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  1. 鹿児島県議会 2017-07-03
    2017-07-03 平成29年企画観光建設委員会 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過        ……………………         午前十時開会        …………………… ◯大久保委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから企画観光建設委員会を開会いたします。  この際、御報告をいたします。  傍聴について二名の方から申し出があり、これを許可いたしました。  本日は、土木部及び工業用水道部関係の審査であります。  初めに、土木部長の総括説明を求めます。 2 ◯渡邊土木部長 おはようございます。  お手元に配付しております提出議案等の概要に基づきまして御説明を申し上げます。  一ページをお開きください。  平成二十九年第二回県議会定例会におきまして土木部関係の提出議案はございませんので、三月議会以降の土木部所管事業の主な経緯等につきまして御説明を申し上げます。  まず、道路関係でございます。  高規格幹線道路につきましては、東九州自動車道及び南九州西回り自動車道におきまして用地買収や工事等が進められております。このうち南九州西回り自動車道野田インターチェンジから高尾野北インターチェンジ間二・八キロメートルが本年三月十一日に供用開始されたところであり、これに続く高尾野北インターから出水インター間三・九キロメートルにつきましても本年度中に供用する予定とされております。  続きまして地域高規格道路につきましては、国において鹿児島東西幹線道路を、また県において大隅縦貫道など三路線八区間の整備を進めております。このうち、都城志布志道路有明北インターから有明東インター間四・三キロメートル及び北薩横断道路きららインターから中屋敷インター間六・九キロメートルを本年度中に供用する予定としております。高規格幹線道路地域高規格道路につきましては早期供用が図られますよう、今後とも国と一体となって重点的な整備に取り組んでまいります。  続きまして国県道につきましては、指宿有料道路III期区間の山田料金所においてETC設置工事を進めており、本年十二月に二レーンを暫定供用し、来年三月には上下合わせて四レーンを供用する予定としております。ETC利用に伴う料金設定につきましては、現在の回数券割引にかえてETC搭載車を対象とした割引制度を創設いたします。割引率は軽自動車と普通車を一〇%とし、本県の基幹産業である観光や農業を支えるバスやトラックなど大型車につきましてはさらに割引率を拡大し、一八%といたします。また、現在利用者が低迷しているII期区間につきましては料金の引き下げを検討してまいります。また、国道二百六十九号の伊座敷トンネルにおいては去る六月一日に貫通式を開催したところであり、バイパス部の早期供用に向け整備を進めております。  二ページ目をお開きください。  老朽化対策についてでございますが、橋梁やトンネル等の道路施設について計画的に補修を行っております。  次に、河川関係でございます。
     浸水対策として、新川、万之瀬川など九河川において河道掘削等の改修事業等を進めております。また、川内川の鶴田ダムの再開発事業につきましては、本年度の完成が予定されております。水防災意識社会再構築ビジョンの取り組みにつきましては、県管理河川における減災対策を推進するため、県内九地域に水防災意識社会再構築協議会を設置したところでございます。今年度中にホットラインの構築や水位周知河川の拡充など、今後五年間で取り組むべき方針を策定することとしております。  次に、土砂災害防止対策につきましては、砂防事業や急傾斜地崩壊対策事業等により土砂災害危険箇所等の整備を進めているところでございます。また、ソフト対策として進めております土砂災害警戒区域等の指定につきましては、平成二十九年六月末現在で、県全体で一万七千三百四十一カ所の土砂災害警戒区域と九千四百七十三カ所の土砂災害特別警戒区域を指定したところであります。引き続き関係市町村等の理解を得ながら、改正土砂災害防止法の趣旨を踏まえ、早期指定に努めてまいりたいと考えております。  あわせて三ページにございますが、広報普及・啓発活動といたしまして、五月十七日に「土砂災害防止の集い二〇一七」を開催し、土砂災害への備えについて周知を図ったところでございます。  続きまして重要港湾についてでございますが、鹿児島港新港区において貨物上屋等の整備を進めております。  鹿児島港の臨港道路(鴨池中央港区線)につきましては、できるだけ早期に整備されるよう、国や地元市と連携して取り組んでまいります。  マリンポートかごしまにおきましては、CIQ機能等を有するクルーズターミナルの設計が完了したところであり、名称を「かごしまクルーズターミナル」とし、本年度中に整備することとしております。  また、鹿児島港本港区エリアまちづくり検討事業につきましては、本年度同エリアのグランドデザインを描くための調査・検討を行うこととしており、専門のコンサルタントへの委託発注に向けて、五月三十一日付で複数の業者に企画提案書の提出を要請したところであり、今後提出業者の企画提案の審査を経て、七月下旬に委託契約締結を予定しております。  志布志港国際バルク戦略港湾の整備につきましては、できるだけ早期に整備されるよう、国や地元市と連携して取り組んでまいります。そのほかの重要港湾や地方港湾につきましても港湾機能の向上を図るため、防波堤の整備などを進めております。  四ページをお開きください。  離島空港につきましては、奄美空港の旅客ターミナルビルの拡張工事費用の支援を行うほか、電源施設の更新などを行っているところです。  次に、都市計画関係でございますが、都市公園の整備につきましては北薩広域公園の歴史ゾーンなどの整備を進めております。また、街路事業につきましては、霧島市の都市計画道路新町線の橋梁の整備などを進めております。  続きまして大規模建築物の耐震化につきましては四棟が改修工事中であり、今年度中にさらに八棟の工事着手を予定しております。また、耐震診断結果については早期に公表したいと考えております。  次に、県営住宅につきましては、鹿児島市の松陽台第二団地におきまして四期工事に着手しており、そのほかの県営住宅におきましても設計や工事などを進めております。  空き家対策につきましては、国・県・市町村及び関係団体で構成するかごしま空き家対策連携協議会と連携し、専門家を派遣するなど市町村の取り組みを支援しているところであります。  建設業の担い手確保につきましては、新規雇用を行う企業に対する助成などを実施することとしており、五月に助成対象企業を募集し、六十三社から百七十一名分の応募があったところです。  次に、五ページから六ページにかけまして平成二十七年の災害から二十九年の災害復旧状況について六月末現在の状況を取りまとめております。  平成二十七年災につきましては、全ての箇所において復旧工事が完成したところであります。  平成二十八年災につきましても約八六%の工事を発注したところであり、残る箇所についても早期発注に努め、一日も早い復旧完了に向けて取り組んでまいります。  平成二十九年災につきましては、鹿児島地域振興局管内、また大島支庁管内等において四十四カ所の被害報告があり、早期復旧に向け、六月から順次災害査定を受検しているところでございます。今後とも防災対策に万全を期するなど、災害に強い県土づくりを進めてまいります。  以上で、土木部関係の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。 3 ◯大久保委員長 次に、工業用水道部長の総括説明を求めます。 4 ◯井多原工業用水道部長 引き続き、工業用水道部所管事業の主な経過等につきまして御説明を申し上げます。  七ページをごらんください。  万之瀬川施設への移行に伴います浄水場等の整備でございますが、平成二十八年度に引き続き鹿児島市平川地区における浄水・配水施設や管理棟の整備及び配水管工事を進めてまいります。  また、鹿児島市との共同施設の設備更新につきましては、電気・機械設備の更新のための県負担金を鹿児島市に対して拠出いたします。  以上で、工業用水道部関係の説明を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。 5 ◯大久保委員長 土木部長及び工業用水道部長の総括説明に対する質疑については、県政一般でお願いいたします。  ここで、陳情審査のため、農地調整監においでいただきますので、暫時休憩いたします。         午前十時十分休憩      ────────────────         午前十時十分再開 6 ◯大久保委員長 再開いたします。  次は、陳情の審査でございます。  初めに、新規付託分の陳情の審査を行います。  資料は、請願・陳情文書表となっております。  最初に、ページが飛びますが、七ページの陳情第三〇三三号を議題といたします。  砂防課長の説明を求めます。 7 ◯田村参事兼砂防課長 陳情第三〇三三号の大金久防災会館に係る陳情でございます。  請願・陳情文書表の七ページ、図表は六ページでございます。  提出者は、川畑雅彦氏でございます。  陳情の趣旨でございますが、砂防法に抵触したまま施行された大和村大金久防災会館に係る国庫金事業について、当該瑕疵に係る顛末及び責任を時系列に調査分析して公表してほしい、公表に際しては、かかわった人物の所属とタイムスタンプを主分析要素として理路整然化に留意してほしいとの要望を陳情するというものでございます。  状況説明でございますが、大金久防災会館については、平成二十九年一月三十一日、大金久防災会館が砂防指定地内に設置されているとの住民からの情報を得て、県は現地調査や大和村への事情聴取等を行ったところ、同年三月十三日に当該施設の一部が砂防法上必要な知事への協議を行わずに砂防指定地内に建設されていることを確認しました。このため、県は同日に大和村に対し厳重注意を行い、同年四月六日に処理てんまつ書の提出を指示し、六月十六日に受理しました。処理顛末書の提出を受けて、大和村に対して再度厳重注意を行うとともに、再発防止について指導を行ったところです。  当該事案の発生を受け、再発防止に向けて各種会議において県や市町村の担当職員に砂防指定地内の制限行為に係る知事への協議の徹底について周知を図ったところです。  以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。 8 ◯大久保委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。 9 ◯き久委員 何点か確認をさせてください。  この陳情書の背景の理由については第八点まで述べているとおりでありますでしょうけど、瑕疵について、そして顛末及び責任を時系列的に調査分析して公表してくださいということなんですが、一般論でいいますと、公共的な仕事をしていく上で地元の役場、その地域、関係する農業委員会、県、国といった中で、陳情の主たる目的の重さ、軽さといったら大変失礼な表現になるかもしれませんが、公表することによってどういう云々が出てくるのかなとも思ったりするんですけど、担当課としてここら、公表する意味合いといったら語弊もあるかもしれませんけど、価値というか、また、今後の事業も含めて公表する必要があると思いますかということを行政側の視点でコメントをお願いしたいと思います。 10 ◯田村参事兼砂防課長 県行政に対して陳情されていると受けとめるわけなんですが、そうやって考えたときに何を求められているのかということにつきまして考えますのは、やはり再発防止であろうと。砂防指定地の管理をしっかりしなさいという意味合いで、このてんまつについて調査をし、再発防止に向けてしっかりやれというような趣旨であるというふうに受けとめております。 11 ◯き久委員 行政の皆様方のお立場、田村砂防課長の立ち位置という中で公表するかどうかということについて私の質問に対しまして再発防止という部分が主たる部分でしょうというふうに、また、私も答弁を聞いてそういうふうに感じたところでありますが、再発防止等に関しましては地元行政側も勉強不足というんでしょうか、その点が少し怠っていると思いますが、砂防指定区域にしっかり調べずに建てたということに対しては当然問題があるというふうに思います。この瑕疵については、説明の中にもありますように厳重注意をし、処理顛末書も出していただいて、なおかつ、県内七つの地域振興局等の地域における役所関係にも今後このようなことがないようにというふうに注意等ももらっているというようなことでありますが、これは当然の成り行きだというふうに考えております。  そこで、注意喚起をされたという部分で、当然大島支庁のみならず、他の六地域振興局も同じような注意喚起を払ったという認識でよろしいんですか。 12 ◯田村参事兼砂防課長 各地域振興局等単位で県とその管轄の市町村の職員を集めた会議がございまして、そこの中で説明をしております。 13 ◯持冨委員 二点ほど聞きたいと思います。  住民の情報を得てわかったということですけれども、手続として、例えばそういう県に協議を行わないままに独断でそういうふうに建ててしまったときのペナルティみたいなものは、罰則というか、そういったものはないのかというのが一つ。  もう一つは、砂防地域がどういうところかということの説明と、砂防地域にそういう建物ができていると、当然地域の人たちは避難するんでしょうけれども、そのときに危険はないのかという意味でも砂防地域の意味を説明をしてください。 14 ◯田村参事兼砂防課長 一点目の罰則規定についてでございますが、知事への協議をしなかったということに対する罰則規定は法令上はございません。  それから二点目ですが、砂防指定地域がどういうところかということについてですが、陳情説明の図表の六ページから八ページまでに入っているんですが、図表のまず六ページをごらんいただきまして、六ページの下に赤く塗っておりますが、この帯状に川に沿った形で砂防指定地がかかっておりまして、ここに大金久防災会館と楕円形で書いたあたりに建っており、一部がかかっているという状況でございます。この砂防指定地というのはなぜかかっているかといいますと、この場合は川の近くだからです。この川の機能としては安全に水を流すとか、土砂を含んだ水を流すという機能があります。この周辺で、例えば工作物をつくるとかあるいは切り土、盛り土をするとかといった行為の中身によって、この水の流れに阻害を与えるようなことが行われては治水上、砂防上、支障があるという判断になりますので、そういうことがわからないうちになされないようにということで一般の方が行う場合には許可制ですし、市町村あるいは国が行う場合は事前協議というふうになっております。  一枚めくっていただきまして八ページの上段のこの場所が土砂災害に対して危ないのかどうかという観点でございますが、上に土砂災害警戒区域の図があります。この地域は土砂災害警戒区域の調査と指定が終わっておりまして、大金久防災会館にかかるところでいきますと、この横を流れている川の上流は確かに土砂災害警戒区域特別警戒区域になっておりますが、大金久防災会館の場所は大分平らなところにあるということもありまして土砂災害警戒区域に入っておりませんので、土砂災害の危険性があるというところにはなっておりません。繰り返しになりますが、あくまでも砂防指定地はそこで行為が行われて、この場合は流れに影響を与える治水上、砂防上の支障があるかないかという観点で指定されておりますので、土砂災害を受けるおそれがあるということで砂防指定が指定されているわけではございません。 15 ◯持冨委員 わかりました。まず一つは手続的なことで再発防止ということはきちんとしないといけないということと、もう一つは、中身についてきちんとした説明をしないといけないということ。言葉だけ聞いていると、何か砂防指定地域に建物があって危ないんじゃないかという受けとめ方をされかねませんので、しっかりと説明をしていただきたいと思います。 16 ◯大久保委員長 ほかに質疑はありませんか。    [「なし」という者あり] 17 ◯大久保委員長 ほかに質疑がありませんので、取り扱い意見をお願いいたします。 18 ◯鶴田委員 陳情第三〇三三号に関しましては、役場、農業委員会等いろいろな組織が書いてありますけれども、このことは各組織で対応すべきものと考えておりまして、不採択でお願いいたします。 19 ◯大久保委員長 ほかに取り扱い意見はないでしょうか。    [「なし」という者あり] 20 ◯大久保委員長 ないようでありますので、それでは、採決いたします。  陳情第三〇三三号につきましては不採択との御意見ですが、不採択とすべきものとすることに御異議ありませんでしょうか。    [「異議なし」という者あり] 21 ◯大久保委員長 御異議ありませんので、陳情第三〇三三号については不採択とすべきものと決定いたしました。  農地調整監は、どうぞ御退室ください。  次に、ページ戻りまして三ページの陳情第三〇三一号を議題といたします。  河川課長の説明を求めます。 22 ◯川原河川課長 陳情第三〇三一号の嘉徳海岸侵食対策事業の見直しを求める陳情でございます。  請願・陳情文書表の三ページ、図表は一ページでございます。  提出者は、奥田みゆき氏でございます。  陳情の要旨でございますが、嘉徳集落では台風により嘉徳海岸が浸食したとして全長五百三十メートルの護岸を設置する計画であるが、環境影響調査が十分にされたとはいえず、後生の海岸に重大な影響を与えるおそれがある。現在進行中の浸食対策事業を精査し、海岸自然環境に負荷を与えない計画となるよう、抜本的に事業の見直しを求めるものでございます。  陳情理由につきましては、一つ目として、嘉徳海岸は珊瑚礁に囲まれていない黒砂の砂浜海岸であり、奄美群島内でも非常に珍しく景観を保全する価値があり、また、海岸砂丘では縄文遺跡が発掘され、考古学や民俗学的な立場からも山から海へのつながりを原資のまま保全する意義がある。  二つ目として、山と里と海のつながりは世界自然遺産に登録・推進する上での包括的管理に影響し、嘉徳海岸に注ぐ嘉徳川には絶滅危惧種であるリュウキュウアユが遡上しており、リュウキュウアユの自然個体は世界中で奄美大島だけに生息する。  三つ目として、平成二十九年二月現在では嘉徳海岸の砂が戻りつつあることや自然海岸に構造物を構築する副作用は全国の事例で見ることができることから、多角的な視点から専門家などに意見を求め、慎重に事業計画を再考するべきであるとのことでございます。  状況説明でございますが、嘉徳海岸は平成二十六年十月の台風十八号及び十九号の波浪により砂浜が約二十メートル侵食され浜崖が人家や墓地に迫ったことから、平成二十八年度から海岸侵食対策事業に着手し、測量設計や環境調査を進めているところでございます。  また、事業箇所の一部が嘉徳集落遺跡埋蔵文化財包蔵地に含まれるため、文化財保護法の規定に基づき、瀬戸内町教育委員会との協議を進めているところであります。  現在砂は一部戻ってきておりますが、依然、約三・五メートルの浜崖があり、今後の台風の波浪により再度侵食されるおそれがあることから、嘉徳集落の人命・財産を守るためには護岸等による侵食対策が必要であります。  本年三月に開催した地元説明会におきまして出席者から自然環境の保護や侵食対策の工法について要望があり、その後、瀬戸内町からも検討会設置の要望がなされました。このようなことから、今後、海岸、水生生物及び環境の専門家や地元住民等で構成される検討会を設置し、整備方針を策定した上で事業を進めることとしております。  なお、陳情に書かれております環境省ホームページの掲載内容でございますが、嘉徳の砂浜については環境省が定める生物多様性の観点から重要度の高い海域には接していないことを確認したところでございます。  よろしくお願いいたします。 