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2002-09-25 平成14年第3回定例会(第2日目) 本文
2002-09-25 平成14年第3回定例会(第2日目) 名簿

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  1. 鹿児島県議会 2002-09-25
    2002-09-25 平成14年第3回定例会(第2日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-10
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時一分開議    △ 開  議 ◯議長(溝口宏二君) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。       ━━━━━━━━━━━━━  議 事 日 程  一、開  議  一、代表質問    本 坊 輝 雄 君    田 原 鉄 可 君  一、散  会       ━━━━━━━━━━━━━    △ 代表質問 2 ◯議長(溝口宏二君) 代表質問であります。  本坊輝雄君に発言を許可いたします。    [本坊輝雄君登壇](拍手) 3 ◯本坊輝雄君 平成十四年第三回県議会定例会に当たり、自由民主党県議団を代表して質問を申し上げます。  去る十七日、小泉総理は極めて思い切った決断をされ、日本の首相として初めて北朝鮮を訪問、金正日総書記と首脳会談を行いました。
     私どもは、日朝首脳会談において、国交正常化交渉再開で合意したことについては一定の評価をするものであります。しかしながら、最大の焦点である拉致問題につきましては、余りにも残酷過ぎた衝撃的な結果でありました。北朝鮮側から八件十一人にさらに二人を加えた十三人について、八人死亡、五人生存という安否情報が示されました。にわかに信じがたいのでありますが、事実とするならば、本県出身の市川修一さんと増元るみ子さんも亡くなられたとのこと、これまで長年無事を祈ってこられた御家族や関係者のお気持ちに思いをいたすとき、まことに残念であり、悲しみにたえないところであります。  拉致事件は、北朝鮮の特殊機関の行為であったとのことでありますが、隣国の主権を一方的に侵害した蛮行は、国際信義上断じて許せないテロ行為であります。  私どもは、いち早く今回の拉致事件に関し、意見書を採択いたしましたが、政府におかれては、すべての事件の真相を究明するため徹底した調査と、国交正常化再開前に全面的な捜査への情報提供を北朝鮮へ求めるよう強く要請するものであります。  さらに加えて、奄美大島沖で沈没した不審船に見られるように、破壊力のあるロケット砲や爆発物を搭載した北朝鮮の工作船が日本近海で暗躍していることも明らかにされました。本県周辺海域を漁場としている漁船並びに航行船舶にとって、まさに脅威であります。漁業の安全操業を図り、沿岸住民の不安を解消するためにも、早期に徹底した調査と再発の防止に向けた対策をとられるよう強く求めるものであります。  世界を震撼せしめ、罪のない多数の犠牲者を出した米国同時多発テロ事件が発生してから、一年になります。その後も、テロの根絶を目指す世界各国の努力にもかかわらず、テロの脅威がなくなったわけではありません。国際テロを封じ込めるためには、我が国も含めた国際的な枠組みを堅固にし、平和秩序を維持するための国際協力が必要であるとの思いを新たにしているところであります。  ところで、さきの通常国会で成立を望んでおりました武力攻撃事態対処関連三法案が継続審議となりましたが、国家の緊急事態における国民の生命・財産を守るための法の整備をいつまでも放置しておくことは許されないと思うのであります。一日も早い武力攻撃事態対処関連三法案の成立と、有事の際の地方自治体などの役割や権限を明確にした国民の保護のための早期の法制整備を望むものであります。  我が国の景気はようやく底入れを迎えたと言われておりますが、ここに来て世界同時株安の状況は、上向きかけた我が国の景気の足を引っ張るおそれがあり、即効性のある景気対策など、デフレの解消に向けた取り組みが重要であると考えます。  我が党は政府とともに、株安進行への対策として金融対策などのデフレ対策をまとめたところであります。一方、政府においては、来年度予算の大枠を決める概算要求基準を決定しましたが、公共投資を前年度当初比で三%削減することや一般歳出の総額を今後絞り込み、実質的に今年度以下に抑制する方針のようであります。  また、地方交付税を縮小するなどの議論や政府の道路関係公団民営化推進委員会がまとめた中間整理での高速道路の建設凍結などは、自主財源が乏しく、高速道路の建設が必要な本県にとって大きな影響が生じないか、不安を感ずるのであります。私どもは、これらの改革や政府予算の抑制が、地方間に格差が生じたり、地方の道路整備におくれが出ることのないよう、地方の実情を直視した国土の均衡ある発展という観点に立って改革を進められるよう、強く求めるものであります。  県内では、去る八月、県民が長く待望していた鹿児島―上海間の航空路が開設され、「上野原縄文の森」が間もなくオープンすることになっております。さらには、新幹線西鹿児島駅舎の着工、西鹿児島駅ビル基本計画の発表など、平成十六年春の九州新幹線一部開業に向けた西鹿児島駅周辺の新たなまちづくりが本格的に動き出すなど、極めて厳しい財政環境にありましても、県政は順調な進展を見ているところであります。  このような国際・国内そして県内における動きを背景に、さらに県勢の発展と県民福祉の向上を期して、当面する重要課題について質問いたしてまいります。  初めに、冒頭に触れましたように、拉致された家族そして全国民が安否の確認を願っていたものの、このような痛ましい結末をだれが想像したでありましょうか。余りにもむごく、残念でなりません。そこで、今回の拉致事件を須賀知事はどのように受けとめているか、お気持ちをお聞かせください。  次に、行財政問題についてお尋ねいたします。  最近の県内景況は底入れしつつあり、下げどまりに向けた動きが広がりつつあると報告されておりますが、ことし上半期の企業倒産は九十七件、負債総額は四百二十八億円と報告されており、雇用環境を初め、依然として厳しい状況にあると感じております。  本年度当初予算は、昨年十二月に策定された財政改革プログラムに基づき、内部努力による経費の削減、さらに徹底した事務事業の見直し、投資的経費の見直しと重点化などの取り組みなどによって編成され、四十六年ぶりに前年度当初予算を下回るものとなっております。  現在、国においては、補正予算編成の動きはないようでありますが、本県の九月補正予算は、国庫支出金の確定に伴う公共事業やその他の国庫補助事業など新たな補正要因により、緊急に予算措置が必要とされるものについて編成されたとお聞きしております。  そこで第一点は、九月補正予算の概要と編成の基本的な考え方についてお示しください。  第二点は、本県の財政運営についてであります。  八月九日に平成十三年度一般会計の決算見込みが発表されました。この決算見込みによりますと、歳入歳出とも一兆円を上回り、歳出については、二十一世紀新かごしま総合計画の初年度として、九州新幹線鹿児島ルート建設事業農業開発総合センター整備事業など各種施策を展開されたことから過去最高の規模となっており、歳入については、県税が減ったことから前年度より減少しております。  本県の財政状況を十二年度の決算で見てみますと、歳入の面では、県税などの自主財源の占める割合が全国では四八・四%なのに対し、二七・六%と低く、歳出面では、普通建設事業費など投資的経費の占める割合が全国では二六・四%なのに対し、三九・八%と高くなっております。  また、近年相次いで出された経済対策への対応や地方財政計画における地方交付税から地方債への振りかえ措置などにより、平成十三年度末の県債残高が一兆四千六百七十三億円となって公債費負担が増加していること、財源不足に対する基金の取り崩しにより財政調整に活用可能な基金の残高が減少していることなど、本県をめぐる財政環境は厳しさを増していると思うのであります。  そこで、平成十三年度一般会計の決算見込みから見た本県財政の現状並びに県債残高の増嵩に伴い、後年度の公債費負担が懸念されるなど厳しい状況の中で、今後の財政運営にどのように取り組まれるのかお聞かせください。  第三点は、平成十五年度予算の編成についてであります。  国の来年度予算概算要求基準については、公共投資関係の三%削減、義務的経費の今年度予算額範囲内での抑制、奨励的補助金の五%削減などを内容として、八月七日に閣議決定されております。また、小泉首相は、総務、国土交通大臣外七大臣に対して、地方歳出の見直し、地方財政計画の規模抑制、義務教育に関する国庫負担制度の見直し、公共事業長期計画の見直しなど、制度・政策改革に関して具体的な項目を挙げ、改革案を取りまとめるよう指示し、その改革案についても示されたところであります。  さらに、八月六日に出された人事院勧告は、極めて厳しい民間給与の実態を反映して、国家公務員の給与を引き下げる内容となっており、本県においても、今後、人件費への影響があらわれるものと考えております。  このような中、県においても、財政改革プログラムを踏まえ、来年度の予算編成に向けて歳出削減や歳入確保の方策について、聖域なき事務事業の見直しを実施しているとお聞きしておりますが、職員一人一人におかれましても、本県の厳しい財政状況を踏まえ、いま一度認識を新たにして取り組まれることを強く要望するものであります。  総務警察委員会の行政視察で伺いました北海道においては、平成十一年四月に道財政の非常事態宣言がなされ、既存の施策全般にわたる聖域なき厳しい見直しなど、財政健全化に向けた取り組みを行っております。財政健全化については、他の自治体も鋭意努力されているようであります。そこで、国の来年度予算編成の動きや現在作業中の事務事業の見直しなどを踏まえ、来年度予算編成に当たっての基本的な方針についてお伺いいたします。  第四点は、国の地方行財政改革の動きについてであります。  六月に決定されました「今後の財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針二〇〇二」、いわゆる骨太の方針第二弾の項目の中で、地方行財政改革については強力かつ一体的に推進する必要があることから、国の関与を縮小し、地方の権限と責任を大幅に拡大するとされ、国庫補助負担金、交付税、税源移譲を含む税源配分のあり方を三位一体で検討し、それらの望ましい姿とそこに至る具体的な改革工程を含む改革案を、今後一年以内をめどに取りまとめると記されております。  県は、これまでも政府に対して、地方交付税制度の堅持、地方への税源移譲などの地方税財源の充実・確保などについて、全国知事会、九州地方知事会及び県開発促進協議会を通じて要望いたしております。  そこで、国で議論されている国庫補助負担金地方交付税制度の見直し、国から地方への税源移譲に関して、どのように受けとめ、今後どのように対応されるのかお尋ねいたします。  次に、市町村合併についてお尋ねいたします。  現在、県内では、指宿、南薩中央、屋久島の三地区において任意の合併協議会が設置されたほか、十六の研究会などが設置され、市町村合併に関しての協議が進められております。しかし、いまだ法定合併協議会の設置には至っておりません。  市町村合併は、その地域住民の意思を十分尊重し、市町村の自主的・主体的判断により行われるべきであると理解いたしておりますが、平成十七年三月末の合併特例法の期限を考慮しますと、県は、合併実現に向け、市町村に対し強い指導力、調整機能を発揮すべきと思います。  国は、市町村合併の目標数について、現在の三千余りから一千程度が望ましいと考えているようでありますが、県は、市町村合併の目標値や目標とする行政区域などについて明らかにしていないのであります。また、合併しなかった場合の財政措置など、住民の側から市町村合併を判断するに当たり、情報の提供が不足しているとの声も出ているようであります。  そこで第一点は、県は、市町村合併後の本県の姿をどのように描いているのか。また、市町村合併支援プランの策定によって、市町村合併の進展にどのようなことを期待しているのか。第二点は、自主的な取り組みを期待するものの、枠組みに進展が見られない地域について、県は、指導・調整的役割をどのように果たされるのか。第三点は、離島の市町村など地理的に合併に課題を抱える地域については、合併をしなかった場合の財政見通しなど、情報提供や特段の配慮が必要であると考えますが、県はどのように対応されるのかお聞かせください。  次に、個人情報保護条例についてお尋ねいたします。  近年の高度情報通信社会の進展に伴い、利用が著しく拡大している個人情報について、適正な取り扱いや個人の権利・利益を保護するため、県は、これまで懇話会を設け、検討を進められ、五月末には懇話会会長から知事に対して、「本県の個人情報保護制度は県政の適正かつ円滑な運営を図るとともに、個人の権利・利益を保護することを目的として条例を制定すべきである」と提言が出されたところであります。  この提言を受けて、今回、個人情報保護条例案が提案されております。本年七月現在、既に四十一都道府県において個人情報保護条例が制定されております。個人情報の取り扱いについて、情報が流出・漏えいするのではないのか、どのように利用されるのか、正確な情報であるかなど、管理・保護のあり方について県民は不安を抱いているのではないかと思うのであります。  そこで第一点は、条例に規定される県で保有する個人情報とはどういうものなのか。第二点は、個人情報の取り扱いに関して県民が危惧している点への対応など、条例で制定している保護制度の主な内容について明らかにしてください。  次に、警察行政についてお尋ねいたします。  久保本部長におかれましては、昨年九月に警察本部長に就任されて今日まで、県民のための警察の確立などを内容とする「鹿児島県警察における改革プログラム」の推進に取り組まれているところであります。  そこで第一点は、警察本部長に就任されてから警察行政においてどのような点が改善されたと認識され、またどのように取り組んでいかれるのか、今後の抱負についてお聞かせください。  第二点は、少年非行や暴走族の現状と今後の対策についてであります。  警察庁のまとめによりますと、ことし上半期に刑法犯で摘発された少年は六万五千人を超え、昨年同期に比べ六・八%ふえていること、また、刑法犯全体に占める少年の割合も四〇%を超えており、特に、ひったくりでは少年が約七割を占めていると報告されております。  少年非行防止対策については、少年サポートセンターを核として、関係機関・団体と連携を図り、街頭補導活動を積極的に行っておりますが、先日視察に伺いました北海道警察の少年サポートセンターでは、少年の問題行動や犯罪被害の専門機関として、警察官だけでなく補導員や心理専門員が配置され、犯罪被害に遭った少年のカウンセリングや家族療法といった精神的ケアにも対応しておりました。  本県においても、カウンセリングの専門職員を配置するなど、少年を非行や犯罪被害から守るための活動拠点として、少年サポートセンターの体制強化が必要ではないかと思います。  暴走族については、深夜に繁華街や団地内を爆音暴走することから、地域住民の安眠を守ることや平穏な交通環境を確保する必要があります。また、最近は、暴走族による路上強盗や恐喝なども起こり、交通部門だけの問題ではなくなってきているとされ、全国各地で暴走族の根絶を目指し、暴走族追放条例制定の動きが広がっております。  そこで、夏休み期間中の補導状況などを含めた少年非行の状況、暴走族に対する取り締まりの状況及び暴走族追放条例の制定など、今後の対策についてお伺いいたします。  第三点は、県民に対する改正道路交通法の広報・啓発についてであります。  昨年十二月に、酒酔い運転や無謀なスピード違反など、悪質な自動車運転の人身事故に係る罰則を強化する刑法改正が成立し、ことしの六月からは、飲酒運転など悪質な違反罰則の強化や免許証の更新手続の負担軽減を盛り込んだ改正道路交通法が施行されました。  警察庁のまとめによりますと、六月の改正道路交通法施行後において、飲酒運転事故件数、死亡者数とも減少しており、罰則強化策が一つの要因として挙げられております。また、本県においても、ことし上半期の交通事故死亡者数は、昨年同期に比べ七人減少しております。  そこで、飲酒運転等悪質な違反に対する罰則強化により、交通事故死亡者数は減少しておりますが、飲酒運転事故等の減少、ひいては根絶を目指し、改正道路交通法について、県民への広報・啓発活動をどのように進めてこられたのか、そして今後どのように進めていかれるのかお尋ねいたします。  第四点は、携帯電話等による金融についてであります。  今問題となっております超高金利の携帯金融については、暴力団が関与しているのではないかと言われております。県民の生活の安全と平穏を直接脅かす暴力団に対しては、徹底した取り締まりや関係機関と一体となって暴力団排除活動を推進する必要があると思うのであります。  そこで、携帯金融による被害状況と携帯金融についての暴力団とのかかわりについて明らかにされるとともに、携帯金融の被害から県民を守る取り組みについてお伺いいたします。    [知事須賀龍郎君登壇] 4 ◯知事(須賀龍郎君) 拉致問題から順次お答えを申し上げます。  北朝鮮による日本人拉致問題につきましては、去る九月十七日、小泉総理大臣と金正日総書記との首脳会談が行われ、その中におきまして、本県出身の市川修一さんと増元るみ子さんを初め、八人の方々が亡くなられたということでありますが、これまで長年無事を祈ってこられました御家族や関係者の方々のお気持ちを考えますと、まことに残念であり、深い悲しみにたえないところであります。  私といたしましては、お二人を含む全員が無事に帰ってこられることを念願いたしまして、これまでも機会あるごとに、国に対しまして、真相究明と解決に向けた積極的な対応がなされるよう強く要請してきたところでありますが、全く予想もしていない結果となり、強い憤りを感じております。この問題につきましては、一日も早くこのような事態に至った真相の究明が図られるように、本日、国に対しまして要請を行ったところであります。  次は、予算問題でございますが、九月補正予算につきましては、昨年十二月に策定いたしました鹿児島県財政改革プログラムを踏まえつつ、県内経済の動向等に配慮し、社会資本の整備推進の観点から、公共事業につきまして事業費の確保に努めますとともに、県単公共事業につきましても、所要の事業費を追加計上したところであります。  また、川内―八代間の並行在来線につきましては、第三セクター鉄道会社を設立するための経費、また鹿児島・上海線の就航に伴う利用促進等のための経費、BSE対策に要します経費のほか、県民防災研修センター県民交流センター整備事業などにつきましても、所要の措置を講ずることとしたところであります。  次は、平成十三年度の一般会計決算見込みにつきましては、実質収支の黒字は確保できましたものの、県税収入が、法人二税の減収などによりまして前年度を下回ったところであります。また、県債残高は、平成十三年度末で御指摘のとおり一兆四千六百七十三億円となっておりまして、このうちNTT債を除いた五六・二%に当たります八千二百四十億円は交付税措置されることとなっておりますが、その一方で、財政調整に活用可能な基金残高が減少傾向にあるなど、本県の財政環境は極めて厳しいものがあります。  県債残高の増嵩は後年度の公債費負担の増大を招きますことから、財政改革プログラムにおきましては、国の地方財政計画に基づく特例的な県債等を除き、新規の県債発行を平成十三年度を上回らないこととするとともに、さらに可能な限り抑制を図ることとしたところであります。県債の償還は長期間に及びますことから、新規発行を抑制いたしましても、直ちに県債残高の減少にはつながりにくいこととなりますけれども、中長期的には県債残高の抑制が図られるものと考えております。  今後とも、財政改革プログラムに基づきまして、毎年度の予算編成等を通じまして、財政改革の着実な推進を図ってまいりたいと考えております。  