[上村勝行君登壇](拍手)
3 ◯上村勝行君 おはようございます。
県民連合を代表して代表質問をさせていただきます。
ろれつが回らない状態で記者会見し、貴重な文化施設に侵入するなど、醜態を世界にさらした中川前財務金融大臣の言動は言語道断であります。また、この事態を未然に防げず、日本の信用を失わせ、国益を損なった恥ずべき行為の重大さに気づかないまま、迅速な処理ができなかった麻生首相自身の判断の甘さは情けない限りであります。自民党内でもだれも責任を持って収拾に動かなかった危機管理能力の欠如は、政権の末期的症状と言わなければなりません。
さきの十九日に発表された共同通信の世論調査では、「麻生内閣を支持する」が一三・四%へと下落し、「支持しない」は七六・六%へと急増しました。百年に一度の危機とも言われる経済と雇用の深刻化の中で、麻生政権に何を期待できるのか、いつまで続けるつもりなのか、もはや自民党による政権のたらい回しは許されません。ここまで来れば、早期に衆議院を解散し、国民の信を問うのが筋であります。
知事は、国民の支持を得られなくなった麻生内閣と政治に何を期待されるのか、率直な見解を伺います。
郵政民営化法に基づき、郵政三事業は
日本郵政株式会社のもとに、
郵便事業会社・ゆうちょ銀行・かんぽ生命・郵便局会社の四つに分社化されました。しかし、民営・分社化後の状況を見ると、非効率的な業務内容や利用者の利便性の低下、簡易郵便局の閉鎖などが発生しており、ネットワークの維持の面でも厳しくなってきています。また、ゆうちょ銀行とかんぽ生命の株式は十年以内に完全売却が予定されており、郵便局への業務委託が民営化法に明記されていない中では、不採算地域から撤退していくことは明らかであります。そうなると、他に金融機関のない地域の利用者には大変な不便となります。このため十二月県議会では、将来的に郵便局において確実にサービスを受けられ、
ユニバーサルサービスを義務づけるなどの見直しを求める政府等への意見書を提出しました。
郵政民営化法は、「三年ごとに民営化の進捗状況について総合的な見直しを行う」と規定しており、最初の見直し時期がことし三月末であります。四社間の統合や合併をするには民営化法の改正が必要となります。我々は
ユニバーサルサービスの維持のためには法改正が必要だと考えます。
知事は、民営化後の郵政事業の現状をどのようにとらえておられるのか。民営化の見直しについてどのような見解をお持ちか。今後の対応についてと、あわせてお答えください。
平成二十一年度の
地方財政計画の規模は八十二兆五千五百五十七億円で、今年度比一・三%の減少となり、八年間の規模縮小に歯どめがかからず、
一般財源規模も五十九兆八百億円、一・三%の減となっています。しかし、国税・地方税の大幅な減収が見込まれる中、地方交付税を
地域雇用創出推進費や地方の
元気回復財源として一兆円上積みし、
地方交付税総額は増額され、
臨時財政対策債五兆一千五百億円を含めて、実質的には今年度比二兆七千三百億円増の二十兆九千七百億円となっています。この結果、
地方一般歳出規模は今年度比〇・七%増の六十六兆二千二百億円となり、十年ぶりに増額となりました。
他方、二十一年度の
地方財源不足額は、歳入面での大不況を反映して地方税が大幅に減収していることと、歳出面では
給与関係経費を削減したものの、
社会保障関係経費や経済・
雇用対策経費等の増加から十兆四千七百億円に上りました。これは
臨時財政対策債や地方債などによって補てんされましたが、これら借金の一定割合は後
年度基準財政需要額に算入されるとはいえ、借金であることに変わりありません。過去の例から見ても、その分交付税が増額されるとは限らず、自治体は将来にわたって借金の償還に追われることになります。このような
財源不足対策では、地方歳出に対する地方歳入が構造的に財源不足に陥ることになり、交付税率の引き上げなど抜本的な改革が求められます。知事の見解を求めます。
二点目は、
地方財政計画への財政需要の適切な積み上げについてであります。
全国知事会の資料を見ると、骨太方針二〇〇一による構造改革が始まって以降の六年間で、
基準財政需要額は七兆七千億円と一七・九%減少しており、特に平成十八年以降、骨太方針二〇〇六の歳出・
歳入一体改革の推進により大幅に減少しました。また、道路・河川の維持管理にかかわる
単位当たり経費が、
国直轄道路負担金の
交付税算入額は単価ベースで負担実績額の八割弱しか措置されておらず、河川の維持管理にかかわる算入額に至っては約三割にとどまるなど、全く実績を反映していないとしています。
したがって、骨太方針二〇〇六に固執することなく、全国知事会の要求である地方にとって重要課題となっている医師不足への対応、少子・高齢化対策、教育や地域振興、安全・安心のための社会資本の維持・整備費など、今後増加が見込まれる財政需要や必要経費が
基準財政需要額に適切に積み上げられるために、伊藤知事としても積極的に取り組むべきでありますが、決意を伺います。
三点目は、
国直轄事業負担金制度の廃止についてであります。
大阪府の橋下知事は、国が行う道路や河川の整備などで地元自治体に負担が義務づけられている
国直轄事業負担金の二十一年度分を、「僕の責任で二割ストップさせてもらう」と支払い拒否を宣言しました。また、新潟県の泉田知事は、北陸新幹線の建設負担金二百二十億円の増額について、国の十分な説明がないとして、来年度の予算措置に応じられないとの見解を表明しました。橋下知事は、職員の給与カットを初め福祉や教育分野にも切り込んで財政再建に取り組み、地方が乾いたタオルを絞るような節約努力を強いられているときに、一方的な負担のつけ回しは納得できないと、頑強な姿勢であります。
この
国直轄事業負担金の廃止や
国庫補助負担金の原則廃止は、地方六団体の「地方分権の推進に関する意見書」で提言されているものであります。しかし、国交省などは受益者負担の原則から、地方も負担するのが当然として譲る構えを見せていません。また地方の姿勢も、片山前鳥取県知事が指摘するように、「江戸のかたきを長崎で討たれかねない」という心配があり、廃止を要求してはいるものの、唯々諾々と支払いに応じているのが現状だと言われても仕方がありません。受益者負担を言うのであれば、権限と財源を地方に渡す分権を徹底し、広域的な利害にかかわる案件には関係する首長が相談して負担額を決めるなど、地方自治の観点から廃止することがむしろ重要であります。
分権推進論者である伊藤知事も、ここは橋下知事や泉田知事、石原知事など強力な自己主張者とともに先頭に立って廃止を勝ち取る戦いを国に挑むべきだと思いますが、知事の決意のほどを伺います。
本県の平成二十一年度予算案の特徴は、深刻化する雇用情勢に対応して、国の経済・雇用対策に伴う基金造成による雇用機会の創出を初め、離職者向けの研修や
職業訓練助成金の支給などに四百四十九億円を計上し、補正予算と合わせて七百億円を超す措置がなされている点であります。これらは我が会派が昨年末と一月末に提出した要請にも積極的にこたえられたものと評価いたします。
二月十六日、内閣府が発表した国内総生産速報は、年率換算で一二・七%の減と三十五年ぶりに二けた減となりました。日本経済の牽引役であった自動車や電機などの輸出企業は、販売不振で在庫が積み上がり、大幅な減産と雇用調整の動きが広がる一方です。特に雇用環境は急速に悪化しており、昨年末の派遣や期間工など非正規労働者の解雇から、ことしに入って正社員の早期退職や
人員削減計画の発表が相次いでおります。また、二〇〇七年の
労働者派遣法の改正に伴う製造業への派遣期間三年の契約が、三月で一斉に切れる「二〇〇九年問題」に直面します。
そこで、伺います。
一点目は、県として主体的に県内における企業の業績と雇用の動向を把握し、景気変動に伴う業績悪化や雇用情勢の変化に迅速に対応できる体制を築くとともに、国や都道府県、市町村、教育機関等との連携の強化を図ることが重要でありますが、どのように取り組んでおられるのか、お伺いいたします。
