群馬県議会 2018-06-11
平成30年第2回定例会厚生文化常任委員会(こども未来部・健康福祉部・病院局関係)−06月11日-01号
民泊には、
旅館業条例による構造設備や
衛生基準などの規制は及ばない。今回の
条例改正は、
民泊新法を踏まえ、
宿泊事業の実情を反映させた
改正旅館業法等に伴い改正するものである。
◆萩原渉 委員
そういうことであれば、
民泊新法の施行日が6月15日で、
旅館業条例の一部改正の施行日が議決日である6月18日以降になってしまっても問題ないということか。
◎中村 食品・
生活衛生課長
民泊新法との関係では問題ない。また、
旅館業条例の改正は、原則、規制を緩和するものであり、これから許可を取る人にとっても不利益はない。
◆萩原渉 委員
旅館業条例の一部改正により一定の条件の下、
玄関帳場の設置が不要となる。
民泊新法の施行日の6月15日時点では、まだ条例上、旅館では
玄関帳場がなければならないが、民泊でも
玄関帳場が必要となるのか。
◎中村 食品・
生活衛生課長
民泊では
玄関帳場の規定がないが、
本人確認する機能は必要である。
◆萩原渉 委員
コンビニでの
届出住宅の鍵の受渡しは問題ないか。
◎中村 食品・
生活衛生課長
現在までに県内ではそのような形態の届出はない。
コンビニでの鍵の
受渡し方法が
本人確認のできないような受付方法であれば問題があるので、具体的な取扱いについて国に確認して対応したい。
◆萩原渉 委員
6月15日になると、民泊の届出が増えることが想定される。旅館を営んでいる人が心配しているので、明確にしてもらいたい。
草津温泉の
リゾートマンションは、4,000室もある。稼働率は、約26%から30%であるので、年間の平均で言うと、2,800室程度空いていることになり、1万人を超えるお客さんが泊まることができる。今、
草津温泉には旅館が約140軒あって、1万数千人が泊まることができるが、
旅館経営者は、そのような問題を懸念し、このことに反発している。
リゾートマンションにおける民泊の実施はどうなっているか。
もう1点は、
インバウンド対応で
民泊新法が制定されている。
インバウンドで一番、懸念されることは、文化の違う他の国から入ってきた方と住民との間の
トラブルであるが、対策はどうなっているか。
◎中村 食品・
生活衛生課長
現在まで
リゾートマンションを利用した届出はない。
マンションについては、
管理運営規約で事業の制限が可能なため、届出時に必ず規約の確認を行っている。
2点目の
インバウンドの関係は、法では事業者の義務として、
外国人宿泊者に対して、騒音の防止、ごみの処理、火災防止など
周辺地域の
生活環境への悪影響の防止について、外国語による書面の作成や説明の遵守を規定しており、指導を徹底していきたい。
◆萩原渉 委員
管理規約は、一般の
住宅用マンションと
リゾートマンションでは、基本的な部分は同じであるが、若干違う。
リゾートマンションには、各々理事会があり、いろいろなことが決められている。民泊になると問題が起きそうなところについては、できれば規約を改正するよう指導をしていただきたい。
また、
観光シーズンの7月、8月に外国人との
トラブルが起こるのではないかと心配しており、指導していただきたいと思う。
防犯対策についてはどうか。
◎中村 食品・
生活衛生課長
県警本部の生活安全、テロ、組織犯罪を所管する各部局と連携を図っている。
◆萩原渉 委員
続いて、
精神障害者の
公共交通に関する補助について伺いたい。
精神障害者の
公共交通割引について、本年5月に本県の提案により
関東甲信越1都9
県議会議長会で国への要望を行ったが、現状と今後の見通しはどうか。
◎依田
精神保健室長
大手鉄道事業者による
精神障害者の
交通運賃割引については、関東甲信の1都8県で共同して、国に対し
関係事業者への働きかけを要望しており、現在、今年度の要望を事務局である埼玉県においてとりまとめているところである。しかしながら、現状では国等が要望を行うのみにとどまっていると聞いている。県としては、引き続き、他県と共同して要望を続けていきたい。
◆萩原渉 委員
身体や知的の障害者が認められ、
精神障害者だけが割引を受けられない原因は何が考えられるか。
◎依田
精神保健室長
精神障害者の手帳制度については、他の障害より遅れて発足したことや、当初、手帳に写真の貼付がなく
本人確認が困難だったことが原因として考えられる。なお、平成18年から写真を貼付する様式に変更となっている。今後も、他の障害と同じサービスが受けられるよう協力要請を行っていきたい。
◆萩原渉 委員
関東甲信越1都9
県議会議長会の中で、群馬県が提案して出したものであるので、是非、一日も早く