国の平成十五年度概算要求におきましては、一般歳出及び一般会計歳出全体につきまして、実質的に平成十四年度の水準以下に抑制することを目標として、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、歳出の抑制と予算配分の重点化・効率化を実施するなどの方針が示されているところであります。  本県の来年度予算編成につきましては、今後、国の予算編成の動向等も十分に踏まえながら、所要の財源確保に努めながら、既存の事務事業につきましては聖域なく徹底した見直しを進めますなど、財政改革プログラムで示しております財政運営の基本的な方針に基づきまして編成してまいりたいと考えております。  次は、国庫補助負担金地方交付税及び税源移譲を含みます税源配分のあり方につきましては、現在、国におきまして改革案を検討しているところでありますが、その取りまとめに当たりましては、地方公共団体の意見も十分に踏まえ、地方における行財政運営の自主性・自立性を高める改革とすることが極めて大事なことであると考えております。  また、税源移譲が行われましても、地方公共団体間の財政力格差を是正し、各団体において一定の行政水準の確保を図る必要がありますことから、引き続き、地方交付税によります財源保障機能及び財政調整機能が確保されるべきであると考えております。  今後とも、あらゆる機会を通じまして、地方への税源移譲や地方交付税制度の堅持など、地方税財源の充実・確保につきまして、国に強く要望してまいりたいと考えております。  次は、市町村合併でありますが、近年の市町村を取り巻く情勢は、地方分権の推進や少子・高齢化の進行、国・地方を通じた厳しい財政状況等、大きく変化してきております。  このような状況のもとで、今後、市町村合併が推進されることによって、これからの時代にふさわしい行政体制の整備や行財政基盤の強化が図られますとともに、住民ニーズに対応した行政サービスの確保や住民の生活圏の広がりに対応した広域的視点に立ったまちづくりなどが展開されるものと考えております。  県といたしましては、市町村の合併に向けた自主的な取り組みを積極的に支援するために、先般策定いたしました「鹿児島県市町村合併支援プラン」に基づきまして、財政支援や人的支援、事業支援等を積極的に行うこととしておりまして、市町村合併に向けた具体的な取り組みが一層進展していくことを期待しているところであります。 5 ◯総務部長(佐々木敦朗君) 市町村合併は、市町村のあり方にかかわる重要な問題でありますことから、具体的な取り組みについては、それぞれの地域の実情に応じて、住民の意向を踏まえた市町村の自主的・主体的な判断により行われることが重要でございますが、そのためには、地域の現状と展望など、その判断に当たっての情報が十分に提供されることが必要であると考えております。  このため県としては、これまで、広域行政データブックや参考となる合併パターンを示しますとともに、「地域の将来像等に関する調査研究事業」の実施や、地域が実施する行財政シミュレーションに対する助成等を行い、合併についての情報提供や助言等を行ってきているところでございます。  今後とも、地域の状況を踏まえつつ、情報提供はもとより、必要な助言を行うなど、地域における自主的・主体的な取り組みに対し、合併実現までの各段階に応じたさまざまな支援を積極的に行ってまいりたいと存じます。  離島地域の合併については、その地理的条件や交通アクセスの条件等などから難しい要素もありますが、一方で、このような市町村は人口の減少や高齢化の進行、脆弱な財政基盤など、将来にわたって良質な行政サービスを安定的に供給し続けるために解決すべき大きな課題を抱えておりまして、これらの地域においても、合併を含めた、地域の将来のあり方について議論・検討がなされております。  県としては、このような議論・検討に資するため、合併した場合と合併しない場合を想定した、「地域の将来像等に関する調査研究事業」の実施などを行いますとともに、その調査結果を踏まえたシンポジウムや市町村が行う住民説明会等を通じて、地域住民の方々への情報提供に努めているところでございます。  また、離島市町村などの合併については、九州地方知事会等を通じ、合併により、住民生活に密着した行政サービスの維持・向上が図られるよう特別な財政措置を講ずることにつきまして、国に対し要望しているところでございます。  今回提案しております個人情報保護条例案におきましては、「個人情報」とは、「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日等により、特定の個人を識別できるもの」と規定しております。  県で保有する個人情報としては、例えば医療、福祉、教育、県税、用地などの各分野における個人情報のほか、各種申請の処理や資格試験等の実施に伴うものなどがあり、さまざまな分野で個人情報を取り扱っております。  条例案においては、県が保有する個人情報に関して、利用目的の明示や利用・提供の制限などの取り扱いの原則を定めますとともに、何人も自己情報に係る開示、訂正及び不適正な取り扱いに対する利用停止を請求することができる制度を設けまして、また、不開示決定等に対する不服申し立てや、個人情報の保護に関する重要事項を審議する個人情報保護審議会を設置することといたしておるところでございます。 6 ◯警察本部長(久保潤二君) 着任以来、県民のための力強い警察を確立し、安全に、安心して暮らせる鹿児島をつくるために、県警職員三千二百人の力を結集してまいりました。しかしながら、県内の治安は、犯罪の悪質・凶悪化、悲惨な交通事故の多発、少年非行の悪化など、依然として予断を許さない厳しい状況にありますので、決意を新たにして、今後とも、犯罪や事故の未然防止、犯罪の徹底検挙など力強い警察活動を推進し、県民の期待にこたえてまいりたいと考えております。  二点目は、少年非行の関係でございますが、八月末現在、刑法犯少年は一千二百人、不良行為少年は一万四百六十三人で、前年同期と比べて減少しております。また、夏休み期間中につきましても、刑法犯少年百三十八人、不良行為少年二千百二十九人で、いずれも減少しております。  このように、本県の少年非行は、統計上は減少しておりますが、刑法犯検挙人員の中で約半数を少年が占めており、また、集団リンチ事件の発生など悪質・凶悪化の傾向にありまして、非常に厳しい状況にあると認識しております。  県警といたしましては、非行事案につきましては迅速かつ厳正に対処するとともに、少年サポートセンターの活動を一層充実、強化し、被害少年等に対する支援活動や少年補導等に積極的に取り組み、少年の健全育成に努めてまいります。  三点目は、暴走族の取り締まりにつきましては、道路交通法を初め、あらゆる法令を適用して徹底した取り締まりを実施しておりまして、八月末現在、共同危険行為などの道路交通法関係法令違反や暴走族の対立抗争事件等で、逮捕者四十五人を含む、延べ八百三人を検挙し、不法改造車両百八十四台を押収しているところでございます。  県警といたしましては、今後とも、あらゆる法令を適用した取り締まりを徹底してまいりたいと考えております。  また、暴走族の根絶を目指した暴走族追放条例の制定につきましては、現在、全国で県条例が十県、市町村条例が百七十七市町村で制定されておりまして、これらの県・市町村の制定後の効果あるいは本県の最近における暴走族等の実態や県民の意見・要望を十分踏まえまして、関係機関・団体と連携して前向きに取り組んでまいります。  四点目は、飲酒運転などの悪質違反に対する罰則強化を中心とする道路交通法の一部を改正する法律につきましては、マスコミを初め、関係機関・団体との連携を強化する一方、県警本部ホームページへの掲載、リーフレットや広報紙の発行、さらには各種講習会などにより、県民への広報・啓発をしてきたところでございます。  今後とも、改正道路交通法の周知徹底をするために、あらゆる広報媒体を活用した多角的な広報活動、さらには法改正の趣旨を踏まえ、飲酒運転などの悪質違反の指導取り締まりをさらに強化してまいります。  五点目は、携帯電話利用の貸金業につきましては、法外な金利や厳しい取り立てなどにつきましての相談が、県警や関係機関に多く来ておりまして、被害が県内でも相当数に及んでおり、暴力団の介在もうかがえるところでございます。  県警といたしましては、被害事実や違法業者の実態解明に努めまして、取り締まりを強化してまいります。また、これらの業者が設置する客勧誘の違法広告物も街頭にはんらんしておりますので、管理者、関係機関等と連携し、これを撤去する一方、この種の金融業者の実態についての広報を徹底しまして、県民の間に被害が拡大しないようにしてまいります。    [本坊輝雄君登壇] 7 ◯本坊輝雄君 拉致問題につきましては、現在公表されている方以外に、国内外での失跡者も事件に巻き込まれたのではないかと報道されております。本県に関係者がいないか危惧するところでありますが、警察庁公安部は専従班を設置し、捜査に乗り出しました。失跡事案と北朝鮮とのかかわりについて、一日も早い真相の究明を願ってやみません。  次に、財政問題につきましては、平成十三年度末の県債残高が一兆四千六百七十三億円となっているなど、大変厳しい状況になっております。財政改革プログラムによる財政改革の推進はもとより、さらに徹底した事務事業の見直しや内部努力による経費削減など、厳しい見直しをお願いしておきます。  また、国で議論が進んでいる地方財政に係る制度の抜本改革に当たっては、税源の乏しい本県のような自治体も自立できるような見直しとなるよう、国に対し、強く要望していただきたいのであります。  市町村合併については、本県でも、住民の関心も高まり、動きが活発になってきたようでありますが、全国的に見ると、本県の状況はおくれております。基本的には自主的合併が望ましいのでありますが、県内各地で枠組みが多岐亡羊のごとく揺れ動いております。  しかしながら、今の県の対応は、結婚で例えるならば、結納の日取りが決まるまで傍観しているようでなりません。県の役割は仲人であります。相思相愛の恋愛結婚のようにとんとん拍子ならともかく、うったつけ見合いはもとより、初婚、再婚、二また・三またの入り乱れた縁談をまとめるには、四、五足ぐらいげたがすり減るほど仲人としての調整機能を果たさなければ、平成十七年春までの新時代にふさわしい、バランスのとれた新カップルの誕生は難しいと思われます。  また、合併推進に係る組織を再編・強化し、肺肝を砕く思いでその役割を真正面から受けとめ、積極的な取り組みを強く要請し、須賀知事に次の言葉を贈ります。「今やらねばいつできる」「おれがやらねばだれがやる」。よろしくお願いいたします。
     警察関係について、ことしの重点目標として進めている少年非行、死亡事故の抑止、暴力団と携帯金融対策についてお答えいただきましたが、県民が安全に安心して暮らせるようさらに積極的な活動をお願いいたします。  現在、秋の交通安全運動がスタートしております。道路交通法の改正により罰則も強化されましたが、特に県職員や教職員の皆さんのように公の立場にある方々は、社会的責任を認識し、他の模範となるべきであり、酒酔い運転や無謀なスピード違反など決して起こさぬよう、交通安全の指導の徹底をお願いしておきます。  次に、本県の教育行政についてお尋ねいたします。  今、我が国の教育は大きな制度の変革を迎えております。本県におきましても、鹿児島らしい特色のある教育の創造を目指し、高校改革の推進や基礎学力の向上など多くの課題について既に取り組みが始まったところであります。国の教育改革について県民の中には危惧する声があることは、既に新教育長も認識していることと思うのであります。そこで、福元新教育長が本県の教育行政にどのような理念を持って取り組んでいかれるのか、その抱負をお聞かせください。  次に、学校教育の充実についてお尋ねいたします。  この四月から、新学習指導要領に基づくいわゆるゆとり教育が本格実施され、公立の小・中・高における完全学校週五日制が導入されました。とりわけ学校現場や保護者などに大きな疑問、不安を抱かせての船出となり、先行きが心配された制度であり、学力低下に対する国民的な不安が残り、依然としてちまたには賛否両論が渦巻いております。  この学力低下に対する問題解消については、きちんとした調査と分析に基づく、目に見える結果としての対策を講じ、県民の不安を払拭していただく必要があると思います。その上で、さらなる教育指導方針の改善・充実に努められることを希望するものであります。  さらに、新学習指導要領の本格実施に伴い、子供たちの学習の評価も、長年用いられてきた相対評価から絶対評価方式に切りかえられました。どちらにも一長一短あることから、この評価方法についても、学校現場、保護者における賛否両論が新聞等をにぎわしております。絶対評価では、各教科の関心・意欲・態度、思考・判断、技能・表現、知識・理解の観点別に目標への到達度により三段階に評価し、これを教科ごとに積み上げて、最終的に小学校三年生から六年生までは三段階、中学校では五段階で評価するとなっております。  この方法では、一定の評価基準を満たせば無制限の数の子供が高いランクの評価を受けることとなり、四つの観点別の評価となる物差しが漠然としていることから、評価の客観性が損なわれることへの不安、また、自分の子供が学級や学年の中でどの位置にいるかがわからないというデメリットがあり、保護者の間には、さきのゆとり教育、完全学校週五日制に加えて、さらなる不安が広がっております。  そこで第一点は、県教委は、絶対評価の適切な実施のため、市町村教委や学校現場に対し具体的にどのような指導をされているのか、教職員の研修のあり方も含めてお伺いいたします。  第二点は、高校入試における調査書、いわゆる内申書についてであります。  文部科学省は、高校入試に使う調査書については、絶対評価を使うか否かは各都道府県教育委員会にゆだねているということであります。新聞等の報道を見ましても全国での対応はまちまちであり、導入を検討中の自治体も多いと報じられており、こうしたことから文部科学省は去る七月二十九日、各都道府県、各指定都市の入試担当指導主事等を集め、説明会を開催したと伺っております。新聞報道によりますと、県教委は、絶対評価を導入することに決めたとのことでありますが、この問題につきましては、受検生を持つ保護者の大きな関心事でもあります。  そこで、本県では、どのような理由により絶対評価方式を採用されるのか明らかにされるとともに、絶対評価の導入に当たり、中学校や高校とはどのように共通理解を図るのかお答えください。  また、大きな制度の変革であり、間近に高校入試を控えた保護者に対する周知は特に重要と思われますが、どのような方法を考えているのかお聞かせください。  第三点は、公立義務教育諸学校の教職員給与に関する国庫負担制度についてであります。  国と地方の事務事業のあり方を検討している地方分権改革推進会議の中間報告の内容が去る六月明らかにされました。教育分野においては、公立義務教育諸学校の教職員給与の半額を国が負担している現行制度を見直し、国の関与を弱めた上で、国の負担を教員の給与でなく何らかの客観的な指標で算定した交付金に改め、将来的には一般財源化も視野に入れているとのことであります。  県議会としても、去る六月の第二回定例会において、このような見直しが行われれば、地方財政を圧迫するだけでなく教育水準を著しく低下させるおそれがあり、今日の教育を取り巻く厳しい状況を考えると、将来を担う子供たちの豊かな教育の推進にも支障を来すおそれがあるとして、現行制度堅持に関する意見書を、内閣総理大臣を初め、関係閣僚や関係機関あて提出したところであります。そこで、この制度見直しについて県はどのように考えているのか、知事の見解をお聞かせください。  次に、高校教育の充実についてお尋ねいたします。  高等学校改革問題につきましては、平成十三年三月に「県公立高等学校改革推進協議会」を発足させ、現在まで県内外の教育事情調査や県民意識調査を実施するとともに、全体会、小委員会などを精力的に開催されているとのことであります。高校改革に関する県民の関心が非常に高いことから、今回の協議会の報告の影響は大きいものがあると思われるのであります。  そこで第一点は、この協議会で議論されているポイントについてお尋ねするとともに、十月中旬に中間報告をされるとのことでありますが、中間報告後のスケジュールについて明らかにしてください。また、中間報告後、地域や関係機関の声を今後の協議にどのように反映させていくのかお示しください。  第二点は、高等学校教科書採択事務についてであります。  さきの六月定例議会の代表質問において、採択手続の方法などについてお尋ねし、答弁をいただいたところでありますが、今回、各高校から二、三種類の推薦報告がなされ、県教委においては、学校教育課長を中心とした「高等学校用教科書調査研究委員会」でその報告書を詳細に検討した上で、最終的に教育委員会に諮り、適当と認めた教科書を決定の上、八月九日付でその結果を各学校に通知したと聞いております。  そこでお尋ねいたします。  まず、教科書調査研究委員会のメンバーはどのような方々で構成され、どのような観点で各学校の最終的な教科書の採択が決定されたのか。次に、各高校からの推薦報告後、県教委に対し、各種団体など県民から採択に関する干渉があったかどうか。さらに、教科書採択決定後の情報公開はどのような方法で行ったのかお聞かせください。  次に、食農教育の充実についてお尋ねいたします。  遺伝子組み換え作物、ダイオキシン汚染野菜、食品への異物混入、BSE、食品虚偽表示、輸入野菜の残留農薬問題など、私たちにはこの二、三年、これまで経験したことのない食への不安を感じております。  一方、農産物のデフレ化による価格の低迷など、農業を取り巻く生産環境は一段と厳しく、農業への理解や関心が低くなっている現状を深刻に受けとめつつ、子供たちに学校給食や農業体験を通じて、植物や動物などの命を育て、自然の厳しさや恩恵を学び、子供たちの成長に不可欠な人を愛する心、道徳観、正義感の醸成に努めることが大切であります。  農業という生命産業からはぐくまれた食材とともに、食を通して、世界と日本の食糧事情や食文化、食習慣、郷土料理など、安心で安全な食の重要性を認識し、共通の課題を学び、元気な体と心を育てる食農教育の充実が叫ばれております。  こうした中、県内各地では、地域と学校給食関係者などが協力し、学校給食に地元で生産された食材を使い、食農教育に取り組んでいる記事がよく地元紙に掲載されるようになり、まことに喜ばしいことであります。  そこで第一点は、本県の学校給食において、具体的に学校給食関係機関と生産者などがどのように連携して地産地消に取り組んでいるのか。あわせて、こうした取り組みに対する県教委の指導等の状況についてもお聞かせください。  第二点は、新任教職員の農業体験についてであります。  今年度は、新しい制度が導入されたことにより、夏季休業期間中における教職員の研修は例年にも増して充実したものになったことと思います。そうした中、先般、新任教員に対する一日農作業体験が実施されたとの報道がありました。県内各地で農業機械の操作、家畜の飼育管理、花卉・樹木の管理など、多種にわたり研修がなされたようであります。  そこで、この一日農業体験に対する研修のねらいは何であったのか、また、どのような成果があったと受け取っているのかお尋ねいたします。  次に、「上野原縄文の森」の活用についてお尋ねいたします。  平成十年度から約百二十四億円の巨費を費やし、国分市に整備を進めてまいりました上野原縄文の森がこの十月五日にオープンすることになりました。  なお、上野原縄文の森展示館及び鹿児島県埋蔵文化財センターが、社団法人全日本建設技術協会から平成十三年度のすぐれた建築物として表彰を受けたとお聞きし、ともに喜びたいと思います。  これからは、歴史的文化遺産である上野原遺跡の保存と活用を図り、縄文時代の生活と文化に触れ親しむ場を提供するとともに、青少年の教育及び文化の向上に資する公の施設として、また本県の大きな観光拠点施設として、県民のみでなく多くの方々に活用していただきたいと願うものであります。  