鹿児島県議会 > 2017-12-07 >
2017-12-07 平成29年第4回定例会(第5日目) 本文
2017-12-07 平成29年第4回定例会(第5日目) 名簿

  • EBPM(/)
ツイート シェア
  1. 鹿児島県議会 2017-12-07
    2017-12-07 平成29年第4回定例会(第5日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(柴立鉄彦君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    下 鶴 隆 央 君    堀 口 文 治 君    小園 しげよし 君    宝 来 良 治 君  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━    △ 一般質問 2 ◯議長(柴立鉄彦君)一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  下鶴隆央君に発言を許可いたします。
       [下鶴隆央君登壇](拍手) 3 ◯下鶴隆央君 おはようございます。鹿児島市・鹿児島郡区選出、無所属の下鶴隆央です。  おととい、指宿で歴史的な偉業が達成されました。将棋の羽生善治棋聖が竜王位を奪取し、前人未到の永世七冠を達成しました。私も学生時代、将棋に打ち込み、県高校竜王を三度獲得するなど、将棋ファンの一人としてこの偉業が本県で達成されたことを非常にうれしく思います。ぜひ指宿が今後、将棋ファンに向けてもこのことを誘客に生かせればと期待しております。  また、今回の快挙は将棋ファンが長年期待していたことでもありますが、県民の大きな期待を集める知事におかれましても、県民の期待に応える一手をこの議場でぜひ指していただきたい。そういう答弁が返ってくることを期待して、質問に入ります。  三反園知事が就任して、もうすぐ一年半がたとうとしています。三月議会では就任後初となる当初予算編成に臨んだわけですが、今年度は、みずからが編成した予算を一年間丸々執行し、その上で二度目の予算編成に臨もうとしています。いよいよ本格的に、県民に約束したマニフェストを本格的に具体化し、県民の期待に大いに応えるべき時期がやってきたと思います。  そこで、今回の質問では、県民の期待に応えた三反園カラーの発揮に向けて、前半では仕組みの部分について、後半では具体的な各政策について、私なりの提案も交えて質問してまいります。  知事は、向こう十年の県政が進むべき基本的な方向性を明らかにする新たな県政ビジョンの策定を表明し、先般その素案が示されました。  本県を取り巻く現状・課題や施策の基本的な方向性については、私も意を同じくするところであります。よい素案が仕上がってきたなという印象を持っております。一方で、各種計画もそうですが、この新たな県政ビジョンは、いかに具体的施策・事業に落とし込むか、実効性の確保が非常に重要です。  そこで、実効性確保の観点から、以下三点伺います。  このビジョンは、おおむね十年間を計画期間としています。当然、その間、社会情勢の変化に対応する必要がありますし、また、おくれているものについては取り組みを見直し、加速させる必要も出てきます。  そこで伺います。  新たな県政ビジョンについて進捗管理をどのように行うつもりか、考えを示してください。  そもそも目標設定がなければ、進捗管理を行うことはできません。また、目標は、できる限り具体的、客観的指標であるべきです。幾ら使ったかというアウトプット指標ではなく、何を達成したか、アウトカム指標であることも望ましいと言えます。  先日の郷原議員の質問に対して、「基本的な方向性を示すものであり、目標設定は考えていない」旨の答弁でしたが、それでは進捗管理ができないのではないかと危惧しています。  ビジョン本体で設定しないのであれば、分野別の計画に漏れなくビジョンを落とし込み、また、各計画で目標設定を行い、進捗管理を行うべきです。  そこで伺います。  目標設定のあり方について、考えを示してください。  さて、ビジョンを具現化するためには、施策・事業への落とし込み、すなわち、いかに予算へ反映させるかが重要です。本県財政が厳しい中、しっかりと予算化する仕組みを構築するべきだと考えます。  同様に財政が厳しい国・各地方公共団体においては、要求基準において、一般政策経費については対前年度比のシーリングをかけた上で、重点施策等については別枠で要求を認める方式が広く採用されています。同様に、ビジョンで掲げたもののうち、特に新規の取り組みや重点を置く取り組みについては、プロジェクト枠として別枠とする方法が考えられます。  そこで伺います。  予算への反映、要求基準の設定について、考えを示してください。  続いて、施策展開の基本方向のうち、世界に通用する人材の育成に関して二点伺います。  本県の人口は、二〇四〇年には現在から二割減の百三十一万人にまで減ることが予想されています。このことは、県内・国内の市場がそれだけ縮小することを意味します。したがって、これからの子供たちは、望むと望まざるとにかかわらず、世界を相手に仕事をする時代がやってくることは確実です。  そこでまず、英語教育について伺います。  素案の二十四ページには、施策の基本方向中に「国際化を踏まえた英語教育の充実」と明記されており、この点は高く評価するものです。一方で、これから小学校での英語教育の拡大に向けて心配されるのは、いかに英語教育を行うことができる人材を育成・確保するかであります。私は、ビジョンでもう一歩踏み込んで、英語教育を行う人材育成・確保の重要性についても明記していくべきだと考えます。  そこで伺います。  特に、教える人材育成・確保の観点から、英語教育の重要性をどのように認識し、今後どのように位置づけていくか、考えを示してください。  続いて、若年層における国際交流機会の増大について伺います。  同じく素案の二十七、二十八ページには、「青少年の海外交流等の推進」、「学生の海外研修・留学の実施」を明記していることは高く評価いたします。一方で、より多くの子供たちに国際交流の機会を持ってもらうには、鹿児島にいながらにして在住外国人と交流すること、そして、LCCの普及で渡航コストも下がっている今、若者が海外に行きやすくなる、もう一押しの取り組みが重要だと考えます。  そこで伺います。  若年層における国際交流機会の増大について、重要性をどのように認識し、今後どのように位置づけていくか、考えを示してください。  次に、行財政改革推進プロジェクトチームについて、四点伺います。  少子高齢化に伴う税収減、扶助費の増大、そして地方交付税も厳しい調整が行われることが予想される中、本県財政を取り巻く状況は非常に厳しい状況です。  したがって、歳入・歳出の徹底した見直しが必要であり、また、裏づけとなるデータ・根拠に基づく政策立案─EBPM─の必要性も高まっている中、知事が、岩切副知事を座長とする行財政改革推進プロジェクトチームを設置したことは、非常にすばらしい取り組みであると考えます。  来年度当初予算編成に当たり、このままでは七十八億円の財源不足が発生することを発表したことも、財源不足自体は非常に懸念すべきことではあるものの、対応の必要性を早期に認識したことは評価すべきであると考えます。  そこで一点目は、見込まれる財源不足に対し、プロジェクトチームでどのような検討を行った結果、どのような対応を行うつもりか、考えを示してください。  さて、このプロジェクトチームがどこまで役割を果たすかどうかは、やはり座長の決意にかかっていると考えます。  そこで二点目は、座長である岩切副知事に、徹底した事業見直しに向けての姿勢、決意を伺います。  さて、私は、既存事業の見直しに当たっては、全ての事業を対象に、必要性・有効性・効率性の観点から徹底した見直しを行うべきだと考えます。  そこで三点目は、既存事業の見直しに当たって、その基準、対象、検討状況について示してください。  また、私は、検討するに当たって、どのようなデータを用い、そしてどのように必要性・有効性・効率性を判断し、最終的に事業の見直しをどう判断したか、根拠や検討状況、内容を徹底して情報公開すべきと考えます。それにより、検討自体の妥当性を各方面から検証できますし、また、よりよい知恵が出てくると思うからです。  そこで四点目は、検討状況・内容の情報公開について、考えを示してください。  次に、官民データ活用推進計画について伺います。  これから加速する少子高齢化社会におけるさまざまな課題に的確に対応し、効率的な行政を進めていくためには、EBPMの観点が重要ですが、そのためには、根拠となるデータ、統計が整備されていることが必要不可欠です。したがって、公的機関を中心に、民間含め、それぞれが保有するデータを、もちろんプライバシーを侵害しないよう匿名化を行った上で、政策判断に使いやすい形で整備、共有することが必要です。  国では、官民のデータ利活用のための環境を総合的かつ効果的に整備するため、平成二十八年十二月に、官民データ活用推進基本法が公布・施行されました。同法では、都道府県も官民データ活用推進計画を策定するよう義務づけられています。  私は、他県に率先して充実した計画策定に取り組むべきと考えますが、策定に向けた基本的な考え方とスケジュールについて示してください。  以上、一回目の質問といたします。 4 ◯企画部長(東條広光君)初めに、県政ビジョンの進捗管理についてであります。  新たな県政ビジョンは、中長期的な観点から、鹿児島の目指す姿や施策展開の基本方向など方向性を示すものとして策定するものであり、ビジョンそのものにおいて数値目標を設定して進捗管理を行うことは考えていないところであります。  ただ、今後、ビジョンにおける施策展開の基本方向を踏まえて実施します具体の施策・事業について、各分野の個別計画や毎年度の予算編成等を通じて、適切にその進捗管理を行ってまいります。  次に、県官民データ活用推進計画の策定についてであります。  急速な少子高齢化の進展への対応等の課題解決に資する環境を整備するため、官民データ活用の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進することを目的とする、官民データ活用推進基本法が昨年十二月に施行されたところであります。同法におきましては、県は、県域における官民データ活用の推進に関する施策の基本的な方針等を定めた、官民データ活用推進計画を策定することとされております。  国は、平成三十二年度末までに全都道府県でのこの計画の策定を目指しており、今年度、地方公共団体向けの説明会の開催を予定しているところであります。  県では、昨年十月にホームページに専用のサイトを立ち上げるなど、保有するデータのオープン化を進めているところであり、この計画の策定につきましても、国の動向等を踏まえ、適切に対応してまいります。 5 ◯総務部長(寺田雅一君)新たな県政ビジョンについての御質問のうち、予算への反映についてでございます。  毎年度の当初予算の編成におきましては、その基本的な考え方を示すために要求基準を設定しているところでございます。平成三十年度当初予算要求基準におきましては、マニフェストや新たな県政ビジョンの推進につながる新規事業の要求枠として、新しい力強い鹿児島プロジェクト枠を設定したところでございます。  今後とも、マニフェストや新たな県政ビジョンの推進につながる予算編成となりますよう、予算編成の作業を行ってまいりたいと考えております。  続きまして、行財政改革推進プロジェクトチームについての御質問のうち、見込まれる収支不足への対応策についてでございます。  本年四月に設置いたしました行財政改革推進プロジェクトチームにおいて、歳出面では、施策の妥当性や有効性、効率性などの観点からテーマを設定し、それに沿った事務事業見直しを実施したところでございます。また、歳入面では、未利用財産の売却やネーミングライツの公募などに取り組んでいるところでございます。  現在、これらを踏まえまして、平成三十年度当初予算編成作業を進めておりまして、引き続き、歳入・歳出両面にわたる行財政改革の取り組みを着実に進めることにより、仮試算において見込まれました収支不足の解消を図ってまいりたいと考えております。  続きまして、既存事業の見直しについてでございます。  事務事業の見直しにつきましては、先ほど申し上げましたように、施策の妥当性・有効性・効率性といった観点から、基準となるテーマを設定いたしまして、各課が所管する事業等のうち、各テーマに該当する事業等を選定いたしまして、重点的な検証、見直しを実施したところでございます。  事務事業見直しにおいて示された検討、取り組みの方向性を踏まえまして、各課において、さらに踏み込んだ見直しの検討を行った上で予算要求がなされ、現在、予算編成作業を行っているところでございます。  検討状況・内容の情報公開についてでございます。  平成三十年度当初予算編成に当たりましては、それまでの事業実施に係る予算・決算額やその実績、事業効果だけではなく、国の予算編成や制度改正などの動向、他県の状況、市町村や関係団体等の意向、県税等の財源確保の見込みなどを踏まえまして、総合的に検討を行っているところでございます。  それらの総合的な検討を行った上で、その結果を予算案としてお示しすることとしておりまして、その際には、当該年度の予算編成の考え方、各施策の目的や内容、事業量等を記載した資料を公表し、県民の方々にできるだけわかりやすい形でごらんいただけるように努めてまいりたいと考えております。 6 ◯教育長(古川仲二君)英語教育の必要性等についてでございます。  近年のさらなるグローバル化の進展の中で、国際的視野を持ったコミュニケーション能力の育成が求められてきており、英語教育の充実は重要であり、国も、新学習指導要領小学校外国語教育の早期化などの充実を図ったところであります。  教員の英語力・指導力の向上に向けましては、国の英語教育推進リーダー中央研修に中核となる小学校の教員を派遣するとともに、その研修に参加した教員を、県内各地区で開催いたします還元研修の指導者としても活用する取り組みを行っております。  また、伊佐市と鹿屋市を英語教育強化地域に指定いたし、小学校段階における英語教育の早期化・教科化に対応した授業実践に取り組む研究を行い、その研究成果を県英語教育フォーラム等において県下に広く普及いたしております。  さらに、人材確保につきましては、教員採用選考試験において小学校英語特別選考を新たに設けるなど、英語の運用能力の高い者を採用するための工夫をいたしているところでございます。  今後とも、さまざまな取り組みを通じて、英語教育の人材育成や確保並びに英語教育の充実に努めてまいりたいと考えております。 7 ◯県民生活局長(中山清美君)若年層における国際交流の機会増大についてでございます。  本県では、これまで、交流会議等の合意に基づき、香港やシンガポール、韓国などへの青少年派遣等に取り組むとともに、中国清華大学への大学生の留学支援や修学旅行生等への渡航費用の一部助成などを実施しております。  また、県内においても、国際交流員や在住外国人による文化講座の開催や、県アジア・太平洋農村研修センターを活用したイングリッシュキャンプの実施など、青少年と在住外国人との各般の交流事業を展開しております。  青少年期における外国人とのさまざまな交流は、国際的な視野や豊かな感性を持った人材の育成を図る上で重要と考えておりまして、現素案におきましても、青少年の海外交流等の推進について記載しているところであります。 8 ◯副知事(岩切剛志君)徹底した事務事業見直しに向けた決意についてということでございます。  議員も御存じのとおり、県では、今後も一層厳しい財政状況が続くことが見込まれる中、本年四月、知事の指示によりまして、行財政改革推進プロジェクトチームを設置いたしました。  これまで、同プロジェクトチームにおきまして、歳入・歳出両面にわたる行財政改革の取り組みについて検討を行ってまいりました。  特に、歳出面では、事務事業見直しを実施することとし、私のほうから、当初の目的を達成している事業の見直しや、これまでの実績等を勘案して規模を是正する見直しなど、厳しい行革を行わなければならないこと、その一方で、厳しいだけではなく、効率性を考慮しながら、時代のニーズに合った事業となるような見直し、部局横断的な事業統合・連携などにより相乗効果を生み出せるような見直しなど、攻めの行革にも取り組まなければならないことを指示いたしました。  今後、これらの事務事業見直しを初めといたしまして、歳入・歳出両面にわたる行財政改革の取り組みを着実に進めまして、当初予算編成につなげてまいりたいと考えております。 9 ◯下鶴隆央君 行財政改革推進プロジェクトチームについて、事業の見直しについて、一点再質問いたします。  本県財政が厳しさを増していく中、例えば既存事業の是正を行うに当たっても、そして新規事業を行うに当たっても、限られた資源を配分していくわけですから、しっかりとした根拠に基づいた政策判断が求められるかと思います。その中で、事務事業見直しに当たって、どのような根拠・データに基づいてその判断を行おうとしているのか。  そして、先ほど情報公開についてもお話しさせていただきましたけれども、見直しに当たって、どういう根拠があってその事務事業をプラスするのか、マイナスするのかといったそのものについては出てこないという印象を持つ答弁です。  そこで、改めてお伺いしますが、事務事業見直しに当たって、特にEBPMの観点から、どのような根拠・データを用いて必要性・有効性・効率性を判断しようとしているのか。また、その判断に当たって用いたデータ、そしてその判断そのものについて情報公開を行うつもりはないか、その二点をお答えください。 10 ◯総務部長(寺田雅一君)まず、事務事業見直しに当たって、どのような根拠等に基づいてというお尋ねでございます。  先ほども申し上げましたけれども、既存事業等について、その事業に係る実績とか事業効果といったことはもちろんでございますが、それだけにとどまらず、国の予算編成、制度改正の動向との関係、あるいは他県の状況、関係する市町村、関係団体の動向等も見ながら判断していく必要があろうかと思っております。  ただ、あとは予算に関することでございますので、最終的には歳入・歳出のバランスを見てまいらなければなりません。そういったところで、先ほど申しましたように、県税等の財源確保の見込み、こういったことも含めて総合的に判断する必要があると思っております。  そういった判断を踏まえた上で予算編成を行ってまいりますので、最終的には、予算編成いたしまして予算案を提出いたしましたときに、どのようなことを整理して考えてきたのかということで、その予算編成の考え方、あるいは各施策ごとに目的や内容、事業量等をなるべくわかりやすい形で資料を提供したいと、このように考えておるところでございます。    [下鶴隆央君登壇] 11 ◯下鶴隆央君 知事はマニフェストにおいて、「指宿スカイラインの無料化を実現します」と力強く断言しています。このことに多くの県民が期待し、投票したと思いますが、特に、日常的にこの指宿スカイライン山田料金所を利用している方々にとって、知事への期待は非常に大きいと思います。  さて、三期区間山田料金所で十二月一日よりETCの利用が開始されました。それに伴い、軽自動車・普通車は一〇%、大型車は一八%のETC割引が導入されました。一見、利用者にとってお得になったように見えますが、実は普通車の場合、回数券利用者は一回当たり二百七十円だったところ、ETC割引を適用しても二百九十円と、二十円の値上げになっています。  特に、日常的に利用する方は回数券を利用していたはずですが、その方々からすると、知事の無料化というマニフェストに期待して投票したのに、逆に値上げになってしまうという逆の結果となっています。  そこで伺います。  ETCの料金設定の考え方について示してください。  さて、今回、ETC設置には十六億円かかっているわけですが、一年半すればETC自体の償還は終了します。山田フルインター化など必要な事業費の償還にはもう少し年数を要するわけですが、私は、償還が終わった後も、十六億円かけたETCを撤去するのはもったいないから、料金を取り続けようという方向に流れてしまうことを強く危惧しています。  そこで伺います。  償還終了後のETCの取り扱いについて、考えを示してください。  続いて、二期区間─谷山インター─頴娃インター間─について伺います。  この二期区間が供用開始された昭和五十二年時点においては、国道二百二十五号川辺峠付近の改良も行われておらず、南薩縦貫道も開通していなかったことから、鹿児島市と南薩を結ぶ交通ネットワーク上、非常に重要な位置を占めていたわけですが、これらの道路が改良、開通した今、県内交通ネットワークにおいてこの二期区間をどのように位置づけているか、示してください。