精神障害者の
公共交通割引が実現するよう支援をお願いしたい。
◆
伊藤祐司 委員
国民健康保険の現状と広域化後の
運営方針について伺いたい。委員長から許可を得たので、資料の配付をお願いする。
(事務局:委員及び執行部に対して
資料配付)
今年度から、
国民健康保険の
財政運営は、県が受け持つことになった。配った資料は、昨年の9月
26日に、私が本会議の
一般質問において、部長と議論した時の資料と同じ物をコピーして来た。あの時は、まだかみ合っていなかったので、改めて広域化した現在において、質問したい。
国保税額について、一
世帯当たり、幾らになっているか。
◎堀越
国保援護課長
群馬県内における1
世帯当たりの
国保税額の数字は、今は持ち合わせていない。
◆
伊藤祐司 委員
高崎市では、平成28年度決算でみると、1
世帯当たり143,777円、前橋市では、1
世帯当たり
149,600円という結果が出ている。このような税額で県が運営していかなければならないが、国保の被保険者負担について、現状に対する認識はどうか。
◎堀越
国保援護課長
国保税額は、市町村により額が様々であり、一概に、「高い、低い」は言えないが、国保は構造的に加入者の年齢構成が高く医療費水準が高い一方、低所得者が多いなどの課題があり、他の医療保険に比べて、全国的に一人当たりの保険料は低いものの、所得に占める負担率は高く、負担感はやや高いのではないかと感じている。
◆
伊藤祐司 委員
私は、「やや高い」ではなく、非常に高いと思う。国保税は、協会健保や組合健保の保険料に比べると、高いと言われている。試算があるが、給与が年収400万円の4人家族が国保に加入した場合に、41万円前後である。同じ家族が協会健保に加入した場合に、約20万円である。倍の差が出てくる。加入者の平均所得と被保険者一人当たりの保険料は、1980年から1990年の頃に比べて、平均所得が下がっているのに、保険料が上がっている状況がみられる。理由は、国保に加入している世帯が、農林水産業及び自営業が多かったものが、今は年金者が中心になっている。社会的な弱者、低所得者のための保険が、
国民健康保険となっている。
国民健康保険の保険料が、協会健保に比べると、倍の高さにあることは、耐えられない痛みであると思うがどうか。
◎堀越
国保援護課長
今回の国保制度改革では、全国で約3400億円の公費支援が拡充されたが、負担感の問題はそれだけでは解決するわけではなく、県としては、国に対して更なる公費支援の拡充を要請していきたい。
◆
伊藤祐司 委員
全く、そのとおりであると思う。今回の国保制度改革に伴う激変緩和の対象は6年間であるが、期間終了後の対応はどう考えているか。
◎堀越
国保援護課長
激変緩和のための特例基金は6年間の活用期限があるため、医療費適正化の取組等により、負担が増えない努力をし、その後の対応については、市町村とも相談しながら検討していきたい。
◆
伊藤祐司 委員
県の
国民健康保険運営方針をみれば、赤字の解消とある。政策的に保険料の負担を緩和するために、繰り入れることはできないとされている。群馬県
国民健康保険運営方針においては、市町村の法定外繰入れの解消を図るとしているが、どのように解消していくのか。
◎堀越
国保援護課長
国保は、他の医療保険からの支援金のほか、国や県、市町村による公費負担などが制度化されているが、これらを除いた金額については、保険税により賄うことが原則である。このため、法定外の一般会計繰入れ等は解消していくべきものであるが、急激な減額は保険税負担の増加に直結するため、中期的な目標を設定して削減することを国保
運営方針に定めている。
◆
伊藤祐司 委員
制度全体の枠組みが大きく変わらない限り、現在、繰入れを止められなければ、6年後も繰入れを止めることはできないと思う。協会健保は、雇用主負担があるが、
国民健康保険には、それがない。国保会計への国庫支出金がかなり減ってきていることが構造的な矛盾である。1980年の時には、群馬県内の国保会計の57.4%が国庫支出金で賄われていたが、2015年には、24.5%までに減っている。これを元に戻す方向に持っていかなければ、構造的な矛盾は解決されない。昨年の7月の全国知事会では、国保への定率国庫負担の引上げや子供の医療費のペナルティを止めるよう、要望書を提出しているが、本気で全国の都道府県と連携して、国を動かしていかなければならない。国に対して、国保に対する国庫負担割合の引上げ、福祉ペナルティの廃止など、全国都道府県が一体となって国に要請していくべきではないか。
◎川原
健康福祉部長
国民健康保険の
