鹿児島県議会 2002-02-27
2002-02-27 平成14年第1回定例会(第1日目) 本文
↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前十時開会
△ 開 会
◯議長(溝口宏二君) ただいまから、平成十四年第一回
鹿児島県議会定例会を開会いたします。
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△ 開 議
2 ◯議長(溝口宏二君) これより、本日の会議を開きます。
本日の日程は、配付いたしております議事日程のとおりであります。
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議 事 日 程
一、開 会
一、開 議
一、
会議録署名議員の指名
一、会期の決定
一、会期日程の決定
一、諸般の報告
一、
知事提出議案の一括上程
一、知事の
提案理由説明
一、散 会
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△
会議録署名議員の指名
3 ◯議長(溝口宏二君) まず、
会議録署名議員を指名いたします。
成尾信春君と山田国治君を指名します。
─────────────
△ 会期の決定
4 ◯議長(溝口宏二君) 次に、会期の決定であります。
今期定例会の会期は、本日から三月二十七日までの二十九日間といたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
5 ◯議長(溝口宏二君) 御異議なしと認めます。
よって、会期は二十九日間と決定いたしました。
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△ 会期日程の決定
6 ◯議長(溝口宏二君) 次に、会期日程につきましては、配付いたしております日程表のとおりといたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
7 ◯議長(溝口宏二君) 御異議なしと認めます。
よって、そのように決定いたしました。
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平成十四年第一回
鹿児島県議会定例会会期日程
┌───┬───┬────────────────────────────────────────┐
│月 日│曜
日│ 日 程 │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│2・27
│ 水 │本会議(開 会) │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 28
│ 木 │議案等調査 │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│3・1
│ 金 │議案等調査 │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 2
│ 土 │ │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 3
│ 日 │ │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 4
│ 月 │議案等調査 │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 5│ 火 │本会議(代表質問) │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│3・6
│ 水 │本会議(代表・一般質問) │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 7│ 木 │本会議(一般質問) │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 8│ 金 │本会議(一般質問) │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 9
│ 土 │ │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 10
│ 日 │ │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 11│ 月 │本会議(一般質問) │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 12│ 火 │本会議(一般質問) │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 13
│ 水 │常任委員会 │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 14
│ 木 │議会運営委員会 │
│ │ │本会議(
補正予算関係) │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 15
│ 金 │常任委員会 │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 16
│ 土 │ │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 17
│ 日 │ │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│3・18
│ 月 │常任委員会 │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 19
│ 火 │常任委員会 │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 20
