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2010-03-05 平成22年第1回定例会(第7日目) 名簿
2010-03-05 平成22年第1回定例会(第7日目) 本文

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  1. 鹿児島県議会 2010-03-05
    2010-03-05 平成22年第1回定例会(第7日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
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    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(金子万寿夫君) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、議案第一号から議案第二一号までの一括上程  一、同右議案の委員長報告、質疑、討論、表決  一、意見書案の一括上程提案理由説明、質疑、討論、    表決  一、議案第二二号から議案第五二号までの委員会付託  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━ 2    △ 議案第一号―議案第二一号上程 ◯議長(金子万寿夫君) 議案第一号から議案第二一号までを一括議題といたします。       ───────────── 3    △ 各常任委員長審査結果報告
    ◯議長(金子万寿夫君) これより、委員長の報告に入ります。  まず、環境厚生委員長の報告を求めます。  大園清信君。    [環境厚生委員長大園清信君登壇] 4 ◯環境厚生委員長(大園清信君) 環境厚生委員会の審査結果等の主なものについて、御報告申し上げます。  当委員会に付託されました議案第一号など議案四件につきましては、いずれも全会一致で可決すべきものと決定いたしました。  審査の過程の主な論議について申し上げます。  まず、議案第一号の平成二十一年度鹿児島県一般会計補正予算(第五号)のうち、生活保護に係る扶助費に関し、増額補正となっているが、新規開始件数とその理由等について質疑したところ、「県が所管する郡部の生活保護の動向は、本年一月現在で三千三百五十四世帯、人員は四千六百五十七人となっており、年度当初に比べ、世帯数で四・五%、人員で四・九%の増となっている。また、補正額のうち昨年復活した母子加算に伴うものが約一千百万円となっている。なお、生活保護の新規開始は、昨年十二月分の県全体で二百九十八世帯であり、その開始理由として、世帯主の傷病が九十二世帯で、そのほか定年または失業によるもの、預貯金の減少・喪失によるものなどがある。保護率については、県全体で一七・一五パーミルである」との答弁がありました。  次に、繰越明許費に関し、精神保健福祉センター移転事業繰り越し理由と今後のスケジュール等について質疑したところ、「国の地域活性化経済危機対策臨時交付金を活用して九月議会において予算措置したものであるが、ハートピアの二階に移転するため、一階及び三階に入居している関係団体から、活動に支障が出ないようにしてほしいなどの要望があり、その調整等に日時を要したことから、工事費関係繰越明許費として計上したものである。工事発注は夏ごろを見込んでおり、年内には工事が終了するようにしたい」との答弁がありました。  委員からは、「多くの事業が増額の補正予算として計上されており、この精神保健福祉センター移転事業のほか、繰越明許費についても多くの事業が計上されている。国の景気対策に対応したものもあると思うが、事業の適切な執行により、県民の福祉の向上に努めていただきたい」との要望がありました。  次に、住宅用太陽光発電システム設置に対する助成の概要及び助成件数の見込み等について質疑したところ、「この事業は、本年度の九月補正で予算化し、実施したところであり、今回の予算も同様の内容となっている。一キロワット当たり、国が七万円、県が三万五千円を助成し、対象は十キロワット未満としており、三十四万九千円が上限である。前回の実績は七百十六件であり、今回は千四百件を見込んでいる。開始時期については、議決を受けて来週から募集開始をすることとしている」との答弁がありました。  委員からは、「前回の募集は好評であったと聞いている。広く県民に周知し、地球温暖化対策の推進を図ってほしい」との要望がありました。  以上で、報告を終わります。 5 ◯議長(金子万寿夫君)次は、総務警察委員長の報告を求めます。  与力雄君。    [総務警察委員長与 力雄君登壇] 6 ◯総務警察委員長(与 力雄君) 総務警察委員会の審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  当委員会に付託されました議案第一号など議案六件につきましては、いずれも全会一致で原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  審査の過程の主な論議について申し上げます。  まず、議案第一号の歳入補正予算に関し、不動産売払収入の補正増分の内容等について説明を求める質疑があり、「県有財産有効活用方策に基づき、五年間で二百億円の売却目標額を設定し、今年度は、当初予算で四十億円余りを計上したが、鹿児島空港県営駐車場を三十七億円程度で国に売却するほか、鹿児島臨海工業地帯一号用地が四億五千七百万円余りで売却できたことなどから、二億五千万円ほどの増額となったものである」との答弁がありました。  これに対し、「鹿児島空港県営駐車場の売却面積が予定より減少したので心配していたが、今回、当初予算を上回る増額補正となり、今後も頑張っていただきたいと思っている」との発言がありました。  次に、議案第一号の歳出予算補正に関し、「地域振興推進事業は全体の四分の一程度が繰り越しとなっているが、繰り越しとなった具体的理由を説明してほしい」との質疑があり、「早期の事業決定に努めたが、国の経済対策に対応した過去最大規模となる六月補正などへの対応から、繰り越しが発生したとの報告を受けている。繰り越しの理由としては、事業箇所の選定や他事業との調整など計画調整によるものが約六割、景観に配慮したデザインなど設計調整によるものが約三割などとなっている」との答弁がありました。  続いて、「四月から十一月まで、三次に分けて事業決定しているのはなぜか。また、三次決定では時期が遅過ぎるのではないか」との質疑があり、「各地域振興局等においては、前年度中から、市町村との意見交換等を行いながら事業内容を詰めているが、年度途中の新たな要望への対応等にも配慮しながら、一次決定分を選定していると聞いている。今年度は二次決定までで終えたいと考えていたが、一部の地域振興局等において予算枠の残が生じたことから、三次決定まで行ったものである」との答弁がありました。  最後に、「地域振興局・支庁に独自の権限を与え、各々のアイデアで事業を実施するという趣旨はよいものなので、地域振興局・支庁においては、予算執行に関する執行責任を認識した上で、前年度中に事業内容を十分精査し、スピード感を持って執行に当たってもらいたい」との意見が出されました。  次に、くらし安全・安心まちづくり推進事業費暴力団排除活動を支援するための基金に関して、市町村に拠出を要請している一億円の見通しなどについての質疑があり、「市長会については、二月の定例会で県民生活局長から要請を行い、現在、同会において検討が進められており、町村会については、一月の理事会で、拠出する方向で了承を得ている」との答弁がありました。  なお、最後に、重要な基金なので目標を達成するよう努力してほしい旨の要請がなされました。  次に、議案第一一号の鹿児島県消費者行政活性化基金条例の一部を改正する条例制定の件に関して、条例改正の具体的な内容の説明を求める質疑があり、「県消費生活センターを平成二十二年度に県住宅供給公社ビルへ移転させる計画であるが、この財源となる鹿児島県消費者行政活性化基金の財源に地域活性化経済危機対策臨時交付金を充てることができるよう、条例の一部を改正するものである」との答弁がありました。  以上で、報告を終わります。 7 ◯議長(金子万寿夫君) 次は、農林水産委員長の報告を求めます。  吉留厚宏君。    [農林水産委員長吉留厚宏君登壇] 8 ◯農林水産委員長吉留厚宏君) 農林水産委員会の審査の経過及び結果について、御報告申し上げます。  当委員会に付託されました議案第一号など議案三件につきましては、いずれも全会一致で原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  主な論議について申し上げます。  まず、農政部関係につきましては、日本一の茶産地づくりチャレンジ事業について、「多額の減額補正であるが、どのような内容であるか」との質疑に対し、「この事業については、平成二十一年度から荒茶工場の老朽化対策に活用することが可能となったことなどから、要望が多くあり、二十一地区分の予算を計上していたところである。これに対し、荒茶の価格の低迷等により、複数の農家が新たな投資を控え、事業の取り下げを行ったことや、機械の導入について、国の経済危機対策の中で当該事業よりも有利な事業が実施され、事業の振りかえが行われたことなどから、実施地区が十五地区となったことにより、減額するものである」との答弁がありました。  次に、農地整備等に関する繰越明許費について、「これらの事業に関しては、地域からの要望により実施するものであるのに、用地交渉や計画調整に不測の日数を要するとの理由で繰り越しがなされている。市町村や地域の住民に対し、事前調整をさせるなど、工夫すべきではないか」との質疑があり、「土地改良法上は関係者の三分の二以上の同意があれば事業を申請することが可能であるが、圃場整備については九五%以上の同意がなければ採択しない。