鹿児島県議会 2024-03-15
2024-03-15 令和6年産業経済委員会 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過
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午前十時開会
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◯郷原委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから
産業経済委員会を開会いたします。
本日は、
農政部関係の陳情の審査及び県政一般に関する調査を行います。
初めに、お手元の参考資料、請願・
陳情文書表により、新規の陳情二件について審査を行います。
まず、新規の陳情第二〇一一号について、畜産課長の説明を求めます。
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◯福重畜産課長 陳情第二〇一一号について御説明いたします。
請願・
陳情文書表の五ページでございます。
件名は、高
病原性鳥インフルエンザの
原因ウイルスが渡り鳥など自然由来であるなら、
裏庭養鶏場で感染事例が出ずに、大
規模養鶏場だけで感染事例が出るのは大変不自然であることを鹿児島県のサイトや県の広報誌に記載することを求める陳情、提出者は、武田信弘氏でございます。
陳情の趣旨は、繰り返しになりますが、高
病原性鳥インフルエンザの
原因ウイルスが渡り鳥など自然由来であるなら、
裏庭養鶏場で感染事例が一例も出ずに、大
規模養鶏場だけで感染事例が多数出るのは大変不自然であることを鹿児島県のサイトや県の広報誌に記載することを求めるものでございます。
本陳情に関する状況について御説明いたします。
家畜伝染病予防法第十二条の三に基づき、国は、家畜の飼養に係る
衛生管理の方法に関しまして、家畜の所有者が遵守すべき基準、
飼養衛生管理基準でございますけれども、これを定めています。
家畜の所有者は、飼養規模にかかわらず
飼養衛生管理基準の定めるところによりまして、家畜の飼養に係る
衛生管理を行わなければならず、飼養する家禽が特定症状を呈していることを発見したときは、直ちに
家畜保健衛生所に通報することとされています。
なお、通報後の
家畜保健衛生所による病性鑑定により感染が確認された場合は、県の
ホームページ上で発生に関する情報を公表しているところでございます。
以上で、説明を終わります。
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◯郷原委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。
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◯鶴薗委員 陳情者は、まず、大
規模養鶏場だけが
鳥インフルエンザが発生しているというお話なんですが、全国的な流れでも結構なんですが、
養鶏場自体が、
鶏業界自体が今、大規模化しているということはもう御案内のとおりですけれども、小規模のところで出た事例がまずあるのかということと、それから、県が
鳥インフルエンザ対策で、私が記憶するところは百羽、あるいは小規模については市町村が小規模の飼っている方々のところには指導に当たると、県の
家畜保健衛生所が行くのは百羽ぐらいを基準として指導に当たるというような、何かそういう形で
鳥インフルエンザ対策なども速やかに対応されているような話を聞くんですが、そこあたりを教えてください。
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◯福重畜産課長 今年度、
鳥インフルエンザの発生事例が十例ございますけれども、この中で山口県で発生した事例につきましては、
小規模農場、ここの陳情者が申しています庭先養鶏で飼養規模が二十三羽という規模でございました。こういった規模においても、国内で今年度発生事例があるということでございます。
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◯大薗家畜防疫対策監 百羽以下といいますか、小規模の農場といいますか、鶏を飼っているところへの指導ということになりますけれども、先ほど委員からございましたように、
家畜保健衛生所の立入りとしましては百羽以上飼養している農場を対象にしているところです。それ以下の農場につきましては、市町村にお願いというところもあるんですけれども、町内放送などで発生状況などをお知らせして注意喚起を図ったり、市町村によっては、消毒薬を小規模というか鶏を飼っているところに対して配布するなどの対策を取っているところでございます。
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◯前野委員 今、鶴薗委員と同じような意見で、鹿屋の例ですけれども、鹿屋の例では、出水で発生したとき、あるいはさつま町で発生したときに、すかさず防災無線等々で呼びかけして、市がやる石灰等々の
無料配布等についても周知をやっています。それは、小規模なところも含めて恐らく無料だと思うんですけれども、配りまではしないかもしれませんが、取りに来てくれというようなことをやっていますので、小規模のところで発生する例というのはあまり聞かないわけですよね。今ありましたように、規模が大きいところで例えば十羽、二十羽など出れば、これは大変なことだということで、
家畜保健衛生所も含めて、自治体も含めて同じような迅速に対応していると私は思っています。このことに関してはですね。防疫関係に関してはスムーズに自治体も含めて、農家も含めて対応しているなと思っていますから、果たしてこれ以上の対策があるのかなという、もちろん侵入しないような対応もしながらやっているわけですから、今やっていることが十分とは言いませんけれども、適切な対応が今の時点では取られていると思っています。以上です。
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◯郷原委員長 ほかに御質疑はございますか。
[「なし」という者あり]
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◯郷原委員長 ほかに質疑がありませんので、
取扱い意見をお願いいたします。
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◯鶴薗委員 陳情第二〇一一号については、国は、
家畜伝染病予防法に基づき、家畜の飼養に係る
衛生管理の方法に関し、家畜の所有者が遵守すべき基準を定めていて、家畜の所有者は、飼養規模にかかわらず家畜の飼養に係る
衛生管理を行わなければならず、飼養する家禽が特定症状を呈していることを発見したときは、直ちに
家畜保健衛生所に通報することとされているところです。
また、通報後に病性鑑定による感染が確認された場合は、県の
ホームページ上で発生に関する情報を公表しているところです。
以上のことから、必要な対応や情報発信は既に行われていて、新たな対策を講じる必要は低いと考えますので、本陳情は不採択でお願いします。
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◯郷原委員長 ほかに御意見はありませんか。
[「なし」という者あり]
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◯郷原委員長 それでは、採決いたします。
ただいま、陳情第二〇一一号については、不採択との御意見がありましたが、不採択すべきものと決することに御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
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◯郷原委員長 御異議ありませんので、陳情第二〇一一号は、不採択とすべきものと決定いたしました。
この際、御報告いたします。
傍聴につきまして、二名の方から申出があり、これを許可いたしました。
次に、新規の陳情第二〇一二号について、畜産課長の説明を求めます。
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◯福重畜産課長 陳情第二〇一二号について御説明いたします。
請願・
陳情文書表の七ページでございます。
件名は、
鳥インフルエンザ埋却地に起因する長迫池等の復旧整備について、提出者は、出水市
下餅井自治会長、山口敬次氏外二名でございます。
陳情の趣旨は、長迫池の汚水、汚泥の除去を早急に実施することを求めるものでございます。
本陳情に関する状況について御説明いたします。
本件は、令和四年十二月に出水市で発生しました県内三例目の高
病原性鳥インフルエンザ発生農場の埋却地から埋却物が漏出したことにより、近隣の長迫池に漏出物の流入が認められた事案でございます。
県におきましては、漏出直後に事態の改善を図るため、令和四年十二月から翌年一月にかけて、長迫池の漏出物の除去を行い、その後も、二週間に一回程度の池の水の引き抜き及び泥の除去を令和五年九月までに計二十八回、三千百五十立米の抜き取りを実施しまして、池の水の水質改善を図ってきたところでございます。
また、
長迫池下流から筒田川の川底洗浄を令和四年十二月と翌年三月の合計二回実施したところです。
さらに、長迫池等の水質検査を令和五年二月から令和六年一月までに計四十回実施しまして、現在も継続して実施しています。検査結果につきましては、随時、住民に情報提供してきたところです。現時点では、水質の異常値は確認されておらず、池からのガスや悪臭の発生もない状況です。
なお、長迫池の水は、農業用水としての直接の利水は長年なく、下流の
筒田川合流地点で採取した水質検査では、農業用水として許容される水質となっています。
漏出や臭いの原因となっていました埋却物につきましては、住民の要望に基づきまして、新たな埋却地へ移設したところです。埋め替え作業につきましては、令和五年九月二十五日に着手し、全ての埋却物を取り除き、十月十七日に新しい埋却地への移設が完了したところでございます。
このため、新たな漏出は発生しないと考えています。また、埋却物の移設時に実施しました臭気検査につきましては、長迫池や
餅井地区集会施設等でも検査を実施しましたが、
アンモニア等の臭気は検出されなかったところでございます。
県におきましては、埋却物の漏出事案に関しまして、これまで池の水の引き抜きや
水質検査等に約八千万円、埋却物の移設に約六千万円を支出しています。
また、これらの取組に加えまして、昨年五月には知事が長迫池や埋却地の状況を現地確認するとともに、住民との意見交換を行ったところです。農政部におきましては、
餅井地区住民への説明を、令和四年十二月から令和五年十二月までにかけまして合計八回実施するなど、丁寧な対応に努めてきたところでございます。
なお、出水市におきましては、地域住民へ説明の上、長迫池を含むため池の環境改善を図るため、
微生物資材、納豆菌や乳酸菌、酵母が成分でございますけれども、この
微生物資材の散布を計画していると資料には記載されていますけれども、長迫池につきましては、一昨日の十三日に、池や池の土手、周囲の林等に約三百リットルの散布が行われています。
県におきましては、その散布前に長迫池の水質検査や土壌検査を実施していて、今後も、池の改善状況を把握するための検査を実施するなど、出水市と連携しながら対応することとしています。
八ページ下段から九ページ中段までのこれまでの経過につきましては、これまで実施しました対応について経時的に記載しています。下から二つ目のポツにございますけれども、水稲作の
栽培技術指導や
生育収量調査等についても実施しているところでございます。
以上で、説明を終わります。
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◯郷原委員長 説明が終わりましたので、質疑をお願いいたします。
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◯鶴薗委員 この陳情ですが、冒頭の陳情の趣旨に書いてございますように、本当に普通に生活している中でこのような状況が発生して、非常に臭いなどいろいろな部分で大変な迷惑をかけたということは、これはもう報道等でもしっかりとされていますし事実なんですが、その中で、これまで、今るる説明され、またここにも経過措置で書いてございますけれども、県もそれなりの対応はしていると、これも評価させていただきます。
私も実は二月末に現地に行ってまいりました。ちょうどこの写真のこれぐらいの水だったかなと。当日は晴天であったということもあるし、風もなかったということで、そこにいる中で一切そのような臭いというんですかね、そのような部分は全然私自身は感じなかったんですが、長年の落ち葉、あるいは山の中に囲まれていますから、流木などでいろいろな土砂が堆積されたため池だなという部分は現地でも確認させていただいたところであります。
そこでお尋ねしたいんですが、その近辺、恐らくこれが田んぼであった、ここに利用されたんだろうなというところはもう埋め立てられて運送会社などが配置されて、全くそこはもう完全な埋立地になって、田んぼにはこの辺は過去は利用されておったんだろうけどなというのを思いながら、現地を見させていただいたんですが、今は、説明の中で全然利用されていないと、水田用の用水としてはという説明でしたが、そのようなことで再確認させていただいてよろしいですか。
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◯福重畜産課長 委員おっしゃいますように、以前は、この長迫池からの水を活用して水田等もされて、稲作等がされていたようです。現在は運輸会社が自社の駐車場ということで整備していまして、今回の資料にも、先ほど説明させていただいたときには、長年、農業用水としての直接の利水はないということで御説明させていただいたところです。聞くところによりますと、二十五年程度使っていないのではないかとは聞くんですけれども、出水市等にも問合せしましたが、正確に何年使っていないという数字は分からなかったところでございます。
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◯鶴薗委員 それで、過去に、今はもう別の場所に埋却したんですが、そこに漏水が入ってきて、臭いがしていた頃、そういったところに雨水が混ざったりして水がたまった。それは全てこの八千万円の事業の中で随時対応されただろうと思うんですが、ちなみに、専門業者に委託してどのぐらいの量を取られたのか教えてください。
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◯福重畜産課長 発生当時につきましては、十トントラックで二十台なので二百トンですかね、急遽そういった水と、それから一緒に泥成分も当時除去したと聞いていますけれども、まずそういった緊急対策を取った後、資料にも書いてございますとおり、令和五年九月までに計二十八回、三千百五十立米の水の引き抜きを行いまして、一緒に一部泥等も除去されたと思いますけれども、そういった対応をしまして、今現在、特に、先ほど十三日に
微生物資材を散布したと申しましたけれども、この日に我々もまた池も改めて確認したところですけれども、透明度も大分上がっている状況になっているところでございます。
また、発生当初につきましては本当に臭い等もしまして、住民の方々には本当に御迷惑をおかけしたと思っていまして、また、要望書に対する回答の際もそういったことでおわびは申し上げてきたところでございます。
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◯鶴薗委員 今おっしゃったように、当初、相当なそういう迷惑をおかけし、そして県もそのような対応をされ、随時そこあたりの説明なども含めて、八回ほどの会を開いているわけですが、説明会等を含めてですね。
その後、例えば水質検査もされて、そういった状況なんかは畜産課のみならず
農政普及課あたりが、また水田農家の皆さん方ともそのような意見交換をされたりするのかもしれませんが、そういった流れの中で、地域の方々には
経過報告等は随時してきたと理解すればよろしいですかね。
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◯福重畜産課長 水質検査につきましては、資料にもございますとおり、計四十回ほど実施したということでございまして、この検査結果につきましては、随時住民の皆さん方に情報提供をしてきたところでございますけれども、また、ここの計八回、住民へ説明させていただいたところですけれども、この八回の中には、住民の皆様方から知事宛ての要望書が上がっていまして、これに対しての回答を五回ほどさせていただいたことと、それから、我々から、移設に関する埋め替え作業についての説明等につきましても、実際の方法ですとか、どのくらいかかるかとか、そういったことを含めて説明等させていただいたところです。
また、いろいろな対応につきましては、畜産課だけではなくて農政部内の農業土木の分野、それから
農産園芸課、
経営技術課などいろいろなところのオール農政部で情報共有しながら、畜産課だけではなかなか対応ができないところもございましたので、いろいろ知恵をもらいながら対応させていただいたところでございます。
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◯鶴薗委員 当初は非常に県に対する御不満もあられたでしょうけれども、絶えずそのような流れの中でコミュニケーションも取ってきた。
そのような中にあってこういう陳情書が出てきたということは、まだ住民の皆さん方からすれば、住民の関係者からすれば、まだ県の取組云々を含めて納得されていないと、満足じゃないけど納得、満足というのはよく分からないんですけど、納得されていないという中からこの陳情は出てきていると思うんですね。
その一つが、ため池の復旧整備という項目になっているんですけれども、
農地整備課の所管になろうと思うんですが、こういったため池の事業というのは、今現在使われていない事実関係もあるわけですけど、どういうものが実際あるんですかね。
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◯新川農地整備課長 先ほど畜産課長から説明がありましたように、下流は農地転用されていて、今、受益面積が大分少なくなっている状況になって、まずは利水するための
