中村素子君に発言を許可いたします。
[中村素子君登壇](拍手)
3 ◯中村素子君 皆様、おはようございます。阿久根市・出水郡区の中村素子でございます。
さきの
県議会議員選挙で、無投票という形で二期目再選していただきました。新たに与えていただきました四年間、これまで以上にしっかりと職責を果たしてまいりたいと思います。
さて、一期目初めての一般質問の第一声で、「私は、阿久根市民、長島町民合わせて約三万三千人の声を背負って、この議場に立っております」と御挨拶申し上げました。あれから四年、三万三千人の人口は、今や三万四百人となっております。急速に進む人口減少と向き合いながら、それでも地域の活力を支えんと真面目に必死に汗をかいておられる多くの市民、町民の皆様がおられます。これからの四年間もその声に誠実に向き合い、この議場に届けることで、地域の発展、そして地域の発展の上に初めて実現する県勢の発展に力を注いでまいります。
それでは、早速、通告に従い質問してまいります。
まず初めに、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策について伺います。
近年、激甚化する災害により、全国で大きな被害が頻発している状況から、特に緊急に実施すべき対策として、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策が昨年十二月に閣議決定されました。その背景にあった激甚化した災害として、昨年の七月豪雨、台風二十一号、大阪府北部地震、
北海道胆振東部地震等が挙げられています。
七月豪雨では、西日本から東日本にかけての広い範囲で記録的な大雨となり、特に西日本を中心に多くの地域で河川の氾濫、浸水被害、土砂災害が発生し、死者は二百人以上に上り、平成最悪の水害とまで言われました。
また、台風二十一号では、大阪湾などで記録的な高潮となり、関西空港の滑走路や
ターミナルビルが浸水し、連絡橋にはタンカーが衝突して五千人を超える人が空港に取り残される事態となりました。
さらに、
北海道胆振東部地震では、最大震度七という大きな揺れで山の土砂が一気に崩れ、広範囲にわたり山肌があらわになった光景が記憶に新しく、住宅地では液状化が、農業用ダムでは水路が埋没し、水があふれ出す危険が生じました。
こうした甚大な災害に対し、事前の対策で被害を最小限に食いとめようと、国は、防災のための重要インフラ、国民経済・生活を支える重要インフラについて、ハード・ソフト対策を三年間で集中して実施するための予算を計上しました。ハードに約三・六兆円、ソフトに約三・四兆円、合計約七兆円という大型予算で、平成三十年度の補正予算から既に執行が始まっています。
我が県でも、先月の屋久島での大雨や昨年の硫黄山噴火、相次ぐ台風等での被害が発生しております。また、熊本地震による影響も受けました。多くの活火山を有し、地質的にもシラス土壌であること、台風の常襲地帯であることを考えれば、いつ、どこで先ほど申し上げたような激甚災害が起こってもおかしくない状況です。また、
南海トラフ地震でも被害が想定されていること等も考えれば、防災・減災の措置を早急に施す必要があります。
地域の住民も、国が打ち出した緊急対策には敏感に反応し、身の回りにある
災害危険箇所の整備が数年で一気に進められていくのではないかと期待を膨らませています。
私もこの二カ月余りで、地元からの要望を受け、大雨と大潮が重なったときに浸水被害を生じる河川の現場を二カ所ほど視察いたしたところです。見回せば、防災・減災の対策が必要な箇所は県内各地に相当数あるのではないかと感じています。
そこで伺います。
まず、
環境林務部関係についてです。
環境林務部関係におきましては、治山事業の対象としている県内の
山地災害危険箇所数についてお示しください。
また、今回の三か年緊急対策の中、どのような考え方のもと、何カ所の事業を実施する予定であるのか、お示しください。
次に、
商工労働水産部関係についてです。
漁港における防災・減災対策の取り組みについてお示しください。
また、このうち、今回の三か年緊急対策における現在の
取り組み状況をお示しください。
さらに、農政部関係について、本県にある
農業用ため池の数と、そのうち、公共施設や人に被害を与えるおそれのあるため池の数をお示しください。
また、そのため池による被害を防止するため必要な県の取り組みをお示しください。
最後に、土木部関係について、道路、河川、砂防における防災・減災対策の現状と課題をお示しください。
また、今回の三か年緊急対策における
取り組み状況もお示しください。
なお、五番目の質問に関しましては、昨日の田中議員の質問と重複いたしますので、割愛します。
次に、
外来種対策条例についてお伺いいたします。
本年三月、県は、本県の豊かな生物多様性の保全を図るため、
指定外来動植物による鹿児島の生態系に係る被害の防止に関する条例を制定しました。
これに先立つ昨年十月に、指宿市と私の地元であります阿久根市で相次いでアライグマが確認されました。その後、周辺地域を含めた調査が行われましたが、幸い、さらなる生息の確認には至らなかったところであります。
アライグマは、全国的に分布を拡大してきており、九州においては本県と沖縄県以外では定着が確認されており、本種が定着した地域においては、スイカ、トウモロコシ、イチゴなどの農作物被害や
生活環境被害などが発生しているところであり、本県に定着すると甚大な被害が発生すると想定されています。
アライグマは、国の外来生物法で
特定外来生物に指定されており、本条例の対象ではないようですが、もともとその地域には見られない動植物で、外から侵入したり、持ち込まれたりして、それが定着すると、在来の野生生物を駆逐したり、農林水産業や私たちの日常生活に被害を及ぼす可能性があることについて、改めて認識を深める機会となりました。
このように外来生物の問題は、国の
生物多様性国家戦略や県の
生物多様性鹿児島県戦略において、農林水産業や観光といった私たちの暮らしや発展を支える生物多様性の保全にとって、大きな危機の一つとされています。そのため、国による外来生物法に基づく取り組みとあわせて、条例に基づく取り組みを県民各層の参加を得ながら強化し、進めていく必要があります。
そこでお尋ねします。
三月末に条例が制定され、四月一日から施行されたところでありますが、種の指定までの今後のスケジュールについてお示しください。
条例は制定されましたが、県民、事業者等が条例の内容を理解することが重要であると考えます。そこで、今後、普及啓発にどのように取り組んでいくのか、お示しください。
条例が制定されたことにより、奄美・沖縄の
世界自然遺産登録にも資すると考えますが、その点について県の考えをお示しください。
防除については、これまでも県内各地において草の根活動で行われています。今後、条例の制定を受け、このような民間活動との連携を含めた外来種の防除についてどのように取り組むのか、お示しください。
これで、一回目の質問を終わります。
4
◯環境林務部長(藤本徳昭君)まず、治山事業における防災・減災の取り組みについてであります。
県におきましては、山地崩壊等により公共施設や人家に被害を与えるおそれのある箇所を
山地災害危険地区としており、その数は、平成三十年度末現在、九千七百五十六カ所となっております。このうち五千八百三カ所については、既に治山事業を完了あるいは事業に着手済みであり、整備率は約六〇%となっております。
今回の防災・減災のための三か年緊急対策においては、特に災害発生の危険性の高い箇所等約千八百カ所の緊急点検を行うなどした上で、治山施設の設置三十九カ所、海岸防災林の整備八カ所、流木対策の実施四カ所、合計五十一カ所を選定し、昨年度国に報告したところであります。
このうち、平成三十年度補正予算で四カ所、令和元年度当初予算で七カ所が採択され、緊急対策分として既に事業に着手しているところであります。
次に、外来種対策に係る条例についてのお尋ねのうち、まず、種の指定までのスケジュールについてであります。
本年三月に制定いたしました、
指定外来動植物による鹿児島の生態系に係る被害の防止に関する条例につきましては、本年四月一日に施行したところであります。
現在、同条例に基づき、
指定外来動植物による生態系に係る被害の防止に関する基本的な考え方、選定・防除に関する基本的な事項などを定めた
指定外来動植物被害防止基本方針案を検討しているところであります。
今後、同基本方針を定めた上で、外来動植物の分布状況、在来生物への影響、効果的な防除方法等について、
学識経験者等からの意見を聴取し、候補となる種を選定したいと考えております。
その上で、県環境審議会への諮問、指定案の告示等の手続を経て、本年末を目途に最初の指定を行う予定としております。
普及啓発にどのように取り組むのかについてであります。
外来種に係る問題は、国、県、市町村等の取り組みに加え、県民の方々を初め、外来動植物の販売等を行う事業者、本県を訪問する旅行者など、幅広い関係者の主体的な取り組みと協力が不可欠であると考えております。このため、条例においては、県の責務として、
指定外来動植物による生態系に係る被害の防止の必要性について、県民等の理解を深めるよう適切な措置を講ずるよう努める旨を規定しているところであります。
県といたしましては、条例の内容や
指定外来動植物の適切な取り扱い等について、県・市町村のホームページ、広報誌、ポスター、パンフレットなどのさまざまな広報媒体を活用し、広く県民の方々等への周知を図るとともに、特に、事業者に対しては、
指定外来動植物購入者に対する
説明用リーフレットを提供するなど、実効性のある取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、奄美・
沖縄世界自然遺産登録への貢献についてであります。
昨年五月の
国際自然保護連合─IUCN─の勧告においては、ノネコ以外の外来種についても対策を拡充して実施することが求められております。
