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1986-03-07 昭和61年第1回定例会(第4日目) 本文

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  1. 鹿児島県議会 1986-03-07
    1986-03-07 昭和61年第1回定例会(第4日目) 本文


    取得元: 鹿児島県議会公式サイト
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    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1  午前十時開議    △ 開  議 ◯議長(原田健二郎君)ただいまから、本日の会議を開きます。       ─────────────    △ 総括質問(個人) 2 ◯議長(原田健二郎君)本日の日程は、県政一般に対する個人質問であります。  通告に従って、順次発言を許可いたします。  まず、松村武久君に発言を許可いたします。    〔松村武久君登壇〕(拍手) 3 ◯松村武久君 ただいまから民社党を代表して個人質問をいたします。  質問の前に、まずお礼を申し上げておきたいと存じます。それは今日まで代表及び個人質問等で、たびたび各党派からも要望がなされてきたところではありますが、我が党も切実に御要望申し上げておきましたところの、国際会議場建設構想について、建設用地の構想あるいはハイテクマリン構想、さらには桜島火山国際会議のイベント構想など、夢とロマンをかき立てるに足る国際級の構想をレイアウト化、並びに予算化されたことでございます。  また、民間活力導入事業についても小規模とは言え、基金造成など前向きな対応がなされるとともに、鹿児島本港整備のレイアウトにもサンライフ運動の受け皿となるスポーツ、レクリェーション施設用地の構想が示されておりますことに対しても、知事並びに関係部局長に衷心より敬意を表します。  なお、警察御当局においても経済、産業発展の基盤となり、県民の日常生活の円滑化に寄与するところの交通渋滞対策として、運用面からの交差点信号機の調整や、右折車対策など、きめ細かにして迅速なる対応がなされるとともに、厄介な天文館二重駐車違反解消に対しても鋭意積極的対応により、その実を上げるなど打てば響く行政の範を垂れてくださったことに対しても、本席より厚く御礼申し上げまして以下質問いたします。  質問の第一は、財源確保対策についてでございます。財政問題については、一昨日来の各党の代表質問で主要な点について突っ込んだ論議がなされましたので、私は細かなことではありますが、提言を交じえて以下財源の確保の点にしぼって質問をいたします。  その一点として、現在県有地の中で活用されていない遊休県有地をどの程度保有しているか。保有個所、面積評価額の合計概算額についてお伺いいたします。  そこで、その県有地を有効に活用し、使用料の徴収増を図るとともに、将来にわたっても使用目的のない遊休地は処分をし、財源確保を図るなど、積極的対応が当然なさるべきでありますが、実態はどのようになっているかお伺いいたします。  その二点としては、我が党が二年前の五十九年三月議会で、鹿児島港湾の引き船業務は、毎年約一億円にも上る大赤字を出していることから、民間委託化すべき旨指摘しておきましたが、二年経過した今日、民間委託化が図られたか否か、その後の状況についてお伺いいたします。  その三点として、県内の印刷業界が倒産の危機にさらされておりますが、民間中小企業育成と財源確保の両面から、現在県が特別会計事業で運営しております印刷事業は、この際思い切って全面委託化できないかどうか、このことについては決算特別委員会でも提起がなされたとのことでございますが、出納長の将来展望も含めた名御答弁を期待いたします。
     承りますと、全国で十五、六県が、十七、八県でしょうか、本県と同等の取り扱いとなっており、三分の二の自治体がすでに委託化なり、それなりの対応をしているやに伺っておりますので、この点よろしくお願い申し上げます。  以上、三点について財源確保対策の観点から提言を述べつつ質問いたしましたが、肉を切り骨までも達するような財源確保対策の提言をせざるを得ない今日の財政硬直化を招いた責任は一体だれにあるのか、私はここに声を大にして叫びたいのであります。  本県の公債費比率は、五十七年で八・八%、五十八年は一〇・一%、五十九年には一一・六%となり、危険信号の一五%に急ピッチで近づこうとしております。  一方、経常収支比率も五十七年、七八%、五十八年、八五・四%、五十九年、八六・三%と年々上昇し、政策的事業の推進を圧迫しています。  また県下九十六市町村の中で、三十九の団体、すなわち四割を超す市町村が五十九年度ですでに公債費比率が一五%を超え、六十二の市町村、すなわち六割を超える団体が経常収支比率が八〇%を超えているのでございます。このような財政硬直化の中で一体何ができるというのでしょうか。しかも国はこのような苦しい本県の実情を見て見ぬふりをしているのか。鎌田知事も先日来切実に訴えておられますように、国庫補助率も三千三百の団体を十把一からげで一律カットするとともに、地財計画に至ってもこれまた全国共通であり、貧乏県と富裕県とで格差がますます拡大する政策をとっているのであります。しかもこのことが三年も続くとあっては、県総合計画で十年後に県民所得について、全国との格差を九〇・二%に縮め、現在の全国最下位から三番目の汚名を挽回し、全国台で中位に持って行くため、毎年五・六%の実質経済成長率をなし遂げようとする鎌田知事の壮大なるビジョンも初年度から挫折し、夢に終わるのではないでしょうか。  公債費比率及び経済収支比率が、一定限度を越え財政硬直化を来し、財政力指数も極端に低い自治体に対しては特別措置を講ずるなど、財政調整を強化すべきは当然であります。ところがその当然のことすら実現してくれないのが鎌田知事が所属しておられる自民党政府のなされることですので、ぐちも言えず歯ぎしりしておられることでしょう。昨日来からの御答弁を聞きながら知事の御心境が手に取るように、私にはよくわかります。したがって私も微力ながら我が民社党本部に対し、地方交付税率は国税三税の三二%の率で昭和四十七年から固定化されていること。第二交付税制導入の必要性など常々進言し、財政の弾力的運用を要望して、貧乏県の実情を披瀝してきているのであります。それに対し我が党本部としては地方の時代を有名無実のものとしないため、地方交付税制のあり方、第二交付税制導入について機会あるごとに主張しているのでありますが、ワンパターンで石頭の政府は、なかなか聞く耳を持たないようです。国も財政難で火の車だからとおっしゃる方もあるかもわかりませんが、頭を使い、知恵を出し、政治家が派閥にこだわらず、縦割行政の繩張り根性と役人気質を捨て、本当に日本国家、日本国民のことを考えて勇気を出してやればできることなのです。勇気と根性がなく、真剣に国民のことを考えないから安易な全国共通の定率カットの道を選ぶのであります。少々言い過ぎかもしれませんが、結論的には我が民社党が政権の一翼を担うか、政権を自民党から奪い取るかしない限り、第二交付税制も導入されないでしょう。したがって鹿児島もよくならないし、日本もよくならないだろうと思いつつ第二の質問に入ります。  統計から見た鹿児島の問題点と対策についてであります。まさに数字は語るであります。統計から見た鹿児島五十九年版によりますと、県内就職率が四五・二%で四十七位、びりであります。全国最下位という汚名を担っておる鎌田県政であります。すなわち県内で働く職場がないからということであり、言いかえれば県外へ就職する若人が全国で一番多いという情けない状況であるということであります。  次に、農業粗生産額は、全国で何と四位という上位にありながら、一戸当たり農家所得は四十七位、これまたびりであります。農業所得も四十位という状況でございます。ちなみに熊本県の粗生産額は、本県のコンマ九、すなわち九割でありながら一戸当たり農業所得は三倍以上の約百六十四万円に達しております。さらに不思議なことに本県の一戸当たり農業所得は昭和五十五年に五十八万円であったのが、五十九年は五十五万円と三万円低くなっているのであります。この五カ年に投資した農政部予算は何と約三兆五千億円に上っております。とても不思議でなりません。農政部長あなたは何をしておられるのかと言いたくなるのでありますが、統計上に何か問題があるのではないかと疑問を抱かざるを得ない心境にならざるを得ません。農政部長の説得力ある御答弁をお願いいたします。  次に、死亡率も千人対比で八・六人であり、全国三位の上位にあります。精神病入院患者がこれまた五・三六人と全国二位の上位にあります。悪い方で上位ですね。五十九年における自然死亡率が千人対比で三十一人に上り、全国一。さらに問題なのは乳児死亡率七・四人で、これまた全国一。ワーストナンバーワンであります。この状況を考えるとき、サンライフ運動の一層の定着化が望まれると思います。  次に、県民所得百三十五万八千円、これ四十五位で、びりから三番目。常用労働者の賃金、これまたびりから三番目の二十二万九百七十六円、このような状況でいつになったら活力とぬくもりに満ちた偉大な鹿児島となれるのでしょうか。鎌田知事御就任以来八年を過ぎ、やがて十年になろうとしておりますが、八年前とこの点に限っては余り前進がないように思います。時間がありませんので、今回は問題点のみを指摘しておきますので、原因とその対策について十分検討し対処していただくとともに、鎌田知事の一層の奮起を期待します。恐縮ながら農政部長にだけは御答弁を求めます。  第三は、県土の調和のとれた開発と活性化についてであります。この問題は、県民の県政に望むに当たり最も重要な課題であろうと存じます。したがって鎌田県政としても新総合計画の前期五カ年の実施事業計画の中に、調和のとれた定住社会づくりと位置づけ、総事業予算三兆六千六百四十三億円余りの約四〇%に当たる一兆三千四百八十八億円を計上しているところから意気込みのほどは理解をいたします。しかしながら重要なことは、県下の七地域ごとに所得、人口動態、高齢化、教育、文化、福祉、医療など、あらゆる角度から各指標の分析を行い、事業内容を検討すべきであります。そして県下どの地域に住んでいても快適な生活が営めることが重要であることは論を待たぬところであります。知事には釈迦に説法でしょうが、ここに最新の資料をお届けしますので、十分参考にしていただき、実効ある対策を実現していただくよう要望いたします。  ただいまお届けいたしました資料で、特に私が問題にしたいのはですね、人口問題、所得問題、それから老齢化、この三つにポイントを置いて申し上げてみたいと思いますが、熊毛地区がですね、五十五年から六十年までの五ヵ年で約二千七百名減少しております。毎年五百四十名の減である、まさに深刻な状態でございます。  次に、奄美地区、これが全国、鹿児島のですね平均所得の二〇%ダウンです。鹿児島地区と比べまして五〇%も格差があります。このことはですね、大変な問題だと思いますね、そう思いませんか、皆さん。それで高齢化率がですね、薩摩いわゆる南薩地域、これがすでに県の一二・七%を大きく上回って一六・四%に達しております。このことを克明にこれで調査を整理しまして届けてありますので、十分勉強しておいていただきたいと思います。  第四は、県庁舎問題、国際会議構想桜島火山国際会議構想ハイテクマリン構想について質問をいたします。  県庁整備問題についてでありますが、知事はまたか、くどいなとお思いかもしれませんが、ちまたで県政に対して、何が関心事ですかと聞きますと、異口同音に県庁はいつごろいけんなっとごわしかと聞かれて、議会人の一人として日ごろ返事に窮しておりますので、本日は少なくとも今後の方向性だけは確認しておきたいと思います。昨年十二月議会におきまして、私の質問に対しての知事の御答弁を要約しますると、六十一年度早々に庁舎のプロジェクト検討会を発足させ、六十一年度から遅くとも六十二年度には、これの一応の結論をまとめた上、学識経験者を加えた庁舎整備協議会を発足し、最終結論を得たいと言明されておられます。であるとするならば、まず一点として庁舎内のプロジェクトはどのようなメンバーを考えておられるか。二点は、庁舎整備協議会は諮問機関となるのか、そのメンバーについてはどうなのか。三点として庁舎整備協議会の検討機関と最終結論を出す時期はいつごろまでとお考えになっておられるか。以上三点について明快なる御答弁をお願いします。蛇足かもしれませんが、知事の任期は六十四年二月まで、すなわち六十三年度末には任期満了であります。知事の任期中には県庁問題について何らかの方向性を示し、県行政の最高責任者としての責務を果たすであろうとの声はちまたに流れ、衆目の一致するところであります。男らしさを誇る県民性からか、いつまでものらりくらりとして、ウナギみたいに逃げるようでは、知事は男じゃないなとの声も耳にしているのも事実であります。私は知事を男の中の男にしたいので、ぜひとも今後の方向性を明確にしたところの御答弁を期待いたす次第でございます。よろしいでしょうか。  次、国際会議場構想について、昨日の私が御尊敬申し上げております公明党代表質問の原議員の質問と重複するかと存じますが、その構想について我が党としてお尋ねをいたします。いろいろ伺いたいことはありますが、答弁があってからまた質問することにいたしましょう。  桜島火山国際構想ハイテクマリン構想についても基本的な構想について、私どもは今まで夢とロマンをかき立てるような、とにかく日本の鹿児島、南の玄関口鹿児島、世界の鹿児島と、そういった鹿児島を目指す鎌田知事を心から御尊敬申し上げておりますので、そういう意味できちっと私の意を体していただくようなすばらしい御答弁を、のらりくらりはいけませんので、その点を篤とお願いを申し上げておきます。    〔知事鎌田要人君登壇〕 4 ◯知事(鎌田要人君)鹿児島県の財政、あるいは県内の所得、あるいは各般の指標に基づきましての大変貴重な資料をいただきまして、心から敬意を表し感謝申し上げる次第でございます。ここに出てきておりますような問題点、これはまさに私の知事就任以来、一貫して持っておる問題意識でございまして、期するところは、やはり経済的な側面について言いますと、何といっても鹿児島は貧者ごろじゃということがすべての基本でありまして、これをどういうふうにして立て直していくかという、これに大きな県政の重点をおき、新総合計画、あるいは事業実施計画等もその方向に向かって進めておるということであります。ただ鹿児島が貧困であり、後進であるからということで、もうそれだけのいわば一種の精神的な閉塞状態に陥り、無力感に陥ってはいかんということで、鹿児島ルネッサンス、あるいは自立自興、こういうことで頑張っていただきたい。そうすれば鹿児島の未来に明るい展望が開けるということを念じながら、一歩一歩あすはきょうよりも一歩高くということで頑張ってまいりたいと思う次第であります。  次に、県庁舎の整備の問題でありますが、これは現在の庁舎の整備につきましては、昨日の答弁を初めといたしまして、何回も申し上げておりますように、庁舎の移転改築は、これは早急にしなければならない課題であるわけでありますけれども、鹿児島県の場合にはあらゆる社会資本の整備が遅れておるわけでありまして、これは考え方の相違であろうと思いますが、諸外国の場合には庁舎というのはやはり一つのシンボル的な存在として、それこそ二百年、三百年後に残るような、文化的な価値も持つものとしての建築ということで、また価値観が違うわけでありますけれども、しかし逆に本県のように各種の社会資本の整備が遅れておるところでは、まず県民の生活に密着する社会資本の整備をある程度こなして、いわばその次に、ある意味での仕上げとして庁舎の建設、こういうことで一寸延ばしに延ばしてきておりましたところに、こういう非常に深刻な財政の危機になってきたということでありまして、これはだれを責めようもない問題でございますが、苦しい中でもやはり庁舎の建設というものを、この六十年までの計画期間中に庁舎の建設にはどうしてもこぎつけたいと、こういう気持ちは持っておるわけであります。そういうことで、ここからは答弁の繰り返しになりますけれども、新年度早々に庁内プロジェクトチーム、それである程度のたたき台ができました段階で、この学識経験豊かな方々も入っていただきましての庁舎建設の協議会、こういったものを発足をさせてまいりたい。  この性格でございますが、諮問機関的なものにするのかどうかということでございますが、この性格づけにつきましても、皆様方の御意見もまた伺わせていただきたいと思うわけでありますが、きちっとした審議会的なものにする、条例措置をもっての審議会的なものにして、いわば羽織、はかまで四角、きちょうめんなやり方でやるがいいかですね、あるいは諮問的な要素も含みながら、ざっくばらんに話をしていただく、そういった諮問的な要素と、いわば協議懇談的な要素と含めたものがいいか、これはもう少し私だけじゃなくて、広く皆様方の御意見も伺いながら性格づけをしてまいりたい。それによっておのずから委員のメンバーという範囲も限られてくるといいますか、浮き彫りになる、こういうふうに考えておりますので、この点につきましては、この段階からやはり幅広い論議をしてまいりたいと考えておる次第であります。  また、この方向づけの問題でございますが、そういう中でおのずからこれはまさに鹿児島県百年の大計の問題でありますので、慎重な、また活発な御論議の中からおのずから協議会等の場で方向づけができるものと確信をいたしておる次第でございます。  次に、桜島火山会議等の、あるいはハイテクマリン等の未来に向けての構想であります。桜島火山国際会議、昨年、御案内のとおり一日外務省がございまして、あるいは国土庁で一昨年から昨年にかけまして、長期にわたって爆発を続けておる桜島の火山につきましての火山対策懇談会が国土庁において設けられたわけでありまして、そういう中で期せずして、県民の皆さん方の間からも出てまいりましたのは、いつまでも桜島に負けておっちゃだめだということで、この桜島をはね返すような県民のエネルギーを発揮しようじゃないか、こういう機運が出てまいったわけでございまして、その中の一つとしてこの国際会議をひとつ開こうじゃないかということで、私は大変結構な、これは県民の皆様方からの盛り上がりだというふうに思っておるわけでありまして、ひとつ鹿児島市から三キロ四キロの所にこれだけの活火山がある、地球上でもここしかないわけでありますので、桜島らしいユニークな、ひとつ火山会議をやりたい。そのテーマといたしましても、これから専門家の皆様方の御意見も伺わなければならないわけでありますが、火山と人間との共生ということで──共に生きるということで、火山を知る、あるいは火山とともに生きると、火山を生かすと、こういったテーマでユニークな国際会議、実のある国際会議というものをひとつできないだろうか。そのときにですね、そのときに、いまの火の神さんを祭る、火の神祭りとかですね、あるいはマラソンをやるとか、全国からとにかく、あるいは各国からも集ってですね、いろんなイベントを、ちょうど鹿児島市の方も市制百年で、目玉をいろいろと考えておられるようでありまして、これとドッキングをしたらどうだろうかというお気持ちもあるようでありますので、まさに県民一体火の玉になって楽しく、楽しさがなければいかんと思います。楽しい、やはりおもしろい、こういう祭りというものにしながら、そのエネルギーを持続的に続けていくと、こういうことでこれも年度早々早急に準備委員会を設置をいたしまして、具体的な内容、規模等について取り組んでまいりたい。もう時間が余りありませんので、ひとつそういう意味で早急に取り組んでまいりたいと思っております。  また、ハイテクマリン構想につきましても時間の関係で長々と申し上げませんけれども、やはり鹿児島が日本で三番目の海洋県ということでありますので、漁業の振興と加えまして海洋開発、こういうこともまた宇宙基地もここしかないわけでありますので、宇宙開発というこの宇宙代での開発ということもこれから鹿児島の豊かな未来の中として現実に、これを現実のものとするための、着実な地道な努力をしてまいらなければならないというふうに考えておる次第であります。 5 ◯出納長(須賀龍郎君)御質問二点ございますが順次お答え申し上げます。  まず、県有財産の問題でございますが、一千平方メートル以上の未利用財産は件数にいたしまして十二件、面積にいたしましておおよそ三十九万平方メートルございます。なお評価額につきましては、財産を処分する都度鑑定評価をいたしておりますんで、未利用財産についての評価額は把握いたしておりません。それから未利用財産の有効活用でございますが、今後の新たな行政需要に備えまして保有すべきものは保有してまいりますが、反面また、立地条件、規模、形状等から見まして処分可能なものにつきましては、これまでも処分をいたしてまいっております。したがいまして今後とも財産管理につきましては、適時適切に対応してまいる考えでございます。  次に、印刷局の関係でございますが、現在印刷局には十九名の技術職員を含めまして二十四名勤務いたしております。業務内容といたしましては、議会関係の議案、議事録を初め、各種試験問題、あるいは県広報、それから投票用紙、公給領収証等の必要最小限のものに限定をいたしまして、印刷業務を行っております。この印刷局を民営、民間委託へという御指摘でございますけれども、職員を持っておりますし、そしてまた民業を圧迫しないような十分な配慮も取りながら、職員の増員とか、あるいは機械設備の増設等も抑制しながら、健全なる印刷局の運営をなお続けてまいりたいと考えております。 6 ◯土木部長(内田勝士君)鹿児島港におきます県営引き船につきましては、昭和四十三年の三月、民間等の引き船がいなかったために、出入します船舶の離着岸に支障がございまして、関係者からの強い要請もあったことから、県営引き船の運営を始めましたが、その後民間船も就航しまして、現在では県営二隻、民営二隻の計四隻が就航しているところでございます。この間、鹿児島港におきます引き船需要は、自力で接岸できます装置を有する船舶がふえてきたこと等によりまして、大幅に落ち込み、県営引き船の年間稼働実績もピーク時の昭和五十一年には五百回を超えておりましたが、昭和五十九年度におきましては二百十九回になっているところでございます。県といたしましても、このような引き船需要の落ち込みや、今後の需要の増大が見込めないこと等の事情から、県営引き船を減船せざるを得ない状況に至っているところでございます。仮に引き船一隻を廃船にしましても、鹿児島港におきます引き船サービスの低下にはつながらず、港湾機能にも支障は生じないと考えられますので、県営船二隻のうち一隻を昭和六十一年四月一日から廃船したいと考えているところでございます。 7 ◯農政部長(笹田昭人君)農業所得に関連しての現状認識と方策についてお答え申し上げます。  