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2017-12-05 平成29年第4回定例会(第3日目) 本文
2017-12-05 平成29年第4回定例会(第3日目) 名簿

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  1. 鹿児島県議会 2017-12-05
    2017-12-05 平成29年第4回定例会(第3日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(柴立鉄彦君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    成 尾 信 春 君    郷 原 拓 男 君    田之上 耕 三 君    伊 藤 浩 樹 君  一、請願・陳情の委員会付託  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━    △ 報  告 2 ◯議長(柴立鉄彦君)ここで、報告いたします。  今回提出されました議案のうち、議案第八〇号、議案第八一号、議案第九六号及び議案第九七号につきましては、当席において、地方公務員法第五条第二項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めましたところ、配付いたしております写しのとおり、意見書が提出されております。
     以上で、報告を終わります。       ─────────────    △ 一般質問 3 ◯議長(柴立鉄彦君)一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  成尾信春君に発言を許可いたします。    [成尾信春君登壇](拍手) 4 ◯成尾信春君 おはようございます。  平成二十九年第四回定例会に当たり、公明党を代表して一般質問いたします。  早速、通告に従い質問に入ります。  初めに、知事の政治姿勢について、来年度予算編成方針等について伺います。  国は、来年度予算額を九十八兆円前後とする方針で、二〇一八年度は、人づくり革命の実現に向けた教育を初めとする人への投資や、地域経済や中小企業の支援などが優先課題推進枠に設定されています。  また、「平成三十年度税制改正の論点となる地方消費税の配分見直しをめぐり、税収を各都道府県に割り振る三基準のうち、従業員数基準は原則廃止、販売額基準も一部項目を除外することで比重を下げ、その分を地方に有利な人口基準に割り当て、販売額が五割、人口による配分が五割になる」との報道がなされています。それによると、販売額に比べ、人口のほうが大都市部への偏りが小さいため、東京都が一千億円を超える減収となる一方、大半の自治体は税収がふえる見込みであります。  本県の平成二十八年度決算においては、県政刷新大綱や行財政運営戦略に基づき行財政構造改革に取り組み、財源不足額を解消され、平成二十九年度も財源不足の生じない予算編成をなされました。しかし、県債の新規発行額は、二〇一五年度比一・三%増の千二十六億五千百万円で、後年度に交付税で措置される臨時財政対策債などを除く県独自分は六百六十三億一千六百万円で、台風十六号の災害復旧などで一九・九%、百十億円増加。歳出面では、扶助費が増加傾向にあり、公債費が高水準で推移すると見込まれ、改修や更新を要する県有施設等の増加も見込まれるなど、厳しい財政運営が求められております。  そこで伺う第一点は、国の来年度予算編成を考慮した上で、本県においては、行財政改革推進プロジェクトチームを設置され行財政改革を推進しておられますが、三反園知事の来年度予算の編成方針をお示しください。  また、二年目の予算ですので、特に重点的に行う目玉政策をお示しください。  第二点は、地方消費税の清算基準の見直し案に対する本県の認識をお示しください。  次に、期日前投票について伺います。  先日の代表質問で質疑が交わされましたが、観点を変えて質問いたします。  さきの衆院選では、期日前投票の利用者数が約二千百三十八万人に上り、過去最多を大幅に更新しました。台風二十一号の襲来で投票日当日の悪天候が予想された影響が大きいですが、期日前に投票した人が全有権者の二割を超えたことは、制度が定着したと考えられます。  本県の期日前投票者数は三十二万八千八百八十六人で、投票率は二三・八一%で、前回から十四万七百四十五人増加し、一〇・一七ポイントアップしました。九市町村では、期日前投票率が四〇%を超えました。  背景には、低下傾向にある投票率を少しでも高めようと工夫を凝らしている各自治体の取り組みがあります。秋田県では、市町村が人の集まりやすい大型商業施設や駅前などに期日前投票所を設置した結果、期日前投票の割合が五割を超えました。  大阪府箕面市では、阪急箕面駅前に設置した期日前投票所で、通勤・通学で同駅を利用する有権者のニーズを捉え、投票時間を朝、夜ともに二時間ずつ延長した結果、同投票所での期日前投票者数は前回衆院選の二・六倍にも達しました。  過疎地域も努力しています。島根県浜田市では、投票所が少ない山間部で、投票機材を載せたワゴン車の中で投票できる移動期日前投票車を運行し、交通手段を持たない高齢者から、「投票できてうれしい」などと歓迎されたとのことであります。  期日前投票の利便性向上については、公明党の地方議員も尽力してきました。期日前投票に必要な宣誓書を投票所入場券の裏面に印刷するなどの取り組みは、公明党の推進で各地に広がっています。利用者がふえればふえるほど新たな改善点も見つかると思います。例えば、宣誓書の一層の簡素化や投票所のバリアフリー化などに利用者の意見を聞いてはどうでしょうか。ライフスタイルの多様化で日曜日に投票するのが難しい有権者がふえているので、毎日が投票日となるよう、さらに知恵を絞っていただきたいと思います。  一方、今回の投票所は四万七千七百四十一カ所、ピーク時よりも約一割減っています。その理由に、投票所の投票立会人の確保難があります。投票所には、実務を行う市町村職員以外に、二人から五人の一般から選ばれた投票立会人が必要だからであります。  そこで伺う第一点は、宣誓書を投票所入場券の裏面に印刷するなど、本県の期日前投票の現状と課題に対する認識について伺います。  第二点は、本県における投票所数の現状と、バリアフリー等が望まれていますが、今後の取り組みについて伺います。  次に、企画観光建設行政、初めに、再生可能エネルギー政策について伺います。  九州・沖縄各県の公明党地方議員有志でつくる再生可能エネルギー研究会のメンバーとともに、海洋深層水の産業利用の現状と課題を探るため、沖縄県久米島町にある同県の海洋深層水研究所を訪れ、海洋温度差発電の実証設備などを視察してきました。  海洋温度差発電とは、温かい海水面と冷たい深海の温度差を利用して電気をつくることであります。再生可能エネルギーの中では安定した出力が可能で、海の地熱発電とも呼ばれています。  この事業を実施している一般社団法人国際海洋資源エネルギー利活用推進コンソーシアムの担当者は、海洋温度差発電の仕組みを説明した上で、発電に利用した海水は農水産業や空調などにも利用できると強調し、「海洋深層水は、将来的に安定した再生可能エネルギーとしての期待が大きい」と訴えておりました。  また、海洋深層水を利用して海ぶどうを養殖している久米島海洋深層水開発株式会社を訪問し、関係者と意見交換も行いました。「沖縄特産品として市場が飽和しておらず、伸び代が大きい」と話されました。人口八千人の久米島で、サトウキビの生産額が約十億円、深層水関連製品の生産額は年間約二十五億円で、新規雇用者数も百四十人、全体で三百人が従事しており、久米島における一大産業となっていました。  本県でも、甑島で海洋深層水が飲料水として生産されていますが、久米島では、クルマエビ、海ぶどう、ホウレンソウなどの葉物野菜、さらには、あたらないカキの養殖などに海洋深層水を利用した関連事業へ取り組んでおられました。  そこで伺う第一点は、再生可能エネルギーの本県の導入状況と今後の目標について伺います。  第二点は、久米島での実証実験は、本県の離島における産業創出と雇用創出の両面が期待できると考えますが、今後の取り組みについて伺います。  次に、奄美群島の振興について伺います。  奄美群島については、昭和二十九年に、奄美群島の急速な復興と住民の生活の安定に資するため奄美群島復興特別措置法が制定され、国が基本方針を示し、県が計画を定めて、振興が図られてきました。しかし、本土との格差が解消されたとは言えない現状の中で、平成三十年度末には、現行の奄美群島振興開発特別措置法が期限切れを迎えます。  奄美群島が自立的発展を図るために、奄美群島の社会経済の現状、課題及び奄美群島振興開発の事業等の成果を総合的に調査し、奄美群島の自立的発展を可能とする基礎的条件を分析し、今後の振興開発の方向及びその方策を明らかにすることが重要であり、当初予算には、そのための予算として千九百五十余万円が計上されています。  そこで第一点は、奄美群島振興開発特別措置法の延長への知事の決意と取り組みについて伺います。  第二点は、昭和二十九年から六十年余り対策が図られてきましたけれども、その取り組みの成果と課題について伺います。  第三点は、群島住民、事業所等へのアンケート調査の結果並びに市町村、各種団体、民間有識者への意向調査について伺います。  次に、二〇二〇東京オリンピックパラリンピック事前合宿誘致について伺います。  二〇二〇東京オリンピックパラリンピックまで千日を切り、同事前合宿も全国各地で決定するなど、誘致の競争も激化しております。事前合宿を誘致することによって、誘致国との交流が盛んになるとともに、地域の活性化も期待でき、積極的に取り組むべきであると考えます。  本県当初予算にも、同事前合宿誘致事業に九百八十九万円余りの予算が計上されております。  第一点は、本県における事前合宿の取り組みの現状、課題、今後の取り組みについて伺います。  第二点は、全国の事前合宿の決定状況等について伺います。  次に、道路整備について伺います。  高規格幹線道路地域高規格道路は、地域の経済や産業の活性化、観光振興の観点、さらには、災害時においては避難や物資を運ぶ重要な基幹ネットワークであり、整備促進に向けた取り組みが重要であります。  知事は本会議で、「高規格幹線道路地域高規格道路の早期供用に向け、国と一体となって整備に努めてまいります」と決意を語られています。我が会派も各議員連盟の皆様とともに、県下の道路の整備促進のために、石井国交大臣初め、国土交通省や県選出の国会議員に中央要請を行ってまいりました。  そこで、道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の特別措置が平成二十九年度で期限切れになりますが、本県道路整備への影響と特別措置延長に向けた取り組みについて伺います。  次に、マイナンバーの現状と課題について伺います。  社会保障と税の共通番号─マイナンバー─を活用して、国や地方自治体が行政手続に必要な個人情報をやりとりする情報連携の本格運用が十一月からスタートしました。  この情報連携により、専用システムを使い、法律で定められた住民情報を都道府県や市町村など約千八百団体の間でやりとりが可能になります。その結果、住民が社会保障関連の給付を役所窓口に申請する際、これまで必要だった住民票の写しや課税証明書といった書類の提出が要らなくなり、利便性が向上いたします。  また、内閣府は、マイナンバー個人向けサイトマイナポータルを立ち上げました。これによって、保育所や子育て関連サービスについてパソコンやスマホで申し込めるようになりました。  住民の行政手続の利便性を高めるマイナンバーカードの交付枚数は、本年八月三十一日時点で約千二百三十万人で、人口の一割弱にとどまっているようであります。  そこで伺う第一点は、十一月から本格運用したマイナンバーの情報連携の効果についてお示しください。  第二点は、マイナポータルによってできることをお示しいただくとともに、本県における行政機関の対応状況について伺います。  第三点は、本県におけるマイナンバーカードの交付状況と活用の現状と課題についてお示しいただき、第一回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 5 ◯知事(三反園 訓君)来年度予算の編成方針及び重点政策についてであります。  来年度の予算編成に当たりましては、国の動向を注視しつつ、行財政改革推進プロジェクトチームでの検討内容を含め、歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組み、地方交付税や国庫支出金等の財源の確保にも努めているところであります。また、経済情勢の変動や各般の制度改正に対応しながら、各種施策の円滑な推進に向けまして、予算編成作業を進めてまいりたいと考えております。  特に、来年は明治維新百五十周年でありまして、鹿児島を大いに盛り上げていかなければならないと思っております。そして国内外でのトップセールスに引き続き積極的に取り組みまして、農林水産物のブランド力向上や輸出促進などを戦略的に展開するとともに、本県の多彩な魅力を広く発信して、県産品の販売促進、観光振興を図ってまいりたいと考えております。  また、子育て支援と高齢者の生き生き支援につきましては、重点施策の二本柱でありまして、子育て世帯が安心して子供を産み育て、高齢者が生き生きと安心して暮らせるように、今後とも、積極的に、重点的に力を入れてまいりたいと考えております。  奄美群島振興開発特別措置法の延長への決意と取り組みについてであります。  奄美群島振興開発特別措置法は、来年度末に期限切れを迎えますことから、県におきましては、本年度、奄美群島の自立的な発展のための今後の振興開発の方向・方策に関する総合調査を実施し、このたび、その報告書の素案を取りまとめたところであります。  奄美群島においては、これまで、交通基盤や産業基盤等の社会資本整備が着実に図られ、地元の自主的かつ広域的な自立的発展の取り組みが進められてきたところであります。しかしながら、遠隔の外海に八つの島々で構成されているという地理的条件、台風や集中豪雨などによる災害が多発する厳しい条件下にありまして、本土との間に所得水準や物価を初めとする経済面の諸格差がいまだに存在しております。  このため、奄美群島の自立的発展には社会資本の整備やソフト対策が引き続き必要であります。奄振法を延長し、支援措置を一層充実させることが必要不可欠であると考えております。そのためには、県議会を初め、地元市町村等の意見も十分にお聞きして報告書を取りまとめた上で、県選出の国会議員、県議会の皆様方と一体となりまして国に働きかけ、何としても法延長を実現しなければならないと思っております。  来年は、奄美群島も舞台となりまして、NHK大河ドラマ「西郷どん」が放送されます。また、夏ごろには奄美の世界自然遺産登録が見込まれるなど、奄美群島には追い風も吹いておりまして、生活が少しでもよくなるように、奄美群島の一層の振興を図らなければなりません。私自身も既に奄美群島を十回訪問させていただいております。奄美群島の振興は県政推進の重要な柱の一つであります。奄振法の延長を必ず実現し、これからも奄美群島の振興に全力で取り組んでまいります。 6 ◯総務部長(寺田雅一君)地方消費税の清算基準についてでございます。  地方消費税は、その税収を消費の基準に基づいて各都道府県間で清算することで、税の帰属地と最終消費地を一致させることとしております。  地方消費税の清算基準につきましては、平成二十九年度税制改正大綱を受け、総務省が、地方消費税の税収を最終消費地の都道府県に、より適切に帰属させるための検討を行ってきたところであり、十一月二十一日には総務省地方財政審議会の意見が取りまとめられたところでございます。その主な内容は、消費に係る統計の利用方法や消費の代替指標など抜本的な見直しについて、平成三十年度税制改正において結論を得るべきとされたところでございます。  現在、清算基準について、与党税制調査会で具体的な議論が行われており、県といたしましては、税収の最終的な帰属地と最終消費地を一致させるよう、より適切な清算制度を構築していただきたいと考えております。 7 ◯選挙管理委員会委員長(鎌田六郎君)本県の期日前投票の現状と課題に対する認識についてでございます。  期日前投票に係る宣誓書につきまして、投票所入場券に様式を印刷している市町村が二十一団体、ホームページから様式を入手できる市町村が十三団体などとなっております。昨年の参議院議員選挙と比べていずれの取り組みも増加いたしております。  また、このような取り組みを行っていない十二市町村におきましては、その理由といたしまして、期日前投票に支障が生じていないこと、要望がないことなどが挙げられているところでございます。  当委員会といたしましては、選挙人の投票環境及び利便性の向上を図ることは重要であると考えておりまして、引き続き、このような取り組みを行う市町村が増加するよう、事例の紹介や必要な助言等を行ってまいりたいと考えております。  次に、本県の投票所数の現状とバリアフリー化の取り組みについてでございます。  今回の投票所数は千百九十四カ所でありまして、最も多かった平成十三年と比較いたしまして、約九%減少となっております。  現在の投票所のうち、入り口に段差のあるものが五百五十五カ所、二階以上に設置されているものが十四カ所ありますが、全てにおきまして、簡易スロープの設置や人的介助などの必要な措置がとられているところでございます。  当委員会といたしましては、高齢者等の投票が円滑に行われますよう、引き続き、市町村に対し十分な配慮を求めてまいりたいと考えております。 8 ◯企画部長(東條広光君)初めに、再生可能エネルギーの導入状況等についてであります。  本県の再生可能エネルギーの平成二十八年度末の導入状況は、太陽光発電が百三十五万キロワット、風力発電が二十六万キロワット、バイオマス発電が九万キロワットとなるなど、現行の導入ビジョンの目標をほぼ達成しております。  現在策定中の新たな導入ビジョンの素案におきましては、地域の特性を生かす、種類をふやす、量をふやすの三つの考え方に基づき、再生可能エネルギーの導入を推進することとしているところであります。  導入目標につきましては、再生可能エネルギー供給全国トップクラスを目指すとともに、安定した発電が可能な小水力やバイオマスなどについて、太陽光以上の伸びを達成することとしております。  海洋エネルギーを利用した発電には、海洋温度差発電や海流発電などがありますが、本県では、平成二十四年度にこれらの開発可能性調査を行ったところであります。このうち海洋温度差発電については、必要な温度差のある海域が一部に限られ、また、施設の整備に多大なコストがかかるなどの課題が明らかになったところであります。一方、海流発電については、口之島沖に有望な海流の存在が明らかとなり、その後、同海域は、国の海流発電の実証フィールドに選定され、本年八月には実証試験が実施されているところであります。  県としては、引き続き、地域の特性に応じた再生可能エネルギーの導入促進に取り組んでまいりたいと考えております。  次は、奄美群島振興開発事業の成果と課題についてであります。  奄美群島においては、昭和二十八年の日本復帰以来、奄振法に基づき約二兆四千億円の事業費が投入され、群島の自立的発展や住民生活の安定を図るための事業が展開されてきたところであります。  社会資本整備においては、奄美の厳しい地理的・自然的条件等の特殊事情による不利性を克服するために積極的な諸施策が講じられ、交通基盤の整備等が図られているところでありますが、今後は、防災面からの整備や老朽化対策を行うとともに、世界自然遺産登録を見据え、クルーズ船の対応など、外国からの入り込み客を意識した整備が必要であると考えております。  また、ソフト対策においては、平成二十六年度に創設されました奄振交付金を活用した諸施策により、交流人口の増加や農業産出額の増大などの効果が見られますが、これらをさらに拡大するため、世界自然遺産登録を見据え、地域資源を活用した観光施策や付加価値の高い農業生産の推進などが必要であると考えております。  次は、奄美群島振興開発総合調査におけるアンケートの結果等についてであります。  住民などへのアンケート調査によりますと、奄美群島の課題としては、「人口減少・少子高齢化対策」、島で暮らしていくために必要なことは、「収益性の高い仕事」、力を入れるべき産業は、「園芸農業と観光関連産業」とする回答が多かったところであり、今後とも特別措置が必要との意見は、在住者、出身者ともに八割を超え、法延長が必要との意見が大半を占めたところであります。  また、市町村や各種団体、民間有識者の意向調査等では、世界自然遺産登録などを生かした交流拡大や産業振興、専門的な知識やスキルを持った人材の確保・育成、出身者などへの運賃の負担軽減、輸送コスト支援事業の対象拡大などの取り組みを求める意見が多く出されたところであります。  次は、マイナンバーの情報連携の効果についてであります。  社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度は、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平かつ公正な社会を実現する社会基盤として導入されたところであります。このうち、行政機関等の間で情報のやりとりを行う情報連携については、本年七月十八日から試行運用が開始され、十一月十三日から本格運用に移行したところであります。  情報連携に期待される効果としては、添付書類の省略など国民の負担が軽減されること、行政機関で情報の入力・照合などに要する時間や労力が削減されること、所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止できることなどが挙げられております。  次は、マイナポータルで提供されるサービスと県内の行政機関の対応についてであります。  マイナポータルについては、国民等がマイナンバーカードを利用して、ホームページ上で国や地方公共団体等における自分の情報の利用状況や情報自体の確認ができるほか、子育てに関する行政手続をワンストップで行うことができるオンラインサービスであります。  県内市町村における、いわゆる子育てワンストップサービスへの対応については、本年十一月から三十六市町村でオンラインでの申請が可能となっており、本年度内には全ての市町村で申請が可能となる予定であります。
