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  1. 鹿児島県議会 2017-09-28
    2017-09-28 平成29年第3回定例会(第7日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-18
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(柴立鉄彦君)ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、一般質問    酒 匂 卓 郎 君    桑 鶴   勉 君    鶴 薗 真佐彦 君    鶴 丸 明 人 君  一、議案第五七号から議案第七二号まで(議案第六〇    号及び議案第六九号を除く。)及び報告第三号の    常任委員会付託  一、決算特別委員会の設置、議案第六〇号、議案第六    九号及び議案第七三号の同特別委員会付託並びに    決算特別委員の選任
     一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 一般質問 ◯議長(柴立鉄彦君)まず、一般質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  酒匂卓郎君に発言を許可いたします。    [酒匂卓郎君登壇](拍手) 3 ◯酒匂卓郎君 皆さん、おはようございます。一般質問最終日、大変静かな環境の中で一般質問できますことをありがたく思います。  歴史と伝統あるこの県議会の議場で質問できますことを、姶良市民の皆様、鹿児島県民の皆様に心から感謝申し上げながら、質問に入らせていただきます。  まずは、県民の日の制定についてであります。  県民の日の制定につきましては、これまで何度か一般質問で取り上げており、いずれも、「他の都道府県の動向なども参考にしながら検討する」旨の答弁をいただいておりますが、来年、明治維新百五十周年を迎えるに当たりまして、改めて御提言申し上げたいと思います。  県民の日は、現在、全国二十四都道府県で制定されており、古いものでは、東京都が昭和二十七年に、茨城県が昭和四十三年に制定しており、そのほか、平成元年に和歌山県、平成八年に静岡県、平成九年に福島県、平成十年に鳥取県、平成二十五年に富山県が制定するなど、着実に年々ふえてきておりまして、本年七月十七日には北海道が新たに制定しております。  制定の趣旨・目的等につきましては、各県の内容を見てみますと、郷土について理解と関心を深め、ふるさとを愛する心を育み、より豊かなふるさとを築くことを期する日としているところが多いようであります。  具体的な施策としましては、毎年、県等が主体となり記念行事等を行い、市町村や民間団体、またボランティアやNPO等も県民の日にふさわしい行事を行うなど、それぞれの県が特色のある取り組みを行っております。  制定の効果につきましては、県の誕生の歴史等について知ることにより、ふるさとを再認識したり、郷土に対する親しみや愛着を深めるよい機会となっているなど、十分成果が得られているようであります。  鹿児島県が現在の形になりましたのは、一八八三年、明治十六年の五月九日で、ことしは鹿児島県が誕生してから百三十四年目に当たります。鹿児島県は、都城県が誕生した際には幾つかの町が一時期都城県に入っていたり、ちょうど現在の形になる前には、宮崎県まで含めた大鹿児島県であったりもしたわけであります。  和歌山県では、県民の日という名称ではなく、ふるさと誕生日と名づけ、また福井県では、ふるさとの日と名づけられるなど、ユニークな名称をつけているところもあります。名称はどうあれ、我が鹿児島県でも、郷土について理解と関心を深め、ふるさとを愛する心を育み、より豊かなふるさとを築くことを願って、県民の日を制定すべきだと考えます。  私が提案しております県民の日は、各種のイベント等を行う場合でも既存の施設を使ってできるソフト事業でよく、多くの予算は必要ありません。学校等については、幾つかの県では公立学校を全て休日にしているところもあるようでありますが、無理に休日にせずとも、県民の日にふさわしい取り組みを行えばよいと思います。  私たちの先人が命をかけて明治維新をなし遂げたからこそ、廃藩置県が行われ、鹿児島県が誕生したわけであります。ぜひとも、来年の明治維新百五十周年記念事業の一つとして、県民の日を制定すべきであると考えます。  そこで、三反園知事に、来年の明治維新百五十周年記念事業の一つとして、県民の日を制定する考えはないか、お聞かせいただきたいと思います。  次に、鶴丸城の復元についてであります。  近年、城めぐりがブームとなっておりますが、それは、これまでそれぞれの地域で城の復元に取り組んできたことが一つの大きな成果であると思います。  城の復元に関しまして幾つか事例を挙げますと、まず、市の事業として復元されたものとして、古くは大阪城が昭和六年に、当時の金額として約百五十万円で天守閣を復元しております。この復元は、詳細な図面等がなかったため、大坂夏の陣図屏風をもとに復元したそうであります。また、広島城は、昭和三十三年に三千六百万円で同じく天守閣が、その後平成三年に城門、平成五年には幾つかのやぐらを復元しております。  お隣の熊本城につきましては、昭和三十五年に天守閣を一億八千万円で復元し、その後、約五十四億円かけた本丸御殿が復元されるまでに多くの城門ややぐらを復元してきました。現在は、震災を受け大変な状況ではありますが、一日も早い復旧を願うばかりであります。  次に、県の事業として復元されたものとしましては、金沢城が、平成十三年に約三十七億円かけ、やぐらや長屋を復元するとともに、三つの城門を整備しております。また、佐賀城は、平成十六年に約二十三億円で本丸御殿を復元しております。  私は、日本各地で多額のお金を投じて城が復元されている、その背景といいますか、大きな理由として、歴史、伝統、文化、自然、景観、教育など、その地域の人々が心から誇りに思い、また大切にしたいと思っているものを全て象徴的に包含している、まさにそのシンボルがお城であるからだと思うのであります。  熊本城の本丸御殿を復元したときは、入場者が八割もふえたと言われるほど地域経済へも大きな効果を発揮しますので、観光振興や地域活性化の面からも、各地の自治体が大きな期待を持って城を復元しているのであります。  本県におきましては、五十年前の明治維新百周年記念事業の際に鶴丸城全体についての議論がなされましたが、鶴丸城の復元は行わず、黎明館等が置かれることになった経緯があります。これは、史実に忠実に基づいて復元するための詳細な図面等の資料が残っていなかったというのが、理由の一つだったようであります。  しかし、鶴丸城の詳細な設計図面等はないかもしれませんが、城門や本丸の絵図、また写真などかなりの資料が残っておりまして、専門家の方にも私も聞きましたけれども、「現存している資料でも十分復元できるのではないか」というお言葉もございました。  黎明館は、明治維新百周年を記念する記念会館として位置づけられ、検討が始まりましたが、実際のオープンまでには十七年の時間を要しております。黎明館で十七年でありますので、鶴丸城の復元となりますと、専門家の意見や県民総ぐるみの議論、また文化財の調査など、それ以上の時間がかかるものと思われます。  黎明館は、建設からもう既に三十四年が経過し、かなり老朽化してきております。私は、鶴丸城の復元を来年の明治維新百五十周年記念事業の一つとして位置づけ、これから時間をかけてじっくりと議論していけば、ちょうど黎明館の建てかえの時期に合わせて復元できると考えております。  財源についても大きな課題ではありますが、今回、御楼門の建設に対しまして多くの方々の善意が寄せられたり、一口城主として全国に呼びかけている他県の事例も参考にすれば、鶴丸城の復元につきましては、官民挙げたプロジェクトで時間をかけて全国に善意を募る方法も有効ではないかと考えております。  全国でこれだけ城の復元が進んでくれば、いずれ必ず鶴丸城も復元されます。そのきっかけとして明治維新百五十周年が最適ではないかと提言申し上げているところであります。  そこで、私たち鹿児島県民のシンボルとして、また、教育や文化、まちづくり、観光、地域経済の活性化など、本県の全ての元気の源として絶対に必要で、県民が待望している鶴丸城の復元を実現するために、来年の明治維新百五十周年記念事業に、鶴丸城の復元の検討を盛り込み、将来の復元に向けて検討を始めるべきだと考えますが、見解を伺います。  次に、新たな県政ビジョンの策定について質問いたします。  私が当選しました平成十五年は須賀知事の時代で、二十一世紀新かごしま総合計画の途中でありましたが、平成十四年から財政改革に取り組まざるを得ない状況に陥ったことや、伊藤知事の当選も契機となり、総合計画は数年残した状態で廃止し、新たにかごしま将来ビジョンをつくることになりました。  予算が毎年ふえることが当然で、何事も計画的に事業が進んだ時代の総合計画は、将来行う予定の事業について、具体的な事業内容と予算、スケジュールなどが示されており、県がこの先どんな事業をいつごろ行うのか、一目見てわかるものでありましたが、将来ビジョンでは、単年度の予算が不足し、知事や県議会、職員の給与カットまで行う厳しい財政再建に取り組みつつ、そして数年先の予算の見通しが全くつかない中でのビジョン策定でありましたので、具体的な事業名や予算、スケジュールの記載は一切なく、県のあるべき姿や進むべき方向性などだけが示されたものとならざるを得ませんでした。  そして現在、三反園知事のもとで新たな県政ビジョンが策定されようとしておりますが、今回はどのような内容となるのでしょうか。さきの代表質問等の答弁を聞いておりますと、県の目指すべき姿や基本的な方向性を示すということにつきましては、基本的な考え方は伊藤知事時代の将来ビジョンとほぼ同じかなと感じた次第であります。  県政ビジョンにつきましては、代表、一般、それぞれ多くの方が質問されておりますので、私は角度を変えてお伺いしていきたいと思います。  質問いたします。  かごしま将来ビジョンの十年間の成果というものは、さきの質問等で答弁がなされておりますが、成果が見られなかった課題というものがあれば明らかにしていただきたいと思います。  また、その課題について、今回の新たな県政ビジョンの中でどのような形で解決策を盛り込んでいくのか、お聞かせいただきたいと思います。  次に、マニフェスト等の検証と見直し、修正について質問いたします。  知事は、マニフェストに関する代表質問に対して、「マニフェストは、県民の皆様との約束で、四つの政治姿勢と六つのお約束、四十一の施策を掲載しており、その中には、速やかに行うべきものと、ある程度時間をかけてじっくりと進めるべきものがあると考えている。保育士の処遇改善や保育所等の定員増を伴う整備の促進、高齢者を対象とした県有の常設展示施設の入館・入園料の無料化の実施のほか、青年塾の開講など、できるものから取り組んでいる」と答弁されました。  私も、本年七月に公表されました、マニフェスト等の進捗・取り組み状況を拝見させていただきましたが、マニフェスト及び公約について、おおむね何らかの取り組みをされているようでありました。  今回、県政ビジョンを新たにつくるということでありますので、マニフェストや公約と新たな県政ビジョンの整合性がとれていない、マニフェストや公約が県政ビジョンのどこに掲載されているかわからないというようなビジョンになってしまっては、策定する意味が大変薄れてしまうと考えております。  特に心配しておりますのが、県営ドーム球場の整備やアウトレットモールとテーマパークの誘致、ドルフィンポート近くのヨットハーバーの整備、近未来技術特区の実現による研究機関や企業の誘致、また、育児休暇取得等の推奨というのがございますが、このくだりで、企業への財政支援の検討、企業への財政支援の部分ですね。指宿スカイラインの無料化、県民所得倍増計画、三期十二年で全国トップテンというものですね。実現が非常に厳しい状況にあるのかなと認識いたしております。十年間のビジョンということでございますので、現実的なビジョンにならなければならないという思いもございます。  私は、県政ビジョンの策定を今回するということでございますが、余り急ぐ必要はないのかなと思っております。それよりも、マニフェストや公約の実現の可能性を一年、または一、二年ぐらいじっくり時間をかけて検証することのほうが大切ではないかと考えております。そして、知事のマニフェストや公約の中から、真に県政に必要で、かつ実現可能な項目に絞って県政ビジョンにしっかりと反映すれば、マニフェストや公約を盛り込んだ、踏まえた、県民の誰が見ても県政の未来像がはっきりわかる、すばらしい県政ビジョンができるのではないかと思っております。  そこで、新たな県政ビジョンを策定する前に、まずはマニフェストや公約をじっくりと時間をかけて検証し、必要があれば柔軟に見直しや修正を行いながら、検証済みのマニフェストを、そして公約を県政ビジョンに反映させる、そのことがこれからの三反園県政の安定した県政の運営につながると思います。  この件につきまして見解をお伺いしたいと思います。  次に、環境美化の取り組みでございます。  来年は明治維新百五十周年ということで、県では、官民一体のプロジェクト実行委員会をつくり、さまざまなプロジェクトを企画・推進するとともに、NHKの大河ドラマ「西郷どん」の放映により、県内を訪れる観光客は大きく伸びるものと思われます。あわせて、奄美の世界自然遺産登録が実現すれば、さらに大きな盛り上がりが期待されます。  そして、三年後の東京オリンピック・パラリンピックと鹿児島国体の開催により、本県は、これから三年間は、かつてないほど鹿児島の観光が大きく躍進する三年間となることが予想されますので、受け入れ側の体制整備が急がれるところであります。  おもてなしという言葉がよく使われます。今回もいろんな観点から、観光振興やおもてなしの面でも質問がございましたけれども、私は、きれいな鹿児島ということが観光かごしまおもてなしの一つではないかと考えております。  県内各地を移動するとき、道路や空き地、またさまざまな場所でごみが捨てられていたり、雑草が生い茂っていたりするのを目にいたします。財政再建の時代に入ってからは、特にそういう面では環境が悪いように感じています。  しかし、これから三年間は、鹿児島県に来てくださる方々を鹿児島のファンにですね、一回来てもらったら必ずファンになってもらい、またリピーターになっていただかなければなりません。そのためには、ごみだらけの鹿児島、汚い鹿児島県の印象を絶対に与えてはいけないと考えております。  そこで第一点は、観光県鹿児島のおもてなしとして、これからの三年間は特に力を入れて、官民挙げて、観光地や空港、駅、道路など、そういうところからの景観も含めて、県内全域を徹底的にきれいな鹿児島県に磨き上げる必要があると考えますが、見解を伺います。  第二点は、県内市町村における環境美化に関する条例等がさまざま制定されておりますが、その制定状況についてお示しください。    [知事三反園 訓君登壇] 4 ◯知事(三反園 訓君)お答えいたします。  県民の日についてであります。  県民の日につきましては、明治維新百五十周年を契機として制定することで、鹿児島の歴史や文化を見詰め直し、郷土に対する親しみや愛着を深めるよい機会になるものと思います。  県民の日制定に当たりましては、県下各地域でそれぞれ個性のある多様な歴史・文化を有しておりますことから、いつを県民の日として制定するかにつきましては、例えば、廃藩置県により鹿児島県ができました七月十四日などが考えられますが、どのような取り組みを行うのかも含めて、県民の皆様方や県議会の御理解が得られれば、制定に向けて検討を進めてまいりたいと考えます。  マニフェスト等の見直しについてのお尋ねであります。  マニフェストは、県民の皆様と一緒に新しい力強い鹿児島をつくるための基本的な方針と各種施策を掲げた県民の皆様との約束であります。私が口頭で申し上げたことも含めて、マニフェスト等に掲げた施策の中には、速やかに行うべきものと、ある程度長い時間をかけてじっくりと進めるべきものとがあると考えております。  本県を取り巻く社会経済情勢や県議会の御意見、財政状況等も踏まえ、優先順位を判断しながら、四年間の任期中に実現できるよう、また方向性を示せるように努力してまいりたいと考えております。  また、マニフェスト等県政ビジョンへの反映につきましては、新たな県政ビジョンは、おおむね十年という中長期的な観点から、鹿児島の目指す姿や施策展開の基本方向等を示すものでありまして、県政全般にわたる最も基本となるものであります。  このため、県政ビジョンについては、マニフェスト等も踏まえながら、策定作業を進めているところであります。 5 ◯県民生活局長(中山清美君)鶴丸城復元に向けた検討についてでございます。  鶴丸城の取り扱いについては、明治百年記念事業の際にさまざまな議論がなされ、現在の黎明館が建設された経緯があります。一方で、議員御指摘のとおり、黎明館は建設から三十年以上が経過しており、いずれ建てかえが必要となることは認識しております。  鶴丸城の復元については、史料が、建物の配置を示した指図や古写真数点しかないなどの課題はありますが、歴史的・文化的にすぐれた風致を持つ県民の貴重な財産となるものであり、非常に夢のある話であると思っております。  いずれにしましても、鶴丸城に関する文献調査等を進めながら、明治維新百五十周年記念事業として位置づけられている御楼門の建設に取り組んでまいります。 6 ◯企画部長(東條広光君)かごしま将来ビジョンの検証についてであります。  平成二十年に策定しましたかごしま将来ビジョンにおいては、持続可能な行財政構造の構築、生涯を通じて安心して暮らせる社会づくり、新時代に対応した戦略的な産業おこしなどの課題と取り組みの方向性を提示したところであります。  県では、これに沿って各般の施策・事業に積極的に取り組み、行財政改革による財源不足の解消、こども総合療育センターの設置、共生・協働の取り組みの進展、明治日本の産業革命遺産世界文化遺産登録などの成果を得たものと考えております。  高規格幹線道路の整備など一定の成果を得たものの、今後とも中長期的な観点から継続して取り組んでいく必要のある施策などにつきましては、新たな県政ビジョン素案の作成の中で具体に検討してまいりたいと考えております。 7 ◯環境林務部長(古薗宏明君)環境美化の取り組みについての御質問のうち、まず、条例の制定状況についてであります。  環境美化に関する条例につきましては、市町村がそれぞれの実情に応じて必要性を判断し、制定しておりまして、県が本年一月に実施した調査によりますと、県内四十三市町村のうち三十一市町村において、さまざまな名称で制定されております。  条例の内容につきましては、全ての条例におきまして、空き缶やたばこの吸い殻などの投棄を禁止行為として規定するとともに、多くの条例におきましては、事業活動に伴うごみの散乱防止等につきましても、事業者の責務として規定しております。  なお、罰金等の罰則規定を設けている条例は二十一あります。  次に、今後三年間の取り組みについてであります。  本県におきましては、六月の環境月間や十一月の不法投棄防止強化月間におきまして、海岸清掃活動不法投棄防止パトロールなどが行われておりますほか、年間を通しまして、住民団体や国、県、市町村等により、県内のさまざまな場所で清掃活動等が行われているところであります。  今後、明治維新百五十周年、NHK大河ドラマ「西郷どん」の放映、奄美の世界自然遺産登録国民体育大会全国障害者スポーツ大会本県開催等によりまして、県内外や海外からの多数の来訪者が見込まれますことから、住民の居住地周辺はもとより、観光地、その玄関口となる空港や駅の周辺、道路、河川、海岸など、県下全域にわたりまして環境美化に努めることも、観光立県かごしまの実現には重要であると考えております。  このようなことから、それぞれの施設の管理者や、一般廃棄物の処理やまちづくりに責任を有する市町村において、環境美化に向けた取り組みがさらに推進されるよう、関係部局で連携し、働きかけてまいりたいと考えております。    [酒匂卓郎君登壇] 8 ◯酒匂卓郎君 コメントは最後に行いたいと思います。  質問を続けます。  姶良家畜保健衛生所の移転・整備等について質問いたします。  本県の農業産出額の約六割は、畜産でございます。食肉や飼料などの関連産業を含めますと、地域経済を支える重要な産業となっております。このような中、家畜伝染病の発生予防と蔓延防止対策や、家畜の健康を守り、安全な畜産物の生産の推進等に取り組んでいる家畜保健衛生所の役割は極めて重要であります。  九月七日から十一日にかけて宮城県で開催されました第十一回全国和牛能力共進会におきまして、本県が総合優勝し、悲願の和牛日本一に輝きました。全ての関係者の皆様に心からお祝い申し上げたいと思います。  家畜保健衛生所の皆さんは日ごろから、健康で丈夫な肉用牛を育てるため、肉用牛農家を指導し、病気の発生予防を図るとともに、病気が発生した場合には原因を究明するなど、農家の生産性向上に貢献しておられます。  今回の宮城全共においても、県職員獣医師の皆さんは、出品牛の事前の衛生検査を行うとともに、出品牛の運搬に同乗して無事に牛を宮城県に送り届けるなど、日本一獲得に果たした役割は大きかったものと考えております。  一方で、姶良市にあります姶良家畜保健衛生所は昭和四十年代に建設された建物でありまして、私も視察させていただきましたが、老朽化がひどい状況でありました。また、施設周辺は混住化が進行しまして、住宅が隣接している現状にあります。家畜保健衛生所では死亡家畜の解剖検査や焼却を行っており、周辺の住民からは、住宅環境としてはふさわしくないとの声も聞いております。  このような状況を解決するためにも、一刻も早く姶良家畜保健衛生所を別の場所に移転し、家畜衛生・防疫の役割を担う高度な機能を有する家畜保健衛生所を整備する必要があります。  そこで質問いたします。  第一点は、県内の家畜保健衛生所の設置状況と、これまでの移転整備の状況についてお示しください。  第二点は、姶良家畜保健衛生所の今後の移転整備についての県の考え方をお聞かせください。  次に、林業の振興について質問いたします。  スギやヒノキの人工林等が本格的な利用期を迎える中、大型木材加工施設や木質バイオマス発電施設の操業開始、東アジア地域等への木材輸出の拡大などにより、平成二十七年度末の木材生産量は、平成二十二年度末の一・五倍の八十七万立法メートルへと増加するとともに、木材需要の増加に伴い、人工林の伐採面積は増加傾向で推移しております。  一方、平成二十七年度の林業就業者数は約千五百四十人で、十年前の八七%に減少しておりますが、ここ数年は千五百人から千六百人前後とほぼ横ばいで推移しているようであります。また、森林組合の作業班員は、伐出作業班員が増加する一方で、造林作業班員は大幅に減少しているとのことであります。