鹿児島県は、全国屈指の農業県でございまして、農業振興に積極的に取り組んでおるところでございますが、お話のように、農業粗生産額は全国第四位というところにありますものの、本県農家の農業所得が低位にあるということは御指摘のとおりでございまして、これにつきましては土地利用型農業における経営規模の零細性とか、土地基盤整備や資本装備の立ちおくれ、シラス等の特殊土壌の分布、自然災害の発生などの特殊事情に起因するところが大きいと考えます。  今日、県内には園芸、畜産等におきまして全国的に見ましても決してひけをとらないような先進的経営農家が数多くあらわれてきておりますが、一方経営規模の小さい農家が占める割合が多いということなどもございまして、統計上の数字が低位にならざるを得ないということもまた否定できないところであろうというふうに考えております。  私ども県の農政推進に当たりましては、農村振興運動を基軸にしながら、土地基盤整備と土づくり、野菜、果樹、畜産等の特色ある産地づくり、あるいは中核農家の育成と中核農家を中心に、兼業農家等をも含みます地域農業集団の育成など、かねて申し上げておりますような各般にわたる施策を総合的、計画的に進めまして、農業生産の拡大と農業所得の向上を図りますとともに、就業機会の増大による農外所得の向上をも図りながら、全体としての農家所得の向上に努めてまいりたいと考えております。 8 ◯松村武久君 自席から土木部長にお尋ねしますが、一応二隻の引き船を一隻廃船したいということでございます。その場合ですね、事業費がどの程度節減できるのか、また残り一隻の稼働状況はどうかお尋ねします。  それから知事に。玉虫色のような、かすみのかかったような県庁問題の御答弁でございますので、もう少しですね、今まで聞いたことと同じでありまして、私はあえて御質問申し上げたのは、知事の任期中に方向性だけはきちっとされますかということですね。と申しますのは、先ほども申しまずようにですよ、庁舎整備協議会というのをですね、いつつくるというのがないんです。だから知事は、六十四年の二月が満了です。だから私が今まで承知しているのは、御答弁いただいて、理解しておりますのは、知事としては去年の十二月議会に対しましてですね、来年か再来年に、遅くとも再来年までには庁舎内のプロジェクトチームを結成すると、これはわかりました。その結論を得て、庁舎整備協議会なるものを発足したいと、だから私がきょう尋ねたいのはですね、そのプロジェクトとかの方はもういいです。庁舎整備協議会なるもののメンバーとか位置づけ、これも先ほどもやもやとした回答ですが、まだはっきりと知事が固まってないので、これも余り追及できませんが、少なくとも六十二年度にですね、その庁舎内のプロジェクトで結論を出した後に、庁舎整備協議会を発足させたいということですから、なれば知事の任期中は後一年しかないわけです。その時点からしますとですね。だから私が申し上げたいのはですね、庁舎整備協議会をいつに、どのような形でということぐらい今方針固めていいんじゃないですか、知事。あるいは任期中で何とかしますとおっしゃることはできませんか。 9 ◯知事(鎌田要人君)私は、任期中に云々ということじゃなくて、やはり計画を固めてですね、方向づけができて、それから計画が固まってということになりますれば、いつやるかわからんものについてですね、貴重な時間を割いて皆さん方に協議会に参加していただくこともこれは大変な失礼な話でありますので、やはり当然、ある程度は庁舎をつくるのにですね、これは大体今の時点で大ざっぱにはやっぱり少なくとも三百五十億円を下らない。これだけの大きな仕事ですから、だからこれだけのものをやるためには、それが全部一般財源で賄えるほど我々が豊かであればいいけれども、これはまず絶望的です。でありますから、仮に起債が六割ついたとしても四割は自前でやらにゃいかんということになりますと、仮に三百五十としましても百四十億円というものをですね、これをやはり用意せにゃいかん。それを今財調基金もすってんてんというときにですね、これからためていかにゃいかんわけですから、だからその辺のやはり財政の見通しというものをきっちりつけてですね。そのためにはやはりこれだけの庁舎をつくるということでですね、ある程度ほかの事業にしわがいかざるを得ないわけですから、その辺の御理解もやはりいただきながら金をためていかにゃいかん。この金をためる時点をいつからためていくかということ等があります。でありますから方向づけだけして、まあそんうちなと、こういうことなら非常に楽なんですけれども、方向づけをしたらやっぱりそれに続いて計画、基本設計をやり、実施設計をやるということになりますのでですね、非常に私としても男の中の男だと思っておりますけれども、男らしくないなと、こういう感じを与えるのはですね、ここにあるということで、できるだけしかし、その辺のところを見きわめてですね、進めていくという気持ちはこれは再三申し上げておりますので、ひとつ御了解をいただきたいと思います。 10 ◯土木部長(内田勝士君)一隻四月一日から廃船するのでどのくらいの節減になるかというお話でございますが、昭和四十三年に最初の船ができ上がっているわけでございます。非常に老朽化いたしまして、修理費もかさむと。それから一隻廃船いたしますと管理費が少なくていい。それから人件費でございますが、本年の三月三十一日をもって三名の方が退職になられるということを総合いたしますと、約四千万円ほど節減ができるということになっております。  それから今後の稼働の見通しというお話でございますが、残った一隻によりまして今までの稼働の傾向を見てみますと、昭和五十七、五十八、五十九、大体二百五十回から二百二十回程度の稼働をしておりますので、一隻で十分対応できる、そのように考えております。    〔松村武久君登壇〕 11 ◯松村武久君 それぞれ御答弁いただきましたが、率直に言って期待はずれでございます。私は、知事を尊敬しておるんですが、もうあんまり尊敬しなくなりました。というのはですね、私は知事は、せめて今年期中にですね、何とかしましょうということぐらいはおっしゃってくださるんじゃないかなと思っておったけれども、やっぱり自民党さんの方にあんまり深いことを言ってないからかなとひがみたくもなるんですけれども、要するに私は移転の詳しい構想だけじゃなくて、長期間研究をですねするのは、必要じゃないかなと思うんですよ。だからもう方向性、とにかく県庁舎整備協議会なるものとか、いわゆるそういうものを出ているわけですから、それはとにかく六十二年の段階で庁舎内のプロジェクトをして諮問機関なりしていただいて、鋭意十分な、それこそ百年の計に立っていただかなければならない。そういうことでですね、いろんな資金面もありましょうけれども、そういう面も含めて論議だけはやっぱり早くしてですね、おく必要があると思います。次の機会に、また毎回私は申し上げますので、そういうことでよろしくお願い申し上げたい。  それとですね、土木部長にはお礼を申し上げます。四千万円もの節約をしていただいているということで、少ない費用の中で本当に御苦労さんでございました。鎌田知事からもよろしくおっしゃっておってください。  次に、ハイテクマリン構想とかですね、こういったのは何か水産振興にウエートがおかれているようでございますので、時間があれば企画部長からも前向きな答弁をいただきたかったんですが、機会を改めますが、海洋開発とかですね、海洋牧場、海中レストラン、いろんな観光面からもですね、世界にアピー、ルできるようなもの、国際級のものをということで、私は最初お礼を申し上げたわけなんです。そのつもりでおったもんだから。ところが意に反して、あんまりちょっと、こうおもしろ、楽しくという、桜島の問題にしてもそうですが、もっとマスコミの媒体で世界に桜島をアピールして、災い転じて福となすということをですね、やっていただきたいと思うわけでございます。  次に、私学及び専修学校への助成についてお伺いいたします。  近年、私学及び専修学校並びに各種学校法人として位置づけられた学校法人の実績は目覚ましく、本県経済、、産業に果たしている役割はまことに大きいものがあります。国としてもこれら学校法人の重要性を認め、毎年厳しい国家財政にありながらも補助金を増額しているのであります。本県の六十一年度予算におかれても、私立学校助成は総額で三・二%の伸びを示し、前年より増加すること約一億六千百万円であり、五十一億五千四百余万円を計上していただいております。このことは厳しい財政事情の中にもかかわらず、目いっぱいの努力をしていただいておりますことに対し、深く敬意を表し感謝の誠をささげます。  しかしながら一方、専修学校への助成となると何と一〇%もの問答無用式にずばりカットされているのであります。しかも国が専修学校の重要性を認識し、六十年度より専修学校分として額は少ないけれども、百万円が交付されたにもかかわらず、県は立てかえ払いをしていたのだと称して、国の交付分百万円を県の出費分から差し引いた上に、さらに前年度より一〇%のカットをいたしておるのであります。専修学校関係者の方々から大きなひんしゅくを買い、百万円を県は猫ばばしたと言われているのですが、御存じですか。これは一体どういうことなのでしょう。他県に例のないことでありますので、納得のいく御答弁をお願いします。私学は三・二%の伸びの予算であり、専修学校に至っては一〇%カットすることは、同じ法人に対し行政の公正を欠くことになりはしませんか。また専修学校の全国台の伸び率は一一・三%であり、中でも本県で私が問題にしておりますところの専修学校教職員研修事業補助も、国の伸び率は八・三%の伸びであります。にもかかわらず本県は伸び率ゼロであります。また専修学校教育装置整備補助にしても、国は前年並みであるにもかかわらず、本県は一〇%カットしているわけであります。一〇%は金額にしてはわずかではありますが、専修学校にとっては貴重な財源であると同時に、あるいはそれ以上に専修学校に対する認識と姿勢をも問題にしているのであります。私学と対比するとき、当局の態度は実に思いやりがなく、無神経というか、もし意図的であるとするなら差別もいいところであります。大変な問題であります。足らざるを憂えずして等しからざるを憂えるという名言があります。総務部長の御答弁次第では知事にも御所見を求めますので、総務部長は納得のいく前向きな御答弁をお願いします。  申すまでもなく専修学校、各種学校の就職率は全国的にも九〇%を超えており、短大、大学を大きく上回っております。中でも県内就職率は七三%にも達し、県内のあらゆる職場で立派に職責を全うし、社会に貢献しているのであります。また中学校から高等専修学校三年生へ進学する道も開かれ、その卒業生に対しては六十一年度より、大学入試の受験資格も与えるなど、県民にとって大きな朗報であると同時に、本県教育界、経済界にも大きく貢献することであり、特筆すべきことでありましょう。同時にそのことは、本県県勢浮揚の一翼を担うものであるといっても決して過言ではないと思います。このように立派に社会に認められ、学歴化しつつあることは、従来の学歴偏重の風潮や、受験競争の激化をわずかでも解消する手助けともなりましょうし、ひいてはそのことが今日問題になっている校内暴力や、いじめ解消の一助になり得るのではないでしょうか。さらにまた専修学校の校長先生と教職員の間は、まことにもって和気あいあいで、職場は明るく、公立学校みたいにやれ日の丸だ、やれ君が代だとか、学校の運営権、経営権が職員会で決めるべきとかどうのこうの、わけのわからんことは一切ないのであります。総務部長、あなたはこのようなことも承知の上で一〇%をカットしたのですか、何ということでしょうか。私には理解できません。あなたを私は尊敬しております。ところが余りこの予算の問題については非常に憤りを感じております。  私学関係について二点伺います。  私立学校の過疎特別対策費の助成について、文部省は六十一年度までは継続するとのことですが、六十二年度以降の助成についても継続していただきたいので、国に対し助成が打ち切られることのないよう、強く要望していただく必要があると思いますので、その対策と見通しについてお伺いします。  二点は、私立学校に対する運営費助成の配分についてその内容を明らかにしてほしい旨、関係者から再三要望がありますが、大々的な公表をするのではなく、必要最小限の方法でも考えられないか、お伺いします。  次に、風俗営業法の取り締まりについてでございますが、一点は、電話ボックスにのりづけされているピンクビラのことでございます。これは以前、名瀬の元山先生の方からも御指摘があったかと思います。そういう記億がありますが、私はゆうべ電話をかけに行ったら、やっぱりこんなにしてございます。これはぺたっとのりづけをぴしゃっと強力剤でつけてなかったからまだ良心的です。これがですね、ぴたっとつけて汚いんですよね。知事ごらんになったことがありますか。公衆電話を使われたことないでしょう。ちょっと見てください。県警本部長は見てるかもしれんが、出納長は見ておらんでしょう。これが南日本新聞だったか、南風録ででも出ていたかと思いますが、あるいは経済新聞だったかな、どっちだったか、とにかく青少年の非行を助長しているということも指摘されております。  時間がありませんので二点目は、風営法の制定されたころは鳴りをひそめおりました天文館での客引きがまた大声を張り上げ、耳ざわりな言動で客引きをしておりますので、取り締まりはたがを緩めず、常時監視の態勢は取れないか、要員問題もこれありましょうが、対策について警察本部長の御答弁をお願いします。  最後に、県民が一日千秋の思いで待っておりますところの国道三号、国道一〇号北バイパスの完成めどについてお伺いします。  また、谷山街道線整備についてはどのような状況であり、用地交渉難も十分予測されるところでありますが、今後の見通しについてどのようになるのかお伺いいたします。以上。    〔知事鎌田要人君登壇〕 12 ◯知事(鎌田要人君)私立高校に対しますところの過疎対策特別事業の対策費の助成の問題でございますが、これは六十年度までの計画でスタートをしておりまして、皆様方初め、開促協、また私学関係者の方々の御努力で、六十一年度とりあえず延長が決まったわけでございますが、引き続きまして、この継続方につきまして、来年度もまた予算要求に向けて全力を挙げてまいらなければならない、そういう前提でこれが継続を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。 13 ◯総務部長(澤井安勇君)専修学校等の関係でございまずが、専修学校及び各種学校につきましては、実用的専門的な教育機関といたしまして、社会の要請に即応したそれぞれの教育活動を通じまして、県民の生活や文化の向上に大きく貢献しております。今後ともその果たす役割は一層高まっていくものというふうに認識いたしております。このような観点から本県におきましては、専修学校及び各種学校に対しまして、厳しい財政事情のもとではございますが、研修費及び教育用機器、備品等の設備整備費に対しまして助成をいたしておるところでございます。お話の中で、国の予算の伸びとの比較の問題、恐らく交付税措置のことを指されていると思いますが、との関係が御指摘あったわけでございますが、今年度の国の専修学校関係の予算の伸びにつきましては、育英会関係の予算が含まれておりまして、県予算との単純な比較は困難かと考えられます。  また、交付税の問題につきましては、昭和六十年度におきまして交付税の単位費用の組みかえが一部行われました。このことを御指摘いただいているものと思いますが、本県の専修学校等に対する助成額は、交付税の措置額を上回っておりまして、御指摘のような状況とはなっていないというふうに考えております。いずれにいたしましても、今後とも先ほど申し上げました専修学校等の役割を深く認識いたしまして、今後とも専修学校等の振興のために、御指摘の助成の問題も含めまして、さらに努力してまいりたいというふうに考えております。  次に、私学の問題でございますが、各学校法人別の私立学校運営費補助の交付額の問題でございますが、この問題につきましては、各学校法人の経営内容に非常に深くかかわることでもございまして、従来から公表は差し控えさしていただいております。今後関係団体の意見も聞きながら、また九州各県等の状況なども考慮いたしまして検討してまいりたいと存じております。 14 ◯警察本部長(山崎 毅君)ピンクピラにつきましては、警察としても強い関心を持っておりまして、数次にわたって軽犯罪法あるいは売春防止法などを活用して、集中取り締まりを実施してまいりました。しかし従来軽犯罪法の科刑がとが料、科料だけでありまして、取り締まり効果が薄いということがございました。そこで検察庁と協議をしまして、一つにはいわゆるピンクビラの掲示者に軽犯罪法の拘留刑を適用する。それから二つには背後で操っているデートクラブの経営者に売春防止法の誘引罪を適用する。それから三つには、ピンクビラを印刷した業者についても売春防止法の誘引の幇助罪を適用するという、新たな捜査方針を立てまして、取り締まりを推進中でございます。その結果、ピンクビラの掲示者に対して軽犯罪法で拘留十五日の判決、デートクラブの経営者で売春防止法の誘引で懲役六カ月、執行猶予三年の判決。それからピンクビラを印刷した四業者を売春防止法の誘引幇助で検挙するなど、現在まで総数七十二件、七十五名を検挙をいたしております。しかしながらいまだに天文館、西駅周辺等の電話ボックスで、先ほどお示しのあったビラなど二十種類ぐらいが張られておる現状でございますので、今後も創意工夫を凝らしてあらゆる法令を適用してピンクビラの一掃に努めてまいりたいと思っております。  次に、客引きの問題でありますけれども、いわゆる風営化適正化法の施行を契機に強力な取り締まりをいたしました。また営業者団体に対しても遵法営業に努めるように、厳しく行政指導をして営業者自身の自粛の高まりなどもありまして、一部風営業者の中には呼び込み行為を行うものが散見されるものの、悪質な客引きは現在では鳴りをひそめておるんではなかろうかというように考えております。しかしながら今後もいわゆる風営適正化法、あるいは軽犯罪法等を活用して取り締まりを実施するとともに、客引きの類似行為というのもありますので、これについても厳しく行政指導を行うなどしまして、正常な風俗環境の保持に努めてまいりたい、そのようなことを通じまして、先生のまた尊敬も勝ち得るように努力をしてまいりたいというぐあいに考えております。 15 ◯議長(原田健二郎君)内田土木部長に申し上げますけど、後一分半ぐらいしかありませんので、時間を厳守しながら御答弁願います。 16 ◯土木部長(内田勝士君)国道三号鹿児島バイパスの鹿児島インターチェンジから市街地部への二・六キロメートルにつきましては、九州縦貫自動車道鹿児島北―鹿児島間、指宿有料道路三期との昭和六十二年度同時完成に向けて工事が本格化してきております。今後ともこの区間の計画どおりの進捗が図られるよう、より一層強く国へ働きかけてまいりたいと思っております。  また、十号鹿児島北バイパスにつきましては、現在用地買収を進めているところでございます。  特に、営林署以南の整備につきましては、鹿児島本港整備とも関連いたしますので、関連する営林署から桜島桟橋までの間の港湾工事を六十一年度中にも着工し、祇園の洲以南の区間がさきに供用できますように、国へ要請してまいります。  次に、谷山街道の計画につきましては、六十年十二月二日に都市計画決定ができましたので、昭和六十一年度から新規事業として着工できるよう、国に対しても強く要望しているところでございます。  本事業は、規模が大きくまた関係権利者も多いことから、完成までにはおよそ十年ぐらいを要するものと考えていますが、関係地権者の御理解と御協力をいただきまして、できるだけ早期完成が図られるよう努めてまいる考えでございます。 17 ◯松村武久君 時間がまいりましたので、一言だけ総務部長にお願いを申し上げ、認識を新たにしていただきたい。  私は、部長が言われます総体の一一・三%というのは承知の上で、いわゆる専修学校に対する設備、これが国もゼロ。専修学校教職員の研修についても八・三%伸びているという、勉強をしているんですよ私は。あなたの方が勉強していない。だからこれはね、私はそう言われるのは心外なんです。だから私はちゃんとそこらを研究して、あんたがそういうことを言わせんかと思ってですね、ちゃんと調べて言っておりますので、ただ最後にね、心ある私の尊敬を裏切らないような言葉もありましたから、前向きに専修学校もですね、私学校もやはり重要視して頑張っていくと、知事の言葉もありましたので、よろしくお願い申し上げまして、民社党を代表する個人質問を終わります。(拍手) 18 ◯議長(原田健二郎君)次は祝迫かつ子君に発言を許可いたします。    〔祝迫かつ子君登壇〕(拍手) 19 ◯祝迫かつ子君 私は日本共産党を代表し、当面する県政の重要問題について質問いたします。  中曽根内閣の地方自治体いじめはとどまるところを知らず、六十一年度の国の補助率引き下げは、一年限りという六十年度の約束を全くほごにしながら、地方負担額を一兆一千七百億円と一気に六十年度の二倍に拡大し、我が県への影響額も二百億円と巨額に上ることが本議会でも明らかにされております。今回の補助率引き下げは、三年間の暫定措置とされておりますが、三年後に元に戻すというようなものではなく、むしろ補助金問題検討会の報告が、補助率は国及び地方の財政状況等の諸要素を総合的に勘案の上、決定されるものとし、さらに補助率を二分の一をべースとして決定することが適当と述べていることからも、補助率引き下げは恒久化されたにとどまらず、将来の一層の引き下げの布石さえ打たれていると言えるのであります。一方では補助率カットの穴埋めにたばこを値上げし、地方に借金を負わせ、住民負担と借金で財源を確保していこうとする中曽根自民党内閣のやり方は、まさに地方自治法、地方財政法の精神をも踏みにじるものであり、断じて許すことはできません。知事はこうした補助金カットについて、三年過ぎても続くようなら断固反対していくと、本談会で述べておられるところでありますが、政府の言うことは全くあてにならないことは明白であります。補助率引き下げに反対されるというのなら、具体的にどのように政府に迫っていこうとされているのか、お答えいただきたいのであります。  また、国の財政状況からも考えられるように、福祉や教育、暮らしを守り、地方へのしわ寄せをやめさせようとするならば、どうしても軍事費の削減や、財界へのさまざまな奉仕を見直すことを要求しなければ実現できません。我が党は今国会でも、一兆六千億円の軍事費の削減と、二兆五千億円の減税を断固要求しているところであります。知事もまた中曽根自民党内閣の手のひらで踊らされるのではなく、この軍拡、財界奉仕の政治と対決して、県民とともに歩む決意がおありなのかどうか、明快にお答えいただきたいのであります。  さらに今、地方行革の押しつけと補助金カットに加えて重大な問題となっているのが、国の機関委任事務について、裁判抜き代執行制度への改悪が準備されていることであります。地方自治体を力で押さえ込み、米軍、自衛隊、さらには大企業の開発優先策への奉仕機関として動員するための道具とすることをねらった、まさに地方自治の破壊を、制度の上で保証しようとするこの改悪を許すことができないのは当然であり、地方自治を守ろうとするならば、断固反対して戦わなければならないものであります。