[下鶴隆央君登壇](拍手)
3 ◯下鶴隆央君 おはようございます。鹿児島市・鹿児島郡区選出、無所属の下鶴隆央です。
おととい、指宿で歴史的な偉業が達成されました。将棋の羽生善治棋聖が竜王位を奪取し、前人未到の永世七冠を達成しました。私も学生時代、将棋に打ち込み、県高校竜王を三度獲得するなど、将棋ファンの一人としてこの偉業が本県で達成されたことを非常にうれしく思います。ぜひ指宿が今後、将棋ファンに向けてもこのことを誘客に生かせればと期待しております。
また、今回の快挙は将棋ファンが長年期待していたことでもありますが、県民の大きな期待を集める知事におかれましても、県民の期待に応える一手をこの議場でぜひ指していただきたい。そういう答弁が返ってくることを期待して、質問に入ります。
三反園知事が就任して、もうすぐ一年半がたとうとしています。三月議会では就任後初となる当初予算編成に臨んだわけですが、今年度は、みずからが編成した予算を一年間丸々執行し、その上で二度目の予算編成に臨もうとしています。いよいよ本格的に、県民に約束した
マニフェストを本格的に具体化し、県民の期待に大いに応えるべき時期がやってきたと思います。
そこで、今回の質問では、県民の期待に応えた三反園カラーの発揮に向けて、前半では仕組みの部分について、後半では具体的な各政策について、私なりの提案も交えて質問してまいります。
知事は、向こう十年の県政が進むべき基本的な方向性を明らかにする新たな
県政ビジョンの策定を表明し、先般その素案が示されました。
本県を取り巻く現状・課題や施策の基本的な方向性については、私も意を同じくするところであります。よい素案が仕上がってきたなという印象を持っております。一方で、各種計画もそうですが、この新たな
県政ビジョンは、いかに具体的施策・事業に落とし込むか、実効性の確保が非常に重要です。
そこで、実効性確保の観点から、以下三点伺います。
このビジョンは、おおむね十年間を計画期間としています。当然、その間、社会情勢の変化に対応する必要がありますし、また、おくれているものについては取り組みを見直し、加速させる必要も出てきます。
そこで伺います。
新たな
県政ビジョンについて進捗管理をどのように行うつもりか、考えを示してください。
そもそも目標設定がなければ、進捗管理を行うことはできません。また、目標は、できる限り具体的、客観的指標であるべきです。幾ら使ったかという
アウトプット指標ではなく、何を達成したか、
アウトカム指標であることも望ましいと言えます。
先日の郷原議員の質問に対して、「基本的な方向性を示すものであり、目標設定は考えていない」旨の答弁でしたが、それでは進捗管理ができないのではないかと危惧しています。
ビジョン本体で設定しないのであれば、分野別の計画に漏れなくビジョンを落とし込み、また、各計画で目標設定を行い、進捗管理を行うべきです。
そこで伺います。
目標設定のあり方について、考えを示してください。
さて、ビジョンを具現化するためには、施策・事業への落とし込み、すなわち、いかに予算へ反映させるかが重要です。本県財政が厳しい中、しっかりと予算化する仕組みを構築するべきだと考えます。
同様に財政が厳しい国・各
地方公共団体においては、要求基準において、
一般政策経費については対前年度比のシーリングをかけた上で、重点施策等については別枠で要求を認める方式が広く採用されています。同様に、ビジョンで掲げたもののうち、特に新規の取り組みや重点を置く取り組みについては、
プロジェクト枠として別枠とする方法が考えられます。
そこで伺います。
予算への反映、要求基準の設定について、考えを示してください。
続いて、施策展開の基本方向のうち、世界に通用する人材の育成に関して二点伺います。
本県の人口は、二〇四〇年には現在から二割減の百三十一万人にまで減ることが予想されています。このことは、県内・国内の市場がそれだけ縮小することを意味します。したがって、これからの子供たちは、望むと望まざるとにかかわらず、世界を相手に仕事をする時代がやってくることは確実です。
そこでまず、英語教育について伺います。
素案の二十四ページには、施策の基本方向中に「国際化を踏まえた英語教育の充実」と明記されており、この点は高く評価するものです。一方で、これから小学校での英語教育の拡大に向けて心配されるのは、いかに英語教育を行うことができる人材を育成・確保するかであります。私は、ビジョンでもう一歩踏み込んで、英語教育を行う人材育成・確保の重要性についても明記していくべきだと考えます。
そこで伺います。
特に、教える人材育成・確保の観点から、英語教育の重要性をどのように認識し、今後どのように位置づけていくか、考えを示してください。
続いて、若年層における
国際交流機会の増大について伺います。
同じく素案の二十七、二十八ページには、「青少年の海外交流等の推進」、「学生の海外研修・留学の実施」を明記していることは高く評価いたします。一方で、より多くの子供たちに国際交流の機会を持ってもらうには、鹿児島にいながらにして在住外国人と交流すること、そして、LCCの普及で渡航コストも下がっている今、若者が海外に行きやすくなる、もう一押しの取り組みが重要だと考えます。
そこで伺います。
若年層における
国際交流機会の増大について、重要性をどのように認識し、今後どのように位置づけていくか、考えを示してください。
次に、
行財政改革推進プロジェクトチームについて、四点伺います。
少子高齢化に伴う税収減、扶助費の増大、そして地方交付税も厳しい調整が行われることが予想される中、本県財政を取り巻く状況は非常に厳しい状況です。
したがって、歳入・歳出の徹底した見直しが必要であり、また、裏づけとなるデータ・根拠に基づく政策立案─
