農者等の確保はもとより、
農作業受託組織の育成などを支援してきたところです。特に、昨年七月の調査において農業法人における労働力不足が明らかになったことから、県では来年度新たに、関係団体と連携し、仮称でございますが、
農業労働力支援センターを設置し、農業分野における求人・求職情報の収集・マッチングに加えまして、労働力軽減につながる
スマート農業の紹介なども行いたいと考えております。
また、センター内に、
外国人技能実習生の監理団体なども含めた協議会を設置し、農業法人等の相談体制も整備することとしております。
県としては、このような取り組みを通じまして、農業分野における労働力確保の支援に努めてまいります。
ETC周知の取り組みといたしましては、供用前に利用者向けのチラシを作成し、配布したほか、山田料金所手前に、ETCカード未挿入お知らせアンテナを設置し、車載器にETCカードが正しく挿入されていない車両への事前通知を行っているところでもあります。
利用者に占めるETC利用の割合につきましては、ことし一月末時点において、およそ八割の方がETCを利用されております。
ETC設置によりまして、朝夕の通勤時間帯に慢性的に発生しておりました渋滞も解消されたほか、供用後二カ月間の利用台数は前年同期に比べておよそ七%ふえておりまして、地域の活性化や産業・観光振興が一層図られるものと確信しております。
41 ◯土木部長(渡邊 茂君)サービス付き高齢者向け住宅の入居状況についてでございます。
サービス付き高齢者向け住宅、いわゆるサ高住は、バリアフリー化された構造で一定の面積・設備を有するなど、高齢者にふさわしいハード面の仕様を有するとともに、高齢者が安心して生活できるよう、見守りなど状況把握サービスや生活相談サービスを備えた住まいとして、平成二十三年に登録制度が創設されたものです。
県内では、その登録を県と中核市である鹿児島市が行っており、平成二十九年三月末現在の県内の登録数は九十一施設二千二百七十一戸であり、年々増加しております。登録されたもののうち、同月末現在で入居開始しているものは八十七施設二千百二十九戸で、そのうち県の登録分は四十七施設千百六十戸で、千四十六人が入居しております。
続きまして、入居者が安心して居住、生活できる環境の確保についてでございます。
サ高住の入居者は、六十歳以上または要介護・要支援認定を受けている方であり、自立している方から介護等の支援が必要な方まで対象が幅広い中、平成二十九年三月末時点で、県に登録されているサ高住のうち、要介護三以上の入居者が二六・九%を占めている状況にあります。
県内におけるサ高住のほとんどは、必須とされる入居者の状況把握や生活相談サービスに加え、食事や入浴等の介護などの高齢者生活支援サービスを提供しており、老人福祉法に基づく有料老人ホームに該当しています。
また、介護事業所などが併設されているサ高住が全体の八割を超えており、訪問介護や通所介護のサービスを利用しやすい状況にあり、入居者が要介護度の状況変化に応じて必要な介護サービス等を選択、利用できるよう、住宅・福祉部局が連携し、入居者が安心して居住、生活できる環境の確保に努めていく必要があると考えております。
続きまして、指宿スカイラインの整備についてでございます。
指宿市大迫から頴娃インターまでの一期区間十四・一キロメートルについては、一般道として県が管理を行っており、このうち頴娃インター側十一・六キロメートルについては、走行性や快適性の向上を図るため線形改良や拡幅及び沿道修景等を行ったところです。残る大迫側の急カーブで急勾配が連続する約二キロメートルにつきましては、池田工区として平成二十二年度から整備を進めており、これまでに登坂車線二百五十メートルを供用し、現在、バイパス区間五百五十メートルの改良工事を行っております。
頴娃インターから谷山インターまでの二期区間二十九・二キロメートルについては、緊急性の高いのり面対策箇所から整備を進めており、現在、整備を進めている事業の進捗を見きわめながら、のり面対策など整備内容の見直しによる事業費の縮減もあわせて検討を進めているところであります。
42 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)サービス付き高齢者向け住宅入居者の処遇の現状と今後の対応についてであります。
サービス付き高齢者向け住宅の入居者は、それぞれの意向に応じて、ケアマネジャーの作成するケアプランに基づき、訪問介護などの在宅サービスを利用できるほか、本人が希望し要件を満たす場合は、施設サービス等を利用することも可能であります。
また、有料老人ホームに該当するサ高住においては、入居者が介護施設への入所等を希望する場合、管理者は、入所先の紹介や転居などに係る支援に努めることとされております。
県といたしましては、引き続き、立入検査等において、各住宅管理者に対し、入居者がその希望に沿った適切なサービスを受けられるよう指導してまいります。
[田畑浩一郎君登壇]
43 ◯田畑浩一郎君 それぞれ答弁いただきました。
まず、サービス付き高齢者向け住宅についてでありますが、朝日新聞社が、全国約二十一万戸のサ高住を監督する都道府県と政令指定都市、中核市の計百十四自治体に情報公開を請求しておりますが、九十七自治体が事故報告書を、また、全ての自治体が運営報告書を平成二十九年二月までに開示しております。
その事故報告書によりますと、平成二十七年一月から平成二十八年八月末までの事故発生件数は三千三百六十二件となっております。事故のうち最多は骨折で千三百三十七件となっております。なお、病死を除く死亡が百四十七件発生しているとのことであります。
先般の南日本新聞の掲載記事によりますと、本県においても、平成二十六年度以降、骨折や切り傷などの事故が少なくとも五十二件発生しているとのことであります。
サ高住は、一日一回の安否確認と生活相談が義務づけられておりますが、夜間は、緊急通報システムがあれば職員常駐は不要となっております。
事故報告書では、事故の半数以上の千七百三十件は個室で起き、そのうち九百九十一件は、職員が手薄になりがちな午後五時から翌朝の午前九時に発生しております。北海道稚内市のサ高住では、平成二十七年十二月に、個室の床で後頭部を打ち失血死していた入居者が午前六時半に見つかっており、巡回は、約五時間半前の午前一時が最後だったとのことであります。
自立していた高齢者が年数の経過とともに重度の要介護者となっていくことは十分あり得ることでありますが、この方たちの安定というか、安全面を重視した方策を展開していただきたいと思います。
今後、超高齢社会を迎える我が国において、施設から在宅へと高齢者の医療・介護提供体制の転換が図られる中、その受け皿としてサービス付き高齢者向け住宅の役割はますます期待されるものであります。しかしながら、その実態を見ると、住宅というより施設化していることや、制度変更リスクや運営リスクといった事業継続リスクを十分に理解せず、安易に参入している事業者が多い可能性も懸念されます。
サ高住の大部分が有料老人ホームであるとのことであり、適切な入居者の処遇に努める必要がありますが、できる限り本来の目的に沿うような形で運営されるためには、課題が山積しているようであります。当然ながら、重度の要介護者の処遇の改善に向けて、医療機関や介護施設との連携、居住の安定性の確保のための周辺の医療施設とのアクセスを確保する必要もあります。
事業者の事業継続に向けての指導や、事業継続が困難になった場合や入居者が家賃の支払いができなくなった場合などに、入居者の居住の安定が確保されるような枠組みの構築を推進するために、例えば、地元の自治体や事業者団体等による事業の引き継ぎ先の確保に向けた取り組みの実施や、居住支援協議会等による安心な賃貸住宅の情報の提供・あっせんなど、各種サービス事業者等の紹介の実施なども必要かと考えます。
国の情報を注視しながら、本県と鹿児島市、事業運営者、金融機関、利用者それぞれが持つ課題や問題点を少しでも克服していくよう要望いたします。
