以上で、報告を終わります。
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△ 一般質問
3 ◯議長(柴立鉄彦君)一般質問であります。
通告に従って、順次発言を許可いたします。
成尾信春君に発言を許可いたします。
[成尾信春君登壇](拍手)
4 ◯成尾信春君 おはようございます。
平成二十九年第四回定例会に当たり、公明党を代表して一般質問いたします。
早速、通告に従い質問に入ります。
初めに、知事の政治姿勢について、来年度
予算編成方針等について伺います。
国は、来年度予算額を九十八兆円前後とする方針で、二〇一八年度は、人づくり革命の実現に向けた教育を初めとする人への投資や、地域経済や中小企業の支援などが
優先課題推進枠に設定されています。
また、「平成三十年度税制改正の論点となる地方消費税の配分見直しをめぐり、税収を各都道府県に割り振る三基準のうち、従業員数基準は原則廃止、販売額基準も一部項目を除外することで比重を下げ、その分を地方に有利な人口基準に割り当て、販売額が五割、人口による配分が五割になる」との報道がなされています。それによると、販売額に比べ、人口のほうが大都市部への偏りが小さいため、東京都が一千億円を超える減収となる一方、大半の自治体は税収がふえる見込みであります。
本県の平成二十八年度決算においては、県政刷新大綱や
行財政運営戦略に基づき
行財政構造改革に取り組み、財源不足額を解消され、平成二十九年度も財源不足の生じない予算編成をなされました。しかし、県債の新規発行額は、二〇一五年度比一・三%増の千二十六億五千百万円で、後年度に交付税で措置される
臨時財政対策債などを除く県独自分は六百六十三億一千六百万円で、台風十六号の災害復旧などで一九・九%、百十億円増加。歳出面では、扶助費が増加傾向にあり、公債費が高水準で推移すると見込まれ、改修や更新を要する県有施設等の増加も見込まれるなど、厳しい財政運営が求められております。
そこで伺う第一点は、国の来年度予算編成を考慮した上で、本県においては、
行財政改革推進プロジェクトチームを設置され行財政改革を推進しておられますが、三反園知事の来年度予算の編成方針をお示しください。
また、二年目の予算ですので、特に重点的に行う目玉政策をお示しください。
第二点は、地方消費税の清算基準の見直し案に対する本県の認識をお示しください。
次に、期日前投票について伺います。
先日の代表質問で質疑が交わされましたが、観点を変えて質問いたします。
さきの衆院選では、期日前投票の利用者数が約二千百三十八万人に上り、過去最多を大幅に更新しました。台風二十一号の襲来で投票日当日の悪天候が予想された影響が大きいですが、期日前に投票した人が全有権者の二割を超えたことは、制度が定着したと考えられます。
本県の期日前投票者数は三十二万八千八百八十六人で、投票率は二三・八一%で、前回から十四万七百四十五人増加し、一〇・一七ポイントアップしました。九市町村では、期日前投票率が四〇%を超えました。
背景には、低下傾向にある投票率を少しでも高めようと工夫を凝らしている各自治体の取り組みがあります。秋田県では、市町村が人の集まりやすい大型商業施設や駅前などに期日前投票所を設置した結果、期日前投票の割合が五割を超えました。
大阪府箕面市では、阪急箕面駅前に設置した期日前投票所で、通勤・通学で同駅を利用する有権者のニーズを捉え、投票時間を朝、夜ともに二時間ずつ延長した結果、同投票所での期日前投票者数は前回衆院選の二・六倍にも達しました。
過疎地域も努力しています。島根県浜田市では、投票所が少ない山間部で、投票機材を載せたワゴン車の中で投票できる移動期日前投票車を運行し、交通手段を持たない高齢者から、「投票できてうれしい」などと歓迎されたとのことであります。
期日前投票の利便性向上については、公明党の地方議員も尽力してきました。期日前投票に必要な宣誓書を
投票所入場券の裏面に印刷するなどの取り組みは、公明党の推進で各地に広がっています。利用者がふえればふえるほど新たな改善点も見つかると思います。例えば、宣誓書の一層の簡素化や投票所の
バリアフリー化などに利用者の意見を聞いてはどうでしょうか。ライフスタイルの多様化で日曜日に投票するのが難しい有権者がふえているので、毎日が投票日となるよう、さらに知恵を絞っていただきたいと思います。
一方、今回の投票所は四万七千七百四十一カ所、ピーク時よりも約一割減っています。その理由に、投票所の投票立会人の確保難があります。投票所には、実務を行う市町村職員以外に、二人から五人の一般から選ばれた投票立会人が必要だからであります。
そこで伺う第一点は、宣誓書を
投票所入場券の裏面に印刷するなど、本県の期日前投票の現状と課題に対する認識について伺います。
第二点は、本県における投票所数の現状と、
バリアフリー等が望まれていますが、今後の取り組みについて伺います。
次に、
企画観光建設行政、初めに、
再生可能エネルギー政策について伺います。
九州・沖縄各県の
公明党地方議員有志でつくる
再生可能エネルギー研究会のメンバーとともに、海洋深層水の産業利用の現状と課題を探るため、沖縄県久米島町にある同県の
海洋深層水研究所を訪れ、
海洋温度差発電の実証設備などを視察してきました。