ため池整備という形になりますと、受益面積が少ないので、
農業農村整備事業の
国庫補助事業での利水施設としての整備が難しいということが一点ございます。
一方で、本ため池につきましては、下流側に家屋があったり、防災上の懸念がある
防災重点農業用ため池というものに指定されているものですから、防災上の観点の事業といたしましては、用途廃止する場合に限りまして定額補助によるため池の廃止、それから下流水路の整備を行うことができます。用途廃止というのは、ため池の堤体をV字カットして、もう使えないような状況にしまして、下流の水路に流すと、それをもって下流側の安全を確保するという、そのような
農業農村整備事業は可能という状況になっています。
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◯鶴薗委員 最後に、用途廃止に向けての事業、それは受益者が申請して、あるいは出水市が申請して、そしてあるいは
受益者負担、出水市負担、当然県や国などのそういう補助事業でしょうから、仮にするとすればどういうような事業の流れになりますかね。
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◯新川農地整備課長 ため池廃止の事業という形になりますと、この所有者は集落というか、個人で何人かで持っているということになりますので、
ため池管理者が出水市に相談いたしまして、事業申請するという形になります。この部分につきましては、国の定額、堤体の高さや、堤の高さ、それから下流の水路の延長というので上限額が決まっていますが、その定額の事業という形で出水市、団体営で実施することになります。
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◯鶴薗委員 そこで当然、
受益者負担というか
管理者負担、使わないための廃止の事業なんですが、廃止の事業であっても、従来持っていた、持っていても、私が聞くところ、もう現在の方々の名前じゃなくてやはり相当前のものでしょうから、登記がどうなっているかよく分からないんですけどね、そのような方々の、現に五名か六名かと言われました。そのような方々の負担も当然出てくると理解すればよろしいですかね。
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◯新川農地整備課長 今の場合、防災事業という形で上限額の定額補助になります。その範囲であれば受益者の負担はないという形になります。
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◯鶴薗委員 分かりました。
先ほど畜産課長から御説明いただいたように相当数、雨水やいろいろなものがたまったら、それをまた外に持ち出してと。希釈されているという部分は若干、きれいな水だけがくまれるわけじゃないですから、若干薄い泥水的なものをくみ取って、先ほど御報告されたような形で専門業者がされているわけですから、ある程度は土砂も、堆積物といいますかね、土砂も一緒に除去はされていると理解するんですが、最後に、出水市が微生物を三百リットルぐらい散布したということなんですが、これはどういう効果を狙ってされたのか。
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◯福重畜産課長 陳情調書の八ページのこれまでの経過の上に書いてございます、出水市の長迫池を含めた環境改善を図るためということで
微生物資材を散布するということでございますけれども、先ほど申しましたとおり、三月十三日にこの散布をさせていただきまして、目的としましては、こういったため池の環境改善を図るためということで、水質の改善ですとか、それから土壌の改善ですとか、そういったことを目的に出水市で散布を計画しているということでございます。
参考になんですけれども、この出水市の取組につきましては、本陳情が上がってから、その後に出水市で計画されたということで、住民の方々にも説明されたということで出水市からは聞いているところでございます。
こういったところで、県におきましては、記載していますとおり、散布前それから散布後の水質検査や土壌検査で協力させていただいて、改善を改めて図っていきたいと思います。
また、十三日に散布を開始した時点では、県職員も池に行ったんですけれども、大分透明度も上がってきている状況で、さらに少し良くなっている状況だったように担当からは聞いています。
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◯鶴薗委員 微生物、例えば堆肥などにもいろいろな菌をまいて、それで完全に臭いが消えて、あるいはちゃんとした堆肥になって、そのような事業というのはいろいろなのがあるんですが、この出水市がまかれた三百リットルのものは、普通どのような効果が現れるというのもある程度持った上で、実際効果は分からんですよ、今からですから。だけどいろいろなそのような微生物を散布するというのは効果を狙っているわけですから、ただ水質が少しろ過されるとか、少しきれいになるよという部分だけではなくて、微生物が汚泥を食べたりする中で、いろいろな形の変化も現れてくるかもしれないんですよね。そのような説明というのは何か持っていらっしゃいますかね、出水市の取組を紹介するものを。
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◯福重畜産課長 この
微生物資材につきましては、主成分が納豆菌、それから乳酸菌、酵母になっていまして、畜産分野でもこういった、この商品を使いながら悪臭等の防止に取り組んだり、あるいは一般住民の方々がこれを用いまして、例えば、流しのところに振りかけて臭いの防止を図ったり、あるいは小学校のプールに、使わない間の水が緑色になったり、そういったことなどもこの
微生物資材を散布することで大分改善されたということも聞いていますし、事業者からも、そういった過去の取組等で水質が良くなったなどということは聞いてございます。そういったところを出水市にも事業者から説明し、住民の説明会の中で事業者が直接説明されたということで聞いています。
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◯鶴薗委員 分かりました。おっしゃるように、私も家庭用の生ごみに市販されている、微生物じゃないんですけど、物を振りかければ、きれいにというか、もう本当の水になるんですね、生ごみがですね。そんなのがもう今は市販されて、普通のところで市販されたものを振ってもそうなりますから、恐らく市が取り込んでいるこの三百リットルの微生物の効果も、今後、結果は分からないですけど、ある程度の、先ほど言われたように住民の皆さん方が納得いただけるような効果になるのを期待はしているんですけど、そのような取組を随時やって、県も、これを散布する前と散布した後、その後のある程度時間が経過してからの状況等も、また住民の皆さん方に説明される機会を持っているということでよろしいですかね。
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◯福重畜産課長 委員おっしゃいますように、県におきましても、水質検査、土壌検査の結果等につきましては、散布前、それから散布後の検査結果、散布後どの程度の期間でまた取るかというところも、事業者とか、それから出水市とも協議しながら、その結果につきましては情報提供させていただきながら対応したいと思っています。
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◯鶴薗委員 最後に、大分それなりに県も対応はしてきているわけですけど、やはり最初の段階で地域の皆さん方とトラブった。ボタンの掛け違いも若干あると思うんですが、県の対応が非常にまずかったという部分も含めて、その後、県はしっかりと要望に応えて対応されているわけですけど、今後も絶えず関係者の方々と密に連携を取られて、今、直接水は使っていないけれども、下流には水田を経営されている方もいるわけですから、そこに対しても、直接こことは関係ないんだけれども、水は使っていない、だけど、そこに対しても、県のそのような関係機関が連携を取りながら、いい方向に進んでくことを願っていますので。以上で、終わります。
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◯郷原委員長 ほかに御質疑はございますか。
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◯前野委員 幾つかお伺いしたいと思いますが、まず、課長の説明では、時系列的にあれもしたこれもした、こういう水質検査もしたということで経過をおっしゃっていただきました。私は不思議でならないのは、何で自治会長という冠を持った方から、今の時点で陳情書という形が出てきたということについて、県の説明では十分やりましたよと、お金も八千万円かけましたよということを言われますけれども、何かがあるわけですよ。
ここの七ページのところの下の願意ですけれども、汚泥除去を早急に実施していただきたい。池の汚水、汚泥処理を実施すると言っていたが、交渉を重ねるうちに、話が出てこなくなった。水田耕作は使っていないというけれども、水田耕作に影響が出ると。その下にはまたさらに、長迫池の汚水、汚泥の除去を早急に実施していただきたいという願意があるわけですが、県が説明されることと、陳情者が、自治会長さんがこのことを指摘して陳情書を出されるということが、どうも、どっちが正しいことを言っているんだろうかという気がしてならないんですが、今の時点で、二月九日に陳情書を受理していますけど、二月の時点で、言わば県は対策はもう全て終わっているわけですよ、今時点の対策は。その三月十三日の出水市がやった乳酸菌を含むもの等の散布ということはやったかもしれませんけれども、県がやっていることはもうほぼ終わっているということになっているんですが、なぜ今頃こういう陳情書が出てくるんですか。そのあたりの見解を教えてください。
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◯福重畜産課長 なぜこういった陳情が出てくるのかという御質問でございます。
先ほど御説明しましたように我々でも対応は実施してきたところではございますけれども、ため池なのでどうしても水はたまって、全部抜き取るということはなかなかできない状況ですけれども、今の状況でいいますと、当時よりも大分、池の水も干上がって、三月十三日時点では透明度も上がってきているところでございますけれども、特に、陳情を上げてこられた自治会の方々からは、発生した当時の臭いに対しての補償や、そういったところの気持ちもあられるのかなとは思っています。
ただ一方で、臭いの補償に関しましては、発生直後から大分臭気がしたというのは我々も当時感じていまして、そういったところについてのもちろん謝罪等もしたところですけれども、先ほど申しましたとおり、水と泥の引き抜きですとか、当時、
微生物資材の、同じ
微生物資材にもなりますけれども、マイエンザという今回出水市が散布する同じ
微生物資材ですけれども、そういったものの散布等にも取り組んできたところです。
臭いにつきましては、個人差はございますけれども、社会通念上、受忍すべき限度を超えたか否かが補償の判断基準になろうかと思います。そういった中で、臭気が数値的に基準値を超えているか否か、臭気の期間がどの程度だったかなど、様々な事象を総合的に判断するものと考えています。
したがいまして、数値的に臭気が基準値を超えていることが明確であることや、臭気の期間が大分長期間にわたっていること等が明らかになれば、一般的に受忍限度を超えたということで判断されると考えていまして、今回のケースにつきましては、基準を超えていたかの数値がなかったこと、それから臭気の期間が長期間でなかったことから、臭いの補償については難しかったと考えています。
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◯前野委員 何かがあるわけですよ、住民の方々は。県の対応について、満足という話が出ましたけれども、納得していないんですよね。ですから、これはコミュニケーションの問題があるなど、いろいろあるかもしれません。それで、まだ将来のことについて、まだ沈殿しているのではないか、臭いの物資もあるのではないかという心配があると思うんですね。
ですから、言えば今の時点で、県がこれだけ関与しなければならないということは、ここに書いてありますけれども、埋却地を選ぶ際にずさんだったということが書いてありますけど、今になって結果としてそうなったということなんですけれども、緊急事態ということもあって、急いで埋却せんといかんという事情はこれは分かるんです。分かるんですが、しかし、結果として汚水が流れ出してしまったということですから、責任はやっぱり県が、あるいは事業者が負わないといけないということになるだろうと思っています。
ただ、その解決のやり方についてですね、どうも住民の方々とコミュニケーションが十分に図られていない。あるときには数値的なものをもって問題ないんだということをしきりに言われる。そのことが住民の方々からすれば上から目線だという受け止め方をされなくもないかもしれないんです。ですから、やはりこういうことというのは、発生したら十分に関係の皆さん方と、自治会長を含めてコミュニケーションを取っていくべきだった、取ってはいるんでしょうけれども、それが十分でないということから発生した陳情書の提出ということだと思うんですよね。
ですから、私は、出水市さんの仲介というか出水市さんも一緒になって、県も一緒になって三者でもって、この陳情書が出た後のことですけれども、それじゃ住民の方々は何をまだ求めているのか、どういうことをしてもらいたいのか、そのあたりをやはり聞き取る必要があるんだろうと思っているところです。それは金が伴うこともあるだろうし、さっきありましたように、ため池の廃止に向けた工事をやっていくということも一つの方法かも分かりません。
ただ、ここにため池があるということは、私は水源があると思うんですね。ただ雨が降ったものをためるだけのため池なのか、昔の方々が、水が出る場所があるからそこをため池として造ってきて、それで水田耕作をやってきたという歴史があって、湧水がひょっとしたらあるかも分からんのですが、湧水がないんでしょうか。湧水があるとすれば、未来永劫、排水路を造って河川まで持っていて放水をしなきゃならないということが出てくるわけですが、湧水があるのかないのか、そこを教えてください。
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◯新川農地整備課長 地形等を見てみれば、昔は上流側にはミカン畑や樹園地がある、谷の迫にため池を造っていますので、流域がある程度あって、そこからためているため池というような形でもあって、あと湧水があるか否かにつきましては、少し今、干ばつが続いていますけど、今の状態で水が収まっていますので、湧水の有無につきましては、しっかり調査しているわけではありませんので不明ですけど、そのようなところにできたため池というような形を考えているところでございます。
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◯前野委員 湧水も分からないということですが、地域の方々に聞けば、長老たちは知っていると思うんです。水が出る水源があったからここは自然発生的に池にしたんだということが私はあるような気がしてならないんですが、そのあたりも含めて状況をよく調査するということが私は必要なような気がします。
もう新しい埋却地に埋却されて、基本的には最初埋めたところは土砂まで除去して、考えようによっては、最初埋めたところの汚水源はもうなくなっているんですよということは分かるんですよ。分かるんですけれども、住民の方々は、将来に向けて環境の問題とか、子供たちに残すべき自然とかいったようなものを心配しているということですから、私はもうここまでこじれてしまっているというような状況が見てとれるんですね。私は現地にあまり行ったことないですけれども、ここらあたりを十分聞き取って、池の活用あるいは埋立て、そのあたりまで含めて、どういう思いを地域の方々が持っているのかということを、さっき申し上げた出水市さんも地元自治体として十分参画していだいて、三者でもって話をしていくことが必要な気がします。
話は違いますが、霧島の
家畜保健衛生所の問題だって、やはり最初の時点で、県が計画していた時点で地域の方々と十分なコミュニケーションあるいは説明が欠けていた、十分やったとおっしゃいますけれども、欠けていたわけですよ。だからああいうことになってしまった。住民の皆さん方の協力で建設できるようになりましたけれども、何かやはり県民の方々と県の行政当局との間で溝ができてしまっているような気がするんです。だからこういうものが今頃出てくるんですよ。
だから、じっくり住民の方々と、代表の自治会長さんと話をされて、そして、法外なことは言われんでしょうから、こうしてほしい、ああしてほしいということを聞き取っていただいて、これは出水市がする分、あるいはこれは県がやる分、そのようなすみ分けをしていただいてやっていく必要があるような気がするんです。
耳に聞こえてくるのは、知事も来るのが遅かったやないかと、見に来るのが遅かったやないかというような感情的な話も聞こえてきたりするわけですよ。ですから、それはもう後ごとですから今から行っても始まらんわけですが、行かれたは行かれたらしいですけど。ですからそのような、事が起こったときの危機管理対応というんでしょうか、そのようなものをいま一度、県としては今までやってきたことが十分とは思っているけれども、十分でないんだという受け止め方をされているわけですから、県民からはですね。だからそのことを率直に認めて、かかるべき対応をやっていく必要があるだろうと思っていますから、どうかそこらあたりについては今後、もうこれで終わったんだということではなくて、これでもかというぐらい調査して、そして、その調査結果を住民の方々にお示しするということが丁寧な説明ということになってつながっていくだろうと思っていますから、ぜひそのことをしてください。
この汚水というのは表面水なのか、あるいは地下脈を通って出ていっているかも分からんわけですよね。もう既に池の地下水脈のところに残っているかも分からん。表面水だけであれば、もう雨が降れば流れてしまうわけですけれども、地下水脈を通って、田んぼには使っていないというけれども、いずれは下の川に流れ出していくかもしれないという、かもしれないということを地域の方々は心配もされている。科学的にこうですよ、水質はこうですよ、臭気はこうですよと言ってもなかなか納得ができないというのは、元をただせばそこにそのような大量のものを埋却したからだということで原因はもうはっきりしているわけですから、それが緊急時だから仕方がないといえば仕方がなかったんですけれども、そのことは率直に認めていただいて、かかる今後の対応についてどうするか、住民の方々の理解も含めてどうするかということを考えていく必要があるような気がするんですね。
