まつざき真琴君に発言を許可いたします。
[
まつざき真琴君登壇](拍手)
3 ◯
まつざき真琴君 皆さん、おはようございます。
私は、
日本共産党県議団として一般質問を行います。
まず、知事の政治姿勢についてであります。
中種子町で来月行われる
日米共同訓練に対する知事の見解につきましては、一昨日の代表質問で示されましたので、私は、この件の問題点を指摘し、要望にかえます。
第一の問題は、ことし三月に米海兵隊を倣ってつくられた
陸上自衛隊水陸機動団が、今回行う海からのボートを使っての上陸訓練や、空からのヘリとロープを使っての降下訓練は、憲法違反の武力行使につながる訓練であるという点です。元
自衛艦隊司令官の香田洋二氏は、二〇一四年の
外交防衛委員会の参考人として、「
上陸作戦能力は実はつい十年前まではタブーだった。それは海外派兵につながるからだ」と発言しています。
第二の問題は、今回の訓練が、
自衛隊基地でも米軍基地でも演習場でもない民間の土地で行われるということです。外国の軍隊である米軍が民間の土地を使って訓練を行うのは全国でも例がなく、法律的に日本の主権を侵害することになります。
知事は代表質問の答弁で、「地元の意向を尊重する」と言われましたが、地元では不安と反対の声が上がり、九月十四日には、共同訓練の計画に反対する集会が中種子町で開かれました。昨日の夕方は街角に立っての反対の
意思表明行動、本日は午後から、
中種子町長へ訓練を受け入れないよう申し入れを行うそうです。町議会での議論は行われても、町民の皆さんには訓練についてほとんど知らされていないのが実情です。
「住民の安全を確認して判断する」とも答弁されましたが、この間の沖縄でのさまざまな事故や奄美空港へのオスプレイの緊急着陸の状況を見ても、訓練で住民の安全が脅かされることは明らかです。
今、県の姿勢が問われています。空港跡地や海岸についての
貸し付け等の権限を有する知事として、全国でも例のないこのような訓練は、県民の安心・安全を守る立場で毅然と拒否すべきです。強く要請しておきます。
北海道で大地震が発生し、改めて
原発そのものについて考えさせられました。今回の地震では、
北海道電力泊原発は、わずか震度二であったにもかかわらず外部電力を失い、非
常用発電機を起動させる事態となりました。
そもそも原発を動かすには、原発を動かすための外部電力が必要です。今回のように、震源が遠くても
ブラックアウトが起きれば、川内原発の外部電源を失うことになります。九州電力が外部電源の系統をふやしたり非
常用発電機の電源車をふやしたりしても、自然の脅威は、私たち人間の想定をはるかに超えて襲いかかってきます。
日本には、わかっているだけでも二千もの活断層があり、どこでも大きな地震が起きるおそれがあります。
地震大国日本に原発はあってはならない、そのことを今回の地震は教えているのではないでしょうか。
二〇一一年三月の
東日本大震災当時、南相馬市の市長で、ことし一月に市長をやめられた桜井勝延さんの訴えを紹介します。
「津波で多くの犠牲者を出しました。捜索・救助活動の最中に原発の爆発事故が起きたのです。当時、何が起きたのか東京電力からは連絡がありませんでした。やがてバリケードが設置されて、ガソリンなどの物資も入らなくなり、住民が棄民された状態になりました。酪農家や養豚農家は自宅に入ることさえ許されず、餌をもらえなくなった牛や豚は次々に死んでいきました。自殺に追い込まれた農家もありました。推進派は、原発はクリーンで安全で安い
エネルギーなどと言っていましたが、その現実は、人の命を危うくし、環境も汚染し、最も高くつく
エネルギーだったことが明らかになったではありませんか、再稼働させてはなりません。現実的な避難計画は再稼働させないことです」。こう述べています。
知事、お尋ねします。
知事の
原発そのものの是非についてのお考えをお聞かせください。
三反園知事は、川内原発三号機の増設について、三号機を増設する状況にはないという見解を示されています。伊藤前知事も同じ表現をされており、それを担保するために、県知事が許認可権を持つ二つの手続を凍結するとされました。しかし、これは、私の任期中は、という期間限定でありました。
その後、
県知事選挙で伊藤知事から三反園知事へとかわりましたが、この凍結された二つの手続は、今どういう状況にあるのでしょうか。伊藤前知事の任期が終わり、自然解凍となったのか、依然凍結されたままなのか、それとも、三反園知事の意思で解凍されたのか、いずれの状況にあるのか明確にお答えください。
伊藤知事時代に凍結された二つの手続のうちの一つが、
保安林解除の許可で、敷地内の約六・六ヘクタールの保安林のうち、約四・五ヘクタールの
保安林解除の予定告示がなされ、既に伐採されています。
解除申請の理由は、
資機材保管ヤードの造成となっていますが、そもそも
保安林解除の手続の凍結は、知事の強力な権限として、三号機増設を認めない意思を担保する重みのあるもので、申請の理由が三号機増設ではないからといって簡単に許可することは許されない権限です。ところが、伊藤前知事の任期中に、周辺地区から
保安林解除の同意書をとっていたことがわかりました。
凍結すると言いながら、
保安林解除の準備を行っていたことは驚くばかりですが、三反園知事は、県民に「チェンジ」と訴えて、脱原発知事として当選されました。であれば、伊藤前知事が進めようとしていた
保安林解除の手続を中止する選択もあったはずです。
三号機増設をめぐっての
保安林解除が持つ意味を認識した上で、解除の手続を進められたのか、認識のないままに進められたのか、どちらであるのか明確にお答えください。
現時点での
川内原発敷地内の大