財政運営は厳しい状況にあるため、様々な機会を捉え、国に対し、引き続き公費拡充を要望していきたい。
◆
伊藤祐司 委員
国保税の水準の高さが、被保険者にとって分かりづらい。国保の運営を県が行うようになったので、制度について、被保険者に対して分かりやすく説明する努力をお願いしたい。
続いて、
国民健康保険の収納対策について伺いたい。本県の収納率の状況はどうか。
◎堀越
国保援護課長
平成28年度の収納率は92.25%で、前年の91.73%から0.52ポイント上昇している。
◆
伊藤祐司 委員
滞納者の割合は分かるか。
◎堀越
国保援護課長
滞納の額でいうと、平成28年度は、38億8,200万円、前年度は、42億9,200万円であり、若干の減少となっている。
◆
伊藤祐司 委員
滞納世帯の割合はどうか。
◎堀越
国保援護課長
滞納世帯の割合は、28年度は14.1%で、前年の14.3%から0.2ポイント減少している。
◆
伊藤祐司 委員
滞納者への差押えについて、群馬県は全国トップである。国保世帯数でいうと、45,567世帯が滞納している世帯であり、その内、15,228世帯が差押えされている。差押え率が33.4%であり、他県と比べると、かなり高い。前橋市が、飛び抜けて強権的な差押え行政を行ったことが原因である。前橋市が行った差押えに対する裁判で違法との判決が出されたが、県はどのように捉えているか。
◎堀越
国保援護課長
国保は、加入者の保険税なくして成り立たない制度であり、悪質な滞納者に対しては、厳正に対処する必要がある。一方、滞納処分を行うに当たっては、滞納者の生活実態など個別事情を十分に把握し、丁寧に対応するよう助言しているところである。
◆
伊藤祐司 委員
そのような助言の下でも、前橋市では、資料のとおり年金が通帳に入った途端、すぐにほぼ全額を差し押さえており、そのことで相談に来られた方もいた。国税徴収法にも、その人が生きていけないような差押えはしてはいけないとされている。しかし、そのようなことが実際に起きている。市町村が収納率を上げると国から交付金が交付される仕組みが、市町村の行き過ぎた差押えを助長しているのではないか。
◎堀越
国保援護課長
基本的に、収納率を上げることは大事なことである。国は、今回の制度改正で、収納率を上げたところに交付金を交付する制度をつくった。前橋市が行った差押えに対する裁判の判決後に、市町村の税務全体を所管している総務部において、市町村税務担当部課長を集めた会議の中で、より丁寧な滞納整理をお願いしたと聞いている。また、当課としても、市町村国保担当課長会議において適切な滞納整理の実施について助言したところである。
◆
伊藤祐司 委員
前橋市は、1回目の裁判は、控訴しなかったが、2回目に出た判決に対しては控訴している。まだ、争う気は十分にあるようだ。無謀な強権的な差押えは止めるよう、よく指導をしていただきたい。
もう一つ、悪質な長期滞納者に対しては、資格証明書が発行される。しかし、本当に悪質な滞納者以外にも発行されていると思う。例えば、高崎市では、平成28年度において1,365世帯に対して資格証明書が発行された。資格証明書が発行されると、病院窓口において全額医療費を支払わなければならない。国保税が払えない人が、病院窓口で医療費全額を支払うことなどできるわけはない。その結果、病院に行かなくなる。インフルエンザになっても、寝てるだけであり、糖尿病の方も、治療を諦めて重篤化した例がたくさんある。資格証明書が発行された方に対しては、手厚い援助が必要である。県は、資格証明書の交付について、市町村に対してどのような指導を行っているのか。
◎堀越
国保援護課長
資格証明書は、「特別な事情」がないのに1年以上滞納している者に対して交付しているものであるが、「特別な事情」は滞納者によって個別事情が異なるため、滞納という事実だけで一律に交付することなく、個別具体的な事情に応じて対応するよう市町村に助言している。
◆
伊藤祐司 委員
市町村が丁寧な相談に応じていないから、私のところに相談が来る。国保税を払えない人に資格証明書が発行され、病院に行けない人がいる。資格証明書の安易な発行は戒められるべきである。県として、サンプル調査か、実態調査を行っていただきたい。
続いて、
地域医療構想について伺いたい。中
山間地域の
ベッド数が大幅に減少されることは問題である。これは、
ベッド数の削減目標ではないことは分かるが、その地域の医療の将来をどのようにつくっていくか、見えてこない。
ベッド数が削減されれば、地域包括ケアなどが成り立たなくなると思う。どのように
地域医療構想を進めていくのか。
◎中島
医務課長
地域の実情に応じて各
医療機関の自主的な取組を推進するため、県内10の二次
保健医療圏ごとに医療関係者や市町村などによる