     さて、知事は、二期区間の値下げの検討を発表し、昨日は、均一料金、ワンコインで思い切った値下げを検討するという方針を発表しました。一見、値下げと言うと、無料化というマニフェストの実現に近づいているように思えますが、しかし、実は逆に遠ざかっていると考えます。  二期区間は、通行料収入一億円に対し、料金所運営経費が七千万円かかることから、実質の収入は三千万円しかありません。そして維持補修に数億円かかっており、大赤字です。その大赤字分を、別の区間である三期区間山田料金所の通行料収入で穴埋めしている状況です。  すると、二期区間の大幅値下げで赤字が拡大すれば、それだけ山田料金所から穴埋めする額も大きくなり、山田料金所利用者が期待する無料化の実現はむしろ遠ざかる結果となります。  そこで伺います。  二期区間値下げの考え方、検討状況を示してください。  さて、二期区間に先立ち建設された、頴娃インターより南の一期区間は、昭和六十三年に償還期を迎えたときに、料金徴収を延長するよりも、無料化、県道化して地方交付税を獲得したほうがよいなどの理由で無料化が実現しました。  そこで伺います。  二期区間を無料化し、県道化した場合の地方交付税について、試算を示してください。  私は、これまでも再三にわたり、この指宿スカイライン無料化について議論を行ってまいりました。そして、早期無料化を実現できるかどうかは、二期区間の大規模改修、特にカーブ区間の解消百十億円をどれだけ抜本的に見直しできるかにかかっているということは、知事とも認識を共有できていると考えます。  それを踏まえて伺います。  二期区間大規模改修の見直し検討状況について示してください。  続いて、マニフェストの早期実現、早期無料化について伺います。  繰り返しになりますが、最も知事にマニフェスト指宿スカイライン無料化」を期待している日常的な利用者、回数券利用者にとって、今回、値上げとなっているわけです。少なくとも、いつまでに無料化しますという時期は早期に公表すべきと考えますが、見解を示してください。  さて、無料化の実現に向けて有料道路事業の計画変更を行おうとする場合には、議会の議決が必要となります。また、二期区間の値下げを行おうとする場合も同様であります。  私は、知事が、マニフェスト、県民との約束に真摯に向き合おうとするのであれば、議会に、早期無料化に向けた事業計画変更案を早期に提案すべきと考えます。また、二期区間値下げの計画変更を提案するのであれば、同時に、早期無料化に向けた事業計画変更案も提案すべきと考えますが、考えを示してください。  最後に、無料化実現に向けた財源の提案を行います。  三期区間は毎年二十四億円以上の収入があり、維持管理費や道路公社の経常経費を除いても十三億円程度残ることから、ETC十六億円と山田インターのフル化三十六億円は四年で償還できます。そして、二期区間ののり面補修二十八億円をやったとしても、全部で七年程度で償還できます。  したがって、その時点で無料化を実現し、その上で、二期区間カーブ区間の改良が県内交通ネットワークの形成上どうしても必要というのであれば、道路公社が保有する現金七十億円を基金化して、何年かで事業を行えばいいかと思います。  そこで伺います。  この指宿スカイライン管理基金を創設し、早期無料化を実現するとともに必要とされる工事を行う、両立できる提案について、考えを示してください。  以上、二回目の質問といたします。 12 ◯土木部長(渡邊 茂君)山田料金所のETC化についてであります。  指宿有料道路においては、利用者からの要望の強いETCを設置することとし、これに伴い、ETC搭載車を対象とした割引制度を創設いたしました。  この制度の創設に当たっては、まず、本県の基幹産業である観光や農業を支えるバスやトラックなど大型車について、可能な範囲で割引率を大きくしたところであります。  一方、普通車については、これまでの回数券利用は全体の三割でありましたが、ETC設置後の割引利用は約九割となることが見込まれており、現在より多くの利用者が割引を受けることとなります。  このため、割引を受ける利用者がふえる分、料金収入は減少することとなり、普通車料金につきましては、収入計画の範囲内で限界まで引き下げるということにいたしまして、二百九十円としたところであり、回数券割引の二百七十円より二十円高くなったものであります。  ETCの機器につきましては、料金徴収の必要がなくなった時点で撤去することとしており、撤去に伴う機器の再利用については、その時点で判断することになると考えております。  続きまして、指宿有料道路二期区間についてであります。  指宿有料道路の二期区間は、鹿児島と指宿を結ぶ観光道路として昭和五十二年に供用を開始したもので、その後供用された三期区間と一体となって、九州縦貫自動車道と直結し、指宿と鹿児島空港や霧島、鹿児島を結ぶ道路であります。  二期の料金引き下げにつきましては、収支のバランスがとれる実現可能な計画とする必要があることから、料金引き下げによる将来交通量の変化や、料金徴収方法の工夫によるコスト縮減策について検討を進めているところであります。  引き続き関係機関と協議を進め、具体的な計画案がまとまり次第、県議会の皆様にお示ししたいと考えております。  続きまして、無料化を実現した場合の交付税の試算についてであります。  指宿有料道路の二期・三期両区間について、仮に県が管理し、料金を徴収しない道路となった場合における地方交付税の算定額は、平成二十九年度ベースで機械的に試算すると、九千九百万円程度の増となることが想定されております。  続きまして、二期の改修計画の見直し検討状況についてであります。  指宿有料道路については、山田インターのフルインター化やETC設置、老朽化したのり面対策など、必要な事業を有料道路事業で行った上で無料化したいと考えています。  山田インターのフルインター化につきましては、工事着手に向けて用地買収や橋梁設計を進めており、山田料金所のETC設置については、今月一日から二レーンを供用したところであります。また、のり面対策については、緊急性の高い箇所から整備を進めております。  二期区間の改修計画につきましては、現在進めている事業の進捗を見きわめながら、のり面対策などの整備内容の見直しによる事業費の縮減もあわせて検討を進めているところであり、見直しの内容につきましては現時点では示せません。  続きまして、指宿有料道路の早期無料化についてであります。  指宿有料道路は、先ほども申し上げましたとおり、九州縦貫自動車道と直結し、指宿と鹿児島空港や霧島、鹿児島を結ぶ道路であり、地域の活性化や産業、観光振興の観点から無料化が必要であると考えております。  当該道路につきましては、利用者の利便性の向上が図られ、周辺団地の渋滞解消にも寄与する山田インターのフルインター化や、昨年九月の台風十六号において二カ所ののり面崩壊により通行どめとなるなど、老朽化したのり面対策等、必要な事業を有料道路事業により行った上で無料化したいと考えております。  二期区間の料金引き下げの事業計画変更につきましては、料金のみ変更する方向で検討しており、引き続き関係機関と協議を進め、具体的な計画案がまとまり次第、県議会の皆様にお示ししたいと考えております。  指宿スカイライン管理基金について御提案いただいたところですが、県といたしましては、指宿有料道路について、山田インターのフルインター化やETC設置、また老朽化したのり面の対策など、必要な事業を有料道路事業により行った上で無料化したいと考えております。 13 ◯下鶴隆央君 指宿スカイライン無料化に向けた論点は、二つあるかと思います。  一つは、有料道路事業で行う、特に二期区間の大規模改修をどこまでやるかという点と、二点目は、その財源をどこに求めるのか、すなわち通行料収入に求めるのか、それとも県全体で負担するのかという点であります。  きょうはこの二点目について再質問したいと思いますが、先ほどの、この二期区間の位置づけについて、結局、県全体の交通ネットワークとして必要だからということだと思うんですね。つまり、県内各地見回してみて、単体で見れば確かに通行量が少なくて、単体で見れば赤字という道路、たくさんあると思いますが、それをじゃなぜ県道として維持補修していくかといえば、県全体のネットワークとして必要だから、単体で見て通行量が少ない、単体で見たら赤字の道路でも必要である。それは私もそのとおりだと思います。  であるならば、この二期区間というのは、先ほど御紹介したとおり大赤字の道路なわけです。ただし、県全体の交通ネットワーク上必要であると。であれば、その負担は県全体でひとしくやっていくべきなのじゃないかと考えます。そして、そちらのほうが県全体にとってもお得なわけです。  今、土木部長から交付税の試算を示していただきました。現状では、二期区間の収支は実質県民から取る三千万円なわけです。収入一億円、料金所七千万円、引いて県民の方が払う三千万円なわけです。一方で、無料化・県道化した場合、国からやってくる約一億円、どちらのほうがお得か、県民にとって得かというのは火を見るより明らかであります。  そこでお伺いいたします。  この指宿スカイライン二期区間の県全体の交通ネットワークにおける位置づけ並びに現在の収支、そして交付税でどれだけ獲得できるかということを考えれば、むしろ早期に無料化して、そして私が提案した基金化を行って、必要とされる補修事業を行っていくほうが理にかなっていると考えますが、なぜ有料道路事業にこだわるのか、その点を示してください。 14 ◯土木部長(渡邊 茂君)ただいま、二期区間の収支についてというお話等々をいただきました。  指宿有料道路につきましては、指宿と鹿児島を結ぶ観光道路として早期に整備するために、利用者が費用を負担する有料道路事業というものを活用して整備を進めてきたところであります。引き続き、老朽化したのり面の対策など必要な事業については、有料道路事業により行うこととしております。  そして、指宿有料道路というものは、道路整備特別措置法に基づく国の許可を受け、二期・三期区間を一つの有料道路として運営しており、全体の料金収入により改修の費用を確保することとしているものであります。ですので、二期区間のみの収支を議論していろいろお示しするというようなことは考えておりません。 15 ◯下鶴隆央君 まず、土木部長に再度質問したいんですけれども、今お示しいただいたように、有料道路事業とは何かというと、一言で言うと時間を買うわけですね。つまり、道路というのは、一々関所を設けて有料にしていては国民の経済活動に支障を来すことから、道路は無料の原則がある。ただ一方で、必要な道路を早期整備するために、財源がないときには先に借金して、それを実際に通る方からお金をもらう、いわば時間を買うという方式でやっているわけです。  私が提案しましたように、今、道路公社はキャッシュを七十億円持っているんですよね。であれば、三期に係る部分は有料道路事業でやるとして、また、二期ののり面部分は有料道路事業でやるとしても、カーブ区間の改良をやるのであれば、こちらのお金を使えばできるわけです。つまり、通行料収入を取って時間を買ってくる必要はないわけですよね。ですので、なぜこちらを基金化しないのか、これに手をつけないのかという考えを示していただきたいのが一点。  そして、これはぜひ知事に伺っておきたいわけですけれども、先ほど御紹介したように、多頻度で利用される方からすると、今回、値上げになるわけです。二十円といっても値上げです。ちりも積もれば山となります。  そこで、今この時点で、いつまでに無料化というのがまだまだ出てこないわけですよ。そうすると、期待した特に多頻度利用者からすると、逆の結果だと、何でだと考えると思います。それに対して私は説明するすべを持ち合わせていません。ぜひそういう方々に知事の声で説明をお願いしたいと思います。 16 ◯土木部長(渡邊 茂君)まず最初に、御指摘の六十九億円の出資金の件について御答弁いたします。  御指摘の六十九億円の出資金につきましては、道路公社に対して、経営の安定や信用の裏づけ、そして公社存立の財政的基礎となる財産として県が支出したものでありまして、出資金の取り扱いにつきましては慎重に検討する必要があると考えております。  無料化の時期ですけれども、二期区間の改修計画について、現在、緊急性の高いのり面対策等の事業進捗を見きわめながら、こういった見直しの検討を進めているところでありますので、今のところ、いつできるかというところをお示しできるところまでは至っておりません。 17 ◯知事(三反園 訓君)まずは料金収入のことでございますけれども、ETCのですね。考え方だと思うんですね。一つは、利便性を高めなきゃいけないということがありますね、そのためにETCを導入すると。  その上で、考え方としては、いわゆる鹿児島にとって観光、そして農畜水産物の物流も含めて、これは二つの基幹産業でございますので、これに対する利便性を高めなければいけない。これは非常に重要なことであります。そうすると、大型バスとかトラックとか、そこらあたりの割引を大幅にするということで、そこで使っていただくと。  そうすると、産業道路の渋滞の面もそうかもしれませんし、さまざまな面で要するに物流が便利になり、観光にとってもメリットがある。そうすることによって、観光バスがスカイラインの二期区間も使いやすくなるとか、さまざまな利便性が向上するわけであります。  全体的な考え方の中で、いわゆる八割、九割の方が、今まで回数券を使っていた方もいらっしゃるかもしれませんけれども、多くの方々が逆に言えば割引になると、そういった利便性もあるわけであります。そういったことを考えてこうした料金体系になったということでありますので、御理解いただければと思っております。 18 ◯下鶴隆央君 今、物流や利用者数の比較等々を(「再質問は二回までだよ」と呼ぶ者あり)この件については二回目です。 19 ◯議長(柴立鉄彦君)下鶴君、同一議題について三回を超えてはいけません。 20 ◯下鶴隆央君 知事に対して見解を問うたのは、先ほどのが一回目ですから、これで二回目だと思いますが、議長。 21 ◯議長(柴立鉄彦君)これは、スカイラインの無料化についての同一議題になりますので、そういう判断でお願いいたしたいと思います。 22 ◯下鶴隆央君 わかりました。議長の判断ということで従います。    [下鶴隆央君登壇] 23 ◯下鶴隆央君 続いて、海を生かしたまちづくりについて伺います。  知事はこれまで記者会見や議会答弁で、「どこが一番行きたいところかというと、それはやはり港だ」、「来て見て感動するまちづくり」として、海を生かしたまちづくりに並々ならぬ意欲を示しています。  そこで、以下数点伺います。  まず、鹿児島港本港区エリアについてですが、昨日も議論が交わされましたとおり、このままいくと、市のサッカースタジアム構想と正面からぶつかる可能性が非常に高いと考えます。そこできょうは、議論を整理するために、まず、まちづくりの主体について議論したいと思います。  県と市は、時として二重行政の弊害を指摘されることもありますが、地方分権の流れの中でそれぞれの目指すべき役割分担は整理されています。すなわち、近接性、基本的に事務事業は住民に最も近い基礎自治体である市町村に権限を配分し、補完性、市町村だけでは対応できない広域的なものは都道府県というように、この二つの原則で整理されているわけです。  それを踏まえると、やはりまちづくりの主体として、住民に最も近い鹿児島市の意向を十分に踏まえて議論を行うべきと考えますが、見解を示してください。  知事は、検討に当たって、スポーツ施設を最初から排除しているわけですが、それは、知事に、目指す当該エリアの姿やモデル都市、すなわち腹案があるからではないかと考えます。それならば、それを早期にしっかりと県民に明らかにすべきと考えますが、見解を伺います。  また、鹿児島市ともっと歩み寄った協議を行うべきと考えますが、こちらも見解を示してください。  さて、海を生かしたまちづくりを考える上で重要なマリーナですが、鹿児島港内に立地する方針が決まって以降、何ら目に見える動きが見られないところです。  そこで、現在の検討状況、そして実現に向けて乗り越えるべき課題があれば、あわせて示してください。  続いて、クルーズ船について伺います。  クルーズ船に関しては、寄港回数や人数が好調に右肩上がりであることは喜ばしいことですが、それだけでなく、いかに地域への経済効果を高めるかをしっかりと見据えた取り組みが必要だと考えます。  クルーズ船の経済効果は二種類あると考えます。直接的なもの、すなわち今回の滞在でどれだけ消費するかということ、そして間接的なもの、今回の滞在での消費額は少なかったものの、鹿児島は魅力的だなと感じてもらえば、次回は飛行機で個人旅行にやってきて、宿泊、食事などの大きな消費を行うというものです。  しかし、全国のクルーズ動向を見ると、全て込み込みの格安クルーズの中には、経費節減のため有料施設には入らず、バックマージンをくれる土産物屋に連れていくという事例もあるようです。そうすると、今回の経済効果も限定的なばかりでなく、ここはつまらないとして、次回個人旅行に来ることもなくなってしまいます。もったいない話です。  そこで、地域への経済効果とそれを高める取り組みについて、見解を伺います。  さて、今、指摘した問題は、どうしても単なる寄港地にとどまる限りついて回ります。つまり、朝やってきて夕方には出ていく場合、宿泊や夕食を楽しむことはなく経済効果は限定的にならざるを得ません。一方で、発着地である母港になれば、クルーズ行程の前後は本県に滞在するわけですし、また乗組員の消費行動も見込めます。  来年の奄美の世界遺産登録を見据え、屋久島も含め、島々を回るアイランドクルーズなど、クルーズの母港を目指していくべきと考えますが、見解を示してください。  続いて、再生可能エネルギーについて伺います。  知事は、「本県の多様で豊かな自然を活用し、再生可能エネルギーを推進する」と再三表明しています。であるならば、再生可能エネルギー導入ビジョンの見直しに当たっては、まず、知事が目指すべきゴールを示した上で、それを達成するための細かな電源ごとの目標、推進策については専門家の知見を伺うというプロセスをとるべきであると考えます。  そこで伺います。  再生可能エネルギー導入ビジョンの見直し状況と、見直しに当たっての知事のリーダーシップについて示してください。  さて、実際に再生可能エネルギーの事業主体となるのは民間事業者です。もし導入を阻害する規制が存在せず、技術が確立され、確実な収益が見込め、必要な資金を調達できるのであれば、民間事業者がみずから率先して取り組むはずです。逆に、現状がそうでないなら、今挙げた四つの観点から推進策、インセンティブを講じる必要があります。  その際、最も効果的なインセンティブは補助金ですが、一方で、財政が厳しい本県が一般財源をつぎ込む場合、その分、ほかの何かができなくなることを意味します。  そこで、県の姿勢を明確にするために伺います。  導入推進のあり方と財源について、どのように考えているか示してください。    [知事三反園 訓君登壇] 24 ◯知事(三反園 訓君)鹿児島港本港区エリアの姿とモデルについてでございます。  ドルフィンポート敷地や北埠頭を含む鹿児島港本港区エリアにつきましては、来て見て感動するまちづくりの観光の目玉スポットとして、国内外から観光客を呼び込むための拠点としたい考えでおります。  鹿児島には錦江湾、桜島があります。私はそのすばらしい景観を生かしたまちづくりが必要だと考えております。ドルフィンポート敷地を中心に、このエリアは錦江湾や桜島の景観を見る絶好の場所であります。このすばらしい景観を最大限に生かして、魅力的な港、感動を与えるような観光地にしたいと考えておりまして、このエリアを整備することにより、国際的な観光都市の形成を図ってまいります。  再生可能エネルギーに対する姿勢等についてであります。  私がマニフェストで掲げましたエネルギーパーク化構想は、本県の恵まれた資源を最大限活用し、再生可能エネルギーの導入を積極的に推進したいと、そういうものであります。県内に存在する多様な再生可能エネルギーが有効に活用され、その供給が全国トップクラスとなる状態を目指そうとするものであります。こうした状態を達成することで、雇用の創出、定住促進、観光面での効果、エネルギーの自給自足が可能となる社会の構築などにつなげていきたいと考えております。
     この構想の実現へ向けまして、現在、再生可能エネルギー推進委員会におきまして、私、会長となりまして、新たな導入ビジョンを策定中でありまして、今定例会において県議会の皆様方の御意見を伺うなどして、今年度中に取りまとめたいと考えております。 25 ◯土木部長(渡邊 茂君)鹿児島港本港区エリアまちづくりにおける県と市の役割分担についてであります。  鹿児島港本港区エリアにつきましては、土地や施設の大半を港湾管理者である県が所有していることなどから、現在、県において、来て見て感動するまちづくりの観光の目玉スポットの拠点となるよう、活用方策を検討しているところです。  まちづくりに関する制度である都市計画においては、市町村の主体的判断が尊重される必要があるとともに、あわせて都道府県が広域的な見地から適切な判断を行うことが必要であるとされており、これを踏まえて、それぞれの役割を適切に認識して対応していくことになるものと考えております。  続きまして、鹿児島港本港区エリアまちづくりに係る鹿児島市との協議についてであります。  鹿児島港本港区エリアまちづくりにおいて、県においては今年度、同エリアのグランドデザインを描くための調査・検討を行っております。現在、同エリアの活用方策について、複数のイメージ作成に向けて検討しており、鹿児島市とは都市計画等の内容について確認しながら、検討を進めてきております。  今年度の調査結果をもとに、来年度は、最終的なグランドデザインについて、さまざまな方々から幅広く御意見を伺った上で策定したいと考えており、今後とも、鹿児島市と必要な協議を行っていくことになると考えております。  続きまして、鹿児島港におけるマリーナの検討状況についてであります。  錦江湾におけるマリーナにつきましては、県内外のマリーナ管理者やヨット利用者などの意見を踏まえ、さまざまな観点から地域特性を整理・分析し、波や水深に係る安全性、物資調達やメンテナンスなどの利便性など、総合的にすぐれている鹿児島港を候補ゾーンとしたところであります。  マリーナは、まちづくりの重要な要素であると考えており、今年度実施している鹿児島港本港区エリアまちづくりのグランドデザイン策定に向けた調査・検討の状況も踏まえる必要があると考えております。  今後とも、クルーザーヨットに対応したマリーナ整備に向け、具体的な設置箇所や施設の配置・規模等について、さらに検討を進めてまいります。 26 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)クルーズに関しまして、まず、クルーズ船の地域への経済効果とそれを高める取り組みについてでございます。  クルーズ船の寄港に係る地域への経済効果といたしましては、乗船客や船員の乗車するバスやタクシー等の交通費、飲食費、土産品等の購入費、係船料及び入出港手続等に係る諸経費などがございます。  さまざまなクルーズ船が寄港する鹿児島港におきましては、有料観光施設や食事を含むツアーがある一方、御指摘もございました、無料の観光地をめぐるツアーもあることは認識しておりまして、ツアーを企画する船会社や旅行会社に対し、新たな観光素材や体験メニュー、周遊ルートを提案するなど、経済効果の向上も視野に入れた働きかけを行っているところでございます。  本年度、鹿児島港に寄港したクルーズ船のツアーの中には、中心市街地において食事やショッピングを行うものや、オーバーナイトステイと申しますが、一泊停泊するものなど、より高い経済効果をもたらす寄港もふえてございます。経済効果や乗船客の満足度向上に向け、引き続き、地元市町村及び経済団体等関係者と連携し、船会社や旅行会社へ働きかけを行ってまいります。  次に、鹿児島港の母港化に向けた取り組みについてでございます。  鹿児島港において発着を行うクルーズ船が運航される場合、乗下船の前後に乗船客が県内で宿泊を行うことも想定され、単なる寄港地よりも経済効果が高いものと考えられます。一方、発着が行われる港の条件といたしましては、乗船客の確保を容易にするため、背後人口の規模が大きいこと、背後圏以外の乗船客がアクセスするための交通網が充実していることなどが必要とされております。  鹿児島港におきましては、これらの条件において優位性があるとは言えないものの、一部に、乗客が乗船または下船するクルーズの運航も見られるところでございます。  現在、奄美の世界自然遺産登録を見据え、鹿児島と屋久島、奄美群島、沖縄を結ぶ世界遺産クルーズの誘致に取り組んでいるところでございまして、鹿児島港からの乗下船の可能性についても検討してまいります。 27 ◯企画部長(東條広光君)再生可能エネルギー導入推進のあり方と財源についてであります。  県では、来年度以降、現在策定中の新たな導入ビジョンに基づき、各種施策を展開していくこととしております。具体的には、事業者等が行う技術調査や事業可能性調査に対する支援、再生可能エネルギーを生かしたまちづくりのための研修会の開催、かごしまグリーンファンドによる事業者への出資、県民や市町村、事業者等の理解を図るためのイベントやセミナーの開催などに取り組むことにより、再生可能エネルギーの導入を促進したいと考えております。  