     長期にわたる木材価格の低迷や山村集落の過疎化、高齢化等に伴う不在村化、世代交代などにより、森林所有者の森林育成に対する関心の低下に加え、林業労働力の不足など、林業を取り巻く環境は依然として厳しく、再造林が進まない状況にあります。  現在、県議会におきましても、森林の有する多面的機能の維持・発揮が重要と考え、森林資源の循環利用の促進に関する条例の制定に向けて検討を進めているところであります。  森林の持つ多面的機能を持続的に発揮させ、植える、育てる、使う、植えるという森林資源の循環利用を進め、林業の成長産業化を実現するためには、林業労働者の確保と再造林の推進が重要な課題であります。  そこでお尋ねいたします。  第一点は、新規就業者の現状と確保に向けた取り組み状況についてお示しください。  第二点は、人工林の伐採及び再造林面積の状況、並びに再造林の推進に向けた取り組みについてお答えください。  次に、かごしま材の利用拡大について質問いたします。  本県の木材生産量は、平成三十二年度の目標の百万立法メートルに向けて着実に伸びてきておりますが、木材などの林産物は、適切に利用されることにより地域の経済活動の活性化にも寄与することから、かごしま材の利用をいかに拡大していくかが今後の大きな課題となっているところであります。  価格の安い低質材の利用については、丸太の輸出や木質バイオマス発電などの原料用など年々増加しておりますが、価格の高い良質材についても、国内外での付加価値の高い製材品としての需要をさらに拡大していくことが必要であると考えます。  本県ではこれまで、製材品の新たな需要の創出の取り組みの一つとして、CLT等の利用促進を進めてきたところであり、今月の十一日には姶良市において、県内初のCLTパネル工法による建築物の構造見学会が行われました。  そこで、かごしま材の新たな需要創出に向けた取り組みについてお聞きしたいと思います。  次に、帖佐駅からイオンタウン姶良へ向かう県道の歩道整備等について質問いたします。  姶良市は、県内で唯一人口がふえているまちとして注目を集めておりますが、県内に初出店したイオンタウン姶良の開業の影響もあり、週末ともなりますと、イオンタウン姶良からつながる道路は渋滞が発生し、信号を数回待たなければ交差点を抜けられないという状況も発生しております。  一方、帖佐駅は、これまでも通勤・通学の利用者が非常に多い駅でありながら、駅から旧国道十号までの県道に歩道が整備されていない区間があることから、駅の利用者や地域の方々から、非常に危険な状況であり、早急に歩道を整備してほしいとの要望が出されてきました。  イオンタウン姶良の開業により、帖佐駅を利用する通勤の人や、週末に電車を使ってイオンタウン姶良に出かけてくる人などの利用がふえ、安全の確保の観点からも、歩道の整備を求める声はますます大きくなってきております。  また、旧国道十号からイオンタウン姶良までの道路は、一部街路樹が植えられ、街灯も設置されておりますが、いずれも時代に合わない暗い雰囲気で、イオンタウン姶良や、数年後に建てかえられる姶良市役所本庁舎があり、姶良市の顔、姶良市の玄関口として位置づけられた道路でありますので、帖佐駅からイオンタウン姶良までは、統一された安全なバリアフリーの歩道に、雰囲気に合った街路樹や街灯が設置され、歩いていて楽しくなるような明るい道路の整備が必要であります。  そこで第一点は、帖佐駅から旧国道十号までの歩道未整備区間について、早急に歩道を整備すべきであると考えます。先日、現場を視察されました知事の率直な感想もあわせてお聞かせいただきたいと思います。  第二点は、帖佐駅から旧国道十号までの歩道の整備に合わせて、旧国道十号からイオンタウン姶良までの歩道も統一感のある歩道にリニューアルするとともに、帖佐駅からイオンタウン姶良までの道路に、姶良市の顔としてふさわしい街路樹と街灯を新設すべきだと考えますが、見解を伺います。  次に、国道十号の整備について質問いたします。  国道十号の整備につきましては、これまで何度も一般質問で取り上げるとともに、県議会国道十号整備促進議員連盟において、勉強会や中央陳情など積極的に取り組んできており、着実に整備が進んできておりますが、昨年度は、いよいよ鹿児島北バイパス及び白浜拡幅が工事着工できるかどうかの山場を迎えているということで、これまでは本省へ一度陳情を行うという形で行ってきましたが、前回は、あわせて九州地方整備局を二回訪問し、両区間の早期着工について強く要望活動を行ったところであります。  その結果、両区間とも、本年度無事に工事着工の運びとなり、御尽力いただきました国会議員の皆様や国土交通省、関係自治体の皆様にも心から御礼申し上げたいと思います。  そこで、鹿児島北バイパス及び白浜拡幅について、現在の整備状況及び今後の見通しについてお示しください。  次に、県道伊集院蒲生溝辺線の整備について質問いたします。  この路線につきましては、日置市伊集院町から鹿児島市を通り、鹿児島空港へ通じる外環状道路として、また、国道十号が災害等で通行どめになった場合の代替道路としても大変重要な路線として位置づけられておりまして、関係市町村で期成会をつくり、長年要望活動を行ってまいりました。  県では、これまで重点的に整備を行い、大きな成果を上げてきましたが、県央地域におきましては、姶良市の山田工区、霧島市の有川工区の整備が完了し、残っているのは姶良市の蒲生工区だけとなっております。  そこで、蒲生工区の現在の整備状況と今後の見通しについてお示しください。  次に、県道十三谷重富線の整備について質問いたします。  この路線は、姶良市の重富から霧島市の横川へ通じる道路でありますが、途中にある県管理の県民の森へのアクセス道路としての役割も担っておりますことから、せめて完全二車線の道路を整備してほしいとこれまで何度も一般質問で取り上げてきております。  県当局におかれましてはそれなりに御対応いただいておりますが、現在整備中の北山工区の前後など、まだまだ狭隘な区間があるため、現在の区間の整備を急いでいただきながら、あわせて、前後の区間に事業着手していただきたいと考えております。  そこで、現在整備中の北山工区及び船津工区の現在の整備状況と今後の見通しについてお示しください。  また、北山工区につきましては、前後の狭隘な区間の事業着手の見通しについてもお示しいただきたいと思います。    [知事三反園 訓君登壇] 9 ◯知事(三反園 訓君)お答えいたします。  帖佐駅からイオンタウン姶良へ向かう県道の歩道整備等についてであります。  この路線につきましては、今月四日、現地にお伺いいたしまして、酒匂議員初め姶良市長、市議会議長、自治会長から直接、整備についての要望を受けたところであります。  視察を通じまして、この路線が帖佐駅と商業施設を結ぶ重要な路線であり、帖佐駅周辺を中心に歩行者が多く、交通安全対策が必要なことや、全線を通して街路樹の状況などを確認したところであります。  帖佐駅から旧国道十号までの区間の歩道新設については、必要性は十分理解しております。  県といたしましては、厳しい財政状況ではありますが、引き続き、まちづくりの主体である姶良市と意見交換を行い、何ができるのか知恵を絞りながら対応してまいりたいと考えております。  まずは旧国道十号から商業施設までの歩道のリニューアルなどについて、カラー舗装等の歩道の高質化、街路樹の植えかえなど、来年度からの整備について検討を指示したところであります。  県道伊集院蒲生溝辺線の整備状況と今後の見通しについてであります。  この路線につきましても、今月四日、姶良市蒲生町の蒲生工区の現場に直接行きました。狭隘な状況を確認し、早期に供用することが必要だと強く感じました。また、これまで、沿線市の整備促進期成会等から強く早期整備を求められていることもありまして、それも承知しておりますので、蒲生工区のうち、県道川内加治木線との交差点から県森林技術総合センター付近までのおよそ六百メートルの区間につきましては、平成三十一年度に供用することにしたいと思います。 10 ◯農政部長(川野敏彦君)姶良家畜保健衛生所等の移転・整備についてでございます。  家畜保健衛生所については、家畜の飼養頭羽数や地理的条件等を踏まえ、本土に六カ所、離島に三つの支所と四つの駐在機関を設置しております。これらの施設は、昭和四十年代前半までに整備され、約五十年以上が経過し、施設の老朽化や周辺の宅地化などが進んできておりますことから、平成十三年度には鹿児島中央家畜保健衛生所、平成二十一年度には肝属家畜保健衛生所の移転整備を行ったところです。  また、他の家畜保健衛生所については、これまで、無煙・無臭焼却炉への更新や隣接地との障壁の設置など、計画的な施設・設備の維持補修等を行い、伝染病の的確な診断など、家畜保健衛生所としての機能が確保できるよう努めてきているところです。  お尋ねのございました姶良家畜保健衛生所については、特に周辺の宅地化が進んできておりますことから、隣接地との障壁を設置したり、検体をできるだけまとめて焼却し、焼却炉の稼働日数を減らすなど、周辺環境への配慮に努めているところです。  県としては、今後とも、県の財政状況なども踏まえながら、家畜保健衛生所の移転整備について検討してまいります。 11 ◯環境林務部長(古薗宏明君)林業の振興に関連いたしまして、新規就業者の現状と確保に向けた取り組み状況についてであります。  林業の新規就業者数は、ここ数年百五十人から百八十人程度で推移しており、就業者全体に占める若年層の割合は増加しておりますが、離職者も多いことから、就業者数はほぼ横ばいで推移しております。  県では、新規就業者の確保を図りますため、県内十カ所に就業相談窓口を設け、就業に関する助成制度や技能講習等の情報提供を行いますとともに、県林業労働力確保支援センターに設置している無料職業紹介所におきまして、求職者に対する求人企業等の紹介を行っております。  また、就業希望者を対象とした鹿児島きこり塾におきまして、林業作業の体験や基礎的な技能講習等を実施しておりますほか、県内の林業関連学科を有する高校の生徒等を対象とする現場実習、技能講習等を実施しております。  今後とも、県林業担い手育成基金や関係団体等と連携しながら、新規就業者の確保に努めてまいります。  再造林推進の取り組み状況についてであります。  平成二十八年度の人工林の伐採面積は一千六十九ヘクタールで、平成二十三年度の二倍に増加しております。また、平成二十八年度の再造林面積は四百六十ヘクタールで、平成二十三年度の二・五倍に増加し、再造林率は一〇ポイント程度上昇したものの、四三%と低い水準にあり、今後、再造林をさらに推進していく必要があると考えております。  このため、県では、市町村や林業事業体等を構成員とする再造林推進連絡会を核として、伐採情報をもとにした森林所有者に対する再造林の重要性の啓発や、伐採者と造林者との連携による伐採から植栽までの一貫作業の取り組みを一層強化していくこととしております。  また、再造林における森林所有者の負担を軽減いたしますため、造林補助事業にあわせまして、森林環境税関係事業による苗木購入費等に対する助成を行っているところであります。  今後とも、関係者との連携を図りながら、再造林の推進に取り組んでまいります。  かごしま材の新たな需要創出に向けた取り組みについてであります。  かごしま材のさらなる利用拡大を図りますためには、これまでの需要拡大の取り組みに加えまして、新たな需要創出の取り組みも必要であると考えております。  このようなことから、県では、CLTやツーバイフォー住宅部材について、建築士等を対象とした講習会や構造見学会等を県内外で開催いたしますとともに、モデル的な木造施設の整備を支援し、認知度の向上や工法の普及を図っているところであり、御指摘にもありましたとおり、今月十一日には姶良市におきまして、県内初のCLTパネル工法による集合住宅の構造見学会を開催するなど、県産材の新たな需要を喚起しているところであります。  また、本県スギ材特有の色合いを生かした製品開発を支援するとともに、その製品を県内外へ普及するため、パンフレットの作成や展示会への出展などに取り組んでいるところであります。  さらに、海外においても新たな需要創出を図りますため、付加価値の高い製材品等の輸出を支援いたしますとともに、需要が旺盛な東アジア地域に向けましては、外国語版パンフレットを利用したPR等に取り組んでいるところであります。  今後とも、関係団体等と連携しながら、かごしま材の新たな需要創出を図り、さらなる利用拡大に努めてまいりたいと考えております。 12 ◯土木部長(渡邊 茂君)国道十号の整備状況と今後の見通しについてです。  鹿児島北バイパスについては、鹿児島市吉野町花倉付近から仙巌園の背後を約三キロメートルのトンネルで通り、同市小川町へ至る約五・三キロメートルのルートとして計画されております。  昨年十二月には、地権者等に対し設計説明会が開催され、詳細なルートや道路構造が示されたところであります。本年度は、祇園之洲地区において、橋梁の下部工工事と道路改良工事に着手される予定です。  白浜拡幅については、姶良市脇元から鹿児島市吉野町上ノ村に至る全体計画七・三キロメートルのうち、これまで、昨年三月に完成した大崎地区三百メートルを含む三・九キロメートルが四車線で供用されております。現在、脇元から白浜間の三・四キロメートルにおいて調査設計が進められており、本年度は脇元地区の道路改良工事に着手される予定です。  県といたしましては、国道十号の整備促進が図られるよう、引き続き国に要請してまいります。  続きまして、県道十三谷重富線の整備状況と今後の見通しについてであります。  県民の森へのアクセス道路の一つである県道十三谷重富線は、現在、姶良市の船津工区と北山工区の二カ所で整備を進めているところであります。  船津工区につきましては、計画延長約千四百メートルのうち、これまでに三船小学校から船津公園付近の約九百メートルの整備を終え、現在、春花入口交差点付近の工事を進めております。引き続き、改良工事等を進め、早期完成に努めてまいります。  北山工区につきましては、計画延長約七百メートルのうち、これまでに北山小学校付近の約五百メートルの整備を終え、現在、残る区間の工事を進めており、平成三十年度の供用を予定しております。  また、北山工区前後の未改良箇所の整備につきましては、事業中箇所の進捗状況や優先度等を踏まえまして検討してまいります。    [酒匂卓郎君登壇] 13 ◯酒匂卓郎君 十二問質問いたしまして、大変うれしい答弁等もございました。  特に第一問目、県民の日の制定というのは、一番最初の質問は須賀知事でありました。そのとき、知事室でお話ししたときに、私もまだ三十三歳で、入ったときに非常に温かく迎えていただきまして、「いい質問だよね」と、「必要なものだとはわかるんだよね」ということで、「検討はする」ということで前向きな形だったんですが、ちょうどその後一年で退職ということだったものですから、非常にそれから長い年月で、ようやく今回、三反園知事から前向きな御答弁をいただきまして非常にありがたく思っております。  県民の日は、鹿児島の歴史をしっかりと理解する、自分たちの祖先を振り返るようなものです。幾ら後から知識をつけても、根から上の部分が幾ら充実しても、根から下がしっかり張らなければ風雨にも弱い植物、人間にもなっていきます。そういう意味でも、県民の日を制定することによりまして、生きる力が非常に強くなる、そういう人間性も培われていくと信じて質問しておりました。非常にうれしい答弁でありました。  次に、鶴丸城につきましては、これも県議会での質問は三回目でありますが、なかなか本当に大変な財源が必要だということ、また最近、専門家の中には、詳細な設計図に基づく復元でなければいけないという、そういう専門家の意見も強くなってきているようであります。しかし、それは我々県民の判断であろうと思います。いつか必ず誰かが復元すると思います。そのときに自分たちが元気で見られるのか、もうこの世にいないのかわかりませんが、私はライフワークとしまして声を上げ続けていきたいと思っております。  次に、県政ビジョンはさまざま議論がありますが、県民の方々にすばらしいビジョンができたよねと言っていただけるように、これからも県議会からもどんどん提言を上げまして、執行部と一緒につくり上げていきたいと思っております。  姶良家畜保健衛生所、私も現場を見させていただきましたけれども、外壁が、入り口も含めまして、ぽろぽろぽろぽろ落ちてきているというような状態で、非常に古い状況でありました。また、恐らく県内でも一番だと思うんですが、もう周りは全て住宅地という状態になってしまいまして、本当に家畜保健衛生所の場所としてはふさわしくない環境に現在はなってしまったということでございます。ですから、どうか早期の移転につきまして御検討いただきたいと思っております。  また、林業、今、非常に注目を集めておりまして、特に素材生産のほうでは就業者もふえているようでございますが、先ほど申し上げましたように、一部のところで人が少ないという状況もあるようでございます。  先般、姶良市で行われましたCLTパネル工法による見学会、私はその場に行けなかったものですから後日行ってまいりましたけれども、CLTパネル、まだ少し高いんですけれども、三階建てのアパートが建ったんですね、工期が短くて済むということで、経費が大分抑えられます。ですから、普及しましてCLTパネル自体の単価が下がれば、全体的にはコストが安い状況で建築できるようになると思われますので、ぜひこれも官民挙げて推進していただきたいなと思っております。  また、帖佐駅からのイオンタウン姶良に向かう歩道整備、知事から大変ありがたいお言葉をいただきました。地元姶良市も非常に強い熱意を持って県のほうに要望活動も続けておりますので、ぜひこれからも姶良市と意見交換を進めていただきまして、姶良市の顔として、人口が非常にふえているまちです、投資効果は十分にございます、どうか鹿児島県の真ん中ですばらしい玄関口ができますようにお力添えをお願いしておきたいと思います。  国道十号、いよいよ北バイパス、白浜拡幅、実は今年度、同時着工でございました。非常にありがたいところでございまして、昨年、国に一回、福岡に二回足を運んだかいがあったなと思っております。また、今年度も議連のほうでは陳情活動を行いまして、力強くこれからも要望活動していきますので、県当局にも御支援をお願いしたいと思います。  県道伊集院蒲生溝辺線、供用開始が平成三十一年ということで、また地域に帰りまして朗報をお伝えしたいと思います。  いろいろと一般質問してまいりましたけれども、今、国のほうでいろんな動きがございます。私は、この議場に発言する機会を得ている間、国につきましてはやはり憲法、誰からの干渉も受けずに、日本人が日本人の未来を思って自分たちの手で憲法をつくる、その憲法を見てみたい、そう思っております。鹿児島県関係では鶴丸城を元気なうちに見てみたい、そう思っております。  一生懸命これからも努力して精進してまいります。今後ともよろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 14 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、桑鶴勉君に発言を許可いたします。    [桑鶴 勉君登壇](拍手) 15 ◯桑鶴 勉君 大勢の傍聴ありがとうございます。  私の一般質問が終わるころ、衆議院では解散の手はずになっているようでございまして、何だか落ちつかない気分でありますけれども、通告に従って質問させていただきます。  まず、エネルギー政策について伺います。  エネルギーは国民生活の基幹であり、決して人気取りで語ってはならないと思っています。ことしの再生可能エネルギー発電促進賦課金、いわゆる再生エネ賦課金は、一カ月電気使用量三百キロワットアワーの家庭で七百九十二円に上っています。買い取り価格の国民負担は、全国平均で電気代の一割にも達しています。また、昨年の四月から、電力小売自由化に伴い、電力の託送料金が明確にされて賦課されております。電力の需給バランスをとるための調整力コストは託送料金に含まれることになっています。  改正されたFIT法は、地域の活性化を目的に挙げ、事業計画認定に関係法令や条例の遵守が義務づけられました。  九州地方は、日照時間が長く雪が少ないために太陽光発電設備が想定を超えて急増し、鹿児島県内の太陽光パネル、風力発電の導入量は九州管内の二割にも達し、ことし四月のピーク時には、九州管内の電力需要の約七割を太陽光が占めるまでになっています。  最近では、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー発電設備からの偏った時間帯の電力の供給が進んだため、出力変動に応じた需給バランスをとるために火力などの発電を抑える一方、それでも余る電力で揚水を行い、太陽光が発電しない夜に発電し、供給している実情にあります。  政府は、二〇二〇年より発送電分離を決めました。それ以降は、発電部門、送配電部門、小売部門に分かれることになります。  電力は、需給のバランスがとれていなければ停電を起こすことになります。足りなければもちろん、供給過剰になっても停電を起こします。しかし、余ったからといって簡単に貯蔵することはできませんから、大変なコストのかかる蓄電池を用意するか、余った電気を揚水などに利用するか、発電を一時停止するかしか方法がありません。  秋を迎え電力需要が減少するとともに、太陽光、風力の導入量が増加していく傾向にあります。九州電力においては、火力発電の出力抑制、揚水発電の昼間運転、関門連系線を通じての他電力への送電など、電力広域的運営推進機関の定めた対策を行っても、供給力が電力需要を上回る場合には、太陽光、風力の出力制御を実施する場合があるとして、このたび出力抑制の調整力不足に備えるための対応訓練を実施しました。  そこで伺います。