23 ◯大久保委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。 24 ◯き久委員 時系列なことを教えていただければと思いますが、陳情者の見直しを求める陳情の趣旨に関してはわからないでもないわけではありますけれども、平成二十六年の十月に台風十八、そして十九号でこのような侵食がされたということで、二十八年度から海岸侵食対策事業に着手し、測量設計、環境調査を進めているということですけど、この時点では従来の護岸工法という視点で進んでいたんですか。  また、その途中で、事業箇所の一部が嘉徳集落の遺跡、埋蔵文化財の包蔵地に含まれているということがわかり、そして地元の声があって、見直して検討せざるを得ないのかというふうに思ったのか。最初から埋蔵文化財包蔵地というところに含まれているというのはわかった上で最初の工法を考えていたのかということをわかる範囲でお聞かせいただければと思います。 25 ◯川原河川課長 まず、護岸の工法で進んでいるのかという話なんですけど、平成二十六年十月に侵食を受けまして、十一月、十二月に瀬戸内町役場で地元説明会を開きまして、どういう工法がいいのか話してあります。その時点で埋蔵文化財につきましても、あるということは確認しております。 26 ◯き久委員 その時点で一応文化財包蔵地というのはわかっていて、護岸の工法というのは、この間でしたか、写真を見せていただきましたけど、従来の護岸工法を考えていらっしゃったんですか。 27 ◯川原河川課長 護岸工法につきましては、護岸位置などにつきまして町の教育委員会とか文化財の専門的なところに話をしてあります。問題はないということは答えを受けています。現在も、また申請書も出しておりますので、その時点では護岸工法が埋蔵文化財に影響を与えるという指摘は受けておりません。 28 ◯き久委員 川原課長、私が言っている従来の工法というのは、一般的にどこの集落の前でもつくっているものがあるじゃないですか。その工法を考えていらっしゃるということでよろしいですか。 29 ◯川原河川課長 平成二十六年に被災を受けて、二十八年に採択になりました。そのときは従来の護岸工法で考えておりました。 30 ◯き久委員 それで、その後、瀬戸内町からも検討会設置の要望がありましたということなんですが、護岸の工法というのは何種類かあるのかなと思うんですが、地元の検討委員会の中での意見とか、環境問題とかいったのを県として検討して従来の護岸工法から変わるということもあり得ますか。 31 ◯川原河川課長 護岸については、平成二十六年の被災を受けた後、最初に役場が住民に説明して、どういう工法がいいかということで護岸工法が決まりました。また、ことしの三月に説明会を開いたときに、その会自体にも町も県も出席していたんですけど、一部の方々から地元住民は全員その護岸工法でいいということだったんですけど、環境派の方が来られていろいろな意見が出て反対をされて、また五月に町から検討会の要望等がありまして、今度検討会を設けてさまざまな工法、例えば離岸堤もあるし、護岸については今は直立護岸ですけど、緩傾斜護岸とかもあり、今後専門家を入れて検討していきたいと思います。 32 ◯き久委員 平成二十九年度の予算と事業執行部分の結論は大体いつぐらいまでに出そうというふうにお考えですか。 33 ◯川原河川課長 検討会を立ち上げて、いろいろ意見が出て、その内容によるかと思いますけど、県としてはできるだけ早く工法を決めて、地域住民の地域の方たちの生命と財産を守るために一日でも早く工事をしたいと考えております。 34 ◯いわしげ委員 この工法に関して、当時は二十七名の住民の方々からも署名をいただいて了承されたということなんですが、実情は狭いコミュニティですので、反対されていても反対を表明できずにいらっしゃって、結果、その説明会でもサインはしたけれども、実は必要ないと思っているという方も発言されたと思うんですが、大きな場所ではなくて、県の方々もしくは町の方々がお一人お一人と必要性についてお話されたことはあられますか。 35 ◯川原河川課長 説明会については住民説明会という形で平成二十六年に二回、二十八年に一回行っているんですけど、一人一人という形じゃないんですが先週聞き取りに行かせ、区長とか五軒の方に、聞いていいですかということで断って聞きましたが、三軒は不在だったんですけど、聞いた中では皆様一日でも早く対策をしてくれというのは言われていました。 36 ◯いわしげ委員 ありがとうございます。そのときに区長ともお話をされたということでよろしいですか。 37 ◯川原河川課長 まず区長のところに行って護岸対策について話をして、区長に断って、ほかの住民の方の家を回っていいかという許可を取って回って、聞き取りを行っております。
    38 ◯いわしげ委員 私、三月の説明会のビデオも見せていただいたんですけれども、結局この工事を進めたいと思っていらっしゃる方々は普通に俯瞰的に見ていても区長とそこの工事にかかわっていらっしゃる方だけが推進されている形で、あとの方々は、住民の方じゃない方もおっしゃっていましたけれども、自然を守ることを重要視されているというか。ということで、実は、先日、瀬戸内町議会の方からもお電話をいただきまして、「ぜひ、これはとめてください。こんな人工物、ここには要りません」ということだったんです。地元に住んでいらっしゃる高齢者の方々も自分たちはもうどうでもいいと思っているんだけれども、サインをしろと言われているからしているというような状況になっているようなんです。嘉徳が奄美の中でも残り少ない砂浜だけのところということで、実際今、五メートルの浜崖が三・五メートルまで戻ってきているということで、私が先日の一般質問でも言いましたけれども、このいただいている資料の三ページの写真でもそうなんですが、嘉徳川が集落に沿って北に流れていっているのを二〇一二年から嘉徳川の入り口のところの砂をせきとめて真っすぐ浜に出るようにしているということで、それによって砂浜が薄くなってしまったことによって二〇一六年の台風のときに薄くなった砂浜に大きな波が来て浜崖ができてしまったということもおっしゃっている地元の方もいらっしゃいます。その地元の方がおっしゃるにはもう四十年ぐらい前からみんな川が集落を守っているということは認識していて、専門家の方々もおっしゃっているようなんですが、川を挟むことによって大きな波が来てもそこで一回波が抑えられるので、大きな波が集落に行かないようになっているということです。もし嘉徳川が真っすぐになるようなことがあれば、わざわざ集落に沿ったふうに流れるようにしていたものを最近は二〇一二年からブルドーザー、ショベルカーを入れて砂を埋めて嘉徳川を真っすぐにするようにしており、下の写真のようになっているんですけれども、これによって浜が薄くなっているということを調査、専門家に調べていただいたことはありますか。 39 ◯川原河川課長 川の北のほうに流れて、それについても今後検討会で検討してもらおうとは思っています。そして、四十年前からそういう話があったというのも先週確認に行きました。区長に聞いたら、区長が三十五年前に帰ってきて、ここに住んでいるけど、横にする話とかいうのは聞いていないということでした。だけど、この件につきましては、また今後検討会で検討していきたいと思います。 40 ◯いわしげ委員 ありがとうございます。瀬戸内町議会の方からも言われたんですけれども、ぜひ、ここをコンクリートとかいった人工物での護岸ではなく、例えば、アダンも今回流れてしまっているのでアダンを植えて、自然の護岸のような今までの形にできないものかとおっしゃっていて、去年嘉徳を愛する方々がお二人で七十本アダンを植えられたらしいんです。小一時間ぐらいで植えられたらしいんですが、それがこの間、私が見にいったときには少し大きく成長しておりまして、これを二人でこれだけ植えられるんだったら、例えば奄美の小学生たちと一緒にアダンを植えていけばもっとすごいことになるんじゃないかなと思いますので、ぜひ、普通に考えても二十年後に、今誰一人として子供が住んでいないこの集落に人が住んでいる可能性というのは正直少なくて、そこに五億三千万円もかけて五百三十メートルのコンクリートの護岸をつくる必要があるのかというのは本当に不思議というか、必要性を私は個人的に感じないんです。私の周りももちろん感じておりませんし、実際瀬戸内町の方々も必要ないと思っていらっしゃるのに何かのいろいろな関係性の中でつくらないといけなくなってしまっているということをここでよくよく考えないとすごい後悔することになるのではないかと思っています。多分県の皆様方も本当に忙しいお仕事の中で、最初は浜崖ができたことによって集落を守らないとということでいろいろ動かれたと思うんですけれども、今、自然の力で、砂ももう少しで戻りつつありますし、この写真を見ていただいても浜が結構幅が広くなってきておりますので、ぜひ、川が北上することによって砂浜が厚くなってくるということの専門的な調査と、あと、本当に五億三千万円もかけて五百三十メートルの人工物をここに、二十年後には誰も住まない可能性のあるここにつくる必要があるのかということをぜひ考えていただきたいと思います。  先日、別の議員の方にも言われたんですけど、薩摩半島側は海から見るとコンクリートだらけだと。大隅半島側は自然の護岸、一部港はありますけど、自然の護岸となっているから、鹿児島に海から入ってこられる方々は大隅の美しさにすごく心引かれるというそんな中、奄美でも数少なくなってきている自然の砂浜が残るここをわざわざ人工物を入れる必要があるのかと思いますし、また、人工物を入れることによって観光的資産としての価値は全くなくなるわけです。  ここは、この間一般質問でもお伝えしましたけど、世界自然遺産のバッファゾーンにもなっていますし、奄美群島国立公園が周りにあるわけなんですけれども、世界自然遺産や国立公園を見にこられる方々というのは、どこからどこまでが国立公園とかどこからどこまでが世界自然遺産の範囲内とかそういった認識は持たずに来られるわけではないですか。そういった中で、嘉徳に先日もアメリカ人の方々が来られて、すごい感動されていたらしいんですが、そういったところにコンクリートのものができて感動のかけらもなくなっていいものだろうか。それも今、二十二人の方がお住まいで、恐らく二十年後には人がいなくなるところに対して護岸をつくることと、このままこの自然を生かして観光資源としての価値も残しつつ、また空き家を活用して民泊などの形でこちらに人に来ていただいたほうがまだ地域経済の活性化にもつながるのではないかと思いますので、今後検討会をつくられるということですけれども、ぜひ、本当に後悔のないようにしていただきたいと思います。多分いろいろな関係性の中で、今の時点では護岸をつくらないといけないというふうに動いていらっしゃるんだと思うんですが、そういうことを実際地元で思っていらっしゃる方も本当に一握りで、どちらかというと、このまま残してほしいと思われている方々がお一人お一人お話されると確実に多いと思いますので、ぜひ、それを本当に確認されてから決定していただきたいと思います。  もし何か御意見ありましたら、お聞かせください。 41 ◯川原河川課長 工法につきましても、砂浜にアダンを植えるとかそういうのも含めて検討会の中で全部検討していきたいと思います。 42 ◯いわしげ委員 ありがとうございます。ぜひ、よろしくお願いします。 43 ◯大久保委員長 ほかに質疑はありませんか。    [「なし」という者あり] 44 ◯大久保委員長 ほかに質疑がありませんので、取り扱い意見をお願いいたします。 45 ◯鶴田委員 陳情第三〇三一号につきましては、地域住民を初め海岸、生物、環境等の専門家も入れての検討会を設置するという説明がありました。今後事業の進捗等を含めてその整備方針、検討会の結論を待って見守るべきだというふうに考えますので、継続審査でお願いをいたします。 46 ◯柳 委員 陳情第三〇三一号につきましては、嘉徳海岸侵食対策事業を見直しを求めるものであります。  住民の方からの要望を私もいろいろ聞いておりますが、今回瀬戸内町からも検討委員会設置の要望も出されておりますし、また、環境の専門家、地元住民の皆様で検討会を設置して整備方針をしっかりとつくって対応するということで、いずれにしてもそこに、今住んでいらっしゃる住民の皆様の生命・財産を守るのが県の役割でもありますので、この陳情を採択をしていただいて早期に見直しをして、一番いい工法で対応していただくように要望いたします。 47 ◯いわしげ委員 陳情第三〇三一号につきましては、未来の子供たちに何を残せるかということを前提にいろいろと町の方々とも御議論いただいた上で、嘉徳海岸、「奇跡の浜」ともいわれておりますので、ここを守るためにもこの陳情は採択すべきと考えます。 48 ◯大久保委員長 ほかに御意見ございませんでしょうか。    [「なし」という者あり] 49 ◯大久保委員長 それでは、採決いたします。  陳情第三〇三一号につきましては継続審査の意見と採択を求める意見がありますので、まず、継続審査についてお諮りいたします。  陳情第三〇三一号を継続審査とすることに賛成の委員の挙手を求めます。    [賛成者挙手] 50 ◯大久保委員長 挙手多数であります。  よって、陳情第三〇三一号は継続審査すべきものと決定いたしました。  次に、陳情第三〇三二号を議題といたします。  港湾空港課長の説明を求めます。 51 ◯中迫港湾空港課長 陳情第三〇三二号鹿児島臨港道路(鴨池中央港区線)のルート変更等の要請に関する陳情でございます。  請願・陳情文書表の五ページ、図表は五ページでございます。  提出者は、フェスティオ鴨池アルバラート管理組合理事長でございます。  陳情の要旨でございますが、鹿児島港臨港道路(鴨池中央港区線)の整備について平成二十九年度に着手し、六年で工事完了されるとの報道があった。県に問い合わせたところ、当マンションと道路の距離は百メートルぐらいで、高さなどは検討中とのことであった。  平成十九年のマンション購入時は臨港道路はマリンポートを通り、緑地公園外側に接続する計画と聞いていたが、平成二十七年に事業計画を変更し、現在のルート案になったと聞いた。  住民は錦江湾などを臨む景観や閑静な生活環境を気に入り、心の安らぎを得るために購入しており、それらも価値に反映されている。  臨港道路が建設されると、景観権の侵害・振動・騒音・大気汚染などさまざまな悪影響が想定される。県は臨港道路の利便性・渋滞解消などのよい点のみをクローズアップし、大幅なルート変更であるのに地元住民の意向は全く無視し、私たち住民の生活に影響があるにもかかわらず、あえてマンションに近づけるようなルート決定をしている。  以上の趣旨に基づき、百六十八名の署名を添付し、次の事項を陳情するものである。  一、鹿児島臨港道路を建設しないこと。  二、平成十九年当時のルートに戻すこと。  三、知事も同席の上で詳細なルート決定前に住民説明会を実施し、設計に住民の意見を反映させ、安心して生活できる環境を整備すること。  四、全世帯の生活環境が工事前と工事後においてどのような影響を及ぼすのか説明を行い、同意を得ること。少しでも影響がある場合は、損害賠償など含めての対応策を示すこと。  五、臨港道路建設後のマンション価値を事業前と事業後で示すこと。  六、事業前に全世帯の個別調査を実施し、工事が影響して損害が発生した場合は、永年において補償を行うこと。  というものでございます。  状況説明でございますが、鹿児島港を南北に結ぶ臨港道路については、これまで谷山臨海大橋や天保山シーサイドブリッジ、黎明みなと大橋などの整備を進めてきたところであります。残る未整備区間である臨港道路(鴨池中央港区線)については、平成二十六年に沿岸部に近接する海上ルートに橋梁形式で整備する案が最適であるとの検討結果を公表し、平成二十七年七月に所要の手続を経て港湾計画の変更手続を終えたところです。  当該臨港道路が整備されることにより、港湾物流の円滑化や臨海部の渋滞緩和のみならず、鹿児島市中心部と南薩地域とのアクセス改善による移動時間の短縮が図られ、農業や観光産業等の経済活動の活性化や急患搬送等の救急医療体制の充実に寄与するなどの大きな効果が期待されています。  当該臨港道路につきましては、今年度国の直轄事業として新規事業採択されたところであり、今年度は調査・設計などを行うこととしています。また、鴨池新町周辺の地元住民に対しては順次事業説明会を開催しており、今回の陳情提出者であるフェスティオ鴨池アルバラートについては去る六月十九日に住民説明会を開催し、ルート変更に至った経緯や事業概要、環境への影響などを説明し、住民の意見を伺ったところであります。  県としては、今後とも周辺住民に対し丁寧な説明を行いながら、着実な整備の促進に努めてまいりたいと考えております。  以上で説明を終わります。よろしくお願いいたします。 52 ◯大久保委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。 53 ◯柴立委員 この陳情の趣旨の中で平成十九年のマンション工事のときの臨港道路のルートとは違ってきているというふうに書いてあるんですが、マリンポートを通るということは、マリンポートの第二期工事が行われる前提で橋がかかるということではないかと思うんです。それがなくなるような方向で道路の計画はできているわけですけど、この地域の住民の方々にとっての直接的な影響というのは、平成十九年当時と今度の新しい計画とは、海上であって大きな影響はないというふうに思うんですけど、どういう趣旨で言われているのか、おわかりですか。 54 ◯黒川港湾対策監 関係図表の五ページをごらんください。それと、参考図で鹿児島港港湾計画図をお配りしておりますので、あわせてごらんいただきたいと思います。  鹿児島港、南北二十キロあります。このうち臨港道路に位置づけられているところは南は七ツ島のあたりから、北は本港区の小川町のあたりまで、約十七キロが臨港道路でございます。そのうち唯一未開通の区間につきましては、五ページの下に記載しておりますマリンポート入口交差点から鴨池フェリーターミナルあたりの約二・四キロでございます。ここの未開通区間につきましては、鹿児島港港湾計画図をごらんいただきたいと思います。  変更前、これは平成五年の港湾計画改定時の計画図でございます。  マリンポートかごしま二期の部分、ここに橋梁、黄色で点線で示してありますけれども、そこにつなぐルートでございました。マリンポートかごしまの二期につきましては現在事業ができる状態ではありませんということもありますので、平成二十六年の十二月、議会でルートの変更を発表いたしまして、平成二十七年七月、下の変更後のルートになったわけでございます。このルートにつきましては湾岸を通る海上ルートで、走行性、そして経済性、そして事業の緊急性に基づきまして、このルートになった次第でございます。 55 ◯柴立委員 ですから、この地域の住民の方々が言われている平成十九年当時のルートに戻すことという要望事項は、仮に、この平成十九年当時のルートに戻したとしても、二十六年の十二月の新しいルートが地域の方々に大きな影響はないというふうに感じるんですけど、どういうふうに思っておられますか。 56 ◯黒川港湾対策監 今回陳情のありましたマンションの位置につきましては、海岸の先端に立地するところと、今回の海上ルートの距離からしますと、約百から百二十メートルの間のところが橋梁になります。変更前の橋梁に比べると半分程度近づいた格好になりまして、これが景観、眺望に影響があるということで指摘を受けているというふうに理解しております。 57 ◯小園委員 資料が配られているんだけど、どこの場所かというのを、マンションの場所をきちんと特定くださらないと、皆様、ぴんと来ないかもしれません。 58 ◯黒川港湾対策監 今回陳情の出されているマンションの位置は、新川の河口のところでございます。 59 ◯柳 委員 マンションの住民の方々には六月十九日に説明会を開催したとありますが、それ以前はどういう状況だったのか。これが初めての説明会ではないですね。 