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2018-02-28 平成30年第1回定例会(第5日目) 名簿
2018-02-28 平成30年第1回定例会(第5日目) 本文

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  1. 鹿児島県議会 2018-02-28
    2018-02-28 平成30年第1回定例会(第5日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(柴立鉄彦君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    田 中 良 二 君    山 田 国 治 君    大 園 清 信 君    鶴 丸 明 人 君  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 一般質問 ◯議長(柴立鉄彦君)一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  田中良二君に発言を許可いたします。
       [田中良二君登壇](拍手) 3 ◯田中良二君 おはようございます。  一般質問の二日目、トップバッターでございますが、質問通告に従いまして、順次質問させていただきます。  まず、行財政改革についてでございますが、昨年九月の平成三十年度当初予算編成における財政収支見通し─仮試算─、以下、仮試算と申し上げます。この仮試算において、一般財源ベースで七十八億円の財源不足を公表されましたが、平成二十四年策定の行財政運営戦略に基づく改革検討の結果、仮試算との比較では、歳出で五十億円のカットと、あわせて歳入を二十八億円の増収により、七十八億円の財源不足を解消されており、財政調整に活用可能な二百五十億円の基金造成など、改革の努力と成果を高く評価しながら、次なる改革に向けて質問いたします。  まず、歳出削減の取り組みについてですが、仮試算の一般財源ベースの歳出見込みは五千五百五十七億円でありましたが、当初予算案では五千五百七億円となり、五十億円のカットであります。  歳出構造において、一般的に減額調整がしにくく、また財政構造をかたくする性質があります義務的経費の人件費、扶助費、公債費について、歳出総額に占める割合は、仮試算で七七%、当初予算案においても七六%と大きなものであります。  これら義務的経費については、普通建設事業費等あるいは一般政策経費に比べて、扶助費と公債費は仮試算と当初予算案との数字に大きな異動がありますが、歳出の各項目について、改革の検討経緯と、仮試算と比べて五十億円削減の要因についてお知らせください。  次に、歳入確保の取り組みについて質問いたします。  歳入につきましては、仮試算より当初予算案は二十八億円の増となっておりますが、質問といたしましては、歳入確保に取り組まれた六項目の中で、使用料・手数料の減免見直しに関して質問いたします。  県の指定管理施設などにおける減免の取り扱いにつきましては、利用促進と福祉配慮の観点と同時に、受益者の応分の負担の考え方もあろうかと思いますが、使用料・手数料の毎年度の歳入は百二十億円前後、うち一般財源ベースでは約十億円と安定した歳入であります。  まず、減免の見直しを検討された各施設の使用料・手数料については、障害者配慮を含め、減免の基準と規定の仕方は同じでしょうか。  次に、使用料・手数料の見直しにより、五十二件分で効果額三千二百万円、また、使用料・手数料の減免基準の点検を実施との説明がありますが、昨年九月の仮試算における使用料・手数料の減免見直しに関し、見直しの経緯と結果。減免基準の見直しによる平成三十年度歳入への影響額があるのか、歳入の増があるのかについてお答えください。  次に、平成三十年度の歳入構造─一般財源の内訳─の評価について質問いたします。  一般財源としましては、一款県税から十五款県債が計上されており、平成二十九年度比でプラス四十八億円は評価できるものであります。これらの各款について見てみますと、地方交付税と県債、臨時財政対策債の減収分六十六億円を、核燃料税の増収分七億円を含む県税と地方消費税清算金がほぼ同額を補填する形となっておりますが、繰入金は平成二十九年度の約一億五千万円に比べ、プラス四十二億円と突出しております。  平成三十年度の基金繰り入れにつきましては、財政調整に活用可能な三基金二百五十億円を取り崩すことなく担保しながら、基金繰入金歳入二百七十二億円のうち、鹿児島臨海環境整備基金の廃止により、四十五億円を一般財源としての繰り入れは、まさに厳しい改革の有言実行であり評価いたしますが、後年度に及ぶ一般財源確保の手法としては、継続は厳しい面があるように感じております。  平成三十年度の一般財源ベース五千五百七億円の歳入構造、一般財源の内訳につきまして、平成二十九年度との比較も含めてどのように評価されているか、お尋ねいたします。  次に、臨時財政対策債について幾つか質問いたします。  臨時財政対策債につきましては、平成十九年度百九十四億円で、一般財源五千百三十九億円の四%、県債一千九十五億円の一八%であったものが、平成二十二年度は六百七十五億円、平成十九年度の三・五倍であり、一般財源五千二百七十一億円の一三%、県債一千二百五十一億円の実に五四%を占めるまでに増加しております。  まず、この十年間を振り返り、臨時財政対策債の一般財源に占める割合を見てみますと、平成十九年度四%であったものが、平成二十二年度から二十六年度までの五年間は一〇%を超えております。そして県債の歳入は、歳出への充当財源としては、本来、その他特定財源でありますが、臨時財政対策債は一般財源の取り扱いであります。  お尋ねしますが、まず、臨時財政対策債の歳入面での位置づけとして、県債でありながらも貴重な一般財源として、本県財政運営において、財源不足の解消を含めて極めて大きな役割を果たしていると考えますが、当局の見解をお知らせください。  次に、臨時財政対策債の県債に占める割合を見てみますと、平成十九年度は一八%であったものが、平成二十一年度以降は、平成三十年度まで三〇%を超えております。中でも、平成二十二年度、二十三年度、二十五年度は五〇%を超えております。  そこでお尋ねしますが、臨時財政対策債は、県当局の御判断で申請可能額の範囲内で申請されたものと理解しておりますが、県債の五〇%までも占める臨時財政対策債の起債申請額の積算基準はどのようなものでしょうか。  次に、臨時財政対策債につきまして、公債費歳出、借金返しの観点から質問いたします。  臨時財政対策債の各年度の予算額は、平成二十二年度の六百七十五億円を最高として、以後、減ってきておりますが、県債の残高総額と、そのうち臨時財政対策債分の割合を見てみますと、平成二十年度の県債残高一兆六千百五十四億円のうち一千九百四十二億円、すなわち一二%であったものが、十年経過後の平成三十年度末は一兆六千七十五億円のうち五千二百九十八億円で、臨時財政対策債分が実に三三%、過去最高の額と割合を占めることになります。  お尋ねしますが、臨時財政対策債残高の償還計画はどのようなものでしょうか。何年度から残高が減少期に入る見込みでしょうか。  あわせて、臨時財政対策債等を除く県債残高につきましては、行財政運営戦略を策定した平成二十四年三月には約一兆三千億円であったものを、一兆一千億円程度にまで抑制するという目標でありました。  そして、平成三十年度末は一兆七百七十七億円で、平成二十八年度末より二年度間で約五百億円減の見込みであり、着実な改革の成果が出ておりますが、一兆円以下になるのはいつなのか、見通しをお聞かせください。  次に、県債残高のうち臨時財政対策債分が過去最高の累積額となっていることを踏まえて、質問いたします。  その元利償還の公債費歳出が、後年度の地方交付税の運用に与える影響は全くないものか、お尋ねいたします。  臨時財政対策債の元利償還額は、その全額が後年度に交付税措置されるとの制度説明でありますが、本県において県債残高の三分の一を臨時財政対策債分が占める現状からして、その元利償還額が基準財政需要額として今後、増嵩する一方であれば、必然的に、後年度に地方交付税に占めるその措置額も連動してふえていくものではないでしょうか。しかし、その措置分の増に連動して、本県の地方交付税の総額はふえていくものでしょうか。  そして、本県の地方交付税が一定レベルの総額のままであれば、あるいは新年度までの六年度間がそうでありますように、減少していくのであれば、ふえていくその措置分を毎年度の地方交付税総額から差し引きますと、結果的に、残りの真水の地方交付税額は減っていくのではとの県民の素朴な見方もあります。  お尋ねしますが、年々ふえていく臨時財政対策債分の公債費歳出が、後年度の地方交付税の運用に与える影響の懸念について、全くないものか、見解をお示しください。  次に、持続可能な行財政構造の構築に向けた行財政改革の着実な推進についてお尋ねいたします。  平成三十年度も、行財政改革推進プロジェクトチームを中心に、行財政運営戦略を踏まえて、引き続き改革を着実に推進するとのことですが、検討の方向性として、継続事項や新たな視点などは具体的にどのようなものか、お尋ねいたします。  行革の最後に、地方一般財源総額の確保について質問いたします。  全国集計の経済指標では、かつてない好景気とされておりますが、地方において、市民・県民は生活の豊かさを皮膚感覚として実感されているでしょうか。また、我々地方行政、議会にかかわる者にとって、我が国の好景気なるものが、本県財政において歳入全体の増が数字としては見えていない現状であります。  地方の一般財源総額の確保につきましては、根本的に、県債である臨時財政対策債ではなく、地方の財政運営に必要な本来の地方交付税の総額確保などを国に求めるべきではないのか、知事の決意をお聞かせください。  次に、原発防災対策の充実について質問いたします。  まず、核燃料税の財源充当についてでございますが、核燃料税は、本県の法定外普通税として設置され、使途について明確な規定はないものの、広く原子力防災関連事業に充当される貴重な一般財源であります。平成三十年度の核燃料税は平成二十九年度比でプラス七億円、十八億四千三百万円が計上されております。  お尋ねしますが、今後五年間の核燃料税の税収見込み総額と、その総額の財源充当について、使途の分野と区分ごとの金額はどのようなものでしょうか。避難経路の整備関連もあわせてお答えください。  また、PAZ、UPZ圏内の避難経路上の県道整備について、平成三十年度整備予定箇所名を具体的にお示しください。  次に、安定ヨウ素剤の事前配布についてお尋ねいたします。  まず、これまでのPAZ圏内の事前配布についてですが、平成二十八年度更新時のPAZ圏内の対象者数、受け取った方の人数、率はどのようなものでしょうか。直近の状況とあわせてお知らせください。  次に、提案されております、UPZ圏内の安定ヨウ素剤の事前配布につきましてですが、UPZ圏内の居住者で、一定の要件に該当し、希望する住民に対して実施するものとされております。一定の要件とはいえ、規定の幅の広さからしますと、私や私の家族を初め、相当数の住民が要件該当者に入ると思われますが、本人の自主性を尊重して、希望する住民となりますと、数は絞られてくることも想定されます。  まず、UPZ圏内の安定ヨウ素剤の事前配布につきまして、新年度四月以降の具体的なスケジュールについてお尋ねします。  また、事前配布前の説明会と問診につきまして、UPZ圏は当然にPAZ圏よりはるかに面積も広いわけですが、県と関係市町の連携のあり方、参加呼びかけのエリア、箇所数、時期などについて、また、医師、保健師などのかかわりについてお尋ねいたします。  以上で、一回目登壇の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 4 ◯知事(三反園 訓君)地方一般財源総額の確保についてであります。  本県の自主財源が乏しい財政構造のもとで安定的に財政運営を行うためには、地方交付税は極めて重要であると考えております。このため、地方交付税につきましては、社会保障関係費の増加や高水準で推移する公債費、地方の実情に即した地域活性化の取り組みなど、地方における必要な歳出を適切に地方財政計画に反映し、その全国総額の確保を図るとともに、臨時財政対策債等による毎年度の地方財政対策による措置ではなく、法定率の引き上げなどによる恒久的な措置が講じられる必要があると考えております。  国の財政状況が厳しいということもありまして、六年連続で減少しておりますが、地方交付税を含む一般財源総額の確保が図られるよう、引き続き、県開発促進協議会全国知事会等を通じて、国に対して強く要望してまいりたいと考えております。 5 ◯総務部長(寺田雅一君)行財政改革についての御質問のうち、まず、歳出の各項目の検討経緯と増減の要因についてでございます。  歳出の検討経緯につきましては、行財政改革推進プロジェクトチームにおいて、事務事業見直しを実施することとし、施策の妥当性・有効性・効率性などの観点からテーマを設定し、各課が所管する事業等のうち、各テーマに該当する事業等を選定し、重点的な検証、見直しを実施したところでございます。その上で、事務事業見直しにおいて示された検討、取り組みの方向性を踏まえ、全事業についても見直しに取り組んだところでございます。  また、歳入確保策といたしまして、未利用財産の売却、使用料・手数料の見直し、ネーミングライツの活用などに取り組んだところでございます。これらの取り組みによる効果額五十六億円と、収支見通しを上回る税収の伸びなどによる二十二億円とを合わせまして、七十八億円の収支不足を解消することができたところでございます。  各歳出項目の仮試算からの主な増減の要因につきましては、まず人件費は、給与改定の影響等による十五億円の増、扶助費は、行財政改革等特定目的基金が確保できたこと等による四十九億円の減、公債費は、低金利での資金調達ができたこと等による二十二億円の減、普通建設事業費等は、事業費を精査したこと等による四億円の減、税等交付金は、県税の増に伴う十三億円の増、一般政策経費は、事務事業見直しによる減や県有施設整備積立基金への積立金の増などによる三億円の減となっているところでございます。  続きまして、使用料・手数料の減免見直しについてでございます。  使用料・手数料の減免の有無や減免基準につきましては、施設の設置目的や利用者、利用態様などを勘案して、それぞれの条例等において定めているところでございます。なお、障害者を対象とする減免基準につきましては、見直しの対象としていないところでございます。  使用料・手数料の減免基準の見直しにつきましては、行財政改革推進プロジェクトチームにおいて、歳入確保の取り組みの一つとして取り組んだ結果、二件の減免基準を見直すこととし、平成三十年度の歳入予算において、約三千七百万円の増収効果があったところでございます。  続きまして、歳入構造の評価についてでございます。  平成三十年度の本県の一般財源は、臨時財政対策債と合わせた実質的な地方交付税が、県税の増等によりまして七十億円減少することが想定される一方で、県税等が、個人県民税の増収等によりまして六十五億円、繰入金が、鹿児島臨海環境整備基金の廃止に伴う取り崩し等により四十二億円の増となることが見込まれることなどから、全体で四十八億円の増となっておりますが、依然として自主財源が乏しく、地方交付税や国庫支出金、県債等の依存財源に頼らざるを得ない歳入構造となっております。  特に、鹿児島臨海環境整備基金につきましては、二十七億円を県有施設整備積立基金に積み立てるものの、十五億円を収支不足の解消に活用しているところであり、これは、御指摘いただきましたように、基金の廃止に伴う臨時的なものでありますことから、引き続き厳しい財政状況であると考えております。  このため、県といたしましては、行財政運営戦略に基づき、産業振興等を通じた税収確保などに努めますとともに、地方交付税を含む一般財源総額の確保などにも取り組む必要があるものと考えております。  続きまして、臨時財政対策債についてでございます。  臨時財政対策債は、国・地方とも巨額の財源不足を抱える状況において、本来交付されるべき地方交付税の振りかえ措置として平成十三年度に創設されたものであり、その元利償還金は、地方財政法等の規定によって、後年度、その全額が地方交付税基準財政需要額に算入されることとなっているため、本県といたしましては、地方交付税と合わせて実質的な地方交付税として取り扱っているところでございます。  臨時財政対策債は、例年七月に行われる普通交付税の算定におきまして、各団体の基準財政需要額を算出した後に、当該額から一定の算式で発行可能額を算定した上で振りかえを行うものでございます。その算定方法は、当該団体の地方交付税基準財政需要額基準財政収入額の差額を基礎とし、財政力指数等を考慮した率を乗じた額により算出することとされております。  臨時財政対策債につきましては、おおむね発行年度から二十年から三十年の期間で償還する計画となっております。  なお、臨時財政対策債は、地方財政法において特例措置とされておりまして、その発行額は毎年度の地方財政対策において決定されるものであることなどから、残高について、今後の見通しをお示しすることは困難であると考えております。  臨時財政対策債を除く県債残高についてでございます。  今後の臨時財政対策債等を除く県債残高の推移につきましては、国の公共事業関係予算やその地方負担に対する地方財政対策の動向、また、大規模災害の発生などさまざまな要因に左右されるという面があり、現時点で見通すことは難しいものと考えておりますが、今後とも引き続き、県債残高を継続的に減少させることによりまして、将来的には本県の公債費負担を軽減していくという行財政改革の方向性に沿って取り組む必要があるものと考えております。  臨時財政対策債元利償還金地方交付税に与える影響についてでございます。  臨時財政対策債は、毎年度の新規発行に伴う残高の増加によりまして、元利償還金の額は増加する傾向にございます。その元利償還金につきましては、地方財政法等の規定によりまして、先ほど申し上げましたように、後年度、その全額が地方交付税基準財政需要額に算入されることとされておりますが、地方財政における社会保障関係経費等が増加傾向にある中で、その元利償還金を含めた地方交付税の総額が確保されなければ、結果的に、地方公共団体の財政運営を圧迫することにつながりかねないことが懸念されるところでございます。  平成三十年度の行財政改革推進プロジェクトチームにおける検討の方向性についてでございます。  行財政改革推進プロジェクトチームにおきましては、平成二十九年度に実施した事務事業見直しで、当初の目的を達成している事業の見直しなどの厳しい行革、部局横断的な事業統合・連携などで相乗効果を生み出せるような見直しなどの攻めの行革といった二つの視点を示すなど、新たな取り組みも行ってきたところでございます。  平成三十年度におきましても、引き続き行財政改革の取り組みを着実に推進するため、行財政運営戦略の基本的な方向性に沿って、さまざまな検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。  続きまして、核燃料税の税収見込みと財政需要についてでございます。  平成三十年度から三十四年度までの第八期の核燃料税につきましては、昨年の第四回定例会において条例案を可決していただき、現在、総務大臣に協議しているところであり、第八期五年間の税収の総額は約百三億円を見込んでいるところでございます。  原子力発電所立地に伴う第八期の財政需要につきましては、防災対策などの原子力安全対策費として約十四億円、環境放射線監視などの環境保全対策費として約六億円、道路・港湾の整備等の民生安定対策費として約二百五十九億円、漁港整備等の産業振興対策費として約十一億円であり、事業費総額で約二百八十九億円、うち県負担額は約百四十八億円を見込んでいるところでございます。 6 ◯土木部長(渡邊 茂君)原子力防災対策のうち、避難経路上の県道整備についてでございます。  