↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 午前十時開議
△ 開 議
◯議長(
原田健二郎君)ただいまから、本日の会議を開きます。
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△ 総括質問(代表)
2 ◯議長(
原田健二郎君)本日の日程は、県政一般に対する代表質問であります。
福間不二夫君に発言を許可いたします。
〔
福間不二夫君登壇〕(拍手)
3
◯福間不二夫君 円高による景気停滞と雇用不安のさなか、何もかもがたがたのとき、多事多難な年といわれた新しい一九八七年の扉を開いて早くも弥生三月、きょうは桃の節句で、春の息吹に人も町もほほえむ季節を迎えているかのように見えますが、しかし実際にはお粗末な総理大臣を置く日本です。今第百八国会はのっけから大荒れに揺れましたが、まだまだ先行き不透明、出口なしの苦境に立つ
中曽根首相に似て、本県の鎌田知事もまた、県民の心を逆なでしたように、寒々とした衝撃的な提案を本県議会に行っています。このことに対して、
自民党県議団の側がどう対応するか、その動向次第では、あと四月十二日まで四十日、その行方に大きな影響を与えることになろう、県民は少なくともそう思っています。その証拠に全国的にみても大変な騒ぎで、二十七の都道府県で自民党の公認辞退や集団離党が続いています。鹿児島県でも党派を越えて各階各層の人々が、三月一日
売上税反対の県民集会に結集をし、
反対署名運動は全県的に展開されています。だから昨日の本会議は自民党の代表質問でも、まあ知恵のある質問とましな答えが期待されたのでありますが、まことにしゃあしゃあとしたもので、まさに春高楼の眺めでありました。
そこで、私は日本社会党を代表し、県民の切なる気持ちを心とし、今や風雲急を告げ、全県下に怒り高まっている叫びに呼応して、この議会を
売上税県議会とする実態を強めつつ、言ってやろう、聞いてやろうの
チャレンジャー精神をもって、鎌田県政に真正面からアタックして質問を行ってまいります。
まず初めに、一体鎌田知事の政治理念とはいかなるものか、ここに改めてたださなければなりません。暴走も暴走、うそつきもうそつきの
中曽根政治と本県鎌田知事のつながり、そのことについてその正体をしかと確かめたいと思います。知事の言うように、ことしは一九四七年に
地方自治法が公布され、鹿児島県が完全な自治体として発足してから、四十年という記念すべき年を迎えています、それだけに民主政治のサンプルとして言われる地方自治とは何かを大切にしなければならない年でもあります。知事であるあなたはその本旨を正しく理解し、県政に生かしているのでありましょうか。あなたは本県の地域住民の生活と福祉を守るべき重大な責任を担う知事であって、国が親分で、県は子分的な存在、ただ中央に従属し、言いなりになるという雇れマダムではないはずです。ところがどうでしょう。今、国会で問題にされ、世論を二分して論議されている政治課題について、何ら意を用いないで、平然と中曽根流を受け入れる高姿勢をとっています。
まず本県予算案が基調としている国の予算案が問題です。その第一は防衛費の対GNP比一%枠突破は、三木内閣以来歴代の自民党政府が、国の内外に対する誓いとして、日本は軍事大国になりませんよというあかしとしてきた枠を外して、そして歯どめのない軍拡、
軍事大国化へと突き進む取り返しのつかない道を鮮明にしたのであります。
第二に、全国民が
大型間接税であると認めている売上税の創設や、
マル優制度の廃止など
シャウプ税制改革以来の税制大改悪を実施、また地方財政に対する補助金、負担金の二〇%カットの継続など、福祉、
教育切り捨て策の強行を初め、国鉄分割・民営化など一方的な行政改革をどこにもかしこにもがむしゃらに強行しています。
第三は、赤字国債ゼロの
財政再建方針の全面放棄、これも中曽根流でありますが、戦後政治の総決算路線による暴走体制を一気につけようとするものであります。このような高姿勢は余りにも性急です。余りにも独善です。余りにも政治道義に反する暴走政治であり、多くの良識ある国民の激しい批判と怒りをかっているのであります。特にスズメの涙ほどの
所得税減税と引きかえの大増税として、見るもの、さわるもの何もかも税金をかける、公約違反の売上税の導入と、
マル優制度の廃止については、今や各階層の広範な反対運動が巻き起こっています。ところが鎌田知事がこのような路線や悪税を軽々しく容認し、地財計画のお手本をまねて本県予算に
売上譲与税を計上したことは、余りにも自主性のない鎌田知事の正体をここで暴露したものであります。断じて許すことはできません。かくなる上は、我が党は
中曽根政治に無条件に支配をされる鎌田県政に断固として、県民とともに正義と道理の鉄槌を下さなければなりません。あなたのその暴挙にストップをかけなければならないのであります。鎌田知事は自分の確たる政治理念をもっているのか、それともすべてが中央にコントロールされるいわばロボットといいますか、そういった存在にすぎないのでしょうか。本県議会ではまずそのことからただす必要がありますので、答えてください。
具体的に質問しますと、その第一は防衛予算一%枠突破の問題です。戦後政治の総決算路線を唱える
中曽根内閣によって、次々に福祉は切り捨てられ、生活が置き去りにされていますが、(発言する者あり)その一方で、あんたが一番よく聞きなさい。平和を求める国内外の声を無視して大軍拡が強行されています。そして、ついにと言おうか、やはりと言おうか、いよいよきばをむき出しにして一九七六年来の決定であった防衛費一%枠が廃棄され、
中期防衛力整備計画で定める所要経費を枠とすることに改め、八七年度
政府予算案では三兆五千一百七十四億円、GNP一・〇〇四%の防衛費を盛り込んでいます。つまりこの一年だけを例外としたのではなくて、一%枠そのものを外して、かわりに一九九〇年度までに十八兆四千億円を防衛費に投入することを定めた、いわゆる中期計画によって、国民一人当たり十五万円、四人家族なら六十万円を負担させ、その後も勝手に幾らでもふやして大軍拡を進めていこうというものであります。
中曽根首相は、八三年四月以降国会で我が社会党や野党の追及を受けて、一%枠を守ることを繰り返し約束してきました。ところが一%枠を超える八七年度予算案を決めてからは、ちょっぴり顔を出した程度だと居直っています。確かに超過したのは百三十四億円であります。この金をちょっぴりというならば、それを削ってなぜ枠内におさめなかったのでしょうか。県民のこのことに対する批判も多いのであります。かつて八一年度予算で防衛と福祉の伸び率が逆転したときも、その差はたった〇・〇一%にすぎないといいながら、いよいよ翌年から防衛費の大突出となってきたのであります。つまり
中曽根首相は国会や国民に対してあれこれとうそをつきながら、一%枠突破に向けて布石を打ってきたのであり、中期計画を定めたこともそのための手段であります。
今では、既に日本は直接軍事費だけで二百三十億ドルに及び、西側では米英に次ぐ第三位を占めています。歯どめがなくなれば、軍拡のピッチは早まる。アメリカの圧力が強まり、制服組や軍事産業も足並みをそろえる。もはや抑えがきかなくなってしまうのです。その大軍拡の財源は、
福祉切り捨てや行政改革だけでは足りない。そこで
大型間接税が出てきたと国民は常識的に思っています。知事はそう思わないのでしょうか。売上税は疑いもなく戦争と軍靴の音を響かせています。なぜならば売上税は支配者にとって麻薬的悪税であって、いわゆる
製品調達税として、一番手っ取り早いからであります。かつて
日本軍国主義の中国侵略も、いろいろな間接税で賄われてきました。歴史的にみてもその社会が破局に直面をしたとき、軍事経済が準備され、その中で画策されるものが
大型間接税であり、今回の売上税こそ軍拡の財源になるものでありますが、そんなことはないといった議員もおりますけれども、これはよく日本の歴史をみればすぐわかることであります。知事はどのように見ているのか、そうじゃないというそういったことではなくて、知事の良識ある見解を求めます。
さらに、売上税、
マル優廃止の問題について質問を続けます。その第一は、公約否定の問題です。
中曽根首相は、衆参同日選挙のとき
大型間接税はやらない、投げ網をかけるようなことはしないと大見えを切って国民に約束しました。売上税は明らかに
大型間接税そのものであるのに、ペテンと詭弁で国民を裏切って強行しようとしています。うそはいけない、子供の教育にもかかわるとして、
中曽根内閣の支持率が過去最低に急落したことは、当然だといわざるを得ません。税金は民主主義の基本にかかわる問題であり、絶対に許せないことであります。
第二は、その内容の問題です。これは数限りなくといっていいほど矛盾だらけです。昨日知事は四つの評価を言いましたが、ごまかしです。四兆五千億円の増税、同額の減税ではありません。
法人税減税一兆八千億円の財源は、売上税の創設と
マル優制度の廃止による大衆増税で賄おうとしていますが、所得税の減税は二兆七千億円もあるといっていますが、増税の方はその二倍近くも負担させられることになります。マル優の廃止で九百万円までの貯金の利子には七万円から八万円の税金をかける。しかし一億円預金している人の税率は三五%から二〇%になる。そのことによって税金が百万円から百十万円も軽減されていくのです。所得税の累進は五段階にして、一〇%からいわゆる六〇%にするのも大いに問題です。これは逆に新しい不公平をつくり、高所得者いわゆる高い所得者の税率を下げて、金持ち優遇の税制緩和をしようとしているのであります。政府自民党がいっている
中堅サラリーマン減税のためというのもまっかなうそです。年間の実所得三百万円から四百万円、課税所得百二十万から二百万円の人たちの税率は一四%から一五%上がり、六百万から七百万以下の人たちは、いわゆる売上税と
マル優廃止ですべて増税されていくのです。売上税の創設について投げ網ではなくて
地引き網程度だといっていますが、これもうそだらけです。一億円以下の売上業者は免税になるといいますが、
中間流通業者は取引会社から一層締め出されることになります。非課税にしても、四十三品をみても農薬や農業資材、缶ジュースの缶、菓子箱の箱にも税金がかかるといった状態で、政府は八七%が免税業者だといいますが、実際は日本の総売上高の一千百十三兆円のうち九一・三%、ほとんどすべてが課税の対象となるのです。そして売上税という名で売る方が払うように印象づけていますけれども、その実は全部消費者負担となり、買い物税というべきものであります。まさに業者はもちろん消費者にも大きな不安と混乱を与える税制の大改悪であります。
第三には、政策判断の問題であります。現状はまことに異常で、大幅な円高と極めて深刻な不況のもとで失業、雇用の問題、産業の空洞化などなどが進んでいますから、経済をどう活性化させるかは、景気をどうしてよくするかが差し迫った課題でありますが、その中心は内需を拡大させることです。生活向上、消費の拡大を図らなければならないのに、売上税はこうしたことに冷や水をかけるものであっで、いわゆるこれは決定的な政策の間違いでありますが、売上税はあなたが税収をふやそうという、貧乏県には特に何といった、そういった単純というか、もう本当にみんなが驚くような回答を知事がするほどでは、これはいけないのでありまして、
大金持ち優遇、庶民泣かせの大改悪について、知事のやるべきことは今こそその先頭に立たなければならないのではありませんか。県民のあらゆる層の人々が大きな期待をもってあなたの態度を注目しておるのでありますから、あなたのその認識と態度、今後の行動について明らかにしていただきたい。一昨日反対集会はもちろん
日本百貨店協会や、
日本チェンストアー協会などの団体を初め、今や多くの団体が次々に政治献金をストップすることを決めつつあります。新聞の投書をごらんになっているでしょう。非難ごうごうたるものがあります。知事はそれでもなお税制の大改悪である売上税を肯定するのか、回答をもとめます。
次に、何もかも地盤沈下していく私たちの
ふるさと鹿児島を再構築するためにどうすべきか、鎌田知事の
地域づくりの理念について質問します。まず鎌田県政とは何なのか。あなたの施政方針を聞くと、ここ十年続いているけちけちムードの中でも、言葉だけは活力とぬくもりにみちた偉大な鹿児島の創造、相変わらずきざに強調されて、その演技力はなかなかのものです。何が活力とぬくもりなのか、どこが偉大な鹿児島の創造なのか、極めて抽象的で言葉だけが躍る空回りになってしまい、しょせんはその場しのぎで、県民はもとより県職員の中にさえ実感として受けとめられていないのであります。もちろん知事はあくまで演技者であって、脚本家や演出者はほかにいるのでしょうが、それにしてもいつもの施政方針と少しもかわりばえのない旧態依然とした体質だけでは、その体質だけが印象づけられてなりません。時代は激動の洗礼にさらされています。そういった今日、一つの転換をやろうとする気迫もなく、特に鹿児島再生のための生き生きとしたレールを敷こうとする気概も感じられないことに、全く失望を覚えるのであります。県民の皆さんは鹿児島の置かれている現状について真剣に考え、今鹿児島は何をなすべきかを要求しています。
私たち議員は、今それぞれ時節柄各地を訪ね、人から人へ多くの県民各位から御意見を聞いていますが、県民である皆さんお一人お一人の反応は、私たち議員や執行部の予想をはるかに上回るもので、慌恐の的となっている売上税とエイズの蔓延とともに、鹿児島の現状に対する焦燥感、いわゆるいら立ちがあり、将来に対する不安感が各界に広がっており、しかも日増しに強くなりつつあることを私たちは痛感させられています。そして県民である人々の価値観の変化も顕著になってきています。物質文明の成熟と行き詰まりの
精神的見直しという世の中の潮流の変化に根差した意見もあり、特に生活と環境、政治と経済、自立のあり方など人間存在のありとあらゆる面で、まさしく地殻変動にも似た変状に迫られているのであります。鹿児島の県民所得を支えていた財政指数の伸びは、ここ数年とまったままであり、長年地域住民に親しまれてきた鉄道線路は外されていきます。鉄は国家なりと威張っていた最大手の新日本製鉄が深刻な経営危機に陥っているだけではありません。鳴り物入りで造成した
鹿児島臨海工業地帯の
機械金属工業団地は、時を余り経ずして早くも悲惨な状態に陥り、閑古鳥さえ鳴かないのであります。IC、
集積回路景気は一段落し、
ハイテク産業や重工業の新規企業の立地も、鹿児島は見向きも振り向きもされない、ふるさとの
伝統産業大島紬も危ないのです。もともと農村つぶしや漁村つぶしは早くから行われてきたことのその事実を、今さら改めて申し上げる必要もないと存じます。このように手をこまねいていたのでは鹿児島のような田舎は押しつぶされて、やがて消滅してしまうのではないか、地元紙はそのように指摘をしています。だがそれにしては鹿児島県の鎌田県政には危機感もなければ、緊張感もないのであろうかという率直な意見もあります。
そこでまず第一に、国の四全総と鹿児島の新総合計画の行方です。
地域づくりの理念と戦略はどうするか。まず私
たち鹿児島に住む人間がつくり、必要な行財政権を知事がしっかり握る。そして具体的な政策を進めることが本当の地方自治であるが、昨日も議会において議論がありましたけれども、政府が策定を進めている第四次