│ 水 │常任委員会 │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 21
│ 木 │ │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 22
│ 金 │議会運営委員会 │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 23
│ 土 │ │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 24
│ 日 │ │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 25│ 月 │本会議(当初予算関係) │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 26
│ 火 │議会構成調整日 │
├───┼───┼────────────────────────────────────────┤
│ 27
│ 水 │議会運営委員会 │
│ │ │本会議(閉 会) │
└───┴───┴────────────────────────────────────────┘
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△ 諸般の報告
8 ◯議長(溝口宏二君) 次に、諸般の報告であります。
一般的な事項につきましては、文書で配付いたしておりますので、口頭報告は省略いたします。
なお、この際、特に報告いたしますことは、知事から、地方自治法第百八十条第一項の規定による専決処分に関し、「
専決処分報告書」をもって、報告がなされました。
この内容につきましては、配付いたしておりますとおりであります。
以上で、報告を終わります。
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△ 議案第一号―議案第七二号一括上程
9 ◯議長(溝口宏二君) 次に、今回提出されました議案第一号から議案第七二号までを一括議題といたします。
朗読を省略いたします。
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議案第 一号 平成十三年度鹿児島県
一般会計補正予算
(第五号)
議案第 二号 平成十三年度鹿児島県
農業改良資金貸付
事業特別会計補正予算(第一号)
議案第 三号 平成十三年度鹿児島県
公共土木用地取得
先行事業等特別会計補正予算(第一号)
の一部を改正する条例制定の件
議案第五〇号 鹿児島県
工業技術センター手数料及び使
用料徴収条例の一部を改正する条例制定
の件
議案第五一号
鹿児島県立農業大学校の設置及び管理に
関する条例の一部を改正する条例制定の
件
議案第五二号 鹿児島県
森林整備地域活動支援基金条例
制定の件
議案第五三号
漁港管理条例の一部を改正する条例制定
の件
議案第五四号 鹿児島県
都市公園条例の一部を改正する
条例制定の件
議案第五五号 風致地区内における建築等の規制に関す
る条例の一部を改正する条例制定の件
議案第五六号 鹿児島県
工業用水道給水条例の一部を改
正する条例制定の件
議案第五七号 鹿児島県証紙条例の一部を改正する条例
制定の件
議案第五八号 鹿児島県
発電用施設周辺地域振興基金条
例等の一部を改正する条例制定の件
議案第五九号
鹿児島県立高等学校授業料等徴収条例の
一部を改正する条例制定の件
議案第六〇号 鹿児島県学校職員の給与に関する条例等
の一部を改正する条例制定の件
議案第六一号 鹿児島県
学校職員定数条例の一部を改正
する条例制定の件
議案第六二号 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校
薬剤師の
公務災害補償の範囲、金額、支
給方法等を定める条例の一部を改正する
条例制定の件
議案第六三号 鹿児島県体育施設の設置及び管理に関す
る条例の一部を改正する条例制定の件
議案第六四号 鴨池公園及び
鴨池緑地公園の運動施設の
管理に関する条例の一部を改正する条例
制定の件
議案第六五号 鹿児島県
総合体育センターの設置及び管
理に関する条例の一部を改正する条例制
定の件
議案第六六号 鹿児島県
青少年社会教育施設の設置及び
管理に関する条例の一部を改正する条例
制定の件
議案第六七号 鹿児島県立霧島自然ふれあいセンターの
設置及び管理に関する条例の一部を改正
する条例制定の件
議案第六八号
鹿児島県立埋蔵文化財センター設置条例
の一部を改正する条例制定の件
議案第六九号 鹿児島県上野原縄文の森の設置及び管理
に関する条例制定の件
議案第七〇号
鹿児島県立高等学校の設置及び管理に関
する条例の一部を改正する条例制定の件
議案第七一号 鹿児島県
地方警察職員定数条例の一部を
改正する条例制定の件
議案第七二号 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に
関する
法律施行条例の一部を改正する条
例制定の件
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△ 知事の施政方針及び
提案理由説明
10 ◯議長(溝口宏二君) 知事に提案理由の説明を求めます。
[
知事須賀龍郎君登壇]
11 ◯知事(須賀龍郎君) 平成十四年第一回
県議会定例会の開会に当たりまして、県政運営についての所信を明らかにいたしますとともに、平成十四年度予算及び平成十三年度補正予算等の概要を御説明申し上げます。
二十一世紀を迎え、世界の社会・経済情勢は大きく変化してきており、我が国は内外ともに多くの課題に直面し、大きな転換期を迎えております。
国際的には、人、物、資金、情報等が地球規模で行き交う
グローバル化やIT革命が進展する中で、国や地域間競争の激化、環境問題を初め、人口や食料、資源・エネルギーの問題など地球規模での課題が顕在化してきているとともに、世界経済の安定と発展に向けた政策協調の必要性も高まってきております。