     一点目は、接続可能量と無補償で出力制限できる制度について、その概要をお聞かせください。  二点目は、電力広域的運営推進機関の位置づけと果たす役割をお聞かせください。  三点目は、中国九州間連系線における九州から中国への運用容量は幾らなのか、お聞かせください。  四点目は、太陽光、風力などによる発電は、発電量が安定していないため著しく周波数が変わり、安定した電力の供給になりません。そのために、国の補助を受けて、大規模な蓄電池の設置により周波数の変動を抑制する実証実験は行われていますが、安定した電力需要を賄うにはほど遠いものがあります。現在行われている周波数変動対策はどのようになっているのか、お聞かせください。  太陽光発電事業は関連企業の倒産が急増し、一月から六月までの倒産件数は昨年比二・二倍に達しています。買い取り価格が当初の半額近くに引き下げられ、四月には、電力会社と契約していない発電事業者の認定が大量に失効したため、市場の縮小が続き、販売や施工業者ばかりでなく、発電パネルの製造や周辺機器メーカーまで広がりを見せています。  一方、朝日新聞や一橋大学などが行った再生エネに関する自治体アンケートによりますと、市区町村の二四%が「事業者と周辺住民とのトラブルが発生するおそれがある」と挙げ、具体的には、景観、光害、工事に伴う騒音、敷地の雑草管理などとなっています。  そこでお聞きしますが、県内における苦情相談の内容などはどのようなものがあり、どのように対応されているのか、お聞かせください。  災害時、被災したソーラー発電パネルは、太陽光を浴びると発電するわけですが、このように使われなくなった太陽光パネルを感電防止策をとらずに放置したり、有害物質の有無を確認しないまま埋め立てたりしている例が、総務省の調査で明らかになりました。  伺います。  環境省及び経産省は、パネル処分に関するガイドラインを策定していると思いますが、その内容はどのようになっているのか。さらに、ことしのFIT法改正前に設置されていた太陽光発電パネルの処分についてはどのようになっているのか。また、将来、大量の廃棄処分の時期に備えるために、条例等を定めて対処すべきと思いますが、見解をお聞かせください。  知事に伺います。  先日は、「口之島沖で黒潮海流を利用した発電の実証実験が行われ、三十キロワットの発電に成功した」旨の報道に接しました。県内においては、木質バイオ発電所の立地や計画も進められています。小水力発電の稼働も見られます。  脱原発を目指していたドイツにおいては、再生可能エネルギーによって、二〇一五年時点で必要電力の三一・六%を賄っているそうであります。一方、フランスから原子力発電による電力を輸入し、ベースロード電源に充てている実情にもあります。  知事は、自然再生エネルギーによる発電を進め、「少しずつ少しずつ少しずつ原発に頼らない再生可能エネルギー県を目指す」と言っておられます。それでは、具体的にはベースロード電源にどのような電源を位置づけられ、そして、少しずつ少しずつの工程表をどのような期間に、どのように描いておられるのか、お聞かせください。  成長可能性都市ランキングについては、おとといのふくし山議員の質問と前語りそっくりダブってしまいました。  野村総研は、与えられる地方創生から独立経済の構築へ、地方創生の一つの理想像は、大都市に依存せず、自立して世界と結びつき、外貨を獲得できるローカルハブになることを目指せということだと思っています。  質問いたします。  第一点は、県内各市町村においても、きらりと光る自治体があるのではないかと思われます。新たな県政ビジョンを策定するに当たって、野村総研と同様な調査を鹿児島県内における各自治体ごとに実施してみると、おもしろい結果が出るのではないかと思いますが、見解をお聞かせください。  二点目は、鹿児島市は、いわゆる鹿児島県内の各都市の牽引役として、県内人口流出のダムの役割を果たしてもらわねばなりません。アンケートの結果では、地方から東京へ移住した理由として、「自身が望む進学先が東京にあったため」、「自身が望む就職先や職種が東京にあったため」とした人が圧倒的に多く、生活の利便性や子育て、教育、医療、介護などの生活インフラ系は最も重要な要素ではないようであります。  一方、現在と同等以上の収入や待遇が得られる仕事があったら、あるいは現在と同等以上にやりがいのある仕事があったらという条件つきながら、六七%の人が「出身地に戻る意思あり」としています。  それでは、本県の人口流出を食いとめるために何が足りないのか、今後何をやっていくべきなのかをお示しいただきたいと存じます。  三点目は、鹿児島市の強みとして、地域の共助精神・コミュニティーの成熟、移住・外部人材の受け入れ実績、歴史・伝統とのふれあい、良好な都市環境、幸福感・街への誇り・愛着等の項目が高い評価を受けているところですが、これらの評価を県内人口流出抑制、交流人口拡大、地域活性化などに生かすため、新たな県政ビジョンには、鹿児島市の強みを生かした施策展開を全県的に盛り込むべきと思いますが、見解をお聞かせください。  四点目は、鹿児島市の弱みとして、外国人の活躍、地域の経済力、学術面の国際交流、若者・女性の活躍、教育・人材の充実などが挙げられていますが、これらのことはまさに地方自治体の共通課題として取り組まなければならないものであり、これらのことを克服することは県全体で取り組むべき必要があることから、新たな県政ビジョンで方向性を示すべきであると考えますが、見解をお聞きします。  以上、一回目の質問といたします。    [知事三反園 訓君登壇] 16 ◯知事(三反園 訓君)お答えいたします。  再生可能エネルギーにおける安定的に発電できる電源についてのお尋ねでございます。  本県は、森林や畜産、温泉、広大な海域等、多様で豊かな資源が存在しておりまして、この恵まれた資源を最大限活用し、再生可能エネルギーの導入を積極的に推進してまいりたいと考えております。  再生可能エネルギーの中でも、水力、バイオマス、地熱などにつきましては、自然条件によらず安定的な発電が期待できることから、今後さらなる導入推進を図ってまいりたいと考えております。  再生可能エネルギーには、御指摘のように安定性などに課題があることは承知しております。現在、施策の基盤となります新たなビジョンを策定中でありまして、これに基づく取り組みを進めることで、本県を再生可能エネルギー県に変身させてまいりたいと考えております。 17 ◯企画部長(東條広光君)エネルギー政策について幾つかお尋ねがございました。  まず、接続可能量と出力抑制の制度についてであります。  再生可能エネルギーの発電量が増加し、電気の供給量が需要量を上回ることが見込まれる場合におきましては、電力会社は、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法、いわゆるFIT法に基づきまして、太陽光発電事業者については年間三百六十時間、風力発電事業者については年間七百二十時間を超えない範囲において、無補償で出力の抑制を求めることができることとされております。  接続可能量は、この範囲内で出力抑制することを前提に、電力系統への受け入れが可能な上限量のこととされております。九州本土の場合、太陽光発電は八百十七万キロワット、風力発電は百八十万キロワットとなっております。  また、電力会社は、接続可能量を上回って電力系統への接続申し込みした事業者に対しましては、無制限、無補償で出力抑制を求めることができることとされているところであります。  次に、電力広域的運営推進機関の位置づけ等と地域間連系線の運用容量についてであります。  電力広域的運営推進機関は、電気事業法に基づき、電源の広域的な活用に必要な送配電網の整備を進めるとともに、全国的な範囲で平常時、緊急時の電力の需給調整機能を強化することを目的に設立されております。この機関は、各電力会社の供給区域を越えた電力の供給を可能とする地域間連系線を利用し、電力需給バランスの確保を図る役割を担っているところであります。  この電力広域的運営推進機関によりますと、九州エリアから中国エリアに送電するための中国九州間連系線、いわゆる関門連系線の今年度の運用容量は、百七十一万キロワットから二百六十六万キロワットとされているところであります。  次に、周波数変動対策についてであります。  電力の安定供給のための周波数変動対策は、天候により発電電力が左右される太陽光発電などの再生可能エネルギーをより多く受け入れることを目的に、電源の出力抑制の条件や順番などについて、電力広域的運営推進機関が定めたルールによって実施されております。  九州電力におきましては、九州エリア内の全ての火力発電の出力抑制、揚水発電の昼間運転、関門連系線を活用した他電力への送電などの対応を行っております。このような対策を行ってもなお電力の供給量が需要量を上回る場合には、バイオマスや太陽光、風力の出力抑制を実施することになっております。  次に、県内における再生可能エネルギー設備に係る苦情相談についてであります。  ことし六月に一橋大学や朝日新聞社などが合同で実施した自治体アンケートにつきまして、本県からは、太陽光発電設備の建設現場において施工中の雨水対策が不十分で土砂が流出した事例や、発電所内に搬入された発電材料の悪臭に対して住民から苦情があった事例等を回答したところであります。  こうした苦情につきましては、県としては、事業者に対し、施工中の防災対策の徹底や地域住民に対する丁寧な説明等を求めてきているところであります。  次に、太陽光発電パネルの処分に関するガイドラインの内容についてであります。  環境省は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度により大幅に導入拡大された太陽光発電設備が、将来的に大量に廃棄された場合に混乱が生じないよう備えておくため、昨年三月、太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドラインを作成したところであります。  このガイドラインは、太陽光発電設備の撤去や運搬、リユース、リサイクル、適正処分の際の各関係者の役割や留意事項、必要となる手続などについて整理したもので、処分方法については、できるだけリユースまたはリサイクルを優先するよう求めております。  また、経済産業省は、適切な再生可能エネルギー発電事業の実施のため、ことし三月、事業計画策定ガイドラインを作成し、事業終了後の発電設備の撤去や処分について、廃棄物処理法等の関係法令を遵守することを求めているところであります。  次に、FIT法改正前に設置された太陽光発電パネルの取り扱いについてであります。  ことし四月の改正FIT法の施行前に設置されました太陽光発電設備については、新たに太陽光発電設備を設置する場合と同様に、改正FIT法の適用を受けることとなっております。  次は、野村総合研究所が行いました成長可能性都市ランキングに関しまして、まず、県政ビジョン策定と市町村ごとの課題等の分析についてであります。  市町村がさまざまな指標を用いてみずからの分析を行い、課題やポテンシャルを明らかにするとともに成長可能性などを可視化することは、今後の地方創生を考える上で有益なことと考えておりますが、新たな県政ビジョンの策定に当たりましては、現在、本県としての課題、ポテンシャルなどを整理しているところでありまして、これを市町村単位で分析することは考えていないところであります。  なお、ビジョンに関する市町村からの御意見につきましては、これまでに、本県のあるべき将来像等に関してお伺いしたところであります。また、現在、議会にもお示ししております骨子案や今後の施策展開等に関してお伺いしているところであります。  次に、人口流出を防ぐための課題と対策についてであります。  本県における人口流出を防ぐためには、鹿児島に仕事をつくり、安心して働ける環境づくりを図るとともに、鹿児島への人の流れをつくることが重要であると考えております。そのため、県におきましては、昨年三月に策定しました鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づきまして、働く場の創出や人材の還流・育成を図るための各般の施策に取り組んでいるところであります。  特に、本県における人口流出は、若年層の進学・就職による県外転出が主な原因でありますことから、県内の若年層の転出を防ぎ、県外からの人材の流入・定着を図るため、高校生、大学生等を対象とした県内企業の就職面談会や、UIターン就職を促進するための合同企業説明会の開催、インターンシップの受け入れ促進、市町村等と連携した移住に関する情報発信、相談支援事業等を実施しているところであります。  県としては、今後とも、このような取り組みに加え、鹿児島の特性を生かした付加価値の高い産業の創出や地域産業の競争力強化、大都市圏等からの企業誘致の促進、起業の積極的な支援など、具体の施策を着実に展開してまいりたいと考えているところであります。  次に、ビジョンへの鹿児島市の強みなどの反映についてであります。  鹿児島市は、本県の県都として、経済や文化の中心的な役割を担うことが期待されております。県全体の人口減少等が進行していく中で、鹿児島市が都市機能を高め発展することは、県民生活の利便性の向上や県内各地の活性化にも貢献し、県全体の発展に寄与するものと考えております。  移住・外部人材の受け入れ実績など、鹿児島市の強みと評価されている項目につきましては、骨子案における移住・定住促進、PR、誘客促進、地域づくりなどに生かすことができるのではないかと考えております。  また、地域の経済力など、鹿児島市の弱みと評価されている項目への対応につきましては、骨子案では、国際交流、産業の創出・振興、県内就職促進、女性活躍あるいは産業人材育成などに関係してくるものと考えております。  いずれにいたしましても、その取り扱いにつきましては、ビジョンの素案作成の中で具体に検討させていただきたいと考えております。 18 ◯環境林務部長(古薗宏明君)エネルギー政策についての御質問のうち、太陽光発電パネルの大量廃棄処分についてであります。  太陽光発電パネルにつきましては、固定価格買取制度による買い取り期間が満了することによりまして、同時期に大量に処分されることも見込まれます。国におきましては、いわゆるFIT法を改正し、発電事業を廃止する際の発電設備の廃棄等に関する計画が適切であることも適合基準の一つとして、事業計画を認定する新たな制度を設けたところであります。現在、国等におきまして、将来的な処分の大幅な増加に備え、関連事業者による自主的な回収、適正処理、リサイクルシステムの構築に向けた検討が進められております。  県といたしましては、これらのシステムが早期に構築され、太陽光発電パネルの円滑な処分が促進されることが望ましいと考えておりまして、国等の検討状況を注視してまいりたいと考えております。    [桑鶴 勉君登壇] 19 ◯桑鶴 勉君 意見は最後に述べることにいたします。  続いて質問に入ります。  有機農業の振興についてお伺いします。  私どもは去る八月七日から十日にかけて、自然農法と統合医療推進調査会六名の県会議員の皆様とMOA自然農法文化事業団鹿児島県連合会合同で、台湾の自然農法先進地視察を実施いたしました。  特筆すべきは、台湾の関係者の皆様は、日本の先進地視察をされてからわずかな期間の中で、有機農法としての自然農法の耕作面積が燎原の火のごとく広がっているということであります。また、そのことを通じて地域おこしや子供たちの食育にも取り組んでおられ、住民が主体的に取り組むことによって、楽しみながら生きがいを感じている状況をつくり出しておられることでありました。  八月七日はまず、廻郷農場で市民の皆さんが内発的に自然農法に取り組み、仲間をふやし、耕作地をふやし、研修所やレストラン、加工品や農産物の販売などについて、睡眠時間を削ってでも楽しいことに取り組んでいる事例を研修させていただきました。  その後、苗栗県にあります飛牛牧場での研修では、乳牛農家が観光農場に取り組み、今では年間三十万人ほどの人が訪れる観光スポットとして、ホテルやレストラン、有機農法の飼料による家畜との触れ合いや、緑の環境の中での結婚式の事例などの報告や、これから自然農法に取り組む農場などを手がけるなどの報告をいただきました。  翌日は、台湾における有機農法のパイオニアであられる謝森展先生の惠森自然休ケン農場を訪れました。謝先生は平成二十二年、日本と台湾の間の学術交流並びに経済交流の促進への多大な貢献によって、旭日小綬章を受章しておられます。  謝先生は三十年以上前、二百五十ヘクタール以上とも言われる山を購入され、当時は灌木がまばらに生えていた山に自然生態を復元・維持するように植林され、今では、昔からそこに自然林があったような深山幽谷の中に清らかな流れを見ることもできました。惠森自然休ケン農場は、MOA自然農法を真っ先に取り入れた巨大農場であるそうです。  その後、私たち一行は、台北MOA健康生活館において、鄭雅穗中華MOA協進会理事長のもと、台湾における統合医療推進の活動内容の講演受講の後、生け花、茶の湯、そして浄化療法の体験活動もさせていただきました。  八月九日は宜蘭県を訪れ、宜蘭設治紀念館を訪れました。そこで、台湾政府の前行政院長や宜蘭県知事を務められ、そして財団法人仰山文教基金会の創設者であられる游錫ホウ先生の説明をお聞きし、西郷菊次郎の徳政の偉大さと宜蘭の人々の鹿児島に対する親愛の情に触れることができました。案内役と通訳をしていただいたのは、私ども鹿児島には特に思い入れを強くしておられる李英茂氏でございました。  続いて、財団法人仰山文教基金会の皆様と日・台MOA自然農法交流会に臨みました。出席者は、游先生を初め、台湾立法院の議員、宜蘭県議会議長、議員、宜蘭県農業所長、仰山基金会理事長や秘書長、読売新聞の台北支局長などでした。  仰山基金会では、台湾有機農業促進条例の成立を受け、宜蘭県を中心に、広い範囲の耕作面積を対象に有機農業に取り組んでおられるとのことでありました。また、仰山基金会では、有機農法やそこの気候、風土に合った建築物のあり方、設計指導、伝統工芸のげたの作製の復活販売など、その土地に合ったまちおこしの実績を上げておられ、仰山基金会の提唱しておられる運動が地域おこしの運動として、花蓮を初め、台湾の東海岸一帯に広がっているとの報告を受けました。  当日の交流の様子は、夕方の台湾の全国ニュースで放送されていました。また、八月十八日発行の読売新聞にも大きく取り上げられているところであります。大変有意義なすばらしい国際交流ができたものと思っております。  そこでまず、本県の有機農業、自然農法について伺います。  一点目は、有機農業の推進については、国が平成二十六年四月に示した有機農業の推進に関する基本的な方針を受けて、県は、平成二十七年三月に県有機農業推進計画を改定しておられますが、その見直しの内容についてお示しください。  二点目は、本県の有機農業について、農家数や栽培面積などの現状をお示しください。  三点目は、有機農業の現状を踏まえ、県では今後、有機農業をどのように推進していくのか、お聞かせください。  四点目は、我々自民党県議団では、自然農法と統合医療推進調査会を結成し、予防医療や健康増進、健康長寿のための農医連携を目指し、自然農法を推進しているところであります。  そこで、自然農法に対する県の見解をお聞かせください。  五点目は、自然農法による農作を行っていますと、周りの慣行農法の農場からの害虫が集まってきます。よって、自然農法に取り組むには一定のまとまった耕作面積が必要でないかと思うのです。  自然農法を目指す農家に、農地中間管理機構による農地利用のための農地集積について配慮はできないものか、お伺いいたします。  次に、宜蘭県との相互交流について伺います。  宜蘭県では、初代の長官であった西郷菊次郎による現地の治水工事や農業振興、教育の普及などの功績を今でも大きくたたえ、西郷堤の上に記念碑があり、記念館や当時の庭園、貴重な資料などが大切に保存されています。その温情に感謝するために、以前、県議会では宜蘭県議会との定期的な交流を行っておりました。また、民間レベルでは、鹿児島西ロータリークラブと宜蘭ロータリークラブが姉妹盟約を締結し、相互訪問を果たしているところであります。  私は今回で二回目の訪問でありましたが、西郷菊次郎翁の偉大さと、それを百年たった現在でも恩を忘れることなく伝え、鹿児島に対する熱い思いと、私どもに対する宜蘭の方々の心からのおもてなしに感激いたしました。  来年は明治維新百五十周年という記念すべき年であり、大河ドラマ「西郷どん」の放映も予定されております。その息子である菊次郎がこのような偉業をなし遂げて、宜蘭県の人々に尊敬され続けていることを知ることは、本県の県民にとって大いに自信や誇りになるのではないかと思うのであります。  そこで伺います。  知事部局として、今後、宜蘭県と定期的な相互交流の可能性を模索する考えはないか、伺います。    [知事三反園 訓君登壇] 20 ◯知事(三反園 訓君)お答えいたします。  有機農業の現状と今後の推進についてであります。  近年、消費者の食の安全・安心や国内外における環境保全への意識の高まりなどを背景に、国内外で有機食品の市場が拡大してきております。本県における有機農業の取り組み状況は、国の平成二十七年十月時点の調査によれば、農家戸数がおよそ四百戸、栽培面積がおよそ八百ヘクタールとなっております。この栽培面積は、有機農業の推進に関する法律が施行される前の平成十七年十月時点の二百ヘクタールに比べて、十年間でおよそ四倍となってきております。  県では、県有機農業推進計画に掲げる平成三十一年度末の目標であります一千ヘクタールの達成に向けまして、国の交付金を活用した団地化の促進、有機農業者への技術指導、消費者の理解促進などに努めているところであります。  また、今年度からは新たに、海外での有機栽培茶の人気の高まりを踏まえまして、有機抹茶の生産拡大を目指した取り組みを始めたところであります。持続性の高い有機農業技術の確立に向けた試験研究にも取り組んでおります。