全国総合開発計画いわゆる四全総、これは
地方分散政策による均衡ある発展を目指すという行政ではありません。技術情報、人材などの頭脳集団や公共投資が東京圏集中への傾向がさらに強まりそうであります。この前来た人にいったといいますが、その人は全国を回っています。鎌田知事は、かつて戦後我が国の国土政策は、国土の均衡ある発展を基本理念にしてきた、それが高度成長の終えんと財政難とで音を立てて崩れつつある、首都圏域だけでは火星人のように頭でっかちになったら日本は滅びる、国土政策で地域の復権を求めなければならないと、まことにいいことを言っているのであります。今もその構えで、そしてそのことを政府に認めさせる、そのことができる自信がおありか。お尋ねしたいことはそれだけです。
次に、鎌田知事がなすべきことは新しい発想と行動がぜひとも必要である。ぜひ鹿児島県の特色を生かした鹿児島としての
地域づくりの理念を、再構築をされること、そして実現のための体制づくり、基本戦略を策定をすることを私たちは要求をしてまいる、改めて回答を求めます。日本は今間違った傾向として
地方切り捨ての時代として、極めて厳しい状況に置かれております。地方自治とは地方のことは地方がみずからの責任で始め、国とは対等の関係にあるということでありましたが、昨日も中央に陳情、陳情という言葉がたくさん出てまいりましたほど、この理念と姿勢はもう四十年にして崩壊しつつあるのではないでしょうか。私は率直に申し上げさせていただきます。このところ鎌田県政に対するイメージが、残念なことに総じて落ち込んでいるようです。それは
一村一品運動の大分県や、日本一の大きな田舎づくりを目指す熊本県と比較されて引けをとっているとみられているからであります。いつまでも地方が国だけを頼りにする時代は過ぎているのに、ただ国の枠内だけにとどまり、国の補助金だけを頼りにして、中央からの利益誘導の一点張りの政治手法だけで、自前の地域興しと取り組む活気が出てくるんでしょうか。時代の大きな流れからみても、鹿児島の新しい発展のための基礎的条件が、それほど変わっているとは私には考えられません。まず私たちの鹿児島は美しく清潔な山と川、海があり、穏やかな気候、風土があります。加えて古く豊かな歴史、文化があります。これらはいずれも自然の恵み、先祖の遺産であります。私たちはそのありがたさや誇るべきものを忘れないで継承発展させなければなりません。鹿児島だけでもやればできることがたくさんあるはずですと、地域住民は訴えています。それこそ地方の競争の時代に生き残れるために、足元をまず固めていただく施策を要求をしています。知事の方針をお尋ねします。
ここで、これまで申し上げましたことを締めくくる意味で、我が社会党として要求します。本年は憲法施行四十周年の記念すべき年に当たり、同時に
地方自治発足四十年です。したがいまして、いろんな行事をあなたは新規事業で提起していますが、肝心かなめなことが抜けています。どうか五月を
憲法地方自治月間として制定し、記念日に記念行事を開催を要求しますので、お答えください。
次に、雇用対策について申し上げます。造船、石炭、鉄鋼と相次ぐ倒産、閉山解雇の重苦しいニュースばかりが続く中で、閉山になった長崎県高島鉱の
労組書記長川崎さんが、親子三代続いた山男の無念さを残して自殺しましたが、この悲しき長崎の鐘の音は、失業列島二百万人時代への突入を告げています。しかし日本の政財界は、こうした労働者、
零細業者たちの悲鳴も聞こえぬふりで、円高基調を今後も続けながら、輸出にドライブをかけ、産業構造の大転換を急速に推し進めています。第一次産品をアメリカから輸入するに振りかえて、対米黒字を減らす一方、
高度情報化産業を強化し、結局は今後その販路はどのように拡大をしていこうとするのでしょうか。それは防衛産業だと、労働者でさえ自分で仕事をしながら、それに従事しながら答えています。汗みずくになって働いている人間のぬくもりや涙とは無縁の冷酷な資本の論理はここにあります。
昨年十二月二十八日、幕末に開港して近代日本の産業の原動力を生み出した高島炭鉱、その閉山の日は
きしくも国会で
国鉄民営化法案が成立した日でもありました。明治五年からのことを私は触れません。百十四年半の歴史がいたましく落葉する日が近づいています。そして県内四三%の国鉄として、大自然の中を悠々と走り続けてきた思い出のローカル線も消えるのです。こうしたことの犠牲の中で、国鉄内部の矛盾は今全く収拾のつかないほど極限状況に追い込まれています。国鉄の崩壊、それは進歩の夢の頓挫であり、大きくて不変とみえた国鉄にすがって生きてきた職員の終えんとなるのでしょうか。大きな不安におびえる三十万人の上に、二月十六日猛烈な一陣の嵐が狂ったように襲いかかりました。長年の組織を吹きちぎるという信じられない、というよりも信じたくない最悪のことが行われたのであります。すなわち親会社への採用と余剰人員として
清算事業団への振り分けでありました。この中で今回の採用通知は明らかに報道されておるように、差別、選別が実行されています。我々はこのような不当極まる差別選別に対し、鹿鉄当局と新しい会社の設立委員である鎌田知事に対して、不信の念を抱かざるを得ないのであります。それはさきの第百七臨時国会における
参議院特別委員会の附帯決議第九項に、職員の採用基準及び選定方法については、
所属労働組合などによる差別などが行われることのないよう特段の留意をすることにも反するからであります。そして十一月の二十二日、杉浦総裁は国会答弁において、各組合に対しては公平、平等、無差別の原理をもって呼びかけると約束をしています。そして所属する労働組合による選別というようなものが行われるとは、私は毛頭考えておりません。そんなことはあってはならないことだと思います。十一月十二日、
橋本運輸大臣は国会でそのように答弁をしているのです。今度の振り分けは国鉄には当事者能力が全くないので、新しい会社の設立委員が採用基準を提出して採用することになっているから、その方に聞いてくれ、どの組合もそのことを当局に聞くことはできなかったのであります。設立委員に聞けというならば、
鎌田設立委員から答えてください。職員の皆さんが言っておる今回新会社への移行についての採用基準、新聞社を初めとして、そのことを追及をいたしておりますが、鹿児島の場合に、あなたの場合にどういった採用基準を定められたのか。
二つ目には、採用通知のこなかった者、余剰人員として
清算事業団に残る人の今後の処遇、これはいわゆる知事としてどう対処されるかということを含めてお答えください。
四月一日
民営化目前という状況で、今回の採用通知だけという極めて不親切で通り一遍の形式をされているが、一体あなたが採用するといったその通知は、配属箇所はだれがいつどのような方法で決めるんですか。あなたはそれほど詳しいんでしょうか。確定後に本人受諾の判断は三月十五日までにしろ、そういったことが物を運ぶように、スイッチを切りかえるようにできるんでしょうか。新しい会社に配属になったものの労働条件、そしていわゆる職務内容、組織図などについて明らかにしてください。
次に、一般的なことで、構造転換で進む
雇用不安全般について質問します。昨日ももちろんお尋ねがございました。なかなか抽象的で具体的なもの一つもありませんでした。雇用問題の情勢は複雑です。それだけ県としての対応も苦慮されていると思いますが、経済界や保守勢力が進めようとしている構造転換は、すべてといっていいくらい雇用問題にしわ寄せが襲いかかってまいります。農村から都市への転換は農民の雇用問題を生み、人為的としかいいようのない円高不況は、産業空洞化を生んで、既に失業率三%時代突入は目前です。空洞化は単に製造業だけでなくて、今回の税制改革にみられる増税は、将来の大増税への布石として高い負担のための海外逃避も遠くないといわれています。また第二次産業中心から第三次産業中心への労働者数の変化、労働者の高齢化、常用労働者中心からパート派遣労働者との併存などの問題に政治、そして行政の側がどう対処するのか。これはまさにことし八七年政治の最大の課題であります。
ところで、日経連は労働問題研究委員会報告を発表しました。副題として産業空洞化、雇用問題の対応についてをつけていますが、終身雇用制の結果、不況になっても何とか過剰人員を企業内に抱えてきたが、しかしその姿勢にも限界があると、公然と首切り合理化を言明をしたのであります。そして雇用を確保するためには賃上げよりも、雇用と結論づけています。賃上げを我慢して、雇用確保を図れといいながら、企業内の雇用確保は限界だと許さないことをいっておるのであります。しかも具体的な雇用対策について全く触れていないことは、雇用責任をもつ経営者の団体である日経連として、余りにも無責任な態度といわざるを得ません。今や日本の労使関係の三種の神器といわれた終身雇用制、年功序列賃金、企業労働組合のいわゆる崩壊などに対して、働くものは強い危機感を持っていますが、本県としての対応策に具体的なものがございませんが、ありましたら、お答えください。
そして、ことしは雇用対策が重要な課題になりますので、産業間で雇用を調整してもらい、解雇、辞職を未然に防ごうとする施策も組み入れて、政、労、使の三者による雇用対策協議会の設置実現を、社会党として要求をし、回答を求めます。今、さあ大変だということで、幾つかの県が本当に対処するためのそういった協議会を設置をしています。まるで鹿児島はそんなことをせんでもいいというお考えなんでしょうか。
最後に、最後にというのが、基本理念のところでお尋ねさせてください。いわゆる私が今度代表質問に立つということが報ぜられました。鎌田知事にぜひ聞いてくれんかという注文を受けましたので、お尋ねしておきます。何のことかといえば、鎌田さんは次の知事選挙に出やっどかいなあということでした。まだ三期目を二年残しておいやっで、ちいっと早いじゃなかしかと、こう言いました。しかし知事四選か退陣かは極めて県民の関心事です。まあいろいろあるそうでありますが、続投、任期も十月末まで切れる中曽根さんの退陣は、売上税で野たれ死になることはまず間違いありませんが、あとだれがかわるかについては、ともにいわゆる心にかけている人も多いと思います。ことしは昔から政治の世界に大きな変化があるといううさぎ年だと新聞にも載りました。鎌倉政府が幕を閉じたそのときもうさぎ年、大阪夏の陣で豊臣政権が滅びたときもそうです。そして徳川幕府も終えんして大政を奉還したように、この年も売上税によって政局は一挙に緊張感をましており、情勢によっては政変の年として日本の歴史を画することになるかもしれません。まもなく内外ともに多事多難なとき、私たちは戦後第十一回統一地方選挙を戦うのですが、ある人は言いました。鎌田さんは参議院に出やっとなと、前の金丸さんがもう一期とおっしゃっているそうじゃがと、私たちのことは聞かんでそんな話ばっかりするんです。衆議院もどげんじゃろかいと、いっそ日置郡か鹿児島市から県議選に出やればよかとねと、そのように言ったのであります。平家にあらずんば人ではないといわれた時代もありましたが、おごる平家は久しからずでありました。弱いものを救うのが政治の仕事であるのに、強いものに手をかし弱いものをいじめる政治が長く続くはずがありません。今、率直に言いまして、にっくき中曽根、むかっ腹の立つ政治だと、このようにいっているんです。いずれにしても鎌田知事みずからの今の心境を含めて、私はこうやって、知事はこうしたい、そのことを含めてお答えください。
〔知事鎌田要人君登壇〕
4 ◯知事(鎌田要人君)国の防衛費の一%枠のお尋ねについてでありますが、これは申すまでもなく、一国の防衛は国政の課題でありまして、国会の場で十分論議されるべき課題でございますので、私からとやかくこの場で申すべき立場にはないということを御理解をいただきたいと存じます。それでもお前の意見はどうじゃということでありましょうから、私個人といたしましては、やはり日本が一個の独立国として、国際社会の中で協調と平和のうちでまいりますためには、やはり一国の安全と独立は、国民みずからが守るという気概と、それに対応する最小限度の防衛力の整備は、これは日本国として当然のことだと思います。
それから次に売上税は、軍拡財源ではないか、この点につきましては、私も政府税調の一人として、長年この問題にかかわってきておりますが、軍拡云々の予算ということは、一言もございません。今度のこの売上税の問題は所得税、法人税の大幅減税、それに対応するこの財源をどう見い出すかということで、歳入中立税、レベリューニュートラルということで、増減税同額でありますので、この点からもその点は御理解がいただけると思います。
それから今度の税制改正についての意見でございますが、これにつきましては、まさにきょうから予算委員会も開かれるようでございまして、国政の場で大いに論議をされるべき課題というふうに存じます。売上税、きのう私が申しましたのは、今度の税制改革というものとの関連で地方財政に穴があく、この穴のあく地方税財政制度の改革についての私の考え方と、
売上譲与税を計上するということについての考え方を申し上げたわけであります。で、ちなみに今度の税制改革は四本の柱があることは御存じのとおりでございます。
一つは、何と申しましても世界で一番高い累進課税、また働き盛りの中堅所得層の負担がその分だけ非常に重い、こういうことから所得税の大減税ということは国民的な要請でありまして、また日本で、いや世界で同じく一番高い実効税率五二・九%というこの高い実効税率、一方でアメリカでは三五%に法人税率が下がる、こういうことでいわゆる産業の空洞化、我が国経済の活性化、特にこの法人の九割を占める中小法人、これの負担の軽減も含めまして、法人税の減税、これを行うということで活性化をもたらすということが一つ。
もう一つは、やはりマル優につきましても、今国民が持っております金融資産の中で、保険を除きまして四百六兆ある。その中の七割の二百八十兆というものがこれがマル優ということでありまして、まさにお金持ちの脱税の温床になっておることも事実であります。そういうことで、利子に対する課税の適正化を図る。
それから売上税の問題でありますが、これだけの四兆五千億円の大きな財源の穴のあきっぱなしということは、これはとうていできないわけでありますので、これを埋めるのに売上税につきましては、背後にあります考え方としましては、今物品税とか、あるいは個別の自動車の税金でありますとか、もとい電気税でありますとか、ガス税でありますとか、そういった個別の消費税の矛盾というものがございます。一方に、例えばキリのたんすにはかからないけれども、ケヤキのたんすには税がかかる、こういった不均衡があるわけですし、特に最近のサービス産業、ソフト産業のもとで、ここには一切税金がかからない、そういうことで消費税の関係での矛盾があります。さらに国民の所得がこれだけ上がってきて、しかもトップと下の差、いわゆる貧富の格差というのが世界でもまれなくらい近接しておる、そういう中ではやはり広く、薄く、国民の将来、福祉等の財政需要も伸びるわけでありますから、それを安定的に確保するためには売上税、御案内のとおりアメリカでは小売売上税、ヨーロッパEC諸国では付加価値税、お隣の韓国でも付加価値税、大体先進・中進四十二ヵ国がこれを採用しておるわけでありまして、これは歴史的な趨勢であります。そういう中での、やはり将来長期的な財政を見通した場合に、安定的な財源として、国民が広く、薄く負担をする税というものが必要ではないだろうか。ちょうど県や市町村の場合に県民税や、市町村民税がありますように、国民税的なものが必要ではなかろうか、この哲学、考え方というのは私としては十分に首肯できると思いまして、政府税調においても賛成をいたしたところであります。(発言する者あり)
