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  1. 長野県議会 2018-06-28
    平成30年 6月定例会本会議-06月28日-04号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成30年 6月定例会本会議-06月28日-04号平成30年 6月定例会本会議 平成30年6月28日(木曜日)  出席議員(56名)   1 番 花岡賢一      28 番 備前光正   2 番 今井愛郎      29 番 吉川彰一   3 番 寺沢功希      30 番 小池久長   4 番 山口典久      32 番 諏訪光昭   5 番 百瀬智之      33 番 髙橋岑俊   6 番 小山仁志      34 番 今井 敦   7 番 小川修一      35 番 丸山栄一   8 番 丸山大輔      36 番 竹内久幸   9 番 酒井 茂      37 番 小林伸陽   10 番 荒井武志      38 番 高村京子   11 番 堀場秀孝      39 番 今井正子   12 番 依田明善      40 番 村上 淳   13 番 石和 大      41 番 小池 清   14 番 埋橋茂人      42 番 宮本衡司   15 番 両角友成      43 番 清沢英男   16 番 藤岡義英      44 番 垣内基良   17 番 髙島陽子      45 番 鈴木 清
      18 番 浜 章吉      46 番 西沢正隆   19 番 中川宏昌      47 番 風間辰一   20 番 清水純子      48 番 佐々木祥二   21 番 堀内孝人      49 番 向山公人   22 番 小島康晴      50 番 高橋 宏   23 番 小林東一郎     51 番 宮澤敏文   24 番 下沢順一郎     52 番 平野成基   25 番 山岸喜昭      53 番 本郷一彦   27 番 和田明子      54 番 村石正郎   55 番 萩原 清      57 番 望月雄内   56 番 服部宏昭      58 番 古田芙士         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        阿部守一   副知事       太田 寛    建設部長      長谷川朋弘   副知事       中島恵理    建設部リニア整   危機管理監兼危           備推進局長     水間武樹   機管理部長     池田秀幸    会計管理者兼会   企画振興部長    小岩正貴    計局長       塩谷幸隆   総務部長      関昇一郎    公営企業管理者   県民文化部長    角田道夫    企業局長事務取扱  小林 透   健康福祉部長    山本英紀    総務参事兼財政   環境部長      高田真由美   課長        伊藤一紀   産業政策監兼産           教育長       原山隆一   業労働部長     内田雅啓    教育次長      轟 寛逸   観光部長      熊谷 晃    教育次長      三輪晋一   農政部長      山本智章    警察本部長     内藤浩文   林務部長      山﨑 明    警務部長      横田直幸                     監査委員      田口敏子         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      吉沢 久    議事課担当係長   神戸圭一郎   議事課長      村松敏伸    議事課主査     山崎紀子   企画幹兼議事課           総務課担当係長   伊藤啓一   課長補佐      小松健一         ───────────────────  平成30年6月28日(木曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(鈴木清 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(鈴木清 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、埋橋茂人議員。       〔14番埋橋茂人君登壇〕 ◆14番(埋橋茂人 君)おはようございます。信州・新風・みらいの埋橋茂人です。通告に従い順次質問を申し上げます。  「しあわせ信州創造プラン2.0~学びと自治の力で拓く新時代~」における重点目標の変更について所見を伺います。  2月定例会において、私は、3月1日の一般質問で、働き方改革とそれにかかわる次期総合計画における重点目標である「クリエイティブな社会をつくる」の項について次のように伺いました。  一つとして、「付加価値を高め、経済成長を実現」の項目で、労働生産性、2014年度、全国27位で1人当たり808万4,000円を、2020年度には1人当たり891万円に引き上げる。二つとして、「県民の豊かさ全国トップレベルを維持」の項目で、県民1人当たり家計可処分所得を、2014年度、全国8位で248万円を、2020年度には287万円に引き上げるとするとしていることに対して、労働生産性と可処分所得の向上はトレードオフの関係にあり、働く者にとっては真の働き方改革の実行と可処分所得の向上が望まれるが、どのように労働生産性と可処分所得を上げていくのかと伺いました。  知事は、この質問に対して、1、労働生産性は、分母が労働投入量、分子が付加価値額、喫緊の課題である人手不足に対応するため、働き方改革等で働きやすい環境を整え、労働投入量をふやすことが重要。二つとして、それにより分母がふえるわけだが、すなわち労働生産性が下がるわけでありますが、総合5カ年計画の重点目標に「付加価値を高め、経済成長を実現する」とあるように、付加価値を高めることに力点を置いている。三つとして、可処分所得を上げていく上では、企業収益を上げていくことがまず重要であり、人員削減のためではなく、収益向上につながるAI、IoT投資等を促す。あわせて、企業収益が働く人たちに還元される環境整備も行っていきたいと答弁されています。  しかし、3月20日の県のプレスリリースによれば、一つ、県民経済計算の遡及改定により、労働生産性の数値が、2014年度については金額にして77万円、率にして9.5%の減少。同じく目標が、2020年度、891万円から806万5,000円と84万5,000円、率にして同じく9.5%と大幅下方修正されたものでした。  一方、県民1人当たりの家計可処分所得の金額は、遡及改定でも、2014年度で金額で7万1,000円、率で2.9%、2020年度においても金額で8万5,000円、率で3.0%の減少で、金額においても少額であり、率においても少ない修正割合となっています。  修正の主な要因と経過、労働生産性と1人当たり家計可処分所得の変動にこれほど差が出た要因を伺います。  二つとして、労働生産性における付加価値額は、製造業やサービス業、調査機関、研究者によっても異なりますが、おおむね粗利益、営業利益プラス人件費プラス減価償却費に等しいものとして話を進めます。これが大幅に修正されましたが、付加価値生産額の下方修正は何の部分が変動したのか伺います。  三つとして、総務省調査によりますと、2002年と2017年の15年間の就業者数の増減を見ますと、増加都道府県は、1位東京都、135万人の増、2位神奈川県、46万人の増、3位愛知県、25万人の増となっています。就業者数の減少数では、1位北海道、8万9,000人、2位新潟県、8万5,000人、次いで長野県は3番目に多い7万7,000人となっています。労働の投入量が減少しており、そのことによる影響はいかがですか。  以上3点、データ取りまとめに当たられた企画振興部長に伺います。  次いで、知事に伺います。  これだけ目標値が大きく変更された以上、働き方改革等の施策の加速化等労働生産性の向上に向けてさらなる施策の充実が必要と思うが、いかがですか。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)しあわせ信州創造プラン2.0の重点目標に関しまして、御質問に順次お答えをいたします。  まず、目標値を変更した理由と経過についてでございます。  国では、平成28年末に、経済構造の変化に対応する観点から、研究開発費用を投資として扱う、すなわち付加価値に含めることとするなど、国民経済計算の算出方法を新しい国際基準に移行いたしました。これを受けまして、本県におきましても、平成29年度末に県民経済計算を国のガイドラインに沿って再計算をしたものでございます。  その結果、御質問がありました労働生産性及び1人当たり家計可処分所得につきまして、基準値とします2014年度の数値と、目標値とします2020年度の数値をともに再設定をさせていただいたものでございます。  この再設定によりまして、2020年の目標値自体は変わることとなりましたが、2014年から2020年にかけて国全体の経済成長目標と同じ経済成長を県内でも目指すという目標設定の考え方自体は従前と変えてございません。  また、労働生産性と1人当たり家計可処分所得の二つの指標間で下げ幅の違いが出た理由という御質問がございました。この二つの指標は、それぞれ統計上の推計方法や使用するデータが異なるため、下げ幅が異なってございます。  まず、家計可処分所得でございますが、これは大きく雇用者報酬と財産所得、営業余剰の大きく三つで構成をされます。  この家計可処分所得を引き下げた、下方修正した要因でございますが、一つは、財産所得に当たります預貯金利子の推計方法の見直し、具体的には、計算のベースとなります各家庭の預貯金額の推計方法が見直されたこと。これでマイナス2%の影響がございます。  次に、営業余剰に当たります持ち家分の計上額、具体的には、持ち家の住宅につきましても借家と同様に家賃が発生すると仮定した場合の計上額でございますが、こちらも下方修正、これは木造家屋分の推計方法が変更になったということで、これでマイナス2%の影響でございます。一方で、雇用者報酬の上方改定による押し上げがプラスの1%ございます。こういうものを含めまして全体としては約3%の下方修正、下方改定となったところでございます。  一方、労働生産性でございますが、これは県内総生産の実質値を就業者数で割って算出いたしますが、実質値を算出する際に用います物価指数が、これまでの平成17年を基準としたものから平成23年を基準としたものに更新されました。その変動幅が約13%と大きかった。具体的には、平成23年の物価水準が平成17年の物価水準よりも13%低かったということのため、下げ幅が大きくなったものでございます。  次に、労働生産性におきます付加価値額の下方修正についての御質問でございます。  この労働生産性における付加価値額は、言いかえれば、今御説明申し上げました実質の県内総生産ということになります。したがって、御説明も繰り返しとなりますが、実質の県内総生産が下方修正された大きな要因は、名目の県内総生産から実質の県内総生産を出す際、物価変動の影響を取り除くために用います物価指数、その基準年を平成17年から23年に変更したことでございます。  平成23年の物価水準は、17年と比較しますと13%低くなってございます。デフレ局面にあったということでございます。このため、平成26年度の物価を前回基準の17年を100としてあらわした物価指数は89.2でございましたが、新たに平成23年を100としてあらわし直しますと101.1ということになります。  総生産は、同じ名目値のもとでは、物価指数が上がればこれが実質値を押し下げる要因となりますので、この結果、平成26年度の県内の生産活動自体は再計算の前後で変わってはおりませんが、基準年からの物価変動幅が変わったため、それをもとに算出されます県内総生産の実質値も大きく下がったということになります。  3点目、労働生産性におきます労働投入量減少の影響でございます。  労働生産性は、県内総生産の上昇のほか、就業者数の減少によっても上昇いたします。本県の平成18年度から27年度までの就業者数の変化を見ますと、約6万1,000人減少してございます。平成18年度から27年度までの10年間で労働生産性が約10%上昇いたしましたが、このうちの5%は実質の県内総生産の伸びでございまして、残りの5%が就業者の減少による影響というふうに分析をしてございます。  このように、就業者数の減少は労働生産性の変化に一定の影響を与えますが、ただ、ここ数年を見ますと、就業者数はほぼ横ばいでございますので、直近、平成27年度の労働生産性の成長率4.1%につきましては、実質の経済成長率が増加した影響というふうに分析をしております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)しあわせ信州創造プラン2.0の労働生産性、そして1人当たり家計可処分所得の目標値の変更が行われた以上、施策の充実が必要ではないかという御質問でございます。  目標値を再設定した経緯は先ほど企画振興部長のほうから御説明させていただいたとおりであります。目標設定に当たっての基本的な考え方に変わりはないわけであります。  この労働生産性及び1人当たり家計可処分所得は、今回のしあわせ信州創造プラン2.0で特に八つの重点目標ということで掲げておりますが、その中でも、経済成長、あるいは県民の豊かさ指標という観点で極めて重要な指標だというふうに考えております。そういう意味で、全庁を挙げてこの実現に向けて取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。  片方で労働参加を高めつつ、そして一方では付加価値を高めることにより、この労働生産性と家計可処分所得をともに向上させることができるようにしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。  以上です。       〔14番埋橋茂人君登壇〕 ◆14番(埋橋茂人 君)続いて、労働生産性にも関連する今次春闘における県内企業の賃上げの実態とその集計方法はどのような手法で行っているのか、産業労働部長に2点伺います。  連合長野の集約によれば、定期昇給なしだがベースアップがあるという奇妙なデータが少なからずあるとのことです。あり得ないデータだと思いますが、県集約のデータはどのようになっていますか。この定昇なし、ベアありデータは要チェックデータと認識されているのか伺います。集約率と要チェックデータの割合はいかがでしょうか。  二つとして、この数字が県の最低賃金算定に影響することを考えれば、労政事務所において、データの精度を上げるため直接聞き取りなどを行い、企業、労組からの集約率の向上を図ることと、データチェックをして、データに疑問がある場合は再調査するよう地域振興局と連携して取り組むべきではないかと思うが、いかがですか。  続いて、4月19日に発足した長野県就業促進・働き方改革戦略会議について、これも産業労働部長に伺います。  一つ、県レベルだけの戦略会議や幹事会に加えて、各地域、各産業の実情や課題をそれぞれの行、労、使、関係団体が論議し、県、地域、関係団体の役割分担で実効性ある解決策に結びつけていく枠組みができたことについては期待し、評価しています。しかし、各地域での会議の実態を見ると、その取り組みに温度差があります。  一つ、事前に各機関で打ち合わせを行い、地域会議の議案につなげている地域もあれば、日程のみしか示されず、事前に資料送付もなく、何を論議するのか、何のために集まるのか理解されていない地域もあります。  二つ、地域会議、産業別会議の運営に当たり、専ら人手不足、就業促進にのみ特化している地域もあります。会議設置の目的は就業促進と働き方改革の推進であり、会議構成も地域の行、労、使並びに関係団体とされているものの、趣旨と異なる理解がされている地域もあるのではないかと危惧をしています。  国の施策でも示されているとおり、働き方改革や女性活躍を推進することによって、地域の就業促進とともに地域共生社会、地方創生と持続可能な社会づくりにつなげていくことが重要です。社会問題化している人手不足や働き方改革、それを解決するための対応方針を考えようとする際、まず必要となるのは、多様な主体者が論議し、それぞれの地域の特性を把握することです。このことを理解し、より実効性のある会議とすべきと考えますが、いかがですか。
          〔産業政策監兼産業労働部長内田雅啓君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(内田雅啓 君)県内企業の賃上げの実態と集計方法についてのお尋ねでございます。  まず、定期昇給なし、ベースアップありのデータに関してでございますが、本年5月31日現在の県の平成30年春季賃上げ要求妥結状況調査結果では、調査対象420組合のうち妥結報告のあった組合は153組合で、集約率は全体の36.4%でございました。このうち、27組合から、定期昇給なし、ベースアップのみ妥結の報告がございまして、その割合は17.6%でした。  定期昇給やベースアップは各企業が就業規則に基づき主体的に実施しております。厚生労働省の平成29年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況では、全国で定期昇給制度がない企業は14.9%ございまして、ベースアップ等が賃上げの手法となっていると考えられます。  このことから、定期昇給なし、ベースアップのみ妥結との報告に関しては、現時点では内容に問題のあるデータという認識はしてございませんが、調査票の記入に当たって事実誤認がなされることがないよう、わかりやすい調査内容とするべく対応してまいります。  次に、地域振興局との連携についてでございます。  県の賃上げ・一時金要求・妥結状況調査は、各労政事務所を通じ、県内の民間労働組合に任意で調査をお願いしているところでございます。現在も、回答内容に疑義がある場合は、各労政事務所の担当者が直接企業に連絡をして聞き取るなど再調査を行っておりますが、地域振興局と連携して取り組んではおりません。今後は、調査を実施していく中で、企業の実態調査などが必要な場合には、随時地域振興局と連携を図り、対応してまいります。  次に、長野県就業促進・働き方改革戦略会議についてお答えいたします。  長野県就業促進・働き方改革戦略会議は、県内の産業を担う人材の就業促進及び働き方改革の推進を目的として、全体会議のほか、地域や産業分野の実情に合わせた課題を検討する10の地域会議と6の産業分野別会議を設けてございます。  人手不足が深刻化する中で、県民がライフスタイルを実現し、生き生きと働くことが必要となっておりまして、就業促進と働き方改革は一体的に取り組まなければならない喫緊の課題であると認識をしてございます。特に、地域会議では、地域に固有の課題や実情があることから、これを熟知した経済団体や労働団体等地域の関係者が行政と一体となって対応や施策を検討するものでございます。  このような戦略会議の目的や地域会議の役割について、事務局である地域振興局と認識を統一いたしまして、会議の目的に沿って検討を進め、県民の豊かな暮らしの実現と県内産業の活力維持に向けて効果的な政策を立案してまいります。  以上でございます。       〔14番埋橋茂人君登壇〕 ◆14番(埋橋茂人 君)答弁をいただきました。  統計数字が国際基準や国のガイドラインの変更による改定はやむを得ないものだというふうに思います。しかし、経済は生き物でありまして、民間企業では、決算終了後、何年もたってから、自分の企業の過去の労働生産性はかくかくでしたと改定しても意味がございません。経済対策においては、巧みでも遅い巧遅より、拙くても早い拙速のほうが重要なことがあります。今後は、重要施策の基本となるデータについてはより早い集約を図ることを望みます。  また、定昇なし、ベアありというデータが存在するということはわかりました。しかし、企業の賃金体系が個別賃金体系になっていて、従来の調査手法では実態把握が難しくなっているものだと推察されます。年代別の生計費に応じた賃金が個別賃金体系でも支払われているのが大勢だと思います。少々手間はかかりますが、初任給、25歳、30歳、35歳、40歳等々、年齢ポイント別調査をしたほうがより実態に近いものとなると思いますので、あわせて検討を要請して、次の質問に移ります。  民間試験導入による英語の大学入試改革への県の対応について教育長に伺います。  現職の高校の先生や受験生を持つ親にこの件で話をする機会がありました。