規模造成工事の状況を見ると、驚くことに、三号機
増設環境影響評価書に示されている沈砂池と盛り土の位置が、同じ位置になっています。このこと自体は川内原発の幹部も認めています。このことについて承知しておられますか。また、どう考えられますか、見解をお聞かせください。
九州電力の池辺新社長は、就任に当たってのインタビューで「三号機増設は必要」と発言されています。
繰り返しますが、
地震大国日本に原発はあってはならないものです。三反園知事が述べられている「三号機増設の現状にない」とは、状況の変化によっては増設もあり得るということになってしまいます。最も確実に三号機増設を認めないために、三号機増設の同意を撤回していただきたい。知事の意思をお尋ねいたします。
日本は、既に、パチンコと
公営ギャンブルを合わせ市場規模が二十七兆円にも上る
ギャンブル大国です。
ギャンブル依存症も三百万人を超え、多重債務や自己破産など深刻な社会問題を引き起こしています。
まず、知事に、
ギャンブル依存症についてどのように認識しておられるか、お尋ねします。
政府はこの七月、刑法で禁じられてきた民営賭博を解禁し、さらに
ギャンブル依存症をふやすことになる
カジノ法案審議を強行し、成立させました。
安倍内閣は、カジノを成長戦略の目玉と位置づけていますが、カジノは、人のお金を巻き上げるだけで付加価値は生みません。もともと経済効果を云々するような代物ではありません。
ギャンブル依存症をふやせばふやすほどもうかるビジネスなど、許されるものではありません。
ところが、
九州地方知事会が本年五月に採択した、地方創生の推進についてという国の支援を求める決議には、九州地域へのIR導入が盛り込まれ、地方へのIR導入は、新たな人の流れや雇用を創出するまたとない機会であることから、各地域における理解を前提として地方創生に資するIR導入を進めることと述べられています。
長崎県では、
観光拠点機能としてカジノを含めたIR施設を整備し、
地域活性化を図るという長崎IR構想なるものがつくられています。人の不幸をもうけの道具にするカジノで地方創生がなされるのでしょうか。
三反園知事は、本県の観光・PRには特に力を入れておられるようでありますが、カジノについてはどのようにお考えか、お尋ねいたします。
「私に人並みの痛みを感じる体をください。人並みの味のわかる体をください。人並みに熱さのわかる体をください。普通の体にして返せ」。これは、ことし七月六日、七十八歳で亡くなられた、
水俣病不知火患者会会長だった大石利生さんの読まれた詩です。
大石さんは、水俣市に生まれ、魚を食べて育ち、チッソに就職しました。交通事故でガラス片が貫通し、自分で引き抜いても痛みを感じない。奥さんがつくる料理の味もわからず、おいしいと言えない。孫とお風呂に入り、余りのお湯の熱さに孫が泣き叫んでも自分は熱さがわからない。そういう体だったのでした。
一九五〇年ごろ、魚の大量死と猫の狂い死にから始まった水俣病は、
チッソ水俣工場の廃液に含まれた
メチル水銀に汚染された魚介類を地域住民がたくさん食べたことによって引き起こされましたが、チッソが隠し、国と熊本県が放置する中で、深刻な公害病として広がっていきました。
この水俣病の公式確認から六十二年を過ぎましたが、国は、あたう限りの救済を掲げながら、まだ多数の
水俣病被害者が取り残されていることが明らかであるにもかかわらず、
被害者団体の強い反対を押し切って、わずか二年で特措法に基づく給付の
申請受け付けを締め切りました。このような状況を受け、二〇一三年六月、新たな訴訟が起き、その原告数は全国で千五百人にも上っています。
本県においては、特措法に申請したにもかかわらず救済されなかった方が四千四百二十八名もおられ、公健法においても三千九百七十二人の棄却、未審査が千六十二人もおられます。
知事にお尋ねします。
いまだに
水俣病被害者と認められずに健康被害に苦しむ方々が県内に多数おられることについて、どのように認識しておられますか。
水俣病の背景と被害の実相を明らかにするための
ミナマタ現地調査は、三十六回目のことし、初めて鹿児島県長島で行われました。長島は、一つの島でありながら、旧東町と旧長島町とで、
水俣病特措法の
対象地域と非
対象地域というように分断されています。この長島でどのように不知火海の魚介類が食べられていったのか、現地調査で明らかになりました。
旧東町の薄井港から不知火海に向かって漁船が出ていました。旧東町からは公健法上の水俣病の認定患者が出ており、特措法で
対象地域と指定されています。
旧長島町は、茅屋港から不知火海や出水灘、水俣沖に出て、巾着網漁が行われていました。船団が十船団ほどあり、二百五十人ほどの乗組員がいました。この漁は、少数の漁師と多数の網を引き上げる人夫がいて成り立つ漁でした。
人夫たちには現金のほかに、おかずという意味の「セ」と呼ばれる魚がバケツ一杯ほど配られました。巾着網漁は満月の前後の一週間を除いて毎日行われるので、自分の家だけではその魚は食べ切れず、近所や親戚などにも配っていたそうです。不漁のときも、人夫を集めるために、セの分だけは確保して配布されていました。また、天草の牛深から、めご入れどんと呼ばれる行商人が魚を売りに来て、長島の野菜と交換していきました。こうして
不知火海産の魚介類は長島全域に広がり、どこでもたくさん食べられていたのです。
また、不知火海沿岸住民の有病率の長島調査について、
高岡滋医師から発表されました。これは、長島の中でも特措法の対象外とされた、長島の西岸に位置する北方崎や小浜集落の住民と、
チッソ水銀とは無関係な