5 ◯議長(
原田健二郎君)私語をやめてください。
6 ◯知事(鎌田要人君) (続)いやいや、県はあんたやはり日本国の中にあるんですよ。県民、国民という立場は、これは不離一体のものであります。
こういうことで、るる申し上げましたように、これは改めて言うまでもなく、この県議会で議論をすべき課題ではなくて、国政で議論をされるべき課題、ただ私の意見を聞かれたから、いささか税にかかわった者としての私の意見を申し上げておるということであります。(発言する者あり)
7 ◯議長(
原田健二郎君)今答弁の時間ですから静粛にひとつお聞きいただきます。
8 ◯知事(鎌田要人君) (続)次に、四全総の絡みでございますが、これにつきましては、今年の一月六日に、鹿児島で国土庁の長官以下お見えになりまして、九州、沖繩、もとい沖繩は入っておりませんでした。九州の各県の地方自治関係、あるいは経済関係、農業関係、そういった方々の懇談会がございまして、そこにおいて、私初め、みんなが申しましたことは、やはり東京一点集中ではこれははなはだ国土の均衡ある発展ということは言えない。四全総の中間報告というものが余りにも東京に力点を置き過ぎておるということで、多極分散型の国土形成ということについての理念、方向づけをはっきり具体的に書くべきである。こういうことを申したところでありまして、以後各地で行われました懇談会も同様の意見であったようでございまして、恐らくこの点について、政府が国土の均衡ある発展、多極分散型の国土形成、あるいは定住と交流、こういったことに力点を置いた答申、四全総の案になるであろうということを確信をいたしております。そういう中で、本県におきましては既にこの四全総の考え方も先取りをしたような形で、昭和六十年六月に六十年代の県政の躍進と、二十一世紀に向けての飛躍のための基礎づくりを図るべき、県政推進の羅針盤となる新総合計画を策定をいたしまして、それに基づいて県政を進めておることは御案内のとおりであります。
また、車座対話を通じました県民総参加の県政の展開、あるいは農村振興運動を初めとする三大県民運動、こういった中でテクノポリス、あるいは大隅開発、バイオポリス、あるいはアトムポリス、離島奄美の振興、こういったことで本県らしい本県の持つ地域特性、発展と可能性を最大限に生かした施策の積極的な推進に努めておるところでありまして、何といいましても、一日も早く本県を過疎、後進の状態から脱却浮揚させたいということで、この十年間、一生懸命頑張ってきたつもりでありまして、いろいろと力不足の点はありますが、なおひとつ全力投球を続けてまいりたい。
それから各県との地域間競争の問題でありますが、この点につきましても、例えば農村振興運動等を基軸といたしました村づくり、こういった中での地域の努力というものも出てきておるわけでございます。
それから陳情陳情ばっかりやっておるんじゃないかと、これはまあ私も決して陳情が好きでやっておるわけではない、時には歯がみをするような気持ちで陳情をしておる、この実情は御理解をいただきたいと思います。本県が発展をするためには、まだ新幹線も来ておらない、高速自動車道もまだである、あるいは桜島の火山対策、あるいは奄美、離島の振興、半島振興、まあ鹿児島県が銭もっじゃればですね、だいがびんたを下ぐっもんですか。それがないからですね、その金のもとをつくるために、今私がこめつっバッタをすれば、あたいの後の知事やら県民のしが楽をしやっと、そういう気持ちでやっているということのつめのかけらでもひとつ理解をしていただきたいと思います。
次に、憲法施行四十周年の記念行事の問題でありますが、国民的全国的なレベルでこれは検討をされるべきものであると考えます。それから
地方自治法四十周年記念行事についてでありますが、ことしは我が国で初めて市制、町村制、いわゆる近代的な地方自治制度ができまして、ちょうど百年という年にも当たります。そういうことで政府においては、十月ごろを目途に記念式典を開催をしまして、表彰行事やらいろいろあるようでございます。
本県におきましても、ちょうど今から十年前は三十周年で自治制発布九十周年であったわけでありますので、前回の例等も参考にしながら、今後市町村とも協議いたしまして、県民の地方自治に対する理解を深めるための行事の開催等について検討してまいりたいと存じます。
次に、九州旅客鉄道会社の問題でありますが、これは御案内のとおり、九州旅客鉄道会社の設立委員を私仰せつかっております。ただこれは、九州知事会の知事もしておる、こういうことでいわゆる県政というものとは、一応別個の場でのこれは設立委員という私の仕事だと理解をしておりますので、この議会でお答えをすることが適当かどうか、いささか疑問を持つわけでありますが、せっかくのお尋ねでございますので、私が関知しております限りにおいて申し上げます。
まず、新会社の職員の採用基準でありますが、これにつきましては、国鉄改革法案に対する国会での審議内容、またただいまお述べになりました附帯決議の趣旨を踏まえまして、採用希望者の年齢、健康状態、職務に対する知識、技能、及び適正、日常の勤務に対する実績等を総合的、かつ公正に判断して行うよう設立委員会において定めたところでございまして、先般の採用通知は、この基準に基づいて国鉄が職員の意思を確認の上、選定をした者に対して行ったものであります。なお個々の職員の配属等につきましては、業務上精通しておる国鉄にゆだねているところでありまして、新会社での業務が円滑に行われるよう、採用された職員の適性等を考慮しながら国鉄において適切な体制づくりが進められているものと考えております。
新会社の労働条件につきましては、現行の国鉄における労働条件を大幅に変更しないよう配慮しながら、私鉄における労働条件等も参考として、定めておるところでありまして、個々の内容等につきましては、既に報道等で明らかにされているところであります。
なお、不採用者については、今後
清算事業団に属することとなるわけでありますが、その処遇については、
清算事業団の設立委員、あるいは
清算事業団において今後考えられるべき問題というふうに存じます。
それから配属確定後の本人受諾期間のお尋ねでありますが、この点は私は存じません。以上であります。
それから次に、一昨年来の円高による国際環境の悪化という問題、あるいは産業構造の進捗の問題、変化の問題、こういったことがございますし、また産業の空洞化というおそれもある。一方において、我が国の経済社会においては高齢化の伸展、女子の職場進出、技術革新の伸展など、構造変化も進んできておるところでございまして、こういう中で、県といたしましては、国との施策の連携を密にしながら、健全な労使関係の維持促進、何よりも雇用の場の拡大を、企業の誘致、あるいは地場産業の発展ということを通じて確保してまいらなければなりませんし、また男女の雇用機会均等の確保と、こういった問題、さらには職業能力開発、こういった点に力を入れてまいらなければならないと考えておる次第であります。
次に、雇用対策につきましては、各公共職業安定所単位で地域雇用協議会が設置をされておりますが、この協議会を活用いたしまして、地域における雇用開発の方策を検討実施することといたしたいと考えております。また県段階におきましては、労働者代表、雇用主代表、公益代表、各五名の委員からなる鹿児島地方職業安定審議会の積極的な運営を図ってまいりたいと存じます。
最後に私個人のことにつきまして、いろいろ御配慮をいただきまして御礼を申し上げますが、私といたしましては、現在のところ、現在に生きる男でありまして、鹿児島発展のために何をなすべきか、何がなせるかということを絶えず頭に置きながら頑張ってまいりたい。したがいまして、今は先のことはこれっぽっちも脳みその中にはございませんので、引き続きまして御後援のほどをお願い申し上げます。
9 ◯議長(
原田健二郎君)福間議員にちょっと御注意申し上げておきます。
今一項目が済んだばっかしで後残された質問の時間が二十三分ほどです。ですからあるていど延びてもいいですけどね、そこをお考えして御質問願いたいと思います。
〔
福間不二夫君登壇〕
10
◯福間不二夫君 今本論を続けていますから、不規則発言をする方はね、いつも決まっているようですから、人の話をよく聞いてください。さき言いましたいわゆる自分が好かないことでも言うことは聞かなければならないのが民主主義ですから、ね、あなたはそのことからよく勉強してください。(発言する者あり)
ところで、防衛力、防衛となぜ言うかというと、いわゆる平和憲法がありますから言えないわけですね、軍事費とか言えないでしょう。だから防衛費という言い方をしているんですが、先ほども言いましたように、どんどんどんどん突出をしていく、そしてついにこれは大衆課税、売上税しなければ銭が集まらんと、まだ一生懸命これはアメリカに気がねをしてやっていかんないかんのでしょう、あんたたちは。それで実はね、おとといでしたか、あたやな鎌田知事さんの運動を一生懸命したという黒幕だという人に会いましたよ。名前は言いません。その人がね、こう言いました。いや、個人的には私も言ってもいいんですが、これはいよいよ福間さん戦争やっどなと、こういう言い方をしました。それは文字どおり売上税と結びついた御意見を私は聞いたんです。ですから、そのことをやっぱりあんたは知っていただかなければいけないんじゃないかと思って。で、地方税が上がるという、これは全くね、ごまかしもごまかしでして。私は自民党発行の、パンフレットを見ましたよ、見ました。幾つか書いてあります。反論せと言えば幾らでもしますがね。いわゆる増税、増減税、あなたがおっしゃる。同額の庶民減税であると、これも大うそですね。
所得税減税は先ほど幾らかふえましたけれども、二兆七千億円なのに、大衆増税は四兆五千億円でしょう。ですから、(「それは違うんですよ、売上税、物品税をひっさげて二兆五千億円、数字はちゃんと言わなければだめですよ」と発言する者あり)いやいや、これはうそを言っているわけじゃないから、数字は。(発言する者あり)
11 ◯議長(
原田健二郎君)御静粛に願います。
ただいま質問の時間です。
12
◯福間不二夫君 (続)いやいや私も見ていますからね、で、(「わからんとかね」という者あり)あんたはわかっているのかね、わからんことと何、すぐいわゆる(発言する者あり)
13 ◯議長(
原田健二郎君)ただいま質問の時間ですから、御静粛に願います。
質問をしてください。
14
◯福間不二夫君 (続)それから言ったことにね、金を持っておればびんたは下げんとあんたは言ったね。金持ちゃばかでもだんなというが。ところがね、金持ちが威張っていること、金持ちでなければあんたはびんたを下げんと、そういったことをですね、言うもんじゃないですよ。(「県民の財政が豊かであればということを言ったんです。」と発言する者あり)びんたは下げんとか、つめの何と言ったけあんたは、(発言する者あり)そういったいやいや、いわゆるですね、例えば(「鹿児島県が富裕であれば」と発言する者あり)
15 ◯議長(
原田健二郎君)ただいま質問の時間ですから、ひとつ私語をやめていただきたいと思います。
16
◯福間不二夫君 (続)いわゆる売上税をですね、しないのはあんたが精神分裂と言いましたね。(発言する者あり)
17 ◯議長(
原田健二郎君)個々の交渉はやめてください、
18
◯福間不二夫君 (続)多くのあれがありますけれども、問題はあなたの財布をねらわれているんですからね、物価値上げで消費を冷やし、ますます不景気を招いていくんですから、何かこれによって天下がよくなるようなことはやっぱりやめていただかなければいかんと思います。それじゃ次に進んでいきましょう。
次に、本年当初の議会ですから予算議会です。本県の財政収支の見積もり、そして事務事業の実施計画として知事が鹿児島県民に対して約束をしようとする新年度の予算です。そこで、結論から先に言いますとね、鎌田知事がこれまで示した十年間の予算案の中で最低も最低でしょう。まことに非情でお粗末、作為的に美辞麗句で飾っていますが、その中身は
政府予算案の直撃を受けて随分無理を重ねた行き詰まり予算で、借金である県債をふやしたり、財政調整基金など貯金をはたいて何とかやりくりをつけています。その苦労もわからないわけでありません。しかしついに裸の王様になった、このような言葉も聞けるわけでありますので、昨今の社会情勢、経済の目まぐるしい変化に対応できるであろうか、そのことを心配をする人も多いのであります。いわゆる地方の時代ではなく、いわゆる税制が地方の時代を考える税制改革をやればいいんだけれども、
地方切り捨て、そういった関係になっていますから、鹿児島県はこれまでも、そしてこれからも、地理的条件にも経済的条件にも恵まれていません。果たしてこれからの競争に生き残るための鹿児島県の体力がまだ走り抜くことができるのであろうか、お先真っ暗であります。
この一般会計予算の五千八百二億三千七百万円のごろ合わせ、あなたは夢いっぱい大きくふくらむ南の起点だと披露しました。私たちに言わせると、県民の生活は御破算でゼロみな困るとなります。それで許せない問題点については以下質問をしてまいります。
先ほども触れましたが、予算案の審議上から県の予算編成の基調となった国の予算から申し上げます。六十二年度政府予算は、いわゆる売上税の導入、マル優の廃止など、最悪の税制改革による大増税、福祉、医療切り捨て、国庫補助金のカット、まことに重ねて言うようですが戦後最悪の予算です。その同じ基調でもって結論から言えば、その枠内から一歩も踏み出していない、まさに国に追随するものになっています。円高不況に加えて、迫りくる大増税で県民生活は一層苦しくなることは目に見えているけれども、あんたはよくなるという。みんなが緊急事態と言うけれども、何ら適切な手を打つことなく、漫然と従来の惰性で編成されているように見えるのです。知事の現状認識、一体どうなっているんでしょうか。県民だれもが疑っております。このような予算では県民はたまったものではありません。
その第一の例が売上税の導入。それはもう何回言っても言い尽くすことはできませんが、このことについて予算の関係でも触れざるを得ないのでありますが、いわゆる減税の穴埋めの財源として
売上譲与税を計上するのは当然であり、財源対策はワンセットでできており、県のみでは財源を調達できないのだからということを盛んにおっしゃっている。いわゆるワンセットなのにこれを組む、これは組まないでは精神分裂だとあんたは新聞に報じられた。これは事実なんですから、私はその言葉は精神分裂、その表現は訂正をいただきたい。それを取り消して陳謝すべきであることを厳重に求めます。県政の最高責任者である知事が、このような表現を使うなどということは、絶対に許してはならないから私は申し上げるんです。県民の中にこのような不用意な言葉で傷つき、どれほど悲しい思いをする者がいるかということをわからなければなりません。私たちは、決して言葉じりをどうこう言うつもりはございません。事実関係は明確にしていかなければならないと存じます。
