鹿児島県議会 2017-03-08
2017-03-08 平成29年予算特別委員会 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 七、審査経過
……………………
午前十時開会
……………………
◯大園委員長 定足数に達しておりますので、ただいまから本日の
予算特別委員会を開会いたします。
本日の日程は、
総括予算審査であります。
質疑の順は、配付いたしております
発言順位表のとおりであります。
これより質疑に入りますが、この際、当席より特にお願い申し上げます。
執行部におかれましては、答弁は的確に、そして簡潔に行っていただきますようお願いいたします。
委員は、会派等に配分されました質疑時間が経過したときには、直ちに発言を終了してください。この場合、執行部の答弁はありませんので申し添えます。
また、各会派に配分されました質疑時間の範囲内で、
通告委員以外の委員からの再質疑も認められておりますが、その際は挙手の上、委員長の指名があった後に発言してください。
なお、会派等に配分されました質疑時間の終了一分前と、終了をチャイムでお知らせいたします。
最後に、当委員会の質疑は通告制となっておりますことから、再質疑を含め、通告外の内容に及ぶことがないよう御確認いただきたいと思います。
以上、よろしくお願いいたします。
ここで、暫時休憩いたします。
午前十時一分休憩
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午前十時二分再開
2
◯大園委員長 再開いたします。
ここで、関係者の出席についてお諮りいたします。
明日、三月九日午前の委員会には、
人事委員会事務局長の出席を求めたいと思いますが、御異議ございませんか。
[「異議なし」という者あり]
3
◯大園委員長 御異議ありませんので、そのようにいたします。
それでは、議案第一八号から議案第二八号までの十一件を一括議題といたします。
発言順位表に従って、順次発言を許可いたします。
まず、自由民主党の質疑であります。
本日の質疑時間は、答弁を含めて二百三十五分を予定しております。
なお、時間が限られておりますことから、答弁者が席に戻られる前に次の指名をする場合がありますので、御了承いただきたいと思います。
園田委員に発言を許可いたします。
[
園田委員登壇]
4
◯園田委員 おはようございます。
本日より二日間の日程で
予算特別委員会が開催されます。今回の
予算特別委員会から日程が二日間になり、これまでよりも予算審議が充実したものになるだろうと思っております。
また、この
予算委員会後、各
常任委員会におきまして質疑がなされますし、平成二十九年度の予算が県民にとりまして、また県内経済の発展につながる質疑になるのではと思っておりますので、限られた時間ではございますけれども、
自民党県議団の一番目として、平成二十九年度当初予算案について質問をいたしてまいります。よろしくお願いいたします。
さて、三反園知事におかれましては、
知事就任から半年以上が経過し、今回、初の来年度当初予算案を提案されたわけでありますが、まず一点目に、
知事就任前はメディアの世界におられ、国・地方自治体の
行財政状況を見てこられ、また、それに対してコメントをされてこられたわけでありますが、本県においても過去、
財源不足が生じ、その解消を図るためにその年度ごとに
予算編成がなされてきております。
知事にとりまして、就任前の
本県財政状況に対しての所見と、どのように民間から見ていらっしゃったものか。そしてまた就任後、県政運営を行っていくトップとして、本県の予算に対する知事としての所見、また
予算編成を行うに当たって一番重点を置かれたことについて、まずお伺いをしたいと思います。
[三反
園知事登壇]
5 ◯三反園知事 お答えいたします。
本県財政状況等に対する所見についてであります。
本県財政は、
自主財源に乏しく脆弱な
財政構造にある中で、扶助費が増加傾向にありまして、公債費も高水準であるなど厳しい状況であることから、将来にわたりまして持続可能な
行財政構造を構築することが重要であると認識しております。
また、予算につきましては、県政の方向性とそれに基づく個別の施策の内容を県民の皆様にお示しするものでありまして、その執行を通じまして、県勢の発展や
県民福祉の向上を図る非常に重要なものであると認識しております。
平成二十九年度当初予算につきましては、
財政状況が非常に厳しい中ではありますけれども、
財源不足を発生させず県債残高も減らすなど、
行財政改革を着実に進めながら、
子育て支援や明治維新百五十周年に向けた
取り組みなど、県勢の発展や
県民福祉の向上につながる
予算編成ができたのではないかと考えているところであります。
なお、
知事就任前も、本県が厳しい
財政状況であることは承知しておりました。そして、県勢の発展等に向けた積極的な施策と持続可能な
行財政構造の構築を両立しなければならないという考えを持っておりました。
予算編成作業を通じまして、改めてその重要性について認識を深めたところであります。
6
◯園田委員 今の御答弁で、
知事就任前も、本県の
財政状況というのは本当に厳しい状況であるというふうに認識していらっしゃったということでございますけれども、今回、本県県政上初めての民間出身の知事ということでございますけれども、外部から見ていらっしゃいまして、いろいろな思いの中で本県の状況というのはわかっていらっしゃっただろうと思いますけれども、今回、知事はマニフェストにおいても、民間の経験を生かし、県の
政策決定に営業・企画の観点を取り入れると、その政治姿勢が示されております。
政策決定の中でも予算というのは最も重要な政策であります。
そこで、平成二十九年度当初予算へ、その経験を知事としてどのように生かし、三反園カラーを出されたものと自分自身どのようにお考えであるのか、お伺いをいたしたいと思います。
[三反
園知事登壇]
7 ◯三反園知事 お答えいたします。
民間経験等の予算への反映についてでありますけれども、
政策決定に営業・企画の観点を取り入れると申し上げておりますのは、どうすれば鹿児島をよくすることができるのか、どうすれば鹿児島の
ブランド力を高めることができるのか、どうすれば鹿児島のものに付加価値をつけることができるのかを、前例にとらわれることなく県職員みずから考えて、いろんなアイデアを出すことが重要だと考えているからであります。営業マンの発想で前向きに企画し、展開していきたいと考えておりました。
このような考え方のもとに、昨年九月に、庁内職員による鹿児島の
活性化委員会を設置いたしました。この委員会では、庁内横断的かつ自由な発想で、本県を活性化するためのアイデアを出しまして、議論を行ったところでありまして、例えば、
かごしま有機抹茶の
世界ブランド化を目指す政策・
取り組みや、志布志港、川内港の利用促進を図るための
取り組み、幾つかのアイデアにつきましては、平成二十九年度当初予算において事業化を図ったところでもあります。
このほか、
トップシェフや
高級百貨店等のバイヤーへの
売り込み等を通じまして、鹿児島の食の
ブランド力アップを強力に推進する事業を新たに計上しております。
今後とも、魅力ある一流の本県の素材をいかに生かしていくか、職員と一緒になりまして、営業の発想も取り入れながら、県勢の発展にさらにつながるように努力してまいりたいと考えております。
8
◯園田委員 今、知事のほうから、民間の発想、そしてみずからの発想、営業的な発想、みずから今回の当初予算に対しましてさまざまな思いをお話しいただきましたけれども、そこで、施政方針の中でも、この文面というのは歴代の知事が使われる文章の一部でありますけれども、平成二十九年度当初予算の編成に当たっては、歳入・
歳出両面にわたりまして徹底的に見直しを行うということでございますけれども、平成二十九年度の当初予算の編成に当たりましては、魅力ある本県の素材を最大限に生かして経済の回復に努めつつ、子どもからお年寄りまで全ての県民が安心して明るい展望を持って暮らせる社会を目指し、新しい力強い鹿児島の実現に向けて、鹿児島を元気にする各般の施策を盛り込み、知事に就任してから初めてのこの当初予算を「新しい力強い鹿児島の船出」の予算として、県勢のさらなる発展に向けて全力で取り組むことを、今、みずからの思いとしてお話しされましたけれども、発展するためにはやはり予算を、歳出を図りながら、その効果を求めていくわけでありますけれども、しかし、今回、歳入・歳出の両面にわたり徹底的に見直すなど、
行財政改革を着実に進めたと述べておられますけれども、具体的にどの部分を徹底的に見直して今回の
予算編成をされたものか。それとまた、歴代の知事、また前知事との歳入・歳出を具体的に見直した部分の違い、どのようにお考えであるのかお伺いします。
[三反
園知事登壇]
9 ◯三反園知事 お答えいたします。
歳入・
歳出両面にわたる見直しの具体的な内容についてであります。
本県財政は、先ほども申し上げましたけれども、
自主財源に乏しく脆弱な
財政構造にある中で、非常に厳しい状況にあります。平成二十九年度当初
予算編成に当たりましても、これまでと同様に、
行財政運営戦略の基本的な方向性に基づきまして、歳入・
歳出両面にわたる
行財政改革に取り組んだところであります。そうした中で、
子育て支援などに特に力を入れていきたいと考えまして、関連する事業を重点施策として計上したところであります。
行財政改革の具体的な
取り組みといたしましては、歳入面では、
地方創生拠点整備交付金や、仮称でありますけれども、
特定有人国境離島地域社会維持推進交付金などの
国庫支出金の確保などに努めたほか、新たに、
企業版ふるさと納税の
取り組みも始めたところでもあります。
歳出面では、厳しい
コスト意識に基づきまして、必要性や有効性等の観点から厳しく精査を行いました。めり張りをつけた見直しを行ったところでもあります。
具体的には、
社会経済情勢の変化に応じて見直しが必要な施策や、終期の到来した事業などにつきましては、その必要性を点検し、より効率的・効果的な事業への組みかえ、そして事業費の縮減などを行ったところであります。また、
事務的経費につきましても、需用費等の徹底した節減に努めたところでもあります。
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◯園田委員 今、三点につきまして、知事が今回の初めての
予算編成を行うに当たっての思い、御所見というものをお伺いしたところでありますけれども、それでは、今回、具体的に、まず平成二十九年度の当初予算の減の要因についてでありますけれども、このことにつきましては、代表質問、また
一般質問等でもそれに関連した質疑がなされたわけでございますけれども、本県の当初予算は、一般会計が八千九十九億九千六百万円と
特別会計が二千百八十八億八千四百万円、企業会計が二百九億三千八百万円と、総額一兆四百九十七億円余りであります。その中でも、平成二十九年度当初予算は前年度
比マイナス一・五%であり、
特別会計におきましては六・二%の
マイナスであります。
国の平成二十九年度予算は、「経済再生なくして
財政健全化なし」を基本として、六百兆円経済の実現と平成三十二年度の
財政健全化目標の達成の双方の実現を目指すこととして編成をされているわけでございますが、国の予算や
地方財政計画は前年度に対しましてプラスとなっております。そのような状況の中で、本県の平成二十九年度予算が
マイナスである要因について、具体的に御答弁いただければと思います。
また、国の予算がプラスの状況下において、各都道府県の平成二十九年度当初予算はどのようであるというふうに担当のほうでは分析されているものかについてもお伺いしたいと思います。
[
寺田総務部長登壇]
11
◯寺田総務部長 平成二十九年度の当初予算の
マイナスとなっている要因についてのお尋ねでございます。
一・五%の
マイナスということでございますが、額にいたしますと百二十五億円ということになります。
具体的な要因といたしましては、二十八年度の当初予算の特殊要因によるところが大きいものがございます。
一つ目が、ミカンコミバエの緊急防除の解除、これに伴いまして事業費が減となっておるもの、これが十八億円の
マイナスでございます。
参議院議員選挙及び知事選挙に係る経費、これが二十九年度は
マイナスになりますので、これが約十七億円でございます。
二十八年度では当初予算で対応しておったもので、
畜産クラスター事業あるいは
産地パワーアップ事業、こういったものを前倒しをして十二月補正等で対応しておりますので、これの影響が約三十億円。
また、
地方消費税の
税収見込みの減に伴いまして、他県に支払う
地方消費税清算金、また市町村への交付金が
マイナスとなります。これがおおむね三十七億円でございます。
公債費につきまして、平成二十九年度は、二十八年度に比べますと、過去に発行した県債の償還の終了に伴いまして、
元金償還額の
マイナスが大きいということ、また、金利低下の影響等もございまして、おおむね四十六億円の
マイナスとなっているものでございます。
こういった要因を除きますと、全体としては昨年度と同程度というような規模になっているものと考えております。
したがいまして、県勢の発展や県民の福祉の向上につながるような予算を減額したということではないというふうに考えているところでございます。
また、二点目のお尋ねの、ほかの都道府県の状況でございますが、熊本県、鳥取県といったところは災害への対応によってプラスになっておりますけれども、私の承知しておる範囲で、前年度に比べまして、四十の都道府県において
マイナスとなっておるところでございます。
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◯園田委員 今、
総務部長のほうからも御答弁があったわけでありますけれども、平成二十八年度は特別な要因等があり、これはもう何回もお伺いして、今年度はその分がないわけでありますから、少なくなるということでございますけれども、ただ、他県の例を見ますと、災害があった熊本、鳥取については前年度よりも
災害復旧もろもろ、予算的な部分で上がってきているんだろうと思いますけれども、私は、歳入・
歳出両面においても、それぞれ来年度に向けて当初予算を編成する中で、冒頭、職員の皆様方にもやはり多くの経費の削減、パーセンテージを示されたわけであろうと思いますけれども、できる部分とできない部分というのがあるだろうと思いますので、またその辺は、先ほどもお話がありましたけれども、県民の福祉の向上、産業の振興につなげるようなあり方というのもまた御検討いただければなというふうに思いますが、その中でも、やはりお金が入ってこなければ歳出はできないということであります。
いかにして歳入増を図っていくか、これはもう本当に
県政予算の中でも永遠のテーマでもある一つだと思いますけれども、そこで、平成二十九年度の
県税収入見込みと
未収金対策についてお伺いをしたいと思いますが、私は現在、本県の経済すなわち景気状況は、業種にもよりますが、さほど悪くないとみずからは感じております。
事業所が求める
有効求人倍率も高く、私の地元においては事業主の方々がもう本当に、受注はあると、しかし人手がいないものだから伸ばしていけないという状況であると、
雇用者不足ということは、もう本当にありとあらゆる会で事業主の方から耳にするところでありますけれども、これは余談ではございますけれども、ハローワークにおきましては、求人をする事業所側だけの話でありまして、行政ではその逆のパターン、私をこうやって使ってくださいというような逆パターンの、各市町村、県においても、みずからがどういう職種につきたいというような、
個人情報等もありますけれども、そうやって働く場を多くつくるということが税収増にもつながる。働いたらやはり税金を納める、これは国民の義務でございますので、そういうような意味等もありまして、今申し上げましたけれども。このような状況下におきまして、平成二十九年度における
県税収入は、このような状況であっても前年度
比マイナス〇・九%になっております。
特に
個人県民税、
地方消費税の主な税目が落ち込んでいることは、今回の予算の見込みの中でも示されているわけですけれども、大きな理由、どのように分析していらっしゃるのか、
税収見積もりについてまずお伺いをしたいと思います。
[
寺田総務部長登壇]
13
◯寺田総務部長 平成二十九年度の税収の見積もりについてでございます。
この
県税収入につきましては、本県経済の動向や平成二十八年度の
県税収入の状況、また国の
地方財政計画における
税収見込みなどを勘案して見積もったところでございます。
主な税目の見込みにつきましては、法人二税につきましては、建設業、卸・小売業を中心に増収が見込まれますことから、平成二十八年度当初予算と比べますと六・九%、二十一億二百万円の増を見込んでおります。
また、
不動産取得税につきましては、大規模家屋の新築及び
中古家屋等の取得の増が見込まれますことから、二四・七%、七億九千二百万円の増を見込んでいるところでございます。
その一方で、
個人県民税につきましては、個人所得が伸びることが見込まれますものの、
各種所得控除額の増加が見込まれますこと、また近年の株価の変動の影響から、配当割、
株式等譲渡所得割の大幅な減収が見込まれますことから、四・八%、二十一億二千八百万円の減を見込んでいるところでございます。
また、
地方消費税につきましても、輸入取引に係る貨物割が大幅に減少したこと等によりまして、平成二十八年度の税収が大きく減少しておりますこと、また、
地方財政計画の見込み等を踏まえまして、七・〇%、二十二億五百万円の減を見込んだところでございます。
このような各税目を積み上げました結果といたしまして、平成二十九年度の
県税収入につきましては、二十八年度当初予算と比べますと、総額で〇・九%減の一千四百三十八億三百万円を計上しておるところでございます。
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◯園田委員 今、御答弁がありましたけれども、冒頭申し上げましたとおり、
個人県民税は減であります。しかし法人二税は増収を見込んでいるというようなことで、個人の働く方々の税収は落ち込んでいるけれども、法人のやっている側はふえてきているという、何かアンバランスな
ミスマッチな感じを、この予算書を見たときにそう思うわけです。
だから、この部分というのはまた今後、分析しながら、平成二十九年度中にもしっかりと対応しながら、個人の税収、これが大きな県政の税収の役割も果たしていくだろうと思いますので、またしっかりと対応していただければなと思います。
そこで、増になっております法人二税に係る
法人県民納税義務者数のうち、県内の法人数、県外の法人数についてお伺いしたいと思います。
それとまた、
法人事業税につきましては、
課税企業数はどれぐらいあるものなのか、そしてまた、どのような業種が課税対象になっているのかについてお伺いをしたいと思います。
[
寺田総務部長登壇]
15
◯寺田総務部長 法人事業税を申告納税した法人の数についてでございます。
平成二十七年度の決算で一万一千五百二十三法人となっております。このうち、業種別で申しますと、卸・小売業が約二三%、建設業が約一九%、製造業が約一三%などとなっているところでございます。
県内法人、
県外法人ございますけれども、大法人で申しますと
県外法人が多くなりますけれども、中小法人で申しますと、県内の法人で利益を上げているところが、
県内法人が八千三百社余り、
県外法人が一千六百社余りというような数でございます。
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◯園田委員 税収の見込みというのは、非常にそのときの
経済状況によっても変わってくるものであると思いますけれども、ただ、納税というのは国民の義務でもありますし、事業を行っていく上でもこれは納税をしっかりとやっていただかなければ、その行政、その地域の発展にはつながらないと思います。そこで、今、直近でわかっている分で、平成二十七年度末の約二十七億円の
収入未済額がございます。平成二十九年度はやはり未収、未済、あってはならないことなんですね。やはり税の平等性、払わなければそれで済むのかというような不公平というのはあってはなりませんので。
そこで、未収金の徴収対策というのは急務の課題でもあります。平成二十九年度、この未収金、未済に対する対策をどのように取り組んでいかれるのか。また、
税収アップについての対策についても重ねてお伺いをしたいと思います。
[
寺田総務部長登壇]
17
◯寺田総務部長 まず、
未収金対策について、あってはならないこととのお言葉もいただきました。二十七年で二十七億円というのは御指摘のとおりでございますが、数年前、平成二十年のころは四十九億円超という額がございました。これをいかに減らすかという努力をしてまいったところでございます。
県税収入は、税制改正の内容、景気の動向などさまざまな要因がございますけれども、税収の確保に向けまして、引き続き、税源の涵養と徴収対策、その二つにしっかり取り組んでまいる必要があると考えております。
このために、企業誘致、中核的企業の育成、起業家への支援、農業や観光を初めとする産業振興等に
取り組みますとともに、県税徴収対策につきましては、
収入未済額の約九割を占めておりますのが
個人県民税と自動車税でございます。これらを中心といたしまして、コンビニ・クレジット納付などの納税環境の整備、また特別滞納整理班、これにつきましては二十八年度から鹿児島市と連携してやっておりますけれども、こういったもので市町村と連携した滞納整理を実施するなど、滞納縮減に向けた
取り組みを進めているところでございます。
県といたしましては、引き続き、貴重な
自主財源である
県税収入の確保に向けまして、しっかりと努力をしてまいりたいと考えております。
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◯園田委員 県税の収入についてはお伺いしましたけれども、二十九年度はまた、対策についてはしっかり取り組んでいただきたいなというふうに思います。
そこで次に、地方交付税についてお伺いしたいと思いますけれども、本県の当初予算における歳入においては、地方交付税の占める割合が三分の一と、
自主財源の二千五百六十二億三千九百万円を上回る二千六百七十七億二千二百万円が計上してありまして、地方交付税の占める割合というのは高いものがありますけれども、本議会としましても、昨年十一月二十八日に地方交付税に関する意見書を発出しましたが、平成二十九年度
地方財政計画において、地方交付税総額は平成二十九年度は十分に確保できたものかどうかについてまずお伺いしたいということと、次に、今後の地方交付税の確保の見通しについて、担当としてどのように見通しておられるのかについてお伺いしたいと思います。
それと、時間の関係で続けて質問させていただきますけれども、地方交付税の算定基礎の中でやはり一番大きなウエートを占めるのは人口であります。平成二十七年度の国勢調査の結果がいつから反映されているのか、部分的には平成二十八年度分から反映されているものもあるだろうと思いますけれども、今回、平成二十九年度から、平成二十七年度の国勢調査の結果が二十九年度当初予算に大きく反映されたものかについてもお伺いしたいと思います。
それと、これも続けてまいりますけれども、関連しておりますので、今年度の普通交付税についてもお伺いをしたいと思いますが、普通交付税は見込みどおり確保できたのか。さらには、三月末だと思いますけれども、特別交付税の見込みをどのように見通しておられるものか。