二点目は、「二〇〇九年問題」における派遣労働者の一方的な契約解除、雇いどめ等が行われないように企業に要請するとともに、継続雇用に向けた支援策を講じる必要があると思いますが、どのように対応されるのか伺います。
三点目は、トヨタやキャノンなど日本を代表する大手製造業十六社が大規模な人員削減を進める一方で、内部留保が十六社合計で三十三兆六千億円に上ることが明らかになりました。過去の好景気による利益が社員の人件費に回らず、株主配当や
財務基盤強化対策として企業内部にため込まれているのであります。自動車や家電などこの三月期決算が赤字になることを理由に、非正規労働者の大量解雇に続いて正社員も大幅なリストラ計画が次々に発表されています。しかし、大企業の赤字額の規模から見ると、当面内部留保を吐き出して一年間でも雇用を維持し、業績の回復に一丸となって当たるべきだと考えますが、見解を伺います。
四点目は、産業構造の転換と雇用創出についてであります。
世界同時不況の中で、過去において不況脱出の起爆剤であった輸出に復調が見込めない事態は、日本経済にとって危機的な状況であります。これまでの外需依存から国内の需要を掘り起こし、景気刺激と雇用機会の創出を図っていく
経済産業構造の抜本的な転換が必要であります。このため、
日本版グリーン・
ニューディール政策や農林水産業への就労などが打ち出され、各分野での取り組みが進みつつあります。
本県においては、先般、新
雇用創出プランの素案が発表されました。この中に、本県の基幹産業である農林水産業や観光産業、次世代の基幹産業となる自動車・電子・食品や、今後成長が期待される環境・バイオ関連の新産業、医療福祉・介護事業の振興、地域の特性を生かした
取り組み支援等により、雇用の量的拡大を図るとの基本的方向と具体的対策が示されております。現在、急激な雇用悪化による離職者の増加で農業や介護関係に雇用の場を求める傾向が強まり、人手不足に悩んできた現場では歓迎の声が上がっており、まことに喜ばしいことであります。
しかし、このような求職希望が単に不況下での一時的なものであってはなりません。外需依存から国内需要を掘り起こす長期的な視点を踏まえた産業構造の転換を図る戦略の上に立った雇用の創出に結びつけることが必要であると思いますがいかがでしょうか。そのための施策を重点的に取り組む仮称「
産業雇用企画課」を設置して推進すべきと考えますが、あわせてお答えください。
五点目は、
自動車関連産業についてであります。
本県では、新時代に対応した
戦略的重点業種として自動車・電子・食品関連の三分野の振興を位置づけていますが、今回の
世界的景気後退で自動車産業を取り巻く環境は加速度的に悪化し、その影響は部品メーカーや鉄鋼・電気など関連産業にも大きく波及してきており、終息の気配は見えない状況です。
そこで、自動車不況の影響は本県の関連企業にどのようにあらわれているのか。今後の重点業種としての位置づけと、具体的展開の展望をどのように見ておられるか、伺います。
六点目は、県の試験研究体制の充実であります。
県農業開発総合センターを初め森林・水産分野の
試験研究機関では、本県の財政難から
県単独事業研究費の縮減が続いており、昨年度は一億三千万円余、この三年間で見ると縮減率四〇%となっております。これに対して、国庫補助や委託、公募などの外部資金を活用したケースが増加し、研究費に占める割合は六五%に及びます。外部資金の活用は、最先端技術を持つ外部機関との連携で研究成果を高める上で有効ではありますが、本県における新たな分野の産業振興と事業の創出のためには、地域の資源や特性を生かした独自の試験研究が何よりも重要であります。
そこで、農林水産系と工業技術系との連携を含めて、本県の試験研究の有用性を高めるために、試験研究費の予算の増額と体制の強化を図る必要がありますが、見解を伺います。
本県の当初予算案の一般会計総額は、今年度当初比〇・一%増となり、緊縮予算が八年ぶりにプラスに転じました。その内訳は、本県の厳しい財政状況の中にあっても深刻化する景気と雇用に重点的に配慮し、「安心・活力・
改革継続予算」と名づけて時宜を得た施策が盛られております。県税収入が一五・二%も落ち込むという大変な経済環境にあるだけに、「力みなぎる・かごしま」の実現に向けた産業基盤の強化と県民生活の向上のため、着実な施策の推進が図られるよう期待するものであります。
本県の財政再建に向けては、
県政刷新大綱に基づくあるべき歳出構造を目指した人件費や公債費、
普通建設事業費、
一般政策経費などの削減と、県有財産の売却など歳入確保に努めてきているところであります。その結果、平成二十一年度では二百三十八億円の
財源不足見込みを、
歳入歳出両面での取り組みによって百四十八億円にまで抑制し、十六年度の四百五十一億円の不足から三百三億円の収支改善が図られたところであります。
一方、平成十六年度を基準とした歳出合計は五千四百二十八億円であったものが、二十一年度には四千九百二十七億円と五百一億円減少しています。十六年度時点の財源不足が四百五十一億円でありましたが、二十年度までに四百六十九億円減少しておりますから、既に財源不足額は解消していなければならないのであります。また、あるべき歳出構造の削減目標から見ると、十六年度に比較し人件費は既に一一・四%、
普通建設事業費は四七・五%、
一般政策経費は一九・七%減少しており、それぞれ目標値を達成しています。しかし、現状維持を想定していた扶助費は、
後期高齢者医療制度の導入などによって二九・一%増加しています。
では、なぜ四百五十一億円の
歳出削減目標を達成しているにもかかわらず、来年度のさらなる歳出削減によっても百四十八億円もの不足額が生じるのか。これは明らかに国の
財政再建至上主義による骨太方針二〇〇六によって、削減が固定化された地方自治体の人件費と
投資的地方単独事業費の削減によるものと言わなければなりません。
知事は、このような地方の財政再建に向けた懸命の努力と、その結果にもかかわらず依然として改善されない今日の財政の窮状をどのように総括されているのか、率直な見解を伺います。
厳しい本県の財政の再建のために、知事も職員も議員も県民も身を削り、血のにじむような削減努力をしても、国による地方への一方的な負担転嫁の財政運営に翻弄されて、ますます財政の硬直化が進む状況にあり、これ以上歳出削減を続けるのは無理があります。伊藤知事は本県の財政運営のあり方を質問されると、いつも「引き続き
県政刷新大綱を踏まえた歳出削減や、歳入確保の努力を行うことによって財源不足額の圧縮に努め、歳入歳出のバランスのとれた持続可能な行財政構造の構築を目指す」と答弁されますが、もはや歳出削減は限界です。先ほど申し上げた地方財源の確保対策、抜本的な地方への権限と財源の移譲こそ必要であります。今後の財政運営についての考え方と財政再建への決意を伺います。
来年度の県職員の給与については、本年度に引き続き若年層は五%、それ以外は六%を一年間カットするとした給与条例案が今議会に提案されています。給与カットをしなければならない理由として、本県の厳しい財政状況が挙げられますが、財政赤字の原因はバブル崩壊後の身の丈を越えた多額の公共事業と、その借金返済、三位一体改革による平成十六年度三百十五億円の交付税の一方的削減であります。
県政刷新大綱に基づく人件費の削減は、職員の縮減と二%カットの四年間に加え、本年度も六%カットと続いており、これ以上の給与カットは実質的な生活の切り詰めで職員に多大な犠牲を負わせ、士気にも影響が出かねない状況です。
県政刷新大綱による財源不足の圧縮を目指す人件費削減は来年度までで二百三十三億円に達する額であり、二十一年度までの歳出削減額五百一億円の四六・五%を占めます。このように財政再建に大きく寄与しているにもかかわらず、政府の骨太方針二〇〇六による地方公務員の
定数削減目標に沿った交付税の削減が重くのしかかり、地方が人件費削減に努力すればするほど交付税が削減されていく状態は、まさに国によるアリ地獄にはまり込んでいくのと同じであります。