また、道路や排水路についても、筆界や相続関係などを事前に確認した上で、用地買収が可能な地区を採択するなど、繰り越しを減少させるよう努めているところである」との答弁がありました。  林務水産部関係においては、「昨年の八代海の赤潮被害により、共済加入の必要性を改めて感じる中で、赤潮特約共済掛金補助減額補正がなされているが、実情はどのようになっているのか」との質疑があり、「養殖漁業を取り巻く厳しい経営環境の中で、養殖漁業者の契約割合の引き下げが相次いだことなどにより、掛金の算定基礎である共済金額も大幅に減少となったところである」との答弁があり、これに対し、委員から、「共済加入をしない理由としては種々あるが、加入していないときに被害が発生するものであるので、加入促進が図られるよう努めてほしい」との要望がありました。  次に、森林整備・林業木材産業活性化推進事業について、「木質バイオマス利用施設の整備が先送りされたとのことであるが、どのような理由か」との質疑があり、「養鰻場で、石油エネルギーにかわり木質チップを利用するボイラーの設置を計画していたが、養鰻場が加工・販売の施設整備を優先させたい意向を示したため、先送りしたものである」との答弁があり、これに対し、委員から、「木質バイオマス利用施設については、多くの業界に普及を進めてほしい」との要望がありました。  以上で、報告を終わります。 9 ◯議長(金子万寿夫君) 次は、企画建設委員長の報告を求めます。  桑鶴勉君。    [企画建設委員長桑鶴 勉君登壇] 10 ◯企画建設委員長(桑鶴 勉君) 企画建設委員会での審査結果等の主なものについて、御報告申し上げます。  当委員会に付託されました議案第一号など議案七件につきましては、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定をいたしました。  審査の過程でなされた主な論議について申し上げます。  議案第一号一般会計補正予算のうち、まず、地方バス路線維持対策事業の約四億一千万円の増額補正に関し、質疑があり、「経常欠損額算定対象期間は平成二十年十月から二十一年九月であり、国の監査後の確定額に対し補助を行っている。対象路線数や欠損額が年度途中に確定することから、例年、三月補正により対応している」との答弁がありました。  また、補助対象路線を指定する基準について確認したところ、「広域的・幹線的な地方バス路線に対する補助であることから、複数市町村にまたがり、路線延長距離が十キロメートル以上であることに加え、一日当たりの運行回数が三回以上の路線であることなどの基準が補助要綱に定められている」との答弁がありました。  次に、橋梁長寿命化修繕計画に基づく昨年三月末の点検結果で、損傷ありとされた約六百六十橋のうち、約百五十橋を今回の約十億三千万円の補正で補修することに関し、今後の補修における優先順位について質疑があり、「まずは損傷度の大きい橋梁を先行して補修したい。その後は、損傷度、緊急時の輸送道路、交通量、道路や線路の上を越す橋梁等の状況を勘案して補修したい」との答弁がありました。  委員からは、「損傷ありと認められながら今回の補正では対応できなかった橋梁についても、順次、補修を継続して行っていただきたい」との要望がありました。  次に、議案第一八号損害賠償の額を定めることについて議決を求める件に関し、まず、土地の所有者を誤った原因と再発防止策について質疑があり、「本件土地が、地籍調査未実施地区であったことから、コンサルタントが複数の字図を組み合わせて丈量図を作成する際、本件土地を挟む両隣の土地と同一の所有者であると誤認し、異なる地権者に用地補償金を支払った。県としては、今回の誤りを重く受けとめ、既にチェックリストを作成し、買収の事務手続の必要書類とするなど、確認体制を強化し、職員への周知徹底を図っている」との答弁がありました。  また、損害賠償額の積算根拠について確認したところ、「県が権利を取得しないまま施工したことから、着工時点からの借地料相当額とその遅延利息及び手間賃で、県の賠償責任等審査会において決定された金額に基づいて協議した額である」との説明がありました。  さらに、「誤って支払った補償金の返還請求や、丈量図を作成した業者への損害賠償請求などは行わないのか」と質疑したところ、「補償金の返還請求については、支払いから約九年が経過していることや、県が手続をとって契約し、支払ったものであることなどから、困難であると考えている。業者への損害賠償請求については、委託契約した成果品に瑕疵があったものの、債務不履行責任については時効が成立していることから、行っていないところである。しかし、業者より、本件損害賠償金及び補償金相当額を寄附する旨の申し出がなされており、今後、受け入れの手続を進めたい」との答弁がありました。  これらの論議を踏まえ、委員から、「県民の貴重な財産や公費を扱っているということを十分認識し、その執行に当たっては、金額の多寡にかかわらず、誤りが生じないよう確認を重ねて慎重にすべきである。再発防止策をしっかりととり、今後、このようなことがないよう強く要望する」との意見がありました。  以上で、報告を終わります。 11 ◯議長(金子万寿夫君) 次は、文教商工観光労働委員長の報告を求めます。  岩崎昌弘君。    [文教商工観光労働委員長岩崎昌弘君登壇] 12 ◯文教商工観光労働委員長岩崎昌弘君) 文教商工観光労働委員会の審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  当委員会に付託されました議案第一号など議案六件につきましては、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  審査の過程でなされた主な論議について申し上げます。  まず、議案第一号の補正予算のうち、ふるさと雇用再生市町村事業費補助に関し、七億三千二百万円余りの減額補正の理由などについて質疑があり、「平成二十一年度からの新しい事業であり、すべて委託で実施しないといけないことなどから、市町村の取り組みがおくれた点もあるが、県としては、直接市町村を回り、積極的な活用の依頼を行ったところである。今後とも、他県の事例の紹介などを行い、ふるさと雇用再生特別基金の活用を図っていきたい」との答弁がありました。  次に、企業立地促進補助事業について、「六億六千六百万円余りの減額補正となっているが、当初の見込みからどのように変わったのか」との質疑に対し、「立地企業に設備投資の予定額、新規雇用の見込み等を確認し、補助金の額を算定していたが、世界的な景気の悪化などが影響し、当初見込んでいた企業の設備投資の予定額が減少したことなどに伴うものである」との答弁がありました。  次に、高等学校建物整備事業及び高等学校耐震診断事業について、耐震化の状況はどうなっているのかと質疑したところ、「平成二十一年度当初予算では百四十九棟の耐震診断を予算化し、その棟のうち約半分程度は耐震性ありの結果が出るものと見込んでいる。それに加えて、今年度末に耐震工事の完了するものを考慮すると、今年度当初の耐震化率である六二・八%は、今年度末において一〇ポイントほど上昇するのではないかと思われる。なお、特別支援学校は今年度で耐震化はすべて終了する予定である」との答弁がありました。  次に、育英財団貸付事業について、「二億二千四百万円余りの減額補正となっているが、当初の見込みからなぜ実績が減ったのか」との質疑に対し、「昨年の第三回議会定例会で特例基金を創設し、奨学金が不足することがないよう最大限の額を予算措置したところであるが、年度半ばの十月から募集を行ったこともあり、それぞれの家庭においては対応が済んでいたのではないかと思われる」との答弁がありました。  また、奨学金の拡充について、「保護者への周知は十分に行われたのか」と質疑したところ、「昨年の第三回定例会での議決後、県立・私立の高等学校、また県社会福祉協議会に周知を依頼し、さらに、県や育英財団のホームページ並びに新聞へも掲載を行ったところである」との答弁がありました。  次に、議案第一五号鹿児島中小企業調停審議会設置条例及び鹿児島県中小企業振興審議会条例を廃止する条例制定の件並びに議案第二一号鹿児島県生涯学習審議会条例を廃止する条例制定の件について、「廃止される審議会にかわる役割を果たしているものがあるのか」との質疑に対し、「中小企業の振興については、そのニーズが多様化している中で、経済環境の変化に的確に対応し、施策への反映を図るため、関係機関・団体等で構成する各種の協議会などにおいて、意見交換や情報交換を行っているところである。また、生涯学習については、かごしま県民大学推進協議会を平成十六年に設置し、生涯学習の推進に関する各種の施策の協議を行っているところである」との答弁がありました。  審査の結果、議案第一号につきましては、取り扱い意見として、「原案どおり可決」との意見と、「県職員及び教職員の給与費の減額補正については、給与表の改定と期末・勤勉手当の支給割合の引き下げが主な理由であることから、職員の給与等の削減に反対する立場から否決」との賛否両意見があり、採決の結果、原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  以上で、報告を終わります。 13 ◯議長(金子万寿夫君) 以上で、委員長の報告は終わりました。  御質疑はありませんか。    [「なし」と呼ぶ者あり] 14 ◯議長(金子万寿夫君) 御質疑はありませんので、質疑は終結いたします。       ───────────── 15    △ 討  論 ◯議長(金子万寿夫君) これより、討論に入ります。  まつざき真琴君から討論の通告がありますので、発言を許可いたします。    [まつざき真琴君登壇] 16 ◯まつざき真琴君 私は、日本共産党県議団として、補正関係の二十一件の議案について、十六件に賛成し、反対する五件について、その理由を述べ、討論いたします。  議案第一号、七号、八号については、一括して反対理由を申し上げます。  