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  1. 長野県議会 2017-06-29
    平成29年 6月定例会本会議-06月29日-04号


    取得元: 長野県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-16
    平成29年 6月定例会本会議-06月29日-04号平成29年 6月定例会本会議 平成29年6月29日(木曜日)  出席議員(58名)   1 番 花岡賢一      27 番 和田明子   2 番 今井愛郎      28 番 備前光正   3 番 寺沢功希      29 番 吉川彰一   4 番 山口典久      30 番 小池久長   5 番 百瀬智之      31 番 太田昌孝   6 番 小山仁志      32 番 諏訪光昭   7 番 小川修一      33 番 髙橋岑俊   8 番 丸山大輔      34 番 今井 敦   9 番 酒井 茂      35 番 丸山栄一   10 番 荒井武志      36 番 竹内久幸   11 番 堀場秀孝      37 番 小林伸陽   12 番 依田明善      38 番 高村京子   13 番 石和 大      39 番 今井正子   14 番 埋橋茂人      40 番 村上 淳   15 番 両角友成      41 番 小池 清   16 番 藤岡義英      42 番 宮本衡司   17 番 髙島陽子      43 番 清沢英男
      18 番 浜 章吉      44 番 垣内基良   19 番 中川宏昌      45 番 鈴木 清   20 番 清水純子      46 番 西沢正隆   21 番 堀内孝人      47 番 風間辰一   22 番 小島康晴      48 番 佐々木祥二   23 番 小林東一郎     49 番 向山公人   24 番 下沢順一郎     50 番 高橋 宏   25 番 山岸喜昭      51 番 宮澤敏文   26 番 毛利栄子      52 番 平野成基   53 番 本郷一彦      56 番 服部宏昭   54 番 村石正郎      57 番 望月雄内   55 番 萩原 清      58 番 古田芙士         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        阿部守一    林務部長      山﨑 明   副知事       中島恵理    建設部長      油井 均   危機管理監兼危           建設部リニア整   機管理部長     池田秀幸    備推進局長     水間武樹   企画振興部長    小岩正貴    会計管理者兼会   総務部長      小林 透    計局長       清水 深   短期大学事務局           財政課長      岡地俊季   長兼県立大学設   玉井裕司    教育長       原山隆一   立担当部長             教育次長      角田道夫   県民文化部長    青木 弘    教育次長      菅沼 尚   健康福祉部長    山本英紀    警察本部長     尾﨑 徹   環境部長      関昇一郎    警務部長      西口 学   産業政策監兼産           監査委員      田口敏子   業労働部長     土屋智則    公営企業管理者   観光部長      熊谷 晃    職務執行者・   農政部長      北原富裕    企業参事兼経営   波羅雅文                     推進課長         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      吉沢 久    議事課担当係長   倉石博之   議事課長      村松敏伸    議事課担当係長   鈴木晋一   企画幹兼議事課           総務課担当係長   小澤利彦   課長補佐      小松健一         ───────────────────  平成29年6月29日(木曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時開議 ○議長(垣内基良 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、昨日に引き続き行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(垣内基良 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  順次発言を許します。  最初に、寺沢功希議員。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)おはようございます。早速質問を始めさせていただきます。  現在、廃棄物の最終処分を実施する民間事業者は、県内でも受け入れを中止した事業者があり、県内での安定した民間委託処分の継続が難しい状況となっています。県外事業者も、新規受け入れ可能な事業者は限られており、焼却灰等のリサイクル処理も限られた事業所で高額な処理費用となり、また、リサイクル処理できる焼却灰は、不燃物残渣の選別や塩分濃度の規制などの制約が伴います。  例えば、安曇野市では、ごみ処理を構成6市町村による穂高広域施設組合が運営する共同処理で実施しており、自区内処理の原則から、独自に最終処分場の整備を計画しましたが、住民への合意を得ることは極めて困難であり、凍結状態となっております。そのため、焼却灰の処理は、以前は県内2社の民間事業者へ委託していましたが、1社が受け入れを終了したため、平成26年からは一部を県外事業者へ委託している状況であります。  そこで、知事にお聞きします。  一般廃棄物の最終処分は市町村の責務でありますが、市町村による新規処分場整備が困難な中で、県単位の広域で埼玉県や茨城県のような大規模な県営による最終処分場の整備を再検討していただけないでしょうか。  また、県では、平成5年4月に財団法人長野廃棄物処理事業団を設立し、広域的な廃棄物最終処分場施設の整備を計画しましたが、事業団の計画が頓挫し、平成20年3月に事業団を清算されました。その際、県は、公共関与による施設整備が必要になった際の予定地として阿智村に最終処分場用地を取得され、現在も管理していますが、焼却灰等の処理を県外事業者に委託処理しなければならない現状では、県内における最終処分容量が充足しているとは言えないのではないでしょうか。  そこで、この阿智村の管理地の現状は今どのようになっておりますでしょうか。また、仮に県営による最終処分場の整備が難しい場合、この管理地を、例えば広域的な市町村により構成された組合または民間企業が最終処分場として整備を希望した場合、御検討いただける余地はありますでしょうか。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)廃棄物の問題について2点御質問いただきました。  まず、一般廃棄物の処理に関連して、県営の最終処分場の整備の検討という御質問でございます。  市町村が一般廃棄物の処分場の整備について重要な課題として認識し、また、市町村によっては対応を苦慮されているということも私どもは十分認識しております。しかしながら、御質問の中にもありましたように、現行の廃棄物処理法上では、一般廃棄物の処理責任は市町村でございます。その処理に必要な施設の整備も市町村の責務であるというふうにされております。全国的に見ても、産業廃棄物最終処分場を整備したところに一般廃棄物を受け入れているという例は、御質問にもあったようにございますが、一般廃棄物のみを受け入れる最終処分場を県が整備したという例は承知をしておりません。市町村単独で新規処分場の整備が困難な場合には、一部事務組合あるいは広域連合が主体となって整備する事例もあるわけでありますので、まずは市町村の皆様が主体的に御検討いただくことが必要と考えております。  県としては、市町村で取り組まれる最終処分場の整備に関する課題について、その解決策をともに考えるなど、整備が進むよう応援をしていきたいと考えております。  次に、阿智村の最終処分場予定地の現状と、今後広域市町村等で活用する余地があるかという御質問でございます。  阿智村の最終処分場予定地につきましては、事業用地が荒廃しないように、草刈り、支障木伐採等を行う嘱託員を配置し、また、地元対策委員会の方々に管理業務を委託するなど、地元の皆様との覚書に従って適正な維持管理を行ってきております。  阿智村の最終処分場整備に係る県としての考え方につきましては、平成19年の6月にお示しをしておりますが、産業廃棄物最終処分場の残余年数が逼迫し、公共関与による施設整備が必要となった際の予定地として管理をしていくという形になっております。産業廃棄物最終処分場の残余年数は、平成27年度末に策定した長野県廃棄物処理計画によりますと、平成32年度で約10.4年というふうに見込まれておりまして、現時点では直ちに整備する状況にはございません。この予定地につきましては、当初、長野県廃棄物処理事業団最終処分場の設置主体として基本協定を締結したものでございますが、その後、事業団の解散に伴いまして、地元との覚書によりまして県が事業団の地位を承継しております。したがいまして、協定上、県が最終処分場の設置主体となっておりまして、県以外の事業主体による整備は想定されていないところでございます。  以上です。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)答弁をいただきました。市町村に対してでき得る限り最大限の協力をしていっていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。  続いて、この春、中学校を卒業した生徒たちが、人生初めての試練とも言うべき高校入試を経験し、希望どおりの結果だった者、そうでなかった者、それぞれの思いを胸に新たな道を歩み始めて3カ月が過ぎ、多くの高校では、中間、期末、2回の定期テストが実施され、文化祭を開催する時期となっています。また、一方で、県教育委員会では、3月30日に学びの改革基本構想を策定し、幅広く県民の皆さんの御意見を聞きながら、今年度末には実施方針を決定する予定とされております。  そこで、教育長にお聞きします。  昨年度の県立高等学校における退学者の数、また、そのうち再募集において合格し、入学した生徒の数、近年の状況の推移はいかがでしょうか。  平成29年度高校入試結果を振り返ると、旧第11通学区の後期選抜における不合格者は県下最多となる238人。しかも、前年を79人も上回る数値となっております。そのうち、成績上位校である松本4校の不合格者はいずれも2桁であり、その合計は実に216人でありました。この通学区の再募集の状況を見ると、県立高校が216人の受け皿とはなれず、ほとんどの生徒が私立高校に進学したと思われます。  現在の入試制度では、希望校へ積極的にチャレンジしにくい環境であり、例えば、経済的事情で私立高校への進学が難しい生徒は、県立高校へ確実に合格するために自分のレベルよりワンランク下の学校を受検するという話も聞きます。選抜試験を行っている以上、高校に学力レベルによるランクがついているのが現実であり、成績上位校不合格者の受け皿となるべく県立高校で再募集が行われていないのが現状であります。志願者状況を考慮した上で、ある程度の成績層の高校に特別枠として事前に再募集枠を設けておく必要があるのではないかと思います。以前、委員会でもお聞きしましたが、基本構想が策定された今、再度御見解をお聞かせください。  一方で、昨日今井敦議員も質問されましたが、改めて復習を兼ねて、ことし初めて長野県外の高校への進学者が400人を上回り423人となり、全中学卒業生に対する割合が2.04%となりました。このうち、98人は旧第7通学区の中学卒業生で、同区内の実に5.13%の卒業生が県外に進学している状況です。近隣県の県外高校進学率と比較しても、28年度の数値ではありますが、新潟県1.26%、富山県1.47%、石川県1.22%、山梨県1.78%と高い数値であり、最も高い群馬県は5.08%でありますが、旧第7通学区の割合のほうが高い状況であります。この県外高校が、県内の後期選抜不合格者の受け皿の一つにもなっているようであります。また、28年度には、松本市内の国立中学校から9.74%、松本市内の私立中学校から15.91%の生徒が県外高校に進学しております。  この現状は、学びの改革基本構想の中では触れられておりませんが、これは大きな問題であり、危機的状況だと思います。この生徒の県外流出について、詳細な状況、また、要因はどこにあると分析されておりますでしょうか。また、私は、優秀な生徒が県外へ流出してしまうのは非常に残念であると考えますが、県教委としてはどうお考えでしょうか。仮に、流出を食いとめたいとお考えであれば、今後どのような取り組みをお考えかお聞かせください。  介護現場における人材の確保が非常に難しい状況にあります。介護事業者も各高校を訪問し、早い段階での人材確保に力を入れているようでありますが、一方で、資格取得の面において課題もあるようであります。  そこで、教育長にお聞きします。  介護現場においては、専門知識を学び資格取得した者は当然即戦力となります。現在、県内で介護福祉科を設けている高校は私立2校のみであります。費用負担の面においても需要があると思いますが、県立高校への設置を検討していただけないでしょうか。  また、普通科に通学中の生徒でも、土日に行われる研修などを受講することにより高校在学中に介護職員初任者研修の資格取得も可能であります。しかし、例えば、家庭の経済的事情により大学進学を諦めざるを得ない生徒にとっては、就職を見据え、普通自動車免許の取得も必要な中、この資格取得に係る費用は非常に負担となります。そこで、ある程度の基準を設けた上で、高校在学中の資格取得に係る費用について補助制度を設けていただけないでしょうか。  また、支援制度という点では、現在、高等学校等就学支援金制度により、授業料に相当する額の就学支援金を国が支給しております。この制度の取得要件には、保護者の市町村民税所得割額の合算の上限が設定されております。しかし、児童手当制度により16歳未満の子供に対する年少扶養控除が廃止されているため、この所得割額に子供の数は余り考慮されません。市町村民税所得割額が30万4,200円未満の世帯に支給されますので、例えば、制度概要では、両親のうちどちらか一方が働き、高校生1人、中学生1人の子供がいるモデル世帯で年収約910万円未満が支給対象となりますが、高校生1人、高校生未満4人の計5人子供がいる年収1,000万円の世帯は支給対象外となってしまうのです。  今議会の知事議案説明要旨の中でも、安心して出産、子育てができる環境づくりをオール信州で進めていく。みんなで支える子育て安心県の構築に向け、子育てに伴う経済的負担の軽減や子育てと仕事の両立支援などについて改めて検討を進めるとありました。多子世帯の状況が考慮されなかったり、子育てと仕事の両立ができ、収入がふえたことにより子育てに伴う経済的負担もふえてしまっては、この県の方針に反してしまうのではないでしょうか。現在の就学支援金制度において支給対象外となった世帯に対し、年少扶養家族の数により段階的に基準を設け、県独自に補完する制度の導入を検討いただけないでしょうか。  以上、支援制度に関する2点について知事にお聞きします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)高校のあり方についてという御質問でございます。  まず、県立高等学校における退学者数でありますが、昨年度の退学者数は現在調査中ですので、直近の平成27年度について申し上げますと、全日制、定時制の退学者は438人、うち再募集で入学した者の退学者数は33人という状況であります。  これらの近年の状況の推移でございますが、退学者総数については、平成22年度が619名であり、5年間で181人減少したところでありますが、一方、再募集で入学した者の退学者数についてはほぼ横ばいという状況であります。  次に、事前に再募集枠を設けることについてのお尋ねであります。  議員御指摘のとおり、平成29年度の入学者選抜の後期選抜で、旧11通学区の不合格者数は県下最多の238名でありました。そして、県下11通学区の全日制13校のうち7校で91名を再募集した状況であります。後期選抜の不合格者の多くは、公立の再募集及び県内の私立高校へ進学したものというふうに考えております。  一方、旧11通学区には私立高校が5校あり、平成29年度の選抜において私立の募集定員が1,205名ということで、公立高校受検者の4割が私立高校を受検している状況でもあります。  特定の高校にあらかじめ再募集枠を設けたらどうかという御提案でございますけれども、そうしますと、その高校本来の募集枠を狭めることになりますので、第1希望の受検生を締め出すということにもなります。中学生の多様な進路希望の実現のため、さらには公平性の観点からも、そのような募集枠を特定の高校に設けるということは難しいのではないかなというふうに考えております。  次に、県外進学者の詳細と要因、対策についてでありますが、28年度の県内中学校を卒業した者のうち県外高校への進学者については御質問の中にあったとおりであります。県外高校進学率は、これまで1.8%前後で推移してきましたけれども、初めて2%を超えたということであります。それから、県外進学者のほぼ全て、98%になりますが、長野県の公立高校を受検せずにそのまま県外の高校を第1志望として選んでいるという状況であります。  県外高校は私立も公立もありますけれども、県外進学の主な理由は、約4割が部活動、そして約2割が大学進学ということであります。県外進学者全体の約3割が山梨県ということでありますが、山梨県への進学状況につきましては、昨日今井敦議員にお答えしたとおりであります。それ以外に、石川県、愛知県へは、総数は多くないけれども昨年度より9名増加しているということでありまして、石川県につきましては、新幹線が開通し近隣県と捉えられたというふうにも思っております。  地域性でありますとか交通の利便性、多様な進路希望などの要因が考えられますけれども、長野県の子供たちが長野県の高校に魅力を感じて学んでもらえるように、学びの改革基本構想に基づきまして地域の皆様と高校の将来像を検討してまいりたいと思っております。  また、特に、隣接県との相互の公立高校への進学のあり方については、本年6月に設置した入学者選抜制度等検討委員会の中で検討してまいりたいというふうに考えております。  それから、県立高校への介護福祉科の設置についてでありますが、従前は県内の県立高校でも介護福祉士の受験資格が得られましたが、現在では県立高校では介護福祉士の受験資格は取得できない状況であります。それは、平成19年に社会福祉士及び介護福祉士法の改正がありまして、それに伴い、資格取得に要する専門教科の履修単位数が従前の34から53単位へ大幅に増加するとともに、専任教員の資格も、教科の免許に加えて、医師や看護師等の免許を有し、5年の勤務経験または実務研修というものが要件となっているということです。専門学科における専門教科の履修単位数は、通常は25単位以上、多くても35単位程度である。そこに、3年間で53単位の専門教科という履修は生徒への負担も大変大きく、また、専任教員の確保も難しいということで、介護福祉科を設置できる状況にはないということであります。  しかも、現行制度では、介護福祉士の受験資格を得るには、一つの学校で全ての科目を履修しなければならないので、高校において一部の科目を履修しても、高校卒業後、また専門学校等の養成施設へ進学した場合は、改めてゼロから履修し直すという制度になっておりまして、これは不合理だということで、現在、県では、介護福祉士の受験資格を得るまでの学費の削減とか期間の短縮を狙いとしまして、地方分権改革に関する提案制度を活用し、高校卒業後に養成施設で不足科目を履修することによって通算して所定の単位数を満たせば受験資格を得られるように国に対して要請をしているところでございます。
     以上です。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私にも御質問を頂戴しました。  まず、高校在学中の介護職員初任者研修資格取得のための補助制度についてでございます。  本県では、ことしから、介護事業者が職員の初任者研修の受講費用を負担する場合に、その費用の一部を助成する制度を新たに創設いたしました。介護職員の初任者研修は、土日を利用して受講いたしますと4カ月程度で修了可能なものが多くなっております。また、通信教育で受講することも可能になっております。介護職場に就職が決まった高校生もこの制度の対象になっておりますので、この制度を使って在学中に資格を取得することができるようになっていると考えております。この制度の利用をこれからしっかり呼びかけていきたいと考えております。  それから、高等学校等就学支援金を補完する県独自制度の導入についてという御質問でございます。  高等学校等就学支援金制度につきましては、所得制限の導入から3年を経過した状況であります。現在、国におきまして、制度改正の効果や影響等の検証、所得の把握方法を含めた課題や講ずべき措置の検討を行っている状況でありまして、私どもとしては、その動向をまずは注視していきたいと考えております。  なお、全国知事会におきましては、低所得者に対する支援の充実を図る観点からの要望を国に対して行っております。本県としても、子供の貧困への対応が重要な課題となっている中、所得の低い世帯の方々に対する支援に重点を置いていくということが重要だと考えております。  以上です。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)支援制度について再度教育長にお聞きします。  ちなみに、今年度、就学支援金支給対象外の県立高校に通う生徒数は何人で、仮に対象外生徒就学支援金を県が負担するとすればどのくらいの金額になるのでしょうか。お聞きします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)就学支援金対象外の生徒数と県の負担についてというお尋ねでございますが、今年度の数字はまだ確定しておりませんので平成28年度の実績で見ますと、就学支援金対象外の生徒数、すなわち授業料を徴収している方ということになりますけれども、6,739名ということになります。これは、全生徒数の14.1%ということになりますが、仮に県負担額が幾らになるかということ、つまり、授業料の徴収額が幾らということになるわけですけれども、8億8,000万余ということになります。  以上です。       〔3番寺沢功希君登壇〕 ◆3番(寺沢功希 君)8億を超える金額ということでありまして、それを全額負担するということはなかなか難しいところかもしれませんが、ぜひできる限り県のほうで負担をしていただければと思い、要望いたします。  今回の改革では高校再編がクローズアップされがちですが、この学びの改革は、新たな社会を創造する力を育む学びを目指すものであり、授業改善、地域社会との連携、入学者選抜制度の改革など13項目から成る新たな教育の推進も改革の柱とされています。  私は、もっと県民の皆さんにこちらのほうにも注目していただき、また、今まで以上に議論を深めるべきだと思いますし、石和議員の質問の中にもありましたが、この学びの改革が一体誰のための改革なのか、子供たちの思いを置き去りにすることなく、また、大人の、そして地域のエゴとなってしまうことのないよう、もう一度原点に戻り、実施方針決定に取り組んでいただきますことを教育長に強く要望いたしまして、私からの一切の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(垣内基良 君)次に、埋橋茂人議員。       〔14番埋橋茂人君登壇〕 ◆14番(埋橋茂人 君)私は、通告に従い、3点質問をいたします。  今国会で、農業改革関連8法が成立いたしました。2月定例会の種子法に続いて、今回は同じくそのうちの一つである農村地域工業等導入促進法、以下、農工法と言いますが、一部改正され、法律名も農村地域への産業の導入の促進等に関する法律と改められました。以下、農村産業法と言います。この件に関して、県の考えを農政部長に伺います。  地方創生が喫緊の最重要課題であることは異論のないところですが、現実には、急激な人口減少時代を迎え、空き家、所有者不明の山林、遊休農地、遊休工業用地、シャッター通りが増加している実態があります。  農地は、1960年代に比べ日本全体で約25%減少しています。長野県に至っては、40%以上減少しているのが現状です。その一方で、この農工法における計画面積と立地済み面積の差が全国で4,709ヘクタールあり、そのうち1,433ヘクタールが遊休工業用地となっています。長野県においても33ヘクタールあり、決して少ない面積ではありません。原因とそれに対する県の考えを伺います。  次に、この法律は、農村地域への工業等の導入を積極的かつ計画的に促進し、安定的な地元雇用機会の増大を図ることなどを目的に昭和46年に制定され、この法律により県の基本計画が策定され、この計画に基づき、市町村が導入地区や業種、面積を記した実施計画を策定、県の同意により農工団地が設置されています。また、昭和63年の改正には、対象業種が、製造業に加え道路貨物運送業、倉庫業、こん包業、卸売業が追加されました。農工団地の状況について、現時点での団地数と企業数、その企業の業種の内訳、従業員数をお聞かせください。  