また、このオープンを機に、地元国分市では遺跡ガイドのボランティアのまとめ役を商工会議所が担うなど、地域おこしにつなげる機運も見られるようであります。そこで、オープン後の施設の活用策と県外への情報発信など広報宣伝策についてお伺いいたします。    [知事須賀龍郎君登壇] 8 ◯知事(須賀龍郎君) 義務教育費国庫負担制度は、教育の機会均等とその水準の維持向上を図ることを目的としておりまして、義務教育の円滑な推進に重要な役割を果たしてきていると認識しておりますが、現在、地方分権改革推進会議や経済財政諮問会議におきまして、地方への税財源の移譲や地方分権のあり方等が検討されております中で、交付金化あるいは一般財源化が論議されているところであります。  本県は、御案内のとおり、離島や過疎地域において小規模校が多いことから、都市部に比べますと、より多くの教員を配置せざるを得ない状況にあります。したがいまして、児童生徒数によります全国一律的な交付金化が図られました場合には、そういう実情が全く考慮されないこととなり、地域間の不均衡を生じさせることになりますので、このことにつきましては慎重に検討されるべきものであると考えております。いずれにいたしましても、教育水準の低下や不均衡をもたらすことがないように、また、地方の財政負担の増加につながらないことを前提といたしまして、十分論議していただきたいと考えております。  県といたしましては、これまで、国の予算編成に際しましては、事務職員や学校栄養職員をこの制度の対象から除外しようとする動きに対しましては、開発促進協議会等を通じまして、現行制度の堅持を毎年国に強く要請してきたところであります。今後の論議の推移も注意深く見守りながら、必要に応じまして適切に要望活動を行ってまいりたいと考えております。 9 ◯教育長(福元 紘君) 完全学校週五日制や新学習指導要領の本格実施など教育改革が急速に進む中、県民の教育に対する期待や関心は極めて高いものがございます。  こうした中、児童生徒の学力向上や心の教育の充実、教職員の資質向上、高等学校の今後のあり方など、解決すべき課題があることも認識いたしております。このような時期に教育行政の重責を担うことになりまして、責任の重さを痛感いたしております。  私は、教育とは、たとえ時代がどのように変わろうともたくましく生き抜いていける子供たちを育てることだと考えております。  そのためには、感動的な体験をすることで子供たちが生まれながらに持っているみずみずしい感性をさらに磨き、思いやりや感謝の気持ちなどの豊かな心を育てること、物が豊かな中で我慢し、困難に打ちかつ経験をすることで、子供たちが自分で判断し、行動できるたくましさを身につけていくことが必要であると考えております。  そのような子供たちを育成するため、学校・家庭・地域社会が、それぞれ自信と誇りを持って役割を果たすこと、中でも教師自身が目の前の子供たちを真正面から受けとめ、その子供たちと喜びや悲しみを分かち合うことが大切であると考えております。  就任後、離島を初め県内の幾つかの学校を訪問させていただきました。子供たちの明るく元気な姿や地域のよさを生かした特色ある取り組みを見ることができました。これらは先生方の情熱や地域の方々の熱い思いに支えられているものであり、本県の教育的伝統のすばらしさを実感したところであります。  今後とも広く県民の方々の声をお聞きし、市町村教育委員会を初め関係機関・団体等との連携を図りながら、鹿児島の持つ豊かな自然や文化、歴史、産業、地域の人材などの教育的資源を生かした「鹿児島らしい教育」を推進し、本県教育の発展に微力ながら努力してまいりたいと考えております。  絶対評価は、客観的な評価基準に基づきまして、一人一人の児童生徒が学習すべき内容を、どの程度身につけているかということを評価するものであり、子供の努力した成果が具体的に把握でき、子供の実態に応じた指導の充実を図るのに大きな成果が期待されますとともに、評価する教師の力量も問われることになります。  県教委としましては、各学校で客観的な評価が行われるよう、全教職員へ県教委で作成しました評価基準に関する資料を配布して研修を進め、教員の共通理解を図ってきたところであります。今年度はさらに教科ごとに行います実践研究会の中で、各学校での評価の取り組みについて具体的な研究を行うこととしております。  また、県総合教育センターにおきましても、今年度から鹿児島大学等と連携・協力しながら、絶対評価について学校現場での実践とセンターでの理論的な研修を組み合わせた講座を開設しております。今後とも市町村教委と連携しながら適切な評価のあり方についての指導に努めてまいりたいと考えております。  県教委では来年度から高校入試の調査書につきまして、各教科の評定はその教科の目標をどの程度達成しているかを見る絶対評価を用いることとしたところでございます。  その理由としましては、今年度から中学校において生徒の学習の評価が絶対評価で行われるようになったことや、客観的な評価基準に基づく絶対評価はあらかじめ決められた人数配分で評定を行います相対評価よりも、個々の生徒の特性や長所を正しく評価し、評定することができること等が挙げられております。  なお、各中学校では調査書の客観性を示すものとしまして、教科ごとに絶対評価で行った評定の人数の分布を示す一覧表を受検する高校に提出することとされており、高校ではこれにより中学校において適切な評価がなされたかどうか判断できるようになっているところでございます。  県教委では、来年度の高校入試の調査書の様式及び変更点につきまして、市町村教委及び県立高等学校に通知しまして、指導主事等会議や校長会等におきまして、内容の説明を行ってきたところであります。  また、保護者や来春受検予定の中学三年生に対しましては、各中学校におきまして、学年PTAや学級活動の中で絶対評価が導入された意義や調査書の変更点について説明しているところでございます。  さらに県教委のホームページや中学三年生の各クラスごとに配布する高校入試に関するリーフレットの中で、調査書への絶対評価の導入についてのQ&Aを設け、絶対評価が導入された意義などについて説明し、周知徹底を図ってまいりたいと考えております。  「県公立高等学校改革推進協議会」では、全体会で高校改革の基本的なあり方について協議し、それに基づいて個々の論議を深めるため、二つの小委員会を設置し、協議がなされております。  第一小委員会では生徒数の大幅な減少や、規制緩和の流れなどに対応するため、適正な学校規模や配置のあり方及び通学区域のあり方について、第二小委員会では子供たちの多様な学習ニーズに対応するため、新しいタイプの学校の導入などによる特色ある学校づくりについてそれぞれ協議がなされているところでございます。  これらの協議の中で、学校の適正規模につきましては、本県の実態等を考慮し、一学年何学級が適切か、適正規模以外の学校のあり方等をどうするか、また通学区域につきましては、市町村合併との関連や、五%枠の拡大の是非、さらに総合学科等の新しいタイプの学校につきましては、地域の実態やバランスを考慮して設置すべきではないかなどの意見が出されております。  十月中旬には「中間報告」をいただきまして、その後県内十二地区で地域の関係者を対象として開催する説明会での御意見や、県議会、関係機関の御意見などをお聞きしまして、改革推進協議会に報告することにしておりまして、来年二月ごろには「最終報告」が出される予定であります。  最終報告をいただいた後のスケジュールにつきましては、十五年度に具体的な改革の実施計画を策定しまして、十六年度から順次実施することにしているところでございます。  「高等学校用教科書調査研究委員会」は、学校教育課長を委員長としまして、学校教育課及び保健体育課の各教科担当指導主事等で構成されております。  委員会は七月上旬に全体会を二回開催しまして、採択方法や公正で開かれた採択について共通認識を図り、七月下旬までそれぞれの委員が個別に集まって協議しながら教科書採択について調査研究を行ったところでございます。  具体的には、その学校の教育課程・学科の特性・生徒の実態等を十分に考慮したものとなっているか、「高等学校用教科書目録」から正しく選定されているか、採択希望理由は説明責任を果たせる内容となっているかなどについて調査研究し、その上で必要があれば高校に報告書の再提出を求めるなど、適切な指導助言を行ったところであります。  県教委では、このような手続を踏まえ、八月の教育委員会定例会に採択結果等について報告した上で、各学校ごとに使用する教科書を決定したところでございます。  教科書採択後の情報公開等についてでございますが、昨年度行われました小・中学校の教科書採択に関しましては、県教委や市町村教委に対しさまざまな団体から要望や意見表明がなされましたが、今回の高等学校の教科書採択につきましては、県教委や県立学校に対し要望や意見表明は一切なかったところでございます。  また、県教委では開かれた採択を進めるため、採択事務終了後に県政情報センターにおいて「県立高等学校採択教科書一覧」と各学校から提出されました「採択希望教科書報告書」を公開しているところでございます。  学校給食におきまして、地元で生産された安全で安心な食材を使用する地産地消の取り組みは、児童生徒にしゅんの本物の味を体験させるとともに、地域の歴史や産業や文化に関心を持たせるため非常に大切であると考えております。  このようなことから、学校給食への供給体制づくりにつきましては、県が推進しております「かごしまの“食”交流推進機構」の支援を得ながら、生産者グループや物産館等と連携を図るなど、県下各地域でそれぞれの特色を生かして促進されてきており、現在では二十一市町村で二十二のグループが積極的に取り組んでいるところであります。  この取り組みを定着・発展させるため、学校給食の調理場と生産者が定例会を開きまして、学校給食用の食材としての品質・価格、生産量等の情報交換を行うなど、お互いに連携を図っております。  県教委といたしましては、年二回県内産の食材の活用状況を把握し、各種研修会等で地場産物活用の意義や方策について指導しますとともに、供給体制が充実しているモデルケースを紹介しているところでございます。  さらに命の大切さや感謝する心をはぐくむため、学校において生産者と子供たちの交流会等を開催するよう指導しております。  今後とも地域と連携した学校給食への供給体制づくりが促進されるよう、努めてまいりたいと考えております。  各学校では総合的な学習の時間等におきまして、さまざまな体験活動が行われておりますが、一方ではそれを教える若い教員の体験不足が指摘されているところでもあります。  このため、県教委では、これまでの企業等における社会体験研修や福祉施設等における地域貢献体験研修に加えまして、今年度から初任者研修の中で、教師みずからがさまざまな体験をしていくきっかけとして「農業体験・ものづくり体験研修」を実施したところでございます。  新任教員は、夏季休業期間中に農業高校の教員や生徒の指導のもとで家畜の世話や花卉の栽培、かまの使い方や草払い機の操作などに生き生きと取り組んだところであります。  その感想には、「汗をかいて初めて体験の大切さがわかった」「深い愛情を注ぐことがすばらしい農産物の生産に結びつく。子供たちにも愛情を注ぎ大きな花を咲かせたい」など、体験活動の重要性や教育の本質に迫るもの、また、本県の基幹産業である農業に対する理解が深まったというものもあり、所期のねらいは十分に達成されたものと考えております。  「上野原縄文の森」につきましては、国内で最古・最大級の定住化した集落跡である国指定の「上野原遺跡」を歴史的文化遺産として保存しますとともに、時空を超えてはるか縄文の世界と向き合い・触れ合い・学び親しむ場として、青少年の教育や県民文化の向上、さらには観光や地域振興等のために幅広い活用を図ることとしております。  そのためには、常設の展示や体験学習等に加えまして、広大で緑豊かな自然の中で親しみながら学ぶ「縄文の森セミナー」や、「縄文の森生活体験」、「ウォーキング大会」など特色ある企画事業や特別展を実施し、県民や観光客に何回も訪れていただくような運営を図っていきたいと考えております。  また、インターネットや県の広報媒体を活用した情報発信、観光かごしま大キャンペーン推進協議会等との連携による旅行エージェントやマスコミへの宣伝活動を実施するなど、全国への情報発信、広報宣伝も積極的に行ってまいりたいと考えております。    [本坊輝雄君登壇] 10 ◯本坊輝雄君 新教育長から抱負をお聞きいたしました。  歴史や伝統文化など恵まれた教育環境を生かし、鹿児島生まれの、鹿児島方式の、鹿児島らしい教育を推進されるようお願いしておきます。  高等学校の改革問題でありますが、今後高校生の急激な減少が見込まれる地域にとって高校の存立は大変重要な課題であります。また、学区の見直しは市町村合併の進め方にも影響を及ぼしており、改革推進協議会において大きな視点からの議論を重ねていただきますよう強く要請いたします。  新任教職員の農業体験については、人と自然とが共生し、国土を守り、命をはぐくみ、自然の恵みに感謝する農業の意義を深く理解し、食農教育を積極的に推進するためにも一週間程度の研修は必要だとの声もございます。今後、検討していただくようお願いいたします。  次に、環境生活行政についてお尋ねいたします。  第一は、県民交流センターの整備についてであります。  現在、県におきましては、旧県庁舎跡地に「県庁舎跡地利用基本計画」に基づき生涯学習の推進など四つの機能からなる複合施設としての県民交流センターを来年春のオープンを目指して整備しているところであります。県庁舎跡地につきましては、県民共有の貴重な財産であるとともに、都市中心部に残された貴重な空間でもあります。  このようなことから、同センターを整備するに当たりましては、第一には多くの県民が親しみ、さまざまな出会いと体験ができる場であること。第二には、鹿児島の歴史や文化に配慮したものであること。第三には、上町地区の発展にも配慮し、県勢発展に役立つものであることの以上三項目を基本理念として整備が進められているところであります。  また、この九月議会には同施設の管理・運営のための条例案も提出されておりますが、管理・運営に当たりましては、それぞれの基本理念に沿って、施設それぞれが機能を十分に発揮し、県民に親しみと楽しみを持って有効に利用される施設となるよう配慮する必要があると思うのであります。  そこで、施設の運営に当たっては、勤労者などの便宜を図るため、夜間の利用など配慮していくことが必要であると思われますが、オープン後の開館時間等についてはどのように考えておられるのか、また、保存されることになりました旧県庁舎本館の玄関部分につきましてもその具体的な活用方法についてお示しください。  第二は、青少年の健全育成についてであります。  現在、「心豊かな青少年を育てる運動」が展開されているところであります。現代社会においては、国際化、情報化の進展とともに、核家族化、少子化の進行や地域社会における連帯感の希薄化や携帯電話や図書などによる有害情報のはんらんなど、青少年を取り巻く社会環境の変化が著しく、それにより青少年の意識や行動にさまざまな影響を及ぼしております。  このような中で、社会生活を送る上での基本的なルールを十分に習得できない青少年も見受けられ、特に最近では全国的に青少年による凶悪事件の発生や、薬物乱用、携帯電話などを利用した性をめぐる問題などの低年齢化、少年少女が被害者となる凶悪事件の増加、児童虐待など、青少年が直面する問題は日々深刻化していく傾向にあります。  特に、出会い系サイトに絡んだ犯罪により、青少年が被害に巻き込まれる事件が増加しており、携帯電話の便利さに潜む危険性を十分認識する必要があると思うのであります。  そこで、出会い系サイトによる少年少女の被害の状況と被害防止への取り組みについてお聞かせください。  第三は、東京電力の原発トラブル隠しについてであります。  去る八月二十九日、東京電力の原子力発電所において、八〇年代後半から九〇年代にかけて実施した自主点検作業について不正な記録などが行われてきた疑いが明らかになりました。このことは原子力発電に対する国民の信頼を大きく損ねることであり、極めて遺憾なことと言わなければなりません。
     また、国においても東京電力の自主点検作業記録簿の不正について、平成十二年に国に情報提供がありながら、その状況を今日まで明らかにしてこなかったことは極めて重大であり、原子力発電所等の安全性を信頼せざるを得ない立地地域の住民の気持ちを踏みにじるものであります。  私ども自由民主党は原子力エネルギーを推進する立場から、今回のトラブルに関して徹底した事実解明と再発防止など、原子力に対する国民の信頼回復に努めるよう、国、電気事業連合会及び東京電力に対し適切かつ早期の対応を求めたところであります。  また、自由民主党は平成十一年に使用済燃料輸送容器のデータの改ざんという行為が発生した際、平成十一年六月十五日、「原子力施設の管理体制の徹底について」の提言を取りまとめ、モラルの醸成や企業風土の改善、品質保証体制の構築、適切な情報連絡と情報発信について言及し、事業者及び関係省庁等にその取り組みを早急に徹底するよう強く要請いたしましたが、今回の事案についても関係者の猛省を促すとともに、平成十一年の提言にのっとり、管理方の徹底について一層の強化を要請いたしました。  さらに、本県など原子力発電所等立地道県で構成する「原子力発電関係団体協議会」や「原子力発電関係道県議会議長協議会」においては、国に対し東京電力の自主点検記録などの徹底調査や他の原子力事業者に対する点検作業の厳正な調査確認、第三者を含めた調査委員会の設置による調査と情報公開の徹底など要望されたところであります。  なお、私ども県議会も同様の趣旨の意見書を全会一致で提出したところであります。  このような中、去る九月十日、須賀知事は、九州電力の社長に対し、川内原子力発電所の環境調査についての実施受け入れの可否判断を引き続き留保する旨伝えたようであります。私どもはこのような知事の姿勢を当然のこととして受けとめるものであります。  一方、県においては、九州電力に対し、国から指示される総点検などは厳正に実施するとともに、その結果については速やかに県に報告するよう要請しております。九州電力の徹底した調査と調査結果の早期の情報公開を強くお願いするものであります。  また、川内原子力発電所周辺地域の住民の安全の確保と環境の保全を図るため、鹿児島県、川内市、九州電力との間で締結している安全協定書についてでありますが、この協定書の中で異常時には県や市が立入調査をできることになっており、通常時の立入調査については明確に規定が定められていないのであります。  このようなことから、通常時の場合においても、必要に応じて県や市の立入調査ができるようにすることで地域との連携が円滑にとれ、原子力施設の安全性に対する信頼の回復にもつながるのではないかと思うのであります。  そこで、東京電力の原発トラブル隠しが発覚したことについて、原子力発電所立地県の知事としてどのように受けとめ、県民の信頼を回復するためどのような対応をされるおつもりかお聞かせください。  最後に、保健福祉行政についてお尋ねいたします。  第一は、保健医療行政についてであります。  県保健医療計画につきましては、医療法の規定に基づき五年ごとに見直すものとされ、本年九月末がその見直しの期限となっているところであります。  近年の医療を取り巻く環境には急速な少子・高齢化の進展、がんや循環器疾患を初めとする慢性疾患中心の疾病構造の変化、医学・医療技術の進歩による医療の高度化、専門化の進展など、大きな変化が見られるところであります。  今後の保健医療供給体制の整備については、多様化、高度化している県民の医療ニーズに対応して、医療機関など医療資源を有効に活用し、その適切な配置を図るとともに、医療機関相互の機能分担のもと、相互連携を図ることが必要であります。  また近年、医療事故が多く報道される中、県民の医療に対する信頼感を高めるため、医療機関における安全管理体制の整備促進も大きな課題となっております。さらに離島・僻地を多く抱える本県の実情を踏まえた離島医療、僻地医療や救急・災害医療の充実も重要であります。  