一方、国内的には、長期にわたる低迷を続けている景気動向や不良債権問題、厳しい雇用情勢を初め、国・地方ともに厳しい財政状況、少子・高齢化の進行、高度情報化、環境問題への適切な対応、さらには、新たな時代に柔軟に対応できる人材の育成など、多くの課題に直面していることから、国においては、二十一世紀にふさわしい経済・
社会システムを確立するため、経済、財政、行政など各般にわたる構造改革を推進しているところであります。
このような中で、本県においては、二十一世紀に飛躍発展する新しい
鹿児島づくりを目指して、「二十一世紀新
かごしま総合計画」に本年度から取り組むとともに、この計画の着実な推進を図るためには、将来にわたって、弾力的で足腰の強い健全な財政構造を構築していく必要があることから、昨年十二月、「
財政改革プログラム」を策定したところであります。
平成十四年度は、極めて厳しい財政環境のもとではありますが、国や市町村、民間など関係機関・団体等と一体となって、「二十一世紀新
かごしま総合計画」の着実な推進に努め、県民の一人ひとりが鹿児島に誇りと希望を持って、県内のどの地域に住んでいても、生涯にわたり安心して心豊かで活力あふれる生活ができる新しい
鹿児島づくりに全力を傾注してまいります。
まず第一は、「健やかで個性豊かなくらしと活力ある地域の創造」であります。
近隣保健福祉ネットワークづくりや公共的施設の
バリアフリー化の促進などに努めるとともに、高齢者や障害者等の
在宅福祉サービスの拡充や
保健福祉施設の計画的な整備を図ってまいります。
また、高齢者の豊富な知恵と経験を生かした活動を通じて、高齢者自身の
生きがいづくりなどを進める「
ヤング高齢者元気活躍プラン」に取り組むこととしております。
さらに、近年の保健医療を取り巻く環境の変化などを踏まえて、県保健医療計画の見直しを行い、保健医療供給体制の整備・充実を図るほか、子育て支援のための環境づくりの推進や、先般策定した「健やか親子かごしま21」に基づき、母子保健対策の充実を図るとともに、県民健康プラザ健康増進センターの積極的な活用等による健康づくりや、「健やかスポーツ一〇〇日運動」などを推進してまいります。
このほか、まちなみ景観の形成、公共下水道、自然環境との調和に配慮した環境共生住宅の整備などに努めるとともに、昨年十二月に制定した「男女共同参画推進条例」や「かごしまハーモニープラン」に基づき、男女共同参画社会の実現を目指してまいります。
雇用対策については、最近の厳しい雇用情勢に的確に対応し、雇用の安定・確保を図るため、これまで、経済界、労働界の代表の方々も参加した「政労使会議」を開催してきたところであり、今後とも、相互の連携を図りながら、雇用の安定・創出に向けた一層の取り組みを進めることとしております。
また、本県の豊かな縄文文化の調査研究等を進め、情報発信等の拠点となる上野原縄文の森の活用を初め、多様な芸術文化活動の環境づくりや個性豊かな文化の育成に努めるとともに、農山漁村、奄美・離島、半島など各地域の振興を図り、県土の均衡ある発展に努めてまいります。
なお、離島地域については、離島振興法が平成十四年度末で期限切れとなることから、新たな時代に対応した法の延長に向けて、引き続き取り組んでまいります。
また、平成十五年度末に期限切れとなる奄美群島振興開発特別措置法については、同群島の現状と今後の課題等についての総合的な調査を実施し、今後の振興開発の方向を明らかにするなど、法の延長に向けて最大限の努力をしてまいります。
このほか、自主的な市町村合併に向けた取り組みに対する積極的な支援を行うとともに、災害を未然に防止し、災害から県民の生命や財産を守るため、災害に強い県土づくりを推進してまいります。
第二は、「新たな時代を担う多彩な人材の育成」であります。
平成十四年度から実施される完全学校週五日制や新しい学習指導要領のもと、鹿児島らしい教育を推進するため、郷土の教育的な伝統や風土のよさを生かしながら、時代を超えて変わらない価値あるものを大切にするとともに、社会の変化に的確に対応する学校教育を推進してまいります。
このため、家庭、地域社会との一層の連携を図りながら、いじめや不登校などの問題の解決、心の教育の充実に努めるとともに、生きる力を備えた児童生徒の育成を図ってまいります。
また、豊かな感性や自立の精神、国際的感覚のあふれる心豊かでたくましい「かごしまっ子」の育成に努めるとともに、家庭・学校・地域社会と一体となって、「心豊かな青少年を育てる運動」の一層の定着を図り、総合的な青少年育成対策に取り組んでまいります。
さらに、「かごしま県民大学」構想の推進により、学習機会の拡充と学習内容の高度化を進めるとともに、新たに、郷土かごしまの学習資源を生かした「ふるさと再発見『かごしま学舎』推進プラン」に取り組み、二十一世紀のかごしまを担う子供たちを育成できる人材や鹿児島の情報発信を担う人材の育成に努めることとしております。
このほか、国際化や情報化など新しい時代に対応した産業の展開を支える創造性に富んだ人材の育成を図ります。
第三は、「創造性あふれ力強く伸びゆく産業の振興」であります。
農業については、我が国の食料供給基地として、「食の創造拠点かごしま」のさらなる形成を図るため、昨年四月からスタートした「かごしま農業・農村ビジョン21」に基づき、園芸や畜産の産地育成と販路拡大を図るかごしまブランド確立運動や環境にやさしい農業の展開を図るとともに、昨年六月に設立した「かごしまの”食”交流推進機構」を中心に、地産地消を基本とした健康で豊かな食生活の普及・定着の推進や県産農林水産物の消費拡大を図るなど、安心・安全な食の供給に努めてまいります。
林業については、昨年六月に制定された森林・林業基本法に基づき、森林の有する多面的機能の発揮や林業の持続的かつ健全な発展に努めてまいります。
このため、恵み豊かな森林づくりやかごしま材の効率的な生産・加工・流通体制の整備促進、活力ある山村づくりなどに取り組むとともに、近く策定する「新グリーンプランかごしま」に基づき、第二十五回全国育樹祭の成果も踏まえながら、県民参加のみどりづくりを進めることとしております。