     次は、マイナンバーカードの交付状況と活用についてであります。  本県におけるマイナンバーカードの交付状況は、ことし十月末時点で約十五万四千件、人口比で約九・二%となっております。カードの活用状況については、全ての市町村で税の電子申告が可能となっているほか、鹿児島市など六市では、住民票の写し等のコンビニ交付のサービスが行われております。このほか、本年九月からは、全国に先駆けて県立図書館で図書館カードとして利用可能となっており、また、大崎町では、カードでポイントを管理し、オンラインショップで特産品を購入できる取り組みを行っております。  カードの普及促進には利活用策の充実が必要と考えており、県としては、引き続き、国や市町村等と連携しながら、取り組みを進めてまいりたいと考えております。 9 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)二〇二〇東京オリンピックパラリンピック事前合宿誘致についてでございます。  東京オリンピックパラリンピックの事前合宿につきましては、新聞報道によりますと、全国三十四都府県において、四十六カ国・地域の実施が決定あるいは合意しているとのことであります。このうち九州では、福岡、佐賀、熊本、宮崎の四県において、六カ国の合宿実施が見込まれております。  本県では、地域経済の活性化や鹿児島の知名度向上などを目的に事前合宿の誘致に取り組むこととし、誘致を希望する市町などから成る連絡会を設置して、情報の収集・共有に努めております。  既に決定した合宿地は、多くが首都圏に集まっている中、県では、鹿屋体育大学との連携・協力のもと、現在、市町と一緒に海外の競技団体等を直接訪問するとともに、視察の提案などを行っているところでございます。  このような中、今月七日から、あさってからでございますが、スロベニアの柔道ナショナルチームが、鹿屋市において視察を兼ねた合宿を実施することとなっておりまして、鹿屋市等と一体となって対応することといたしております。  県といたしましては、今後とも、関係団体との連携のもと、事前合宿の誘致に努めてまいります。 10 ◯土木部長(渡邊 茂君)道路財特法の本県への影響と法延長に向けた県の取り組みについてであります。  道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律、いわゆる道路財特法は、道路事業における国庫補助負担率のかさ上げ措置を定めており、来年三月で期限切れを迎えることとなっております。  本県において、南九州西回り自動車道では、国の負担割合が道路法で定めている三分の二から七〇%に、地域高規格道路では五〇%から五五%にかさ上げされているなど、本年度の県費にして約十億円の軽減となっています。仮に、このかさ上げ措置がなくなった場合、全国に比べおくれている本県の道路整備の進捗がさらにおくれることとなることから、県開発促進協議会等を通じまして、国に対し、制度の継続を強く要請しているところであります。  今後とも、関係者の皆様と一体となって、国に対して要請してまいります。    [成尾信春君登壇] 11 ◯成尾信春君 それぞれ御答弁いただきましたが、コメントは最後にいたしまして、早速質問に入ります。  働き方改革について伺います。  厚生労働省と中小企業庁は来年度から、公明党の提案を踏まえ、中小企業・小規模事業者の働き方改革に対する支援を強化していきます。来年度予算の概算要求に相談支援体制の強化として百二十四億円、社内環境の整備に対する支援として九百十七億円を計上いたしました。  働き方改革について、政府は、時間外労働の罰則つき上限規制や、非正規雇用労働者の処遇を改善する同一労働同一賃金などを柱とする法案を取りまとめており、国会に提出する方針ですが、中小企業・小規模事業者が全て自力で対応することは難しいと見られております。  そこで、全都道府県に働き方改革推進支援センター─仮称─を新設し、労務管理など専門家による個別相談支援などを行う予定であります。  時間外労働の上限規制などに対応するため、就業規則の見直しやタイムカードの導入などを行う中小企業に対する助成も拡充します。例えば、時間外労働を削減し、休日をふやした企業に最大二百万円の助成を行うこととしており、現行制度での助成額である最大五十万円から大幅に拡充いたします。  厚労省の出先機関である都道府県労働局では、正規雇用と非正規雇用の不合理な待遇差に関する相談支援を行い、非正規からの正社員化や処遇改善を実施した事業主への助成も充実します。  そこで伺う第一点は、働き方改革推進支援センター─仮称─の新設への取り組みについて伺います。  第二点は、厳しい経営環境に置かれている中小企業・小規模事業者にとって、働き方改革の実行は大きな決断であり、乗り越えなければならない課題も多いと考えますが、県の支援等について伺います。  次に、文教警察行政について、いじめ対策について伺います。  いじめが後を絶ちません。文科省によると、二〇一六年度に全国で三十二万三千八百八件が認知され、過去最多を記録しました。  文科省は、子供の相談体制の充実のため、小・中学校へのスクールカウンセラー配置を進めてきました。しかし、非常勤のカウンセラーは週一回しか学校にいないケースも多く、子供たちが常に相談できる体制にはありません。そこで、いじめに悩む子供たちの受け皿として、電話相談窓口二十四時間子供SOSダイヤルを設けており、二〇一六年度は約四万件もの相談が寄せられました。それでも、いじめを早期に発見する対策としてはまだ十分とは言えません。  このため、SNS─ソーシャル・ネットワーキング・サービス─を活用する試みが注目されています。最近の若年層の交流手段は、音声通話よりもSNSの活用が圧倒的に多くなっているからであります。総務省の調査によると、十代が平日に携帯電話で話す時間は平均二・八分にすぎませんが、SNSを利用する時間は五十七・八分にも上ります。  長野県はことし九月、中・高生を対象にラインでのいじめ相談事業を試行しました。同県は、ラインアカウントひとりで悩まないで@長野を開設し、県内の全中・高生約十二万人に学校を通じて案内資料を配布したところ、約三千七百人が登録しました。相談では、中・高生が「悩んでます」などとメッセージを送ると、相談員であるカウンセラーが「どうしたの」などの返事をし、アドバイスします。  九月十日から二十三日の二週間、午後五時から九時の時間帯で相談を受け付けると、千五百七十九件のアクセスがあり、五百四十七件の相談に応じました。これは、二〇一六年度の県の電話相談二百五十九件を大きく上回っており、県教育委員会では、「予想以上の相談件数に驚いた」と語っております。現在、結果を分析中であります。ラインでのいじめ相談は、滋賀県大津市も二〇一八年三月まで行っています。  このほか、千葉県柏市では今年度から、匿名でいじめを通報できるアプリSTOPitを市立中学校の全生徒に無料で提供しています。このアプリは、二〇一四年にアメリカで開発されたもので、いじめを目撃した生徒や被害者がいじめの内容を書き込むと、匿名で市教育委員会に情報が届く仕組みであります。市教育委員会は、学校と連携して問題解決につなげたい考えであります。市教育委員会によると、九月十三日までに六十三件の相談を受け付けたようであります。  そこで伺う第一点は、本県のいじめの現状と課題について伺うとともに、長野県や柏市が実施したSNS等を利用したいじめ相談を提案いたしますが、いかがでしょうか。  次に、滝充国立教育政策研究所生徒指導・進路指導研究センター客員研究員は、「いじめ防止対策推進法が二〇一三年九月に施行されてから四年が経過する。しかしながら、いじめが原因と疑われる自殺の報道は相変わらず続いている」。が、「単純に学校を責めるだけでよいのだろうか。例えば、児童生徒が意見交換の場で主張が受け入れられないことに納得せず不満を募らせた場合、それを心身の苦痛を受けたと主張し、いじめられたと訴えることができてしまうことになる。問題行動調査のいじめの認知件数に都道府県間で大きな差が見られ、一向に差が埋まらないため、文科省が、格差を生まないために、より細かくいじめの判断基準を示し、ささいなトラブルまで、すなわち、いじめの芽の段階からいじめと認知することを求めている。一方、形式的かつ細かな手続が強制される中で、やらされているという意識や受け身的な姿勢を教職員に植えつけてしまい、いいかげんな報告になってしまわないかと懸念する」と指摘しています。そして、「教育現場を見据えたいじめ対策法の改正が必要」と訴えております。  第二点は、学校現場の現状を熟知した県教委として、滝充氏の主張をどのように認識されるのか、伺います。  次に、インターネットを活用した被害について伺います。  神奈川県座間市のアパートで、切断された九人の遺体が見つかった事件。逮捕された容疑者の男は、ツイッターを通じて自殺願望を持つ被害者と知り合い、自宅に連れ込み犯行に及んだと見られています。事件の猟奇性や残忍性に目を奪われがちですが、あらわになったインターネット交流サイト─SNS─の危険な闇を放置してはいけません。  この事件に関して、神奈川県警の五つの警察署が、通常体制とは別に、不明者を捜す捜査員を割り当てるなどしていたことが判明しました。発見には至らず、捜査関係者は、「結果からすれば捜索が不十分だったとしか言いようがなく残念だ」と話しているようであります。  警察庁によると、SNSを通じて犯罪被害に遭った子供は、ことし上半期で九百十九人と過去最多でした。容疑者と会った理由は、「優しかった、相談に乗ってくれた」が四分の一を超えます。今回の事件も、SNSを使って若者の自殺願望につけ入った犯行と見られます。  そこで伺う第一点は、本県における女子中・高生等の行方不明事件数をお示しいただき、どのような取り組みをなされているのかお示しください。  次に、女子中・高生がスマートフォンなどで自分の裸を撮影し、知り合った男に送信した画像が悪用されるなど、自画撮りの被害が相次いでいることから、警察庁が初めて、被害に遭った経験のある少女ら約五百人を対象に調査に乗り出すこととなり、各都道府県警を通じて年度内に開始するとの報道がありました。  自画撮り被害は、会員制交流サイトを通じて知り合った相手に送信する事案が多いとされます。加害者は、同年代の少女に成り済ましてやりとりを重ねた上で画像を送らせるなどしています。  警察庁によると、ことし上半期に全国の警察が摘発した児童ポルノ事件のうち、人物が特定できた十八歳未満の被害者は五百九十四人、このうち、自画撮りの被害者は二百六十三人と最多で、その内訳は、中学生が五二・九%、高校生が三八・四%、小学生が六・五%でした。加害者との関係は、「面識のない者」というのが八五・九%で、知り合ったきっかけは、インターネットのコミュニティーサイトがほとんどで、加害者は、顔の見えない関係を悪用して、「ネット上に住所や連絡先をばらまく」などと少女らをおどしたり、だましたりしたケースもあると考えられます。  そこで伺います。  本県での自画撮りによる被害の現状と取り組みについて伺うと同時に、SNSによる事件等の取り締まり状況について伺います。  次に、学校における働き方改革について伺います。  教育に関して文科省は、長時間労働是正など学校における働き方改革に向けて、教員のかわりに部活指導や大会への引率に当たる部活動指導員の配置を自治体に促す新しい補助事業や、教科配布物の印刷などの事務作業を行うスクール・サポート・スタッフを全国で配置する事業、校務の効率化を進める統合型校務支援システム導入に向けた補助事業等を概算要求されています。  さらに、総務省は、公立小・中学校に非正規で雇用されている臨時的教員や市町村などの事務補助職員ら非正規公務員約六十四万人について、実態調査を行うよう全国の自治体に指示しました。同省の調査目的は、不適切な処遇を洗い出し、改善しようとするものです。  そこで伺う第一点は、学校における働き方改革に向けた本県における取り組みについて伺います。  第二点は、本県の非正規教員の現状と今後の取り組みについて伺います。  樋口修資明星大学教授は、教員の長時間労働の背景にある給特法が原因と指摘しています。「教員の時間外勤務はあくまで教員自身の自発性、創造性に基づく勤務であるとする給特法の趣旨は、教員の時間外勤務の増大化・常態化に対して何ら歯どめの機能を果たし得ないものである」と訴えています。  そして、「給特法の見直しに当たっては、欧州諸国では、時間外労働時間に対して金銭で補償するのではなく、代替休暇により労働者の生活時間を確保しようとする労働時間貯蓄制度が広く導入されています。今後、日本においても、教員の勤務のあり方については、長時間労働の縮減を目指し、時間外勤務の実態をしっかり把握・管理しつつ、時間外勤務時間分を貯蓄し、夏季・冬季休業期間などにおいて代替的な休暇として付与する調整休暇制度の仕組みを整備する必要がある」と提案しております。  第三点は、私も、学校における働き方改革には調整休暇制度が重要な取り組みと思いますが、教育長の見解を伺うとともに、文科省に要望すべきだと思いますが、いかがでしょうかと伺い、二回目の質問といたします。 12 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)働き方改革の推進についてのお尋ねでございます。  本県の労働環境は、全国と比較して労働時間が長く、年次有給休暇の取得率も低い状況にある一方、九割以上を中小企業が占めており、処遇改善の前提となる労働生産性等の向上、そのためのコスト負担なども指摘されております。  そのため、県では、県内企業の現状把握のためのアンケート調査の実施や、経営者向けのセミナー及び生産性向上のためのIoT導入セミナーの開催、働き方改革に取り組む企業等への専門家派遣のほか、国の各種助成金制度や事例等の紹介・活用促進などに取り組んでおります。  また、厚生労働省の平成三十年度概算要求におきましては、非正規雇用労働者の処遇改善や時間外労働の上限規制に向け、企業等に対し技術的な相談支援を行うため、全都道府県に、仮称でございますが、働き方改革推進支援センターを設置することとされておりますことから、県といたしましては、今後とも、鹿児島労働局など関係機関と連携を図りながら、国の動向等も踏まえつつ、働き方改革の推進に取り組んでまいりたいと考えております。 13 ◯教育長(古川仲二君)まず、いじめの現状と課題等についてであります。  平成二十八年度問題行動・不登校等調査によりますと、本県の公立学校におけるいじめの認知件数は五千九百七十一件となっており、前年度よりやや減少いたしております。  いじめの防止に向けては、一件でも多く発見し、それらを解消するとの基本認識のもと、積極的ないじめの認知と早期対応等を行うよう指導してきているところでございますが、今後の課題としては、これに加え、外部専門家等と連携しつつ、学校全体でいじめの解消に向けた取り組みをより一層進める必要があると考えているところでございます。  SNS等を利用したいじめ相談については、長野県など幾つかの自治体で先行的に取り組みが行われておりますが、相談の仕組みや実効性、相談員の確保等の面で課題もあるとされているところでございまして、まずは他の自治体の取り組みを注視しつつ、情報の収集に努めてまいりたいと考えております。  次に、いじめ防止対策推進法の改正の必要性についてであります。  国は、法施行後三年を経過することから、全国の都道府県教育委員会などから、法の施行状況のヒアリングを行い、法改正の必要はないと判断した上で、本年三月にいじめ防止基本方針の改定を行ったところであります。これを受け、県教委でも、本年十月に県の基本方針を改定したところでございまして、まずは改定の趣旨を浸透させることが必要であると考えておるところでございます。  また、いじめの認知のあり方や、認知件数がふえた場合の対応の実効性に関しましては、県教委では、従前より、一件でも多く発見し、それらを解消するとの基本認識のもと、積極的ないじめの認知や早期対応等を行うよう指導してきたところであります。  県教委といたしましては、児童生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、こうした姿勢を継続するとともに、被害を受けた児童生徒の心情に寄り添いながら、外部専門家も活用し、チーム学校で解消に向けて取り組んでいく必要があると考えておりまして、今後とも、県の基本方針等の周知や、いじめ防止のための取り組みの一層の充実を図ってまいりたいと考えております。  次に、本県の学校における働き方改革についてであります。  これまでの働き方改革の取り組みといたしましては、調査物等の見直しのほか、学校に対する要望・意見への対応マニュアルの改訂や、月一回、定時退校日とし、その日を部活動休養日とする取り組み等を行ってきたところでありまして、全ての学校において定時退校日が設定されているところでございます。  また、教職員の意識啓発のため、ポスターの原画や標語の募集を行い、最優秀作品をポスターにして全学校へ配布するとともに、ホームページにも掲載したところです。  さらに、国の事業を活用し、モデル地域である霧島市での教員の勤務実態の把握や専門スタッフとの連携・分担などの実践研究に取り組んでいるところでございます。  県教委といたしましては、本年度中に業務改善方針を策定することとしておりまして、国の働き方改革に向けた取り組み等も踏まえながら、本県の実情に応じた、学校における働き方改革を着実に推進してまいりたいと考えております。  次に、本県の非正規教員の現状等についてであります。  臨時的任用教諭については、年度初めの急な児童生徒の転出入による学級の増減等に対応するために、毎年度一定数を任用しておりまして、本年五月一日現在では一千三百七人を配置いたしております。  なお、給与については、経験年数等を踏まえて給料を決定し、各種手当の支給や休暇についても正規職員と同様の取り扱いとしているところであります。  非常勤講師については、初任校研修や免許外教科担任解消などのために、本年五月一日時点では延べ六百六十八人を任用しており、規則等に定められた時間による報酬等を支給するとともに、勤務日数に応じた有給休暇を付与しているところでございます。  これらの職員については、本年五月に地方公務員法が改正され、臨時的任用を厳格化するとともに、一般職非常勤職員である会計年度任用職員制度を創設し、その採用方法や任期等の明確化を図るものとされたところであります。  県教委といたしましては、法改正の趣旨や国の通知等を踏まえ、平成三十二年四月一日の施行に向けて、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。  次に、調整休暇制度の導入についてでございます。  御質問にありました調整休暇制度につきましては、教職員の勤務時間等に関する制度のあり方とも関連するテーマであると考えておりますが、教職員の勤務時間等に関する制度のあり方につきましては、現在、中央教育審議会の学校における働き方改革特別部会で議論されておりまして、県教委といたしましては、今後の中央教育審議会での議論の状況や国の動向を引き続き注視してまいりたいと考えております。 14 ◯警察本部長(河野 真君)女子中・高生等の行方不明者数とその対応についてです。  本県における行方不明の届け出を受理した中学生以上の少年の女子の数は、昨年中、中学生三十人、高校生三十九人、有職少年二十一人、無職少年十三人、その他一人の計百四人であり、本年十月末現在では、中学生四十二人、高校生十九人、大学生一人、有職少年十一人、無職少年十人、その他四人の計八十七人であります。  警察において行方不明の届け出を受理した場合には、直ちに全国手配するとともに、警ら活動や少年補導などあらゆる警察活動を通じて行方不明者の発見に努めているほか、行方不明となった原因が犯罪被害によるものである可能性も視野に必要な捜査を行うなど、行方不明者の生命及び身体の保護のために迅速かつ的確な対応を図っているところであります。  次に、本県での自画撮りによる被害等についてであります。  本県における児童ポルノ事件の十八歳未満の被害者は昨年中十人で、本年十月末では九人で、うち、自画撮りによる被害児童は昨年中、中学生三人、高校生一人の計四人で、本年十月末現在では、中学生二人、高校生四人の計六人となっております。  県警察では、サイバーセキュリティ・カレッジの開催や、学校において教師と協力して児童への指導を行い、モラルの向上と被害防止を目的とした広報啓発活動を行っております。  自画撮り被害を含むSNSに起因した事件については、児童ポルノ禁止法違反や脅迫等で昨年中二十件を検挙しております。今後も引き続き、サイバーパトロールやサイバー補導等を通じた取り締まりを強化してまいりたいと考えております。    [成尾信春君登壇] 15 ◯成尾信春君 再質問したかったんですが、時間がありませんので。  先ほど、いじめのSNSの教育長の答弁で、「課題がある」ということで、やらないような話をされていましたけれども、前に進むようにするのが一つだと思っています。  もう一つ、教育長に一言言いたい。  先日の県民連合の質問で、「就学意向調査で得られたデータの範囲内で統計的な推計分析を行い、今後の在籍数の詳細を申し上げることは難しい」と答弁されました。調査はことし一月に行い、第二回定例会、第三回定例会で「分析している最中である」と答弁して、今回は「難しい」。言語道断であります。何のための調査だったのか。調査が不十分なら、関係団体、支援団体等としっかり連携してやるべきだということを申し上げておきます。  最後に、来年は明治維新百五十周年、NHK大河ドラマ「西郷どん」が放映されます。歴史家の加来耕三氏は、「今、日本は第三の開国の時期を迎えていると言われています。社会はボーダレスになり、国際的な競争が激化する中で、日本はどう生き残っていくかの重要な岐路に立たされている。激動の時代を生き、さまざまな場面で違う顔を持つ西郷ゆえに、評価するのが難しい人物と言われていますが、私利私欲を排し、公への奉仕の精神で、人のために頑張り抜いた姿勢は崇高だったとしか言いようがありません。ゆとり世代を中心とした現代の若者はぜひ学んでいただきたいと思います。激動の時代だからこそ、西郷隆盛の、公のために、人のためにの精神は輝きを増して、生きるヒントになるのではないか」と述べております。まさにそのとおりと思っております。  県民所得向上に、三反園知事、来年も頑張っていただきたい。また、私たち公明党県議団も頑張ってまいる決意を述べまして、質問を終わります。(拍手) 16 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、郷原拓男君に発言を許可いたします。    [郷原拓男君登壇](拍手) 17 ◯郷原拓男君 鹿屋市・垂水市区選出の郷原拓男です。  人生五回目の一般質問に当たりまして、本日は、名門鹿屋高校の敬愛してやまない先輩が傍聴席に足をお運びいただいております。深く感謝申し上げます。  八月に四十歳となり、不惑の年を迎えました。不惑の年、四十歳にもなれば迷いがなくなり、確固とした自分の生き方、行動指針が形成され、それに従い人生を生きてゆけるのだろうと思っていましたが、まだまだその領域に達せず、迷い多き日常を送っています。ただ、いろいろ調べてみますと、不惑とは、区切らずという解釈もあるようで、本当は、四十にして区切らずと理解すべきだという説もあるようです。  四十にもなれば、小さな成功体験と小さな失敗体験も積み重ね、自分に小さな自信を持って迷いがなくなるのかもしれませんが、そこにしがみつかず、新しい領域にチャレンジしていかなければならないと思いました。  鹿児島に生まれ育って本当によかった、そう誇って語れる地域を目指し、不惑の四十代の役割を果たしていけるよう、毎日を誠実に送ることをお誓い申し上げ、質問に入らせていただきます。  新たな県政ビジョンについてお尋ねいたします。  我が県の行政課題や挑戦すべき課題を明確にし、おおむね十年後を見据えた望ましい姿、施策展開の基本方向を描く、新たな県政ビジョンの素案説明会が先月二十八日にありました。  少子高齢化の進展が著しく、離島や中山間地を多く有する我が県の未来を切り開くためには、時代の潮流をいち早くつかみ、さまざまな課題に果敢に挑戦していくことが必要です。新たな県政ビジョンが、全国に先駆け日本をリードしていく指針となり、明治維新百五十周年の節目を迎える今、オール鹿児島で明るい未来を展望できる指針となりますことを大いに期待申し上げます。
