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2017-10-04 平成29年海外経済交流促進等特別委員会 名簿
2017-10-04 平成29年海外経済交流促進等特別委員会 本文

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  1. 鹿児島県議会 2017-10-04
    2017-10-04 平成29年海外経済交流促進等特別委員会 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 八、審査経過        ……………………         午前十時開会        …………………… ◯松里委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから海外経済交流促進等特別委員会を開会いたします。  当委員会への付託事項は、海外経済交流促進等に関する調査、今年度の調査テーマは、アジア諸国とのインバウンド促進等に関する調査となっております。  ここで、調査日程等の協議のため暫時休憩いたします。         午前十時  休憩      ────────────────         午前十時一分再開 2 ◯松里委員長 再開いたします。  本日の審査日程につきましては、お手元に配付しております日程案のとおりとしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 3 ◯松里委員長 御異議ありませんので、日程案のとおり進めることに決定いたしました。  次に、参考人の出席を求める件についてお諮りします。  アジア諸国からのインバウンドの状況について講演を行っていただくため、参考人として、お手元に配付した参考人案に記載の方の出席を要請したいと思いますが、そのように取り計らうことに御異議ございませんか。    [「異議なし」という者あり] 4 ◯松里委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたしました。  それでは、ただいまから調査を始めます。  初めに、アジア諸国からのインバウンド促進等について観光課長の総括説明を求めます。
     それでは、観光課長の説明をお願いします。 5 ◯井上観光課長 おはようございます。  それでは、アジア諸国からのインバウンド促進等につきまして、お手元の資料に基づきまして御説明申し上げます。  資料は、横長の真ん中に「アジア諸国からのインバウンド促進等について」と記載されている資料でございます。  まず、一ページをお開きいただけますでしょうか。  訪日外国人旅行者数の推移でございます。  国におきましては、二〇二〇年までに訪日外国人旅行者数二千万人との目標を掲げておりましたが、早くも昨年、一番右下の総数でございますが、二千四百万人を突破したところであり、現在、二〇二〇年までに四千万人という新たな目標に向けて各般の施策が講じられているところでございます。  国・地域別では、中国が約六百三十七万人で最も多く、次いで韓国が約五百九万人、台湾が約四百十七万人、香港が約百八十四万人となっております。また、直近の状況としましては、九月十五日時点での数字でございますが、観光庁長官から、記者会見ありましたとおり、本年の訪日客が九月十五日時点で既に二千万人を突破したとのことでございます。  次に、二ページをごらんください。  全国における各国別の延べ宿泊者数の推移でございます。  国・地域ごとの内訳は、従業員十名以上の宿泊施設について公表されておりまして、平成二十八年は約六千四百七万人泊のうち、中国が約一千七百万人泊、台湾が約一千百万人泊となっております。以下、韓国が約七百七十四万人泊、香港が約五百二十一万人泊、米国が約四百二十九万人泊、タイが約二百三十九万人泊、シンガポールが約百五十二万人泊となっております。  次に、三ページをお開きください。  本県における各国別の延べ宿泊者数の推移でございます。  同じく従業員十名以上の宿泊施設についてでございますが、平成二十八年は、総数が四十三万人泊で、対前年比一一五%となっております。中でも香港が約十二万四千人泊、対前年比一九二%と大きく伸びているところでございます。次いで台湾が約十一万人泊、韓国、中国がそれぞれ六万人泊となっており、全体としましても、本県の外国人延べ宿泊者数は着実に増加しているという状況でございます。  なお、この表は注にありますように、従業員十名以上の宿泊施設についてでございますが、従業員九名以下の施設も含めた全体では約四十八万人泊となっております。  続きまして、四ページをごらんください。  延べ宿泊者数の全国との比較でございます。  従業員十名未満の宿泊施設も含む昨年の本県の外国人延べ宿泊者数四十八万人泊は、九州では、福岡、大分、長崎、熊本に次ぐ五位ではありますけれども、全国で見ますと第二十一位ということで、全国中位以上に位置しており、まだ伸びる余地があると考えております。  続きまして、五ページをお開きください。  訪日外国人一人当たりの旅行支出の推移でございます。  平成二十八年の訪日外国人一人当たりの旅行支出は約十六万円で、前年に比べて一一・五%の減となっております。中国がマイナス一八・四%の大きな減少となっておりますが、爆買いの沈静化の影響が大きいと一般に言われております。  なお、参考として、本県における一人当たり観光消費額も推計しておりますが、こちらは、本県内で消費した金額のみを対象としており、直近のデータで平成二十七年では約九万円となっております。  六ページをごらんください。  鹿児島空港国際定期路線の状況でございます。  現在、鹿児島空港国際定期路線につきましては、ソウル、上海、台北、香港の四都市に就航しているところでございます。  まず、平成二年に就航しましたソウル線につきましては、大韓航空による週三便の運航になります。なお、来年の一月から三月までの期間、週五便への増便が計画されているところでございます。  また、来月十一月でございますが、十一月からは韓国のLCCであるイースター航空が週三便で新規運航することが決定したところでございます。なお、十二月下旬から二月までの期間につきましてはデイリー運航となる予定です。  続きまして、平成十四年就航でことし十五周年を迎えました上海線につきましては、中国東方航空による週二便の運航になります。八月には、鹿児島空港で十五周年記念式典を開催するとともに、今後、上海への記念訪問団派遣を計画しているところでございます。  続きまして、平成二十四年就航でことし五周年を迎えました台北線につきましては、チャイナエアラインによる運航で、ことし七月に週四便から五便に増便されたところです。八月には台湾に記念訪問団を派遣し、知事、県議会議長などがチャイナエアライン本社を訪問し、路線の安定的運航や利用促進等について意見交換を行ったところでございます。  香港線につきましては、平成二十六年に香港航空が、また、昨年、平成二十八年には鹿児島空港国際線初となりますLCCの香港エクスプレスが就航し、現在は、両社を合わせますと週十便のデイリー運航となっております。  これらを合わせますと、四路線二十三便、平成二十九年冬季ダイヤにおきましては、最大週二十九便となりまして、平成二十四年の台北線就航以降、国際線ネットワークの拡充が図られているところでございます。  続きまして、七ページをお開きください。  鹿児島空港国際線の利用状況でございます。  こちらは国土交通省が発表している空港管理状況調書における平成二十八年の全国の空港別乗降客数を示したもので、左側が国際線と国内線の合計、真ん中が国際線の乗降客数、右側が国内線の乗降客数となっております。  ごらんのとおり、鹿児島空港は国際・国内の合計で全国第九位、九州では福岡に次いで第二位の乗降客数となっております。また、表の真ん中の国際線をごらんいただきますと、全国第十二位となっておりまして、昨年の第十四位から順位を上げておりますが、全国第十位の高松空港以下は僅差で並んでおり、地方空港間の競争は激しさを増していると考えております。  次に、八ページをごらんください。  鹿児島空港国際線の利用者数の推移でございます。  平成二十三年から二十八年までの五年間の推移を掲載しておりますが、この五年間で三倍近く利用者数が増加するとともに、平成二十六年以降は三年連続で過去最高を記録しているところでございます。  これは、ごらんのとおり台北線の就航や香港線の就航、そして拡充がその要因となっております。また、利用者数における変化としましては、従来、外国人利用者数に対して日本人利用者数が多かったのですが、平成二十五年を境にしまして、その比率が逆転し、その後も外国人利用者数が増加し続けており、現在では、日本人対外国人の比率が約二対八となっております。  平成二十九年の状況につきましては、二つの航空会社が就航している香港線が引き続き好調であるとともに、七月の台北線の増便、ソウル線におけるイースター航空の新規就航などにより、さらなる利用者数の増加が見込まれているところでございます。  続きまして、九ページをお開きください。  港湾の状況でございます。  本県におけるクルーズ船の寄港実績は、昨年が百十七回、うち八十三回の寄港となった鹿児島港は全国第八位の寄港数となっております。  本年は、鹿児島港、その他県内各港ともに、昨年を大きく上回る数の寄港予定となっているところでございます。  続きまして、十ページをごらんください。  港ごとのクルーズ船の寄港実績についてでございます。  本県では、鹿児島港を筆頭に世界自然遺産に登録されている屋久島の宮之浦港、奄美大島の名瀬港、その他多くの離島の港湾でもクルーズ船を受け入れております。昨年は、鹿児島港に八十三回、屋久島の宮之浦港に十八回、名瀬港を初めとした奄美群島の港に十回の寄港、ことしは鹿児島港に約百二十回、宮之浦港に二十六回、名瀬港を初めとした奄美群島の港に二十一回の寄港見込みとなっており、順調に伸びているところでございます。  続きまして、十一ページをお開きください。  本県に寄港するクルーズ船の発着地の状況でございます。  平成二十九年につきましては、八月時点の見込みではございますが、中国発着が三五%、次いで日本発着が三三%、欧米系が一五%となっております。クルーズ船の寄港が急増している博多港や長崎港は中国発着の割合が八〇%前後となっております。これらの港と比べ、本県は、欧米系、台湾発着などの割合も高く、発着地が分散しているということが言えると考えております。  続きまして、十二ページをごらんください。  インバウンド促進に向けた本県の取組の主なものをお示ししております。  ローマ字の「KAGOSHIMA」の認知度向上に向けた海外でのイメージアップのため、テレビ番組ミュージックビデオなど各種メディアを活用した現地でのプロモーションに取り組んでおります。  韓国では、昨年度三本のテレビ番組によるプロモーションを行いましたが、中でも鹿児島と中国の桂林を現地のタレントが旅行先としてバトル形式でプレゼンする「バトル・トリップ」という番組につきまして、昨年十二月の放送以降、極めて反響が大きく、韓国における本県の認知度向上につながっていることを今年度の現地セールスなどにおいても実感しているところでございます。  台湾では、現地のトップアーティストであるヒビ・ティエン氏のミュージックビデオメイキング映像を鹿児島で撮影し、現地の動画サイトで配信しているところでございます。  続きまして、十三ページをお開きください。  香港のフリーペーパーの事例でございます。  香港では依然、紙媒体もプロモーションをする上で有効であるとされていることから、二十代から三十代の女性層をターゲットとするフリーペーパー鹿児島観光の情報を掲載し、現地の地下鉄、セブンイレブンショッピングモールなどで配布したところでございます。  続きまして、十四ページをごらんください。  近年、外国人観光客個人旅行化、いわゆるFIT化が進んでいるところでございまして、このことからブログやフェイスブックなど各市場向けのSNSにより、主に個人旅行客を対象とした情報発信にも取り組んでいるところでございます。  続きまして、十五ページをお開きください。  現地のマスコミやブロガーなどを招請しまして、現地のメディアで情報発信をしてもらうことにより、観光「KAGOSHIMA」のイメージアップに取り組んでいるところでございます。また、効果的な誘客対策として、旅行会社などの招請によりまして、鹿児島を目的地とする旅行商品の造成を促進しております。  また、現地セールスなどにおいては、旅行会社等に対し鹿児島の魅力や存在感をアピールするとともに、現地の旅行博覧会に出展し、広く一般の来場者に対するプロモーションも行っているところでございます。  続きまして、十六ページをごらんください。  取組の二番目、受け入れ体制の整備のうち、観光案内所についてでございます。  日本政府観光局(JNTO)が多言語対応のレベルに応じて三つのカテゴリー観光案内所を認定しており、県内ではカテゴリー二の案内所が鹿児島中央駅と鹿児島空港の二カ所、その他カテゴリー一の案内所が七カ所の計九カ所が認定されておりまして、外国人観光客に対する情報提供などを行っているところでございます。  続きまして、十七ページをお開きください。  引き続き、市町村などに対しての情報提供を行い、JNTO認定観光案内所の設置及び対応能力の向上を促進してまいります。  続きまして、ホームページの多言語化についてでございます。  本県の観光ホームページは、英語、韓国語、中国語、さらに申しますと、中国語は主に台湾や香港で利用されている繁体字、主に中国本土で利用されている簡体字の両方に対応しているところでございます。また、本県の魅力をPRするPR動画においては、一部ではございますが、これに加えてタイ語やフランス語も加えた多言語での情報発信にも取り組んでいるところでございます。また、引き続き、ホームページのコンテンツの拡充やスマートフォン対応へのシステム改修などにも取り組んでいるところでございます。  続きまして、十八ページをごらんください。  無料公衆無線LAN、いわゆる無料Wi─Fiについてでございます。  公共施設などにつきましては、県や市町村により奄美パーク、屋久島環境文化村センターや観光案内所など約三百八十施設が整備されております。民間施設につきましては、セミナーなどにおいて整備促進に向けた啓発を行ってきております。その結果、宿泊施設については整備済みの割合が高く、民間の観光施設や小売施設等についても、インバウンドへの取り組みを行っている施設を中心に整備が進んでいるところでございます。また、宿泊施設、商店街等及び自治体の防災拠点等のWi─Fi整備に対して、それぞれ所管の省庁による補助が行われているという状況でございます。  引き続き、国の支援制度などの周知などを通じまして、民間も含めたWi─Fi環境のさらなる充実に努めてまいります。  続きまして、十九ページをお開きください。  道路標識の多言語化についてでございます。  道路標識につきましては、英語併用表示を行うこととされており、訪日外国人を初め、全ての利用者にわかりやすい道案内を実現するため、路線名にあわせて路線番号を用いて案内する高速道路ナンバリングの取組を検討しているところでございます。  