質問に入る前に、まず冒頭に、先日御逝去された山中貞則元通産大臣に心から哀悼の意を表します。今どき、汚職まみれや信念を曲げる政治家が多い中で、
故山中元通産大臣は、清廉潔白、信念を貫き、存在感のある数少ない政治家でありました。また、今日、世襲政治の多い中「山中政治は、一代限り」とされた新聞記事を見て、山中さんらしい生き方だなあと感銘を深くしたところでございます。生前の御功績をたたえ、代表して心から御冥福をお祈り申し上げます。安らかにお眠りください。
それでは、通告どおり順次質問してまいります。
ついに自衛隊本隊がイラク南部のサマワに派遣されました。戦闘状態にある他国の領土で本格的に活動するのは初めてであります。これは専守防衛を基本としてきた日本の
安全保障政策の重大な転換を意味し、海外での武力行使と
集団的自衛権を否定してきた日本国憲法に反するものであります。
小泉首相、
石破防衛庁長官の命令によって、サマワに赴いて任務を遂行している自衛隊員や家族の心情を思うとき、一日でも早く無事で帰国していただくことを念じずにはいられません。
昨年五月の
戦闘終結宣言以後今日に至ってもイラク全土で戦闘が続き、内戦の危機さえはらんでいます。小泉首相は、米英が開戦した昨年三月二十日、衆参両院本会議で「米国が
大量破壊兵器拡散阻止という大義に従ってみずから犠牲を払おうとしている今、可能な限り支援することは同盟国として当然の責務だ」とイラクの
大量破壊兵器保有を断定し、対米支援を約束しました。
国連査察団は「イラクの
大量破壊兵器の開発・保有には疑問が残る」と査察継続を求めましたが、国連の決議もなく、国際世論を無視して米英は先制攻撃を行い、イラクを占領しました。しかし、今年一月末、
米上院軍事委員会で「イラクに
大量破壊兵器があるという証拠はない。我々は間違っていた」と、デビット・ケイ前米調査団長が証言したことで、イラク攻撃の前提と大義が崩れ去りました。
ブッシュ大統領も二月八日のテレビ番組で「少なくとも兵器をつくる能力はあった」と言いわけし、
調査委員会を設置して追及をかわそうと躍起になっています。
ブッシュ大統領に追従してきた小泉総理は「イラクに立証責任がある」と開き直りの答弁に軌道修正して正当性を主張しています。
知事は、昨年九月議会で「イラクが武力行使を受けたことは
大量破壊兵器の廃棄に協力しなかったことが背景にある」と答弁されていますが、開戦時、既に
大量破壊兵器がなかったのであれば
イラク戦争の大義は失われます。知事の見解を伺います。
大量破壊兵器を隠し持っているから脅威があると勝手に自分で判断して先制攻撃をかけたのはアメリカです。フセインは拘束されました。フセインは戦争を起こした張本人ではありません。確かに拷問や虐殺、民族浄化など、人道に対する数々の犯罪は許すことはできませんが、これは
イラク人自身の手によって裁かれるべきものであります。
イラクに戦争をしかけ、テロリストの掃討作戦と言えば、数多くの子供や女性、民間人を殺してもアメリカ兵は無罪ですか、フセインは
戦争犯罪人ですか、見解を伺います。
〇四年度政府予算案の一般会計は、今年度比〇・四%増の八十二兆一千百億円の緊縮型予算であり、
地方財政計画は、今年度比一・八%減の八十四兆六千七百億円と、三年続けてマイナスとなっております。特に地財計画の問題点は、
地方交付税と
臨時財政対策債の双方で一一・九%、二兆八千五百八十九億円の減額となり、
地方財源保障の範囲が大幅に圧縮されていることであります。
この結果は、昨年十二月に改訂されたばかりの
財政改革プログラムの歳入構造を直撃し、来年度の予算編成を極めて困難な事態に追い込みました。本県への交付税は、本年度比で三百十五億円の減収となっています。
このため
財政改革プログラムでは、〇四年度から三年間で百五十億円発行するとされていた
財政健全化債を本年の三月補正で百五十億円、来年度当初で百五十億円発行して歳入を確保し、一方では、基金を三百億円取り崩し、〇五年度予算編成を見据えて百億円の基金を残しており、借金をしながら基金を蓄えるという異例な手法がとられています。
歳出でも、毎年度一〇%削減するとしていた県単公共事業を本年度比で二〇%削減に、公共事業も予定の二倍の大幅削減を余儀なくされ、何とか帳じりを合わせた格好です。しかし、
マリンポートかごしま、いわゆる人工島には、今年度比二一〇・二%、三十八億二千万円の大幅な増額で、聖域扱いされています。
このように、
財政改革プログラムの
財政収支見通しの試算と大幅な乖離が生じていますが、交付税が実質一二%減に圧縮されたこと、試算は財政計画として将来の予算編成を拘束するものではないと主張されても、これほどの違いが生じると、
財政改革プログラム自体の
抜本的見直しが必要ではないでしょうか。
一月に開かれた
全国都道府県総務部長会議において、総務省は「来年度は
地方交付税総額の圧縮で制度の基本を維持したものの、現在の水準で持続可能とはならず、さらに交付税の縮減は避けられない」との認識を示し、歳出の合理化など、
行財政改革の一段の努力を要請しております。
県としては、今後
交付税制度の行方をどのように認識されているのか、
三位一体改革の進行が予算編成にどう影響すると見られているのか、伺います。
来年度以降、交付税の削減が続くことは確実であり、財政構造の抜本的な改革なくしては予算編成が困難になることは必至であります。人工島の中止など、公共事業の一層の峻別・重点化、そして二十一世紀新
かごしま総合計画自体を見直すべきと考えますが、見解を伺います。
これほどまでに地方財政の硬直化、借金体質が進行したのは、
バブル経済崩壊後、国の景気対策に地方財政が動員され、借金をしながら公共事業や
地方単独事業の拡大で歳出が増加する一方で、不況による税収減と減税による地方税収の減収が重なったことにあります。
今日の
小泉構造改革のもとで進められる
三位一体改革は、巨額の借金を抱え込んだ国の財政再建に再び地方財政が動員され、地方への税財源の移譲が不十分なままで
地方交付税が削減されていけば、交付税に依存せざるを得ない鹿児島県や県内の市町村は直ちに財政破綻に陥るおそれがあります。
これまで知事を先頭にして開促協や
全国知事会等を通じて、
地方税財源の拡充と
地方交付税制度の根幹を維持するよう国に要請されてきていますが、その結果が今日の事態です。もっと地方自治体は結束して、現在の地方財政の硬直化、借金体質を招いた国の責任を追及し、地方に負担転嫁することのないよう、毅然とした態度で国に対する働きかけを強化すべきであると思いますが、見解を伺います。
市町村合併特例法の〇五年三月の期限を一年後に控えて合併論議も大詰めを迎えておりますが、鹿児島県内では、
法定合併協議会からの離脱や首長と議会との意思が
食い違い住民投票を実施する自治体が相次いでいます。これは、住民への説得力のある
まちづくりの将来像を示すことなく、合併に対するコンセンサスもないまま、財政的な優遇措置のある特例法の期限に合わせて駆け込み的に
法定協議会に参加してきた矛盾が表面化したものと見られます。
県としては、
自主的合併を建前としながらも、
法定協議会の設置、参加を推進してこられた責任がありますが、今日の現状をどのように認識されているのか伺います。
総務省は一月、
全国都道府県総務部長会議で
合併特例法の期限切れを前に、最終段階で
合併特例法が崩れる事例が見られると指摘し、最後の努力を要請し、さらに今国会に
市町村合併推進法を提出することを明らかにしています。
この新法は、現行法では強制力のない、知事による
市町村合併協議会設置の勧告に法的根拠を持たせ、勧告を受けた市町村長には、
協議会設置の是非を議会に諮ることを義務づけることを主な内容としています。これでは
自主的合併を基本としてきたことに知事が直接介入する道を開き、現状でさえ協議会からの離脱が出ている中でさらに混乱を招き、地方分権の流れに逆行することになるのではないでしょうか。知事の見解を求めます。
首長と議会の意思にねじれが生じた場合、住民投票という直接民主制で結論を出すことは解決方法の一つであり、住民がみずからの
まちづくりを主体的に考え判断する絶好の機会でもあります。それだけに住民に対しても、
財政シミュレーションやまちの将来像について的確・公平な情報を示して活発な論議を巻き起こすことが重要であります。県としても積極的な情報提供と必要な支援を行うべきと思いますが、いかがでしょうか。
稲葉本部長が着任されて一年二カ月たちますが、率直な感想をお聞きいたします。
まず、一年余りを本県で暮らし、仕事をされて、鹿児島をどのように感じられましたか。治安、県民性などについてもお聞かせください。特に印象に残る事件、事故にはどのようなものがありましたか。事件の処理に当たって、行き過ぎや県民の人権を侵害するような事例、また、真相究明半ばにして心ならずも捜査に幕引きせざるを得ず、結果として巨悪を逃すようなことはいささかもなかったか、振り返って御感想をお聞かせください。
志布志町における
県議選現金買収事件は、捜査開始後十カ月を過ぎましたが、公判ではようやく被告人を取り調べた警察官を検察側証人として調べる段階に来ており、私どもも傍聴して、やはり警察の捜査に多くの疑問を抱かざるを得ません。
ところで、傍聴と言えば、去る二月四日の公判で警察官が証人として出廷した際、傍聴席に数人の私服警察官が来ており、中には事件捜査の際、証人の上司として捜査を指揮した人物もおり、弁護人から「証人に無言の圧力を加える」などとの抗議があり、裁判長が傍聴席の私服警官に退廷を要請するという異例の出来事がありましたが、この警察官の傍聴は、昨年第三回定例会で本部長が答弁されたように、「被告人に有利な事情も含めて公訴提起後も新しい事実の発見に努める」、そういう純粋に真相究明を目的としたものと素直に受け取っていいのですか。
二月十六日、私たちの会派の三人の議員は、
鹿児島拘置支所に中山信一元県議を訪ねました。本人は至って元気で、「とにかく無実を明らかにするまで支援者のためにも、体力・気力を保って頑張る」と言われました。平成の岩くつ王になっても戦うという気概を感じました。あのような窮屈なところに押し込められ、何がしかの罪を犯した者ならともかく、無実の者には耐えられない仕打ちであります。
裁判所でさえ「うちは保釈決定したが、高裁が取り消した。弁護側は、もっと頑張れ」と言うほど、今回の勾留は異常であります。この罪で実刑を受けたとしても、もう出てきているくらいであります。
知事は、県民がこのようにいわれなき疑いをかけられ、長期に保釈されず苦しめられている状況をどのように思われますか。無罪ということになれば当然国賠訴訟も起こされると思いますが、勾留が長ければ長いほど賠償額も大きくなり、財政が厳しい本県には深刻な問題ですが、そのことをどのように考えられますか。
去る一月二十八日、川内原発の事故を想定し、