避難経路の整備につきましては、原子力災害発生時の緊急避難・救援ルートを確保する観点から重要と考えており、これまで道路改良や橋梁の耐震対策などを進めております。  平成三十年度は、PAZ内において、県道川内串木野線の薩摩川内市久見崎工区で越波対策を進めることとしており、UPZ内においては、県道川内串木野線の薩摩川内市高江長崎工区や、いちき串木野市荒川工区、国道三百二十八号の出水市武本工区など、十五カ所で道路改良やトンネル・落石対策などを進めることとしております。 7 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)まず、PAZにおける安定ヨウ素剤の配布状況についてであります。  平成二十六年度及び二十七年度にPAZ圏内の住民に事前配布した安定ヨウ素剤の使用期限は、平成二十九年一月末となっていたところであります。このため、薩摩川内市とともに、地元医師会・薬剤師会の協力をいただき、平成二十八年十一月から平成二十九年一月にかけて、計七回の配布説明会を開催し、新たなヨウ素剤を配布したところであります。  更新対象者三千二百十六人の八一・一%に当たる二千六百七人の方々に配布するとともに、新たに、三歳未満の乳幼児二十人にゼリー剤を配布したものであります。  今年度におきましても、配布率の向上を図る観点から、更新も含めた配布説明会を二回開催したところであり、平成二十九年十一月十九日現在、三歳未満の乳幼児三十二人を含む対象者四千二百六十三人のうち、六七・四%に当たる二千八百七十三人の方々に事前配布を行っております。  次に、UPZにおける安定ヨウ素剤の事前配布についてであります。  県におきましては、UPZ圏内の住民で、障害や病気により緊急時の受け取りが困難であるなど、一定の要件に該当し、希望する方を対象に安定ヨウ素剤を事前配布することとしております。  その手順としては、まず、UPZ圏内全ての世帯に事前配布に係るパンフレット及び事前配布申請書を配布した上で、申請書の提出があり、要件に該当する方については、五月から順次開催する説明会において配布することとしております。  また、配布に当たりましては、対象となる世帯の把握や配布説明会の会場の確保など、関係九市町の協力が必要であり、現在、協議を進めているところであります。  なお、開催場所や開催箇所数等については、今後、配布を希望する方の人数等を把握した上で、改めて関係市町と協議することとしております。  配布説明会の実施に際しましては、PAZ圏内における配布方法と同様に、医師・薬剤師が服用の意義、服用方法や服用できない方及び保管・管理方法等について説明を行うとともに、保健師等が個別の問診等により、既往歴や健康状態を確認し、医師の最終的な判断のもとに事前配布することとしております。    [田中良二君登壇] 8 ◯田中良二君 それぞれに御答弁いただきまして、ありがとうございました。  まず、行財政改革についてでありますが、平成三十年度の歳入におきまして、私は、一般財源のプラス要因としては、核燃料税の増収分と鹿児島臨海環境整備基金繰り入れの増収、合計五十一億円のウエートが大きいと思っておりますが、プロジェクトチームを中心に、歳入・歳出全般にわたる改革検討を進めた結果、当初予算案において改革の成果が出ていると考えております。  なお、一般財源ベースの歳出構造を振り返りますと、扶助費につきましては、平成二十年度七百六十六億円が、十年後の平成三十年度は一千十一億円、すなわちプラス二百四十五億円、三二%の増であり、社会構造的な課題もありますけれども、プロジェクトチームにおきましては引き続き知恵を絞っていただきたいと考えます。  なお、県債残高に関しましては、県独自分が減少したことは数字で報告、説明があり、評価いたします。しかしながら、総額自体は、私が県議になりました平成十九年、十一年前の一兆六千百十七億円とほとんど数字は変わっていないこと、また、県独自分の削減目標値が示されないこと、さらに、県債残高の内訳にあります臨時財政対策債の性格は、県民の皆様に対して説明しにくい面があります。  県債残高につきましては、努力も認め、難しい面は理解いたしますけれども、県独自分を一兆円以下にすることとあわせて、総額を一兆六千億円以下にすることが、県民の皆様にとりましてはわかりやすい説明だと考えます。  また、臨時財政対策債の制度は平成十三年創設であり、平成三十年度で既に十七年目、もはや臨時的措置ではないと考えられますので、知事におかれましては、丁寧な答弁をいただきましたけれども、持続可能な行財政構造の構築に向けまして、地方一般財源総額の確保につきましては、恒久的な地方の歳入につながる制度改正を国に対して引き続き強く要請していただくようお願いいたします。  原子力の防災対策の充実に関連しまして、「核燃料税の五年間の税収見込みは百三億円」、避難経路の整備も「民生部門に含まれている」との答弁でございました。また、土木部長からは、「新年度整備予定箇所は十五カ所」という答弁もいただきました。  避難経路の整備につきましては、原発防災の観点のみならず、同じ道路が通学道路、生活道路、産業道路あるいは他の自然災害の避難経路にもなりますので、避難経路上の県道整備に引き続き積極的に取り組んでもらうようお願いいたします。  次に、特定有人国境離島地域における航路・航空路運賃の低廉化について質問いたします。
     いわゆる有人国境離島法は、平成二十八年四月二十日に成立し、平成二十九年四月一日から施行され、本県におきましても、五地域十七島が特定有人国境離島地域に指定されました。  特定有人国境離島地域におきましては、新たに創設された特定有人国境離島地域社会維持推進交付金を活用して、航路・航空路運賃の低廉化や輸送コスト支援、滞在型観光促進等の事業が実施されておりますが、特に航路・航空路運賃低廉化事業につきましては、昨年四月一日より、離島住民を対象に、高速船がJR特急の自由席並み、フェリーがJR在来線並みなどに引き下げられ、私の地元であります薩摩川内市の甑島航路におきましても、低廉化により条件不利性の解消が図られております。  また、昨年十月一日からは新たに、住民に準ずる者として、島外の高校に通う生徒や移住体験住宅を利用する方、離島留学生の家族等にも対象が拡大されました。  離島住民にとりまして航路・航空路は、本土と離島をつなぐ唯一の交通手段であることから、航路・航空路運賃低廉化事業につきましては、来年度におきましても、より一層の取り組みを期待するものであります。  お尋ねしますが、まず、航路・航空路運賃低廉化事業のこれまでの利用実績をお示しください。  そして、新年度平成三十年度の航路・航空路運賃低廉化事業の取り組みについてお尋ねいたします。  次に、職員研修と職員表彰について質問いたします。  三反園知事におかれましては、知事就任以来、県内各地での車座対話や、県特産品の県内外、国内外へのトップセールスなどを積極的に展開され、け死んかぎい県民のために働くという知事の持論をフットワークよく実行されていると理解しております。  一方で、本県を取り巻く日本経済、国際情勢は目まぐるしい変遷の渦中にあり、かつて我が国の高度経済成長時代は、モーレツサラリーマンとか、モーレツ公務員という言葉が使われたこともありました。しかし、近年は、働き方改革時代へと着実に世の中が変わってきており、知事におかれましても、昨年五月にイクボス宣言されております。  将来にわたる県民サービスの維持、県勢発展のためには、県政ビジョンの具現化に向けて、知事の強いリーダーシップと県当局職員の皆様と連帯した行政執行が求められますが、まず、働き方改革の中で、知事が望まれる県職員像と、職員研修、県職員の人材育成の基本姿勢はどのようなものか、お尋ねいたします。  次に、職員研修の具体的な内容についてお尋ねいたします。  本県は、南北六百キロメートルの広大な県土に五振興局・二支庁がありますが、知事部局の職員研修の種類と実施状況はどのようなものでしょうか。  また、研修の成果の検証はどのようにされているのでしょうか。  また、引き続く行財政改革の中で、職員研修の課題と方向性をお示しください。  次に、職員表彰についてお尋ねいたします。  本県の表彰制度としては、例えば、県勢発展に寄与された皆様に対して県民表彰制度があり、県議につきましては永年勤続表彰制度があります。  県職員の皆様におかれましては、おおむね数十年間、歴代知事のもと、広いエリアでの転勤・異動の中で、県勢発展という県民共通の目的のために絶えず研さんを積まれ、職員一丸となって精励恪勤されていることは間違いのないところであります。  そこでお尋ねしますが、本県の職員表彰制度の内容について、特に、永年勤続表彰以外のものについてお示しください。  そして、平成二十七年度、二十八年度の表彰実績はどのようなものでしょうか。  また、表彰に関する公表、広報はどのような取り扱いか、お尋ねいたします。  質問の最後に、米粉の推奨、振興について質問いたします。  平成二十一年、米穀の新用途への利用の促進に関する法律が施行され、米粉用・飼料用等米の推進が図られている中で、特に米粉につきましては、食物アレルギー対応として小麦代用のグルテンフリー商品が注目を集めております。また、米粉の需要拡大に向けて、農業・消費者団体などが日本米粉協会を昨年五月に設立されたと聞いております。  そこで、米粉用米の推進状況として、生産量の推移等についてお尋ねいたします。  まず、国の食料・農業・農村基本計画における生産量の目標値について。また、国と本県の作付面積、生産量の推移、今後の見通しについて。そして、本県の米粉用米につきましては、新規需要米として飼料用米やWCS用稲に比べて、今後の取り組みが一層求められていると思いますが、本県の生産推奨の取り組み方針はどのようなものでしょうか。  次に、米粉用米の消費拡大についてお尋ねいたします。  まず、国内消費量の現状はどのようなものでしょうか。  また、消費拡大について、本県の方向性をお示しください。中でも、学校給食への米粉パンや米粉麺の導入の状況はどのようなものでしょうか、九州各県の導入状況とあわせてお知らせください。  次に、災害時の備蓄食品に関連してお尋ねいたします。  本県の現状として、災害時の備蓄食品について食物アレルギー対策はとられているのでしょうか。そして、備蓄食品の内容は具体的にはどのようなものがあるでしょうか、お示しください。  なお、グルテンフリーの観点から、災害時の備蓄食品として米粉製品の導入検討は一考に値すると考えますけれども、当局の見解をお示しください。  次に、米粉など米加工品の輸出促進についてお尋ねいたします。  輸出の現状として、薩摩川内市の小城製粉が平成二十六年からドイツなどに輸出されていると聞いておりますけれども、全国、本県の輸出状況はどのようなものでしょうか。  また、輸出促進の当局の方向性として、県農林水産物輸出促進ビジョンにおける検討経過と結果、今後の方針をお示しください。  以上で、二回目登壇の質問を終わります。    [知事三反園 訓君登壇] 9 ◯知事(三反園 訓君)特定有人国境離島地域における航路・航空路運賃低廉化事業についてでありますが、ことしの四月から新たに、障害者の方々の割引をさらに拡大したいと思います。つまり、現在航路事業者が設定している現行の割引運賃から、さらに割引を行うことといたします。  具体的には、障害者ではない住民の方々に適用されております割引運賃のおおむね半額まで割引を行いたいと考えております。例えば、鹿児島─種子島間のジェットフォイルは、現行の片道三千六百円が二千二百五十円に、川内─甑島間の高速船は、現行の千七百円が千百二十円になります。  県といたしましては、引き続き、市町村と十分連携しながら、航路・航空路運賃の低廉化等の施策に取り組み、特定有人国境離島地域のさらなる活性化を図っていきたいと思っております。  人材育成の基本姿勢などについてであります。  本格的な人口減少社会の到来、少子高齢化の進行、経済のグローバル化や技術革新の急速な進展などによりまして、社会のあらゆる面で大きな変革期を迎えております。こうした中で、本県の恵まれた資源をさらに磨き上げ、県勢の浮揚発展に役立てていくとともに、県政が直面するさまざまな課題を克服し、新たな時代を切り開いていくことが今、求められております。  このような中で、県政を担う職員一人一人が、時代の変化やニーズに合わせて、戦略と知恵をどんどん出していくことが必要であります。そのためには、職員一人一人が、どういう鹿児島にしたいのか、それぞれの夢を持ち、必ずや鹿児島を変えようという希望と勇気を持って一歩踏み出し、日々どうすればいいかというクリエーティブな心、つまり創造をもって職務に当たるということが重要であります。  また、全ての職員が健康でやりがいを持って働き、その能力を最大限発揮して、限られた時間で成果を上げる働き方を目指していくことも重要であると考えております。  そのような基本的な考え方のもと、職員研修など人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。 10 ◯企画部長(東條広光君)特定有人国境離島地域における航路・航空路運賃低廉化事業の利用実績についてであります。  この事業につきましては、議員から御紹介ありましたとおり、昨年四月から住民を対象に開始し、同年十月からは、島外の高校に通う生徒や離島留学生の家族等にも対象を拡大したところであります。昨年十二月末までの利用実績は、延べで航路が約二十九万四千人、航空路が約一万四千人、合計で約三十万八千人となっております。 11 ◯総務部長(寺田雅一君)職員研修の実施状況についてでございます。  職員研修につきましては、職員研修規程に基づき、主に、市町村職員と合同で自治研修センターにおいて行う研修を初め、税や福祉、土木など専門的な業務に必要な能力の習得のために行う部局研修、国や海外、民間企業等への派遣を行う派遣研修等を実施しております。  特に、自治研修センターにおける研修につきましては、新規採用の際や係長、課長級等の各職位に応じて全職員を対象に実施する階層別研修と、法務や財務など、職員が自主的に職務能力の開発に取り組むことができる選択制のチャレンジ研修を実施しているところでございます。  各研修の修了後には受講者に、研修の理解度や今後の活用方策など研修効果に関する調査を実施しており、その結果を次年度以降の研修内容の見直しに活用しているところでございます。  行財政改革に取り組む中で、引き続き、複雑多様化する行政需要に的確に対応するためには、変化を恐れず困難な課題にも勇気を持ってチャレンジする職員を育成することが重要であると考えておりまして、今後とも、職員一人一人の資質を高め、職場全体の業務遂行能力の向上につなげるよう、研修内容の充実に努めてまいりたいと考えております。  職員表彰についてでございます。  本県では、今年度、和牛日本一を契機に創設した知事特別賞のほか、職員の士気・意欲の向上及び職場の活性化を図ることを目的に、グッドジョブ賞とグッドボランティア賞から成るグッドスタッフ表彰を行っております。このほかにも、税務職員や土木職員を対象とした同様の趣旨の表彰制度を設けているところでございます。  このうち、グッドジョブ賞につきましては、職務において顕著な功績を上げた職員や職場を表彰するもので、平成二十七年度は、第三十回国民文化祭・かごしま二〇一五の開催に係る取り組みなど六件を、平成二十八年度は、高病原性鳥インフルエンザの発生防止の取り組みなど五件を表彰したところでございます。  なお、グッドボランティア賞につきましては、地域おこし活動やボランティア活動など、職務外における活動を通じて地域の振興等に貢献した職員やグループを表彰するもので、平成二十七年度は該当がなく、平成二十八年度は、県民の人命救助の取り組み一件を表彰したところでございます。  表彰に当たりましては、ホームページへの掲載や報道等を通じまして、県民の皆様方にお知らせしているところでございます。 12 ◯農政部長(川野敏彦君)米粉の振興に関しまして、まず、米粉用米の生産量の目標推移と本県の取り組み方針についてでございます。  国が平成二十七年三月に策定した食料・農業・農村基本計画においては、米粉用米の生産目標を、平成二十五年度の二万トンから、平成三十七年度には十万トンまで引き上げることとしております。  全国における米粉用米の生産は、平成二十五年産以降、作付面積が四千ヘクタール前後、生産量が二万トン前後で推移してきており、今後、多収品種の導入などを通じた収量向上を図ることとされております。また、本県においては、薩摩川内市などを中心に、作付面積が三ヘクタール、生産量が十三トン程度となっております。  県では、稲作農家の経営安定や需要に応じた米生産を推進するため、米粉用米や飼料用米などの新規需要米の生産拡大に取り組んでおります。今後とも、関係機関・団体と一体となって、多収品種の導入を促進するとともに、水田活用の直接支払交付金も有効に活用しながら、米粉用米などの新規需要米の生産拡大に努めてまいります。  次に、米粉用米の消費の現状と消費拡大に向けた取り組みについてでございます。  米粉用米の国内の消費量は、現在おおむね二万トン程度となっております。国は昨年三月、菓子・料理用、パン用、麺用などの用途別の加工適性に関する米粉の用途別基準と、小麦アレルギーの原因となるグルテンを全く含まない、いわゆるノングルテン表示を定めた、米粉製品の普及のための表示に関するガイドラインを公表しまして、米粉の利用拡大を推進しております。  県では、これまで、米粉の消費拡大に向け、米粉を利用した料理コンテストの開催や米粉レシピの配布などの普及活動に取り組んできております。今後、国の動きを踏まえまして、用途別基準やノングルテン表示の普及啓発などに努め、米粉製品の普及・拡大に取り組んでまいります。  次に、米粉などの米加工品の輸出促進についてでございます。  国は、平成三十一年度までに農林水産物・食品の輸出額を一兆円にする目標を掲げており、米や米加工品については、平成二十八年の二百二十一億円から六百億円に拡大するとしております。日本産の米粉は、ノングルテンの米粉の中でも技術的優位性が高く、海外において大きな潜在需要があるとされておりまして、和牛や緑茶、日本酒などと並ぶ輸出重点品目に位置づけられております。  本県からの輸出は徐々に増加しつつあり、現在、十七トン程度が欧米に輸出されており、今回の農林水産物輸出促進ビジョン案においては、こうした国・県の動きを踏まえ、米粉を今後輸出拡大が期待される品目として位置づけたところです。  国は、米や米加工品輸出の戦略的拡大に取り組む事業者を特定し、強力に後押しするとしておりまして、御指摘のありました薩摩川内市の米粉事業者も、この戦略的輸出事業者として特定されております。  県としましては、このような国の取り組みとも連携しながら、同ビジョンに基づきまして輸出拡大に取り組んでまいります。 13 ◯教育長(古川仲二君)学校給食における米粉パン等の導入状況についてでございます。  本県の学校給食におきまして、米粉パン及び米粉うどんは、平成二十一年度から導入されたところでございます。平成二十八年度におきまして、米粉パンは、県内の小・中学校及び特別支援学校の六九・一%に当たる五百二十一校で使用されておりまして、また、米粉うどんにつきましても、県内の小・中学校及び特別支援学校の四十六校で使用されているところでございます。  このほか、米粉を使用したナンやすいとん、ホワイトルーなどの料理を給食で提供している学校もございます。  九州各県では、六県が米粉パンを導入いたしておりまして、平成十六年度に大分県、平成十七年度に宮崎県、平成二十一年度に福岡県と熊本県、平成二十二年度に長崎県と沖縄県がそれぞれ導入しているところでございます。  県教委といたしましては、今後とも、県産の米を初め、肉、魚、野菜等の地場産物の学校給食への活用を推進してまいりたいと考えております。 14 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)食料備蓄の状況等についてであります。  県におきましては、被災市町村の備蓄物資が不足する場合などに備え、アルファ米一万二千食のほか、圧縮ビスケットとようかんを各四千セット備蓄しております。  