これらは、一般会計病院事業特別会計工業用水道事業特別会計補正予算の議案でありますが、これらの中には、一般会計で七十四億九千余万円、病院事業特別会計で三億七千七百余万円、工業用水道事業特別会計で六百五十七万円の職員給与の減額補正が含まれています。減額の理由は、給料表のマイナス〇・一八の改定と期末手当、勤勉手当の支給率の引き下げによるものです。  反対の理由の第一は、これらが実際に支給されている給与で比較すると、二万二千円以上も民間より低い給与であるにもかかわらず、七年間も続いている減額措置は、臨時・特例的措置として減額を勧告した人事委員会勧告に基づいてなされた点です。  第二は、給料月額の削減が本年四月にさかのぼって行われることの不当性であります。明らかに不利益不遡及の原則に反するものであります。  第三は、総額八十億円近くの給与の減少が本県の地域経済にマイナスの影響を与えるとともに、職員の士気を低下させることになるということです。デフレが進行し、民間の経営が厳しいときだからこそ、安定的な身分と給与を保障された公務員が購買力向上の牽引役を果たし、地域経済の活性化と県民の生活安定のために貢献することが求められています。  よって、これらの議案には賛成できません。  次に、議案第四号県港湾整備事業特別会計補正予算についてであります。  繰越明許費の中に人工島マリンポートかごしまにかかわって、埋め立て土砂受け入れに対する周辺整備事業として三千五十万円が計上されています。我が党は、不要不急の大型開発である人工島建設に反対する立場から、本議案に賛成できないものであります。  最後に、議案第一〇号土木その他の建設事業の市町村負担額について議決を求める件についてであります。  国の直轄事業負担金をめぐっては、全国知事会が廃止を含めた制度の見直しを国に要求し、政府は二〇一五年までに全廃する方針を打ち出しました。その第一歩として、維持管理費負担金を一一年度に廃止するための法案を国会に提出しました。来年度は、経過措置として、生活の安全に不可欠な特定事業以外の地方負担を減らし、あわせて、国の出先機関の人件費や事務費などに充てる業務取扱費が全廃されます。  同様に、県が行う土木その他の建設事業は、本来県が責任を持って行うべき事業であります。鹿児島県市長会も早期の制度見直しを県に求めています。県の事業は、県民の税金でもってなされるものであります。よって、事業の実施は、市町村の負担ができるかできないかで判断されるものではなく、住民の福祉の向上のために必要であるか否かが執行の基準になるべきであります。  県は、来年度、負担金の一部を廃止するとしていますが、これは直ちに全廃すべきであるという立場で、本議案に反対するものであります。  以上で、討論を終わります。 17 ◯議長(金子万寿夫君) 以上で、討論を終結いたします。       ───────────── 18    △ 表  決 ◯議長(金子万寿夫君) これより、議案第一号から議案第二一号について採決いたします。  採決は、議案等採決区分表の採決順位により行います。       ───────────── 19    △ 議案第二号等十六件可決 ◯議長(金子万寿夫君) まず、採決順位第一の議案第二号など十六件を採決いたします。       ━━━━━━━━━━━━━
      議案第二号、議案第三号、議案第五号   議案第六号、議案第九号、議案第一一号   議案第一二号、議案第一三号、議案第一四号   議案第一五号、議案第一六号、議案第一七号   議案第一八号、議案第一九号、議案第二〇号   議案第二一号       ━━━━━━━━━━━━━ 20 ◯議長(金子万寿夫君) お諮りいたします。  委員長の報告は、可決でありますが、そのように決することに御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 21 ◯議長(金子万寿夫君) 御異議なしと認めます。  よって、これらの議案は委員長の報告のとおり可決されました。       ───────────── 22    △ 議案第一号等五件可決(起立採決) ◯議長(金子万寿夫君) 次に、採決順位第二の議案第一号など五件を採決いたします。       ━━━━━━━━━━━━━   議案第一号、議案第四号、議案第七号   議案第八号、議案第一〇号       ━━━━━━━━━━━━━ 23 ◯議長(金子万寿夫君) 委員長の報告は、可決でありますが、そのように決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 24 ◯議長(金子万寿夫君) 起立多数であります。  よって、これらの議案は委員長の報告のとおり可決されました。       ───────────── 25    △ 意見書案二件上程 ◯議長(金子万寿夫君) 次に、「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」など意見書案二件が提出されておりますので、これらを一括議題といたします。  案文は、配付いたしておりますので、朗読を省略いたします。       ━━━━━━━━━━━━━    意 見 書(案)   国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障するこ   とを求める意見書  民主党は、政権取得後、地方団体等が直接行政府に地域の実情を陳情することを制限し、民主党県連を通じ、又は、直接民主党幹事長室で一括して受け付け、内容を吟味のうえ、行政府に送達するという陳情のルールを策定し、その遵守を強要しているところである。  しかしながら、地方団体等はそれぞれ独自の状況を抱え、また、特異の事情も存在するので、これらの状況を所管する行政府に直接に十分説明し、理解・納得してもらい、それを踏まえたうえでの立案が望ましいと考えており、また、関係行政府においても地方の声に耳を傾けることなく行政施策を策定することは、行政の独善に陥るおそれもあるところである。さらに、地方自治体の首長においては、自ら行政府に地域の実情を訴え、国の施策に取り入れてもらうことは、選挙により地域住民から負託された地域振興や福祉の向上に寄せる願いを実現することであり、公選の首長としての責務でもある。  本来、政治と行政の役割は切り離して考えるべきであり、特に、専門化、多様化している行政への要望等を、政党が一元化して受けることで、事実上、行政府への窓口を閉ざすことにつながり、憲法で保障する国民の請願権を侵害することにもなりかねない。  よって、政府におかれては、行政府として直接地方の声に耳を傾け、行政府として受け止める適切な仕組みを保障するよう強く求めるものである。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。   平成二十二年三月五日          鹿児島県議会議長 金 子 万寿夫 衆議院議長   殿 参議院議長   殿 内閣総理大臣  殿 総 務 大 臣 殿 地域主権推進担当大臣 殿 内閣官房長官  殿  右記のとおり発議する。   平成二十二年三月五日          鹿児島県議会議員 永田けんたろう             〃     通 畠 幸 一             〃     小 園 成 美             〃     永 井 章 義             〃     持 冨 八 郎             〃     前 原   尉             〃     外 薗 勝 蔵             〃     武   昭 一             〃     松 里 保 廣             〃     小 幡 兼 興             〃     山 田 宏 之             〃     山 田 国 治       ─────────────    意 見 書(案)   政治倫理と政治家の責任に関する意見書  政治とカネの問題は、国民の負託を受け政治に携わる政治家の資質が問われる基本的な問題として、政治家たるもの常に襟をただし、また、説明責任を自明のこととして自覚しておかなければならない。  議会政治は、国民の信頼が根幹であり、今日の政界の不祥事の多発は、議会政治を危機に陥れている。健全な議会政治を遂行するため、政治倫理の確立は急務の課題となっている。  現職の内閣総理大臣と民主党幹事長の政治資金団体に係る政治資金報告書をめぐる疑惑については、現職国会議員を含む元秘書が逮捕、起訴されるという異常な事態に立ち至っているが、国民への説明責任は十分には果たされたとは言えない状況にある。  総理の母親からの巨額の資金提供の問題について、総理は既に事件は決着したかのような認識である。一般国民において巨額の所得を五年間も放置し、大した制裁もなく終結することは到底考えられないところである。  地方団体においては、徹底した行財政改革を進めながら、貴重な財源である地方税の徴収に心血を注いでいる。しかし、今回の総理の巨額の贈与税をめぐる取り扱いが住民の納税意識を萎えさせ、真面目に納税することに抵抗感を抱く人々が増加することを危惧するところである。  また、民主党幹事長の、資金管理団体による多数の不動産をめぐる不透明な政治資金の流れなども国民の目には「政治とカネ」の問題として映り、政治に対する信頼を大きく損なうものといわざるを得ない。  よって、国会において、国民の前で徹底的に疑惑を解明し国民の政治に対する不信を払拭するため、参考人招致や証人喚問を行うことにより、信頼回復のための真摯かつ誠実な態度を自ら示すとともに、政治倫理審査会を開催されることを政府としても要請されるよう強く求めるものである。  以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。   平成二十二年三月五日          鹿児島県議会議長 金 子 万寿夫 衆議院議長   殿 参議院議長   殿 内閣総理大臣  殿 総 務 大 臣 殿 法 務 大 臣 殿 内閣官房長官  殿  右記のとおり発議する。   