     鹿児島には世界に誇れるすばらしい農林水産物があふれております。今後とも、鹿児島の農業の未来を見据えまして有機農業を推進してまいります。安心・安全で高品質な農産物の世界に向けたPRや販売に努め、本県農業のさらなる発展に取り組んでまいります。 21 ◯農政部長(川野敏彦君)県有機農業推進計画の見直し内容についてでございます。  現行の県有機農業推進計画は、有機農業の推進に関する法律に基づく国の基本方針が平成二十六年四月に改定されたことに伴い、平成二十七年三月に見直したものです。  主な見直しとしては、国の基本方針に、耕地面積に占める有機農業の取り組み面積の割合を一%にすることが示されたことを踏まえまして、新たに県計画でも、計画期間の終期である平成三十一年度末時点の有機農業の取り組み面積を経営耕地面積の一・三%、約一千ヘクタールとすることを数値目標として定めたところです。そのほか、関係機関等と連携した推進体制の強化を図るため、県内の全ての市町村に相談窓口を設置することなどを追加しております。  次に、自然農法に対する県の見解についてでございます。  自然農法については、法律等による定義がなく、提唱者によってその手法が若干異なっていると承知しておりますが、総じて有機農業を基本としながらも、農薬は全く使用せず、堆肥の使用も原則認めないなど、自然本来の力を引き出す農法であると認識しております。  この農法は、通常の慣行栽培に比べ病害虫や雑草が発生しやすいことなどから、栽培技術や経済性の面で課題がありますものの、環境負荷の低減による自然環境の保全や地産地消の促進などにつながるものと考えております。  次に、農地中間管理事業を活用した自然農法向けの農地集積についてでございます。  農地中間管理事業を活用して農地の貸借を行う場合、借り手と貸し手から期間や作物などの希望を聞いた上で、現地の状況に詳しい市町村と農地中間管理機構が一体となってマッチングを行っております。農地中間管理事業における自然農法の取り組み実績は把握できていないところですが、姶良市や霧島市などでは、本事業を活用して有機農業のための農地の確保に積極的に取り組んでおられるところです。  自然農法を含む有機農業の推進には、御指摘のとおり、農地の団地化が有効な手法と考えられますことから、県としては、機構や市町村等と連携し、農地中間管理事業の活用を推進してまいりたいと考えております。 22 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)宜蘭県との相互交流についてのお尋ねでございます。  台湾宜蘭県の初代の庁長、庁長といいますと我が国の知事のことでございますが、初代の庁長となった西郷菊次郎氏は、宜蘭河の治水工事や農業振興、教育振興などで宜蘭県の近代化に尽力し、その多大な功績を顕彰する石碑や、かつての庁長舎が記念館として保存・活用されるなど、今なお地元の人々から敬愛されており、その偉業に触れることは県民にとって自信や誇りにつながるものと考えております。  本県と宜蘭県との間では、これまで、両県のロータリークラブの交流を初め、宜蘭県の高校が修学旅行で本県を訪れて学校交流を行っており、また、本年十一月には県内経済団体が宜蘭県を訪問し、菊次郎氏の記念碑などをめぐる予定と聞いております。  県といたしましては、これまで、台湾からの観光客の誘致活動や台湾への県産品の輸出商談会などを開催してきており、本県とゆかりのある宜蘭県を含めた台湾との各分野における交流の中で何らかの取り組みができないか、関係者等の御意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。    [桑鶴 勉君登壇] 23 ◯桑鶴 勉君 次の質問に入ります。  アスベスト対策について伺います。  WHOは、世界中で一億二千五百万人が石綿にさらされており、年間約二十万人が亡くなっているという見積もりを公表しています。  アスベストは、高度成長期には、耐熱性や耐久性、経済性などにすぐれた奇跡の鉱物と称されました。当時の通産省は普及を促し、建設省はアスベスト建材の使用を義務づけたのであります。  平成十七年、クボタの旧神崎工場の従業員や近隣の住民の方などが、空気中のアスベストを吸い、中皮腫などを発症し、犠牲者は四百人を超えるという、いわゆるクボタショックが発覚しました。これを受けて、平成十八年には石綿健康被害救済法が施行されました。  アスベストを吸い込んで中皮腫や肺がんに至る潜伏期間は四十年から五十年と言われ、試算によりますと、アスベストによる肺がん死亡者数は毎年三万九千人にも及ぶと言われております。  国土交通省は、都道府県に対し、民間建築物に使用されているアスベストの使用実態調査や除去などによる対策を講じるよう通知し、実態を把握した上で、除去の対策を講ずべき建築物を具体的に提示し、調査結果をアスベスト調査台帳に掲載するだけでなく、社会資本整備総合交付金などによる補助制度を活用し、所有者・管理者による調査・除去の実施を積極的に支援するよう促しています。調査の結果、吹きつけアスベストなどの使用実態が明らかになった場合には、除去などの対策の実施を建物所有者・管理者に求めるよう指示しているところであります。  そこで伺います。  まず、中皮腫、肺がんなどアスベストにより発症した疾病と認定された場合、労災保険給付や救済給付等の各種給付を受けることができますが、本県の認定件数を把握しておられたらお示しください。  また、本県における相談体制はどうなっているのか、お聞かせください。  二点目は、県有建築物のうち、対策が終わっていないものがあったらお示しください。  三点目は、国土交通省の通知に基づく調査を実施されているか、伺います。  実施されているとしたら、その内訳をお示しください。  四点目は、社会資本審議会は、約百三十万棟あると見られる平成元年以前に建てられた小規模建築物にも、五、六%程度の建築物に吹きつけアスベストなどが使用されている可能性があると指摘していますが、調査の対象をそこまで広げるつもりはないのか、伺います。  次に、新型インフルエンザ対策について伺います。  九月に入り秋を迎えていますが、鹿児島はまだまだ残暑の季節であります。暑い時期に冬のインフルエンザの話は時宜を得ないかもわかりませんが、この時期から冬の備えをしておくことは大切なことではなかろうかとの思いで質問させていただきます。  平成二十四年に新型インフルエンザ等対策特別措置法が公布されております。地方公共団体は、政府行動計画等に基づいて、行動計画及び業務継続計画を作成することとされています。  WHO発表によりますと、二〇十三年三月に中国で発生した鳥インフルエンザA─H7N9─は、台湾等の患者を含め、二〇一七年九月五日までに患者が千五百五十八名、うち少なくとも六百五名が死亡したとのことであります。  感染した家禽やその排せつ物などに濃厚に接触することによって、鳥から人へ感染すると言われており、重症の肺炎が見られることがあります。進行性の呼吸不全等による死亡例が多いそうです。既存の鳥インフルエンザウイルスの遺伝子が変異し、人から人へと効率よく感染する能力を獲得したインフルエンザウイルスによる新型インフルエンザが発生する可能性もあるわけであります。  そのとき、私たちは、感染を予防するためのワクチンを持っていない状態の中で、どうしたら蔓延を防ぐことができるのか、感染者に対する治療薬はどうするのかという対策を講じておく必要があると存じます。  そこで伺います。  一点目は、県は、新型インフルエンザ等対策行動計画、新型インフルエンザ業務継続計画を策定しておられるが、どのような目的で、いつ策定されたのか、お伺いします。  二点目は、タミフルなどの抗インフルエンザウイルス薬の備蓄は十分にできているのかどうか。また、薬には有効期限があると思いますが、有効期限切れに備えた入れかえはしっかり行われているのか、伺います。  三点目は、県は、感染予防のためのマスクの備蓄を行っているのか。また、マスクの性能も問われるわけであります。粒子の大きさについては、花粉は二十から三十ミクロン、飛沫は五ミクロン程度、PM二・五は二・五ミクロン以下、ウイルス等は〇・一ミクロン程度とされており、〇・一ミクロンまで対応可能な性能が求められると思います。備蓄されているのであれば、県の備蓄マスクの性能はいかがでしょうか。  四点目は、さらに、行政として、市民や事業所への備蓄の必要性の周知に努めなければならないと思いますが、見解をお聞かせください。  最後に、県立鹿児島養護学校跡地活用について伺います。  平成二十五年三月に、県立鹿児島養護学校は現在地に移転しました。旧校舎及び附帯した施設の解体撤去が終わったのが平成二十六年三月であります。  吉野地域の住民にとって、地域の中心的な場所に位置するこの場所が、まちづくりにどのように活用されるのかは最大の関心事であります。私どもは、吉野総合開発促進協議会を初め、吉野住民の総意として、吉野地域に文化的な施設をつくってほしいという要望を県・市当局に上げているところであります。  この土地は、既に都市計画決定され、国の認可を待っている吉野第二土地区画整理地域にあります。県は、吉野交番を平成三十年度からこの土地の一部に移転し、運用されるとお聞きしています。  そこで伺います。  一点目は、吉野交番の移転後の概況をお聞かせください。  二点目は、残余の土地について、売却も含め、市及び国へは、いつ、どのような内容で照会されたのか。  三点目は、市からは、いつ、どのような回答があったのか、お聞かせください。  以上、お答えください。 24 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)アスベスト対策についての御質問のうち、労災保険給付などの認定件数等についてであります。  アスベストによる疾病と認定された場合、被害者等は従来から労災保険給付の対象とされていたところでありますが、同給付の対象とならない方なども、平成十八年に創設された石綿健康被害救済制度による特別遺族給付金や救済給付を受けることができるとされたところであります。  国等の公表によりますと、鹿児島労働局管内の平成十七年度から二十八年度までの労災保険給付の認定件数は五十六件であり、新たな救済制度に基づく特別遺族給付金の認定件数は累計で十件、救済給付の認定件数は累計で百三十五件となっております。  アスベストによる健康被害を受けた方々の健康相談等については、国が対応しているところでありますが、県としても、健康増進課、各保健所に相談窓口を設置し、専門医療機関や関係機関等と連携を図りながら、県民の不安解消に努めているところであります。  続きまして、新型インフルエンザ対策について何点か御質問いただきました。  まず、県行動計画及び業務継続計画についてであります。  県においては、特別措置法の施行を受けまして、平成十七年に策定していた行動計画を改め、新型インフルエンザ等の感染拡大を可能な限り抑制し、県民の生命の保護や県民生活に及ぼす影響を最小とすることなどを目的とする、県新型インフルエンザ等対策行動計画を平成二十六年二月に策定しております。  また、新型インフルエンザが県内で大流行した場合においても、県がその対策業務を円滑に実施するとともに、県の業務への影響をできる限り最小限に抑えることにより県民の安心・安全の確保を図ることを目的とする、県新型インフルエンザ業務継続計画を平成二十一年六月に策定しております。  抗インフルエンザウイルス薬の備蓄についてであります。  県においては、国の新型インフルエンザ等対策ガイドラインなどを踏まえ、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄を行っております。平成二十八年度末現在の備蓄量はタミフルやリレンザなど合計二十二万五千人分であり、各薬剤の種類や有効期限を勘案しながら、順次更新いたしております。  感染予防のためのマスクの備蓄についてであります。  県においては、新型インフルエンザ業務継続計画等に基づき、県の業務執行に影響が出ることがないよう、職員の感染防止のために必要な不織布製のサージカルマスク約四十一万枚を備蓄しております。また、感染者等に直接接触する保健所職員等が新型インフルエンザ対策を実施するために必要な物品として、気密性の高いN95マスク約八千枚も備蓄いたしております。  なお、いずれのマスクも、国が定めている中央省庁業務継続ガイドラインにおいても推奨されているなどとされているものでございます。  県民等へのマスクの備蓄の周知についてであります。  県新型インフルエンザ等対策行動計画では、県民の方々は、発生前の段階から、必要な情報やとるべき行動などその対策に関する知識を得るとともに、マスクを含む生活必需品等の備蓄を行うよう努めることとされております。また、事業者は、新型インフルエンザ等の発生に備え、職場における感染対策を行うことが求められております。  県といたしましては、今後とも、行動計画を踏まえ、新型インフルエンザをめぐるその時々の状況に応じまして、適切な周知に努めてまいります。 25 ◯環境林務部長(古薗宏明君)県有建築物のアスベスト対策についてであります。  アスベストが使用された県有建築物は、現在十七施設ありまして、対策につきましては、アスベスト除去済み四施設、封じ込め六施設、立入禁止等七施設となっておりまして、全ての建築物で対応がなされております。 26 ◯土木部長(渡邊 茂君)民間建築物におけるアスベスト調査の実施状況についてです。  県では、平成十七年の国土交通省通知に基づき、鹿児島市と連携して実態調査を行い、飛散防止対策の指導を行っております。  平成二十八年度末現在、調査対象となる民間建築物二千五百八十七棟のうち二千五百五十五棟の報告があり、露出してアスベストが吹きつけられていたものが八十三棟ありました。このうち六十九棟は既に除却等の飛散防止対策が行われております。  これまで使用実態の報告や飛散防止対策が行われていない建築物については、引き続き、建築物防災週間等の機会を活用して、所有者等に必要な措置が行われるよう指導・助言してまいります。  続きまして、小規模建築物へのアスベスト調査の拡大についてでございます。  県では、平成二十一年の国土交通省の要請に基づき、戸建て住宅や木造建築物を除く平成元年以前に施工された延べ面積一千平方メートル未満の民間建築物について、平成二十八年度までに、吹きつけアスベストの使用実態の調査対象となる約一万六千棟のアスベスト調査台帳を建築確認台帳等から整備したところです。  今後、このアスベスト調査台帳を用いて、平成元年以前に施工された小規模建築物についても、不特定多数の者が利用するものから優先的に使用実態を把握した上で、必要な対策が講じられるよう所有者等を指導してまいります。 27 ◯警察本部長(河野 真君)新吉野交番の概況についてであります。  鹿児島養護学校跡地は約一万七千平方メートルであり、このうち、県道鹿児島吉田線に隣接する約二千平方メートルを新吉野交番の用地として活用することとしております。また、新築する交番の規模については延べ床面積約二百平方メートル、構造については木造平屋建てとしております。  先日、平成三十年二月二十六日までを工期として工事を発注したところであり、同交番の運用開始は三月中旬を予定しております。 28 ◯総務部長(寺田雅一君)鹿児島養護学校跡地につきましては、昨年九月に国と鹿児島市に対し、買い受け要望等について照会を行い、国からは買い受け希望はない旨回答がありました。  鹿児島市に対しましては、地域住民の方々から暫定活用について要望が出されていることも踏まえ、買い受け希望にあわせまして、暫定利用につきましても意向を確認いたしました。  市からは、昨年十二月に、跡地の活用について県と市で協議する場を設けてほしいとの回答が示されたところであり、今後とも、担当者で意見交換を行ってまいりたいと考えております。    [桑鶴 勉君登壇] 29 ◯桑鶴 勉君 まず、申し上げなければならないことから先に申し上げます。  鹿児島養護学校跡地については、鹿児島市とされても、国から区画整理事業の認可が下りないことには、その活用についての方向性を示すのは困難であり、また、大型の施設をつくるには総合計画に位置づけなければならないと推測します。  さらに、国の認可後、区画整理事業が当該土地の部分まで来るには相当な期間を要するものと思われます。その間、鹿児島市と協議され、暫定的に市民へ広く開放したり、定期借地権つきの民間による活用は考えられないものかということを提案するものであります。  菅直人元総理大臣の、総理大臣の辞任と引きかえに打ち出された電力の固定価格買取制度は、政策的に私は失敗だと思っています。今日の再生可能エネルギーの大変な一般家庭への賦課金などを考えますと、実にそのことを物語っているのではないのかなと思います。  再生可能エネルギー発電については、それぞれの分野で対応しなければならない課題も多く抱えており、当分の間は国の示したエネルギーミックスを堅持しながら、将来のベースロード電源になり得る技術開発が進むことを願うものであります。  さて、解散になると思います。私どもは自由民主党として、この国の将来性を、方向性をしっかりと見詰めながらこの選挙戦に臨むつもりでありますし、希望の党が失望の党に変わらないように願うばかりであります。  以上で、質問を終わります。(拍手) 30 ◯議長(柴立鉄彦君)ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午後零時 一分休憩       ───────────        午後一時十五分再開 31 ◯議長(柴立鉄彦君)再開いたします。  鶴薗真佐彦君に発言を許可いたします。    [鶴薗真佐彦君登壇](拍手) 32 ◯鶴薗真佐彦君 衆議院が解散されました。これまで劇場型の選挙が何回も行われ、幾つかの政党が生まれ、そして消えていきました。今回も、東京を中心とした大都市の政治ショーの中でこの大事な総選挙が埋没せぬよう、私どもは大地にしっかりと根を張って、地方創生の時代をどう生き抜いていくか、そして国の行く末はどうあるべきかを問いながら、戦いをしてまいりたいと思います。  新たな県政ビジョン骨子案についてお伺いします。  平成二十年三月、前知事のもとで、かごしま将来ビジョン─日本一のくらし先進県への道─が策定され、十年が経過しようとしています。議会開会日、全員協議会の場で、今回、三反園知事のもとで策定が進められている新たな県政ビジョンの骨子案が示されました。これまで代表質問、一般質問で論議が交わされてきたところでありますが、重複する部分はお許しいただき、現ビジョンと比較し、私の見解も述べさせていただきながら、通告に従って質問してまいります。  まず、率直な感想として、新たな県政ビジョンは第一章から第六章で構成され、表現の仕方、列記の順序に違いがあるものの、現かごしま将来ビジョンとそんなに変化のない計画になっていくのではという印象を持ったところであります。