次に、減税による減収分について穴埋め、このことはおかしいのではありませんか。売上税は県が購入する物品や、県が発注する工事費などにも当然かかってまいります。それだけ県の負担が多くなることは明白です。この点からも売上税の導入は県にとっても大きな打撃であり、収支とんとんということは絶対にあり得ず、県の財政に大きな打撃を与えることは明らかです。それでも売上税の導入、
売上譲与税の計上は当然と考えるのでしょうか。いわゆる自治労が出しましたどれだけ、いわゆる支出が増大をするかということは、職場にも出ていますから、そういったものも読んでください。
県民税利子割合の計上の問題でありますが、これは非課税貯蓄優遇制度と言われる
マル優制度の悪用を逆手にとり、この制度を廃止し、庶民のわずかばかりの貯金の利子にまで課税を強行しようとするものであります。この課税の大原則である総合課税の原則を崩して、分離課税に道を開いた不公平税制の最たるものであります。このような大改悪に基づいてつくられました県民税利子割合の計上については、これを私たちは認めることはできません。これを予算に計上するのは当然であるという知事のその態度を明確にしてください。
次は、国庫支出金の問題ですが、昨日質問がありまして、答えがありましたから、影響額、いわゆる一兆二千八百億円、六十二年度の地方財政への影響です。六十二年度の国庫補助率引き下げによる地方財政への影響額、二千一百七十億円、合計して六十二年度への影響額は実に一兆四千九百七十億円に上っています。その影響額は昨日おっしゃったから繰り返しませんが、知事はだんだんそういったものに慣らされてきてしまっているんじゃないかというふうに思うんです。ですから、国のすることは県にとって利益にならない、有害なものばかりであると私は見るんですが、ぜひあなたの立場も変えていただきたい。
実は財政の関係でたくさんありますが、私もその委員会に所属をしていますから、そのところに幾つかは譲ることにいたしましても。
次に、いわゆる福祉予算を現下の情勢に対応いたしまして、他県との予算案も私比較してみましたが、福祉予算を計上しているところがいろいろあります。ですからそれを対比してまいりますと、なかなか本県の場合にそのことがいわゆる少ないんですね。少ないというか、余り身を入れてない。だれかが景気はすべて公共事業でというような意味のことを言いましたが、そういったことではなくて、いわゆる交通遺児の奨学金とか、児童収容施設とか、母子家庭とか、高校修学金とか、老人ホームとか、民間社会の福祉施設の問題とか、数多く問題がありますが、そういった支給単価を全面的に引き上げるという処置、そういったものが出ていないんですね。
そういったことについて、ではまとめて福祉医療関係についていたしますが、鎌田知事は、福祉って何だと思われますか。私は調べていただきましたところ、これは最新コンサイス英話辞典によるんだそうですが、幸福安寧、福利繁栄、繁盛、マル二として救済事業と記載されています。いわゆるウェルフェアを訳しますと満足のいく暮らしとなるんだそうです。知事が県政の究極の目標としている県民福祉の向上とはどんな夢を持つのでしょうか。我が党はこれまで(発言する者あり)質問中です。鎌田さんでは福祉に冷たい県政だといってまいりましたが、高齢化社会の二十一世紀を控え、福祉行政のあり方や方向について、鎌田知事自身の考えはいまだにはっきり持っておられないようです。いよいよ人生八十年時代、長い人生を健康で生きがいを持って暮らすことのできる生き生きとした福祉社会の実現を目指すこと。とりわけ全国で三番目の老人県である本県は、二〇〇〇年には老齢人口が二〇%に達する、全国動向に先駆けること十年から十五年だと、あなた自身が言っています。であれば、どこよりもその対策を急ぐべきです。県民の福祉、保健業務に対するニーズはますます増大し、高度化し、そして多様化してまいります。だからこそ、福祉、保健医療の充実に一層の力を入れていかなければならないのに、知事の対応はこれまた国任せ、政府任せです。その政府のやり方は国庫負担金はカットし、健康保健の改悪、老人保健法の改悪をごり押しにして、すじ切りして受益者負担を強め、加えて国民健康保険における国庫負担金の一部を都道府県に肩がわりをさせるという、不届ききわまりないことをやろうとしています。まさに政府は憲法九条に違反する軍事費をどんどんどんどんふやすために、憲法二十五条の生存権を無視していると言わなければなりません。いかに税収が落ち込んだからといって、福祉は政治の基本ですから行政水準を引き下げるわけにはいかないんです。ところが最近福祉後退を隠すために公私の役割を分担するとか、民間導入が唱えられていますが、しかし果たして本県に介護など良質なサービスを十分に提供する民間施設があるでしょうか。民間は営利によってしか動きません。元来福祉には生産性や効率性の原理はなじまないのです。このことを知事はわかっていますか。行政は商売ではありません。採算べースで考えれば僻地医療はあり得ないが、しかし僻地でも医療が必要です。それを供給するのが福祉医療なのです。地域の役割分担にしても過疎地では主婦も元気な老人も現役の農業従事者でありますが、反面、若い人、学生たちの姿もないために、途方に暮れています。また本県は独居老人と老人夫婦だけの世帯率が全国一高い地域です。これはいわゆる西南型家族の特徴で、一方、本県同様、若手総流出がひどい東北地方では八割の老人が息子夫婦、孫らと同居しています。こういう家族の形態の違いは地域サービスのあり方に違いがなければならない、そのことを雄弁に要求しているんです。中央追随の形で果たしてその地域のニーズに適応した福祉サービスができるのでしょうか。時は今、超高齢化社会に向かい問題は山積しております。
昨日、自民党から質問のありました痴呆性老人対策もその一つです。それに対する県の対応ではどうもぱっとするものがありません。いずれにしても、土木優先の政策では明るい長寿社会は築けないのです。これから福祉政策はどのような行方をたどるかは県民の重大関心事です。
そこで我が社会党は知事に要求します。直ちに全県庁的な組織として高齢化対策本部を設置してください。そして福祉は県民福祉部だけだという概念から脱して、福祉と保健、医療福祉と雇用、福祉と住宅、福祉と教育が互いに連携し合い、総合的な福祉行政の推進が図られていくようにすべきです。具体的には環境、いわゆる保健環境部の健康診断、商工労働部の高齢者雇用促進事業、土木部見地からの高齢者向け住宅の新設、県教委では教材を福祉読本の作成など庁内の行政を調整する高齢化対策本部の設置を目玉にして、総合的福祉への転換を要求をしまして鎌田知事の回答を求めます。
〔知事鎌田要人君登壇〕
19 ◯知事(鎌田要人君)
売上譲与税の予算計上問題で私の発言についての御指摘がありました。私が申し上げたかった真意は、今度住民税が減税になります、そうなると当然県も大体十三億円余りの減税になる、あるいは所得税、法人税が減税になります、そうしますと、その三一%が交付税ですからその分は穴があく、そこでその穴埋めのためにですね、住民税の減税については利子割住民税、これをつくる、それから交付税の穴のあく分も含めてそれでは埋めきれませんから、埋めきれない分については
売上譲与税、それからこれは売上税の七分の一ですけれども、残りの七分の六の二〇%はですね、今所得税、法人税、酒税の三二%が交付税ですから、それにもう一つこれを足し込むということを言っておるわけです。
それでことしの予算でですね、
売上譲与税のほかに、地方交付税の財源の中に二千二百六億円という売上税分が入っているわけです。もっと言いますと、それでなおかつ地方財政全体が足りないから交付税をさらに上積みをしておるわけです。そういうことで、今国会に出ておりますのが地方税法、それから
売上譲与税法、それから地方交付税法の一部改正と、こういうのが出ておるわけです。だから全部がワンセットとしてですね、そういうものがある中で
売上譲与税だけつまむというのはおかしいじゃないかと。それをやるのならですね、交付税の中の二千二百六億円分もつまんで捨てなきゃいかんじゃないかと。いまの利子割もつまんで捨てにゃおかしいじゃないかと。それをやらんでですね、これだけある中のこれだけとるちゅうのは、首尾一貫しない。そういうのは支離滅裂、精神分裂と言いませんか。私は自分を含めていっているんですよ。私に
売上譲与税を組むなとおっしゃると、それを言うことを聞けばですね、私自身も精神分裂じゃということを言うとるわけです。その意味はもはや明確におわかりになっていただいたものと思います。終わります。
それから売上税の導入に伴ってですね、歳出の面では当然売上税の転嫁されるものがあって、それは予算措置を当然しなければならない、またしてあります。御案内のとおり、大蔵省の(発言する者あり)だまって聞きゃんせ。六十二年度の予算編成でもですね、売上税が来年の一月一日から施行になりますから、それ以降に引き渡しを受ける分についてはですね、それだけのやはり補正をしてあるわけです。で、またこの
売上譲与税の、売上税の創設に伴う物価上昇は平年度一・六%、初年度は一月からですから〇・四%ということでですね、これはこの物価上昇分として当然予算の上で、あるいは地方財政計画の上で組んであることです。でありますから、その点についてはですね、収支とんとんの議論じゃないんです。もっと言いますと、毎年物価は上がっていくわけですね。毎年の公共事業なり、県単公共事業なり、需要費なり、そういう場合にも当然その物価上昇というのは織り込んでおるということなんです。
それから次は、国庫補助負担率の引き下げ等の問題でありますが、これについてはきのうも申しましたように、私どもとしては、地方六団体一緒になってこれまで言ってまいりましてですね、国に対して、この点については強く要請をしたところでありますけれども、御案内のような経過措置をたどって決着はついたわけでありまして、これはまことに我々としては遺憾にたえないところでありまして、この点は繰り返すことを避けますが、ただその歳入欠陥分については十二分に措置をするということで、今後その決着をしっかりつけてまいりたいと考えておる次第であります。
それから、県民福祉ということに対する私の考え方でありますが、ここから一時間でも二時間でも申し上げたいところでありますが、昨年十月、私一冊の愚書を出しまして、鹿児島ルネッサンスという本を出したわけでありますが、時間がございましたら恐縮ですけれども、あれをごらんになっていただきますと、私の考え方をるる綿々と連ねてございますので、ぜひ御参考までに御一読をお願いをいたします。それを簡略に申し上げますと、今後我が国の経済社会の将来というものを考えました場合に、今御指摘のとおり、高齢化というものが、いや応なしに進んでまいる、それと同時に国際化、あるいは情報化、あるいは技術の高度化、こういうことで、いわゆる経済社会の成熟化ということが進んでまいります。恐らく今は六十五歳以上のお年寄りを、国民の若い世代の六人程度でお一人を抱えておる。おんぶしておる。これが恐らく紀元二千年以降になり、これからの二十一世紀の世代になりますというと、これが三人ないし四人で一人を背おうと、こういうことになるわけでありまして、そのような時代というものを考えながら、どういうふうにして長期的な福祉の展望をつくっていくかと。福祉ということは、今お述べになりましたように幸せということに、これは心身ともに幸せということに尽きるわけでありますが、その条件としては、やはり社会的な条件、個人的な条件、こういうものがあるわけであります。社会的な条件としては、何といってもこれは県土全体がやはり豊かで、それで健康で、安全で、快適で、利便であると、こういうやはり社会的な条件、それに個人的な条件としては、やはり地域の人たちのいわゆる福祉の心に支えられて、家族の中でいわゆるゆとりと生きがい、健康、こういうことが家族に囲まれてできると、こういうことに尽きるわけでありまして、これが私の言うサンライフということであります。
そういうことから、まず地域社会自身を、私がいつも十年間言い続けておるぬくもりと活力に満ちたこの県土をつくろうというのは、今申しました社会的な条件、それから個人的な条件、地域的な条件、こういうものをつくり上げてまいりますために、これはいわゆる福祉、あるいは医療、健康、こういったことを中心にしながら、県政全体が取り組んでおる。きのうも申し上げましたが、昨年の機構改革で、スクラップ・アンド・ビルドの中で高齢者対策課をつくりまして、今庁内三十数課にまたがってやっておるわけでありますて、それを束ねるそれの窓口になると同時に、今高齢化社会対策指針というものを策定中であります。これでそういう三十数課に庁内またがるそういった仕事というものを一応取りまとめて、一元的に総合性を図りながらやっていくと、こういう指針をこれも各県に先駆けて今策定をしておるところであります。これに基づいて、庁内の体制として総合的な組織を考えてまいりたいということであります。
ちなみに、鹿児島県が福祉に冷たいというようなお話がありましたので、これは事実の一端を知っていただくという意味で若干計数的なことを申し上げますと、本県の一般会計に対する民生費の割合は、六十一年度当初予算では八・六%で、九州、沖繩各県の中では福岡県に次いで第二位と、六十二年度は八・五%でありまして、これは骨格予算を組んだ県がかなりございますので、そういったものを除きますとトップでございまして、他県に劣るどころかトップクラスであるというふうに考えております。なお福祉施設等の整備状況についても、一々申し上げませんが、いずれも全国ベストテンの中に入っておりますことを御参考までに申し上げておきます。
なお六十二年度の福祉関係予算は、総額で四百八十四億円余りでありまして、前年度に比べてやはり一・二%の伸びを計上いたしております。詳細新規施策等については、時間の関係で省略をさせていただきます。
以上であります。
〔
福間不二夫君登壇〕
20
◯福間不二夫君 時間がどんどん過ぎていきますから、今おっしゃったことに対して意見も申し上げたいんですけれども、先を急ぎますが、ただその、パーセント、八・六%とか、全体が構成の割合がこうだとかというのは、鹿児島県の置かれておるいわゆる離島とか、またはいわゆる生活保護とか、そういった関係などがあって銭も要るということはわかっておりますね。それの関係で、だから鹿児島の県民福祉はトップクラスだと、このようにおっしゃるのもどんなものかと私は思うんです。ですから、その地域の実態に合わしました福祉の発想とかございますからね、私が一々言いますと、そういった関係で怒ってしてもらうと困るわけでして、やっばりこれで十分だということではなくて、よそがおやりになっておる参考にすべきものがあれば、そのことをどんどん取り入れていただかないといけないんじゃないかと、私はそのように申し上げておきます。
次に、生活環境の整備とか教育問題、幾つかございますが、制約されておる時間もございますから、主なるものにつきまして質問します。
まず教育の問題、一点だけですが、昨日言われました、いろんなことをお願いしておきましたけれども、全部省略しまして、きのう自民党の質問で問題にも取り上げられております初任者研修、この関係に触れて再度お尋ねをしておきます。