海洋温度差発電とは、温かい海水面と冷たい深海の温度差を利用して電気をつくることであります。
再生可能エネルギーの中では安定した出力が可能で、海の地熱発電とも呼ばれています。
この事業を実施している
一般社団法人国際海洋資源エネルギー利活用推進コンソーシアムの担当者は、
海洋温度差発電の仕組みを説明した上で、発電に利用した海水は農水産業や空調などにも利用できると強調し、「海洋深層水は、将来的に安定した
再生可能エネルギーとしての期待が大きい」と訴えておりました。
また、海洋深層水を利用して海ぶどうを養殖している
久米島海洋深層水開発株式会社を訪問し、関係者と意見交換も行いました。「沖縄特産品として市場が飽和しておらず、伸び代が大きい」と話されました。人口八千人の久米島で、サトウキビの生産額が約十億円、
深層水関連製品の生産額は年間約二十五億円で、
新規雇用者数も百四十人、全体で三百人が従事しており、久米島における一大産業となっていました。
本県でも、甑島で海洋深層水が飲料水として生産されていますが、久米島では、クルマエビ、海ぶどう、ホウレンソウなどの葉物野菜、さらには、あたらないカキの養殖などに海洋深層水を利用した関連事業へ取り組んでおられました。
そこで伺う第一点は、
再生可能エネルギーの本県の導入状況と今後の目標について伺います。
第二点は、久米島での実証実験は、本県の離島における産業創出と雇用創出の両面が期待できると考えますが、今後の取り組みについて伺います。
次に、奄美群島の振興について伺います。
奄美群島については、昭和二十九年に、奄美群島の急速な復興と住民の生活の安定に資するため
奄美群島復興特別措置法が制定され、国が基本方針を示し、県が計画を定めて、振興が図られてきました。しかし、本土との格差が解消されたとは言えない現状の中で、平成三十年度末には、現行の
奄美群島振興開発特別措置法が期限切れを迎えます。
奄美群島が自立的発展を図るために、奄美群島の社会経済の現状、課題及び
奄美群島振興開発の事業等の成果を総合的に調査し、奄美群島の自立的発展を可能とする基礎的条件を分析し、今後の振興開発の方向及びその方策を明らかにすることが重要であり、当初予算には、そのための予算として千九百五十余万円が計上されています。
そこで第一点は、
奄美群島振興開発特別措置法の延長への知事の決意と取り組みについて伺います。
第二点は、昭和二十九年から六十年余り対策が図られてきましたけれども、その取り組みの成果と課題について伺います。
第三点は、群島住民、事業所等への
アンケート調査の結果並びに市町村、各種団体、民間有識者への意向調査について伺います。
次に、二〇二〇
東京オリンピック・
パラリンピック事前合宿誘致について伺います。
二〇二〇
東京オリンピック・
パラリンピックまで千日を切り、同事前合宿も全国各地で決定するなど、誘致の競争も激化しております。事前合宿を誘致することによって、誘致国との交流が盛んになるとともに、地域の活性化も期待でき、積極的に取り組むべきであると考えます。
本県当初予算にも、同
事前合宿誘致事業に九百八十九万円余りの予算が計上されております。
第一点は、本県における事前合宿の取り組みの現状、課題、今後の取り組みについて伺います。
第二点は、全国の事前合宿の決定状況等について伺います。
次に、道路整備について伺います。
高
規格幹線道路、
地域高規格道路は、地域の経済や産業の活性化、観光振興の観点、さらには、災害時においては避難や物資を運ぶ重要な
基幹ネットワークであり、整備促進に向けた取り組みが重要であります。
知事は本会議で、「高
規格幹線道路や
地域高規格道路の早期供用に向け、国と一体となって整備に努めてまいります」と決意を語られています。我が会派も各議員連盟の皆様とともに、県下の道路の整備促進のために、石井国交大臣初め、国土交通省や県選出の国会議員に中央要請を行ってまいりました。
そこで、
道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の特別措置が平成二十九年度で期限切れになりますが、
本県道路整備への影響と
特別措置延長に向けた取り組みについて伺います。
次に、
マイナンバーの現状と課題について伺います。
社会保障と税の共通番号─
マイナンバー─を活用して、国や地方自治体が行政手続に必要な個人情報をやりとりする情報連携の本格運用が十一月からスタートしました。
この情報連携により、専用システムを使い、法律で定められた住民情報を都道府県や市町村など約千八百団体の間でやりとりが可能になります。その結果、住民が
社会保障関連の給付を役所窓口に申請する際、これまで必要だった住民票の写しや課税証明書といった書類の提出が要らなくなり、利便性が向上いたします。
また、内閣府は、
マイナンバーの
個人向けサイト、
マイナポータルを立ち上げました。これによって、保育所や
子育て関連サービスについてパソコンやスマホで申し込めるようになりました。
住民の行政手続の利便性を高める
マイナンバーカードの交付枚数は、本年八月三十一日時点で約千二百三十万人で、人口の一割弱にとどまっているようであります。
そこで伺う第一点は、十一月から本格運用した
マイナンバーの情報連携の効果についてお示しください。
第二点は、
マイナポータルによってできることをお示しいただくとともに、本県における行政機関の対応状況について伺います。