     そこで、時代の潮流と鹿児島の現状・課題について伺います。  現ビジョンの策定時は、平成の大合併が進み、本県の市町村の数も九十六から四十六市町村になり、権限移譲プログラムに基づき、県から、意欲を持つ市町村に対し、地域の実情に応じて三百十七事務の移譲、それに伴う財源移譲の動きが始まったところであります。  当時県は、四百五十一億円の財源不足を補うため、県単事業の削減、県費補助金の見直し、県職員数の削減などの歳出の見直し、県有財産売却、地方交付税を獲得するための努力などの歳入確保対策、歳入・歳出健全化のため財政改革プログラムを続行中でありました。各部の出先機関を二支庁、五つの振興局に統合し、模索の中で地域振興局も動き始めたころであり、ある種の危機感から不安・不満、批判が残る中、改革を容認せざるを得ないスピード感があったような気がします。  これらが同時に進行できたのは、前知事が地方自治に極めて堪能な経験を持った方であったこと、あの時代、鹿児島が求めた知事像であったかもしれません。  現在も財政規律上の厳しさは続いているものの、財源不足は解消され、大きな景気指標の一つである本県有効求人倍率は、当時と比べ〇・五七から本年七月には一・二三までになり、働き手不足が深刻化し、外国人観光客の増加しかり、県農林水産物輸出の伸び、とても当時予測できなかった数字であります。  三反園知事、県民はあなたにどのような知事像を求めているのでありましょう。みずからも使われ、知事の代名詞になっている民間出身の知事、この民間という言葉は何を意味し、何を期待されているのか、絶えず自問自答し、県政運営を行ってほしいと思います。  そこでお尋ねします。  第一点は、知事は、時代の潮流を十年前と比較される中で、県の現状をどう認識され、今後の潮流をどのように予測しておられるのか。  第二点は、時代の潮流を捉える中で、今後、何が県政の課題であると考えておられるのか、お伺いします。  今回示された骨子案で第三章に、鹿児島のポテンシャルが独立した構成になっております。そして、一、魅力ある観光資源から、九、豊富な健康・長寿─ウェルネス─素材まで、九項目のポテンシャルが列記されています。その中の、六、南の風土に培われた資質に富んだ人材の項目で、「明治維新の礎、近代産業の魁といった、近代国家・日本の形成に大きく寄与するとともに、さまざまな分野で多くの優秀な人材を輩出」。また、「幕末の混乱期に未来を切り拓いた若者を育てた教育風土や伝統が現在も継承」とあります。このくだりは、歴史的には評価されるものの本当に現在のポテンシャルであるのか、甚だ疑問の残るところであります。ポテンシャルの意味は、潜在すること、可能性としての力というものであります。  そこで伺います。  第一点は、三章で、鹿児島のポテンシャルとして構成する意義について聞かせてください。  第二点は、明治維新に活躍した人材を本県の潜在力、また今後の可能性の力として位置づける狙いはどこにあるのか、伺います。  知事は、新たな県政ビジョンについて、「第五章で施策展開の基本方向で掲げたさまざまな項目を、第六章で実現するための体制等について示したい」と答弁されました。  そこでお伺いします。  第一点は、県は、各分野に現存するさまざまな推進計画との連動性をどのように持たれるのか。  第二点は、ウェルネス素材の活用など新規の政策等については、新計画を策定して取り組むと理解していいのか、伺います。  次に、特定有人国境離島地域の地域社会維持に関する県計画について伺います。  本年四月の、有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法の施行に伴い、特定有人国境離島地域社会維持推進交付金が創設され、航路運賃等の低廉化、農水産物の輸送コスト支援、雇用機会の拡充、潜在型観光促進への支援がスタートしました。  特定有人国境離島に対する画期的な制度であり、人口減少や高齢化の進展、地域産業の低迷など、厳しい状況に置かれている甑島を含めた特定有人国境離島にとりまして、地域社会の維持に向け、強力な推進力になると大いに期待しているところであります。  スタートしたばかりの交付金制度ではありますが、人口減少や高齢化が進展する中、交流人口の拡大や物流コストの低廉化を進めるための方策、島内のインフラ整備などのハード事業が対象となる多様な制度への拡充は、緊急を要する課題であり、今後、望まれるところであります。  甑島には、六十二年の歴史を持つ航空自衛隊下甑島分屯基地があります。隊員の皆さんは、我が国への領空侵犯がないよう、一年三百六十五日・二十四時間、緊張感を持って片時も気を緩めることなく任務につかれております。そんな中にも、地域の郷土芸能保存のための取り組みなどにも積極的に参加されているところです。  分屯基地へ通ずる県道三百五十号は、下甑島の西側にある二集落への生活道路でもあり、島を巡回する重要な道路であります。しかしながら、道幅は狭く、急カーブも多い未改良の道路であります。  開設記念や島を訪問するたびに島民の皆様からは、何とかならないものか、要望をたびたび受けるところであります。せめて長浜地区から分屯基地までの未改良整備は早急に進めてほしいと思うのですが、藺牟田瀬戸架橋の進捗状況、甑島縦貫道の未整備区間の早期事業化を控えている中で、通常の離島予算では一向に前に進みません。  今回の本県有人国境離島の対象地域で、防衛のための自衛隊施設が存在するのは下甑島だけであります。この特別措置法の制定の趣旨に鑑み、分屯基地周辺整備を行うよう、県としても強く国に要望すべきではないでしょうか。  そこでお尋ねします。  第一点は、今回の県計画案においては基本目標として、本県の特定有人国境離島地域人口の社会減を五年間で五割改善することとなっています。目標を達成するには関係市町村との連携も必要であると考えますが、どのように連携を図りながら施策を進めていくのか、伺います。  第二点は、甑島地区の人口の社会増減の成果目標について、現況値はマイナス五十八人で、五年後の平成三十三年度の目標値はマイナス二十九人となっています。五年間で二十九人の社会減を改善するということでありますが、この目標値はどのような考え方で設定されたのか。また、目標達成するためにどのような施策を進めていく考えか、伺います。  第三点は、有人国境離島地域に係る施策の中で、保全については、国は、国の行政機関の施設の設置に努め、土地の買い取り等に努めるなど、主に国が対応することになっておりますが、防衛については、法や国の基本方針、県計画案は言及していません。しかしながら、甑島には、これまでも、これからも我が国の防衛にはかり知れない重要な役割を担っている航空自衛隊下甑島分屯基地が存在し続けなければなりません。防衛は国の専管事項でありますが、住民が生活する分屯基地の周辺整備も重要であると考えています。  そこで伺います。  特定有人国境離島地域に係る社会の維持のための生活環境整備に係る知事の所見をお聞かせください。    [知事三反園 訓君登壇] 33 ◯知事(三反園 訓君)お答えいたします。  特定有人国境離島地域の地域社会の維持に関する市町村との連携等についてであります。  同地域においては、有人国境離島法に基づく交付金を活用して、本年四月一日から、住民を対象とした航路・航空路の運賃低廉化を開始したところでありますが、住民以外の方を対象とした運賃の低廉化をと、従来から住民からの強い要望があります。これを受けまして、一歩前へ進めたいと思います。来月一日から、島外の高校に通う生徒や移住体験住宅を利用する方、離島留学生の家族等にも対象を拡大することといたします。  本事業の開始によりまして、地域の出身者である高校生や、将来住民となる可能性のある訪問者の移動に係る負担が軽減され、特定有人国境離島地域における条件不利性の解消に寄与するものと考えております。  県においては、現在、有人国境離島法に基づき、特定有人国境離島地域の地域社会の維持に関する取り組みを推進するための計画の策定も進めているところであります。私としては、市町村と十分に連携しながら、この計画に基づく航路・航空路の運賃低廉化、輸送コストの軽減、滞在型観光の促進、雇用機会の拡充などの施策に取り組み、特定有人国境離島地域の活性化を図ってまいります。 34 ◯企画部長(東條広光君)初めに、新たな県政ビジョンの骨子案について、まず、時代の潮流と県政の課題についてであります。  新たな県政ビジョンの策定に当たり、今後の十年間を展望するには、時代の潮流を的確に捉える必要がありますが、過去十年間と比較しますと、人口減少や少子高齢化の著しい進行、グローバル化や革新的技術の一層の進展など、本県を取り巻く情勢には大きな変化が生じているところであります。  例えば、本県の総人口の減少につきましては、平成七年から十七年までの十年間で二・三%減となる約四万一千人の減少であったのに対し、平成二十七年までの十年間では六・〇%減の約十万五千人が減少し、今後さらに大幅な減少が予想されているところであります。高齢化率については、平成十七年は二四・八%であったのに対し、平成二十七年には二九・四%となっており、今後もさらに上昇することが予想されております。  また、本県の外国人延べ宿泊者数については、平成二十八年は約四十八万一千人と五年間で五倍以上に急増し、県産農林水産物の輸出額については、平成二十八年度は約百五十五億円と五年間で二・六倍に増加しております。  さらに、スマートフォンやSNSが一般化するとともに、IoT、AIなどの革新的技術が急速に発展してきているところであります。  このほか、子供の貧困や働き方改革など新たな課題への対応が求められている状況にあります。  こうした状況を踏まえますと、人口減少や少子高齢化が著しく進行する中での地域活力の維持、グローバル化が一層進展する中での輸出、誘客促進等、魅力ある素材のさらなる活用、革新的技術を活用した生産性の向上や地理的条件不利性の克服などが、今後の県政の課題となるのではないかと考えているところであります。  次に、鹿児島のポテンシャルを章立てする意義などについてであります。  今般お示ししました新たな県政ビジョンの骨子案では、本県の魅力や強みを再認識して積極的に生かしていきたいと考えておりまして、これを鹿児島のポテンシャルとして章立てしたところであります。  明治維新に活躍した人材を輩出したことについて、なぜポテンシャルに位置づけられるかとのお尋ねでございますが、本県には、明治維新をなし遂げた先人を輩出した誇りや、郷中教育など若い人を育てる風土や伝統が継承されており、このことは、本県の将来を担う人材の育成を図る上での強みとなり得るものと考えたところであります。  次に、各種計画との連動性についてであります。  新たな県政ビジョンは、今後の県政のあるべき姿や施策展開の基本方針を示すものであり、県政全般にわたる最も基本となるものであります。  一方、県政におきましては、各分野ごとに、例えば、かごしま子ども未来プラン二〇一五やかごしま製造業振興方針など個別の計画や方針を策定しているところであります。新たな県政ビジョンと個別計画等の間に不整合が生じるような場合には、既存の個別計画等について見直しを行うことになろうと考えております。  次に、新たな政策に係る計画策定等の考え方についてであります。  新たな県政ビジョンの第五章、施策展開の基本方向におきましては、ウェルネス素材やIoT、AIの活用、働き方改革などの新たな項目についてもお示ししたいと考えております。これらの個別の政策の進め方等につきましては、必ずしも計画策定が必要となるものではないと考えておりますが、いずれにいたしましても、そうした点につきましても、今後検討してまいりたいと考えております。  次は、特定有人国境離島地域の地域社会の維持に関する県計画について、まず、甑島における目標達成に向けた取り組みについてであります。  県計画における基本目標につきましては、国の基本方針において、十年後に人口の社会減を解消することとしておりますことから、県計画の計画期間が五年間であることを踏まえまして、人口の社会減を五年間で五割改善することとしたところであります。このため、甑島においては、現状で年間五十八人の社会減となっておりますことから、その五割に当たる年間二十九人の社会減にとどめることを目標として設定したところであります。  県としましては、この目標の達成に向け、県計画に基づき、魚介類や野菜類などの農水産品等の輸送コストの支援、キビナゴ等の出荷体制構築などによる甑島ブランドの確立、観光資源等を生かした商品開発や販路開拓などによる雇用機会の拡充などに取り組み、農林水産業の新規就業者や新規雇用者の確保を図り、甑島の人口の社会減の改善に努めたいと考えているところであります。  次に、社会維持のための生活環境整備についてであります。  有人国境離島法におきましては、国及び地方公共団体は、領海、排他的経済水域等の保全等に関する活動に利用される有人国境離島地域内の港湾、道路等の整備のために必要な措置を講じるよう努めることとされているところであります。  県におきましては、離島地域における道路等のインフラ整備について、これまでも各般の施策を活用しながら取り組んできたところでありますが、今後とも、必要な事業が確実に実施できるよう、国に対し、支援措置の拡充や必要な予算額の確保について要望してまいりたいと考えております。    [鶴薗真佐彦君登壇] 35 ◯鶴薗真佐彦君 有人国境離島法における住民に準ずる者に対しての航路・航空路運賃低廉化の事業、これまでの、知事を初め、県、市町村の連携のもとの努力が実を結んだことと高く評価させていただきます。さらなる準住民に対する拡大のための御尽力をいただきたいと思います。  次に、県獣医師会との連携について伺います。  本県は、鹿児島黒牛やかごしま黒豚、黒さつま鶏など、全国を代表する畜産物のブランドを抱える全国有数の畜産県であり、畜産は、本県の農業産出額の六割以上を占めるなど、地域産業を支える重要な産業であります。  そのような中、いまだに韓国や中国など近隣諸国では、口蹄疫や高病原性鳥インフルエンザが発生しており、このような悪性伝染病の県内への侵入を許すと、畜産業のみならず地域経済への甚大な被害が想定されるところであります。  昨年は、隣県の熊本、佐賀、宮崎を初め、全国の九道県の十二の家禽農場において高病原性鳥インフルエンザが発生し、約百六十七万羽が殺処分されました。出水市においては、高病原性鳥インフルエンザウイルスは検出されましたが、出水市の地域関係者や家畜保健衛生所を初めとする行政が一丸となった防疫対策により、家禽農場へのウイルスの感染を防ぐことができたことは大変評価できるものであります。  また、この防疫対策の中で野鳥の感染状況については、鹿児島大学共同獣医学部の先生方が、迅速なウイルス分析など防疫対策に御協力くださったと聞いております。  本県の畜産を今後も安定的に発展させるためには、生産振興はもとより、口蹄疫などの悪性伝染病の侵入防止や蔓延防止、慢性疾病等の低減による生産性の向上などが必要であり、獣医師の役割は非常に重要であります。  このほか、獣医師の業務は、臨床医療のほか、食肉衛生や野生動物の保護、感染症対策、動物愛護など多岐にわたっており、このような獣医師が所属する県獣医師会は、県民への貢献が高い重要な組織だと認識しております。  このような中、県は、県獣医師会と家畜防疫活動に関する協定を結んだという報道がありました。  そこで、以下三点についてお伺いします。  第一点は、さまざまな観点から県民に貢献している県獣医師会の組織の概要と、どのような取り組みをしているのか、示してください。  第二点は、県は、なぜこの時期に県獣医師会と協定を締結されたのか。  第三点は、今回締結した協定により、県は、県獣医師会に対し具体的にどのような協力を要請するのか。また、どのような効果が期待できるのか、伺います。  次に、県職員獣医師の確保対策について伺います。  今後とも、本県基幹産業である畜産が持続的に発展し、家畜防疫体制や食品衛生検査体制の強化のためには、県職員獣医師の安定的な確保が重要であります。  農林水産省によると、平成二十六年末で全国の獣医師数は約三万九千百人、このうち、家畜伝染病の防疫や食肉等の安全を確保するために従事する公務員獣医師は約九千五百人の二四%であります。  一方、獣医師国家試験の合格者は毎年一千人程度で推移しています。獣医大学卒業者の就職状況は、小動物診療分野の四二%に対し、公務員獣医師は一七%にすぎません。これは、公務員獣医師の待遇改善が進まなかったからだと主張される方々がおられます。私も全く同感であります。  今日、全国的に獣医師の分野別の偏在が問題とされる中、十分とは言えませんが、本県は関係部において、他県に先駆け、県職員獣医師の安定的確保につながる方策の検討を行い、各般の対策を講じてきていると聞いております。  そこで、以下の点について伺います。  第一点は、これまでの県職員獣医師の確保に向けた取り組みを伺います。  第二点は、県職員獣医師は、全農場への立ち入り指導や畜産物の輸出検査など業務が増加する中、増員できているのか。また、現在の部局ごとの県職員獣医師数を示してください。  第三点は、県では、県職員獣医師の安定的な確保を図るため、獣医師に対する初任給調整手当を導入しているとのことでありますが、他県の導入状況と、全国的に本県がどのレベルにあるのか、伺います。  第四点は、今後、安定的な県職員獣医師の確保に向けてどのように取り組みを進めていくのか、お答えください。  次に、山口大学と鹿児島大学による共同獣医学部との連携について伺います。  欧州諸国の獣医系大学は四校から八校程度であり、最も多いイタリアでも十三校にすぎませんが、我が国には既に国立十校、公立一校、私立五校の十六校あります。そのうち獣医学部は五校程度で、多くは農学部の獣医学科であり、六年制教育の目的であった臨床・応用獣医学等の実務教育充実の裏づけとなる教員数、講座数、施設・設備等の増設は極めて不十分なままと言われております。  また、我が国の獣医教育は、欧米に比べ、伝統的に基礎獣医学に重点が置かれ、獣医臨床の実務教育が弱く、残念ながら国際水準に立ちおくれているのが現状と見られています。国際水準の教育を行える教員・スタッフの数は限られておるようです。  山口大学と鹿児島大学による共同獣医学部、北海道大学と帯広畜産大学による共同獣医学課程、岩手大学と東京農工大学による共同獣医学科及び岐阜大学と鳥取大学による共同獣医学科の設置など、教育資源を統合し、スケールメリットを発揮させる取り組みも行われていますが、さらに抜本的な統合・再編整備も今後さらに進むと言われているところです。  本県には多種多様な家畜・動物が存在しています。我が国に今後とも必要な臨床・応用獣医学を現場の課題から高めていく獣医の養成には最も恵まれた環境にある鹿児島大学と言っても過言ではありません。鹿児島大学共同獣医学部の発展は、本県畜産の振興に大きく寄与するものと思います。  そこでお尋ねします。  第一点は、県は、鹿児島大学共同獣医学部の現状をどのように認識されているのか。  第二点は、県は、鹿児島大学共同獣医学部とどのように連携していくのか、お伺いします。    [知事三反園 訓君登壇] 36 ◯知事(三反園 訓君)お答えいたします。  県獣医師会との防疫協定の締結についてであります。  県獣医師会は、これまでも、口蹄疫、高病原性鳥インフルエンザの発生に際し、県の防疫活動に協力できる会員獣医師への呼びかけを行うなどの協力体制をとっていただいたところであります。特に昨年度は、国内で高病原性鳥インフルエンザが多くの養鶏農場で発生するなど、韓国や中国などの近隣諸国では口蹄疫等の悪性伝染病が続発しており、国内への侵入リスクが高い状況にあったところであります。  このように、近年は口蹄疫などがいつ本県に侵入してもおかしくない厳しい状況にありますことから、万一本県で発生した場合に備えまして、県と獣医師会との連携体制をさらに強化することが必要と考え、本年八月に協定を締結したところであります。  県としては今後とも、県獣医師会と十分連携し、的確な防疫対策に努めてまいります。 37 ◯農政部長(川野敏彦君)県獣医師会の組織の概要と活動についてでございます。  県獣医師会は、県内のほぼ全ての獣医師が加入する会員数約一千名の公益社団法人であり、獣医師の人材育成、動物の保健衛生の向上、動物愛護精神の増進及び野生鳥獣の保護などに貢献することを目的としております。  主な取り組みとしては、畜産農家に対し自衛防疫意識の啓発を行うとともに、畜産物の安全性の向上につながる農場HACCP認証制度の普及啓発などに取り組んでおります。また、狂犬病予防接種の推進や動物愛護思想の普及啓発、希少野生生物の保護活動への支援、傷病等により衰弱した鳥獣の保護など、人と動物が共存する社会の形成に貢献するための取り組みを行っているものと承知しております。  次に、県獣医師会との防疫協定に基づく要請内容と期待される効果についてでございます。