地域医療構想調整会議を設けて協議を進めているところである。高齢化の進展や医療資源の状況は地域ごとに異なることから、調整会議において関係者の意見をしっかりと聞きながら丁寧に議論し、
病床機能の分化・連携などを進めてまいりたい。
◆
伊藤祐司 委員
各圏域の必要病床数と県予算の配分とは関係があるのか。
◎中島
医務課長
各圏域の必要病床数と、その圏域への県予算の配分は、直接的な関係はない。地域に必要な病床への転換などについて
医療機関からの個別の相談に応じ、必要な支援を行っている。
◆
伊藤祐司 委員
県として、中
山間地域医療の立て直しの独自プランを持っていかないと、成り立たなくなる。医師会との話合いはどのようになっているか。
◎中島
医務課長
まさに、そのことを話し合う場が、
地域医療構想調整会議であり、関係者が丁寧な意見交換・協議を進めている。
◆
伊藤祐司 委員
構想がまとまるのは、どのようなタイミングか。
◎中島
医務課長
現在、2025年のあるべき姿について協議を進めているところである。
◆
伊藤祐司 委員
それを進める上で、現時点においても医師を確保できない状況であり、中
山間地域では、70歳代の医師が倒れたら、成り立たない
医療機関もある。そのような
医療機関の事務長さんなどは、頭を抱えて走り回っている状況である。中
山間地域の医療に対しては、県がインセンティブを出さないと、医師を配置できないと思うがどうか。
◎高橋
医師確保対策室長
平成28年度に行われた、医師・歯科医師・薬剤師調査によると、沼田地域では、人口10万人当たりの
医療施設に従事する医師数が176.3人、吾妻地域では、144人であり、県平均が225.2人であり、中
山間地域を多く抱える医療圏では、医師不足が顕著である。中
山間地域の医師不足に対応するために、県では従来から、自治医科大学卒の医師をへき地診療所等に派遣しているほか、群馬大学医学部の地域医療枠について、今年度入学者から卒後10年のうち4年間は医師不足地域で勤務するよう条件を見直した。
◆
伊藤祐司 委員
中
山間地域では、
医療機関同士で医師をシェアするような仕組みも必要と考えるが、経営体が一つではないと、難しいかもしれない。経営体が別だとしても、医師を結び付けることができれば、中
山間地域の医師不足解消が進むと思う。県がそのあたりを進めることについてはどうか。
◎高橋
医師確保対策室長
経営体が異なる
医療機関における医師派遣であるが、個々の病院間相互の連携の下に、医師が非常勤で派遣されていることはある。また、臨床研修や専門研修では、基幹病院から研修協力病院へ研修医を派遣している。同一地域にあるとはいえ、経営母体が異なると、競合する診療科がある中で、ローテーションをシステマティックに回していくことは、容易ではない。
医療機関の連携や機能分化を進めていく中で、連携が更に深まっていけば、可能になるのではないかと思う。医師のシェアは、それぞれの経営母体が違うため難しい面もあるが、前例にとらわれず積極的に医師確保対策に取り組み、医師不足地域の解消に努めてまいりたい。
◆
伊藤祐司 委員
是非、頑張っていただきたい。
続いて、保育士の配置基準等について伺いたい。保育園から強い要望が上がっていることは、保育士の定数である。特に、1歳児に対しての保育士の配置について、何とか変えてもらえないかという要望が強い。国の制度であると、保育士1人に対して1歳児が6人、県は、それを1対5にしている。県としては、良いことをやっていると思うが、1対5では、現状に合わないという声がある。私は、一昨年、朝7時から昼の2時頃まで、保育園のお手伝いに行ったが、保育士の労働はすごいものがあった。その保育園は、1歳児については、保育園の持ち出しで保育士1人に対して4人で行っていた。1歳児は、イヤイヤが始まる年齢であり、歩き回ってどこにでも行ってしまうので、監視していないとならない。栃木県では、1対3の補助を行っており、埼玉県や新潟県では、1歳児については上乗せをしている。1歳児の保育士配置について、国基準を上回る4対1の配置に対して県で助成してはどうか。
◎森平 子育て・
青少年課長
1歳児の配置基準が児童6人に対して保育士1人である国基準を、本県では、5対1に充実させた場合に県単独で補助を行っている。現状では、保育人材の不足も大きな課題となっており、保育士配置の充実、処遇改善、研修の実施等、様々な取組がある中、何を優先して実施するか、その都度状況に応じて判断していきたい。
◆
伊藤祐司 委員
1歳児の感情の変化をこの時に受け止められるかどうかが、その後の人間形成に貴重なものになると保育士が話していた。そこで、県保育担当職員は、保育現場を体験してみてはどうか。それを行うと、県の施策への思いが強くなる。私も、保育園にお手伝いに行って、随分、変わった。