知事の御見解を問うものであります。  さて、六十一年度の県予算案は、行革大綱策定後初めての予算でありますが、この中で二億五千万円にも上る使用料、手数料の値上げが盛り込まれていること、とりわけお産の費用から、教育費と県民生活に密接で切実な分野での値上げが強行されようとしていることに、心からの怒りを禁じ得ないのであります。財源がない、負担の公平化、適正化などという口実が通用するものでないことは、大企業への相変わらずの減免、減税が大手を振ってまかり通り、さらに金がないと言いながら、今回知事を初め特別職や議員の報酬を大幅に引き上げようとしていることからも明らかであります。京セラやソニー、日本電気など大企業も含めて、工業開発促進条例の適用で行われた企業への税の減免は、五十九年度十七億七千万円、六十年度約二十七億円と莫大なものであり、これを中小企業に限定するだけで、高校の授業料など何年も据え置くことができるのであります。今こそこうした大企業に対するサービスを改め、県民福祉の向上に力を入れるべきであります。  さらに、不況と低賃金に苦しむ県民から見るならば、八十三万円という知事の報酬、五十三万円という議員の報酬は、安いどころかため息の出るほど高いものであります。この報酬を今引き上げ、みずからの懐を県民の血税で肥やしていくことは、到底県民の納得のいくところでないと考えるものであります。合計五千万円を超える報酬の値上げをやめて、県民のために回すならば、例えば短大の授業料や助産料の値上げは直ちにやめることができるではありませんか。これらのことにつきまして、知事のぬくもりに満ちた御答弁をお願いするものであります。  次に平和の問題であります。我が党は昨年十二月議会で、我が県の喜界島、馬毛島が超長距離レーダーOTHレーダー基地の最有力候補になっているという新聞報道に関連し、政府に対して我が県へのOTHレーダー基地建設はいかなることがあっても許さないという断固とした態度を表明するよう、知事に対し強く求めたところであります。ところが知事は、地元にはまだ何も言ってきてはおらないので、この段階でどうこうと申し上げることは早計であると判断すると答弁されました。しかしながら、ことし一月十八日の新聞報道によれば、ホノルルで開かれた第十六回日米安保事務レベル協議で、日本側は当初有力と見られていた硫黄島の地盤が軟弱なため、南西諸島のいずれかの島が有力候補地となったとの検討結果を明らかにしたというのであります。いよいよ我が県の喜界島、馬毛島が有力候補地として、防衛庁の頭にあるということが明白になってきたのであります。決定が行われてからでは遅過ぎます。今こそ政府に対し、郷土の核戦場化につながるOTHレーダーの県内設置は認めないということを、県民の立場に立って表明されるよう再度求めるものであります。  また、我が鹿児島の隣接地である宮崎県えびの市では、潜水艦用超長波通信基地VLFが、防衛庁によって建設されようとしております。VLF通信基地の送信範囲は広大であり、我が国の主要海峡等の防衛に当たる潜水艦の行動海域に及び、中曽根自民党政治がねらう日米共同作戦体制づくりに基づく海峡封鎖作戦のかなめの軍事基地そのものであります。OTHレーダーといい、VLF通信基地といい、今や我が鹿児島を初め南九州全体が核戦争準備の重要な基地として、日米共同作戦に組み入れられようとしているのであります。平和で安全な郷土を願うならば、こうした状況を絶対に許すわけにはまいりません。知事が言われるように、安保条約があるから日本と郷土の平和が守られているどころか、まさに安保軍事同盟のもとで、郷土が核戦争の基地として提供されようとしているのであります。OTHレーダーとともにVLF送信基地にも明確に反対の態度を表明されるよう、知事の御答弁を求めるものであります。  さて、我が県内でも核戦争の危険のない、平和で安全な郷土を求める声は大きく広がり、非核宣言をした自治体が昨年一年間に急速にふえ、九十六市町村のうち二十一自治体で既に高らかに宣言を行っているのであります。今こそ県民の平和への願いにこたえるためにも、鹿児島県としても非核鹿児島県宜言を行い、錦江湾を初め県内の港への核艦船の入港拒否、OTHレーダーやACMIなど核戦争につながる基地を、我が県内への設置を認めないなどの措置を、勇気をもってとるべきであると考えるものでありますが、県民の平和と安全を守る立場から、明確な知事の御答弁をお願いするものであります。  次に、カーギル社の志布志臨海工業団地への進出問題についてであります。我が党はカーギル社の進出については、県内のみでなく日本の農業を守るという立場から、それこそ大局的立場に立って断固反対されることを強く要求するものであります。第一に、カーギル社は進出を希望するに当たって、県や農水省の指導は聞くが、他の企業がやっているようなことはやらせてほしいと要求していると言われますが、商社系の飼料会社など既にダブついた飼料を消化するために、直接間接にかかわらず畜産部門に進出してきていることは明白な事実であり、ほかの会社がやるようなことはやりたいというのなら、カーギルもまた飼料の製造、販売のみでなく、畜産部門への進出を頭に入れていることは明らかなことであります。競争の激化により、飼料が安くなるのではないかと期待の声もあることは事実でありますが、畜産、とりわけ農家畜産を守る立場に立つならば、カーギルの進出を許すことは、農家畜産に壊滅的打撃を与えることになるであろうことは想像にかたくないところであります。県当局はなぜか秘密主義で、選考基準などの公表を要求しても拒否しておりますが、志布志の工場立地に当たっての選考基準の第一は、県内産業の発展に役立つ企業であることとされていると聞いております。またそれが当然でありますが、果たしてカーギル社の進出が、県の産業発展に本当に役立つと考えておられるのかどうか、お答えいただきたいのであります。  さらに、児湯食鳥については、県当局は飼料の流通や畜産に混乱を生じる恐れがあるということを主たる理由として、立地を認めない方針を決定したと報道されておりますが、そうであればなお当然カーギルについても同様の理由で立地を拒否するのが当然であると考えるものでありますが、はっきりさせていただきたいのであります。農水省がカーギル立地を認める方向という背景には、日米貿易摩察の問題があるわけでありますが、こと農業に関していえば、全農などがアメリカに進出しているのは飼料の買い付けに行っているのであり、カーギルとは全く違う性格のものであります。ほかの分野の経済摩擦を解消するために、いつでも農業が犠牲にされる。カーギルの進出を許せば、県当局もまた鹿児島県農業を貿易摩擦の解消のためにいけにえに供するということになるのであります。  さらに、カーギル社は今、私たちは世界最大の穀物商社カーギルの種子部です。このたび日本の皆様に当社のハイブリッドの種子をお届けすることになりましたというようなパンフレットを、県内の農家へ郵送していると言われております。世界的な規制緩和を背景に、主要農作物種子法が改正されるときを見込んで、まず飼料用トーモロコシの販売網をつくり、これを基礎に日本の小麦を自社製の種子で塗りかえ、さらに中国進出の足がかりをつかもうとする戦略であると言われているカーギル社の真のねらいは、やがては米までもねらって、日本の主要穀物の種子を支配するものであるとも言えるのではないかと、心ある農民は懸念しているのであります。農業は国の最も基幹的な産業であり、目先のことにとらわれることなく、しっかりと先見の明をもって、鹿児島ひいては日本の農業を守っていくということが、今問われております。知事の御所見をお伺いするものであります。  国立病院、療養所の統廃合問題に移ります。鹿児島県内で統廃合、経営移譲の対象とされている国立病院、療養所は、霧島病院初めいずれをとってみても、今や地域の中核的な病院として、地域住民にとってなくてはならない存在であり、一層の整備と充実が求められこそすれ、統廃合などは到底許せるものではありません。このことは既に県議会初め県内すべての市町村議会で、統廃合反対の意見書や決議が上げられていることにもはっきりと示されているのであります。  そこで、まず知事にお伺いいたしますが、知事は我が、県の医療における国立病院、療養所の果たしている役割を、どのように認識されているのか。統廃合を許さないための取り組みを、どのようになさるお考えであるのか伺いたいのであります。  さらに今、今後の医療体制の整備充実の問題に関連して、重大な問題となってきているのは、医療法の改正に伴う地域医療計画策定の問題であります。国民の身近な地域でいつでも、どこでも、だれもが安心して医療が受けられるように、保険から予防、治療、リハビリまで一貫した医療体制を確立し、医療、福祉、教育を含めた総合的な計画をつくることはもちろん必要であります。ところが今回の医療法改正で言われている地域医療計画は、こうした国民の願う方向での計画策定ではなく、べッド数を総規制し、一定の数式で計算した必要病床数を超えている地域では、病院の新増設、あるいは増床に対して都道府県知事が増床しないようにと勘告ができるようにするものであり、勘告に従わない医療機関は、保険医療機関として指定しないなどという、自由開業医制の否定につながりかねない重大な問題も含み、医療費抑制のための地域医療計画とならざるを得ないものであります。今後知事の重要な責務として、臨調行革路線に基づいた医療抑制のための医療計画でなく、県民要求に基づく民主的な医療計画を策定していくことが問われていると言わねばなりません。  そこでお尋ねいたしますが、医療計画策定のための地域医療審議会は、県民の意向を十分盛り込むためにも、これまでの医療機関整備審議会のメンバーの枠を越え、勤労者や消費者の代表など広く一般県民の代表保険医団体や民主的医療機関の代表などの参加も保障していくことが、民主的審議会づくりに何としても必要であると考えるものでありますが、知事の御見解を求めるものであります。  さらに、知事が本気で国立病院、療養所の統廃合を許さない立場に立たれるならば、地域医療計画に明確にこの立場を具体化すべきでありますが、御答弁をお願いするものであります。  次に、テクノポリス問題に関連して、とりわけ進出合業の労働条件の問題についてお尋ねいたします。昨年の第一回定例会で、私は県内最大の大手誘致企業である京セラの過酷な労働実態、サービス残業の実態を明らかにし、実態調査と指導勧告を要求したところであります。  その後も労働者や家族から切実な訴えが続いております。ある母親は、地元に企業があるから助かると感謝しながら、息子を高校卒業後京セラに就職させた。ところが早く行かないとしかられると、朝は七時からそわそわして出ていくし、夜はいつも九時、十時だ。会社のために息子の青春はないのと同じだと、怒りをこめて訴えているのであります。しかもこうした京セラの劣悪な労働実態は、地域全体の労働条件を引き下げる役割を果たし、(発言する者あり)夜遅くまでの残業、サービス残業は当たり前という風潮を生み出しており(発言する者あり) 20 ◯議長(原田健二郎君)静かに願います。 21 ◯祝迫かつ子君 (続)大きな社会問題としてとらえなければならない問題ともなっているのであります。先月の十七日に、我が党は労働者からの訴えに基づき、労働基準監督署に申し入れを行い、大きな反響を呼んだところでありますが、労基署も一部実態調査に乗り出していることを明らかにしております。誘致企業と結ぶ立地協定には、労働基準法を守ることという一項が当然盛り込まれており、サービス残業など明らかに労基法違反を繰り返している京セラに対して調査勧告することは、労基署任せでなく、県当局の責任としても当然のことであります。昨年第一回定例会で強く要求もしております。これまで県当局はどのような調査をし、指導を行ってこられたのか。果たしてこうした実態をきちんとつかんでおられるのかどうか、お答えいただきたいのであります。    〔知事鎌田要人君登壇〕 22 ◯知事(鎌田要人君)昭和六十年度に引き続きまして、六十一年度以降三年間国庫補助負担率の引き下げが継続されることになりましたことについては、一昨日来るる申し上げておるとおりでありますが、今はやりの自治体いじめという言葉がありましたが、これはいじめというのはちょっと当たらないと思うんです。国も地方も苦しい、苦しい中で地方財政計画上やはり総体的に地方の方が余裕があるから、すまんが地方の方三年間助けてくださらんかと、こういうのが僕はありようの姿であったろうと思うわけでありまして、この陰湿なるいじめという言葉はちょっと適当でなかろうと思うわけです。ただ私どもがやはり戦後二十年余り地方自治に一貫して携わってきて痛感しますことは、やはり地方自治というものの存在意義、価値というものが、これだけ先人の努力にもかかわらず、まだ一般的に地方自治というのは大事なもんだという認識がないことでありまして、地方自治体に金をやるとすぐろくな使い方はせんと、こういったような言い方が、やはりマスコミ等におきまする世論の中にもあるわけでありまして、これは自治体自身の運営として、襟を正していかなければならないと思いますが、やはり民主政治の基本は地方自治にあると、その地方自治をやはり育てていくというこの価値と方法ということについて、もっと広くやはり国民的な理解を求める努力も必要であろうと、それに値する地方自治の実績をつくり上げることも必要であろうと、こういうふうに痛感をいたしておる次第であります。特に国と地方との間の地方分権強化の立場に立っての行政事務、あるいは財源配分の実現ということにつきましては、全地方自治体一丸となっての活動の中で、私も頑張ってまいりたいと思っておる次第であります。  次に、例の裁判抜き代執行制度の問題でありますが、これにつきましては昨日も申しましたように、いろいろの論議の末に、地方制度調査会の答申がなされたわけでありまして、これに対する処理ということがどういうふうに展開をされていくかということを、私どもとして見守ってまいりたいと思いますが、実感といたしましては、やはりこういった制度に手をつける前に、もっと手をつけるべき基本の問題があるじゃないかと、機関委任事務等の地方への移譲ということについて、もっと先にやるべきことではないだろうかと、こういう感じは率直にいって持っております。  次に、事務事業の見直し、これはもう行政体としてふだんの仕事、課題でありまして、これにつきましてはたえずやはりローリングといいますか、ある程度目的を達したもの、あるいはほかの手段でほぼ同じ目的の達成ができるものについては、これをスクラップして、新しいまた時代の要求に応じた事務をやっていくということは、もうこれは基本でありまして、それによって財源を生み出しながら新しい事務に充てていくと、こういうことであります。  次に、使用料、手数料の問題でありますが、これは財政が豊かであるから、乏しいからということじゃなくて行政におけるいわゆる特定の行政サービスによって利益を受ける人に、その受益に対する負担を求めるということでありますので、その点はきちっと御理解をいただきたいと思うわけであります。したがいまして、当然物価の上昇がありますし、そのサービスを提供するのに必要な経費というものが動かなければいいわけでありますが、やはり上がっていく、人件費も上がっていくわけでありますので、それに対するサービスを受ける立場からの負担はお願いをせざるを得ないということであります。そのかわり県民負担の面には十二分の配慮をいたしておるつもりであります。  次に、特別職の報酬の問題でありますが、これは御案内のとおり、現行の報酬額は五十五年七月に改定をされたままでありまして、この間におきまして全国のすべての都道府県が改定を終わっておりまして、先般特別職報酬審議会の答申の中でもあるわけでありますけれども、全国で低いというレベルにあると、その間に物価も上がっておる、一般職の職員給与についても所定の昇給措置が行われておると、各県においても五十五年七月以降、その間に多いところは二回おやりになっておるところもあるわけでありまして、その間に一遍も行われておらないのは我が鹿児島県だけだと、こういうことでございまして、行政改革下の推進、あるいは厳しい財政事情なども総合的に考慮の上、審議を尽くして一定の報酬額改定についての答申がなされたと伺っておるわけでございます。私といたしましては、このような答申の趣旨を踏まえ、また各県の状況等も慎重に検討をいたしまして、御提案申し上げておりますような報酬額の改定をお願いをしておるところであります。  次に、OTHレーダーの問題でありますが、これは現在防衛庁の中期防衛力整備計画の中で、研究段階にあると聞いておるところでありまして、地元にまだ何も言ってきていない現在の段階でありますので、こちらの方からどうこうということを申し立てるのは、早計であると考えます。  また、VLFの通信基地の問題は、これは隣県宮崎県の問題でありまして、私がとかく申し上げる立場ではございません。  次に、非核宣言の問題でありますが、これも毎回申し上げておりますように、我が国は史上唯一の被爆国として、核の惨禍を身をもって経険、体験したところでありまして、この核兵器のない世界を実現し、核の惨禍が二度と繰り返されることのないようにということは、これはもう国民共通の悲願でありますし、また世界に向かって軍縮を訴え、世界の平和と安全を希求していくということは、国是であります。そういうことで国民の間に深く定着をしておることでございますので、改めて県が非核宣言をする必要はないと考えます。  次に、カーギル社の問題でありますが、この問題につきましては、問題がこの議場においても提起されまして以来、一貫して私が申しておりますことは、内国企業、外国企業、もっともカーギル・ノースエイジアというのは内国企業でありますが、内外企業の区別をすべきではないということであります。これは御案内のとおり飼料工場は資本自由化の対象になっておる企業でありまして、したがいまして、この点から申しましても、いわゆる外国系の企業であるからということで差別をするということは、まさにこれはアンフェアということになるわけであります。したがいまして、基本的な考え方といたしましては、既にこれまでの志布志港の埋め立て計画の中で、立地を前々から言っておられました五社、これにあわせまして、全体の飼料の需給動向はどうであるかということが基本でありまして、その点についての判定をお願いをしておったわけであります。
     児湯食鳥の場合におきましては、これまたいささか私ども判断を異にしておるわけでございまして、この点につきましては詳細申し上げませんけれども、そういうことで、飼料の需給動向ということについては、農水省の方において、先般予算委員会においてもはっきり農水大臣が、これは国の所管の問題でありますということでございまして、この飼料の需給動向、あるいは我が国の畜産に与える影響というものについては、農水省としてきちっと対応をすると、こういうことをおっしゃっておられるわけでありますので、そのような線に沿っての指導、助言をいただきながら、私としては大局的な見地に立ってのこの問題の早期処理に当たってまいりたいということになるわけであります。で、日本農業の将来という問題は、この大局的な判断の中に当然入ってくるわけでございます。  次に、国立病院、療養所の統廃合の問題でありますが、これにつきましては当県議会におきましても意見書を出していただいたわけでありますし、私どもも知事会、全国知事会、九州知事会等を通じまして、統廃合の反対を言い続けてまいったわけであります。先般地元の関係の市町村の皆様と一緒に、これの存続の期成会をつくりまして、その皆様方と一緒に厚生省に陳情、要請に行ってまいったわけであります。国の方針は時間をとりますので、申し上げませんが、要するに本県の三病院というものが、国の物差しによって、これが統廃合の対象になると、いずれもこれらの病院は、それぞれの地域の医療の中核的な存在として、重要な位置を占めるわけでありますので、今の国の物差しのほかに医療過疎地域における医療機関として、中核的な役割を果たしておるところを何とか残せる方法はないかということでお願いをしておるわけであります。厚生省としては、よく地域の実情を把握をし、実態調査をやって所要の対応をしてくれるものと考えておりますが、なお引き続いて私どもとして手を緩めることなく、これが存続、あるいは充実についてのお願いをしてまいらなければならないと考えております。 23 ◯民生労働部長(湯田信義君)京セラの労働実態にかかわります調査、指導の問題でございますけれども、県といたしましては、昨年の八月に川内と国分の両事業所に、職員を出向かせまして、労働条件などについて事情聴取を行ったところでございますけれども、法に抵触するような事例は見受けられておりません。  なお、鹿児島労働基準局におかれましても、同じく昨年の八月に両事業所を調査されておりますけれども、法違反になるようなことはなかったというふうに伺っております。 24 ◯衛生部長(有川 勲君)国立医療機関の問題と関連いたしまして、地域医療計画の策定についてのおただしでございますが、地域医療計画につきましては、今後国から示されることになっております医療計画策定指針、いわゆるガイドラインでございますが、これに基づきまして医療関係団体、市町村、それから今後設置されることになります県医療審議会の意見を聞きながら策定することになっており、計画に盛り込むべき事項につきましては、今後詰めていく問題でございます。  なお、この審議会の組織などにつきましては、近く制定される予定になっております政令で明らかにされることになっております。 25 ◯祝迫かつ子君 自席から答弁が漏れた点についてお尋ねいたしますけれども、質問をよく聞いていただいて、答弁の漏れがないように、また質問しなかったことについては答えなくていいわけですから、しっかりと質問を聞いていただきたいと思います。  知事に最初に問いましたこの予算の問題で、中曽根内閣の軍拡の政治、そしてまた大企業奉仕の政治と対決しなければ、もはや私たちの暮らしも地方自治も守れないということを、私は強調いたしまして、この点についての知事の見解を求めておりますので、この辺をきちっと答えていただきたいと思います。  それから、工業開発促進条例など、これは大企業へのサービスも盛り込んでありますけれども、これを改めるべきだということも要求しております。この点についてもお答えいただきたいと思います。  それから、カーギル社の進出問題ですけれども、このカーギルの進出が県の産業発展に役立つと本当に考えているのかどうかと、この辺についてもう少し明快に答えていただきたいと思います。 26 ◯知事(鎌田要人君)質問はちゃんと伺っておったつもりでありますが、中曽根内閣の姿勢の問題、これにつきましては、共産党と私は大変意見を異にしておるところでありますし、何よりもこれは国政の問題、内閣の問題、国政のあり方の問題で、国会の場でこれは十分論議されるべき問題でありまして、国と地方自治体とはそれぞれこれは機能を別にしておるわけでありますので、そういう意味であえてお答えを申し上げなかった次第であります。  