また、お隣の高松空港では、新規路線の開設や増便に取り組み、旅客数は現在の195万人から2032年には307万人にふやす目標を掲げ、
搭乗ゲートを現在の6スポットから8スポットに拡大するほか、保安区域の面積を3,000平米拡張して魅力的な
商業施設づくりを進めるなど、空港機能の拡充に積極的に取り組むとしています。このように、空港運営を
民間事業者が担うことによって、路線数をふやし、旅客数の増加につなげようとする取り組みが進んでおり、
地方空港を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。
そんな中、国管理の空港の松山空港では、昨年11月にソウル線が約1年ぶりに再開され、また、本年3月には札幌線が開設されました。その結果、約5万人の
国際線利用を含めた昨年度の旅客数が300万人を突破し、
中四国最大の空港になるなど発展を続けているところでありますが、
地方空港を取り巻く環境が大きく変わろうとしている中、
インバウンドを含め、さらに多くの観光客を呼び込むためには、空港の機能拡充や利用しやすい環境の整備に努めることが重要と考えております。
愛媛県民の税金で成り立っておりますこの松山空港の機能拡充や利用促進に向けて、県では今後、どのように取り組んでいくか、お考えをお聞かせください。よろしくお願いします。
2つ目もやはり
インバウンドを含めた観光のお話になります。こちらは、空からの誘客に続きまして、海からの
インバウンド対策である
クルーズ振興についてを伺います。
観光庁が2016年に策定した明日の日本を支える
観光ビジョンでは、
東京オリンピックが開催される2020年までに
訪日外国人旅行者数を4,000万人に、2030年には6,000万人にするという目標を掲げていますが、そのビジョンの中には、2020年までに船での
訪日クルーズ旅客数500万人を目指すという計画が掲げられています。実際、
クルーズ船による
訪日旅客数は大幅に伸びており、昨年の
訪日クルーズ船旅客数は、前年比約27%増の253万人と過去最高を記録しました。
また、近年、全国各地で
大型クルーズ船の受け入れに向けた各港の整備が進んでおり、2010年における
クルーズ船の寄港回数が929回だったのに対して、昨年は2,765回、約3倍に増加しております。
そのような中、四国における昨年の
受け入れ実績を見ますと、
クルーズ船による
外国人旅客数が、前年比約72%増の9万5,700人、港に寄る寄港回数が、前年比約66%増の93回といずれも過去最高を記録し、全国的な
クルーズ振興の流れが四国にも普及しつつあり、大変うれしく思う次第です。
四国の中で寄港回数の多い港は、高知新港42回、高松港13回、宇和島港12回となっており、寄港回数の最も多い高知新港は、平成10年に
国際貿易港として一部供用開始後、平成26年にはメーンバースが新たに供用開始となり、開港以来、その回数を大きく伸ばしております。
昨年策定された第2期
高知新港振興プランでは、物流と
クルーズ観光が共存した港を目指し、さらなる
クルーズ船誘致に力を入れるとしています。また、同
振興プランによりますと、中国から40時間程度でファーストまたは
ラストポートとして最適、また、22万総t級の客船が寄港可能であり、大型客船が同時に2隻着岸できる、また、150台のバスが駐車可能などといった高知新港の優位性を挙げているとともに、28年度の乗船客の消費においても、経済効果は直接的なもので9.4億円、間接的な経済効果も含めますと15.8億円の効果があり、中でも中国人による消費効果が高かったとしています。
本県においても、来年、乗客定員約2,700名の
大型クルーズ船ダイヤモンド・
プリンセスが松山港に寄港することが決定し、今後の
クルーズ振興に期待をしているところです。
また、本県には寄港実績の多い宇和島港を初め今治港、新居浜港など、歴史や食材など魅力的な観光資源を有する港も多くあります。
クルーズ振興は、経済効果が高く、本県の
認知度向上にもつながるものであり、中でも消費額の多い外国人をターゲットとした取り組みを進めていただきたいと考えております。
そこで、お伺いします。
外国人観光客の増加に向け、来年の
ダイヤモンド・
プリンセスの受け入れも含めた
クルーズ振興に今後、どのように取り組んでいくか、お聞かせください。
次に、えひめさんさん物語についてを伺います。
これまで南予を対象とした
観光イベントが中心でしたが、来年いよいよ
東予東部圏域における
地域活性化イベントえひめさんさん物語が新居浜市、西条市、四国中央市の3市で開催される運びとなり、地元住民の一人としては大変うれしく、大いに期待しているところです。
えひめさんさん物語は、
西日本最高峰の石鎚山を初めとした山と県内の
製造品出荷額の5割以上を占める
ものづくり、そして山や
ものづくりなどに育まれた文化、風土など、3市に共通するテーマを題材とした
イベントとして準備が進められております。この
イベントを成功に結びつけるためには、地域住民の方々の主体的な参加が不可欠で、
イベントを通じて地域のすばらしさをみずから再発見し、それが誇りとなり、持続的な
地域活性化の活動につながるような仕組みとすることが大変重要であると思います。
そのような中、先日、新居浜市、西条市、四国中央市の3市の市報5月号に、えひめさんさん物語の記事がそれぞれ掲載されていました。それぞれ
イベントの趣旨説明、えひめさんさん物語のネーミングの意図、そして
チャンレンジプログラム参加者募集が広報されており、
イベント実施に向けて動き出したことを実感した次第です。
特に、
チャレンジプログラムは、地域住民や企業、団体が担い手となり開発する
プログラムで、
イベント終了後も継続的な実施につなげる取り組みとして、これまでの南予での
イベントのノウハウが生かされていると心強く感じておりますとともに、多くの住民の方々がこの
プログラムに参加し、3市の魅力を県内外に発信していただきたいと願っております。
さて、