県原子力防災訓練が実施されました。川内市を中心に、国、県、九州電力など八十二機関、七千人が参加、事故の最前線の拠点となる
県原子力防災センターで各機関が連携を確認したほか、住民の避難訓練を行いました。訓練は、川内原発一号機が自動停止という第一報から、約三時間後、放射性物質が
原子炉建屋外に漏れるおそれがある事態に進展したとの想定で、関係機関が顔をそろえ、
防災センターの
合同対策会議で住民避難や
被曝医療措置の対策を練りました。
原子力災害の特色は、自然の災害と異なり、経験則が通用しない災害で、五感でとらえることはできません。それだけに厄介なものであります。したがって、
原子力災害は、住民みずから判断することは困難であるだけに、
県防災センターには適宜・適切な正確な判断と情報の提供が求められております。いやしくも事故隠しや事故の過小評価など許されることではありません。あくまでも住民を災害から守り、予想外の事態でも被曝はゼロにすることを基本にして、
防災業務従事者についても安全性が確保されるようしていかなければなりません。
自治労県本部・脱
原発ネットワークは、住民の生命・健康を守ることと避難誘導やモニタリングなど被災現場で行動する職員らの安全性を確保するため、防災訓練を毎年チェックしてきております。地元住民の声や脱
原発ネットワークの意見を踏まえて、訓練のあり方について改善すべき点を提言し、質問いたします。
まず第一点目は、事故の状況を適宜・適切に住民に情報を提供し、不安や
パニック状態に陥っている住民に安心感を持たせることが極めて重要だと思います。広報体制を充実させるべきだと思いますが、どうでしょうか。
二点目は、
防災センターの四階窓口のことですが、担当者不在の状態で、事故発生時には住民の問い合わせにどう対応するのでしょうか。テレビ会議でシステムにふぐあいが生じましたが、シナリオどおり進行されました。訓練時にも不測の事態に備え対応すべきではないでしょうか。
三点目は、誘導している人の服装についてですが、スクリーニングしている人たちは、頭部を覆い、マスクと手袋を着け、靴もビニールで覆っているのと対照的です。誘導してきた住民は被曝しているかどうかわからないので、実際の事故の場合は、二次汚染の危険が強まることになります。誘導する人たちもきちんとした服装・装備をすべきではないでしょうか。
また、
ポケット線量計は、消防職員は
ミリシーベルト単位、川内市職員は
マイクロシーベルト単位で、線量計の単位が違います。
原子力災害対策特別措置法では、緊急事態の基準が〇・五
ミリシーベルトであることから、
マイクロシーベルト単位の線量計でなければ現実的に対応できないのではないでしょうか。
以上、具体的に指摘しましたが、「ゼロ被曝」を目指して、たとえ想定外の事故であっても不測の事態にならないよう、訓練のあり方の検討を求めるものであります。
[
知事須賀龍郎君登壇]
4 ◯知事(須賀龍郎君) イラクが武力行使を受けましたことは、湾岸戦争の停戦協定の際の
大量破壊兵器の廃棄という条件に協力しなかったことや、国連決議を忠実に履行しなかったことなどが背景にあるものと理解をいたしております。ただイラクが保有していたとされます
大量破壊兵器につきましては、御指摘のとおり、先般、アメリカ、イギリスの両政府がその有無につきまして検証を行うための調査組織を設置したと聞いているところでございます。
また、フセイン元大統領が
戦争犯罪人かどうかという点につきましては、今後関係国の間で意見が交わされるものと考えております。
いずれにいたしましても、今後一日も早くイラク人によります速やかな国家再建がなされますとともに、我が国としても国連や関係の国々と協力しながら、国際協調の中で人道支援がなされることを期待しているところでございます。
次は、今回の予算につきましては、厳しい
地方財政計画の内容を踏まえながら、
財政改革プログラムに基づきまして編成したところであります。
財政改革プログラムは、今後の本県の財政運営の基本方針を示したものでございまして、それを毎年度見直すという性格のものではないと私は考えております。今後、毎年度の予算編成におきまして、
財政改革プログラムを基本方針としながら、そのときどきの
地方財政計画の内容等にも適切に対応していくことが必要であると考えております。
次は、本県の財政環境は極めて厳しい状況でありますけれども、公共事業につきましては、本年度策定いたしました二十一世紀新
かごしま総合計画第二期実施計画におきましても、国内外に広がる
交流ネットワークの形成を図りますために、骨格となります幹線道路網の整備や
マリンポートかごしま等の
国際交流港湾の整備など、県勢発展に向けた
戦略的事業等を長期的視野に立って引き続き重点的に推進することとしたところであります。
マリンポートかごしまの整備は、桜島や錦江湾など鹿児島が持っております観光資源や地域特性を生かした魅力ある交流拠点の形成を目指すものでありまして、国としましても
国際観光振興拠点となるターミナルの整備と位置づけておりまして、本県の施策に対しましては理解と協力をいただいているところであります。
この事業の目的や必要性につきましては、これまでも県議会等におきまして十分御論議をいただいたところでありますが、また、
財政改革プログラム改訂の見直しや今回の予算編成の中におきましても十分検討を行いまして、平成十六年度におきましては
廃棄物埋立護岸の概成を図り、年度後半には国が処理する桜島の土石流土砂を受け入れることとし、それに必要な額を計上しているところであります。
また、直轄事業におきましても、国において沖防波堤の整備につきましても再開されることとなっております。
マリンポートかごしまは、これまでも再三申し上げてまいりましたとおり、二十一世紀の本県にとりまして必要不可欠な事業であると認識しておりまして、厳しい財政環境の中ではありますけれども、今後とも着実に推進してまいりたいと考えております。
次は、二十一世紀新
かごしま総合計画は、新たな時代潮流に対応し、長期的展望に立って、二十一世紀の新しい鹿児島を創造するため、今後の県政推進の基本として策定したものであります。
平成十六年度からは、第二期実施計画がスタートいたしますが、第二期実施計画の策定に当たりましても、
財政改革プログラムとの整合性に配慮し、大規模施設の整備につきましては、必要不可欠なものを除きまして原則として計画期間中には建設に着手しないこととし、また既に着手しております事業につきましても規模や進捗状況等について見直しを行いますなど、調整を行ってきたところであります。
さらに、公共事業や県単公共事業につきましては、一層の峻別と重点化によります抑制を行いましたほか、その他の施策、事業につきましても、緊急度や優先度などを勘案して事業費を計上したところであります。
今後とも厳しい財政環境は続くものと考えておりますが、施策、事業のより一層の峻別と重点化を図りながら、総合計画の着実な推進を図ってまいりたいと考えております。
次は、
市町村合併でありますが、
市町村合併の推進につきましては、現在七十八の市町村が参加する十九の
法定合併協議会におきまして、合併実現に向けた具体的な協議や合併後の
まちづくり計画の策定作業が進められているところであり、去る二月十九日には
川薩地区法定合併協議会におきまして県内で初めての
合併調印式が行われますなど、合併実現に向けた取り組みが一層進展してきているところであります。
その一方で、
合併協議会からの離脱や合併の是非を問う住民投票も一部の地域で実施されているところでありますが、これは
市町村合併が地域のあり方にかかわる重要な問題でありますことから、各地域が自主的・主体的に判断しようとするための取り組みのあらわれであると私は認識いたしております。
県といたしましては、今後とも地域における自主的・主体的な取り組みを積極的に支援してまいりたいと考えております。
総務省は、昨年十一月の第二十七次
地方制度調査会の最終答申を踏まえまして、現行の
合併特例法失効後も
市町村合併を一定期間推進するため、今国会に新しい法律案を提案する予定であると聞いております。この法律案におきましては、総務大臣が定める
市町村合併を推進するための基本方針を踏まえまして、都道府県が
市町村合併に関する構想を策定し、その構想に基づいて合併に関するあっせんや
合併協議会設置等の勧告を行うことによりまして、
市町村合併を推進することとしておりますが、これはあくまでも自主的な合併を推進するためのものであるとされております。
県といたしましては、
市町村合併は市町村のあり方にかかわる重要な問題でありますことから、今後とも
関係市町村の意見も十分に聞きながら適切に対応してまいりたいと考えております。
次は、長期勾留と国家賠償の件でございますが、これは現在司法の場におきまして公判中であります。したがいまして、知事としての感想を申し上げる立場にはないことを御理解いただきたいと存じます。
5
◯総務部長(境 勉君)
地方交付税につきましては、昨年六月に閣議決定されました国の
経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇三におきまして、国の歳出の徹底的な見直しと歩調を合わせ、
地方財政計画の歳出を見直すことにより
地方交付税総額を抑制することとされておりまして、今後も総額の抑制は避けられないものと考えております。
今回の
地方交付税等の大幅な削減などにより、本県の財政状況は一層厳しさを増しているところでございまして、今後それぞれの地方自治体が提供する
行政サービスの水準についての考慮がなされないまま、
地方交付税等の一方的な削減が行われました場合、県が独自に財政改革への取り組みを進めましても、なお県としての役割を持続的に果たしていくことが困難となりまして、今後の予算編成に支障を来すおそれがあると考えております。
今後の三位一体の改革に当たりましては、
国庫補助負担金の廃止・縮減とあわせまして、
地方公共団体の意見も十分踏まえ、所要財源について行財政運営に支障の生じることのないよう、税源移譲等による明確な財源措置を行っていただきますとともに、
地方交付税による財源調整・
財源保障機能が確保される必要があると考えております。
三位一体の改革につきましては、これまでも
地方公共団体が結束して国に対して意見を主張してきているところでございまして、十六年度の国の
予算編成過程におきましても、例えば
生活保護負担金の負担割合の切り下げなどの動きに対しまして、地方への負担転嫁につながるということで地方六団体が結束して反対し、これを撤回させたところでございます。
また、
地方交付税等につきましても地方の実情を無視した一方的な削減が行われないよう、去る二月二十三日に
九州地方知事会において緊急提言を行ったところでございます。今後とも
全国知事会等とも十分連携を図りつつ、あらゆる機会を通じまして国に対し本県の意見を強く主張してまいりたいと考えております。