人材の確保を図る公務員制度と適正な職員給与の支払いを求めた人勧制度を守っていくべき知事としては、本来職員の給与カットは禁じ手であります。地方への財源確保のために国と真正面から渡り合うとともに、事務事業の峻別や県有財産の早期売却などによって一%でも二%でも、十億円でも二十億円でも財源を捻出し、少しでもカットを回避する努力を行うことこそ知事の責務であります。見解を求めます。
[
知事伊藤祐一郎君登壇]
4 ◯知事(伊藤祐一郎君) 麻生内閣の政治に期待することについてのお尋ねであります。
あらゆる経済活動がさらに急激な下降局面に陥っている異常な情勢におきまして、国民の暮らしに直結するさまざまな課題への対応が求められる中、国民の不安を払拭し、国民生活の安定を図るため諸般の政策を講じるとともに、既存の経済システムが崩壊しないよう、大胆な政策を講ずることが当面の最大の政治課題であると考えており、麻生総理が日ごろから発言しておられるように、景気対策、雇用対策について、早急に短時間で最大限の努力をしていただきたいと考えているところであります。
郵政事業の現状認識等についてのお尋ねがありました。
郵政民営化につきましては、郵便局において郵便・貯金・保険サービスが確実に提供されるよう、関係法令の適切かつ確実な運用を図り、現行水準が維持され、国民の利便に支障が生ずることのないよう万全を期すことなどを内容とする附帯決議が行われ、関連法が成立した経緯があります。一方、県内におきましては、民営化に際しまして三十二の郵便局の集配機能の廃止、集約がなされましたほか、現在簡易郵便局六局が一時閉鎖となっているところであります。郵便事業は、郵便・貯金・保険の三事業を通じ地域に密着したサービスを提供しておりまして、特に、本県のような離島や過疎地域の多いところにおいてはなくてはならないものであると考えております。
今回の見直しに当たりましても、当初の附帯決議の内容がしっかりと全うされるべきであると考えております。このため、
九州地方知事会等を通じまして郵政民営化における条件不利地域への最大限の配慮を要請いたしておりますほか、
郵便局株式会社が主催する会議等の場において、本県の離島や過疎地域のサービス低下につながることがないよう求めているところであり、今後とも地域の実態に根差した主張の展開に努めてまいりたいと考えております。
平成二十一年度の県当初予算に関連いたしまして、財政運営の考え方と財政再建への決意についてのお尋ねがありました。
本県におきましては、
県政刷新大綱に基づき徹底的な歳出の抑制に努め、職員給与を含めたあらゆる歳出の見直しを図ってきているところでありますが、
社会保障関係経費が増加傾向にあることや、過去の大胆な県債の発行に伴います公債費が高水準で推移することなどによりまして、引き続き多額の財源不足額が見込まれるところでもあり、このような状況が直ちに改善するとは考えられないところであります。このような状況にありましても、将来の鹿児島の発展を図り、県民の生活を守りますためには、大胆改革を進め、持続可能性への挑戦を継続すべきであると考えており、国はこのような地方財政が置かれている状況を踏まえ、特に自主財源比率の低い団体を対象として地方財源をさらに充実すべきであると考えております。
職員給与カットの回避についてのお尋ねがありました。
県職員は一人一人が「力みなぎる・かごしま」の実現を目指す県政の担い手でありまして、それぞれの職場で県勢発展のため、さまざまな努力をしていただいているところであります。県職員の給与につきましては、これまでも
人事委員会勧告を尊重するという基本的姿勢をとっているところでありますが、本県の極めて厳しい財政状況を踏まえると、あらゆる歳出項目の厳しい抑制を行う中、歳出の中で最大の項目であります人件費につきましても最小限度の減額は避けられず、来年度につきましても本年度同様の職員給与の減額をお願いすることとしたところであります。
5 ◯総務部長(篠原俊博君)
交付税率引き上げ等の抜本改革についてでありますが、平成二十一年度の地方財政における財源不足額は、景気後退に伴う税収減などにより十・五兆円に上り、
臨時財政対策債の発行や国の一般会計での加算措置等により、
所要一般財源の確保がなされているところであります。地方の財源不足額に対処するためには地方交付税の法定率の引き上げも一つの議論でありますが、そもそも法定率のベースとなる国税が大幅な減収となっている一方で、
国家財政自体が
一般会計予算八十八・五兆円のうち、三七・六%に当たる三三・三兆円を国債に依存し、そのうち赤字国債が二十五・七兆円に上る状況を考慮いたしますと、より根本的には我が国の国、地方を通ずる財政全体における歳出と歳入面のギャップについて、抜本的な改革を行うことが必要になっていると考えております。
このような観点から、昨年七月の全国知事会におきましては根本的な解決のためには歳入増が必須であり、単に赤字を減らすための増税ではなく、住民が安心して暮らすことができるサービス水準を、地域の現場において今後とも支えていくための財源確保が可能な税財政制度を構築することが必要であるとして、地方としては税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方消費税を充実すべきであり、国、地方を通ずる消費税を含む税体制の抜本的改革の中で検討し、実現を図るよう提言がなされたところでありまして、このような観点から真摯な議論が行われるべきであると考えているところであります。
基準財政需要額の適切な積み上げについてでありますが、過疎地域、離島等が多く、税収面での自主財源が乏しい本県にとりましては、
地方交付税等の確保が極めて重要であり、これまで本県を初めとする地方団体の働きかけにより、離島関係経費の算定の充実や地方再生対策費の創設などを見たところであります。県といたしましては、これまでさまざまなルートや機会を通じまして国に対し地方の実情を主張してきたところでありますが、特に昨年十二月には、本県六団体で構成する鹿児島県地方自治推進代表者会議におきまして、地方税財源の充実強化等に関する緊急アピールを行い、早急に一兆円の地方交付税の復元、増額を図るよう、国に対し強く要請したところであります。
この結果、平成二十一年度の地方財政対策におきましては、地方財政として大幅な税収減等による財源不足が見込まれる中で、地方交付税の一兆円増や地方再生対策費の維持などを含めて
所要一般財源の総額が確保されたところであります。しかしながら、基本方針二〇〇六等に沿った定員の純減、給与構造改革等による
給与関係経費の抑制や地方単独事業費の抑制は引き続き行われているとともに、今回の地方交付税の増額等の財源措置はその全額が恒久的なものではないことから、今後とも雇用創出のための経費や
社会保障関係経費、地方の実情に即した地域再生の取り組みに要する経費など、地方における必要な歳出を適切に
地方財政計画に積み上げ、本県の
基準財政需要額に反映するよう、国に強く求めてまいりたいと考えております。
国直轄事業負担金制度の廃止についてでありますが、直轄事業負担金制度につきましては、従来より国と地方の役割分担を明確にし、国の役割と整理される事務の財源は全額を国が負担すべきであり、責任の明確化のためにもこれを廃止すべきという議論がなされてきたところでありまして、本来的には地方分権改革の中で、国と地方の役割分担とそれに応じた税財政制度の整理とあわせて、直轄事業負担金制度の廃止を目指して改革をすべきであると考えているところであります。このような中で、先般、直轄事業負担金制度に関しまして、全国知事会として国土交通省との間で合理的なあり方について協議の場を設けたい旨の申し入れを行ったところでありまして、また政府・与党も新たな経済対策の中でその取り扱いを検討せざるを得ない状況でありますので、本県といたしましては引き続き全国知事会等とも連携しつつ、直轄事業負担金制度の改革がなされるように取り組んでまいりたいと考えております。
今日の財政の窮状についてでございますが、平成十六年度に策定をいたしました