先生は英語の早期教育に非常に懸念を持たれておりまして、もっといろんな思考力をつける等々のことをやるべきではないかとおっしゃっておりましたし、親御さんは、どうやれば英語が身につくのか、経費の増高とあわせて悩んでおられました。  私も、基本的なところでは大変懸念を持っていますが、民間試験の導入スケジュールが明らかになる中で、現実的な県としての対応が必要と思います。そこで、5点伺います。  一つとして、県内の高校では民間の資格検定試験はどの程度活用されているのか、実態を伺います。  県内のほとんどが導入している現行英検が対象外となりますが、新英検と現英検の取得資格の関係について伺います。  三つとして、英検以外に高等学校で活用されている民間の資格検定にはどのようなものがあるか伺います。  四つとして、英語力の向上にどのようなスケジュールで取り組む方針か伺います。あわせて、教員の英語力向上対策及び外国語指導助手、ALTの採用実績を伺います。  民間試験の導入による受検機会の確保と、高くなる受験料と試験地に赴く交通費の負担増に対してどう対応するのか伺います。  いずれも、教育長にお答えをいただきたいと思います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)民間試験導入による英語の大学入試改革への県の対応についてというお尋ねでございます。  まず1点目の民間の資格検定試験の活用についてでありますが、大学入学共通テストで活用されることになっている民間の資格検定試験は、七つの団体が実施する23種類がございます。県内の公立高等学校で、これらの資格検定試験を学校または学年として受検機会や会場を確保したり、試験内容等を周知するなどして生徒の英語力の向上のため活用している学校の割合は、75%でございます。  次に、新英検と現英検の取得資格の関係についてというお尋ねであります。  大学入学共通テストで活用できるのは新英検のみとなっており、現英検も継続して実施されますけれども大学入学共通テストでは活用することができないというふうになっていますが、このたびの英語の民間試験導入による大学入試では、高校3年生の4月から12月までの期間に対象となる資格検定試験を受検する必要があり、受検することができる回数は2回までと決められております。  したがって、2年生の3月までに受検して取得した英語の民間試験の資格があったとしても、それとは関係なく、大学入学共通テストとして高校3年生の当該期間に受検しなくてはならないということになります。そのため、英検についても、高校2年生までに取得した資格についてはこの大学入学共通テストでは活用できないということになります。  3番目に、英検以外に活用されている民間試験ですが、英検以外では、ケンブリッジ英検、GTEC、TOEFLiBT、IELTS、TOEIC、TEAPがあり、7団体全てを活用しているというふうに承知しております。  4番目でありますが、生徒及び教員の英語力向上対策についてであります。  現在の高校1年生から民間試験が導入される大学入試が始まることになりますので、それを見据えて、民間試験導入に対応できる実践的、戦略的な施策を講ずることで、生徒が英語の実力をつけ、その力を発揮できるようにしてまいりたいと思っております。  まずは、現在の高校1年生が3年生になった際に、先ほど申しました2回の民間試験の受検の結果が大学入学共通テストに使われますから、本番を迎える前にあらかじめこれらの民間試験を受検しておくことがスピーキングテスト等になれるために極めて有効であるというふうに思っております。そのため、2年生の終わりを迎えるまでに民間試験を複数回経験できる機会の確保に向けてその仕組みなどを検討してまいりたいというふうに思っております。  それから、生徒の英語力を支える英語教員の英語力、指導力向上の研修ですが、これは、これまでも行ってきておりますが、民間試験の特徴を分析したり、分析を踏まえた授業のあり方の研究を民間試験導入の方向が示された平成28年から始めているところであります。例えば、民間試験のスピーキングテストやライティングテストに対応するために、即興で根拠に基づいて英語で意見を述べたり書いたりして表現力を伸ばすグループ学習など、民間試験を視野に入れた質の高い授業の実践に努めているところでございます。  それから、ALTでありますが、43名を配置しております。配置校から近隣の学校へ訪問指導することで、全県立高等学校あるいは特別支援学校で英語教員とともに授業改善に取り組んでいるところであります。授業はもちろん授業外でもリスニングやスピーキング指導などを行っておりまして、今後さらに充実するよう各校を支援してまいりたいというふうに思っております。  最後に、受検機会の確保及び受検料、交通費の負担への対応についてであります。  大学入学共通テストで活用される民間試験については、現行の試験と比べ受検料が高く設定されているものというふうに聞いております。また、県内の試験会場について見ると、複数箇所が予定されているもの、1カ所のみ予定されているもの、設定予定なしのものなどさまざまな状況であります。  現在、文部科学省が、民間試験について全国の高校生の2年後の受検予定を調査しているところであります。結果がまとまった時点で、文科省として実施団体を指導していく予定であるというふうに聞いております。  それを受けて、県教育委員会としては、例えば受検機会の拡大の要請であるとか、受検料、交通費の負担のあり方などについて、受検予定調査の結果等も参考としながら検討してまいりたいというふうに考えております。 ○議長(鈴木清 君)次に、小川修一議員。       〔7番小川修一君登壇〕 ◆7番(小川修一 君)昨日も、定住人口、交流人口以外に加えて関係人口、またつながり人口、こういったものの創出について複数の質問がありました。地域活力向上のためには、これらに加えて、さらに定住外国人の社会参加を促し、多様な人材を活用することも方策の一つであると考えます。人口減少社会に突入し、国も県も多様な人材を活用するためさまざまな取り組みが行われていますが、性別、年齢、国籍、障害の有無等さまざまな違いが存在する中、こうした多様性を尊重していく社会について考えていかなければなりません。  1990年(平成2年)の入管法改正以降、就労目的の日系ブラジル人が急増し、県内の外国人住民数は増加しました。2005年(平成17年)のピーク時には4万4,726人でありました。以後、県内景気の衰退により、2014年(平成26年)12月末の外国人住民数は減少し、2万9,789人となりましたが、再び増加に転じ、2017年(平成29年)末の現在で3万2,937人、前年比1,636人増となっています。  ちなみに、ベトナム人が2,587人で前年比712人の増、フィリピン人が4,419人で前年比198人増となり、両国からの住民が急増しているそうです。  我が国や本県の外国人を取り巻く状況や環境に大きな変化が起きている中、本年6月15日、経済財政運営と改革の基本方針2018~少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現~、いわゆる骨太方針が経済財政諮問会議での答申を経て閣議決定されました。骨太方針は、「少子高齢化の克服による持続的な成長経路の実現」を副題に挙げ、少子化や人手不足に対応するため、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材受け入れの取り組みをさらに進めるほか、外国人が円滑に共生できるような社会の実現に向けて取り組むとしています。  国が新たな在留資格を創設し、移民政策とは異なるものとして新たな外国人材の受け入れ方針を打ち出したことにより、今後は外国人材の受け入れの拡大が進み、今まで以上に県内で働き、生活する外国人の増加が予想されます。こうした中、生活者としての外国人について、多言語での生活相談の対応や日本語教育の充実を初めとする生活環境の整備を行うことがより一層重要となります。  一昨日の清沢議員の御質問に対する内田産業労働部長の御答弁では、人口減少社会に向かう中、県内産業の活力を維持するには外国人材の活用が必要であるが、活用にはさまざまな課題があるとして、言葉や文化の違いによるコミュニケーション不足への対応や市町村と連携した多文化共生の地域づくりなどに触れられました。本定例会の補正予算案にも、多様な人材の活躍促進のため、日本語学習支援の担い手の養成と資質向上のための事業が盛り込まれています。  そこで、改めて地域の国際化、多文化共生社会の実現に向けた取り組みについてお尋ねします。  2006年(平成18年)3月に策定された総務省の地域における多文化共生プラン、そして、2015年(平成27年)3月に長野県多文化共生推進指針が策定されました。県内市町村でも、これまでに指針ないしは計画の策定が進んでいます。県の指針では、多文化共生社会を実現するための基本目標として、「国籍や文化の違いを尊重し合い、誰もが参加し、協働して、多様性を活用した豊かな地域を創造します。」とあり、三つの施策の目標とそれを達成するための柱、各施策推進体制等について詳細に示されていますが、位置づけとして、経済社会の変化に対応するため2019年度に見直しを行うと言及されています。  そこで、2019年度の指針の見直しに向け、これまで行われてきた多文化共生について、県の取り組みの現状、成果及び課題等について伺います。  また、政府の骨太方針により外国人の増加が予想される中、長野県多文化共生推進指針の中でも重点事業としていた次世代の育成、日本語学習の支援については喫緊の課題であると認識しておりますが、今後どのように取り組むつもりでしょうか。県民文化部長に伺います。       〔県民文化部長角田道夫君登壇〕 ◎県民文化部長(角田道夫 君)まず、多文化共生に向けた取り組みについてお答え申し上げます。  現行の長野県多文化共生推進指針では、自立支援にとどまらず、外国籍県民を地域の構成員として積極的に捉え、活力につなげていくことを目指しております。  こうした方向性のもとで、施策の柱といたしまして、一つには多文化共生の意識づくり、二つ目として次世代の育成、つまり多文化共生を担う子供たちの育成、三つ目として外国籍住民への日本語学習の支援に取り組んでおります。  こうした取り組みの成果として、多文化共生の意識づくりでは、9割の市、5割の町が多文化共生施策に取り組んでおります。また、次世代の育成では、児童生徒の日本語能力に合わせた学習支援の取り組みが191の学校に広がっております。そして、日本語学習の支援では、新たに来日した方に日本語と母国語で言葉や習慣を教える指導者を外国籍県民の中から90名育成しております。こういったことが成果として挙げられるかというふうに思います。  このほかにも、外国籍の防災リーダー養成や、多言語対応の医療通訳を医療機関に派遣する仕組みづくりなど、指針の方向性に合う取り組みが県内各地で行われているところでございます。  一方で、円滑なコミュニケーションに必要な日本語学習の支援は日本で暮らしていくために必要不可欠な支援であり、取り組みを強化すべき課題であること、また、外国籍の児童生徒への日本語能力に見合った学習機会の提供がいまだ十分ではないこと、さらには、外国籍県民を支援するNPOを初めとする関係者のネットワーク化による支援体制の強化についても課題があるというふうに認識しているところでございます。現時点では少々早いのですけれども、指針の次期改定ではこうした観点からの検討が必要ではないかというふうに考えております。  次に、指針における重点事業への取り組みについてでございます。  次世代の育成と日本語学習の支援につきましては、活発な国内経済を背景に外国籍県民が増加し、定住化、多国籍化が進む中で、誰もが暮らしやすい地域とするために、その重要性は一層増してきているというふうに認識しております。  このため、次世代の育成については、外国籍児童生徒に対し日本語能力に合った学習を行えるよう日本語学習コーディネーターの派遣事業等を継続するとともに、日本の児童生徒には、引き続き国際交流員の派遣等を通じて異文化理解の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。  また、日本語学習の支援につきましては、生活する上で日本語能力が必要不可欠でありますことから、これまでの日本語指導者養成に加え、今年度は、個人の資質に頼っていた日本語学習の支援を標準化するため、学習支援者の養成研修カリキュラムの開発に取り組むこととしております。  このたびのいわゆる骨太の方針では、力強い経済成長の実現のため、新たな外国人材の受け入れを拡大する方向が示され、外国人と円滑に共生できる社会の実現に取り組むこととされました。本県においても、市町村や地域のNPOと連携を図りながら、多文化共生を担う子供たちの育成に向けた学習支援と日本語学習の支援を一層充実させてまいりたいというふうに考えております。       〔7番小川修一君登壇〕 ◆7番(小川修一 君)定住外国人が外国籍県民として積極的に地域社会へ県民として参加する、そして協同するということは、多様性を生かした地域づくりに貢献するものです。多文化共生推進の施策は、これまでの定住外国人の自立促進、生活支援だけでなく、地方創生、地域活性化にも及ぶものと考えます。  また、多文化共生を推進し、多様性を生かすということは、次世代を担う子供たちが文化や価値観の違いを理解し、多面的なものの見方を身につける機会にもなります。もっとも、多面的なものの見方を身につけるには、まず自分の基準となるものの見方を身につけることが重要であります。子供たちが我が国や郷土の文化、歴史、風土等を理解し、郷土に誇りと愛着を持てるようにしていくことが多文化共生を推進する上でも大切であると考えます。  そこで、次に、信州の文化、歴史、風土等の学びについてお尋ねします。  本年3月に策定された第3次長野県教育振興基本計画では、「「学び」の力で未来を拓き、夢を実現する人づくり」を基本理念に掲げています。そして、その説明については次のように記載されています。  「これまで、信州人は厳しく過酷な自然環境の中、「学び」の力で未来を切り拓いてきました。その先人たちに倣い、現在、これからの信州人も「学び」の力で未来を切り拓いて欲しいという願いを込めています。信州人が培ってきた「学び」とは、課題解決に向け、子どもから大人までが自ら行動し、影響し合い、自然環境や地域に働きかける実践的・協働的な「学び」だと考えられます。その「学び」こそが、変化の激しいこれからの時代に対応し、新しい価値を生み出すことを可能とする今の時代が求める「学び」になり得、また、夢を見つけ、夢を実現する手段とも言えます。そしてこの「学び」は、長野県民の誇りとして、県歌「信濃の国」6番の歌詞に込められていると考えています。」とあります。  そして、6番の歌詞である「みち一筋に学びなば 昔の人にや劣るべき 古来山河の秀でたる 国は偉人のある習い」を抜粋して明記しています。  また、特色ある取り組みとしまして、「県歌制定50周年を迎える「信濃の国」。長野県では、多くの県民が学校で「信濃の国」を習い、大人になっても愛着を持って歌っています。」として、その誕生の経緯についても解説されています。  その解説によりますと、「「信濃の国」はもともと信濃教育会が教材とすることを目的に長野県師範学校の教諭に作成を依頼したもので、「地理歴史唱歌」6作品の中の一つでした。1899年(明治32年)に長野県師範学校教諭の浅井洌が作詞、翌1900年(明治33年)に同校教諭の北村季晴が作曲しました。1900年(明治33年)10月に行われた師範学校の運動会で女子部生徒の遊戯(今でいえばダンス)に使われたのが、「信濃の国」が初めて披露された場であると言われています。1966年(昭和41年)に県章やシンボルを決定した際、「信濃の国」を県歌に制定しようという気運が盛り上がり、1968年(昭和43年)5月20日に県歌として制定されました。」とあります。  ことしは県歌制定50周年として記念事業も実施されていることから、改めて「信濃の国」についてお尋ねします。  明治時代に地理歴史唱歌、すなわち郷土の地理や歴史を学ぶための唱歌として始まった「信濃の国」ですが、1948年(昭和23年)の分県問題を救ったのも「信濃の国」の大合唱であったと言われているように、100年以上歌い継がれてきたこの歌により、郷土への誇りを持ち、郷土を大切に思う気持ちが県民に醸成されてきたと言えます。  しかし、最近では「信濃の国」を歌えない子供がいるということを聞いたことがあります。 学校ではどのような機会にどれくらい扱っているのでしょうか。そして、県教育委員会では「信濃の国」の小中学校での扱いに関してどのような働きかけをしているでしょうか。また、本年度県歌制定50周年を機に、県教育委員会として、改めて小中学校において「信濃の国」を扱うことを促す取り組みというものを考えているでしょうか。教育長に伺います。  次に、信州学について伺います。  県教育振興基本計画では、「信州を支える人材の育成」として、「長野県・地域を学ぶ体験学習」を推進するため、ふるさと教育の推進を掲げています。「自らが生まれ育った地域の文化・産業・自然などを理解し、ふるさとに誇りと愛着を持ち、ふるさとを大切にする心情を育む、地域に根ざした探究的な学びである」として信州学を推進しています。そして、28年度から全ての県立高校で信州学に取り組んでおりますけれども、具体的に現在どのような取り組みをしてこられ、そして、これまでどのような成果を上げているでしょうか。また、こうしたそれぞれの個々の取り組みを学校を超えて連携させていくような工夫というものはないでしょうか。  以上、教育長に伺います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、「信濃の国」についてのお尋ねでございます。  「信濃の国」を歌う機会やその扱いについてということでございます。  昨年の調査では、「信濃の国」を歌う機会について、小学校では96.4%、中学校では48.9%というふうになっておりまして、小中学校とも社会科や音楽科等の教科学習や運動会等の行事の際に扱うことが多いという状況であります。  多くの小学校では、4年生の社会科で、自分たちの郷土を学ぶ学習の一環として「信濃の国」の歌詞の意味を学習しており、社会見学で県庁を訪れた際に「信濃の国」を歌う学校もありますし、また、運動会で「信濃の国」をアレンジした創作ダンスを踊っている学校もあるというところでございます。  「信濃の国」の扱いに関して、働きかけについてのお尋ねでございますが、県教育委員会では、今申し上げましたとおり、社会科や音楽科の中で、地域学習の一環として「信濃の国」を扱い、歌詞や旋律に関する内容だけではなく、「信濃の国」の歴史や郷土、文化について扱うことを示し、各学校が実践しているところであります。  また、県歌制定50周年を契機とし、ことし2月には、改めて児童生徒が長野県のすばらしさを発見したり、より一層歌詞やメロディーに親しみを感じられたりする機会を設けるよう各市町村及び学校に対して協力依頼の通知を出すとともに、校長研修会等で行事等で扱う機会を設けるよう依頼をしたところであります。  それを受けまして、先ほど申し上げました例以外にも、音楽会で「信濃の国」を全校で合唱するために音楽集会で練習を重ね、当日は保護者の方や地域の方と一緒に合唱した小学校の例でありますとか、中学校では、修学旅行先の薬師寺で講話をお聞きした後に、お礼として生徒全員で「信濃の国」を歌い、自分たちの信州のよさを伝えた中学校があるなど、さまざまな取り組みをしているというふうにお聞きしております。また、高校でありますが、8月7日から11日に開催される2018信州総文祭の大会イメージソング「ここに」は、「信濃の国」をモチーフに作曲されたものであります。  今後も、郷土に対する理解を深め、郷土愛を育む題材として「信濃の国」を各学校で大切に扱うよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。  信州学の取り組み状況についてのお尋ねであります。  信州学は、地域に根差した探究的な学びとして、各学校において生徒みずからが問いを立て、積極的に地域の文化を学んだり、地域の方と協働したり、地域の資源を活用したりしながら主体的な学習が行われているところであります。  昨年10月に成果を発表する信州学サミットというものを初めて開催いたしましたが、各校からは、郷土食などの地域の文化を初め男女間の労働環境の違いといった社会問題など幅広いテーマの取り組みが発表されたところであります。  松本工業高校では、IoT技術活用による通行量調査をもとに請願に挑戦するといった取り組みもなされたところであります。これ以外にも全高校でさまざまなテーマに取り組んでおります。  信州学の成果としては、何よりも生徒たちが地域に飛び出して地域課題に取り組もうとする姿であり、また、各地で開催される高校生みずからが運営するプレゼンテーション大会で学びの成果を力強く発表する姿であります。さらに、地域における高校のあり方として、地域から人材と活力が高校に取り入れられたことで、生徒の学びと相まって授業の光景が大きく変容し、地域と学校の結びつき、関係性にも大きな変化が生まれつつあるということであるというふうに思っています。  学校を超えた連携の場としては、先ほど申しました信州学サミットを今年度も開催いたします。また、今年度については、信州学を学校の枠を超えて学び合う信州学カンファレンスをつくる予定であります。信州を愛し、新たな社会を創造する力を大いに育てるものとし、信州学をさらに推進してまいりたいというふうに考えております。       〔7番小川修一君登壇〕 ◆7番(小川修一 君)今、教育長から御答弁いただきました信州学の現在の取り組み状況、成果等について、信州学を提唱された知事はどのように評価しておりますでしょうか。阿部知事の御所見を伺いまして、一切の質問を終わります。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)信州学についての受けとめ、考えということでございます。  私は、自治、分権の社会をつくっていかなければいけないというふうに思っておりますが、そういう中で、若い世代、中学生、高校生とお話しすると、余り地域のことをよく理解していない子供たちがいるなということを感じます。