本条例は、県全土を対象としているものの、特に島嶼部において問題となっている国内や県内由来の動植物についても、規制対象となる地域を定めて指定し、飼養等に当たっての適正な取り扱いを義務づけることを可能とするものであります。
このため、IUCNにおいても、奄美・徳之島の生態系の保全に寄与する制度として高く評価していただけるものと考えており、今年夏から秋にかけて予定されております現地調査の際にも、その取り組みを十分説明してまいりたいと考えております。
民間活動との連携についてであります。
外来動植物の防除については、国、県、市町村に加え、県民の方々、事業者、民間団体等が適切な役割分担のもと、侵入予防や定着種の駆除に取り組むことが重要であります。このため、本条例におきまして、県は、
指定外来動植物による生態系に係る被害の防止に関する自発的に行う活動について、必要な助言、指導、その他の支援措置を講ずるよう努める旨を明記しております。
この規定を踏まえ、誰にとってもわかりやすい防除方法等を記載した
マニュアルづくりを進めておりますほか、防除に関する必要な助言・指導を行う
外来動植物対策推進員を配置したところであります。
さらに、今後、観光客の方々も参加した防除の可能性についても検討したいと考えています。
県といたしましては、本条例の施行を契機として、外来動植物による生態系に係る被害の防止や生物多様性の保全に、より一層努めてまいります。
5
◯商工労働水産部長(五田嘉博君)
漁港整備事業における防災・減災の取り組みについてでございます。
漁港整備事業におきましては、今後想定される
南海トラフ地震等の大規模地震やそれに起因する津波等に備え、平成二十六年度から、流通、生産及び防災の拠点となる二十六漁港で、地震・津波に対する安定性に係る機能診断を進めております。
国土強靱化のための三か年緊急対策の取り組みについては、この二十六漁港のうち、水揚げ量八千トン以上の流通拠点及び防災拠点を対象とし、阿久根漁港など五漁港の二十九施設について点検を行ったところであります。その結果、調査中の七施設を除いた二十二施設のうち十三施設については、耐震等の基準を満たす必要があり、現在、阿久根漁港や薄井漁港の陸揚げ岸壁など五施設について、緊急対策分として事業実施しているところであります。
6 ◯農政部長(満薗秀彦君)
農業用ため池における防災・減災の取り組みについてでございます。
昨年七月の豪雨等を踏まえ、国において、決壊した場合の浸水区域に家屋や公共施設等が存在し、人的被害を与えるおそれのある
防災重点ため池の新たな選定基準が示されたことから、県では本年五月末に、県内にある六百二十五カ所のため池のうち、二百四十八カ所を
防災重点ため池として選定したところでございます。
これらのため池による被害を防止するため、県におきましては、今後、ため池マップや、ため池が決壊した場合を想定した
浸水想定区域図を作成するなど、緊急時の迅速な避難行動につなげる対策に取り組むこととしております。
また、市町村と連携しながら、決壊した場合の影響度に応じて優先順位をつけて、
ハザードマップの作成や施設の補強対策等に取り組んでいくこととしております。
7 ◯土木部長(兒島優一君)道路、河川、砂防における防災・減災の取り組みについてでございます。
本県は、台風常襲地帯やシラス地帯にあるなど、地理的・自然的に大変厳しい条件下にあり、これまでも台風や集中豪雨等により大きな被害を受けていることから、
災害未然防止のための対策に取り組んでいるところでありますが、本県の社会資本整備は今なおおくれており、防災・減災対策をより一層推進する必要があると考えております。
このため、今回の、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策として、洪水氾濫を防止する河道掘削を約四十河川、土砂災害から避難所等を保全する砂防堰堤等の整備を約六十カ所、
緊急輸送道路等における
道路のり面対策を約五十カ所で実施することとしております。
県といたしましては、安心・安全な県民生活の実現を目指し、大規模な浸水、土砂災害等による被害の防止・最小化や、災害時の避難や救助に不可欠な
交通ネットワークの確保などに資する社会資本の整備に集中的に取り組んでまいります。
[中村素子君登壇]
8 ◯中村素子君 それぞれ御答弁いただきましたが、コメントは最後にまとめていたしたいと思いますので、次の質問に入ります。
まず、中
山間地域等集落活性化対策についてお伺いいたします。
以前も申し上げましたが、私は、県本土の中でこの議場から直線距離で一番遠い選挙区から参っております。そして、その一番遠いところにある中山間地域の集落に住んでおります。中山間地域の暮らしというのは、ここ鹿児島市内を初めとする都市部の暮らしとは随分異なると思います。
少し御紹介いたしますと、集落の住民は、先祖から引き継いだ田畑を大事に耕し、同じく先祖から引き継いだ森林・竹林を手入れしてきました。田畑でとれた米や野菜、近くの海で釣った魚は、今でも隣近所と分け合っています。
町から離れているため、買い物も病院も車がなければ行くことができず、一人一台ずつ車を所有する家庭も少なくありません。車を持たない人がいれば、近所の人が車に乗せて買い物や病院の送り迎えをします。
町へ続く道路は、年に数回住民総出で草刈りし、集落を彩る花の植栽を高齢者が中心になって行っています。大雨や台風のときなどは、住宅や農業用ハウスの養生、船の係留等について互いに注意喚起の声をかけ合い、必要な手助けをし合っています。
集落の誰かが入院すると、庭木の水やりや草取り、家庭菜園の管理なども近所の人が行います。葬式があれば葬儀の段取りも隣近所が手伝い、遺族を支えます。集落のささやかな楽しみである新年会、花見、敬老会等もみんなで準備し、伝統を守ってきています。
このように、私たち中
山間地域集落の住民は強いきずなのもとに、お互いの息づかいを気にかけながら、見守り合い、協力し合って集落機能を維持し続けてきました。恐らく県内どこの中山間地域の集落も同じような暮らしが営まれているはずです。
しかし、こうした集落の機能は、少子高齢化とともに維持が大変困難となり、今後、目に見えて機能低下の一途をたどる状況にあります。
県内の中山間地域、過疎地域、条件不利地域にある集落の数は、四千七百近くと承知いたしております。その集落のほとんどが、既に多くの空き家と耕作放棄地を抱え、森林・竹林は手入れがなされず荒廃し、放置され、寂れた光景と化しています。かつてのみずみずしい田園風景を取り戻したいと願っても取り戻せない。それどころか、どんどん体力を失っていく集落の現状に頭を抱えているところがほとんどではないかと考えています。
私の集落を見ましても、わずか百戸余りの集落に十戸以上の空き家を抱え、住民は七十代、八十代が大半を占め、四十代は私を含めて二人しかおりません。これからの数年で住民の数は激減し、今まで集落で行ってきたさまざまな機能維持のための作業は、一人にかかる負担が二倍にも三倍にもなり、間違いなく支え切れなくなります。
こうした我が県の中山間地域等の実情を背景に、昨年、県議会は、県執行部に対し、
政策立案推進検討委員会から提案を受けた、過疎・中山間地域の地域力強化について政策提言を行いました。私も
ワーキングチームのメンバーとして提言案策定に携わってまいりました。
我々議会の政策提言を受け、県は昨年八月、推進本部会議を立ち上げ、ことし三月には中
山間地域等集落活性化指針を策定しています。
県が策定した指針を見せていただきました。あらゆる角度から集落の活性化を考え、今後推進しようとする施策は多岐にわたり、全庁挙げて集落活性化に取り組もうとしていることを高く評価したいと思っています。
しかし、一方で、若干総花的な印象も拭えません。この指針のタイトルをそのまま、鹿児島県の県土づくりと変えても、全く違和感がないわけです。このことはつまり、中山間地域にある集落の活性化が
県土づくりそのものであるということを意味しているのだと思っています。この指針を策定しながら、県執行部の皆様もきっとそのことに気づかれたと思います。
県土の一番の基礎をなす中山間地域等の住民は、集落機能の活性化はおろか、今後の維持・存続すら危ぶまれる中で、将来の不安を抱いて生活しているということに思いをはせながら、以下、質問してまいります。
まず、この指針に書かれた政策目標は、ある程度強弱をつけ、また時間的な段階を設けて展開されていくものと考えますが、この指針の中で県が一番力を入れる取り組みは何か、お示しください。
現在、既にこの指針に基づいて動き出している取り組みをお示しください。
集落存亡の危機は待ったなしです。短期間で目に見える効果を出していかなければならないところがあります。短期的効果として県はどういうものを目指しているのか、お示しください。
今回の指針の中で、関係人口という新たな概念が登場しています。総務省によれば、関係人口とは、移住した定住人口でもなく、観光に来た交流人口でもない、地域や地域の人々と多様にかかわる者と定義されています。
そこで、県は、この関係人口をどのように確保、増加、定着させていこうと考えているのか、お示しください。
また、当該指針による取り組みを進めていく上で市町村との連携は不可欠です。市町村との連携をどのように図っていくのか、お示しください。
最後に、中
山間地域集落の住民を代表いたしまして、県が今後、この活性化指針にどのような姿勢で取り組んでいかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。
続きまして、種苗等の
海外流出防止対策について伺います。
まず、畜産についてです。
一昨年、鹿児島黒牛が
全国和牛能力共進会において日本一を獲得してから、国内外で鹿児島黒牛の認知度は高まり、関係者も大いに活気づいていることを感じます。特に、輸出に関しましては好調に推移しており、海外での評価の高さから、今後ますます輸出拡大するであろうとの期待が高まっております。
こうした和牛人気の高まりの中で、和牛の受精卵や精液を中国に流出させようとしたとして、ことし三月、徳島県の畜産農家の男らが
