今回、茨城県常総市は鬼怒川の決壊により甚大な被害を受けました。決壊した堤防は、十年に一度の洪水に対応するため、
かさ上げ工事の計画が予定されていたものの、着工に至っていなかったとのことであります。本県も多くの河川を有していますが、河川の整備は一朝一夕にはまいりません。時間はかかりますが、優先度を見きわめながら整備を進めると同時に、やはり最悪を想定した防災対応を進めることが重要だと考えます。
近年、地球温暖化の影響等もあり、全国各地で豪雨災害が発生をしています。本県においても、犠牲者を出さないことを最重要課題として、改めて避難のあり方等の徹底した検証が必要だと考えます。関東・東北豪雨による被災者の一日も早い生活再建がなされることをお祈り申し上げ、質問に入ります。
六月に行われた、景気回復の実感に関するマスコミの調査において、安倍内閣に優先的に処理してほしい政策課題を複数の回答で聞いています。五七%で最も多かったのが、年金など
社会保障改革、次に、三八%で景気対策と続いています。そのような中、七月に
安全保障関連二法案が衆議院で強行採決され、参議院においても、良識と抑制の府としての役割を果たすことなく、
安保法制特別委員会で採決されました。
この法案については、衆議院の
憲法審査会で、各党推薦の参考人である憲法学者三人全員が
安全保障関連法案を憲法違反と指摘、歴代の
内閣法制局長官からも違憲であるとの指摘がなされています。この間、砂川判決を持ち出したり、法案が違憲ではないとする政府見解を示すなどいたしましたが、憲法学者の九割以上が、憲法違反もしくは憲法違反の疑いありと指摘、一万人を超える大学の研究者など学識者が法案に反対、そして大部分の国民が理解は進んでいないと感じ、今国会での成立に反対しています。それにもかかわらず強行に進められているのであります。
政府は、「憲法解釈の最高権威は最高裁。憲法学者でも
内閣法制局でもない」と反論しましたが、その憲法の番人のトップにあった山口繁元
最高裁長官が
マスコミ取材に対し、
集団的自衛権行使容認は違憲との立場で次のように述べています。「専守防衛に徹する。これが憲法九条の解釈だ。その解釈に基づき、六十年余りさまざまな立法や予算編成がなされてきた。その解釈をとる政権与党が選挙の洗礼を受け、国民の支持を得てきた。この事実は非常に重い。長年の慣習が人々の行動規範になり、それに反したら制裁を受けるという法的確信を持つようになると、これは慣習法になる。同じように、憲法九条の従来の政府解釈は、単なる解釈ではなく規範へと昇格し、九条の骨肉と化しており、それを変えるのなら、憲法を改正し、国民にアピールするのが正攻法だ」と言っています。
さまざまな議論、意見がある中で、山口繁元
最高裁長官の考え方は大変合理性のあるものだと考えます。もちろん砂川判決についても、
集団的自衛権の行使なんて全く問題になっていないと一蹴しています。
知事にお伺いいたします。
この質問の冒頭で申し上げましたように、安倍内閣に優先的に処理してほしい政策課題として多くの国民が、年金など
社会保障改革や景気対策と答えています。当然だと思います。もちろん、それらが
安全保障政策より重要であるなどと比較して申し上げることはいたしませんが、それにしても、
憲法解釈変更で
集団的自衛権行使の容認を閣議決定し、民意から乖離しているにもかかわらず安保法案の成立を急ぐ理由がどこにあるのか。
安全保障政策にかかわる一連の動き、その進め方、法案についてどのような見解をお持ちか、お聞かせください。
知事は、六月議会における我が会派の安保法案に関する質問に、「
安全保障政策に関する一義的な判断主体である国で、国会を初め、政党及び国民の間で幅広い議論が行われることが重要。国会において十分な議論が行われることを期待している」と答弁しておられます。
この間の国会における議論は、果たして国民の幅広い議論をも包含した十分な議論がなされたとお考えでしょうか、お聞かせください。
法案成立への反対のうねりが、学生、法曹、学者、大学有志の会、ママの会など世代や立場を超えて広がりを見せていますが、こうした国民世論に対する見解もお聞かせください。
戦後七十年談話の評価について伺います。
ことしは、第二次世界大戦の終結から七十年目となります。戦争の犠牲となってたおれ、傷つき、苦しめられた全ての人々に心から哀悼の誠をささげます。戦禍を生き延びた人々にとって一筋の光明となったのは、恒久平和を誓った
日本国憲法でした。この憲法を指針にしたこの七十年の平和国家への歩みを振り返り、再び戦争の時代を招来しないよう努め、後世にも引き継いでいくことが私たちの責務だと考えます。
安倍首相は、戦後七十年に当たって談話を発表いたしました。談話は、歴代内閣と同様に、戦後五十年のいわゆる村山談話の基本的立場を踏まえたとしています。
自社さ連立政権時の村山談話は、国策の誤りであったさきの大戦の深い反省から、平和と民主主義の遂行と国際的な軍縮の推進が、犠牲になった国民と世界の全ての人々への償いであると確信し、平和憲法の理念に沿った施政を貫くことを誓っています。
第二次
安倍政権発足直後に、「安倍内閣として村山談話をそのまま継承しているわけではない」と発言していたことなどから、痛切な反省、植民地支配、侵略、おわびの四つの
キーワードにどう言及するかが焦点となっていましたが、アジア諸国からの強い警戒心に加え、アメリカやドイツなどからも自省を求められたことや、二十一
世紀構想懇談会報告書で侵略に言及したこと等から、
キーワードを盛り込むという妥協を余儀なくされることになったようであります。
キーワードが明記されたことを評価する声や、いずれも第三者的な触れ方であったという声、また、世界の平和と繁栄への決意を示しながら、一方で立憲主義に反する安保法案の成立を目指すなど、矛盾も見られることへの批判もあります。
いずれにしても大切なことは、沖縄基地問題や原爆被爆者問題、空襲被害など民間の戦争被害など、七十年たっても解決しない問題が幾つもありますが、こうした未解決の課題の解決に向けた取り組みが必要であるという問題意識を持つこと、そして何よりも大事なのは、戦後七十年の平和国家としての歩みをこれからも続けることであり、憲法九条が指し示す武力によらない平和を目指すことであると思います。
戦後七十年に当たっての
安倍首相談話についてどのように評価しているか、お聞かせください。
県政運営の評価と課題について伺います。
伊藤知事は、昨年七月に知事就任十年目を迎えられたことから、県民との約束である
マニフェストに基づく県政運営の取り組みについて、みずから一定の評価をされました。知事御自身は大体順調に進んでいるとの評価をされています。
知事三選を果たされてから早くも三年が経過いたしました。二〇一二年の選挙では、「我が国の
グローバル化と
本格的人口減少や
少子高齢化により大きな変革期を迎えている中で、人々がみずからの暮らしに明確な見通しや希望を持って安心して生活できるようにすることが重要であり、子どもからお年寄りまですべての県民にとって優しく温もりのある社会の構築がより一層求められている。私は、本県の有する
発展可能性を最大限に生かすとともに、時代状況の変化にも的確に対応しながら、県民の皆様とともに力を合わせて、すべての県民が郷土に夢と誇りを持ち、生涯を安心して過ごせるような『力みなぎる・かごしま』、『日本一の
くらし先進県』の実現に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたい」と決意を述べておられます。
知事就任から十一年、そして三期目の三年間をどのように評価しておられるのでしょうか。政策の進捗や県民との連携、信頼関係の構築などの観点も含めてお答えください。また、残り少ない今任期ですが、課題として何があるとお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