水産業については、昨年六月に制定された水産基本法に基づき、水産物の安定供給の確保と水産業の健全な発展に努めてまいります。
このため、漁場整備や栽培漁業の推進、環境に配慮した養殖業の振興等により、恵み豊かな海づくりを一層推進するとともに、水産物の供給・流通体制の整備や漁港施設の整備、水産業を支える担い手の確保・育成などに取り組んでまいります。
商工業・サービス業については、「かごしま産業支援センター」を中心として、創業や経営革新などを目指す中小企業等の取り組みを促進してまいります。
また、産学官の連携などを図りながら、技術の高度化や競争力のある新製品の研究・開発を促進するとともに、優良企業の立地の促進に努めるほか、中心市街地を初めとする商店街の活性化や、販路の拡大等による地場産業の振興などに取り組んでまいります。
さらに、「かごしま海外ビジネス支援センター」において、県内企業の海外事業展開の積極的な支援を行うなど、引き続き、アジアを中心とする海外諸国との貿易の拡大や経済交流の促進に努めることとしております。
観光については、県議会での御意見もいただき、「かごしま新観光戦略21」を策定し、民間と行政が一体となって、観光客が、かごしまの旅の魅力を満喫し、再び訪れたくなるような観光かごしまづくりを進めてまいります。
第四は、「人と自然が共生する環境にやさしい社会の実現」であります。
県環境基本計画に基づき、鹿児島湾ブルー計画や
屋久島環境文化村構想、廃棄物・リサイクル対策などの推進を図り、環境への負荷の少ない循環を基調とする社会、人と自然が共生する社会の実現を目指してまいります。
このうち、一般廃棄物処理対策については、「県ごみ処理広域化計画」に基づき、引き続き焼却施設やリサイクルプラザ等の整備を促進するほか、分別収集や容器包装・家電機器等のリサイクルを進めてまいります。
公共関与による管理型最終処分場の整備については、施設の必要性・安全性について県民の方々の、御理解や御認識を深めていただくことが極めて重要であることから、引き続き普及啓発活動を行うなど、できるだけ早く施設が整備できるよう努めてまいります。
また、奄美における豊かな自然との共生を目指した地域づくりの指針である「奄美群島自然共生プラン」の策定を進め、世界自然遺産への登録を目指した取り組みを行うとともに、「第五十六回全国野鳥保護のつどい」を契機に、野鳥保護や自然保護の思想の一層の高揚に努めてまいります。
このほか、環境保全に向けた具体的行動を全県的に展開する「地球にやさしい県民運動」を、県民、事業者、行政が一体となって推進するとともに、県環境影響評価条例等に基づく環境影響評価の適切な実施や、近く策定する「新エネルギー導入ビジョン」に基づき、環境にやさしい新エネルギーの導入の促進を図り、良好な環境の保全に努めてまいります。
第五は、「国内外に広がる交流ネットワークの形成」であります。
九州新幹線鹿児島ルートの西鹿児島―新八代間については、平成十五年秋にも完成する見込みであり、平成十六年の早い時期には開業になるものと期待しております。
今後とも、西鹿児島―新八代間の一日も早い開業と鹿児島ルート全線の早期整備に向けて、引き続き最大限の努力をしてまいりますとともに、鹿児島市などとも連携を図りながら、新幹線駅前広場や駅へのアクセス道路の整備促進に努めてまいります。
また、東九州自動車道、南九州西回り自動車道などの高規格幹線道路を初め、北薩横断道路、南薩縦貫道、大隅縦貫道などの地域高規格道路の整備促進、各地域における域内道路の整備に努めるほか、「マリンポートかごしま」の建設の着実な推進や物流システムの変化などに対応できる港湾の整備を進めてまいります。
さらに、新種子島空港など離島空港の整備を進めるとともに、離島航空路線については、運航費補助制度の活用などにより、国や地元市町村等と連携を図りながら、その維持・確保に努めてまいります。
このほか、国際化に対応できる人材の育成や、国際航空路・航路の利用促進などに努めながら、国際交流の一層の促進を図ってまいります。
また、近く策定する「情報フロンティア21構想」に基づき、高度情報化の進展に適切に対応し、本県の情報化を着実に推進するとともに、県民の利便性の向上や行政事務の効率化・迅速化を図る「電子県庁かごしま」の構築や、電子メールを利用して、本県の観光や特産品などの情報を広く発信する「かごしまふぁんネット」の一層の充実などに努めてまいります。
また、将来にわたって、弾力的で足腰の強い健全な財政構造を構築していくため、「
財政改革プログラム」を策定したところであります。「
財政改革プログラム」は、本県財政運営の基本方針を示すものであり、今後の予算編成に際してその指針となるものであります。県としては、今後とも、このプログラムに基づき、全力を挙げて財政改革に取り組んでまいります。
さらに、新たな時代の要請に的確にこたえることのできる県政運営を行うため、簡素で効率的な組織機構の再編や定員管理の適正化、徹底した事務事業の見直しを行うなど、引き続き、行政改革の推進に計画的かつ積極的に取り組んでまいります。
平成十四年度の県政運営に当たりましては、以上申し上げた考え方に基づき、「二十一世紀新
かごしま総合計画」の着実な推進に向けて全力を傾注してまいる考えであります。
県議会を初め、県民の皆様方の一層の御理解と御支援を心からお願い申し上げます。
次に、最近の県政の展開の中で主な事項について御報告申し上げます。
原子力防災訓練については、原子力発電所における緊急事態に備えるため、去る一月三十一日、八十一機関、約六千人が参加して実施したところであります。今回は、昨年改定した「県原子力防災計画」を基本に、児童・生徒を含む住民参加による避難訓練など、実践的な訓練を行ったところであり、県としては、今後とも、原子力防災対策に万全を期してまいりたいと考えております。