平成二十二年三月五日          鹿児島県議会議員 永田けんたろう             〃     通 畠 幸 一             〃     小 園 成 美             〃     永 井 章 義             〃     持 冨 八 郎             〃     前 原   尉             〃     外 薗 勝 蔵             〃     武   昭 一             〃     松 里 保 廣             〃     小 幡 兼 興             〃     山 田 宏 之             〃     山 田 国 治       ━━━━━━━━━━━━━ 26    △ 提案理由説明、質疑 ◯議長(金子万寿夫君) 山田宏之君に、「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」及び「政治倫理と政治家の責任に関する意見書案」について、提案理由の説明を求めます。    [山田宏之君登壇] 27 ◯山田宏之君 提案者を代表いたしまして、「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」など二件の意見書案について、提案理由を述べます。  まず、「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」であります。  御承知のとおり、民主党政権においては、地方からの陳情について幹事長室に一元化し、地方団体等が直接政府に陳情することを制限するという陳情のルールを策定し、この遵守を求めております。  今まで、地方団体は、地域の実情を直接政府・与党に説明し、政府施策に反映させていただいているところであり、結果的に、政策として日の目を見たものも多くあります。そして、その様子は、マスコミ等を通じ広く国民の目に触れておりました。  今回の民主党のルールでは、民主党幹事長室に一元化されますが、幹事長室で判断されるに際し、何か基準というようなものはあるのかないのか定かではなく、果たして政府に自分たちの地方の事情が十分に届いているものなのか、不安と焦燥感を覚えるものであります。
     また、憲法や請願法などで国民の声を届けることは保障されており、原口総務大臣も、地方の首長が直接中央政府とアクセスするのに何らの制限もあってはならない旨述べておられます。  よって、政府に、直接地方の声を聞く仕組みを保障するよう求める意見書を提出しようとするものであります。  次に、「政治倫理と政治家の責任に関する意見書案」であります。  政治と金の問題について、このところ連日マスコミをにぎわし、国会においても、政治と金の疑惑の解明に多くの時間が費やされております。  一国の総理大臣と与党の幹事長の政治資金団体に係る政治資金報告書をめぐり、これほどの疑惑となり、国会議員を含む、関係した前秘書が三人も逮捕されるなど、前代未聞の出来事であります。  それに引き続く形で、子供に社会規範の第一歩を教えるべき崇高な職務に従事される教員の集団であります北海道教組から、現職の衆議院議員に違法な政治献金がなされたとして逮捕者が出ましたが、議員本人は、またまた知らなかったとの弁解であります。  打ち続く政治と金の問題については、一向に国民の前にその実態が明らかにされず、さきの長崎県知事選挙においても、政治と金の疑惑を投票の判断材料とした人が四割に上るなど、国民の政治不信に拍車がかかっております。  よって、国会において、国民の前で政治と金の疑惑が明らかになるよう、参考人招致や証人喚問を行い、また、政治倫理審査会を開催されることを望むところでありますが、総理は民主党の代表でもありますから、政府としてもこのことを国会に要請されるように求める意見書を提出するものであります。  以上説明したとおり、二件の意見書案は、現在の我が国の政治のあり方において喫緊の課題でありますので、速やかに審議して御賛同賜りますようお願いを申し上げまして、提案理由といたします。       ───────────── 28 ◯議長(金子万寿夫君) お諮りいたします。  これらの意見書案は、会議規則第三十九条第三項の規定によって、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 29 ◯議長(金子万寿夫君) 御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  直ちに審議に入ります。  御質疑はありませんか。  青木寛君。    [青木 寛君登壇] 30 ◯青木 寛君 「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」が上程されましたので、この意見書案に対して、質疑を行います。  意見書案が民主党の陳情ルールに関するものでありますので、私が質問させていただきます。提案者におかれましては、的確で明快な答弁をお願いを申し上げたいと思います。  先月だったと記憶いたしておりますが、ラジオを聞いておりましたら、次のようなニュースが耳に入りました。自民党においては、国会において少数派に転落した後、思うように党勢が回復しない状況である。自民党においては、国民の支持や党勢を挽回するために、依然として多数派を占めている地方の県議会を初めとする議会において、政府・民主党に対する批判を強めることにした。  具体的には、永住外国人の地方参政権付与の問題や、全額国の負担とされていた子ども手当の地方の負担の問題について、反対する意見書を上げる運動を取り組む。近く党本部に都道府県連の関係者を集めて指示する予定にしているという趣旨であったと記憶いたしております。  そこで、提案者にまずお聞きいたしますが、上程されております意見書案は、私が聞いたニュースのような背景のもとに提案されたものでしょうか。それとも、別な理由があるのでしょうか。  仮に自民党本部からの指示に基づいて提案がなされているとすれば、自民党においては全国の都道府県で同じような取り組みを、同じような文案で行っているものと思料いたしますが、いかがでありましょうか。  また、仮に自民党県議団独自の御判断だとすれば、提案理由をお聞きいたしましたが、いま一つ判然といたしませんので、この意見書案を提案した背景、理由について御説明をいただきたいのであります。  それでは、順次、私が理解に苦しむところ、疑問に思う部分などについて伺ってまいります。  まず、意見書案は、その冒頭で「民主党は、政権取得後、地方団体等が直接行政府に地域の実情を陳情することを制限し」とありますが、ここで言う「行政府」とは具体的には何を指すのか。  また、私たちは、制限しているというふうには思っておりませんが、いつ、どのような方々が、どのような陳情において、どこで制限を受けたのか、具体的事実についてお示しをいただきたいと思います。  次に、民主党は、みずから策定した陳情のルールの遵守を強要していると主張されていますが、私は、強要しているとは全く考えていないのでありますが、強要された事実関係があれば、具体的に教えていただきたいと思います。  次に、意見書案の五行目にある「これらの状況を所管する行政府」とありますが、この「行政府」は一体何を指すのでありましょうか。先ほどお聞きした「行政府」と同じでありましょうか、異なるのでありましょうか。  私がなぜこのことをお聞きするかと申しますと、私たち民主党は、これまで一貫して、脱官僚依存の政治の推進、政治主導の確立を主張しており、政権与党となったことを機にその実践を行っているのでありますから、行政府と一言で言っても、事務方である官僚もおられれば、大臣以下、いわゆる政務三役もいるのであります。ちなみに、私たちが政府とか国とかいう場合の多くは、現在、政務三役の政治家を指すのであります。  旧政権時代のように、政治家が、陳情にお越しになった方々を霞が関の局長や課長など、役人のところへ連れて回るというようなことを陳情・要望活動とお考えなら、民主党に政権が交代したことによって、時代は変わったのだと申し上げなければならないと思います。  次に、意見書案は、「地方の声に耳を傾けることなく行政施策を策定することは、行政の独善に陥るおそれもあるところである」とされていますが、私どもも、地方の声に真摯に向き合い、しっかり耳を傾けることは重要だと考えており、現に私どものところには多くの県民からの御意見、要望が寄せられております。提案者が独善のおそれを抱くに至った具体的な事実があれば、お聞かせください。  次は、選挙で選ばれた首長の陳情についてであります。  民主党においても、政治主導の確立の観点において、首長の役割と責任の重要性は十分認識しているところであり、陳情の際にも十分な配慮を持って当たっているところであります。提案者は、選挙で選ばれた方々への対応はどのようにすべきとお考えなのか、具体的に教えていただきたいと思います。  次に、意見書案では、本来、政治と行政の役割は切り離して考えるべきであるとされておりますが、一概にそのことを了とすることにはならないのではと考えるものであります。  我が国において、地方自治体においては二元代表制がとられ、国においては議員内閣制であります。特に、国の議員内閣制においては、国会、とりわけ衆議院において多数派となった政党が内閣を組織して、この国を運営することが通例になっておりますので、行政と政治は、緊張感を持った関係の構築は求められているものの、不離一体のものと考えるべきであると思いますが、提案者は、自民党が政権の中心であった旧政権下では、政治と行政は切り離した政権運営が行われていたと御認識なのでありましょうか。私に理解できるように具体的な事例を挙げて御説明を賜りたいのであります。  次に、専門化、多様化している行政への要望等を政党が一元化して受けることで、事実上、行政府への窓口を閉ざすことにつながると指摘されていることについてであります。  