60 ◯黒川港湾対策監 マンションの住民の方々への説明会は去る六月十九日に行いました。それ以前の説明会につきましては、昨年、平成二十八年七月、国の事業化調整事業費という予算で海上に地質調査のやぐらを建てて地質調査を行うための事前の説明会をここの地区の自治会の役員を対象に行ったところです。 61 ◯柳 委員 役員の皆様を対象に昨年の七月に行ったということですが、このときは役員の皆様から個々人の住民の皆様に連絡が行ったと思うんですけれども、そのときには今回のような御意見というのは出されていないのか、おわかりですか。 62 ◯黒川港湾対策監 昨年の説明会のときには計画の概要、ルート等について説明を行いました。詳しい設計の中身というものはその時点では明らかにされなかったわけですけれども、地元の方々からは特に事業の反対という意見は聞かれなかったところでございます。 63 ◯持冨委員 状況説明のところで下から五行目あたりですか、今まで「鴨池新町周辺の地元住民に対しては、順次、事業説明会を開催しており」ということでありますが、当該自治会だけでなくて何会場ぐらいされたのかというのが一点。  それから、六月十九日に説明会をされたということでありますけれども、そのときにどのような意見があったのかというのが二点。  三点目は、景観、振動、騒音、大気汚染を心配されておりますけれども、こういったことについて法律上はどういう縛りがあるのかということを聞かせてください。 64 ◯黒川港湾対策監 説明会につきましては、付近のマンションごとに説明会をしていく予定でございます。手始めが六月十九日、この当該マンションでございました。今後、七月十五日、今度は鴨池のシーサイドマンションというところで二回開催する予定です。順次、残り一、二、三、四カ所マンションごとに説明会を開催する予定としております。  次に、六月十九日、マンションでの説明会においてどのような意見が出されていたかということについてでございます。  一つ目は、景観、騒音などの問題があるので、計画を中止してほしいということです。二つ目が、住民の眺望の権利は無視するのですかというような意見でございます。三つ目が、誰が整備してほしいと言っているのか、計画ありきではないかという意見でございます。それと四つ目、計画変更において地元の意見をなぜ聞かなかったのかという意見。それと渋滞箇所を金属団地から鴨池に持ってくるだけの事業ではないかというような意見がございました。  それと、環境につきまして法律上の縛りでございます。  環境影響につきましては、港湾計画変更を行う際、事前に予測評価を行っております。将来の交通量をもとに、騒音、振動、景観、それと大気質、これらについて予測・調査しております。予測調査の結果、環境基準内におさまるということを確認しております。 65 ◯持冨委員 住民の方々から心配する意見が出たわけですけれども、そして、その後に景観、振動、大気汚染等についての法律上のお話があったわけですけれども、そのことについて地元の皆様方は御理解いただけたんでしょうか。どのような状況だったんでしょうか。 66 ◯黒川港湾対策監 六月十九日の説明会におきましては、こちらからは計画の概要や設計の概要、それと環境についての概要を説明したところでございまして、まだまだ住民との説明は足りていないのかなというふうに考えております。やはり、住民が不安とするところを丁寧にこれから説明して、事業に当たりまして理解を得ていかなければならないのかなというふうに思っております。 67 ◯持冨委員 しっかり、そこの説明を丁寧に行っていただきたいと思います。 68 ◯大久保委員長 ほかに質疑はありませんか。    [「なし」という者あり] 69 ◯大久保委員長 ほかに質疑はありませんので、取り扱い意見をお願いいたします。 70 ◯鶴田委員 陳情第三〇三二号について取り扱い意見を申し上げます。  臨港道路につきましては、平成五年に改定をされた鹿児島港港湾計画をベースに、社会情勢の変化に合うよう計画変更をしながら順次整備を進めているところであります。平成二十七年に行った鹿児島港臨港道路(鴨池中央港区線)に係る港湾計画の一部変更も港湾物流の円滑化、臨海部の渋滞緩和のみならず、鹿児島市中心部と南薩地域とのアクセス改善による経済活動の活性化、急患搬送等の救急医療体制の充実などの観点からルートなどを検討してきた結果であり、県勢の発展に大きく寄与するものと思われます。  つきましては、県は、本県道路の着実な整備を促進するに際して鴨池新町周辺の地元住民の方々に対して今後とも丁寧に説明を行っていかれることを意見を付した上で、陳情第三〇三二号につきましては不採択とすることでお願いをいたします。 71 ◯大久保委員長 ほかに取り扱いの御意見はありませんか。    [「なし」という者あり] 72 ◯大久保委員長 それでは、採決いたします。  陳情第三〇三二号につきましては不採択との御意見ですが、不採択とすべきものとすることに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 73 ◯大久保委員長 御異議ありませんので、陳情第三〇三二号については不採択とすべきものと決定いたしました。  次に、継続審査分の陳情の審査を行います。  資料は、請願・陳情文書表、継続審査事件となっております。  陳情第三〇三〇号を議題といたします。  港湾空港課長の説明を求めます。 74 ◯中迫港湾空港課長 陳情第三〇三〇号志布志港旅客船埠頭の整備拡充に関する陳情でございます。  請願・陳情文書表の九ページ、図表は九ページでございます。  提出者は、志布志市商工会会長外十団体でございます。  陳情の要旨でございますが、大隅半島を中心とする鹿児島県東部地域、宮崎県南部地域の活性化、発展のために、大型クルーズ船に対応した志布志港旅客船埠頭の整備拡充及び必要な施策の積極的な推進を求めるものでございます。  なお、平成二十九年閉会中委員会以降、情勢に変化はございません。よろしくお願いいたします。 75 ◯大久保委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。    [「なし」という者あり] 76 ◯大久保委員長 質疑がありませんので、取り扱い意見をお願いいたします。 77 ◯鶴田委員 陳情第三〇三〇号につきましては情勢の変化がないということでありますので、継続審査でお願いいたします。 78 ◯大久保委員長 ほかに取り扱いの御意見はありませんか。    [「なし」という者あり] 79 ◯大久保委員長 それでは、採決いたします。  陳情第三〇三〇号につきましては継続審査との御意見ですが、継続審査すべきものとすることに御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり]
    80 ◯大久保委員長 御異議ありませんので、陳情第三〇三〇号については継続審査すべきものと決定いたしました。  これで、陳情の審査を終了いたします。  なお、委員の皆様には先週金曜日にお諮りいたしましたが、前年度の定例会において採択した請願・陳情につきましては、その処理経過及び結果報告を次回の第三回定例会の委員会において調査することとしておりますので、執行部の皆様へはその調査のための資料を要求することとなります。よろしくお願いいたします。  次は、県政一般であります。  初めに、特定調査から行います。  土木部の特定調査事項は、防災対策についてであります。  それでは、まず、河川課長の説明を求めます。 81 ◯川原河川課長 防災対策について、お手元に配付してあります資料に基づき御説明いたします。  一ページをお開きください。  災害発生状況についてでございます。  初めに、過去五カ年の発生状況についてでございますが、公共土木施設災害と土砂災害の発生状況の過去五カ年の推移と平成二十九年六月末の状況をお示ししております。災害発生状況の過去五カ年の中で、平成二十八年は梅雨前線豪雨や台風十六号等による災害により、箇所数、被害額ともに一番多くなっております。  二ページをお開きください。  平成二十八年の代表的な異常気象の状況についてでございます。  平成二十八年の梅雨期間の降雨量につきましては、三十年間平均雨量の約二倍、過去五カ年でも平成二十七年に次ぐ雨量となっております。また、台風十六号では薩摩半島南部や大隅半島におきまして時間雨量百ミリを超える記録的な雨を観測したところでございます。  三ページをごらんください。  平成二十八年の災害発生状況についてでございます。  地域別に見ますと、台風十六号による災害が集中しました大隅地域振興局管内が非常に多くなっております。また、工種別では、河川が四百五十三カ所、道路が三百九十五カ所、砂防施設が二十七カ所などとなっております。  次の主な被災箇所につきましては、梅雨前線豪雨及び台風十六号による被災箇所の写真を四ページから十ページに載せております。  十一ページをごらんください。  平成二十九年六月末現在の災害発生状況についてでございます。  地域別で見ますと、北薩地域振興局管内が二十六カ所と多くなっております。また、工種別では、河川が二十七カ所、道路が十七カ所となっており、主な被災箇所としましては、十島村の村道で発生した大規模なのり面崩壊などがございます。  十二ページをお開きください。  平成二十九年発生災害の主な被災箇所の写真を十二ページから十五ページに載せております。  十六ページをお開きください。  平成二十八年の土砂災害の発生状況についてでございます。  土石流四十九件、崖崩れ八十一件の計百三十件発生し、人的被害として一名の犠牲者が出ております。  十七ページをごらんください。  平成二十九年六月末現在の土砂災害の発生状況についてでございます。  崖崩れが四件発生しております。  十八ページをお開きください。  平成二十八年に土砂災害が発生しました五カ所において災害関連緊急事業を実施しております。  十九ページをごらんください。  垂水市磯脇川地内で発生しました土石流災害の状況ですが、災害関連緊急砂防事業を実施しております。  二十ページをお開きください。  曽於市大隅町中之内地内の崖崩れの状況ですが、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業を実施しております。  二十一ページをごらんください。  公共土木施設における災害発生時の初動対応についてでございます。  まず、災害対応の基本的な流れにつきましては、大雨洪水警報など気象警報が発表された場合、職員は災害発生に備えた待機体制を整え、情報収集に当たっております。  次に、災害が発生した場合につきましては、初動対応としまして直ちに職員による災害調査を始めますとともに、道路や河川など緊急的な対策が必要な箇所につきましては年間契約を結んでいる地元の建設業者に応急対策を実施していただいているところでございます。また、広域・大規模な災害が発生した場合に備えまして県建設業協会や県測量設計業協会等の団体と災害支援協定を締結し、組織的な支援をいただくこととしております。  二十二ページをお開きください。  平成二十八年台風十六号による災害復旧に係る土木部の対応状況についてでございます。  初めに、復旧状況についてでございますが、平成二十九年六月末現在の県工事、市町村工事及び県全体を記載してございます。県工事につきましては、全体の八割に当たる二百三十六カ所を発注し、そのうち七十カ所が完成したところでございます。  二十三ページをごらんください。  復旧の取り組みについてでございます。  県では、被災直後から道路の途絶箇所や河川の損壊箇所等につきまして、早期の交通開放に向けた復旧作業や河川護岸の大型土のう設置などの応急工事を速やかに実施したところであります。また、国の災害査定を昨年の十二月中に全て終え、鋭意工事の発注に努めており、全ての県工事を平成二十九年度内に完了予定であります。  続きまして、道路についてでございます。  被災直後におきましては、県内で最大三十五路線、四十八カ所の全面通行どめ規制を実施いたしましたが、崩土除去や仮橋の設置、復旧工事の実施により、平成二十八年十二月までに全面通行どめ規制を解除したところでございます。  災害復旧工事につきましては、道路七十六カ所のうち三十カ所について平成二十九年六月末までに完了しており、残りの工事については平成二十九年度中に完了予定となっております。また、橋梁につきましては三カ所全て発注済みとなっており、平成二十九年度中に完了予定となっております。  二十四ページをお開きください。  河川及び海岸についてでございます。  主な河川の浸水被害状況を表にして、お示ししております。  浸水被害の応急対策工事として、大型土のう設置や土砂除去等を実施いたしました。  なお、浸水被害に対する応急対策工事の施工状況写真などを二十八ページに載せております。  海岸の被害状況ですが、河川課所管で七カ所の被害が発生いたしました。被害の主な原因は、基礎洗掘による護岸倒壊や吸い出しによる緩傾斜ブロックの陥没であります。  災害復旧の状況ですが、河川につきましては、被災した百八十三カ所のうち、平成二十九年六月末までに三十一カ所が完成したところであり、残る百五十二カ所につきましても平成二十九年度内に完了予定であります。  海岸につきましては、被災した七カ所のうち、平成二十九年六月末までに三カ所が完成したところであり、残る四カ所につきましても平成二十九年度内に完了予定であります。  二十五ページをごらんください。  土砂災害の砂防関係についてでございます。  土砂災害が発生した七十八地区のうち二十二地区につきまして、災害復旧事業及び砂防課所管事業で対応しております。  災害復旧事業により対応する十四地区、二十四カ所につきましては、被災直後から五地区で応急工事を実施するとともに、残る復旧工事箇所につきましては、平成二十九年六月末現在、全て発注済みであります。また、砂防課所管事業で対応する八地区につきましては鋭意工事の発注に努めているところであり、全ての工事を平成二十九年度内に完了予定であります。  二十六ページをお開きください。  漂着木災害、土木部関係の港湾空港課所管の公共土木施設災害復旧についてでございます。  垂水港内に漂着した流木の対応状況ですが、漂着した流木は全体で約二千九百立方メートル、本数に換算しまして約四千本で、その回収につきましては、平成二十八年九月末までに完了しております。回収した流木の処分につきましては、平成二十九年六月末で進捗率約七〇%となっております。今後の見通しにつきましては、残る流木の処分を平成二十九年七月末に完了予定としております。  なお、対応状況の写真等の資料を三十二ページに載せてございます。  二十六ページにお戻りください。  次に、河川課所管の海岸への漂着木についてでございます。  河川課所管の海岸へ漂着した流木の対応状況ですが、漂着した流木は全体で約八千百立方メートル、本数に換算しまして約一万一千本で、その回収につきましては、平成二十九年三月末までに完了しております。回収した流木の処分につきましては、平成二十八年度末までに約六千四百立方メートル、約九千本の処分が完了しております。処分の進捗率は約八〇%となっております。  今後の見通しにつきましては、残る流木の処分を二十九年度内に完了予定としております。また、喜入北地区に新たに漂着木が確認されましたことから、今年度中に回収処分を予定しているところでございます。  なお、対応状況の写真等の資料を二十九ページに載せてございます。  二十七ページをごらんください。  被災直後の活動状況についてでございます。  災害復旧技術ボランティアは、災害経験豊富な県の土木部技術職員OBにより構成されており、市町村の災害復旧を速やかに行うための現地調査や応急対策等の技術的支援をお願いしているところでございます。  台風十六号による災害では、鹿屋市と垂水市に九月二十七日から十月十九日にかけて延べ三十七名を派遣していただいたところであります。  続く三項目につきましては、県建設業協会、県港湾漁港建設協会、県測量設計業協会の活動業者数や活動期間及び主な活動内容につきまして記載しております。  以上で、災害発生状況についての説明を終わります。  続きまして、河川関係について御説明いたします。  三十三ページをごらんください。  ハード対策の取り組みについてでございます。  河川事業につきましては、近年において著しい住宅浸水被害が発生した河川について重点的な整備を進めているところでございます。また、近年、気候変動により集中豪雨の発生が増加傾向にある中で、本県の河川の整備率は約四六%にとどまることから、限られた予算の中、整備の必要性、緊急性、地元の協力体制などについて優先度を判断し、整備を進めることとしております。  平成二十九年度の整備内容でございますが、交付金事業の万之瀬川など三十六河川で整備を進めているところでございます。  三十四ページをお開きください。  海岸事業についてでございます。  海岸保全施設の整備につきましては、高潮や侵食から人命・財産を守るため、海岸保全区域を設定し、護岸や離岸堤などの整備を行うとともに、老朽化した海岸保全施設の機能強化や回復を行っているところでございます。  平成二十九年度は、肝付町の岸良海岸や指宿市の東方海岸などにおいて高潮対策事業や海岸堤防等老朽化対策緊急事業等の整備を進めているところでございます。  三十五ページをごらんください。  寄洲除去事業についてでございます。  寄洲除去につきましては、河川の氾濫を未然に防止するため、平成二十四年度に策定した寄洲除去計画に基づき四カ年で集中的に取り組み、県内の四百二十八カ所において約百十八立方メートルの土砂を除去したところでございます。  また、平成二十八年度は百十五カ所、約十七万立方メートルの土砂除去を終え、引き続き、平成二十九年度は百三カ所の寄洲を除去することとしております。  三十六ページをお開きください。  ソフト対策の取り組みについてでございます。  市町村の防災活動や住民避難が円滑に行われるよう、県内各地の雨量や主要な河川水位等の観測データをインターネット等で提供いたしますとともに、平成二十二年七月からはNHKデジタル放送でも雨量や水位情報を提供しております。  また、河川砂防情報システムにつきましては、システムの更新及び機能向上を図り、平成二十七年四月より新システムによる情報提供を行っているところでございます。このリニューアルによりホームページの操作性を向上するとともに、三十七ページになりますが、新たにスマートフォン向けの専用画面も構築しております。また、市街地部の主要な河川におきまして監視カメラを設置し、河川状況の静止画像を提供するなど、ソフト対策の充実を図ったところでございます。  三十八ページをお開きください。  水防災意識社会再構築ビジョンの取り組みについてでございます。  平成二十七年九月の一級河川鬼怒川の氾濫を代表する関東・東北豪雨災害を受けて、大規模氾濫に対する治水対策のあり方について施設には限界があり、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するものという社会意識の変革、すなわち、水防災意識社会の再構築が国の社会資本整備審議会から答申されました。  取り組みとしまして、まず、国の管理する直轄河川では、国、県、市町村、気象台などで構成される協議会をつくり、協議会全員で現状の河川の水害リスクを共有し、減災のための具体的な取り組み方針を定めて、その合意形成を図るというものであります。  その取り組みを進める中、昨年八月の東北・北海道豪雨災害において県が管理する中小河川においても氾濫が発生し、要配慮者利用施設の入所者が逃げおくれて九名が死亡するという大きな災害があったことを受けて、本年一月に国が行っている取り組みを県管理河川まで拡大するという方針が社会資本整備審議会から答申されました。  そこで、当県におきましても、ことしの六月までに県内九つの地域において、市町村長、県の河川や危機管理を担当する部署、鹿児島地方気象台で構成した水防災意識社会再構築協議会を立ち上げたところであります。今後、今年度末までにホットラインの構築や水位周知河川の拡充など、今後五年で取り組むべき方針を策定する予定としております。  三十九ページをごらんください。  津波対策についてでございます。