昨年十二月、九州南西海域において不審船事件が発生しましたが、不審船が発見された位置が本県や九州各県の漁船が操業を行う海域であったことから、県としては、九州地方知事会を通じて、国に対し、監視体制の強化や迅速な連絡体制の確立を要望したところであります。今後とも、迅速な情報提供など、漁業者や沿岸住民の安全確保に努めてまいりたいと考えております。
去る一月二十二日、大浦町の海岸に座礁した鯨については、一頭は救出されましたが、十三頭が死亡し、そのうち一頭は加世田市の海岸に埋設、残りの十二頭は海洋投入されたところであります。県としては、地元市町や国の関係機関との連絡調整などに努めてきたところでありますが、平成十三年度三月補正予算において、大浦町の鯨の処理に要した経費に対する助成を行うための予算を計上しております。
去る一月三十日、
石川島播磨重工業株式会社社長から、経営環境が極めて深刻な状況にあり、会社全体の事業構造の見直しを進めた結果、株式会社石川島播磨九州事業所を本年三月末をもって操業停止することを決定した旨の話がありました。私としては、これまでの長年の経緯もあり、九州事業所の閉鎖は極めて遺憾で、残念であり、理解できないと申し上げるとともに、従業員の雇用確保に万全を期するよう強く要請したところであり、今後、県議会の御意見も伺いながら、適切に対処してまいりたいと考えております。
川内―八代間の並行在来線については、先般、熊本県との間で、第三セクターについては両県合同で設立することや、出資割合を一対一とすることなどの枠組みについて協議が整い、去る二月二十五日、両県知事名の合意文書を取り交わしたところであります。県としては、今後、熊本県や国、JR九州などとも十分連携を図りながら、ことしの秋の第三セクターの設立に向けて、所要の準備を着実に進めてまいります。
鹿児島空港の国際化の促進については、鹿児島―上海間の定期航空路線の開設について、これまで、中国政府や中国東方航空などに対し、強く要請してまいりましたが、去る二月二十一日、県議会議長や経済界の代表の方々とともに中国民航総局を訪問した際、中国民航総局から「鹿児島を正式に発着地点として指定することに決定した。運航する航空会社は中国東方航空であり、現在、その手続を進めている。」との話をいただきました。これまでの県議会を初め関係機関・団体の御支援・御協力に対し、厚く御礼を申し上げます。今後は、中国東方航空と具体的な協議を進め、一日も早く鹿児島―上海間の就航が実現するよう努めてまいりたいと考えております。
また、鹿児島・香港線については、先般、日本航空から、本年十月以降福岡から香港への直行便に経路変更するとの発表がなされたところであります。鹿児島・香港線は、昭和四十七年の就航以来、三十年近くにわたって鹿児島空港の国際化に大きな役割を果たしてきている路線であり、今回の発表はまことに残念でありますが、県としては、今後とも、県議会や経済団体など関係機関・団体と一体となって、引き続き、運航の継続を強く要請してまいりたいと考えております。
なお、本年四月から、新たにスカイマークエアラインズ株式会社が、鹿児島―東京間に毎日三便就航することが決定したところであり、県民の利便性の向上や観光振興などに大きく寄与するものと期待しております。
高規格幹線道路については、東九州自動車道の末吉―国分間が来る三月二日から供用の運びとなり、また、南九州西回り自動車道についても、来る四月六日から、市来―伊集院間が供用されるとともに、松元インターチェンジのフルインター化が図られることになりました。今後とも、これら高規格幹線道路の一日も早い完成に向けて、全力で取り組んでまいりたいと考えております。
「マリンポートかごしま」については、平成十四年度政府予算案において、廃棄物埋立護岸の利活用による貨客兼用ターミナルとしての新規着工が認められたところであります。これもひとえに県議会を初め県選出の国会議員、県内各界の方々の御支援、御協力のたまものと深く感謝申し上げます。県としては、今後とも「マリンポートかごしま」の着実な建設の推進が図られるよう関係機関・団体と一体となって、最大限の努力をしてまいります。
次に、平成十四年度の予算編成の大綱について申し上げます。
国の平成十四年度の
一般会計予算は、財政構造改革の第一歩として、「国債発行額三十兆円以下」との目標のもと、歳出構造を抜本的に見直す「改革断行予算」と位置づけられたところであります。
また、地方財政計画においては、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が大幅に減少する一方で、公債費の累増が見込まれ、引き続き、いわゆる赤字地方債による財源不足額の補てん措置が講じられるなど、極めて厳しい財政環境のもとで、財政の健全性の確保に留意しつつ、個性ある地方の活性化、循環型社会の形成、少子・高齢化への対応等の地域の課題に重点的に取り組み、住民福祉の向上に努めることとされたところであります。
このような中にあって、本県の平成十四年度の当初予算編成に当たりましては、歳出面では県債残高の増嵩に伴い公債費負担が増加し、また、歳入面では県税収入が減収の見込みとなるなど、極めて厳しい財政環境のもとではありましたが、将来にわたって弾力的で足腰の強い健全な財政構造の構築を目指して、昨年十二月に策定した「
財政改革プログラム」に基づき、内部努力による経費の徹底した節減を図るとともに、あらゆる事務事業や投資的経費等について、従来にも増して徹底した見直しを行うことなどにより、所要の財源確保に努めながら、県内経済や雇用環境等に配慮するとともに、「二十一世紀新
かごしま総合計画」の第一期実施計画の着実な推進を図るなど、必要な施策の重点的かつ効率的な展開に努めることを基本として、予算編成を行ったところであります。
この結果、平成十四年度一般会計当初予算の規模は九千三百四十五億円で、前年度当初予算額に対し四・六%の減となっております。
また、特別会計の予算規模は、企業会計以外の特別会計で百四十三億二千百余万円、
病院事業特別会計で二百十五億八千四百余万円、
工業用水道事業特別会計で二億四千七百余万円となっております。
以下、主要施策と歳出予算の概要について申し上げます。