このうち、アルファ米とようかんについては、全てアレルギー対応のものとしているところであり、避難所を運営する市町村に対しましても、食料の原料表示を行うなど、食物アレルギーへの配慮を求めているところであります。  保存食につきましては、アルファ米や米粉を利用したパン、ビスケットのほか、パスタやフルーツキャンディーなど多様化しており、どのような物資を備蓄するかについては、高齢者や障害者、乳幼児、病弱者への対応、保存期間、価格等を総合的に判断して対応してまいりたいと考えております。    [田中良二君登壇] 15 ◯田中良二君 それぞれに御答弁いただきました。ありがとうございました。  まず、特定有人国境離島地域における航路・航空路運賃の低廉化につきましては、これまでの利用実績として三十万八千人、多くの方が利用されております。  それから新年度、本年四月からの取り扱いとして、知事から御答弁いただきまして、障害者の方などを対象にさらなる運賃の低廉化が見込まれるということで、具体的な運賃までお示しいただきました。新年度からのさらなる運賃の割引により、離島の条件不利性のなお一層の解消が図られることが多いに期待されます。喜ばしいことであります。感謝いたします。  それから職員研修につきましては、知事から、望まれる県職員像につきまして力強い御答弁をいただきました。  また、さまざまな職員研修のプログラムを御紹介いただきましたけれども、複雑多様な時代の趨勢に合わせて、また多様化する県民ニーズに柔軟に対応するためには、引き続き、さまざまな研修プログラムを提供していただきたいと考えております。  職員表彰につきましても、グッドジョブ賞あるいはグッドボランティア賞、制度の内容と、具体的な平成二十七年度、二十八年度の実績を御答弁いただきました。  御案内のとおり、職員表彰によりまして、職員の皆様の頑張り、努力、すぐれた功績を認めること、褒めること、感謝することは、本人のみならず職場の勤務意欲・勤労意欲の向上につながるものでありますので、引き続き推奨していただきたいと考えております。  それから、最後の米粉の推奨、振興につきましては、学校給食への導入状況として、平成二十八年度、米粉パンが「全校の六九・一%相当、五百二十一校において導入があった」ということ、それから米粉うどんにつきましても、「四十六校で導入があった」ということを御答弁いただきました。  米粉用米につきましては、生産拡大、消費拡大ともさまざまな課題はあろうと思いますけれども、さらなる消費拡大に向けた取り組みを進めていただくようにお願いいたします。  また、米粉などの米加工品の輸出促進につきましては、先進的に取り組まれている県内企業の御紹介もありましたので、輸出重点品目として県農林水産物輸出促進ビジョンの実効性を高める意味からも、関係団体・企業等への助言、サポートをよろしくお願いいたします。  最後になりましたが、今回の一般質問では、平成三十年度当初予算案、知事の施政方針を踏まえて、行財政改革の推進、原発防災の充実、特定有人国境離島地域の航路・航空路運賃のさらなる低廉化などについて質問させていただきました。多くの丁寧な答弁をいただきありがとうございました。  私は、本年四月で県議会議員十二年目に入ってまいります。これからも初心忘れず、行動と政策提言を活動指針としながら、県勢発展のため、県民の皆様のために働き続けていきたいと考えております。  以上で、今回の一般質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 16 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、山田国治君に発言を許可いたします。    [山田国治君登壇](拍手) 17 ◯山田国治君 平成三十年の第一回定例会に際しまして、議長からお許しをいただきましたので、質問通告いたしております、知事並びに関係部長に質問させていただきたいと思いますが、答弁がしっかりして私が思っているような答弁であれば、そう時間はかからないと思いますので、せっかく一時間、時間をいただいておりますので、私の思いを少々述べさせていただきたいと思います。  昨日、めったに行かない議会の図書室に私も足を向けました。その中で目についたのが、安全保障条約、日米安保条約の本でございました。その内容を見てみますと、県政もそうでありますが、歴史というものの中にいろんな人たちの苦労があるんだなということを痛感いたしました。日米安保条約、昭和二十六年であります。終戦が昭和二十年でありますので、その六年後でありますけれども、我が国は敗戦の中にありました。当時は、御案内のように、国の世論が、国論が真っ二つに分かれておりました。  東大の総長南原繁さんを中心とする安保条約に反対される方々は、もし吉田自民党がアメリカと講和条約をあるいは安保条約を結ぶようなことになると、日本の若者たちはアメリカの番犬となって、ベトナムやあるいは韓国で血を流すことになるということで、「安保反対、安保反対」を繰り返しながら、大きなデモをされたことを私も覚えております。  しかし、戦後七十数年たった今日、この人たちが反対しておられたような状況は生まれておりません。逆に、アメリカの若者たちは、極東の平和を守るために韓国で血を流し、そしてベトナムで血を流すような状況があります。  当時の世論では非常に厳しい状況もありましたけれども、時が経過して今日の状況を見ますときに、当時の選択は間違っていなかったと確信してもいいのではないかと思います。  先般この壇上で御礼の言葉を申し上げるときに、るるお話させていただきました。県政におきましても、いろんな施策というものは、すぐに結論が出ないものがたくさんあります。早く出ればそれにこしたことはありませんけれども、時代の流れの中でいろんな意見が出て、これを集約するには時間がかかるのは当然であります。  三反園知事におかれましても、知事就任以来、一生懸命努力されておりますし、また、いろんな方々の評価も非常に高いものがあります。長年たって県政の歴史の中で、こういう知事がおられたんだという実績をぜひとも残していただきたいものであります。
     話が長くなりましたけれども、本題に入りたいと思います。  本県の抱える建設業の方々の現状であります。  以前はそういう制度をとっておられたやに聞いておりますけれども、今は本県の建設業者の方々の格付において、A、B、C、Dそれぞれランクがあるわけであります。御案内のとおり、平成十三年ごろが本県の予算のピークでありました。当時を振り返ってみますと、九千八百億円ほどの予算計上がなされ、その中で土木費の占める割合が千六百八十億円、このような状況でありましたが、今日の状況を見てみますと、昨年でございますが、予算規模が八千百億円、その以前は八千億円少々というような予算計上であったと思います。その中で土木費を見てみますと九百十億円、これが昨年、一昨年の予算の状況であります。  時代の流れで、県政が潤っているときには建設業の事業も多いのは当然でありますけれども、三反園知事も知事になられて県債残高を見るときに、先ほどもお話がありましたが、できるだけ縮小するようにという意見が大半でありますので、それに基づいて行政運営をやっていくときに、当然いろんな面の縮小というのは考えていかなければならない問題であります。一つ私が提言したいのは、ずっと以前はそうだったという話も聞いておりますけれども、仕事の量によってランクを決める、それは当然のことでありますけれども、仕事が少なくなったときにランクが極端に下がるような状況が出てきた地域においては、もちろん社員の方々をそれだけ雇用しなければならないのは当然であり、機材においてもしかりであります。  長年、仕事がなくて会社自体の運営がままならなくなったときに、以前もお話したと思いますけれども、会社におきましては、まず社長の給料をカットしていく、どうしても仕方がなければ幹部の方々の給料をカットしていく、最終的には社員の方々にその影響が及ぶわけであります。したがいまして、このランクづけについては、私は、地域によってある程度の格差を設けた制度というものもあっていいのではないかと思います。  本県は災害県と昔から言われております。災害が発生して、一朝事あるときには、地元の建設業者の方々が真っ先に駆けつけて対応してくださるわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、建設業者の方々の体力がそがれると、そういう状況に置かれても対応のできない地域が出てくるのではないかと思います。したがいまして、繰り返しになりますが、状況を見ながら、建設業者の格付においては十分知恵を出していただきたいと思います。  質問の第一点は、県当局におかれては、建設業者の果たす今の役割に対してどういう認識でおられるのか、お聞かせいただきたいと思います。  二点目は、建設工事への入札参加資格のあり方については、先ほど申し上げましたように、十分考慮しながら対応していただきたいと思いますが、どのような考えをお持ちかお聞かせいただきたいと思います。  そして三点目は、建設業に対する県としての対応策についてお聞かせいただきたいと思います。  続きまして、有害鳥獣の捕獲推進についてであります。  以前、鹿屋選出の県議の方が、有害鳥獣に関する議員連盟をつくられまして、当時は、サルの被害が出たことを皆さんに報告され、我々も議員連盟に入っておりましたので、議員の導きで高隈山に視察に行ったことがあります。そのときに私もこの議場で、「知事を初め、我々県議会議員は、県民のためならば一命を投げ打ってでも尽くします、働きます、こういうことを述べながら選挙戦を戦ってきたわけでありますので、知事が先頭になって狩猟免許を取って、そして我々議員も狩猟免許をそれぞれ取得して、知事を先頭に高隈山にサル退治に行ってはどうですか」という話をしましたが、それほどサルの害、猿害というのは大隅半島のほうでは頻繁に発生いたしております。  サル退治はさることながら、今はイノシシ、そしてシカの害が県内各地で出ております。捕獲した場合の国・市町村からの報償金が、サルは二万円を超えております。そしてシカ・イノシシは八千円相当でありますけれども、市町村によっては、それに上乗せした補助を出すことによって打開策をいろいろ考えておられるようであります。  平成二十五年度から二十八年度に、写真を提出することによってこの捕獲報償金が交付されておりまして、前から横から後ろから同じ個体の写真を撮って、複数回にわたって請求された事案がありました。軽い人では二カ月、重い人では一年の狩猟停止というペナルティーを科せられました。  こういう悪いことをするのを私は決していいとは言いませんけれども、このような状況を想定して、いろんな決まりをつくるときには当然、私は、県も市町村も知恵を出した上で制度をつくるべきだと思っております。やったのがいいとは申しませんが、いわゆる転ばぬ先のつえではありませんけれども、そういうことができないような対応をするのが私は行政に課せられた一つの大きな責務であると思います。  再発防止対策について、県としてどのような考えをお持ちなのか。そして、県としてこれからの有害鳥獣の捕獲対策について、どのような知恵の出し方をされていくのか、お聞かせいただきたいと思います。  以上で、一回目の質問を終わりますけれども、答弁のいかんによりましては再度質問いたしますのでお許しいただきたいと思います。 18 ◯土木部長(渡邊 茂君)本県建設業の抱える諸課題に関しまして、まず、建設業の役割についてでございます。  建設業は、社会資本整備のおくれている本県において、良質なインフラの整備や維持管理等の担い手であると同時に、災害多発県と言われる本県において、災害対応に重要な役割を果たしています。  また、建設業が県内の全産業に占める割合は、国の調査の速報値によりますと、平成二十八年度において、事業所数が約六千七百カ所で八・九%、従業員数が約五万一千人で七・六%となっており、本県における主要な産業の一つであり、地域経済や雇用に与える影響が大きいものと認識しています。  続きまして、入札参加資格格付の基本的な考え方についてでございます。  県では、土木一式工事などの入札参加資格において、技術力や経営力などの施工能力に加えて、ボランティア実績などの地域貢献活動などを総合的に評価して格付を行っているところです。格付に当たりましては、地域振興局・支庁ごとに一定の競争性を確保するとともに、地域における災害支援活動等に影響が生じないよう配慮し、各地域の建設業者が一定数確保できるよう努めているところです。  続きまして、建設業に対する支援策についてでございます。  県では、県内建設業者の受注機会の確保が図られるよう、可能な限りの分離分割発注に努めているほか、下請工事における県内建設業者の優先活用などの措置を講じています。また、適正な価格での受注が図られるよう、実勢価格の変動に応じた設計労務単価や資材単価の改定、インフレスライド条項の適用などの対応を行っているところです。  さらに、地域建設業経営強化融資制度による資金調達の円滑化や建設産業支援策等セミナーの開催による新分野進出に対する支援等も行っております。  県といたしましては、今後とも、このような取り組みを通じて、地域に根差した技術と経営にすぐれた建設業者の育成を図ってまいりたいと考えております。 19 ◯農政部長(川野敏彦君)有害鳥獣の捕獲推進に関しまして、まず、捕獲報償金の不正受給や捕獲対策への県の考え方についてでございます。  今回、霧島市において発生した事案は、有害鳥獣の捕獲従事者が、一頭の個体を複数体捕獲したものとして申請し、市から交付される捕獲報償金を不正に受給していたものです。霧島市においては、既に不正受給した捕獲報償金を返納させる措置などを講じたところです。  捕獲活動への支援は、鳥獣による農林水産業への被害を軽減するため、国が平成二十五年度に創設したものであり、全国的な取り組みが進められている中、制度への信頼性を損なうようなことがあってはならないことと考えております。  県としては、再発防止の徹底を図りますとともに、農林水産業等に深刻な被害を及ぼしているシカ、イノシシ等の野生鳥獣については、引き続き、捕獲の強化に取り組んでいくことが重要であると認識しております。  次に、再発防止等の取り組みについてでございます。  今回の事案の原因としては、捕獲確認の全国統一的なルールが定められていなかったことなどが指摘されており、国においては昨年九月に、捕獲個体の証拠写真の撮り方や、シカやイノシシの尾を証拠物として統一することなどを内容とするマニュアルを作成したところです。  県では、直ちに市町村に対する研修会を開催し、捕獲従事者の法令遵守の意識啓発、再発防止に向けた国のマニュアルの周知、交付金事務の適正な執行などについて徹底を図ったところです。  県としては、今後とも、有害鳥獣の捕獲活動に必要な予算額の確保に努めるとともに、市町村等関係団体と連携して、狩猟免許取得者への技術講習やICT等を用いた効率的な捕獲わなの導入促進など、捕獲対策の充実・強化による農作物等への被害軽減に努めてまいります。 20 ◯山田国治君 自席から質問させていただきたいと思います。  私が先ほど土木部長に答弁を求めたのは、県内全域で、例えば北薩の縦貫道路が出た場合には、もちろん薩摩半島のほうは仕事がふえるわけであります。大隅半島のほうが仕事が出れば、当然、大隅半島の建設業者の方々も仕事がふえるわけであります。以前、大隅半島に仕事がたくさんあるときに、薩摩半島の方々から、自分のところは仕事が少ない、何とかできないのかという話をたくさん聞きました。しかし、それが逆転しまして、薩摩半島のほうに仕事が出れば、向こうの人たちは一言も仕事が多いという話はされません。  それは当然のことでありますけれども、私が先ほど質問したのは、年によって仕事のばらつきがあるのは当然でありますけれども、ランクが県のほうで示されているわけであります。仕事が少ないときに、先ほど申し上げましたように、機材にしても、人材にしても、それを温存するということはなかなか経費的にも無理なところがあります。地域によって、年度によってそういう状況が生まれた場合に、一概に今の県のランクづけで全てを処理するということはいかがなものかということでお尋ねいたしております。再度お答えいただきたいと思います。  農政部長におかれましては、私が言わんとするのは、一つの個体を何枚かの写真で複数捕獲したと請求するということはあってはならないことで、処分されるのは当然のことだと思っておりますけれども、この制度をつくった最初の状況は、農家の方々がサルやイノシシ、シカ、こういうものの被害を受けないように、どうしたら被害を防げるか、これがこの制度をつくった原点であります。  例えば、狩猟者の方々も高齢化して意欲をそがれる。そうなると、どこにそのしわ寄せが来るかといえば、農家の方々に来るわけでありますので、その根っこの部分をしっかり押さえた上で答弁していただきたいと思います。もう一度お答えいただきたいと思います。 21 ◯土木部長(渡邊 茂君)ただいまの入札参加資格の格付について御答弁いたします。  格付につきましては、直近では平成二十九年、三十年の二カ年分の格付を行っているわけですけれども、その際は、先ほども申し上げましたが、地域振興局・支庁ごとに一定の競争性を確保するという観点、そして地域における災害支援活動等に影響が生じないように配慮するという観点で行いまして、各地域の建設業者が一定数確保できるように努めたところであります。 22 ◯農政部長(川野敏彦君)鳥獣被害対策の軽減についてでございますけれども、御指摘のとおり、農林水産業に非常に深刻な被害を及ぼしているということで、平成二十五年に国のほうで、具体的には農林水産省と環境省のほうで、抜本的な鳥獣捕獲対策を強化していこうということで平成二十五年度から捕獲報償金の制度をつくり、それ以降、取り組んでいるわけでございます。  御指摘ございましたように、狩猟者の高齢化等もございますので、単に報償金だけではなかなか捕獲につながらないということで、市町村ごとに捕獲の実施隊、市町村の役場職員等も含めた捕獲の実施隊をつくったり、あるいは新たにわな等の免許を取得していただくための支援をしたり、技術講習をしたり、さまざまなことをいたしまして農林水産物への被害の軽減に努めているところでございまして、今後もそのような取り組みに努めてまいりたいと考えております。    [山田国治君登壇] 23 ◯山田国治君 それぞれ答弁いただきました。  くどいようでありますけれども、土木部長、これから本県の土木事業が右肩上がりでどんどん上がっていけば言うことはありませんけれども、逆の状況が出てきたときに、地域において核となるような建設業者さんが、仕事が少ないということだけで格付がどんどん落とされていくということになれば、先ほど申し上げましたように災害県と言われる我が鹿児島県であります。その対応に窮するようなことがあれば私は許されないことだと思いますので、ぜひこれからもしっかりした先見性のある考え方を持っていただきたいなと思う次第であります。お願いしておきます。  農政部長におかれましては、答弁していただきましたけれども、大事なのは、何でそういう制度ができたのか。くどいようでありますけれども、農家の方々が被害に遭うことによって、意欲をそがれることがないようにということでつくられた制度であります。ぜひとも原点を見詰めながら、その制度の重要性というものを再度考えてくださるようにお願い申し上げておきます。  続きまして、介護サービスのさらなる対応についてであります。  介護の制度というのは十段階ぐらいに分かれているようでありますけれども、最近になりまして、軽度の認定者の方々に対する支援策がそれぞれの市町村に委ねられたという話を聞いております。市町村が自由にこの介護報酬について決定できるということになりますと、それぞれの自治体の体力で、安いところ、高いところ、でこぼこが生じるのは当然のことであります。また全国では、百カ所ぐらいの自治体が報酬を下げたことによって、介護事業者が撤退したという状況もあるやに聞いております。先般の新聞報道等でもこういう記事がありました。  