県政刷新大綱におきましては、おおむね十年程度の中長期的な視点に立ちまして、あるべき行財政構造の姿やその実現に向けた改革の方向性を示したところでありまして、その実現に向けて懸命の努力を続けてきたところであります。この結果、一般財源ベースで見た平成二十一年度の歳出構造は、扶助費が大幅増となっているものの、その他の項目につきましてはおおむね削減目標圏に到達しつつあり、合計で平成十六年度と比較をいたしまして五百一億円の歳出削減を行っているところであります。
一方、歳入につきましては、三位一体改革とあわせて行われました
地方財政計画の抑制や、基本方針二〇〇六等に沿った定員の純減、給与構造改革等による
給与関係経費や地方単独事業費の抑制等に加えまして、昨今の景気後退に伴います県税等の減収に伴いまして、平成二十一年度の歳入一般財源の総額は、平成十六年度と比較をいたしまして百九十八億円減少しているところであります。
したがいまして、本県は引き続き極めて厳しい財政運営を迫られているところでありますが、平成二十一年度におきましても、平成十九年八月に策定をいたしました当面の財政収支の見通しでは、二百三十八億円と見込んでおりました財源不足額を、景気後退による大幅な税収減が見込まれる中で約九十億円圧縮をしたところでありまして、財政健全化の取り組みは着実に進んでいると考えているところであります。
6 ◯商工労働部長(六反省一君) 景気変動に対応できる体制の構築等についてであります。
企業業績と雇用動向の把握につきましては、これまでも商工団体等との間で情報交換に努めておりますが、今般の急速な景気悪化に対しましては、県内企業への直接訪問による情報収集を行い、当面の緊急雇用等対策を直ちに実施するとともに、政・労・使による県緊急雇用対策会議を開催するなど迅速な対応に努めているところであります。さらに二十一年度におきましては、雇用労政課に緊急雇用対策担当参事を設置するなど組織強化を図ることとしております。また、国と連携し、地域共同就職支援センターを開設するなど、国や関係機関との連携にも努めているところであり、今後とも一層の連携強化に努めてまいりたいと考えております。
二〇〇九年問題についてであります。
いわゆる二〇〇九年問題につきましては、主として製造現場において派遣期間が満了する労働者が大量に発生し、失業者の増加等が懸念されている問題でございます。国におきましては、派遣先における直接雇用を奨励するために、一人当たり最高百万円を支給する奨励金制度を二月に創設したところであります。県としては、この奨励金制度の活用による派遣先での直接雇用や派遣元での新たな就業機会の確保が図られるよう、国と連携しながら周知、広報や要請に努めるとともに、離職者に対する職業訓練の大幅拡充など、再就職が円滑に図られるよう支援してまいりたいと考えております。
内部留保と雇用維持についてであります。
急速な景気悪化に伴い雇用情勢は大変厳しい状況にあり、県内においても非正規労働者の雇いどめや正社員の解雇、休職などの雇用調整が発生しております。大手製造業の内部留保については、雇用維持への活用を求める意見があることは心情的に理解できるところでございますが、その使途につきましては、個々の企業経営者が高度の経営判断、経営計画に基づき決定されるべきものと考えております。
産業構造の転換と雇用創出等についてであります。
本県の産業構造につきましては、食品関連産業の割合が高くなっておりますが、雇用創出や産業構造の高度化のためには、研究開発や設備投資が期待できる環境関連分野など雇用効果が大きく、付加価値生産性の高い第二次産業の振興に引き続き取り組む必要があると考えております。また、地域特性を生かした新たな産業の創出や地場産業の振興も重要であり、今後とも技術開発や販路拡大にも取り組み、雇用の創出につなげてまいりたいと考えております。
産業雇用企画課設置の御提言につきましては、これまで商工労働部全体で産業振興、雇用対策に取り組んでおり、今後とも一体的な対応に努めてまいりたいと考えております。
自動車不況の影響等についてであります。
世界的な景気の悪化による自動車産業の不振の影響は、電子関連産業など他産業にまで広がっており、本県の関連企業におきましても工場の閉鎖や大幅な受発注の減少など、非常に厳しい状況となっております。しかしながら、
自動車関連産業につきましては、世界規模でのCO2排出削減に向けた取り組みを背景に、電気自動車やハイブリッドカーなどの環境関連分野を中心に活発な研究開発や設備投資が期待されるほか、雇用効果や県内企業の取引拡大といったメリットも大きいことから引き続き重点業種に位置づけ、県内企業の取引拡大とあわせて企業誘致活動も展開してまいりたいと考えております。
県
試験研究機関の予算と体制についてであります。
県の各
試験研究機関におきましては、相互に連携しながら地域の課題や地域産業の多様なニーズに即した研究開発を行いますとともに、成果の迅速な普及、定着に努めているところであります。厳しい財政状況の中で県単独事業の試験研究費は年々減少いたしておりますが、国の公募提案型研究事業などの活用や研究テーマの選定など一層の峻別と重点化を図り、効率的な試験研究の実施に努めているところであります。県の各
試験研究機関は今後とも本県の産業おこしの技術的なよりどころとして重要な役割を果たすべきものと考えており、日々変化している市場ニーズや生産現場に的確に対応した研究開発を進め、本県産業の振興、創出に寄与してまいりたいと考えております。
[上村勝行君登壇]
7 ◯上村勝行君 るる答弁をいただきました。
今日の政治に関する見解は、若干知事と異にします。今日の国民の窮状を救い、新しい日本の進路を確立するためには、今何よりも国民の信託を受けた強力な政権をつくる必要があるというところから出発すべきであると思います。オバマ大統領の強力な指導性は選挙によってもたらされたものであります。このようなとき、一国の総理が自分の党が選挙に勝てるか勝てないかで解散時期を判断してよいとは思えません。麻生さんがかねがね主張してやまない愛国心が今こそ発揮されるべきだと思います。愛国心とは、すなわち自己の利害を越えたところにある精神だと思います。国民に愛国心を説くならば、もっと気高い気持ちで出処進退を判断してほしいものであります。それができないところに現在の日本の不幸があると思います。
郵政に関しては、かんぽの宿のオリックスへの売却問題が政治問題にまで発展しておりますが、国民が長年にわたって築いてきた財産を二束三文で売るようなことをさせてはなりません。売却の本丸はゆうちょ銀行とかんぽ生命をアメリカにたたき売ることであります。アメリカの対日年次改革要望書には、そのようなねらいが隠されております。プラザ合意以降、日本はアメリカに搾り上げられてばかりおります。今回のドル安・円高もそうです。これ以上日本の富をアメリカに貢ぐ必要はないと思います。三事業一体化による経営の安定化と地方の郵便局の存続を図るために、
郵政民営化法の抜本的な見直しを求めます。知事も県内各地の声を受けとめて努力されるようお願いいたします。
平成二十一年度県予算編成についての御答弁をいただきました。今回の予算編成に対する知事の努力は多とします。しかし、地方財政の悪化は、ひとえに経済財政諮問会議の決定、なかんずく骨太方針二〇〇六によってもたらされたものであり、地方の冷えもここから出たものと思います。したがって、これらの方針の見直しと
基準財政需要額の積み上げなどを、全国知事会一体となって要請されるよう重ねて強くお願いいたします。
次の質問に入ります。
去る一月八日、九州電力は鹿児島県と薩摩川内市に川内原子力発電所の三号機増設の申し入れを行い、環境影響評価準備書を経済産業省に届け出ました。今回の三号機は二〇一九年度の運転開始を目指し、国内最大級の百五十九万キロワットで、建設費は五千四百億円に上ることが明らかになりました。原子力発電の燃料は天然に存在するウラン鉱石ですが、有害な放射線を出すため「致死性の物質」とも呼ばれています。採掘労働者やウランが運ばれる精錬所の労働者は、粉じんとなって飛散するウランの吸入と放射線被爆の危険に常にさらされながら働いております。世界各地の被害はほとんど知られておりません。しかも、原発は刻一刻と変化する電力需要にあわせて発電量を調整する能力がないため火力発電所が必要になり、結局原発をふやすということは、火力発電所の増設によって大量の炭酸ガスを発生させることにもなるのであります。