次に、指宿スカイラインについてでありますが、ETC設置の効果は、渋滞緩和や料金の準備が必要なく、利用者の安全運転の確保など大きなものがあり、今回、上下線二レーンずつ整備されたことは非常に好ましいことと思います。反面、ETCが故障しますと渋滞発生や重大事故にもつながりかねませんので、メンテナンスや点検には十分配慮いただきたいと思います。
道路整備についてでありますが、近隣にあります国道二百二十五号の鹿児島市側においては、急カーブをなくし、また、縦断勾配が五%以上の区間については登坂路を設置しており、鹿児島市から入りますと、福平中学校を過ぎてから登坂路が始まり、川辺峠のトンネル入り口手前まで全区間設置されております。
現在、指宿スカイラインの二次改良されていない箇所においては登坂路もほとんどない状況でありますが、カーブが厳しいことには皆さん閉口しているようであります。車酔いされた方も多いようで、一層、利用の敬遠に拍車がかかるのではないでしょうか。
県外の方が空港から南薩方面の観光地や目的地に行かれるとき、カーナビを設定すると、少し古い型のカーナビは、ルートとして指宿スカイラインを利用するコースを表示しているようで、鹿児島の道路は整備がされていないね、特に有料道路はひどいねという声をよくお聞きするところであります。県外の方にこうしたイメージを持たれることは、本県のイメージとしても寂しい限りで、何とか対応できないものかと思います。
今回、利用促進策として料金引き下げの検討を表明されましたが、余りにも走行性の悪い現状では、たとえこの区間が無料化されても利用者の増加は余り望めないものと思います。
しかしながら、本来、非常に利用価値の高い道路であり、全面的な早期改修が予算面等で当分の間、厳しいとのことであれば、せめて、厳しいカーブの箇所を解消するなど、部分的にでも計画的な改良を実施していただけたら、利用者は増加するものと考えます。
この指宿スカイラインの整備が進みますと、県都鹿児島市と薩摩半島南部を結ぶ観光・物流の大動脈としての役割を担うことになるものと確信いたしておりますので、県を挙げての早急な対応方を強く要望いたしまして、この件については終わります。
それでは、ドクターヘリ及び防災ヘリについて質問いたします。
救急医療用ヘリコプター、通称ドクターヘリについては、本県においても、県当局の御苦労により平成二十三年十二月に運航が開始されており、また、奄美ドクターヘリも、平成二十八年十二月に運航を開始して一年余り経過しているところであります。離島を含む広範囲な地域を対象に効果的な救急医療体制がとられているところでありますが、救急車での搬送に比べ大幅に救命率が向上していることから、平成二十八年度の全国の搬送件数は十年前の五倍に当たる二万件を超えており、今後、ニーズはさらに高まるものと考えます。
消防・防災ヘリコプター、通称防災ヘリについては、平成十年六月に運航開始し、平成二十六年四月からは航空隊員を一名増員し、隊員七名体制となっておりますが、同年九月に枕崎ヘリポートの供用を開始し、現在、鹿児島県防災航空センターとして活動しているところであります。フライト時間も平成二十七年五月には五千時間を達成しており、隊員の努力もあり無事故でのフライトとなったことから、知事表敬されたところであります。
防災ヘリにおいては、災害時等の被災状況等の調査及び情報収集、食料、衣料の生活必需品及び復興資材等の救援物資及び人員等の搬送の災害応急対策活動や、河川及び海等での水難事故並びに山岳遭難事故等における捜索及び救助活動、また、山村及び離島からの傷病者の搬送や、高度医療機関のない地域からの傷病者の施設間搬送などの救急活動等が行われており、県民にとっては緊急時、心強い存在となっております。
そこで、一点目の稼働状況についてでありますが、奄美ドクターヘリが運航して一年余りが経過しております。昨年一月一日から十二月三十一日までの一年間における各地区消防本部や各地域の医療機関から要請があった救急搬送状況についてでありますが、県ドクターヘリと奄美ドクターヘリの出動要請件数と実際に出動した件数、搬送患者数、また、搬送が重なり対応できなかった件数をお示しいただきたいと思います。
それと、防災ヘリについて、出動要請件数と実際に出動した件数、搬送患者数をお示しいただきたいと思います。
次に、二点目の操縦士の二人体制についてでありますが、防災ヘリについて伺いたいと思います。
現在、総務省消防庁は、自治体の運航する防災ヘリについて、安全性確保のため、二人の操縦士が搭乗するダブルパイロット制を推進する方針との報道が流れております。平成二十九年三月の長野県松本市での、操縦士が一人の県防災ヘリが墜落した事故を受け、平成三十二年度から財政面で支援できるよう調整を進めるようであります。
操縦士二人体制になると、機長とは別の操縦士が計器のチェックや周囲の警戒を担当し、機長の体調が悪化したときには操縦をかわることもあり、操縦に係る安全性がより確保されます。
そこで、現在の全国の自治体や消防の運航する防災ヘリの機数と、ダブルパイロット制をとられている機数をお示しいただきたいと思います。
次に、私は、近い将来において本県もこのダブルパイロット制に切りかえるべきだと考えます。現在の防災ヘリですが、昨年の十二月定例会において、平成三十年度に更新することとし、平成三十年度当初予算に経費が計上されております。当時、私も不勉強でこのダブルパイロット制についての知識がありませんでしたが、現在の防災ヘリはダブルパイロットでの運航は行われておりません。
そこで伺いますが、現在、本県の防災ヘリの運航体制はどうなっているのか。また、今回、災害応急対策などのさらなる充実を図るとして、消防・防災ヘリコプター機体更新事業として約二十八億五千万円と多額の費用を計上されておりますが、更新される機体はダブルパイロットでの運航が可能なのか、伺います。
次に、三点目の操縦士の確保についてでありますが、救急ヘリや防災ヘリの操縦士の確保が現在、全国的に問題となっているようであります。全国的に、救急ヘリや防災ヘリ操縦士については、年齢構成の偏り、高齢化による将来の大量退職に伴い、中長期的には若手操縦士の需要が拡大する可能性が高まっている状況となっているようであります。
国においては、国土交通省、厚生労働省、総務省、警察庁、防衛省、海上保安庁が、ヘリコプター操縦士の養成・確保に関する関係省庁連絡会議において、公共性の高いドクターヘリや消防・防災ヘリ等のヘリコプター操縦士の需要が増大する中で、ヘリコプター操縦士の養成・確保が重要な課題となっていることから、関係省庁で連携し、ヘリコプター操縦士の養成・確保のあり方について、検討を加速しているところであります。
航空事業に関する諸般の調査研究事業等を行っている一般社団法人全日本航空事業連合会によりますと、ドクターヘリに乗るパイロット約百五十人のうち、五十歳以上が六五%を占め、高齢化が進んでいるとのことであります。また、各航空会社は、ドクターヘリ運航について、事業用の操縦資格に加え、二千時間以上の飛行経験が必要という最高レベルの条件を適用しております。
この二千時間という飛行経験は相当厳しい条件となり、若い操縦士がドクターヘリや防災ヘリに搭乗できるまでには相当な期間を要するものとなっており、操縦士の確保に向けた施策は、国や地方全体で取り組むことが求められるものと思います。
本県においては、鹿児島国際航空株式会社が操縦士を配置しているようでありますが、救急ヘリと防災ヘリについて、操縦士の配置体制と人員数及び平均年齢、定年年齢をお示しください。
また、県としては、救急ヘリや防災ヘリの操縦士の現状をどのように捉えているのか、将来に向けた操縦士の確保について、何らかの対処、検討している事項等があればお示しいただきたいと思います。
44 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)ドクターヘリについてお尋ねがありました。