家畜伝染病予防法違反で逮捕されたというニュースは、日本中に大きな衝撃を与えました。私自身もこのニュースを聞いたときに、激しい憤りに目まいがいたしました。
和牛に対する現在の国内外からの高い評価は、畜産農家や自治体等が長年多くの困難を乗り越え、品種改良を重ね、地道に肉質の改良を進めてきた結果であり、一朝一夕にはつくり出し得ないその種は、農家の血と汗と涙の結晶であり、何物にもかえがたい宝であります。
24 ◯総務部長(平木万也君)再発防止の検討に当たっての再度の御質問でございます。
委員御指摘の点につきましては、まさにこれから、再発防止の検討の会をどういったメンバーで構成するのか、また、構成されたメンバーの中でどのように検討会を運営していくのかといったことが、これから議論されていくということだと思います。再発防止の検討に当たりましては、まさに今、検討体制等を検討中ということでございます。
[上山貞茂君登壇]
25 ◯上山貞茂君 次の質問に入ります。
瀬戸内町嘉徳海岸の護岸工事についてでございます。
先日、県が護岸工事を進めている瀬戸内町嘉徳海岸を視察してまいりました。
二〇一四年に同地区を襲った相次ぐ台風により、砂丘侵食が進み、集落の突端にある墓地が流出する危険を訴えた住民の方々からの要望があり、専門家を交えた検討委員会の結論を踏まえて、墓地を中心に延長百八十メートルの護岸整備─恒久対策─が決定され、ことし三月から工事が始まっています。予算総額は三億四千万円、五年かけて整備を行い、今年度は三千万円が計上されているとのことでした。
しかし、嘉徳海岸を見ますと、五年前の侵食状況からしますと、砂浜が回復しているのが一目でわかりました。お配りしています資料を見ていただければおわかりかと思います。
二メートルほど露出していた砂流出を抑制するための大型土のうが砂で埋塞し、浜辺は砂の緩やかな勾配を保っていました。
県は、埋まっている大型土のうから沖合の地点に、高さ六メートルの場所打ち護岸コンクリート擁壁を施工し、さらに、管理用道路として幅二・五メートルの水たたき舗装を施すとしています。そして、護岸コンクリート擁壁から海岸に向かって砂をかぶせ、アダンを植えつけることによって砂丘を保持しようとするものです。検討委員会で、海岸侵食対策として耐用年数が長い重力式の護岸コンクリート擁壁を恒久的対策として施工することが選択されたからです。
しかし、護岸コンクリート擁壁での施工方法を知らなかった住民も少なくなく、護岸コンクリートと聞いて残念な思いをしている方々も少なくないと聞かされました。
今回の護岸工事の目的は、護岸コンクリート擁壁を施工することによる侵食防止対策及び砂丘の復元だと受けとめていますが、それでよろしいのでしょうか。
また、工事施工に当たっての、住民説明会の開催状況についてもお答えください。
嘉徳海岸の護岸工事については、日本自然保護協会や、奄美の森と川と海岸を守る会、奄美をよくする市民会議あるいは県外の環境保護団体と見受けられる団体からも、工事の見直しを求める意見や投書が多く発出されています。その方々が一様に主張しておられるのは、砂丘はそれ自体が防災効果を持っており、護岸コンクリート擁壁などの人工構造物ではなく、生態系を基盤にした防災・減災の考え方、自然が持つ力を利用した方法を求める意見です。
事実、嘉徳海岸でも、侵食と堆積を繰り返しており、現在かなりの程度で砂浜の堆積回復が認められると思いますが、これらの自然回復力の現状について、県の見解を求めます。
また、海岸の潮と高波の作用が、かたい構造物である護岸コンクリート擁壁と、やわらかな海岸の境目を攪乱し、海岸から砂浜が削り取られることを危惧する意見もあります。
護岸コンクリート擁壁が砂の堆積を損なうという指摘に対しての県の見解を求めます。
今日、生態系を活用した防災・減災という考え方、あるいはグリーンインフラという考え方が注目を浴びつつあります。自然の持つ多様な機能を活用することを促すもので、自然環境を守るというより、その多様な機能を生かすという視点が重視されているものです。
お手元の資料に、国土交通省の新技術情報提供システム─NETIS─が提供している新技術工法の一つ、ラグーンマットの写真があります。亜鉛メッキと特殊配合ポリエチレン樹脂の二重防食効果により、長期間にわたり高い耐久性を保持する港湾築堤マットです。これを大型土のうから海側に積み上げることにより、復元している砂丘地帯からの侵食を防止するとともに、自然回復力を損なうこともないのではないかと考えます。また、マットに詰めた中詰め材のすき間に嘉徳海岸の砂が入り込むことにより、自重が大きくなり、ますます安定すると言われています。護岸コンクリート擁壁とは異なり、外圧に対して柔軟に対応できることも強みと言われています。
このような港湾築堤マットを利用した工法を採用する考えはないのか、お伺いします。
施工手法の変更であれば設計変更で済むのではないでしょうか。県の見解を求めます。
全国防災協会が二〇〇一年、美しい海辺を守る災害復旧ガイドラインを示しています。ガイドラインの考え方では、「これまでの海岸災害復旧事業では、強度が大きく、重量があり、さまざまな形に成形でき、しかも安価なコンクリートブロックが海岸保全施設を防護するために大量に設置されてきた。こうした工法が地域住民に安心感を与え、海岸災害に対する安全性が確保されてきたことは事実であるが、美しい海辺の景観や生態系が損なわれたり、砂浜が狭くなったりした事例も少なくない」とあり、ガイドラインでは、被災した海岸の自然特性や社会的要請に基づく災害復旧を行うことを目的とし、分析を行って、復旧工法の改良や新工法の開発等にフィードバックすることも重要であるとしています。
ガイドラインに対する県の見解を求めます。
二回目の質問でございます。
26 ◯土木部長(兒島優一君)瀬戸内町嘉徳海岸の護岸工事の目的及び住民説明会の開催状況についてであります。
嘉徳海岸につきましては、平成二十六年十月の台風十八号及び十九号の波浪により、砂丘が約二十メートル侵食され、浜崖が人家や墓地に迫ったことから、波浪等による海岸の侵食を防除するため、平成二十八年度から海岸侵食対策事業に着手しております。
平成二十九年度には、侵食対策の工法等を検討するため、海岸、水生生物及び環境の専門家等で構成する嘉徳海岸侵食対策検討委員会を設置いたしました。
検討委員会におきましては、計画延長五百三十メートルのうち、背後地に住宅及び墓地のある百八十メートルを護岸整備の必要な区間とするとともに、工法については、台風時等に発生する外力へ抵抗する重力式コンクリート護岸に加え、自然環境に配慮するため、護岸前面に盛り土を行い、アダンを植栽するとの整備方針が示され、県といたしましては、この工法で整備することとしたところでございます。
住民説明会につきましては、台風被災直後の平成二十六年十月と十一月に瀬戸内町が、平成二十八年四月と平成二十九年三月に県が、侵食対策工法などについて説明を行ったところであります。
本格的な工事着手に向けて、本年五月から、嘉徳集落全戸を訪問し、再度、侵食対策の工法や自然環境の保全などについて説明を行っているところであります。
嘉徳海岸砂丘の自然回復力の現状についてであります。
検討委員会においては、砂浜の砂は回復しているが、砂丘の砂は戻っていないことや、自然の形の砂丘が戻るためには数十年を要することなどの意見が出されたことから、砂浜の砂は戻っても砂丘の砂が早期に戻ることは困難であると考えてございます。
次に、護岸コンクリート擁壁が砂の堆積を損なうという指摘についてでございます。
検討委員会におきましては、護岸を整備した箇所における砂浜の経年変化を確認したいとの意見があり、奄美大島島内の十九の海岸を対象として、航空写真調査や現地調査を実施したところであります。その調査結果では、事業完了後、十数年から数十年経過しているが、砂浜には大きな影響が見られなかったところであります。
港湾築堤マットを利用した施工についてであります。
港湾築堤マットにつきましては、河川・海岸工事などにおいて洗掘防止工や根固め工等に使用するものであり、直接波の力を受ける消波を目的とする工事には適さないとされていることから、台風時等に発生する外力へ抵抗するための代替工法には適さないものと考えております。
美しい海辺を守る災害復旧ガイドラインに対する県の見解についてであります。
ガイドラインの基本方針においては、異常気象により被災した海岸施設などの復旧、再度災害防止に加えて、海岸の環境の保全及び海岸の適正な利用と調和を目指すものとされております。
嘉徳海岸におきましては、ガイドラインの基本方針を踏まえ、台風時等に発生する外力へ抵抗する重力式コンクリート護岸を採用するとともに、自然環境に配慮するため、護岸前面の盛り土やアダンの植栽を実施することといたしております。
27 ◯上山貞茂君 時間がないものですから技術的な質問はもうやめますが、まず、住民の合意が説明会の中で得られているのかどうかを確認させてください。
それと、工法なんですが、日置市日吉町の吹上浜海岸で、同じようなマットを活用した施工がされていると聞いておりますが、そこは完全に波打ち際なんです。そこで効果を発揮しているんですが、そういった施工がされていることに対してのコメントをください。
三点目が、自然の回復力、この四、五年間かけて相当な砂が戻ってきています。砂浜と砂丘では違うんだとおっしゃっていましたが、砂浜が回復することによって砂丘が回復するんじゃないかと思うんですが、その辺の考え方を教えてください。三つです。
28 ◯土木部長(兒島優一君)まず、砂浜の回復状況なんですけれども、砂浜は戻ってきているんですけど、砂丘は戻ってきていない、砂丘を形成するまでには長い時間がかかるということで、そこまでには至らないという状況でございます。
それと、吉利地区においては、水際のところに置いてあるので有効な工法であると、我々もそれは確認しておりますが、他県におきましては、台風なんかの大きな波浪で、それが飛散したというような状況も確認しておりますので、大きな台風の外力には適さないのではないかと考えてございます。