これはもう明らかに上からの教育改革の危険性といいますか、それを私たちは感じてなりません。それで、この問題について、二月二十三日付南日本新聞の社説、問題が多い教員の初任者研修との見出しで、次のように述べていました。すぐれたよい教師に我が子を教えてもらいたいという願いは、これはもうすべての親に共通しています。そのためには教員研修が大切であることは否定できないだろう。問題は、文部省の導入する初任者研修制度で本当に教員の資質の向上が図れるかどうかであります。これまで各地で実施されている二十日間の新任研修の内容は、朝礼の方法や出席簿のつけ方、給食、一斉清掃の指導などといった実務研修が目立っており、登校一番乗りの教頭先生と一緒に朝早く校門に立って、そしていわゆる服装とか、遅刻者の有無などの点検をさせられるという例もあります。今回の初任者研修にもある宿泊研修では、三時間半にわたって戦争中の軍隊を思わせる集団隊列訓練が組み込まれたりしています。こうした状況から推測すると、文部省が考えるよい教師とは、上からの命令に従い、決められて服務を忠実に実行する人たちを指しているように見えると、初任者研修について実効が上がるか問題だと述べています。
さらに二月二十二日付の西日本新聞で、これは三輪定宣先生というんですか、千葉大の教授は、新規採用者の中からだれを研修に選ぶか、その選抜基準があいまいなだけに、同僚間に後遺症が残るおそれがある。また現場から離れた退職教員らが指導をするために、新たな弊害も生まれやすい。現場教員の助言より指導教員の指導にウェイトが置かれ、職場で板挾みに遭うだろう。さらに、新規採用者にかわって指導教員が授業を担当したり、宿泊研修で現場を離れれば、子供から信頼感を得るのは難しくなる。子供から切り離し、単独な世界においては、教師の自主性は育たないだろうと批判しています。今紹介しましたこのような指導などについての教育長の見解を求めます。
既に現在行われております二十日間の新任教員研修においてすら、自習が多く、しかもいわゆる三ないし四年で転勤をする先生たち、子供や父母から不安、不信の声が高く、放課後子供たちと話してたわむれる若い教師たちの姿が最近はほどんど見えなくなっています。教師は何よりも、子供たちとのゆとりのある触れ合いの中から、ともに学び合う同僚との自由な討議、研修の中から、子供を真ん中に置いた父母との語らいの中からこそ育ってまいります。我が党は教師をこれ以上管理統制し、教育の国家統制に道開く、研修、研究の自由をうたった教育基本法否定の初任者研修制度の試行に強く反対し、その計上されております七千万円余りの財源は、やらなければならない行き届いた教育実現のための教育条件整備にこそ充当するように要求をして、教育長の見解を受けたいと存じます。
次に、産業生活環境の整備についていろいろ聞きたかったのでありますが、昨日いわゆる幹線道路については盛んに、これは我が党がということを言いながらございました。問題は幹線ばかりじゃなくて、やっばり生活道路、そして村の細道もという、その要求は強いものがあります。ところで、まず九州新幹線の問題ですけれども、あと一ヵ月足らず、いよいよ待ったなしで国鉄から新会社への移行が新しく進められていきます。そうした犠牲の上に、憂うべき事態の中で何の戸惑いもないように、整備新幹線鹿児島ルートの凍結が解除されたことに鎌田知事も喜色満面、その喜びようは相当のものであります。ところが、まだ工事実施計画の認可に至っていないし、問題が残っていることも昨日の知事答弁にあらわれております。
ところで、果たして新幹線はそんなにいいことずくめでしょうか。我が党としても決してこの問題に反対しているわけではありませんが、しかし、そしてまた経済的に地盤沈下の激しい鹿児島が、この新幹線建設で起死回生を図ろうとする経済界を初めとして、大きな期待をかけるその人たちの気持ちもわからないではありません。しかし、地元に金が落ちるのは幾らほどで、その利益を得るのはだれであるかは想像できるのであります。わからないのは、そのために失われていくものであります。まず明確にすべきことが先送りされている最たる問題は、巨額の建設費の財源をどこに求めるかであり、地元負担はどうなるかのことです。そして在来線は(発言する者あり)時間は守りますから、心配しなさんな、あんた。在来線はどうなるのか、(発言する者あり)余計な心配じゃが。停車する駅との中間駅の地域に影響を与えた場合、新しい会社の経営が存続されるだろうか、心配は心配を呼び、ただ知事任せでは済まされない問題でありますが、関係する地域住民を初め、県民のコンセンサスを得るためにどういった方法をとるのかお答えください。
次に、総合交通体糸の整備について、我が党は主張をし続けてまいりました。九州縦貫道初め、北とか南とか西とか、いろいろな空港を含めてございましたが、本県が他県よりおくれているのが複合交通体系の整備です。他県におくれをなしているのはどこに原因があるんですか、それは行政のサボリか、それとも産業間の調整がうまくいかないからなのか、例えばどこの県都でも整備されているけれども、鹿児島市にはなぜ総合ターミナルができないのでしょうか、まずそのことからお答えください。
自動車がその姿を地球上にあらわしたのは十九世紀末といいますから、日本への上陸は明治三十二年といいますから、まだ八十八年です。しかし、どんどんどんどんふえ出して、鹿児島市内は毎日十七万台以上の車が走り回っています。車の通る流れ、その体糸を血管に例えるならば、大動脈から中、そして小、既に侵された毛細血管まで迫って動脈硬化を来し、鹿児島は死に体となっているのではありませんか。よその県は、県内三時間とか四時間の生活圏域とか、そういったことが盛んに叫ばれ始めております。県内の交通体系とあわせて、いわゆるいろんな地域には、鹿児島都市圏域の交通問題をどう処理するかと迷っている地域がたくさんあります。そして私も交通と経済との合理性を否定しないが、しかしもともと交通の基本は、経済性よりも社会生活上の必要性で論ずるべきではないのか、であれば、県内交通各社と十分に詰め、関係の各自治体とも協議して、相当長くといいますか、戸惑っております西駅ターミナルの建設も促進すべきではないかと思うのでありますが、簡単に回答してください。
〔知事鎌田要人君登壇〕
21 ◯知事(鎌田要人君)残り三分でありますので、一分でお答えをいたします。
新幹線の財源問題については、これから今月末に国の財源問題小委員会の結論が出されるのを待って、またその結論において適切妥当な結論が出されるように、私どももさらに要請活動を続けてまいります。
それから在来線につきましては、やはり都市間輸送あるいは貨物輸送、こういったいろいろの機能がございまして、これの強化ということについては、新旅客会社とも十分な連携をとりまして、維持あるいは活用を図ってまいりたい。
次に、西鹿児島駅総合交通ターミナルの整備の問題でありますが、いよいよ新幹線が入ってくる、在来線の問題も含めまして、このターミナルビルが、あそこにいわゆる駅舎ビルを当然これはつくる。その際にこのターミナルビルの問題が、バス輸送の問題、こういったこと等も含めて、こういうことはそれぞれの都市がやるべきことでありまして、鹿児島市においても、既にそのような観点から総合整備構想もお立てになっておられますので、県、あるいは市、それから関係の輸送機関、こういったところと緊密な連携をとってこの問題についても取り組んでまいります。
以上です。
22 ◯教育長(山田克穂君)時間がございませんので、結論だけ申し上げます。
初任者研修制度について、これで果たして教員の資質の向上が図れるのかというようなお尋ねでございましたが、これについていろいろと批判的な御意見があるということは、私ども十分承知いたしております。それで今回行いますこの試行は、既にことしから委託を受けて研究しております先進県のいろんなこういう研修の成果を踏まえまして、私どももこれをば試行してみたいということでありまして、何が一番すぐれた資質向上の策であるかということをば探っていくためのものであるというふうに御理解を賜りたいのであります。
それから予算につきましては、教員の資質向上というのが本県においては非常に重要な課題であるというようなことで所要の経費を計上してあるわけでございますので、ひとつ御了解賜りたいと思います。
〔
福間不二夫君登壇〕
23
◯福間不二夫君 通告いたしました質問事項を大分積み残しました。今までの慣例によりまして、この後立ちます同僚議員の個人質問、委員会において執行部をただしてまいりたいと、そのように存じます。
申し上げるまでもありませんが、県議会は行財政のお目付役というか、いわゆる知事におべっかを言うのではなくて、監視をするというか、そして牽制するというか、批判の機能を高める必要があります。その任務についてきたわけでありますが、多くのいろんな、十分ではございませんでしたけれども指摘をいたしましたけれども、いわゆる問題は、鹿児島県政が過去からいかに脱却するかということと、新しいものへの挑戦であろうと、そのように思います。両面を同時に進めていかなければならないその難しさは私はわかります。しかし、それもまた今始まったことじゃないんです。どうか思いどおりにいく好調のときばかりではなくて、がけっ縁に立たされることもある。そのときにいいことばかり言わないで、本当に県民とともに、県民に話し合いを進めていきながら、本当に意見を聞きながら、今後の県勢が発展をしてまいります努力をお互いに続けたいものだと、そのように思います。
以上で、時間が来ました。私の質問を終わります。(拍手)
24 ◯議長(
原田健二郎君)ここで、休憩いたします。
再開は、おおむね午後一時二十分からといたします。
午後零時 四分休憩
─────────────
午後一時二十一分開議
25 ◯議長(
原田健二郎君)再開いたします。
厚地墾君に発言を許可いたします。
〔厚地 墾君登壇〕(拍手)
26 ◯厚地 墾君 現在の国際情勢は、基本的には対立と緊張から協調へと緩やかな動きを示していますが、しかし地域紛争については解決の展望は全く見当たらず、イラン、イラク、アフガニスタン、カンボジア、ニカラグア、南アフリカの情勢など依然として悪化と混乱の中にあり、また国際経済においても、経済摩擦、債務累積、保護主義の台頭など深刻な問題を抱えています。そして先進諸国に見る財政赤字、貿易収支の巨大な不均衡、失業者の増大から来る不平不満はあらゆる機会を通じ、日本の輸出過剰、貿易保護主義的あり方に対する批判となってあらわれてきております。
また、国内においては、
中曽根内閣発足以来四ヵ年を経過していますが、その過程を見てみますと、我が国の平和保障のためには平和憲法を擁護し、非核三原則の堅持、防衛費のGNP比一%枠の中での領域保全能力の保持を図りつつ、経済、資源エネルギー、食糧、貿易などの総合的安全保障の基本を踏まえるべきであるにもかかわらず、今日まで展開されてきたものは、非核三原則の不明瞭化、SDIへの参加、防衛費のGNP比一%枠の突破であり、いわゆる新国家主義と称する
中曽根首相の受け入れた政策であります。
また、
中曽根内閣が今日まで進めてきた経済財政運営には大きな政策的欠陥があり、今日の円高不況に対する産業構造の変革や、内需拡大について何ら有効な手が打たれていない上に、かえって国民投資や消費意欲を減退させ、内需拡大策と相反する
大型間接税たる売上税の導入や、庶民のささやかな生活防衛の手段である
マル優制度まで一律に廃止しようとするなど、国民の政治に対する不信と不満は急速なうねりとなって高まっております。
以上のごとき内外の諸情勢を踏まえ、公明党県議団を代表し、以下当面する県政の主要課題と問題点について逐次質問を展開してまいりますので、知事及び関係部長の簡潔にして明確な御答弁をお願い申し上げたいと思います。
まず、今日国の重要課題となっている売上税の導入、
マル優制度廃止と本県当初予算編成方針についてでありますが、知事は昨日の自民党代表質問に対する答弁の中で、今日の売上税の導入等について、住民税が減税となる。利子割り県民税が取り入れられることによって、国、地方の財源配分も不均衡が是正される。あるいはまたマルビ県にとっては有利であるなど四点を挙げて、これを評価するとともに、一日も早い改正を望むとの御発言があったのでありますが、この考え方は余りにも行政執行サイドに立った事務的処理の考え方であり、すなわち地方財源の確保と、その運営のみが先行し、県民不在、すなわち県民の売上税に対する反対の声に全く耳を貸そうとしない、政策無視の考えであると指摘せざるを得ません。このことは我が公明党が
売上税反対の署名運動を展開したところ、一ヵ月も満たない短期間に県下で四十六万名以上の署名を集めたのでありますが、一般の消費者はもちろんのこと、百貨店、スーパー、中小企業者の皆さんの反対は極めて強く、それが我々への激励の声となって返ってきたことからでも明らかであります。国民の声なき声は賛成の声ではなく、反対と怒りの声でありました。
所得税減税で喜ぶはずのサラリーマンも、減税は要らん。かえって増税となる売上税のごとき悪税は廃案だと叫んでおりました。知事はこのような県民の反対の声をどのように受けとめていられるのか。なぜ政治的配慮に立った予算計上をなされなかったのか、まずお伺いいたします。
今回売上税関係の歳入予算への計上を見送った自治体の中には、現行税制で予算を組み、税の改正法案通過後補正するとか、政策的なものを多少盛り込んだ骨格予算を組むなど良識的な対応をしたところもあります。このたび税制の改正は、知事も言われるとおりシャウプ勧告以来の大改革であり、国民の八割以上が反対を表明しているものであり、従来の一部改正とは異なるものであり、したがって従来関係法案の一部改正を見込んで示された地方財政計画をもとに、自治体が予算を編成してきたことは全然その趣を異にするのであります。したがって、せめて
売上譲与税と売上税導入や
マル優制度廃止を見込んで編成された当初予算の歳入に見合う歳出については、その執行を凍結し、国会の推移を慎重に見守るべきであると思うのですが、知事の見解をあわせてお尋ねします。
次に、六十一年度一般会計補正予算案についてお尋ねします。
第一点として、国庫支出金十八億二千四百万円の減の具体的な理由は何なのか。
第二点として、昭和六十一年度一般会計補正予算に関連してでありますが、県税の滞納繰越額は、五十八年度約二十五億円、五十九年度約二十七・一億円、六十年も約三十二・八億円、六十一年も約四十・四億円と、その滞納額は増加の一方にあり、当局もその整理については鋭意努力されてきたところであると思います。六十二年一月現在の前年同月比で徴収具合はどのようになっているのか。六十一年度末の滞納額の見込み、及びこれの対策をお尋ねします。また鹿児島市とかかわりのある個人県民税の滞納整理状況はどのようになっているのか、お聞かせ願いたいのであります。
次に、昭和六十二年度一般会計子算案についてお尋ねします。
予算案の総額は五千八百二億三千七百万円で、今日の経済情勢や国の財政運営から前年当初比二・三%の伸びと地方財政計画二・九%を下回る五年連続の超緊縮型の予算となっており、経常費の五%節減や、スクラップ・アンド・ビルド方式による事業の廃止や見直し三百二件を行い、新規事業三百四十三件を創出するとともに、地方財政計画の伸びを上回る公共事業費県単公共事業費の確保を図るなど、大変な苦労を払らわれたことには、一応の評価をそれなりにするところであります。