わかっておられましたら、市町村の本年度分の普通交付税の見通しと特別交付税の各市町村に配分される部分についてもお答えいただければと思います。
[
寺田総務部長登壇]
19
◯寺田総務部長 地方交付税に関するお尋ねでございます。
まず、平成二十九年度の国の地方財政対策では、一般財源総額は前年度と同水準が確保されており、また、いわゆる実質的な交付税につきましては、
地方財政計画ベースでは前年度比〇・六%の減となったところでございます。
平成二十九年度の一般財源総額、実質的な交付税額ともに、前年度からの繰越金が見込めないという例年になく厳しい状況の中で、一定程度の確保がされたものというふうに考えておるところでございます。
また、今後の見通しでございますけれども、昨年六月二日に閣議決定されました骨太の方針で言われております、
財政健全化目標を堅持するという中で、さらに内閣府の中長期の経済財政に関する試算というものが出ておりますが、ここで、平成三十二年度にはいわゆる経済再生ケースでも基礎的財政収支赤字が八・三兆円になるというようなことが見込まれておりますので、今後、この目標の達成を考えますと、地方交付税については非常に厳しい調整が行われることも予想されるのではないかと考えております。
二点目のお尋ねの国勢調査の人口の影響ということでございますけれども、平成二十八年度の地方交付税には、平成二十七年の国勢調査の速報値が用いられております。平成二十九年度からその確定値が用いられることとなります。
そこで、今年度の普通交付税とその振り替えである臨時財政対策債の合計につきましては、当初予算において総務省が示した推計方法によって算定して、決定額は三千四十五億円で、見込みを上回る額となったところでございます。
特別交付税の見通しにつきましては、三月というお話もありましたけれども、今の時点ではまだ確定的なことは申し上げられませんが、全体的に申しますと、当初の
地方財政計画における特別交付税の総額が前年度に比べますと
マイナス〇・三%となっております。
また、平成二十八年度は各地でさまざまな災害によりまして甚大な被害が発生しておるといったことを踏まえますと、全体的に厳しい状況になることを想定しておく必要があるのかなというふうに思っております。
市町村についても同様の状況かと思います。
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◯園田委員 今、地方交付税については御答弁いただいたわけでありますけれども、特に今回、三月の最終の時点では、特別交付税に対する国からの額については示されるものであろうと思いますけれども、ただ、各市町村もこの特別交付税というのは非常に大きな財源の一つでありまして、ちなみに、うちの南さつま市も、四十三市町村ある中で特別交付税の交付額というのが第四位なんです、第四位。昨年も十五億円程度いただいていて、非常にこれが市の財政にも大きく寄与している。それが市民の福祉等にも役立っているという状況にありますので、やはりこの特別交付税、県にとりましても目減りしないように、これは本年大きな災害等があり、特別交付税の要因というのがあっただろうと思いますけれども、本県におきましても、災害を受けられた町には特別交付税の応分の措置はされるだろうと思いますけれども、十分その辺についても、国等ともまた今後、これまで以上にお話しいただければなと思います。
次に、県債の調達についてでありますけれども、平成二十九年度は一千三十二億八千三百万円余りで、臨時財政対策債を除く県債は六百四十七億円余りであります。本県独自に発行する県債については、新規の発行を抑制することにより、県債残高を継続的に減少させることにより、将来的には公債費負担を軽減していく必要があると、これは私どもも同様の考え方でございますけれども、また、これが公債管理の基本であるというふうにもうたってあります。そのとおりでございます。
しかし、本県の場合、離島を含めてまだまだ社会資本の整備を推進していく上で、本県の
財政状況においては、県債の発行というのは、これはもういたし方ない歳入の部分だろうと思います。新規県債の発行を抑制するということは大前提でございますけれども、年々県債残高がそういうような状況でありましても減少しております。
また、現在、日銀の
マイナス金利政策によりまして低金利で推移している状況において、各資金の特色を踏まえたバランスのよい資金調達を行っていく必要があると思っております。
そこで、平成二十九年度の県債の資金調達の考え方について、バランスのよい資金調達、県債を発行していく必要があると思いますけれども、いかがお考えであるのか。
それと、これは関連してですけれども、お答えできましたらお答えいただければと思いますけれども、先ほど申しましたとおり、日銀は
マイナス金利政策の中でやっておりますけれども、民間においても、金利が低いということは投資を促し、もろもろ事業の拡大を行っていく大きな一つの要因でもあると思いますけれども、平成二十九年度中に利子軽減策の一つとしての繰り上げ償還に対する考え方、どう思っていらっしゃるものか、考え方で結構でございますので御答弁いただきたいと思います。
[
寺田総務部長登壇]
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◯寺田総務部長 県債による資金調達について、バランスよくという御指摘をいただきました。
平成二十九年度一般会計及び公債管理
特別会計予算の県債発行額は、新規発行分と借りかえ分を合わせまして一千六百六十六億円となっております。
この資金調達につきましては、長期的に安定した資金調達を実施するために、公的資金と地域の金融機関からの借り入れに加えまして、平成十七年度以降、市場公募債を導入いたしまして、県債の借り入れ先の多様化を図っているところでございます。
また、年度内の金利上昇あるいは金利負担の増加を抑制し、各年度間の金利負担を安定させるという観点から、共同発行の市場公募債を中心に、発行時期の平準化を行っているところでございます。毎月のように発行していくということでございます。
また、銀行等金融機関からの資金調達につきましては、金利動向を見きわめながら、低金利で調達できるように機動的な実施に努めているところでございます。
また、金利変動リスクを勘案しながら、発行年限を分散して調達するということも行っているところでございます。
御指摘のありました日銀の
マイナス金利政策の影響というところでございますけれども、近年、特に金利が低位で推移していることを踏まえまして、二十年債、三十年債といった超長期債を発行するなどいたしまして、将来の金利負担の軽減を図っているところでございます。
また、御指摘をいただきました繰り上げ償還につきましては、公的資金の場合は、今後支払う予定の利息相当額を補償金、または銀行の場合は所定の手数料を払うといった必要が生じてまいりますので、実質的なコスト削減にはつながらないのではないかというふうに考えておるところでございます。
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◯園田委員 県債の発行については、社会資本の整備を行っていかなければならない以上、あり得ることだろうと思いますけれども、低金利の中で、使い勝手のいいというか、低金利で運用していただくような施策をとっていただきたいなと思います。
そこで、今、借り入ればかり申し上げましたけれども、貯金についても、基金についてもお伺いをしたいと思いますけれども、一般家庭におきましても、私どももそうでありますけれども、借金がなくて貯金があるというのが、家庭生活を行っていく上でベターな状況だろうなというふうに思うわけでありますけれども、本県の財政というのは、私なりに考えますと、助成を受けながら、補助を受けながら八百十万円の収入があって、一千六百万円余りの借金を抱え、自由に使える、定期預金じゃなくて普通預金が二十五万円しかないという今、状況なんですね、一般家庭に置きかえますと。
そこで、まずお伺いしますけれども、財政調整に活用可能な基金残高が平成二十九年度末で二百五十一億円を見込んでいるとのことでありますけれども、この二百五十一億円という数字は、類似県に比べまして残高状況はどうであるのか。本来ならば、
本県財政規模の
財政状況なら、どのぐらい確保しておくことが財政運用上必要であるというふうにお考えであるのかについてお伺いしたいと思います。
とかく本県の貯金につきましては、財政調整基金の二百五十億円がクローズアップされて、うちの県は二百五十億円しかもう貯金はないんですよというような部分で、県民の方々は思っていらっしゃる方が多いだろうと思いますけれども、財政調整基金以外の本県の目的基金が設置されておりますけれども、現在、直近の基金残高というのは合計でどれぐらいあるものか。これは目的基金ということで、基金条例に基づいてその運用がなされるだろうと思っておりますけれども、その基金の残高についてお伺いします。
それとまた、これらの基金の運用は、基金条例によって運用されておると思いますけれども、代表して、きょうは
総務部長が御出席でありますから、財政課が所管いたしております基金の運用についての考えについてお伺いをしたいと思います。
[
寺田総務部長登壇]
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◯寺田総務部長 まず、財政調整に活用可能な基金の残高についてでございます。
人口でありますとか標準財政規模が本県と類似している他の団体について、公表されております平成二十七年度の決算における財政調整積立基金と県債管理基金の合計額で比較をいたしておりますけれども、いずれも本県の残高は少ない状況でございます。
また、確保すべき基金の残高につきましては、国の財政再建の
取り組み、また地方財政の動向が今後、先行き不透明な部分がございますので、そういったことを踏まえますと、基金を充実させる必要はあるのではないかと考えておりますが、その具体的な額をこの場でお示しするということは難しいのではないかなというふうに考えておるところでございます。
また、財政調整に活用可能な基金を除くほかの基金、特定の目的の基金がたくさんございますけれども、これらの合計を計算いたしますと、平成二十九年度末で一千三百七十九億円となるところでございます。
この中で、特に残高の規模が大きなものといたしましては、県債管理基金のうち、市場公募債の満期一括償還に備えて、政令等に定められたルールどおりに積み立てを実施している部分がございます。この部分については残高が九百八十三億円となる見込みでございます。これが全体の七一%を占めているところでございます。
運用についてもお尋ねをいただきました。
満期一括償還までの長期間の運用が可能でありますことから、金融機関の定期預金よりも有利な債券を中心に運用をいたしております。平成二十七年度末までの実績では、残高八百八億円のうち六百十六億円を地方債などの債券で運用しているところでございます。
24
◯園田委員 やはり基金、貯金は多くあるにこしたことはありません。家庭でもそうだと思いますよ。貯金が多くあったら家庭円満でございますから、県民もそうだと思います。県の貯金が多いということは県民の方々も幸せ感を感じるのではないかなと、それの一つにもなるんじゃないかなと思います。
そこで、質問しようと思っていましたけれども、ここはちょっと御意見だけを申し上げておきたいと思いますけれども、県の当初予算と一緒で、現在、各市町村においても当初予算の議会が開催され、その審議がなされているわけでありますけれども、今回、少ないですけれども、県の予算が
マイナスということでございますけれども、そのことが、特別な平成二十八年度の要因があったから本年度は少なかったということはよくわかりますけれども、各項目においては、もろもろやはりカット、減している部分もありますので、そういうこと等が各市町村の予算に対して影響がないような
取り組みというのもまた考えていただければなというふうに思います。
次に、予算を執行するに当たりまして、組織の機構改革が今回、平成二十九年度は行われようといたしておりますが、新たな組織において予算の業務が執行される部署もありますが、これまでと変わらず、またこれまで以上に、組織機構改革によってその成果を向上させていく必要があると思います。また、県民にとりましても、その業務のあり方や業務をスムーズに進めることが求められていると思います。
そこで、これはそれぞれいろんな会議等でもお話がありますけれども、平成二十九年度組織機構改革の考え方と、改革による大きなメリットはどこにあるのかについてお伺いしたいと思います。
また、本県の予算の実務を担うのはここにいらっしゃる皆様方、県の職員の方々でございますけれども、国におきましては、一億総活躍社会の実現に向けた横断的な課題である働き方改革の方向について、昨年六月に閣議決定がなされているようであります。
その中でも、
一般質問等でもいろいろありましたけれども、同一労働同一賃金の実現など非正規雇用の待遇改善、長時間労働の是正、高齢者の就労促進などを挙げておりますが、平成二十九年度はどのように取り組むお考えであるのかお伺いしたいと思います。
それとまた、この場でお話ができるようでしたら、年金の受給は、県の職員の皆様方も改正がなされ、受給が年度ごとに、また二年ごとにおくれていくという部分等もございますけれども、平成二十八年度は二百五十名余り(後ほど「二百十五名」に訂正発言あり)の方が再任用されたというお話もお伺いをいたしておりますけれども、平成二十九年度において、現在どれぐらいの希望があるのかについて、数字としてお示しすることもなかなかだろうと思いますけれども、この再任用についてのお考えをお伺いしたいと思います。
[
寺田総務部長登壇]
25
◯寺田総務部長 まず、組織機構改正についてでございますが、県の組織機構の改正を行うに際しましては、御指摘をいただきましたように、各般の業務が効果的に推進できるようにすること、また県民の方々にとってわかりやすいものとすることが大事であると考えております。
このような観点も踏まえまして、平成二十九年度におきましては、県産品の販売促進や観光振興、すぐれた素材の情報発信を戦略的かつ効果的に推進するということを目的といたしまして、PR・観光戦略部を設置いたしますほか、国体の準備等がございますので、国体・全国障害者スポーツ大会局、また、明治維新百五十周年推進室、奄美世界自然遺産登録推進室等を設置いたしまして、これらの業務を着実に推進できるようにしてまいりたいと考えておるところでございます。
働き方改革についての御指摘もいただきました。
これらにつきまして、関連する本県の職員に関する
取り組み状況について申し上げます。
まず、本県の非常勤職員につきましては、さまざまございますけれども、これまで、勤務条件の改善等に向けて
取り組みもしてきたところでございます。
また、国におきましては、一般職非常勤職員制度の新たな仕組みを規定する地方公務員法の改正法案が先般、国会に提出されたところでございます。こちらの動向も見きわめながら、非常勤職員の勤務条件等につきまして必要な検討を進めてまいりたいと考えております。
労働時間に関しましては、これまで、毎年度の組織見直しを通じまして、業務量に応じた職員の適正配置に努めているところでございます。また、年度途中に業務が増加した場合につきましても、業務の再配分、また応援態勢等を整えるなどの対応をいたしますとともに、超過勤務の縮減を図るためにさまざまな
取り組みも進めておるところでございます。引き続き進めてまいりたいと考えております。
高齢者の就労に関しまして御質問いただきました。
来年度の採用に向けた状況についてということでございますけれども、来年度の状況については、現時点でこの場で申し上げられる段階にはございませんが、近年の実績を申し上げますと、採用数が平成二十六年度で百九十二人、二十七年度二百人、二十八年度二百十五人となっているところでございます。
このような傾向にございますが、職員の再任用につきましては、年金の支給開始年齢が段階的に引き上げられることを受けまして、国のほうから、雇用と年金の接続に留意するよう要請も受けているところでございます。こういったことも踏まえまして、適切な任用に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
26
◯園田委員 私、先ほど二百五十名と申し上げましたが、二百十五の間違いでして、訂正いたしたいと思いますけれども、再任用につきましても、やはり長年県政に携わってこられた職員の方々の技術、考え方、あり方というのを、また県勢の発展の中でも大いに発揮できるような場づくりというのも、県みずからが行っていただくような方向性も出していただきたいなというふうに思います。
そこで次に、これは大事なことなんですけれども、三反園知事の今回のマニフェストが、平成二十九年度予算にどのように反映されているのかについてでありますけれども、後先になりますけれども、二十九年度の施政方針におきましても、これは私どももそうでありますけれども、鹿児島に生まれてよかった、鹿児島に住んでよかった、そして鹿児島に住んで幸せ感を感じるふるさとでなければならないというふうに思っているところでございます。今回、マニフェストで、鹿児島を日本一にする六つの約束をされまして、平成二十九年度の施政方針の中に盛り込まれたと思いますけれども、これは大きな枠の中で結構でございますので、知事のお考えがありましたら、御答弁いただければなと思います。
総務部長でもどちらでも結構でございます。
それとまた、今回のマニフェストについては、そうだなと思う県民もいれば、これは大丈夫かな、そのことがと、一般質問でも、代表質問でもいろんな議論があるわけでありますけれども、今回、マニフェストを実行するために検討委員会というのがもろもろ設置され、その検討委員会というのは、知事がやる方向で考えたわけですから、検討委員会が設置されているわけですよね。そしてまた、その部分にどのような結果を期待され、やらないんだったら検討委員会なんてつくる必要もないし、やる気持ちがあるから検討委員会をつくっていらっしゃるわけですから、この部分については知事の御見解があればお伺いをしたいなというふうに思います。
[
寺田総務部長登壇]
27
◯寺田総務部長 マニフェストの内容の予算への反映状況についてでございます。
大きな考え方は、これまでも本会議等を含めまして知事からお答えをしているところでございますので、私からは、六つの項目に沿いまして、やや具体的に申し上げたいと思います。
観光につきましては、大河ドラマ「西郷どん」や明治日本の産業革命遺産をテーマとした誘客への
取り組み、また、鹿児島港本港区エリアのまちづくりの検討などでございます。
農林水産業につきましては、鹿児島の食のPRによる販路拡大や農林水産業の輸出拡大への
取り組みなどでございます。
医療・福祉につきましては、乳幼児医療費補助のあり方の検討、保育士や介護職員の確保、高齢者の健康づくりの推進などでございます。
教育につきましては、大規模スポーツ施設のあり方検討や、かごしま青年塾の設置などでございます。
産業・雇用につきましては、再生可能エネルギーの導入を図るためのビジョンの策定や働き方改革推進の
取り組みなどでございます。
防災につきましては、モニタリングポストの増設等、防災活動資機材の整備、災害に強い道路網の整備や寄洲の除去などでございます。
このように、マニフェストの実現に向けましてそれぞれ検討を進めてきた結果、計上できるものを計上してきているということでございまして、いろいろな検討もこれからどうかという御質問もありましたけれども、しっかりとこれらのものにつきまして検討を進めてまいりたいと考えております。
28
◯園田委員 次に進んでいきたいと思いますけれども、新規事業ということでお伺いをしたいと思いますけれども、この新規事業につきましても、これまでも多くの会議で、議会とのやりとりの中でもお話がありました。ドルフィンポートの件でございますけれども、今回は新規事業ということで、鹿児島港本港区エリアまちづくり検討事業というふうにして予算が示されているようでございますけれども、そもそもその中にありますドルフィンポートは、平成三十二年までの定期借地権があり、今後、少なくともタイムリミットというのが平成三十二年という部分があるわけでありますから、今後、この部分について、どうやって今回の予算の中でグランドデザインを描き、また、同エリアのあり方について知事のお考えをお伺いしたいというふうに思うわけであります。
それとまた、今回の本港区のエリアにつきましては、ちょうど私が総務委員長をいたしておりましたときでありますけれども、平成二十五年に、たしかそうだったと思いますけれども、ドルフィンポートのあり方について、同敷地に建設計画が出ましたスーパーアリーナ構想だったわけでありますが、そこで、いろいろお話のある中で、大きな問題の一つの中に、メディアの中でもいろいろこれはあったわけでありますが、県民もそういうような報道等を受けて、ああそうなのかなと思った点は、景観上、鹿児島の場合は桜島という雄大な景観というのが、お金では買えない、つくれないものがあるわけです。そうした中で、桜島は本港区は目の前でございますけれども、景観という意味から、知事の桜島に対する認識、御見解をお伺いしたいなというふうに思います。
[三反
園知事登壇]
29 ◯三反園知事 お答えいたします。
鹿児島港本港区エリアの整備についてでありますけれども、ドルフィンポート敷地や北埠頭を含む鹿児島港本港区エリアにつきましては、来て見て感動するまちづくりの目玉であります。委員おっしゃるとおりでありまして、桜島が一番近くできれいに見える場所でもありますから、ここを目玉として、この場所が国内外から観光客を呼び込むための拠点となるように検討していきたいというふうに考えております。
まちづくりに当たりましては、どう見せるかが一番ポイントであるというふうに考えておりますので、桜島を中心に、このエリアにつきましては、魅力的な港、感動を与えられるような観光地にしたいというふうに考えております。
港を見せることによりまして、観光客が感動して、自分の国に帰ったときに「あそこはよかったよ」と言ってもらえるような、そういう鹿児島、そして、もう一回行ってみたいというリピーターが来るかどうかがポイントでありますので、リピーターが訪れてくれるような鹿児島、そういったまちづくりを進めていきたいというふうに思っております。
今申し上げました私の基本的な考え方をもとに、本港区エリア全体の活用方策を総合的に考えていきたいというふうに思っておりますが、このうち北埠頭につきましては、クルーズ船の停泊の実現に向けて取り組むなど、できるところから着手してまいりたいというふうに考えております。
30
◯園田委員 ドルフィンポートについては私、すごく思い入れがあって、そういうような状況で、これが大きな物議を醸し出したんですが、今回の場合は、地域の方々、県民の方々が景観に対して、またメディアの方々も全くそういうようなお話がないから、粛々と今回の計画の中で、今の自然の景観を生かすのか、改めて人工的に発展につながるような状況をつくり上げていくのか、これは今後のまた検討委員会の中でも、平成二十九年度にしっかりとまた審議して、また近い将来、私どもにもお示しいただければなというふうに思う次第であります。
そこで、次に大規模イベントについての
取り組みについてということがありましたけれども、この件につきましては私の所属する総務委員会の所管でありますので、委員会のほうでまた質疑をさせていただきたいと思います。