本県の厳しい財政状況の中で、財源不足の解消など大変な御努力があったわけですが、職員の給与カットや職員数の大幅削減もなされるなど大きな痛みを伴うものであったことから、今後、
ボディーブローのように行政運営に影響が出てくることも予想されます。財政もピンチを切り抜けたとはいえ、県債残高は多く、公債費は高水準で推移し、扶助費も増加傾向に歯どめがかからず、今後も厳しい財政運営が予想されます。
そういった中、地方創生の総合戦略や
人口ビジョンを策定し、今後、取り組みを進めていくことになりますが、本県の将来について知事はどのように展望しておられるのか、お聞かせください。
知事の三期目の任期も残すところ一年足らずとなりました。これまでの評価を踏まえ、引き続き、みずからが県政の
トップリーダーとしての役割を担う意欲をお持ちか、
次期知事選挙への考え方についてもお聞きいたします。
アベノミクスの効果と今後の経済の見通しについて伺います。
世界の株式市場で混乱が続いています。発端は中国経済の減速への懸念で、八月下旬には
世界連鎖株安が起こり、
日経平均株価は六カ月ぶりに一万八千円を割り込みました。
株価連動内閣と言われる安倍内閣が進める
アベノミクスの行方はどうなるのか。三本の矢と言われる大規模な金融緩和と財政出動、成長戦略の効果がどうなっているか、気になるところであります。
確かに、円安・株高を背景に企業業績は過去最高水準に達し、二〇一五年春闘では二年連続の賃上げが実現するなど、経済の好循環の実現も期待させましたが、ことし四月から六月期の実質国内総生産は前期比〇・四%減と、三四半期ぶりのマイナスになりました。政府は一時的な要因が大きいとしていますが、現在の各国の景気浮揚策は財政出動や金融政策に依存しており、自転車に例えると補助輪を外したら倒れかねないという状態だ。
アベノミクスの限界が見えてきたと指摘するエコノミストもふえています。
株価を上げ、円安を進めることには一定成功しましたが、円安による輸出量の増加も見られず、賃金も実質賃金はこの七月、二十七カ月ぶりにやっと前年同月比で〇・三%増となりましたが、
日経平均株価が十八年半ぶりの高水準になった六月に行われたマスコミの世論調査でも、国民の七、八割は「景気回復の実感はない」と答えており、実感しているという人の多くは高額所得者であります。
また、現在の株安傾向で不安が広がりつつあるのが年金であります。
公的年金資産を運用する
年金積立金管理運用独立行政法人の資金が株式市場に投入されていることから、年金の将来について懸念の声が上がっています。この問題も、国民がこうむるリスクについての説明が十分になされておらず、年金と社会保障の立て直しに展望が見えない状況になっていると言えます。
以上のように、世界の株式市場の混乱から世界経済全体の先行きに不透明感が強まったことで、我が国においても、
アベノミクスが今後、各地域において徐々に好循環を実現していくという楽観的な見通しも崩れてきていることや、社会保障に至るまでさまざまに影響が及ぶことが危惧されます。
伊藤知事は、この間の
アベノミクスの効果についてどのように評価しておられるのか。また、課題と現状についての認識について、本県の現状も含めてお聞かせください。
あわせて、今後の国の経済見通しについてどのように考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
八月二十七日、第二回
総合教育会議が開催され、伊藤知事、
古川教育長、ほかに五名の教育委員が出席されました。教育大綱の策定について協議がなされたようですが、その中で知事から信じられない発言が出たわけであります。
せんだって行われました全国学力・
学習状況調査の結果を受け、知事としての目標設定を委員から質問されたときに、知事は、「僕は、女性にはサイン、コサイン、
タンジェントは要らないと従来から言っています。高校教育で女の子にサイン、コサイン、
タンジェントを教えて何になるのかなと。それよりももう少し、社会の事象とか、植物の花とか草の名前とか覚えさせたほうがいいのかというのがあって」という発言をされました。翌日は、多くのメディアがこの発言を取り上げ、
全国ニュースでも取り上げられる始末となったわけであります。知事の発言以来、県には多くの電話やメールあるいは抗議文が寄せられており、学事法制課に二十件、広報課に百五十件といったぐあいであります。
このような事態を受けて、知事は率直なところどのように思っておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
九月九日に開催された
県男女共同参画審議会で委員から、「男女平等は教育の基本。どう弁解されようと不安や疑問がある。高校生でなく、女の子がなぜ入ったのか納得いかない。撤回すれば済むものではない」などの意見が相次いだようであります。当然だと思います。明らかに女性蔑視と受け取れる発言に対しては、私どもも看過できるものではなく、知事という立場ですから、このような見識なのかと残念であります。
当日は、
三角県民生活局長が知事の発言の経緯について説明し、「一連の報道により皆様に御心配、不快な思いをさせ、おわび申し上げます」と謝罪しておられます。発言したのは知事であります。なぜ局長が謝罪されるのか。直接知事が謝罪すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
また、審議会の石田尾会長は、「教育の根幹にかかわり、審議会として譲れないところ。
男女共同参画を前に進めるため、発言の位置づけを示してほしい」と話されたとのことであります。審議会に対しても真摯な対応をすべきと考えますが、見解を伺います。
教育委員会制度が変わり、この四月から知事は、県全体の教育について責任を持つ立場にあり、また、
男女共同参画を推進する県の責任者でもあります。今回の知事の発言は、男女平等をうたう
教育基本法の精神にも反し、流れに逆行するものであります。知事の見解を求めます。
当日は、
古川教育長も出席していたようですが、知事の発言に対しどのような見解を持たれたのか。なぜ会議の中で知事に対し見解を求めなかったのか、お尋ねいたします。
教育行政全般を統括する知事の発言として許されるものではないと考えますが、いかがでしょうか。
地方創生の取り組みと二〇一六年度
予算編成方針について伺います。
政府のまち・ひと・し
ごと創生本部は、地方創生の柱として二〇一六年度に創設する
新型交付金を一千億円規模にする基本方針を決定しました。その規模は、二〇一四年度補正予算で先行計上した千七百億円を下回っております。
新型交付金は、地方の先駆的な取り組みを後押しする安倍首相の看板施策でもあります。
全国知事会は、二〇一四年度補正予算を大幅に上回る規模を要請していたもので、ここに時事通信社が行ったアンケートがあります。
概算要求額千八十億円に対し、半数以上の二十五の県知事が、「全く評価しない」あるいは「評価しない」とした結果が出ております。
新型交付金事業は、これと同額の地方負担を求める仕組みで、従来事業と比較して奇抜性に乏しく、国から拠出される金額に期待した地方側の落胆が見てとれます。
伊藤知事は、地方創生の推進に当たり、国の
新型交付金と
概算要求額をどう評価されるのか伺います。
また、時事通信社のアンケートでは、
人口減少対策や地域の活性化に向け、国に特に強く求める項目について、東京、熊本、鹿児島を除く四十四の府県知事が
少子化対策の抜本強化を挙げ、最多となっています。次いで四十一人の知事が、地方創生に必要な財源の確保と税制措置と答えていますが、各県が国に対し求めている
少子化対策以外に、本県における優先すべき課題をどのように捉えておられるのか、認識をお聞かせください。