奄美大島住民について、魚介類の摂取状況と五十八項目に及ぶ綿密な自覚症状の聞き取りや医師団による検診で、比較検討を行うという調査でした。
この調査結果についてここで詳細に述べる時間はありませんが、明らかに、長島の北方崎や小浜集落には水俣病の症状があらわれています。今回の調査で、旧東町と旧長島町と区別なく、長島全体に水俣病の被害が広がっていることがわかりました。
そこでお尋ねします。
特措法における地域や年代の線引きを被害実態に合わせて見直すことを国に求めていただきたい。特措法では
対象地域外とされていた伊佐市の被害者が救済されました。これまでの救済実態に合わせて
治療研究事業の
対象地域に伊佐市を含めていただきたい。
また、被害の実相を正確に把握し、
水俣病被害者で救済から取り残される人をなくすためにも、不知火海沿岸地域の健康・環境調査を国と連携し、直ちに行っていただきたい。
鹿児島県として水俣病の被害実態を正確に把握するため、
対象地域外と言われる阿久根、長島、伊佐の現地視察と被害者との懇談の機会を設けて、声を聞いていただきたい。
以上、知事の見解を求めます。
[知事三反園 訓君登壇]
4 ◯知事(三反園 訓君)川内原発の三号機増設に係る二つの手続及び見解についてであります。
東京電力福島第一原発事故後の状況、今の県民の安心・安全に対する思いを考えますと、三号機の増設を進める状況にはないと考えております。
水俣病に関する現状認識についてであります。
昭和三十一年に公式確認された水俣病は、我が国の公害・環境問題の原点となる問題でありまして、現在でも多くの方々が心身の苦労に耐えておられるところであります。
水俣病対策につきましては、国においてこれまで、
公害健康被害補償法による
水俣病認定制度、二回の政治解決などに基づいてさまざまな取り組みを行ってきておりますが、公式確認から六十二年目に当たる今日でも、多くの方々が認定申請を行っているほか、訴訟が提起されるなど、今なお十分な解決には至っていない状況にあると認識しております。
水俣病につきましては、重要な解決しなければならない問題であると考えており、県としては、
公害健康被害補償法に基づく
水俣病認定申請の審査や
水俣病総合対策事業による療養費の支給、
健康不安者に対する健診などの取り組みを今後とも着実に進めてまいりたいと考えております。
5
◯企画部長(古薗宏明君)原発に対する見解についてであります。
国は、本年七月に閣議決定された第五次
エネルギー基本計画におきまして、
原子力政策の方向性として、いかなる事情よりも安全性を全てに優先させ、国民の懸念の解消に全力を挙げることを前提としております。また、原発の依存度については、
再生可能エネルギーの導入などにより、可能な限り低減させることとしております。
県といたしましては、引き続き、県民の安心・安全を確保する観点から、川内原発に係る防災対策の充実・強化に全力で取り組みながら、本県の多様で豊かな資源を最大限活用して、
再生可能エネルギーの導入を積極的に促進してまいりたいと考えております。
6
◯環境林務部長(藤本徳昭君)
川内原子力発電所の
保安林解除手続についてであります。
川内原子力発電所については、
原子力規制委員会が定めた新規制基準に対応するための
特定重大事故等対処施設の整備などに伴い、一、二号機の通常運転や定期検査時の保守点検に必要な
資機材保管ヤードが不足するとして、敷地内の一部の保安林について、九州電力から解除申請がなされたものであります。
県におきましては、森林法等の規定に基づき、公益上の理由により必要が生じたものであるか、他に適地を求めることができないか、解除面積が
必要最小限のものであるかなどについて慎重に審査を行ったところであります。
この結果、解除の要件を備えていると判断し、
県森林審議会からの解除適当との答申も踏まえて、解除予定として告示を行ったものであります。
川内原子力発電所内の沈砂池・
盛り土工事についてであります。
保安林解除申請書によると、
盛り土工事については、新たに必要となる
保管ヤードの面積の確保や効率的な運用等を図る観点から、
既設ヤードに隣接して新たなヤードを設置するなどのためのものであるとされております。また、同様に沈砂池についても、現地の地形や盛り土の位置・形状、基準を満たす容量、設置後の維持管理などを勘案し、現在の位置に整備するとされております。
いずれにいたしましても、現在行われている工事は、一、二号機の通常運転や定期検査時の保守点検に必要な
資機材保管ヤードを造成するためのものであると承知いたしております。
水俣病被害者救済特別措置法に基づく
救済措置における居住地等による線引きについてであります。
特措法に基づく
救済措置の申請期限は平成二十四年七月までであり、同法に基づく
救済措置の判定は既に終了しております。
同法に基づく
救済措置における対象年齢、
対象地域の基準につきましては、
ノーモア・ミナマタ訴訟で裁判所が示した基準を基本とし、国と救済を求める団体との協議も踏まえ、閣議決定された
救済措置の方針等において定められたものであります。
既に
救済措置の申請及び判定は終了しておりますことから、対象年齢、
対象地域の見直しに係る要望は考えていないところであります。
水俣病要
観察者等治療研究事業についてであります。
治療研究事業は、国の補助制度を活用し、水俣病の
認定申請者のうち、原則として、申請から一年が経過し、
対象地域における居住歴等の要件を満たす方に療養費等を助成する事業であります。関係団体からは、
対象地域に伊佐市を加えるよう要望がなされており、その都度、その旨を国にお伝えしております。
不知火海沿岸地域の
住民健康調査等及び水俣病に係る
現地調査等についてであります。