そんな原発に依存しないエネルギーの開発に、ガスや石油会社または大手電器産業が研究開発に乗り出しております。本県においても、日本ガスがこの秋から次世代エネルギーとして注目される家庭用燃料電池の販売を始めると地元紙で紹介されました。この家庭用燃料電池の研究開発は世界各国で進められており、温暖化対策の切り札として期待されております。資源エネルギー庁は二〇三〇年には千二百五十万キロワット、原発十基分にも相当する導入目標を定めております。ドイツでは、電気会社の買い取り義務の設定と買い取り価格を長期にわたり高い水準で固定した結果、新エネルギーの導入が急激にふえました。また、風力や木質・生物資源を活用したバイオマス発電が加速しています。
このような原発に依存しない自然エネルギー開発に予算を投じ、国の原発を基幹電源と位置づけ推進するとしたエネルギー政策を転換していくことが、今まさに重要なことだと思いますが、知事の見解を求めます。
次に、原発の使用済み燃料からウランとプルトニウムを取り出して再処理をした後に残る高レベル放射性廃棄物は最終的に捨てられるわけですが、その最終処分のあり方もいまだに決まっておりません。処分地の見通しはどうなっているのか、お伺いします。
九電の二〇〇八年の電力供給計画では、川内三号機が運転に入るとされる二〇一九年の最大電力を千八百十八万キロワットと見込んでおります。十年前の一九九八年の計画では、二〇〇七年度の見通しがほぼ同じ千八百十七万キロワットで、十二年も先送りされたことになり、二〇〇七年の実績から見ても百二十四万キロワットの過大見積もりであることがわかります。現在九電では、松浦火力発電所で百万キロワットを建設中であり、大分一、二号機で五十万キロワット、唐津二、三号機で八十七・五万キロワット、合計で二〇一七年度までに二百三十七・五万キロワットが稼働可能な状態で計画停止となっております。世界的な金融危機による景気低迷、人口の減少、新エネルギーの導入促進で電力需要は減少していくことは確実です。つまり、十分に電力は足りているはずですが、三号機を増設するという九電の根拠をお示しください。
また、本県は平成十一年度で県内発電電力量の四〇・九%を県外へ移出している中で、九電は平成十五年で三十万キロワットを九州外の電力会社に電力を融通してきていますが、現在の県外移出、九州外への融通は幾らか。なぜ国内最大級の原発というリスクを抱えながら県外へ電力を移出し続けなければならないのか。このままでよいと考えておられるのか、見解を求めます。
知事は定例記者会見で環境影響評価準備書について、「県民の縦覧終了後に県の環境影響評価専門委員から技術的意見を聞きたい」との考えを示されましたが、これは県の環境影響評価条例に基づく当然の手続であります。条例第二十条には「公聴会を開催することができる」と規定されています。準備書に肯定的及び批判的な意見を有する学識経験者や環境影響評価専門委員、九州電力の担当者が出席し、広く県民の参加を求めて質疑に答える公開検討会を県が主催して開催し、県民の理解を深め、合意形成の努力をすべきと思いますが、見解をお示しください。
次に、温排水の影響調査についてお伺いします。
三号機増設では放水が水中放水となっておりますが、環境影響評価準備書は水温の鉛直断面分布評価だけであり、海底地形変動と漁場に及ぼす影響等の調査検討がなされておりません。これら調査の不備は厳しく指摘されなければなりません。考え方をお示しください。
最後に、増設の是非の判断の時期についてお尋ねします。
環境調査と増設は切り離すという本県や旧川内市の方針は、環境調査を終えてから増設を考えるという意味だったはずです。環境調査は住民の意見や知事の意見を踏まえて国が審査し、準備書を確定してから評価書の作成に入る手順になっているはずであります。九電が環境調査の途中にもかかわらず増設を申し入れたことは民意の軽視であり、地元自治体の方針を無視した拙速な振る舞いであると考えます。知事は、増設の是非の判断の時期はいつであるとお考えでしょうか。
新年度予算案には、今年度に引き続きドクターヘリ導入検討事業の予算、さらには県内本土の救急患者を含めて、病院に搬送する消防・防災ヘリコプター医師搭乗システム整備事業として七百十五万二千円が計上されています。以前からドクターヘリの導入を和歌山、高知など他県の先進事例を挙げて訴えてきた私どもとしては大変喜ばしく思っております。
私どもは十一月に沖縄県に行き、北部地区医師会病院、浦添総合病院にお伺いし、ドクターヘリの運用状況について視察してきました。北部地区医師会病院の方は運用経費の都合等で現在休止中とのことでしたが、浦添総合病院は、「有人離島の多い沖縄県には医療用ヘリが絶対に必要だ」との理事長の信念のもと、二〇〇五年七月から開始した搬送システムの実績が国にも認められ、昨年十二月から正式なドクターヘリ運用となっています。全国で十四道府県目、十五番目のドクターヘリ事業で、約二カ月間の搬送実績が四十四件とのことです。与論・沖永良部・徳之島からの搬送も行われております。鹿児島県にとっては大変ありがたいことであります。
さて、本県でのドクターヘリ導入の検討委員会での議論について伺います。ヘリコプターの運航は直営で行くのか、ヘリ運航会社に委託するのか。それらの経費はどのくらいになるのか。ヘリポートは病院併設か、それとも最も近いところに整備するのか。ドクターヘリを運航させるためのスタッフ体制はどのようになるのか。またその経費をどの程度見込んでおられるのか。現在の検討状況と課題を含めて考えをお示しください。
ドクターヘリは何といっても離島の急患搬送に最大の強みを発揮しますが、救命救急センターの医師が搭乗して救命救急センターに搬送することが条件となっております。そうなると、唯一の救命救急センター鹿児島市立病院と離島間の往復時間だけでも大きなロスになり、どうしても奄美地区の中心である県立大島病院が救命救急センターの指定を受けてもらわなければなりません。また、救命救急センターは受け入れ態勢が磐石でなければ安心できませんが、浦添総合病院はベッド数三百床、医師百人の病院で、病院近くに患者を乗せたヘリが着くや、あらゆる準備が整う状況になっております。鹿児島市立病院の体制強化と県立大島病院救命救急センター指定への見通しと課題についてお示しください。
消防・防災ヘリによる県内本土での急患搬送にも道が開かれようとしておりますが、医師はどの病院から搭乗するのか、そのためのヘリポートはどうするのか。また県内各地に急患をヘリに搭乗させるためのヘリポートの整備も急がれますが、市町村との協力を含めた準備状況を御説明ください。
県都鹿児島市の都市基盤整備、なかんずく道路整備についてお聞きします。
まず、鹿児島東西幹線道路について質問します。
現在、南九州西回り自動車道路鹿児島インターから建部インターまでのトンネル工事が進行中であります。この新武岡トンネルが開通しますと、南九州西回り自動車道等からの鹿児島市街地へのアクセスは改善されるものと期待しております。また、このトンネルの供用開始は平成二十一年度中とのふれ込みでありましたが、工法等の変更によりおくれるとも言われております。現在どのような進捗状況なのか、供用開始は当初予定どおりなのか、お聞きします。
次に、建部インターから甲南インターまでの事業についてでありますが、この二期工事は県下有数の交通量を誇る曙陸橋やJR線、鹿児島市電の下を通るだけに難工事が予想されます。しかしながら、私どもは甲南インターまで開通して初めて渋滞解消の実が上がるものと考えており、期待もしているところであります。二期工事に対する技術的検討はどのようになっているのか。工事開始はいつごろになるか、お聞きいたします。