そこで第一点は、今回見直しを行う県保健医療計画の基本的な考え方とその概要についてお示しください。  また、救急医療の先進県と比較して本県の現状をどのようにとらえ、今後どのように改善されるおつもりかお尋ねいたします。  第二点は、歯科保健対策の推進についてであります。  歯及び口腔内の健康を保持し、増進することは単に食べ物をそしゃくするという面からではなく、食事や会話を楽しむという生活の質の向上という観点からも重要なことであります。また、要介護の高齢者の口腔衛生状態やそしゃく能力の改善を図ると日常生活動作の改善にも有効であると言われております。  このように、歯の健康は全身の健康にも影響を与えることから、歯科保健対策の推進は県民の保健上の大きな課題であると思うのであります。  県においては、平成八年から八十歳でかめる自分の歯を二十本以上保持するという、いわゆる「八〇二〇」の達成を目指して、各種の施策を展開されているところであります。  本県の歯科保健の状況を見ますと、例えば三歳児で虫歯を持っている子供の割合は平成十二年の調査では四八%であり、全国平均の三五%を大きく上回っており、全国のワーストテンに入っている状況にあります。  このような中、県では平成十三年三月、県民の健康づくりの指針として「健康かごしま21」を策定し、歯の健康については、その九つの領域の一つに位置づけ、「八〇二〇」の実現に向けてさまざまな取り組みを行うこととされております。  歯の健康を推進し、口腔健康を増進するためには、専門的な知識、情報をもとに歯科保健施策を企画、立案、調整する行政歯科医を配置するとともに、歯科保健推進の現場である市町村、歯科医師会、その他関係団体との密接な連携、協力のもと施策を推進することが重要であります。  そこで県としては、歯科保健施策の推進に当たって、専門職としての歯科医師の役割についてどう認識しているのか、また、歯科保健施策の推進体制や関係団体との連携体制などどのように考えておられるのか、基本的な考え方をお答えください。  第二は、食品などの安全対策についてであります。  最近においては輸入野菜など輸入食品が年々増加していく傾向にあり、県内の大手スーパーを中心とした小売業者でも輸入野菜の消費が伸びていると聞いておりますが、輸入野菜の残留農薬について、輸入検疫時における検査で食品衛生法で規定している残留農薬基準を超える事例が多く発見されていると報道されており、特に中国産の冷凍ホウレンソウから基準の約百八十倍の残留農薬が検出されたと発表されております。また、この背景には、中国における農薬のずさんな使用実態についても報道されているところであります。  このような状況を踏まえ、国においては輸入検疫時の検査体制の充実、強化を図るとともに、中国政府に対して安全基準を超える野菜が輸出されることがないよう中国国内での検査の徹底について申し入れをしていると聞いております。  さらに先般、包括的な輸入禁止措置の規定を盛り込んだ食品衛生法の改正が行われ、輸入食品の安全確保に係る効果的な規制を行うための法整備がなされたところでありますが、食品の安全を求める消費者に対してより万全な対策が望まれるところであり、中国産野菜を含む輸入食品の安全対策について、県は独自の検査体制に基づく県民への情報提供など、県独自の施策を早急に講ずる必要があると思うのであります。  そこで第一点は、輸入野菜の安全性を確保するための県独自の取り組みについてお伺いいたします。  また、お茶を初め具体的にペットボトルや缶ジュースなどの加工食品の原産国表示など国へもっと効果的な規制強化を働きかける必要があると思いますが、県の考えをお示しください。  第三は、レジオネラ症の予防対策についてであります。  レジオネラ属菌による被害につきましては、宮崎県日向市の温泉施設において、去る七月から八月にかけて七人の死亡を含む九百三十四人の被害が発生しております。  本県においても、去る八月十日オープンしたばかりの東郷町の温泉施設「東郷温泉ゆったり館」で、オープン前の七月三十一日の自主検査で検出されなかったレジオネラ属菌がその後に検出され、同施設を利用した長崎在住の男性一人が死亡され、県内の男性六人が感染し、現在治療中の方もおられるとのことであります。  本県においては、宮崎県日向市の温泉施設における事例を受けて、直ちに県内の浴場施設に対して検査及び衛生管理の徹底を指導するなどの緊急対応をなされたとお聞きしておりますが、今回の東郷町における被害事例につきましては、国の示したマニュアルに沿った衛生管理は行っていたものの結果として日向市の事例が教訓として生かされなかったことはまことに残念であります。  このような最悪の事態の中、本県は全国的にも泉源数では第二番目に位置づけられるほど多くの温泉施設を有する県であります。  県民が日常健康増進のために利用している公衆浴場はもとより、霧島地区や指宿地区を初め県内の至るところに観光資源としての温泉施設を有しております。秋の観光シーズンを迎えて、今回の事例による本県の温泉に対するイメージの低下と観光客の敬遠、減少が危惧されるところであります。宮崎県においては今回の事例を契機に独自の条例を制定する予定であるとお聞きしております。  そこで第一点は、温泉王国かごしまとして、宮崎県の条例制定なども参考にしながら本県も条例を制定すべきと思いますが、考え方をお尋ねいたします。  また、本県では、九月六日レジオネラ症対策本部を設置されたようでありますが、今回発生したレジオネラ属菌による集団感染を契機に、県民や県外からの観光客の皆さんが安心して利用できるよう、県内の公衆浴場を初め温泉施設などの管理者に対して、再発防止のための衛生管理のあり方の指導など緊急対策が必要であると思うのであります。  そこで第二点は、県における公衆浴場や医療福祉施設などの管理者への指導や県民への啓発など今後の取り組みについてお聞かせください。  第四は、介護保険の見直しについてであります。  介護保険制度は平成十二年度に施行されましたが、介護保険法に基づき市町村の介護保険事業計画及び県の介護保険事業支援計画を三年ごとに見直しを行うことになっており、本年度はこの見直しの年に当たっております。市町村においては、この介護保険事業計画の見直しをする中で介護保険料の改定も行うこととなっております。  県におかれましては、去る八月に県内各市町村における六十五歳以上の高齢者の介護保険料の試算額を公表されました。  今回の試算額は暫定的な中間値ということでありますが、その最高額は五千九百六十七円、最低額が二千四十円と団体間の較差は二・九三倍で、県平均も三千七百八十七円で、現行の県平均三千百十六円の約二割増しとなっております。  そこで、今回の試算額の積算の考え方と試算額が高くなっている主な要因についてお伺いいたします。  第五は、障害者計画の見直しについてであります。  国においては、平成五年に「障害者基本法」を制定するとともに、平成十四年度末までの重点実施計画である「障害者プラン」を策定し、障害者が地域の中で安心して生活が送れるように、また、障害者の自立と社会参加という目標に向かって鋭意プランの推進が図られているところであります。また、本県におきましても、国のプラン等を踏まえ、平成九年三月に県版の「鹿児島いきいき障害者プラン」を策定し、諸施策を推進してきているところであります。  このような中、障害者を取り巻く情勢は平成十五年度から支援費制度が導入されるなど大きく変化してきております。  さらに、国におきましては、障害者対策に関する新長期計画及びその実施計画である障害者プランの計画期間が今年度末で終了することから、新たな障害者基本計画及び新障害者プランの策定作業を進めているとお聞きしております。  そこで、「鹿児島いきいき障害者プラン」につきましては、平成十四年度末までの計画となっておりますが、県の新たな計画の策定に向けた基本的な考え方と、今回の補正予算案で計上されております「新障害者計画策定調査事業」の内容について明らかにしてください。    [知事須賀龍郎君登壇] 11 ◯知事(須賀龍郎君) 東京電力等の原子力発電所において自主点検作業記録に不正な記載があったことは、これは許されないことであり、また、このような不正について国に情報提供があったにもかかわらず、国は適切な措置をとらなかったことは極めて重大な問題であると考えており、これらのことは原子力発電に対します国民の信頼を大きく損なうものでありまして、まことに遺憾に存じております。  県としては、八月三十日、直ちに九州電力に対しまして、国から指示されます総点検等に対しては厳正に実施し、その結果については速やかに県に報告をするとともに、安全確保を第一に日常点検や事故防止対策の徹底を要請したところであります。  この要請に対しまして九州電力からは、「同様の問題はないと考えておりますが、総点検を厳正に実施し、その結果につきましては、県に報告いたしますとともに、安全確保を第一に、安全運転に努める」旨の回答をいただいておるところであります。  また、国に対しましては、原子力発電所等が立地しております十四の関係道県で構成しております「原子力発電関係団体協議会」を通じまして、すべての事実関係を明らかにするとともに、原子力行政における指導監督責任を明確にし、責任ある対応をするよう強く要請したところであります。  なお、九州電力が実施いたします「原子力施設に係る自主点検作業の適切性確保に関する総点検実施計画書」が去る九月二十日に国に提出されましたが、九州電力に対しましては、原子力発電所の安全性に関する総点検については厳正、公正、公開を基本に点検を実施すること、また、総点検の中立性、透明性をより高めるために、第三者によります審査機関を設置することなどにつきまして要請したところであります。  安全協定に基づく立入調査につきましては、現在は「異常時における連絡があった場合並びに発電所周辺地域の住民の安全の確保及び環境の保全のために必要と認めた場合においては、発電所施設内その他必要な場所に立入調査することができる」と規定しておりますが、御指摘のとおり、今回の事案に照らしまして、平常時における立入調査につきましても明確にしてまいりたいと考えており、安全協定の見直しにつきましては、現在検討を進めているところであります。 12 ◯環境生活部長(牛之濱道久君) 県民交流センターの運営につきましては、旅券業務を除き土曜日、日曜日は開館日とし、月曜日及び年末・年始を休館日としまして、月曜日が祝日である場合は、その日は開館とし翌日を休館日とすることとしております。  なお、旅券につきましては、現在土曜日、日曜日の業務は行っておりませんが、県民交流センター開館後は県民の利便性を考慮し、日曜日に旅券の交付ができないか外務省とも協議しながら検討を進めております。  開館時間につきまして、県民ホールや多目的ホール、各種学習・研修室など、県民の自主的な活動を促進するための共用施設につきましては、午前九時から午後十時まで利用できるようにすることとしております。  また、相談室や情報提供交流サロンなどの業務につきましては、午前九時から午後五時までとしておりますが、介護実習室については午後十時までとしますとともに、男女共同参画に関する相談業務につきましては、休館日翌日の火曜日は午後八時までとするなど県民が利用しやすい施設となるように努めていきたいと考えております。  なお、放送大学学習センターにつきましては、全国共通の午前九時から午後八時までを予定しております。  旧県庁舎本館の玄関部分につきましては、県民が気軽に訪れて県政の歩みや先人の業績、県庁舎の変遷などを模型や映像、写真パネルなどを使って学べる県政資料展示室として活用し、無料で観覧できるようにすることとしております。 13 ◯警察本部長(久保潤二君) 携帯電話利用の出会い系サイトにつきましては、これが原因で児童買春のほか、少年が被害者となった殺人、強盗、強制わいせつ、恐喝、傷害などの事件が全国的に多発しているところでございます。  県内につきましても、出会い系サイトに絡んだ少年被害の事件として、八月末現在で青少年保護育成条例違反等で十件を検挙しまして、中・高校生を含む被害少年十人を保護しているところでございます。  県警といたしましては、このような現状を踏まえ、学校・関係機関とも連携を強化し、防犯教室の開催などの広報啓発活動を推進をしまして、少年の被害防止に全力を尽くしてまいります。 14 ◯保健福祉部長(中村健二君) 今回の保健医療計画の見直しに当たりましては、少子・高齢化の進展、疾病構造の変化、医療の高度化・専門化、患者ニーズの多様化など、近年の保健医療を取り巻く環境の変化を踏まえ検討を行ったところでございます。  特に「医療機関の機能分担と相互連携」、「患者の視点に立った医療安全対策・情報公開の推進」、「保健・医療・福祉の連携」という三点について重点を置いたほか、二次保健医療圏ごとの地域医療支援病院の整備、離島・僻地医療の支援に係る事業を総合的に企画・調整するための僻地医療支援機構の設置、小児救急医療体制の整備やメディカルコントロール体制の構築など、救急・災害医療の確保についても計画に位置づけたところでございます。  県としては今後とも本計画に基づいた取り組みを推進し、「いつでも、どこでも、適切なサービスを受けることができる保健医療供給体制の整備」に努めてまいりたいと考えております。  救急医療につきましては、県保健医療計画に基づき、軽度な救急患者は休日夜間急患センターや在宅当番医制などにより対応し、入院を必要とする重傷救急患者は病院群輪番制病院や共同利用型病院により、また直ちに救命措置を必要とする重篤な救急患者は、高度医療機関である鹿児島市立病院救命救急センターにより対応している現状にあり、全国同様の体制となっております。  また、離島の救急医療につきましては、必要に応じて鹿児島市内などの救急病院に県の消防防災ヘリコプターや鹿屋・沖縄の自衛隊のヘリコプターなどで医師の添乗のもとに緊急搬送しており、救急学会などの専門家からも評価を受けております。  なお、救命救急士の養成確保やヘリポートの整備等による救急搬送体制の充実や小児救急医療体制の整備、メディカルコントロール体制の構築、広域災害・救急医療情報システムの整備など、さらに充実すべき課題もあることから、引き続き県保健医療協議会救急医療対策委員会で検討してまいりたいと考えております。  本県の歯科保健対策につきましては、全国的にも低い歯科保健水準の改善、口腔ケアへの推進に向けて歯科医師及び歯科衛生士などの専門職を配置して取り組んでいるところでございます。  また、地域住民に密着した取り組みが必要であることから、保健所を中心に地域歯科医師会の協力を得ながら市町村とともに地域で取り組む具体的方策を検討し、実施しているところであります。  県といたしましては、今後とも歯科専門職を活用しながら、「八〇二〇運動推進協議会」を中心に、歯科保健の推進体制や関係団体との連携体制の充実・強化を図ってまいりたいと考えております。  輸入野菜の安全対策につきまして、国では輸入時に基準を超える残留農薬が検出される事例が多数発生したところから、検査体制を強化するとともに、輸入業者に対する残留農薬の自主検査の指導や基準を超える製品の廃棄、積み戻しなどの措置を講じているところであります。  県としても、中国産冷凍ホウレンソウにつきまして、店頭点検により残留農薬の検査成績書を確認するとともに、成績書のないものは県環境保健センターで残留農薬検査を実施し、適切に措置しております。さらに、検査対象を三品目から二十一品目に拡大し、安全な輸入野菜などの流通確保を図っているところであります。  県としては、今後とも国と連携を図りながら監視・指導の強化、消費者への適切な情報提供など、輸入野菜などの安全性確保に努めてまいりたいと考えております。  レジオネラ属菌につきましては、土壌や河川などに存在する常在菌でありますが、近年、全国各地の入浴施設で集団感染が報告されるようになり、国において平成十二年十二月に改正された公衆浴場における衛生等管理要領で浴槽水のレジオネラ属菌に関する水質基準が規定されました。  本県では、公衆浴場やホテル・旅館に関する県条例の浴槽水に関する規定を踏まえながら、国の衛生等管理要領などに基づき、入浴施設の清掃・消毒・水質検査などの衛生管理について指導を行っております。  県としては、さらに県民が安心して公衆浴場等を利用できるよう、これまでも実施してきたさまざまなレジオネラ症防止対策が確実に行われる仕組みの構築について検討してまいりたいと考えております。  レジオネラ属菌は入浴施設の浴槽などで繁殖しやすいことから、浴槽水の適切な衛生管理が重要であり、平成十二年度以降、公衆浴場やホテル・旅館、医療及び福祉施設の入浴施設管理者に対して、文書指導を行うとともに、県民に対しても家庭用浴槽の衛生管理について「県政かわら版」などで啓発を行ってきております。  さらに実態を踏まえた確実な指導を行うため、十三年度から他県に先駆けて公衆浴場、ホテル・旅館などの計画的な検査・指導を実施しており、加えて十四年八月からはすべての公衆浴場への立ち入り検査を実施しております。  また、東郷町の温泉施設におけるレジオネラ問題については、県としてレジオネラ症対策本部を設置して原因究明と再発防止に努めているところであります。  今後とも県民が安心して公衆浴場などを利用できるよう自主検査の推進や衛生管理の適切な指導及び情報提供に努めてまいりたいと考えております。  六十五歳以上の方々の介護保険料の試算額につきましては、国から示された推計方式により市町村等の高齢者人口や要介護者数の見込み、介護サービスの種類別利用量の見込みなどから算出された、介護サービスに係る総費用額等の推計に基づき保険料を積算したものであります。  今回の試算額は、現行の保険料より高くなった主な要因といたしましては、要介護者数の増加が見込まれていること、介護サービスの利用料などの増加が見込まれていること、県の介護保険財政安定化基金からの借入金の償還が始まることなどであります。  なお、新たな保険料は最終的には国の介護報酬の改定を踏まえ、平成十四年度末に市町村等の条例で定めることとなっております。  県としては、ノーマライゼーションの理念のもとに、障害者の自立と社会参加の促進を図るため、平成九年三月に策定した「鹿児島いきいき障害者プラン」に基づき、各種の施策を積極的に推進してきております。  現行の計画は平成十四年度で終期を迎えることから、平成十五年度中に新たな障害者計画を作成することとし、近年の利用者本位の生活支援体制の整備、ITコミュニケーション技術の開発、福祉のまちづくりの推進など、障害者を取り巻く環境の改善状況などを踏まえながら検討してまいりたいと考えております。  「新障害者計画策定調査事業」につきましては、新たな障害者計画策定の基礎資料とするため、障害者の活動の場や就労状況、保健・福祉サービスの利用状況などに関するアンケート調査を実施することとしております。 15 ◯農政部長(富岡忠勝君) 近年、加工食品の原材料の輸入が増加しておりますことから、原材料の原産地に関する表示を充実してほしいという消費者等からの指摘を受けまして、国はJAS法に基づく品質表示基準の改正を行い、昨年十月から梅干し、らっきょう漬けについて、本年七月からすべての農産物の漬物加工品について原材料の原産地表示が義務づけられました。また、来年三月からは野菜冷凍食品についても義務づけられることになっております。  国におきましては、今後とも消費者等からの要望が強く、原料原産地の検証が可能な品目について順次対象とする方針であると聞いております。  県といたしましては、今後とも消費者が原料原産地を確認できることにより安心して商品を選択できるよう、すべての加工食品の原料原産地表示の義務づけや消費者にわかりやすい一括した表示となるよう国に要請してまいりたいと考えております。    [本坊輝雄君登壇] 16 ◯本坊輝雄君 青少年の健全育成については、心豊かな青少年を育てる運動を家庭、学校、地域社会が一体となって取り組んでいるものの、性の逸脱行為、暴走族少年、不良行為など、青少年の非行は多様化してふえております。  かつて本県には薩摩島津藩に郷中教育という他に見られない独特の教育制度がありました。  この郷中教育において、聖典としての役割を果たし、薩摩の武士たちの精神的支えになったのが島津日新公の「いろは歌」であります。  人としての道、人の上に立つ者の心得、上下の親睦、学問修養、交友関係、博愛の精神を精神思想にとどまることなく、行動的、実践的、躍動的、活動的にいろは四十七種の歌に詠んだものであります。