市町村合併についてでございますが、合併は、地域のあり方にかかわる重要な問題でありますことから、市町村が住民に対しまして地域の現状や展望などについて十分な情報を提供し、地域における合併論議を深めていただくことが極めて重要であると考えております。
このため、県といたしましては、これまでも地域の将来像等に関する調査研究事業や行
財政シミュレーションに対する助成などを行ってきたところでございまして、今後とも的確・公平な情報提供がなされますよう、支援、助言に努めてまいりたいと考えております。
原子力防災訓練の関係でございますが、
原子力災害時におきましては、住民の方々に正しい情報に基づいて落ち着いて行動していただくことが極めて重要であると考えております。このため、去る一月二十八日に実施いたしました原子力防災訓練におきましても、原子力発電所の状況や住民避難の指示等について報道要請を行いますとともに、市の防災行政無線や広報車による広報訓練などを実施したところでございまして、今後とも広報体制の充実に努めてまいりたいと考えております。
今回の訓練の実施結果につきましては、今後、県や関係市、防災関係機関など訓練参加機関によります実施結果の検討会におきまして、住民の方々の御意見や報道されました各種の指摘など、各方面から出されたさまざまな問題点等につきまして評価、検討を行うことといたしておりまして、これらの検討結果や御指摘の内容等も踏まえまして、訓練内容の改善、充実に努めてまいりたいと考えております。
6 ◯警察本部長(稲葉一次君) 着任一年の感想についてということでございますが、近年、全国的に犯罪認知件数が急激に増加するなど、治安が危険水域に達したというふうに言われております。こうした中にありまして、人口百七十八万人を抱えます大県鹿児島の治安情勢は、比較的平穏に推移しております。これは、警察官の活動もさることながら、県民の規範意識の高さに支えられているものと認識しております。
こうした規範意識の高さは、県民一人一人の礼節と互譲の精神が結実してもたらされるものでございまして、着任当初から鹿児島県のすばらしい点の一つであろうと感じておりました。特に、さきの奄美群島日本復帰五十周年記念式典の開催に伴います天皇皇后両陛下の行幸啓警衛警備の際に、県民の皆様方のお姿に接しまして改めて実感した次第であります。
着任以来、県民の目線で警察活動を行うよう部下職員に求めてきたところでございますが、およそ事件処理に当たっては、法と証拠に基づいて行うことは当然のことといたしまして、あらゆる警察活動を行うに当たって県民の皆様方の御理解と御支援が得られるよう、運営するよう心がけてまいったところでございます。
なお、県内の治安情勢は、暴力団の抗争事件、コンビニ対象強盗事件等、県民に大きな不安を与える事案が発生しており、全国的な趨勢を免れるものではございません。予断を許さない厳しい状況にございますが、鹿児島県民が誇るべき高い規範意識を守り、これを支えるなど県民の信頼と期待にこたえる警察活動を推進してまいりたいと考えているところでございます。
続きまして、公判傍聴につきましては、議員御指摘のとおり、警察活動の一環として行っているものでございます。
[福山秀光君登壇]
7 ◯福山秀光君 それぞれ答弁をいただきました。
イラク戦争は、アメリカの
ブッシュ大統領の一国平和主義、国連軽視に振り回された利権がらみの仕組まれた戦争であります。フセインを裁けるのは、
ブッシュ大統領ではありません。民族自決の原理からして、イラク国民そのものであります。
憲法に違反して
ブッシュ大統領に追随した小泉総理の政治責任はどうなるのか。日本は法治国家であります。まず権力者は法の支配を受けるべきであります。最高権力を持つ小泉総理こそ憲法を尊重し、擁護する義務があります。
自衛隊の海外派遣は憲法違反であり、自衛隊は一刻も早く撤退すべきであります。箕輪登元防衛庁長官は、自衛隊のイラク派遣は憲法違反だとして訴訟を起こしました。日本の自衛隊は初めて、殺りくし破壊したアメリカ占領軍に加担したのであります。小泉総理は、平和憲法の理念と魂を
ブッシュ大統領に売り渡した最初の総理大臣であります。
三位一体改革は、しょせん国の巨額の財政赤字を地方に押しつけ、特に財源の乏しい本県は、もろにその影響を受けることになります。
地方交付税制度は破綻寸前であり、交付税による財源調整機能と保障機能がなくなれば、四十七都道府県中、生き残れるのは財源豊かな東京、大阪などぐらいであります。
広島県の藤田知事は、「改革の名のもとに、詐欺的行為に四苦八苦した予算」と言っております。自治体の財源不足はますます深刻化して、自治体の財政格差は大きくなり、勝ち組と負け組に二極分解をたどることになり、地方自治の崩壊につながることになります。戦うことを標榜した全国知事会は、今こそ立ち上がるべきであります。そして、地方六団体は結束して小泉総理に対して強く要求すべきであります。地方からむしろ旗を立てて一揆を起こすぐらいの勇気が欲しいのであります。
また、人工島は、財政事情の厳しい中で果たして緊急性があるのか、県勢浮揚につながるのか、甚だ疑問であります。事業の峻別化・重点化を見直すべきであります。
中山元県議夫妻が十カ月の長期の不当な勾留に耐えて頑張っております。それは、やっていないし、無実だからであります。この事件の特異性は、何ら物的証拠もなく、唯一の証拠は自白だけです。しかし、その自白も公判廷で被告人十二人全員がことごとく否認したのであります。
二月二十五日の中山事件の公判で捜査に当たった警察官の証人尋問で、具体的に犯罪捜査規範に沿った取り調べが行われたかどうかについて聞かれると、個別の条文の存在はもちろん、規範の趣旨でさえ「不勉強で承知していない」と証言しています。これは、まさに重大な問題であります。これまで県警本部は「犯罪捜査規範に基づいて適切に捜査している」と答弁し、この規範は犯罪捜査の警察における最高規範であり、遵守することは当然であるとしてきました。遵守すべき犯罪捜査規範を不勉強とは一体どういうことでしょうか。この事件をまさに象徴しているような気がします。
また、何人かの被告人は、公判でこれまでの供述をひるがえし、やっていないと否認したら、留置所に戻ったら早速警察官や検事がやってきて、「なぜ否認したか、こちらが困る」と否認理由を聞かれているのです。本日は紹介にとどめ、所管の委員会で徹底的に追及したいと思います。
中山元県議を平成の岩くつ王にさせないため、これからも早期釈放を求め、真相を究明して、県民の基本的人権を守っていきたいと考えております。
自然災害と違う原発災害については、五感でとらえることができません。それだけに事故について自分で対処することができないので、住民に対して正確な情報を的確に示し、原発防災対策に万全を期すべきであります。
次は、企画建設行政について質問いたします。
去る一月九日、いわさきコーポレーションは、奄美大島でバス事業を行っている奄美交通をことし九月末で清算する方針を突然労働組合に申し入れ、県に対しても「赤字が続き、今後のバス利用者の増加が見込めない。撤退後は、県を主体にバス事業の受け皿を整備してほしい」との意向を伝えてきました。これに対し、労働側は存続を求め交渉する方針で、県や地元自治体も県バス対策協議会で対応を協議することになっております。
バス定期路線事業の参入・撤退は、〇二年に自由化されました。六カ月前に国土交通省に届け出れば、撤退できることになっております。規制緩和で、採算がとれないときは、いとも安易に撤退していく。このようなことを許していけば、今後、離島、過疎地における交通機関は消えていくのではないでしょうか。
今回の奄美交通清算方針は、公共交通機関とはどうあるべきか、企業の社会的責任はどうあるべきかなど単に奄美大島のバス路線廃止問題にとどまらず、今後の公共交通機関を担うバス会社の企業としての社会的責任を問う問題であります。規制緩和という新しい時代を迎えて、今後も採算がとれないことや効率性が悪いことから、企業の撤退や清算が起こるものと思います。
そこで、知事は、いわさきコーポレーションの事業者としての社会的責任をどのように考えておられるか、見解を伺います。また、奄美大島の島民の足と雇用を確保するため、県は積極的に関与すべきだと考えますが、どのように対処されるのかお聞かせください。
九州新幹線は、部分開通とはいえ、鹿児島中央―新八代間は今月十三日に開通の運びとなり、県民の大きな夢と期待を受けてスタートすることになります。この開通により、鹿児島中央―新八代間の二時間十分がわずか三十五分に、所要時間の短縮は行動範囲と生活圏を変えることになります。人的・物的交流は、本県経済に大きな影響を与えるものと考えております。したがって、九州全県が日帰り圏域となり、それに適切に対応して起爆剤にしていかなければなりません。
鹿児島市の調査では、全線開業で五〇%を超える県外在住者が鹿児島訪問を希望しているのです。新幹線工事は〇四年度予算ベースでいけば、〇八年度で事業を終えることになります。それだけに県としても全線開通を見据えた体制の整備が緊急の課題になります。全線開通実現後は、遠方からの入り込み、ターミナル効果で鹿児島市の人の往来は一層頻繁になるものと思われます。
しかし、一方ではストロー現象も懸念されます。特に川内、出水を初めとする沿線自治体の地域振興はもとより、新幹線にリンクして県全体の観光や地域経済にプラスになるようにしなければなりません。そのためには商工業界や観光業界などの民間の活力が生かされ、受け入れ体制を確立し、新幹線がインパクトとなるよう推進しなければなりません。
県として新幹線の経済的波及効果をどのように予測し、全線開通を見据えた受け入れ体制をどのように推進されておられるか、お伺いいたします。
華やかに宣伝され、県民の夢と大きな期待を持たれてスタートする新幹線。その新幹線と同時開業となる肥薩おれんじ鉄道、この鉄道は苦しい経営が予測され、厳しいスタートとなります。第三セクターの鉄道としては一番長い鉄道、一日の輸送密度は約千二百人程度という厳しい発車となるのです。
国土交通省によると、三十七路線ある鉄道三セクのうち三十二路線が赤字に陥っております。在来線を引き受けた長野、青森、岩手県の三路線は、いずれも〇二年度単年度決算で八千万円から三億三千万円の赤字が示すように苦しい厳しいスタートとなり、沿線自治体のお荷物になるのではないかと言われております。
焼酎の需要増に伴い、原料の鹿児島産サツマイモに供給不足が心配されております。県の調査によれば〇四年度は五万二千七百トンも不足する見込みで、増産対策など手を打たなければ焼酎一升瓶に換算して二千九百三十万本分が不足することになり、その対策が急がれます。