また、高校の特別支援学級の設置については、文科省で今研究中とのことで、具体的な前進的回答ではありませんでしたが、ぜひともノーマライゼーションの精神に基づいて特別支援学級の設置等々を積極的に今後検討していただきたいと、このようにお願いを申し上げます。
教員免許更新については、十年講習をあわせて利用できる、あるいはインターネットで講習を受講できる等々、大変前進的な回答をいただいて力強く思っております。文科省はこの制度を導入した目的として、教員が必要な資質・能力を保持するよう定期的に最新の知識、技能を身につけることで自信と余裕を持って教壇に立ち、社会の信頼を得ることを目指すものであることを挙げております。この方針に沿ってぜひ今後とも格段の御努力をお願い申し上げます。
また、よい教育をしようと思ってもなかなかできない先生方の多忙化の実態、精神的、身体的疲労の蓄積といった学校現場の問題に、もっと関心を払って対応していただきますようにお願い申し上げます。
鹿児島県企業・団体等の海外展開の戦略についても御答弁をいただきました。上海マーケット開発プロデューサーが配置されることは画期的なことであると評価しております。中国との商取引の成功例を聞きますと、ほぼ例外なくいろんな情報通信等の把握もありますが、中国の業者との人的なつながり、人的な信頼関係を築いた結果であることが報告されております。今回配置されるプロデューサーがこれら課題に向けた任務をしっかり果たすことができますように、財政的裏づけと格段の配慮をお願い申し上げます。
以上、私は県民連合を代表してるる質問をさせていただきました。平成二十一年度県予算はなけなしの財布をはたいた予算であります。また景気、雇用も財政再建もといういわば二正面作戦の予算でもあります。それだけに後がないこの予算で景気回復、雇用回復の端緒をしっかりつかむように願っております。
なお、今回の過剰生産不況は百年に一度の不況だとよく言われることであります。不況ではいつも多くの生産資産が廃棄されております。工場設備、労働者等々が廃棄されております。現にそれが今劇的に日本国内で行われております。日本は今後どのように生きていくのか。世界の中のどのような位置を占めていくのか。アメリカ一辺倒のままでよいのか。今何を我々は新しい産業育成で始めなければならないのかという掘り下げた議論と決定がなされなければならない時期だと思います。この期に及んで理念なき予算のばらまきは避けなければならないと思います。その方針を決めるのは国会の場でありますが、地方自治の一端を担う私どもも全力でこの問題に当たり、解決に向かって努力していく決意を述べまして、県民連合を代表しての質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
22 ◯議長(
金子万寿夫君) ここで休憩いたします。
再開は、午後一時十五分といたします。
午前十一時五十九分休憩
─────────────
午後 一時 十五分再開
23 ◯議長(
金子万寿夫君) 再開いたします。
持冨八郎君に発言を許可いたします。
[持冨八郎君登壇](拍手)
24 ◯持冨八郎君 平成二十一年第一回県議会定例会に当たり、公明党県議団として県政の重要課題等について代表質問を行います。
百年に一度の危機、GDPマイナス一二・七%と衝撃的なニュースが続く中で、緊張感を欠く大臣の記者会見。「飲んだのか飲まなかったのか」、「ごっくんはしていない」など、これが本当に予算委員会かと疑いたくなるような空虚な議論。国民の生活が逼迫しているときに政治家は何をしているのか、国民の怒りが聞こえてまいります。
経営の神様と言われ、日本の将来を憂えて「松下政経塾」をつくり、晩年は人材育成に情熱を注がれた松下幸之助氏の言葉を紹介いたします。
「私は、このままでは日本はますます混迷の度を深めていくことになると思っております。それは、日本の政治に国家経営の哲理がないからです。企業の命運は経営者の経営理念で決まってまいりますが、国家も原理は同じではないでしょうか。ところが、今の政治家は、大多数は国家百年の大計もなく、その時々の利害で動いているような現状です。これでは国家の経営がうまくいくわけがありません。企業ならとうにつぶれております。今こそ国家の経営哲学を持った、いい政治家をつくらなければなりません。それにはいい人を育てることです。そのための塾をつくろうと計画しています」と、松下幸之助氏の国を憂える心が伝わってまいります。
政治の場に身を置く者として、県民の暮らしを守り、県勢の発展のため、県民の声を届けるとの緊張感を持って代表質問に入ります。
初めに、知事の政治姿勢について伺います。
三段ロケットと言われる国の景気対策についてであります。
経済の急速な悪化を受けて、与党は、国民の生活を守り、景気回復のために、一次補正予算、安心実現のための緊急総合対策十一・五兆円、二次補正予算、生活対策等二十七兆円、二〇〇九年度予算並びに税制改正等三十七兆円の景気対策三段ロケットとして、合わせて七十五兆円規模の経済対策を発表いたしました。約二兆円の定額給付金ばかりが注目され、議論されておりますが、生活者支援・雇用対策・中小企業支援・地域活性化を柱に国民の生活に身近な予算が多く含まれております。
世界第一の経済大国のアメリカが七十二兆円規模の経済対策を発表いたしましたが、アメリカは、人口三億五百八十二万人、日本の二・三倍もある大国であります。それを上回る七十五兆円規模の経済対策であり、切れ目なく対策を打ち、国民の生活を守るとともに一刻も早く不況を脱出することが肝要と考えます。
しかるに、二次補正予算までは成立いたしましたが、二次補正の関連法案は、政局が優先して国民の生活実感とはかけ離れた議論ばかりで、国民に失望と不信感と閉塞感ばかりが広がっております。
そこで、三段ロケットと言われる国の景気対策に対する知事の見解と国の景気対策に対応した県の雇用・経済対策をどう考えているのか伺います。
次に、当初予算について伺います。
「難局の中にあっても向かう未来に結ぶ夢」として七千七百二十六億三千六百万円の本県の当初予算案が提出されました。〇・一%とはいえ、一般会計の総額は八年ぶりに増額となりました。
一般会計予算案は、歳入・歳出の収支差を五年連続で改善したとはいうものの、歳出削減は人件費にまで切り込み、財政調整に利用可能な基金の年度末残高見込みは四十九億円となり、依然として厳しい現状であります。
今回、国も地方に約二兆円の予算を渡しました。これを契機に税収減を埋めるというだけでなく、県民の生活を守るためにセーフティーネットをしっかりと張ると同時に、将来に向けて鹿児島発展の種も植えていかなくてはならないと思います。今後は、将来に向けて地域活性化の知恵比べになり、まさに知事の腕の見せどころであります。
そこで、新年度予算に込めた知事の考えを伺います。
また、アメリカに端を発した世界的な経済の悪化は、我が国にも深刻な影響を与えております。国は、新年度予算の財政に関して三十兆円を超える新規国債を発行するということで、財政の再建より景気対策を優先する方針を決めました。
本県は、財政が非常に厳しい状況の中で、
県政刷新大綱に基づき、財政再建に取り組んできたところでありますが、知事の改革の現状に対する認識を伺うとともに、景気対策、雇用対策等喫緊の課題山積の中で、改革継続についての見解を伺います。
次に、九州電力川内原子力発電所三号機増設について伺います。
九州電力は、環境影響評価法及び電気事業法に基づき、川内原子力発電所三号機増設計画に係る環境影響評価準備書を経済産業大臣に届け出るとともに、県に、増設可能とした同準備書を提出いたしました。資源の乏しい我が国は、エネルギーセキュリティーの確保が重要な課題であります。今後ともアジアを中心にエネルギー需要はふえると考えられますが、化石燃料には限界があります。
原子力発電については、エネルギーの安定供給、CO2削減という地球温暖化対策の面からも貴重な資源である一方で、事故により大きな被害が出るのではないかという懸念があります。九州電力も各地域で住民説明会を開催しておりますが、発電所の地元薩摩川内市の市民の意見も、地域振興等に役立つという賛成の意見と事故や環境汚染等を心配する反対の意見とに分かれております。