次に、国体関連予算についてお伺いをいたしたいと思いますけれども、太陽国体以来、国体がオリンピックイヤーの年に本県で開催されるわけでありますけれども、教育庁所管の競技力向上対策関連を除く国体関連の予算は約二十四億円にもなり、その財源構成及び各事業の概要についてお示しいただきたいと思いましたけれども、この件につきましてもまた総務委員会の中でお話しさせていただきたいと思いますけれども、そこで、競技を行う上で施設整備というのは非常に大事なこと、これはもう大前提だと思いますけれども、国体の前年に高校総体や国体のリハーサル大会が開始されるということでありますけれども、この平成三十一年の前の平成三十年度までというのが非常に大きな一つの山であるだろうなと思います。
特に県立鴨池公園におきましては、県の開発促進協議会などでも、国に対して約八十五億円の財源確保の要望が行われておりまして、そういうようなこと等を踏まえまして、現在の平成二十九年度の予算を執行するに当たりまして、この施設整備の進捗状況はどのようになっているのか。それとまた、二十九年度の各市町村への補助の状況についてお伺いをしたいと思います。
それから、私、不思議に思うことがありまして、今回国体を開催するに当たり、一体全体、総額幾らかかるのか、どれだけかかるのかというのをまだ私、聞いた覚えがないんです。多分皆さんもそうだろうと思います。幾ら国体をするのにかかるのか。
先催県のかかった額とかそういうのはある程度把握をいたしておりますけれども、またその中で、開催するに当たり一般財源がどれぐらい必要なのか、これはやはり精査した中で、試算でも結構でございますのでお示しいただければなというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
それと、今回、国体を開催するに当たりまして、総合体育館の建設というのは一般質問、代表質問の中でも議論されているわけでありますけれども、総合体育館は別として、県内各市町村においても、それぞれ競技ごとにおいていろんな施設整備が行われておりますけれども、新たな施設整備、新たな建設がされて国体競技を実施するというような施設があるものかについてお伺いをしたいと思います。
[武盛知事公室長登壇]
31 ◯武盛知事公室長 国体についてお尋ねをいただきました。
施設整備につきましては、先ほど金額をお示しいただきましたけれども、国の社会資本整備総合交付金等を活用するということで、その交付金の対象事業は、御指摘いただいた約八十五億円を想定いたしております。
平成二十四年度からこの交付金を使って施設整備を行ってきておりますけれども、二十九年度まで含めますと五十六億円、約六六%の進捗になるものと考えております。
御指摘のとおり、平成三十一年度にリハーサル大会を控えておる競技もありますので、支障がないよう、平川ヨットハウスでありますとか県のライフル射撃場等も含めて、県有施設の整備を進めてまいります。
それから、市町村の施設につきましても、補助を二十八年度からいたしております。今後も続けてまいりたいと思います。
それから、国体の開催経費についてのお尋ねがございました。
大きな要素として、施設整備費と大会運営費の二つございますけれども、いずれもまだ不確定要素がございます。現段階で総額どの程度かかるかというのはまだ算定できる状況にはございません。
なお、過去の先催県で見ましても、開催経費は幾らかかったかというのはなかなか公表されている団体はないようでございます。
それから、国体に向けた新たな施設の整備をするのかというお尋ねがございました。
既にもう会場につきましては準備委員会で決定をいたしております。新たに施設整備を行うことはないと考えております。
32
◯園田委員 国体の費用に関しましてはまだ算定していない、また算定できる状況ではないというふうに思ったわけでありますけれども、ただ、国体というのは、国レベルの一つの大きなスポーツ大会でありますけれども、国体による経済効果、そしてまた本県に与える影響というのは非常に大きなものがあるだろうと。太陽国体もそうであったと思います。私がちょうど中学校時代だったんですけれども、多くの県民の方々が国体開催に沸き上がり、また経済も浮揚したんだろうというふうに思っておりますけれども、やはりある程度、県の中では費用対効果という言葉が出ますので、どれぐらい費用がかかって、また今後、どの部分にその効果を生かしていくのかというのは、これは今後また近い将来、県民にもその試算額というのはお示しいただきたいと思います。
それと、車座対話についてお伺いをしたいと思いますけれども、平成二十八年度、九会場でなさっていらっしゃいますけれども、その九会場で行った車座対話の御意見とか要望、そしてお話し合いになった部分が平成二十九年度予算にどのように反映されているのかについて、まずお伺いをしたいと思います。
それとまた、知事にとりましては多忙な時間が多いだろうと思いますけれども、今後、県民とまたそれもやっていかれるわけでありますけれども、いろんな事業をされていらっしゃる方々とのテーマを交えた、そういうような車座対話のあり方ということに対しましても、知事の御見解がありましたらお願いをしたいと思います。
[三反
園知事登壇]
33 ◯三反園知事 お答え申し上げます。
車座対話の平成二十九年度予算への反映についてでありますけれども、私が目指しますものは、開かれた県政、「聞こう!語ろう!対話の県政」ということであって、車座対話を行っているところでもあります。
これまで開催いたしました車座対話の中では、人口減少や少子高齢化から来る不安の声、子育てや人材育成に関する御意見、鹿児島の特産品の
ブランド力向上、観光振興に関するさまざまな御要望などをいただきました。
これらの御意見等につきましては、まずはしっかりと受けとめさせていただいております。持ち帰りまして庁内で十分に検討した上で、必要なものを、できるものを予算計上したところでもあります。
例えば、乳幼児医療費助成在り方検討事業、そして潜在保育士の復職支援など、
子育て支援に関する新たな要請・要望、そして御意見もたくさんありました。そして、新たなこうした
子育て支援に関する必要な施策を盛り込んだところでもあります。また、離島生徒の経済的負担を軽減するための離島生徒大会参加費助成事業につきましても、新たに予算計上いたしたところでもあります。
このほかに、高齢者のお出かけを促進する事業、地域社会をリードする人材を育成する青年塾の開催、鹿児島の特産品の
ブランド力アップを図るための
高級百貨店等への売り込み、トップセールスの強化、明治維新百五十周年や「西郷どん」放映を生かした観光振興につきましても必要な施策を盛り込みまして、積極的に取り組むことといたしております。
また、各個別テーマごとの車座対話についてはどうかという話もありました。
私は、これまでも、一般県民の方々を対象にした車座対話のほかにも、例えば、県下の商工会議所会頭を初め、県内のモノづくり企業の代表者との会合、そして県農業経営者クラブ員の方々との会合、農村女性海外農家体験研修生、民生委員・児童委員、また県外の大手量販店の幹部や旅行エージェント等の観光関係者との懇談、さまざまな分野の関係者と個別に意見交換等を重ねてきたところであります。今後とも、個別に積極的に会談、会合を持っていきたいというふうに考えております。
今後も、あらゆる機会を通じまして、各産業や医療・福祉など、各行政分野の方々との意見交換等の場を持ちまして、現場の声を直接聞きまして、今後の県政運営に生かしていきたいとも考えております。
34
◯園田委員 今、車座対話、これはもう身近に知事が県民の方々と接してのお話、側溝のふたの話まで出るだろうと思いますけれども、やはりお話しされる方の立場に立って、またもろもろの施策を進めていただければなと思います。
私、今回、老人福祉につきましてもお伺いする予定でありましたけれども、時間の関係で、また総務委員会で質疑をさせていただきたいと思います。
それとまた、過疎対策についてでありますけれども、ここだけはちょっとお話をしておきたいと思います。
私の住んでおります南さつま市もそうでありますけれども、県内四十三市町村のうちに、一部過疎地まで含めて四十一の過疎地域があるというふうに思っておりますけれども、やはり今後、平成二十七年度の国勢調査等にもより、また今後、過疎地の部分というのはもっとクローズアップされてくるのではないかなと。これに伴って、限界集落であり、もろもろの人口減による弊害が生まれてくると思いますので、国、県の予算を十分使いながら過疎地対策を行っていただけるように、またお願いを申し上げたいと思います。
それと最後に私、ここだけは申し上げておきたいなというのが一点だけございます。
先ほどの太陽国体のお話でありますけれども、皆様方、多分覚えていらっしゃると思いますけれども、太陽国体において、採火されて炬火リレーが県内各地を回っております。オリンピックの場合ですと聖火リレーというふうになっておりますけれども、この鹿児島県では、薩摩半島、大隅、離島と三カ所で採火がなされておりまして、薩摩半島は、私ども南さつま市の私の家の上の野間岳で採火がされております。そして大隅半島はたしか高千穂河原でされておりますので、同様の炬火リレーと申しますか、これをまた考えていただいて、みんなが国体に参加するんだという機運を盛り上げていただきたいなと思います。
私がいただきました持ち時間を大分過ぎましたけれども、質問できなかった部分に関しましては
常任委員会のほうでまた質疑をさせていただきたいと思います。
そしてまたこれは一番バッターの特権でございまして、時間はオーバーしてもいいというような気持ちでやっておりますので、御了解いただきたいなというふうに思っております。これは自民党内部のことでございますので。
本当にもろもろ御答弁いただきましてありがとうございます。
私の質問はこれで終了させていただきます。(拍手)
35
◯大園委員長 次に、郷原委員に発言を許可いたします。
[郷原委員登壇]
36 ◯郷原委員 おはようございます。郷原拓男でございます。
人生で初めて、
予算特別委員会で質問させていただく機会を賜りました。二年間、県議会に身を置いた経験を踏まえまして、知事を初めといたします執行部の皆様方が魂を込めて練り上げた各種施策に、魂を込めて質問をさせていただいて、さらなるブラッシュアップに寄与できたらと願っております。
本日の私のこのスーツですけれども、この日のために封切りをさせていただきました。平成二十八年度の予算で妻から買っていただいたものでございます。自分自身もしっかりとブラッシュアップしてまいりましたので、よろしくお願い申し上げます。
それでは初めに、食品関連産業の振興について質問させていただきます。
我が県の工業製品出荷額の約五割を占める食品関連産業の一層の振興と雇用の創出を図るため、平成二十六年度から三年間、食品関連産業振興プロジェクトが展開されました。
この結果、三年間の新規雇用数は本年一月末時点で、目標の六百五十六人を超える七百四十七人となり、一定の成果があったとの答弁がさきの代表質問であったところでございます。
平成二十九年度からは、新かごしま「“食”と“職”」の魅力向上・加速化プロジェクトと銘打った事業に一億九千九百九万六千円が提案されております。商工労働水産部の四課並びに農政部の一課が、商品開発等の高付加価値化への取り組み支援、企業の魅力等の効果的な発信、処遇改善等の取り組み支援、加えて、非正規から正社員への転換促進等、合計十事業に取り組んでいくと伺っております。
そこでお尋ねいたします。
平成二十八年度までの取り組みを踏まえまして、今回、食品関連産業のさらなる振興に向けて、どのような課題があるのか、お示しをいただきたいと思います。
また、この課題を解決するための継続的な取り組みと、平成二十九年度からの新たな取り組みについて、それぞれ具体的にお示しをいただきたいと思います。
[西 商工労働水産部長登壇]
37 ◯西 商工労働水産部長 食品関連産業のさらなる振興に向けての課題についての御質問でございます。
食品関連産業をさらに振興するためには、付加価値額を高める取り組みに加え、商品の企画・開発などの専門的な分野を担う人材の確保・育成を図り、雇用の質を高めることが必要でございます。
このため、引き続き、食品関連企業が行う商品開発等の高付加価値化の取り組みへの支援や経営力の強化、人材の確保などの取り組みを通じて、食品関連産業が生み出す付加価値額を高めていくことが課題でございます。
また、女性や若者など、誰もが生き生きと働けるよう、処遇や職場環境の改善を図るため、経営者の意識を高め、実践につなげていくことも課題でございます。
さらに、県内食品関連企業の求人におきましては、企業イメージの向上を図るなどの取り組みが弱いことから、求職者等に対し、ホームページ等に企業理念やビジョンなどを示すこと等により、企業の魅力等を効果的に伝えていくことも課題となっております。
続きまして、課題を解決するための継続的な
取り組みと新たな
取り組みについてでございます。
食品関連産業が生み出す付加価値額を高めるため、新たなプロジェクトでは、引き続き、県内食品関連企業が行うHACCP等の認証取得に向けた
取り組みへの助成を行うほか、県産農産物を活用して一次加工を行う企業に対して専門家を派遣し、経営力の強化や販路開拓等を支援するなど、農政部も含めた関係各課が連携を図りながら、商品開発等の高付加価値化の
取り組みを支援することといたしております。
二十九年度からの新たな
取り組みといたしまして、処遇や職場環境の改善に対する経営者の意識を高め、実践につなげていくため、処遇改善等の理解を深めるためのセミナーの開催や、処遇改善等に具体的に取り組もうとする企業に対してアドバイザーを派遣し、支援することといたしております。
また、求職者等に対し、企業の魅力等を効果的に伝えるため、企業が、デザインを活用して、自社のブランドイメージ等を効果的に発信するためのセミナーを開催することといたしております。
さらに、就職支援コーディネーターを設置し、企業の求人や魅力向上につながる情報の収集や、ハローワーク等と連携した求職者への情報提供などに取り組むことといたしております。
38 ◯郷原委員 私は先日、この新かごしま「“食”と“職”」の魅力向上・加速化プロジェクトというネーミングに引かれまして、ネーミングに込められた思いをお尋ねいたしました。この事業名には、食品関連産業がさらに魅力的な職業となることが目指されるとお聞きいたしました。各課のほとばしる熱い情熱が込められた事業で、まさに商工労働水産部と農政部が連携した花形の事業だと思います。
平成二十六年工業統計によりますと、本県の製造品出荷額は全国三十五位であるものの、こと、食品関連産業だけで見ますと全国十四位であり、製造業に占める食品関連産業の割合は五五%と全国堂々の一位であります。二位の沖縄、三位の北海道、四位の宮崎は何と三〇%前半ですから、いかに我が県製造業が食品関連産業に依存しているかということがわかります。
ただ、残念なことに、我が県の食品関連産業付加価値率は全国四十六位の二二・六%で、一位の福井の四三・八%と比べますと、付加価値率を向上させることが今後、求められると思います。
そこでお尋ねしたいことは、当プロジェクト並びにこれまでのプロジェクトは、国庫十分の八の雇用創造を目指す厚生労働省の補助金を活用した事業だとお聞きいたしておりますけれども、他の自治体ではどのような分野に補助金が活用されているのか、お示しをいただきたいと思います。
[西 商工労働水産部長登壇]
39 ◯西 商工労働水産部長 他県における厚生労働省補助金を活用した産業振興の重点分野についてのお尋ねでございます。
厚生労働省の補助事業につきましては、これまで、本県を含め、二十九の道府県で活用されているところでございます。
その中で、例えば本県と同様に工業製品出荷額に占める食品関連産業の割合が高い北海道におきましては、食関連分野と自動車関連分野を対象としており、宮崎県におきましては、食関連産業に加え、木材・バイオマス関連分野や医療機器関連産業等を対象としております。
そのほか、九州各県の中では、福岡県におきましては、輸送用・電気機械器具製造業等の先端ものづくり分野を対象としており、佐賀県におきましては、陶磁器や自動車、コスメティック関連産業等の分野を対象とするなど、いずれの地域におきましても、その特性に応じて、成長産業分野等に重点を置いて産業振興に取り組んでおります。
40 ◯郷原委員 私は、忘れてはならないと考えることは、この事業を行う目的だと考えます。厚生労働省が補助金の募集をしたときに、我が県では食品関連産業に焦点を当てて、食品関連産業の付加価値率を向上させていくんだという強い意志が明確に示されているということです。来年度はさらなる食品関連産業の振興をしていくという道筋が予算案を通じて提示されておりますので、食品関連産業の付加価値を向上させ、ひいては我が県製造業全体の振興につなげていかなければいけないと考えます。
そのためにも、セミナーの受託業者や派遣アドバイザーの方々等、かかわる方全ての皆様に繰り返し繰り返し、とにかく付加価値率を向上させることが第一の目的だということを強く訴えていかなければならないのではないかと思います。
続きまして、県内企業の経営革新支援及び雇用創出についてお尋ねいたします。
近未来技術活用推進事業に百五十二万四千円が提案されております。この事業は、近未来技術の普及啓発を図り、県内中小企業の省力化・効率化・高度化による生産性向上が目指されているとお聞きいたします。
そこでお尋ねいたします。
初めに、当事業の事業概要についてお示しください。
続きまして、他県におけるIoTやAI等の技術を活用した産業施策についてお示しをいただきたいと思います。
[西 商工労働水産部長登壇]
41 ◯西 商工労働水産部長 まず、近未来技術活用推進事業の事業概要についてのお尋ねでございます。
近未来技術活用推進事業は、県内中小企業の省力化・効率化・高度化による生産性の向上や競争力強化、新分野への展開等を推進するため、IoTやAI等の近未来技術の普及啓発を図ろうとするものであります。
具体的には、この事業におきまして、近未来技術に関する情報収集や、実際にIoTを導入した企業の関係者などを講師としたセミナー、事例発表会を開催いたしますほか、先進的
取り組みを行っている企業への視察を実施することといたしております。
次に、IoTやAI等の技術を活用した産業施策の各県事例についてでございます。
各県におきまして実施されている施策といたしまして、IoTにつきましては、埼玉県、富山県、京都府など幾つかの自治体で中小企業への導入支援が行われております。
また、AIを用いた自動車の自動走行につきましては、愛知県や千葉県などでその実証実験の場が提供されております。
さらに、ロボット分野では、神奈川県や北九州市などでロボットの開発や現場への導入支援が実施されております。
このように、自治体におきまして、近未来技術の活用に向けたさまざまな事業が行われているところでございます。
42 ◯郷原委員 最近のマスコミ報道におきましても、頻繁に「第四次産業革命」ですとか「自動運転」といった言葉を目にいたします。例えば、十七年度からは、人工知能未来農業創造プロジェクトが農林水産省の事業で開始されますですとか、トヨタは、人の感情を理解する人工知能を搭載した試作車の研究に取り組んでいるといったものであります。
今後さらに深まりを見せる人口減、少子高齢化社会を我が県が乗り越えていく上で、近未来技術に依存せざるを得ない時代がもうそこまで来ております。また、オックスフォード大学の研究結果でも、十年から二十年後に、約四九%の職業が人工知能やロボットで対応できるとの結果も出ています。
そこで、県では、IoTやAI等の活用に当たり、今後どのような
取り組みを考えているのか、お示しをいただきたいと思います。
[西 商工労働水産部長登壇]
43 ◯西 商工労働水産部長 IoTやAI等の今後の活用についてのお尋ねでございます。
県といたしましては、地域課題の解決、製造業における生産性の向上や競争力の強化、新分野への展開等を推進するためには、IoT・AI等の近未来技術の普及や活用を促進する必要があると考えております。
今後の
取り組みにつきましては、新たに実施を予定しております本事業の成果や、県内企業等の現状やニーズ、国の動向等も踏まえ、産学官による研究など、対応について検討してまいりたいと考えております。
44 ◯郷原委員 一昨日、地元団体の青年部の会合がございました。先ほど
園田委員もおっしゃっておりましたけれども、メンバーの抱える最大の課題は人手不足だということを痛切に認識をいたしました。求人を出しても、例えば時給を千円に上げてもなかなか人が集まらないという悲鳴を聞いておりますと、どれだけ人手不足が深刻かということを改めて認識いたします。
今後さらに深まりを見せる人口減、少子高齢化社会を乗り越えていく上で、来年度の予算案に百五十二万四千円が目に見える形で提示されたということは画期的だと思いますし、来年度の事業にしっかりと取り組んでいただいて、事業の充実に努めていただきますことを要望いたします。
次に、農政部関係に移らせていただきます。
かごしまの農畜産物輸出倍増事業として、全額県費で一千八百九十六万円が提案をされております。県産農畜産物等の輸出促進を図るため、食品見本市への参加による新たな市場の開拓や、農林水産物輸出促進ビジョン(仮称)が策定されることとされております。
そのほか、当初予算案には、県産畜産物販路拡大事業ですとか、あるいはかごしまのさかな海外市場拡大事業ですとか、あるいはかごしま茶輸出拡大事業など、さまざまな事業が提案されております。
さらに、一月二十五日には、ヤマトホールディングス株式会社、ANA総合研究所株式会社、鹿児島アグリ&フード金融協議会及び県の四者で連携協定が締結されました。
そこでお尋ねいたします。
まず、農畜水産物の輸出拡大に向けまして、これまでの
取り組みを踏まえ、どのような課題があり、平成二十九年度にはどのような
取り組みを予定しているのか、お示しをいただきたいと思います。
次に、農林水産物輸出促進ビジョン(仮称)の策定を目指した経緯と策定の目的は何か、お示しをいただきたいと思います。また、どのように策定を進める予定かもお示しいただきたいと思います。
三点目に、ヤマトホールディングス、ANA総合研究所、鹿児島アグリ&フード金融協議会及び県の四者で締結した連携協定の概要及び今後の展望についてもお示しをいただきたいと思います。
[川野農政部長登壇]
45 ◯川野農政部長 農畜水産物の輸出拡大に関しまして、まず、これまでの課題と来年度の
取り組みについてでございます。
県ではこれまで、かごしま食と農の県民条例に基づく基本方針や県水産物等輸出促進戦略など、分野別の方針等を踏まえながら、香港、シンガポール等のアジアや米国を中心に、食品見本市への出展や量販店等でのフェアの開催等による販路拡大に努めております。
また、海外の食品安全基準に対応できる生産技術の確立や、欧米の輸出認定取得に向けた食肉処理施設や水産加工処理施設の整備などにも取り組んでおります。
今後、県産農畜水産物のさらなる輸出拡大を図るためには、農畜水産物の生産や輸出に取り組む事業者、関係機関・団体等が一体となった情報収集や販促活動などが課題と考えております。
また、今後の輸出拡大が期待される個別の品目といたしましては、欧米を中心に需要が高まっております有機抹茶の生産体制の整備、海外での需要の高い完全養殖ブリの人工種苗供給体制の整備などが課題であると考えております。
このため、平成二十九年度当初予算では、農林水産物輸出促進ビジョン(仮称)の策定に係る予算を盛り込みますとともに、目指せ世界ブランド!