     そういう中で、信州学というものを行ってはどうかということで提唱いたしましたが、教育委員会や学校の先生方等の御協力のおかげで全ての県立高校で実施されてきているということは大変喜ばしいことだというふうに受けとめております。  信州学がきっかけとなって、生徒たちが地域に飛び出していく動きが加速しているように受けとめておりますし、また、地域社会との結びつきもこれまで以上に太くなりつつあるのではないかというふうに思っています。  私も、幾つかの高校で生徒とお話ししましたが、飯田OIDE長姫高校では、空き家のリノベーションを行って若者たちの交流の場をみずからつくっているような動きもありますし、また、白馬高校では、地域の皆さんに、高校生と一緒になって地域の振興をかなり考えていただいております。白馬の観光振興プランを企画、実践をしたりという取り組みが行われています。  今後とも、この信州学を通じて、郷土を深く知り、愛する若者たちが、地域社会においても、そしてグローバルな社会においても活躍してもらうことを強く期待をしております。  以上です。 ○議長(鈴木清 君)次に、両角友成議員。       〔15番両角友成君登壇〕 ◆15番(両角友成 君)日本共産党県議団の両角友成です。私は、発言通告に沿って一般質問を行います。  まず初めの項目は、林業行政について、信州F・POWERプロジェクト、木質バイオマス発電の規模適正化についてであります。  ことし2月定例会、我が会派、備前光正県議の代表質問中、林業行政をただした中に、「素材生産量49万8,000立米という数字は全県の総量なので、これが全てF・POWERに来るわけではないと思います。恒常的に半径50キロからの材の供給がどのくらい可能で、しかも、搬出の路網整備や林業従事者など人的な体制はどのようになっているのかお尋ねします。あわせて、実際にこの規模で製材と木質バイオマス発電とで採算がとれ、成功しているところがほかにあるのでしょうか。改めて、適正規模で分散化させるべきだと思いますけれども、林務部長に伺います。」、この質問に対し、答弁で林務部長は、「宮崎県や岡山県で事業化され、地域材の大きな受け皿となっています。このうち、宮崎県日向市の事例では、集成材製品の製造と木質バイオマス発電を一体で行っており、発電施設の規模は1万8,000キロワットで年間19万3,000トンの木材を消費しています。今後、発電施設を増設し、さらに規模を約2倍にする意向とも聞いております。」と成功例を示されました。  私たちは、この答弁を受け、宮崎県日向市の木材を扱う株式会社を視察させていただきました。それは、9万坪の広大な敷地に土場や大規模加工工場。九州南側全域から集材し、営業内容は、木材の製材及び販売、乾燥材、集成材の製造販売、プレカット加工、その他附帯する業務、最後にバイオマス発電事業となっておりました。基本にしっかりした製材事業がありました。この会社1社で、プレカット加工の製材量は年間約1万4,000戸相当、長野県内の住宅新築年間1万から1万2,000戸に匹敵します。  この会社は、これからは国産材製品輸出時代として世界の木材業界と競争できる日向生産方式が提唱されていました。それは、山主に対してはあらゆる原木を全て集める。建設会社、工務店等には、多品種、全国に即納、欠品なし。バイオマス発電では、木材の無駄のない利用、CO2のリスクのない環境発電とされていました。発電は工場内で発生するおが粉などの燃料で全てを賄う。あくまで余剰で行う事業でありました。  これに照らして、県のF・POWERプロジェクトは、製材部門がしっかりしない中での大規模発電施設計画であり、この際、いま一度、国、県の指導も行い、建材の製造販売を軌道に乗せ、そこから生まれる燃料となる端材、材から7%出るとされるおが粉、バーク、枝葉に至るまで副産物の量を積算、それに見合う適正規模の発電施設に軌道修正する必要性を強く感じてきましたが、いかがでしょうか。林務部長に伺います。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)信州F・POWERプロジェクトの木質バイオマス発電施設についてのお尋ねでございます。  信州F・POWERプロジェクトの事業規模につきましては、先ほどお話もありましたとおり、本年2月定例会の代表質問でもお答えいたしましたが、事業主体におきまして、本県の豊かな森林資源を多段階に利活用し、森林所有者や林業、木材産業に利益を還元していくことを基本に、地域の森林資源の現状、加工施設の配置状況などの特性を踏まえて決定されたもので、適正な規模であると考えております。  なお、製材事業につきましては、現在、事業主体におきまして製品販路の確保を着実に進め、安定した生産体制の構築に取り組んでおりますので、今後の発電施設の稼動に向け、県として引き続き円滑な運営がなされるよう指導等を行ってまいります。       〔15番両角友成君登壇〕 ◆15番(両角友成 君)未利用材が山のようにあり、それを使うからということだと思いますが、宮崎県の成功例は、私たちが紹介したのではなく、林務部が紹介したものです。学ぶ姿勢が必要だと、私はこのように思います。  私どもは、未利用材を利用するにしても、小規模分散型発電を望んでおります。間伐材等未利用木材バイオマス発電は、一律32円の買い取り価格が設定され、大規模発電所がつくられる傾向になっていましたが、里山資源で取り組める地域主体の小規模発電ができなくなるの声に押され、ようやく2015年から2,000キロワット未満の小規模発電に対して40円という新しい買い取り価格が設定されました。よって、全国的には小規模発電がふえる傾向にあります。  小規模発電にはもう一つのメリットがあります。F・POWERは発電だけですが、小規模発電は発電の熱も利用できるコジェネレーションが行いやすく、エネルギー効率が非常に高くなります。県内の森林資源を使ってエネルギーを有効活用するという点からも、地域活性化にも、里山資源を生かす小規模発電を普及していく必要性を感じています。  昨年2月定例会での中島副知事から備前県議へのコジェネレーションが望ましい姿との答弁も踏まえ、F・POWERプロジェクトにおける規模適正化にも絡めて、小規模発電に対する林務部長の見解を伺います。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)里山の資源を生かした小規模分散型発電についてのお尋ねでございます。  木質バイオマス発電については、規模ありきではなく、地域の森林資源や加工施設の状況等に合わせて整備することが重要でございます。木材を単に発電のみに利用するのではなく、多段階に利活用すること、さらには、燃料となる木材調達の確実性を踏まえ、事業者が規模決定するものと考えております。  ヨーロッパにおいては、複数の建物が共同して暖房等に熱利用する地域熱供給に木質バイオマスが多く用いられております。こうした熱利用の仕組みを本県にも導入していきたいと考えておりますが、住宅様式が異なることを踏まえると、まずは身近な施設の熱利用分野を地域の木質バイオマス資源に変えていくことが重要であり、そのため、木質バイオマスボイラー等の導入に対して支援を行っているところでございます。       〔15番両角友成君登壇〕 ◆15番(両角友成 君)林務部長と知事に伺います。  長野県林業の再生、木材産業の振興を目的に、知事の肝いりで、総事業費126億円、県の補助金25億円を投入したF・POWERプロジェクトです。県としても、もっと経営に関与し、例えば、新聞報道では征矢野建材はアメリカなどに床材を輸出とあるが、このことを県はどう捉えているか。  また、4月14日に、発電施設建設を本年11月にスタートと発表されましたが、もう6月も末、現在どこまで具体化されているか。着工のおくれから、事業費が当初計画の1.7倍、100億円の報道もあります。議会に状況を知らせていただく必要性を感じていますが、いかがでしょうか。林務部長にお伺いします。  また、オーストリアに、知事自身、トップとして林業視察に行ったと記憶していますが、その視察が現在長野県林業にどう生かされているか、また、どう生かそうとしているか、知事の見解を伺います。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)プロジェクトにかかわる県の関与についてのお尋ねでございます。  本プロジェクトは、本県の豊かで充実した森林資源を生かし、長野県を森林県から林業県へと飛躍させていく重要なプロジェクトでありますことから、当初から産、学、官、金、それぞれが主体的に役割を分担するとともに、連携して進めております。具体的には、製材施設や発電施設の整備、運営は民間事業者が担い、木材の安定供給は林業木材産業団体が担っております。県としては、原木の安定供給体制の構築に取り組むとともに、プロジェクト全体の調整役としての役割を担い、さらには補助施設である製材施設の指導等を行ってきております。  施設の進捗状況等につきましては、大きな動きがあった都度、議会に説明してきておりますが、今後も、プロジェクトの所期の目的が達成できるよう関係者間での情報共有を行いながら、その状況を議会にもお伝えするなど県としての役割を果たしてまいります。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)オーストリア視察の成果についての御質問でございます。  林業政策は、まさに大きく転換させなければいけない時期だというふうに思っておりますし、世界に視野を広げてこの林業の質的転換を図っていくということが極めて重要だというふうに思っております。  オーストリアにつきましては、平成25年に、林務部が全国に先駆けて政府の研究・研修機関との間で覚書を締結して、林業大学校の学生や県内の林業者の技術交流が始まってきております。こうした取り組みをさらに拡大、加速化させるために、平成27年に私もオーストリアを訪問させていただきました。オーストリアの農林環境水資源管理大臣との間で全国の都道府県で初めて技術交流の覚書を締結いたしました。  オーストリアは、御存じのとおり、非常に森林・林業政策が進んでいる国であります。林業の生産性も極めて高い国でありますし、また、有能な技術者の育成、あるいは木材の流通の効率化、こうした点で学ぶべき点がたくさんある国であります。そこの政府との間でこうした覚書を締結することができたということは大変ありがたいことだというふうに思っています。  この覚書の締結を契機といたしまして、私どものほうからは、林業技術者、あるいは山地防災に関する技術者の交流研修が拡大しておりますし、また、昨年度、国際ウッドフェアを長野県で開催いたしました。これは、極めて進んだ森林・林業、あるいはバイオマスの技術を、展示会でありますけれども、オーストリア以外では初めて長野県で開催されるという形にもつながっております。また、こうしたことを契機に、高性能な林業機械あるいはバイオマスボイラー等の県内への導入も着実に進んできているところであります。  しあわせ信州創造プラン2.0におきまして、美しく豊かな木と森の文化の再生・創造というチャレンジプロジェクトを設定しておりますが、森林・林業政策の質的転換を図っていく上で、このオーストリアとの交流をさらに深めていきたいというふうに思っております。  例えば、人材育成面では、林業大学校のグレードアップを進めていきたいというふうに思っておりますが、オーストリアでは、単に林業技術を教えるということだけではなくて、やはりICTの活用であったり、あるいは安全面の知識の習得であったり、こうしたことを幅広く学ぶことによって森林・林業人材を育成しておりますので、そうしたことを我々も学んで、この林業大学校のグレードアップに生かしていきたいと思っております。  また、私どものすぐれた木工製品等もあるわけでありますので、これはヨーロッパ市場へもぜひ発信をして販売していきたいというふうに思っております。そうした観点で、今年度、オーストリアで開かれるホルツメッセにおいて私どもの長野県の木工製品を出展していきたいというふうに思っております。  オーストリアには学ぶべきこともありますし、他方で、私どもの森林・林業も、内向きな取り組みでは世界の趨勢から取り残されてしまいます。そういう意味で、これからもオーストリアとの森林・林業に関する連携交流をさらに一層深めていきたいというふうに思っております。  以上です。       〔15番両角友成君登壇〕 ◆15番(両角友成 君)次の質問事項に移ります。次は介護保険の運用について伺います。  介護保険制度は、2000年に、所得や家族支援のいかんにかかわらず要介護認定だけで必要なサービスが受けられる保険制度としてスタートしました。地域で暮らす人の介護サービス量を勘案して保険料が決まる仕組みでしたが、25%の国の出し分を削りたいという政府の意向が強まり、次々と給付抑制が行われてしまいました。2015年には、要支援1、2が総合事業として市町村に移行され、訪問介護と通所介護などを保険給付から外しました。十分なサービスが受けられない生活を強いられている高齢者が心配です。  総合事業が1年経過しましたが、全国には、事業そのものが成り立たない、専門職によるサービスを無資格者に、担い手となる事業者がいないなどの自治体があるやに聞いていますが、県内の状況はいかがでしょうか。  総合事業を利用者さんのために一生懸命やっている自治体は、頑張れば頑張るほど今度は要介護1、2がプラスになると、現場は矛盾を抱えています。さらに、厚労省は、ことし10月から、ホームヘルパーが高齢者を訪問し、調理や掃除を行う介護保険の生活援助サービスについて、厚労省が定めた基準以上に利用する場合、ケアマネジャーに市町村への届け出を義務づけようとしています。できるだけ生活援助を使わせないでというメッセージではないでしょうか。  住民は保険料を払っています。なるべくサービスを使えない仕組みにしていくのは受給権を侵害すると考えます。届け出基準は全国平均の利用回数をもとにした統計上の数字にすぎず、介護保険の本来の姿、その人の個別性、必要性に応じて介護サービスを使うのが当たり前で、そこを全く無視した数字をもとにこの範囲というやり方は、今までなかったことです。  市町村にケアプランを変更させる権限はありません。ケアマネに是正を促すのはあくまで任意の行政指導であり、ケアマネがそれを受け、指導したことによって、回数が減らされた結果、利用者が体調を崩したらこの責任を誰がとるのか。利用者の不利益になることを契約関係にない市町村はケアマネに指導できるのか。  財務省は、今回のケアプランの点検実績を踏まえ、利用者の状態像に応じたサービスの利用回数や内容等について標準化を進めるよう求めています。介護保険の理念からかけ離れた標準化、さらにサービス利用制限をするようなケアプランの届け出の仕組みは撤回させるべきと考えますが、健康福祉部長の見解を伺います。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)介護保険の運用に関しまして2点御質問いただきましたので、順次お答えさせていただきます。  1点目は、総合事業の実施状況についてでございます。  県内全ての保険者が平成29年4月までに総合事業を開始し、従来は予防給付で提供されていた訪問介護、通所介護のサービスを利用していた全ての方が平成29年度内に総合事業に移行したことを確認しております。ほとんどの保険者において従来と同等の基準のサービスが提供されることとなっておりますが、住民主体やNPO等によるサービスの提供は63保険者中12保険者となっております。  今後も、総合事業の実施状況を注視し、住民にとって必要なサービスが継続的に提供されるとともに多様なサービスの提供体制の構築に向け、保険者に対して必要な助言、支援を行ってまいります。  次に、ケアプランの届け出制度についてのお尋ねがございました。  ケアプランの市町村への届け出については、利用者の自立支援にとってよりよいサービスとするため、通常の利用状況から大きく離れた利用回数となっているケアプランを対象として、ケアマネジャーの視点だけでなく、他職種による検証を行い、その上で必要に応じてケアプランの内容の是正を促すものであります。  県としては、本年10月からの運用に向けて、3月と6月に保険者である市町村等への説明会を実施し、居宅介護支援事業者への制度の周知について依頼をしたところであり、引き続き制度が適切に運用されるよう保険者に対して助言を行ってまいります。  以上であります。       〔15番両角友成君登壇〕 ◆15番(両角友成 君)あるケアマネジャーは、必要な方に必要な介護を受けさせてあげたいと言い、ある介護事業者の所長は、日常生活に困るから介護保険の使用が必要なのにそれがかなわない。今の介護保険は憲法25条に違反していると怒りをもって話されました。介護職員の確保は難しく、事業として成り立たなくなる。この窮状を県に伝えてほしいと訴える事業者の方。今後も抑制がかかる。要支援からは既に外された通所介護の役割は、利用者の社会的孤立感の解消及び心身の機能の維持並びに利用者の家族の身体的及び精神的負担の軽減を図ることです。抑制させてはなりません。  6月22日の信毎には、団塊の世代が全員75歳になる2025年度に、必要とされる介護職員数に対し確保できる見込み数の割合が、21日、厚労省の推計に基づく分析で判明したとの内容で、100%確保できるとした都道府県はなく、全国平均86.2%、長野県84.8%。担い手が適切に確保できないと、高齢者が十分な介護サービスを受けられないおそれ。介護職員は低賃金や重労働といったイメージから敬遠されがちで、このままでは将来も深刻な人手不足が避けられない。こんな報道でした。  2号保険者は40歳から保険料を徴収され、65歳で1号保険者になり、保険証が手元にあっても、介護認定されないと、本人、家族が介護が必要と思っても使えない。特養には介護度3以上でなければ入所ができなくなった。ケアプランは有料にとハードルを上げる。保険料は2000年にスタートしたときから比べると、現在、倍になっています。利用者負担は2倍に、8月からは3倍になる方もいらっしゃいます。  現場がわからない人たちによる財源優先の理論でサービスを使わせない制度になってきているのが私は一番問題だと考えています。県民の皆さんの生活に責任を負っている県として、国に予算の拡充を迫るなど抜本的な打開策、また、介護保険の今後を県としてどう描いているのか、健康福祉部長の見解を伺います。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)介護保険に関する国への予算拡充等の要望と、介護保険の今後の県の展望についてのお尋ねであります。  高齢化の進展に伴い、長野県では要介護認定者が2017年の11.1万人から2035年には13.3万人に増加すると見込まれており、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らすことができるためには、介護提供体制の充実は重要であると認識しております。  昨年度策定した第7期高齢者プランでは、「長寿の喜びを実感しながら、生涯にわたり自分らしく安心して地域で暮らしていける信州」を目指すべき姿とし、高齢者が健やかに暮らす、自分らしく暮らす、支え合いながらともに暮らすことができるよう、地域包括ケア体制の構築を進めることとしております。