県内のサツマイモ生産量は〇二年度三十九万トンで、一六・六%に当たる六万四千九百トンが焼酎原料に使われ、〇三年度は夏場の日照不足などで生産量が落ち込み、逆に焼酎用は八万トンにふえ、全体の二三%台までになっています。このあおりで、でん粉用サツマイモは減少を余儀なくされております。
〇四年度の焼酎用の需要が十一万九千トン、さらに増加する見込みで、栽培面積を広げるなどして生産量をふやさないと、焼酎用の需要に対応できないだけでなく、でん粉用や青果用、加工用にも大きな影響が出そうであります。農家の高齢化などで県内の栽培面積は年々減少し、〇二年度は一万千八百ヘクタールと四年間で二千ヘクタール以上減っており、事態は深刻であります。
県内にある約五千ヘクタールの遊休農地の活用や転作作物としての水田活用、さらには農業特区制度を利用した農業法人以外の建設業者等の活用など増産体制が急務であると思いますが、県の対策をお示しください。
本格焼酎の生産、消費量が来年春にも清酒を追い抜くという予測を日本政策投資銀行南九州支店が発表し、成長著しい本格焼酎業界をさらに元気づけています。南九州の地酒にすぎなかった本格焼酎が日本の酒を代表する清酒に匹敵する規模になりつつあることは、まことに喜ばしいことであります。ブームに浮かれることなく品質向上や味の多様化などに一段と努力し、清酒圏での需要を開拓することが求められております。
もう一つの課題は、麦焼酎のブランド化であります。
〇二年度県内生産量は、芋焼酎の五万五千キロリットルに対して麦焼酎は九万キロリットルで、麦焼酎の多くは大分へおけ売りされ、大分ブランドで全国に出回っていますが、大分のメーカーが今後自社生産をふやしていくのは避けられない状況です。また、大手の酒造メーカーやビールメーカーが焼酎の需要拡大に目をつけ、生産に参入している例が見られます。長期的な焼酎販売戦略も求められていると思いますが、その対策等もお示しください。
家畜ふん尿の野積みなどを禁じる家畜排せつ物法が今年十一月から完全施行されています。県が同法に基づく処理施設の整備状況をまとめられていますが、まだ施設が不十分なところが大変多いようであります。県は、国・県の補助事業の手続きを急ぐ一方で、補助から漏れた農家には当面、不浸透性シートなどによる簡易処理施設や他の施設や公共施設への委託処理等を検討しているようであります。
私どもの調査によりますと、施設は整備したものの経費-ランニングコスト-等がかさみ、適正管理されていないことから、環境問題に対するさらなる農家の意識改革推進の必要性があることや、特に養豚においては、ふん尿処理施設を整備したものの堆肥の流通がままならず、赤字のため一部では管理不十分となり、適正な処理がなされていないなどの課題がありますが、十一月の法施行への施設整備の現状と期限内達成の可能性をお聞かせください。
[
知事須賀龍郎君登壇]
15 ◯知事(須賀龍郎君) 本県とアジア地域との関係強化につきましては、これまでも中国江蘇省や香港、韓国全羅北道、シンガポール等の間で、経済、観光、文化、スポーツなど、さまざまな交流を展開してきております。また、県の総合計画の第二期実施計画におきましても、九州新幹線の開業効果を最大限に生かしますために、アジアを中心とします海外からの誘客対策等を一層促進することとしております。
今後とも引き続きましてアジア地域との多様な交流を推進いたしますとともに、国際交流基盤の整備・充実や国際化に対応した人づくりなどを進めまして、アジアに広がる国際
交流ネットワークの形成にさらに努力をしてまいりたいと考えております。
次は、釜山航空路線の問題でありますけれども、本県と釜山の間では、平成十二年に県観光連盟と釜山広域市観光協会によります姉妹盟約が締結されておりまして、現在も観光交流等の取り組みが進められているところであります。
釜山航空路線の開設につきましては、現在運航しておりますソウル線との両立ということも考えていかなければならないと思いますが、現在のソウル線の厳しい利用状況などを勘案いたしますと、当面はソウル線の利用促進を中心に取り組みを進めまして、新しい航空路線の開設につきましては、今後の推移も見ながら検討していく必要があると考えております。
16 ◯教育長(福元 紘君) 義務教育費国庫負担金につきましては、平成十六年度から退職手当等について一般財源化されたところでございますが、税源移譲までの各年度に必要な額は、国において税源移譲予定特例交付金等により措置されることとなっております。
国におきましては、今後も同負担金の一般財源化について検討を行うこととしておりますが、本県におきましては、全国平均の約二倍に当たる六〇%程度が一学級から六学級の小規模校であることから、より多くの教員を配置せざるを得ない状況にありまして、同制度の見直しの状況によりましては、そのことが全く考慮されないおそれもございます。
このようなことから、県としましては、これまでも県開発促進協議会等を通じまして国に対して強く要望を行ってきたところであります。今後とも教育水準の低下や不均衡、地方への財政負担増などをもたらすことがないように、全国都道府県教育長協議会等とも連携を図りながら適切に対処してまいりたいと考えております。
義務教育費国庫負担制度につきましては、教職員給与費の半分を国が負担するという基本的な枠組みを維持した上で、地方の裁量・自由度を拡大する総額裁量制が導入されることになりました。この総額裁量制は、国庫負担金総額の範囲内で給与額や教職員配置について都道府県の裁量を拡大し、効果的に国庫負担金を活用できるようにすることであると受けとめております。今後その内容や本県の実態等を踏まえますとともに、検討すべき課題等も的確にとらえながら、裁量の生かし方を研究してまいりたいと考えております。
児童生徒の職業観・勤労観を育成するために、小学校では身の回りで働く人たちの役割を調べたりしながら、働くことの大切さについて学習しております。また、中学校では、職場体験学習などを実施しまして、仕事への関心・意欲を高める進路指導の充実を図っております。さらに高校ではインターンシップを実施し、高校生活の早い段階から進路決定を促す指導を行っております。
県教委としましては、保護者や高校一、二年生を対象に職業についての意識改革を図るための高校生のための就職セミナーを開催しますとともに、高校一、二年生と教員を対象に人材育成会社等の講師による指導講習を行います高校生職業選択支援事業を実施してきたところでございます。
来年度からは、新たにキャリア教育推進地域を指定しまして、小・中・高校で一貫したキャリア教育の指導内容等を研究開発することとしており、一人一人に職業観や勤労観を育成する教育をより一層推進してまいりたいと考えております。
17 ◯商工観光労働部長(岡積常治君) 国においては就職未内定者の就職支援の強化を図るため、求人開拓推進員等を活用して、求人開拓、職業相談等の個別就職支援を集中的に実施しております。県においても、これまで新規学卒者の採用枠拡大を要請する求人開拓ローラー作戦の実施や、特に厳しい就職環境にある高校生に対しては地区別就職面接会を県内五地区で追加開催したところであります。
今後とも鹿児島労働局等と緊密な連携を図りながら、ハローワークに配置している雇用対策推進員や高校に配置している就職支援員による求人開拓、生徒の進路指導等を積極的に実施し、一人でも多くの未内定者の就職促進に努めてまいりたいと考えております。
鹿児島労働局によりますと、本県において若年者トライアル雇用を実施している企業は、この制度が開始された平成十四年一月から昨年十二月までで七百九十六社となっています。また、この間に千七百八十四人の若年者がこの制度を活用し、修了者千二百八十五人の約八六%に当たる千九十九人が本採用となっております。県としても、今年度実施した求人開拓ローラー作戦においてトライアル雇用の趣旨について周知したところであり、今後とも鹿児島労働局と連携しながら周知、啓発を図ってまいりたいと考えております。
また、新たに若者就職サポートセンターを設置し、若年者が気軽に立ち寄り、就職支援等のサービスが一元的に受けられるよう、企業、学校、ハローワーク等と連携して若年者の就職促進に努めることとしております。
ミスマッチの要因としては、職種により応募ができないことや、若年者の能力・職業経験不足、中高年齢者等の募集年齢などがあるとされており、このため国は、本年一月ミスマッチ解消のための緊急対応策を策定し、その解消に努めることとしています。県においてもミスマッチ解消を図るため、これまで民間の教育機関等に委託して離転職者等を対象に能力開発につながる職業訓練を実施し、訪問介護員等の人材育成に取り組んできております。
また、新たに設置する若者就職サポートセンターにおいても、就職ガイダンスやキャリアコンサルティングなどを実施し、若年者の就職促進に努めることとしております。今後とも国や関係機関等との連携を図りながら、ミスマッチの解消など雇用対策の一層の推進に努めてまいります。
芋焼酎については、県内において県外大手酒造メーカー数社が自社生産や県内メーカーへの生産委託など、多様な形態で参入しております。それに伴い、販売競争の激化を招くことが懸念される一方で、新商品の開発や既存の営業ルートを活用した新たな販路開拓などの取り組みにより、焼酎市場の一層の拡大につながることも期待されます。
焼酎ブームを定着させていくためには、品質を落とすことなく、安価で健康によいという芋焼酎の持つ利点をさらにPRしていくとともに、県内の各焼酎メーカーが有する気候・風土に根ざした多様な個性を大切に継承していくことが重要であると考えております。
県としては、今後とも工業技術センターにおける発酵、蒸留等に関する技術支援、全国の物産観光展等における紹介宣伝などを通じ、芋焼酎の振興に業界と一体となって取り組んでまいりたいと考えております。
18 ◯企画部長(迫田 昌君) 鹿児島・ソウル線の利用率は、昨年十月以降五〇%台で推移しておりますことから、県といたしましては、需要が低迷する冬場を中心に利用促進キャンペーンの展開などに努めております。特に平成十六年度におきましては、新規の海外旅行需要を喚起いたしますため、パスポート新規取得者がソウル線や上海線を利用して海外ツアーに参加する際に新たに助成を行うことといたしております。
また、誘客対策といたしましては、これまでも観光ミッションの派遣などに取り組んでまいりましたが、本日からは韓国の修学旅行生へのビザが免除されるなど、訪日観光旅行の一層の拡大が期待されております。ソウル線、上海線は本県にとりまして極めて重要な国際路線でございますので、今後とも利用促進や誘客促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