◎森平 子育て・
青少年課長
保育現場の現状を把握することは大変重要なことと認識しており、様々な方法で現場の把握に努めていきたい。
◆
伊藤祐司 委員
最後に、
福祉医療の見直しについて伺いたい。影響額はどのくらいか。
◎堀越
国保援護課長
県の予算額約80億円のうち、おおむね2億円程度と推計している。
◆
伊藤祐司 委員
見直しは要綱を改正すればできるのか。
◎堀越
国保援護課長
県は補助金交付要綱を改正するが、事業の実施主体である市町村では
条例改正が必要となる。
◆水野俊雄 委員
子育て講座について伺いたい。今定例会の本会議において、藥丸議員からも質問があった件であるが、7月1日に「褒めて育てるコミュニケーショントレーニング」、略して「褒めトレ」が開催される。群馬県の子育ては、褒めて育てるものであり、笑顔で子育てするのは群馬県であると是非言っていただき、全県的にこのような取組を進めていただきたい。実施するトレーナーが増えていかないとならない。町村や各種団体との連携が求められる。子育て講座を全県的に普及させるためには、市町村を始め、地域の関係機関との連携が必要と考えるが、県の取組はどうか。
◎藤巻
児童福祉課長
講座の全県的な普及には、地域の自主的な取組の広がりが重要と考えている。そのため、県職員だけでなく、市町村職員や、地域の子育てに関わっている方々を対象に、子育て講座の講師となるトレーナーの養成に取り組んできており、市町村の職員や主任児童委員などをトレーナーとして認定し、子育て講座を広めていただきたいと考えている。
◆水野俊雄 委員
群馬の子育てのスタンダード自体が変わるという、この取組を進めていただきたい。この講座やトレーニングを受けた方が円滑に子育てができるようになるとともに、児童虐待をなくしていこうという取組の一つであると思う。親子のコミュニケーションがスムーズになったという評価をしていただきたい。
内容の充実には、数年後に、講座の成果についての検証が重要と考えるが、県の考えはどうか。
◎藤巻
児童福祉課長
多くの保護者に支持され、広く家庭において実践されるためには、トレーナーや受講者の声を反映させていくことが大切であると考え、トレーナー養成講座修了時にアンケートを実施している。講座の成果については、始まったばかりということもあり、トレーナーと協議しながら、追跡調査等検討していきたい。
◆水野俊雄 委員
マイナンバーカードのポータルサイトの開設が各市町村で考えられている。ポータル自体の仕組みやプログラムは、今後、つくりこんでいかなければならないが、オーダーメイドの様々な行政サービスを提供する窓口ができるというイメージである。このようなサイトの連携を利用して、講座を受けられた方に対してのフォローアップなども市町村との協議の中で考えていただけないか。もっと、情報発信をしっかりしていただきたい。DVD等を活用するという答弁を
一般質問でされていたが、このようなものがあるということを知らないと、なかなか届かない。県のホームページに、子育てポータルサイトがあるが、このような講座が見当たらない。ワードを検索して出てくるかもしれないが、それは、既に「知っている」ことが前提である。子育てをしている方の目に触れるようにしていただきたい。マイナンバーカードのポータルサイトや、子育てポータルサイト等への情報発信についてはどうか。
◎藤巻
児童福祉課長
今年度子育て講座のDVDを作成し、市町村等の乳幼児健診や子育てイベント等で活用するとともに、ネットによる動画配信も検討していきたい。
◆水野俊雄 委員
これは、要望にとどめるが、妊娠専用の電話相談について県民に分かりやすく示すため、看板も大事なので、是非、検討いただきたい。
続いて、未婚のひとり親に対する寡婦(夫)控除のみなし適用について伺いたい。
(事務局:委員及び執行部に対して
資料配付)
所得控除の対象とならない未婚のひとり親に対して、国において、様々な医療・福祉関係の給付金等においてみなし控除を適用するとの話があるが概要はどうか。
◎藤巻
児童福祉課長
みなし適用については、それぞれの事業の実施時期に併せて、6月〜9月に予定されている。既に、通知が出されているものもあるが、これからというものもある。対応は所管課で行うことになるが、いずれも、申請が出された時点で状況を確認し、適正に対応していきたい。なお、申請漏れが発生しないよう、国からの通知が発出され次第、速やかに各市町村への通知を行い、市町村広報紙や県ホームページ等による広報のほか、県母子寡婦福祉協議会や市町村母子会等を通じて、ひとり親家庭への制度の周知に努めていきたい。