民主党は、幹事長室に多くの副幹事長を配置し、それぞれに担当の省庁が割り振られ、民主党に陳情を行おうとされる方々は、その陳情の内容によって、また重点度、緊急度などを勘案して、幹事長や担当副幹事長が対応するものであり、政府に伝えるべき陳情・要望内容であるかは、幹事長室で精査されるのであります。  ちなみに、我が県連においても、地域主権推進会議で精査させていただいておりますが、その結果は、幹事長室に届ける、県連で預かる、陳情者にお返しをするなどとなっており、これらの過程で政府への窓口を閉ざすことにつながる御懸念は当たらないと考えるものですが、提案者が所属されている旧政権時代の自民党においても、政党としての陳情受け付け機能はあったはずでありますが、どのような御認識をお持ちでありましょうか、伺います。  次は、憲法で保障する国民の請願権を侵害するおそれについてであります。  本県においても、一部の政党や議会、または議員において、陳情の一元化は国民の請願権を侵害するもので憲法違反であるとの主張があります。  そこで、提案者に伺いますが、請願権を保障している条文をお示しいただくとともに、なぜ憲法に保障された請願権の侵害のおそれにつながるのか、具体的に例証していただきたいのであります。  最後に、意見書の言う「行政府として直接地方の声に耳を傾け、行政府として受け止める適切な仕組み」についてであります。  提案者の考えている仕組みを具体的に明らかにしていただくと同時に、陳情のルールを一体どうしたいのかお述べいただきたいのであります。  ここで、私は改めて、民主党の新たな陳情ルールである分権型陳情への改革について、皆様方の御理解を得たいのであります。  まず、新しい陳情ルールの目的であります。  私たちは、一つ、政官癒着の排除と利益誘導型政治からの脱却を目指しています。二つ、分権型陳情で霞が関もうでを一掃することにしています。三つ、国の行政刷新と地方行革に寄与できると考えています。四つ、透明性と公平性を確保する陳情処理にすることであります。  その結果として、民主党の県連組織の政策活動が強化されるとともに、組織も鍛えられることになりますし、私たちを含めて、各級議員の政策活動が強化され、現場主義による草の根活動が活発に展開されることになります。  また、新しい陳情ルールは、省庁の政務三役の負担を軽減することになります。さらに、多くの旅費と労力を使わなくて済むことにより、地方自治体や地方の各種団体など、陳情者の財政負担なども軽減することにつながるのであります。  そもそも自民党を中心とした旧政権時代の陳情・要望活動はどうだったでしょうか。私の経験から申し上げても、野党の一地方議員にすぎなかった私でも、政権与党の本部に行き、廊下を行き交う与党国会議員たちにビラを配り、声を張り上げて要請を行ったものであります。また、与党の大物議員と言われる方々へは個人事務所にまで伺って陳情をしてまいりました。(発言する者あり) 31 ◯議長(金子万寿夫君) 青木寛君、ちょっと待ってください。  青木寛君、意見書案における不明な点について質疑を行うという趣旨でございますので、御理解をいただきたいと思います。 32 ◯青木 寛君 はい。  さらに、高い旅費と大きな労力を使って東京に全国の地方から大挙押しかけ、決起大会と称する集会も数多く開かれ、そこで与党の国会議員たちが大見えを切っていた姿など、まだ記憶に新しいのではありませんか。  私は、提案者にお伺いをしたいんですが、かつての政権党に所属しておられますが、私が今申し上げましたような旧政権時代の陳情の仕組みへの反省はお持ちでないのか、改善すべき点はなかったのか、明快なお答えを求めます。  以上、およそ十三項目にわたるお答えを求めて、私の質疑といたします。(「議長」と呼ぶ者あり) 33 ◯議長(金子万寿夫君) 永田けんたろう君。 34 ◯永田けんたろう君 議事進行で申し上げておきたいと思います。  ただいまは意見書案に対する質疑ということでありました。青木議員の質疑の中には、質疑を逸する部分もありましたので、議事進行上、注意をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 35 ◯議長(金子万寿夫君) 桑鶴勉君。 36 ◯桑鶴 勉君 私も永田議員に賛成をいたします。 37 ◯議長(金子万寿夫君) ただいま永田けんたろう君から当席に対しまして、議事に対する要請がございました。  私のほうで受けとめて、後刻整理をさせていただきたいと思います。  答弁は。(「議事進行」「休憩」等呼ぶ者あり)  休憩の動議があれば、正式に手を挙げて発言をしてください。  吉野正二郎君。議事ですか。 38 ◯吉野正二郎君 議事進行でございますが、動議と取り扱いいただいても結構ですが、この問題に関しまして一時休憩をとっていただきまして、議運の場その他でお諮りいただきたいと思います。(「議長、議事進行」と呼ぶ者あり) 39 ◯議長(金子万寿夫君) 二牟礼正博君。 40 ◯二牟礼正博君 あともう一点、意見書案について質疑がございますので、その結果を踏まえて、休憩なりさせていただきたいと存じますが、よろしくお願いします。 41 ◯議長(金子万寿夫君) ただいまの吉野正二郎君の議事に対する発言に対しましては、先ほど私が申し上げましたように、私のほうで受けとめさせていただいて、後刻整理をさせていただきますので、御了承いただきたいと思います。  ただいま議事について二牟礼正博君から発言がありました。  桐原琢磨君が先ほど来、質疑の要請がございますので、これを許可いたします。    [桐原琢磨君登壇] 42 ◯桐原琢磨君 「政治倫理と政治家の責任に関する意見書案」について、提案者にお尋ねいたします。  政治とお金にまつわるさまざまな話はこれまで絶えたことがないわけでありますが、この意見書案には鳩山総理と小沢幹事長のことだけが記されていますが、自民党の二階議員にも同様の政治資金の問題があったと記憶していますが、この点は言及されないのでしょうか。これがまず第一点目であります。  次に、鳩山総理と小沢幹事長の問題については、いずれも東京地方検察庁特捜部が捜査を行い、二人とも犯罪の嫌疑なしとして不起訴の決定がされましたが、事件の全容と言われておりますが、犯罪という意味での事件性があるのか、何らかの証拠があるのか、明確にお答えください。これが二点目でございます。  次に、鳩山総理が実母からの資金提供を後から知って、贈与税を納付することを妥当として、五年間さかのぼって納付した。それで不十分だと言われますが、税務当局は重加算税を課したりしているのでしょうか。この件に関して、税務当局の評価、判断について教えてください。これが三点目でございます。  また、何らかの税法違反があったと認識されておられるのであれば、告発をされるべきであります。刑事訴訟法には犯罪の事実を知った公務員は告発する義務があるとしております。この公務員には私ども議員である公務員特別職も含まれております。  次に、「民主党幹事長の土地購入をめぐる事件」とありますが、どのような犯罪構成要件をなすのか、明らかにしてください。  次に、政治倫理審査会の開催を政府として要請するように求めておられますが、三権分立の点からも無理なことを求めるものと思いますが、認識を問います。  最後に、企業・団体献金の禁止が打ち出されて、今、話題になっていますが、提案者はこれに賛成の御意思があるのかどうか伺います。  以上で、質疑を終わります。(発言する者あり) 43 ◯議長(金子万寿夫君) 山田宏之君。    [山田宏之君登壇] 44 ◯山田宏之君 ただいま提案をしました意見書案に対して質疑が出たわけでありますが、若干党に対する、公党に対する要請でありますとか、いろんな質疑が出てまいりました。  多岐にわたっておりますが、質疑の項目すべて網羅しながら説明をするというのは短時間ではできませんので、質疑項目を整理させていただくように議長にお願いしまして、暫時休憩をお願いしたいと思います。 45 ◯議長(金子万寿夫君) ただいま山田宏之君から、休憩の要請がありました。  ここで、休憩をいたします。  再開は、ブザーでお知らせいたします。        午前 十時五十九分休憩       ─────────────        午後 二時    再開 46 ◯議長(金子万寿夫君) 再開いたします。  山田宏之君。    [山田宏之君登壇] 47 ◯山田宏之君 午前中の意見書案に対する質疑の中で、大変多くの項目の質疑をいただきました。それに対しまして、答弁の調整に時間を要しまして、議員の皆様方、執行部の皆様方、お時間をいただきましたことに対して感謝を申し上げ、ただいまより、質疑に対する答弁をいたしたいと思います。  まず、青木議員の質疑でありますが、項目を整理をしてみますと十三項目あるということで、非常に多岐にわたっております。同類の質疑をまとめながら答弁をいたしますので、よろしくお願いしたいと思います。  まず最初に、意見書案がどういう背景で出たのかと、それが我が党県議団独自のものなのかという説明をしろとのことでございました。