国の来年度予算の概算要求は百二兆四千億円程度と過去最大規模に膨らんでおり、政府が六月に新たな
財政健全化計画を取りまとめたものの、達成への道筋は早くもかすむとする見方もあります。総務省は、二〇一六年度の概算要求で、国から地方自治体への財政支援に当たる
地方交付税の要求額を十六兆四千億円台半ばとしており、二〇一五年度の
地方財政計画に盛り込んだ十六兆七千五百四十八億円から三千億円程度減額となっています。これは、景気回復による法人二税などの地方税収の伸びを織り込んだものと考えられます。
この国の概算要求に見る地方財政への期待と不安要素について、認識を伺います。
ここに来て政府内には、参院選を控え、景気を優先した
補正予算編成の必要性などが議論されています。四月から六月期の
マイナス成長への転落や
中国ショックによる世界市場の混乱も加わり、
アベノミクスは内憂外患の様相を呈しています。そのような中、二〇一六年度
地方財政計画の策定に向け、歳出特別枠の堅持や別枠加算など
地方財源確保に、
全国知事会を初め、地方の側の迅速で的確な対応が求められています。
国との折衝が正念場となりますが、今後の取り組みへの知事の決意を伺います。
日本の国と地方の借金は約一千兆円、国民一人当たり八百万円にも上っています。財政危機では崖っ縁で債務超過に陥ったギリシャがありますが、借金残高をGDP比で見ると、ギリシャより日本のほうが深刻だと言われます。二〇二〇年度の国と地方のプライマリーバランスを黒字化するという目標達成にも疑問符がつきます。安倍総理は「経済再生なくして財政再建なし」が口癖で、成長戦略に軸足を置き、財政再建は後回しにしている感があります。
本県の来年度予算編成を控え、本格化する
地方創生総合戦略策定と相まって、県の
基礎的財政収支バランスの成果と課題を踏まえた来年度予算編成の基本方針と重点施策を明らかにしてください。
以上で、一回目の質問といたします。
[
知事伊藤祐一郎君登壇]
4 ◯知事(
伊藤祐一郎君)知事の政治姿勢について、まず、
安全保障関連法案についてのお尋ねであります。
我が国の周辺の
安全保障環境が一層厳しさを増す中で、政府が国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない
安全保障法制と位置づける
安全保障関連二法案は、本年五月に閣議決定された上で国会で審議され、七月に衆議院本会議で可決されたところであります。現在、参議院におきまして関連二法案は審議されており、昨日、
平和安全法制特別委員会において可決され、本日、本会議で審議が予定されているところであります。
このような中、
安全保障関連二法案につきましては、世論調査の結果、また、
法曹界関係者や学者などの有識者によるさまざまな意見、主張があることは十分承知いたしておりますが、これまでも申し上げているとおり、
安全保障政策に関する一義的な判断主体である国におきまして、引き続き、国会を初め、政党及び国民の間で幅広い議論が行われるとともに、国として十分に説明責任を果たすことが重要であると考えているところであります。特に、今回の安全保障二法案は、各法律における対応事態やその改正内容等につきまして複雑な点が多いために、引き続き国が、より丁寧な説明を、より広範な国民を対象として行うよう期待しているところであります。
戦後七十年談話の評価についてのお尋ねがございました。
戦後七十年談話は、さきの大戦が終わりを告げてから七十年目に当たる本年八月十四日に閣議決定され、安倍首相みずからが発表されたものであります。談話では、さきの大戦における行いに痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明してきました歴代内閣の立場を継承いたしますとともに、
積極的平和主義の旗を掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献していくことが述べられているものであります。
未来志向が考慮された内容にもなっており、今後、産業、観光、文化など各分野において大きな
発展可能性を有する
環黄海経済圏を中心としたアジア地域との戦略的な連携・協力を構築することを目標としている本県にとりまして、一定の評価をするところであります。
県政運営の課題と評価についてのお尋ねがございました。
私は、平成十六年七月の知事就任以来、県民の皆様にお約束をいたしました
マニフェストやかごしま将来ビジョンに基づき、「持続可能性への挑戦」、「産業おこしへの挑戦」、「
鹿児島おこしへの挑戦」の三つの課題に取り組みますとともに、二十一世紀の人類の共通の課題であります環境、食料、医療・福祉に重点を置きつつ、「力みなぎる・かごしま」、「日本一の
くらし先進県」の実現に向け、全力を挙げて取り組んでいるところであります。
また、私は、県政の主人公はあくまで県民の皆様であるとの立場を明確にし、県民本位の県政の実現に懸命に取り組んできたところであり、対話や協働を通じて、なるべく多くの県民の皆様の県政への参加を促しますため、積極的な情報の公開や提供などに努めますとともに、知事と語ろ会の開催や審議会等における委員公募制の導入など、さまざまな取り組みを進めてきているところであります。
その結果、行財政改革につきましては、県勢の発展や県民福祉の向上に資する事業についてその財源を十分に確保した上で、平成十六年度に四百五十一億円あった財源不足を解消いたしますとともに、
九州新幹線全線開業の効果を県内各地に波及するための取り組み、高
規格幹線道路などの道路網の整備、
国際定期航空路線の拡充、
奄美群島振興交付金の創設、
特別支援教育の充実、
楠隼中高一貫教育校の開校、
大隅加工技術研究センターの開設、
こども総合療育センターの設置、
ドクターヘリの運航開始など、各般の施策・事業に取り組んできたところであり、全体として、県議会や県民の皆様の御協力のもと、おおむね順調に県政を推進することができているのではないかと考えております。
一方、我が国は、
グローバル化の急速な進展、本格的な人口減少や
少子高齢化の進行、地域間格差の拡大、国・地方を通ずる厳しい財政状況など大きな変革期を迎え、将来に対する不透明感が増しつつありますが、このような時代状況にありましては、人々が将来に対して安心して自分の暮らしに明確な見通しや希望を持って生活できるようにすることが重要であると考えております。
そのため、私は、県政の推進に当たりましては、三年、五年、十年、三十年後の鹿児島の将来像をいつも念頭に置きつつ、人口減少、超高齢社会への対応など時代の状況変化に的確に対応しながら、子どもからお年寄りまですべての県民にとって優しく温もりのある社会の形成を目指し、すべての県民が郷土に夢と誇りを持ち、生涯を安心して過ごせるよう全力を挙げて取り組んでいくことが重要であると考えております。私としましては、今はただひたすら、「力みなぎる・かごしま」、「日本一の
くらし先進県」の実現に向けて邁進してまいりたいと考えております。
総合教育会議での私の発言に対する質問がございました。
先般、二十七日に開催しました
総合教育会議において、本県の教育に関する大綱の策定に向けた協議に引き続き、全国学力・
学習状況調査の結果の報告が行われたところであります。その議論の過程において、小・中学校における基礎的な知識の習得は、将来どの分野に進むにしても必要であるという考え方を示した上で、高等学校におきましては、人生にはいろいろな分野がありますことから、均一的な教育の仕組みを変えたほうがよいのではないかという考え方もあること、どの段階で何を教えるかということが難しくなっていることなどを申し上げたところであります。その後、この場における発言の一部のみが報道されたことに伴い、他の報道機関でも取り上げられ、いろいろ反応があったことは承知いたしております。
私の発言は、全国学力・