ですから、県は十分なことを書面では全部こうやって時系列的に書いてありますから、これだけして、これだけ県がしたのに何で今頃、自治会長さんが陳情書を出されるのかということで不思議でならなかったんです。何かコメントがあれば。
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◯福重畜産課長 いろいろな対応につきまして、特に当初、埋却の移設につきましても時期が遅れたり、理由等につきましては、いろいろな住民からの要望の移設の方法等について再度検討をしたりなどということで時間がかかったということもございましたけれども、ただ当初、住民の皆様方に移設する時期についても遅れていったということもございます。また、委員おっしゃいますとおり我々の説明が足りなかった部分もあろうかと思います。そういったところにつきましては、これまで以上にコミュニケーションを取りながら、また、出水市とも一緒に連携を取りながら、対応していきたいと思います。
42
◯前野委員 ありがとうございます。ここは県議会ですから出水市さんの動きはよく分からないんですが、もちろん市長を含めて、この地域への十分な対応はしていただいていると思うんです。ですから、今、課長がおっしゃいましたように、陳情書が出されて、そのことを委員会でも審査して、委員会でもこんな意見が出たということで、改めて、市長さんあるいは部課長さん方も含めて、出水市さんの働きが出てくると思いますよ、地域の自治会長さんとのつながりというのは県以上にあるわけですから、そのような方々のお力も借りて、お互いにどちらもよかったねというような形になるようなものにしていかないと、いろいろな意味で住民の方々というのは行政に対する不平不満を持っているわけですから、できるものとできないものがありますけれども、やれることについては市と協議した上で十分やっていきますという姿勢で臨まないと、変な受け取られ方をしてしまうと、またおかしくなってしまうということになりそうですから、大変でしょうけれども、そのような努力をしていただきたいということも要望させていただきたいと思っています。
科学的根拠ばっかりを前に並べれば人間、嫌ですからね。臭いも環境基準に照らして問題はありません、水質も問題ありません、そのようなことを幾ら並べても県民の方々は納得できない部分があるわけですから、「おまえらはそげなことばっかり言わよ」ということがあるわけですから、そのことについて、そのような思いを県民は持っているんだということを前提にして交渉に臨んでいただきたい。そして、お金を出せ、補償をせいなどということを言っているんじゃないと思うんですね。昔から慣れ親しんだ池が汚されてしまったという思いが強いわけですから、やはり元どおりにして返せというような中身が見てとれますので、どうかそのことを十分踏まえていただいて、対応していただきたいということも申し上げておきたいと思っています。以上であります。
43
◯郷原委員長 ほかに質疑はありませんか。
[「なし」という者あり]
44
◯郷原委員長 ほかに質疑がありませんので、
取扱い意見をお願いいたします。
45
◯鶴薗委員 陳情第二〇一二号については、令和四年十二月に出水市で発生した高
病原性鳥インフルエンザ発生農場の埋却地から埋却物が漏出したことにより、近隣の長迫池に漏出物の流入が認められた事案に係る陳情ですが、県においては、これまでに長迫池の漏出物の除去や水の引き抜き、泥の除去を実施するなど、水質改善を図ってきたところです。
また、
長迫池下流から筒田川の川底洗浄や長迫池等の水質検査を令和六年一月までに計四十回実施し、現時点では水質の異常値は確認されず、池からのガスや悪臭の発生もなく、下流で採取した水質検査では、農業用水として許容される水質となっているほか、漏出や臭いの原因となっていた埋設物については、新たな埋設地へ移設済みであることから、新たな漏出は発生しないと考えられます。
出水市においては、地域住民へ説明の上、長迫池を含むため池の環境改善を図るため、
微生物資材を散布され、県においては、出水市と今後も連携し、水質検査や土壌検査を実施、協力していくとのことでございます。
各委員から出された県に対する意見等も踏まえ、本件については、引き続き、状況等を把握しながら委員会で議論を行う必要があることから、継続審査でお願いします。
46
◯郷原委員長 ほかに御意見はございませんか。
47
◯前野委員 先ほど、くどくど申し上げました。本来であれば私は採択すべきだと思いますけれども、まだまだ、今、
取扱い意見にもありましたように、やはり住民の皆様方のことを考えれば、県の対応あるいは市の対応も含めてそうですけれども、十分今後の取組を見極める必要があるということから、私も同じく継続としていただきたいということを主張させていただきます。
48
◯郷原委員長 ほかに御意見はありませんか。
[「なし」という者あり]
49
◯郷原委員長 それでは、採決いたします。
ただいま、陳情第二〇一二号については、継続審査との御意見がありましたが、継続審査すべきものと決することに御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
50
◯郷原委員長 御異議ありませんので、陳情第二〇一二号は、継続審査すべきものと決定いたしました。
以上で、陳情の審査を終わります。
ここで、暫時休憩いたします。
再開は、おおむね十一時五分といたします。
午前十 時五十七分休憩
────────────────
午前十一時 四分再開
51
◯郷原委員長 再開いたします。
次に、県政一般に関する調査を行います。
まず、
経営技術課長から、鹿児島県農業試験研究推進構想案について発言を求められていますので、これを許可いたします。
52 ◯中村
経営技術課長 鹿児島県農業試験研究推進構想の改定ということについて御説明申し上げます。
委員の皆様のお手元に、右上に資料一と記載してあります「県農業試験研究推進構想の改定について」という資料と、資料二の「鹿児島県農業試験研究推進構想(案)」の二種類の資料を配付していますので、それを使って御説明させていただきます。
資料の説明につきましては、主に資料一に沿って説明させていただきたいと思います。
資料の一の一ページを御覧ください。
本構想は、本県農業を支える技術開発を担う試験研究について、中長期的な視点に立って計画的かつ効率的に推進するため、重点的に取り組む研究内容等を定めるものであります。時代や情勢の変化に対応するため、五年ごとに改定をしていて、本年度が改定年に当たり、令和六年度から十年度の構想を定めることとしています。
改定に当たりましては、昨年度から検討を開始し、農業者、農業団体、大学、民間企業など外部有識者の御意見も伺いながら進めてきたところでございます。
また、これまでの主な研究成果といたしまして、一ページの下半分のところに主なものを画像を入れて掲載していますので、そちらを御確認いただければと思います。
続きまして、二ページをお開きいただければと思いますが、県農業試験研究推進構想の改定案の概要ということで一枚紙にまとめてあります。
資料の左側に記載してあります本県農業の情勢の変化に対応して、農業の「稼ぐ力」の向上のための施策を踏まえまして、資料の中ほどに、「稼ぐ力」を引き出す試験研究の基本方針としまして、四つのテーマで整理しています。
一つ目は、競争力に優れた品種開発・種畜造成に向けた研究としまして、かごしまブランドや和牛日本一など本県農業の振興につながる品種の開発、種畜の造成に取り組むこととしています。
二つ目は、時代に対応した環境負荷低減技術等の開発に向けた研究としまして、環境負荷低減と高い生産性を両立する技術や未利用資源の利用拡大、持続的な農業生産を進めるための技術開発に取り組むこととしています。
三つ目が、スマート農業の実装化を進める農業技術の開発に向けた研究としまして、ロボット技術やAI等を活用した超省力・高品質生産を実現するスマート農業の研究開発に取り組むこととしています。
四つ目は、本県の強みを生かした付加価値向上技術の開発に向けた研究としまして、消費者ニーズや輸出拡大に対応する技術や機能性や新たな価値を生み出す県産農産物の食品加工・流通貯蔵技術などの研究開発に取り組むこととしています。
また、五年間で重点的に取り組む試験研究について、資料の右側に、主な品目としまして二十一品目、あと、四つの柱のところとかぶるんですが、品目横断的な項目として四項目を選定して記載しているところであります。
三ページを御覧いただければと思います。
重点的に行う主な試験研究課題ということで記載しています。
資料の左側は、野菜や果樹など農業開発総合センターの耕種部門の試験研究課題と、大隅加工技術研究センターの試験研究課題を整理しています。資料の右側には、畜産部門の主な試験研究課題ということで整理させていただいています。
あと、農業の「稼ぐ力」の向上の指標となる単価向上、収量向上、コスト削減ということで、資料の右上にマークをつけてありますが、どの試験研究課題がどの指標に位置づけられているのかを整理しているところであります。
最後に、本構想につきましては、本日の御意見等も踏まえまして最終的な取りまとめを行いまして、本年度中に改定したいと考えているところであります。
以上で、説明を終わります。よろしくお願いいたします。
53
◯郷原委員長 ただいま御説明のありました件について、質問がありましたらお願いいたします。
54
◯前野委員 非常に分かりやすい資料が出来上がっていると思います。概要版でもですね。これと似たようなもので、二十一世紀における農業試験研究体制の在り方検討会というのを、平成二十二年に提言をしたのかな、これがあるんですが、これと今、構想の改定とはどのように違いますか。向こうは試験研究施設ですから、最終的に農業開発総合センターに集約していくということで、今度、大隅支場が行けば、もうほぼ農業試験研究部門は金峰町に集約ができると思うんですけれども、今度の試験研究推進構想とはどう違うんでしょうか。在り方検討会の十年ぐらいで中間的な見直しをすべきではないかということを私は言ったことがあるんですが、今、在り方検討会の提言と、この構想との違いを教えてください。
55 ◯村山農業開発総合センター所長 委員お尋ねの試験研究体制の在り方検討会につきましては、試験研究の今後の方向性、組織を含めてどういった研究を展開していくか、どういった体制でしていくかというのを整理したものでございます。記憶では平成二十二年頃その提言が出されたと。それに基づきまして、今、委員おっしゃったとおり組織的には集約が進んで、今度、令和六年四月から大隅支場がこちらに集約される、一部は大隅加工技術研究センターにも残るとなっています。今回、この試験研究の推進構想を作成するに当たりまして、在り方検討会から提言がありました今後の研究につきましては、集約による総合力の向上を念頭において考えています。
特徴的な取組としまして、概要の三ページにあります、一番右の列、重点的な試験研究の中の一番下にあります品目横断的な項目、四項目を捉えています。品種の開発でありますとか、みどり戦略への対応、気候変動への対応、スマート農業というものがあります。これにつきましては、センターの総合力、みどり戦略あたりでも病害虫部門であったり土壌部門、それに栽培機械、そういった多様な面からアプローチしながら一つの成果は出していくと考えています。以上です。
56
◯前野委員 今この構想は、現状・課題、施策、それから、「稼ぐ力」を引き出す試験研究の基本方針とか、重点的試験研究とか分かるんです。分かるんですが、お聞きしたのは、在り方検討会が提言した農業研究施設を集約していくということに今、なっているんです。これは、今度の令和五年度で、在り方検討会の提言は完結するんですか、まだ何か続くんですか。どこかまた集約を、離島は私はできないと思うんですけれども、本土にあるものは大方集約ができますよね。在り方検討会で提言されたものについて、もう終盤、終わりですよということなのかどうなのかということを聞いたんです。
57 ◯中村
経営技術課長 平成二十二年に提言された在り方検討会の提言書に基づいて組織再編が進んできているわけですが、離島の支場については委員がおっしゃるとおり今のところ想定していませんので、今回の移動でほぼ再編は完結すると理解しているところであります。
58
◯前野委員 在り方検討会が提言した試験研究施設を集約していくということについては、今度で完結ということになるという答弁でした。
私は、このことについては前から言っているとおり少し異論があって、過去の先輩方がなぜ県内に分散して試験研究機関を持ってこられたのかということが配慮されていないのではないかということを言ったこともありますけれども、時代がこういう時代になって、集約化していくということがもう終わろうとしているところです。それはそれなりにまた農開センターの試験研究の高度化といったようなことにつながっていく、あるいはスケールメリットを生かすんだという御答弁もありましたけど、そのことが今後問われていくということになっていくだろうと思っているところです。
確かにスケールメリットという面では、研究者が集約されるということでいろいろな情報交換ができるという面もあると思うんですが、ただ、私は大隅ですから、大隅支場が役目を果たすと、もう終わるということも含めれば、その試験研究所の、昔は試験場、試験場という言い方をしていましたから、果樹にしても花にしてもお茶にしても、全てその地域にあって、その周辺にはその試験場が果たしてきた農業が盛んになっていったという歴史的なものもあるんです。
ですから、それが一か所に集約ができるということについては、少しどうなのかなという意見を持っていますから、これは別として、ここで少し中身に入っていきますが、今、農業が抱えている課題、分かりやすく言いますと畜産県鹿児島ですから、国産の、高止まりして安くならない外国産の大豆やトウモロコシ、小麦などといったようなものが、かつて志布志港を整備する際に、大きな目標の一つにバルク港というのがありました。ばら積みで運んでくれば安くつくんだと、農家に安くで提供できるんだということで志布志港を整備して、まだいまだにバルク港という冠はついたままですよ。
しかし、どうですか、今は。ウクライナ情勢があったとはいえ、燃料の高騰などということが加算されて、そして結果として農家は、国がいろいろな助成措置をしていますけれども、二万円から三万円余計に金を払わんといかん、従前とすればですね。そうした中で、和牛日本一、あるいは豚も鶏もそうですけれども、生産は日本一を誇る、あるいは一、二位を誇っているわけですよね。
そうした中で鹿児島県が、今後五年間ということになっていますけれども、やはり優先的に取り組むべきは、外国の飼料に頼らない、国産で生産していって農家の手取りが増えるようにしようやということが、やはり私は大きな目標に掲げるべきだと思うんです。この中には、今私が申し上げたような代替肥料や国産の粗飼料といったようなものが入っていますよということなのかも分かりません。
今朝NHKを見ていましたら、帯広大学の先生がソルガムを研究しています。その先生のコメントでは、今、外国に頼っている飼料に匹敵するぐらいの栄養価を持ったものが出来上がったと、ただ、課題ももちろんあるということでした。今日映像で見て解説を交えて聞いたのは、草丈が四メートルになる、もちろん草の部分というのは粗飼料になるわけです。それで一番上には実がつくわけですから、その子実も含めて飼料になるというお話でした。その先生のコメントは、国内の畜産業にとってソルガムは非常に有用になるだろうというお話でした。
そういったものが、後でまた聞こうと思っていましたが、ソルガム研究もしている。昨日も少し話をしましたけれども、その品種選定も鹿児島県的にどういう品種が一番合うのかということ等についても試験研究されてきているわけですから、これは大いに評価すべきことだと思います。要は、農家にどう伝えていくか、種をどうするかという問題が出てくるんですが、そのあたりの代替肥料のことや飼料のことなどという部分について、今回の向こう五年間の計画の中にどう反映されているのかということについて、その二つでいいです。ほかはもちろんスマート農業などあるんですが、私は興味があってお聞きするのは、今朝の放送もあったものですから、国産飼料と肥料ですよね、そのことについて少し考え方をお聞かせください。
59
◯福重畜産課長 配合飼料の原料の多くを海外に依存している畜産経営においては、飼料の国産化を進めるなど自給飼料の生産拡大が重要な課題だと思っています。特に肉用牛経営等におきましても、自給飼料、自分のところで自前の粗飼料を作ることが収益性のアップに一番つながると思っています。
そういった中で、飼料の中でも畜産部門の飼料作物のところに書いてございますとおり、本県に適した優良品種の選定、新たな草種や高栄養飼料作物の栽培調整技術の開発等、そういったことも書いてございますけれども、令和五年度から実施しています本県に適した団地型牧草の特性調査及び適用性試験ということにも今取り組んでいまして、本県に適したいろいろな、委員からもございましたとおりソルガムなど、いろいろな品種ですね、それから例えば奄美などでのトランスバーラなどというような品種もございますけれども、いろいろな品種、本県に合うそういった品種を選定しながら比較試験をしましたり、あるいは飼料成分の調査をしたりということで、それぞれの地域に、特性に合った品種を選定することで、先ほど収量がどの程度あるか、それから栄養価もございますし、そういったところを調査しながら、この配合飼料に代わる自給飼料をいかに作っていくかということが一番大きな課題だと思ってまして、そういったところを引き続き取り組んでいきたいと思っています。
60 ◯村山農業開発総合センター所長 続きまして、肥料の取組でございます。
肥料高騰を受けまして、農業団体では堆肥入り混合肥料を開発されています。センターとしましても開発の段階からいろいろ協力しながら、開発に至ったわけです。ただ、その肥料につきまして、作物への肥料効果が化学肥料と同等かどうかというのを確認するための試験を現在取り組んでいて、その結果としましては、化学肥料と同等の効果を認めているところでございます。今後は、さらに堆肥の混合割合を高めて、さらに低コストな肥料ができないかということで試験に取り組んでいるところでございます。
また、その一方で、そもそも肥料の使用量そのものを下げるという技術で、畝全体に肥料をまくのではなくて、根が張るところに局所的に、集中的に肥料を与えれば総量のカットができるのではないかという研究もしていまして、そういった機械も開発しているところです。