EBPM─の必要性も高まっている中、知事が、岩切副知事を座長とする
行財政改革推進プロジェクトチームを設置したことは、非常にすばらしい取り組みであると考えます。
来年度当初予算編成に当たり、このままでは七十八億円の財源不足が発生することを発表したことも、
財源不足自体は非常に懸念すべきことではあるものの、対応の必要性を早期に認識したことは評価すべきであると考えます。
そこで一点目は、見込まれる財源不足に対し、
プロジェクトチームでどのような検討を行った結果、どのような対応を行うつもりか、考えを示してください。
さて、この
プロジェクトチームがどこまで役割を果たすかどうかは、やはり座長の決意にかかっていると考えます。
そこで二点目は、座長である岩切副知事に、徹底した事業見直しに向けての姿勢、決意を伺います。
さて、私は、既存事業の見直しに当たっては、全ての事業を対象に、必要性・有効性・効率性の観点から徹底した見直しを行うべきだと考えます。
そこで三点目は、既存事業の見直しに当たって、その基準、対象、検討状況について示してください。
また、私は、検討するに当たって、どのようなデータを用い、そしてどのように必要性・有効性・効率性を判断し、最終的に事業の見直しをどう判断したか、根拠や検討状況、内容を徹底して情報公開すべきと考えます。それにより、検討自体の妥当性を各方面から検証できますし、また、よりよい知恵が出てくると思うからです。
そこで四点目は、検討状況・内容の情報公開について、考えを示してください。
次に、
官民データ活用推進計画について伺います。
これから加速する
少子高齢化社会におけるさまざまな課題に的確に対応し、効率的な行政を進めていくためには、
EBPMの観点が重要ですが、そのためには、根拠となるデータ、統計が整備されていることが必要不可欠です。したがって、公的機関を中心に、民間含め、それぞれが保有するデータを、もちろんプライバシーを侵害しないよう匿名化を行った上で、政策判断に使いやすい形で整備、共有することが必要です。
国では、官民の
データ利活用のための環境を総合的かつ効果的に整備するため、平成二十八年十二月に、
官民データ活用推進基本法が公布・施行されました。同法では、都道府県も
官民データ活用推進計画を策定するよう義務づけられています。
私は、他県に率先して充実した計画策定に取り組むべきと考えますが、策定に向けた基本的な考え方とスケジュールについて示してください。
以上、一回目の質問といたします。
4 ◯企画部長(東條広光君)初めに、
県政ビジョンの進捗管理についてであります。
新たな
県政ビジョンは、中長期的な観点から、鹿児島の目指す姿や施策展開の基本方向など方向性を示すものとして策定するものであり、
ビジョンそのものにおいて数値目標を設定して進捗管理を行うことは考えていないところであります。
ただ、今後、ビジョンにおける施策展開の基本方向を踏まえて実施します具体の施策・事業について、各分野の個別計画や毎年度の予算編成等を通じて、適切にその進捗管理を行ってまいります。
次に、
県官民データ活用推進計画の策定についてであります。
急速な少子高齢化の進展への対応等の課題解決に資する環境を整備するため、
官民データ活用の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進することを目的とする、
官民データ活用推進基本法が昨年十二月に施行されたところであります。同法におきましては、県は、県域における
官民データ活用の推進に関する施策の基本的な方針等を定めた、
官民データ活用推進計画を策定することとされております。
国は、平成三十二年度末までに全都道府県でのこの計画の策定を目指しており、今年度、
地方公共団体向けの説明会の開催を予定しているところであります。
県では、昨年十月にホームページに専用のサイトを立ち上げるなど、保有するデータのオープン化を進めているところであり、この計画の策定につきましても、国の動向等を踏まえ、適切に対応してまいります。
5 ◯総務部長(寺田雅一君)新たな
県政ビジョンについての御質問のうち、予算への反映についてでございます。
毎年度の当初予算の編成におきましては、その基本的な考え方を示すために要求基準を設定しているところでございます。平成三十年度当初
予算要求基準におきましては、
マニフェストや新たな
県政ビジョンの推進につながる新規事業の要求枠として、新しい力強い
鹿児島プロジェクト枠を設定したところでございます。
今後とも、
マニフェストや新たな
県政ビジョンの推進につながる予算編成となりますよう、予算編成の作業を行ってまいりたいと考えております。
続きまして、
行財政改革推進プロジェクトチームについての御質問のうち、見込まれる収支不足への対応策についてでございます。
本年四月に設置いたしました
行財政改革推進プロジェクトチームにおいて、歳出面では、施策の妥当性や有効性、効率性などの観点からテーマを設定し、それに沿った
事務事業見直しを実施したところでございます。また、歳入面では、未利用財産の売却やネーミングライツの公募などに取り組んでいるところでございます。
現在、これらを踏まえまして、平成三十年度当初
予算編成作業を進めておりまして、引き続き、歳入・歳出両面にわたる行財政改革の取り組みを着実に進めることにより、仮試算において見込まれました収支不足の解消を図ってまいりたいと考えております。
続きまして、既存事業の見直しについてでございます。
事務事業の見直しにつきましては、先ほど申し上げましたように、施策の妥当性・有効性・効率性といった観点から、基準となるテーマを設定いたしまして、各課が所管する事業等のうち、各テーマに該当する事業等を選定いたしまして、重点的な検証、見直しを実施したところでございます。