     この提案につきましては、自由民主党、公明党各県議団で共同で提出したものであります。民主党が陳情ルールを新たにつくり、それを最良のものであるような民主党見解をされておりますが、今回提案いたしました意見書案の背景をお尋ねでありました。  もともと議員は、住民から選ばれ、公共の生活の安定・安心及び福祉の向上に寄与することが最大の目的であると思っております。  陳情ルールの民主党のあり方につきましては、昨年十一月二日以降さまざまな団体が不安を抱えていることは、昨今のマスコミ報道等で明確であると確信をいたしているところであります。  我々は、陳情・請願につきましては、いつでも、どこでも、政党・政府に対して行えるというのが最良であると思うことから、この提案をした次第であります。  質疑にありましたように、党本部の指示であるとか、県議団で検討したのかというものは、我が自由民主党県議団並びに公明党県議団に対して大変失礼な質問であると思いますが、お答えをさせていただきますことにつきまして、県議会議員として全く独自の判断でこの意見書案は提出していることを申し述べさせていただきたいと思います。  次に、質問の三番、六番、七番、同じような項目でありましたが、行政府とは何を指すのかということであります。  具体的に各省庁であると認識をいたしております。各省庁の大臣、副大臣、政務官を初め、それを補佐すべき各省庁全体と認識すべきであるというふうに思っております。  次に、四番、五番、制限と強要とはどこでなされたかということでございます。  昨年十二月十三日、朝日新聞の記事によりますと、十一月九日、奈良県知事が国交省など四省庁に陳情の計画があったそうであります。そのときに、申しわけないけれども、党のルールどおり、大臣らへの陳情は県連を通してもらえないかと、民主党奈良県連の代表を務めておられる馬淵副大臣からそういうふうに知事に言われたそうでありまして、陳情を白紙に戻したとの報道がありました。この記事が正確であるならば、このことは制限ではないかと我々が判断するゆえんであります。  次に、八項目めでありますが、独善に陥るおそれがあると、具体的に述べよということでありますが、さきに述べましたように、昨年十一月民主党は、「分権型陳情への改革」と称しまして、陳情を制限することを決定されておりますが、その中で、「地方議員や地方団体の陳情は、民主党県連の審査を受けた上で幹事長室に報告する」とあります。  地方の声が民主党県連で審査をされ、民主党幹事長室で審査をされ、そしてそのフィルターを通過したものが行政府に伝達されることは、民主党の独善に陥るおそれがあるという心配は私一人だけのことではないというふうに思っております。  さらに、この内容では、「連合の陳情は、総理、官房長官または各省政務官に直接行うことができる」とされております。このことはまさしく独善と言われるものだと思っております。  また、長崎県知事選挙におきまして、一月十七日に行われました長崎県連のパーティーで、「橋本剛君を知事に選んでいただきますれば、自主財源となる交付金を皆さんの要望どおりにできます。高速道路を欲しいならつくることもできます」と小沢幹事長は話されております。  また、石井一選挙対策委員長は、「時代に逆行するような選択を長崎の方がされるのであれば、民主党政権は長崎に対しそれなりの姿勢を示すべきだと思う」ということを言っておられます。これはまさしく独善のきわみではないかと思うところであります。  九番目でございます。首長に対して十分な配慮をしている。提案者はどのように対応すべきだと思っておるかと言われておりますが、首長に対してのことであります。  昨年の東京で行われました開発促進協議会、これは我が県、すべての要望を網羅して国に対して要望する会でございますが、「民主党国会議員は党本部研修に参加するため相次いで退席した」と地元紙の報道でありました。首長に十分配慮しているならばこのようなことにはならないのではないかと、もっと積極的に参加すべきだと我々は思っております。  政治と行政の話が十番でありました。切り離すべきではないかという質問でありますが、三権分立の思想から言えばまさしくそのとおりであると思います。  そして、十一番目でありますが、自民党のルールはどうであったかということであります。自民党の政治姿勢は、先ほども申しましたように、いつでも、どこでも、だれでも、だれにでも陳情ができるように非常に民主的な制度をとっておったと私は思っております。私も三十年近く政治にかかわっておりますが、大臣に会うなとか、県連を通せとかいう話は一切聞いたことがないわけであります。  十二番目の質問でありますが、請願権、これはどういうことかと、条文を示したうえでということを言われております。請願権は憲法十六条で規定をされているわけであります。憲法十六条は「何人も平穏に請願する権利を有するもの」と規定し、請願法第五条は「請願は、官公署においてこれを受理し、誠実に処理しなければならないもの」と規定している。陳情は、請願を補完するものであり、憲法上、同法の規定の趣旨に照らせば、憲法第二十一条に規定する言論の自由の規定などとあわせ、国民がだれにも妨害されることなく政府に対して陳情する自由は保障されるべきものである。主権者である国民の平穏に陳情する権利を制限することは、憲法の基本的な趣旨に反する。しかるに、政党法もなく、ただ与党であるというだけの一政党が、何ら法的根拠もなく、国民が陳情のため政府に接触するということを制限するというのであれば、言語道断の憲法違反と言わざるを得ないというふうに思っております。  十三番、最後でありますが、陳情の仕組みを具体的にどうしたらいいかという質問でありました。  先ほど来答弁しておりますように、国民ひとしく、いつでもどこでもだれでも陳情活動ができることが望ましいと考えている次第であります。  続きまして、桐原議員の質疑にお答えさせていただきたいと思います。  質疑の中で、鳩山、小沢両氏のみに言及しているが、二階議員はどうであったかということであります。  二階議員も、国会が認めましたら出席をするべきだと考えております。また、二階議員は、事件発生後、犯罪性が確定したわけでなく、国会議員として国民に不信の感を与えたという道義的判断で党の要職を辞任をされました。政治家として潔い行動だと評価をいたしているところであります。  それから、二番、四番、五番、これは事件性の問題でありますが、事件性につきましては、検察、また今後の裁判を待つべきということは当然のことであります。しかし、世論調査等にあるように、説明不足との声があるわけで、鳩山、小沢、小林議員につきましては、必要があるとすれば、ほかの国会議員も同様でありますが、国会におけるあらゆる場で説明をすべきである。刑事、民事など事件が立証されなかったから説明する必要がないという立場は納得しがたいというふうに思っております。  また、政治倫理審査委員会の設置要綱は、当時、小沢議員の主導で決定されたと聞いているところであります。また、その際、「政治家は不信を受けたら、みずから審査会の場で自己の説明をすべきである」と言っておられます。また、鳩山総理は、「秘書の責任は政治家みずからの責任である」と当時、言明され、自由民主党を追及されたことは忘れてしまったかのような発言をされております。当時のそのような考え方はどこにいったのかと逆に問いたい思いがしているところであります。  三番目であります。鳩山総理の実母からの献金の話であります。  国民の多くは一般的に、経済的に普通と言われている方々であります。月々一千五百万円の援助をお母さんから受け、それも七年も続き、合計十二億七千万円になるような裕福な家庭に育ったから何も知らなかったと発言される首相の発言には、いまだに納得できない国民は多いと思います。脱税と重加算税との関係は、故意があるかないかによって違うと思っているところであります。  次に、三権分立についてのお尋ねであります。  民主党の議員の中には、三権分立など我が国憲法には書かれていないというような見解を述べられる方もいらっしゃいますが、ここで憲法の基本であります三権分立の言葉が出たことに少々戸惑いを感じているところであります。  鳩山氏は、党の党首という立場、内閣総理大臣という立場、二つの立場を持っておられるわけであります。党の立場で国会で働くべきと意見書で申し上げているところでございます。  次に、最後になりますが、企業・団体献金の禁止に関する見解について。  この件に関する法案を出す出すと言いながら、いまだに出されていない民主党の姿勢にも何かあるのではないかなというふうに思っておりますが、企業、団体からの個人への献金は現在も禁止されております。これを、政党への献金も同様に禁止するという趣旨の法案が提出されると思いますが、国会内各会派等の協議により、議員提案でなされることを希望いたしているわけであります。この種の政治資金規正法は我々県議会議員にも適用されることから、政党助成金等のあり方も同様に検討されることを希望いたしているところであります。  以上で、質疑に対する答弁を終わらせていただきます。 48 ◯青木 寛君 お答えがありました。  質疑の真意に基づかないお答えも散見されますが、これ以上この件に時間と労力を費やすことは適当でないというふうに判断をいたします。  県民連合会派としての態度は、討論において行うことを申し上げておきたいと思います。 49 ◯議長(金子万寿夫君) 以上で、質疑は終結いたしました。       ───────────── 50    △ 討  論 ◯議長(金子万寿夫君) これより、討論に入ります。  まず、「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」及び「政治倫理と政治家の責任に関する意見書案」に対し、二牟礼正博君から討論の通告がありますので、発言を許可いたします。    [二牟礼正博君登壇] 51 ◯二牟礼正博君 提案されました意見書案に反対討論を行います。  民主党が決めた新しい陳情ルールは、自民党時代の陳情のあり方や箇所づけの伝達のあり方が、いわゆる族議員を生み、政官業の癒着構造をつくり出してきたことへの反省の上に立って創設されたものであります。  かつて自民党政権時代、予算編成の年末には、高い旅費と大きな労力を使い、鹿児島から、全国各地から東京に大挙押しかけ、自民党の有力議員や個人事務所への陳情・要請活動、鉢巻きを締めての決起大会が数多く開催されました。そして、予算編成や箇所づけ陳情への影響力を誇示することによって、自民党議員の方々は選出地域や業界団体への求心力を高め、票と金を集め、長年権力を維持したのであります。  新しい陳情ルールは、このような政官業の癒着構造を排除し、族議員を生まないようにする新たな試みであり、その方向性は決して間違っておりません。  私ども県民連合は、政権交代後、県の建設業協会、県トラック協会、県薬剤師会など多くの団体との意見交換を行い、参加者からは大変有意義であったと鳩山政権への期待が述べられております。  