第三点は、本県における
マイナンバーカードの交付状況と活用の現状と課題についてお示しいただき、第一回目の質問といたします。
[知事三反園 訓君登壇]
5 ◯知事(三反園 訓君)来年度予算の編成方針及び重点政策についてであります。
来年度の予算編成に当たりましては、国の動向を注視しつつ、
行財政改革推進プロジェクトチームでの検討内容を含め、歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組み、地方交付税や国庫支出金等の財源の確保にも努めているところであります。また、経済情勢の変動や各般の制度改正に対応しながら、各種施策の円滑な推進に向けまして、
予算編成作業を進めてまいりたいと考えております。
特に、来年は明治維新百五十周年でありまして、鹿児島を大いに盛り上げていかなければならないと思っております。そして国内外での
トップセールスに引き続き積極的に取り組みまして、農林水産物の
ブランド力向上や輸出促進などを戦略的に展開するとともに、本県の多彩な魅力を広く発信して、県産品の販売促進、観光振興を図ってまいりたいと考えております。
また、子育て支援と高齢者の生き生き支援につきましては、重点施策の二本柱でありまして、子育て世帯が安心して子供を産み育て、高齢者が生き生きと安心して暮らせるように、今後とも、積極的に、重点的に力を入れてまいりたいと考えております。
奄美群島振興開発特別措置法の延長への決意と取り組みについてであります。
奄美群島振興開発特別措置法は、来年度末に期限切れを迎えますことから、県におきましては、本年度、奄美群島の自立的な発展のための今後の振興開発の方向・方策に関する総合調査を実施し、このたび、その報告書の素案を取りまとめたところであります。
奄美群島においては、これまで、交通基盤や産業基盤等の
社会資本整備が着実に図られ、地元の自主的かつ広域的な自立的発展の取り組みが進められてきたところであります。しかしながら、遠隔の外海に八つの島々で構成されているという地理的条件、台風や集中豪雨などによる災害が多発する厳しい条件下にありまして、本土との間に所得水準や物価を初めとする経済面の諸格差がいまだに存在しております。
このため、奄美群島の自立的発展には社会資本の整備やソフト対策が引き続き必要であります。奄振法を延長し、支援措置を一層充実させることが必要不可欠であると考えております。そのためには、県議会を初め、地元市町村等の意見も十分にお聞きして報告書を取りまとめた上で、県選出の国会議員、県議会の皆様方と一体となりまして国に働きかけ、何としても法延長を実現しなければならないと思っております。
来年は、奄美群島も舞台となりまして、
NHK大河ドラマ「西郷どん」が放送されます。また、夏ごろには奄美の
世界自然遺産登録が見込まれるなど、奄美群島には追い風も吹いておりまして、生活が少しでもよくなるように、奄美群島の一層の振興を図らなければなりません。私自身も既に奄美群島を十回訪問させていただいております。奄美群島の振興は県政推進の重要な柱の一つであります。奄振法の延長を必ず実現し、これからも奄美群島の振興に全力で取り組んでまいります。
6 ◯総務部長(寺田雅一君)地方消費税の清算基準についてでございます。
地方消費税は、その税収を消費の基準に基づいて各都道府県間で清算することで、税の帰属地と最終消費地を一致させることとしております。
地方消費税の清算基準につきましては、平成二十九年度税制改正大綱を受け、総務省が、地方消費税の税収を最終消費地の都道府県に、より適切に帰属させるための検討を行ってきたところであり、十一月二十一日には
総務省地方財政審議会の意見が取りまとめられたところでございます。その主な内容は、消費に係る統計の利用方法や消費の代替指標など抜本的な見直しについて、平成三十年度税制改正において結論を得るべきとされたところでございます。
現在、清算基準について、
与党税制調査会で具体的な議論が行われており、県といたしましては、税収の最終的な帰属地と最終消費地を一致させるよう、より適切な清算制度を構築していただきたいと考えております。
7
◯選挙管理委員会委員長(鎌田六郎君)本県の期日前投票の現状と課題に対する認識についてでございます。
期日前投票に係る宣誓書につきまして、
投票所入場券に様式を印刷している市町村が二十一団体、ホームページから様式を入手できる市町村が十三団体などとなっております。昨年の
参議院議員選挙と比べていずれの取り組みも増加いたしております。
また、このような取り組みを行っていない十二市町村におきましては、その理由といたしまして、期日前投票に支障が生じていないこと、要望がないことなどが挙げられているところでございます。
当委員会といたしましては、選挙人の投票環境及び利便性の向上を図ることは重要であると考えておりまして、引き続き、このような取り組みを行う市町村が増加するよう、事例の紹介や必要な助言等を行ってまいりたいと考えております。
次に、本県の投票所数の現状と
バリアフリー化の取り組みについてでございます。
今回の投票所数は千百九十四カ所でありまして、最も多かった平成十三年と比較いたしまして、約九%減少となっております。