イベントを成功させるためのもう一つの重要な要素が、いかに多くの人に来ていただくかという視点です。3市にはそれぞれ特徴的な産業があるとともに、すばらしい自然や産業遺産などの観光資源がありますが、県外の方々は、愛媛に観光に来ても、
東予東部地域まで足を延ばす方は少数派でしょうし、県内においても、中予や南予の方々は、東予地域の魅力を御存じない方も多いのではないでしょうか。そのため、今回の
イベントにおいては、これまで実施してきた
イベント以上に誘客に努めていただき、地元の盛り上がりと誘客の両輪で成功に導いていただきたいと思うのであります。ぜひ、どうか一人でも多くの方々に来て、見て、
東予東部地域の魅力に気づいていただきたい、一緒に盛り上げていただきたいと考えています。
そこで、お伺いします。
えひめさんさん物語の
誘客対象地域についてどう考えているか。また、今後、どのように
広報宣伝活動を展開していくかをお聞かせください。
次に、
地域産業について、
人手不足対策についてをお伺いします。
県内の本年4月の
有効求人倍率は1.57倍を記録し、バブル期を超える状況にありますが、裏を返せば、このような雇用の改善は、少子化が進行する中では
人手不足を意味するものでもあります。また、先週末に成立した働き方
改革関連法の根底にも少子化が深くかかわっており、短期間で解消できない少子化による
人手不足の問題は、今後、ますます深刻になるものと思われます。
また、
人手不足は、医療や建設、製造業などの分野を中心に深刻であると伺っております。私の生活している東予地域には多くの製造業が集積しておりますが、地元の中小企業の方々からは、
人手不足に悩まされている声が数多く聞こえてまいります。このままでは、地域を支えてきた産業の衰退が危惧されるところであります。このような
人手不足の背景には、ただいま申し上げた少子化による人口減少はもとより、
地域産業の担い手となり得る若者が、県外などに進学、就職し、地元に戻ってこないことも大きな要因として挙げられます。
県の
人口ビジョンによりますと、東予地域においては地域外への転出超過が続いており、その数も年々増加しております。また、その中心となっているのが10歳から19歳と20歳から29歳の若い年齢層で、この2つの層を合わせた数が全体の7割以上を占めています。
こうした中、県では、
本県出身者が多く在住している東京と大阪の二大都市圏において、
ふるさと愛媛Uターンセンターの県外窓口を開設し、県内企業の
人手不足の解消につながる取り組みや、これから進学・就職を迎える若者に愛媛で暮らす魅力を伝えるためのPR漫画を作成するなど新たな取り組みを開始しており、大変心強く感じているとともに、今後の成果にも期待しているところです。
しかしながら、若者の流出に歯どめをかけることは容易ではなく、就職や進学先など将来の進路を決定する大切な時期である高校の教育現場での取り組みが不可欠です。今後は、職業学科に加え、普通科においても、将来を担う
高校生たちに
地域産業の魅力を伝えるとともに、地元に残って地域を支えていきたい、あるいはいつか地元に戻って自分の学んだ知識や技能で
地域産業に貢献したいという意識を醸成することが一層重要になってくるものと考えております。
そこで、お伺いいたします。
県立高校では、
地域産業の魅力を理解し、その担い手となる人材の育成にどのように取り組んでいるか、お聞かせ願います。
もう一つ、就労についてお伺いします。次は、
外国人技能実習生についてをお伺いいたします。
1993年に制度化された
外国人技能実習制度は、
発展途上国などへの技術移転という国際協力の推進とともに、愛媛の
ものづくり産業にとって重要な役割を担ってきたと言っても過言ではありません。近年、
人手不足問題を抱える中小企業にとって貴重な労働力でもあり、
外国人技能実習生の確保についての期待と必要性はますます高まっているように思われます。
外国人技能実習制度の現状を見ると、2017年末時点では、約27万4,000人が日本に滞在しておられます。愛媛県内には約5,000人が滞在していると聞いております。また、10年前の2008年ごろには、繊維や衣服関係の職種が多かった実習生も、現在は建設、農業、機械、金属関係の職種がふえてきています。
以前は、中国からの受け入れが多かったのですが、現在はベトナムが約45%を占め、中国は3割以下に減っております。時代とともに実習生の受け入れも大きく変わっているのがわかりますが、反面、今のように
人手不足が顕著な状況でも
外国人就労の拡大ではなく、あくまでも
技能実習制度の活用というところに大きな疑問を感じます。近年、実習期間の5年への延長や対象職種の拡大など制度の改善は進んでいるようですが、現場の要求とかみ合っていないのが現実です。中小企業の
人手不足は深刻化しており、
地域産業の衰退も危惧されている中、
技能実習制度とは別に海外からの
中長期就労受け入れ枠をしっかり拡大するべきだと考えます。
先月15日に閣議決定された
経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる骨太の方針2018では、
外国人人材の活用に踏み込み、就労目的の外国人を受け入れるための新しい資格をつくることが明記されました。一定の専門性や技能を有し、即戦力となる外国人の就労に門戸を開くというものであります。
受け入れ業種については、
国内人材確保などの取り組みを行ってもなお、当該業種の存続、発展のために
外国人人材の受け入れが必要な業種とし、農業、介護、建設などが想定されています。特に、技能実習を修了した人材であれば、試験がなくても資格が得られる見通しであり、本県においても、将来的な
外国人就労の拡大も見据え、まずは実習生の確保に向けた一層の取り組みをお願いしたいところです。
このような中、ことし1月には、知事の後押しのもと、本県と
カンボジア関係機関との間で
技能実習生受け入れにかかわる包括協定が締結され、今後の取り組みにも期待するところでございます。