二十ページをごらんください。  観光案内標識の多言語化についてでございます。  国内外からの観光客を目的地まで安全・確実に誘導するとともに、的確な観光情報を提供するため、これまで多言語の観光案内板を約四十基、外国人観光客にも配慮した観光案内標識を約九百五十基及び外国語表記道路案内標識を約千基、合わせて約二千基を整備しておりまして、今後とも国や市町村など関係機関と連携しながら、わかりやすい観光案内標識等の整備を進めてまいります。  続きまして、二十一ページをお開きください。  免税店につきましては、ここ数年で急激に増加しておりまして、県内でも四月一日時点で三百八十店舗ございまして、九州では、福岡県、長崎県に次いで三番目に多い数となっております。引き続き、担当者会議などで制度の内容を周知するなど、さらなる設置促進に努めてまいります。  通訳ガイドにつきましては、現在、通訳案内士登録者が八十二名、九州アジア観光アイランド特区ガイド登録者が四十二名いらっしゃいまして、毎年セミナー等を実施し、その育成に取り組んでいるところでございます。  そのほか、実務担当者会議や講習会を随時開催しており、実際のインバウンドの受け入れにかかわる方々を対象として、受け入れ環境の整備に関する情報提供や意見交換を行っているところでございます。  続きまして、二十二ページをごらんください。  取組の三番目、クルーズ船の誘致等についてでございます。  ソフト面としましては、クルーズ船の誘致及び受け入れ体制の強化に取り組んでおります。  クルーズ船の誘致の取組としましては、国内外のクルーズ船社及び現地旅行者などへのセールスや船会社等キーパーソンへの鹿児島への招請・視察対応、海外クルーズ・コンベンションにおける船社への働きかけなどを行っているところでございます。  受け入れ体制の強化の取組としては、地元自治体及び事業者など地元関係者と連携し、港における受け入れ歓迎の実施、旅行会社への多様なツアー行程の提案など、港や観光地における受け入れ体制の強化を行っております。  次に、二十三ページをお開きください。  鹿児島港におけるCIQターミナルの整備についてでございます。  マリンポートかごしまにおきましては、地方創生拠点整備交付金を活用し、CIQ機能や物販、交流スペースを有するクルーズターミナルの整備を進めております。  クルーズ船で来られた観光客の皆様に鹿児島を認知していただけるよう名称を「かごしまクルーズターミナル」とし、現在の簡易待合所、ふれあいポートでございますが、その隣に鉄骨平屋建ての床面積二千三百平方メートルの建物を整備することとしており、ことし八月にその建築工事に着手しまして、来年三月の完成を予定しているところでございます。  クルーズターミナルの整備によりまして、入国などの手続の迅速化が図られ、観光地等により長く滞在してもらえることやクルーズ船の誘致に弾みがつき、多くのクルーズ船が寄港することなどが期待されております。  続きまして、二十四ページをごらんください。  鹿児島港におけるクルーズ船の大型化への対応でございます。  鹿児島港におけるクルーズ船の寄港数は、昨年の八十三回を大きく上回り、先ほども申し上げましたが、ことしは過去最高となる約百二十回の寄港が見込まれており、予約が重複し寄港できないケースも出てきております。また、クルーズ船の大型化が進んでおり、マリンポートかごしまにおきましては、七月二十九日に、これまでで最大となる十四万トン級のマジェスティック・プリンセスが初寄港したところでございます。  マリンポートかごしまでは、現在、日本に寄港しているクルーズ船では最大となる十六万トン級のクルーズ船を受け入れるための岸壁の改良などを行っており、来年度の初めには供用を開始することとしております。  県としましては、クルーズ船の寄港数の増加やさらなる大型化に対応するために、マリンポートかごしまにおいて、世界最大の二十二万トン級のクルーズ船が接岸できる新たな岸壁の整備に向けまして、所要の手続を進めてまいります。  最後ですが、二十五ページをお開きください。
     クルーズ船が寄港するその他の港につきましては、西之表港、宮之浦港、名瀬港などがございます。岸壁水深に応じまして、三万トンから八万トン級のクルーズ船が寄港しております。  以上、御説明申し上げましたとおり、現在、県におきましては、本県を訪れる外国人観光客の増加に向けて全力を挙げて取り組んでいるところでございます。どうぞよろしくお願いいたします。 6 ◯松里委員長 説明が終わりましたので、次に質問を行います。  質問がありましたらお願いします。 7 ◯向井(俊)委員 二点ほどお伺いします。  まず、一点目は、クルーズ船鹿児島県内に入る場合、奄美もですが、お客様自体、船自体がここの港で停泊、一泊することがあったのかどうか。あるとして、そういう場合のお客様の宿泊とか、船以外で宿泊するケースが出てくるのかどうかが一点。  それと、小さな港で、宮之浦港、これは二十八年度十八回という回数、ことしが二十六回予定されております。県内で鹿児島港以外で一番大きなトン数、何トンぐらいまでがどの港で可能なのか。それと港には入れないがゆえに、沖待ちで、あとはボートでお客さんを送迎するケースの港があるのかどうか。というのは、沖縄の先島、西表、石垣の場合は、大きなクルーズ船の場合は沖で停泊して、ボートで上陸させるケースもありますので、もう港の整備やなんだかんだ追いつかない場合は、そういうことも上手にやっていけばいいのではないかという思いがありますので、その二点お伺いします。 8 ◯古土井PR・観光戦略部次長兼参事 クルーズ船についてのお尋ねでございます。  まず、一点目のクルーズ船が港に一泊停泊をして宿泊をするケースがあるのかという御質問でございますが、決して数は多くないのですが、本年におきましても鹿児島港において何隻か一泊、オーバーナイトと言ったりもしますけれども、停泊したケースもございます。その中で、基本的には船の中に泊まっていただくケースが多いのですが、一部の船ではそこが拘束を外して、一部の乗客の方が普通の市内のホテルに泊まった事例があるとお聞きしているところでございます。  また、沖どめをしてテンダーボートによって港に旅客が輸送されるケースについてでございますけれども、県内の港の中で実績としては、例えば奄美大島において、古仁屋の地区におきまして、飛鳥IIという船が沖に停泊をしまして、そこから、古仁屋漁港に旅客をお連れして上陸するというケースがございました。指宿でも同様のケースが事例としてございます。 9 ◯中迫港湾空港課長 各港におきます最大のクルーズ船の能力となりますと、まず、マリンポートにつきましては、今年度七月に十四万トンのマジェスティック・プリンセスが入港しておりまして、これが最大でございます。マリンポートにつきましては、これから岸壁の改良を行いまして、今年度、防舷材等の設置を行うことによりまして、十六万トン級のクルーズ船が入港可能になるところでございます。  残りにつきましては、例えば資料の一番最後の二十五ページにございますが、クルーズ船専用といいますと、西之表港、名瀬港、宮之浦港とございますが、ここに書いてございます西之表港であれば飛鳥IIの五万トン、名瀬港であればサン・プリンセスの七万七千トン、宮之浦港であれば、ぱしふぃっくびいなすの三万トン級と、こういったものが最大級でございます。 10 ◯向井(俊)委員 ありがとうございます。  確かに港が追いつかない場合は沖どめでテンダーボートで送客することも考えられるので、お客様の船が停泊した場合の宿泊ですが、上陸してホテルに泊まるより、確かに船のほうがホテルの客室とかお料理とかいろんなことも数段上のレベルになってしまいます。ただ、長旅というか、三、四日とか一週間ぐらいになると、名瀬港の場合、そのお客さんや乗っていた方が、よくうちのサウナやお風呂にゆっくりつかりたいというケースで出てきます。そういう意味では鹿児島などの温泉は非常におもしろいのではという思いがあります。ですから、そこら辺は上手にやはり生かしていく必要があるのかと。  それともう一点だけお伺いしますけど、港が狭い場合、タグボートを使わないといけないと、名瀬港の場合、大型船が入った場合にありますが、沖縄から呼んだり、それから鹿児島から呼んだりしますが、そういうタグボートを導入した場合に、観光関係や、いろいろな形で補助とかは船会社に対して出るのか出ないのか。 11 ◯中迫港湾空港課長 大型のクルーズ船が入る場合はタグボートが必要になることがございます。実際、タグボートにつきましては、現在は船会社の負担となっており、補助の制度は今はないところでございます。(「ありがとうございます」という者あり) 12 ◯松里委員長 ほかにございませんか。 13 ◯向井(た)委員 全観光客数については、一ページが全国、二ページからは宿泊者数、三ページがそのうち本県の宿泊者数となっているわけですけれども、いろいろな方法で鹿児島に訪れるとは思いますが、クルーズ船は便数だけが書かれていますが人数というのはどのぐらいなのか。外国人と日本人と分けた数字もなかなか難しいでしょうから、鹿児島県内へのクルーズ船での来訪者数があれば教えていただきたい。  鹿児島市にマリンポートなり北埠頭なりに来たときに、やはり鹿児島市内での交通手段の確保が非常に問題になっておりまして、先日も観光議連と事業者との交流会の中でもやはり話題になりましたし、本会議等での質問でもされますが、なかなかその解消策がまだ明確には示されていないと、今後どう推移するのか。全国で四千万人を見込めばたくさんまだ改善しなければいけない点が多いと思うのです。観光客の多くは、土日を中心に集中するということもあったり、季節的な集中もあるでしょうけれども、クルーズ船の場合は、その日に集中することがあるわけでして、この対応をもう少し明確に計画を立ててほしいと、そしてそれが離島の場合になりますと、なおさらバスの確保など苦労しているのではないかと思うのですけれども、そういう年間に十回とか何回とか、本当に少ない回数で特に離島などは対応しなければいけないということでは、事業者も経営の関係とか、設備投資なども大変ではないかと、来ては欲しいけれども、どのくらい年間に来れば営業が成り立つのかというのもあるかと思います。そういう対応が鹿児島市内でまたは離島でどういう計画で進んでいるのか、もう少し詳しくいただければと思います。 14 ◯古土井PR・観光戦略部次長兼参事 クルーズ船についてのお尋ねでございます。  まず、一点目のクルーズ船で訪れた旅行者の数でございますが、これは実は正式にそれを出した統計はございませんで、かつクルーズ船で来たからといっておりないお客さんもいるものですから、必ずしも正確な数字ではないのですが、参考までに似た数字として申し上げますと、全員がおりたことはなくて、かつクルーなどは実は入っていなかったりするので、クルーズ船で乗降した人数そのものではないのですけれども、クルーズ船に乗って来たお客さん、乗っていたお客さんの数を年間積み上げますと、昨年、鹿児島港では八十三回の寄港に対しまして十七万人強の方が訪れたというものが積み上げた結果になります。  二点目のお尋ねでございます。  まず、鹿児島での受け入れの問題でございます。特に一部の観光地において渋滞が見られる点についての御指摘だと思います。これについては、施設整備等ですぐに対応することにはなかなかなってこないのでございますが、我々、誘致する立場の者としては、できるだけ時間的あるいは空間的に、空間的にと申しますのは、別の観光地に広く分かれていただく、あるいは時間的にと申しますのは、訪れる時間帯をずらしていただく、こういったものの取組について旅行会社、クルーズ船社等に働きかけをしているという状況でございます。  離島の場合でございますが、確かに離島の場合はバスの台数とかの制約もある中でどういうふうに旅客を回すかが大きな課題になってきてございます。これについては、すぐに妙案があるわけではございませんが、ほかの離島、例えば石垣港であるとか宮古島であるとか、そういったところにおきまして、鹿児島県内の離島への寄港数よりも非常に多い港がありますので、そういったところの事例を勉強しながら、その対策を練っていきたいと思ってございます。  以上でございます。 15 ◯向井(た)委員 大体の概数はわかりましたし、また、環境整備について、私も申し上げましたように、年間何回来るか、設備投資をどうするか、回数が多かったりそれが継続性があればいろいろな対応もできるでしょうけど、今後も整備を事業者等とも相談しながら進めていただきたいと思います。  以上です。 16 ◯松里委員長 ほかにございませんか。 17 ◯向井(俊)委員 こういうクルーズ船に対して、港の使用料の減免措置などはとっていますか。(「暫時休憩をお願いします」という者あり) 18 ◯松里委員長 暫時休憩をいたします。         午前十時四十一分休憩      ────────────────         午前十時四十一分再開 19 ◯松里委員長 再開いたします。 20 ◯中迫港湾空港課長 クルーズ船につきましては、トン当たり幾らという形で係船料が決まっておりまして、減免はいたしておりません。 21 ◯向井(俊)委員 県内、私どもの奄美空港でもチャーター便など誘致するときに、離発着、着陸していた場合、いろいろ交渉面で安くなるのかと、よくそういうことを聞かれたりするものですから、今の質問ですが、この係船料というのは国に入りますか、それとも県に入りますか。港をどこが管理しているかということだと思うのですけど。 22 ◯中迫港湾空港課長 まず、先ほどお話ししました係船料ということで船に関しては減免はございません。今、飛行機の話が出たかと思うんですけど、飛行機につきましては、ジェットであれば国内定期便等と同様に減免をしておりまして、ジェット機であれば六分の五の減免をしているところでございます。歳入につきましては、使用料は県に入るということでございます。 23 ◯向井(俊)委員 係船料、船のほうは国ですか。 24 ◯中迫港湾空港課長 船の係船料につきましても県に収入が入るということでございます。(「わかりました」という者あり) 25 ◯向井(た)委員 私は、霧島湧水選出ですけれども、地元の商工会議所、商工会等では、空港があって霧島にいろいろなメリットもあるわけですけれども、加えて、そういう外国人客等も買い物が楽しめるような、そうすると地元としても空港があるというメリットがまた広がるのだという意見があります。ぜひ、空港周辺の住民としては、騒音であるとか運用時間が延びたりするということでしたが、デメリット点が多い中で、そういう観光施設、商業施設等が空港周辺にもう少しできれば私たちもメリットがふえるんだがという声をもう何回も聞いておりまして、客をふやすということもですけれども、空港周辺をどうするのかについても、何か漠然とでもいいですので、おっしゃることがあれば聞いておきたいし、要望としては、そういうことも視野に今後進めてほしいと思うところです。 26 ◯松里委員長 暫時休憩いたします。         午前十時四十五分休憩      ────────────────         午前十時四十六分再開 27 ◯松里委員長 再開いたします。  ほかにありませんか。 