具体的には、フレイル対策などの予防対策の推進、特別養護老人ホーム、グループホーム等の整備、介護人材の確保、他職種連携による地域ネットワークの構築等を行ってまいります。  介護保険制度が発足してから、長野県の介護給付費は2.9倍に達しており、介護保険財政の安定化が喫緊の課題であると認識をしております。介護保険制度が将来にわたり安定したものとなるよう、県としても国に対し国庫負担の拡充等を要望してきており、今後も引き続き積極的に提言、提案を行ってまいります。  以上であります。       〔15番両角友成君登壇〕 ◆15番(両角友成 君)ドイツでは、最近、介護保険を改定し、軽度者への給付を拡大しました。軽度重視は注目に値します。早期に適切な支援をすれば重度化は防げます。保険料を負担しながらいざというときに使えない制度では、国民の信頼は得られません。安心の介護の仕組みを拡充することが必要です。県としてこのことに力を尽くしてくださいと改めて申し上げまして、私の質問といたします。 ○議長(鈴木清 君)この際、午後1時まで休憩いたします。         午前11時20分休憩          ──────────────────         午後1時開議 ○副議長(小林東一郎 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  宮本衡司議員。       〔42番宮本衡司君登壇〕 ◆42番(宮本衡司 君)まず最初に、6月18日午前7時58分、大阪北部を震源とする最大震度6弱の地震が発生いたしました。お亡くなりになられた方の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被害に遭われた皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。  さて、その前日、17日午後3時27分には群馬県南部、16日には千葉県南部、12日には大隅半島、岩手県、熊本県、北海道、島根県等々、このところ国内では地震が各地で多発しております。そして、県内においては、5月25日午後9時13分、長野県北部、栄村を最大震度5強の地震が襲いました。7年前、3月12日の長野県北部地震以来2回目の大きなものでした。被災された方々にお見舞いを申し上げます。  その2週間ほど前の5月12日午前10時29分には県北部、長野市、大町市、小川村で震度5弱、さかのぼって2月13日午後2時39分、県南部、木曽町で震度4、12月6日0時13分には県中部、大町市、千曲市、坂城町、松本市、安曇野市、上田市等広範囲で震度4と、県内全域で地震が発生をしております。  3.11東日本大震災以降の大きな地震を見ますと、翌日の震度6強を観測した長野県北部地震と今回の地震を含めて8回の震度5以上の地震が県内で発生し、しかも、そのうちの6回が県北部を震源地としております。つまり、ここ10年ほどで見る限り、長野県を揺るがす地震の震源は県北部という一定の地域に集中しており、ある資料によれば、ここは全国的に見ても地震発生率が高いとのことです。  一昨日、政府の地震調査委員会から2018年版の全国地震動予測地図が発表されましたが、くしくもそのやさきに広島、島根、千葉県でそれぞれ震度4を相次いで観測し、改めて大地震はどこでも起こり得ると痛感したところであります。  栄村には、私も5月25日の発災直後の夜から入り、村内一円の被害状況を見て回りました。おかげさまで家屋の倒壊や山崩れ等の大きな被害は見られませんでしたが、農地の地割れや建物の壁の崩落、墓石の倒壊といった、比較的軽度ではあるが住民の生活に密着した、早急に直すことの必要な被害が多いと感じました。  5月30日には太田副知事が栄村に入り、村からの被害の状況、要望等をお聞きいただくとともに、つぶさに被害の現場を御視察いただきました。過去の災害時と同様、現地機関はもちろんのこと、素早い県の対応に感謝申し上げるところであります。  当時、栄村は田植えの時期であり、特に被害を受けた農業施設への対応は喫緊の課題であります。そのための技術的な支援もさることながら、交付税を増額していただくことも村にとってはありがたいことの一つではないかと思います。普通交付税はまだしも、特別交付税による支援について国に強く要望してほしいものですが、県におかれてはどのように考えておられるのでしょうか。  また、今回の農地や水路の被害については、大きなものは国の補助事業を活用して復旧すると聞いておりますが、対象とならないものについては県の単独事業として救えるものは救ってほしいものと考えますがいかがでしょうか。企画振興部長、農政部長にそれぞれ伺います。  栄村でお聞きいたしますと、今回被害を受けたところは7年前と重なっているところもあり、このことは、村にとっても、被害を受けた住民にとっても、より大きなダメージとなったのではないかと感じました。特に、田んぼのひび割れ等の農業施設被害については、7年前のときは諦めることなく前を向き、復旧・復興に立ち向かう住民は多くおられましたが、今度はまた数年後に地震が起きるかもしれない。年もしたし、お金をかけることができないと考える人が多くなるであろうことは推測されます。  2月定例会においては、長野県北部の豪雪地帯の自治体の冬期間の暮らしの過酷さから、若い人たちが豪雪地での生活を嫌い、いなくなってしまうという可能性を指摘しました。それに加え、頻発する地震です。このように、地震は豪雪地帯の自治体の人口減少をさらに加速させてしまう可能性があるのではないでしょうか。被災した農地や水路を復旧する際には、被害の規模等により農家の負担を軽減することが必要だと思いますが、国の補助金のかさ上げについてどのような対応をしていただけるのか、農政部長に伺います。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)災害復旧への財政支援ということで、私には特別交付税による支援ということで御質問いただきました。  特別交付税は、災害など普通交付税の中では補足し切れない財政需要を考慮して交付されるものでございます。今回の地震被害により生じました経費につきましても、この特別交付税の中で適切に措置されますよう、県から国に対しましてしっかりと状況を伝えてまいります。  以上でございます。       〔農政部長山本智章君登壇〕
    ◎農政部長(山本智章 君)栄村を震源とする地震に関連しまして二つ質問いただきました。  まず、地震により被災した農地や水路の復旧についてのお尋ねですが、被災した農地や施設について、1カ所当たり復旧費用が40万円以上となる場合は国庫補助事業の対象となります。村は、今回の地震による被災箇所のうち、事業の要件を満たす6カ所について、この7月に国へ申請をする予定であります。また、国庫補助事業の対象とならない被災農地や水路につきましては、村からの要望に応じ、県単独による支援を検討してまいります。  次に、国の補助金のかさ上げについてのお尋ねでございますが、農地などの災害復旧に関する国庫補助率は、農地に係るものが50%、農業用施設に係るものが65%となっております。国は、農家の復旧費用の負担軽減を図るため、農家1戸当たりの事業費が一定金額以上になる場合においては、県からの申請により補助率のかさ上げを措置しております。このかさ上げの措置によりまして、過去10年間の国庫補助率の平均は、農地で72%、施設で86%と大きくかさ上げされております。  県といたしましては、今回の地震災害の状況を取りまとめ、補助率かさ上げの要件を満たす場合には国に申請をしてまいります。  以上でございます。       〔42番宮本衡司君登壇〕 ◆42番(宮本衡司 君)全国知事会において、平成18年7月12日付で全国都道府県における災害時の広域応援に関する協定が締結されており、これは、地震等による大規模災害が発生した場合において、被災県の要請に基づき、全国知事会の調整のもとに行われる広域応援を、迅速かつ円滑に遂行するため必要な事項を定めたものです。  平成27年には、8月27日付で、「中央日本四県(新潟・山梨・長野・静岡)の災害時の相互応援等に関する協定」が締結され、中央日本四県の相互応援の実施による円滑な災害応急対策の実施を図るとともに、平時から防災における協力及び連携の充実を図るとされています。  近年の地震の多発している状況を見ると、隣接県の担当者がお互いに境を接している市町村の大まかな状況を把握することこそ大切で、相手方の現地を見て市町村の担当者と意見交換を行っておく、これくらいのことを数年に1度は行ったほうが、いざというときには効果的な対応ができるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。危機管理部長にお伺いをいたします。  このように、調べてみますと、災害に備えた各都道府県間の連携体制はよく整備されていることがわかりました。そして、県のホームページには、130を超える各種民間団体と災害時応援協定を結んでいることが掲載されております。  先ほど、他の都道府県との協定の実効性の担保についてお伺いをいたしましたが、いずれも有事の際に役に立つようにしておくことこそ最も大切なことと考えます。各種協定先が全てつながり、支援体制ができるようになっているのか。県民の皆様に、有事の際にはこういう団体がこういう形で支援に入る、あるいは支援できる体制になっていると周知しておくことが肝要ではないでしょうか。協定先との平時の連携、情報の共有、訓練の実施、県民への啓発等々必要な取り組みを具体的に行っているのでしょうか。危機管理部長に伺います。  先日の大阪北部地震の報道を見ていますと、改めて防災・減災対策について考えさせられることが多くありました。県でも、6月20日に「ブロック塀等の安全点検をお願いします」としたプレスリリースに、点検表や相談窓口、現行の建築基準法による構造基準が掲載されておりますが、北部豪雪地特有の屋根の上で雪をとめているアングルの点検等、ほかにも建築構造物の点検箇所があるのではないでしょうか。  避難道路上に道をふさぐものがあれば、障害のある方、高齢者の避難はそこでストップしてしまいます。まして、緊急車両が進入できなければ人命を救うこともできません。高齢化が進み、デイサービス等を利用しながら在宅での介護がふえています。都市部においては、集合住宅の高層階に住んでいるひとり暮らしや高齢者のみの世帯の避難についても大きな課題になると考えます。  地域によっては、集落の状況を把握している消防団、近隣住民による救助・救援体制をとることは比較的容易なことと考えますが、都市部においては、個人情報の保護ということが大きな壁となり、どこまで住民の状況を把握できるのか、高層階から一人で避難できない等の高齢者をどのように把握し、救助体制を整備するのか、市町村とともに考えなければならない問題です。  市町村と連携し、年に一度でも県民全員が避難場所まで歩き、周りの危険な箇所を認識するような危険箇所の気づき、防災意識の啓発イベントの開催も考えてはいかがでしょうか。危機管理部長に伺います。  また、重要な文化財や県宝等の地震への備えはどのようになっているのか、教育長に伺います。  先日のニュース等を見ておりますと、多くの方々の情報源はスマホ、SNSであったように感じます。このようなことを考えたときには、現状では既に行われているハザードマップによる災害予測と同時に、県内自治体や県民には地震の発生する確率や予想される規模を知らせるのみならず、地域振興局単位がよいのでしょうか、現在住んでいる地域に関する情報も多く提供して、有事の際にはできるだけの対応をしていただくことがベストではないかと考えます。  現在、県においては、地震に関するこのような情報を、どのような媒体を使用してどのくらいの頻度で周知をされているのでしょうか。危機管理部長に伺います。  平成23年6月定例会において、観光立県として、観光客、外国人観光客の避難、避難所での生活習慣の違い等を踏まえ、どのように体制構築をしていくのかという質問をした際、外国人旅行者の安全確保について、観光客一般については地域防災計画の中で災害時要援護者に位置づけられてはいるが、外国人旅行者には明確な位置づけがなく、見直しに当たり、観光客の視点、特に外国人旅行者の視点を明確に据えて検討を行い、災害時体制の充実に努めたいとの答弁をいただいておりますが、どのような状況になっているのか、観光部長に伺います。  地震発生時における衣食住の確保は基本的な課題でありますが、県の食料等の備蓄品の管理状況や数量についてはどのような考え方のもとに行っているのか。また、有事の際、県外から入ってくる支援物資の流通、分別等の態勢の強化が重要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、危機管理部長にお伺いをいたします。       〔危機管理監兼危機管理部長池田秀幸君登壇〕 ◎危機管理監兼危機管理部長(池田秀幸 君)災害への備えや対応状況について御質問いただきました。順次お答えを申し上げたいと思います。  最初に、災害時応援協定における隣接県との連携についての御質問でございます。  長野県では、全国知事会や中央日本四県に加えまして、関東地方知事会や中部圏知事会と相互応援協定を締結しておりまして、大規模な災害発生時には必要な応援を行うこととしております。  これらの協定が効果的に機能するためには、日ごろから連携を図ることが重要であると考えておりまして、他県との担当者会議の開催や防災訓練への相互参加、災害発生時を想定した情報伝達訓練の実施など、他県との連携に努めているところでございます。  また、上伊那、南信州地域振興局などにおきましては、隣接県の現地機関と防災連携を含めた会議を定期的に行うなど、情報交換や施設の視察などに取り組んでおります。  議員御指摘のとおり、現地を把握するとともに、お互いに顔の見える環境を築くことが災害対応において大変有効なことと考えております。現在の取り組みを各地域振興局とさらに共有し、それぞれの地域特性を考慮した市町村を含めた隣接県との連携が実践できるようしっかり取り組んでまいりたいと考えております。  次に、災害時応援協定を締結する民間団体等との取り組み状態についての御質問でございます。  県では、現在、139の民間団体等と食料や生活必需品の提供、物資の輸送及び帰宅困難者支援など災害時の応援協定を締結しており、その状況を県のホームページにおいて御紹介をしております。  これらの協定を締結している民間団体の皆様とは、平時から危機管理部や関係部局、現地機関において、会議の場などを活用いたしまして防災に関する取り組みや課題について情報共有に努めております。また、県総合防災訓練に御参加いただき、災害発生時の連携確認を行うとともに、訓練会場内に団体のブースを設け、それぞれの取り組みも紹介しているところでございます。さらに、各団体が主催する防災訓練にも県職員が参加するなど、相互に協力をし合っております。  災害時に協定を締結する民間団体から迅速で効果的な応援がいただけるよう、これからも訓練など連携した取り組みを続けてまいるとともに、県民の皆様への啓発にも努めてまいりたいと考えております。  次に、防災意識の啓発についての御質問でございます。  議員御提案のとおり、実際に避難場所まで歩き、その行程において危険箇所の点検など具体的な避難行動の確認を行うことは、地域に根差した身近な防災・減災対策を進める上で重要な取り組みであると考えております。  現在、県では、市町村に対し、9月1日の防災の日を含む防災週間におきまして防災訓練などの実施に努めるよう促しており、多くの市町村や地域では、この防災週間に合わせてそれぞれ地域の実情に応じた避難訓練などを行っているところでございます。県としましても、県民の皆様に対し、県の広報などを通じ、防災週間中に実施される地域の防災訓練への積極的な参加を呼びかけることにより防災意識と地域防災力の向上に努めたいと考えております。  なお、今年度塩尻市で開催いたします県総合防災訓練では、地域住民の避難にあわせまして、避難経路における危険箇所の確認などを取り入れた訓練を行ってまいりたいと考えております。  今後も、地域振興局や市町村と連携し、より実践的な訓練を通じて地域の安全、安心の確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、災害に関する情報の周知についての御質問でございます。  災害発生時における情報の発信といたしましては、現在、災害が発生した場合、災害対応や被害情報などの緊急情報を県のホームページに掲載をいたしまして、県民の皆様へ常に最新情報が提供できるよう努めております。あわせまして、地震の発生や大雨注意報などの気象情報、避難勧告情報などにつきましては、ツイッターや県の防災情報ポータルサイトを活用いたしまして迅速な情報提供を行っているところでございます。  また、平時におきます情報の発信といたしましては、現在、県のホームページにおきまして、第3次長野県地震被害想定調査に基づく被害想定を公開しているほか、「災害に学び、備える」という特設ページを開設いたしまして、県民の皆様が災害に学び、備えるための情報を掲載しております。  今後も、災害時における正確な情報や平時からの普及啓発に資する情報につきましては、県の広報の活用に加え、県政出前講座やテレビ、ラジオ放送のさまざまな機会や媒体を用いまして、県民の皆様にわかりやすく発信してまいりたいと考えております。  次に、地震などに備えた備蓄品の管理状況についての御質問でございます。  県では、県地域防災計画に基づきまして、大規模災害発生時の備えといたしまして、県民の皆様に対しましては最低でも3日分、可能な限り1週間程度の食料の備蓄を、市町村に対しては、災害時に食料の確保ができない者を想定するなど、あらかじめ必要量を備蓄するようお願いをしているところでございます。  県は、市町村を補完する立場といたしまして、アルファ化米3万3,000食、保存水3万3,000本を合同庁舎ほか19カ所に分散、備蓄しているほか、ブルーシートや日常生活品など合わせまして約8万点を備蓄しております。  特に、避難所の環境改善を目的といたしまして、トイレ不足の解消のための簡易トイレ、プライバシーの確保のためのマルチルームやプライバシーウオールといった物資についても備蓄をさせていただいております。  なお、議員御指摘のとおり、熊本地震でも課題となりましたが、大規模災害発生時には、国や他県等から、プッシュ型の支援といたしまして食料品を初めとする物資などが多量に送付されるため、その物資の円滑な受け入れと被災者への供給が大変重要となっております。そのため、県といたしましては、今年度、長野県広域受援計画を策定することとしておりまして、全国からの人的、物的支援を円滑に受け入れる体制を構築いたしまして、被災市町村や被災者の迅速な支援につなげてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)重要文化財及び県宝等の地震への備えについてのお尋ねでございます。  文化庁が平成24年6月に出した文化財建造物の耐震対策の方針では、重要文化財の修理を行う場合、それにあわせて耐震診断を実施し、耐震性が不足する場合は耐震補強を講ずることとされているところでございます。  この方針を踏まえまして、県内では、本年6月現在、木造建造物の重要文化財及び県宝18件が耐震診断を行い、うち8件が耐震補強工事を実施済みという状況であります。県では、こうした耐震補強工事に対しまして文化財保護事業補助金により支援しておりまして、平成29年度では、耐震対策を含む修理に対しまして10件、4,175万9,000円の補助をしているところでございます。  また、危険が高い箇所への立ち入りの禁止や危険性を明示する看板の設置など、耐震補強以外のソフト面での対策の実施も市町村や所有者に周知し、取り組みを促進しているところでございます。  引き続き国や市町村とも連携し、重要文化財及び県宝等の耐震対策が進むよう必要な支援や助言等を行ってまいりたいというふうに考えております。       〔観光部長熊谷晃君登壇〕 ◎観光部長(熊谷晃 君)外国人観光客に対する災害時の対応についてのお尋ねでございます。  平成23年6月定例会以降の状況を申し上げますと、平成23年度には、県地域防災計画の中に観光地の災害対応に関する節を新設いたしまして、外国人旅行者の安全確保策について明記をいたしました。これを受け、平成25年度には、「外国籍県民及び外国人旅行者を対象とした避難場所での生活環境整備に関するガイドライン」を策定し、この中に災害時の多言語支援センターの設置を明記いたしまして、同年以降、毎年、県の防災訓練に合わせて市町村や関係団体の皆さんとともに災害多言語支援センターの設置、運営訓練を行ってきております。  また、今年度は、新たに開催する観光通訳ボランティア研修の中に災害時の対応についても盛り込む予定としております。