県としてこの報道に対してどのような受けとめ方をされているのか。  また、転ばぬ先のつえではありませんけれども、いずれ本県にもこういう状況が出てくるのではないかということを想定した場合に、どのような対応をされるのかお聞かせいただきたいと思います。  それと、本県の介護予防あるいは生活支援サービスの提供の体制についても、あわせてお答えいただきたいと思います。  続きまして、隼人道路の四車線化に向けた県の考え方についてお聞かせいただきたいと思います。  御案内のとおり、我々の地域に建設大臣をされた中馬代議士がおられました。それを引き継いで小里代議士にかわられました。そのちょうどかわられる時期に隼人道路の問題が出てきたわけであります。国道十号がいずれ混雑して、時間帯によっては渋滞が予想されるということを考えながら、九州自動車道をどのような形で実現に向けて進めていくかという努力をされた時代がありました。それから紆余曲折を経て、今は暫定二車線で隼人道路が開通しております。  大変ありがたいことではありますけれども、今の状況を見てみますと、隼人西のインターチェンジで一日に一万七千台、そして国道十号朝日町で二万八千台、国道十号東餅田で四万八千台の車が通っております。イオンタウン姶良がオープンし、郵便物の区分業務が行われます鹿児島郵便局が、御案内のとおり、小田の工業技術センターの近くに建てられております。そういうもろもろの原因がありまして、渋滞が発生しているのではないかという思いであります。  この四車線化に向けた取り組みについて、県としては直接携わる立場にはないかもしれませんけれども、我々は議員連盟をつくっておりまして、鶴田志郎議員を中心に地元の県議会議員、そして地元市長と、一月十五日に森山衆議院議員の案内をいただいて、国土交通省そして財務省に陳情に参りました。  一日も早い交通渋滞の緩和のため隼人道路の四車線化に向けて、我々も取り組み、努力してまいりますけれども、隼人道路は西日本高速道路株式会社が道路管理者でありますが、県当局におかれましては、いろんな機関に対して、県としてどのような働きかけをしてくださるか、そして、しようと思っておられるかお聞かせいただきたいと思います。    [知事三反園 訓君登壇] 24 ◯知事(三反園 訓君)隼人道路の四車線化についてであります。  隼人道路は、加治木ジャンクションと隼人東インターを結ぶ延長七・三キロメートルの有料の自動車専用道路として、平成四年三月から暫定二車線で供用されております。  隼人道路を含む東九州自動車道は、加治木ジャンクション側から順次供用され、平成二十六年十二月に鹿屋串良ジャンクションまでつながったところであります。  交通量は年々増加傾向にありまして、先月二日には、国分インターから加治木ジャンクションの間におきまして、最大九キロメートルの渋滞が発生しております。  東九州自動車道の円滑な交通の確保や並行する国道十号の渋滞解消に寄与することから、隼人道路の四車線化が必要と考えておりまして、これまでも、東九州自動車道建設促進協議会において、四車線化の早期実現を要望しているところであります。  このような中で、国から、平成三十年度当初予算案におきまして、暫定二車線で開通している高速道路のうち、渋滞している区間の四車線化に取り組むとの方針が示されたところであります。  今後、県開発促進協議会、県高規格幹線道路建設促進協議会等も通じまして、県議会の皆様方を初め、県選出の国会議員、沿線の首長等と一体となりまして、国や隼人道路を管理しております西日本高速道路株式会社等に対し、強く要望していきたいと思っておりまして、隼人道路の四車線化が早期に実現するよう全力で取り組んでまいりたいと思っております。 25 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)介護予防等サービスの状況とあり方についてであります。  要支援一及び二に認定された方が、介護保険のサービスとして利用していた訪問介護・通所介護につきましては、平成二十九年四月までに市町村の地域支援事業に移行したところであります。  各市町村は、移行するに当たりまして、それぞれの実情を踏まえ、事業所との連携を図りながら取り組みを進めており、本県におきましては、報道にあるような事業運営が困難となった市町村はないものと承知しております。  市町村においては、引き続き、事業所との連携に努め、適正な報酬設定等をしていただきたいと考えております。  また、高齢者が要介護状態となることの予防、要介護状態等の軽減、地域における自立した日常生活の支援等のため、市町村が中心となり、介護事業所を初め、NPOやボランティアなどの多様な主体が連携・協力し、地域の実情に応じて、必要なサービスが提供される地域づくりが重要であります。  県といたしましては、今後とも、市町村の地域支援事業が適切に推進されるよう、必要な支援に努めてまいります。 26 ◯山田国治君 それぞれ答弁いただきましたけれども、少子高齢化という言葉はもう三十年ほど前から使われておりまして、高齢化は黙っていても必ず訪れるものでありますけれども、少子のほうに力点を置いて考えるときに、これは質問にはありませんけれども、なかなか難しいなという問題がたくさんありますが、先般テレビを見ておりまして、その報道の中で、少子化対策に歯どめをかけている国もあるやに聞いております。我が国もそうあればいいなと思っております。  先ほど答弁いただきました介護の問題でありますけれども、新聞報道の中で報じられているような事実が本県においてあるのかどうか。そしてもう一度、部長のこの厳しい問題に対する県としての対応をお聞かせいただきたいと思います。  隼人道路の問題につきまして、御答弁いただきました。  隼人道路は、先ほど申し上げましたように、長い長い歴史の中で、やっとここにたどり着いたという思いもありますけれども、いろんな県あるいはいろんな国に行ったときに、その県あるいはその国が、ここは発展しているなという状況を見るのに一番大事なのは、私は、その地域、国の道路網がいかに整備されているかということも一つの目安かな、バロメーターかなという思いで、一歩踏み出し、その地域におり立ったときに、必ずそういう考え方で地域を見ております。  先ほど申し上げましたように、隼人道路、直接県の手の出せるところにはないかもしれませんけれども、いろんな方々に県として協力していただき、一日も早い渋滞の解消策もさることながら、大隅半島の発展につながる施策でありますので、ぜひとも一考をお願いする次第でございます。 27 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)先ほどの答弁で、これまで介護保険で提供しておりましたサービスの一部、要支援者に対する訪問介護・通所介護については市町村の事業に移ったということを申し上げました。先般、それを契機に事業所が撤退して、サービスが提供できなくなった市町村があるというような報道がなされたところであります。  本県におきましては、この制度改正を契機にということではございませんが、撤退した事業所が全くないかというと幾つかはあるわけでございますが、ただ、この制度改正に関しましては、市町村が十分事業所と連携をとって進めてまいりましたので、そのサービスが提供できなくなっているというような市町村はないと認識いたしております。  それと、報道にありましたのは、訪問介護・通所介護ということでございますが、今後、高齢者の方々を支援していくためには、例えば家事ですとか配食ですとか、買い物ですとかごみ捨て、そういった支援等も必要になってくるということで、これまでの介護事業所に限らず、NPOですとかボランティア、そういった多様な主体が高齢者を支えていく地域づくりが重要であろうと考えておりますので、そういった地域づくりを目指して、市町村とともに連携しながら進めてまいりたいと思っております。    [山田国治君登壇] 28 ◯山田国治君 それぞれ御答弁いただきました。  私も議会に身を置きまして長くたちますけれども、先ほども申し上げましたように、運動会に例えれば、県政もバトンをそれぞれの責任者が持って、次の走者にいつかは渡していかなければならない。受け取った人が、早い順位でバトンを運んでくれたなという感謝の気持ちでバトンが受け取れるように、努力していただきたいと思います。  先ほどお話いたしましたが、我々も国会議員と話をする機会があります。そのときに真っ先に私が言うのは、「外交と防衛は国の専管事項だ。我々地方議員は手も足も出ない。しっかりした対応をよろしくお願いします」。先般、鶴薗議員が会長をされております防衛議員連盟の総会が、我が霧島市のホテル京セラでありました。二百五十名になんなんとする多くの方々がお集まりいただき、防衛についてのいろんな講話や、あるいは現状をお話してくださいました。  我が国の近くに、国際法を守らない、私の判断が間違っているかもしれませんけれども、自分の国さえうまくいけば、あとは何をしても構わないという国が、飛行機で行けば一時間数分で行けるようなところにあるわけであります。安全というものは、ただお題目で唱えれば永久に続くものではありません。我が国から他の国を侵略することはあってはならないし、また、今までの歴史ではそういう状況もあったわけでありますけれども、私は、防衛というものはしっかり自分の国を守れるだけの、軍備にしても装備にしても人員にしても確保することによって、国際社会において我が国をいろんな形で表現していく礎になるものと思っております。  るるお話させていただきました。質問させていただきました。  いつも申し上げております。三反園知事におかれましても、選挙のときにいろんな公約をされております。しかし、時代は流れております。時としては、公約になかったような状況、そしてマニフェストにうたっておられないような現状が出てくる場合も多分にあると思います。ぜひ知事におかれては勇断を持って、その時々で最大限の努力をしていただきたいと思います。お願い申し上げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 29 ◯議長(柴立鉄彦君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午前十一時五十六分休憩       ─────────────        午後 一時 十五分再開 30 ◯議長(柴立鉄彦君)再開いたします。  大園清信君に発言を許可いたします。    [大園清信君登壇](拍手) 31 ◯大園清信君 午後の大変眠たい時間帯ではありますが、皆さんの眠気が覚めるように、燃ゆる思いを込めて議論してまいります。  さて、私は、これまで一般質問項目に対し、執行部から取材を受けて感じることは、知事、部長等の立場を考えて部下の皆さんが大変な気配りをなされています。議員の皆さんが県政課題や地域課題で何を求めて質問されているのか、その要望に対して何ができるのか、もっと前向きに対応できるよう、伸び伸びと取材に来ていただくように部下の皆さん方への配慮をお願いして、質問に入ります。  まず、特別支援学校、特に桜丘養護学校の現状と課題についてお伺いします。  昨年の第三回定例会一般質問で質問した内容ですが、大変大事な特別支援教育についての課題であり、今回は最重点項目として取り上げさせていただきました。これまでにも県内の特別支援教育の充実をお願いしてまいりましたが、今回は桜丘養護学校に限定して質問したいと思います。  まず、桜丘養護学校の平成二十七年度、二十八年度、二十九年度の在籍者数をお示しください。  次に、各学校においては、一月、二月には入学者の進路調査が実施されると思いますが、平成三十年度の桜丘養護学校の新入学生を含めた在籍者数をどの程度見込んでおられるのか、その見込みに対し、現在の施設で対応可能なのか、お示しください。
     次に、鹿児島市南部地域への特別支援学校整備についてお伺いします。  桜丘養護学校は、平成二十二年、知肢併置化がなされ、年々在籍者数が増加しています。それに加えて、教育施設・体育館・運動場が手狭でプールもないなど、学校施設として多くの不備があること、さらに、桜丘養護学校の受け入れ児童生徒数は学校施設の規模からして最大九十名程度であることは、これまでの質問の中でも指摘させていただいております。そして、鹿児島市南部地域の保護者の一番の悩みは桜丘養護学校に高等部がないことで、桜丘養護学校に通わせたくても通わせられない、そんな事情があるのです。  そこで、新たに鹿児島市南部地域に高等部を備えた特別支援学校が整備されれば、武岡台養護学校のマンモス化が解消され、鹿児島養護学校、武岡台養護学校との均等化が図られることは明白であります。  昨年六月、会派の長田議員と桜丘養護学校保護者の皆さんと、学校の現状及び保護者の思いを知事にお知らせに伺いました。知事もその思いは理解されたと思っております。しかし、知事が子育て支援を二本柱の一つに掲げておられるのに対し、今回の当初予算には何ら反映されていません。自民党会派だけでなく他会派も同じ思いだと思います。大変残念な気持ちです。  せめて、鹿児島市南部地域の特別支援学校整備についての検討委員会の設置等について、予算が計上されてもいいのではないでしょうか。桜丘養護学校の現状や将来を思うとき、知事、教育長の思いも同じではないでしょうか。  鹿児島市南部地域への早期の特別支援学校整備について、知事の見解をお伺いいたします。 32 ◯教育長(古川仲二君)まず、桜丘養護学校の現状と課題についてでございます。  桜丘養護学校における平成二十七年度から二十九年度までの在籍者数は、各年それぞれ、八十五人、七十七人、八十八人であります。来年度の在籍者数については、進路未確定者があることや今後の転入学者が想定されることなどから、現段階ではまだ確定はいたしておりませんが、今年度の在籍者八十八人より増加する見込みであります。  また、桜丘養護学校におきましては、一部の特別教室を普通教室として活用するなど、狭隘化が顕在化しつつありますが、来年度、学級数が増加いたしましても児童生徒の教育活動が円滑に行われますよう、必要な教室の確保等に努めてまいりたいと考えております。  次に、鹿児島市南部地域への特別支援学校の整備についてであります。  鹿児島市南部地域への特別支援学校の整備の必要性については、桜丘養護学校の在籍者の推移やそれに伴う学習環境の状況変化等、さまざまな状況を総合的に検討する必要があると考えておりまして、それを踏まえて、今後の対応についても引き続き検討してまいりたいと考えております。 33 ◯大園清信君 知事と教育長に再質問いたしますけれども、まず教育長、平成三十年度の在籍者数は大体どの学校でも推定ができると思うんですよね。どこに遠慮されているかわからないけれども、ある程度の学校そのものの在籍者数はわかるはずだから、そこについてまず明確な答弁を行っていただきたい。  それから知事、平成二十八年三月、前伊藤知事が、鹿児島市南部地域の特別支援学校については、「谷山地域の人口増を考えるときにもうそろそろ考える時期に来ているのではないか」と、前向きの答弁をされております。  それから丸二年、鹿児島県議会においても、我が会派だけでなく他の会派の方々からも、ぜひ南部地域の旧農業試験場跡地、盲学校隣接地に整備していただきたいとの要望が続いているわけです。教育は未来への投資です。保護者の皆さんはもとより、議会の声でもありますことから、南部地域の特別支援学校の整備は県政の大きな流れだと思います。  ぜひ、南部地域の特別支援学校については、この三月、障害を持つ子供たちや保護者の皆様方に大きな夢と希望を与えていただくような、もっと前向きな答弁をお願いいたします。 34 ◯教育長(古川仲二君)来年度の桜丘養護学校の在籍者数の見込みについての再度のお尋ねでございますが、進路未確定の方がいらっしゃること、あるいは今後の転入学者が予定されている段階でございますので、確定的なことは申し上げられないということは先ほど申し上げたとおりでございますが、現段階で申し上げますと、百名程度ということになろうかと思っております。 35 ◯知事(三反園 訓君)私は、障害のある子供一人一人を大切にする特別支援教育に関しましては、推進してまいりたいと考えております。  鹿児島市南部地域への特別支援学校の整備につきましては、昨年、多くの保護者の方々に、大園議員、長田議員とともに、知事応接室にお越しいただき、熱い思いを聞かせていただきました。皆様の思いを重く受けとめて、対応させていただきたいと考えております。  私としては、実際に学校を訪問いたしまして学習環境を確認した上で、また、保護者の方々を含めて、さまざまな方々の御意見等を聞いた上で、必要な対応をとらせていただきたいと思っております。 36 ◯大園清信君 知事のスタイルであります、現場を見てからというその気持ちは十分理解させていただきました。  しかし、この南部地域の特別支援学校に関しては、もう待てないような状況であることは議会からも再三にわたって質問が出ているわけです。知事が桜丘養護学校を訪問して、保護者の方、また関係者の方々と話をする機会はいつごろ持たれる予定なのか、まずそれをお伺いします。 37 ◯知事(三反園 訓君)三月中には訪問して、必要な対応をとらせていただきたいと思っております。    [大園清信君登壇] 38 ◯大園清信君 知事、今の言葉を重く受けとめたいと思っております。  我々といたしましても、障害を持つ子供さん方、ピョンチャンオリンピックで活躍する選手の方、本当にすばらしい心の持ち主、またスポーツ精神、技術の持ち主だと思っております。しかし、障害を持つ方々がこの大会を本当に心から賞賛できる環境づくりというのは、まだまだ鹿児島にはでき上がっていない。  知事が「三月には」と言われましたので、三月には現地を見ていただき、保護者の方、そしてまた盲学校の隣接地の場所等を見て、できれば三月中に重い決断をしていただきたいということをお願いして、次の質問に入ります。  交通安全対策についてであります。  ゼブラマークや導流帯については、平成二十九年の第一回、第三回定例会において質問しておりますが、本会議場において警察本部長や土木部長に再三にわたって質問している、交通安全に対する私の、救急医療に携わる医師として、常に事故のない安全対策はいかにあるべきか、いつも心を砕いている思いを理解していただきたいと思います。  皆様方のお手元に資料ナンバー一があります。これは、議長のお膝元であります武町の武町交差点から鹿児島方面に行く交差点を示しております。Aが武町交差点、Bが武町交差点を過ぎた交差点であります。四年前には、このBの交差点は右折が可能な標識が設置されておりました。しかし、私は四年前にここにたまたま出くわして、右折する車がおり、後に車が大変並んでおりまして、なぜここに右折の印が必要なんだろうかと思って警察に連絡しましたら、一年かかってやっと、Bの交差点が終日直進という印に変わりました。  そこで、本部長にお伺いします。  本部長におかれては、ゼブラマークの必要性について、本会議での二回の質問に対し、「ゼブラマーク設置の基準に従って、できない」旨の答弁をされました。  時代が変わり、状況が変化する中、学校は災害時の避難場所であり、また、学校で緊急事態が発生した場合、校門は重要な出入り口です。交差点付近に隣接する学校校門や複雑な道路出入り口は、より安全な対策が求められると思います。時代変化に合った基準、より安全な基準の見直しを求める議論が地方議会であったことを警察庁でしっかり意見を述べることも本部長の責務かと思います。見解をお伺いいたします。  次に、土木部長におかれては、朝夕の混雑時に導流帯の現状をごらんになられたことがありますか。ごらんになられたら、導流帯の現状に対してどのような印象を持たれたか。  導流帯については、これまでの質問でもお話ししたように、朝夕の混雑時、導流帯上を走行し、接触事故が発生するおそれがあり、また設置の費用もかかることから、大胆な見直しが必要と考えますが、道路管理者の見解を改めてお伺いします。  次に、少年犯罪についてお伺いします。  過去三年間の少年犯罪の概況につきましては、我が会派の代表質問でも触れておりますので割愛し、奄美青少年支援センターゆずり葉の郷の取り組みに対する評価と連携についてお伺いいたします。  