まず、運航状況についてであります。
県ドクターヘリの平成二十九年一月一日から十二月三十一日までの運航状況については、要請が千七百三十一件あり、キャンセルや天候不良、要請の重複等の場合を除き、出動が千九十四件、搬送患者数が七百七十人となっております。要請が重複した四百十一件については、県ドクターヘリの補完ヘリや救急車等による対応がなされております。
同様に、奄美ドクターヘリについては、要請六百十三件、出動四百七十七件、搬送患者数四百二十七人となっております。要請が重複した五十五件については、救急車や沖縄県ドクターヘリ等による対応がなされております。
次に、ドクターヘリの操縦士の確保についてであります。
県ドクターヘリ及び奄美ドクターヘリについては、いずれも同じ民間航空会社に運航を委託しており、操縦士十名が交代で対応しております。操縦士の平均年齢は五十二・九歳であり、また、同社の退職年齢は六十歳でありますが、その後も六十八歳に達するまでは勤務することが可能であると聞いております。
運航を委託している同社からは、操縦士は十分に確保していると聞いております。しかしながら、国におきましては、将来的にはドクターヘリの操縦士が不足する可能性があるとの検討結果を平成二十七年に取りまとめているところであり、県としては、ドクターヘリの安定的な運航を確保するため、引き続き、委託先の民間航空会社と緊密な連携を図ってまいります。
45 ◯危機管理局長(田崎寛二君)消防・防災ヘリについてのお尋ねのうち、まず、消防・防災ヘリの運航状況についてであります。
平成二十九年中に消防・防災ヘリが急患搬送として出動要請があった件数は三十八件、天候不良で出動できなかったことなどにより、実際に出動した件数は二十八件、搬送した患者の数は二十九人となっております。
次に、消防・防災ヘリのダブルパイロット制の導入状況についてであります。
全国の消防・防災ヘリの機数につきましては、三十八道県において四十二機、十六消防機関において三十三機、合計で七十五機が運航されております。このうちダブルパイロット制、二人操縦体制は、六県において九機、十四消防機関において三十一機が導入されております。
本県の消防・防災ヘリの運航につきましては、操縦士一名、整備士一名、防災航空隊員は、救助の場合は四名、急患搬送の場合は三名が搭乗することとしており、このうち操縦士と整備士につきましては、民間の航空会社に委託しております。
また、更新する機材でありますレオナルド式AW139につきましては、操縦士席が二席配置されることとなっており、二人操縦体制が可能な消防・防災ヘリとなっております。
消防・防災ヘリの操縦士の配置等と確保についてであります。
消防・防災ヘリに従事する操縦士につきましては、運航委託している民間航空会社に五名が配置されており、常時一名が勤務しております。五名の平均年齢は五十歳、当該航空会社の定年は六十歳で、その後も六十八歳に達するまでは勤務することが可能であると聞いております。
消防・防災ヘリの操縦士の確保につきましては、これまで民間航空会社から操縦士の確保が難しいという話は聞いておりませんが、全国的には消防・防災ヘリの操縦士も高齢化の一途をたどっており、十数年後に大量退職も予想されているところであります。
現在、消防庁の消防防災ヘリコプターの安全性向上・充実強化に関する検討会の中で、消防・防災ヘリの操縦士の養成・確保策についても検討されているところであり、県といたしましては、国の検討結果を注視しながら、消防・防災ヘリの運航に支障がないよう必要な情報収集に努めてまいりたいと考えております。
46 ◯田畑浩一郎君 自席から、一点お聞かせいただきたいと思いますが、今回更新されるヘリコプターは、ダブルパイロット制の運航が可能な機体だということでありますけれども、報道によると、国は、平成三十二年度から財政面での支援ができるよう調整を進めているようであると。全ての自治体の防災ヘリがダブルパイロット制に移行できるまでには、機体の更新などの必要があることから、十年以上はかかるだろうと言われておりますけれども、本県として、将来においてダブルパイロット制を導入する考えがあるのかないのか、お聞かせいただきたいと思います。
47 ◯危機管理局長(田崎寛二君)消防・防災ヘリのダブルパイロット制についての再度のお尋ねでございますが、二人操縦体制につきましては、先ほど申し上げました消防庁の消防防災ヘリコプターの安全性向上・充実強化に関する検討会におきましても、検討がなされているところであります。
これまでの検討会の中の議論では、二人体制は、実際の運航では体調不良となる場合もあることから二人体制がよいという意見がある一方、二人操縦体制にすると燃料を減らし、捜索・救難活動ではデメリットがあるという意見もあったと聞いております。
県といたしましては、本県の消防・防災ヘリは、平成十年六月の運航開始以来、無事故で安全運航に努めているところでございますが、年度内に取りまとめられる予定の消防庁の検討会の議論を注視してまいりたいと考えております。
[田畑浩一郎君登壇]
48 ◯田畑浩一郎君 それぞれ答弁いただきました。
救急専門医と看護師がヘリに乗って現場に向かい、その場で素早く初期治療を施し、患者を救急医療機関まで高速で搬送することができるドクターヘリの運航開始により、救急救命が格段に進歩してまいりました。
昨年一年間で搬送した患者数は、県ドクターヘリが七百七十人で、奄美ドクターヘリが四百二十七人の計千百九十七人で、平成二十七年度の県ドクターヘリ一機での五百六人に比べ、大幅に増加しております。また、防災ヘリにより搬送された患者数の二十九人、補完ヘリの搬送もあり、その貢献度は極めて高いものがあります。
東京のNPO法人救急ヘリ病院ネットワークによると、陸路や水路で搬送した場合より、死者を三割程度減らせると推測されるとのことであります。
このドクターヘリの運航を今後も継続していかなければならないことは言うまでもありませんが、先ほどの答弁で、搬送が重なり対応できなかった件数が、県ドクターヘリで四百十一件、奄美ドクターヘリで五十五件とありました。
奄美ドクターヘリの運航範囲は奄美地域及び十島村で、県ドクターヘリの運航範囲は本県のその他の地域となっております。県内には、この二機のほかに、補完ヘリの米盛病院のドクターヘリや防災ヘリもあるわけですので、その区域における搬送の重なりがあった場合には、その応援体制を強化していただき、重なった搬送の対応にも力を注ぎ、救急救命を一層充実していただきたいと思います。
また、ダブルパイロット制についてでありますが、私は、近い将来において、本県もこのダブルパイロット制に切りかえるべきだと考えます。操縦士がふえることで経費がかさむことは理解しますが、先ほどの答弁で、都道府県管理の防災ヘリの四十二機中九機、約二割は既に採用しているところであります。長野県もダブルパイロット制を導入する方向ということであります。
防災ヘリが定位置で高度を保つホバリング時に、自動操縦されるわけではありますが、最も危険と思われる救助・救援活動においては、安全性を重視するとダブルパイロット制が力を発揮すると考えます。
捜索及び救助活動等においては、悪天候下での活動も十分考えられ、危険な空の活動においては、人命重視という観点からも望まれ、また、操縦士の高齢化に伴う危険性も潜んでおり、早急なダブルパイロット制の導入を要望いたします。
それと、防災ヘリの機体更新に当たり、昨年十二月議会定例会の総務委員会の審査においては、ダブルパイロット制についての説明が委員会になかったと伺っております。二十八億五千万円もの多額の費用を要し、今後、二十年程度の使用が見込まれる防災ヘリの機体更新でありましたことから、ダブルパイロット制についても詳細な情報提供がなされ、委員会において協議していただきたかったと考えます。