現在の投票所のうち、入り口に段差のあるものが五百五十五カ所、二階以上に設置されているものが十四カ所ありますが、全てにおきまして、簡易スロープの設置や人的介助などの必要な措置がとられているところでございます。
当委員会といたしましては、高齢者等の投票が円滑に行われますよう、引き続き、市町村に対し十分な配慮を求めてまいりたいと考えております。
8 ◯企画部長(東條広光君)初めに、
再生可能エネルギーの導入状況等についてであります。
本県の
再生可能エネルギーの平成二十八年度末の導入状況は、太陽光発電が百三十五万キロワット、風力発電が二十六万キロワット、
バイオマス発電が九万キロワットとなるなど、現行の
導入ビジョンの目標をほぼ達成しております。
現在策定中の新たな
導入ビジョンの素案におきましては、地域の特性を生かす、種類をふやす、量をふやすの三つの考え方に基づき、
再生可能エネルギーの導入を推進することとしているところであります。
導入目標につきましては、
再生可能エネルギー供給の
全国トップクラスを目指すとともに、安定した発電が可能な小水力やバイオマスなどについて、太陽光以上の伸びを達成することとしております。
海洋エネルギーを利用した発電には、
海洋温度差発電や海流発電などがありますが、本県では、平成二十四年度にこれらの
開発可能性調査を行ったところであります。このうち
海洋温度差発電については、必要な温度差のある海域が一部に限られ、また、施設の整備に多大なコストがかかるなどの課題が明らかになったところであります。一方、海流発電については、口之島沖に有望な海流の存在が明らかとなり、その後、同海域は、国の海流発電の
実証フィールドに選定され、本年八月には実証試験が実施されているところであります。
県としては、引き続き、地域の特性に応じた
再生可能エネルギーの導入促進に取り組んでまいりたいと考えております。
次は、
奄美群島振興開発事業の成果と課題についてであります。
奄美群島においては、昭和二十八年の日本復帰以来、奄振法に基づき約二兆四千億円の事業費が投入され、群島の自立的発展や住民生活の安定を図るための事業が展開されてきたところであります。
社会資本整備においては、奄美の厳しい地理的・
自然的条件等の特殊事情による不利性を克服するために積極的な諸施策が講じられ、交通基盤の整備等が図られているところでありますが、今後は、防災面からの整備や老朽化対策を行うとともに、
世界自然遺産登録を見据え、クルーズ船の対応など、外国からの入り込み客を意識した整備が必要であると考えております。
また、ソフト対策においては、平成二十六年度に創設されました奄振交付金を活用した諸施策により、交流人口の増加や農業産出額の増大などの効果が見られますが、これらをさらに拡大するため、
世界自然遺産登録を見据え、地域資源を活用した観光施策や付加価値の高い農業生産の推進などが必要であると考えております。
次は、
奄美群島振興開発総合調査におけるアンケートの結果等についてであります。
住民などへの
アンケート調査によりますと、奄美群島の課題としては、「人口減少・
少子高齢化対策」、島で暮らしていくために必要なことは、「収益性の高い仕事」、力を入れるべき産業は、「園芸農業と
観光関連産業」とする回答が多かったところであり、今後とも特別措置が必要との意見は、在住者、出身者ともに八割を超え、法延長が必要との意見が大半を占めたところであります。
また、市町村や各種団体、民間有識者の意向調査等では、
世界自然遺産登録などを生かした交流拡大や産業振興、専門的な知識やスキルを持った人材の確保・育成、出身者などへの運賃の負担軽減、
輸送コスト支援事業の対象拡大などの取り組みを求める意見が多く出されたところであります。
次は、
マイナンバーの情報連携の効果についてであります。
社会保障・税番号制度、いわゆる
マイナンバー制度は、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤として導入されたところであります。このうち、行政機関等の間で情報のやりとりを行う情報連携については、本年七月十八日から試行運用が開始され、十一月十三日から本格運用に移行したところであります。
情報連携に期待される効果としては、添付書類の省略など国民の負担が軽減されること、行政機関で情報の入力・照合などに要する時間や労力が削減されること、所得や他の
行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止できることなどが挙げられております。
次は、
マイナポータルで提供されるサービスと県内の行政機関の対応についてであります。
マイナポータルについては、国民等が
マイナンバーカードを利用して、ホームページ上で国や
地方公共団体等における自分の情報の利用状況や情報自体の確認ができるほか、子育てに関する行政手続をワンストップで行うことができる
オンラインサービスであります。
県内市町村における、いわゆる
子育てワンストップサービスへの対応については、本年十一月から三十六市町村でオンラインでの申請が可能となっており、本年度内には全ての市町村で申請が可能となる予定であります。
臨時財政対策債は、平成十三年度から三年間の臨時的措置として導入された経緯がありますが、その後、延長されております。