こうした取り組みの財源につきましては、国の補助金等や関係団体の助成金を最大限活用してまいりたいと考えております。 28 ◯下鶴隆央君 二点再質問いたします。  一点目は、再生可能エネルギー導入ビジョンについての知事のリーダーシップであります。  先ほど答弁で、「全国トップクラスの導入度合いを目指していく」ということでしたが、ビジョンの改定に当たって、それはしっかりとこれに合ったビジョンをつくるようにという指示を出されているのかということを確認したいのが一点。  もう一点は、土木部長に、鹿児島港本港区エリアのまちづくりについて、県はどの立場でかかわっているかということを確認したいと思います。すなわち、今、御答弁ありましたように、港湾管理者としてということでありますが、今、実際に土地を持っているので、地主として関与していくのは当たり前のことなんですが、それを超えて、県が広域調整ということからかかわっていくのか、どちらの立場でかかわっていくのかということを示していただきたいと思います。  といいますのが、もし広域調整でかかわるのであれば、市に全部任せたら、ほかの自治体に最悪の場合こういう弊害が及ぶおそれがあるから、県が広域調整に乗り出すんだというロジックであるはずなので、その懸念点も含めて示していただきたいと思います。 29 ◯知事(三反園 訓君)先ほどの答弁どおりでありまして、全国トップクラスを目指すということでありまして、再生可能エネルギー推進委員会のほうでもそういった指示も出しております。具体的なものが出てくると御理解いただければと思っております。 30 ◯土木部長(渡邊 茂君)ただいま、県の立場という御質問をいただきました。  先ほど申し上げましたとおり、県といたしましては、土地や施設の大半を港湾管理者である県が所有していることなどから、本港区エリアのまちづくりにつきましては、グランドデザインを県のほうで描くということにしております。さはさりながら、都市計画の中では、都道府県は広域的な見地から適切な判断を行うことも必要とされておりますので、その内容につきまして、そういった必要があれば、当然、広域的な調整も出てくることはあろうかと思います。ですので、どちらの立場だけということはないのではないかと考えております。    [下鶴隆央君登壇] 31 ◯下鶴隆央君 るる答弁いただきました。  まず、新たな県政ビジョンについてでありますが、ビジョンそのものではなく、個別分野で目標を設定し、進捗を管理していくという話でありました。であるならば、せっかくビジョンでうたったことが、個別計画に目標も含めて落とし込む際に漏れがないように、そのあたりをしっかりと体制を組んで進捗管理していただきたいと要望いたします。  また、行財政改革推進プロジェクトチームについて、妥当性・必要性・有効性・効率性に基づき、さまざまな国の動向、地方の動向を見据えた検討を行っているということでありますが、ぜひとも、そのときの判断根拠であるとか、判断内容についてはできる限り情報公開していただきたいと思います。  といいますのが、これから、より本県財政をめぐる状況は厳しさを増していく中、例えば何らかの事業を削る、組み替えるというときに、どれだけ今までその事業にかかわっていた方に納得していただけるか、客観的な手法等を示していく必要は大きいと思いますので、ぜひその情報公開についても前向きに検討していただきたいと思います。  指宿スカイライン無料化につきましては、私は単純に疑問なのが、二期区間、今、有料を維持すれば、収入は実質県民の方からいただく通行料三千万円、それに対して無料化すれば、三期区間も含めて国から約一億円入ってくる。こちらのほうがお得なのではないかと単純に思うわけであります。  また、何度も触れましたけれども、多頻度の利用者、回数券を使っていた方からすると、知事に期待したにもかかわらず、実質値上げになっているわけです。それであれば、いつまでにマニフェストを守って無料化しますという道筋をセットで示すのが、県民との約束を最低限、現時点で果たすことではないかと考えます。  鹿児島港本港区エリアのまちづくりにつきましては、ぜひとも、しっかりと基礎自治体である市の意向を踏まえて議論していただきたいと強く要望いたします。  さて、私、冒頭で将棋の話をいたしましたが、将棋の世界には、「棋は対話なり」という言葉があります。つまり、指す手に自分の主張を乗せて、お互いが全力でそれをぶつけ合う。そのことによって、見る人が感動する名勝負、名局というのができ上がってくるわけです。  本日、私なりに思いを十分に指し手に込めて三反園知事にぶつけてきたわけでありますが、果たしてこれが見るにたえる名局となったかどうかは非常に残念なところでございます。私ももっと精進して、次の機会には、もっと県民の方にわかりやすく、そして充実した議論が展開できますよう努力し続けることをお誓い申し上げ、一般質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 32 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、堀口文治君に発言を許可いたします。    [堀口文治君登壇](拍手) 33 ◯堀口文治君 ただいま柴立議長より発言の許可を得ました、自由民主党県議団出水市区の堀口文治でございます。  地域の皆様の現場の声を県政に届けるとしまして七年間、代表質問を含めまして十四回目の質問でございます。  前回、代表質問の折、地元の方々がたくさん議会傍聴に来ていただき、済みません、きょうは家内一人来ております。皆様方に感想をお聞きしますと、町議会も市議会も傍聴したことがなく、初めて県議会を見て、「勉強になりよかった」と言われる方が多かったです。しかし、怒る方もいらっしゃいました。それは「堀口、ないごて出水のこと、地元のことを質問せんとよ」ということでした。  本日は、地元出水市、県民の皆様が県の仕事を理解していただけるように、知事、関係部長の答弁を期待しております。  先月十一月十二日、西回り自動車道出水─阿久根間が開通しました。地元の方々も「生きちょっうちに出水で高速道路を走っとは思うてもおらんかった」というようなことを言われております。長年の夢が現実となって大変喜んでいらっしゃいます。また、地元の中小企業も自社の増設や、マルマエのように本社をNEC跡地に移されるなど、地域の活性、経済の活性化に動きが出てきております。  ここに至るまで、国、県、それぞれの地域の関係者の皆様方を初め、市民の皆様方、国会議員、県議会議員、市町議会議員の諸氏、先輩議員の皆様方の地道な縁の下のおかげをもちまして今があると思い、心から感謝申し上げる次第でございます。  これからは、西回り自動車道の早期全線開通に向け、私も地道に取り組んでまいりたいと思います。  また、この西回り自動車道出水阿久根道路は、ツルに関する調査として平成十二年から十三年にかけて、模型を設置しまして環境保全措置の影響調査をしております。工事期間中は低騒音型・低振動型の建設機械を使用しまして、工事完了時にはツルへの目隠し板の設置もしていただき、環境保全を図られております。ツルに始まりツルに終わった、環境に優しい道路であると思っております。  鶴の恩返しを期待するつもりはありませんが、本年度も既に万羽鶴となっております。多くの観光客が来ていただくことを期待しつつ、万羽鶴が何事もなく出水で冬を過ごし、元気で北帰行することをただただ願うだけであります。  県におかれましては、昨年同様の防疫体制・対策をよろしくお願い申し上げます。  それでは、通告に基づきまして質問に入ります。  き久議員の代表質問と重複する質問がありますが、御容赦いただきたいと思います。  まず初めに、地域医療構想の推進についてお伺いいたします。  二〇一七年版厚生労働白書に、これからは全世代型の社会保障への転換が必要であり、今後は、世代や世帯の状況に応じ、きめ細かな政策を考えていくべきであるとされております。急速な少子高齢化が進む中、平成三十七年にはいわゆる団塊の世代が全て七十五歳となる超高齢社会を迎えることから、持続可能な社会保障制度の確立を図るため、受益と負担の均衡がとれた医療サービスの提供体制、介護保険制度及び難病対策に係る関連三法や医療保険制度改革関連法、また、地域包括ケアシステムの強化に係る関連法も成立しております。  県においては、平成二十八年十一月に鹿児島県地域医療構想を策定されたところであります。  そこで伺います。  構想の策定後一年経過しておりますが、地域医療構想の実現に向けての取り組み状況をお示しください。  さらに、県は、構想区域として九つの二次医療圏を設定されております。その中の出水医療圏は、平成三十七年の総人口減少率は県内の医療圏で三番目に高く、また、高齢夫婦世帯と高齢単身世帯が全世帯に占める割合は、県内で四番目に高い地域となっております。  出水医療圏には、出水総合医療センターと出水郡医師会広域医療センターの二百床規模、同レベルの中核病院が併存しております。  そのうち、出水総合医療センターにおいては、経営が苦しく、国の臨床研修医制度が導入されました二〇〇四年度以降、センターの常勤医は減り続け、慢性的な赤字体質に陥り、二〇〇九年度からは、運転資金不足を補うため、市一般会計から毎年数億円を借り入れている状況であります。  県におきましては、地域医療構想の策定後、医療機関等との協議の場として、出水医療圏など構想区域ごとに地域医療構想調整会議を設置されたところであります。  そこで伺います。  出水医療圏における地域医療構想調整会議ではどのような調整をされているのか。また、構想実現への課題をお示しください。  続きまして、国民健康保険の新制度についてお伺いいたします。  さきの衆議院議員選挙において、人生百歳という言葉を多く耳にしました。  現在、我が国の医療保険制度は、誰もが安心して医療を受けられる国民皆保険制度が実現され、世界最高レベルの平均寿命や保健医療水準に達しています。しかしながら、国民健康保険については、被用者保険と比べて、年齢構成が高く医療費水準が高い、低所得者が多く保険料負担が重いなどの構造的な問題を抱えており、市町村においては、一般会計からの多額の繰り入れを余儀なくされるなど、保険財政は恒常的に厳しい状況となっております。  このような中、持続可能な医療保険制度を構築するため、国民健康保険への財政支援の拡充等により財政基盤を強化した上で、平成三十年度から、都道府県が国保の財政運営の責任主体となり、国保運営に中心的な役割を担う医療保険制度改革関連法が成立したところであります。  そこで、県は、鹿児島県国民健康保険運営協議会をことし三月に設置するとともに、第一回目の協議会を開催し、小林副知事より、「新しい国保制度におきましては、保険者事務を県と市町村が一緒になって実施しなければならないとなっており、そのためには、県が県内の統一的な国保の運営方針を定めることとなっている」旨の話がありました。  また、九月四日の第二回目の協議会では、新しい制度におきまして、県が定めることとされております国保運営方針について、新たな財政運営の仕組みとなる、県が市町村から徴収する納付金や、県が市町村ごとに示す標準保険料率の算定方法のほか、市町村の保険税収納対策、医療費適正化の取り組みなどについて盛り込まれ作成された鹿児島県国民健康保険運営方針の案と、国民健康保険事業費納付金等の算定方法の案が示されました。  先月二十日の第三回目の協議会では、県からこの二つの議題について諮問があり、諮問のとおりの内容とされることを適当と認める答申がされたところであります。  そこで伺います。  一点目、今回、県が保険者となる意義は何か、お示しください。  二点目、標準的な保険料の算定方式の中で、当面、保険料水準の統一は行わないとなっていますが、この当面という期間はいつごろまでなのか、お示しください。  三点目、平成二十七年度に法定外の一般会計繰り入れをされているところが三十七市町村ありますが、国保運営方針において、赤字とされている決算補填等を目的とする法定外の一般会計繰り入れを解消する取り組みをお示しください。  四点目、鹿児島県は、県民所得が低い中で医療費だけが高騰していて、平成二十七年度で全国六位ですが、医療費適正化に向けた取り組み強化についてお示しください。また、他の計画との整合性についてもお示しください。  五点目、県が財政運営の責任主体になるということや、県民の方にとってはこれまでどおり各市町村が窓口であるということなど、被保険者の方々への周知や、県民の方々へどのように伝え、広報していくのかお示しください。  次に、健康かごしま21の推進について伺います。  先ほど、国民健康保険の新制度について質問いたしましたが、国保運営協議会の論議の中に、医療費適正化に向けた取り組み強化として、一、市町村が行う特定健診や特定保健指導など、保健事業の推進にも県がかかわる必要がある。二点目、被保険者の健康意識を向上するため、若いとき、子供のときから健康意識を高め、検診結果をもとにして自分の健康を自分で管理する時代─時期─である。三点目、医療費適正化に向けては、健康増進を推進することであり、県では、いろいろな計画、プランが分野ごとにあり、健康増進の視点ということであれば、子供のころからを含めた健康かごしま21とか、高齢化社会のことも考えると鹿児島すこやか長寿プランなどの計画との連携が必要であるなど、論議されております。  県においては、急速な高齢化の進展や生活習慣の変化により生活習慣病の増加が懸念されることから、県民の健康づくりを推進するために、平成十三年に健康かごしま21を策定し、平成十九年度に計画改定の上、平成二十四年度まで推進され、同計画の目標値の達成状況や、平成二十三年度に実施した県民の健康状況実態調査、国の健康日本21─第二次─で示された方針等を踏まえ、平成二十五年三月に、心豊かに生涯を送れる健康長寿県の創造を目指す新たな健康増進計画、健康かごしま21─平成二十五年度~平成三十四年度─を策定されたところであります。  そこで伺います。  一点目、平成二十年度から二十四年度までの計画における目標値の達成状況をお示しください。  二点目、現計画─平成二十五年度~平成三十四年度─の目標値について、現時点での達成状況をお示しください。  現計画では、全体目標として、健康寿命の延伸と生活の質─QOL─の向上を掲げ、脳卒中、がん、ロコモティブシンドローム、認知症の予防、休養・心の健康づくりの推進の五つの重要目標や、分野別施策を通じて、生活習慣病の発症、重症化の予防等を推進することとされています。  そこで伺います。  健康寿命の延伸に向けた総合的な生活習慣病対策についてお示しください。  以上、一回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 34 ◯知事(三反園 訓君)健康寿命の延伸に向けた総合的な生活習慣病対策についてであります。  健康寿命を延ばすことは、県の重要施策の一つであります。健康で生き生き、長生きできるようにさまざまな政策に取り組んでいるところでございます。  健康かごしま21に基づきまして、脳血管疾患、糖尿病、腎不全などの生活習慣等に起因する疾患を予防するために、市町村、学校、医師会、栄養士会等の関係団体、事業所などと連携を図りながら、県民の主体的な健康づくりの支援に取り組んでいるところであります。  具体的には、市町村における乳幼児健診の実施、学校教育における児童生徒に対する健康の保持・増進と疾病の予防等の指導、特定健康診査、がん検診など各種検診の受診や、かかりつけ医受診による定期的な健康管理の勧奨など、生涯を通じた切れ目のない支援に努めているところであります。  また、食生活の改善、運動の習慣化等の普及啓発、職場ぐるみで健康づくりを実践している事業所の登録拡大等にも取り組んでいるところでございます。  引き続き、地域・職域・学域の関係機関と連携を図りながら、健康かごしま21に掲げる、心豊かに生涯を送れる健康長寿先進県を目指しまして、各種施策を着実に推進してまいります。 35 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)地域医療構想についてのお尋ねのうち、まず、その推進についてであります。  地域医療構想については、地域の医療提供体制の将来のあるべき姿を示すものとして、関係団体等の意見を踏まえて昨年十一月に策定したところであり、その中で、平成三十七年の病床の必要量を県全体で一万九千九百四十四床と推計したところであります。  地域医療構想の実現に向けて、構想区域ごとに医療関係者等で構成する地域医療構想調整会議を設置し、地域における医療機関の役割分担の明確化と将来の方向性の共有について、協議を行っているところであります。  また、地域医療介護総合確保基金を活用し、病床機能の転換等に取り組む医療機関に対する支援を初め、在宅医療の推進、医療従事者の確保等にも取り組んでいるところであります。
     出水保健医療圏における地域医療構想調整会議についてであります。  出水保健医療圏を含む北薩地域保健医療圏地域医療構想調整会議は、これまで二回開催されたところであります。同会議においては、地域の医療需要に対応するためには、圏域内に二つある中核病院の病床機能の役割分担が必要、地域の医療資源の活用に関して住民の理解が必要といった意見があったところであります。  今後は、地域の医療提供体制について関係者で認識を共有するとともに、病床機能ごと、疾患ごとに設置する専門部会において、病床機能の分化・連携等についての協議を行うこととしております。  国保制度改革についてのお尋ねのうち、県が保険者となる意義についてであります。  今回の国保制度改革においては、平成三十年度から、県が市町村とともに国保の運営を行い、その上で国保の財政運営の責任主体となり、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等、国保運営について中心的な役割を担うこととされたものであります。  これにより、高額医療費の発生などの多様なリスクが県全体で分散され、急激な保険税上昇が起きにくくなる。県が保険給付に必要な費用を全額市町村に交付することにより、予期しない医療費の増加等があった場合においても保険給付費の確実な支払いが確保される。県が統一的な運営方針を定めることなどにより、事務の効率化や広域化が推進されるといったことが期待されております。  この改革により、国保運営の安定化が図られ、ひいては国民皆保険の堅持に資するものとされております。  保険料水準の統一の時期についてであります。  保険料水準については、市町村との協議を踏まえて作成した国保運営方針において、平成三十年度から統一した場合、保険料負担の急変を招くなどの可能性があることから、当面、統一は行わないこととしているところであります。  保険料水準の統一については、引き続き市町村と協議を行っていくこととしておりますが、医療費水準や保険料収納率等の格差が縮小し、統一に向けた環境整備が図られる必要があると考えておりまして、現時点で特定の年度を想定しているものではございません。  赤字解消の取り組みについてであります。  国保財政については、国保運営方針において、その安定的な運営を図る観点から、原則として、必要な支出を保険税や国庫負担金などにより賄うことにより、国保特別会計において収支が均衡していることが重要であるとした上で、決算補填等を目的とする法定外一般会計繰り入れ等については、解消・削減すべき赤字と定義し、計画的・段階的に解消を図っていくとしております。  決算の結果、赤字が発生し、その解消や削減が見込まれない市町村については、計画的・段階的な保険税率の引き上げ等も含めた取り組みに係る健全化計画を策定し、目標年次等を定め、赤字解消に向けた具体的取り組みを計画的に進めるとしております。  県といたしましても、健全化計画が実効性のあるものとなりますよう、随時技術的助言を行う考えであります。  医療費適正化の取り組み強化についてであります。  国保の医療費適正化については、これまでも、全ての市町村において、特定健診・特定保健指導の実施率向上、後発医薬品の使用促進などに取り組んでおり、県としても、これらの取り組みに対する助言・指導のほか、特別調整交付金による財政的な支援を行ってきたところであります。  平成三十年度からは、市町村と連携を図りながら、これまでの取り組みをさらに強化するとともに、医療費適正化の取り組み状況などに応じて交付金が交付される国の保険者努力支援制度の活用等により、糖尿病重症化予防や重複服薬対策などについても積極的な取り組みを行ってまいりたいと考えております。  県は、広域的な保険者として、医療費適正化計画や健康かごしま21などに基づく各般の施策とも整合を図りつつ、市町村などとも連携し、医療費の適正化に努めてまいります。  国保新制度に係る周知・広報についてであります。  今回の国保制度改革により、平成三十年度から、国保の財政運営の責任主体は県が担うこととされたところでありますが、市町村においては、地域住民と身近な関係の中、引き続き、資格管理、保険料率の決定、賦課・徴収、保健事業など、地域におけるきめ細かい事業を担うとされており、これらの制度改革の内容について、県民の方々への丁寧な広報が求められているところであります。  県においては、現在、ホームページを活用し、平成三十年度からの県及び市町村のそれぞれの役割等について広報を行っているところであり、今後さらに、広報誌や関係団体の広報媒体などを活用するとともに、市町村と連携を図りながら、県民の方々に対する周知に努めてまいります。  健康かごしま21についてお尋ねがありました。  まず、前計画の目標値の達成状況についてであります。  平成二十年度から二十四年度を計画期間とした健康かごしま21においては、食生活、運動、休養等の生活習慣、がん、糖尿病などの疾病に関する九つの領域において、再掲を除く百六十三の目標値を設定し、関係団体とともに県民の健康づくりの支援等に取り組んできたところであります。目標値の達成状況については、約二割が達成、約四割が改善傾向を示したものの、約三割が悪化したところであります。  領域別で見ると、休養・心の健康づくり、歯の健康、がんなどの領域は達成・改善傾向にあるものが多く、睡眠による休養、中学生の歯肉炎の状況、七十五歳未満男性のがんによる年齢調整死亡率などは、目標を達成したところであります。その一方で、身体活動・運動、糖尿病などの領域では、運動習慣のある者や女性の日常歩数の減少、糖尿病患者の増加など、悪化した指標が多くなったところであります。  現行の健康かごしま21の目標値の達成状況についてであります。  現行の健康かごしま21においては、全体目標、五つの重要目標、五つの分野別施策において、合計百四の目標値を設定しております。  現在、県民の栄養摂取状況や生活習慣、身体状況等の実態調査を実施しているところであり、その調査結果等を踏まえ、来年度に中間評価を行い、目標値の達成状況も含めた検証を行うこととしております。  現時点においては、七十五歳未満の脳卒中による年齢調整死亡率や、特定健康診査の実施率などは改善されておりますものの、人口十万人当たりの糖尿病による新規透析導入患者数など、策定時よりも悪化している指標もあるところであります。 