今後も外国人観光客の増加が見込まれる中、今年度、県観光機構に設置いたしましたインバウンド支援センターを十分活用し、関係部局や市町村、旅館ホテル組合会など関係団体と連携しながら、多言語情報の整備など外国人観光客の皆さんが災害時にも正しい情報が適切に受けられるよう環境整備に努めてまいります。       〔42番宮本衡司君登壇〕 ◆42番(宮本衡司 君)冬期間や融雪期に特別豪雪地帯でもし大規模な地震が発生すれば、その混乱、被害は他地域の比ではありません。昨年5月19日に融雪による山腹崩落が確認され、22日に大規模な土石流が発生した飯山市井出川山腹崩落災害は記憶に新しいところであります。  また、10月の21号台風の際、栄村にある県道秋山郷森宮野原停車場線、長瀬―笹原間で土砂崩落があり、一時通行どめとなりましたが、この区間は過去幾度となく雪崩が発生した場所で、斜面には多くの雪崩防止柵が張りめぐらされています。実は、この現場斜面の上部には、今回の地震で地割れにより水が抜けてしまった圃場や水路があります。今後のことを考えると、斜面の状況が極めて不安定であると地元住民は心配しており、安全に通行できるよう抜本的な対策が必要であると考えますが、いかがでしょうか。  また、この現場に限らず、北部県境方面において土砂崩落の危険性のある箇所の点検を早急に実施していただくよう要望いたしますが、いかがでしょうか。  加えて、県内市町村において、職員だけではカバーできない建築関連業務に対し、専門的な知識を持つ県職員がアドバイザーとして日ごろより相談や支援ができるような仕組みづくりも必要ではないかと考えますが、建設部長に伺います。  最後に、阿部知事初め栄村現地視察にお忙しい中にもかかわらずおいでいただきました太田副知事、関係部局、現地機関、警察等々に改めて感謝を申し上げまして、質問を終わります。       〔建設部長長谷川朋弘君登壇〕 ◎建設部長(長谷川朋弘 君)一般県道秋山郷森宮野原停車場線における安全な通行を確保するための抜本的な対策についてお答えいたします。  議員御指摘のとおり、本路線の長瀬から笹原間においては過去幾度となく雪崩が発生したことから対策を実施してきており、現在、雪崩防止柵が約80基及びスノーシェッド83メートルが設置されています。平成18年豪雪の対策実施以降、本路線の雪崩災害は確認されておらず、また、落石やのり面崩壊の危険箇所についても要対策箇所の整備を完了している状況です。  このように、実施済みの対策が一定の効果を発揮していると考えられることから、当面は道路パトロールや除雪時においてのり面の状況を日常的に確認するとともに、保安林については林務部と連携しながら土砂崩落や雪崩の危険箇所の把握に努め、必要に応じて対策を検討してまいります。  次に、北部県境方面における危険な自然斜面の点検につきましては、平成8年に全国的に実施して以降、適時行ってきたところですが、さらなる充実を図るため、昨年度より県独自の取り組みとして全建設事務所において定期点検を実施することとし、着手したところです。議員御指摘の北部県境方面につきましては、相次いで発生している地震による影響等を考慮し、早期に点検を実施してまいります。  次に、建築関係業務に関する市町村支援についてのお尋ねです。  多くの市町村においては建築技術職員が乏しい状況であることは承知しております。このため、県では、有事に備え、あらかじめ民間建築団体と協定を締結するなどして、被災建築物応急危険度判定、住宅の修繕に向けた相談への対応、さらには災害復興住宅の建設支援など、被災時に市町村が円滑に対応できるようバックアップする体制を構築しています。また、このたびの大阪府高槻市の事故を受けたブロック塀等の安全対策への対応におきましても、建設事務所の職員が技術的な助言を行うなどの支援に取り組んでいるところです。  一方、有事以外においては、建築基準法令等の相談を初め、公営住宅や営繕など、建築関係業務全般に関する個別の相談に対応してきているところでございますが、これらは制度として実施しているものではございません。今回の議員の御指摘を踏まえて、今後支援の仕組み等について市町村の御意見を伺いながら、民間建築団体とも連携し、研究してまいります。  以上でございます。 ○副議長(小林東一郎 君)次に、酒井茂議員。       〔9番酒井茂君登壇〕 ◆9番(酒井茂 君)自民党県議団、伊那市選出、酒井茂でございます。私は、今回は、文書の管理と暴力の追放、さらには県営発電所の大規模改修の3項目について質問いたします。  まず、文書の管理についてであります。  今、国では、公文書の管理、そして情報公開のあり方について問題となっております。国会におきましても大きな議論が巻き起こっておりまして、毎日のようにマスコミで報道をされているところでございます。こうした一連の事態を受けまして、国民の行政に対する不信感というものが高まっており、憂慮すべき事態にあると考えているところでございます。  さて、公務員は、就職すると同時に役所の仕事は文書主義が基本であることをたたき込まれます。また、行政の意思決定に至る経過や根拠については全て文書を作成し、これを適正に管理する、これが文書主義の原則であります。  私も、市役所に就職した当初は、文書の重要性あるいは文書のつくり方などについて研修を受けました。また、若いころ、市の情報公開条例の制定に向けたプロジェクトチームに所属させていただき、情報公開制度について学ぶ機会に恵まれたところであります。この全ての公文書を原則公開とするこの制度は、当時の行政にとりましては画期的なものであったというふうに思っております。  さて、行政運営が正しく行われたかどうかは保管されている文書により判断するしかありません。したがいまして、重要な文書が廃棄されてしまえば、将来、意思決定の適否を判断するすべはないのであります。  森友学園問題につきましては、国有地の売却に関する文書に関する情報公開請求に関して非公開とされたことがきっかけとなりました。財務省の理財局長は、関係文書につきまして、廃棄したため存在しないと国会で答弁をいたしました。しかし、実際には文書は存在しており、国会での答弁に合わせるために文書を改ざんするとともに一部の交渉記録を廃棄していました。公文書の改ざんや廃棄は民主主義の根幹を揺るがす行為であり、断じて許すことができません。  一方、地方に目を転じてみますと、広島県におきましては、行政不服審査に係る公文書の公開請求に関して、2012年に公開した文書に改ざんがあったことが判明したとことし3月に発表がありました。また、神戸市では、市立の中学校の生徒が自殺した問題で、学校による聞き取りメモが存在しているにもかかわらず、情報公開請求を意識して、存在しないと学校が虚偽の説明をしたことをこの6月4日に教育委員会が明らかにしたところであります。  公文書管理法が2009年に制定されてから久しいわけでありますが、これほどまでに文書管理のあり方が議論されたことはありませんでした。こうしたときこそ文書管理と情報公開に関する課題を洗い出すとともに、文書管理と情報公開を車の両輪として、国民の知る権利を保障する制度にしていかなければならないと考えます。  国会におきましては、さまざまな指摘を受けまして、文書管理の適正化を図るため、公文書管理法の改正も視野に入れた議論が行われつつあるところでございます。  そこで、以下2点、知事にお聞きをしたいと思います。  1といたしまして、今回の公文書の管理と情報公開をめぐる一連の問題につきまして、どのように捉え、県として今後公文書の適正管理と情報公開制度の適正運用に向けてどのように対応をしていかれるでしょうか。  2といたしまして、公文書の改ざんを防止するため、内部通報制度の有効活用や県職員の意識改革を含めて具体的にどのように対応していかれるでしょうか。  次は、公文書管理条例の制定についての質問であります。  公文書管理法によりますと、公文書を健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源であるといたしまして、国等の諸活動を現在及び将来の国民に説明する責任が全うされることを目的とすると規定をされているところでございます。  公文書管理法は国の組織に適用されるわけでありますが、文書の管理の重要性につきましては自治体にとりましても同様であります。総務省の調査によりますと、公文書の管理に関する条例を制定している自治体は全体のわずか1%、21団体にとどまっているところでございます。多くの自治体は、組織や要綱で対応しているのが現状であります。条例があるのは、都道府県では東京都、鳥取県、島根県、香川県、熊本県の5団体だけであります。長野県には条例はなく、文書規程で対応しているのが現状であります。  東京都におきましては、豊洲市場の移転問題に関して関係文書がほとんど残されていなかったため、都民に対する説明責任が果たされませんでした。その反省の上に立って、東京都では、昨年度、公文書管理条例が制定されたところであります。  長野県の情報公開条例におきましては、国民の知る権利の尊重や県民に説明責任を果たすことを規定しているところであります。これを担保するには、文書管理を適正に行い、情報公開を適正に行わなければなりません。こうした中で、公文書管理法の趣旨にのっとった文書管理を行っていくには、知事が定めた文書規程ではなく、議会の議決を要する公文書管理条例を制定し、公文書を県民共有の財産と位置づけ、保存や公開の基準を明確にしていくことが求められると考えます。  そこで、知事にお聞きをいたします。  県において早急に公文書管理条例を制定することを提案いたしますが、いかがでしょうか。  次は、公文書の適正な保存についての質問であります。  公文書は、将来の情報公開に備えて、必要な期間においては必ず保存をしなければならないため、適正な保存期間が決定されなければなりません。県におきましては、11年以上にわたり保存する文書を永年保存文書としているところであります。  永年保存文書にするかどうかの判断は極めて重要であります。また、あらかじめ決められた保存期間が満了した公文書であっても、その内容からして廃棄すべきでない文書がある場合には、保存期間を再度設定の上、必ず継続して保存されなければなりません。永年保存文書は、現在、県庁内の地下スペースにおきまして管理をされておりますが、毎年度この文書が増加していくために、地下の保存スペースは近い将来収容能力に不足を来すことが予想されるわけであります。保管スペースが不足することによって本来保管すべき文書が廃棄されるようなことがあってはならず、早急に保管スペースを確保しなければならないと考えます。  そこで、以下3点につきまして総務部長にお聞きしたいと思います。  1といたしまして、公文書の適正な保存期間を決定するため、内部のチェック体制は具体的にどのようになっているでしょうか。  2といたしまして、保存すべき公文書の廃棄を防ぐために、内部のチェック体制は具体的にどのようになっておるでしょうか。  3といたしまして、永年保存文書を保管するスペースの確保について、今後具体的にどのように対応されるのでしょうか。
     次は、公文書の適正管理のための電子決裁システムについての質問であります。  文書決裁をスピーディーに行うとともに情報公開に耐え得る適正な文書管理を行うための有効な手段といたしまして、電子決裁システムがあります。長野県におきましても電子決裁システムが導入されているわけでありますが、平成29年度のシステムの利用率は、全ての決裁文書のわずか10%と極めて低い状況であり、今後大幅に利用率を向上させるべきと考えるわけであります。  文書が電子データ化されれば文書管理が適正に行われ、文書の改ざんも防止することができ、また、容易に文書の検索が可能となることから、情報公開請求に対して速やかかつ的確な対応が可能となるわけであります。さらに、電子決裁システムは、文書決裁や文書管理に係る労力を大幅に軽減することができ、行政改革や県職員の働き方改革にも寄与すると考えます。  そこで、以下2点についてお聞きいたしたいと思います。  まず1といたしまして、県の電子決裁システムの利用率が極めて低い状況をどのように評価されておるでしょうか。また、システムの利用率を大幅に向上させるためには知事による強力なリーダーシップが必要と考えますが、いかがでしょうか。これは知事にお聞きをしたいと思います。  2といたしまして、現在の電子決裁システムにつきまして、職員による文書の恣意的な改ざんを防止するため、修正履歴を管理できるシステムへとバージョンアップすることを提案をいたしますが、いかがでしょうか。これにつきましては総務部長にお聞きをしたいと思います。  次は、議事録の作成についての質問であります。  文書管理に関連して、県の審議会等のいわゆる附属機関などにおける議事録の作成は重要であります。附属機関などにおける議事録は、県の意思決定のプロセスを知り得る重要な文書となるものであり、全ての機関の審議に関して議事録を作成することが求められております。  そこで、総務部長にお聞きをいたします。  現在、県において、附属機関などの検討組織における会議の議事録は全ての会議におきまして作成をされておるでしょうか。作成されていないものがあるとすればどのようなものが対象となっておるのでしょうか。また、今後におきます議事録作成についてどのような方針を持っておられるでしょうか。  次は、情報公開についての質問であります。  国では、1999年に情報公開法が制定をされ、地方団体ではほとんどの自治体におきまして情報公開条例が制定をされているわけであります。情報公開法や条例の目的は、情報公開によりまして政府や自治体の説明責任を果たすことにあるわけであります。この責任を果たすためには必要な文書が存在していなければならないため、説明責任を果たすべき期間内においては必ず保管をしておかなければならないものであります。  しかし、今回国で問題になったように、実際に文書があるにもかかわらず、廃棄したから存在しないとして文書が公開されないことがあるとすれば極めて問題と考えます。情報公開請求の対象となる文書が存在するにもかかわらず文書を管理している担当部局の職員が意図的に存在しないと言えば、いとも簡単に文書は存在しないことになるおそれがあるわけであります。  情報公開請求する人にとっては、該当する文書の存在についてみずから確認する手段は全く持ち合わせておりません。担当職員の発言を信じるしかないわけであります。文書を管理している担当職員が、情報公開をすれば組織にとってまずいことになると判断をして該当する文書を廃棄するなどということは、断じてあってはならないと考えます。  そこで、以下2点につきまして総務部長にお聞きをしたいと思います。  1といたしまして、公文書の公開請求に関連して公文書を廃棄したケースはありますか。あれば具体的に示してください。  2といたしまして、公開に必要な公文書を意図的に廃棄するような事態を防ぐため、今後具体的にどのような対応をしていかれるでしょうか。  以上で大きい一つ目の質問といたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)公文書の管理に関連して、私に4点御質問をいただきました。  私も、社会人になってからずっと公務員として仕事をしております。公務員になり立てのころは、いわゆる文書事務の手引みたいなものを机の上に置いて、仕事をする上で常にそういうものを参照しながら、正確な、的確な文書をつくるということに努めてきました。そういう意味では、公務員の基本はこの文書の作成だという思いで仕事をしてまいりました。そういう観点で申し上げれば、国におけるさまざまな問題、報道を通じて承知している限りではありますが、決裁文書が改ざんされるといったようなことは決してあってはならないことだというふうに考えております。  県としては、公文書の適正管理の徹底を図っていくために、文書の整理、保管など文書事務の中心的役割を担う文書主任が各課におります。まずその職責を適切に果たすとともに、文書規程等の定めるルールが徹底されるよう取り組んでいきたいというふうに思っています。研修であったり、あるいは各部局にコンプライアンス委員会を設置しておりますので、そうしたところで徹底をしていきたいと思います。また、同時に、この現行のルールを徹底するということだけではなくて、将来に向けてどんな課題があるのかということもいま一度把握をしていく必要があるんじゃないかというふうに思っております。  そういう観点で、庁内的に徹底を図ると同時に、課題を出し合ってもらって、文書規程の見直しということも含めて、この際、公文書の作成や分類、整理、あるいは保管、こうしたことを含めて広くあり方を検討していきたいと考えております。  次に、公文書の改ざんを防止するために内部通報制度の有効活用や職員の意識向上を含めてどう対応するかという御質問でございます。  公文書の管理につきましては、決裁権者、あるいは先ほど申し上げた文書主任がそれぞれの役割をしっかり自覚して取り組んでいくということが重要だと思っております。毎年、文書主任を対象とした研修を実施しておりますし、また、6月を文書管理月間ということで位置づけて、全庁的に保存、廃棄の状況、あるいは保存区分の設定等についての確認、見直し等を行ってきているところでございます。先ほど申し上げたように、いま一度この公文書の適正管理については徹底を図っていきたいというふうに思っております。  また、内部通報制度につきましては、これはコンプライアンスの推進という観点から、弁護士のほか、コンプライアンス推進参与なども相談窓口といたします新しい相談提案制度、シグナルフラッグというものを昨年5月に設置しております。不適正な事務処理等が疑われる場合には、ぜひこうしたところでしっかりと情報提供してもらいたいということを職員に対して徹底をしていきたいというふうに思います。  それから、公文書管理条例を制定してはどうかという御提案でございます。  現在、長野県文書規程等に基づいて公文書管理を行っているところでございます。先ほど申し上げたように、この公文書管理のあり方は幅広く検討していく必要があるというふうに思っております。  議員御指摘のとおり、かつてと比べて、この公文書のあり方の情報公開等との兼ね合いもあり、非常に公共性も高くなってきている側面もあるのかなというふうに思いますが、どのような位置づけでこの公文書のあり方を位置づけて、どうしていくかということをこれからしっかり考えていきたいと思いますので、この公文書管理を条例化することが必要なのかどうかということも含めて検討を行っていきたいというふうに思います。  それから、電子決裁システムの利用率の向上についてということでございます。  この電子決裁の推進は、公文書管理の適正化、そして文書事務の効率化、こうした側面から積極的に取り組んでいかなければいけないというふうに思っております。  御指摘のとおり、本県は、まだまだ十分普及しているという状況ではありませんが、ただ、一昨年度から電子決裁等の利用促進の取り組みを強化してきております。平成27年度には残念ながら1%に満たなかった利用率を昨年度は10.3%まで引き上げてきております。所属によりましては利用率が8割を超えているというところもございますので、やってできなくはないかなというふうに思っております。そういう意味で、各部局にこの電子決裁システムの利用の趣旨について再度徹底して利用の促進を図っていきたいというふうに思っております。  ただ、他方で、利用に当たっては、例えばより職員にとって使いやすいシステムにするとか、あるいはサーバーの容量をもっとふやしていくといったようなシステム的な課題があるということも私ども認識をしております。  そういう意味で、今後、より職員にとって利用しやすい、そして文書の適正な管理に資する電子システムのあり方を検討して、できるだけ早期にそうしたシステムの導入を図っていきたいというふうに考えております。このことによりまして、さらにこの電子決裁システムの利用率の向上を図っていきたいというふうに思っております。  以上です。       〔総務部長関昇一郎君登壇〕 ◎総務部長(関昇一郎 君)文書管理と情報公開について順次お答えをいたします。  まず、保存期間の決定に関するチェック体制についてのお尋ねでございます。  公文書の保存期間については、文書規程において、永年保存など六つの保存区分を定め、あわせて具体的な文書の類型別に保存期間の基準を詳細に定めております。この文書規程で定める基準に当てはめ、各所属において、文書主任のチェックを受けながら公文書の保存期間を決定の上、文書管理システムにより作成する文書分類表に基づきそれぞれ責任を持って適正に公文書の保存を行っているところであります。  次に、公文書の廃棄の際のチェック体制についてのお尋ねでございます。  県庁または地域振興局等の現地機関の文書庫で保管されている公文書がその保存期間を経過した場合、情報公開・法務課など文書主管課と公文書を作成した各所属との協議の中で不用決定の判断を行い、廃棄の可否についてもチェックをしているところであります。