事務事業見直しにおいて示された検討、取り組みの方向性を踏まえまして、各課において、さらに踏み込んだ見直しの検討を行った上で予算要求がなされ、現在、
予算編成作業を行っているところでございます。
検討状況・内容の情報公開についてでございます。
平成三十年度当初予算編成に当たりましては、それまでの事業実施に係る予算・決算額やその実績、事業効果だけではなく、国の予算編成や制度改正などの動向、他県の状況、市町村や関係団体等の意向、県税等の財源確保の見込みなどを踏まえまして、総合的に検討を行っているところでございます。
それらの総合的な検討を行った上で、その結果を予算案としてお示しすることとしておりまして、その際には、当該年度の予算編成の考え方、各施策の目的や内容、事業量等を記載した資料を公表し、県民の方々にできるだけわかりやすい形でごらんいただけるように努めてまいりたいと考えております。
6 ◯教育長(古川仲二君)英語教育の必要性等についてでございます。
近年のさらなる
グローバル化の進展の中で、国際的視野を持った
コミュニケーション能力の育成が求められてきており、英語教育の充実は重要であり、国も、新
学習指導要領で
小学校外国語教育の早期化などの充実を図ったところであります。
教員の英語力・指導力の向上に向けましては、国の
英語教育推進リーダー中央研修に中核となる小学校の教員を派遣するとともに、その研修に参加した教員を、県内各地区で開催いたします還元研修の指導者としても活用する取り組みを行っております。
また、伊佐市と鹿屋市を
英語教育強化地域に指定いたし、小学校段階における英語教育の早期化・教科化に対応した授業実践に取り組む研究を行い、その研究成果を
県英語教育フォーラム等において県下に広く普及いたしております。
さらに、人材確保につきましては、
教員採用選考試験において
小学校英語特別選考を新たに設けるなど、英語の運用能力の高い者を採用するための工夫をいたしているところでございます。
今後とも、さまざまな取り組みを通じて、英語教育の人材育成や確保並びに英語教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
7
◯県民生活局長(中山清美君)若年層における国際交流の機会増大についてでございます。
本県では、これまで、交流会議等の合意に基づき、香港やシンガポール、韓国などへの
青少年派遣等に取り組むとともに、中国清華大学への大学生の留学支援や
修学旅行生等への渡航費用の一部助成などを実施しております。
また、県内においても、国際交流員や在住外国人による文化講座の開催や、県アジア・
太平洋農村研修センターを活用したイングリッシュキャンプの実施など、青少年と在住外国人との各般の交流事業を展開しております。
青少年期における外国人とのさまざまな交流は、国際的な視野や豊かな感性を持った人材の育成を図る上で重要と考えておりまして、現素案におきましても、青少年の海外交流等の推進について記載しているところであります。
8 ◯副知事(岩切剛志君)徹底した
事務事業見直しに向けた決意についてということでございます。
議員も御存じのとおり、県では、今後も一層厳しい財政状況が続くことが見込まれる中、本年四月、知事の指示によりまして、
行財政改革推進プロジェクトチームを設置いたしました。
これまで、同
プロジェクトチームにおきまして、歳入・歳出両面にわたる行財政改革の取り組みについて検討を行ってまいりました。
特に、歳出面では、
事務事業見直しを実施することとし、私のほうから、当初の目的を達成している事業の見直しや、これまでの実績等を勘案して規模を是正する見直しなど、厳しい行革を行わなければならないこと、その一方で、厳しいだけではなく、効率性を考慮しながら、時代のニーズに合った事業となるような見直し、部局横断的な事業統合・連携などにより相乗効果を生み出せるような見直しなど、攻めの行革にも取り組まなければならないことを指示いたしました。
今後、これらの
事務事業見直しを初めといたしまして、歳入・歳出両面にわたる行財政改革の取り組みを着実に進めまして、当初予算編成につなげてまいりたいと考えております。
9 ◯下鶴隆央君
行財政改革推進プロジェクトチームについて、事業の見直しについて、一点再質問いたします。
本県財政が厳しさを増していく中、例えば既存事業の是正を行うに当たっても、そして新規事業を行うに当たっても、限られた資源を配分していくわけですから、しっかりとした根拠に基づいた政策判断が求められるかと思います。その中で、
事務事業見直しに当たって、どのような根拠・データに基づいてその判断を行おうとしているのか。
そして、先ほど情報公開についてもお話しさせていただきましたけれども、見直しに当たって、どういう根拠があってその事務事業をプラスするのか、マイナスするのかといったそのものについては出てこないという印象を持つ答弁です。
そこで、改めてお伺いしますが、
事務事業見直しに当たって、特に
EBPMの観点から、どのような根拠・データを用いて必要性・有効性・効率性を判断しようとしているのか。また、その判断に当たって用いたデータ、そしてその
判断そのものについて情報公開を行うつもりはないか、その二点をお答えください。
10 ◯総務部長(寺田雅一君)まず、
事務事業見直しに当たって、どのような根拠等に基づいてというお尋ねでございます。
先ほども申し上げましたけれども、既存事業等について、その事業に係る実績とか事業効果といったことはもちろんでございますが、それだけにとどまらず、国の予算編成、制度改正の動向との関係、あるいは他県の状況、関係する市町村、関係団体の動向等も見ながら判断していく必要があろうかと思っております。