続いて、平成27年8月10日施行の地域再生法の一部改正に伴い、造成後5年以上工業等の用に供されていない土地については、地域再生計画に記載された業種は農工法の対象業種以外であっても遊休工業用地に導入可能とすることとなりましたが、県内の遊休工業用地においてこのような事例があるのか、あるとすればどのような業種が参入したか、伺います。  さらに、今回の新たな法律、農村産業法において、参入可能業態が拡大されましたが、今後の県の導入基本計画の考え方と見通しを伺います。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)農村地域工業等導入促進法(農工法)の一部改正についての御質問について順次お答えを申し上げます。  初めに、遊休工場用地の発生原因とそれに対する県の見解についてでございますが、本県では、農工法による農工団地は約660ヘクタールあり、そのうち遊休工場用地は平成26年3月時点で33ヘクタール、平成28年3月時点では25.8ヘクタールとなっております。  遊休工場用地となっている原因につきましては、導入実施計画策定後、経済状況の変化などにより誘致予定企業との契約が不成立となった事案や、誘致した企業がその後撤退したまま現在に至っている事案などであると把握しております。県としましては、引き続き関係部局が連携して情報提供を行うなど、市町村が行う企業誘致を支援し、遊休工場用地の縮減、また、農工団地の活用を進めてまいりたいと考えております。  次に、県内の農工団地の状況についてですが、平成28年3月時点で28市町村において69団地となっており、対象5業種で405の企業が操業しております。内訳は、製造業が348、道路貨物運送業が28、こん包業が1、卸売業が28の企業となっており、倉庫業はございません。また、従業員の総数は2万3,963名となっております。  続きまして、県内における地域再生法による遊休工場用地の活用事例についてですが、本県においてはこれを活用した事例はございません。  最後に、農工法が改正された農村地域への産業の導入の促進等に関する法律に基づく県基本計画の考え方と見通しについてですが、今回の農工法の改正により、工業等対象5業種の限定が廃止され、国の基本計画に基づき都道府県が国と協議し策定する基本計画において対象業種を定めることとされたところでありまして、基本計画では、対象業種のほか、農業構造の改善の目標や導入施設用地と農用地等との利用の調整の方針等を記載することとされております。  また、国の基本方針については、産業導入地区内に造成済みの遊休地がある場合はその活用を優先させる。農用地区域外での開発を優先させる。また、農業上の効率的な利用に支障が生じないようにするなどの観点で、現在、その内容が検討されていると聞いております。  県といたしましては、今後公表される国の基本方針に基づき策定することになります県の基本計画が本県農業振興と地域の活性化につながるものとなるよう、今後検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔14番埋橋茂人君登壇〕 ◆14番(埋橋茂人 君)法律制定時は農工両全が強くうたわれていましたが、農村産業法では業種は何でもありという制度になりました。参議院農水委員会の全会一致の附帯決議に盛られた6次産業化など、地域に賦存する資源を活用する地域内発型産業の導入を推進すること等を踏まえ、県の地方創生に向けたさらなる取り組みを要望し、次の質問に移ります。  次に、新専門医制度、以下制度と申し上げますが、について健康福祉部長に伺います。  この制度の概要と現状、また、県の役割、機能について御説明いただきたいと思います。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)新専門医制度についてのお尋ねであります。  これまで、各領域の学会が専門医認定を受けるために必要な基準を独自に作成、運用してきた従来の制度にかわり、新専門医制度は、専門医を統一した基準により養成し、専門医の質を高めることを目的としております。  具体的には、新たに設置された日本専門医機構が専門医の認定と養成プログラムの評価認定を統一的に行い、内科、外科などの18の基本診療領域に、幅広い領域の疾患等に対応する総合診療専門医を加えた19領域の専門医を養成する仕組みとなっております。当初、平成29年度から養成を開始する予定でありましたが、都市部や大規模な病院に指導医や研修医が集中するなど地域偏在の助長が懸念されたことから養成開始が延期されたところであります。その後、都市部に研修医等が集中しないよう、専門医の養成数が過去5年の採用実績の平均値を超えないものとするなど所要の見直しが行われ、平成30年度からの開始に向けて準備が進められております。  新専門医制度において、都道府県は、都道府県協議会の設置、地域医療確保の観点から必要な施設の漏れがないかの検証、基幹施設に対する指導医の配置方針や専攻医のローテート方針に関する連携施設への説明要請、必要な改善事項に関する連携施設への意見照会等を行うこととされております。現在も、都道府県協議会の役割の明確化などについて議論が行われており、県といたしましては、こうした検討結果を踏まえて、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔14番埋橋茂人君登壇〕 ◆14番(埋橋茂人 君)御説明をいただきましたが、全国市長会が、4月12日、国民不在の新専門医制度を危惧し、拙速に進めることに反対する緊急要望を出しました。塩崎厚労相は、昨年6月、地域医療を崩壊させることのないよう、一度立ちどまって集中的な精査を早急に行うべきとする談話を発表し、これが契機となって、今部長が説明されたように、制度開始が平成29年度から30年度に延期になりました。しかし、これでも、特に地方の医療現場の懸念は依然として非常に強いものがあります。ここで、もう一度立ちどまり、患者、国民を含めた根本的な議論を行うことが必要だと強く思っております。  一般社団法人日本専門医機構、以下機構と申し上げますが、吉村博邦理事長が、4月24日、厚労省の今後の医師養成のあり方と地域医療に関する検討会に示した資料によれば、この制度の主役は国民と専攻医、後期研修医だとされています。医学部卒業後2年間の初期臨床研修は必修化されたものの、その後の系統的な専門研修の仕組みを変えたところで、フリーター医師、十分な専門研修を受けない医師が増加した点を指摘しています。基本的な診療科については、今部長が言われたように、初期研修終了後に全員3年間程度の専門研修を行ってほしいと述べています。  医師の専門性を高めることが必要であるとの声がある一方で、研修の長期化や研修のプログラム制により特定の病院に医師が集中し、地域の医療機関、なかんずく中小医療機関の医師不足を加速化し、地域医療体制の維持が困難になることが大変危惧されます。地方創生に逆行するものと言わざるを得ません。現に、6月15日の信毎に、国保依田窪病院の内科医が6人から2人になり、県内医療機関、信大、諏訪中央、厚生連佐久の各病院で応援体制を組み、現状の医療確保をしているとの記事が掲載されましたが、他地域でも同様の状況が出ており、今後さらに確保が困難になることが危惧されます。  そこで、順次質問いたします。  この制度に関し、厚労省が都道府県に設置要請した協議会はどういう形で設置され、何を協議しているのか、伺います。  地域医療の確保には、専門医も大事ですが、一般医、特に内科医の数と質が重要な鍵となります。県土の広い長野県では、一般内科医、救急医、そして産科医の三者が大事という議論が行われ、それに向けた取り組みが県中心に行われてきました。今後も、総合診療医を含めた一般内科医が十分に確保されていることが人々が安心して老後を暮らせる地域を確保するための地域包括ケアを実現するためには不可欠だと思うところです。  そこで、県の医師養成に係る修学資金に関して質問いたします。  1、県が資金を出して地域医療担当の医師を確保している現状はどうですか。  2、修学資金を受領し、指定医療機関での勤務を義務づけられている医師の数と診療科目はいかがか。  3、修学資金をどんな人に、何人に出していて、うち一般内科医を選んだ医師が何人いるか伺います。  続いて、一般内科医の養成の拡充策について伺います。  一つとして、一般内科医の養成を県内で拡充していくための具体的な方法はいかがか。  二つとして、一般内科医を養成できるのは、具体的に県内のどこの養成機関、病院なのか。  三つとして、その病院で一般内科医の育成数を増加させることは、県側の工夫次第で可能なのか、否か。  四つとして、5年後、10年後、県内総合病院に一般内科医を送るとして、その目途はいかがか、伺います。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)医師の確保、養成に関するお尋ねに順次回答をさせていただきます。  まず初めに、新専門医制度に係る都道府県協議会についてのお尋ねがございました。  長野県では、新専門医制度に関する国からの要請を踏まえて、信州大学医学部、医療機関、県医師会、その他の医療関係者や市町村などで構成する長野県地域医療対策協議会において協議を行っております。  協議会開催に先立ち、県において研修施設の漏れがないかを確認するとともに、指導医の配置方針や専攻医のローテート方針に関する基幹施設から連携施設への説明要請、連携施設に対する必要な改善事項に関する照会などを行ってまいりました。平成28年度は、7月と3月に協議会を開催し、新制度の内容、県内での研修プログラムの作成状況、県における取り組みを踏まえて、今後の対応などについて意見交換を行ったところであります。  次に、医師養成に係る修学資金に関するお尋ねがございました。  県では、これまでに、医学生を対象とした医学生修学資金を230人、研修医を対象とした研修資金を24人、専門医等を対象とした研究資金を45人、合わせて299人に資金を貸与しております。  長野県医学生修学資金は、全国の医学生を対象に、将来長野県の地域医療を担う医療機関に従事する意欲のある学生に対して貸与をしております。平成18年度から貸与しており、現在までに48人が初期臨床研修を終えておりますが、診療科の内訳は、内科16人、小児科6人、外科5人、産婦人科、精神科、泌尿器科が各3人、総合診療、救急科、整形外科、麻酔科が各2名、これ以外の診療科が4名となっております。  一般内科、総合診療科の医師養成に関するお尋ねがございました。  県では、医師不足が深刻化する中で、幅広い診療に対応ができ、地域医療の現場で活躍する医師を養成するため、県内の医療機関の特徴を生かした総合医の研修プログラムを平成25年度から認定し、養成の支援に取り組んでおります。  県内で総合医の養成プログラムを有している医療機関が21あり、これらの機関では、それぞれの地域のニーズに応じた幅広い診療ができる医師の育成が可能となっており、これまでに31名が受講しております。  今後は、新専門医制度において新たに専門医として位置づけられた総合診療専門医を県内の医療機関と協力して養成するとともに、大学と連携し、学生時代から地域医療の現場を理解し、地域ニーズや病院の役割に応じて幅広く診療するというマインドの醸成をするなど、総合的な診療能力を有する医師の増加に向けた取り組みを推進してまいります。  医学生修学資金貸与医師の5年後の状況としましては、県内の医師不足病院に勤務することとなる医師54人のうち、内科、総合診療科を専門とする医師は12人と見込んでおります。また、10年後につきましては、勤務に当たる医師が増加し、全体で88人となると見込まれることから、内科、総合診療科の医師についても増加していくものと考えております。  さらに、県では、内科、総合診療科以外の医師についても、医療機関からの求めに応じて一般内科などの幅広い診療を行っていただくこととしており、将来、県内の地域医療の現場で活躍することを期待しているところであります。  以上でございます。       〔14番埋橋茂人君登壇〕 ◆14番(埋橋茂人 君)男女とも長寿日本一となったことについて県の努力を多とするところですが、これを支えた先人たちの歴史と地域の力が、これも地域包括ケアという形でさらに充実したものになるよう、県の一層の取り組みを期待して、次の質問に移ります。  大学入試改革について教育長に伺います。  高大接続システムなど高等教育のあり方が大きく変わろうとしており、県教育委員会も学びの改革を強く打ち出しています。英語の大学入試については、2020年度から2023年度までは民間検定試験と従来型のマークシート型試験を併用し、2024年度からは民間試験に全面移行の方向で検討されているとのことですが、このことに対する所感と対応方針を伺います。  現状の英語教育では、特に母語でない英語を読み書き中心に教育してきた結果、十分な聞く、話す能力を身につけるにはほど遠い状況にあると言わざるを得ません。  ちなみに、さまざまな説はありますが、音数は、日本語は102で全言語のうちで最少、一方、英語は3万以上、中国語は400超あるとのことであり、聞く、話す能力を習得するのは非常に難しいことがこのことからも理解できます。  地方の小中高生と大都市の小中高生では、外国人が少ない、受験会場がないなど、環境差による語学習得のハンデは大変大きいものがあります。外国人講師やICTを活用した教育も行われていますが、容易に成果の上がるものではありません。  このような状況を踏まえ、受験産業が高校生や父母に対して、囲い込みに向け活発な動きを見せています。親の負担が増大するのは必至です。県教育委員会として、具体的な英語力、とりわけ聞く、話す能力の向上策、教員養成、研修や授業の充実策についてどうお考えか伺います。  民間試験の主なものは、英検、TOEFL、TOEIC、GTEC、TEAP、IELTSなどがあります。私も後ろの三つは知りませんでした。文科省では、語学力の国際標準、CEFRを導入するとのことですが、英検や他の民間試験との関連性について伺います。  英語担当教員の英語力の状況はどうか、また、生徒も同様にどんな状況か、あわせて伺います。  聞く、話す能力の向上には、民間試験の利用も考えざるを得ないのではないかと思いますが、具体的に小学生からどういう体系で英語教育に臨むのかお聞かせいただきたいと思います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)大学入試の改革についての御質問でございます。  まず、大学入試の英語民間試験移行への所感、対応方針というお尋ねでございます。  グローバル化が進む現代社会において、英語4技能のバランスのとれた英語力は重要であり、大学入試においてその能力をはかることは時代の要請であるというふうに考えております。  一方、現行の大学入試センター試験では、読む、聞くの二つの技能の評価が行われているのが現状であります。さらに、話す、書くといった技能を加えた試験を50万人規模で一斉に実施するということは困難でしょうから、英語の民間試験の活用はやむを得ないことでもあるというふうにも考えております。  この改革によって、高校における英語の授業はコミュニケーション重視の方向に大きく変わらざるを得ないというふうに思いますし、また、実際の受験に当たっては、試験によっては実施会場数が少ない、実施回数に差がある、受験料が高額となる試験もあるなど、さまざまな課題がありますので、それらについての対応をしっかり検討していく必要があるというふうに思っております。  続いて、聞く、話す能力の向上策などについてでありますが、英語の民間試験を利用した大学入試を初めて受験することになるのは現在の中学3年生であります。彼らが3年後に他県におくれをとらないように早急に準備を進める必要があるというふうに考えております。  議員御指摘のとおり、文部科学省の計画案によれば、遅かれ早かれ民間試験に一本化されることになっておりますので、高校の授業において生徒に民間試験に対応できる英語力をつけることが強く求められるというふうに考えております。  大学進学を希望する県内の高校生の誰もが確実に資格検定を取得できるようにするためには、さらにコミュニケーション重視の授業に転換していくとともに、生徒が民間試験の出題内容や形式にふだんからなれていくことが大切であり、教員自身がその狙いや内容を深く理解し授業に生かしていくことも必要であるというふうに思っております。こうした方向性に立って、予算措置も含め、具体的な施策を検討し、着実に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  次に、英検と他の試験との関連性でありますが、文部科学省では、民間の各試験の評価尺度を統一基準によって位置づける必要があることから、CEFRをその基準として使用するということであります。CEFRでは、学習者の到達度を1点刻みで評価するのではなく、6段階で段階別評価をするため、これにより、英検と各民間試験とのレベル比較が可能になることから、高校生がどの民間試験を利用しても大学入試として活用することが可能であるというふうに説明されております。
     今後、国は、学習指導要領との整合性を観点に、数ある民間試験のうちどの試験が大学入学を判定するための試験として適しているかどうかを検討していくという予定でありますので、その動向を注視してまいりたいと思っております。  次に、教員、生徒の英語力の状況についてであります。  平成28年12月時点の国の調査によりますと、まず、県立高等学校の英語教員の英語力については、国が求める英検準1級レベル以上の力を有している教員の割合は78.5%で、全国平均の62.2%と比較すると全国的にも高い英語力を維持できているというふうな現状です。  次に、生徒の英語力につきましては、高校3年時において国が目指す英検準2級以上相当の力を有している生徒の割合は35.5%でありまして、全国平均の36.4%とほぼ同程度というふうになっている状況であります。  最後に、小学生からの英語教育の体系についてであります。  大学入試制度改革における民間検定試験の導入とともに、中学校においては、平成31年度から全国学力・学習状況調査の教科に英語が加わります。また、小学校においては、平成32年度から3、4年生での外国語活動、5、6年生での教科としての英語の授業が始まります。このように、国として英語教育の抜本的な強化を進める中、県教育委員会としても、小中高を通じて、聞く、話すを含めた4技能をバランスよく育成していく英語教育の体系をつくっていく必要があるというふうに考えております。  具体的には、授業における学習到達度を評価するCAN-DOリストを小学校まで広げて整備したり、ICTを有効に活用した授業の指導法について研修を拡充したりする予定であります。また、今年度から、小学校教員が中学校英語二種免許状を取得することができる免許法認定講習を開設するとともに、小学校教員の採用選考において英語の筆記や実技を取り入れ、英語指導ができる教員を確保してまいりたいというふうに思っております。  また、5月の関東知事会において、阿部知事が、小学校英語教育の充実にかかわり、英語専科教員の配置やALTの増員、民間企業への英語の授業の委託などを国に対して要望するよう提案し、これを受けて、関東知事会は、6月20日に国に対して要望したところであります。  とりわけ、小学校英語教育への対応については市町村によって差がつきやすいということを考慮し、英語専科教員の配置の研究など県教育委員会としてやるべきことをしっかりやっていきたいというふうに思っております。  以上であります。       〔14番埋橋茂人君登壇〕 ◆14番(埋橋茂人 君)御答弁をいただきました。  私は、今回の国の入試改革は、県の学びの改革でうたわれている深い学びとは異なると思っております。かなり違和感を覚えています。語学が語学ではなくて実用的にすぎるのではないかということであります。話すことと聞くことに重点を移していかざるを得ないという中で、地方と都会の差は本当に大変であります。教員の七十数%が英検準1級レベルを持っているということですが、さらに力をつけていただくことを強くお願いして、私の質問を終わります。 ○議長(垣内基良 君)次に、今井愛郎議員。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)信州・新風・みらいの今井です。通告に従いまして順次質問してまいります。  まず初めに、大北森林組合の補助金不正受給に関連して、林務行政についてお尋ねします。  知事は、昨年2月の定例会議案説明で、林務部に技術職以外の職員を増員して外の風を吹き込むなどコンプライアンス推進に努め、組織風土改革を着実に進めると表明されました。それを受けて、昨年4月の人事異動で、林務部に技術関係者以外の職員配置をふやし、目玉は池田林務部長の登用だったと思います。しかし、1年後の本年4月の人事異動で山﨑部長が登用されました。人事が知事の専権事項であることは十分に承知しているつもりですが、以下3点、阿部知事にお伺いいたします。  一つ目、ことしの林務部人事異動についても、昨年2月に知事が表明された事項は勘案されているものなのでしょうか。  二つ目、定年等があったとはいえ、補助金不正受給を公表して以降、わずか2年数カ月で部長が3人かわりました。たび重なるトップの交代が県民あるいは働く職員にとって有用な異動であったとお考えでしょうか。  三つ目、知事が目指す林務部の組織風土改革等を100としたならば、この1年でその改革はどの程度進捗したと感じられていらっしゃいますでしょうか。  続いて、以下3項目、林務部長にお尋ねいたします。  県は、6月9日、共産党町議でもあった上伊那郡の事業者に平成24年度に交付した補助金235万7,000円余の交付決定取り消しを行いました。プレスリリースによれば、これは本人の申し出ということになっておりますが、一つ目として、この時期の補助金は大北森林組合の不正受給を受け全件調査をしたはずではなかったのでしょうか。また、書面が整っていたとしておりますが、大北森林組合も書面は整っていたわけで、新たな返還の発覚は現地調査を省略したことが原因であり、調査自体が不十分であったと言わざるを得ないのではないでしょうか。  二つ目、補助金の調査方法が旧地方事務所で異なっているとのうわさを聞きました。そもそも、調査方法は県下で統一されていたのでしょうか。  三つ目、今回の補助金には国庫補助金部分が含まれていると思います。加算金等、国との調整はどうなっているのでしょうか。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)林務部の人事異動等について御質問をいただきました。  まず、平成29年度の林務部の人事異動についてでございます。  林務の技術職員がほとんどを占めていたのがこれまでの林務部でありました。同質性が極めて高いわけでありまして、専門的な観点では非常にすぐれた組織だと思いますが、ただ、他方で、人間関係が固定化しやすく、風通しが場合によっては悪くなりがちな部分もあるというふうに考えております。そうしたことから、平成28年度から、御指摘のような林務部の林業技術職とそれ以外の職員との交流を大幅にふやそうという取り組みを進めてきております。  地域振興局を設置いたしました本年4月の人事異動におきましてもこうした職員を増員しております。その結果、以前は、地域振興局、かつての地方事務所の林務課の管理監督職全てを林業職が占めていたわけでありますが、10局のうち半分の5局において事務職を課長または係長として配置をさせていただいております。また、担当職員を含めますと、全ての地域振興局で林業職以外の職員を配置している状況であります。各所属の要所にさまざまな職場を経験した職員が配置され、多様な視点からの指摘やチェックが入ることによりまして、これまで、ともすると慣例に流されがちだった仕事のやり方の見直しであったり、あるいは専門的な内容をわかりやすく伝えていく。私も、林務の職員、技術系の職員の皆さんと話すと、なかなか用語自体がわかりにくいなということがあるわけですが、専門的な内容をわかりやすく伝えてもらうという意識の向上、さらには職員の視野の拡大、こうした効果が出てきているものというふうに考えております。今後とも、交流を継続して組織風土改革に取り組んでいきたいと考えています。  それから、部長の異動についてでございます。  個別具体的な人事異動の考え方について申し上げることは差し控えさせていただきますが、その時々の状況あるいは行政課題に対応して県民の皆様の御期待にしっかりと応えられるように適材適所で人事配置を行っている状況でございます。  それから、コンプライアンスの推進についてでございます。  林務部におきましては、一昨年から林務部コンプライアンス推進行動計画を策定して、再発の防止、また、県民の皆様方からの信頼回復に向けた取り組みを進めてきております。林務部改革推進委員会の皆様方からも一定の成果が出てきているというふうに御評価をいただいております。  組織風土改革あるいはコンプライアンスの徹底、これを将来にわたって常に継続的な改善に取り組んでいくということが重要だと考えておりますので、これで100点だという意識は余り持ってはおりません。まだまだ取り組むべきことは多いわけでありますので、林務部のみならず全庁的にしっかりとコンプライアンスの取り組みを徹底していく中で、県民の皆様方から信頼され、真に期待に応えることができる県組織へと変えていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)3点お尋ねいただきました。  初めに、補助金不適正受給事案での緊急点検についてのお尋ねでございます。  上伊那地域振興局管内の事案は、虚偽の森林所有者の同意書を添付しておりまして、また、全域の森林整備を実施したとする虚偽の申請により補助金の交付を受けていたものでございます。大北森林組合の不適正受給事案の判明を受けた際の緊急点検においては、当該事案は書類調査上の問題がなかったことから、不適正申請とは認識できていなかったものでございます。  