それと、住民への説明につきましては、先ほど言いましたように、工法等について説明を行いますとともに、住民の方々に自然の回復状況についても説明いたしております。住民の中には、反対される方もいますけれども、ほとんどの方々から、早く整備してほしいというような意見をいただいているところでございます。
29 ◯上山貞茂君 意見はいろいろあると思うんですけど、合意を得るということは、ぜひともまだ努力していただきたいと思います。
それと、護岸コンクリートで砂丘が戻るというふうにおっしゃっているような気がするんですが、そう受けとめてよろしいんですか。
30 ◯土木部長(兒島優一君)護岸コンクリートの前面に砂を被覆してアダンを植えるということで、従前の砂丘の状況は回復できると思います。そして、前回の台風のように大きな波力が来たときにも、最終的には背後地に侵食が及ばないようなことができます。従前の築堤マット工においては、そういう波力にもたないので、この現場においては、護岸の重力式コンクリートが適していると考えてございます。
31 ◯副議長(桑鶴 勉君)上山貞茂君に申し上げます。
残り時間に留意して質問してください。
[上山貞茂君登壇]
32 ◯上山貞茂君 次の質問に入ります。
農政を取り巻く課題です。
山川にある県の施設、フラワーセンターに調査に行ったところ、四月の人事異動で七人いた職員が二人減らされ、五人になっていました。
フラワーセンターは、鹿児島県の花卉農業振興の拠点施設として昭和五十八年に設置され、農業開発総合センター花き部で開発されたテッポウユリやスプレーギクなどの優良種苗の増殖・供給、新技術や新品種の実証展示、指導者や生産者の研修、花卉経営の相談業務を行っている施設です。
種苗の供給は、県内生産者から鹿児島県経済農業協同組合連合会など四団体を通じて、前年度の夏ごろに注文を受け、供給体制を準備いたします。生産者からの突然の注文に応えるために、現場では余裕を持った供給体制に努めているようでした。
今年度も七人体制を前提に業務を割り振っていたようですが、庶務及び技術者の二人削減が三月の異動発表でわかり、現場では戸惑ったようです。職員数が減ることは現場職員の労働強化につながり、結果として関係者への行政サービスの低下につながるのではないかと危惧いたします。異動発表まで所長を初め現場には全く知らされていなかったようです。
そこで、知事にお伺いします。
フラワーセンターが果たしている役割、存在意義についてお答えください。
フラワーセンターの職員を減らすに至った理由についてお答えください。
効率的な業務をうたってのことであるならば、職場への打診・協議がなされなかった理由についてお答えください。
鹿児島園芸花市場の社長は、「最近は、温暖化や干ばつなど気候の変動が激しく、勘を頼りにした今までの肥培管理ではだめだと感じている。気象データや土壌成分分析結果など科学的データを活用しないと乗り越えられない。鹿児島県の普及指導員は優秀である。フラワーセンターは頼りがいのある施設で大事にしてほしい」と要望していました。
培養テッポウユリで行っている生長点培養は、苗が出荷できるまで四年かかります。実証展示や研修会など、目で見て安心して注文や相談ができる体制は、まさに県民のための行政組織だからこそできることです。また、ガラスハウスやビニールハウスなど二十九棟のハウスも老朽化している現状にあります。技術補佐員二人も六十歳を迎えようとしており、現業の退職不補充で欠員となると、センター業務を維持することさえ困難になってくるんじゃないかと危惧いたします。
農政部長に質問いたします。
フラワーセンターの花卉農業振興の拠点施設としての現状と課題についてお答えください。
また、人員体制・施設の改善も含め、センターの今後をどう描いておられるのかお答えください。
少子高齢化社会や生活様式の変化の中で、花卉需要は縮小傾向にあり、近年の野菜の高騰を背景に、花卉生産が盛んな指宿・山川地区でも野菜に転換している農家もふえています。さきの園芸花市場の社長は、「牛肉やお茶だけでなく、花卉もかごしまブランドとして海外進出するだけの品質を保っている。県も推進してほしい」と述べておりました。
鹿児島県は、全国有数の花卉生産県であり、ソリダゴ、グラジオラス、レザーリーフファンは全国一位、キクは全国三位の生産面積を誇っています。
そこで、農政部長に質問いたします。
鹿児島県の花卉生産の現状と課題及び海外販路の現状についてお答えください。
市場の要望に応じた競争力のある品種の育成等の取り組みの現状、研究業務体制の強化に向けた取り組みの現状と課題についてもお答えください。
一方、鹿児島地域振興局農政普及課の果樹担当は、鹿児島市内を管轄している本所と、日置市及びいちき串木野市を管轄している日置市駐在にそれぞれ一人ずつ配置されていましたが、四月の人事異動で本所の職員がいなくなり、日置市駐在のみの一人に減員されました。日置市はかごしまマンゴーの産地化の確立を目指しており、いちき串木野市もポンカン、大将季などのかんきつ類が盛んな地域です。
鹿児島市の本所管内では、桜島と喜入に果樹生産者が多くおられますが、桜島支所の農林事務所職員は、「これまで週一、二回は桜島に来ていただき指導を仰いでいたが、今は月一、二回になった。農協との大きな会議など外せない業務には来てもらっているが、地元農家への指導時間が少なくなって残念だ」と嘆いていました。花卉担当職員も同様に二人から一人に減員となり、広域的な管轄になっています。それぞれの担当普及職員は、両地区の園芸振興協議会事務局も担っており、それぞれ業務量は二倍になったと言わざるを得ません。
そこで、農政部長に質問いたします。
鹿児島地域振興局本所及び日置市駐在の果樹及び花卉担当者がそれぞれ一人ずつの配置となり、広域的な管轄となりましたが、十分に役割を果たせているとお考えか、お答えください。
また、今後も各地域振興局で一人担当の配置を基準としていくおつもりなのか、お答えください。
鹿児島県は、平成十三年に、二十八あった農業改良普及センターを十五に統合再編しました。その後、平成十八年十二月に総合事務所設置計画が出され、十五の農業改良普及センターは七つの農林水産部へと統合されました。
そこでお伺いします。
平成十年における普及職員の数と今年度の普及職員の数をお示しください。
また、さきの総合事務所設置計画では、駐在機関の設置は、県民への行政サービスの水準が低下しないよう配慮するとし、農業改良普及センターの所管業務のうち、営農指導業務等は現地で適時・適切に執行したほうが効率的であるとした駐在機関の設置理由が記載されております。
今回の本所・駐在をまたぐ営農指導業務はこの考えから逸脱していると言わざるを得ませんが、農政部長の答弁を求めます。
次に、会計年度任用職員制度についてでございます。
さきの第一回定例会において、会計年度任用職員制度が県議会に提案され、県条例が制定されました。地方公務員法と地方自治法の改正に伴う措置で、施行は来年四月一日となっています。具体に設置する職は、それぞれの必要性を十分検討するとしており、具体の任期・勤務日数、給与など職ごとの処遇条件はいまだ示されておりません。
知事部局が準備した職場への説明会資料では、来年度から設置する会計年度任用職員の職はパートタイムしか想定しておりません。それは、現在の臨時・非常勤職員を対象に会計年度任用職員を考えているからにほかなりません。しかし、今回の制度は、地方公務員として位置づけられる新たな職員がふえるという理解が必要です。単に従来の臨時・非常勤職員を会計年度任用職員に置きかえるという発想ではなく、会計年度任用職員という新たな一般職員の公共サービス提供者が生まれるという考えが必要だと考えます。
そこでお伺いします。
会計年度任用職員という新たな公務サービス職員がふえることの意義についてお答えください。
現在、どういう仕事を行う職員を会計年度任用職員として位置づけるかを、任命権者が当該職場と十分議論して、処遇も含め検討していると説明がありました。
そこで、知事に質問いたします。
現在の臨時職員及び非常勤職員の数についてお答えください。
そして、来年度設置される会計年度任用職員の想定される数についてもお答えください。
また、検討結果によっては、フルタイム会計年度任用職員として採用していく職もあり得ると考えますが、県の考えをお示しください。
募集要項の作成など、今後のスケジュールについてもお示しください。
一方、職員の任用のあり方を判断するのは、本来ならば第三者機関である人事委員会ではないかとも考えられますが、この課題における人事委員会との関係についても、県の見解を求めます。
県条例の第十二条に期末手当の支給規定がありますが、任命権者が人事委員会と協議して定めた場合、支給しないという規定が設けられています。支給しない場合の具体的な事例についてお示しください。
会計年度任用職員制度が衆議院で可決・成立するときに、多くの配慮すべき附帯決議が付されました。その第一項が、政府が発出する通知等で再度の任用が可能である旨を明示することです。
附帯決議の第二項では、人材確保及び雇用の安定を図る観点から、公務の運営は任期の定めのない常勤職員を中心としていることに鑑み、会計年度任用職員についても、その趣旨に沿った任用のあり方の検討を求めています。
これらの二項から、会計年度任用職員を雇いどめすることなく再度の任用を享受できるシステムづくりも重要ではないかと考えます。雇用の安定化は、公共サービスの安定化につながります。仕事に対する評価を任用に反映させる制度をつくり、運用することも一考ではないかと考えます。当該者のモチベーションも高まり、県民サービスの向上にもつながるのではないでしょうか。
附帯決議の重みを鑑みた運用について、県の見解を求めます。
附帯決議の第三項では、臨時的任用職員、非常勤職員から会計年度任用職員への移行に当たっては、不利益が生じることなく適正な勤務条件の確保が行われるよう、必要となる財源の確保に努めること、あわせて、育児休業等に係る条例の整備のほか、休暇制度の整備が確実に行われるように助言を行うこととされています。