ただ、あとは予算に関することでございますので、最終的には歳入・歳出のバランスを見てまいらなければなりません。そういったところで、先ほど申しましたように、県税等の財源確保の見込み、こういったことも含めて総合的に判断する必要があると思っております。
そういった判断を踏まえた上で予算編成を行ってまいりますので、最終的には、予算編成いたしまして予算案を提出いたしましたときに、どのようなことを整理して考えてきたのかということで、その予算編成の考え方、あるいは各施策ごとに目的や内容、事業量等をなるべくわかりやすい形で資料を提供したいと、このように考えておるところでございます。
[下鶴隆央君登壇]
11 ◯下鶴隆央君 知事は
マニフェストにおいて、「
指宿スカイラインの無料化を実現します」と力強く断言しています。このことに多くの県民が期待し、投票したと思いますが、特に、日常的にこの
指宿スカイライン山田料金所を利用している方々にとって、知事への期待は非常に大きいと思います。
さて、三期
区間山田料金所で十二月一日よりETCの利用が開始されました。それに伴い、軽自動車・普通車は一〇%、大型車は一八%のETC割引が導入されました。一見、利用者にとってお得になったように見えますが、実は普通車の場合、
回数券利用者は一回当たり二百七十円だったところ、ETC割引を適用しても二百九十円と、二十円の値上げになっています。
特に、日常的に利用する方は回数券を利用していたはずですが、その方々からすると、知事の無料化という
マニフェストに期待して投票したのに、逆に値上げになってしまうという逆の結果となっています。
そこで伺います。
ETCの料金設定の考え方について示してください。
さて、今回、ETC設置には十六億円かかっているわけですが、一年半すればETC自体の償還は終了します。
山田フルインター化など必要な事業費の償還にはもう少し年数を要するわけですが、私は、償還が終わった後も、十六億円かけたETCを撤去するのはもったいないから、料金を取り続けようという方向に流れてしまうことを強く危惧しています。
そこで伺います。
償還終了後のETCの取り扱いについて、考えを示してください。
続いて、二期区間─谷山インター─頴娃インター間─について伺います。
この二期区間が供用開始された昭和五十二年時点においては、国道二百二十五
号川辺峠付近の改良も行われておらず、南薩縦貫道も開通していなかったことから、鹿児島市と南薩を結ぶ
交通ネットワーク上、非常に重要な位置を占めていたわけですが、これらの道路が改良、開通した今、
県内交通ネットワークにおいてこの二期区間をどのように位置づけているか、示してください。
さて、知事は、二期区間の値下げの検討を発表し、昨日は、均一料金、ワンコインで思い切った値下げを検討するという方針を発表しました。一見、値下げと言うと、無料化という
マニフェストの実現に近づいているように思えますが、しかし、実は逆に遠ざかっていると考えます。
二期区間は、通行料収入一億円に対し、
料金所運営経費が七千万円かかることから、実質の収入は三千万円しかありません。そして維持補修に数億円かかっており、大赤字です。その大赤字分を、別の区間である三期
区間山田料金所の通行料収入で穴埋めしている状況です。
すると、二期区間の大幅値下げで赤字が拡大すれば、それだけ山田料金所から穴埋めする額も大きくなり、山田料金所利用者が期待する無料化の実現はむしろ遠ざかる結果となります。
そこで伺います。
二期区間値下げの考え方、検討状況を示してください。
さて、二期区間に先立ち建設された、頴娃インターより南の一期区間は、昭和六十三年に償還期を迎えたときに、料金徴収を延長するよりも、無料化、県道化して地方交付税を獲得したほうがよいなどの理由で無料化が実現しました。
そこで伺います。
二期区間を無料化し、県道化した場合の地方交付税について、試算を示してください。
私は、これまでも再三にわたり、この
指宿スカイライン無料化について議論を行ってまいりました。そして、早期無料化を実現できるかどうかは、二期区間の大規模改修、特にカーブ区間の解消百十億円をどれだけ抜本的に見直しできるかにかかっているということは、知事とも認識を共有できていると考えます。
それを踏まえて伺います。
二期区間大規模改修の見直し検討状況について示してください。
続いて、
マニフェストの早期実現、早期無料化について伺います。
繰り返しになりますが、最も知事に
マニフェスト「
指宿スカイライン無料化」を期待している日常的な利用者、
回数券利用者にとって、今回、値上げとなっているわけです。少なくとも、いつまでに無料化しますという時期は早期に公表すべきと考えますが、見解を示してください。
さて、無料化の実現に向けて有料道路事業の計画変更を行おうとする場合には、議会の議決が必要となります。また、二期区間の値下げを行おうとする場合も同様であります。
私は、知事が、
マニフェスト、県民との約束に真摯に向き合おうとするのであれば、議会に、早期無料化に向けた事業計画変更案を早期に提案すべきと考えます。また、二期区間値下げの計画変更を提案するのであれば、同時に、早期無料化に向けた事業計画変更案も提案すべきと考えますが、考えを示してください。
最後に、無料化実現に向けた財源の提案を行います。
三期区間は毎年二十四億円以上の収入があり、維持管理費や道路公社の経常経費を除いても十三億円程度残ることから、ETC十六億円と山田インターのフル化三十六億円は四年で償還できます。そして、二期区間ののり面補修二十八億円をやったとしても、全部で七年程度で償還できます。
したがって、その時点で無料化を実現し、その上で、二期区間カーブ区間の改良が