奄美市名瀬で、刑法犯少年や不良行為少年など反社会的な非行、犯罪を起こす子供たちに命がけで愛情を注ぎ、相談・支援、更生させている三浦一広氏の活動をまず紹介させていただきます。  三浦氏は、三十年以上前から青少年保護活動を始め、二〇〇〇年に民間ボランティア団体を発足、深刻な悩みを持つ児童生徒や保護者の相談に応じ、自立・共生を目指す支援活動を継続し、子供たちはいい出会いと環境があれば生まれ変わるとの信念を持ち、自己犠牲も顧みず二十四時間・三百六十五日、子供たちに向き合って活動しておられます。  私は以前、現在福岡市で保護司として活躍している女性と出会いました。その女性は、小学生のとき親が離婚、その後に飲酒・喫煙・深夜徘回を繰り返し、何度も補導されたが、三浦氏と出会い、「何度裏切られてもあなたを信じている」と言われ、次第に心を開いていったそうです。その女性の話を伺い、三浦氏は本当にすばらしい活動をされているのだと改めて尊敬することでした。  そして、三浦氏が主宰しているゆずり葉の郷を訪問するたびに、犯罪や非行に走った少年たちが、三浦氏との出会いで短期間のうちに変わっていく様子を目の前にして、三浦氏の子供たちにかける心からの愛情が、病んでいる子供たちを変えていくのだと深く思い知らされます。  三浦氏はいつも「虐待や家庭崩壊などで親からの支えを失い、養育される権利さえも奪われている子供たちが現実にいます。公的社会福祉制度の法の網の目からこぼれてしまった、そんな子供たちを何とか救いたい」との思いを持ち、「いかなる厳しい状況下でも、彼らの自尊心と自己肯定感を育むプロセスがあるとしたら何だろうか。人としての善のメンタル面を引き出し、過去を許し、存在を認め、褒め励まし、感謝することが一番の有効策だ」と信じ、三十年以上、走り続けておられます。  そのような三浦氏の活動によって、奄美市の治安が、県最下位から、現在、日本一の回復をなし遂げていると言われます。  そこでお伺いします。  警察本部長も実際にゆずり葉の郷を訪問されたと伺っておりますが、奄美青少年支援センターゆずり葉の郷のこれまでの取り組みに対する評価と連携についてお伺いします。  次に、山田インターのフルインター化についてお伺いします。  平成二十八年第一回県議会定例会において、指宿有料道路の事業変更が議会で承認され、ETCの設置、山田インターのフルインター化などが決定しました。現在、上下二基のETC設置によって、車両の流れがスムーズとなり、利用者に喜ばれていますが、料金の設定には問題があるとの批判もあります。  一方、フルインター化についても事業が進捗中です。  フルインター化に向けての現在の状況と今後のスケジュール及び建設費についてお示しください。  私は、山田インターフルインター化の多額の建設費を考えるとき、県当局がいつも口にされます費用対効果があるのか、県民の皆様に、山田インターをフルインター化してよかったと感じていただけるだけの利用者が実際にあるのか、当該地域に住む一人として疑問を持っております。  現在、朝夕の混雑時、山田農協前交差点と皇徳寺北口交差点間の車の渋滞が著しく、山田インター交差点の信号は時差がないために、県道三十五号から赤信号で右折する車両が多く、また、山田インターから県道三十五号に進入する際、渋滞がひどいときは一台か、時には全然入れない状況があります。現在、県警のほうで信号を時差式にしていただけるとのことで、赤信号無視は減少するものと思いますが、朝夕の混雑時のこれらの諸課題に対し、今後どう対応されるのか大変心配しております。  そこでお伺いします。  山田インターフルインター化に向けては、フルインター化の建設のみを近視眼的に捉えるのではなく、山田インターのフルインター完成時の姿を思い描いて、インター前後にどんな課題が生じるのか考え、先行してその課題に取り組む姿勢が大切であると思います。フルインター化に向けて、現在考えられる課題及びその課題解決に対する取り組みについてお示しください。  山田インターから中山インター間の無料化についてお伺いします。  平成二十八年第一回定例会におきましては、指宿有料道路の事業変更に関する議案が議会で可決され、指宿有料道路の事業変更を承認した一人として、今後新設される山田インターの料金について、考えられる課題を解消し、利用者増を図る一方、現在普通車で百円と設定されている料金を、将来どれくらいに設定するのがいいのか、私も県当局と一緒に真剣に考えねばならないと思います。そして、利用者が極端に少なければ、何年か後に、この区間だけでも無料にできないのか模索する必要も生じてくるものと思います。  この区間の無料化について、県の考え方をお示しください。 39 ◯警察本部長(河野 真君)交通規制基準とその見直しについてであります。  交通規制は、警察庁が示す交通規制基準に基づき実施しているところでありますが、この基準は、道路交通法などの規定に基づく全国統一的な基準で、平成十一年に示されており、関係法令の改正や交通環境等の変化に応じ、これまで八回、見直しが行われております。  警察庁では、交通規制基準の見直しに際して、各都道府県警察の意見などを聴取しているとのことでありますので、議員の御意見につきましても警察庁にお伝えしたいと考えております。  少年犯罪についてであります。  NPO法人ゆずり葉の郷では、非行等の問題に悩む少年の相談・支援や街頭での声かけ・指導、居場所づくりなどの活動を行っているほか、ゆずり葉の郷の少年たちなどで結成された奄美市青少年警護隊においては、自主的に防犯パトロールや環境美化活動などに取り組んでおられます。  県警察においては、ゆずり葉の郷とは日ごろから緊密に連携しており、協働して防犯パトロールやスポーツ交流会、環境美化活動などを通じた青少年の健全育成活動に取り組んできたところであります。  ゆずり葉の郷の長年にわたる幅広いボランティア活動に対する地域住民の信頼は厚く、県警察としても、このような地道な活動が少年の健全育成に貢献しているものと高く評価しているところであります。  今後とも、ゆずり葉の郷とより一層連携しながら、少年の健全育成に努めてまいりたいと考えております。 40 ◯土木部長(渡邊 茂君)導流帯の見直しについてでございます。  導流帯につきましては、これまで、道路法等の基準に基づき設置を行い、現場の交通状況の変化等により、必要に応じて見直しを行ってきたところであります。  導流帯の朝夕の混雑時の状況については写真により確認しております。右折レーンの滞留長が車両の増加に伴い不足し、乗り上げている車両が多い導流帯などについては、見直しが必要であると感じたところであります。  現在、産業道路の新栄町交差点において、右折車両が増加したことから、右折レーンを延伸し、導流帯の縮小を検討しているところであります。  今後とも、導流帯につきましては、日常のパトロールなどにより現場の交通状況を確認し、必要な場合は、公安委員会と協議の上、見直しを行ってまいります。  続きまして、土木行政に関しまして、まず、山田インターのフルインター化についてでございます。  山田インターのフルインター化につきましては、利用者の利便性の向上を図るとともに、周辺団地の渋滞解消にも寄与することなどから、道路公社において整備が進められているところであり、整備に要する事業費として約三十六億円を見込んでおります。  平成二十八年度に事業着手し、これまでに道路設計や橋梁などの構造物設計を進めてきたところであり、約九割の用地を取得しております。平成二十九年度中に、永田川を渡河する工事用橋梁の設置や改良工事に着手することとしています。  県といたしましては、道路公社などと連携を図りながら、山田インターのフルインター化の早期整備に努めてまいります。  続きまして、山田インターの周辺県道の渋滞対策についてでございます。  山田インターが接続する県道永吉入佐鹿児島線においては、朝夕の時間帯を中心に交通渋滞が発生しています。このような中、山田インターのフルインター化に伴いまして、山田インターに出入りする交通量がふえ、さらなる渋滞が懸念されているところです。  県道永吉入佐鹿児島線の渋滞につきましては、山田交差点や山田インター入口交差点の右折レーンの不足、また、星ヶ峯ニュータウン入口交差点の形状が原因の一つと考えており、対策といたしまして右折レーンの延伸等を検討する必要があります。  課題解決に向けては、道路公社と県の関係機関による連絡調整会議を開催し、フルインター化に伴う交通状況の変化等について情報共有を図り、課題への対応を検討しているところです。  県といたしましては、山田インターのフルインター供用時に円滑な交通が確保されるよう努めてまいります。  続きまして、新設される山田インターの料金についてでございます。  山田インターのフルインター化につきましては、地形が急峻なことから施工に多額の費用を要しますが、多くの方々から整備を求める御要望があることも踏まえて、利用者が費用を負担する有料道路事業を活用することにより事業化が実現したものであり、現時点で、この区間のみ先行して無料とすることは困難と考えております。 41 ◯大園清信君 土木部長に再度質問させていただきます。  山田インターの現状を考えると、先ほどもお話ししましたように、現在、朝夕の渋滞時になかなか県道の出入り口で進めない状況があるわけですね。これから山田インターがフルになった場合はもっと交通量はふえるわけですので、今のそういう状況をいつごろまでに解決するのか、どの地点を二車線にして、あるいはどの地点に右折をつくるんだというような、皇徳寺北口から山田農協前までの青写真を早目につくらないと、山田インターができてから考えましょうじゃ、遅いんですよ。  ですから、山田インターの前に早くそういったものをつくっていただきたい、もう少し危機感を持ってもらいたいと思っているんですけど、この山田インターから出た県道の整備について、部長の考え方を再度お伺いします。 42 ◯土木部長(渡邊 茂君)ただいま、山田インターの周辺の県道の現状認識についてお尋ねがありました。  先ほど申し上げましたように、県道永吉入佐鹿児島線、これが朝夕渋滞しているのは事実でございます。それも把握しております。また、そこに存在します山田交差点、山田インター入口交差点、星ヶ峯ニュータウン入口交差点、そういった交差点の問題等もあると考えておりますので、引き続き、課題解決へ向けましては、道路公社などとも連携をとりまして、フルインター化に伴う交通状況の変化等について、課題への対応を検討してまいります。    [大園清信君登壇] 43 ◯大園清信君 土木部長の答弁に対して、今度ピョンチャンではやりました、「そうだね」と言いたかったんですね。でも、もうちょっといい答弁があってもいいのかなと。かねて我々利用する者としては、今、解決しなければ、山田インターができる寸前までこの状態が続くのかと思うと、周辺住民の方は大変心配されておりますので、ぜひそこは部長、前向きに考えていただきたいと。  先ほど土木部長も含めて、本部長にも道路標示についてお伺いしました。ぜひ県警と土木部でしっかり現地を視察して、大胆な見直しも必要だと思っております。  私の自宅から事務所のある伊敷まで五カ所、こんな導流帯が必要なのかなという導流帯がいっぱいあります。県下でそういうのを洗い直ししたら相当な費用が浮くんだろうと。午前中、寺田部長が、県の財政を大変苦慮されていると。しかし、金がなければ頭を使う、我々はそういう姿勢でなければいけないと。ですから、ぜひそういったところもしっかり見直しして。補助金が十万円、二十万円カットされて困る団体もある。そんな中で、県の職員は自分のことのようにしっかり考えていただきたいと思っております。  また、何回も本会議場でこの導流帯の問題を指摘してきましたけれども、もう今回、最後にしますので、ぜひ本部長も土木部長も、悪いところは悪い、手直ししないといけないところは手直ししないといけないと思っていただいて、これからの県政に当たっていただきたいと思います。  少年犯罪につきましては、先ほど、ゆずり葉の郷の取り組みを紹介いたしました。私も、子供たちが病んでいる、本当に子供たちに寄り添って頑張れる人材というのはそんなにいないんだと思っております。子供たちの非行に取り組んでいる団体はゆずり葉の郷だけじゃないです。ぜひ県警の方も、そういう団体としっかり連携をとって、子供たちの居場所をつくっていただきたいと思っております。  それでは、次の質問に入ります。  保健・福祉行政についてお伺いいたします。  まず、知事、保健福祉部長には、曽於市の救急クリニックの開院に御尽力いただき、開設の見通しができましたことに心からお礼申し上げます。地元の瀬戸口議員初め、地元自治体や住民の方々は大変喜ばれています。知事に感謝しつつ、知事、保健・福祉という言葉には大変な重みがありますよね。知事が、くらし福祉部から、くらし保健福祉部に再考していただき、医療関係者の一人として大変感謝しております。  それでは、鹿児島県地域医療構想についてお伺いします。我が会派の代表質問にもありましたので、地域医療構想の目標年次と現在の進捗状況につきましては割愛し、地域医療構想についての進捗過程の課題について質問させていただきます。  平成二十八年十一月に策定された鹿児島県地域医療構想は、二〇二五年に向け、病床の機能分化・連携を進めるために、医療機能ごとに二〇二五年の医療需要と病床の必要量を推計し、定めるもので、高度急性期・急性期・回復期・慢性期の四機能に区分しています。そして機能分化・連携については、地域医療構想調整会議で議論・調整することとし、現在、構想区域ごとに協議が進められています。  その調整会議の構成メンバーには医療関係者が多く、医療を受ける側の意見が調整会議での議論に反映されるのか不安に思います。その不安の声を埋めるのが保健福祉部の役割ではないかと思います。見解をお伺いいたします。  ところで、昨年十月に開かれた県医師会役員と環境厚生委員会との意見交換会の議論の中で、曽於市に開院予定の救急クリニックに対して、医師会側からは、地域医療構想をもとに、県内は既にベッドオーバーであるとのことで、有床の救急クリニックに対して強い抵抗がありました。  しかし、地域によっておくれている救急医療や、不足している産科・小児科等については、今後、特例として病床の設置を認める場合も必要であり、新たにどうしても必要とされるベッドに対して、地域医療構想が大きな障害となる場合もあるのではないか、見解をお伺いいたします。  次に、発達障害についてお伺いいたします。  発達障害を持つ子供が、子供人口比の約六%前後に見られると報告され、発達障害児に対する対応が急がれます。本県においては、平成二十二年六月に県こども総合療育センターが整備され、これまで、県内の地域支援体制も充実してきております。
     本年二月には、厚生労働省が県こども総合療育センターを訪れ、本県の支援体制を視察され、県の支援体制が全国のモデルとして厚生労働省と総務省から評価されたとのこと、その後、センターの外岡所長は厚生労働省で本県の支援体制を報告されたとのことです。  県教育委員会は昨年七月、二〇一七年度に公立小・中学校、義務教育学校の特別支援学級に通う児童生徒の人数が、二〇一三年度の二千三百七人から倍近くにふえ、過去最多の四千一人になったこと、さらに、特別支援学校の児童生徒も二〇一三年度と比べ二百人増の二千百七十二人。増加した理由について、保護者の特別支援教育への理解が進んだためとしています。  一方、特別支援学校の教員免許を持っていなくても特別支援学級の担任にはなることができるため、資質の向上が課題。特別支援学級の担任は千七十六人で、免許の取得率は四一・六%にとどまっている。また、県は、教員の資質向上対策の一環として、特別支援学級を初めて担任する教諭への研修などを開いているとしています。  県は、教職員の資質向上が課題としていますが、まず、発達障害のある児童生徒の学校での指導・支援の現状と課題をお示しください。  そして、その課題解決には、県こども総合療育センターでの研修を含めて、センターとの連携が大事かと思います。センターでの専門的研修やセンターとの連携をどのように行っているか、お示しください。  次に、大人の発達障害の現状と課題について、そして、受け入れ医療機関と支援体制についてお伺いします。  最近の調査によると、成人になってから精神科を受診して、発達障害と診断された患者がふえているとのことです。その症状は、組織の中で働くようになって特徴的な症状が目立つとされます。相手の気持ちがわからなかったり、注意力が散漫になったりするなど、社会不適応を起こしがちになり、働くこと自体が困難になり、鬱病などの二次障害を起こして、休職・退職に追い込まれることも珍しくないとのことです。  大人の発達障害は、本人も家族も思い悩んでしまい、相談窓口を見つけるのに苦慮して、結果、悪循環に陥ってしまいます。最近、鬱病や双極性障害など心の病気で休職した人の中に、大人の発達障害の疑いのある人が目立つようになってきているとのことです。大事なことは、適切な治療を受けることで発達障害とうまくつき合って、社会で立派に活躍している人たちもいることをしっかり社会で理解されることです。  そこでお伺いします。  本県において、大人の発達障害の相談・治療施設の窓口はどうなっているのか、そして支援体制はどうなっているのか、お示しください。  次に、県立病院の医療従事者の労働時間の現状及び働き方改革への考え方と取り組みについてお伺いします。  安倍政権が進める働き方改革は医療現場にも及んできています。医師の働き方改革に関して、厚生労働省は、医師の長時間労働是正に向けた緊急対策の素案を示しています。しかし、医師は原則、診療・治療の求めを拒むことはできないと医師法が規定する応召義務があり、このことを、過労死遺族や医療現場は長時間労働の一因となっているのではないかと指摘しています。  長時間労働が常態化している医師の働き方改革も進める時期ではないかと思います。そのためには、公的機関が方向性を示すことが求められると思います。  そこでお伺いします。  県立病院の医療従事者、特に今回は医師・看護師の労働時間の現状についてお示しください。  そして、今後の医師・看護師の働き方改革の考え方と取り組みについての対応をお示しください。  次に、中央児童相談所の体制についてお伺いいたします。  平成二十二年三月までは、本県においては中央児童相談所と療育指導部から成る児童総合相談センターが一定の役割を果たし、同年四月から発展的に組織が分割し、知的障害者の判定や更生相談所としての児童相談所と、医療機関の県こども総合療育センターに組織改編がなされております。  県こども総合療育センターは、所長が医療専門職員であることから、センターの中身が大変充実してきております。一方、児童相談所は、業務内容が療育手帳の判定や知的障害者の相談・判定、不登校、虐待、少年非行など複雑多岐になっています。特に虐待問題は深刻な状況です。他県においては、児童相談所の所長には医療関係者が充当されています。  本県においても、時代の流れであり、大きな見直しをすべき時期に来ていると思いますが、見解をお伺いいたします。  次に、県有財産─未利用地─の売却についてお伺いいたします。  私は、昨年の第三回定例会において、県立鹿児島聾学校・三光学園跡地及び魚見町職員住宅敷地の売却について、質問させていただきました。  質問内容について重複は避けますが、まず、県は今回、鹿児島聾学校跡地及び隣接する三光学園跡地については、これまで利活用策を検討してきましたが、県として今後の利活用の計画がないこと、また、地元の鹿児島市及び国から買い受け希望がないことから、このたび、売却することとし、一般競争入札を行うこととして、四月十八日に入札を実施するとしています。  第三回定例会において、教育長は、「鹿児島聾学校跡地、三光学園跡地については、接続する市道の幅員が狭く、建物等の建築が制限されますことから、その活用に当たりましては、接続道路の整備・確保が課題であると考えております。県といたしましては、今後、同跡地の土地利用に関する制度面での情報提供など、売却促進を図るための課題解決策や当面の活用策などに関する不動産鑑定士などの助言、民間事業者からの意見等も参考にしながら、売却も含めた利活用策について検討してまいりたい」と答弁されています。  