また、新しく最近話題になっている下水汚泥につきましても、地域の資源ということで、それにさらに地域の資源である焼酎かす等を混合しながら、使いやすい下水汚泥肥料の開発というのも、大学等と連携しながら開発に努めているところでございます。以上です。
61
◯前野委員 私が心配するようなことはもう既に県の試験研究機関で試験的に行われている、それからまた牧草についても、鹿児島にどういった品種が合うだろうかということも研究段階というお話を伺って、非常に喜ばしく思っているところです。
そこで、大隅は畜産も盛んです。牛も豚も鶏も盛んなんですが、今申し上げましたのは、牛が主に粗飼料、草ですよね。豚、鶏となってくると、申し上げましたようにトウモロコシ主体、そして大豆、小麦主体ということになってくるんです。牛は乳牛も含めて、粗飼料であるわらをはじめとして、そういったようなものがあるわけですが、国内で調達できる部分もあるということなんですが、絶対的にやっぱり外国に頼らざるを得ないというのは、申し上げましたように豚と鶏なんですね。そのあたりの飼料の研究、国産の飼料として研究を続けていると思うんですが、その段階がどういう段階なのか、そのあたりを少しお聞かせください。
62
◯福重畜産課長 試験研究の取組、特にトウモロコシとか飼料用米も含めてということになろうかと思いますけれども、そういった取組ということでございますけれども、我々も試験研究と行政のいろいろな取組と両輪だと思っていまして、まず先に行政の取組について御説明させていただきますと、令和五年度から、地域資源フル活用飼料増産対策事業で飼料作付面積の拡大に対する種子購入費ですとか、受託面積の拡大、それから品種選定や収量向上に向けた栽培実証に必要な経費等への支援を行っていますし、令和六年度に向けましては、輸入飼料の代替となる自給飼料を効率的に生産するため、トウモロコシなどの高栄養飼料への転換や、それから飼料用米や子実用トウモロコシの生産、水田等を活用した二毛作、二期作などに支援するということで、地域資源フル活用飼料増産対策事業におきまして飼料生産の拡大等に取り組んでいきたいと思っています。
また一方で、試験研究ですけれども、試験研究につきましては、特に飼料用米の活用につきまして、これまでもずっと畜産試験場の中では取り組んでいまして、特に飼料用米の鶏への活用ということで、一定程度飼料に混ぜることによって、特に発育等にも影響がない、あるいは逆においしさ成分が増えるなど、そういったこともございます。そういった試験研究を踏まえまして、飼料用米の地鶏生産に向けまして、こういう一定程度の割合、転化することができますなどといったマニュアルもこれまで試験研究を基に普及等を図ってきたところでございます。
63
◯前野委員 ありがとうございます。いろいろな意味で飼料用米の活用といったようなもの、日本は水田が結構あるわけですから、そういったところで飼料用の米を作っていくということについても、あるいはWCSに代表されるようなものもあるわけです。ただ、しかし圧倒的に足りないわけですよね。
裏を返せば、かつて外国から買うものが安い、国産で生産するより安いということがずっと続いてきた。それでここに来て高騰し出した。それで農家の方々が大変だということになってきているわけです。それで国産で見直しすべきではないかという動きになってきていますから、非常に私は、耕作放棄地も増えているということもあって、何らかの形でやっていかないと日本の農業は潰れてしまうという思いがあるものですから、そのような質問を毎回させていただいています。
それと最後に、今、試験研究をしていて試験場内でいろいろな、さっきの一つの牧草を例に取ると、離島も含めて、本土も含めてそうですけれども、ソルガム、あるいはデントコーンなどといったようなものが代表的、あるいはまだほかにもあるんですけれども、こういったようなものの試験研究を試験場内の敷地ではなくて、例えば畜産農家の方々にお願いして共同でモデル的に研究してみようやという動きがそこにあれば、例えば、大隅の笠野原台地にあったり、南薩にあったり、北薩にあったりすれば、看板等を立てておけば、周りの関係の農家の方々とか畜産とか、そのような方々がじかに見られるわけですよね。そのようなものが振興局あたりを通じて、あるいは場合によっては農業開発総合センターの研究員の方々が定例的に見に行ったり、収量分析したり、あるいは成分の分析をしたり、そのようなものが農家にとっては非常にありがたい。自分の目で近くで見られる、金峰町まで行かないで見られると。あるいは牧之原まで行かんと見られないということはなかなか進まないと思うんです。
ですから、私は、複数的に認定農業者、あるいはそのような方々と少し協定を結ぶなりして、さっきありました種子を購入する際の援助など、そういったようなものを、実地で試験段階ですよということを断った上でやっていくような方策というのは考えていないのか、そのあたりを教えてください。
64 ◯村山農業開発総合センター所長 試験段階で、センター内の圃場ではなく現場での試験研究ということです。
既に百か所以上の現地試験を耕種、畜産を含めてやっています。それにつきましては、ある程度、場内の試験で成果が見えつつあるものをいち早く現場に下ろすために、現場の農家さんなどに協力いただきながら現地で研究し、その成果を取りまとめて普及に移すという手順を踏んでいます。そうすることによって、できるだけ早い段階から、その品種なり技術をその地域に普及できるのではないかなと考えています。
また、成果がまとまった段階では、地域振興局・支庁の普及組織と連携したり、あとは園芸振興協議会とも連携したりしながら、実証圃なり展示圃ということで地域の農家の皆さん方には普及を図っているところでございます。以上です。
65
◯前野委員 びっくりしました。そのような研究が百か所以上でやられているというお話でした。協力農家もいてそのようなことが行われているということは、不勉強で大変申し訳ないでしたけれども、ただ、PRをしてほしい。私が申し上げましたように、その圃場に、この圃場はこうこうこうで今研究段階ですよみたいなものをつくっていただくというようなことをしていただいて、やはり農家の方々が、よし来年はうちもやってみようとか、何かそのようなものにつながっていくようにすれば、農業開発総合センターでこういうものができましたよ、こういうものを選定しましたよ、さあ農家の皆さん、今からやってくださいではなくて、前野さんという圃場が鹿屋ではやっているよと、あそこを見に行ったら非常に生育もよかと、それで聞いたら、いつの時期にこげな追肥をしたらいいとか、いつの時点で刈り取ったほうが一番栄養価が高いよとか、そげなノウハウを近隣の農家の方々が学ぶのが早いわけですよ。そうしてくると、研究段階だけれども、そのことを十分理解してもらった上で、もう実践に移すということが、私は畜産が盛んな鹿児島県として、ほかがやらないようなことをやってみるということも大事な気がします。
それができるのは、放棄地が結構増えているんです。できれば放棄地で耕作ができないとか、そのようなところをホイルローダーで掘り起こした上で大型トラクターで整地して、そして播種するというようなことを、放棄地あたりを活用して飼料を作っていますよ、トウモロコシを作っていますよ、ソルゴーを作っていますよというような何かそのようなものに、何というんでしょうか、鹿児島県の農業政策は生きたものをやっちょらいねみたいな印象をぜひアピールしたり、百か所あるんだったらその百か所についてアピールするような施策をぜひ取っていただきたい。
取組をしているということを大いに評価させていただいて、そして実効的な、効果が早く発現するような方策も考えていただけんかなと思っていますから、ぜひそのことも念頭に置いていただければなと思っているところです。コメントがあればお聞かせください。
66 ◯村山農業開発総合センター所長 まず、先ほど現地試験を百か所以上ということで申し上げましたけれども、正確には百七十一か所ということで実施しています。そのPR方法ですけれども、実際、現地にこういった研究を今ここでやっていますよという看板は立てていません。試験途中のものをPRというのはなかなか難しい面、品種も含めて流出などというのも難しい面があって、やっていません。
ただ、その協力農家さんと連携しながら、周辺の農家さんにこの品種を見てくださいね、部会で検討してくださいね、この技術どうでしょうかというのは、その担当農家さんだけではなく、地域の技術員であったり農家さんであったり、そういったことを集まっていただきながら情報交換しながらやっていって成績をまとめていく、成果を出していくと。この成果がまとまれば胸を張って堂々と看板でも何でも作って普及していきたいと考えています。
67
◯前野委員 ありがとうございます。試験研究のレベルを軽々に公表するということについてはこれは分かります。分かりますが、あきほなみにしても十年かかったというお話でした。十年の間に時代は相当変わってしまうということがあったりして、私は、今申し上げましたような、そのようなものがクリアできないのであればそれは仕方がないといえば仕方がないんですが、もう少し迅速に農家の皆さん方に、高い飼料を買うよりも自分で作いやんせと、そうすればコストがこれだけ下がりますよということを提供するのも試験研究機関の役割だと思うんですね。ですから、非常に試験研究という囲いの中で難しいことは重々承知していますけれども、かかる事態が、それじゃ、いつまで高い飼料を買い続ければ安くなるのよと、私は安くはならないと思います。ですから、そのことが気がかりなものですから、こういうお話をさせていただきました。いずれにしても、百七十一か所ものところで、秘密裏に聞こえるものですから、もう少しオープンにできないんだろうかという気がしますけれども、ぜひよろしくお願いします。終わります。
68
◯郷原委員長 ほかに御質疑はありますか。
69 ◯瀬戸口委員 二つ聞きますけれども、農業開発総合センターで今まで、今も取り組んでいる最も重点的な試験というのは、二、三挙げたらどういうものを今やっていらっしゃるんですか。
70 ◯村山農業開発総合センター所長 センターで最も取り組んでいる、成果の上がったものということなんでしょうか、幾つかということですので、最近の事例で言いますと、先ほどの資料にも載っていましたけれども、八重咲きのテッポウユリの新品種であります咲八姫、これを開発しまして、令和四年にはジャパンフラワーセレクションでフラワー・オブ・ザ・イヤーという最優秀賞をいただきました。
これにつきましては、沖永良部地区を中心に季咲き、四月から五月出しの切り花で、ほかの品種、産地よりも有利に販売されている。今後は、この咲八姫のシリーズ化を目指しまして、今度は花粉が出ない無花粉のユリであったり、四月、五月に限られている切り花時期をまだ拡大する取組を今後も展開していきたいなと考えています。
また、一方では、サツマイモ基腐病の取組につきましては、国の農研機構なり他県の試験場とも連携しまして集中的な研究を進めてまいりました。健全種芋の確保であったり、抵抗性品種の問題、そして排水対策、そして農薬の防除体系ということで一連の防除対策が構築できたのかなと考えています。ただ、これまでの研究が、基腐病を出さないという研究に中心を置いてまいりました。今後は、例えば、前作の発病状態に応じてどういう防除体制でいけばいいのかというようなものをさらに研究を深めていきたいと思っています。
さらに、基腐病対策を取り組む中で、我々のところに多数、病害診断という芋が持ち込まれてまいりました。その中では、分析していきますと基腐病を含みます既知の病害の部分が大半を占めていますけれども、その中に、これまでにない病原菌も検出されてきています。これについては腐敗との関連性、まだはっきりしていませんので、腐敗との関連性はどうかと、もし関連があるのであればどういった対策をすればいいかというのを今後解明していかなければならないなと思っています。これにつきましては、基腐病が判明した時点でかなり広範囲に拡大していたという苦い反省もありまして、できるだけ早め早めにそういった解明に取り組んでいきたいと考えています。
まだたくさんあるんですけれども、以上、二つ御紹介させていただきます。以上です。
71 ◯瀬戸口委員 もう試験場としてはたくさんのことを抱えていますので、しっかりとやっていらっしゃるんだなということを感じたところでございますが、それで一つ心配するのは、基腐病もそうでしたが、畜産の場合もそうですが、疾病とか急に、予測されない、この課題の中にない病気とか、その辺のときの対応というのは即できるような体制が取れているんですか、基腐病もそうでしたけれども、そのような農業の場合は予期されない疾病、畜産でいったら豚熱などのようないろいろな病気があるんですけど、その辺の対応についてはどのような。
72 ◯村山農業開発総合センター所長 委員おっしゃるとおり、農業分野におきましては急に発生する問題が出てまいります。それにつきましては、今回の基腐病におきましても、センター内に対策チームを編成しまして部署横断的に取り組めるような対策を組んで、ほかの研究はほっておくわけにいきませんから、そういったものを継続しながらも重点的に取り組むようにしています。
ただ、こういうプロジェクトを組むというのは、農業の場合、一年に一作しかない、できない研究であります。さらには、今年出た成果は、よかったからといって皆さん方にすぐ御紹介できるものではなく、少なくとも二年以上の再現性を確認した上で皆様に普及していかないといけないということもありまして、それをするためには、一つの部署ではなくて複数の部署が協力して総合的に技術を組み立てていく必要がありますので、そういったプロジェクトチームをつくって対応しているところでございます。今後も、そういった緊急課題が出た場合には、そういった体制を組みながら対応していきたいと考えています。以上です。
73
◯福重畜産課長 畜産試験場、それから肉用牛改良研究所での口蹄疫など、いろいろな疾病の対応ということでございますけれども、過去の宮崎での口蹄疫の発生等を踏まえまして、今の畜産試験場、それから肉用牛改良研究所では、基本的には外部の方々の
入場を制限しているというところがございますし、防疫施設の設置をしていまして、エアシャワーを浴びたり、専用の作業着に着替えてもらったり、あるいは特に豚の施設、鶏の移設等については、特に黒豚の第五系統豚を今つくっていますけれども、そういった施設につきましては全く外部の方々を入れない。場内の職員も毎日入る際には、その施設でシャワーを浴びて
入場するといったような防疫上の措置もしているところでございます。
過去の口蹄疫が発生したときにつきましては、一部の種畜につきましては、喜界島や屋久島に万一の場合を考えまして分散飼育したり、それから豚の凍結精液につきましては、農大に一部精液を移していったりなどございますし、今の現状でいいますと、黒豚の精液につきましても、精液バンクというのがございまして、そちらにも一部保管しているところでございます。以上でございます。
74 ◯瀬戸口委員 緊急時の場合には、陣容も少ない中で既存の研究もしなくてはならんというようなことでございますので、しかしそれは大事なことでありますので、どうかほかの部署にも応援をもらって的確にやっていただきたいと要望いたします。
75 ◯米丸委員 今、この表の二ページのところなんですけれども、消費動向や流通・販売環境の変化、人口減少や食生活習慣の変化、輸出と課題があると述べられているんですけど、食生活の変化に対して、県はどのように食生活が一番変化していると捉えているのかということと、ここでは昨日少しお話ししましたアニマルウェルフェアというところが食生活の変化というところで一つ政策が上げられていると思うんですけど、ほかにどんなことをされているのか教えてください。
76 ◯村山農業開発総合センター所長 食生活の変化と研究課題の関連ということでございます。食生活の変化というか食生活の多様化だと思っています。
一つは、米の消費量が減ったり、お茶のリーフ茶の使用量が減ったり、そういったものに対してどういう対応をしていくかということでありますが、例えば、お茶の分野でいきますと、煎茶ばかりではなくドリンク向けの茶であったり、今、話題のてん茶、抹茶であったり、さらには新しい技術としまして、萎凋香緑茶という少し香りのある煎茶、そういった多様なお茶作りの技術を開発したり、あとは、例えば米でいきますと、主食用米だけではなく加工用米ですね、米粉であったり、それに適する品種開発であったり、そういったものを今後も、今現在も取り組んでいますけれども、引き続き取り組んでいきたいと考えています。
77 ◯中村
経営技術課長 基本的には村山所長が今おっしゃったことなんですけど、食生活の変化、多様化の中に、昨日からも議論が出ていますオーガニックの関係であったり、多様な食材というか嗜好が求められるというのもあるかなという時代の流れもありまして、今回の試験構想の中でも品目横断の取組の中で、みどりの食料システム戦略への対応的なところを上げさせていただいて、今も取り組んでいますけど、今以上にオーガニックの関係であったりを取り組む、またはオーガニックにいかなくても、化学肥料なり化学農薬の低減に向けた技術開発であったりというところは明記させていただいているところであります。
78
◯福重畜産課長 畜産部門につきまして、御答弁したいと思います。
畜産につきましては、特に牛肉においてが強いですけれども、消費者等のニーズを把握するため、今年度アンケート等も実施しているところですけれども、その中で、肉のおいしさや赤身嗜好など和牛に対する消費者ニーズが多様化しているというようなところもございます。そういったところに対応するということもございまして、この多様な消費者ニーズに対応するため、試験場におきましては、肉用牛改良研究所も含めましてですけれども、霜降りの細かさ、今までのサシ一辺倒ではなくて、霜降りの細かさ、それから肉のおいしさに関連する成分の科学的追求ですとか、肥育期間の短縮による適度な霜降り牛肉の生産に取り組むというようなことで、こういったところの研究もすることとしています。
79 ◯迫田かごしまの食輸出・ブランド戦略室長 大隅加工技術研究センターにおきましては、やはり今、先ほど来ずっとありますとおり多様な食というのがございます。そういった中では、今後、品質の差別化を図る評価技術の開発ということで、機能性分析に着目したような試験研究に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
80 ◯米丸委員 本当に今、世間がコロナ、アフターコロナ、コロナ禍の中でも健康志向になっていて、例えばグルテンフリーだったりベジタリアン、ヴィーガン、あと糖質オフだったり、カロリーオフだったり、もう本当にコンビニに行ってもそういった製品がたくさん目につくようになっています。