県内交通ネットワークの形成上どうしても必要というのであれば、道路公社が保有する現金七十億円を基金化して、何年かで事業を行えばいいかと思います。
そこで伺います。
この
指宿スカイライン管理基金を創設し、早期無料化を実現するとともに必要とされる工事を行う、両立できる提案について、考えを示してください。
以上、二回目の質問といたします。
12 ◯土木部長(渡邊 茂君)山田料金所のETC化についてであります。
指宿有料道路においては、利用者からの要望の強いETCを設置することとし、これに伴い、ETC搭載車を対象とした割引制度を創設いたしました。
この制度の創設に当たっては、まず、本県の基幹産業である観光や農業を支えるバスやトラックなど大型車について、可能な範囲で割引率を大きくしたところであります。
一方、普通車については、これまでの回数券利用は全体の三割でありましたが、ETC設置後の割引利用は約九割となることが見込まれており、現在より多くの利用者が割引を受けることとなります。
このため、割引を受ける利用者がふえる分、料金収入は減少することとなり、普通車料金につきましては、収入計画の範囲内で限界まで引き下げるということにいたしまして、二百九十円としたところであり、回数券割引の二百七十円より二十円高くなったものであります。
ETCの機器につきましては、料金徴収の必要がなくなった時点で撤去することとしており、撤去に伴う機器の再利用については、その時点で判断することになると考えております。
続きまして、指宿有料道路二期区間についてであります。
指宿有料道路の二期区間は、鹿児島と指宿を結ぶ観光道路として昭和五十二年に供用を開始したもので、その後供用された三期区間と一体となって、九州縦貫自動車道と直結し、指宿と鹿児島空港や霧島、鹿児島を結ぶ道路であります。
二期の料金引き下げにつきましては、収支のバランスがとれる実現可能な計画とする必要があることから、料金引き下げによる将来交通量の変化や、料金徴収方法の工夫によるコスト縮減策について検討を進めているところであります。
引き続き関係機関と協議を進め、具体的な計画案がまとまり次第、県議会の皆様にお示ししたいと考えております。
続きまして、無料化を実現した場合の交付税の試算についてであります。
指宿有料道路の二期・三期両区間について、仮に県が管理し、料金を徴収しない道路となった場合における地方交付税の算定額は、平成二十九年度ベースで機械的に試算すると、九千九百万円程度の増となることが想定されております。
続きまして、二期の改修計画の見直し検討状況についてであります。
指宿有料道路については、山田インターのフルインター化やETC設置、老朽化したのり面対策など、必要な事業を有料道路事業で行った上で無料化したいと考えています。
山田インターのフルインター化につきましては、工事着手に向けて用地買収や橋梁設計を進めており、山田料金所のETC設置については、今月一日から二レーンを供用したところであります。また、のり面対策については、緊急性の高い箇所から整備を進めております。
二期区間の改修計画につきましては、現在進めている事業の進捗を見きわめながら、のり面対策などの整備内容の見直しによる事業費の縮減もあわせて検討を進めているところであり、見直しの内容につきましては現時点では示せません。
続きまして、指宿有料道路の早期無料化についてであります。
指宿有料道路は、先ほども申し上げましたとおり、九州縦貫自動車道と直結し、指宿と鹿児島空港や霧島、鹿児島を結ぶ道路であり、地域の活性化や産業、観光振興の観点から無料化が必要であると考えております。
当該道路につきましては、利用者の利便性の向上が図られ、周辺団地の渋滞解消にも寄与する山田インターのフルインター化や、昨年九月の台風十六号において二カ所ののり面崩壊により通行どめとなるなど、老朽化したのり面対策等、必要な事業を有料道路事業により行った上で無料化したいと考えております。
二期区間の料金引き下げの事業計画変更につきましては、料金のみ変更する方向で検討しており、引き続き関係機関と協議を進め、具体的な計画案がまとまり次第、県議会の皆様にお示ししたいと考えております。
指宿スカイライン管理基金について御提案いただいたところですが、県といたしましては、指宿有料道路について、山田インターのフルインター化やETC設置、また老朽化したのり面の対策など、必要な事業を有料道路事業により行った上で無料化したいと考えております。
13 ◯下鶴隆央君
指宿スカイライン無料化に向けた論点は、二つあるかと思います。
一つは、有料道路事業で行う、特に二期区間の大規模改修をどこまでやるかという点と、二点目は、その財源をどこに求めるのか、すなわち通行料収入に求めるのか、それとも県全体で負担するのかという点であります。
きょうはこの二点目について再質問したいと思いますが、先ほどの、この二期区間の位置づけについて、結局、県全体の
交通ネットワークとして必要だからということだと思うんですね。つまり、県内各地見回してみて、単体で見れば確かに通行量が少なくて、単体で見れば赤字という道路、たくさんあると思いますが、それをじゃなぜ県道として維持補修していくかといえば、県全体のネットワークとして必要だから、単体で見て通行量が少ない、単体で見たら赤字の道路でも必要である。それは私もそのとおりだと思います。
であるならば、この二期区間というのは、先ほど御紹介したとおり大赤字の道路なわけです。ただし、県全体の
交通ネットワーク上必要であると。であれば、その負担は県全体でひとしくやっていくべきなのじゃないかと考えます。そして、そちらのほうが県全体にとってもお得なわけです。