休暇制度では、年次有給休暇やその繰り越し制度は設定されていますが、育児休業や育児時間、子の看護などの特別休暇は無給であり、正規職員には当たり前に制度としてある療養休暇や夏季休暇などは対象外になっています。地方公務員法にうたわれた職員でありながら、勤務労働条件に不当な差別を生み出していると言えます。
県としての見解を求めます。
附帯決議第四項では、公務における同一労働同一賃金のあり方に重点を置いた対応に努めることとなっています。地方公営企業法の全部適用になっております、各県立病院における看護師の臨時・非常勤職員が多くなっておりますが、仕事は正規職員と変わらず、勤務時間前の出勤も時間外勤務、いわゆる超過勤務もしながら正規職員と同様に働いている実態があります。
附帯決議第四項の趣旨に鑑みた取り扱いにすべきだと考えますが、県立病院局の見解を求めます。
また、消費生活相談員については、その要件が消費者安全法において国家資格として規定され、専門職として位置づけられています。地方消費者行政ガイドラインにあるように、雇いどめの見直しを総務省が求めているほどです。
具体の職については検討中とのことですが、現場の実態を鑑み、同一労働同一賃金のあり方に重点を置いた対応を求める附帯決議について、見解を求めます。
鹿児島県は非常に臨時職員が多くいらっしゃいます。具体的に言いますと、農業開発総合センターでは総計百人を超える臨時職員が働いているのが現状です。
人的確保及び財政措置、任用に当たっての合議の仕方について、県の見解を求めます。
会計年度任用職員制度に関しては、労使での合議が前提です。労働組合との合議の場が必要であることを確認したいと思いますが、県の見解を述べてください。
33 ◯副議長(桑鶴 勉君)答弁者に申し上げます。
答弁は簡潔に願います。
34 ◯農政部長(満薗秀彦君)フラワーセンターの役割及び業務体制などについてでございます。
フラワーセンターは、本県の暖地の有利性を生かした花卉農業の安定的発展を図るため、昭和五十八年に整備されております。これまで、県農業開発総合センターで育成されましたキクやユリなどの種苗増殖などに取り組むとともに、花卉生産者を対象とした栽培技術研修や指導者を対象とした専門技術研修の実施等に取り組んでいるところで、本県花卉振興の拠点施設としての役割を果たしているところでございます。
昨年度の種苗供給実績につきましては、ユリ球根で五品種二万四千球余り、キク母株用苗で二十六品種十七万本余りとなっております。
種苗の供給量につきましては、花卉農家数や品目転換の動きに伴って減少傾向にあるものの、当該施設は、本県花卉振興の拠点となっていることから、引き続き、産地や生産者のニーズに応じた役割を担ってまいりたいと考えております。
なお、フラワーセンターの職員体制につきましては、県では、行財政運営戦略等に基づき、簡素で効率的な組織機構の整備、事務の集中・集約化による執行体制の見直しなどに取り組んでおり、同センターについても、業務執行の効率化、事務の集約化など執行体制を検討し、業務量に応じた職員の配置としたところであります。その際は、あらかじめ所属の業務実態を十分踏まえた上で行っているところでございます。
花卉生産の現状と課題等についてでございます。
本県は、冬春期の温暖な気候を生かし、キク、ユリなどに加え、全国一の生産量を誇るソリダゴなど、全国有数の花卉産地となっております。平成二十九年の作付面積は千七百十五ヘクタール、産出額は百二十五億円となっており、生産された花卉類は全国に出荷されているほか、一部葉物については、米国を中心に八百万円程度が輸出されております。
近年、花の消費が低迷していることから、生産面では、消費者ニーズに対応した品種や需要期に対応した計画出荷が求められており、県園芸振興協議会を中心に関係機関・団体と連携し、テッポウユリの日もち向上対策などの実証、バリエーション豊かなスプレーギクなど、消費者ニーズに対応できる県育成品種の普及などに取り組んでおります。
花卉の品種育成と研究体制等についてでございます。
花卉の品種育成につきましては、農業開発総合センターにおいて、色の鮮やかさや日もち性等の多様なニーズ、栽培のしやすさなど、生産者からの要望を受けて研究開発に取り組んでおります。最近では、花の形や色がバラエティーに富むスプレーギクのサザンシリーズなどの品種を育成したところでございます。
これらの品種の研究開発に取り組んでいる農業開発総合センターの花き部門につきましては、平成三十年四月、本所に集約し、バイオテクノロジーなどの部門と連携した研究に取り組んでいるところでございます。
今後、生産者や市場のニーズに適切に対応して、新たな品種の育成や栽培技術の開発など、スピード感を持って取り組むことが必要であることから、現行の体制を生かして、さらなる研究の効率化・高度化に努めてまいりたいと考えております。
地域振興局における普及指導体制についてでございます。
農業分野の普及職員につきましては、いずれも四月一日現在、平成十年度が三百六十七人、本年度が二百十七人となっております。
農業分野の普及職員の配置につきましては、行財政運営戦略等に基づき、事務の集中・集約化による執行体制の見直しや業務の見直しなどに加え、担い手農家数や地域の品目等の状況などを十分踏まえながら、業務量に応じた職員の適正配置を行っているところでございます。
今後とも、本所・駐在における適時・適切な営農指導業務等に努め、新たな行政需要への対応など行政サービスの充実にも留意しながら、本県農業の振興を図ってまいりたいと考えております。
35 ◯総務部長(平木万也君)会計年度任用職員制度の意義についてでございます。
平成二十九年の地方公務員法等の改正の内容としては、特別職の任用及び臨時的任用を厳格化するとともに、一般職の非常勤職員である会計年度任用職員制度を創設し、その採用方法や任期等の明確化を図るものとされているところであります。
あわせて、会計年度任用職員について、期末手当の支給が可能となるよう関係規定が整備されたものであります。これにより、臨時・非常勤職員の適正な任用・勤務条件が確保されることとなるものと考えております。
臨時・非常勤職員及び会計年度任用職員の数とフルタイムの職の設置についてでございます。
知事部局の臨時職員及び非常勤職員の数は、昨年四月時点でそれぞれ、約八百四十人及び九百五十人となっております。
会計年度任用職員の職の設置につきましては、それぞれの職の必要性を十分検討した上で適正な人員配置に努めるべきものとされており、これを踏まえながら、現在検討を進めているところであります。
その上で、現在の臨時・非常勤の職の勤務時間を踏まえますと、同一の職務内容の職を制度導入後に改めて設置する場合は、パートタイムの職として設置することになるものと考えております。
今後のスケジュールについてでございます。
現在、個別の職の設置や具体の勤務条件の検討を進めているところでありますので、現時点で、募集開始時期など今後のスケジュールを具体的にお示しできる状況にはございませんが、来年四月の改正地方公務員法等の施行に向けて、引き続き、必要な手続や対応を進めてまいりたいと考えております。
任命権者と人事委員会の関係についてでございます。
地方公務員法において、会計年度任用職員を含む一般職の職員の任用に関して必要な事項は、人事委員会規則で定めることとされており、今後、会計年度任用職員制度の適正かつ円滑な導入・運用に向け、各任命権者が人事委員会と協議することになると考えております。
期末手当を支給しない事例についてでございます。
国の通知において、国際交流員や外国語指導助手の報酬等は、全国的に円滑なあっせんを行うために統一的に設定する必要があることから、これまでと同様に期末手当については支給しないよう要請されていることを踏まえ、条例において期末手当を支給しない職に関する規定を設けたところであります。
再度の任用についてでございます。
平成二十九年六月の国の通知において、会計年度任用職員の任期につきましては、採用の日から同じ年度の末日までの期間の範囲内で、任命権者が定めるものとされ、また、任用に関しては、当該非常勤の職と同一の職務内容の職が翌年度も設置される場合、同一の者が、平等取り扱いの原則や成績主義のもと、客観的な能力の実証を経て、再度任用されることはあり得るとされているところであります。
県としましては、この点を踏まえた対応が必要であると考えております。
休暇制度に係る常勤職員との差異についてでございます。
会計年度任用職員の休暇等の勤務条件につきましては、国の通知等において、地方公務員法第二十四条第四項の規定に基づき、国の非常勤職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならないとされております。さらに、常勤職員ではなく非常勤職員との間で比較することに留意するよう求められているところであります。
この趣旨を踏まえて適切に対応してまいります。
国会の附帯決議を踏まえた消費生活相談員の処遇のあり方についてでございます。
会計年度任用職員の職務の内容や責任の程度は、任期の定めのない常勤職員とは異なる設定になるものであり、給与水準については、職務遂行上必要となる知識、技術及び職務経験等の要素を考慮して定めるべきものと考えております。
人員配置や予算編成、任用手続についてでございます。
会計年度任用職員に係る職の設置については、現在、各部局の意見を聞きながら検討を行っており、また、予算や任用の手続についても、現在検討を進めているところでございます。
最後に、労働組合との合議についてでございます。
会計年度任用職員の勤務条件については、登録職員団体から適法な交渉の申し入れがあった場合においては、これに応じる必要があるとされており、県においては、個別の職に係る具体の勤務条件の検討の前提となる事項について、職員団体との協議を行った上で、さきの三月議会に条例を提案するなど、必要な諸準備を進めてきたところであります。
今後とも、関係法令に基づき、適切に対応してまいりたいと考えております。
36 ◯県立病院事業管理者(福元俊孝君)会計年度任用職員制度の看護職員への適用についてであります。