県は、従来、調査と増設を切り離して議論してまいりましたが、調査の結果が公表された現在、準備書の提出を受けて、調査結果をどのように受けとめているのか伺います。
また、今後の電気消費量の見通し、安全対策、住民の理解等を検討した上で、三号機増設について判断が求められると考えますが、知事の三号機増設に対する見解を伺います。
次に、総務警察行政について伺います。
まず、国の第二次補正予算関連で伺います。
昨年十二月時点の経済指標は、軒並み予想以上に悪化しておりました。日本経済は、輸出が大幅に減少したため、生産を縮減し、雇用の悪化を招き、個人消費が冷え込み、さらなる生産の縮減をするという負の連鎖に陥り始めております。まさに非常時にあって、財政、金融などあらゆる経済政策を総動員し、まずは急激な景気悪化にブレーキをかけなければなりません。
政府は、生活防衛のために緊急対策として第二次補正予算二十七兆円を計上いたしました。この補正には、今できることがすべて網羅されていると思います。例えば、生活支援には、定額給付金に加え、子育て応援特別手当、妊婦健診の無料化などが含まれております。さらに、雇用に関しては、非正規雇用者への支援策や自治体による雇用創出のための基金、中小企業支援では、緊急保証貸付枠の三十兆円への拡大など盛り込まれております。地域活性化の分野では、高速道路料金の大幅引き下げなどが入っております。
そこで、一点目は、地方公共団体支援対策として地域活性化等に資するきめ細やかなインフラ整備などを進めるために、地域活性化・生活対策臨時交付金が六千億円計上されましたが、本県並びに県下市町村への交付額と地域活性化のためにどのような事業に使われる計画なのか伺います。
二点目は、生活対策及び雇用対策のために緊急雇用創出事業臨時交付金やふるさと雇用再生特別交付金など四千億円、子育て支援として千七百九十億円などが盛り込まれておりますが、本県のそれぞれの交付金の額や具体的な対応策についてお示しください。
三点目は、定額給付金の本県での進捗状況についてであります。
定額給付金は、景気後退下での生活者の不安にきめ細かく対処するため、家計への緊急支援と経済対策として実施されるものであります。全国各地で給付期間に合わせて割り増しのプレミアつき商品券を発行し、給付金を地域経済の活性化につなげようとする取り組みが始まっておりますが、全国での取り組み状況と本県での取り組み状況をお示しください。
また、定額給付金の給付に要する経費は、国が全額補助することになっており、事務経費は交付決定前に執行した経費も事務補助金の対象となると思いますが、いかがでありますか。
さらに、県下の市町村での給付に向けての準備状況について伺います。
次に、職員の意識改革について伺います。
知事は年頭に、雇用対策などの県民生活を守る予算や鹿児島の発展につながる予算に重点配分し、明るい予算を強調されましたが、一方、財源不足に給与カットで対応されており、「職員に協力をお願いせざるを得ない」と定例記者会見で述べられました。
県民の奉仕者たる職員のやる気と意識改革については、知事と職員の間に距離があってはならないと考えます。そのために、職員とのコミュニケーションを十分図ること、知事の考えが隅々まで行き渡ること、職員が意見を言いやすい環境をつくることが肝要であります。
法政大学とING生命保険の中小企業に対する合同調査によると、従業員の意欲が業績とも密接に関係しており、社員のモチベーションが高い企業は業績も高いことがわかりました。勤労意欲を高めるのに効果的だった制度については、「何でも言える組織」がトップであり、勤労意欲の高い企業では六〇%が実施されておりましたが、低い企業では三七%どまりでありました。逆に従業員の意欲が低下するのは、「経営者、上司への信頼をなくしたとき」というのが六三%との結果が出ています。調査委員会は、業績を上げるには、企業のトップが信頼性を高めるのが第一であり、中間管理職や従業員の意欲を高める制度の充実も必要であると結んでおります。
そこで、本県の職員について、知事は、客観的にどのように受けとめておられるのか伺います。
また、職員のモラル向上が極めて大事と考えますが、ここ五年間で交通事故や不祥事などによる懲戒処分の件数をお示しください。
さらに、職員のモラル向上への決意を知事、教育長、警察本部長に伺います。
次に、公益法人について伺います。
国においては、公益法人改革が進められ、二〇〇六年度に比べ、二〇〇九年度は公益法人への支出額を三千五百億円削減いたしました。地方自治体でも、外郭団体の効率的運営、経営改善を進める改革が待ったなしの状況であります。
そこで、一点目は、本県での外郭団体への支出削減にどのように取り組まれたのか伺います。
二点目は、国では、特に公益法人との随意契約が見直され、契約金総額二兆三千億円のうち九五%が随意契約であったものを、二〇〇七年度実績で五二%にまで縮小しております。本県における公益法人等との随意契約の現状と対応策について伺います。
次に、警察行政について。
初めに、交通事故対策について伺います。
二〇〇八年は、全国の交通事故死亡者数は、前年比五百八十九人減の五千百五十五人となり、八年連続で減少していることが警察庁のまとめでわかりました。これは、二〇一〇年までに死亡者数を五千五百人以下とすることを目標とした第八次交通安全基本計画を二年早く達成したことになります。
本県においても、交通事故死亡者数が前年に比べて八人減少し、八十八人となり、五十一年ぶりに九十人を下回りました。もちろんゼロであることが理想ではありますが、これまでの県警の取り組みが功を奏したものと評価をいたしております。
そこで、本県の死亡者数の減少になった要因をどのように考えているのか伺います。
次に、振り込め詐欺について伺います。
警察庁のまとめでは、昨年一年間の振り込め詐欺による被害は二万百二十四件、被害総額は約二百七十六億円に上り、過去二番目に多かったようであります。
本県においても、昨年の振り込め詐欺認知件数は、前年同期比三八%増の九十八件、被害総額は五四%増の一億四千二百万円に上っております。架空請求詐欺も二・八倍と急増しております。
そこで、振り込め詐欺防止の広報啓発活動や相談体制について伺います。
また、今後、定額給付金の支給が近づくにつれて、定額給付金の支給に伴う振り込め詐欺を懸念いたしますが、被害防止にどのように取り組むのか伺い、一回目の質問といたします。
[
知事伊藤祐一郎君登壇]
25 ◯知事(伊藤祐一郎君) 国の景気対策に対する知事の見解と県の雇用・経済対策についてのお尋ねがありました。
国といたしましては、これまで御指摘のありましたように三つの予算等を通じまして、合計七十五兆円程度となる緊急経済対策を実施することといたしておりまして、これらの予算総額はGDPの一五%程度に相当し、他国と比べて手厚いものとなっており、日本経済を守ることを最優先として対処をしているものと認識しているところであります。
本県におきましても、このような国の動向や県内の経済情勢に応じた措置を適宜講じてきているところでありますが、特に昨年末には、急激な雇用情勢の悪化を受け、離職者等に対します当面の緊急雇用対策を講じますとともに、平成二十年度三月補正予算におきましては、国の第二次補正予算で措置された各種交付金や補助金を活用した雇用・経済対策を約二百九十四億円計上したところであります。
また、平成二十一年度当初予算におきましては、平成二十年度三月補正予算と連携し、約四百四十九億円の雇用・経済対策関係経費を計上いたしますとともに、投資的経費につきましても、平成二十年度三月補正予算と平成二十一年度当初予算を合わせて、平成二十年度を上回る事業費を確保し、地域の雇用・経済の下支えにできる限りの措置を講じているところであります。
平成二十一年度当初予算についての考え方についてのお尋ねがございました。