学習状況調査におきまして、何を目標とするかと私の考え方を問われ、まず、小・中学校は、基礎的な知識の応用、基礎的知識の習得などで一般的に学力調査等で一定の成績をおさめてほしいという私の考え方を述べた上で、中学校後の高校教育のあり方、カリキュラムの取り扱いについて附則的に発言した中で述べたものでありますが、サイン、コサインを例示として示したために、私の真意が十分に伝わらない表現になってしまった面があり、男女平等教育の観点からは誤解されるような印象を与えた発言になったことは少々軽率であったと考え、翌日の定例記者会見において、その部分について撤回したところであります。今回の発言は、その場の議題からして、性別の教育のあり方について言及する意図は全くなく、もとより男女平等教育の推進は引き続き取り組むべき重要な施策であると考えております。
なお、
県男女共同参画審議会における県民生活局長の発言は、同審議会を所管する局長としてのものであり、また、同審議会からは、今後とも
男女共同参画に関して有益な御意見をいただけるものと考えております。
5 ◯企画部長(岩切剛志君)
アベノミクスの効果と今後の経済の見通しについてであります。
国は、長引くデフレからの早期脱却と日本経済の再生のため、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を三本の矢とする経済政策、いわゆる
アベノミクスに取り組んできたところであります。
直近の月例経済報告によりますと、我が国経済は、企業収益が改善傾向にあり、設備投資に持ち直しの動きが見られるものの、個人消費の伸びは鈍くなっています。また、先行きについては、中国やその他新興国経済の先行き、アメリカの金融政策正常化に向けた動きの影響、ギリシャ問題への対応やその影響などにより、景気が下振れするリスクや金融資本市場の変動に留意する必要があるとされております。また、県内経済については、雇用情勢は高水準の状況が続いているものの、個人消費の一部に弱い動きが見られるところであります。
国が
アベノミクスに取り組むこの二年半余り、有効求人倍率は二十三年ぶりの高水準、完全失業率は低水準で推移し、個人消費は持ち直しの兆しがありますものの、円安による輸入原材料価格の上昇が消費に与える影響等については、注視が必要な状況であるとされております。
今後、国においては、好調な企業収益を設備投資の増加や賃上げ、雇用環境のさらなる改善等につなげ、地域や中小・小規模事業者も含めた経済の好循環のさらなる拡大を実現するとしており、県としましても、こうした取り組みにより、地域経済も含めた経済の好循環の実現に努めていただきたいと考えております。
地方創生の取り組みへの
新型交付金の評価についてであります。
地方創生について、地方が総合戦略を策定し、平成二十八年度より具体的な取り組みが本格化することを受け、国は、人的・財政的支援などを講ずることにより地方創生を進化させていくため、
新型交付金の創設を決定し、平成二十八年度の国の概算要求におきまして一千八十億円を計上したところであります。
この
新型交付金は、官民共同や地域間の連携の促進など、先駆的優良事例の横の展開などを対象に支援することとされておりますが、概算要求の規模は、平成二十六年度補正予算で措置された地方創生先行型交付金の額一千七百億円を下回ること、その内容は、内閣府所管の地域再生基盤強化交付金事業や他省庁の地方創生関連事業など、既存事業の再編などにより財源の確保がなされたものでありますことから、国の地方創生に対する姿勢に地方から疑問の声が上がっているところであります。
県としましては、
新型交付金について、地方が地域の実情に応じて自主性、主体性を最大限に発揮できる継続的な仕組みとすることや、その配分に当たっては、離島や過疎地域などの条件不利地域に十分配慮した仕組みとすること、また、規模については、平成二十六年度補正予算における地方創生先行型交付金を大幅に上回る額を確保することなどについて、県開発促進協議会や
全国知事会等を通じて、引き続き要望してまいりたいと考えております。
人口減少対策等のための課題についてです。
地方創生は、人口減少、
少子高齢化が急速に進展する中、国と地方が総力を挙げて取り組まなければならない課題であり、本県においては、人口減少の克服と地方創生を確実に実施するためには、本県の地域特性や可能性を最大限に生かしながら、県民一人一人が生涯安心して働き、安定した生活を送ることが重要であると考えております。
そのため、従来の
少子化対策や産業振興対策、定住・移住の推進など、地域経済の活性化のための諸施策の充実を図りますとともに、何よりも、本県の基幹産業である農業を初めとした第一次産業や観光産業などの重点的な振興を図ることが重要であると考えており、地方が地域の実情に応じて自主性、主体性が発揮できる、真に実効性を伴った施策を展開できますように、
少子化対策の抜本強化のほか必要な財源を確保することや、雇用創出の強力な推進など、経済活性化のためのさまざまな取り組みが必要であると考えております。
6 ◯教育長(古川仲二君)
総合教育会議での発言に関する教育長の見解についてでございます。
先般開催されました
総合教育会議におきましては、大綱の策定に係る協議のほか、全国学力・
学習状況調査の結果についての報告がなされたものでありますが、御質問にありました発言については、小・中学校における基礎的な知識はどの分野に進むにしても絶対に必要であり、一定のレベルには達してほしいとの考えを示した上で、高等学校においては、人生にいろいろな分野があるので、どの段階で何を教えるのかということが難しくなっていることや、均一的な教育の仕組みを変えたほうがいいのではないかという考えもあることが述べられたものと理解いたしておりまして、私といたしましては、当日の知事自身の教育に関する発言の全体的な流れの中で、その発言の趣旨については受けとめたところでございます。
7 ◯総務部長(寺田雅一君)国の概算要求に係る地方財政への期待と不安要素の認識及び県の今後の取り組みについてでございます。
総務省が公表しました平成二十八年度地方財政収支の仮試算におきましては、ことし六月に閣議決定されました骨太の方針において示されました経済・財政再生計画を踏まえ、地方一般財源総額について、平成二十七年度
地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保する内容となっているところでございます。
他方で、同計画におきましては、二〇二〇年度における基礎的財政収支の黒字化を実現することとし、地方財政については、歳出改革の重点分野として、国と地方を通じた歳出効率化などに取り組むとされていることなどを考慮いたしますと、来年度の
地方財政計画の策定に向けまして、今後、厳しい調整が行われることが予想されるところでございます。
県といたしましては、社会保障関係経費の増大や地方の実情に即した地域活性化の取り組みなど、地方における必要な歳出を適切に
地方財政計画に反映した上で、安定的な財政運営に必要となる地方一般財源総額の確保を図る必要があると考えておりまして、県開発促進協議会や
全国知事会等を通じまして、引き続き国に対して粘り強く要望してまいります。
来年度の予算編成の基本方針と重点施策についてでございます。
本県の基礎的財政収支は、新規に発行する県債を抑制することによりまして、平成十六年度以降、十一年連続の黒字となっているところでありますが、本県の公債費及び県債残高は、財政規模が類似している他の団体と比べますと依然として多額に上っている状況でございます。一方、地方創生につきましては、今年度中に鹿児島県版総合戦略を策定し、市町村とも連携を図りながら、本県の実情に応じた実効性の伴う施策を展開していくこととしているところでございます。