     津波対策の考え方としましては、平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災による甚大な津波被害を受け、内閣府中央防災会議専門調査会で津波対策の考え方が示されました。  主な内容といたしましては、最大クラスの津波であるL2津波、発生頻度は極めて低いものの、発生すれば甚大な被害をもたらす津波に対しては、ソフト対策を講じるための基礎資料の津波浸水想定を作成すること、また、比較的発生頻度の高い津波であるL1津波、最大クラスの津波に比べて発生頻度は高く、津波高は低いものの大きな被害をもたらす津波に対しては、堤防整備等の目安となる設計津波の水位を設定することが示されました。  取り組み状況についてでございますが、県の取り組みとしましては、平成二十六年九月にL2津波に対する浸水想定区域を公表しました。また、平成二十七年三月に海岸保全施設等による津波対策として、L1津波を対象とした設計津波の水位を設定しました。  市町村の取り組みとしましては、沿岸市町村三十九市町村のうち十二市町村が津波防災地域づくりに関する法律に基づき、最大クラスに対する津波浸水想定ハザードマップを策定しております。  四十ページをお開きください。  上の図が鹿児島県津波浸水想定図の姶良市の例です。  下の図が姶良市津波浸水ハザードマップでございます。  今後の対応といたしましては、津波ハザードマップの改訂や作成を行う市町村に対し、津波浸水想定のデータの提供や助言をすることとしております。また、津波防災地域づくりに関する法律に基づき、県による津波災害警戒区域などの指定や市町村による推進計画の作成など、県と市町村が十分連携を図りながら、総合的な津波防災対策を推進することとしております。  四十一ページをごらんください。  これまでの整備効果でございます。  平成二十七年六月から七月の鹿児島市の総雨量は二カ月間で約千八百ミリを記録し、平成五年と同程度の雨量でありましたが、甲突川や新川など鹿児島市内を流れる河川では幸いにも大きな浸水被害は発生しませんでした。これは、上段右側に掲載している日雨量を比較したグラフでもわかるように、八月に入ってからの雨量の違いもありますが、下段の写真に示しておりますように、例えば鹿児島市の新川においては河川改修とあわせて上流のダム整備や下水道事業による内水対策を進めた結果、治水効果が発現されているものと考えており、近年の流域内の大幅な浸水被害の減少につながっているものと考えております。  四十二ページをお開きください。  その他の整備効果事例でございます。  一番上は、平成二十三年七月に激特事業を実施中でありました出水市の米之津川において平成十八年洪水と同規模の集中豪雨に見舞われましたが、整備が完了した区間では河川の氾濫が防止された事例でございます。  中段、下段につきましては、海岸事業でございます。  四十三ページをお開きください。  寄洲除去事業のそれぞれ整備前、整備後の写真であり、整備により治水安全度の向上が図られている事例でございます。  以上で、河川関係の説明を終わります。 82 ◯大久保委員長 次に、道路維持課長の説明を求めます。 83 ◯八木道路維持課長 道路関係について御説明いたします。  資料の四十四ページをごらんください。  ハード対策の取り組みについてでございますが、災害の未然防止と県土の保全を図るため、道路防災対策や橋梁の耐震対策を実施し、災害に強い道路のネットワークの形成に努めることとしており、整備に当たっては緊急輸送道路等を優先的に進めているところです。  四十五ページをごらんください。  道路の防災対策でございますが、平成八年度に約一万カ所の道路防災総点検を実施し、対策が必要な九百三十六カ所について緊急輸送道路等を優先して、下の写真にありますように、のり面の崩壊を防止するのり枠工や落石等による被害を防止する落石防護棚などの防災対策を推進しております。防災対策の未実施箇所についても日常パトロールなど継続的な点検を実施するとともに、今後対策を進めることとしております。  四十六ページをごらんください。  橋梁の耐震補強でございますが、地震後においても主要防災拠点間等のアクセスを確保し、迅速な救急活動や救援物資の輸送が円滑に行えるよう、緊急輸送道路にある橋梁を優先的に落橋防止や橋脚補強などの耐震対策を重点事業として進めてきているところです。  また、防災対策に係る過去五年間の予算はグラフのとおりですが、限られた予算の中で路線の重要性及び緊急性を考慮しつつ、防災対策の推進が図られるよう努めてまいりたいと考えています。  四十七ページをごらんください。  ソフト対策の取り組みでございますが、道路の通行規制の情報提供については道路情報総合システムにより、各地域振興局等から入力された通行規制状況をインターネットや携帯電話を通じてリアルタイムに県民に広く提供するとともに、県警の交通管制センターや日本道路交通情報センターとの間で通行規制情報を共有化し、これらの機関からマスコミを通じて県民への情報提供が行われております。  四十八ページをごらんください。  次に、ドライバーなど道路利用者に対する情報提供ですが、緊急輸送道路や交通途絶が予想される箇所などにおいて、通行規制等の情報提供を行う道路情報板を設置しているところでございます。また、のり面崩壊等の被害が発生するおそれのある区間において異常気象時に事前通行規制を実施しているほか、鉄道等との交差箇所で周辺地盤よりも低いアンダーパス箇所について一定の路面水位になれば通行どめを行うなど、事故の未然防止に努めております。また、アンダーパス以外で特に冠水する可能性が高い箇所についてもホームページで情報を公開しております。  四十九ページをごらんください。  防災対策の整備効果事例です。  一番上は、国道二百六十九号の南大隅町佐多伊座敷地内で発生した落石に対する整備効果事例です。  同地区では平成十九年に道路脇の斜面から巨大な落石が発生しましたが、洞門が落石を捕捉し、道路への被害を回避しています。  真ん中及び下の事例は、落石防護柵や落石防護網がのり面からの崩土等を捕捉し、道路への直接的な影響を最小限に防いだものでございます。  道路関係については、以上でございます。 84 ◯大久保委員長 次に、砂防課長の説明を求めます。 85 ◯田村参事兼砂防課長 土砂災害関係の取り組みについて御説明いたします。  資料の五十ページをお開きください。  本県には土砂災害のおそれのある土砂災害危険箇所は、土石流危険渓流、急傾斜地崩壊危険箇所、地すべり危険箇所の三つに分類され、合計で一万六千二百四カ所となっております。  土砂災害危険箇所の整備状況ですが、保全対象とする人家五戸以上等を保全する箇所は四千九百五十二カ所あり、このうち一部完成した箇所を含めて、平成二十八年度末の整備率は約三六%と、いまだ低い状況にあります。  砂防堰堤等の施設整備を行うハード対策につきましては、重点事業として、近年大きな被害を受けた地域内での整備や要配慮者利用施設、重要交通網の保全を優先的に推進するとともに、重点以外の地域密着事業については危険性、緊急性の高い箇所及び地元の要望等を総合的に判断し、優先度の高い箇所から整備を図ることとしております。  五十一ページをごらんください。  平成二十九年度における主な事業といたしまして、砂防事業や急傾斜地崩壊対策事業等を百八十四カ所、また、国の直轄火山砂防事業を桜島地区において実施することとしています。  このうち、重点事業として近年大きな被害を受けた地域、要配慮者利用施設や重要交通網を保全する土砂災害防止施設の整備を合計六十四カ所において実施することとしております。  下の写真は、近年大きな被害を受けた地域での砂防事業の事例で、平成二十七年に土石流災害のあった垂水市の深港川の写真になります。  五十二ページをお開きください。  写真は、要配慮者利用施設を保全する急傾斜地崩壊対策事業の事例で、保全する区域内に保育園などのある大崎町の西迫地区でございます。  次に、砂防関係事業予算の推移でございます。  土砂災害発生箇所の対応のため各年度において予算額の増減があり、また、災害系事業が一定の割合を占め、予防対策の計画的な実施に少なからず影響を与えている状況にあります。  五十三ページをごらんください。  ソフト対策の取り組みについてですが、土砂災害から県民の生命を守るため、土砂災害のおそれのある区域の周知、警戒避難体制の整備等のソフト対策を推進するために、平成十三年に施行された土砂災害防止法に基づき、土砂災害警戒区域土砂災害特別警戒区域の指定を推進しております。指定に当たりましては、近年の災害実態を踏まえ、市町村との連携のもと推進することとしております。平成二十九年六月末で、土砂災害警戒区域については三十六市町村、一万七千三百四十一カ所、土砂災害特別警戒区域については三十三市町村、九千四百七十三カ所を指定し、十三市町村で一通りの指定を完了しております。  次に、土砂災害警戒情報の提供については、平成十七年九月から全国に先駆け鹿児島地方気象台と共同で実施しており、市町村の防災活動や避難勧告等の判断及び住民の自主避難の判断の支援を行っております。また、土砂災害警戒情報を補足する情報として、鹿児島県河川砂防情報システムで県内各地域の一キロメートルメッシュごとの土砂災害危険度情報を提供しております。  五十四ページをお開きください。  防災に係る広報活動については、土砂災害に対する知識や防災意識の周知・啓発のため、平成二十年度から実施している土砂災害防止の集いや土砂災害・全国防災訓練の実施、小中学校等での出前講座による防災教育などの取り組みを行っております。  五十五ページをごらんください。  ハード対策による整備効果の事例について御紹介いたします。  平成二十八年九月の台風十六号による記録的な大雨では、垂水市や鹿屋市を中心に多くの山腹崩壊が発生し、土石流や流木が発生しました。垂水市牛根麓から霧島市福山町にかけての国道二百二十号沿いの斜面においても山腹崩壊による土石流や流木が数多く発生しました。この地域は以前から土砂災害が多く発生していたことから、砂防堰堤の整備を進めてきており、ほとんどの土石流危険渓流において砂防堰堤が土砂や流木を捕捉したため、下流の人家への土石流の被害を軽減し、人的被害を防止することができました。この地域において確認できただけでも二十三の砂防堰堤が効果を発揮しており、これだけ多くの効果事例が確認できたのは珍しいことと認識しております。  以上で説明を終わります。 86 ◯大久保委員長 以上で説明が終わりましたので、特定調査事項につきまして質問や意見等ありましたら、よろしくお願いいたします。 87 ◯柴立委員 漂着木の災害の件について、確認をさせてください。  二十六ページです。これは平成二十八年の台風十六号災害で錦江湾内に漂着した流木のことだと思うんですけど、この台風十六号で漂着した流木は全てで、八千八十九立方メ-トルで、約一万一千三百二十本だったということでよろしいんでしょうか。 88 ◯川原河川課長 ここに書いてある八千八十九立方メ-トルについては河川課所管の海岸です。河川課所管の海岸保全区域とか一般公共海岸、土木に関するもののトータル数字であり、漁港区域とかいろいろなところに漂着しているのは含みません。土木部が所管する本数になります。 89 ◯柴立委員 ということは、県として網羅している全ての数字ではないということですね。大体、漂着木、流木でどのぐらいあったのか、大体推測はついておりますか。 90 ◯川原河川課長 暫時休憩をお願いします。 91 ◯大久保委員長 暫時休憩いたします。         午前十一時四十四分休憩      ────────────────         午前十一時四十四分再開 92 ◯大久保委員長 再開いたします。 93 ◯柴立委員 では、回収は完了したけれど、処分がまだ完了していないということですが、まだ未処分のものが、例えば木材港側とか、海岸等に山積みされているような状況があると思うんですけど、まだそういうのが残っているということでよろしいんですか。 94 ◯川原河川課長 そういうことです。チップ工場から取りにくるとかそういう話もあるもんですから、そういうのを調整しているところです。 95 ◯柴立委員 処分としては、チップ工場のことも出たんですが、私も木材関係に属しているもんですから、よく県民の方々から漂着物が木材が山積みになっているが、木材チップやらで燃料にできないかという話があるんですけど、我々の業界から言わせてもらうと、流木自体が塩分で侵されている。それから、流されてくる関係で石をかんでいる可能性がかなり高いもんですから、チッピングができないというようなことであるんですけど、今、処分はどういうふうにされているんですか。 96 ◯川原河川課長 昨年漂着木処分の関係で、いろいろチップ工場なんかも林務から聞き取りを行いまして、委員言われるように塩分を含んでいるとだめだと、あと石をかんでいたりしてもだめだということで、一般廃棄物処理場に持っていったり、あとは鹿屋市は市で全部引き受けてくれたり、いろいろな方法でやっているところです。河川の流木については結局塩分を含んでいないもんですから、どのような可能性があるとか情報をつかみながら処分方法をいろいろ実施しているところであります。 97 ◯き久委員 三十五ページの寄洲除去事業について、お伺いをいたします。  平成二十四年に鹿児島県寄洲除去計画というのが立てられました。二十四年から二十七年まで四百二十八カ所を整備され、二十八年は百十五カ所、本年度が百三カ所というふうになっております。鹿児島県寄洲除去計画のときにいろいろな調査をし、意見聴取も行い、鹿児島県全体でこれだけの箇所がありますということですが、二十九年度までで全体の何割ほどが一応終わるということになるんですか。 98 ◯川原河川課長 寄洲につきましては、平成二十四年から二十七年まで計画を立てて行ったんですけど、これは二十四年に計画を立てて調査をして、ゼロ県債から入っていると思うんです。寄洲につきましては川の断面があって、その三〇%以上あるところを二十三年までは取っていました。二十四年の寄洲計画については未然に防ぐということもありまして、河川断面の二〇%から取るようにして、その分を集計したのが二十四年から二十七年の数値で、雨とかいろいろな状況で、新たにたまったところなんかもどんどん出てくるもんですから、二十四年度当初に調査したときのものは二十七年までの計画に入っているんですけど、状況によっては、量がたまっていくわけです。  極端な話、二十四年から二十七年は二〇%以上の寄洲を取っていましたけど、一〇%とかの寄洲がある場合はたまったり、大雨が降って寄洲自体が水の勢いで飛ばされたりするのもあるので、寄洲の計画についてはあくまでも二十四年のときに調査した結果の二〇%以上を取ったということになっています。 99 ◯き久委員 課長の御説明の中では、当初の計画は計画でしながら、今、地球温暖化によって集中豪雨もふえて、寄洲がたまる状況というのもそれぞれ変わってきますので、その状況に応じて対応していこうということかなというふうに思ったところです。  今後集中豪雨がふえてくる可能性があります。素人感覚で寄洲除去をするときは大体河川の深さを、例えば五メートル深くとってみましょうとかいう基準があると思うんですが、従来の基準で今後ずっとやっていくとすれば、一旦とったところはまた何年か後に除去しないといけないということになります。このサイクルを緩やかにするためにはもっと深くとるべきではないかという素人感覚があるんですが、寄洲除去の設計基準というのは国土交通省が示されるのか。また、各都道府県によって、自然災害等も違うかもしれませんけど、県としての設計基準というのも考えられるのか。コメントをお願いしたいと思います。 100 ◯川原河川課長 委員の言われたように、例えば川底より深く掘ってたくさん容量をふやすという方法もあるかと思うんですけど、ブロック積みとか擁壁が入っているところは大体川の底面から一メートルから一メートル五十センチ入っていますから、それ以上掘ってしまうと構造物がひっくり返ってしまいます。また、そこだけ深掘りしても下流からずっと掘っていかないといけないということで、あとは寄洲については水面上三十センチぐらい残すような形で今指導はしているところなんです。それはどういうことかといいますと、陸地には特に鳥が来たり、また水辺にすんでいる生物なんかも寄洲を全部取ってしまうと行くところがなくなる。そういうのを考慮しながらやるような形をしております。基本的には、先ほども言いました川の流れるところを、今二割から遣るんですけど考慮しながら、また、動植物の環境とかそういうのを考慮してやっております。 101 ◯き久委員 私の質問も大したことなかったんですけど、そうですね。余り深く掘ってしまいますと、それこそ構造物が倒れてくる。また、環境の問題も多々ある。  集中豪雨が今後ふえていくという中で、また賢明な判断、調査をされて事業を推進されてください。 102 ◯柳 委員 五十ページですが、県内の土砂災害危険箇所がなかなか整備もまだ追いついていない状況というのがここでわかるんですけれども、重点事業、要配慮者の利用施設を保全する土砂災害防止施設の整備で三十一カ所とありますが、これは、今年度どのような予定になっているのかを教えてください。 103 ◯田村参事兼砂防課長 要配慮者利用施設を保全するところとして今年度事業で三十一カ所です。これは、砂防事業を土石流危険渓流として要配慮者利用施設がかかるところと、それから急傾斜地崩壊危険、崖崩れからの影響範囲の中に入るところというところがございまして、その箇所について、土石流であれば砂防堰堤、急傾斜であればのり面の対策工といったものを整備していく。事業の進捗は今まちまちでありまして、本工事に着手しているものとかあるいは設計から入っていく段階といったものもあります。どのような施設があるかといいますと、病院とか診療所があったり、あるいは老人福祉関係の施設があるところ、保育園や幼稚園があるところで、今年度事業をするところが三十一カ所あるという状況でございます。 104 ◯柳 委員 今年度が三十一カ所ということで、今年度中にこれを終えるということではなくて、事業もなかなか一遍には難しいと思いますので、何年ぐらいかけてここを整備をされる予定なのか教えてください。 105 ◯田村参事兼砂防課長 初めに、砂防事業あるいは急傾斜地事業は単年度で終わるものではございませんで、数年かかって整備をしますので、今年度事業をする三十一カ所全ての整備が今年度中に全て終わるということはありません。全体でいいますと、今年度事業をしている三十一カ所以外にも土砂災害のおそれのある要配慮者利用施設を有する危険箇所というのはまだありまして、そこに対しても順次整備をしているというところで、全体が一〇〇%整備が終わるのがいつまでかといわれる見通しについては答えられるような状況ではないということです。 106 ◯柳 委員 わかりました。ありがとうございます。 107 ◯大久保委員長 ここで、昼食等のため、暫時休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。         午後十一時五十六分休憩      ────────────────         午後一時 十五分再開 108 ◯大久保委員長 再開いたします。  ここで、午前中、保留いたしておりました錦江湾の全体の漂流木、漂着木の量について、河川課長から報告があります。 109 ◯川原河川課長 全体の漂流木、漂着木につきましては、県が今把握しているものですけど、全体で一万五千五百八十六立米です。そのうち、漂流木が二千八百四十九立米、漂着木につきましてが一万二千七百三十七立米です。 110 ◯柴立委員 了解いたしました。  私も最初大体話を聞いたときには一万六千本ぐらいだと聞いていたものですから、確認のため質問させていただきました。ありがとうございました。 111 ◯大久保委員長 それでは、特定調査事項につきましての質問に戻ります。
