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  1. 長野県議会 2018-07-03
    平成30年 6月定例会環境産業観光委員会-07月03日-01号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成30年 6月定例会環境産業観光委員会-07月03日-01号平成30年 6月定例会環境産業観光委員会 環境産業観光委員会会議録(その3) ●招集年月日時刻及び場所   平成30年7月3日(火)午前10時30分、議事堂第3委員会室に招集した。 ●出席した委員の氏名   委  員  長           荒 井 武 志   副 委 員 長           酒 井   茂   委     員           本 郷 一 彦      同              向 山 公 人      同              今 井   敦      同              小 川 修 一      同              百 瀬 智 之      同              堀 場 秀 孝      同              今 井 正 子      同              高 村 京 子 ●欠席した委員の氏名   な     し ●説明のため出席した者の氏名
     (産業労働部)   産業政策監兼産業労働部長      内 田 雅 啓   雇用・就業支援担当部長       長 田 敏 彦   産業政策課長            渡 辺 高 秀   産業戦略室長            宮 坂 克 良   産業立地経営支援課長       矢 後 雅 司   創業・サービス産業振興室長     大 槻   覚   ものづくり振興課長         沖 村 正 博   日本酒・ワイン振興室長       今 井 達 哉   人材育成課長            青 木   淳   労働雇用課長            青 木   隆  (労働委員会事務局)   労働委員会事務局長         小 口 由 美   労働委員会事務局調整総務課長    久 保 友 二 ●付託事件   7月2日に同じ。 ●会議に付した事件  付託事件のうち、2~4、7、14並びに産業労働部及び労働委員会関係所管事務一般について ●開議時刻 午前10時28分 ●荒井委員長 開会を宣した。  ▲日程宣告    産業労働部及び労働委員会関係の審査  ▲産業労働部及び労働委員会関係の付託事件の報告    予算案1件、専決処分報告1件、陳情3件  ▲議題宣告(産業労働部及び労働委員会関係)    付託事件及び所管事務一般を一括して議題とし、議題に関連して、理事者の説明を求めた。 ◎内田雅啓 産業政策監兼産業労働部長 別添、産業労働部長説明要旨に基づいて説明した。 ◎小口由美 労働委員会事務局長 別添、労働委員会事務局長説明要旨に基づいて説明した。 ○荒井武志 委員長 第2号「平成30年度長野県小規模企業者等設備導入資金特別会計補正予算(第1号)案」について、理事者の説明を求めた。 ◎矢後雅司 産業立地経営支援課長 議案、予算説明書及び別添資料1により説明した。 ○荒井武志 委員長 報第1号「平成29年度長野県一般会計補正予算(第7号)の専決処分報告」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第5款 労働費について、理事者の説明を求めた。 ◎青木隆 労働雇用課長 議案及び予算説明書により説明した。 ○荒井武志 委員長 報第17号「平成29年度長野県一般会計予算の繰越しについて報告」中、産業労働部関係について、理事者の説明を求めた。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 議案により説明した。 ○荒井武志 委員長 理事者から発言を求められていたのでこれを許可した。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 別添資料2「最近の経済情勢について」及び資料3「人材不足の現状と確保策に関する調査結果について」により説明した。 ◎矢後雅司 産業立地経営支援課長 別添資料4「平成30年度中小企業融資制度資金あっせん状況について」により説明した。 ◎大槻覚 創業・サービス産業振興室長 別添資料5「「ときどき&おためしナガノ事業の実施状況について」により説明した。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 別添資料6「ファイバー・ベンチャーエコシステム形成拠点の取組状況について」により説明した。 ◎今井達哉 日本酒・ワイン振興室長 別添資料7「信州日本酒の振興に向けた取組について」により説明した。 ◎青木淳 人材育成課長 別添資料8「信州ものづくり未来塾事業について」により説明した。 ◎青木隆 労働雇用課長 別添資料9「最近の雇用情勢について」、資料10「労働相談等の状況について」及び資料11「シューカツNAGANO学生企業応援プロジェクトについて」により説明した。 ○荒井武志 委員長 委員の質疑等発言を許可した。なお、議論を深めるため委員の発言に対し、ほかの委員から意見等がある場合についてもあわせて発言願った。 ◆本郷一彦 委員 内田産業政策監兼産業労働部長、また小口労働委員会事務局長初め各課長からは、大変意欲的な御説明をいただきまして、ありがとうございました。今の日本経済、長野県経済の状況について、ポイントだけ俯瞰的にお話ししたいと思います。まず第1点は、大変、保護主義的な通商政策が出てきており、国際社会は極めて流動的、多極化をしているということで、従来の状況とは全く違うという認識を持たなければならないと思っています。特に自動車や非鉄金属には影響が顕著にあらわれております。  また人手不足は前々から言われており、もうバブル期と同じような状況でございまして、これについては後からまた御説明いたします。いずれにしても、今後10年間で、生産年齢人口が1,500万人減るということが国のデータで出ておりますから極めて深刻でありますし、とりわけ先進国の中で、生産年齢人口に対する国家的な戦略を打ってないのは日本だけでありまして、逆に申すと各国は、日本はこの生産年齢人口をどのような形で、イノベーションを含めてサポートするか、極めて注視されております。ヨーロッパは社会問題を含めて内在をしておりますが、生産年齢人口はきちんとふえております。アメリカは、ある種の人工国家、実験国家ですから、既にもう3億数千万人という勢いで伸びておりますので、そういう意味では、日本が特異な形になっているということを、認識をしなければならないということであります。  それからもう一点は原油高、日本のエネルギーの自給率は5%ということでありますし、食料自給率は39%、安全保障については第七艦隊依存型でございます。そういう意味において、主権国家日本としての三本柱が、基盤ができていないという認識を明確に持った上での経済成長戦略をどのように持っていくかと。そういう意味において、大変難しい局面に、北東アジア情勢を含めて、今日あるという認識を、特に政治家は、あるいは行政マンは、相当シリアスに持たなければいけないというのが私の考え方でございます。  先ほど内田産業政策監兼産業労働部長からもお話がございましたけど、日銀短観において、オールジャパンにおいては、2四半期、マイナスが続きました。これについては、いろいろな分析がございますけど、一応、そのことを知っておいていただきたいと思います。ただ、松本支店の日銀短観は、5期連続プラスになっておりまして、特に輸出や設備投資が明るい方向に来ておりますので、やや全国的なデータとは差異があるということを知っておいていただきたいと思います。  いずれにしても労働分配率が、経営者側から見れば大変重要な問題でありまして、議論の分かれるところで、きのうも経営者協会の山浦会長初め10名ほどの最高幹部の皆さんと1時間余にわたって議論をいたしましたが、この辺は、リーマンの後の立ち直りが長野県は比較的遅いほうでありまして、一度、人員整理をしたことは、大変、経営者側にとっても大きなトラウマになっておりまして、一旦、正規社員に採用いたしますと、負担率というものは、社会保障費を含めて非常に大きな経営的な負担になるわけであります。ただ、マクロで見た場合、日本中で400兆円の内部留保があることは事実でありまして、議論が2つに分かれますが、個人消費との絡みの中で賃金を上げていくということが、非常に重要な視点だということを、ご理解を願いたいと思います。  ただ、現時点だけの問題で言いますと、労働力は、1997年、これはちょうどバブルの崩壊直後でございますが、6,679万人、本年は6,698万人ということで、20万人くらいふえていて、データ的には史上最高でございます。ただし、その半分以上は65歳以上で、女性と高齢者の方がその大半でございます。したがいまして、短期的には、この問題において、なぜ個人消費が全国的に伸びないかと申せば、やはり処遇がよくないということであります。したがって、生産性の向上が経済政策の一番のポイントでありますから、そういう意味においては、賃上げ問題、基本給、ベースアップも含めて、相当、多角的な議論を労使ともにしなければ、今日の日本の閉塞的な状況を脱皮できないので、どれがいいとか悪いとかという稚拙な話ではなくて、相当、多面的な分析が必要ではないかと思っております。  特に高齢者の皆さんは、定年が60歳という、現代と合わないわけでございますが、それによって人生が終わるわけではないわけで、これから90年をベースに、まだその先の話もありますが、いずれにしても技能や経験や人脈を生かして自立していく方が、60歳以降、非常に多いわけでありまして、そういう意味では、人生に対して前向きに考えなきゃいけないと思っています。  また、テクノロジーの部分で、AIとIoTが言葉として連続して出てきておりますが、今、世界中でAIが必要な人脈は約100万人でございます。そのうち、現在、満ち足りているのが30万人、つまり70万人不足でございますから、アメリカは、非常にAIを駆使できる方については年収1億円を出していますが、日本は600万円でございます。こういうものを見ましたときに、賃金体系が、人生のインセンティブの全てではないことは十分承知しておりますが、ややこの辺について、もう少し踏み込んだ議論を真剣にしないと、閉塞的な状況から脱皮できないということは事実だと思います。  いずれにしても、まだやや余力があるうちに、将来への競争力強化の抜本的な布石を打つことが、長野県にとっても非常に重要でございますので、ぜひ産業労働部におかれましては、そうした認識をぜひとも持っていただいて、中長期の成長戦略をぜひ御努力願いたい。  そして、生産性のことは、しあわせ信州創造プラン2.0でもたびたび出てきておりますが、従業員1人当たりの長野県の生産性は、実に29位でございます。非常に後位に属しているわけです。こういう意味において、足元から根本的にこの問題を直さなければ、少なくとも10位台、あるいは一桁台のところまで持っていかないと、空理空論に終わってしまうと。そういう意味において、経済の好循環をどうするかということにおいては、幾つかの問題を大変抜本的に進めなければならないということを、内田産業政策監兼産業労働部長は十分御認識をされていると思いますが。  特にこのグローバリズムというのは、皆さん、平気で使っておりますが、この背景は、ウォールストリート国際金融資本が政治・経済に大変強い力を持って、私ども皮膚感覚としてはわかりませんが、国境を越えて全部入ってくるんであります。そういう観点のことも、一つの基本的な知識として、国際金融資本の戦略がグローバリズムという言葉に変えられているわけでありますから、そういう意味において、労働分配率は、実はアメリカは99対1というのがありましたけれども、実際は99.9対0.1であります。アメリカ社会は日本とは全く違いますけれども、国際金融資本は、ある意味では非常にシビアでクールでありますから、日本の企業においてもM&Aをどんどんされていくという状況を見たときに、主権国家として、あるいは都道府県の独自性という面において、内在している問題について深く考察をしないと空理空論の理論に終わってしまうと。これが現実の国際経済社会のリアリズムでございますから、ぜひお願いしたいと思います。  また、資本主義自体も、デジタル資本主義という言葉が新しく出てきたとおり、無料サービスの拡大とか、あるいはシェアリング・エコノミーが急速に発達しています。またビッグデータによる情報蓄積も出ておりまして、新しいビジネスモデルがどんどん出ておりますので、ぜひ産業労働部としては、中長期的な、将来を見通した経済成長戦略、あるいは労働問題等にぜひ御配慮をいただきたいと心から願っているところでございます。  長野県経済は、製造業を中心に経済を牽引し、回復基調にあることは、先ほどのデータのとおりでありますが、本県の産業構造を踏まえ、長野県経済の現状・課題に対する認識、また、今後、どのように展望していくのか、戦略的、大局的観点から、内田産業政策監兼産業労働部長の御見解をお伺いいたします。 ◎内田雅啓 産業政策監兼産業労働部長 本県の産業構造を踏まえ、長野県経済の現状・課題に対する認識、また、今後、どのように展開していくのか御質問をいただきました。長野県経済につきましては、先ほど来申し上げておりますように、回復基調にあるということでございまして、輸出系の産業でございますが、主にものづくり産業、特に半導体とか自動車関連産業などが牽引をしていると、それで好調を維持しているという認識を持ってございます。設備投資にその傾向が顕著にあらわれております。民間シンクタンク、帝国データバンクでございますが、そこの設備投資状況調査では、平成30年度に設備投資を行う予定のある県内企業は約78%で、全国でも2番目に高い結果になってございます。ただ、一部には過剰投資を懸念して、設備投資を、状況を見ていて手控えているという企業もあるようでございます。  また、人材確保の面では、都市圏に人が集中するということがございまして、首都圏、特に大企業に大学の新卒者の採用が集中しておりまして、ある県内企業さんは、内定を大学生、特に首都圏系の大学生に出したというところなんですが、内定者の7割が実際には辞退してしまったという話もございまして、県内経済への影響も見過ごせないものがあると思ってございます。  このほか、県内には輸出関連企業が非常に多くございますので、アメリカや中国などの海外情勢等の動向も十分に注意いたしまして、関係機関と連携の上、対応策も含め、冷静に状況を分析していく必要があると考えてございます。  また、こうした情勢を踏まえまして、今後、第四次産業革命ですとか、人口減少時代を見据えまして、いかに産業イノベーションを創出していくかが大事になってくると思っております。AI・IoT、ロボットなどの革新的技術を積極的に導入して、また自動車産業においても、これまでのガソリンエンジンからEV・FCVという流れがそろそろきておりますので、そちらへの対応とかを考えまして、産業構造の転換を意識して、持続的な発展につなげていくために、県としてどのような支援が効果的なのかについて、検討を開始したところでございます。  また、「しあわせ信州創造プラン2.0」におきまして、2030年を見据えたチャレンジプロジェクトをやってございまして、特に産業系では、共創を促進するイノベーティブな産業圏づくりを掲げております。