このような中、来年度の予算編成に当たりましては、国の動向を注視しつつ、引き続き、行財政運営戦略に基づき、歳入・歳出両面にわたる行財政改革に取り組みますとともに、
地方交付税や国庫支出金等の財源の確保にも努め、経済情勢の変動や各般の制度改正にも的確に対応しながら、従来の諸施策に加え、医療、福祉、介護、教育等の新たな行政需要や地方創生に重点を置き、
マニフェストに基づく各種施策の推進が図られますよう予算編成を進めてまいりたいと考えております。
[ふくし
山ノブスケ君登壇]
8 ◯ふくし
山ノブスケ君 教育会議における知事の発言でございますけれども、やはり知事の発言は重たいものがあります。意図するところあるいは趣旨がうまく伝わらない表現は、そもそもそういう意識、感覚なのではないかと言われても仕方がありません。ですから、今のように説明すればいいわけであります。率直に反省すべきであることを申し上げておきます。
質問を続けます。
川内原発再稼働についてであります。
去る八月十二日、川内原発一号機が、多くの国民が不安を訴えて反対する中、再稼働されたことに強い憤りの声も聞かれます。そして既に二号機への燃料棒装荷が始められていますが、性急に二機目の再稼働の準備が進められていることを危惧しています。
九州電力は、再稼働から一カ月もたたないうちに経常利益の黒字化を発表し、再稼働の成果を印象づけようとしています。また、県も、電力移出県等交付金事業に一億円、原子力発電施設立地地域基盤整備支援事業に五億円余りの補正予算を今議会に計上し、再稼働への後押しの意図に満ちています。現在でも、薩摩川内市民など地元市民はもとより、多くの県民は不安を持つものであります。
ことしの夏も原発なしで電力需給バランスが維持できたことを踏まえれば、国のエネルギー基本計画を早急に見直し、再生可能エネルギーへの転換を急ぎ、核エネルギーからの脱却を図るべきであると考えます。見解をお聞かせください。
再稼働後間もなく、復水器への海水混入が報じられました。また、地域住民からは異常な黒煙の目撃情報もあります。
これらについて、九州電力から県にどのように報告がなされ、どのような措置がとられたのか、明らかにしてください。
次に、川内原子力発電所の再稼働について伺います。
川内原子力発電所一号機は、八月十一日深夜、核分裂反応が連鎖的に起こる臨界に達し、九月十日に通常運転を開始いたしました。そうした中、川内原子力発電所では八月二十一日、トラブルが発生し、そして九月十日に原子力規制委員会の検査を通過して、営業運転に移行しました。また、二号機については、九月十一日から燃料を装荷いたしました。
今回の原子力規制委員会が策定した新規制基準の適用について、山口彰東京大学大学院教授は、川内原子力発電所の安全対策について、「重大事故の防止対策と万が一事故が起きてしまった場合の影響緩和対策がうまくかみ合っている」。また、火山対策が不十分との指摘には、「自然災害対策は、発生の頻度や発生した場合どんな影響が出るかなど、さまざまな視点を持って適切にリスクを管理することが大事です。そして、現実的に可能な対策を一つずつ着実に行う。その意味で川内原子力発電所の火山対策は適切な内容であり、現時点では合格点だと思います」。さらに、避難計画の実行性の疑問については、「どんなによい計画を立てたとしても、批判しようと思えば幾らでもできてしまいます。それよりも、皆でつくった避難計画の改善を関係者で力を合わせて行ってほしいと思います。そのためにも、実現が難しい完璧な計画よりも、実際に起き得る事故を想定した、役に立つ計画にしていく必要がある」と述べています。
住民理解のためには、事故時の避難訓練が重要であります。川内原子力発電所から三十キロ圏内にある九市町は、既にそれぞれ避難計画を策定しています。その避難計画の実効性を高めなくてはなりません。
さらに、原子力発電所を利用し続けるためには、使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクルや放射性廃棄物の最終処分場選定に国が積極的に関与し、道筋をつけることが重要であります。
そこで伺う一点は、原子力防災訓練について、知事は提案理由の中で、十二月に行うと説明されました。公明党県議団が経済産業省に申し入れた折には、「国の責任で実施する」との高木副大臣の発言がありましたが、国の関与はどのようになるのか伺います。
第二点は、国が行う、使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクルや、放射性廃棄物の最終処分場選定の現状に対する県の認識について伺い、第一回目の質問といたします。
[
知事伊藤祐一郎君登壇]
33 ◯知事(
伊藤祐一郎君)戦後七十年を迎えた鹿児島の姿と将来像についてのお尋ねであります。
戦後我が国は、不戦の誓いを堅持し、戦争の惨禍を繰り返すことがないよう、国民のたゆみない努力により今日の平和で豊かな社会を築いてきたところであります。
現在、本県は、豊かな自然や個性ある歴史・文化、多様な食材など全国に誇れる本物の素材、今後の経済発展が期待されます
環黄海経済圏の中心地でありますソウル、上海、台北、香港と直接結ばれるなど、南に開かれたアジアの玄関口としての地理的な優位性、我が国の食料供給基地として役割などの多くの
発展可能性を有しているものと考えております。
一方で、
グローバル化の急速な進展、本格的な人口減少や
少子高齢化の進行など、時代の大きな変革期を迎える中にありまして、県民一人一人が生涯安心して働き、安定した生活を送ることができますよう、県民生活に直結する医療、福祉、介護や教育などの分野に特に重点を置いて、県民の暮らしの安定を図ることが重要であると考えておりまして、本県の地理的優位性や
発展可能性を最大限に生かしながら、まずは生活の安定を確保し、子どもからお年寄りまですべての県民にとって優しく温もりのある社会の形成を目指し、引き続き、「力みなぎる・かごしま」、「日本一の
くらし先進県」の実現に向けて全力で取り組むことにより、鹿児島の新たな未来をつくっていきたいと考えているところであります。
平和安全法制関連法案についての御質問がございました。
我が国周辺の
安全保障環境が一層厳しさを増す中におきまして、政府が、国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない
安全保障法制と位置づける平和安全法制関連二法案は、本年五月に閣議決定された上で国会で審議され、七月に衆議院本会議で可決されたところであります。現在、参議院におきまして関連二法案は審議されており、昨日、
平和安全法制特別委員会において可決され、本日、本会議で審議が予定されているところであります。
今回の安保法案につきましては、有識者などから、
集団的自衛権の行使容認は違憲である、海外で戦争ができるようにする法律であるなどの否定的な意見がある一方で、日米同盟の抑止機能を格段に向上させる、PKO活動を拡大することで国際社会での評価向上にもつながるなどの肯定的な意見もあるところであります。
安全保障政策につきましては、国が一義的な判断主体でありますので、引き続き、国会を初め、政党及び国民の間で幅広い議論が行われますとともに、国として十分に説明責任を果たすことが重要であり、国は、より丁寧な説明を、より広範な国民を対象として行う必要があると考えているところであります。
34 ◯知事公室長(福壽 浩君)県体育館の整備等についてでございます。
まず、都道府県におきまして設置・管理している体育館がないのは、新潟県と香川県の二県となっております。
本県の県総合体育センター体育館につきましては、築五十年余りを経過し、老朽化が見られるところでございますけれども、耐震性には問題はないとされており、幅広く利用されている状況を踏まえ、当面は、補修等を適宜行うなど機能の維持に努めてまいりたいと考えております。