県立病院における看護師の臨時・非常勤職員につきましては、六月一日現在、五病院合計で臨時職員五十名、非常勤職員二名を雇用していますが、その全員が、正規職員と比較して一月当たりの勤務日数や一日の勤務時間が少なく、また、夜勤を行わないなど、正規職員と異なる勤務形態となっております。
会計年度任用職員制度の導入等に伴う看護職員の給与などの勤務条件につきましては、改正法の趣旨や国の通知等を踏まえながら、具体的に検討してまいります。
[上山貞茂君登壇]
37 ◯上山貞茂君 答弁に対する質問がありますが、次回に委ねたいと思います。
四月一日から会計年度任用職員制度が始まります。労働組合との交渉、職員団体なんですが、三月三十一日までは非常勤職員も入っている労働組合がございますので、ぜひとも真摯に対応していただきたいと思います。
看護職員に関しては、同一労働ではないということに対して非常に疑義を持っていますので、委員会でしっかりと議論していきたいと思っております。
今回のいじめ再調査委員会は、再調査が制度として位置づけられたことと、知事が述べた遺族の方に寄り添う姿勢から実現したものです。嘉徳海岸の護岸工事においても、住民、県民に寄り添う姿勢が求められていると感じます。客観的な事実を再度検証して、工事の是非や工法など見直しすべきだと主張しておきます。
県民目線にはあらゆる目線がありますが、客観的な事実を捉え、県議として県民に寄り添う気持ちを持って、県勢発展に向けて頑張ってまいることをお伝えいたしまして、一般質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
38 ◯副議長(桑鶴 勉君)申し上げます。
先ほど、知事の急用により一時退席を許可いたしましたので、御報告いたします。
ここで、休憩いたします。
再開は、午後一時十五分といたします。
午後零時 一分休憩
───────────
午後一時十五分再開
39 ◯議長(外薗勝蔵君)再開いたします。
中村正人君に発言を許可いたします。
[中村正人君登壇](拍手)
40 ◯中村正人君 皆さん、こんにちは。お疲れさまでございます。睡魔が襲う時間ではございますが、しばらくおつき合いいただきたいと思います。
本日ここに、令和元年初めての鹿児島県議会第二回定例会の一般質問に、議長の許可をいただきまして発言できますことを大変光栄に存じますとともに、身の引き締まる思いでございます。
私は、自民党県議団、霧島市・姶良郡区選出、新人の中村正人でございます。
今般の選挙に際しましては、多くの皆様方に御支援、御声援をいただき、この県議会の壇上に立たせていただきましたことに深く感謝申し上げ、心から御礼申し上げます。まことにありがとうございました。
県財政のチェックはもちろん、県民の皆様の御意見や御要望といった負託に応えるべく、しっかりと県政につなげてまいります。広く県民の皆様方の福祉向上のために、本職を天命と心得、誠心誠意、全力で働かせていただきますことをここにお誓い申し上げる次第でございます。(「頑張れ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
諸先輩方を初め、同僚議員の皆様、執行部の皆様、行政委員会の皆様、どうぞ今後ともよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
それでは、さきに通告いたしました四問について質問いたします。
連日のように高齢運転者が第一当事者となるさまざまな交通事故が報道されております。
まず一問目は、交通行政についての質問であります。
警察庁の本年一月四日公表の交通事故統計年報によりますと、我が国の平成三十年における交通事故発生件数は四十三万三百四十五件、負傷者数は五十二万四千六百九十五人、死者数は三千五百三十二人であり、ここ十数年では減少の一途をたどっております。
また、産経新聞によりますと、警察庁は、平成三十年の交通死亡事故が三千四百四十九件─前年比百八十一件減─に上り、このうち、七十五歳以上の高齢運転者による死亡事故は四百六十件、前年比四十二件増で全体の一三・三%を占めたと発表。交通事故の総死者数は三千五百三十二人、前年比百六十二人減、人口十万人当たりでは二・七九人、前年比〇・一二人減で、事故件数とともにいずれも三年連続で減少しております。
高齢運転者による死亡事故の四百六十件のうち、八十歳以上は前年比十七件増の二百五十二件。平成三十年十二月末時点での七十五歳以上の免許保有者は五百六十三万八千三百九人、前年同期比二十四万二千九百九十七人増、八十歳以上は二百二十六万五千百七人、前年同期比五万四千九十四人増。
死亡事故を免許人口十万人当たりで見ると、七十五歳以上は八・二件、前年比〇・五件増で平成二十四年以来六年ぶりに増加、八十歳以上は十一・一件、前年比〇・五件増で四年ぶりにふえ、それぞれ、七十五歳未満の三・四件、前年比〇・三件減の約二から三倍となっております。
四百六十件の事故類型は、車同士の車両相互が四三・九%、ガードレールへの衝突や水路への転落など車両単独が三八・三%、横断中の人をはねるなど人対車両が一六・三%でありました。車両相互は、出会い頭衝突と正面衝突が七割以上を占めております。
事故原因は、ブレーキとアクセルを踏み間違えるなどの操作不適の二九・六%が最多で、左右の確認をしないといった安全不確認が二二・八%、考え事などの内在的前方不注意が二一・三%、脇見など外在的前方不注意が七・六%、判断の誤りが六・三%などと続いております。
本年四月十三日、七十四歳の女性が軽トラックにひき逃げされて死亡。トラックを運転していたとされる七十八歳の男性を逮捕。「免許がなくなってしまうと思った」と話した。
同四月十九日、池袋において八十七歳男性が起こした事故、同六月四日、福岡市早良区において八十一歳と七十六歳の夫婦死亡事故。そのほかにも、道路の逆走や、踏切から線路への進入、記憶力や判断力といった認知機能の低下が影響した可能性の事故も多数発生しております。
高齢者の運転による交通事故についての解決策はあるのかということであります。
ここ数年の交通事故において、高齢者が被害者となる交通事故は相変わらず高い推移を示しておりますが、近年は、高齢運転者が第一当事者の、前述のような目を覆いたくなる、耳を疑いたくなる不幸な事故が連続して発生しております。
昨年第三回目の定例会では、高齢者講習のドライブレコーダーを搭載した車両での実車講習は、非常に効果的であると考えているとの答弁がありました。
そこで、一問目の一点目、高齢運転者の交通事故の多発について、さまざまな要因が考えられると思いますが、その要因をどのように捉え、どのように検討して、その解決のためにどのような方策を行っているのか、または行う予定があるのか問うものであります。
次に、二点目として、平成二十九年、三十年とも、全国で年間四十二万人以上が免許を自主返納しているそうであります。つい先日も、俳優の杉良太郎さんが免許を自主返納したことがマスコミで報じられておりましたが、本県における、近年の高齢者の免許取得者の推移と免許自主返納者の推移、また、高齢者運転の事故発生件数はどうか、その結果をどのように判断されているのか問うものであります。
三点目として、免許自主返納の障害となっている要因と考えられる、中山間地域や過疎地域の高齢者の生活への不安を減らすために、例えば乗り合いバスの料金優遇、介護タクシーの利用チケット、医療機関への送迎、生活用品の宅配サービスあるいは移動スーパーなど、自治体や民間事業者が協力して、その不便を減らしていく努力をすべきと考えます。ひいては、このことが中山間地域の過疎化を食いとめ、まちづくりにもつながっていくものと考えます。
そこで、本県で行っている施策にはどのようなものがあるのか、所管の垣根を越えて全庁横断的に検討したことはないのか、また、関係機関等と今後協議していく考えはないか問うものであります。
次に、福祉行政についてであります。
一昨日の南日本新聞に、「教員定数割れ深刻 特別支援学級急増響く」とありました。近年、特別支援学級数は、関係者の理解の深まりや期待などにより年々増加し、児童生徒数も数倍になったと言われております。
その先の詳しい話は通告外となりますので、また別の機会に質問させていただきたいと思います。
さて、平成二十九年一月二十日の総務省からの文部科学省と厚生労働省への、発達障害者支援に関する行政評価・監視の結果に基づく勧告によりますと、発達障害者支援法が平成十七年四月に施行後、発達障害に対する理解や支援の取り組みが進展したとの評価がある一方、乳幼児期から在学時、成人期までの各ライフステージを通じた継続的な支援に課題─発見のおくれ、進学過程での支援の途切れなど─があるとの指摘があり、また、発達障害者に対する適切な支援が行われない場合、不登校や暴力行為などの二次障害に発展するおそれも指摘されている。以上のような状況を踏まえ、同法の施行から十年を迎えた機会を捉え、発達障害者の心理機能の適正な発達及び円滑な社会生活の促進を図る観点から、発達障害者への各ライフステージにおける支援の実施状況等を調査し、関係行政の改善に資するために勧告を実施するとあります。
こうした教訓を心に、知事就任以来、県民が主役の県政を実現したいとの強い思いから、さまざまな機会に県民の皆様の声を直接伺い、真摯に耳を傾け、その声を県政に反映させる努力をしてまいりました。
引き続き、県選出の国会議員の皆様や県議会議員の皆様のお力もいただきながら、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかった、そう思える鹿児島を目指し、各種施策に全力で取り組んでまいります。
64 ◯総務部長(平木万也君)財政規律に対する見解についてでございます。
県では、国・地方を通じた厳しい財政環境や、本県の自主財源に乏しい脆弱な財政構造のもとで、新たな行政需要に必要な財源を確保しつつ、めり張りのある社会資本の整備など行財政運営の基本的な考え方を示した行財政運営戦略に基づき、歳入・歳出両面にわたる行財政改革に取り組んでいるところであります。