そこでお伺いいたしますが、本県における
外国人技能実習生の確保に向けた環境整備について、今後、どのように取り組んでいくのかお聞かせください。
次に、
ドクターヘリについてを伺います。
この
ドクターヘリについての質問は、今回で3回目となります。第1回目には、
ドクターヘリの導入と役割についてを伺いました。第2回目には、基地病院が
住宅密集地にある
県立中央病院ということになり、頻繁に離発着を繰り返す
ドクターヘリの周辺をも含めた安全性についてを伺いました。そして、今回は、就航から1年を経て効果的な運用ができているかどうかについてを伺います。
救急医療では、一次救急から三次救急までの重層的な医療体系によって提供されておりますが、脳梗塞や心筋梗塞など重篤な患者については、可能な限り早く治療を行うことが特に重要であり、医師が最初に患者に会って初期治療を行うまでの1分1秒を争う時間との勝負とも言われています。
ドクターヘリは、離島や山間部などの地形や渋滞などの交通状況に左右されることなく、救急隊から患者を受け取れる
ランデブーポイントから医師や看護師が患者の状態を確認しながら応急処置を行い、必要な治療ができる医療機関に迅速に搬送でき、重篤な患者にとってすぐれた搬送手段となっています。
本県でも、平成29年2月から
ドクターヘリがスタートし、まさに1分1秒を争う患者への初期治療までの時間が短縮されました。運航開始から1年余りがたちましたが、
ドクターヘリでなければ命が助からなかった症例も多くあると聞いております。
ドクターヘリの基地病院である
県立中央病院と
フライトドクターや、
フライトナースを確保するための人材育成を行う
愛媛大学医学部附属病院を初め、消防機関や
運航事業者などの緊密な連携、協力体制のもとで本県の
ドクターヘリ事業が実施されており、関係者の御尽力に深く敬意を表する次第です。
最近では、テレビや新聞で本県の
ドクターヘリの特集が組まれるなど県民の関心も高いほか、島嶼部や山間部の多い本県の地理的な条件から見ても、
ドクターヘリが果たす役割や期待は大きく、今後、ますます
ドクターヘリの活用が進むと思われます。
さらに、
南海トラフ巨大地震を初め大規模災害時のことを考えると、近隣県との広域連携も必要でありますが、去る6月5日には、高知県及び徳島県との間で
ドクターヘリの
相互応援協定が締結されたと聞いております。四国での連携体制の構築も進んでいることを心強く思います。
そこで、お伺いしますが、
ドクターヘリの運航開始から1年余りが経過しましたが、運航状況はどうか。また、効果的な運用に向けて、県は今後、どのように取り組んでいくかをお聞かせください。
最後の7番目の質問になりますが、県内における
防犯カメラの現状についてを伺います。
愛媛県警が公表している治安水準の一つの目標となる昨年の
刑法犯認知件数は9,207件と14年連続で減少し、毎年改善傾向にあります。この犯罪減少の背景には、県警による日々の活動などによるものと深く敬意を表する次第であります。
一方、近年、町なかの至るところで
防犯カメラを見かけるようになりましたが、犯罪が減少した要因の一つとして、
防犯カメラの整備による影響も大きいのではないかと思います。
しかしながら、ここ最近においても、全国的に登下校途中の子供が殺害される残忍な事件や、コンビニエンスストアなどで宅配などにより現金を送付させるなどの
特殊詐欺事件など、我々の身近で発生する犯罪が後を絶ちません。
また、近年の犯罪は、場所や時間を選ばなくなっていると同時に、以前では考えられない動機の事件も多発しており、かつて犯罪防止に大きな役割を果たしてきた地域における人々のきずなや規範意識の希薄化の懸念もされている中、
防犯カメラの映像が重大事件の捜査に役立つ事例もふえております。その重要性は、今後、さらに高まっていくものと思われました。
こうした中、県警におかれましては、平成25年に施行されました愛媛県犯罪の起きにくい安全で安心な
まちづくり条例に基づき、県民や事業者、地域の団体などと連携して、道路や公園などの公共施設や住宅街、通学路における犯罪など、県民の身近で発生する犯罪を防止するため、
防犯カメラの整備に取り組んでいると伺っており、その取り組みにより、本県における犯罪件数のさらなる減少に期待をするところであります。
そこで、お伺いします。
県内における
防犯カメラの現状と今後の整備方針はどうか、お聞かせください。
以上、大きく7つの質問をさせていただきました。適切な御答弁をお願いして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
○(
鈴木俊広議長) 理事者の答弁を求めます。
○(中村時広知事) 議長
○(
鈴木俊広議長) 中村知事
〔中村時広知事登壇〕
○(中村時広知事) 宇高議員に、まず、
クルーズ振興についての御質問にお答えをさせていただきます。
外国
クルーズ船は、一度の寄港で多数の観光客が来県し、食事や買い物等の直接消費に加え、バスやタクシー等の需要拡大を通じて
地域活性化に大きく寄与するため、県では、国と連携して松山港の港湾施設の改修を進めるとともに、受け入れ体制の整備や
クルーズ船誘致に取り組む市町への助成を行うなど、
クルーズ振興に取り組んでいるところであります。
私もこの会社に伺ってきましたけれども、来年の初寄港が実現した
ダイヤモンド・
プリンセスの受け入れに万全を期すため、松山市設置の松山港
クルーズ振興会に参画し、課題の洗い出しや対策の検討を進めるとともに、船会社が求める魅力的な観光
プログラムの開発に向け、愛媛DMO等と連携し、サイクリング等の体験型コンテンツや食、伝統工芸等を組み込んだプレミアムなツアー造成を進めているところであります。
今後は、市町とともに船会社等への働きかけをより強化し、現在、年間10隻前後が寄港する宇和島港や
ダイヤモンド・
プリンセスの寄港を契機とした松山港へのさらなる誘致を図りながら、瀬戸内海を横断する富裕層向け小型