最近の我が国経済の動向を見ますと、個人消費が弱含んでいるとともに、失業率がこれまでにない高さに上昇しているほか、輸出や生産、設備投資も減少し、景気は悪化を続けております。
一方、本県の景気動向については、生産活動は減少傾向が続いており、雇用情勢も厳しさを増しているほか、個人消費も盛り上がりを欠いており、県内経済は、後退を続けております。
県としては、極めて厳しい財政状況を踏まえながら、このような県内経済の動向等にも配慮し、公共事業等について所要の事業費を計上するとともに、平成十三年度の三月補正予算において、国の第二次補正予算に対応し、所要の措置を講じたところであります。
また、中小企業金融対策については、新たに県信用保証協会等に対する保証料の助成措置を講じるとともに、中小企業のニーズを踏まえた新しい資金の創設を行うほか、利用しやすい資金メニューに再編するなど、中小企業の経営安定化に向けて、一層の充実を図ることとしております。なお、中小企業振興資金やBSE関連の運転資金については、信用保証料率の引き下げ措置を一年延長することとしております。
さらに、雇用対策についても、新たに、農林水産業における新規就業の促進やベンチャー企業等の起業化を図るための各般の施策を講じるほか、平成十三年度に引き続き、緊急地域雇用創出特別基金を活用して、雇用・就業機会の創出に積極的に取り組んでまいります。
次に、「二十一世紀新
かごしま総合計画」における五つの県政の展開方策に基づき、主要施策の概要について申し上げます。
第一は、「健やかで個性豊かなくらしと活力ある地域の創造」であります。
まず、心のこもった地域社会づくりについては、福祉のまちづくり条例に基づき、公共的施設の
バリアフリー化を促進するための広報啓発等に努めるほか、歩道の段差解消や勾配の改善を行う「人にやさしい道づくり事業」を推進するとともに、県有施設へのエレベーターの設置等を進めることとしております。
少子化対策の推進については、保育サービスの充実を図るなど、安心して子供を産み育てることができる環境づくりを目指す「子育て支援ルネッサンス事業」に、引き続き取り組んでまいります。
高齢者の保健福祉の増進については、介護保険制度の安定的な運営を図るとともに、介護サービスの対象とならない高齢者等に対する介護予防や日常生活上の支援を行うこととしております。
保健医療供給体制の整備については、地域医療支援病院における医療機器の整備に対する助成を行うほか、保健と福祉の一層の連携を図るため、川薩保健所・北薩福祉事務所や姶良保健所・姶良福祉事務所の整備を進めてまいります。
健康づくりの推進については、新たに、地域ごとの健康づくり推進協議会を設置するなど、「健康かごしま21」の一層の普及啓発に努めてまいります。また、ハンセン病に関する県民の方々の理解を深めるため、引き続き普及啓発を行うこととしております。
スポーツ活動の促進については、県民が主体的・継続的にスポーツ・レクリエーション活動に親しむことを目指す「健やかスポーツ一〇〇日運動」の普及啓発に努めるとともに、市町村におけるコミュニティスポーツクラブの設置を促進してまいります。
安全で円滑・快適な交通社会の実現については、高齢者等に対する交通安全教育の促進を図るほか、新たに、奄美大島における運転免許証の即日交付を行うために必要なシステムの整備を進めることとしております。
個性とうるおいのあるまちづくりについては、鹿児島市や鹿屋市における市街地再開発事業などを促進するとともに、宮之城町に整備を進めてまいりました北薩広域公園を本年四月に一部オープンするなど、引き続き、都市公園や公共下水道などの整備を促進してまいります。
住宅対策については、かごしま材を活用したウッドタウンモデル住宅や福祉施策と連携した高齢者向け住宅のほか、自然環境との調和に配慮した環境共生住宅などの県営住宅の建設を進めてまいります。
ウォーターフロントの整備・活用については、錦江湾みらい総合戦略に基づき、帆船フェスタ・体験クルーズやマリンスポーツ大会などの多様なイベントを展開することとしております。また、桜島のなぎさ遊歩道の整備を推進するほか、河川についても、水辺環境の美化推進を図るとともに、豊かな自然を生かした親水施設等の整備を進めてまいります。
男女共同参画社会の形成については、引き続き「かごしまハーモニープラン」に基づく普及啓発に努めるとともに、新たに、配偶者等からの暴力の防止や被害者の保護を図るため、相談や一時保護のための体制の充実を図ることとしております。
雇用対策については、就職面接会やU・Iターンフェア等を開催するほか、離職者等の早期再就職を図るため、情報や介護福祉などの職業訓練を実施するなど、雇用機会の増大に努めてまいります。
また、極めて厳しい高卒者の就職環境に対処するため、新たに、県立高校に就職支援員を配置し、求人開拓や訪問指導等による新規高卒者の一層の就職促進を図ることとしております。
地域文化の創造・活動促進については、国分市に整備を進めてまいりました上野原縄文の森について、本年十月のオープンに向けて、所要の準備を進めてまいります。
奄美・離島の振興については、瀬戸内町の町営船の新船建造に対する支援を行うほか、住用村における「奄美体験交流館(仮称)」の設備に対する助成を行うこととしております。
市町村合併の推進については、合併に向けた市町村の自主的な取り組みに対し、合併協議会に対する運営費補助など、合併実現までの各段階に応じた支援を行うとともに、新たに市町村合併推進基金を造成し、合併後の市町村が行う広域的・一体的なまちづくりを支援するため、合併の規模に応じ、十億円を上限とする合併特例交付金を交付することとしております。
防災対策については、引き続き、河川改修や土砂災害の防止対策を積極的に推進するとともに、防災に関する総合的な教育・研修や情報提供等を行う県民防災研修センターの実施設計に着手することとしております。
第二は、「新たな時代を担う多彩な人材の育成」についてであります。