先ほどの質疑で青木議員のほうから現状を報告しましたが、地方団体等が地域の実情を行政当局に陳情することを制限していることはないのであります。意見書案では、行政と政治の役割は切り離して考えるべきとの立場でありますが、議員内閣制のもとでは政治と行政は一体であるべきとの我々は立場であります。それが連立政権が進める政治家主導の政治なのであります。  憲法第十六条で定められた国民の請願権は、何ら制限されておりません。請願権は保障された中での民主党の陳情ルールを決めたのであって、自民党、公明党、共産党、それぞれの国会議員を通して政府・与党への意見反映は、これまで同様、十分可能であります。積極的な地域の声、業界団体の声のくみ上げに努力し、政府・与党に要請するのが、その地域で選出された議員の責務であります。そのことを理解せずして陳情ルールを問題視するのは筋違いというものであります。  政治と金の問題は、先日、民主党の青木議員が一般質問の席上、県民の皆様におわびをいたしました。鳩山、小沢両氏の問題は、東京地検の徹底した捜査、取り調べによっても違法性はなく、予算委員会における谷垣総裁や町村氏からの各方面からの追及によっても、新しい事実は出てきませんでした。国会への参考人招致等は国会みずから判断すべきことであり、政治家の身の処し方は政治家自身が決めるべきことであります。  政治に携わる政治家は、常に襟を正し、政治と金の問題で不信を招くことがあってはならないのは当然のことであります。そのためにも、今国会で取り組まれようとしている企業・団体の政治献金の禁止について、早期に各政党間で成案を得て、実現すべきであります。日本経団連や経済同友会も企業・団体献金の禁止を打ち出しました。自民党には厳しい事情もあるようですが、ぜひ御賛同をお願いいたす次第であります。  自民党の再生は、政治と金の追及だけでなく、民主党のマニフェストを上回る質の高い政策の提起であると思います。県議会、地方議会では多数を占めることを背景にして、その力で物事を推し進めようとする発想に立った意見書の採択、それをめぐって不毛な論議をせざるを得ない状況は、地域主権改革に向けた着実な歩みや、無駄をなくして国民生活第一の政治を求める国民の声とは乖離したものと言わざるを得ません。  連立政権のもとで進みつつある政治改革や、新しい制度、政策を体験する国民は、決してかつての自民党政治への回帰を求めることはないでありましょう。政権は交代したのであります。政治は変わっていくのであります。古いレコードを懐かしんで聞くような態度は、政治の世界では通用しないのであります。  私どもは、新しい時代の政治にふさわしい県議会と議員の役割を自覚し、地方において連立政権を支える責任を果たしていく決意であることを申し上げ、反対討論といたします。 52 ◯議長(金子万寿夫君) 次は、「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」及び「政治倫理と政治家の責任に関する意見書案」に対し、宇田隆光君から討論の通告がありますので、発言を許可いたします。    [宇田隆光君登壇] 53 ◯宇田隆光君 自由民主党県議団を代表し、提案されている「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」など二件について、賛成の立場から討論いたします。  この二件に関して反対討論があること自体、予想を超える驚きでありまして、本日の議論を不毛と言われる感覚に驚き、これまでの自民党を中心とした政権がいかに常識的であったか、改めて痛感する次第であります。  質問された方々、反対討論された方々は、立場が言わせたのか、本当に心の底からそう思っておられるのか、もし本当にそう思っておられるのであれば大きな驚きであります。立場が言わせているのであれば、自由民主党と民主党の違い、名前のとおり、自由があるかないかの違いがここにあります。  「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」についてでありますが、意見書文案、質疑に対する答弁でも背景等は述べましたので、詳しくは述べません。問題は、民主党幹事長室に陳情を一元化して、それ以外は認めないと強要する点であります。選挙対策とのそしりは逃れられません。今、開かれている国会審議でもこのことが取り上げられ、一部の閣僚からは、直すべきところもあるという趣旨の発言も出ております。  政府において、国民の意見・要望に耳を傾けない危険性は意見書案に述べられているとおりであります。政府は、国民に対する行政府としての責任として、民主党の陳情ルートのいかんを問わず、直接、地方団体や国民の声を聞く仕組みを速やかに設けるべきであります。  次に、「政治倫理と政治家の責任に関する意見書案」についてであります。  民主党は、かって野党時代には政治と金の問題について厳しい態度をとっており、鳩山首相においては、政治資金をめぐる不祥事については、秘書の責任は政治家の責任として厳しく辞任を迫ったものであります。しかし、今回のみずからの政治資金をめぐる事件では、秘書が起訴されたにもかかわらず、秘書任せでみずからは全く知らなかったとして、責任は、今後、政務に精励することだと述べておられます。論理の矛盾は中学生でも理解できるところであります。国民は、政治と金、政治家の説明責任のあり方など目の当たりして、政治不信を増幅しております。  幹事長におかれては、現職国会議員を含む、元秘書三人が逮捕されたにもかかわらず、みずからが不起訴になったことですべての説明責任を果たしたがごとくの言動であります。  さらに引き続き、小林千代美衆議院議員への違法献金で、純粋な心を持つ子供を教育する立場である北海道教組が家宅捜索を受け、逮捕者が出るという事件も起きており、政治と金の問題はとまることを知りません。  首相がよく言われる「御自分で判断して、しかるべき説明責任を果たされることを期待する」式の対応では全く理解できません。ただただ時間が流れるのを待って、人のうわさも七十五日を期待されているのではないかと勘ぐりたくなるところであります。  最も憂うべきは、このことが国民の納税意識を阻害することにつながることが懸念される点であります。徴税の現場では、それぞれの税を納めていただくのに納得していただくのが肝要であり、特に滞納処分等では、納税者と職員双方に大変な御苦労があるところであります。国会において、国民の前で疑惑を解明し、国民の政治不信を払拭するよう参考人招致や証人喚問、政治倫理審査会の開催などに積極的に対応すべきでありますが、多数を頼みにして全く応じる気配もありません。  首相は、我が国の政府を預かるトップの地位にあり、また民主党の代表でもありますので、政治の停滞を招く政治と金をめぐる混乱を速やかにおさめるために、政府としてもこのことを国会に要請されるべきであります。  この件に関して、桐原議員は三権分立について話されましたが、「憲法には三権分立については書いてない」と発言された民主党国会議員がいることを思い出し、驚きました。  以上、自由民主党県議団を代表して、「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」など二件について、賛成の立場から討論を述べましたが、私自身がこれまで、皆様も御存じのように、我が党に対して、おかしいものにはおかしいと言い続けてきた者であります。  本会議場におられる議員の皆様が、国政に関する各政党の地方支部的な立場でおありでしょうが、ただすべきことはただすべしというお考えのもとに賛成していただくことを信じて、終わります。(拍手) 54 ◯議長(金子万寿夫君) 次は、「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」及び「政治倫理と政治家の責任に関する意見書案」に対し、持冨八郎君から討論の通告がありますので、発言を許可いたします。    [持冨八郎君登壇] 55 ◯持冨八郎君 私は、公明党県議団として、「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」と「政治倫理と政治家の責任に関する意見書案」について、いずれも賛成の立場で討論をいたします。  国民は、民主党に大きな期待を寄せて政権交代を選択いたしました。さきの青木議員の一般質問において、野党やマスコミは政権を批判し、ただすのが使命であり、政権党は謙虚に批判を受けとめなくてはならないという趣旨の発言に大変に感銘を受けたところであります。  この二つの意見書案は、現政権の姿勢をただすものであり、国の経済や国民の生活が大変厳しい中で、国民が懸念している政治と金、地方の声を反映する方法について意見を申し上げているものであります。意見の趣旨を受けとめ、国民目線の政権になっていただきたいと切望するものであります。  「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」これにつきましては、民主党が、地方の陳情を都道府県連を通して民主党幹事長室に一元化するという陳情ルールを策定し、一月二十九日には都道府県連の代表者を党本部に集め、公共事業等の箇所づけを伝達し、一部自治体にも伝えられたと報道されました。  予算については、議論をしている真っ最中のことであり、予算が成立する前に党を通じて箇所づけについて連絡するというのは、議会軽視であり、あからさまな利益誘導であります。マスコミは、党を挙げての利益誘導と言われかねないと一斉に批判をしております。  また、一緒に連立を組む社民党、国民新党からも、事前の相談がないとの反発の声がありました。社民党、国民新党は了としているのでしょうか。箇所づけについて、鳩山総理も予算委員会で遺憾の意を表明し、国土交通大臣を処分いたしました。  また、長崎県知事選におきましては、与党推薦の候補を選ばないという選択をされるなら、民主党政権は長崎に対してそれなりの姿勢を示すだろうなど、選対委員長や大臣が露骨な利益誘導の発言をし、長崎県民の反発を買い、それが選挙に負けた原因の一つとなっております。  