今、単価向上を目指すということなんですけれども、先ほど、アンケートを取ってニーズ調査するということだったんですけれども、マーケティングを、志向を取り入れていって、定量調査、定性調査等も、この研究をするに当たってもちろんすごく品種改良だったり品質の向上だったりは大切なんですけれども、世間が求めていないものを、先ほど瀬戸口委員がおっしゃっていましたけど、研究し続けるということに関して、大切なことではあるんです、もしかしたらそれが当たるかもしれない可能性もあるので大切だとは思うんですけれども、ぜひ本当に、食生活の変化に対応してというところで世間が何を求めているのか、また市場の流れということをこれは本当に研究する必要があるのではないかと思っています。
本年度予算を見ても、PRに関してはすごく予算をつけていると思うんですけれども、マーケティングに関して、農政部全体で見ると、鹿児島県全体にも言えることなんですけど、マーケティング、ブランディングの予算がついていないというところを見ると、今まで農家の生産額が全国二位でも、単価を向上させる上ではそういった研究費にもぜひ予算をつけていただきたいと要望しているんですが、その辺の考え方を教えてください。
81 ◯中村
経営技術課長 いろいろ御指摘いただいたんですけど、後でまた補足もいただければと思うんですが、農業開発総合センターでは試験研究課題を設定する際に、いろいろな関係の団体の方とか、市場・流通関係者の方も含めて一年に一回要望調査というか、こういう試験をやってもらいたいというニーズの調査はされているところであります。その中でまた、できるできないとかいろいろ判断する場面はあるかと思うんですが、ニーズを把握しながら方向を間違っていないよねという確認する意味でも調査されているところであります。
あと、予算的なところは、当然我々も欲しい予算を要求しているんですけどというところはありますので、その辺は頑張っていきたいなとしか、今のところは言えないところでございます。
82 ◯迫田かごしまの食輸出・ブランド戦略室長 大隅加工技術研究センターでも、今、
経営技術課長からあったように、実際に現場のニーズ、シーズを捉まえた中で試験研究を組んでいるところでございます。
その調査につきましては、昨日もお話させていただきました、相談員であったり、研究センターの職員自ら一緒に足を運んでいろいろな情報収集した中で、試験研究に反映させているという状況でございます。
83 ◯米丸委員 もちろん地元の方、そして関係各所の方から要望聴取するというのも大切なんですけれども、市場がマスを狙うんだったら、マーケティングをマスに当てた調査もしないといけないと思うので、やはりそういったインターネット調査だったり、今はもういろいろな調査手法があると思うので、そこを取り入れるような予算を要求していただきたいと要望に代えさせていただきます。以上です。
84
◯郷原委員長 この件に関しましては、ほかに何かございませんでしょうか。
[「なし」という者あり]
85
◯郷原委員長 それでは、ほかに質問がありませんので、この件につきましては終了いたします。
それでは、ここで昼食等のため暫時休憩いたします。
再開は、おおむね午後一時十五分といたします。
午前十一時五十八分休憩
────────────────
午後 一時 十三分再開
86
◯郷原委員長 再開いたします。
続きまして、
経営技術課長から、鹿児島市におけるイモゾウムシの確認について、発言を求められていますので、これを許可いたします。
87 ◯中村
経営技術課長 本日の新聞報道等でもありましたけど、鹿児島市におけるイモゾウムシの確認について御説明させていただきます。
委員の皆様のお手元に「鹿児島市におけるイモゾウムシの確認について」という資料が配付されていると思いますので、それにより説明させていただきます。
三月十二日に鹿児島市の喜入生見町でイモゾウムシが確認されました。お配りしている資料の中に「イモゾウムシとは」という基本的なところを解説した資料があるんですが、それを見ながら聞いていただければと思うんですが、日本では、奄美大島以南の南西諸島や小笠原諸島に既に分布している、体長が三から四ミリ程度という非常に小さな虫であります。主にサツマイモを食害しまして、被害に遭った芋は異臭と苦みがありまして、食用はもちろんのこと飼料用にも使うことができなくなるというものであります。植物防疫法で発生地域からのサツマイモ等の持ち出しが禁止されている、特殊病害虫に該当します。
県の本土では、このイモゾウムシにつきましては、平成二十年に指宿市で確認されて以来約十六年ぶりに確認されたということで、指宿市につきましては、その後の防除の結果、平成二十四年に根絶宣言をしているところであります。
現在、今回の件につきましては、国のマニュアルに基づきまして、国の植物防疫所や鹿児島市などと連携を取りながら、トラップ調査などの初動対応に現在取り組んでいるところでございます。今後とも、国や市と連携しながら初動対応を徹底してまいりたいと考えています。
以上でございます。
88
◯郷原委員長 ただいま説明のありました件について、質問がありましたらお願いいたします。
89
◯鶴薗委員 今の説明資料でもあるんですが、アリモドキゾウムシ、これは本土、甑島あたりでも出て、いろいろ対応されているわけですけど、これとイモゾウムシとの違いはどういう部分、位置づけか教えてください。
90 ◯中村
経営技術課長 鶴薗委員からありましたように、イモゾウムシの被害といえばアリモドキゾウムシとほぼ一緒で、幼虫が食害して、非常に異臭と苦みで食用にならないという被害の状況としてはほぼ類似しています。
アリモドキゾウムシにつきましては、フェロモントラップ調査ができるというか、フェロモントラップ調査によって侵入警戒ができるんですが、イモゾウムシにつきましては、フェロモントラップの技術がまだ確立されておらず、侵入警戒がなかなかできなくて、こういう突然発生が見られた形で前回の指宿でも出ています。ただ、前回の指宿はアリモドキゾウムシが既に発生していて、その発生状況調査をしているときにまたイモゾウムシが見つかったというパターンですから、少し今回とは異なるかなというところでございます。
あと発生地域でいいますと、そこの資料にありますように、今、イモゾウムシは奄美大島以南ということでそこには分布しているところなんですが、アリモドキゾウムシにつきましてはトカラ列島以南で、発生地域が少し北に来ている状況であります。
91
◯鶴薗委員 分布の中での報告で、中国、アメリカ、中南米、先ほどの課長の説明でも、南というか温暖地域というか、それがだんだんだんだん地球温暖化の中でこういう現象が出ているのか、あるいは流通の中でこういう現象が出ているのか分からないけれども、一応北上してきているということになっているんですが、イモゾウムシは過去、日本の国内ではどういう発生した事例があるんですか。指宿は別として、指宿から北、本土地域ではあるんですか。
92 ◯中村
経営技術課長 確認したところ、本土では前回出た指宿が初めての確認で、本土で言えば今回二回目となるかと思います。それ以外でいいますと、以前、屋久島でイモゾウムシが確認されて同じように防除を行って、今はもう根絶宣言しているということがあります。屋久島については平成九年に一回確認されて、その後、防除に取り組んでいるというところで、もう根絶しているのが現状でございます。
93
◯郷原委員長 ほかに御意見、御質問ございますか。
[「なし」という者あり]
94
◯郷原委員長 ほかに質問がありませんので、この件につきましては終了いたします。
次に、一月に実施しました奄美地区の行政視察に関する御意見、御質問等がありましたらお願いいたします。
95
◯鶴薗委員 一般県政にも触れるんですが、与論島でサトウキビ農家と畜産農家との耕畜連携の中で有機堆肥を作られている現地を見させていただきました。その中で、来年度、令和六年度事業あたりの中で、国の奄美群島振興などこういう事業を含めてですが、そういった堆肥センターの補助事業が出たと聞いているんですが、それは皆さん、事業が出てきているんですかね。視察のときはなかなか堆肥センターを造るのに云々という説明があったんですけど。
96
◯福重畜産課長 令和七年度の奄美群島の奄振の交付金に係る家畜ふん尿処理施設の整備についてですけれども、こちらは大島支庁で令和七年度に向けては今、要望調査をしてきたところなんですけれども、各市町村に対して要望調査したところ、与論につきましては要望は上がってこなかったということのようです。
ちなみに、与論町のふん尿処理の施設につきましては、公共事業ですけれども、資源リサイクルの畜産環境整備事業につきましては、新地区を令和七年度に設立しまして、整備を進めるという予定にしていますけれども、今、耕種農家を含めた三戸で組合をつくりまして、整備したいという要望は、こちらは上がってきていると聞いています。
97 ◯後藤農政課長 奄振交付金に関してですけれども、現在、国会で奄美振興特措法が議論中でございまして、これが成立いたしますれば農業の関係でいきますと、農業振興を図る関連事業全般を幅広く対象にするということで、今現在、政令では生産性の向上という形で規定されていますけれども、これを農業の振興という、もう少し幅広く読めるような形で今後改正がなされていくものと考えています。そのような中で、奄振交付金の中で農業創出緊急支援事業という園芸振興を図る事業がメニューの中にございます。この中で、今までは台風対策で、例えば平張り施設、国は十分の六、県が六分の一で、通常の対策よりも補助率が少し高い活用方法がございました。今回、令和六年度からここにさらに、先般台風が長期間滞留したということもございましたので、流通対策という形で、例えば堆肥舎の整備ですとか、農作物の貯蔵等に必要となるような設備、こういったものも一部国費率のかさ上げということの対象にしていきたいなと考えてございます。
98
◯鶴薗委員 現地で説明を聞きながら、私もクラスター事業でいろいろ補助事業はあるはずですがねという責任のない発言をしたんですが、今、農政課長が説明されたように、令和六年度の国の事業をインターネットの資料で見させていただいたときに、あの課題はこの事業で救えるんじゃないかなというような事業が令和六年度の国の紹介の中に載っていましたのでね、私が見た感じ、そのように感じたものですからお聞きしました。
もしいろいろ拡大的に解釈できれば、与論町からまだ上がってきていないということですけれども、そういう事業等を紹介していただいて、ぜひ、我々委員会も行政視察の中で現場の圃場を見ながらやり取りした部分ですので、取り組めるのであれば取り組めるようなサポートをしていただきたいなと要望で終わります。
99 ◯後藤農政課長 今申し上げたとおり、堆肥化施設や堆肥散布機もこの奄振交付金を活用いただいて御利用いただけるというところでございますので、大島支庁も通じながらですけれども、奄美群島の市町村とも連携しながら地元の御要望をお聞きして、丁寧に対応していきたいと考えてございます。
100 ◯永井委員 地元ですので、重ねての要望を含めて、今のお話のとおりです。対応する農家さんが増える中での良質の堆肥を確保することに御苦労されているようでした。
その一方で、製糖作業の沈殿物、フィルターケーキを活用して、土壌改良材としても生かそうという動きをされているお話です。そのときに、自走の堆肥散布車、機材を簡易なものを今後検討してやるためには、やはり町単だけではなかなかできないのでということも悩んでいましたので、今、鶴薗委員がお話しのように、今回の奄振交付金の対象メニューが拡充する中での対象になり得る事業だと思います。お話のようにまだ与論町として正式な事業が明確に立ち上がっているわけじゃないですけれども、やはりそこはキャッチボールをして、いい形のフォローアップを県としてやっていただきたいと思いますが、そこをもう一度重ねてお願いします。
101 ◯後藤農政課長 今、永井委員からありましたとおり、大島支庁を通じながら、今後その事業を活用するに当たって申請書なり計画が作成されていくものと思いますので、県としては、そのような作成を含めて、地元がどういう御要望をされるかをよくお聞きしながら、対応していきたいと思います。
102 ◯永井委員 反収をどう上げていくかという基本の中の土づくりの課題ですので、ぜひよろしくお願いいたします。
103
◯郷原委員長 ほかに何か御質疑、御意見ございますか。
[「なし」という者あり]
104
◯郷原委員長 それでは、ほかに質問がありませんので、この件につきましては終了いたします。
それでは、そのほかの県政一般について質問がありましたらお願いいたします。
105
◯鶴薗委員 県政一般で数項目お聞きしたいんですが、その前に、先ほどの午前中の農業試験研究推進構想のことにも触れさせていただきたいと思います。
農業開発総合センター所長が言われた、一つの成果を出すためには時間もかかる、この部分は十分分かるんですが、先ほどのやり取りの中でも、フィールド研究を百七十数か所でやって非常にスピーディーにある程度その辺が改善されてきたなと。我々は以前からそのことをぜひ、試験場で何年もかけて、またそれをフィールドに下ろして、その成果をしてといえばもう二重の時間がかかるから、やはりその辺は大変だろうけれども増やしていってほしいなというのは前から出ていた部分ですので、非常にそのような取組をされているというのは感謝を申し上げたいし、また、さらに進めていただきたいなという要望もしておきたいと思います。
そこで、全国的に、本県だけでいろいろ取り組んでいるものであって、そして先ほど瀬戸口委員の質問にも、成果として咲八姫などの御紹介もありましたが、米などいろいろな問題、先ほどの畜産課長が答弁されました飼料米の問題とか、これは本県だけでなくて全国の都道府県で取り組んでいる部分ですが、ここらあたりとの情報交換はどうなっているんですかね。
106 ◯村山農業開発総合センター所長 全国との取組ということですけれども、研究課題には国の公募事業を利用して研究する部分があります。それについては、農研機構等を中心機関として、各県の試験場あたりが大学とかコンソーシアムを組んで取り組んでいます。
その中で特徴的なものとしましては、昨年の補正予算から、食料の安全保障強化に資する新品種の開発事業が立ち上がっています。これについては、一つの作物についていろいろな県が、食料安保に資する品種ということで、例えば地球温暖化に強い品種を探しましょう、スマート農業に適する品種を探しましょうなど、そのようなのを関係県が一緒になって、気候、土壌が違う条件で同じ品種、そういった適品種を探していく、そういった取組もしていますので、コンソーシアムを通じて全国的な情報交換をしながらそういった共通の課題には取り組んでいるところはございます。
107
◯鶴薗委員 これはどこの県も行政区が違いますから、それぞれの県でいろいろな試験研究をされて取組をされているわけですね。そのような形で今、我々は過去は地産地消という言葉もよく利用していましたけど、今はもう国産国消、そのような言葉にするよりも、ある意味、よその県で取り組まれたものを参考にして、あるいはもし許されるのであれば、そういった開発されたものを導入して普及活動をしていくと、こういう取組の時代にとっくに入っていると、民間レベルでは入っているけれども、行政はまだどちらかというと、それぞれの県で何か成果を出そうと、それぞれの県で成果を出して、そしてそれを県の担当地区に普及していこうと、こういう部分がまだ、今御答弁いただいたように大分そこあたりは緩和されてきているんですけど、もっともっとそこあたりは大事なことかなと思っています。
私は自分の取組を紹介してなんですけれども、十年ぐらい前からちょうどWCSや餌米の問題、米余りの水田フル活用など、こういう言葉が出てきて、やはり米がどんどんどんどん毎年十万トンずつ消費が落ちていくと、そのような中で国内競争をやっていかなければ、産地間競争もやっていかないかんと、餌米にもう少し取り組むべきじゃないかということで、当時、十数年前、畜産課と流通園芸課に来ていただいて、どうでしょうかという話をしたとき、やはりそのときはそうだろうと思います。私に言われたのは、私どもは田んぼに米を作るために今までずっと一生懸命してきましたと、田んぼに餌米を作るための研究というのは、それは研究員としてはもう本当にそうだろうと思うんですが、しかし、時代は鹿児島が取り組むべきことはそのようなことではないかということを、両方来ていただいてやったことがあるんですね。
昨日の議論の中でも、餌米、飼料米に取り組まれた寺田委員の現場の状況等もお話がございました。キロ二十円にしかならなかったというお話も出ましたけど、もう既に山口県は餌米の取組で反収九百キロぐらい取るぐらい成果を上げて、もう二農家ぐらいかな、農林水産大臣賞を、この前の新聞に紹介されていましたけど、取り組まれているんです。山口県がそこには一番早く取り組んでいるなと、積極的に山口県は取り組んだなと。そしてそれをやはり養豚農家、養鶏農家にしっかりとつないで、飼料米の普及もしっかりとした地域で取組もされているんですね、水田農家と畜産農家と。
そのような部分というのは全国の中でも実際あるわけで、先ほど前野委員も言われましたように、もっともっと全国のいろいろな米にしても、餌米やそのような飼料作物にしても、あるいはほかのものにしても、よその県がやっている研究成果が共有できるようなものがあれば、むしろその辺も大いに活用してほしいなという思いはあるんですけれども、試験研究機関としてはどういう認識を持っていますかね。
108 ◯村山農業開発総合センター所長 委員おっしゃるように、各県で研究された成果は共有しながら、全体的な底上げは必要かと思います。そういった意味では、公募型の研究事業はコンソーシアムを通じてするんですけれども、その成果は全国に発表されますので、それは共有して本県の農業振興に役立つような形でまた活用していきたいなと思っています。
また、先ほど飼料用米の件でお話ありましたけれども、鹿児島県におきましても、早期栽培では「くいつき」という品種を平成二十九年に開発しまして、普通期栽培では「夢はやと」という品種も開発して普及に移しているわけですけれども、こういった県で育成した品種はそれぞれの県で許諾の範囲が決まっていまして、なかなか他県の育成した品種を本県でというのは、その条件がそろえばできますけれども、そこが今、課題になってはいます。ただ、国が育成した品種等は全国どこでも活用できるので、本県での適応性を見ながら普及していきたいなと考えています。以上です。
109
◯鶴薗委員 県政一般ですから、今度は
経営技術課にお聞きしますが、
経営技術課の農業改良普及員の皆様方は、タブレットの支給などは県で今進めていますかね、今どういう状況になっていますかね。
110 ◯中村