まず、学校教育の充実については、新たに、児童生徒の基礎学力の状況を把握するための調査を行うとともに、いじめや不登校等の問題に対応するため、引き続き、スクールカウンセラーや相談員の派遣による相談や研修等を実施することとしております。また、平成十五年度から高等学校に新たな教科「情報」が導入されることに備え、情報処理技術者などを教員補助者として採用し、情報教育の円滑な推進を図ってまいります。
県立学校の施設等の整備については、平成十五年春に移転開校する開陽高校の校舎等の建設工事を進めるなど、教育環境の一層の充実を図ってまいります。
私立学校の振興については、新たに、私立学校における「総合的学習の時間」を活用した特色ある教育活動や、私立幼稚園における子育てに関する相談・指導の推進を支援するための調査研究を行うなど、魅力ある私立学校づくりのための支援を行うこととしております。
青少年の健全育成については、引き続き、「心豊かな青少年を育てる運動」の普及啓発を図るほか、中国や韓国、香港・シンガポールに本県青少年を派遣するとともに、香港から青少年の受け入れを行うなど、国際性豊かな青少年の育成を図ることとしております。
生涯学習の推進については、県下全域をキャンパスとする「かごしま県民大学」を形成するため、引き続き多様な学習機会の提供を図ることとしております。
高度技能者の育成については、新たに「かごしま技能競技大会」を開催するとともに、卓越した技能者を顕彰し、本県における技能の一層の振興を図ってまいります。
第三は、「創造性あふれ力強く伸びゆく産業の振興」についてであります。
まず、農業の振興については、かごしまブランドの確立を図るため、本県農畜産物のイメージアップや販路拡大対策を積極的に推進するとともに、生産施設の整備や省力生産技術の確立などを進め、生産性の高い産地体制の整備に努めてまいります。
BSEについては、引き続き、食肉衛生検査所において牛全頭を対象にスクリーニング検査を実施し、BSEに感染していないことが確認された安心・安全な牛肉だけを消費者に提供するとともに、迅速・的確な防疫措置、飼料の安全性の確保を図るための検査の実施などにより、今後とも万全の対策を講じてまいります。
また、肥育牛の価格安定対策など生産農家等への支援対策を拡充するほか、昨年創設した「かごしま畜産の日」を活用して、牛肉を初めとする本県産畜産物の安全性の積極的なPRに努め、本県畜産の一層の振興に努めてまいります。
環境にやさしい農業の推進については、引き続き、家畜排せつ物など地域における有機質資源の有効利用を図るための堆肥化施設の整備などを進めることとしております。
農業を担う人材の確保・育成については、認定農業者や農業法人の育成に努めるとともに、農業・農村における女性の参画、起業活動等を促進することとしております。また、新たに、農業法人による教育研修や就農トレーナーの設置による細やかな技術指導など、新規就農者に対する総合的な支援体制を構築し、意欲ある新規就農者の一層の確保・育成に努めてまいります。
農業開発総合センターの整備については、吹上・金峰地区において、平成十五年春に移転開校する農業大学校の主要施設の建築工事等を着実に進めてまいります。
このほか、新しい農村社会の創造、中山間地域の活性化、特殊病害虫の防除、桜島の防災営農対策の促進等に取り組むとともに、本年十一月に頴娃町で開催される「全国お茶まつり」に対し、支援を行うこととしております。
林業の振興については、新たに創設された森林整備地域活動支援交付金制度を活用し、適切な施業を通じた森林の多面的機能の発揮が図られるよう努めるとともに、計画的な間伐の実施を促進し、地域の特性を生かした多様な森林の整備を進めてまいります。
また、品質のすぐれたかごしま材の供給体制づくりを進め、住宅や公共施設等への県産材の利用促進を図るとともに、早掘りタケノコのブランド化に向けた生産団地の整備など、特用林産物の生産振興に努めることとしております。
林業後継者の確保・育成については、林科系高校生や新規参入希望者を対象に林業技術研修や技能講習などを行う「鹿児島きこり塾」を開催し、一層の新規参入を促進してまいります。
水産業の振興については、魚礁の設置や流通加工施設の整備等に取り組むとともに、放流による水産資源の維持・増大に努めるほか、「かごしま旬のさかな」について、重点的なPRによる販売活動を促進してまいります。
漁業協同組合の事業統合の促進については、信用事業を譲渡する漁業協同組合等への支援を行い、系統信用事業の経営基盤の強化を図ることとしております。
水産業を支える担い手の確保・育成については、新たに、新規就業希望者に対する乗船研修や漁業者の直接指導などの実践的な研修を行う「ザ・漁師塾」を開催し、新規就業者の養成と定着の促進を図ることとしております。
水産技術開発センターについては、平成十五年度中の完成を目指して、引き続き、本館や研究棟の建設工事を進めてまいります。
新事業の創出や競争に強い地域産業づくりについては、「かごしま産業支援センター」において、新規産業の創出や新製品の研究・開発等を促進するための支援を行うこととしており、また、新たに、起業化意欲のあるチャレンジャーを全国から募集し、助成金を交付するなど、起業化のための総合的な支援の充実を図ることとしております。
また、物産観光展の開催などを通じ、引き続き県産品の販路拡大に努めるほか、新たに、九州新幹線鹿児島ルートの西鹿児島―新八代間の開業を見据えて、県特産品協会や県観光連盟を通じ、新たな特産品の開発、観光ルートづくりなどの取り組みを支援することとしております。
観光の振興については、市町村や関係機関・団体等と連携を図りながら、観光客を温かく迎え、もてなすための「観光まごころ県民運動」を推進するとともに、中国江蘇省や上海への観光ミッションの派遣やマスコミ・エージェント等の招待を行うなど、中国を初めとする海外からの誘客対策を促進することとしております。
また、新たに、モデル地域において観光プロデューサー育成塾を開催するなど、体験型観光地づくりを促進するとともに、昨年オープンした奄美パークや本年十月にオープンする上野原縄文の森の活用などにより、県内外の観光客の積極的な誘致促進に努めてまいります。