それから、工業開発促進条例、私はやはり残念ながら鹿児島県の場合には企業の誘致ということで、若い人たちが県内に残ってくれるということを考えなければ、鹿児島は発展しない。実はちょうどきょうも出がけに二月末の県の住民登録人口の集計を見ておりまして、大変寂しい思いがして、またこれは容易ならんこっだなあと思ったわけでありますが、自然減が始まっております。要するに若い人たちがいなくなったから、今までは社会減が始まってきましたが、今度は自然減が少しではありますけれども、出てきております。これは容易ならんこっであります。そういう意味でもどうしてもやはり県内産業を興すと同時に、県外からの企業の立地も図っていかなければならない。そういうときに各県ともみな、これはまあいい、悪いは別にして、企業誘致のよく経過を理解していただかないとですね、私の結論がわかっていただけなくて、いろいろとまた悪口を言われても困りますのでね、申し上げるわけです。そういう意味で、各県との誘致間競争ということに耐えてこれは頑張っていくためには、まだこれを廃止することはできない。  三番目、カーギルの進出、これにつきましてはまだ最終的にゴーというサインを出したわけではない。右するか、左するか、大局的な見地に立って判断をするといっておるわけでありますが、この企業の立地は、他の飼料工場の立地と同じように、本県の産業経済の振興に資することは間違いがないと考えております。    〔祝迫かつ子君登壇〕 27 ◯祝迫かつ子君 いろいろとお伺いしたいことはたくさんありますけれども、時間がございませんので、次に移ります。  鹿児島県港湾漁港建設協会という団体があります。港湾漁港関係の国及び県の公共事業を請け負っている業者の団体であり、いわば公共事業だけを請け負っている、半ば公共的性格を持つ団体で、県知事も毎年総会にはあいさつもしておられるわけであります。言うまでもなく、いかにこうした団体の構成員であろうと、憲法に保障された思想、信条の自由は、すべての構成員及びその従業員に保障されなければなりません。ところがことし一月二十八日付で、この港湾漁港建設協会会長門口与志雄及び自由民主党鹿児島県黒潮会会長川畑堅三両名の連名で、昭和六十一年度自由民主党党費の納入についてという文書が、この協会の会員である建設業者におろされております。知事にもごらんいただいているとおりでありますが、一人四千円の党費を定められた納期日八月三十一日までとなっているが、参院選の関係により、本部から納入の期限の繰り上げもあるとして、早期納入を要請されたというもので、参考事項には、昨年度も数社から職員の退職等で名簿変更をしたいと申し入れがあり、手続の上変更したので、本年度も変更するものがあれば届けをしてほしいなども記載されているのであります。このことは第一に、この港湾漁港建設協会なるものが、業者の任意団体というものではなく、れっきとした自民党の組織であることをはっきりと裏づけているのであります。第二に、こうした中で共産党への訴えが寄せられているように、この協会に加盟している建設会社では、従業員の思想、信条にかかわりなく、自民党への強制加入がまかり通り、党費も会社が直接負担していることを示しているのであります。  さらに、昨年の九月議会で明らかにしたように、この同じ港湾漁港建設協会の名前で、宮崎茂一励ます集いのパーティ券が、加盟業者に強制的に割り当てられるということがございました。しかもその会員に均等割りで十枚ずつ、そして五十九年度の公共事業の事業実績で割り振って、それぞれの業者の買い取りの枚数を決めているのであります。まさにこのことはこの協会が港湾族と言われる宮崎茂一代議士の集票機構、資金集めの機構として私物化され、しかし県民、国民の血税で行う公共事業を、その道具にしていることが明らかとなったのであります。  知事にお尋ねいたしますが、あなたは自民党幹部の一人として、こうした憲法違反の状況がまかり通っている実態、職場に憲法のない状況について、一体どのようにお考えであるか。公共工事が特定政党、自民党の集票や資金集めの道具にされているこの実態について、知事としてどのようにお考えか、お答えいただきたいのであります。  次に、選管委員長にお尋ねいたします。公職選挙法の第一条では、この法律は日本国憲法の精神にのっとり、衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長を公選する選挙制度を確立し、その選挙が選挙人の自由に表明する意思によって、公明かつ適正に行われることを確保し、もって民主政治の健全な発達を期することを目的とするとありますが、こうした企業ぐるみの自民党への入党強要、さらには公共工事を食いものにして資金集め、票集めをするやり方を許して、果たして選挙人の自由に表明する意思によって、公明かつ適正に行われることが確保され、民主主義の健全な発達が期されるものなのかどうか。こうした行為は明らかに利益誘導買収にも当たるのではないかと思いますが、公選法の精神に照らしてお答えしていただきたいのであります。  さて、新たな情報化社会への対応ということで進められてきた鹿児島市のテレトピア構想は、昨年十一月郵政省のモデル地域の指定を受け、四月には第三セクターのキャプテン鹿児島が設立され、ビデオテックスによる情報提供が始められる運びとなっており、本議会に予算も提案されているところであります。将来は鹿児島県全域を覆う情報網確立を構想しながらの第一歩が始まろうとしているわけでありますが、言うまでもなく情報の提供は、社会全体に大きな影響を与える重要な分野であります。お金のない中小零細業者やさまざまな民間団体なども平等に情報を流すことができるように、どのように保障していくのか。誤った情報が流されたとき、直ちに訂正する権利はどのように保障されるのか。例えばあの豊田商事のような悪徳商法の宜伝がされるというようなことを防ぐ手だてはどうするのか。プライバシーの保護はどうするのかなど、山積みしている問題について十分に対策をとり、県民に安全で確実な情報を提供し、また県民が平等にこのシステムを活用できる体制づくりが何よりも重要であります。情報がもし操作されるようなことにでもなれば、社会に重大な事態をもたらすことになりかねないだけに、慎重で十分な対応が求められているのであります。  そこで知事にまずお尋ねいたしますが、知事は今述べましたようなことに対する対策、体制づくりについて、どのような手だてをとっておられるのか。キャプテン鹿児島の発足は、十分にこうした問題について論議が尽くされ、手だてがとられた上でのことであるのか、お答えいただきたいのであります。  大切なことは研究、開発の段階から自主、民主、公開の原則が貫かれなければならないということであります。ところがこのたびの第三セクターキャプテン鹿児島の設立は、初めから県と市のほかは南日本新聞社、南日本放送、鹿児島銀行、山形屋、岩崎産業、南国殖産という県内の大手企業が発起人となって進められ、しかもほかの資本の提供者も広く公募して公開の原則のもとに募るということではなく、いわば枠をはめて発起人の意にかなうものを出資者に加えるという、閉鎖されたシステムで募集が行われております。ここでは民主、公開の原則など吹き飛んでしまっているのであります。現に鹿児島市で既に昨年四月からビデオテックスサービスを始めている民間の中小業者が出資を申し込んだところ、軒先を貸して母屋をとられることになる、募集は縁故でするなどと言われ、門前払いされる事態が起きているのであります。こうした事態を見るにつけ、県民に対して公正、公平であるべき行政が、県内の大手企業の利益を図り、中小業者は排除して、ビデオテックスによる情報の提供を独占させることになる。情報もまた大企業に有利な情報が流されていくことになるのではないかと、県民としては危惧の念を抱かざるを得ないのであります。知事の御答弁をお願いするものであります。  ビデオテックスによる情報提供という新分野に意欲に燃えてチャレンジしてきた鹿児島市内の中小業者が、今キャプテン鹿児島、言うならば県当局の手によって生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされております。こんなことが許されてよいはずはありません。知事はこの業者に対し、果たしてどのような責任をとられるつもりであるのか、あわせて明快にお答えいただきたいのであります。  次に、湯之尾の地盤沈下問題であります。地盤沈下が始まってから既に一年七カ月経過し、地元では集団移転が具体化しつつあるものの、今なお一日一ミリと沈下は続行し、移転問題、暮らしの問題、商店や旅館の経営の問題等、問題は山積しているのであります。六十年五月末にまとめられた湯之尾地区地盤沈下問題検討委員会の最終報告は、原因は特殊な複合災害としながらも、住友金属鉱山の温泉水の大量抜湯を原因の一つとして挙げております。鉱山の採掘を許可し、大量の温泉水の抜湯を認めてきた国や県の責任はまことに大きいと言わなければなりません。三月議会での私の質問に対しての知事の答弁に、ある給湯センターを設けて給湯しているから、温泉は確保されている。温泉法に基づく特別の措置の必要はないという知事の判断は、余りにも被災住民を無視した、住友金属側に立った上での判断と言わなければなりません。住友金属鉱山は移転費用など合計五億六千万円菱刈町に拠出しているわけではありますが、第一次、第二次に指定された住民の方々に対しては、曲がりなりにも土地と再建築など費用が賄われるにしても、第三次と指定された人たちは、このままでは移転の際も補修費程度しか出ないとなっているのであります。しかも生活の補償、経営の補償は全くといっていいほどなく、果たして移転しても商売でやっていけるのか。商売や旅館業のためには現在地の方がずっといいのではないかなど、住民の不安と焦燥ははかり知れないものがあります。被災住民の抜本的救済のためにも町任せでは事は済まされません。知事は住友の立場よりも、まず住民の立場に立って、被災住民が納得して移転できるように、また地盤沈下による経営の悪化などにも営業補償など必要にして十分な措置がとられるように、住友金属鉱山に対し強く要求していかれるべきであると考えるものでありますが、御答弁をお願いするものであります。  また事業税、県民税などとあわせ今後生じてくる不動産取得税についても、速やかに免税の措置を講ずるべきであると考えますが、対応をお聞かせいただきたいのであります。  最後に、円高差益問題であります。最近の異常な円高と原油価格の値下がりは、輸出を中心とする中小企業などへは深刻な経営不振で、操業不能にすら追い込んでいる一方で、電力、ガス、石油業界などの大企業では、円高による膨大な利益が出ているわけであります。現在の一ドル百八十円前後が続けば、今の電力、ガス料金が一九八〇年に一ドル二百四十二円の為替レートで値上げ許可がされてから、原油輸入値下がり分なども含めると、電力、ガスなどの大手会社が手にするもうけは年間四兆四千億円にも上り、地元九州電力も例外ではなく、昨年九月期決算でも経常利益は二百六十八億円、円高による差益は七十億円に達し、さらに輸入原油の値下がり分までも加えると、これを大きく上回ることになるわけであります。我が党は再三にわたり国民の暮らしを守る立場から、九州電力に対しても電気料金の値下げを要求してまいりました。円高はそもそもアメリカの要求に従って貿易摩察解消のために、政府によって意図的につくり出されたものであり、円高で苦しむ国民の利益を守るのはもちろんのこと、円高によって何ら労することなく懐に入った莫大な利益を、勤労県民に還元するのは当然のことであります。  そこで知事にお尋ねいたしますが、不況に苦しむ県民の立場に立つならば、電力、ガス料金、石油製品価格値下げの形で、直ちに円高差益を県民に還元すべきだと思いますが、こういう立場で九州電力などに強く働きかけを行うよう要求するものであります。県民の立場に立った御答弁を求めるものであります。    〔知事鎌田要人君登壇〕 28 ◯知事(鎌田要人君)今この資料をいただいての御質問でありますが、これを見ておりますと、本年度党費の納入について云々というものでありまして、これをもって自民党に対する企業ぐるみの入党強要ということになるのかどうか、これでは判断ができないわけでありまして、これをもって思想、信条を強制しておると、こういうことにはならないのではないかと思います。  また、宮崎茂一を励ます会、パーテイ券、これはもう私は当事者でも何でもありませんし、こういうことがどういうことで行われたのか、ここで聞かれても私には答弁のしょうがないということであります。 29 ◯選挙管理委員会委員長(松村仲之助君)ただいま資料をいただきまして、目を通したところでありますが、企業が党費を納入することが選挙法に違反するかというふうな御質問でありますけれども、この書面からだけではなかなか判断しにくいのでありまして、御承知のように選挙法に違反するかどうかというようなことは、まず事実を正確に把握しまして、その条文に該当するかということを調べるわけでありますが、選挙管理委員会は本来捜査の機関でありませんので、ある行為や犯罪行為に該当するかどうかはですね、直接には我々の職責ではない、また捜査の権限もないわけであります。ただおっしゃる趣旨が、選挙法が冒頭にうたっておるような、選挙人の自由な意思の表明が、民主主義の根幹である、まさにそれはおっしゃるとおりであります。で、自由な意思に基づく投票は秘密投票がこれを担保しておるわけでありますけれども、本来は何といっても選挙人の自覚であります。そこで私どもは選挙人の自覚を促すために、もろもろの啓発をいたしております。市町村選管、それから多くの明るい選挙推進協議会と一緒になりまして、あらゆる機会を通じて、選挙は自由な意思を表明する機会である。そして自由な意思に基づかなければならないことを多くの謀体を通じ、あるいは指導者の研修会を通じパンフレットを出し、そして選挙時にはなおテレビ等でも具体的に説明をしているところでありますので、今後ともおっしゃる趣旨の自由な意思に基づく選挙という点では、鋭意啓発に努めていきたいと考えております。 30 ◯企画部長(横田捷宏君)ニューメディア関係でございますけれども、当然ながらニューメディアも公共的なメディアでありまして、正確さ、公正さ、あるいはプライバシー問題等々に適切に対処しなければならないわけでございまして、キャプテン鹿児島の準備委員会におかれましても、既に自発的にいわゆる倫理規定等の検討に入っておられますので、そういう検討を、全国の状況等も見ながらではありますけれども、促進してまいりたいと思っております。  それから、鹿児島のある中小企業の先駆的なニューメディアの取り組みをとらえての御質問でございますが、昨日の御質問、あるいは答弁等でもありましたように、ニューメディアというのはいろんな方式がありますし、ビデオテックスだけを取りましても、世界に三つありまして、それから先ほどおっしゃられた企業は、今鹿屋でやろうとしております、北米のナプルプス方式というもので、これもスタンドアロンといいますか、一つ一つのものをおいてやる、ネットワークをつくらないという仕組みで実験をしておられるわけでありますが、キャプテン鹿児島はいわゆるローカルキャプテンということでございまして、ソフトの開発をベースにしながらデータベースづくりをいたしまして、これを将来全県べ―ス、とりあえずは市内というネットワークでやっていくと、そういうチャレンジングな取り組みでありまして、初期投資、その他大変な苦労がこれからそれは始まっていく事業であるわけです。そういうことで国もモデル事業としての支援もされ、県、市も最低限の出捐ということをお願いいたしておるわけでございます。その他の民間の募集等の方法につきましては、商法にのっとりまして、先般の発起人総会で適正に定められた次第でございます。  また民間のこのキャプテン鹿児島との協力関係といいますのが、単に出資という形だけでなくて、まさにこれからITと申しますか、情報提供者の募集の問題、端末設置の問題と、いろんな形で中小企業、我々公的立場も含めた協力関係が構築されてまいりますので、そういう中で先ほどの御指摘の問題も円満な解決もし得るんではないかと思っております。いずれにいたしましても、これが県の責任云々ということは全く当たらないと、こう考えております。 31 ◯総務部長(澤井安勇君)湯之尾地区の地盤沈下の問題でございますが、さきの湯之尾地区地盤沈下調査検討委員会の最終報告におきまして、極めて特殊な複合災害であるとされているところでございます。地元菱刈町におきましては、住友金属鉱山から受け入れました寄付金五億六千万円で、湯之尾地区地盤沈下対策基金を設置いたしまして、新しい湯之尾の町づくりに取り組んでいることは御案内のとおりでございます。被災者対策に充てます地盤沈下対策基金の使途につきましては、移転補償費等も含めまして、地元代表者も参加いたしました湯之尾地区地盤沈下救済対策委員会というものをつくっておりまして、ここで決定されているところでございます。その基本的な考え方は、移転用地に移る場合には現有地の広さの二・五倍の土地と等価交換いたしまして、家屋は被害の甚だしいものについては再建築価格を、その他のものにつきましては補修費を支払うこととしております。県といたしましても、この委員会での論議を踏まえまして、菱刈町当局、地元の方々、さらには住友鉱山が一体となりまして、新しい湯之尾の町づくりが進みますよう指導さしていただくとともに、昨年の九月からは中小企業体質強化資金の中に、地盤沈下にかかる資金の金利がございますが、これを引き下げまして、旅館や商店街など地元中小企業の経営改善にも努めているところでございます。  次に、被災者に対します税の減免の問題でございますが、条例に基づきまして、現在昭和五十九年度から個人県民税及び個人事業税の減免措置を講じております。御指摘の不動産取得税につきましてでございますが、今後移転が進みまして、具体的な事例が生じてきた段階で条例の規定に従いまして、また被害の状況等に応じまして検討をいたしてまいりたいと考えております。 32 ◯議長(原田健二郎君)あと残された時間は一分です。 33 ◯県民局長(萩之内照雄君)円高差益についてのお尋ねでございますけれども、最近の円高、原油安に伴います電力料金等に対する差益の還元につきましては、既に国及び関係業界におきまして、いろいろと論議をされているところでございまして、現在六十一年度差益につきまして、電力料金等の値下げを含めた差益充当策についての検討がせっかく進められているところでございますので、県といたしましては、国及び業界の動向等について見守ってまいりたいと、このように思っております。    〔祝迫かつ子登壇〕 34 ◯祝迫かつ子君 いろいろと御答弁をいただきましたけれども、まことに歯切れが悪い。企業において思想、信条の自由が守られていないという事実は、これは厳然たる事実としてあるわけであります。曲がりなりにもこういうことがないように、今後対策の強化を、自民党の知事としてとりわけ私はお願いしておきたいと思います。大企業本位の政治ではなく、県民の立場に立った政治をあくまで遂行されるように強くお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。 35 ◯議長(原田健二郎君)ここで、休憩いたします。  再開は、おおむね午後一時十分からといたします。         午後零時 五分休憩       ─────────────         午後一時 十分開議 36 ◯議長(原田健二郎君)再開いたします。  浜田みのる君に発言を許可いたします。    〔浜田みのる君登壇〕(拍手) 37 ◯浜田みのる君 県の総合計画二年次の年に当たっておりまして、さきに成立をいたしました半島振興法とともに、県下九圏域の広域市町村整備計画がすべて実施計画の段階に移ることから、数点にわたって質問をいたします。  まず半島振興法に関してでありますが、昨日、一昨日来の代表質問と一部重複するところもございますが、若干角度が違う立場から質問を進めてまいりたいと存じます。  昨年、第百二国会で成立いたしました半島振興法は、国土審議会半島振興対策特別委員会におきまして、対象地域の指導基準が決定をされ、国土庁は指定地域の選定作業を進めてまいりましたが、去る二月二十四日、全国五十一半島、三十一道府県の中から薩摩・大隅両半島を含む十九半島道府県を選定をいたしまして、三月末これらを国土審議会に諮問の上、指定をする方針と言われております。これら十九半島は一次指定の有力候補とされておりますが、今後半島振興法について、地方債や税制上の特別措置及び金融上の措置が期待をされればされるほど、残る大部分を占める三十二半島道府県がこのままおさまることはないと思います。  したがいまして、テクノポリス指定同様の指定争奪戦が展開されることは必至であります。薩摩半島が鹿児島市を除く串木野、日置郡以南、大隅半島が曽於、肝属両郡と鹿屋市を含む半島全域が基準を満たしていると知事も答弁されておりますが、これは鹿児島市を除く本土の面積、人口ともに四〇%強に相当するようでございます。串木野北西部が川北薩串木野モデル定住圏計画策定圏域で、これがまた鹿児島市を除く本土の人口面積ともにおよそ二四%、それから国分・隼人を中心とするテクノポリス指定圏域が、鹿児島市を除く本土面積の一四%で人口の一六%を占めております。こうして見てまいりますというと、鹿児島市を除く本土の面積の七八%、人口の八〇%がいずれかの振興地域指定の網をかぶることになり、奄美振興及び離島振興とあわせまして考えていきますというと、すべての県士が県の総合計画を裏打ちする形になると考えられます。  既に当該半島地域では、半島振興法に大きな期待が寄せられており、またぞろ夢の振興に過熱をするんではないかと懸念をいたします。半島振興が基幹的な道路、港湾、空港、鉄道、バス等の交通施設を初め、広域的かつ総合的な措置を講ずるとしておりますからには、国鉄ローカル線も改めて脚光を浴びてよろしいかとも考えます。両半島が地域指定を受けた場合、知事は関係市町村と協議の上、これは六十二年度からとなりますか、の実施を目指しまして、振興計画の策定に取り組まれることになりますが、さきに策定された県の総合計画と目標年次が同じになりますことから、県の総合計画を推進する上で半島振興法の果たす役割について、どのようにお考えかについて見解をお聞かせください。  また同法や同法審議の過程で、この法律の実効性を高めるために、国庫補助金の補助率の引き上げや地方債の優先的な取り扱い及び企業の設備投資を誘発する固定資産税や事業税などの減税措置による効果が取りざたされておりますが、どのような見込みに立っておられるか見解をお尋ねをいたしたいと存じます。  次に、川北薩・串木野モデル定住圏計画についてであります。  三全総におきまして、五十から百世帯の居住区が単位となりまして、複数の居住区で定住区を構成、それらの定住区が都市、農漁村、山村が一体となった定住圏を構想するという定住圏構想から、全国四十都道府県で県庁に近く極度の過疎過密のない地域が選定をされまして、モデル定住圏計画が指定をされ、その一つとして川北薩・串木野モデル定住圏計画が昭和五十四年に策定をされ、昭和五十六年度から実施され、今日に至り六年目を迎えております。