ところで、県民と深い関係を有する投資的経費の予算全体に占める割合は、三二・三%と前年当初比で〇・一%減、これは実質的には災害復旧事業費の計上手法を前年度と同様とすると、さらに減となると、このように思いますけれども、反面義務的経費は五四・八%と前年当初比〇・二%上昇し、公債比率は昭和五十六年度八・〇%だったものが六十年度には一一・八%となり、六十年度をピークとすると財政の硬直化はさらに一段と深刻化することが予想されるのであります。また当初予算に見る県債を見ても、実に前年当初比三三・五%の六百五十三億八千五百万円となり、一方公債費は六百二十三億七千三百万円が計上され、その差はわずかに三十億円、借金をして同額の借金を返すという自転車操業的財政運営に陥り、財調基金など三基金も五十四年度百十三億二千三百万円あったものが、六十二年度当初現在高は十二億九千四百万円に落ち込み、まさに米びつの底が見えてきた状態となり、今後の財政運営に大きな不安を残すものとなっています。
そこでお尋ねしますが、第一点として、新総合計画実施三年目として、地域振興、交通基盤整備、新技術開発、健康対策など、きめ細やかな予算配分がなされていますが、財源が乏しいだけにマスコミが豆電球満艦飾予算と評されているのでありますが、極めて迫力を欠く内容、及び予算額となっております。今回の予算編成に当たって、政策の絞り込みが果たして十分であったのか。事務事業の見直し三百二件に対し、新規事業三百四十三件が創出され、四十一件も事業がふえており、疑問を抱くのですが、果たして効率的、重点的予算配分と言えるのかどうかお尋ねします。
第二点として、今日の円高不況、国の財政の悪化等から、本県の財政規模も大きな伸びを期待できず、その上年々義務的経費が増高、財政の硬直化が進み、投資的経費の減少、すなわち県民に対するサービスの低下が避けられない現状では、知事提案説明のとおり県行革大綱の徹底的推進を図ることは当然でありますが、ちまたには今日まで正規化された職員定数についてもやはり検討すべきではないかとの声もございます。この点についてどのようにお考えか、お尋ねいたします。
第三点として、当初予算の編成に当たり、市町村に対する県費補助の継ぎ足しを廃止したものが二件、五千三百万円、同じく見直ししたもの十九件、三億二千七百万円、計三億八千万円が削除され、その分市町村に負担転嫁する形となっているのであります。県はこの緩和方策として、市町村振興資金について資金枠を一億二千万円拡大し、十八億五千万円として、今回の増資した中の一億円については無利子としたいとしているのでありますが、県下九十七市町村のうち、公債比率が一五%以上のいわゆる黄信号団体は四十団体に上り、赤信号に近い一八%以上のものが二十二団体もあります。今回の県費補助継ぎ足しの廃止及びカットは、これらの財政窮迫市町村の事業受け入れにますます困難性を加えることになり、市町村間の格差はさらに拡大することになるのではないか。果たして市町村振興資金一億二千万円の拡大で十分なのか、はなはだ疑問とするところであります。おのれの好まざるところ人に強いることなかれ、ということがあります。知事の見解をお尋ねいたします。
次に、四全総についてお尋ねします。
国土庁は昨年十二月多極分散型、国土の形成を目指す第四次総合計画の中間報告を行ったのでありますが、その内容によると、九州など全国十一ブロックの整備方向を示してはいるものの、その具体性に極めて乏しく、反面国際、金融、情報等の業務中枢機能を東京に集中させることを前提とし、東京の整備を国土政策上の重要課題と位置づけ、一極集中化を促す構想となっており、東京圏振興計画といっても過言でない内容となっているのであります。このような一極集中型のシステムは三全総までの大都市集約型の弊害を取り除き、あわせて人口や産業を地方に分散、国土の均衡ある発展を促すとした計画に逆行するものであり、一国の存在形態としても、個性の異なる多彩な地域の人々との相互依存型共生を無視するものであり、極めてもろい基盤と言わざるを得ません。
また、今日までの努力にもかかわらず、東京圏と地方圏の行政投資の比率から見ても、地方の行政投資のシェアが最も大きかったのは昭和五十四年で、六三・七五%、このとき東京圏が一九・〇五%、しかし同年を境に地方圏の比率は年々縮小し、五十九年には六一・五六%となり、逆に東京圏は一二・九%と増加の一途をたどっているのであります。地方の構造不況や過疎化は、したがって依然として続いているのであります。このような東京一極集中化の方向性は、昨年八月七日中曽根総理が国土庁長官に東京重視の指示を出してからだと言われており、全く
地方切り捨ての計画と言わねばならず、東京圏以外から厳しく批判され、九州地方振興懇談会でも不満が続出したところであります。
知事の昨日の御答弁で、東京圏偏重、東京一極集中化に対する展開と取り組みについては一応は了とするのでありますが、九州各県がばらばらに反対し、意見を開陳するのでは国を動かし、地方重視へ方向転換せしめるには迫力に乏しいものではないかと思うのであります。したがってこの点、東北、近畿地方ではすでに独自の活性化構想を国土庁に提案しているところであり、九州にはテクノポリスを中核とする先端技術産業の育成、ハイテクによる農業振興、自然を生かす大型リゾート基地の建設、中国、東南アジア諸国との交流など共通課題もあり、九州七県が一体となり、活性化計画づくりを行い、国土庁に提言すべきであると思うのでありますが、知事の所信のほどをお聞かせ願いたいのであります。
次に、半島振興計画についてお尋ねします。
本県は昨年三月三十一日薩摩、大隅の両半島が半島振興法第二条の規定により、地域の指定を受けたことから、庁内に半島地域振興対策推進本部を設置し、地元関係市町との意見、計画の調整を行うとともに、現在国土庁を通じて関係省庁との間で、計画内容について調整を図っているところであります。
そこでお尋ねしますが、第一点として、国のスケジュールによると、昭和六十一年度末をめどに内閣総理大臣の承認を得たいとしているのでありますが、三月三十一日まで余すところ幾ばくもありません。最終案作成の時期はいつごろになるのか、今後の取り扱いについて明らかにしていただきたいのであります。
第二点は、国土庁の昭和六十二年度の半島地域振興関係の予算は、全国ベースで二千四百十一万一千円で、半島地域における海洋利用方策調査、半島地域プロジェクトモデル調査、半島シンポジウムの開催等々となっているのでありますが、総理大臣の承認を受けた後の本県の取り組みはどのようになっていくのか、お尋ねします。
第三点として、企業立地等に対する金融面の充実、税制上の特例措置の拡充等は年々なされつつありますが、本県が開発促進協議会等を通じて強く要請してきた公共部門における財政上の特別措置はどのような見通しなのかお尋ねします。
第四点として、薩摩、大隅の両半島の振興計画の主要プロジェクトは何を考えていられるのか、明らかにしていただきたいのであります。
次に、海洋性リゾート・レクリェーション基地づくりにかかるサンリゾート基地構想調査事業一千万円についてお尋ねします。
本事業は国土、建設、農水などの六省庁が推進しようとする民活導入によるリゾート地域整備事業に対応するためのものであると思うのでありますが、国においてはリゾート地域整備促進法案を策定しようとしており、それによると、国がまず地域整備あの基本方針を定め、これをもとに都道府県から地域指定の認可申請を行い、認可を得た上、都道府県はそれぞれリゾート地域の設定、施設整備などの基本構想を策定、さらに主務大臣の承認を受けると。スポーツレクリェーション施設、教養文化施設、保養施設、宿泊施設等の八施設を整備する民間業者に対し、税制上の特例措置や、開発銀行等の融資、公有地の活用等の恩典を与えようとするものであります。
ところで、大規模リゾート構想を進めている自治体は、鹿児島、熊本など四十道府県、四十六地域があると言われ、これに対し六十二年度の実施箇所は三ヵ所程度とのことで、各地域間の競争率は極めて高いものがあります。
そこでお尋ねしますが、第一点として、県が描く海洋性リゾートレクリェーション基地の構想を明らかにしていただきたい。
第二点として、同法案には県、市町村の取り組みについて、公園、道路等の関連施設の総合的整備を図ることが強く要請されているのでありますが、関係市町村との連携をどのようにされるのかお尋ねします。
第三点として、本事業の推進に当たっては、スポーツレクリェーション施設、教養、文化、保養、宿泊施設等の整備は、民活の導入によって行うことになっておる、この民間活力をいかにして導入するかが重要課題であると思いますが、企業の採算性の問題もあり、非常に困難ではないかと思うのですが、どのように考え、対処されようとするのか。また県、市町村が行う公園、道路等の整備は、民活導入のための環境づくりに必要欠くことのできないものであり、何よりも優先すべきものであると思うのですが、どのように対処されるのかお尋ねします。
次に、六十二年度当初予算案に新規事業として、航空宇宙産業基地構想調査事業ということで、名称の割りには極めて少額の三百万円という予算が計上されていますが、これは自治省系の地方行政システム研究所と合同で調査を行うもので、当局説明によりますと、宇宙産業は付加価値が高く、高度な技術を集約した典型的な知識集約型産業であり、通信、放送、気象衛星など、社会資本の整備にも大きな役割を果たすということでありますが、話が雲の上、宇宙のことで、極めて茫漠としてつかみどころがありません。本事業の今後の取り組みとあわせ、先進諸国における航空宇宙産業の実態と、基地周辺に立地する産業にはどのようなものが想定されるのか、明らかにしてもらいたいのであります。
次に、交通問題についてでありますが、まず鹿児島空港の主要空港化及び国際線の充実についてお尋ねします。
鹿児島空港は昭和四十七年に開港し、この十五年間に滑走路、ターミナルビル、施設等の整備拡充が図られ、航空会社も当初の全日空、東亜国内航空の二社から、日本航空、ナウル航空、日本近距離航空が加わり、路線も十二から二十へと伸び、これに連れて利用客も飛躍的に伸び、今や県勢発展の大きな担い手となっていることは疑いない事実であります。しかしながら、名実ともに我が国の南の起点、玄関口としてその機能を十分に発揮するまでにはいまだ多くの課題があるとされております。以下これらの諸問題についてお尋ねいたします。
第一点として、名実ともに主要空港として機能を発揮するためには、離発着の十三時間運用体制を二十四時間体制にする必要があるのではないかということであります。現在福岡空港は東京から最終便が午後九時五十五分ごろ、沖繩は九時四十五分ごろとなっており、主要空港ならせめてこれぐらいの運用時間が最低必要とされると思うのでありますが、この実現を阻む問題点は一体何なのか、明らかにしていただきたいのであります。
第二点として、CIQについてでありますが、現在の業務状況は週往復三回の二便、午後六時三十分ごろに入る日航香港便は、税関、入国、防疫の各空港出張所とも残業で対処しております。日曜日はお休みで、国際線は通常平日の昼間だけということで、国際空港というのにはほど遠い現状であります。これらの業務体制についても検討を加え、適切に対応すべきであると思うのでありますが、どのような状況か、お聞かせ願いたいと思います。
第三点として、航空機の大型化や、路線の増加等により燃料問題についても現在の四基の備蓄量では約一週間分しかなく、台風等によるジェット機燃料輸送タンカーの欠航等の場合は直ちに底をつく恐れがあると言われております。速やかな大量の備蓄体制が迫られているということでありますが、どのような状況になっているのかお尋ねいたします。
第四点として、鹿児島空港への唯一の国際路線であるナウル航空は、週一回水曜日の運航を今日まで行ってきたのでありますが、その利用状況は六十一年で四百七十八名、平均利用客は上下合わせて十人以下、時にはゼロの日もあり、年間赤字は二億五千万円にも上るということから、ナウル共和国はついに再開のめどが立つまで運航を停止することを通告、去る二月二十五日をもって停止したのであります。ところで、このような運航停止は六十年にも四ヵ月間停止されたことがあり、今回で二度目であります。ナウル航空は、現在利用客の増を図るため、鹿児島便を二便に増加し、同時に台北、マニラ、コロールに新たに寄港する路線を運輸大臣に認可申請中で、もし認可がおりなければ、鹿児島線の廃止にもつながる恐れがあるということで、県当局の同路線拡大に向かっての対応が要請されているところでありますが、知事の見解を明らかにしていただきたいのであります。
第五点として、鹿児島空港は飛躍的に充実してきた国内線とは対照的に、国際線は前述のナウル航空の運航停止にも見るように、むしろ後退気味であります。その理由の一つに海外における鹿児島の知名度の低さが挙げられているということでありますが、海外向けのPRをもっと積極的に行うべきであると思いますが、どのようにお考えか、お聞かせ願いたいのであります。
次に、特定地方交通線問題についてお尋ねいたします。
県民長年の願いであった九州新幹線鹿児島ルートが、その実現に向かって一歩一歩歩を進めつつあることは、まことに喜びにたえないところでありますが、その反面、特定地方交通線は、それぞれの長い歴史に終止符を打ち、次々とその幕を閉じようとしております。すなわち、宮之城線は去る一月九日廃止となり、引き続き大隅線が三月十三日、志布志線が三月二十七日の廃止が予定され、山野線についてもバスへの転換が方向づけされているところであります。各路線にかかる特定
地方交通線対策協議会の皆さんを初め、知事、関係当局の皆さん、沿線住民の努力にもかかわらず、このような結末を迎えることはまことに残念であり、寂しい思いがするのであります。ここに至るまでには、県においても本会議、関係委員会等において十分その議を尽くされたと思うのでありますが、今後の関係地域住民の将来にわたる足確保と地域振興のために、万全を期す必要があると思い、次のことについてお尋ねいたします。
第一点として、国鉄はこの三月末をもって解散、四月一日から九州地区に関しては、九州旅客鉄道株式会社として発足することになっていますが、路線廃止後の問題点として、バス転換後の運行の調整や、鉄道廃線敷の管理、利用、転換促進関連事業の円滑な推進ということが引き続き残されると思うのでありますが、どのように対処されるのか。廃線敷や駅舎及び用地の管理利用については、今後設立される国鉄
清算事業団との関連もあると思うのですが、同事業団とのかかわりはどのようになるのかお尋ねします。
第二点として、国鉄は転換の助成措置として特定地方交通線の廃止に対し、一キロ当たり三千万円の転換交付金の交付と、乗り合いバス事業者等運営費補助を行うことになっているのでありますが、この乗り合いバス事業者等運営費補助金は、バス事業者が代替輸送によって生じた欠損増加額に対し、五ヵ年間補助しようとするものであります。ところで問題は、この五年経過後の措置でありますが、経営努力にもかかわらず、さらに赤字が継続する場合、どのように対処されるのか、採算性を追求する企業の立場からバス路線の廃止ともなりかねず、懸念されるところでありますが、運輸省の見解等もあわせお聞かせ願いたいのであります。
〔知事鎌田要人君登壇〕
27 ◯知事(鎌田要人君)売上税との関連の問題でございますが、売上税それ自体につきましては、今回の税制改革、国政の最重要課題として、きょうから予算委員会も始まっておるようでございますが、十二分に論議を尽くされるべき問題であるというふうに存じます。