     そこでお尋ねいたします。  一点目に、県民が大いなる希望を持ち、主体的にビジョン実現に取り組む機運をどのように高めようと考えているのか、知事の意気込みをお伺いいたします。  また、知事は、就任後一年余り、「聞こう!語ろう!対話の県政」をスローガンに、車座対話を通じて、各界各層の県民の意見、提言等を聞く作業を行ってこられました。これらの営みの中、知事が感じられた率直な御感想と、特に印象的な意見や提言、心に残る出来事があれば教えていただき、あわせて、今回のビジョン作成に当たり、車座対話等で反映された項目があればお示しください。  二点目に、昨年作成された鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略においては、目指すべき評価指標として数値目標が示されています。総合戦略を貫く一本の理念は、達成を目指す重要業績評価指標いわゆるKPIを用いて、PDCAサイクルが回るようにしていくことでした。  まさに、やりっ放しの行政、頼りっ放しの民業、全然関心のない市民による地方創生の失敗を生み出さないためにも、新たな県政ビジョンを作成するに当たっては、数値目標、実施期限、財源などを明示するとともに、毎年の達成度を検証し、報告することが必要だと考えます。県の見解をお示しください。  三点目に、今回の素案は、骨子案提出後三カ月の期間を経て提案されたわけですが、議論のプロセスと、どのような方々の意見が反映されたのかを明確にすることが、素案の信頼性を格段に高めることにつながると考えます。これまで、どのような議論の過程を経て素案が提案されたのか。あわせて、素案に示されている、目指す姿を実現するための十二の柱はどのような考え方のもと整理されたのか、お示しください。  四点目に、幾ら立派なビジョンを作成しても、最終的にはビジョンがいかに実現されるかが大切であり、第六章に掲げられたビジョン実現のための取り組みをしっかりと推進していくことこそが、最大の肝だと考えます。そのためには、地域の意見をビジョンにしっかりと反映し、私たちのビジョンだという思いを共有するプロセスも必要だと思います。十年前の将来ビジョン策定に当たっては、地域振興局ごとに有識者懇談会が設置され、実際に地域に住んでいる方々が主体的に将来の夢や課題等について議論し、各地域別の将来ビジョンとして意見が反映されました。  それぞれの地域にはさまざまな地域計画もあり、その調整を図る必要はありますが、地域の意見をビジョンに反映するための地域編策定についての県の見解をお示しください。  次に、宮城全共の総括と今後の取り組みについてお尋ねいたします。  第十一回全国和牛能力共進会宮城大会から三カ月が経過しました。あの歓喜に沸いた瞬間を目の当たりにし、関係者の皆様の多大なる御尽力に対し、最大の敬意と祝意を表するものです。大規模イベントがめじろ押し、台湾への和牛輸出の解禁という絶好のタイミングでの日本一の称号奪還は、本県畜産業の新たなステージでの躍動に直結することが期待されます。  ただ一方、内閣総理大臣賞は宮崎・大分が獲得し、二位宮崎との点差が僅差で、まさに薄氷の勝利であったことも事実です。また、花の七区では肉用牛部門で五位と少し残念な結果に終わりました。  いよいよ四年九カ月後に迫った鹿児島大会では、チーム鹿児島一丸となった取り組みにより、まさに横綱相撲での二連覇が目指されるべきであり、他県に追随を許さない畜産王国の地位を盤石なものとしていただきたいと思います。  さて、先月二十日、鹿児島県全共推進協議会による意見交換会が開催され、牛の世話や応援に一体感を持って取り組めたと評価する意見が多かった一方、暑さによる牛のストレス対策や栄養管理などの課題点も指摘されたと仄聞いたします。「次回全共に向けて、もう気張っちょっど」と、既に着実な歩みを始めている地元畜産農家さんの姿を目の当たりにすると、宮城全共の冷静な分析と総括並びに課題解決のための対策が練られなければならないと思います。  そこでお尋ねいたします。  一点目に、宮城全共における県や和牛登録協会、経済連、JA、市町村が一体となった出品対策の取り組みについてお示しください。  また、県として今大会をどのように総括し、全共で日本一を獲得したことでどのような効果が期待されるか、お示しください。  二点目に、今回の補正予算で、和牛日本一に輝く鹿児島黒牛PR・販売促進事業として約五百三十万円が計上されています。県の取り組みについては、知事提案や自民党の代表質問答弁でも御紹介いただいたところではありますが、県内の市町村においても、補正予算を計上するなど独自のPRが実施されています。  そこで、県内の市町村では、和牛日本一を受けどのようなPRを実施しているのか、お示しください。  また、今後見込まれる観光客の増加に伴い、本県で日本一の和牛を食したい方の要望に適切に対応する必要があります。日本一の和牛を食せる店舗の情報発信はどのように行われるのか、お示しください。  以上で、一回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 18 ◯知事(三反園 訓君)ビジョン実現へ向けた県民の機運醸成についてであります。  現在、我が国は、本格的な人口減少社会の到来、少子高齢化の進行、経済のグローバル化や技術革新の進展など、社会のあらゆる面で大きな変革期を迎えております。経済のグローバル化の進展は、観光資源、農林水産物など本県の一流の素材を海外へ売り込む好機でもあります。技術革新の進展は、例えば農業の分野では、IoTやAIなどを活用したスマート農業の普及を可能にしています。これらに積極的に取り組み、生産性の向上を図ることが求められております。  これからの十年は、これまでの十年とは大きく異なります。この変革の波を大きなチャンスとして捉え、農林水産物については既に輸出拡大などの取り組みも始まっております。このような取り組みが本県のあらゆる地域、あらゆる分野において展開されることが大切であります。  ビジョンの実現に向けては、この変革の波や鹿児島の持つポテンシャルなどにつきまして、さまざまな対話などの機会を捉えて県民の皆様にお伝えし、そしてしっかりと共有することにより、オール鹿児島で、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかった、そう実感できる鹿児島をつくってまいりたいと考えております。  車座対話等を通じて感じた率直な感想、印象的な意見についてであります。  これまで、台風被害や赤潮被害、鳥インフルエンザの発生時などの現地視察のほか、車座対話等を通じまして多くの方々から直接話を聞き、地域の現状や将来について真剣な意見交換を行ってまいりました。  率直な感想といたしましては、実際に現地に行かなければわからないこと、課題がたくさんあることを改めて感じております。一方で、鹿児島には日本一や魅力的なものがたくさんあると強く認識し、これらを生かさなければならない、そういう思いを新たにしたところでもあります。  これまでに開催しました車座対話の中でも、人口減少、少子高齢化から来る不安の声、子育てや人材育成に関する御意見、農業や観光・文化振興に関する御要望など、生活に寄り添った多くの御意見、御要望を聞かせていただきました。  その中で印象的な意見・提言、心に残る出来事はたくさんあります。一つには、「離島の部活生は島外遠征費の負担が大きく、試合に行かせてあげられない」という離島ならではの御意見がありました。子育ての経済的負担への意見をいただき、持ち帰りまして庁内で検討し、経費の助成について予算化いたしました。  また、「方言の記念日を制定してほしい」と、地方の文化としての方言を継承することの大切さを訴えられた要望に対しましては、鹿児島県方言週間を制定し、県政への反映に取り組んできたところでもあります。  このほか、就任以来初めての車座対話となりました奄美大島では、子育て中の母親の方が二歳児を抱いて参加してくださり、「育児中でも活躍できる場所が欲しい」、そういった意見等を直接聞けたことで、改めて子育て支援などに取り組む必要性を強く感じたところでもあります。このほか、現地に行かなければわからない、身近な生活に密着したさまざまな御意見をたくさんたくさん伺っております。  今後とも、県民が主役の県政を実現するために、多くの現場を訪れまして、直接県民の皆様の声を県政に反映させてまいりたいと考えております。 19 ◯企画部長(東條広光君)車座対話等での意見のビジョンへの反映についてであります。  新たな県政ビジョンの素案の策定に当たっては、知事と語ろう車座対話における参加者からの意見等も踏まえたところであります。具体的には、働く意欲のある高齢者が能力や経験を生かし働くことができる生涯現役社会づくり、保育士等がやりがいを持って働き続けられる職場環境づくりの促進、家庭の経済的状況や地理的条件等にかかわらず安心して教育を受けられる環境づくり、野生鳥獣による農作物被害の防止・軽減とジビエの有効活用、黒糖焼酎や大島紬の世界ブランド化、若者や女性、県外からのUIターン者の起業促進などに反映させたところであります。  次は、素案の作成過程での幅広に意見を取り入れるための取り組みについてであります。  新たな県政ビジョンにおきましては、有識者委員会や知事と語ろう車座対話、大学生等へのアンケート調査などを通じ、県民の皆様に策定の段階から参加していただいたところであります。また、骨子案に対する県議会での御議論や市町村や各種団体への意見聴取の実施など、幅広に意見を伺いながら進めてきており、これらを取りまとめて、このたび素案としたところでございます。  今後とも、県議会やパブリックコメントを通じた県民の皆様からの御意見等をいただきながら、必要に応じて見直しを行うなど、さらに検討を進めたいと考えております。  次は、数値目標等の設定と目標達成の検証などについてであります。  新たな県政ビジョンは、個別具体の事業を示すものではなく、中長期的な観点から、鹿児島の目指す姿や施策展開の基本方向など、方向性を示すものとして策定するものであり、数値目標の設定等については考えていないところであります。  次は、素案に示されている、目指す姿を実現するための十二の柱についてであります。  施策展開の基本方向の十二の柱は、時代の潮流や本県の現状・課題を踏まえまして、鹿児島の目指す姿で示しました、ひとが輝く鹿児島、ひとが潤う鹿児島、ひとを魅了する鹿児島を実現するために、県政の各分野について横断的な視点で整理し、設定したものであります。  次は、ビジョン地域編の策定についてであります。  県では、半島地域や奄美・離島地域など各地域の振興を図るため、各種法令等に基づき、市町村や住民の意向を伺いながら、個別の地域計画を策定しております。さらに、各般の施策については、地域の特性も生かしながら展開しているところであります。新たな県政ビジョンにおいても、各地域の状況を踏まえながら、鹿児島の目指す姿や施策展開の基本方向などを示すこととしております。  地域編の策定につきましては、こうした状況も踏まえながら、どのような対応をすべきか検討してまいりたいと考えております。 20 ◯農政部長(川野敏彦君)第十一回全国和牛能力共進会に関するお尋ねのうち、まず、出品対策の取り組みについてでございます。  本年九月に開催された第十一回全共に向けた主な出品対策としては、牛の姿形を審査する種牛の部については、特に優良な繁殖用の雌子牛を県内に保留するための助成を行うとともに、農家の方々に対しては、JA等の指導員を通じて、きめ細やかな管理指導や牛の調教方法等の習熟を図ったところです。また、肥育牛の肉質を審査する肉牛の部については、受精卵移植技術等を活用して生産された候補牛を県内トップレベルの農家で肥育し、超音波肉質診断等を踏まえた管理指導の徹底を図ったところです。  こうした取り組みにより、和牛日本一というすばらしい成績をおさめることができたものと考えております。  次に、大会の総括と日本一を獲得した効果についてでございます。  第十一回全共を総括するため、先般、出品農家を初め、和牛登録協会や県経済連、県など関係者による意見交換会を開催したところです。この中では、農家と関係者が一体となって出品対策や応援に取り組んだことや、農家への巡回指導や集合指導をふやしたことなどを評価する意見を多数いただきました。一方、今後の課題として、暑さ対策やおいしさに影響するオレイン酸の向上対策などが挙げられたところです。  県では、引き続き、宮城大会の審査員なども交えながら検証を重ね、今後の出品対策を強化することとしております。  その効果でございますが、第十一回全共で和牛日本一を獲得した後、県内の子牛市場においては、新規の購買者が増加し、活気のある取引となり、十一月の価格を見ますと、全国平均より、価格、上昇率とも上回っております。  また、牛肉の販売面では、ホテル等で日本一を記念するイベントが開催されたり、国外からは、台湾や香港などの輸入業者から、鹿児島和牛を取り扱いたいとの話が来ているところです。さらに、欧州の日本大使館におけるレセプションで鹿児島和牛を御利用いただき、好評を博し、出席されたレストランのオーナーから、ぜひ鹿児島和牛を使いたいとのお話があったと伺っております。  県としては、和牛日本一を獲得したことで、国内外における鹿児島黒牛の知名度が向上し、子牛の高値取引や牛肉の販路拡大などによる農家の生産意欲の向上、さらには所得の増加につながるものと期待しております。  次に、市町村におけるPR等についてでございます。  第十一回全共において日本一を獲得したことを受けて、県内の市町村においてもさまざまなPRに取り組んでおります。例えば鹿屋市では、地元にすばらしい食材があることを認識してもらうため、全ての小・中学校において、来年一月、鹿児島黒牛のステーキ丼を提供する予定と聞いております。また、南さつま市では、全共出品牛の牛肉をふるさと納税の返礼品として活用しているほか、牛肉を新たに返礼品として検討している市町村もあります。そのほか、多くの市町村において、日本一を祝した懸垂幕を設置したり、農業祭で、のぼりやポスター等を掲示するなどしてPRに努めているところです。  県民の皆様や県外からの観光客などに鹿児島黒牛を食べていただくため、県経済連等で構成される黒牛黒豚銘柄販売促進協議会では、鹿児島黒牛を食べられるお店のマップを作成し、ホームページ上で紹介しますとともに、さまざまなイベント等でパンフレットを配布しているところです。  今後、国内外からさらなる観光客の増加等も予想されますことから、鹿児島黒牛を食べられるレストラン、店舗等に関する情報のさらなる充実とPRに努めてまいりたいと考えております。    [郷原拓男君登壇] 21 ◯郷原拓男君 それぞれ御答弁いただきました。  新たな県政ビジョン策定については、六百万円の予算が計上され、大変な労力を費やし、本県のおおむね十年間にわたる理念・方向性・哲学が明示される重要な事業だと思います。また、百十七程度存在する県の各種計画の最上位に位置づけられるビジョンでもあります。  より実効性のあるビジョンとするためにも、庁内はもとより、地域住民、市町村や各種団体との連携を深めていただき、ぜひ第六章の内容をより厚みのあるものとし、内容と言葉については、よりわかりやすく、受け入れやすい表現としていただきたいと思います。  また、今後、特徴的なグラフや図が挿入されて、よりイメージが湧きやすい状態にしつらえるとお聞きしました。ページ数が限られる中、庁内においても、適切なフィルター機能が効果的に発揮され、より適切な図やグラフの掲示につなげていただきたいと思います。  また、県民への周知を図る上で、将来の姿のイメージを鮮明なものとし、県民が主体的に取り組む気持ちを醸成するためにも、例えば映像や漫画による発信方法なども検討していただきたいと思います。  宮城全共の総括と今後の取り組みについて御答弁いただきました。  先日、肝属中央家畜市場で開催された十一月の子牛競り市では、雌牛が三百三十一万五千円の過去最高値で落札されました。同月の子牛競り市の雌の平均価格が六十九万二千円だったので、全共効果とも相まって大変喜ばしいことではあります。  ただ、今回の落札者は北海道の和牛農家で、優良な繁殖雌牛として育成する予定だとのことであり、見方を変えると、我が県の大切な財産の他県への流出でもあります。現在、保留牛支援策として、購買者への五万円の助成はありますが、流出を食いとめるための特効薬とはなり得ません。  四年九カ月後の鹿児島全共に向けて、そしてまた、鹿児島黒牛のブランド価値を守り育んでいくためにも、優良な繁殖雌牛の県外流出を最大限抑えるための地元の機運を盛り上げることも、今後図られるべきではないかと考えます。  いずれにしろ、今回の全共における総合優勝の奪還は、畜産農家さんだけではなく、県、農協を初め、さまざまな関係者の総合力のたまものだったと改めて実感いたします。さらに、畜産業は、削蹄師、人工授精師、獣医師などさまざまな方々との連携が必要な総合産業だと改めて認識を深めました。  今回の全共をしっかりと総括し、二連覇に向けた取り組みが着実に行われ、我が県の基幹産業である畜産振興がさらに図られますよう、よろしくお願い申し上げます。  次に、桜島ビジターセンターについてお伺いいたします。  先日、総務委員会の行政視察で桜島ビジターセンターにお伺いし、指定管理者として運営するNPO法人桜島ミュージアムより説明を受けました。  当法人は、桜島及び火山に関する専門知識を有する代表のもと、桜島観光振興プランの策定や同地区のまちづくり、火山砂防に関する各種委員会等への参画などの実績があり、センターを拠点とする体験学習プログラムやエコツアーの実施、ホームページ等を通じた情報発信に取り組まれており、地元自治体や観光関係団体等との連携が綿密に図られています。当法人が指定管理者として運営を始めてから、ここ数年で来館者数はほぼ倍増し、約十万人で推移しています。  施設の老朽化や展示内容の陳腐化が垣間見られる一方、鹿児島市が周辺に観光関連施設を整備するなど、観光拠点として、今後は大隅への誘客を促進する玄関口としての役割が期待されます。  桜島ビジターセンターなど県観光課が所管する施設では、平成二十八年四月から五年間、指定管理者の指定に係る協定が締結され、県が債務負担として上限額を設定し、桜島ビジターセンターの指定管理料は、鹿児島市の負担分を含めて約七百五十万円となっています。  既存のビジターセンターなどの質を上げることは、新しい箱物をつくる以上に重要で、さまざまなノウハウを蓄積してこられた意欲ある運営者が、より意欲的に事業運営に取り組むことのできる仕組みをつくり、後押しすることこそ、行政が担わなければならない重要な役割だと思います。  そこでお尋ねいたします。  初めに、現在の指定管理料はどのように決められたのか、お示しください。  二点目に、観光拠点として、さらに攻めの運営を促進していくためにも、次回の公募の段階では運営費の増額が必要なのではないかと考えますが、県の見解をお示しください。  三点目に、当施設の入館料は無料ですが、入館料を有料にすることで、さらにクオリティーの高い展示とその維持につながると思います。また、観光客も、入館料を支払うことで、より主体的な見学の動機づけにつながると思います。