クルーズ船の寄港の可能性も探るなど、県全体で
クルーズ振興を加速し、本県への
外国人観光客の一層の誘客に取り組んでまいりたいと思います。
次に、
ドクターヘリについての御質問にお答えをさせていただきます。
県民の命を守る重要な使命を担う
ドクターヘリは、公約にも掲げてまいりましたが、本格的運航を開始した平成29年度には259件出動し、救急現場での初期治療や重篤な患者搬送等に当たっており、救命率向上と後遺症軽減に多くの成果を上げているものと思います。
県では、
ドクターヘリの機能を最大限発揮するため、消防との合同訓練や症例検討会を重ね、連携強化と運用の改善を図るとともに、今年度から新たに市町の行うヘリポート整備に補助し、島嶼部や山間部等の
ランデブーポイントを拡充するなど、
ドクターヘリの効果的、効率的な運航体制の構築に努めているところでございます。
さらに、ことしの6月には、四国内で
ドクターヘリを保有する高知県及び徳島県と
相互応援協定を締結しまして、県境での救急搬送や大規模事故、災害時などの広域連携体制を整備したところであり、今後、隣接する広島県とも協議を進め、さらなる県民の安全・安心の確保に取り組むこととしておりますが、運航に必要な財政負担が地方に転嫁されている状況は、これまでたび重なる国への要望を繰り返してまいりましたが、結果としては、改善は見られるものの解消には至っておらず、引き続きルールどおり国の責任において財源を確保するよう求めてまいりたいと思います。
その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。
○(西本牧史
企画振興部長) 議長
○(
鈴木俊広議長) 西本
企画振興部長
〔西本牧史
企画振興部長登壇〕
○(西本牧史
企画振興部長) 観光振興に関する御質問のうち、松山空港の機能拡充についてお答えをいたします。
近年、LCCの参入や
インバウンド需要の増加、空港の民営化等によりまして、
地方空港間の競争が激化する中、国内外との交流人口を拡大し、地域経済を活性化させるためには、松山空港における航空ネットワークの充実と利便性の向上を一層推進する必要があると考えております。
このため、県では、昨年度、ソウル便の再開や札幌便の就航を実現するとともに、松山外環状道路側道部の空港延伸によるアクセスの向上や運用時間の1時間延長を図ったほか、松山空港ビル株式会社におきましても、レストランや店舗を全面的にリニューアルするなど、愛媛らしい魅力ある空港づくりに努めているところでございます。
県としては、今後とも関係機関と緊密に連携しながら、国際線を初めとする路線の新規開設や増便を積極的に推進するとともに、駐車場の増設や駐機スポットの拡張など、空港施設の整備促進に取り組み、ソフト・ハード両面において、空港の魅力向上や機能強化を図ってまいりたいと考えております。
なお、松山空港の民営化につきましては、国の責任で取り組むべき滑走路の耐震化が完了していないことなどから慎重に検討する必要があると考えておりまして、先行している他空港の実績や成果を注視しているところでございます。
以上でございます。
○(田中英樹
経済労働部長) 議長
○(
鈴木俊広議長) 田中
経済労働部長
〔田中英樹
経済労働部長登壇〕
○(田中英樹
経済労働部長) 2点のお尋ねに対しお答えいたします。
まず、観光振興の御質問のうち、えひめさんさん物語の誘客についてお答えいたします。
観光振興のみならず、移住や定住の促進も目的にしているえひめさんさん物語では、地元の
東予東部圏域を集客の第1次エリア、四国内の1時間以内で来場できる範囲を第2次エリアと設定するほか、本県の宿泊客の約3割を占める関西圏までの範囲を第3次エリアに設定し、効果的な誘客を図ることとしているところでございます。
このため、県内外でのキャラバンチームによるPR活動に加え、第1次エリアでは、プレ
イベントの開催や
チャレンジプログラムの掘り起こし、第2次エリアでは、県内メディアの活用や各種
イベントへの出展、第3次エリアでは、旅行会社への魅力的な商品造成の働きかけのほか、交通事業者等と連携したプロモーション活動などを通じて県内外からの誘客を図りたいと考えております。
さらに、地域や
イベントの魅力を伝える動画コンテンツを公式ホームページやSNS等で発信するなどにより、全国的な知名度アップと圏域のブランド化につなげることとしており、今後とも地元3市や愛媛DMO等と連携しながら
広報宣伝活動を強化し、
イベントを成功へ導いてまいりたいと考えております。
次に、
地域産業における
人手不足対策の御質問のうち、
外国人技能実習生の確保についてお答えいたします。
外国人技能実習制度は、開発途上国等への技能移転を目的とした国際貢献として位置づけられておりますが、
人手不足が深刻化している中で
地域産業の担い手としても大きな期待が寄せられているため、県では、実習生の適正かつ円滑な受け入れ等に対する支援に取り組んでいるところであります。
これまで、県内の受け入れ組合を対象とした法令遵守や労務管理等のセミナーへの助成を行いますとともに、県
外国人技能実習生受入組合協議会とベトナムやミャンマー、カンボジアの政府機関等との受け入れ協定の締結に際し知事が立会人を務めるなど、積極的な後押しを行っており、本県の技能実習生の数は5年前と比較して約1,600人、率にして45%増加しているところでございます。
また、今年度は、実習生と地域社会との共生を進めるための日本語教育や技能講習受講時の翻訳サポート等の取り組みも支援することとしております。
加えて、5月末の国への重要要望の際には、優良な送り出し機関の開拓や実習生向けの語学講習等に対する支援策も拡充するよう強く要望しているところであり、今後とも国の外国人技能実習機構や労働局など関係機関との連携も密にして、
外国人技能実習生の受け入れ環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(井上正教育長) 議長
○(
鈴木俊広議長) 井上教育長