28 ◯池畑委員 二年ぐらい前からですかね、上海線が減便になった後、増便していただきたいという要請を東方航空側に、私も議長時代、何回かお伺いさせていただいた経緯がございますけど、聞くところによりますと、東方航空側は一便、週三便に増便をするという意向だと、しかしながら、諸般の情勢でまだ許可がおりないとお聞きしているのですけど、そこら辺の現状、今後の見通しといいますか、わかっていたら教えていただきたいと思います。 29 ◯寺前交通政策課長 上海線の増便についてでございますけれども、中国東方航空で、中国航空当局の定時運航率の基準を満たしていないなどの状況がありまして、いまだ増便には至っていない状況でございます。今月十八日から私ども含めまして、議長も含めて現場に向かわせていただいて、引き続き、増便の要請等してまいりたいと思いますので、そういった点でなるべく早く実現するように努めてまいりたいと思っております。 30 ◯池畑委員 例えば空港の滑走路の枠が非常に厳しいとかいろいろあると思いますが、そこら辺は大体県ではわかっていらっしゃるんですか。 31 ◯寺前交通政策課長 空港の枠というよりは、定時に運航する率が低いと、日本でいう国交省の航空当局から増便の許可がおりないとなっていまして、まず、定時で飛んでいただくことが基準になって、そういった要請をして定時に飛ぶ割合がふえてきますと増便も認められていくということだと思います。(「わかりました」という者あり) 32 ◯鶴田委員 ただいまの池畑委員の質問に関連してお伺いしたいのですけれども、例えば今後、訪日客がふえるに従って、いかに迎える体制というか、基盤を整備していくかがあると思っていますが、例えば鹿児島空港、もう既に建設して五十年近くたって、いよいよ建てかえとかあるいは民営化とかいろいろな話が出てきております。その中で、池畑委員からも国際線の部分の機能が今十分なのか、どういう状況なのか、さらにこれをどの程度伸ばしていくのかと、どのように伸ばしていくのかということに対してはどうお考えですか。 33 ◯寺前交通政策課長 鹿児島空港の国際線ターミナルについてでございますけれども、利用者数は三年連続で最高記録を更新しているところでございます。一方で、施設が不十分という声は各方面からいただいておりまして、私どももいろいろ施策は行っておりますが、平成二十七年度に入国審査場の拡幅ですとか、入国審査ブースの増設などを行っています。また、ことし四月には入国審査待ちの個人識別情報を事前取得するバイオカートというものを導入したところでございます。こういった着実な努力を含めて、今後、鹿児島空港をどのようにしていくかということを、将来ビジョンも含めて関係者と意見交換を行っているところでございますので、なるべく早い段階でお示ししたいと思っております。 34 ◯鶴田委員 わかりました。  それから、マリンポートですけど、現状、非常にふえていて、本港区まで使っていろいろまた対応もしたい、あるいはあそこの泊地の延伸というか、二十二万トン級の船をつけられるようにといったことを進められています。これは今後どのように進めていかれる御予定でしょうか。 35 ◯中迫港湾空港課長 マリンポートの新しい二十二万トン対応の岸壁の御質問でございます。  新たな岸壁の整備につきましては、防波堤や岸壁、泊地などの既存の外郭、係留施設の平面配置でありますとか、海底の深さ、現場にはヘリポート、緑地、道路の土地利用の関係もございますし、そういったことを経済性や施行工期、環境への影響などを総合的に勘案しながらこれから検討したいところでございます。 36 ◯鶴田委員 わかりました。  この前、マリンポートに行く機会がありまして、新しいCIQ施設の取組等も見まして、非常に急ピッチで、いい設備がいい場所にできるという印象ですけれども、あそこを充実することで大体どれぐらいのキャパシティーの船まで迎えられると考えられているのでしょうか。 37 ◯中迫港湾空港課長 お尋ねのありましたCIQターミナルにつきましては、現在、外国の船が来た場合は、CIQ、税関、入国管理、検疫そういった国の機関の方々が船に乗り込んで手続を行いまして、その手続を開始するまでに船に乗り込んでから機材セッティング等ございますので、審査始まりに一時間ぐらいかかります。それが今回、CIQターミナルをつくることで、船が着いたら速やかにターミナルに移動していただいて手続が始まるということで、来られたクルーズのお客様がすぐに観光地に行けるといったメリットがございます。  一方、大きさという点でいきますと、岸壁の能力にかかわってきますので、今年度、大型の防舷材を入れて十六万トン級までの船が来年度初めには入るということで考えております。 38 ◯鶴田委員 わかりました。今、国でもイミグレーションとかCIQとか、国の役人の数が足らないと、したがって、それを充実させないといけないということで、いろいろ取組があると聞いてますが、そことの意見交換というか、対応の体制づくりというのはどうなっていますか。 39 ◯中迫港湾空港課長 マリンポートかごしまクルーズターミナルの整備に当たりましては、設計する段階で国の方々と一緒に協議に入っておりまして、国の方々は九州内の例えば先行している博多でありますとか、長崎でありますとかの施設の状況も見ておりまして、そのメリット・デメリットを十分承知の上で、こういう配置がいいのではないかとか御意見をいただき、また当然、人員の体制の増強とか設備の設置、そういったものも出てきますので、その辺は国の方々と連携をとりながらこのクルーズターミナルの設計を行っているところでございます。 40 ◯鶴田委員 わかりました。  あそこに今、NPOの皆さんが要するにウエルカム行事というか、いろいろ対応していらっしゃいます。これは要望ですけれど、ああいうところの方の意見を聞いていただきながら、非常に快適に外国のクルーズの観光客の皆さんが我が県を訪れられるようなお取組をお願いしたいと思います。  最後に一点、観光課長でしょうか、お伺いしたいのですが、国は二〇二〇年までに四千万人とおっしゃいましたか、そういったことでいろいろと進めていて、では、果たして我が県は、要するにそれに従って大体どのぐらいの客数を見込んでいらっしゃるんでしょうか。 41 ◯井上観光課長 鹿児島県としましては、現在、観光立県かごしま県民条例という条例に基づきまして、鹿児島県観光基本方針という大きな方針をつくっているところでございます。その方針の中で具体的な目標数値は、延べ宿泊者数として九百五十万人という数字を掲げております。内訳、外国人については四十三万人と目標を定めております。ただ、先ほど御説明申し上げたとおり、外国人の観光客につきましては、既に平成二十八年の段階で四十八万人ということで、この四十三万人を既に上回っている状況でございます。この基本方針は、実は、もともと五年間の計画ですけれども、今年度がちょうど中間年に当たります。中間年までの進捗状況等について中間報告を来年、議会に対してする予定でおります。その結果も踏まえて、今後、今おっしゃったような国として四千万人を掲げているとかも踏まえまして、この方針の目標を見直すかどうかを検討していくことになろうと思います。 42 ◯鶴田委員 わかりました。  来年ということで、もう少しスピード感を持って取り組んでいただければと思うのですが、何でも全体的なスケジュールを決めるのにその基数というか、現状こういう問題があってそれが膨らんでくると、例えば道路とか観光地のいろいろな整備も同時に膨らませていかないといけないという、要するに計画というのが具体的に立ってくると思います。その根っこのところがきちっとしていかないといけないと思っていますし、これに関してはもう既に達成したということでありますから、やはりスピード感を持って、ありがたい増加の状況をしっかり我が県で受けとめられるような対応をしていただきたいと思いますので、これは要望といたします。 43 ◯西高委員 今、鶴田委員が質問された中で、鹿児島空港のお話が出ましたが、入国、出国の話の中で、今からここをどこまでどうしていくという方針をということでした。出国をするときに、鹿児島空港から出国審査をして、ソウル、台北、上海、香港、大きい空港から飛んできます。私だけが思っているのかわかりませんけど、海外の方々はどう思われているのかと思うのが、あそこの居心地の悪さです。今から空港のあり方、民営化とかいろいろ話がある中で計画を立てると言われますけど、私はこの話については急ぐべきではないかと思うのです。また、インバウンドを誘致しようというのであれば、出国の際まで気持ちよく帰っていただくという面では、皆さん行ってわかると思いますが、あそこの居心地の悪さ、それとすし詰め状態とかありますが、そこあたりについてはどう考えていらっしゃいますか。私はもう少しそこの計画は急ぐべきだと思うのですが。 44 ◯寺前交通政策課長 出国のスペースのお話でございますけれども、出国の待合スペースが、まず席としては二百四十席で、二百人を超えてきますとかなり窮屈になると。あと売店のスペースが狭いこともございまして、売店については多少でございますけれども、拡張させていただいたところでございます。  出国のスペースがかなり窮屈になっている点については、すぐにスペースを拡張するというのはなかなか難しいですけれども、空港ビルディングやCIQの関係者と月一回程度意見交換を行っているところでございますので、委員から御指摘がございましたので、なるべく早く方向性を示せればと思っております。(「それでいいです」という者あり) 45 ◯松里委員長 ほかにありませんか。 46 ◯池畑委員 今の空港の整備に関して質問が出たわけですけれども、ここ最近、鹿児島空港の国際化、それと民営化について本会議、委員会で、質疑が交わされております。そういう中で県議会でも、ここ三年、一回はANA総合研究所の浜田会長に来ていただいて、鹿児島空港の国際化について全協的勉強会をいたしました。そしてまた、日本政府観光局の理事長にも一回おいでいただいて勉強会をさせていただき、そしてまた昨年は、全国の空港民営化において前線で非常に活躍されておられる慶應大学の近藤先生ですか、慶應大学の教授にも来ていただいて講演をしていただきました。そしてまた、現在、福岡空港、熊本空港、いろいろもう具体化してきている中で、やはり鹿児島空港はとにかく南に開かれたアジアの玄関口ということで、非常に近いわけですが、こういった動きが九州管内で具体化している中で、とり残されるという懸念を持っています。特に民営化の問題については、企画部長でしたか、そういう時期に来ているというような趣旨の答弁があったと記憶していますけど、やはり空港の整備、民営化、国際化、これは一体で進めなければいけないわけでありますので、ここのところは県がリーダーシップをとって、空港ビルの株主の関係者、そういう方々とやはりいろいろ意見交換をされるべきではないかと感じておりますけど、そういうことは現在やっていらっしゃるんですか。 47 ◯寺前交通政策課長 空港の民間委託については検討すべき重要なテーマと思っておりまして、現在、空港ビルディングでありますとか、航空会社、旅行会社含め関係者の意見を聞いているところでございます。民間委託ありきということは当然ございませんので、民間委託含め、鹿児島空港が今後どうあるべきかについて現在、関係者の意見を聞いて取りまとめ、論点整理をしているところでございますので、そういった点も含めて、なかなか今すぐというのはいきませんけれども、今後お示ししていきたいと思っております。 48 ◯池畑委員 何年か前、三、四年前ですか、四、五年前、たしか民間の有識者で鹿児島空港の検討委員会のようなものをされて、その分厚い検討報告書ができて、私も見せていただきました。具体的にああいった専門家による検討会を設置して、そしてその検討結果が出たりしているわけですので、そういうのも踏まえて、さきほど鶴田委員の質問で観光振興計画、四十三万人の目標はもう既に昨年突破して、来年それの見直しの関係を提案するという答弁がございましたけど、やはりある程度、観光というのは、鹿児島のこれからの浮揚がかかっているわけで、浮沈がかかっておりますので、先ほど来あるように、西高委員の質問でも、もう少し早くという御意見もございました。恐らく、委員の皆さんもほとんどの方がそういう思いではないかと思いますので、もう少しスピード感を持ってぜひ取り組んでいただきたいと思っております。さきほどの四十三万人の目標設定についても、県の目標を昨年、五万人もクリアしているのに、それがいつまでも四十三万人という話では、県民で観光産業界を含めて一体になって来年「西郷どん」、三年後のいろいろなオリンピックだ何だとやっている中で、何年か後は百万人にしますとか、やはり目標を高く、スピード感を持ってやっていただきたいと思っております。そちらと鹿児島空港の国際化は何人もそういう御意見が出ていますので、ぜひ部長さん、そういう方向で知事とも話をしていただいたりして、もう少しスピードアップしていただきたいと思いますので、答弁は要りません、要望を申し上げておきます。 49 ◯外薗委員 今、池畑委員がいろいろお話しされて、西高先生のお話もありましたけれども、国土交通省の示している面積、お客さんに対して発着便の面積といいますか、そういうものがあるものですか。一つ超えれば国外ですから、客待ちのスペースとか、売店のスペースとか、何か厳しい規制があってなかなかできないのか。 50 ◯寺前交通政策課長 ターミナルビルの面積の基準は恐らくないと思います。ただ現在、空港ビルが国の所有と民間の空港ビルの所有になっていまして、そこで権利関係がなかなか難しいこともございますので、そういった点も現在、関係者入れて議論しているところでございます。 51 ◯外薗委員 だとすれば、池畑委員の言われるスピード感を持ってということでいえば、少し工夫すると、もう少し国際空港のターミナルの二階の部分の面積の部分が広げられる可能性はまだ十分あります。そういうことをやるのか、具体的に熊本空港のようにPFIといった民間でやっていくのかという過渡期に来ているからまだ手が入れられないのか。もう十九万人超してきて、マリンポートでの受け入れというのはどんどんどんどん進んできて二十二万トン級もやっていただくということですけど、空港も鹿児島は利用していただいていますので、特に空港は今からどんどんどんどんLCCなどが飛ぶから結構アジアには近いですよね。そうすると、一回福岡に来るよりも鹿児島に来て新幹線とかいうことになってきそうな気がするのですけど、前から私も思っていたのですが、施設について、そういう国の縛りがあるのかと思っていたのですが、そういうことがなければ、鹿児島空港ビルディングと空港会社といろいろ相談しながら検討していただきたい。これだけ利用する割には、国際線もですけど、国内線も少々手狭ですよね。今、空港を利用される方も多いわけでありますが、そこらはどうですか。やろうとするとお金の問題か、やる気の問題か、県の取組の問題ですか、どうですか。 52 ◯寺前交通政策課長 何が原因かというところは、お金の問題もありますし、権利関係が難しいというところもございまして、耐用年数がまだ来ていないというところもありますので拡張をすぐにするというのは難しいと思っています。一義的には、現行の施設のまま権利関係を整理するですとか、そういった工夫をすることでまずは対応していきたいと思っております。  