そして何より、多くの議論で展開されるように、観光地でお金を使ってもらう仕組みづくりが求められる中、入館料を徴収することも検討すべきだと考えますが、県の見解をお示しください。  次に、鹿児島県民の歌についてお尋ねいたします。  鹿児島県民の歌は、大東亜戦争で荒廃した県の復興と県民の士気高揚のため、復興県民歌として、民選初代知事の重成格知事が制定を提唱しました。公募した歌詞は、椋鳩十氏らのもと審査され、作詞、坂口利雄氏、作曲、山田耕筰氏の歌が昭和二十三年十二月に県民の歌として制定されました。明治維新百五十周年を迎える来年は、まさに県民の歌制定七十周年の節目の年でもあります。  私は、先般の県民表彰式に参加した際、恥ずかしながら初めて県民の歌の存在を知りました。県民の歌の、哀愁に満ちつつも希望と力強さみなぎる音色に大変胸を打たれ、鹿児島の歴史と伝統の奥深さを膨らますことのできる旋律に感銘を受けました。現在、県民体育大会などでも使用され、また県民手帳にも掲載されてはいるものの、残念なことに県民への周知度は低く、広く県民に歌われている状況にはありません。  全国を見渡すと、大阪、広島、大分の三府県を除く四十四都道府県が県民歌を制定し、中には二曲以上定める自治体もあります。宮城県では、戦前の県民歌を愛唱歌扱いとし、戦後に新県民歌を制定したり、また、山梨県や佐賀県では、正式な県民歌の制定後に新しく愛唱歌やイメージソングを作成するなど、県民歌の扱いは各都道府県によってさまざまです。また、宮崎、和歌山、栃木など八県の県民の歌はカラオケで歌うことができます。  県議会の議事録をひもとくと、新しい県民愛唱歌制定の提案等も過去にはあったようですが、大河ドラマ「西郷どん」の放映、二〇二〇年国体を控える今こそ、県民の歌の希望と力強さみなぎる音色こそ、本県に最もふさわしい歌ではないかと考えます。  そして、「燃ゆる感動かごしま国体」のイメージソングである「ゆめ~KIBAIYANSE~」並びに観光かごしま大キャンペーン推進協議会が制作した西郷どんキャンペーンソングとあわせて、県民の歌の普及・広報活動に努めていく必要があると考えます。  そこでお尋ねいたします。  鹿児島県民の歌の活用方法と普及状況を県ではどのように認識しているか、お示しください。  また、今後、国体イメージソングや西郷どんキャンペーンソングとあわせて、どのような活用可能性があるか、見解をお示しください。  加えて、これまで本県ではどのようなイメージソングやキャンペーンソングがつくられてきたのか、お示しください。  次に、在宅医療・介護連携推進支援事業についてお尋ねいたします。  平成二十五年度の県保健医療計画において、在宅医療の体制整備が位置づけられて以降、地域包括ケアシステムは制度として徐々に成熟していると言えます。  平成二十八年に策定された地域医療構想において、在宅医療等の需要増が見込まれる中、地域包括ケアシステム構築に係る医療介護連携の推進を図るため、県では本年度、在宅医療・介護連携推進支援事業を新規事業化し、在宅医療・介護連携推進協議会の開催や入退院調整ルールの策定等が目指されています。  中でも、退院調整ルール普及事業は、平成二十六年度より、鹿児島保健医療圏域でモデル事業として行われてきたルールを各保健医療圏域へ拡充することで、介護保険の適用が考えられる患者等の情報を病院からケアマネジャーに漏れなくつなぐルールを、県内全域へ波及させることが目指されています。  退院調整ルールを策定・運用している鹿児島保健医療圏域において、退院時の患者や家族の情報が居宅介護支援事業所や地域包括支援センターに伝わらない、いわゆる退院調整漏れ率が平成二十六年度三一・五%であったのが、平成二十七年度には一六・八%と半減し、さらに、直近の平成二十九年六月には七・三%と激減していることは、病院内のMSW並びに看護師及び在宅支援担当のケアマネジャーとの連携が密になっている紛れもない根拠となっています。  鹿屋保健所では、担当職員の昼夜を惜しんでの業務のおかげで、来年一月から退院調整ルールの運用が予定されていて、現在、大詰めの協議と、多職種連携による周知が並行して行われています。今後の地域包括ケアシステムの柱の一つと言える当事業をしっかりと支えていくためには、今後も県による支援が必要であるとともに、個別具体的な支援体制を構築するためには、制度に魂を吹き込む気概を持った、息の長い取り組みこそが求められると思います。  また、各圏域での地域特性、医療介護資源は違ったとしても、県介護福祉課を中心として、県内のさまざまな取り組み事例を共有する場をつくるなどして、優良事例の検証と他地域への紹介といった、保健医療圏域をまたがった横断的連携も模索されなければならないと思います。  そこで、各保健医療圏域における当事業開始に向けた期待される効果及び課題についてお示しください。  また、平成二十九年度から新たに、在宅医療・介護関係者による協議会が開催されていますが、協議会に所属する関係団体の連携により見えてきた課題等についてお示しください。  以上で、二回目の質問といたします。
    22 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)桜島ビジターセンターに関しまして、まず、指定管理料の設定についてでございます。  桜島ビジターセンターは、国立公園である桜島における噴火の歴史、火山活動のメカニズムなどを観光客に説明等を行う目的で県が整備し、昭和六十三年に開館しており、入館料無料の施設となっております。入館者数は、平成二十四年度に十万人を超え、近年はおおむね横ばいでございます。管理運営につきましては、NPO法人桜島ミュージアムが行っており、平成二十八年度からの五年間の指定管理の協定となっております。  現在の指定管理料につきましては、平成二十七年度に県が指定管理の公募を行い、同NPO法人が、鹿児島県桜島ビジターセンター指定管理者募集要項に基づき、事業計画書を作成し、指定管理の費用も含め、県に提案・応募してきたものでございます。  県といたしましては、提案された事業計画書を審査し、管理費用を含めた計画内容を妥当と認め、指定管理料を決定したものでございます。  次に、今後の管理運営の考え方についてでございます。  桜島ビジターセンターにつきましては、年間約十万人の入館者があるとともに、年々外国人観光客の割合がふえており、訪れた方々に満足していただくためにはサービスの向上を図る必要があると認識しております。  指定管理者制度は、民間ノウハウを活用し、サービスの向上と経費の縮減を目的に導入されたものであり、今後の効率的かつ効果的な管理運営のあり方について、施設の利用状況や財政状況を踏まえ、判断してまいりたいと考えております。  本施設は、本来、国民に広く自由に利用されている国立公園内に、自然保護思想の普及及び高揚を図ることを目的に整備したものでありまして、昭和六十三年の開館以来、無料としております。また、全国の同様の施設も無料となっておりますことから、有料化は難しいと考えております。  次に、鹿児島県民の歌についてでございますが、まず、鹿児島県民の歌の活用状況等についてでございます。  鹿児島県民の歌は、戦災からの復興を目指す県民の情熱を平易で明るい歌にすることで、県民の士気を高め、希望を与え、民主的で平和な鹿児島をつくるという理念のもと、昭和二十三年に制定されたところでございまして、これまで、県民手帳や県のホームページ等に歌詞や楽譜を掲載し、ホームページでは歌も聞くことができるよう設定するなど、周知に努めてきたところであります。  現在、県民表彰式を初め、県民体育大会や県芸術文化奨励賞授賞式などいろいろな場面で使用されておりますほか、県庁舎や各地域振興局・支庁では、メロディーを朝昼の始業時間のチャイムとして活用しております。また、小学校で活用されることのある市販の音楽の教材に県民の歌が掲載されております。  これまで、県の各事業をPRするためにつくられたイメージソング等の主なものにつきましては、平成二十七年開催されました国民文化祭・かごしま二〇一五の機運醸成を図るために作成されました「タイムカプセル」や、平成二十二年に、ダンスを通じて鹿児島の魅力を発信するために作成された「ぐりぶーダンス」などがあります。  次に、鹿児島県民の歌の今後の活用可能性についてでございます。  「燃ゆる感動かごしま国体・大会」のイメージソング「ゆめ~KIBAIYANSE~」は、鹿児島国体・大会の開催機運の醸成を図るため、また、西郷どんキャンペーンソング「西郷どんどん!かごんま!~さぁ行こう!~」は、県内外のイベント等で広く活用し、西郷どんや本県に親しみを感じてもらうことで誘客促進等を図るためのものでございまして、それぞれの目的に応じた場面で活用し、県内外に周知できるよう取り組んでいく必要があると考えております。  同様に、県民の歌につきましては、まずは、県のホームページ等に掲載されておることを県の広報媒体等を通じ県民の皆様に周知いたしますとともに、今後、教育機関等との連携や、来年の、仮称でございますが、明治百五十年記念式典などの場も活用しながら、県民の歌のさらなる普及啓発に取り組むことといたします。 23 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)まず、退院調整ルール普及事業についてであります。  退院調整ルール普及事業は、地域包括ケアシステムの構築に向けて、患者の入退院に際して、医療機関の担当者とケアマネジャーが適時的確に情報提供する仕組みを構築するものであり、モデル事業として平成二十六年度から実施してきた鹿児島保健医療圏域における取り組みの成果を踏まえ、県下全域で展開するものであります。  現在、全ての圏域において、地域振興局・支庁と市町村が連携し、それぞれの実情も考慮した共通のルール策定に向けて、調査や協議等を行っているところであります。このルールが確立されることにより、入退院時における調整漏れの割合が減少し、円滑な在宅生活への移行につながることが期待されます。  事業を進めるに当たっては、圏域の共通ルールをいかにして関係者に浸透させるか、圏域を超えるケースにいかに対応するかといったことに留意する必要があると考えております。  次に、在宅医療・介護連携推進協議会についてであります。  県在宅医療・介護連携推進協議会は、市町村における在宅医療・介護の包括的かつ継続的な提供体制の推進を図るため、県や市町村、県医師会を初めとする関係団体及び学識経験者等を構成員として、今年度設置したものであります。  本年十一月に開催した第一回協議会においては、関係者が連携の必要性を主体的に理解し、同じ目的と方向性を持つことが重要、医療・介護従事者がこれまで以上に互いの役割を認識するための取り組みの強化が必要、在宅医療・介護連携の進捗管理や事業評価を行うことが効果的といった意見が出されたところであります。  県といたしましては、協議会の意見を踏まえ、庁内の関係部署と連携を図りながら、引き続き、市町村における在宅医療・介護連携の取り組みが進むよう支援してまいります。 24 ◯郷原拓男君 自席から、鹿児島県民の歌について再質問させていただきたいと思います。  現在、八県の県民歌がカラオケで配信されているということで、お隣宮崎、和歌山、栃木、秋田、長野、岐阜、富山、愛媛ということでございます。  カラオケ配信用機器はJOYSOUNDですとか、あとはDAMなどがあって、さらに著作権なども関係するということをお聞きするんですけれども、カラオケで配信してもらうにはどのような手続が必要だと県では認識されているのか、教えていただきたいと思います。 25 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)カラオケの配信等についての手続、どのようなものがあるのかという御質問でございましたが、カラオケでの県民の歌の配信というのは、普及に向けて有効な手段であるとは考えております。  先発の事例を若干調べてみましたが、経費的な面、そしてまた御指摘のように著作権の件、そういった課題があると伺っております。今後、そういったものをどのような形でクリアするかも含めて、研究してまいりたいと考えております。    [郷原拓男君登壇] 26 ◯郷原拓男君 それぞれ御答弁いただきました。  桜島ビジターセンターについてですけれども、行政に求められる大きな役割の一つが、地域でやる気のある方を発掘し、支援していくことだと思います。五万人程度であった来館者が倍増して、現在十万人で推移している事実をしっかりと評価した上で、十万人の来館者をさらに十五万人、二十万人にふやしていくことが、我が県の観光振興に直結すると思います。  県の懐事情も認識しつつ、経費節減と施設の質のさらなる向上を民間・行政と一体となって推し進めていくことが求められると思います。  鹿児島県民の歌について御答弁いただきました。  我が県には、時代状況に合わせて、機運を醸成するためのさまざまなイメージソングやキャンペーンソングが幾つも存在していることを認識いたしました。一九七二年の太陽国体に合わせて発売されたレコードには、鹿児島国体の歌や国体音頭、国体行進曲とあわせて、鹿児島県民の歌も収録されたとお聞きします。埋もれている我が県にゆかりのあるイメージソングを発掘し、CDに収録した上で、例えば明治維新百五十周年の記念品やふるさと納税の返礼品等で活用できないか、提言いたします。  加えて、学校教育においても、郷土への愛着を育むことのできる県民の歌や市町村民の歌等の活用について、検討していただきますよう要望申し上げます。  退院調整ルールについてですが、当事業の概要等を調べる中で、これまでは自助・共助で対応できていた退院支援などの分野まで、ある程度行政が踏み込み、支援することが求められる状況がふえているという認識を深めました。「県地域振興局が旗振り役を務めてもらうことで広域連携ができる」という感謝の言葉をあちらこちらでお聞きしました。  退院調整漏れ率を低くすることはもちろんですが、今後は、患者第一の視点でさらにきめ細かな個別具体的な支援体制をつくっていくためにも、各圏域における制度の磨き上げと横の連携が求められると思います。地域それぞれの特性があり、医療・介護資源はそれぞれ異なりますが、今後も、介護福祉課を中心とする制度の磨き上げをよろしくお願い申し上げます。  次に、教員の負担軽減につながる統合型校務支援システムについてお尋ねいたします。  教員は、授業から生徒指導、部活までと担当する業務の幅が以前と比較して大変広くなっています。平成二十六年十一月に実施された教職員の業務実態調査を受けて、平成二十七年七月、文科省は、学校現場における業務改善のためのガイドラインを発表しました。この実態調査の中で、教職員が負担を感じる業務について、教育委員会等からの調査への回答などが挙げられています。また、負担軽減の取り組みについて、校務の情報化、校務支援システムの導入などが提示されています。  平成二十八年四月、文科省内に設置された、次世代の学校指導体制にふさわしい教職員の在り方と業務改善のためのタスクフォースでは、こうした教員の長時間労働を改善し、教員が子供と向き合う時間を確保するための改善策が検討されました。  報告書では、学校運営の改善を行うため、成績処理や出欠管理、健康診断表、学校事務などの機能を持つとともに、災害時には、学校で使用する情報システム等を災害用ネットワークとして有効に活用できる点も踏まえ、統合型校務支援システムの整備促進を図る必要性が示されました。  このような中、鹿屋市では、鹿屋市教育の情報化ビジョンが作成され、その中で、統合型校務支援システムに係る整備を平成三十四年度に位置づけ、現在、一小学校、一中学校において、研究的に本システムの一部が導入されています。今後、先進地の情報収集や試験的実施校の設置、教職員研修等を含めた調査・研究が進められますが、市内の全小・中学校に本システムを導入する場合、鹿屋市だけで一億円ほどの予算が必要だとお聞きします。  北海道では、平成二十四年度から、道内市町村が全てで共同利用できるシステムが教育委員会主導で設置・運用されています。当初は自主開発したアプリケーションを利用していましたが、平成二十七年度より民間の校務支援アプリを採用したことで、一つのシステム、一つのデータベースによる管理が実現した結果、人事異動後も校務の標準化・軽減化につながっているとのことです。  そこでお尋ねいたします。  教員の業務が授業から生徒指導、部活までと以前よりも多岐にわたる状況下、北海道など先進地と同じように、統合型校務支援システムを県レベルで整備する必要があると考えます。さきの市町村教育長会でも、当該システム整備は要望項目として取り上げられたと仄聞いたしますが、県の見解をお示しください。  最後に、リカレント教育についてお尋ねいたします。  去る十一月十七日、衆参両院における安倍首相の所信表明演説において、「幾つになっても、誰にでも、学び直しと新しいチャレンジの機会を確保するためのリカレント教育を抜本的に拡充していく」旨の言及がありました。  人生百年時代を見据えた経済・社会システムを実現するためのグランドデザインを描くため、本年九月十一日に、人生百年時代構想会議の初会合が、十一月三十日には、リカレント教育、大学改革などを議題とする三回目の会合が開催されました。  二〇〇七年に日本に生まれた子供の五〇%が百七歳まで生きるという超高齢社会を控え、どのように活力を持って時代を生き抜いていくかということが、今まさに問われています。  有識者議員の一人であるリンダ・グラットン教授は、著書「ワーク・シフト」の中で、「人々が百歳まで生きるようになれば、確実に七十歳あるいは八十歳まで働く時代になる」と述べられます。そして、高齢の概念が変わる結果、将来設計、家族のあり方という人生の根本的な再設計が求められ、その下支えの生涯を通じた学習がより重要性を増すと思います。  そこでお尋ねいたします。  本県では、かごしま県民大学中央センターにより、生涯学習県民大学講座やかごしま県民大学連携講座が開講されていることは承知していますが、人生百年時代の到来が間近に迫る中、リカレント教育への県の取り組みと今後の展望についてお示しください。  以上で、三回目の質問といたします。 27 ◯教育長(古川仲二君)まず、統合型校務支援システムの整備についてであります。  統合型校務支援システムについては、成績管理や保健管理、指導要録等の学籍管理などを統合した機能を一体的に有し、校務の情報化を図るシステムでありまして、システムの導入により、学校・学級運営に必要な情報や児童生徒の状況の一元管理、共有が可能となりますことから、業務を効率化し、学校運営の改善を行う上で有効な方策の一つとされているところであります。  全国的に見ますと、都道府県が主導し、全市町村が同じシステムを導入することといたしておりますのは、北海道と福井県の二道県があると聞いておりますが、導入に当たりましては、教育委員会、学校ごとに業務フローや様式が異なること、セキュリティーの確保、財政上の負担などの課題があるところでございます。  県教委といたしましては、統合型校務支援システムの有効性は認識いたしているところでございますが、解決すべきさまざまな課題もありますことから、他県の動向等も見ながら、必要な研究を進めてまいりたいと考えております。  次に、リカレント教育の取り組み等についてであります。  国においては、人生百年時代構想会議の中で、何歳になっても学び直しができるリカレント教育をテーマの一つに掲げ、検討を進めているところでございます。  現在、県においては、このようなリカレント教育と関連する施策といたしまして、かごしま県民大学中央センターにおいて、生涯学習県民大学講座や、大学等と連携したかごしま県民大学連携講座等を実施し、多様化・高度化する県民の学習ニーズに応え、県民の主体的な学習活動を支援いたしているところでございます。  また、県内においては、鹿児島大学等の高等教育機関において、社会人の学び直しの場としてリカレント教育の取り組みが行われていると承知いたしております。  県教委といたしましては、リカレント教育に関する国の動向を注視しつつ、今後とも、高等教育機関等との一層の連携を図り、県民が社会に出た後も、生涯にわたって学び直しができる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。    [郷原拓男君登壇] 28 ◯郷原拓男君 それぞれ御答弁いただきました。  統合型校務支援システムについてですが、北海道のモデル校での効果を測定した結果、学級担任一人当たり、年間平均換算九十八・二時間が軽減され、生み出された時間は、子供と向き合う時間の増加、児童生徒情報の蓄積等につながっているとのことです。人事異動後も校務の標準化・軽減化につながることの期待される統合型校務支援システム導入への検討を県レベルで進めていただきますよう、よろしくお願い申し上げます。  リカレント教育について御答弁いただきました。  リカレント教育を進める上で、今後、企業がどのような能力を身につけた人であれば採用しようと思うのか、また一方で、何よりも大事な受講者のモチベーションを上げる上で、リカレント教育に対する企業の評価や活用方法を見える化することが必要だと思います。  県と大学との交流も行われているようですが、県と大学と企業が連携して、共同して教育プログラムを開発するなど、リカレント教育の県レベルでの振興も今後必要だと考えます。  以上で、事前に通告していた質問を全て終了いたします。  平成二十九年も年の瀬を迎え、いよいよ明治維新百五十周年の平成三十年のカウントダウンも始まりました。本年をしっかりと締めくくり、来年が我がふるさと鹿児島にとって輝かしい年となりますことを心から祈念申し上げ、人生で五回目の一般質問とさせていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 29 ◯議長(柴立鉄彦君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午後零時 一分休憩       ───────────        午後一時十五分再開 30 ◯議長(柴立鉄彦君)再開いたします。  田之上耕三君に発言を許可いたします。    [田之上耕三君登壇](拍手) 31 ◯田之上耕三君 天皇・皇后両陛下が、十一月十六日から十八日まで、屋久島、沖永良部島、与論島を御訪問されました。  私どもも、このたびの行幸啓を県民挙げて奉迎申し上げるため、鹿児島空港での特別奉送迎に参加させていただき、大きな感銘を受けました。  屋久島では、全島避難を余儀なくされた口永良部島民の苦労をねぎらわれ、初めての沖永良部島、与論島への御訪問により、島民に大きな励みと希望をもたらしたものと思います。  天皇・皇后両陛下の、被災地や遠隔の島々への強いお気持ちがあらわれていた今回の御訪問であったものと深く感謝申し上げる次第であります。  両陛下の御健康と皇室のますますの御繁栄を心よりお祈り申し上げます。  それでは、通告に従いまして質問してまいります。  まず、財政問題についてお尋ねいたします。  我が国が人口減少社会に突入している中、本県も少子高齢化が進んでおります。社会環境が急速に変化していく中にありましては、特に、持続可能な財政基盤の確立を図ることが求められていると思います。財政硬直化は機動的な財政運営に支障を来すことから、知事も、第三回定例会に引き続き、本定例会の提案理由説明で、「県として、持続可能な行財政構造の構築に向けて、引き続き、行財政改革推進プロジェクトチームを中心に、全庁を挙げて歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組んでまいります」と述べ、強固な財政基盤を確立する意思を示しておられます。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、人口減少・少子高齢化社会への対応についてであります。  人口減少・少子高齢化社会の中にありましては、社会経済や地域社会の状況が大きく変容することは十分想定されるところであります。人口規模の減少などにより行政コストは増加することも考えられます。財政の持続可能性を維持しながら、各種行政需要の増大に対応し、医療、教育、交通といった生活に必要な機能の確保を図っていくことが課題となっております。  人口減少・少子高齢化というこのような時代にどのように対応していくお考えなのか、お伺いいたします。  第二点は、広域的な連携についてであります。  行政機能を維持するため、また行政効率を高めるため、県を超えた広域的な連携・共同処理といった機運が今後、高まっていくのではないかと考えます。近畿圏におきましては関西広域連合が設立され、広域的な防災・観光・産業振興など事業実施の取り組みがなされております。  広域的な連携についてどのようにお考えか、お伺いいたします。  第三点は、行政評価制度についてであります。  行政評価制度は、社会経済情勢の変化に基づき、政策を積極的に見直すといった機能を有しております。政策の効果について客観的な評価が行われることから、効率的・効果的な行政運営を行うための有効な方策の一つであります。  平成二十八年度には、鹿児島県女性活躍推進計画等について評価を実施されておりますが、対象をふやすなど取り組みの拡充についてお伺いいたします。  また、行政評価制度の目的を組織全体に浸透させることが重要でありますが、職員に対する啓発活動をどのように行っているのか、それぞれお伺いいたします。  第四点は、臨時財政対策債についてであります。  一般会計における県債残高の推移を見ますと、臨時財政対策債を除きますと減少が続き、以前に比べて大きく改善しています。臨時財政対策債については、今年度、平成二十九年度の当初予算で約五千二百億円と、十年前の一千七百億円と比較いたしますと、約三倍となっております。隣県の熊本県の場合、平成二十七年度、約四千九百億円となっております。
     臨時財政対策債は、平成十三年度から三年間の臨時的措置として導入された経緯がありますが、その後、延長されております。臨時財政対策債は、地方交付税の振り替えであることから、その全額が交付税措置されることとされております。とはいえ、臨時財政対策債を起債したのは県でありますので、返済が必要な借入金になります。  財政運営に当たり、臨時財政対策債をどのように位置づけておられるのか、お伺いいたします。  第五点は、人件費についてであります。  歳出を見ますと、人件費は、平成二十一年度以降、約二千百億円で推移いたしております。平成二十七年十月に共済年金と厚生年金が統合いたしました。これは、年金制度の公平性を確保する観点からの制度改正になるわけでありますが、一方、現在、地方公務員に係る年金の保険料について、厚生年金の保険料と統一するために毎年度引き上げが行われているところであります。  このことは人件費に今後どのような影響を与えるか、お伺いいたします。  次に、マニフェスト等についてお尋ねいたします。  知事は、昨年の選挙の際、鹿児島を日本一にする六つの約束としてマニフェストを発表されました。同時に、マニフェストのほかにビジョン・想いも発表され、地域人口減少の歯どめ、県民所得倍増計画などを掲げられました。これらを見ますと、知事の鹿児島の発展にかける熱い思いを感じ取ることができるのであります。  マニフェスト等の進捗の状況は、県のホームページで知ることができ、着実に推進されているように思われます。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、観光客の受け入れについてであります。  観光は、古代中国の書「五経」の一つ、「易経」の「国の光を観る。王に賓たるに用いるに利し」との一節によるとあります。解釈は、「旅をしての経験は、人生においてきっと役に立つものである」ともあります。  県の観光統計によりますと、外国人延べ宿泊者数は、平成二十八年は約四十八万人で、平成二十三年は約九万三千人でありますので、五年間で約五・二倍と増加しております。  外国人旅行客が増加する中で、いい経験だったと感じてもらうためには、外国語に精通した方の案内が必要であると考えます。外国人観光客がふえる中、十分に対応するためにどのような方策をとっていかれるのか、お伺いいたします。  第二点は、観光と他産業との連携についてであります。  観光に関する業種は非常に多様であります。言うなれば総合型産業であります。観光とそれぞれの産業が結びつくことにより、相互の連携により相乗効果が期待できます。さきの全国和牛能力共進会におきまして、本県は堂々の全国和牛チャンピオンの栄誉に輝きました。関係者の御労苦を多とするところであります。  本県観光において観光振興策を幅広く展開するために、農業を初め、他産業との連携をどのように図っていくおつもりか、お伺いいたします。  第三点は、農業振興についてであります。  かごしまブランド産品につきましては、平成元年度からかごしまブランド確立運動が展開され、ことしも、「かごしまそらまめ」、「かごしま地鶏」などが指定され、現在、十九品目二十五産地が指定されております。かごしまブランドは、多くの関係者の努力の積み重ねにより、市場や消費者の評価も高く、ブランドとして定着していると考えます。  消費者ニーズの多様化、販売環境の変化など、農業環境は変動しております。六月議会では、「本年度、生産者や流通・販売関係者等の意見などを参考にしながら、県産農畜産物のブランド力をさらに高めるための検討を行う」との答弁がなされました。  生産者や流通・販売関係者からはどのような意見が出ているのか、また、ブランド力をさらに高めるためにどのような検討を行っているのか、お示しください。  第四点は、製造業の誘致についてであります。  明治維新から間もなく百五十年たちますが、県全体の浮揚発展・振興の立場で考えてみるとき、島津斉彬公が集成館事業を起こしたように、産業・製造業は社会の発展に欠かせないものと考えます。  近年、本県では、大手メーカーの工場の撤退や規模縮小が続きました。県では、毎年、県民所得を公表されておりますが、本年一月に公表されたところによりますと、製造業の総生産額は県民所得とほぼ連動していることがうかがえます。  県民所得をふやすために、企業立地、製造業の誘致に今以上に力を入れて取り組むべきと考えますが、いかがお考えかお伺いいたします。  第五点は、県庁舎についてであります。  知事のマニフェストには、県民への温かい気持ちが強く感じ取れます。県民の皆さんに訪れていただく県庁舎は、知事の気持ちが伝わるものでなくてはならないと思います。このため、庁舎内のスペースを利用して、県の施策や観光情報等を来庁者に積極的にPRしていくことが必要だと考えますが、情報提供や発信場所としてうまく活用されているか。来庁者は、庁舎一階に売店、食堂などがあり、職員優先の施設といった印象を受けることも否めません。また、二階県民ホールについても、エスカレーターが停止していることもあり、十分にその機能を果たしているか疑問であります。  そこでお伺いいたします。  庁舎を工夫して、県民に対して、県政PRや観光PRの情報提供や発信場所として活用できないか。また、一階や二階県民ホールが来庁者にとって親しみやすく気軽に利用できるように、エスカレーターの再開による機能充実などは考えられないのか、お伺いいたします。    [知事三反園 訓君登壇] 32 ◯知事(三反園 訓君)人口減少・少子高齢化社会への対応についてであります。  人口減少・少子高齢化社会が本県財政に与える影響につきましては、その具体的な影響をお示しすることは難しいと考えておりますけれども、歳入面では、個人県民税などの県税収入の減、地方交付税の算定における基準財政需要額の減が想定されます。歳出面では、人口の減少に伴う行政需要の減も一定程度想定される一方で、少子高齢化の進行に伴う扶助費の増加が想定されるところであります。  このため、県といたしましては、持続可能な行財政構造を構築するため、引き続き、歳入・歳出両面にわたる徹底した行財政改革に取り組む必要があると考えております。また、あわせまして、人口減少・少子高齢化社会に対応した施策を展開することが重要であると考えておりまして、地域の経済・雇用を支える足腰の強い産業の育成、地域における子育て支援、高齢者の生き生き支援といった少子高齢化対策などの施策に全力で取り組んでまいりたいと考えております。 33 ◯企画部長(東條広光君)県域を超えた広域的な連携についてのお尋ねであります。  現在、本県は、九州地方知事会に属する九州・山口各県と連携して、共通する広域的な課題に取り組んでいるところであります。これまで、九州観光推進機構を設立し、国内外から九州への観光客誘致等に一体となって取り組んでおりますほか、工業系・農業系試験研究機関の連携、東京でのUIJターン希望者向けの合同会社説明会や婚活イベントの開催、身体障害者用駐車場の利用証の相互利用など、各般の施策に取り組んでいるところであります。  また、防災面において、災害時応援協定に基づき、熊本地震や九州北部豪雨への初動対応や復興支援を行うとともに、災害廃棄物処理等に係る相互支援協定を締結するなど、広域連携体制の充実を図っております。  今後とも、県域を超えて広域的に取り組むことで効果の上がる行政課題につきましては、他県等と緊密に連携・協力して取り組んでまいりたいと考えております。 34 ◯総務部長(寺田雅一君)行政評価制度についてでございます。  本県の行政評価は、各部局が県の施策に関する基本的な計画等を策定・改定する際に、施策を効果的・効率的に推進すること等を目的として施策評価を行い、その結果を次期計画に反映させる仕組みとしているところでございます。  昨年度は、鹿児島県女性活躍推進計画や第二種特定鳥獣管理計画など四つの計画において、定量的な指標による目標設定や学識経験者の知見の活用等の方法により施策評価を行い、その結果をそれぞれの計画に反映したところであり、今年度は、高齢者保健福祉計画など七つの計画において施策評価を行う予定としているところでございます。  また、毎年度当初に、各部局における施策評価の実施予定を把握するとともに、県の施策に関する基本的な計画等の策定・改定の際に、それぞれの分野の特性に応じた施策評価を適切に行うよう促すほか、職員に対しましては、行政評価に関する研修も行っているところでございます。  続きまして、臨時財政対策債の位置づけについてでございます。  御指摘いただきましたように、臨時財政対策債は、本来交付されるべき地方交付税の振り替え措置として創設されたもので、その元利償還金については、地方財政法等の規定により、後年度、その全額が地方交付税の基準財政需要額に算入されることとされております。  持続可能な地方交付税制度の確立のためには、臨時財政対策債に頼らない制度設計が必要なことから、今後とも、地方交付税の法定率の引き上げなどによる地方交付税原資の確保について、県開発促進協議会や全国知事会等を通じまして、国に対して強く要望してまいりたいと考えております。  共済年金と厚生年金の統合に伴う今後の人件費への影響についてでございます。  共済年金制度につきましては、被用者年金制度全体の公平性・安定性を確保する観点から、平成二十七年十月から厚生年金制度に統一することとされ、共済年金の保険料を引き上げ、平成三十年九月に厚生年金の保険料率に統一するなどの改正が行われたところでございます。  保険料の引き上げによる今後の人件費への影響といたしましては、平成二十九年度当初予算ベースで試算いたしますと、平成三十年度は前年度に比べ三億円程度、平成三十一年度は前年度に比べ一億円程度の負担金の増が見込まれるところでございます。 35 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)まず、外国語ガイドの育成についてでございます。  県内には、外国人に対して有料でガイドできる国家資格である通訳案内士が八十二名、九州域内限定で有償ガイドができる九州特区ガイドが四十二名、さらに、奄美群島限定で有償ガイドができる奄美特例ガイドが四十七名登録されており、県では、これらの通訳ガイドの育成・確保のための各種研修等を行ってきているところでございます。  また、来年一月からは、通訳ガイドの量的確保、質の向上を目的として通訳案内士法が改正されますが、この法改正も踏まえ、県では、通訳案内士を初め、通訳ガイドに関する啓発セミナーや各種研修、特区ガイドの研修受講への協力、関係団体等への情報提供などを通じて、さらなる通訳ガイドの量的・質的向上を図ってまいります。  次に、観光と他産業との連携についてでございます。  観光は、農林水産業や運輸業、製造業その他の産業とも密接な関係を有する総合的な産業でございます。観光の振興を図ることにより、交流人口の増大や観光客による消費拡大などの効果にとどまらず、関連産業の雇用機会の創出や増大につながるなど、地域全体に大きな経済効果をもたらすことが期待されております。  このため、農林水産業と連携し、和牛日本一に輝いた鹿児島黒牛や黒豚を初めとする県産食材やそれらを活用した郷土料理のPR、教育旅行などにおけるカンパチへの餌やり体験など、農林漁業体験型観光の推進を行っておりますほか、製造業との連携により、焼酎工場の見学、薩摩焼の絵つけ体験などの産業観光の推進や、魅力ある観光土産品となる特産品の開発・販売などの取り組みを促進しているところでございます。  今後とも、他産業との連携を強化いたしますとともに、観光による波及効果の増大を図りますとともに、幅広い観光振興策を展開してまいります。 36 ◯農政部長(川野敏彦君)かごしまブランドの見直しに向けた検討状況についてでございます。  県では、制度創設後三十年近くを経過し、かごしまブランドを取り巻く生産・流通・消費の環境が大きく変化していることなどを踏まえ、本年度、ブランド戦略の見直しを進めており、これまで、生産者や流通・販売関係者等から幅広くヒアリングを重ねてきたところです。  生産者からは、「K─GAPの取得など安心・安全への意識が向上した」との意見がある一方で、「生産者の高齢化等により生産量が減少し、安定出荷に苦労している」といった意見をいただいております。  また、流通・販売関係者からは、「定時・定量・定質や安心・安全への取り組みは評価できる」との意見がある一方で、「少量でも品質や市場評価の高さなど鹿児島の強みを生かせる品目もあるのではないか」、また、「県外でのかごしまブランドの認知度をもっと高める必要があるのではないか」などの意見をいただいております。  県では、近く、有識者や農業者団体、流通関係者等から成る検討会を立ち上げることとしており、これまでのヒアリングでいただいた意見も踏まえながら、ブランド品目の生産量を確保するために幅広い生産者の参加を求めることや、かごしまを前面に打ち出した販売戦略のあり方などについて議論したいと考えております。 37 ◯商工労働水産部長(酒匂 司君)製造業の誘致についてのお尋ねでございます。  本県の企業誘致につきましては、かごしま製造業振興方針に基づき、自動車・電子・食品に加え、環境・新エネルギー産業など、次の世代の基幹産業を担う企業立地の促進に重点的に取り組むことといたしております。  企業誘致に向けては、東京・大阪事務所の職員及び産業立地推進員による企業訪問活動や、東京や大阪において市町村と共同で開催しております企業立地懇話会におけるトップセールスの実施のほか、県内製造拠点の維持・拡大につなげるための立地企業へのきめ細やかなフォローアップなど、積極的な取り組みを展開しているところでございます。  今後とも、成長著しいアジアに近接する地理的優位性や豊富な農林水産物、陸海空の交通インフラの充実、世界に誇れる国内有数の企業の立地、豊かな自然や住みやすい生活環境といった本県の魅力を訴えながら、市町村とも一体となった誘致活動に努めてまいりたいと考えております。 38 ◯会計管理者(迫 貴美君)県庁舎の機能充実についてでございます。  県庁舎での県政情報等の発信につきましては、これまでの玄関の大型パネルによる明治日本の産業革命遺産等のPRや、県政広報展示コーナーでの各種資料配布等に加えまして、今年度は、明治維新百五十周年のカウントダウンボードの設置や和牛日本一の紹介パネルの展示などを行っております。  今後とも、県庁舎を活用した県政情報等の積極的な発信に努めてまいります。  エスカレーターにつきましては、二階の県民ホール等へのアプローチとして設置されたものでありますが、パスポート窓口が県民交流センター内に移転し、利用者が減少したことや、全てのエレベーターが二階で乗降できることなどを総合的に判断し、平成十六年一月から停止しております。  エスカレーターの再開につきましては、停止から十三年を経過しており、機器のリニューアルに要する費用のほか維持管理経費が必要となりますことから、今後の庁舎一、二階の活用状況や財政状況等を勘案しながら、検討してまいりたいと考えております。    [田之上耕三君登壇] 39 ◯田之上耕三君 続けて質問いたしてまいります。  まず、来年度の公共事業予算編成の基本方針についてお尋ねいたします。  公共事業は、地域の社会資本の整備を行い、地域経済の活性化、防災、県土強靱化などさまざまな効果をもたらすものであり、地域経済の根幹をなすものと言えます。  国の公共事業関係予算については、平成二十五年度予算において、これまでの右肩下がりの削減には歯どめがかけられたものの、その後の平成二十六年度から二十九年度予算においても、ほぼ横ばいの水準にとどまっております。  また、国は、平成三十年度予算の概算要求において、被災地の復旧・復興、国民の安全・安心の確保、生産性の向上と新需要の創出による成長力の強化及び豊かで活力のある地域づくりに取り組むこととしております。  一方、本県の社会資本整備は、高規格幹線道路など全国に比べて今なお立ちおくれており、また、台風や集中豪雨等により、毎年のように甚大な被害が発生しているところであります。  このような状況において、新しい力強い鹿児島をつくるため、おくれている本県の社会資本整備を着実に推進する必要があると考えますが、そこでお尋ねいたします。  平成三十年度の県の公共事業の予算編成の基本方針についてお示しください。  次に、霧島市の県管理道路の整備促進についてお伺いいたします。  霧島市は、県本土の中央部に位置しており、鹿児島空港などの拠点施設や他の都市を結ぶ県管理の幹線道路は、産業経済交流はもとより観光や企業誘致の促進においても、地域の基盤として欠かせない施設であることから、沿線地域だけではなく県下全域の産業振興に寄与する役割を担う重要な施設であると考えます。  これまでの幹線道路は鋭意整備を推進していただいておりますが、市街地においては恒常的な渋滞が発生しており、市民や霧島市を訪れる方々に多様な影響を与えている状況であります。また、中山間部では、台風や集中豪雨等により通行不能になるなどの機能低下が危惧されることから、安全・安心な道路の整備が強く望まれているところであります。  その中でも、これまで何回も質問いたしてまいりました都市計画道路新町線、これを現在着手していただいておりますが、今なお渋滞が続いており、一日も早い完成を待ち望んでいるところであります。  そこでお尋ねいたします。  都市計画道路新町線の現在の進捗率と今後の見通しについてお示しください。  また、霧島市における県管理道路の整備を今後どのように進めるのか、お示しください。  次は、湧水町の道路整備についてであります。  県道四百四十三号幸田栗野線についてお伺いいたします。  本路線は、県道五十三号の幸田地区と県道五十五号の栗野市街地を結ぶ主要道路でありますが、急カーブが連なる一部である約四百五十メートルが未改良であり、交通事故が発生している危険区間でもあります。また、本路線の整備は地区住民の長年の要望でもあり、幸田地区及び轟地区からの通学路にもなっております。  この未改良区間については、平成二十八年度より幸田工区として事業に着手していただいておりますが、現在の進捗状況と今後の見通しについてお示しください。  次に、県道百三号についてお伺いいたします。  県道百三号栗野停車場えびの高原線は、JR栗野駅からえびの高原に至る予定の一般県道であり、鹿児島県側は昭和三十六年三月に、宮崎県側は昭和三十七年四月に認定されている全長十五キロメートルの路線であります。  この路線は、九州自動車道栗野インターチェンジとえびの高原を結ぶ最短道路でありますが、鹿児島県側が〇・五キロメートル、宮崎県側が三キロメートルの合計三・五キロメートルが未供用区間となっております。  平成二十三年一月に爆発的な噴火を起こした新燃岳でありますが、最近でも活動が活発になっており、この区間が整備されることにより、新燃岳を含む霧島山の噴火の際に想定される土石流や火山ガスによる災害、事故等の発生時における避難道路として大きな役割を果たすことが期待されております。  また、この路線を含む霧島山を中心とする地域は、平成二十二年九月に日本ジオパークに認定され、現在、地域一丸となって世界認定を目指しております。南九州有数の観光地でもあり、国が進める国立公園のナショナルパークとしてのブランド化に向けた取り組みとあわせ、国内はもとより海外からの訪問者の増加が期待され、観光客の避難道路の整備・確保は喫緊の課題となっております。  つきましては、県道百三号の早期整備は、環霧島の地域住民の長年にわたる悲願であり、環霧島議員連盟も積極的な活動を展開し、さきの十一月十五日には、三反園知事へ直接要望書を手渡したところであります。  そこでお伺いいたします。  県道百三号栗野停車場えびの高原線の未供用区間について、鹿児島県と宮崎県がしっかりと連携し、環境面・防災面のほか、有効な補助制度を活用した財源確保の面等から、実現性の高いルートの検討を含めた整備の可能性調査を早急に行う必要があると考えますが、三反園知事の所見をお伺いいたします。  次は、平成三十年大河ドラマ「西郷どん」及び霧島市が整備を進めている日当山西郷どん村についてお尋ねいたします。  県内では、明治維新百五十周年に向けて、地域の歴史や魅力を見直し、鹿児島を広くアピールする取り組みが始まっており、来年一月七日から大河ドラマ「西郷どん」の放映もスタートします。  西郷南洲は、明治維新において重要な役割を果たした人物として、その功績と人間的魅力で県内はもとより日本中で愛されており、敬愛を込めた「西郷どん」の愛称で呼ばれております。  西郷南洲は、大の温泉好きで知られており、鹿児島県下は至るところによき温泉がありますが、その中でも最も足しげく通った温泉地が、霧島市にある日当山温泉郷でありました。当時は交通の利便性も悪く、吉野原を越える時代から日当山が近いわけでもなく、当時の日当山温泉は設備不完全で、湯つぼは元湯、現在の西郷どん湯と称する共同湯が一つで、屋根は瓦ぶきであり、四方板壁で、浴場は石畳であるが、湯つぼの底は土間のままで男女混浴、あかも随分浮いていたにもかかわらず、西郷南洲は平気で入浴されたようであります。  そのころは付近に旅館もなく、西郷南洲は、農家の龍宝伝右衛門宅の表座敷を借りて家人と同様に飲食されたものであると「日当山温泉南洲逸話」にもあります。