川北薩・串木野モデル定住圏計画とは言っても、三全総の定住構想がそうでありますように、具体的な雇用政策や企業の立地誘導策が見当たらず、県総合計画の焼き直しにすぎない感じがいたします。六十一年の当初予算に川北薩・串木野モデル定住圏の推進予算、十四億八百四十三万余円が計上されておりますが、うち串木野新港整備事業十三億五千万円が含まれ、地域行動推進事業としては、宮之城の竹林産業への並み並みならぬ地元の熱意にこたえて、伝統工芸の保存継承の拠点的施設として、伝統工芸センターの建設費三千五百八十六万余円が計上されております。大いに評価し歓迎するものでありますが、この事業が同モデル定住圏計画における地域行動計画の中で唯一の事業で、このほかに行動計画を支援促進するための独自の計画はなく、通常ペースの助成事業が収録された定住圏計画にすぎないと思えて仕方がありませんが、今後の進め方について知事に特段のお考えがあれば、お示しを願いたいと存じます。  第四点といたしまして、以上のような広域圏域における振興計画が固有の財源がなく、また自治体間の行財政面における格差からも広域事業の進め方の困難さが取りざたをされております。住民の多様化したコミュニケーションあるいはスポーツ、レクリエーション、こういった合理的な機能的な配置などについて市町村の自治権を尊重しながら、広域定住圏の建設について、指導性についての方針があれば、お聞かせを願いたいと存じます。  最後に、これらの広域定住圏計画建設におきまして、国分・隼人テクノポリス建設におきますように、工業技術総合センターが、この地域に建設をされたわけでありますが、このような施設を地方分散することや、あるいは同国分・隼人テクノ地域におかれますように、開発機構再保証基金事業などのような事業を伴う行動計画が、各地域における定住社会づくりの基本にあるべきだと考えるのでありますが、知事のお考えをお聞かせください。  次に、志布志湾国備基地に関連をしてお尋ねをいたします。  これは党の代表質問としての取り扱いが適当と考えておりましたが、時間の関係で個人質問として取り扱わしていただくものであります。  柏原、硯石両漁船だまりの工事が今進められていますが、この工事着手に当たって漁民に対する漁業補償も全員にわたる着工への同意も得ていない違法な埋め立てだという不満の声を聞いております。工事着手への手続上、法的に不備があるのではないか、お尋ねいたします。  公有水面埋立法第八条第一項によりますと、「埋立ノ免許ヲ受ケタル者ハ損害ノ補償ヲ為スヘキ場合二於テハ其ノ補償ヲ為シタル後ニ非サレハ工事ニ着手スルコトヲ得ス但シ其ノ権利ヲ有スル者ノ同意ヲ得タルトキハ此ノ限ニ在ラス」とあります。要するに柏原、硯石両漁船だまりについて言えば、埋め立て免許を受けている鹿児島県は埋め立てを着工するに当たって、柏原、硯石の漁民に工事に伴う損害の補償をするか、もしくは関係漁民全員の同意を得るかのいずれかを得なければ、工事に着工することはできないとされているのです。  一点目の漁業補償については、県は裁判の諸書類の中でも補償費は含まれていないと言明し、さらに監査委員会の中でも県は漁船だまりは漁民のための施設だから補償は要らない、従来も全く補償していないと言明していますので、漁民が補償がなされていないことは、県も認め、はっきりとした事実であります。  二点目の漁業権者の同意についても、着工への全員の同意を得られていないのであります。したがって、両漁船だまりの建設は公有水面埋立法第八条第一項の手続を得ていない。すなわち、着工への条件が満たされていないので、違法な埋め立て工事であります。したがって県は直ちに工事を中止すべきであると強く警告するのでありますが、知事の所見をお伺いするものであります。  次に、国連婦人の十年の最終年に当たりまして成立をいたしました男女雇用機会均等法に関して質問を申し上げます。  これは来る四月一日施行の運びとなっていることに関して質問をするのでありますが、雇用の分野における男女平等の実現は、国際的な流れであり、雇用労働者の三分の一を占める女性労働者が募集、採用、配置、昇進の上で受けてきた差別から開放されることは、基本的な人権と人間の尊厳の上からも、今日的な大きな課題であります。しかし今回施行される男女雇用機会均等法は、男女平等の取り扱いを単なる企業努力とし、また差別された女性労働者を迅速かつ効果的に救済する機能が整備されていないことから、この法律施行に当たっては十分な行政指導が望まれるところであります。このことに関しては、経営者の関心も高く、県も啓発、啓蒙に乗り出しております。男女の永年にわたる歴史の中で定型化された役割、偏見や慣習を払拭していくためには多くの努力が必要と考えられます。基本的人権と一層の歩みをたどりますと、一七七六年アメリカの独立宜言にすべての人間は平等につくられているとうたわれた、すべての人間とはオールメンとなっており、すべての人間に女性は含まれていないと言われております。  またフランスの人権宣言も、男性と男性市民の人権宣言となっておると言われ、原始女性はみずから輝く太陽であったという原始時代の母系社会も、民主主義の元租を自負するアメリカ、フランスにおいてさえ、輝きを失ってきております。メンドリが鳴けば日が西から昇ると、女性が表に出ることが自然の摂理に逆らうことのようにしてきた特に封建性の強い鹿児島で、女性の差別や偏見をぬぐい去ることは、容易ならぬことと言えましょう。  本県における進出企業の中で、規模三十人以上の事業所の雇用状況を見てみますというと、学卒の求人は男子に比べて女子が一四三%、採用において一二一%、一般の場合でも女性高の求人となっております。これは女性の雇用優位の姿ではなくて、低賃金、雇用不安定型の企業の実態であります。このような本県の雇用状況の中で、男女雇用機会均等法とそれに伴う改正労働基準法及び規則の運用については、男女雇用機会均等法の施行については、労働行政の分掌で改正労働基準法の運用は基準監督署の所管である、また紛争解決は婦人少年室に設置される機会均等調停委員会が分掌をすることになりますが、懸念される数点について質問をいたします。  まず第一点は、法施行についての基本的な取り組みについてであります。労働基準局や婦人少年室に任せるだけでなくて、募集採用の直接窓口を持つ職安行政や婦人の地位向上の点からも、県としても積極的な指導が必要であるが、どう対処されるおつもりか、お尋ねをいたします。  また配置、昇任については、県政の中における女子職員の均等な取り扱いを知事みずから範を示すべきでありますが、どのように処遇をされるおつもりか、お伺いをいたします。  第三点は、再雇用特別措置について行政機関における、これは国家公務員、地方公務員は除外をされるということになっておりますが、この行政機関におけるあり方と民間事業所への指導についての考え方をお尋ねをいたします。これは男性の定年が延長されたにもかかわらず、女性が二十歳から三十歳代に結婚、出産、育児という労働力が急激に低下をするわけでありますけれども、三十歳代後半以降、育児終了後の再就労に大きなハンディを余儀なくされることに対する措置についてであります。  第四点は、時間外労働、休日労働の運用について、もっぱら基準監督署の携わる分野でありますが、現行規定が廃止をされることになります専門業務従事者や、あるいは管理職を最小単位の組織の長という表現になっております関係で、これは拡大解釈の恐れが多分にあります。また非工業的な業種につきましては、従来の一週六時間以内の制限の時間外労働が四週二十四時間となっており、休日労働が四週一日とされております。そういう関係から運用によりましては、女子労働者に過酷な時間外労働や休日労働がとられる恐れが多分にありますので、強力な行政指導が必要と思われるのでありますが、これについての御決意を伺いたいと存じます。    〔知事鎌田要人君登壇〕 38 ◯知事(鎌田要人君)半島振興法は御案内のとおり、半島振興対策実施地域内の基幹的な交通通信、産業基盤、生活環境の整備等、広域的かつ総合的な施策を内容としてこの半島振興計画を立ててまいります。  また、半島振興法に基づく税財政金融上の特別措置につきましては、昨日来申し上げておるところでありますが、開銀の融資あるいは税制上の減価償却の特例とか、固定資産税の減収に見合う交付税措置、また地方債の優先配分、公共事業の傾斜重点配分等が行われることになっておりまして、これは薩摩・大隅私どもが期待をいたしております地域、ほぼこの地域で決定を見ると思いますけれども、その地域内におきまして、一方において県新総合計画、これの目標でありますところの調和のとれた定住社会づくり、これの内容を構成をすると、いわば表裏一体という関係にありまして、私どもの計画の裏打ちもなす役割を果たすものでございますので、地元市町とも緊密な連携のもとに、さらに国の一層の支援措置の充実強化も求めながら、半島地域の振興が図られるように努力をしてまいりたいと考えておる次第であります。  次に、都市機能の地方分散の問題でありますが、鹿児島県南北六百キロあるわけでありまして、薩摩・大隅それに二十八の有人離島ということでございますので、どうしても今までの歴史的な経過の中で、鹿児島市に極度の一点集中ということでございますが、これではやはり県土全体の調和のとれた発展というのは難しいわけでありますので、例のテクノポリスでありますとか、アトムポリス、大隅開発計画あるいはバイオポリス、離島それぞれの奄美の振興計画等でそれぞれの充実を図ってまいりますが、少なくとも県本土におきまして、鹿児島市に次ぐナンバーツー、ナンバースリー都市、二けたの都市をつくりたいというのが、私の知事就任以来の念願でございまして、そういったこととの関連で、都市機能の地方分散ということにつきましても、極力これを図ってまいりたいと、特に道路網が整備され、ニューメディアが整備されますと、昨日も申しました東京・大阪と鹿児島、この間が時間的に短縮をされるということと同様に県内におきましても、そういう時間短縮の効果が出てくるわけでありますし、そういう意味で県の施設につきましても、合お述べになりました工技センターを初め、栽培漁業センターあるいはフラワーセンター、あるいは情報処理教育センターと、こういったもの等の広域分散を図っておるわけでありますが、今後もこのような施設の機能あるいは利用形態、利便性、関連施設との関係、地域的な配置状況等の諸条件を総合的に勘案しながら、設置場所を決定してまいりたい。それによりまして、県土の調和ある発展の一つの足がかり、基礎というものをつくってまいりたいと考えておる次第であります。  次に、男女雇用機会均等法の施行の関連でございますが、御案内のとおり、県はこれまでも勤労婦人実態調査を実施いたしましたり、各種の労働問題懇話会の開催、広報紙やマスコミ等を通じまして、男女雇用機会の均等を実現するための啓蒙、啓発に努めてきたところでありますが、この法律の成立を契機といたしまして、所管をしておられます婦人少年室、労働基準局、それぞれにこれは所管庁としての趣旨の徹底を図っておられるわけでありますが、県といたしましてもこれと緊密な連携を取りながら、特に今述べられました労働時間の問題、あるいは三十歳代後半の雇用機会の確保、こういった問題等につきまして、女子のライフサイクルを踏まえましての法制定の趣旨に沿った適切な雇用管理がなされますように、事業主あるいは一般に対する普及啓発、また改善指導を直接には事業体に対して行ってまいりたいと考えておる次第であります。  次に、県みずから率先して範を示すべきではないかと、御案内のとおり地方公務員におきましては、従来から地方公務員法によりまして、男女を問わず、平等取り扱いの原則が明定をされておるわけでございまして、そういった関係から今度の男女雇用機会均等法でも雇用の分野における男女の均等な取り扱いに関する条項は、適用除外になっておるわけであります。  本県といたしましては、従来から女子職員の採用並びに登用等について、意を用いてきているところでありますが、今後とも本人の能力適正に応じ、積極的な登用配置を図ってまいりたいと考えておる次第であります。 39 ◯企画部長(横田捷宏君)モデル定住圏の関係でございますが、御指摘のとおり、予算の発表の段階ではその部分だけを整理いたしておりますけれども、モデル定住圏計画のいわゆる戦略的事業、特別事業というものが六十一年度も引き続き、関係市町村との連携によって推進されるわけでございます。  例えば農道でございますとか、あるいは県営圃場の整備、あるいは漁港でございますとか、そういった農林水産業を通じます生産基盤の整備、あるいは地場産業の育成でございますとか、中核的な工業団地あるいは石油備蓄基地、さらには観光スポーツ、レクリエーション施設の整備等々の事業数十項目の戦略事業というのがあるわけです。これを進めていくということにいたしております。  また昨年の秋、御承知のとおり、モデル定住圏計画がローリングの年ということで、改定計画をつくりましたが、その中ではこれまでのハードの事業に加えまして、例えばおいどんがまちの自慢づくりと、あるいはニューメディアへの対応の計画と、あるいは川内港の開港の問題と、もろもろのソフト面の事業も取り込みまして計画内容の充実を図っておりますので、今後とも関係市町村との連携のもとに、また国の施策の充実を求めながら的確な推進に努めてまいりたいと思います。 40 ◯総務部長(澤井安勇君)広域圏の問題でございますが、市町村におきます公共施設の整備などにつきましては、これまでも県下九つの広域市町村圏ごとにその機能や規模に応じ、または広域の生活圏等考慮いたしました適正で合理的な配置がなされますように、指導してまいったところでございます。  最近国におきまして、地方制度調査会の報告に基づいて広域市町村圏の機能強化を含め、広域行政制度のあり方など検討されているようでございます。  県におきましても、このような動向を踏まえながら、各広域市町村圏がその連絡調整機能をさらに発揮いたしまして、より効率的な施設の設置が行われますとともに、施設の管理運営やサービスシステムの充実が図れますよう、今後とも適切な指導をしてまいる考えでございます。 41 ◯土木部長(内田勝士君)波見港柏原地区及び硯石地区の漁船だまりについては、従来から地元の強い要望に基づきまして、波見港港湾計画における漁業振興対策の主要な柱として計画したものであります。  お尋ねの件については、東串良及び高山町両漁港とそれぞれの漁業補償交渉委員会において、柏原、硯石地区の漁船だまりについては、補償対象にしない旨の説明をし、同交渉委員会の了解を得、それを踏まえて両漁協の総会において同意されたものでございます。  したがいまして、公有水面埋立法第八条第一項にいう損害の補償をなすべき場合には該当せず、違法な埋め立て工事には当たらないものでございます。    〔浜田みのる君登壇〕 42 ◯浜田みのる君 御回答をいただいたところでございますが、半島振興法につきましては、財政措置がまだ明確でございませんし、今後この実効性を高めるための財政特例法制定等の動きもあるようでございますが、そのような誘導措置がなければ、これは画餅に等しくなります。いろんな振興計画がやたらと張りめぐらされるだけでは、大変困るわけでございます。特に広域市町村圏の整備におきましても、県下九圏域がそれぞれ実施計画の段階に入っているわけでありまして、それこそあらゆるこの地域振興策が県下に花一面という感じがするわけでありますけれども、無精卵を抱くようなむなしい振興計画であっちゃ困ると思うわけであります。地元の熱意も必要でありますが、行政と一体となりまして、桜の同期といいますか、やはり地元と行政が一体となって、ぜひともこういう振興計画が実のあるものになるように、御努力をいただくようお願い申し上げるところでございます。  それから男女雇用機会均等法につきましては、これは雇用平等実現の具体的な措置については、触れられておらないわけでありまして、特に財界、業界の圧力でああいう形のものができておりまして、大変実効あるものになるには、よほど行政指導が徹底しなければなかなかだろうという気がいたしますので、ぜひともそういう立場で十分な御指導をいただきますよう、御要請申し上げておきたいと存じます。  それから知事の方も鹿児島市一点集中の都市機能につきましては、これを地方に分散をするという方針をお述べになったわけでありますが、なるほど先ほど言いましたように、国分・隼人テクノポリス地域におきます工業技術総合センター、これは大分勇断のある措置であったと、私も大変評価をしております。  なお、今回の川北薩・串木野モデル定住圏地域に伝統工芸センターがつくられたわけでございまして、あるいは知事もお述べになりましたように、栽培センターあるいはフラワーセンターと、こういったものが地方に張りついていくと、大変結構でございます。これは今度の予算でですね、農産物加工研究指導センターというのが、一億八千数百万の予算で建設されることになっておりますが、これは一昨日の代表質問の答弁では、農業試験場隣接地と、こういうお話があったようでございます。こういうものもですね、姶良地域と言いたいんでありますけれども、南薩地域あるいは鹿屋地域のですね、こういった地域にやはり持っていって、地域に対する一つの活性化誘導の引き金にしてもらいたいもんだと思うんです。何もこの鹿児島市の農業試験場隣接でなくてもよろしいわけであると思うんですがね。今後こういうものをひとつ勇気を持ってですね、地方分散策をとってほしいと、このことも御要請を申し上げておきたいと存じます。  次の質問に移らせていただきます。  昨年第四回の県議会におきまして、質問の通告をいたしておりましたが、時間切れのためにやむなく割愛をいたしました痴呆性老人対策について、再度質問の機会をいただきましたので、特に在宅ケアに関して六点にわたって質問をいたします。  六十年度発足をした痴呆性対策の研究会が、いよいよ六十一年度に具体的な施策を打ち出す段階になっておりますことをにらみながら、お尋ねをいたします。  これは前にも触れましたように、私の手元に届けられた一通の手紙に私は啓発されまして、いろいろ調査をしたものでございます。この手紙にかって敬慕していた母が、手にも負えないところの痴呆状態になったときの親族の衝撃と悲しみ、そしていまだかって経験したことのない介護に直面をし、介護の方法や治療に途方にくれ、二年間を経過をいたしました。もう身も心もすっかり疲れ果てました。しかし何度となく絶望感に襲われましたが、そんなときに京都の家族会の会誌に出会い、同じ境遇にある会員の体験に学び、今は母がいつまでも人間らしく生き長らえてくれることを念じながら頑張っております。本県の痴呆性老人対策は、全国で一番おくれているように思いますと、こういう内容の手紙でございます。  こういう内容のものが切々としたためられておるわけでありますが、本県が全国一番おくれているかどうかにつきましては、これは当人の認識としてここでは触れないことにいたしますが、県も一昨年痴呆性老人の実態を調査をされまして、本年度から在宅介護家族を対象に介護講習会を実施をされ、また特別養護老人ホーム等の寮母等、年間三十六人程度に痴呆性老人の処遇研修が実施されるなど、やっと緒についたことなど私も紹介をいたしまして、今後一層の努力が必要であることをお手紙で御返事申し上げた次第でございます。  一昨年の県の調査によりましても、県下四千四百十九人の痴呆性老人の過半数の二千三百三十七名の方が在宅され、その大部分が他動徘回の異常行動のあることが報告をされております、家族の人たちの悪戦苦闘ぶりをうかがい知ることができますが、率直にいって寝たきり老人や施設ケアに比べて痴呆性老人、なかんずく他動徘回など介護に一番手を焼く在宅痴呆性老人の対応については、立ちおくれている感を禁じ得ません。在宅ケアが今後の高齢者福祉にとって、もっとも中核をなすものと考えますだけに、施策を急がなければならないと存じますが、在宅ケアに対する基本的な考え方を、まず伺いたいと存じます。  第二点は、在宅介護者がぼけを正しく診断、処遇に悩む家族に介護治療についての助言指導をいただく機関がほしいと訴えておりますけれども、寝たきり老人、一人暮らし老人の在宅老人に準じた施策が考えられないか伺います。