36 ◯堀口文治君 自席より再質問させていただきたいと思いますが、県が国保運営に中心的な役割を担うことに市町村が期待するのは、財政基盤の強化、つまり財政支援であると思います。そこで、財政支援の拡充の内容についてお示しください。  また、平成二十七年度は法定外の繰り入れをしている市町村が三十七あったわけでございますけれども、平成二十八年度決算では何カ所の市町村があったのか、わかっていたらお答えいただきたいと思います。 37 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)現在の国保制度では、それぞれの市町村が保険者の役割を果たしているところでございますが、県におきましても、これまで、保険給付費の九%相当額を調整交付金として支出しております。  また、高額医療費が発生した場合による影響緩和のための共同事業でございますとか、低所得者数に応じて支援する保険者支援制度についても、一定の割合を負担しているところであります。  県といたしましては、平成三十年度以降においても同様の対応をとってまいりたいと考えております。  それと、法定外一般会計繰り入れを行っている市町村ということでございますが、平成二十八年度の市町村別国保特別会計決算の速報値が出ておりますが、三十八市町村が法定外一般会計繰り入れを行っており、繰り入れの合計額は約六十三億円となっております。    [堀口文治君登壇] 38 ◯堀口文治君 それぞれ御答弁いただきました。  地域医療構想の目標年次が平成三十七年、二〇二五年ということであります。今のままでは医療格差はさらに進むと思っております。都市部、つまり鹿児島医療圏へ医療の資源がますます集中するのではないかと思っております。地域医療構想の実現に向けて、構想区域ごとにある地域医療構想調整会議において、県内それぞれの地域医療を守るために、効率的な医療提供体制を構築されるよう強く要望いたします。  国保新制度につきましては、基本的には財政健全化を図らないといけないので、これまでと同じように法定外繰り入れが繰り返されるのでは、制度を変える意味がないと思っております。医療費適正化に向けても、できることを確実に取り組んでいくことが必要であると思います。  県民の皆様は、まだ標準保険料率の趣旨や、最終的に市町村が税率を決定することを知らないと思います。県民の間に不安感が生じないようにしっかりと周知・広報等していただきたいと要望いたします。  続きまして、質問に入ります。  皆様お待たせいたしました。またまた私の夢を語りたいと思いますので御清聴いただきたいと思います。  まず、島原・天草・長島架橋構想の推進についてお伺いいたします。  島原・天草・長島架橋構想は、九州縦貫自動車道、九州横断自動車道、東九州自動車道、西九州自動車道などの九州を大きく一周する高速交通体系とあわせまして、いわゆる丸に十の字型の交通ネットワークを形づくるものであります。同架橋構想は、有明海・八代海沿岸地域を環状に結ぶ広域交通網を整備することにより、九州新幹線、空港、港湾などと一体となって、中国、韓国を初めとする東アジアをにらんだ国際的な交通基盤を形成するほか、大規模災害時における緊急避難路や復旧・復興支援物資などを輸送する代替路になる命の道としての機能も有するなど、災害に強い多軸型国土の形成や、九州の一体的な浮揚を図るために必要不可欠なプロジェクトであります。  このことは、平成二十八年四月に発生しました熊本地震の影響により、九州自動車道を初めとする九州内の交通ネットワークが寸断されたことを受けまして、多重化の役割を果たす新たな縦軸として、本架橋構想の重要性が再認識されたところであります。  本構想については、平成二十七年八月に閣議決定された国土形成計画─全国計画─においても、「海峡部等を連絡するプロジェクトについては、長期的視点から取り組む」と記述され、また、同計画を受け、平成二十八年三月に国土交通大臣により決定された九州圏広域地方計画においても、「長崎、熊本、鹿児島の三県にまたがる九州西岸地域における多様なネットワークの形成による交流・連携機能の強化を図る」と記述されております。  これまで、関係三県等においては、構想推進講演会の開催や、関係地域の小学生が参加するサッカー大会の開催など、地域間の積極的な交流を推進し、機運の醸成を図っているところでもあります。  また、国、関係三県等により、さまざまな調査が実施され、多くの基礎的データが蓄積されつつあります。国においても、鹿児島県長島町及び長崎県南島原市口之津町における地震観測調査や船舶航行実態調査等のほか、具体的な事業化を見据えた調査が進められてきたところであります。  三反園知事は、平成二十九年第一回の定例会において、島原・天草・長島架橋構想の推進に向けた取り組み等について、「九州の一体的な浮揚を図る上でも、次の時代の重要なプロジェクトであると考え、住民の機運醸成に努めるとともに、自然条件等の基礎調査を継続して実施します」と答弁されております。  そこで伺います。  一点目、次の時代の重要なプロジェクトであるからこそ、自然条件等の基礎調査を終えまして、本構想の実現のため、本格調査を県独自で再開することができないか、知事のお考えをお示しください。  二点目、島原天草長島連絡道路の具体化に向けた検討の実施について、現在の県の取り組みをお示しください。  続きまして、北薩横断道路の整備についてお伺いいたします。  鹿児島空港と北薩地域を結ぶ北薩横断道路は、延長約七十キロメートルの地域高規格道路であります。これまで、県において整備が進められてきたところであり、北薩空港道路、紫尾道路の一部、薩摩道路が順次供用されてきており、その供用延長は十四キロメートルとなっております。  本年十一月二十八日に、泊野道路─きららインターチェンジから中屋敷インターチェンジ間─六・九キロメートルが、平成三十年三月二十五日に開通するとの発表がありました。さらに、広瀬道路も着実に整備が進んでいると聞いております。これも県当局の格別な御尽力のたまものと衷心より感謝申し上げます。  しかしながら、全線供用にはほど遠い状況であることから、高速交通ネットワーク構築のためには、平成二十八年四月に事業化されました阿久根高尾野道路の整備に特に期待を寄せているところであります。  そこで伺います。  阿久根高尾野道路については、自動車専用道路でない一般道路として整備を行うと聞いておりますが、どのような構造となるのか、検討状況をお示しください。  二点目、長年の地域─さつま町と高尾野町─の夢でありました泊野道路のうち、北薩トンネルを含むきららインターから中屋敷インター間が来年三月に開通することになりますが、開通に伴う北薩地域における整備効果についてお示しください。  次に、県道荒崎田代線について伺います。  出水地域の道路整備につきましては、各箇所で進められてきているところでありますけれども、新たな整備要望の声も数多く寄せられており、道路整備に対する地元の期待は非常に大きい声があります。県の厳しい財政状況の中、なかなか新規事業化は難しいかと思われますが、可能性についてお伺いいたします。  県道荒崎田代線のバイパスについて伺います。  同路線は、出水市荒崎地区を起点に同市野田町市街地を縦断し、阿久根市田代地区を結ぶ道路であります。しかしながら、野田町市街地部は、本路線の沿線には武家屋敷などの伝統的町並み、文化財、景観形成重点区域、小学校や幼稚園の文教施設などがありますことから、拡幅が困難な状況となっています。現在の交通状況は、この市街地を避けて、市街地部北側の田んぼの中の市道を迂回している状況にあります。  一方、十一月十二日に西回り自動車道出水阿久根道路十四・九キロメートルが全線開通し、供用しましたことにより、野田インターチェンジがツルの渡来地へ向かう最も近いインターチェンジとなり、観光客等の利用がふえてきております。交通量が増加し、安全な通行に支障を来すのではないかと危惧する地元の声があります。  このような状況を考えますと、幅員が狭隘で拡幅が困難な市街地部を迂回するバイパス道路の整備が必要だと考えますが、県の見解をお伺いいたします。  次に、県道湯出大口線であります。  本路線は、熊本県水俣市を起点に出水市の上場地区を横断し、出水市を結ぶ路線であります。  出水市の上場地区は、約千頭以上の牛などが飼育される畜産業が盛んな地域であるとともに、畜産業等を生かした民泊等に力を入れるなど、地域の活性化に取り組んでいる地域であります。  地区外からの飼料や家畜等の搬入・搬出に大型車両が頻繁に集落内を通行し、また、春の菜の花や秋のコスモスの開花時期には、おのおの三万人規模の観光客が車で同地区を訪れています。  しかしながら、幅員が狭いことから車両の離合が困難であり、大型車の安全な交通確保や観光シーズンの交通混雑の解消などの観点から、地区住民も含め、整備を強く望んでいます。上場地区の産業と地域の活性化を促進するためにも、早期の整備が必要であると考えます。  本年第一回の定例会において、「上場小学校付近の六百五十メートル区間について、整備に着手する」と答弁いただいております。  そこで伺います。  県道湯出大口線の上場工区について、現在の整備状況や今後の見通しについてお示しください。  次に、私が県議になる前からの事業であります、県道荒崎黒之浜港線の整備について伺います。  県道荒崎黒之浜港線は、阿久根市脇本地区と出水市高尾野町江内地区を結ぶ路線で、山間部と海岸線に挟まれた道路でありまして、沿線住民の唯一の道路となっております。沿線には集落や畑地が点在し、東シナ海が望める風光明媚な道路であり、日々の買い物、通勤・通学や通院、さらには救急患者等の緊急輸送などを担う、地元住民にとっては命の道と言っても過言ではない重要な路線であります。  これまで、県において整備が進められてきており、大分走りやすくなってはきておりますが、未改良区間では幅員が狭隘でカーブがきつい区間が残されておりまして、地元の方々も早期整備を切望しております。  第一回定例会において、「ゼロ県債を活用して、工事を発注したところであり、できる限り早い時期に供用したい」という答弁をいただいております。  そこで伺います。  県道荒崎黒之浜港線の現在の整備状況や今後の見通しについてお示しください。  最後に、肥薩おれんじ鉄道の経営安定化について伺います。  十一月十六日、肥薩おれんじ鉄道活性化議員連盟の皆様方と沿線三市議会議員の連盟の皆様方ともども、国土交通省に要望活動いたしております。  九州新幹線鹿児島ルートの開業と同時に分離独立した肥薩おれんじ鉄道は、旧鹿児島本線の八代から川内間百十六・九キロメートルであり、他県の並行在来線と異なり県庁所在地から遠く、人口密度の極めて希薄な地域のみを運行していることから、創業以来厳しい経営を強いられております。  しかし、肥薩おれんじ鉄道は、地域住民の日常生活に欠かせないこと、そして、阿久根から米ノ津間の六つの高校の通学生の基幹的交通手段であり、全国的なJR貨物の物流ネットワークの一部を形成する重要な鉄道でもあります。  平成二十三年度、国の貨物調整金制度の拡充により、JR貨物からの線路使用料が大幅に増額いたしましたことは、累積赤字の圧縮につながり、同鉄道の安定経営に向け前進したものと受けとめております。  また、平成二十五年に運行を開始しました観光列車おれんじ食堂や、さまざまなイベントなどで目的に合わせて自由に利用できるおれんじカフェの導入や、おれんじ鉄道感謝デーの実施などで、定期外利用者も少しずつ増加しているところです。  また、平成二十六年度からは、県内市町村の協力も得て構築されました新たなスキームによる支援も始まり、営業赤字の削減を図るため県を挙げた取り組みが進められており、沿線市民だけでなく県民全てでマイレール意識が高まりつつあると感じております。  しかしながら、沿線地域の人口減少に伴う運賃収入の減少や、老朽化した施設設備の更新等による多額の整備費、プロパー社員採用による人件費の増加等が見込まれますことから、累積赤字の増大は避けられない状況にあります。  しかし、今後、肥薩おれんじ鉄道は、地方創生に欠かせない鉄道であり、地域住民の生活路線として、またJR貨物の物流ネットワークの一部として、さらに地域の貴重な観光資源として、同鉄道の維持存続を図るためのさらなる経営改善に向けた取り組みを進めていくことが重要であると思います。  そこで伺います。  肥薩おれんじ鉄道株式会社は、平成二十九年六月に中期経営計画─平成二十九年度~平成三十三年度─を策定されておりますが、その目標と取り組み内容についてお示しください。  二点目、肥薩おれんじ鉄道など、地域鉄道事業者の老朽化した施設の更新等に対する国庫補助制度についてお示しください。  三点目、整備新幹線開業に伴い、JRから経営が分離された並行在来線を引き継いだ鉄道事業者で構成される協議会が設立されたと聞きますが、その設立の趣旨についてお示しください。  以上、二回目の質問といたします。 39 ◯土木部長(渡邊 茂君)まず、島原・天草・長島架橋構想の推進についてであります。  本架橋構想は、九州新幹線等と一体となった九州西岸軸の交通体系の形成、大規模災害時における代替道路や避難道路としての機能の構築による災害に強い国づくり、東アジアとの交流・物流等に対応するための交通基盤の形成等の観点から、九州の一体的浮揚を図る上でも、次の時代の重要なプロジェクトであると考えており、本架橋構想の実現のためには、国による具体的な事業化を見据えた調査が必要であると考えております。  島原天草長島連絡道路につきましては、平成六年に地域高規格道路の候補路線に指定されております。鹿児島、熊本、長崎の三県共同で平成八年度から風や地震等の調査を行っており、引き続き、橋梁設計に必要な基礎データを蓄積していくこととしております。  本道路を実現するためには、国による具体化に向けた検討が必要であることから、県開発促進協議会等を通じて、引き続き国に対して要望してまいります。  続きまして、北薩横断道路の整備状況についてであります。  北薩横断道路のうち、阿久根高尾野道路約九キロメートルは、交差する道路の交通量が比較的少ないことから、自動車専用道路ではなく平面交差を基本とする一般道路として検討を進めているところです。  本道路のうち、国道三号側の平地部約〇・六キロメートルにつきましては、現在の交差点を有する市道を利用することとなりますが、高尾野インター側の山地部約八・四キロメートルにつきましては、交差する主要な道路が二カ所程度と少ないことから、一定の走行性が確保されるものと考えております。
     現在、経済性、走行性、安全性の観点から、主要な道路との交差を平面にするか立体にするかなど道路構造を詳細に検討しており、できるだけ早い時期に用地買収に着手できるよう努めてまいります。  北薩横断道路の泊野道路につきましては、来年三月二十五日に、北薩トンネルを含むきららインターから中屋敷インター間六・九キロメートルを供用開始することとしております。  現道の国道五百四号は、幅員が狭小で急カーブが連続する紫尾山の峠越えが必要でありましたが、今回の開通により、延長で約二・七キロメートル、時間にして約十二分短縮され、走行性の向上が図られます。さらに、冬期の路面凍結などによる通行規制も解消されることから、安全で快適な道路交通が確保されることとなります。  また、さつま町の生産量世界一のスパークプラグや長島町の生産量日本一の養殖ブリなど、工業製品や農水産物などの輸送時間の短縮による物流の効率化が図られます。  これらのストック効果が、今後の北薩地域の振興に大きく寄与するものと考えております。  続きまして、県道荒崎田代線のバイパス整備についてであります。  県道荒崎田代線は、出水市荒崎地区から野田町市街地を経由し、阿久根市田代地区に至る延長約十キロメートルの道路であり、国道五百四号から広域農道までの野田町市街地部約一キロメートル区間が未改良となっております。  周辺において南九州西回り自動車道や北薩横断道路の整備が進められており、先月には出水阿久根道路の全線供用、さらには来年三月以降順次、泊野道路が供用されることなどから、この地域の交通状況の変化が予想されます。  当該区間のバイパス整備につきましては、これらの状況変化等を踏まえて、今後検討してまいります。  続きまして、県道湯出大口線の整備についてであります。  県道湯出大口線の上場工区につきましては、通学路でありながら歩道もなく幅員狭小となっている上場小学校付近の六百五十メートル区間において、本年度から事業着手したところであります。現在、測量設計を進めており、地元住民や地権者を対象とした地元説明会を今月、開催する予定であります。  今後とも、地元の方々の御協力をいただきながら、早期整備に努めてまいります。  続きまして、県道荒崎黒之浜港線の整備状況についてであります。  県道荒崎黒之浜港線につきましては、交通の隘路区間となっている出水市高尾野町西辺田地区の約一・三キロメートルにおいて整備を進めており、これまで、阿久根市側の約一キロメートル区間の整備を終えたところであります。現在、これに続く約百メートルのバイパス区間において整備を進めており、本年度中の供用を予定しております。  本路線は、沿線集落にとって唯一の生活道路であることから、残る区間につきましても、引き続き、地元の方々の御理解、御協力をいただきながら、整備を進めてまいります。 40 ◯企画部長(東條広光君)肥薩おれんじ鉄道の経営安定対策等についてお尋ねがございました。  肥薩おれんじ鉄道は、ことし六月に策定した中期経営計画において、安全運行の確保、収支の改善、地域との連携強化の三つの目標を掲げ、老朽化が著しい線路設備、トンネル、橋梁等の施設の計画的な更新と修繕を行うこととしておりますほか、ダイヤの見直しやインバウンド対応の強化、運賃改定の検討などに取り組むこととしております。  あわせて、地域のイベントに合わせた臨時列車の運行や観光地と連携したグッズ等の企画・販売など、地域との連携を強化することとしております。  地域鉄道事業者に対する老朽化施設の更新等に係る国庫補助制度については、安全な鉄道輸送を確保するため、安全性の向上に資する設備の整備等に必要な経費の三分の一を補助することとされており、同鉄道では、これまで、レールや枕木、トンネル、橋梁等の更新・修繕にこの補助制度を活用しているところであります。  ことし十月に、肥薩おれんじ鉄道を含む八つの並行在来線鉄道事業者により設立された協議会は、経営等に関する会員相互の情報共有や、国、関係機関への要望活動を共同で行うことにより、事業活動の基盤を充実させ、地域の公共交通機関としての使命を果たすことを目的としております。  県としては、同鉄道は、地域住民の日常生活に欠かせない交通手段でありますとともに、貴重な観光資源、基幹物流ルートとして重要な役割を担っておりますことから、引き続き、熊本県や沿線自治体等とも連携し、経営安定化に向けた取り組みを支援してまいりたいと考えております。    [堀口文治君登壇] 41 ◯堀口文治君 それぞれ御答弁いただきました。  三県架橋構想については、知事に答弁いただきたかったところでございます。三県の知事会議において、本年度から五年間とか十年間とか中長期にわたる計画をつくっていただき、構想実現に向けて取り組んでいただきたいと思っていたものですから、知事の答弁が欲しかったところでございます。  鹿児島から総理大臣が出るか、三県架橋が先か、これは総理大臣が出れば三県架橋もすぐさまつくのではないかと、できるのではないかと、私はそう思っております。  三県はもちろんのこと、九州全体にとりましても重要なプロジェクトであると思いますので、夢の実現に向けて粘り強く要望してまいりたいと思います。  北薩横断道路の北薩トンネルの開通につきましては、クマタカの問題、これで二年から三年間、入札の問題、これで一年から二年間、それから出水等の問題、これで三年から四年間、物すごく長い時間かかりました。しかし、開通しましたこと、これまで工事に携わってこられた関係各位に感謝申し上げます。  県道の整備につきましては、私が七年間かけてもまだ工事が完了しておりません。完了するまで要望してまいりたいと思います。  肥薩おれんじ鉄道につきましては、線路を外すぐらいの気持ちを持って、国やJRに支援を要望してまいりたいと思っております。  今議会、知事の支持率が話題になっておりました。私も知事の人柄がうかがえる答弁を期待しておりました。判断は出水市、県民に任せたいと思います。  本年もあと二十四日となりました。平成三十年が県民の皆様にとりまして、いい年でありますことを祈念申し上げ、私の一般質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 42 ◯議長(柴立鉄彦君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午前十一時五十八分休憩       ─────────────        午後 一時 十五分再開 43 ◯議長(柴立鉄彦君)再開いたします。  小園しげよし君に発言を許可いたします。    [小園しげよし君登壇](拍手) 44 ◯小園しげよし君 ここ二、三日の冷え込みで霜の被害等はないものかなと思いながら、この壇上に立たせていただきました。よろしくお願い申し上げたいと思います。  先日の十二月二日、三日は、指宿市で産業まつりが開催されました。和牛販売コーナーにお伺いしましたら、既に二時間半で二日間とも全部の肉が完売されておりまして、これも鹿児島県和牛が総合部門で第一位となった結果なのだと大変喜ぶことでもありました。ありがとうございました。  また、先日は、俳優の六角精児さんが、指宿枕崎線に乗りまして鹿児島から枕崎まで行くというBSの番組を見たんですけれども、途中、本土最南端の西大山駅でおりまして、次の電車が来るまで三時間、歩いて開聞駅まで行く途中で、カンショの収穫をしている農家の方に話しかけましたら、お土産に大きなとれ立ての土のついた芋をもらっておりまして、本当にほのぼのとした、いい風景だなと思っておりました。  以前も、西大山駅のレンタサイクルを借りた二人組の観光客とお会いしたことがあるんですけれども、レンタサイクルのかごの中にレタスがいっぱい入っておりまして、「そのレタスはどげんしたんですか」と聞いたら、道に迷ってしまって、レタスを収穫している農家の方に道を尋ねたら、「ついでにレタスを土産に持って帰れ」と言って、かごいっぱいもらったということでございましたので、私の指宿というのはそういう温かいところかなと思って大変喜んだところでもありました。  今、指宿に来られますと、ソラマメやスナップを収穫しておりますので、ぜひ来られて農家の方に道を尋ねてくださったら、スナップかソラマメをいただけるのではないかなとも思っております。  さて、来年のNHK大河ドラマが「西郷どん」に決まりました。先日、私は、この西南戦争時、西郷軍が田原坂から鹿児島へ帰るまでの熊本の行路を、熊本県球磨郡の友人に案内していただきました。西郷軍は、田原坂から熊本に入りまして、熊本城そしていろんなところを経て、不土野、古川で合戦して、そして江代古屋敷、江代新橋で十日間ほど逗留、この江代新橋というところが案内してくださった方の御実家だったんですが、今は市房ダムの下に沈んでおります。  