     その龍宝家を、一九八九年に日当山地区の有志が西郷どんの宿として地区内に建設いたしましたが、老朽化が激しく、霧島市は、昨年、惜しまれながら閉館した地域の老舗温泉旅館跡地に新築移設を決め、現在、滞在したとされる龍宝家の家屋を復元した西郷どん村の整備を進めており、物産館やイベント広場なども併設し、観光振興と地域活性化を図る目的で十二月九日のオープンを目指しているところであります。  そこでお尋ねいたします。  第一点として、来年の大河ドラマ放映を一日千秋の思いで待っており、その中でも日当山が放映されることに大きな期待を寄せているところでありますが、放映効果をどのように捉えているのか、お伺いいたします。  第二点として、これまで、西郷どん村に対して県はどのような支援をしてこられたのか。  第三点として、西郷どん村に県は今後どのような支援を考えておられるのか、お伺いいたします。  次は、ジオパークについてお尋ねいたします。  日本ジオパークも現在四十三地域となり、今後も認定を目指している地域も十地域以上あり、急激に増加しております。一方で、ユネスコの理念に基づいた世界ジオパークに準じた活動が求められるようになり、その品質を高く保つためにも、新規認定審査、四年ごとの再認定審査も厳しくなりつつあります。桜島・錦江湾は本年十一月に一回目、霧島は来年二回目、三島村・鬼界カルデラは再来年一回目の再認定審査を受ける予定であり、より活発な活動が必要になってくると思います。  また、霧島ジオパーク、桜島・錦江湾ジオパークは、昨年四月に、日本ジオパーク委員会に対して世界ジオパーク推薦申請を行いましたが、それぞれ火山という同一資源で隣接しており、九州には既に、阿蘇、島原半島の二つの地域が火山の世界ジオパークに認定されており、それらとの違いも明確にするべきであるなどとして、双方とも見送りになりました。さらに、世界ジオパークがユネスコの公式プログラムになったことにより、世界遺産と同等の扱いとなり、ユネスコの理念である世界平和の構築に資するために、国際会議に参加するだけでなく、希望する地域の貢献も求められております。  この推薦見送りを受け、双方の協議会では、世界ジオパーク認定に向けて隣接する二つの地域が統合し、一つのジオパークとして活動する協議を開始することが決定され、現在、両ジオパークの事務局間で月二回のペースで打ち合わせ、協議を行っているところであります。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、平成二十八年第一回定例会において、学校教育の現場でのジオパークの活用について古川教育長の答弁をいただきましたが、持続的な教育を図るために今後どのように取り組まれるおつもりなのか、お考えを再度お聞かせください。  第二点は、ジオパークを取り巻く環境や認定等はよりハードルが上がってきていると言えると思いますが、地域のボトムアップで築いていくジオパークにとって、持続可能な地域の発展をいかに実現していくかが肝要であると考えます。鹿児島・宮崎両県には、財政的支援を中心にさまざまな支援を行っていただいておりますが、三つのジオパークを抱える本県として、今後さらにどのような支援を行っていくおつもりなのか、お聞かせください。  第三点は、世界ジオパーク認定に向けて、統合に向けた協議を開始した霧島ジオパーク、桜島・錦江湾ジオパークでありますが、統合が実現いたしますと、人口、面積ともに日本最大級のジオパークとなり、魅力の多様性がふえることが期待できる反面、活動の温度差、偏在が懸念されることでもあります。また、湧水町、姶良市、垂水市が新たに参加し、ジオサイトもふえると思いますが、全く新しいジオパークを立ち上げることと同様な手順と時間も必要であると思います。従来のジオパーク活動を維持しながらのプロジェクトでありますので、地域単独では財政的・人材的に厳しい状況が考えられます。  国内の他の地域では、世界ジオパークに認定されている隠岐ジオパークや山陰海岸ジオパークの協議会事務局が県合同庁舎内に置かれるなど、人的・財政的支援をしているところもあります。  県としての人的・財政的面を中心とした、世界ジオパーク認定に向けた支援と取り組みについてお聞かせください。 40 ◯土木部長(渡邊 茂君)平成三十年度の公共事業の予算編成基本方針についてであります。  本県は、南北六百キロに及ぶ広大な県土に半島や多くの離島を有し、また、台風常襲地帯やシラス地帯であるなどの地理的・自然的に大変厳しい条件下にあります。このため、高速道路や重要港湾などの陸海空の交通ネットワークの構築や県民の安心・安全を守る防災対策等について、重点的な整備に取り組んでいるところであります。  本県の社会資本整備を着実に推進するためには、必要な公共事業予算の確保が重要と考えていますが、平成三十年度の国の予算編成については現時点では不透明な要素が多く、公共事業関係費の動向についても見通せない状況です。  来年度の本県の公共事業予算の計上につきましては、国の動向等を見きわめながら、引き続き、行財政運営戦略に基づき、めり張りをつけた社会資本の整備に努め、新しい力強い鹿児島の実現に向けて取り組んでまいります。  続きまして、都市計画道路新町線の現在の進捗率と今後の見通しについてであります。  都市計画道路新町線は、大隅地域から鹿児島空港へのアクセス道路としての機能を担うとともに、霧島市街地の渋滞緩和や地域産業の物流の効率化にも資する重要な路線であります。  当路線のうち、第一工業大学付近のおよそ五百メートルのバイパス区間については、平成二十五年度から事業に着手し、現在、同大学による施設の移転と工程調整を行いながら、JR線との立体交差に係る橋梁の整備を進めており、本年度末における当該区間の進捗率は、事業費ベースで四四%の見込みであります。橋梁の完成までには二カ年程度を見込んでおり、その後、開通に向けて、橋梁前後の改良工事や舗装工事を予定しております。  今後とも、必要な予算を確保するとともに、霧島市と連携して、地元の理解と御協力をいただきながら、早期の整備に努めてまいります。  続きまして、霧島市の県管理道路の整備促進についてであります。  霧島市における県管理道路の整備につきましては、空港へアクセスする国道五百四号の西光寺拡幅、さらには主要地方道都城隼人線の重久工区や県道崎森隼人線の上野工区など、八カ所の整備を進めているところであります。また、県道霧島公園小林線の霧島田口工区など二カ所において、のり面の防災対策を進めているところであります。  県といたしましては、産業の振興や地域の活性化、県民生活の安心・安全の確保を図る観点から、引き続き、地域の実情に即した道路整備に努めてまいります。  続きまして、県道幸田栗野線の幸田工区についてであります。  県道幸田栗野線の幸田工区につきましては、通学路にもかかわらず歩道もなく、幅員狭小で急カーブが連続していることから、平成二十八年度より事業着手したところであります。これまで測量設計を終え、本年度から用地買収を行っているところです。  今後とも、地元の方々の御協力をいただきながら、早期整備に努めてまいります。  続きまして、県道百三号栗野停車場えびの高原線の整備についてであります。  県道栗野停車場えびの高原線の宮崎県境付近の交通不能区間につきましては、国立公園区域内にあることや地形が険しいこと、希少生物が確認されたことなどさまざまな課題があり、これまで事業化に至らなかったところであります。一方、道路ネットワークを充実させることは、観光振興や防災の観点から重要であると考えております。  この区間の整備につきましては、今後とも引き続き、宮崎県と連携し、さまざまな課題に対し協議を進めてまいります。 41 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)まず、大河ドラマ「西郷どん」の放映効果についてでございます。  明治維新百五十周年に当たる平成三十年に本県を舞台とする大河ドラマが放送されますことは、県内の豊かな自然や良質の食材はもとより、明治維新の礎、近代産業の魁といった歴史・文化遺産など、鹿児島にしかない魅力を全国に発信する絶好のチャンスでありますことから、本県のイメージアップや観光振興の一層の追い風にしてまいりたいと考えております。  なお、NHKには、これまでに市町村から収集した西郷どんゆかりの地の情報を提供したり、ロケの素材探しでありますロケーションハンティングに協力するなど、関係者と連携しながら、県内の多彩な魅力の紹介に努めてきているところでございます。  県といたしましては、今後とも、各種プロモーションや情報発信を通じて、大河ドラマを契機とした観光客誘致に取り組んでまいります。  次に、西郷どん村についてでございます。  霧島市の日当山西郷どん村につきましては、西郷隆盛公が逗留したと伝わる日当山温泉の龍宝家を復元した西郷どんの宿を中心に、物産館などを備えた観光拠点施設として霧島市が整備を進めており、間もなくでございますが、今月十日に一部がオープンする予定になっております。  これまでに、県では、魅力ある観光地づくり事業や地域振興推進事業を活用し、駐車場整備や西郷どんの宿の復元を行っているところでございます。また、大河ドラマ「西郷どん」の放送に向けまして、西郷どん村を新たな観光施設として、旅行エージェント向けの観光素材説明会のほか、雑誌における記事や広告で紹介するなど、PRを行っているところでございます。  今後とも、明治維新百五十周年や「西郷どん」を盛り上げるためにも、霧島市と連携しながら、新たな観光拠点となるようハード・ソフト両面で支援してまいります。 42 ◯教育長(古川仲二君)ジオパークの学校教育現場での活用についてでございます。  ジオパークについては、その土地の成り立ちを学び、郷土に対する深い愛情と誇りを持たせるため、教育現場で活用することの意義は大きいものと考えております。  中学校では、理科や社会科における火山や地形の授業の中でジオパークについて取り上げたり、鹿児島市や霧島市の小学校では、桜島・錦江湾ジオパークについての副読本を活用した学習を行っております。また、火山の歴史や植生等についての学習成果を踏まえ、ジオパーク内を専門家とともに調査したり、子供たちがジュニアガイドとして保護者や地域住民を案内したりする小・中学校もございます。  さらに、高校においては、観光協会のジオツアーに生徒がサポート役として参加し、自作の紙芝居を披露するなど、地域の魅力を発信する取り組みを行ったところもございます。  県教委といたしましては、今後とも、小・中・高等学校の各段階において、ジオパークを初め、身近な地域の自然を生かした持続的な学習がさらに図られるよう努めてまいります。 43 ◯企画部長(東條広光君)県内の日本ジオパークに対する支援についてであります。  県では、これまで、地元の要望を踏まえ、県内のジオパークにおけるジオサイトについての解説板の整備や啓発DVDの作成、ガイドの育成、体験ツアーの実施などの取り組みに対し、地域振興推進事業や特定離島ふるさとおこし推進事業などにより支援を行ってきているところであります。  ジオパークは、科学的に価値が高く、景観としても美しい地形や地質などを保護するとともに、教育や観光などに活用し、地域の振興を図ろうとするものでありますことから、今後とも、ジオパークを生かした地域の取り組みを支援してまいりたいと考えております。  次に、世界ジオパーク認定に向けた支援等についてであります。  昨年七月に世界ジオパークへの国内推薦が見送りとなりました霧島ジオパークと桜島・錦江湾ジオパークの両協議会におきましては、その後、引き続き世界ジオパーク認定を目指すこと、そのために統合を検討していくことを確認しており、現在、統合後の新たなエリア設定や今後の進め方などについて協議が行われているところであります。  県としては、これまでも、協議会に参加しますとともに事業への支援を行ってきておりますが、関係市町における協議状況等を踏まえつつ、宮崎県とも連携し、引き続きその取り組みを支援してまいりたいと考えております。    [田之上耕三君登壇] 44 ◯田之上耕三君 それぞれ答弁いただきました。  財政問題についてでありますが、行財政改革の推進に当たりましては、県民の目線に立って、少ない経費で最大の効果を上げることがこれまで以上に求められていると思います。十分に成果が上がらない事業は直ちに見直すなど、スピード感を重視して取り組んでいただくよう強く要望いたします。  臨時財政対策債につきまして、総務部長より答弁いただきました。  県の立てかえが恒常化しており、累積額も多大であります。安定的な財政運営にとって財源の確保は非常に重要であることから、地方交付税などの財政配分につきましても、全国知事会等のさまざまな機会を捉えて、国に対して強く要請していただくよう要望いたします。  マニフェストの問題でありますが、今後もさらに企業誘致を促進していただくよう要望いたします。  来年度の公共事業の答弁を土木部長からいただきましたが、どうぞ来年度はことし以上の積極的な予算の編成ができ上がることを強く望みたいと思います。  そして、霧島市及び湧水町の道路整備についても積極的に進めていただきますよう要望申し上げます。  ここで、県道百三号について、自席から知事に質問したいと思いましたが、土木部長の答弁をお聞きしておりますと、何ら進展はないような感じを受けております。ただ、半世紀にわたっての難題は、部長にいろいろ答弁いただきました。これはぜひ三反園知事に強く要請いたしますが、でき得るなら宮崎の知事とトップ会談していただきまして、答弁にありましたとおり重要な路線ということでありますので、トップ会談していただいて前向きに御検討いただくように、これは強く要望いたしておきます。  さて、「西郷どん」の放映でありますが、大きな期待を寄せながら、原作者の林真理子さんの軽妙なタッチでさらなる魅力を引き出していただけるものと大いに期待いたしております。知事、この機会を最大限に生かす施策を積極的に進めていただくよう要望いたします。  さて、ことしも余すところわずかとなってまいりました。全ての県民の皆さん、知事、執行部、また議員の皆さんにとりまして、来年がよい年になりますよう祈念いたします。  質問を終わるに当たり、一言。夢は覚める、覚めるのが夢である、覚めることのない大きな夢こそ我々の夢であると教わってまいりました。私もあすへの確かな道を切り開いていくため、ふるさとの大きな夢に向かって真っすぐに突き進んでまいることを披瀝し、質問を終わります。(拍手) 45 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、伊藤浩樹君に発言を許可いたします。    [伊藤浩樹君登壇](拍手) 46 ◯伊藤浩樹君 出水市区選出、自由民主党県議団の伊藤浩樹でございます。  今回は、地元出水からは妻と秘書、尊敬する出水市議会議員の先輩三名の傍聴でございますが、支持者の方々はネット中継で応援してくださると信じ、通告に従いまして質問させていただきます。  なお、発言通告書に提出しました、大規模スポーツ施設の在り方検討委員会についてと、出水地域における地域高規格道路整備状況については割愛させていただきます。  初めに、明治維新百五十周年に係る観光振興についてであります。  いよいよ明治維新百五十周年の年まで一カ月を切りました。また、来年一月七日からはNHK大河ドラマ「西郷どん」の放送もスタートします。初回放送時には、宝山ホールに「西郷どん」の出演者等をお迎えし、パブリックビューイングを開催することも決定しているようです。  また、三反園知事は、今議会の提案理由の説明において、「記念すべき年を迎えるに当たり、歴史的な大きな式典を来年五月に開催したい」と述べられました。私自身も、近代日本の礎をつくったこの鹿児島から全国的な機運を盛り上げ、先人たちの功績と熱い思いを後世に伝えるためにも、この鹿児島で明治百五十年記念式典を開催されることについては、すばらしい企画だと思っております。また、来年の明治維新百五十周年や「西郷どん」の放送を契機として、すぐれた観光資源の豊富な鹿児島県のPRやセールスを行う絶好のチャンスであります。  そこでお伺いいたします。  第一点は、歴史的な大きな式典となる明治百五十年記念式典を開催するに当たり、百五十年後の維新の起点もこの薩摩からということで、皇室の御臨席を賜り、明治維新百五十周年をともに鹿児島から祝う企画等の計画は可能でしょうか。県としての考えをお示しください。  第二点は、出水地区の観光振興についてであります。  現在、出水市では、官民一体となった新観光ルートづくりを展開しております。本年五月に麓武家屋敷群に開館した出水麓歴史館や隣接する中井勝郎美術館を中心に、明治維新百五十周年を盛り上げようと機運を高めているところであります。  また、今月二十七日には、明治維新百五十周年記念イベント実行委員会を核に、明治維新シラス像パークを同地区に一年間限定でオープンすることになっております。西郷隆盛、大久保利通、島津斉彬、坂本龍馬などの偉人シラス像が皆様をお迎えすることとなっております。  そこでお伺いいたします。  魅力ある観光地づくり事業で採択された出水麓歴史館隣にあります、大型バスも駐車可能な駐車場等の整備状況及び完成時期をお示しください。  また、県として、明治維新百五十周年や「西郷どん」に合わせた出水地区の取り組みについて、どのように情報発信し、観光振興につなげるのかをお示しください。  日本一に輝いた和牛王国鹿児島のPR活動と牛肉等の輸出状況についてであります。  我が国は、牛肉のオールジャパンでの輸出拡大を図っており、牛肉の輸出団体が中心となって、国内検討会の開催、海外マーケット調査、国内外での日本産牛肉のPR、和牛統一マークの管理、輸出環境整備等に取り組み、ジャパンブランドでの牛肉輸出を推進するとしております。  また、我が県においては、今年度、本県農林水産物の輸出拡大の指針となる農林水産物輸出促進ビジョンを策定し、日本一に輝いた和牛王国鹿児島のPR活動、牛肉等の輸出拡大に取り組んでいくとされております。  八月十七日に行われた定例記者会見で三反園知事は、「平成二十八年度の県産農林水産物の輸出額が対前年度比およそ二〇%増のおよそ百五十五億円となり、牛肉等の農畜産物が香港などを中心におよそ七十三億円となっております」と発表されております。  また、日本から台湾へ牛肉輸出が解禁となり、知事は、台湾の複数の食品事業者や高級スーパー等を訪問され、県産和牛のトップセールスを行っていただいたところであります。  そこでお伺いいたします。  第一点は、解禁された台湾への牛肉の輸出状況と今後の展開についてお示しください。  第二点は、牛肉の輸出拡大に向けての戦略として、東京オリンピックパラリンピックのメーン食材として、今後、日本一に輝いた和牛王国鹿児島を売り込むための取り組みについてお示しください。  義務教育学校についてであります。  一昨年六月、文科省の新たな法制化により、小中一貫教育の義務教育学校という制度が創設され、出水市の荘小学校、荘中学校が、鶴荘学園として、ことし四月に鹿児島県初の義務教育学校として開校いたしました。  先日、開校して半年を経過した学校を視察させていただき、校長先生を初めとする先生方、また子供たち、保護者や地域の方々の生の声をお聞きし、先生方から、義務教育学校の利点及び課題等をヒアリングさせていただきましたので、気になった点を中心に申し上げます。  初めに、施設面についての利点ですが、「小・中学校の教員の職員室が同じなので情報交換がしやすい。一つの校舎に一年生から九年生がいて日常的にかかわりが生まれる点」。また、施設面の課題といたしましては、「特別教室を使っていないときに不審者が入った場合、学校としては、校内の職員体制の工夫により鋭意不審者対策に努めているところでありますが、使用する敷地が二校分と広範囲なため、さらに万全を期するための対応策を図っていくことが必要」とありました。  また、学習面についての利点は、「前期・後期それぞれの発達段階に応じた声かけや指導の様子をお互いに見る機会がふえ、授業中の教え方や声かけの仕方などとても参考になっている。一年生から九年生の系統立てた学習ができ、学力向上につながる」。学習面についての課題は、「中一ギャップの解消として、小六に中学校教員が教えるのはいいと思うが、担任とのかかわりを考えると、よい面だけではないのではないか」。  生徒指導面についての利点は、「生徒指導の会議も前期と後期が一緒にするので、家庭の様子など充実した情報交換ができる」。また、生徒指導面での課題は、「中一ギャップは解消されるが、高一ギャップは大丈夫なのか不安である。小学校高学年の最上級生としての自覚の低下がある」。  学校運営上の利点としましては、「管理職が三名となるので、校外行事や中体連の大会の応援などに参加しやすくなる」。学校運営上の課題としましては、「小学校の行事と中学校の行事を精選して日程も合わせなければ、乗り入れ授業の年間時数の確保が困難となる。特に、週五時間の小学校国語、算数の乗り入れが厳しい」。  長くなってしまいましたが、新制度で誕生した義務教育学校は今後もふえていくことが予想されております。  そこでお伺いいたします。  第一点は、課題の中でも非常に心配なのが、特別教室を使っていないときに不審者が入った場合の対策だと感じました。県の学校への不審者対策としての考えをお示しください。  第二点は、鶴荘学園は、隣接する小規模特認校の蕨島小学校から七年生へ中途入学する義務教育学校になっています。単独の義務教育学校である坊津学園との違いの見解をお聞かせください。  第三点は、私も初めて聞く言葉だったのですが、高一ギャップへの認識をお聞かせください。  鹿児島県の学力向上についてであります。