    112 ◯鶴丸委員 午前中、五十ページの土砂災害関係についての御質問がありましたが、関連した部分もございますので、お尋ねをいたしたいと思います。  この資料を見ますと、危険箇所の中のうち、五戸以上の住宅のある整備の対象地域、その整備率が三六%ということでございました。この三六%という数字は、九州各県で比較されたときにどれぐらいの位置にあるのかというのが、まず一点です。  それから、遅々として進まない整備率ですが、今、国も減災・防災対策という国土強靱化の中でいろいろな議論を展開しているわけですけれども、県で整備を進めるための計画をお持ちなのか。お持ちの場合、何年度までの計画で、どういう整備を進めようという計画なのかについて教えていただきたいと思います。 113 ◯田村参事兼砂防課長 九州各県でどのぐらいかというお問い合わせですが、数字を確認する必要があるので、時間をいただきたいと思いますが、そんなに大きな差は無いということではあると思います。  それから、何年度までに何カ所整備するかといったような具体的な計画は今はありません。 114 ◯鶴丸委員 実は非常に大事なことだと思っておりまして、企画部の中で、昨日長期ビジョンをつくりますねという話をしたんです。その中で、長期ビジョンをつくるときに何が大事で何をどうしなければならないかというのは、やはり目標数値をつくってやっていくべきではないかというふうに思っているんです。  先ほど、電柱の無線化、地下埋設等の話がありましたけれども、例えば観光とか防災とかいった視点で長期ビジョンの中に織り込むべきではないかという議論がされたところであります。これらの問題についてもしっかりと、ビジョンとは一体何をつくるものなのか、何をどうすべきものなのかということを踏まえていただきまして、ぜひ、十年間の目標といったものを内部で検討していただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。 115 ◯大久保委員長 ほかに質問はございませんでしょうか。    [「なし」という者あり] 116 ◯大久保委員長 ほかにないようですので、特定調査に関する質問等はこれで終了いたします。  ここで、暫時休憩いたします。         午後一時十九分休憩      ────────────────         午後一時十九分再開 117 ◯大久保委員長 再開いたします。  それでは、委員会の中で出された質疑の経過を踏まえまして、報告については当席に御一任いただきたいと存じます。  次は、県政一般に係る一般調査についてであります。  ここで、港湾空港課長からマリンポートかごしまのクルーズターミナルの概要について発言を求められておりますので、これを許可します。 118 ◯中迫港湾空港課長 マリンポートかごしまのクルーズターミナルの概要についてでございます。  マリンポートかごしまのクルーズターミナルにつきましては、五月十九日の知事定例記者会見で発表した事案ではございますが、改めてこの委員会の場で詳細な内容等につきまして御説明申し上げます。  配付しております資料は、クルーズターミナルの概要が一枚、それとイメージ図が二枚の計三枚でございます。  マリンポートかごしまにおけるクルーズターミナルにつきましては、地方創生拠点整備交付金を活用し、CIQ機能や物販・交流スペースを有する施設として整備することとしております。このたびクルーズターミナルの設計が完了し、建築工事について現在一般競争入札の手続中でございます。  クルーズ船で来られた観光客の皆様に鹿児島を認知していただけるよう名称を「かごしまクルーズターミナル」とし、現在の簡易待合所の隣に鉄骨平屋建て床面積二千三百平方メートルの建物を整備します。ことし八月に建築工事に着手し、来年三月の完成を予定しています。また、クルーズターミナルの整備に伴い、ソーラスフェンスの位置や観光バスの動線を見直し、新たに道路やバス駐車場、クルーズ船とターミナルを結ぶ屋根つき通路などの整備も行うこととしております。クルーズターミナルの整備により入国等の手続の迅速化が図られ、観光地等により長く滞在してもらえることやクルーズ船の誘致に弾みがつき多くのクルーズ船が寄港することなどが期待されています。  以上で説明を終わります。よろしくお願いします。 119 ◯大久保委員長 この件に関しまして質問ございませんでしょうか。 120 ◯柴立委員 船が着いた場合に、クルーズ船からクルーズターミナルまでの乗客のアクセスはどういうふうに考えておられるんですか。検査が済んでいない状況でおりてこられてという格好になりますね。まだCIQを通っていない人たちと外部との接触があったらいけないわけですね。その辺はどうされますか。 121 ◯中迫港湾空港課長 お手元に平面図をお渡ししているかと思います。現在はCIQターミナルがないということで、外国の船が来た場合は船にCIQをする税関、入国管理局、検疫の方々が乗り込んで船の中で機材セッティングをして、船の中で手続を終えておりてくるということになっておりますが、クルーズターミナルをつくるということで、絵に船から真っすぐターミナルへの赤い線の中に、白いバツが入った絵がありますけど、これが屋根つき通路ということで、雨のときに濡れないように行けるような通路になってございます。船からおりた場合は、クルーズターミナルの中に入り、この中でCIQの手続を今後はすることになります。現在船に乗り込んで、国の方が機材セッティングをするまでに約一時間ほどかかっております。クルーズターミナルをつくることで建物の中でセッティングできていますので、乗客の方はスムーズにおりてこられて、また、船内の検査よりもターミナルの中のほうがスムーズに検査が終わりますので、おりた方々はこれまで以上に観光地に長く滞在していただけるものと考えております。 122 ◯柴立委員 わかりました。雨にも濡れない加工をするというのはあるんですか。どんなイメージなのか、よくわからない。 123 ◯中迫港湾空港課長 今申しましたのは、クルーズターミナルの中は濡れないということでして、屋根つき通路といいますのは、トンネルのようなフードのジャバラのものを間に設置しまして、天気がいいときはそのまま青空の中を歩いてもらって、雨のときにフードの中を歩いて濡れなくターミナルまで行ってもらうということで考えております。 124 ◯柴立委員 わかりました。念のために教えてほしいんですけど、外国から直接鹿児島港に入ってくるのと、例えば長崎とか福岡を経由して入ってくる場合と、CIQの手続の違いというのは何かあるんですか。 125 ◯中迫港湾空港課長 外国から直接鹿児島港に来る場合、「ファーストポート」という言い方をしますけど、このときは税関、入国管理局、検疫、全ての手続が必要になってまいります。長崎等に寄ってくる場合は入国の管理手続はかなり簡素化されまして、税関等の手続だけで済む、検疫はほぼ手続必要ないということで、セカンドポート、サードポートであれば手続に時間がかからず出ていけるということになります。 126 ◯柴立委員 わかりました。あと、お願いがあるんですけど、私も船が来るのは好きなので港によく行くんですけど、前は入港船のスケジュールが置いてあったんですけど、今置いていないんですよね。だから、いつどの船が来るというのが行ったらすぐわかるような入港予定一覧表みたいなのを準備していただけないかなと思うんですけど。 127 ◯中迫港湾空港課長 委員のおっしゃったとおり、これまでも入港スケジュールにつきましては、ふれあいポートというのがございますので、そこに置くようにしております。ただ、最近非常に観光客船の入港も多いということで、現場に見にいかれる方も多い中で、多くの方が資料を取っていかれるので、なくなるケースがあるようです。今後は、置いている資料のほかにも掲示をしっかりして皆様にお知らせできるような対応をとりたいと思っております。 128 ◯いわしげ委員 ソーラスフェンスができると思うんですが、その高さはどれぐらいになる予定ですか。 129 ◯中迫港湾空港課長 正確には記憶しておりませんが、現在あるフェンスと同じ高さになります。資料の絵の中にはオレンジの線で示してありますのがソーラスフェンスでありまして、約一メートル二十ぐらいのフェンスが入ってまいります。 130 ◯いわしげ委員 ありがとうございます。通常ソーラスフェンスは人の高さ以上はないといけないとかいうのがあったと思うんですが、現在のソーラスフェンスですとプラスチック製のものをつなげているだけなので、クルーズ船に乗られる方がテロリストの可能性というのはあまりないのかもしれませんが、港の受け入れの方々もそこをすごく心配されていて、船から陸を攻撃する場合も、陸から船を攻撃する場合もどちらにしても今のソーラスフェンスじゃ全然意味がなさないということをおっしゃっているんですが、そこはどのように対応される御予定ですか。 131 ◯中迫港湾空港課長 現在のソーラスフェンスにつきましても国の基準に基づいて設置をしておりまして、きちんとした国の検査等も受けております。さまざまな基準はあるかと思うんですが、現在のフェンスも基準に合致しているものでございます。 132 ◯いわしげ委員 わかりました。ありがとうございます。  こういったつくりになりますと、おもてなしの方々がいろいろ演奏されたりとかすると思うんですが、それはどの辺でされる予定になりそうですか。 133 ◯中迫港湾空港課長 現在おもてなしをする場合は船が着く、エプロンというコンクリート舗装の部分がかなり広うございますので、そこを使って演奏されているという状況にございます。今回クルーズターミナルをつくるということで、ソーラス区域を設定する必要がありますので、オレンジの線がクルーズターミナルまで接触していますけど、岸壁からクルーズターミナルを囲った形がソーラス区域ということで、エプロンが分断される形になります。これにつきましては、観光協会あるいは商工会議所、バス協会、タクシー協会、いろいろな方々と協議をした上で決めておりまして、おもてなしにつきましては、バス駐車場1)とかバス駐車場2)を運用してどちらかで行うことになろうかと思っております。 134 ◯いわしげ委員 わかりました。結構船で来られた方々でおもてなしを楽しみにしていらっしゃる方が多いので、うまいことしていただければと思います。  そうすると、バスの駐車場なんですけれども、このバス駐車場4)というのは新たにつくられて、この図でいいますと、上から入ってこれるようになるということですね。 135 ◯中迫港湾空港課長 委員のおっしゃったとおり、バスの駐車場4)というところの左側、クルーズターミナルの間に道路がありますが、これは現在現地にない道路でございます。これをつくることでバス駐車場2)、バス駐車場4)にバスが入ってこれますので、そのように整備をしたいと考えております。 136 ◯いわしげ委員 ありがとうございます。現在、バスが九十八台とか入ってくると大変なことなので、これはすごくありがたいと思います。  クルーズターミナルは今、一般競争入札手続中ということなんですけれども、仕様はCIQだけをできるようなものにするのか、それとも那覇とか長崎みたいに船が入っていないときには、一般の方が使える多目的スペースのものにもなるのか教えてください。 137 ◯中迫港湾空港課長 クルーズターミナルの設計につきましては、まず、国である税関、入国管理局、検疫も人と動物と植物の部局がございます。その方々と相談をしながら、国の方々は長崎や博多という例を見てございまして、いいところ悪いところ御承知ですので御意見を聞きながら、まずは、CIQの配置を決めたところでございます。  それと、CIQをするほかのスペースとして物販・交流スペースということで書いておりますが、県民や観光客が交流できる場ということを考えておりまして、物販・交流スペースの使い方につきましては、これから地元の観光の関係の方々とかと一緒に協議して検討してまいりたいと考えております。 138 ◯いわしげ委員 ありがとうございます。あと、両替の場所を、多分ATMになるのかどういうふうにされるのかわからないですが、現在のふれあいポートのところですとあいていないことも多くて皆さん困っていらっしゃったので、常に両替ができるような状態にしていただければと思いますので、よろしくお願いします。 139 ◯小園委員 金曜日に観光交流局所管の委員会があったわけですけれど、年間百五十隻ほど船が入るということになります。そうすると、必ず重なって入港する場合もあると思うんですが、そういう場合はどういうふうに今後は対応される予定ですか。 140 ◯中迫港湾空港課長 先週の企画観光建設委員会で百五十回と申しましたのは、鹿児島県の全体のクルーズの予定ということでお話しております。鹿児島港としてはことし百を超えるということで考えておりまして、現在マリンポートかごしまのほかにも北埠頭に一隻入った実績がございます。日本の船の「にっぽん丸」が一回入っているわけなんですけど、今後は外国の船も北埠頭の一号岸壁に入れたいというふうに考えてございまして、今、ソーラスフェンス、制御区域を定めるための手続と、フェンスの整備に入ってございます。八月末ぐらいにはフェンスができて、手続等を踏まえると九月ぐらいまでかかるかと思いますけど、三万トンの外国船も入る見込みで、そうすると二隻同時入国可能かというふうには考えております。 141 ◯小園委員 二隻入るとしたら、この図面で言うと、どういう配置になりますか。 142 ◯中迫港湾空港課長 二隻と申しましたのは、マリンポートにまず一隻、それと本港区の北埠頭に一隻ということで、配置的にはマリンポートはこの位置になり、現在奄美・喜界航路の船が入っていますけど、そこの岸壁を使ってもう一隻が入ってくるということになります。 143 ◯柳 委員 クルーズターミナルをせっかくつくられるということなんですが、お隣にあるところは木材を一部使った建物になっています。今回つくられるターミナルは、ここではもう、外見からは全くわからないんですけれども、かごしま材を活用したと、何か内装に使っているとかがあるんでしょうか。 144 ◯中迫港湾空港課長 現在あるふれあいポートにつきましては木材を使ったものでございますが、今回整備するクルーズターミナルにつきましては、今のところまだ建築部門で設計しているわけなんですけど、県産材を使うとか私どもも把握しておりません。内装材として使えるのであれば、今後検討していきたいと思います。 145 ◯柳 委員 せっかく外国から見えるわけです。玄関口ですね。やはり鹿児島独自の色を出していくためにはほかといかに差別化を図るかというところがとても大事だろうなと思うんです。福岡とか長崎とか先進的にやっているわけですので、鹿児島はここが違うね、いいねというところは、せめて外観に一部木材を取り入れた建物、それと内装もぜひかごしま材を使っていただきたいなと、そしてその説明も多言語で説明もしていただければと思います。横には屋久杉も展示したり、ぜひ特色を出していただきたいと思います。  それと、提案なんですが、現在JR九州の中に伝統的工芸品の薩摩焼、本場大島紬、川辺仏壇を展示していますね。ショーケースをつくって展示をしていますが、あそこに置いておくよりもここに持ってきたほうがよっぽど見ていただける。CIQが一時間半ぐらいかかるわけですね。そうすると、そこに展示してあると否が応でも目に入るわけですね。そこで、説明板をつけていただければ興味も関心も湧くと思います。そういうところで鹿児島の特色を出していくということを提案したいと思うんですけれども、いかがでしょうか。そこはJRとも話をしないといけませんが、今、JRにショーケースをかなり格安で、聞くところによると十分の一ぐらいで置いていただいているというお話も伺っていますので、ここに置けば、何もJRに余り気を遣うこともなく、より多くの方が注目して見るんじゃないかなと思います。ぜひ検討していただけないかなと思っていますが、何かコメントがございますか。 146 ◯中迫港湾空港課長 CIQターミナルの中には物販・交流スペースとして空間を設けております。これにつきましては、今後地元の商業会の方々とか経済界の方々等も含めて利用を考えていきたいと思っていますので、委員のおっしゃることも参考にしながら検討していきたいと思います。 147 ◯柳 委員 ぜひ、鹿児島の特色を出していただければと思いますので、よろしくお願いします。 148 ◯松尾営繕室長 先ほどのCIQ施設の内装についてですけれども、現在桜島の溶岩プレート等を一部使っております。そのほか、かごしま材についても使用できる内壁については使うようにしております。 149 ◯大久保委員長 ほかに、この件に関しまして質問はないでしょうか。    [「なし」という者あり] 150 ◯大久保委員長 それでは、ほかにないようですので、次に、五月に姶良・伊佐地区、宮崎方面での行政視察をいたしましたが、御意見・御質問がありましたら、お願いいたします。    [「なし」という者あり] 151 ◯大久保委員長 なければ、そのほかの県政一般について質問がありましたら、お願いいたします。 152 ◯鶴田委員 それでは、先ほどの部長の総括説明に従ってお伺いをしたいと思います。  まず、一ページ目の国道二百六十九号伊座敷バイパスの件であります。  先般、貫通式に私も出させていただいて、大変にすばらしいトンネルで、難工事だと聞きましたけど、感銘を受けまして、これまでの土木の皆様方の御尽力に心から感謝をしたいというふうに思います。  そこでお伺いなんですけれども、トンネルの供用開始までのスケジュール状況について、お聞かせいただきたいと思います。 153 ◯神宮司道路建設課長 伊座敷トンネルを含めます伊座敷バイパスのお尋ねかと思います。  伊座敷バイパスにつきましては国道二百六十九号線でございまして、伊座敷から浮津の現道区間につきましては過去に災害や落石による通行どめ等が発生しておりまして、降雨量が連続雨量二百ミリを超えた場合には事前に通行を規制するということになっておりまして、これを解消するために陸側に伊座敷トンネルを構築しているところでございます。バイパス自体は二千九百メートル、トンネルについては二千百五十一メートルでございますが、委員のお話のとおり、今回トンネルから貫通をいたしまして、今後内装、照明、舗装等の工事を経まして、今年度内の完成を目指していきたいと思っております。前後にバイパス道路等がくっついておりますので、それらを含めまして工事を進めたいと思っておりますが、まだ確実な年度までは言える状況にはございませんけれども、早ければ三十一年度内、遅くとも三十二年度内には供用できると考えております。 154 ◯鶴田委員 わかりました。この貫通式の後に私も伊座敷の街をいろいろ報告がてら歩いたんですけれども、先ほど河川課長から説明があった四十九ページの洞門の写真、平成十九年にバスみたいな落石があってしばらく通れなかったということがあったんですね。商店街などの御婦人の皆様に聞きますと、雨が降ると上が怖くて、フロントガラスから上を見ながら通行していたということであって、それが解消されるということで大変に皆様喜んでおられました。防災対策にも非常に有為だと思っておりますので、一日でも早い完成をお願いしたいというふうに要望いたします。  続きまして、四ページ。  大規模建築物の耐震化についてであります。  このことにつきましては代表質問、それから一般質問等でも取り上げられました。平成二十五年の耐震改修促進法の改定以来、スキームやら事業等の説明もありましたけれども、五月二十六日の新聞ですけれども、耐震診断の公表、利用者の視点を第一にというような報道がありました。  そこでお伺いしたいんですけれども、全国の状況と、本県の公表がおくれているという指摘がありますけれども、そこがどんなふうになっているのか教えてください。 155 ◯村田参事兼建築課長 お尋ねの耐震診断結果の公表についてでございますけれども、全国における耐震診断結果の公表につきましては、現時点で未公表であるのは北海道、東京都、和歌山県、沖縄県と本県の五都道県のみでございまして、九州では本県のみとなっております。