次に、操縦士の確保についてでありますが、先ほど、県ドクターヘリと奄美ドクターヘリの操縦士は十名で、平均年齢が五十二・九歳とのことでありました。また、防災ヘリの操縦士は五名で平均年齢が五十歳とのことで、操縦士の定年は六十歳とのことでありました。定年後は、嘱託契約が六十八歳に達するまでは可能なようでありますが、全ての方が嘱託契約され、引き続きヘリに搭乗するとは限らないわけであります。全国のドクターヘリの操縦士の六五・五%が五十歳以上ということでありますが、非常事態と言ってもおかしくない状況で、早急な対応が求められているものと考えます。
二千時間以上の飛行経験が必要ということを話しましたが、相当前までは、若手の操縦士が農薬散布などの仕事で経験を積み、十年から二十年で達成された基準とされておりますが、農薬の使用自体が敬遠されて、仕事が大幅に減少しております。送電線の点検や写真撮影などの業務もドローンの普及で減少しており、業界内で条件を満たす人材を育成することは難しくなっているとのことで、操縦士確保のため、航空会社によっては自衛隊の退職者等の採用も行っているようであります。
国土交通省でも、操縦士の数が不足してくるとのことで、操縦を模擬体験できる訓練施設の活用などで、飛行経験を機長として千時間に緩和する新基準を策定して、原則、来年度から適用しようとしておりますが、それでも、飛行経験を積める農薬散布などの仕事の減少で、十年、二十年以上の期間を要するのではと考えるところであります。
また、若いパイロットのなり手自体が減少しているようでありますが、事業用の操縦士資格取得には航空専門学校などで二年程度の訓練が必要で、学費も一千万円程度必要とのことで、仕事が減少する中で経済的な負担は重く、民間養成機関の養成定員が満たされていない状況とのことであります。
ドクターヘリや防災ヘリの果たす救急救命等は公共性が高く、不足する操縦士対策は避けて通れないものと思います。また、ダブルパイロット制についても、近い将来は取り入れる自治体が増加してくることが予想され、ドクターヘリや防災ヘリの操縦士の需要は一層増加していくものと考えます。
これまで、操縦士確保のため、一部の事業者等が奨学金制度を実施しているようであります。国のヘリコプター操縦士の養成・確保に関する関係省庁連絡会議において、若手ヘリコプター操縦士の養成・確保のため、民間養成機関における奨学金制度の充実等も協議しているようでありますが、育成システムの早急な整備とあわせて、本県としても、関係省庁に、操縦士の確保に向けた取り組みの要請を積極的に展開していただきたいと考えます。
また、操縦士が不足すると、人口が集中している地区を優先し、地方にしわ寄せが来ることも考えられますので、そのような状況にならないよう、国の動向も注視しながら対処していただきますようお願いいたしまして、質問を終わります。(拍手)
49 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、向井俊夫君に発言を許可いたします。
[向井俊夫君登壇](拍手)
50 ◯向井俊夫君 奄美市区、龍郷町選出の自由民主党県議団の向井俊夫でございます。
議場の皆様、県民の皆様、キュヤオガミショーラン、ヒンマジキバミショリンショッチ、ムールアクマシャヌオーシレンド、ニャーリッカキバリンショレヨー。奄美の方言でありますが、通訳させていただきます。「こんにちは。お昼御飯を食べて大変眠いかもしれませんが、いま少し頑張ってくださいね」ということでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私は、きょうは県の伝統的工芸品の紬のジャケット、ネクタイで登壇させていただきました。二十二日の代表質問初日、紬の着物で登壇、そして答弁いただきまして、大変華やかでございました。紬もいいものだなという思いがいたしました。
きょうは午前中のバス二台に負けずに、奄美から小型ジェット三機ばかりチャーターしてこようかなと思いましたが、何百万円かかるかわからないので泣く泣く断念いたしました。
さて、鹿児島県の平成三十年度当初予算は一般会計で八千百七億六千二百万円、対前年度比〇・一%増。昨年九月の試算で七十八億円収支不足、それを、事務事業見直しを初めとする歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組み、財源不足を生じさせない予算編成ができ、三反園知事を初め、行財政改革推進プロジェクトチームの皆様や県職員の皆様の御努力に敬意を表します。
また、平成三十年度末の財政調整基金の残高見込みも二百五十億円確保、平成三十年度の県債残高見込みは、臨時財政対策債を除いて二百十三億円減の一兆七百七十七億円、総額ベースで比較して百三十一億円の減と着実に減少していると施政方針で御説明いただきました。
歳入面では、県税、対前年度比三・二%増の一千四百八十四億一千九百万円と二年ぶりのプラスとなりました。自主財源二千六百八十億六千万円は歳入全体の三三・一%で対前年度比一・五%のアップ、地方交付税、対前年度比一・八%減の二千六百二十九億六千百万円、依存財源五千四百二十七億二百万円で歳入全体の六六・九%の高い割合を占めています。
これはいつまで続くか、三割自主財源自治であり、もっと本県の産業振興と民間企業の活性化を図り、税収と個人所得アップを考えていかねばならないのではなかろうかと思います。
歳出面では、人件費が全体の二八・五%で、〇・八%増の二千三百十二億一千五百万円、扶助費が〇・八%増の一千二百五十三億三千百万円で過去最高、公債費一千二百九十三億七千七百万円の〇・六%減で、義務的経費が合わせて四千八百五十九億二千三百万円、全体の六〇%を占めております。
一方で、普通建設事業費や災害復旧事業費等の投資的経費は一千六百六十五億三千四百万円で全体の二〇・五%で、対前年度比〇・二%の減、補助費や物件費、維持補修費等のその他の経費が一千五百八十三億五百万円で全体の一九・五%となります。
新年度予算で特に目立ったものは、少子高齢化社会の中で、子育て支援に過去最大の三百四十六億三千八百万円、高齢者の生き生き支援に過去最大の二百六十五億二千三百万円と、身近な県民生活への御配慮をうかがわせる予算編成かと思いました。
また、離島の中・高生の遠征費用の継続や、喜界、屋久島の新年度、特別支援学校高等部支援教室の設置、教育、医療・福祉、そして特に奄美の世界自然遺産に関する観光関連予算として、奄美の特産品を中心とした産業振興等に御配慮いただいたことに感謝申し上げたいと思います。
また、国保事業特別会計一千八百二十二億円が新設され、財政運営主体が市町村から県へ移管されるわけでございますが、今後の推移を見守りたいと思います。
少し長くなりましたが、通告に従いまして順次質問いたします。
まず、知事の政治姿勢でございます。
四月から執行される平成三十年度の予算審査と三反園知事の県政方針が示される大事な第一回定例会でございます。
三反園知事の施政方針や代表質問への答弁であらかた理解はしているつもりでございます。しかし、平成二十九年度の施政方針の資料を読み返しますと、マニフェストに掲げた六項目の日本一があります。参考までに申し述べてみます。
一、観光、「世界から人が集まる鹿児島、観光で日本一に!」、二、農林水産業、「世界に挑戦する鹿児島、農林水産業で日本一に!」、三、医療・福祉、「みんなが元気な鹿児島、医療福祉で日本一に!」、四、教育、「歴史と教育の鹿児島、人材育成で日本一に!」、五、産業・雇用、「若者と女性が輝く鹿児島、産業・雇用で日本一に!」、六、防災、「安心して生活できる鹿児島、防災で日本一に!」と、平成二十九年度当初の施政方針では、「日本一に!」が輝いておりましたが、今議会の施政方針では、和牛日本一の五文字だけであります。
三反園知事が就任して約一年七カ月、新年度は強烈な三反園カラーを打ち出してほしいと大きな希望を持っている私でございます。
そこでお伺いします。
一つ目に、平成三十年度、知事の施政方針で新年度の鹿児島県の方向性としての最重要課題をお示しください。