これは私がチームリーダーとして牽引をしているわけでございますけれども、現在、部局横断のプロジェクトチーム、若手の職員なども加わってやってございまして、2030年の目標となる状態を想定して、これから何をしていけばいい姿になっていくのか、バックキャスティングの手法で施策を検討しているところでございます。本県産業は大きな変革期を迎えておりまして、引き続き、短期的と中長期的な観点の両面で、しっかりと産業振興に取り組んでまいりたいと考えてございます。 ◆本郷一彦 委員 大変力強い戦略性についてお話しいただきまして、ありがとうございました。いずれにしても、地方分権が叫ばれましてもう20年近くなるわけでございますが、相変わらず首都圏への一極集中はとまっておりません。毎年、14万人から15万人、首都圏に流入しているわけであります。したがって、長野県だけではなく、ほかの地方道府県も長野県同様の苦汁を味わっているわけでありますし、きのうも経営者協会で話をしましたけれども、一般論として、既に東京のGDPは92兆円から95兆円でございます。日本のGDPが540兆円くらいでございますから、いかに巨大かということです。大阪は、実は政治・行政と、距離を置いている関係から、半分にも満たない状況で、そういう意味においては、政治・行政と国家戦略と連動しなければ全て首都圏に集中していく。個々には申しませんが、首都圏ということになれば、東京・神奈川・埼玉・千葉ということであります。長野県に限らず、地方創生交付金を1,000億円用意いたしましたが、使い勝手が悪くて、なかなか活用できておりません。そういう意味において、基本的には、コンパクトシティを含めて、25万都市構想を田中角栄総理が発案して、新幹線、空港、それから港湾、高速道路をつくったわけでありますが、結果的に首都圏集中がさらに加速したという状況でありますので、産業労働部の責任は、逆に言うと大変重たいものがありますので、将来を見据えてしっかりした政策を打ち出していただきたいと思うところであります。  それとあと2、3点、長野県の労働生産性は、さっきも一部述べましたけど、多少カウントが違いますが、730万円ということで、平成26年においては全国27位という低い状況にあるわけであります。長野県総合5か年計画においても、議会もコミットいたしましたけれども、産業の生産性の高い県づくりということが柱中の柱であります。そういう意味からも、AI・IoTなどによる産業構造の変化も想定されるというか、急速に加速化しているわけですが、改めて生産性の向上に取り組む意義、また方策、具体的な取り組み等について、再度、内田産業政策監兼産業労働部長にお伺いしたいと思います。お願いいたします。 ◎内田雅啓 産業政策監兼産業労働部長 生産性の向上に取り組む意義、方策、具体的な取り組みについて御質問いただきました。生産性の向上、これから産業が活力を維持していき発展していくためには、非常に重要なポイントになってくると思います。技術革新の進展、人口減少時代において、県内企業の効率性等を高めて、稼ぐ力を強くし、持続的な経済成長と安定した雇用確保をするためには、本当に生産性の向上が必要になってくると思います。そのため、しあわせ信州創造プラン2.0で、産業の生産性が高い県づくりを、重点政策として取り組んでいるところでございます。  生産性の向上に向けては、各製品の付加価値額を上げていくということがございますし、それからAI・IoTの利活用を促進して、効率性、自動化ということで進めていくと。それから働き方改革の促進などの取り組み、これによって効率的にやっていくというところがあると思っております。  具体的には、製品の付加価値の向上については、例えば本県が得意とするセンサーという技術があろうかと思います。長野県内、非常にセンサーにかかわる企業さんが多いんですけれども、センサーは、AI・IoTには欠かせない部品でございますので、ソフトウェアなどをそこに組み込みましてデバイス化をすることによって付加価値の高い製品として売り込むことができると考えてございます。県では、現在、IoTデバイス事業化開発センターを整備しておりまして、今後、開設いたしまして、ものづくりだけでなく、農林ですとか、観光ですとか、そういう分野で活用されるIoTデバイスの開発を推進していこうと、支援体制も整えているところでございます。  それから利活用の関係でございますけれども、利活用を促進するということなんですが、これは、一般質問でもお答えをさせていただきましたが、今年度からスタートするモデル事業において、効果的な事例をどんどんつくっていこうと。それを皆さんに広めることによって、事業者の皆さんが使っていこうという意欲を高めていきたいということがございます。また、今後、AI・IoT利活用のための方針を策定いたしまして、さまざまな先進事例等を広く紹介しながら、導入促進に取り組んでまいりたいと考えてございます。  それから生産性の向上に向けての働き方改革でございますが、現在、就業促進・働き方改革戦略会議を設置しておりまして、就業の促進とともに、長時間労働の縮減ですとか、女性や高齢者等の雇用促進など、働き方改革の取り組みについて検討しておりまして、効果的な施策が打ち出せればいいなと考えてございます。引き続き生産性の向上に向けた取り組みを着実に進めるとともに、さらなるAI・IoTなどの活用、働き方改革等の検討を進めまして、効果的な支援策に結びつけたいと考えてございます。 ◆本郷一彦 委員 ありがとうございます。大変積極的なビジョンをお持ちでございますので、ぜひ実効性のあるものとして定着するように御期待を申し上げます。  長野県は、言うまでもなく製糸業においては全国1位、世界で一番だったということ、明治の近代化のときから始まっているわけでございますが、その後、そうしたテクノロジーをベースに、現在では情報通信機器の出荷額は全国1位でありますし、電子デバイスも2位であります。そういうことを連関して、航空機産業振興ビジョンや、あるいは機能性食品・発酵長寿など、先ほど内田産業政策監兼産業労働部長が御説明したような形で進めております。今後もイノベーションクラスター形成に向けた産業構築は、県がリードして全県に波及していく必要が極めて重要であると考えますが、まずイノベーションクラスター形成に向けて、両ビジョンの進捗について、沖村ものづくり振興課長にお伺いしたいと思います。  また、将来は、健康・医療、あるいは薬品、医療機器等も含めて、全く新しい分野への成長が一番期待をされているわけですけど、この辺について、内田産業労働政策監兼産業労働部長コンパクトで結構ですからお答えをいただければと思います。  最後になりますが、人材不足は、先ほどのような形で、量的には、当面、女性の方と高齢者で担保しますが、基本的には、高い能力を持った人材が質的にまずその中核とならなければならないわけであります。長野県の教育の状況は、御承知のとおり、7割以上が県外に流出し、4割しか戻ってこないことは十分承知の上でございますが。いずれにしても、取り合うとかいう、そういう意味ではなくて、県内における若者の人材確保・育成に向けて、短期的、中期的な観点で、双方で取り組む必要があると考えますが、長田雇用・就業支援担当部長に見解をお伺いいたします。私からの質問は以上でございます。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 ビジョンの進捗状況ということでございますが、まず航空機産業でございますけれども、今現在、飯田工業高校跡地に拠点を整備しておりまして、中身が人材育成と研究開発と実証試験という形になっております。それぞれについて、簡単に御説明いたしますと、まず人材育成については,29年の4月、信州大学と連携した形で共同研究講座を開設したところでございます。現在、大学院生が8名、学部生3名、計11名が在籍をいたしまして研究に取り組んでいるところでございます。このほかに社会人講座も開設いたしまして、中小企業の在職者の人材育成にも取り組んでいる状況でございます。  研究開発でございますけれども、JAXAですとか経済産業省の補助金を活用いたしまして、燃料系のシステム、またハイブリット型ブレーキ、またGPSを活用した慣性航法装置などの3つの研究が進められておりまして、工業技術総合センターも技術支援を行う中で、ことしも開発が続けられているところでございます。  また実証試験でございますけれども、28年度に広域連合が着氷試験機を導入し、これまでに県内外の企業により、約2,000時間の稼動が見られたところでございます。昨年度は防爆試験機を導入して、ことし8月から日本航空宇宙工業会の協力も得まして、実証試験が予定されているところでございます。また本年度末には、燃焼・耐火性試験機を導入する予定でございまして、今現在、準備を進めているところでございます。  このようなことでビジョン策定時には、参加企業40社だったものが、現在、60社まで増加しておりまして、目標100でございますので、これを目指す形で今後も取り組みを進めてまいりたいと思っているところでございます。  次に食品ビジョンでございますけれども、食品ビジョンに関しましては、まず大きく2つございまして、食品を新たに開発するための食と健康ラボでございますけれども、前回、お認めいただきました機能性食品開発拠点を、建設中でございまして、こちらを活用した機能性食品の開発を、今後、信州大学とともに進めてまいる予定でございます。  また、ブランド化の観点では、本年度の11月16日金曜日から18日日曜日にかけまして、全国発酵食品サミットを開催予定でございます。イベントに関する委託者が決定いたしまして、実は昨日も発酵の大家でございますけれども、小泉武夫先生に御相談に行ってまいりまして、助言をいただいて、準備を進めているところでございます。この中では、特に全国初めてとなります、全国甘酒品評会を開催することによりまして、ブームになっております甘酒、こういったものをPRしてまいりたいと。特に甘酒は、みそ業界、それから清酒業界、こういったところでたくさんつくられておりますので、長野県から出る発酵食品ということで一生懸命取り組みを進めてまいりたいと考えております。 ◎内田雅啓 産業政策監兼産業労働部長 私には、健康・医療分野への展開ということで御質問をいただきました。本県には加工・組み立て型産業が集積をしておりまして、精密や電子などの技術に非常に優位性があるということでございます。今後も、これらの強みのある技術を核とした新産業の創出が期待されておりまして、新たな領域への展開を促進するための支援というもので、考えてございます。  御指摘のありました健康・医療分野でございますけれども、これはものづくり産業振興戦略プランの成長期待分野として、前回のプランから挙げてございまして、今回のプランの地域ごとのプロジェクトにも、松本地域を初めとして健康・医療に関する事業が計画をされております。加えまして、これまでも信州大学等と連携をいたしまして、シーズを事業化しているといった実績がございます。高齢化社会の到来ですとか、グローバルな健康志向の高まり等を勘案すると、大変有望な分野であると考えてございまして、県の工業技術動向調査を実施しておるんですけれども、この中でも健康・医療は、県内企業が一番参入を望んでいるという分野でございます。今後は、県内企業の参入の可能性等について調査・分析をいたしまして、また大学等との連携も意識しながら、健康・医療分野への参入促進方策について、前向きに検討していきたいと思ってございます。 ◎長田敏彦 雇用・就業支援担当部長 若者の県内における人材確保・育成に向けて、短期的、あるいは長期的に、それぞれどう取り組むかという御質問をいただきました。就職情報提供会社が県内出身の大学生に行ったアンケート調査の結果によりますと、地元就職を希望しない理由として、約6割の学生が志望する企業がないと回答をしております。しかし実際には、県内には高い技術が世界的に高い評価を受けているような、学生が自分の能力・専門を生かすことができる企業が、たくさんあると思っております。このため、県内出身の大学生に対しまして、県内企業の強み、すぐれている点を、また県内で働く魅力を含めて伝えていくということが重要だと考えております。  まず短期的な観点での取り組みについてでございますけれども、一つは資料11で御説明いたしました県外大学とのUターン就職協定の締結でございます。協定校のUターン就職率が非協定校に比べまして高くなっておりますことから、協定締結校をさらに拡大してまいりたいと思っております。  2つ目はインターンシップの促進でございます。受け入れ企業、県内企業に対しまして、学生の交通費・宿泊費を助成するインターンシップ助成を引き続き実施するとともに、インターンシップ参加希望の学生と企業とのマッチングを行うインターンシップフェア、マッチングフェアを本年度初めて開催いたしました。6月30日の土曜日に、都内の新宿で開催をしたところでありまして、12月にも2回目を開催する予定としております。  3つ目は、県内企業の情報や県内で働く魅力の発信でございます。資料11で御説明いたしました長野県就活支援ポータルサイトでの取り組みですとか、県内企業の若手社員で構成いたします応援隊を結成いたしまして、交流会で、県内企業で働く魅力を自身の経験をもとに、保護者ですとか学生に対して伝える取り組みを引き続き行ってまいりたいと考えております。  次に中長期的な取り組みでございますけれども、一つは、資料8で御説明いたしました信州ものづくり未来塾などのキャリア教育でございます。初等教育段階から大学生まで実施することが必要だと考えておりまして、特に小中学生のころから、地域の産業、企業の魅力を知ってもらうことが、地域に愛着を持った地元就職につながると考えております。  2つ目は、長野県で暮らし働くことの魅力を、Iターン者を含めてPRすることでございます。雄大な自然の中で暮らしながら働く、本県ならではの多様なライフスタイルを引き続き発信してまいりたいと考えております。お話が再三出ております、4月に立ち上げました就業促進・働き方改革戦略会議で、官民で、若者のUターン対策等も含めて、政策を検討しているところでございますので、経済団体、労働団体、行政機関、それぞれが一緒になって取り組んでまいりたいと考えております。 ○荒井武志 委員長 午後1時30分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午前11時51分 ●再開時刻 午後1時27分 ○荒井武志 委員長 再開を宣し、引き続き、委員の質疑等発言を許可した。 ◆向山公人 委員 それでは2つ、3つお伺いをいたします。産業労働部では、5か年計画の中でも計画をしたり、取り組みの方針を出したりしていますけれども、産業労働部は、いずれにしても長野県の経済の活性化を図っていくために、産業界並びに観光業が長野県のパイを大きくする、最大の立場であるわけであります。きょうの説明の中にもありましたけれども、人材不足の現況の調査等をやって、先ほど調査結果の説明があったわけですが。そうした中の課題、また、アンケートやそういったもので出てきた結果を、具体的に、それではその後、出てきたものをどのように取り組んでいくかというのが、実際、一番大きな課題であるわけでありますから、調査をしたとか、アンケートをしたということの先に、成果として何を求めているのか、またそこで出たものをどうやって具体的に、実際、実証していくのかというところが、私は大変大事だろうと思っております。