緊急点検は、造林補助事業の全ての交付案件について、各地方事務所に保管されていた交付申請書等の全ての関係書類について、図面や写真等の交付申請に必要な資料が添付されているか、矛盾がないか等の点検を行うとともに、調書の記載状況等について申請内容、手続等を確認しております。その上で、森林作業道整備については全箇所の現地確認を改めて行い、間伐等の森林整備については関係書類だけでは事業完了が確認できない箇所等について全箇所現地確認を行ったところでございます。この緊急点検につきましては、2万2,415件といった膨大な交付案件について、平成26年12月から平成27年10月の10カ月間をかけて、通常業務と並行しながら書類と現地の両面から現実的に実行可能な最大限の調査を徹底して実施したものであり、精査が不十分とは考えておりません。  次に、緊急点検の調査方法についてのお尋ねでございます。  緊急点検の実施に当たりましては、公文書により地方事務所に通知いたしまして、県下で統一した手法で実施しております。  具体的には、書類調査に当たっては、事前計画書や補助金交付申請書、調査調書等の関係書類ごとに確認すべき項目について緊急点検チェックシートを作成した上で、経営計画との整合、適用単価の根拠等の確認、伝票等の整合、調査野帳や写真との整合など10項目以上にわたる留意事項を付して統一的に調査を実施しております。  また、現地調査に当たっては、森林作業道については改めて全箇所の現地確認を、また、森林整備にあっては申請書の添付書類等で事業執行が確実に判明できない箇所、具体的には19項目にわたるチェックシートで確認できない項目が一つでもある箇所、あるいは問題の発生していた地域については全箇所の調査を県下で統一した手法により実施しております。さらに、その上で、各所の副所長等により、無作為で森林整備について10%以上を抽出した上で緊急点検を行ったところでございます。  最後に、上伊那地域振興局管内の事案に関する林野庁の調整状況でございます。  この事案に関しましては、議員御指摘のとおり、国庫補助が含まれているため、事案の発覚直後から所管する林野庁に対して事案の内容や県の調査状況について逐次報告し、調査への助言等を得つつ対応してきたところでございます。そうした中で、今回の事案における当時の造林補助事業調査は、調査内規に沿って適正に実施されており、指導監督上の問題はないことを国に十分御理解いただけているものと認識しております。  林野庁の最終的な判断はこれからになりますが、今回の事案で県の指導監督上の不備が問われ、国から県に対し加算金が請求されることはないと確信しております。  以上でございます。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)1点だけ、再質問というより決意を聞きたいと思います。  今後もぽろぽろと不正受給が発覚するようですと、県民の森林税継続に対する理解は得られないんじゃないかと私は思っております。全件調査をちゃんと行ったというのであれば、これ以上の不正受給はないという力強い御答弁を林務部長にいただきたいと思います。  続いて、教育関係について、以下4項目、原山教育長にお尋ねしたいと思います。  一つ目、本年度、県内全ての小中学校との面談を予定されていると聞いておりますが、今までの実施状況と出された課題に傾向等がございましたらお示しいただきたいと思います。  二つ目、諏訪圏域の県議と現地機関とで行われた行政連絡会で、南信教育事務所からも出席があり、入学者選抜等の改革についてお尋ねしたところ、県教委の所管であり義務担当の教育事務所では詳細を把握していない旨の発言がありました。確かに所管は県教委かもしれませんが、中学校の現場を理解している教育事務所をもっと積極的に関与させるべきではないでしょうか。いかがお考えでしょうか。  三つ目、信濃毎日新聞の3月19日の読者投稿に、「15歳の心を考えた高校入試制度に」という投稿がありました。雑駁に申し上げると、昨年11月、寺沢議員が質問されたように、公立高校入試も第1希望、第2希望を選べるようにしてはどうかというものでした。  先ほどの寺沢議員の質問と重複する部分もあるので、私は普通科という観点から質問させていただきますが、資料によれば、私の地元、旧第7通学区では、普通科55名の不合格者に対し、再募集で普通科に合格できたのは10.9%のわずか6名です。また、諏訪圏からの受験者がふえていると言われている松本平の第11通学区の状況を見ますと、普通科は236名の不合格者で、再募集で普通科に合格したのはわずか5.5%の13名です。松本市内の普通科4校に限れば、全体の9割強に当たる216名の不合格者が出ています。  現在、前期・後期試験制度を導入しておりますが、県教委が示した都市部存立普通校36校中25校の普通科では前期試験が行われておらず、公立高校の選択の幅が広いとは言えません。昔に比べて私立がふえたとはいいますが、長野県はまだまだ公立志向が強い県だと思います。学びの改革で思い切った入試改革をすることが教育の充実や魅力ある学校づくりにつながると思いますが、いかがお考えでしょうか。  四つ目、学びの改革基本構想案で茅野高校は中山間地存立校に位置づけられていますが、諏訪地域で最も人口の多い茅野市にある高校を中山間地存立校に位置づけたことに対し、地元と県教委の間の認識にずれがあるように感じます。どのような基準で位置づけられたかとともに、他の地域と同じ基準が適用されているのかお尋ねしておきます。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)不適正受給の今後に向けてのお尋ねでございます。  ただいま御答弁申し上げましたとおり、大北森林組合の不適正受給の判明を受け、現実的に実行可能な最大限の調査を実施してきており、不適正な受給については可能な限り全て洗い出したものと考えております。  また、新たな不適正受給を発生させないという観点から、補助申請書類にGPS等による位置情報を持ち、作業内容が明確な写真を作業箇所ごとに添付を義務づけるなど、現地確認が確実に行われる形に運用を改善し、こうした運用改善の内容につきましては、昨年、ことしと、それぞれ県下5カ所で説明会を実施、林業事業体等への周知徹底を図っているところでございます。  林務部といたしましては、二度と不適正受給を発生させないとの決意のもと、造林補助事業を初めとする各種事業の適正な実施に全力で取り組んでいるところであり、県民の皆様の御理解が得られるよう引き続き努力してまいります。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)入学者選抜制度改革等についてのお尋ねでございますが、まず、学校訪問の実施状況等であります。  学校教育の信頼回復に向けた取り組みなどを含め、長野県教育の望ましい姿について共通の理解を深めるため、5月9日から学校訪問をスタートしまして、市町村教育委員会の御理解と御協力のもと、これまで、34市町村、186人の小中学校の校長と懇談を実施してまいりました。全体の約3分の1という状況でございます。さまざまな学年の授業や特別支援学級の授業を見させてもらうとともに、学校長と直接膝を交え、現場の抱える課題や今後のあり方などについて率直な意見交換を重ねてまいりました。  懇談において出された主な課題としては、学力向上のための授業改善と教員の授業力向上、発達障害など配慮を要する児童生徒が安心して学べる授業づくり、中山間地における児童生徒数の減少と少人数ならではの学びの可能性、教員が余裕を持って児童生徒と向き合うことのできる環境づくりの必要性などでありまして、今後、いただいた御意見を踏まえ、現在策定中の第3次長野県教育振興基本計画に反映していくとともに、これらの課題解決に向けて市町村教育委員会や学校とともに取り組んでまいりたいというふうに考えております。  次に、入学者選抜制度改革への教育事務所の関与であります。  学びの改革基本構想の理念を踏まえまして、望ましい入学者選抜制度のあり方について検討するために、本年6月に12名の委員から成る長野県高等学校入学者選抜制度等検討委員会を設置したところであります。入学者選抜制度は、受け入れ側の高校だけではなく、送り出す側の中学校等にも大きくかかわりますので、義務教育の状況に精通している小学校長、中学校長、市町村教育長などにも委員を委嘱しているところであります。県下全体の義務教育の状況を把握している教育事務所とはこれまでも中学生の進路についてさまざまな連携をしてきておりますが、今後も情報の共有に努め、一層の連携を図ってまいりたいというふうに思っております。  それから、公立高等学校の入学者選抜制度等の改革についてでありますが、平成16年度に導入した前期選抜については、不合格者数の多さなどの課題が指摘され、平成23年度に全日制普通科28校で前期選抜を取りやめたという経過があります。今回の検討委員会では、入学者選抜制度及び通学区制の成果と課題について検証を行っているところであります。今後、学力の3要素をより適切に評価できる選抜制度、学力検査の全員実施の是非、受検機会の複数化の是非、実施時期や日程、通学区制などを議論し、さまざまな角度から検討していきたいというふうに考えております。  最後に、茅野高校が中山間地存立校に位置づけられた基準についてでありますが、学びの改革基本構想では、都市部存立校については、市街地に位置し、地理的条件から学校群として一体的に将来像を検討することが望ましい全日制高校ということでありまして、その条件を満たさない全日制高校については中山間地存立校という整理をしたところであります。  茅野高校は、市街地に位置しておりますけれども、地理的条件から見ますと、学校群として一体的に将来像を検討することが望ましい全日制高校が周囲にはないということから都市部存立校には該当しないというふうにしたものであります。この都市部存立校と中山間地存立校の案は、全県同じ考え方で示させていただきました。  本年6月にお示ししました都市部存立校、中山間地存立校については、我々県教育委員会としての案でございます。8月に行われる地域懇談会では、旧第7通学区における将来の高校の全体像を考えていくということにしております。茅野高校につきましても、地域の期待に応え、魅力ある学校としていくためにどのような将来像を描くべきか、地域の皆さんとともに考えていきたいというふうに考えております。  以上であります。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)高校の改革についてはいろいろと出ておりまして、申し上げませんが、先ほど来、寺沢議員そしてまた石和議員からもあったように、誰のための高校改革か。地域のためでなく、やはりそこに育ち学ぶ子供にとってはどんな学校がいいのか、そんな観点をぜひ忘れずに検討していただきたい。そんなことをお願い申し上げて、次の質問に移ります。  性的マイノリティー、LGBTへの取り組みについてお尋ねいたします。  LGBTについては、IOCが2015年11月にトランスジェンダーの五輪参加基準の緩和を表明したり、iPhoneで有名なAppleのティム・クックCEOが自身がLGBTであることを告白しております。国内でも、2013年、大阪市淀川区がLGBT支援宣言や、2015年、渋谷区が同性パートナーシップ条例を制定しておりますが、最大の転機は、2013年の東京オリンピック招致決定と言われております。2015年、電通が成人約7万人に行った調査によると、LGBTは13人に1人と言われており、この数値は、血液型がAB型の人あるいは左ききの人とほぼ同数だと言われております。憲法14条、法のもとの平等の観点からも、長野県においてもLGBTへの取り組みが必要と考えますが、順次現状等についてお尋ねいたします。  一つ目、教育長にお尋ねいたします。  自身の性について違和感を持つのは小学校低学年のころからと言われております。文科省は、教職員のLGBTへの配慮を通知し、手引書も公開していると思います。教職員に対する研修会の実施状況とその参加率はどうなっていますか。また、県下の教育現場でLGBTを要因とするトラブル等は報告されていますでしょうか。  二つ目、総務部長にお尋ねします。  昨年、連合が1,000人の労働者に行ったネットアンケートでは、8%がLGBTの当事者であったと言われております。電通調査よりは少ないですが、5,000人を超える長野県の行政職の中にも相当数のLGBTが潜在していると思われます。実態調査はまだ行っていないと思いますが、職員に対する研修会等は行われていますか。また、勤務中に困ることとして、トイレや更衣室の問題があると聞きます。県として、職場環境への配慮についていかがお考えでしょうか。  三つ目、県立大学設立担当部長にお尋ねします。  報道によれば、女子大でもトランスジェンダーの受け入れの検討を始めた、または始める予定とのことです。県立大学は共学ですから受け入れ自体を検討する必要はありませんが、1年目が全寮制であることや今後の大学運営を考えると、LGBTへの対応を検討していく必要があると考えますが、いかがお考えでしょうか。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)LGBTに関する教職員の研修会についてのお尋ねであります。  小学校、中学校、特別支援学校、高校の人権教育担当者を対象といたします学校人権教育研修会におきまして、平成27年度からLGBT児童生徒に対する教職員の理解と支援体制構築について周知を図ってきたところでございます。平成29年度の参加者数でありますが、ほぼ各校1名から約700名の参加を得ているところでございます。このほか、初任者研修での同様の周知のほか、人権教育講師派遣事業としてLGBT当事者による学校での講演等を実施したところでございます。  それから、LGBTの児童生徒に係るトラブル等については特に報告は受けていないというのが状況でございます。       〔総務部長小林透君登壇〕 ◎総務部長(小林透 君)LGBTについての御質問にお答えをいたします。  まず、職員への研修等についてでございますが、県職員にとってLGBTに関する理解を深めることは、人権尊重という観点から、あるいは誰にでも働きやすい職場づくりという観点からも大切な取り組みであると考えております。  県では、毎年職員ハラスメント防止講習会を開催してございますが、本年2月13日の研修会ではLGBTを取り上げ、専門家から詳細な講義を受けたことを初め、各種会議や通知などでLGBTについて説明することで、LGBTに対する理解を深める努力をしてございます。  それに加え、この3月末には、職場におけるハラスメント防止要綱を新たに策定し、LGBTに対する偏見に基づく言動についてもセクシャルハラスメントに含まれることを明文化するとともに、ハラスメント相談専用電話は相談者の希望する性の者が相談を受けることとし、LGBTの方々にも配慮をしたところでございます。  次に、職場環境への配慮についてでございますが、県が職員を含めてさまざまな利用者を想定し、率先して施設面での対応を進めていくということは、社会全体が多様性を受け入れる環境づくりをするという観点からも重要な取り組みであると考えております。  県では、これまで、バリアフリーやユニバーサルデザインの考え方に基づきまして、例えば、県庁舎内においては、障害のある方や子供連れの方など多様な利用者に配慮した多目的トイレ11カ所を整備したところでございますが、それが、LGBTの方々も含めて誰にでもより利用しやすいものとなるよう、関係部局とも連携し、議員御指摘のとおり、幾つかの取り組みを始めた自治体もあると聞いてございますので、そうした情報収集にも努めて、案内の表示方法等も研究してまいりたいと考えているところでございます。  以上であります。       〔短期大学事務局長兼県立大学設立担当部長玉井裕司君登壇〕 ◎短期大学事務局長兼県立大学設立担当部長(玉井裕司 君)県立大学におきますLGBTへの対応について御質問をいただきました。  御指摘のとおり、県立大学で行う教育の特徴の一つといたしまして、学生の自立性、社会性を育む1年次の全寮制がございます。学生が集団生活を行う寮におきましてLGBTへの適切な対応を図っていくためには、個別の事象にもよるわけでございますけれども、部屋割りを初めとして、トイレ、シャワールームの使用方法、他の学生との情報共有のあり方など、寮生活全般にわたるきめ細かな配慮が必要になると考えております。
     多様性や人権への配慮は、県立大学の運営上極めて重要な観点と考えております。個々の学生が不当な差別的取り扱いを受けることがないよう、保健師などが常駐をいたします学生サポートセンターを整備いたしまして、全ての学生が充実した学生生活を送ることができるよう支えてまいりたいと考えてございます。  以上でございます。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)小中学校等を含めて教育現場では問題がまだないということですが、実際、これはいじめの温床だったり、あるいは自殺につながるというケースが非常に多い。特に男子生徒の場合、普通の方に比べると7倍から8倍自殺の可能性が高くなるというデータがあるそうですので、今後もしっかり注視していただきたいと思います。  最後に、阿部知事にお尋ねいたします。  人権問題であるLGBTへの取り組みは多岐にわたる取り組みが必要になると思います。にもかかわらず、なかなか顕在化していないために、取り組みが後手に回っている部分があるような気がします。  昨年10月の信濃毎日新聞社の社説にも、LGBTの方々が切望しているのは正しい理解であり、そのためにはLGBTを理解して支援する人たちを指すアライをふやすことが必要であると提言されております。先ほど総務部長が検討しているとした県職員に対する研修会はもちろんですが、県民に対しても講演会の開催等を通じてLGBTへの理解を深め、アライをふやしていく必要があると考えますが、御所見をお尋ねいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)LGBTの方々への理解の促進についての御質問でございます。  LGBTの方々にとりましては、社会からの理解が余り進まず、差別や偏見があって生きづらいという状況があるものというふうに考えております。誰にでも居場所と出番がある長野県を構築していく上でも、LGBTの方々への理解者をふやしていくということが重要だと考えております。  これまで、本県では、人権啓発センターにおいて、広報誌等を活用した啓発や相談への対応を行いますとともに、人権フェスティバルでの当事者による講演なども実施をしてきております。今後ともこうした取り組みを進めていくと同時に、私自身も、心の性と体の性の不一致に悩む方、あるいは性的少数者として差別や偏見に苦しんでいる県民の皆様方の御意見をお伺いをして、LGBTの皆さんの思いに寄り添ってこれからの取り組みを考えていきたいと考えております。  以上です。       〔2番今井愛郎君登壇〕 ◆2番(今井愛郎 君)前向きな答弁をいただきましてありがとうございました。  この問題につきましては、知事も非常に関心があるダイバーシティ社会の中でいろいろな多様な人間を支えていくんだということを常々言われておりますので、ぜひとも今後ともその辺に大きな力を注いでいただけるようお願い申し上げまして、質問を終了させていただきたいと思います。 ○議長(垣内基良 君)次に、堀内孝人議員。       〔21番堀内孝人君登壇〕 ◆21番(堀内孝人 君)自由民主党県議団、堀内孝人です。午前中最後の質問となりますが、もうしばらくおつき合いいただきたいと思います。  2027年の2巡目国体に向けた取り組みについてお伺いします。  長野県下では、10年後の2027年、国民体育大会が開催されることになりました。日ごろスポーツを通じての活動をしている県民の皆様には関心の高いところとなっています。1978年(昭和53年)に開かれたやまびこ国体から既に39年を数えようとしている現在、国体はさまざまな進化を遂げて国内の各地で行われてきました。我が県では、また部分的な開催として冬季競技を何度かお引き受けしてきた郷土のすぐれた選手の活躍と、それを支える関係者、ゲームを観戦、応援する人たち、それぞれがともに歴史と実績を積み上げて今日に至っております。ここにいらっしゃる方の多くも、かかわり方の差はあれ、やまびこ国体を初め、これまで国体に何かしらかかわり合いを持ってこられたと思います。そして、その記憶や思い出を振り返ることがあるのではないでしょうか。私自身も、微力ながら携わらせていただいたとの思いがあります。選抜された選手への育成や指導、各地の遠征、転戦への帯同、また、大会審判も実際に経験をさせていただきました。  昨年、前伊藤教育長は、国体開催に向け、競技力向上にどう取り組むか、ジュニア段階からの計画的取り組みが必要だとおっしゃっておりました。関係団体と連携し、競技力向上に努めると答弁をいただきました。今の時代は、美術やスポーツが大事、厳しい時代だからこそスポーツや文化を次の世代に残すのが我々の義務だと思います。長野県の平均寿命が男女とも全国1位になったのは、食生活の指導やスポーツの推進など、地域で健康を支え合う仕組みが根底にあると思っております。  また、知事は、健康長寿県をさらにつくる上で県民がスポーツに親しめる環境づくりは欠かせないと国体開催の意義を述べ、大会を成功させることはもちろん、その前後の取り組みを含めて地域の活性化につなげたいと意欲を示されたと思います。  さて、開催を10年後に控えて、郷土の力を最大限に生かし、発揮するためには、今、どのようなことができるだろうか。県民にとって大きな夢と意義のある契機となるように、私なりに思うところから原山教育長にお聞きしていきたいと思います。  まず、過去のやまびこ国体からの時間の経過が大きいが、やまびこ国体を改めて振り返り、国体を開催した意義や現在に継承されていることとは何か、お伺いします。  それを踏まえ、過去に開催した経験のある市町村及び地域が各種競技種目に対して関心や意欲を持ち、新たな開催候補地として名乗りを上げようと準備、検討を行っていることと思います。2巡目国体で中核となるのは現在のジュニア層。そこで、本県の少年の競技力の現状を伺います。国体の本大会での少年の成績はどのような状況か、また、今後の育成強化をどのように進めていくか、お考えをお伺いします。  スポーツ関係者の中には、国体開催は正式に決まったのかとの声もあり、また、2027年の国体開催までの大まかなスケジュールはどうなっているか伺います。  県としての意思や情報が浸透していない印象も少なからず受けております。来るべきその日に向けた機運の醸成、情報発信、そして、それが各種メディアの力と協調して進められるように早急に着手してはどうか、お伺いします。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)2巡目国体に向けた取り組みについてのお尋ねでございます。  まず、やまびこ国体の意義や現在への継承についてというお尋ねであります。  昭和53年のやまびこ国体は、冬季、夏季、秋季の各大会合わせ、県内32の市町村において多くの県民の参加と協力を得て開催されました。大会の開催は、地域のスポーツ環境を支える体育施設を各地に残したほか、当時実施された競技が、現在に至るまで「おらが町のおらがスポーツ」として親しまれ、大切にされている地域も多いという状況です。また、本県選手や関係者が一丸となって挑んだ天皇杯と皇后杯の獲得は、県民のスポーツの日常化に大きく貢献するとともに、大会を成功に導いた県民の自信と誇りは、長野オリンピック・パラリンピックの原動力ともなったところであります。  さらに、大会の開催を契機としたスポーツ会館の建設やスポーツ振興基金の設置、さらには学校体育や社会体育の指導者養成等を所管する長野県体育センターの設置など、現在の本県スポーツ振興の礎となる有形無形の財産がやまびこ国体によってもたらされたというふうに考えております。  少年の成績、今後の育成強化でありますが、近年の国体の本大会における県勢の成績は厳しい状況が続いておりますが、特に少年の部に関しましては、過去5年間の平均で40位台と低迷しているのが現状です。これは、選手の発掘、育成の体制や練習環境、有望選手の県外への流出、特定種目への競技者の集中、さらには運動する子供としない子供の二極化の問題のほか、指導者の高齢化や女性指導者の不足、子供が活動できる地域のスポーツ環境などさまざまな要因が考えられます。  選手の育成強化には長い期間が必要となりますが、今後、改めて一つ一つ本県のスポーツ環境の現状分析を進め、中長期的な視点を持って、県体育協会、学校体育団体、そして地域のスポーツクラブ等とも連携しながら、2027年の国体に向けた選手の育成強化に取り組んでまいりたいと考えております。  それから、国体開催までのスケジュールでありますが、2月県議会において大会招致の御決議をいただいた2027年の大会開催でありますけれども、去る5月22日に文部科学大臣及び日本体育協会会長に対しまして開催要望書を提出したところであります。来月開催されます日本体育協会の理事会において御了解をいただければいわゆる内々定となりますので、その後、県や市町村、関係団体等で構成する準備委員会を設置し、大会基本方針の策定や競技会場の選定方法など本格的な準備に着手していく予定であります。  国体の情報発信ですが、今申し上げましたように、今の段階では開催を要望しているということでありますので、開催要望書を提出と同時に、県教育委員会としては、国体や全国障害者スポーツ大会の情報を掲載したホームページの開設という状況であります。しかし、今後、本県開催の内々定を受けた後については、県や市町村の広報媒体の活用などを含め、積極的な情報発信に努めてまいりたいと考えております。  なお、大会のテーマやキャラクターなど戦略的な広報手段は、今後設置いたします準備委員会において検討を進めていく予定でありますが、多くの県民の方がさまざまな形でこの大会に参加していただく機運を高めることで、スポーツをする、見る、支える、そういった層の拡大と地域振興など多様な分野での活用によりスポーツを通じた元気な長野県づくりを進めてまいりたいというふうに考えております。       