     二十一世紀のキーワードは「原点に返れ」と言われております。歴史をひもとき、「いろは歌」を活用するなど、いま一度原点に返って心豊かな青少年を育てる運動を関係機関・団体と連携を図りながら、一工夫、二工夫し積極的な取り組みをお願いしておきます。  東京電力の原発トラブル隠しはもとより、疑念を抱かれている東北、中部電力のひび割れ兆候の報告など、原子力発電所の安全性に対する県民の不安感、不信感を一日も早く払拭するため、九州電力の第三者を含めた徹底した調査と、県における調査結果の早期の情報公開をお願いするとともに、川内原発の安全性が確認された後は環境調査の実施について適切な判断を示されるよう要請しておきます。  保健医療計画の見直しについては、高齢者や障害者を含めたすべての県民が、いつでもどこでも安心して受けられる保健医療サービスの提供など、さらに内容の充実したものとなるよう要請いたします。  介護保険の見直しについては、一部に商業化して過剰なサービスを受けているようなことも聞いております。ケアプランが適正に作成されるよう指導していただきたいと思います。  以上、拉致事件を初め財政問題、市町村合併、警察行政、教育問題、原発のトラブル隠し、保健福祉行政などについてお尋ねしてまいりました。  午後は田原鉄可議員に引き継ぎますので、よろしくお願いいたします。(拍手) 17 ◯議長(溝口宏二君) ここで、休憩いたします。  再開は、午後一時十五分といたします。        午前十一時五十六分休憩       ─────────────        午後 一時 十五分再開 18 ◯議長(溝口宏二君) 再開いたします。  田原鉄可君に発言を許可いたします。    [田原鉄可君登壇](拍手) 19 ◯田原鉄可君 午前中に引き続きまして、自由民主党県議団の代表質問を続けさせていただきます。  まず、九州新幹線開業に伴う川内─八代間の並行在来線の第三セクターについてお尋ねいたします。  第三セクターにつきましては、昨年の十一月十四日に県と沿線市町とで初期投資について県と市町の負担割合を八十五対十五にするなど四項目について合意され、その後、ことしの二月には熊本県側と合同会社を設立するとのことで両県知事名の合意文書が取り交わされたところであります。その後、両県において経営基本計画の策定作業を合同で進めたり、熊本県においては県と市町の負担割合を定めていなかったことから、五月末に熊本県の協議会が開催され、その場で本県などと調整途中の初期投資額や収支見込みが公表されました。それによりますと、初期投資額は昨年八月の見込みより約八億円上回っていたことと、収支見込みでは現行JR運賃の一・三倍で三年目から赤字が見込まれるものであったことから、本県沿線市町に大きな混乱が起こりました。  加えて、第三セクターと並行して運行されている通学バス会社が本年四月から六カ月定期の運賃を現行JR運賃の一・一倍にすることを決定されていたことが判明したところでありますが、第三セクターの運賃については通学バスの定期運賃を考慮し、現行JR運賃の一・三倍とすることとされていたところから、通学生に対するバス運賃との差額の助成の議論も起こったところであります。  通学バスにつきましては、バス会社が本年十二月いっぱいで運休との意向が示されておりますが、第三セクターにとってバスとの競合は当初から予想されたことであります。第三セクターを設立し運営するに当たりましては、いろいろな課題・問題はこれからもありましょうが、しっかりとした気構えを持って臨むことが何よりも大切なことであると思うのであります。  こうした中、七月二十九日の意見交換会においては、熊本県とも調整した上で、約六十五億円の初期投資額や九年目までは黒字となる収支見込みが示され、またバス運賃差額の問題については八月二十一日に示された知事の英断もあり、去る八月三十日に開催された協議会総会においては、本県側として第三セクターを設立するということで最終的に合意したところであります。  第三セクターの産みの苦労は大変なものであったと思っておりますが、まずは第三セクターの設立に向けて最終の合意がなされたことに安堵しているところであります。しかしながら、第三セクターの開業時期を考えますと、残された時間はごくわずかであります。  そこで第一点は、第三セクターの開業に向けての今後のスケジュールについて、第二点は、三セク設立に当たり、鉄道対策協議会から非沿線市町に対し支援要請をすべきではないかと思いますが、どのように考えておるかお示しください。  次に、国際定期航空路線と国際交流についてお尋ねいたします。  鹿児島―上海間の定期航空路線が先月二十八日から開設され、第一便では中国民航総局副局長や中国東方航空社長を初め定期航空路線開設に御尽力いただいた中国側の方々二十二名が鹿児島に来られ、盛大な開設記念レセプションが催されました。また二便では須賀知事や溝口議長らが上海に向かわれ、現地の関係者の皆様への表敬訪問や今後の利用促進についての要請もなされたようであります。  鹿児島・上海線の開設は県民の長年の悲願でありましたので、何回も北京と上海に足を運ばれ、精力的に開設に向けて取り組んでこられた関係者の皆様の御尽力に対しまして心から感謝申し上げたいと思います。本県の国際定期航空路線は、昭和四十七年に開設された香港線、平成二年に開設されたソウル線、それに今回開設された上海線の三路線となりました。今回の上海線の開設は一つのゴールではありますが、喜んでばかりはおられません。定期航空路線の継続に向けて、新しいスタートラインに立ったものと言えるのであります。  二十一世紀新かごしま総合計画の目標の一つである「交流連携で伸びゆく魅力あふれる南の拠点『かごしま』」の実現のためには国際航空路線の拡充強化は必要不可欠でありますので、引き続き関係機関・団体が一体となって利用促進に取り組んでいく必要があると思うのであります。  そこで第一点は、鹿児島・上海定期航空路線の開設に当たって、知事の国際航空路線利用促進のための取り組みに対する決意をお聞かせください。  第二点は、国際交流についてであります。  本県はアジアに広がる南の交流拠点の形成を目指して、これまで中国江蘇省、香港、韓国全羅北道及びシンガポールなど、アジア地域との間で国際交流・協力活動を推進してまいりました。さらに先月二十八日には上海線が開設され、または県内の市町村、民間等においても中国との交流を展開していることから、人口約十三億人を抱える中国への足場を確保したことにより、本県経済・文化などの波及効果はより大きいものがあると思うのであります。そこで、上海線の就航に伴い、今後の国際交流をどのように展開していかれるのかお示しください。  第三点は、上海線就航に伴う観光振興策についてであります。  県民の熱望した上海線が去る八月二十八日に開設されました。旅行業関係者によりますと、中国は最近旅行熱が高まっており多くの観光客が見込まれることから、魅力あるマーケットだと言われております。しかしながら、上海線に対する大きな期待の裏には厳しい状況が続いているソウル線や、休止が予定されている香港線があるという現実があります。言うまでもなく、いかにして継続的に高い搭乗率を維持するかが今後の課題であります。そのためには南九州や中国国内においてそれぞれの観光情報をよく知ってもらい、旅行意欲をかき立てることが重要であると思うのであります。そこで、観光PRを含めた施策の推進に今後どのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。  また、上海便の利用促進のために上海からの団体旅行客を誘致する必要があります。そのためには鹿児島観光の魅力ある商品をつくることはもちろんでありますが、上海の方々が日本に旅行しやすい環境づくりを進めることも重要であります。  その一つに、ビザの発給の問題があります。県議会においては、平成十三年第一回定例会において、「中国人団体観光旅行者に対する短期滞在査証発給取扱い公館の拡大に関する意見書」を可決し、上海及び広州の日本国総領事館においてもビザが発給できるよう政府に要望しておりますが、現在どのような状況にあるのかお伺いいたします。  次に、山川・根占航路についてお尋ねいたします。  山川・根占航路につきましては、平成十二年三月にいわさきコーポレーションが経営体質強化を図るためとして山川・根占航路を廃止する方針を表明したため、関係二市八町で山川・根占航路存続関係市町連絡協議会を設置し、利用促進プランを提示するなどして航路の存続を要望してきておりました。  このような中、去る七月十七日、同社が山川・根占航路を今年八月三十一日までに廃止する届け出を九州運輸局鹿児島運輸支局に提出いたしました。薩摩半島と大隅半島を結ぶ山川・根占航路は観光や産業活動に大きな役割を果たし、国や県にとって道路政策上重要な航路であり、航路の存続は必要不可欠であります。存続に向けて、関係機関・団体が一丸となって取り組んでいかなくてはならないと考えております。  先月十六日には山川・根占航路存続関係市町連絡協議会が開催され、第三セクター方式での運営に向けた検討を進めることとし、第三セクターの案を県が窓口となってまとめていくこととされたところであります。その後、県から同社に対し、第三セクターのあり方を提案するためには時間が必要であることから、航路廃止を本年末まで延期するよう要請された結果、同社においては先月二十一日に航路の廃止時期を同社の独自の判断として一カ月延長し、県の要請に対しては、今後の第三セクターの設立に向けての作業状況を見きわめながら、九月三十日までに回答を留保する旨の方針が出されたところであります。  そこで、山川・根占航路の現状と存続に対する県の基本的な考え方についてお尋ねいたします。  次に、マリンポートかごしまについてお尋ねいたします。  今回の計画変更に伴う港湾計画及び公有水面埋立免許の変更手続が終了し、今議会に繰り越し事業の工事請負契約締結議案が提案されております。港湾計画の変更につきましては、ことし三月の地方港湾計画審議会で原案どおり承認され、公有水面埋立免許変更に伴う用途変更については去る五月二十一日付で鹿児島市長に意見を求めておりました。  鹿児島市議会では建設委員会での延べ十六日間にわたる慎重な審査を経て、去る七月二十六日に臨時会が開かれ、公有水面埋立免許変更に伴う用途変更への同意議案は可決されております。その後、鹿児島市は用途変更同意を県に回答し、同日付で免許変更が許可されております。この変更に際しましては、平成十四年第一回県議会定例会での議論を踏まえて、埋め立ての変更内容について広く県民の理解を得るためにホームページや「県政かわら版」等により広報がなされたところであります。  マリンポートかごしまの建設は県勢の浮揚発展に必要不可欠な事業であり、今後とも県民の理解の増進に努めるとともに、地元鹿児島市との十分な連携を図りながら、その着実な推進が図られますよう最大限の努力をお願いしたいと思います。  このような経過を経て、本議会に同事業の契約議案が上程されたものと認識しております。  また平成十四年度予算において、廃棄物埋立護岸の利活用による貨客兼用ターミナルの新規着工が認められておりますが、岸壁延長が二百六十メートルとなっており、残る八十メートルの延長についても引き続き国に強く要望していく必要があると考えます。  そこで、今年度の事業予定を含め、マリンポートかごしまの現在の進捗状況と今後の課題について知事の見解をお伺いいたします。  次に、道路の整備についてお尋ねいたします。  本県は、大都市から遠隔地にあり、半島地域や離島など地形的な制約を有する広大な県土を抱えており、自動車交通に依存せざるを得ない状況にありますので、県勢の浮揚発展を図るために道路網の整備を積極的に促進していく必要があります。特に道路網の骨格となる高規格幹線道路の整備については一層の整備促進が必要でありますが、本県の高規格幹線道路の供用率は五〇%で全国平均に比べ七ポイントも低く、地域高規格道路の供用率は先日開通した北薩空港道路を含めて八%となったところであり、全国平均に比べて一二ポイントも低くなっております。本県の高規格幹線道路や地域高規格道路を初め国道二二六号など、域内道路の体系的な道路網の整備はまだまだ不十分な状況にあります。  本県のこのような状況にもかかわらず、今回発表された道路関係四公団民営化推進委員会の中間整理では、高速道路建設の凍結、規格の見直しの再検討、建設中の道路建設における地方公共団体の費用負担の必要性、全国料金プール制の廃止などが示されております。  最終的にはことし中に審議結果がまとめられることになっておりますが、今回の内容は本県の今後の高速道路の整備に大きな影響を与えるものであり、高速道路につきましては今後とも計画どおり着実に整備が推進されますよう、国に強く要望していく必要があると思うのであります。  そこで第一点は、今回道路関係四公団民営化推進委員会が発表した中間整理に対する知事の意見についてお聞かせください。  第二点は、道路特定財源についてであります。  道路特定財源につきましては、去る六月に政府税制調査会のまとめた税制改革の基本方針や経済財政諮問会議のまとめたいわゆる骨太の方針第二弾において、そのあり方について見直しを行うこととされており、国においてさまざまな議論がなされているところであります。道路特定財源につきましては受益者負担の考え方に基づいた財源制度であり、道路整備を計画的に進める上で極めて重要な役割を果たしてきております。  県議会においては、去る七月二日に「道路特定財源の確保及び高規格幹線道路の整備促進に関する意見書」を可決し、道路特定財源の確保について国会及び政府に要望したところであります。  また、去る七月十三日には鹿児島県高規格幹線道路等整備促進総決起大会が参加者約千二百人という規模で開催され、官民が一体となって高規格幹線道路を初めとする道路の整備促進を強く求める県民の声がアピールされました。また大会決議においては、道路特定財源の安定的な確保などが強く要望されております。  本県としては、引き続き必要な道路特定財源が安定的に確保されるよう要望していく必要がありますが、道路特定財源は受益者負担の考え方に基づき道路整備を進めるための税であり、自動車利用者が揮発油税や自動車重量税を支払い、その税金で道路の整備を行い、自動車利用者の安全性・快適性を確保するために創設・拡充されてきたものでありますので、本県だけでなく全国的な取り組みにより、その堅持を国に訴えていく必要があると考えます。  そこで、道路特定財源を堅持するための取り組みについて知事のお考えをお示しください。  次に、九州新幹線開業に向けた西鹿児島駅前広場の整備についてお尋ねいたします。  九州新幹線鹿児島ルートの西鹿児島―新八代間については、平成十六年早期の開業が見込まれているところでありますが、新幹線の開業やJR九州などによる駅ビルの開発にあわせ、西鹿児島駅周辺を総合交通ターミナルとして一体的に整備し、交通結節点として機能向上を図っていく必要があります。このように西鹿児島駅前広場は交通結節点として、各種交通機関の相互連携を図るための交通広場の機能を果たすことはもちろんのことでありますが、新幹線から降り立った県外からの観光客の方々の鹿児島県の第一印象を左右する表玄関としての重要な役割も担うことになります。  また、JR九州は先月二十七日に西鹿児島駅ビルの基本計画を決定しておりますが、地下一階地上七階の複合商業施設で、屋上に地上約百メートルの観覧車、複合映画館、駅舎との間に大屋根広場を設けるなどの内容となっております。ビルの開業が九州新幹線の開業に間に合わないのはまことに残念でありますが、ビルの開業により、さらに集客機能が高まるものと大いに期待しております。  新幹線の開業は長年の県民の悲願でありますので、新幹線の開業効果が最大限に発揮できるよう、関係機関・団体が一体となって取り組んでいく必要があります。西鹿児島駅前広場の整備に当たりましても、その機能が最大限に発揮できますよう取り組んでいただきたいと思います。  西鹿児島駅前広場につきましては、現在東口広場の地下通路の工事に着工されており、整備は着実に進められているようでありますが、西口については来年度の着工を目指し、地元説明会で整備計画案が示されているようであります。  そこで、九州新幹線開業に向けた地下通路など、西鹿児島駅前広場の整備スケジュールについて明らかにしてください。  次に、公共工事についてお尋ねいたします。  県の財政改革プログラムにおいては、平成十四年度から三年間を集中改革期間として、公共事業の見直し、県単公共事業の縮減に取り組んでおります。将来にわたって弾力的で足腰の強い健全な財政構造を構築していくためには財政改革を推進していく必要がありますが、一方で県内企業の倒産の状況や厳しい雇用情勢にも配慮する必要があります。国においては来年度の予算の概算要求基準をめぐり、政府・与党は公共投資については前年度当初比で三%減で決着しております。本年度の一〇%削減に比べれば小幅な削減でありましたが、建設業界に与える影響が懸念されるところであります。  また、去る七月に小泉首相は公共事業の長期計画の廃止・縮減を指示し、その指示を受け、国土交通相は来年度末までに期限を迎える道路、海岸、下水道、港湾など九計画について一本化する方針を表明しており、今後長期的に公共工事が縮減される可能性も出てきております。  一方県内の状況を見ますと、民間信用調査機関のデータによりますと、二〇〇二年上半期の負債総額一千万円以上の企業倒産は、発生件数、負債総額とも前年同期を大幅に上回っているようであります。また県内の雇用情勢も引き続き厳しい状況でありますので、景気の下支え効果が切れ目なくあらわれますよう、公共工事等の適切な執行に努めていただきたいと思います。  そこで、公共工事の平準化及び県内建設業者の受注機会の確保について、現在の取り組み状況と今後の対応についてお答えください。    [知事須賀龍郎君登壇] 20 ◯知事(須賀龍郎君) 川内─八代間の並行在来線の第三セクターにつきましては、去る八月三十日に県並行在来線鉄道対策協議会を開催いたしまして、第三セクターは県と沿線市町が参加して設立することとし、その設立にかかる初期投資及び経営リスクについては県と市町の負担割合を八十五対十五とする。また各市町ごとの負担額の算出方法は人口割とすること、第三セクターの運賃を現行JR九州の運賃の一・三倍とし、バスとの間で通学生の定期運賃に差額が生じた場合においては、県と当該市町の負担割合を八十五対十五として支援することなど、五つの事項につきまして合意いたしますとともに、第三セクターの運営に当たりましては、県と市町が一体となって積極的に取り組むこととしたところであります。  今後は十月中に熊本県と合同で協議会を開催し、経営基本計画を決定いたしますとともに、国やJR九州などとも十分連携を図りながら、第三セクターを設立した上で車両発注や施設整備など、開業に向けた所要の準備を進めてまいりたいと考えております。  次は鹿児島・上海定期航空路線につきましては、去る八月二十八日に中国東方航空によります路線が開設されたところでありまして、これまでの県議会を初め経済団体等の御支援・御協力に対しまして心から厚く御礼を申し上げます。  鹿児島・上海線の開設は、アジアを初めとして世界に広がる南の交流拠点の形成を目指しております本県にとりまして極めて重要な意義を持つものであると考えております。このため、同路線の利用促進活動の一環といたしまして、去る八月三十一日から九月四日にかけまして県議会議長や経済界の代表の方々と上海を訪問いたしまして、中国東方航空等に対して今後の利用促進に一層の御尽力を要請いたしますとともに、県観光連盟主催の観光ミッションが上海を訪問し、誘客宣伝活動を実施したところであります。  また、ことしの十月には路線の開設を記念いたしまして上海で物産観光展を開催し、本県への誘客対策を一層推進いたしますとともに、国際交流促進ツアーに対します助成事業などにつきましても補正予算を計上し、今議会に提案を申し上げているところであります。  