県では、所有者の耐震化に向けた取り組み状況や他県の公表状況等を総合的に勘案をいたしまして公表時期を検討してきたところでございます。具体的には、個別に耐震化の取り組み状況あるいは予定について詳しく聞き取りを行うなど丁寧に進めてきたところでございます。 156 ◯鶴田委員 わかりました。ただいまの御答弁で公表に向けて所有者の対応などを鋭意努めてきたというふうに聞きましたけれども、県として具体的にどのように取り組んできたのか教えていただけますか。 157 ◯村田参事兼建築課長 重なりますけれども、所有者に個別の耐震化の工事等の予定などについて聞き取りを行ってきました。また、補助制度についての説明なども行ってきております。 158 ◯鶴田委員 特にホテル関係が非常に難儀をしているということで、委員の中からも建設的な意見も出ております。  そこでお伺いしたいのが、観光への影響をどのように判断をされているのか、教えてください。 159 ◯村田参事兼建築課長 観光への影響につきましてははっきりとはわからないところではございますけれども、既に公表した九州の各県に観光への影響についてヒアリングをした結果、ホテルなどの宿泊者のキャンセルが相次ぐなどといった大きな影響はなかったというふうに聞いております。 160 ◯鶴田委員 わかりました。熊本県や大分県は昨年熊本地震がありまして、それで観光客が落ち込んで、国・県いろいろと対策を講じておりますけれども、なかなかこのことだけに対する影響というのは計りにくいと思いますけれども、影響は軽微だということでありますから、そこは御努力をいただきたいというふうに思います。  それから、県の支援をどんなふうにされているのか、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか。 161 ◯村田参事兼建築課長 県では大規模建築物の所有者の負担を軽減するために、平成二十六年度に建築物耐震化促進事業を創設いたしまして、耐震診断について補助を行っております。また、平成二十七年度から補強設計、改修工事についても補助をしているところでございます。耐震改修に対する補助率については、国・県・市を合わせて約四五%となっております。 162 ◯鶴田委員 わかりました。国・県、基礎自治体である市町村等で四五%というのはかなりいい事業かなというふうに思っていますけど、五月三十一日の新聞に、鹿児島市内の某ホテルですけれども、耐震改修に約三十億円を三年かけて投じると。さらに、あわせてリニューアルを含む事業費は五十億円ということなんです。耐震改修自体は三十億円なんだろうけれども、それに伴う投資となると五十億円と大変に負担になっていますね。  それから、霧島のホテルですけれども、十一月の休館とホテル大半取り壊し、耐震負担大きくというふうになっておりますけれども、これもいろいろ事業計画なんかも含めて取り組んだ上での結果だと思っておりまして、前向きにそれぞれ取り組んでいただいているなという印象があります。  そこで、県の仕事というのは非常に大きいというふうに思っておりますので、今後の耐震化の促進についてどんなふうに取り組んでいくのか、上橋建築技監にお聞かせいただきたいと思います。 163 ◯上橋建築技監 近年、東日本大震災ですとか熊本地震など大規模な地震が発生しておりまして、また、将来南海トラフ地震などの巨大地震の切迫性が指摘されているところでございます。このような中、不特定多数の者が利用します大規模建築物の耐震化というものは利用者の生命・財産を守る上で大変重要であると考えております。そういったことから早急に耐震化に取り組む必要があると考えているところでございまして、今後とも県の補助制度を活用しまして所有者の負担が軽くなるように引き続き支援を行いながら、大規模建築物の耐震化の促進に努めてまいりたいと考えております。 164 ◯鶴田委員 わかりました。先ほど部長の総括説明の中でも早期に公表という言葉もありましたけれども、これまでも四、五年かけていろいろと進めてこられたことでしょうけれども、より一層丁寧な説明をしながら一つずつ前に進めていただきたいというふうに思いますので、要望といたします。 165 ◯き久委員 提出議案等文書の四ページに、空き家対策が出ておりますが、空き家対策啓発等支援事業、そして説明の中には協議会なども設置されているというような御説明がございました。当然新規の事業ではないという認識はあるんですが、この事業は何年ぐらい前に設置されて、それに向けての進捗はどうなっているのかお聞かせください。 166 ◯福永住宅政策室長 空き家対策につきましての事業でございます。  県におきましては、まず、平成二十六年の三月に県議会から空き家対策の政策提言がなされております。この中で、庁内関係課との連携とか市町村との連携というような枠組みを整備してきております。一方で、平成二十七年五月に空き家特措法が制定されております。それに基づきまして、県においては市町村の空き家対策計画策定の取り組みを支援することといたしております。これまで県におきましては空き家対策のマニュアルの策定であるとか、市町村向けの講習会、それから先ほど委員がおっしゃられた連携協議会の事業、これを平成二十八年度から行っておりまして、平成二十八年度におきましては専門家団体との連携を図るために、法務局、県、市町村、専門家団体でつくる空き家対策連携協議会を設立し、昨年度は県内三カ所で空き家に関するセミナー、無料相談会を開催したところでございます。 167 ◯き久委員 それ相応の成果というか、実効性もあったと思うんですけど、数字的にどれだけの空き家があって、それに対して計画を当然立てるわけですが、対策実現された比率がわかれば教えてください。 168 ◯福永住宅政策室長 空き家の数についてでございます。  これは、五年ごとに行われます住宅都市統計調査に基づきます推計値でございます。空き家の総数といたしまして、県内で十四万七千三百戸、このうち賃貸とか売却、別荘などの活用目的のない空き家というのが九万五千五百戸あるということでございます。これまでの取り組みによりましてどの程度対策がとられたかということでございますけれども、まず、先ほど申し上げた空き家特措法に基づきまして市町村が法律に基づく空き家に対しての指導を行っております。平成二十七年度が九十七件、平成二十八年度が二百十五件でございます。一方、空き家の除却ということでございます。これは、平成二十七年度に十六の市町村で除却件数ですが五百十三件、平成二十八年度では二十一市町で六百二十四件の空き家の除却が行われているという状況にございます。 169 ◯き久委員 住宅政策室長の報告の中では、成果を数字上では出しているんじゃないかなという認識を持つんですが、本会議一般質問でも出たんですけど、空き家問題の解決をするためにここに市町村に専門家を派遣するとありますけど、おおむねどの地域を考えていらっしゃいますか。一定の計画というのは出されているんですか。 170 ◯福永住宅政策室長 本年度県内の市町村から空き家に関する専門家の派遣についての募集を行ったところ、鹿児島市のほか、延べ四市に弁護士とか司法書士といった方々の専門家を派遣する予定といたしております。 171 ◯き久委員 四市ですか。 172 ◯福永住宅政策室長 鹿児島市、鹿屋市、霧島市、薩摩川内市(後ほど「南さつま市」に訂正発言あり)の四市でございます。 173 ◯き久委員 ちらっと聞いた話ですけど、離島にも調査に入るというような話が聞こえたんですが、計画というのはあるんですか。
    174 ◯福永住宅政策室長 離島への専門家の派遣ということのお尋ねでございますが、これは林議員からも議会の一般質問でお尋ねがあったかと思うんですけれども、今月の十二、十三日にかけまして大島郡の伊仙町と天城町を訪問する予定にいたしております。 175 ◯き久委員 十二、十三日で天城と伊仙町に調査をかけるということですが、徳之島ですから徳之島町もあるんですけれど、調査をかけるには要望が当然あってのことだと思います。調査をした後、空き家対策の一定の方針が決まりましたら、当然島ごとに普及していけるように推進はしていくものですか。 176 ◯福永住宅政策室長 今回、伊仙町と天城町に伺いますのは、空き家を活用して、賃貸住宅として供給できるんじゃないかというようなことを含めまして地元の考え方等も聞きながら調査をしたいと考えております。これまで空き家の活用につきましては国の社会資本整備総合交付金を使いました空き家の活用という事例もございます。こういったものも一緒にあわせて説明しながら、協議をしていきたいというふうに考えております。 177 ◯き久委員 私が聞いたのは、両町で調査をかけて、一定の方針が決まりましたら徳之島町にも波及をさせたり、沖永良部とか与論とか他の島にも波及はさせるものなんですかということです。 178 ◯福永住宅政策室長 委員のお尋ねの他の市町村への普及ということでございますけれども、実際そういう形で協議させていただきまして、一定の成果があるということになりますと、これも一つの取り組みの事例でございますので、県内の市町村にも普及していきたいと考えております。 179 ◯き久委員 同じ四ページの上から三番目に離島空港の整備ということで、奄美空港の電源施設の更新などの計画があり、下には屋久島空港の延伸化の事業の云々もあります。この視点とは離脱しますけれども、喜界島、沖永良部、与論は、よく着陸変更とか欠航とかあるんですね。これについても本会議で触れたとは思うんですが、GPSみたいなのを使ってされているということなんですけど、自然環境というか、雨とか風とか台風とかそういったのが原因であるということはわかります。あと、機材の問題とかあったんですけど、現時点の誘導システムについてわかる範囲で教えてください。 180 ◯中迫港湾空港課長 本会議でもお答えした件でございますが、就航率向上の対策として運航方式の変更ということが就航率の向上につながるという場合がございます。それはアールダム方式という運航方式でございまして、これまでボルデメという地上にある無線施設から電波を発信して、それを飛行機が受け取って飛ぶというのが従来の飛行でございますが、これに人工衛星等からのGPSのデータをもらって一緒に運航すると柔軟な飛行ができるというもので、就航率の向上につながるというふうにいわれております。  飛行機の機材で言いますと、日本エアコミューターで飛んでいる機材でいきますと、ダッシュエイトとかATR42、これはそういうアールダム方式に対応した機材でございまして、サーブはその対応にしていないということを聞いております。これから日本エアコミューターは機材をATR等にシフトしていこうということで、ふやすということを聞いております。そういった取り組みが今後の離島空港の就航率向上につながるものと考えております。 181 ◯き久委員 誘導システムに関して飛行機材や通信の話もあったわけですけど、誘導システムを整備していくのに県の港湾空港課にやってくださいというわけではなくして、当然大阪航空局とか国土交通省になるのではないかと思うんですけど、しっかりと着陸できるような誘導システムの要望というものを国土交通省とか大阪航空局にしていただきたいという思いがあるんですが、離島におけるスムーズな飛行機の着陸といった部分で、例えば開発促進協議会とかを通して議論された例というのはないですか。 182 ◯中迫港湾空港課長 アールダム方式というものは地上にあるボルデメという無線施設とGPSを組み合わせて運航する飛行方式でございます。ほぼ離島の空港につきましてはボルデメが設置されておりまして、喜界空港はボルデメはないんですが、近くの奄美空港にボルデメがありますので、それを採用しているということでございます。あとは機材がアールダム方式に対応した機材に変わっていくということが就航率向上につながっていきますので、新たに無線施設を整備するということではなく、航空会社で機材をサーブからATR等に変えていくということが就航率の向上につながると思っています。あと、ある程度気象がどうしても就航率には影響しますので、天気の悪いときはどうしてもあるので、一〇〇%の就航率というのはなかなか望めないというのもありますので、航空機材の更新とかを見ていきたいというふうに思っております。 183 ◯き久委員 欠航率は認識をしているつもりですけど、飛行機の機材とかアールダム方式とかあるみたいですが、航空会社が着陸に関して機材整備をしっかりしていかなければならないという視点と、航空会社も採算面をしっかり考えていきますので、国とかから支援に対してしっかりサポートしていくよう要望とかしっかりすべきではないかというふうに思うんです。県の段階でこれを議論をして云々というのもなかなかなんでしょうけど、国に我々も含めて、欠航が少しでも少なくなるように要望していきたいと思います。  何かコメントがありますか。 184 ◯中迫港湾空港課長 無線施設等につきましては、ジェット空港の場合はILSといいまして計器飛行方式で無線誘導することで就航率の向上につながる部分がございます。ジェット空港は種子島空港、奄美空港の二つでございます。徳之島は同じジェット空港ですが、全ての無線機器が捉えられているわけではないので、準用した形のジェット空港でございます。新たな無線施設をつくるとなると、ジェット空港というのは二千メートルぐらいないと計器飛行ができるようなことにはならないと思っていまして、二千メートルない離島空港につきましては、アールダム方式という機材が変わることによって就航率の向上につながるというところが一番の最良策ではないかなというふうに考えております。 185 ◯日高委員 飛行機で関連で確認だけさせてください。  就航率については、この前の本会議でも国際基準以上あるような答弁でしたね。飛行機の就航率の計算は、例えば一日一便しか飛ばないとすると、分母というのは三百六十五で割るんですか。例えば、きょうは天気が悪いから最初から飛ばないという決定をしているときは三百六十四にするとかですか。 186 ◯中迫港湾空港課長 一日一便の定期便があるという場合は、当然それは分母が三百六十五ということになります。あと、行き帰りがありますので、到着と発着とありますから、三百六十五掛ける二が分母になります。 187 ◯日高委員 通常欠航が多いもんだから、あのような高い数字はないといつも思っているんです。だから、私が考えている計算基礎が違うのかなと思っているもんですから。例えば、きょうは台風だから欠航ですと、最初からわかっている分はその日の一日は消えるということじゃなくて、それも必ず入るんですね。台風が来ようが来まいが三百六十五というのは変わらないんですね。飛行機が故障で飛ばないというのも三百六十五日ですか。 188 ◯中迫港湾空港課長 台風とか機材故障も欠航の一部になりますので、就航率にカウントしております。 189 ◯日高委員 それでは、三百六十五という分母は変わらないということですね。わかりました。  案外、就航率高いなと思ってびっくりして、私なんかは乗れないことが多いもんだから、確認だけさせていただきました。 190 ◯小園委員 先ほどマリンポートの関係で北埠頭に「にっぽん丸」がとまったという話をされましたけれども、北埠頭は船のトン数でいうと、どれぐらいまでが限界なんですか。 191 ◯中迫港湾空港課長 北埠頭につきましては、パンフレットをお配りしたところでございますが、パンフレットによりますと、本港区で北埠頭という文字の下に「(-9)360m」と書いてある岸壁があるかと思います。ここにクルーズ船が着くということになります。ここの岸壁でいきますと、岸壁の前面に防波堤がございます。この防波堤の水域のところの制約等もございまして、クルーズ船が入る場合は回頭水域制約がありますので、この北埠頭には、船の長さ二百四十メートルが限界だというふうに考えておりまして、おおむね五万トン級のクルーズ船の寄港までが可能というふうに考えております。 192 ◯小園委員 そうすると、昨年度実績でいうと、五万トン級というのは大体総隻数のうち何隻ぐらいになるわけですか。 193 ◯中迫港湾空港課長 昨年度の実績でいきますと十数隻だったと思うんですが、暫時休憩をお願いいたします。 194 ◯大久保委員長 暫時休憩いたします。         午後二時 十分休憩      ────────────────         午後二時十一分再開 195 ◯大久保委員長 再開いたします。 196 ◯小園委員 私が県議会議員になったときに北埠頭の問題、マリンポートの問題、いろいろありまして、マリンポートの建設の問題があったのは、私が県議になる前ですね。そのときには北埠頭のところは波浪がするとか、船が非常に渋滞するところなので、海外の船を着けるというのはなかなかなかなか難しいところがあるということでマリンポートの建設というのが持ち上がってきて、現在に至っているというふうに感じているんですが、間違いないですか。 197 ◯中迫港湾空港課長 マリンポートにつきましては、大型観光船の着けるバースがないということで整備いたしました。一方、北埠頭につきましては、奄美・沖縄航路が移転するということで整備をしたところでございますが、貨物量の増加とか荷役形態の変化に伴い拡大してきている新港区の物流関連の施設を全て北埠頭に移転することは難しいということが北埠頭に移転できなかった原因だと考えております。  それと、五万トン以下ということでの隻数でございますが、昨年度クルーズ船が八十三隻鹿児島港に入港しておりまして、そのうち五万トン以下は十隻でございます。 198 ◯小園委員 きょうは臨港道路の陳情の関係も審議をさせていただいたんですが、臨港道路ができた大きな理由は谷山港に物流が集中するため、鹿児島県は離島が多いものですから、北側に持ってきて、そこで船に積みかえるということで、相当の貨物トラックが移動しなければいけなく、渋滞等もあるから臨港道路をつくらないといけないという理由づけがあったというふうに思っているんですが。  そうしますと、鹿児島港を全体的に見たときに、これからもトラック輸送に切りかえて北側に運ぶという作業というのは、いつかはまた交通渋滞を起こすというような気がしないでもないので、谷山港近辺で積みかえていくコンテナヤードみたいな機能というものをつくるようなこともやがては必要なんじゃないかなというふうに思うんです。全体的に鹿児島本港の計画をこれからどういうふうにしていくかということはとても大事なことだというふうに思っており、我々も叱られたり、御指摘を受けたりしているわけなんですけれども、皆様方には失礼な言い方をするかもしれませんけれども、これまで行き当たりばったり的な形で来られたんじゃないかなというようなことは感じられますか。 199 ◯中迫港湾空港課長 委員のおっしゃるとおり、北埠頭につきましては、奄美・沖縄航路が移転するという前提で整備をしましたが、今のところ、奄美・沖縄航路が就航していないという事実はございます。それは社会情勢の変化等もございますので、いろいろと先を見ながら対応していくべきかというふうに考えております。北埠頭につきましては、本港区まちづくり等で魅力的なまちづくりということで取り組みながら、岸壁の利用もあわせて今後考えていきたいというふうに考えております。 200 ◯小園委員 鹿児島本港区につきましては浜平側までだということなんですけれども、全体的に今後どういう計画をもって進んでいくかというのは、いろいろな皆様方が我々もよく指摘をされたり、国会議員からもどうしていくのかと、交通渋滞も含めて問われていると思いますので、ぜひ、十年後あるいは三十年後はこういう形にしなければいけないという計画を立てていただきたいと思います。  それから、私は指宿ですから、例えば夕方の飛行機に乗ろうと思って指宿から車で走ってきますと、交通安全センターの交差点のところ、左折車が慢性的に渋滞しておりまして、五、六回は信号機で最低とまると思うんですけど、六時半ぐらいまで進まない。空港には時間を計りながら行くわけですけれども、とても心配しながら行かないといけない。それと以前も話をしたと思うんですけれども、土・日に、鹿児島市内で夕方から結婚式がある。