     今回、締結した協定においては、事前に県獣医師会から派遣可能な会員獣医師のリストを提出いただき、万一、本県で口蹄疫などの家畜伝染病が発生した場合には、会員獣医師の速やかな派遣を要請することとしております。協力を要請する業務としては、口蹄疫が発生した際の牛や豚などの殺処分、高病原性鳥インフルエンザが発生した際の家禽の採血などを予定しております。  県獣医師会の会員獣医師の協力をいただくことにより、より迅速な初動防疫が可能となり、家畜伝染病の蔓延を防止し、畜産農家はもとより地域経済への影響を最小限に抑えることができるものと期待しております。  次に、県職員獣医師確保の取り組みと現在の体制についてでございます。  県職員獣医師の確保対策については、平成二十年度に取りまとめた獣医師確保に向けた取り組みの基本的な考え方に基づき、獣医師に対する初任給調整手当の導入、採用後のスキルアップを図るための職員立案型研修の創設、受験年齢制限の引き上げや採用試験の複数回実施、獣医師確保対策修学資金の貸与、全ての獣医系大学への訪問による本県への勧誘など、さまざまな取り組みを進めているところです。  県職員獣医師の業務については、家畜保健衛生所においては、家畜伝染病予防法の改正に伴い、原則年一回の全農場への立入検査・指導が義務づけられましたことや、食肉衛生検査所においては、県内畜産物の輸出量の増加に伴う衛生証明書の発行が増大しており、そのような状況なども踏まえながら、県では獣医師の確保に努めているところでございます。  現在、県職員獣医師数は二百五十人となっており、平成二十年度と比べ二十八人増加しております。また、部局別では、農政部が百十人、保健福祉部が百四十人となっているところです。  次に、県職員獣医師に対する初任給調整手当と今後の取り組みについてでございます。  初任給調整手当は、専門的知識を必要とし、かつ採用による欠員の補充が困難であると認められる職種の新規採用職員の初任給について、その水準を特別に調整し、必要な人材を確保する趣旨から設けられております。  本県における獣医師に対する初任給調整手当は、平成二十一年度から、採用後十五年間支給することとしたところであり、平成二十八年度からは、支給期間を二十年間に延長し、支給総額の増額を図ったところでございます。  初任給調整手当は、現在、本県を含め三十二道県が導入しておりますが、本県の支給総額は全国上位の水準にあるところです。  県職員獣医師の確保については、今後とも、これまでの取り組みを継続するとともに、他の畜産県の獣医師確保に向けた取り組み事例等も参考にしながら、さまざまな観点から検討し、獣医師の確保に努めてまいります。  次に、鹿児島大学共同獣医学部に対する認識についてでございます。  鹿児島大学共同獣医学部は、その前身も含め八十年近い歴史の中で、畜産県鹿児島の発展に多大な貢献をいただいており、平成二十四年には、国際水準を目指した獣医学教育の充実などに対応できる人材の育成を図るため、山口大学との間で全国初の共同獣医学部が設置されたところです。  共同獣医学部では、鳥インフルエンザや狂犬病などの検査を迅速に行える高度封じ込め実験施設の整備や、大隅半島の畜産振興と人材育成を目指した大隅産業動物診療研修センターを設置され、さらには附属動物病院の機能の高度化などが図られてきたところです。  このような取り組みによりまして、例えば、野鳥等の鳥インフルエンザの早期診断が可能となり、速やかに養鶏農家への警戒態勢を呼びかけることで迅速な防疫対策の徹底を図ることができ、大変感謝しているところでございます。  次に、鹿児島大学共同獣医学部との連携についてでございます。  県と鹿児島大学共同獣医学部は、平成二十六年に、産業動物や野生動物、愛玩動物などの動物疾病に係る相互連携協定を締結しておりまして、鳥インフルエンザなどの越境性動物疾病の検査、人への感染性を有する狂犬病の対策など、それぞれの資源や機能等の活用を図りながら、連携に努めております。  今後とも、この協定の趣旨に沿って、動物疾病等に係る連携を強化してまいります。    [鶴薗真佐彦君登壇] 38 ◯鶴薗真佐彦君 それぞれ御答弁いただきました。  日本食ブーム、日本の農水畜産物が現在こうして伸び続けているのは、やはりそこに安全の裏打ちがしっかりと評価されているからだと思います。  GAP制度については、本会議でも多くの議員も質問されましたけれども、本県は早い段階からK─GAP制度に取り組んでまいりました。このノウハウの蓄積は私はすばらしいものがあると思っております。HACCP制度、GAPの取り組みの中で、今後、JGAP、グローバルGAPの流れの中で、我が国も、JGAPを基本とした、成長著しいアジア圏を取り込んだアジアGAPの流れをつくろうと考えております。  認証制度の分野は、好むと好まざるとにかかわらずこの流れは進んでいくと思います。成長著しいアジア圏に最も近い、そして畜産の輸出の伸びも期待される将来の中で、獣医師の役割、HACCPや認証、GAP制度の中で大きな役割を担わざるを得なくなると思います。鹿児島大学とも連携されて、鹿児島のスタンダードがジャパンスタンダードに、そして、日本のスタンダードが成長著しいアジアスタンダードにというぐらいの思いを持って頑張っていただきたいと思います。  がん対策の推進に向けた取り組みについて伺います。  我が国においては、がんは、昭和五十六年から死因の第一位であり、生涯で約二人に一人が罹患すると推計されております。非常に身近な病であります。近年の医療技術の進歩により生存率が向上し、治療と生活の両立支援が重要な課題として浮き彫りとなっています。  策定から十年が経過したがん対策基本法が昨年改正され、がん患者が尊厳を保持しつつ安心して暮らすことのできる社会の構築を目指し、がん患者が、その置かれている状況に応じ、福祉的支援、教育的支援も含む必要な支援を受けることができるようにすることが基本理念に明記されたところであります。  また、本年六月に示された国のがん対策推進基本計画の第三期計画案では、全体目標に、がん患者を含めた国民が、がんを知り、がんの克服を目指すことを掲げ、分野別施策として、がん予防、がん医療の充実、がんとの共生及びこれらを支える基盤整備として、がん研究、人材育成、がん教育、普及啓発を進めていくとしています。  平成二十五年三月に策定された鹿児島県がん対策推進計画が最終年を迎えています。県は、次期計画策定の作業に取り組んでいるとお聞きします。がん対策において重要な早期発見・早期治療はもとより、これまでの取り組みで見えてきた課題を踏まえ、治療と生活の両立支援などにも今後、重点的に取り組んでいただきたいと思います。  そこで伺います。  第一点は、本県におけるがんによる死亡の状況、特徴、全国での順位、がんになる原因などを示してください。  第二点は、本県におけるがん対策のこれまでの取り組み状況、見えてきた将来への課題について示してください。  第三点は、鹿児島県がん対策推進計画に基づく取り組みの評価及び次期計画策定の方向性について示してください。 39 ◯保健福祉部長(藤本徳昭君)がん対策の推進について、何点か御質問いただきました。  本県におけるがんによる死亡状況等についてであります。  平成二十七年の本県におけるがんによる死亡者数は五千三百七十九人で、その内訳は、肺がん千二十四人、大腸がん六百八十六人、胃がん五百三十一人などとなっております。がん全体の人口十万人当たりの年齢調整死亡率の全国順位は、男性二十七位、女性二十五位、肺がんは男性三十八位、女性四十位、大腸がんは男性三十六位、女性三十七位、胃がんは男女ともに四十二位となっております。  また、平成二十三年から二十七年までの人口構成の違いを考慮した死亡率を見ますと、男女ともに総体的に全国平均よりも低くなっている中で、指宿、西之表、名瀬の各保健所管内における男性の死亡率は高いという特徴が見られます。  なお、がんのリスク要因としては、受動喫煙を含む喫煙、肥満、塩分の過剰摂取、過剰飲酒、ウイルスや細菌への感染などが挙げられるところです。  次に、本県におけるがん対策の取り組み状況についてであります。  本県のがん対策については、県がん対策推進計画に基づき、全ての県民が、がんを正しく理解し、がんと向き合い、がんに負けることのない社会の実現を目指し、がんの予防、早期発見、がん医療の充実等に重点的に取り組んでいるところであります。  具体的には、がん征圧県民大会やピンクリボン運動を通じた普及啓発、低線量CTによる肺がん検診費の助成、検診受診の勧奨等に取り組む企業との連携協定締結、検診精度の向上等の取り組みを進めてきたところであります。  また、国指定のがん診療連携拠点病院を十二カ所、本県独自のがん診療指定病院を十三カ所指定したことによりまして、県内全ての保健医療圏において、がん診療の拠点となる医療機関が整ったところであります。  一方で、全国と同様に、がん検診の受診率がほぼ横ばいの状態で推移していることが課題であると認識いたしております。  県がん対策推進計画に基づく取り組みの評価及び次期計画策定の方向性についてであります。  県では、平成二十九年度までを計画期間とする鹿児島県がん対策推進計画を平成二十五年三月に策定し、各般のがん対策に取り組んできたところであります。この結果、七十五歳未満の年齢調整死亡率が男女ともに低下するなど、一定の成果はあったものと考えております。  現在、国では、次期がん対策推進基本計画の策定に向けた議論が進められており、がん予防、がん医療の充実、がんとの共生及びこれらを支える基盤の整備が盛り込まれる見込みであります。  県といたしましては、次期計画の策定に向け、がん患者等へのアンケートを行ってきたところであり、今後、国が示す基本計画を踏まえ、医療機関や患者団体等で構成する県がん対策推進協議会での御意見等も伺いながら、本年度末までに新たな計画を策定することとしております。    [鶴薗真佐彦君登壇] 40 ◯鶴薗真佐彦君 先般、一滴の血液から十三種類のがんの有無を同時に診断できる検査方法を、国立がん研究センターなどのチームが開発したという報道を読みました。このチームは、がん患者らを対象とした臨床研究を進め、数年以内に国の承認を得たい考えで、どのがんも九五%程度の確率で発見でき、費用も二万円程度ということであります。また、唾液胃がん検査や日本医科大学による、がん探知犬というすばらしい取り組みもこの前紹介されておりました。  がん対策の推進の次期計画が、より受診率を高め、がん死亡の低減が現状よりもさらに図れるような計画を策定されることを望みます。  先ほど、有人国境離島対象地域の質問の中で御答弁いただきました。こうした地域の中で自衛隊施設があるのは、北海道の礼文島、長崎の対馬、そして我が県の薩摩川内市下甑島などであります。ぜひ調査もされて、生活環境の向上のために周辺整備の改善に向けて、しっかりと国に物言うべきことは知事も言い続けてほしいと思います。  今回の新たな県政ビジョンを踏まえて、それぞれの立場から議員が質問されました。私も大変重複した質問になったことはおわび申し上げますが、多くの議員が今回も、知事と職員との対話の時間が少ないのではないか、検討・協議の場が少ないのではないかと指摘されました。私も同感であります。知事が目指す県政の方向は何なのか、知事がどういう思いで県政運営を行おうとしているのか、多くの職員の言葉の端々から伝わってくるような、そういうコミュニケーションが必要なのではないかと思います。  今後も人材枯渇の時代が続く中、本県がアジアの成長をどのように取り込み、マンパワー社会を維持できるかの指針となるビジョンでなければなりません。知事の民間の発想がしっかりと、これまで県庁で蓄積された職員の英知にかみ合って、すばらしいビジョンが策定されることを期待申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)       ───────────── 41 ◯議長(柴立鉄彦君)次は、鶴丸明人君に発言を許可いたします。    [鶴丸明人君登壇](拍手) 42 ◯鶴丸明人君 皆さん、改めましてこんにちは。  今議会、最後の一般質問を務めさせていただくことになりました、霧島市・姶良郡区選出の鶴丸明人です。きょうの桑鶴議員、鶴薗議員に続く三番目の鶴であります。  私は、きょう締めているネクタイは、できるだけ穏やかに質問してねと願いを込めて、きょう、たくさんの地元の方の中に家内も来ておりますが、家内が贈ってくれたものでございます。議場に来て、ふと顔を持ち上げ知事のネクタイを見ると、全く同じ色、柄であります。これは気持ちを同じにせよとの引き合わせではないでしょうかね、そのようになるとよいですがね。知事の明確な答弁を期待するものであります。  さて、先輩各位の各般にわたる見識の深い、また格調の高い質問の後です。大トリの責任が果たせるか不安ですが、前回はやっと小トリ質問でした。今回は中トリぐらいの質問への脱皮を目指して、ここに立たせていただきました。  私の本日の質問は、大きく分けて二点であります。  一つは、観光による地域の振興という視点で、県北部湧水町並びに県央部鹿児島市に関するものであります。  もう一点は、去る三月の議会等で行いました私の質問、リーダーの資質についての質問に対し、知事が、リーダーの条件として五つの例を挙げて、また、西郷隆盛公の言葉を引き合いに答弁されました。  そこで今回は、この答弁も踏まえて、知事の政治姿勢をお伺いすることにいたしております。重なる部分もあるかと思います。またお疲れもあるかと思いますが、御清聴のほどよろしくお願いいたします。  早速質問に入ります。  まずは、県北部湧水町の観光による地域振興についてであります。  三点お伺いいたします。  一点目は、霧島アートの森についてであります。  「森の中展~森の中展、鹿児島県霧島アートの森の中展覧会」、あれっ、ちょっと音程が違いましたかね、のコマーシャルが七月十三日から九月十八日までの間、テレビで流れていました。皆様も耳にされたことと存じます。大変ユニークなコマーシャルという印象が私にも強く残っています。  鹿児島県の北部湧水町に、「文化の香り高い うるおいのある美しい地域づくりを目指して」とのコンセプトのもとに、霧島アートの森が平成十二年十月に整備されました。県民はもとより国内外の多くの方々の芸術的感動や創造的な感性を育む場として、また、子供から大人まで楽しく学んでもらえる芸術文化活動の場になることが期待されて、整備されたものであります。  一点目は、この霧島アートの森の入園者の動向、これまでの取り組み、今後の対応についてお示しいただきたい。  二点目は、県が取り組んでいる魅力ある観光地づくりについてであります。  私は、新たな観光地づくりに当たっては、その地域に点在する文化資源や幾つかの観光資源、いわゆる点を面として捉え、核となるものを見出し、創造することが必要な、大事なことだと考えています。  現在、湧水町においては、栗野岳周辺─アーモンド植栽地から沢原高原─、栗野岳レクリエーション村、ただいま申し上げた霧島アートの森などの文化資源や栗野岳温泉を生かした、芸術と自然による文化エリアの維持・形成を目指した全体構想が計画されています。  その一環として、周辺ルートの中心部に位置する栗野岳温泉に隣接した九州一の噴気孔を誇る八幡大地獄を新たな観光の核として、現地測量や基本設計を行うなど、そのための作業の取り組みを始めています。  栗野岳温泉は、御案内のとおり、西郷隆盛公が湯治にたびたび訪れた地でもあります。  県では、観光客の受け入れ体制の充実を図るため、県の単独事業で、年間十億円の予算でありますが、魅力ある観光地づくり事業に取り組んで、これまで大きな成果を見てきているところであります。私は、現在、湧水町が取り組んでいる全体構想に県のこの事業を取り込むことにより、県が整備した霧島アートの森のさらなる活性化にも資するものであると考えております。  そこでお尋ねいたします。  湧水町が進めている八幡大地獄の整備に伴う駐車場、トイレ、遊歩道等の施設については、県の魅力ある観光地づくり事業の整備方針、基本的考え方に照らし、合致した観光資源であると考えられますので、この事業等で支援すべきものと思いますが、いかがでしょうか。  三点目は、県道百三号の整備についてであります。  県道百三号栗野停車場えびの高原線は、JR栗野駅からえびの高原に至る予定の一般県道で、鹿児島県側は一九六一年、昭和三十六年に、宮崎県側は翌昭和三十七年に認定されている延長約十五キロメートルの路線であります。  これまで、沿線の霧島アートの森や栗野岳レクリエーション村、九州電力大霧地熱発電所等へのアクセス向上のために整備改良が進められてきているところであります。  私は、地域の観光資源を生かした観光地づくりには、幹線となる道路の整備が必要不可欠であると考えています。  そこで、次の二点についてお尋ねいたします。  一つ目は、先ほど申し上げましたが、栗野岳温泉は西郷隆盛公が湯治に訪れた地であり、平成三十年の大河ドラマ「西郷どん」による観光客の増加が見込まれます。しかしながら、栗野岳レクリエーション村から八幡大地獄までのうち約一・五キロメートルの区間は、道路幅員が狭く、離合場所は設置されているものの大型バスの運行が難しい状況にあります。  これらの解消を図るためには、急カーブの解消や離合場所の拡張を含めた整備に早急に取り組むべきであると考えますが、お伺いいたします。  二つ目は、県道百三号の未供用区間三・五キロメートル─鹿児島県側〇・五キロメートル、宮崎県側三・〇キロメートル─の整備促進についてであります。  この問題につきましては、この本会議で、新燃岳を含む霧島連山の噴火の際の避難道路等としての整備の必要性が過去質問されてきたところであります。しかしながら、「自然環境保全等の課題がある」との答弁で、その進展が見られていないところであります。  今般、この問題を共有する環霧島県議会議員連盟十五名─会員は、鹿児島県五人、宮崎県十人、会長は田之上耕三議員であります─におきまして、防災、観光、地域活性化の視点から、鹿児島県側はこれまでどおり〇・五キロメートルの整備を、宮崎県側はルートを変更して、現在整備済みの国有林道を活用してその改良整備を図り、早期の全線開通ができないか、協議を重ねてきたところであります。また、去る八月四日には、関係者一同で現場の確認をしてきたところでもあります。  そこでお尋ねいたします。  全面開通の問題は、鹿児島県と、その大部分を占める宮崎県側の協議が必要な課題であります。環霧島県議会議員連盟の意向も踏まえ、早急に両県で協議を進め、実現性の高いルートの検討を含めた整備の可能性調査等、一歩進んだ取り組みをしていただきたいと考えていますが、県の見解をお伺いいたします。  これで、第一回目の質問を終わります。 43 ◯県民生活局長(中山清美君)霧島アートの森についてでございます。  霧島アートの森の入園者数については、熊本地震の影響等により入園者数が伸び悩んだ平成二十八年度を除き、おおむね年間七万人から九万人で推移しております。なお、開園以来の累計入園者数は本日にも百五十万人を超える見込みであります。  霧島アートの森では、これまで、さまざまなメディアに対する積極的なPRを初め、魅力ある特別企画展の開催や、県内の小学一年生を対象に、上野原縄文の森と霧島アートの森を入園無料とする、もりもりカードの発行、旅行業者とのクーポン契約による誘客などを行っております。  霧島アートの森は、全国でも数少ない本格的な野外美術館であり、今後とも、関係機関・団体と連携しながら、国内外に向けた情報発信や誘客、PRに取り組んでまいります。 44 ◯PR・観光戦略部長(西 啓一郎君)魅力ある観光地づくり事業についてのお尋ねでございます。  魅力ある観光地づくり事業は、本県を訪れる観光客の受け入れ体制の充実を図るため、市町村の主体的な提案に基づき、県、市町村、民間団体等の役割分担を明確にしながら、事業を行っているところでございます。平成十八年度の事業着手以来、霧島市の霧島神水峡や南大隅町の雄川の滝周辺の景観整備など、県内各地で約百五十カ所の整備を進めているところでございます。  お尋ねのありました栗野岳温泉、八幡大地獄につきましては、多数の噴気孔から白い湯煙を噴き上げる様子は温泉地ならではの景観でございまして、また、周辺の霧島山麓地域における春の新緑や秋の紅葉等、四季折々の美しい自然景観が楽しめる観光地でございます。  今後、地元湧水町の具体的な提案内容等を伺ってまいりたいと考えております。 45 ◯土木部長(渡邊 茂君)県道百三号栗野停車場えびの高原線の整備についてです。
     県道栗野停車場えびの高原線については、これまで、霧島アートの森付近の日添工区の整備や、栗野岳温泉周辺の一車線区間に十六カ所の待避所の整備を行っております。  栗野岳温泉周辺の急カーブの解消や待避所の整備については、湧水町が進める観光施策の動向等を見きわめながら、現在、事業中箇所の進捗状況や優先度等を踏まえ、検討してまいります。  宮崎県境付近の交通不能区間につきましては、国立公園区域内にあることや地形が険しいこと、希少生物が確認されたことなどさまざまな課題があり、これまでに事業化に至らなかったところです。  この区間の整備につきましては、宮崎県と連携して取り組むことが重要であり、今後とも、整備に向けた課題について協議を進めてまいりたいと考えております。    [鶴丸明人君登壇] 46 ◯鶴丸明人君 それぞれ前向きな答弁をいただきました。  湧水町の八幡大地獄整備に伴う関連施設と、ただいまの県道百三号の未供用区間のこれらにつきましては、今後とも県の協議等が進むことになると思いますけれども、県としての指導、支援をよろしくお願いいたします。  県道百三号の未供用区間の整備促進については、この九月議会で宮崎県側でも質問、答弁がなされたところであります。  知事、両県とも課題は財源だと思います。ここは知恵の絞りどころではないでしょうか。霧島市、えびの市には自衛隊の駐屯地があります。防衛省の予算の中で、災害時避難道路整備にも対応できるものがあると思います。知事は鹿児島県防衛協会の会長でもあります。また、宮崎県知事とも太いパイプがあると聞いております。長年の懸案であったこの課題について、早急に宮崎県側と前向きな協議を進めていただくことを知事に強く要望しておきます。  引き続き質問に入ります。  次は、鹿児島港本港区─ドルフィンポート敷地を含む─エリアの整備についてであります。  平成二十九年二月の県の当初予算説明では、鹿児島港本港区エリアのまちづくり、事業費は約一千万円でありますが、このことにつきましては、どこに何をつくるのか、どのような方法、スケジュールで進めるのかなど、同エリアのグランドデザインを描くための調査・検討に要する経費を計上しているとの説明がなされました。  また、平成二十九年五月に土木部港湾空港課は、鹿児島港本港区エリアまちづくり検討事業調査支援業務委託プロポーザル実施要領を策定し、これに基づいて業者選定が進められたところであります。  これらを踏まえて、以下六点ほどお尋ねいたします。  第一点目は、この鹿児島港本港区エリアまちづくり検討事業調査支援業務委託プロポーザル実施要領によりますと、プロポーザルの参加者については、県が設置する業者選定委員会において、企画提案書の提出を要請する業者を選定するとあります。  そこでお尋ねいたします。  一つ目は、この企画提案書提出要請業者を選定するための委員会のメンバー及び委員長についてであります。  二つ目は、県は、十数社のコンサルタントに対し企画提案書の提出を要請し、プロポーザルを実施しました。しかしながら、このコンサルタントは東京を中心とした事業者でありました。  本県には、当該地域の経過・特性等を熟知した事業者が多数いるにもかかわらず、県が設置したこの委員会では、企画提案書の提出を要請するコンサルタントとして、スタートの段階から本県の事業者は除かれていますが、その理由をお伺いいたします。  第二点目は、その後、この実施要領に基づく手続を踏まえて、東京の八千代エンジニヤリング株式会社が最優秀提案者に選定されています。  そこでお尋ねいたします。  一つ目は、選定を行うために設置された県庁内の審査会のメンバー及び会長についてであります。  二つ目は、八千代エンジニヤリングの業績及び選定に至る経緯についてであります。  第三点目は、今年度の業務の目的は、ドルフィンポート敷地や北埠頭を含む鹿児島港本港区エリアについて、見せるまちづくり、来て見て感動するまちづくりの実現に向けて、同エリアにおける施設の整備、活用方策等を総合的に検討するための調査支援とあります。  