今、土木部長から交付税の試算を示していただきました。現状では、二期区間の収支は実質県民から取る三千万円なわけです。収入一億円、料金所七千万円、引いて県民の方が払う三千万円なわけです。一方で、無料化・県道化した場合、国からやってくる約一億円、どちらのほうがお得か、県民にとって得かというのは火を見るより明らかであります。
そこでお伺いいたします。
この
指宿スカイライン二期区間の県全体の
交通ネットワークにおける位置づけ並びに現在の収支、そして交付税でどれだけ獲得できるかということを考えれば、むしろ早期に無料化して、そして私が提案した基金化を行って、必要とされる補修事業を行っていくほうが理にかなっていると考えますが、なぜ有料道路事業にこだわるのか、その点を示してください。
14 ◯土木部長(渡邊 茂君)ただいま、二期区間の収支についてというお話等々をいただきました。
指宿有料道路につきましては、指宿と鹿児島を結ぶ観光道路として早期に整備するために、利用者が費用を負担する有料道路事業というものを活用して整備を進めてきたところであります。引き続き、老朽化したのり面の対策など必要な事業については、有料道路事業により行うこととしております。
そして、指宿有料道路というものは、道路整備特別措置法に基づく国の許可を受け、二期・三期区間を一つの有料道路として運営しており、全体の料金収入により改修の費用を確保することとしているものであります。ですので、二期区間のみの収支を議論していろいろお示しするというようなことは考えておりません。
15 ◯下鶴隆央君 まず、土木部長に再度質問したいんですけれども、今お示しいただいたように、有料道路事業とは何かというと、一言で言うと時間を買うわけですね。つまり、道路というのは、一々関所を設けて有料にしていては国民の経済活動に支障を来すことから、道路は無料の原則がある。ただ一方で、必要な道路を早期整備するために、財源がないときには先に借金して、それを実際に通る方からお金をもらう、いわば時間を買うという方式でやっているわけです。
私が提案しましたように、今、道路公社はキャッシュを七十億円持っているんですよね。であれば、三期に係る部分は有料道路事業でやるとして、また、二期ののり面部分は有料道路事業でやるとしても、カーブ区間の改良をやるのであれば、こちらのお金を使えばできるわけです。つまり、通行料収入を取って時間を買ってくる必要はないわけですよね。ですので、なぜこちらを基金化しないのか、これに手をつけないのかという考えを示していただきたいのが一点。
そして、これはぜひ知事に伺っておきたいわけですけれども、先ほど御紹介したように、多頻度で利用される方からすると、今回、値上げになるわけです。二十円といっても値上げです。ちりも積もれば山となります。
そこで、今この時点で、いつまでに無料化というのがまだまだ出てこないわけですよ。そうすると、期待した特に多頻度利用者からすると、逆の結果だと、何でだと考えると思います。それに対して私は説明するすべを持ち合わせていません。ぜひそういう方々に知事の声で説明をお願いしたいと思います。
16 ◯土木部長(渡邊 茂君)まず最初に、御指摘の六十九億円の出資金の件について御答弁いたします。
御指摘の六十九億円の出資金につきましては、道路公社に対して、経営の安定や信用の裏づけ、そして公社存立の財政的基礎となる財産として県が支出したものでありまして、出資金の取り扱いにつきましては慎重に検討する必要があると考えております。
無料化の時期ですけれども、二期区間の改修計画について、現在、緊急性の高いのり面対策等の事業進捗を見きわめながら、こういった見直しの検討を進めているところでありますので、今のところ、いつできるかというところをお示しできるところまでは至っておりません。
17 ◯知事(三反園 訓君)まずは料金収入のことでございますけれども、ETCのですね。考え方だと思うんですね。一つは、利便性を高めなきゃいけないということがありますね、そのためにETCを導入すると。
その上で、考え方としては、いわゆる鹿児島にとって観光、そして農畜水産物の物流も含めて、これは二つの基幹産業でございますので、これに対する利便性を高めなければいけない。これは非常に重要なことであります。そうすると、大型バスとかトラックとか、そこらあたりの割引を大幅にするということで、そこで使っていただくと。
そうすると、産業道路の渋滞の面もそうかもしれませんし、さまざまな面で要するに物流が便利になり、観光にとってもメリットがある。そうすることによって、観光バスがスカイラインの二期区間も使いやすくなるとか、さまざまな利便性が向上するわけであります。
全体的な考え方の中で、いわゆる八割、九割の方が、今まで回数券を使っていた方もいらっしゃるかもしれませんけれども、多くの方々が逆に言えば割引になると、そういった利便性もあるわけであります。そういったことを考えてこうした料金体系になったということでありますので、御理解いただければと思っております。
18 ◯下鶴隆央君 今、物流や利用者数の比較等々を(「再質問は二回までだよ」と呼ぶ者あり)この件については二回目です。
19 ◯議長(柴立鉄彦君)下鶴君、同一議題について三回を超えてはいけません。
20 ◯下鶴隆央君 知事に対して見解を問うたのは、先ほどのが一回目ですから、これで二回目だと思いますが、議長。
21 ◯議長(柴立鉄彦君)これは、スカイラインの無料化についての同一議題になりますので、そういう判断でお願いいたしたいと思います。
22 ◯下鶴隆央君 わかりました。議長の判断ということで従います。
[下鶴隆央君登壇]
23 ◯下鶴隆央君 続いて、海を生かしたまちづくりについて伺います。
知事はこれまで記者会見や議会答弁で、「どこが一番行きたいところかというと、それはやはり港だ」、「来て見て感動するまちづくり」として、海を生かしたまちづくりに並々ならぬ意欲を示しています。