また、協議の結果不用とされた公文書については、教育委員会と協議を行い、歴史的資料として選別されたものは県立歴史館に移管されることとなっております。  なお、日常的に使用する公文書として特例的に各所属において保管されているものについては、保存期間の満了以降、各所属の責任において不用決定を行った上で、教育委員会と歴史的資料の選別に関し同様の協議を行っているところであります。  次に、公文書の保存スペースの確保についてのお尋ねであります。  現在、永年保存の公文書を中心に約6万冊を地下の文書庫で保管をしており、年々保管冊数もふえてきていることから、将来的には収容能力の限界に達し、新たな公文書の受け入れができなくなることが予想されております。また、公文書を適切に分類、整理し、活用しやすい状態で管理するため、保管方法等の見直しを図っていくことも必要であると考えております。県庁及び現地機関の公文書の保管に関し、既存施設の活用も視野に入れながら、そのためのスペースの確保を検討してまいりたいと考えております。  次に、電子決裁システムの修正履歴の管理についてのお尋ねであります。  現行の文書管理システムにおいても、文書の決裁終了後に管理者権限を用いて文書の修正等を行った場合、修正が行われたことは確認できる仕組みとなっておりますが、修正日や修正箇所の確認は行うことができません。  先ほど知事から答弁がありましたように、現在、新たな文書管理システムの構築に向けた検討を始めておりますが、公文書の適正管理という観点からは、修正履歴をより詳細に確認できるシステムが望ましく、そうした仕組みも導入してまいりたいと考えております。  次に、附属機関等における会議の議事録の作成についてのお尋ねであります。  議事録の作成は、県民が会議における審議等の内容を正確に知る機会を確保するための重要な手段と認識しております。このため、本県では、審議会等の設置及び運営に関する指針を平成14年に制定し、審議または意見聴取等の経過を明確にするため、議事録を作成することとしております。平成30年4月1日現在、この指針の対象となる審議会等の総数は108ありますが、会議が行われている全ての審議会等において議事録の作成が行われていることを確認しております。知事部局はもとより、知事部局以外の行政委員会に対しても引き続き指針の周知を行い、適切な会議運営を通じて公正で透明な県政を推進してまいりたいと考えております。  次に、公文書公開請求に関連した公文書を破棄した事例についてのお尋ねでありますが、公開請求に際し、意図的に公文書を廃棄した事例は把握しておりません。  最後に、公開請求に関する今後の対応についてのお尋ねであります。  御質問のように、意図的に公文書を廃棄するような事態は、情報公開制度の趣旨を没却し、県民の信頼を損なう重大な問題と認識しております。  県においては、ただいま申し上げましたとおり意図的な廃棄の事例はありませんが、不適正な管理により公文書が誤って廃棄される事態の発生を防ぐため、先ほど知事から申し上げたように、公文書の適正管理の徹底に一層努めてまいりたいと考えております。  なお、職員による意図的な廃棄など不適正処理が発生した場合には、懲戒処分も含め厳正な対処をすべきものと考えております。  以上であります。       〔9番酒井茂君登壇〕 ◆9番(酒井茂 君)それぞれお答えをいただいたわけであります。  県においては適正な文書管理が行われているということでありますので、安心をしておりますし、今後、さらに適正なる文書管理をお願いしたいというふうに考えているところでございます。  いずれにしましても、文書の適正管理と情報公開の適正運用のためには、理事者みずからが高い規範意識を持つとともに職員を指導していかなければならないと考えるものでございます。公文書の不適切な管理あるいは情報公開制度の不適正な運用は、今回の国の例やさまざまな他団体の例を照らし合わせても、全くないとは言い切れない問題であり、今後はあらゆる防止策を講じていくべきだというふうに考えるわけであります。  そのためにも、先ほど質問いたしましたように、公文書管理条例というものを制定することが適当であるというふうに考えているところでございますので、改めてこれについての検討を要望いたしまして、次に大きい二つ目の暴力の追放についての質問に移りたいと思います。  まずは暴力団対策についての質問であります。  私たちにとりまして、安全で安心して暮らせる社会の実現が最も重要であります。暴力のない社会は私どもの切なる願いであります。暴力団による抗争事件が発生すれば、市民は大変不安な生活を送ることになるわけであります。  これまでの警察による取り締まりの成果もありまして、暴力団の構成員の数は年々減少傾向にありまして、この10年間で3分の2まで減少しているところでございます。また、暴力団による犯罪に対する検挙人数も減少傾向にあり、この10年で半減しているという実態があるわけであります。  暴力団対策法と並びまして、暴力団の活動を防止するために、長野県におきましては、平成23年に暴力団排除条例を制定し、また、県下の全ての市町村におきまして暴力団排除条例が制定されているところであります。  県の条例の第4条におきましては、県の責務といたしまして、青少年が暴力団に加入しないようにすること等のために必要な措置をとることとしておりますし、また、同条例の第13条におきましては、県は、暴力団が県民の生活及び事業者の事業活動に不当な影響を与える存在であること、これを認識するための教育等が行われるよう必要な措置を行うこととしておりますけれども、特に青少年に対する暴力団排除教育は極めて重要であると考えます。  内藤警察本部長は、警察庁や警視庁におきまして組織犯罪に関する仕事を経験され、いわゆる組織犯罪対策のプロであるとお聞きをしております。暴力団対策に係るその手腕に大いに期待するところであります。  ここで、警察本部長に、以下2点についてお聞きしたいと思います。  1といたしまして、暴力団の活動を抑止するための県の施策の現状と課題をどのように認識し、今度どのような施策を実施いたしますか。  2といたしまして、青少年が暴力団に加入せず、また暴力団による被害を受けないようにするため、暴力団排除教育など具体的にどのような施策を実施されるでしょうか。  次は、暴力追放長野県民大会についての質問であります。  ことし2月議会の定例会に、県の監査委員から、平成29年度財政援助団体等監査報告書が提出されたところであります。この中で、長野県暴力追放県民センターについての意見が付されたところであります。その意見は、暴力追放長野県民大会の開催地の選定に係るものでありまして、その内容は、県民大会が毎年度県下4地区の長野市、松本市、上田市、諏訪市を持ち回りで開催しているが、当センターの設立趣旨からして、4市に特定せず、多くの市町村において開催することが効果的と考えられるので、開催地の選定について検討をされたいという内容であります。  暴力追放長野県民大会は、長野県暴力追放県民センターの主催によりまして毎年度開催され、暴力のない安全で住みよい社会の実現のために大きな効果があると考えます。県民大会はこれまで27回も開催され、昨年度は900名の参加がありました。  一方、市のレベルにおきましては、伊那市、駒ケ根市、大町市などで独自の暴力追放大会が開催されており、成果を上げております。  私の地元伊那市におきましては、毎年度、暴力追放・地域安全市民大会が開催されております。大会を始めたきっかけは、昭和62年に市内にある暴力団組織の対立抗争事件と見られる拳銃発砲事件が市内の住宅地で発生したことによります。当時、暴力団により一般人を巻き込んだ事件が多く発生するようになっておりました。こうした中で、警察による強力な取り締まりの一方、市民一人一人が暴力追放意識を高める重要性が増し、警察、市民、行政が連携を密にして運動を行う必要性が生じ、昭和63年に第1回の大会を開催するに至りました。  大会終了後には、参加者全員で、暴力団を利用しない、暴力団を恐れない、暴力団に金を出さないの暴力団追放三ない運動のシュプレヒコールを行いながら市街地で市中行進を行っております。私たち県会議員もこれに参加をしているところでございます。  暴力追放大会の開催は、暴力団の組織拡大を防止し、暴力団員が絡む事件を防止するために大きな成果を上げることができるため、県下各市で独自の大会を開催することが望ましいと考えます。しかし、各市の暴力追放に関する意識には温度差があるのが現状であります。そのため、県警察がリーダーシップを発揮するよう期待をするところでございます。  そこで、以下2点につきまして警察本部長にお聞きをしたいと思います。  1といたしまして、暴力追放に関する県民意識を高めるために、県民大会の開催地を見直し、県下4市持ち回りではなく、例えば10の広域圏を持ち回りにすることを提案をいたしますが、いかがでしょうか。  2といたしまして、全県的に暴力団排除の取り組みを強化するため、少なくとも県下の全ての市で独自の暴力団追放大会が開催されますように提案をいたしますが、いかがでしょうか。  次は、特殊詐欺の防止についての質問であります。  県内では、特殊詐欺による被害が急増しており、県警察では3月19日に緊急メッセージを発表し、特殊詐欺撲滅に協力をと呼びかけました。また、県警におきましては、3月19日から3カ月間を対策強化期間とし、啓発活動などを行ってまいりました。特殊詐欺は暴力団の有力な資金源となっていることから、暴力団活動を抑止するためにも特殊詐欺を何としても減らしていかなければなりません。  そこで、以下2点について警察本部長にお聞きをしたいと思います。  1といたしまして、最近における特殊詐欺被害の状況をどのように分析されておりますでしょうか。  2といたしまして、特殊詐欺被害防止に関する県警の具体的な対策とその成果をどう評価し、今後に向けてどのような対策を実施していかれるでしょうか。  以上で二つ目の大きい質問といたします。       〔警察本部長内藤浩文君登壇〕 ◎警察本部長(内藤浩文 君)順次お答えいたします。  最初に、暴力団の活動を抑止するための施策についてでございますが、警察においては、暴力団の壊滅、弱体化に向け、暴力団組織に打撃を与える中枢幹部や資金獲得活動等に対する戦略的な取り締まり、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律及び長野県暴力団排除条例の適正かつ効果的な運用、社会全体での暴力団排除活動の推進の3本柱の対策を進めるとともに、暴力団との関係遮断表明者等に対する保護対策を徹底しており、特に、対立抗争に際しては、県民に危害が及ばないよう、情報収集、警戒活動及び取り締まりを強化するなどしているところであります。  最近の暴力団情勢は、昨年4月に指定暴力団神戸山口組において傘下組織の一部が任侠団体山口組、現在の任侠山口組でございますが、この結成を表明し、本年3月22日、兵庫県公安委員会により指定暴力団に指定されるなど、複雑、流動化しております。  県内においては、六代目山口組、神戸山口組及び任侠山口組の3団体が県内暴力団勢力全体の86.1%を占めており、依然として対立抗争等の不法事案の発生が懸念されるところであります。  警察といたしましては、引き続き対立抗争や不法事案を防圧するための取り締まりを初めとする3本柱の対策を推進して、県民の安全、安心の確保に努めていく所存でございます。  次に、青少年の暴力団への加入の防止及び暴力団からの被害の防止についてでございますが、青少年の暴力団への加入の防止及び暴力団からの被害の防止につきましては、長野県暴力団排除条例第4条第2項において県が青少年の健全な育成を図るために必要な措置を講ずるものと規定されております。  青少年は周りの影響を受けやすいとの特性があることから、暴力団の実態や反社会性を認識させることにより、暴力団に対する誤った認識を持たせないようにすることが暴力団への加入の防止や暴力団からの被害の防止には極めて重要であると考えております。  警察におきましては、青少年が暴力団の実態や反社会性及び暴力団犯罪の特徴を認識できるよう、非行防止教室における啓発、非行防止教室の講師等を対象とした研修の実施、少年相談窓口の周知などを図っているほか、子ども・若者育成支援推進本部へ参画し、県及び教育委員会と連携した青少年健全育成活動を通じて暴力団への加入の防止及び暴力団からの被害の防止に努めているところでございます。  また、指定暴力団員が少年に対して暴力団への加入を強要した場合は、暴力団対策法の規定に基づく中止命令等を速やかに発出し、少年の暴力団への加入や被害の防止に努めているところでございます。  今後も、青少年が暴力団に加入することなく、また、暴力団からの被害を防止するため、県及び教育委員会と緊密に連携を図り、暴力団の実態や反社会性、暴力団犯罪の特徴等を青少年が正しく認識できるよう非行防止教室における広報啓発活動等を継続して推進してまいります。  次に、暴力追放長野県民大会の開催地についてでございますが、暴力追放長野県民大会は、県民の暴力追放意識のさらなる高揚を図り、暴力団がいない安全で住みよい長野県をつくることを目的として、長野県暴力追放県民センターが設立された平成3年以降、同センター、長野県弁護士会、長野県、長野県警察及び開催地の自治体が共同して年1回開催しているもので、大会の開催地は、北信、東信、南信、中信の各地区持ち回りで、昨年までに27回開催しております。  大会の開催地については、これまで、長野市、上田市、諏訪市及び松本市の持ち回りとなっておりましたが、議員御指摘のとおり、長野県監査委員による同センターに対する昨年度の財政援助団体等監査において、4市に特定せず、多くの市町村での開催を検討していただきたい旨の意見をいただいていると承知しております。  今後は、監査委員からの意見を踏まえ、共催者である同センター、長野県弁護士会、長野県及び自治体の意向等も勘案しながら大会の開催地について検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、自治体独自の暴力追放大会の開催についてでございますが、現在、県下の数市町村で、暴力追放大会や、地域の安全、安心を図る趣旨から安全大会と銘打って暴力団排除も掲げた住民大会を開催していることを承知しております。自治体が独自で暴力追放大会を開催することは、県民の暴力団排除意識の高揚を図り、安全で住みよい社会をつくるため、また社会全体での暴力団排除を推進するためにも有効な施策であると考えております。
     警察では、長野県暴力追放県民センターと連携して、自治体からの要望に応じ、このような大会に講師を派遣したり、資料の提供を行うなど、協力、支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、特殊詐欺抑止対策についてでございますが、最初に、県下における特殊詐欺の発生状況は、本年6月18日までの速報値で、認知件数は75件、被害額は1億7,473万円余りとなっております。前年同期と比較しますと、認知件数は40件減少、マイナス34.8%としたものの、被害額は3,547万円余りの増加、これはプラス25.5%であります。  特徴といたしましては、おれおれ詐欺の認知件数が37件で前年同期比で3件増加しております。これはプラス8.8%でございます。これで全体の約半数を占めておりますが、被害額は5,070万円で、574万円、10.2%の減少であります。それから、架空請求詐欺の認知件数が29件で前年同期比で12件、29.3%減少しておりますが、全体の約4割を占めておりまして、被害額につきましては1億1,024万円余りで、7,909万円、253.9%増加しているといったことが挙げられるところでございます。  なお、架空請求詐欺の被害額が大幅に増加している要因といたしましては、複数回にわたり現金をだまし取られ、被害額が1,000万円を超える被害が5件あるといったことが挙げられます。  次に、特殊詐欺被害防止のための対策と効果についてでございますが、警察では、関係機関・団体等のあらゆるネットワークを活用した先制、予防的活動の推進、高齢者等の抵抗力のさらなる向上、金融機関、コンビニエンスストア等と連携した水際対策のさらなる強化を柱とした被害防止対策を推進してきたところ、県内では、ことしに入りまして、いわゆるおれおれ詐欺や架空請求詐欺の被害が多発し、2月末において認知件数が7件増加して28件、被害額が1,580万円余り増加して4,492万円余りと、前年同期比で大幅に増加している状況でございました。  その特徴として、おれおれ詐欺では、全て65歳以上の高齢者の被害であって、親族や警察官等をかたり現金やキャッシュカードをだまし取る手口が約9割を占めていること、架空請求詐欺では、メールやはがきにより実在するサイトをかたり、利用料金を請求し、電話をかけさせる手口が約8割を占めていること、さらには、高齢者の被害は、全て自宅の固定電話にかかってきた電話に出るか、みずから電話をかけたことによるものであることなどが挙げられます。  これらの状況を踏まえまして、3月19日に、本職から県民の皆様に対しまして、特殊詐欺被害多発に伴う緊急メッセージを発信して、おおむね3カ月を目途に緊急対策を推進してまいりました。  緊急対策では、主な取り組みとして、「もうだまされないぞ!特殊詐欺」を合い言葉として、特殊詐欺被害撲滅三ない運動プラスワン、渡さない、払わない、電話に出ない、そして振り込ませないの周知、高齢者世帯を対象として、常時留守番電話設定や電話をかけないことを推奨する集中的な防犯指導、これは、県下の11万4,168件に対し実施しております。市町村に対する特殊詐欺対策用機器の無償貸し出しや購入補助金制度の導入の働きかけ、店舗外ATMの設置場所への音声による注意喚起用機器の設置等の水際対策などを行っております。  緊急対策期間中に発生した特殊詐欺の認知件数でございますけれども、31件でございまして、前年の同期間中の認知件数と比較しますと44件の減少、58.7%の減少になります。被害額は1,702万円、25.3%減少しまして5,015万円余りとさせることができましたので、一定の効果があったものと考えているところでございます。  最後に、今後の被害防止対策についてでございますが、緊急対策に取り組む中で、課題といたしまして、対策期間中に発生した高齢者の被害のうち、防犯指導が行われておらず、犯人からの電話に出てしまったり、電話をかけたことによるものが依然として9割を超えていることなどが確認されているところでございます。  このような状況を踏まえまして、今後の対策といたしまして、特殊詐欺被害撲滅三ない運動プラスワンのさらなる周知、常時留守番電話設定等を推奨する防犯指導及び金融機関等と連携した水際対策の推進、電話やはがきなどでお金などを要求されたときはまず警察や家族に相談することの周知徹底などにより、特殊詐欺被害のさらなる抑止を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔9番酒井茂君登壇〕 ◆9番(酒井茂 君)特殊詐欺の防止についてはさまざまな積極的な対策を講じていただいております。それなりの効果も上がっておりますが、相手もそれを上回るようなスピードで新たな手口を講じてくるというようなこともございますので、引き続きそうした積極的な防止策を講じていただくようにお願いしたいと思いますし、また、暴力追放の県民大会につきましては、今お答えいただきましたように、前向きに、できるだけ広範囲な市町村を対象に開催できますように御検討をいただきたいというふうに思っております。  次に、大きい三つ目の県営春近発電所の大規模改修についての質問に入りたいと思います。この問題につきましては、私は昨年11月の県議会定例会で一般質問を行ったところであります。  この発電所は、三峰川総合開発事業の一環といたしまして昭和33年に伊那市に建設されたものでございまして、県営発電所では最大規模のものでございます。発電開始から60年が経過し、老朽化が進みまして、大規模改修が必要となっている状況にあるわけであります。  企業局におきましては、改修に係る費用負担を軽減し、地域の活性化を図るために民間資金を活用して社会資本を整備する、いわゆるPFIの活用を検討してきたところでございます。これを受けまして、昨年度は、PFI活用の確実性などを検証するために基本構想の策定作業を行ったところであります。  このたび、この策定作業が終了いたしまして、6月18日に開催されました公営企業経営審議会におきましてその結果が公表されたところであります。それによりますと、企業局直営で実施するほうがPFIに比べてより利益が大きいことが明らかになりました。これを受けまして、事業は企業局が直営で実施することとし、プロポーザル方式による入札を実施することが審議会で承認されたとお聞きしているところでございます。  