二つ目に、平成三十年度、鹿児島県予算編成において特に重点的に御配慮なされた分野は何か、お示しください。
三つ目に、平成二十九年度は「新しい力強い鹿児島の船出」という観光、農林水産業、医療・福祉、教育、産業・雇用、防災の六項目で「日本一!」にという基本的な考え方が示されましたが、それぞれの分野で考えられる達成度と、「日本一に!」を達成できた事業とそれぞれの新年度の対応・対策を明瞭簡潔にお示しください。
以上で、第一回目の質問といたします。
[知事三反園 訓君登壇]
51 ◯知事(三反園 訓君)お答えいたします。
本県の平成三十年度最重要課題及び当初予算編成における重点分野であります。
本県においては、平成二十七年の出生数が昭和三十五年の四割以下の水準まで低下し、高齢者人口は十年後には三四・四%になることが推測されるなど、人口減少、少子高齢化が進行しておりまして、本県の活力喪失につながりかねないことから、これらは早急に対応すべき課題であると認識しております。このようなことから、今回の予算編成では子育て支援と高齢者生き生き支援の二本柱により一層力を入れたところであります。
具体的には、鹿児島大学と連携いたしまして、産科医が不足する地域の中核的な病院等へ産科医を派遣する産科医確保の新たな取り組み、不安や悩みを抱える母親が相談しやすい環境づくりなどの子育て支援関連事業に総額三百四十六億円を計上したところであります。
また、高齢者の社会参加活動などに対してポイントを付与する制度に、新たに高齢者が参加した場合などに加算する地域デビューポイントを新設するなど、高齢者の生き生き支援関連事業に二百六十五億円を計上したところであります。
このほかにもさまざまな事業を展開することとしておりまして、子育て・高齢者支援などの各種施策に全力で取り組んでまいります。
「新しい力強い鹿児島の船出」とした今年度の取り組み状況と新年度の主な取り組みについてであります。
今年度においても、観光、農林水産業、医療・福祉、教育、産業・雇用、防災など各般の施策に取り組んできたところであります。特に、本県の基幹産業であります観光と農林水産業につきましては、
各種プロモーション、情報発信を通じて、本県の多彩な魅力を戦略的にPRするとともに、増加する
外国人観光客の受け入れ体制の整備、来て見て感動するまちづくりの推進などに取り組み、観光客の誘客拡大を図ってまいりました。
また、
トップセールスにも全力で取り組み、県産農林水産物等の販売促進、輸出拡大、ブランド力の向上に努め、本県のすぐれた素材をさらに生かし、世界に発信して、一歩でも二歩でも鹿児島をよくしたい、県民所得の向上につなげたいとの思いで取り組んでまいりました。
こうした中で、昨年、鹿児島黒牛が和牛日本一を獲得したことは非常に大きな喜びでありました。日本一の黒牛を初め、黒豚、ブリ、カンパチなど県産農林水産物の昨年度の輸出額は、前年度比二割増しの百五十五億円に達し、また、昨年本県を訪れた
外国人観光客数や
国際クルーズ船の寄港数も過去最高を更新しております。
このよい流れをさらに上昇気流に乗せ、勢いをどんどん加速させていかなければなりません。鹿児島の認知度を高め、多くの人々を呼び込むとともに、観光や農林水産業を初めとする本県産業の振興にもどんどん勢いをつける絶好の機会でありまして、新年度当初予算案においても、鹿児島を元気にするための各般の施策を盛り込んでいるところであります。
歴史的な大きな式典として、明治百五十年記念式典を来る五月に開催いたします。
観光プロモーションや市町村、民間等と連携したイベントの展開など、これまで以上に強力に鹿児島の魅力を発信してまいります。
今年度策定する
農林水産物輸出促進ビジョンに基づきまして、県産農林水産物の輸出拡大に向けた取り組みも強力に進めてまいります。
また、新たな
県政ビジョンに基づきまして、本県が有する健康・癒やし・長寿に有益な地域資源、いわゆる鹿児島のウェルネスなどを活用した観光振興、生産性の高い、技術力のある稼げる産業の振興を図るために
スマート農業の普及など、攻めの農林水産業の実現に向けた取り組みや、製造業などへのIoT、AI等の革新的技術の導入支援といった新たな施策の推進にも積極的に力を入れてまいりたいと考えております。
新年度当初予算案は、「新しい未来への航海 どんどん前進」する予算として編成しております。新たな
県政ビジョンで示す将来像の実現に向けた取り組みを進めつつ、子供からお年寄りまで全ての県民が安心して明るい展望を持って暮らせる社会を目指し、子育て支援と高齢者の生き生き支援を引き続き重点施策の二本柱に置きながら、観光、農林水産業を初めとする産業の振興はもとより、教育、防災など、マニフェストに掲げました鹿児島を日本一にする六つのお約束であります各般の施策にもしっかりと取り組んでまいる次第であります。
引き続き、先頭に立ちまして、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかった、そう思える鹿児島をつくるために全力で走り続けたいと思っております。
52 ◯向井俊夫君 それでは、自席から再質問させていただきます。
今、知事から御答弁いただきましてありがとうございます。
施政方針の中で、前年度あれだけ日本一ということにこだわっておりましたが、その文言が消えておりましたので、ああ、もう日本一は諦めちゃったのかなということでの質問でございました。
今、お話があった子育て支援、高齢者支援で、県民の生活をしっかりまず見てからと。そして、自主財源が非常に比率が低うございますね、他県からすると低いなという思いがあります。これに対してどのような形で、これから自主財源をしっかり確保していくかということをお聞きしたいと思います。
53 ◯知事(三反園 訓君)非常に重要な御指摘だと思っております。
自主財源を強化していくためにはさまざまな方策、施策が必要だと思っておりますけれども、やはり税収を高くしていかなければなりませんし、そのためにも元気な鹿児島をつくる、日本一を目指すというのはそういうことであります。つまり日本一を目指すということは、鹿児島が元気になる、鹿児島が元気になるということは税収もふえていく、所得がふえていく、そういった好循環を目指していきたいと思っております。
そのためには、鹿児島には二つの基幹産業があります。その一つは、先ほども述べましたけれども、農畜水産業であります。これに関しましては輸出がふえておりまして、また生産額もふえております。生産額がふえているということは、生産者の所得が少しでもふえている。鹿児島の黒牛、日本一の称号が欲しかったのは、日本一になることによって、ブランド力を高めることができるわけであります。海外に輸出するときに、日本一の和牛であるということをPRすることによって少しでも高く売る、少しでも高く売ると生産者の所得が上がる、上がればどうなるかというと後継者が育っていく、この好循環に持っていかなければいけないと思っております。
この農畜水産業を、今、ビジョンをつくっておりますけれども、輸出拡大、販路拡大して生産者の所得を伸ばしていきたいと思っております。
また、観光面においても、ことしは明治維新百五十年でありますけれども、来て見て感動するまちづくりを今後とも強力に進めていくつもりであります。つまり、ことし来ていただいた方がまたリピーターとして来なきゃいけない。そのためには、ことし感動していただく、また来年来た人が感動していただかなければその次がないという、来年、再来年、その先を見据えた観光のビジョン、まちづくり含めて戦略性が大事だと思っておりますので、今後、執行部一丸となって日本一を目指すということであります。所得の向上そして自主財源の確保に向けて全力で取り組んでいきたいと思っております。
[向井俊夫君登壇]
54 ◯向井俊夫君 元気のいい、「日本一を目指す」というお言葉をいただきましたので、一つ安心いたしました。
今後とも、知事を初め全職員で引き続き行財政改革に取り組み、健全な財政運営をしてほしいと存じますし、知事が先頭に立った