国におきましては、地方に対しまして、地方交付税の増額など約二兆円の財源手当てがなされたところであります。私といたしましては、平成二十一年度当初予算を「安心・活力・
改革継続予算」として、国の第二次補正予算で措置された各種交付金をもとにした基金も含め、今回措置された財源を有効に活用しながら、雇用・経済対策に積極的に取り組みますとともに、百三十のマニフェスト「新たな未来への挑戦」を初め、「力みなぎる・かごしま」の実現に向け、「三つの挑戦」と「三つの課題」への重点的な予算配分を行いながら、八年ぶりのプラス予算とすることにより、厳しい経済情勢の中にありましても、鹿児島が明るい展望を持って着実に歩みを進める予算を編成したところであります。
三号機増設に対する知事の見解についてのお尋ねであります。
去る一月八日に、九州電力株式会社から川内原子力発電所三号機増設の申し入れがあり、その際、出力規模の考え方や今後の電力需給の見通しにつきまして九州電力から説明を受け、また、私から同社の社長に対しまして、まず第一に、準備書に関する手続を進めるに当たっては、住民説明会の開催など関係法令に基づく手続を適切に実施すること、二番目といたしまして、安全運転の積み重ねが極めて重要であるので、一、二号機の安全運転についてこれまで以上の配慮を行うこと、三番目といたしまして、県民の原子力発電に対する理解を深めるため積極的に情報提供に努め、九州電力としての説明責任を果たすことについて要請したところであります。
増設の問題につきましては、徹底的な情報公開のもとに、御指摘の点も含め、安全性の確保や環境保全の問題等について十分議論し、県議会の御意向も踏まえますとともに、地元の意見も十分に聞いて判断してまいりたいと考えております。
県政運営は、現在、大変厳しい状況の中にありますが、私は、年末年始等のあいさつで私の考えを自分の言葉で話をさせていただいておりまして、例えば二期目の就任式におきましては、これからの行政運営に当たっては、県民の方々に対して十分に説明しなければならないという説明責任、それから、行政の継続性は重要でありますが、過去の延長の上に未来はないので、常に状況を判断し、新たな決断をしなければならないという臨機応変、それから、政策の決定過程においては十分に考え抜いた上で決断をし、鬼手仏心の心で判断せざるを得ないという熟慮決断の三点が重要であることなど、いろんな機会を通じまして職員に私の考えを伝えているところであります。また、職員からの意見にも耳を傾け、談論風発の職場をつくりたいとも考えております。
職員は、大変現在厳しい状況の中でその能力を十分に発揮し、県政に邁進していただいておりますが、今後とも、職員すべてがそれぞれの持ち場で最大の能力を発揮し、その力を結集することが重要であると考えておりますので、そのための努力を私としても十分に重ねてまいりたいと考えております。
26 ◯総務部長(篠原俊博君) 財政再建の現状と改革継続の見解についてでございますが、県では、これまで懸命の努力を続けてきた結果、一般財源ベースで見た歳出は、おおむね
県政刷新大綱の削減目標圏に到達しつつあるところであります。
他方で、歳入一般財源の総額は、「基本方針二〇〇六」等による
地方財政計画の抑制や税収減等に伴い、平成十六年度と比較し、百九十八億円減少しているところでありますが、平成二十一年度当初予算の財源不足額は、前年度よりも九億円圧縮した百四十八億円となり、平成十六年度の財源不足額と比べまして三百三億円の圧縮を図ったところであります。
また、
臨時財政対策債等を除く県債残高は、着実に減少し、財政健全化の取り組みは着実に進んでいると考えているところであります。
それと同時に、現下の厳しい雇用・経済情勢に対応するため、国の第二次補正予算や平成二十一年度の地方財政対策で措置をされた各種財源を活用しながら、雇用・経済対策と改革継続を両立させた「安心・活力・
改革継続予算」としての編成を行ったところであります。
地域活性化・生活対策臨時交付金についてでありますが、国において措置をされました地域活性化・生活対策臨時交付金につきましては、地方再生対策費の算定額を基礎に有効求人倍率や財政力指数等を加味して配分され、本県分は九十億一千五百万円の交付が見込まれているところであります。
これにつきましては、平成二十年度三月補正予算におきまして、県立学校の耐震化や離島航路活性化対策、道路、河川等の防災対策などの事業に活用いたしますとともに、その一部を一たん基金に積み立て、平成二十一年度当初予算におきまして、「かごしま産業おこしフェア二〇〇九」の開催や農畜産物等の輸出拡大、企業誘致、鹿児島空港の国際化促進などの事業に活用することといたしております。
また、県内市町村分につきましては、合計で百二十五億二千万円の交付が見込まれておりまして、道路や耐震化を含めました、学校、施設、公営住宅等の公共施設の整備のほか、農林水産業の振興やプレミアム商品券の発行、雇用対策など、各市町村できめ細やかな地域活性化のための事業が計画されているところであります。
プレミアムつき商品券についてでありますが、これにつきましては、定額給付金の目的の一つが地域の経済対策に資することであることを踏まえまして、商工関係団体が単独または市町村と共同いたしまして発行を予定しておりまして、その数は総務省の一月下旬時点の調査によりますと、全国で県内七市町を含む百二十九市区町村とされております。
また、本県の二月二十三日時点の調査によりますと、県内では数がふえまして、十四市町において市町の補助を受けた商工関係団体等がおおむね一〇%から二〇%のプレミアムつきの商品券を発行する予定であります。
県といたしましては、定額給付金の給付やプレミアムつき商品券の発行によりまして、個人消費が喚起され、地域の消費拡大、ひいては地域経済の活性化に一定の効果があることを期待しております。
市町村の定額給付金給付の準備状況でございますが、給付に要する事務経費につきましては、国庫補助金の交付決定前に執行した経費でありましても、昨年十月三十日に政府・与党が決定した生活対策を受けて開始したものであれば、補助金の対象として差し支えないものとされております。
県内市町村におきましては、事前準備といたしまして、申請・給付方法の検討、給付リスト作成に係る電算プログラムの準備、口座振り込みに関する金融機関との調整などを進めているところでありますが、今後、定額給付金に係る市町村の補正予算が成立をすれば、給付リストの作成、申請書の印刷、郵送、受理などの準備が進められる見込みであります。
県といたしましては、説明会の開催など必要な情報提供を行っているところでありまして、実施となれば確実かつ迅速に住民一人一人に給付されますよう助言等を行ってまいりたいと考えております。
懲戒処分の件数と職員のモラル向上についてでございます。
知事部局におきます懲戒処分の件数は、平成十六年度から今年度までの五年間で二十二件、二十五人となっております。
職員の綱紀の保持につきましては、これまでも全職員に対しまして、毎年度年度当初と年末に依命通達等を行いまして、服務規律の厳正確保について強く指示をしているほか、おのおのの職場研修や各種会議の席等、機会あるごとに徹底した注意喚起を行ってきております。
今後とも、職員一人一人が全体の奉仕者としての本分を十分に自覚して、誠実、公正に職務に精励するよう服務規律の厳正確保にさらに努めてまいります。
公社等外郭団体の見直しにつきましては、平成十七年三月に策定いたしました見直し方針に基づきまして、徹底して取り組んできたところでありまして、平成二十年度までに廃止・統合等により、団体数は五十三団体から四十一団体に減少し、運営費補助は、平成十六年度の二億二千三百万円から平成二十一年度には一億三千七百万円まで削減をしたところであります。
このほか、公社等外郭団体に対する公の施設への管理運営委託や各種事業実施に係る補助金までを含めました支出につきましては、指定管理者制度の導入や事務事業の見直し等によりまして、平成十六年度の百一億円から平成二十一年度には五十億円に縮減をしているところであります。