〔21番堀内孝人君登壇〕 ◆21番(堀内孝人 君)ありがとうございました。7月には内々定が決定するようなお話がありました。ぜひスポーツの力で長野県が元気になることを期待して、次の質問に移ります。  松くい虫被害と対策の現状と課題についてお聞きします。  年々拡大しています松くい虫被害は、依然として各地で多発しております。現在はだんだんと北へ北へと枯れ木がふえ、放置状態のアカマツの被害が広がるのみ。県土で大発生している中、県は、関係市町村と早急に被害の状況を踏まえ、総合的な防除対策を講じてほしいと思っております。  美しい景観を形成していく上にも、積極的に保全していかないと、「世界級リゾートへ、ようこそ。山の信州」、山岳高原観光地づくりを長野県は目指していこうとしているところなのに、赤茶色の山になってしまっております。被害木から新たな松に飛んでいくという過程が繰り返されて被害が拡大していると思いますが、来春飛び立つまでの駆除が有効だとお聞きもしております。  アカマツの立ち枯れ被害の実態把握をどのように行っているのか。  防除のための空中散布への懸念と実際の効果は。  アカマツを初めとする松林の植生に配慮した保全の方法、今後の見通しは。  また、技術や人材と労働力など松林の保全のための環境づくりをどのように進めるのか。 山﨑林務部長にお伺いします。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)松くい虫関係で4点御質問をいただきました。  初めに、被害の実態把握に関するお尋ねでございます。  松くい虫被害は、昭和56年の被害発生以来、区域の拡大に伴い被害量が増加し、平成28年度は7.3万立方、被害市町村51市町村に及んでおり、上伊那、松本管内では拡大傾向が見られるなど、近年甚大な被害が継続している状況にございます。  こうした松くい虫被害の把握については、地域振興局や市町村の職員、市町村に配置された松林巡視員などのパトロール、森林組合等の林業関係者、地域住民からの連絡により把握に努めているところでございます。  今後に向けましては、広域的な被害発生状況を効率的に把握し、効果的な対策を行えるよう、航空レーザー測量のデータや人工衛星写真の近赤外線データ等から、枯損木と健全木の違いを判読する最新の手法の活用など、現在検討を進めているところでございます。  次に、空中散布への懸念と効果に関するお尋ねでございます。  まず、松くい虫被害につきましては、体長約1ミリのマツノザイセンチュウがマツノマダラカミキリ等に運搬されてアカマツ等松類の中に侵入することにより松類を枯死させる樹木の感染症とも言えます。線虫の松類への侵入は、6月ごろに羽化したカミキリが松の枝をかじる際に生じるため、この時期に松へ薬剤を散布することが予防に効果的であるとされており、散布地区においては被害の急激な拡大の抑制が確認されます。  空中散布は、県民の暮らしに重要な松林を守るため予防効果の高い対策ですが、一方で、化学物質過敏症等の感受性が高い方などからは懸念の声も出されております。こうしたことから、県では、平成23年度に松くい虫防除のための農薬の空中散布の今後のあり方を策定し、空中散布に当たっては地域住民の皆様とのリスクコミュニケーションを強化して実施することとしております。  続きまして、松林の保全の方法、今後の見通しに関するお尋ねでございます。  アカマツは、他の植生では生育できない尾根筋などに生育いたします。こうしたことから、防災上あるいは景観上、さらにはマツタケ林など、地域にとって重要な松林について「守るべき松林」として市町村が指定し、重点的な対策を実施することとしております。  「守るべき松林」では、薬剤散布等の予防事業と被害木の駆除を組み合わせ、松くい虫被害の侵入を防止することを主眼に保全対策を講じているところでございます。また、その周辺の松林では、被害木の駆除と松から他の樹種への転換を組み合わせ、「守るべき松林」への被害拡大を防止することを主眼とした対策を講じております。  県内の松くい虫被害につきましては、依然として深刻な状況が続いており、また、温暖化などの影響でさらに高冷地への拡大も懸念されることから、今後とも予断を許さない状況と考えております。  最後に、松林保全のための環境づくりに関するお尋ねでございます。  松くい虫被害の深刻な状況が続く中で松林の保全を進めていくためには、被害の現状や対策を行政機関のみならず、林業関係者や地域住民の皆様と共有するとともに、被害木の資源化など新たな発想での対策を進めることが必要と考えております。  このため、薬剤散布や樹種転換などの被害対策を地域住民の皆様のより深い御理解のもとで効率よく進めるため、パトロール等従来の手法での被害把握に加え、先ほど申し上げましたとおり、衛星写真等を活用して広域的に被害状況の広がり方等を詳細に把握し、被害の見える化を図った上で対策を行うよう検討しております。  松くい虫被害材の駆除を行う人材は、素材生産従事者がふえているということから一定程度おりますが、伐倒する方向が定まらず労災の原因となりやすいので、この新しい対策を進める過程で安全な作業方法等につきましても周知徹底を図ってまいりたいと考えております。  また、今年度から、新たな発想で、松くい虫被害木をバイオマス燃料などに地域ぐるみで資源化して利活用するモデル事業を実施することとしており、被害材の伐採、搬出、輸送等について作業工程の安全性や効率性を含め、検証を行うことといたしました。  松林は、防災や景観のみならず、全国一のマツタケ生産を支えるなど本県にとって欠かすことのできない森林であり、薬剤散布を含めたこれまでの対策に加え、資源化などの新たな発想での対策を組み合わせながら健全な松林を守り育てていく取り組みを進めてまいります。  以上でございます。       〔21番堀内孝人君登壇〕 ◆21番(堀内孝人 君)まだまだ青い松林がたくさんありますので、長野県全体に広がる前に対処していってほしいと願っております。  次の質問に入ります。保育士バンク事業についてお伺いします。  保育士人材バンク事業、全国で子育て世代の女性の就業率は72%を超え、第1子を産んだ後も働き続ける女性が初めて5割を超えました。こうした状況の中、都市部を中心に、保育所を利用できない待機児童が発生しており、特に保育の受け皿拡大を支える保育人材の確保が全国的な課題であると報道されております。保育人材確保のためには、保育士養成機関における人材育成に始まり、保育現場における勤務環境の改善、市町村、県のさらなる取り組みが不可欠であります。  長野県では、この4月1日においても待機児童はないということでありますが、3歳未満児保育のニーズの高まりを受け、保育士確保が課題になっているとの現場からの報告もあります。例年、秋から冬にかけて保育士の求人が増加しているとのことでありますが、保育現場からの求人に速やかに対応できる体制整備が求められていると思います。県では、5月から保育士人材バンク事業を始めていますが、その取り組み状況について青木県民文化部長にお聞きします。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)保育士人材バンクについてのお尋ねでございます。  3歳未満児の保育のニーズが高まる中で、年度途中を初めといたします保育士の確保が課題となっているところでございますが、一方で、保育士資格を持ち保育士として働いていない方が県内に約2,000人いらっしゃり、そのうちの約6割の方が今後保育士として働きたいとのお考えであると把握をしているところでございます。  これらの方々と公立、私立の保育所、認定こども園等のマッチングを行うことが求められておりますことから、長野県保育士人材バンクを設立し、この5月1日から運用を開始したところでございます。具体的には、専任のコーディネーターを配置し、保育士として働ける方々と市町村保育所等の双方に求職・求人登録を促すなどの取り組みを順次始めたところでございます。スタートして間もないわけでございますが、6月20日現在の登録等の状況を申し上げますと、保育士資格をお持ちの方など19名に求職登録をいただき、また、保育所等から21件80名の求人登録をいただいております。それぞれ求職・求人相談に当たっているところではございます。  今後につきましても、県下各地での就職相談の開催や県の広報等を活用することによりまして、求人のピークを迎えます秋から冬に向けまして、保育士資格をお持ちの方の人材バンクへの求職登録を促進し、保育士確保の支援に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。       〔21番堀内孝人君登壇〕 ◆21番(堀内孝人 君)新しい事業なのでぜひとも一生懸命お願いしたいと思っております。  それでは、最後の質問にいきます。  健康増進いきいき信州について、健康で長生き、それは多くの人々にとって普遍的な願いであります。テレビ、新聞では健康について取り上げることが大変多く、健康に関する書籍も多く出されております。人は皆、健康長寿に関心を持っております。  既に誰もが承知しておりますように、先ほども言いましたが、長野県は全国一の平均寿命を誇る健康長寿県であります。平成25年に発表された都道府県別生命表では、本県の男性が80.88歳、女性が87.18歳と、男女ともに長野県は日本一であります。  先日、うれしいニュースが飛び込んでまいりました。都道府県別年齢調整死亡率という健康に関するデータが国から発表され、全ての死因において長野県は男女ともに最も低いというものでありました。新聞報道でもその要因について触れておりますが、さまざまなことが考えられると思います。一つは、高齢者の皆さんの就業率が28.7%と全国1位で、生きがいを持って暮らしておられること。また、長野県民の野菜をとる量が男女ともに全国1位であること。そして、県内に多くいらっしゃる、地域で健康づくりにかかわる皆さんの取り組みが活発であるだけでなく、長く積み重ねられていることなどが挙げられます。それらが総合されて今の長野県の健康長寿を築き上げたと思うのであります。総合力と積み重ねが重要であったと考えます。  さて、長野県では、平成26年から、本県の強みであり価値でもある健康をさらに伸ばすため、ACEプロジェクトを展開しております。生きがいを持ち、健やかで幸せに暮らせるしあわせ健康県を目指してスタートしたこのプロジェクトは、脳卒中などの生活習慣病予防に効果のあるアクション、チェック、イートに取り組む県民運動であります。これまでも、生活習慣病予防は重要と言われ続けておりましたが、平成25年の県民健康・栄養調査では、成人男性の約6割、女性の約5割が高血圧あるいは高目であると。成人男性の3割、女性の約2割が肥満である。成人男性の約2割、女性の約1割が糖尿病あるいはその疑いがあるとされております。  依然として、脳卒中、心疾患、糖尿病の原因となる高血圧、肥満などの予防は喫緊の課題であると思われます。これらを改善するために、食生活、運動など、生活習慣の改善に県民総ぐるみで取り組むACEプロジェクトでありますが、これまでの成果と課題、今後の取り組みの方向について山本健康福祉部長にお伺いします。  先ほど積み重ねが大事と申し上げました。県内には、その積み重ねを実践してこられた皆さんがいらっしゃいます。地域では食改さんと呼ばれていますが、食生活改善推進員の皆さんであります。保健所で開催された栄養教室を修了された皆さんの中から意欲的な方々が集まり、全国に先駆けて県の協議会が結成され、来年で50周年を迎えます。息の長い取り組みで本県の健康長寿に貢献されてこられました。おそろいのピンクのTシャツを着て活動されている食改さんは、お隣さんからお向かいさんへとさまざまな場面で食生活改善の取り組みを普及されております。  私の地元、須坂市では、料理講習会で須高地域の郷土料理「ひんのべ」や、室山わせゴボウのうま煮を題材に郷土食のよさを普及したり、市民健康まつりなどのイベントでは具だくさんで0.8%塩分のみそ汁を振る舞って減塩の大切さを普及するなどの取り組みも進めております。  全県下におかれましても、地域色豊かなさまざまな取り組みを進めておられると思いますが、近年、食改さんの数は減少傾向にあると聞いております。食を通しての健康づくりをみずから実践し広めてこられた食改さんの活動が縮小していくことはとても残念であります。この草の根運動をこれからも広げていくことが、長野県の健康づくりACEプロジェクトを県民総ぐるみで推進していくためには必要と考えております。  そこで、食生活改善推進員の皆さんの活動状況はどのような状況なのか、また、活動を活性化させるためにも食生活改善推進協議会への支援を充実すべきであると考えますが、いかがでしょうか。山本健康福祉部長にお伺いして、質問を終わりにします。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)ACEプロジェクトの成果と課題、今後の取り組み方針についてのお尋ねであります。  信州ACEプロジェクトについては、生活習慣病予防のための三つの重点項目を設定し、市町村や関係団体、企業と連携して取り組んでまいりました。  具体的には、アクション(体を動かす)については、ウオーキングコース整備の市町村への働きかけや県内各地域への御当地体操の普及、チェック(健診を受ける)については、保険者団体と連携して、健康づくりイベントなどにおける受診促進の呼びかけ、イート(健康に食べる)については、コンビニなどと連携して塩分や野菜の量に配慮したACE弁当の提供などによる取り組みを進めてまいりました。その結果、ウオーキングコースについては74市町村で整備され、御当地体操については67市町村で実施されております。また、健診受診率については、3年前の48.2%から52.5%に向上、塩分摂取量については3年前の10.6グラムから10.3グラムまで減少してきているところであります。  一方で、県民の健康状態やプロジェクトの取り組み状況がわかりにくく、県民総参加の運動として定着しているとまでは言いがたい状況にあると認識をしております。今年度は、県民の健康状態を見える化して、地域の健康課題を県と市町村で共有し、地域課題の解決に保健福祉事務所が一体となって取り組みを進めます。また、県民一人一人にプロジェクトの情報を届けるため、県内大学生も参画の上、SNSを活用して効果的な発信を行っていきたいと考えております。さらに、働き盛り世代への取り組みが重要であることから、事業所における健康づくりに関する意欲の高い企業において健康経営のモデル事業を実施し、その成果を普及してまいります。今後とも、このプロジェクトを県民総参加の運動とするべく取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、食生活改善推進員の活動状況と支援の充実についてのお尋ねがございました。  食生活改善推進員は、昭和42年に県組織が設立されて以降、その数は増加してまいりましたが、平成2年をピークに高齢化等により減少し、平成28年度末で3,411人となっております。  食生活改善推進員の活動は、会員が研修で学んだことをみずから実践するとともに地域に普及するものであり、具体的には、バランスのよい食生活や薄味でおいしく食べるといったテーマでの講習会や親子そろっての食育講座の開催、高齢期の食事づくりの知恵や工夫の普及などの取り組みを進めております。  県としましては、これまで食生活改善推進員の養成講座に加え、スキルアップのための講習会や全県下から推進員が集う食生活改善推進大会を開催し、会員の育成を支援するとともに、協議会の事務局を県が担うことで連絡調整や各種行事の運営をサポートしてまいりました。本県の健康長寿に大きく貢献されてきた食生活改善推進員の皆さんの活動をより活性化するため、推進員の活動事例集を作成し広く普及するほか、今年度から、事業所、学校訪問による若者、働き盛り世代への働きかけを行っていただけるよう環境整備に努めてまいります。  以上でございます。 ○議長(垣内基良 君)この際、午後1時まで休憩いたします。
            午後0時休憩          ──────────────────         午後1時開議 ○副議長(諏訪光昭 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  髙島陽子議員。       〔17番髙島陽子君登壇〕 ◆17番(髙島陽子 君)知事の議案説明にある新たな将来世代応援県民会議は知事が会長でスタートしたが、由来は子供を性被害から守る条例にあり、それまで、それぞれの方向性を持つ二つの組織が合体したと認識する。長野県では、長い年月にわたり、いわゆる青少年健全育成の観点から求められてきた同条例が、全国的に見ても独自の、いわば長野方式で限定された構成要件で着地点を見出し、運用面においては慎重な配慮という条件でこぎつけたと感じている。二つの組織、青少年育成県民会議と子ども・子育て応援県民会議とを発展的に統合したとするが、この意義について伺う。  将来世代応援県民会議は、多岐にわたる子供に関する諸課題に総合的に向き合う、一体的で安心な子育て環境を実現するために組み立てられている。歴史や実績のある民間団体と県や市町村とのより確かで円滑なネットワークを築かれることが期待されて発足したと理解している。  以上を知事にお聞きする。  次に、県が過日発表された16年度の県の児童虐待相談は、5年連続過去最多となる1,909件で、心理的虐待が全体の6割近くで、虐待相談の経路としては警察を頼るのが最も多く、全体の4割前後に上った。警察が相談窓口となる認知件数の増加が著しく、年々この傾向が強まっているとされるが、この原因や理由は何か。児童虐待は、心理的区分が多数を占める状況の中、どのような背景からこうした現状を招いているのか。それを踏まえ、児童虐待に対する警察の果たす役割、児童相談所との連携について伺う。  以上3点について尾﨑警察本部長にお聞きする。  続いて、青木県民文化部長に以下2点をお聞きする。  警察が虐待相談に対応し、児童相談所へ通告という経路をたどると思うが、このときに児童相談所が果たす役割や警察との連携はどうなっているのか。  児童虐待事案に対しては面接指導が中心的で大多数とされるが、施設入所や里親への委託など、家族のもとを離れて生活することとなった児童への適切かつ多面的なケアや処遇は、当然のことながら育ちの保障として欠かせない。児童養護施設で生活する子供への支援体制の強化も一層の充実が図られるべきと考えるが、いかがか。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)子ども・子育て応援県民会議と青少年育成県民会議を発展的に統合した将来世代応援県民会議、この発展的統合の意義について伺うという御質問でございます。  子供・若者支援を効果的に進めていく上では、これは行政のみならず、広く県民の皆様方の御協力のもとで進めていくことが重要だというふうに考えております。もとより、県行政として経済的支援など必要な施策をしっかり講じる中で責任と役割を果たしていく必要があるというふうに思っておりますが、その一方で、例えば子供の見守りであったり居場所づくりといったようなことについては、広く県民の皆様方が参画する中できめ細かな対応が可能となるというふうに考えております。県もメンバーの一員として加わっておりますこの県民会議、こうしたオール信州の取り組みの推進母体として重要な組織であるというふうに考えております。  発展的統合の意義でありますが、子供、若者を取り巻くさまざまな課題、これは、年齢別に切り分けたり、あるいは行政も縦割りで対応するいうことでは対応が困難、解決が困難なものがたくさん生じてきております。子供が生まれてから社会的に自立するまでを包括的に支援、応援していくということが重要だと考えております。二つの県民会議を統合することによりまして、それぞれの県民会議のこれまでの強みを生かしつつ、子供、若者の成長過程に応じた切れ目のない支援の取り組みを充実させていくことができるというふうに考えております。  以上です。       〔警察本部長尾﨑徹君登壇〕 ◎警察本部長(尾﨑徹 君)児童虐待について3点御質問をいただきましたので、順次お答えいたします。児童虐待の認知が増加している原因や理由についてまずお答えいたします。  長野県警察における過去5年間の児童虐待事案認知・対応状況は、全国と同様に年々右肩上がりで上昇しております。平成28年中に警察が認知した児童虐待につきましては、被害児童数が819人、前年比プラス245人、児童相談所への通告人数は775人、前年比プラス235人で、統計をとり始めた平成11年以降最多を記録いたしました。また、平成29年5月末では、被害児童数が347人で前年比プラス16人、児童通告人数は334人で前年比プラス30人になり、依然増加傾向にございます。  警察の児童虐待への対応件数が増加傾向にある要因といたしましては、県民意識の高まりなどにより児童虐待に関する通報が積極的になされることとなったことに加え、警察といたしましても、児童虐待の早期発見に向けた取り組みを強化しているといったことなどが考えられます。  次に、心理的なものが多数を占めている背景についてお答えいたします。  心理的虐待とは、児童に対する著しい暴言や拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力など児童の心身に有害な影響を及ぼすものと定義されております。  平成28年の児童虐待に係る通告人数775人中、心理的虐待が511人で全体の約65%を占め、そのうちの445人、約87%は配偶者からの暴力事案によって認知したものでございます。配偶者からの暴力事案については、この種事案に対する社会的関心が高まり、被害者等から積極的な相談や届け出がなされているなど、その認知件数は年々増加しております。  心理的虐待は、配偶者からの暴力事案の現場に児童が居合わせることが多く、心理的虐待の増加にはそうした背景が考えられます。  最後に、児童虐待に対する警察の果たす役割と児童相談所との連携についてお答えいたします  児童虐待の早期発見と被害児童の早期保護は、児童の生命、身体の保護という警察本来の責務でございます。児童の安全を確保していくためには、児童相談所との平素からの連携が重要であり、警察官の児童相談所への出向による配置や児童通告による情報共有のほか、児童相談所と警察との児童虐待事案合同模擬訓練や県下児童相談所長との意見交換会等を開催して一層の連携強化に努めております。  また、児童福祉法の規定に基づき、県や市町村が設置する要保護児童対策地域協議会に参画し、個々の事案のケース検討を行う中で、児童相談所等の関係機関との連携強化に努めております。  以上でございます。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)まず、児童相談所の果たす役割についてでございますけれども、児童相談所は、児童福祉法等に基づきまして、専門的な知識及び技術を要する相談への対応、児童の一時保護、里親委託や施設入所等の措置、市町村が実施する児童家庭相談に関する援助の役割を担っております。  具体的には、児童相談所が虐待通告を受理した際は、速やかに子供の安全を確認するとともに、家庭の調査等を行い、虐待の重症度や保護の必要性を判断し、子供を親から一時的に引き離す必要がある場合は子供の一時保護を行うなどの対応をとっております。  また、児童虐待を受けた児童の9割以上が引き続き家庭での生活を営みますことから、家庭に対して虐待の再発防止のための指導や子供の安全に配慮した子育てができるような助言等を実施しております。  警察との連携でございますけれども、児童虐待事案では、子供の生命や身体の保護という観点で、児童相談所と同じ責務を有する警察との連携は大変重要であると考えております。そのため、平成27年度から、警察本部、児童相談所、こども・家庭課によります連携会議や、各児童相談所と管轄警察署との連携会議を開催して児童虐待に対する情報共有を図ることに加えまして、児童相談所職員と警察官が一堂に会し、立入調査や臨検捜索に係る合同模擬訓練を実施しているところでもございます。また、今年度から、児童相談所広域支援センターに児童安全対策専門員として警察官1名を配置し、児童相談所職員に対する助言や市町村の要保護児童対策地域会議への出席など、警察官としての経験を生かしていただいているところでございます。  引き続き、児童虐待に対する警察との意思疎通や連携を十分に図りまして、子供が安心、安全に暮らせるよう、しっかりと対応してまいりたいと考えております。  続きまして、児童養護施設入所児童に対する支援の充実についてでございますけれども、平成27年3月に策定いたしました長野県家庭的養護推進計画におきましては、県として家庭的な養育環境と安定した人間関係のもとで養育を行うという方向性を示し、児童養護施設のグループケアによる小規模化やグループホームへの移行を進めることとしております。児童に対して、より家庭的な環境での養育を推進しているところでございます。  また、施設職員の配置基準の改善によります職員体制の整備や、県企業局電気事業会計の利益剰余金の一部を積み立てました「長野県こどもの未来支援基金」によります入所児童の科学体験学習等に対する助成など、入所児童への支援の充実に努めてきているところでございます。  さらには、大学等に進学する児童を支援するため、平成27年度から、ルートイングループ・永山勝利大学修学等支援基金を活用し、児童1人当たり月額5万円を給付する長野県飛び立て若者奨学金や、昨年度から修学資金や就職準備金を一定期間の就職後に返還免除とする貸し付けを実施しているところでもございます。児童養護施設の支援体制の強化を大変重要な課題として認識してございますので、今後も支援の充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔17番髙島陽子君登壇〕 ◆17番(髙島陽子 君)23日の県の発表によれば、児童福祉施設内などでの虐待を県が指導した事案は3件あったということで、心配しています。