◆水野俊雄 委員
各課においては、漏れのないような対応をお願いしたい。未婚のひとり親に対する寡婦(夫)控除のみなし適用については、対象となる方に情報が行き届くよう配慮してもらいたい。
また、公営住宅の家賃においても、対象となるとの話を聞いたがどうか。今回の法改正では、25項目が出ている。残念ながら国の動きが遅かったので、公明党とすれば、保育料の適用から動き出した。制度ごとに対象になるのではないかと動いてきた。その一つに公営住宅の家賃があるが、県のホームページを確認しても、分からない。対象者が調べようとしても、なかなか分からない。制度を利用するたびに確認することになると、必要な方に対して、サービスが届かない。
みなし適用について、既に適用となっているもの、市町村でやっているもの等様々なものがあり、制度ごとに対象となるかどうかを確認することになるが、利用者の立場から情報発信の仕方についてどう考えるか。
◎中村
こども未来部長
公営住宅法施行令の一部を改正する政令により、平成28年10月1日時点で、非婚の母等の公営住宅入居者は対象となっている。みなし適用だけなく、子育て支援については、市町村ごとに異なっており、それらの情報が適切に行き渡るよう、今後とも工夫していきたい。
◆水野俊雄 委員
利用者の側から見た時に、どのように見えるのか。制度を整えただけでは済まない。立場を変えて見直しをしていただきたい。
続いて、障害者
差別解消条例の検討について伺いたい。障害を理由とした差別をなくすことを社会に広げていくための条例である。実行力のある組織体制を構築してほしいと何度も話してきた。
教育委員会の試験の関係で、障害者の立場に立って、
教育委員会に働きかける組織にしたらどうかという提案をした。ガソリンスタンドの件でもいろいろと動いていただいたが、車椅子の方がガソリンスタンドを利用するのは難しいので、業界に対してどのように働きかけるかである。現場の担当者が動いていただいているが、各部局にまたがる課題である。力のある組織を作ってほしいと言ってきた。県庁内に推進組織を作ることが必要と考えるが、条例にどのように盛り込まれているか。
◎小林
障害政策課長
条例には、組織の設置について特に定めていないが、企画会議に差別解消の推進部会を設け、各部局の取組状況や好事例を集めて、全庁に情報提供している。また、差別に係る相談窓口の設置や職員対応要領の制定など、障害政策課が中心となって差別解消の取組を進めている。
◆水野俊雄 委員
企画会議に差別解消推進部会を置いたということだが、庁議で議論することが必要と考えるがどうか。
◎川原
健康福祉部長
差別解消条例検討会には、庁内各担当課も参加しており、条例の素案の中に教育、就労、社会参加、防災という項目をしっかり規定している。条例が制定されれば、市町村や事業者との連携も一層必要となってくるが、更なる部局横断的な対応は、今後の課題として検討したい。
◆水野俊雄 委員
条例で規定するか否かの検討も含め、県の体制をしっかり示してもらいたい。
続いて、県営住宅を活用したグループホームの設置促進について伺いたい。県営住宅にグループホームを整備することは意義があると思うがどうか。
◎小林
障害政策課長
グループホームの整備については、障害のある人が住み慣れた地域で生活を送る上で重要な施策であり、県では補助制度も整備し、推進している。県営住宅は家賃が安く利用者の負担が抑えられること、公営ということで経営が安定していることから、有効な方法の一つであると考えている。
◆水野俊雄 委員
民間アパートを借りてグループホームを設置しようとすると、貸主側の事情もある。県営住宅であると、貸主は県であるので、理解を得やすい。今年度、県営住宅の大規模改修に合わせて、シェアハウスをつくるという事業がある。これは、シングルマザーの子育て支援であるが、今後、改修工事が予定されている広瀬第二県営住宅におけるグループホームの設置について、具体的な検討状況はどうか。
◎小林
障害政策課長
広瀬第二県営住宅には、10月から改修工事の設計に入る棟があると聞いており、障害政策課からグループホーム事業者に対して具体的な希望調査を行い、住宅政策課に情報提供する予定である。なお、グループホームにはバリアフリー化や消防法上必要となる設備もあることから、改修工事の設計において、どの程度対応可能か住宅政策課と協議しながら検討を進めていきたい。
◆水野俊雄 委員
当然、公正・公平に行う段取りは必要ではあるが、それが故に、遅れることを懸念している。かなり現場や障害種別に応じて、すり合わせが必要となってくると思う。例えば、消防法などでも、互いの専門家が物件ごとに協議しないとならない。ピンポイントでも構わないので、課題出しをしていってほしい。設置に向けた調整には相当な時間を要することが想定されるため、課題を整理し、一刻も早く具体化するよう進めていただきたい。