     第三点は、短期保護事業と訪問介護サービスの制度化についてであります。在宅寝たきり老人を介護している家族を対象に実施されたある調査によりますと、ショートスティを利用する主な理由の第一位は、疲労回復のための休養が三〇・四%、第二位が家族の疾病二六・一%、第三位が冠婚葬祭一五・一%、次いで看護見舞い九・八%、旅行七・二%、その他となっております。これを見ますというと、人間としての最低の要件を満たすために、利用されていることがうかがえますが、短期保養事業の保護要件が介護者が疾病、出産、事故、その他やむを得ない理由により、一時的に寝たきり老人となっております。寝たきり老人を介護することができないと認められた場合と、これが要件でございます。となっております。むしろ、こういう言い方はどうかと思いますけれども、むしろ寝たきり老人以上に介護に疲労こんぱいをしている他動徘回をされる痴呆性老人が対象になっていないことであります。  まず短期保護事業については、現在寝たきり老人については、市町村が実施主体となって特別養護老人ホームによる方法がとられて一定の成果をおさめていますが、これも空き室を利用する程度の制度で、入所待機者の多い現状では制度としては不完全で短期保護用の設備が確保され、またそのための設備の増設が年次的に計画されるべきであると考えるのでありますけれども、知事の見解を伺いたいと存じます。  二つ目に、重介護を必要とする在宅痴呆性老人についても、短期保護事業を実施すべきであると考えますが、知事の見解を伺います。  三つ目に、短期保護事業の保護要件が疾病、出産、事故等やむを得ない事情が認められた場合という制約が介護家族に利用する上でブレーキになっているという声があります。これは実施機関は原則七日以内となっておりまして、これは介護者の入院治療その他、長期にわたるケースもあるわけでありますが、そういう一日あるいは数時間から数週間にわたる運用が必要ではないかとも考えるわけであります。介護者にも一時の安らぎを保障する対処が必要と考えますが、運用についての見解を伺いたいと存じます。  最後に、家族の会の組織化についてでありますが、この手紙の当人が家族の会誌に触れて非常に啓発をされて元気が出たと書いておりまして、こういう家族会の組織化につきましては、もっとも当事者同士の努力に待つべき性格のものでもありましょうが、介護者が苦労をぶつけ合い、愚痴をこぼすばかりでなくて、厳しい介護の体験を交流して、その実を高めることが今日的課題でもあります。行政で情報提供など組織化へのお手伝いが必要であると考えますが、見解をお伺いをいたします。  次に、農政に関して二点にわたってお尋ねをいたします。  市場開放とも絡みまして、生産性を高め競争力の強い農業育成が緊急の課題とされ、多くの施策が講じられてきたところであります。特に規模拡大による基幹的な中核農家づくりは、生産性向上とコスト引き下げによる競争力を強める決め手として取り組まれてきたところであります。こうした農業の過渡的転換期の中で、農協や農政の果たすべき役割は極めて重要であります。県が新総合計画の中でも、太陽と緑の農園づくりと銘打ちまして、壮大な南の食糧供給基地づくりに熱意を傾注されることは、心から賛意を表明するのであります。とともに、体質強化を迫られている農業を抱える深刻な問題となっている農家の負債についての調査によりますと、負債の理由の第一位が、規模拡大に伴う負債であります。第二位が農業機械化による負債、第三位が土地基盤整備によるものとなっております。  借金による規模拡大が、逆に低コストによって負債を固定化していくという肉牛、養豚を初め、産卵鶏など畜産農家の姿でもあります。また農地流動化による経営耕地面積規模別の構成割合を見てみますというと、二ヘクタール以下の農家がここ数年の間にかなり減少いたしまして、一方二ヘクタール以上、特に三ヘクタール以上の農家が増加をして農地流動化による経営規模が拡大をして一定の成果をみていることが、この中からうかがえるわけでありますが、農用地流動化の多くは、賃貸によるものでありますけれども、およそこの流動化の中の一八から二五%の農地は、大体毎年五百ヘクタール程度でありますが、所有権移転でこれを規模別、理由別に見てみますというと、農業廃止による譲渡、労力不足による譲渡に次いで資金を必要とするための譲渡が大きな比重を占めております。これら所有権移転の裏には、売却による濃協系統資金への負債整理があり、片や規模拡大の側への土地取得のための新たな農協資金の融資が表裏一体のものとなっていると言われております。農協の農家に対する技術指導や経営指導のあり方とともに、系統金融に多くの問題が指摘をされております。これは畜産農家も全く同じパターンでありますが、これらをどのように受けとめておられるのか、健全な農協活動のあり方を切望するものでありますが、これに対する見解を伺いたいと存じます。  次に、農業経営の重圧となっている農業機械に対する過剰投資でありますが、依然として稼動率の低い高価な機械が導入をされ、機械貧乏の姿をさらしております。農作業の受委託による効率的な農業機械の利用によって農業経営を合理化するために、本県でも有明町や沖永良部など九農業機械銀行が設置をされ、逐年実績を重ね、成果をおさめておりまして、その努力には敬意を表しますが、まだ十分軌道に乗ったものとはいえません。委託者数及び作業面積の上からも、機械銀行の事業を大幅に拡充する必要があります。このことに関し、昨年の末、会計検査院が次のような指摘をしております。  すなわち、多くの機械銀行が開店休業の状態で農協が機械登録の呼びかけをしないために機械が集まらず、農家が耕作予定の半分も耕せない銀行が百二十六銀行中八十一銀行あったと、そればかりか機械メーカーと組んで機械の売り込みに力を入れる農協が目立ったと指摘をしております。農家の機械貧乏化の解放に農業機械銀行の有効な活用が望まれることから、その拡充を期待するのでありますけれども、農業機械銀行のあり方を再検討する必要がないか、お伺いをするものであります。    〔知事鎌田要人君登壇〕 43 ◯知事(鎌田要人君)痴呆性老人対策に関連をいたしましての老人福祉対策の基本的考え方についてでございますが、これは申し上げるまでもなく、やはりお年寄りの方が障害を持っておられる場合はなおさらでありますが、そうでない場合でありましても、家族あるいは友人、知人等に囲まれて温かい人間関係を保持しながら、住み慣れた家庭や地域の中で生活をされるということを、これはもちろん御本人も御希望でありますし、またそれが望ましい姿でありますので、そのためにはやはり在宅処遇ということが基本でございまして、それが手に負えない困難な場合に施設等の出番と、こういうことであろうと思います。  したがいまして、県といたしましてもこのような在宅福祉の充実強化を図る方向で、ディ・サービス事業でありますとか、あるいは御指摘になりました短期保護事業あるいは家庭奉仕員の派遣、介護読本も近く作成配布をいたしますが、そういった面等についての充実を図っておるわけでありますが、国の方におかれましても、これまでの施設整備重点の施策から在宅福祉の充実強化を図るということで、県がただいま行っております事業、こういったものの拡充や法制化についても検討をしているところのようでございます。  今後、これらの動向を踏まえまして、在宅老人や家族の方々のニーズに的確に対応できるような在宅福祉対策の充実に努めてまいりたいと存じます。何と申しましても、お互いにこれは年をとり、だんだんあっちこっちおかしくなる、これはもうみんな免れない運命でありますので、やはり人のことと考えないで、明日は我が身ということで共通の問題意識を持って取り組むという、このいわゆる福祉の県土づくりということと、もう一つはやはりサンライフ運動の一層定着を図りまして、やはり健やかに老いるということで、このような痴呆化あるいは障害化というものの予防防止のために、せっかく県民総合保健センターも四月から発足するわけでございますし、食生活を含めまして日常生活の生活指導、保健指導の面の充実を図って、できるだけ転ばぬ先のつえの役割を果たしていくということが、行政として大切なことだと思います。 44 ◯民生労働部長(湯田信義君)痴呆性老人の対策についてでございますけれども、ただいま知事からお話ございましたように、老人家庭奉仕員の派遣事業ですとか、短期の保護事業あるいは保健所におきます老人精神衛生相談事業などを今まで実施してまいりました。さらに六十年度からは県内五カ所におきまして、在宅介護者を対象に県内の特別養護老人ホームの施設を利用いたしまして、痴呆性老人介護講習会を実施するなど、積極的に取り組んできたところでございます。  今後、さらに痴呆性老人対策を総合的に進めてまいりますために、六十年度から県痴呆性老人対策研究会を設置いたしまして、痴呆性老人問題に関する今後の方針、方策等について医療、予防、介護のそれぞれの専門的分野から現在多角的に研究を行ってもらっているところであります。  その成果の一部といたしまして、近く痴呆性老人の処遇のための介護読本八千部を配布することにいたしております。また痴呆性老人に対します施設職員の処遇技術の向上を図りますために、五十九年度から痴呆性老人処遇技術研修事業を実施いたしますとともに、特別養護老人ホームの施設につきましても、痴呆性老人の処遇に配慮した施設整備を行うよう指導をしてきているところでございます。  次に、短期保護事業でございますが、この事業は寝たきりなどの在宅介護者が一時的に介護が困難な場合に、そのお年寄りを施設に預かって一時的に保護するものであるということから、原則としては七日以内ということにされております。しかしながら、それぞれ実情に応じて弾力的に運用を市町村において行っていただいているところでございます。ただ御指摘ございましたとおり、痴呆性で徘回など非常にきつい状況におられるお年寄りにつきましては、なかなか短期保護がうまくいかない実情にございますけれども、先ほど申し上げましたように、今後特別養護老人ホームの施設の中に、痴呆性老人の処遇ができるような施設をあわせてつくるような国の補助制度もできてまいりましたので、今後新しくつくります特老におきましては、こういう施設等を設置いたしまして、症状のひどい痴呆性老人の方もお引き受けできるような状況になるのではないかというふうに考えておりますし、そういう方向で努力をしてまいりたいと考えております。  それから、短期保護の対象がいわゆる疾病とか、あるいは冠婚葬祭など社会的要件だけではないかというようなお話であったかと思いますけれども、この短期保護の対象につきましては、自己便宜によります旅行、自分の旅行などの場合の、いわゆる私的理由による場合もお引き受けする制度になっておりますので、これを活用していただきたいと思います。  次に、家族会の結成の問題でございますが、在宅痴呆性老人の介護に当たっておられる家族の御苦労というものは、大変であるということが私ども五十九年度の調査におきましても、はっきりといたしております。非常に御苦労をいただいておると思っております。  県におきましては、こういうことから在宅老人で寝たきりや痴呆性の老人の介護に当たっておられる家族の方方の慰労をかねた二泊三日の研修会を、昭和五十五年度から実施してまいっております。この研修会におきましては、介護技術の講習などとあわせまして、お互いの体験ですとか、苦労話などの意見交換なども活発に行われておりまして、相当の効果を上げているとは思っておりますけれども、なかなか自分のうちのお年寄りを自宅に残してこの研修会に参加できないという事情の方も相当おられるようでございます。  お話ございましたように、介護者の家族会の結成ができるということは、非常に喜ばしいことだと思いますので、それぞれの地域におかれまして、自主的に結成されることが望ましいのではないかと考えております。 45 ◯農政部長(笹田昭人君)二点についてお答えいたします。  農協は、組合員のための最大の奉仕をするということが目的でございまして、その活動の中には農業資材等の購買事業とか、あるいは農産物の販売、さらには営農資金のための信用事業、それにお話がございましたような経営技術面での指導などの各面にわたっておるわけでございまして、こうした業務を通じまして、農協が経営規模拡大のためによる中核農家の育成とか、新しい産地づくりなどに大きな役割を果たしておるわけでございます。  農協の重要な役割の一つでございます営農指導につきましては、農協自体はもとより改良普及所、市町村、農協等の技術員で構成する技連を通じて積極的に取り組むと、こういったようなシステムをとっているわけでございます。今お話のような営農等に必要な制度金融こういった場合には、関係機関で構成する金融運営協議会で審査協議をいたしまして、できるだけ適正な融資となるように努めておることでございまして、また貸し付け後には農協において適切な資金管理ということを行いまして、農家が不当な負債をふやさないというふうなことにも留意しているところでございます。今後ともそれぞれの農協が信用事業というものと、経営や技術面での指導というものを有機的に結びつけまして、タイアップさせながら適切な運営を図ることによりまして、農家経営経済の健全な発展に寄与できますように、さらに指導してまいりたいというふうに考えております。  それから農業機械銀行についてのお話でございましたが、これはお話にございましたように、やはり農業機械の効率的な利用を図るという観点から、特に兼業農家や高齢農家等がこういう規模の小さい経営農家の方々が、余り過大な機械投資をしないというふうなことも考えまして、機械による農作業の受委託を進めるという観点からお話のように農協等が事業主体になりまして、受委託作業の仲介あっせん業務を行うということで、この農業機械銀行が成り立っておるわけでございまして、私どもとしては、地域の技連会活動とも連携をとりまして、お話にもございましたように、こうした本来の趣旨に沿って農業機械銀行の適切な運用が図られますように、さらに指導してまいりたいと思っております。  なお昭和六十一年度におきましては、農業機械利用に関する現状分析もさらに行いまして、これに基づいた改善計画を立てて、それぞれの農業機械銀行がより適切な運営をさらに進めていくように、指導の充実を図ってまいりたいというふうに考えております。    〔浜田みのる君登壇〕 46 ◯浜田みのる君 再質問をしたいところでありますが、時間が差し迫っておりますので、質問はおきますが、先ほど部長の方から御回答がありました在宅寝たきり老人等の介護者研修事業ですね、これは五十九年度が、当初予算で一千五百九十一万余円です。六十年度が一千二百万余円措置されておりますが、ことしのを見ますとね、半額の六百八万となっておるんです。これは私の見違いじゃないかということで、再度お聞きしましたところ、間違いではないということで、従来二カ所でやってきたものをですね、一カ所に絞ったと、だから予算が半額になったと、こういうことなんですね。これは私はね、むしろ問題は逆じゃないかというふうに思うんですよ。この県下広い圏域でですね、二カ所に集めたのでは、なかなか日常介護している皆さんについてはね、肉親をおいていけないという事情がやっばりあるわけでありますから、むしろ会場を多くすることによってですね、参加者がふえてくるというふうに思うんですね。そしてやはり他動徘回をされるような痴呆性老人の介護者たちも、こういうのに参加できるような方法こそ講ずべきであって、だからといってこれは予算を半分に減らすというのはね、これはもってのほかだと思いますよ。これは介護等三年以上されている方について、宿泊施設を利用して二泊三日でですね、その労をねぎらってお医者さんなどによる研修事業もあわせてやると、こういう制度なんですね、ぜひともこれはですね、六月議会等で予算の補正をしてですね、復活をしてもらいたいと思います。これは知事にも強く要請をしておきたいと存じます。こういう私は行政のあり方はないと思います。直ちにこれは予算を半額にしてですね、箇所数も減らすというような、こんなのはですね、今のこういう福祉を期待する多くの声の中で、大変困った行政だというふうに思いますので、強く御要望申し上げておきます。  それから、先ほど土木部長の答弁の中で、柏原、硯石漁船だまりについての御回答がありましたが、これは同法八条一項のですね、解釈上重大な誤りを侵されているというふうに思います。  したがいまして、これにはかなりの時間を要しますので、国会論議も踏まえまして、このあとの個人質問でさらにただしていくことにしたいと存じます。  以上で、私の個人質問を終わります。(拍手) 47 ◯議長(原田健二郎君)次は藤田嘉則君に発言を許可いたします。    〔藤田嘉則君登壇〕(拍手) 48 ◯藤田嘉則君 私は、自民党の代表質問の積み残しと、また先輩諸氏の個人質問等と重複する点もあろうかと考えますが、私なりの質問をいたしてみたいと思います。  まず、国立病院の療養所の再編成についてでございます。  それによりますと、本県関係では国立療養所霧島病院の統廃合による廃止、国立療養所阿久根病院と同志布志病院が経営移譲の対象とされているわけであります。しかしながら、本県は全国的動向に比べ高齢化が進み、高齢化社会の到来に伴う疾病構造にも大きな変化が見られ、ますます医療需要は増大かつ多様化し、また医療施設等の地域偏在は著しく、医療に恵まれない地域が数多くあることは御承知のとおりであります。  幸い地元市町におかれましては、この問題を真剣に受けとめ、一月二十九日には三市町からなる国立医療機関存続等鹿児島県対策協議会が結成され、二月十三日には知事が同協議会の会長として先頭に立って、厚生省や関係者に対し陳情がなされたと伺っております。知事の存続に対する固い決意をお伺いし、意を強くするものでありますが、地元を代表する者として、今回の厚生省から示された国立療養所霧島病院の統廃台に伴う廃止案については、地元の実情を全く無視した机上の計画であり、心から怒りを感ずるとともに、痛恨の思いをいたしているところであります。  そもそも国立病院霧島病院は、昭和十八年十月に隼人町松永に旧海軍病院として創設されました。昭和二十二年十二月に厚生省所管の国立霧島病院になり、昭和二十二年四月に結核療養所に転換、昭和二十七年七月には伝染病棟の併設をみたわけであります。その後、昭和五十八年に結核療養所としての歴史的使命を終え、高齢化社会に伴う疾病構造の変化に基づく新たなる医療需要に対する社会要請にこたえるため、結核病棟を一般病棟及びリューマチ病棟に転換され今日に至っているところであります。昭和五十三年度から昭和五十九年度までの同病院の整備状況は総額約二十二億五千万円に及ぶ投資を行い、昭和五十三年度の機能訓練棟の新築を初め病棟、サービス棟の新改築や、外来、管理治療棟の新築、屋外訓練場の整備など施設の充実が図られてまいっているところであります。そうして現在の陣容は、医師十二名、薬剤師二人、看護婦八十三人、その他技術員、職員六十九人の計百六十六人で、診療科目は内科、外科、整形外科、歯科からなり、収容病棟は二百五十床。特に院内に豊富に湧出する温泉を利用し、リハビリテーションの諸施設を完備し、脳卒中、リューマチ、肝疾患、難病等のリハビリから社会復帰まで一貫した治療を行っており、地域住民から絶大なる信頼と期待を得ているところであります。  そういうことで、一日平均の患者数は昭和六十年十月で入院患者二百二十一人、外来患者百十人、診療圏としては、姶良・伊佐地区一市七町の約十四万人でありますが、国分・隼人テクノポリス指定地区として高度技術先端産業の誘致に伴い人口増が顕著で、同病院への入院、外来患者は年々増加の傾向にあります。なお、同病院には附属看護学校が昭和二十三年に設立され、現在百五十人が在学し、看護婦になるため勉学に励み、毎年五十人が巣立っているところであります。  このように同病院は地域における中核医療機関として重要な役割を果たしており、今後さらにその機能充実が期待されているところであります。このような現況を十分御理解いただき、改めて関係機関にその存続を働きかける必要性を痛感するものでありますが、知事初め衛生部長は国立療養所霧島病院の現在の地域医療に果たしている役割をどのように理解され、また今後、より高度化する地域医療の中で、同病院に対する期待をどのように認識されるのか、お尋ねをいたします。  次に、無認可保育所の指導監督についてお尋ねをいたします。  昨年十二月十八日、鹿児島市の無認可保育所で乳児が死亡し、その後、この保育施設の経営者が自殺された不幸な事件がありました。この事件は、自宅やマンションの一室を利用し、また乳幼児の数に見合った保母の数や、火事など災害に対する備え等に問題が残っている無認可保育所での乳幼児の保育を行うことの危険性を知らされるものであったと言えるかと思います。  我が国の保育所制度は児童福祉法によって設置、運営され、乳幼児の健全な育成ということから一定の基準を示し、認可制度をとっており、日常の運営についても指導監督が行われているところであります。また、保母についても有資格者であることを条件とし、養成、研修等にも力が注がれているところでありますが、しかし一方、保育条件が改善されることによって年々費用がかさみ、保護者の負担がふえてきていることから、保育料の安い無認可の保育施設に子供を預ける保護者がふえていく傾向にあり、また夜間の保育に頼らざるを得ない保護者もふえているのが実態であります。  そこでお尋ねいたしますが、第一点は、無認可保育施設については児童の安全確保対策の観点から必要最小限の基準が定められ、指導監督が行われていると聞くのでありますが、県下の無認可保育施設の実態はどのようになっているのか。また、指導監督の実情はどうなのか。  第二点は、職場に進出する婦人の増加とその職域の拡大、核家族化の進行などから、保育施設への要望はふえておると考えられますが、現在保育所に入所を希望する待機者はどのような状況にあるのか。また、今後の保育所の整備計画はどのようになっているのか。  第三点といたしまして、全国の認可保育所約二万三千カ所のうち夜間専用の保育所は十九カ所と、わずかではありますが設置されているところであります。過去に鹿児島市に市立のものが設立されていましたが、保育時間の関係で一年余りで廃止され、、現在本県には一カ所もないようでありますが、この夜間保育所についてはどのように認識され、今後どのように推進されていかれるのか、お尋ねをいたします。  次は、県立加治木養護学校の施設整備についてお尋ねをいたします。  県立加治木養護学校は、国立療養所南九州病院に入院患者等の進行性筋ジストロフィー症や重度身心障害者、一般慢性疾患の児童生徒に対し、療養しながら学校教育法にのっとり一般教育や訪問教育を行っております。本年二月一日の在学児童生徒は小学部四十人、中学部二十人、高等部十七人の計七十七人でありますが、昭和五十五年度に高等部が設置されたことや就学児の増大のため教室等施設が狭隘になり、養護の効果を上げ所期の目的を達成するためには早急な整備を望む立場から、教育長の御見解をお尋ねする次第でございます。    〔知事鎌田要人君登壇〕 49 ◯知事(鎌田要人君)国立病院、療養所の再編成計画におきまして、統廃合あるいは経営移譲の対象になりました県内の病院といたしましては、霧島病院のほかに阿久根、志布志と三つの病院がございます。これらの病院は今の隼人の霧島病院の場合でありますれば、温泉利用による脳卒中、リューマチのリハビリ、消化器疾患治療と、二次救急医療等で地域住民の医療の大きなよりどころになっておるわけでありますし、その他の経営移譲の対象となっております二つの病院におきましても、いずれも呼吸器、循環器等の、あるいは小児医療など、それぞれのすぐれた機能を備えて地域の中核的な医療施設として大きな役割を果たしているものでありまして、本県におきまして極めて重要な医療施設でございます。  このようなことから、これまでも県開発促進協議会、県議会はもとよりでありますが、国に対して、その存続等を要請してきたところでありますけれども、国の再編成計画の公表後、いち早く関係市町村等を含めましての鹿児島県対策協議会を設立をいたしまして、この国立病院、療養所の存続と機能強化ということにつきまして国に陳情活動を展開してきたところであります。国の方は、臨調審に基づきまして、専門家からなる委員会をつくられまして、その結論ということで、端的に申しまして国立病院の定数が行政改革のもとでなかなかふえない。そういう中で国立病院の役割というものを、一般の公立病院なりあるいは公私立病院、こういったもので対応できない高度、専門的な治療、あるいは難病に当たると、こういったことで国立病院の機能というものをいわば特化しようと。それと同時に、したがって一般病院は公私立病院にゆだねると。  こういうことから、三百床未満の一般診療の病院というものを、これを今の統廃合、経営移譲と、こういう対象にするということでございまして、いわばすれ違いの議論になるところが多いわけでありますが、そういう国立病院の、あるいは療養所の統廃合の物差しというものの中に、先ほども申しましたけれども、本県のような医療資源の乏しい医療過疎県、こういったところの地域の実情に応じた要因というものを、もう一つそこに加えられないものかどうかということで、先般も厚生省の事務次官以下担当局長、課長さん方にお願いをしてまいったわけであります。厚生省側といたしましては、地域の実情というものについても十分調査をさせていただきますということで、地域の実態も十分に把握した上で、この問題について誤りなき対応をしてもらいたいということで、今後もなおこの協議会等を通じ、また県民、関係地域一体となりまして、これが維持存続のためにひとつ努力をして成果を上げてまいりたいと考えておる次第でありますので、当議会におかれましても、引き続きましてよろしく御支援のほどをお願い申し上げます。 50 ◯民生労働部長(湯田信義君)無認可保育所の関係についてお答え申し上げます。  県内にございます無認可保育所の昨年の四月現在で百七十四カ所ございまして、ここに入っております子供の数が四千百六十五人となっております。その経営主体ですけれども、大部分が個人経営でございまして、施設設備等で厚生省が指導いたしております基準に満たないものが見受けられるところでございます。  