住民健康調査等については、特措法において、国が、指定地域及びその周辺の地域に居住していた者の健康に係る
調査研究等を行うこととされております。県といたしましても、調査研究に必要な協力を行ってまいりたいと考えております。
また、県では、平成二十七年に長島町、平成二十八年に阿久根市及び伊佐市において、地域の方々と意見交換を実施し、
救済措置に関する御意見などを伺ったところであり、その内容については国にもお伝えしたところであります。
7
◯くらし保健福祉部長(中山清美君)
ギャンブル依存症についての認識でございます。
ギャンブル等依存症とは、
ギャンブル等依存症対策基本法によりますと、
ギャンブルにのめり込むことにより日常生活又は社会生活に支障が生じている状態と定義されております。国においては、
ギャンブル等依存症は、多重債務、犯罪等の重大な社会問題を生じさせていることに鑑み、
依存症対策を総合的かつ計画的に推進することとしております。
県におきましても、
ギャンブル等依存症である者及びその家族が、日常生活及び社会生活を円滑に営むことができるよう支援することは重要であると考えており、現在、
精神保健福祉センター等において相談支援や家族教室などを実施しているところです。
8 ◯PR・
観光戦略部長(川野敏彦君)
特定複合観光施設、いわゆるIRの誘致に対する県の考えについてでございます。
本年七月に成立したいわゆる
IR実施法によりますと、国は、全国で三カ所を上限に
区域整備計画を認定することとしております。全国では現在、お尋ねにありました長崎県のほか、大阪府、和歌山県などがIRの
誘致活動等に取り組んでいると承知しております。
IRは、国内外からの
観光客誘致や地域での雇用促進など
経済波及効果が期待されます一方、
ギャンブル依存症や資金洗浄などの懸念も指摘されております。IRの誘致には、これらの懸念への十分な対応や県民の理解が必要であると考えており、県としては、IR誘致についての検討は行っていないところであります。
9 ◯
まつざき真琴君 自席から知事に、川内原発について再質問を行います。
知事は、「三号機増設を進める現状にはない」と答弁されました。ということは、伊藤前知事もそう言われておりましたが、三号機増設にかかわる県が持っている二つの権限、この手続は凍結されたままと理解してよろしいですか。
10 ◯知事(三反園 訓君)先ほど申し上げたとおりでありまして、
東京電力福島第一原発事故後の状況、今の県民の安心・安全に対する思いを考えますと、三号機の増設を進める状況にはないと考えているということでございます。
11 ◯
まつざき真琴君 凍結されて、手続を進める意思はないと理解します。よろしいですね、確認させてください。
12 ◯知事(三反園 訓君)もう何度も申し上げておりますけれども、
東京電力福島第一原発事故後の状況、今の県民の安心・安全に対する思いを考えますと、三号機の増設を進める状況にはないと考えているということであります。
13 ◯
まつざき真琴君 決して進めることはないと、凍結されたままと理解いたします。
水俣病について、知事に再質問を行います。
裁判で加害が認められたのは、チッソはもちろんですが、国と熊本県です。鹿児島県としては、国に遠慮することなく、県内の被害者の全面救済のために声を上げていただきたいと思います。まずは県内の
水俣病被害者と会ってその声を直接聞いていただきたい。ぜひそういう機会を設けていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
14
◯環境林務部長(藤本徳昭君)先ほども答弁いたしましたけれども、県におきましては、平成二十七年及び二十八年に地域の方々と意見交換を実施し、
救済措置に関する御意見のほか、当時の食生活や漁業の状況などについてお話を伺ったところであり、その内容につきましては国にもお伝えしているところであります。
その後、国におきます対策について大きな変化等もないところでございますので、改めてお話するという考えはないところでございます。
[
まつざき真琴君登壇]
15 ◯
まつざき真琴君 コメントは最後に申し上げることとし、新しい質問に入ります。
ことしの夏、猛暑、酷暑の日々が続きました。総務省消防庁の調査によると、四月三十日から九月九日までの間に熱中症により救急搬送された人は、県内で千三百八十九人にも及びました。そのうち約四四%もの方たちが、自宅にいて熱中症になっています。学校などでは七十五人が救急搬送されています。昨年の統計では、県内で十八名が熱中症で死亡しています。暑さで命を失う、とんでもない事態の中で県としてやるべきことは何か、お尋ねしていきたいと思います。
ことし、熱中症で死亡する人が続出する中で、テレビの報道では毎日繰り返し、ためらわずに冷房を使ってくださいと呼びかけられておりました。
まず、熱中症対策としてのエアコンの効果についての認識をお聞かせください。
ここでは、県が設置者である県立高校と寄宿舎のエアコンについて取り上げます。
ところが、その後の議論や予算の組み方を振り返りますと、関係機関、特に鹿児島市との意見交換に係る予算の計上・執行のみに終わっております。本会議や委員会質疑におきましても、まずは鹿児島市の意向が重要、鹿児島市民の反応が大変薄く、盛り上がらない、プロジェクトベースで進む状況ではないという言葉で一蹴され、近年は単独での予算すらついていないのが現実でございます。
しかしながら、私の目には、鹿児島市がというよりも、県の担当部局が、そして何よりも知事自体がこのことに関して関心が薄いのではないかと思っております。