今後とも鹿児島空港の国際定期航空路線の安定的運航につきましては、関係機関・団体と一体となりまして利用促進活動に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次は、山川・根占航路は本県の観光面や産業活動などにおきまして重要な役割を果たしている航路であるということは私も同じく認識いたしております。同航路の運航期限につきましては、運航会社でありますいわさきコーポレーションが九月末までという強い意向を示しておりますことから運航が休止される事態も想定されておりますなど、極めて厳しい環境であります。  こうした中におきまして、いわさきコーポレーションの方から、第三セクターの設立に当たりましては十一億円で新船を建造する、資本金は三億円とする、そしてこの資本金に対してはごく一部をいわさきコーポレーションが負担する、そしてまたいわさきコーポレーションが所有しております架道橋・待合所・駐車場等につきましては、これは第三セクターに貸し付けを行うと、このような案が示されたところであります。  県といたしましては、この案に対しまして、昨日、現在就航している船を活用いたしまして、資本金は五千万円とすること等を内容といたします案を関係市町にお示しして、御了解のもとに、この県案をいわさきコーポレーション側に申し出たところであります。ただこの際、この第三セクター設立のめどがつくまでは引き続き運航継続を強く要請もいたしております。  県といたしましては、今後とも同航路のあり方につきまして関係市町との連携を密にしながら最大限の努力をしてまいりたいと考えております。  次はマリンポートかごしまにつきましては、今議会に提案しております補正予算までを含めますと、平成十年度の新規着工から約八十四億円が予算化されておりまして、進捗状況は事業費ベースで約三一%となる見込みであります。これまでの工事によりまして、東側護岸二百八十四メートル、北側護岸三百二十一メートルが概成し、今年度の工事は東側護岸の捨石投入やケーソンの製作・据えつけ、南側護岸及び本年度新規採択されました岸壁の捨石投入やケーソン製作を予定しているところであります。  平成十三年にはクルーズ船三十六隻の寄港が実現化しますなど、鹿児島港はクルーズ船寄港地として高い評価を受けておりまして、マリンポートかごしまの早期供用が望まれているところであります。このため、引き続きまして経済団体等と一体となりましてクルーズ船の誘致活動に取り組みますとともに、岸壁の当初計画の三百四十メートルに対します残り八十メートルの延長につきましては、国に事業採択を今後とも要望してまいる考えであります。厳しい財政環境の中ではありますけれども、県民の御理解と関係機関の御協力をいただきながら、この事業を着実に推進してまいりたいと考えております。  次は、道路関係四公団民営化推進委員会の中間整理についてでありますけれども、今回整理されました内容には、施行命令の全面執行の凍結・規格の見直しを含む再検討や全国料金プール制の廃止などが明記されております。この中で規格の見直しにつきましては検討の余地があるといたしましても、全面執行の凍結につきましては採算性のみを重視した論議の結果でありまして、高速道路のネットワークの重要性や地域の実態を全く無視したもので極めて遺憾であると存じております。  本来高速道路はネットワーク化されたときにその効果が発揮されるものでありますとともに、定住と交流を促進し、国土の均衡ある発展を図りますための最も重要な社会基盤でありまして、採算性のみを重視して判断すべきものではないと考えております。同委員会は、年末までに内閣総理大臣に意見を提出する予定と聞いておりますけれども、審議に当たりましては地方の声に十分耳を傾けていただき、自立振興を目指す地方の芽を摘むことがないように、また全国料金プール制の活用によります計画どおりの整備促進が図られますよう、関係団体と一体となりまして強く国に訴えてまいりたいと考えております。  次は道路特定財源のことでありますが、道路特定財源につきましては、現在政府税制調査会や経済財政諮問会議等におきまして一般財源化などの見直し論議がなされており、また今後も年末の予算編成に向けて厳しい論議が続けられるものと考えております。  道路特定財源は受益者負担の考え方に基づく財源制度でありまして、道路整備を計画的に進める上で極めて重要な役割を果たしております。本県におきましては、整備のおくれております高規格幹線道路を初め域内道路などの体系的な道路網の整備は県勢の浮揚発展のために極めて重要な課題となっております。引き続きまして、必要な道路特定財源が安定的に確保される必要があると考えております。  このため、県開発促進協議会等によります要請活動はもとより、去る七月三十一日には九州各県知事と一体となりまして中央要望活動を行ったところであります。今後とも全国知事会や九州知事会等を通じまして、あらゆる機会を通じて国には強く要請をしてまいりたいと考えております。 21 ◯企画部長(迫田 昌君) 川内─八代間の第三セクターに対する「非沿線市町からの支援につきましては、本県の協議会におきまして非沿線市町に対しても支援要請を行い、経営安定基金のようなものを設置して受け入れるべきではないか」との意見も出されております。今後、早急に協議会におきまして具体的な対応について検討してまいりたいと考えております。 22 ◯総務部長(佐々木敦朗君) 中国との交流につきましては、本県は江蘇省との間で青少年やスポーツなど幅広い分野での交流を進めてきておりますとともに、上海、香港に駐在員を置き、経済・観光等の交流拡大に努めてきております。また、県内の市町村や民間団体においてもそれぞれの歴史や特性を生かしながら活発な交流を展開しておられるところでございます。  今般、鹿児島─上海間の定期航空路が開設され、移動時間の短縮や利便性の向上が図られたことは、中国、特に江蘇省など上海近隣の地域との交流促進に大きく寄与するものと考えております。これを機に、上海線を利用した幅広い国際交流活動を促進し、アジアに広がる国際交流ネットワークの形成にさらに努めてまいりたいと存じます。 23 ◯商工観光労働部長(岡積常治君) 鹿児島―上海間の定期航空路線の開設に伴い、中国からの観光客が増加することが期待されますことから、本県観光のPRや効果的な誘客活動、受け入れ体制の整備を図る必要があると考えております。このため、去る八月三十一日から九月四日までの五日間、上海に観光ミッションを派遣し、上海市旅遊事業管理委員会や主要旅行エージェント等を訪問するとともに、観光セミナーを開催し、桜島や錦江湾、砂むし温泉など、自然あふれる本県観光のPRに努めたところであります。  今後とも今回の観光ミッションの結果なども踏まえ、また熊本、宮崎など隣県とも連携を図りながら、中国のマスコミ・旅行エージェント等の招待や上海での物産観光展の開催、国際旅行博への出展・参加など、中国からの誘客促進に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  上海や広州でのビザ発給については、これまで国に対し県議会の意見書の提出を初め、県開発促進協議会や南九州三県による要望などを行ってきておりまして、また昨年は知事も在上海日本国総領事館や在中国日本国大使館に出向き、早期のビザ発給を要請してきたところであります。これにつきましては、先般、鹿児島・上海線の就航に際し、知事が県議会議長とともに在上海総領事館を訪問した折、総領事館側から「できるだけ早く上海でビザ発給ができるようにしたい」旨の発言がありました。今後とも上海、広州におけるビザの発給が早期に実現するよう、国に対し引き続き要望活動を行ってまいりたいと考えております。 24 ◯土木部長(直江延明君) 西鹿児島駅前広場につきましては、九州新幹線開業に向けまして、本県の陸の玄関口にふさわしい交通・環境・防災の三つの機能を備えました駅前広場の整備を図ることといたしておりまして、平成十三年度から鹿児島市と一体となりまして事業を進めてきているところでございます。  こうした中、東口広場につきましては、バスターミナル等の整備や路面電車の停留所の移設とともに、電車・バス等へのアクセスや歩行者の利便性・安全性を確保いたしますため、地下通路を配置する計画といたしております。この計画に基づきまして、県と鹿児島市でそれぞれ担当する部分を計画的に整備することとし、地下通路の躯体工事については去る八月から本格的に工事着手したところでありまして、本年度中には残る内装やエスカレーター等の設備工事を発注し、来年度は景観に配慮した広場や街路の整備を行うことといたしております。  また西口広場につきましては、これまで鹿児島市におきまして県・市・JR九州などの関係者会議を踏まえた整備計画案の地元説明会を行ってきたところでございまして、今年度は都市計画の変更や埋蔵文化財発掘調査等を行う計画であると聞いております。今後とも市や関係機関と一体となりまして、地域住民の御協力も得ながら九州新幹線開業までには本県の玄関口にふさわしい駅前広場の整備がなされるように努めてまいりたいと考えております。  次に公共工事の発注に当たりましては、これまでゼロ国債・ゼロ県債等の債務負担行為の活用や県単独事業の早期箇所指定を行いまして事業の平準化を図るとともに、地域の雇用の安定や地域経済の活性化にも配慮いたしまして、現在上半期での早期発注に努めているところでございます。また今年度の工事の発注に当たりましては、トンネル工事や港湾工事等の共同企業体工事のさらなる拡大や特殊技術を必要といたします橋梁工事等のうち、県内中小建設業者が施工可能な部分につきまして分離・分割して発注するなど、県内建設業者の受注機会の確保に努めてきているところでございます。今後とも年度を通じ、景気の下支え効果が切れ目なく発現するよう、さらなる公共事業等の計画的な執行に努めてまいりたいと考えております。    [田原鉄可君登壇] 25 ◯田原鉄可君 第三セクターについては、関係市町とよく連携して会社設立に向けて準備を進められるとともに、沿線市町にあっては自分たちの鉄道として今以上の利用促進策を図られるよう望むものであります。  鹿児島―上海間の航空路線の開設については、この航空路の定着、発展が図られるよう、利用促進や観光客の受け入れ体制の整備に努力されるようお願いいたします。  マリンポートかごしまについては、いよいよ本格的な造成に入ることになりますが、大型観光船などが一日も早く供用できるよう国の予算を確保されるなど、事業の円滑な推進に最大限の努力をお願いいたしたいと思います。  高速道路につきましては、建設凍結や道路特定財源の見直しなど改革論議が進んでいる中、我が党は去る八月、永久有料制度は不適切であるとするなどの高速道路五原則をまとめたところであります。高速道路については国の責任において整備を進められるとともに、道路特定財源を安定的に確保されることを国へ強く要望されるようお願いいたしておきたいと思います。
     次に、貿易の振興についてお尋ねいたします。  県内企業の海外におけるビジネスの支援につきましては、平成十二年六月に設置されたかごしま海外ビジネス支援センターを活用して貿易情報の収集・提供、海外商談会の開催、アドバイザーによる貿易相談の実施、県産品の海外への販路拡大を図るための海外の見本市への参加など、中国や東南アジアを中心とした事業が展開されております。また八月には中国を代表する経済都市である上海との間に定期航空路線が開設され、さらなるビジネス機会の拡大が期待されるところであります。このようなことから、今後とも海外ビジネスを拡大していくために粘り強く、繰り返し繰り返し県産品の売り込みなど経済交流の促進を図っていく必要があると思うのであります。  そこで、昨年度から今年度にかけて実施された海外ビジネス支援の実績について、海外の反応も含めて具体的にお示しください。また、香港、上海に駐在員をそれぞれ一名ずつ配置し、情報収集や各種事業の支援を行っておりますが、このような息の長い地道な活動もまた非常に有益であることから、今後の海外駐在員制度の活用についてもお聞かせください。  次に、新事業創出の促進についてお尋ねいたします。  本県経済の持続的な発展を図るためには、本県の特性を生かした多様な産業の振興のもとに産学官の連携をさらに強化し、共同研究などを通じた新技術・新製品の開発や新たな分野への進出など、新事業の創出に向けた取り組みが求められております。そのようなことを踏まえて、近年産学官の連携による共同研究を促進するため公募型の事業が国において創設されております。公募型の共同研究事業の導入は地域の資源やポテンシャルを活用した新事業を創出する契機となるものであり、極めて重要であると思うのであります。  そこで、この公募型共同研究事業に対し本県ではどのように取り組まれ、また大学の持つ研究成果を実用化するため、どのように連携を図っていかれるのかお伺いいたします。  次に、観光の振興についてお尋ねいたします。  先日の発表によりますと、平成十三年に本県を訪れた県外からの宿泊観光客は延べ七百六十一万五千人で前年より三%ふえ、五年ぶりに前年を上回ったほか、県内客の宿泊数も四年ぶりに増加に転じたとのことであり、まことに喜ばしいことであります。  このような中、県では「観光まごころ県民運動」を推進されております。この運動の取り組みについては、ことし三月及び六月定例会における我が党の代表質問や我が党所属議員の一般質問で取り上げました。その答弁の中で、商工観光労働部長は「観光客にとって初めての土地で触れた温かな応対や思わぬ親切などが旅の印象を大きく左右し、また旅館・ホテルやタクシーなどによる質の高いサービスの提供が観光地としての評価をより一層高めていくものと考えている」と述べておられます。まさしく同感であります。しかしながら、一部ではありますが、観光事業に従事する者に配慮に欠ける残念な実態が存在することも事実であります。  本年度は、スカイマークエアラインズの鹿児島空港新規乗り入れに伴った運賃値下げによる増客、鹿児島を舞台としたNHK朝の連続テレビ小説「まんてん」の放映開始など好材料が相次ぎ、観光かごしまにとって一大転換期とも言える年であります。  そこで、「観光まごころ県民運動」について、観光関係団体、業界、市町村と一体となった早急な対策やかごしまの食の利用策などを講じる必要があると思うのでありますが、その取り組み状況について改めてお尋ねいたします。  次に、安定した雇用の確保についてお尋ねいたします。  総務省が発表したことし七月の全国の完全失業率は五・四%となっており、完全失業者数も三百五十二万人と相変わらず高水準で推移しております。県内の景況につきましても一部の業種に改善傾向が見られ、全体として下げどまりの傾向がうかがわれるものの、依然として厳しい状況が続いており、七月の有効求人倍率は前月を〇・〇一ポイント下回った〇・四三倍となり、全体として厳しい状況に変わりはないようであります。こうした中、県、市町村においては緊急地域雇用創出特別基金事業を活用し、各種の雇用支援策を推進されているところであります。  そこで第一点は、平成十四年度における県の雇用対策事業のこれまでの実施状況と今後の取り組みについてお尋ねいたします。  第二点は、新規高卒者に対する就職支援及び早期離職防止対策についてであります。  ことし三月の新規学卒者の就職率は過去最低となり、厳しい春となりました。こうしたことから、県や県教委あるいは鹿児島労働局等においては、平成十五年春に卒業予定の高校生の就職を支援するため、高等学校就職問題検討会議においてこれまでの就職慣行の見直しを行い、また就職を希望する高校生の支援を行う就職支援員二十七人を拠点校に配置するなど、就職状況の改善を図るため新たな活動を展開されております。しかしながら、新規高卒者を取り巻く環境は極めて厳しい状況であります。この就職難の背景には、低迷する経済情勢の中、企業側に人材を育成する余裕がなく、即戦力となる転職者や大卒者を優先するなどの理由のほか、企業側から見た高校生自身の問題もあるように思うのであります。  平成九年三月卒業の県内の新規高卒者の離職状況を見ますと、就職して一年目に離職した者約二五%、二年目に約一五%、三年目に約一〇%となっており、三年間で就職者の約半数が離職しております。また、企業の経営者の皆さんからは「あいさつができない、基本的な言葉遣いや電話応対ができない、きちんとした服装ができない、やる気が見られない」などの厳しい声があります。これは、まさしく高卒者の職業意識の欠如と言わざるを得ません。家庭における職業教育の重要性はもちろんでありますが、学校現場においても生徒たちの進路に関する指導や職業意識を高める教育に力を注ぐ必要があると思うのであります。  そこで第一点は、来春の高校卒業予定者に対する八月末現在の求人状況は最悪の求人倍率〇・三六倍という厳しい中で、就職支援員はどのような活動をし、どのように成果があらわれているのか。第二は、高等学校における職業教育の実施状況と県教委の考えについてお答えください。  第三点は、県立高等技術専門校及び国立県営障害者職業能力開発校の活用についてであります。  県内四カ所に設置された高等技術専門校及び薩摩郡入来町にあります障害者職業能力開発校においては、それぞれ特色のある能力を習得するための職業訓練を実施しているところであります。新規学卒者や再就職を求める方々の就職率が低迷する中、卒業者の就職に当たっては高い評価を得ていると聞いております。  そこで、平成十四年三月卒業者の就職状況と今年度の各校の入学状況並びに来年春卒業予定者における就職支援状況についてお伺いいたします。あわせて、各校における教育設備については常に時代を先取りする必要があると考えますが、整備状況などについてお答えください。  次に、林業及び水産業の振興についてお尋ねいたします。  第一は、恵み豊かな森林づくりについてであります。  「森は海の恋人」と言われますように、森林が豊かになれば海も豊かになることは広く知られております。水は雨となり森、川を伝わって再び海に流れ、海の生き物を育てるという循環が認識され、海を豊かにするための植樹活動なども積極的に行われており、健全な森と水産資源とは密接な関係にあります。  そういった中、本県では二十一世紀新かごしま総合計画の主要プロジェクトにおいて豊かな森と海づくりの推進を掲げ、沿岸漁業の安定的な発展と沿岸域の水産資源の増大を図るため、森林の保全と沿岸域の整備を一体的に進められているところであります。  ついては、一体となって取り組まれている森と海づくりの状況についてお尋ねいたします。  第二は、県産材の利用推進についてであります。  近年、自然環境の面から森林の役割が強調されております。しかしながら、それを支える林業や木材業界は林家一戸当たり年間平均林業所得は二十六万円に過ぎず、また国土の七割と先進国でも高い森林割合を持つにもかかわらず、八割を輸入材に頼る米国、中国に次ぐ世界第三位の木材輸入国であることや、木材価格は丸太、製材品も二十年前の半分以下に低迷し、さらに木造住宅着工数の減少など、依然として厳しい状況であります。  このような中で、本県の林業・木材産業の活性化を図るためには県産材の需要拡大、利用推進が大変重要であります。最近の県産材利用推進に向けた取り組みなどを見ますと、製材業者などで構成する団体が消費者との接点を探ろうと、「住まいづくりの図書館」を鹿児島市内にオープンし、材木を扱う業者が直接施工主の声を知ろうとの試みがなされております。  また、県内における木造住宅建設において画一的な量販型住宅ではなく、蒸し暑い鹿児島でも県産材を利用した鹿児島型住宅で快適な家をつくるという動きなど、まさに鹿児島産木材を鹿児島の人たちが利用する取り組みであり、今後の活動が期待されるところであります。  一方、宮崎県でも低迷で疲弊する林業を、中国への輸出で盛り返そうと、宮崎杉の再生をかけた輸出計画が進められていると聞いております。このことは積極的かつ画期的な試みであり、こういうときだからこそ先手を打っていくことも大事なことと考えます。  さて、本県における県産材の推進につきましては、二十一世紀新かごしま総合計画において消費者ニーズに対応したかごしま材の供給体制づくりを進め、かごしま材の利用を推進するとしているところであります。これまで木材利用庁内推進会議が設置され、公共施設や公共土木事業への木材利用推進、乾燥材の供給体制整備、学校施設の木質化など、かごしま材の需要拡大に取り組まれているところであります。