19 ◯農政部長(富岡忠勝君) 鳥インフルエンザにつきましては、国の家きん疾病小委員会におきまして、山口県で分離されたウイルスは、鳥由来のものと判断されること、香港やベトナムで人から分離されたウイルスとは異なること、感染経路として疑われるような人・車両の出入りが確認されていないこと、また大分県で分離されたウイルスは、アジア各国及び山口県で分離されたウイルスと同一であることなどが報告され、国は、今回確認された結果のみでは感染ルートの解明は困難としているところでございます。
県内のウイルス侵入防止対策につきましては、国の指導に基づき、平成十二年から延べ六十カ所について鶏ふんのウイルス検査を、平成十五年からはモニタリング検査による血液検査を追加し、検査対象を百三十四カ所に増加するなど、監視を続けてきております。
今回及び二月二十七日の京都府の発生に伴い、県は緊急に防疫対策会議を開催し、県内の養鶏関係者や全家畜保健衛生所に対し、五十羽以上の飼養農家への立入検査や侵入防止の徹底、異常があった場合の速やかな届け出など、改めて厳戒対応を指示したところでございます。また、五十羽未満の飼養者に対しては、市町村、関係団体、学校等に対しましても同様の防疫対策についての協力を要請したところでございます。
なお、これまでのモニタリング検査及び立入検査におきまして異常は認められておりませんが、引き続き監視体制を強化し、本県への侵入防止に万全を期しているところでございます。
本県は全国一の飼養羽数となっており、万一、本県で鳥インフルエンザが発生した場合、養鶏業界や関連産業に大きな影響を与えるものと懸念しております。このため県としましては、国に対し、発生・蔓延防止対策の強化、生産物の価格の減少に対する十分な補てん措置、鳥インフルエンザ生産者互助基金への支援、風評被害の防止など、養鶏農家の支援対策の強化につきまして要請したところでございます。
本県のサツマイモは、平成十六年度の需要量で焼酎用が前年のおおむね一・五倍に伸びますことから、原料用で五万二千トン、栽培面積で千七百ヘクタールが不足するものと見込んでおります。このため、県段階及び十一地域のさつまいも等対策協議会に新たに焼酎メーカーも参加して原料の安定確保対策を進めているところでございます。
具体的には、農家ごとの作付面積の拡大、遊休農地の活用や水田転作への導入、農業特区制度の活用による建設業者等の参入、種芋の確保や契約栽培の推進などの徹底に取り組んでおります。
県は、平成十二年度に整備計画を策定し、農家や地域の実情を踏まえた国庫補助事業やリース事業等の施設整備に積極的に取り組みますとともに、整備状況調査を実施しました結果、管理基準の適用を受ける畜産農家は五千五百七十二戸で、このうち適正処理されている農家は三千八百三十四戸の六九%、残りのうち施設を整備しているが取り扱いが不完全な農家が八百八十二戸、未整備農家は八百五十六戸でありました。
県としましては、未整備農家につきましては、引き続き国庫補助事業やリース事業等を活用した施設整備を指導しますとともに、防水シートなど簡易な施設の事例を紹介するなど、本年十月末までには未整備農家の解消に努めてまいりたいと考えております。
20 ◯保健福祉部長(千村 浩君) 人の高病原性鳥インフルエンザは、感染した鳥のふんなどに接触したことによる鳥から人への感染とされており、東南アジアで人から人への感染が報告された事例はございません。国におきましては、鳥への感染経路や病原性の解明、人のワクチン開発などを実施しております。県におきましては、感染症ホームページを通じまして情報提供をし、また各保健所におきまして相談体制を整備したところでございます。
また、感染が疑われる患者を診断した医師は直ちに保健所に報告するよう医療機関に依頼をしておりまして、このような施策を通じまして人への感染防止対策に万全を期しているところでございます。
21 ◯福山秀光君 答弁ありがとうございました。
以上で質問を終わります。(拍手)
22 ◯議長(溝口宏二君) ここで、休憩いたします。
再開は、午後一時十五分といたします。
午後零時 一分休憩
─────────────
午後一時十五分再開
23 ◯議長(溝口宏二君) 再開いたします。
黒田清信君に発言を許可いたします。
[黒田清信君登壇](拍手)
24 ◯黒田清信君 私は、平成十六年第一回
県議会定例会に当たり、公明党県議団として県政の重要課題等について代表質問を行います。
その前に、衆議院議員で通産大臣や沖縄開発庁長官を務められました山中貞則先生と、元衆議院議員で科学技術庁長官を務められました宮崎茂一先生が御逝去されました。県政はもちろん国政の発展のために多大な御功績を残されました両巨星の御逝去に謹んで哀悼の誠を捧げ、衷心より御冥福をお祈り申し上げます。
今、国際社会は、イラクの安全確保と人道復興支援に取り組んでおりますが、イラク人道復興支援特別措置法に基づき、イラクでは、これから自衛隊の支援活動が本格化してまいります。フセイン時代の圧政と戦乱の後遺症に苦しむイラクの人々は、日本の復興支援活動に熱い期待を寄せております。
自衛隊の支援活動は、今後の民間中心の本格的な復興事業へ向けての足場を築くものであり、自衛隊の支援活動は、全体の一割程度ではないかと言われております。派遣された自衛隊の皆さん方が、イラクの復興と安全のために、立派に、そして無事に任務を遂行されることを強く期待するものであります。
公明党は、現場第一主義の観点から、過日の神崎代表のイラク視察に次いで、浜四津代表代行を代表とするイラン・メソポタミア湿原視察団を派遣し、イラク復興でメソポタミア湿原の復元事業についての調査に乗り出しました。
北朝鮮の核開発問題をめぐる六カ国協議が、二月二十五日から開催されましたが、拉致問題も含め、期待された成果は今回も得られませんでした。秘密裏に核開発を進めていたリビアやイランも、結局は国際協調にかじを切らざるを得なくなりました。国際社会を無視した行動は遠からず必ず破綻します。北朝鮮-朝鮮民主主義人民共和国-が国際社会の中で生き残るためには、誠意ある行動を示すしかないのであります。
国際経済は、依然として厳しい局面を脱しておりませんが、昨年の十月から十二月期の実質GDPは、年率換算で七%増加したと発表されました。予想を超える高い数値で、確かに回復基調にはありますが、地方や非製造業、中小零細企業との格差などの問題点は依然として深刻であり、今後は、中小企業と地方経済の活性化に向けた取り組みを強く望むものであります。
国、地方を通じて、極めて厳しい財政状況の中、国と地方の税財政を見直す
三位一体改革では、
地方交付税や国庫補助金の削減が先行され、地方への税源移譲が進まず、地方財政は、さらに厳しくなることは必至であります。
各面にわたって厳しい状況の中ではありますが、何と言っても鹿児島にとって九州新幹線の開業は明るいトップニュースであります。県民の利便性の向上はもちろんのこと、観光振興を初め県経済の活性化等、新幹線効果が県内全域にあまねく及ぶよう、県民一体となって県勢の浮揚のために取り組んでまいりたいと思います。
以上のような現状認識に立ち、当初予算を初め当面する県政の重要課題等について、順次質問をいたしてまいります。若干、重複する問題がございますけれども御理解を賜りたいと思います。
まず、国際貢献策としての自衛隊の人道復興支援について伺います。
イラクへの人道復興支援は、医療支援活動や浄水、給水、病院や学校などの公共施設の復旧など、日本人としての姿の見える国際貢献策として当然の支援策であると思います。また、公明党は今後、イラクの経済・文化・環境の幅広い分野での支援を目指し、イラクの人たちの雇用の確保にもつながるメソポタミア湿原の復元にも取り組むべきであるとしておりますが、人道復興支援についての知事の見解をまず伺っておきたいと思います。
次に、年金改革について伺います。
少子・高齢化が急速に進行し、世界に冠たる皆保険制度を誇る我が国の年金制度が破綻の危機に瀕しており、公明党は、昨年の衆議院選の最大の課題として、将来にわたって安心できる年金制度の改正をマニフェストで提案いたしました。
今回の年金改正は、年金の破綻を回避し年金への国民の不安を解消することが課題でありました。年金財政の悪化が進行する中、国庫負担を現在の三分の一から二〇〇九年度までに二分の一へ引き上げ、保険料の上限を厚生年金で一八・三%、国民年金でも一万六千九百円に固定化し、それ以上は保険料を上げないことが決定されました。
また、年金の給付の下限を厚生年金で五〇・二%とし、国民年金でも払った保険料の一・七倍以上を確保することを決定し、年金に対する国民の不安感や不信感に一定の歯どめをかけられたことは大きな成果でありました。また、内助の功としての妻の受給権が明示され、離婚時の夫婦間の分割などが盛り込まれるなど、年金改革は大きく前進いたしました。
しかしながら、一部には、改革の先送りであるとか、国民に負担を強いる改悪であるとかという声もありますので、今回の年金改革についての知事の率直な見解を伺います。
次に、
三位一体改革についてでありますが、
三位一体改革は、文字どおり国庫補助金の削減、地方への税源移譲、
地方交付税の見直しを一体的に進めるべきものでありますが、国の補助金は一兆円削減され、税源移譲はわずか四千六百億円で、交付税は一兆二千億円も削減し、
臨時財政対策債も合わせると地方の歳入は三兆円近くも削減され、これではまさに地方の切り捨てと言わざるを得ません。過去の財政赤字の負の遺産と三位一体の改革の影響によるダブルパンチで、このままでは地方財政は破綻の危機を免れないのであります。
そこで、今後も不透明な国の
三位一体改革への見解と、今後の対応をお聞かせください。
次に、総務警察行政についてお伺いいたしますが、まず当初予算について伺います。
三位一体改革に伴う
地方交付税と
臨時財政対策債の大幅減額で三百十五億円の減収と、極めて厳しい財政状況の中、当初予算は八千五百七十億円余と対前年度当初比マイナス四・七%で、三年連続でマイナスの予算となり、これは昭和三十一年以来の大幅減額予算となっております。しかも、財政調整に活用可能な基金残高は、補正予算も含めた
財政健全化債三百億円を発行しても、わずか百億円となる見込みであります。
当初予算編成の基本的な考え方として、
三位一体改革への対応、
財政改革プログラムに基づく財源確保策として、内部努力による経費の節減や徹底した事務事業の見直し、公共事業の確保と重点化、さらには二十一世紀新
かごしま総合計画第二期実施計画に対応した連携プロジェクトの展開等が挙げられております。
そこで、
財政健全化債の発行と償還計画、県債残高の縮減策と今後の財政運営についてお伺いいたします。
国の
三位一体改革に対応するためとはいえ、補正予算も含めて
財政健全化債を三百億円も発行せざるを得なかったことは、極めて大きなショックであります。
財政健全化債の償還については、交付税措置もない中で、どのように計画しているのかお伺いいたします。また、発行は最小限にとどめるべきでありますが、今後の発行もあるのか伺うものであります。さらに、県債残高の縮減にどのように取り組むのかをお示しいただくとともに、今後の財政運営についてお聞かせください。