かごしま有機抹茶生産体制整備事業やブリ人工種苗導入事業などを提案し、これらの諸課題に対応したいと考えております。
次に、農林水産物輸出促進ビジョンについてでございます。
県ではこれまで、先ほど答弁しましたとおり、農畜産物や水産物など分野別の方針等に基づき、輸出の促進に取り組んでまいりましたが、県議会海外経済交流促進等特別委員会において、農林水産物全体を一元化したビジョンを策定し、数値目標を設定すべきではないかとの御意見をいただいたところでございます。
また、国におきましても、昨年五月、農林水産業の輸出力強化戦略を策定し、農林水産物の品目別や地域別の対応方向を示しますとともに、輸出額一兆円の目標達成を一年前倒しし、平成三十一年としたところでございます。
このような国・県における動きを踏まえ、今後、本県がさらなる輸出拡大を図るため、農林水産物の生産・輸出に取り組む事業者等が一体となって、情報収集やPR、効果的な販促活動に取り組むための指針となります、農林水産物輸出促進ビジョン(仮称)を策定したいと考えております。
ビジョンの策定に当たりましては、輸出相手国における需要や市場性等を調査するとともに、関係者等による検討会を設置し、幅広く御意見をいただいた上で、品目横断的な
取り組み体制や輸出目標額などを取りまとめたいと考えております。
次に、ヤマトグループ等との四者によります連携協定についてでございます。
去る一月に四者で締結した協定に基づきまして、ヤマトグループとANAグループが那覇空港を拠点に構築しております、香港、上海、台湾、シンガポール、マレーシアへの国際航空物流ネットワークを活用して、県産農林水産物の輸出促進などに取り組むこととしております。
今後、これらの地域におきまして、ヤマトグループなどと取引のある飲食店等からの日本産の農畜産物への需要に応えます、いわゆるBツーBの
取り組みや、インターネットによる取引などにより直接消費者に届ける、いわゆるBツーCの
取り組みを支援していくこととしておりまして、県内の生産者の方々が小ロットでも海外とのビジネスに
取り組みやすくなるものと期待をしております。
現在、四者で、代金決済のあり方や、本県の南に開かれた地理的優位性を生かせるルートの検討などを進めているところでありまして、引き続き、緊密に連携し、知恵を出し合いながら、本県の誇る農林水産物の輸出が一層促進されますよう努めてまいります。
46 ◯郷原委員 さきの我が党の代表質問では、地域政策としての農政のさらなる重要性を西高県議も御指摘されたところでありますけれども、車の両輪たるべき産業政策としての農政も力強く推し進めていかなければいけません。そして、人口減少社会を迎えるに当たっての大黒柱が輸出促進なのだと考えます。
昨年、JA職員の方との交流の中で、牛肉や豚肉、水産物、野菜など、それぞれの品目ごとに輸出拡大を図るよりも、かごしま丸ごとパッケージで輸出するほうが効率的で、JAでもそのような
取り組みが行われているとお聞きいたしました。
また、輸送コンテナの技術革新が格段に進んでいて、輸送品質が向上して、あわせて、船便利用による輸送コスト削減で、今後は輸出農産物の価格競争力も向上していくとお聞きいたします。
輸送技術の向上等も横にらみしながら、東アジアに近いという地理的優位性を最大限に生かして、引き続き、部局横断的な横の連携を図っていただいて、オール鹿児島で輸出倍増に取り組んでいただきたいと要望いたします。
そしてまた、輸出倍増という出口を開拓しながら、あわせて、生産の質・量も充実させるための基盤整備も農政の重要な課題だと、鶴薗議員、瀬戸口委員からも御指導いただいておりますので、あわせて申し述べさせていただきます。
最後に、県産地鶏
ブランド力向上対策事業についてお尋ねをいたします。
県産地鶏
ブランド力向上対策事業として百六十三万円が提案されております。
我が県には、県畜産試験場で開発された、さつま若しゃも、さつま地鶏、黒さつま鶏の三つの地鶏がありますけれども、これらの県産地鶏を県内外にさらに発信することで、我が県の地鶏ブランドの大きな飛躍が期待されます。
そこで、県産地鶏のブランド化に向けたこれまでの
取り組みと、県産地鶏
ブランド力向上対策事業の概要についてお示しをいただきたいと思います。
[川野農政部長登壇]
47 ◯川野農政部長 県産地鶏のブランド化についてでございます。
県ではこれまで、本県固有の地鶏で日本三大地鶏に称されます薩摩鶏を種鶏として、御指摘もいただきましたが、さつま若しゃも、さつま地鶏、黒さつま鶏の三つの地鶏を開発しております。
平成二十七年度の出荷実績は、さつま若しゃもが十三万羽、さつま地鶏が一万三千羽、黒さつま鶏が十九万羽となっておりまして、特に黒さつま鶏の出荷が大きく伸びてきております。
これまで、県産地鶏のブランド化に向けて、ロゴマークの商標登録を進めますとともに、平成二十二年度には、地鶏生産者や関係団体等から成ります県地鶏振興協議会を設立し、県産地鶏を提供する料理店マップを作成するなど、PRに努めてきたところです。
また、他県産の地鶏との差別化を図りますため、肉のうまみ成分が増加するとされる飼料用米を活用した飼養管理マニュアルを平成二十七年度に作成し、生産者への普及・定着を図っているところです。
現在、このマニュアルに基づいて飼養しております十四戸の生産者から、かごしまブランドの産地指定申請が提出されておりまして、本年五月に開催を予定しております、かごしまブランド推進本部会議に諮りたいと考えております。
今回提案しております県産地鶏
ブランド力向上対策事業では、県産地鶏のかごしまブランドの産地指定を視野に入れまして、さらなる認知度向上を図るため、パンフレットやのぼりなどのPR資材の作成、大消費地で開催されるアグリフードEXPO等の食品展示会や商談会への出展などを計画しているところです。
県としては、県地鶏振興協議会等と一体となりまして、県産地鶏の特徴やおいしさなどを県内外に情報発信し、一層の
ブランド力の向上に努めてまいります。
48 ◯郷原委員 消費者の嗜好が多様化いたしまして、味はもちろん、安全性や健康面も重視されていくと思います。質がよいからといって売れるわけではなく、品質を維持・向上させて、さらに消費者の心をつかみ続ける戦略こそが求められるのだと思います。そのためにも、ぜひ当事業で県産地鶏の
ブランド力を向上していただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
49
◯大園委員長 次に、日高委員に発言を許可いたします。
[日高委員登壇]
50 ◯日高委員 おはようございます。
三番バッターの日高滋でございます。
きょうは、観光関係に関しまして質問をさせていただきます。
これまで、県政調査会、代表質問、一般質問、そして
予算特別委員会での説明と、いろんな機会にお話しいただいておりますので、きょうは私はそのすき間を突いて、すき間の質問をさせていただきたいなとそのように思っているところでございます。
先日、一月でございましたが、知事室に要請活動でお伺いいたしました。本県、予算も大変厳しい、知事もマニフェストに挙げたものをつくりたいということで、そういう声がずっと聞こえておりましたので、私も少しでもお役に立てばということで、金運のお守りをお持ちいたしましたが、少しは役に立ちましたでしょうか。それらも含んで
予算編成もされたと思っておりますが、どうぞひとつしっかりとやっていただきたいなと思っております。
それでは、質問に入らせていただきますが、早速、一番のPR・観光戦略部の設置の考え方について、まずお伺いをいたしたいと思います。
本県は、言うまでもなく、今後、明治維新百五十周年、そして大河ドラマ「西郷どん」、それから奄美の世界自然遺産登録、それから鹿児島国体、東京オリンピック・パラリンピックもあるわけでございますが、この時期を逃すことなく、観光振興を含めて本県を国内外にPRする絶好の機会だと思っておりまして、今を逃すことはないというふうに思っているところでございます。
そこで、知事に伺いますが、今回、PR・観光戦略部を設置するということで、今までと何を変えようとしているのか、その狙いをお伺いさせていただきたいと思います。
また、二十九年度予算にさまざまな事業提案がなされておりますが、本県の観光の現状をどのように捉え、どのような事業を展開しようとして、そして強化を図ろうとしているのか、まずお伺いいたします。
[三反
園知事登壇]
51 ◯三反園知事 PR・観光戦略部設置などの考え方についてのお尋ねがありました。
委員御指摘のとおり、鹿児島は、豊かな農・畜・水産資源を有しまして、明治維新の礎、近代産業の魁となりました歴史・文化遺産、桜島、屋久島、奄美群島などの自然、指宿を初めとする温泉などの観光資源にも恵まれております。
また、今後、平成三十年の明治維新百五十周年、大河ドラマ「西郷どん」の放映、奄美の世界自然遺産登録、鹿児島国体なども控えております。これらのチャンスを最大限に活用しなければなりません。県産品の販路拡大、販売促進、観光振興、すぐれた素材の情報発信を戦略的かつ効果的に推進する必要があると考えております。
このために、従来の観光交流局を発展的に改組いたしまして、新たに、PRや観光、広報の業務を一体化することが重要であると、一元的に所管するとともに、時代の変化に即応し、観光需要の増大や農畜水産物の販売力強化につながる戦略的な施策展開を行いたいと考えております。
今後は戦略が非常に重要となっております。いいものを生かすための戦略、そのために今般、PR・観光戦略部を設置しようとするものであります。
[本 観光交流局長登壇]
52 ◯本 観光交流局長 本県の観光振興の現状及び平成二十九年度の事業展開についてのお尋ねでございます。
本県における平成二十七年延べ宿泊者数はおよそ七百九十七万人であり、全国二十三位、九州三位となっております。このうち外国人はおよそ四十二万人であり、全国二十二位、九州では五位となっております。
平成二十八年度は、四月の熊本地震により、多数の宿泊キャンセルの発生など大きな影響を受けましたが、旅行費用の一部を助成する九州ふっこう割の
取り組みなどによりまして、七月以降、宿泊者数は回復してきているところでございます。
平成二十九年度は、来年の明治維新百五十周年に向けて非常に大事な年であると認識しております。まず、来年放送の大河ドラマ「西郷どん」の放送効果を最大限に生かすために、大河ドラマ「西郷どん」キャンペーン事業において、県内外でのイベント実施や各種メディアを使った「西郷どん」ゆかりの地のPRなどを行います。
また、国内誘客プロモーション事業において、鉄道、航空、航路などの交通事業者とも連携して、大規模な観光プロモーションを展開し、国内主要都市からのさらなる誘客を図ってまいりたいと考えております。
外国人観光客の誘致につきましては、アジア地域を中心に、鹿児島の認知度をさらに向上させるために、海外誘客ステップアップ事業の中で、海外セールスやさまざまなメディアを活用した現地での観光PRなど、各種インバウンド対策を展開することとしております。
さらに、国際クルーズ船誘致促進事業におきまして、離島も含めた県内各港へのクルーズ船寄港の増加・定着化を図ることにしております。
このほかにも、仮称でございますが、かごしま明治維新祭二〇一七を初め、年間を通じて切れ目のないイベントを開催することにより、さらなる観光客の増大を図ってまいりたいと考えております。
53 ◯日高委員 ありがとうございます。
お願いですが、一般質問、代表質問でもある程度お聞きしておりますので、限られた時間でございますので、そこら辺はひとつ御配慮いただきたいと思います。
私がこの質問をいたしましたのは、先ほどもありましたが、やはり人口減少社会に入るということで、そして東京オリンピックというものがありまして、人口の流出がまた始まるんじゃないか、今までも実際始まっております。そういう話もよく聞きます。やはり東京まで行って仕事をせんといかんという話になるわけでございまして、そういう意味では、私が言いたいのは、この機会を捉えて、この鹿児島県にしっかりと就職し、働ける場所をつくっていく、その機会だと、絶好のチャンスだと思っておりまして、そのことをぜひとも強く申し上げておきたいとそのように思っているところでございます。
そういう意味ではぜひともこれから、県政ビジョンもつくってまいりますが、そこらも含めてしっかりとした、この鹿児島県でしっかりと生活ができる、そしてこの鹿児島県から人が出ていかないと、そのことにやはり重きを置いてやっていただくことをお願いいたしたいと思います。
次に、PR基本戦略及びキャッチコピーの見直しについてひとつお伺いをいたします。
これはもう十年近くなるわけでございまして、そういう意味では、時代も変わり、知事もかわり、そして目線・視線というのも大きく変わってきているだけに、このことも大事だと思っております。やはり節目節目で考えながら変えていくというのも大事でありますので。
そういう意味で、今回、この見直しというのを、知事はどのようなイメージを持って、今後、この鹿児島のPR戦略、そしてキャッチコピーを見直そうとしているのか、そのこともひとつお願いを申し上げます。
[三反
園知事登壇]
54 ◯三反園知事 お答え申し上げます。
PR基本戦略及びキャッチコピーの見直しについての御質問であります。
御指摘のとおり、現在のPR基本戦略及びキャッチコピーは策定から十年近くが経過しております。現在においては、スマートフォンを利用したSNSが飛躍的に普及しております。策定時とは時代背景、活用する広報媒体等が大きくさま変わりしてきております。
また、今後、鹿児島におきましては、明治維新百五十周年、大河ドラマ「西郷どん」の放送、奄美の世界自然遺産登録、国民体育大会の開催など、国内外で鹿児島県の多様な魅力をアピールする絶好の機会もあります。
そういうことも含めまして、こうした追い風も背景にして、鹿児島の農畜水産物の
ブランド力強化、そして観光のPRに資するような戦略及びキャッチコピーに変える必要があるのではないかと考えております。
観光や流通関係者のほか、ICTなどの新たな分野の専門家なども加えまして検討会議を立ち上げまして、会議の場で、現在のPRにおける課題、そして今後、PRすべき年齢層、地域、ターゲット、効果的な広報媒体等について幅広く御意見等をいただきまして、県議会の皆様方にもお示しした上で、新しい戦略及びキャッチコピーを策定したいと考えております。
55 ◯日高委員 ありがとうございます。
基本戦略とキャッチコピーというのは、三反園知事の県政になったわけでございますので、そういう意味では、やはり知事の思いというものがしっかりと打ち出される、それにそして皆さんが一緒にやっていくという形が必要だと思っています。
きょうはそういう意味ではせっかくの機会ですので、私はこのイメージ、どのような考えを持っているのか、今考えている、浮かんでいるものでも、ちょっとでも出していただければうれしいんですが、どうでしょうか。よろしくお願いします。
[三反
園知事登壇]
56 ◯三反園知事 先ほど答弁したとおりでもありまして、今、鹿児島を取り巻く環境というものも大分十年前とは変わっておりますし、SNSを含めて、媒体等も変わっておりますし、ターゲットをどこに置いて、どういうコピーが必要なのかと、時代に合った非常に引きつけるための、販路拡大につながるような、そしてある意味では観光客が鹿児島に行ってみたいと思えるような、わくわくどきどきするような、そういったキャッチコピーが必要だと私は思っておりますので、そういう方向になるように、私の考え方もありますけれども、ただ、いろんな方々の御意見も伺いながら、最終的には一番ふさわしいものにしていきたいと、そういうふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
57 ◯日高委員 もうこれ以上はきょうはお願いいたしませんが、やはりイメージ、キャッチコピーですので、先ほど来の答弁のように長々じゃなくて、ぱっと言っただけでこうだよというものでなければならないと思っていますので、やはりそういうイメージを膨らます、そういうことが大事だと思っていますので、ぜひまた委員会のほうでも質問をさせていただきたいと思いますので、しっかり話を聞いていただいて、お答えいただきたいなと思っております。
それでは、次に入ります。
クルーズ船による観光振興の展望と戦略ということでございますが、私は今、ここにクルーズ船の寄港状況というものを、平成十一年、それから今日までのものを持っております。私も屋久島の生まれでございまして、そういう意味では、平成十一年、初当選をさせていただいた年でございますが、そのときからやはりたくさんの観光船が屋久島のほうにも、そしてほかの離島にも来ていたという状況をしっかり把握ができたと思っております。
そういう中で、今、クルーズ船、観光船が大変押し寄せてくるような状況で、対応ができないという話にもなってきているところでございまして、今、いろんな見直しがされているところでございます。
そういう中で、クルーズ船誘致拡大による観光振興を図ろうということで、本年一月から、観光クルーズ船担当参事職が新設されまして、国土交通省から古土井さんが就任をされて、私どもも大いに期待をいたしているところであります。
そういう意味では、本日ここで古土井さんの、鹿児島県を見た、そしてこれからどうしていけばというちょっと御意見も聞きたかったんですが、きょうは発言できないということでございますので、これもまた委員会でお聞きをしたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
先ほどから申しますように、クルーズ船が急増しているということで、今、この対応の議論がいろいろな形でされているわけでございますが、クルーズ船の分散、そして重複を避けるために、私は離島を活用するという視点が、これまでの計画、今の計画の中に抜け落ちているんじゃないかなという気持ちがいたしております。
私は、これらを活用するならば、重複そして分散という考え方も、そして県内各地にその流れが一つできていると思っておりまして、私はこの考え方というのが、少しどころじゃなくて大きく足りないんじゃないかなと思っております。
ぜひともそういう意味で、これをやるには港湾の整備、そしていろんな
取り組みをしなければなりませんが、これらを後で計画するんじゃなくて、私は今までにしていなければならなかったことと思います。奄美が世界遺産になろうとしている中でクルーズ船観光もできないじゃないですかと、そのことを言いたいのであります。
よく観光船の話をしますと、やはりマリンポートとか本港区とか錦江湾の中の話だけであって、何かやはり離島は置いてけぼりを食っているなと、自然と、何もしなくても来るところだけの対応かと、私はそう思えてなりません。
私もこれまで、島々の港の整備というのを申し上げてまいりました。しかしながら、来るだろうかどうだろうかと、そのようなことだけであって、そのような検証もしなければならないという中でありましたが、マリンポートは何もないところにつくったんですよ、整備されたんですよ。そのおかげでぴしゃっと、しっかりとしたいろんな船が来てくれるというような状況であります。それらからすると、やはり離島もしっかりと計画、そして調査もやって、これまでにやっていなければならなかったことだと私は思っております。
そういう意味で、また国のほうでも、大型クルーズ船の寄港地の開発に関する調査というものも行われるようでございますが、これまで、私どもは離島県としてそのこともやっていなければならなかったというふうに思っております。
これらの調査は調査として私も受け入れますが、どうぞそういう意味で、離島というものを活用しようと、活用しなければならないということを、皆さんのお考えをお伺いいたしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
[本 観光交流局長登壇]
58 ◯本 観光交流局長 クルーズ船誘致における離島の活用についてでございます。
県内の港湾に寄港したクルーズ船の寄港回数は、平成二十八年は百十七回で、このうち、屋久島、奄美大島を初めとした離島への寄港は三十三回となっております。
中でも、日本船社が運航するクルーズ船の寄港回数では、屋久島の宮之浦港は全国六位の十四回となっておりますことから、離島の魅力が高く評価されたものと考えております。
また、奄美の世界自然遺産登録が実現しますと、屋久島と合わせて二つの世界自然遺産を持つ全国唯一の県になりますが、これは本県の観光にとりまして非常に大きなセールスポイントになるものと考えております。
今後さらに、鹿児島の地理的優位性や屋久島、奄美を初めとした個性豊かな離島の魅力を生かしながら、例えばエーゲ海クルーズのように魅力のある、本土と各島々を結ぶ世界遺産クルーズの提案を行うなど、クルーズ船の誘致や受け入れ体制の強化に積極的に取り組んでまいりたいと思います。