私は、一般質問の中で、PFIにつきましては、失敗事例も報告されていることから、慎重に検討すべきことを指摘したところであり、直営方式による事業の実施については適切な判断ではないかと考えるところでございます。  そこで、以下2点について公営企業管理者に質問をいたしたいと思います。  1といたしまして、昨年11月定例会の私の一般質問に対する前任者の公営企業管理者、この方からの答弁内容からいたしますと、今回、方向転換をしたものと受け取れますけれども、大規模改修の具体的な方向性やその理由、また、今後の具体的なスケジュールをどのように想定しておられるでしょうか。  2といたしまして、発電事業にとって有利な固定価格買い取り制度は、2020年度までに申請することを要するわけでありますが、企業局がこれまで開発を予定していない水力発電施設につきましてもこの制度を活用することを提案いたしますが、いかがでしょうか。  以上で大きい三つ目の質問といたします。       〔公営企業管理者小林透君登壇〕 ◎公営企業管理者(小林透 君)春近発電所の大規模改修につきましての御質問に順次お答えをいたします。  まず、大規模改修の具体的な方向性やその理由、今後の具体的なスケジュール等についてでございますが、議員御指摘のとおり、そもそも、県企業局は電気事業からスタートいたしましたが、具体的には、三峰川総合開発事業による美和・春近発電所の建設事業に始まり、以来60年間、豊かな水資源を活用することによりクリーンエネルギーを確保してまいりました。  そうした企業局の中核をなす春近発電所の大規模改修に当たっては、多額の建設費用を要することなどから、企業局の安定経営に加えまして地域経済への波及効果にも寄与できる整備方法を検討してまいりました。その中で、PFI活用の可能性を有するとの2015年度の内閣府の調査結果を受け、昨年度はPFI基本構想の策定に向け、改修の範囲や管理体制のあり方、売電収入の見込みなどについて外部のシンクタンクに調査を委託し、その結果が本年3月に得られたところでございます。  この調査結果といたしましては、PFIを活用した場合は、地域の経済活性化や雇用創出等に一定の効果が見込めるものの、発電という事業の性格上、経済波及効果については大差がないとされ、またその一方で、企業局が実施する場合は20年間の総利益がPFIと比べて約47億円増加するというものでございました。  これらを踏まえまして、企業局としても、検討を重ねた上で、過日開催しました長野県公営企業経営審議会には、企業局が直接実施することとし、その事業者選定に当たっては、地元調達率の向上や民間ノウハウの活用が可能なプロポーザル方式を採用することを案としてお諮りをいたしました。  審議会において、この案に対しまして、企業局の経営状況や技術力を踏まえれば、企業局において実施し、現行の固定価格買い取り制度の適用により収入の確保を図るべき、あるいは地元調達率の向上や民間ノウハウの活用が見込まれるプロポーザル方式を採用すべきなど、御出席の全議員から賛同する御意見をいただいたところでございます。  今後のスケジュールといたしましては、本定例会における御議論などをいただいた上で、速やかに春近発電所の大規模改修の整備手法を最終的に決定し、2020年度までに現行の固定価格買い取り制度の適用を受けられるよう早急に手続を進めることにより、2024年度中の運転開始を目指して事業の進捗を図ってまいりたいと考えているところでございます。  次に、企業局がこれまで開発を予定していない水力発電建設への固定価格買い取り制度の活用についてでございますが、議員御指摘のとおり、現行の固定価格買い取り制度は、法の規定により2020年度末までに制度の抜本的な見直しを行うものとされているところでございます。  この制度による買い取り価格は政府が2020年度まで決定してございますが、その価格動向は全体として低下傾向にあることから、現行制度の期限内により多くの発電所において制度の活用を図るべきものと考え、現在、西天竜発電所の大規模改修に加え、新たに県営の横川ダム、箕輪ダム、片桐ダムへの発電所の整備に着手をしているところでございます。  こうした新規発電所の整備には、地元など多くの関係者の皆様の御理解、御協力が不可欠であることに加え、水利権等の調整が必要な場合や、河川の流量データ等に基づく採算性の分析を実施するためには相当な時間が必要となります。このため、企業局といたしましては、知事部局の協力も得て、新たに関係部局横断によるプロジェクトチームを設置するとともに、地域の状況の把握や権利の調整などにおいて市町村等にも御協力をお願いしながら、現行制度の活用を目指して新規発電所の整備を加速してまいりたいと考えております。  こうした取り組みによりまして、本県の有する水資源を最大限に活用し、再生可能エネルギーの供給拡大の一翼を担うとともに、得られた利益を活用し、地域の発展に貢献してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔9番酒井茂君登壇〕 ◆9番(酒井茂 君)この春近発電所につきましては、PFIであろうとも直営であろうとも、当時、水に関するトラブルが大きい地元に対する補償を確約をしているわけでありますので、引き続きこの水に関する地元補償というものをしっかり履行するようにお願いをしたいと思います。  また、このエネルギーの活用については、長野県が目指す環境日本一県、これに合致するものでありますから、しっかりとした取り組みをしていただくことが望ましいかというふうに考えているわけであります。その上で、ここで生じた利益については、県におきますさまざまな事業の財源として大いに活用するということを望むものでございます。  私は、今回、文書管理を中心に質問をいたしたわけでありますけれども、国におきますこの関係文書をめぐっての虚偽答弁というものが大きな問題となり、国民の皆さんが非常に注目されているという状況であります。県においては適切な管理をしているということでありますので、引き続き、国政の状況を他山の石として適正な県政運営が行われるよう願い、以上で全ての質問を終わりといたします。 ○副議長(小林東一郎 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時29分休憩          ──────────────────         午後2時45分開議 ○議長(鈴木清 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  荒井武志議員。       〔10番荒井武志君登壇〕 ◆10番(荒井武志 君)皆さん、こんにちは。県議会議員の荒井と申します。よろしくお願いします。このように、祝辞等の際にはできるだけ手話を交え挨拶をしてまいりました。  初めに、手話言語条例の具現化についてであります。  平成28年3月、聴覚障害者を初めとする関係者の大きな期待の中、長野県手話言語条例が可決、制定され、2年余りが経過しましたが、この間、条例が目指す共生社会の実現に向けて、手話や聾者に対する理解促進、手話の普及等に各種の取り組みを行ってこられたものと承知をしております。  一方で、昨年の年末には、長野県聴覚障害者協会ほか5団体との懇談会が持たれ、8項目の要望が出され、とりわけ、手話に関しましては、県設置の手話通訳者の増員、正規化、地域における手話を通じた交流事業の継続や事業内容の見直し、圏域各地域の障害者相談支援センターへの手話通訳者の設置など強い要望が出されました。  このような状況のもと、手話言語条例関連事業として、手話に対する理解促進、手話の普及、手話を使いやすい環境の整備、相談体制の整備、生活支援などとして総額7,400万円余りが予算化されましたが、昨年度を100万円余り下回っている状況であります。  そこで、健康福祉部長に伺います。  一つは、先ほど申し上げた各種施策ごとに現状と課題はどうか。手話言語の認知度を含め、お答えください。  二つに、条例制定後の2年間を振り返り、何がどのように向上したと捉えておられるでしょうか。また、今後どのような点に力点を置いて取り組もうとお考えでしょうか。  以上、質問いたします。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)手話言語条例の具現化について2点御質問をいただきました。  まず初めに、各種手話施策の現状と課題、手話言語の認知度についてのお尋ねであります。  条例制定後の5年間は、手話及び聾者の理解促進、手話の普及に特に重点を置いて取り組んでいるところです。昨年9月に行った県政モニターアンケートの調査結果では、手話言語に関する認知度は9割を超えており、高い水準で浸透してきていると考えております。  これまでの取り組みとして、手話に対する理解促進に向けては、手話ガイドブックの配布のほか、プロスポーツを活用した手話応援、信州山の日の登山などのイベントを通じて聾者に対する理解促進に取り組んでまいりましたが、今後は参加者の裾野を広げていく必要があると考えております。  また、手話の普及に関しましては、初級レベルの習得を目指した県民向け手話講座を、多くの方が参加しやすいよう、休日や夜間、また役場、公民館等で開催しており、昨年度は600名を超える方に参加いただいております。事業を継続するとともに、参加者のレベルアップの支援や、特に意欲のある方を手話通訳者につなげていく取り組みも検討していく必要があると考えております。  県内の手話通訳者については、ことしは161名の方に登録いただいておりますが、高齢化が進行し、5年前に比べ約1割減少していることから、早期に人材の養成に取り組む必要があると考えております。  相談体制の整備、生活支援については、高齢化やニーズの変化に合わせ、実施内容の改善を図っております。引き続き関係者の皆様と連携し、手話及び聾者の理解促進、手話の普及に取り組んでまいります。  次に、手話言語条例2年間の成果と今後の力点施策についてであります。  条例制定2年間で、手話及び聾者の理解促進、手話の普及に取り組んできており、手話に関する関心は着実に高まってきていると実感しており、この関心の高まりを手話の理解や習得につなげていく必要があると感じているところであります。  多くの方が手話を学び、習得する行動をとるためには、その動機づけが必要であり、その方法としては、聾者の方と接し、交流していただくことが効果的ではないかと考えております。そのため、今年度から、聾者とそれ以外の者が交流する機会を県が提供するお出かけ手話講座を新たに開催し、若い世代を中心に交流を促進することとしております。  手話の普及には近道はないことから、着実な取り組みを続けていくとともに、関係者とも連携してさまざまな手法も取り入れて普及に努めてまいります。  以上であります。       〔10番荒井武志君登壇〕 ◆10番(荒井武志 君)次に、昨年12月22日に新潟県で、ことしの2月16日には石川県で、3月16日には福井県で、3月23日には富山県で相次いで手話言語条例が成立し、いずれも、4月1日に施行されました。これまでに、ブロック内の全県で条例が成立したのは東海と北信越だけとお聞きしております。市や町の条例は、北信越域内で11の市、一つの町で成立しているとのことであります。  北信越ろうあ連盟の代表である石倉義則さんは、長野県聴覚障害者協会の会報誌「ろうあ信州」に寄せ、長野県にはこれまで2年間の経験、実績があります。北信越の私たちは条例先行地長野県の取り組みに学び、ともに高め合い、助け合い、そして新しい時代を切り開いていきたいと思いますと思いのたけをつづっておられました。  また、手話を広める知事の会が設立されていますが、阿部知事は副会長職にあり、去る4月25日には東京で総会が開催され、知事には所用があり中島副知事が出席されたと伺いました。総会の概要や様子はつぶさに知事に伝えられていることと存じます。  そこで、知事に伺います。  一つは、北信越ブロック全県が条例化されたことを踏まえ、長野県が先導役を果たしつつ、行政的にも各県と緊密に連携、連絡を図り、改善策の向上に向けて取り組むべきと考えるが、いかがでしょうか。  二つに、手話を広める知事の会について、その目指している方向性はどのようなものでしょうか。県はどのように呼応し、どのような施策を推進しようとしておられるのでしょうか。  次に、国際手話についてであります。  東京オリンピック・パラリンピックが2年後に迫る中、私が手話で挨拶をすると、手話はわかるけれども、国際的に通用する手話はどうなっているのと何人かから聞かれました。それはあるよと答えたものの、詳しいことは承知していませんでした。後に調べると、国際手話として取り組まれていることがわかりました。  そこで、健康福祉部長に伺います。  インバウンドを積極的に取り組んでいる本県にとって、国際手話の理解は重要であり、これを普及、活用していくべきと考えるが、いかがでしょうか。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)荒井議員の御質問に順次お答えします。  まず、北信越ブロックでの先導役としての取り組みについてという御質問であります。  北信越ブロックでの手話言語条例の制定につきましては、平成28年3月に本県が制定して以来、平成29年の12月に新潟県、そして本年の4月に石川、福井、富山県で施行されております。県議会の皆様方の御支援、御理解を得ながら、長野県がこの北信越ブロックでの手話言語条例制定の先駆けという形になったこと、大変うれしく、ありがたく思っておりますし、と同時に、その責任をしっかり果たしていくということが重要だと思っております。  長野県として、これまでも、手話ガイドブックの作成であったり、あるいは市町村の職員向けの手話講座の開催であったり、こうしたことに取り組んできております。昨年の10月に飯山市で開催されました北信越ろうあ者大会におきましても、県としてもブースを出して、県の取り組みを参加された聾者の皆様方にもアピールをさせていただいているところであります。こうした取り組みをしっかりと発信して、北信越全体の取り組みが相互に刺激をし合いながら発展できるように取り組んでいきたいというふうに思っております。  それから、手話を広める知事の会の目指す方向性と、本県はどう呼応するかという御質問でございます。  この知事の会は、手話の普及を図り、聴覚障害者の自立と社会参加の実現を目指すということとあわせて、手話言語法、仮称でありますけれども、この制定を国に求めていこうというものでございます。  長野県は、都道府県レベルでは4番目にこの手話言語条例を制定した県であります。と同時に、条例を制定しただけではなくて、山の日と連動させて信州の山の魅力を活用しての聾者の皆さんとの交流イベントであったり、あるいは手話でJリーグ松本山雅を応援する取り組みであったり、また、私ども県庁の中でも部局長会議におけるミニ手話講座を行うなど、全国的にも先駆的な取り組みをさまざま行ってきているというふうに自負をしております。こうした取り組みを昨年の知事の会のフォーラムにおいても報告をして、全国にも発信をさせていただいたところであります。  手話の普及は、これからも着実に行っていく必要がございます。長野県聴覚障害者協会の皆様方の思いも随時お伺いをさせていただきながら、国を動かし、この手話がさらに普及するように、そして手話言語法が制定されるように取り組んでいきたいというふうに考えております。  以上です。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)国際手話の普及、活用についてお尋ねをいただきました。  日本で使われている手話は日本の文化をもとに成り立っており、言語と同様、国によって手話も違っております。一方で、聾者の世界的な交流の場、世界ろう者会議や、聾者のスポーツ大会デフリンピックなど世界各地から聾者が参加する機会では、世界共通語として国際手話が使われているとともに、2020年東京オリンピック・パラリンピックでも国際手話の活用が予定されております。  現在、県内では、従来からなれ親しんだ手話が活用され、国際手話の活用は進んでいないところであります。国際化の時代に合わせ、外国聾者の受け入れ、国際的な会議や交流の機会がふえ、国際手話への対応も必要になると考えられることから、関係者や関係団体と連携して国際手話の普及や活用について検討してまいります。  以上であります。       〔10番荒井武志君登壇〕 ◆10番(荒井武志 君)手話に関連し、それぞれ答弁いただきました。  手話は言語であるとの認識のもと、県、県民、聾者、手話通訳者、聾者が通う学校の設置者、事業者のそれぞれの役割、あるいは市町村との連携協力が明記されているところでありまして、県民の手話及び聾者に対する理解の促進のためにそれぞれが精いっぱいの努力を引き続きいただけますよう強く願うものでございます。  また、昨年の2月定例会で一般質問をいたしました情報保障・コミュニケーション条例の制定要望についてでありますが、平成27年に設置された研究会で条例の制定を含めた施策について検討されていると伺っております。そろそろ方向性を出す時期ではないかと申し上げ、次の質問に移ります。
     次に、県有財産の有効活用についてであります。  急速な少子・高齢化や人口減少社会の進展、到来によって、県民ニーズが複雑、多様化し、新たな財政需要も見込まれるところであり、県有財産の総量縮小や有効活用が非常に重要になっていると私も認識しているところであります。  県では、平成23年から長野県ファシリティマネジメント基本方針を策定し、県有財産の利活用や施設の長寿命化などに取り組んでこられましたが、この間、国から公共施設等総合管理計画や施設ごとに個別施設計画の策定を要請されていることから、これまでの基本方針に加え、国の示す項目を追加する形で、昨年3月、長野県ファシリティマネジメント基本計画を新たに作成し、活用を図るべく取り組んでいると承知しています。  その基本方針では、県有財産の総量縮小、県有財産の有効活用、県有施設の長寿命化、県有施設の省エネ化などによる維持管理の適正化とし、具体的な取り組み方針を定め、財産の利活用の推進を図っておられるところであります。  とりわけ、換金可能な取り組みとして、県有財産の総量縮小では、未利用県有地の売却推進や県有施設の市町村や民間への譲渡、移管に取り組むとともに、県有財産の有効活用では、貸し付け制度の活用や遊休施設、空きスペースを活用する仕組みの構築、集約化や廃止を進める施設などがあろうかと思います。  そこで、総務部長に伺います。  一つに、長野県ファシリティマネジメント基本計画において、基本方針に基づくこれまでの主な取り組みとして平成27年度までの状況が明らかにされておりますけれども、基本方針中の平成28年度及び基本計画を定めてからの平成29年度の状況はそれぞれどのようになっているのでしょうか。実態がどうであったのか伺います。  二つに、ファシリティマネジメントの今後への課題にはどのようなものがあるとお考えでしょうか。  三つに、未利用県有財産の現状及び集約化や廃止を進めることで今後発生する見込み数量並びにそれらの換金見込み額をどのように把握しておられるでしょうか。  知事には、ファシリティマネジメント基本計画によって県有財産の総合的な利活用の推進を図っていくことについて、計画決定時においては、資源や資産をどうやって有効に使っていくのか、もっと有効に使えないのか、使う予定がないならどうしたらよいのか等々さまざまな思いがあったのではないかと拝察するところであります。県有財産の総合的な利活用の推進を図ることについて御所見を披瀝いただきたいと思います。       〔総務部長関昇一郎君登壇〕 ◎総務部長(関昇一郎 君)県有財産の有効活用について3点御質問いただきました。  1点目のファシリティマネジメントの平成28、29年度の実施状況についてのお尋ねでございます。  方針の一つ目、県有財産の総量縮小については、施設の有効活用、転用、集約化計画の策定に向けた施設アセスメントを実施しております。また、未利用県有地については48件、7億709万円余を売却したところであります。県有施設の市町村への譲渡、移管については、須坂青年の家や伊那運動公園野球場など9件行いました。  方針の二つ目、県有財産の有効活用については、新たに3件の太陽光発電用の屋根貸しを行うとともに、職員宿舎の管理戸数適正化や共同利用の推進に取り組んでおります。  方針の三つ目、県有施設の長寿命化については、県有施設の修繕・改修工事の優先度評価と中長期修繕・改修計画の策定に取り組んでおります。  方針の四つ目、維持管理の適正化については、比較分析が可能な168施設において、他施設と比べて面積当たりの光熱水費を比較するベンチマーキングを行うとともに、課題がある施設に対して改善策を提案し、維持管理費の適正化に取り組んでおります。  2点目のファシリティマネジメントの今後への課題についてのお尋ねであります。  