こうした課題に対応するために、厚労省のチームが、先行研究として、親を頼ることのできない子供の権利侵害を第三者機関を設置することで監視し、子供自身が助けを求め、訴えに応えられるような仕組みを模索しているとメディアが伝えている。県が既に設けた県子ども支援センター、県子ども支援委員会や長野県の未来を担う子どもの支援に関する条例など、そうした役割を十分に担えると思われる資源を備えてきたことは改めて評価される。これらが力を発揮することで、国の動きに呼応というよりは、先んじて既に開かれている窓口や対応の機能を最大化することで困難な状況にある子供たちを守ることができるはずと確信する。施設や里親のもとで暮らす子供たちの処遇に目を向け、心身の健康を保ち、育ちを応援していただきたいと強く願う。  続いて、未満児保育のニーズが高まり、保育現場での働き手不足は深刻になりつつある。求人を出しても時間ばかり経過し、あらゆるつてを頼っても探すのに一苦労。人材確保は極めて困難との悲痛な叫びが直接保育園から届いてもなかなか応え切れない状況があり、もどかしさを感じている。保育士確保の取り組みについては、午前中の堀内議員の質問にも関連するが、私からは、保育人材確保事業で潜在保育士や保育士を目指す人にインセンティブが働くような取り組みについてお聞きする。  今年度から、民間保育所に勤務する保育士の処遇改善が一定程度実施されるとのことだが、保育士資格を持っている方の保育現場への復帰支援や資格取得支援による保育人材の確保が必要であると考えるが、県はこれにどう取り組んでいるのか。県民文化部長にお聞きします。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)保育士確保の取り組みについてお答えを申し上げます。  3歳未満児保育のニーズが高まる中で、年度途中も含めまして保育士の確保が大変重要な課題となっておることは認識しておるところでございまして、県といたしましても保育士確保の取り組みを進めているところでございます。  具体的には、昨年度から、県内で働きます保育士の増加を図るため、保育士を目指す学生や復職する保育士への貸し付け、さらには保育士の負担軽減を図るための保育事業者への貸し付けを、一定の条件のもとではございますが、返還免除型の制度として創設をいたしたところでございます。  また、お話にもございましたが、本年度から、保育士の定着、確保のため、県も負担をさせていただく中で、民間の保育所等に勤務する全ての職員に2%、月額で6,000円程度の処遇改善を行いますとともに、さらに、経験年数に応じて月額5,000円から4万円の処遇改善を実施するところでございます。  これに加えまして、午前中の堀内議員さんの御質問にもお答え申し上げましたが、保育人材に係る広域的な情報収集や提供、マッチングを行うため、本年5月1日から長野県保育士人材バンクの運用を開始したところでございます。  これらの取り組みを進めますことによりまして、保育人材の確保に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔17番髙島陽子君登壇〕 ◆17番(髙島陽子 君)午前中の答弁の中に、過去の潜在保育士、有資格者に調査した結果、保育現場に復帰したい人が6割だったという、そういうお話があります。ただ、保育士の有資格者には、保育園で働いていたとき、保護者や同僚との人間関係で悩み、つらい経験をしたことから、離職後は現場へ戻るのをためらったり控えたりする人が少なくないといい、勤務条件においても、休めるのは日曜日だけ、連休はなかなかとれないことから、リフレッシュしにくくきつい仕事と感じているのも共通した課題のようだ。保育現場への理解を広め、県の取り組みと成果に大いに期待したい。  最後の質問として、ここ数年の新卒学生の就職戦線の状況を見ると、景気の回復や雇用情勢の改善を受け、学生の売り手市場の状況が続く。特に、ことしは空前の売り手市場と言われ、今月1日の選考活動解禁時点で既に内定率6割超との報道もされている。しかしながら、実感としてはどうだろうか。新卒者一括採用方式そのものを否定すべきではないが、今の就活の仕組みそのものが少数者の勝ち残りの様相を呈しているのではとの見方もある。何社も内定をかち取り内定長者と言われる学生がいる一方で、何十社も応募したものの、内定をとれずに焦りや苦悩を抱き敗北感を味わっている学生は就活難民と呼ばれている。今、この段階で多くの学生が不安を抱えているのが現状と言える。学生の目は、都会の企業や名の通った大手企業に向きがちで、これは親とて同じ目線であるケースが認められる。長野県にも自分が活躍できる企業があるということを県として一人一人の学生や心配する保護者に伝えてほしいと考えるが、いかがか。  一方では、内定を出しても、学生から蹴られてしまうばかりか、そもそもの申し込みがなく、どうしたらうちに来てくれるか。小さく、余り知られていないけれども、関心を持ってもらうにはどのようにすればよいのか。いっそエントリーシステムへの企業登録などやめてしまおうか。こんな嘆きの声が県内の中小零細企業の役員から届くことが一度、二度ではない。選ぶ側の学生の意識、企業選びする際にポイントとなる強みや魅力、エントリーする際の決め手となる情報の見え方などを知ってもらうように工夫した取り組みなどに余地がありそうだ。  土屋産業労働部長にお聞きして、私の一切の質問を終わります。       〔産業政策監兼産業労働部長土屋智則君登壇〕 ◎産業政策監兼産業労働部長(土屋智則 君)学生の就職支援についてのお尋ねでございます。  県内企業は約99%が中小企業でございますが、その中には、国内外においてトップシェアを誇るもの、高度な加工技術を有するもの、また、積極的に働き方改革に取り組むものなど、魅力ある企業はたくさんございます。その一方で、採用募集に当たりましては、個々の企業のブランド力や情報発信力に限界があるということも事実でございます。  そこで、県では、企業の採用活動と学生の就職活動を支援するために、首都圏を中心に、大学、短大42校とUターン就職促進協定を結び、学内イベントなどで県内企業の紹介を行うとともに、多くの企業の御参加を得ての合同企業説明会の開催や県内企業でのインターンシップ参加に係る費用の助成など、個々では対応できない方法や規模での支援を行っているところでございます。  また、学生の就職活動に当たりましては、情報の収集が重要でございます。そのため、県では、本年3月、県内企業の採用情報や就活関連のイベント情報等を集約したポータルサイト「シューカツNAGANO」を開設いたしました。さまざまな関連サイトとの相互リンクの設定やメールマガジンの配信などによりまして、学生や保護者にしっかりと届く情報発信に努めているところでございます。  今後とも、学生にとっても企業にとってもよりよい出会い、マッチングが生まれるよう、発信する情報の充実を図りますとともに、より多くの学生、保護者に届くように取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(諏訪光昭 君)次に、小林東一郎議員。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)最初に、大北森林組合事件について伺います。  去る3月28日、本件にかかわる元組合専務理事並びに組合に対する裁判の一審判決が言い渡され、その後、この判決が確定しています。判決では、県職員が現地調査をすれば虚偽の補助金交付申請であることが直ちに明らかになるのであるから、元専務理事が地方事務所職員の了解もないまま虚偽の補助金申請に及ぶことは想定できず、そのような事情だけを見ても、組合を信用していたなどとする証言が信用できないことは明らかとし、補助金を交付する側の県に重大な落ち度があったとしています。  これに対し、知事は、今回の判決の核心部分は県職員の関与にあるのではなく、県職員は当事者でもなく、裁判官が県職員の対応について悪い心証を持ったと受けとめたとしても、これまで県が説明してきたことを覆す内容ではないとされています。また、林務部長も、一昨日の答弁で、判決で指摘された点については職員の懲戒処分等を行って厳正に対処してきているが、未完了事業等の容認や事後的にも検査を実施していないなど、当時の職員の事務処理上問題のある行為が裁判官の心証につながったと思われ、重く受けとめているとされましたが、判決にある、調査をすれば虚偽の補助金申請であることが明らかになることと、実際には調査がされていないこととがかみ合っておらず、極めて難解です。県民が理解できるよう丁寧な説明を知事に求めます。  私は、裁判官の心証と県民の心証とは一致すると考えております。それは、県民世論調査で、県職員の再調査が必要、71%、必要ない、8%という結果にあらわれています。県職員が補助金交付時点で未着手事業を容認してきたことを県はこれまでも認めてきたが、判決にも書かれていることだが、作業道の整備を通じて森林整備を図るという使命を果たそうとしてきた結果であり、ただ補助事業を消化すればいいと考えていたこととは全く異なり、しかも、県職員は何らの利益供与を受けていないと知事は言われるのですが、そのことは県組織の長としてのみの見解に感じられてなりません。現時点において、多額の県民負担が生じていることを顧みれば、県民益を追求すべき県民の代表としての視点を欠くのではありませんか。知事にお聞きします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)大北森林組合の補助金不適正受給事案について2件御質問をいただきました。  今回の事案は、民事あるいは刑事、あるいは職員の処分、補助金の返還、さまざまな側面があるわけでありますので、その側面に適合した最善の答弁に努めさせていただいているところでありますが、どうしても部分的な話になるので、私の感覚、思いというのがなかなか伝えづらいところがあるのかなというふうに思っております。  まず、刑事事件で判示されたことについてなかなか理解しづらいんじゃないかという御質問をいただきました。今回の裁判では、大北森林組合、そして元専務理事の刑事上の責任が明らかになったわけであります。このことは争いがないところだと思いますが、あわせて、県側の対応にも大きな問題があったということは指摘されておりますし、私どもも従前からそうした受けとめをしているところでございます。  調べればすぐわかるのにどうしてかという判決文に書かれているくだりがありますが、率直に申し上げて、私自身も、しっかりとした検査を行っていさえすれば今回の事態は防げたのではないかというふうに思っておりまして、なぜだというのは全く私も同じ思いでございます。  この案件は平成19年度から始まっているわけでありますが、今回の事案を振り返ってみますと、北安曇地方事務所において未完了事業の申請を容認したということから始まっております。未完了事業を容認したことに合わせて、まずそうしてしまったことによって、検査野帳のつじつまを合わせなければいけなくなったということで、現地調査をしていないにもかかわらず、したということを記載をすることになったわけであります。現地調査していないにもかかわらず記載してしまったわけですので、結果的にはその後の検査が不十分なまま放置されるということにつながったものというふうに受けとめているところでございます。  未完了事業の申請の容認、これは、職員がいずれ着手するものと考えていたというふうに言っているわけでありますが、今申し上げたように、未完了事業の申請を容認してしまったということが多数の不適正申請を長期にわたり継続させてしまった大きな契機となっているものというふうに受けとめております。したがって、このこと自体、極めて問題のある対応だったというふうに私自身は認識をしております。  それから、私自身が県組織の長としての立場からのみの見解ではないかという御指摘でございます。  改めて申し上げますが、今回の事案は、組合あるいは元専務理事の刑事上の責任がある一方で県職員の対応にも大きな問題があったということで、私の立場からすると、組合、専務理事に責任があったというふうに言わなけばいけない側面と県職員にも問題があったと言わなければいけない側面が両面あるということは重々認識をしております。  そういう意味で、私の立場は、大北森林組合の問題にかかわらずでありますが、県組織を円滑に運営していくという県組織の代表者であると同時に、県民の皆様方からの負託を受けて県政をしっかり運営しろ、県政に誤りがあればそれを正せというのが県民の皆様方の御意向だと思っておりますので、時には県の職員にも厳しい指摘をさせていただきながら県民の代表者としての役割も果たそうということで努めてまいりました。  今回の大北森林組合の問題につきましては、そういう意味で、事案が発覚して以降、県民の皆様方の代表という立場から、まずは徹底した事案の調査、検証を行うように指示をさせていただきました。加えて、法的に最大限可能な組合に対する補助金の返還請求、あるいは組合や元専務に対する刑事告発、さらには関係した職員に対する懲戒処分、そして財政負担の最少化につながる取り組みなど、県民の皆様方から御理解が得られるように厳正な対処に努めてきたところでございます。  他方で、県組織の代表としては、県職員の行為を含んでおります今回の事案におきまして、この場、あるいは会見等で、県民の皆様方に、組織を代表する立場として謝罪もさせていただき、また、みずからの責任として給与減額も議会に御提案して了承をいただいたわけであります。引き続き、県民の皆様方からの信頼回復に向けてコンプライアンスの推進等全力で取り組んでいきたいと考えております。  以上です。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)未着手あるいは未完了事業の補助金申請を容認したとは、未着手、未完了なのだから調査には及ばず、申請は素通りさせ虚偽の報告を重ねてきた、そのような構図がつくられ、7年にもわたり維持をされてきた。これが実態だと私も思いますし、ただいま知事からもそのような説明をいただきました。  ただ、その先の部分、結果的には、これは架空申請容認と何ら変わるところがないわけであります。組合事件は、その発端も含め、一職員が公務員としての本分をおろそかにしてきたことに起因する事象とは根本的に異なります。どのようなプロセスで未着手、未完了事業を容認し、補助金をただ流す仕組みがつくられ、それが引き継がれていったのか。これについては、先ほどから伺っておりますように、これまで県民に説明がなされているとは思いません。ここを明らかにしない限り県民への説明責任を果たしたとは言えないのではないでしょうか。それとも、この点については既に処分済みであり決着しているとお考えでしょうか。知事にお聞きいたします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)大北森林組合の問題に関連しましては、私どもは、第三者の目も入れながら丁寧に事案の検証に努めてきたところであります。そうした観点で、例えば裁判の証言と県で確認した内容が異なってる部分についても改めて県職員に確認をする等、県民の皆様方に理解と納得をいただけるような対応に努めてきたところであります。  これは、私も先ほど申し上げたように、なぜだという思いがあるわけでありますので、県庁内での打ち合わせでは、再三にわたって、本当にそうなのかと。私は県民の代表でありますので、県職員の側に立たなければいけないときもありますが、今回の事案においては県民の側に立たなければいけないということで、先ほど御質問にありましたように、本当に全くの架空申請の容認はなかったのかということについてしっかり確認するようにということを再三にわたって申し上げてきました。しかしながら、そういった発言は確認されない、そうした事実は確認されないというのが現状であります。  この問題につきましては、先ほどから申し上げているように、民事の対応あるいは刑事の対応、職員の処分の対応、さまざまな側面があるわけであります。これから職員も含めた損害賠償責任をどう考えるかということで、法的課題検討委員会で現在検討をいただいているところでございます。その方向性が明らかになった段階で県としての対応方針を定めて、また、全体としての県の考え方を丁寧に県民の皆様方にお伝えしていきたいというふうに思っております。  以上です。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)何度もお聞きしているんですが、私が疑問に思っているのは、全くの架空申請を認めたという部分については、知事は再三そういう事実はなかったんだという説明をされている。しかしながら、北安曇地方事務所林務課において先ほど申し上げたような仕組みがつくられ、それが長い間維持されてきたのはなぜなのかと。そこにメスが入っていないではないかということを申し上げているわけであります。裁判が終結して、元専務理事と組合の刑が確定、県職員は全て処分済みで、残るのは法的責任の有無のみということを知事は言われているわけであります。そこからは、もうこの事件の幕引きを図りたいという知事の意向が私には読み取れるわけでありますが、それではこのことをお聞きをしておきたいと思います。組合事件に関し、知事は何を説明すれば県民への説明責任を果たしたとお考えなのでしょうか。また、守るべき県民益とは一体何なのか、その部分をお答えをいただきたいと思います。  箕輪町の元町議が森林所有者の同意書を偽造するなどして森林整備の補助金を不正受給していた問題で、昨年の11月に個人事業者である元町議が補助金を返還したいと県に申し出てから交付決定を取り消し返還請求がされるまでに7カ月を要しています。具体的な事実を確定するのに時間がかかったと報道されていますが、スピード感が感じられません。発覚から返還に至るまでの経緯を林務部長に御説明をいただきます。  組合事件の発覚により、林務部では緊急点検を実施、しかし、今回の事案は書類上不自然な点がなかったことなどから現地調査は行われず、最終的にチェックをすり抜けています。同様の事案がほかにもあるとの懸念がある中、チェックをすり抜けた原因を解明し、今後の対応策を早急に打ち出すべきですが、林務部長にお聞きします。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)お答えします。  私も疑い深いですけれども、議員も疑い深いなというふうに思ってお伺いをしておりますけれども、私、決して幕引きを図ろうなどということは頭の片隅にも思っておりません。むしろ、今回の事案をしっかりと解決することによって本当の意味で県民の期待に応えられる県政に変えていかなければいけないと。もちろん、非常に問題な事案ではありますけれども、逆に、林務部を初め長野県政がこれから大きく変わっていく契機にしていかなければいけないというのが私の率直な思いであります。
     そういう中で、何を説明すればいいのか。そして、どうしてこういうことが引き継がれてしまったのかということでありますけれども、これは、検証委員会の報告書にも触れられているわけでありますけれども、一つは、やはり県の職員、慣例踏襲、前例踏襲、こうした風土があったということは言えるというふうに思います。  また、そもそもの発端が業務量が多過ぎた、急激に業務量がふえたということもあって、多忙を理由として十分な調査が行われてこなかったということも指摘されているわけであります。こうしたことについては、我々も重く受けとめているところであります。  したがって、先ほども答弁申し上げましたけれども、林務部自体の体制も、これまで林業の技術職だけでほとんど構成されていたわけでありますけれども、それだとどうしても今まで行われてきたことをそのまま引き継いでいかざるを得ない、あるいは人間関係が固定化して、自分の先輩に当たる人たちには余り思い切ったことが言えないということで、風通しのいい職場づくりをしていこうということで取り組みを始めているところでございます。  そういう意味で、今回の事案は複雑でありますので、刑事は刑事、職員処分は職員処分ということを言ってもなかなか報道も一部分しかされないので伝わりにくいところもありますけれども、私としては、これからも誠心誠意この問題へしっかり対応することを通じて県民の皆様方の理解と信頼の回復に努めていきたいというふうに考えております。  以上です。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)上伊那地域振興局管内で発覚した不適正申請に関する返還に至るまでの経緯についてのお尋ねでございます。  今回の事案では、昨年11月に、補助申請者から、平成24年度に当時の上伊那地方事務所が補助金を交付した造林補助事業の一部に未実施部分が含まれているため受領した補助金を返還したい旨の申し出を受けました。これを受け、上伊那地域振興局林務課において直ちに当該補助申請者への聞き取り、残されていた書類や現地の調査を実施いたしました。しかしながら、調査を進める中で、本来補助申請者が保管すべき書類が、5年間保存することとされているにもかかわらず残されていなかったことが判明し、申請者本人からの説明も曖昧であったことなどから、事実関係の特定に極めて時間を要することとなりました。  こうした中で、事案に対する県の調査状況について逐次報告を行っていました林野庁担当者からの助言等も踏まえ、森林所有者や請負事業者、木材が搬出された市場等の関係者への聞き取り調査等を丁寧に実施いたしまして、可能な限り事案の経過を特定するよう取り組んでまいりました。そうした結果を踏まえまして、5月中旬に申請者から提出されたてんまつ書の内容、あるいは一連の調査で判明した事実などについて林野庁や法律の専門家にも御相談した上で、最終的に虚偽申請に当たるものと判断し、6月9日に全額の交付決定を取り消し、返還を求めることとしたものでございます。  なお、当該申請者からは、請求日当日に返還が行われております。  続きまして、チェックをすり抜けた原因をしっかり究明し今後の対策を早急に打ち出すべきとのお尋ねでございます。  上伊那地域振興局管内の事案は、虚偽の森林所有者の同意書を添付し、全域の森林整備を実施したとする虚偽の申請により補助金の交付を受けていたものであります。  こうした問題への対応といたしましては、まず林業事業体において補助事業を適正に実施するとともに、その実施結果を確実に申請書にまとめ、県側でも適切にチェックできるという体制をつくっていくことが重要でございます。このため、昨年度、信州の森林づくり事業実施要領及び調査要領を改正するとともに、その周知徹底を図るため、林業事業体への説明会を、昨年、ことしとそれぞれ県下5カ所で実施いたしました。また、検査体制の強化に加え、GPS等により撮影位置が特定可能で作業内容が明確な写真を施行地ごとに添付することを新たに義務づけるなどの運用改善を行い、必ず現地確認が行える形といたしましたので、こうした取り組みにより不適正な申請の根絶に取り組んでまいりたいと考えております。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)私が今お聞きをいたしましたのは、林務部が実施した緊急点検をすり抜けた事業があるではないか、まだほかにもある懸念があるということについてどのような対応策を打ち出すかということを伺ったわけでありまして、その辺のところをもう一度お願いをしたいと思います。  次に、組合事件にかかわり、県が関係者へ損害賠償請求を検討するために設置した法的課題検討委員会の碓井委員長は、国が県に課した加算金3億5,300万円について、関係した県職員だけでなく、組合側も対象になる可能性について言及されていると報道されています。そもそも国が県に加算金を課した理由は何だったのか。これも林務部長に伺います。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)2点お尋ねいただきました。  緊急点検におきましては、19項目にわたるチェックリストについて、1カ所でも確認できない部分があったものについては全部全箇所の調査を実施しております。また、その他書類の審査におきましては、全ての箇所を当然審査いたしまして、そこの中で現場の確認状況あるいは矛盾がないか、こういったものを一通りチェックをしたわけでございます。全体で2万2,000件という膨大な数を一定の期間で効率的にやるという部分から、そうした上でさらに抽出調査を国の基準に基づく形の中で実行したのが緊急点検の結果でございます。  それから、大北森林組合の加算金を課した理由についてのお尋ねでございます。  国が県に課した加算金につきましては、県が補助事業者へ行った指導が国の要領に沿っていなかったなど県の指導監督の不備を問われ、補助金適正化法第17条第1項により交付決定が取り消されたものについて課せられたものでございます。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)林務部長に再度お尋ねしますが、やるべきことはやった、でもすり抜けた。私は、これらはコンプライアンス推進とは異なると思うんですよね。根本的解決を図ることが重要だというふうに考えるんですが、林務部長の所見を伺います。  加算金が課された根本原因は組合にあるとして損害賠償を検討するとなれば、組合事件について、国や県の関与ありとし、補助金等の交付決定に付した条件に違反したことの責任の所在が曖昧になることが危惧されますが、知事の所見を伺います。  また、監査委員の知事への勧告は、加算金納付による損害の県職員への賠償請求により県民負担の軽減を求めるものでしたが、法的課題研究会における検討は県民負担の軽減という前提で進められているのでしょうか。これも知事にお聞きします。       〔林務部長山﨑明君登壇〕 ◎林務部長(山﨑明 君)緊急点検の中でさらにすり抜けたものに対する対策が不十分ではないかというお尋ねでございます。  