臨時財政対策債は、地方交付税の振り替えであることから、その全額が交付税措置されることとされております。とはいえ、
臨時財政対策債を起債したのは県でありますので、返済が必要な借入金になります。
財政運営に当たり、
臨時財政対策債をどのように位置づけておられるのか、お伺いいたします。
第五点は、人件費についてであります。
歳出を見ますと、人件費は、平成二十一年度以降、約二千百億円で推移いたしております。平成二十七年十月に共済年金と厚生年金が統合いたしました。これは、年金制度の公平性を確保する観点からの制度改正になるわけでありますが、一方、現在、地方公務員に係る年金の保険料について、厚生年金の保険料と統一するために毎年度引き上げが行われているところであります。
このことは人件費に今後どのような影響を与えるか、お伺いいたします。
次に、マニフェスト等についてお尋ねいたします。
知事は、昨年の選挙の際、鹿児島を日本一にする六つの約束としてマニフェストを発表されました。同時に、マニフェストのほかにビジョン・想いも発表され、地域人口減少の歯どめ、県民所得倍増計画などを掲げられました。これらを見ますと、知事の鹿児島の発展にかける熱い思いを感じ取ることができるのであります。
マニフェスト等の進捗の状況は、県のホームページで知ることができ、着実に推進されているように思われます。
そこでお尋ねいたします。
第一点は、観光客の受け入れについてであります。
観光は、古代中国の書「五経」の一つ、「易経」の「国の光を観る。王に賓たるに用いるに利し」との一節によるとあります。解釈は、「旅をしての経験は、人生においてきっと役に立つものである」ともあります。
県の観光統計によりますと、外国人延べ宿泊者数は、平成二十八年は約四十八万人で、平成二十三年は約九万三千人でありますので、五年間で約五・二倍と増加しております。
外国人旅行客が増加する中で、いい経験だったと感じてもらうためには、外国語に精通した方の案内が必要であると考えます。外国人観光客がふえる中、十分に対応するためにどのような方策をとっていかれるのか、お伺いいたします。
第二点は、観光と他産業との連携についてであります。
観光に関する業種は非常に多様であります。言うなれば総合型産業であります。観光とそれぞれの産業が結びつくことにより、相互の連携により相乗効果が期待できます。さきの全国和牛能力共進会におきまして、本県は堂々の全国和牛チャンピオンの栄誉に輝きました。関係者の御労苦を多とするところであります。
本県観光において観光振興策を幅広く展開するために、農業を初め、他産業との連携をどのように図っていくおつもりか、お伺いいたします。
第三点は、農業振興についてであります。
かごしまブランド産品につきましては、平成元年度からかごしまブランド確立運動が展開され、ことしも、「かごしまそらまめ」、「かごしま地鶏」などが指定され、現在、十九品目二十五産地が指定されております。かごしまブランドは、多くの関係者の努力の積み重ねにより、市場や消費者の評価も高く、ブランドとして定着していると考えます。
消費者ニーズの多様化、販売環境の変化など、農業環境は変動しております。六月議会では、「本年度、生産者や流通・販売関係者等の意見などを参考にしながら、県産農畜産物のブランド力をさらに高めるための検討を行う」との答弁がなされました。
生産者や流通・販売関係者からはどのような意見が出ているのか、また、ブランド力をさらに高めるためにどのような検討を行っているのか、お示しください。
第四点は、製造業の誘致についてであります。
明治維新から間もなく百五十年たちますが、県全体の浮揚発展・振興の立場で考えてみるとき、島津斉彬公が集成館事業を起こしたように、産業・製造業は社会の発展に欠かせないものと考えます。
近年、本県では、大手メーカーの工場の撤退や規模縮小が続きました。県では、毎年、県民所得を公表されておりますが、本年一月に公表されたところによりますと、製造業の総生産額は県民所得とほぼ連動していることがうかがえます。
県民所得をふやすために、企業立地、製造業の誘致に今以上に力を入れて取り組むべきと考えますが、いかがお考えかお伺いいたします。
第五点は、県庁舎についてであります。
知事のマニフェストには、県民への温かい気持ちが強く感じ取れます。県民の皆さんに訪れていただく県庁舎は、知事の気持ちが伝わるものでなくてはならないと思います。このため、庁舎内のスペースを利用して、県の施策や観光情報等を来庁者に積極的にPRしていくことが必要だと考えますが、情報提供や発信場所としてうまく活用されているか。来庁者は、庁舎一階に売店、食堂などがあり、職員優先の施設といった印象を受けることも否めません。また、二階県民ホールについても、エスカレーターが停止していることもあり、十分にその機能を果たしているか疑問であります。
そこでお伺いいたします。
庁舎を工夫して、県民に対して、県政PRや観光PRの情報提供や発信場所として活用できないか。また、一階や二階県民ホールが来庁者にとって親しみやすく気軽に利用できるように、エスカレーターの再開による機能充実などは考えられないのか、お伺いいたします。
[知事三反園 訓君登壇]
32 ◯知事(三反園 訓君)人口減少・少子高齢化社会への対応についてであります。