具体的には、行財政改革推進プロジェクトチームにおいて、事務事業見直しや未利用財産の売却、庁舎外来駐車場の民間事業者への貸し付け、使用料・手数料の見直し、ネーミングライツのさらなる活用などに取り組んできているところであります。
県といたしましては、中長期的な視点に立って持続可能な行財政構造を構築する必要があると考えており、県勢の発展、県民福祉の向上に資する事業については積極的に推進しつつ、引き続き、徹底した行財政改革の取り組みを着実に進めてまいりたいと考えております。
求められる行政需要への国の対応についてでございます。
国は、先般示されたいわゆる骨太の方針二〇一九の原案におきまして、新経済・財政再生計画のもと、引き続き、二〇二五年度の国・地方を合わせた基礎的財政収支黒字化を目指すこととし、地方一般財源総額については、令和元年度以降三年間は、平成三十年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保するとされたところでございます。一方で、地方財政につきましては、国の取り組みと基調を合わせて歳出改革等の加速・拡大に取り組むとされ、業務改革の取り組みなどの成果の地方財政計画等への反映、地方財政計画と決算を比較するための見える化などが示されているところであります。
また、令和元年度の地方財政対策では、折半対象財源不足が解消されたことから、交付税特別会計借入金の償還額増額などを行っております。骨太の方針二〇一九の原案におきましても、臨時財政対策債の債務償還に取り組み、財政健全化につなげることとされております。
このようなことから、今後、財政健全化目標の達成のために、地方交付税等についてさらに厳しい調整が行われることが予想されるなど、本県財政に厳しい影響を及ぼすことが懸念されているところでございます。
公債費についてでございます。
都道府県の公債費の今後の見通しにつきましては、各団体の償還額を把握していないことから、見通すことは難しいところでございますが、決算における公債費を見ますと、地方公共団体全体では減少傾向にあるものの、市町村全体が減少していることに対して、都道府県全体では減少傾向とはなっていないところでございます。
本県の公債費につきましては、近年減少しているところですが、今後の公債費及び起債の見通しについては、国の公共事業関係予算やその地方負担に対する地方財政対策の動向が不透明であること、今後、改修や更新を要する県有施設の増加が見込まれることなど、さまざまな要因に左右されるという側面があり、現時点で見通すことは難しいと考えております。
しかしながら、県債残高が財政規模の類似している他団体と比較して多額に上っている状況であり、今後も引き続き、県債残高を継続的に減少させることによって本県の公債費負担を軽減していくという行財政改革の方向性に沿って、取り組んでまいりたいと考えております。
人口減少社会における財政運営についてでございます。
人口減少が進む中、歳入面では、個人県民税などの県税収入の減や地方交付税の算定における基準財政需要額の減が想定され、歳出面では、人口の減少に伴う行政需要の減も一定程度想定される一方で、高齢化の進行に伴う扶助費の増加が想定されるところであります。
このため、県といたしましては、中長期的には臨時的な収入がなくとも安定的な行財政運営が行えるよう、持続可能な行財政構造を構築することが重要であると考えており、引き続き、歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組む必要があると考えております。
[寺田洋一君登壇]
65 ◯寺田洋一君 答弁いただきましたが、コメントは後ほどさせていただきたいと思っています。
鹿児島空港について質問させていただきます。
先ほど中村議員もこのことについては取り上げておられました。少し観点が違う部分がありますので、引き続き私も質問させていただきます。
私は、平成二十八年十二月議会において、鹿児島空港等公共施設へのコンセッション導入について質問を展開いたしました。関西、伊丹、仙台、そして近年では福岡、熊本、それぞれの県がコンセッション方式の運営へ移行されていくようであります。熊本空港へは鉄道乗り入れも検討されており、さらなる空港利用の拡大と利用者の利便性向上への取り組みも検討されているようであります。
本県では昨年、鹿児島空港の将来ビジョンの策定に向け、あり方検討委員会を設置され、これまで四回の委員会を開催され、鹿児島空港における課題、航空需要予測、鹿児島空港将来ビジョン骨子案等の意見交換を重ねてこられたようであります。そして今月六日に第四回委員会を開催され、ビジョンの実現に向けた取り組みの方向性等の検討がなされたと伺っております。そして、年内をめどに意見の取りまとめを図り、パブリックコメント実施後、鹿児島空港将来ビジョンの策定をなされていくようであります。
そこで、以下お伺いいたします。
第一点、これまでの委員会の中で、鹿児島空港の現状、課題についていかなる分析と意見が開陳されたのか、ハード面・運営面、両面についてお示しいただきたい。
第二点、空港利用者の声をいかように酌み上げ、ビジョンに反映していくのか、お示しいただきたい。
第三点、さきに触れましたように、平成二十八年十二月議会で取り上げましたコンセッション方式導入に対する考え方は議論されていないのか、お示しいただきたい。
第四点、平成三十年第一回定例会で鹿児島空港・離島空港の利便性向上について質問を展開し、隣県宮崎空港に導入された低床型ボーディングブリッジを離島便の多い本県空港こそが導入すべきとただしました。機能面強化において具現化すべき課題と思いますが、議論はなされたのか伺います。
第五点、鹿児島空港の駐車場についてお伺いいたします。
本空港は、国が設置し、鹿児島空港ビルディング株式会社が管理する一般駐車場千三百四十二台、そして周辺に民間駐車場約二千六百台、合計四千台の駐車場が設置されております。しかし、ゴールデンウイーク時など時期的混雑期だけでなく、平時でも空き待ちの車が進入ゲート前で待機する状況が見られ、利用者からの不満の声も聞かれます。このような現状に対応するため、一般駐車場の複層化を図るべきと思いますが、見解をお示しいただきたい。
第六点、平成二十九年一月、北海道新千歳空港で全日空機がオーバーランして滑走路端安全区域─RESA─で停止する事故が発生しました。この件を受け国交省は、事の重大さを鑑み、対策を話し合う検討委員会を発足させ、三月までに整備促進策をまとめており、結果、滑走路端安全区域の長さが九十メートル以上の基準を満たしていない空港が、鹿児島空港など県内八空港を含む七十三空港あることが判明しているようであります。オーバーランなどの不測の事態に備えることは安全対策上必要なことであります。
そこでお伺いします。
鹿児島空港など県内八空港の滑走路端安全区域の整備について、現状と今後の取り組みをお示しいただきたい。
次に、県産品の海外クルーズ船への納品について伺います。
この件につきましても、平成三十年第一回定例会で質問しております。隣県熊本の積極的な対応を示し、本県の動きを問いました。あの時点では、熊本県は県内事業者が地元食材を納入する専門商社を設立し、本県との対応の差は一歩二歩どころではない、相当な開きがありました。
クルーズ船の鹿児島港への寄港数は、ピーク時の平成二十九年が百八回でありましたが、平成三十年百回、令和元年も九月までに八十五回、本県マリンポートかごしま、北埠頭への入港が見込まれているようであります。そして、中国の国民所得の向上に伴って、その傾向は続くと言われています。昨年の九月時点では七十五回の入港だったことを勘案しますと、昨年以上の入港数が見込まれるのではと思います。
そこでお伺いいたします。
第一点、平成三十年の私の質問に対して、県は、農林水産物輸出促進ビジョンにおいて、国際クルーズ船への食材供給の可能性を探ると答弁しておられますが、結果はいかようになったのか、その後の対応も含めお示しいただきたい。
第二点、海外クルーズ船への納品はぜひとも実現して、本県の日本一の黒毛和牛を中心とした、食の宝庫鹿児島をPRしていくのは当然のこととして、船内のレストランにおいて、鹿児島食フェアなるイベントを打ち出せるように、クルーズ船運営会社との連携・協調を図るべきと思うが、所見をお示しいただきたい。
二回目の質問といたします。
66 ◯企画部長(古薗宏明君)鹿児島空港のハード面・ソフト面からの議論内容についてであります。
鹿児島空港のあり方検討委員会につきましては、これまで四回の会議を開催し、鹿児島空港の現状と課題について意見交換するとともに、鹿児島空港の目指すべき将来像やその実現に向けて必要な施策等について検討を行ってきております。
これまでの検討委員会におきまして、委員から、ハード面については、「国内線ビルと国際線ビルの一体化や接続性の改善を検討すべきである」や「小型機用のボーディングブリッジの設置を検討すべきである」などの意見が、ソフト面につきましては、「国際線の拡充とあわせて離島便を充実させ、インバウンド客を離島へ運ぶ仕組みをつくるべきである」や「ターゲットをLCC利用者と富裕層とに分けた上で観光戦略との連携を図る必要がある」などの意見が出されたところであります。
鹿児島空港将来ビジョンの策定方法についてであります。
鹿児島空港のあり方検討委員会につきましては、鹿児島空港将来ビジョンの策定に当たり、必要な助言をいただくため、施設を所有・管理する国や空港ビル会社等の関係者を初め、航空産業について知見を有する専門家や経済団体の代表者等を構成員として設置いたしました。
これまでの検討委員会におきましても、利用者の視点からさまざまな意見が出されているところでありますが、引き続き、検討委員会における委員の意見も踏まえ、県議会を初め、パブリックコメントを通じて県民の皆様方の御意見を十分にお聞きしながら、さらに検討を進め、年内を目途に将来ビジョンを策定することといたしております。
鹿児島空港の民間委託についてであります。
空港の民間委託は、民間事業者が滑走路と空港ビル等を一体的に運営することにより、内外の交流人口の拡大による地域活性化等の実現を図ろうとするものであります。