〔井上正教育長登壇〕
○(井上正教育長)
地域産業の
人手不足対策に関する御質問のうち、県立高校での
地域産業の担い手づくりについてお答えをさせていただきます。
人口減少社会が到来する中、地域社会の活力を維持、発展させていくためには、
地域産業の魅力を実感することによって、将来にわたって愛媛に貢献する意欲を持つ高校生の育成が極めて重要であると認識をしております。
このため、県立高校では、教員が訪問をしましたスゴ技企業を含む県内企業の紹介や、インターンシップなどにより生徒の県内企業への関心を高めますとともに、特に職業学科におきましては、地学地就をキーワードに、国のスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール事業を積極的に活用して、今治工業高校、宇和島水産高校が指定を受けまして、実践的で高度な知識、技能の習得に努めるなど、各産業の発展に寄与する人材を育成しております。
さらに、農業科では、地域の基幹作物を対象にしたグローバルGAP認証取得等の新規事業にも取り組んでいるところでございます。
また、普通科におきましては、生徒自身が市町や企業と連携し、地域課題を解決するプロジェクトの実践や地元大学、研究所等での体験学習を行いますほか、中学生段階におきましても、5日間の職場体験学習えひめジョブチャレンジU−15事業を実施することで、地元定着や大学等卒業後にUターンする意識を醸成しております。
今後とも
地域産業界との連携を一層深め、企業のニーズを踏まえたキャリア教育の充実を図りますとともに、
地域産業の発展に貢献できる人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
○(
鈴木俊広議長) 福井
防災安全統括部長
〔福井琴樹
防災安全統括部長登壇〕
○(福井琴樹
防災安全統括部長) 再質問にお答えいたします。
まず初めに、問い4の(2)のア、再処理工場への搬出に関しまして、昨今の情勢も踏まえ、県の方はどういうふうに見ているのかということでございます。
国の方では、先般発表されましたエネルギー計画の改定案、こちらの方でも核燃料サイクルの推進、それから六ヶ所再処理工場の竣工を進めるというふうなことを記載されております。それから、プルトニウムのお話でございますが、こちらの方も国として何らかの方針を決定したというような発表はなされておりません。そういったことで、国の方で使用済み燃料対策を着実に推進する方針ということのもとに、県として要請をするというふうに先ほど答弁をさせていただきました。
続きまして、問い4の(2)のイ、保管期間の関係でより具体的に説明してほしいとの御質問にお答えいたします。
先ほどお答えしましたように、搬出するまでの期間につきましては、再処理工場の稼動などなかなか四国電力だけでは対応できない問題もございまして、安全協定において規定をしていないわけではございますが、安全協定におきまして、再処理工場へ搬出しなければならないと規定をしておりまして、最終的に再処理工場へ搬出するということは、ここにはっきりと規定をされております。
今後とも、四国電力に対し搬出に向けて取り組みの要請をしていく考えでございます。
以上でございます。
○(武井多佳子議員) 議長
○(
鈴木俊広議長) 武井多佳子議員
〔武井多佳子議員登壇〕
○(
鈴木俊広議長) 初めに、再々質問の項目番号を誤りなく全部述べてください。また、複数の項目について再々質問を行う場合は、一問ごとに項目番号を述べてから質問を行ってください。残りの時間は1分57秒です。
○(武井多佳子議員) 2の加計学園の問題のイと、そして、4の乾式貯蔵施設のところのアを再々質問させていただきたいと思います。
では、加計学園の問題、本当に県民が注目していると思いますけれども、今本当に納得を県はしていないという、そして、説得力ある内容で示されるべき、それはあちら側というんですけれども、私たちは税金を出す側の立場として、県に行動してほしいということなんですけれども、それは考えているだけで何か正式に文書として出さなくても何らかの働きかけをしてくださっているのであれば、その点もう少し、今せっかくの重要な機会なのでお答えを丁寧にいただけたらなと思います。再々質問をさせていただきます。
そして、伊方原発の乾式貯蔵施設、ちょっと聞き取りがなかなか難しかったんですけれども、一時保管についてのアのところで、私は先ほども、繰り返しますけれども、6月中に政府が、アメリカから要請されているプルトニウムの問題で指針を出すと言っていて、最新の情報もつかめなかったんですけれども、そういう背景もある中で、県としてやはりこの問題を深刻にというか、思ってほしいということで、考えてほしいということで聞いておりまして、国頼みでは最終処分場になってしまってはいけないわけですから、その辺の国の動きも踏まえた県としての考え方、もう一度再々質問でお答えいただきたいと思います。
以上2点をお願いいたします。
○(
鈴木俊広議長) 理事者の答弁を求めます。
○(西本牧史
企画振興部長) 議長
○(
鈴木俊広議長) 西本
企画振興部長
〔西本牧史
企画振興部長登壇〕
○(西本牧史
企画振興部長) 武井議員の再々質問にお答えをいたします。
問い2の(2)の再々質問ですが、加計学園の説明に対し県として行動をしてほしいというふうな趣旨の御質問だと思いますが、この問題につきましては、先般、理事長がきちんとした形での会見を検討するというふうに発言をされていますことから、オープンな形で会見が開かれるのではないかと考えているところでございます。
いずれにしても、学園の最高責任者が対外的な説明責任をしっかりと果たすことが重要であるというふうに認識をしております。
以上でございます。
○(福井琴樹
防災安全統括部長) 議長
○(
鈴木俊広議長) 福井
防災安全統括部長
〔福井琴樹
防災安全統括部長登壇〕
○(福井琴樹
防災安全統括部長) 武井議員の再々質問についてお答えいたします。