この点検に当たりましては、極めて限られた時間の中で、通常の業務の停滞を招かないということで、27年から10カ月間かけて約2万2,000件にわたる申請案件の点検を実施したものでございます。そうした中で、書類上、そこに添付されているものから確実な実行が確認されたもの以外については全て全部の現地調査をするとともに、その上で、安全を期するために、国の基準に基づいてさらに抽出調査をしたというのが実態でございます。通常業務と並んで行うという部分でいけば、現実的には実行可能な最大限の調査を実施したものと私どもは考えております。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)私に2問御質問を頂戴いたしました。  まず、加算金に関する損害賠償の請求についての御質問であります。  損害賠償が組合にまで及ぶとなれば責任の所在が曖昧になるのではないかという御質問の趣旨かと思いますが、損害賠償につきましては、現在、これは非常に法的に複雑でさまざまな論点がございますことから、専門的かつ客観的な観点で御議論いただこうということで、法的課題検討委員会の場におきまして、全ての関係者を対象として予断を持たず検討をいただいているところでございます。委員会におきましては、県がこうむった損害について、法的に誰に対して請求が可能なのかということについて御検討いただいているところでありまして、まさに責任の所在を明確にするために行っているものというふうに考えております。  それから、法的課題検討委員会が県民負担軽減という前提で進んでいるのかという御質問でございます。  法的課題検討委員会、これは、監査委員の勧告も踏まえ、関係者への損害賠償請求について県職員を含めて鋭意御検討いただいているところでございます。損害賠償の請求は、損害賠償をしてその補填がされるとすれば県民負担の軽減にもつながるものというふうに考えています。  以上です。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)今、知事からお答えがありまして、損害賠償請求によってそのお金が入ってくれば県民負担の軽減になるというようなお答えでありましたけれども、そもそも、この勧告がされた中身というのが、今、現時点で多大なる県民負担が生じていると。これを、少しでも軽減する方向に持っていく、そのために検討しなさいということでありました。そういう趣旨でありますので、ぜひこれは県民負担を大きく減らすんだという意気込みでやっていただかなければいけないんだろうなというふうに私は思います。でないと、県民は納得できないということを申し上げておきたいと思います。  次に、部落差別解消法について県民文化部長に伺います。  昨年12月、部落差別の解消を推進する法律が成立、施行されました。国連の人権差別撤廃委員会や社会権規約委員会、自由権規約委員会から、我が国は差別禁止の法整備がなされていないと指摘され続けてきましたが、2006年、障害者権利条約が国連で採択されたことを受け、2011年には障害者差別禁止の理念が盛り込まれた障害者基本法が改正されました。これを契機に、2016年6月に障害者差別解消法が制定されています。また、ヘイトスピーチ対処法も同年5月に制定されています。差別に対する法的整備の推進という社会動向がようやく部落差別にも反映されたことになります。同法では、「現在もなお部落差別が存在する」と、部落差別が今もってなくなっていない現実のものであることが規定され、部落差別の解消を推進し、もって部落差別のない社会を実現するとの目的が示されています。  そこで、県内における部落差別の状況をどのように認識されておられますか。また、同法に基づき、部落差別のない社会実現を図るための初めの一歩として同法の周知が図られなければなりませんが、県民への周知についてはいかがなのでしょうか。  「部落差別の解消に関し、その地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする」と地方公共団体の責務も定められており、さらには、相談体制の充実、教育及び啓発については、特にそれぞれ別条を立てて同様の規定がされています。それらに基づき、いかなる具体策を講じていかれるのか、お伺いします。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)部落差別解消推進法に関連しまして2点の御質問でございます。  まず、県内の部落差別の状況に対する認識、また、法の周知の状況ということでございますけれども、本県におきます部落差別事象につきましては、平成28年度で申し上げますと、市町村等から県への報告が3件あったところでございます。また、長野地方法務局が新たに人権侵犯事件として受け付けた事象につきましては、昨年は4件となってございまして、依然として部落差別は存在するというふうに認識をしているところでございます。  こうした中、部落差別解消推進法の施行を受けまして、法務局や市町村など関係機関でそれぞれ周知の取り組みが行われておりますが、県におきましては、県庁及び県内10広域全てで職員に対する説明会を開催いたしますとともに、人権啓発センター職員が講師を務めます人権に関する学習会で県民の皆様に新法の理念等を御説明するなどの周知に努めているところでございます。また、今後も、企業人権セミナーなどを活用し、各企業向けの説明を予定しているところでもございます。  続きまして、法に基づきます施策展開とのお尋ねでございますが、県におきましては、同和問題に関しまして、これまでも長野県人権政策推進基本方針に基づいて取り組んできたところでございます。  御指摘の相談体制の充実につきましては、相談の窓口となる人権啓発センターの啓発相談員を研修に参加させるとともに、より専門性の高い人材の登用を図るなど体制の強化に努めてきたところでございます。  また、教育につきましては、各学校において、総合的な学習の時間などで、本県独自に作成しましたリーフレットの活用等により同和問題を児童生徒がみずからの問題として考える学習に取り組んできているところでございます。  さらに、啓発につきましては、先ほども申し上げましたが、人権啓発センター職員が講師を務める学習会において同和問題をテーマとして取り上げますとともに、県内で活躍しているプロスポーツ4チームと連携し、同和問題も含めた人権啓発のための冠試合やテレビCMを実施するなど多様な手法により取り組んでいるところでございます。  今後とも、この法律の基本理念にのっとりまして、教育委員会を初め法務局や市町村など関係機関との連携のもと、法の周知を含む啓発などその取り組みの充実を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上でございます。       〔23番小林東一郎君登壇〕 ◆23番(小林東一郎 君)法の目的は、部落差別のない社会を実現するということであります。ぜひ当事者の意見にしっかりと耳を傾けていただいて施策を展開していただきたいというふうに要望しておきたいと思います。  次に、教育勅語について教育長に伺います。  保育士が確保できず業務停止命令が出されるなど、森友学園問題は新たな展開も始まり、この問題は疑惑の百貨店といった様相を呈していますが、この問題の核心の一つは、親孝行、夫婦仲よく、友達を大切にといった徳目を実行することで、「一旦緩急あれば義勇公に奉じ、もって天壌無窮の皇運を扶翼すべし」と説く教育勅語を幼稚園児が無邪気な声でそらんじてみせるその姿が、洗脳を思わせる異様さであり、この幼稚園で培われてきた芯が公立小学校へ行って損なわれてしまう危険があるから瑞穂の国記念小学院が必要だと首相夫人が我が国の公教育を否定してみせるところにあります。また、政府が道徳の教材として教育勅語を使うことを否定しないという事態にも至っています。  そこで、お聞きいたします。  教育勅語に説かれている親孝行などの徳目は私も否定するものではありませんが、それを教えるために教育勅語という過去の遺物を持ち出さなければ子供に教えることができないとお考えでしょうか。  教育勅語については、1948年に衆議院での排除、参議院での失効確認の議決がされています。参議院議決には、こうあります。「我らは日本国憲法にのっとり、教育基本法を制定し、我が国と我が民族を中心とする教育の誤りを払拭し、真理と平和を希求する人間を育成する民主主義的教育理念を宣言した。教育勅語が既に効力を失った事実を明確にし、政府は勅語の謄本を回収せよ。」。ところが、3月31日、政府は、憲法や教育基本法に反しない形で教材として用いることまでは否定されないという答弁書を閣議決定しています。では、どのように使うかについては、一義的には教員、学校長の権限、それぞれの現場で判断することと、具体的な説明を避けています。このままでは、使ってもいいという空気だけが教育現場に広がることが懸念されますが、御見解を伺います。  勅語を活用するとしたら、負の歴史としての教材とする以外には考えられません。松野文科相は、適切な配慮のもとであれば問題なしとしていますが、適切な配慮とはいかなることだとお考えでしょうか。教育長にお聞きいたしまして、質問を終わります。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)教育勅語についてのお尋ねでございます。  まず、教育勅語を持ち出さなければ道徳を教えられないかという御質問でございます。  道徳で使用する教材につきましては、他の教科と同様、児童生徒の実情や授業の進め方に合わせて各学校において選択することとされており、子供たちが他者とともによりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことができるよう、各学校において適切に対応されるものと考えております。  次に、教育勅語の使用に関する空気の現場への広がりについてというお尋ねでございますが、学習指導要領では、道徳の授業について、人間としての生き方を考え、主体的な判断のもとに行動し、自立した人間として他者とともによりよく生きるための基盤となる道徳性を養うこととされているところでありまして、学校現場におきましては、この趣旨に沿って教育活動が行われていくものというふうに考えております。  最後に、教育勅語の使用に当たっての適切な配慮についてでございますが、松野文部科学大臣の発言でありますので、私としてお答えできる材料を持ち合わせてはおりませんが、4月21日付の内閣の答弁書において、教育勅語の使用が憲法や教育基本法に違反するか否かについて、教育を受ける者の心身の発達等の個別具体的な状況に即して、国民主権等の憲法の基本理念や教育基本法の定める教育の目的等に反しないような適切な配慮がなされているか等のさまざまな事情を総合的に考慮して判断されるべきものという記述があることについては承知をしているところでございます。 ○副議長(諏訪光昭 君)次に、小池久長議員。       〔30番小池久長君登壇〕 ◆30番(小池久長 君)長寿日本一の本県におきまして、信州の風土に育まれたおいしい農産物を食べることは県民の健康な体を育む源であると認識をしております。将来に向けて食料を安定的に供給していけるように自給率の向上に向けた取り組みが大切であります。  自給率の向上に向けては、生産サイドにおいて機械化、施設化による規模拡大やコスト削減など、また、効率的な生産を図るためにさまざまな取り組みが進められてきておりますが、実需・消費サイドにおいても、学校、家庭における将来を担う子供たちへの食育の推進や県産農産物の積極的な利活用による食の地消地産の取り組みを加速させていくことが将来的に自給率の向上に大きく寄与するものと考えております。特に、県内飲食店を初めとした事業者が県農産物を積極的に取り入れることにより需要がふえれば、農産地域の活性化につながることも事実であります。  そこで、農政部長にお尋ねをいたしますが、県農産物の活用による地消地産の取り組みについてどのように進めていくのかお伺いをいたします。  続けて、GAPについてお尋ねいたします。  従来の生産現場では、生産管理という指標が多く採用されてきたわけですが、これは、でき上がった産物を検査して、問題が発生してから対処を行う方法であるわけで、安全性は高いですが、多額の検査費用がかかる上、問題が発生した際、どのような工程で問題が発生したか判断しづらいという問題点がございました。  一般的には、グローバルGAPが世界基準となっております。もともと、1997年にヨーロッパに幾つかあるスーパーマーケットチェーンとその仕入れ先業者の連合がユーレップGAPという名称でこの制度をスタートしたとされております。最近では、小売・卸売業が、その産品がGAPの認証を受けているかどうかを重視する傾向にあり、2005年以降は、欧州小売業界に加盟している小売店では、この基準をクリアした産品以外は店頭に並べない方針を打ち出したことから、制度の普及が急速に広まったわけであります。  農業者が安全、安心な農産物の生産や環境に配慮した持続的農業を実施することは農業経営者の基本であり、こうした実践を後押しするものとして、食品安全、環境保全、労働安全の視点から、農業の生産活動で遵守すべき法令やリスクを記録、点検し、評価を行う農業生産工程管理、いわゆるGAPが普及してきたわけでございます。農業者が主体的にGAPに取り組むことで農作業による環境負荷の軽減や農業経営のリスクなどの認識が高まるとともに、農作業事故の防止や農業経営の改善や効率化、生産性の向上など、さまざまな経営上の効果が期待されるわけでございます。  今回、2020年に開催されます東京オリンピック・パラリンピックの食材調達基準で、グローバルGAPやJGAPなど第三者機関によるGAP認証が要件として決定されたことを契機に、このGAPの取り組みが現在注目されております。また、国内の量販店や小売業者の一部に国際水準のGAP認証を求める動きが広がることも予測されます。  このような状況を踏まえて、農林水産省では、先月、国際水準GAPの取得に向けて、GAPの普及拡大戦略を打ち出し、平成31年度末にはGAP認証取得件数を現在の3倍にするとの方針を示したと聞いておりますが、長野県としても、農業の競争力強化の基盤としてGAP認証取得への取り組みを積極的に推進していくことは、本県の農業政策の重要な課題であるわけでございます。  また、GAP取得を若い世代が学び実践していく取り組みとして、全国の農業高校でのGAP認証取得の学習が始まっており、私の地元富士見町の富士見高校におきましても、トマト生産においてグローバルGAPの取得を目指す取り組みがスタートしています。このように、次世代の農業を担う若者や就農希望者にGAP教育を進めていくことは、農業の国際化にチャレンジする人材育成の観点からも重要であります。  そこで、重ねて農政部長にお尋ねをいたしますが、本県におけるGAPの取り組み状況、今後どのように長野県の特徴を生かしてGAPを推進し、稼げる農業に向けてどのように活用していくのかお伺いいたします。  また、農業高校でのGAP認証取得の取り組みにつきましては、外部の専門家の指導や認証審査に要する経費が課題となっていますが、どのような支援が考えられるのか、御所見を伺います。       〔農政部長北原富裕君登壇〕 ◎農政部長(北原富裕 君)農業関係の御質問2点につきまして順次お答えをさせていただきます。  初めに、食の地消地産の推進についてですが、県では、地域内で消費される物やエネルギーなどを地域内で生産加工し、置きかえる、循環型の地域経済づくりを目指す地消地産の取り組みを進めております。  食の地消地産においては、まずはホテル、旅館、飲食店等が使用している県外また外国産の食材を県内産に置きかえる取り組みを推進しております。一例を申し上げますと、刺身の魚の一品を信州サーモンに置きかえていただくなどの働きかけを進めているところでございます。徐々にではございますけれども、利用事業者がふえてきているという実態がございます。  本年度から、県内の地域DMOなどと連携しまして、旅館、ホテル等におけます県産食材の利用実態を調査し、県産食材のさらなる利活用に向けた推進方策を検討するとともに、旅行エージェントを活用しまして、観光業と連携した県内外への情報発信などを実施してまいる予定としております。  また、この7月からスタートいたします信州デスティネーションキャンペーンでは、山の恵みとしての食も大きなテーマとして取り上げられております。DCでの取り組みを契機として、県産食材を活用した料理の提供をさらに広げてまいりたいと考えております。  さらに、今後は、食品加工業者との連携によります県産農畜産物の利活用促進、また、農産物直売所の機能強化など食の地消地産の取り組みを一層加速してまいりたいと考えております。  次に、GAPの推進についてでございますが、本県では、食品安全、環境保全、労働安全の各項目を農業者みずからがチェックし、適正な農業生産活動を行う取り組みをGAPとして推進してきておりますけれども、第三者機関によるGAP認証の取得件数は14件にとどまっているという実態でございます。  県では、このGAPの取り組みを拡大するために、2020年東京オリンピック・パラリンピックでの食材調達基準にGAP認証が要件とされたことを契機としまして、本年度から国際水準GAP認証の取得を支援する事業をJA長野県グループと連携して推進しているところでございます。今後、本県の特徴でありますJA部会を中心とした生産体制を生かしまして、レタスやキノコなど本県の主力品目におけるGAP認証取得の拡大を図ってまいりたいと考えております。これらの取り組みを進めることによりまして、東京オリンピック・パラリンピックへの長野県産農産物の食材提供はもとより、今後予想されます国際水準GAPに基づく取引拡大に的確に対応できる産地体制の構築や、消費者の信頼をベースにした信州産農畜産物のブランド力の向上につなげてまいりたいと考えております。  次に、農業高校でのGAP認証取得の取り組みについてですが、国は、農業高校におけるGAP教育の推進は、生産技術のみならず、将来の農業を担う若者が国際的に通用する国際水準GAPを学び実践することで国際感覚を兼ね備えた人材の育成にもつながるとの考えに立ち、本年5月、農業高校を含みます農林水産業の教育機関に対し、GAP教育の推進方針を打ち出しております。これを受けまして、農林水産省が行っております国際水準GAPの認証取得を支援する補助事業、これの対象に農業高校などの教育機関が追加されたところでございます。  県といたしましては、GAP認証の取得を希望する農業高校に対しまして、教育委員会と連携しまして国の事業の情報を提供するとともに、今後活用を希望する学校に対しましては、その活用に対しまして支援をしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔30番小池久長君登壇〕 ◆30番(小池久長 君)続きまして、リニア関連につきましてお伺いをいたします。  山梨県では、リニア中央新幹線山梨県駅周辺の整備方針について検討を進めておられましたが、ことし3月にリニア環境未来都市整備方針としてまとまりました。その中で、リニア中央新幹線の開業により、山梨県駅と首都圏のアクセス時間は約65分短縮し約25分で結ばれ、中京圏へは約150分短縮しおよそ40分で結ばれるとしています。また、現在2時間以上かかる国際空港へのアクセスも大幅に短縮されるとしております。  その中で、全国初の高速道路と新幹線駅とが直結する特性を踏まえて、リニア駅は、山梨県内では、南は下部温泉周辺、東は富士五湖周辺、西は長坂ジャンクションまでのエリアが将来30分圏内として整備されることが計画され、そのわずか先に私ども長野県諏訪地域があるわけでございまして、この諏訪地域の利用も期待をされているところでございます。  諏訪地域からの利用を考えたとき、パーク・アンド・ライドとして利用可能な大規模駐車場や高速バスの乗降場の設置が高速道路に直結する特性は大変魅力的であり、前回の質問の際に、知事から、これら整備について山梨県知事に要望しているとの答弁をいただいておりますが、今回の整備方針ではどのように反映されているのか、今後反映されるのか、リニア整備推進局長にお伺いをいたします。  中央道と直結するリニア中央新幹線山梨県駅の姿が明らかになってきたことで、リニア中央新幹線の整備が諏訪地域にもたらす効果のイメージが少しずつ見えたと感じておりますが、山梨県駅周辺の整備方針を受け、本県においてもリニア中央新幹線の整備効果を諏訪地域に最大限にもたらすよう、既に10年後に迫った山梨県駅の活用について検討していく必要があると考えますが、知事の御所見を伺います。       〔建設部リニア整備推進局長水間武樹君登壇〕 ◎建設部リニア整備推進局長(水間武樹 君)リニア山梨県駅の整備方針についてのお尋ねでございます。  リニア山梨県駅は、中央自動車道に新たに整備されるスマートインターチェンジと直結しており、諏訪地域からは中央自動車道を利用して自家用車やバスなどでアクセスするケースが多くなると予想されます。山梨県駅の利便性向上に関してこれまで本県として要望してきた駐車場とバス乗降場については、議員の御質問にもありました山梨県のリニア環境未来都市整備方針に、駅前に約3ヘクタールのパーク・アンド・ライド用駐車場とバス、タクシーからの乗りかえのための公共交通ロータリー約0.6ヘクタールを整備することが盛り込まれております。この方針には、山梨県内のみならず、長野県諏訪地方の人たちの利用も見込まれているとの記載もあり、諏訪地域からの利用についても念頭に置いていただいたものと理解しております。
     今後は、この整備方針に基づき、具体化に向けた検討が進められると承知しておりますが、山梨県と十分な情報交換、調整を行い、より利便性の高い駅となるよう取り組んでまいります。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)リニア山梨県駅の活用についての検討について御質問をいただきました。  先ほどリニア整備推進局長から御答弁申し上げましたとおり、山梨県のほうでも、大分、私ども、特に諏訪地域の方たちの利用を意識した取り組みを進めてきていただいております。大規模駐車場であったり高速バス乗降場の設置といった方向性も示され、諏訪地域、そして私ども長野県にとっても利便性が高い駅になるものということを期待しているところであります。  リニア山梨県駅を有効に活用していく上では、長野県リニア活用基本構想にうたっておりますリニア3駅活用交流圏構想に掲げた山梨県駅と諏訪、松本方面を結ぶ高速バス路線の開設、あるいはJR中央本線の利便性の向上といった取り組みを山梨県と連携して実現していかなければいけないというふうに考えております。  リニア中央新幹線のほかの県との連携につきましては、山梨県駅のみならず、岐阜県駅についても本県木曽地域の皆様の利用が見込まれるということで、こちらについても岐阜県側との連携が必要というふうに思っております。  これまでも、山梨県、岐阜県とは、定期的な調整会議等を通じて主に工事関係の課題について議論してきておりますが、今後は、交流の拡大、周遊観光の振興など、3県で連携した地域振興策についても検討していくことを両県に呼びかけていきたいと思っております。本県としては、リニア中央新幹線の整備効果が、伊那谷にとどまらず、諏訪、木曽など県内の広い地域に及ぶよう引き続き取り組んでまいります。  以上です。       〔30番小池久長君登壇〕 ◆30番(小池久長 君)整備局長に再びお尋ねをしますが、先ほど私、10年に迫っているというお話をさせていただきました。既にそれを見越して諏訪南インター付近には企業の進出の要望が来ておったり投資が進んでおります。その概要が見えないと町もその全景がなかなか描けないということも事実でございますので、大体いつごろからその交渉に入っていくのか。山梨県との取り合いもあると思うんですけれども、早く構想なり、いろんな進捗状況を教えていただきたいなというふうに思っています。  今まで山梨県駅の未来構想ができるまでお待ちになっていたわけですが、具体的に出たわけですから、こちらからも、攻めるとは言いませんが、具体的にいつごろからという進捗がわかる範囲で結構ですから、もしわかればこのぐらいと、わからなければわからないで結構でございますが、お願いします。  続いて、防犯カメラの設置についてお尋ねをいたします。  現在の長野県総合5カ年計画では、県民生活の安全確保ということで、犯罪や交通事故、消費生活での被害をなくし、県民の皆さんが安全に暮らせる社会の実現を目指すという目標が掲げられています。長野県では、確かな暮らしを実現するためにさまざまな施策を展開しておりますが、県民の皆さんが安全、安心に暮らすことのできる信州は県民の皆さんの誰もが望むところであります。産業の活性化、観光振興、充実した福祉、全ての行政の目的は、信州が安全であってからこそ実現するものだと考えられるわけでございます。  長野県警察の発表によれば、長野県の刑法犯認知件数は、平成13年には3万4,000件を超え、戦後最多を記録したそうですが、平成14年からは15年連続で減少し、昨年は1万664件だと聞いております。この統計数値から見れば、長野県では年々犯罪は減っており、以前から比べれば安全な県民生活が確保されているのではないかと思われますが、特殊詐欺や子供や女性に対する犯罪に代表されるように、県民の安全を脅かす事件、事故の報道がなくなることはありません。県民の皆さんが真に安心を実感できる信州の実現に向けて、まだまだ取り組みは道半ばだと感じています。  一方、犯罪が減少したのは、長野県警察の活動によるところがもちろん大きいと思いますが、そのほかにも、地域住民の防犯意識が高まり、通学路における子供たちへの見守り活動や自主的な防犯パトロール等の自主防犯活動も起因していると考えられますし、以前と比較して道路や公園などの公共の場所に街灯や防犯カメラなどが設置され、犯罪が起きにくい環境づくりが進んだことも大きな要因ではないかと思われます。  特に、防犯カメラにつきましては、犯罪を起こそうと考える者に対して、その犯行を諦めさせる大きな抑止力になると思われます。