鹿児島空港のあり方検討委員会におきましては、「鹿児島空港だけでなく、県内離島空港も含めて複数空港での民間委託を検討すべきである」や「民間委託を導入しなくても、やり方によっては利便性の追求や県民の要望に応えることができる」などの意見をいただいたところであります。
民間委託につきましては、鹿児島空港将来ビジョンを実現するための手段の一つであるとも考えており、全国の先行事例の状況を注視するとともに、まずは、検討委員会において、将来ビジョンの策定に向けた検討を進めてまいりたいと考えております。
鹿児島空港周辺駐車場の混雑対策についてであります。
鹿児島空港周辺の駐車場につきましては、近年の空港利用者の増加に伴って利用台数も増加傾向にあり、空港ビル会社が管理する一般駐車場の昨年度の満車日数は六十日を超えたと聞いております。
このため、同社におきましては、公共交通機関の利用促進について広報するとともに、駐車場の満車時には、必要に応じて、同社の社有地を臨時駐車場として開放するほか、大型連休におきましては、近隣地を賃借し、臨時駐車場をさらに確保するなどの対応がなされているところであります。
また、同社からは、今後、さらなる混雑緩和に向けた対策を検討すると聞いており、県といたしましては、同社の対応状況を注視するとともに、引き続き、鹿児島空港のあり方検討委員会においても意見をいただきたいと考えております。
67 ◯土木部長(兒島優一君)低床型ボーディングブリッジの導入についてであります。
ボーディングブリッジは、空港ビル会社が設置しており、宮崎空港の低床型ボーディングブリッジにつきましても、空港ビル会社と特定企業が共同開発を行い、設置しております。
鹿児島空港につきましては、鹿児島空港のあり方検討委員会において、「小型機用のボーディングブリッジの設置を検討すべき」との意見があったところであります。
また、離島空港につきましては、唯一ボーディングブリッジを設置している奄美空港の空港ビル会社と意見交換を行ったところ、建物の構造や設置費用の負担に課題があると聞いております。
県といたしましては、今後とも、空港ビル会社と意見交換を行うなど、低床型設置の可能性について研究してまいります。
次に、県内空港の滑走路端安全区域についてであります。
空港には、滑走路延長上の両端に滑走路端安全区域と呼ばれる、航空機が滑走路を越えてオーバーランを起こした場合などに航空機の損傷を軽減させるための区域を設けております。滑走路端安全区域に関する国の基準は、平成二十五年に改正され、全ての空港について、従来の長さ四十メートル以上から、九十メートル以上確保することが必要とされたところであります。
また、国は今年度、空港管理者に対し、令和八年度末までにこの基準を満たすための整備に着手するよう航空法施行規則を改正したところであります。
鹿児島空港につきましては、平成二十七年度から二十九年度にかけて滑走路端安全区域拡張の整備を行い、現在、基準を満たしており、残る離島七空港につきましても、今後、順次整備を進めてまいります。
68 ◯PR・観光戦略部長(木場信人君)県産食材のクルーズ船への納入についてであります。
県産食材のクルーズ船への納入につきましては、県農林水産物輸出促進ビジョンにおいて、多くの外国人に県産農林水産物の魅力を伝えるプロモーション活動の一つとして、国際クルーズ船への食材供給の可能性を探る取り組みを位置づけています。
県におきましては、昨年六月に、国際クルーズ船への県産品供給に係る庁内連絡会議を設置し、関係課による情報交換を行いながら、鹿児島県産食材提案書を作成しました。現在、これを活用し、本県が誇る鹿児島黒牛、かごしま黒豚、ブリ、カンパチなどの食材を使用していただけるよう、クルーズ船社や船舶への食材納入事業者等に対して積極的なPRに努めているところです。
また、今月二十四日に初寄港するスペクトラム・オブ・ザ・シーズのスタッフに対して、寄港時に直接県産食材のPRを行うこととしており、七月以降も各船社への訪問やクルーズ船寄港時のセールスなど、積極的な働きかけを行っていくこととしています。
クルーズ船内でのいわゆる鹿児島食フェアなどのイベントの実施につきましては、本県の豊かな食、県産品をPRするよい機会であると考えられることから、クルーズ船社等の意向も伺いながら、検討してまいります。
[寺田洋一君登壇]
69 ◯寺田洋一君 次に、土木行政について数点お伺いいたします。
まず、通学路の安全確保についてであります。
五月八日午前十時十五分、滋賀県大津市の県道交差点で起きた事故の報道には日本全国に衝撃が走りました。二台の車が衝突し、そのうちの一台が歩道に乗り上げ、信号待ちしていた二、三歳の保育園児十三人と園外活動引率中の保育士三人の列に突っ込み、園児二人が死亡、一名が意識不明の重体、保育士三名を含む十三人が重軽傷を負った大事故であります。
この事故を受け、全国的に歩行者の安全確保がクローズアップされています。安倍総理大臣も五月二十一日、交通安全対策に関する関係閣僚会議を開き、「次世代を担う子供のかけがえのない命を守るため、日常的に集団で移動する経路の安全確保方策を早急に取りまとめてほしい」と要請しておられます。また、全国的に保育現場においても園外保育のあり方の検討が始まるなど、事故の影響は大きいものがあります。
類似事件では、平成二十四年四月に、京都府亀岡市で無免許の少年の車が集団登校中の列に突っ込み、児童二人と妊娠中の保護者の計三名が死亡した事件もありました。この件を受け、道路管理者の国、県、市町村の行政の対応も注視されています。ガードレールの設置、点検等の安全対策が望まれています。
そこでお伺いいたします。
第一点、この事故報道を受け、知事はどのような所感を持たれたのか、御披瀝いただきたい。
第二点、国は、平成二十四年五月に通学路の緊急合同点検を要請し、平成二十五年十二月に通学路交通安全プログラムの策定について通知しています。平成二十四年には本県も、学校、道路管理者、警察等により緊急合同点検を実施されています。そして千七百十一カ所で対策が必要とされています。その後、各機関にて対策を実施されているようですが、これまでの取り組みをそれぞれお示しいただきたい。
次に、国道二百二十六号の整備についてお伺いいたします。
本道は、平川道路の改良を平成二十五年度に終えていますが、本県有数の観光拠点であります指宿市までは国直轄で、残り南さつま市までは県管理で整備等を進めてきておられます。
八・六水害以後、県都鹿児島市、空の玄関口鹿児島空港と地方主要都市とを結ぶ幹線道路は、高規格道路として県も優先度を引き上げ、これまで鋭意整備を進めてこられましたが、指宿市までを結ぶ国道二百二十六号は、その重要性をうたわれつつも、急カーブ、台風時の越波などの課題が指摘され、抜本的な改良を望む声は大きく、有数の観光地でありながら鹿児島空港までの所要時間が予測できない現況は、観光業界のみならず一般県民からも強く指摘されている事項であります。
昨年は喜入瀬々串の歩道整備もなされていますが、願わくは指宿市までの抜本的な改良であります。
そこでお伺いいたします。
第一点、国道二百二十六号の抜本的改良に向けて、我々鹿児島県議会も議連を立ち上げ、九州地方整備局、国土交通省への要望活動も繰り広げてきましたが、県、市町村、民間団体の動きについて、これまでの活動状況と今後の取り組みについてお示しいただきたい。
第二点、国直轄とはいえ、その必要性を実感しているのは本県でありましょう。ほとんどがJR指宿枕崎線と平行に走り、海岸線に張りつくように走っている本国道の現状を知り尽くした本県土木部は、国に対して積極的にアプローチすべきと思いますが、見解をお示しいただきたい。
次に、鹿児島市郡山地区の県道四十号伊集院蒲生溝辺線並びに甲突川護岸整備についてお伺いいたします。
まず、県道四十号伊集院蒲生溝辺線についてでありますが、本県道は、伊集院、串木野方面から鹿児島空港へのアクセス道路としての利用者も多く、平成二十七年に実施された交通センサスでは、一日当たり五千七百六十二台の交通量が計測されているようであります。
また、郡山市街地区は鹿児島市で区画整理事業が進行中であり、それに伴い、本道の路盤のかさ上げもされつつあります。
そこでお伺いいたします。
第一点、鹿児島市で推進中の郡山中央土地区画整理事業の進捗状況と完成見込み年度をお示しいただきたい。
また、沿線にある郡山小学校との路盤高低差が生じることになるが、通学路の安全対策についてもお示しいただきたい。
第二点、同路線の郡山─西俣間においては、線形の不良、東西に走る道路で南側に山林があり、厳冬期の路面凍結が見られ、その対策が強く望まれています。対応策をお示しいただきたい。
次に、郡山北部八重山を水源とし、鹿児島市市街地区を縦断し錦江湾に注ぐ、郡山地区の甲突川の整備についてお伺いいたします。
郡山地区、小山田地区においては農業用水として田畑を潤し、市街地においては水辺空間として市民の憩いの場を提供している母なる川であり、このシーズンは清流に釣り糸を垂れるアユ釣りの光景も見られる、市民に親しみを覚えられている川であります。また、その豊かな水量が、上水道の原水として長く市民の生活を支えてきた川でもあります。
しかし、平成五年に発生した八・六水害では四十八名の市民の命を奪いました。その後、激特指定を受けた復旧工事において整備がなされてきました。しかし、上流部郡山地区においては未改良部分も残り、その整備が強く望まれています。
そこでお伺いいたします。
現在、土地区画整理事業進行中の下流部において、護岸整備等が進行中でありますが、郡山地区の河川改修の進捗状況と今後の取り組みをお示しいただきたい。
あわせて、地域においては親水性を持たせた整備を望む声もありますが、事業の中に盛り込めないものか、お伺いいたします。
最後に、土木行政の基本的な考え方と県道二百十号小山田谷山線についてお伺いいたします。
県は、財政状況の厳しき中、行財政改革を断行され、職員の給与カット、公共事業の圧縮などを進めてこられました。今議会でも知事は提案理由の説明の中で、「今後とも一層厳しい財政状況が続く」としておられます。
そこで、以下お伺いいたします。