次に、
行財政改革についてお伺いいたします。
まず、諸手当の見直し検討状況についてであります。
財革プログラムでは、「特殊勤務手当など諸手当について、業務の実態等を踏まえた上で見直しに取り組む」とされております。昭和三十年から四十年代に創設された手当がそのまま存続しているものもありますが、特殊勤務手当導入からかなりの時間が経過し、社会情勢が大きく変化している現在、当然見直すべき特殊勤務手当が散見されるのであります。
そこで、税務手当については、今回見直し案が提案されておりますが、見直しが必要な特殊勤務手当についての現在の検討状況と、今後のスケジュールを明らかにしていただきたいのであります。
次に、特別昇給制度について伺います。
地方公務員が定年などの退職時に、基本給のランクを引き上げ退職金を上乗せするいわゆる特別昇給制度が、香川県を除く四十六都道府県と十三の政令市で実施されていることが中央紙の新聞の調査で判明いたしております。二十九自治体が最大で二号級の昇給を行い、一人当たり二十万円から五十万円程度を上乗せしているようであります。国は、既に廃止を含めた見直しを検討しており、東京都は、公務災害を除きことし一月から廃止いたしております。最大二号級の上乗せを実施している二十九の自治体が、すべて見直しを検討していると報道されております。
そこで、本県の昨年度の退職者数と特別昇給制度を適応した人数、特別昇給による影響額をお示しください。さらに、特例的な場合を除き退職時の特別昇給制度は廃止すべきではないかと提案するものでございますが、見解をお伺いいたします。
次に、農業大学校や職業訓練校の有料化について伺います。
雇用情勢が極めて厳しい現在、特別な技術やキャリアがないと就職は困難であり、企業が求めている特殊技術や専門的な技術を身につけようとして、今、専門学校が盛況のようであります。しかも、かなりの入学金や授業料を払ってでも希望者は後を絶たない状況であります。社会情勢の変化や財政難によって、全国的にも農業大学校や各種の職業能力訓練校で、既に有料化に踏み切っている県もございます。
そこで、本県においても農業大学校や職業訓練校の運営にはかなりのコストを要していることから、適正な授業料等を設定すべき時に来ているのではないかと考えますが、見解をお聞かせください。
次に、総合的危機管理報道監の新設についてお伺いいたします。
佐賀県では、災害情報に加え、原子力対策やBSE、鳥インフルエンザ、SARS対策など、防災だけでなく各部局を超えた一元的な危機管理体制を新年度から構築し、部長級の危機管理報道監を設置すると報道されております。
そこで、本県でも自然災害を含む緊急事態の際には、一元的に情報を収集し、県民への迅速な情報伝達を進めるためにも一元的な危機管理体制を構築し、総合的危機管理報道監を新設すべきであると思いますが、見解を伺います。
次に、治安対策についてでございます。
全国の刑法犯の認知件数は、平成八年から連続で増加し、平成十四年には二百八十五万件を突破し、一方で検挙率は低下し、日本の治安情勢は極めて深刻な状況となっております。
警察庁は、昨年八月に、緊急治安対策プログラムを策定し、犯罪抑止対策の強化に取り組んでおります。とりわけ青少年の健全育成は、国家的課題であるにもかかわらず、少年犯罪の多発化・凶悪化が我が国の治安悪化の要因にもなっております。
警察庁の発表によりますと、昨年一年間に殺人や強盗などの凶悪犯罪を起こして補導された十四歳未満の少年は、対前年比四七%増の二百十二人で、凶悪犯罪で摘発された少年も二千二百十二人で一一・四%も増加しております。
そこでまず、本県の昨年の少年犯罪の実態を示すとともに、最近の推移についてもお聞かせください。また、少年サポートセンター等の対策の充実にどのように取り組んでいかれるのかも伺います。
次に、犯罪のない
まちづくりの促進についてお伺いいたします。
本県においても、緊急治安対策プログラムを受けて街頭犯罪の抑止対策に取り組んでおられますが、犯罪のない
まちづくりのために県警としてどのように取り組んでいかれるのか。また、長崎県では、警察官OBがボランティアで警察署単位に「犯罪なくし隊」を結成し、犯罪発生の抑止に取り組み始めております。既に、三百五十人ほどの警察官OBが、地域安全サポーターとして現職警察官と一緒にパトロールし、犯罪抑止に大きな役割を果たすものと期待されております。
そこで、本県においても警友会などに協力をお願いし、導入する考えはないかお伺いし、第一回目の質問といたします。
[
知事須賀龍郎君登壇]
25 ◯知事(須賀龍郎君) イラクの復興と民生の安定は、我が国のみならず、国際社会全体にとりまして極めて重要な問題でありまして、イラク人道復興支援特別措置法に基づく人道復興支援や安全確保支援活動は、世界平和に貢献する上におきまして重要なことであると認識いたしております。
政府におきましては、順次、自衛隊をイラクに派遣しているところでありますが、自衛隊によります医療、給水、学校等公共施設の復旧・整備や物資の輸送などの人道復興支援活動が、的確に実施されますことを期待いたしているところであります。
次は、年金改革につきましては、少子・高齢化の一層の進行によりまして、我が国の社会保障を取り巻く環境は大きく変化する中で、社会経済と調和した持続可能な制度の構築と、制度に対する信頼の確保及び多様な生き方・働き方に対応した制度の構築を基本的な考え方とする国民年金法等の一部を改正する法律案が、今国会に提案されているところであります。
私といたしましては、国会におきまして広範な論議が進められ、国民的な合意のもとに、長期的に安定した信頼される年金制度が構築されることを期待いたしております。
次は、今回の三位一体の改革につきましては、
国庫補助負担金の廃止・縮減に伴いまして、基幹税である所得税の一部が、所得譲与税として地方に税源移譲されます点につきましては評価できますものの、
地方交付税等につきまして、
地方財政計画の歳出全体の抑制に伴い、大幅に削減され、本県はもとより各
地方公共団体にとりましても大変厳しいものとなっております。
今後、個々の地方自治体が提供する
行政サービスの水準につきまして考慮がなされないまま、
地方交付税等の一方的な削減が行われました場合には、県が独自に財政改革への取り組みを進めても、なお、県としての役割を持続的に果たしていくことが困難となるおそれがあると考えております。
このようなことから国に対しましては、全国知事会はもとより、
九州地方知事会におきましても、去る二十三日に緊急提言を行ったところであります。今後とも、あらゆる機会を通じまして地方の実情を十分に考慮するとともに、地方自治体の意見も十分聞き、
地方交付税によります財源調整・
財源保障機能を確保することなど、今後とも国に対しましては、強く要請をしてまいりたいと考えております。
26
◯総務部長(境 勉君) 県債の償還につきましては、既発行分につきまして、平成十五年度をピークに今後減少する見込みとなっております。
また、新規の発行分につきましても、平成十六年度当初予算におきましては、
財政健全化債の発行にもかかわらず、特例的な県債等を除く県債の発行額が、
財政改革プログラムにおける上限でございます平成十三年度の約一千一億円を大幅に下回る五百八十九億円となっておりまして、
財政健全化債の償還を含めまして公債費の抑制に努めているところでございます。
今後とも、
財政健全化債の発行につきましては、
財政改革プログラムに基づきまして、県債発行の抑制対象に含めて厳正に管理するという考え方を堅持しつつ、必要最小限におさめるよう努力してまいりたいと考えております。
また、平成十六年度末の県債残高は一兆六千百七十一億円の見込みで、このうち五四・八%が後年度交付税措置される見込みでございます。県債発行の抑制のためのさまざまな取り組みを通じまして、中長期的には県債残高の抑制が図られるものと考えております。
本県の財政状況は、
地方交付税などの大幅な削減などによりまして、一層厳しさを増しておりまして、三位一体の改革の影響など、今後の財源確保の先行きは極めて厳しいものがございますが、引き続き国の動向にも留意しつつ、
財政改革プログラムに基づきまして、毎年度の予算編成の中で歳入歳出両面にわたる徹底した見直しを進める必要があると考えております。
次に、昨年改訂いたしました
財政改革プログラムにおきまして、県職員の給与のうち特殊勤務手当などの諸手当につきましては、業務の実態等を踏まえた上で見直しに取り組むこととしているところでございます。今回、特殊勤務手当の一つである税務手当につきましては、定率支給から定額支給に改めることといたしまして、条例改正案を提案させていただいたところでございます。
その他の手当につきましても、国、各県の取り扱いなども踏まえまして、さらに検討を進めまして、必要な見直しに取り組んでまいりたいと考えております。
平成十四年度の知事部局におきましては、退職者が二百五十六人、うち退職時の特別昇給の適用者は百七十七人となっておりまして、退職手当における影響額は、概算でございますが約八千万円となっております。
退職時の特別昇給につきましては、国に準じて見直しを行うこととしたところでございますが、現在、国におきましてさらなる見直しを検討していると伺っておりまして、今後とも、国、各県の動向なども踏まえまして適切に対処してまいりたいと考えております。
大規模な災害や突発的な事件・事故、感染症の流行などに際しましては、これまでも所管部局を中心といたして、関係部局や関係機関と連携をとりながら対応してきているところでございます。今後とも、県といたしましては、県民の生命・身体・財産を守るという立場から連携の強化と情報の共有化を図りながら、迅速かつ的確な対応ができるよう努めてまいりたいと考えております。
27 ◯農政部長(富岡忠勝君) 農業大学校は、昭和五十三年開校以来、これまで二千四百四十七名が卒業し、その約七割が農業や農業関連団体等で活躍しておられます。今後とも、二十一世紀の本県農業・農村を担うすぐれた農業者・指導者の確保・育成を図ります研修拠点施設として、本県農業の振興に大きく寄与するものと考えております。
農業大学校の学生は、教材等の学習費、光熱水費など学生寮に係る経費、海外研修費などを負担しておりますが、平成十六年度からは、給食費について一部助成を廃止し、全額学生負担としたところでございます。
なお、九州各県で授業料を徴収しているところはありませんが、今後の授業料のあり方につきましては、我が国の食料供給基地としての役割や本県の基幹産業である農業の担い手の確保を図るという学校の設置目的などからしまして、慎重な検討が必要であると考えております。
28 ◯商工観光労働部長(岡積常治君) 県立高等技術専門校の授業料は、現在無料でありますが、全国では十四道県、このうち九州では二県が有料化されております。