夕方行こうとすると、サンロイヤルホテルまで一時間五十分ぐらいかかったりする。通常の朝夕の混雑期にも混雑をする。今、鹿屋からは新しい高規格道路ができて空港まで行くのに時間が計れるというんですけど、鹿児島市内の道路渋滞というのは、なかなか計れなくなってきているんです。信号機の問題もあるのかもしれませんが、そういった問題は全て鹿児島市内に集中しているんです。渋滞がどういうふうになっているのか、そういった問題をどういうふうに解決していくか、その原因はどこにあるのかといった調査はなされたことがあるんでしょうか。 201 ◯神宮司道路建設課長 委員のおっしゃるとおり、鹿児島市域は構造的な課題を抱えております。  まず、平地が縦に長いということもございまして、山手側につきましては住宅地が広がっているということもございます。それから川がございまして、縦方向に移動する経路が限られているというような状況もあり、都市構造的に渋滞を抱えているというようなことでございます。これまでも国・県・市で、公安委員会も含めまして渋滞対策につきましては話し合いの場を設けているところでございますが、なかなか最終的な解決までは至っていないところでございます。ただ、活動の中で、南側につきましては国道二百二十六号の平川道路の渋滞はある程度解消されましたし、西側から入り込む交通に対しましては東西幹線道路のトンネルが貫通いたしまして、それで大分軽減しております。まだ足りないということもございますので、現在いろいろと工事をしております。あと北バイパスにつきましても北方向への交通に対処するために一生懸命進めておりますが、全体を大きく進めるほどの予算、進捗はないところでございますが、公安委員会等も含めまして、ハードだけではなくソフトも含めて、交通渋滞対策協議会という組織の中で毎年議論をさせていただいているところでございます。 202 ◯小園委員 一生懸命取り組んでいただいているというのはよくわかっております。平川道路は園田修光議員が衆議院議員になられていたときに陳情要望が始まって、十八年かかったんです。道路というのは相当年数がかかるので。お聞きしたいのは、現在どこが一番渋滞をしていて、そこについてはこういう解決方法があるねと、いや、そこはなかなか難しいねというような仕分けというのはされているものなんでしょうか。 203 ◯神宮司道路建設課長 鹿児島都市圏の交通の特徴ということで、一応九州地方整備局と鹿児島国道事務所が中心になりながら、交通量の多い場所はどこかということで、産業道路の南警察署前交差点といわれますけれども、一日六万三千台。それから国道二百二十五号、あと産業道路の南港の交差点付近、このあたりは五万台から通っております。ただ、通っているから渋滞しているというわけではございませんで、道路の能力に合わせてどのぐらい混雑しているかという指標、混雑度というのがございますけれども、それでいきますと、今変わっているかもしれませんが、市道草牟田城山線の城山入口交差点付近とか、仙巌園交差点付近、東西の入り口でございます建部神社前交差点付近等が混雑しているということでございます。 204 ◯小園委員 鹿児島県は道路公社といういい組織を持っているなと思っています。指宿インターチェンジはいろいろありましたけれども、将来的には道路公社が楕円形の環状線みたいなものをつくる時代が必ず来るんじゃないかなというふうに思っています。ぜひ、そういった大きな夢を描いていただき取り組んでいただければなというふうに思いますし、現状、交通安全センターの前などは一車線あけてくれれば空港へはスムーズに行けるのになと思っています。結構かかるときもありますので、できることはぜひやっていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 205 ◯日高委員 小園委員のスケールの大きい話とは違って、地元の話をすると、私のところは信号はなく、全部真っすぐ時間どおりに行けるところに住んでいるわけですが、それは冗談ですが、何とかならないものかなと思っているのは、歩道が一本しか私のところはないんですが、それが草だらけです。これが、植栽したような形で今あるわけです。出先の方々にも話をするんですが、予算的な話にすぐなってしまうんですが、何とかうまく管理ができないかなと思っているんです。私が見るときはきれいになくなったときと、いっぱいのときと極端です。そのほうがやったという形が出るんでしょうけど。どこの地域も一緒なのかわかりませんけど、年に一回か二回という決まりがあるんですか。予算からするとそうなってくるんでしょうけどどうなんでしょうか。地域によって違うんですか。 206 ◯八木道路維持課長 草刈りにつきましては、県の限られた予算の範囲の中で作業を現在しているところでございますけれども、道路維持補修の予算の中で、道路パトロールを含めいろいろな舗装補修関係とか、路面の清掃、草刈り、これが全て道路維持管理予算の中で地域の実情に合わせた形で実施しているところでございます。 207 ◯日高委員 地域の実情に合っているのは、今の状況ということですか。いつまでにしてくださいという形になっているんでしょうか。年間、半年ぐらいの契約なんですか。例えばA業者に決めたとすれば、その業者が時間があいたときにやっていくとか。いつでも一定の長さを保つというような方法をしないと、このごろは特にひどくなってきていますので。ほかの地域からそういう話は出てきませんか。 208 ◯八木道路維持課長 委員のおっしゃるように、草刈りの苦情も結構数的には多いものがございます。草刈りにつきましては、おおむね年間二回を目標に、おぼんのころと、あと正月前を目標としているところでございますけれども、地域の住宅地でありますとか商店街等、苦情が多いところに優先的に実施をしているという実情もございます。また、山の中の道路につきましてもできるだけ草刈りをするようにはしておりますけれども、予算の範囲内ということがございますので、厳しい状況があるのが実情でございます。 209 ◯日高委員 課長を責めるわけじゃないんですが、私も責められるんです。帰るたびに、あそこがどうこうということばっかりなんです。ですから、この前、出先の屋久島事務所に行って、こう言ってきました。いろいろな大小の企業がありますが、せめて会社の前は自分たちできちんとやってくださいと。それが会社のPRにもなるし、その姿勢を持たさないとこれから管理できないとなったらそうしていかないといけませんと。そうしてくれないと、極端にいうと、道路をつくりません、整備しませんと。私もついつい自分の敷地、自分の事務所があるところは草一本、一年中生えさせませんということを宣言をしてきた関係で、毎日行ったたびに草を刈っています。それだけやると、草はほとんど生えてこないんです。二、三分歩くだけで済むんです。半年、一年おいているから生えてしまうだけであって、やり方を考えれば大きく変わると思っています。せめて、会社や自分の家の前というのを意識させて草を刈ってもらうことによって、隣も恥ずかしくてやっていくんだろうと思っています。金がないとすれば、地域の人がやってくれるんだったら表彰状ぐらい出してあげて。気持ちの問題ですので。そうでもしないと、対応できないんじゃないかなと思っております。予算をふやすのも一つでしょうけど、そういう方法も根本的に変えてやることが大事だと思います。そういう相談の仕方をすれば、いい形ができてくると思っているんです。ぜひ、県全体の取り組みとして、地域で競争もさせてください。予算がつけば一番いいことなんでしょうけど、そのときだけです。 210 ◯八木道路維持課長 現在地域ボランティアを支援する体制ということで、ふるさとの道サポート推進事業というのを行っております。地域住民の皆様が自主的な道路の清掃美化活動を進めるものを支援するということで、共生・協働による温もりのある地域社会づくりに資すると考えております。今、団体の登録者数が平成二十九年三月末で一万五千三百人ほどございまして、団体数にしまして六百五十団体ございます。支援の対象としましては、県管理道路の一定区間、百メートル以上ということでしておりますけれども、日常的な管理を行うとともに、少なくとも年一回以上の剪定、草刈りを行っていただく方々に年間三万円の補助金を現金支給しているところでございます。このような事業のボランティアの皆様を支援する形をとりながら、地域社会のために今後ともこの事業の周知を図ってまいりたいというふうに考えております。 211 ◯日高委員 ぜひ工夫して、金がなければないなりの対応をしていただきたいなと思っております。  今は、歩道の話でしたけど、港湾にしてもそうなんです。港湾も貸し付けている人たちもいるわけです。県道のど真ん中も、私はわざと見えるところにくわでも持っていって取ろうかと思ったりしているんです。しかし、「それは危ないからやめてください」ってすぐ言われるんですが、それぐらいでもしないとですね。意識の問題だと思いますので、ぜひ、それぞれ出先の事務所の前からやはりしないといけないです。発注したときなくなるということじゃいけませんので、自分たちで取っていく、自分の身の周りはやっていくというそういう気持ちになるようにお願いをいたしたいと思います。  それから、港湾空港課長にまた言わないとしょうがないんですが、マリンポートのところで船からターミナルに行くときの通路の話が出ました。これは屋根だけですか、それとも全体かぶっていて外から入れない状況の形ですか。 212 ◯黒川港湾対策監 屋根つき通路のお問い合わせだったと思いますけれども、屋根は覆っていまして、脇は途中まで覆っている。外は見えるという感じです。 213 ◯日高委員 下はあいているんですか。 214 ◯黒川港湾対策監 はい。 215 ◯日高委員 全部下まであるわけじゃないんですね。  私も日ごろから高速船乗りおりの話をしていて、トンネル風になっているジャバラに思ったものですから聞こうとしたところなんです。 216 ◯黒川港湾対策監 今年度の予算で屋根つき通路の発注をしていきますけれども、具体的な指標についてはまた今から設計の中でしていくと思います。基本は屋根つきですので、上を覆うということで、あと下はどこまで覆えるかという今後の設計の中の発注になっていくかと思っております。 217 ◯日高委員 せっかくおいでいただく方々に雨に濡れないように。こういうところは風も強いですから。間違いなく、横殴りの雨に濡れます。上だけあって横から濡れるというのは腹が立ちます。ですから、いっぱい伸ばせるんだったら足元までというぐらい気遣いをしていただきたいと思います。 218 ◯柳 委員 マリンポートの件につきましては、私も要望しようかと思っておりましたが、ぜひ、雨風にも耐えられるようなものを考えていただきたいと思いますので、要望をいたしておきたいと思います。  それと、県営住宅の件なんですけれども、独居の高齢者の方が亡くなったとき、故人の家具等も含めた財産といったものの引き取り手がない、処分に時間がかかるというようなことがあるかと思うんです。そういう実態について県がどれぐらい把握していらっしゃるのかわかりませんが、実際になかなか引き取り手がないとか、処分になかなか時間がかかるというようなことで、半年から一年とかあいている部屋というのがどれぐらいあるものなのか。もちろん、成年後見人であるとかいろんな方々を通じて対処していらっしゃるのかなとは思うんですけど、現状について教えてください。 219 ◯福永住宅政策室長 県営住宅における単身高齢者の死亡時の除去等のお尋ねかと思います。  県営住宅におきまして、過去五年間でございますけれども、孤独死として二十件発生いたしております。年平均すると四件ということでございます。その後で入居者が持っていた家財道具等につきましては、今のところ入居の際の保証人等を通じまして身内の方々に連絡をとっていただきまして、処分していただいているというのが現状でございます。期間どのくらいかかるのか統計的にとっているものではございませんが、やはり退去の後の手続等を考えますと、数カ月はかかっているんじゃないかなというふうに思っております。 220 ◯柳 委員 特に高齢者が入っていらっしゃる階は一階が非常に多いのかなと思うんですが、今、順次県もエレベーターの設置が進んでおりますが、人気のある団地等の県営住宅については非常に申込者が殺到しているというようなこともあるかと思います。そういうときになかなかあかないというようなことがあるように聞いているものですから、今、数カ月というようなお返事でしたが、例えば三カ月あるいは半年連絡がつかないとかいうようなときには、部屋をあけるための対策というのはないものなんですか。 221 ◯福永住宅政策室長 亡くなられた方の後の件につきましては、全て今のところ保証人とかを通じまして身内の方々に連絡がついておりますので、かかる時間というのは実際後片づけ等々の時間が要しているんだというふうに理解しておりますので、特に今の時点で困っている状況というのはないということでございます。 222 ◯柳 委員 今は別に困っている状況はないということで安心はしますが、長く住んでおりますと、保証人の方も亡くなられたりとかいう状況も出てくるかと思いますので、そういったときの対応策というものをしっかりつくっておいていかないと、これからますますそういう事例もふえてくるのかなと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。  それと、鹿児島は明治維新百五十周年あるいは大河ドラマ等もありまして、また国民体育大会等も控えておりますので、観光客がふえてくるというのが想定されるわけです。そうした中で、人にやさしいまちづくり事業というのがあるかと思うんですが、特に国民体育大会等の会場となっているようなところのバリアフリー化がどれぐらい進んでいるのか、今後の予定等についてもお示しをいただければと思います。 223 ◯八木道路維持課長 人にやさしい道づくり事業におきまして、今現在、歩道等の構造の改築といいますか、バリアフリーを行っているところです。国民体育大会等の会場周辺のバリアフリーにつきましては現在各地域振興局を通じまして調査を行って、どれぐらいの工事をするところがあるかを確認しているところでございます。これまでの整備をしてきた県管理道路分につきましては、二十八年度末で前回調査をして対策が必要であるという箇所が三千三百カ所ございまして、これまでに二千九百九十三カ所を整備してきたところです。この国民体育大会等に向けてのまた新たな形で会場周辺のバリアフリーにつきましては、ことしの調査を踏まえてまた整備をしていきたいと考えております。 224 ◯柳 委員 ありがとうございます。特に障害者のスポーツ大会もあるわけですね。大きな飲食店に行っても障害者に対応したトイレがなかったりとかまだまだするわけですね。別に国民体育大会等があるから、障害者スポーツ大会があるからという話ではなくて、観光立県鹿児島としてこれから街全体のバリアフリー化というのをどうデザインしていくかということが今求められていると思いますので、関係各課連携を図っていただきながら進めていっていただきたいと思います。よろしくお願いします。 225 ◯持冨委員 時間を見ながら、話をしたいと思いますが、本会議でも質問しましたけど、本港区エリアのまちづくりの検討事業で業者委託の件につきまして、私の質問には、今、十社程度指名をして、その中から五社程度提出されているということでしたが、資料を見ますと、七月上旬ってなっていますけど、この上旬って何日のことなのかということと、聞いた時点で五社ということでしたが、五社でもう決定なのかということを教えてください。 226 ◯村田土木部参事 ただいま本港区まちづくり事業の関係で、お尋ねがありました。  まず、業者の企画提案の締め切りの日程の関係でありますけど、七月上旬とありますのは七月四日、あしたでございます。あしたまでに提案があるという形になります。それと、先ほど五社が参加の承諾をされたということでありましたけれども、現在この五社につきましてあしたまでに企画提案の書類が上がってくるという形になっております。 227 ◯持冨委員 書類が上がってきましたら、業者選定委員会というのを開くということですが、いつ、メンバーはどういうメンバーですか。 228 ◯村田土木部参事 この本港区まちづくり事業の企画提案の募集に対する審査ですけれども、まだ日程ははっきり確定しておりませんけれども、七月中ということでなっておりますので、来週以降のいずれかで日程調整を今行っているところであります。メンバーにつきましては、土木部を中心としまして関係部局で構成します業者選定委員会という形でなっておりまして、土木部のほかに総務部、企画部、PR・観光戦略部の職員も交えまして約十名のメンバーで業者選定委員会を構成しているところであります。 229 ◯持冨委員 そのメンバーでいろいろな角度で点数をつけていくんでしょうけれども、評価の仕方を教えてください。 230 ◯村田土木部参事 評価についてのお尋ねでありました。  これにつきましては、評価基準というものをこちらで設けております。本会議の場でも答弁あったところでありますけれども、評価としては大きく三項目あります。まずは施設配置予定、技術者の経験・能力、今回の審査につきましては、今年度末にケーススタディとして複数の施設配置イメージを作成していただくということになります。なので、複数の施設配置イメージが上がってきますのは二月ごろになってくるんですけれども、複数の施設配置イメージを効果的に描いてくださる業者はどこかというのを審査するという形であり、人的な体制として、例えば管理技術者、担当技術者とかいった専門的な技術者の方々をどのように配置してくるかということが一点目であります。  続きまして、二点目としましては実施方針ということで、複数の施設配置イメージを作成していく過程で、どういう手順で効果的に絵を描いていただけるかといった中身についてずっと審査していくという形になります。  三番目としましては、今回本港区エリアまちづくり事業で「来て見て感動するまちづくり」ということをテーマに掲げております。具体的には、国内外から観光客を呼び込むための拠点といったような具体的なところがあるんですけれども、実現性の高いゾーニング案というか、複数の施設配置イメージをつくっていただくための適格性とか実現性とか独創性というのを持っていらっしゃるかといったことを中心に審査をしていくという形になっております。 231 ◯持冨委員 最終的に、選考過程とか選考結果について、県民へ状況の公表とかはされるんでしょうか。 232 ◯村田土木部参事 審査を行いました後、これは通常のプロポーザルでもやっていることでありますけれども、最優秀の提案者の企業名とか点数などについても、詳細についてはまだ検討中でありますけれども、何らかの形でそういう事後的に選考過程がわかるような形で公表することを考えております。 233 ◯持冨委員 ぜひ、県民の関心の高い問題でありますので、きちんと説明をしていただきたいと思います。  もう一点、本会議でも質問しましたが、県内に限られた広い土地、鹿児島市内に特に限られた広い土地というのはないわけでありまして、サッカースタジアムとか総合体育館についてはいろいろなところからドルフィンポートにという要請があります。しかし、答弁では、そういうことは考えていないというようなお話でした。鹿児島市には伝えましたかと言ったら、鹿児島市が聞いてきたら伝えますというお話でしたけれども、鹿児島市には伝えられたんでしょうか。 234 ◯村田土木部参事 鹿児島市への回答の件でお話がありましたけれども、まず、本会議での答弁の内容については申しておきますけれども、こちらとしましては、代表質問、一般質問で複数の議員の方から質問がありまして、それぞれ質問の観点が違ったと思います。スポーツ施設そのものについて問われる質問、あるいはまちづくり事業そのものについての質問と質問の観点が違いましたので、答弁の内容というのは若干異なっておりましたけれども、こちらの答弁内容としましては、鹿児島港本港区エリアまちづくり検討事業の観点からお答えをしたものでありまして、具体的に申しますと、サッカースタジアムなどのスポーツ施設は検討対象としていないというような答えでありましたけれども、これにつきましては、鹿児島市で現在サッカー等スタジアム検討協議会というものが開催されまして、整備の必要性等について検討がなされております。