あわせて、世界遺産クルーズや各島々を結ぶ観光への考え方と展望ということもございましたので、あわせて回答させていただきます。
本県は、南北六百キロメートルにわたり、種子島、屋久島、奄美群島など個性豊かな島々を有しております。さらに、先ほど申し上げましたとおり、奄美の世界自然遺産登録は、さらなる本県の観光の大きなセールスポイントになりますことから、本土と世界遺産を有する沖縄を含む島々を結ぶ世界遺産クルーズの提案、奄美群島の島々を航空機や船でつなぎながら旅ができる仕組みを構築するアイランドホッピング事業など、個性豊かな離島の魅力を生かした観光客の誘致に取り組んでまいりたいと考えております。
なお、委員のほうからお話がございましたが、国におきまして、南西諸島を対象として、離島の豊かな自然を活用した大型クルーズ船の寄港地観光に関する調査を行っておりますことから、この調査結果も活用して、多くの国内外の方々に離島の魅力を認識していただくよう、効果的なPRと誘致に努めてまいりたいと考えております。
[久保田土木部長登壇]
59 ◯久保田土木部長 クルーズ船に対応しました離島港湾の整備についてでございますが、これまで、宮之浦港や西之表港、名瀬港におきまして、専用岸壁を整備し、国内外のクルーズ船が寄港しているところであります。
クルーズ船のさらなる大型化に対応するためには、岸壁の長さや水深が不足していること、港内で旋回する水域が狭いことなどの課題があると考えております。
先ほど観光交流局長からもありましたように、奄美の世界自然遺産登録が実現しますと、屋久島と合わせて二つの世界自然遺産を持つ全国唯一の県となります。本県の観光にとって非常に大きなセールスポイントとなると考えておりまして、観光部局と十分に連携を図りながら、どのような対応が可能か検討してまいりたいと考えております。
60 ◯日高委員 ありがとうございます。
当然、これまでそれぞれ土木、観光、別々の発言をいたしておりましたので、そのために今回、新設した参事職だと思っておりますので、そのことも含めてしっかり対応いただきたいなと思っております。
そして、先ほども申しましたが、国の調査がなくても、これまでに計画がなければならないものだと私は思っております。それが今、港のお話が部長からもありましたが、やはりこれまでしっかりと、我々がお願いすれば、これからも来るだろうかと、すぐそういう返事ですよ、それを調査してみないといけないと、もうこれは何十年言ってきておりますよ。
そういう意味では、やはり長期的にしっかりと、どういうルートで流していくんだと、船に走っていただくんだということも含めて、これまでにでき上がっていなければならない話ですよ。
世界遺産を含めた観光ルートをつくろうと言いながら、その立ち寄る場所にはそういうところはないと、そのことがあって観光振興がなりますか。私はぜひ、おくればせながら、これからもしっかりと調査して、計画を立てて取り組んでいただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
今回、陳情が志布志商工会から上がってきております。この中にも書いてあるように、志布志港を忘れておりませんかと、そのことを言っているんです、これが。全く私も一緒です。そして、先日の一般質問で中村素子議員が、阿久根を忘れておりませんかと、あの地域を忘れていませんかと、それもやっぱり一緒であります。
そういう意味では、皆さんも目を配りながら、全県の中でやっていると思うんですが、そういう中で、やはり本当に観光については、今の時代の「西郷どん」を初め、このいい機会を捉えて、しっかりとやはり鹿児島県全土にその恩恵が流れる状況というのを皆様方にはもう一度考えていただいて、もう一度じゃなく何度も考えていただいて、ぜひともその
取り組みが行われることをお願いいたしたいと思っております。
まだまだ言いたいんですが、時間の関係でこれぐらいにいたします。
次に、ドルフィンポート敷地周辺の活用についてお伺いをいたします。
この地域は、離島住民の通常生活を営むための大切な往来の出入り口でもあります。もちろん北埠頭、そして鹿児島港本港区でも同様でありますが、これまでのいろんな議論を見ておりますと、一つだけの話題が先行し、先ほども申したように、離島の玄関口であるということを何か少し忘れているんじゃないかなということも感じているところであります。
そういう意味では、今からこの議論もされるわけでございますが、離島に対するこの地域の位置づけというものをどのように考えているのか、ぜひともお聞かせをいただきたいなと考えております。
また、この地域は、現状においても、魅力的な地域にしようという割には、この地域の交通機関の整備というものも大きくおくれているということを申し上げておきたいと思っております。
この地域の形成や振興を図る上で、交通機関の整備というのは大事でありまして、そしてまた離島の玄関口の出入り口として、それを形成するために大事な直結する課題であると思っております。
今、鹿児島市電の延伸計画が打ち出されております。今こそ、地域振興そして観光振興の上からも、これらの電車・バス、そして高速船待合所、これらの交通機関を集約して、建物の中に入れるぐらいの複合的なターミナルを考えて、大きな視点を持って検討すべきであると、このことも申し上げておきたいと思っております。
ドルフィンポート敷地や北埠頭を含む鹿児島港本港区エリアの考え方、議論は今からされますが、知事としてのまず基本的な考え方を教えていただきたいと思います。
[三反
園知事登壇]
61 ◯三反園知事 お答え申し上げます。
鹿児島港本港区は、北埠頭に奄美・喜界航路、南埠頭に三島・十島及び種子・屋久航路が就航しております。御指摘のあったとおり、本土と離島を結ぶ生活航路を支える交通インフラの一つとして重要な役割を担っていると認識しております。
平成二十九年度においては、同エリアのグランドデザインをゼロから描くための調査・検討を行うこととしております。その検討に当たりましては、離島航路等が就航する本港区の本来の機能にも十分配慮したいと考えております。
また、先ほどからクルーズ船に関するいろんな御指摘もたくさんありましたし、交通機関の整備という御指摘もいろいろとありましたけれども、そういった意味で非常に重要だと思い、だからこそ一体的にPR・観光、戦略が大事ですので、その戦略部を設置して、そこで戦略的に検討していきたいとそういうふうに思っております。
62 ◯日高委員 ありがとうございます。
ぜひそういう視点を入れて
取り組みを、議論をしていただきたいと思います。
小林副知事は屋久島においでをいただいたということをお聞きいたしておりました。連絡がいただければ万全を期してお迎えをするところでありましたが、何かいつの間にかそっと行ったような感じでございまして、ぜひまたおいでいただきたいと思います。
そのときはどこから行ったんでしょうかね、港からでしょうかね、飛行機でしょうか。(「飛行機でした」という者あり)ぜひ、先ほど私が申したような状況もございますので、いろんな課題もありますので、港からもう一度、私と一緒に行っていただきたいと思っております。
また、ついでと言ったら言い方がおかしいんですが、そういう意味で、国境離島のほうで言おうと思っていたんですが、これらの整備をする上で、やはり駐車場というのもありまして、いろんな流れの中で、有人国境離島法ができまして、料金は安くなったけど、鹿児島県の駐車場は高いねと、これをよく言われます。これらも含めて、ぜひ土木部長、検討をお願いいたしたいと思います。
それでは次に、有人国境離島の振興対策事業について伺いたいと思います。
きょう昼から、松里県議がこの関係については質問いたしますので、私は、この中で滞在型観光の促進という事業がございますので、これらについてお聞きをいたしたいと思います。
有人国境離島法は私ども島民の長年の悲願でありました。航路・航空路運賃の軽減が有人国境離島法の成立によりまして、この四月からスタートすることになりまして、私どもの生活環境も大きく変わるものだと思っております。
こういう中で、事業のメニューの一つに、滞在型観光の促進を図る事業も含まれておりますが、これらが観光そして交流人口増にどのような効果が見込まれると思っているか、この事業内容と活用についてお伺いをいたします。
[岩切企画部長登壇]
63 ◯岩切企画部長 有人国境離島法に関連する地域社会維持推進交付金、これは仮称ですけれども、滞在型観光促進への
取り組みについてでありますが、特定有人国境離島においては、旅行者にもう一泊したいと思わせるような、例えば例示で申し上げますと、その地域でしか味わえない食材を使った料理を提供したり、あるいは伝統の祭りや特色ある自然を体験してもらうなど、旅行商品等の開発に向けた
取り組みなどを、企画から実証、宣伝、販売まで支援するものでありまして、離島における滞在日数の増加や交流人口の増加につながるのではないかと考えております。
今後、各地域において、地元の観光協会や旅行代理店などの事業者等の意見や提案もお聞きしながら、新たな旅行商品の開発等が進められる予定であります。県としても、同交付金が有効に活用されるよう、調整・助言に努めてまいりたいと考えております。
64 ◯日高委員 ぜひとも活用いただいて、せっかくのものでありますので、有効的な状況になることを願うところであります。
もう時間もございませんので、最後の質問にさせていただきます。
まず、佐多岬観光施設の活用についてであります。
私も観光振興議員連盟の会長をさせていただいたときに観光条例をつくりました。そのとき、この大隅地域というのは、観光の光が当たらない地域だと、そういう視点で意見を聞いたり、調査をいたしたときがございました。今、それからどのように変わったでしょうか。今、思うところであります。
そういう中で、今回、佐多岬の整備がいろいろと行われておりますが、これらをどのような位置づけで整備をしようとしているのか。そしてまた、この整備状況と、そして、大隅半島、佐多岬を活用した考え方についてお伺いをいたしたいと思います。
[本 観光交流局長登壇]
65 ◯本 観光交流局長 佐多岬の整備関係等についてのお尋ねでございます。
本土最南端の地であります佐多岬は全国的にも有名で、大隅地域を代表する観光地でございます。大隅地域は、豊かな自然や豊富な食材など多様な観光資源に恵まれており、本県の観光振興上、極めて重要な地域でございますことから、県では、佐多岬を大隅地域へ観光客を呼び込む重要な拠点として位置づけ、環境省や南大隅町と一体となって整備を進めているところでございます。
これまでの整備状況としましては、県の
取り組みとしては、第二駐車場の拡張や、南大隅町が新しくモニュメントを設置しました北緯三十一度線展望広場などの整備を行ってきたところであり、現在、トンネル手前の公園エントランスにおきまして、大型バスも使える駐車場やトイレなど建物の整備を行っております。今後、整備した建物を活用して、南大隅町が観光案内所を設置する予定になっております。
また、トンネル出口から岬先端に至る部分は、環境省が遊歩道や展望台などの整備を行っておりまして、公園全体の完成は、平成三十年度中ごろの見込みとなっております。
今後の活用につきましては、大隅地域には佐多岬のほか、壮大な景観美を誇ります雄川の滝や花瀬自然公園、猿ヶ城渓谷、日本最大級のバラ園でありますかのやばら園、食材の宝庫大隅を代表する垂水のカンパチや志布志のハモ料理などがありますが、これらのさまざまな素材を生かして地域内の回遊性を高めることが、観光客の誘致につながるものと考えております。
このため、県では、地元市町等と連携しながら、指宿地区から大隅地域へ、あるいは霧島地区から大隅地域につながる広域観光ルートづくりを進めているところでございます。
66 ◯日高委員 もう時間も参りましたので終わりにしますが、ぜひいろんな
取り組みをしていただいて、この地域に観光の光が来たなと、当たってきたなと言ってくれるように、堀之内委員が今、見ておりますが、まだ来ていないよという感じでございますので、ぜひそう堀之内委員が言ってくれるまで徹底的にやっていただきたいと思います。
終わります。(拍手)
67
◯大園委員長 以上で、午前中の質疑といたします。
ここで、昼食等のため暫時休憩いたします。
再開は、おおむね午後一時十五分といたします。
午後零時 八分休憩
────────────────
午後一時十五分再開
68
◯大園委員長 再開いたします。
次に、松里委員に発言を許可いたします。
[松里委員登壇](拍手)
69 ◯松里委員 通告によりまして、企画部二問について、質疑をいたしてまいります。
まず初めに、離島振興法における平成二十九年度の本県離島振興関係予算の概要と今後の課題等への
取り組みについて、お伺いいたします。
昭和二十八年に議員立法として制定された離島振興法は、十年ごとに改正延長が行われ、平成二十四年六月に改正離島振興法が成立し、平成二十五年四月一日から向こう十年間施行され、この法律により、全国の離島地域では、さまざまな施策が積極的に推進されております。
本県においても、離島振興計画に基づき、国庫補助事業による諸事業の推進や離島活性化交付金を活用した定住・交流の促進、防災体制の強化などの市町村の
取り組みへの支援及び離島における地域おこし団体の活動支援等を実施しているところであります。
そこで、お尋ねいたしますが、第一点は、国土交通省一括計上分の平成二十九年度離島振興関係公共事業の国費ベースの全国予算額をお示しください。
また、平成二十九年度の本県離島地域における公共事業予算額等の具体的な事業内容と効果について、お尋ねいたします。
第二点は、離島活性化交付金や離島のガソリン流通コスト対策事業、離島漁業再生支援交付金、離島高校生修学支援事業などの平成二十九年度離島振興関係非公共事業の全国予算額をお伺いいたしますとともに、本県離島地域における非公共事業の予算額等の具体的な事業と効果について、明らかにしてください。
[岩切企画部長登壇]
70 ◯岩切企画部長 本県離島振興関係予算の概要と今後の課題等への
取り組みについて、まず、公共事業の予算額等についてであります。
国土交通省一括計上分の平成二十九年度離島振興関係公共事業の予算額については、国費ベースで約四百三十一億円であります。
また、本県離島地域における一括計上及び各省計上分の公共事業の予算額については、事業費ベースで約百三十億円となっており、主な事業としては、藺牟田瀬戸架橋などの道路整備、西之表港や幣串漁港などの港湾・漁港整備、種子島における農業基盤の整備や屋久島における林道整備などを予定しております。
こうした事業の実施により、離島地域における社会資本や生活環境の整備が図られるとともに、経済や雇用の面でも地域を支える効果があるものと考えております。
次に、離島振興関係非公共事業の予算額等についてであります。
まず、事業ごとの全国予算額についてですが、いずれも国費ベースで、離島活性化交付金が十五億五千万円、離島のガソリン流通コスト対策事業が三十億五千万円、離島漁業再生支援交付金が十億六千万円、離島高校生修学支援事業が三億三千万円などとなっております。
これらの事業のうち、離島活性化交付金については、本県全体で国費約一億四千万円を国に要望しており、戦略産品の輸送費支援、観光ガイドの育成、特産品の開発やPR、離島留学生の受け入れ等を実施するほか、離島漁業再生支援交付金については、県予算約一億五千万円を計上しており、漁業集落が行う種苗の放流や藻場の造成、加工品開発等を支援することとしております。
また、離島のガソリン流通コスト対策事業は、ガソリンの値引き販売をした事業者に対し補助を行うもので、また、離島高校生修学支援事業は、高校未設置の離島に住む高校生に対し、通学費や居住費などを支援するものでございます。
これらの事業の実施により、離島における定住の促進や地域の活性化、離島と本土との間の地域格差の是正につながるものと考えております。
71 ◯松里委員 平成二十九年度離島振興関係公共事業及び非公共事業の全国予算額や本県における事業内容等について、それぞれ御答弁をいただきました。
平成七年度以降の本県離島地域における公共予算額の推移を見ますと、平成七年度は、ピークで約三百十億円となっているのに対しまして、平成二十六年度においては約九十四億七千万円であり、平成七年度比で実に約六九・五%の大幅な減少であります。
また、財政力が弱い離島地域の地方公共団体における社会資本整備や生活環境整備の推進、さらに、地域住民の雇用確保などを積極的に推進するためにも、離島地域における公共事業の補助率のかさ上げは、喫緊の課題であります。
そこで、まず第一点として、平成二十九年度の本県離島地域の公共事業費の内容と効果などについて御答弁いただきましたが、平成二十九年度の
種子島・屋久島地域における公共事業予算額等の概要と効果について、お伺いいたします。
第二点は、離島地域内の地方公共団体の財政負担の軽減を図るために、公共事業の補助率のかさ上げに関する国の状況と現在までの県の
取り組みについて、お答えください。
[岩切企画部長登壇]
72 ◯岩切企画部長
種子島・屋久島地域における公共事業の予算額等についてであります。
種子島・屋久島地域における公共事業の予算額については、事業費ベースで約七十二億七千万円となっており、主な事業としては、県道西之表南種子線などの道路整備、西之表港や口永良部漁港などの港湾・漁港整備、種子島における農業・畜産基盤の整備、屋久島における林道整備などを予定しております。
こうした事業の実施により、
種子島・屋久島地域における社会資本や生活環境の整備が図られますとともに、建設業、運輸業、商業の活性化など、経済や雇用の面でも地域を支える効果があるものと考えております。
離島地域における公共事業の補助率かさ上げ等についてであります。
公共事業の補助率については、九州地方知事会を通じまして、これは離島地域も含めてでございますが、河川や港湾等の維持管理・更新に係る国費率のかさ上げ等を国に要望しているところであります。
また、平成二十四年の離島振興法改正時に、同法附則第五条に盛り込まれた、離島地域の地方公共団体の財政負担の軽減については、県開発促進協議会等を通じて要望を行いました結果、平成二十六年度から、地震・津波対策として行われる公共事業のうち、特に離島の防災機能強化に資する事業について、地方財政措置の拡充が行われたところであります。
73 ◯松里委員 企画部長の御答弁をいただきました。
本県離島地域の公共事業の推進については、経済格差の是正及び雇用の創出や地域の活性化など、離島地域を支える多大な効果等がございます。
県におかれましては、今後とも、本県離島地域の公共事業費の確保などを国等に対して積極的に要請していただくようお願いいたします。
さて、
種子島・屋久島地域の国費ベースの公共事業予算の平成七年度以降の動きを見てみますと、平成十年度が、約百八十六億四千万円とピークになっているのに対し、平成二十六年度は約四十二億六千万円であり、平成十年度比で約七七・一%の著しい減少となっております。
種子島・屋久島地域の公共事業費の急激な減少は、地域経済に大きなひずみを生じさせ始めておりますが、
種子島・屋久島地域の公共事業費の確保等について、将来に向けて具体的にどのような
取り組みをしていくのか、お示しください。
[久保田土木部長登壇]
74 ◯久保田土木部長
種子島・屋久島地域の公共事業費の確保についてでございます。
種子島・屋久島地域におきましては、現在、県道西之表南種子線の安城工区や屋久島公園安房線の荒川中工区などの道路整備、西之表港や宮之浦港などの防波堤の整備、及び河川改修や土砂災害防止施設の整備等を進めており、来年度からは、県道西之表南種子線の増田地区の整備に着手するなど、引き続き、住民生活を支える道路や港湾、安心・安全のための防災施設などの整備に努めることとしております。
また、屋久島空港につきましては、ジェット機就航に必要な滑走路延伸の事業化に向けて、今後、基本計画作成に必要な調査等に着手することとしております。
これらの社会資本整備を着実に推進するためには、公共事業予算の確保が重要でありますことから、今後とも、県開発促進協議会などあらゆる機会を捉え、予算の確保を国に対し強く要請するなど、必要な公共事業予算が確保されるよう努めてまいります。
75 ◯松里委員
種子島・屋久島地域の公共事業費の確保等については、島内の景気や雇用情勢などの早急な改善に向けた積極的な社会資本整備の
取り組みに対して、特別な御配慮を強くお願いするものでございます。
次に、離島地域の公共事業の補助率のかさ上げ等に関しては、改正離島振興法附則第五条に基づく措置の実施として、離島の防災機能強化に資する事業について、地方財政措置の拡充が行われたことに、一定の評価をいたします。
しかしながら、離島振興法における離島振興計画に基づく、道路、港湾、海岸、漁港等の整備に係る事業などの補助率のかさ上げについては、現在のところ実施されておりません。