そういう意味で、ものづくり産業等々を支える若手の技術者や技能者の育成も、これからより力を入れていかなければいけないと思っております。人口が大変に減ってくる中で、本県の経済を活性化していくためには、人材育成は大変重要でありますし、そのことは県の重点施策にもうたわれているわけであります。  そうした中で、今、有効求人倍率は大変安定をして高い位置にあるわけでありますけれども、にもかかわらず、一方では人手不足、ほしい人が採れない、そういった声があちこちから聞かれているわけであります。そうした意味で、人手不足だとか、人材の確保という調査等をして、かなりのいろいろなデータが出ているわけでありますから、それを早急に分析をして、具体的に、出てきたものに対して、どのような形で課題として解消していくのか、また取り組んでいくのかという具体的なものを、提示をいただきたいと思っておりますが、そうした方向に対する物の考え方について、まずお伺いをさせていただきます。  それから人材不足というか、雇用の中で、たまたま私どもの南信地域に、平成28年度に南信工科短大が開校いたしました。ことしの3月に初めての卒業生を送り出したわけでございます。これは、上田に上田工科短大がありますが、長野県、大変広いということがありまして、中南信の人材育成の拠点、どうしても地元で人材を輩出できるようなシステムがほしいということから、地域の経済界、地元行政等々から強い要望がありまして、誘致運動の結果、開校をしたわけでございまして、その結果を、大変、私自身も心配をしていたわけでありますけれども、ことし3月に初めての卒業生が誕生しました。おかげさまで就職率は100%、また9割が長野県内、そのうちの70%が地元地域の南信地域に就職が決定いたしました。私は学校をつくることが目的ではなくて、人材育成が、地元に対して貢献ができたということが、学校をつくったことの成果でありますから、まず初年度はやれやれと思っております。  私どもも、学校をつくればいいということよりも、学校をつくる場合は、就職をして、地元に若い人たちに残ってもらうために、上下伊那で学校を取り巻く産業界の皆さん方と一緒になって応援団、振興会に、今、160社加盟をして南信工科短大のバックアップをしておりますし、またそれぞれの企業が南信工科短大に、卒業生に対して求人の希望をしているわけでありますけれども、何と南信工科短大のことしの3月、求人倍率が5.79という、大変申し込みは多いけれども、それに応えられるだけの生徒数もいないし、なかなか来てもらえないといううれしい悲鳴であるわけでありますから、こうしたことを踏まえて、地域に貢献できるものをきちっと着実に、毎年毎年、若い人たちが地域で働いてもらう、後継者になってもらう、人員不足を埋めてもらうことが、具体的な取り組みだろうと私は思っております。  また、これは早急に答えが出るわけではありませんが、上田は4課程、専科でやっておりますが、南信工科短大は2課程でスタートを切っております。あと2課程、地域にマッチングする専科を何にするかというのは、これからやっていく中で考えていかなければなりませんが、これは県の南信工科短大でありますから、特に産業労働部として、あと2課程を埋めていくときに対する考え方、どんなふうに、今後、考えていくことが望ましいのかもあわせてお伺いをしておきます。
     そして、ものづくりは技術が、当然、優先するわけですが、南信工科短大だけではなくて、県内の技術専門校で、それぞれ再就職や、就職に向けて、技術を習得して社会に送り出しているわけでありますけれども、最近、技術専門校の定員充足率が非常に悪いという声も聞かれているわけであります。こうしたものについては、どのような取り組みを、今後されていくのか、また現状はどうなのかということもお伺いをさせていただきます。  また、人手不足と同様に産業立地は、それぞれの地域の中で企業誘致の取り組みをしておるわけでありますけれども、昨日も経営者協会との懇談会の中で、企業誘致をしたら、入ってきた企業に既存の企業から人を抜かれてしまうという意見がございました。私どもの地元においても、企業誘致をしたときに、外から来た企業は、トップに1人とか2人、幹部で地域をよく知っている人たちがどうしてもほしいということから、既存の企業の幹部の引き抜きみたいなことが起きるものですから、今度、企業誘致するときに、受け入れ体制のそんなことぐらい考えてやってもらわないと、どうしても新しい企業が来るとそこへ引き抜かれてしまったり、ドラフトにかかってしまったりして、影響が出ていることも事実なので、人材の充足とか人材育成もあわせて考える形の中で、企業立地を今後、考えていくべきではないかなと思っております。この人手不足と企業立地を切り離すんじゃなくて一体として、企業立地をする場合はそれなりの人材もきちっと確保できるような取り組みを一緒にしていくべきではないかなと思っているわけでありますが、その辺に対してもお考えをお伺いさせていただきます。  それから信州の日本酒の振興に向けての説明がございました。平成29年度に12社、金賞をいただいたこと、大変すばらしいと思っておりますし、ここでもそうした活用に向けた支援を行っていくということであります。こうした金賞をもらった、長野県としてきちっとそれだけのすばらしい日本酒を完成させたということへの支援は、例えば長野県のイベントのときには優先的に扱ってPRするとか、どういう支援をしていくと具体的にお考えになっているのか、お伺いをさせていただきます。  それから人材の確保をしている中で、県で、プロフェッショナル人材戦略を実施しておりますが、この説明の中にも、人材確保に向けた工夫の中に、プロフェッショナル人材戦略拠点の活用があります。これは県で、委託という形の中で、人材確保の取り組みをされていると思いますが、今どのような形になってやられているのか、またその成果がどのような形であらわれてきているのか、その辺もお伺いをさせていただきます。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 それでは、順次、御説明させていただきます。私からは、最初に、今回も調査させていただきましたが、人材不足の現状と確保策です。調査結果をしっかり政策に反映するという向山委員の御指摘は、もっともでございます。我々としますと、この4月から就業促進・働き方改革戦略会議を立ち上げたところでございまして、それとあわせて、ものづくり・サービス・建設業・介護、こういった産業分野別の部会といいますか、検討会議を持っているところでございます。こういったところで、年内中には、一定の方針を出したいと考えてございます。  例えば今回の資料3で、人材不足による影響のところを見ていただきますと、需要増加に対応できないというお声も非常に、この調査以外にもお聞きをしているところでございまして、人材確保もさることながら、こういったところ、例えば生産性向上のためのAI・IoTの導入促進ができないかといったところ。それから人材が不足しているという職種でいきますと、製造業では特にエンジニア系が、今、取り合いになっているというお話もある中で、こういったところを育成できないか。資料3の人材確保に向けた工夫に関しても、それぞれ成果を上げている事例みたいなものも、例えば柔軟な働き方で時短等の働き方、こういった取り組みも、ある程度成功事例としてまとめる形で広めていくとか、さまざまなやり方で、迅速に、今の人手不足対策に対する対応を図っていきたいと考えております。 ◎青木隆 労働雇用課長 人材不足対策について御質問いただきました件で、私からも一言申し上げます。午前中、本郷委員のお言葉にもございましたけれども、5月の就業者数が、総務省の雇用・労働力調査によりますと6,698万人ということで、過去最多という状況になっているわけでございますけれども、全国の有効求人倍率が1.60倍、長野県が1.70倍という、非常に高率で推移している状況でございます。そういった中で、具体的に雇用、人材確保対策、どのようにしていくかということでございますけれども、午前中、長田雇用・就業支援担当部長からも、短期的に3点、中長期的に2点、具体的に取り組んでまいりたいということで、短期的にはUターン就職協定校を拡大していきたいと。現在、50大学でございますが、100を目標に拡大していきたいと思っておりますし、インターンシップ事業の拡大、助成金、それからマッチングフェア、それから先ほども長田雇用・就業支援担当部長からも申し上げましたが、6月30日には新宿で開催いたしましたが、県内では年末に春季休業のインターンシップ等も目指して、マッチングフェアを県内で開催してまいりたいと考えておりますし、各企業の魅力をいかに求職者の方に伝えていくかということで、ポータルサイトの充実もさらに図ってまいりたいと思っております。  また、中長期的には、ものづくり未来塾の充実、それから長野県での暮らしの魅力発信にも拡大していかなければいけないと考えております。さまざまな施策の候補がございますけれども、先ほど渡辺産業政策課長が申し上げましたが、就業促進・働き方改革戦略会議で、秋以降、できるだけ具体的な推進方針を定めて、経済団体、労働団体と一緒に取り組んでまいりたいと考えております。 ◎青木淳 人材育成課長 南信工科短大に対する期待、今後どうするかという話と、技術専門校の現状・課題、今後の改革についてのお話をいただきました。まず南信工科短大ですけれども、向山委員お話しのとおり、29年度末の就職希望者全員が、地元を中心に就職をいたしました。今、求人倍率のお話もございましたが、非常に好調な状況でございまして、これは昨今の雇用情勢の改善もさることながら、同校に対する期待の大きさだと認識をしております。  今、お話もありましたが、同校に振興会という組織がございます。向山委員も中心メンバーで御活躍をいただいているところでございますが、こういったところで、地域の経営者のお話を聞かせていただく機会を設けていただいたり、非常に支援をしていただいております。そういった支援の賜物が高い評価にもつながってくるんだなと考えております。今後ともまた一層の御支援をこちらからもお願いしたいと思います。  そんな中で、この後、南信工科短大をどうしていくかというお話がございました。就職率、非常に高いわけなんですけれども、一方で、残念ながら、ことし、40人の定員に対しまして入校者は35人という状況も発生しています。その辺もこれからまた分析をしていかなければいけませんし、また地域の方々とお話をさせていただきながら、今、3年目ということですので、まず基盤をしっかりさせて、その次のステップがあるのかなと今のところ考えているところでございます。  それから技術専門校の現状・課題、今後の改革というお話でございます。御存じのとおり、県下に6校の技術専門校がございます。新規の高卒者とか離転職者、さらには在職者に対する職業訓練を行っているところでございます。このうち新規高卒者を主な対象としました1年制、それから2年制の普通課程がございますが、こちらにつきましては、260人の定員に対して160人がこの春に入校をしたところでございます。一方、29年度の修了生が136名、そのうちの131名が就職をして、就職率は、96.3%とこちらも高い状況になっております。  そんな現状の中、課題といたしましては、御指摘の定員充足率の低迷ということで、これが本年度は61.5%という厳しい数字になっております。これは、現在の景気回復、それから人手不足という状況下で、企業に入社されてから職業訓練を実施するといった傾向が強まっているということ等が原因と考えます。さらに、今後、少子化等によりその傾向が高まることも予想されるところでございます。  一方で、技専校に対する高校生の認知度が低いということも課題でございまして、27年度に行った調査では、高校生の85.4%が技専校を知らないと回答をしているという現状もございます。そのほか、技専校6校のうち3校が、校舎が築30年前後ということで老朽化が進んでおりますので、耐震化を含めた対応等の必要もあるといった課題がございます。  今後の改革というお話でございますけれども、現在、企業の経営者さん、それから学識経験者さんからなります技術専門校機能強化検討会で御議論をいただいているところでございます。これまでの御議論では、技専校ではぜひ基礎的な技術・技能の習得に努めてほしいですとか、就職率の高さは産業界の期待の結果であり、在職者訓練のニーズも高いので、定員割れだけに注目することはないといった御意見がある一方で、定員充足率の低さから、6校体制の維持が県民益なのかといった御意見が出されているところでございます。また、技術専門校の先ほどの高校生の話につながるんですけれども、認知度のアップのためのイメージ戦略も必要ではないかと御指摘をいただいております。  今後、9月ごろをめどに、今申し上げました検討会の御意見をおまとめいただいて、それを勘案して、県としての方向性をさらに検討してまいりたいと考えております。 ◎矢後雅司 産業立地経営支援課長 御質問の中で、企業誘致の際に人材の引き抜きの話がありました。その点と、プロフェッショナル人材の活動、成果の御質問がございました。まず前者の企業を誘致をした際に人材も引き抜かれてしまうんじゃないかという御質問につきましては、基本的には企業誘致につきまして、県内の地域経済の発展を図ること、雇用を確保するということが第一義的にございます。このことから、向山委員御指摘のとおり、企業誘致に当たって人手不足の解消とセットでしっかり取り組まなければ、人材の取り合いということが地域経済に水を差しかねないと考えております。  その地域のことをよく知った幹部を連れてきて、しっかりとその地域の中で経営をしていくというところでの幹部の引き抜きという御指摘がございましたが、基本的に、誘致など行う際に、人材確保の考え方を、企業にしっかりとヒアリングを行いつつ、ハローワークにはやはり情報が集まりますので、ハローワークや市町村としっかりと連携をとりながら、例えば後ほど御答弁申し上げますが、プロフェッショナル人材戦略拠点、こちらは経営のプロを連れてくるという拠点になりますので、このようなものを活用させていただきまして、平成28年7月から、大手企業からの出向人材の受け入れのマッチングも新たな業務として加わっておりますので、そういうものもしっかりと活用、連携させていただきながら取り組んでいきたいと考えております。  2点目にプロフェッショナル人材戦略拠点制度の事業の中身についてでございますが、平成27年度から平成29年度、今年度もそうですけれども、長野県経営者協会に委託をしてございます。プロフェッショナル人材戦略拠点の事業内容につきましては、その拠点に配置されましたマネジャーの方に企業訪問、相談などを行っていただきます。その際に、訪問をした企業の、どういう人材がほしいのかという人材のニーズを明確化し、人材ビジネス事業者などへ、こういう人材がほしいということで、求人情報を提供します。また研修ですとかセミナーなどを定期的に行いながら、連携をとってマッチングを図っていくということでございます。  具体的な成果、活動の実績についてでございますが、都道府県別の成約状況が、平成30年2月末時点のものがございますが、長野県が全国で8番目になっております。相談件数が719件、成約件数が93件。一番新しい実績で申し上げますと、平成30年の5月末時点で、成約件数は118名となってございます。このような形で、成果のほうも少しずつ出ておりますので、この人手不足の中で、プロフェッショナル人材戦略拠点としっかりと連携をとり活用しながら、人手不足に対して対応してまいりたいと考えております。 ◎今井達哉 日本酒・ワイン振興室長 日本酒鑑評会における金賞受賞蔵に対する具体的支援というお尋ねでございます。日本酒鑑評会は、この時期でいきますと日本酒の蔵にとっての、国内ではありますがワールドカップでございまして、酒蔵にとっては、一品しか出せません。資料7にもありますが、吟醸酒及び大吟醸酒ですので、お米を60%まで、また大吟醸であれば50%削ってつくるという、非常に技術力の要る鑑評でございます。かつて平成13年においては、長野県も1位でございましたが、その後、若干低迷が続いておりまして、ことし1位となりました福島県は、6連覇となっております。その状況を確認しますと、技術力、精米歩合ですとか、おいしいお米からおいしい日本酒をつくるという技術力の支援が不可欠だというのが判明いたしましたので、私どもも、日本一を目指しまして、日本一の奪還のプロジェクトを動き出させていただいたところでございます。  そこのスーパーバイザーとしまして、日本酒類総合研究所のOBで、日本酒造組合の技術顧問の須藤先生という方にお願いしてございまして、長野県らしいお酒で日本一を目指そうとやっております。金賞日本一というのは、酒蔵にとって非常に名誉なことでございますので、当面、私どもとしますと、長野県全蔵の技術力の向上を図って、日本一の金賞受賞の県を目指そうという段階で、努めているところでございます。金賞受賞がある程度安定してまいりましたら、また情報発信もあわせて行ってまいりたいと思っているところでございます。 ◆向山公人 委員 わかりました。ありがとうございました。それだけの技術力や一生懸命努力をして金賞をとるということは、逆に言うと長野県として支援の方法の一つとして、そういって頑張ったものに対しては、ある程度の差別支援というか、そういったものも励みになることだし、またより一層頑張るということにもなるので、その辺も御検討いただきたいと思っております。  私どもの地域は、御承知のように9年後にリニア中央新幹線が開通いたします。当然、三遠南信自動車道も開通するわけでありますから、東海経済圏、それから名古屋の中京経済圏、東京まで45分ですから関東経済圏、こうした大きな経済圏の中で今度は生活することになります。そうしたときに、昔は県なり市町村は、こういうことをやりますという項目を書き、そのことが実施できたか、できないかということでやってきた時代もありますけれども。こうして長野県の経済、地域も大きく変革のときを迎えてきているわけでありますから、こういうことをやります、応援します、施策として実施いたします、それには、それをやることによってどういう成果、どういう長野県に貢献ができるかというところまで、全部ではありませんけど、ものによっては具体的にきちっと提示をしてぜひ取り組んでもらいたい。そのことが長野県の経済の発展にも、私は必ず貢献することになるし、長野県の経済の向上につながると思っておりますので、ぜひ今後の取り組みの中でそういったことをよく選別をされて、生かしていただければ幸いだということを、要望をしておきます。 ◆今井正子 委員 ただいま向山委員から、南信の工科短大のいい話が出ていましたが、私、上田の工科短大に9年ぐらい勤めて、入試の英語をつくったりとか、英語を教えたりしていたんです。そういう中で、大勢の人たち、南信からも、寮があったりして結構来ていましたけど、数がきっと2つの工科短大でそれぞれになってくると思うんですが。  ことし、募集40人のところが入校者が1コース35人というのを聞いたので、上田のほうでは、企業からの研修派遣もあったし、それから文系の大学を出た人たちが理系に来たりして、もう一度基礎的なことを学んでから理系の会社に入っているということもあったんですけれども。いろいろそういう形も含めて、入学してくる数ということで、また2期目に少し減ってしまったとか、そういうことがあると、また数のことだけ言われちゃうかと思っているんですけれども。当時は、生産と制御と電子と情報、4つありましたけれども、これからそういうところがふえていくのかどうか。また、今、県の見通しは聞きましたけど、向山委員としてはどんなふうに見通しされているのかなと。  飯田工業とかがなくなって学校が統合されたりしたこともあって、工業科が減ってくるということも一つになったり、今回、長野工業も1コース減ってしまうので、第2期高校再編の先取りで、そういうこともあるのではないかと思いますけど。 ◆向山公人 委員 南信工科短大を誘致するときに、私どもは、施設をどこへつくる、つくらないなんていうことは、全く目的にしていません。地域の人材育成をする拠点を何としてもつくりたいということでした。飯田のほうは、飯田工業高校があくから、そこへ南信工科短大をつくってくれと、施設から入ったんですが。私どもは施設の問題ではなくて、地域の中で人材育成をして輩出をできるような拠点を何とかつくりたいということから南信工科短大を誘致させていただいて、地域に貢献度が出てきたことで、初年度ですから、今の段階ではほっとしているところでございます。今後の取り組みについては、先ほどから産業労働部にもお願いをしてありますけれども、目的と手段をきちっと明確に分けて、我々も考えて提案をするなり取り組みをしていくということが必要だということを、今回はしみじみと、痛感をしております。 ◆今井正子 委員 ありがとうございました。上田のほうの工夫とか、スタートのときも思いましたので、強制しているわけではないですので、ぜひ、今のように徹底して、このような人材をどちらも育成して。40人が35人ということを先ほど言われたので、そんなようなことで発言しました。 ◆高村京子 委員 いろいろ資料、ありがとうございます。おととい出ました6月の短観につきまして、改めての御説明をいただきましたけれども。本郷委員からも世界から見た日本経済の状況等ありましたが、資料2のそれぞれの世界の、アメリカ・欧州・アジア等の状況によっても、この同じ指標、同じ期間での長野県経済の状況というのは非常に厳しいと、私は受けとめております。  新聞にも載せていただいてありましたけれども、このアンケートも、非常に、原油価格の高騰ですとか、資材の高騰ですとか、あるいは労働者の確保がなかなか厳しいという状況がありまして、これから、そしてまたアメリカのトランプさんがどういうことをやってくるかということでも、非常に不安な状況ですけれども、私は改革というか、そこに手を打っていかないと、難しいと思うんですよね。どうしても効率優先だとか、それから大きい力のあるところに頑張ってもらうとか、そういう方向だけでは、土台が崩れてくるような気がしております。それなので、世界と勝負をしていただく、経済活動していただくということは、大変、それは大いに頑張っていただくと、国力をつけていただくのには大事だと思っておりますけれども、地域に根差して、地域の中で踏ん張っていただく、地域の中でお金や人や物を循環していく地域循環型経済も、しっかりつくっていかなければいけないのではないかと思っております。  この間、商店街が大分、半分ぐらい少なくなっちゃったとか、事業所も、私の知っている、視野にある地域の中でも、町工場がどんどんなくなっていくとか、こういう状況ですけれども。ここら辺の御認識について、今までのことを振り返って、大ざっぱで結構ですけれども、地域に根差した事業所やお店が縮小していっていると思うんですが、この点について、所見をお伺いしたいと思いますが、内田産業政策監兼産業労働部長、お願いします。 ◎内田雅啓 産業政策監兼産業労働部長 地域の経済循環ですとか、地域に根差したということで御質問をいただきました。私どもの考え方とすれば大きく2つあるんですけれども、一つは、稼ぐ力ということで、長野県、輸出系の産業が多いですから、自動車とか、精密系の機械とかに付加価値をつけて海外で売る。それから県外もそうなんですけれども、海外からお金を持ってきて地域のために使うというのが一つございます。当然、高村委員が言われましたように、地域内経済循環って非常に必要だと思います。地域内の活力がなくなってまいりますと、地域のお店がなくなるとか、働く人がいなくなる、それから若者が全部県外に流出してしまうということがございますから、その両方をバランスよく考えていかなければいけないというのがございます。  地域内経済循環で申しますと、私ども産業戦略室でいろいろと知恵を絞って考えているんですけれども、まず一つには、「しあわせバイ信州運動」で、県産品、県内でつくった物を県内で愛好して使っていこうというのが一つございますし、それから知事がよく申しておるんですけれども、地消地産、これまで地域内で買っている物が、県外から来た物だったんですけれども、それを県内でつくった物に置きかえて、県内の人でみんなで消費をしていこうという形で、県内でのお金を外に流出させることなく、県の中で少しずつ回していこうという二本立てで、長野県の経済を発展をさせていこうと、概略でございますが、考えているところでございます。 ◆高村京子 委員 大事だと思っております。そういった中で、地域内の循環経済で、今回の6月短観、経済アンケートを見てみますと、景気の先行きの懸念はどうかということの中で、3つ選ぶことになっています。3つの中では、1番が少子高齢化・人口減、2番目が個人消費の冷え込み、3つ目が原材料の高騰となっております。私はここに力をつけていかなければ、大きな企業にしても、また地元の循環型の小規模の事業所にしても、先が見えてこないと思うんですけれども。  こういった中で、消費の落ち込みというところでは、消費する力といいますか、皆さまのお金を使おうという気持ちがなえている。お金を使えない、将来不安、あるいは今現在も、月々のお給料で赤字になるかどうかぎりぎりの生活ということがございます。私は、企業に頑張っていただいてもいいんだけれども、安倍首相がいうところのアベノミクスで、大企業が頑張ってくれれば、地域の下請企業や働く皆さんのところに、もう少し待っていてもらえばいい影響が行くよと、循環していくよということですが、幾ら待っても来ていないと思うわけでございます。  そして、非正規雇用を否定するわけではないですけれども、年収200万円以下の、ワーキングプア、そういう方もふえておりまして、働く方の4割が非正規、派遣ですとか、不安定雇用に置かれているという状況があります。ここを何とか改善しなければいけないと思いますが、非正規雇用の状況はどのようにお受けとめいただいているか、大ざっぱで結構ですけれども、御認識を伺いたいと思います。 ◎青木隆 労働雇用課長 非正規雇用の現状について、どのように思われるかという御質問でございます。高村委員がおっしゃったように、現状、就業者の約4割が非正規雇用という状況でございます。非正規が全て悪いというわけではございません。もちろん中には非正規を希望されている方もいらっしゃいますので。そういった中で、雇用状況が安定しないことは、将来不安にもつながるということでございますので、企業の人材確保の戦略として、企業がどうやって採っていくかということ。先ほど申し上げましたが、それは就業促進・働き方改革戦略会議でも議論の対象になってくるかと思いますので、働き方改革、それから人材確保の面で、企業がどのようにお考えになるかということについて、空前の人材不足の中で、行政、それから経済団体、労働団体ともに、早急に考えていかなければならない課題だと考えているところでございます。 ◆高村京子 委員 そういうことでお願いしたいと思っております。多くの皆さんから、中間層がなくなっているという論調が出ておりまして、本当にそのとおりで、そういう言い方はいけませんけれども、日本の階級社会というか、アンダークラスがふえているという状況があると思います。働く人だけではなく、自営業者とか、家族従業者とか、そういう方々も、年収300万円までいかない。農業の方もそうです。小規模事業者、あるいは非正規労働者の皆さんが社会の中で広い裾野を占めておりますけれども、この皆さんが年収でいうとアンダークラスになっていて、富士山で言えば裾野ですけど、私はこの皆さんの力をつけていかなければ、頑張っていただく大企業も、安定性がないと、そんな思いでおります。下請の事業所さんとか、働く労働者の方が力つけるコスト、あるいは賃金、こういったものが回ってきてないと思うわけでございます。  今度は、矢後産業立地経営支援課長さんに伺いたいんですけれども。長野県は、工業立地、結構、頑張っていますね。全国でも、いつも7位、8位、6位とか、結構、頑張っていただいておりまして。先ほど向山委員のところで御説明もいただきましたけれども、昨年は立地件数41件ということで、リーマンショック以来、割合と高水準の、企業立地があったと思いますが。リーマンショック以降で結構ですけれども、経年的に、頑張っていただいておりますこのお取り組みの現在の状況、そして今後の方向などありましたら、大ざっぱで結構ですが、御説明願いたいです。 ◎矢後雅司 産業立地経営支援課長 長野県の企業立地についての御質問がございました。平成29年の動向については、立地件数が41件で、全国6位ということで、また用地取得面積についても48.9ヘクタールで、これも全国10位ということで高い水準にあると。立地件数41件の内容としましては、金属製品ですとか、汎用機械ですとか、生産用機械。地域についても、佐久地域、上伊那地域、長野が上位を占めているということでございます。  リーマンショック後ということですけれども、平成21年以降、工場の立地については、20件程度から、全国順位も、13位、12位からだんだん伸びて、現在、6位ということです。工業立地の件数の実績なんですけれども、27年からは、電気業のうち太陽光の発電施設について対象外になっているので、一概に数字の比較ということは難しいところでありますが、着実に平成20年度以降、伸びているということでございます。  今後につきましても、先ほど冒頭でも、概括の説明の中でもありましたが、長野県の強み、成長期待分野、次世代産業ですとか、AI・IoTですとか、そういうところでしっかりと目的、戦略性を持って、企業立地についても行っていきたいと考えております。また、制度融資についても、金融支援の面からも、しっかりタイアップした形で、企業誘致、一緒になって連携してやっていくということで考えております。 ◆高村京子 委員 長野県の場合は、研究所の誘致を進めていこうではないかという視点があったと思いますが、この点はどうでしょうか。26年と28年は、1企業ずつぐらいあったんですけれども、去年はなかったんです。難しいとは思いますけれども、そこら辺もお力を入れていただいていると思いますが、どうでしょうか。 ◎矢後雅司 産業立地経営支援課長 研究所につきましては、しっかりと研究を行って、それを製品に乗せていくということで、裾野が広いというか、長野県経済に対する波及効果が大きいということがありますので、研究機関につきましても、例えば国で本社等移転についての支援など行っておりますが、そこから漏れてしまう小規模なものについても、企業誘致をする際に、しっかり拾って、県独自で支援もさせていただいております。  実際の数字につきましては、昨年度は実績としてはないんですけれども、平成21年以降は、研究所として7件ということで、なかなか一般的な企業立地、企業誘致に比べると難しいという現状がありますが、先ほども申し上げましたが、しっかりと長野県が求める成長期待分野ですとか、そういうところにリンクできるような研究所を誘致してまいりたいと考えております。 ◆高村京子 委員 長野県も、地元の上田市なんかもそうですが、工業団地への立地・誘致も力を入れていただいていると思うんです。去年は15件ありました。