問い4の(2)のア、プルトニウムの指針の改訂等が報道されている中、県としての考え方を示してほしいという再々質問に対してお答えいたします。
報道については承知しておりますけれども、先ほどもお答えしましたように、国から正式な発表等はございません。したがいまして、県といたしましては、今後とも国に対し使用済み燃料対策の推進を引き続き要請していく考えでございます。
以上でございます。
○(
鈴木俊広議長) 休憩いたします。
午後1時から再開いたします。
午前11時59分 休憩
―――――――――――――――――
午後1時 再開
○(
鈴木俊広議長) 再開いたします。
質疑を続けます。
○(赤松泰伸議員) 議長
○(
鈴木俊広議長) 赤松泰伸議員
〔赤松泰伸議員登壇〕
○(赤松泰伸議員) (拍手)まず、酒とミカンをこよなく愛し、愛媛の酒と愛媛ミカンの販路拡大等に長年御尽力いただきました愛媛の酒を育む会会長、愛媛県議会果樹農業振興議員連盟前会長故
寺井修議員の御冥福を心からお祈りし、質問に入ります。
まず、愛のくにえひめ営業本部の活動状況についてお伺いします。
他の自治体には類を見ない県内事業者の販路開拓、販路拡大をサポートする営業部隊愛のくにえひめ営業本部が平成24年度に設置されてから7年目を迎えました。営業本部の活動が進められるのにあわせて、昨今、全国ネットの情報番組で県産品や県内観光資源などが多く取り上げられるようになってきていると感じています。県産品を使った料理を食べたタレントのおいしいといったコメントや、観光地を訪れ思わず口から出る感嘆の声を耳にしながら、愛媛県の持つポテンシャルの高さを再認識するとともに、これらの番組をきっかけに県産品の販路拡大はもとより、本県の一層の知名度向上につながっていくことを心から願っております。
この営業本部の取り組みは、商社出身の中村知事が民間企業で培ったノウハウを県庁組織にビルドインした上で、県庁職員に直接営業に対する考え方や心構えを浸透させてきたことで、職員の総合商社株式会社愛媛の営業マンとしての自覚が定着してきたものであり、また、みずからも営業の先頭に立ち続けている知事のリーダーシップを大変頼もしく感じております。また、実需の創出により地域経済の活性化を図るという本県独自の経済施策を、国の地方創生の流れに先んじて構想、実施してきた知事の発想、先見性、そして行動力に対し、改めて敬意を表するものであります。
さて、先般発表された営業本部の29年度の営業実績では、県関与年間成約額が約113億円となり、目標として掲げていた110億円を見事に達成されました。これは、積極的なトップセールスを初め、県と県内事業者や関係団体などがオール愛媛体制で取り組んでこられた成果と高く評価するものであります。
また、注目されがちな成約額のみならず、営業本部が生み出したビジネス機会と、それらへの参加事業者数が年々増加しているのは、営業本部による積極的な営業案件の掘り起こしと、営業本部と連携して販路拡大等に取り組もうとする意欲的な県内事業者の裾野の拡大が図られた結果であると考えております。
さらに、これらの営業活動は国内にとどまらず、アジア地域を中心とする海外での営業実績も着実に伸びてきており、農林水産物や
ものづくり技術など、本県が誇る多種多様な産品が国内外に広がっていることを大変頼もしく感じており、今後のさらなる展開にも期待しているところであります。
今年度は営業本部の中期計画の総仕上げの年と聞いております。目標の達成はもとより、設置当初から社会経済情勢が目まぐるしく変化する中、改めて県内事業者のニーズを的確に把握し、きめ細かく応えていくことでさらなる実需を創出し、県内事業者に活力を与えていただき、真の地域経済の活性化につながることを期待するとともに、営業本部のさらなる飛躍を心から祈念するものであります。
そこで、お伺いします。
愛のくにえひめ営業本部における昨年度の活動実績はどうか。また、今後、どのように営業活動を展開していかれるのか、お聞かせください。
次に、農業現場における普及指導活動についてお伺いします。
これまで県では、各地方局、支局など県内13カ所に普及指導拠点を設け、高い技術力と調整力を持った普及指導員を配置し、ブランド作物の導入や農業者のニーズに即した技術の迅速な普及、定着、あるいは新規農業者への親身になった経営相談などを行い、本県農業を支えてこられました。
しかしながら、一向にブレーキがかからない担い手の高齢化や減少、それに伴う荒廃農地の増加、加えて国内市場が縮小する中での産地間競争の激化や急速なグローバル化の進展、食の安全・安心に対する一層の関心の高まり、急激な技術革新など、農業、農村を取り巻く環境は大きく変化しており、こうした状況の中で本県農業を将来にわたって維持、発展させていくためには、県が普及組織のさらなるパワーアップを図り、生産者や関係団体から信頼され、いかに強い産地づくりをリードしていけるかが大きな鍵を握っていると感じております。
こうした中、県では、本年4月、現場の普及組織を見直し、担い手育成支援から生産技術指導までを一体的かつ効果的に推進するため、各地方局、支局に地域農業室と産地育成室を統合した地域農業育成室を設置するとともに、各地域の特色を生かした産地化、ブランド化に向けた戦略を現場レベルでスピード感を持って強力に展開するため、産地戦略推進室を設置するという大幅な組織改正が行われました。まさに時宜を得たものであると考えており、今後の活動に大いに期待を寄せ、注目しているところであります。
そこで、お伺いします。
新たな体制のもと、農業現場における普及指導活動を今後、どのように展開していかれるのか、お聞かせください。
次に、漁業・漁村の再生を目指す浜の活力再生広域プランの取り組みと漁協の組織再編についてお伺いします。
先日、公表された平成28年の本県漁業生産額は913億円と、北海道、長崎に続き全国3位となっており、本県の水産業は、養殖業の盛んな南予地域はもとより、本県経済を支える基幹産業の一つであります。