そこで、以下数点伺います。
まず、鹿児島港本港区エリアについてですが、昨日も議論が交わされましたとおり、このままいくと、市のサッカースタジアム構想と正面からぶつかる可能性が非常に高いと考えます。そこできょうは、議論を整理するために、まず、まちづくりの主体について議論したいと思います。
県と市は、時として二重行政の弊害を指摘されることもありますが、地方分権の流れの中でそれぞれの目指すべき役割分担は整理されています。すなわち、近接性、基本的に事務事業は住民に最も近い基礎自治体である市町村に権限を配分し、補完性、市町村だけでは対応できない広域的なものは都道府県というように、この二つの原則で整理されているわけです。
それを踏まえると、やはりまちづくりの主体として、住民に最も近い鹿児島市の意向を十分に踏まえて議論を行うべきと考えますが、見解を示してください。
知事は、検討に当たって、スポーツ施設を最初から排除しているわけですが、それは、知事に、目指す当該エリアの姿やモデル都市、すなわち腹案があるからではないかと考えます。それならば、それを早期にしっかりと県民に明らかにすべきと考えますが、見解を伺います。
また、鹿児島市ともっと歩み寄った協議を行うべきと考えますが、こちらも見解を示してください。
さて、海を生かしたまちづくりを考える上で重要なマリーナですが、鹿児島港内に立地する方針が決まって以降、何ら目に見える動きが見られないところです。
そこで、現在の検討状況、そして実現に向けて乗り越えるべき課題があれば、あわせて示してください。
続いて、クルーズ船について伺います。
クルーズ船に関しては、寄港回数や人数が好調に右肩上がりであることは喜ばしいことですが、それだけでなく、いかに地域への経済効果を高めるかをしっかりと見据えた取り組みが必要だと考えます。
クルーズ船の経済効果は二種類あると考えます。直接的なもの、すなわち今回の滞在でどれだけ消費するかということ、そして間接的なもの、今回の滞在での消費額は少なかったものの、鹿児島は魅力的だなと感じてもらえば、次回は飛行機で個人旅行にやってきて、宿泊、食事などの大きな消費を行うというものです。
しかし、全国のクルーズ動向を見ると、全て込み込みの格安クルーズの中には、経費節減のため有料施設には入らず、バックマージンをくれる土産物屋に連れていくという事例もあるようです。そうすると、今回の経済効果も限定的なばかりでなく、ここはつまらないとして、次回個人旅行に来ることもなくなってしまいます。もったいない話です。
そこで、地域への経済効果とそれを高める取り組みについて、見解を伺います。
さて、今、指摘した問題は、どうしても単なる寄港地にとどまる限りついて回ります。つまり、朝やってきて夕方には出ていく場合、宿泊や夕食を楽しむことはなく経済効果は限定的にならざるを得ません。一方で、発着地である母港になれば、クルーズ行程の前後は本県に滞在するわけですし、また乗組員の消費行動も見込めます。
来年の奄美の世界遺産登録を見据え、屋久島も含め、島々を回るアイランドクルーズなど、クルーズの母港を目指していくべきと考えますが、見解を示してください。
続いて、再生可能エネルギーについて伺います。
知事は、「本県の多様で豊かな自然を活用し、再生可能エネルギーを推進する」と再三表明しています。であるならば、再生可能エネルギー導入ビジョンの見直しに当たっては、まず、知事が目指すべきゴールを示した上で、それを達成するための細かな電源ごとの目標、推進策については専門家の知見を伺うというプロセスをとるべきであると考えます。
そこで伺います。
再生可能エネルギー導入ビジョンの見直し状況と、見直しに当たっての知事のリーダーシップについて示してください。
さて、実際に再生可能エネルギーの事業主体となるのは民間事業者です。もし導入を阻害する規制が存在せず、技術が確立され、確実な収益が見込め、必要な資金を調達できるのであれば、民間事業者がみずから率先して取り組むはずです。逆に、現状がそうでないなら、今挙げた四つの観点から推進策、インセンティブを講じる必要があります。
その際、最も効果的なインセンティブは補助金ですが、一方で、財政が厳しい本県が一般財源をつぎ込む場合、その分、ほかの何かができなくなることを意味します。
そこで、県の姿勢を明確にするために伺います。
導入推進のあり方と財源について、どのように考えているか示してください。
[知事三反園 訓君登壇]
24 ◯知事(三反園 訓君)鹿児島港本港区エリアの姿とモデルについてでございます。
ドルフィンポート敷地や北埠頭を含む鹿児島港本港区エリアにつきましては、来て見て感動するまちづくりの観光の目玉スポットとして、国内外から観光客を呼び込むための拠点としたい考えでおります。
鹿児島には錦江湾、桜島があります。私はそのすばらしい景観を生かしたまちづくりが必要だと考えております。ドルフィンポート敷地を中心に、このエリアは錦江湾や桜島の景観を見る絶好の場所であります。このすばらしい景観を最大限に生かして、魅力的な港、感動を与えるような観光地にしたいと考えておりまして、このエリアを整備することにより、国際的な観光都市の形成を図ってまいります。
再生可能エネルギーに対する姿勢等についてであります。
私が
マニフェストで掲げましたエネルギーパーク化構想は、本県の恵まれた資源を最大限活用し、再生可能エネルギーの導入を積極的に推進したいと、そういうものであります。県内に存在する多様な再生可能エネルギーが有効に活用され、その供給が全国トップクラスとなる状態を目指そうとするものであります。こうした状態を達成することで、雇用の創出、定住促進、観光面での効果、エネルギーの自給自足が可能となる社会の構築などにつなげていきたいと考えております。