ここで、私、指標として見えてないのが、従業員の数はどのように増加しているのか。従業員の状況ですね。数年前からで、全く指標がないのですけど、従業員の増加は進んでいるのか、従業員の増加がなければ、企業立地していただいてもせつないなという思いがあります。この点、どうでしょうか。 ◎矢後雅司 産業立地経営支援課長 企業誘致に当たっての、従業員についての御質問がございましたが、実際、どれぐらいの従業員がふえているのかというのは手元にないんですけれども。基本的には工業団地への誘致については、産業誘致のパンフレットでも、県内、こういう産業団地がありますということでしっかりと周知させていただいております。平成29年度のものづくり産業応援助成金の事業認定時でございますが、263人雇用予定ということなんですけれども、平成28年度で言いますと、1,383名雇用予定ということで、人数は把握をしております。 ◆高村京子 委員 わかりました。税制優遇で企業立地減税があると思うんですけれども、対象企業は、今、どのくらいあって、金額的には、例えば昨年は幾らになっているのかもお教えください。 ◎矢後雅司 産業立地経営支援課長 立地の際の減税優遇についての御質問がございました。県で信州ものづくり産業投資応援条例を制定させていただいておりまして、その中で課税の免除も実施をさせていただいております。課税免除の利用状況につきましては、17社で総所得額は189億円ほどございます。課税免除額は2億円ほどございます。 ◆高村京子 委員 減税規模は、17社で2億円ということでよろしいんですね。 ◎矢後雅司 産業立地経営支援課長 正確に申し上げますと、信州ものづくり産業投資応援条例に基づく不動産取得税の課税免除の利用状況が平成26年から28年、3カ年になりますけれども、2億207万9,200円になります。 ◆高村京子 委員 ありがとうございました。長野県の企業から言えば、17社ということですので、そんなに影響はないといいますか、長野県の企業立地応援ということで制度があって、こういうことも活用していただきながら、大いに新しい企業も力をつけていただければと思っておりますが、やはり中小事業所だと思います。きのうも長野県の経営者協会の幹部の皆様と懇談させていただいたんですけど、私は消費税のことを、同じ質問を向けさせていただきましたけれども。消費税10%は必要だというお答えをいただく幹部の方もおりましたけれども、その中で女性の幹部の方が、地域の中で中小事業所として踏ん張っている、ことしも、来年も、再来年もと頑張ろうとしている中小企業については、消費税は厳しいのではないかと危惧しているということも言っていただきまして、私もそういう思いなんですよね。  本郷委員から話がありましたが、大企業が、今まで最高の400兆円の内部留保があるということ、また消費税の戻し減税ということ、あるいは優遇税制ということもありまして。トヨタ1社だけで3,000億円の戻し減税をいただいておりますね。一方では、長野県では、90何%は中小事業者の皆さんですけれども、日本全国で中小企業対策予算は1,800億円と。私は、地域で頑張っておられる事業所の応援の国の予算規模というのは、非常に少ないと思っているわけです。中小企業ですね、長野県も中小企業振興条例がございますけれども、その視点で頑張っていただいているわけですが、大企業応援減税よりも、それはそれですけど、もっと地域に根差した企業に予算をつけてほしいということを私は国に対して要望していただきたいんですよね。内田部長、いかがでしょうか。 ◎内田雅啓 産業政策監兼産業労働部長 長野県の企業の90何%は中小企業でございますし、そのうちさらに90何%は小規模企業ということで、非常に小さい企業が多いということでございます。企業さんの中には、すぐれた技術を持っておられるとか、ニッチトップで非常に定評のある企業さんもいる。長野県の商工労働行政、これまでに進めてきたのは、ほとんどが中小企業対策ということでやらせていただいております。国におきましても、小規模企業に対して法律を整備して、小規模事業者に対する支援も行っていくということもだんだんに進んできております。先ほど、トヨタの戻し減税という話がありましたけれども、事業規模が相当に違いますので、その辺のところは一概になかなか難しいところもございますし、今の中小企業の場合、なかなか自立しているという形でもないんですね。どうしても、長野県の場合には完成品が少なくて、部品をさらに違う企業さんに買っていただいて、それを完成品にして売るから収益が上がってくるというものですから、一概に大企業がバツで中小企業がマルというような感じではないんですけれども。  消費税については、いろいろな施策の観点から、社会保障とか、教育とかに使わなければいけないという目的がございますから、それはやむを得ないことだと私は思っておるんですけれども、ただ、今、景気の回復が順調に進んでいる中で、消費税が、それに水を差すようなことになると一番せつないなと。みんながそう思っているところなものですから、そのために、いろいろな施策を国でも考えているようでございますし、私どもも、施策を利用・活用させていただいて、中小企業を中心にした対策を組んでいきたいと思っておるところでございます。 ◆高村京子 委員 最後の質問とさせていただきます。長野県も、がん対策推進条例と、健康条例を制定いたしておりますけれども、きょうの信濃毎日新聞には、働くがん患者さんが、その方の能力や体力に応じて働けるという、企業の配慮がなかなか行き渡っていないと記事が出ていたが、どうしたものかという企業のお悩みもあるやに思います。長野県に、病気を抱えながらも、その方の体力や能力に応じて、短時間でも働いていただくということを応援していただく、指導して援助していただくことをぜひお願いしたいと思うんですけれども、これについてお答えをいただきまして、終わりとさせていただきます。 ◎青木隆 労働雇用課長 けさの信濃毎日新聞朝刊にがん患者支援、県内企業で浸透してないという記事がございました。この委員会でも、2月の委員会で山口委員から、長野県内の企業でがんのための休暇制度を設けているとかは承知されているかという御質問をいただきまして、正直なところ、そのときは承知をしていなかったわけでございます。労働雇用課で、テーマとしては、女性の活躍推進の関係なんですけれども、事業者向け調査と、それから従業員向け調査、それぞれに、がん患者に対する支援制度を設けているかとか、そういった質問項目を設けまして、今年度中に企業に対する調査をしたいと思っておりますので、実態調査がまとまりましたら、また御報告したいと思っております。 ◆今井正子 委員 お願いいたします。最初に資料10のところにございます労働相談について、教えていただきたいと思います。28年度から、全体的に労働条件に対する相談が、ふえているところもありますが、労働条件の相談のうち、その他という項目が大分ふえてきたわけですけれども、この労働条件についてのその他というのはどのようなものが多かったのか。  次にその下へ行きまして、勤労者福祉とか、それから男女雇用機会均等とか、職場の人間関係、パワーハラスメントとか、セクシャルハラスメントはないですけど、ハラスメントということ。これは、昨年に比べて減ってきていますけれども、この傾向、こういうことをしていったのでこのようになってきたということがございましたら、数値からだけ見させていただいていますので、その点についてお話をいただけたらと思います。  それから、その下の若年者就業サポートセンター、ジョブカフェ信州ですけれども、これは、平日だけで、土日、みんなが一番行きたいようなときはやっていなかったんでしょうか、時間的なことをもう一度確認させてください。利用者数がぐっと減ってきました。また来所者も大分減りました。そのことについてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか。それから、逆にカウンセリングがちょっとふえたということもありますが、全体的に長野県若年者就業サポートセンター、ジョブカフェ信州の、利用者が減り、そして来所者も減ってきたという点について、どのようにお考えになるか、お願いしたいと思います。 ◎青木隆 労働雇用課長 資料10の労働相談等の状況について、御質問いただきました。労働条件のうちのその他の項目、平成29年度で申し上げますと158件、この内訳ということでよろしいわけですね。こちらは、就業規則ですとか、労働安全衛生ですとか、それから派遣労働者の労働条件等、上に含まれるもの以外もろもろということになりますが、代表的なものは、就業規則等でございます。  その下の雇用関係はふえているわけでございますが、減っている項目が多いので、どのように捉えられているかということでございますけれども。すみません、具体的にこの減少傾向から、明確にこういったことでこの項目は減少しているということは、一概に申し上げられないような状況でございます。申しわけございません。  それからジョブカフェ信州でございますけれども、利用者数が減っているということでございますけれども、雇用状況が安定して、経済が上向きの状況でございますと、どうしても反比例的に利用者数が減ってきている状況でございます。来所者数についても、平成25年度は1万1,310人ということ、それが26年度は1万人を割って9,951人、27年度で8,930人ということで、雇用状況の安定とともに、どうしても来所者数が減少ぎみという状況でございます。  ジョブカフェ信州については、松本センター、それから長野分室は、土日は開所しておりません。現在、サテライトということで、銀座で実施しておりますけど、そちらは日曜日専用に開催している状況でございます。 ◆今井正子 委員 労働相談については、マイナスがいけないんではなくて、パワーハラスメントとか、そういうのが少なくなったということは、よくなっているのかな、それとも逆に言いにくくなっちゃったのかなと。そういうところを、またよく詳しく見ていただいて、みんながそういうことに関心を持ってきて言わなくなってきた、そういうことがなくなってきたということだったら、とてもいいことだと思いますので。  もう一つ、外国人労働者の労働相談がないというのが、不思議に思うんですが。一件一件、こういうところは来てください、来なさいと掘り出すつもりではないんですけど、これは全体の労働相談の中に、相談しにくいとか、来にくい、または組織を通さなければできないとか、何かそういうことがあるんでしょうか。 ◎青木隆 労働雇用課長 資料10の外国人労働者、これはあくまで相談内容でございまして、外国人の方が相談に来たということではなくて、外国人の雇用のことについての相談があったということでございます。明確に国籍では分けてない状況でございます。これはあくまでも内容ということで御理解いただきたいと思います。 ◆今井正子 委員 これだけ外国人労働者、いろいろなところに入っているわけですから、労働相談の件数が1件というほうが不思議だなと思って。1件ですから、1件で100%ですけれども、こんなに少ないわけはないのではないかなという思いもありますので、結構、悩んでいるところも、いろいろな企業もあると思いますし。またそれは、例えば社会保険労務士さんとか、行政書士さんとか、また別のところに、いろいろと相談されているかもしれませんけれども。たくさんの雇用者がいるわけですので、そこのところも少し見ていただくことができたらと思っています。  長野県若年者就業サポートセンターについてですけれども、日曜日は銀座でということですけれども。減ってきた理由の中には、時間帯のこととか、そういうのはないでしょうか。減った理由として考えられることは、上向きになったから、みんな職につけているからOKという、そういうような今の御説明でしたけど、そうでしょうか、お願いします。 ◎青木隆 労働雇用課長 松本のセンターと長野分室がございますけれども、その開所時間自体は、特段、ずっと変更ございませんので、理由としましては、やはり雇用状況の安定という中で、利用者、来所者数が減っているものと考えているところでございます。 ◆今井正子 委員 ありがとうございます。次に資料11にありますシューカツNAGANO学生企業応援プロジェクトで、県内の大学生は、全体で55%とか57%と、県内に残る人たちがいましたけれども、目標はもっと大きく、65%ということで設定していました。県内に就職する率ですが、大学も、信大以外のところも公立大学になってきて、もともとの長野県の子供たちが入れる率はちょっと減ってきたような気もするんですけれども。どこ出身だろうが、県内へ残っていく方たちというのは、3年後、4年後になると、少し厳しくなるのかなと思うんですが。目標値は、ことし65%、そして70%とか、だんだん上げていくと思うんですけど、これについての見通しと、ことしの状況はどうでしょうか。  それからUターン就職促進協定校には国立大学がないんですけど、関東とか中部、近畿という中で、別立てにやっているということでしょうか。 ◎青木隆 労働雇用課長 県内大学卒業生の県内への就職状況ということで、所管は県民文化部の高等教育振興課でございますけれども、お聞きしたところ、平成29年3月卒業生が55.9%、平成30年3月は54.5%ということで、55%前後で推移しているところでございます。新たな5か年計画の中で、県民文化部として、数値目標として、2022年度には65%に上げたいという状況でございます。数値の達成に向けては、県民文化部とともに産業労働部でも一緒に協力しながら、努力してまいりたいと思います。  先ほど今井委員から、県内の大学、長野大学ですとか、諏訪東京理科大が公立化されるという中で、県外出身者が入学者の中に占める割合がふえ、県内への就職はどうなのかという御質問かと思います。状況としては大変難しい状況ではございますけれども、目標達成に向けて、部局連携して取り組んでまいりたいと思います。  また、資料11の裏面のUターン就職促進協定校の中に、国立大学がないんではないかという御指摘でございますけれども、別に国立を排除しているわけではございませんので、国立大学も含めて、就職促進協定を結んでまいりたいと考えているところでございます。 ◆今井正子 委員 国公立大学も含めてということでお願いいたします。それから資料6ですけれども、工業技術総合センターへの設置、ファイバー・ベンチャーエコシステム形成拠点の取り組み状況についてということで、セルロースナノファイバーの用途開発を促進するということで、ナノセルロース利活用技術研究会が発足したということです。ものづくり振興課の予算づけのことですけれども、29年5月から発足していて、どのくらい会合を開いているのか。そしてここについている予算、そして30年度についてはどのようになっていたでしょうか。  また、以前から上田の信州大学繊維学部では、産学官連携ということで共同研究している企業がたくさんありました。去年ですか、10周年記念だか20周年記念をやった気がしますけれども、企業が信州大学繊維学部の中に一部入っていることは前からやっているんですが。今回、特にインキュベーション施設ということで、全19室の開所式が、6月にやられたところだということです。19室ということですが、部屋の利用はどのようになっているのか。またこれについては、繊維学部として、ますます産学官連携が進んでいくと思います。ちょうどここから信大の学長も出ています。いろいろ世界にも広めていく意味でもいい場所であると思うんですけれども、この点につきましては、予算づけ、そして利用について、どのようになっているか、お願いいたします。 ◎沖村正博 ものづくり振興課長 この事業に関しましては、先ほど御説明したとおり、資料6の取り組み概要の1のところに書いてございます、平成28年度の補正予算によりまして、文部科学省から地域科学技術実証拠点整備事業のお金をいただいて推進しているものでございます。合計7億円ぐらい国から来ているんですが、ほとんどは、資料の裏面にございますOVICというインキュベーション施設に活用されておりまして、本県として使っているのは、こちらにあります写真にあるとおり、マイクロ成形加工機を導入したところに使われまして、2,500万円ぐらいのお金を使ってやっているところでございます。  研究会につきましては、こちらの国の予算では面倒見られないものですから、私どもの県単の事業を使いまして研究会を実施しております。研究会によってまちまちですが、勉強会なものですから、大体、1研究会、20万円から30万円程度ということで、講師謝金と旅費で賄っている状況でございます。  信州大学繊維学部との連携につきましては、この事業以外にも、ことし新たにイノベーションエコシステムという資金を文部科学省から導入しておりまして、年によってまちまちなんですけど、数億円規模の事業で進められております。これにつきましても、県にも、毎年、機器導入で1,000万円から2,000万円ぐらいの機器が導入されるということで、今のところ5年間ぐらいを予定しながら、産学官連携の共同研究をやっているという状況でございます。 ◆今井敦 委員 では質問をさせていただきたいと思います。素朴な疑問で、まず信州ものづくり未来塾事業でございますけれども、平成29年度実績内訳を見ると、南信の受講者だけが異常に少ないんですけれども、この理由というのはどうなのか、教えてください。 ◎青木淳 人材育成課長 PRとしては皆さんに行っているんですが、各学校から希望をいただいているものですので、はっきりこういう理由だっていうのはなかなか申し上げられないところでございます。 ◆今井敦 委員 希望がないということですね。ほかにはあるけれども、南信からは希望が全く出てこないということですけれども。ある程度、なぜかという疑問も抱いていただいて、調査をしていただければと思います。  それから、先ほど来、労働力不足の話が、いっぱい出ているんですけれども、人口減少化社会を迎えて、県、あるいは市町村が、移住・交流事業とかを通じて何とか人材を確保しよう、あるいは人口を確保しようということでやっている状況の中で、知恵比べみたいなことになっているんです。「ときどき&おためしナガノ」というのも、大変いい事業だなと思って見ておるんですが、拠点設置の事例は、異常に、地域として偏りが見られるんですけれども、その辺、全体的にどういう感じになっているかを教えてもらいたいんですが。 ◎大槻覚 創業・サービス産業振興室長 ときどきナガノ、おためしナガノの実績というか、拠点設置の場所ということですが、統計的には出てないんですけれども、それぞれ実績があるとおり、平成27年は8組、28年は11組、平成29年は11組でございまして、拠点を設置いただいたところは、東北信が多くなってございます。中には伊那市で、夫婦で移住をされて、起業をされて、路線図シリーズですかね、多言語対応のアプリで伊那市に拠点を構えている方もいらっしゃいます。あとは、立科町・佐久市にも拠点を構えていただいているということで、統計的には長野・上田等、東北信が多くなってございます。実際にお試しをしていただいている方は、塩尻とか、豊丘等もありますけれども、拠点設置にまでは至っていないという状況でございます。 ◆今井敦 委員 新幹線沿いに多いという状況だと思いますけれども、担当室としては、どうしてこういう形になっているのかは、検討といいますか、議論はしていますでしょうか。 ◎大槻覚 創業・サービス産業振興室長 体験していただく場所も、それぞれの市町村さんの御協力をいただいて、コワーキングスペース等を活動の場、仕事の場としてやっていただいております。その中では、先ほど言ったように、長野とか、上田とか、飯山もありますし、伊那もありますし、そういうところで体験をしていただいているんですけれども、先ほど体験された方の感想を説明の中で申し上げましたけれども、首都圏との時間、短期間で移動できるというようなことで、新幹線沿いが拠点設置を選ぶ理由になっているということでございます。私どもとしましては、今年度事業につきましては、広く全県のコワーキングスペース、市町村と協力しまして、全県で体験していただくような形で、選考をしているところでございます。 ◆今井敦 委員 県の事業なんで、全県でやってもらわないと困りますので、その辺はしっかりと念頭に置いて、事業を進めていただければと思いますし、先ほどの事業も、なぜああいう形になっているのかも、じっくりと検討していただきたいと思います。  先ほども、労働力不足の話になりましたが、調査結果がここで出ております。県内企業700社を対象にこの調査を行ったということでございますけれども、企業規模ではどういう内訳になっているのか、お知らせいただきたい。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 企業規模につきましては、基本的には製造業、非製造業、経済センサス等を参考に従業員4人以上のところをピックアップしているところでございます。従業員数について、小さいところでは、非製造で20名程度のところ、大きいところでは製造業で何百人といった従業員を雇っている企業もあるところでございます。 ◆今井敦 委員 割合は出ていますか。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 こちらについて、従業員規模の割合という形で数字のほう、持ち合わせてございません。 ◆今井敦 委員 おそらく企業規模によって求める人材は当然違ってくるわけで、例えばきのう経営者協会の中でお話をされたのは、ある程度の規模の会社の話であります。たまたま茅野市に1,000名ほど募集をする企業が企業誘致で来て、そこがヘッドハンティングとか、大募集を仕掛けているということで、既存の企業からそれなりのスキルを持った人材が引き抜かれているということが、実際に、起きているわけであります。そうした問題と、一方で20名とか30名とか40名ぐらいの、50名以下ぐらいの企業というのは、全く求めている人材が実は違っていて、普通の仕事ができる人を探しているという、こういう話になるわけであります。単に労働力不足といっても、ある程度スキルを求めているということと、真面目に仕事をやってくれればそれでいいんだよというところもあるわけです。小さい企業ほど、本当はスキルのある人がほしいんだけれども、そういう人がなかなか来てくれないんで困っていると。  特に彼らが言うのは、要するに、最近は、会社に朝来て夕方帰って、それで給料をもらえたらそれでいいという人が本当にふえてしまったと。モチベーションを持って仕事をやってくれる人が減ってしまって、かつては、あの辺で言うと岡谷工業とか出てきた子たちが、非常にすばらしい戦力として育ったんだけれども、今はそういう子たちがいなくなってしまったということを言っていたわけであります。モチベーションの低い人たちというのは、企業をすぐやめてしまうらしくて、あちこちを渡り歩いていて、実は企業経営者の中では既にもうブラックリスト的になっていて、誰々っていうやつが面接に来たんだけどどうだと言うと、いや、あれはよしておいたほうがいいよみたいな、情報交換が既になされているという状況にもあると聞いておるんです。  そうはいっても、それなりの人材というのは世の中にいるんではないかなということも思うわけであります。例えばリーマンショック直後に新卒だった人たちは、それなりの能力を持っていても、なかなか就職をするのが厳しかった時代の人たちで、ちょうど今30そこそこくらいの人たちだと思いますけれども、彼らは、一体どこで何をしているんだろうというのが、一つ議論になったわけであります。非正規で何か仕事をしておられるかもしれないし、自分としては不本意な職についているかもしれないし、いろいろなことが考えられるわけなんですけれども、そういう人たちっていうのは、新しい再チャレンジのターゲットになり得るんではないかと思っているわけです。  県も、いろいろ事業をやっていますよね。さっきもプロフェッショナル人材戦略拠点ということをやったりして、そういった人たちを何とか確保しようということをやっておるんですが、ある程度そういったターゲットを絞るという考え方もあってもいいんじゃないか。そこら辺の掘り起こし、本当にできるかどうかっていうのは、なかなかわからないんですが、やってみる価値はあるのかなという気もしているわけであります。  もう一方は、この間、茅野市内のコワーキングスペースが開所をしました。そこのオープニングのとき、グーグルのいろいろなツールを使って、在宅で仕事ができるということをやっている会社が説明をして、そういったことをやりませんかみたいなことも含めてやったときに、若い、30代ぐらいのお母さんたちが、子供を抱っこしていっぱい来たんですね。そのとき、こんな人、茅野市内にどこにいたんだろうと思ったんですよ。彼女たちはそこへ来て、すごい真剣に見ているわけですね。これはどういうことかなという話をしたときに、おそらく旦那さんにそれなりの収入があって、無理して働きにいかなくてもいいんだけれども、きっとスキルを持っているんですよね。どうも、何か自分がやりたい仕事がないかな、みたいな感じで来たという話のようでありました。ですから、非常に高いスキルを持っているんだけれども、今は、子育てのほうが大事だからといって表に出てきていない女性たちというのが多分いて、子育て環境とかをきちっと整備をしないとなかなか出てこられないんですけれども、その辺も一つターゲットになり得るんではないかという議論を、若手経営者の皆さんとか、あるいは関係の皆さんとしたことがあるんです。その辺について、いかがお考えか、御意見をいただきたいと思います。 ◎青木隆 労働雇用課長 女性の働き方改革のことで御質問いただきました。長野県でも、女性の就業促進ということの中で、長野県、なかなかテレワークが広まっていないという中ですが、テレワーカーも、雇用型と自営型と2種類あるわけでございますけれども、主に、自営型のテレワーカーの養成ということで、委託事業で女性の方を中心としたテレワーカーの養成、企業側へ、こういう業務がテレワークとして発注できますよというセミナー、あわせて女性のテレワーカーの方と企業側とのマッチングといったものを実施して、今年度で2年目になります。そういった事業も活用する中で、テレワークの普及といったこともあわせて進めていきたいと考えているところでございます。  それからリーマンショックのときに非正規で雇用された方を活用する方策を考えるべきではないかという御質問でございますが、正社員チャレンジ事業ということで、正社員に合うような形でのスキルアップを図っていただくということで、座学と、それから企業実習とセットにした形で行っておりまして、職業紹介をにらんだ形で企業実習も行っていただくという事業を進めております。本来はスキルを持った方の新たな再チャレンジを応援していこうという事業も進めているところでございまして、今年度はジョブカフェ信州で、キャリアコンサルティングや各種セミナー等も活用しながら、企業での実習にも当たっていただくという方法で進めてまいりたいと考えているところでございます。
    ◆今井敦 委員 私が言わんとしたところは、再チャレンジとか意識のある人はいいんですが、そうじゃなくて、派遣でそのまま何となく働き続けている人だとか、何か違う転職しようとか、実はあんまり考えていないんだけれども、でも能力を持ったままずっとやっている人たちっていうのは、いるんではないかということ。そこの掘り起こしを何とかできないかっていうことなんです。今、移住・交流事業とか、他の部局でやっていて、銀座NAGANOとかで説明会をやったりとか、人に集まってきてもらって料理教室を開いたり、いろいろやっていますよね。そういうのと同じような取り組みができないのかなと。要するに、移住・交流事業とセットで、働く場所は、こういう場所がありますよと。働く場所がまずあって、その後、住む場所があるということが大事なんで、例えば、こういう人を、こういう企業さんは望んでいますよという情報なんかも与えてあげて、移住・交流事業とセットでそういう人を掘り起こすということが何かできないのかなと思うんで、その辺についてはどうお考えでしょうか。 ◎青木隆 労働雇用課長 銀座NAGANOで、移住希望者の方については楽園信州・移住推進室で対応しておりますけれども、移住するに当たってはですね、長野県での職業が大事になりますので、現在、職業紹介は、長野労働局とタイアップしまして、県が移住の推進、職業紹介は長野労働局がという形で、銀座NAGANOでは対応している状況でございます。 ◆今井敦 委員 何かいい組み合わせというのか、方法が、銀座NAGANOに別に限る必要はないんですけれども。意外と都会にもそういう人材がいるんじゃないかなと。田舎で暮らせれば、それでこういう仕事ができればいいなと思ってくれる人がいるんじゃないかなという気もしているものですから、そういったアプローチもやってみる価値はあるのかなと思って、御検討いただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。 ○荒井武志 委員長 午後3時10分まで休憩を宣した。 ●休憩時刻 午後2時55分 ●再開時刻 午後3時9分 ○荒井武志 委員長 再開を宣し、引き続き、委員の質疑等発言を許可した。 ◆堀場秀孝 委員 では端的に質問だけいたします。よろしくお願いいたします。上田の工科短大と南信工科短大があるんですが、地元からは、特に上田の場合、施設がすごく充実しているので、2年間ではもったいないじゃないかという意見もあるんですが、お考えはいかがでしょうか。 ◎青木淳 人材育成課長 工科短大についてのお尋ねでございます。工科短期大学校は、職業能力開発法に基づく職業能力開発短期大学校という位置づけでございます。南信工科短期大学校も同じ位置づけでございます。専門課程で2年の課程という形になっております。ほかに4年制で大学校というものができると。国はそういうのを持っておりまして、県でも2年制の上にさらに2年間、専攻の課程をつくることというのはできるんですけれども、今のところ、先ほどの定員充足率等の話もありますし、施設的にも、上田の工科短期大学校のスペース、80人の定員で2年間の160人で、ここに入れるかって言いますと、それは入れない状況であります。総合的に、学校に入る状況ですとか、就職の状況とかというのを踏まえて、検討は必要だと思いますけれども、現在、そういう検討は行っていないところでございます。 ◆堀場秀孝 委員 現在、行っていないということですが、いろいろ状況も変わりますし、中期的に、県は5か年計画を出していますけれども、私は、国体とリニアが同じ年ということなので、その辺が中期的な目標なのかなと考えますので、検討をお願いしたいと思います。  次に行きます。きのうも聞いたんですけれども、水素ステーションについて、特に自動車産業が結構多いんですけれども、多分、燃料車というか、ガソリン車が、うん十年したらなくなる可能性からするとどうなのかなと、お考えを。 ◎宮坂克良 産業戦略室長 水素ステーションへのお尋ねということでお答えします。現在、まだ水素自動車の台数、非常に少なくて、首都圏、都市圏を中心としてふえております。