トップセールス、鹿児島の農・水産・林業の製品を全国に、そして海外にしっかり出荷して、外貨を稼いでほしいと思います。
収益が上がらないことには税収も上がってきませんし、予算を医療とか福祉とか教育にしっかり配分するということもできないと思います。日本一を目指しながらしっかりこれから取り組んでいただきたいと思います。
次に、奄美群島振興開発特別措置法と奄振交付金についてお伺いいたします。
私どもの奄美群島は、戦後、昭和二十一年二月、日本本土から行政分離され、アメリカ軍政府の統治下に置かれ、昭和二十八年十二月二十五日に日本復帰するまで、本土へ密航までしての命がけの日本復帰運動、住民十四歳以上の復帰運動の署名は九九・八%、インドのガンジーに倣っての自治体や集落単位の復帰ハンガーストライキなど熾烈をきわめ、やっとの思いで本土復帰が実現しました。
そのような中、アメリカ軍占領下時代の本土との格差是正、復興と住民生活の安定に資するために、昭和二十九年六月二十一日に奄美群島復興特別措置法が成立し、インフラ整備、産業振興等のハード事業を中心に予算措置されてまいりました。
奄振法の今日までの変遷は省略いたしますが、平成二十六年度からは奄振交付金制度が創設され、奄美群島の地理的・自然的特性を生かし、奄美の魅力を増進することを基本理念とし、地域主体の取り組みや定住促進・交流拡大、条件不利性の改善、生活基盤の確保・充実施策の展開で自立・自興を図るソフト事業が大きく見直された予算となり、現在の奄美群島振興開発特別措置法となりました。
平成三十年度末で期限切れを迎える本法の延長を心から望むものであります。
そこで、一つ目に、平成三十年度の奄振の中で、奄振交付金を活用したリーディングプロジェクト推進枠について、予算規模・負担割合や想定しているテーマ案についてお示しください。
次に、クルーズ船誘致についてお伺いいたします。
私の地元、奄美市名瀬観光船バースにおいて、二万トン級のにっぽん丸やぱしふぃっくびいなすが初めて入港したときの感動は今でも忘れられません。
現在は、国内からのクルーズ船誘致だけではなく、いかに海外からのクルーズ船を誘致するかということに経済界や観光業界も大きな関心を持ち、国もクルーズ船客の年間五百万人誘致を目標とし、外国からの観光客の多額の観光消費による大きな経済効果を期待するところがございます。
また、一月二十五日の県知事の定例記者会見が奄美の地元紙のトップ記事として大きく報じられました。奄美に大型クルーズ船誘致話が出ているようでございます。
そこでお伺いいたします。
二つ目に、クルーズ船誘致においては施設整備が必要となるが、奄美大島瀬戸内町西古見の大型クルーズ船寄港地誘致計画は、今どのようになっているのか。また、名瀬港の十万トン級のクルーズ船に対応した観光船バースの延伸整備についてどのように考えているのか、お示しください。
次に、世界自然遺産登録に関する猫対策についてお伺いいたします。
今日のペットブームの中で、犬より猫のほうがペット数としては上回っているという報道がございました。ペットとしての犬は常に飼い主に対して従順で、比較的管理がしやすいように思われますが、猫は、餌を要求するときや遊び相手をしてほしいときはすり寄ってくるが、あとはどちらかというと勝手気ままという感があります。しかし、忙しい現代社会においては、かえってそのほうが飼いやすいということで人気があるのかなと思うわけであります。
ちなみに、奄美においては猫のことを方言でマヤといいます。かわいらしく足元にまやまやとまとわりついてくるから、その方言が生まれたのかなと思ったりもいたします。
さて、最近私は、ノネコと野良猫という表現区分の違いは何だろうと考えるようになりました。漢字で書けばノラネコは、野と猫の間に良いの文字が入ってきます。あちらこちら放浪していても野生化していないから、よい猫ということなんでしょうか。
そこでお伺いいたします。
三つ目に、自然保護関係でネコ対策事業とあるが、ノネコ対策と野良猫対策が重要と考えられます。奄美大島、徳之島におけるノネコ、野良猫の平成二十九年度、年度途中ではございますが、捕獲実績とその後の対応、そして平成三十年度の事業予定はどのようになっているのかお伺いいたします。
また、ノネコと野良猫の違いを簡単に御説明いただけたら幸甚に存じます。
県は、県内への外貨獲得の大きな二本の柱として、一次産業の農林水産物の県外・国外出荷、そして観光交流による観光収入を二大施策として打ち出しておられました。
本県におきましては、本年は明治維新百五十周年、NHK大河ドラマ「西郷どん」、奄美の世界自然遺産登録へと、観光客誘致へつながる行事、イベント等がめじろ押しでございます。その中で、奄美群島におきましても、奄振の予算を中心に各自治体の観光地整備が進められています。
四つ目に、奄美の観光拠点連携整備事業の平成二十九年度の事業と平成三十年度の事業をお示しください。
私どもの奄美群島におきましては、奄美群島振興開発特別措置法はまさに命の綱でございます。本年一月十六日に奄美市議会から県知事へ、奄振延長・施策等における要望書が提出されました。その中で、県への要望にもなるかと思いますが、県大島支庁にて奄振担当課を設置とありましたので、五つ目に、県企画部離島振興課の中に奄美振興係があり、係長以下五名の職員が配属されていますが、大島支庁の総務企画部総務企画課の中に、地元に密着した現地の総合窓口が必要でないか、お伺いいたします。
これで、二回目の質問を終わります。
55 ◯企画部長(東條広光君)奄美群島の振興開発に関しまして、まず、奄美群島振興交付金のリーディングプロジェクト推進枠についてであります。
この推進枠は、奄美群島振興交付金のうち市町村が行います奄美群島成長戦略推進交付金の中に、テーマを設定した予算枠を創設し、市町村等がみずからの創意工夫と民間等との連携により、地域特性を踏まえた政策ニーズの具体的な事業化を図ろうとするものであります。その予算規模は、来年度については国費ベースで一億八千万円程度を想定しており、負担割合は、奄美群島成長戦略推進交付金事業の国十分の五、県十分の一、市町村等十分の四であります。
また、来年度取り組むテーマにつきましては、国や市町村とも調整しながら、奄美らしい観光スタイルの構築、世界遺産ロード構築に向けた戦略的交流促進、スポーツイベントなど奄美の特性を生かした産業振興を設定したいと考えているところであります。
次に、観光拠点連携整備事業についてであります。
この事業は、市町村が奄美群島振興交付金を活用して、奄美群島の観光拠点として利活用が期待されます施設等の整備を行うものであります。今年度は、宇検村における湯湾岳展望台の整備、天城町における大和城周辺の遊歩道や案内板等の整備、与論町における大金久海岸の植栽の整備などが行われております。また、来年度は、奄美市における大浜海浜公園の整備、大和村におけるフォレストポリスの整備などが予定されているところであります。
次に、大島支庁における奄美群島振興開発事業の総合窓口についてであります。
大島支庁は、奄美群島の自立的発展を図るため、道路・港湾の整備、畑地かんがい事業などの公共事業を初め、地域の特性を生かした産業振興、奄美群島の抱える条件不利性の改善、生活基盤の確保・充実など、奄美群島振興開発事業に取り組んでおります。
奄振事業を効果的・効率的に推進するため、支庁内の総合調整、市町村事業計画の事前協議、地元陳情活動への対応など、地元における奄振事業の全体的な取りまとめや総合窓口を大島支庁総務企画課が担っているところであります。
今後とも、県庁各部、大島支庁が連携を図りながら、奄美群島の振興開発に努めてまいります。
56 ◯PR・
観光戦略部長(西 啓一郎君)瀬戸内町の大型クルーズ船寄港地計画についてでございます。
近年、クルーズ船の日本への寄港数は増加しており、本県全体においても、昨年、過去最高の寄港数を記録する中、奄美大島など本県の誇る自然豊かな離島も寄港地として注目されておりまして、国において、奄美大島及び徳之島をモデルケースとして、クルーズ拠点の候補地の概略検討の結果概要が公表されたところであります。