78 ◯教育長(古川仲二君)特別支援学校における就労支援についてでございます。
特別支援学校では、高等部の生徒が、仕事のとうとさや厳しさを理解し、自分に適した就労先の選択ができるように、三年間を通して、事業所や福祉施設等で働くことを体験する実習を行っております。また、各学校では、企業のニーズを把握するとともに、企業関係者等からの意見等を今後の就労支援に生かすことを目的とした就労ネットワーク会議を実施し、地元就労の拡充を図っているところでございます。
さらに、県教委では、企業等との連携のもと、清掃業務部門に関する生徒の技能や作業態度などについて資格認定を行います、特別支援学校技能検定を実施しておりまして、生徒の就労に向けた意欲や能力の向上を図るとともに、企業関係者等の理解を深め、雇用促進につながるようにしているところでございまして、本年度からは、喫茶サービス部門も技能検定の対象とすることにいたしております。
今後とも、各学校の職業教育や企業等との連携を充実し、生徒一人一人の自立と社会参加がさらに図られるよう努めてまいります。
79 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)温泉の効果的な活用の中で、温泉の外国人対応状況についてでございます。
本県は、全国第二位の源泉数を誇り、鹿児島市内の銭湯のほとんどが温泉でありますほか、日本で唯一の天然砂蒸し温泉を有するなど、全国有数の温泉県でございます。
また、観光庁の調査によりますと、温泉は、日本食や自然、景勝地観光と並ぶ外国人観光客に人気が高い観光資源であり、本県もアピールしているところでございます。県内市町村や業界団体では、外国人観光客が安心して入浴できるよう、温泉の入浴時のマナーを紹介する多言語のパンフレットや動画などを作成しております。
今後とも、市町村や業界団体等と一体となって、本県の豊富で安心・安全な温泉・銭湯の魅力をアピールし、観光客の誘致につなげてまいりたいと考えております。
[宝来良治君登壇]
80 ◯宝来良治君 いろいろお答えいただきました。
温泉について何を言いたかったかというと、安心・安全はもちろん義務でありますからやらなきゃいけないんですけど、そういう安心・安全管理をしっかり整えるということをまず評価するというスタイルで、県ももう少し温泉事業者を指導していただく。
例えば、安心・安全度合いで、今は、インスタ映えするとか星が幾つあるとかで非常に大きく観光客には影響するので、温泉のミシュランを鹿児島県が独自でつくるとか、モンドセレクションというのがありまして、金賞を受賞するのがありますが、あれも全部資格基準なんですね。基準をクリアすれば全部金賞をもらえるんですよ。なので、そういう全体的な取り組みとして、温泉を鹿児島県が評価しているよと。県の評価はなかなか難しいのであれば、業界が評価システムをつくるために県が助成するというような、温泉を生かす方策をとっていただきたいなと思います。
本当に、この間のPR戦略のアンケートで、鹿児島イコール温泉というのがあんなに低いのかなというのを、ちょっとがっかりしたところでした。
災害防災に関しましては、鹿児島市について言ったのは、市場を使いたくないと鹿児島市が言っている。鹿児島市で災害が起きていないときに使う予定でいるというのは、つじつまが合わないんですよね。鹿児島市は、鹿児島市で起きた災害に対してもできれば使いたくないというのを、鹿児島市外のどこでもいいです、災害が起きたときに鹿児島県はそこを使おうという想定がされていると私は認識したんですけど、それでなければ使う機会というのはないと思うんですよね。
その辺をもうちょっと整理して、マリンポートに関しても、母屋がないところを指定されていますが、今度、CIQ施設ができる、二十二万トン級の船が入る、そういう工事をしたときにはその都度都度、計画を見直していかないと、災害は本当に、一分一秒後に起きる可能性もあるということをもっと認識して取り組んでいただきたいなと思います。
いろいろ言いましたが、我々が地方創生と言っているところ、住みやすいまちというのは、社会保障が充実したまちではないだろうかと思います。子供を含め、高齢者、社会的な弱者と言われる方が住みよい、そしてその子供を育てる保護者が住みやすい、そして障害者も住みやすいという、そういう共生のまちづくりを今後も取り組んでいっていただきたいなと思います。
行政がする仕組みは、私は一度習ったことがあります、人の流れをつくることだということでした。港であり道であり、そういう交通インフラはもちろんですが、公共事業はもちろんですが、人の流れをつくる、そういう目線でいろんな事業に取り組んでいただく。
そして地方創生というのは、最終的には小さい小さい地域におんぶに抱っこになりますので、その地域をしっかり守るべく地方創生に向けて、地域の地域力、共生するまちづくりに対して、もう少し深い支援をしていただければいいかなと思います。
それでは、時間が長くなりました。以上で終わります。
ありがとうございます。(拍手)
81 ◯議長(柴立鉄彦君)これで、本日の日程は終了いたしました。
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△ 日程報告
82 ◯議長(柴立鉄彦君)明日は、午前十時から本会議を開きます。
日程は、一般質問及び議案の委員会付託などであります。
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△ 散 会
83 ◯議長(柴立鉄彦君)本日は、これで散会いたします。
午後三時十七分散会
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