あと、先ほど委員からありました慶應大学の先生というのは加藤先生のことでして、私が着任してからも民間委託について御議論させていただきましたので、福岡とか熊本で民間委託が始まりますので、そういったところに乗りおくれないように、今後うちとしても民間委託を含め議論していきたいと思っております。 53 ◯外薗委員 民間委託もいいことですけど、採算がとれるかとれないかで乗り込んでくる業者がそうでしょうけれども、要は、民間委託になってもそんな急に来年からという話ではないわけで、今我々が話しているのは、当面ここ一、二年の話の中で、西高委員が言われること、池畑委員が言われるようなことをやっていこうではないか、先の話ではなくて、もうことし、来年ぐらいからでも始められることをやっていこうということを今、話していて、毎年毎年ふえていく海外のお客様をどうおもてなしして、また気持ちよく帰らせていくかという話です。だからそれをスピード感を持っていってくださいという話ですので、ぜひこれは大きな重要課題としてやっていただくように、またよろしく要望しておきます。 54 ◯西高委員 せっかくここまで空港関係の話が出ましたので、アウトバウンドについても思うことは、私たちも議員になっていかに空港を利用するかを今考えています。ただ、昔、自分たちの仲間で上海、それからインドネシア、毎月ずっと二年間飛んでいましたが、これ本当の話ですけど、仲間と行くときに、鹿児島空港から上海に飛んでスラバヤへ飛ぶか、あるいは台湾に飛んでスラバヤに飛ぶか、いわばトランジットをしようかという話をすると、「鹿児島空港の中で二時間ぐらい前に入ったら身動きも何もとれないよ」と、ほかの空港だとラウンジもある、ちょっと飲んだりとかゆっくりできる売店のスペースもある、だから福岡から飛ぼうということで、私たちの中ではほとんど福岡に行くんです。団体も上海に飛ぶのも福岡に行って福岡から飛ぼうといって、私たちの地域からは、鹿児島に来て飛行場に行こうと思えば二時間半前に家を出てぎりぎりです。福岡空港はどうかというと三時間半で着くわけです。ではもう向こうに行こうということで行っていました。今も私の仲間の人たちとそういう話して結構あちこち行っていますが、鹿児島空港は使うとはほとんど言わないのです。海外から来られる方も、例えばフルキャビンサービスで便がある程度動くようになったとき、来られた方が空港から出国するときに、ラウンジもなければ、少しでもゆっくりと飲もうかという人たちの場所もない。フルキャビンサービスで来る人たちというのは、出るときの印象が、一番大事だと私は思うのです。それは観光地だけでの話ではないと思います。うちの地元の海外に行こうという人が福岡から飛ぼうというわけですから、これは金額的な問題とかもあるかもしれないけれども、将来を考えたときにどうかということを検討していただきたいというのを一つつけ加えておきますのでお願いします。 55 ◯寺前交通政策課長 ターミナルビルの充実という点で御指摘いただきましたので、なるべく早く方向性などをお示しできるようにしたいと思います。  あと、アウトバウンド対策については、県でも団体ツアーに対する助成などをやっておりまして、また、高校の修学旅行に対する助成の引き上げなどを行ったところでございますので、アウトバウンドが少ない現状を踏まえて、そういったアウトバウンドの充実は引き続き進めていきたいと思っております。 56 ◯西高委員 もう一つお願いします。台湾とかシンガポールとか香港みたいな形でもいいです。愛煙者の人たちは、外の空間でいいですから、そういうところに少しでも出張った場所が国際線、喫煙所があればいいと思っています。これはかねがねの話です。 57 ◯松里委員長 要望ですか。 58 ◯西高委員 要望です。 59 ◯松里委員長 ほかにありませんか。 60 ◯桃木野委員 基本的なというか、五ページに、消費額の推移が出ていますが、二十八年は全部減になっているわけですけど、前の年が非常に伸びていますから反動もあるでしょうけど、二十八年の消費動向といいますか、減った理由、その辺がもしわかっていれば教えてください。 61 ◯井上観光課長 御指摘のとおり、それまで顕著に伸びておりましたけれども、御案内のとおり、昨年は熊本地震もございまして、絶対数が減り、今までの伸び率と比べると伸び率が弱まったという影響がこの数字に出ているのかと分析しております。 62 ◯桃木野委員 次に、十ページですが、二十八年度が非常にふえて、また二十九年度が全体的にも五十隻ぐらいふえる格好になっているわけですけど、先ほど、一番最後のページに三万トンとか七万トン、五万トンとかいろいろありますけど、例えば三万トン級から上のクルーズ船は世界にどのぐらいいるものなのか。そして、百十七隻というのはその何%ぐらいになるのか、わかるものなのかどうか。 63 ◯松里委員長 暫時休憩いたします。         午前十一時十八分休憩      ────────────────         午前十一時十九分再開 64 ◯松里委員長 再開いたします。 65 ◯桃木野委員 例えば鹿児島港の八十三隻が二十九年度は百二十隻になるわけですけど、この船を見たときに、一年間に二回来たりとか、あるいは新たに初めてことしは来ましたとか、その辺の数字が何かわかっていれば教えてください。それと百十七隻が全体的に百七十に数字が非常にふえて、そういう意味では大変いいことですけれども、船のリピーターというか、その辺の状況がわかれば教えていただきたいと思います。 66 ◯古土井PR・観光戦略部次長兼参事 クルーズ船のリピート率といった話でございます。  当然、一般的に何度も周遊するタイプ、例えば中国とかあるいは台湾とかに配船されて、ことしはいろいろ事情があって韓国になかなか行けない状況になってございますけれども、日本にぐるぐる回るような船が非常に多い状況でございます。まず、それがかなりの部分を占めることになります。  また、欧米系の船につきましては、世界一周とか、あるいはアラスカとオセアニアで基本的に回る中で、季節の変わり目、いわゆる秋、春の段階で寄港地をシフトする段階でアジアに何回か回ってくる形態の船が多い状況でございます。
     ちなみに、ことし平成二十九年初寄港している船の数でございますが、三隻が鹿児島港では初寄港になります。 67 ◯桃木野委員 三隻が初寄港ということは、大体何回も来ていると、そういう意味では鹿児島のよさを評価していただいてリピーター的に来ているのかと理解します。次に、先ほど鶴田委員からも質問ございましたけれども、今後、十六万トンあるいは二十二万トン級の整備に向けてされていくということですけど、港の整備計画とあわせて、今ここは二十九年度は予定で百七十という数字が出ていますが、例えば港の改良計画に合わせて、三十年度は何隻ぐらいとか、あるいは三十一年は何隻ぐらいとか計画はありますか。県でもいろいろ総合計画が昔はあって、今は県政ビジョンに変わっていますけど、総合計画など向こう十年間でこういうふうに持っていくというのがありましたけど、クルーズ船につきましても、いわゆる港の改良に合わせて、向こう五年ぐらいで例えばどういうふうに持っていこうかと、どのぐらいまで持っていこうかと、そして港の改良はどうやっていこうかとか、そういう総合計画みたいなものが何かあるものですか、計画されているのかどうか教えてください。 68 ◯中迫港湾空港課長 お尋ねの件についてでございますが、まず、クルーズ船につきましては、日本に配船されている船として今十六万トンが最大になってございます。各会社の配船の状況によってそれに合わせて船がふえている状況で、鹿児島県といたしましては、現在、十六万トンに対応できる岸壁がないというところでまず岸壁をつくろうという発想がございます。それと、船社とお話しさせていただくと、やはり鹿児島港に入れたいという要望がございまして、そういった要望に応える形で岸壁のスペックを大きくしていこうというところがございまして、今のところ、例えば何年度先に何隻とかいう具体的な数字は持ち合わせてはいないところでございます。 69 ◯桃木野委員 わかりました。  いろいろその時々の事情などもあるでしょうけれども、少し思いましたのは、港もいろいろありますので、ここ三年ぐらい先とか、五年ぐらい先とか、そういう計画も必要ではないかと思いましたので聞いたところであります。  以上で終わります。 70 ◯持冨委員 一点だけ、だんだんカード決済が多くなってきていると思うのですが、県内ではカード決済の環境はどうなっているかお尋ねします。特に中国はカード決済が主流だと聞いておりますけれども、そういった環境はどうなっているか。また、そういうことでトラブル等はないかを教えてください。 71 ◯松里委員長 暫時休憩いたします。         午前十一時二十四分休憩      ────────────────         午前十一時二十五分再開 72 ◯松里委員長 再開いたします。 73 ◯井上観光課長 カード払い対応の状況でございますけれども、これは平成二十七年度に調査した結果ですけれども、カード支払い対応の宿泊施設につきましては、対応済みとしているところが九七・四%、そして観光施設につきましては四二・四%、小売施設については七〇・二%という状況になっておりまして、宿泊施設を中心にカード決済対応が進んでいると理解しております。 74 ◯持冨委員 トラブル等はないですか。 75 ◯井上観光課長 特にそういった話は直接は我々は聞いてございません。(「いいです」という者あり) 76 ◯松里委員長 ほかにありませんか。 77 ◯桃木野委員 先ほど聞き忘れておりました。  港の都合で入港をキャンセルすることがあるとおっしゃいましたけど、例えば二十八年度とかどのぐらいあったものか、もしわかれば教えてください。 78 ◯中迫港湾空港課長 鹿児島港につきましては予約が重複して入れない状況が発生しております。予約につきましては、出先の地域振興局で予約を受け付けているところですが、船舶代理店が外国の場合はほぼ一社でございまして、予約が一つ入ると次は入れられない状況がございます。それでも予約を入れて、もし前の船がキャンセルになったら次を入れたいということで、重複して予約が入っている場合もございますが、もう最初から予約が一つ入っているから次を入れないということも聞いてございますので、具体的にどれだけ重複しているかという数字は把握はしていないところでございます。(「了解しました」という者あり) 79 ◯松里委員長 ほかにございませんか。 80 ◯東 委員 九ページの鹿児島県におけるクルーズ船の寄港実績とありますが、全国八位ということで、一位から七位までを教えていただければありがたいです。 81 ◯古土井PR・観光戦略部次長兼参事 全国のクルーズ船の寄港回数の順位についてでございます。鹿児島県より上位の一位から七位でございますが、昨年の数字でございます。一位が博多港で三百二十八回、それから二位が長崎港で百九十七回、三位が那覇港で百九十三回、四位が横浜港で百二十八回、五位が神戸港で百四回、六位が石垣港で九十五回、七位が平良港、これは宮古島の港でございますが八十六回、次いで鹿児島の八十三回となります。 82 ◯東 委員 ありがとうございます。この数字は二十八年の数字で、今度は二十九年ですけど、どこもさらに伸びる感じですか。 83 ◯古土井PR・観光戦略部次長兼参事 今、確定的な数字はどこの港も出しているわけではございませんが、少なくとも上位港の各港はいずれも伸びる傾向にあるということは承知してございます。(「以上です」という者あり) 84 ◯松里委員長 委員の皆様方、御質問ございませんか。    [「なし」という者あり]    [委員長退席・副委員長委員長席に着席] 85 ◯松里委員 中迫港湾空港課長にこの資料に基づいてお尋ねいたします。  二十五ページの西之表港ですね、岸壁延長が二百六十メートルということで、西之表港の中央地区を整備して、実際の計画案はもっと広くてマリーナだったのですが、そこを飛鳥IIも対応できるように岸壁から船の右側に、何というか海流も行き来できる形で船が接岸できるように桟橋を整備しました。それで飛鳥IIの五万トン級も寄港できるわけですよね。そういう理解でよろしいですね。(「はい」という者あり)  そういう中で二十四ページ、世界最大の二十二万トン級のクルーズ船が接岸できる新たな岸壁の整備に向けて所要の手続を進めてまいりたいとありますが、現在、十四万トン級が接岸できますと、そして十六万トンに対応できるように来年度供用開始ですが、今度二十二万トンの場合は、十六万トンが対応できてから、今の岸壁からどのぐらい岸壁をつくればいいか、二十二万トン対応は何メートル整備すればいいか。 86 ◯中迫港湾空港課長 お尋ねのありましたマリンポートについてですが、既存の岸壁はもともとが現状のスペックで十四万トンの船が入る状況でございますが、これから二十四ページの図面にありますとおり、係船柱六基と防舷材八基を整備することで十六万トン級の対応が可能になるところでございます。これは一応、今年度末を目指しておりまして、来年度初めには十六万トンが入ると考えております。  一方、二十二万トンにつきましては、水深の問題とか、先ほど申しました防波堤の配置とかいろいろな平面的な配置の問題もございますので、このマリンポートのどこかでもう一個新しい岸壁をつくろうと考えておりまして、既存の岸壁を利用しながら別の岸壁をつくることで、その位置につきましては今後検討してまいりたいということでございます。 87 ◯松里委員 この桟橋方式ではだめなんですか。 88 ◯中迫港湾空港課長 新しい位置とか構造につきましてはこれから検討してまいりたいと考えております。    [委員長席から副委員長退席・委員長着席] 89 ◯松里委員長 ほかにございませんか。    [「なし」という者あり] 90 ◯松里委員長 ないようですので、この件については終了します。  ここで、昼食等のため暫時休憩いたします。  午後は、参考人招致を行います。  再開は、午後一時十五分といたします。         午前十一時三十二分休憩      ────────────────         午後 一時 十五分再開 91 ◯松里委員長 それでは、再開いたします。  これより講演を行います。  最初に、講師を御紹介いたします。  観光庁国際観光課長、伊地知英己様でございます。  ここで、当委員会を代表して、当席から一言御挨拶を申し上げます。  伊地知課長におかれましては、お忙しい中、当委員会に御出席いただきありがとうございます。心から感謝申し上げます。  本日は、当委員会の調査の参考とさせていただくため、アジア諸国からのインバウンドの状況について御講演いただくこととなっております。よろしくお願いします。  進め方といたしましては、伊地知課長に御講演をいただいた後、各委員が質問を行いますので、それについてお答えいただくことでお願いいたします。  それでは、「アジア諸国からのインバウンドの状況について」と題しまして、観光庁国際観光課長、伊地知英己様から御講演賜りたいと存じます。  伊地知課長、講師席へ御移動ください。  ここで、伊地知課長の御紹介をさせていただきます。  