大隅半島の長年の悲願であるこの構想は、交通の利便性向上、産業発達への貢献、生活圏の拡大、観光資源としての全国への情報発信など、大隅のみならず九州南部地域の産業、経済、文化の発展に寄与することはもちろん、県土における防災ネットワークの強化や夜間救急医療体制の充実などの観点からも極めて重要なものだと認識させていただいております。
昨年三月に、桜島架橋推進協議会が知事に対し活動内容などを御説明した際にも申し上げておりますし、先月、四市五町の首長など、大隅総合開発期成会のメンバーが知事に対して提出した要望書の中にも含まれております。
そこでお尋ねさせていただきたいと思います。
錦江湾横断交通ネットワーク事業を実現するお考えが知事にはあられるのか、まずお答えいただきたいと思います。
二番目に、大隅縦貫道の整備についてお尋ねいたします。
大隅縦貫道につきましては、四十年も前に、私の師である橋口隆代議士がその必要性について声を上げたことに始まり、平成六年には地域高規格道路の候補路線に指定され、さらに平成十年には東九州自動車道から国道四百四十八号までの区間が計画路線に指定されておりますが、まだまだ整備は進んでおりません。
整備が進む北薩横断道路や全線供用開始された南薩縦貫道に比べますと、大隅縦貫道の整備は著しくおくれていると感じるのは私一人ではないと思っております。
こうした中、来年度から大中尾地区の整備着工を目指し、取り組んでおられるとお伺いいたしておりますが、大隅縦貫道の南大隅町側に位置する瀬戸山地区にも、狭隘で急カーブ、急勾配の箇所が多く残されております。
今後は、大隅縦貫道に関しましても、他の地域高規格道路と同様に、複数工区で整備を進めるべきであり、さきの大中尾地区だけでなく、南大隅町側の起点からの部分も同様に予算化されるべきと考えますが、県の方針をお示しいただきたいと思います。
三番目に、大隅横断道路、仮称高隈トンネルの整備についてお尋ねさせていただきます。
大隅横断道路は、十年前から大隅総合開発期成会が最重要課題として掲げており、平成二十四年三月議会で初めて取り上げました。当時の答弁は、地元の要望があることは認識しているが、高規格幹線道路などの事業進捗速度を落とすことなく集中的に整備することとしており、まずは事業中箇所の整備に努めたいとの内容でありました。
国際バルク戦略港湾である志布志港の利用価値をさらに高め、県全体へその効果を波及させるため、また、大隅半島の一体的な発展のために、薩摩半島と大隅半島を最短で結ぶ錦江湾横断道路、大隅半島の背骨となる大隅縦貫道に加え、大隅横断道路の早期整備は欠かせないものと考えております。
知事がかねがね、「大隅の発展は道路の整備に尽きる」と言われているのを私は何回も耳にいたしております。今後、重要物流道路の指定や地域高規格道路などの広域道路ネットワークの再編などを目的とした、新広域道路交通計画の策定が進められていくとお伺いしております。
まずは広域道路ネットワークの一つとして位置づけ、大隅横断道路の整備実現につなげることが必要ではないかと考えますが、この点につきまして、県のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
[知事三反園 訓君登壇]
39 ◯知事(三反園 訓君)錦江湾横断交通ネットワークについてであります。
錦江湾横断交通ネットワークにつきましては、従来から、大隅地域の方々を中心にその実現を強く求める声があることは承知しております。就任以来、何度も大隅半島に足を運んでおりまして、関係市町村との意見交換などを通じて直接お話を伺っております。
ネットワークの整備により、交流人口の拡大や物流の利便性の向上が期待されておりまして、大隅地域の産業発展への貢献、ひいては薩摩・大隅両半島の一体化による県全体の発展に資するものであると考えております。これまで、可能性調査の実施によりまして、ルートや構造、事業のスキーム、財政負担など、一定の整理を行ったところであります。
このプロジェクトは、錦江湾を挟んだ鹿児島市の二つの地点を結ぶものでありますことから、まずは鹿児島市の意向が重要でありまして、引き続き、鹿児島市との意見交換を行うとともに、事業の採算性、国の協力方針、関係自治体や県民の意向、県議会での御議論等を踏まえまして、総合的に判断する必要があると考えております。
40 ◯子育て・高齢者支援総括監(地頭所 恵君)メッセージカードの市町村への意向確認等についてでございます。
メッセージカードは、出産を祝うとともに、子育て支援に関する県の考え方や政策などを県民へ周知するものであり、部内において事務的に検討を進めていた段階であります。したがって、知事からは指示は受けておらず、このことについてまだ報告もしておりませんでした。カードの趣旨は、出産を祝うとともに、子育て支援に関する県の考え方や政策などを県民へ周知するものであり、売名行為、政治活動のようなことには全く当たりません。
県と市町村の関係については、対等・協力の関係にあり、互いに緊密に連携しながら施策を推進していく必要があると考えております。メッセージカードを交付していただけないか、事務的な手続として市町村の意向を照会したものであります。御指摘のような姿勢などはとっておりません。
今後の対応については、市町村の意向が第一であると考えており、市町村の意向等を踏まえ、どのような対応をするのか検討してまいりたいと考えております。
41 ◯土木部長(渡邊 茂君)大隅縦貫道の整備についてでございます。
大隅縦貫道につきましては、現在、鹿屋市吾平町の市街地部を迂回するバイパス道路として吾平道路の整備を進めております。また、県道鹿屋吾平佐多線の南大隅町大中尾地区については、来年度からの事業着手を目指し、今年度、地質の概略調査を進めているところであります。