そこでお尋ねいたします。  一つ目は、県は何をし、八千代エンジニヤリング株式会社は何を支援するのか。また、どのような役割分担で調査・検討を行うのかについてであります。  二つ目は、調査・検討の成果物としてどのようなものが示されるのか、お伺いいたします。  第四点目は、今年度の成果を踏まえ、次年度は県としてどのような取り組みを行い、その目的を果たそうとしているのか、お伺いいたします。  これで、第二回目の質問を終わります。 47 ◯土木部長(渡邊 茂君)まず、企画提案書提出要請業者及び最優秀提案者の選定についてお答えいたします。  今回のコンサルタントの選定プロセスにつきましては、まず、業者選定委員会を設置し、企画提案書提出要請業者を十二社指名した上で、参加表明のあった五社の企画提案について、同委員会において審査し、最優秀提案者を選定したものでございます。  同委員会につきましては、土木監を委員長とし、港湾空港課長初め、土木部、総務部、企画部、PR・観光戦略部の関係課長等で構成しているところでございます。  企画提案書の提出要請業者の指名に当たりましては、業務実績高や有資格者数等をもとに各業者の技術力を評価し、過去十年間における都市地域計画及び都市整備の企画の業務実績が二十件以上ある業者を指名したところ、結果として、県外のコンサルタントのみが選ばれたものであります。  最優秀提案者の選定に当たりましては、同委員会において、参加表明のあった五社の企画提案の的確性、実現性、独創性を審査するとともに、配置予定技術者の資格や同種・類似業務の実績、実施方針の手順など、評価基準に基づき評価・審査を行い、最も総合的にすぐれた提案者として、八千代エンジニヤリング株式会社を選定したところです。  同社につきましては、これまで、青森港のビジョン検討に係る業務、また、広島県廿日市市の新機能都市開発構想における支援等業務などの実績があるところであります。  続きまして、今年度の調査・検討における委託コンサルタントの役割や来年度の県の取り組み等についてでございます。  今年度の調査・検討においては、民間の開発事業者からのヒアリング、先行事例の調査などを実施し、さまざまな角度から検討を加えた上でケーススタディーを行うこととしております。  コンサルタントが行う業務につきましては、鹿児島港本港区エリア及び周辺の現状分析、観光・商業機能など活用方策のアイデア出し、民間開発事業者へのヒアリングの企画・実施及びその結果の分析をした上で、複数のゾーニング案を提案し、課題の整理やその比較・評価を行うなど、具体的な作業を担うこととしております。  また、県といたしましては、特に重要な民間開発事業者へのヒアリングや観光・商業機能の検討、複数のゾーニング案の比較・評価などに積極的に関与するほか、調査・検討全体のマネジメントを行うこととしております。  このように、県とコンサルタントが作業を進め、来年二月を目途にケーススタディーとして複数のイメージを作成し、県として公表したいと考えております。  来年度につきましては、県議会を初め、さまざまな方々から幅広く御意見を伺った上で、最終的なグランドデザインを策定したいと考えており、そのための検討委員会の設置も視野に入れてまいりたいと考えております。 48 ◯鶴丸明人君 自席から知事にお伺いいたします。  企画提案書の提出を要請する業者には、一定の基準を設けた結果、県内の業者はこれから除かれたといった趣旨の答弁がありました。  私は、これは逆で、県内の事業者を除くために、初めから一定の業者に誘導するための道筋の一つではなかったのかという疑念を以下の点で思っておりますので、知事の明快なお答えをお願いいたします。  私は、県が策定した実施要領であれば、県内でも企画提案できる事業者は今でも幾つかあると思っております。今回この質問をするに当たり、県内の複数の事業者に直接お会いし、県が作成した実施要領を示し、見解をお伺いいたしました。いずれの業者も、「対応が可能である。地域の特性等を知っている我々は、目的に沿ったいろいろなアイデアも持ち合わせている」ということでありました。  知事、私は、このようなプロポーザル方式で事業を進める場合は、本当にすばらしい企画提案書を求めるのであれば、県内はもとより県外も含め、広く企画提案いただけるような基準を設け、まずは県内の事業者を要請の対象者に、次に、県外の事業者で本県と同様な港あるいは港湾の背後地における都市計画事業等に携わった事業者を、要請の対象者として選定すべきであると思います。これなら理解できる手順だと思います。知事はそう思われないんでしょうか。  しかしながら、今回の場合は、企画提案書の要請は東京を中心とした県外の事業者のみに行っております。この地域の状況を熟知した業者は初めから蚊帳の外であります。私が先ほど申し上げた県内の業者は、何ら説明を受ける機会もなく、県が設置した委員会の選定作業で、初めから外されるような方式で事が進められておる。不自然ではないでしょうか。知事、誰もが疑問を持つことだと思います。地元を大切にする知事ならば、県内の事業者にも配慮が必要ではなかったかと思います。  そこでお尋ねします。  知事は、このような進め方に疑問はお持ちにならなかったんですか。逆に、地元を除くような方策を示唆されてはいないでしょうね。明確にお答えください。 49 ◯知事(三反園 訓君)業者選定委員会を設置いたしまして、広く提案いただいた上で公平・公正に判断したと、決定したと、そういう報告を受けております。  いずれにしましても、国際観光都市の象徴としての機能を果たす、そういう観点から判断したものと思っておりますし、地域の特性プラスアルファも含めてさまざまな形で国際観光都市、その象徴としてのドルフィンポート跡地の開発ということになりますので、そういった点から選定委員会のほうで判断して決定したと、そういう報告を受けております。 50 ◯鶴丸明人君 そこが解せないんですよね、知事。知事は鹿児島県の知事なんです。あえて初めから、外ではなくても地元にも立派な人がおられるじゃないですか。知事も知っておられると思いますよ。そこには何ら説明もせずに、県が設置した委員会が、何年間の実績とか、これは一つの基準づくりだと思います。そういうことで県内の業者が入れないような仕組みをつくった上で、そしてやっていると。加えて、私は実際お聞きしているんですよ。この程度で、この目的であれば十分やれますよと、提案ができますよと、そういう人たちが外されて、外で、場外で相撲が取られていると、これはどう考えてもおかしいんじゃないですか。もう一回お伺いします。 51 ◯土木部長(渡邊 茂君)ただいまの御質問にお答えします。  先ほど説明したことと一部重なりますけれども、今回は二段階で最終的に今回の担当するコンサルタントに決まったという点がまず一つです。最初に、企画提案していただくための業者さんを選ぶ必要があります。このときに十二社を指名したということでありまして、その十二社に企画提案していただくという二段階のプロセスを踏んだわけですけれども、その最初の十二社を選んだときには、申し上げましたが、業務実績だとか有資格者数、それから過去十年間におけるこういった内容の調査の実績、これらを客観的に調べまして、その中で十二社を選んでおります。結果としては県外の業者だけになったということですので、客観的に選んでおります。  その十二社に業務内容の提案をいただくわけですけれども、その際に手が挙がったのは五社でありまして、七社については、指名したんですけれども御提案いただかなかったということで、五社のもの、これについて我が社はこういう方法でこの調査をやりますという提案をいただいております。その際に、その内容を審査するということをしておりまして、的確性、実現性、独創性等あるんですけれども、その中には、プロポーザルの実施要領、この中に表でつけておりますけれども、地域精通度というようなものも入れて総合的に評価しているところであります。    [鶴丸明人君登壇] 52 ◯鶴丸明人君 土木部長、答弁がありましたが、その十二社を選んだところから疑問なんですよ。みんなが恐らくそういう思いを持っておられると思います。コメントは後にして、先に進みます。  次は、サッカースタジアムなどスポーツ施設についてであります。  鹿児島港本港区エリアまちづくり検討事業調査支援業務委託プロポーザル実施要領には、見せるまちづくり、来てみて感動するまちづくりという表記はありますが、どこを見ても、サッカースタジアムなどスポーツ施設を除くという記述は見当たりません。  去る六月の本会議で下鶴議員が、サッカースタジアムなどスポーツ施設について、海外の有名な施設に触れながら、世界から集客できる観光施設であり、この実施要領に示された見せるまちづくり、来てみて感動するまちづくりに当たるのではないかとの発言をされています。私も同様に、スポーツ施設も見せるまちづくり、来てみて感動するまちづくりの一つだと考えています。  そこで、第五点目は、誰が、どの時点で、サッカースタジアム等スポーツ施設は鹿児島港本港区エリアまちづくりの検討において除くことを決定したのか、お伺いいたします。  第六点目は、鹿児島市との調整であります。  鹿児島市が設置しているサッカー等スタジアム整備検討協議会、八月二十五日開催の第三回検討協議会において、冒頭、県の委員から、「ドルフィンポート敷地には、県としてはサッカースタジアムの立地は考えていない。ドルフィンポート敷地を中心としたエリアについては、年間三百六十五日、国内外からの観光客でにぎわうような魅力的な港、もう一回行ってみたいというリピーターが来る観光地にしたいと考えている」旨の発言がされています。  この発言に対し事務局からは、この協議会では特定の具体的な立地場所を指定するのではなく、エリアとしてどのような場所が望ましいかについて議論を進めていきたいと、やんわりと県のこの発言を否定する形で協議が進められています。  結果、当日の協議会では二つのことが決定されています。  一つは、サッカー等スタジアムは鹿児島市の地域経済の活性化や市民生活の豊かさの向上のため必要である。二つ目は、立地の条件は都心部が最もふさわしいと決定されています。次回は、今後、施設の機能─複合的なものを含め─について議論されることとなっております。  一方、鹿児島市の九月議会では、「さきの協議会において、サッカースタジアムはドルフィンポート敷地には考えていない旨、県は意見を述べているが、この意見は県議会の全ての意見を含めてのものか」という質問に対し、市当局は、「知事が記者会見とか県議会の場で発言されたものと伺っている」との答弁がなされています。  また、「協議会で立地の条件として協議決定された都心部とは、ドルフィンポート等のエリアで、いわゆる街なかスタジアムといった概念の候補地に当たるものであります」と、一方、「農業試験場跡地は、都心部の周辺エリアに当たる」旨の質疑応答がされています。  私は、このままの状況で事が進んでいくと、今後、鹿児島市において、具体的な場所としてドルフィンポート敷地を視野に検討が進められることが十分想定されると考えています。  したがって、年度末のまとめの段階で、ドルフィンポート敷地には県としてはサッカースタジアムの立地は考えていないとする県と、市、双方に相当の混乱が生じるのではないかと思います。  また、ただいま答弁のあった、県の平成三十年度の進め方にも支障が生じるのではないか。場合によっては、スポーツ施設等を除いた県のコンサルへの委託、すなわち八千代エンジニヤリング株式会社への委託が適切であったか否かを問われる事態が生じるのではないかと懸念しているところであります。  知事は、「鹿児島市とはいろいろなことを話している」旨、たびたび発言されておりますが、話し合いが進んでいればこのような状況は生じないのではないかと理解に苦しんでいるところであります。知事、早急に県と市の調整を図っておくべきではないかと思いますが、知事の考えをお聞かせください。 53 ◯土木部長(渡邊 茂君)ドルフィンポート敷地へのサッカースタジアム等のスポーツ施設の立地についてでございます。  ドルフィンポート敷地を中心としました鹿児島港本港区エリアにつきましては、来て見て感動するまちづくりの観光の目玉スポットとして、国内外から観光客を呼び込むための拠点としたいとの考え方に基づきまして、これまで六月議会や七月の知事定例記者会見で、「ドルフィンポート敷地にサッカースタジアムは考えていない」と申し上げたところであります。  こうした県の考え方につきましては、先月開催されました鹿児島市設置のサッカー等スタジアム整備検討協議会において説明しているところであります。 54 ◯鶴丸明人君 鹿児島市との協議。答弁漏れ。 55 ◯土木部長(渡邊 茂君)「こうした県の考え方について、鹿児島市が設置しているサッカー等スタジアム整備検討協議会においても説明している」という部分が、鹿児島市への説明の一環であると考えております。 56 ◯鶴丸明人君 答弁をお聞きしておりますとですね、これは土木部長が決められたんですか。それは知事でしょう。お答えいただきたいと思います。 57 ◯知事(三反園 訓君)ただいま土木部長の答弁したとおりでありまして、もう一回繰り返しますけれども、ドルフィンポート敷地を中心とした鹿児島港本港区エリアにつきましては、来て見て感動するまちづくりの観光の目玉スポットとして、国内外から観光客を呼び込むための拠点としたいとの考え方に基づいて、これまでも六月議会、そして七月の知事定例記者会見で、「ドルフィンポート敷地にサッカースタジアムは考えていない」と申し上げたところであります。  こうした考え方につきましては、鹿児島市設置のサッカー等スタジアム整備検討協議会においても説明したところであります。 58 ◯鶴丸明人君 知事、スポーツ施設をこのエリアにつくらないというのであれば、知事はここにどういうイメージを持っておられるんですか。何もなしで、さらで絵を描いていただいて、これでこうということじゃないと思いますがね。  例えば今までの話では、ガラス張りのシーフードレストランみたいな話というのは聞いたことはあります。ある人の話によると、知事はマリンメッセ福岡みたいな、そんなイメージでもあるんじゃないんでしょうかと。まだ今まで何にも聞いていないんですよね。であれば、そういうイメージもないままにサッカースタジアムは最初から除くんですよと言われるのは、サッカースタジアムが絵に描かれたら困るんじゃないかと、そういうことも懸念する人はおるんですよ。  知事は、「鹿児島市との協議は定期的に月一回程度やっているので、いろいろと話しております」と言われますけれども、いいですか、これはしっかり答えてください。この部分については鹿児島市長と本当に詰めておられるんですか。詰めておられればこういう議論は出てこないと思います。その点しっかり答えてください。 59 ◯知事(三反園 訓君)私は、ずっと繰り返しておりまして、ドルフィンポートを含めて本港区エリアにつきましては、来て見て感動するまちづくりにしたいとそういうことをずっと言っております。国内外から観光客を呼び込むための拠点として考えており、そのために、今ありました、シーフードレストランというのはイメージをわかりやすく伝えるための一つの要素として申し上げておりますけれども、いずれにしても、エリア全体のグランドデザインを策定した上で総合的に検討してまいりたいと、ずっとこれは一貫して申し上げているところでありまして、記者会見もそうですけれども、さまざまなところで、議会でもこういうことを答弁しております。この点に関しては、森市長も十分御承知だと私は思っております。 60 ◯鶴丸明人君 だから、知事がイメージを示さないで、「森市長が知っておられるであろう」と言うことがおかしいんですよ。しっかりとそこを話しておられないから、今のような問題が生じるんですよ。(「自席から質問は二回までだよ」と呼ぶ者あり)二回ですか、済みません。それなら壇上に上ってからやります。    [鶴丸明人君登壇] 61 ◯鶴丸明人君 議長の許可をいただいておりましたので発言を続けていたところでございますが、場内から御指摘がございましたので、この件につきましては、曖昧な答弁を大変不満に思いながら、最後のまとめの段階でまた発言させていただきたいと思います。  引き続きまして、知事の政治姿勢についてお伺いいたします。  知事は、三月議会でトップリーダーの資質についてお尋ねしたところ、「積極的に現場に赴いて、現場の声を聞くとともに、県議会の皆様や県民の方々、県職員などさまざまな意見を伺うことが不可欠であると考えております。また、さまざまな意見を踏まえた上で最終的な判断を示すこと、いわゆる決断力、その上で、判断したことについて信念を持って推進していくこと、信念と行動力がリーダーにとって必要なものではないかと考えている」と答弁されています。  さらに、長年の政治記者としての経験をもとにした考えとして、雰囲気、言葉、ぶれない、体力、運の五条件を示されました。  加えて、「私の敬愛する西郷隆盛公は、保身を排し、人生の全てをなげうって、人のため世のために命がけで尽くしなさいと教えております。こうした教訓を心に県政に取り組みたい」とも述べておられます。  このことを踏まえて、次のことについてお尋ねいたします。  一点目は、県政一年を振り返ってのマスコミの評価記事についてであります。  三反園知事は、平成二十九年七月二十八日に就任一年目を迎えられました。その日を機に、地元紙を初め各社が、知事就任一年を振り返っての評価の連載記事を掲載しました。多岐にわたるものでありましたが、その主なものは次のようなものでありました。  これまでの知事に比べフットワークがよい、メディアの活用が上手だといった高い評価の記事もあったものの、選挙目当ての公約に失望感─マニフェスト後退の説明不足─、原発反対団体の平良行雄氏との面会拒否への疑問、選挙時の後援会責任者等支援者の離反、マスコミ記者に対しBPO─放送倫理・番組向上機構─への提訴を示唆したとする発言に対する曖昧答弁、定例記者会見の少なさなど、県民の信頼を失うような記事も多く見られました。  私は、西郷南洲翁が残しておられる言葉である「信頼」が最も大事ではないかと考えています。知事というリーダーは、「信なくば立たず」の言葉がより求められる立場の政治家だと思います。  そこで、知事に伺います。  一つ目は、このようなマスコミを通した県民の声をどう受けとめておられるのか。  二つ目は、記事の中に、トップの手腕は実務を担う部下をマネジメントできるかどうかである。知事は外出が多いので意思疎通できるのか不安、もう少し庁内にいたらどうかという経済界からの意見もありました。今議会においても、ただいまの鶴薗議員を含め、複数の議員からも指摘がありました。私もそう思っている一人です。  このような声に対し、知事は、「庁内で職員とも十分協議している」との答弁をされましたが、にもかかわらず、今も多く聞かれるところであります。知事が部下を十分にマネジメントできているというのは、知事のひとりよがりではないかという気もしてなりません。