経営技術課長 普及員へのタブレットの普及ということで、今年度事業でちょうど整備したところです。ただ、今、地域振興局・支庁にいる普及職員が二百九名いらっしゃいますけど、全員にというのはちょっと難しかったものですから、台数的にはまだ二十二台で、単純に言うと十人に一台ぐらいの数なんですけど、取りあえず今年度の事業でそれだけ整備させていただいているところでございます。
111
◯鶴薗委員 私ども県議会でも、この年と言ったらちょっと語弊があるかもしれませんが、郷原委員長を中心にしてタブレットを活用するという流れで、我々はどちらかというとペーパーレス的な限定的な部分もあるんですが、もう今、私は別にタブレットを使っているから情報は幾らでも取れるんですよね。ですから、いろいろよその県の取組、あるいはそういった国の取組、あるいは国の予算要求の流れなど、いろいろなのも検索すればできるし、特に、先ほど来、県が取り組まれているいろいろな試験研究、今、何をどういう形で研究しているかという部分も情報として流す。結果はまだ出ていないわけですけど。
普及員の人たちがいろいろ現場で相談を受ける。それが今、試験研究のやっているものと合致すれば、今こういうふうに取り組んでいますよと。せめてやはり私はこの時代、皆さんタブレットを持って、特に若い農家さんなどはもう皆さん十分活用していると思うんです。ですから、そういったところと情報交換するのにはせめてそのような取組をして、今年から始めたということですので、今年の成果を踏まえて、ここ三か年ぐらいで全普及員にタブレット活用ができるような、そういう取組はぜひしていただきたいと思うんですが、
経営技術課長、年度が始まったばっかりですけど、意気込みぐらい少し聞かせてくださいよ。
112 ◯中村
経営技術課長 ありがとうございますとしか言いようがないですけど、委員からお話がありましたように、やはり今、農業者もスマホであったりタブレットであったり当然持っていまして、その方々との連絡などの意味合いもありますし、委員からお話がありました、いろいろな情報を例えば画像で見ていただくとか、今、普及員の活用例もいろいろ整理しているところなんですが、現場で見て、例えば見て分からない病害など何かあったりしたら、すぐ写真に撮って専門家にタブレットを使って送って答えを導き出すとか、いろいろな活用がされ始めていますので、そのような意味でも整備は進めていかないといけないかなと思っていますけど、あとは予算との絡みでというところになってくるかなと思っています。
113
◯鶴薗委員 年度がスタートしたばっかりで今年から始めたということでございますので、これ以上は質問しませんけど、やはり現場の、これは本庁のパソコンがどんどんどんどん切り替わって、時代に合ったようないろいろな流れをつくるのもですけれども、本庁との連絡も含めてタイムリーに、あるいは県外の取組あるいは世界のいろいろな動きも調べようと思えば調べられるわけですから、ぜひそこあたりはひとつ三か年計画でもつくってやろうというぐらい頑張っていただきたいと思います。
そこでお聞きしたいのが、県庁にはいろいろな基金があるんですが、一番我々が目にするのは総務部がよく使う財政調整積立基金、これは財政課が持っている部分ですが、農政部の中で中山間地域等保全対策基金、これは農村振興課ですね、それから農地中間管理事業支援等基金、これは同じく農村振興課なんですが、この基金の活用状況を含めて、今どのような動きをされているのか、教えていただけませんか。
114 ◯山内むらづくり企画監 中山間地域等保全対策基金についてのお尋ねでございます。
この基金、二つございまして、一つずつ御紹介したいと思いますが、まず、中山間ふるさと・水と土保全対策事業、ふる水基金という基金ですが、これは造成が十億円、平成五年から平成九年にかけまして、国庫三分の一、県費三分の二の出捐で造成されています。こちらの目的は、中山間地域における農地、あるいは土地改良施設等の有する多面的機能、それの良好な発揮を目指すこと、そして地域住民の活動の活性化を図るという目的でございまして、非常に幅広い目的を持っています。
具体的に申し上げますと、むらづくりや農地保全、人材育成、あるいはグリーン・ツーリズム推進といった形で幅広く使わせていただいていまして、県の事業といたしましては、例えば、ふるさと探検隊と申しまして、各地域に実際に入りまして、各地域にありますいろいろな潜在的な価値や、危険な湖沼を見つける事業、あるいはそれぞれの地域のリーダーを育成する事業、そういった形で使わせていただいています。また、現在、一番問題になっています農地のり面の保全対策も実証を含めて実施しているところでございます。
また、グリーン・ツーリズムの推進に関しましては、農村体験プログラムを企画開発すると、あるいはモニターツアーを実施するといったことにも活用させていただいています。
また、冒頭申し上げたとおり、これは非常に幅広い基金でございますので、農政部内ではありますが、他課で人材の育成等を目的に事業の財源として活用していただいているところでございます。
もう一つの、棚田地域等保全対策事業、棚田基金でございますが、これは、同じく国庫三分の一、県費三分の二で平成十年から十二年にかけまして出捐して造成した六億円の基金でございます。こちらの目的は、棚田が有するいろいろな多面的機能がございますが、その良好な発揮と、さらに棚田地域の住民活動の活性化ということを目的に造成された基金でございまして、内容といたしましては、住民等が実際に行う保全活動の支援や、また、棚田地域のリーダーの人材育成研修といったものに加えまして、PRというかいろいろな方に棚田を知ってもらう活動といたしまして、棚田カードの作成あるいは棚田パネルの展示、また、一般の方を対象といたしました棚田セミナーの開催等に活用させていただいているところでございます。
115 ◯大保農村振興課長 委員お尋ねのもう一方の基金ですけれども、農地中間管理事業支援等基金のお尋ねでございました。
この基金につきましては、平成二十五年度末に国十分の十で造成されました基金ということでございまして、農地中間管理機構(農地バンク)が行う農地中間管理事業、これを支援するということで、農用地の利用の効率化や高度化を図るためにこの基金が造成されたということでございまして、今現在、この基金を活用する事業ということでは、農地中間管理機構事業ということで、主に農地バンクが取り組む農地借入賃料であったり、それから農地の管理費、こういったものに使われているものと、それから多くは機構集積協力金交付事業ということで、農地中間管理機構にまとまって地域が農地をお貸しする際に、その地域に交付する協力金というものに活用されています。
ちなみに、令和四年度末の基金残高は四・三億円ほどあるところでございます。
116
◯鶴薗委員 最初に説明された基金は今どう、平成と言われましたけれども、それでよかったのか、最初に積まれた部分が。
117 ◯山内むらづくり企画監 まず、ふる水基金でございますが、繰り返しになりますけれども、平成五年から平成九年の五年間で十億円が造成されたということでございます。現在の残高は九億八千七百万円程度ということになっています。事業といたしましては、果実部分、それから原資の一部取崩しという形で使わせていただいています。
それと、もう一方の棚田基金ですが、当初六億円で造成しました。これは先ほども申し上げたように平成十年から十二年で造成されていますが、現在の残高が五億九千百万円余りということで、こちらも果実の部分と一部原資を取り崩しての活用ということになっています。
118
◯鶴薗委員 平成に基金として積まれた部分が、答弁のとおりいろいろな形で有効活用されているのは理解しました。そして残高も、もうかれこれ三十年、二十年以上たっているけど、こんなにまだあるんだなというのも確認させていただきました。
そこで、
農地整備課長にお尋ねしますが、今、地域で皆さん方が窓口になっている農業農村整備、水土里サークル事業が、皆さん方も関係しているそのような事業があるわけですが、その事業をもう一回詳しく説明していただけませんか。
119 ◯山内むらづくり企画監 お尋ねの水土里サークル活動についてでございます。
こちらは、多面的機能支払交付金という国の交付金を活用した事業でございまして、基金ではなく毎年交付される国の基金によって実施されている事業でございまして、内容をお話ししますと、活動組織が各地域にあるんですが、その活動組織に対して、国が二分の一、県が四分の一、そして市町村が四分の一の交付金をお渡ししています。
各活動組織は、農地維持支払という保全活動、それから資源向上の中で共同と言っているんですが、いろいろな修繕、それから長寿命化と言われるちょっとした工事になるもの、こういったものを各活動組織が年間の活動計画、これは五年間の基本計画をつくるんですが、その計画を市町村から認定を受けまして、その認定を受けたところに国の交付金、県の交付金を入れて、市町村がまた四分の一を乗せて助成していると、そういった事業でございます。
120
◯鶴薗委員 私どもは、水土里サークル、この活動ですね、これはどちらかというと事業のスタートとしてはまだ浅いんですけどね、非常に活発に各地域でされているなというのは理解していますし、我々議員もそういった方々の取組は、意見交換する場も定期的に持ったりしているんですが、毎年そのような活動の申請をして、国から先ほど御説明いただいたようなお金が配分されて、またそれを報告したり、毎年いろいろな実績と活動報告を義務化されて、しかし農村地域では今、県下で水土里サークルはどのぐらいありますかね。
121 ◯山内むらづくり企画監 県内では活動組織の数でいいますと六百弱、五百九十ぐらいの活動組織が今、活動しているところでございます。
122
◯鶴薗委員 六百、相当数の組織が活動されている。いわゆる鎌田知事のときに始まった農村振興運動のむらづくり云々を含めて、先ほど冒頭にお聞きしました基金のいろいろな造成になったと思うんですよね。それで今の水土里サークルは農村振興運動、地域で非農家も含めて水田機能を維持していこう、守っていこうという趣旨も含めて、そのようなむらづくり的な活動をされている。
ただ、単年度計画、それから実績報告で出し入れでやっているものだから、年度末にある程度全額を消化したほうが本当はいいんだけれども、次の年度に移る運営補助金がないために、少し残さないかんと。しかし、今度は運営補助金のためにたくさん残せば、今度は国から活用がぬるいんじゃないかと言われる。そのような非常に問題点を抱えていると。これは皆さん方も十分御存じだろうと思っています。私にもそのような悩みを聞かせていただきました。
ですから、今の基金のまだ九億円、冒頭のが残っていたり、すごく残っているわけですが、やっていることは、平成五年ぐらいに始まったその事業を今、水土里サークルは事業としてはやっているんですね。ただ、事業のスタートが違ったために単年度主義みたいな形で国やら県とのやり取りをしていかなければならないということですが、こういった基金が一旦流用して、貸し付けて、そしてまた次年度入ってきたら、その基金に貸し付けた部分は返ってくると、そのような取組をすることによって、水土里サークルの単年度の消化は全てやっても、基金からまた運営費を借り入れればいいわけですから、新しい年度のね。そして国からまた交付金が下りてくれば年度末にその基金に返せばいいわけですから、何かそういう仕組みはつくれないものかなと思っているんですが、そこについて、私の質問の仕方が悪いかもしれませんけれども、大体お分かりになられると思いますので、その辺で何か御答弁があれば教えていただきたいと思います。
123 ◯山内むらづくり企画監 資金の運用と多面の組織との基金の活用という御質問だと思うんですけれども、まず、この多面的機能支払交付金につきましては、実は前身の事業がございまして、多面的機能支払交付金は平成二十六年度からスタートしているんですが、その前身の前身になりますが、農地・水・環境保全向上対策という事業が平成十九年からスタートしています。これは、委員も御案内だと思いますけれども、昔といいましょうか、当初は、農家の方が総出であぜの草刈りや水道の管理など共通部分を管理していたわけですけれども、それが農村から農家の方がどんどん少なくなっていって、結いの精神だけではなかなか農地の保全が守っていけないということで交付金をつくって、その交付金を活用するために活動組織ができたという歴史がございます。これが平成十九年度からスタートしていまして、いろいろな変遷を受けて、今の多面的機能支払交付金に平成二十六年度にすり替わったという状態で、実はこの活動組織は、今やっている活動組織は平成十九年度からスタートしているところが非常に多く、増えてはきているんですけれども、その中でやはり持ち越し金という形で、委員御指摘のとおり翌年度の当初の活動資金が、どうしても国が交付決定が五月、六月という形になりますので、当初の三か月間、四か月間は前年度の残りを使っていいですよという交付金では実はあまりない仕組みなんですけれども、それを特別に認めていただいた仕組みになっています。
一方、当初、最初に御説明した基金に関しましては、これは私の説明が悪かったかもしれないんですが、自由に使えるようなことを申し上げたかもしれないんですけど、要は、用途が非常に幅広いということでございまして、この多面の組織と実際にふる水基金を使ってやる事業としての使い道は、今のところ全然違うベクトルのところで動いていますが、持ち越し金を使ってしまったら翌年度の当初がないという御指摘はいろいろなところからも私も伺っていますし、この基金の活用ができるのかどうかは今のところ案はございませんけれども、その活動組織が円滑な運営ができるように、資金の扱いにつきましては今後検討してまいりたいと思っています。以上です。
124
◯鶴薗委員 ですから、一方は十五億円ぐらい積んでちびちびいろいろ活動をやってきて、現在九億円ぐらいまだ残があるわけで、そして幅広いという説明もされるわけだから、むらづくりに幅広い活用と。だけど、先ほど言いました水土里サークルは県下の六百の中で単年度主義でやっていかなければならないと。先ほどと繰り返すようですけど、国はちゃんと交付はしてくれるけれども、六月以降になるから少なくとも三か月ぐらいの運営資金を残さんなやっていけないと。そんな多額ではないですよね、面積やらに応じてですから。そのような中で多額残せば今度は、単年度そんなに活動しなかったのかと一方ではまた指摘される部分もある。やはりそこをね、一方は出ていくけど、一方はまた国から入ってくるわけですから、その国から入ってきたときにはちゃんと借りた分の三か月分を返せばいいわけですよ。その代わり、国の交付、県の交付、そういった部分については単年度で全部使い切るというぐらいの事業をやると。しかし、この基金には全然、一時的に少し運営資金みたいな形で流れるけれども、またそれは戻してもらえばいいわけですから、そのような取組は私はやっていくべきだと。農村を維持する、中山間地を維持する、そんなに悠長なものではないと、今やっている人たちがどこまで続けられるかと、その人たちがやはり運営の仕方で非常に困っていると、しかも、いいことをやっているんだけど、運営上で困っているということがあれば、もう少しその辺は知恵を出してやっていくべきだと、もうこれ以上は押し問答になりますから質問しませんけど、ぜひ新たな取組としてやっていただきたいなということだけは要望しておきます。
畜産課にお聞きしたいんですが、宮崎県で、隣県ですから御承知かもしれませんが、配合飼料を運搬する車ですね、鹿児島県も相当数あるんですが、現場の生産者のところに行ったときに飼料タンクがありますが、それを運転手さんが一々六、七メートルのそこに上って蓋を開けて、そして、残量が幾らぐらい残っているかなというようなのを確認して、そしてまた補給したり、そういったこと等を、危険性も伴いますので、運転手の高齢化もあってですね。宮崎県が県単で、あまり価格はしないと思うんですが、センサーをつけて、それが確認できるような事業をやられたと聞いているんですが、それは御存じですかね、情報として持っていますか。
125
◯福重畜産課長 委員がおっしゃいます、宮崎県が畜産農家の飼料タンクの飼料残量の測定装置等について、国の重点支援地方交付金を活用して令和六年度の予算で導入支援するということは承知しています。
昨日、当初予算の議論等もあったんですけれども、本県ではそのような予算措置はしていませんでしたけれども、委員がおっしゃいますように、飼料タンクは飼料の充填時に高所作業が伴うというようなこともございます。また、飼料が残りが少なくなってから救急に配送を頼むということになると、トラック問題で運転手が少ない中、飼料配送の効率性が下がるということは危惧されるかなと思っています。
そのような中、県内では一部の系列ですけれども、これまで国の飼料穀物備蓄・流通合理化事業を活用しまして、飼料輸送の効率化・標準化の実証と併せまして、二分の一以内の定額で先ほどのセンサーによる飼料残量の測定装置を導入してきたということで聞いています。実際、令和四年度が八十機、それから令和五年度が百五十機導入しているということも聞いています。
委員もおっしゃるように、残量のデータ等につきましては、農場と飼料工場と両方で把握できる仕組みになっているようでして、こういう取組を使いまして計画的な飼料搬送ができて、運転手の確保、それから作業効率の向上に貢献していると私も感じています。
県におきましては、この国の事業もまだ令和六年度も予算措置されていますので、こういった事業の周知等も含めて、また、飼料タンクの遠隔開閉の装置も事業対象になっていますので、この事業の周知に努めることで代えていきたいとは思っています。
126
◯鶴薗委員 ぜひ、鹿児島県もやはり畜産県で、輸送の運転手さんの確保という問題、高齢化という問題、それから対象の餌タンク、これも非常に多いですし、それだけ今、運転手さんたちがタンクを上って確認したりというのは高齢化の中で危険でもありますので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいなと。
令和六年度に宮崎県は国の事業を活用してということでございますけれども、私が持ち得ているのでは、これは宮崎県の県単事業で、実際、運転手さんたちの働き方改革の中でいろいろ課題が見えてきた部分を県単で始められたんですよ。それを非常にいいことだということで国の事業に採択してもらって、これがまた国の事業として下りてきた。
私は、そういった取組はやはり鹿児島県にも求められている部分もあるものですから、同じ県庁レベルで皆さん方の云々を評価するつもりはないんですけれども、隣県ではそのように県単でまず取り組んで、そして、いいことだということで国がそれを取り上げて、国の事業の中でも活用できるようになったということでございますので、県でも今後、令和六年度だけでは済みませんけど、将来に向かってやっていただきたいなというのを要望しておきます。
最後に、終わりたいと思います。農政課長にお尋ねいたします。