授業料の有料化については、県立高等技術専門校が多様な技能を有する労働者となるために必要な基礎的な技能及びそれに関する知識を習得させることを目的に設立された背景や、各県の動向を総合的に勘案しながら、今後検討してまいりたいと考えております。
29 ◯警察本部長(稲葉一次君) 少年犯罪の現況と対策についてでございますが、昨年、窃盗などの刑法犯で検挙・補導された少年は一千九百八人で、平成六年が二千八十八人でございます。この十年間の数的なピークは、平成九年の二千五百六十一人で、その後は全体的にやや減少傾向にありますものの、刑法犯総検挙人員の約半数を占めるなど高水準で推移し、内容的にもひったくり事件の増加、出会い系サイト関連事件発生等、依然として厳しい情勢にございます。
警察といたしては、このような現状を踏まえ、新幹線開通を機に、活動の中核である少年サポートセンターを鹿児島中央駅前に移転し体制も強化しながら、学校等の関係機関・団体とのさらなる連携により、少年相談、街頭補導等の活動を積極的に推進し、少年非行の未然防止に努めてまいりたいと考えております。
犯罪のない
まちづくりについてでございますが、昨年は住宅対象の侵入盗が前年より約八%増加しておりまして、県民の身近で発生する犯罪の防犯対策の強化が必要であると認識しております。特に、犯罪のない
まちづくりのためには、犯罪を起こさせない、犯罪の起きにくい環境づくりが重要でございまして、自治体等と連携して道路・公園等の防犯灯の設置や通学路の防犯診断、集合住宅の玄関錠の改善等を行っておりますほか、駐車場における犯罪防止対策や優秀な防犯機器の普及について、関係団体と連携しながら推進中でございます。
警察官OBのボランティア活動につきましては、既に川内警友会有志が組織を結成して活動しておりまして、こうした活動が有効と思われるような地域につきましては、個別に警友会に働きかけているところでございます。
[黒田清信君登壇]
30 ◯黒田清信君 それぞれ御答弁をいただきました。
イラクへの人道復興支援につきましては、国際社会の一員としての我が国のとるべき当然の人的貢献であります。国連のアナン事務総長も日本の自衛隊の貢献を高く評価いたしているところでございます。
しかし、一部の政党やマスコミは、自衛隊をイラクに派遣すること自体が憲法違反であるとして反対の声を上げているのでございます。今の騒然たる状況は、PKO派遣を決定したときの状況と余りにも似ており、ダブって見えるのであります。当時一部の政党やマスコミは、PKO派遣は戦争に巻き込まれるとして「絶対に反対である」との声がかまびすしかったのであります。
ところが、約十年を経過した現在、日本のPKO活動は定着し、国際社会の中でも高く評価をされており、反対の声はほとんど聞かれないのが現状でございます。イラクの人道復興支援の第一歩として、自衛隊の皆様が無事に、そして立派に任務を遂行し、PKO派遣と同じく国際的にも高い評価が得られますよう念願せざるを得ません。
国の
三位一体改革の不透明さや景気動向等の要因によって、今後とも引き続き厳しい財政運営を強いられることは論をまちません。知事の御答弁にもありましたとおり、
地方交付税による財源保障・財源調整機能が確保され、地方への一方的な負担転嫁にならないようにも、今後とも機会あるごとに国に対して強く要請し、それが実現されるよう願うものであります。
行財政改革の推進について提案をいたしましたが、特殊勤務手当など諸手当については、業務の実態を踏まえ、常に民間の会社だったらどうかという観点を座標軸の原点に据えて、抜本的な見直し、職員組合との交渉に積極的に取り組んでいただきたいと思うものであります。
特別昇給制度については、既に先ほど述べましたとおり、国は廃止を含めた見直しを検討しており、各都道府県も廃止並びに抜本的な見直しに着手しております。何よりも、民間はもともと退職金が少ない上に、不況の中で退職金を削られたりあるいは退職金を払えないところもあるわけでありますので、今後の冷静なる英断を強く望むものであります。
また、農業大学校や職業訓練校の有料化についても、社会の変化や実態に即して積極的な検討をぜひお願いしたいと思っております。
少年犯罪の防止や犯罪のない
まちづくりについても御答弁をいただきました。世界一安全な日本を誇っていた我が国の治安が悪化し、犯罪の日常化・凶暴化・組織化などが進展し、目や耳を覆いたくなる現状で極めて遺憾に思いますけれども、警察官の存在、姿自体が大きな犯罪抑止になっていることもまた事実であります。警察官OBの方々にも理解をいただいて、地域安全サポーターの活用に積極的に本県でも取り組んでいただきますようお願いをいたして、次の質問に移りたいと思います。
企画建設行政についてでありますが、まず奄美群島振興開発特別措置法の延長に関して伺います。
私ども公明党は、奄美ティダ委員会を党本部に設置し、奄美で五回にわたる委員会を行い、この法延長に精力的に取り組んでまいりました。今回の改正法案は、二月三日に閣議決定され、今国会で成立する見通しになりました。特に、今回の改正案は、市町村が案を作成し、県が作成した計画に国が同意すると改正されます。地元の発意、創意工夫が発揮され、地理的・自然的特性を生かした振興が図られることになるわけであります。
知事も所信表明の中で「特に先行的に取り組むべき県政の重要課題に対し、庁内横断的に対応する連携プロジェクトとして、新たな奄美群島振興開発特別措置法に基づき、奄美地域の長寿・子宝の特性の要因を分析・検証し、その成果に基づく少子・高齢社会のモデルとなる総合的な地域社会づくりを推進するとともに、地域の資源や魅力を活用した産業、観光の振興による奄美地域の自立を促進する」と述べられましたとおりでございます。
一月二十五日の奄美での党のティダ委員会では、この改正案に対する各市町村から地元要望や意見を聞きました。その際の地元の要望の中から、県が計画決定をされるという観点から数点お伺いさせていただきます。
まず、奄美の市町村長は「自立的発展を図るための中長期計画は、十年単位で策定するため、法が十年延長になれば特別措置は今回限りでもよい」という意見もありました。しかし、今回の改正案では、延長が五年にとどまりましたことから、十年を目途に計画案を作成し、五年計画として提出することでいいのかどうか。また、今延長が決定されようとするときではありますが、地元の要望を踏まえて、次の奄振法の五年延長の見通しについてお伺いをいたしておきたいと思うのであります。
二点目は、市町村の創意工夫が大幅に認められましたが、反面、県の裁量権が強くなり、県の厳しい財政状況から負担の大きいものは採択されず、結果として市町村の意見が反映されにくいのではないかという懸念に対して、県としてどのように対応されるのかお伺いするものであります。
三点目は、地元企業の受注機会の確保についてであります。
奄美の自立的発展のためには、地域経済の活性化や雇用対策として、奄美の公共事業などの予算が地元に還元されることが望まれております。
そこで、平成十四年度の公共事業における地元企業の受注割合を示すとともに、地元企業に優先して受注機会が得られるように配慮すべきであると考えますが、取り組みについてお聞かせください。
次に、ホームページのバリアフリー化への取り組みについて伺います。
インターネットが社会のインフラとして定着しつつありますが、情報を持つ者と持たない者とのデジタルデバイドの問題が生じております。現在では、高齢者や障害者も含むすべての人に情報が扱えるようにするホームページのバリアフリー化は、行政の必須課題になり、情報全体のバリアフリー化が急務の課題となっているのであります。
かごしま情報フロンティア21構想の中で「本県の情報化の基本的な方向として、県民だれもがITの技能を学べる場があり、活用者になれる」とうたってあります。また、総務省は、自治体のホームページのバリアフリー化を推進するために点検ツールを配布いたしております。そこで、ホームページのバリアフリー化に対する本県の具体的な取り組みについてお伺いいたします。
次に、通告いたしておりました交通政策については、さきに質疑が交わされましたので割愛いたしますけれども、奄美のバス問題は、奄美大島の生活路線で、利用者の大半が高齢者と学生であり、さらには、観光振興に打撃を受けることは必至でありますので、県としての積極的な取り組みを強く要請するものであります。
次に、新エネルギーの活用策について伺います。
風力、太陽光、水力、地熱、バイオマスなど新エネルギーを活用した発電が注目されております。地球温暖化防止の観点から、二酸化炭素ガスの排出量の削減を目指す京都議定書が採択されてから、世界各国で石油、石炭にかわる代替エネルギーとして急速に普及してきております。
公明党は、かねてから自然エネルギーの利用促進を提言してきており、その成果として昨年四月に、新エネルギー利用特別措置法が施行されました。その後、風力発電などの新エネルギー導入に意欲的に取り組む自治体や太陽熱、太陽光発電を導入する家庭もかなりふえてきております。
そこで伺いますが、本県における新エネルギー活用の導入状況と、今後、新エネルギーの普及拡大へどのように取り組まれるのかお伺いするものでございます。
次に、JRの高架化について伺います。
最近、テレビなどで取り上げられている鉄道による交通分断、いわゆる開かずの門の解消策についてであります。
本県においても、交通量の多い商店街や住宅地の中で踏切による危険性だけでなく、
まちづくりの面でもJR等の線路で市街地が分断されることが問題になってきております。そのため、今議会の予算に鹿児島駅周辺地区について、交通混雑の解消や駅東西の一体的な
まちづくりを図るための総合的な検討や基本設計等を行う連続立体交差事業が計上されております。また、鹿児島市におきましては、JR指宿枕崎線の谷山慈眼寺駅の高架化が区画整理事業と合わせて実施されるようでございます。
そこで、鹿児島駅周辺におけるJRの高架化の事業内容と今後のスケジュール、あわせて慈眼寺駅周辺で施工される高架化の取り組みについてお示しいただきたいと思います。
次に、農業の振興策について伺います。
増加する輸入農産物、WTO交渉やメキシコなどとのFTAをめぐり、農業分野開放の外圧に国内、県内ともさらされております。また、米の生産・流通を抜本的に見直す改正食糧法が四月一日に施行されます。二〇一〇年度には、生産者が主役となり需要に応じた米づくりが各地で行われる仕組みに転換されることに加え、流通も自由化され、消費者の選択の幅も広がることになります。
一方、BSEや鳥インフルエンザなどの発生で、県民は安心・安全な農産物への関心が日増しに強くなってきております。また、昨年末、農水省が実施した意識調査によりますと、消費者の九〇%が日本の食料供給に不安を持ち、八五%が食料自給率を大幅に引き上げるべきだという意見を持っていることが明らかになりました。現在、日本の食料自給率は四〇%で、主要先進国では最低水準であります。