伊地知課長は、平成六年に運輸省(現国土交通省)に入省され、平成二十五年からは独立行政法人国際観光振興機構北京事務所にて、現地目線でのプロモーションを展開され、平成二十八年、国土交通省九州運輸局観光部長を経て、本年七月に現職につかれまして、現在、訪日外国人旅行者数二〇二〇年、四千万人等の目標達成に向けた訪日プロモーションを担当されております。  本日は、アジア諸国からのインバウンドの状況や傾向、インバウンド対策の先進的な取組事例などについて御講演をいただけるとのことで、大変期待しております。  それでは、伊地知課長、限られた時間ではございますが、どうぞよろしくお願いします。 92 ◯伊地知参考人 皆様こんにちは。ただいま御紹介いただきました観光庁の伊地知でございます。  私のほうから、「アジア諸国からのインバウンドの状況について」ということでお題をいただいておりますので、資料は既にお配りさせていただいているかと思いますけれども、これに沿って御説明をさせていただきたいと思います。  それでは、早速、御説明させていただきます。  まず、本日この資料につきましては、主に大きく三部の構成になってございまして、最初に、インバウンドの状況ということで現状のデータを中心にお話しさせていただきます。その後、二番目に施策の話、現在の観光政策について、これは非常に数多くございますけれども、そのうちごく一部ではございますが、現状を御紹介させていただきまして、最後に取組事例といたしまして、ほかの地域でインバウンドの取組に功を奏している、実際に多くの誘致に成功している実例につきまして幾つか御紹介させていただく形で進めさせていただきたいと思います。  それでは、まず、インバウンドの状況ということで、資料をおめくりいただきまして、右下ページ番号二ページでございます。ごらんください。  こちらは、まず、訪日外国人旅行者数の推移ということで、これは日本に来られる外国人旅行者の全ての国、アジアだけでなく欧米豪なども含めまして全ての国の合計人数の推移でございますけれども、昨年二〇一六年、一年間で二千四百四万人と初めて二千万人を突破したところでございます。ビジット・ジャパンキャンペーンという訪日外国人旅行者の誘客促進の事業を国として初めて開始したのは二〇〇三年でございましたが、その当時がまだインバウンドの数五百二十一万という状況だったことを考えますと、非常に大きな変貌ぶりではございますけれども、ことしに入りましても八月までの数字が出ておりますが、八月までの合計で千八百九十一・六万人ということで、現在のところ昨年同期比で一七・八%の増加になってございます。このような形でことしも堅調に推移していることが言えるかと思っております。  続きまして、三ページでございます。  これは、実際にどの国・地域から外国人の観光旅行者が来ているかという資料でございまして、昨年一年間の実績でございます。  それによりますと、やはり多いのは、中国、韓国、台湾、香港といった順番でございまして、その後アメリカ、タイと続いてございます。特に、中国、韓国、台湾、香港といわゆる東アジアの四地域でほとんどを占めていると言ってもいいぐらいの数字でございますが、実際その東アジア四つで全体の七割強を超えている状況でございます。それにタイなどの東南アジアを加えまして、アジアからの来客が全体の八割強となってございまして、残りが欧米豪、豪は豪州、オーストラリアでございまして、そういった形になってございます。  現在、後でも御説明いたしますけれども、こういった欧米豪のほうからまだまだ足りないのではないかということもございまして、最近の政府の方針としましては、アジアだけでなく欧米豪からの誘客も進めていかなければならないと話をしているところでございます。  おめくりいただきまして、四ページから実際のアジアからの来客の推移、それからそれぞれの各市場についての簡単な特色の説明を資料でまとめさせていただいております。  まず、四ページは中国でございます。  中国からの誘客でございますが、ずっとあまり大きな伸びを示していなかったのですが、二〇一四年あたりから急激に伸び始めております。これは一つは、二〇一二年の九月に尖閣諸島の国有化がございまして、それで一旦二〇一三年では下がったのですけれども、その後、中国人の海外旅行ブームがちょうどその時期にやって来たのとあわせまして、さらに申し上げると、二〇一五年にはクルーズで日本に来る人についてはビザについてかなりの緩和がなされたことがございまして、そこが急激に伸びているところではございます。ことしに入りましても、大分伸び率が落ち着いておりますけれども、昨年を超える勢いでふえている状況でございます。  中国市場の特色といたしまして、現在、ほとんど団体だと思われておりましたが、個人客の割合も大分多くなってまいりました。特に上海や北京といった大都市からの訪日客は六割から七割方が個人客だと言われております。  それから、クルーズ需要が旺盛ということで、クルーズにつきましては鹿児島港にも非常に多く船が入っているところでございますけれども、この需要につきましては、もちろんブームということもございますけれども、それ以上に世界各地のクルーズ会社が今こぞって中国市場に船を投入しているところでございまして、したがいまして、船がある以上は恐らくクルーズ船の来訪が途絶えることはなかなかないと考えております。  それから消費額、これは後でまた詳しく消費額の資料を御用意させていただいておりますけれども、特に買い物の消費額につきましては、ほかの市場に比べて断トツに多い状況でございまして、一時期、中国人の爆買いというものが言われている時期がございました。ただ、この爆買いにつきましては一応終わったのではないかという御意見もありますが、実際には終わったと言えるほどしぼんでいるわけではございませんで、依然として買い物の需要が非常に旺盛であると、ただ、買い物の対象、何を買うかが変貌している状況ではございます。  そして、一年間を通じてたくさん来ていますが、特に夏休み、それから桜の季節、春節、これは旧正月のことでございます。毎年一月か二月か変動しますが、この時期が比較的お客さんがたくさん来る時期だとされてございます。特に夏休みにつきましては、日本の夏休みとほぼ同じ時期にありますので、親子連れ、家族連れという大量のお客が来るのはやはり夏休みであるところでございます。  続きまして、五ページでございます。  こちらは韓国でございます。韓国につきましては、もともと往来が多かった国ではございますけれども、特に近年におきましては、いわゆるLCC、格安航空会社と言われるものでございますが、これが九州各地を初めといたしまして数多く韓国のLCC政策にのっとって、それによりLCCがふえておりまして、その結果、若者とかそういった安い料金でも来ることができるお客がふえている状況でございます。  したがいまして、そのLCCはほとんど個人客でございますので、現在、韓国からの訪日客の八割以上が個人客とされております。ただし、近距離であることもあって、手軽に来られることが逆に災いいたしておりまして、買い物とかの消費額ですとか、それから宿泊日数については、ほかの国の人たちに比べると少な目である状況がございます。  韓国からのお客様が多いのはやはり十二月か二月に冬休み、春休みがございますので、この時期、それからやはり夏休みということでございまして、家族連れがやはりこういう時期にたくさん来られることになっております。  続きまして、六ページでございます。  こちらは香港でございます。  香港はどうしても小さい都市ではございますけれども、ただ非常に親日的な人が多いこともございまして、かなりの人数がリピーターとなって来られているということでございまして、ほとんどの方、個人客ですが、リピーター率も八割以上ということで、同じ人が何度も何度も来ていただいている状況でございます。その結果、同じところを、毎回東京に行くと、毎回大阪に行くとかではなく、非常にいろいろなところに香港の方は入り始めておりまして、また、テーマ観光という観点からもさまざまなテーマで来られるということで、最近はウエディングツーリズムという表現もございますけれども、結婚式あるいは新婚旅行を日本でという方々もふえているということで、ことしの八月でございますが、日本政府観光局で香港でウエディングツーリズムの商談会を開いたところかなりの盛況ぶりだったと聞いております。  香港の方は、本当に一年を通してほぼ途切れなく来ていただいておりますが、クリスマス休暇、それから夏休み、四月のイースター休暇、旧正月といったさまざまな時期が少々人数がふえますが、関係なく皆さん来ていただいている状況でございます。ことしに入りましても、八月までの数字で既におととしの人数とほぼ変わらないぐらいに来ていただいておりまして、昨年同月比でも二五%増と非常に多くふえている状況でございます。  続きまして、七ページ、台湾でございます。  台湾も非常に親日的な人が多いこともございまして、個人客の割合はまだまだ五割程度ではありますけれども、八割方はリピーターということで、団体旅行の率が高いのは台湾の旅行会社がかなり頑張っている状況ではございますけれども、いずれにしても、台湾の方も同じ方が何度も来ていただいているところではございます。  こちらも香港と同様に、日本の東京、大阪ではなく地方に対する訪問とか宿泊が非常に多くなっておりまして、ほかの市場に比べましても台湾の方が地方を訪れる率が非常に高くなっております。  台湾の方も通年来られておりますけれども、やはり桜の時期、紅葉の時期、旧正月、春節、それから夏休みなどいろいろなピークございますが、とにかく多くの方に来ていただいている状況でございます。  続きまして、八ページでございます。  ここから東南アジアに入ってまいりますが、タイでございます。  タイにつきましては、やはり東アジア四市場に比べますと人数のボリュームは落ちますけれども、ただ、東南アジアの中では最も訪日客数が多い国でございます。タイの場合は、個人客の割合が非常に高くなっておりますけれども、ただ、現在やはりまだ日本に来られている方は、多くは富裕層、あるいは中間層の方々が中心になっているところでございます。しかもまたここに書いてございませんが、昨年、国王が逝去されて、それ以降、少し海外旅行の出足が伸び悩んでいる状況が現状としてございます。ただし、訪日客はまだコンスタントにふえている状況ではございます。  タイの方々が多く来られる時期といたしましては、一番多いのはタイの正月であるソンクランの時期でございまして、これは毎年四月でございます。この時期が一番非常に多くなります。また、秋休みは十月に設定をされておりますので、この時期も家族連れが多くなるところでございます。特にソンクランの時期はタイの方が一番日本に来られています。  続きまして、九ページでございます。  シンガポールでございます。  シンガポールも本当に小さな都市国家ではございますけれども、こちらも非常にリピーターがふえている市場でございます。もともとビジネス客の割合が比較的多いところではございますが、最近は、そういったビジネスで来られた方が観光を楽しむ、あるいはビジネスで来られた方が次に来たときに家族を連れて楽しむという傾向が非常に強まっております。したがいまして、家族連れの訪日がますますふえている状況でございます。  ということもございまして、大体十一月から十二月に学校の年末休暇、日本の冬休みに相当するような休暇でございますが、この時期が最大のピークになっておりますが、三月から六月の桜の時期ですとか、少し季節のいい時期も非常に多くなっているところでございます。  続きまして、十ページでございます。  こちらはマレーシアでございます。  マレーシアも非常に個人客の率が高くなっておりますけれども、特にマレーシアは結構多くの民族の複合国家でありますが、訪日客で割合として高いのはやはり華僑系のどちらかというと富裕層に近い人たちが中心になっているところでございまして、こういった方々が家族で来られてショッピングや食を楽しむ形が多い状況でございます。  年々コンスタントにふえておりますが、マレーシアの方、やはり多いのは年末の学校の休暇、それからこちらはイスラム教の方が多いので、ラマダン明けの休暇、ラマダンというのは、いわゆるイスラム教の習慣の中では断食ということをする月がございまして、日中は物を食べないで夜だけ一度食べるという時期ですが、このラマダンが明けたときに盛大な休暇をとるというのがイスラム教の方々がやっているところでございまして、したがって、マレーシアの国もイスラム教に配慮してラマダン明けに休暇が設定されておりますが、ことしは六月末でございましたので、その時期が多客期となっております。なお、ラマダンにつきましては、太陽暦に直しますと毎年十一日ずつ前にずれていくという設定になっておりますので、これはどんどんどんどん前に倒れていくようなことになっていくかと思います。  続きまして、十一ページはインドネシアでございます。
     こちらは、さすがにまだリピーターというわけにはいかず、六割近くがまだまだ初めて来られている方となってございます。そして、やはりインドネシアは東南アジアの中でも圧倒的な親日国と言われておりますし、また、日本のアニメなどのポップカルチャーについても非常に人気を博している市場でございます。ただ、どうしてもまだまだ全般的にはそんなに経済力が強くない国ではございますので、首都ジャカルタなどの都市部を中心にしたどちらかというと富裕層の方が中心になって訪日客がいるところではございます。  一番よく来られるのは年末の休暇、それからレバラン休暇、レバランというのはラマダン明けの休暇と同じ意味ですが、なぜかインドネシアだけはレバランと表現していますが、ことしは六月末から七月でございましたが、それから桜の時期も見に来るという話になっております。  続きまして、十二ページでございます。  こちらフィリピンでございます。  フィリピンは、昔、結構人数が来ていた時期もございますが、この辺の時期につきましては、多くが観光客というよりは労働者、日本に就職に来る方が多かったと言われる時期がございましたが、最近は少しビザ緩和したこともございまして観光客が確実にふえている市場でございます。といっても観光客としては初めて来る方が六割ぐらいということで、まだこれからというところでございます。しかも中心となるのはマニラですとか、セブあたりで富裕層が中心というところではございます。  そして、東南アジアではほぼ唯一といっていいようなキリスト教国でございますので、キリスト教関連のテーマ旅行についても割とフィリピンは反応がよいということで、そういった需要もある市場でございます。  キリスト教ということもございますので、クリスマス休暇がございます。この時期が非常に多いということ、それからホーリーウイークということで、これは復活祭になりますが、こちら四月も非常に多い形になっております。  続きまして十三ページ、これはベトナムでございます。  ベトナムも最近になって経済成長が始まっていることもございまして、急激に観光客、来日数が伸びているところではございますが、まだもしかしたら割合的には、留学生ですとか、それから労働者とかいった率が高いのではないかと推測されておりますけれども、そういった意味ではまだまだ八割の方が初めて日本に来られている形になっております。  そして、なかなかベトナムでは感じることのできない雪、桜、それから紅葉といった自然のものに割と強い関心を示している市場だと言われております。