この場合におきまして、地方予算の組み方の問題でありますが、これは私どものこれまでの一貫した進め方といたしましては、毎年度の予算の編成に当たりましては、翌年度の国の制度改正を前提として、地方財政対策が立てられ、それに基づいて地方財政計画が組まれるところでございますので、これに基づいて編成をすると。こういうことで来ておるわけでございます。私が再三申しておりますように、この明年度の、所得税、住民税、法人税等の減税に伴う地方税財政対策につきましては、国庫補助負担率の引き下げ、あるいは景気の一般的な不況に伴う地方財源不足、全体をひっくるめてワンセットでこの措置がとられておりますので、この中で
売上譲与税だけを計上しないということは首尾一貫しない。あるいはまた住民税の利子割、これは住民税の減税とのやはりワンセット、裏表になっておるわけでありますので、それだけを除いて計上することは、これは支離滅裂ということでございまして、結局それなら現行税制で組んだらどうだと。現行制度で組んだところもあるという御指摘でございましたが、これは本県の場合には全くこれは困るわけでありまして、そういう制度改正がなかったということにした場合に、まさに架空の財源というものを組むと。こういうことになるわけでありまして、架空の財源というのは我々が寄らなければならない、本県の場合には七五%が国の依存財源という情けない状態でありますけれども、そういうことを前提にして予算を組む場合に、このいまの寄るべきところがない、不交付団体ならまだ私はこれはやりようがあると思うんです。そうでないところであれば、自分で勝手に、これはこうなるじゃろう、これはこうなるじゃろうということは、これは責任を持って県民の福祉のための予算を組む立場にある知事としては到底できないところでございまして、そういう意味では翌年度の制度改正というものを前提にして予算を組まざるを得ない。あれをつまみ、これをつままないということではこれは首尾一貫しないという整合性の問題がございます。
それからそれとも関連いたしますが、この
売上譲与税なり、あるいは県民利子割、こういったもの等は、それに見合う歳出は執行を凍結をすべきではないかというお尋ねでございますが、この点につきましても、いまの
売上譲与税、あるいは利子割、こういったものはいわゆる特定財源でございませんで、一般財源でございます。それだけにそれに見合う分として、これが例えば地方道路譲与税、こういったようなものでありますれば、道路財源の特定財源でありますから、歳出の方をそれにあんばいするということはできるわけでありますが、一般財源の場合にはどこをそれじゃつまむかと、どこを留保するかと、こういう問題がございます。さらにこれも前申したことと関連をしますが、交付税の中にも売上税相当分が入っておるわけです。その分を一体どう特定をしてつまむかと、留保するかという問題がございまして、一般財源については、そういう留保はできない話でございますので、御理解をお願いいたしたいのであります。
それから昭和六十二年度当初予算、総花で豆電球じゃないかということでございますが、これにつきましては再三申し上げておりますように、非常に財政の硬直化が進んでまいりまして、しかも税も伸びない。交付税も伸びない。そういう中で財政新総合計画の三年度目と、こういうことで、しかも金がないない尽くしではこれはやはり意欲も沈滞をいたします。やはり金のないところは知恵を出して、あるいはまた民活も導入をしながら、あるいはまたスクラップ・アンド・ビルドもやりながら、既存の事務事業を見直しながら、いろんな知恵を出してまいるということも必要でございますし、またこの日のために貯金も何がしがあったわけでありますので、貯金も十数億円を残して全部掃き出すということで、とにかく歳入として見込めるものは使用料、手数料の受益者負担の適正化も含めまして、あらゆる歳入調達の手段を駆使して財源を確保して、その中で将来に向けて希望の持てる芽をやはり出していくと。これが予算編成の一番苦労をするところでございまして、ないならないでもうそれで何もやらんよという予算はこれはやはり組めないわけでございますので、そういう中での私といたしましては、新総合計画を始め、未来に向かって希望が持てる、県勢躍進の基礎づけに役立つような施策というものをできるだけ取り込みまして、それを新総合計画の政策体系に即してやったわけでありまして、一見豆電球の満艦飾という批評も私は読んで、なるほど記者さんというのはうまいことをおっしゃるもんだと思って感心したわけですが、あの豆電球の満艦飾もあれがごちゃごちゃしていると非常に見苦しいもんです。満艦飾というのはやはり非常に整然としております、そういう意味での政策の統一性、整合性というのは保持したつもりでございます。
次に、県の行政大綱の推進の問題、改革大綱の推進の問題でありますが、御指摘のとおり、まずそういうことで、私どもといたしましては、まずみずからを正すと。みずからを改めると。普段の改革、革新の気持ちで、やはり事務の見直しを絶えずやる。また業務量に見合った職員の適正配置と、計画的な定員管理と。こういうことにも努力をしてまいる。また職員の公務能率の発揮ということも基本的に県民の貴重な税金をいただいてやっております以上は当然のことでありますが、そういうこと等で昭和四十八年以来条例定数を据え置き、その中でさらに増員の抑制に努めてきておるところでございます。今後とも県行政改革大綱に基づきまして、スクラップ・アンド・ビルドの促進、事務事業の見直し、あるいは事務処理の機械化、民間委託の促進、組織機構の簡素、合理化等によりまして、極力効率的な行政を行いまして、実質的な定員削減効果を結果として生み出してまいるように努力をしてまいる覚悟でございます。
次に、四全総の問題でございますが、御指摘のように九州各県一体となって提言すべきではないかということでございまして、九州地方の意向を四全総に反映をさせますために、この二月の十二日付でございますが、九州地方知事会と、九州山口経済連合会で協議をいたしまして、その連名をもって九州活性化のために、まず新幹線、高速道路網等の基幹交通施設の整備、あるいはせっかくの先端技術の芽があるところでありますので、ICあるいはバイオテクノロジー等の先端技術産業の拠点形成、それから航空宇宙産業の展開、リゾートの開発、南の国際交流拠点の形成、あるいは離島、半島地域等の特定課題地域、産炭地もございますし、そういった特定課題地域の振興などを内容とした意見書をすでに国土庁長官に提出をいたしたところでございまして、今後ともこれが実現方につきまして、四全総の中にとり込まれますように九州各県と連携を取りながら、私ども国土庁に要請を続けてまいる所存でございます。
次に、半島振興計画につきましては、昨日もお答え申し上げましたように、現在国土庁におきまして、六十一年度末にこの計画の承認を行うということで、関係省庁との協議が進められておるところでございます。県といたしましては、この調整が終わりましたならば、早急に最終案を作成して、いまは仮案で、いわゆる懸案という段階で調整をしておるところでございますので、正式の案として地元市町との協議も終えまして、国への承認申請を行うと、こういうことにいたしたいと思っております。
次に、承認後の本県の取り組みでありますが、これにつきましては、昭和六十二年度から早速同計画の積極的な推進を図ってまいります。この両半島の振興計画の主要プロジェクトにつきましては、昨日、また去る十二月議会でも申し上げたところでございますが、薩摩半島の場合には、南九州西回り自動車道の建設促進、南薩横断道路の早期貫通、南薩縦貫道の調査とその具体化等を中心としましての交通基盤の整備、あるいは農業土地基盤の整備とか、ハイテクマリン構想の推進、あるいは西薩中核工業団地等の建設促進、それから吹上浜海浜公園、あるいは吹上浜砂丘自転車道の建設、並びに南薩西岸地区、指宿地区における海洋性のリゾートの開発による余暇活用の基地づくりなどに取り組んでまいりたいと思いますし、大隅半島におきましては大隅縦貫道を始め、半島の骨格道路の建設促進などの交通基盤の整備、あるいは同じく土地基盤の整備や農産物輸送基地の建設、航空宇宙関連産業の立地促進等の開発、産業振興の問題、大隅広域公園の整備、桜島ビジターセンターの建設、あるいは半島南部の大隅南部区域におきまするレクリェーションゾーンの形成による余暇活用の基地づくり、大隅バイオポリス構想、国際物流基地港湾建設構想の推進などがございます。
次に、公共事業の部門における財政上の特別措置の問題でございますが、半島振興法にかかる税財政金融上の特別措置としましては、現在、金融面、それから所得税、法人税の、あるいは固定資産税等の課税面、こういった面につきましての措置がなされておりますが、財政上の特別措置についての取り組みがおくれております。これにつきましては、全国の半島地域を抱える道府県で構成をしております半島地域振興対策協議会、あるいは県の開促協等を通じて、国に強く要請をしておるところでありますが、国においても当面半島振興計画の早期承認によるスタートを切りながら、引き続き財政上の特別措置について検討を進めていくことになっているものでございます。
次に、サンリゾート基本構想調査事業でありますが、サンリゾート構想、これにつきましては、南薩地域の恵まれた自然あるいは歴史等の資源というものを活用しながら、マリンあるいはスカイスポーツ、こういったスポーツレクリェーション、あるいは地域における交流体験の場、保養の場と、こういった多様な機能を備えた滞在型のリゾート基地を開発しようとするものでございまして、またこれと結びつけての農林水産業、地場産業の振興も図ってまいりたいということでございまして、もとよりこれは関係地元市町等と一体となった推進体制を整備しなければ到底できるものではありませんので、その点につきましては、十分配慮してまいります。
またこのリゾート開発は、民間活力の導入を図ることが必須でございますので、これの吹上浜海浜公園、あるいは砂丘自転車道等、行政がすでに手がけております施設の整備とも関連づけながら、民間のこれらの施設の整備について、民間企業等の参画を積極的に働きかけてまいりたいというふうに考えております。当然こうしたリゾート開発には交通手段等のインフラ整備が必要でありますので、指宿有料三期、あるいは南薩横断道路等の幹線道路の整備によるアクセス条件の改善、街路、下水道等の都市基盤や、拠点的な都市機能の整備、あるいは海浜部の環境の整備の促進を図ってまいります。
次に、ナウル航空の問題でありますが、これにつきましては、昨日も申し上げましたとおり、これまでの長い経過の積み重ね、交流の積み重ね、こういったものを無にしないためにも、ぜひとも再開にこぎつけたいというふうに考えておるところでございます。お尋ねの週二便にし、第三国間の需要を主たる対象とする新たな活性化を求めていきたいということにつきましては、私どもも側面からの努力というものをやらなければいけないと思っておりますが、私どもが今までタッチしておりますところでは、やはりこのナウルと鹿児島との間の、二地点間のこの航空輸送というものを、国のいわば免許によってやっておるもので、それがぐるっとほかの地域を回ってくるということになると、話が振り出しの議論になってくると、こういったいわゆる国の航空行政システム上の輸送の原則的な考え方もあるようでございますが、今後とも民間経済団体等とも連携を密にしながら、そういった中で何とか打開の道があるのかどうか。あらゆる手段を講じながら、また需要の喚起ということについても取り組んでまいらなければならないと考えておる次第であります。
次に、海外向けのPRの積極的な実施ということにつきましては、全く同感でございますし、また県といたしましても、このような国際観光広報宣伝ということにつきまして、取り組んできておるところでございまして、御案内のとおり、香港、シンガポール等で継続して観光展をやる、あるいは交流会議を行う、あるいは韓国、米国、オーストラリア、こういったところへ観光ミッションを派遣をする、あるいはHATA──これは香港の旅行者協会でありますが、ああいった式の海外旅行業者やマスコミ記者等の招待、こういった事業等も積極的に実施をしてきておるところでありますし、また現在国際観光モデル地区の指定を受けたことでもございますので、これまでのIシステムあるいはグッドウィルガイド、こういったものに加えまして、外人が県内で一人歩きができるような英文のガイドブックも現在作成中でございます。
現在、円高の影響もございまして、日本国を訪れる外人客全体的に減っておるわけでございますが、鹿児島県の場合に長期的に増加の傾向にございます。今後とも、せっかく鹿児島空港が主要空港と位置づけられたわけでございますので、お述べになりました二十四時間体制あるいはこの迅速な出入国手続等をキャッチフレーズにして、ひとつ大いに鹿児島を売り込んでまいりたいと、また民間もそういう意味での御協力をお願いしたいのであります。
最後に、特定交通線の廃止に伴う代替バスの問題、あるいは廃線敷等の跡地、施設等の処理の問題、関連、促進、関連事業計画等につきましては、今日まで関係市町、県、国鉄等で連絡会議を設けて協議調整を図ってきておるところでございますが、国鉄廃止後におきましても、この日本国有鉄道
清算事業団等の新組織体で、この財産の承継等の問題は継承されることになる。
また代替バス運行につきましても、連絡会議の場に今度は新しい会社が参加をいただくということになるわけでございまして、これまでと同じようなこの基調のもとに取り組んでまいりたいと考えております。またこの代替バスの運行につきましては、利用の促進あるいは経営努力等が相まって健全な運行が図られるよう期待をしておるところでございますが、仮に五年経過後に赤字が続くと、こういうような場合にはこれは条件を具備しなければなりませんが、地方バス維持費の補助制度がございます。これの対象として取り扱われるということになろうかと思います。
以上であります。
28 ◯総務部長(澤井安勇君)六十一年度三月補正予算におきます国庫支出金の減の主な理由についてでございますが、国民年金制度の改正に伴いまして、障害基礎年金制度の創設が行われ、年金額が上昇したことに伴いまして、生活保護対象者数が減少したことにより、生活保護費の減が見られました。この生活保護費の減に基づく扶助費の減額などが、その補正の主な理由でございます。
六十二年一月末の県税の収入歩合は八六・五%で、前年同期に比べまして、〇・ニポイントの減となっております。内訳を見ますと、現年度分が〇・三ポイントの増、繰越分が〇・八ポイントの減でございまして、現年度分の収入歩合は上向き傾向にございます。六十一年度末の滞納額への対応の問題ですが、現在各事務所におきまして、最後の追い込みに入っております。徐々にではございますが、ここ数年の増加傾向にある程度の歯どめがかかるのではないかと考えております。今後とも滞納額の整理につきましては、財産調査の徹底と厳正な滞納処分の執行等を行いまして、鋭意取り組んでまいる考えでございます。
また個人県民税額の滞納額につきましては、御指摘のように鹿児島市分が約七割を占めておりますことから、市に対しまして、徴収確保について強く依頼するとともに、具体的な対策について鋭意協議してまいったところでございます。市におきましても、特別徴収対策班を編成するなどの努力をしていただいているところでございますので、今後とも県市連携をいたしまして、滞納額の圧縮にさらに努めてまいります。