     第三回定例会の我が党の代表質問におきまして、鹿児島県の学力向上のための施策成果と今後の取り組みをお聞きいたしました。その答弁で教育長は、「本県では持続して、思考力、判断力、表現力等に課題があり、厳しい状況にあると認識している」。また、「我が県の今年度の全国学力・学習状況調査の結果は、小学校の国語A、算数Aが全国平均と同程度であったが、小学校のB問題と中学校については全国平均を下回っているところである」とお答えになられました。  新聞報道等によると、全国での順位は小学生で三十一位、中学生では四十五位と、年齢が上がるにつれ学力が落ちていることがわかります。  また、答弁では、「このような状況から、県の指導主事を中心とする授業サポートプロジェクトの展開や、学力向上支援Webシステムの構築を進め、教え込む授業から、児童生徒がみずから考え、主体的・対話的に取り組む授業への転換などに努め、今後は、今回の調査結果の詳細な分析を行うとともに、主体的・対話的で深い学びの視点での授業改善を強力に推進し、また、学校全体で学力向上に向けた組織的な取り組みが展開されるよう、大学教授等から、学力向上推進体制のあり方や各種学力調査の詳細な分析等について指導・助言を受けるなど、児童生徒の学力を向上させる施策を一層充実してまいりたいと考えている」と回答されました。  そこでお伺いいたします。  ここ十年、県教委も現場の先生方も学力向上のための努力をされてきた経緯は理解できます。しかし、結果が出ていないことも事実としてあります。再度お伺いいたします。根本的な要因は何が影響していると思われますか、お示しください。  また、一方で、ソフト的な取り組みを行うだけで学力が飛躍的に伸びるのでしょうか。全国学力・学習状況調査の結果、都道府県別では、秋田県が小・中の国語A・Bで一位、また、石川県が小学国語Bと算数A・B、中学国語Aで一位、福井県は中学国語A、中学数学A・Bで一位となっております。  何を言いたいかと申しますと、今挙げた都道府県の共通点は、春から初秋にかけて鹿児島県ほど暑くない地域であります。私も議員になり、秋田県や福井県の教育環境の視察もさせていただきましたが、どの県も教育行政に対しては真摯に向き合い、将来の日本を支える人材育成をしているやり方に大きな差はないと個人的には感じております。  それでは何が違うんだ。現職の教師からも、「温暖化の影響もあり、暑さが昔より厳しくなったと思いませんか」と逆に問われます。教室の中で、教える側も教わるほうも暑さで集中力がなくなっている状態だと現場からの声が聞こえてきます。  そこでお伺いいたします。  第一点は、県は、学習する最適な温度とは何度から何度までと認識されているのでしょうか。  第二点は、学校での学習等が行われる時間帯の気温は、一日の気温の中では高くなると思いますが、鹿児島県の六月から九月の平均気温と最高気温をお示しください。  第三点は、県として、市町村が行う小・中学校の教室への空調設備の整備について支援する将来的な計画はないのか。また、国からの支援策等はないのか、お示しください。  特別支援教育総合推進事業巡回相談員派遣についてであります。  皆様、特別支援学校による巡回相談員派遣をご存じでしょうか。巡回相談員派遣とは、保育所、幼稚園、認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校に在籍する、発達障害等特別な支援を必要とする幼児・児童生徒への適切な指導及び支援を行うため、専門的な知識や経験を有する特別支援学校の相談員を派遣し、巡回相談を実施する事業でございます。  巡回相談は、平成二十四年度より、全ての幼稚園、保育園、小・中・高等学校等を対象とし、国からの三分の一の補助を受け始まりましたが、平成二十九年三月に文科省より突然の補助金打ち切り通達があり、今年度、鹿児島県としての予算措置が前年度同様にできない状況となっております。  ここで特に問題になっているのが、保育園、幼稚園、認定こども園に在籍している、気になる子供への対応です。今まで、幼児教育の施設管理者は年に数回、専門家である特別支援学校からの巡回相談員の助言を受け、保護者と対応を話し合ってきたところでありますが、国からの補助がなくなった今年度より、巡回相談員の訪問相談の回数が減少しているところであります。  小学校や中学校には、学校に特別支援教育支援員が配置されておりますが、幼児教育の現場には特別支援教育支援員が配置されている施設は少ない状況にあります。保護者の観点からも、園の管理者からしても、気になる子供としての判定は難しく、双方に確執等も生じることもあります。幼児段階での専門性の高い助言や援助を受けることで、その子供の特性に応じた適切な指導及び支援を受けることができていたが、その機会が少なくなっているのが現状です。  そこでお伺いいたします。  第一点は、巡回相談員派遣に対し、次年度よりの県教育委員会としての方向性をお示しください。  第二点は、幼児教育時における、気になる子供に対して、県教育委員会としてどのような取り組みをしているのか、お示しください。  また、幼児の教育に対し、県教育委員会が設置する専門家チーム等の活用ができないのか、お示しください。    [知事三反園 訓君登壇] 47 ◯知事(三反園 訓君)明治百五十年記念式典に関するお尋ねであります。  来年の明治維新百五十周年に当たり、来年五月に、歴史的な大きな式典を開催したいと考えております。近代日本の礎をつくったこの鹿児島から全国的な機運を盛り上げるとともに、先人たちの業績を後世に伝えるためにも、この鹿児島で式典を大々的に開催することは大変意義深いことであります。明治維新をなし遂げた歩みを改めて整理し、未来に残すことにより、次の世代を担う若者にこれからの日本のことを考えてもらう貴重な機会でもあります。未知の時代を切り開いてきた先人たちの志と行動力など、明治の精神を学び、国や鹿児島が直面する課題を克服できるような取り組みを進めていくことが非常に重要であります。  こうした点を踏まえまして、来年の記念式典につきましては、皇室御臨席の可能性を検討してまいりたいと思っております。 48 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)出水麓歴史館周辺整備事業の進捗状況についてでございます。  出水麓歴史館周辺の整備につきましては、武家屋敷群である出水麓地区の散策拠点として、魅力ある観光地づくり事業で昨年度から整備を進めているところでございます。本年五月に開館した出水麓歴史館に隣接した場所に駐車場や示現流の体験ができる園地、日本庭園などを整備することといたしておりまして、年明けには駐車場の工事に着手する予定でございます。  本施設は、広域的な観光の振興に寄与することが期待されますことから、出水市と協力しながら、早期の整備に努めてまいります。  次に、出水地区の観光振興についてでございます。  出水地区につきましては、出水のツル、出水麓武家屋敷群、箱崎八幡神社など多彩な観光資源に恵まれております。また、明治維新百五十周年に合わせて、明治維新シラス像パークとして、西郷隆盛公などのシラス像を出水麓に設置する予定と聞いております。これらの出水地区の観光素材や取り組みにつきましては、東京などで開催した観光素材説明会などにおきまして情報発信を行っているところでございます。  北薩地区にはほかにも、西郷隆盛公ゆかりの川内高城温泉など、明治維新百五十周年に向けてPRできる歴史素材なども多いことから、あわせて情報発信を行うことにより、引き続き、出水地区など北薩地域の観光振興に努めてまいります。 49 ◯農政部長(川野敏彦君)第十一回全共における和牛日本一の獲得を受けてのお尋ねのうち、まず、解禁された台湾への牛肉の輸出状況等についてでございます。  台湾への牛肉輸出については、去る九月二十二日、県内では五つの施設が国に認定され、輸出が可能となり、これまでに四施設から輸出されております。その輸出量は、十月末までの約一カ月間で三十三トン程度となっております。  今後、産地間競争の激化が予想されますことから、県としては、食品展示会などにおいて和牛日本一の優位性を最大限に生かすとともに、現在進めているGIの取得による差別化を図りながら積極的なPRに取り組み、鹿児島和牛のさらなる輸出拡大に努めてまいります。  次に、東京オリンピックパラリンピックへの牛肉供給についてでございます。  牛肉を東京オリンピックパラリンピックの食材として供給するためには、大会組織委員会が定める調達基準に基づき、JGAP家畜・畜産物などの取得が要件とされております。県においては、これらの認証取得を推進するため、これまで、研修会の開催や農場HACCPの認証農場等に対して、GAPの取得を促しているところです。あわせて、県やJA等の職員を対象に、JGAP指導員の資格取得を推進しております。  県としては、去る十月に設立した東京オリンピックパラリンピック食材供給促進協議会とも連携し、調達基準に適合する牛肉の確保を図るとともに、飲食提供事業者への販売促進活動等に努めてまいります。 50 ◯教育長(古川仲二君)まず、学校への不審者対策についてであります。  県教委では、学校における危機管理の手引を作成し、学校への不審者侵入を防ぐために、登下校時を除く門扉の施錠、職員玄関を除く校舎の施錠等、外部から侵入しにくい学校管理体制を整備するよう、各学校に対し指導してきているところでございます。  御指摘のあった、離れた敷地にある特別教室等の施設の不審者対策につきましては、使用していない時間帯の施錠や、管理職を含む教職員による校内巡視の強化、スクールガード・リーダー等と連携した安全体制の整備等、学校の立地条件や施設形態に応じた不審者侵入防止のための取り組みを行っているところでございます。  県教委といたしましては、児童生徒の安全が確保できるよう、全ての学校において、学校の立地条件や施設の形態に応じた不審者対策が推進されるよう指導してまいります。  次に、鶴荘学園と坊津学園の違いについてでございます。  義務教育学校は、地域や児童生徒が抱える教育課題に対応するため、他の小・中学校とは異なり、柔軟な学年の区切りや独自の教科を設定することができることになっております。学年の区切りについて、鶴荘学園では、蕨島小学校を卒業した児童が円滑に編入できるよう、前期六年、後期三年とする一方、坊津学園では、前期四年、中期三年、後期二年としているところであります。  また、出水市教育委員会からは、蕨島小学校の児童が円滑に編入できるよう、鶴荘学園の児童との合同学習や、理科や外国語活動の授業等で鶴荘学園の教諭が乗り入れ授業を実施していると聞いているところでございます。  次に、義務教育学校の生徒の高一ギャップについてであります。  小学校から中学校への進学において、新しい環境での学習や生活へ移行する段階で不登校等の生徒指導上の諸問題につながっていく事態等が、中一ギャップとして認識されておりますことから、中学校から高校への進学における同様の事態等が、いわゆる高一ギャップと言われているところであります。  義務教育学校の卒業生を含め、高校入学時の生徒は、生活環境や学習環境が大きく変化する中で、新しい人間関係づくりを初め、学習内容や授業進度などさまざまなことに不安を抱えていると思われます。各高校においては、四月に家庭訪問や教育相談を行い、個々の生徒が持つ不安等を把握するとともに、オリエンテーションや遠足など、新入生が円滑に高校生活に移行できるような手だてを講じているところであります。  県教委といたしましては、今後とも、学校種間の連続性を意識しながら、中・高の円滑な連携を図り、新入生が安心して充実した高校生活が送れるよう学校を指導してまいります。  次に、学力低下の根本的な要因についてであります。  全国学力・学習状況調査等の結果から、本県では継続して、思考力、判断力、表現力等に課題があるところでございますが、その要因の一つとして、教師によっては依然として教え込む授業が見受けられ、児童生徒がみずから考え、主体的・対話的に取り組む授業への転換が図られていないことなどが考えられるところであります。  県教委といたしましては、今回の学習指導要領改訂を機に、改めて教師の意識改革を図り、主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善を強力に推進してまいりたいと考えております。  学習する最適な温度等についてであります。  教室等の適切な環境を定めた、国の学校環境衛生基準では、教室等の温度は十度以上三十度以下であることが望ましいとされております。また、平成二十九年の鹿児島県の月ごとの平均気温は、鹿児島地方気象台によりますと、六月が二十三・三度、七月が二十九・二度、八月が二十九・七度、九月が二十五・七度となっており、最高気温の平均値は、六月が二十七・三度、七月が三十三・五度、八月が三十三・八度、九月が二十九・四度となっております。  次に、小・中学校の空調整備に対する支援についてであります。  公立小・中学校における空調設備の整備につきましては、学校設置者である市町村が、それぞれの学校の施設環境等を踏まえ、判断されるものと考えております。また、空調設備を校舎等の新築や改築、大規模改造等に合わせて整備する場合に加え、空調設備のみを整備する場合も国庫補助の対象とされているところでございます。  県教委といたしましては、市町村が学校の空調設備を整備する場合、国の補助制度の活用などについて必要な指導・助言を行いますとともに、国に対し、引き続き、必要な事業費の確保を要望してまいりたいと考えております。  次に、巡回相談員の派遣に係る次年度の方向性についてでございます。  本県では、各特別支援学校におけるセンター的機能の取り組みとして、特別支援学校の教員が幼稚園、小・中・高等学校等の要請に応じて学校等を訪問し、必要な助言や援助を行う巡回相談を県下全域で実施いたしておりまして、昨年度は一千八百二十三回実施したところでございます。  この巡回相談は、本年度から国の補助対象外となりましたことから、県単独予算により実施いたしておりますが、各学校等からの要請に基づいた訪問のほか、電話やメール等による相談対応を充実させるなど、これまでと同様の助言や援助ができるよう努めているところでございます。  来年度も、特別な支援が必要な幼児・児童生徒に対する適切な支援がなされるよう、巡回相談を初めとする特別支援学校のセンター的機能としての取り組みの円滑な推進に努めてまいります。  次に、特別な支援が必要な幼児に対する取り組みについてでございます。  特別な支援が必要な幼児への対応につきましては、幼稚園や保育所等において、障害の状態や一人一人のニーズに応じた適切な支援がなされることが重要でございます。このため、県教委といたしましては、各園等の特別支援教育コーディネーターを対象とした研修会を実施し、対象児の的確な実態把握や、個別の教育支援計画などの作成や活用などについて指導を行っているところでございます。  また、必要な支援策等を引き継いでいくための移行支援シートの活用を推進しており、学びの場が変わっても切れ目のない支援の充実が図られるよう努めているところでございます。  なお、特別支援学校の巡回相談での対応が困難な場合、医師や大学教授等の専門家に依頼し、専門的な知見からの助言を得ることができるようにいたしているところでございます。  県教委といたしましては、今後も、特別な支援が必要な幼児に対してきめ細やかな支援がなされるよう努めてまいりたいと考えております。    [伊藤浩樹君登壇] 51 ◯伊藤浩樹君 それぞれ御答弁いただきました。  コメントは最後にまとめて行いたいと思います。  南九州西回り自動車道の整備促進についてであります。  今月十一月十二日に、出水阿久根道路の高尾野北インターから出水インター間が供用を開始し、南九州西回り自動車道出水阿久根道路の全線の開通を祝う開通式が、三反園知事を初め、地元選出国会議員の御臨席のもと盛大にとり行われました。三反園知事、御出席ありがとうございました。  この出水阿久根道路十四・九キロメートル区間は、計画以来約四十年、地域の皆様が長年待ち望んだ道路でした。当日は、開通式と同時開催されたウオーキング大会に約千七百名の参加をいただき、祝賀ムードを盛り上げていただきました。  また、阿久根川内道路も、測量や地質調査、設計が実施されるなど、地域住民は、着実に事業推進が図られていることも実感いたしております。  しかしながら、八代市から水俣市、出水市、阿久根市、薩摩川内市、いちき串木野市を結ぶ南九州西岸地域は、自然環境、産業、観光等で豊かなポテンシャルを持ちながらも、地域の発展に必要な社会基盤の整備が大きく立ちおくれており、特に、高速交通機関が十分に発展していない本地域においては、高規格幹線道路を初めとする道路整備が大きな課題となっております。  また、本自動車道の沿線には川内原子力発電所が立地しており、原子力災害発生時に大きな役割を担う道路となることは明白であり、ミッシングリンクの解消を図ることが極めて重要なことと認識しております。  そこでお伺いいたします。  第一点は、芦北出水道路及び阿久根川内道路の整備状況をお示しください。  第二点は、南九州西回り自動車道早期整備に向けた県の取り組みについてお示しください。  第三点は、高尾野北インターが開通した際の取りつけ口の交差点に信号機の設置がなく、また、スクールゾーンでもあったために、児童生徒の交差点の往来が数カ月間、危険な状態となってしまいました。幸い、知事、県警本部長を初めとする関係者の皆様の御尽力で、早期に信号機を増設するという形で設置していただけたことに感謝いたしております。  今後も、県内各地で高規格道路や高速道路が開通し、取りつけ道路の問題が生じることが予想されます。今後のこのような問題にはどのような対応をされるのかお示しください。  地方における医師確保対策についてであります。  九月議会にて瀬戸口議員から、大隅地区の医師不足に対する医療体制の強化策について質問がありましたが、今回私は、出水保健医療圏においての医師確保対策についてお尋ねいたします。  鹿児島県内の医師数は、人口十万人当たりでは全国平均を上回っているものの、鹿児島保健医療圏以外の二次医療圏では全国平均を下回っており、出水保健医療圏においても全国平均を大きく下回っている状況で、地域や診療科による医師不足が深刻度を増しております。  さらに、全国的に医師不足が指摘されている小児科及び産科においても全国平均を下回っている状況であり、特に、産科においては、公立病院の産科が医師不足のために休止となっていることから、出水医療圏の民間の二産科医療機関に負担がかかっている状況です。産科医師に状況をお聞きしますと、年間五百四十から五百五十件の出産件数になっており、全国平均の約二倍の取り上げ数です。また、帝王切開も年間四十件ほどで、ドクターヘリ及びドクターカーの使用もことしになって十五回あったとのことです。  現状のままでは近い将来、出水医療圏内では出産できない状況になることも懸念され、安心して出産ができる体制を整えるためには医師の確保が急務です。そのため、川薩・出水医療圏では平成二十九年度に、医師の確保に向けて協議していくため、北薩三市二町医療体制確保推進協議会を設立されたところです。  そこでお伺いいたします。  第一点は、先日行われた自民党県議団知事申し入れの席で、三反園知事は、「産科医不足については、関係各所のさまざまな方からの御提案をいただいている」と御発言されました。どのような提案があったのか、県としての見解をお示しください。  第二点は、公設公営で運営している出水総合医療センターも、深刻な医師不足の影響もあり、経営状態までもが悪化している状況であります。  今後の地方の公立病院の医師不足に対する県の医師確保の取り組みをお示しください。  第三点に、国の診療報酬改定でも、産科への配分を手厚くすべきとの議論もなされております。産科における診療報酬の新設や点数の増加は、産科医不足の解決に役立つと考えられると思いますが、県としての見解をお示しください。  第四点は、出水市では今年度より、産科医療体制の円滑な運営を行うために産科医療体制確保業務委託事業を創設し、現況の産科医の勤務体制保持を図っております。  県としても、現在の開業中の産科医を守る制度を今後創設できないのか、お示しください。  鳥インフルエンザ防疫対策についてであります。  ことしも十月十四日、出水市の冬の風物詩でもあるナベヅル三羽が初飛来しました。十一月三日の一回目の羽数調査では、ツルがねぐらから一斉に飛び立ったために計測ができなかったのですが、十一月二十五日に行われた羽数調査では、荒崎地区を鶴荘学園が、東干拓地区を高尾野中学校のツルクラブの生徒たちが調査を行い、一万五千三百六十羽を確認したところです。二十一年連続の万羽超えとなったところです。その後も順調に飛来数もふえ、観光客も増加している状況にあります。  昨年度は、出水市において採取したねぐらの水から、高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出され、周辺十キロメートル圏内を野鳥監視重点区域に指定し、野鳥の監視を強化し、初動の対策を講じました。  出水市においては、初動体制として、無人消毒ポイント二十六カ所に消石灰を散布し、消毒マット、車両消毒槽をそれぞれ二カ所に設置しました。その後、六カ所を噴霧器を使った有人消毒に切りかえるなど対策を講じ、また、県におきましては、ねぐら水採取地点や死亡ツルの回収地点から半径三キロメートル圏内を家禽の監視区域に設定し、区域内の四十七農場を対象に立入検査を行い、家禽に異常がないこと、飼養衛生管理基準の遵守状況に不備がないことの確認等を実施しました。  また、県対策本部長の三反園知事、川野農政部長、佐々木畜産課長に出水市役所に出向いていただき、出水市関係者とともに、マルイ農協を初めとする養鶏業者との意見交換会を開催し、状況報告、防疫体制の確認を行い、また、地元建設業界の協力をいただくなど官民一体となった対策を講じた結果、鶏舎からインフルエンザが発生することなく、全国の防疫体制の見本となるような体制ができたことは皆様も周知のことであると思います。  そこでお伺いいたします。  第一点は、今後も鳥インフルエンザの発生が通年化しそうな状況が予想されますが、昨年、ツルのねぐら水から高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されてから、養鶏農場にウイルスが侵入しないようどのような防疫対策を講じられたのか、お示しください。  第二点は、昨年は出水市がねぐら周辺に消毒ポイントを設置し、ウイルスの蔓延防止を講じられましたが、出水市の防疫対策への支援概要をお示しください。  第三点は、鳥インフルエンザ等が発生した場合、迅速な防疫措置が急務になるため、埋却地を掘削した際に湧水があると迅速な防疫措置に支障を来す場合があります。先般、北薩地域振興局管内で地域の防疫演習が実施され、その中で、天然の粘土鉱物であるベントナイトを使用した止水方法が有益かどうか検討されたと伺っておりますが、その検証結果と鳥インフルエンザ発生時の埋却の際に有効かどうか、県の考え方をお示しください。