県が保有する施設は平成29年度末現在で約1,500施設あり、土地面積が約1,568万平方メートル、建物延べ床面積が約369万平方メートルと膨大な量となっておりまして、人口減少社会の到来に向け、県有財産の総量縮小や有効活用など積極的な取り組みを推進する必要があります。また、計画的な保全措置により長寿命化を進めるため、平成32年度末までに中長期修繕・改修計画を策定することとしております。  しかしながら、これら県有施設の半数以上が建築後30年以上経過するなど老朽化が進んでいることから、建てかえ時期を迎える施設の更新や長寿命化、耐震化、そして環境問題への対応などが課題となっております。また、こうした対応のために見込まれる修繕・改修費などが大きな負担となることが確実な状況であり、財政支出の軽減及び平準化、そのための財源確保などが必要と考えております。  最後に、未利用県有地の現状と処分見込みについてのお尋ねであります。  県では、本来の使用目的を終えた県有財産で再活用の見込みがない土地や建物について、未利用県有地として一般競争入札等により売却を進めているところであります。  未利用県有地の現状ですが、平成30年5月末現在で154カ所、面積にして18万平方メートル余となっておりますが、1件ずつについて時価評価が必要なことから、現時点でその売却価格の総額を推計することは困難であります。  また、平成25年度に策定した職員宿舎管理戸数適正化計画に基づく職員宿舎の適正化や、その他の県有施設の廃止等により、今後も未利用県有地の増加が見込まれるところであります。  なお、本年度は、未利用県有地のうち56カ所、面積にして4万5,000平方メートル余の新規物件を処分対象とすることを予定しておりまして、既存の売却物件と合わせ1億8,000万円余の売却収入を見込んでおります。  以上であります。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)県有財産の総合的な利活用の推進についての所見という御質問でございます。  荒井議員の御質問の中にさまざまな思いということで御引用いただきましたけれども、このファシリティマネジメント基本計画決定時の部局長会議における私の発言を捉えていただいての御質問だというふうに思います。  私の思いは大きく二つございます。  一つは、やはり私ども職員全体の問題意識をしっかり持つということだと思います。県有財産は、もとより県民の皆様方共有の財産でありますので、私どもそれを管理する立場としては、やはり無駄になっていないかとか、もっと有効に活用する余地はないかとか、常にそうした意識を持つということが大事だというふうに思っております。これは、財産管理者、あるいは各部局長にもこうした考え方、感覚を持ってほしいということをお願いしました。  それから、もう1点は仕組み。例えば、各部でどういう方向で処理すればいいかというのはなかなか決めかねるところもあると思いますので、総務部を中心として、活用の方針であったり、問題の共有であったり、こうしたことをしっかり行って、的確な対応方針を定めていくということが重要だと思います。そういう意味では、有効活用するための仕組みをつくっていく。この意識と仕組みの両面が重要だということをその際には発言をさせていただいたところでございます。  県有財産については、その有効活用であったり、あるいは縮小であったり、統合であったり、こうしたことがこれからますます重要なテーマになってまいります。関係部局がしっかり連携し、問題意識を共有すると同時に、市町村や関係団体とも同じ方向性を共有する中で、この県有財産を最大限有効に活用する方策を進めていきたいと思っております。  このファシリティマネジメント基本計画で定めた総量縮小、有効活用、そして長寿命化と維持管理の適正化、このことを常に肝に銘じてしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。  以上でございます。       〔10番荒井武志君登壇〕 ◆10番(荒井武志 君)ただいまの未利用財産の状況ですが、相当な面積があり積算が困難だというお話がありました。ただ、財政がますます逼迫してくる、そういう中にあって、やはりわずかであってもこれをしっかり活用すべきだと、こういうように思うわけであります。ぜひその点も踏まえて努力をいただきたいと、こう思います。  そして、職員の意識をしっかり持つ仕組みをつくっていく、こういうことについてもやっていただきたいと、こういうことを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。  ありがとうございました。 ○議長(鈴木清 君)次に、百瀬智之議員。       〔5番百瀬智之君登壇〕 ◆5番(百瀬智之 君)今回は、大学生活をテーマに、計4点お伺いいたします。  昨年信州大学が行った信州大学松本キャンパス大学生活アンケート2017の結果によると、環境や文化芸術、観光、医療などおおむね全ての分野で、調査対象となった計506名の信州大学生が、満足、やや満足と回答したものの、交通については、やや不満、不満を示す学生の割合が約8割を占め、同様の結果はその他の調査でも明らかとなっています。  具体的に何に対して不満を持っているかは、道路の舗装状態が悪い、混雑している、街灯が少ないなど多数ある中、特にバスの到着時刻については、時々ずれる、かなりの頻度でずれていると回答した者が多数を占め、実に85%以上の回答者が不満に思っている結果となりました。  この課題に対して、今、地方のバス会社は、グーグルマップ上でバス停位置や時刻表を検索できるようシステム整備に努めており、青森市営バスなどはこの4月1日からグーグルマップでの経路検索に対応することとなりました。  例えば、グーグルマップで青森駅から青森県庁までの間、約850メートルを経路検索すると、今その時間だと青森駅からはこのようなバスが出ていて、県庁前でおりると、徒歩12分かかるところが6分で済みますよというような情報が一目でわかるようになっています。  対して、長野県はどういう状況かというと、長野駅から長野県庁までの1.2キロメートルを経路検索すると、県道32号線経由で徒歩15分かかりますと出て、バス情報は一切出てこないわけです。  グーグルマップでのバス情報は、都市部を中心とする一部のバス事業者は対応しているものの、地方のバスの多くはまだまだ対応していません。しかし、行動分析サービスを提供するニールセンデジタルが昨年行った調査では、2017年に日本でグーグルマップのアプリを利用した人は月平均で約3,300万人と見積もられ、バス利用者増を狙って青森市初め各地で動きが出始め、今後は地方でも対応が進むことが予想されます。  大学生はもとより、市民や観光客含めてバスユーザーに適時適切な情報を提供することは公共交通充実の観点からも重要と考えますが、本県の路線バスのグーグルマップ対応についていかに考えるか、企画振興部長に伺います。  あわせて、県では、今年度の新規事業として、信州ナビを活用したバスの見える化等促進事業が始まっています。システム構築等費用約4,700万円、今年度予算約1,600万円がさきの議会で可決されました。  この事業の最大の問題点は、県公式アプリ信州ナビの知名度が極端に低いことで、アプリのレビュー件数などは片手で数えるほどしか出てこないのは大変気がかりです。各地でグーグルマップ対応の動きが強まる中、当事業の実効性は慎重に見きわめるべきではないでしょうか。 事業の進捗と今後の見通しについて企画振興部長に伺います。  さて、本題に入ってまいりますが、交通を初めとする日々の生活環境や授業料、奨学金の問題など、大学生にまつわる課題は幾つかありますが、自分の興味、関心に沿った授業内容が目の前で展開され、あるいは知的好奇心を鼓舞し、学生の将来の可能性を大いに広げるカリキュラムが組まれているかどうかは、学業を本分とする学生にとって本来最大の関心事です。  ことしの4月、立命館大学に食マネジメント学部が新設されました。「食」は食べる食のことですが、何でもこの学部、日本では初の食に関する総合研究の学部だそうで、食に関する事柄を人文科学、社会科学、自然科学の三つに分け、これを総合的に研究する学問が食科学であるとしています。もっと平たく言うと、食の分野の教育は、調理方法や栄養学などのホスピタリティーを中心に学ぶ学校が多いところ、ここでは、ベースはあくまで学問として、そして食は毎日の生活や健康のみならず、政治、経済、環境、エネルギー、また資本主義のからくりや格差貧困といった問題とつながっていることから、食の世界全てを複眼的な視野を持って幅広く思考できるよう、体系的にカリキュラムが組まれているということだと思います。  先日、イタリア食科学大学に留学している女子大生のお話を偶然聞く機会がありました。このイタリア食科学大学は立命館の学部と連携協定を締結しており、というか、こちらのほうが本家本元なのですが、約15年前にスローフード協会の創設者と二つの州の協力で生まれた食科学を専門とする世界で初めての大学です。  スローフードとはファストフードに対して唱えられた考え方で、その土地の伝統的な食文化や食材を見直す運動を指します。何でも、1980年代半ば、ローマの名所の一つであるスペイン広場にマクドナルドが開店したことで、ファストフードにイタリアの食文化が食いつぶされるという危機感が生じ、その運動の空気感が醸成されたといいます。  それらの思いをもとにつくられたこの大学は、学生に対しては食にまつわる全ての知識を提供し、また、積極的な国内外の体験プログラムを用意すると同時に、スローフードの理念の伝達や地元農産物の販路開拓、食を通じた地域振興、健康食品や伝統食の継承、生物多様性の維持などを伝授することにも余念がないようで、私の主観ではありますが、それらは、食を媒体にした大きな地元愛とファストフードに対抗するスローフードの世界観に支えられているように思いました。それらに裏打ちされた食にまつわるものを何でも学べますというシンプルなメッセージが、実に日本初め世界中から人を集めているわけです。  私の話した留学生は、10代のころは日本の高校になじめなかったとのことでした。加えて、決して裕福ではない家庭環境であったりとさまざまな苦労をされたようですが、今は忙しいけれども充実した日々を送っているとのことで、大学生活で何が楽しいかという問いかけに、授業に学びがいがあって楽しいですというストレートな回答が返ってきたときは、すがすがしい思いがいたしました。  そういえば、かつて学部生時代は、リベラルアーツを中心とした基盤教育を徹底的に行ったほうがよい。本来は就職活動も専門性を身につけるのもその後で行うべきだと、かの中嶋嶺雄氏はおっしゃっていました。当時は、リベラルアーツと聞いても、そしていまだに、リベラルアーツとは文法学、論理学云々と聞いてもピンとこない節はありますが、しかし、教養教育を自分の興味に沿って食という一つのテーマを通じて学べるのであれば、それは今後の不確かな時代を生き抜く力になるのだろうと思います。  また、別の角度から考察すると、日本では、今、農業の大規模化、集約化が目指されていて、そのこと自体は賛成ですが、一方で、それらに若者の農業離れなどの要因が重なり、地域の伝統的な農産物であったり、農法であったり、施設であったりというものが徐々に消えてしまい、食のバラエティーは御承知のとおり大分欧米化してまいりました。  これらへの危機感を学問として総合的に研究、発信、伝達する機関に形を変え、国内の食をボトムアップする知の拠点として、イタリア食科学大学のような存在は、日本においては、立命館以上に、健康長寿県として、また農林業が盛んな地域として、長野県にこそふさわしいのではないか、そんな気がした次第です。  以上を踏まえて伺います。  本年4月、長野県立大学が開学いたしました。立命館やイタリア食科学大学とは理念も経緯も規模も違い、一概に比較することはできませんが、率直に申し上げて、少なくとも受験生に対する訴求力は相当に弱いと思います。この大学が開校するまでに、知事初めさまざまな関係者の多大なる御苦労があったことは論をまたないところですが、そのことを若者が知るよしもなく、潜在的にかもしれませんが、彼らは知的好奇心をくすぐる大学の存在を求め続けています。  今週月曜日に中央教育審議会の将来構想部会が大筋で決めた中間まとめでも、各大学に対しては、養成する人材像を改めて明確にするよう求めており、そこでは、高度な教養と高い専門性を備えた人材などが想定されていますから、そういった観点からも、たとえ一つでもこの分野では全国のどこの大学にも負けないというものが必要だと思います。この大学の魅力は何か、改めて知事から一言いただきます。  その上で、今回はたまたま食を題材にしましたが、観光学部や芸術学部の類いも、本来は都会よりも長野県内にあるべきものではないでしょうか。県が都会と一線を画して、例えばワインバレーを構想し、あるいは観光立県を目指し、あるいは文化振興を掲げ、それぞれに全国に誇る先駆者の存在や地域住民の知恵、行政のノウハウがあり、また、それらに対応する高校も存在するものの、その後につながる学問の場と総合的な知の拠点がないという現状。人口減少の時代に大学や新学部は要らないとする意見もあるようですが、私はそうは思いません。それは県内の大学収容力がなお低位にあるということのみならず、これからの入学対象者は、18歳人口に限らず、社会人や留学生含めより広く捉えられるべきでありますし、自由競争社会の中で他地域や世界に負けない地域づくりをするという意味でも、また長期的な地域ビジョンを実践する意味でも必要なことだからです。  一見ニッチと思われるこれらの学部こそ新しい価値を提供し、社会で必要とされ、長野県の未来に光をもたらすものだと感じますが、新学部の設置についてはいかがお考えか。最後に知事の所見を伺い、今回の一切の質問といたします。  ありがとうございました。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)私には2点御質問をいただきました。  まず、路線バス情報のグーグルマップ対応についてでございます。  県では、昨年度、信州ナビを整備し、鉄道から市町村のコミュニティーバスに至るまで一元的に検索できるサービスを開始いたしました。この信州ナビを通じまして、県内の交通事業者の運行データを初めて集約することができたところでございます。  今後は、この集約したデータを活用する形で、御質問にございましたグーグルマップを初めより多くの方が利用される経路検索サービスにも対応できるよう検討しているところでありまして、関係者との協議、調整を進めてまいります。  次に、信州ナビを活用した新たな事業の進捗と今後の見通しでございます。  路線バスの到着時間に関する不満の声は、大学生のみならず、地域、年齢層問わず幅広く存在をしております。本県のモビリティーマネジメントや公共交通の利用促進の観点から、バスの位置情報提供は大変重要な対策の一つであると考えております。  そうしたことから、今回、いわゆるバスロケシステムの整備を計画しているところでありますが、整備に当たりましては、既にバス事業者の運行データを有しております信州ナビに機能を付加していくことが現状では現実的かつ効果的と考えております。  また、今年度行います信州ナビの機能強化では、信州ナビ利用者の年代や性別のほか、GPSを利用した移動データの取得、分析の機能も追加することを計画しております。  こうして得られる情報は、いわゆるビッグデータといたしまして、ニーズ把握や行動予測などによる交通事業者の経営改善、観光やICT人材の育成など、交通以外の分野での施策立案、地域課題の解決を図る新たなビジネスやサービスへの展開など、今後活用できるものと考えております。  ただし、事業推進に当たりましては、以下の2点に留意をする必要があると考えております。  1点目は、御指摘のとおり信州ナビの知名度でございます。信州ナビのダウンロード数は、現時点で約3万件に迫っておりまして、この種のアプリとしては決して少ない数ではないと思っておりますが、それでもさらなる向上は必要であると考えております。そのため、ポスター、リーフレットなどに加えまして、バスの時刻表への掲載など、交通事業者や市町村の協力も得ながらさまざまな手段を活用してPRに努めてまいりますし、また、今回の機能強化自体がさらなる利用者の獲得にもつながると考えております。  2点目は、信州ナビ以外のアプリでも利用できるような汎用性と拡張性の確保でありまして、そうした点も配慮してシステムの構築に取り組んでまいります。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)県立大学に関連して2点御質問いただきました。  まず、県立大学の魅力という御質問でございます。  リーダー輩出、地域イノベーション、グローバル配信と、この三つの理念を掲げてスタートした県立大学であります。安藤理事長、金田一学長を初め教員の皆様方にいろいろな取り組みを行ってきていただきますけれども、私としては、非常にきめ細かな、大学、高等教育レベルとしては丁寧な少人数教育に一番特色があるというふうに思っております。  1年次の全寮制、あるいは2年次の海外プログラム、あるいは英語集中プログラムということもありますが、今、金田一学長みずからが寮に出向いて学生一人一人と面談をしてきておりますし、また、発信力ゼミということで、1年次から通年で少人数のゼミを行い、コミュニケーション、あるいはプレゼン能力を養うとともに、徹底的な議論を行うなど、ほかの大学にはない取り組みを行ってきております。  百瀬議員の御指摘は、私も真摯に受けとめなければいけない部分もあるというふうに思っておりますが、このグローバルマネジメント、あるいは健康発達学部のこども、あるいは食健康、こうした分野ごとにも、やはり訴求力のある特色を出していくということもしっかり考えていかなければいけないというふうに思っております。  例えば、食健康も、単に管理栄養士を養成するということではなくて、むしろビジネス、グローバルマネジメント学部も有しておりますので、ビジネスを行えるような管理栄養士をつくっていくということもこの当初の構想の中には入れておりますので、まだ1年次の生徒が入った段階ではありますが、そうした考え方をしっかり大学の中に浸透させていくということが重要だというふうに思っております。  今、幸いなことに、学生の活動等を報道等で取り上げていただき、比較的好意的に受けとめていただけているというふうに思っておりますが、ただ、私としても、百瀬議員御指摘のとおり、それに甘んじていてはいけないというふうに思っています。さらに、安藤理事長、金田一学長ともしっかり話し合いをする中で、大学としての特色、とがった特色をしっかり打ち出せるように努力をしていきたいというふうに思います。  それから、県立大学の新学部の設置という御質問でございます。  この点につきましては、県立大学設立準備委員会の議論等を経て基本構想を策定して、そして多くの皆様方の理解と協力を得ながらこの4月に開学にこぎつけたという段階であります。まだ1年次の生徒が入った段階でございますので、所期の目的をしっかり達することができるように全力を挙げていきたいというふうに思っております。  ただ、私も、百瀬議員と同様に、長野県内の高等教育はもっともっと充実をさせていくということが重要だというふうに思っております。これは、県立大学だけではなくて、やはり信州大学、あるいは県内の私立大学を初め数多くの高等教育機関を全体として視野に入れて強化をしていくということが重要だというふうに思っております。  例えば、観光分野では、松本大学の観光ホスピタリティ学科から毎年多くの人材が輩出されておりますし、また、長野大学では、今年度、県の観光地域づくりに関する寄附講座の開設もしていただいております。  このように、それぞれの大学の特色を伸ばしながら、そして県全体としてどういう分野を強化していくかということをしっかり考えていくということが重要だというふうに思っております。県立大学については、さらに建学の精神が徹底するように取り組むと同時に、県内の各大学の動向も踏まえながら県内の高等教育全体の振興を図っていきたいというふうに考えております。  以上です。 ○議長(鈴木清 君)お諮りいたします。本日はこの程度で延会にいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(鈴木清 君)御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決定いたしました。  次会は、明29日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑並びに決算特別委員会の設置等を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後3時32分延会...