報道などを見ても、防犯カメラによって撮影された映像が決め手となり、事件の犯人が早期に検挙された事案も多く見受けられます。そのような事実を見ても、防犯カメラは犯罪の防止と犯人検挙に大きな効果があるわけであります。  長野県警察のホームページ等によれば、本年度から、長野県警察では、自治会などが防犯カメラを設置する際に補助金を交付する長野県警察街頭防犯カメラ設置促進事業を新規に開始したということであります。予算額は100万円ということで金銭的には大きな事業ではありませんけれども、より安全な長野県民の皆さんの暮らしを守る観点からすれば、今回の長野県警察の取り組みは新たな取り組みとして大いに評価するものであり、これを契機に県民意識の高まりも期待するものであります。県民の皆さんが犯罪の被害に遭うことなく、安全、安心に暮らすことができる長野県を実現するには、ハード、ソフト両面にわたるさまざまな取り組みが必要であり、長野県警察の防犯カメラ設置補助事業はその一例と考えられるわけでございます。  しかしながら、防犯カメラは24時間撮影可能であるということから、撮影される方のプライバシーを侵害することのないように十分に配慮する必要があることも事実であります。  そこで、そういった背景も踏まえて、安全、安心な長野県は警察のみで実現できるものではなく、県民の皆さんは無論ですが、県や市町村といった自治体なども警察と一緒になって取り組みを喚起するためのいい機会であり、この防犯カメラ設置補助事業は、まさに自治会や地域の防犯団体など、地域住民が自主的にみずから安心、安全について考え、行動することに対し警察が支援していくもので、私の地元においても非常に関心が高く、活用を検討したいとの声も多く聞かれ、大いに議論が深まることに期待するところであります。  そこで、警察本部長に3点お伺いをいたします。  防犯カメラの必要性について警察としてどのようなお考えをお持ちでございましょうか。また、お答えがいただける範囲で結構ですが、補助事業の現在の進捗状況はいかがでしょうか。  最後になりますが、来年度以降の事業展開につきましてどのようなお考えをお持ちか、お伺いをいたします。       〔建設部リニア整備推進局長水間武樹君登壇〕 ◎建設部リニア整備推進局長(水間武樹 君)山梨県との交渉はいつごろからかという御質問かと思います。  先ほど知事から話のありました3県の定期的な連絡調整会議、これは、例年夏ごろ実施しておりまして、ことしは来月下旬に実施する予定としております。その会議席上におきまして、先ほど申しました3県の連携、特に山梨の整備の内容についても情報提供を求めてまいりたいというふうに思っています。       〔警察本部長尾﨑徹君登壇〕 ◎警察本部長(尾﨑徹 君)防犯カメラについて3点御質問をいただきましたので、順次お答えいたします。  まず、防犯カメラの必要性につきましては、適正な管理のもとに設置、使用されている限り、犯罪の抑止や体感治安の向上に大きな効果があり、犯罪の起きにくい社会づくりを推し進める上で極めて有効なツールであると考えております。これまでも、自治体や商店街、施設管理者等に対し、防犯カメラによる犯罪抑止効果に関する情報提供をするなどして設置促進に向けた働きかけを行ってきたところでございます。  次に、長野県警察街頭防犯カメラ設置促進事業の進捗状況につきましては、現在のところ補助金の交付が決定した事例はございませんが、自治会等の関心は高く、問い合わせや申請に向けた具体的な相談が多数寄せられております。申請期限は来年1月末までとしております。申請に対しましては、防犯カメラが個人のプライバシーに配意した適正な運用がなされるよう、設置目的や撮影場所、録画映像の保管方法等について助言、指導するとともに、本事業の要綱及びガイドラインに基づき審査してまいります。  最後に、本事業の来年度以降の展開につきましては、事業の継続実施と充実に向け知事部局へ働きかけてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔30番小池久長君登壇〕 ◆30番(小池久長 君)私の地元の富士見町の富士見中学の生徒は、会う人、会う人に、必ず、おはよう、こんにちは、さようならと挨拶をし、非常に気持ちがいいわけです。防犯カメラもないほうがいいに決まっていて、そういった世の中になればいいわけですが、人間関係が希薄なこの世の中においては大変重要な防犯のツールということになろうかと思います。  特に、これからは認知の方もふえます。昨年末、富士見町のおばあちゃんが御主人をお見舞いに行ったまま、いまだにわかりません。病院の防犯カメラで左のほうへ行ったことがわかったので左のほうをずっと捜しているんですが、もう一つ、二つカメラがあれば早いうちに発見できたのだろうというふうに思います。執行部のほうも、ぜひ防犯カメラの設置に予算づけをお願いして、一切の質問を終わりたいと思います。 ○副議長(諏訪光昭 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時31分休憩          ──────────────────         午後2時47分開議 ○議長(垣内基良 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  花岡賢一議員。       〔1番花岡賢一君登壇〕 ◆1番(花岡賢一 君)本年2月定例会において、私たちの会派の代表質問で小島議員が取り上げた運転免許の自主返納が全国的にふえている現状と、昨日の丸山栄一議員も取り上げられておりましたが、高齢者が関係した悲惨な事故の発生は社会として取り組まなければならないことであり、年齢を問わず、他人事では済まされない状況を生んでおります。自動車技術の進歩により、自動運転やそれに準ずる技術の革新が多くの事故の減少に期待されているわけではありますが、時代が進むにつれ、持続可能な地域社会のキーワードのもと、対策を検討することは急務と考えます。  そのような中、私の地元、佐久警察署で、自主返納について、佐久警察署では運転免許の返納は受け付けていないので望月の東信免許センターに向かってくださいと言われた事案が発生いたしました。一つの事案を取り上げるわけではございますが、その返納希望の高齢者は御代田町の方で、佐久平駅周辺へ家族と買い物目的で訪れた際に通り道である佐久警察署での自主返納を考えられたそうです。その先10キロメートル以上離れた望月にあります免許センターに向かうというのは、御自身もそうですが、免許の自主返納とその後の生活の足の観点で協力が不可欠な家族の方にも理解がいただける状況ではなかったそうです。免許センターを管轄する警察署では自主返納を行っていない状況で、県下の免許業務の取り扱い部署について、どのように行われているのでしょうか。  また、東信運転免許センター設置に当たり、佐久警察署では免許業務を行わないことについて、当時地元への説明を行ったのでしょうか。  また、冒頭で申し上げました2月議会の県警本部長の答弁でもありましたが、自主返納には家族の方々の協力がなくてはならない状況で、全警察署に自主返納の相談窓口を設置する旨と、代理人による返納申請の受け付けも本年2月から開始されている状況がありました。今後も進むであろう自主返納の制度について対応をどのように行っていくのでしょうか、御所見をお伺いいたします。  また、平成14年から交付が開始されております運転経歴証明書について申し上げますが、交付に手数料はかかるものの、運転免許証とほとんど見た目、形が同じであることなど、長年所有していた運転免許証を手放すことに寂しさが伴うといった話を聞いたことがある中で、身分証明書として使えることなど非常にすばらしいものであると考えています。現在までの取得状況とその周知方法を制度とあわせてお答えください。  ここまでを警察本部長にお伺いいたします。  また、地域交通が充実していない状況で、運転免許の自主返納を全国的な広がりを背景に強く推進してしまうと、後に生活の足を奪われたと言われてしまう可能性を感じるのですが、昨日の丸山栄一議員の質問に対する答弁で確認させていただきましたが、高齢者の交通手段の確保など地域交通のさらなる整備が必要な中、地域における移動手段の確保・補完に関する検討会が設置され、先月、第1回検討会が実施されました。自主返納を推進することと地域交通の充実は両輪として双方欠くことのできない急務と言われる中で、年4回から5回開催される検討会は注目を集めることは必然であると思われますが、どのような議論がされたのでしょうか。  また、先ほどの検討会で、さらなる議論、交通手段の支援を含め、高齢化が進む社会の中で今後行政として行うべき施策について企画振興部長にお伺いいたします。       〔警察本部長尾﨑徹君登壇〕 ◎警察本部長(尾﨑徹 君)運転免許証自主返納について御質問をいただきました。順次お答えいたします。  まず、県下における運転免許業務の取り扱い部署と東信運転免許センター設置に伴う地元説明についてお答えいたします。  運転免許業務につきましては、県下3カ所の運転免許センターと、運転免許センターを管轄している長野南警察署、塩尻警察署及び佐久警察署を除いた19の警察署などで実施しております。  東信運転免許センターは、平成24年から運用を開始しておりますが、センター設置に先立ち、佐久市を初め周辺の自治体や関係機関、団体の皆様に佐久警察署における運転免許業務を東信運転免許センターで行うことなどに関する説明を行い、それぞれ御理解をいただいたところでございます。  次に、運転免許証の自主返納への対応についてお答えいたします。  運転に不安を覚える方や運転をする必要のない方の運転免許証を返納しやすい環境づくりとして、警察署、運転免許センターにおける免許返納相談窓口の設置、運転免許センターにおける日曜日窓口での自主返納の申請受理を開始したところでございまして、今後も相談窓口において親身に相談に乗り、高齢者に寄り添った対応に努めてまいります。  次に、運転経歴証明書の制度と取得状況、周知方法についてお答えいたします。  運転経歴証明書は、運転免許証の有効期間内に申請者の意思に基づいて免許証を返納していただいた場合、返納後5年以内に申請すれば運転経歴証明書の交付を受けることができ、これは金融機関の窓口などで本人確認書類として使用することができるものでございます。  運転経歴証明書は、年々取得者及びその割合が増加しており、5年前に運転免許証を自主返納した方は1,592人で、そのうち約64%、1,017人の方が運転経歴証明書を取得していたところ、昨年、平成28年は運転免許証を自主返納した方は5,210人に上り、このうち約80%、4,147人の方が運転経歴証明書を取得しております。  県警では、ホームページ、交番、駐在所が発行しているミニ広報紙への掲載、さらに高齢者に対する交通安全教育や運転免許更新時における高齢者講習の機会を活用するなどして広く周知を図っているところでございます。  以上でございます。       〔企画振興部長小岩正貴君登壇〕 ◎企画振興部長(小岩正貴 君)私には2点御質問をいただきました。  まず、検討会での議論の内容についてでございます。  去る5月11日に、事業者や専門家の出席を得て第1回目の検討会を開催いたしました。この場では、まず事務局から、公共交通機関の利用者数がピーク時の2割程度であることや、市町村の財政負担がここ10年間で約1.5倍となっていること、また、県内の運転免許保有者数と返納者数が増加傾向であること等の現状を御説明し、委員の皆さんから自由な御意見をいただいたところでございます。  委員からは、行政からの補助金には限りがあり、安定的な利用者の存在が必要であるといったバス事業者の意見や、少人数輸送は得意分野であり活躍の場があると考えているといったタクシー事業者の意見、ICT、IoTを使った輸送の解決策を考えていけるはずであるといったICT専門家の意見などが出されたところでございます。  公共交通に対する重要性や危機感は出席者全員共通の認識であり、今後も各方面の御意見をいただきながら検討を進めてまいる予定でございます。  次に、今後行うべき施策についてでございます。  人口減少と高齢化が進む社会において、市町村の個別対応だけでは公共交通を維持していくことは困難でございます。県といたしましても、地域の事情をよく知る市町村と連携し、その役割を果たしていくことが重要と認識をしております。  具体的には、地域振興局などエリア単位での広域的な調整、鉄道やバスなど従来の交通事業者以外も含めた関係者間の横の連携の促進、ICT、IoT、自動運転といった新しい技術の活用の促進などの観点から取り組んでいくことが求められるところでございます。また、自家用車を保有することで要するコストとの比較など、利用者の側に立って公共交通を利用することへのインセンティブを示していくことも必要でございます。  今後、検討会での議論を進めていく中で、これらの視点をもとに実際の取り組みにつなげていきたいと考えております。  以上でございます。       〔1番花岡賢一君登壇〕 ◆1番(花岡賢一 君)お答えいただきましたけれども、運転経歴証明書を返納者の80%の方が取得しているということは、代理人を立てて取得されることを鑑みると、返納された方のほとんどが取得している状況かなというふうに思うところであります。今回は、県内でも特殊な地域になってしまうのでしょうか、佐久警察署の例を挙げましたけれども、距離が離れていても、住民益を考えると、よりよい方策、その検討をいただけますことを御期待させていただきます。  また、お答えもいただきましたけれども、自動車の技術は、人工知能や電気自動車、自動運転の専用レーンなど、技術が日々進化しております。地域交通に対しても時代の変遷に乗れる状況の期待を込めまして、質問を移ります。  更生保護についてお伺いいたします。  一昨年、長野県議会更生保護を考える議員連盟が設立され、佐久市議会でも同様の議員連盟が昨年立ち上がっています。約3割の再犯者によって約6割の犯罪が発生してしまっている現状で、超党派の国会議員による議員立法で提出された再犯防止等の推進に関する法律が成立し、昨年12月に公布、施行となっています。その内容には、国が策定した再犯防止計画を勘案して、それぞれの地域に応じた再犯防止計画を定めることが努力義務で盛り込まれています。現在までの進捗状況はどのようであるのでしょうか。お伺いします。  また、犯罪、非行の前歴のために定職につくことが容易でない刑務所出所者などを、その事情を理解した上で雇用し、改善、更生に協力する民間の事業主の方々を協力雇用主と呼びますが、その協力雇用主が連携を組む協力事業主会が県内15ブロックに存在しています。建設業の割合が多いこともありますが、競争入札にあって加点が行われるなどの取り組みはあるものの、そのほかの業種については国からの奨励金にとどまっている状況があります。補助などについても課題として今後検討されていくことは当然ですけれども、業種とのミスマッチが起こってしまうことを考えると、協力雇用主の増加が求められることが予想されますが、拡大の施策はあるのでしょうか。また、協力事業主会との連携はどのように進められているのでしょうか。  そして、就労について、法務省が運営する矯正就労支援情報センター、いわゆるコレワークでは、雇用主が犯罪を犯した者を雇用する際のサポートをしているのですが、このことについて県はどのようなスタンスで臨んでいるのかをお示しください。  刑務所出所者などのうち、頼るべき人がいないなどの理由で帰るべき場所がない人に対して、一定期間、宿泊場所や食事を提供する民間の施設で、更生保護施設があります。そちらとの連携はとれているのでしょうか。お伺いいたします。  また、薬物犯罪は、その再犯率の高さから、依存症すなわち病気であることを自分自身が自覚することから始まります。県内にも薬物依存症回復施設としてダルクがあり、その中で重要とされていることにミーティングがあります。みずからの経験を同じ薬物依存者と共有する中で、自分が薬物依存症といった病気であることへの意識の改革が行われるのです。また、ダルクは、薬物犯罪者だけでなく、広く薬物依存に対して寄り添う体制がとられておりますことを紹介いたします。  再犯率が8割を超える薬物犯罪の中で、ダルクとの連携はどのようにされているのでしょうか。また、高校生に対して薬物乱用防止対策等の講習や講演会を行っているとのことでありましたけれども、現在継続されているのでしょうか。  薬物依存症について、平成24年に長野県と長野県薬物依存症対策推進会議とでまとめられた薬物依存症支援者のための相談対応ハンドブックを見ると、県立の医療機関として長野県こころの医療センター駒ケ根が薬物治療の中心的役割を担っていくことが期待されるとありますが、設立されてから5年以上が経過した現状はどのように運営されているのでしょうか。また、その後、同様の施設は設置されたのでしょうか。  以上、健康福祉部長にお伺いいたします。  最後に、犯罪を犯した者などの社会復帰に対しては、その性質上、秘匿とされてきた時代が長くありました。しかし、法律として施行された状況を考えても、社会が一丸となって理解し、寄り添う意識の重要性が求められている時代が来ていることは間違いありません。社会を明るくする運動長野県推進委員会委員長として取り組まれていらっしゃいます、また、行政の長とての阿部知事の考えをお伺いいたします。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)更生保護についての御質問に順次回答をさせていただきます。  まず、再犯防止計画の進捗状況については、再犯の防止等を推進するために昨年12月に公布、施行された再犯防止法に基づき、現在月1回のペースで法務省の検討会において国の再犯防止推進計画の策定に向けた検討が行われており、本年度中に閣議決定される予定と承知をしております。  再犯防止法では、地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえ、地域の実情に応じた施策を推進するため、地方再犯防止推進計画を策定するよう努めなければならないとされております。  県といたしましては、再犯防止についての従来の取り組みを継続するとともに、国における検討の経過を注視しつつ、罪を犯した人が社会において孤立することなく円滑に社会復帰することができるよう、まずは関係者と意見交換を行うなど、本県の実情に応じた計画の策定について検討を進めてまいりたいと考えております。  協力事業主会との連携についてのお尋ねがございました。  法務省によると、保護観察終了時に無職であった人の再犯率は、有職者の再犯率の約4倍に上り、再犯防止には就労が重要であります。  定職につくことが容易ではない出所者等の事情を理解した上で雇用し、自立更生に協力する協力雇用主については、県内では約800社が登録していると承知をしております。協力雇用主の登録は長野保護観察所で行っておりますが、県としても保護観察所と連携し、刑務所出所者等就労奨励金の制度の周知などにより協力雇用主の増加に取り組んでまいります。  また、更生保護協力雇用主会とは、社会を明るくする運動の街頭啓発活動を協力して行うなど、連携を図っているところでございます。  矯正就労支援情報センター、コレワークについてのお尋ねがございました。  矯正施設の出所予定者と雇用を希望する事業主のマッチング支援や相談については、これまで各地のハローワークが行っていたところでございますが、出所後の居住地が全国に展開するケースが多いことから、より広域的に実施するため、昨年11月に矯正就労支援情報センター、コレワークが埼玉県と大阪府の2カ所に開設されております。  県といたしましては、出所者等の自立更生と再犯防止を推進する上では事業主の受け入れに関する理解の促進が重要であると考えており、事業主等へのコレワークの紹介についても、保護観察所など関係機関と連携して取り組んでまいります。  更生保護施設との連携についてのお尋ねがございました。  県内には、裾花寮、みすず寮の2施設の更生保護施設があり、出所者や保護観察中の人を対象に就労指導や生活指導を行い、円滑な社会復帰を支援しております。
     県では、長野県社会福祉会に委託して運営している地域生活定着支援センターにおいて、福祉的支援を必要とする矯正施設出所予定者だけでなく、更生保護施設職員や入所者からの相談を受け、福祉サービス等の利用に関する助言や申請支援、関係機関への橋渡し等を行っております。また、更生保護施設の老朽化による改築に際し、入所者の生活環境を改善するための施設整備についても財政的な支援を行っております。  薬物依存回復施設、ダルクとの連携については、県では、高校生が薬物依存経験者の体験談を直接聞き、ともに話し合うことにより薬物乱用防止の意識啓発を図る事業を平成13年度からダルクへ委託して実施をしております。これまで、延べ380校で事業を実施し、10万4,348人が参加をしております。ダルクでは、県の委託事業のほかにも、高校からの求めに応じて薬物乱用防止に関する講演会を継続して実施をしております。  薬物依存症治療の現状については、県立こころの医療センター駒ケ根は、県内の精神科医療の中核的病院としての機能を有し、薬物依存症治療においても中心的な役割を担っていただいております。  具体的には、平成23年1月から、病気の正しい理解と回復に必要な知識を習得しながら健全な生活習慣を身につける独自の薬物依存症治療プログラム「コマープ」を導入し、1カ月の入院治療とその後の外来治療を多職種チームで行っております。また、依存症は家族を巻き込む病気でもあるため、家族会を開催し、家族支援にも力を入れております。  なお、そのほかに薬物依存症治療に特化をした県有施設はない状況でございます。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)犯罪を犯した方たちの社会復帰について、社会を明るくする運動長野県推進委員長として、また、行政の長としての考えという御質問でございます。  罪を犯した人の社会復帰につきましては、立ち直りへの意欲を持つ人が孤立をすることがないように地域社会における理解と協力が不可欠だというふうに考えております。  社会を明るくする運動として、全ての人たちがそれぞれの立場で力を合わせて明るい社会を築くため、街頭啓発活動や小中学生の作文コンテスト等を実施しております。罪を犯した人たちの更生についての理解を深めるとともに、犯罪や非行のない明るい社会を築くための取り組みを進めているところであります。  また、県としても、更生保護に関する普及啓発のほか、平成26年度からは、長野保護観察所、そして保護司会連合会と三者協定を締結をさせていただき、都道府県レベルでは全国で3番目となります保護観察中の少年を雇用する事業も実施をしてきております。また、本年度からは、社会復帰を目指す人の仕事の確保に資するため、建設工事の入札参加資格審査における協力雇用主に対する優遇措置も導入をしているところでございます。  今後とも、関係機関、関係団体の皆様方と連携し、誰にでも居場所と出番がある社会の実現に努めてまいります。  以上です。       〔1番花岡賢一君登壇〕 ◆1番(花岡賢一 君)お答えいただきましたけれども、従来、更生保護の分野は、法務大臣から直接地域に委嘱が届いて地域の方が行ってきたということがあります。そこにこういった形での法律が施行されているということは、よりきめの細やかな更生保護に対してのアプローチができる、そういう時代が来ているんだなというふうに思うところでございます。よりよい施策推進をお願いできればと思います。  先日、精神科病棟の看護師さんを中心とした懇談会が安曇野で三つの病院をまたぎ開催された中、講師として元タレントの田代まさしさんの講演を聞いた方からのお話をお伺いしました。田代氏は、新宿ダルクのダルク本部に通っている方です。  その方の御意見は、偏見を持っていたというわけではないにしても、薬物犯罪、薬物依存症について考え方が変わったとのことでした。私も、田代氏が書いた「マーシーの薬物リハビリ日記」を読んでみました。この内容は、壮絶というにはほど遠い、一部には反省の色が見られないとの意見もあったようですが、理想や誇張のない、生の現状を知ることができました。現実は、薬物をやめる努力をするというよりも、きょう1日薬物に手を伸ばさない、その毎日を続けている現状でありました。犯罪を犯してしまった者にとって、再び罪を犯してしまうこととは、まさに自分との闘いであり、恐怖でもあります。そんなときに寄り添う社会が形成され、社会が明るくなることを強く願うと同時に、再犯の防止等の推進に関する法律の第6条において、来月7月が再犯防止啓発月間であることをお伝えいたしまして、質問を終わります。 ○議長(垣内基良 君)次に、清水純子議員。       〔20番清水純子君登壇〕 ◆20番(清水純子 君)子供、若者を取り巻く環境の変化とともに、孤立しがちな人間関係を背景に、子供、若者に関する問題は多様化し、複雑化しております。こうした状況を踏まえ、国では、平成21年7月に、子ども・若者育成支援推進法を策定し、施策の指針となる子ども・若者ビジョンを作成しました。  県においても、組織内の子供、若者の総合的な推進と教育委員会との連携を図るため、平成23年4月に次世代サポート課を設置し、これまで、支援を必要とする子供、若者が適切に支えられる仕組みづくりの整備をしてまいりました。本年は、ながの子ども・子育て応援総合計画とともに、「全ての子どもと若者たちに出番と居場所を、そして自信と夢を」を基本理念とした長野県次世代サポートプランが最終年となることから、支援を必要とする子供、若者を支えることのできる仕組みづくりの構築の観点から質問をいたします。  一つ目に、子供の抱える問題解決のための専門家、スクールソーシャルワーカーの重要性はこれまで幾度となく質問をしてまいりましたが、一昨年の8名から昨年の18名へ、そして本年は24名分の配置時間を確保していただきましたことに対して大変うれしく評価をさせていただきます。