そこでお伺いします。  県は、どのようなことを参考にして、今回入札を行うことにしたのか。また、私は、「跡地に市道から道路を入れて不動産価値を高める努力も必要ではないか」とただしました。県として、私の質問に対してどのような努力をされたのか、お伺いします。  次に、魚見町職員住宅敷地についてお伺いいたします。  まず、県は、私立高校のグラウンドをどういう目的で、どれくらいの値段で購入されたのか。その後、この敷地について、県は、売却に対してどのような取り組みをされたのか、お示しください。  ところで、この敷地については埋蔵文化財があるとのこと、県は答弁において、「埋蔵文化財の発掘調査につきましては、今後の利活用の内容によりまして、調査が必要な場合と不要な場合がありますほか、仮に売却する場合であっても、売却前に県が調査することも、また、売却後に購入者が調査することも可能でありますことから、当該土地の具体的な利活用方策に合わせて対応してまいりたい」と回答されています。  そこでお伺いします。  県は、「仮に売却する場合であっても、売却前に県が調査することも可能であります」と回答されました。そこで、売却前に調査することも可能としていることから、その後、敷地について、売却も含めて具体的な対応をされたのか、お伺いいたします。  次に、大型クルーズ船受け入れの課題と課題への取り組みについて、マリンポートかごしまと周辺地域の課題及び課題への取り組みについてお伺いいたします。  けさの地元紙に、国際クルーズ拠点港湾にマリンポートかごしまを選定したとの明るいニュースが掲載されました。一方、課題となるのは、受け入れ体制のこと、寄港船がふえる中、港と市街地を結ぶアクセスの悪さ、乗船客を運ぶ観光バスによる渋滞や駐車場不足が問題視されているとのことでした。  さて、鹿児島港におけるクルーズ船の受け入れ環境整備については、我が会派の代表質問において、県は、「マリンポートかごしまにおける新たな岸壁整備の早期事業化に向けた取り組みを進めている」とのことで、観光・交流を促進する上で県の姿勢を評価するものです。  私自身、マリンポートかごしまや黎明みなと大橋から眺める桜島の姿が大好きで、気持ちに迷いがあったり、嫌なことがあるときは、この地から桜島を眺め、気持ちを奮い立たせております。今後、この一帯が新たな観光かごしまのスポットとなるものと思います。  しかし、これまでにもたびたび本会議で指摘しておりますが、本県のおもてなしの玄関口としての環境がこれでいいのかと腹立たしい思いです。  クルーズ船の大型化が進み、ふえる外国人観光客の目にこの一帯の景観はどのように映るのでしょうか。本年から大切な向こう三年間、鹿児島を訪れる国内外の観光客の目に触れるマリンポートかごしまの安全性や周囲のインフラ整備を含めた環境整備はこれでいいのか疑問に思います。  マリンポートかごしま及び周辺地域のハード面の課題を県はどのように捉え、その課題解決にどのように取り組んでおられるのか、お示しください。    [知事三反園 訓君登壇] 44 ◯知事(三反園 訓君)マリンポートかごしまにおける取り組みについてであります。  きのうに引き続きまして、うれしいニュースが届いております。世界最大の二十二万トン級のクルーズ船が接岸できる新たな岸壁の整備につきまして、平成三十年度に新規事業化する見通しとなりました。本日、国土交通省から、平成三十年度予算に向けた新規事業採択時評価の手続に着手するとの連絡が入りました。  新たな岸壁の整備によりまして、十六万トン級と二十二万トン級の大型クルーズ船が二隻同時に並んで接岸できる日本初のクルーズ専用ターミナルとなります。これまで難しかった予約の重複、十六万トン級を超えるクルーズ船への対応も可能となります。これによりまして、昨日選定されました官民連携による国際クルーズ拠点の取り組みとあわせまして、鹿児島港において、我が国トップレベルのクルーズ船の受け入れ環境を整えることができることになります。  この結果、今後、過去最高を記録したクルーズ船の寄港数がさらに伸び、インバウンドを含めた観光客が飛躍的に増加することが見込まれます。この効果が県全体の観光振興に資するよう、新たな岸壁の早期整備に向けて全力で取り組んでまいります。 45 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)まず、地域医療構想調整会議の委員についてであります。  地域医療構想調整会議は、地域医療構想の達成を推進するために設置しているものであり、その委員については、医療法において、診療に関する学識経験者の団体その他の医療関係者、医療保険者その他の関係者とされております。本県におきましては、医師会等の医療関係団体のほか、介護関係団体、市町村、保健所などが委員として参画しているところであります。  地域医療構想の進捗過程における課題と取り組みについてであります。  地域医療構想は、地域の医療提供体制の将来のあるべき姿を示すものとして、高度急性期、急性期等の医療機能ごとに病床の必要量を推計したものであり、地域医療構想調整会議は、現状と比較して不足する医療機能について、今後どのようにして対応していくかを協議する場とされております。  一方、既存病床数が県保健医療計画に定める基準病床数を超える二次医療圏においては、新たな病床は原則として設置できないこととされておりますが、その特例として、地域において良質かつ適切な医療が提供されるために特に必要な診療所については、一般病床の設置を認めることができるとされております。  県といたしましては、病床設置に係る事前協議がなされた場合、地域医療構想調整会議における説明の場を設定するほか、医療審議会の意見を聞いた上で、医療に関する地域の実情も踏まえ、総合的に判断することになるものと考えております。  次に、大人の発達障害の支援体制等についてであります。  発達障害については、対人関係・社会性の障害やコミュニケーションの障害があるものの、周囲に障害があることがわかりにくいという特性があり、早期に発見し、身近な地域で早期に継続した支援を受けられるようにすることが必要とされております。  県におきましては、発達障害者支援センターや精神保健福祉センターにおいて、発達障害の有無、就労などの相談や診断・支援機関等に関する問い合わせに応じております。また、市町村、医療機関、ハローワークなどの関係機関と連携しながら、発達障害者の障害の状況に応じた支援や助言を行っております。さらに、本年度は、地域のかかりつけ医等を対象に、対応力向上に向けた研修会を開催したところであります。  県といたしましては、引き続き、関係機関・団体と連携を図りながら、発達障害者の支援に努めてまいります。  中央児童相談所の体制についてであります。  児童相談所については、児童虐待防止対策を初め、児童に関する相談、調査、診断及び判定、一時保護、市町村への支援などの業務を行っており、これまでも、業務量に応じた専門職員の配置など必要な対応を行ってきたところであります。  また、国の指針において、診察、医学的見地による子供の診断、一時保護している子供の健康管理などの業務を行う医師を配置することとされており、中央児童相談所には職員を、大隅及び大島児童相談所には嘱託職員を配置しております。  児童相談所の所長につきましては、児童福祉法に定められている所長の要件を満たす職員の中から、これまでの職務経験等を勘案し、適任者が配置されているところであります。 46 ◯教育長(古川仲二君)発達障害のある児童生徒の指導・支援の現状等についてでございます。  特別支援教育が法的に位置づけられて十年が経過いたしましたが、これまで、県教委では、発達障害の理解・啓発のための研修会や、特別支援教育コーディネーター養成研修会などを開催するとともに、各学校におきましても、校内研修等で発達障害のある児童生徒の支援のあり方について共通理解し、個別の指導計画に基づくわかりやすい授業づくりの実践に努めてきたところでございます。その結果、各学校の支援体制は着実に整備され、教員の理解も深まってきつつあると考えております。  一方で、発達障害のある児童生徒の実態は多様であり、一人一人に即したきめ細やかな指導・支援の充実をさらに図る必要がありますことから、県教委といたしましては、関係機関と連携をさらに深め、具体的な事例に基づく、より効果的な支援方策に関する研修の充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、県こども総合療育センターと県教委との連携等についてでございます。  県こども総合療育センターと県教委との連携につきましては、平成二十三年度以降、特別支援学校の教員を同センターへ一年間派遣する研修を行っておりまして、これまで延べ十七人を派遣いたしております。本研修を終えた教員は、教育相談に係る専門的知識を習得し、各学校におきまして研修成果を還元いたしております。また、地域の小・中学校への巡回相談等の機会に具体的な助言を行い、小・中学校等支援の充実に寄与するなど、一定の成果をおさめつつあるところでございます。  この研修につきましては、特別支援学校の教員のみならず、小・中学校の教員も含めて複数派遣することができることといたしておりますことから、各学校等に引き続き研修制度の内容とその意義について周知を図りますとともに、積極的な参加を促してまいりたいと考えております。  また、それぞれの主催する会議等に同センター及び県教委双方の職員が委員として参加いたしまして、情報の共有を行うとともに、教育相談対象の幼児・児童生徒の事例検討なども行い、連携を図っているところでございます。  今後も、県教委といたしましては、一人一人に即したきめ細やかな指導・支援の充実を図るため、教員の資質向上に向け、県こども総合療育センターとさらなる連携を図ってまいりたいと考えております。  次に、県立鹿児島聾学校・三光学園跡地の売却についてでございます。  鹿児島聾学校跡地、三光学園跡地につきましては、関係部局と連携を図りながら、利活用について検討を行ってまいりましたが、県として今後の利活用計画がなく、鹿児島市からの買い受け希望もなかったところでございます。  県といたしましては、利活用が見込まれない未利用財産につきましては、民間事業者の意見等も参考にしながら、積極的に売却を進めることといたしておりまして、同跡地につきましても、売却促進を図るための土地利用規制上の課題解決策や、駐車場としての暫定活用等、当面の活用策などに関する不動産鑑定士などからの助言、民間事業者からの意見等も参考にしながら、売却を含めた利活用策について検討してきたところでございまして、それらを総合的に判断して、一般競争入札により売却することといたしたところでございます。 47 ◯県立病院事業管理者(福元俊孝君)県立病院における労働時間の現状と働き方改革についてであります。  県立病院における超過勤務の現状につきましては、平成二十八年度は、一月当たりの平均で医師は二十四・八時間、看護師は四時間となっております。  超過勤務の縮減は、職員の心身の健康保持やワーク・ライフ・バランスの観点、また、過労による医療事故の防止など、医療の質の向上の観点から積極的に取り組むべき重要な課題であると認識しております。  このため、各県立病院におきましては、医師や看護師の負担軽減のための多職種が参加する委員会を開催し、計画の策定やその達成状況について協議するとともに、診療業務を補助するドクタークラークや看護助手を配置するなど、勤務環境の改善に取り組んでおります。  働き方改革に対する今後の取り組みにつきましては、国におきまして、今国会に長時間労働を是正するための法案の提出が予定されております。医師については、地域偏在等により全国的に医師不足が生じており、一方では、議員御指摘のように、医師法で応召義務が課されているところであります。このため、直ちに長時間労働を是正することは困難であることから、同法案の医師への適用につきましては、施行後五年間猶予されることとなっております。  また、厚生労働省では、医師の働き方改革に関する検討会を設置し、来年三月を目途に、規制の具体的なあり方や労働時間の短縮策等について検討し、最終報告を取りまとめることとされております。  県立病院としましては、国における検討状況等を注視しながら、引き続き勤務環境の改善に取り組んでまいりたいと考えております。 48 ◯総務部長(寺田雅一君)魚見町職員住宅敷地の売却についてでございます。  魚見町職員住宅敷地につきましては、平成七年に職員住宅建設用地として敷地面積約二・一ヘクタールを、不動産鑑定結果をもとに約十五億円で購入したところでありますが、その後の県の財政状況等を踏まえ、平成十三年には職員住宅の新規着工を凍結、平成十七年には建設計画中止の決定がなされたところでございます。  当該土地につきましては、崖地規制による建築制限があることや埋蔵文化財があることなどから、庁内での利活用を中心に検討してきたところでございますが、当面、県としての具体的な活用の予定がないことや、個別の民間からの問い合わせ等もありましたことから、今後、売却も含めた有効活用について検討してまいりたいと考えております。  なお、発掘調査につきましては、御質問の中でも触れられましたとおり、今後の利活用の内容によりまして、調査が必要な場合と不要な場合がございます。また、仮に売却する場合であっても、売却前に県が調査することも、売却後に購入者が調査することも可能でありますことから、当該土地の具体的な利活用方策に合わせて対応してまいりたいと考えております。 49 ◯土木部長(渡邊 茂君)マリンポートかごしまの周辺地域における課題及び課題への取り組みについてでございます。  当該地域については、クルーズ船寄港時の交通渋滞や旧南港区周辺の環境整備の課題があると認識しています。  クルーズ船寄港時の交通渋滞につきましては、これまで、交差点改良など対策に努めたところでありますが、臨港道路鴨池中央港区線の整備による渋滞緩和の効果が期待されているところです。また、それまでの間の対応策を検討するため、クルーズ船入出港時間帯別の渋滞要因等の現状把握を早急に行うとともに、現在、船舶による観光客の移動について関係者と意見交換を行っているところです。  環境整備につきましては、これまでも、沿道の植栽や雑草の除去を実施するとともに、スクラップ取り扱い事業者と移転について協議を重ねているところでありますが、事業者の多額の費用負担が早期移転の課題となっています。  県といたしましては、沿道からの景観にも配慮し、仮置きされている流木の処分を進めるとともに、今後の臨港道路整備の進捗を踏まえながら、早期移転が図られるよう事業者と協議を継続し、旧南港区周辺の環境整備に努めてまいります。 50 ◯大園清信君 時間がありませんので、土木部長に一点お伺いします。せっかくナンバー二の資料を準備しましたので。  大変、マリンポートはきれいですよね。しかし、これを見て、この橋梁が各一車線というのは、もしここで事故あるいは大きな行事があったとき、私も昨年十一月二十三日に障害者の駅伝大会、約一千名でしたけど、帰りは車が混んで大変でした。  ですから、ここの橋をもう一つふやして、上下二車線ずつにするぐらいの思い切った施策をしなければ、もし何かあったら困ると思うんですけど、土木部長の見解をお伺いします。 51 ◯土木部長(渡邊 茂君)マリンポートかごしま周辺地域におきましては、クルーズ船寄港時などに交通の渋滞の課題があるという認識はしてございます。当該地域の交通渋滞につきましては、これまで交差点改良などに努めてきたところでありますけれども、まず、クルーズ船入出港時間帯別の渋滞要因等の現状を把握する必要があると考えております。    [大園清信君登壇] 52 ◯大園清信君 きょうは土木部長にはいろいろ再質問もさせていただきました。  ただ、橋の件などは、さっき言ったことを「そうだね」と前向きに、これから県として取り組んでいかないといけない課題だと思っています。  三反園知事も、江戸幕末でいったら島津斉彬の存在であります。部下の意見、そして議員の意見もしっかり聞いて、ぜひすばらしい県政にこれから取り組んでいただきたいとお願いいたしまして、私の一般質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 53 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、鶴丸明人君に発言を許可いたします。    [鶴丸明人君登壇](拍手) 54 ◯鶴丸明人君 皆さん、改めましてこんにちは。  一般質問二日目、最後の質問となりました。霧島市・姶良郡区選出の鶴丸明人です。  今回は、語りは長く、答弁は短くという思いでここに立たせていただきました。どうか私の思いもお聞き届けください。  さて、ピョンチャンで開催された冬季オリンピックが終わりました。過去最大十三個のメダルを獲得した日本選手の連日の活躍に、テレビにくぎづけの時間を過ごしました。皆さんも同様であったかと存じます。圧巻は大会九日目、日本選手団として第一号金メダルとなった男子フィギュアの羽生結弦選手の演技であったのではないかと思います。右足の負傷を強靱な意志と努力で克服し、二連覇の金メダルの獲得は、多くの人に感動と勇気を与えたものと思います。  また、ただいま大園議員からもお話がありましたが、カーリング女子の「そだね」、「そだね」とお互いを認め合うこの言葉も強く印象に残りました。