今後、ドルフィンポート敷地や住吉町十五番街
区において、既存施設との整合を図りつつ、屋内スポーツ競技の関係も含め、どのような機能を持つ施設が必要かなどを論議する検討会を設けることといたしております。
その検討会につきましては、今年度中に立ち上げたいと考えており、メンバーについては、都市計画やまちづくりの専門家などの学識経験者、有識者を初め、地元の経済界やスポーツなどの関係団体、行政関係者などが考えられ、具体的には今後、検討してまいります。
また、鹿児島市とは、これまでもスーパーアリーナ構想等に関し、事務レベルを含め、意見交換や情報提供等を行ってきているところでございまして、今後とも必要に応じ、協議・連携を図ってまいります。
35 ◯総務部長(寺田雅一君)国の来年度予算の本県への影響についてでございます。
ことし六月に閣議決定されました骨太の方針で示されました経済・財政再生計画におきましては、基本的考え方として、歳出全般にわたりこれまでの取り組みを強化し、聖域なく徹底した見直しを進めるとされており、平成二十八年度予算編成に当たりましては、その考え方にのっとった歳出改革を反映するとされているところでございます。
地方財政につきましても、地方一般財源総額について、平成二十七年度
地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとされております一方で、歳出の重点分野として、国の取り組みと基調を合わせて徹底した見直しを進めるとされていることなどから、今後、地方単独事業も含めまして、
地方交付税などについて厳しい調整が行われることが予想され、本県財政への影響が懸念されるところでございます。
県といたしましては、地方単独事業は、今後とも地方自治体の主体的な取り組みが求められる中で、その重要性はますます高まっていくと考えておりまして、地方単独事業を含めて、地方における必要な歳出を適切に
地方財政計画に反映した上で、安定的な財政運営に必要な地方一般財源総額の確保を図る必要があると考えております。
県開発促進協議会や
全国知事会等を通じまして、引き続き国に対して強く要望してまいります。
次に、未利用財産の売却に関する業務委託の活用についてでございます。
未利用財産の活用につきましては、平成二十年度に策定した県有財産有効活用方策の基本的な考え方を踏まえまして、全庁的に積極的な売却や空き庁舎の利活用などを進めてきたところでございます。宅建業者による購入希望者の掘り起こしを図る県有地売却媒介制度や、売却が進んでいない物件等について不動産鑑定士に助言や提案をいただく県有財産売却アドバイザリー制度なども活用しているところでございます。
今後とも、民間ノウハウの活用やさまざまな媒体を利用した広告、経済団体等への情報提供などに取り組み、積極的な売却に努めてまいりたい考えております。
36 ◯企画部長(岩切剛志君)マイナンバー制度に係るセキュリティー対策についてであります。
日本年金機構の個人情報流出問題や十月からのマイナンバー制度の施行を踏まえ、国は、情報セキュリティー対策の強化について、自治体に対し助言を行っているところであります。対策の主なものとしては、情報システムが攻撃を受けた際の被害拡大の防止等を迅速かつ的確に行う組織体制の再検討や訓練の徹底、不正通信の監視機能の強化、成り済ましメールなどインターネットリスクへの対応などを求めているところであります。
一方、県におきましては、これまで、電子計算機室へのICカードによる入退室管理などの物理的な対策、成り済ましメール対応訓練などの人的対策、ウイルス対策や不正アクセスの監視などの技術的対策を講じてきているところであります。今後、国の助言も踏まえながら、緊急時の対応を迅速かつ的確に行うため、最高情報セキュリティー責任者の設置など組織体制の再検討や、外部からの攻撃に強いネットワークの再構築によるシステム全体の強靱性の向上に努めることとしております。
また、各市町村においても、ウイルス対策や不正アクセスの監視などに取り組んでおり、マイナンバー制度の施行を控え、専門の事業者などとも連携しながら、情報セキュリティー対策の一層の強化を進めているところであります。
今後とも、国や市町村と十分に連携しながら、情報セキュリティー対策に努め、マイナンバー制度が円滑に導入されるよう取り組んでまいります。
核燃料サイクル等に対する県の認識についてです。
我が国は、使用済み燃料を再処理し、プルトニウムなどを燃料として再利用するとともに、後に残る廃液をガラス固化した上で地層処分することとしております。青森県六ヶ所村で整備中の再処理工場については、平成二十八年三月の竣工を目指しており、他方、ガラス固化した高レベル放射性廃棄物の最終処分施設については、建設地が決定していないところであります。
このような状況を踏まえ、国は、本年五月に閣議決定した特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針において、最終処分施設について、国が科学的により適性が高いと考えられる地域を科学的有望地として提示するとともに、関係する地方自治体に対し、調査等の理解と協力を申し入れることや、使用済み燃料の貯蔵能力の拡大のための取り組みを強化することなどを定めたところであります。
県としましては、使用済み燃料対策が計画的かつ確実に進められるためには、まずは国がこれらの対策を着実に実施することが必要であると考えており、今後の国の動向等を十分注視してまいりたいと考えております。
37 ◯危機管理局長(永野 司君)原子力防災訓練への国の関与についてでございます。
国が主催する原子力防災訓練につきましては、原子力発電所のある十三地域の持ち回りで実施されており、本県では、新規制基準施行後の初めての訓練として平成二十五年度に実施されております。
今年度の原子力防災訓練は、県などの主催により、国等と連携して実施することとしておりますが、内閣府からは企画段階から協力いただいており、今後も、訓練に向けた職員研修などの支援等を受ける予定であります。
今回の訓練では、国におきましては、原子力災害現地対策本部の立ち上げや要員の派遣訓練のほか、自衛隊や海上保安庁などの実動組織による避難住民の搬送や海上の警戒警備訓練などを実施する方向で検討をしております。
[成尾信春君登壇]
38 ◯成尾信春君 それぞれ御答弁いただきましたが、コメントは最後にまとめていたしたいと思いますので、質問に入ります。
企画建設行政、初めに、地方創生について伺います。
政府は、自公政権が最重要課題に位置づける地方創生関連施設の方向性を示した、まち・ひと・しごと創生基本方針二〇一五を閣議決定しました。基本方針には、地方創生を本格的に推進する具体策を提示し、地域の課題解決に積極的に取り組む自治体を対象とした
新型交付金を二〇一六年度に創設することを明記しました。支給対象は、地方創生に関する今後五年間の政策と数値目標を盛り込んだ地方版総合戦略を二〇一六年三月までに策定した都道府県と市町村です。
地方創生とは、地方の三つの力を引き出すことが最大のポイントです。一つ目は、稼ぐ力です。低水準にある地方の労働生産性を高めるため、地域の観光・ブランド戦略の司令塔となる日本版DMOという新たな事業体制などを構築する。二つ目は、地域の総合力です。従来の縦割り行政を廃止した上で、官民連携、地域間連携などを進め、都市部から地方に移住する高齢者が生きがいを持って生活する拠点となる日本版CCRCなどを整備する。三つ目は、民の知見で、公共施設の建設・運営を民間に委ねるPFIなどの活用を推進することです。
地方創生の実質的なスタートに活用されるものですが、一千億円という金額に戸惑う自治体は少なくありません。なぜなら、二〇一四年度補正予算で先行的に盛り込まれた交付金は千七百億円でしたが、事業が本格化する今後、予算が減ると心配しているからであります。