こうした中、瀬戸内町が大型クルーズ船の寄港地誘致方針を打ち出し、県に対して要望があったところでございます。
クルーズ船の寄港を誘致し、多くの観光客を迎えることは、地域産業の振興、若者の雇用創出など地域の活力を取り戻すため有効な取り組みと認識しております。もとより、奄美の美しい自然を保全することを前提としつつ地域振興を図ることが重要であり、県といたしましては、地元の意向を踏まえながら、国や瀬戸内町と連携して対応してまいりたいと考えております。
57 ◯土木部長(渡邊 茂君)名瀬港の十万トン級クルーズ船に対応した観光船バースの延伸整備についてであります。
名瀬港においては、これまで八万トン級以下のクルーズ船が寄港しており、平成二十九年は、五万トン級の飛鳥IIなど国内外のクルーズ船が十三回寄港したところであります。
十万トン級クルーズ船を受け入れるためには岸壁延伸が必要であるほか、港の入り口における航路幅が狭いことや港内で旋回する水域が確保できないことなどさまざまな課題があると考えており、現在、それらの課題や十万トン級クルーズ船の沖どめによる寄港の可能性について、関係者と意見交換を行っているところです。
県といたしましては、今後とも、既存施設の有効活用を含め、観光ニーズや船社の意向などクルーズ船を取り巻く動向を注視し、地元と連携を図りながら、クルーズ船の受け入れ体制の整備に努めてまいります。
58 ◯環境林務部長(古薗宏明君)ノネコ対策についての御質問のうち、まず、ノネコと野良猫の違いについてであります。
ノネコは、いわゆる鳥獣保護管理法上、狩猟の対象となる鳥獣でありまして、同法の解説によりますと、常時、山野等において専ら野生生物を補食し生息しているものとされております。野良猫につきまして明確な定義はございませんが、一般的に、人間社会に依存して生活する猫のうち、特定の飼い主が存在せず、市街地、集落等で生活する猫とされております。
次に、捕獲実績等についてであります。
ノネコにつきましては、徳之島では平成二十六年度から本格的な捕獲が開始されており、今年度は一月末までに八十二頭が捕獲されております。そのうち十八頭は島内外へ譲渡され、その他につきましては、病死または衰弱死したものを除いて引き続き飼養されております。
野良猫につきましては、ノネコの発生源対策等として、不妊・去勢手術等を行うこととしておりまして、今年度は一月末までに奄美大島で七百七頭、徳之島で二百九十九頭が施術されております。
平成三十年度のノネコ対策でありますが、徳之島におきましては、捕獲、譲渡等の取り組みを引き続き実施することとしておりまして、奄美大島におきましては、今後策定予定のノネコ管理計画に基づき、現在整備中の一時収容施設を活用しながら、関係機関が連携して捕獲等の取り組みを進めることといたしております。
59 ◯向井俊夫君 自席から質問させていただきます。
まず、先ほど土木部長から、名瀬港におけるクルーズ船の受け入れ体制整備について御答弁いただきました。
本県の観光振興にとって、クルーズ船の受け入れ環境整備をさらに推進することは重要な取り組みであると考えております。クルーズ船の寄港数が順調に伸びている鹿児島港を起点とした奄美・離島への波及効果も期待したいところでございます。
そこで、知事にお伺いいたします。
先般、鹿児島港について、官民連携による国際クルーズ拠点に応募したとのことですが、その選定に向けどのような見通しを持っているのか、お伺いしたいと思います。
そして、猫の件ですが、先日も新聞で、アマミノクロウサギやトゲネズミが捕食されている様子が報道されました。非常に大変なことなのかなという思いもありますし、実際、野良猫がまだまだ放し飼い、人家まで来ていると、そして恐らくその猫からまた野生化していく子猫が発生していくんじゃないかという思いがあります。どのような見解をお持ちかお伺いします。以上です。
60 ◯知事(三反園 訓君)御質問の点におきまして、うれしいニュースが一つあります。
鹿児島港を国際クルーズ拠点を形成する港湾に選定するように強く要請しておりましたけれども、本日、国土交通省から、選定されたと、認められたとの連絡を受けております。
これによりまして、クルーズ船社が旅客施設等への投資を行うことになり、本県におきましては、世界第二位のクルーズ船社が行うことになっておりますけれども、県が岸壁の優先的な利用を認めるものでありまして、クルーズ船の寄港数が増加し、地域活性化につながる効果が期待されております。このことは、クルーズ船の誘致活動に全力で取り組んでいる本県にとりまして大変喜ばしいことであります。
新たな岸壁整備の早期事業化も要求しておりますけれども、今後とも、クルーズ船の受け入れ環境整備を進め、積極的な誘致を行うなど、本県の観光振興に資するように全力で取り組んでまいりたいと思っております。
61 ◯環境林務部長(古薗宏明君)ノネコ対策についてであります。
世界自然遺産を目指す奄美大島、徳之島にとりまして、これはIUCNからも追加情報の提供を求められまして、ノネコ対策について近く回答することになっておりますけれども、もともと奄美大島、徳之島、いずれも猫というものは存在せず、外から飼い猫として持ち込まれて、それが逃げたり、あるいは飼い主がいなくなって野に出て、それが野良猫になり、野良猫で生活できなくなって山に入っていったという構図かと思います。
したがいまして、今、議員からも御指摘ありましたように、ノネコは捕獲していく、それからノネコにならないように発生源対策として、飼い猫はしっかりと最後まで飼っていただく、そのための条例改正が市町村において行われております。
野良猫対策にいたしましても、先ほど答弁申し上げましたように、これ以上野良猫がふえないようにするための不妊・去勢手術等をやっておりますので、これらを総合的に実施していきながら、ノネコ対策に重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
[向井俊夫君登壇]
62 ◯向井俊夫君 ただいま、うれしいニュースも含めて御答弁いただきました。
これから、マリンポート初め、県内のクルーズ船誘致に一段と拍車がかかっていくんじゃないかという大きな期待を持っているわけでございます。
それで、奄美のほうの観光船バース、大きなクルーズ船が入港するのが無理というのであったら、その横にあるマリーナですね、これがもう何年も使われないでビットも打たれていない、使用できないという状況で遊ばせております。それをきちっと整備して、小型のクルーザーやヨットの港として使えるようにしてほしいと、これは要望しておきます。
それでは、次を質問していきたいと思います。
おがみ山バイパス事業についてお伺いいたします。
この質問は、同僚の永井議員も以前取り上げ、私も平成二十九年九月二十五日の第三回定例会で一般質問させていただきました。
この事業は、平成十四年度から着手され、用地買収と永田・真名津地区の改良工事も進められておりました。そして現奄美市、合併前の旧名瀬市においては、平成十六年度に、このおがみ山バイパス事業と連動して、名瀬中心市街地の末広・港土地区画整理事業に着手し、いよいよ本年四月には、このおがみ山バイパスに連結するシンボルロード、名瀬都市計画道路末広・港線の末広工区の供用が見込まれ、平成三十年度には港工区の整備に着手いたし、交通渋滞や中心市街地へのアクセス向上を高めたいといたしております。
しかしながら、国道五十八号おがみ山バイパス事業が中断され、おがみ山トンネル工事が未着手で中断いたしております。
そこでお伺いいたします。
おがみ山バイパス事業は再開するのか、しないのか、また、ネックになっている問題点があるのか、お示しください。
次に、県内の不動産・土地売買についてお伺いいたします。