しかしながら、天然資源に頼っている漁船漁業においては、漁獲量の減少や魚価の低迷、燃油価格の高どまりが続いているほか、昨今、販売価格が回復している養殖業においても、飼料価格の高どまりなどにより厳しい経営状況が続いております。また、担い手も減少、高齢化の一途をたどっており、漁村においては集落機能そのものも低下しております。
このような中、国では、原則、漁協単位での浜の活力再生プラン策定を推進し、プランに基づく漁業所得の向上やコスト縮減などの取り組みを支援しており、本県でも直売所の整備等による魚価の向上や加工品の開発等により、付加価値向上などの取り組みが行われております。
しかしながら、担い手の減少や漁獲量の減少により漁協の経営基盤が弱体化している現在の状況下においては、個々の漁協の取り組みには限界があり、今後、早急に機能再編や事業の見直しなど広域的な取り組みをしていかなければ、漁業、漁村を再生し、将来に向けて本県水産業を発展させていくことは難しいのではないかと思うのであります。
こうしたことから、現在、複数の漁協、市町にまたがる浜の活力再生広域プランの策定と取り組みが進められていると伺っておりますが、県内の漁協は大小さまざまで実施事業等も異なっており、足並みをそろえた取り組みに向けては多くの課題があるのではないかと思います。
私は、広域プランを実効性のあるものとし、漁業、漁村を再生していくためには、地域内の連携向上とともに組織体制の強化を図ることが必要と考えており、こうした面からも現在、水産団体が取り組まれている県1漁協の実現が大きく寄与するものと期待しているところであります。
そこで、お伺いします。
県では、浜の活力再生広域プランの実現に向け、県1漁協の設立がどのような効果をもたらすと考えているのか、お聞かせください。
次に、今後の公共交通の維持・確保策についてお伺いします。
地域のバス、フェリー、鉄道等の公共交通は、単なる移動手段の一つではなく、地域社会をつなぐ生活基盤であり、特に学生、高齢者、障がい者等の交通弱者と言われる人たちにとっては、通学や通院、買い物などの移動に必要な日常生活の足として欠くことのできないものとなっております。しかしながら、人口減少や少子高齢化が加速度的に進展している地方においては、公共交通機関の利用者が大幅に減少しており、昨今の深刻な運転手不足も重なって、路線の廃止、減便が行われるなど、地域の公共交通を取り巻く環境は一層厳しくなっております。
本県においても、去る5月末に宇和島市や愛南町にまたがる由良半島の本網代線は利用者が半減し、収支が悪化し、また、大洲市内を循環する100円バスぐるりんおおずは運行当初から事業収支が赤字で改善が見込めず、車両の老朽化と運転手不足が重なり、それぞれ廃止されたところであります。いずれの地域も高齢化が進展し、運転できない人がふえている中、路線の存亡は切実な問題になっております。
県におかれましては、国や市町と協力、連携して生活バス路線の運行経費の補助を行っておりますが、事業者も経営改善などの自助努力をしているものの、利用者が減少し、収支が赤字になる路線や運転手が確保できない路線は廃止や運行本数を減らすことなどを余儀なくされております。このような公共交通のサービス水準の低下が利用者の減少を招き、事業者の収支を悪化させ、行政からの補助金を増大させるという悪循環に陥っており、これまでの取り組みでは限界に来ているのではないかと考えるのであります。
こうした事態に歯どめをかけるには、これまで事業者が中心となって運営してきた地域公共交通を、地域が一体となり将来にわたって維持できるよう整理していく必要があることから、国では、平成26年に地域公共交通の活性化及び再生に関する法律を改正し、地方公共団体が中心となり、まちづくりと連携した面的な公共交通ネットワークを再構築することができるようにしたと認識しております。
県では、この仕組みをいち早く活用し、昨年度、市町、交通事業者、交通利用者等と協議会を組織して、地域間を結ぶ幹線バスの沿線利用者のアンケートを実施し、重複した路線やほとんど乗車していない非効率な系統を把握した上で、県内全域を対象エリアとして、愛媛県地域公共交通網形成計画を策定されました。今後は、本県の地域公共交通を維持、活性化していくために必要な施策を展開していかれると聞いております。
そこで、お伺いします。
利用者の減少により生活バス路線等の地域公共交通の維持が厳しさを増す中、将来にわたって地域公共交通を維持、確保していくため、今後、どのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。
次に、南レク公園の利用促進についてお伺いします。
昭和47年度から事業着手された南レク公園は、順次施設整備が進められる中で、全体の年間利用者数についてはピーク時の平成初期の約80万人からずっと減少傾向にありましたが、平成24年度以降は約40万人の横ばいで推移しているのが現状であります。
厳しい社会経済情勢が続く中、当初計画には遠く及ばないものの、近年、利用者数を横ばいで維持できている要因としては、いやし博や南予博といった観光振興
イベントの開催効果のほか、高速道路の南予延伸による効果が大きいのではないかと思うのであります。
私の地元にある南楽園では、四季を通じたさまざまな
イベントが定着し、この四、五年の利用者数は11万人から12万人へと微増傾向にありますが、これも施設の特徴を生かした誘客促進の取り組みが功を奏しているほか、宇和島道路の開通に合わせて利用者数が増加しているなど、高速道路のアクセス効果があらわれていると感じております。
また、近年は国を挙げて
インバウンド誘致に取り組む中、四国においても
外国人観光客の増加が顕著であり、南楽園では台湾など東アジアからの周遊観光客のほか、宇和島港に寄港する外国
クルーズ船の欧米旅行客の来園など、
外国人観光客誘致の新たな展開が始まっております。
しかしながら、平成12年度以降、南レク公園における新たな公園整備は中止されており、当初の見る、楽しむ、憩う、学ぶ、鍛えるをテーマとした総合的なレクリエーション基地を起爆剤とした