また、
新型交付金が使えるのは先駆的な事業に限られることを踏まえれば、国は市町村を全面的に支援してほしい。特に、小規模な市町村は地方版総合戦略に携わる人材が限られるため、交付金が使える事業を考案できるか不安であります。
我が会派は、第三者委員会の立ち上げを提案しておりましたが、本県でもようやく鹿児島県地方創生有識者懇話会を設置されました。
そこで伺う一点は、本県の
人口ビジョンの作成状況と総合戦略の策定状況について伺います。
第二点は、地方創生による地域のあちこちでの取り組みが、住民全体に元気と自尊心をもたらすことが期待されますが、本県の総合戦略の目指す方向性についてお示しください。
第三点は、県地方創生有識者懇話会が設置されましたが、先日の懇話会で出された意見や今後のスケジュールについて伺います。
次に、エネルギー対策について伺います。
政府が昨年決定したエネルギー基本計画で、導入を最大限加速とした再エネの割合は、平成二十七年七月の長期エネルギー需給見通しにおいて、同計画で示された目標を上回り、二二から二四%程度となりました。
九州地域戦略会議では、平成二十五年四月に、再生可能エネルギー産業化に向けた検討委員会を立ち上げました。九州では、再生可能エネルギー及び水素でさまざま取り組みが始まっていますが、エネルギー分野を初めとして、産業化まで至っておりません。再生可能エネルギー産業の現状と課題を踏まえ、九州での産業化が有望な分野として、地熱・温泉熱エネルギー、海洋エネルギー、水素エネルギーの三つに絞り込み、九州の目指すべき産業化の姿を描き、産学官が一体となって取り組むべき施策を九州モデルとして策定されました。
二〇三〇年における目指す姿として、九州地域の産学官の広域ネットワークの形成や連携強化のため、再生可能エネルギー産業の関係者が結集できる組織体を形成し、九州産業のエンジンとすることなどが盛り込まれました。
私は、長崎県の五島市沖での浮体式洋上風力発電の調査や大分県の温泉を生かしたバイナリー発電、北九州市の水素タウンや福岡市の下水処理場で汚泥から水素を生産する世界初の取り組みなど、再生可能エネルギーの先進地視察を行ってまいりました。
八月には参議院会館で、経済産業省、国土交通省、農林水産省、環境省の職員から、再生可能エネルギーをめぐる現状と課題等についてのヒアリングを受けました。その後、下水熱を有効利用している芝浦水処理センターを視察いたしました。
九州内での再生可能エネルギーの現状を調査するにつけ、本県の取り組む本気度に疑問を抱いております。
そこで伺う一点は、本県における地熱・温泉熱エネルギー、海洋エネルギー、水素エネルギーの三分野での取り組みの現状と今後の取り組みについて伺います。
先日の農林水産省のヒアリングにおいて、バイオガスについて伺いました。バイオマスを原料とし、微生物により生産されるガスのことです。メタン発酵ガスはその潜在量が生かされていない。発電コストの内訳を見ると、設備費の減価償却費が六割を超えており、高い初期費用に対応できるよう、必ずしも畜産農家等が単独で取り組むのではなく、地域ぐるみで取り組むことが重要であり、今後、地域活性化を進める観点から推進していくことが肝要とのこと。また、メタン発酵の過程で発生する消化液の処理方法は重要な課題であり、消化液の有効利用が鍵となる。発酵後の消化液の処理プロセスをいかに全体のスキームの中に取り込んでいくかが、採算性を確保する上の重要な要素となると説明がありました。
第二点は、本県のメタン発酵ガス化発電について、今後の取り組み状況とスケジュールについて伺います。また、県内で適地と考えられるところはどこか、お示しください。
次に、馬毛島問題について伺います。
馬毛島における米軍の空母艦載機着陸訓練の移転について、防衛省が十月上旬にも馬毛島の航空測量と気象海象調査の入札を行うとの報道がありました。
防衛省は、平成二十四年度当初予算に、航空測量経費として五千万円、気象海象調査費として一億七千四百万円を計上していましたが、地元において、治安悪化や騒音、漁業への影響などの懸念などから反対運動が起きて、予算の執行に至らず、繰り越してきています。
マニフェスト等で知事は、「馬毛島へのFCLP施設の移転問題は、何よりも地域の方々の意向が大切です。地元の理解が到底得られる状況にないため、国にFCLP施設の馬毛島への移転は行わないよう繰り返し求めてきました。今後とも、地元と歩調を合わせて対応します」と述べています。
この間、南種子町議会は、地元一市三町の首長と議会で構成されている反対組織から離脱するとともに、中種子町の町長は「中立の立場で受け入れを検討する」と発言するなど、地元の受けとめ方にも変化や温度差が見られるようになりました。
そこで第一点、今回のFCLP移転を検討する調査の入札について、国から県へは、いつどのような連絡があったのか伺います。
第二点は、知事は、地元の意向が大切との姿勢でありますが、変化する地元の意向をどのように受けとめていらっしゃるのか伺うとともに、今後の対応について伺います。
第三点、馬毛島は、林地開発などの確認のための現地調査が実施されず、県としてしっかり調査するように指摘があったと認識しておりますが、現地調査は行ったのか。また、今後の対応について伺います。
次に、災害対策について伺います。
台風被害と桜島の噴火問題については議論が交わされましたので、重複を避けて要望といたします。
台風十五号は、三島村の黒島や県内各地で、人的被害、住家被害、土砂崩れ、停電による被害や、漁業や農業など各方面に大きな被害をもたらしました。各自治体や関係機関と連携して、復旧に向けた迅速な対応を要望しておきます。
また、桜島の噴火問題では、避難者から、農業、漁業への影響、風評被害による観光への影響等の懸念が聞かれます。県として、鹿児島市等とも連携して積極的な支援を要望しておきます。
次に、土砂災害警戒区域の指定について伺います。
国は、昨年の広島における土砂災害等を教訓に、都道府県に土砂災害警戒区域指定を促進するように求めていますが、地価の下落や風評被害を懸念する住民の思いもあり、土砂災害警戒区域等の指定が進んでいないと仄聞しております。ハザードマップを作成し、避難体制の充実を図るためにも、実情に即した土砂災害警戒区域指定がなされるべきであると考えますが、本県における、土砂災害が起こる危険性があると見られる場所のうち警戒区域指定の現状と今後の取り組みについて伺います。
次に、先日、関東・東北地方を襲った集中豪雨について伺います。
鬼怒川の堤防決壊など、茨城県、栃木県、宮城県を中心に甚大な被害が出ました。亡くなられた方に哀悼の誠をささげ、また、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。
本県においても、平成五年の八・六水害や平成十八年七月の川内川氾濫による被害など、河川決壊による被害を経験しました。
水害の怖さは、地域全体に壊滅的な被害をもたらすことであります。一方で、堤防建設等のハード対策は多額の予算を要することから進んでいません。減災の観点からは、的確な災害情報の提供、ハザードマップの作成と避難計画、避難訓練、さらには住民の防災意識の向上、長期的には防災教育も重要であります。
そこで第一点、本県の管理する河川の整備率を示すとともに、今後の取り組みについて伺います。
第二点、河川の水位等についての情報収集と住民への情報提供について伺います。
第三点、水害を想定した避難計画、避難訓練の現状について伺います。
第四点、住民の防災意識の向上についての取り組みと本県の公立学校における防災教育の現状について伺い、二回目の質問といたします。
39 ◯企画部長(岩切剛志君)地方創生に関しまして、本県の
人口ビジョンと総合戦略の策定状況についてであります。