人口減少・少子高齢化社会が本県財政に与える影響につきましては、その具体的な影響をお示しすることは難しいと考えておりますけれども、歳入面では、個人県民税などの県税収入の減、地方交付税の算定における基準財政需要額の減が想定されます。歳出面では、人口の減少に伴う行政需要の減も一定程度想定される一方で、少子高齢化の進行に伴う扶助費の増加が想定されるところであります。
このため、県といたしましては、持続可能な行財政構造を構築するため、引き続き、歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組む必要があると考えております。また、あわせまして、人口減少・少子高齢化社会に対応した施策を展開することが重要であると考えておりまして、地域の経済・雇用を支える足腰の強い産業の育成、地域における子育て支援、高齢者の生き生き支援といった
少子高齢化対策などの施策に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
33 ◯企画部長(東條広光君)県域を超えた広域的な連携についてのお尋ねであります。
現在、本県は、九州地方知事会に属する九州・山口各県と連携して、共通する広域的な課題に取り組んでいるところであります。これまで、九州観光推進機構を設立し、国内外から九州への観光客誘致等に一体となって取り組んでおりますほか、工業系・農業系試験研究機関の連携、東京でのUIJターン希望者向けの合同会社説明会や婚活イベントの開催、身体障害者用駐車場の利用証の相互利用など、各般の施策に取り組んでいるところであります。
また、防災面において、災害時応援協定に基づき、熊本地震や九州北部豪雨への初動対応や復興支援を行うとともに、災害廃棄物処理等に係る相互支援協定を締結するなど、広域連携体制の充実を図っております。
今後とも、県域を超えて広域的に取り組むことで効果の上がる行政課題につきましては、他県等と緊密に連携・協力して取り組んでまいりたいと考えております。
34 ◯総務部長(寺田雅一君)行政評価制度についてでございます。
本県の行政評価は、各部局が県の施策に関する基本的な計画等を策定・改定する際に、施策を効果的・効率的に推進すること等を目的として施策評価を行い、その結果を次期計画に反映させる仕組みとしているところでございます。
昨年度は、鹿児島県女性活躍推進計画や第二種特定鳥獣管理計画など四つの計画において、定量的な指標による目標設定や学識経験者の知見の活用等の方法により施策評価を行い、その結果をそれぞれの計画に反映したところであり、今年度は、高齢者保健福祉計画など七つの計画において施策評価を行う予定としているところでございます。
また、毎年度当初に、各部局における施策評価の実施予定を把握するとともに、県の施策に関する基本的な計画等の策定・改定の際に、それぞれの分野の特性に応じた施策評価を適切に行うよう促すほか、職員に対しましては、行政評価に関する研修も行っているところでございます。
続きまして、
臨時財政対策債の位置づけについてでございます。
御指摘いただきましたように、
臨時財政対策債は、本来交付されるべき地方交付税の振り替え措置として創設されたもので、その元利償還金については、地方財政法等の規定により、後年度、その全額が地方交付税の基準財政需要額に算入されることとされております。
持続可能な地方交付税制度の確立のためには、
臨時財政対策債に頼らない制度設計が必要なことから、今後とも、地方交付税の法定率の引き上げなどによる地方交付税原資の確保について、県開発促進協議会や全国知事会等を通じまして、国に対して強く要望してまいりたいと考えております。
共済年金と厚生年金の統合に伴う今後の人件費への影響についてでございます。
共済年金制度につきましては、被用者年金制度全体の公平性・安定性を確保する観点から、平成二十七年十月から厚生年金制度に統一することとされ、共済年金の保険料を引き上げ、平成三十年九月に厚生年金の保険料率に統一するなどの改正が行われたところでございます。
保険料の引き上げによる今後の人件費への影響といたしましては、平成二十九年度当初予算ベースで試算いたしますと、平成三十年度は前年度に比べ三億円程度、平成三十一年度は前年度に比べ一億円程度の負担金の増が見込まれるところでございます。
35 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)まず、外国語ガイドの育成についてでございます。
県内には、外国人に対して有料でガイドできる国家資格である通訳案内士が八十二名、九州域内限定で有償ガイドができる九州特区ガイドが四十二名、さらに、奄美群島限定で有償ガイドができる奄美特例ガイドが四十七名登録されており、県では、これらの通訳ガイドの育成・確保のための各種研修等を行ってきているところでございます。
また、来年一月からは、通訳ガイドの量的確保、質の向上を目的として通訳案内士法が改正されますが、この法改正も踏まえ、県では、通訳案内士を初め、通訳ガイドに関する啓発セミナーや各種研修、特区ガイドの研修受講への協力、関係団体等への情報提供などを通じて、さらなる通訳ガイドの量的・質的向上を図ってまいります。
次に、観光と他産業との連携についてでございます。