地域活性化の構想は夢半ばとなっているのが現実であり、また、整備済みの公園においても、開設から約40年が経過し、施設の老朽化や一部の施設で利用客低迷が続いており、将来の南レク公園の行く先を憂慮する地域の声も聞かれるところであります。
今後、津島道路やその先である内海、宿毛までの高速道路が延伸して、四国8の字ネットワークのミッシングリンクの解消や、それらをにらんだ広域周遊型観光ルートの形成など南予地域の観光振興や
地域活性化が期待される中で、これまでに整備された南レク公園を地域の資源としていかに上手に活用していくかが重要であると考えるのであります。
そこで、お伺いします。
南レク公園の利用状況を踏まえ、県は南レク公園の利用促進に向け、どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
次に、土砂災害におけるソフト対策についてお伺いします。
近年、記録的な集中豪雨や地震などが全国各地で頻発し、平成28年の熊本地震や昨年の7月の九州北部豪雨では、土石流などによる甚大な被害が発生しております。また、ことしに入っても、4月に大分県中津市で大規模な土砂災害が発生し、6名のとうとい命が失われました。改めて犠牲になられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
中津市の土砂災害については、大雨や地震などによって引き起こされたものではなく、国が指摘しているとおり、事前に予測することは難しかったと思いますが、発災後の地元住民から、山から小石が落ちてきたので急いで逃げたという話や、現場は県指定の土砂災害警戒区域で、崩壊前には予兆と見られる現象も目撃されていたが事前避難にはつながらず、地域への危険性の周知や情報伝達のあり方が課題として浮かび上がっているという報道があり、今回の件で早目の避難につながる知識の普及啓発の重要性を改めて認識したところであります。
こうした中、県におかれましては、土砂災害対策施設の整備によるハード対策に加え、命を守ることを最優先としたソフト対策にも積極的に取り組まれております。特に、地域に危険性を周知する情報伝達体制の充実や、警戒避難体制の整備等に向けた土砂災害警戒区域等の指定を計画的に進められ、今年3月には緊急性が高い2,500カ所の指定をほぼ完了させたとお伺いしております。
また、指定の前提となる基礎調査は来年度までに完了を目指すとともに、住民にまず危険な箇所を知ってもらうというスタンスに立ち、調査結果を地元説明会で周知するほか、県のホームページ等でも公表されており、人的被害を少しでも減らすという県の姿勢を大変心強く感じております。
しかしながら、本県には、これまで基礎調査を進めてきた箇所だけでなく、土砂災害が発生するおそれのある箇所が多くあり、いつ何どき見舞われるかわからない土砂災害から県民のとうとい命を守るためには、土砂災害警戒区域等の指定を進め、危険な箇所の情報を受け手側である県民の視点に立ってわかりやすく伝え、理解が深まるよう広く周知し続けていくことが何よりも重要と考えるのであります。
そこで、お伺いします。
土砂災害におけるソフト対策の現状と今後の取り組みについてお聞かせください。
最後に、中学生のキャリア教育についてお伺いします。
先月、平成30年度からの5カ年を見通した我が国における今後の教育政策の方向性を示す第3期教育振興基本計画が策定されました。この計画では、我が国は人生100年時代を迎えようとしており、また、超スマート社会の実現に向けて人工知能やビッグデータの活用などの技術革新が急速に進んでいる、こうした社会の大転換を乗り越え、全ての人が豊かな人生を生き抜くために必要な力を身につけ、活躍できるようにする上で、教育の力の果たす役割は大きいと明記されております。
さらに、変化が激しく将来が展望しにくい状況において、社会的、職業的自立を実現するためには、一人一人が自己の生き方や働き方について考えを深め、職業生活や日常生活に必要な知識や技能、技術を主体的に身につけることが一層重要となると、これからの社会を生き抜くためには各学校段階において体系的、系統的なキャリア教育を推進することが必要であると記されております。
こうした中、いよぎん地域経済研究センターがことし4月に発表した県外に住む県内出身者400人を対象とした若者流出に関する調査では、愛媛を離れたきっかけは進学が約5割を占め、そのうちの65%が卒業後に愛媛へのUターン就職を希望していなかったことが明らかになりました。また、高校時代、県内企業をどれぐらい知っていたかという質問に対しては、約7割が余り知らなかった、全く知らなかったと回答しており、愛媛の企業を知らないまま県外に出ている実態が浮かび上がっております。さらに、県内には働き口がないと認識している人も多く、思った以上に企業や就職に関する情報が届いていないのではないかという意見が述べられております。
近年、本県の高等学校卒業者の県外就職率は20%前後で推移し、県内の大学、短大等の卒業者の約半数が県外へ就職している状況であり、若者の県外流出は今後の地域社会の行く先に大きな影響を与えるものと、大変危惧をいたしております。
愛媛を愛し、愛媛の輝かしい未来の発展を願う県民の一人として、高校卒業後に他県での就職を希望する生徒や進学等で一度県外へ出た若者が就職時に県内企業を選択肢の一つとするよう、社会全体が協力して働きかけることや、学校教育においてできるだけ早い段階で地元で働くことの魅力を知る機会を設けることが重要であると考えます。
そうした中、本県ではキャリア教育の一環として、昨年度、5日間の職場体験学習を軸としたえひめジョブチャレンジU−15事業を立ち上げられました。働く大人と接し、働くことの厳しさややりがいを学び、勤労観や職業観を育む職場体験学習は大変意義深いものであり、
地域産業界との連携をさらに深め、より充実した活動とすることで地域の活性化につながっていくのではないかと考えます。
そこで、お伺いします。