     そこで、このような声をどう受けとめておられるのか、お考えを再度お示しいただきたい。  これで、第四回目の質問を終わります。    [知事三反園 訓君登壇] 62 ◯知事(三反園 訓君)県政一年を振り返ってのマスコミの評価記事についてのお尋ねがありました。  私も長くマスコミの世界におりました。マスコミというものは往々にして時の政権に厳しい報道姿勢で臨むものであります。私は、県民の負託を受けた立場でありますので、当然ながら、批判に対しては真摯に耳を傾け、謙虚に対応してまいりたいと考えております。  外出が多いとの御指摘がありましたが、そうした印象が強いということは、県民が主役の政治を貫いている、貫く上で逆にまことにうれしいことでもあります。ただ、平日のほとんどは知事室におりまして、県職員との協議等でスケジュールがびっしりと詰まっております。  今後とも、現場の声に真摯に耳を傾け、職員と心を合わせて、県民が主役の県政を推進してまいりたいと考えております。 63 ◯鶴丸明人君 自席から質問させていただきます。  マスコミの対応につきましては、ただいま、「謙虚に受けとめながら、そして今後、適切な対応をする」という期待していたとおりの答弁がありましたが、部下のマネジメントを含め、職員との対話の関係については、私はそういうことだけじゃないんじゃないかと思います。  知事が県庁におられるとか、びっしりスケジュールが詰まっているとか、歴代知事もみんなそうですよ。ただ、職員は優秀な方が、伊藤知事さんも話がありましたように、鹿児島県の職員は優秀ですよ。知事が行かれなくてもいいようなところも含めて、職員が声を聞く場もたくさんあるわけです。  知事、要はこのマネジメントというのはどういう意味で指摘されたかというと、知事、懸案事項が幾つかあるでしょうと、知事が検討しなければならない。例えば私が申し上げたような鹿児島港本港区のこの問題はどう調整するのか、諸般の情報はどうなっているのか、これに対してはどう動くべきか。それは車座対話で知事はフットワークのいい人ですよ。鹿児島市から相談があれば何かそれに応じますというそういう姿勢ではなく、自分がどう動けばいいのかということを考えられるのも一つなんですよ。そういう議論をしてくださいと。  そして例えば、きのう病院の問題もありましたよね。いや、知事、そこから怒ったような顔をしていないで、答えないでくださいよ、まだ質問しているんですから。  そういうことなんです。そういうことが十分にされているのかということを皆さんが疑問を持っておられる。ですから私は、知事、本当に確信を持って、「自分はここにおるから、外に出ないときは県庁の中におって十分協議しているから」と言い切っておられますが、職員もそういうふうに見ていると自信を持っておられるのかどうか、もう一回お答えください。 64 ◯知事(三反園 訓君)批判もいろいろとあろうかと思います。思いますが、日々努力することが大事だと思っております。いつも言っておりますけれども、努力したところに来るのが運であります。運を運んでこなきゃいけません。努力して、運が来るまで努力し続けること、県庁職員は非常に努力しております。本当に努力しております。  今度の共進会もそうであります。共進会へ向けて畜産課長と何回も打ち合わせして、何が何でも日本一をとろうじゃないかと、そのためにどうすればいいんだと、戦略はどうするのかと、本当に真剣に議論して、議論して、議論して、多分畜産課長は相当なプレッシャーを感じていたことと思います。今、一番ほっとしているのは畜産課長かもしれません。それぐらいみんなで努力して一つの目標に向かって、今、頑張ろうとしているわけであります。  鹿児島は来年、明治維新百五十年、そして「西郷どん」もあるわけです。そこへ向けて批判とか、後ろ向きとか、足を引っ張るとか、そういうことではなくて、みんなで一致結束して前を向いて県民のために努力しようと、それが今の県庁であります。そして県民のために尽くして、尽くして、尽くして、そして県民のために運が来るように、そして鹿児島がよくなるように努力していきたいと思っております。  また、先ほど外出の点で、経済界はと御指摘がございましたが、これは的を射た発言ではないと私は思います。私もこういう立場になりまして、さまざまな経済界の方々と接触し、御意見等も伺っているところであります。今、要するに、前を向いて何とかしようじゃないかと経済界の方々も必死なわけであります。これだけポテンシャルのある鹿児島を生かしてどうすればいいかと、そういう議論を今、経済界の方々とも必死にやっているところでもあります。  そして、マスコミの記事を含めて批判もありましたけれども、私は現場にいて、そして永田町で長く経験させていただきました。そのとき、中曽根さん以降、総理大臣と接してさまざまなことも聞いてまいりました。トップというのは、総理大臣が大体言っておりましたけれども、「これをやっても批判される、あれをやっても批判される、何をやっても批判される、それがトップなんだよ」、そういうことも言っていました。どうしてでしょうか。私はこう思うんですね。  皆さん、国会議事堂の中に行ったことがありますでしょうか。多分あると思います。国会議事堂を正面から見て右が参議院、左が衆議院であります。真ん中に正面玄関があります。その正面玄関の中に(「質問に答えてください」と呼ぶ者あり)今、答えを言います。続けてよろしいでしょうか。正面玄関の中に胴体含めて四つあります。胴体、つまり固定する銅座が四体あって、三つ、大隈重信、板垣退助、伊藤博文があります。一体だけありません。これは未完だからであります。政治は未完です。未完だからこそ批判し続けられるわけです。批判を受ける立場であるということであります。だからこそ、何をしなきゃいけないかというと、完成へ向けて県民のために、安心・安全そして生活がよくなるように努力し続けることが大事であります。け死ん限り、私は今後とも走り続けようと思います。け死ん限りと言っているのは本気です。私は死んでもいいんです。そういう思いで、覚悟で今、取り組んでいるんです。それは子供たちのためであります。今、子供たちは頑張っております。この子供たちのために本当にすばらしい鹿児島をつくってバトンタッチしてあげる責任が、今、鹿児島に生きている大人にあると思っております。一番責任があるのは私であります。だからこそ必死に、今後とも、け死ん限り走り続けようと思っております。よろしくお願いします。(発言する者あり)    [鶴丸明人君登壇] 65 ◯鶴丸明人君 すばらしい自信にあふれる答弁をお聞きいたしました。これで県政も安泰ではないのかなという思いがしたところであります。  次は、新たな県政ビジョンについてでありますが、この件につきましては、既に各議員からも質問があり、答弁もなされて、重複しているものもあります。また、今議会の常任委員会で発言・提言の機会もあり、新たな県政ビジョンへの反映も期待できますので、常任委員会で議論を進めることとし、質問通告は全て取り下げさせていただきます。  いろいろと答弁いただきました。  知事の県政に対する評価は、県民の皆様がそれぞれ判断されることであります。  選挙区を回りますと、いや選挙区外でもそうですが、さきの知事選で三反園知事を支持された方々から、「知事は大丈夫ですか」とよく聞かれます。私はこれに対して、「平成二十九年度は知事就任後初めての予算編成や組織体制の見直しが行われました。装いも新たな船出となっています。就任一年を総括して期するものもあられるでしょうし、今後、県政ビジョンも示されます。新たに設置された委員会の結論も出てまいります。議会や新たな予算編成もあります。指導力を発揮されるのではないかと思っております。知事の真価が問われるのはこれからの半年だと思っています」と答えております。  今回は、そういうことも踏まえて質問いたしました。  前向きな答弁をいただいたものもありますが、ドルフィンポート敷地を含む鹿児島港本港区エリアの整備については、残念ながら余り歯切れのよい答弁を得られませんでした。初めから筋書きありのコンサル業者の選定ではなかったのか。なぜ、どうしてという疑問が残る答弁でした。  また、まちづくりについては、本来、当該市町村が主体的に取り組み、県がこれを支援するのが筋だと思います。鹿児島市が来たら、尋ねたら答えるという姿勢。本末転倒ではないかという印象も強く持ちました。  今後、鹿児島市等との協議において、知事の発言の責任、重み、政治力が問われる課題が残ったままだと思います。  また、コンサル業者選定の問題も含め、この事業費は一千万円ですが、たかが一千万円ではなく、されど一千万円という意味もあるものであります。今後の動向を見守ってまいりたいと思います。  知事は、政治家像として、「現場第一主義」だとか、「発言がぶれない」、「体力」、「運」だとか言われます。そのことも大切なことだと思いますが、鹿児島には、「うそをつくな」「負けるな」「弱い者をいじめるな」というシンプルな言葉があります。知事ももとより御承知だと思います。この「うそをつくな」という言葉こそ、人と人との信頼を築くために最も大切なものではないでしょうか。  マスコミの記事等に対する知事の答弁は余りにも形式的なような気がします。有言不実行の最たるものではないかと受けとめました。みずからまいた種はみずから刈り取る気概、勇気が必要ではとも思いました。  今年は西南の役から百四十年目、九月二十四日は西郷南洲翁の命日でありました。例年同様、南洲墓地に参りました。知事も行かれたと伺っております。西南の役で命を落とした若い人々の無念の思いをしのび、墓前で、七十一歳となった私は、今、何が必要か、何をすべきか、自問自答したところでございます。  私自身、県議会に身を置かせていただいて三年目でございます。二元代表制である議員として、支援者の皆様の期待に応え、その役割を果たすために、知事と同様に、け死んかぎい、きばいながら、これからも是々非々で発言や提言してまいりたいと思います。  本日は衆議院の解散がありました。大義はいかに、掲げる政策は、あるべき政治家とは。国民一人一人が考え、判断することであります。この議場から大きな夢に挑戦したいとの思いで一人の青年が飛び立ちました。同じ県議の一期生として、前途に幸あらんことを祈るばかりであります。  知事が敬愛される西郷隆盛公は、その遺訓の中で、「人を相手にしないで常に天を相手にするように心がけよ、天を相手にして自分の誠を尽くして、決して人の非をとがめるようなことをせず、自分の真心の足らないことを反省せよ」という言葉を残しておられます。  知事におかれましては、県民の期待に応えていただけますように祈念申し上げ、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 66 ◯議長(柴立鉄彦君)以上で、通告による質問は全部終了いたしました。  これで、質問は終結いたします。       ───────────── 67    △ 日程追加 ◯議長(柴立鉄彦君)次に、配付いたしておりますとおり、議案第七五号平成二十九年度鹿児島県一般会計補正予算第二号が提出されました。  お諮りいたします。  この際、これを日程に追加し、議題とすることに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 68 ◯議長(柴立鉄彦君)御異議なしと認めます。  よって、議案第七五号を日程に追加し、議題とすることに決定いたしました。       ───────────── 69    △ 議案第七五号上程 ◯議長(柴立鉄彦君)議案第七五号を議題といたします。  朗読を省略いたします。       ━━━━━━━━━━━━━ 議案第七五号 平成二十九年度鹿児島県一般会計補正予        算(第二号)       ━━━━━━━━━━━━━ 70    △ 知事の提案理由説明、質疑 ◯議長(柴立鉄彦君)知事に提案理由の説明を求めます。    [知事三反園 訓君登壇] 71 ◯知事(三反園 訓君)本日提案いたしました議案につきまして御説明申し上げます。  今回の補正予算は、本日、衆議院が解散されたことに伴い執行されることとなりました衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に要する経費を計上することといたしております。  補正予算の総額は、一般会計で十一億二千三百万円であり、この結果、補正後の一般会計の総額は八千百十億九千二百万円となります。  この財源につきましては、全額国庫支出金をもって充てることといたしております。  なお、直ちに衆議院議員総選挙等を管理・執行する必要がありますので、早期に御審議の上、議決していただきますようお願い申し上げます。 72 ◯議長(柴立鉄彦君)これより、質疑に入ります。  まつざき真琴君から質疑の通告がありますので、発言を許可いたします。    [まつざき真琴君登壇] 73 ◯まつざき真琴君 私は、日本共産党県議団として、ただいま提案されました議案第七五号平成二十九年度鹿児島県一般会計補正予算第二号について、質疑を行います。  本議案は、本日の臨時国会冒頭において解散となり、来月十日公示、二十二日投票で、第四十八回衆議院議員総選挙及び第二十四回最高裁判所裁判官国民審査が行われることになったため、その経費として十一億二千二百六十八万四千円の補正予算が組まれたものであります。  今回の選挙は、公職選挙法の一部を改正する法律、いわゆる区割り改定法が平成二十九年六月十六日に公布・施行されて後の初めての選挙となります。  そこでお尋ねする第一点は、法改正により本県の選挙区が五から四に一減となりましたが、そのことによって選挙の必要経費に変化があるのでしょうか。  二点目は、区割り改定法の施行から四カ月での執行となり、有権者の理解が進んでいるのか大変懸念いたします。この選挙区の変更の周知は十分であるのでしょうか。この間どのような努力をされてきたのか、また、周知のための予算の計上があるのか、伺います。  地方では過疎化と高齢化が広がり、投票所まで遠い、交通手段がない、施設や病院に入っており投票所に行くことが困難などの現状があります。また、昨年の参議院選挙から選挙権が十八歳からとなりましたが、若年層の投票率が低かったと報じられています。  そこで三点目として、投票行動が困難な有権者の参政権を保障し、若年層も含めた投票率の向上のために、啓発活動とあわせて、具体的に掲示板や投票所をふやすなどの工夫が求められていると考えますが、見解と予算上の措置について伺います。  以上、答弁願います。 74 ◯選挙管理委員会委員長(鎌田六郎君)まず、第一点目でございますが、区割り変更による選挙の必要経費の変化についてでございます。  衆議院議員総選挙の執行及び啓発に係る経費につきましては、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律におきまして、投票所の経費や開票所の経費、事務費等々、通常必要とする経費の一定基準が定められております。これに基づきまして、追加提案した補正予算案につきましても、この基準によりまして算定したところでございます。  小選挙区の区割り改定により、小選挙区が一減になったことに伴いまして、開票所経費や選挙会経費、こういったものは減になりますものの、一方で、基準単価の引き上げや選挙人の投票所への移動支援に要する経費などの加算などによりまして、選挙の執行及び啓発に関する全体としての経費は、ほぼ横ばいとなっております。  二点目の、選挙区の変更についての周知徹底に関する予算についてでございます。  県選挙管理委員会といたしましては、小選挙区の区割り改定に関する改正公職選挙法の公布直後から、新しい区割りの内容や地図を県ホームページに掲載いたしますとともに、市町村選挙管理委員会と連携をとりながら、広報誌、ポスター、チラシ等々を活用いたしまして、有権者への周知に努めてきたところでございます。  今回、追加提案した補正予算案におきましても、啓発に関する経費を計上いたしておりまして、関係団体とも連携しながら、引き続き、テレビ・ラジオなども活用いたしまして、効果的な周知・広報に取り組んでまいりたいと考えております。  三点目の、投票率向上等の取り組みに関する予算についてでございます。人口減少や高齢化が進む中で、選挙人の投票環境及び利便性の向上を図っていくことは重要であると考えておりまして、県選挙管理委員会といたしましては、市町村に対し、積極的な取り組みを要請しているところでございます。  県内市町村におきましては、これまで、投票所への移動支援の実施、大学や商業施設への期日前投票所の設置、移動期日前投票所の開設などのさまざまな取り組みが行われているところであります。  これらの経費につきましては、今回、追加提案いたしました補正予算案におきまして、市町村交付金として計上しているところであり、今後とも、投票環境の向上に向けた各種取り組みが積極的に行われますよう、市町村に対しまして、説明会を通ずるなどいたして要請してまいりたいと考えております。 75 ◯まつざき真琴君 御答弁いただきました。  投票率の向上の取り組みについて御紹介いただきました。投票率の向上のためには、選挙管理委員会とあわせて、候補者や政党の努力も必要かと思います。選挙管理委員会には、投票に行きたくても行けない方たちの参政権を保障するための取り組みを市町村とともにさらに具体的に強く進めていただくことを要望いたしまして、質疑を終わります。 76 ◯議長(柴立鉄彦君)以上で、質疑は終了いたします。       ───────────── 77    △ 議案第七五号委員会付託 ◯議長(柴立鉄彦君)次に、議案第七五号の委員会付託であります。  議案第七五号は、総務委員会に付託いたします。  ここで、委員会開催のため休憩いたします。  再開は、ブザーでお知らせいたします。        午後三時二十三分休憩       ────────────        午後四時二十五分再開 78 ◯議長(柴立鉄彦君)再開いたします。       ───────────── 79    △ 議案第七五号上程 ◯議長(柴立鉄彦君)議案第七五号を議題といたします。
          ───────────── 80    △ 総務委員長報告 ◯議長(柴立鉄彦君)これより、委員長の報告に入ります。  総務委員長の報告を求めます。  長田康秀君。    [総務委員長長田康秀君登壇] 81 ◯総務委員長(長田康秀君)当委員会に付託されました議案第七五号平成二十九年度鹿児島県一般会計補正予算第二号につきましては、全会一致で原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  審査の過程の主な論議について申し上げます。  衆議院小選挙区選出議員の選挙区の区割り改定後初めての選挙であることを踏まえた選挙啓発、投票率向上に向けた取り組みについて質疑があり、「区割り改定については、これまでも市町村選挙管理委員会と連携しながら、選挙人への周知に努めており、引き続き、ポスターやチラシ、ホームページ等を活用した周知・広報に取り組んでまいりたい。また、若年層への投票参加の呼びかけに重点を置き、関係団体とも協力・連携して、投票率の向上に取り組んでまいりたい」との答弁がありました。  委員からは、「投票しやすい雰囲気づくりも含め、投票率の向上に努力していただきたい」との要望がありました。  以上で、報告を終わります。 82 ◯議長(柴立鉄彦君)以上で、委員長の報告は終わりました。  御質疑はありませんか。    [「なし」と呼ぶ者あり] 83 ◯議長(柴立鉄彦君)御質疑はありませんので、質疑は終結いたします。       ───────────── 84    △ 表  決 ◯議長(柴立鉄彦君)討論の通告はありませんので、これより、議案第七五号について採決いたします。       ───────────── 85    △ 議案第七五号可決 ◯議長(柴立鉄彦君)お諮りいたします。  委員長の報告は、可決でありますが、そのように決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 86 ◯議長(柴立鉄彦君)御異議なしと認めます。  よって、この議案は、委員長報告のとおり可決されました。  お諮りいたします。  ただいま議案第七五号が可決されたことに伴う、議案第五七号平成二十九年度鹿児島県一般会計補正予算第一号の数字の整理につきましては、当席に一任いただきたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 87 ◯議長(柴立鉄彦君)御異議なしと認めます。  よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。       ───────────── 88    △ 議案第五七号─議案第七二号(議案第六〇号      及び議案第六九号を除く)及び報告第三号委      員会付託 ◯議長(柴立鉄彦君)次に、議案の委員会付託であります。  今回提出されました議案のうち、議案第六〇号及び議案第六九号を除く議案第五七号から議案第七二号まで及び報告第三号は、配付いたしております議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。  お諮りいたします。  議案第七四号は、会議規則第三十九条第三項の規定によって、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 89 ◯議長(柴立鉄彦君)御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。       ───────────── 90    △ 報  告 ◯議長(柴立鉄彦君)ここで、報告いたします。  ただいま常任委員会に付託いたしました議案のうち、議案第七二号につきましては、当席において、地方公務員法第五条第二項の規定に基づき、人事委員会の意見を求めましたところ、配付いたしております写しのとおり、意見書が提出されております。       ───────────── 91    △ 決算特別委員会設置(議案第六〇号、議案第      六九号及び議案第七三号同特別委員会付託) ◯議長(柴立鉄彦君)お諮りいたします。  議案第六〇号平成二十八年度鹿児島県歳入歳出決算について認定を求める件、議案第六九号平成二十八年度鹿児島県工業用水道事業特別会計決算について認定を求める件及び議案第七三号平成二十八年度鹿児島県病院事業特別会計決算について認定を求める件については、十二人の委員をもって構成する決算特別委員会を設置し、同特別委員会に付託することといたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 92 ◯議長(柴立鉄彦君)御異議なしと認めます。  よって、議案第六〇号、議案第六九号及び議案第七三号は、決算特別委員会を設置し、同特別委員会に付託することに決定いたしました。       ───────────── 93    △ 決算特別委員の選任 ◯議長(柴立鉄彦君)次に、決算特別委員会の委員の選任を行います。  お諮りいたします。  決算特別委員の選任につきましては、委員会条例第六条第一項の規定によって、配付いたしております決算特別委員名簿のとおり指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 94 ◯議長(柴立鉄彦君)御異議なしと認めます。  よって、決算特別委員は、配付いたしております名簿のとおり、選任することに決定いたしました。       ━━━━━━━━━━━━━   決算特別委員名簿  決算特別委員会    郷 原 拓 男   中 村 素 子    上 山 貞 茂   鶴 丸 明 人    瀬戸口 三 郎   井 上 章 三    松 田 浩 孝   田 中 良 二    寺 田 洋 一   酒 匂 卓 郎    日 高   滋   池 畑 憲 一                (十二人)       ━━━━━━━━━━━━━ 95 ◯議長(柴立鉄彦君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 96    △ 日程報告 ◯議長(柴立鉄彦君)十月六日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、議案及び請願・陳情の委員長報告、質疑、討論並びに表決などであります。       ───────────── 97    △ 散  会 ◯議長(柴立鉄彦君)本日は、これで散会いたします。        午後四時三十一分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...