したがいまして、桜の季節とか紅葉の季節が観光客としては非常に多い時期となっているところでございます。  続きまして十四ページ、市場の説明としては最後になりますが、インドでございます。  インドは、アジアの中でも日本から遠く離れているということで、飛行機でもこちらから行きますと片道九時間半ぐらいかかるような国ではございますけれども、現在、特にインドにつきましても、これは経済成長著しいということで、初めて来られる方八割以上というのに加えまして、ビジネス客の方がまだ八割以上ということで、純粋な観光客の割合はまだ非常に低い市場ではございます。ただし、現在、日本に本当に来る人は割と富裕層の中でも超富裕層といっていいような人たちが来られるということで、例えば結婚式とかやると、インドの結婚式というのは関係ない人もみんな集まってきていい結婚式の形態になっておりまして、したがって、そういう人たちが日本で結婚式をやるとなると、関係ないお客さんも含め二百人ぐらい連れてきてホテルで大宴会をやるというようなところではございますので、当たれば大きいのかなという市場ではございます。  今のところ観光客と言われる方が来ておられるのは、やはり夏休みの時期、それから桜の季節、どうしてもやはり東南アジア、南アジアの方は、桜に対して非常に関心が強いというものでございますので、そういった形になってございます。  各市場の御説明につきましては以上でございます。  ここから先は全体のデータなど御紹介させていただきますが、十五ページでございます。  人数だけではなく消費額が重要な場合もございますので、消費額についてどう推移しているかということでございますが、こちらグラフごらんいただきますとおり、二〇一五年までは非常にふえていたのですが、昨年二〇一六年、全体の人数が大幅にふえたにもかかわらず全体の消費額が下がった形になってございます。これにつきましては、全体の消費額がふえていますが、単価が下がったという表現でございます。したがいまして、全体の伸びは非常に低かった、伸びてはいますが低かったという形になってございます。これがよく言われる爆買いが終了したからではないかという話になっておりますけれども、次の十六ページをごらんください。  十六ページは各市場ごとの消費額でございます。  これをごらんいただきますと、やはり中国が非常にまだまだ大きい率を占めていると、先ほど最初のグラフで、訪日客数、人数の割合というところがございました。三ページのところでございますけれども、ここで見たとき、中国は全体の二六・五%の人数だったと、ところが消費額となりますと全体の四割近くを実に占めているということで、いかに中国の方がほかの国の市場のお客さんに比べて消費が旺盛かということがわかるかというところでございます。  一方で、韓国は人数では二割強を占めていたにもかかわらず、消費額に直しますと一割弱で、やはり韓国の方、滞在日数が短いこともあって消費額が非常に少な目になっている状況でございます。  次の十七ページでございます。  これは費目別の消費額を細かいグラフではございますけれども並べてございます。これは特に右の買物代というところをごらんいただきますと、やはり、中国だけが桁が違うということでございまして、中国の方の消費額、依然として旺盛であるというところでございます。  いわゆる中国人の爆買いが終了したと世間で言われている話につきましては、電化製品でありますとか高級ブランドといったものにつきましては確かに消費が減っております。これはいわゆる日本百貨店協会が特にそういうことを主張しているわけですけれども、百貨店でも売っているですけれども、百貨店ではなく違う店で買うようなものが実は依然としてたくさん買われているということで、これ実はもっとひも解きますと、化粧品ですとか医薬品ですとか食品です。実は今、中国人の爆買いは、そういう意味では続いているのですけれども、医薬品というのは、いわゆる日本の医薬品という意味ではなく、ドラッグストアで買うような薬も全部含めてですけれども、化粧品、医薬品、食品といった単価は低いけれども結構皆さん買っていくものが対象になっているところでございます。ただし、単価が低いということは、店にとっては非常に利益が薄いこともありまして、店としては少々悩ましい話にはなっているところではございます。  なお、消費額のところでごらんいただきますと、特に宿泊料金のところでは、下に欧米豪のほうが額がどうしても高くなっているところでございます。これは、欧米豪からの遠方から来るお客さんというのは、どうしても一回日本に来たからには一日、二日で帰るということは余りせずに、むしろ滞在日数が長くなる傾向がございます。したがいまして、宿泊費もそれだけ多く使っているということがこの数字からも見てとれるところでございます。  続きまして、十八ページでございます。  今度は宿泊者数でございます。  クルーズなど本当に人数としてはたくさん来ますが、夜すぐに船に戻って次に行ってしまうということで、宿泊という意味ではカウントされない方々が多数来ているわけですが、ただ、宿泊者数というものにつきましても着実に伸びてはいます。  外国人の延べ宿泊者数の総数では左のグラフでございますけれども、二〇一五年、二〇一六年ですが、非常にふえていますが、二〇一五年から二〇一六年、平成二十七年から二十八年は人数の伸びの割には余りふえていない。これは一つの原因はクルーズの人数がその分伸びているからだろうというのが一つ。それからもう一つは、これは非常に我々としても何とも言えないところですが、民泊を利用している人が非常にふえているのではないかという話でございまして、実はこの宿泊の統計では、これまで民泊については、当然、民泊という概念がなかったというのもありますが、統計の対象に組み入れていないということがございまして、来年度の統計からは民泊も対象にしようかと、民泊につきましては法律ができまして、年明けに施行されるという流れになってございますので、改めて正式な法令のもとで統計の対象にしようかという話になっております。そうなりますと、数字が大幅に変わってくる可能性はございます。  それから右側でございます。これは宿泊者数の比較のうち、いわゆる三大都市圏とそれ以外との宿泊者数の伸びを見てございます。三大都市圏というのは下に書いてございますが、東京近辺と愛知県、それから京阪神、これを三大都市圏と考えますと、三大都市圏の宿泊者数の伸びは確かにふえていますが、むしろそれ以外の地方の宿泊者数の伸び率が非常に高まっているということでございます。これによりまして、現在、日本に来られている方もどんどん今、地方に展開し始めているということが言えるかと思います。それもクルーズだけではなく、宿泊を伴う地方への移転が着実にふえているところでございます。  十九ページでございます。  こちらは都道府県別の外国人の宿泊者数のグラフでございます。  上位だけを示してございます。どうしても東京、大阪が多いのと、やはり北海道とかがふえているところではございます。鹿児島県は上から数えて二十一番目ではございますけれども、非常に多い部類に入っているのではないかと考えております。  それから二十ページと二十一ページは、これは各都道府県におきまして、どういった国の方々の宿泊が多いかという率を比較した表で、大変細かくて恐縮でございますが、二十ページが東日本、二十一ページが西日本となってございます。人数につきましては、先ほどのグラフのように、どうしても多い少ないございますけれども、二十ページ、東日本ごらんいただきますと、台湾と中国の方がほとんどの県でも上位を占めていることがわかりますが、二十一ページ、西日本になりますと、ここに韓国の方がやはり地理的な近さもありまして入ってくるところではございます。特に九州は韓国がトップのところが多いんですが、鹿児島だけは香港、台湾の人のほうが多いとなってございます。これは実際に飛行機の便で韓国も便があることはありますが、香港、台湾の便が、福岡は別にして、ほかの県に比べて多いということもございますので、こういった数字になっているのではないかと考えてございます。  あと西日本の中で特異なのは広島県ですが、広島県ごらんいただきますように、欧米の方のほうが多いということで、これはやはり広島だけは特別な感じがいたします。やはり原爆ドームに代表されるああいった原爆の関係、それから厳島神社、こういったところが欧米にはすごく知名度が高いということもありまして、逆に欧米に知名度が高い観光資源があれば、このように欧米の方が広島であっても来られると、広島というところは特に広島空港に欧米からの直行便があるわけではないのですけれども、皆さん何とかしてここにたどり着いているということだろうと思います。  以上でデータの御説明を終わらせていただきまして、次のページからは観光政策の状況につきまして御説明させていただきます。  まず、二十三ページは東アジアのプロモーションについてでございます。  東アジアは、中国、韓国、台湾、香港につきましては、もう人数が非常に多く来られていることもありますし、圧倒的な知名度もありますし、また、リピーター率も高くなっていることもございますので、そういったリピーターをさらに何度も来させるような、とにかくさまざまなテーマをPRして、またこういうので来てくださいという感じで進めているところでございますし、また、SNSが例えば中国とか韓国ですと日本で普及していないSNSのほうがむしろ普及している、例えば中国ですと、微信とか、あるいは微博という日本のツイッターに相当するものですが、逆にフェイスブックとかインスタグラムとかツイッターはほとんど使えないのですけれども、そういったものを使うとか、あと韓国ではカカオトークという、どちらかというとフェイスブックに近いもの、むしろこちらのほうが圧倒的にシェアを占めているということもありますので、そういったものを使うということ。それから特にいわゆる東京、大阪を結ぶルートだけではなくて、もっと地方に対する誘客を進めていこうという考え方で今、東アジアについては展開させていただいております。  続きまして、二十四ページは東南アジアでございます。  東南アジアにつきましては、先ほど概況がございましたが、リピーターが多いところもあれば、まだまだというところもございまして、むしろこれからというところもございますので、そういったものを含めて、まずリピーター向けにつきましては、SNSあるいはブロガーを使うということをやっていくということ。それから特に潜在訪日層の開拓ということで、もっと気軽に日本に来ることができますと、意外に旅行代金高くないですということをPRしていこうということ、それから、どうしてもいろいろ対応がふだんの日本人の対応では難しいムスリム、イスラム教徒向けの対応をきちんとやっていこうということを中心にやっている状況でございます。  それから二十五ページでございます。  どうしてもアジアの話になりますと、ビザの話がどうしても避けて通れないところではございます。ビザの緩和につきましては段階的にあちこちでやっておりまして、左にも最近やった緩和が幾つか書かれております。もちろんこれだけではなくて、ほかにも割と小さい緩和も含めて最近やっているものがございまして、例えばインドにつきましては、ことしに入ってからも学生向けのビザの一部緩和を進めましたし、また、中国につきましては、東北を訪れたときの三年マルチビザにつきまして、これは東日本大震災の被災地三県に限っていたものを東北全県に拡大したといったこともやっております。  右の棒グラフをごらんいただきますと、現状、私どもが重点市場として二十の市場を重点的にやっていますが、現在、日本に来る人数の九六%をこの二十市場で占めていますが、このうちビザなしで来ることができない国は残り五カ国で全体の三割になっております。この三割については、中国、フィリピン、ベトナム、インド、ロシアで、なかなか全面的に解禁するというのは難しい国々が多いですけれども、段階的に緩和していこうということでございます。ただし、ほかの十五カ国につきましては、もう既に何らかの形でビザが免除される状態になっておりますので、こういった方々については、もっと気軽に来ていただこうということでプロモーションもそれに近いものを打っていくということでございます。  それから二十六ページでございます。  こちらは昨年の三月に政府で決定いたしました「明日の日本を支える観光ビジョン」ということで、観光施策集でございますけれども、とにかくこれまで観光といいますと、どうしても観光庁が中心的に施策をやっていたところでございますが、昨年三月の観光ビジョンにおきましては、観光庁だけが観光をやるのではなくて、全ての省庁がとにかく何らかの形で観光をやるのだという話になりまして、ここにごく一部の施策が書かれておりますけれども、例えば公的施設を開放するとか、文化財も保護だけではなくて活用して観光資源にするとか、国立公園についても保護だけではなく観光にしようとか、そういった本当にどちらかというと今まで保護の観点だけでやっていたところについても観光の観点を入れていこうという話をしておりまして、現在、実際に具体的な政策について毎年、官邸でフォローアップがなされているというところでございます。  次に、二十七ページでございます。  二十七ページは、「明日の日本を支える観光ビジョン」の中で設定されました目標値で、これがよく言われる二〇二〇年に四千万人という目標が書かれている根拠になってございます。  具体的には旅行者数が二〇二〇年に四千万人ですが、さらに二〇三〇年、六千万人にするというものですとか、それから消費額につきまして、これは二〇一五年が三・五兆円だったんですが、それを二〇二〇年には倍以上の八兆円にするとか、二〇三〇年には十五兆円にするとかという非常に高い目標値が設定されている状況でございます。私どもといたしましては、こういった目標値をなるべく達成できるよう努力するということで、やれることは全てやるというのが今の国の考え方となってございます。  施策につきましては、ほかにも本当いろいろございますけれども、ここでは切りがないので割愛させていただきまして、最後に、取組事例ということで実際に行われております実例、それから実際に成功した実例を幾つか御紹介させていただきたいと思います。  まず、二十九ページでございます。  これは、北海道のニセコ町というところでございます。地名はもしかしたらお聞きになっている方もいらっしゃるかと思いますけれども、札幌よりもかなり西のほうですが、もともと冬に降る雪が非常に雪質がいいと、いわゆるパウダースノーの中でも非常に雪質がいいとされている地域でございまして、アクセスは非常によろしくないのですが、スキーヤーが割と訪れるというところでした。そこにオーストラリアの方々が、オーストラリアの方々は日本と夏冬逆転しておりますので、日本の冬のときは彼らは夏ですが、彼らがスキーをやりたいということでほとんど時差のない日本の中で、どうもここがよさそうだということで徐々に集まり始めて、今ではすっかりオーストラリアの人たちがまちをつくったりとかいう状況に近くなっているのですけれども、ただそれをオーストラリアの人たちだけに任せるのではなく、地元ニセコ町もこれを契機にさまざまなことを取り組んでいる実例でございます。  