今、国で二十五年ぶりの食料・農業・農村基本法の改正について本格議論が始まりました。我が委員会でも昨年の九月、こうした骨子案が示されたことを含めて、議論し、委員会の発議で国にも意見書を提出させていただきましたが、これらの動きの中で、今、農政課長さんで知り得ている分野を確認させていただきたいと思います。
127 ◯後藤農政課長 委員から、基本法の改正の今の情報ということでお尋ねございました。
まず、基本法につきましては、先月の二十七日に改正法案という形で国会に提出されていると承知しています。
概要を拝見すると、基本理念として、まず、食料安全保障の確保ということで新たに規定されていまして、この中には、価格形成の観点で基本理念としまして、持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるようにしなければならないという規定が設けられていましたり、輸出促進が、いざというときに国内に振り向けられる一つの取組という形で新しく規定が盛り込まれていると承知しています。
また、環境と調和のとれた食料システムの確立ということで、先般から御議論いただいているみどりの食料システム戦略、こういう観点で、世界的に温暖化や、環境に配慮した農業をしていかなきゃいけないという機運を踏まえて、先ほど申し上げた環境と調和のとれた食料システムの確立ということが柱として盛り込まれています。
また、国内に目を転じてみれば、人口が減少するという局面を捉えて、人口減少下でも持続的に農業が展開されていけるようにということで、例えばスマート技術を活用した農業の展開や、付加価値の向上、これは知的財産の活用、GIも含めてですけれども、こういったことが盛り込まれています。
さらに、農村の振興という形で、地域社会が維持されるようにしなければならないという観点で、例えば農泊の促進や、農福連携ですけれども、障害者の方による農業活動のための環境整備や、または鳥獣害対策、こういったことも今般の法案の中に盛り込まれているということで承知しています。
128
◯鶴薗委員 今、国でも議論が進められ、先般、農業新聞等にも一面に基本法の改正案なるものが紹介されていましたが、私ども県議会の中で、平成十五年から、それこそかごしま食と農の県民条例という作業を取り組んで、足かけ約二年かけていろいろな団体の皆さん方とも意見交換したり、あるいは当時、新しく就任された伊藤知事がちょうど就任当時でしたけど、知事の公約の食と農の先進県づくり大綱など、何かそのような一つのマニフェスト等とも調整させていただきながら、平成十七年三月に議会で議員提案の第一号として条例を制定させていただいて、そして今、それを基本に皆さん方、かごしま食と農の県民条例、この主立ったのは、五年に一回は基本方針を見直しなさいよと、それと毎年、議会に毎年の取組を御報告くださいというようなこと、それで毎年九月議会に所管委員会に御報告されて、特定調査で我々も検討したりしているわけです。
私もこれに携わった人間の一人で、当時携われた方はほとんどもう議員にいらっしゃらなくて、その責任も感じて質問させてもらっているんですが、我々が条例をつくったのは平成十六年、十七年、この頃ですから、基本的には、食育基本法がその後にできているんですかね、だから、かごしま食と農の県民条例としたのは、この食というのは食育、午前中に米丸委員からも食育の問題が質問が出ましたけど、食育というものに基本を置こうということで、その後、伊藤知事の下で全小学校に、これは全国的にもトップレベルのスタートだったと思うんですが、栄養士を配置して食育教育をやっていただくような、もう今は全国的にそこはどこもやっていると思うんですけど、鹿児島県は飛び抜けて栄養士の配置は早かったと思います。
そのような条例に基づいてそのような流れもできたんですが、ただ、あれからそれこそもう二十年以上、そして今度、新たな食料・農業・農村基本法を二十五年ぶりに改正すると、非常に乖離が出てきているなというのを、私も条例と今の国で議論されている基本法を見てですね、若干時代が進んできていますからね、変えていかなければならないなと、この条例も見直しせないかんなという思いも持っているわけですが、それらについて何か比較対象みたいな検討事項みたいなのは農政課としてされたことはございますかね。
129 ◯後藤農政課長 今、委員おっしゃられたとおり、かごしま食と農の県民条例は平成十七年の三月の議会で上程されて制定されたということで、県議提案で制定いただいた条例ということで認識しています。
今、条例で第一条で目的規定がございますけれども、大きく柱としては四つあるものと考えています。まず、一つが、食育という話もございましたけれども、食、農業及び農村に対する県民の理解を深めるというのがまず一つ目にございます。二つ目としましては、環境と調和した農業の持続的発展というのがございます。三つ目に、活力あふれる心豊かな農村社会の建設、最後に四つ目として、県民の健康で豊かな生活の向上を図ると、これら四つを目的とされていまして、基本的な条例の趣旨、制定の趣旨といいますか目的自体は今もそんなに大きく離れていないだろうと認識しています。
ただ、具体的な施策の柱を一つ見ていくと、当然、平成十七年以降に、国の施策も含めてですけれども、新たに取り組まれた施策がございます。先ほど申し上げたスマート農業もその一つでありますし、輸出などもそのようなものの一つだと思っています。そういう意味では、現行の条例では、趣旨としては入り込んではいるんだとは思いますけれども、具体的な文言としての規定が出されていないものもあると承知していまして、そのような対比といいますか、委員のお尋ねでございましたところは、細かいところまではまだし切れてはいないですけれども、大まかな規定の比較みたいなところは課内ではさせていただいているところでございます。
130
◯鶴薗委員 ぜひその作業は作業で進めていただきたいなと。私も所管委員会は恐らく今日が最後ですから、来年度はまた次の別の委員会に行きますから、この問題を取り上げたんですけど、今、議会でも議長にも御相談しましたし、会派間でもどう進めていくかと。
これは確かに議会提案の第一号の政策提案条例で、そしてこれに基づいて、じゃどういう形で議会が条例づくりができるかというルールづくりをして、今の政策提言活動や、あるいは政策提言の中で条例づくりなど、こういう流れができていますので、当局も、これはもう新しい国の食料・農業・農村基本法の流れとは、変わってきているんだけどなあという御心配もあろうかと思いますので、我々も今、議会でも検討を、どういう形で進めていくかというのを議長から下ろしていただいて、どういうやり方で改正していくかという部分は今後の作業になっていこうかと思っています。
ですけれども、いずれにしても、国の基本法とうちの条例をどう整合性をつけて、文言をつけていくかは、やはり皆さん方の知恵が必要だろうと思いますので、皆さん方は皆さん方の立場で、これは議会がつくった条例ですけど、県の条例ですから、我々の所有物ではございませんので、県はこれに基づいて執行していくわけですから、執行者としての研究という形でぜひ作業を進めていただきたいなという要望をして、終わります。
131 ◯中村
経営技術課長 先ほど鶴薗委員からありました普及職員のタブレットの関係です。
先ほど言った台数なんですが、今現場での活用としましては、職員にそれぞれノートパソコンは配付されていて、ドングルという情報通信の端子をそれぞれ持っていますので、いざというときはそれを現場に持っていってという活用は現在しているところであります。補足でございました。
132
◯福重畜産課長 先ほど鶴薗委員から御質問のありました飼料タンクの御質問ですけれども、少し私の言葉が足りなかったものですから。
県内では、一部の系列が令和四年に八十機、令和五年に百五十機、国の飼料穀物備蓄流通合理化事業を活用してそのような導入をしているということでございます。宮崎県につきましては、令和六年度の当初予算で県単事業ということで、委員のおっしゃいましたとおり県単事業で地方交付金を活用して事業を始めるというような情報は我々も承知しています。
133
◯郷原委員長 ここで、室内の換気を行うため暫時休憩いたします。
再開は、おおむね午後二時二十五分といたします。
午後二時 十六分休憩
────────────────
午後二時二十五分再開
134
◯郷原委員長 再開いたします。
そのほかの県政一般について質問がありましたらお願いいたします。
135 ◯瀬戸口委員 肉用牛改良研究所のことについて質問したいと思いますが、今、種牛の県内における県有牛のシェアは何%になっているのか。それと、ランクがありますよね、スーパー牛は何頭いるんですか。それと、価格はやはり元のままですか、条例が改正されないからなんでしょうけど。一応初めに。
136
◯福重畜産課長 肉用牛改良研究所の種雄牛の件についての御質問でございます。
肉改研の種雄牛の今の県内の雌牛に対する交配の割合ということですけれども、おおむね四割ぐらいの割合になっているかと思います。
それから、種雄牛の価格につきましては、ランクがスーパーのS級、H級、A、B、C、一応今、五ランクに分かれていますけれども、一番高いところが三千百五十円で、Hが約千五百円ぐらい、Aが約八百円ぐらいとなっています。
137 ◯瀬戸口委員 このことについては、なかなか難しいんですけれども、農家の間で、私も昔は人工授精をしましたので、昔はシェアが一〇%ぐらいだったんですね、何十年か前は。もう県有牛は使いはならんどというぐらい民有が多かったんですけど、もう高いときには五〇%を超えていましたよね、人気があるときは。今は四〇%だけど。
だけど、その中で、民有は後払いなんですね、それで県有は現金で買ってやるんですよね。それは非常に農家のために、安い種牛でいいんですけれども、農家の実感としては、前でお金を取るから、現金で取るから、実は毎回お金を出すのが大変だよねというのがあってですね、そのような方もいらっしゃいます。少数頭数はですね。大きい方はまた、今の事業でいいよという感じもあるんですけれども、これらの考え方について、今の六十万円の子牛の平均で民有と同じ二%を取ったら、どのぐらいの収入になりますかね。
138
◯福重畜産課長 先ほど、県有種雄牛のS級の頭数ですけれども、S級の頭数につきましては、今現在で申しますと四頭になろうかと思います。
あと、委員おっしゃいます県有牛の場合は一番高いので三千百五十円ですけれども、民間の場合は二%ということで、六十万円の場合、二%の一万二千円ということになろうかと思いますけれども、民間の場合は子牛市場に上場されて、そのうちの歩合制ということになります。平均的に申しますと、大体、受胎するまでに一・八本ぐらいの精液を使うかと思います。そういった意味合いで申しますと、県有牛のS級であっても五千円超えるぐらいの、上場子牛に換算しますとそういった金額になろうかと思います。
また、委員おっしゃいます精液の代金ということでございますけれども、今のそういった仕組みがある中で、県有牛の精液を民間同様、後納方式に変えた場合、人工授精後に流死産等を起こす場合に代金が回収できないことですとか、あるいは民間種雄牛と同じ二%にすると、農家負担が非常に大きくなるというようなこと、それから会計制度上も、県の会計制度上で申しますと、払い下げた精液の代金の徴収が次年度以降になるということもありまして、現在の特に会計年度の問題の中では非常に難しい状況でございます。
二%にしたときにどのくらいの収入になるかは、今さっと私も計算できませんけれども、現状で、後納の方式にした場合の問題点というか課題については今申し上げたとおりでございます。
139 ◯瀬戸口委員 ですから、今難しいという話がありましたけれども、今の子牛の価格、一万二千円。大体千円とか三千百円が一番高いわけですよね、それで一・八回を掛けたら五千円ぐらい、それで千円の場合は二千円しない。だから、肉改研のやはり改良の予算もそこで稼げるようにやっていただきたいと。というのは、やはりもう少し民間と同じように取っても私はいいと思うんですよね。だけど、前金で払うからなかなかそれが難しいということでございますのでね、肉改研はまだまだ研究の余地を持っていますので、そこに投資していく。それには、自分で稼げと言うのはなんですけれども、その稼いだお金が何とか研究に回るように、そうしたならば農家の方も理解してもらえると思うんですよね。その辺のところはどうですか。
140
◯福重畜産課長 肉改研の精液の収入を試験研究などに活用するというようなこともございます。
今、そのような中で、令和五年度の歳入見込みですけれども、歳入の予算額につきましては、二億円を超えるぐらいで見込んでいますけれども、そのうち、肉用牛改良研究所の試験研究費、それから施設整備等の充当、具体的に申しますと、肉改研の施設整備、それから研究に充てる費用、さらに、畜産関係事業の中で例えば全共の関連予算、それから畜産課が持っています、肉用牛改良研究所で執行するんですけれども、改良の事業、試験種つけをしたりなどといった事業ですけれども、そういったものを合わせまして、こういう事業の充当額が二億円のうち一億九千万円ほどになっていまして、歳入の予算額に対しまして充当をおおむねされているという状況ではございます。
141 ◯瀬戸口委員 大体肉改研の予算は一億九千万円ぐらい、昔からするとだっと落ちているんですよね。昔は三億円ほどあったんです。だからそこでクローンの研究やらいろいろな世界に羽ばたくような研究をやっていたんですね。それがだんだんクローンもなくなって、それで縮小してきてやっているわけですのでね、やはり日本一の生産団地でありますので、もっと画期的な研究をやるというような、そんな夢を持ってやっていただきたいと思うんですけど、そのような考えはないですか。
142
◯福重畜産課長 先ほどの後納制度にできないかというところも含めまして、課題はもちろんございますので、そういったところはありますけれども、ただ、委員もおっしゃいますように全国一の肉用牛地帯でもございますし、先般の第十二回全共でも和牛日本一にもなって、第一区でも肉改研から一席を取った、農林水産大臣賞を取った牛もございます。そういったこともございますので、特に肉用牛の改良は、肉用牛のいろいろな子牛家畜市場の価格などといったものの一番の大もとになるようなことでもございますので、我々も引き続き、財政当局にも要望していきたいと思っています。
143 ◯瀬戸口委員 やはりそれは財政当局にもそのような夢を持ったプランを上げないと、なかなか財政もそんなに勝手にこれだけ使ってくださいというのはないと思いますので、また新しい事業でも立ち上げて、しっかりとした世界に名立たるような研究所にしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
144
◯前野委員 今の瀬戸口委員の肉改研にしろ農開センターにしろ、行政機構の一部なんですよ。会計年度も四月から三月までということで、私は今、お話を伺っていて、研究機関などというのは、民間の研究の成果や、あるいは同様の各県の研究、あるいは企業の研究などといったものが、即取り入れたいということ等もあると思うんです、研究ですから。そうなってくると、今の行政機関の一端でやっていればどうしても会計年度のことを気にしないといけないということがあって、今、国は、農研機構ですよね、ああいう別立てのものをつくっていて、それで予算は恐らく一般会計とは若干変わっていると思うんですけど、よく調べていませんが、今そういった肉改研や農開センターの研究部門などといったようなものを、例えば肉用牛改良研究機構みたいなものをつくって行政の外郭団体みたいな形にしてやって、そして研究費等々については弾力的に使っていけるような会計制度を、何か私は研究してみる価値があるのではないかと思うんです。
ですから、がっちり皆さん方がもう会計規則の中で、会計年度の範囲の中で動こうとするから、次年度に予算要求して、予算がついたら事業を始めていくということで非常に遅れてしまうわけですよね。ですから、そのあたりをできる部門は、今そういったような研究の部門は特殊ですから、そういった会計の仕組みをつくっていくことも、私はほかの県に先駆けてやってもいいような気がするんです。
答弁は要りませんが、そういった会計の仕組みをつくって、研究員の方々がよりスピーディーに、より弾力的にできるようなシステムを構築していってもいいのではないかと思いますので、それは検討課題ということで受け止めていただければ、会計の仕組みがありますから難しいかも分かりませんが、申し上げましたような特殊性ということも含めて、検討する価値があるような気がしますので、どうかよろしくお願いします。
145
◯郷原委員長 ほかに御意見、御質問ございますか。
146 ◯米丸委員 十二ページの農村振興に関する施策についてお伺いしたいんですけれども、こちらの予算なんですけれども、姶良市北山でプロジェクトを一つ行っているということをお伺いしたんですけど、そのことについて少し教えてください。
147 ◯山内むらづくり企画監 北山地区での取組についての御質問でございます。
今、県では、中山間、特に山間地域ですね、非常に高齢化・過疎化が予測を超えるスピードで進んでいまして、この解決を図る施策として、国で事業を行っています農村RMOの組織育成ということに取り組んでございます。
これにつきましては、RMOは直訳しますと地域運営組織、農村RMOというのは農村型地域運営組織ということになるんですが、北山地区におきましては、非常に過疎化・高齢化が進んでいる中で、既存の集落の組織運営ではやはりままならなくなってきているということで、全体の組織運営を一本の大きな組織に再編するということが一つの手段の目的でありますけれども、実際に何をやっていくのかというのは、農村地域では、一つはいろいろな産物等を活用して収益を上げて自分たちで財源をしっかり確保しないといけない、これが一つの産業、それと荒れていくのを抑えるために農地の保全活動をやらないといけない、そして、高齢者がどんどん増えていきますので、一部生活支援もしないといけない、この三つを取り組んでいただいているところです。国の農村RMOの事業もその三つについて取り組む組織を旧小学校単位あるいは旧市町村単位でつくってくださいというのがこの農村RMOの事業でございます。
現在の取組といたしましては、アンケート調査等によって現場の情報を収集し、あるいは専門家を呼んで将来の人口予測といいましょうか、非常に高齢化が進んでいますので、若い人が何人来ないとここは継続できない、そういったシミュレーション、あるいはアンケート調査に基づいて住民を集めてのワークショップ、こういったものを行っていまして、現在やっとビジョンが出来上がりまして、そのビジョンを今から住民の方に説明し、来年度から本格的に様々な実証活動に取り組むという段階になっています。