私ども県といたしましては、無認可保育所の指導監督につきましては、毎年四月に市町村の協力を得ながら実態調査を行っております。この折に、厚生省が示しております指導基準に基づき、いろいろと指導をしてきているところです。特にこの中に、ベビーホテルが十二ほどございますので、これにつきましては、県と市が合同で立入調査をいたしまして、改善を要する事項等があれば文書で厳しく指導をしているところでございます。  また、お話ございましたように、昨年十二月のあのような事故がございましたので、直ちにすべての無認可保育所に対しまして、適正な運営がなされるように文書をもって指導をしたところでございます。  次に、保育所の関係のいわゆる待機者等のことでございますけれども、昨年四月現在の県の方で入所措置をいたしました児童数は二万九千九百二十八人となっておりまして、当時の調査では約二千四百名程度が待機をしているような状況でございましたけれども、昨年の十二月現在では、措置しております子供の数が三万六百五十二人となっておりまして、七百人程度がこれにさらに入ったのではないかというふうに考えております。  なお、保育所の整備計画につきましては、新総合計画の前期事業実施計画におきましても、増改築など五十五カ所程度を整備することにいたしておりまして、今後それぞれの地域の実情あるいは市町村の意向を踏まえながら整備をしてまいりたいと思います。  それから、夜間保育所の問題でございますが、夜間保育所の設置につきましては、厚生省におきましても、婦人の勤労形態ですとか保育需要が多様化したということで、都市部におきまして夜間保育について需要が高まっているということから、モデル的に夜間保育事業を促進してまいっておりますけれども、先ほどお話ございましたとおり、全国的になかなかその設置が進まない状況にございます。過去、お話ございましたように鹿児島市が設置をいたしました夜間保育所が、やはり保育時間の関係等がございまして、非常に園児が減ってまいりまして廃止されたという経緯がございます。こういうことから、夜間保育所の設置につきましては、市町村におかれても慎重な対応が必要ではなかろうかと考えますけれども、今後夜間保育所の設置につきましては、必要と思われる市とも協議を進めてまいりたいと考えております。 51 ◯教育長(山田克穂君)加治木の養護学校につきましては、お話にございましたように現状の施設が極めて狭隘でございまして、その整備をば急がなければならないということは十分考えておるところでございますけれども、本校の場合は、その整備を進めるにつきましては、やはり南九州病院との連携が不可欠であると思っております。しかしながら、病院の方の整備計画がまだ明確でない状況でございますので、今後さらに病院とも十分協議しながら進めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。    〔藤田嘉則君登壇〕 52 ◯藤田嘉則君 国立病院等の存続については、いろいろとお世話になっておりますことをば衷心より感謝申し上げ、ぜひこれがひとつ存続されるように強力なる御支援を賜りますように心からお願い申し上げまして、次の質問に移らしていただきます。  次に、教育問題についてお伺いをいたします。  最近、いじめ、校内暴力による児童生徒の自殺のニュースが相次いで報道されておりますが、ともあれいたいけな少年少女の自殺が続き、かっての「少年、自殺せず」の名言は完全に死語となってまいりました。中でも東京中野の富士見二年の鹿川君の自殺は、今そんなことまで校内で起きているのかと、ただただ驚くばかりであります。葬式ごっこ、裕史君を死者に仕立て、教室に写真を飾り、花輪を供え線香までたいて、クラスメートに色紙を回し哀悼の言葉を寄せ書きしたり、さらにびっくりさせられたことは、三人の先生までこの色紙に「安らかに、さようなら」と書き、しかもこれが授業中であったことに、世の中は一体どうなっているのかと言いたいのであります。教師への葬式ごっこの色紙にサインしたということの善悪のけじめをつける側の精神の弛緩を痛切に感じたのは私一人だったでしょうか。現代っ子を称して新人類を形容し、大人の常識では立ち入れないとするのも、いわば善悪のけじめからの逃避ではないでしょうか。  ある学校に授業参観に行った父兄が、教師の子供たちへの対応を見聞し愕然としたことは、教師は子供の意見に「それは間違っている」とは言わず、どの子供の意見にも、「そういう見方もありますね」と言って、つまり善悪のけじめをつけさせぬ教育をしていると父兄は嘆くのであります。裕史君の遺書に「おれだってまだ死にたくない。だけど、このままじゃ生き地獄になってしまうよ」と書いてあったと報道されましたが、まことに哀れでなりません。今日ほど教師の指導性や無関心指向が問われることはありません。子供たちは教師の勇気ある指導性に飢えているのであります。教師は、放置、無関心からいじめや暴力が増幅することに思いをいたさなければなりません。この際、教師も家庭も、まず善悪のけじめをつけることから取り組んだらどんなもんでしょう。県教育現場を見るとき、父兄と教師の不信感、教師と管理職との対立など多くの問題を抱えておりますが、教育長はどの程度把握しておられるのか。さきにも申しましたが、教育現場の教師の連帯感は薄れ、無関心派が多いと聞くのでありますが、どう理解して、どのように対処されるおつもりか、お伺いをいたします。  次に、穀物飼料商社カーギル社の志布志臨海工業団地に進出についてでありますが、本件は我が自民党の代表質問を初め各党もそれぞれ言及されましたが、このことを見ても、いかに県民の関心が高いかを示すものでありますが、私も重複するとは思いますが、私なりの質問をいたしてみたいと思います。  去る二月の二十四日の衆議院予算委員会において、阿倍外相、竹下蔵相など政府関係閣僚の発言内容によると、米国の世界最大の飼料穀物メジャーであるカーギル社にかかわる本県志布志臨海工業用地への飼料工場立地を事実上認める内容であり、しかも最終的には本県に結論を求めているやに受け取られますが、これらの経過及び内容はどのようになっているのか。  なお、政府の判断材料として、カーギル社が日本国内における畜産部門への進出や飼料の安値攻勢などの混乱を起こさないことを前提に、日米間の新たな経済摩擦を生じないようにとの配慮から、むしろ積極的に容認する姿勢を示しているように受け取られておりますが、本県は県政の主要な政策課題として、我が国の食糧基地を目指す農業振興を積極的に展開し、県民所得の向上に鋭意努力をしておられるところであり、中でも国内において最大の畜産県として畜産部門の果たす役割は極めて大きいことは周知のとおりであります。カーギル社は世界最大の穀物メジャーであり、米国の穀物輸出量の二〇%から三〇%を占めているといわれておりますが、このような世界的大資本企業の国内への攻勢は、国内はもとより本県における飼料の需給関係や畜産部門に与える影響は相像以上に大きいものと判断せざるを得ないのであります。政府は経済摩擦の解消策の一環としての配慮がうかがえられますが、まさに工業のツケを農業部門で対応しようとするものであり、農業県鹿児島の将来に大きな不安を残すものであり、また本県はもとより我が国の畜産事業にとって禍根を残す結果になりかねないことを憂慮するものであります。また、これらの問題に関することで、農業関係機関団体においても阻止についての強い要請が行われているところでありますが、これらを含めて県当局はいかなる対応をなさるのかお伺いすると同時に、決定に当たっては慎重に対処されるよう要望するものであります。  次に、畜産問題についてでありますが、特に肉用牛の異常子牛の出産についてお尋ねをいたします。  本県の肉用牛は昔から豊富な飼料資源と労働力に支えられ、総合複合経営の大きな作目として発展し、飼養頭数は昭和五十年二十三万頭であったものが六十年には二十七万頭となり、粗生産額においても五十九年は四百五十七億円と農業粗生産額の一一%を占めております。また大消費地においては、鹿児島牛肉として銘柄が確立されつつあること等に対し衷心より敬意を表するものであります。  近年における肉用牛を取り巻く情勢は厳しく、先般の日米、日豪の牛肉輸入枠交渉は終結したものの、また来年はその枠決めの年となっているようであります。  一方、子牛価格は長い低迷からようやく脱け出し、昨年十一月から補償基準価格三十万円を確保するような水準になつたところでありますが、この間、肉用牛農家は本県の畜産振興、ひいては我が国の牛肉資源の確保のために最大の努力をしてまいったのであります。また見逃してならないことは、五十七年二月から六十年十月に至る三年八カ月の長期にわたる低迷に対応するため、子牛価格安定事業によって二十六万五千頭に対し百二十二億五千万円の補てん金が支払われ、肉用牛農家の生活と経営の安定に資したことは、各種の補助事業や融資事業はもとより、本県の肉用牛振興に大きく貢献しているものの一つであります。  このように日本一を誇る肉用牛県、特に畜産部門の中で最も農家畜産として定着し、四万三千戸の飼養農家を有し、畜産の基盤的な役割を果たしている肉用牛については、消費動向に余力のある食肉確保の重要性にかんがみ、国家的な見地からも積極的にその振興を図っていく必要があると思うのであります。肉用牛の振興については、五十八年十月酪農及び肉用牛の振興に関する法律が改正、施行され、県、市町村並びに農協など一体となって酪農及び肉用牛生産近代化計画を策定し、その計画を達成のため鋭意努力をしておられるところでありますが、昨年十一月ごろから本県の肉用牛生産地帯である曽於郡や肝属郡などを中心に異常子牛の出産が相次いでいるということが、新聞やテレビ等で報道されたところであります。  本県においては、昭和四十七年に子牛の大脳の欠損や奇形を特徴とする異常子牛の出産が発生したようでありますが、これについては関係機関の努力により原因が究明され、ウイルスによるアカバネ病であると判明し、その対策が講ぜられてきているところであります。今回の異常子牛の出産について、肉用牛農家は子牛価格が上向きになり一安心してその生産に積極的に取り組もうとしているやさきだけに、その不安と打撃は極めて大きいものがあります。県当局は、このような事態を重視し緊急対策会議等を開催し、本病の原因究明並びに対応策を講じていると聞いております。  そこでお尋ねいたしますが、まず本病についての発生状況はどのようになっているのか。  第二点としましては、早急に原因を究明しなければ対策も困難であると思われるが、現在どのような研究究明の段階にあるのか。  第三点としましては、異常出産の対策として県はどのような措置を講じ、あるいは講じようとするのか。新しい病気については、いろいろと難しい問題があると思いますが、その実態を教えていただきたいのであります。  次に、鹿児島湾奥における漁業振興対策についてであります。  鹿児島本港整備については、昭和五十六年十二月に計画案が発表され、翌五十七年一月に県地方港湾審議会の承認を受けてスタートしたことについて、鹿児島湾奥の漁協では赤潮の発生など漁場汚染に悩まされることから、反対の立場を明らかにしてきたところであります。その後、運輸省と県で行いました漁業影響調査では、湾奥漁業への影響は少ないという結果が出ており、さらに県では鹿児島湾奥漁業振興対策として、漁協、港湾の整備、並み型魚礁などの漁場造成、漁業基地機能施設などの共同利用施設の整備、マダイ種苗等の放流など栽培漁業の推進などの対策を提示して、湾奥関係漁業者に対し本港整備の理解と協力を求められ、昨年の九月に大方の御理解を得ることができたわけであります。しかし、湾奥の漁業者の多くは、現在でも港湾整備に伴う桜島水路の狭隘化により魚族の回遊が減少することや、海水交換の悪化など湾奥漁業に及ぼす影響に対して危惧を抱いているところであります。また、今後とも将来にわたって安心して漁業を続けていけるよう対策を講ぜられるべきであると考えておるところであります。  以上申しましたように、湾奥関係漁業者の鹿児島本港整備に伴う漁業影響に対する心配、これまでの長い期間いろいろな話し合いなどのいきさつを経て、ようやく了解していただいた湾奥関係漁業者の気持ちをば十分そんたくして、関係漁協に示された、先ほど申し上げた二本柱の漁業振興対策を基本とし、その後、各漁協から具体的に出されている漁民センターや陸上蓄養施設、漁船船だまり等の整備とあわせ、マダイ百万尾放流とは別個に、ガザミ、イシダイなどの種苗放流事業を実施するための栽培漁業推進基金二億円の設置等ができる限り早く実施され、今後湾奥漁業の振興ができますよう強く要望いたします。    〔知事鎌田要人君登壇〕 53 ◯知事(鎌田要人君)カーギル・ノースエイジア社の土地分譲の問題でありますが、これにつきましては、一昨日来申し上げておりますように、衆議院予算委員会で、国の考え方、基本的な考え方というものが明らかにされたわけであります。県といたしましては、既に土地の分譲が内定しております五社との関係も含めて、これは農水大臣が国においてきちんと判断しながら対応するということをおっしゃっておられるわけでありますし、また農業団体等が心配しておりますところの畜産への進出問題についても、同様国においてきちんと判断しながら対応すると、こういうことをおっしゃっておられるわけでありますので、その辺のところをどのように見きわめていくのか、今後さらに国と協議をしながら、大局的な立場から適切、妥当な結論が得られるようにこれからさらに汗をかいてまいると、こういうことでございまして、畜産に禍根を残す結果ということになっちゃ、これは大変なことでありますし、また逆にこの問題が新たな火種になって、農畜産物の自由化の問題をさらに激化させると、こういうことも、これはやはり県として慎重に配慮しなければならない問題であろうと思う次第であります。 54 ◯教育長(山田克穂君)善悪のけじめをつける教育につきましては、御指摘ございましたように、いじめや校内暴力など問題の重要性をすべての教師が認識しまして、校長を中心に一致協力した体制を確立しまして、実践に当たることが大切なことであると考えます。また、児童生徒に善悪のけじめをつける教育を行いますためには、教師一人一人が教育者としての使命感に燃えまして、専門職としてのすぐれた指導性というものを備え、適切な指導をすることが必要であると考えております。したがいまして、県教委としましては、新任教員研修を初め各種の研修会を通しまして、教員としての職責の重要性を十分認識して、問題に積極的に対処するように指導しているところでございます。  また、学校におきましては、道徳の時間あるいは特別活動におきまして、児童生徒に善悪の判断や自己抑制心など、人間としての望ましい生き方を身につけさせるように指導の徹底を図っているところでございます。  次に、教育現場の実態でございますが、学校における教育は、やはり教師が父母や児童生徒から本当に理解され、信頼されて、初めて成り立つものだと考えております。しかしながら、一部とは言いながら、校長の指導に従わなかったり父母の不信を招く言動をとる者がいたりしまして、正常な学校運営が阻害されている学校があることは承知いたしております。校長は先輩として、また人生の先達として職員の相談に応じたり助言を行うなど、相互に打ち解けた人間関係をつくる努力をしていると考えております。  一方また、教職員も自己主張に固執することなく、教育者にふさわしい態度で、組織体の一員として明るい学校づくりに積極的に協力しなければならないというふうに考えております。 55 ◯農政部長(笹田昭人君)昨年十一月以降に哺乳能力の低下、視力障害、神経症を特徴とする牛の異常産が発生しておりますが、二月末までの調査では、お話にもありましたように曽於、肝属を中心に県内で千三百頭余りが確認をされております。県としては、これまで異常産の実態把握に努めますとともに、県の家畜保健衛生所、農水省の家畜衛生試験場九州支場、鹿児島大学農学部獣医学科が連携をとりまして、原因究明を急いでおるところであります。これまでの病理検査の結果では、既に判明しておりますウイルスとは異なった新型のウイルス病であるものと推定されておりまして、現在全力を挙げてウイルスの分離を急いでおる段階でございますが、昨日もお答え申し上げましたように発生媒体は蚊、サシバエ等の吸血昆虫によると見られております。  県といたしましては現在まで県段階あるいは各地域別の防疫対策会議を開催しまして検討協議を重ねますとともに、広報リーフレットを配布するなどいたしまして、畜舎周辺の家畜衛生などの徹底によります吸血昆虫の発生予防、それに母牛の飼養管理の適正化などの対応措置について周知に努めておるところであります。    〔藤田嘉則君登壇〕 56 ◯藤田嘉則君 それぞれ適切なる御答弁をいただきましたが、カーギル社の問題は県民それぞれ注目するところでございますので、やはり農業団体との連携を密にされまして、これが円満に解決されますことをば特に要望いたします。  また、教育長に対しましては、いよいよ四月の異動の時期となってまいりましたが、いろいろな問題が、私が先ほど言うたような問題がございますので、適正なる配置をしていただくよう特に御要望を申し上げておきます。  また、子牛の異常分娩につきましては、早く原因を究明していただきまして、肉用牛の子牛生産者が安心したことができますように切に要望を申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手) 57 ◯議長(原田健二郎君)ここで、休憩いたします。  再開は、おおむね午後三時二十分からといたします。         午後三時 四分休憩       ─────────────         午後三時二十分開議 58 ◯議長(原田健二郎君)再開いたします。  梶原修一郎君に発言を許可いたします。
       〔梶原修一郎君登壇〕(拍手) 59 ◯梶原修一郎君 本日の最後でございますので、そのつもりでやりたいと思いますので、おつき合いを願いたいと思います。  私は、今まで叫び続けてまいりました桜島の火山活動対策と、我が党の代表質問において取り残された青少年の健全育成についてと、桜島の防災営農対策、警察行政について質問をいたしますので、知事並びに各部長、警察本部長の御答弁をばよろしくお願いをいたします。  桜島の火山活動は、昨年は爆発回数が年間四百七十四回という観測史上最高を記録し、昨年六月から九月まで鹿児島市を襲ったどか灰は前年比四・六倍という異常なもので、連日その被害が新聞、テレビ等をにぎあわせ、六月、九月の定例議会はさながら桜島対策議会で、その対策や施策について種々活発な論議がなされたところであります。桜島活山対策関係予算については厳しい国の財政事情の中で、知事以下関係の方々の非常な御努力により、ほとんど満額をば確保され、新年度予算において十四項目二十五億五千五百四十九万円余りを計上されていることに対し、関係住民の一人として深く敬意を表し感謝をいたすものであります。ところで、あれほど騒がれた降灰も十月に入り鹿児島市方面への降灰が少なくなるにつれ、桜島が急に活動をやめたように報道などもおとなしくなり、鹿児島市民の皆さんは、あのすさまじかった豪灰下のことなどは忘れた方々も多いのではないでしょうか。ところが鹿児島の偉大なシンボルと言われる桜島は年中無休、冬場の北西の季節風に乗って連日大隅半島に吹きつけ、私の住んでいる垂水市では昨年九月十四日からきょうまで灰が降らなかったのはわずか数日、現在も連日灰攻めの毎日であります。特に二月中旬からの降灰ほひどく、海潟地区では二月二十日から一週間、たった一週間で三センチほどの灰が積んでおり、また昨日も三月に入りまして初めての爆発をいたし、そのどか灰の状況はけさの地元紙が詳しく伝えているとおりでございます。冬場は御承知のとおり雨が少ないため乾き切った灰色の町に冬場の強い海からの季節風が吹きつけ、灰あらしとなり、垂水の灰は上からばっかいじゃなく地だからも降っくっと、市民を嘆かせ、これに道路を走る車が巻き上げる灰が加わり毎日の灰地獄、こうした降灰で農作物は深刻な被害を受け、特産のミカン、キヌサヤ、ビワ等は壊滅的な打撃を受け、それだけを頼りにしている農家生活を極度に圧迫し、商店街の売り上げは極度に落ち込み、町全体が辛苦のどん底に落ち込んでおります。朝起きるとまず桜島を眺め、風の方向を気にする毎日ですが、夏になるとことしもまた鹿児島市五十三万人の皆さんを苦しめるのだと先のことまで心配をいたす毎日でございます。この桜島対策につきましては、本年度は先ほど申し上げましたように十四項目のいろいろな対策が講じられ、その中で桜島火山国際会議構想等が調査費として計上されております。これは先ほどの知事答弁でもこうした大都市の真近にある活火山を、その原因あるいは対策、そうしたまた、こうした桜島の持つエネルギー等を今後活用するために、こうした会議をば計画されておると思います。と同時に先ほど知事は、これを機会にこうした火山会議と同時に楽しい、おもしろい各種の行事等もやり、打ちひしがれて、また被害に泣く県民をばこうした気持ちをばはね返して県民のエネルギーを引き出していくんだということを申されたわけでございます。しかしながら三十年間も活動が続き、いつやむともわからず、特にこの十四、五年も続く恒常的な降灰を被害を受ける地域の振興は、まあそうしたいろんな新しい計画とか、活力とぬくもりに満ちた偉大な鹿児島の創造を目指す新総合計画と現在の活動火山対策特別措置法だけでは救われないのではないでしょうか。県土の均衡ある発展を目指すならば施策の面で、これらの地域に対する特別な配慮がなされるべきであると思います。現在火山活動対策特別措置法と防災営農計画で対処されておられるわけでありますが、現行法では救われない幾多の問題があります。それは現行法の目的が安全確保と防災だけに限定されているからであります。桜島の活動の被害がこれだけ長きにわたり、また活動期が若く、いつやむとも予想はつかず、恒常的な被害になっている現状は猛烈な積雪に悩む積雪豪雪地帯の被害と私は全く同じではないかと思います。だとするならば豪雪地帯対策特別措置法のごとく、防災と安全確保に加えて地域振興を盛り込んだ法に改正すべきであり、長年の降灰禍に泣く地域の住民に希望を与え、県土の均衡ある発展を実現するために知事は関係市町村、県出身国会議員の先生方と力を合わせ、活動火山対策特別措置法の改正に真剣に取り組むべきであると思いますが、知事のぬくもりに満ちた御決意のほどをばお伺いをいたします。  さらに防災営農対策についてであります。新年度予算において各種の事業を盛り込まれ前向きに努力されておられることには深く感謝をいたします。そこで国土庁の桜島火山対策懇談会の提言の中で優良な被覆資材の実用化や被害防止技術の確立、それに営農ガイドラインの策定などがありましたが、昭和六十一年度防災営農対策はどのように強化されようとしているのか、また現在の防災営農施設整備計画は昭和六十一年度で期限が切れます。今後の計画の見通し、その中で活発な活動により全方位への降灰による新たな被害地域も出てきているのではないかと思われますが、対象地域や対策事業の内容の見直しについて、今後どのように取り組んでいかれるのか、農政部長にお伺いをいたします。  次に、青少年の健全育成についてお伺いをいたします。