◆中島篤 委員
群大病院の特定機能病院の再承認申請について伺いたい。私は、3年にわたり、この件について
一般質問を行ってきた。研修医が非常に少なくなっていることからの出発点であった。群馬で、医学部は群大しかないわけだから、供給元としての役割がある。申請書提出後のスケジュールはどのようか。
◎中島
医務課長
特定機能病院の再承認申請を本年5月31日付けで、国に対して行うことができた。特定機能病院については、厚生労働大臣が社会保障審議会の意見を聴いた上で承認を決定する。審議会の開催時期や頻度などは個別の事案ごとに国が判断しており、あらかじめスケジュールは決まっていないが、過去の例では、審議会が数回開催され、承認までに複数年かかっていると承知している。
◆中島篤 委員
一般質問では、部長の方から「第一歩である。これからが大事である。」という答弁があった。特定機能病院は、群馬に一つしかなかったが、それが剥奪された。群大は、群馬県の医療としての供給元になるのであるから、県として、どのように再承認に向けアピールしていくのか。
◎川原
健康福祉部長
群大病院は、本県の医療提供体制の中心であり、医師の確保という面からも大きな役割を果たしている。県では、再生促進協議会などを通じ、関係団体と連携して、群大病院の取組を支援してきた。再承認には、県民の評価が大事であると国も言っている。群馬大学に設置された地域医療研究・教育センターにおいて、県全体を見渡した医師の適正配置を行うこととしており、群大病院の地域医療への貢献をPRしていきたい。また、来週、群大病院における医療安全メモリアルデーとして講演会等が行われるところであり、県としてもPRしていきたい。再承認には、客観的な評価が必要であり、群大病院が国に対して改革の状況を説明することと併せ、県としても客観的な評価を国に対して説明していかなくてはならないと考えている。
◆中島篤 委員
部長からは、大変、前向きな具体的な話をいただいた。群馬県民総意という形の中で、特定機能病院の再承認を切にお願いする。
続いて、過日、小川議員が本会議で、乳がん、がんに対する外見ケアについての質問があった。私も、以前、ウィッグに関して質問したが、がん患者のウィッグに対する助成など、外見ケアに対する県の取組は進んでいるのか。
◎柿沼
がん対策推進室長
外見ケアは、がん患者が就労などの社会生活を送る上で非常に重要であると考えているため、県ではこれまでも、がん相談支援センターの相談員を対象とした外見ケア研修会を開催したほか、病院からの要望に応じてピアサポーターを派遣するなど、相談体制の整備に努めてきた。また、こうした購入費用を公的医療保険や所得税の医療費控除の対象とするよう国に要望してきたところであり、今後も要望していきたい。議員御提案のウィッグに対する助成制度については、実施している自治体もあることは承知している。
◆中島篤 委員
助成制度を実施している県が複数あるので、今後も前向きに検討を進めてほしい。
◆今泉健司 委員
昨年度から開始した、飼い主のいない猫対策支援事業について、その効果はどうか。
◎中村 食品・
生活衛生課長
本事業は、飼い主のいない猫をこれ以上増やさないことを目的としたものであり、昨年度は4地域で94匹の不妊去勢手術を実施した。引き続き獣医師会、動物愛護団体と連携し、動物の命を尊重した取組として推進していきたい。
◆今泉健司 委員
県から市町村に対しては、助言を継続することで良いか。
◎中村 食品・
生活衛生課長
この事業は、今年度で終了するものではなく、引き続き、市町村、獣医師会、動物愛護団体等と連携し、指導を行っていたい。
◆今泉健司 委員
飼い主のいない地域猫を増やさない対策を行っているか。
◎中村 食品・
生活衛生課長
この事業の主たる目的が、地域猫を増やさないというものである。
◆今泉健司 委員
殺処分を減少させるような取組をお願いしたい。
○
井下泰伸 委員長
以上で質疑を終結いたします。
△
付託議案の討論・採決
○
井下泰伸 委員長
これより
付託議案の採決に入ります。
議案の採決に先立ち、討論される委員は挙手願います。
(「なし」との声あり)
討論がありませんので、本委員会に付託された議案のうち、
こども未来部・
健康福祉部・
病院局関係の議案について、採決いたします。
はじめに、第125号議案について、これを原案のとおり、可決することに賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