さらに、屋久島の縄文杉登山ルートの大株歩道入口に、恒久的なトイレを整備するほか、引き続き登山歩道の整備を進めることとしております。
第四は、「人と自然が共生する環境にやさしい社会の実現」についてであります。
まず、廃棄物の処理については、容器包装リサイクルを促進するための分別収集促進計画を策定するなど、引き続き、廃棄物の減量化やリサイクル、適正処理の推進を図るほか、新たに、有害な化学物質であるPCBの処理施設の整備を行う国の環境事業団の基金に対し、出捐を行うこととしております。
自然環境の保全については、本年五月に笠利町で開催する「第五十六回全国野鳥保護のつどい」に向けて、関係機関との連携を図りながら所要の準備を進めるほか、十月に輝北町で開催される「星空の街・あおぞらの街」全国大会に対し、支援を行うこととしております。
環境教育・環境学習の推進については、本年七月に屋久島において、「自然との共生」をテーマに、高校生が研究発表などを行う高校生自然環境サミットを開催することとしております。
第五は、「国内外に広がる交流ネットワークの形成」についてであります。
まず、九州新幹線鹿児島ルートについては、西鹿児島―新八代間の一層の整備促進を図るとともに、川内―八代間の並行在来線の第三セクターの設立に向けた所要の準備を進めてまいります。
離島空港の整備については、新種子島空港の建設を推進するとともに、沖永良部空港や屋久島空港等について、YS―11型機の後継機となるDASH―8機の就航に伴い必要となる滑走路改良の整備などを進めることとしております。
国際交流港湾の整備については、鹿児島港中央港区において、「マリンポートかごしま」の建設を着実に進めるとともに、本年九月の供用を目指して本港区南埠頭の旅客ターミナルなどの整備を進めるほか、志布志港において、国際海上コンテナターミナルの整備を推進することとしております。
国際交流の促進については、香港との交流会議や中国江蘇省との交流協議会を実施するほか、県民のアジア地域への理解を深め、さまざまな分野での交流を推進するため、新たに、地域国際交流フェスティバルを開催することとしております。
また、本年十月に「日韓自治体友好交流会議」を鹿児島市で開催し、日本と韓国の自治体間の友好親善交流についての意見交換等を行うほか、「第九回九州・韓国経済交流会議」を本県において開催することとしております。
情報化の推進については、新たに、県民の方々に携帯電話を通じて、県民生活や防災に関する情報を提供するシステムの整備を進めるほか、「電子県庁かごしま」の構築を進めるため、各種の申請や届け出などの行政手続のオンライン化に必要なシステムの整備を行うこととしております。
県庁舎跡地に整備する県民交流センターについては、平成十五年春のオープンを目指して、引き続きセンター本体や展示施設、旧県庁舎本館部分に整備する県政資料展示室などの整備を進めることとしております。
次に、公共事業については、「
財政改革プログラム」に基づき、県勢発展へ向けた戦略的事業や災害に強い県土づくりの推進のための事業などへ、より一層の重点化を図ることとし、道路、河川、港湾、林道、治山、漁港、農業農村整備事業や九州新幹線鹿児島ルート等の整備を進めるため、前年度当初予算額に対し、九〇・九%に当たる総額一千八百十六億七百余万円を計上しております。
また、県単公共事業についても、「
財政改革プログラム」に基づき、優先度による峻別と重点化を一層推進することとし、道路、河川、林道、漁港、農業農村整備事業等を進めるため、前年度当初予算額に対し、九〇・〇%に当たる総額四百六十九億三千三百万円を計上しております。
次に、歳入予算について申し上げます。
まず、県税については、地方財政計画や最近における経済の動向等を踏まえ一千三百七十五億一千五百余万円を計上しております。
地方交付税については、地方財政計画等を参考に、前年度当初予算額に対し、九七・三%に当たる二千九百九十二億二千七百余万円を計上しております。
県債については、一千四百八十三億一千四百万円を計上しておりますが、このうちいわゆる赤字地方債の計上額は二百八十五億円となっております。
使用料・手数料については、必要な見直しを行い、また、その他の収入についても、それぞれ従来の実績等を考慮し、見込み得る額を計上しております。
なお、今回の予算編成を通じて生じた財源不足額については、財政調整積立基金等から三百二十億円を取り崩し、対応することとしております。
次に、平成十三年度補正予算について概要を申し上げます。
今回の補正予算は、県内経済への配慮等から、十二月補正予算に引き続き、国の第二次補正予算の対象となった公共事業等について、所要の措置を講じたところであります。
一般会計については、百十一億七百余万円を計上しておりますが、このうち国の補正予算に対応するものは、公共事業が百二十億二千百余万円、
児童福祉施設や荒茶加工施設、交通安全施設の整備に要する経費など、その他の事業が十七億八千余万円となっております。国の補正予算対応分以外の主なものは、地方バス路線の維持対策や、大浦町の座礁鯨の処理に対する助成経費等であります。
このほか、予算外議案として、「公益法人等への職員の派遣等に関する条例制定の件」など、条例案四十九件、その他の議案の三件を提案いたしております。
何とぞよろしく御審議の上、議決していただきますようお願い申し上げます。
12 ◯議長(溝口宏二君) これで、本日の日程は終了いたしました。
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△ 日程報告
13 ◯議長(溝口宏二君) 三月五日は、午前十時から本会議を開きます。
日程は、代表質問であります。
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△ 散 会
14 ◯議長(溝口宏二君) 本日は、これで散会いたします。
午前十時五十七分散会
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