昨年は国際青年年として鹿児島でもIYY鹿児島フェスティバルが盛大に行われました、そしてからいも交流など民間の国際交流の成果も高く評価され、また県政の上では昭和五十五年から知事が青少年自立自興運動を提唱され、スポーツ少年団や各種のサークル活動を初め、若者を中心とする村興しなど、その成果も各地で見られつつあることは評価するものであります。しかしながら多くの青少年が健全に育っている一方で、非行少年や無気力な若者たちが増加しているのも事実であります。県警の資料によりますと昨年一年に検挙、補導された少年は総数二万一千百七十五人で、一昨年に比べて約一〇%、二千四十七人の増となっており、年々増加する傾向にあります。また学職別補導状況から見ますと、中学生が全体の四八%を占め、次に高校生の約二五%、小学生の約八%と続き、小中高校生を合わせると全体の約八〇%を占めています。中でも小中学生ではその非行の大半は万引、窃盗などの初発型非行で占めていること、また注目されるのは三千六百四十人の女子が検挙、補導され、五十九年度に比べ一一・九%も増加しているという驚くべき数字とともに、非行が年々低年齢化の傾向があるという実態については愕然とするものがあります。  御承知のとおり青少年の健全育成については、これまでも学校教育におかれましては、特に知、徳、体の調和のとれた人間性豊かな生徒への育成を目指して、創意工夫を凝らした指導が進められている一方、社会教育の面では青少年自立自興運動が鋭意推進されているところでありますが、それにもかかわらずさきに述べましたように少年非行が一向に減少せず、むしろ粗暴化、集団化そして低年齢化している傾向は見逃すことのできないゆゆしき問題であります。このような非行の要因は豊かな物質文化の繁栄のひずみとして連帯、協力の心の希薄化や自己中心的風潮による義務感の薄れなども考えられるのでありますが、その原因が多岐にわたる以上、今こそ百八十万県民がこの問題を自分のものとして真剣に取り組み、時代を担う青少年を非行から守るとともに積極的に健全な青少年の育成を図らなければならないと思うのでありまして、事態は一刻も猶予できない緊急の課題であります。  そこでお尋ねいたしますが、第一点は本県の青少年非行の現状と、その背景、または原因について知事はどのように受けとめておられるのか。  第二点は、五十五年から始まった青少年自立自興運動の成果と、これを踏まえて今後この運動をどのように進められていかれるのか、そもそも運動というものは青少年自立自興運動に限らず、サンライフ運動にせよ、農村振興運動にせよ徹底した目標の達成に向けて把握される指標について毎年度の実績が具体的にまとめられ、県民に公表されて一〇%から二〇%へ、二〇%から五〇%へと一年一年数字で達成状況等を確めながら前進していくべきものと考えるのでありますが、このような認識についてどのようにお考えか。例えば五十九年に青少年育成市町村民会議の設定は九十六市町村のうち四〇%の三十八市町村にすぎない状況でしたが、現在はどのようになっているのか。あわせて青少年の健全育成について、これまでの各種事業に加えて新規事業として幼児の心をはぐくむ世代間交流促進事業、思いやりの心をはぐくむ集いなど、さらに努力されておられることは十分に理解いたすわけでありますが、先ほど申し述べましたような憂慮にたえない現状を踏まえて、今後どのように対処されていかれるお考えかお伺いをいたします。  次は、警察行政について本部長にお尋ねをいたします。  第一点は、交通安全対策等の推進についてであります。交通統計によりますと県下の免許人口は八十四万六千人を超え、自動車保有台数も原付をば含めて百十二万五千台を突破するなど国民皆免許時代、大量交通時代を迎え、ますます交通の過密化、混合化が進む中で、ここ四、五年間の交通事故の趨勢を概観しますと増減の繰り返し傾向を示しているように思われます。昨年は交通事故により全国において九千二百六十一人、本県におきましては警察御当局の御努力により前年より減少したとはいえ、百十八人に上るとうとい人命が失われ、一万七百人余りの人がけがをされておられます。だれもがいつ事故に遭うかもわからないし、また加害者になるかもしれない。一たび事故が起きればその立場を問わず悲惨な結果が待ち受けているのは論を待たないところであります。全国で運転免許者五千万人突破、県下でも約八十五万人という総ドライバー時代に入り、交通安全対策は特に重要な国民課題であると同時に、高齢化社会がますます進む中での老人の交通事故対策、並びに増加する若者運転者の交通事故防止対策、さらにはシートベルト、へルメットの着用促進など総合的な交通事故防止対策の積極的な推進が必要かと思うのであります。  そこで県警本部長に交通事故の情勢及び当面の交通事故防止対策について、どのように取り組まれているのか。なお近く国会に交通違反の増加を抑え、都市交通の流れを円滑にするため交通違反の罰金を二倍に引き上げるなどという道路交通法の改正案が提出されるようでありますが、この点も含めてお伺いをいたします。  第二点は、覚醒剤及びシンナー等の現状と取り締まりについてであります。覚醒剤事犯については近年ますます主婦や学生にも浸透する傾向を強めているということで、しかも覚醒剤は暴力団がその資金源とし、その販売方法も巧妙、潜在化していると聞いておりますので、警察当局の取り締まり検挙は大変御苦労が多いものと思いますが、県民の生活を破綻に導く覚醒剤は、何としても社会から根絶しなければならないところであります。特に本県におけるシンナーなどの乱用についてみますと、検挙、補導人員は昨年一年間に八百人で、前年に比べ三〇%の増となっております。内訳では少年の占める割合が約九〇%、しかも生徒、学生は四三%を占めるに至り、年々増加しているということは非常に憂慮すべき事態であり、青少年の健全育成を図る上からも絶滅を図らなければならないのは言うまでもありません、このような覚醒剤、シンナー等の事犯に対して警察当局は徹底した取り締まりを行っていることは十分知っておりますが、今後これらの事犯の絶滅に対し、どのように対処していかれるのかお伺いをいたします。  次に、本県の警察官の実態についてであります。本県の警察官の実態は一人当たりの分担が人口で全国平均五百五十二人に対し六百九十三人と全国では十八位、九州では二位、負担世帯では全国平均百七十七世帯に対し百八十九世帯と全国、九州ともに一位となっております。  その分担が非常に重くなっており、そのため増員の要望をこれまで毎年県開発促進協議会の要望事項の一つとして強力に陳情されてまいりました。本県の場合特に離島、辺地を多く抱えており、また一方では一点集中する鹿児島市の新興住宅団地等の急激な人口集中地区もあるなど、その適正な配置が強く望まれているのでありますが、このような点を踏まえて今後の治安維持、指導取り締まりに支障はないのか、その実態についてお伺いをいたします。  さらに国は国鉄余剰人員の受け入れについて、鉄道公安官を受け入れる予定と聞いております。知事も我が党の代表質問に答えて、昭和六十五年度までに鉄道公安官を含む百名の受け入れを表明されたわけでありますが、これは本県など警察官の分担軽減につながるのか。またこうした機会に警察官の一人当たりの分担をば軽減すべく定数の増員をば強く要請すべきであると考えますが、本部長の御所見をお伺いをいたします。    〔知事鎌田要人君登壇〕 60 ◯知事(鎌田要人君)答弁に先立ちまして御報告を申し上げる事項がございます。  今次議会で再三御質問をいただいておりました半島振興対象実施地域の指定についてでありますが、かねてから本県は薩摩半島におきまする枕崎、串木野、指宿、加世田の四市及び揖宿郡、川辺郡、日置郡の全町、四市十七町、大隅半島では本県分といたしまして鹿屋市、垂水市及び曽於郡、肝属郡の全町並びに桜島町の二市十八町でお願いをしてまいっておりまして、これに基づいて国土庁が関係各省庁と調整をしてまいっておりましたが、先ほど連絡がございまして、各省庁間の連絡協議調整が終わりまして、この本県の要望どおり、この地域を対象地域とするということで内諾が得られたということでございます。したがいまして、これに基づきまして早速大隅半島の方は宮崎県とも関係がございますので、両方で連携をいたしまして薩摩、大隅半島両半島につきましての地域指定につきましての正式申請を三月十三日に行いまして、二十四日に国土審議会の半島振興対策特別委員会が開催されますので、そこの議を経て三月末に指定の運びとなる、こういう予定でございます。  今日まで皆様方から賜りました種々のお力添えに対しまして心からお礼を申し上げる次第でございます、ありがとうございました。(拍手)  引き続きまして答弁に入ります。  まず、この桜島の火山活動の活発化は依然として続いておりまして、連日豪灰禍に悩まされておられます垂水地域初め、関係地域の住民の皆様方に心からお見舞いを申し上げる次第であります。この桜島火山対策の取り組みにつきましては、私知事就任直後に昭和五十三年でございましたが、この従来の活火山周辺地域の避難施設等の整備等に関する法律、これの改正に取り組みまして現在の活火山対策特別措置法になって、今日まで逐次充実改善が図られておるところでございます。また一昨年の十二月には国土庁に桜島火山対策懇談会を設けていただきまして、そこの提言もございまして、これの実施に向けて全力を挙げて取り組んでおる次第でございます。法改正の問題でございますが、これは今後の重要な検討課題と考えておるところでありますが、桜島の振興対策を現在の活火山法の中に織り込むということにつきましては、従来のこの法律の制定の経緯もございますし、またただいま申しました、ちょうど半島振興法ができ上がりまして、この半島振興法を初めとする地域振興法などの関係もございますので、これにつきましては慎重に検討すべき課題であろうと思っておる次第であります。  当面の問題といたしまして、この半島振興法に基づきまして地域の振興計画をそれぞれの市町村と県と協議しまして、六十一年度中にこの計画を立てることになっております。その中でそれぞれの地域の振興計画というものが当然出てまいるわけでございまして、そういうものを半島振興法のベースの中でやるか、この活火山法の改正ということで、もう一つ特段の対応をするかということにつきまして、私どもももっと勉強をしなければならない問題もあろうと思いますので、当面この半島振興計画の中でどのようにして実効的な振興計画を織り込んでいくかということが、まず時間的にも当面の問題になってまいります。なお、この点につきまして桜島地域の振興だけでなくて、活火山の影響を受けておる地域の振興ということにつきまして、実効ある対策というものをお互いに研究をしてまいりたいと思つておる次第であります。  次に、本県の青少年非行の状況でありますが、昭和六十年を取ってみますと前年に比べまして依然として増加を続けておる、また御指摘のとおり中学生あるいは高校生、小学生こういったところの刑法に触れる行為を行った少年もふえておるわけでありまして、まことに心を痛めておるところであります。ただ全国統計と比較をしてみますというと、例えば犯罪少年の発生数なり、いじめの発生件数、比較の問題でありますけれども少ない方でございますので、大部分の青少年は健全に育ちつつあるという状況も、また私どもは認識をしてまいらなければならないだろうと思います。このような大部分の青少年の健全な育成にさらに力を加え、また現在の非行の青少年の絶滅を期して、さらに取り組んでまいらなければならないと思います。青少年非行の背景といたしましては、いろいろのことが挙げられるわけでありますけれども、やはり基本的には家庭の教育力というものが低下をしてきておる、あるいは学校の教育力の低下と、また地域社会の抑止力と、こういったもの等が弱ってきておると、こういった家庭、学校、社会を通じてのバックグラウンドがありますし、また青少年自身の自立心の欠如あるいは規範意識というものが薄くなってきておると、何よりも自己中心でこらえ性がないというところが、やはり私どもの育った時代に比べると大分違ってきておるように思います。今後も青少年自立自興運動をさらに強力に推進をしてまいりまして、ただいま申しましたように、家庭、学校、地域社会あるいは関係行政が、一体となりまして非行防止と健全育成に努める体制を整えてまいらなければなりませんし、せっかく青少年育成の企図を初めとするいろいろの試みも進めておるところでありますので、これを中心にいたしまして、できるだけたくさんの青少年が積極的にいろいろな活動に参加をしまして、相互練磨によって欠けておりますところの規範意識あるいはこらえ性、思いやりの心と、こういったものを培ってまいるということに努めてまいらなければならないと思います。  それから青少年自立自興運動についてでありますが、この運動も五十五年から県民運動として取り組んでおりまして各地で熱心な取り組みが行われ、それぞれの成果が挙がっておると思いますが、率直に申しまして地域ごとに市町村ごとに、この取り組みに強弱といいますか、積極性においてかなりのばらつきがあることも事実でございます。そういったことから青少年自立自興運動の活性化、マンネリ化を防ぎまして活性化を図ってまいりますために、ただいまの指標を持って毎年の到達目標を確認しながら県民参加、協力のもとにこれを推進すると、極めてこれは有効な方策であろうと思います。ただ、この種の県民運動の目標は指標化できないものがありますので、私が今考えておりますのは、取り組みの現況というものを今の指標化も含めまして九十六市町村で進んでおるところ、中くらいのところ、それからずんだれておるところと、こういうところをある程度やはり公表をして、それでそれぞれの地域の中で盛り上げを図っていくということをやはりひとつ御提言の趣旨を生かす意味で、始めてまいったならばどうであろうかというふうに考えておるわけでありまして、鹿児島の宝はいつも言っておりますように人であり、青少年であるわけでありまして、この青少年が非行化が進むということになりますと、宝がなくなるわけでありますので、そういった意味でやはり子を持つ親も、そうでない親も、県民全体本当にやはり県の共通の課題として、この問題に取り組んでいただきたいという気持ちを持っておる次第であります。  なお、青少年育成市町村民会議の設置状況でありますが、これは五十九年度末三十八市町村に対しまして現在一は四十八市町村、こういうことでございます。ただ市町村の中におきましては、青少年問題協議会をもってこの育成会議といわば表裏として一体としてこれを活用してまいりたいと、こういう状況もあると伺っておりますが、いずれにいたしましても、この育成会議は実践推進機関でございますので、これのやはり設置ということについてお願いをしてまいりたい。また予算等の面においても出しておりますように、幼児からこの青少年に至るまでの一貫した育成策、これは科学心を培う、あるいは国際性を養うと、こういったこと等も含めましての心身ともに健全な青少年の育成についての方策につきましては、さらに充実強化を図ってまいりたいと考えておる次第であります。 61 ◯農政部長(笹田昭人君)防災営農対策につきましては、活動火山対策特別措置法に基づく第四次防災営農施設整備計画に即しまして水源の確保、除灰対策等各種事業を実施いたしますとともに、これに加えましてお話もございました被覆資材の耐久性に関する調査等を進めましたほか、昨年十一月には防災営農ガイドラインを作成しまして関係方面に配布し、その普及を図ったところでございます。昭和六十一年度の防災営農対策事業につきましては、厳しい財政状況の中ではございましたが、国の特段の配慮が得られまして、前年度対比一〇二%の事業費枠と現行補助率が確保されたところでございます。  これまでの調査検討の成果を踏まえ、ビニールハウスの新たな被覆資材を補助対象にすることを含め、引き続き本事業の強力かつ重点的な推進を図ってまいることにしております。昭和六十一年度は現行の第四次防災営農施設整備計画の最終年度でございますが、桜島の火山活動が鎮静化する傾向にない現状にかんがみまして、昭和六十二年度以降も引き続き防災営農対策を講ずる必要があると考えますので、六十二年度以降の第五次防災営農施設整備計画の進め方について実効あらしめるよう本対策の一層の充実強化を図る方向で農水省等国の理解、協力を得ながら鋭意検討を進めまして昭和六十二年からの第五次計画の決定を期してまいりたいと考えております。 62 ◯警察本部長(山崎 毅君)三点について御答弁申し上げます。  まず交通事故の問題でございますが、御指摘のとおり県下の交通死亡事故は一昨年から減少傾向にありまして、昨年は昭和三十八年以来の最小数に減少いたしました。しかしながら交通事故そのものの発生件数あるいは傷死者の数は増加をいたしておりまして、特に傷者の数は昭和五十五年以降六年連続して一万人を超えるという状況にございます。その中でも御指摘にありましたように高齢者の事故、そして二輪車の事故等が増加傾向にございまして、県内の交通情勢は依然として厳しいものがあるというぐあいに認識をいたしております。したがいまして、今後も交通安全協会など関係機関団体と協力をしまして、総合的な交通事放防止対策を推進していきたいというぐあいに考えております。特に高齢者対策、若者を中心とした二輪車対策が緊急の課題であるというぐあいに考えておりますので、これらを対象とした交通安全教育なり、あるいは交通指導取り締まりなどにつきまして、既存の施策を見直すとともに、より効果的な対策というものを積極的に推進してまいりたいというぐあいに考えております。  次に、お尋ねの道交法の改正試案の内容でございますけれども、本年二月七日に警察庁が示したものは三点ございまして、第一点は都市部における違法駐車対策としてチケット制による短時間駐車方法等を内容とする駐車関係の規程の整備ということでございます。  第二点は、昭和三十五年以来据え置かれております罰金の引き上げ、そして昭和四十八年以来据え置かれております反則金の限度額の引き上げ。  それから第三点は、交通反則通告制度の適用範囲の拡大ということでございまして、近く国会に提案すべく現在作業中であるというぐあいに聞いておるところでございます。  次に、覚醒剤それから薬物乱用事犯の問題でございます。御指摘のとおり覚醒剤事犯、シンナー乱用事犯は増一加傾向にありまして、その中でもこれも御指摘にございましたが、少年によるシンナー等の乱用事犯は著しく増加をしておりまして、私どもも少年の健全育成の上からも憂慮をしているところでございます。これら薬物乱用事犯等の絶滅につきましては県警察の運営重点の一つに掲げまして、全組織を挙げて取り組んでおるところでございますけれども、その防止策としてはいろいろあるわけでありますが、一つは末端乱用者の検挙、そして密売者、密売元の徹底検挙、それから暴力団の徹底検挙による供給源の根絶、それから県民への広報、啓発、またシンナーにつきましても悪質な販売業者を徹底して検挙をしまして供給源を絶つとか、あるいは御指摘の中、高校生対策、これは学校あるいは教育委員会御当局とも連携をしながら抑止対策を強化してまいりたいと、また知事部局なり関係機関団体との連携によります抑止対策もさらに強化をいたしまして、この種事犯の防止に努めてまいりたいというぐあいに考えております。  最後に警察官の増員の問題でございますが、御指摘のとおり本県の警察官一人当たりの負担人口及び負担世帯数は全国平均、九州各県平均に比べ重い実情にございます。そうしたことから毎年県の開発促進協議会の政府予算等に対する重点要望事項の一つに警察官の増員要求を取り上げていただきまして、御協力をいただいておるところでございます。警察官の配置につきましては、それぞれの地域の特殊事情あるいは事件事故の発生状況等を総合的に勘案をいたしまして、治安の維持に支障が生ずることがないように弾力的な配置運用を行っておるところでございますが、今後も限られた人員で最大の成果を上げるべく努力をいたしてまいりたいと思います。  また鉄道公安官の受け入れ問題でございますが、これは現在鉄道公安が所掌しております事務が、そのまま警察に移るということで、直接には警察官の負担軽減につながるものではございませんが、昭和六十一年度政府予算案の中で鉄道公安制度廃止後の鉄道にかかわる公安維持のための要員として、本年の十月一日から全国規模で二千八百八十二人の地方警察官の増員が盛り込まれております。これが認められた場合には警察庁が示した範囲内で鉄道公安職員を本県警察官として受け入れる方向で現在関係機関と協議中でございます。    〔梶原修一郎君登壇〕 63 ◯梶原修一郎君 それぞれ御答弁をいただきありがとうございました。桜島の活動火山対策につきましては、ただいま知事並びに農政部長の御所見、御答弁で一応は了解をいたし、これまで当局の御努力に対し、また取り組みについては理解をいたし深く感謝をいたします。しかしながら長年の声にならない苦しみと、いつやむともわからない全くお先真っ暗な現状に関係地域住民は現行の対策だけでは全く希望は見出せないわけでございまして、逆にいらいらはますます募るばかりでございます。知事の強調される自立自興の意欲どころか、新総合計画で示された二十一世紀へ向けて飛躍する基礎固めの道さえ見失い、じり貧状態に追い込まれております。これは私の垂水市の市民所得が県下十四市の中で最下位、県下九十六市町村の中でも六十九位という事実を取ってもおわかりになっていただけるのではないでしょうか。活動火山対策特別措置法が豪雪地帯対策特別措置法と同じく法の目的に地域振興が加えられてまいりますと、その整備計画の中に農業、林業にかかわる防除、その他生産条件の整備、特殊事情に即応する教育施設、保健衛生施設、社会福祉施設の整備、降灰の影響により劣っている産業等の基礎条件の改善、普通交付税への補正制度、税関係でも既に認められた雑損控除に加えて木造家屋の評価についての特別損耗による経年限定補正率の特例など、各面にわたって幅広くその対策が期待され、関係地域住民も希望が与えられるのではないかと思います。知事は先ほど半島振興法が内定したということを御報告になりました。そしてこの桜島の火山対策をば半島振興法の中でやっていくのか、また桜島対策特別措置法の改正でやっていくのか、今後検討しながらこれに対処してまいりたいという決意のほどをば伺ったわけでございますが、やはり私はこの恒常的な災害になっておるわけでございますので、どうか知事が先頭になってこの法改正へ向けて真剣に取り組んでいただくよう私は住民の心からの願いを込めてお願いを申し上げておきたいと思います。  通告しておきました警察行政の警備問題につきましては、次の機会に譲ることとして私の個人質問をば、これにて終わらしていただきます。  ありがとうございました。(拍手) 64 ◯議長(原田健二郎君)これで、本日の日程は終了いたしました。       ─────────────    △ 日程報告 65 ◯議長(原田健二郎君)三月十日は、午前十時から本会議を開きます。  日程は、県政一般に対する個人質問であります。       ───────────── 66 ◯議長(原田健二郎君)本日は、これで散会いたします。         午後四時十四分散会 鹿児島県議会 ↑ ページの先頭へ...