     オリンピックは平和の祭典と言われています。北朝鮮の核ミサイル開発等、戦争への危機が問われる中、スポーツを通した戦い、力を出し切る姿には、国や肌の色を超えて人間の尊厳を感じます。二年後には東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。東京から、日本から、平和のとうとさ、スポーツによる感動と歓喜の発信を願うものであります。  ところで、第四次産業革命と言われる現在の情報化社会の技術革新・経営革新は、その先にあると言われる第五次産業革命、いわゆる超スマート社会に向けて、予測困難なスピードと経路で進んでいると言われています。  国におきましては、生産性革命と人づくり革命とを車の両輪とする、新しい経済政策パッケージによる新たな推進への取り組みが始まりました。地方におきましては、少子高齢化による人口減少が進んでまいります。  二〇二五年には、団塊の世代─昭和二十二年から二十四年に生まれた人─が全て七十五歳以上になるなど、超高齢化社会を迎えます。一方、外国人観光客の来日により、地域の交流人口がふえてまいります。今後、情報化社会と相まって新たな地方自治が問われることが予測されます。  このような中、向こう十年を目標として県政ビジョンが策定されましたので、今回はそのことも踏まえ、質問させていただきます。  一点目は、鹿児島空港についてであります。  鹿児島空港につきましては、外国人入り込み客の増加等、国際化に対応するため、池畑前議長を会長とする鹿児島空港国際化推進議員連盟の一人として、私は、民間への運営の委託、九州におけるハブ空港化、運用時間の二十四時間化など、中長期的な視点で検討を進めるべきであることを、この議場で再三申し上げてきたところであります。  今回の県政ビジョンでは、鹿児島空港については、空港や航空業界を取り巻くさまざまな環境変化に対応しながら、国際線ターミナルビルの充実など、観光や産業の活性化に資する機能向上に努めることが明示されました。  また、平成三十年度予算において、鹿児島空港の目指すべき将来像やその実現に向けて、必要な施策等について調査を行うための事業費が計上されたところであり、一定の評価をさせていただくところであります。  そこで、今回の鹿児島空港将来ビジョン検討調査事業について、事業の目的、検討委員会の構成メンバー、検討委員会での検討内容及び今後のスケジュールについてお伺いいたします。  次は、北薩横断道路についてであります。  道路の整備は、どのような時代にあっても、人・もの・情報の交流の向上を図るために極めて重要かつ必要なものであると考えています。県政ビジョンでは、地域高規格道路については重点的に推進することが明示されているところであります。  地域高規格道路の一つである北薩横断道路は、霧島市溝辺町の鹿児島空港から、さつま町を経由し出水地域に至る全線区間約七十キロメートルの地域高規格道路であります。このうち既に供用が開始されているのが三区間十四キロメートル、整備区間として事業実施が行われている区間が三区間の二十四・二キロメートルであります。  したがって、全線九区間のうち事業未着手区間は、霧島市の鹿児島空港から横川町の野坂までの区間と、さつま町の広瀬から泊野までの二区間で、約三十キロメートルとなっているところであります。  北薩空港幹線道路については、整備のための期成会を結成して、これまで国への要望を続け、大きな成果を見てきているところでありますが、国際化の進展に伴う空港の果たす役割がより高まる中、北薩地域と空港を結ぶ道路として早期の全線完成が望まれるところであります。  地域高規格道路の事業化に当たりましては、まず第一段階としての測量・調査・設計、関係機関との設計協議、用地測量調査等もろもろの事業の流れを経て、整備区間に格上げ指定、すなわち事業着手となると伺っております。  そこで、ただいま申し上げた未着手の二区間については、現在どのような作業に取り組まれているのか。また、整備区間への格上げ、事業着手についてはどのような見通しになるのか、お伺いいたします。  三点目は、ブロードバンドによる通信基盤の整備についてであります。  私は日々、高度情報化・技術革新が進展する今日の情報化社会にあって、離島や山間地域などを多く抱える本県においては、地域による情報格差のない社会を実現する必要があると考えております。  今回の県政ビジョンでは、条件不利地域においては情報通信基盤の整備が進みにくく、光ファイバー等の超高速ブロードバンドが未整備の地域が依然として残っており、地域間での情報格差が生じているため、その解消を図っていく必要があることを示しています。  そこで、次の点についてお伺いいたします。  一点目は、光ファイバーの整備状況についてであります。  二点目は、光ファイバーの整備は市町村等が主体となって、国の補助を受けて行うものであります。県が整備のための補助等を行うものではありませんが、県政ビジョンでは、地域間の情報格差の解消の必要性が述べられています。この県政ビジョンに示された方向性を実現するために、県は、市町村に対してどのような支援をしようとしているのか、お伺いいたします。  次は、地熱エネルギーについてであります。  県政ビジョンでは、エネルギー・環境問題への対応という視点で再生可能エネルギーへの取り組みの必要性が述べられております。一方、県政ビジョンの策定と並行して設置された鹿児島県再生可能エネルギー推進委員会において、去る二月十五日、再生可能エネルギーの新たな導入ビジョン案が示されたところであります。  また、平成三十年度予算では、エネルギーパークかごしま推進事業を新たに設け、地熱を含む再生可能エネルギーの推進に取り組むことを示されております。大いに評価に値するものであると思います。  再生可能エネルギーの一つである地熱発電については、私はかねてから、多くの温泉地を有する本県において有力な再生可能エネルギーであると認識し、その必要性を申し上げてきたところであります。  私が住んでおります霧島地区においては、大霧地熱発電所が既に規模の大きな発電を行っており、その周辺への拡充の計画が、住民の理解が得られないために中断している状況にあります。地熱発電の推進に当たっては、自然環境の保全といった視点でも、地域住民の方々の理解をどのような形で得るのかが重要であると考えています。  今回、再生可能エネルギーの新たな導入ビジョンでは、地熱発電は安定的な発電ができ、本県におけるポテンシャルも高いことから、更なる導入を促進することが明示されたところであります。また、留意事項として、ただいま申し上げた地域住民とのかかわりについても述べられているところであります。  地熱発電につきましては、地元が主体となってこれまで取り組んできたところでございますが、今回このようなビジョンを策定される県として、私は、より積極的な支援が求められると思っております。  そこで、県として、地熱発電について、地域住民の理解を得るためにどのような取り組みをしようとしているのか、お伺いいたします。  五点目は、認知症県民週間についてであります。  認知症は、本人や家族にとっては認めがたく、認知症が疑われる状態になっても周囲に知られたくないという考えや、認知症に関する偏見や誤った考えから、周囲とのトラブルや地域から孤立してしまうなどの問題が生じております。私自身、九十七歳の母を見送った経験から、このことを強く意識していた一人であります。  鹿児島県議会としてこのたび、認知症対策について、県民週間による啓発のほか、幾つかの認知症対策について、小園委員長、持冨ワーキング部会長のもと、政策立案推進検討委員会で取りまとめを行い、近く知事に対して提言を行う予定であります。私もその委員の一人として携わらせていただきました。  このようなことを踏まえて、県民週間について特化した質問を予定しておりましたが、公明党の代表質問で触れられましたので、積極的な取り組みを執行部にお願いして、質問を要望にかえさせていただきます。  これで、第一回目の質問を終わります。 55 ◯企画部長(東條広光君)県政ビジョンにつきまして、まず、鹿児島空港将来ビジョン検討調査事業についてであります。  鹿児島空港におきましては、香港、ソウル線におけるLCCの新規就航や香港、台北線の増便など国際線の拡充が続いており、また、国内線も合わせた全体の利用者数は、平成二十九年に五百六十万人に達するなど増加傾向にあります。  この事業は、こうした国際線の新規就航や増便、国内線・国際線におけるLCCの台頭など、近年の空港や航空業界を取り巻くさまざまな環境変化を踏まえ、鹿児島空港の将来像やその実現に向けて、必要な施策等について調査を行おうとするものであります。  調査に当たりましては、鹿児島空港を取り巻く外部環境の変化や空港機能強化について、有識者等の意見を聞きながら論点整理を行ってまいりたいと考えておりまして、詳細につきましては、今後検討してまいりたいと考えております。  次に、光ファイバーの整備状況等についてであります。  県内の各市町村における光ファイバーの整備状況につきましては、ほぼ全域で整備済みが十五市町村、一部地域で整備済みが二十三市町、全域未整備が五町村となっており、今年度は、十市町村が国の財政支援を活用するなどして整備を進めているところであります。  光ファイバーの整備に当たっては、まずは市町村が管内の光ファイバーの敷設状況やサービス利用に関する地域住民の意向を把握した上で、整備計画を策定することが重要と考えており、県としては、これに必要な助言等を行っているところであります。  また、国に対しては、県開発促進協議会全国知事会等を通じ、整備費に対する補助率のかさ上げのほか、市町村が一部負担して民設民営方式で整備を行う場合の新たな支援策の創設、市町村が整備した施設等の更新や災害復旧等に対する支援、ユニバーサルサービス制度の見直しなどを要望しております。さらに、今年度からは、整備費に充当する過疎対策事業債等に特別枠を設けることも要望しているところであります。  光ファイバーは、地方創生の取り組みを進め、地域間の情報格差を是正するために必要不可欠な基礎的インフラでありますことから、県としては、今後とも、こうした取り組みを通じて光ファイバーの整備促進が図られるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、地熱発電の導入促進に向けた取り組みについてであります。  再生可能エネルギーの新たな導入ビジョン案においては、安定した発電が可能な小水力、バイオマス、バイナリー方式による地熱について積極的に導入を促進し、それぞれ太陽光以上の伸びを達成することを目標としております。  地熱発電の導入促進については、導入可能性調査への支援、かごしまグリーンファンドによる事業者への出資、エネルギーの地産地消に関するセミナーの開催などに取り組むこととしております。また、地熱発電の導入の促進には地域住民等の理解が必要でありますことから、住民や事業者、自治体等を対象とする、地熱を利用したまちづくりの研修会や県民等への普及啓発を図るイベントなどを開催することとしております。  県としましては、こうした取り組みにより、本県の恵まれた地熱資源を生かした再生可能エネルギーの導入を促進してまいりたいと考えております。 56 ◯土木部長(渡邊 茂君)北薩横断道路の未着手区間の取り組みについてであります。  北薩横断道路は、鹿児島空港と北薩地域を結ぶ延長約七十キロメートルの地域高規格道路です。これまで、野坂インターからさつま広橋インター間及び中屋敷インターから高尾野インター間約十四キロメートルを供用しております。現在、北薩トンネルを含む泊野道路や広瀬道路、阿久根高尾野道路など三区間約二十四キロメートルで整備を進めているところです。  残る未着手区間の鹿児島空港から野坂インター間及び広瀬からさつま泊野インター間につきましては、これまで、航空写真撮影による地図作成や概略ルートの検討などを進めております。これらの区間の事業着手につきましては、現在整備中の地域高規格道路の進捗状況等を見きわめながら、今後検討してまいります。    [鶴丸明人君登壇] 57 ◯鶴丸明人君 それぞれ答弁いただきありがとうございました。  一点目の鹿児島空港については、昭和四十七年に鹿児島県で国体が開催された年に開港したものであります。今回お尋ねいたしました鹿児島空港将来ビジョン検討調査事業で検討する内容等につきましては、「今後協議していく」ということでございましたが、二年後は鹿児島で国体が開催されます。そのことを踏まえ、今後の検討状況を期待しながら見守ってまいりたいと考えております。  二点目の北薩横断道路につきましては、事業未着手区間である霧島市の鹿児島空港から横川町の野坂までの区間と、さつま町の広瀬から泊野までの区間について、できるだけ早く整備区間への格上げがなされるよう、特にこれは知事の行動力に強く期待いたしております。  三点目は、光ファイバー等、超高速ブロードバンドの整備についてであります。  お話がありましたように、いまだ未整備のところが多く、場合によっては、市町村の一定の区域においてまだその整備が届かないところもあります。私の住む霧島市では、旧国分市隼人町の一部及び溝辺町については既に整備済みでありますが、温泉地で外国人客の増加している牧園や霧島等については未整備であります。地域の住民の方々や外国人観光客等の利便性の向上、また霧島山の爆発等災害への対応を図るため、現在、その整備について検討がなされているところであります。答弁いただきましたような施策の実現を強く国へ働きかけるなど、県における側面的な支援をよろしくお願いいたします。  四点目の地熱エネルギーを含む再生可能エネルギーにつきましては、その取り組みを大いに評価しているところでございます。県として、さらなる積極的な取り組みを強く要望いたしておきます。  二項目めは、ポスト西郷どんについてであります。  平成三十年度は、明治維新百五十周年を記念して、式典を初め多彩な催事が予定され、また、NHK大河ドラマ「西郷どん」の放映効果など、鹿児島にとってはまさに追い風の年であります。  私はこれまでの議会で、明治維新の立て役者西郷南洲翁について、南洲翁遺訓の顕彰、道徳教科書への採択、西郷どん空港の呼称など質問し、提案してまいりました。  今回の明治維新百五十周年を記念しての各種のイベントは、明治維新の立て役者であり、また人間としての生き方を残された西郷公が主役となるものであります。幸いにもNHK大河ドラマも放映されています。  しかしながら、イベントは一過性のものであります。私は、西郷南洲翁については、この節目のイベントを生かし、次の節目につなぐ方策を検討していくべきではないかと考えております。そのために、道徳教科書を生かしていくことや、愛称としての西郷どん空港、西郷公の子息で、台湾の宜蘭県知事として足跡を残された西郷菊次郎公を顕彰しての姉妹盟約等、また、平成三十一年二月には、西郷公の人徳をしのび、勧業知事として本県の発展に尽力された加納元知事が没後百周年を迎えられます。明治維新百周年のときに、加納元知事の没後五十周年を記念して建立された顕彰碑が旧県庁跡地に残されています。当時の知事は金丸三郎氏でありました。  私は、明治維新百周年のときに計画、実施された加納元知事の顕彰事業と同様な取り組みを、今年の明治維新百五十周年を迎えるこのときにも何らかの形で、没後百周年を迎える加納元知事の顕彰を行う必要があるのではないかと思っております。これもポスト西郷どんにつながるのではないかと考えております。  今回は時間の制約もあることから、前二つに絞って、知事、教育長、関係部長に見解をお伺いしたいと思っております。あとの二項目については次の機会に質問させていただきたいと思います。  一点目は、道徳教科書についてであります。  国は平成二十五年、いじめ防止対策推進法の制定と合わせて、長年の念願であった学校における道徳の時間を必修の教科化に決定し、道徳教育の技術的改善・充実に取り組むこととしたところであります。それまで小・中学校で行われていた道徳の時間を、算数あるいは数学、国語と同様に正規の教科として、検定に合格した教科書を用いて、平成三十年度は小学校、平成三十一年度からは中学校で全面実施することとされました。そのための教科書につきましては、小学校は平成二十八年教科書検定、平成二十九年採択、平成三十年使用開始となったところであります。  このような状況を踏まえ、知事も御案内のとおり、西郷南洲顕彰会等、県内外九つの団体は、編集者並びに出版社等関係者に対して、南洲翁の遺徳をこの道徳の教科書に取り入れるよう要請活動を行ってこられたところであります。  この要請活動が功を奏したか否かは明らかでありませんけれども、教科書の出版を扱う八社のうち、教育出版と東京書籍の二出版社は、平成二十八年度に、西郷隆盛公をその教科書に載せて教科書検定を受け、合格いたしております。つまり、国が教科書として取り扱ってもよいというお墨つきを与えたわけです。  ここまではよいのです。問題は、この教科書を使用するかどうか、採択するかどうかは、県内に置かれた地区協議会が決定することになります。ここで採択が決定されれば、平成三十年度からいよいよ、道徳の教科書が使われた授業が県内の小学校で始まるわけですが、驚くべきは、何と鹿児島県ではこれらの教科書を使うこととした小学校は一校もなかったことであります。県外では、この二社の教科書が約三割の学校で使われるというのにですよ。問題はここです。大河ドラマ「西郷どん」がテレビ放映されている鹿児島で、西郷隆盛公を扱った教科書を使用している学校が一校もないということであります。  教科書の採択は、先ほど申し上げましたが、県内に十カ所置かれている採択地区協議会で決定されることになります。どのようなメンバーでどのような協議がなされたかはわかりませんが、他県で使われるのに、本県では採択されず使われないということは事実であります。  そこで、三点お伺いいたします。  一点目は、知事はこの結果をどのように認識されているのでしょうか。  二点目は、一年後の平成三十一年度には、採択地区協議会で教科書の採択について再度協議されることになります。二年間の間を置いてです。ここに向けて、本年度予算化されている道徳教育総合支援事業の教職員の研修の場で、このような教科書があるということをPRできないかということについてであります。  三点目は、中学校の教科書についてであります。  中学校の教科書については、平成三十一年度から使用が開始されます。ことしの七月から八月に開催される採択地区協議会で、本県で使用する教科書が決定されることになります。  伺うところでは、中学校で使う教科書については、教科書検定結果が四月にならないと明らかにならないということでありますが、私は、小学校と同じように、西郷公を記載した教科書が検定を受け、合格して出てくると思います。その教科書を採択するかどうかは、今年度開かれる県内十地区の採択地区協議会にかかっているということになります。  知事はいろいろな場所で挨拶される機会があります。その中でNHKの大河ドラマ「西郷どん」には触れられております。これと同様に、道徳教科書についての話もしていただきたいと思います。西郷を敬愛すると言われる知事です。私は採択を強く求める人間の一人ですが、知事のお気持ちをお聞かせください。  次は、西郷どん空港についてであります。  私は、昨年三月の議会で、鹿児島空港前に建立されている西郷隆盛公の立身大の銅像が、一九七七年西郷南洲没後百周年のときに制作され、身の丈が十一メートルと銅像の中でも国内最大級のものであること、その後十年を経た平成元年に、当時の溝辺町の有志の方々が移設のための募金を呼びかけ、現在地に移されたことを申し上げ、その活用について所見を述べさせていただきました。  明治維新百五十周年という節目に、西郷どんのNHK大河ドラマが開始されることも決まったことから、過去の銅像制作や移設の経緯を踏まえ、くしくも鹿児島空港前に建立されている西郷銅像に目を向けて、「これがよく見えるようにして、鹿児島空港に西郷どん空港という愛称をつけたらどうか」という質問をいたしました。  これに対して知事は、「空港があって、そして目の前に西郷さんの銅像があれば、多分インパクトはすごく強いと思います。来て見て感動するということはそういうことだと思いますので、どうにかして銅像がうまく見えるような形がとれないかと思っています」。また、愛称の空港ネーミングについても、私と同様、知事自身の思いを語られ、「今後設置する予定の明治維新百五十周年記念プロジェクト実行委員会の中で、今のままでよいのか、新たな空港名にするのかを含めて検討していただけるのではないかと考えています」と答弁されたところであります。  その後、この問題については、平成二十九年四月に設置された明治維新百五十周年記念プロジェクト実行委員会でいろいろ意見が出されましたが、その方向が取りまとめられるには至らなかったと聞いているところであります。  私は、そもそもこの委員会は、明治維新百五十周年記念プロジェクトについて議論し、方向を決定する場でありますので、空港の名称について、その方向が定まらないのは当然のことだと思います。ただ、私は、この委員会で知事が、議会での質問を踏まえ、委員の皆様に意向を問われたことは一定の評価をいたします。  私は、この委員会の議論の状況も聞かせていただきました。その印象では、この問題は、鹿児島空港のあり方について、将来に向けて鹿児島空港をどういった形にするのかといったような場で議論すべきではないかと感じたところであります。幸い、先ほど私が質問した鹿児島空港将来ビジョン検討調査事業の中で委員会を設置し、もろもろの議論をしていく旨の答弁がなされたところであります。  知事、どうでしょうか。西郷どん空港の愛称についてはこの委員会で議論を深めていただけたらと思うのですが、見解をお伺いいたします。  これで、第二回目の質問を終わります。 58 ◯教育長(古川仲二君)まず、道徳教科書の採択に関する所感についてでございます。  教科書については、文部科学大臣の検定後、各採択権者は、教科書の採択に当たり、静ひつな環境を確保し、それぞれの判断と責任において公正かつ適正に行うことが求められており、今回の道徳の教科書採択に当たっても、各市町村教育委員会におきましては、さまざまな事項を総合的に判断し、採択教科書を決定したものと承知いたしております。  次に、中学校の道徳教科書の採択等についてでございます。  教科書の採択に当たりましては、外部からの働きかけに左右されることなく、採択権者の判断と責任において公正かつ適正に行うことが求められているところでございます。  このため、採択権者となる市町村教育委員会に指導・助言等を行う立場にある県教委といたしましては、教職員研修の場やさまざまな会合の挨拶等で、特定の教科書の内容をPRや紹介するということについては、市町村教育委員会が行う教科書採択への影響も考えられ、慎重に対応せざるを得ないものと考えております。 59 ◯企画部長(東條広光君)鹿児島空港の愛称についてであります。  鹿児島空港についての調査検討事業につきましては、近年の空港や航空業界を取り巻くさまざまな環境変化を踏まえ、鹿児島空港の将来像やその実現に向けて必要な施策等の調査を行おうとするものであり、先ほど答弁申しましたとおり、その詳細につきましては、今後検討してまいりたいと考えております。 60 ◯鶴丸明人君 自席から、教育長及び知事に再質問させていただきます。  教育長の立場では、公平・中立な立場の協議会に対する発言はできないと、これは理解できるんですが、私が申し上げたのは、ことし新たな事業を設けられて、先生方に対して道徳教育のあり方を含めていろいろ話をされるわけです。その中で、鹿児島県は採択していないんだけれども、こんな教科書もあるんですよと。協議会の話じゃないんです。それはやれないということは理解できません。もう一回お答えいただきたいと思います。  知事、教科書の問題で一点であります。  知事は政治家なんです。特に西郷を愛されていると。西郷の話をされるときに、テレビのドラマがありますよと、ありがたいことに、八社ある道徳教科書の会社の中で二社が西郷公を取り上げた教科書をつくったんですよと。歴史の教科書じゃないんですよ、道徳教科書という新たに設けられた事業の中での話であります、私は誇らしいことだと思います。そういう話を機会あるときにされたらどうでしょうかとお話したんです。知事の御見解をお聞きしたいと思います。 61 ◯教育長(古川仲二君)教科書採択について再度のお尋ねでございますが、先ほど申し上げましたように、教科書の採択に当たりましては、外部からの働きかけに左右されることなく、採択権者の判断と責任において公正かつ適正に行うことが求められているということは申し上げるまでもないことでございます。