観光は、農林水産業や運輸業、製造業その他の産業とも密接な関係を有する総合的な産業でございます。観光の振興を図ることにより、交流人口の増大や観光客による消費拡大などの効果にとどまらず、関連産業の雇用機会の創出や増大につながるなど、地域全体に大きな経済効果をもたらすことが期待されております。
このため、農林水産業と連携し、和牛日本一に輝いた鹿児島黒牛や黒豚を初めとする県産食材やそれらを活用した郷土料理のPR、教育旅行などにおけるカンパチへの餌やり体験など、農林漁業体験型観光の推進を行っておりますほか、製造業との連携により、焼酎工場の見学、薩摩焼の絵つけ体験などの産業観光の推進や、魅力ある観光土産品となる特産品の開発・販売などの取り組みを促進しているところでございます。
今後とも、他産業との連携を強化いたしますとともに、観光による波及効果の増大を図りますとともに、幅広い観光振興策を展開してまいります。
36 ◯農政部長(川野敏彦君)かごしまブランドの見直しに向けた検討状況についてでございます。
県では、制度創設後三十年近くを経過し、かごしまブランドを取り巻く生産・流通・消費の環境が大きく変化していることなどを踏まえ、本年度、ブランド戦略の見直しを進めており、これまで、生産者や流通・販売関係者等から幅広くヒアリングを重ねてきたところです。
生産者からは、「K─GAPの取得など安心・安全への意識が向上した」との意見がある一方で、「生産者の高齢化等により生産量が減少し、安定出荷に苦労している」といった意見をいただいております。
また、流通・販売関係者からは、「定時・定量・定質や安心・安全への取り組みは評価できる」との意見がある一方で、「少量でも品質や市場評価の高さなど鹿児島の強みを生かせる品目もあるのではないか」、また、「県外でのかごしまブランドの認知度をもっと高める必要があるのではないか」などの意見をいただいております。
県では、近く、有識者や農業者団体、流通関係者等から成る検討会を立ち上げることとしており、これまでのヒアリングでいただいた意見も踏まえながら、ブランド品目の生産量を確保するために幅広い生産者の参加を求めることや、かごしまを前面に打ち出した販売戦略のあり方などについて議論したいと考えております。
37 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)製造業の誘致についてのお尋ねでございます。
本県の企業誘致につきましては、かごしま製造業振興方針に基づき、自動車・電子・食品に加え、環境・新エネルギー産業など、次の世代の基幹産業を担う企業立地の促進に重点的に取り組むことといたしております。
企業誘致に向けては、東京・大阪事務所の職員及び産業立地推進員による企業訪問活動や、東京や大阪において市町村と共同で開催しております企業立地懇話会における
トップセールスの実施のほか、県内製造拠点の維持・拡大につなげるための立地企業へのきめ細やかなフォローアップなど、積極的な取り組みを展開しているところでございます。
今後とも、成長著しいアジアに近接する地理的優位性や豊富な農林水産物、陸海空の交通インフラの充実、世界に誇れる国内有数の企業の立地、豊かな自然や住みやすい生活環境といった本県の魅力を訴えながら、市町村とも一体となった誘致活動に努めてまいりたいと考えております。
38 ◯会計管理者(迫 貴美君)県庁舎の機能充実についてでございます。
県庁舎での県政情報等の発信につきましては、これまでの玄関の大型パネルによる明治日本の産業革命遺産等のPRや、県政広報展示コーナーでの各種資料配布等に加えまして、今年度は、明治維新百五十周年のカウントダウンボードの設置や和牛日本一の紹介パネルの展示などを行っております。
今後とも、県庁舎を活用した県政情報等の積極的な発信に努めてまいります。
エスカレーターにつきましては、二階の県民ホール等へのアプローチとして設置されたものでありますが、パスポート窓口が県民交流センター内に移転し、利用者が減少したことや、全てのエレベーターが二階で乗降できることなどを総合的に判断し、平成十六年一月から停止しております。
エスカレーターの再開につきましては、停止から十三年を経過しており、機器のリニューアルに要する費用のほか維持管理経費が必要となりますことから、今後の庁舎一、二階の活用状況や財政状況等を勘案しながら、検討してまいりたいと考えております。
[田之上耕三君登壇]
39 ◯田之上耕三君 続けて質問いたしてまいります。
まず、来年度の公共事業予算編成の基本方針についてお尋ねいたします。
公共事業は、地域の社会資本の整備を行い、地域経済の活性化、防災、県土強靱化などさまざまな効果をもたらすものであり、地域経済の根幹をなすものと言えます。
国の公共事業関係予算については、平成二十五年度予算において、これまでの右肩下がりの削減には歯どめがかけられたものの、その後の平成二十六年度から二十九年度予算においても、ほぼ横ばいの水準にとどまっております。
また、国は、平成三十年度予算の概算要求において、被災地の復旧・復興、国民の安全・安心の確保、生産性の向上と新需要の創出による成長力の強化及び豊かで活力のある地域づくりに取り組むこととしております。
一方、本県の
社会資本整備は、高
規格幹線道路など全国に比べて今なお立ちおくれており、また、台風や集中豪雨等により、毎年のように甚大な被害が発生しているところであります。