そこで、米国でのBSE発生やアジア諸国での鳥インフルエンザの蔓延に伴い、今こそ「食の創造拠点かごしま」として、攻めの農業を展開し、食料の自給率アップに取り組むべきであると考えますがいかがでありましょうか。
次に、本県で実施した給食施設における地産地消への取り組み状況のアンケート調査によりますと、県内の病院や福祉施設など、給食を提供する施設で約七〇%が地産地消に積極的に取り組んでいることが明らかになり、今後も増加する傾向にあるようでありまして、地産地消に広く県民の理解が得られたことを評価するものであります。
そこで、新たな地産地消に取り組む際にどこに相談したらよいのかなど、地元産の食材についての情報が不足していると言われておりますが、今後、地産地消の取り組みをさらに拡大する対策についてお伺いするものであります。
また、文部科学省は、児童生徒の食の乱れを是正し、食の指導を専門に行う栄養教諭制度を創設するため、教員免許法を改正する動きがございます。
そこで、新
かごしま総合計画第二期実施計画で、食育を重要な柱に据えている本県にとりまして、学校給食における食育の取り組みは極めて重要でありますが、どのような充実策をお考えかお聞かせください。
また、新年度から食の安全推進課を設置し、横断的に食の安心・安全確保連携プロジェクトとして取り組まれることは、安心・安全な食品を志向する消費者の立場に立った時宜を得た施策であり、今後の取り組みに期待をするものであります。
その中で、鹿児島の農林水産物への新たな認証制度の導入が取り上げられております。プロジェクトの中で、認証制度をどう位置づけるのか、また第三者機関の公平性・透明性・信頼性の確保が極めて重要でありますので、県としての適切にして積極的な対応を要請するものであります。
次に、農業や農村空間を利用した都市住民と交流を行いながら、都市住民は、体験型観光として新鮮でおいしい農産物と出会い、ゆとりある休暇を過ごし、農業者は、農産物や農産加工品の販路拡大につながるグリーン・ツーリズムが注目されてきております。都市住民の多様なニーズにきめ細やかに対応するとともに、農山漁村資源や農林水産業等々と連携調和した地域ぐるみのグリーン・ツーリズムの総合的な推進のために、情報化戦略や産業化戦略など四つの戦略が示されております。
本県では、それぞれの戦略をどう生かして、どのように取り組んでいかれようとしているのか伺います。
次に、鳥インフルエンザについてであります。
ベトナム、中国などアジア地域だけでなく、山口県に続き大分県や京都府でも高病原性鳥インフルエンザが発生いたしました。外国では、感染した人が死亡する事態も報告されております。
そこで、防疫体制につきましては、代表質問で質疑が交わされましたので割愛いたしますが、日本一の養鶏県である本県で発生したら致命的な大打撃を受けることになりますので、万全な体制を要望するものであります。
鳥の伝染病に関連して、出水のツルの分散化対策についてお伺いいたします。
出水平野で越冬するツルの渡り経路について、シベリアと中国南部への二通りのルートが解明されたとの報道がありました。今回の鳥インフルエンザのような伝染病が発生すれば絶滅の危機さえ迎えることになりますし、貴重な観光資源であります出水市にとりましては死活問題でもあります。
そこで、昨年、環境省は、佐賀県伊万里市など四カ所をツル分散化の候補地として発表し、分散化の推進に努めておられますが、現在の分散化の推進状況と今後の課題や計画について伺います。
次に、家畜排せつ物処理については、代表質問で質疑が交わされましたので割愛し、焼酎かす処理対策について伺います。
焼酎ブームの到来により、県内産本格焼酎の生産出荷量は過去最高を記録し、特に県外出荷は絶好調となっております。その影響を受けて、カンショ不足も深刻になってきておりますが、さらにいよいよ焼酎かすの海洋投棄が近々できなくなることが予想されております。
そこで、現在、本県における焼酎かすの処理方法と処理量についてお示しください。また、農地還元を主な処理方法としている地域もありますが、焼酎かすの農地還元により将来も含め土壌汚染の懸念はないのかお伺いし、第二回目の質問といたします。
[
知事須賀龍郎君登壇]
31 ◯知事(須賀龍郎君) 本年度末で期限が切れます奄美群島振興開発特別措置法につきましては、その改正法案が既に国会に提案されておりまして、去る二月二十七日の衆議院国土交通委員会におきまして提案理由の説明もなされたところであります。
この改正法案においては、今日のように変動の激しい社会・経済情勢のもとにおきましては、五年程度の期間の中で必要な事業を実施していくことが適切であるとの観点から法律の期限を五年間とされたところであります。こうしたことから、新しい奄美群島振興開発計画につきましては、平成十六年度を初年度とする五カ年計画で実施する事業を盛り込んでいきたいと考えております。
また、この振興開発計画は、御指摘のとおり、新たに国の定めます基本方針に基づきまして、地元市町村が計画案を作成し、この計画案をもとにいたしまして県が定めることとなっております。県といたしましては、地元市町村との緊密な連携を図りながら、地域の創意工夫を生かした各種のソフト事業につきましても、積極的に取り入れながら策定してまいりたいと考えております。
なお、五年経過後のさらなる延長につきましては、今後のこの奄美群島振興開発事業の実施状況や、そのときの社会経済の推移等も見ながら、総合的に判断していく必要があるのではないかと考えております。
次は、国は、食料自給率が四〇%と低迷しております中で、自給率向上のための具体的な対策といたしまして、食生活の見直し、耕作放棄地の解消、消費者ニーズに対応した生産の推進などを掲げております。
このような観点に立ちまして、県は、これまでかごしま農業・農村21に基づきますかごしまブランド産地や地域の特性を生かした産地の育成、県産農畜産物を生かした食品産業の振興など、各般の施策を推進してきているところであります。
今後とも、飼料基盤の整備や水田転作を利用した飼料作物の拡大、学校給食におけます県産米の消費拡大、地産地消や食育の推進などによりまして、食料自給率の向上に積極的に取り組み、我が国の食料供給基地として全国の消費者に対しまして、安心・安全な食の供給に努めてまいりたいと考えております。
32 ◯土木部長(加藤憲一君) 奄美地域におけます平成十四年度の公共三部に係る地元企業の受注割合は、件数で八八%、金額で七〇%となっております。
奄美地域の公共事業については、希少野生動植物など世界的にも貴重な自然に配慮する必要がありますことや急峻な地形でありますことから、トンネルなど技術力を要する大規模な構造物を採用せざるを得ない状況もありますけれども、そのような場合におきましても、地元企業を含めた共同企業体などに発注しているところでございます。今後とも可能な限り、地元企業の受注機会の確保に努めてまいりたいと考えております。
鹿児島駅周辺地区は、交通混雑の解消や駅東西の一体的な
まちづくりなどを図る必要がありますことから、県と鹿児島市が連携を図りながら取り組むこととしており、平成十六年度の国の補助事業として連続立体交差事業調査が新たに盛り込まれたところでございます。
本調査につきましては、平成十六年度に都市計画の総合的検討や基本設計などを行い、次年度以降は関連事業の検討や環境調査などを実施することとしております。また、鹿児島市においても平成十六年度から土地区画整理事業調査などが実施されると聞いており、これらの調査を踏まえて、地元やJR九州、関連事業者などとの調整を行うこととしております。
連続立体交差事業は大規模な事業であり、
まちづくりに与える影響が極めて大きいことから、あらゆる角度から調査、検討が必要であると考えております。
谷山地区の鉄道高架化につきましては、鹿児島市において平成十六年度限度額立体交差事業の新規事業として、鉄道施設の調査設計などを行う予定であると聞いております。一方、国におきましては、連続立体交差事業の事業主体を中核市などに広げる方向で検討されておりまして、県といたしては、国や鹿児島市の動向を踏まえながら適切に対応してまいりたいと考えております。
33 ◯企画部長(迫田 昌君) 県のホームページにつきましては、平成九年に開設以来、内容の充実に努め、アクセス件数も平成十五年度は、一月末現在で九十六万件余りに達しております。
ホームページのバリアフリー化につきましては、現在県のホームページの再構築作業と並行して進めておりまして、具体的には、視覚障害者の方がホームページから情報を音声で取得したり、見やすい文字や色に調整できるような仕組みを取り入れることといたしております。
今後とも、ホームページにつきましては、県民が一層利用しやすく魅力あるものとなるよう努めてまいりたいと考えております。
本県の新エネルギー導入状況につきましては、本年二月末現在で、太陽光発電は約一万五千五百キロワット、風力発電は建設中のものも含めまして、七十一基で約八万二千キロワットなどとなっておりまして、風力発電の導入量は九州一位、全国四位であります。新エネルギーの導入促進を図ることは、地球環境問題への対応という観点からも重要であり、県といたしましては、これまでも市町村や事業者を対象としたセミナーの開催など普及、啓発に努めてきております。
今後とも、県新エネルギー導入ビジョンに基づきまして、国や関係機関とも連携を図りながら本県の地域特性を生かした新エネルギーの導入促進に努めてまいりたいと存じます。
34 ◯農政部長(富岡忠勝君) 地産地消につきましては、かごしまの“食”交流推進機構や県内十五地域協議会の設置、市町村推進員二百十四名の配置など推進体制を整備してきたところでございます。
これまで、観光・外食産業等に対し、旅館等の経営者・料理長への新メニューの提案や農村女性による九州新幹線開業加工品見本市の開催、県ホームページによる産地直売情報の提供などに努めてきたところでございます。
今回、七百六十七施設のホテルや福祉施設等の県産農林水産物の活用状況等を調査いたしました結果、地産地消に取り組む施設は約七割でございましたが、地元食材の情報が不足していること、福祉施設等での県産食材の割合は約五割と低かったことなどの課題がございました。このため今後は、地域協議会を中心に観光・外食産業等との連携を密にしまして、地元産品情報の提供や生産・供給体制の整備などにより、地産地消の取り組みの拡大を図ってまいりたいと考えております。
グリーン・ツーリズムの総合的な推進を図りますため、国では、都市住民への普及・啓発戦略、農山漁村情報提供の充実強化戦略、体験活動の企画等を行う人材育成戦略、地域の受け入れ体制の整備戦略という四つの戦略を本年度定めております。