     ピロリ菌検査事業についてであります。  県は、今年度より、県内の高等学校、特別支援学校高等部などの一年生のうち、保護者の同意が得られた者を対象として、学校検診の尿検査の検体の一部を利用し、尿中抗体の有無についての検査を実施し、その費用については県の負担で行ったところです。  この事業の実施によりまして、生徒本人のみならず保護者につきましても、ピロリ菌感染が胃がん発症の大きなリスク要因となること、また、ピロリ菌感染の有無にかかわらず喫煙や高塩分の食事等の生活習慣もリスク要因であることなど、がんに対する正しい理解の促進や、ひいてはがん検診受診のきっかけになることを期待しての検査事業が行われたところです。  検査を受けた約一万四千五百人のうち、三・七%に当たる五百三十四人が陽性だったとのことでした。陽性と判定された生徒には、保護者等からの相談や確定のための検査・除菌治療等に対応できる県内約三百の医療機関を案内する文書を配布したとのことでした。  九月、出水市議会の一般質問を傍聴した際、「県では高校一年生を対象にピロリ菌検査を実施することになったようでありますが、陽性と判定された生徒に対しての除菌治療についての補助は考えられないのか」との質問も出ておりました。  そこでお伺いいたします。  第一点は、五十歳代以上の感染率は高いと言われます。胃がん等の発症が低下していくとなりますと、医療費の抑制や死亡の減少にもつながるものと考えられます。  今後、市町村が行う胃がん検診において、ピロリ菌検査を実施すべきではないかと考えますが、県の見解をお伺いいたします。  第二点は、県として、現在実施しているピロリ菌検査事業の尿検査で陽性と判定された生徒への除菌治療に対する助成を行う考えはないのか、お答えください。  原子力防災訓練についてであります。  県は、福島第一原子力発電所事故を教訓に見直された国の原子力災害対策指針等を踏まえ、県、薩摩川内市及び関係市町で策定や修正を行った地域防災計画原子力災害対策編に基づき、住民の皆様の協力を得て、国、事業者等と共同して総合的な訓練を実施し、原子力防災対策に係る関係機関相互の連携強化や地域住民の防災意識の向上を図るために、大規模な原子力防災訓練を実施しております。  ここ二年間、出水地区で行われた県の原子力防災訓練では、伊佐地区への避難訓練等が行われたところです。  さて、十一月十一日に出水市で開催された、あなたのそばで県議会の分散会において、参加された県民の方から、川内原子力発電所で原子力災害が発生した際の避難先についての質問がありました。内容は、「隣接する水俣市方面へ避難したいと思っているが、水俣市も住民も、その件は聞いたことがないと認知されておらず、避難を受け入れてもらえないのではないか」との不安の声でした。また、「隣接する市町村、隣県との連携はとれていますか」との質問に対し、私は、「今後、県と当該市町と協議して対策を講じていきます」と答えた次第です。  そこでお伺いいたします。  第一点は、今後、他県との広域的な連携をどう進めていくのか、お示しください。  第二点は、今後、広域的な避難訓練等の計画をお示しください。  「燃ゆる感動かごしま国体」についてであります。  平成三十二年の第七十五回国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」は、平成三十二年十月三日から十月十三日までの十一日間とすることが決定され、また、第二十回全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」も、平成三十二年十月二十四日から二十六日までの三日間とすることが決定しております。  両大会の会期決定を受け、県は、両大会の準備委員会を統合し、燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会実行委員会を設置し、市町村や関係団体と連携して、開催に向けた準備をされているところであります。  大会開催まで三年を切り、競技力向上についても、天皇杯・皇后杯の獲得を目指し、より一層の選手強化、指導者の養成・確保等を計画的に推進していただきたいところです。  そこでお尋ねします。  第一点は、鴨池庭球場や陸上競技場が現在改修中ですが、施設改修後に、県民の国体への機運上昇に向けたオープニングイベント等の計画等はどのようになっているのか、お示しください。  第二点は、総合開会式の際の駐車場確保や選手団の送迎など、輸送計画についてお示しください。    [知事三反園 訓君登壇] 52 ◯知事(三反園 訓君)鹿児島国体に向けた施設改修後のオープニングイベントについてであります。  現在、鴨池庭球場など運動施設につきまして、国体に向けた改修を行っているところであります。  これまで、県の運動施設改修工事後には、平成十五年九月の鴨池庭球場のオムニコート化や平成二十二年八月の緑地球技場の人工芝化の際に、競技団体と協力しながら、始球式や施設の無料開放などオープニングイベントを実施してきております。  国体のメーン会場となっております鴨池陸上競技場を初め、競技会場である鴨池庭球場等の施設のリニューアル後のイベントにつきましては、国体の機運醸成、全国に向けた情報発信を図るため、オープニングイベントを開催したいと考えております。各競技団体の意向も確認しながら、今後、実施の時期や内容について検討していきたいと思っております。 53 ◯土木部長(渡邊 茂君)南九州西回り自動車道の整備状況等についてであります。  南九州西回り自動車道の芦北出水道路のうち本県側につきましては、出水北から県境間において橋梁工事や改良工事などが進められております。出水インターから出水北間においては用地買収が進められており、用地取得箇所については、現在埋蔵文化財調査を行っているところです。  また、阿久根川内道路につきましては、全線において調査設計が進められており、阿久根インターから西目間においては、今年度から用地買収に着手されたところです。  なお、両道路とも、一部箇所において今年度から県による用地の先行取得を行っており、用地ストックの確保に努めているところであります。  本自動車道の早期整備に向けまして、県といたしましては、十一月九日に東京において、南九州西回り自動車道建設促進大会を開催するとともに、財務省や国土交通省などに整備予算の確保を要望したところであります。  本自動車道は、広域的な高速交通ネットワークを形成する重要な道路であることから、県といたしましては、今後とも、用地取得への協力など整備促進に取り組むとともに、関係者の皆様方と一体となって、本自動車道の早期全線開通が図られるよう、国に対し強く要請してまいります。 54 ◯警察本部長(河野 真君)取りつけ道路における交通対策についてであります。  道路の改築等により、交差点の新設・改良を行う際は、各道路管理者から警察に対し、事前に協議等がなされており、公安委員会として、交差点形状等について意見を述べるとともに、周辺の交通環境等を踏まえ、予測される交通量等を総合的に検討して、信号機の設置や一時停止規制等による交通事故防止対策を講じているところであります。  今後とも、道路管理者と連携を図りながら、安全な交通の確保に努めてまいりたいと考えております。 55 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)医師確保に係るお尋ねのうち、まず、産科医不足に対する提案についてであります。  産科医の確保については、本年四月に、知事と県産婦人科医会長、鹿大医学部産科婦人科教授、鹿児島市立病院新生児内科部長及び産婦人科部長が意見交換を行ったところであります。出席者からは、いわゆる地域枠制度の柔軟な運用、市町村と一体となった取り組み、分娩に係る医療機能の集約などが重要であるとの意見をいただくとともに、県が、短期的・中期的・長期的な視点に立った取り組みを進めていくことで一致したところであります。  県といたしましては、市町村に対し、地域の実情に応じた取り組みを働きかけますとともに、現在、大学や県医師会等とも連携し、具体的な取り組みを検討しているところであります。  次に、公立病院の医師不足に対する県の取り組みについてであります。  県では、医師の地域的偏在や特定診療科の医師不足を解消するため、総合的な医師確保対策に取り組んでいるところであります。  公立病院の医師確保については、平成二十四年三月に策定した地域医療支援方策も踏まえ、関係機関と一体となった取り組みを行ってきたところであります。また、ドクターバンクかごしまにおいて、医師の募集及び県内公立医療機関へのあっせんを行っております。さらに、本年度においては、いわゆる地域枠医師の配置対象医療機関に五カ所の公立病院を追加したところであります。  産科における診療報酬の新設等についてであります。  診療報酬については、十一月二十四日に開催された国の社会保障審議会医療保険部会におきまして、平成三十年度診療報酬改定の基本方針の骨子案が示されたところであります。同骨子案におきましては、具体的方向性の例として、小児医療、周産期医療、救急医療の充実が示されており、県としては、議論の動向を注視したいと考えております。  また、産科医不足の背景として、過重労働や訴訟リスクが高いといった指摘もあり、これらの課題については、引き続き国において検討される必要があるものと考えております。  県における産科医確保対策についてであります。  県においては、分娩手当を支給する産科医療機関への助成、産科の専門研修医に対する奨励金の支給、産科医確保に取り組む市町村等への財政支援を行っているところであります。  また、市町村においても、産科医確保は重要との認識が高まってきており、市町村が連携した広域的な取り組みにより、産科医確保に至った事例も見られるところであります。  県といたしましては、今後とも、県医師会、鹿児島大学、市町村などとも一体となって、産科医も含めた総合的な医師確保対策に取り組んでまいります。  ピロリ菌検査事業に関するお尋ねがございました。  胃がん検診における検査の実施及び陽性者に対する除菌費用の助成についてであります。  ピロリ菌検査事業は、生徒本人のみならず保護者についても、ピロリ菌感染が胃がん発症の大きなリスク要因となること、また、感染の有無にかからわず喫煙や高塩分の食事等の生活習慣もリスク要因であることなど、がんに対する正しい理解の促進等を目的として実施しているものであります。  一方、国の、がん検診のあり方に関する検討会中間報告書では、ピロリ菌検査とペプシノゲン検査の併用について、一定の評価をしつつも、死亡率減少効果を示す証拠が十分でないため、引き続き検証していく必要があるとして、市町村の対策型検診としては推奨されていないところであります。  また、ピロリ菌検査事業は、がんに対する正しい理解の促進等を目的としておりまして、陽性となった場合には、保護者とも相談の上、みずからの判断で確定検査や除菌治療を実施していただきたいと考えております。 56 ◯農政部長(川野敏彦君)高病原性鳥インフルエンザの防疫対策に関しまして、まず、昨年度の防疫対策と出水市への支援についてでございます。  昨年十一月、出水市のツルのねぐら水から高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認された際には、直ちに知事を本部長とする対策本部を設置するとともに、緊急防疫対策会議を開催したところです。  あわせて、ウイルスが確認された地点から半径三キロメートルの監視区域内の農場に立入検査し、鶏に異常がないことや飼養衛生管理基準が遵守されていることを確認するとともに、各農場には消石灰を配布し、緊急消毒の指導を行いました。  さらに、昨年度は、全国的に養鶏農場での発生が続き、本県でも侵入が危惧されたことから、家畜伝染病予防法に基づく緊急消毒を実施することとし、県内全ての農場に消石灰を配布し、消毒を指示したところです。  また、出水市では、消毒ポイントの設置や周辺道路の消毒、公共施設等への消毒マットの設置など、養鶏農場等にウイルスが侵入しないよう徹底した防疫対策を講じたところです。  県では、出水市の防疫対策への技術的な助言を行いますとともに、必要な経費について、国の消費・安全対策交付金を活用して支援したところです。  次に、ベントナイトによる止水効果の検証結果についてでございます。  万一、高病原性鳥インフルエンザが発生した場合、殺処分した家禽を埋却する用地の確保が必要となりますが、掘削時に湧水があると迅速な防疫措置に支障を来すことが懸念されます。そこで、去る十月、北薩家畜保健衛生所では、ため池などの防水材として広く利用されているベントナイトを利用した実証試験を実施したところです。今回の演習では、粒状のベントナイトを用いて検証したところ、吸水性は認められたものの、湧水に対する止水効果までは確認できなかったところです。  県としては、引き続き、ベントナイトの有効性や、より効果的な施工方法などについて情報収集に努めてまいります。 57 ◯危機管理局長(田崎寛二君)原子力防災訓練に関しまして、広域的な連携及び避難訓練についてであります。  原子力災害時における広域的な避難につきましては、原子力防災訓練などを通じて、避難元や受け入れ先の自治体などと連携して、受け入れの手順や体制などを確認し、習熟に努めております。他県への避難につきましては、阿久根市の受け入れ先として熊本県の芦北町及び津奈木町が、出水市の受け入れ先として水俣市が指定されており、両市におきましては、受け入れ先の自治体と意見交換等を行ってきております。  また、県におきましては、これまで芦北町への避難訓練を実施しているほか、今年度は熊本県の受け入れ自治体等で構成する会議に出席し、受け入れに関する協力や今後の意見交換等についてお願いするとともに、同県の受け入れ自治体へも原子力だよりを配布し、情報提供に努めるなど、円滑な避難ができるよう取り組んでおります。  今年度の防災訓練におきましては、阿久根市から津奈木町への避難訓練を行うこととしており、県職員を派遣して受け入れ等の支援を行うほか、防災講習会の開催などを計画しております。また、県内においては、避難元と受け入れ先の自治体の連携の習熟等を図るため、模擬避難所を開設することとしております。  今後とも、関係自治体や国など関係機関と十分に連携を図りながら、広域的な避難体制の確保に取り組んでまいります。 58 ◯国体・全国障害者スポーツ大会局長(中薗良郎君)「燃ゆる感動かごしま国体」の総合開会式の参加者の輸送計画についてであります。  国体の総合開会式の参加者の円滑な輸送を図るため、先催県では、選手、監督などは宿泊施設などから会場まで貸し切りバスにより送迎し、また、一般観覧者には、主要な駅などから運行する無料のシャトルバスや公共交通機関の利用を呼びかけております。  鹿児島国体でも、先催県の取り組みを参考に、今年度は、鴨池公園周辺の貸し切りバス駐車場の適地調査や、シャトルバスのルート選定のための交通量調査などを行っております。来年度は、これらの調査結果を踏まえ、駐車場等利用計画やバス確保対策などの輸送実施計画を策定することとしております。  今後とも、県警察やバス協会などと連携を図りながら、総合開会式の参加者を安全かつ確実に円滑な輸送が行われるよう取り組んでまいります。    [伊藤浩樹君登壇] 59 ◯伊藤浩樹君 それぞれに御答弁いただきました。  明治維新百五十周年に係る観光振興については、維新発祥の地から全国発信できるような、また、県民一丸となって取り組み、参加できるような施策を構築していただけるよう要望いたします。  答弁にて、年明けに出水麓歴史館隣の駐車場の整備をするとお聞きいたしました。安心いたしました。早期の整備をよろしくお願いいたします。  過去三回にわたり質問してきた義務教育学校についてですが、鶴荘学園、坊津学園ともに順調な学校運営がなされているようです。新制度での学校運営は先生方の負担も大きくなるのも確かです。今後とも、県としても注視していただきますよう御配慮をお願いいたします。  学力向上についてです。  私たちの県は南国鹿児島です。亜熱帯気候に近づきつつある県本土はもとより、奄美地区の学校の空調設備も整備がおくれている状況です。鹿児島県の未来を支える子供たちのために、国や市町村との連携をとって、よりよい環境で学習ができるよう一歩進んだ施策の展開をお願いいたします。  巡回相談員派遣についてですが、保護者にとって気になる子、困る子は、その子にとっては、困っている子なのです。未来を引き継いでくれる子供たちのために、幼児期から専門性の高い助言や援助を受けられる環境を守ってくださいますよう要望いたします。  鳥インフルエンザ対策につきましては、今シーズン、現在まで野鳥においても鳥インフルエンザは発生しておりませんが、発生した際には万全の対策を講じて対処をお願いいたします。  また、地元のツル観光は、風評被害により大変苦労されております。今後は、こちらの対策も御検討していただきますよう要望いたします。  今年度より行われたピロリ菌検査事業につきましては、非常によい施策で感謝しております。今後のさらなる事業展開を希望いたします。  原子力防災訓練については、昨年度の反省点や専門委員会の御意見等を踏まえて実施する方向で、関係市町などと調整を進めているとお聞きしております。今後ともさらなる防災対策の充実に取り組んでいただき、県民に対してわかりやすい情報発信を行うなど、総合的な原子力防災対策を進めてください。  鹿児島国体に向けて、施設等の改修やさまざまな準備が着々と進んでおります。県には、施設の充実はもとより、強化選手への一層の御支援をお願いいたします。  最後になりますが、三反園知事には、各質問事項に対し真摯な姿勢で御答弁いただき、きょうはまことにありがとうございました。  今後も県勢発展のため鋭意、斬新な施策を構築していただけるよう要望いたしまして、私の一般質問を終了いたします。(拍手)       ─────────────    △ 請願・陳情の委員会付託 60 ◯議長(柴立鉄彦君)次に、請願・陳情の委員会付託であります。  受理いたしました請願・陳情は、配付いたしております請願・陳情文書表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に審査を付託いたします。  これで、本日の日程は終了いたしました。       ─────────────    △ 日程報告 61 ◯議長(柴立鉄彦君)明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、一般質問であります。       ─────────────    △ 散  会 62 ◯議長(柴立鉄彦君)本日は、これで散会いたします。
           午後三時十四分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...