県といたしましては、農業・農村振興協会内にむらづくりプランナーという専門家を設置させていただきまして、伴走支援を実施しているところですが、ここに関しましては、地域振興局あるいは本庁職員も一緒になって支援を行っているところでございます。
148 ◯米丸委員 私のおいっこも北山小学校に行っているんですけれども、来年もしかしたら学校がなくなってしまうんじゃないかという、地元の子が誰も住まなくなる可能性というのが上がって、うちのおいっこはまだ四年生だったんですけど、学校に行けなくなるとすごく心配していたんですけれども、四人子供がいる方が引っ越してきてくださって存続がかなったんですけれども、やっぱりこの北山地区、本当に皆さん高齢化が進んでいまして、祭りのたびに下場に住んでいる方々が上に上がってきて、皆さんお祭りを支えているという形になっているんですけれども、やはり一つが、これは道路維持課になるんですけれども、やはりそこの村に人口がいないと、道路もずっと要望して直してくださいといってもなかなか直してくれないというところがありまして、本当にこのプロジェクトが成功すれば、他の過疎化の地域にも波及すると思うので、すごく期待しています。
また、米盛部長が姶良・伊佐地域振興局長のときに、県民の森について今回いろいろ手だてしてくださっているんですけれども、やはり県民の森にお客さんが来ないとあそこの道路もよくならないし、あそこを通ると北山のすばらしい暮らしというのも分かっていただいて移住者も増えるんじゃないかなと思うので、ぜひ連携して、引き続き、北山を盛り上げることを頑張っていただければと要望に代えさせていただきます。以上です。
149 ◯山内むらづくり企画監 委員ありがとうございます。
今、実はやっと移住者が決まって、お話あったように学校の存続が決まったところですが、たまたま今回はオーケーでしたけれども、やはり小学校がなくなるというのが農村が急に過疎化が進んでしまうというところもありまして、人も寄せないといけないということもあるんですが、やはり今、一番の問題は、移住してきた方の仕事がないと、この仕事づくりをしっかりやっていきたいというお話です。
あと、県民の森には実は御協力いただいていまして、会合にも何度かご出席いただいて、全体で盛り上げていこう雰囲気が出来上がっていますので、委員にも引き続き御支援をお願いしたいと思います。
150 ◯寺田委員 二点ほど伺います。
隣県熊本に台湾の大きな半導体工場、TSMCという会社がきれいな農地をあっという間に大規模工場にして、そしてそこにたくさんの技術者が移り住んで、今回は第二工場まで決まり、七百人からの台湾からの技術者、そして鹿児島県でも北薩を中心にした技術系高校生がほとんどもうそちらに目が向いていて、鹿児島県内で県内産業に勤める人たちが、まず台湾のTSMCの給与体系や、労働環境、保険、そういったのから先にまず見ていくという現状が出ているんだそうです。
私が何を言いたいかというと、農地をあれだけの短期間にあれだけの大規模なところに変える手だてというのが何か特殊な、農業委員会の許可が下りないと農地は簡単に転用はできないはずなんだけど、あれがああいう時間軸であっという間に動いたのはどうしてでしょうかね。何か知りませんか。
151 ◯上川農地調整監 ただいま熊本の工場団地の農地転用のお話でございますが、詳細な内容はつかんではいませんけれども、一応方法としては、地域未来投資促進法という法律に基づいて、市町村が計画をつくりまして、一年間ぐらいかけて協議した上で農地を転用するというのは可能となっています。
それとあともう一個は、農業産業法、農産法というのがございます。同じく、やはり地域の農村の振興・発展のために調和の取れた計画をつくった上での農地の転用が可能となるというのが二つありますので、そのどちらかだとは理解しています。
152 ◯寺田委員 ありがとうございます。
半導体工場は当然水を使いますから、新聞紙上でもよく取り上げられていますけど、周りの農家の協力がない限り、農業用水を工業用水に使うわけですから、これはもう事業として成り立っていかないわけですね。だから、県が中心になって市町村との協議の上で、それだけの雇用を含めた一つの大きな半導体の製造会社を誘致していくということは、やはり今お話あったように行政体が何らかのアクションを起こさないと私は難しいと思っています。
この委員会の商工で出たのは、鹿児島県ももう少し積極的に企業誘致に働きかけるべきだと、ところがその用地がもうないと。何十年かかったですかね、空港の横の農工団地がやっとあと二区画か三区画まで減るのに。やはりそのような時代の流れの中で産業というのは起こっていって、そして生まれていくものだろうと思っています。
だから、農業用の土地が工業用に転向されるのは、私はそのものを否定するわけではないんです。ところが反面、日本は瑞穂の国と言われていたけれども、やはりそれだけ農用地がある意味では減ってきているのも事実。その背景にいろいろな今言ったような産業構造の変化があるでしょうけれども、片や日本は今度、先ほど来出ている、食と農の農村基本法の改正をしようとしていて、経済的にも食料安保と言われるぐらいしっかり取り組まなければいけないと言われながらも、昨年十一月ぐらいの農業新聞だったですかね、五十年か三十年先は日本は米を輸入せざるを得なくなると。やはりそのことを考えていくと、農業に対する明るい皆様方の取組は非常にありがたいことだけど、そこらあたりまでこの国の農業の実態は差し迫ってきていて、自給率なんていっても、品目は今のところ米だけですよね。
ところが、国は、文面では、食料安保などと言いながらも、実際に日本の農家が生きていけるのかと。牛、豚の餌ですら海外に頼らざるを得ない。それに対しては先ほど来、畜産課からのいろいろな対策やら何やらもありましたけど、やはりそこらあたりのものを、今回の改正案がどういう中身でどういう法体系で出てくるか見えてないんですけど、やはりそこらあたりは、鹿児島は農業県全国二位と言いながらも、農業所得は最後から何番目ですよね。そのギャップは何なのかと。鹿児島県の農政をリードされてきた皆さん方が、鹿児島県農政部が鹿児島県の農業の将来を一体どう見ているのか。農業人口はどんどん減っていますよ。耕作放棄地はどんどん増えていっている。今でも増えている。先ほど米丸委員が言われたけど、集落の存続ですらままならない時代が来ている。農家が土地を離れてしまったら、もう農家じゃないですね。
そういった面では県の農政の皆さん方が、法体系があると、一定のものが出来上がると、それを当然遵守しながらやっていかなければいけない実情はよく分かりますけど、やはり農業に対する本元の心構えを皆さん一人一人が持っていただいて、対応していただきたいなと強く僕は思っています。
先ほどの話もありましたけど、この前の新聞で日本製鉄が三万五千円、いろいろな大きな企業がどんどん働き方改革で、労使交渉の中で労働が提示したものを超える回答が出ている。そんな世界が日本の農業の中に出てくるんだろうかと、朝から晩まで汗して働いて、機械はどんどん高くなり、そして、私も農協の組合員の一人でもあるけれども、肥料等もどんどん上がってくる。それを使わざるを得ない状況になってきつつあるのに、戦後の農業が、今でこそ有機などとという形でこれまでの質問の中でもありましたけど、農業の体系が変わるかもしれませんが、原則、原点をもう一回見直す時期が来ていると思うので、ぜひ県の皆さん方も農業の実態を先が見える形になるように、少しでも先が見えるような形になるようにお願いしたいと思っています。
私がプレゼントした米が、米丸委員が「おいしいです」と言ってくれました。黒鳥課長、米丸委員が食べたお米は、あのカミチクにキロ二十円で買ってもらったその米と一緒なんです。ありがたいことにほかの議員も「寺田さん、うまかったど。やはりちごな」と言ってくれる。本当に僕は米作りに手は抜いてないんですよ。だけど、気象状況でそれだけ変わることがあるということを頭の中に置いた上で制度設計しないと私はいけないなと思いますので、ぜひこれからの鹿児島の農業の在り方を何とか皆さん方、再度、原点に返った対応を各分野分野でしていただきますようにお願いします。以上、終わり。何かコメントでもありましたら。部長、今まで答弁がなかったから、いよいよですね。
153 ◯米盛農政部長 大変貴重な御意見ありがとうございました。
御存じのとおり鹿児島県の基幹産業である農業に対して、私は専門家ではありませんけど、農政部は専門家集団、普及、研究、畜産も獣医師も含めていますので、総力を結集して、知事がいうところの「稼ぐ力」の向上、それと若い方が、担い手の方が未来に希望を持って就けるような職業としての農業というものの振興に引き続き取り組んでまいりたいと考えています。(「よろしくお願いします。終わります」という者あり)
154
◯郷原委員長 ほかに何か。
155
◯鶴薗委員 私も、寺田委員の発言、それから部長の答弁で本当は締めくくったほうがいいかもしれませんけど、最後に、今度、農政部の中で畜産課が八十年ぶりに改編されました。私どもはその趣旨かれこれはある程度は聞かされているんですが、部長に確認する意味で、畜産課が二つの課に分かれるというか、機能充実という言葉を使ったほうがいいかもしれませんが、これの狙いと、それから聞くところによりますと、人員配置も専門職を含めて増員されるような話等も聞くんですが、そこを部長でまとめて御答弁していただければありがたいなと思います。
156 ◯米盛農政部長 今、お話のありました畜産課を畜産振興課と家畜防疫対策課に分割といいますか再編するわけでございますが、御存じのとおり、高
病原性鳥インフルエンザ、豚熱、また韓国ではアフリカ豚熱も侵入が非常に危惧されているということで、家畜防疫と畜産の振興というのは車の両輪でございまして、現在の畜産課は、非常に輸出もしていますし、畜産振興もしている、防疫もしているということで非常に組織も大きくなって、また畜産課長の役割も多岐にわたって非常に負担が大きいというのもありますし、それと家畜防疫員の体制強化ということで、人員的には全体で両課合わせて四名、防疫が三名増えて、畜産振興課が一名増えるということで体制的に強化されます。引き続き、今申し上げたように家畜防疫と畜産振興、この二つの柱で本県の約七割の農業生産額を誇る重要な畜産業にきちんと対応していきたいという趣旨での組織改正でございます。
157
◯郷原委員長 ほかにございますか。
[「なし」という者あり]
158
◯郷原委員長 ほかにないようですので、県政一般の調査を終了します。
以上で、当委員会に付託されました議案等の審査は全て終了いたしました。
委員長報告につきましては、文案は当席に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
159
◯郷原委員長 異議ありませんので、そのようにいたします。
次に、鹿児島県議会会議規則第七十五条の規定に基づく閉会中の委員会活動についてお諮りいたします。
請願・陳情以外の案件に係る閉会中の継続審査事件については、商工業振興対策について、労働対策について、水産業振興対策について、農業振興対策についての四項目といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」という者あり]
160
◯郷原委員長 御異議ありませんので、そのようにいたします。
それでは、本日で、農政部の皆さんと私ども委員による
産業経済委員会は最後となりますので、当席及び副委員長から一言御挨拶を申し上げます。
昨年四月に産業経済委員長を拝命し、この一年間、委員の皆様、執行部の皆様方には委員会の運営にいろいろと御協力いただき、誠にありがとうございました。
本委員会は、商工、労働、農業、水産業と幅広い分野を所管する委員会でございますが、今年度の委員会審議は、原油価格・物価高騰に係る経済対策や人材の確保・育成、「稼ぐ力」の向上に関する議論が中心となりました。
とりわけ、県産農畜産物の販路拡大に向けた取組、豚熱ワクチン接種の対応、
鳥インフルエンザの防疫対策、さらには食料安全保障など、県政の重要課題に誠実に向き合えてこられたのではないかと思います。
県外や離島を含めた五回の行政視察では、農協や生産農家、畜産農家などに伺い、現地調査の上、関係者の方々と意見交換を行いました。
また、南九州畜産獣医学拠点は、先週、開設式に出席させていただき、改めて高い機能性に夢のある取組だと再認識しましたし、また、県立農業大学校の卒業式に出席させていただき、六十名の卒業生の門出に立ち会わせていただいたことも大変感動的な場面でございました。
皆様方の今後の御活躍を祈念申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございました。(拍手)
それでは、前野副委員長お願いいたします。
161 ◯前野副委員長 農政部の皆さん、私は足かけ三年間この委員会で仕事をさせていただきました。もう思い出は、今、委員長からありましたとおり、カライモの基腐病という、もう鹿児島の農業はどうなるんだろうかというような事態も経験させていただきました。それがあるのも耕種農業が主体の大隅の出身ということで本当に深刻な問題に直面してきましたけれども、皆さん方の御尽力、御指導で何とかほとんど入らないような状況に今年はなったわけであります。そういった意味では、農家の皆さん方も安堵している。しかし油断は禁物なわけですから、引き続き、予算にも反映させていただいていますけれども、基腐病の関係も引き続き予算化をしていただいて、それらを執行していただくことになっているところです。
この三年間の委員会の中で、各委員長をどれだけ支えられたか分かりませんけれども、私どもは、ここにいらっしゃる委員の方々は少なくとも皆さん方よりも県民の皆さん方と向き合う時間が長い、そしてお話を聞く機会も多いと思っています。そういった意味は、今日様々な意見が出ましたけれども、やはり現場に根差した声だと思うんです。そのことを、行政にいらっしゃいますから、なかなかそのようなことはかなわないかも分かりません、時間の関係で。しかしながら、我々は少なくとも自分の考えだけで物を言っているのではなくて、農家の皆さん方、あるいは商工業の皆さんの声をお聞きして、現場の声を聞いているということも御理解いただければ本当にありがたいと思っているところです。
行政は行政の仕事があります。現場はまた、作った作物が病気にかかったり、あるいは冷害に遭ったり、あるいは高温障害に遭ったりすれば収入がゼロなんです。こういう最前線にいる方々と我々は話をして、そしてこういう場で代弁しているということもぜひ御理解いただいたらなと思っているところです。
時には厳しいことも申し上げましたけれども、今、寺田委員がいみじくもおっしゃいました。鹿児島のそれこそ産出額が北海道に次ぐ二位です。今日は畜産の問題が相当出ましたけれども、その産出額のほぼ六割、七割は畜産が占めているんです。ですから、私は、畜産に特化した県政あるいは県の取組は県民の皆さん方は理解していただけると思うんです。これだけ、日本で一、二番だというぐらいの畜産県鹿児島ということを認識していただいていますから、予算として特別に色がついても県民から批判を受けるということは私はないと思います。もちろんほかの事業があるわけですから、そのことも含めて県民の皆さん方は理解いただけるんだろうと思っているところですから、どうか自信を持って農業政策に取り組んでいただいて、必要な予算を要求するということをしていただければ、我々も今度は議員として皆さん方の思いも受けて、財政当局あるいは知事にも直訴はできる、あるいは考え方も聞けるという立場にあるわけですから、どうか鹿児島の農業、あるいは商工業も含めて頑張っていただきたいということを最後にお願い申し上げて、この間、賜りました皆さん方の御支援に心から感謝を申し上げて、お礼の挨拶にさせていただきます。
本当にありがとうございました。(拍手)
162
◯郷原委員長 それでは、最後になりましたが、執行部を代表して米盛農政部長に御挨拶をお願いいたします。
163 ◯米盛農政部長 農政部を代表いたしまして一言御礼申し上げます。
郷原委員長、前野副委員長をはじめ、委員の皆様にはこの一年間、本県農政の施策に当たりまして、当委員会での御審議や、また、行政視察等を通じまして様々な角度から御指導、御意見を賜りましたことに感謝申し上げます。
この一年間、特に委員会におかれましては、先ほど郷原委員長からもお話出ましたけれども、子牛価格の低迷への対応、鹿児島黒牛をはじめとした県産農畜産物の販路拡大の取組、また飼料や肥料など生産資材の高騰への対応、家畜防疫、植物防疫に関する取組など、委員の皆様の御意見、御指導などを踏まえまして、各般の施策を進めることができました。
また、本県の農業にとりましては、今年一年は、先ほど申し上げた子牛価格の低迷や生産資材の高止まりなどのほかにも、台風六号の襲来、また九州初となる佐賀県での豚熱の発生によるワクチンの接種、また高
病原性鳥インフルエンザも、今シーズンは二例で済みましたけど、農家さんにとっても大変厳しい様々な出来事のあった一年でございました。
一方、明るい話題としましては、先ほど来からお話出ていますけれども、令和四年の本県の農業産出額が過去最高の五千百十四億円と六年連続で全国二位、また、輸出も三百二十七億円とこれも公表以来最高額を更新したところであります。
また、全国の茶品評会では、普通煎茶十キロ部門において南九州市が最高賞の産地賞を受賞して、二十年連続で本県が同賞を受賞していますし、また、豊かなむらづくり全国表彰事業では、高隈地区コミュニティ協議会が農林水産大臣賞を受賞するなど、関係者の皆様の御努力が実を結ぶ成果もありまして、本県農業の今後に期待が持てる部分もあった一年でありました。
このような中、先ほどもお話が出ましたけど、国では、食料安全保障の確保などを柱とした食料・農業・農村基本法の改正案が先日国会に提出されたところでありまして、今後とも国の動きを注視していきますとともに、農政部一丸となって、農業をめぐる様々な課題に取り組みつつ、我が国の食料供給基地としての役割を果たしてまいりたいと考えています。
また来年度は、和牛日本一鹿児島のPRや、かごしま茶の魅力発信等にも取り組みまして、本県農業の「稼ぐ力」の向上に引き続き取り組んでまいりますので、委員の皆様方には、様々な観点から、引き続き御指導、御支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
最後になりますが、委員の皆様の今後ますますの御活躍と御健勝を祈念いたしまして、お礼の挨拶とさせていただきます。
この一年本当にありがとうございました。(拍手)
164
◯郷原委員長 ありがとうございました。
以上で、
産業経済委員会の日程は全て終了いたしました。
これをもちまして、
産業経済委員会を閉会いたします。
御苦労さまでした。
午後三時六分閉会
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