そして、西郷軍が逗留した江代新橋では、この方のお家に桐野利秋さんが泊まられたそうでして、さっき言いましたように、今は、この住居は市房ダムの湖底に沈んでおります。西郷軍が帰った後の家の壁には、まきのたき物の炭で辞世の句らしきものが壁にいっぱい書かれてあったそうであります。この水上村のこの方の奥様があくまきをよくつくるんだそうですけど、「これはね、西郷軍に昔、御先祖の方が教えてもらったんだよ」と言っておられました。  この山道をずっと案内してもらって、本当にこの道を、こんな遠くのこんな山奥のこんな山深いところを、西郷さんはどういう気持ちで鹿児島を目指して帰っていったのかということを考えましたら、非常に感慨深いものがありました。  西郷南洲先生の教えの中に、「至誠をもって人に接し、赤心をもって事に当たる」という言葉があります。誠実に人には接しなさい。うそ偽りのない、ありのままの心、真心をもって事に当たりなさいという教えであります。  前回、六月定例鹿児島県議会におきまして、六月二十七日、私は一般質問の中で、時間がない中で、BPOと議員の呼び込みの問題を質問いたしました。しかしながら、知事しか答えられない問題を知事は答えられずに、まことにもって不誠実でありました。県民党の問題等につきましても、私はこれは虚偽答弁ではないかなとも思っているところであります。  私も二十三年間、地元の人たちと本当に交わりながら、むしろの上で茶を飲んながら、縁側で茶を飲みながら、いろんな悩みを聞いたりする議員活動をやってまいりましたけれども、このような態度の執行部の答弁は、私の二十三年間の議会活動の中では初めてでありました。私の執行部への信頼をなるべく早く取り戻していただけるように、きょうはお願い申し上げたいと思います。  さて、十二月三日、野田総務大臣が高知県知事を訪ねられたそうであります。高知県の知事さんの、「人件費を削り、基金を積み立て、私たちは投資に振り向けている」という話を聞いたときに、私も胸がぎゅっとするものがございましたけれども、県執行部におかれましても、来年度県予算編成に向けましてその作業を進めておられると聞いておりますが、概算要求では、来年度も地方交付税が減少し、扶助費の増嵩が相変わらず続いておる中での予算編成に大変御苦労が多いのではないかなと思っております。  さて、二〇二五年になりますと、団塊の世代と呼ばれる一九四七年から一九四九年生まれの人たちが七十五歳以上になります。その数ざっと二千百七十九万人、全人口の一八%が後期高齢者、三割が六十五歳以上になる社会が目前に迫っています。その結果、これまで国を支えてきた世代が給付を受ける側に回り、医療・介護の需要が爆発的に高まることが明らかになっております。  厚生労働省が発表している二〇一五年度の国民医療費の概況によれば、医療費全体に占める高齢者の割合は、七十五歳以上で三五・八%、六十五歳以上は五九・三%と膨大になっております。医療費の財源は、保険料、公費、自己負担の三つですけれども、このうち公費の占める割合は約四割に上っています。  一方、国の財政状況はといいますと、二〇一五年度の決算額を見ますと、歳出総額が九八・二兆円なのに対し、一般会計税収は五六・三兆円、公債発行額は三四・九兆円であります。二〇一七年度末の普通国債残高は約八百六十五兆円と見込まれておりまして、国民一人当たりの負担額は約六百八十八万円という計算になっております。膨らみ続ける歳出と減り続ける税収、税収はいろいろと税率を上げたりしているみたいですけれども、いずれにしましても、膨らみ続ける歳出の中で、大きく税収との額が離れていくことが御理解できるのではないかと思っております。  二〇二五年問題は、超高齢化による社会保障費の膨張、経済低迷に起因する税収の不足、さらに、少子化に伴う生産年齢人口の減少という三重苦に見舞われるという点に、事の深刻さがあるとの指摘もありまして、二〇一二年から二〇二五年には医療費は一・五倍に膨張し、医療の質を維持し、医療費を適正化させるということが大きな課題となるようであります。  このような状況の中、県内における扶助費の膨張額をどのように予想しておられますか、お答えいただきたいと思います。  生産年齢人口の減少を現状どう捉え、将来的にはどのようになっていくと予測されますか。  いわゆる二〇二五年になると、医療・介護の需要が爆発的に高まります。県の二〇二五年までの十年間の医療・介護の膨張額はどれぐらいになると予測されますか。  平成二十九年度国家予算においても、歳出は膨らみ続け、税収確保に国は苦労している。今後も県としてのさらなる歳出削減策が必要でありますけれども、中身をお示しいただきたいと思います。  今後、県庁の事務におきましても、IT、ICT、IoTを活用した事務事業や作業の見直しが必要と考えられますけれども、いかがお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。  次に、子供を産み育てる環境についてお伺いいたします。  数年前、秋田県の教育レベルが高いということを聞きまして、文教警察委員会で訪問した高校の校長先生に、私が「秋田県の教育力の高い理由は何ですか」と尋ねましたら、「それは三世代近居生活だ」と言われたことに、当時、唖然としたことを今でも覚えているところであります。  伊藤議員からも、秋田県の話が先日の質問で出たところでありますけれども、後々理解できたのは、人間というのは家族の愛情とかきずながあって初めて、人としての人格形成ができ上がっていくんだなということでありました。そういうことから、県議会の皆さん方といろいろ議論しながら、家庭教育支援条例をみんなでつくらせていただいたところでもございました。まず家族がしっかりしていること、そして地域もしっかりしていることが基本ではないかなと感じております。  神奈川県にある、ひきこもり等の問題解決に当たっている特定非営利活動法人ココロまちの理念を読んでおりますと、「この日本には、一昔前までは、人々がふれあい、助け合い、協力し合う共生社会があちらこちらにありました。しかし、現代社会では、少子高齢化が急速に進み、家族関係が変化し、個々の独立性を尊重するような生き方を選ぶようになり、相手のことを思いやることをおせっかいとするなど、助け合う地域社会は崩壊してしまいました。東日本大震災を見て、日々の地域でのつながりが命を守ることを知りました。世代を超えて復興に力を合わせている姿を見て、性別や年齢、障害の有無に関係なく、相手のことを思いやり、手を取り合い、人のぬくもりを感じられる温かい『共生できるまちづくり』の必要性を強く感じました。今、必要なのは、人のぬくもりが集まり、外に出たくなるような、そして安心して通うことのできる場所を地域の人々と一緒につくることだ」と書かれてありました。  また、男女共同参画が叫ばれる中、男性と女性がその力量をひとしく社会の中で評価していくということに全く異論はありません。しかし、母親として忙しくなり過ぎたのではないか。母親と仕事の両立に悩んでいる女性の相談を私も聞いたことがありますし、そういう方がふえているように感じております。  話を三世代近居生活に戻しますと、お父さん、お母さんが仕事で遅くなるときには、おじいちゃん、おばあちゃんのところでお風呂に入ったり御飯を食べさせてもらう。そのことによって、おじいちゃん、おばあちゃんも生活に張りが出て元気をお孫さんたちからもらう。そういう古くからのなりわいが日本にはあったんだと思っております。  核家族化され、お父さん、お母さんも忙しくなり、子供たちよりも遅く帰ってきて、遅く食事を済ませ、お風呂に入る。十一時過ぎ、寝る時間も遅くなり、生活習慣が乱れて学校に通ってくる。お父さん、お母さんたちも余裕がなくなっている。子供と接する時間や子供と話をする時間もなくなり、その結果、子供の精神状態が不安定になっているのではないかと考えております。  ゼロ歳児保育や延長保育が当たり前のようになってきましたが、その親から受ける愛情にかわり、保育所や幼稚園の先生方に対する重圧というものは相当なものがあると聞いております。子育ての終わったお母さんたちと話していると、三歳までは母親が面倒を見ることが、その後の子供の成長に大きく影響するということをよく聞いております。  社会の仕組みの中で、特に母親と子供とのかかわりが大切なのではないでしょうか。時間的余裕を持って子供たちと接する時間をつくっていかなければ、子供たちの問題はますますふえていくのではないかと思っております。病気にも原因があるように、ひきこもり、不登校、ニート、フリーター、過度ないじめにも原因があるのではないかと思っております。  一、いじめ、不登校、ニート、ひきこもり、フリーターなどの現状をどのように捉えているか。その解決に向けての動き、取り組み、制度等についてお知らせいただきたいと思います。  二、不登校、ひきこもり、ニート、フリーター、いじめなどは、年々抜本的な解決策が見えてこないように見受けられます。その原因をどう捉えているのか。また、県内でのそれぞれの発生件数をお示しいただきたいと思います。  三、核家族化が進み、家庭教育の力が弱くなっているのではないかという指摘があります。三世代近居生活の大切さ、仕組みづくりを進めるべきではないか。  四番目に、地域力や学校の先生方の指導力も低下しているのではないかという指摘も多くあります。教職員の不祥事等を踏まえ、教師不適格な先生方への対応は現在どのようになっているのか、お伺いしたいと思います。    [知事三反園 訓君登壇] 45 ◯知事(三反園 訓君)さらなる歳出削減策についてであります。  本県におきましては、扶助費が増加傾向にあることや公債費が高水準で推移することが見込まれること、また、今後、改修や更新を要する県有施設が増加することが見込まれるところであります。このため、引き続き、歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組む必要があると考えており、ことし四月には行財政改革推進プロジェクトチームを立ち上げ、歳出面では、施策の妥当性、有効性、効率性といった観点からテーマを設定して、それに沿った事務事業見直しを行っているところであります。  中長期的な行財政運営の基本的な考え方や行財政改革の方向性を示した行財政運営戦略に基づきまして、疾病予防・介護予防対策等を通じた医療や介護分野の適正な制度運営、本県独自に発行する県債残高の抑制とそのことによる将来的な公債費負担の軽減、めり張りをつけた社会資本整備、必要性、効率性の観点からの一般政策経費の見直しなどの歳出削減に取り組む必要があると考えており、今後とも、持続可能な行財政構造の構築に向けた取り組みを強力に推し進めてまいりたいと考えております。 46 ◯総務部長(寺田雅一君)扶助費の増加額についてでございます。  平成二十八年度決算における扶助費は千二百十五億九千七百万円となり、平成二十七年度と比較いたしますと三十六億四千百万円の増となっております。これは、子どものための教育・保育給付事業や介護保険制度、後期高齢者医療制度に要する経費の増など、さまざまな事業や制度に要する経費の額が増加したことによるものでございます。  今後の見通しにつきましては、具体的な増減額をお示しすることは難しいと考えておりますが、扶助費につきましては、少子高齢化への対応に要する経費の増加が想定されるところでございます。 47 ◯企画部長(東條広光君)まず、生産年齢人口の減少についてであります。  本県の生産年齢人口は、国勢調査によりますと、平成十七年が約百六万六千人で、総人口に占める割合、人口比で申しますと六〇・八%、平成二十七年が約九十三万人で総人口比は五七・〇%となっており、十年間で約十三万六千人、総人口比は三・八ポイント減少しております。  また、国立社会保障・人口問題研究所によりますと、二〇二五年には八十一万八千人、総人口比五三・八%、二〇四〇年には六十七万四千人、総人口比五一・三%となる見込みであります。  次に、県庁における情報化の取り組みと方向性についてであります。  本県では、高度情報化推進本部会議を設置し、全庁的な情報化の取り組みを推進するとともに、県庁LANなどの整備や各種業務システムの構築等により、業務の効率化、省力化に取り組んできたところであります。  最近では、昨年四月に、モバイル端末で庁内システムを利用する環境を整備し、災害派遣職員の業務報告等に活用できるようにしたところであります。また、本年十一月からのマイナンバー制度の情報連携開始に向けて、システムを整備し、情報の照合・入力などに要する時間や労力の削減を図ったところであります。  県としては、今後とも、情報通信技術の進展等を踏まえ、業務のデジタル化やペーパーレス化など情報化の推進を図ってまいりたいと考えております。 48 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)医療費、介護給付費の予測についてであります。  県民医療費につきましては、平成二十七年度の六千七百五億円に対しまして、国が示した方法により今年度行った推計によりますと、八年後の平成三十五年度の数値でございますが、一・一倍の七千四百九十四億円が見込まれております。  また、介護給付費総額については、平成二十七年度の一千五百十二億円に対し、平成二十六年度に策定した市町村介護保険事業計画において、国が示した方法等により行った推計によりますと、平成三十七年度には一・二倍の一千八百三十三億円が見込まれるところであります。  ひきこもりの現状と取り組み等についてであります。  いわゆるひきこもりについては、内閣府が平成二十七年に、十五歳から三十九歳までの若者を対象に実施した調査に基づく推計によりますと、全国で十七万六千人とされております。  また、国の学術研究によりまとめられたガイドラインによりますと、ひきこもりは、家族関係の問題、病気などさまざまな要因が絡み合って生じるものであり、発達障害や適応障害などの精神障害と関連が深いとされております。  ひきこもりについては、その数を把握することは困難でありますが、内閣府の調査結果を本県に当てはめますと、約二千人ということになります。  県におきましては、ひきこもり地域支援センターを開設し、ひきこもりの相談に対する助言や専門機関の紹介等を行うとともに、精神保健福祉センターにおいて、ひきこもり家族の会を開催し、悩んでいる家族が支え合う場の提供を行っております。また、保健師等による訪問支援、NPO法人への委託による訪問支援や居場所づくりなどにも取り組んでいるところであります。 49 ◯教育長(古川仲二君)いじめの現状と取り組み等についてでございます。  平成二十八年度問題行動・不登校等調査によりますと、本県公立学校のいじめの認知件数は五千九百七十一件となっており、前年度よりやや減少いたしておりますが、引き続き、喫緊の課題であると認識いたしております。いじめの態様では、冷やかしやからかいなどが最も多く、前年度と同じ傾向となっております。  いじめの早期発見や防止等については、いじめ防止対策推進法などに基づく対応のほか、一件でも多く発見し、それらを解消するという基本認識のもと、積極的ないじめの認知と早期対応等を行うよう指導してきており、各学校においては、軽微と思われることも広く認知していると考えております。  いじめの防止等に向けて、本年十月に県の基本方針を改定したところでございまして、改定の趣旨を浸透させるとともに、外部専門家等と連携しつつ、学校全体でいじめの解消に向けた取り組みが進められるよう指導してまいりたいと考えております。
     次に、不登校の現状と取り組み等についてでございます。  不登校の児童生徒数は、平成二十八年度問題行動・不登校等調査によりますと、二千三百七十二人となっておりまして、前年度よりやや減少いたしておりますが、依然として憂慮すべき状況にございます。  不登校の要因は一様ではなく、無気力や不安といった本人に関する要因や、学校における人間関係、家庭に関することなどが複雑に関連しているとされておりまして、個々の児童生徒の実態や心情に寄り添った丁寧な対応が必要であると考えております。  不登校対策として、県教委では、スクールカウンセラーの配置、スクールソーシャルワーカーの活用、かごしま教育ホットライン24の設置などの取り組みを行っているところでございます。また、チーム学校による不登校対策事業として、教職員とスクールカウンセラーが連携し、児童生徒の状況把握や関係機関との協働による対応に努めているところでございます。  今後とも、不登校の児童生徒に対して、より相談しやすい体制の整備など、不登校の解消に向けた取り組みを推進してまいりたいと考えております。  次に、家庭教育支援の取り組みについてでございます。  近年、全国的に三世代世帯の割合が減少傾向にあるなど、世帯構造の変化によって、親が祖父母などの身近な人から子育てを学ぶ機会が減少し、相談・協力できる人が家族にいないなど、親だけで子育てを担わなくてはならなくなっていることや、地域とのつながりの低下など、家庭教育を支える環境が大きく変化してきておりまして、子育て家庭を社会全体で支える必要性が高まってきていると考えております。  このようなことから、県教委では、家庭教育支援条例の趣旨を踏まえ、家庭教育学級研修会や家庭教育に関する活動を調整・推進する人材を養成する家庭教育支援員研修会を実施するとともに、家庭教育に関する広報啓発資料を作成・配布いたしているところでございます。  また、関係機関・団体等と連携し、情報提供や広報活動を行う親子すくすくフェスタを本年十一月に霧島市で実施いたしまして、多くの参加者を得たところでございます。  今後も、学校、家庭、地域、企業等と連携を図りながら、地域全体で家庭教育を支援していく機運を高めてまいりたいと存じます。  次に、教員の指導力や職責感を高める取り組みについてでございます。  県教委におきましては、教員の資質向上について、教育者としての使命感や職責感はもとより、地域社会の構成員としての自覚や、さまざまな課題へ対応する力などの向上に取り組んでいるところでございます。  一方、指導に課題のある教員に対しましては、管理職等による校内研修を行い、十分な改善が図られない場合は、県総合教育センターで指導改善研修を実施するなど、指導力の改善に取り組んでいるところでございます。  また、服務規律の厳正確保を図るため、不祥事根絶委員会の提言をもとに、参加型・体験型研修の実施や、全ての学校における信頼される学校づくりのための委員会の設置など、さまざまな対策を講じてきているところでございます。  今後とも、教員の指導力の向上を図るとともに、全ての教職員に自覚と意識を促す取り組みを継続的に展開し、児童生徒に良好な教育環境を提供できるよう努めてまいりたいと考えております。 50 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)子供を産み育てる環境のうち、ニート、フリーターの現状及び取り組み等についてのお尋ねでございます。  本県のニート、フリーターの現状は、国の就業構造基本調査等によりますと、十五歳から三十四歳の若者のうち、就労も就学もしていない若年無業者、いわゆるニート状態にある若者は、直近の平成二十四年で六千七百人で、その割合は全体の二・一%となっております。また、フリーターは二万三千百人で、その割合は七・一%となっております。  若年無業者等は、その原因、背景が多様であり、その職業的自立に向けては、各人の置かれた状況に応じた個別的な支援を継続的に行う必要がありますことから、国は、地域若者サポートステーションにおきまして、就労意欲のある若年無業者等に対し、一人一人に応じた専門的な相談や訓練、職場体験などを行っております。  また、県におきましても、若者就職サポートセンターにおきまして、キャリアコンサルティングやカウンセリング及び職業相談などを実施しております。  県といたしましては、今後とも、鹿児島労働局や関係機関等と連携し、就労意欲のある若年無業者等に対する支援に努めてまいりたいと考えております。 51 ◯小園しげよし君 三反園知事に一点だけお伺いいたします。  来年度、歳入不足七十八億円ということで報道されましたけれども、大体毎年、扶助費が鹿児島県の場合で概算二、三十億円ぐらいずつふえているのではないかなと思っております。国からの国庫支出金、地方交付税等を含めて、そういうものも毎年毎年減っているわけですよね。  そういう中で、県民の皆様方といろんなお話をしますと、「ドルフィンポートや総合体育館、いろいろ事業がまためじろ押しですよね」と。六十億円から七十億円ぐらいずつ毎年お金が足らなくなっていくような状況がこれから続いていくのではないかなと私は思っているんですが、そういう中で「三反園知事は、どうやって切り盛りしていくんだろうかな」ということをよくお聞きするんですが、知事はそこのところはどう考えておられますか。 52 ◯知事(三反園 訓君)議員御存じのとおり、我が県の財政というのは非常に厳しい状況がずっと続いてきております。これまでも、非常に厳しい中でやりくりをずっとずっとずっとやってきたわけであります。リーマンショック以降、ある程度国のほうから交付金を含めて地方対策費というのは少し上積みされておりました。それがいわゆるリーマンショックから十年ぐらいたって、それがだんだんだんだん使っていってなくなりつつあるわけです。非常に今、現状ではこれまで以上に厳しい財政事情にあることはそのとおりでありまして、こうした中で、どのような形でめり張りのある予算編成をしようかということで、県庁内みんなで今、いろいろと取り組んでいるところでございます。  その中で、行財政改革推進プロジェクトチームを副知事座長のもとで立ち上げまして、これまでやってきた事業の中で、もう必要ではなくなった事業があるのではないか、また逆に言えば、スクラップ・アンド・ビルドという考え方でやっております。スクラップして、これから鹿児島を活性化させるためにはビルドということも必要になってきますので、そこあたりのめり張りをどうやってつけていこうかということで、今、必死に岩切副知事を中心にして県庁で取り組んでおりまして、そういったことを積み上げることによって、あとはネーミングライツもそうですけれども、どうにかして財政を、収入をふやして、税収も少しでもふやして、そして削るものは削って財源を捻出していきたいと、そういうことで今、取り組んでいるところであります。    [小園しげよし君登壇] 53 ◯小園しげよし君 ありがとうございました。  教育長、現場の先生方に、私も知り合いが実はおりまして、いつもいろんな話をするんですが、一つは、学校現場を混乱させるような教師不適格の先生が一人でもおると、どうも学校経営、運営がうまくいっていないという話を聞きます。  二つ目は、管理職の資質にもよりまして、人事ですよね、この先生はちょっと高学年は無理かなとかいろいろあるんだそうですね。ですから、管理職の資質。  それから三つ目は、ぜひこれは、以前も県議会でもそういう提案等あったと思いますが、期限付きの先生の中に、とってもいい、能力を持った先生がいらっしゃるということです。その先生方が学校の現場で一生懸命仕事をすると、試験勉強できんものだから試験がなかなか通らんということでして、ぜひ期限付きの先生方を引き上げていく。