例えば、外国人職員を町の職員として雇って、その四人を中心に各国の旅行会社なりに直接アクセスして売り込みをかけているとか、それからマニュアルとかパンフレットとかつくるにしても、とにかく毎年、年四回ニュースレターを送りつけているとか、あとそういったマニュアルとかニュースレターについても少なくとも今、四カ国語に対応しているとか、それからその内容についても、特に韓国は団体向けと個人向けに分けるなど合計で八パターンつくって非常にきめ細やかな情報発信、それぞれの国に合った情報発信をしているとか、それから、町の中でも多言語化表記を推進したり、町の中の飲食店のメニューもほぼ多言語化が完了しているといったことをやっております。  その結果ということで、ニセコ町の外国人宿泊者数の推移のグラフをつけておりますけれども、非常にふえ続けている状況でございます。ニセコ町を訪れる外国人観光客はもちろんオーストラリア人も多いのですが、最近は中国それから台湾、香港といった国の人たちも非常にふえているということでございます。ただし、ほかの県とかに比べてもオーストラリア人の割合が三割近くになっており非常に高い伸びを示しているところでございます。  それから三十ページでございます。  これは、兵庫県の豊岡市というところでございます。これは、豊岡といっても、城崎温泉という割と有名な志賀直哉の小説にも出てくるような温泉がございまして、そこを中心にした取組でございます。  ここの取組は、この豊岡市の市内で使うことのできる無料のWi─Fiを設定して、その無料のWi─Fiを使うときに当然、国籍とか年齢とか登録させるので、したがってその後、Wi─Fiを使ってみんなどこで何をしたかというのが実はわかってしまうと、それを国籍とか世代とかを全てビッグデータという形で解析して、その結果、この国の人たちはこういうところに行くんだと、こういう年齢の人たちはこういうところに行くんだというのを各人で確認した上で、それを踏まえてさらに効果的なプロモーションを展開するという繰り返しを続けてきたところでございます。  もともと城崎温泉に加えまして、但馬牛とかほかにもいろいろな観光資源があったのですが、それらを全部並べて、実際にWi─Fiで分析した結果、それぞれの嗜好がわかってきたということで、それの情報発信もきめ細やかにやりましたということでございまして、その結果、五年間で外国人の宿泊者数が四十倍になったという非常に高い実例でございます。  それから三十一ページでございます。  これは徳島県の美馬市、三好市といった、これは市の名前でいくとわかりにくいかもしれませんが、祖谷渓と言われている地域でございまして、平家の落人伝説があるような結構山の中ですけれども、山岳集落というか山の中でございますので、非常に生活が不便な地域であったということですが、ただその結果、昔からの集落の古い建物がほとんどそのまま残っていたと、ただし地元の方々からすればこんな不便な家はもう出たいということでどんどん打ち捨てられていった状態でございました。それを見た人が、これを観光資源にしたらいいではないかということで、見た目はそのままでも中だけはしっかり今風の設備を入れるなどリノベーションいたしまして、そしてそれを古民家ステイという形で、あえてこういうところに泊まりませんかという形でプロモーションをかけたというところでございまして、本当にアクセスが悪いのですが、それがかえって功を奏して、四年間で外国人の宿泊者数が五倍にふえたところでございます。  最近は、古民家を改造していわゆる宿泊させるという話につきましては、むしろ政府でも後押ししているところがございまして、歴史的な町並みを生かした観光地づくりを先ほどの環境ビジョンのフォローアップでは二〇二〇年までに二百カ所やるのだという目標も立ち上がったりもしておりますが、その中でもここがやはりまず第一に取り上げられるところではございます。  資料の御説明としては以上でございます。どうもありがとうございました。 93 ◯松里委員長 ありがとうございました。  伊地知課長、自席へお戻りください。  それでは、質問に入ります。  伊地知課長におかれましては、当席が指名しましてから着席のままお答えください。  委員の皆様から質問をお願いします。 94 ◯向井(た)委員 少し資料の確認のために暫時休憩願いたいのですが。 95 ◯松里委員長 暫時休憩いたします。         午後一時五十六分休憩      ────────────────         午後一時五十九分再開 96 ◯松里委員長 再開いたします。 97 ◯向井(た)委員 質問しようと思っているところで比較をしていたら、資料の数字が違いがあったようですので、まずそれを訂正していただいて、その後、質問をいたしたいと思いますがよろしいでしょうか。 98 ◯伊地知参考人 資料を修正させていただきます。  五ページのところでございます。訪日韓国人の旅行者数の推移でございますが、二〇一七年の各月の数字が中国の数字と同じものが入ってございましたので修正をさせていただきます。  韓国の数字につきましては、下から一月、二月、三月で積み上げてございますが、一番下から申し上げます。一番下が六十二・五、その次が六十・〇、その次が四十八・八、その次が五十五・五、その次が五十五・九、その次が五十六・九、その次が六十四・四、そして最後一番上のところが六十二・一となってございます。なお、修正した資料につきましては、改めて、あす以降、東京に戻ったときに資料を修正いたしまして事務局にデータとしてお送りさせていただきますのでよろしくお願いいたします。 99 ◯向井(た)委員 これに気づいたのは、その前のページの中国の方の訪日数、ことしが四百八十八万人、次の五ページの韓国人の方が四百六十六万人、非常に数が近いでしたので、人口は中国と韓国と相当違うが、訪日客は同じぐらいというところで比較してみたら、中国の数字がそのまま今年度の八月のところまで入っていたので気づいたところでした。  今、訂正いただいた数字も含めて、最初に申し上げた人口母体が大きいのにということは、中国の方々は今後まだ伸び代がたくさんあると理解されるかもしれませんし、それについて中国の方々の今後の日本への旅行の伸び代をどう見ていらっしゃるかというのが一点。  それから、中国の方々がそもそもどこに海外旅行に一番行っているのか、日本は第何位ぐらいに入っているんだろうか、そのことを聞きたくて資料を見させていただいたところでした。お願いします。 100 ◯松里委員長 暫時休憩いたします。         午後二時三分休憩      ────────────────         午後二時三分再開 101 ◯松里委員長 再開いたします。 102 ◯伊地知参考人 お答えいたします。  まず、中国の伸び代ということでございますけれども、まさに委員おっしゃったとおり、中国の人口十二億を超えるような人口のうち、まだ逆に言うとこれだけというような言い方ができるような人数かと思います。もちろん中国におきましては、現在、全体のGDPにつきましては世界第二位になったという話になってございますが、ただ当然、その人口比でいきますと、まだまだ一人当たりの所得という意味では非常に低い数字になっているということで、都市部ではかなり富裕層も含めてお金を持っている人は出てきておりますけれども、まだまだ地方はこれからというところでございますので、逆に各地方が経済力が高まれば、その分、訪日客もふえていくのではないかということで、まだこれからの市場だと思っております。  ただし、どうしても中国の方、そういった形で今どこに一番行っているかといいますと、実は中国の制度がそういう制度だからというのがあるのですが、海外旅行という表現の中で出境旅行という表現をしておりまして、これは実は香港とか台湾もですが、一応一つの中国と言っておきながら、いまだに香港、マカオ、それから台湾は当然ですけれども、簡単に往来ができないようになっておりまして、したがって、香港、マカオに行くのも実は日本に行くのと同じ海外旅行扱いをしております。その結果、約一億人が海外旅行に行っていると、出境旅行に行っていると言うのですが、実はそのうち七千万人が香港、マカオだと言われております。この香港、マカオにつきましては、旅行といっても香港とマカオの対岸にあるまちの人たちはいわゆる出入境証というのを持っていますので、普通に買い物に行ったり出勤したりしている人が多くて、そういう人たちが毎日毎日出入りしていれば七千万人ぐらいになるだろうという数字になっておりますので、若干数字としてはいかがなものかというものがあります。  したがいまして、残りの三千万人ぐらいが言ってみれば真の海外旅行というところでございます。そう考えますと、そのうちの六百万人が日本に来ているというのは非常に多いところでありまして、実は中国の政府は、海外旅行は中国人が国内にお金を落とさないので余り興味がないということでまともな統計がないのですが、よく言われておりますのは、日本とタイが大体一位、二位の旅行先だという話になっております。本当はそこに韓国というのがあったのですが、最近、中国と韓国の関係が日中関係、日韓関係以上に悪い状況になっておりますので、今、韓国行っている人が大幅に減っております。したがいまして、ことしの十月一日から始まっております中国のゴールデンウイーク、国慶節でも一位の外国旅行の行き先は日本であると中国国内でも報道されている状況でございます。 103 ◯向井(た)委員 同じく、人口との関係でいくと、十四ページのインドのグラフでも十二万何千人という状況ですが、私ども鹿児島県の特別委員会でも東南アジア諸国の情勢の調査に行こうかということもしていますが、その話の中でインドの話も出まして、インドについては、我々が行く場合ですけれども、今、非常に治安の問題とかでこちらから出かけるのも今の段階では判断しかねるという意見も出たところです。ここも人口に比べると訪日客というのはそう多くはないということですが、今後の経済発展も著しいという分析もありましたけれども、距離が少し遠くなっている関係で来にくいというところもあるでしょうし、またインドから見ると、距離的にいうと西側にもいろいろ魅力的なところもあるでしょうから、そういうところも反映されているかと思うのですけど、インドから日本への志向とか伸び代はどのようなものでしょう。 104 ◯伊地知参考人 お答えいたします。  実は私、前月、安倍総理のインド訪問に随行した形でインドに実際に行ってまいりまして、この目でいろいろ見たり聞いたりしてまいりました。その結果わかったことは、一つは、インドはまだどうしても旅行先としての日本の知名度が全然ないに等しいという状況にあったということでございまして、実際にインドは今、経済成長著しいということもありまして、近隣の東南アジア、タイですとかシンガポールですとか、あるいは伝統的にいわゆる旧宗主国と言われるイギリスを含めたヨーロッパ、そちらには観光客がかなり出始めているという話は聞いております。  一方で、日本につきましては、インドの人は何の争いもないので非常に親日的ではあるのですけれども、そもそもやはり遠いと、片道九時間半飛行機でかかることもありまして、言ってみれば、むしろインドからヨーロッパに行くほうがそれよりも少し短いぐらいですので、そういった意味では、そこまで行って何があるのかという、その何があるのかということについても余り伝わっていない状況でございました。  加えまして、インドと日本との間の飛行機の直行便がほとんどない。今、日本の航空会社、インドの航空会社合わせても一日四便しかないという程度でございまして、どうしてもどこかで乗り継がなくてはいけないと、そうなると例えば東南アジア乗り継ぎとなりますと、だったら東南アジアに行ったほうがいいではないかという話になると、加えて、インドの旅行客について、先ほど少し富裕層の豪華な旅行という話もしましたが、インド人の旅行客は、結構いろいろ気難しいところがございまして、例えば大人数で来るのはいいのですけれども、料理人まで連れてきて、ホテルの料理場を使わせろとかを言ってきたりするとか、いろいろほかにも細かい問題がございまして、むしろ東南アジアのホテルとかは、そういうのを受け入れになれていると、したがって、彼らとしても安心して東南アジアであれば行けるという話も聞いております。  したがいまして、日本でもインド人の受け入れについては、これから少し勉強していく必要があるかと思っておりますが、いずれにしても非常に親日的で、しかも経済成長著しいということで、もう伸び代しかない市場ではないかと思っております。私どもといたしましても、外郭団体、日本政府観光局、私も北京所長をしておりましたが、そこのデリー事務所というのをことし三月ようやく開設いたしまして、これから日本の旅行先としての知名度を上げていこうという体制に入っております。(「ありがとうございます」という者あり) 105 ◯松里委員長 ほかにありませんか。 106 ◯池畑委員 きょうはありがとうございます。  ビザの戦略的緩和、この関係でございますけど、実は、昨年の夏ぐらいだったと思うのですけれども、熊本地震の影響等の関係もございまして、非常に九州への観光客の入り込みが減少いたしまして、そういったものも受けまして、九州各県議会議長会というのがございまして、その議長会において、いわゆる数次ビザの発給要件の緩和をお願いする要望を国の関係機関に出させていただいたわけであります。それとあわせまして、九州の経済団体からも同様の要望を関係機関に提出されておられるわけでありますけれども、私も直接お伺いしましたけど、非常にそのときは関係省庁の幹部の方が前向きに検討をいたしましょうということを言っていただいたのですが、その後の動向は現状はどうなっているでしょうかと思いまして。 107 ◯伊地知参考人 お答えいたします。  私も昨年の六月からことしの七月まで九州運輸局の観光部長を務めさせていただいておりまして、今、委員からお話のあった内容をぜひ実現せよというのをむしろ東京に言っていた立場でもございました。ですので、この話については、私も非常に興味を持って東京に異動になったときにどうなっているのかいろいろ確認してみたのですけれども、実情を申し上げますと、やはりどうしても九州は確かに地震、それからことしの豪雨も含めて非常に自然災害による影響が大きかったということではございますけれども、ただ東京での感覚は、それでも東日本大震災でやられた東北よりはまだたくさん客が来ているという感覚のほうが強くて、実際に数字で申し上げましても、東北の入り込み客数は、三年マルチビザを大幅に緩和しているにもかかわらず依然として伸びていない状況がございます。したがいまして、政治的な判断として、東北のほうがもう少し伸びないと次はなかなかできないのではないかという雰囲気が非常に東京では強くなっている状況でございます。  ただ、私といたしましても、九州にお世話になった人間ではございますので、この話につきましては、折に触れて検討したりとか、あるいは実際に幹部に御説明したりとかいうことは繰り返しておりますので、最終的には政治的な判断で行われるものと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、残念ながら今すぐというわけにはなかなかいかないかもしれませんけれども、次やるとしたらここだという話は私も強く申し上げていこうと思っております。 108 ◯池畑委員 ぜひその実現に向けて今後とも御支援、御協力いただきますようお願いを申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。 109 ◯松里委員長 ほかにありませんか。