県当局におかれましては、離島地域の市町村の負担軽減のためにも、奄美群島振興開発特別措置法並みの補助率のかさ上げの早急かつ具体的な実現を、今後、国に対してどのように求めていくのか、明らかにしてください。
[岩切企画部長登壇]
76 ◯岩切企画部長 離島市町村の負担軽減のための補助率のかさ上げ等についてであります。
離島地域における公共事業を着実に推進するためには、地元負担の軽減とともに、まずは必要な予算の確保が重要と考えておりまして、これまで、県開発促進協議会等を通じて、国に対して要望を行ってきたところであります。
今後とも、離島振興計画に基づく道路・港湾等の事業を確実に実施できますよう、所要額の確保について要望を行いますとともに、離島市町村の負担軽減が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
77 ◯松里委員 御答弁を賜りました。
離島地域の公共事業の補助率のかさ上げについては、一日も早い実現の見通しをつけていただきますよう、切にお願いいたします。
それでは、離島活性化交付金についての質疑に移ります。
平成二十五年四月の離島振興法の延長に伴い、離島における地域活性化を推進し、定住の促進を図るために創設された離島活性化交付金については、先ほどの答弁にもありましたように、離島地域における新たな雇用の創出や労働需要の増加に大きく貢献していることを、私なりにこの四年間の実績として大いに評価するものであります。
そこで、お伺いいたしますが、平成二十九年度における離島活性化交付金の見直し内容等をお示しください。
また、
種子島・屋久島地域の平成二十九年度の事業内容についてもお示しください。
[岩切企画部長登壇]
78 ◯岩切企画部長 平成二十九年度の離島活性化交付金の事業内容等についてであります。
まず、二十九年度の見直しにつきましては、滞在交流型観光の促進や移住希望者の定着を図る
取り組みの支援、戦略産品の輸送費支援の拡充が主な柱でありまして、例えば、体験や学習を主体とした滞在交流型観光を推進する組織の立ち上げに係る経費が支援対象となりましたほか、輸送費支援については、特定有人国境離島地域における補助率のかさ上げや対象経費の拡充等が図られたところであります。
種子島・屋久島地域においては、木材等の戦略産品の輸送費支援を初めとして、新たな特産品の開発や販路開拓の
取り組み、離島留学の支援、観光客誘致のための
取り組みなどが計画をされており、現在、国に要望を行っているところであります。
79 ◯松里委員 御答弁を賜りましたが、平成二十五年度に創設された離島活性化交付金は五年目を迎え、従来の離島振興事業の非公共事業に比べて、予算額の増額や事業内容等の拡充が行われてきたところであります。
県においては、今後、一層、国等への要望活動などを通じて、離島活性化交付金の充実を図り、本県離島地域の振興・発展につなげていただきますよう、強く要請しておきます。
また、改正離島振興法により創設された離島特別区域制度の国における検討状況及び県の対応について、明らかにしてください。
[岩切企画部長登壇]
80 ◯岩切企画部長 離島特別区域制度の検討状況などについてであります。
いわゆる離島特区制度は、離島の振興や離島固有の課題の解決を図るため、離島地域に区域を限って、規制の特例措置その他の特別措置を適用するものであります。
平成二十五、二十六年度に、国において提案の募集が行われ、本県からも、車検の有効期間の延長などの提案を行いましたが、本県提案も含め、これまでのところ全国で離島特区が導入された例はありません。
その後、国からの提案募集はないところでありますが、今後、状況に変化があれば、必要に応じて対応してまいりたいと考えております。
81 ◯松里委員 離島特別区域制度の国における検討状況及び県の対応について、御答弁をいただきました。
そこで、知事にお伺いいたしますが、知事のマニフェストにある「宇宙開発など近未来技術特区の実現で、研究機関の誘致と関連産業の企業誘致を図ります。」に関して、離島特別区域制度も含めた、種子島宇宙センターのある種子島への誘致の実現についての今後の
取り組みをお尋ねいたします。
[三反
園知事登壇]
82 ◯三反園知事 お答えいたします。
種子島への研究機関と関連産業の誘致についてであります。
研究機関等の誘致につきましては、景気に左右されず長期的な事業活動が見込まれます。さらに、関連企業の立地も期待できることから、重点的に取り組むこととしておりまして、現在、研究機関等を有する企業の設備投資動向につきまして、情報収集を行っているところであります。
また、来年度からは、研究機関等が行う設備投資を促すために、企業立地促進補助金における補助率を引き上げるとともに、離島地域への企業立地を促進するため、同補助金における新規雇用要件を緩和することとしております。
県といたしましては、特区制度等に係る国の動向も踏まえながら、種子島地域も含めて、積極的な研究機関等の誘致に取り組んでまいります。
83 ◯松里委員 知事におかれましては、離島特別区域制度や近未来技術特区を活用した宇宙関連研究機関等の誘致に最大限の努力をしていただきますよう、要望いたします。
次は、有人国境離島地域の保全及び特定有人国境離島地域に係る地域社会の維持に関する特別措置法、いわゆる有人国境離島法に基づく、特定有人国境離島地域の地域社会の維持に係る施策について、お伺いいたします。
平成二十八年四月に成立し、ことし四月に施行される有人国境離島法は、領海・排他的経済水域等の保全等を図ることを目的として、十年間の時限立法として定められ、特に、継続的な居住環境整備が必要と認められる地域を特定有人国境離島地域と定めております。
特定有人国境離島地域については、航路・航空路運賃の低廉化等の施策が講じられることとなっており、本県では、種子島・屋久島など十七島が対象となっております。
そこで、お尋ねいたしますが、平成二十九年度の国及び本県の特定有人国境離島地域における事業内容や地域経済に及ぼす効果等について、お示しください。
[岩切企画部長登壇]
84 ◯岩切企画部長 国及び本県の特定有人国境離島地域における事業内容等についてであります。
国は、平成二十九年度に、これは仮称ですが、地域社会維持推進交付金の予算として、国費五十億円を計上しており、同交付金により、特定有人国境離島地域の地域社会の維持を図るための
取り組みを支援することとしております。
県では、この交付金を活用し、住民の航路・航空路運賃について、JR在来線運賃並み、あるいは新幹線運賃並みなどへの引き下げを目指すとともに、農水産物の移出に係る輸送コストの支援や滞在型旅行商品の開発の支援、創業や事業拡大に伴う設備投資の支援等を行うこととしておりまして、当初予算案に約十三億一千三百万円を計上しているところであります。
交付金を活用した
取り組みの実施により、地元産品の販路拡大や観光客等交流人口の増加、新規雇用者数の増加など、地域経済の活性化が図られるものと考えております。
85 ◯松里委員 本県の平成二十九年度当初予算案に、地域社会維持推進交付金の関連事業費十三億一千三百万円が計上との先ほどの企画部長の御答弁がありました。
そこで、お伺いいたしますが、地域社会維持推進交付金による本県離島住民向け航路・航空路運賃の低廉化、農水産物の輸送コスト支援、滞在型観光の促進及び雇用機会拡充の予算額、さらに、県の負担割合などについて、お答えください。
[岩切企画部長登壇]
86 ◯岩切企画部長 地域社会維持推進交付金による各事業の予算額などについてであります。
順次申し上げます。
まず、運賃低廉化については、予算額は約五億五千万円、負担割合は十分の二・二五であります。
次に、輸送コスト支援の予算額は約二億六千万円、同じく県の負担割合は十分の一でございます。
滞在型観光促進の予算額は約二億一千万円でありまして、同様に負担割合は十分の一でございます。
最後に、雇用機会の拡充の予算額は約三億円でありまして、県の負担割合は十分の一というふうに考えております。
87 ◯松里委員 それぞれ御答弁をいただきました。
次は、地域社会維持推進交付金の課題等について、お伺いいたします。
離島住民向け運賃の低廉化の開始時期はいつか、島外の方々は全て対象とならないのか、また、輸送コスト支援の対象品目数を示すとともに、民間事業者への設備投資資金の支援の効果について、お示しください。
さらに、県や市町村への国の財政支援はどういったものがあるかについて、お示しください。
[岩切企画部長登壇]
88 ◯岩切企画部長 地域社会維持推進交付金の課題等についてであります。
まず、運賃低廉化の開始時期については、本年四月の法施行後、できるだけ早く実施できますよう、現在、事業者等と調整を進めているところであります。
また、島外の方々は、原則として運賃低廉化の対象外でございますが、一定の要件を満たした場合に、住民に準ずる者として対象とすることも、現在、国において検討されているところであります。
輸送コスト支援の対象品目については、加工品を除く農水産品二十三品目となっておりまして、品目数の上限はないところであります。
民間事業者への支援の効果としては、初期投資の軽減により新規参入等がしやすくなり、起業の創出等による新規雇用者数の増加などが期待されております。
県や市町村への国の財政支援については、地域社会維持推進交付金に係る地方負担分に対し、特別交付税措置がなされると聞いております。
89 ◯松里委員 地域社会維持推進交付金に係る課題等について、御答弁を賜りました。
皆様、御承知のとおり、平成二十六年度実施された奄美群島振興交付金の各事業内容等は、年々充実されてきております。
県におかれては、有人国境離島法の地域社会維持推進交付金についても、さらなる充実に向けて、積極的に国等へ働きかけていただきますよう要望しておきます。
また、県や市町村への国の財政支援については、特別交付税が措置されるとの御答弁でありましたが、特別交付税の措置率及び交付手続について、明らかにしてください。
あわせて、有人国境離島法に基づく県計画の策定時期等の内容などについてもお示しください。
[岩切企画部長登壇]
90 ◯岩切企画部長 特別交付税の措置及び県計画についてであります。
国からは、地域社会維持推進交付金に係る地方負担分に対し、二分の一の特別交付税措置がなされると聞いておりまして、今後、関係省令の改正がなされるものと考えております。
交付手続については、交付税額の算定に必要な資料を県や市町村から総務省に提出し、これらの資料をもとに交付税額が決定され、その後、交付がなされることとなっております。
また、有人国境離島法に基づく県計画については、この交付金を活用して実施する事業等を盛り込むこととしておりまして、本年四月の法施行後に決定される国の基本方針に基づき、県計画の策定を行うこととしております。
91 ◯松里委員 国の特別交付税による県・市町村への財政支援や有人国境離島法に基づく県計画の策定時期等について、御答弁をいただきました。
さて、本県における特定有人国境離島振興対策事業の実施初年度に当たり、地域社会維持推進交付金の着実な推進により、種子島・屋久島などの十七島の住民生活の維持・発展につながりますことを、強く期待するものであります。
最後に、このたび、有人国境離島法の成立等のための、知事を初め県当局並びに関係者の皆様方の御尽力に、改めて感謝を申し上げます。
これをもちまして、私の
予算特別委員会の質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。(拍手)
92
◯大園委員長 次に、林委員に発言を許可いたします。
[林 委員登壇](拍手)
93 ◯林 委員 お疲れさまです。企画建設委員会から、松里委員に引き続きまして質疑をさせていただきたいと思います。
早速質疑に入っていきたいと思います。
まず、港湾の整備についてでありますが、離島港湾のクルーズ船への対応等についてであります。
近年、アジアを初め、世界のクルーズ人口が増加するとともに、クルーズ船の大型化が進んでおり、国においても、訪日クルーズ旅客を二〇二〇年に五百万人を目指すという新たな目標が設定をされたところであります。
本県においても、昨年のクルーズ船の寄港回数は、鹿児島港で八十三回を記録するなど、多くの船が寄港しており、ことしはさらにふえる見込みであるということでありました。
このような中で、県では、マリンポートかごしまにおいて、クルーズ船の大型化への対応やCIQ施設等の整備を進めるなど、さらにクルーズ船の誘致に取り組まれるという説明でございました。
奄美の世界自然遺産登録が実現をすると、鹿児島港から熊毛地域、奄美群島の島々をめぐるクルーズ需要も高まるものと考えておりますが、名瀬港や宮之浦港のみならず、島間港や古仁屋漁港など、離島・奄美地域における、ほかの港でも寄港回数がふえることが期待されるところであります。
そこでお尋ねいたします。
島間港や古仁屋漁港など、離島・奄美における主要港以外の港におけるクルーズ船の対応状況についてお示しください。
[久保田土木部長登壇]
94 ◯久保田土木部長 離島港湾のクルーズ船への対応状況についてであります。
島間港や古仁屋漁港などにおきましては、これまで、住民の生活物資や農産品等の輸送を行う定期フェリー等に対応するため、水深七・五メートルの岸壁を整備してきたところであり、これを活用した、三万トン級のぱしふぃっくびいなすやにっぽん丸などのクルーズ船の寄港実績がございます。
また、古仁屋漁港沖におきましては、静穏な水域を活用しまして、五万トン級の飛鳥IIが沖どめにより寄港した事例もあるところです。
県としましては、引き続き、既存施設の有効活用も図りながら、観光ニーズや船社の意向など、クルーズ船を取り巻く動向を注視してまいりたいと考えております。
95 ◯林 委員 クルーズ船への対応についてでありますが、観光庁が策定する観光立国実現に向けたアクション・プログラムにおいては、当初は二〇二〇年に百万人を目標にするということであったわけでありますが、五年前倒しの二〇一五年に既に百十二万人を突破しているという状況で、その勢いはますます大きくなってきているというところであります。
特に、アジアにおけるクルーズ需要の増に伴って、クルーズ船を配船する外国クルーズ船社の動き等も、本県に寄港増をもたらす要因の一つと考えられているわけであります。
現に、昨年はロイヤル・カリビアン・インターナショナル社が奄美群島に強い関心を示し、国内唯一の世界自然遺産二カを所有する鹿児島の可能性を強く感じた方も多かったのではないかと考えております。
そのような中で、先ほど部長が答弁されました古仁屋漁港などの活用は、大変柔軟な対応として高く評価できるのではないかと思っております。
奄美群島のそれぞれの島は、定期航路に対応する港湾が整備されております。全ての島に東と西とそれぞれにそれなりの規模の港が整備をされておりまして、風向きによって使用する港を使い分けていると、そういう状態でありますので、今後も、定期航路に支障を来さない範囲でクルーズ船をどう奄美群島で受け入れていくか、そしてクルーズ船が超大型化してきている、そういう流れが進んでいく部分にどうハード面で対応していくかというのが、今後の本県が受け入れていく上でやっぱり課題になってくると思います。
そういう意味において、先ほども午前中、日高委員のほうから質疑がありました。港湾空港課そして漁港漁場課、観光交流局と幅広く連携を図りながら、施策の展開を講じていただきたいと要望を申し上げまして、次にいきます。港湾施設の長寿命化対策についてであります。
離島・奄美の港湾は、島民生活を支える上でも、先ほども申しました定期フェリーが就航しているということで、今後さらにクルーズ船を誘致する上でも、船舶の安全な利用のために、岸壁や防波堤など港湾施設の機能確保がより重要な課題となることから、岸壁照明や航路標識などの維持管理も含め、施設の老朽化対策を推進する必要があると考えております。
国においても、インフラ長寿命化基本計画を踏まえ、港湾施設の老朽化に対応する戦略的な維持管理を推進しており、本県の平成二十九年度の当初予算案にも、港湾施設の長寿命化計画策定に係る予算が計上されたところであります。
お尋ねいたします。
鹿児島県における港湾施設の長寿命化対策に関する
取り組みについてお示しください。
[久保田土木部長登壇]
96 ◯久保田土木部長 港湾施設の長寿命化対策についてでございます。
離島の港湾は、住民の生活を支えるとともに、観光・産業など離島の振興・発展を図る上から極めて重要な社会基盤であり、港湾施設の適切な維持管理に努めているところであります。
現在、必要な機能を維持しつつ、将来の改良・更新コストの抑制を図るため、長寿命化計画の策定に取り組んでおり、防波堤や岸壁等の主要施設については今年度、臨港道路については来年度に策定することとしております。
県としては、今後、長寿命化計画に基づき、港湾施設の計画的かつ効率的な維持管理に努めてまいりたいと考えております。
97 ◯林 委員 港湾の基幹的な役割を果たす係留施設が供用開始後五十年を経過する割合というのが、国全体で十年後には全体の約三五%、二十年後には約六〇%の割合になるという見込みが示されているということでありましたが、本県においても、港湾施設の長寿命化対策というのは重要な課題になってくると考えております。
予防保全型維持管理への転換であるとか、既存ストックを有効活用した埠頭機能の再編・効率化が求められているわけでありますが、工事の専門性というんですかね、ここが県内それぞれの地域の企業がどこまでしっかり対応していけるのかという部分も、今後、その工事の特殊性ということを考えたときに、地元の企業への情報提供という部分でも、指導を含めて力を入れていっていただきたいと、このことについて要望をいたします。
次に、空港の整備についてでありますが、本県は、南北六百キロメートル、離島の面積・人口日本一という離島県としての特徴を有しており、北海道、沖縄に次いで三番目に空港が多い県であります。
これまでも、空港は、離島の住民生活を支え、観光や産業の振興・発展に寄与してきたわけでありますが、奄美群島の世界自然遺産登録を目前に、今後、増加する観光客を受け入れていくに当たって、その玄関口となる空港が果たす役割はますます大きいものがあると考えております。
奄美空港においては、旅客ターミナルビルの整備が進められているということは大変喜ばしく、一日も早い完成を期待するところであります。今回も奄美空港旅客施設拡張支援費補助ということで予算が計上されているわけでございますが、奄美空港だけでなく、ほかの離島空港においても、空港の機能保持・向上などの受け入れ体制の拡充を進めていく必要があると考えております。
一方で、離島特有の気象条件等によって欠航が多く発生しております。海上以外の代替交通手段がない離島地域にとっては、地域住民の生活であるとか産業の振興の面にも影響が出ているのが現状であります。
この機会に、離島における空の玄関口を総点検しなければならないと考えているわけでございますが、そこでお伺いします。
滑走路などの基本となる施設の機能保持・向上対策として、現在行っている整備の状況と今後の考え方をお示しください。
次に、就航率向上に向けてどのような対策が考えられるか、お示しください。
[久保田土木部長登壇]
98 ◯久保田土木部長 奄美五空港の機能保持・向上対策等についてでございます。
県ではこれまでも、空港の定期的な点検・診断を実施した上で、計画的に機能保持・向上対策を行っております。
現在、奄美空港におきましては、滑走路改良や電源施設の更新を行っているところであり、滑走路改良は今月中に完了する予定であります。
また、沖永良部空港におきましては、今年度、侵入防止柵の更新を終えたところであり、喜界空港におきましては、来年度、滑走路改良に着手することとしております。
今後とも、安全で安定的な航空機の運航が図られますよう、空港施設の適切な維持管理に努めてまいります。
就航率向上につきましては、国において、GPS等を利用した運航方式の導入を進めております。また、運航会社が、それに対応していない小型の航空機について、平成三十一年度までに、より高性能な機種に順次更新する計画となっており、まずは来月、鹿児島・沖永良部線などへ就航させることとなっております。
このような
取り組みによりまして、就航率の向上につながるものと期待しているところでございます。
99 ◯林 委員 先ほど港湾施設のところでも述べたところでありますが、離島においては、空港と港湾が全てと言ってもいいほど、住民の生活と産業の振興という部分を図っていく上で重要になってくるわけであります。
そこで、空港機能の維持はもちろんなんですが、機能向上について、これからしっかりと進めていかなければならない、そういう段階に入ってきていると思っているわけでございます。