そのことによって、学校に携わる先生たちが、自分たちが頑張っただけのことは教育委員会はしっかり見てくれていたと、我々も頑張らにゃいかんといったような機運をぜひつくっていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  観光庁の観光振興策についてお伺いいたします。  去る十一月八日に、第二十五回南九州観光振興会議が宮崎で開催されました。観光庁の国際観光課長伊地知英己氏が講演されまして、そのときの講演の内容の資料等に基づきまして、質問させていただきたいと思っております。  時間がなくなりましたので、まず、観光先進国への課題、三つの視点として、視点一、観光資源の魅力をきわめ、地方創生の礎に。視点二、観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業に。視点三、全ての旅行者が、ストレスなく快適に観光を満喫できる環境にとされております。  以上のことを踏まえて、質問一、県内におけるWi─Fi整備の状況と今後の整備について。  二番目に、多言語表示の少なさ、わかりにくさに対する対応について。  三番目、施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない等の対策について。  四、鹿児島県を訪れる旅行者に対する訪日前と訪日中の情報源の整備状況と今後の整備の見込みについて。  五、観光庁の観光ビジョン実現プログラム二〇一七の主要施策の中に、文化財の観光資源としての開花として、優良観光拠点モデル四地域の重点支援。景観のすぐれた観光資産の保全・活用による観光地の魅力向上として、景観まちづくり刷新モデル地区への重点支援。また次に、国立公園のナショナルパークとしてのブランド化の中で、国立公園満喫プロジェクトで八公園で策定されたステップアッププログラム二〇二〇を実施。滞在型農山漁村の確立・形成の中で、農泊に取り組む地域を二〇二〇年までに五百創出。古民家等の歴史的資源を活用した観光まちづくりの推進を二〇二〇年までに全国二百地域で展開する。いずれも、これらの施策は二〇一七年の主要施策として観光庁でつくられたものであります。  県、市町村において、どのような取り組みがなされようとしているのか、お示しいただきたいと思います。 54 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)観光振興につきまして、まず、Wi─Fi整備の状況と今後の整備についてでございます。  Wi─Fiは、自治体と民間でそれぞれ整備を進めておりまして、主な県有施設では、奄美パークや桜島ビジターセンターなどで整備済みとなっております。また、市町村の観光案内所や道の駅などのほか、一部県も支援し、観光拠点施設などでの整備が進められております。  なお、民間では、宿泊施設、観光施設等を中心に整備が進んでいるところであり、県観光連盟の調査によりますと、宿泊施設では約九割が対応済みとなっております。  Wi─Fi環境は、外国人観光客の誘客のために必要不可欠でありますことから、庁内関係部局や市町村などとも連携し、国の補助事業等の活用も促進しながら、主要な観光施設等におけるWi─Fi環境の整備促進に努めてまいります。  次に、多言語表記の少なさ、わかりにくさに対する対応についてでございます。  県内の外国人観光客は年々増加しておりまして、これに対応するため、主要な観光地や道路における外国語表記の案内標識を、これまで約二千基設置しております。また、多言語表記のわかりやすさに関する対応といたしましては、国や県などの道路管理者から成る会議を定期的に開催し、県内の道路標識表記の統一について協議・調整を行っております。  一方、県観光連盟の調査によりますと、観光施設等における多言語表示対応は約五割にとどまっておりまして、国や一部市町村においては、多言語化等に対する助成を行っております。  県では、これまでも、外国人観光客の受け入れ体制の充実のための各種講習会などを開催してきておりますが、今後とも、こうした取り組みや国の補助制度の情報提供等を通じて、多言語化を促進してまいります。  次に、外国人とのコミュニケーション困難への対応についてでございます。  本県の外国人延べ宿泊者数は、平成二十九年一月から九月までの速報値で既に約五十二万人に達し、前年を上回る状況となっております。こうした状況の中、国のアンケート調査によりますと、外国人観光客が旅行中に困ったこととして、「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれないこと」が最も多く、コミュニケーション力の向上が課題となっております。  県では、これまでも、観光関係者に対する基本的な英会話など、各種講習会の実施に取り組んできているところであり、また、国が開発した無料の多言語音声翻訳アプリの紹介も行っているところであります。  今後とも、講習会やIT技術の活用等を通じて、外国人観光客とのコミュニケーションの円滑化に努めてまいります。  次に、外国人旅行者への情報源の整備状況と今後の整備見込みについてでございます。  訪日前の外国人に対する本県の観光情報の発信につきましては、英語、韓国語及び中国語での外国人向け観光ホームページや本県PR動画、各海外市場でのフェイスブックページ等の開設、旅行博覧会での観光パンフレット等の配布によるPRに努めております。  また、鹿児島滞在中の情報源といたしましては、これらホームページやフェイスブック、観光案内所や宿泊施設等で入手できる外国語パンフレットなどがあります。  なお、外国人向け観光ホームページにつきましては、現在、モデルコースの拡充やスマートフォン対応への改修などを行っており、利便性が向上するものと考えております。  引き続き、ホームページの充実、パワーブロガーの招請や動画配信などにより、豊かな自然や食など世界に誇れる観光資源を多言語で広く情報発信してまいります。  次に、観光ビジョン実現プログラム二〇一七の主要施策についてでございます。  観光ビジョン実現プログラム二〇一七につきましては、国の観光ビジョンに掲げられた目標の達成に向け、国立公園のナショナルパークとしてのブランド化や、古民家等の歴史的資源を活用した観光まちづくりの推進などの施策が掲げられております。  本県におきましても、国立公園満喫プロジェクトの対象公園として選定されました霧島錦江湾国立公園の魅力を最大限に引き出すため、国、県、関係市町等と連携した取り組みなどが進められているところであります。  今後とも、プログラムに掲げられた施策も活用しながら、独自の魅力を有する豊かな自然、個性ある歴史・文化などの観光資源の磨き上げを進めるなど、市町村とも連携して観光振興に取り組んでまいります。 55 ◯小園しげよし君 三反園知事にお伺いいたします。  知事はマニフェストにおきまして、「グリーンツーリズム、ブルーツーリズムによる、農山漁村文化体験型観光の推進に取り組みます」とうたっておりますけど、この観光ビジョン実現プログラム二〇一七の農泊五百地域創出は、鹿児島県は今からだということでございますけれども、二〇一七で今年度の観光庁の事業でありますけれども、このことも含めて。「篤姫」の後、何が残ったかなという話がよくあります。「翔ぶが如く」の後、何が残ったのかなという話があります。来年、「西郷どん」が放映されるわけですが、そういったことも含めて、どういう観光地づくりを目指しているのか、そのことをお伺いしたいと思います。 56 ◯知事(三反園 訓君)議員、今おっしゃったとおり、ツーリズムというのも、柱の一つとして今後とも強化しなきゃいけないと、そう思っております。  今、「篤姫」そして「翔ぶが如く」のお話がございました。来年がNHK大河ドラマ「西郷どん」が放映されるわけでございます。「西郷どん」が放映されるからたくさんの人が来るだろうと、そういう認識では私はおりません。私自身は、県庁のPR・観光戦略部のみんなと必死で今、話し合っておりますけれども、来年、「西郷どん」で来た方々が、最初に来た方々が、鹿児島というのはいいところですよと、もう一回行きたいな、もしくはあそこに行ったらどうですかといろんな方に言ってもらえるような、そういったまちづくりというものができていなければ、その先は多分、来年、再来年にはつながっていかないだろうということがありまして、来年が非常に重要だよねと、そのためにどうすればいいかと、今すぐできることをやっていこうということもありまして、維新ロードというのは一つの柱ではないかなと思っておりますので、今、維新ロードの整備を必死で集中的に行っております。  今はもうARの時代でもありますので、あそこでスマートフォン等を掲げれば、維新のそのときの歴史が全て専用アプリからどんどん出てくるような、そういったものも今、整備しておりますし、まちづくりというものも含めて、桜島を見るところは一番いいのはどこだろうということもあります。ここの県庁の十八階もそうですけれども、桜島を非常によく見ることができます。よく見ることができますので、そこにいわゆる西郷どんも含めて、大久保利通さんもそうですけど、キャラクターと一緒に、西郷さんと一緒に、桜島をきれいにバックにして撮れるスポットもつくったりとかですね、さまざまなところを今、整備しております。  来年が、議員おっしゃるとおり非常に大事だと思っておりますし、また、多言語の話がありましたけれども、鹿児島中央駅におりたときに、じゃ、海外の方々がどこに行けば何が見られるんだろうと、じゃ、そこを見るためにはどうやって行ったらいいのか、そういう掲示板もなかなかないので、そういう掲示板を設置するとともに、またそこには英語だけではなくて、中国語とか韓国語もそうですけれども、たくさんのそういったものがある。  そしてもう一つは、これは来年の話になるかもしれませんけれども、コールセンターというものを活用したらどうかということを今、計画しております。コールセンターの活用によって不便さが少しでもなくなればいいなと、利便性が高まればいいなということも含めて、さまざまなことを今、短期的、中期的に分けて取り組んでいるところであります。また、世界自然遺産登録があります奄美大島というものもありますので、世界自然遺産クルーズも含めて、島々の魅力も演出といいますか、引き出すためにはどうすればいいかということも今、戦略的に考えておりまして、そういったことも含めてパッケージとして戦略的に、来年が非常に重要だと、それを再来年、その先につなげていきたいと思っておりますので、必死で取り組んでまいりたいと思っております。    [小園しげよし君登壇] 57 ◯小園しげよし君 鹿児島県には非常に古い建物がまだ残っております。ただ、その中でよく出てくるのは、「鹿児島銀行が重要文化財に指定されておりながら、あの建物が壊された。もう少しいい形であの建物を活用できなかったのかな」というお話をよく聞きます。まだ県内には築百年、百二、三十年たった建物が、まだ本当に、ああ、これはいい建物だなというのが残っております。ですから、いろんなことを含めて、もう「「篤姫」後、何も残らんかった、何が残ったのけ」と言われないようにぜひ取り組んでいただきたいと思います。  太陽光につきましてお伺いいたします。  再生可能エネルギー導入推進の政策によりまして、太陽光がいろんなところで見受けられるようになりました。霧島市牧園町の開発に関して、前野議員、それから山田議員からも以前、御地元の状況をこの場でいろいろと県の執行部に質問させていただいたと思っております。  森林法、開発行為の許可、第十条の二に基づき許可した場所において発生した県内のトラブル件数、内容、場所について報告していただきたいと思います。  林地開発許可制度におきまして、災害の防止、水害の防止、水の確保、環境の保全が審査の許可基準となりますけれども、許可しても、災害や水害が発生したり、防風や反射光、イノシシなどの鳥獣被害等が報告されております。これだけでは太陽光発電所の設置によるトラブルは解消できないと思いますが、今後どう対応されますか。  三番目に、これまで林地開発の監督処分、法第十条の三に基づく開発行為の中止命令、復旧命令をされた例があるのか示していただきたいと思います。  四、森林法二百六条に基づき、罰則が適用された県内での事例があるのか示していただきたいと思います。  五、防風や反射光、イノシシなどの鳥獣害等はどこで審査されるのか、お伺いしたいと思います。  次に、地熱発電についてお伺いいたします。  地熱発電は、クリーンなエネルギーとして再生可能エネルギーの中で重要視されているものの、温泉や環境への影響などが指摘されまして、宮城県大崎市、福島県磐梯・吾妻・安達太良、群馬県草津温泉、熊本県黒川温泉、岐阜県下呂温泉、札幌市定山渓温泉、長崎県雲仙温泉、阿蘇郡小国町など、多くの地域で反対運動が起きました。特に、温泉を観光の売りにしている地域では、温泉への影響があると懸念されれば即死活問題となるわけですから、そういうことで、霧島市も最近起きたように猛烈な反対運動が起きております。  地熱発電をすることによって温泉への影響は絶対にないとは言い切れず、土の中のことで、どこにどう影響があるかは予測できない。影響があったとしても、その地熱開発との因果関係の立証がなかなかできない。以上のようなことから、さまざまな動きがあると思っております。  県内各地で地熱発電の動きがありますが、県はどのように把握しておられますか。  霧島市、指宿市などの観光地においては、温泉への影響が懸念され、これまでも幾度となく住民、観光業者と地熱開発業者との対立が起きています。県は、これまでどのように対応してこられましたか。  三番目に、現在の温泉法の中で、地熱については県の温泉審議会等で審議されておりますけれども、新たに地熱法なる条例をつくるような、何かそういったガイドラインみたいなものをつくる必要があるのではないかと思っておりますが、いかがでしょうか。  県は、風力発電施設の建設等に関する景観形成ガイドラインをつくっておりますが、太陽光や地熱についてはこのようなガイドラインはないのか。あればどういう内容か、お伺いいたします。 58 ◯環境林務部長(古薗宏明君)太陽光発電施設に関する御質問のうち、まず、林地開発許可地におけるトラブル事例についてであります。  太陽光発電施設に係る林地開発許可地は、過去五年間で七十四カ所ありまして、霧島市の四カ所につきまして、開発行為の期間中に近隣住民等から、施工中の土砂の流出や降雨後の濁水の流出、開発内容に係る事業者の説明不足などの苦情が寄せられました。県では、事業者に対し、施工中の防災対策の徹底や地域住民等への施工内容等の丁寧な説明を指導したところであります。  林地開発許可制度だけでは解消できない課題への対応についてであります。  太陽光発電施設の設置に当たりましては、そもそも林地開発許可を伴わない場合もありますし、また、許可が必要な場合であっても、その審査は、国が定めた開発行為の許可基準の運用細則等に基づき行うこととされておりまして、審査対象も細かく定められております。  このようなこともあり、御指摘のような事案が生じているものと考えておりますが、太陽光発電施設について、国は、固定価格買取制度におきまして、防災や環境保全などに配慮するとともに、御指摘にもありました、反射光などによる地域住民の住環境への影響がないよう考慮するなど、その設置に当たって事業者が努めるべき事項等を示し、適切な事業実施を求めているところであります。  林地開発の監督処分及び罰則の適用事例についてであります。  太陽光発電施設に係る林地開発におきまして、無許可での開発行為や許可条件に違反した開発行為、虚偽申請等、不正な手段での開発行為が行われたことにより監督処分を行った事例は、県内ではありません。また、無許可で開発行為を行った者や監督処分に違反した者に対し、罰則が科せられた事例もありません。  なお、近年の違反件数の増加と違反行為の悪質化を受けまして、本年四月一日から、新たに懲役刑が措置されるとともに、罰金額の上限が倍に引き上げられ、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に強化されたところであります。 59 ◯企画部長(東條広光君)まず、地熱発電計画の把握と開発への対応についてであります。  県内の地熱発電の計画につきましては、温泉法の掘削許可申請や国の固定価格買取制度による認定状況、事業者からの相談などにより把握に努めているところであります。  地熱発電の開発につきましては、周辺環境への影響に配慮するとともに、地元関係者の理解を得ながら進める必要があると考えております。こうしたことから、県では、昨年度、事業者や市町村等を対象に、住民等との合意形成や周辺の温泉への影響把握の重要性の理解を深めるための研修会を開催いたしました。また、要請に応じまして、市町村が設置しております、温泉資源の適切な保護と利用に関する委員会に参加しているところでございます。  次に、地熱開発を審議する新たな仕組みづくりについてであります。  本県におきましては、温泉法に基づく温泉掘削許可申請がなされた場合は、厳正な審査を行う観点から、関係市町村長に意見を求めておりますほか、地熱発電を目的とした許可申請については、発電事業計画書と温泉掘削計画書の提出を求めているところであります。  また、国は、固定価格買取制度において、発電事業者に対し、周辺の温泉等への影響を把握するモニタリングの実施や地域住民等との関係構築など遵守すべき事項等を示すなど、適切な事業実施を求めているところであります。  県としましては、温泉法や固定価格買取制度などにより、周辺環境への影響に適切な配慮が行われ、地元の理解を得ながら、発電事業が実施されるよう取り組んでまいりたいと考えております。 60 ◯小園しげよし君 風力発電の場合は、施設の建設等に関する景観形成ガイドラインというのがつくられておるわけですよ。ところが、太陽光と地熱の場合はこれがつくられていないんです。御承知のように、風力発電の場合は非常に厳しい内容となっておりまして、傾斜一度で観光拠点から見えたらいけないとか、びっくりするぐらい厳しい内容になっているんですが、こういうガイドラインを太陽光も地熱もつくるべきだと思うんですよ。こっちはすごく厳しくて、こっちのほうは何か、地域にいらっしゃる、ここにいらっしゃる議員の皆さん方もそうだと思いますが、何かトラブルの相談を受けなきゃいけないといったような状況がずっと続いておりますので、そこのところを、何で風力発電はガイドラインがあるのに太陽光と地熱はないのかということを、部長で結構ですのでお答えいただきたいと思います。  もう一点は知事に。
     再生可能エネルギーの普及によりまして賦課金が発生しています。私の家でちょっと調べてもらったら、八月が三千三百四十四円、九月が二千九百七十五円、十月が千七百十八円ですよ。企業も賦課金を徴収され、相当な家庭への影響があると思っておりますが、いろいろ九州電力にもお聞きしますと、再生可能エネルギーの関係で春と秋には三〇%ぐらい電力過剰が起きておりまして、九州で再生可能エネルギーで発電しても、関門海峡を越えて本州へ送電しているようなときがあるらしいんですよ。送電しても、向こうは要らないというときもあるらしくて、そういう中で、知事は最近、原発を少しずつ少しずつというようなことをよく言われるんですけれども、こういう問題を幾ら再生可能エネルギーでやっていっても、原発を本当に少しずつ少しずつ低減できるのかなと素朴な疑問を持つんですが、三反園知事はどう思われますか。 61 ◯企画部長(東條広光君)先に、ガイドラインのことについてお答えいたしたいと思います。  風力発電に関します景観形成ガイドラインでございますけれども、景観形成事務につきましては、基本的には市町村の事務とされているところでございます。そうした中、風力発電施設につきましては、山の稜線付近に建設されることが多くございまして、その景観上の影響が当該市町村だけではなく広域に及ぶことが予想されるため、これは県がガイドラインを設けたという経緯がございます。  太陽光、それから地熱についてのガイドラインということでございますけれども、先ほどもお話ししましたように、FIT法に基づきまして、建設あるいは運営に関して留意すべき事項等が定められております。この四月にガイドラインが定められておりますので、まずはそのガイドラインに基づく指導等を見てまいりたいと思っているところであります。 62 ◯知事(三反園 訓君)議員御指摘のとおり、さまざまな課題があるということは事実でありまして、そういった課題も含めまして、我が鹿児島県におきましては、地理的そして環境的にもいわゆる再生可能エネルギーに恵まれたところもあります。小水力もそうでありますし、バイオマスも今後、可能性があるのではないかなということもありますので、そういった点も踏まえて、今、県のほうで再生可能エネルギー推進ビジョンをつくっておりますので、そうした中で、そういった課題も含めていろいろと検討してまいりたいと思っております。 63 ◯議長(柴立鉄彦君)小園しげよし君。  残り時間もございますので、よろしくお願いいたします。    [小園しげよし君登壇] 64 ◯小園しげよし君 酒匂部長、ごめんなさい。また次、質問させていただきます。お許しいただきたいと思います。  塩野七生さんの「逆襲される文明」という本を読みました。危機─クライシス─という言葉を発明した古代のギリシャ人は、この言葉にもう一つの意味を込めたそうであります。それは蘇生であるということであります。  かつてのイタリア人は、家族べったりと笑われるくらい家族を大切にする国民だったそうです。親が子を殺したり、子が親をめった切りにすることはほとんどなかった。最近では、親と子や、夫や妻との間における家族内の殺傷沙汰が連日のようにイタリアでも報道されるようになったそうであります。どこかの国も後追いしているような気がいたします。  失業者、短期の非正規社員、未就業者、いずれも安定した職がないという人たち、共通している人々が二十代にとどまらず四十代にまで広がっている。家庭内殺傷も貧しい家にばかり起きている。イタリアの租税負担率は五三%、労賃は安く、職が減少しているそうであります。日本の租税負担率も既に四四・四%となっているそうであります。  医療、福祉、介護、子育て、大切ですけれども、過度な行き過ぎた施策は回り回って社会的弱者にしわ寄せが来るのではないかと思っております。その轍を踏まないようにお願いし、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。(拍手) 65 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、宝来良治君に発言を許可いたします。    [宝来良治君登壇](拍手) 66 ◯宝来良治君 鹿児島市郡区、宝来良治四十九歳、今も子供五人、人生で六回目の一般質問を行います。  来年は、「西郷どん」の放映、明治維新百五十周年、鹿児島にとって大きな意味を持つ年となります。さらに忘れてならないことは、明治維新百年の年に誕生した宝来良治、生誕五十周年を迎えるということです。記念の年に向け、しっかりと議員活動に取り組んでいきたいと思います。皆様方の御支援よろしくお願いいたします。  