トヨタ自動車初めとして、来年度以降、数百台から数千台規模で徐々に、バスと、それから乗用車をふやしていくという意向でいると伺っているところでございます。それに従いまして、水素ステーション、それから水素自動車に関連する部品の産業も需要がふえていくということで、それらへの対応も応援していく必要があるということで認識しているところでございます。 ◆堀場秀孝 委員 市は無理らしいんですけれども、町だと公用車に導入というお話も伺っていますし、中京圏・関東圏で台数がふえても、高速を出たところかどうかは別にして、高速で来たときに長野県のどこかにないと。検討をお願いしたいと思います。  次に行きます。キャッシュレス決済の推進ということを耳にしたんですが、どのような取り組みなんでしょうか。 ◎大槻覚 創業・サービス産業振興室長 キャッシュレス決済についての御質問でございます。現在、新聞等でも報道されておりますけれども、日本全体を通じてキャッシュレスの割合が非常に低いということです。長野県においても、商店街等を含めてキャッシュレスが進んでないというような状況でございます。私どもの事業で、小さなビジネス応援セミナーを開催しておりまして、カード決済、キャッシュレス決済も含めまして、商工会等を中心としてセミナーを開催させていただいております。今年度につきましては、現在のところ、7カ所でこのセミナーを開催することとしておりまして、このような形でキャッシュレスのPR、またその状況等も、市町村、また商工会等に説明をしている状況でございます。 ◆堀場秀孝 委員 キャッシュレスというと、僕は、まずはSuicaとかPASMOとかのカードを思い出します。これから観光客が来たときに、大阪はICOCAがあり、中京もあるし、関東にもあるんで、そのカードをもうちょっと使えるように。多分、ここだけじゃなくて、例えば鉄道関係も含めて、クレジットもいいんですけれども、来た人が簡単に、交通カードも使えるようなことも、国体とか、そういうところもめどに、ある程度、方向性をつけていただきたいなと思います。  次に信州の地酒普及促進・乾杯条例ができているんですが、どのような御認識でしょうか。 ◎今井達哉 日本酒・ワイン振興室長 信州の地酒普及促進・乾杯条例の現状について御質問でございます。議会の皆様方から御提案を受けまして、平成27年12月17日に信州の地酒普及促進・乾杯条例を施行いたしました。その後、小売の皆さんですとか経済団体の皆さん等と力を合わせまして、信州地酒乾杯の日を制定しまして、毎月8日は信州の地酒で乾杯をしましょうということを行っております。また、年に一度、毎年12月に関係の団体とも連携いたしまして、乾杯の日の普及促進を図るということで、乾杯のイベントを実施しているところでございます。 ◆堀場秀孝 委員 ふた冬過ぎて、夏場は特にビールという要望が多くて、私も結構、懇親会とか呼ばれるんですけれども、地酒が、ほとんどというよりなくて、どうしたんだいと言うと、杯がないみたいな。言いわけっぽいんだけど、全部の宴会場が埋まったときにやると、宴会場に日本酒を注ぐ杯やグラスがないみたいなことが、あったんですよ。上田は最初のときに商工会議所で、コースターをつくったんだけれども、それに対して、県なり、地域振興局が、例えば紙コップでもいいから、シールを張ってみたいな方向の考え方はないでしょうか。 ◎今井達哉 日本酒・ワイン振興室長 条例で定めるところの地酒というのは、日本酒に限っておらず、ワインでも、リキュールでも、クラフトビール、地ビールでもOKなんでございますが、その辺の周知がまだいま一つと、今、感じたところでございます。ただ、ビールとなりますと、いわゆる全国のシェア9割が大手ビールメーカーのシェアになりまして、クラフトビールがその店舗にないという場合もありますので、条例の趣旨を周知するとともに、もう少し幅広い形で、融通のきく形で、乾杯等を行っていただくように周知も図ってまいりたいと思っております。 ◆堀場秀孝 委員 地酒といったら日本酒だけじゃないのはわかるんだけれども、単価的に、店なり宴会場、ホテルで、地ビールとか、ワインとかは、多分、出ないんですよ。その辺は認識してほしいと思います。  次に行きます。人材不足について、幾つか伺います。外国人家政婦とか、それからイスラム教徒のハラルの問題とか、外国人の介護技能実習生とかについて、いろいろな新聞でここ2、3日中に出ていたんですけれども、その辺の御認識というか、取り組みというか、方向性がもしわかればお願いします。 ◎青木隆 労働雇用課長 最近、外国人就労拡大を政府として進めるということで、いわゆる「骨太の方針」でも、外国人人材を受け入れていきたいという中で、新たな在留資格を創設したいということですね。政府で検討しまして、例えば、現行の技能実習制度がございますけれども、最長で5年間、技能実習ができるわけでございますが、その後も、人材不足が顕著な、例として農業とか建設とか介護とか、5種類ほど、検討されているようでございますけれども、そういったものについて、新たに、更に5年間の在留資格をつくるということを、政府として検討していくということでございます。とにかく、日本全国、人手不足で、日本人だけでは対応できないのではないかという中で、外国人の活用が、検討されているという状況でございます。 ◆堀場秀孝 委員 わかりました。次に行きます。県内の大学生の起業塾の状況、どのくらい把握しているか。質問が悪かったかな。今のはいいです、すみません、やめました。地方移住者に補助金を出すという新聞記事が出ていたんですけれども、県内の状況はどのように把握しているでしょうか。 ◎大槻覚 創業・サービス産業振興室長 産業労働部では、移住者に対して、補助金ではないんですけど、先ほど資料5で御説明しました、「ときどき&おためしナガノ事業」の中で、おためしナガノの参加者につきましては、オフィス使用料ですとか、交通費、引っ越し代等、人数にもよりますけれども、大体、1組30万円前後で、体験するに当たっての補助を我々のほうで出しています。 ◆堀場秀孝 委員 うちの会派から来たもので、僕も把握してなくてごめんなさい。経済産業省が7月から公募を始める事業承継関連の補助金について、地域おこし協力隊の若者が優先的に選ばれるようにする、移住者に最大500万円ということですが、多分、動いてないと思うんですけれども、方向性がもしわかれば。わからなかったらいいです。 ◎矢後雅司 産業立地経営支援課長 移住者に補助金ということについて、地域おこし協力隊の方は、3年、地域にいらっしゃって、地域の方と人間関係をつくっているので、おそらくスムーズに事業承継に入れるということで、地域おこし協力隊が事業承継の際に、新たな事業承継の担い手となるよう、経済産業省と総務省で連携した取り組みかと思います。確か静岡県でキックオフがあったかと思うんですけれども、実際にモデル事業としては静岡県でやりますので、その情報もしっかりと収集しまして、私も総務省に確認をとって、どういう形で制度がつくられるのかということは、研究してまいりたいと思っています。 ◆堀場秀孝 委員 最後に部長に伺います。先ほど向山委員からもありました、リニアの関係で、経済圏が中京圏、関西圏、関東圏という方向になるときに、航空宇宙産業も含めた南信地域で、展示会だ何だかんだいろいろなショールームをやる中において、県営飯田野球場の施設をドーム化するということに関しては、どのような考えでしょうか。 ◎内田雅啓 産業政策監兼産業労働部長 いろいろな交通網が整備をされまして、リニアも三遠南信自動車道も開通いたしますと、本当にいろいろなところ、中京圏・関東圏・関西圏との交流が進むという形になると思います。まず人的な交流、人がいっぱいやってくるということのほかに、一般質問で髙橋岑俊議員にもお答えしましたように、三遠南信自動車道で浜松の企業と企業間交流を行って、そこに新たな産業とか新商品をつくっていくというのは考えられるところでございます。  ただ、ショールームみたいなもの、特に航空機産業につきましては、飯田工業高校の跡地を拠点としており、その中に校舎が幾つかありますが、幾つかのものを、南信州広域連合に対して譲与しております。南側のところだけ、まだ譲与しておりませんで、そこがショールームになる可能性がございます。飯田の野球場の関係は、堀場委員は一般質問でも言われておられましたけれども、私どもでは、まだそこを利用するというところまでは考えが至っておりません。 ◆堀場秀孝 委員 産業労働部で当然やらなくちゃいけないことはあるんですけれども、長野県が方向性を持っていくには、いろいろ部局横断的にという言葉が結構出てきているので、教育委員会も、それから産業労働部も。産業労働部のやることは当然あるんですけれども、5か年計画とか出ているし、次の国体からリニアが出るころが、中期的であるが、まだ長期的にはもうちょっと先もあるんですけど、どこに向かうか方向性を。人口減少からして、お客さんを呼ぶ、リニアが大阪まで延びる、もしかしたらそれが九州まで行くようなことになることも考えられないことはないわけですよね、現段階では。そうなったときには、名古屋までというのはもう決まっているので、お客さんを呼ぶ、なおかつ新幹線と高速がどうしても北のほうに来ているとすると、長野県として、南のほうも頑張ってもらわなきゃいかんと。それにはちょうど、偶然かどうか知らないけど、国体とリニアの開業予定が同じ年ということがあるので、その辺も含めて、いろいろ僕らも勉強しますので、よろしくお願いしたいと思います。 ◆小川修一 委員 お願いします。資料3の人手不足の現状と確保に関する調査結果と、資料9の最近の雇用情勢についてに関連してお聞きしたいと思います。休憩前に今井敦委員からもありましたけれども、調査の仕方のところで、同じ質問をするにせよ、会社の従業員数ですとか、規模ごとにある程度分けて、より細かく調査するほうが、実際の必要としている人材像というものが浮き彫りになるんではないかと思うんですね。先ほど今井敦委員がおっしゃっていた、求める人材といいますか、埋もれている人材が、もしかしたらこの地域にもたくさんいらっしゃるかもしれないということで、ぜひそうした形の調査もまた今後していただければと思います。  それに関連して、よく家庭の事情とかで介護離職とかってありますね。ちょうど40代、50代ぐらいの方が、例えば親御さんがお亡くなりになって、では仕事を探したいというときに、ハローワークとかへ行って仕事を探すと思うんですけれども、企業の採用条件といいますか、年齢の制約って大体ありますよね。私、最近は知りませんけれども、昔だったら35ぐらいまでとか、それぞれの採用の条件ってあると思うんですけれども、傾向として、例えば40代・50代でも、転職で就職することができるかどうか、現状を教えてください。 ◎青木隆 労働雇用課長 年齢によって求職者が就職しづらい状況があるのかというお尋ねかと思います。原則として求人情報は、よっぽど合理的な理由がない限りは、年齢制限をかけてはいけないことになっております。そういった中で、実際に企業の採用側としては、そうはいっても長く勤めていただきたいという、人事担当なり経営者側の考えもあろうかと思いますので、実際に年齢の高い人の就職状況はどうかといった場合には、やはり若年者と比較すると、不利な部分があろうかと思います。ただ、実態としてそれがどうあらわれているかというと、法律的にも難しいところもありますので、表には出づらいのかなと思っているところでございます。 ◆小川修一 委員 実態までは調査は難しいかもしれませんけれども。求人側、企業側の意識も広げていくということも、今後は必要になってくるのかなと思うんですね。人手不足と言っている割には、例えば、もし年齢で制限している、実際上採用を控えているということであれば、そのあたりのミスマッチも課題として出てくると思います。  あともう一つ、調査対象のことなんですけれども。長野県はものづくりが中心で、製造業を、より成長が期待できる産業として力を入れているということもよくわかります。なんですけれども、非製造業に従事されている方もいらっしゃるわけです。非製造業について、業種を、卸売・小売と、建設、そして宿泊・飲食と分けていますよね。それを対象に、今回、調査されているようなんですが、対象外になっている他のサービス業など、非製造業の、そういった業種の調査は、お考えはないでしょうか。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 資料の全体版をつけさせていただいておりますが、私ども、景気動向調査と合わせて、県内の製造業・非製造業ということでやってございます。御指摘とすれば、例えばここでいきますと、農業系であったりとか、介護系であったりとかは、この中で調査されてないんではないかというお話かと思います。こういった部分につきましては、健康福祉部であったり、農政部であったりで同じように、人手不足の関係の検討の部会をそれぞれ持ってございます。そういった中で、実態を把握して必要な方策等を検討されているところでございますので、そういったところとも、状況も私どももお話ししながら、進めてまいりたいと思っております。 ◆小川修一 委員 それに関連してなんですけれども、私が念頭に置いているのが、例えば、今、建設業は現場の仕事がきつくて若い人が敬遠するというイメージがあるんですけれども、建設業以外でも、自動車の整備ですとか、トラックの運転、バスの運転、要は体を使う仕事という点では、やはり建設業同様の事情があります。それで人材がなかなか定着しないし、高齢化もしていると。特にバスは、運転手さん、大変な事故が多いですね。そういう中で、労働環境改善という動きもある中で、人材が足りないという現状があります。そのあたり、渡辺産業政策課長がおっしゃった中には挙がってこないような業種になるかと思うんですね。あした観光委員会もありますけれども、観光バスについては、特にこれから長野県は、二次交通ということで、駅からバスを利用して県内を周遊するなど、いろいろあるかと思いますので、可能性がある業界でありながら、なかなか賃金も水準より低くて、体もきついと。大変で人が集まらないと。免許も取らなきゃいけないということで、いろいろ大変な課題があると思います。ですから、そういった業種も、ぜひ人材確保策に目を向けていただければと思います。  最後にもう一つなんですが、私、初めて聞いたんですが、先ほど高村委員がおっしゃっていたアンダークラスという言葉がありました。本当に二極化していまして、例えば、法人の形はとっていても実質は家族経営の、個人のような企業で運転資金を必要とするというときに、銀行で借りられればそれは何も問題はないんですけれども、そういうことができないと。例えばの話ですが、おかげで税金も払えないで滞納していると。きのう、経営者協会との話の中で、地元企業の担税力という話もありました。従業員を生活させるために、企業の社長が自分の給料はとらないで、税金を滞納してまでやっているという現状もあります。そういった方に対してのつなぎ融資は何かできないものかどうか、御所見を伺います。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 人材確保の関係についてのお話でございます。人手不足が言われる中では、交通事業者等、非常に厳しい業界と思ってございます。こういった調査等とは別に、さまざまな機会を通してヒアリング等お聞きしながら、全体の就業促進・働き方改革の中にしっかり反映させてまいりたいと思っております。 ◎矢後雅司 産業立地経営支援課長 資金面での支援のお話がございました。