御指摘の瀬戸山地区につきましては、これまで、概略ルート等の検討を行ってきたところでありますが、地形が急峻なため多額の事業費を要することが見込まれることから、引き続き、さらなる検討が必要であると考えております。
続きまして、大隅半島を横断する道路構想についてでございます。
新広域道路交通計画については、まず、地域の将来像を踏まえた広域的な道路交通の今後の方向性を定める、新広域道路交通ビジョンを策定し、このビジョンを踏まえ、高規格幹線道路やこれを補完する地域高規格道路、直轄国道など、広域的な道路ネットワークを中心とした必要な路線の強化や絞り込み等を行いながら、平常時・災害時及び物流・人流の観点を踏まえた具体のネットワーク計画等を策定するものであります。
現在、大隅地域においては、農業や観光の振興を図る上で重要な道路である東九州自動車道や大隅縦貫道、都城志布志道路などの整備を進めているものの、いまだ多くの整備すべき区間が残されており、引き続き、これらの事業中箇所の早期整備に努めたいと考えております。
なお、新広域道路交通ビジョン策定に向け、現在、地域の社会・経済の現状や見通し、広域的な交通の課題など、現状把握を行っているところであり、今後、具体の道路ネットワークを検討することとしております。
42 ◯堀之内芳平君 議長、自席から。
知事、あなたの今の答弁を聞いていたら、桜島架橋はやらない。そう受け取ってよろしいですか。桜島架橋は、大隅半島の陸の孤島を解消する意味合いでも、大きな大隅半島の期待、かすかな光があったわけですよ、知事が就任する前までは。
私の地元大隅半島であなたが選挙で取られた票の総数を述べますよ、五万四千二百余名の方があなたを支持したんですよ。この二年間、あなたの就任以来、一歩もこのことが前に進んだ経緯はないわけですよ。あなたを支持した人たちが、今ね、「ちょっしもた、選択ミスやった」。そういう話まで出ていますよ。この問題をやるかやらないか、もう一回あなたの姿勢を問います。
43 ◯知事(三反園 訓君)錦江湾横断交通ネットワークの実現を強く求める声につきましては、私自身も直接お伺いしております。私自身も就任以来何度も大隅半島に足を運んでおりますので、意見交換などを通じて直接お伺いしているところでもございます。
先ほども答弁いたしましたけれども、財政負担を含めて、さまざまな課題があることも事実であり、鹿児島市も含めて、どういうことができるかも含めて、今後、協議を進めていきたいと思っております。
44 ◯堀之内芳平君 議長、もう一回。
あなたは、経済同友クラブのメンバーにも予算がないと。僕がさっき言ったじゃない、PFI方式で民間活用の方法もあるんだって。県に予算を求めているんじゃないよ、この問題は。もう一回お願いしますよ。やるんだったらやる。ちゃんとした答弁を求めますよ。
45 ◯知事(三反園 訓君)何度も申し上げて本当に申しわけないんですけれども、引き続き、鹿児島市との意見交換を行うとともに、関係自治体、県民の意向、県議会での御議論等を踏まえ、総合的に判断させていただければと思っております。
堀之内議員の思いはよくわかっております。
[堀之内芳平君登壇]
46 ◯堀之内芳平君 もう少し前向きな答弁があるんじゃないかと思って期待いたしておりました。
母子健康手帳に係る部分でちょっと言わせていただきますが、この手帳が、六十五年前、私が生まれたときの母子健康手帳でございます。六十五年前のものです。私と今は亡き母のたった一つの大切なきずなですよ。この件をあなたが知らなかったと総括監は言っているけど、本当かいな。疑いますよ。あなたの部下がうちの役所にも電話して、高圧的な姿勢で「これ、メッセージをお願いしますよ」と言ってきているよ。
僕は、この母子健康手帳にかかわる部分は、この手帳は母親と子供をつなぐ大切なものであって、そこに政治に関与する人たちのメッセージは必要ではないと考えておりますので、あとの対応はそちらのほうでやっていただきたいと思います。
大隅半島の道路整備につきましては、かね日ごろより知事は、「大隅の発展は、まず道路の整備にある」と公言されているじゃないですか。何回も僕は聞いている。有言実行で一日も早い実現性のある予算づけをお願いしますよ。特に、桜島架橋については知事の決断が最も重要であると考えています。一歩でも二歩でも前進するようにお願いいたします。
次の質問に入らせていただきます。
水産業の振興についてお伺いさせていただきます。
二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック、そして鹿児島県での国民体育大会開催など、今後、海外からの観光客を含めた多くの方が日本、鹿児島県を訪れることは、すなわち、本県の豊かな食材を初めとする観光資源を世界に向けてPRする絶好の機会であると期待いたしております。とりわけ、オリンピック・パラリンピックに参加する選手、関係者向けの食材に本県産の多くの食材が使われるよう私どもも働きかけ、支援していかなければならないと考えております。
安心・安全な食材の生産、提供が当たり前のように言われており、このような中に、水産資源の安定的な確保などを目的として、垂水市浜平のかごしま豊かな海づくり協会敷地内に、従来のカンパチの人工種苗生産施設に続いて、本年四月二十四日より、ブリの人工種苗生産施設が稼働しており、地元自治体関係者や水産団体関係者などからも、大変ありがたい施設を建設いただいたと感謝されております。