さて、政府は一日、二〇一八年の予算編成基本方針を示しました。子育て支援など人づくり革命、企業競争力を高めるための生産性革命に重点配分する方針を強調いたしました。また、働き方改革を推し進めており、ライフスタイルに沿った働き方が選択できる社会構造を目指しています。  人づくり革命も、生産性革命も、働き方改革も、最終的な目的は経済の発展であり、社会の発展であると考えます。ダイバーシティー、つまり多様性に対応できる社会づくりを目指しています。働く時間を効率的に削減しながら収入を確保する。つまり、新たな時間の創出、全ての方が活躍できる社会が目指すところだと考えています。  鹿児島県も、十年後のあるべき姿に向け、現在、県政ビジョンを作成中であります。日本が抱える東京一極集中を地方創生という処方箋でどのように解決できるか、処方箋に書かれる効果的な施策は何なのかが重要だと思います。  地方創生の真の目的は、地域の魅力の再確認です。今、住んでいる地域をより住みよい地域にすることです。住みよいまちには人が集まります。住みよいまちとは、共生のまち、助け合う社会、コミュニケーションが盛んなまち、住むまち自体が丸ごとセーフティーネットになるまちだと思います。このまちに住んでいれば、安心して生きていくことができる、安心して子供を産み育てることができる、安心して老後を迎えることができる、そのようなまちづくりを行いたいと思います。全ての方が集い、つながり、助け合う、それが地方創生の答えだと思っております。小さな地域が集まって町や村になり、それが集まり、市になり、県になります。  真の地方創生を実現するためにも、社会的にも弱い立場にある高齢者や子供、そして障害者の皆さんが安心して暮らせるまちを、活力ある社会をみんなで力を合わせてつくろうではありませんか。  演説のようになりましたが、質問に移らせていただきます。  今回は、安心して暮らせるまちの条件となる、県の防災対策、そして働き方改革、その中で新たな労働力として注目されている女性や高齢者とともに、特に期待されている障害者の雇用について、そして私のライフワークである子育て支援策、最後に、鹿児島の魅力アップとしての温泉の活用について、それぞれ質問させていただきたいと思います。  それではまず、県の防災体制についての質問です。  隣県で起きた熊本地震、新燃岳の噴火、錦江湾を震源とする地震、そして桜島の大噴火、南海トラフ、災害は防ぐことはできませんが、災害を想定しておくこと、事前に準備しておくこと、発災後の初期対応や支援体制を確立していくことが県民に安心感を与えます。  県としてはその対策に万全を期しているようですが、私のいろいろな被災地をめぐって得た経験や勉強会、研修会から学んだことを踏まえ、質問させていただきます。  まずは、災害時受援計画についてであります。  災害発生時、円滑に他の者の応援を受け、または他の者を応援することができるよう配慮するとのことから、鹿児島県は受援計画を策定したところです。特に、隣県で起きた熊本地震の影響で初めて実施された国のプッシュ型支援など、応援を受け入れる対応力が重視されるようになってきています。  また、受け入れる者は、各防災機関だけではなく、民間企業、一般ボランティア、NPO、NGO等を含んでいます。今回の質問は、この計画の中でも、物資の受援、つまり物資の流れについて確認したいと思います。  鹿児島県は、県物資拠点候補地を振興局単位にそれぞれ設定しています。さらに、各市町村に市町村物資拠点候補地を定めています。  そこで気になるのが、鹿児島市内の物資拠点です。県が指定した拠点四カ所、市が指定した場所四カ所、うち二カ所が重複しているということです。鹿児島県が指定している鹿児島市中央卸売市場青果市場と鹿児島臨海トラックターミナルの二カ所は、鹿児島県の所有でないこと、また、鹿児島市によると、物資拠点として県と重なっているという理由で鹿児島臨海トラックターミナルは拠点から外し、保管面積をしっかりと確保するために、具体的な施設と場所を再指定したということです。  鹿児島市の対応イメージは文書化されており、第一次拠点として、高速道路インターチェンジから近く、大量の物資を屋内で受け入れることが可能で、大量のトラックの往来がスムーズにできる鹿児島ふれあいスポーツランド─保管面積五千八百平米─とし、処理能力を超えたとき鹿児島流通業務団地─保管面積合計二千二百平米─、それをも超えたときには、鹿児島の食料庫、鹿児島市中央卸売市場青果市場を使用するという明確な運用ルールを設定しています。鹿児島の食料庫は、食料庫としての重要な機能があるので可能な限り使用したくないという思いからということでした。  そこで、県が候補地として挙げられている鹿児島市内の物資拠点の選定理由並びに複数ある物資拠点の運用ルール、物資拠点を運用するに当たっての鹿児島市との連携についてお答えください。  また、鹿児島中央卸売市場青果市場の運用については、鹿児島市とどのような話し合いのもとで物資拠点として使用する取り決めを行っているのか、お答えください。  また、県の所有する大きな敷地であるマリンポートも物資拠点として挙げられていますが、何の母屋もない緑地帯を指定するということは、どのような規模の仮設の倉庫をどのように配置し、どのような輸送車の往来を想定しているのか、示してください。  また、もともとマリンポートかごしまの緑地整備基本計画の中の整備方針で、災害発生時には対応空間として活用するとなっていますが、対応空間とはどのような使用方法を想定しているのか、今回の受援計画の中でうたわれている物資拠点のことなのか、それ以外の活用方法が想定されているのか。そもそも、一本の橋だけで陸地とつながっている人工島で、大型地震等の災害に耐えられる強度があるのか、お答えください。  次に、避難所管理運営マニュアルモデルについてお伺いします。  平成二十年八月に作成した避難所管理運営マニュアルモデルを、昨年発生した熊本地震における避難の状況等を踏まえ、県はことしの九月に全面的な見直しを行いました。  避難所の運営は、阪神・淡路大震災、東北大震災、そして熊本地震と大規模災害が起こるたびに新たな問題が発生し、社会問題となってきました。積極的にいち早く改定に取り組まれたことはすばらしいと思います。  そこで、今回の改定は、どのような理由でどのような改定を行ったのか、お示しください。  また、最終的な避難所の運営は各市町村が行うべきものだと思いますが、市町村での避難所運営マニュアル自体が存在しないケース、もしくは行政内部文書であり、避難所を実際運営する上で大きな役割を担う地域住民に公開されていない状況が散見されます。県としては、積極的に市町村に独自のマニュアルの作成を指導し、地域住民、特に地域自治会ともマニュアルを共有し、訓練を行うことを周知徹底していただきたいと思います。  そこで、市町村のマニュアル作成取り組み状況をお示しいただき、県として、今後の本マニュアルモデルの活用方法をお聞かせください。  また、災害を乗り切るためには、共助の精神が一番大切になってくると思います。今回のような大がかりなマニュアルモデル改定においては、新たなルールを確立するために、より多くの関係団体との連携強化も行わなければならないと感じております。  そこで、今回のマニュアルモデル改定を機に、県と関係団体との連携強化の取り組みが行われたと思いますが、現在の状況をお聞かせください。  次に、災害時協定についてお伺いします。  鹿児島県は、平成二十九年三月三十一日現在、十二分野五十四種九十六件の協定を締結しています。県内各企業・団体の意識の高さがうかがわれます。協定というのは、団体や企業等から、災害時は、このような手続のもと、このような形で協力できますという約束事のことです。  締結件数は多く、幅広く網羅はされているようですが、締結年を見ると、一番古いもので昭和五十六年というものがあります。そこで気になるのは、その内容が現在にふさわしいかということです。年月が過ぎれば、法律が変わったり、技術革新があったり、一般常識が変わったりして、場合によっては、協定内容が実行できないような状況になっているのではないかと考えます。  そこで、鹿児島県の結んでいる災害時協定の締結状況、さらに、その時々に即した協定の実現に向けて、地域防災計画改定時などにおける協定締結先との情報交換の現状、また、県が行っている県防災訓練における協定締結先との連携訓練の現状をお答えください。  また、協定とは別に、災害時支援事業者を随時募集しているようですが、そのほとんどは、災害時協定を結んだ団体に属している事業者のようです。どのような位置づけなのかお聞かせください。  また、県災害時受援計画策定後の物資輸送に関連する協定締結先との調整の状況、大規模災害時の協定締結内容の見直しの現状及びその必要性についてお答えください。 67 ◯危機管理局長(田崎寛二君)県の防災体制についてのお尋ねのうち、県災害時受援計画における物資拠点候補地についてであります。  鹿児島市内の県物資拠点候補地については、施設の規模や構造、陸上・海上の交通アクセス等を勘案し、鹿児島臨海トラックターミナル、鹿児島市中央卸売市場青果市場、マリンポートかごしまなど四カ所を選定しております。これら鹿児島市内の県物資拠点候補地については、あらかじめ開設の順位づけはしておらず、災害の発生場所や規模、施設の利用状況、見込まれる支援物資の量などを勘案し、開設場所を決定することとしております。  県物資拠点候補地の運用に当たっての鹿児島市との調整・連携については、大規模災害時には、物資を一旦被災地近くの拠点に集約し、そこから被災地へ送り込むこととしていることから、鹿児島市が被災し、同市が物資拠点を開設するような場合には、同市以外の適地に県の物資拠点を開設することになり、県と市の物資拠点が重複することはないものと考えております。  県物資拠点候補地の実際の使用については、大規模災害が発生した時点で、当該施設の利用状況などを勘案し、可能な範囲で使用することとしており、鹿児島市中央卸売市場青果市場については、開設者である鹿児島市にこのことを説明し、協議しております。  災害時協定の締結状況や協定締結先との情報交換等の現状についてであります。  県では、大規模災害に備えて、県下全域を対象とするさまざまな分野の民間団体等との間で、本年十一月一日現在で、物資等の輸送などの十二分野五十五種類九十七件の協定を締結しております。  災害協定の締結先とは、平時から、緊急時の連絡先等の情報交換や協定締結先の研修会への講師派遣、県の研修会への参加などを通じて、相互交流を図っているところであります。また、災害時に協定内容が的確に実行できるよう、県総合防災訓練等において救援物資の輸送訓練などを実施し、応援要請の手続や初動体制等について、協定締結先との連携を確認しております。  災害時支援事業者の位置づけについてであります。  災害時支援事業者は、大規模災害時に県内全域を対象としている災害時協定に基づく支援の場合とは異なり、比較的小規模な災害が発生した場合に、地域を限定して物資や建設機材、車両等の提供などの支援を行うものであり、地元企業等が多く、災害時に、より迅速な支援が可能であると考えております。  大規模災害時の協定締結内容の見直しの現状及びその必要性についてであります。  県と団体等との間で締結する災害時協定は、支援を要請する際の手続や支援内容、経費負担等の大きな枠組みについて取り決めているものであります。これまでも、協定締結先の組織再編に伴う協定内容の見直しを行ってきておりますが、協定先との協定内容の具体的な確認、協議などの中で、必要が生じた場合などには協定の見直しを行ってまいりたいと考えております。 68 ◯土木部長(渡邊 茂君)マリンポートかごしまの災害発生時の役割等についてであります。  マリンポートかごしまの岸壁やヘリポート等の施設及び緑地空間の一部は、災害発生時における緊急物資の輸送、集積等のスペースと位置づけており、災害の種類、規模など被災の状況に応じて、臨機に対応することとしております。  災害発生時の対応空間としての使用方法については、災害の種類や規模など被災の状況にもよりますが、救援活動や緊急物資の輸送、集積のほか、災害直後の一時的な避難等を想定しております。  マリンポートかごしまの岸壁や橋梁等の施設については、国の基準に基づき、地震や台風等の波浪に対して所要の安定が確保され、機能が損なわれないよう設計されており、また、岸壁などの背後には液状化しにくい土石流土砂を用いるなど、施工上、配慮しているところです。 69 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)避難所管理運営マニュアルについてであります。  避難所管理運営マニュアルモデルは、昨年発生した熊本地震、国が作成したガイドライン等を踏まえ、本年度、見直しを行ったところであります。今回新たに、平常時から取り組むべき事項、要配慮者のための福祉避難所確保の必要性、女性や子供たちへの配慮、在宅避難者や車中泊避難者への対応などを追加したものであります。  市町村においては、現時点において、二十市町村が既にマニュアルを策定しており、七市町が今年度中に策定する予定となっております。  県としては、今後、各市町村が、マニュアルモデルを参考に、それぞれの実情に合わせてマニュアルの策定や見直しに取り組まれるものと考えております。  県におきましては、マニュアルモデルを県ホームページに掲載するとともに、障害福祉関係団体へ説明を行うなど、その周知に努めているところであります。  市町村においても、障害福祉関係団体等との協議を行うとともに、地域住民等を交えた避難所運営訓練等の実施を通じ、さまざまな意見を踏まえながら対応されるものと考えております。  災害時における物資輸送についてであります。  大規模災害時には、国や他県、民間事業者等から提供された食品を初めとする生活必需品等を避難所まで迅速かつ円滑に輸送し、被災者へ配布する必要がございます。県は、災害時受援計画において、県の物資拠点から市町村の拠点との間の陸上輸送については、協定を締結しております県トラック協会に要請することとしております。  熊本地震では、避難所への物資の到着が遅延する事例がありましたことから、県においては、トラック協会との間で、物資がスムーズに行き届くような仕組みの構築について、協定内容の見直しを含めた検討を行っているところであります。 70 ◯宝来良治君 自席から再質問させていただきます。  物資拠点の運用ルールについてであります。  鹿児島市の発災時は、市内の県の物資拠点は使わないということですが、順番が決まっていないということでありますと、鹿児島の中央卸売市場は使えない、できるだけ鹿児島市の意向としては使いたくないということを考え、また、マリンポートは母屋もないということから、トラックターミナルが一次集積所の第一拠点になるのではないかなと思うんですが、ちょっとその辺をもう少し説明していただいてよろしいですか。 71 ◯危機管理局長(田崎寛二君)例えば鹿児島市が被災したという場合に、鹿児島市が物資の拠点を整備しているわけでございますが、県の物資の拠点は、被災地以外の場所に整備するということでございますので、例えば鹿児島市が被災した場合は、県の物資拠点は北薩でありますとか姶良ですとか大隅ですとかほかの地域に設置しまして、そこから被災地の二次集積所といいますか、二次拠点のほうに物資を運ぶといった形になるものと考えております。 72 ◯宝来良治君 もう一点、土木部のほうにお願いします。  マリンポートの使用方法で、一時的避難というのがどのようなものを指すのかお答えください。 73 ◯土木部長(渡邊 茂君)一時的避難についてお答えします。  マリンポートかごしまについては、災害の種類や規模など被災の状況に応じまして、災害直後の一時的避難や数週間の応急生活、数カ月にわたる仮設住宅による避難生活の場として対応できる機能を有していると考えております。    [宝来良治君登壇] 74 ◯宝来良治君 次に、障害者雇用についてお聞きします。  鹿児島県の有効求人数は高水準を維持しています。この数字が示すものは、経済・企業状態の好調をあらわすとともに、人手不足、労働力不足を示している数字と言えます。この状態が長期間続くと、今度は企業経営状態の悪化が予想されます。  働き方改革においては、高齢者や女性、そして障害者の働き方にも言及しています。ここでは、障害者雇用に焦点を絞り、質問させていただきます。  日本の障害者の数は、ことしの白書によると、身体障害者三百九十二・二万人、知的障害者七十四・一万人、精神障害者三百九十二・四万人、合計八百六十・二万人と、およそ国民の六・七%が何らかの障害者であり、年々増加している傾向にあります。雇用義務のある企業の障害者雇用実数は全国で三十八万六千六百六人であり、その達成率は四八・八%と半数にも満たない状況です。  一方、厚生労働省の平成二十五年度障害者雇用実態調査によれば、例えば、働いている身体障害者の方の四二・七%が、常用労働者数が五人以上二十九人以下のいわゆる中小企業で就労しているということです。実際には、雇用義務のない企業で多くの障害者の方が働いているということがうかがえる結果となっております。  国は、平成三十年四月から法定雇用率を見直し、精神障害者を対象に含めることにしました。これにより、障害者のより積極的な雇用がふえると期待しておりますが、特に精神障害者は、精神の障害により長時間勤務することができないこともあり、仕事上の工夫が雇用率上昇の鍵を握ることになると思います。  ここ最近、障害者は、労働力となることはもちろん、経営においても、人を生かす経営を実践することで業績がプラスになることが常識になりつつあるようです。さらにうれしいことに、鹿児島県内においても、中小企業家同友会四百三十九社のメンバーが、みずから雇用などを通して積極的に障害者とのかかわりを深めようという目的のための勉強会を定期的に開催するなど、共生社会に向けて着実に歩み始めています。  このような動きをベースに、私としては、障害者の就労を鹿児島経済の牽引に、また労働力不足問題の解決の糸口になるのではないか、そして地域力の向上に結びつけることができるのではないかと考えております。  そこで、鹿児島県内の障害者雇用の現状を確認したいと思います。  鹿児島県の障害者の数及び一般就労している就労者数、また福祉的就労者数をお答えください。  また、法定雇用義務のある企業数と、その障害者雇用状況並びに達成率をお答えください。  さらに、平成三十年四月の法改正により新たに雇用義務が生じる企業と、増加する障害者雇用に与える影響についてお答えください。  また、現在、職を求めている、求職中である障害者の数をお答えください。  次に、障害を抱えている学生の就労についてお聞きします。  職業選択の自由は確保されておりますが、特別支援学校へ通い、社会的自立、就労を目指す生徒は、進路指導、就労指導で教員の影響を大きく受けることになります。特に、一般就労か福祉的就労かを選ぶ段階は、教員の助言が非常に大きな要素だと考えられます。
     そこで、特別支援学校の就労支援にはどのようなものがあるのか、お答えください。  次に、障害者の就労支援に関しては、ハローワーク、障害者就業・生活支援センター、障害者職業センターとありますが、それぞれの支援内容と連携についてお聞かせください。  さらに、障害者を新規に雇用する企業に対しての助成・支援についてお聞かせください。  その助成や支援で社員数などの企業の規模が影響するものがあるのか、あわせてお聞かせください。  次に、福祉的就労と言われる就労継続支援A型事業所及びB型事業所についてお聞きします。  これらの事業所においては、それぞれの事業所の収益を利用者に賃金や工賃としてお支払いしていますが、その金額が低過ぎるということが社会的に問題になっております。就労の意欲は、給料としてもらえる金額に比例するとも言われています。  鹿児島における就労継続支援A型事業所及びB型事業所の平均賃金等をお答えください。  また、特にB型事業所においては、全国的に、それぞれ県が率先して工賃アップの努力を行っているようです。特に鳥取県では、鳥取県工賃三倍計画と銘打ち、月三万三千円の工賃を目標に取り組んでいます。どのような取り組みかというと、経営基盤確立・強化のための支援、個別事業所の現状分析・目標設定支援、定期的なアドバイザー派遣、運転設備資金の無利子融資制度の創設、また、目標を達成した事業所への新たな助成の創設、さらに販路・受注拡大の支援、新商品開発の支援、また、協働・連携する一般企業への補助金など、これらを一体化した、パッケージ化した支援を行っております。  そこで、鹿児島県の工賃アップへの取り組み状況とその効果をお答えください。  さらに、新たな県政ビジョンの素案で、多様な就労ニーズに応じた就労機会の提供や雇用機会の確保を促進すると掲げていますが、どのような取り組みを想定しているのか、お聞かせください。  次に、住民税非課税世帯の未就学児の医療機関での窓口負担をなくす制度についてお聞きします。  小児医療窓口無料化は、安心して子供を産み育てられるまちの仕組みとしては大変重要で、非常に喜ばれる制度です。本来は、今回、国が幼児教育無料化を打ち出したように、国が、子育て支援の柱として取り組むべき問題ではあります。しかし、社会保障費の高騰、数十年続くであろう高齢者人口の増加による医療費の増大などを考えると、現行の社会保障制度のもとではなかなか厳しい取り組みの一つと言えると思います。  そのような中、三反園知事は、子育て支援策の大きな柱の一つとして、今回の窓口負担ゼロに踏み込みました。対象となる子供は全てではなく多少残念ではありますが、その第一歩として評価したいと思います。  今回の無料化によって引き起こされる弊害が二つあります。小児医療の疲弊化、そして、県、各市町村の財政に与える影響、この二つです。  鹿児島は、医師不足、医師の地域偏在が激しく、この県議会でも、医療においての地域偏在が話題となることは少なくありません。小児医療においてもそこの問題は大きく、鹿児島市においても、特に夜間の小児科対応に苦慮していることから、夜間の当番小児科医を県外からの派遣に頼ることもしばしばあるようです。  そこで、この制度を取り入れるに当たり、医療費の増加をどのように予測し、県、市町村の負担増をどう積算しているか。  さらに、小児医療の現状─休日・夜間を含む小児医療提供体制、小児科標榜医療機関数、小児科医数、地域偏在─とその課題、その対応状況についてお示しください。  また、これまで二回開かれた乳幼児医療費助成の在り方に係る有識者懇談会で挙げられた課題とその対応状況並びに、今後さらに検討が必要とされる課題は何なのか、お示しください。  医療の無料化を取り入れるに当たり、一番大きな問題となるのはコンビニ受診です。今回は、対象者数が一万五千人程度と予想されますが、全体的な社会保障費の適正化の観点からも、全ての子供を持つ家庭に適正受診を促すことが、制度を決定した県の義務だと考えています。小児医療の適正受診を実現することが、正しい医療の理解につながり、子育て支援の一環としても大変重要な項目だと考えられます。  子供を持った親が不安に思うとき、それは子供が病気やけがをしたときです。すぐ病院に行ったほうがいいのか、市販薬で様子を見たほうがいいのか。