現在、県で中小企業融資制度ということで、事業資金をスピーディーに調達ということであれば、中小企業振興資金を御用意させていただいております。また売上の減少ですとか、取引先の倒産ですとかに備えた資金ということであれば、経営健全化支援資金などがございます。このような制度資金を用意しておりますので、しっかりとPRしながら取り組んでいきたいと思います。 ◆小川修一 委員 そういう制度があるということで、それは心強いんですけれども、使い勝手は実際のところはどうなんでしょうかね。本当に困っている方って、制度を知らない方が多いので、制度の周知の仕方を検討していただくのと、あと、零細の企業は、会費がもったいないということで、商工会とか商工会議所に入っていないことが多いですね。ですので、そういった方に情報提供というか、何かアクセスできるようなものも御検討いただければと思います。 ◆百瀬智之 委員 よろしくお願いいたします。今回は、私、初めての委員会質問ということになります。今回を合わせればあと4回あるということで、まず総論的に、今回は都市再生と経済発展の関係をどう見るかという観点で幾つかお伺いしたいと思っております。私自身、これまでの経歴からして、決して経済系に通じているわけではないんですが、たまたま私の後援会をやっていただいている方、若手経営者の方々も結構いる中で、たまたま機会がありまして、世界で最もすぐれた取り組みをしている地域を見に行こうということで、昨年、アメリカのポートランドを見に行ってまいりました。ポートランドに関しては、昨年、一般質問でもやりましたし、また建設委員会で当時の長田建設政策課長初めさんざんやったところで、本当にまたかという思いもされているかもわからないんですが、今回は産業、あるいは経済的観点から見てどうかということで、少しお話しさせていただければと思う次第であります。  まずポートランドという場所なんですが、御承知のとおり、アメリカの西海岸、オレゴン州にありまして、今、人口が60数万人まで達してきているということで、毎週、移住者が300人から400人に上り、全米で一番住みたい都市と聞き及んでおります。経済的にどうかというと、さまざまな経済活動が行われている中で、例えば有名どころでいきますと、アウトドア産業でありますれば、ナイキであるとか、あるいはアディダスの北米本社、あるいはコロンビアもありますけれども、そういったところをトップに、その下請に至るまでさまざまな企業が展開されている。またクリエイティブ人材というお話も、本日、幾つか出ておりますけれども、人材も大分集まるようになってきて、今はシリコンバレーからクリエイティブ人材がポートランド目がけてやってくるようになってきたということでありました。  これに際しては、我々、3日間の行程でいろいろな箇所を見させていただいたということでありまして、特に2日目は、また後ほど御紹介したいと思いますけれども、PDC、ポートランド開発局に以前勤められていた山崎さんという方と、ポートランドの経済の成り立ち、あるいは都市の成り立ちはどういうことかというお話を聞きました。先々月は、山崎さんに松本市に来ていただいて、我々は、お話を伺う機会があったというところであります。  ポートランドは、今、大分潤ってきている状況であるわけなんですが、沿革から申し上げますと、1960年代までは大分ひどい町であったと。アメリカによく見られるようなゴーストタウンというか、夜になれば本当に人が歩いてない。ドラッカーとか、犯罪者とか、売春婦とかがうろうろしていて、普通の人が歩けるような町じゃない。しかし、落ちるところまで落ちて、それではいけないということで、当時若い市長さんが誕生したということもあって、市民の方が立ち上がって、改革運動等いろいろな都市再生に取り組んだと。  一つには、公共交通を軸にしたまちづくりをしていこうということで、バスだとか路面電車の事業会社を統一したという動き等々あって、そこから、今、公共交通は本当に進んでいて、自転車の環境も全米で一番整えられていると。同時に、もう一個、その市長さんが力を入れてやったというのが、近隣組織なんですが、自治組織、日本でいうと町会的なイメージなんですけれども、ネイバーフッド・アソシエーションと申し上げまして、これに強力な権限を与えたということで、この自治組織がその地域をどうやって盛り立てていくかということを、市の政策に反映させる。土地の利用計画、都市計画から、予算編成に至るまで、市民の声をなるべく反映させるようにしようという取り組みをしたということであります。  何を申し上げたいかというと、例えば、最近、日本で再開発というと、土地区画整理をやって、あとは民間の皆様にお任せしますということもあるわけなんですけれども、そうではなくて、市が再開発から、そこで創業、起業したりして、実際にどうやって地域振興を守り立てていくかというところまで面倒を見ると。もと倉庫街で人も寄りつかないところを、再開発地区に指定し、再開発をして、実際、今、環境とか、観光のみならず、産業の拠点にもなっている。そういったポイントを見つけて、それに際しては、地価とか、固定資産税とか、住民の平均収入とかいろいろ見ながら、いわば戦略的に市の中でゾーンを区切って、次はあそこを、その次はあそこをやるかと。結果的に、中心市街地ではありますけれども、全ての地区で魅力的なまちづくりが進められている。大変概略ではありますけれども、そういった形でまちづくりが進められているということをお聞きしてまいりました。  それを実際に進めているのが、このPDCという開発局なんですけれども。開発局は、この市の組織ではなくて、準独立組織で、大事なことは市議会の承認等々経るようでありますけれども、そこが率先して、経済戦略と、そして都市再生をセットでやっていくということでありました。その開発局の使命は、経済成長と雇用創出だということを断言されておりました。活動のかなめとなる経済開発戦略書というのがあるとお聞きしまして、どこの都市でも割とこういう戦略書というのはあるようなんですが、何をどこの部署がやるかという実行書までつくってやっている、これが特色であるということを伺ってきました。この点、オレゴン州とかでなくて市の取り組みであるので、必ずしも長野県ではどうかというのもあるんですが、県では、こういったところ、どうなっているかというのを後ほどお伺いしたいなと思っております。  この経済開発戦略書において、重要視されているのが3つあると。一つは、活気のある中心市街地。これは先ほど申し上げたとおりです。もう一つが健全なネイバーフッド。住民がそこで何かしようという心意気にならなきゃいけないし、実際にそれが実現できるような取り組みというか仕組みづくりができていかなければいけないと。そしてもう一つが、力強い経済成長と競争力。この3つ目の経済成長と競争力ということに関しては、PDCがさまざまな支援プログラムを用意していて、マーケティングから、人材育成支援までやっていて、それは、本日の資料を見させていただく中で、こういったプログラム、いろいろと県でも用意していただいているんだなということを承知した次第であります。  きのう経営者協会の方々とお話しした中でお聞きしたのが、どうしても経済の成長戦略が見えてこないというお言葉をいただく中で、成長戦略って、確かにどうなっているかなと思った中で、改めて、経済の成長戦略、どういった形で落とし込まれているか、お聞きしたいと思います。  もう一つは、都市の再生と経済成長もどう考えているかということ、この2点、お伺いしたいと思います。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 経済開発の戦略書という形での、先進国の事例のお話をいただきました。長野県の経済戦略と言いますと、それぞれの地域ごとに、長野県は広い中でいろいろございますけれども。お話のところにぴったり当てはまるかどうかですけれども、一つは5か年の総合計画。それから我々の持っているものとしますと、製造業の関係になりますけど、ものづくり産業振興戦略プランで、今年度からスタートさせていただいております。特に、我々としますと、産業イノベーションを創出するためにどんな活動をしていくのかと。縦軸とすれば、研究開発であったり、AI・IoTの活用などというところ。それからお話のありましたように、都市開発であったりとか、都市のまちづくりの考え方でいきますと、産業イノベーションの創出型のプロジェクトを、今年度のものづくり産業振興戦略プランに初めて盛り込んだところでございます。  事例としますと、航空機産業等の関係につきましては、南信州を中心に、企業の集積の強みを生かして、しっかりと広げていこうという形で、まちづくりの中に拠点を設け、企業の集積、企業誘致等について、戦略を持ってやっている。これ以外にも、例えば先ほどの健康・医療の分野でも集積地域がそれぞれございますので、分野ごとの成長期待分野みたいなものについて、その町の持っている強みと組み合わせてやっていきたいと思ってございます。  それから経済成長とまちづくりの関係でございます。実際には、まちづくりがない経済成長というのは、多分、存在し得ないと私も思ってございます。そういった中で、実際に先ほどのようないろいろな組み合わせがあるかと思いますけれども、単に再開発というだけではなくて、そこで一緒に活動する人であったりとか、それからその地域の風土であったりとか、そういったものとさまざま組み合わせて、しっかりと取り組みをしていかなければいけない分野だと思っております。 ◆百瀬智之 委員 最後にお尋ねしたいと思います。せっかく資料をいただきましたので、きょうも話題になりました資料5の「ときどき&おためしナガノ」について伺いたいと思います。先ほど拠点はいかにというお話がありましたが、クリエイティブ人材を集めるのも、この事業も大変いいことだとは思うわけでありますが。表に出さなくても裏では、先ほど長野市・上田市というお話もありましたけど、全域というよりか、少なくとも長野市・松本市・上田市、東北信と中南信をあわせて1カ所ずつというように、拠点をそれぞれ集約していこうかというような、どこにどういう人材を集めていこうかというお考えはあるのかどうかをお伺いしたいと思います。 ◎大槻覚 創業・サービス産業振興室長 ICT人材等の拠点づくりといいますか、集積の拠点ということでございます。長野県といたしましては、昨年度、71団体、金融機関ですとか大学、コワーキングスペース、あと市町村さんも入りまして、今後の起業・創業のオープンイノベーション的な部分について検討する創業応援プラットフォームを設けております。その中で、ICT人材の集積には、オープンな場で話し合う場づくりが必要であるという話がありまして、長野県総合5か年計画にも盛ってありますけれども、創業支援拠点となるべく、県としては拠点づくりを考えております。さらに県内にそのサテライトを置きまして、人材の集積、そのサテライト、またその中心となる支援拠点を中心といたしましたイノベーションを起こしていく考えを持っているところでございます。 ◆百瀬智之 委員 これからというお話もありましたけれども、県という難しさもあるとは思うんですが、なるべく早く、一つ、二つ、拠点をしっかり設けていただいて、そこにクリエイティブ人材が集まってくることによって、そこの地場の産業とコラボレーションするということもあるかと思いますので、そういったことを見据えていただいて、進めていただきたいと思います。  本日はポートランドということでお話しいたしましたけれども、聞いたところによると、最近はダイムラーの関係の会社もポートランドに新しく拠点、新本社をつくったということであります。製造業が土地とか労働力が安いところを求めている時代ではなくなったんではないかと。クリエイティブ人材が求められるということにおいては、長野県もかなり、私は可能性があるのではないかと思いますし、その点、力を入れてやっていただくということをお願い申し上げまして、今回の質問を終わります。 ○荒井武志 委員長 ほかに御発言もあろうかと思いますが、以上で産業労働部及び労働委員会関係の質疑を終局いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、質疑を終局いたします。  ただいまから議案の採決に入ります。初めに、第2号「平成30年度長野県小規模企業者等設備導入資金特別会計補正予算(第1号)案」について、採決いたします。本案、原案のとおり可決すべきものと決するに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、報第1号「平成29年度長野県一般会計補正予算(第7号)の専決処分報告」中、第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中、歳出 第5款 労働費について、採決いたします。  本件、報告のとおり承認すべきものと決するに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  御異議ありませんので、本件は報告のとおり承認すべきものと決定いたしました。  ただいまから陳情の審査を行います。当委員会に付託されております産業労働部及び労働委員会関係の陳情を一括して議題といたします。過日、お手元に配付いたしました審査資料をごらん願います。産業労働部及び労働委員会関係の陳情は、継続分3件であります。  なお、審査に際し、継続審査とする旨の御発言をされる場合は、なるべくその理由を一緒に述べていただくようお願いいたします。また、願意が複数ある陳情で、その一部が採択できないために、継続審査と決定した場合は、付記事項として陳情者に通知することについて、その都度お諮りしたいと思いますので御了承願います。  それでは、継続分の陳情の審査を行います。継続分の審査に当たっては、2月定例会以降、状況に変化のないものについては一括して審査を行い、状況に変化のあるものについては取り出して審査を行うことにいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  さよう決定いたしました。  それでは、継続審査となっております陳第4号、陳第71号及び陳第439号について、状況に変化がありましたら、理事者から説明願います。 ◎渡辺高秀 産業政策課長 状況に特段の変化はありません。 ○荒井武志 委員長 それでは、特に状況に変化のない陳情3件を一括して審査いたします。  お諮りいたします。陳第4号、陳第71号及び陳第439号については、引き続き継続審査とするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕  さよう決定いたしました。  以上をもちまして、陳情の審査を終局いたします。  以上で、産業労働部及び労働委員会関係の審査を終局いたします。  本日の審査はこの程度とし、明4日は午前10時30分から委員会を開会し、観光部関係の審査を日程といたします。  散会を宣した。 ●散会時刻 午後3時54分 △採決結果一覧(産業労働部及び労働委員会関係)  (付託議案)   ▲原案のとおり可決又は承認すべきものと決定したもの(簡易採決)    第2号 平成30年度長野県小規模企業者等設備導入資金特別会計補正予算(第1号)        案    報第1号 平成29年度長野県一般会計補正予算(第7号)の専決処分報告中       第1条「第1表 歳入歳出予算補正」中         歳出 第5款 労働費  (陳情)   ▲継続審査と決定したもの(簡易採決)
        陳第4号、陳第71号及び陳第439号...