あと、県の企画部で総合体育館等について大規模スポーツ施設の在り方検討委員会というのが開かれまして、必要性、機能についての協議がなされているというところであります。したがいまして、大規模スポーツ施設についての検討がなされておりますので、本港区エリアまちづくり事業については検討対象としないということであります。つまり、一つのテーマにつきまして二つの組織では検討しないということで、お答えをしたところでございます。  あと、鹿児島市への回答でございますけれども、今、鹿児島市でサッカー等スタジアム検討協議会で整備の必要性等について議論が行われている最中でありますので、特段、私どものところに整備場所についての要望というのがあるわけではありませんので、こちらから回答は行っていないところであります。普段から鹿児島市との連携というのは行っておりますので、問い合わせがありましたら、回答いたしますということでお答えをしたところであります。 235 ◯持冨委員 鹿児島市と、県の港湾空港課とスポーツ施設対策室といろいろなところで検討しているわけです。一つ一つをきちんきちんと決めていかないと、議論は全部中途半端になっていくと思っているんです。企画部のスポーツ施設対策室には総合体育館はつくらない、排除するという話は来たんですか、また企画部はそれを確認したんですかと言ったら、それはまだ聞いていない、していないという話でした。ドルフィンポートにはもう体育館とかサッカースタジアムはつくらないという結論が出ると、今度は別な議論をしなければいけないんだけれども、私の質問にはドルフィンポート敷地についてはサッカースタジアムなどのスポーツ施設などではなくというふうに、明らかにそれはつくりませんというお話をされました。これは結論なのかということをまずもう一回確認させてください。 236 ◯村田土木部参事 先ほども申しましたとおり、いずれのまとめにつきましても、今現在行っておりますエリアまちづくり事業の検討対象とするかどうかという観点からのお答えでありますので、委員からの御質問のありました点につきましても、サッカースタジアムなどのスポーツ施設はまちづくり検討事業の対象とせずに、今年度はその大規模スポーツ施設の検討状況を見つつ、こちらは独自で活用策等を検討していくという意味でございます。 237 ◯持冨委員 そうしますと、大規模スポーツで質問したときには、最初は委員会で決めると言っていたんですけれども、前回の本会議の答弁では、整備地と完成時期については検討が終わった後に場所を県として決めますという話だったんです。鹿児島県の中にまともに広い土地といったら農業試験場跡地とドルフィンポートしかないと思っているんだけど、最初からそこを排除していけばそんなに選択肢はないと思うんです。そこは連携をとるといいながら、どういう連携をとっているのか、一つ一つ決めていかないと前に進まないのではないかというふうに思いますけどどうですか。 238 ◯村田土木部参事 先ほども申しましたけれども、現在大規模スポーツ施設につきましては、鹿児島市と県の企画部で、必要性、機能といったことについて検討がなされている最中でありますので、そちらについては検討対象とせずに、まちづくり検討事業として、それ以外について検討していくということを述べているところであります。 239 ◯持冨委員 もう一回、確認します。最終的にドルフィンポートにはつくらないということでいいんですね。そういう結論でいいんですね。鹿児島市からも問い合わせが来るんですけど、そういうふうに言っていいんですね。 240 ◯村田土木部参事 大規模スポーツ施設につきましては、それぞれの協議会あるいは委員会で検討がなされている最中であります。したがいまして、一つの事柄について二つの組織では検討しないとそういう観点から、まちづくり検討事業では調査対象にしていないというところであります。 241 ◯持冨委員 調査対象にしていないということなのか、整備地としての可能性を排除しているということなのか、もう一回、答えてください。 242 ◯村田土木部参事 現在、こちらで大規模スポーツ施設の検討の推移というのは状況を見ていくというところでございます。それぞれの検討結果が出るのが、エリアまちづくり事業が公表する二月ごろということでありますので、その時点でどのような状況になるかわかりませんけれども、その間は、我々としてはケーススタディとして複数の施設配置イメージを作成していくという作業になっていきます。現在のところは、今後の状況や来年度の状況というのは、それぞれの検討会の推移を見て考えていきたいと思っております。 243 ◯持冨委員 水かけ論になってしまいますけど、縦割りで一つ一つをやっていくのは結構なんですけれども、するのは県なんですね。しっかり連携をとりながらやっていかないと、ボタンをかけ違うと後でもうどうしようもなくなってしまうということが起き得るものだから。  それともう一つは、在り方検討委員会だとか有識者とかに意見をどんどん聞くということはいいことだと思います。しかしながら、場所とか予算とかは県がある程度主体性を持って決めていかないと、業者とかはなかなかそれはできない話なんだろうと思っております。まちづくりについては、まず業者を選んでアイディアをもらうと、ゾーニングのアイディアをもらうということだけでしょうからある程度はいいのかもしれません。しかしながら、莫大に金がかかっていいという話でもないわけで、そこを一つ一つきちんと決めないで議論だけしてどうやって進んでいくんだろうかと、縦割りであるがゆえにもっと連携をとるべきではないかというふうに思っております。今後もこれは議論していきたいと思っております。 244 ◯鶴丸委員 私も同じような視点でお聞きをしようと思います。お話をお伺いいたしますと、前提として、本港区のまちづくりについては北埠頭と住吉十五番街区、ドルフィンポート、浜町のほうまで含まれているんですか。 245 ◯村田土木部参事 鹿児島港本港区エリアまちづくり検討事業の範囲でございますけれども、こちらで考えておりますのは、県有地あるいは県有施設で今後利活用を検討する区域ということでありまして、具体的には北埠頭、ドルフィンポート敷地あるいは住吉十五番街区といったところを想定しております。 246 ◯鶴丸委員 空間として住吉十五番街区とドルフィンポートがあいているわけです。後でいろいろあってはいけないと思うものだから質問させていただくんですが、例えばプロポーザルで絵を描きますね。後で今お話のあったようなスポーツ施設の議論が出てきたときに、その絵は無駄になりますね。つまり、前提条件がしっかりした形で絵をお願いしないと、でき上がった後、そういう予定ではなかったという議論にならないようなためにしっかりとした手順を踏まえなければならないのではないかと、持冨委員の意味もそこにあるんだろうと思うんです。そこで、ドルフィンポートのここにスポーツ施設を入れないような形で、恐らく業者発注のときに説明をされるわけですが、それはどこでだれがどういう形で決まったんですか。 247 ◯村田土木部参事 先ほど御説明いたしましたとおり、現在この本港区エリアまちづくり検討事業と並行しまして、鹿児島市と県企画部で大規模スポーツ施設に関する協議会あるいは検討会というのが開催されております。スポーツ施設について専門的に協議をする組織があるということで、そちらについてはそちらの協議の議論の推移を見ていくということでありまして、こちらのエリアまちづくり事業についてはそちらは除外しまして検討していくという形になっているところであります。 248 ◯大久保委員長 ここで、速記の都合もございますので、暫時休憩いたします。  再開は、午後三時十五分といたします。
            午後三時   休憩      ────────────────         午後三時十四分再開 249 ◯大久保委員長 それでは、再開いたします。 250 ◯鶴丸委員 村田参事には本当にこの計画づくりで大変御苦労いただいているというふうに思いますけれども、私が申し上げるところだけはしっかりと踏まえておかないと、年度末になってばたばたするようなことになってはいけないと思うので、確認をさせてもらっているところです。と申し上げますのは、ほかのところは委員会ができ上がっているんですが、ドルフィンポートの問題については最初からプロポーザル方式で絵を描いていただくという手順でいかれており、それは、いろいろなことが決まっていて絵を描いてもらうというのはこれはもう可能だと、例えばドルフィンポートの借地権の問題で、前は十五年間の借地でこれをどうするのかと、これも決まっていないという話じゃ描く絵の内容が変わってくるだろうと思います。ということで、いろいろな前提を決めてから絵を描いていただくというのが手順ではないかと思っています。  そのためには、ドルフィンポートの問題については、白紙で委員の方々にどういう形をすればいいかということで、一昨年、前知事が委員会を設置して検討が始まって、順調にいけばことしの三月にはその結果が出る形になっていたわけです。これは知事がかわるわけですのでやめて結構ですが、そのときは順調に進んでいて、ある程度こういう方向で大きな合意がありますと、それからそういうことを前提にして絵を描いてもらいましょうかという手順だったら、後戻りのない方法になるだろうというふうに考えられる。懸念申し上げているのは、それぞれのところで検討はいたしておりますと言っておられますので、例えばプロポーザルについては前提条件として、この問題はほかのところで検討しておりますが、お願いするプロポーザルの中には検討する結果でここにこういうものをつくってほしいということが出てくるかもしれませんので、そういうことも含めて絵を描いてくださいませんでしょうかという投げかけ方ならまだある程度の意味がわかります。しかしながら、今の話をずっと聞いていると、最初からスポーツ施設は除いてお願いされざるを得ないと思うんです。懸念するのは、それぞれの委員会が進んでいく中で、特に鹿児島市を中心にもう一回サッカー場の問題等々ぶり返して、市民全体の合意としてここにはサッカー場がいいんじゃないかという陳情が仮に出てきたとしたときに、それは絵の中には入っておりませんという形になると、一体、千数百万円かけて委託して絵を描いたのは何になるのかということにはならないかということを懸念して質問をさせていただいているところなんです。  今、答えの中であえて求めようとはしませんが、そのことが出てくる可能性がありますねということだけを強く申し上げながら、また、私は十月の質問でこの問題についてはしっかりともう一回議場で議論をさせていただきたいということだけを申し上げておきます。 251 ◯持冨委員 現時点でも答弁をもらったらいいです。 252 ◯鶴丸委員 それでは、私が申し上げたことについての答弁をいただきたい。 253 ◯村田土木部参事 この鹿児島港本港区エリアまちづくり事業の概要なんですけれども、今年度調査・検討を行いまして、来年度さまざまな方々の意見を聞きながらグランドデザインを描くという形になっております。二カ年かけての事業というふうに考えていただけばよろしいんですが、来年度さまざまな方々の意見を聞いてグランドデザインを描くための前段階、準備といたしましての材料集め、検討をしていただくときに、どういった施設というようなことが決まっておりませんので、県としての考え方がどうなのかというのが最初に出てくると思います。そのために今年度一年間かけて県としての考え方をまとめるためにコンサルタント会社と県と一緒になりまして民間企業のヒアリングを行ったりとかいろいろ検討を行いまして、複数案の施設配置イメージをつくり、まず県としての考え方をまとめるという作業がことしの目的です。県としての考え方をまとめた上で、来年度、県としてはこう考えますけど外部の皆様方どうでしょうかという形で意見をお伺いするというやり方が外部の方々の意見も言いやすいのではないかというふうに考えまして、こういうようなスケジュールになっているということであります。  先ほどから大規模スポーツ施設の話が出ておりますけれども、大規模スポーツ施設の関係をまちづくり事業で考えてはどうかという話でしたけれども、繰り返しにはなりますけれども、鹿児島市あるいは県の企画部で必要性・機能につきまして、今、外部有識者を含めて真剣な協議がなされている最中であります。ですから、こちらとしましては、そちらの協議の状況というのを見守っていく必要があるのではないかと考えております。こちらで独自に出しますと、有識者ではない意見になりますので、そちらについてはまちづくり調査事業の検討対象とせずに、こちらとしては業務を進めていくという流れでございます。 254 ◯持冨委員 今の説明では納得いきません。本港区エリアまちづくり検討事業の中で大規模スポーツ施設を検討しなさいと言っているんではないんです。私の質問に対して、ドルフィンポート敷地についてはサッカースタジアムなどのスポーツ施設ではなくと、まず排除されましたから。先に排除するという理由は何ですかということです。 255 ◯村田土木部参事 排除する、しないという、そういうことではありません。繰り返しになりますけれども、鹿児島市あるいは県企画部で大規模スポーツ施設についてはそれぞれ専門的な組織で協議がなされておりますので、改めてまちづくり検討事業では調査・検討の対象にいたしませんというのが本会議でのお答えの内容であります。 256 ◯持冨委員 本会議の議事録や次の日の新聞も見てもらえばいいですけれども、ドルフィンポートには体育施設はつくらないというのが出ましたね。そのことを鹿児島市に伝えたんですかと言ったら、向こうから尋ねられたら答えますという答弁でしたね。ということは、本会議でそこは排除しますという結論を言ったわけじゃないですか。 257 ◯村田土木部参事 こちらの答弁の趣旨は、先ほども申しましたとおり、活用方策等を検討してまいりますという結びになっていたと思います。すなわち、こちらとしましては、鹿児島港本港区エリアまちづくり検討事業の観点から答弁を申し上げたことでございます。 258 ◯持冨委員 もう一回、確認します。  大規模スポーツ施設については排除はしていない、そのこともあり得るという考え方でいいんですか。 259 ◯村田土木部参事 排除する、排除しないという考え方ではありません。今年度、鹿児島市、県企画部で別途大規模スポーツについての協議会、あるいは検討会が設けられており検討がなされているということを踏まえまして、本港区エリアまちづくり検討事業では大規模スポーツ施設につきましては調査・検討の対象としませんというのを申しているわけであります。 260 ◯持冨委員 議事録をしっかりと精査をして、また議会でやりたいと思いますが、一つ一つ本会議で答弁する中身というのは重たいものがありますので、変わってもらっては困るんですね。私たちも、通告もし、取材を受けて質問をしているわけですから。こういう趣旨で質問しますと言って質問しているのに、それに対して答えたことが「いや、それはこういうことでした」と、言葉で「そうじゃありません」とか言っても議会の中で本当に信頼関係なんかは築けないと思います。答弁はしっかりとやっていただきたいと思いますし、私ももう一回議事録を精査して質問をしたいと思います。 261 ◯鶴丸委員 私がプロポーザルを受けるときに、どんな前提でここに絵を描くんですかと当然に問うわけです。スポーツ施設は除きますよという形で絵を描いてくださいということで絵を描いてもらえば、当然除かれた絵が出てくると思います。二年目に出てきた絵をまた新たな委員を置いて検討しますと言われたときに、新たな委員の方々からこの絵は一体何ぞやと、ここにやはりスポーツ施設的なものが必要なんだと思っている委員の人が来られたときには、その絵は一体どういう意味をなしているのかが非常に不安なんです。例えばその中にスポーツゾーンとかあって、そういう可能性もあるんですという形になっているのかどうか。ただ話を聞くと、除いて物事を考えると言われる以上はそういうゾーンは出てきそうにないんですね。一つ一つ手順を踏んでやられないと年度末の段階で皆様方がお苦しみになりますし、我々も何をこのプロポーザルでされたんだろうかという懸念がでますということで質問しているわけです。この委員会の中で今の答弁以上に出てこないんであれば状況は進んでまいりますので、またしっかりと取り上げさせていただいて議論をさせていただくということで、質問は終わりたいと思います。 262 ◯大久保委員長 ほかに質問はありませんか。    [「なし」という者あり] 263 ◯田村参事兼砂防課長 先ほど特定調査のときに鶴丸副委員長から御質問いただきまして回答を保留したことがございましたので、説明をさせていただきたいと思います。  まず、一点目ですけれども、土砂災害危険箇所の要整備箇所に対する整備率、鹿児島県は約三六%でしたが、九州各県はどういう状況かといった御質問がありました。  九州各県の砂防主管課に聞き取りはしておりまして、ただ各県によって公表していなかったり、あるいは若干要整備箇所の定義が違ったりしますので、各県の状況、生の数字では御説明できないんですけれども、大体九州全体を、鹿児島県も含めて平均しますと、要整備箇所に対する整備率が大体約二六%ぐらいかなという状況で、それに対して鹿児島県が約三六%というのが現状でございます。  また、二点目に、質問いただきまして答えたことで誤りがありましたので、訂正させていただきます。  今後の砂防施設の整備に対する目標を持っていないのか、目標を定めた計画があるのかということに対しまして、間違って「ない」とお答えしてしまいましたけれども、あります。平成三十二年度までに整備率を三七%にするという目標でもって鋭意進めております。鹿児島県の地域強靱化計画が平成二十八年三月に策定されておりまして、その中で重点化プログラムの重要業績指標ということで、土砂災害対策につきましても土砂災害危険箇所の整備率を平成二十六年は三五%であったものを平成三十二年度までに三七%にするというふうに目標を定めて、その目標が達成できますように鋭意進めておりますので、おわびして訂正させていただきます。  以上です。 264 ◯福永住宅政策室長 き久委員からの空き家の市町村への派遣の市町村名を申し上げたんですが、市町村名が間違っておりました。鹿児島市、鹿屋市、霧島市、南さつま市の四市でございます。おわびして訂正させていただきたいと思います。  それから、空き家の指導等の件数というふうに申し上げたところがあったと思いますけれども、これは指導を行った結果、除却された件数ということでございます。これが二十七年度九十七件、二十八年度二百十五件ということでございます。おわびして訂正させていただきたいと思います。 265 ◯大久保委員長 ほかに質問ありませんので、県政一般を終了いたします。  委員長報告につきましては、特定調査事項を含み、文案等は当席に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 266 ◯大久保委員長 御異議ありませんので、そのようにいたします。  次に、鹿児島県議会会議規則第七十五条の規定に基づく閉会中の委員会活動に関する継続審査事件についてお諮りいたします。  請願・陳情以外の案件に係る閉会中の継続審査事件については、県政の重要計画について、交通・情報通信体系の整備について、観光振興対策について、県土の保全及び生活環境の整備についての四項目といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」という者あり] 267 ◯大久保委員長 御異議ありませんので、そのように決定いたしました。  以上で、当委員会の日程は全て終了いたしました。  これをもちまして、企画観光建設委員会を閉会いたします。  御苦労さまでした。         午後三時三十分閉会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...