このけがはどうすればいいのか、家で処置できるのか、病院で処置するべきなのか。経験したことであればきちんと判断できるのでありますが、知識もない、体験したこともない場合は判断に迷うのは当たり前です。  また、無料だからといって、全ての判断を医療機関に委ねることも、もっと大きな社会問題となります。医療の適正受診とはどういうものなのかを早い段階から親が学ぶことが、子供のためだけではなく自分のためにも、そして自分の親を介護するときのためにもなるものだと考えます。  六月議会で私の質問に対し、「他県の例も参考にしながら、適正受診を促進する必要がある」とお答えいただいております。他県の適正受診を実現するための施策例として、一般的診療時間外、夜間から早朝まで切れ目ない小児救急電話相談の実施、適正受診アプリの開発、病状チェックシートの導入、小児医療ガイドブックの配布、小児科医による適正受診に向けた医療講座、医療機関の適正受診を促すCM等、乳幼児健診の推進や予防接種の助成対象拡大などがあるようです。  そこで、県の義務として行わなければならない適正受診への取り組みの状況とその効果、今後さらに適正受診に向けてどのように取り組むのか、お示しください。  子育て支援についてお聞きします。  今回の窓口無料化の制度は、未就学児が経済的理由により受診を控えることによる症状の重篤化を防ぐための取り組みでもあります。子育て支援策であると同時に、子供の貧困対策の一環でもあります。子供の貧困と同時に虐待等の問題もクローズアップされています。これらの問題を解決するためにも、子育てに関しても、将来的には地域包括ケアシステムのコンセプトで、地域全体で子供を育てる・守る体制づくりが重要だと思っています。地域包括ケアシステムで子供を育てる環境が整備され、子供を守るセーフティーネットが地域に施されると、新しい形での子育て支援が実現できると思います。  そこで、日本版ネウボラとして、切れ目のない子育て支援の実現のために市町村に設置が求められている、子育て世代包括支援センターの設置状況をお示しください。  さらに踏み込んで、虐待などのリスクが大きい、または大きくなりそうな児童を早期の段階から見守り支援し、各関係団体と情報を共有しながら連携して対応していく要保護児童対策地域協議会について、その設置状況と、その協議会で支援が必要だと認めたときに、実際の関係支援機関を調整する要保護児童対策調整機関の指定状況についてお示しください。  さらに、ことしの四月には、さまざまな困難を抱える児童等に対して必要な支援を行うための拠点整備に努めるよう、法が改正されていますが、県内の支援拠点の整備状況並びに同拠点の重要性についてお示しください。  最後の質問です。温泉の効果的な活用でございます。  鹿児島県は、この間のアンケート結果を知事もごらんになっているように、思ったより、鹿児島県イコール温泉というイメージが強く根づいていません。しかし、指宿の砂蒸し温泉は海外へ輸出されることとなり、ニュースになりました。鹿児島の温泉をブランド化するために、何とか価値のある政策をとっていただきたいと思います。  鹿児島県は、源泉数では二千七百カ所以上の全国二位、全国三位の温泉湧出量、また、公衆浴場の温泉率も全国二位です。温泉は、他県がまねしようと思ってもまねできない貴重な財産です。ですが、余り注目されていないことは少し残念です。温泉県として売り出している大分県は、観光対策として驚くような予算を、思い切った施策を実行しております。ランキング的にはなかなか伸びない鹿児島県の温泉地は、もっとPRすることが必要だと思います。  温泉や公衆浴場というのは、安心・安全のためにいろいろな法律で規制されています。そして実は毎年のように有害事象、硫化水素による温泉の事故、レジオネラ菌による感染事故が起きています。緊急のガイドライン等も出たりしております。実は、安心・安全の確保にはかなりの労力を割いていると言えます。当たり前だと思われている安心・安全対策を強化して、県が率先して、鹿児島ブランドの温泉をぜひ世界的に有名にしていただきたいと思います。  温泉には泉質があり、効能を表示することができます。医薬品以外では温泉ぐらいだと思います。その泉質も大事な温泉の財産です。  そこでお聞きします。  まずは、鹿児島県内温泉で起きた有害事象をお示しください。  次に、温泉を安心・安全に運営するための県の管理・検査体制をお示しください。  十年前、温泉法が改正され、十年に一度の成分分析試験が義務化されました。ここ一、二年が更新年のピークとなっております。保健所に最新の泉質結果を提出して初めて、温泉特有の効能を表示できます。温泉法改正後の温泉の成分分析検査の実施状況をお示しください。  全国的にオリンピックが注目され、海外からの観光客もふえ続けております。温泉マークも外国人対応になるなど、温泉が外国人にもかなりの誘客要素となっていることがうかがわれます。  そこで、鹿児島県の公衆浴場や温泉で行われている外国人の対応状況など、どのようなものがあるのかお答えください。    [知事三反園 訓君登壇] 75 ◯知事(三反園 訓君)乳幼児医療費助成の在り方に係る有識者懇談会における意見への対応状況等についてであります。  乳幼児医療費助成の在り方に係る有識者懇談会につきましては、これまで二回開催したところでありまして、「医療従事者の負担の増加や保険者、市町村の財政負担の増加を抑制するためには、適正受診についての啓発が必要である。医療機関における窓口業務の複雑化や市町村における事務の煩雑化など、対応が必要」といった意見が示されたところであります。  これらの意見に対応するために、懇談会はもとより、実務者レベルで構成する幹事会等を開催し、具体的な方策について協議を重ねてきた結果、おおむね市町村や関係機関等の理解をいただいたところであります。  今後につきましては、受給者証の有効期間、資格を喪失した場合の対応などについて、さらに協議・調整を重ねていくこととしております。  平成三十年十月からの制度の導入に向けて、着実に準備を進めてまいります。 76 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)障害者雇用についてのお尋ねのうち、まず、障害者数と就労者数の状況についてであります。  平成二十八年度末時点の障害者手帳所持者数は十二万六千八百九十八人で、うち、十八歳以上六十五歳未満の生産年齢の方は四万四千二百八十八人となっております。  ハローワークに登録している障害者のうち、就業中の方は七千七百九十六人となっております。また、就労継続支援事業所の本年四月の利用者数は、A型千三百七十一人、B型五千三十人となっております。  就労継続支援事業所の平均賃金等についてであります。  A型事業所の平均賃金月額は、平成二十六年度五万九千九百六十六円、平成二十七年度五万九千百五十九円、平成二十八年度六万二千二百八十一円となっております。また、B型事業所の平均工賃月額は、平成二十六年度一万四千五百八十二円、平成二十七年度一万五千二十四円、平成二十八年度一万五千二百三十九円となっております。  工賃向上の取り組み及びその効果についてであります。  B型事業所における工賃向上については、平成二十七年度から二十九年度を計画期間とする工賃向上計画に基づき、共同受注の促進や障害者優先調達の推進などに取り組んでおります。また、平成二十八年度からは、農業への参入促進や農業技術支援、農福連携マルシェの開催など、農福連携による就労支援を行っております。さらに、民需拡大に向け、障害者施設が提供する物品・サービスを情報提供するための体制整備を図ったところであります。  こうした取り組みにより、共同受注窓口である、かごしま障がい者共同受注センターの取扱高が増加しているほか、農業に取り組む事業所もふえるなど、一定の効果が見られるところであります。  住民税非課税世帯の未就学児の医療機関での窓口負担をなくす制度についてのお尋ねのうち、まず、新たな制度の導入に伴う医療費の増加等についてであります。  現行の県単三医療費助成事業の実績や、いわゆる現物給付方式を導入した他県の例をもとに推計すると、対象となる未就学児はおおむね一万五千人程度、医療費は、重度心身障害児分はおよそ一・三二倍、ひとり親家庭及び乳幼児分はおよそ二倍になると見込まれております。また、財源については、県、市町村合わせて、新たに年間二億六千万円程度が必要になると考えております。  小児医療の現状と課題、その対応状況についてであります。  県では、小児医療を安定的・継続的に確保するため、医療機関相互の連携体制を構築しております。特に休日・夜間においては、軽症患者は夜間急病センターや在宅当番医、入院治療が必要な患者は地域の中核的な医療機関、高度な専門医療が必要な患者は鹿児島大学病院及び鹿児島市立病院が対応することとなっております。  県内の小児科を標榜している医療機関は、平成二十六年十月一日現在、四十五病院、二百十九診療所となっており、減少してきております。  小児科医は、平成二十六年十二月末現在、百八十三人で増加傾向にありますが、小児人口一万人当たりでは八・〇人であり、全国平均の十・三人を下回っているほか、二次医療圏ごとの格差は三・七倍となるなど、小児科医不足と地域偏在が深刻な状況にあります。  県におきましては、医師修学資金の貸与、小児科等の専門研修を受ける医師への研修奨励金の支給、小児科医等の過重な負担を軽減するための勤務環境の改善などに取り組んでいるところであります。  適正受診に係る県の取り組みについてであります。  県においては、適正受診を促進するため、かかりつけ医への早目の相談、通常診療時間内の受診、小児救急電話相談の利用などを呼びかけております。  小児救急電話相談の過去三カ年の相談件数は、平成二十六年度五千八十三件、平成二十七年度五千三百三十五件となっており、平成二十八年度は、相談時間を朝八時まで延長したこともあり、八千三百十七件と大幅に増加しております。  適正受診を促進する方策として、他県においては、子供が急な病気やけがをした場合の対応を詳細に記載したパンフレットの配布なども行われているところであります。  県といたしましても、新たな制度の創設に合わせて、さらに適正受診を促進する必要があると考えており、他県の例も参考にしながら、新たに取り組む具体的な方策について、県医師会や市町村等と協議を重ねているところであります。  子育て支援についてのお尋ねのうち、子育て世代包括支援センターの設置状況についてであります。  子育て世代包括支援センターは、平成二十八年の改正母子保健法において、市町村はその設置に努める旨規定されたものであり、母子保健施策と子育て支援施策の一体的な提供を通じて、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行うことを目的としております。現在、鹿児島市や枕崎市など八市一町に十三カ所設置されております。  要保護児童対策地域協議会及び要保護児童対策調整機関についてであります。  要保護児童対策地域協議会は、平成十九年の改正児童福祉法において、市町村はその設置に努める旨規定されたものであり、要保護児童及びその保護者に関する情報の交換や支援内容の協議を行うことを目的としており、全ての市町村に設置されております。  また、要保護児童対策調整機関は、同協議会の中核となって関係機関の役割分担や連携に関する調整を行う機関であり、本県においては、全ての市町村の児童福祉担当課が指定されております。  市町村における支援拠点の整備についてであります。  児童等の支援拠点は、平成二十八年の改正児童福祉法において、市町村はその設置に努める旨規定されたものであり、児童及び妊産婦の福祉に関し、実情の把握、情報の提供、相談、調査、指導、関係機関との連絡調整その他の必要な支援を行うことを目的としており、現在、薩摩川内市において設置されております。  同支援拠点の設置により、地域協議会に参加する関係機関の役割や責務を明確にし、その機能を最大限に発揮できるよう、あらゆる場面で調整力を発揮し、地域の総合力を高めていくことが求められております。  温泉の効果的な活用についてお尋ねがありました。  まず、県内の温泉における事故についてであります。  県内の温泉を利用した入浴施設における主な事故としては、硫化水素による中毒事故が平成元年に霧島市で発生しております。また、レジオネラ属菌に感染する事故が平成十五年に長島町で、平成二十八年に出水市で発生しております。  温泉施設に対する県の指導についてであります。  県では、温泉を利用した入浴施設に対して計画的な立入検査を実施し、設備構造や浴室の管理状況等を確認した上で、必要に応じ指導を行っております。あわせて、温泉の種類に応じて硫化水素濃度の測定も実施しているところであります。  また、入浴施設等に義務づけられている自主検査において、レジオネラ属菌等が基準を超えているとの報告があった場合には、改めて指導し、改善状況を確認しております。  さらに、県内外において事故等が発生した場合、関係団体等に注意喚起の文書を発出するなどの対応を行っております。  温泉法改正後の成分分析の状況についてであります。  温泉を利用した入浴施設は、温泉法に基づき、十年ごとに温泉成分を分析し、その結果を掲示することとされております。平成二十八年度末現在、九百二施設のうち八百三十七施設が温泉成分の再分析を実施しております。  県としては、再分析を実施していない全ての施設に対し、文書や直接施設に出向くなどの方法により、指導を行っているところであります。 77 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)障害者雇用に関する御質問のうち、まず、法的雇用義務のある企業数とその障害者雇用状況並びに達成率についてでございます。  平成二十八年六月一日現在における法定雇用率二・〇%が適用される企業数は千九十二社で、このうち、法定雇用率を達成している企業は全体の六一・五%となっております。なお、雇用されている障害者数は、実人員で三千四百二十九人となっております。  次に、法改正により新たに雇用義務が生じる企業と、増加する障害者雇用に与える影響についてでございます。  このたびの改正により、平成三十年四月一日以降、法定雇用率が現行の二・〇%から二・二%に引き上げられることに伴い、障害者の雇用義務がある企業は、これまでの常用労働者数五十人以上から四十五・五人以上となります。これにより、例えば、現在九十一人の企業は雇用義務が一人以上から二人以上へと変更になるなど、常用労働者数いかんによっては障害者のさらなる雇用を求められ、障害者雇用は広範に拡大していくものと見込まれます。  なお、今回の法改正により、増加が見込まれる障害者の雇用義務を負う企業及び障害者雇用の実数は、鹿児島労働局においても現時点では把握できていないところでございます。  次に、現在、職を求めている障害者数についてでございますが、鹿児島労働局が毎年度公表している障害者の職業紹介状況によりますと、平成二十九年三月末現在で、就労を希望しハローワークに登録している障害者のうち、求職中の方は五千五百五十八人となっております。  次に、ハローワーク、障害者就業・生活支援センター、障害者職業センターの支援と連携についてでございます。  障害者に対する各関係機関の支援につきましては、ハローワークにおいて就職活動支援や職業紹介など、また鹿児島障害者職業センターにおきましては、ジョブコーチ支援や職業評価など、さらに障害者就業・生活支援センターにおきましては、就業やこれに伴う生活に関する指導・助言などを行っております。  これら各関係機関の相互連携により、例えば、就職を希望する障害者が、ハローワークでの職業相談の際、働くことや生活面での不安がある場合には、障害者就業・生活支援センターでの相談や雇用体験等を通して不安の緩和を図ることができ、また、職業適性がわからない場合には、障害者職業センターにおける職業評価により、自分の適性に合った職を探すことができるなど、障害者を総合的にサポートいたしております。  次に、障害者新規雇用企業に対する助成・支援についてでございます。  障害者を雇用する事業主に対する国の助成制度としては、ハローワーク等の紹介により障害者等を雇い入れる際の特定求職者雇用開発助成金や、障害者を雇い入れ、継続雇用を行う場合の作業施設等の設置等に対する障害者作業施設設置等助成金などがございます。  また、そのほか、国においては、精神障害者、発達障害者を正しく理解し、職場における応援者を養成するための講座を今年度から新たに実施しております。  さらに、県におきましては、障害者就業開拓推進員による求人開拓等や、障害者の雇用経験のない企業に対し、体験事業を実施しております。  なお、これらの助成制度や支援措置に関しましては、雇用する労働者数や事業規模による中小企業に対する制約は設定されておらず、中小企業に手厚いものとなっております。  次に、新たな県政ビジョンの素案で掲げている取り組みの想定についてでございます。  この素案では、障害者が生きがいを持って社会参加できるよう、関係機関等と連携し、求人開拓や企業への啓発活動等を通じて、雇用環境の整備や雇用機会の確保を促進する必要があるとしているところでございます。  県といたしましては、まずは障害者雇用率の改正や、先ほど御答弁申し上げた各種支援につきまして、県内企業に幅広く周知できるよう、鹿児島労働局等の関係機関とより密接に連携してまいりたいと考えております。
    78 ◯教育長(古川仲二君)特別支援学校における就労支援についてでございます。  特別支援学校では、高等部の生徒が、仕事のとうとさや厳しさを理解し、自分に適した就労先の選択ができるように、三年間を通して、事業所や福祉施設等で働くことを体験する実習を行っております。また、各学校では、企業のニーズを把握するとともに、企業関係者等からの意見等を今後の就労支援に生かすことを目的とした就労ネットワーク会議を実施し、地元就労の拡充を図っているところでございます。  さらに、県教委では、企業等との連携のもと、清掃業務部門に関する生徒の技能や作業態度などについて資格認定を行います、特別支援学校技能検定を実施しておりまして、生徒の就労に向けた意欲や能力の向上を図るとともに、企業関係者等の理解を深め、雇用促進につながるようにしているところでございまして、本年度からは、喫茶サービス部門も技能検定の対象とすることにいたしております。  今後とも、各学校の職業教育や企業等との連携を充実し、生徒一人一人の自立と社会参加がさらに図られるよう努めてまいります。 79 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)温泉の効果的な活用の中で、温泉の外国人対応状況についてでございます。  本県は、全国第二位の源泉数を誇り、鹿児島市内の銭湯のほとんどが温泉でありますほか、日本で唯一の天然砂蒸し温泉を有するなど、全国有数の温泉県でございます。  また、観光庁の調査によりますと、温泉は、日本食や自然、景勝地観光と並ぶ外国人観光客に人気が高い観光資源であり、本県もアピールしているところでございます。県内市町村や業界団体では、外国人観光客が安心して入浴できるよう、温泉の入浴時のマナーを紹介する多言語のパンフレットや動画などを作成しております。  今後とも、市町村や業界団体等と一体となって、本県の豊富で安心・安全な温泉・銭湯の魅力をアピールし、観光客の誘致につなげてまいりたいと考えております。    [宝来良治君登壇] 80 ◯宝来良治君 いろいろお答えいただきました。  温泉について何を言いたかったかというと、安心・安全はもちろん義務でありますからやらなきゃいけないんですけど、そういう安心・安全管理をしっかり整えるということをまず評価するというスタイルで、県ももう少し温泉事業者を指導していただく。  例えば、安心・安全度合いで、今は、インスタ映えするとか星が幾つあるとかで非常に大きく観光客には影響するので、温泉のミシュランを鹿児島県が独自でつくるとか、モンドセレクションというのがありまして、金賞を受賞するのがありますが、あれも全部資格基準なんですね。基準をクリアすれば全部金賞をもらえるんですよ。なので、そういう全体的な取り組みとして、温泉を鹿児島県が評価しているよと。県の評価はなかなか難しいのであれば、業界が評価システムをつくるために県が助成するというような、温泉を生かす方策をとっていただきたいなと思います。  本当に、この間のPR戦略のアンケートで、鹿児島イコール温泉というのがあんなに低いのかなというのを、ちょっとがっかりしたところでした。  災害防災に関しましては、鹿児島市について言ったのは、市場を使いたくないと鹿児島市が言っている。鹿児島市で災害が起きていないときに使う予定でいるというのは、つじつまが合わないんですよね。鹿児島市は、鹿児島市で起きた災害に対してもできれば使いたくないというのを、鹿児島市外のどこでもいいです、災害が起きたときに鹿児島県はそこを使おうという想定がされていると私は認識したんですけど、それでなければ使う機会というのはないと思うんですよね。  その辺をもうちょっと整理して、マリンポートに関しても、母屋がないところを指定されていますが、今度、CIQ施設ができる、二十二万トン級の船が入る、そういう工事をしたときにはその都度都度、計画を見直していかないと、災害は本当に、一分一秒後に起きる可能性もあるということをもっと認識して取り組んでいただきたいなと思います。  いろいろ言いましたが、我々が地方創生と言っているところ、住みやすいまちというのは、社会保障が充実したまちではないだろうかと思います。子供を含め、高齢者、社会的な弱者と言われる方が住みよい、そしてその子供を育てる保護者が住みやすい、そして障害者も住みやすいという、そういう共生のまちづくりを今後も取り組んでいっていただきたいなと思います。  行政がする仕組みは、私は一度習ったことがあります、人の流れをつくることだということでした。港であり道であり、そういう交通インフラはもちろんですが、公共事業はもちろんですが、人の流れをつくる、そういう目線でいろんな事業に取り組んでいただく。  そして地方創生というのは、最終的には小さい小さい地域におんぶに抱っこになりますので、その地域をしっかり守るべく地方創生に向けて、地域の地域力、共生するまちづくりに対して、もう少し深い支援をしていただければいいかなと思います。  それでは、時間が長くなりました。以上で終わります。  ありがとうございます。(拍手) 81 ◯議長(柴立鉄彦君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ─────────────    △ 日程報告 82 ◯議長(柴立鉄彦君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問及び議案の委員会付託などであります。       ─────────────    △ 散  会 83 ◯議長(柴立鉄彦君)本日は、これで散会いたします。        午後三時十七分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...