しかし、県内の公共施設等への木材利用において、かごしま材利用推進の考え方が行き届いているのか懸念されるのであります。  ついては、公共施設等における県産材の利用状況と推進のあり方についてお示しください。  第三に、県産魚の消費拡大策についてであります。  水産業においては、国内消費が低迷している中、輸入魚の増大、漁獲の減少、魚価の低迷など、依然として厳しい状況にあります。特に本県漁業生産額の半分を占める養殖においてはブリ、カンパチの価格が低迷しており、これまでのブリが八百円から九百円、カンパチが千二百円から千三百円であったものが、平成十三年には出荷時期である十一月から十二月にかけての価格が底値でブリ五百円、カンパチ六百三十円と、生産原価割れまでに落ち込んでおり、現在やや持ち直しているものの、依然として厳しい状況は続いております。  やはり長引く不況による需要の低迷や海外から輸入される他魚種との競争の激化などが背景にあると考えられますが、本県水産業の活性化を図るために県産魚の消費・販売拡大や輸入魚、他県産との差別化を図ることが大変重要であると考えます。  加えて、東町では去る八月赤潮により約三十二万匹の養殖ブリが死ぬという被害が発生いたしました。私どもは早速現地に赴き、関係者の皆さんへ再起に向けての激励のことばを申し上げてまいりましたが、このような自然災害を受けるのであります。  そういった中、県も出資している企業において、欧州連合に鹿児島産の養殖魚を鮮魚として輸出することを計画しているという明るい話題が本年五月にありました。EUに鮮魚を輸出するのは国内初の試みであり、年内にも輸出を始めたいとしており、今後の動向が注目されるのであります。  また、県内各地域においても地元市場での魚祭りの開催や、その地域特有の魚介類を地域が一体となりPRに取り組むといった活動が盛んに行われるようになり、今後の動向が注目されております。一方、県で平成六年に十八種を選定した「かごしま旬のさかな」を初めとする県産魚の消費拡大キャンペーンやブリ、カンパチのブランド化の促進など、二十一世紀新かごしま総合計画の主要プロジェクトである「かごしまさかなづくりの推進」を進められているところであります。  ついては、「かごしま旬のさかな」の地域特産魚のPRの取り組み状況と成果並びに今後の課題と振興策について、また、欧米では日本食が見直されつつある中で、以前の寿司ネタとしてブリなどの魚が本県から米国に輸出されましたが、その後どのように拡大されているのかお聞かせください。  第四は、県産ウナギの振興策についてであります。  ウナギは大隅・肝属地区を中心に川内地区、指宿地区等で盛んに養殖されており、本県の主要水産物の一つであります。平成十三年においては種苗のシラスウナギが十分に確保されたことや個体を大きくして出荷した経営体がふえたため生産量を伸ばし、国がこのほどまとめた平成十三年の内水面漁業・養殖によりますと、三年ぶりに愛知県を抜いて再び日本一となっております。しかしながら、養鰻業者を取り巻く情勢は全般的に見ますと、国内生産量は平成十二年で二万四千トンでありますが、それに対して輸入量は五倍以上の十三万三千トンにも及び、そのうち七八%を中国産が占めており、国産はここ十年ほど減少傾向にありますが、輸入品は十年前から倍増している実態があります。  これら中国・台湾産ウナギの輸入急増等により我が国のウナギ価格は平成十一年秋から全国的に暴落し、養鰻業者の廃業や生産縮小が相次ぐなど、厳しい経営環境に置かれております。また、これらの輸入品は国内産地価格の暴落を招いて養鰻業者の経営を圧迫したのみならず、残留化学物質問題を起こしたことなどから、消費者の国産志向につけ込んで国産品として表示されることや、さらに国産品においても有名な産地の名を表示して販売されることもあったやに聞いております。  そういった中で、国においては平成十一年にJAS法を改正し、ウナギ加工品についてもことし二月から原料原産地の表示が義務化されるとともに、七月には改正JAS法により産地表示の偽装に対する罰則が強化されております。純粋な鹿児島産ウナギの生産と販売に地道に取り組んでいる本県においてはまさに歓迎されるところであり、本県ならではの安心・安全でおいしいウナギの生産とそのPRが必要かと考えます。  ついては、本県の生産状況と輸入対策や生産・加工技術の開発などを含めた今後の振興策についてお答えください。  第五に、漁協合併についてであります。  これまでの漁業協同組合は漁業者の協同組織として、漁業者の社会的・経済的地位の向上と漁業経営の安定を図るため、販売、購買、共済などの経済事業の実施や漁業権の管理、また漁業者への営漁指導、漁場の整備・開発などを通じて、水産業の振興及び漁業地域の活性化など広範な役割を果たしてきたところであります。  しかし、近年漁協を取り巻く環境は、水産物の流通・消費の多様化、漁業経営の不振、組合員数の減少など、大きく変化しており、各事業の停滞や財務内容の悪化など漁協の経営基盤を弱める要因となっていることから、経営基盤の強化や体質の改善などを図るための漁協合併への取り組みが重要視されております。また昨年制定された「水産基本法」においては、漁協に対し、地域の活性化、資源管理型漁業の推進、担い手の育成など、さまざまな課題への対応策を展開する上で、漁協組織の果たす役割が期待されております。  一方、本県の漁協においても魚価低迷や漁獲不振により経済事業の総取扱高が減少するなど経営状況が懸念され、とりわけ本県の漁業生産額の半分を占めるブリ、カンパチの養殖業の不振が大きく、その経営などが心配されているところでありますが、養殖業は町の基幹産業の一つであるとの見識から、現在まで桜島町、内之浦町、東町などの各市町村から積極的な支援を得ているところであります。  そういった中、漁協合併につきましては、県漁連で作成された「鹿児島県漁協合併促進に関する基本計画」に基づき、平成十五年度までに十地区十漁協、平成二十年度までに一県一漁協を目標に、系統団体が一体となって取り組まれ、平成十三年度には北薩地区、甑島地区において合併を前提にした推進協議会が発足されております。平成十四年度に入り、全国でも漁協合併・信用事業統合が一段と加速し、中でも大分県や秋田県など広域・大型合併への動きが活発化しております。  漁協合併につきましては、漁協間の財務格差の解消や合併後の漁業権管理についての組合員の不安解消など時間を要する問題が山積し、大変な御苦労があるところでありますが、水産物の安定供給の確保や水産業の維持を図るためには、漁協の事業や組織基盤を強化することは大変重要であります。  ついては、漁協合併の推進状況と今後の取り組みについてお尋ねいたします。    [知事須賀龍郎君登壇] 26 ◯知事(須賀龍郎君) 本県の厳しい雇用情勢を踏まえまして、県といたしましては、農林水産業や企業分野における新規就業の促進、雇用環境の一層の改善を図るための新たな施策や、総額五十七億円の緊急地域雇用創出特別基金の活用によりまして、雇用・就業機会の創出に努めているところであります。  平成十四年度の基金事業は、今議会に提案いたしております補正分二億二千万円を含めまして十九億七千万円で、県・市町村合わせまして約千三百人の新規雇用を見込んでいるところであります。  また、離職者等の早期再就職を図りますための職業訓練の実施や、来春の新規学卒者の就職を促進するために、「県内企業と高校就職指導担当者との情報交換会」の開催など、国・県・教育委員会が一体となりまして雇用対策に取り組んでいるところであります。  さらに、去る九月十二日には、実務担当者によります「緊急雇用対策連絡会議」を開催したところでありますが、今後とも「政労使会議」や「大学生・短大生・高校生等のための就職面接会」の開催など、国や関係機関と連携を図りながら雇用対策の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。 27 ◯商工観光労働部長(岡積常治君) 県内企業の海外ビジネス支援につきましては、「かごしま海外ビジネス支援センター」において毎週貿易相談を実施するととともに、貿易研修を昨年度五回、本年度四回、海外貿易セミナーを昨年度は三回、本年度二回開催しているほか、海外商談会を実施するなど各種の事業を行っております。  このうち貿易相談事業については、昨年度は焼酎の輸出など二十二件の相談がありましたが、今年度についても八月末現在で雑貨の輸入など十七件の相談があり、専門のアドバイザーが具体的なアドバイスを行っております。  また、昨年十月のベトナム商談会では約百五十件の商談があり、うち四件が成立し、本年四月にシンガポールで開催された国際食品見本市では約二百五十件の商談が行われ、四件が成立、五件が継続中となっております。  県としては、今後とも県内企業の海外事業展開を積極的に支援してまいりたいと考えております。  香港と上海の駐在員は商談会・物産観光展など経済交流の促進や輸出入に関する市場調査、貿易情報の収集、県産品の広報宣伝、観光交流促進など幅広い業務に従事しております。  香港及び上海は、中国を初めとするアジア地域における貿易・経済の中心都市として重要な役割を果たしておりますことから、今後とも海外駐在員の一層の活用を通して、南に開かれた本県の地理的特性を生かし、本県貿易の拡大、経済交流、観光客誘致の促進に努めてまいりたいと考えております。  産学官の連携による公募型の共同研究事業については、現在、今年度の文部科学省の新規事業に採択された「サツマイモ、茶などから有用成分を抽出・生成し、食品の日持ちや動脈硬化の防止などに効果を発揮する機能性食品等の研究開発」など七件が鹿児島大学、県工業技術センター、県内企業等により進められております。また、本年七月には県工業技術センターが中心となって開発した「使用済み発泡スチロールの完全循環型再生技術」を利用する工場の県内立地が決定するなど、共同研究の成果が出ているところであります。  今後ともこのような公募型共同研究事業を積極的に活用するとともに、鹿児島大学に設立予定の技術移転機関である「鹿児島TLO」とも連携を図りながら共同研究のコーディネートに取り組み、県内企業の技術開発を促進し、新事業の創出を図ってまいりたいと考えております。  「観光まごころ県民運動」を着実に推進するため、観光関係団体や経済団体、女性団体、青少年団体、行政等で組織する「観光まごころ県民運動推進会議」を近く設立することといたしております。  この推進会議において関係機関・団体等との緊密な連携のもとに、それぞれの機能を生かした県民のホスピタリティの醸成や観光関連事業者等の資質向上、きれいな観光地づくりへの取り組みがより活発に行われるよう、シンポジウムの開催などを通じて機運の醸成に努めてまいりたいと考えております。  今後とも観光客を温かく親切に迎える運動を県民総ぐるみで展開いたしますとともに、地産地消の観点から、本県の特色ある食材や地元の新鮮な食材を活用してホテル・旅館などでの「かごしまの食」の提供に努めるなど、本県を訪れる多くの観光客が「再び訪れたい」と思うような観光かごしまづくりを進めてまいりたいと考えております。  県立高等技術専門校の平成十三年度卒業者の就職状況は自動車工学科など訓練科によっては一〇〇%の就職率の科もあり、全体といたしまして修了者百七十五名に対し就職者百五十一名で、就職率八六・三%、障害者職業能力開発校は修了者六十四名に対し就職者二十七名で、就職率四二・二%となっております。  また、県立高等技術専門校の本年度の入校状況は定員二百十名に対し入校者は二百六名、障害者職業能力開発校は定員百名に対し入校者は八十三名となっております。  就職の支援につきましては、企業への求人調査、職員による職場開拓のための企業訪問、職員及びハローワークによる就職相談などを実施いたしますとともに、卒業予定者一人一人の希望に応じた助言・指導を行うなど、きめ細かな取り組みを行っているところであります。  県立高等技術専門校においては、社会のニーズに対応した人材育成を図るため、これまで逐次訓練科・訓練内容の見直しや、訓練内容の高度化を進めるために必要な機器の整備を行ってきております。  また、老朽化した鹿児島障害者職業能力開発校においては、平成十八年度開校に向け、本年度実施設計に着手し、全面移転に向けての整備を進めているところであります。  今後とも社会・経済情勢の変化等に対応しながら、県立高等技術専門校、障害者職業能力開発校の活性化に努めてまいりたいと考えております。 28 ◯教育長(福元 紘君) 就職支援員の活動についてでございますが、県教委では本年六月から企業の管理職経験者などを「就職支援員」としまして二十七の県立高校に配置しまして、五十二校の就職活動を積極的に支援しておりますが、八月までの三カ月間の具体的な活動を見ますと、一人当たり平均で百二十社の企業を訪問して求人開拓をしたり、六十人の生徒の進路相談を行っているほか、進路講演会の講師や模擬面接試験の面接官などの業務を行っております。  その結果、「管内企業の小まめな職場訪問により、学校と企業との距離が縮まった」「これまで実績のない企業からの求人がふえた」「生徒への職業観育成の指導が充実した」などの成果が上がっておりまして、昨年度に比べまして県内求人が約四割増加した学校も出てきております。  県教委では新たに高校生の就職を依頼しますリーフレットを作成し、就職支援員と連携しまして各地区の経営者団体等に求人を働きかけるなど、一層の就職支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、職業教育の状況等についてでございますが、各学校では家庭と連携しまして、社会人としての基本的なマナーや困難に耐える力をつけさせるとともに、九割を超える専門高校では生徒の職業意識を高めるため、企業で就業体験を行いますインターンシップを実施しております。  また、今年度新たに二つの専門高校で人材育成の専門家を講師にした「進路選択支援講習」を実施したり、夏季休業期間中に県内二十六の高校、百二十四人の生徒が五十社の企業や事業所での職場見学会に参加し、実際の仕事の厳しさや職場への理解を深めたところでございます。  さらに、社会人や卒業生を講師とした進路指導講話に生徒のみならず保護者にも参加を呼びかけ、望ましい職業意識や就職環境の厳しさを認識いただいているところであります。  今後は県教委としましても、十月中旬の「産業教育創造フェスタ」におきまして、若手経営者と商業や工業などの専門高校生が就職について語るフォーラムを開催し、望ましい職業観や勤労観の育成につきまして、生徒や保護者に啓発を図るなどの取り組みを推進してまいりたいと考えております。 29 ◯林務水産部長(徳重勝治君) まず豊かな海づくりにつきましては、海だけでなくその背後にある森林を一体的に保全・整備していくことが大変重要であります。  このため、平成十三年度からまず笠沙町域を対象に「豊かな森と海づくり森林整備計画」を策定いたしまして、七カ所の治山事業と五十五ヘクタールの森林整備を実施しますとともに、これと連携して水産関係でも養殖場造成のための消波堤の整備や、水産試験場も一体となった藻場の造成試験などを行ったところであります。  今年度はさらに地元町の「豊かな森と海づくり推進協議会」において具体的な事業計画を策定し、今後多様な森林づくりに向けた植林など町民と一体となった計画の推進を図ることにいたしております。  県としても、策定された事業計画に基づく各種の事業の導入などを支援しながら豊かな森と海づくりを推進してまいりたいと考えております。  次に、公共施設等への県産材の利用状況でございますが、平成十三年度に工事を受注した工務店及び製材工場の聞き取り調査によりますと、公共施設等に使用した木材約一万九千立方メートルありますが、このうち八二%に県産材が使用されております。  今後の県産材の利用の推進につきましては、「木材利用庁内推進会議」を通じた全庁的な取り組みの中で、可能な限り県産材の利用を推進するほか、市町村や建設業団体等にその優先利用を要請するとともに、具体的な対策として、今年度から産直住宅の取り組みの中で産地証明の提出を指導したところであり、さらに森林土木事業など公共工事においても産地証明の導入についての検討を進め、本年度中に実施できるように努力してまいります。  また、乾燥材など一部資材において需要に適切に対応できないケースもありますことから、業界と連携を図りながら乾燥材など高品質な県産材の生産体制の整備についても積極的に促進してまいりたいと考えております。  次に、「かごしま旬のさかな」を初めとする県産魚の消費拡大につきましては、重点魚種のキャンペーン活動の推進や地域特産魚の産地育成の推進など、販売活動の促進に重点を置いた施策を展開しているところでございます。  特に昨年度から県漁連と産地が一体となったトビウオの全国的なキャンペーン活動や、阿久根地区でブランド化を目指しておりますハナアジの販売活動に対して支援を行っておりまして、その結果トビウオについては量販店等へ販路が拡大され、大漁のときでも価格安定が図られたほか、ハナアジについてはブランドの浸透により魚価が向上するなどの効果があらわれてきております。  今後の課題といたしましては、消費者・量販店のニーズに対応した、安全・安心で付加価値の高い県産魚の供給体制の整備を進めていくことが重要であると考えております。  県といたしましては、今後県漁連等関係団体と緊密な連携を図りながら、本県の主要な魚種であるブリ、カンパチ等の銘柄化の促進や、トビウオ等に続くカツオやマダコなどの販売キャンペーン活動を積極的に展開するとともに、安全・安心な水産物の安定供給を図るため、HACCPシステムの導入や流通施設等の計画的な整備を進めることにいたしております。  なお、ブリ等本県の水産物の輸出につきましては、県も出資しております鹿児島産業貿易を中心に、昭和六十年からニューヨークを主な出荷先として取り組まれてきておりましたけれども、その後ロサンゼルス、サンフランシスコなど米国各地やカナダのトロント、バンクーバー、またバンコク、香港等に出荷先が拡大されますとともに、その取扱量も増大してきております。  なお、主に鹿児島産業貿易を通じて輸出を行っている東町漁協のブリの平成十三年度の輸出は六百八十七トン、九億二千万円で、平成元年に比べると量で二・六倍、金額で三・一倍となっております。  次に、ウナギの振興策でございますけれども、平成十三年の本県養鰻業の生産量は、農林水産統計の概数では対前年比で一五%増の八千八百十九トンで全国第一位となっております。  養鰻業の振興に当たりましては、市場で大きなシェアを占めている輸入品との差別化を図る製品づくりを進めめ、産地・経営体の競争力の強化を図ることが重要と考えておりまして、今年度大隅地区の養まん漁業協同組合が進めておりますHACCP対応型の加工場の整備に対して助成を行うなど、加工技術の高度化やブランド化を支援しているところでございます。  また、最近の安全で安心な食品を求める消費者嗜好の高まりによりまして、国産のウナギが見直されてきていることから、原料原産地表示等の指導徹底や、かごしま旬のさかなとしての本県産のウナギのPRをさらに進めるほか、魚病対策等生産技術の確立を図り、本県養鰻業の振興に努めてまいる所存でございます。  次に、漁協合併のお尋ねでございますけれども、県漁連が平成十一年に作成した「漁協の合併の促進に関する基本計画」に基づきまして、現在六十八ある漁協を平成十五年度までに十地区十漁協、平成二十年度までに一県一漁協を目標に系統団体と一体となって取り組んでおります。  これまで十地区すべてに合併研究会が設置され、このうち北薩地区及び甑島地区では既に合併推進協議会に移行し、それぞれ平成十五年四月一日及び平成十五年十月一日の合併に向けた作業が行われているところでございます。  県漁連に設置された合併推進本部では、先般開催されました委員会で、今年度中にすべての地区で合併推進協議会に移行させることが決議されました。