県本土における不動産・土地の売買は、すぐに誰が買った、そして誰が売ったと大口取引はわかるとしても、過疎の進む離島や地権者を有する無人島などが外資系やそのダミーの日本人民間事業者に買い占められ、国土は日本国であるが、中身は外国化して、無秩序に乱開発されていくことへの懸念がございます。
そこでお伺いいたします。
県本土、特に有人離島、無人島の不動産・土地売買で、外資系またはそのダミーと思われる日本人民間事業者の売買情報はないのか、お示しください。
次に、二月二十二日の自民党代表質問の中でも示されましたが、タンカー衝突沈没によると思われるオイル漂着についてお伺いいたします。
今回のオイル漂着事案に対し、三反園知事や渡嘉敷環境副大臣の早々の奄美現地視察と回収作業、そして自民党本部の環境部会による漂着オイルの回収・処理、生態系への影響調査などを継続的に実施される方針と、本県への処理費用の追加配分への御配慮に感謝申し上げたいと存じます。
私も、奄美市名瀬朝仁海岸にオイル漂着物が最初に打ち上げられた二日目、二月二日より調査を始め、二月十四日に与論島、三反園知事が奄美市名瀬朝仁海岸で現地視察と回収作業をされた二月十五日には、沖永良部島の海岸線を現地の町議会議員や観光関連事業者の方々に御同行いただいて調査を実施いたしました。
十島村宝島の住民の方からいただいた写真を含め、与論島、そして沖永良部、奄美市の状況をお手元の資料で御報告させていただきます。
見ていただきました左上、これは二日の一番最初にオイルが漂着したときの状況です。大変ひどうございました。でも、今は、ボランティアの方々が総動員でやっていただき、ほとんど取り除かれているという状況までなっております。そして左の二つ目の写真は、知事が回収作業を油にまみれてやっているところでございます。
右上の写真二枚は、沖永良部の東シナ海側の海岸、沖のほうにリーフがございまして、ちょうど干潮で手前まで波が打ち寄せていなかった。沖のほうで、もしかしたらオイルがかかっているのかなと思いながら見ました。手前のほうに小さい塊が幾つか散乱いたしておりました。
左下は与論でございます。与論は毎朝ボランティアの方が二組ほど海岸線を掃除して、年間を通してやっているということで、これはかの有名な百合ヶ浜の写真です。そして右下二枚が宝島です。これはサンゴや岩にオイルが漂着してへばりついている写真です。このような状況であったということを皆さん方、お知りおきいただきたいと思います。
質問としては、今後、タンカー衝突沈没によると思われるオイル漂着が予想されそうな県本土の海岸線の対策と、既に漂着している県内離島への対応は十分できているのか、また、処理費用等は十分確保できるのかお示しください。
海上保安庁の方々と話したとき、これは長期戦になるかもしれないなというような話もございました。仮に本土の海岸線に流れ着いたときのことを想定しての対策はできているかどうかの質問でございます。
以上で、三回目の質問を終わります。
[知事三反園 訓君登壇]
63 ◯知事(三反園 訓君)おがみ山トンネルの着手についてであります。
おがみ山バイパスにつきましては、平成二十一年度に都市計画変更を行った際、住民との合意形成を図るべきとの意見も強かったことから、おがみ山トンネルに先立ち、網野子トンネルを整備したところであります。
一方、奄美大島では近年、集中豪雨等によりまして多数の交通途絶箇所が発生したことから、宮古崎トンネルなど災害に強い道づくりを進めております。
このような中で、今月、奄美市長から、おがみ山バイパスについて、県と連携・協力しながら事業促進に努める所存であり、一刻も早い事業推進を求めるとの要望書をいただきました。
交通混雑の緩和などのために、おがみ山トンネルの整備は必要であると私は認識しております。トンネル整備には多額の費用を要することから、現在進めている災害に強い道づくりの進捗状況を見きわめる必要はありますが、地元の理解が得られれば前向きに事業を進めたいと考えております。
64 ◯企画部長(東條広光君)外国資本による土地取得についてのお尋ねであります。
現在の国内法におきましては、外国資本の事業者による土地取得について一律に届け出等を求める規定はなく、実態を把握することは困難であります。
ただ、一定規模以上の面積の土地取引を行った場合は、国土利用計画法に基づき知事に届け出を行うこととされ、また、地域森林計画の対象となっている民有林について、新たに土地の所有者となった者は、森林法に基づき市町村長に届け出を行うこととされておりますことから、これらの届け出によって、土地取得を行った法人等の所在地が海外となっているものについては把握できるところであります。
県内における直近五年間のこれらの届け出のうち、所在地が海外となっている法人等によるものは、平成二十七年度に県本土の一件であります。
65 ◯環境林務部長(古薗宏明君)県本土地域における油状漂着物への対応についてであります。
去る一月二十八日に宝島、二月一日に奄美市の朝仁海岸に油状の物質が漂着していることが確認され、その後、奄美地域全島と屋久島、十島村全島においても漂着が確認されました。
これまでのところ、県本土地域では同様の油状の物質の漂着は確認されておりませんが、引き続き情報収集に努めるとともに、今後漂着した場合には速やかに回収するなど、適切に対応してまいります。
県内離島における油状漂着物への対応と処理費用についてであります。
県におきましては、回収作業マニュアルを二月七日に作成し、現在、県、市町村の職員を中心に、国の職員や多くの住民の方々の御協力をいただきながら回収作業等に取り組んでいるところであり、回収量は今月十八日時点で約九十トンとなっております。
これまでの回収作業につきましてはおおむね順調に行われておりまして、全体としては漂着物が減少しているところでありますが、引き続き全力で回収作業に取り組むことといたしております。
また、県や市町村が回収作業等に要した費用につきましては、国の補助金を財源として活用することとしており、既に一千七百九十万円の追加内示を受けたところでありますが、今月十四日に県庁を訪問された渡嘉敷環境副大臣に対し、補助金の本県への配分について知事から強く要望したところであります。
[向井俊夫君登壇]
66 ◯向井俊夫君 ただいま、長年懸案事項であったおがみ山トンネルに対しても、知事から前向きのお答えをいただきました。しっかり地元自治体と詰めていただきまして、ぜひ早い実現にこぎつけていただきたいと思います。
また、オイル漂着ですが、県本土のほうは特にパトロールもしっかりやっていただきながら、特に枕崎とか指宿とか、地元選出の県議会議員も朝早く起きてチェックしていただきたいと思っております。
そういうわけで、私の今回の質問、なかなかつかみどころのない質問でございましたが、いいお答えもいろいろいただきました。知事初め県職員、しっかりまた県勢発展のために頑張っていただきたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)
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67 △ 請願・陳情の委員会付託
◯議長(柴立鉄彦君)次に、請願・陳情の委員会付託であります。
受理いたしました陳情は、配付いたしております請願・陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。
これで、本日の日程は終了いたしました。
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68 △ 日程報告
◯議長(柴立鉄彦君)明日は、午前十時から本会議を開きます。
日程は、一般質問であります。
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69 △ 散 会
◯議長(柴立鉄彦君)本日は、これで散会いたします。
午後三時十三分散会
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