挙手全員であります。よって、第125号議案は、原案のとおり可決することに決定いたしました。
次に、第126号議案について、これを原案のとおり、可決することに賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
挙手全員であります。よって、第126号議案は、原案のとおり可決することに決定いたしました。
次に、第127号議案について、これを原案のとおり、可決することに賛成の委員は挙手願います。
(挙手多数)
挙手多数であります。よって、第127号議案は、原案のとおり可決することに決定いたしました。
次に、第128号議案について、これを原案のとおり、可決することに賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
挙手全員であります。よって、第128号議案は、原案のとおり可決することに決定いたしました。
最後に、承第2号について、これを原案のとおり、承認することに賛成の委員は挙手願います。
(挙手全員)
挙手全員であります。
よって、承第2号は、原案のとおり承認することに決定いたしました。
△請願の審査
○
井下泰伸 委員長
次に、請願の審査に入ります。本委員会に付託された請願のうち、
こども未来部、
健康福祉部、
病院局関係の請願は、継続2件であります。
それでは、第21号について執行部から説明願います。
◎平井
介護高齢課長
(第21号「「介護労働者の労働環境改善及び処遇改善の実現」を求める意見書提出を求める請願」について説明)
○
井下泰伸 委員長
説明は終わりました。第21号の取扱いについては、いかがいたしましょうか。
(「継続」、「採択」の声あり)
それでは、挙手により賛否を問います。継続に賛成の委員の挙手を求めます。
(挙手多数)
挙手多数であります。よって、継続と決定します。
それでは、第22号について執行部から説明願います。
◎中島
医務課長
(第22号「安全・安心の医療・介護の実現と夜勤交替制労働の改善を求める意見書提出を求める請願書」について説明)
○
井下泰伸 委員長
説明は終わりました。第22号の取扱いについては、いかがいたしましょうか。
(「継続」、「採択」の声あり)
それでは、挙手により賛否を問います。継続に賛成の委員の挙手を求めます。
(挙手多数)
挙手多数であります。よって、継続と決定します。
△基本計画の議決等に関する条例に基づく計画の説明
○
井下泰伸 委員長
次に、基本計画の議決等に関する条例に基づく計画等について、執行部より説明願います。
◎吉田
こども政策課長
◎武藤
健康福祉課長
(資料7「個別計画等体系・計画等一覧表」により説明)
○
井下泰伸 委員長
以上で説明は終わりました。
なお、ただいま説明のありました計画等については、次回の定例会で概要書の提出を受けて、条例の適用に係る調査を行い、議決対象として決定した計画については、質疑を経て平成31年の第1回定例会での議決を目指すこととなりますので、御承知おき願います。
△閉会中継続審査(調査)特定事件の決定
○
井下泰伸 委員長
次に、委員会が閉会中審査又は調査する案件については、お手元に配付してある案のとおりでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
それでは、さよう決定いたします。
△その他
○
井下泰伸 委員長
委員長報告については、正副委員長に御一任を願います。
△県内調査及び県外調査の実施について
○
井下泰伸 委員長
次に、委員会調査の実施についてであります。5月25日に開催された正副委員長会議において、本委員会の県外調査は、7月18日(水)から20日(金)までの、2泊3日の範囲で実施することになりました。
また、県内調査については、月いち委員会での実施も含め、各委員会で必要により実施することとなっております。8月は
厚生文化常任委員会にバスの優先権がありませんので、8月21日(火)に県内調査を実施したいと考えており、現在、調査候補先と調整中です。ついては、県外調査の実施に関して、この後、散会後に委員の皆様に少しお残りいただき、意見交換をしたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。なお、最終的な調査の決定については、正副委員長に御一任願います。
△散会
○
井下泰伸 委員長
以上で、本委員会において審査すべき案件は全て終了いたしましたので、これにて散会いたします。委員の皆様は、このまま少しお残りください。
(午後3時5分散会)
委員会記録署名委員
厚生文化常任委員会
委員長 井下 泰伸...