将来の人口減少に伴い、水産物の国内消費量も年々減少していくことが想定されておりますが、一方、世界に目を向けますと、東南アジアを初めとする諸国は年々人口が増加し、ふえ続ける人口の胃袋を満たすためには、大変多くの食料が必要となることが想定されます。
そのため本県では、地元の豊かな食材の輸出に大変な力を注いでおります。養殖生産量日本一のブリ、カンパチの人工種苗生産施設は、海外輸出において、安心・安全な食材であるためのトレーサビリティーを証明し、今後の水産振興を担う大変重要な施設であると認識させていただいております。今後、これらの施設を活用し、本県の水産振興をどのように図っていかれるのかという観点から、質問させていただきたいと思います。
一点目に、垂水市浜平のかごしま豊かな海づくり協会のカンパチ人工種苗生産施設において、平成二十三年度から二十五年度の過去三年間に行った、ふ化飼育の実績についてお示しいただきたいと思います。
二点目に、当施設でふ化飼育された稚魚のうち、もうかる漁業創設支援事業に参加した養殖業者に販売された数量をお示しいただきたいと思います。
三点目に、カンパチの人工種苗については、生存率や成長がよくないとの声を関係者から耳にしております。また、出荷までのコストがかさみ、その分は養殖業者の負担となっているものと思います。
現在、生産方法が確立されていない種苗であれば、養殖業者のこうむった損失の負担について、県や国で支援策を講じるお考えはないものか、お示しいただきたいと思います。
四点目には、海づくり協会で本年度から稼働するブリの人工種苗生産施設について、養殖業者に対する販売開始の時期や生産量の年次計画及び販売先についてお示しいただきたいと思います。
また、販売先の養殖業者について、どのような基準で振り分けを行っていかれるのか、あわせてお示しいただきたいと思います。
次に、公立高校の振興策についてお伺いいたします。
この問題は、公明党の成尾議員、そして、きょう質問されたまつざき議員、田畑議員と同じような質問になろうかと思いますが、若干角度を変えて質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
御承知のとおり、ことしの夏は前代未聞の猛暑で、全国的に見ましても、四十度を超える観測ポイントが出てくるなど、屋外での活動はもとより、屋内での活動も身体にこたえる暑さとなり、九月も二十日というこの時期でも、いまだに三十度を超える日々が続いております。ここまで暑いと、さすがに気合いで乗り切れというのも虐待、拷問のような話で、エアコンのきいた環境でないと授業にも実が入らないわけでございます。
昨年度の調査で、全国公立学校の普通教室におけるエアコンの設置率が、小・中学校では四九・六%、高校では七四・一%となっております。本県におきましては、小・中学校が三五・八%の二十位、高校が七一・四%の二十八位と、全国平均よりも低い値にとどまっております。このデータは、北海道、青森県がゼロ%だったり、下位の五道県が東北に偏ったりしておりますので、恐らく冷房が対象なんだろうなと思っております。
そう考えますと、桜島が噴火しますと窓をあけることもままならない本県で、全国平均を下回っているというのは、子供たちが学問に集中する場として果たして適切な環境なのかと疑問に思わざるを得ません。
そこでお伺いいたします。
まず、このデータをどのように捉えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
次に、公立高校におけるエアコン設置について、今後どのように進めていかれる考えか、お示しいただきたいと思います。
また、エアコン未設置の学校についても、一括で設置されるのか、それとも何年かに分けて設置されるのか、もし分割する場合は、その優先順位はどのような基準で決められるのか、お示しいただきたいと思います。
二点目に、学科の設置についてお尋ねいたします。
本県の専門学科は、農業系を中心に、本県の基幹産業を担う人材育成に大いに寄与していることは今さら言うまでもございません。
畜産を例に挙げますと、昨年の全国和牛能力共進会では、高校の部で市来農芸高校が優秀賞四席に輝き、今年一月に全農の主催で開催された第一回和牛甲子園では、総合部門で鶴翔高校と鹿屋農業高校が奨励賞、肉質部門で鹿屋農業高校が最優秀賞と優良賞を獲得し、鹿児島黒牛の次代の担い手の高い能力を全国に知らしめております。
しかしながら、例えば漁業・水産業に関しては、枕崎の鹿児島水産高校がございますが、本県水産業の基幹の一つとなっております、ブリ、カンパチなどの養殖漁業に関する学科、カリキュラムはないように思われます。
また、鹿児島南高校に体育科がございますが、本県には唯一の国立大学である鹿屋体育大学があるにもかかわらず、同大学と連携した学科はないのではないでしょうか。
これまでは、学校・学科の再編というと、既存の学校の統合は学科の集約に目が行きがちでしたが、これからは、さまざまな地域資源とリンクした人材育成を行う視点で、学科の設置を行ってもいいのではないかと思うところでございます。
そこで、地域資源を活用した特色ある学科、カリキュラムの新設で学校の活性化を目指すお考えはないのか、お尋ねさせていただきたいと思います。
最後に、重度訪問介護制度に関する問題についてお伺いさせていただきたいと思います。
重度訪問介護制度は、重度の肢体不自由または重度の知的障害、もしくは精神障害により行動上著しい困難を有する障害者であって、常時介護を要する人を対象とし、ホームヘルパーが自宅を訪問し、入浴、排せつ、食事などの介護、調理、洗濯、掃除などの家事、生活などに関する相談や助言など生活全般にわたる援助や、外出時における移動中の介護を総合的に行う制度であります。