民主党は、陳情のあり方を変えると主張しておりましたけれども、特定の政党への利益誘導、選挙対策になってはなりません。その意味で、真に地方の声が適切に届く仕組み、これが必要であります。よって、同意見書案に賛成をいたします。  また、「政治倫理と政治家の責任に関する意見書案」につきましては、政策を実行するためには国民の支持、信頼が何より重要であります。しかしながら、国政の現状は、鳩山総理の偽装献金や脱税疑惑、小沢幹事長の不透明な資金の流れ、小林千代美衆議院議員と北海道教職員組合の選挙資金をめぐる不祥事など、政治と金をめぐる問題が大きな焦点になり、深刻な政治不信になっております。  死んだ人から寄附をもらったなどとうその収支報告を提出し、何年にもわたって虚偽記載をしてきたとして、鳩山総理の元秘書が政治資金規正法違反で起訴されました。鳩山総理自身は、お母様から総額十二億六千万円ものお金をもらったことが発覚し、脱税批判を恐れて慌てて贈与税を納めました。もし発覚しなければ、約六億円もの贈与税は納めなかったということになります。総理は、「知らなかった」の一点張りでありますけれども、これは、国民感覚から見れば明らかに脱税そのものであります。さらに、その使い道についてはいまだ説明をされておりません。  小沢幹事長も、石川衆議院議員初め、秘書ら三人が政治資金規正法違反で逮捕、起訴されましたが、東京世田谷の土地代金に充てた四億円もの原資についての説明は二転三転し、とても国民に理解を得られたとは言えません。  さらに、両氏ともに、「秘書に任せていた」との一言で済ませようとしておりますけれども、国民の多くは納得しておりません。鳩山総理自身、かつて「政治家と秘書は同罪と考えます。政治家は金銭に絡む疑惑事件が発生するとしばしば、あれは秘書のやったこととみずからの責任を逃れようとしておりますが、とんでもないことです」と主張しておりました。  しかるに、民主党は、自浄能力を発揮することなく、野党の国会での説明を求める要求にゼロ回答で、信頼回復への姿勢が見えません。現職国会議員を含めて、秘書が次々と逮捕されているこの厳しい現実をしっかりと受けとめるべきであります。  公明党は、企業・団体献金を禁止するとともに、秘書など会計責任者が不正をした場合、国会議員の監督責任だけでも連帯責任を問い、公民権を停止する等、制裁を強化した政治資金規正法の改正案を提案しました。  さきの党首討論では、鳩山総理も、各党による協議機関の設置など、山口代表の提案に積極的な答弁をして、昨日、再発防止への一歩前進をいたしました。しかし、そのことで疑惑の幕引きや疑惑隠しになってはいけません。国民の政治不信を払拭するためにも、本人みずからが参考人招致や政治倫理審査会等、国会の場で説明責任を果たすべきであります。  世論調査でも、多くの国民が納得していないというのは事実であります。国民の不信に、不満に丁寧に対応し、国民の信頼を回復し、そして実質的な政策審議に入ることこそ、今、最も大事なことであります。  二件の意見書案について党の意見を申し上げましたけれども、いずれも賛成の意を表し、討論を終わります。(拍手) 56 ◯議長(金子万寿夫君) 次は、「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」及び「政治倫理と政治家の責任に関する意見書案」に対し、まつざき真琴君から討論の通告がありますので、発言を許可いたします。    [まつざき真琴君登壇] 57 ◯まつざき真琴君 私は、日本共産党県議団として、提案されました二件の意見書案について、いずれも賛成の立場で、その理由を述べ、討論いたします。  新政権発足後、政治主導の名のもとに、地方からの陳情を民主党幹事長室が一元的に受け付けるというシステムがつくられました。「小沢もうで」ともやゆされたこのシステムは、公共事業関連の陳情を民主党の都道府県連を通じて、小沢一郎幹事長が指揮する幹事長室に集約し、同室が実現すべきだと判断した事業について政府に要望し、実現を図る仕組みです。  民主党都道府県連によるいわゆる箇所づけ内示が問題になりましたが、これは、この陳情一元化のシステムの中で、民主党が陳情から予算配分までを一貫して扱うことをねらったものだと言えます。これは、民主党による行政を利用した利益誘導政治と言われても仕方がありません。国として直接に地方の要望を聞く仕組みを保障すべきであります。  政治と金の問題については、昨日、与党三党が企業・団体献金のあり方を検討する与野党協議機関の設置を野党に呼びかけていくこととしました。これは、鳩山首相や小沢氏らの政治と金の疑惑に対する国民の批判が無視できないためです。  鳩山氏が母親から提供された資金など、亡くなった故人などの名義で届けた問題や、小沢氏の資金管理団体の土地購入資金をめぐる問題は、いまだに疑惑と責任の解明が尽くされていません。特に小沢氏の土地購入事件では、政治資金収支報告書虚偽記載の共犯容疑で嫌疑不十分、不起訴となっただけで、白となったわけではなく、ゼネコンからの裏献金が含まれていたという肝心の問題が解明されたわけではありません。  営利が目的の企業が見返りを求めて行う企業献金は、政治腐敗の根源であり、疑惑を徹底解明するとともに、全面禁止することが不可欠です。問題は、再発防止のための協議機関設置などを、現に解明が求められている鳩山首相や小沢氏の疑惑追及の煙幕、隠れみのにしてはならないことです。国会において、鳩山首相の元秘書や小沢氏本人とその現・元秘書らの証人喚問を実現し、今ある疑惑を徹底解明してこそ、実効ある再発防止の道も開くことができます。  禁止すべきなのは企業献金だけではありません。北海道での民主党議員陣営への違法な献金の疑いで、連合傘下の教職員組合の関係者がついに逮捕されました。組合員の思想、信条を侵す労働組合などの特定政党への献金と一党支持押しつけもやめるべきです。また、国民の税金で政党の資金を賄う政党助成金も、政党支持の自由を踏みにじるだけでなく、本来あるべき政党の活動を衰退させます。
     政治資金は、国民の浄財で賄われるべきで、企業・団体献金も政党助成金も廃止すべきであることをあわせて申し述べ、これらの意見書案の賛成討論を終わります。(拍手) 58 ◯議長(金子万寿夫君) 以上で、討論を終結いたします。       ───────────── 59    △ 意見書案一件可決(起立採決) ◯議長(金子万寿夫君) これより、意見書案を採決いたします。  まず、「国として直接地方の要望を聞く仕組みを保障することを求める意見書案」を採決いたします。  この意見書案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 60 ◯議長(金子万寿夫君) 起立多数であります。  よって、この意見書案は原案のとおり可決されました。       ───────────── 61    △ 意見書案一件可決(起立採決) ◯議長(金子万寿夫君) 次に、「政治倫理と政治家の責任に関する意見書案」を採決いたします。  この意見書案は、原案のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。    [賛成者起立] 62 ◯議長(金子万寿夫君) 起立多数であります。  よって、この意見書案は原案のとおり可決されました。  お諮りいたします。  ただいま可決されました意見書の字句の修正、提出手続などにつきましては、当席に御一任いただきたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 63 ◯議長(金子万寿夫君) 御異議なしと認めます。  よって、そのように取り計らうことに決定いたしました。       ───────────── 64    △ 議案第二二号―議案第五一号委員会付託 ◯議長(金子万寿夫君) 次に、議案の特別委員会への付託の件を議題といたします。  お諮りいたします。  今回提出されました議案のうち、議案第二二号から議案第三三号までは、予算特別委員会に付託いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 65 ◯議長(金子万寿夫君) 御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。  次に、議案第三四号から議案第五一号までは、配付いたしております議案等付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。  お諮りいたします。  議案第五二号は、会議規則第三十九条第三項の規定によって、委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり] 66 ◯議長(金子万寿夫君) 御異議なしと認めます。  よって、そのように決定いたしました。       ───────────── 67    △ 報  告 ◯議長(金子万寿夫君) ここで、報告いたします。  ただいま関係の常任委員会に付託いたしました議案のうち、議案第三四号につきましては、当席において地方公務員法第五条第二項の規定に基づき、県人事委員会の意見を求めましたところ、配付いたしております写しのとおり意見書が提出されております。  これで、本日の日程は終了いたしました。       ───────────── 68    △ 日程報告 ◯議長(金子万寿夫君) 三月二十四日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、議案及び請願・陳情の委員長報告、質疑、討論並びに表決などであります。       ───────────── 69    △ 散  会 ◯議長(金子万寿夫君) 本日は、これで散会いたします。        午後二時四十一分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...