    110 ◯西高委員 本日は、本当にどうもありがとうございます。  食べ物の話です。非常に今、輸出においては、鹿児島県でも今、輸出がかなり進んできているんですが、マレーシア、インドネシア、イスラム教圏においてはハラール認証とかいろいろ言うんです。実は前、マレーシアの大統領のナンバーツーの方にうちの志布志に来ていただいて協定を結んだことがありました。そしたら、その方は華僑系ではないものですから、イスラムなんです。全ての食べ物を持ってこられていて、それ以外何も食べないんです。ところが、記者の方々も間違いなく華僑系ではなくてイスラムの方だったのですが、物珍しそうに食べていただいたんです。だから非常に富裕層以外の方、要するに華僑系の方、インドネシアもそうですが、大概、キリスト教をされていて何でも食べられるのですが、これから華僑系の富裕層だけではなくて、例えばマレーシアや、特にそういうイスラム教圏の方々が日本に来られるときに、政府との道を開くときに、その辺の食べ物の問題というのは、今のところ日本国内では特に大きな問題はないですか。 111 ◯伊地知参考人 お答えいたします。  まさに委員おっしゃったようなハラール認証というものをイスラム教の旅行者の方に対しては勧めるべきだという話はもちろんございます。ただ、このイスラム教の方々の中でも、こういうことを政府の人間が言っていいのかわかりませんが、信心の度合いが違うところがございまして、例えば、中東のサウジアラビアとかになりますと非常に厳格なイスラム教徒の方が多いので、そういった方々に対してはハラール認証を徹底したものでないと恐らく無理だろうと思っておりますが、一方で、委員おっしゃったようなマレーシアですとかインドネシアですとか、そういった地域の方々は、日本に来たら酒が飲めるぞとイスラム教徒も言うぐらいで、結構、逆に言うと、後は彼らの判断に任せるべきところが多くて、これには豚肉が使われていますとか、これは酒が入っていますとか、そういった説明、あるいは表示をすることによって、後は彼らの判断に任せるというやり方でもいいのではないかと私ども考えております。もちろん、表面上といたしましては、当然、ハラール認証があるところのほうが、それぞれのマレーシアとかインドネシアの国の旅行会社としても、表面的にはそういうところをお勧めせざるを得ないというのはあると思いますけれども、後は逆に言うと、こちらからは情報を公開した上で旅行者の判断に任せると、それによって旅行客が自分たちの楽しみたいように楽しむことができればそれでいいのではないかと考えております。(「ありがとうございました」という者あり) 112 ◯松里委員長 ほかにありませんか。 113 ◯園田委員 きょうはありがとうございます。  一点お伺いしたいと思いますけれども、今、旅行スタイルの中で訪日外国人旅行者の中でよく言われているのが、近年、体験型観光ということで、ここの中にもニセコ、そしてまた豊岡とか徳島県の美馬市、こういうところが載っているわけですけれども、どのような体験型の旅行が外国人に受け入れられ、また、地域に、本県の場合ですと、世界遺産が今後三つある中で、今後、国として、体験型にどのようなお考えをお持ちであるのかお伺いしたいと思います。 114 ◯伊地知参考人 お答えいたします。  確かに報道などでもモノ消費からコト消費へというキーワードがキーワードらしく報道されたりもしているのですけれども、もちろんさまざまな観光資源がある中で、いまだにショッピングであるとか、それから温泉であるとか桜であるとか、こういったものにつきましては依然としてポピュラーな観光資源であることは間違いないというのが事実でございます。  ただし一方で、リピーターの方、それから特に欧米の方を中心に、それだけではないという人たちもふえているのが事実でございまして、ただそういう場合のコト消費というのは、私どもよくアクティビティーという表現を使っておりますけれども、例えば先ほど委員がおっしゃられたスキーもそうですし、そういったスポーツの類いも一つあります。  例えば中国の方でも最近、日本で市民参加型のマラソン大会に出たいということで、実際にツアーを組んでマラソン大会に出られる方々が非常にふえてきているというのがございますし、また一方では、これはしまなみ海道という広島と愛媛を結ぶルートですけれども、そこがサイクリングの聖地になっておりまして、欧米人を中心にサイクリングされる方がそこを走っているとか、そういったものはございますし、また、もっと小さい話になりますと、それこそ着物の着つけ体験ですとか、それから物をつくる伝統工芸の実際につくる体験とか、そういったものについてもあちこち非常に今、好評を博していると、鹿児島におかれましても、例えば薩摩切子の、これはそう簡単に体験させることはできないかもしれませんけれども、そういったものを実際につくっていただく体験ですとか、ほかにもいろいろな体験ができると思います。地域によりましては、例えば漁業を営んでいる方のところに行って、投網を一緒に体験して実際にとった魚を朝みんなで食べようとか、そういうことをやっている地域もございますし、要は、我々が何気にふだんやっていることでも、外国の方からすると非常に珍しいものに映る場合が非常に多いということでございまして、そういったことでも何でもいわゆるコト消費、あるいはアクティビティーになっていくのではないかと思っております。ですから、型にはまったこれではなくてはいかんとかいう話ではなくて、とにかく何でも、ただ見るだけ、ただ食べるだけではなくて、何かやっていただくというものが用意できるのであれば何でもとにかく出して、それをプロモーションしていくのが重要だと思っております。 115 ◯園田委員 今、言われたみたいに、これまでの買い物とか観光地をめぐっていくというのとはまた違って、先ほどお話がありました、欧米、そしてまたオーストラリアというところの方々はやはり体験というか、ニセコではありませんけれども、そういう商品というのか、そういう取組というのも今後必要かと思っているのですけれども、そこで、平成三十二年オリンピックイヤー、その前に各国の方々が日本をキャンプ地として前年度に練習されたり、前、ワールドカップで大分県の中津やいろいろなところが世界的にも脚光を浴びてという話もあって、スポーツ観光というのも今後脚光を浴びるし、またそれと本県の場合ですと、医療と観光を組み合わせたような治療に来られる方々もいらっしゃると思います。そうした中で、この資料の中にもありますが、今、ばたばたと観光地をめぐっていくのではなくて、ある程度時間に余裕を持った滞在型の観光、体験型もそうでありましたけれども、日本人もそういう傾向が出てきていると思いますけれども、この滞在型観光というのにはどういうような御見解というか、お話というのは何かないですか。 116 ◯伊地知参考人 お答えいたします。  滞在型観光といってもアジアの方のようなどちらかというと短期の方と、欧米豪のような長期滞在の方とでは割と傾向が異なってくるところがございます。特に、まず、アジアの方々は、長いといっても一週間もいる人はそんなにいませんので、そうなりますと、割とあちこち回るような、順繰りにルートを追っていくような観光になります。そういった方々はとにかく点々点々と移動しながらという形になりますが、ただ最近はアジアの方もレンタカーを使って日本国内をめぐる方がふえてまいりまして、そういった方々が空港で飛行機をおりたら早速レンタカーを借りて、それで九州なら九州の各地を回っていくというようなことが最近ふえております。  特に韓国の方、香港の方、それからシンガポールの方もそうですかね、九州でもレンタカーを使って旅行される方が非常にふえております。特にNEXCOさんで外国人観光客向けにかなり安い、二日で三千五百円とかそういう高速チケットを出していたりしますので、それが結構評判になっているところもございます。こういった方々は、むしろ代表的な観光地をめぐるケースが多いのですけれども、一方で、車を使うということもありますので、今まで外国人観光客が来たことのないようなところに突然あらわれることは結構最近ふえてきております。ただ残念なことに、そういった方々がそこで何かお土産を買おうとしても、日本円の現金しか使えませんという話になると、これは残念ながら彼らもそんなに日本円の現金を持ち歩いていないので、要するに機会損失になっている可能性が非常に高いということでございます。こういうところにつきましては、可能な限りクレジットカードとかそういった支払い手段をぜひ導入していただきたいというのが一つ。  もう一つは、欧米豪の方の滞在型は少々雰囲気違いまして、大体そういった方々、どこか一カ所に宿を構えて、そこからこの日はあっち行こう、この日はそこ行こうという繰り返しをやるという方が非常に多いと言われております。ですので、どこか例えば鹿児島に来られた方がいたとした場合、鹿児島市内に宿をとって、夜は結局鹿児島に帰ってくるのですけれども、この日は指宿に日帰りしてこようとか、この日は桜島に渡ってみようとか、この日は足延ばして甑島行ってみようとか、そういったやり方をされる方が非常に多いと。となりますと、こういう欧米の方々に対しては、むしろ鹿児島に来てから、あしたどうするか考える、あさってどうするか考えるということが多いので、逆にそういった方々に対しては、私はこういうことしたいんだ、私はこういうところに行きたいんだということに対して、それに対して応えることができるような体制を整えることが実は必要になってくる。  それはどういうことかというと、いわゆるコンシェルジュと言われるような人たちでして、特に大きなホテルになりますとコンシェルジュという方がいらして、お客さんからのありとあらゆる注文に応える人がいたりするわけですが、そういった人たちがいると欧米の人たちも非常に旅行をしやすいし、あちこち行くことができるようになると、このコンシェルジュ機能というものを高めるというのは非常に重要ですが、特にお金持ちの場合は結構要求もかなり乱暴だったり、かなり大がかりなものだったりするので、そういったことをそれぞれの国の母国語で話を聞きつつ、それをすぐに手配できるような体制を個人ではなかなか難しいと思いますので、企業形態を整えるということが恐らく欧米の方あるいは富裕層の方の対応という意味では重要かと考えております。いずれにしても、高級ホテルが必要だとかいう話ではなくて、むしろそういう注文に対応する体制というのが整えることができて、逆にその注文に応える人が、では、あしたは指宿に行ってみたらどうですかとか、あしたは知覧行ってみたらどうですかとか、そういったことをお勧めすることも逆にできるだろうと思っております。 117 ◯園田委員 最後にお伺いしたいと思いますが、やはり私どもも外国に行ったら、そしてまた向こうから来られる方々もそうだと思いますけれども、共通して言えるのは言葉の壁だと思います。先ほどコンシェルジュの話もありましたけれども、大きなホテルだとそういう場が設定されて割と気軽にできますが、日本の観光業の中でも公共事業であっても介護の現場であっても、今一番の大きな問題は人手の確保というのがあるわけでありまして、言葉の壁とか宗教的ないろいろな問題とかある中、今後、訪日外国人の推移等を見たら外国人雇用というのも必要ではないかと思いますけれども、今おわかりの範囲で結構ですけれども、日本の観光業の中における外国人雇用というのは、どのようにお考えであるのか最後お伺いいたします。 118 ◯伊地知参考人 お答えいたします。  外国人の雇用につきましては、観光業界のみならずあちこちで言われている話ですし、政府でも、例えば経済産業省などは外国人の雇用をもっと積極的に進めるべきだということを常々言っているわけですけれども、当然、外国人の雇用というのは、例えば中国人を雇うとなった場合、中国の人を対応するためには効果的かもしれませんけれども、一方で、韓国人対応ですとか、それからタイ人対応とか、そういったことが中国人が飛び抜けてできるかというと逆にそういうわけでもないと、したがって、それぞれの国の言葉の観点で何人だったらいいとかは難しいところでありまして、しかもそういった各国の人をずらり並べるということも大きな会社とかではないとできない話ですので、これはなかなか難しいだろうと思っております。  私ども観光庁といたしましても、観光人材の育成というのは非常に急務だと思っておりまして、現在、特にどういった人材が今不足しているのかを見ておりますと、全般的に不足しているのですけれども、特に現場対応の方々というのが非常に高齢化などの問題も抱えて不足しているということでございますので、ここに外国人という考え方もなくはないのですけれども、まずは例えば学生とか、要は、割と語学を勉強しているであろう人たちをむしろ活用することができないかとか、あと留学生の方にやっていただくことはできないかとか、そういったことを今、考えてございまして、直ちに外国人の直接雇用をふやすという話にはまだなっておりませんけれども、いずれにいたしましてもその話は近い将来、多分避けて通れない問題にはなるかもしれないとは思っております。(「ありがとうございました」という者あり) 119 ◯松里委員長 暫時休憩いたします。         午後二時二十九分休憩      ────────────────         午後二時 三十分再開 120 ◯松里委員長 再開いたします。  御質問等ありますか。    [「なし」という者あり] 121 ◯松里委員長 ほかにないようですので、これで質問を終了いたします。  ここで、当委員会を代表いたしまして、一言お礼を申し上げます。  伊地知課長におかれましては、本日は大変お忙しい中、まことにありがとうございました。  本日は、アジア諸国からのインバウンドの状況等について貴重な御意見をいただきました。いただいた御意見を今後の特別委員会での調査等に生かしていけるよう取り組んでまいりたいと存じます。  また、今後もいろいろな観点から御助言をいただきますようお願いいたしますとともに、伊地知課長のますますの御活躍を祈念いたしまして、お礼の挨拶といたします。  本日は、まことにありがとうございました。(拍手)  以上で、講演を終了します。  ここで、暫時休憩します。         午後二時三十一分休憩      ────────────────         午後二時三十二分再開 122 ◯松里委員長 再開します。  次に、今後の委員会の審査スケジュール等ですが、次回委員会については、次回定例会で開催することを基本といたします。  なお、執行部等への資料要求等については、当席に御一任願いたいと思いますが、いかがでしょうか。    [「異議なし」という者あり] 123 ◯松里委員長 御異議ありませんので、そのように進めてまいります。  ほかにありませんか。    [「なし」という者あり] 124 ◯松里委員長 ないようですので、本日の日程は全て終了いたしました。  これをもちまして、海外経済交流促進等特別委員会を閉会いたします。  どうも御苦労さまでした。         午後二時三十二分閉会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...