     県としては、これまで合併推進員を配置し、合併推進協議会等に対し指導を行っているほか、合併研究会に職員を派遣し、合併実現に向けた協議を行っております。  また、財政支援策として、合併推進本部や合併推進協議会の活動費に対する助成及び合併漁協等に対し利子補給や機器整備の補助など、各種施策を実施しております。  今後とも広域合併の早期実現のため、系統団体と一体となった取り組みを、さらに進めてまいりたいと考えております。    [田原鉄可君登壇] 30 ◯田原鉄可君 新事業創出の促進につきましては、本県産業の活性化を図るためにも大変重要なことであり、県試験研究機関の研究開発や、技術支援機能の充実及び産業支援センターの支援機能の充実に努めていただくよう要請いたします。  雇用対策につきましては、高卒者の雇用環境が厳しい折、高校生に職業意識を持たせ、一定水準の学力や職業能力を身につけさせるなど、企業が求めている人材の育成にさらに努められるよう要請いたしておきます。  県産材を利用促進することは、本県林業の振興を図る上でも必要なことであります。県産材の需要拡大のため、これまで以上の工夫、努力をお願いするとともに、木材利用推進組織などの活用により、住宅や公共施設などにおける県産材の利活用促進の徹底を図られるよう要請いたしておきます。  漁業者の組織である漁協の合併は、まことに重要な課題であります。合併の促進に向けてなお一層の努力をお願いするとともに、ウナギや魚の市場開拓に最大限の努力を払っていただくようお願いしておきます。  次に、農業の振興についてお尋ねいたします。  第一は、かごしま茶の振興についてであります。  本県の茶業については、温暖な気候や広大な畑地を活用し、わせ種から晩生種など、地域に適応した優良品種の組み合わせや、一番茶から秋冬番茶までと幅広い茶の生産など、多様で個性ある産地づくりを進め、現在全国でも有数の茶産地に育っております。  その中で、本年十一月十五日、本県で開催される全国お茶まつりは、昭和六十一年に鹿児島市で開催されて以来、実に十六年ぶりの開催であり、式典や産地視察を頴娃町で開催し、また、品評会や消費者を対象としたフォーラムなどを鹿児島市で実施するなど多彩な催しが予定されております。この大会は、全国に安心・安全なかごしま茶の銘柄の確立を図る絶好の機会であると思うのであります。  このお茶まつりの一環として、去る八月二十七日から三十日にかけて鹿児島市で行われた全国茶品評会の審査において、本県は最もすぐれた産地に授与される産地賞を審査八部門のうち四部門で獲得するとともに、個人部門においても最優秀の農林水産大臣賞を六名が獲得するなど、好成績をおさめたところであります。  また、普通せん茶部門で七年連続もの産地賞受賞の実績があることなど、本県の茶生産、製造技術の水準が全国トップレベルにあることを証明したもので、これまでの県内の茶農家を初め関係者の皆さんの御努力に対し心から敬意を表するとともに、今後もかごしま茶の振興発展のため引き続いての頑張りをお願いするものであります。  また、食肉偽装問題を機に、食品表示への消費者の関心が高まる中、茶業界団体においても表示のあり方を検討されているとの新聞報道がございました。国産荒茶の原産地表示が実現するともなれば大変望ましいことであり、県産茶の知名度が全国ブランドとして広がるものと期待されるところであります。  ついては、かごしま茶のPR対策の取り組み状況と全国お茶まつりの開催に期待される効果についてお伺いいたします。  また、本年産のお茶の市場価格を見ますと、下級茶を中心に低迷しており、特に三、四番茶の価格は前年同期より四割程度も安く、非常に厳しい状況になっております。価格低迷の背景には輸入茶の急増やドリンク茶の供給過剰が考えられておりますが、特に輸入茶については中国からの輸入が多く、平成十三年の緑茶の輸入量は一万七千トン強となり、全国の二三%を占める本県茶生産量に匹敵するまでにふえております。  ついては、輸入茶の増加に対応した生産振興対策についてお尋ねいたします。  第二に、BSE対策についてであります。  BSE発生から一年が過ぎ、八月二十三日には五例目が確認されましたが、最近の牛肉の消費動向を見ますと、食肉処理での全頭検査の実施や、トレーサビリティーの効果等により、牛肉の安全性に対する消費者の理解が浸透してきているように思われます。  店頭価格や焼肉店等での客足もBSE発生前の水準にほぼ回復しつつあり、また子牛価格や枝肉価格も需要の活発化によりBSEの影響を払拭する価格帯に入ってきているなど、生産者、卸・小売業界とも一段と消費拡大への期待が高まっているところであります。  このようなことは平成十三年度から設置されたBSE関連対策の効果によるものと評価するものでありますが、これまで実施されてきたBSE対策を見てみますと、地域の実情に即し、一貫した対策となっているのかなど、まだ多くの課題があります。  具体的には、牛由来の肉骨粉や死亡牛は焼却することになっておりますが、焼却施設の確保や膨大な在庫問題など、今後どのように行われていくのか懸念されるところであります。  また、肉用牛経営の安定対策や緊急融資なども平成十五年度以降の取り扱いは未定であることや、先般施行された牛海綿状悩症対策特別措置法による二十四カ月以上の死亡牛検査における運搬、処理及び負担などはどのようになるのかなど不確定な要素が数多く残されております。  県におかれましては、国に対し、機会あるごとにBSE対策にかかわる経費などについては、国の責任において的確に対応するよう強く要請され、その結果、これまで多くの施策が実現されるなど高く評価するところでありますが、全国でも有数な畜産県鹿児島として、国に先立ち全国から鹿児島方式と言われるぐらいの対策を独自に実施されることを期待するものであります。  ついては、畜産県鹿児島として死亡牛のBSE検査や肉骨粉処理などのBSE対策を、今後どのように進めるのかお聞かせください。  第三は、競争力のある野菜の振興についてであります。  国は昨年四月、中国からの輸入急増に対し、ネギなど三品目についてセーフガードを暫定発動したものの、十二月には本格発動を回避し、「日中農産物貿易協議会」を設立し、秩序ある貿易を促進することとしております。  最近の野菜の輸入動向を見てみますと、ことしに入って輸入量は落ちつきを見せておりましたが、五月後半から六月にかけて国内産相場が堅調さを取り戻すと再びふえ始めており、六月の輸入量は暫定セーフガード前の一昨年と比較してほぼ同じ水準になっております。  輸入野菜の大半は中国産であり、価格も国内産と比べ二分の一から三分の一と安く、品質的にも向上しており、また一定量が供給されることなどから、外食産業などで幅広く使われていると聞いております。  このため、昨年八月国においては輸入野菜に対抗する対策として生産、流通から消費に至る改革を進める野菜の構造改革対策を新たに打ち出したところであります。本県においても、国際競争力のある産地づくりに向けて、生産や流通コストの低減などの取り組みが進められていると聞いております。  再度申し上げますけれども、輸入野菜については、ことしの三月中国産冷凍ホウレンソウから基準の九倍もの殺虫剤クロルピリホスが検出されたのを発端に、次々と残留農薬基準違反が発見され、中には基準の約百八十倍という高濃度の残留農薬が検出され、また、中国産マツタケから基準の二十八倍の農薬ジクロルボスが検出されるなど大きな問題となっております。  安価な野菜の安定供給を求めて輸入野菜が急増していることから、消費者が知らない間に輸入野菜を口にしているケースも少なくないと見られ、より一層の輸入時の検査が重要であり、去る九月七日には国民の健康を損なうおそれのある輸入農産物を取り締まるための改正食品衛生法が施行され、国の規制がより強化されたことは大変喜ばしいことであります。  一方、国内で発ガン性などが指摘されている無登録農薬が販売されておりますが、本県でも使用が確認されております。安全な農作物を供給するため、県内生産農家への指導も徹底する必要があります。消費者の農産物に対する安全志向は日々高まっており、安全性の高い国内産、地元産の野菜を供給する絶好の機会であり、消費者のニーズをしっかり受けとめた輸入野菜に負けない野菜産地づくりの取り組みが重要であります。  ついては、輸入野菜に対抗するため、競争力のある産地の育成への取り組みと、輸入野菜との差別化を図る流通面での取り組みついてお伺いいたします。  第四は、米の生産調整対策についてであります。  米は日本の主食でありますが、国の水田農業対策が揺らいでおります。米の生産調整が始まって三十年が経過したところでありますが、この間、食の多様化が進展し、米の需要は昭和四十六年の千百八十六万トンから平成十二年の九百九十九万トンと八四%に減退しており、それに対応した米の生産調整面積は過去最大の百一万ヘクタールに拡大し、米価の下落も一向にとまらない状況にあります。  生産調整につきましては、本年七月に国が発表した生産者の意向調査においても生産調整面積が増加する一方、価格が上昇しないことへの不満が七六・二%、生産者に押しつけ的である六〇%、不公平感がある五二・四%など、多くの生産者も不満を示し、生産現場は既に限界との声が広がり、生産調整の抜本的改革が待ったなしの状況にあります。  一方、本県の十四年産米の生産・販売状況については、早期米の落札価格が前年を下回っているほか、普通期水稲についても作柄は平年並みでありますが、今後の天候次第では作況が上向く可能性があるとのことで、二年連続して需給調整水田、いわゆる青刈りなどの発動が行われているなど、依然として米の販売環境は厳しい状況にあります。  このように、米を取り巻く情勢が厳しい中、国においては生産調整のあり方を含む米政策の見直しが経済財政運営と構造改革の基本方針に盛り込まれるとともに、生産調整の今後のあり方などについて検討する生産調整に関する研究会が発足し、六月末その中間報告が示され、十一月末に最終報告がなされる予定とのことであります。  その中間報告は、新たな経営安定対策の策定を前提にしつつも、米の生産・流通に「消費者重視・市場重視、自己責任」という構造改革のキーワードが盛り込まれ、これまでの所得補てんの措置の軸となる稲作経営安定対策の廃止などを打ち出しているとの報道でありますが、売れる米づくりのため規制緩和である反面、食料自給率低迷の中、国民の主食の安定供給のために、どのように対応するのか懸念されるのであります。  今後、国は中間報告での基本方針をもとに具体案の検討、議論を重ねる予定とのことでありますが、農業の基本である米政策がしっかりしないと農家は将来に希望が持てないのであります。  ついては、本年度の本県における米の生産調整対策の取り組み状況と「米政策の再構築に向けた中間取りまとめ」の内容及び最終報告に向けた本県の対応について明らかにしてください。    [知事須賀龍郎君登壇] 31 ◯知事(須賀龍郎君) 「かごしま茶」の県内外における知名度アップと販路拡大を図りますために、これまでも「かごしま茶」の統一シンボルマークの普及・定着、かごしま遊楽館や鹿児島空港におけるキャンペーン等、消費宣伝活動の実施、郵便局の全国ネットワークを活用したカタログによります販売、また大消費地における「かごしま茶」の周年販売店舗の設置・拡充など多様な販売ルートの開拓等販売促進活動を積極的に展開してきているところであります。  さらに県外出荷割合が八割以上を占めております本県にとりまして、荒茶の製造地を原産地とする表示制度の実現は、全国への知名度向上を図る上におきまして極めて重要であります。  したがいまして、現在日本茶業中央会で検討されております表示制度が早急に確立されますよう関係機関・団体と一体となって要請をさらに続けてまいりたいと考えております。  また、「第五十六回全国お茶まつり」の主要行事といたしましてさきに開催されました全国茶品評会審査会におきまして、本県は先ほど田原議員が述べられましたとおり、最もすぐれた産地に授与されます産地賞を四部門で、個人部門でも最優秀の農林水産大臣賞を六名の方が獲得されるなど好成績を収めたところであります。  特に、普通せん茶三十キログラムの部におきましては、産地賞を七年連続で獲得しましたことは、本県産のお茶の品質と生産・製造技術が全国のトップレベルであることが、改めて証明されたものであると考えております。  県といたしましては、このような成果を踏まえまして、今大会が「かごしま茶」を全国にPRする絶好の機会となり、また「低コスト・高品質・クリーンな茶づくり」に向けました県内茶業関係者の意識高揚が図られることによりまして、「かごしま茶」の一層の生産振興と銘柄確立につながってくるものと大きな期待を抱いているところであります。 32 ◯農政部長(富岡忠勝君) 輸入茶の増加に対応いたしますため、県としましては温暖な気候や広大な畑地を活用し、複数の品種を組み合わせた栽培や一番茶から秋冬番茶までの幅広い用途の茶の生産によります工場操業率のアップ、機械化一貫体系の確立や荒茶加工場の再編整備等による一層のコスト低減、栽培や加工技術の向上等によります良質茶の生産、クリーンな茶づくり等を推進しておるところでございます。  さらに本年度から新たに輸入茶の増加や価格低迷に対応いたしますため、荒茶工場の経営標準モデル作成のための実態調査や経営指導マニュアルの作成を行い、普及センター等によるより細かな指導を通して、荒茶工場の一層の体質強化を図ることといたしております。  今後とも茶業関係機関・団体と連携を図りながら、安心・安全を求める消費者や加工業者等の多様なニーズにこたえる産地づくりを進め、本県産茶の輸入茶に対する優位性を確立してまいりたいと考えております。  二十四カ月以上の死亡牛検査は、我が国のBSE清浄度の確認やリスク評価のために実施されるもので、本県では年間約二千八百頭程度が見込まれております。  県といたしましては、家畜保健衛生所がBSE検査を実施した後、肉骨粉として焼却する方向で、現在死亡獣畜取扱事業者や、化製事業者等と協議を行っておるところでございます。  本県で一日当たり生産される肉骨粉の量は二百五十トンで、うち焼却の必要な牛由来の肉骨粉は八十トンとなっております。現在確保しておる焼却枠は鹿児島市を初めとする四施設で二十トン、県外セメント工場で四十四トン、県外焼却施設で二十四トンの計八十八トンとなっております。  また、七月末の肉骨粉の在庫量は約二万二千トンでございますが、このうち牛由来の肉骨粉が約二万トンとなっており、焼却を促進いたしますため、県外での処理について関係者と協議を進めておりますとともに、国に対しましてはセメント工場枠の追加等を要請しておるところでございます。  なお、県としましては、BSE対策を円滑に推進いたしますため、BSE検査と施設整備の全額国庫負担、豚由来肉骨粉の飼料利用規制の解除等について県開発促進協議会等を通じ国に要請いたしますとともに、また、先日来鹿された農林水産大臣に対しましても要請したところでございます。  輸入野菜の急増に対応いたしますため、産地におきましてはコスト削減の目標などを明確にいたします「産地改革計画」を策定することとし、平成十三年度は九産地、本年度は三十七産地で策定を進めております。  今後この計画に基づき、まず生産面では育苗技術の改善などによる収量のアップ、施設栽培などによる品質の向上、機械化一貫体系の確立による省力化などを図りますとともに、流通面では出荷資材の統一等による流通経費の削減や農家経営の安定を図ります契約取引などを進め、生産・流通体制の強化に努めることにいたしております。  さらに、安心・安全な本県野菜を消費者に提供いたしますため、「農薬安全使用基準」の遵守の徹底を図りますとともに、土づくりを基本に化学肥料・農薬の使用量の低減を一体的に行いますエコファーマーの育成に努めておるところでございます。  今後とも関係機関・団体一体となりまして、輸入野菜に対抗できる安心・安全な野菜を安定的に供給できる競争力のある産地づくりに努めてまいりたいと考えております。  平成十四年度の本県における米の生産調整の実施面積は七月末現在二万五百一ヘクタールで一〇一・九%の達成が見込まれております。  さらに、米の作況動向に応じた計画的生産を行うことを目的に生産者団体が主体的に実施いたします「緊急需給調整対策」は本県に八百三十三ヘクタールが配分され、うち六百二十四ヘクタールは、当初から転作により対応し、残りの二百九ヘクタールが米の収穫前に青刈り等を実施する「需給調整水田」となっており、九月十日現在、十市町村で一〇・五ヘクタールの実績が見込まれております。  今回公表されました「米政策の再構築に向けた中間とりまとめ」は、消費者重視・市場重視の「売れる米づくり」を基本としております。  主な内容は、需給調整は数量による調整を基本とし、参加・不参加は農業者みずからの判断とする、過剰米処理は自己責任を基本とする、経営対策は生産調整参加者へのメリット措置の明確化や主業農家・副業的農家の役割・位置づけを明確化した上で取り扱いを区分すること等となっております。  県としましては、今後とも国の検討状況を見きわめながら、関係機関・団体と一体となりまして、稲作農家が安心して生産に取り組み、経営の安定が図られますよう国へ要請してまいりたいと考えております。    [田原鉄可君登壇] 33 ◯田原鉄可君 米の生産調整についてでありますが、国は米の生産流通に市場原理の導入を目指しておりますが、主食として米の安定供給は食料安全保障の観点からも国が密接に関与することが必要であると考えます。  今後の米政策の検討に当たっては、本県の実情を踏まえた対策を国へ強く要望されるとともに、米飯学校給食の実施回数をふやすことなど、米の消費拡大になお一層の推進を要請いたしておきます。  また、BSE対策や輸入野菜に対抗するための野菜振興対策にもよろしく要請しておきたいと思います。  以上、当面する県政の重要課題について質問をいたしてまいりました。  今回質問に取り上げました行財政問題や交通、産業振興、雇用・教育問題、そうして医療福祉問題などは県民が大きな関心を持っている課題であります。  知事におかれましては、総合計画第一期実施計画の二年目の計画に盛り込まれているこれらの課題の円滑な推進に向け、引き続いての御努力をお願いいたします。  さて、九月議会が終わりますと、県の来年度の予算編成作業がスタートいたします。  小泉構造改革のもとで、国の財政状況も厳しく、その上、来年度本県では財政改革プログラムにより集中改革期間の二年目に当たるなどなかなか厳しい財政環境にあります。  また、来年度は第一期実施計画の最終年度に当たり、計画の仕上げの年でもあります。さらに県内の景気や雇用環境もしばらくは改善されそうもなく、今後ともこれらの動きを見た適切な対応も必要になるのではないかと思うのであります。  このような中での予算編成の御苦労は大変なものがあると存じますが、限られた財源の効率的な観点から、優先度による峻別と重点化を図るとともに、本県重点事項を実現するための国への要望活動など、第一期実施計画の達成に向けた御努力を強く要請してやみません。  ところで、全国お茶まつり大会が頴娃町を主な会場として開かれます。  現地では今、県内外から参加される多くの皆さんに見渡す限りの広い茶畑を見ていただきますとともに、「かごしま茶」のよさをもっと知っていただくためさまざまな準備をしているところであり、県民、町民を挙げて心からの御来場をお待ちしております。この大会が成功裏に終わり、「かごしま茶」の拡大と飛躍の契機となりますように強く望むものであります。  私どもも全国一位の生産量を目指して躍進を続けております「かごしま茶」におくれをとらぬよう、心豊かで活力ある鹿児島を目指して、さらに県勢の発展と県民の福祉の向上のために努力してまいることを申し上げまして、自由民主党県議団を代表しての質問を終わりたいと思います。  どうも御清聴ありがとうございました。(拍手) 34 ◯議長(溝口宏二君) これで、本日の日程は終了いたしました。       ─────────────    △ 日程報告 35 ◯議長(溝口宏二君) 明日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、代表質問及び一般質問であります。       ─────────────    △ 散  会 36 ◯議長(溝口宏二君) 本日は、これで散会いたします。         午後三時十二分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...