就航率の向上対策については、今、部長のほうから答弁いただきました。今春から新たに就航予定のATRですね、そういった機材が就航率にどのような影響を与えるかというのもしっかりと眺めながら、こういった課題の解決に向けて果敢に立ち向かっていかなければならないと、このように考えております。
各空港ターミナルについては、それぞれの空港所在地の町との連携というのが必要になってくる部分があると思うわけでありますが、観光客の受け入れ時の快適な環境の整備に向けても、今後、このことについてもしっかりと向き合っていかなければならないと、このように思っております。
次に、ジェット化されていない奄美群島三空港のジェット化の可能性についてお尋ねします。
平成二十九年度当初予算案において、屋久島空港の滑走路延伸調査事業が計上されており、知事の施政方針においても、今後、事業化に向けて着実に推進するということを説明されたところであります。
離島にとっては大変喜ばしいことでありまして、ほかのジェット化されていない喜界、沖永良部、与論空港の地元住民にとっては、次はとの期待も膨らむところであります。
奄美群島のジェット化されていない各空港においても、乗降客者は近年増加傾向にあり、特に沖永良部空港は昨年度、約十万人となっており、今後、奄美群島の世界自然遺産登録が実現すれば、さらに増加するものであると考えております。
地元もジェット化に強い期待を持っており、今後、ジェット化の検討を進めるべきだと考えているわけでございますが、そこでお伺いいたします。
ジェット化されていない各空港のジェット化に向けての課題等をお示しください。
[久保田土木部長登壇]
100 ◯久保田土木部長 奄美群島三空港のジェット化の可能性についてでございます。
現在、沖永良部空港は、滑走路長千三百五十メートル、喜界空港と与論空港は千二百メートルとなっておりまして、ジェット機就航に必要な滑走路長が確保されておりません。
ジェット化のための滑走路延伸につきましては、一般的に、旅客需要見込みやジェット機就航の見通しなどのほか、地元におけるコンセンサスを得る必要があると考えております。
101 ◯林 委員 ジェット化に向けての課題等、それぞれあると思います。ただ、離島空港を取り巻く環境というのが少しずつ、時代の流れの中で変化しつつある。その機能に大変期待が高まってきているということもやはりあると思っております。活性化していくために、LCCであるとか、あるいはチャーター便を誘致したいとかいう中で、しっかりと、ハードがどこまで追いついていけるかというところを、やはり粘り強く議論をしていかないといけないと思っております。
また、奄美群島が、日本の離島空港の今後をどうしていくかという議論をやっぱり引っ張っていくぐらい、そういった気概でこのことにぜひ知恵を絞っていただきたいと思っております。
先般発表されました、日本エアコミューターが二〇一八年に徳之島─沖永良部─那覇の航空路線を新規開設するということを発表されたわけでありますが、当該路線の利用促進に向けた県の見解をお示しください。
[岩切企画部長登壇]
102 ◯岩切企画部長 先般発表されました、徳之島─沖永良部─那覇路線の利用促進についてのお尋ねであります。
奄美群島間及び奄美群島と沖縄間の航空運賃については、奄美群島振興交付金を活用して、群島住民等の負担軽減とともに交流人口の拡大を図っているところであります。
今回、日本エアコミューターが発表したこの路線については、詳細は今後、明らかにされると聞いておりますが、これまで就航希望の強かった区間も含まれております。今後の展開も注視しながら、奄振交付金の活用など、同路線の利用促進に向けた方策を検討してまいりたいと考えております。
103 ◯林 委員 本当に離島住民の念願でありました路線が就航するということで、発表を受けて地元の奄美群島のほうも大変喜んでいるところでございます。就航して、利用率の向上に向けて、ぜひ力強く県のほうも後押しをしていただきたいと思っております。
最後に、県営住宅の整備についてお尋ねをしたいと思います。
いろいろ述べたいんですが、県営住宅が定住促進という部分で果たす役割は大きいと、このことだけ申し上げまして、県内の県営住宅が未整備となっている市町村の数をお示しください。
あわせて、今後、これらの市町村における県営住宅の整備について、県の方針をお示しください。
[久保田土木部長登壇]
104 ◯久保田土木部長 県営住宅の今後の整備方針についてでございます。
少子高齢化に伴い、人口や世帯数の減少が進む中で、地域における定住促進が求められております。定住促進のための住宅整備につきましては、主に市町村が取り組んでおり、独自の定住促進住宅の整備のほか、定住促進にも資する公営住宅の整備も行われているところであります。
県営住宅につきましては、県の住生活基本計画に基づき、広域的観点から市町村営住宅を補完するものとして整備を行ってきており、徳之島におきましては、二団地九十八戸の整備がなされております。
現在、県営住宅のない市町村は七町四村となっておりますが、近年、老朽化に伴い改修等が必要な県営住宅が増加し、また、多くの市町村で人口や世帯数が減少している中、県営住宅については、建てかえや改善等の手法を適切に選択しながら、既存ストックを維持・管理することを基本としております。
県としては、今後とも、このような考え方のもと、良好な住環境や安全性を備えた県営住宅の供給に努めてまいりたいと考えております。
105 ◯林 委員 ただいま答弁をいただいたところなんですが、徳之島の伊仙町、天城町、未整備地区である。ただ、ここは合計特殊出生率が日本一位、二位、三位と、徳之島三町で本当に上位を占めている状況であり、また長寿の島でもあります。
そういった中で、市町村営の住宅と県営住宅がしっかりとバランスをとって整備していくということだと理解をするんですが、子育て世代の住宅というのがやっぱり足りていない。その中で、子育てをしながら、さらにこの島で出生率が上がってくるぐらいのポテンシャルを秘めていると思っております。また、そういう声も上がっておりますので、県営住宅の整備について、未整備地区という部分をどうしていくかということをぜひ柔軟に今後、検討していただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。(拍手)
106
◯大園委員長 次に、向井委員に発言を許可いたします。
[向井(俊)委員登壇](拍手)
107 ◯向井(俊)委員 お疲れさまでございます。
私は、文教警察委員会の委員として質問させていただきます。
まず、今回、特に奨学金関係のことについて通告をさせていただいております。
まず一番最初に、私がどうして奨学金のことを取り上げたかといいますと、私ども、これから少子高齢化社会の中で、そして今のこういう非常に厳しい
経済状況の中で子供たちが進学する。私の地元は離島です。離島の子供たちが進学するに当たって、大学それから専門学校、学費ということで大きな経済負担を親御さんが担っているということで、特に国のほうで、また新年度で二万人の子供たちに給付型の奨学金を今、審議がされているということで大変いいことだなと。それに先駆けて、鹿児島県のほうもそういう体制をしっかりとってこられたということに対して敬意を表しながら、質問させていただきます。
私の中でも、ざっくばらんな話を申し上げて、今、そういう学校教育という問題、これは一つは、今の社会現象の中で知事が取り上げておられます
子育て支援、そしてあと雇用や産業、そういう分野、それともリンクしてくる部分がたくさんあるのであって、そういう意味で私はいつも、子供を産み育てながら働ける環境整備ということはしっかり、女性の方も働きながら教育ができるような体制、それがとれたらなという思いがありました。
そういう中で、昔はお父さんが一生懸命働いて、お母さんは家庭内のこと、そして家庭内での子供の教育ということに専念できた時代がありました。ところが、今の時代ですと、御両親共稼ぎをしなければ子供の学資を稼ぎ出せないというような状況になってきております。
そういう中で、まず一番最初に、大学等入学時奨学金貸付事業、これが七億二千万円、貸与額が一人八十万円ということで、前年度の実績が、一般枠が、募集定員五百名に対し百五十二名の採用ですね、二十八年度は。そして地方創生枠、これが募集人員三百名に対し、平成二十八年度は二百三十九名。三番目の明治維新百五十周年記念特別枠、これは募集定員百名に対し、平成二十八年度は八十四名の採用と。
採用枠九百名というのに対して、実に採用されたパーセントにしたら五二・七%しか採用されなかった。そういうことに対して、また同じような枠を新年度でも設けている。それはどういう基準でことしの募集定員枠を決めたのか、それをちょっとお伺いしてみたいと思います。
[古川教育長登壇]
108 ◯古川教育長 大学等入学時奨学金制度の内容等についてのお尋ねでございます。
本事業は、三つの募集枠を設けておりまして、まず一つ目が、経済的理由により大学等への進学が困難な者に八十万円を貸与する一般枠、そして二つ目に、成績のすぐれた者を県内に定着させることを目的として、県内就業等を要件に返還を免除する地方創生枠、そして三つ目が、経済的理由により大学への進学が困難な者のうち、特に成績のすぐれた者に給付する明治維新百五十周年記念特別枠、この三つの枠になっております。
採用基準として、それぞれ所得と成績の要件を設けているところでございます。
今年度、定員に満たなかった理由といたしましては、所得や成績要件等を含めた制度の周知が十分でなかったことに加えまして、一般枠については貸与でありますことから、将来の返済を考慮し、応募をちゅうちょした人がいたこと等が考えられると思っております。
来年度は、一層の積極的な周知活動に努めますとともに、制度発足から三年目となりますことから、保護者アンケートを実施するなど状況把握に努め、よりよい制度となるよう、今後のあり方について検討を進めてまいりたいと考えております。
109 ◯向井(俊)委員 今、お答えいただきましたが、返還を要する一般枠というのは、将来において返していかないといけないということで応募が少なかったと。地方創生枠、それから明治維新百五十周年記念特別枠、特に地方創生枠というのは卒業後の県内就業を条件としたということ。これはまさに学生さん、子供たちが鹿児島県内に帰ってくるというのが前提条件ですよね。そういう中で三百三十一名の応募があったと。これはもうちょっとPRの仕方によっては、もっと多い生徒さんの応募というのがあるんじゃないのか。
そして一般枠、これが本当にもうほとんど、百五十二ということは三分の一の採用しかしていないということですから、むしろ地方創生特別枠、この辺をふやして、地元に帰ってくる生徒さんを促せるような、そういう希望が持てるような形が今後、考えられないものかどうか、ちょっとお伺いします。
[古川教育長登壇]
110 ◯古川教育長 先ほど御答弁申し上げましたように、大学入学時奨学金制度、制度発足まだ三年目でございます。そして、まだまだ私どもの周知不足というところもあろうかと思いますので、まずは制度そのものが円滑な軌道に乗るように、私どもとしても制度の的確な運用に努めていきたいと思っておりますし、どのような点を改善すべきか、これは先ほど申し上げたように、保護者等のアンケート等もいただきながら、今後、工夫できる余地については工夫していきたいと思いますし、募集の仕方等についても工夫を加えていきたいというふうに考えております。
111 ◯向井(俊)委員 はい、ありがとうございます。
今後、十分子供たちの将来を思って、また県内に帰ってきてくれる子供たちのことを考えてのそういう予算枠というんですか、それを検討していただきたいと思います。
というのは、確かに大学とそして専門学校、特に専門学校の場合は、最近は福祉関係とか医療関係とかの子供たちがたくさん進むわけですね、専門学校に。そして地元の医療関係とか福祉関係、特にこれから福祉関係は人手不足というのが十分考えられるわけで、そういう人員確保という意味からも大事なことではないかと思います。そこら辺をしっかり今後、検討していただけましたら幸いかと思います。
次に、大学在学時奨学金返還支援基金事業というのが二億円組まれております。
人材育成枠で、募集定員七十名に対して二百四十九名の応募、そして七十名採用。地域活性化枠、これが平成二十九年三月卒業予定者、募集定員二十名に対し五十四名の応募、そして二十名採用。平成三十年三月卒業予定者、募集定員二十名に対し五十七名の応募、これが二十名採用ということですね。そしてもう一つの社会人枠というのが、これは募集定員十名に対し応募がゼロ、採用がゼロ。
卒業後、県内に就職するなど要件を満たしている場合、在学時に借り受けた奨学金の返還を支援するとありますけど、人材育成枠は大きく募集定員枠を上回っています。県内就職を希望する学生が多いということは、今後、定員枠の拡大は考えられないのかということが一つ。
そしてまた、社会人枠のゼロに対してどのようなPRをして、今後またどのように対応するのか、そこら辺をお願いします。この場合は、日本学生支援機構の無利子奨学金を受けている者という縛りがある中でのことですが、答弁のほうをお願いいたします。
[古川教育長登壇]
112 ◯古川教育長 大学等奨学金返還支援制度の定員枠についてのお尋ねでございます。
本事業は、大学等卒業後の県内就業などを要件にいたしまして、奨学金の返還を支援することといたしまして、高校三年生や大学三年生等を対象に募集をする制度でございます。
募集定員百人は、本制度による支援を長期的に継続することが可能な人数として、県、市町村、経済団体の連携のもとに設立いたしました返還支援基金の今後の造成見込み額も考慮いたしまして、設定した枠でございます。
加えて、本制度は発足したばかりでございまして、特に高校生を対象とした枠につきましては、大学進学者の場合ですと、本基金による支援がスタートいたしますのは五年後となりますことから、定員枠の設定につきましては、採用者の県内就業の割合など、今後の本制度の効果等を見きわめた上で対応をする必要があるというふうに考えているところでございます。
大学等奨学金返還支援制度のPRについてでございます。
社会人枠につきましては、合同会社説明会やハローワーク等でのチラシ配布、県の広報誌やラジオでの広告など、さまざまな媒体を活用いたしまして周知に努めたところでございますけれども、問い合わせは数件ございましたものの、応募者はいなかったところでございます。
来年度における社会人の募集につきましては、応募資格の一部緩和や応募時期の通年化など、応募しやすくなるように見直した上で、県内外で開催されます合同会社説明会等に職員を派遣しPRするなど、さらに積極的な周知活動に取り組んでまいりたいと考えております。
113 ◯向井(俊)委員 はい、ありがとうございます。
今、答弁の中で、県、民間、市町村連携で基金を造成するとございました。
それぞれの三者のそういう出資比と言ったらおかしいですけど、そういう比率というんですか。それと、やはり基金を造成するに当たっては、ある程度の金額というのが目標になるかと思うんですね。そこら辺をどのようにお考えですか。
[古川教育長登壇]
114 ◯古川教育長 大学等奨学金返還支援制度の基金の造成計画といいますか、造成の今後の計画ということでございますが、これにつきましては、地元産業界、それと市町村と協議を重ねて、ほぼ一定の方向性はでき上がっております。
全体としては総額二十三億円、十年間でこれを基金造成を行うということでございます。うち、県として予定いたしておりますのは、これは現時点の予定額でございますが、十五億円程度、市町村のほうからは、市町村振興協会の基金から五億円、そして地元産業界に要請をいたしております額といたしましては二億五千万円ということで、総額約二十三億円ということで予定させていただいておるところでございます。
115 ◯向井(俊)委員 ありがとうございます。
これも先ほど申し上げたように、県内に学生さんに帰っていただきたいという趣旨が非常に強うございますので、何とかやはり鹿児島県、人口が初めて国勢調査の中で
マイナスに転じたということで、しっかりこういう子供たちが帰ってこられる環境づくりというんですか、それには、先ほど言いましたけど、そういう職場環境とか子育て環境とか、いろんなことがリンクしてくるわけです。
ですから、ややもすると縦割りのこういう行政の仕事になりがちですけど、そこら辺はやはり他の部や課ともしっかり連携しながら、教育面で生かせるようにしていただけたら大変ありがたいなという思いがあります。
私は、三番目の社会人枠というのは大変ユニークなものだなと。これは、今、都会のほうで働いていて、そして年老いたお父さん、お母さんの面倒を見なくちゃいけないと、親孝行したいんだということで、地元に帰りたいなという方なんかが出てくればうれしいんだがなという思いで、応募枠というんですか、そして応募されたことに対して県がどのように対応して、採用するのかということを非常に注目していたんですよね。ですから、ゼロということは非常に寂しいなと。でも、問い合わせはあったということは、やはり関心を持ってくださっているんだなということで、これからもしっかりPRして、やはり鹿児島に帰ってきてほしいと、そして親孝行でもしてほしいという気持ちでの質問でございます。
今、奨学金の中で大事なのが、子供たちが進学するときは貸与できたり、貸与制度のものは奨学金を借りることができるわけですけど、卒業してから、前倒しの借金なんですよね、人生において。進学できた、でも卒業したら借金をこれから返していかないかん。子供たちにとってみれば、仮に今、そういうきちっと自分の思っていたような職場につけたら、そのまま仕事をするんですけど、特に高校生なんか三年間で離職する率が大変多いとか、大学生でも離職する人が多いと。言いかえたら、自分の思っていたような仕事じゃなかったというようなことで離れる。そうしますと今度は、借りていた奨学金も返せないというような状況になるわけですね。それが一生また重荷になっていって、社会人生活のスタートが、一番大事な時期がうまくいかないということになるんじゃないのかなという思いでの質問です。
ですから、できれば、できるだけ負担の少ない給付型というのももっともっと広めていく必要がある。欧米においては、非常に給付型の奨学金というのが比率が高いという話も聞いております。
三つ目の質問ですが、奨学のための給付金事業というのが五億四千四百三十六万二千円という予算が組まれております。事業内容と採用者数の見込み、そして低所得世帯等という表示がございますけど、それはどのくらいの所得を基準にしているのか、御説明いただきたいと思います。
[古川教育長登壇]
116 ◯古川教育長 奨学のための給付金事業の内容等についてのお尋ねでございます。
奨学のための給付金制度は、生徒が安心して教育を受けられますよう、授業料以外の教育費負担を軽減するため、低所得世帯の生徒の保護者等に対して、教科書費、教材費、学用品費などの相当額を支給する返済不要の給付金でございまして、これは全国一律の国制度として創設されたものでございます。
支給対象者は、生活保護受給世帯または市町村民税所得割額が非課税である世帯、すなわち生活保護世帯、それと市町村民税所得割額非課税世帯というのは、夫婦と高校生、中学生の標準モデル世帯でございますと、年間所得が約二百五十万円程度ということでございますが、その生徒の保護者等として、支給額につきましては、高校生の人数など世帯の状況や、全日制・定時制と通信制の別に応じて一定額ということで設定をいたしまして、生徒一人当たりの年額で最小額が三万二千三百円、最大額が十二万九千七百円となっております。
また、支給対象となる生徒数といたしまして、平成二十九年度は国公立で約六千三百人を見込んでいるところでございます。
117 ◯向井(俊)委員 はい、ありがとうございます。
子供たちのこういう勉学のために、親は本当に一生懸命犠牲を払って頑張るわけです。そういう意味においては大変大事な奨学金かと存じます。そういう意味でもしっかり、今度は御父兄の方に周知徹底できるような体制、方法、それをとっていただけたらなという思いがございます。
次に、新年度のまた目玉事業の一つで、離島生徒大会参加費助成事業というのがございます。一千五百五十二万七千円ということで、いろいろ説明を受けたりしておりますが、いま一度、きちっとした御説明をいただきたいということでの質問でございます。
実質的に、遠征費用のどの項目を何割助成するのか。どの項目というのは、例えば運賃とか宿泊費とかその他もろもろの経費とかいろいろありますが、それに対してどの部分に対しての助成をするのかというのが一点。
対象となる中学・高校の学校数、そして昨年のこういう県大会、今回、対象となる中学校・高校のそれぞれの生徒の数、昨年の数は幾らであったのか。そこら辺の数が基準になって予算が組まれたかと思います。そこら辺の数字をお願いします。