本年、スクールソーシャルワーカーの活動環境が整う中、次のステップへの長野県モデルとなる仕組みづくりが必要と考えます。  先日、スクールソーシャルワーカーの仕組みづくりの先進地とされる大阪府の取り組みを調査してきましたので、先進事例も参考にしながらお聞きをいたします。  一つ目に、チーム制の重要性についてお聞きをいたします。  いじめ、不登校、暴力行為などの背景にある家庭的な問題に対して、児童生徒を取り巻く環境の改善に向けた総合的な支援とともに重要なのは、さまざまな事象があらわれる前での予備軍の発見と早期の支援です。これまでの、問題を抱える児童生徒へのスクールソーシャルワーカーの介入体制、いわゆる現場からの依頼による派遣型から、さらに常駐型への移行が有効であると考えますが、いかがでしょうか。  学校は、子供や家庭の様子を把握しながら継続的な安全確認ができる場とともに、子供の発達支援の場として、また、家庭や地域とつながる公的な場所として重要な役割を担える場であります。学校内におけるチーム制の構築と支援を目的の一つにするスクールソーシャルワーカーの校内チームのコアメンバーへの位置づけが必要と考えますが、御所見を伺います。  スクールソーシャルワーカーの役割の周知を、学校内はもちろん、関係機関へも徹底していくとともに、今後、さらにスクールソーシャルワーカーの専門性の向上が課題であると思います。現在、教育事務所ごとの支援チームとして組織化されており、本年度よりチーフリーダーの設置も行ったと承知をしております。今後、さらに専門性の向上、具体的事案のアドバイス、効果的、継続的な支援の仕組みの検討など、支援を必要とする子供が適切に支えられる仕組みづくりの構築に向けて県全体を統括するスーパーバイザーの設置の検討を求めますが、御所見を伺います。  スクールソーシャルワーカーの活動環境の現場課題として、現在、活動を行う中で業務専用の携帯電話を配布されていないと聞きます。児童生徒、家庭からの連絡、学校からの緊急な相談等、即座に対応を求められることも想定をされる中、業務専用の携帯電話の支給が必要と考えますが、対応についてお聞きをいたします。  以上、教育長にお聞きをいたします。  発達障がいに関する医療的支援が身近な地域で受けることのできる環境整備についてお聞きをいたします。  県では、平成24年度より診療体制の整備事業を行っており、本年は5年目となります。これまでの事業の成果と現状での課題をお聞きするとともに、身近な地域で医療的支援が受けられることが目的と考えると、地域ごとの差は生じていないのでしょうか。お聞きをいたします。  今後、さらなる診療体制の充実が望まれる中、広く診療医師への専門的知識の普及とともに、発達障がいの診療専門医の育成が重要であると考えますが、県ではどのように捉えていますか。  以上、健康福祉部長にお聞きをいたします。  子供の貧困が問題視される中、地域の大人と子供たちのつながりの中で、家庭の機能を補完することを目的とした居場所づくりとして、信州こどもカフェ事業が松本市と飯田市でモデル事業として平成28年度に実施されました。モデル事業の概要、そこから見えてきた子供の状況、そして事業実施の効果及び課題をお聞きいたします。  また、さらなる展開として、県内10広域への設置目標と聞いておりますが、現在の進捗状況、また、県の役割と支援についてお聞きをいたします。  以上、県民文化部長にお聞きをいたします。  長野県の子供、若者がそれぞれ夢に向かって自立をした社会生活が営めるように継続した支援を行う必要性から、民間NPO等の主体的な連携と協働の促進が今後大事なポイントとなります。信頼できる大人とつながることは、子供、若者の自己肯定感を育み、まさに夢と希望を伴う社会的自立への歩みを支援することにつながります。  しかし、それを支える多くの民間団体はほとんどがボランティア的な活動であり、資金が乏しく、理想とする活動まで拡大ができないと聞きます。支援人材の確保と環境整備の拡充が急がれる中、恒常的な財源支援が必要です。団体の活動を寄附で応援するNPO法人長野県みらい基金が運営をする長野県みらいベースがありますが、子供支援を行うNPO等への助成金の実績と活用状況をお聞きいたします。  また、昨年は、こども病院のドクターカーへの寄附金が多く寄せられたとの実績を参考に、活用目的の明確な発信が重要かと思われますが、周知を含めた今後のあり方についてお聞きをいたします。  今後、さらに寄附の拡大を図り、民間団体等への財源支援の仕組みを確立するために、長野県みらいベースの積極的なPR活動を行うための人的配置が脆弱だと感じますが、県の支援について県民文化部長にお聞きをいたします。  また、ふるさと信州寄附金での子供支援関係への活用事業も実施をされております。昨年度は、子供の希望を実現できる学びの場の提供事業をメーンテーマとし、多くの寄附がされました。寄附という形でいただいた長野県の子供支援への思いを県ではどのように受けとめ、活用されているのか。27年度、28年度の寄附金実績と事業内容をお示しください。  本来、活用方法には、通常予算では確保が困難な必要事業の実施に使われることが望ましいと思われますが、ふるさと信州寄附金を活用した事業実施についての選定方法についても、教育長、県民文化部長にお聞きをいたします。  年々複雑化する子供、若者を取り巻く課題解決のための支援を、スピーディーに、そして確実に推進するための財源確保が圧倒的に不足する状況の中で、寄附文化の仕組みを広げる取り組みにはまだ拡大の余地が十分あると考えます。  特に、ふるさと信州寄附金においては、長野県の子供、若者が置かれている現状を示し、解決のための必要な支援をより具体的に伝え、そして、その効果をきちんと報告することによって、より多くの方々から長い期間にわたり継続的に支援がいただけると思っております。現状では、その発信が不十分であると私は考えます。寄附金の有効的な活用においても、例えば有識者による第三者委員会などを設置し、外部の視点を入れることも有効ではないでしょうか。  今後、より有効的、効果的な寄附金の活用と確保の検討が必要と考えますが、県民文化部長、そして教育長に御所見を伺います。       〔教育長原山隆一君登壇〕 ◎教育長(原山隆一 君)まず、スクールソーシャルワーカーについての御質問についてお答え申し上げます。  スクールソーシャルワーカーの常駐型への移行と校内チームのコアメンバーへの位置づけについての御質問でございます。  本県は、スクールソーシャルワーカーの人数がまだまだ少なく、そうした中で、効果的、効率的な支援を行うためにスクールソーシャルワーカーを教育事務所に配置し、学校からの要請に随時応じる派遣型を基本としております。しかし、将来的には、各学校に定期的に出向き、そして校内支援チームのコアメンバーとして機能するような配置が望ましいというふうに考えております。そのためには、予算措置や人材の確保が必要となりますので、国の動向や他県のすぐれた取り組みを参考にしながら研究してまいりたいというふうに考えております。  スクールソーシャルワーカーの専門性の向上とスーパーバイザーの設置についてであります。  議員御指摘のとおり、困難を抱える子供への支援に当たっては、支援する側の専門性を向上させることが必要であります。そのため、本年度より、各教育事務所にチーフソーシャルワーカーを1名配置し、各スクールソーシャルワーカーが担当する個別のケース等について助言を行うとともに、定期的に開催するチーム会議で情報を共有しながら支援の方向性を検討するなど、チーフスクールソーシャルワーカーにスーパーバイザー的な機能を持たせるような体制を整備し、試行しているところであります。さらに専門性を向上させ、支援を必要とする子供が適切に支えられる仕組みを構築するためには、議員御指摘の大阪府におけるスーパーバイザー制度も含めて研究してまいりたいというふうに思っております。  業務用携帯電話についてであります。  本県では、業務上必要な連絡や相談の窓口は教育事務所となっており、スクールソーシャルワーカーが直接児童生徒や保護者と携帯電話で連絡を取り合い、相談に応じるということはしていないということが現状であり、また、議員御指摘のような虐待やDVなど緊急性が高く即座に対応を求められるような事案については、あらかじめ児童相談所等の専門機関と連絡を取り合いながら対応しております。  勤務時間内において学校や関係機関等への急な連絡などに個人の携帯電話を使用する場合があった場合には、旅費の一部としてその費用を支給している、そういう仕組みにもなっております。そういう意味では、現在のスクールソーシャルワーカーの業務の実態からは必要性は高くはないと考えておりますけれども、ただ、スクールソーシャルワーカーの業務については、子供や家庭のあり方が変化する中で変わっていくことも予想されますので、注意深く見守っていきたいというふうに思っております。  それから、ふるさと信州寄附金活用事業についての御質問でございます。  まず、平成27年度、28年度の子供支援関係の寄附額は、平成27年度は2,925万4,000円、28年度は3,635万5,000円でありまして、教育委員会と県民文化部で財源として活用しているところでございます。毎年度、順次予算化し、活用しているところでございますけれども、教育委員会の平成29年度予算では、県立高校の環境整備や学力向上対策、スクールソーシャルワーカーの増員、学校生活相談センターの設置などに活用しているところであります。予算化に当たっては、必要な事業に対して優先度をつけて活用しているところでありますが、今後も貴重な財源を効果的に活用してまいりたいというふうに思っております。  そして、御提案のありましたふるさと信州寄附金の確保に向けた取り組みであります。  子供、若者への支援施策を充実するに当たり、ふるさと信州寄附金は重要な財源の一つでありまして、寄附をいただいた方々の思いを尊重するとともに、より多くの方々に子供支援に目を向けていただくことは大変重要だというふうに考えております。  御提案のありましたふるさと信州寄附金に関する仕組みの提案でございますけれども、ふるさと信州寄附金の制度全体にかかわることでございますので、事務局と連携しながら、今後、寄附金の使い道やその効果をPRするなど工夫に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  以上であります。       〔健康福祉部長山本英紀君登壇〕 ◎健康福祉部長(山本英紀 君)私には、発達障がいに関する医療的支援の環境整備についてのお尋ねをいただきました。  県におきましては、発達障がい者支援対策協議会を設置し、医師を対象とした研修等により、発達障がい診療医の育成、診療技術の向上を図るとともに、10圏域ごとに発達障がい診療地域連絡会を設置し、地域における診療ネットワークの構築、多職種間の連携強化等の取り組みを行うなど、身近な地域で医療を含めた支援体制の整備に取り組んでおります。  発達障がい者の支援ニーズは、小学1年生で少なくとも10%程度は存在するとの研究結果があるとともに、必要とする支援の内容も複雑化、多様化しているため、専門医が診断し、地域のかかりつけ医がフォローするといった連携体制の構築や、発達障がい診療を専門とする医師、コメディカル職員のさらなる確保など、支援体制の充実が必要であると考えております。  医師への専門的知識の普及と診療専門医の育成については、初診の申し込みから受診までの待ち期間が数カ月から半年というケースも少なくなく、御指摘のとおり、県といたしましても、発達障がいの専門的な診療体制の一層の充実は重要課題と認識しております。  医師や支援関係者に対する研修会を開催し、専門的知識の普及、対応力の向上、関係者間の連携を引き続き図るとともに、診療専門医の育成についてどのような知識やスキルを持った医師をどういう方法で何人ぐらい育成すればよいのかなど、人材育成の方向につきまして関係者の御意見をいただきながら検討を行っているところでございます。  以上でございます。       〔県民文化部長青木弘君登壇〕 ◎県民文化部長(青木弘 君)私には5点質問をいただいておりますので、順次お答えを申し上げます。  まず、信州こどもカフェのモデル事業についてのお尋ねでございます。  昨年度の夏休み以降、松本市と飯田市の2カ所で信州こどもカフェのモデル事業を実施しております。松本市並柳地区では、49回の開催で延べ492人、飯田市松尾地区では、40回の開催で延べ660人の子供たちの参加があったところでございます。モデル事業を開始した当初は、学習習慣が身についておらず5分と座っていることができない、また、朝御飯もつくってもらえず食べていないなどの子供の状況があったと承知しておりますが、この事業を実施する中で、子供たちからは、集中して勉強できるようになった。また、スタッフからは、子供たちの表情が大変穏やかになった、親が朝食をつくるようになったなど、子供たちや保護者に目に見える変化があるなど、一定の効果があったと認識をしているところでございます。  一方、運営上の課題といたしましては、担い手の確保や育成、子育て支援のNPO等のネットワークづくりの必要性が指摘され、それに対する県の支援について強く要望をされたところでございます。  続きまして、信州こどもカフェ事業の進捗状況、県の役割についてでございますけれども、ただいま申し上げた課題を踏まえまして、市町村と民間団体等を巻き込み、県全体に子供の居場所を普及拡大するためには、ネットワークの場である地域プラットフォームの構築が必要と認識をしているところでございます。  地域プラットフォームは、NPOや社協、JA等の県的団体の地域組織、あるいはボランティア、市町村、県により構成され、学習支援をする人材や食材、場所等の確保、居場所で把握された子供等の課題を行政支援へ結びつけることなどの役割を期待しております。  今年度、地域プラットフォームを10広域で構築、運営することとしてございますが、地域振興局とともに官民のさまざまな団体のコーディネートを行うためのNPO等の団体の選定を進めておるところでございまして、6月末までには全ての地域振興局でその体制が整う予定でございます。これを受けて、順次広域ごとにプラットフォームの構築、運営を進めてまいりたいと考えております。  県といたしましては、この地域プラットフォームにおきまして、昨年度のモデル事業やこども食堂の取り組みなどから把握された課題であります食料調達や担い手の確保を支援いたしますとともに、本年度、地域振興局ごとに設置する将来世代応援県民会議の地域会議を通じまして、地域における学習支援や悩み相談を行う青少年サポーターの拡大などを行いまして、民間や市町村の取り組みを支援してまいりたいと考えております。  続きまして、子供支援を行いますNPO等への助成実績及び活用状況というお尋ねでございます。  公共的な活動を行います団体を支援する寄附募集サイト、長野県みらいベースでは、平成25年度のサイトオープン以来、平成28年度末までに総額で3,305万円余の助成を実施しておりますが、うち、子供支援団体に対しましては2,341万円余の助成となっているところでございます。  具体的には、この2,341万円余には、こども病院のドクターカー更新のための助成が880万円余含まれているほか、児童養護施設等と連携し子供たちへIT学習の場を提供するNPO法人への助成でございますとか、障がいを持つ子供、若者の自立に向けて訪問相談を行うNPO法人への助成等を実施しております。  こども病院ドクターカーの事例を踏まえての今後のあり方というお尋ねでございますが、長野県みらいベースでは、寄附者の思いを支援につなぐ、寄附者の名前を冠しましたいわゆる冠寄附でございますとか、寄附者から毎月定額を口座振替するマンスリー寄附を導入するなど、寄附拡大に向けた取り組みをこれまでも幅広く展開してきております。議員御指摘のとおり、昨年度はこども病院のドクターカーの更新のため多くの寄附金が寄せられたところでもございます。  寄附募集に当たりましては、今申し上げましたように、活用目的の明確な発信など発信力が大変重要な観点であると認識をしているところでございます。今後も、活用目的の明確な発信を含め、広報、周知に十分意を用いて取り組んでまいりたいというふうに考えております。  また、NPO法人長野県みらい基金の行う寄附募集活動への支援についてでございますけれども、長野県みらいベースの寄附募集活動の強化を図る必要性については認識をしております。日ごろから、運用主体でありますNPO法人長野県みらい基金と県民協働課職員がともに連携を図りながら寄附の拡大を図っているところでございます。  具体的には、JAながのと県がタイアップして、長野県みらいベース内にJAながのこども共済みらい基金を設立するといった取り組みが実現をしてきているところでございます。  今後も、多くの県民の皆様の思いが子供の支援につながりますよう、長野県みらい基金と連携をいたしまして寄附の拡大に一層努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。  続きまして、ふるさと信州寄附金の関係でのお尋ねでございます。  寄附額につきましては先ほど教育長から御答弁申し上げたとおりでございますけれども、大変ありがたくその貴重なお金を使わせていただいているところでございます。  県民文化部では、子供の生活環境の改善など、寄附者の思いが形になってあらわれる事業を中心に活用するように心がけておりまして、例えば松本あさひ学園図書学習室の空調施設設備でございますとか、波田学院生活寮の情報ネットワーク整備など、困難を抱える子供の支援等に有効に活用させていただいているところでございます。  活用先の選定ということでございますが、寄附金は毎年金額が変動いたしますことから、恒常的な事業の財源に充てることは難しいところがございます。寄せられた寄附金の範囲で、その時々で必要な事業に対し優先度をつけて活用している実態でございます。  それから、ふるさと信州寄附金の確保に向けた取り組みというお尋ねでございます。  これにつきましても、先ほど教育長から答弁をさせていただいているところでございますけれども、子供、若者への支援施策の充実に当たりましては、ふるさと信州寄附金は重要な財源の一つでございます。その皆様方の思いを尊重するとともに、より多くの方々に子供支援に目を向けていただくことは私どもとしても大変重要であると認識をしてございます。  議員からの御提案については真摯に受けとめさせていただく中で、寄附金の使い方やその効果などを適切にPRするなどの工夫に努めてまいりたいと考えてございます。より効果的に寄附金が活用及び確保されるための検討が必要だということは私どもも強く認識しているところでございます。  以上でございます。       〔20番清水純子君登壇〕 ◆20番(清水純子 君)御答弁いただきました。  教育長、先ほどのスクールソーシャルワーカーの業務用の携帯電話でありますけれども、これは現場からの課題ということで出てきた話でございます。しっかり現場に確認をしていただいて、必要であれば環境整備を行っていただくようよろしくお願いしたいと思います。  また、寄附文化ということでは、日本はまだまだ世界の中で大変おくれているということでありますけれども、しかし、さきの東日本大震災では、日本人の4人に3人が何かの形で寄附をしたというふうに答えているのが現状であります。大事なのは、何にどうやって使われるお金なのか、自分が寄附をしたものによってどのぐらいの長野県の子供たち、若者たちが支援の手を受けられたのか、これを発信することによって、長く、そして幾度も皆様の思いが長野県に向けられる、このようなところを強く訴えさせていただきます。  そして、SNSを活用した若年者の自殺対策について伺います。  若年者の自殺対策について、2月県議会で、我が会派の中川議員より、SNSを活用した啓発活動に取り組むべきと提案をし、知事からも前向きな答弁をいただいております。  総務省の2015年調査では、10代の平日1日当たりの平均利用時間、これがSNSなどが57.8分と圧倒的に多く、携帯電話での通話は2.8分、そして固定電話はほぼ使われていないという結果から、若年者の啓発・相談体制は、電話というよりもSNSのほうがより効果が発揮されるというふうに考えております。  2月の質問以降、今後の県の取り組みに着目をした日本最大のSNSサービスの運営をしているLINE株式会社より、技術やノウハウを提供して長野県の自殺対策に協力させていただきたいと私ども公明党長野県本部に前向きなお話を頂戴したことから、県に活用の提案をさせていただきましたが、今後の取り組み姿勢を所管の担当である中島副知事にお伺いをいたします。
     最後に、知事にお聞きします。  これまで、子供・若者施策を一体的な推進とするため、次世代サポート課の創設やこども・若者担当部長の設置と、部を超えた総合調整と施策立案等さまざまなことによって力を尽くしていただいていることは承知をしております。しかし、非常に多岐にわたる子供や若者の課題を迅速に解決するにはとても追いついていないと切に実感をいたします。  長野県が、しあわせ信州の言葉とは反対に、平成22年から26年の未成年の子供の自殺率、これが全国一高いとされたのも現実であります。子供、若者がみずからの命を絶つということは、ここ長野県で幸せだと感じ取れない、そして未来に夢を持てないと絶望しているということです。知事の思いとは反対に、長野県の次世代を支える貴重な人材である長野県の子供、若者に支援の手が届いていないという現実に、しあわせ信州総合5カ年計画の最終年、そして知事2期目最後の1年を、支援を必要とする長野県の子供、若者へ、財源確保も含め徹底的に成果にこだわる施策の推進を強く求めますが、最後に知事に御所見を伺います。       〔副知事中島恵理君登壇〕 ◎副知事(中島恵理 君)私には、SNSを活用した若年者の自殺対策について御質問いただきました。  県としましては、これまで、子供、若者に対する電話やメールでの悩み相談を行ってきておりましたけれども、議員御指摘のとおり、若者の多くがコミュニケーションツールとして利用しているSNSを活用することにより、より多くの若者の不安や悩みに対する対応を効果的、効率的に行える可能性があると考えております。  そこで、LINEからの申し出を踏まえまして、現在、いじめ対策や自殺予防などの情報コンテンツや相談窓口の情報を配信する啓発事業、または子供の不安や悩み相談をLINEを通じて行う、そういった具体的な活用策の検討を始めております。また、命にかかわる問題の分野でもございますから、事業実施に向けては、SNSの特性を踏まえた対応の仕方や体制についても検討しているところでございます。  長野県の若年者の自殺率は非常に高い状況であることから、LINE等SNSを活用したいじめ・自殺対策については、なるべく早期に段階的に着手していきたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔知事阿部守一君登壇〕 ◎知事(阿部守一 君)子供・若者施策、成果にこだわる施策の推進についての考え方という御質問をいただきました。  これまで、現行の総合5カ年計画の期間中におきましては、子育て支援戦略を策定して、第3子以降の保育料の負担軽減、あるいは信州母子保健推進センターや長野県子ども支援センターの設置などさまざまな施策に取り組み、子供たちあるいは若い世代を対象とした施策の大幅な充実に努めてまいりました。  他方で、未成年者の自殺率が高いといったような点はしっかりと直視しなければならないというふうに思っておりますし、また、全国的な課題でもあります子供の貧困問題等についてもしっかりとした検討をさらに行っていくことが重要だと受けとめております。  総合5カ年計画の最終年度となります今年度、児童虐待、子供の貧困など喫緊の課題への対応を強化いたしますとともに、保育サービスの充実、教育費の負担軽減、子供を性被害から守る取り組みなどの重要施策の充実を図ってまいります。  具体的には、弁護士配置によります児童相談所の法的対応機能の強化であったり、信州こどもカフェの拡大あるいは保育士人材バンクの設置、また、私立学校の授業料等軽減事業の対象も小中学校まで拡大をいたしております。次期総合5カ年計画におきましては、子供・若者支援を重点施策の一つとして盛り込み、具体的な達成目標を掲げる中で、子供の貧困対策あるいは自殺予防対策などについてさらに施策を充実させていきたいと考えております。  以上です。       〔20番清水純子君登壇〕 ◆20番(清水純子 君)御答弁いただきました。  知事におかれましては、若者たちとの懇談に多くの時間を割いていただき、そして聞く耳を広げていただいていることは承知をしているところでございます。そして、今、知事がおっしゃったように、施策もいろんな角度からたくさんやっていただいている。しかし、その支援の手が、まだまだ子供たち一人一人に届いていない、そんな現状の中での総合計画最終年、そして知事2期目の最後の1年、ぜひリーダーシップをもって、若者、そして子供たちに希望と夢を与える、そんなしあわせ信州、長野県を目指して頑張っていただきたいとお願いをし、質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(垣内基良 君)お諮りいたします。本日はこの程度で延会にいたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。       〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(垣内基良 君)御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会することに決定いたしました。  次会は、明30日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑並びに決算特別委員会の設置等を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後3時46分延会...