最後に、市町村に対します県の任意補助金等についてでございますが、今回その目的効果、緊急性の観点から他県の状況なども参考にして、その一部につきまして廃止または補助率の引き下げなどの必要な見直しを行ったわけでございます。この補助金等の見直しに当たりましては、事業への影響を考慮いたしまして、補助率の見直しを必要最小限にとどめますとともに、原則として新規着工箇所に限定することとしております。またこれと並行いたしまして、市町村の財政対策ということで、市町村振興資金の増額に加えまして、既存の起債制度の活用などを行いまして、市町村が現実に事業実施を行う段階で支障が生じることのないように、さらに配意をしてまいりたいと考えております。
29 ◯企画部長(笹田昭人君)航空宇宙産業基地構想調査は、ロケット基地が立地しております種子島、大隅地域を対象にお話のように地方行政システム研究所に調査を依頼するものでございまして、調査費総額は一千万円となっております。そのうちの県負担額が三百万円ということで、今回の予算案に計上をいたしておるものでございます。
調査内容は、宇宙開発の進展に伴う種子島、内之浦両ロケット基地の整備とあわせまして、航空宇宙関連産業等の導入により、我が国における宇宙産業基地の形成を図り、これをもって地域の振興に資していくというものでございます。
一般的に申し上げまして、航空宇宙産業は先端技術が複合化、結集されたものでありまして、航空機や宇宙機器に関する各種の機器や本体の製造並びに組み立てなどを初め、極めてすそ野の広い産業であると言われております。アメリカの場合、こうした産業が打ち上げ基地周辺を初め、全米各地に立地しておるというふうに聞いております。種子島、内之浦両ロケット基地について考えます場合に、各種機器の製造、組み立て、燃料等の分野を初め、ロケット基地の立地に対応した一次産業や三次産業等をも含みます各種の関連産業が想定されるのでありますが、具体的にどのような業種が現実に立地可能であるか、またどうしたどのような関連産業が展開され得るか、こうしたことの展開に対応して、どのような地域振興が図られるか。こういったことについて、六十二年度の構想調査で明らかにしてまいりたいというふうに考えております。
それから鹿児島空港の運用時間の延長とCIQの機能充実の問題でございますが、この点につきましては、県議会の御協力をいただきながら、絶えず国に要請を続けてきておるところでございますが、こうした機能の充実強化につきましては、空港におきます関係職員の配置等空港管理上の問題がございまして、容易でない面がございますが、今後関西国際空港等が整備されて、こうした国際基幹空港の整備に対応し、これらの空港を補完する国際空港としての位置づけをも含めまして、鹿児島空港の二十四時間空港化、CIQ機能の強化等が実現されますように、引き続き国等に要望してまいりたい。そうしたことで、段階的にでもその拡充強化を図ってまいりたいと考えております。
航空機燃料のことでございますが、この貯油体制につきましては、現在は十分であるというふうに聞いておりまして、将来的には必要に応じて需要増に見合った整備が図られるよう対処してまいりたいと考えております。
30 ◯厚地 墾君 自席からですが、知事にお尋ねしたいと思います。
ただいまの御説明で、鹿児島県みたいに非常に国からの国庫支出金等の依存財源の高いところでは、今おっしゃるとおり従来の税制をもとにした予算編成というのは厳しいと、これは当然そうだろうとこのように思うわけですが、恐らく自主財源の非常に豊かなところでは、こういった予算編成をしたものであろう、このように私は理解するわけであります。
またこの予算の凍結ということについては、知事も既に新聞等で御承知のとおり、宮崎県においてはこういう措置をとったと、こういうことでございますけれども、これは宮崎県の知事さんの方が一枚政治的な配慮といいますが、考え方が上であったのかどうかわかりませんが、私は一点だけもう一つお伺いしたいのは、政府自民党、これは去る二月の二十四日に国会審議が大幅におくれている、こういうことから六十二年度の予算案の年度内成立が非常に無理だ、こういうことから暫定予算を編成する方針を固めた、こういうことでありますが、これは暫定予算となりますと、当然売上税あるいは
マル優廃止等の利子収入、これは見込まれない予算であると私は理解するわけであります。その間ですね、いわゆる新しい予算が成立するまでの間、これは本県の六十二年度の予算の執行はどのようになっていくのか。この辺に私は非常に疑問を持つわけであります。当然本県のこの県予算案がもし本会議で認められるとなりますとですね、これは売上税が導入された形の予算編成となる。こういうことになってきますとですね、この予算執行に当たっては、非常に問題が生じてくるんじゃないかと、こういうふうに考えるわけですが、この点についての知事の見解をお聞かせ願いたいと思います。
31 ◯知事(鎌田要人君)他県のことでございますので、それぞれのお考えがあっておやりのことでありますので、批判がましいことは申すべきじゃありませんし、またそういうふうにとられては困りますので、あらかじめその点は念を押しておきまして、私の率直な考え方を申し述べさしていただきたいと思います。
何遍も申しておりますように、
売上譲与税に見合う分だけを執行停止をするということは、全くこれは筋が通らないんじゃないかと、今度のこの一連の制度改正に伴うものを言いますとですね、その論法でいけば当然この利子割もですね、利子割の分もこれは執行をとめなきゃいけない、それに対応する。あるいは何遍も言っております交付税の中にも二千二百億円全国べースで入っておるわけですから、それに対応する分、それも執行停止をしなきゃいかん。もっと言いますとですね、たばこ消費税がことしは一年間伸びているわけです。それも計上はおかしい、執行を停止せなにゃいかんと、そうなりますと恐らくですね、この私どものような小さい県でもこれをずっと足し込んでいきますと、大体私が目の子で言っても百億円近い額になるわけですね。しかも、それが全部一般財源ですから、特定財源でないわけですから、だからどこをそいじゃその分は抑えるのかと、執行を抑えるのかと、これはとても抑えようがない、またそれは論理的にもおかしいと思うんですよ。それが一つであります。
それから暫定予算の問題ですが、これは正直言いまして暫定予算になりました場合に、この公共事業これの取り扱いがどうなるのか、非常にやっかいな問題があります。公共事業で国の補助負担率の引き下げを伴う、これは、道路等大部分ですけれども、これについては補助負担率の引き下げを前提にして予算を組んでおるわけです。でありますから、補助負担金の特例法をそれぞれの省でこの国会に出しておるわけです。ですから暫定予算で公共事業を組み込むと、こういっておられますけれども、今の補助率のカット分に見合うところのこの予算は、公共事業として暫定予算に組めないはずです。そうなりますというと、結局それに関係のない結局この事業だけになってくると、そうなりますとこれは経済に及ぼす影響は非常に深刻なものが出てくる、早く予算を通してほしいという、我々が切実な声として言っておるのは、その問題があります。それから県の予算の執行につきましては、したがいまして、国の補助負担金に伴う分については、今のそういった面がクリアーされて流れてこないと、事業の執行については継続分に毛の生えたものしかできない、こういうことになろうかと思います。
歳入の面については、これは今の
売上譲与税、これは御案内のとおり来年の一月から三月まで課税をしたものが、五月におさまるわけです。五月分として譲与税が入ってきますから、まだこれから一年先の話でありますので、これはそれまでの間にはこの問題決着がつきますので、今凍結とか凍結しないとかという議論ではない。こういうことですね。
以上です。
〔厚地 墾君登壇〕
32 ◯厚地 墾君 ただいま知事初め関係部長から御答弁ありましたけれども、四全総あるいはまた半島振興計画、サンリゾート基地構想の取り組み、あるいはまた鹿児島空港の幹線空港としての機能の整備、特定地方交通線廃止後の対策と、これについてはただいま御答弁のとおり、積極的な取り組みを要望しておきたいと思います。
ただ売上税についてのやりとりの中でですね、この問題は知事さんのおっしゃるとおり、行政の執行のサイドから考えますとね、よくわかるんですよ。その中心として考えますと、またそのことが県民に対するサービスということにもなるということは、これはわかるわけですけれども、ただ今回の売上税の導入ということについて極めて唐突であり、いわゆる拙速であったということがですね、これは指摘されておりますし、これは野党のみならず与党の皆さんの中にも反対や修正意見があることは、知事も御承知のとおりだと思う、特に本県でも鹿児島商工会議所が原則的には反対であるとか、あるいはまた県中小企業団体中央会、これは反対を決議する、こういう一連の反対の声というのは非常に強いわけであります。
したがって、こういう点については、知事も少なくとも県民の負託を受けて選出された知事さんでありますから、やはりこういったことについては、県民の声を十分聞く立場に立っての配慮というものが、やはり必要ではなかったのではないだろうかと、こういうふうに私は思えてならないわけであります。
宮崎県の例あるいはまた鹿児島市等も、
売上譲与税だけのことを私は言っているんじゃありません。売上税にかかる関係予算をですね、やはり見合わすべきではなかったのか。これはやはり知事さんがおっしゃるとおり、私も調べてみましたら、地方交付税の中に見込まれる売上税ですが約四十億ぐらいありますね。それから地方交付税の中に見込まれる、さっきおっしゃったたばこ消費税上乗せ分、これが二十一億五千九百万円ぐらいあります。それから地方たばこ消費税、これが約五億円ぐらい上乗せ分が。それから
売上譲与税関係が七億六千四百万円。利子割の県民税の見込み額五億九千八百万円、あわせて八十億から百億円ぐらいあります、知事さんのおっしゃるとおり。だから、したがってこの金額に対する予算計上を見合わすことはできなかったんだろうかと、これは率直な私の気持ちでございます。
またそれと知事さんが精神分裂とか何とかおっしゃったそうですけれども、これはやっぱり極めて不適切な表現ではないかと思いますので、今後はひとつ言葉の使用については、言葉の選択をひとつ十分していただきたい、このように思います。
知事さんが自民党所属のひとつは知事という立場、それからもう一つはまた売上税を草案した税制調査会の一員である。こういう立場からですね、やむを得ない点もあるでしょう。これは政府の施行をバックアップするという立場からですね、その気持ちはわからんではないですけれども、知事さんがたばこ消費税収入をふやそうとして、一生懸命たばこを吸っておられるわけですが、結局その努力はわかるけれども、一人の努力というのは非常にむなしいもんじゃないかと、こういうような気持ちがして私はならんわけです。結局は、身を滅ぼすんじゃないかということで懸念します。
知事は六十二年の当初予算でですね、五千八百二億三千七百万円、これをごろ合わせ、さっき福間先生の方もおっしゃいましたが、夢いっばい膨らむ南の起点と、ごろ合わせをしておられます。私は、このような非常に不安な財源をあてにした県の予算というのは、やはりこれは御破産で、パアに皆なる予算ではないかと思います。こういうような気がしてならんわけであります。
ただいま知事の御説明にもありましたとおり、これは財政の運用に当たっては、現行革大綱の積極的な推進あるいは構想、簡素合理化、また効率的な重点的な予算執行、これは重要でありますが、またもう一つには国、地方が非常に財政状態が悪化してきたということで、民活へ依存する度合いといいますか、これは非常に高くなってきている。したがって、本県の新規事業を見てみましても、約九件ぐらい出てきていると思います。今後民間活力を活用するということは、本県の経済、情勢あるいは企業体、こういう民間活力の引き出しということについては、大きな政策課題に今後はなっていくんではないかと、このように思いますので積極的な取り組みをされるように要望しておきたいと思います。
次に、我が国の農業を取り巻きます諸情勢の変化に対応する農業政策の基本的な考え方についてお尋ねをします。
昨年の生産者米価の据え置き以来、日本農業に対する批判の声は期せずして内外とも高くなっております。日本農業は、大きく改革すべき正念場を迎えようとしていると言っても過言ではありません。日本の農業には、これまで三回の転換期があったと言われ、最初の転換期は自立経営の育成を目指した昭和三十六年の基本農政、二回目が昭和四十五年の生産組織の育成を主眼とした総合農政、三回目が昭和五十五年の土地利用型農業の再編を意図した八〇年代農政の基本方向が打ち出されたときと言われております。しかし、いずれのときも農業の保護主義的体質は改められず、また日本農業の最大の弱点とされた零細農耕制を打破することはできなかったとしており、これは既得権を主張する農業団体をバックとする政治力が転換を阻んできたからだとも言われております。しかしながら、今日の現状は大きく当時の情勢と情勢が変わっているのであります。その第一は、国の財政事情が当時と比較して極端に悪化し、政治力で農産物価格が維持できなくなりつつあること。第二には、急速な円高から農産物の製品化されたものの輸入が増加し、食品産業の採算が悪化しつつあり、また海外に工場進出するものが増加しつつある現状にあること。第三には、貿易摩擦からくる農産物に対する市場開放、輸入制限の撤廃が強く迫られていること。第四には、一九八二年五月から主要国の農業政策の問題点、農業保護の現状について研究を進めてきた開発機構、いわゆるOECDは去る二月の十六日から十八日まで開催された農業委員会で報告書を作成、完了したわけですが、その筋が明らかにしたところによりますと、すべての国、すべての農産物の補助金削減を提言しており、日本の米に対する生産助成の削減の対象にするよう間接的に求めているということで、OECDの調査は補助金の額が生産額に対する割合が加盟国の中でもっとも高い数値を示している我が国の農業には、今後大きな影響を与えるものとなるということ。第五には、我が国の消費者の意識が大きく変わり、主要食糧である米の輸入自由化についても、食管制度を廃止し輸入を認めるというのが一八%、当面食管制度は残すが改革を進め、徐々に輸入を認めるというものが三〇%と自由化派が四八%に達し、さらにこの傾向は高まりつつあるということであります。
したがって、日本の農業もここで深く認識を新たにし、自覚せねばならないことは、国内の消費者意識が大きく変化しつつあること、国際化のうねりの中に日本農政もあり、極めて厳しい情勢下にあるということで、いつまでも保護農政のもとに甘んじていられないということ、また今日までの我が国の保護産業が、いずれも内外の諸情勢から衰退の歴史をたどっているという事実についてであります。
したがって、本県農政についてもこのような厳しい現状認識に立ち、国際競争の中で農業が産業として自立できる対策を早急に樹立すべきではないのか。そのために県民各階各層の英知を傾け、建設的な議論を自由に開陳できる場づくり等をなすべきではないかと思うのですが、知事のお考えをお聞かせ願いたいのであります。また今日の農政に深いかかわりを持つ各種農業団体についても強く意識の変革を促すとともに、具体策の検討等についても自主的に行わせるべきだと思うのですが、見解を明らかにしていただきたいのであります。
次に、マリノベーションについてお尋ねします。