生活全般について介護サービスを手厚く提供することにより、常に介護が必要な重い障害がある方でも、在宅での生活が続けられるよう支援するものであります。本人の、したいけれどもできないことをかわりに行うというのが、この制度であり、普通の訪問介護ではできないことまでフォローできる長所を持っております。
例えば、重度訪問介護のヘルパーであれば、外出支援もできるようですし、同居する家族の食事準備などの家事もできると聞いております。というのも、通常は対象者本人の生活面での不自由を解消するためにヘルパーがつくのでありますが、重度訪問介護のヘルパーは、対象者の方が、家庭、社会で健康な方と同じように役割を果たすために援助を行うという、異なる目的を持っているからでございます。
国の指定難病の一つである筋萎縮性側索硬化症、一般的にはALSと言われる病気の患者さんで東京にお住まいの方は、訪問看護とヘルパー、重度訪問介護のヘルパーの誰かが二十四時間常時そばにいるおかげで、ひとり暮らしでも在宅で療養、生活できていると伺いました。
また、事情により一時的に在宅療養者が病院に入院するレスパイト入院にも、このヘルパーはついていけるそうでございます。
ただ、本県の現状は、さまざまな問題から長時間のサポートをお願いできる事業所に限りがあるなど、本来目的とした形では重度訪問介護が使われていないようであります。
そこで、この制度の本質的なサービスを必要とする難病患者の団体が、みずから環境を整備、改善しようと取り組みを始めておられます。
ことしの三月、本県におきまして、ようやく重度訪問介護従事者養成研修事業者指定要綱が制定されました。要綱の制定に当たっては、ALS患者の団体である日本ALS協会鹿児島県支部の里中事務局長が熱心に働きかけをされ、実現にこぎつけたようで、この団体を母体とするNPO法人ALSかごしまサポートセンターが、事業者の第一号として指定を受け、去る八月二十四、二十五日に第一回目の研修を実施されたのを皮切りに、今月の五、六日には与論島で実施、今週末二十二、二十三日は奄美での研修を予定されているようでございます。
この事業を通じまして、ALSだけでなく他の難病の患者さんや障害を抱える方、そして家族が、在宅で安心して暮らせる環境を整えるお手伝いをしたいとのことでございますが、何分、初めての取り組みのため、何をどうやって教えたらいいのか、講師の確保はどうするか、そして何よりも、継続的に運営するための費用をどうするかといったさまざまな問題を抱えておられます。
与論島での研修に当たっては、与論町の助成と与論ライオンズクラブの寄附、地元のパナウル診療所の古川先生の尽力と、与論徳洲会病院の厚意による沖縄からの講師派遣などの強力なサポートがあって、ようやく実施にこぎつけたとお伺いいたしております。
御承知のとおり、本県は南北六百キロメートル、大小二十以上の離島を抱える地理条件にございますが、病気は地理的条件を考慮してはくれませんので、介護サービスも、どこに住もうと希望すれば受けられる体制を整える必要があります。
さきに述べた与論町の研修では、町や地元医療機関のサポートで何とか開講にこぎつけけたようでございますが、ALSに関して申し上げますと、与論島には二人、徳之島にも二人、奄美大島に三人というように、県本土だけでなく離島にも在宅で療養できる環境を望む方がおられることから、大変厳しい条件下に置かれております。
本県が重度訪問介護サービスにおいて、鹿児島方式のようなモデルケースを構築できれば、この制度に関して、他の都道府県をリードする存在になるのではないかと考えます。
そこでまず、本県における重度訪問介護制度のサービス提供の現状について、どのように認識しておられるのか、需要と供給のバランスをどのように捉えておられるのか、お示しいただきたいと思います。
次に、重度訪問介護の担い手育成に向けて、県としての取り組みや、事業者や受講者に対する支援、特に、離島や僻地など、事業としての採算性が低く、十分に利益を享受できない地域での人材育成や事業の支援などのお考えはないのか、お示しいただきたいと思います。
47 ◯商工労働水産部長(田崎寛二君)水産業の振興についてのお尋ねのうち、まず、カンパチ人工種苗生産施設における生産実績等についてであります。
かごしま豊かな海づくり協会が行ったカンパチ人工種苗のふ化実績につきましては、平成二十三年度は約千二百八万尾、平成二十四年度は約七百四十二万尾、平成二十五年度は約七百三十万尾となっております。
受精卵からふ化した割合は、平成二十三年度が約七八%、平成二十四年度が約八二%、平成二十五年度が約七六%となっております。
もうかる漁業創設支援事業におきまして、養殖業者に販売したカンパチ人工種苗の尾数につきましては、平成二十三年産が十八万五千尾、平成二十四年産が二十二万三千尾、平成二十五年産が約二十七万尾となっております。
ブリ人工種苗の試験段階における養殖業者への支援についてであります。
ブリの人工種苗の生産につきましては、垂水市の人工種苗生産施設におきまして、今年度、かごしま豊かな海づくり協会が水産研究・教育機構から受精卵を譲り受け、種苗生産の実証試験などを行うこととしております。
この実証試験で得られた人工種苗については、これまでの経験を踏まえ、水産技術開発センターが海面生けすで中間育成し、成長と生存率を把握することとしております。
この中間育成試験は、養殖業者の協力を得ながら行うこととしており、種苗は無償で提供し、餌の費用等も県で負担することとしております。
また、同様に今年度、カンパチにつきましても中間育成試験を行っておりますが、同様に費用は県で負担いたしております。
ブリ人工種苗の生産・販売についてであります。