それと、県のほうでこれだけのことをするわけですから、それぞれの市町村、自治体のほうに、地元の自治体としてもいろいろ補助をしているであろうけど、あとプラスアルファできないのかどうかと、そういう要請をかけていくのかどうか、そこら辺をお伺いします。
[古川教育長登壇]
118 ◯古川教育長 離島生徒大会参加費助成制度の内容等についてでございます。
離島の生徒が県大会に参加する際の経費負担を軽減するために、県が指定をいたします大会を対象といたしまして、関係団体及び学校を通して、生徒が利用する最も安い離島別の船舶料金、すなわち、奄美群島ですと、奄美群島振興交付金等による軽減後の料金の二割程度を助成することにいたしております。
対象となる中学校は六十九校、高校は十三校でございまして、支給対象の生徒につきましては、昨年度の大会参加実績を考慮し、中学生約一千八百人、高校生約三千九百人を見込んでいるところでございます。
離島の中学生の県大会参加に対する助成につきましては、平成二十八年度はほぼ全ての自治体において助成が行われているところでございますが、県教委といたしましては、今後、県政説明会や教育行政説明会等の機会を捉えまして、それぞれの実情に応じて必要な助成を図っていただくよう、各市町村に要請してまいりたいと考えております。
119 ◯向井(俊)委員 ありがとうございます。
ある首長さんにこの話をしましたら、県がそういう形をとってくれるんだったら、いま一つ自治体としても考えないといけないのかなという話をぽろっとした首長さんもいらっしゃいました。ということは、一番わかりやすいのが、運賃に対してのそういう助成というのがわかりやすいから、ほとんどの自治体がそうではないかと思います。
ところが、やはり離島のそういう生徒さん、親御さん、御父兄の方が負担になっているのは、ある意味、今度は宿泊費ですね、天気が悪くなったどうだこうだとなると延泊しなくちゃいけない。勝ち進んでいったら勝ち進むだけ大変な状況になっていくというのが現状なんですね。ですから、そこら辺もそれぞれの自治体のほうに、県のほうからもまた御相談いただくというような、やんわりと力強く後押ししていただけたらと存じます。どうぞそこら辺よろしくお願いします。
それと、最後になりますが、あと警察本部のほうでスクールサポーター制度というのがあります。今、市内三署と、あと全部でどのような配置になっているのか、それをお示しください。
そして、それに対して、県教委のほうはどのようにこれからまた連携をとっていくのか。先日の予算の説明の中で、警察本部としては、できれば全署に配置をしていけたらなというような話もございました。そういう意味では、教育委員会としては、スクールサポーター制度に対してのお考え、何かあればお答えいただきたいと思います。
[古川教育長登壇]
120 ◯古川教育長 スクールサポーターとの連携等についてでございます。
スクールサポーターは、学校と警察の橋渡し役として、現在、県警によりまして、県内六署に六人配置されておりまして、今後、他の地域にも配置を検討しておられると聞いておるところでございます。
県教委といたしましては、学校と警察との連絡・調整や少年非行に関する情報提供、不審者対策としての下校指導など、スクールサポーターの活動が児童生徒の問題行動や犯罪被害の未然防止に有効であると考えております。昨年一月には、警察と学校の連携をテーマに、公安委員会と県教委との間で、スクールサポーターの
取り組み等も踏まえた意見交換会を実施したところでございます。
なお、スクールサポーターの増員につきましては、警察本部において御判断されるものと考えておりますが、県教委といたしましては、スクールサポーターを含め、警察と学校の連携は重要であると考えておりまして、生徒指導上の課題解決に当たり、今後も連携を図ってまいりたいと考えております。
121 ◯向井(俊)委員 はい、ありがとうございます。
これからの子供さんの教育ということは大変なことだと思います。特に私は思うに、子供の教育より親の教育が先じゃないのかなと思う部分も多々あります。子供は親の後ろ姿を見て育つと言われております。そういう意味においてはPTAとかそういう部分においても、やっぱり親御さんの協力ということをしっかり指摘しながらやっていくことも大事なことではないのか。
それとあと、本当に県警のほうとも密な連絡をとって、未然に防いでいくと、いろんなそういう事故とか、子供たちの犯罪と言ったらちょっと大げさになりますけれども、前もってきちっと対策をとっていくということが大事じゃないかと思います。
私ももうとっくに還暦を過ぎまして、我々年をとった者に対するいろんな予算投下より、我々は葉っぱを散らして、これから育っていく若い若木に対しての肥やしになったり、いろんな指導をしたりと。我々に水をやるよりは、若い子供たちに、そしてこれから伸びていく子供たちに水や肥やしをやったら、花も咲くし、実もつきます。そして鹿児島県のために大きく育っていきます。そういう角度から教育方針をやっていただけたらと思います。
ありがとうございました。(拍手)
122
◯大園委員長 次に、前原委員に発言を許可いたします。
[前原委員登壇](拍手)
123 ◯前原委員 文教警察委員会から、向井委員が教育委員会関係の質問をされましたので、私は警察関係の質問をさせていただきます。
まず、警察機能強化事業についてであります。
この事業には八百四万九千円の予算が組まれておりますけれども、機能強化に八百万円というのは少し少ない感じがいたしますが、具体的にどういう事業をされるのか、具体的に事業内容を教えてください。
また、昨今、サイバー犯罪等もふえ、以前にはなかった犯罪がふえておりますので、犯罪の種類がふえるにつれて、警察官を増員する必要があるというふうに思われますが、過去三年間の警察官の増員数、また今後の増員計画を教えてください。
[河野警察本部長登壇]
124 ◯河野警察本部長 警察機能強化事業につきましては、治安情勢や地域情勢の変化への的確な対応や警察の機能強化を図るため、若手警察官の早期育成、女性の視点を一層反映した警察運営の推進、専門的捜査員の育成強化及び小規模警察署への支援体制の充実といった施策を推進していくための事業であります。
警察官の増員についてであります。
平成二十七年度から平成二十八年度にかけて二十二人の警察官が増員され、平成二十九年度は国から本県に九人の増員が示されており、これを本議会に上程しているところであります。
今後も、本県の治安を取り巻く諸情勢に的確に対応するため、引き続き、国に対し必要な増員要望を行ってまいりたいと考えております。
125 ◯前原委員 それでは次に、被害者支援推進事業についてであります。
被害者支援推進事業というふうにありますが、まず、具体的にどういう事業をされるのか。
そしてまた、被害者支援については私もいろいろ聞いたことがありますけれども、民間のボランティア団体もあると聞いておりますけれども、民間のボランティア団体を把握されているのかどうか。また、そういう団体と連携して事業をするのかどうか教えてください。
そしてまた、この事業は一千万円程度ということでございますけれども、全ての犯罪被害者をカウンセリングするには少し予算が少ないという感じがしますけれども、カウンセリングを行うための条件等があれば、それをお示しください。
[河野警察本部長登壇]
126 ◯河野警察本部長 被害者支援推進事業の具体的な事業内容についてでありますが、犯罪被害者等が被害から回復し、社会の中で再び平穏な生活を営むことができるように支援する事業であります。
県警察においては、平成二十八年九月に鹿児島県警察犯罪被害者支援基本計画を策定し、カウンセリング等心理療法の費用の負担軽減、医療費等の負担軽減、ストーカー事案、配偶者等からの暴力事案への適切な対応などの具体的施策を定めて推進しているところであります。
民間ボランティア団体との連携についてでありますが、民間の犯罪被害者支援団体であります、かごしま犯罪被害者支援センターと連携しておりまして、相談事業、病院等への付き添いなどの直接支援事業、広報啓発事業、相談員、支援員の養成及び研修事業、「命の大切さを学ぶ教室」事業などを行っております。
被害者の条件についてでありますけれども、支援の対象となる者につきましては、犯罪または犯罪に類する行為による被害を受けた者はもちろんのこと、施策の内容に応じて、その遺族、家族その他関係者が対象となっております。
127 ◯前原委員 次に、鹿児島西警察署整備事業に関して質問いたします。
この事業は、鹿児島西警察署の庁舎棟の新築整備等を行うというふうに書いてございますけれども、約十九億二千八百万円。その整備する敷地面積、新庁舎の延べ床面積、そして新庁舎の完成する時期、また、既に入札は終わっておると思いますけれども、その入札方法と何社入札に参加したのか教えてください。
[河野警察本部長登壇]
128 ◯河野警察本部長 鹿児島西警察署整備事業についてでありますが、鹿児島西警察署は、平成二十六年度から平成三十年度までの五カ年事業として、現在地に新庁舎を整備中であります。
敷地面積は約五千平方メートル、庁舎棟は鉄筋コンクリートづくり六階建て、延べ床面積は約五千七百平方メートルで、現在の庁舎と比較すると約三・三倍の広さとなり、平成三十年三月完成予定としております。
また、庁舎棟建設工事の入札につきましては、昨年六月に一般競争入札を行い、入札参加者は、五つの特定建設工事共同企業体でありました。
129 ◯前原委員 西警察署は、新庁舎以外にいろいろ工事をされたということで、分離発注されたというふうに聞いておりますが、幾つに分離発注をされ、それぞれ分離発注ごとの入札は何社あったか教えてください。
[河野警察本部長登壇]
130 ◯河野警察本部長 本年度実施しました建築工事以外の庁舎棟工事入札は四件でありまして、その内訳としましては、電気工事一工区が十三社、電気工事二工区が十三社、空調工事が十九社、衛生設備工事が十八社の入札参加者がございました。
131 ◯前原委員 ありがとうございました。
次に、うそ電話詐欺被害防止対策事業について質問をいたします。
この事業の予算は五百八十二万八千円となっておりますが、具体的にどのような対策をするおつもりなのか。
また、平成二十八年中の被害額は幾らだったのか教えてください。
[河野警察本部長登壇]
132 ◯河野警察本部長 うそ電話詐欺の被害防止対策としまして、オペレーターが高齢者等に個別に電話をかけて、うそ電話詐欺被害防止のための注意喚起や被害防止アドバイス等を行うコールセンター事業、犯行グループから押収した名簿登載者に対する注意喚起用のはがきの送付事業などを行うこととしております。
次に、平成二十八年中の被害額については、県内における平成二十八年中のうそ電話詐欺の被害総額は約二億一千七百万円となっており、前年に比べて約一億六千万円減少しております。
133 ◯前原委員 よく、うそ電話詐欺と最近は大変テレビでも言われておりますけれども、うそ電話詐欺というのはいつから始まったのか。
そして、今、オペレーターが何人かおられるということを言われましたけれども、うそ電話詐欺被害防止対策に何人の専従している人がいるのか教えてください。
また、先ほど平成二十八年中の被害額は二億一千万円ということでございましたけれども、過去五年の被害額の推移もあわせて教えていただけますか。
[河野警察本部長登壇]
134 ◯河野警察本部長 うそ電話詐欺被害の始まりについてでありますけれども、うそ電話詐欺につきましては、平成十五年ごろからオレオレ詐欺が目立ち始め、翌年、架空請求詐欺、融資保証金詐欺が加わり、その後、還付金等詐欺や金融商品名目の詐欺等、手口が多様化しております。
次に、うそ電話詐欺被害防止対策の体制についてでありますけれども、県警察におきましては、警察本部の生活安全企画課内に特殊詐欺抑止対策係を設けて、専任警察職員を配置しております。
なお、警察署においては、ストーカー・DV対策や防犯ボランティア団体の活動支援等の他業務も兼務している体制となっております。
次に、過去五年間の被害総額についてでありますけれども、県内における平成二十四年から昨年まで、過去五年間のうそ電話詐欺の被害総額は約十三億八千四百万円であります。
135 ◯前原委員 五年間の被害額の推移でございまして、総額ではございませんので、推移でございますので、五年間分よろしくお願いします。
[河野警察本部長登壇]
136 ◯河野警察本部長 失礼しました。
うそ電話詐欺の推移でありますけれども、平成二十四年が約二億一千四百万円であります。平成二十五年が約三億円であります。二十六年が約二億七千万円でございます。平成二十七年が約三億八千万円でございます。平成二十八年が約二億七千万円(後ほど「二億一千六百万円」に訂正発言あり)であります。
137 ◯前原委員 大変ありがとうございました。
うそ電話詐欺被害というのは、警察やマスコミが啓蒙活動を大変やっておりますけれども、なかなか被害額が減っておりません。
事業としては、各種広報活動を行うとともに、コールセンターによる注意喚起等の被害防止対策を強力に推進するというふうに聞きましたけれども、私が聞くに、今は高齢者も、ほとんどの高齢者はこの種類の詐欺にはひっかからなくなっているような感じがします。
私の地元でも、数人この被害にひっかかっておりますけれども、ひっかかった人は、全て認知症のあるひとり暮らしの高齢者であります。同じ人が何度もひっかかります。─────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────────今後は少し視点を変えて、認知症のある高齢者に対して、うそ電話詐欺にひっかからないように対策を絞るべきじゃないかなというふうに思います。(翌日削除要請あり)
認知症のあるひとり暮らしの高齢者がこの詐欺に遭うということを認識されて、広報というのは認知症のある高齢者には余り役に立たないので、実際視点を変えて、これから方法を今後、検討されてはいかがでしょうかと、一応要望にかえます。
それから最後に、高齢者交通安全対策事業に約二千万円ほど対策費が組まれております。
総合的な交通事故の防止について質問をいたします。
交通事故による傷害者数は、災害や犯罪など他の危険によるものと比べて圧倒的に多いところであり、交通安全の確保は、安全で安心な社会の実現を図っていくための重要な要素となっております。
さて、我が国では、人口減少と超高齢化社会の到来を迎え、県においても、このような時代の変化に対応していくことが求められておりますが、昨今の報道でも、高齢者が被害者または加害者となる事故が続いているように感じています。
そこでまず、平成二十八年中における交通事故の発生状況、その傾向について、わかる範囲で教えていただきたいと思います。
[河野警察本部長登壇]
138 ◯河野警察本部長 平成二十八年中における交通事故の発生状況と傾向についてでありますが、昨年、県下の交通事故発生状況は、発生件数が七千四百七十四件で前年
比マイナス五百六十件、死者数は六十五人で前年
比マイナス十二人、負傷者数は八千八百三十八人で前年
比マイナス七百四人と、発生件数や死傷者数ともに減少し、特に、死者数については六十四年ぶりに七十人を下回り、昭和二十八年以降最少となりました。
しかし、高齢者が関連する交通事故は、全事故の約三八%に当たる二千八百六十三件、また、全死者数の約六三%に当たる四十一人が六十五歳以上の高齢者であり、依然として高い割合を占めております。
139 ◯前原委員 御回答ありがとうございました。
昨年の本県の交通事故は、発生件数、死者数、負傷者数いずれも前年に比べ減少し、特に死者数については、昭和二十八年以降、最少の六十五人となっていることがわかりました。
その反面、全死者数に占める高齢者の割合が依然として約六割を超えていると伺い、やはり交通事故防止のためには、高齢者対策を推し進める必要があると再認識したところであります。
このような状況の中にあって、高齢者の理解を促進し、その家族、近隣住民、各種団体等の相互理解を深めるためには、わかりやすい広報、情報提供が不可欠と考えます。
そこでお伺いをいたします。
警察本部の主要施策として掲げられている交通事故抑止特別対策事業では、事故分析の高度化を図り、広報、情報発信活動等を推進するとされておりますが、どのような内容となっているのか、また今後どのように活用されていくのかお示しください。
[河野警察本部長登壇]
140 ◯河野警察本部長 事故分析の高度化による情報発信活動についてでありますが、県警察では、GISという地理情報システムを導入し、本年二月から運用を開始しております。
同システムを活用した交通事故分析では、交通事故の発生地点等を地図上に表現し、他の多くの情報とリンクさせ、詳細かつ高度な分析を実施することや、わかりやすい広報資料として情報発信が可能となり、これをもとに効果的な対策の企画・実施・検証等に活用してまいりたいと考えております。
141 ◯前原委員 御回答ありがとうございました。
事故分析の高度化とは、単にビッグデータを取り扱うというだけでなく、住民に身近な問題を抽出し、その内容を地図を活用して、よりわかりやすい形で適時・適切に提供することが可能となることがわかりました。
ぜひGISを積極的に活用し、交番・駐在所から配信されている広報紙等に、地域住民に身近な形で提供を図っていただくとともに、県や県警察のみにとどまらず、マスメディア、市町村等のあらゆる広報媒体を活用して、積極的な広報を促進していただきたいと思います。
さて、本年三月十二日には、準中型免許の新設に合わせて、七十五歳以上の認知機能検査の強化を内容とした改正道路交通法が施行されることとなりました。
この改正の背景には、アクセル・ブレーキの踏み間違いによる交通事故の発生など、高齢者、特に運転能力に影響の出ている者を早期に発見しようということがあると承知いたしております。
先ほど、全死者数に占める高齢者の割合が依然として約六割を超えていると伺いましたが、やはり高齢者やその家族等にとって、身近で自分のこととして認識していただくには、交通安全教育が重要となってくると思われます。
そこでお伺いをいたします。
警察本部の主要施策として掲げられている高齢者交通安全対策事業では、参加・体験型の交通安全教育を実施するとされておりますが、どのような内容となっているのかお示しください。
[河野警察本部長登壇]
142 ◯河野警察本部長 参加・体験型の交通安全教育についてであります。
参加・体験型の交通教室として、運転者と歩行者双方に対する夜間における交通事故抑止対策として、自動車教習所のコース等を利用したシルバーナイトスクールを開催しております。また、運転シミュレーターを搭載した運転適性診断車による出前型の交通教室も開催しており、ここでは参加者が前面モニターを見ながら運転操作をし、専従の交通安全指導員が指導を行っております。
済みません、一点訂正をさせていただきたいんですが、先ほど、平成二十八年中のうそ電話詐欺の被害額を二億七千万円と答弁いたしましたが、二億一千六百万円の誤りでした。大変申しわけありませんでした。
143 ◯前原委員 県においても、高齢化が進行しておりますことから、自分自身だけでなく、家族その他周囲の人間も運動能力、身体能力の実情を知ることが重要となります。
参加・体験型の交通安全教育は、一方的な伝達よりも双方向的な学習の機会がふえることとなり、自分のこととして、事故の悲惨さを認識していただくことにつながっていくと思います。
また、県警察におきましては、既に、他都道府県に先駆けて、ドライブレコーダーのレンタル制度を行っていると伺っておりますが、ぜひこのような県独自の制度も積極的に活用して、高齢者を交通事故から守る、高齢者に事故を起こさせない
取り組みを推進していただきたいと思います。
県では、平成二十八年度から平成三十二年度までの五年間を計画期間とする第十次交通安全計画を策定し、交通事故のない社会の実現を目指す
取り組みを推し進めているところでありまして、今後、さらに抑止を図っていくことが求められております。
言うまでもなく、交通安全は、県警察だけではなく、国、県、市町村及び関係機関・団体、何より県民一人一人が全力を挙げて取り組まなければならない課題であります。
また、県では、明治維新百五十周年、大河ドラマの決定など、それらに関連したさまざまなイベントも予定されております。
交通の面から安全・安心を確保することは、鹿児島県の観光スポットとしての位置づけを上げるものと考えておりますので、ぜひともこれら
取り組みの総合的な推進を図り、県民一人一人への交通安全意識の浸透をお願いいたし、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
144
◯大園委員長 これで、本日の日程は終了いたしました。
明日は、午前十時から
予算特別委員会を開きます。
日程は、
総括予算審査であります。
本日は、これで散会いたします。
御苦労さまでした。
午後三時二分散会
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