このような状況において、新しい力強い鹿児島をつくるため、おくれている本県の
社会資本整備を着実に推進する必要があると考えますが、そこでお尋ねいたします。
平成三十年度の県の公共事業の予算編成の基本方針についてお示しください。
次に、霧島市の県管理道路の整備促進についてお伺いいたします。
霧島市は、県本土の中央部に位置しており、鹿児島空港などの拠点施設や他の都市を結ぶ県管理の幹線道路は、産業経済交流はもとより観光や企業誘致の促進においても、地域の基盤として欠かせない施設であることから、沿線地域だけではなく県下全域の産業振興に寄与する役割を担う重要な施設であると考えます。
これまでの幹線道路は鋭意整備を推進していただいておりますが、市街地においては恒常的な渋滞が発生しており、市民や霧島市を訪れる方々に多様な影響を与えている状況であります。また、中山間部では、台風や集中豪雨等により通行不能になるなどの機能低下が危惧されることから、安全・安心な道路の整備が強く望まれているところであります。
その中でも、これまで何回も質問いたしてまいりました都市計画道路新町線、これを現在着手していただいておりますが、今なお渋滞が続いており、一日も早い完成を待ち望んでいるところであります。
そこでお尋ねいたします。
都市計画道路新町線の現在の進捗率と今後の見通しについてお示しください。
また、霧島市における県管理道路の整備を今後どのように進めるのか、お示しください。
次は、湧水町の道路整備についてであります。
県道四百四十三号幸田栗野線についてお伺いいたします。
本路線は、県道五十三号の幸田地区と県道五十五号の栗野市街地を結ぶ主要道路でありますが、急カーブが連なる一部である約四百五十メートルが未改良であり、交通事故が発生している危険区間でもあります。また、本路線の整備は地区住民の長年の要望でもあり、幸田地区及び轟地区からの通学路にもなっております。
この未改良区間については、平成二十八年度より幸田工区として事業に着手していただいておりますが、現在の進捗状況と今後の見通しについてお示しください。
次に、県道百三号についてお伺いいたします。
県道百三号栗野停車場えびの高原線は、JR栗野駅からえびの高原に至る予定の一般県道であり、鹿児島県側は昭和三十六年三月に、宮崎県側は昭和三十七年四月に認定されている全長十五キロメートルの路線であります。
この路線は、九州自動車道栗野インターチェンジとえびの高原を結ぶ最短道路でありますが、鹿児島県側が〇・五キロメートル、宮崎県側が三キロメートルの合計三・五キロメートルが未供用区間となっております。
平成二十三年一月に爆発的な噴火を起こした新燃岳でありますが、最近でも活動が活発になっており、この区間が整備されることにより、新燃岳を含む霧島山の噴火の際に想定される土石流や火山ガスによる災害、事故等の発生時における避難道路として大きな役割を果たすことが期待されております。
また、この路線を含む霧島山を中心とする地域は、平成二十二年九月に日本ジオパークに認定され、現在、地域一丸となって世界認定を目指しております。南九州有数の観光地でもあり、国が進める国立公園のナショナルパークとしてのブランド化に向けた取り組みとあわせ、国内はもとより海外からの訪問者の増加が期待され、観光客の避難道路の整備・確保は喫緊の課題となっております。
つきましては、県道百三号の早期整備は、環霧島の地域住民の長年にわたる悲願であり、環霧島議員連盟も積極的な活動を展開し、さきの十一月十五日には、三反園知事へ直接要望書を手渡したところであります。
そこでお伺いいたします。
県道百三号栗野停車場えびの高原線の未供用区間について、鹿児島県と宮崎県がしっかりと連携し、環境面・防災面のほか、有効な補助制度を活用した財源確保の面等から、実現性の高いルートの検討を含めた整備の可能性調査を早急に行う必要があると考えますが、三反園知事の所見をお伺いいたします。
次は、平成三十年大河ドラマ「西郷どん」及び霧島市が整備を進めている日当山西郷どん村についてお尋ねいたします。
県内では、明治維新百五十周年に向けて、地域の歴史や魅力を見直し、鹿児島を広くアピールする取り組みが始まっており、来年一月七日から大河ドラマ「西郷どん」の放映もスタートします。
西郷南洲は、明治維新において重要な役割を果たした人物として、その功績と人間的魅力で県内はもとより日本中で愛されており、敬愛を込めた「西郷どん」の愛称で呼ばれております。
西郷南洲は、大の温泉好きで知られており、鹿児島県下は至るところによき温泉がありますが、その中でも最も足しげく通った温泉地が、霧島市にある日当山温泉郷でありました。当時は交通の利便性も悪く、吉野原を越える時代から日当山が近いわけでもなく、当時の日当山温泉は設備不完全で、湯つぼは元湯、現在の西郷どん湯と称する共同湯が一つで、屋根は瓦ぶきであり、四方板壁で、浴場は石畳であるが、湯つぼの底は土間のままで男女混浴、あかも随分浮いていたにもかかわらず、西郷南洲は平気で入浴されたようであります。
そのころは付近に旅館もなく、西郷南洲は、農家の龍宝伝右衛門宅の表座敷を借りて家人と同様に飲食されたものであると「日当山温泉南洲逸話」にもあります。
午後三時十四分散会
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