     採択権者となる市町村教育委員会に、私ども県教委としては指導・助言を行う立場にあるわけでございますが、私どもの教育委員会の管轄下にある教職員の研修という場といえども、特定の教科書をPRするということについては、市町村の教科書採択への影響を考慮しますと、慎重にならざるを得ないと考えているところでございます。 62 ◯知事(三反園 訓君)教科書採択に関しましては、今、教育長の言ったとおりでありまして、立場も同じかなと思っております。  そして、きょう、鶴丸議員のいろんな西郷さんに対する思いというのを聞かせていただきました。その思いに関しては同じところがあります。明治維新百五十周年のいろいろな記念事業をやっておりますけれども、次の世代を担う、鹿児島を担う若者が、西郷公を初め、郷土の先人たちの志や行動力に思いをはせ、今後の鹿児島のあり方などを考えることは重要だと思っております。  今後、西郷公を含めて明治維新に関する作文コンテストなども、予定されているところであります。さまざまな機会を通じて考えていただくことは大事だと思っております。  また、明治維新をなし遂げた鹿児島の先人の自信と勇気を学ぶとともに、こうした若い人を育てた歴史と風土を生かして、次の世代の地域を支えるリーダーづくりなど、教育、人材育成には力を入れていきたいと思っております。 63 ◯鶴丸明人君 西郷どん空港の問題について、知事にお尋ねいたします。  知事は、私が先ほど申し上げましたように、議会の中でもしっかりと、西郷どん空港という愛称の問題については、「実行委員会にもかけてみたい」ということを言われております。  他県でも愛称というのはたくさんあるわけです。いろいろな意見もあろうかと思います。私は、アンケート調査をしてもいいと思うんです。せっかく今回新たに、鹿児島空港の将来に向かっての調査検討される場があるわけですから、その場の中でぜひ議論していただくと。この点についての知事の気持ちをお聞かせください。 64 ◯知事(三反園 訓君)空港の名称につきまして、鶴丸議員の思いはよくわかります。私自身の思いもあるわけですけれども、ただ、空港というのは、その県の玄関でありまして、また、みんなの玄関ということでもありますので、その名称ということを考えたときに、ある程度のオーソライズ、同意というものも必要になってくるかなと思っております。  また、鹿児島空港の前には、これは日本一の高さであるんですかね、そこらあたりは鶴丸議員のほうがお詳しいと思いますけれども、西郷さんの銅像があります。この銅像を鹿児島空港におりた方々が近くで見られるような、そういったインパクトのあるものができれば、そこでも西郷さん、西郷どんということがより印象的になるのかなと思っておりますので、そういった点に関しまして、鶴丸議員のお力添えもいただければなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。    [鶴丸明人君登壇] 65 ◯鶴丸明人君 ただいま答弁いただきました。  道徳教科書の問題については、私は、採択協議会の関係の方々にとお話申し上げているわけではないんです。学校の先生たちの研修の場がありますよね、そのときは、道徳をどういう形で教えるかということについては、他の例も引きながら、鹿児島県がつくった「郷土の先人」というものを引きながらやられるわけですので、その中で、実はこういう教科書もあるんですよと言われることが、採択とつながるとは全く思っておりません。教育長、これはぜひ一考をお願いいたしたいと思います。  私は、直接子供たちが授業の中で学ぶことは非常に大きな意義があると思っているんです。今、テレビで放映されている、そういったことを踏まえて、もっともっと知事もいろんな機会に形で示していただきたいということを強くお願いしておきます。  西郷どん空港につきましては、今、お話がありましたように、そのとおりなんです。いろんな角度で検討しなければならないと思っておりますが、知事、一旦人間言ったら、鹿児島人はうそを言うなと、腹を切らないかんわけです。それぐらいの思いで、あの強い思いを言われた。私はそのことは多くの方々に通じると思います。ただ、いろんな方々の合意を得なければならないということもよくわかりますので、その点についてはお話のあったことも踏まえながら、一生懸命勉強しながら、また知事にも申し上げてまいりたいと思います。  さて、郷中教育の中では、「負けるな、弱い者をいじめるな、議を言うな」という教えがあります。私も、このことを人生の教訓の一つとしてまいりました。  県は、いじめ防止対策を推進するため、鹿児島県いじめ再調査委員会条例を制定することとし、今議会に上程されているところであります。今回の条例制定については、いじめ防止対策推進法に基づき、県教育委員会が設置した第三者委員会の調査報告を受けた知事が、同法に基づき、再調査の必要を認め、この第三者委員会での調査結果についての調査を行うために、新たに知事部局で再調査委員会を設けて対応するための条例の制定であると伺っております。条例については、他県において、再調査の必要の有無にかかわらず既に制定しているところであり、条例制定そのものに疑義を挟むものではありません。  知事、今回、再調査の必要を認めた案件については、事案の発生が三年数カ月前の平成二十六年八月であり、その後の学校側の対応を経て、事案発生後約一年後の平成二十七年十月に教育委員会が第三者委員会の設置を決定し、平成二十九年三月までの間、二十七回もの委員会が開催され、その結論がなされたものであります。また、委員会の構成は、学校心理学、精神医学、臨床心理学、弁護士、人権擁護委員等、その道の権威の方々から成り、いろいろな視点で調査が行われたものと認識していますことから、私は、基本的にはその調査結果が尊重されるべきであると思います。  文部科学省のガイドラインでは、再調査の必要が考えられるケースとして、調査により新たな重要な事案が判明したものの十分な調査が尽くされていない、事前に保護者と確認した事項について十分な調査が尽くされていないなどが挙げられています。  にもかかわらず知事が、きのうのまつざき議員の答弁にもありましたように、保護者に寄り添うという言葉だけでもって調査するんだと私には聞こえましたので、それも加えて、再調査が必要とされたんですから、知事にその理由についてお伺いいたします。  次は、県政ビジョンについてであります。  二月十四日に、おおむね十年後を見据えた鹿児島県の目指す姿や施策展開の基本方向などを明らかにした、新たな県政ビジョン案が、私ども県議会議員に示された説明会がありました。短い時間で、職員の英知を集め、また委員の方々の意見を聞き、取りまとめられた知事を初め執行部の皆さんに敬意を表します。  さて、その前日の二月十三日には、新聞報道にもありましたが、経済界が発起人となり、還暦の三反園知事を祝う会が開催されました。私は、なぜ知事の還暦をこのような形で祝う必要があるのかと思いつつも、諸般の事情もあり出席いたしました。  この会での知事の冒頭の挨拶は、知事自身のこれまでの人生について、運に恵まれたものであったことを主に話されました。この後、二人の方から、これからの県政運営についての質問がありました。これに対し、知事は、「オール鹿児島で、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかったと実感できる鹿児島をつくりたい。け死んかぎい頑張っていきます」という趣旨のことを話されました。  それはそれで結構だと思いますが、私はこの話を聞きながら、知事は、知事が策定された県政ビジョンに対してどういう認識を持っておられるのか、少し疑念を抱きました。この会は多くの経済人が出席されている場でありましたので、私はその席での答弁は、「質問いただいた県政を実現するために、経済界はもとよりあらゆる団体の意見もいただき、また私の選挙公約も取り込んだ県政ビジョンを職員と一体となって策定したので、今後、これを県政運営の羅針盤として推進していくんだ」といったような答弁をされるものであろうと期待していましたが、このことについては触れられませんでした。  また、二月十九日開会日の知事の施政方針でも、このことを余り聞かれませんでした。  そこで知事に、今回策定された県政ビジョンについて、その基本的な認識をお伺いいたします。哲学の部分だけで結構です。    [知事三反園 訓君登壇] 66 ◯知事(三反園 訓君)いじめ再調査の判断理由についてであります。  教育委員会に設置されたいじめ調査委員会の報告書は、専門的知識及び経験を有する五名の委員により、およそ一年四カ月の間に二十七回にわたって審議された委員会の結果やその間に実施されたアンケート、聞き取り調査等を含めて取りまとめられたものと認識しております。  今回の事案につきましては、前途ある生徒のかけがえのない命が失われたことを大変重く受けとめております。教育委員会の報告書や御遺族から提出された意見書、去る一月十一日、御遺族と面会いたしまして直接お伺いした御意見などを踏まえまして、いじめ防止対策推進法及び文部科学省が定めるいじめの重大事態の調査に関するガイドラインに基づき、中立性・公平性を確保するとともに、御遺族の思いに寄り添って、知事部局において再調査を行うこととしたところであります。  今後も、随時御遺族の御意向等も確認しながら、丁寧に対応してまいりたいと考えております。  新たな県政ビジョンに対する御質問がありました。  我が国は、本格的な人口減少社会の到来、少子高齢化の進行、経済のグローバル化の進展、技術革新の急速な進展などによりまして、社会のあらゆる面で大きな変革期を迎えております。人口減少、少子高齢化の著しい進行は、コミュニティーの崩壊、産業の衰退、文化の消滅などが懸念されるところであります。また、経済のグローバル化の進展は、本県の基幹産業の一つであります農業を初めとする地域経済への影響も懸念されております。さらに、IoT、AIなど第四次産業革命のイノベーションが予測困難なスピードで進展しております。  このような大きな変革期にあって、県政が直面する諸課題を克服するには、新たな施策の展開が必要であります。新たな県政ビジョンは、このような考え方のもとで、県政全般にわたる最も基本となるものとして、おおむね十年後を見据えた中長期的な観点から、鹿児島の目指す姿や施策展開の基本方向などを明らかにするとともに、これらを県民の皆様と共有し、オール鹿児島で次世代の鹿児島をつくり、将来を担う子供たちにしっかりと引き継ぐために策定するものであります。  ビジョン策定に当たりましては、有識者委員会や県議会において御議論いただいたほか、市町村、各種団体、パブリックコメントを通じた県民の皆様方の御意見もいただきました。また、私自身も、知事と語ろう車座対話などさまざまな機会に県民の皆様の声を直接伺うとともに、東京地区の有識者委員会において議論に参加したほか、職員ともさまざまな議論を重ねてまいりました。こうして今回、ビジョン案を取りまとめたところであります。  今後、新たな県政ビジョンを指針とし、魅力ある本県の素材─ポテンシャル─を最大限に生かしながら、ビジョンに示す施策展開の基本方向に沿って、地方創生の取り組み、鹿児島のウェルネスを活用した観光振興、農林水産物の販路・輸出拡大、革新的な技術の導入による生産性と競争力の向上など、各般の施策を積極的に進めてまいります。  このような取り組みによりまして、ビジョンに示す鹿児島の目指す姿─鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかった、そう実感できる鹿児島─を実現していきたいと考えております。 67 ◯鶴丸明人君 再質問いたします。  いじめ問題につきまして、知事は、教育委員会から出された報告書、このものについてはどういう受けとめ方をされたんでしょうか。私としては、こういう点がこういうことでありますので再調査したいと思われたか、その辺も含めて御回答いただきたい。 68 ◯知事(三反園 訓君)今回の事案につきましては、先ほども申したとおりでありまして、前途ある生徒のかけがえのない命が失われたことを大変重く受けとめております。そして教育委員会の報告書も、教育庁とともに、さまざまな面で検討もさせていただいております。そうした中で、その報告書の中にも不十分な点があるという指摘もありますし、もう少し遺族の思いに寄り添うことが必要であったという御指摘もあります。そうした点も踏まえながら、再調査することにしたということであります。    [鶴丸明人君登壇] 69 ◯鶴丸明人君 県政ビジョンにつきましては、そうなるであろうと思いましたので、できるだけ時間を短く、あとをやりたいと思ったんですが、長く話されましたので。結論は、そういう思いを持って策定されたんだから、職員の苦労も含め、いろんな取りまとめをし、自分の考え方も入れた県政ビジョンなので、これがこれから羅針盤ですよという話をされたほうがいいのではないかという思いで言いました。今、そういう話を少しされましたので、この問題については知事の気持ちを受けとめたいと思います。  いじめ再調査委員会を設置し、教育委員会での調査に対して、再調査される知事のお気持ち、じくじたる思いについては答弁をお聞かせいただきました。私は、遺族の気持ちに寄り添うことの大切さは知事同様の思いであります。一方で、この教育委員会で設置した委員会の調査結果も、学校側がもう少し遺族に寄り添うなどの配慮に欠けた点があったということは指摘しつつも、当該生徒に対するいじめの存在を特定できなかったとの報告書が、二十七回もの会議を重ねて結果として取りまとめられております。それはそれとして、行政のそれぞれのすみ分けの中で尊重されるべきだと今でも思っております。  この事案につきましては時間が大分たちました。知事も再調査委員会を設置されるということですが、人の異動もあります。また生徒も進学しております。知事が苦慮された結果の再調査であると思います。そのことを踏まえて速やかに委員会を設置して、集中的に審議していただく。ほかの県でもこの手のものは一年以内、できるだけ早い期間に集中的な審議をして結果を出しておられます。それが御遺族や教育委員会にとってもベターだと思いますので、このことを強く申し上げておきたいと思います。  いろいろと御答弁いただきました。  私は、第五次産業革命と言われる超スマート社会には縁の薄い一人であると思っています。しかし、過去の県政の積み重ねが今日の知事の県政に脈々とつながってきたことは十分承知している者の一人であると思っております。  今議会の開会日に県議会三十年永年勤続の表彰を受けられました山田国治議員は、私は中学校・高校の同級生でもありますが、きょうもノーメモで質問を繰り広げておられました。これまでの長年の県議会での活動に深く敬意を表し、また、心からのお喜びを申し上げる一人であります。  山田議員が受賞の挨拶で、県政とは歴代の知事が残した業績の積み重ね、継続性の上にあることを、マリンポート、その当時、人工島という呼称がありましたけれども、例を挙げてお話されました。昨日、国際クルーズ拠点港湾に選定されましたマリンポートかごしまは、現在、大型客船のクルーザー寄港のための設備の整備等が行われておりますし、先ほど知事から、拠点港湾選定に伴う二十二万トン級のクルーズ船が接岸できる岸壁の平成三十年度事業化についてのお話をされました。知事の尽力は大いに評価いたしたいと思います。敬意も表したいと思いますが、ただし、一人の知事の成果ではないこと、歴代知事の先見性、着工から完成までの決意と予算確保の手腕と実行力に思いをはせての山田議員のお話でもあったと思います。  山田議員は県議会議員としての立場で、また私は長い行政経験の中で、まさに同じ思いであります。私は、知事には、行動力のある知事です、もっと歴代知事の実績をたたえ、その成果のもとに今があり、知事自身のこれからの仕事への取り組みができるんだと、情熱を話されたらよいのではないかと思っております。  三反園知事が今年は知事カラーの予算をお示しになりましたが、選挙公約についてはいまだ先送り感のするものもあります。知事の施政方針や答弁をお伺いする中で、頑張るぞ、どんどん行っぞという意気込みは伝わってまいりますが、短い期間の中でやむを得ないとは思いますが、その行政手腕が歴代知事の一期目と比較して、これに並び、凌駕しているとはまだまだ思えません。知事の残された任期の中でこの印象を払拭していただきますように、今後に期待申し上げます。  私は、長い歴史の中で見ると、それぞれの一生は長い人で百年、歴史のほんの一こまを演じているのだと最近つくづく思います。歴史書を読み、過去を振り返ることにより、当時の政治の権力闘争の結果を知ることができます。  今、この年を迎え、知事、執行部、議員の皆様方と同じ時間の流れの中で県政に携わる仕事をさせていただいております。いろいろと駆け引きも求められる政治の世界です。政治は権力闘争なりと言われる政治家もいらっしゃいますが、私の政治家としての心構え、人としての生き方は、西郷南洲翁遺訓にあります。一方、人の一生はしょせん、お互い同じ時代の一こまの人生を送っているのであります。  鎌倉時代、鴨長明が方丈記の中で、「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし」という名文を残しております。この言葉が最近、心に響きます。それゆえに、与えられた一こまの人生、またその一こまの人生の一こまの時間を議会人として大事にし、しっかりとした心構えで送るために、皆様方の御指導も仰ぎながら、是々非々の姿勢でこれからも精いっぱい努めてまいります。  ちょうど与えられた時間がいっぱいになりました。これで私の一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 70 ◯議長(柴立鉄彦君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 71    △ 日程報告 ◯議長(柴立鉄彦君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問であります。       ───────────── 72    △ 散  会 ◯議長(柴立鉄彦君)本日は、これで散会いたします。        午後三時十六分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...