地方創生に取り組むためには、本県の実情に沿った実効性を伴う施策の展開を図ることが重要であり、現在、本県の成長・発展につながる具体的なプロジェクトの検討を進めているところであります。
総合戦略の策定に向けては、その構成等について、本県の人口の現状等を分析する
人口ビジョンの観点も含め、その概要を骨子案として取りまとめ、今議会において、所管の特別委員会にお示しすることとしております。今後、県議会における御議論や外部有識者の御助言も踏まえながら、総合戦略を今年度中に策定することとしております。
本県の総合戦略の目指す方向性についてです。
総合戦略の策定に当たりましては、本県の地域特性や可能性を最大限に生かしながら、全ての県民が郷土に夢と誇りを持ち、県民一人一人が生涯安心して働き、安定した生活を送ることができるよう、従来の
少子化対策や産業振興対策、定住や移住の推進など、地域経済の活性化のための諸施策の充実を図るとともに、本県の基幹産業である農業を初めとする第一次産業や観光産業などの重点的な振興を図ることが重要であると考えております。
県としましては、このような観点から総合戦略を取りまとめ、市町村とも連携を図りながら、本県の将来を見据えた実効性の伴う施策の展開に努めてまいりたいと考えております。
有識者懇話会における意見と今後のスケジュールについてであります。
有識者懇話会については、県議会の場でいただきました御意見を踏まえ、本県の地方創生への取り組みなどについて助言を得るため、農業や観光などの地域の産業や経済等に知見を有する専門家を初め、医療・福祉や結婚、子ども・子育てなど各分野で活躍されている方々を幅広く委員に選任し、鹿児島地区及び東京地区に設置したところであります。
鹿児島地区については、第一回懇話会を今月十一日に開催し、農業者の育成や農畜産物の付加価値向上の取り組みによる地域経済の活性化、本県の自然資源を活用した観光振興、地域を経営できる人材の育成、子育て支援や教育の振興などについて意見が出されたところであります。
今後、地方創生に取り組むに当たり、本県の基幹産業である農業や観光産業の重点的な振興を図るとともに、地域の活性化のための諸施策の充実を図る観点から、鹿児島地区では、農業、観光、社会・まちづくりの三つの分科会を開催し、それぞれ助言をいただくほか、東京地区においても、全国の地方創生への取り組みなどを承知されている外部有識者から、より広い視点で助言をいただくことを考えております。
地熱・温泉熱エネルギー等の取り組みの現状等についてであります。
地熱・温泉熱エネルギーについては、本年二月に指宿市で出力千五百八十キロワットの発電施設が運転を開始し、指宿市や三島村等において、具体的なプロジェクトの検討が進められているところです。
地熱発電等については、建設費用が大きく、環境等にも配慮する必要がありますことから、今後とも、県としては、事務手続や国の規制緩和の動きなどについて必要な情報提供や助言等を行い、導入を促進することとしています。
また、海洋エネルギーについては、昨年二月に海流・潮流発電の有望地として県内二海域を選定し、現在、事業者への情報提供等を行っているところであります。このうち、口之島、中之島周辺海域について事業者が興味を示しており、この事業者に対し、十島村とともに、実証試験の実施について要望を行っているところであります。
したがって、今は我々としては「フリーの立場で、白紙に戻して」と言っていますが、一旦全部撤回した上で白紙に戻して、これからまた新しい積み上げ作業をやったほうが、全体としてのまとまりは早いと思います。今までいろんな議論がありまして、少々皆さん方の概念がぼやけていますので、もう一回ゼロから積み上げることによって、きちっとしたコンセプトをつくるというのが、今回の検討会を設置した上での具体的な姿を探ろうということであります。
したがって、最終的にどういう形になるのかはもう少し時間をいただければと思います。
[成尾信春君登壇]
54 ◯成尾信春君 それぞれ御答弁ありがとうございました。
今お話ししましたように、県立総合体育館整備というのは、先ほどあったように、全国でも県立がないのが少ないわけですので、そこはしっかり見据えて、今、知事からお話ありましたけど、あのときあり方検討委員会からやっていけばよかったんですよ。それが今になって、またさらに考え直すということなので、ぜひ県立体育館、総合体育館等が鹿児島にないのは寂しいと思います。また、スポーツ関係者の方々も大変それを望んでいらっしゃると思いますし、国体のときにそういうのをしないと、ふだんはできないということで、スポーツ関係者が非常に整備のチャンスと思っていらっしゃいますので、よろしくお願いしたいと思っております。
それから、地方創生については、地方再生マネジャーである斉藤俊幸さんという方がこんなお話をされています。「他の地域と異なる競争力のある事業であることが重要である。地方創生戦略はエッジをきかさなければ意味がない」と述べておられますので、ぜひとも本県浮揚に寄与する戦略に期待したいと思っております。
それから、女性の活躍推進については、衆参両院ではそれぞれ附帯決議が盛り込まれ、政府や地方自治体に講ずべき措置を求めました。法の実効性を高めるため、その実行に期待いたします。
雇用対策については、先ほど申し上げましたけれども、様子を見ます、ひょっとしたらないかもしれませんじゃなくて、地元からそういう声を上げていただき、県として前向きに取り組んでいただきたいと思います。
それから、大隅の陸上競技施設については、もう一回、再度話をするということでございましたけれども、昨年度、整備をしないと決定しましたのでではなくて、先ほどあったように、ゼロベースでもう一回考えてもいいかなというのもあると思いますので、しっかりお願いしたいと思っております。
伊藤知事に一言。対話で大切なのは、言葉に込めた思いが相手にきちんと伝わるかどうか。言いっ放しではなく、相手への思いやりや相手の状況に応じた話題、話す側の熱意があってこそ、聞き手の心に届くんだとあります。ぜひ伊藤知事におかれては、記者会見や各種会合で、思いを相手に通じるように発言されることを苦言しておきます。
最後に一言。「人間、負けるようにはできてねえ。戦う。おれは死ぬまで戦う」。ヘミングウェイ著の「老人と海」の中で語られた老漁夫の言葉であります。小舟に乗り、たった一人で巨大なカジキを獲得し、さらにそれを狙うサメとの壮絶な闘いを展開する老漁夫。目標を見失わず試練に立ち向かう力強い生き方が伝わります。
世界に類を見ない早さで高齢化が進む日本。総人口に占める六十五歳以上の高齢者の割合が二六%と過去最高を更新する中で、日本老年学会は先月、高齢者の身体や知的機能、健康状態について、現在の高齢者は、十年から二十年前に比べて、五歳から十歳は若返っていると想定されるとする声明を発表しました。高齢者を社会で支えるべき対象から、経験や知識を持つ貴重な社会的資産、社会を支える人材と見る視点が必要だと説いております。
公明党は、健康であることに加え、生涯現役として生きがいにあふれた生活を営む活動寿命を延ばす取り組みを提唱しています。元気に働き、地域にも貢献していく、そうした人が主役の地域社会を築くことが地方創生の鍵を握ると思っております。
人が輝く鹿児島県の構築を期待し、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
55 ◯議長(池畑憲一君)これで、本日の日程は終了いたしました。
─────────────
56 △ 日程報告
◯議長(池畑憲一君)九月二十五日は、午前十時から本会議を開きます。
日程は、一般質問及び請願・陳情の委員会付託であります。
─────────────
57 △ 散 会
◯議長(池畑憲一君)本日は、これで散会いたします。
午後三時十六分散会
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